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2014年12月15日 第66回労働政策審議会障害者雇用分科会 議事録

職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課

○日時

平成26年12月15日(月)
10時00分〜12時00分


○場所

厚生労働省共用第8会議室(19階)


○出席者

【公益代表】阿部(正)委員、武石委員、中川委員、山川委員
【労働者代表】板垣委員、榎本委員、桑原委員、高松委員
【使用者代表】栗原委員、塩野委員、高橋委員、平岡委員、本郷委員
【障害者代表】小出委員、竹下委員、堤委員
【事務局】生田職業安定局長、広畑雇用開発部長、宮本障害者雇用対策課長、畑地域就労支援室長、松永調査官、川村主任障害者雇用専門官、中園障害者雇用対策課長補佐

○議題

(1)合理的配慮指針について3
(2)両指針のまとめ
(3)その他

○議事

○山川分科会長

それでは、全員おそろいになりましたので、ただいまから第 66 回労働政策審議会障害者雇用分科会を開催いたします。委員の皆様方には、お忙しいところ御参集をいただきまして誠にありがとうございます。本日は、菊池委員、松爲委員、斗内委員、阿部一彦委員が御欠席です。また、高橋委員が御都合によって 11 時過ぎに退席される予定です。毎回お願いしておりますが、発言の際にはお手を挙げてお名前を言っていただいてから御発言をお願いします。

それでは、議事に入ります。本日は、議題として (1) 「合理的配慮指針についてマル3」、 (2) 「両指針のまとめ」、 (3) 「その他」となっております。議題 (1) 「合理的配慮指針についてマル3」、議題 (2) 「両指針のまとめ」を合わせて議事としたいと思います。両指針について、事務局から説明をお願いします。

○松永調査官

おはようございます。障害者雇用対策課調査官の松永でございます。お配りしている資料について御説明します。

資料 1-1 、資料 1-2 は「合理的配慮の指針」で、前回の分科会で頂いた御意見を踏まえた修正をしています。また、この指針は最終的には告示の形で出しますが、出す前の段階で省内で法令審査があります。その法令審査を踏まえた修正も合わせてやっております。法令審査は、現時点でまだ終わっておりません。現時点までに指摘を受けたものについて修正しております。

修正した部分ですが、 1 ページ、指針の題名については、法令審査を踏まえて「及び」「並びに」といった表記の修正をしております。

2 ページ、第 2 の「基本的な考え方」ですが、こちらも法令審査を踏まえた修正をしております。「すべて」を漢字で表記するとか、「法」という表記を取るとか、句読点を付ける等の修正を何箇所かしております。

3 ページ、第 3 「合理的配慮の手続」についても、同様に法令審査を踏まえた修正をしております。 1 行目の所を削除するとか、「事業主は」「当該障害者と」といった主語、目的語等を付けるような修正をしております。また、 1 (3) のロですが、ここも法令審査を踏まえた修正で、「その検討及び実施に際して」と表記の修正をしております。

4 ページ、第 3 の続きですが、こちらも法令審査を踏まえた修正をしております。「事業主からの」を「事業主の」に修正するとか、主語等を明確にするために「事業主は」「当該障害者と」といった言葉を追加するとか、送りがなの修正等もしております。先ほどもありましたが、 2 (3) 「合理的配慮の確定」のロですが、「その検討及び実施に際して」といった表記を追加しているというのは同様の修正です。

6 ページ、第 4 「合理的配慮の内容」ですが、 1 行目は法令審査を踏まえた削除です。 2 行目は、それぞれの項目ごとに表題を付けるということで「合理的配慮の内容」と付ける、その下の文章の中に括弧書きで「ただし、第 5 の過重な負担に当たる措置を除く。」と追加するなどの修正をしております。 1 (1)(2) ですが、網掛けをしている所があります。ここは、前回分科会で頂いた御意見を踏まえた修正です。 1 (1) の最後で「障害者の障害の特性に配慮した必要な措置」、 (2) の最後で「障害者である労働者の障害の特性に配慮した職務の円滑な遂行に必要な施設の整備、援助を行う者の配置その他の必要な措置」といった修正をしております。その他は、法令審査を踏まえた修正です。

7 ページ、第 5 「過重な負担」ですが、ここも法令審査を踏まえた修正をしております。項目ごとに表題を付けるということで、「過重な負担の考慮要素」という項目を付ける等の修正をしております。

8 ページ、第 6 「相談体制の整備」です。こちらも法令審査を踏まえた修正をしておりますが、 1 か所だけ前回の分科会での御意見を踏まえた修正があります。 5 「その他」ですが、前回頂いた御意見を踏まえたものとして、「これらの相談体制の整備等に当たっては、障害者である労働者の疑義の解消や苦情の自主的な解決に資するものであることに留意すること」といった言葉を追加しております。以上が資料 1-1 の修正です。

次に、資料 1-2 「別表」の修正です。こちらも法令審査を踏まえた修正をしております。何箇所か同じ修正をしておりますが、例えば視覚障害の採用後の事例で、「移動の支障となるもの」を「物」と漢字で表記するという修正をしております。

5 ページ、前回の御意見を踏まえた修正ですが、「知的障害」の所です。知的障害の採用後の事例の上から 4 つ目に「出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること」と、「通院」を追加しております。

7 ページの発達障害の所でも同じような表記がありましたが、こちらも「通院」を追加しております。資料 1-2 の修正は以上です。

資料 2 ですが、こちらは前々回まで議論していただいていた、もう 1 つの「差別禁止に関する指針」です。前々回から修正したものは、全て法令審査を踏まえた修正です。 1 ページ、第 2 「基本的な考え方」の最初で「すべて」を漢字にするとか、「直接差別をいい」という表現にするとか、最後のパラグラフで「障害者も共に働く 1 人の労働者であるとの認識の下」に修正をしております。あとは細々と修正をしておりますが、形式的なものです。個々の説明は割愛します。

以上が前回からの修正点です。本日は、この 2 つの指針について御議論をお願いします。以上です。

○山川分科会長

ただいま事務局から説明をいただきました。大部分は省内の法令審査が進行中で、その結果ということですが、一部御議論を踏まえた修正がありました。以上について御質問、御意見等はありますか。

○竹下委員

竹下です。日本語が理解できないのですが、第 6 1(2) の末尾で、事前の文体と変わっているので、後で場所を特定してから、もう 1 回質問します。

○山川分科会長

分かりました。今のは資料 1-1 でよろしいですか。

○竹下委員

はい。

○山川分科会長

ほかに御意見、御質問がありましたらお願いします。

○中川委員

中川です。「合理的配慮指針」ですが、第 4 「合理的配慮の内容」の 2 の合理的配慮の事例の 1 行目で、「多くの」という言葉を使っております。確認ですが、「多くの」と言った場合は、たくさんのという意味と、割合を示す大部分という両方の意味があると思います。これは割合を言ったものとして捉えていいのかというのが 1 つ目です。曖昧な言葉ですが、割合を言う場合も半数を超えていれば「大半」ですし、「大多数の」と言えばもっと割合が多くなるので、当分科会としては「多くの」をどういう意味で使っているのかを確認しておきたいと思います。

○松永調査官

障害者雇用対策課の松永です。「多くの」の考え方ですが、もともとこの法律の前提として、合理的配慮の提供は規模の大小に関わらず、中小零細企業も含めて全ての事業主にやっていただく義務というのが法律上の位置付けです。また、合理的配慮の事例を指針等に位置付けていくときに、どうしても指針の中には個別性・多様性があるので、事例を書くにしても網羅的に書き切れないので、ここにもありますように、多くの事業主が対応できると考えられる代表的な事例を書いていこうという考え方でこの表記をしております。「多くの事業主」といった場合、何割以上と具体的な数字で、何パーセントの事業主ができるであろうという実態を調べているわけではありませんが、我々も実際に、これは研究会のときに議論していただいたのですが、中小企業の事例もいろいろ調べた中で、規模の小さい所でもある程度できるであろうものとして、ある程度コンセンサスが得られるものを表記していくということで、そういった意味での「多くの」という意味合いです。

○中川委員

割合と考えていいわけですね。たくさんという意味ではなくて、割合が多いと。

○松永調査官

ある程度の割合、何パーセント以上とはなかなか申し上げにくいのですが、抽象的な意味でそれなりの割合の企業の皆さんで対応できるであろう措置として、この分科会でコンセンサスの得られたものを表記していると御理解いただければと思います。

○山川分科会長

よろしいですか。

○竹下委員

竹下です。事前に頂いたのと今日とで点字の表記が間違っていて混乱したのですが、特定できました。第 6 1 (2) 「相談窓口の担当者が」という文面です。この最後の日本語の意味が分からないのですが、「対応できるよう必要な措置を講ずること」とあります。「状況に応じ適切に対応できるよう」というのは分かりますが、「必要な措置を講ずる」というのが、日本語として意味が理解できないので教えていただきたいと思います。それが 1 点です。

また、同じく第 6 5 で「あることに留意すること」とありますが、何を留意するのか、主語がないと思うのです。「これらの相談体制の整備等に当たっては」というのが主語だとは思いませんが、「当たっては〜留意すること」という日本語は成り立たないので、何が留意することなのかを御説明いただければと思います。この 2 点です。

○松永調査官

松永です。 1 点目、 1 (2) の「必要な措置を講ずる」の所ですが、その前にある「その内容や相談者の状況に応じ適切に対応できるようにするために必要な措置を講ずる」ということで、例えば研究会のときにも多少議論があった、相談に対応するためのマニュアルを作っておくとか、相談者に合理的配慮の中身、法令の内容等を理解していただく、あるいは障害特性等を勉強していただくような研修をしていただくといったことが、一例として挙げられると思います。そういった措置を講ずるということです。

○竹下委員

対応できるようにするためには、事前ないしはその場で適切な措置を講ずるという意味ですか。

○松永調査官

そういう意味です。

○竹下委員

分かりました。

○松永調査官

もう 1 つ、「その他」で「自主的な解決に資するものであることに留意すること」と表記したのは、もともと第 6 で言っている相談体制の整備は、障害者雇用促進法第 36 条の 3 に基づいてやるということですが、これは条文にもありますように、雇用する障害者からの相談に応じて適切に対応するためのもので、そのために相談体制の整備を講ずるということが法令上の位置付けになっております。この相談体制の整備の取組は、単に相談に応じとか適切に対応するということだけではなく、今回追加したような障害者の疑義の解消はもとより、苦情の自主的な解決といった、これは前回でも紛争の予防ということで御指摘も頂きましたが、そういったものにも資するものにもつながると考えております。前回の議論でも、なるべく裁判に至らないようにすることが大事であるという御意見を頂き、紛争の予防の趣旨も持ち得るということが読み取れるような修文をすべきであるという御指摘があったことを踏まえて、このような書き方をしております。

○中園障害者雇用対策課長補佐

障害者雇用対策課長補佐の中園です。後段の御質問について補足します。 5 「その他」の文章自体は、主語は何かと言われれば「事業主は」ということになります。第 6 1 2 行目に、「事業主は、労働者からの相談に応じ、適切に対応するため、雇用管理上次の措置を講じなければならない」ということで、以下に「次の措置」を列挙しているという構成になっているので、各項目では主語の「事業主は」を省略しております。

○山川分科会長

お二人の御発言をまとめると、「留意すること」の主語は「事業主」で、「資するものであること」は相談体制ないしその整備ということになるでしょうか。竹下委員、いかがでしょうか。

○竹下委員

理解できたつもりです。

○栗原委員

栗原です。書かれている文言を変えてほしいということではないのですが、個人的に引っ掛かるので、意見ということで聞いていただければと思います。資料 1-2 で、視覚障害から始まって、各障害の分野について書いてある採用後の中で、「出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること」と書いてありますが、これは障害を持たれている人だけでなく、健常者も同じだと思うのです。ですから、新たにこのような強調したような書き方はどうも引っ掛かるのです。体調が悪ければ、健常者だって病院に行きたいということで通院をする。これは健常者も障害者も変わらないと思うのです。ほかの件についても変わらないので、余りこういう文言は強調されているようで、私は障害者と健常者は働いている上では同等に扱うと考えておりますので、いまいちしっくり来ないというのが私の考えです。

○山川分科会長

今の点について、ほかの御意見、御質問等はありますか。御感想ということですが、事務局から何かありますか。

○松永調査官

松永です。ここの事例に何を載せるかは、これまでいろいろな議論の積み重ねがある中でこういった形になっております。おそらく、中身によっては健常者でも同じような配慮が必要であろうということは当然含まれているかと思います。ただ、最初に作ったときもそうでしたが、通院のようなケースは特に中途障害になられた方への配慮や、精神障害の方で調子に波があるような方への対応ということでは、注意していただく 1 つのポイントではないかと理解して、こういった事例を入れてはどうかと御提案したものです。結果として、それは健常者もそうであろうというのは御指摘のとおりですが、特に障害をお持ちの方、あるいは中途障害になられた方への配慮として、特に求められることが多いのではないかという認識を我々としては持っておりますし、そういったものとしてどの程度のものを書くのかはまた御議論いただければと思います。そのように御理解いただければと思います。

○山川分科会長

おそらく研究会以来の項目で、簡単に書いてあるので、栗原委員のような御感想が出て来得るかと思います。かと言って、外してしまうと反対に解釈されるおそれもあるので。

○栗原委員

ですから、外してほしいと言っているわけではありませんが、気になったので発言いたしました。ありがとうございました。

○竹下委員

3 3 の「その他」で、「合理的配慮の手続において、障害者の意向を確認することが困難な場合」の中身ですが、一番典型的なのは知的障害者などから本人の意思確認が困難な場合が認識しやすいわけですが、それに加えて、例えば合理的配慮としてどのようなものを具体化すべきかについて、障害当事者本人からは十分な提案や説明ができない場合も含むのではないかと思うのですが、それでいいのかどうか。併せて、その後の「就労支援機関の職員等に」の「等」はどういう人たちが想定されているのかについてお聞きしたいと思います。この「職員等」の中に、就労支援機関と言えるかどうか分かりませんが、もっと幅広い形で家族やその他の専門機関も含むと考えていいのか、この 2 点です。

○松永調査官

松永です。最初の御質問の障害者の意向を確認することが困難に場合ですが、イメージとしては先ほどおっしゃったように、御本人からコミュニケーションが取りづらい場合もあるでしょうし、御本人自体が障害特性をまだ十分理解できていないとか、どういう配慮が必要かをなかなか言えない場合に、それを補う専門家というケースも当然に想定されます。

2 つ目の「就労支援機関の職員等」の「等」ですが、ここはまさにいろいろなケースが考えられると思います。就労支援機関の職員ではなくて、先ほどおっしゃったような御家族の方も実際の事例でもありますし、学校の先生方ということもあります。そこは応募される方を取り巻く状況によって、いろいろなケースが考えられるかと思います。あとは事業主の方とお話していただく中で、どういった方に同席していただくのが適当か、個別に対応していただくということかと理解しております。

○山川分科会長

後者については、研究会の段階でも、当初の案は「家族等」と家族を例示していましたが、議論を踏まえて「就労機関の職員等」という例示の仕方に直したという経緯があったかと思います。

○竹下委員

了解しました。

○山川分科会長

資料 1-1 の「合理的配慮指針」について御質問、御意見を頂いておりますが、資料 2 の「差別禁止指針」もまとめて議事としておりますので、こちらについても御質問、御意見がありましたらお願いします。

○竹下委員

別表の視覚障害者に対する具体例の部分について質問ですが、採用後の 3 項目目に「通院」とありますが、ここにはリハビリのための通院、あるいは施設への通所が含まれるのかどうか。すなわち、リハビリテーションの正確な定義は知りませんが、非常に幅広いと思いますので、失明などの場合は歩行訓練もあれば点字の習得訓練もあるわけです。そういうリハビリの訓練がここに含まれるのかどうかが 1 点目の質問です。

また、聴覚障害の部分で、「面接時に、就労支援機関の職員等の同席」とありますが、ここの「就労支援機関の職員等」の範囲が疑問です。ここも家族や手話通訳者の立会いも含むと考えていいのかどうかという質問が 2 点目です。

同じく聴覚障害の部分で、面接の所に「筆談等により行うこと」とありますが、御存じのとおり、聴覚障害者のコミュニケーション手段の最も典型的なものは手話通訳だと思うのです。コミュニケーション手段として手話通訳が例示されていないということで、例示することがふさわしいと思いますが、このままでいくとすれば、この「等」に手話通訳が入っているのかどうかを確認したいと思います。ほぼ全国的に、聴覚障害者の場合は手話言語条令などの条令化が広がっていることを踏まえると、ここに手話通訳があえて入っていないのは不自然だと理解している関係上の質問です。したがって、できれば手話通訳すべきだと思いますが、それを修正しないのであれば、この「等」に含まれるのかどうかの確認をさせていただければと思います。

次に、採用後の部分で「担当者を定める」と、非常に重要な指摘をしていただいていると思います。せっかく担当者を定めるわけですから、その担当者が、例えば聴覚障害者の担当者なら手話を研修していただくなど、専門的な手話というよりは、ごく基礎的な伝達、指示等をする場合の必要最小限の手話を研修することも含むということも、ここで読み込んでいいのかどうかという質問です。以上です。

○山川分科会長

御質問でしたので、事務局からありますか。

○松永調査官

松永です。今からお答えすること全てそうですが、ここの別表に書いてあることが全てではないことは御理解いただきたいです。これもあくまでも例示ですので、先ほども御議論がありましたが、多くの事業主が対応できることが考えられる事例として載せたものでして、ここに書いてないからといって、配慮の対象にならないことではないことは、最初に御理解いただければと思います。

その上でですが、視覚障害の通院については、主なイメージとしては、中途障害になられてしまった方が、治療のためとか、先ほどおっしゃったのはリハビリのための通院といったことは、当然想定される話で、職場復帰するための必要な治療といいますかリハビリといったものは、こういったところで配慮していただくものの典型的な例としては、考えられるのではないかと理解をしております。

次の聴覚障害で幾つか御指摘を頂きました。 1 つ目の「面接時に就労支援機関の職員等の同席を認める」といった所ですが、ここの「等」に何が含まれるのかということです。これも実際のケースはいろいろあると思います。ただ、ここで書いておりますのは、「同席を認める」という書き方をさせていただきますが、基本的に応募する側の方がそういった同行する方を手配といいますか、一緒に来てくれとお願いして、面接の場にも連れていくと。そういう方が同席することについて、事業主が認めるということであります。そういった意味合いにおいて、御本人がどういう方を一緒に同席してもらうかというところは、その方の障害特性に応じていろいろあるのではないかとは思っております。そういった意味におきましては、例えば聴覚障害の方で応募するときに、自分のコミュニケーションを補っていただく方として、手話通訳の方を連れていき、事業主の方はそういった方の同席も認めることは、実際の事例としてもあり得るのではないかと思っております。

その下の「筆談等」でも同様ですが、そういった形で障害者の方が連れていかれた手話のできる方に、そういったコミュニケーションを補ってもらうというケースとしては、想定されるのであろうかと思っております。

その下の採用後の事例として、担当者を定める所につきまして、どの程度の障害理解をお持ちの方を想定されているのかということであるかと。ここはまさに本当に企業の実情によっていろいろあろうかと思います。別表ではありませんが、本文でも「基本的な考え方」で最初にお示しさせていただきましたが、事業主は、同じ職場で働く者が障害特性に関する正しい知識の取得や理解を深めることが重要であることは書かせていただいて、なるべく理解を持っていらっしゃる方がこういった担当に就かれることが、望ましいのではあろうかと思います。ただ、実際の個々の現場においてどのぐらいの理解がある方が担当者として就かれるかは、多分、個々の企業の皆さんの実情によると思いますし、担当になった後にいろいろと勉強していただくケースも多分にあろうかと思いますので、そこはいろいろ企業の事業主の皆さんの実情によるということで、いろいろなケースがあり得るのかと考えているところです。

○山川分科会長

竹下委員、いかがですか。

○竹下委員

理解しました。

○山川分科会長

よろしいですか。

○竹下委員

はい。

○堤委員

堤です。意見です。差別ですが、私どもの、全福連の各理事に意見を求めましたら、差別では健常者と障害者に賃金とか昇進の考課の差が出ても、それは違反とは言えないだろう、差別禁止とは言えないだろうと。本当に差別をなくす気なら、賃金や昇進の格差をなくす必要があるのではないかと。ただし、差別の禁止を徹底的といいますか深く求めるとなると、障害者を採用する企業は減ってしまうのではないかと、そういう意見がありましたことを意見として述べておきます。

精神の場合は、昨年の場合、雇用が 26 %伸びておりまして、本当に有り難いことだと思っております。我々全国組織としては、今、できるだけ就労に結び付く動きをとっております。そういう意味で、全国の皆さんからそういう意見も出たことだけは一応お伝えしておきます。

もう 1 点、「合理的配慮」で、今、竹下先生もおっしゃいましたが、 5 ページの一番下、 3 「その他」、「就労支援機関の職員等に障害者を補佐することを求めても差し支えない」という所で、全国の方から意見が出ましたのは、精神の場合は、就労支援機関の職員にピアの方がおられたら非常に相談しやすいといいますか、みんな相談にいくのではないかという意見が多く出ております。ということは、職員にピアの方を採用しても将来的にいいのではないかと。そのほうが精神障害者の就労支援に大きく寄与するのではないかと、そういう意見も出ました。私もその意見を聞きまして、確かに自分の子供にも聞いてみまして、就労支援機関の職員等の中にピア、当事者で、もちろん状態が良くなった方を配置していただければ、精神障害者の就労が、あるいはほかの障害者も一緒でしょうが、もっと伸びるのではないかと思いましたので、そういう意見が出たことだけをお伝えしておきます。

○山川分科会長

御意見、あるいは団体の中での御意見の御紹介ということであったかと思います。後者の点は、言わば就労機関の職員の体制に関する御要望という位置付けになりますか。

 はい、ありがとうございます。

○高橋委員

高橋です。資料 2 「差別禁止指針」の一番最後の「 14  法違反とならない場合」の書きぶりについて、できれば改善をお願いしたいという意味で申し上げたいと思います。私が申し上げたいのは、イとハの 2 つの記述ぶりです。イに関しては、ここには「障害者を有利に取り扱うこと ( 積極的差別是正措置 ) 」と書いてありますが、これは私自身改めて読みますと分かりにくいのかと思っておりまして、私の理解では、イは「積極的差別是正措置として障害者を有利に取り扱うこと」ということではないかと思っております。したがって、括弧内に「積極的差別是正措置」と書くよりは、私が今申し上げた趣旨で、括弧を取ってうまく分かりやすい記述をしたほうがよろしいのではないかという提案です。

2 つ目にハの書きぶりです。「合理的配慮を提供することにより障害のない者と異なる取扱いを行うこと」、これが何回読んでも今ひとつよく分かりにくい表現ぶりのように受け取められます。私の理解は、「合理的な配慮の提供を行うことは差別に当たらないのだ」という趣旨としてハが書かれているのではないかと思います。もし、そうであるならば、そのように分かりやすくシンプルに書いたほうがよろしいと思いますし、もし、そうでないならば、その趣旨にのっとった形に書かれたほうがよろしいのではないかということです。

○山川分科会長

表現に関わることかと思いますが、一部質問の趣旨も含まれていたかと思います。特にハの意味についてはそういう趣旨も含まれていたかと思いますが、事務局で何かありますか。

○松永調査官

松永です。まさに今、高橋委員がおっしゃったように、もちろんイも認識は変わっていないと思いますが、ハもまさにおっしゃった趣旨で、端的に申し上げると、合理的配慮として行っているもの、そのこと自体は差別には当たらないことを申し上げたかったということがあります。例で申し上げている、教育訓練をするときに、健常者の方ですと 3 日間の普通の研修をやるけれども、知的障害の方とか、どうしても理解がなかなか、すぐにしにくい方については、少し手厚い長い期間を掛けて研修をやるというケース、これはまさに合理的配慮としてそういう丁寧な研修をやるわけです。これは客観的には異なる取扱いになるわけですが、それ自体は差別とは言わないということでして、まさに今、委員がおっしゃったように、合理的配慮として行っていること、それ自体がまさに差別にならないことであるということです。表記の仕方等を御指摘いただきましたので、そういった御指摘も踏まえてどう修正するかは考えたいと思います。

○山川分科会長

高橋委員、いかがですか。

○高橋委員

お任せしたいと思います。

○山川分科会長

それでは、より明確な表現ができるかどうか御検討いただけますか。

○竹下委員

資料 2 、差別の指針の内容での確認と質問ですが、 2 で書いてあるように、基本的な考え方として、直接差別を禁止すること自身は、それは前提で結構ですが、問題は何が直接差別かというところで非常に悩ましいというか分かりにくいと思うので、そこからの質問になるのですが、根本的には、例えば、ここは前々回かに質問しましたが、「活字文字が読める人」という条件を付すことが直接差別になるのかどうかという問題です。

その関係で、例えば、この指針案の第 3 1 (4) 、「なお」以下ですが、この文章の一番最後に「事業主に説明することも重要である」となるけれども、この意味がよく分からないのです。すなわち、例えば活字文字の処理に関して言えば、視覚障害者の場合に補助機器を使えば十分処理が可能な時代に来ているわけですが、そのときにそのことを説明することも重要であるというのは、これは募集した障害者の側から事業主に採用時というか募集試験の際に説明することを意味しているのでしょうか。その流れがよく分からないので、御説明いただきたいと思います。

○山川分科会長

ただいまの御質問は、資料 2 の第 3 「差別の禁止」、 1 「募集及び採用」の (4) の中に「なお、事業主は」とあって、最後が「事業主に説明することも重要である」という点の御質問ということでよろしいですね。

○竹下委員

はい。

○山川分科会長

事務局、松永調査官、いかがですか。

○松永調査官

松永です。今の「事業主に説明する」という所は、どういう思いで書いたかと言いますと、ここは一定の能力を条件とする場合の取扱いとしての留意事項で書いたわけですが、条件を付ける、それは当然、業務遂行上特に必要と認められるものであることが前提になるわけですが、そういった能力を自分はこういう配慮をしてもらえればちゃんとできるのですということについては、事業主は外からはなかなか分からない部分もありますので、御本人、応募する側の方からおっしゃっていただく。こういうことをしてもらえれば私はできるのですということを、具体的におっしゃっていただくことが、事業主の側からも御本人の能力を見る上でも非常に重要なことでありますし、そういったことで書いたものです。

これは当然、応募する、どの段階でそういうものを表明するかは個々のいろいろなケースがあると思います。応募する段階で自分はこういうことをしてもらえればできるのだということを、問合せという形でやられるケースもあるでしょうし、実際、面接の場の段階でそういうことをおっしゃるケース、いろいろあろうかと思いますが、いずれにしても今回の差別なり合理的配慮は、相互理解が非常に重要だということは共通理解だと思いますが、そういったいろいろな形でコミュニケーションをとっていただくことは重要ではないかという思いで、ここにこういう形で書かせていただいたものです。

○竹下委員

説明は理解できるのですが、この文章を読んでいて、今、松永調査官からの御説明を聞いていてもお分かりいただけたと思うのですが、ただ募集の段階ですから、そこは具体的にどうなるのでしょうか。例えば、現に募集要項にそういうものがあって問題になっているわけですが、「活字文字が処理できる者あるいは読める者」となっている。それだけでいけば完全に条件が付されたものとして、以前の所にも記載されているように、それが業務遂行上不可欠な要件かどうかという吟味の問題もある。さらには、合理的配慮を尽くせば、それは十分可能であることを説明すれば解決できることになるかもしれない。そうすると、視覚障害者が募集に際して、どうやって応募できる条件が差別の禁止として実現するのかが理解できないので繰り返し質問しているわけですが、この場合で言えば、単純に、例えば活字文字が処理できる要件が付されている募集要項に対して、視覚障害者から補助機器を使えば活字文字が処理できるので採用してくれと、こういう応募すればいいということになるのでしょうか。

○松永調査官

松永です。一例としてのイメージとして思ってもらえればと思うのですが、ある条件、活字文字が必要だという条件を付したというときに、活字文字が必要であることがなぜかというか、本当に必要なのかということを、多分、応募する側の方からは疑問になるので、それを事業主にお問合せをするということになると思います。

「なお」書きの最初のほうでありますように、応募しようとする障害者から求人の内容について問合せ等があった場合は、その内容について事業主から説明することが重要であるのは、まさにそのくだりで、どうしても活字文字を読める人が必要なのですということを説明していただくことになります。そこで、まず一定のコミュニケーションをとっていただくことになると思います。

その上で活字文字が必要なのですねということになったときに、自分はこういう配慮をしてもらえれば、事業主が望んでいる仕事はこなせると思うのだけれども、どうかというところをまた表明していただいて、あとはそれを聞いた事業主側がそういった合理的配慮ができるのかどうか、あとはそれをしたとして、ほかの応募者の方との競争もありましょうから、そういった面接の結果として採用するかどうかを評価する流れになっていくのかという理解をしています。

○山川分科会長

おそらくは私見、個人的な理解かもしれませんが、 2 つの次元の問題があって、理由としてという、いわゆる差別意図の認定の問題は、事後的に見た場合に整理すれば、まず理由としてという差別禁止指針に関わる問題があって、合理的配慮に関しては、募集・採用の段階は申出が前提になっているので、もし理由としてという要件が満たされないという場合にあっても、合理的配慮の申出があれば、あとは合理的配慮の義務を講ずるべきであったかどうかという問題に整理されて、事後的な紛争解決レベルではそのような整理になるかという感じはいたしますが。

○竹下委員

竹下です。採用時の問題なので極めて重要なのです。今、分科会長がおっしゃるように、事後処理としては、山川先生がおっしゃるとおりだと理解はしています。ただ、採用時の問題で、結局はいかに差別をなくしていこうか、募集の機会を平等、均等にすることが、採用時における差別禁止の最も重要な根幹の部分だと思うのです。その時点で差別につながる部分をなくしていこうとしているのに、この部分は事後的処理になってしまうのでは、結局、採用の機会を奪われてしまう。現に 1 年に 1 度しか採用試験のない所では、どれだけその改善を求めてみても、 1 年間は棒に振るわけです。そういうことを考えますと、この部分の書きぶりなのかシステムをもう少し分かりやすく端的なものにすべきではないのか。例えばで言いますと、そういう合理的配慮を尽くせば、その条件を出すことが可能な場合には、そういう条件は付しては駄目ですということを明確に書けばいいのではないかと思いますが、いかがですか。

○山川分科会長

私の先ほどの発言は事後処理で申し上げましたが、指針自体は特に事後的な紛争処理そのものを念頭に置いて作られたものではありませんので、行為規範として働くことを予想したものではありますが、その点は先ほど松永調査官の言われた形の実際上の動きというお答えになろうかと思いますが、何か補足はありますか。先ほどの松永調査官の御説明は、言わば行為規範レベルではどのような形で流れが進んでいくかと、そういう御理解の御発言だったということでよろしいですかね。もし、特段なければ結構ですが。ここは、具体的にどういうプロセスをたどればいいかは、なかなか難しいところもあろうかと思いますが、せっかくですのでほかの皆様の御意見等もお伺いできればと思いますが。

○松永調査官

松永です。認識は多分余り変わっていないのだと思うのですが、先ほども少し申し上げたように、ある条件、例えば活字文字が読める条件が差別に当たるのではないかについては、ここで申し上げたように、それが業務上特に本当に必要であるかどうかで見ていくと。業務上本当に必要な能力であれば、それは当然差別にはならないでしょうし、それはその前の (3) でそういったことをあえて説明させていただいているわけですが、そういったものとしてそこの条件を付すことについては、先ほど分科会長からおっしゃったように一定の判断があろうかと思います。あとは、それが差別に当たらないとしたときに、それがそのときの評価として自分がこういう配慮をしてもらえればできるところについて、そこがおそらく適切に配慮なされることが前提に評価されるかどうかというところだと思うのですが、そこは今度、先ほど分科会長もおっしゃったように、合理的配慮の提供をちゃんとしているかどうかというところの評価になってきて、これはまさに提供義務違反に当たるかどうかというところになってくるので、そこはそういったことになろうかと思います。

ただ、いずれにしても、これはこれから施行していくところです。当然、我々も周知していかなければいけませんし、そういった実際やってみる中での事例の積み重ねもこれからやっていくことになりますので、我々もなるべく事前に実際の事案の起こる状況もイメージしながらでありますが、実際、どういう形での問題が発生してくるのかもよく見ていきながら、ちゃんと施行業務をやっていかなければいけないかと思っているところです。

○阿部 ( ) 委員

阿部です。先ほど竹下委員が事前というか合理的配慮が分かっていれば、そもそもそういった条件を付すことは必要ないではないかという発言をなさったと思うのですが、私は事前に合理的配慮が分かるのかが疑問でして、手続の中で合理的配慮がどう提供できるのかが手続の中で出てくるわけであって、事前に合理的配慮が決められてしまうことは、むしろ障害者の方の雇用を狭める可能性はないのかと少し思うところがあります。合理的配慮は事後的になさるのではないかと思うのです。事業主と障害者の間でコミュニケーションをとりながら、どこまでできるのか、どれはできないのかが話されるわけで、事前には分からないのではないかと私は思いました。ですので、竹下委員が最後におっしゃった事前に合理的配慮が分かるのであれば、条件を付す必要はないのではないかは、少し難しいのではないかと思った次第です。

○竹下委員

私は阿部先生のおっしゃっていることを一般的には何もそれに異論があるわけではなくて、先生の御説明は、 1 の末尾の説明をどう理解すればいいわけでしょうか。 1 の末尾は、 (4) の「なお」書き以下の最後のその文面の後ろだけ読むと、「障害者が」という主語で始まると思いますが、「説明することも重要である」というのは、どこに結び付くわけでしょうか。これはあくまでも採用という場面での指摘の記述ですが、そうであれば採用時に「説明することが重要である」に意味を持たせるとすれば、採用時にそのことが解決されなければ、採用時における差別の禁止は解決できないと思うのですが、いかがですか。

○阿部 ( ) 委員

阿部です。先ほども調査官がお話になっていたと思いますが、採用時に条件が付されていると。その条件については障害者からこういう合理的配慮があればできますということをお話になれば、採用試験に進むことは不可能ではないのではないかと思うのですが。それは採用時において、何が条件になるのかでコミュニケーションをとることもここでは言っているし、多分、これを読むと、「障害者が合理的配慮の提供があれば当該条件を満たすと考える場合、その旨を事業主に説明することも重要である」というのは、障害者が事業主に説明することも重要であることを言っているのではないかと思うのですが。

○竹下委員

おっしゃるとおりで、それを前提にして、すなわち、この文章であるように、「障害者が募集するに当たり、そういう条件を付されている募集に際しては」、こうすれば解決するという条件というか、合理的配慮の内容を説明することによって、その条件が解決されれば問題ないけれども、それが解決されない場合、結局、その時点では条件、条件というのは活字文字が読める人、者ということの条件に満たされないということで、採用試験を受けられなければ、結局はその募集時において差別は解消されなかったことになるのではないでしょうかと指摘したつもりですが。

○山川分科会長

ありがとうございます。

○松永調査官

松永です。今の阿部先生と同じようなことなのですが、ここで事業主に説明するのが重要だと書いてある所については、まさにどのような配慮をしたら、どれくらいの、どういう仕事がこなせるのかというのは、なかなか事業主側からは分りにくいものがあります。単に視覚障害というようなことであれば、当然活字は読めないであろうと直感的にそう見てしまう可能性もあるわけで、そんな中で、御本人の方がこういう配慮、例えば音声のソフトなどを確保してもらえれば、自分はちゃんとできますと。あるいはワープロ打ちもちゃんとできますということをしっかりアピールしてもらうことがまさに採用の機会を確保していくためにも重要でしょうし、差別というか、不用意に応募を狭められてしまう機会を無くすという意味でも重要であると。ちゃんと御本人から自分はこういう配慮をしてもらえればできますということを表明していくことが非常に重要であろうということで、ここに書いたわけです。当然先ほど配慮をしてもらえるのであれば、条件自体はいらないのではないかという話ですが、どういう配慮をすれば、例えば字が読めるという条件をクリアするか。それは、配慮の手段というのは御本人の能力なり、状況によって、変わってくると思いますので、なかなか、そこは特定しようがありません。ただ、仕事上そういう能力が必ず必要であれば、そこは条件として、前提としてそれをどういう配慮をされれば、それがこなせるかというところを障害者の側からそれを説明していただくことが大事であろうということをここでは言いたかったということです。

○山川分科会長

ありがとうございます。差別禁止規定ないし差別禁止指針の問題と、合理的配慮指針の問題といいますか、 2 つの切り分けの問題にも関わっている感じもいたします。場合によっては、条件を付すこと自体が理由としての要件を満たすような形になる場合もありますし、合理的配慮の問題として解決される場合もあります。それは、差別禁止指針の中で、どのように具体的に書くのかというところかと思われます。ただ、行為規範的な意味も考える必要はいずれにせよありまして、今、事務局の松永さんからも御説明のあったところで、差別禁止指針の中身として個別事情に依存する面もあるので、なかなか書きにくいということであったかと思います。あとは、障害者の事業主への説明が、いわば、行為規範的には、一種の気付きを促すといいますか、こういう説明をすることによって、合理的配慮を前提とした募集、採用が行われることを改めて認識してもらう意味もあるという感じもいたしております。また、合理的配慮が前提となることについては、より周知をすることはもちろんのことだろうとは思いますが。竹下委員、よろしいでしょうか。

○竹下委員

ありがとうございます。最後の山川分科会長の説明で、納得しました。すなわち、これは、まさに最終的には、差別禁止の指針も、合理的配慮も一対のもととして告示の中身になるのでしょうから、山川先生の説明で理解しました。まさに今日は差別禁止の指針と合理的配慮の指針が統一性を持たすための部会でもあると思うので、そこはそのように理解したいと思うわけです。

それと関連してくると思うのですが、第 3 6 の所ですけれども、第 3 6 (2) のイの所で、教育の所で「障害者であることを理由として、障害者に対してのみ教育訓練を受けさせないこと」とあります。そして、基本的な考え方の中で、例えば、盲導犬を連れていたり、車椅子を使用していることを理由としているのも、直接差別だとわざわざ注意書きしています。ところが、現実に教育を受ける所の場面で、教育施設において、車椅子が入れるバリアフリー化していないとか、設備がないとか、あるいは視覚障害者の研修に当たっての補充機器の設備が研修機関にはないということが理由とされて、結果的には、教育訓練の機会が奪われるとすれば、結局重複といいますか、差別の禁止の所の 6 (2) のイの部分と、合理的配慮の部分との両方同時に考えないと、実現しないという問題があるように理解しています。したがって、この 6 (2) のイの部分については、教育設備等の不備、あるいはそこにおける合理的配慮を前提として、この教育訓練の機会の保障も差別の禁止の所で考えるべきではないのかというのは、質問ないし私の意見が 1 点です。

それから、もう 1 点は、 9 (2) のイの所の問題ですが、この配置の問題等にも絡むわけですが、これは雇用形態の部分ですが、 3 の配置の所ともほぼ重なると思うのですが、そこのイの所で「雇用形態の変更に当たって、障害者であることを理由として、その対象を障害者のみとすること」とあるわけですが、例えば特定の職種について、障害者のみを配置する職種を作って、そこについては、雇用形態を変更する又は異別にすることが起こるとすれば、それは、この指針の中では、どう捉えるべきことになるのかということが気になるわけです。典型的には、例えば特定の職種、視覚障害者で言いますと、ヘルスキーパーという職種が非常に一般化してきているわけですが、企業の健康管理の面から位置付けられた職種において、視覚障害者がほぼ採用されているわけですが、基本的には形態が嘱託であったり、有期雇用であったりすることがその分野については、限定されてしまっている場合に、この 3 ないしは 9 との関係で、それはガイドラインから見て、差別になるのではないかと懸念を持つわけですが、いかがでしょうか。

○山川分科会長

2 点御質問いただきまして、最初が 6 の教育訓練に関してであります。これは、先ほどと同様に、これも個人的な整理ですけれども、差別禁止指針と、合理的配慮指針の関係に関わることかと思います。それから、 9 の雇用形態の変更については、いわば特定の職種について就労する際の雇用形態の変更の問題と捉えてよろしいのでしょうか。雇用形態の変更の所の御質問は、特定の職種について、就労させる場合の雇用形態の変更ということでしょうか。採用のお話も一部出たかと思いますが。

○竹下委員

いや、ここは採用は関係ありません。この部分は、重なるのは、 3 の部分と重なるかと思っているのですが、すなわち、 9 の所では、雇用形態の問題、それから、 3 のほうは、配置の問題かと思うのですが、その場合、特定の職種については、その障害者のみが対象となっている場合に、その配置が例えば障害者のみを他とは異なる配置にしてしまうことにつながる問題になるし、 9 で言うと、勤務形態の変更をする場合に、障害者のみを異なる雇用形態に変更することになるということで、問題になりはしないかという懸念です。

○山川分科会長

ありがとうございました。御質問ということでしたが、調査官、お願いします。

○松永調査官

松永でございます。まず、 1 点目の教育訓練の所で御指摘いただいた差別の問題と合理的配慮の問題両方関わってくると、まさにそれはおっしゃるとおりでありまして、事業主側からすれば、別に均等な機会を与えようとしているわけですけれども、ただ、受講させる先の所で、どうしてもハード面での対応ができていないところがあって、どうしてもできないことはある。そこは合理的配慮で過重な負担にならない範囲で、設備が整った所で研修を受けさせるのはどれだけできるかは、 1 つ論点になってくるという意味では、両方関わってくる問題であろうかと思います。

それから、もう 1 つ、雇用形態と配置の関係で頂いた御指摘についてですが、例えば、ヘルスキーパーならヘルスキーパーという職種で、その方を採用するなり、雇用管理されている事業主は、多分、障害者を雇用するために、視覚障害者の方の職域を開発して、視覚障害者の方向けの合理的配慮の 1 つとして、ヘルスキーパーという職種を設けているのが多分多いであろうと思います。そういった場合は、必ずしもそれを分けているところが差別ともなかなか言いにくいのではなかろうかと思います。御指摘があった所が差別かどうかというのは、その後採用された後の会社の中の例えば職種変更のような社内での登用試験のようなものがある中で、ヘルスキーパー職の方だけいつも必ず排除されているなどということがあれば少し別の差別の話があろうかと思いますけれども、特定のヘルスキーパーならヘルスキーパーという職種に視覚障害者の方を採用しているところは、配慮としてやられているのかどうかというところと、御本人がそういうことを前提にして就職、採用されているのかどうか。あるいは、そうではなくて、普通の一般職の中で働きたいのであれば、そういう方向けの採用試験の中で、ほかの方とも競争しながら採用を目指していただくことになろうかと思いますので、そこは、別な扱いをしているという意図といいますか、事業主側の意図と、障害者側がそれをどう受け入れているかによるかと理解しております。

○山川分科会長

竹下委員、何かございますか。

○竹下委員

はい、分かりました。

○山川分科会長

よろしいでしょうか。ほかに御意見、御質問がありましたらお願いいたします。特段ございませんようでしたら、後は、パブリックコメントの話になろうかと思いますが、本日のところ、御議論は終了させて頂きまして、事務局からパブリックコメントの件で何か御説明することはありますか。

○松永調査官

松永でございます。今日頂きました御意見を踏まえまして、また必要な修正や、冒頭にも申し上げましたように、法令審査が途中ですので、それを踏まえた字句修正がございます。分科会長と御相談しながら、まずはパブリックコメントに向けた指針案を作成させていただいて、年内には、パブリックコメントを開始するというスケジュールで考えております。また、パブリックコメントの結果を踏まえて、年明けの分科会で御議論いただく予定で考えております。

○山川分科会長

ありがとうございました。事務局で本日の御議論も踏まえまして、パブリックコメントに向けて、指針案の一部修正を行うということと、また、法令審査による字句の修正も継続中であるということかと思います。こうした修正につきましては、私と事務局に御一任をさせていただいてもよろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、少し早いですが、本日は、この辺りで終了といたしたいと思います。本日も活発な御議論をいただきまして、ありがとうございました。

次回の日程について事務局からお願いします。

○松永調査官

次回の開催は、 3 2 日月曜日を予定しております。詳細については、調整を終わり次第御連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。

○山川分科会長

議事録の署名につきましては、労働者代表は榎本委員、使用者代表は塩野委員、障害者代表は堤委員にお願いいたします。よろしくお願いいたします。それでは、本日はお忙しい中大変ありがとうございました。終了させていただきます。


(了)

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