ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(介護給付費分科会)> 第117回社会保障審議会介護給付費分科会議事録(2014年12月19日)




2014年12月19日 第117回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

老健局老人保健課

○日時

平成26年12月19日(金)14:00~17:00


○場所

ベルサール半蔵門 ホール(2階)


○出席者

阿部、安部、井口、井上、内田、大島、大西、河村、小林、齋藤(訓)、齊籐(秀)(小野参考人)、佐藤、鈴木、鷲見、武久、田中、田部井、東、平川、福田(亀田参考人)、堀田、本多、村上(桝田参考人)、山際委員(敬称略)

○議題

1.平成27年度介護報酬改定に向けて(審議報告の取りまとめに向けて)
2.その他

○議事

○迫井老人保健課長 それでは、定刻となりましたので、第117回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させていただきます。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。

 本日の委員の出欠状況でございます。亀井委員から御欠席の御連絡をいただいております。また、齊藤秀樹委員にかわりまして小野喜彦参考人、福田富一委員にかわりまして亀田隆夫参考人、村上勝彦委員にかわりまして桝田和平参考人にそれぞれ御出席をいただいております。

 以上より、本日は24名の委員に御出席をいただいておりますので、社会保障審議会介護給付費分科会として成立することを御報告させていただきます。

 それでは、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御協力方よろしくお願いをいたします。


(カメラ退室)


○迫井老人保健課長 以降の議事進行につきましては、田中分科会長にお願いをいたします。


○田中分科会長 皆さん、改めましてこんにちは。本日は、平成27年度介護報酬改定における審議報告の取りまとめに向けた議論を行います。

 初めに、事務局より資料の確認をお願いします。


○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。

 それでは、お手元の資料を確認させていただきます。

 議事次第、委員名簿、座席表がございます。

 その後ろに資料1といたしまして、本日、これを中心に御議論いただきますが「平成27年度介護報酬改定に関する審議報告(案)」でございます。

 資料2は1枚紙でございますけれども、「地域密着型通所介護の基準創設に伴う整理」というものでございます。

 以降、参考資料が6つございますけれども、参考資料1はかなり分厚い資料になってございますが、これまで給付費分科会資料より抜粋ということで参考資料1でございます。

 以降、参考資料2~6でございますが、それぞれ委員のほうからの御提出でございます。

 参考資料2は内田委員提出でございますけれども、「平成27年度介護報酬改定にあたっての要望書」。

 参考資料3は齋藤委員御提出でございますけれども、「平成27年度介護報酬改定に関する審議報告について」。

 参考資料4は鈴木委員提出でございますけれども、「平成27年度 介護報酬改定に関する意見」。

 参考資料5は田部井委員御提出でございますが、「2015年介護報酬改定に向けた意見書」。

 最後、これは村上委員御提出でございますけれども、全国老人福祉施設協議会意見というものでございます。

 資料の過不足等ございましたら、事務局のほうにお申しつけいただければと思っております。

 以上でございます。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 それでは、議事次第に沿って進めてまいります。

 資料について事務局より説明をお願いします。


○迫井老人保健課長 それでは、老人保健課長でございます。

 資料1をお手元に御用意いただきたいと思います。あわせまして、参考資料1を適宜御参照いただくことになると思います。

 資料1でございますけれども、これは本日提出をさせていただきます審議報告の案でございまして、今回これを中心に御審議いただきたいと思っております。冊子といたしまして40ページでございますが、枚数が多くなっております。まず最初に全体の構成を御説明しておきます。(ローマ数字1)~(ローマ数字4)までの構成になっておりまして、(ローマ数字1)が4ページまでとなっておりますけれども、これは総論的な今回の改定に関する基本的な考え方、以前1015日だったと思いますけれど、基本的な視点ということでお示ししたものを少し加筆しております。大半の部分は既にお目通しいただいている文章でございます。後で簡単に御説明いたします。

 第(ローマ数字2)部、5~18ページになりますけれども、基本的な考え方の視点1、2、3と3つ柱を掲げてございますけれども、この3つの視点、考え方に基づきまして、あとの第(ローマ数字3)部に出てまいります全ての項目の中から主要なものについて抜粋して並べかえて施策ごとに対応したもの、これが第2部でございます。

 最後、第(ローマ数字3)部、第(ローマ数字4)部。第(ローマ数字3)部はサービスごとの具体的な報酬の改定に係る審議のまとめでございまして、1939ページまでございます。

 最後第(ローマ数字4)部、40ページは今後の課題ということで1枚紙、こういう構成になってございます。順次御説明させていただきます。

 まず、1~4ページまでの第(ローマ数字1)部。先ほど申し上げましたように、今回の改定に係る基本的な考え方ということで、1ページの「1.基本認識」から○で幾つかございます。これは既に一度おおむね見ていただいている内容でございますけれども、介護保険制度創設ちょうど15年目という位置づけから、2025年度団塊の世代、75歳以上を迎えるという将来的な推計を念頭に、今回の改定に係る認識が1~2ページにかけて記載させていただいております。これは既にお目通しいただいているものでございます。

 2ページの下半分、2ポツとなってございますけれども、前回これをお目通しいただいたときには、27年度介護報酬改定の基本的考え方ということで、この審議報告(案)では2ページ、3ページ、4ページにかけて、(1)(2)(3)と記載してございます。これは前回お目通しいただいたときには○でちょうど3つだったものを少し書き下してございます。

 2ページ、3ページでございますけれども、2ページの2ポツ「(1)中重度の要介護者や認知症高齢者への対応の更なる強化」ということで少し具体的に書き下させていただいておりまして、医療ニーズが今後増大していく、あるいは介護ニーズが増大していく中重度者の要介護者あるいは認知症高齢者につきまして地域包括ケアシステムの基本的な考え方を実現しつつ対応していくという視点で具体的な解説をさせていただいております。それが2~3ページにかけての(1)の1つ目の柱の中重度の要介護者や認知症高齢者への対応のさらなる強化。

 3ページでございますけれども、下半分で(2)、2つ目の柱でございますけれども、「介護人材確保対策の推進」でございまして、これも以前は○の1つのパラグラフでございましたけれども、少し詳し目に今回の改定に当たってどのような視点で臨んでいくのかということをもう少し詳しく書き下してございます。

 4ページ、3番目の柱でございますけれども、「(3)サービス評価の適正化と効率的なサービス提供体制の構築」ということで、これも3の●に書き下させていただいているということでございます。

 次に、5ページから(ローマ数字2)、これは今御説明しました第(ローマ数字1)部の(1)~(3)、3つの柱につきまして、この後、細かく御説明させていただきますけれども、個々のサービスごとの対応の内容、これはもともと分科会で御審議いただいたものをまとめているものでございますけれども、この中で先ほどの第(ローマ数字1)部の3つの視点ごとに組み立て直してサービス横断的に再整理をさせていただいているということでございます。

 例えばで簡単に御紹介いたしますと5ページでございますけれども、最初の1つ目の柱、上から4行目あたりになってございます。中重度の要介護者や認知症高齢者への対応へのさらなる強化ということで、これは1つ目の柱でございます。これにつきましては、A~Dの4つ、さらに内容的に施策としてまとめてございます。

 5ページのAでございますけれども、地域包括ケアシステム構築に向けた対応ということで、大きくは(1)~(3)、3つございますけれども、5ページの真ん中辺の(1)を見ていただいておりますが、中重度の要介護者を支援するための包括報酬型、すなわち、定期巡回・随時対応でございますとか小規模多機能複合型の充実、これが(1)でございまして6ページ、下から3分の1ぐらいを2番目の柱として中重度の要介護者は在宅、居宅の生活に移行または継続するための支援ということで、これを従来御議論いただいたときはサービス別でございましたが、例えば6~7ページにかけて、こういったテーマでショートステイ、短期入所生活介護についてどんな対応をしていくのか。7ページ、(マル2)でございますが、介護老人福祉施設についてこういったテーマでどう対応するのか、あるいは7ページの真ん中辺(マル3)でございますが、老健施設についてどう対応するのか、こういったことを施策の単位で改めて組み立てて御説明しております。

 7ページの(3)以降、その他の中重度者関係の対応、認知症関係の対応をまとめて記載しております。それが1つ目の柱のAでございまして、10ページ、次はBということで2つ目、リハビリテーションの推進ということで今回重点的に対応しております。これは共通テーマといたしまして、バランスのとれたリハビリテーションの実施、特に活動と参加に焦点を当てたリハビリテーションを推進していくというさまざまな対応について10ページにまとめてございます。

11ページ、Cでございますが、3つ目の施策の共通テーマでございますが、看取り期における対応の充実。個別のサービスの議論でもお示ししておりますが、今回の改定では看取り期における対応の充実といたしまして共通テーマといたしまして、四角に囲ってございますけれども、本人家族とサービス提供者との十分な意思疎通を促進すること、これを共通のテーマとして掲げまして、さまざまなサービス種別で同じようなテーマで強化、対応を充実させてきたということで、そのことを1112ページにかけて御紹介しております。

 最後、12ページ、Dでございますけれども、口腔栄養に係る取り組み、自分の口から食べる楽しみを得られるようにという共通テーマで施設系について充実させた。これが施策でいうと1つ目の柱でございます。

 同様に1314、施策の2つ目の柱、13ページでございますけれども、人材確保の関係で処遇改善加算に関する部分、サービス提供体制強化加算に関する部分をまとめてございます。

14ページ、15ページ以降でございますが、14ページ、サービスの評価の適正化あるいは効率的なサービス提供体制の構築ということで、さまざまなサービスの評価の適正化でございますとか、15ページでございますけれども、集合住宅に関する全体的な取り扱い等々をまとめて記載をさせていただいているということでございます。

 繰り返しになりますが、ここに記載させていただいております2部のものは全て3部に記載があるものをまとめて組み立て直しているものでございますので、今から御説明します具体的な内容は19ページからの(ローマ数字3)の第(ローマ数字3)部の中身に沿いまして御説明をさせていただきたいと思っております。

19ページ、第(ローマ数字3)部でございますけれども、ここからはサービスごとでございます。

 お手元の参考資料1、分厚い資料でございますけれども、これがこれまでの分科会で資料として提出をさせていただきましたもの、その中で論点にかかるものを順番に抜き書きをしておりますので、適宜時間もございませんので簡単に御紹介をしながら御説明をさせていただきます。

 まず、本体の資料の19ページの居宅介護支援でございます。参考資料でいきますとスライド番号で申し上げますので2ページになります。

 (マル1)は認知症の加算、独居高齢者加算の取り扱い、これは基本報酬への包括化ということで参考資料では2ページになります。

 2点目、公平・中立性の確保の推進ということで、これは参考資料でいきますと4ページ、4コマ目になりますけれども、正当な理由のない特定の事業所へのサービスの集中、偏りの割合ということで減算の規定がございます。これにつきましては、審議の中で適用要件についていろんな地域における取り扱いの違いがあるのではないかという御指摘も得ましたので、審議報告では、この論点を踏まえた形で19ページでございますけれども、3行目あたりにございますが、適用要件の明確化を図りつつということで、そこに関する対応については明記をさせていただきまして、そこの部余分については配慮していくということを加筆させていただいております。

 申し遅れましたが、居宅介護支援につきましては、もともと御審議いただいたときに福祉用具のみのケアプランに関する報酬の見直しの御提案をさせていただきましたが、御審議では必ずしもそういったことについて十分な御賛同をいただけるような審議ではございませんでしたので、事務局のほうからここにつきましては提案を取り下げさせていただいておりますので、そこの部分について分科会の資料から抜けております。そのことを申し上げておりませんでしたが、それがございます。

19ページの(マル3)、資料でいきますと9ページになりますけれども、質の高いケアマネジメントを実施する事業所の評価の推進。

 (マル4)でございますけれども、介護予防支援に関する新総合事業の導入に関する報酬の見直し、これは参考資料で16ページになります。

19ページ(マル5)(マル6)、これは以降、同様でございますけれども、下線が引いてある事項につきましては、既に前回の審議会、当分科会におきまして基準省令を設定するという観点で一度お示しをしてパブリック・コメントにかけさせていただいている部分でございますので、本日の御説明は省略をさせていただきます。全く同じ内容でございます。

 同じく19ページの(マル5)(マル6)のあたり、括弧書きのサブタイトルに★印がございます。これは6ページのフットノートに記載がございますけれども、実はサービスの中には介護予防の取り扱いについて同じような体系が維持されているものがございますので、重複して介護予防だけ同じような記載をすることを避けるために、介護予防が同じような対応をする場合には、本来の資料の6ページの下にフットノートで小さく書いて恐縮でございますが、見づらいかもしれませんが、介護予防も同様の措置を講じる場合には★印を付記と書いてございます。ですので、19ページ以降も同様ですけれども、これは第2部も同様なのですが、★印記載のものは介護予防についても同じような扱いですよということを記載しておりますので、このことも御紹介しておきます。

 おめくりいただきまして、以上が居宅介護支援に関するもの。20ページからですが、訪問系サービスが続きます。

 まず(1)でございますけれども、訪問介護でございます。これは前回いろいろ御審議をいただいた中で御意見をいただきましたので、記載については少し修正をいたしております。参考資料でいきますと20ページに該当いたします。20分未満の身体介護の見直しの関係です。対象者の要件につきまして、前回の分科会、これは前回と言いましても前回の審議は1022日だと思いますが、夜間・深夜・早朝時間帯につきまして、日中時間帯と同様に要介護3以上であって一定の要件を満たす者のみという形で御提案しておりましたけれども、分科会でいろいろな御指摘を受けましたので、要介護3以上の者に加えて要介護1及び要介護2の者のうち、例えば認知症でございますとか、そういった特に必要と認められるものに関しましての算定を認めるということで記載を修正いたしております。

 もう幾つかございますが、体制要件。これは定期巡回・随時対応の整備予定にかかわらず20分未満の身体介護の算定を認めるということで変更しております。通常の訪問介護と同様に、前回訪問いたしました訪問介護からおおむね2時間以上の間隔をあけるということは求めるということを明記させていただいております。従来どおり2時間以上の間隔をあけずに20分未満の身体介護を頻回に行うというものにつきましては別途要件を定めるという形で整理させていただいてございます。この20分未満の身体介護の見直しにつきましては、分科会の御審議を踏まえまして、分科会で御提案したものについては修正をさせていただいているということでございます。

 次に、訪問介護の2点目、(マル2)でございますけれども、本体資料の20ページ、スライドでいくと参考資料の25ページ、これはサービス提供責任者の配置基準の見直しに関しまして、下線が引いてある基準省令設定の関係のもの以外にも報酬に関するものがございましたのでここで改めて記載させていただいております。これは御審議いただいた内容そのものでございます。

 次に(マル3)でございますが、訪問介護員2級課程修了者であるサービス提供責任者に関する減算の取り扱い、これにつきましては参考資料28ページの内容の記載でございます。

 4番目、(マル4)でございますが、生活機能向上の連携加算の拡大、これは32ページの記載でございます。

 隣の21ページにいきまして、(マル5)は既にお示しのものでございまして、ここまでが訪問介護ということになります。

 次に、訪問看護でございますけれども、参考資料でいきますと35ページになります。

 (マル1)でございますが、中重度の要介護者の在宅生活を支える訪問看護体制の評価ということで御審議いただいた内容を記載しております。

 (マル2)病院・診療所からの訪問介護の充実につきまして、参考資料37ページの内容でございます。

 (マル3)訪問看護ステーションにおけるリハビリテーションの見直しということで、これは参考資料でいきますと2カ所でございますが、39ページ及び41ページの内容につきまして、ここで整理をいたしてございます。

 以上が訪問看護関係でございます。

 引き続きになりますが、訪問リハビリテーション、これは参考資料でいきますと44ページになりますけれども、リハビリテーションマネジメントの強化ということで、これは基本報酬等のやり方を含めて対応するということでございます。

 本体資料で(マル2)になりますが、短期集中リハビリテーション実施加算と個別リハビリテーション実施加算の見直しということで、資料でいきますと48ページでございます。

 本体資料をおめくりいただきまして22ページでございます。参考資料でいきますと49ページになります。(マル3)社会参加を維持できるサービス等への移行できる体制の評価ということでございます。

 ここまでが訪問リハビリ関係でございます。

22ページ、訪問系最後でございますが(4)となっております。集合住宅に居住する利用者へのサービス提供でございます。参考資料でいきますと51ページでございます。ここまでが訪問系でございますけれども、1点補足をさせていただきますと、参考資料の52ページに記載の部分でございます。ここにつきまして、例えば参考資料51ページの対応(案)のところがポツで書いてございますが、この審議をさせていただいた時点では古い従来の制度でございます旧高齢者専用賃貸住宅、いわゆる高専賃、これについても含めて整理をすると記載させていただいております。ですが、その後、改めまして確認をいたしましたけれども、既に制度の改正が平成231020日で実施をされて制度上廃止をされておりますので、地方公共団体における登録の除外となってございます。ですから、最終的な審議報告では、分科会の資料ではそういった記載がございましたが、22ページの(ア)のそこの部分の記載は削除させていただいておりますので、サービス付き高齢者向け住宅に限るということで、そこの部分の修正をさせていただいてございます。

 ここまでが訪問系のサービスでございます。

 次に、通所系のサービスでございますけれども、22ページ「(1)通所介護」の(マル1)でございますが、参考資料の57になります。在宅生活の継続に資するサービスを提供していく事業者の評価。

 (マル2)でございますが、参考資料でいきますと59ページ、心身機能訓練から生活行為向上訓練までの総合的に行う機能の強化。

22ページの「(1)通所介護」の(マル3)でございますけれども、地域連携拠点としての機能の充実は参考資料でいきますと60ページになります。

 次に、隣の23ページに移っていただきまして(マル4)でございます。基本報酬の見直し関係、これは参考資料でいきますと61ページということになります。

 (マル5)看護職員の配置基準の緩和ということでございます。これは参考資料でいきますと65ページに記載がございます。

 (マル6)地域密着型通称介護に係る基準の創設ということでございます。基準関係の記載がございますけれども、報酬の関係がございまして、報酬に関しますと資料については参考資料の66ページでございますけれども、こういった報酬の対応をするということでございます。

 通所介護の23ページ、(マル7)になりますが、小規模多機能居宅介護のサテライト型事業所への移行に向けた経過措置、これは69ページに参考資料が該当いたします。

 次が(マル8)でございますが、参考資料70ページになりますけれども、通所介護、大規模型、通常の規模型、これはサテライト型事業所への移行ということでこういった対応をするということでございます。

 以降は既にお示ししているものでございますので、次は24ページになりますが、療養通所介護でございます。療養通所介護は参考資料でいきますと該当するのは72ページになります。

 (マル2)(マル3)と記載がございます。これは既に前回の施設関係のところでお示しをしておりますが、補足を若干させていただきたいと思いまして、これは別途資料を用意いたしました。お手元1枚紙、資料2をご覧いただきたいと思います。これは何を記載しておりますかといいますと、療養通所介護につきましては、通所介護の一環という形で含めて整理いたしましております。ですので、同じような対応をするということで運営推進会議の設置、地域との交流、同一建物に居住する者以外へのサービス提供に関する努力義務、これは同じく適用されます。

 この資料2で少々細かい話かもしれませんが、※印をつけさせていただいております。これは運営推進会議の設置を求めるということではございますけれども、一方で、療養通所介護につきましては、資料2の一番下の※のところに書いてございますが、療養通所会議につきましては、現行規定上、安全サービス提供管理委員会というものを既に設置を求めておりまして、これにつきましても一定の頻度で開催を求めております。御案内のとおり、療養通所介護につきましては、そもそも重度の方が多くて、比較的規模としても小さい形で運用されておりますので、この運営推進会議につきましては設置は求めますけれども、やはり現実の問題として、そういった運用につきましては一定程度、例えば開催頻度に関して配慮をすると、弾力的な運用をさせていただきたいと、そういうふうに配慮したらどうかということで、これはこれまでの審議以降整理させていただいて、こういう御提案を含めてのことでございますけれども、一応そういったことを念頭に、ここについては整理をさせていただきたいということを資料を提出させていただいた上で御提案させていただきます。

 療養通所介護の関係で既にお示しをしているもの以外の補足的な対応がございますので、御説明させていただきました。

 次に、本体の資料に戻っていただきますけれども、24ページ(3)でございます。通所リハビリテーション。これにつきましては参考資料でいきますと77ページになります。リハビリテーションマネジメント関係でございます。

 (マル2)、これは参考資料80及び81ページになりますけれども、短期集中リハビリテーションの実施加算、個別リハビリテーション実施加算の見直しの関係。

 (マル3)でございますが、認知症短期集中リハビリテーション関係の対応、これは参考資料83ページになります。

 引き続き25ページになりますが、(マル4)(マル5)と続きますけれども、参考資料でいきますと84ページになりますが、活動と参加に焦点を当てた新しい体系。同じく社会参加を維持できるサービスへの移行の体制の評価、これは(マル5)でございますが、参考資料は87ページになります。

 (マル6)重度者関係、これは参考資料でいきますと89ページになります。同じく次の参考資料90ページになりますが、本体資料でいきますと(マル7)になります。重度療養管理加算の拡大になります。

 ここまでが通所系のリハビリテーションですけれども、25ページ(4)から下、これは共通の関係でございまして、(マル1)(マル2)(マル3)とございますけれども、参考資料でいきますと939596、このあたりは既に御審議いただいたものでございますので簡単に御紹介します。

26ページ、リハビリテーション関係、これは以前お示ししているものが(マル1)(マル2)(マル3)と26ページ上半分ですが続きます。一言だけ御留意いただきたいのですが、前回お示しした基準省令の関係の対応では、26ページの(マル2)(マル3)に該当する部分には★印がついておりませんでしたといいますか、介護予防も同様だというような明記はございませんでした。ただ、これは精査をいたしまして、同様の対応とさせていただきたいということでございますので、★印を記載した上で改めてこういう形で審議報告に入れさせていただきたいということでございます。

 ここまでがリハビリテーション関係、通所関係でございます。

 次が26ページ「5.短期入所系サービス」、参考資料98になりますけれども、緊急短期入所に係る加算の見直し、緊急時の規制基準の緩和、参考資料99になりますが、ADLIADLを維持した機能訓練関係の話。重度者対応が参考資料でいきますと100ページになります。

27ページでございますが、(マル5)(マル6)と続きますけれども、(マル5)につきましては参考資料102になりますが、長期利用者の基本報酬の適正化。(マル6)緊急時の短期利用、宿泊ニーズの関係。基準関係もございますが、一部報酬関係がございますので103でございますけれども、報酬上の規定で実証するものが参考資料でいきますと103になります。

 短期入所の療養介護関係が1点ございまして、これは参考資料105になりますが、リハビリテーション評価の見直しについての御議論がございましたので記載しております。ここまでが短期入所系でございます。

27ページ、6ポツ、特定施設でございます。参考資料108でございます。

 2番目、認知症専門ケアの関係、これは参考資料110ページ。それから、看取り関係、これは先ほど総論的なところで触れましたけれども、114ページでございます。おめくりいただきまして本体資料28にかけてございます。

28ページの(マル4)(マル5)、これは117ページ、119ページでございますが、基本報酬の見直し関係、短期利用の要件緩和の関係がございます。

 ここまでが特定施設入居者介護の関係でございます。

 長くなって恐縮でございますが、引き続き2829ページにかけまして7番目になっておりますが、福祉用具関係でございます。参考資料でいきますと122ページ、複数の福祉用具の関係でございます。

 福祉用具関係は以上でございまして、次に29ページ、地域密着の関係になります。

 まず(1)定期巡回・随時対応の関係ですが、参考資料でいきますと126ページになります。通所サービスの利用時の減算の関係の記載がここにございます。128ページ、集合住宅の関係はここに記載がございます。

 ここまでは定期巡回・随時対応でございます。

30ページをおめくりいただきまして、小規模多機能になります。小規模多機能につきましては、133ページ、135ページで(マル1)でございますけれども、サービスの機能強化ということで幾つかの対応をいたしますということです。

 次、(マル3)は看取り期の関係、先ほども触れました136ページに記載がございます。これは大体共通テーマでございます。

30ページの(マル5)でございますが、これは基準省令の関係の対応が既にございましたけれども、その時の御議論といたしまして、看護職員の配置の関係でございますけれども、前回の1022日の分科会で看護職員配置加算の加算要件に関します御議論の中で、人材確保の観点から常勤の看護師、准看護師も含むということで配置を要件とする看護師職員配置加算の加算要件を緩和するということでございましたけれども、そこではいろんな御指摘がございましたので、現行の常勤配置要件を残しつつ、新たに常勤換算要件による加算を設けるというようなことで対応してはどうかということで、前回の分科会資料を一部修正させていただきまして、この30ページの下2行を提案させていただいているということでございます。

31ページ、(マル6)は既にお示ししている内容でございまして、(マル7)同一建物の関係で、資料でいきますと138ページになります。(マル8)事業開始実施支援加算の見直し、これは140ページになります。

 (マル9)(マル10)、下線は引いてございませんけれども、基準省令ということではございませんが、既にこれは配置関係のことでございますのでお示しをしておりますので、参考資料はございませんけれども、(マル9)(マル10)、職員配置の緩和でございますとか、併設の関係の整理をいたしてございます。これは基準省令関係ではございませんので、下線引いてございません。

 これは141ページに参考資料がございますが、(マル11)中山間地域等における小規模多機能型居宅介護の推進ということで記載がございます。

 次、複合型でございますが、3132ページにかけてでございますけれども、参考資料でいきますと135ページ、143ページ、そのあたりでございます。中重度の対応の関係、(マル2)は同一建物に関する見直し、これは147ページにございます。それ以外は基準関係で全てお示ししておりまして、最後、32ページの(マル6)になりますけれども、複合型関係。事業開始時支援加算の延長ということで御提案がございます。

 1点、補足をさせていただきますと、これは平成29年度末まで延長ということで明記させていただいておりますけれども、前回分科会資料、これは単純な誤植でございまして、平成30年という記載になってございました。これは訂正させていただきますが、この審議報告(案)が正しい記載でございまして、平成29年度末までの延長ということでございます。

33ページから(4)ということで総合マネジメント加算の取り扱い、これは参考資料154ページになります。

 地域密着、「(5)認知対応型共同生活介護」ですが、参考資料166ページになります。

 看取り関係は(マル2)でございますが、これは先ほどから何度も出ています168ページが参考資料でございまして、認知症グループホーム関係は34ページ、(マル4)がございますけれども、参考資料でいきますと170ページ、これは同一建物を併設できる施設事業所の範囲の見直しということで記載がございます。

 認知症対応型の通所介護、地域密着、これは(6)、34ページでございますけれども、(マル1)(マル2)(マル3)(マル4)、これはほとんどが基準省令関係でございますけれども、先ほど資料2に記載させていただきましたけれども、これも少々細かい話かもしれませんが明確化のため御説明しますと、34ページの「(6)認知症対応型通所介護」の(マル2)でございますが、資料2の1枚紙、先ほど療養通所介護で見ていただきましたが、同様に認知症対応型通所介護につきましては、その時点で事業運営に当たっての地域との交流は既に規定がございまして、運営推進会議に関する事項につきまして分科会でお示ししておりましたが、実は地域密着の関連で地域との連携に関する規定はもう一つ事項がございまして、この資料2の横紙の表の一番右側、事業所と同一の建物に居住する者以外へのサービス提供に関する努力義務規定がございましたが、前回の分科会資料でこれが抜けておりましたので、このことにつきまして明記をさせていただいております。趣旨は大きくは変わりませんけれども、その点を記載させていただいております。

 ここまでは地域密着でございまして、34ページ、9ポツから介護予防サービス。これは資料でいきますと173ページになりますが、基本報酬の見直しの関係でございます。

34ページからが介護保険施設等でございまして、介護老人福祉施設の関係でございます。35ページから実質がございますが、(マル1)、これは179ページ資料になります。看取りの関係で何度か御説明した内容です。

 資料でいきますと182ページ、35ページの本体資料でいきますと(マル2)でございますが、特別養護老人ホームの職員に係る専従要件の緩和でございます。

 (マル3)、これは資料でいきますと184ページになりますが、日常生活継続支援加算のサービス提供体制強化加算への一元化ということでございまして、資料の184ページに記載がございます。

 (マル4)でございますが、資料でいきますと186ページ、在宅入所総合利用加算の充実の記載。

 (マル5)でございますが、資料でいきますと188ページ、障害者生活支援員に係る加算の拡大。

 資料190ページになりますが、多床室における居住費負担の見直しの関係がございます。

 おめくりいただきまして、本体資料36ページでございますが、(マル7)基本報酬の見直しということで、資料でいきますと193ページになります。

 ここまでが介護老人福祉施設の関係。

 残り、長くなって恐縮ですが、36ページ(2)でございますが、介護老人保健施設。資料でいきますとまず1点目、199ページになりますけれども、(マル1)在宅復帰支援機能のさらなる強化。

 (マル2)、資料でいきますと205ページになりますけれども、施設及び在宅双方にわたる切れ目のない支援ということで記載がございます。

 (マル3)でございますけれども、資料でいきますと213ページになりますが、看護・介護職員に関する専従常勤要件の緩和の記載でございます。

 ここまでが介護老人保健施設の関係です。

 介護保険施設は最後でございますが(3)、介護療養型の医療施設、これは資料でいきますと216ページになります。

 本体資料37ページ、介護保険施設と共通になりますけれども、229ページでございます。基準費用額の見直しということで、多床室の関係、229ページに記載がございます。

 (5)これは口から食べ楽しみということで先ほども御紹介した内容でございますが、資料でいくと237231241、このあたりの記載でございますけれども、介護保険施設関係の取組でございます。

 ここまでが基本的なサービスごとの内容でございます。

 もうしばらくお時間いただきたいと思いますが、38ページ「11.その他」ということで、施設の類型、必ずしもサービスの類型によらないものについてまとめてございますが、38ページの「(1)介護職員の処遇改善」の関係でございます。

 (マル1)でございますけれども、これは処遇改善加算の関係。244ページ以降に資料をつけてございますけれども、処遇改善加算の取り扱いに関します記載がこちらにございます。

 2点目、(マル2)でございますけれども、サービス提供体制強化加算の拡大の関係、これは資料でいきますと250ページでございますが、分科会で御議論いただいたような内容につきましてまとめてございます。

39ページ、これは最後になりますけれども、サービス評価の適正化ということで、これは全てのサービス、基本的に共通で代表的に193ページに一部記載がございますけれども、サービス評価の適正化ということで基本的な対応として書かせていただいております。

 最後になりますが、地域区分。これは資料でいきますと256ページ、地域区分に関します御議論をいただきましたので、それに関する審議の内容をまとめさせていただいているというものでございます。

 最後でございますけれども、40ページ、以上が基本的には御審議いただいた分科会の資料をまとめながら審議報告(案)として事務局で取りまとめさせていただきました。一部御審議を踏まえて分科会の資料を適宜修正あるいは精査いたしまして最終的にこういう形でとお持ちをしていますが、40ページは最後に今後の課題ということでさまざまな課題、引き続き検討していくべき介護報酬改定において、特に必要な課題として、例えばということでございますけれども、幾つか課題を明記させていただいております。

 一言申し上げておきますと、個々の報酬、今回の報酬改定で加算でございますとかさまざまな見直しをしてございます。そういった個別のサービスの個別の対応の検証につきましては、御案内のとおり、平成24年以降、改定の検証研究委員会というもので個別に調査を行う枠組みがございますので、そういった個別的な対応が必要なものについて改めまして今年度末にもう一度御相談をするチャンスがございますので、個別的な話につきましてはそのときにまた御相談をさせていただくという前提で、4つ●で全体的な話として提案させていただいております。

 ●の1点目でございますが、これは通所リハビリテーションや通所介護、認知症対応型の通所介護といった居宅サービスにつきましては、やはり共通の機能として持つとともに、サービスに特徴的な機能、細かく分けてリハビリテーションとか機能訓練が書いてございますけれども、さまざまなそういう特徴的な機能に着目をした評価、又は機能に着目して明確化を行うということを今回改定でも意識して取り組んでまいりましたが、引き続きこういったことを広げていくことが必要ではないか。これは報酬の●の上の○に書いてございますけれども、意識といたしましては、報酬体系がともすれば複雑化していくという中で、やはり報酬体系の簡素化など、介護サービスのあるべき方向性をということも意識をして御提案しているのが1つ目の●でございます。

 2つ目の●、これは24年改定のときにも指摘をされ、以降、継続して取り組んできておりますけれども、サービスの質について統一的な視点で定期的に状態把握を行っていく。こういった形での客観的な評価可能な枠組みの設定、様式の統一でございますとか、項目の方法論の確立といったことを念頭に2つ目の●を書いてございます。

 3つ目の●、今回、介護報酬単独の改定ではございますが、今後同時改定が想定されるということを念頭に、特に医療保険との連携が必要な事項について検討していくことが必要ではかなろうかと、これは総論的な記載になってございます。

 最後、介護事業経営委実態調査、これにつきましては御案内のとおり、この分科会あるいは分科会の外、以外の場で、この場におきましてもさまざまな御指摘をいただいてございますので、これまでの審議における御意見、御提案等も含めまして、さらなる制度の改善に向けて引き続き検討していってはどうかということを御提案させていただいております。

 長くなって恐縮でございますが、事務局から以上でございます。


○田中分科会長 大部の資料の説明、ありがとうございました。

 資料1のほかに、本日は内田委員、齋藤委員、鈴木委員、田部井委員、村上委員から資料が提出されています。各委員から提出いただいた資料は事前に事務局よりお送りして既にご覧になっていると聞いております。

 本日は、時間の関係上、追加の資料について御説明いただく時間を確保することが難しい状況ですので、大変恐縮ですが、本審議報告に関する事柄に限って、適宜質疑の中で触れていただくようお願いいたします。それ以外のところは各委員が目を通すことにとどめ置くことにいたします。

 平成27年度介護報酬改定に向けての検討は、本年4月から当分科会において審議いただいてきました。特に10月以降は事務局から示された基本的な視点を踏まえて、各サービスにおける具体的な論点について議論してまいりました。その結果、審議報告(案)としてまとまったのが資料1です。これは今、老人保健課長から説明がありましたととおり、4部から構成されています。(ローマ数字1)が基本的な考え方、(ローマ数字2)がそれを今回の改定における各サービスの内容におろしたもの。(ローマ数字3)が一番大切なところですが、各サービスについての論点の整理。最後、(ローマ数字4)が今後の課題になっています。本日の議論の時間も限られた中での議事の進め方ですが、4つに分けることにさせていただきます。

 初めに、基本的な考え方をまとめた(ローマ数字1)と、それを整理した(ローマ数字2)をひとまとめで1つ。次に、(ローマ数字3)の部分を2つに分けます。1~9までと10以降とに分けて前半後半で討議いたします。最後に今後の課題、(ローマ数字4)について討議します。議論の整理上、そのようにさせていただきます。

 では、初めに、(ローマ数字1)、基本的な考え方、(ローマ数字2)、基本的な考え方とその対応について御質問、御意見がありしたらお願いいたします。各論については次の3のところで話しますので、ここでは各論ではなく大枠について御意見、御質問があればお願いいたします。

 武久委員、どうぞ。


○武久委員 ここでいろいろ検討している外野で介護報酬は何パーセント下げるのだという話がかしましいわけですけれども、本来はここの検討会の場で基本的な考え方に書いてあるようなものを評価して、評価するということは、そういうところでないところは余り評価しないということと認識しておりますけれども、既に先に外のゴールを決められた中で審議することもあると思うのですけれども、そういうことで私のほうが心配しているのは、こういうものを評価すると言いながら、評価しても現状維持という介護報酬になりますと非常に検討する意欲が失われていくわけですけれども、そんなことはないのだろうと思っておりますけれども、要するに、全体としての大枠というものと基本方針との考え方について、スタンスについて御意見をお伺いしたいと思います。


○田中分科会長 答えられますか。老人保健課長、お願いします。


○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。さまざまな報道等が実際ございますし、そういったお問い合わせを私どものほうにもいただいているのは事実でございます。まず、事実関係あるいは今後の手順といたしまして私どもの認識を御説明させていただくことでお答えにかえたいと思いますけれども、まず、介護給付費分科会で介護報酬をどういうふうに改定していくのかという作業を御検討いただく、これは今後ともそのとおりということでございます。報道等でさまざま言われております、御指摘を受けておりますのは、最終的に介護報酬全体の水準、介護報酬のもう少し正確に申し上げたほうがいいのかもしれませんが、予算の取り扱いとしてこれまでとの比較でどれぐらい増減するのかという数字をめぐる報道だろうと思います。

 私どもの認識といたしましては、介護報酬のあり方、増減の関係も含めてですけれども、評価をするとか、適正化するとか、そういったことを含めて御議論いただいておりますけれども、具体的な報酬の単位といいますか、レベルにつきましては、予算編成過程で政府が責任を持って確保した予算をいかに配分するのかという形で最終的に諮問をさせていただいて答申をいただくというプロセスでございます。

 ですから、厚生労働大臣に記者の方々が御質問されたときにも明確に大臣がお答えになっていると思いますが、現時点で数字的にどういった数字になるということが決まっているという事実は全くございません。あくまで予算編成過程において最終的に介護報酬の全体水準がどうなるかというのは決まる。その間、私どもとしては、この分科会にお諮りをして御審議いただいておりますのは、それぞれのサービスのあり方あるいは報酬上の今後のあり方、これについて御議論いただくというスタンスで臨んでいるということでございます。


○田中分科会長 鈴木委員、どうぞ。


○鈴木委員 同じく意見として述べさせていただきます。消費税の引き上げが延期されましたが、その間も必要な財源を確保した上で社会保障の充実を図っていくとともに、万が一にも激変により介護現場が混乱し国民が不利益をこうむることのないよう、今後の施策に対する十分な配慮が必要です。

 介護サービス業は、社会福祉法人以外の多様な主体によっても運営されており、地域の雇用、就業機会を創出するだけでなく、今や地域の人口減少対策や地域活性化対策にもつながる重要な産業と捉えることができます。我が国の経済成長を下支えし、地方創生に貢献する観点から、介護サービス施設事業所の経営安定化が図られ、介護事業者も安心して地域に定着することのできるよう、介護分野の安定した経営基盤の確保が必要と思います。

 以上です。


○田中分科会長 田部井委員、どうぞ。


○田部井委員 共通する部分も多いと思うのですが、私どもは増税の上に負担増、給付費抑制は道理に合わないと主張させていただいてきました。今回、10%の増税を見送らざるを得なかったのは、8%増税に対する、それに見合った効果あるいは成果というのが実感できなかったということに尽きるのではないかと思います。それで8%増税することで社会保障を何とかしていくのだということであったわけですけれども、それがこの報道されているような3%、4%切り下げという結果でいいのでしょうか。

 少し先に10%増税ということが、では、10%増税されたら一体どういう結果になるのかということをきちんと示していただかなければ、その先の姿は全く見えてこないのではないかと思います。

 私は利用者ですけれども、8%の増税とか、あるいは10%の増税とか、それはなくなったり先送りされたら、それでハッピーだとは全く思いません。ただ、それに見合った、あるいはそれに見合う以上の政策あるいは成果というものをきちんと積み上げていくということが大事ではないかと考えています。ぜひそういう方向で考えていただきたいと思いますし、実際、安倍首相は経済界にも即声をかけたりして、賃金とかにも影響を及ぼそうとしているわけですね。しかし、ここの議論では労使の間で自律的に決められるものだという議論がされていたりということで、しかし、現実にはそういう動きがあるわけで、やはり介護福祉の業界、世界にもそれぐらいの積極性を持って臨んでいただきたいですし、経済界の方にもぜひ介護福祉についても、この給付費分科会の要請を受け入れていくようなスタンスをぜひ持っていただきたいなと思います。

 もう一つは、私どもは資料を事前に提供されまして、その資料は外に、外部に漏らしてはいけないということで厳重にコントロールされているわけですけれども、武久先生のおっしゃったように、もっと重要かと思われるような頭をあれする数字というのが、繰り返しになるかもしれませんけれども、踊っていく。そうすると、果たして情報のコントロールと情報の開放ということが一体どういうスタンスでされているのかということについて非常に大きな矛盾を感じざるを得ません。

 私ごときが言うことではないかもしれませんけれども、やはりこういう分科会とかそういうものがどういう位置づけで運営されているのかについても矛盾を感じざるを得ないと思っています。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 阿部委員、どうぞ。


阿部委員 経済界に言及されたので一言。

 もともと、社会保障費予算全体が厳しく抑制を求められているというのはおわかりのことだと思います。特に消費税引き上げが延期されたということであれば、10%への引き上げの中で拡充を考えていたものができなくなっており、現状維持すら難しいという段階に入っているということが前提かなと思っております。そういう意味で、介護給付費も厳しく抑制をつけて、必要なところに集中するという意味で、めり張りが必要だなと思っております。ここでの役割は、どのようなめり張りをつけるかということについて道筋をつけることであって、先ほどの老人保健課長のお話のとおり、実際に予算査定をここで行うわけではないので、こちらからはこういうところについてはきちんとやってほしいという要望、あるいはここについては見直してもいいという具体的な姿を示すのが役割ではないかと思っています。ここで幾ら頑張っても介護給付費全体が増えるわけではないわけでありまして、限られた予算制約の中でどういうことが必要かということの知恵を出すのが役割だと思います。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 大西委員、どうぞ。


○大西委員 今回の介護報酬の改定でございますけれども、27年度から29年度に3カ年ということでございまして、いろいろ出ておりますが、今回取りまとめいただきましたように、基本的には2025年に向けた地域包括ケアシステムの構築という一つの方向性、テーマを持った改定であり、この3年間というのは市町村実務をやっています保険者であります市町村にとりましても、1つの大きな転換点になる3年間だと思っておるわけでございます。

 この2025年に向けた地域包括ケアシステムの構築のために、3つの視点から中重度者、認知症のさらなる対応の強化とか、介護人材確保対策の推進とか、サービスの適正化、効率化などの視点からそれぞれまとめられておりますので、方向性としては非常にいいと思っております。この間、地域包括ケアシステムの構築のために主体的役割を果たさなければならない市町村なり地域包括支援センターにおいて、具体的に医療・介護の連携強化対策でありますとか、あるいは地域ケア会議でありますとか、地域支援事業に移行する要支援者の通所介護、訪問介護とか、生活支援の充実強化とか、そういうものをきちっとやっていかなければならないということです。そういう取組において、きちっとした財源措置というものがある程度なされていないと、市町村もしっかりこれを切りかえて取り組むことができないということでございます。

 そこで消費税等、税と社会保障の一体改革ということで示されたわけですが、今回政治判断によりまして、消費税も8%から10%の引き上げが1年半延期されたということでございます。29年4月には上げるという方向ではありますけれども、それでは、その3カ年をいかなる形で切りかえていくのか、消費税が引き上げられる29年にならないと、言われておりました財源というのはきちっと確保できないのか、あるいは前倒しである程度つなぎ的なものとして何らか確保できるのか、その辺につきまして、予算編成作業はこれから急ピッチで進められると思いますけれども、早め早めに市町村のほうにぜひともきちっとお示しをいただきたいと思っております。そうでないと、3カ年間、保険料さえ決められないような状況になりますので、その辺、給付費当たりの消費税とか等々の取り扱いをどうすればいいのか、あるいは保険料算定の前提となる国の財源措置というものがどういうものになるのか、その辺をしっかりと自信を持って取り組めるように周知指導をよろしくお願いしたいと思っているところでございます。


○田中分科会長 (ローマ数字1)の基本的考え方以前のいわばゼロにあたる、増税とこれからの改定率の議論が今のところ出ていますが、(ローマ数字1)と(ローマ数字2)についてはいかかでしょうか。

 山際委員、どうぞ。


○山際委員 ありがとうございます。今後、地域包括ケアシステムの構築が求められていく中、居宅のサービスについても重要な役割を担うということを自覚しておりますし、民間の事業者としても努力をしてまいるつもりでございますが、やはり仮にマイナス改定となった場合、事業者としてはモチベーションが保てなくなるということを率直に申し上げたいと思います。

 多くの事業者については、御利用者の在宅生活を支えてサービスの質の向上を含めて経営努力を日々行ってきております。こうした努力の結果が仮にマイナス改定ということにつながるということは、モチベーションが保てなくなるということだけではなくて、やはり介護の人材確保、これをさらに困難にさせるだろうと思っておりますし、場合によってはサービス提供そのものの継続が困難になりかねないと思っております。結果として、御利用者あるいは介護従事者、国民にもマイナスの影響を与えかねないと考えております。

 経営実調は単月のみの数値で、そもそも限界性を持つものでありますが、財政審などで出されているマイナスの6%などという数値については論外として、やはり地域包括ケアシステム構築を今後進めていくということと、やはりその中で介護のサービスが果たしている役割についてきちんと評価をしていただいて、ぜひマイナス改定とならないよう、お願いと要望を申し上げたいと思っております。


○田中分科会長 平川委員、どうぞ。


○平川委員 ありがとうございます。今回、この(ローマ数字1)と(ローマ数字2)の中で、特に(ローマ数字2)のほうで処遇改善の関係で家族への配慮という観点でも記載していただいているということについては評価させていただきたいと思います。

 財務省の財政審の中では、処遇改善の課題についても大きな課題として取り上げられているという一方で、介護報酬全体を引き下げるという議論も多くされていると聞いているところであります。処遇改善の加算がプラスという形になるとしても、介護報酬が全体としてマイナスになると、やはり処遇改善に対して大きな悪影響を与えるという懸念が考えられます。介護報酬改定のマイナスということについては安易に行うべきではないということについては意見として述べさせていただきたいと思います。

 また、もう一つ、13ページのところに1つだけ気になっている文章がございます。下から9行目、労働者も主体的・積極的にキャリアアップに取り組むことが必要であると記載されています。もちろん精神論としても私もそう思うのですが、介護報酬の改定を行う給付費分科会の文章の中でこれがあたかも義務的な内容として記載されてしまうと、主体的に取り組んでいない労働者が多いところは減算するとか、そういうようにとられかねませんので、もう少しこの辺工夫ある記載に変えていただければと考えています。

 以上です。


○田中分科会長 阿部委員、どうぞ。


○阿部委員 処遇改善加算についてもともと例外的かつ経過的な取り扱いであったはずでありまして、これを単に現行の加算の仕組みを維持しつつ延長というのは非常に納得感がないと思います。仮にですけれども、延長を求めるとしても絞り込んだ上で必要最小限、これだ
けのものだということを言わないと説得がないわけでありますし、何度も申し上げますけれども、ここで幾ら頑張っても予算が増えるわけではないわけでありますので、厳しく抑制を求めている中で加算項目を並べれば、その分だけ全体のベース、基本方針が減っていくということは当たり前であります。そういう意味で必要最小限のもののみに加算については絞り込むべきと思いますし、ましてや処遇改善というのはもともと事業者の責任でありまして、これは国の支援に頼るということ自体に無理があると思います。できるだけ処遇改善加算自体も絞り込んだ形でまとめて、しかも次の機会には廃止をするという前提での議論を進めていきたいと思います。


○田中分科会長 大島先生、どうぞ。


○大島分科会長代理 すごく切実な問題で、これで下げられたら一体どうなるのかというのは納得もできるのですが、こんなことを言うと、何をお前は考えているのだと言われそうですが、今この議論をする場なのかどうかというと違うような感じがするのです。これだけ大きな問題を今後どうするのかということですが、全体予算が一体どうなのかということを含め、それをやり始めたら、多分底なしになってどれだけ時間があっても尽きないと思いますし、この場がそもそもそういう場なのかどうかというのも疑問を持っています。下げる、下げないという話をここでやり始めたら多分終わらないだろうと思うのです。

 したがって、今、全体の御意見として、質をきちんと確保していく上で、適正な額を確保する必要が絶対あるのだということについて言われるのはいいのですが、下げてはいけない、下げる根拠はどうだとかというような話をし始めるとエンドレスになってしまう感じがしますし、そもそもこの場がそういう場なのかどうかということを考えると、この場でやらなければいけない問題は先ほど提示されたようにたくさんあるのです。時間も限られていますので、そこのところの整理をきちんとして議論を進めなければいけないのではないかなと思います。


○田中分科会長 ありがとうございます。

 分科会会長にかわって言っていただきましたが、我々に課せられた一番の責務は、特に(ローマ数字3)のところをきちんと議論し、将来に向かって(ローマ数字4)を議論する話です。全体の改定率についてはこの辺にさせていただいてよろしいでしょうか。

 では、(ローマ数字3)に移ります。まず、休憩前は(ローマ数字3)の1~9、具体的に申しますと1934ページについて議論をお願いいたします。なお、個別の質問があった場合に一つ一つ答えているとこれも時間をとってしまいますので、何人かの質問が固まってから事務局に答えていただきます。1~9について御意見をどうぞ。

 鈴木委員、どうぞ。


○鈴木委員 1~9についてお話しさせていただきます。

 まず、19ページの1ポツの(マル2)、これは意見でございます。特定の事業所への集中は、特に地方においては利用者の受けるサービスの質の確保から必要な場合があり、それを妨げることはかえって利用者に対して公平・中立性を妨げる恐れがあります。したがって、正当な理由、適用要件の明確化と書いていただいておりますが、その具体化に当たっては、そうした利用者の配慮が必要であります。

21ページの2ポツの(2)の(マル2)、これも意見でございます。病院または診療所からの訪問看護です。病院というのは、以前からも申しておりますけれども、地域包括ケアシステムを構成する中小病院だと考えられますので、全体として、それを踏まえて中小病院の機能分化や地域包括ケアシステムの方向性との整合性を図るべきだと考えます。

22ページの2ポツの(4)に一応該当すると考えられますが、居宅療養管理指導についてでございます。質問でございますが、居宅療養管理指導のみマンションが減算対象に含まれています。集合住宅の利用者に対してサービスを提供する場合、移動に関する労力が在宅利用者へのサービス提供に比べて少ないことを踏まえて減算を行っていると説明されていますが、なぜその他の訪問サービスにおける減算対象となる集合住宅にマンションが含まれないのかお答えをお願いしたいと思います。

22ページの3ポツの(1)でございます。専従についてですが、医療保険と介護保険の専従の要件は統一していただきたいということでございます。例えば介護の専従は業務時間中に事業所内の業務であれば行うことができるということですが、医療の専従は、かなり厳格に職種ごとの業務の中で行うということになっていますので、その要件の統一化が必要です。医療を介護に合わせていただければ医療の現場もやりやすくなるのではないかと思います。これは要望でございます。

24ページ、3ポツの(2)の(マル2)でございます。療養通所介護は平成28年度に地域密着型サービスに移行するということですが、それに伴って特に地方においてはこれまでの利用者が利用できなくなることなどのないように、また事業者にとっても対象者がもともと限られているものであることから、複数の自治体から、これまでどおり利用者が確保できるように配慮すべきであると考えます。これは既に地域密着型となっている認知症対応型通所介護においても同様の配慮が必要であると思います。

25ページの4ポツの(マル1)でございます。リハビリテーションの基本理念が訪問・通所リハビリテーションに関する基本方針と同様に通所介護にも規定されるという記載がありますが、それに伴って直接通所介護と訪問リハビリテーションを利用する場合にも利用者が不利益をこうむることのないように対応していただきたいと思います。これは意見でございます。

28ページ、7ポツの(マル1)でございます。29ページにかけてですが、複数の福祉用具の貸与に際しては、あくまでも利用者のメリットが目的であることから、事業者が不必要なセット販売によって利益を増やすことのないようにすべきであると考えます。これも意見でございます。

29ページの8ポツの(1)、これは質問でございます。オペレーターの配置基準の緩和については、あくまでも一定の地域内での機能の集約化ということであると考えますが、以前の議論のときには、全国規模での対応についても否定はされなかったと思うのですけれども、それについてどのようにお考えなのかを確認させていただきたいと思います。

30ページの8ポツの(2)でございます。これは小規模多機能のところです。意見でございますが、登録定員の増加に伴って、狭いところに押し込むことのないように、適当な広さが1人3平方メートル以上であることを明確にすべきであります。本来、通い、泊まり、訪問は利用人数や回数で制限されるべきものではなく、一人一人の状態に応じたサービスの組合せで提供されるべきものであると考えます。包括報酬であることを考えれば、より柔軟に対応できるようにすべきであり、むしろ利用したくてもできない過少サービスのチェックのほうが重要ではないかと考えます。

 以上でございます。


○田中分科会長 ありがとうございます。

 続けて、2~3つ質問。

 本多委員、どうぞ。


○本多委員 資料の36ページのところですが、介護療養型医療施設です。


○田中分科会長 まだ今1~9まで、34ページまでです。後半で扱っていただきます。申しわけありません。

 亀田参考人、どうぞ。


○亀田参考人 資料の30ページです。小規模多機能型居宅介護の(マル1)で訪問サービスの機能強化ということが記載されてございます。新たな加算を創設して、その加算については、区分支給限度基準額の算定に含めない、こういったことが複合型についても、定期巡回についても同じような取り扱いが記載されておりますけれども、新サービスの利用が進まない理由に区分支給限度基準額と、新サービスの基本サービス、その関係が指摘されております。本日配付されています参考資料2の161ページにも同じような課題が指摘されておりますし、全国知事会といたしましても利用者が必要サービスを利用できますよう、この基準額、また、それが適用されるサービスや加算の種類の見直しについて要望したところでございますけれども、この問題につきましてどのようにお考えなのかお伺いしたいと思います。

 以上です。


○田中分科会長 課長、質問が3つになりましたのでお答えいただけますか。


○迫井老人保健課長 最後の今の御指摘といいますか御質問の関係でございますけれども、これはどのように考えるのかということを一言でということになるかどうかというのはあるのですけれども、御審議をいただいた経過で幾つかの論点が出たと理解しております。ですので、まず区分支給限度基準額をどう設定するのかというのは、前回の改定でもいろいろ御議論がといいますか、もっと正確に申し上げますと、過去のさまざまな改定においていろいろな御審議があったということだろうと思います。

 限度額をもともと設定しているのは、居宅サービスをどのように介護報酬といいますか、介護保険制度の中で位置づけて、ケアマネジメントの中で最終的にどう取りまとめていくのか、それが費用負担との関係でどうバランスをとるのかというのが制度の趣旨だろうと思いますので、その趣旨を生かしつつも、この包括報酬を設定した、23年度法改正、24年度に新規に設定をした包括報酬サービスと呼んでおりますけれども、複数のサービスを組合せて単一の事業者が総合的にサービスを提供するという形態は、制度創設時点では少なくとも想定しておりませんで、実際に複数のサービスを提供していくという性質上、報酬を少し高めに設定せざるを得ない。そういう中で、実際にサービスを提供していったときに、24年度の定期巡回の例が1つの例でしたが、通所サービスと例えば組合せたときに、現場としては非常にそこのサービスの提供が難しい。一方で、区分支給限度基準額自体を触ることについてはさまざまな御指摘、御議論があって、現時点でそこの部分を見直すというよりは、包括報酬サービス全体が抱える課題として幾つかデータをお示ししつつ、やはり総合的なマネジメントの機能自体がほかの単一サービスとは異なる性質があるという形で今回こういう対応を御提案して、今日、最終的な報告に至ったということでございます。私が今口頭で申し上げたのは、私どもが理解する審議の経過と提出させていただいた資料の概略でございますので、そのことを踏まえて、私どもの認識と言ってもいいのかもしれませんけれども、例えば資料でいきますと総合マネジメント加算に係るような御提案の趣旨が私どもの認識と御理解いただければと考えております。お答えになっているかどうかわかりませんが、私の理解ではそういうことでございます。

 もう一点、鈴木委員からの御指摘でございますけれども、集合住宅に関する減算の規定の取り扱いで、一般住宅と先ほど括弧書きで複数の限定列挙しておりますものを高専賃というのを最終的に整理して記述を外したというようなことも含めて御説明したところの部分でございますけれども、これは同一建物に関します方針の取り扱いについては、この1年間の御議論の中でヒアリングを挟んで前半、後半と俗に呼んでおりますけれども、各論に入る前の前半の時点で、さまざまなサービスの提供の実態とか、どういった御意見が寄せられているとか、そういったことを御審議いただきましたけれども、私どもの理解は、そういったさまざまな実態を調べていく中で、最終的にコストが一定程度かからない、すなわち単一の訪問に関しまして複数の同一の建物に居住されております利用者さんとの比較についていうと、一定のコストの削減が可能であろうと、そこについては一定の報酬の減額を設定するのが適切であると。一方で、例えばさまざまな診療報酬の御議論でございましたような不適切な事例に関する対応は、さまざまな報酬の中での対応というよりは、あくまでその制度上の対応とか、さまざまな指導監査の問題とか、そういったことも含めて本来対応すべきではないかということを確認させていただいて後半の各論の議論の中で、どういった形で減算の対象者を特定していくのかをご議論いただきました。

 私どもの理解はその際に、実際に現場の方々とのやりとりも踏まえますと、医療と介護とでは明らかにサービスの実態といいますか、考え方が原則的に異なると思われるのは、特に高齢化が進展しているような地域とか、あるいはここで限定列挙させていただいたような特定の形態の住まいについては明らかに介護の利用者が集中してお住まいになっているケースが多く、それ以外の地域とは一定程度差別化が可能ではないか。したがいまして、1点はそういう居住の形態の性質の違い、もう一つは、やはり介護は生活に密着したサービスでございますので、医療と介護と明らかに異なる点は、高齢者が一定程度の割合でお住みになっている場合には、介護サービスの提供の頻度は非常に高いので、実務的にどういう場合に減算をする、どういう場合に減算をしないという判定を事務負担がある程度許容できる範囲で運用しないとサービスの提供としては非常に難しいという御指摘も得ましたので、それらを合わせまして、やはり特定の形の居住の形態につきまして一定程度対象者を絞る。そのかわり、そういった居住形態に関しましては一定程度の数の高齢者がお住まいになっていることが理解できますのでということで、この減算方式の御提案をしています。

 ですから、一般住宅に対してそういった形を外している理由は、1つに実務的に判定をするのが非常に難しいということと、高齢者がお住まいになるという意味では圧倒的に数といいますか、割合の面でここで列挙させていただいたような居住の形態が他の形態と比べて明らかに密度が高いということでこういうふうな御提案をさせていただいたというのが経緯でございます。


○田中分科会長 もう一点はオペレーターの件ですね。


○高橋振興課長 もう一点の部分、定期巡回サービスのオペレーターについて御質問いただいた部分でございます。振興課長でございます。

 現行の取り扱いの中で夜間のオペレーターの配置につきましては、複数の指定定期巡回事業所で一体的実施ができるというようなことになっておりますし、また、市町村を超えることを妨げるものではないということで、指定に係る地域を超えるようなものも認めるという考え方でいるのですけれども、一方で、例示で広域の通報を受け付けるような体制というのはなじまないというような趣旨のことも書いておるということで、現場の運用でかなり狭く解されているのではないかというところがありますので、こうしたところを少し緩和してはどうかという問題意識でございます。もちろん、利用者の心身の状況に応じて必要な対応を行うというのがオペレーターを配置している意味でございますので、そういった支障がない場合に限って行っていくことが必要であるかと思っておりますし、鈴木委員から御指摘をいただいたような御懸念もあろうかと思いますので、具体の基準、通知等の作成に際しては御指摘も踏まえて詳細を検討していきたいと考えております。

 以上でございます。


○田中分科会長 齋藤委員、どうぞ。


○齋藤(訓)委員 21ページの訪問看護のところにつきまして、病院または診療所からの訪問看護について基本報酬を増額することに反対はしませんが、やはり訪問看護の資源が非常に脆弱であるような地域に限定していただきたいと思っております。既にたくさんの事業所があって市場が競合するようなところでこういった対策が行われますと、ますます小さい事業所が経営困難になるのではないかという心配もありますので、通知等で何らか示していただけると大変ありがたいなと思っております。

 もう一つ、地域密着型サービスにかわります療養通所介護の運営推進会議について、資料2のほうで一定の配慮をするとあります。安全サービスのほうは6カ月に1回、運営会議はおおむね2カ月に1回ということなのですけれども、この療養通所の運営推進会議についての一定の配慮というのは、開催回数について何らか配慮をすると受けとめてよろしいのかどうかということが質問の1点です。

 もう一点、30ページの小規模多機能型介護事業所の看護配置のところにつきまして、(マル5)の下2行の文。常勤換算方法で1以上配置する場合についても看護職員配置加算の新しい加算体系で評価すると受けとめました。これから小規模多機能でも看取りをやるところ、そうではないところと分かれてくるので、小規模多機能での看取りにも今回加算がつきましたけれども、看取りをやる、重度者が非常に多いところで看護職員が常勤換算で1という、ミスマッチが起こらないようにしていくべきだと思っています。

 以上です。


○田中分科会長 質問がもう少しまとまってからお答えいただきます。

 田部井委員、どうぞ。


○田部井委員 認知症という観点からしますと、(ローマ数字2)のところに少し戻るような感じで申しわけないのですけれども、認知症に対する早期支援あるいは危機回避的な支援というのが今1つの流れではないかと思うのです。そういう基本的な視点がないということが残念だなと思うのです。介護保険では早期の支援まで配慮していられないということでは困るのではないかと思います。早期支援という視点で考えますと、私ども、今日の意見書の中では、ケアマネジャーさんに、サービスに結びつかない相談支援であってもきちんとやってくれた場合には報酬を認めてほしいというような要望をしています。総合事業の実施に伴って意味が大きくなってくると思うのですけれども、認知症がある場合に一次判定で要介護1以上になるようにと。初期から専門性の給付が受けられるように、総合事業ではなくてやはり介護給付の対象とすべきであると要望しています。

 施策としては、初期集中支援チームあるいは地域支援推進員の配置を市町村任せにしないで国の責任において進めてほしいという要望をしております。

 (ローマ数字3)のところに関連しまして、19ページの居宅の(マル1)と関連すると思うのですけれども、認知症加算の基本報酬化ということなのですが、これはどの程度を基本報酬として評価されるのかということが問題ではないかと思うのです。この場合でも、やはりサービスに結びつかなければ報酬は得られないわけですので、やはり何か1つは今回の改定で認知症の人に対する初期の支援という成果を示す必要があるのではないかと思うのですけれども、先ほど申し上げた4つの点でいきますと、最初に申し上げたケアマネジャーさんに相談支援に対する報酬を認めるというのは、鷲見委員のほうからも要望として出ていると思いますし、この場でそんなものは認めてはいけないというような意見も聞いていないと思いますので、ぜひこの点ぐらいは何とか認めていただけないものかと思うのですけれども、お考えいただければと思います。

 具体的な項目につきましては、20ページの訪問介護で(マル1)の20分未満の身体介護を位置づけるということなのですけれども、要介護1、2の利用者に対する算定は定期巡回の指定を受けている事業者に限るというように利用を主に限定しなければいけないという、どうしてもという理由があるのでしょうか。柔軟に対応できるようにするには、限定をつけないで普通の訪問介護の事業所でもできるようにしたほうがより使い勝手はよくなるのではないかと考えるのですけれども、これについてお答えいただきたいと思います。

23ページの通所介護ですけれども、(マル4)で小規模介護の基本報酬を引き下げるということなのですけれども、私どもは引き下げるべきではないと考えています。

27ページの短期入所生活介護の連続30日を超える利用者の基本報酬を引き下げるということなのですけれども、これも行うべきではないと考えています。そんなケースがあるとしても少数ではないか。個別に対応すべきであって、基本報酬まで引き下げて対応すべきではないと考えています。

29ページ以降は地域密着型サービスの第三者評価なのですけれども、これも外部評価を基本とすべきであろうと考えています。自己評価と推進会議の報告よりも外部評価のほうが質の向上に資する意義というのは大きいのではないかと考えています。

34ページの「9.介護予防サービス」の報酬ということですけれども、レスパイトの機能は想定されていないということで切り下げるということですが、経過措置の間ということであるのですけれども、これも意味を成していると思いますので、引き下げるべきではないと考えます。これはこれから行われます総合事業の市町村の考え方にも反映していくと思いますので、これについても引き下げるべきではないと私どもとしては考えています。

 以上です。


○田中分科会長 阿部委員、どうぞ。


○阿部委員 23ページの小規模型通所介護の移行先なのですけれども、(マル6)(マル7)(マル8)とある中で、やはりある程度大規模化が必要なので、(マル8)の大規模・通常型のサテライト事業所に原則すべきであって、(マル7)の小規模サテライトとか、あるいは(マル6)の地域密着型というのは、地域ごとの事情においてやむを得ない場合に限るような仕組みにすべきだと思います。何かここは具体的な考え方があるのでしょうか。これは質問です。


○田中分科会長 では、今までの質問についてお願いします。

 振興課長、どうぞ。


○高橋振興課長 振興課長でございます。

 まず、田部井委員のほうからケアマネジメントの関係のところで御質問があった部分でございますけれども、認知症加算とか独居高齢者加算の基本報酬への包括化のところは、今ある加算について財政中立で基本報酬に包括化をしようというようなものでございます。また、サービスの関係での御指摘をいただきましたけれども、それについては今後将来的な検討課題なのかなと考えておるところでございます。

 また、20分未満の身体介護の部分、20ページのところでございますけれども、先ほど資料の説明の際に迫井課長のほうからも御説明させていただきましたけれども、論点の提示では、私ども今まで夜間とか深夜帯について要介護1~5になっているところを3以上に限定したらどうかというような御提示の仕方をしたところでございますけれども、いろいろ議論いただいたことを受けましてこの部分を修正しております。

 1つは、通常の訪問介護の類型の中で、20分未満というものを位置づけて、そうした必要とされる方には御利用いただけるようなことをしっかり図っていこうということが1つの考え方でございます。また、多頻度型で頻回で訪問をするという部分につきましては、24年度改定のときに導入時より、定期巡回に基本的には移行していくことを前提としたサービスとしておりますので、要介護1の部分について、もちろん必要な方の御利用いただく必要な場合というのもあり得るかと思いますので、認知症とか、そうした必要と認められる場合には算定可能としつつ、ただ、軽度の方については定期巡回の指定事業所に限定するということとしたいと考えておるところでございます。

 阿部委員のほうから利用サービスの移行についての御質問がございました。特にどちらに誘導するとかそういうようなものではないかなと考えておりまして、今回の制度見直しを受けて、そのままであれば地域密着型の通所介護に移行してまいりますし、大規模とか通常規模型のサテライトとして一体運営をしていこうとか、小規模多機能のサテライトとして移行していこうというようなこと、これは地域の介護のいろんな状況とか、またその事業者の経営資源の状況とか、また、今後の経営方針、そうしたことによって選択をしていただくべきものかなと考えております。

 以上でございます。


○迫井老人保健課長 続きまして、老人保健課長でございます。

 齋藤委員のほうから、療養通所介護に関します運営推進会議、先ほどの資料2の関連で御質問がございました。資料2で御説明した表の中の療養通所介護新設、運営推進会議の設置のところで※印を書かせていただいております。一定の配慮というのを一番下のところに記載してございます。具体的に何かというような多分御趣旨だろうと思います。

 これにつきましては、少し現場の御意見等も踏まえて考えたいと思いますけれども、私どもの念頭に置いておりますのは、開催頻度を配慮することかなと思っております。会議自体は設置をしていただくことが筋だろうと思っておりますけれども、繰り返しになりますが、やはりサービスの性質上、かなり重度の方を少ないスタッフの中でやっておられるようにお聞きしておりますので、必要な機能といいますか、会議が果たすべき目的とか機能については果たしつつも、この点については少し他のサービスと異なりまして、既に別の委員会が設置されているということを踏まえて、念頭に置いておりますのは開催頻度の配慮ということでございます。


○田中分科会長 途中退席されると言っていた方はよろしゅうございますか。後半についてもここで言っていただいても結構です。1~9については一当たりよろしゅうございますか。

 平川委員、どうぞ。


○平川委員 20ページのサービス提供責任者の関係でございます。この複数のサービス提供責任者の配置基準を利用者50人に対して1人に緩和するということに関しては、この間何回も問題点を指摘させていただいているところであります。やはり記載の内容だけでは単純にサービス提供責任者に対しての業務が本当に過大になってしまうというような問題が払拭できていないと思います。どうしてもやるというような状況の中でいえば、なぜサービス提供責任者の配置基準の見直しを行っていくのか、そして、要件がどうなのかということについてもしっかりと明確にしていく必要があるのではないかと思っています。

 例えば複数のサービス提供責任者が共同して利用者にかかわる体制とは何かということや、業務の効率化というのは具体的には何かということを明確にしていかなければ、現場のサービス提供責任者の方々は大変な業務過多になってしまい、サービスの提供体制にも悪い影響を与えるのではないかと思っているところであります。

 そのほかにもこの間問題点を指摘させていただいている点でございますけれども、25ページの送迎が実施されない場合の評価の見直しということで、家族が送迎を行う場合の事業所が送迎を実施しない場合は減算という形になっていますけれども、これが逆に送迎が強制されてしまうということにならないような対応というのが必要であります。

 または26ページについて、短期入所生活介護における居室以外の静養室での受け入れの可能というところでありますけれども、これについての静養室が恒常的に入所者が入っている、もしくは場合によっては本来必要なときに使えないということのないように対応すべきだと思いますし、28ページの養護老人ホームにおけるサービス提供のあり方の見直しについても、本来ある養護老人ホームの役割が損なわれないような対応というのが必要ではないかと考えているところであります。

 以上です。


○田中分科会長 内田委員、どうぞ。


○内田委員 要望書も出させていただいておりますが、20ページのサービス提供責任者の配置数の緩和についてですけれども、地域包括ケアの推進においては、訪問介護は重要な役割を担って、その中でもサービス提供責任者というのは大変大きな働きが期待されるものでございます。それなのに配置数の緩和ということになりますと、訪問介護の質を下げてしまうといったようなことに仮につながったりすれば、それは本当に本末転倒ということにもなりますので、ぜひとも要件をきちんと定めて、例えばサービス提供責任者の補助者がいるとか、業務管理や労務管理は別な職員が行うとかといったような十分な体制が整っているところについて緩和をしてもよいといったようなことにしていただきたいと思います。


○田中分科会長 では、一当たりここで前半については終了させていただいて、50分まで休憩いたしましょう。また50分にお集まりください。

 

(休  憩)

 


○田中分科会長 休憩後は、35ページから39ページの(ローマ数字3)の10及び11について議論を行います。

 先ほどとめましたが本多委員、どうぞ。


○本多委員 36ページの介護療養型医療施設の関係ですが、今日の参考資料の216ページにも出ているとおり、この施設については、116日の分科会に「療養機能強化型」という仮称をつけて創設するというイメージが出されていました。その際にも申し上げましたが、介護療養病床については、政策方針は維持したまま転換時期が29年度末まで延長されている状況ですので、当分科会のミッションとしましては、介護療養病床を今後どうするかということではなく、適切な介護報酬を決めることであると思っております。

 したがいまして、政策方針が変わっていない状況下における介護報酬改定の、審議報告の中で介護療養病床の機能を、37ページの上から2行目にありますとおり「今後も確保していくため」と表現するのは、先ほどのイメージ図から考えても踏み込み過ぎであるので削除していただければと思います。

38ページですが、先ほど御意見が出ておりました介護職員の処遇改善加算の関係です。これはこれまでも再三申し上げているとおり、介護報酬を通じて処遇改善をするのは筋としていかがかと思いますし、第2号被保険者として保険料を納めるサラリーマンや事業主には納得できず、理解もされないと思います。今現在、第2号被保険者の保険料は、実は第1号の方よりも高く、5,200円ぐらいになっており、ほとんど給付を受ける機会がない中で保険料を負担しているので、その点も十分御配慮いただきたいと思います。

 また、ここの2段落目に介護職員の労働条件については「本来、労使間において自律的に決定すべきものである」と書いてあり、この前提に尽きるのではないかと思います。

 また、この中でも「処遇改善加算は『例外的かつ経過的な取扱い』として設けられた」とあり、この例外的な措置を継続させる論拠には乏しいと思います。

 さらに、この文末には「処遇改善加算の将来的な取扱いについては、引き続き検討することが適当である」と記されております。これは先ほど阿部委員からもございましたように、将来にわたってこの例外的かつ経過的な措置を続けますと言っているに等しい記述はいかがかと思います。

30年度の報酬改定に当たりましては、むしろ介護報酬で処遇改善を行うことの妥当性が問い直されるべきではないかと思います。


○田中分科会長 桝田参考人、お願いします。


桝田参考人 全国老施協としましては、参考資料6に意見書をお出ししておりますので、お読みいただけたらと思います。35ページのほうですけれども、日常生活継続支援加算の部分は意見書にも書いてございますが、日常生活継続支援加算とサービス提供体制強化加算は、どちらも介護福祉士の配置で共通するので一元的に評価するという書きぶりになっております。その中身なのですが、日常生活継続支援加算の場合は、入所者の数に対して常勤職員の介護福祉士数で算定されます。現状では入所者6人、またはその端数を増すごとに一人以上の要件になっております。

 一方、サービス提供体制強化加算の場合は、(ローマ数字1)でありましたら介護職員の総数のうち介護福祉士の占める割合、特養ですと常勤換算で100分の50、半数以上ということで計算されてきます。同じ日常生活継続支援加算の場合ですと、特別養護老人ホームに一定数の介護福祉士を配置することによって、介護福祉士の資格を持たない介護職員や介護の未経験者を雇用するスキームが働いていきます。

 この部分は、介護福祉士資格取得に対しまして実務経験が3年で受験という制度がありますので、その部分を活用しまして介護職員さんのいわゆるキャリアアップにもつながっていく機能でございます。

 このサービス提供体制強化加算の場合ですと、例えば介護福祉士の人数がぎりぎりの事業所の場合ですと、もう介護福祉士しか雇えない。介護福祉以外の方を雇いますと加算がとれなくなるから、極端な場合、今回要検討が変わりますと介護福祉士の資格を持たない方のリストラという問題さえ起こってくると思います。

 今、介護人材の養成確保が大きな課題となっております。今の課題は、介護福祉士資格を持っている方の評価は重要なことなのですが、同様に今、介護福祉資格を持っていない方に資格を持っていただいて介護職員として働いてもらうか、この養成課程が非常に重要です。

 そうしますと、やはり介護福祉士資格を持たない方を排除する形ではなくて、利用者に対する介護福祉士の比率の部分、職員の一定数の割合ではなくて、利用者数に対する割合の部分で算定要件を定めている今の日常生活継続支援加算は非常に大きな意味がございます。特に介護福祉資格は実務経験3年で受験可能という他の専門職に比べますと少し特異なものですけれども、働きながら資格を取る、キャリアパスにもつながると。今、介護人材の確保の上では非常に重要なファクターと思っておりますので、ここの部分のいわゆる算定の方法を単にあるものに合わすのではなくて、介護人材をつくる上で一番いい方法を考えていただけたらと思います。

37ページのほうでございますけれども、基準費用額の見直しという部分を多床室における基準費用額、居住費について書かれておりますし、資料では229ページにユニット型の居住費については「見直しを行わない」と資料が書かれていますが、従来型個室については何ら記載が出されていませんし、議論もされておりません。従来型の多床室と個室は一つの施設ではセットでつくられております。そうすると多床室の居住費を高熱水費等が上がったので見直しをするのであれば、従来型個室のほうも同じ形で取り扱いを願えたらと思います。

 最後に、36ページに、いわゆる特別養護老人ホームについて「収支差が高い水準を維持していることを踏まえ、評価を適正化する」と。評価を適正化するということは下げますよということですけれども、今の特別養護老人ホームは平均の数値で議論されて、実態としますと今特別養護老人ホームの3割は、赤字の状況です。もちろん収支のいいところもあるし悪いところもあります。今3割近くのところが赤字状態で、今回この評価の適正化で介護報酬を下げるとなればどれぐらいの特別養護老人ホームが赤字になるのか、それがどのような影響を及ぼすのかという部分、収支分布も厚労省の数値としてつかまれて検討されているかどうか、少し回答をお願いしたいと思います。

 以上でございます。


○田中分科会長 また質問は幾つか続いて、東委員から順番に参ります。

 お願いします。


○東委員 ありがとうございます。私は、介護人材確保、介護職員の処遇改善の一点について意見を申し上げたいと思います。

 現在、特に施設系の介護の現場では、介護職員でありながら、例えば利用者の衣類の洗濯とかベッドのシーツの交換、お掃除、食事の配膳や下膳といった、必ずしも介護職員でなくてもよい仕事を介護職員がやっている実態が多いと考えております。

 看護職員に関しましても、過去に看護職員が介護などその他の仕事をやっているということで看護職員の専門職化が話題になり、その結果、現在では看護職はすばらしい専門職化になっていると思っております。今後、介護職員に関しましても、介護職員がやるべき仕事ではないことは、例えば高齢者でも十分やれる仕事ですのでやって頂き、介護職員には専門職化が必要になると考えております。それを踏まえた上で、まず資料1の審議報告(案)の3ページをご覧ください。

 「(2)介護人材確保対策の推進」の●の3つ目に「『参入促進』、『資質の向上』」、次に「労働環境・処遇の改善」という文章がございます。その下の●にも「雇用管理改善の取組を通じて介護職員の社会的・経済的評価が高まっていくという好循環を生み出して安定的な処遇改善につなげる」。またその下にも「専門職による提供であり、専門性の高い人材をいかに確保していくかが課題である」ということがきちんと書かれております。しかし、資料1の13ページの「(1)介護職員処遇改善加算の拡大」「(2)サービス提供体制強化加算の拡大」のところを見ますと、先程来、この処遇改善加算についてはいかがなものかという御意見も多々ございますが、今回の介護人材確保対策が、この処遇改善という点に偏っているのではないかと思います。この労働環境の改善、介護職員の専門化が、残念ながら今回の介護報酬改定では具体性を持って記載されていないということを感じるわけでございます。そういうことを考えまして、ぜひ40ページ、今後の課題。

 今後の課題については、まだ後の時間でございましたか?


○田中分科会長 もう一度時間をとります。


○東委員 すみません。では、そのときにまた話をしますけれども、ぜひここにも盛り込んでいただければと思います。

 以上です。


○田中分科会長 介護人材確保はより広い視点から考えるべきであるという大変的確な御指摘だと思います。

 平川委員、どうぞ。


○平川委員 ありがとうございます。1点目、処遇改善の関係につきましては、先ほど基本的なことについて申しましたので重ねては申し上げませんが、これは実施状況も100%ではありませんので、全ての事業所で処遇改善加算がしっかりと実施されるような対応が必要ではないかと考えているところであります。

 もう一つの介護療養型医療施設の関係でございます。この毎回の意見の際にも申し上げさせておりますけれども、基本方針が変わってはいないということを言いつつ、今回新たな機能強化型ということを打ち出すということについては、かなり違和感を覚えているということであります。

 既に、一部新聞報道では廃止の方針を改めたという報道もあり、これは事務局のほうから誤りだという言い方をしているところでありますけれども、受け止めとしてそうなってしまうのは、本当に大きな問題だと思います。

 また介護療養型医療病床の地域の偏在が大きいという問題です。本当にこの制度の中で引き続き位置づけていくのか。しかも、機能の強化については評価をするということがどうしても理屈として合わないのではないかと考えているところでありますので、間違ったメッセージにならない形で修正をお願いしたいと考えているところであります。

 以上です。


○田中分科会長 亀田参考人、どうぞ。


○亀田参考人 資料の35ページから36ページにかけて、特養の多床室の取り扱いについてでございます。

 知事会のほうからは多床室の整備時期による報酬区分の撤廃ですとか適切な評価について要望したところでございます。今回の取りまとめにおきましては、多床室について新たに室料分の負担を求めることなどのほか、なお書きでありますが「プライバシーに配慮した居住環境改善に向けた取組についても進める」と。また「基本報酬の見直し」のところでは「評価を適正化する」という表現になっております。

 この「プライバシーに配慮した居住環境改善」については、この表現だけでは実際にどのように進めるのか、例えば多床室について新たな報酬の区分を設けるといったお考えなのか、先ほどの多床室の整備時期による区分の取り扱いも含めてお伺いしたいと思います。

 以上です。


○田中分科会長 桝田参考人、亀田参考人からの御質問にお答えいただけますか。


○迫井老人保健課長 療養型に関しましては御質問ではないという理解でよろしいですね。


○辺見高齢者支援課長 桝田参考人からの御質問でございます。

 3点ほどあったかと思いますが、1点目は意見ということでしょうか。日常生活継続支援加算についての御意見であったかと思いますが、2点目の従来型個室の取り扱いについての御質問でございますけれども、恐らくご覧いただきましたのは参考資料1の229ページにおいてグラフが2つ書いてあるところでございます。

 こちらは、ユニット型個室と多床室の利用負担を比べているものでございますけれども、便宜2つのものを比べているところでございます。この取りまとめの中でもお示しをしております基準費用額における見直しの対象は多床室の部分だけでございますので、従来型個室についての見直しということはこの項目の中には入ってはおりません。

 また、36ページの赤字についてどのような影響がということでございますけれども、実際その単年度もしくは特定期間における赤字と、長期間で見た場合の黒字と赤字の変化もございますし、個別の施設ごとで見ますと、入所者数の変動ですとかサービスの改善による加算の取得等ございますので、少し具体的にどのような状況かということを把握しているかという御質問かと思いましたけれども、個別の状況としては把握することは困難かと思います。あえてできるとしても、あくまで全体としての比較かと思います。

 あと、亀田参考人からの御指摘でございます。

 まず、36ページの5行目ぐらいにあります「プライバシーに配慮した居住環境改善に向けた取組」ということでございますが、現時点で考えておりますのは、プライバシーに配慮した居住環境について、これまで調査研究等を行ってきておりますのでその成果について周知をしていくといったことを考えております。

 なお、報酬区分を設けることについては、この中でも特にそういった形での御提案もこれまでもさせていただいておりませんし、実際にどういった区分にするのかで実務的な難しさも伴うと思っておりますので、報酬区分を設けることは検討しておりません。ただ、それ以外の方法で何らかの財政的な支援を含めて検討できるかどうかということについては、一つの課題であろうかと思っております。

 あと、開設時期により現行の多床室については階差が設けられているところでございますけれども、基本的には今度全体の方針が決まった中で、単価を考えていく際にその決め方については検討したいと思いますが、前回の報酬改定の時期とは少し経済状況等が異なっているところもありますので、格差をなくした形での決め方もあり得るかなと考えております。

 以上でございます。


○田中分科会長 内田委員、どうぞ。


○内田委員 38ページの介護職員の「処遇改善加算」でございますが、この3ページにも「介護人材確保対策の推進」と書いていただいておりますとおり、介護職員の確保はもう喫緊の課題だと言えるわけですけれども、その中でこの処遇改善についてはいろいろな御意見があるのは十分承知をしておりますが、ただ今この処遇改善加算があることで、それが介護職員の報酬に反映されているという事実もあるわけですので、今後も取り組んでいっていただきたいということをお願いするとともに、今度介護保険の改正があったときに金額が大幅に変更されるなどということがないようにお願いをしたいと思います。

 また、この加算の使途なのですが、できれば本俸に組み込む、本俸の改善といったことで本人にきちんと渡る仕組みを推進していっていただきたいのと、当会で調査をしたところによりますと報酬が上がった実感がない介護職員もいるようですので、介護職員に対して事業者側から十分説明する取組も進めていっていただきたいところです。

 もう一つ、この介護職員の処遇改善加算の定量的要件なのですが、今挙げていただいている処遇全般、教育、研修、あと職場環境といったことでその中に書いてあります内容が、具体性のないものも多かったり、あるいは介護保険下での事業をやっていたら当然そのことはやっていなければいけないであろうことなども入っていて、この要件についてもう少し具体的なものにしていただきたいと思います。

 なおかつ、先ほど労働環境のお話が出ましたけれども、例えば夜勤が月々8、9回あるなどということがあったりしますと本当に疲れ果ててやめるといったことにもつながりますので、何かそういう労働環境も改善できるような要件を入れていただけたらありがたいと思います。


○田中分科会長 田部井委員、どうぞ。


○田部井委員 35ページ、36ページの介護老人福祉施設のところなのですが、35ページの(マル6)の一定所得のある多床室利用者に室料相当分の負担を求めるということなのですが、私どもは8万7,000名集めた署名の中でも年金収入280万円以上の人への利用料の2割負担引き上げはやめるという項目を設けて反対してきました。その署名の趣旨にのっとってこの(マル6)には反対です。

 先ほどの御発言の中でも結局また負担増の連鎖を招いていくのかなという懸念を感じますし、そこで切り下げられたものが結局報酬の切り下げとして反映されているのだとすると余計これは賛成できないと思います。

36ページの(マル7)の基本報酬を一定程度減額するとはっきり書いてあるのですけれども、社会福祉法人は内部留保が多いということなのですが、私どもはそういうケースについては個別のチェックを厳しく行うことで対応すべきであって、いろいろなことに熱心に取り組んでいる法人まで含めてしまう基本報酬で行うのは妥当ではないのではないかと考えています。これも同じで介護報酬を3、4%切り下げるというものに結局全体として介護の世界が縮こまっていくという形に使われるとすれば、なおのこと賛成はできないと思います。今働いている人、あるいはこれから働こうとする人が報酬は切り下げられていく世界にどういう意図をもって働こうと思うでしょうか。そう考えますと、そういうことに使われていくという意味でも、この項目については賛成できないという意見を述べたいと思います。


○田中分科会長 鈴木委員、どうぞ。


○鈴木委員 意見を述べさせていただきたいと思います。

37ページの10.の「(5)介護保険施設等入所者の口腔・栄養管理(地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護を含む)」についてでございます。これにつきましては前回もお話しさせていただいておりますが、基本的には医療との整合性を図るべきであると考えております。

 介護分野では、資格を問わず誰でもできるものを行うことはよろしいと思いますが、医師や歯科医師の指示に基づいて行うものについては、医療と介護で異なる実態とならないように、もう少し整理が必要ではないかと考えます。

 少なくとも、医療での評価や訓練が必要な場合、議論の中ではVEVFは介護ではできないからやらないということで片づけておりましたが、そうではなくて、そういう場合は速やかに医療機関に紹介することによって、後で連携という話も出ておりますけれども、それを明確に示しておくことが必要であると思います。

39ページの11.の「(3)地域区分」の話ですが、「その他(0%)」地域をマイナスにすることがないようにぜひしていただきたいと思いますし、近隣の自治体間で大きな格差が生じないようにする配慮も必要であると思います。

 以上です。


○田中分科会長 堀田委員、お願いします。


○堀田委員 先ほどの東委員の御指摘とやや重なるかもしれないのですが、38ページの「(1)介護職員の処遇改善」のところですけれども、これまで過去に何回かこれにかかわるさまざまな御意見や議論があったと思うのですが、一つは(2)とか(3)のようには最初の「(基本的な考え方)」があるわけですが、この11.の「(1)介護職員の処遇改善」のところについては、現状のこの案では加算というツールだけが引っ張り上げられてここに載せられているわけなのですが、例えばこの上に1、2行でいいですので、基本的考え方としてこれから質の高いサービスを安定的に確保していくということを考えると処遇改善について加算というツールにとどまらずに、広くさまざまなやり方について検討していくことは必要であると入れておいていただいた上で、この加算についての経緯と今後の方向性を残していただくのも一つありかなと思います。

 本来は、以前から申し上げていると思いますけれども、質が高いサービスを提供している事業所が評価されて、そこの担い手が職種を問わずそれが還元されていくというルートが望ましい姿だと思われますので、それは「(ローマ数字4) 今後の課題」にもかかわるのかもしれませんけれども、ここには今このツールとして加算しか入っていないですが、総合的に見て処遇改善について広く考えていくことは重要だということを最初に入れておいたほうがいいのではないかと思います。

 以上です。


○田中分科会長 処遇改善が上位目的で、加算というツールをめぐっての議論にとどめてはいけないとのご指摘ですね。ありがとうございます。

 ほかはよろしゅうございますか。

 最後、1ページしかありませんが、とても大切な「(ローマ数字4) 今後の課題」のところに移りましょう。

 東委員、お願いします。


○東委員 ありがとうございます。先ほどの続きになりますが、「(ローマ数字4) 今後の課題」のところに●が4つございますが、5つ目にぜひ介護人材確保対策については、処遇改善だけではなく介護職の専門職化、労働環境の改善という2点を今後の課題として入れていただきたいというお願い申し上げます。

 以上でございます。


○田中分科会長 ありがとうございます。

 武久委員、お願いします。


○武久委員 まず、一番最後の●ですけれども、以前のこの会でもお話ししましたが、調査をすると平均で7~8%の黒字だと言いながら極端な場合、二十何%の黒字とマイナス二十何%のところがあります。

 私は、二十何%の黒字の施設なんていうのは考えられないのですけれども、これは人件費を削っているのかそれとも何か相当な努力をされている結果ではないかと思いますが、逆にマイナス二十何%で事業が継続できているということも非常に不思議と思います。ここのところで、では必要に応じて職員をたくさん雇用して給与を適切に支給しているところがマイナス及びほとんど利益がない、いいサービスを提供しているところは利益が少なくて、そうでないところは利益が多いということにもしなってしまうと、今回のように介護報酬を一律に下げられるといい施設が駆逐されるということになると、これは本末転倒になるわけです。

 したがって、次回のこの実態調査につきましてはどうして大幅黒字なのか、大幅赤字なのかということが類推できるような質問をぜひ入れていただいて、単純に収支差だけで介護報酬の単価を云々するのではなく、ぜひその辺をつまびらかにしていただければありがたいと思います。

 最後の上のポツですけれども、医療との関連ということで30年同時改定を見据えて、どうもお年寄りになって特養や在宅、サ高住にいると病気になった、すなわち熱が出た、体調が悪いというときに、もうここでいいではないかということで、その施設やそういうところにいることによって早期発見、早期治療が遅れて、かえって医療費が上がるということになりかねないと思います。これは、症状がもしありましたら直ちに医療機関を受診して適切な治療をして短期間でもとの生活に帰るのが一番適切な方法でありまして、これにつきましては、今回の診療報酬改定も、時々入院ほぼ在宅を徹底的にやることのほうが、むしろ医療費及び介護費用は適正化されると思います。

 以上です。


○田中分科会長 ありがとうございます。

 鈴木委員、齋藤委員の順でお願いします。


○鈴木委員 3つ目のポツです。「同時改定を念頭に」ということで、医療保険との連携が書かれておりますけれども、実際医療と介護は連携から一体化へという方向性もありますので、連携はもちろん大事ですが、さらに一体化という方針も踏まえて、診療報酬と介護報酬の整合性をぜひとっていただきたいと思います。

 どうしても両者が異なる必要がある場合には、きちんと説明していただきたいと思います、今後ますます両者が密接な関係になった場合に異なると現場が混乱しますので、よろしくお願いしたいと思います。

 次は同時改定で、2025年に向けた改革の中で大きな節目になると思います。どこかの国の制度をそのまま持ってくるとか、あるいは在宅か施設かということではなくて、我が国には中小病院や有床診療所、専門医が開業する診療所という既存資源がありますので、これから何かを新しくつくることは難しいわけですから、それらの既存資源を活用しながら在宅か施設かではなくて、在宅も施設も活用する日本型の高齢者ケアシステムを確立していくことをぜひ大きな目標にしていただきたいと思います。

 以上です。


○田中分科会長 齋藤委員、どうぞ。


○齋藤(訓)委員 私も最後の課題のところで幾つか意見したいと思います。

 参考資料3で私どもの意見を出しておりますのでお読みいただければと思いますが、介護保険は、やはりあくまでも自立支援というところが非常に重要なことだと思っておりますので、審議の中で少し申し上げましたけれども、特に今回各種リハビリテーションの見直しがありましたが、それに加えて「日常生活における食事・排泄・移動の自律支援等で利用者の尊厳保持と介護負担の軽減に直結するサービスの効果」につきましては、きちんとデータを収集して報酬上の評価をぜひ検討していくべきだと考えています。

 次回は、ダブル改定ということですが、他の委員からも御指摘のように医療ニーズの高い方々を介護で見なければいけないという状況になりますので、介護施設に対しては、外部からの医療サービスの導入など、医療と介護の柔軟な連携協働体制を可能とする仕組みについて検討が必要だと考えています。

 ケアマネジメントにおきましてもケアプランに医療サービスを適切に組み込むことが課題になっていることを踏まえ、医療ニーズへの対応を含めたケアマネジメントのあり方・実施体制について早期に検討開始すべきだということを考えます。

 「2.介護サービス事業者の労働環境改善」に向けましては、38ページで幾つか指摘をされていますし、また東委員からの御指摘がありましたけれども、いわゆる処遇改善のみならず、腰痛予防あるいはメンタルヘルスといったように顕在化してきている問題もあろうかと思います。事業者による安全衛生管理、労務環境の改善の積極的な取組を促すことが必要なのですが、得てして労働基準法、労働衛生管理等を学ばないまま経営の場につく、管理者の役職につくという方々も多いのではないかと推察しますので、この経営者・管理者の労務マネジメント強化を研修等で支援することに加えまして、最低限健康の維持のために必要な項目等につきましては、もう報酬の要件に入れていくということでもっと踏み込んだ対応策も考えられるのではないかと思いますので、これも引き続き検討していただきたいと思います。

 今回、介護人材の有効な活用ということで、地域の中の資源なのだという考え方のもと、人員基準や専従要件が緩和になりましたけれども、このことがイコール職員の過重労働につながることがないように、今回改定によるサービス提供体制の変化につきましては、職員の労働条件もあわせて検証・調査を行っていただきたいと思っております。

 以上です。


○田中分科会長 河村委員、どうぞ。


○河村委員 私は全国の小規模町村の状況として、この分科会で幾つかお話しさせていただきました。その中でいろいろ議論を聞いていまして、将来にとって私たちの小規模町村が抱えている問題について、今後の課題として意見を述べさせていただきたいと思います。

 一つには、以前にも意見を申し上げましたように中山間地域、あるいは過疎地域等の小規模町村については、現実には在宅介護サービスが行き届いていないという話しをさせてもらいました。全国のユニバーサルという意味で住民の皆さんが享受できる部分をいかに増やしていくかということについて、今後考えていただきたいと思います。

 二つには、先ほど武久委員から意見がありましたように、資料を読みますと3億6千万円の内部留保を持っている特養は、必ずしも全部ではないということです。実際問題として資料にもありますが、補助金や低利の融資があるから内部留保を取り崩さなくても建て替えはできると書いてあります。

 私の町には4つの特養がありますが、その一つの特養が実際に改築をするときに資金が足りませんでした。もちろん都の低利の融資、国の補助も受けています。しかし、どうしても足らないということでしたので町が条例を作って、3年間にわたって6千万円の支援を行いました。こういう施設が実際にあるのです。ただ単に、多くの施設に内部留保があるという話ではなくて、個々の実態を、出てきた資料だけで判断するのではなくてきちんと判断をしていただきたいと思います。特に、私の町は特養が非常に大きな力を発揮しております。今後における災害対策の問題についても災害協定を結んで、いざというときに施設に受け入れるという体制もつくり出しております。

 したがいまして、小規模な町村にある特養などの施設については、地域で非常に大きな役割を担っているわけでございます。全国レベルの中で平均的にものを考えるのもそれは結構でございますが、そうではない928の町村が実態として皆さんが議論しているよりは、相当のレベルで悩み、苦しんでいるという実態を次回改定では、きちんと扱ってほしいと思っております。

 以上です。


○田中分科会長 ありがとうございます。

 井上委員、安部委員、お願いします。


○井上委員 ありがとうございます。

 簡単に申し上げます。

 「(ローマ数字4) 今後の課題」の2つ目の○で「医療と介護の連携・機能分担」という文言が3行目ぐらいに出てきます。

 ずっと今日議論されてきましたけれども、やはり介護の専門性とは何かということを具体的に明確に出していくことが、この「医療と介護の連携・機能分担」をはっきりさせることではないかと思います。それをどうしてもやらなければ、何となくわかっているではだめだと思うのですね。介護の専門性とは何かということを具体的に出していくことが本当に求められていると思います。

 真ん中の●で「今後の診療報酬との同時改定を念頭に」という文言がございます。「サービスの適切な実態把握を行い」というのがありますけれども、私は「効果的・効率的なサービス提供の在り方を検討する」という、ここはとても大事だと思います。本当にわかりやすいサービス、そのサービスに応じたサービス利用費が機能ごとにきちんと出されることがとても大切ではないかと思います。今までの経過の中で十何年間の介護保険が適用され、経過の中で加算減算という仕組みをやらざるを得なかったということはよくわかります。

 でも、今度こそきちんとそういう加算減算で絶えず紛らわされるのではなく、機能によってその費用を考えてやっていくということを地域包括ケアシステムができるわけですから、それも踏まえてきちんとやっていくべきではないかと思います。○田中分科会長 ありがとうございました。

 安部委員、どうぞ。


○安部委員 「(ローマ数字4) 今度の課題」の3つ目の●でありますけれども、今後の同時改定を念頭に、実態把握やサービス提供のあり方を検討する、大変重要な御提案だと思いますし、妥当だと思いますが、若干今後の課題ということで漠然としているというか項目が明確ではないところがあるなと感じました。

 そういった意味では、これまでこの分科会でさまざまな立場から御意見があって私も薬剤師の立場から意見を申し上げさせていただいておりますけれども、その中で、例えば医薬品の適正使用とか管理、こういったものの確保は在宅療養の限界を高めて、その質を高める上でも必須の要素となりますので、この課題を今後具体化する際には、そういった医薬品の使用に関する実態調査ですとかあり方の検討も項目に加えていただきたいと思います。

 これは今後、医療介護連携政策課のほうがおやりになるのかもしれませんが、我々薬剤師の話だけではなく在宅や地域にある既存のインフラを適正に使用しつつ、こういった実態把握でありますとかあり方の検討というものを進めていただきたいと思います。

 以上です。


○田中分科会長 鷲見委員、どうぞ。


○鷲見委員 「(ローマ数字4) 今後の課題」の2つ目の●でございます。

 統一的視点による利用者の状態の把握を行って、そして維持・改善を図れたかを評価する質の評価を用いた報酬評価の方向性につきましては、現在のアセスメント様式ごとの課題等をきちんと理解した上で質の担保をする仕組みとして介護支援専門員自身が、その確立に能動的にかかわっていくことを推進していく必要があると思っています。

 また、給付管理を伴わないケアマネジメントの評価、いわゆるインフォーマルサービスを活用した評価等についても引き続きぜひ検討していっていただきたいと思います。

 今回、福祉用具のみのケースにおいてもケアマネジメントのプロセスの重要性については御理解いただけたと思いますし、また、この改正の中で多職種が一堂に会しながら進めていく場面が多数見られ、ケアマネジメントの重要性というものが示されていると思います。

 先ほど、課長のほうから制度改正以来から考えていなかったようなマネジメントという形が出てきているというお話があったかと思いますが、どうしたら利用者家族にわかりやすくこの制度理念がきちんと伝えられることができ、尊厳に配慮したケアマネジメントが実現できるのかという視点に立って外づけのケアマネジャー、いわゆる主事のケアマネジャーの検討も含め、アセスメントが行われる場面、方法、その管理についてきちんと整理していく必要があると考えます。

 以上です。


○田中分科会長 本多委員、どうぞ。


○本多委員 今回の改定に向けた審議報告においては、全体として介護サービスの評価の適正化とその効率的な提供体制の構築に関する事項が織り込まれており、全体として、めり張りのついた点は評価したいと思います。

 また、今回の内容はどちらかというとプロセス評価が項目として多かったと思いますが、今後の課題については、2つ目の●にあります質の評価という点、難しい面もあるかと思いますが、アウトカム評価も取り入れていくべきであると思います。そうすることにより、結果として、質の高い優良事業者が評価されることになり事業者全体の向上にもつながるのではないかと思いますので、そのような点も盛り込んでいただければと思います。


○田中分科会長 田部井委員、堀田委員の順でお願いします。


○田部井委員 大きな意味での今度の課題ということなのですが、要介護認定のあり方なのですが、やはり要介護認定は必要な人が必要なサービスをきちんと受けられるために必要なことだと思います。その意味で、ぜひ要介護認定のあり方について引き続き検討をしていただくことをお願いしたいと思います。

 家族の会はずっと、認知症がある人の場合には、きちんと要介護1以上の判定を受けて専門的なサービスが受けられるように、できれば一次判定で認知症があると認められた場合に、一次判定で要介護1以上になるようなシステムにしてほしいと要望をしています。このことについては、今回の案では具体的に入っていないのですけれども、家族の会はそのように強く願っている、要望していることを委員の皆さん、傍聴の皆さんにもぜひ記憶していただいて、次回の検討のときに具体的な案として検討対象になるように考えていっていただければありがたいと思います。


○堀田委員 1つ目の●か3つ目を少し補強いただければということになるのかもしれないですけれども、今回の改定で、これまで事業所単位とか業務に着目した基準とか評価だったものが機能に着目するということは明確になりましたし、人員配置基準の緩和などでも見られるように業務や事業所単位を抜けていこうというメッセージがやや出てきたところだと思いますので、これをさらに次を見据えて持続可能性を高めていくこと、あるいは地域包括ケアシステムを考えていくと、地域の中で必要な機能に着目して、よりその機能が柔軟に統合できるような持続可能な経営マネジメントのモデルについての研究を深めていくことは、足すか補強か、何らかのメッセージとして明確に出していただければと思います。


○田中分科会長 地域包括ケア研究会に参加してきた身からすると、今、堀田委員の言われた地域の機能、個別の業務だけではなくて形態としてそれがどういう意味を持つかなど、報酬改定の話よりはまずは研究だと思いますが、早めに検討しましょう。研究者たちは自分で研究するにしても、それだけではなくて老健事業等の支援を期待いたします。

 佐藤委員、どうぞ。


○佐藤委員 ありがとうございます。今回、この改定の中で12ページにあるように例として「口腔・栄養に係る取組の充実」ということで、こういった形で挙げていただけたことを本当に感謝したいとまず申し上げたいと思います。

 その上で、私どもがこういった口腔だけではないですが、口腔機能に着目することの改定という部分で今後の課題の中にも挙げられていることは、本当に転機になるいい改定の内容として評価をしたいと思いますし、平成 30年は医療・介護保険同時改定ですので、その同時改定に向けて、今回の口腔機能に着目した改定内容を評価、検証していただきたいと思います。その効果がいかに重要であったかということを次期改定に生かせるような取組をぜひお願いしたいと思っております。

 以上でございます。


○田中分科会長 鈴木委員、お願いします。


○鈴木委員 介護では在宅が非常に重要なわけですが、医療において在宅は重要です。今回の診療報酬改定においても在宅の不適切事例への対応が行なわれました。介護でもそういう方向はあると思うのですが、介護の場合は在宅に関しては混合介護という状態になっておりますので、営利的、企業的な在宅に対して質をどのように担保していくか、在宅介護の評価の精緻化に取り組んでいかないと在宅があるべき方向に進んでいかないのではないかと思います。これはそれこそ診療報酬、介護報酬があわせて取り組むべき課題だと思うのですが、それらについて、同時改定というとまだ少し先であり、いろいろな検討や研究なども可能だと思いますので、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。


○田中分科会長 ありがとうございます。

 一当たりよろしゅうございますか。

 今回、機能に応じた報酬の方向を今佐藤委員も言われましたが、そういう筋道が出ていますし、地域単位での人員への方向も示されています。そういう意味では進化している部分があるので、それが生きるように今後の研修や研究も必要であります。

 また、鈴木委員に言っていただいた施設と在宅は対比概念ではなくて、施設や病院は在宅を支えるものであって在宅との対比概念ではないことについても、今日意見が出たことを大変うれしく思います。

 分科会長代理、どうぞ。


○大島分科会長代理 これからの医療や介護が在宅を中心にした提供体制に変わっていくという中で、もう皆さん随分わかっていると思いますけれども、それぞれの職種の役割分担とその専門性をどう連携していくのかということが鍵であるということについて改めて言うまでもないと思います。今日の議論でも介護の専門性とは一体何なのか、あるいは薬剤師がどうあるべきか、歯科医療がどう動くべきかについて、その全体の連携の中での役割分担を地域の中でどうやっていくのかということが、非常に大きな課題であると意見が出されました。

 何を言いたいかというと、専門性はそれぞれの専門職能団体が自らつかみ取っていかなければならないということです。最後は質の問題だという議論もありましたが、職能団体が自らその質を担保していかなければならないということを改めて強調しておきたいと思います。

 もちろん、そのための条件や待遇はすごく大事ですけれども、しかし、その質、自らの専門性が一体何なのかということは、その職能団体が自ら考えて担保していく、それを社会にきちんと信頼してもらえるように、心配ないよという形で示していくことしかないと思います。そういうことを改めて強調しておきたいと思います。


○田中分科会長 ありがとうございます。

 堀田委員、どうぞ。


○堀田委員 時間がありそうなので私も今大島先生のお話をお聞きしながら、ここに書くかどうかということはまた別の話なのですが、今日もこの介護人材の確保や処遇改善などに関して今後の課題のところでもというお話があったのですけれども、この介護職に限らずケアの担い手の安定的な確保ということを考えたときに、田中先生もよく整理なさいますが、現場のケア論のレベルとマネジメントのレベルと制度論のレベルがあって、人員配置基準の話や加算はまさに制度論のレベルなのですが、どなたかの御意見にもありましたが、実際にケア論として自立支援型のケアをどうするのか、それこそ認知症の方々に対するもっといいケアはないのか、アセスメントに基づいたケアをどうするのかはこういうところで話すべきことではなくて、それはそれでそれぞれの実践の現場からどう出していくかというレベルですし、マネジメントのところでいくと、それこそほかの雇用管理とか何とかというと、安定局でもやっていたりとか基準局でも何とかとかそういうのがあったりするわけなのですが、今大島先生がおっしゃってくださったような職種間の役割分担をどうする、あるいは補助的な方々、後方支援をする方々との役割をどうするかみたいな話はこの分科会ではないですが、ここにいらっしゃるような方々、あるいはその現場でしかできないようなことだと思いますので、それぞれケア論、マネジメントのレベルというものが、それをそれぞれが追求していくことによって、結果的に持続可能性も高まる、ほかの需要の伸びを抑制していくことにもつながるし、働きがいも高まるというような形が出されていくことも非常に今後重要ではないかなと思います。

 以上です。


○田中分科会長 人材については社会・援護局でも、同じ社会保障審議会の福祉部会においても議論が進んでいますので、それと連携をとりながら議論を進めてください。

 よろしければ本日の議論は、ここまでといたします。

 それでは、どうぞ。


○平川委員 最後に、今後の作業の関係で、地方自治体のほうでは介護保険事業計画を今策定していると聞いております。

 住民説明も行われておりますけれども、なかなかこの介護給付費、介護報酬改定が具体的にどうなっていくかというのはなかなか見えないという中で、住民説明を行っても具体的に次期計画における保険料が住民に説明できないという事態も聞いておりますので、ぜひともその辺は今後の作業として地方自治体などとしっかり連携をして、地方自治体において住民との説明にそごが出ないような形で対応をお願いできればと思っているところです。

 以上です。


○田中分科会長 本日御議論いただいた「審議報告(案)」については、皆様の御意見を一度事務局に整理していただいた上で、次回の分科会で改めて取り上げて皆様と一緒に意見を交換いたします。

 次回の分科会の日程等について、事務局より説明をお願いします。


○迫井老人保健課長 本日は誠にありがとうございました。

 次回でございますけれども、来年になりますが、1月9日金曜日、時間は14時になります。開場はベルサール九段にて、審議の取りまとめに向けた御議論をお願いしたいと思っております。

 本日「審議報告(案)」ということで、前回の運営基準等に関する事項は既にお示しをしていましたので御説明については省略をさせていただきましたけれども、次回につきましては、そういったこともあわせて御審議をいただくことを考えておりますので、何とぞよろしくお願いをいたします。

 本日はこれで閉会とさせていただきます。

 長時間にわたりまして、誠にありがとうございました。

 


(了)

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