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2015年1月14日 第42回厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会議事録

健康局疾病対策課移植医療対策推進室

○日時

平成27年1月14日(水)15:00〜17:00


○場所

厚生労働省 専用第21会議室(17階)


○議題

1 最近の臓器移植の実施状況等について
2 臓器提供施設について
3 その他

○議事

○永井委員長 定刻になりましたので、ただいまから第42回厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会を始めます。委員の皆様におかれましては御多忙のところ、御出席いただきまして誠にありがとうございます。一昨年12月以来の開催となりますのでよろしくお願いいたします。

 最初に、事務局から本日の委員の出欠状況と資料の確認をお願いいたします。

○菊田室長補佐 初めに、委員に異動がありましたので申し上げます。徳島大学の永廣先生が退任されまして、後任として、広島大学の栗栖薫先生に御就任いただいております。

 また、新たに成城大学の山本輝之先生にも御就任いただいております。よろしくお願いいたします。本日の委員の皆様の出欠状況ですが、今村委員より、欠席との御連絡をいただいています。

 次に、事務局に異動がありましたので紹介をさせていただきます。昨年711日付けで健康局長に着任いたしました新村和哉です。

○新村健康局長 新村と申します。よろしくお願い申し上げます。ちょっと一言御挨拶申し上げます。委員の皆様方におかれましては、御多忙のところお集りいただきまして誠にありがとうございます。また、日頃から臓器移植対策への御支援、御協力いただきまして、厚く御礼を申し上げます。平成9年に臓器移植法が施行され、脳死下での臓器提供が法律に位置付けられてから17年余りが経過いたしておりまして、この間実績が着実に積み重ねられ、昨年12月には300例目の脳死下臓器提供が行われています。一方で、心停止下の臓器提供も含めた、全体として見ますと、年間の臓器提供件数が近年減少傾向にあります。厚生労働省としましては、引き続き普及啓発や臓器提供施設の体制整備等を進める必要があるものと考えています。

 本日は関係学会のほうから臓器提供施設の負担軽減に関する御提言をいただいていますので、これらにかかる御議論を中心にお願いできればと思っています。委員の皆様方には忌憚のない御意見を賜れればと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○菊田室長補佐 引き続き、同じく711日付けで移植医療対策推進室長に着任をいたしました阿萬哲也です。

○阿萬移植医療対策推進室長 よろしくお願いいたします。

○菊田室長補佐 資料の確認をいたします。クリップ止めのものとA41枚を御用意いたしております。クリップのほうは、配付資料として、資料1から資料6までです。参考資料として、参考資料1から参考資料4までになります。御確認いただけますでしょうか。もし、資料の不足、乱丁、落丁等がありましたら事務局までお申し付けください。

 また、机上に現行の法令、ガイドライン等をまとめましたファイルを置かせていただいていますので、議論の際に参考にしていただければと存じます。なお、この資料は次回以降も使用させていただきたいと思っていますので、会議終了後、持ち帰らず、机上に置いたままの状態にしていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 報道の方々の頭撮りはここまでとなりますので、よろしくお願いいたします。以上です。

○永井委員長 ありがとうございました。議事に入ります。最初に臓器移植の実施状況等について、事務局から資料1に基づいて御報告をお願いいたします。

○阿萬移植医療対策推進室長 資料1に基づいて御説明いたします。また、追加として、平成27年度臓器移植対策関係予算()概要についても併せてお配りさせていただいています。本日午前中に閣議決定がなされた平成27年度予算案も含めたものですので、それも併せて御説明します。まず、資料12ページを御覧ください。臓器移植法施行後の脳死した者の身体からの臓器提供数は、昨年の1231日までの集計ですが、具体的には最終が1226日でしたけれども、そこまでで301名の脳死した者の身体からの臓器提供が行われています。ちなみに、報道もされましたが、本日付けで306例までいっていまして、1月の前半で5例が更に追加されているところです。昨年までの301名の中で、法改正後の提供数は215名、その中で本人からの意思表示がない家族の書面承諾のみに基づく提供数が162名ということで、法改正後は約4分の3のケースについて、家族承諾のみによる提供が行われているという状況です。

3ページ目は、臓器提供数・移植実施数、移植を希望した登録者数について、平成26年の暦年での数、そして括弧の中がこれまでの累計の数、一番右に臓器移植希望登録者数について整理をしていますので御覧いただければと思います。

4ページ目は、臓器提供者数の推移ということで、毎年暦年の年別になっています。昨年の1231日現在ということで整理をしていますが、平成261年間の件数合計が77件で、ピークの平成22年の数値から全体の数が減少しています。特に平成25年が減少し、心停止下からの提供が大きい減少となっていますが、全体としての提供件数も低下ということが見て取れます。この中で、後ほど御議論いただければと思っていますが、臓器提供施設の負担が大きいという御指摘もいろいろいただいているところです。

 次に5ページ目は、昨年の10月に、毎年国会報告をさせていただいていますが、そこで出させていただいた臓器移植の結果ですので、後ほど御覧いただければと思っています。

 最後に、本日午前中に閣議決定されました、平成27年度予算()の概要です。臓器移植対策関係部分について、別表の資料に基づいて御説明します。平成26年度の予算額6億円が平成27年度予算(案)の額では6.3億円ということで、前年度比106.4%の額を確保させていただいています。この中で特に、真ん中ほどの「臓器移植ネットワーク運営費」の中で新規事項として、臓器提供施設における選択肢提示対応支援ということで、約4,000万円の額を計上させていただいています。これについては、終末期医療の説明の中で臓器提供に関する選択肢を提示するという取組について、患者、御家族の心情に配慮した対応方法を各医療機関で整備していただくことについて支援を行うということで、今回新規に計上させていただいているものです。

 さらに、下のほうに、参考として、平成26年度の補正予算(案)を出させていただいていますが、レシピエント検索システムの改修ということで、これは臓器移植ネットワークにおけるシステムのバージョンアップをすることにより、より迅速なレシピエント決定を行うための機能追加などを行うということです。以上です。ありがとうございます。

○永井委員長 ただいまの御説明に、御質問、御意見がありましたら御発言をお願いいたします。

○宮坂委員 御報告ありがとうございました。宮坂です。心停止下の移植が減っている理由というか、何かその背景でお考えのこととかあるのでしょうか。

○阿萬移植医療対策推進室長 事務局です。我々としましても、なぜ心停止下の提供が特に減少しているのかに関する理由をきちんと分析できているわけではありませんが、まず、先ほど申し上げましたが、一般論としては、臓器提供施設における負担が更に大きくなってきているというお話を現場の先生方からお聞きしています。更に申し上げますと、特に心停止下の提供の場合には、これも一般論ですが、心停止までの摘出を待ちながら、心停止になったらすぐに摘出を行うという形になるということもあり、手術室の確保が難しいこともありまして、むしろ脳死下での提供と比べて難しい側面があるという話も聞いています。そういうところも含めて、影響が出ているものではないかと、今の段階では思っています。少し不十分かもしれませんが、そういう整理をしています。

○永井委員長 よろしいでしょうか。

○見目委員 患者団体の見目でございます。数が減ってきているというのは、患者側からするとかなりの危機感なわけです。待機していても順番が回ってこないということは明白で。そして昨日の小児からの移植の記事などを見ても、もうほとんど助からない、もう絶望している中で、自分の子どもも亡くなってしまって、待っている方を思えば提供するという意見があったと思うのです。やはり法律ができてからもかなりの時間がたっているにもかかわらず、減少傾向が止まらないというのは、先ほど言われた提供の所の負担もあるのかもしれませんけれども、それは別に今に限った話ではなくて、恐らく最初からそうだったのではないかと思うのです。それ以外の原因があり得るのではないのかなと思うのが1つ。

 それともう1つは、こうしてトータルの数が減ってくるということですが、一体その国としてどのぐらいの目標値を置いているのか。要はただ、現状どおりです、法律が変わったからその数を粛々とやっているということではなくて、世界の中で日本の位置がどのぐらいになっているのか、その中で日本がどのぐらいの提供数を考えなければいけないのかという目標があってもおかしくないのではないかなと思うのです。それがないとあくまでも日々のことをこなすだけであって、対策というか、根本的な対策を打たれないで過ぎてしまうのではないかと思うのです。ただ誰の命もかかってないのだったらそれでもかまわないですけれども、待機をされている方は命がけですから、そう考えると国としてどのぐらいまでもっていくのかというような視点が必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○阿萬移植医療対策推進室長 御質問の件ですが、まず別の原因ということについて我々のほうもなかなか分析しきれていないところもありますが、あとからも少し出てきますが、国民の方々の御意見や世論調査の結果などを見ますと、臓器提供を希望するというか、臓器提供をしてもいいと言われている方々の割合自体は、大体2年から5年に1回ぐらいの世論調査も行っておりますが、あまり変わっておりません。そういうことを考えますと、少なくとも我が国の国民の方々の臓器提供への希望、そういうところについての状況はあまり変わっていないのではないかと我々としては思っています。その中でこの提供数が減ってきているということになりますので、やはり提供するところでのいろいろなプロセスについて何と言いますか、目詰まりと言いますか、ボトルネックと言いますか、そういう問題が出ているところがあるのではないかと思っています。ただ、1点、我々としても、数が先にありきというよりは、そのような形で臓器提供をしたいと考えておられる方々の意思がきちんと活かされるような形にやっていくことが、まずは一番重要なことかと思っています。

 その流れで申し上げますと、例えば平成22年度はピークになっていますけれども、少なくとも、国民の方々の中で、御意思をもっておられる方々の割合が減っていないということであれば、それぐらいの数について維持することは可能だと、我々としては思っています。

 あとはそのほか、臓器提供なり、臓器移植に関する普及啓発自体は我々も臓器移植ネットワークとともに、まだほかの関係団体の方々と共に、今後進めていく必要があると思っています。そういうことも含めて引き続き努力していきたいと思っています。

○見目委員 ここの平成22年度の所がピークと、このぐらいの数はいくだろうということですけれども、世界の水準からすれば、これでも圧倒的に数が少ないのですね。近隣の韓国とかほかの国を見ても、この数が目標ではなくて、もっと高い所を考える必要があるのではないかと思うのです。そして新聞などを見る限りでは、どうも日本と海外との差に何があるかということの1つの中には、脳死になられたときの報告義務が日本にはないというところが、あちこち出ているような気がするのですが、その辺はいかがですか。

○阿萬移植医療対策推進室長 そういう御指摘があることも我々としても承知しています。ただ、今おっしゃったような話も含めますと、かなり制度的な大きな話がまた出てくると思いますし、今のこの段階でそのような制度を導入するというところまではなかなか難しいのではないかと思っています。我々も、いろいろ諸外国の状況も研究しながら、よりよい制度がどうあるかを今後、考えていかなければいけないと思っています。

○永井委員長 ほかにいかがでしょうか。

○相川委員 東邦大学の相川でございます。心停止下の臓器提供が減った原因は、1つには摘出側の負担もやはり問題になっています。心停止の場合には、脳死と違って、いつ心臓が止まるのか分からないという状況の中で、摘出のチームが昼夜を問わず、場合によっては病院に行って、何日間もそこにいないといけない事情があります。これに関しては、我々はロートルでしたから、昔はもう1週間でも泊まり込んで、それこそ歯ブラシとか下着を持って行き、その病院にずっと泊まり込むということをしていましたが、今の若い医師の仕事内容、それから仕事の量は我々のときより実際多くなっているのです。そうなりますと、人員がそこの病院にずっと張り付いた状態で何日間もいるというのは、実質上仕事としてなかなか、大学病院又は大きな病院では成立をしなくなります。そういうことが非常に負担になっています。県によっては、例えば兵庫県とか神奈川県では、それぞれ摘出のチーム、移植するチームでなくても、お互いにチームをつくって、違う施設が摘出チームの都合が悪い時間に行って助けるとりくみを行っています。交代制で待機や摘出を行っています。ただし、それはそんなに多い県でできているものではないので、そういう意味でも、摘出のチーム、これもやはりかなり負担がかかっていることも実際のことだと、一部の原因になるというように考えています。

 それから、私よりむしろ参考人の篠崎専務理事からの御発言のほうがいいと思うのですが、今年の新年に臓器移植ネットワークでは、10年後を見据えてどのぐらいの臓器提供数を出したらいいのかという設定を一応、口頭で発言をしています。できれば参考人に発言を許可していただければ有り難いです。

○永井委員長 よろしいでしょうか。御異議がなければ、それでは手短に御発言をお願いいたします。

○篠崎参考人 参考人の篠崎でございます。御指名ですので発言させていただきます。先ほど見目委員からもありましたように、諸外国と比較した場合、国民の意識は、ヨーロッパの調査データ、これは2005年のものです。アメリカのデータを見ても、日本国民の臓器提供に対する臓器提供意思のほうが明らかに高くなっています。そういう意味でいうと、国民の意識としてはそこまでいっています。その前提の元に、システムうんぬんの御発言がありましたが、システムをどう変えるかは別問題としまして、本来、日本の医療状況の中でどの程度のドナーが見込めるのかという、これはただ数字の目標でやりますと、3つの算定根拠に基づいて、ほぼ大体年間2,000例ぐらいというのが海外の平均値から求められる数値的な目標ではないかと算出しています。そこに到達するための手法としましては、国とも相談しながら、適切な方法、選ぶ必要があると思いますが、相川委員から御指摘賜りましたネットワークとしての推定としての数値化に関してはそのような数字が出ていますので、その辺を上限として考える方策が必要かと考えています。

○永井委員長 よろしいでしょうか。ほかに御発言はありませんか。

○宮坂委員 今のは海外の数値から推定という話だったのですが、例えば交通事故の割合は、人口からいうと、日本は相当低いですよね。そういうことも考慮されているのでしょうか。

○篠崎参考人 死因自体ということで、比較は厳密にはしておりませんが、大体ほかの先進国とヨーロッパ等も含めて、平均値で算出しております。全死亡数です。年齢に関しては高齢化ということは少し見積もって、大体2,800ぐらいが、アジャストしない数値ですが、それを少し加減しまして、大体2,000ぐらいだろうという数値の目標です。

○宮坂委員 正確なデータはもってないのですが、恐らく日本で脳死移植になっている患者さんの背景が違うのかなという気がするのですが、その辺のデータとかはありますか。

○篠崎参考人 先生のおっしゃるとおりで、実は国によって、例えば日本でも交通事故死が15,000とかという時代もあったわけですが、国によって違います。当然日本の場合では外傷よりも内因性の脳外科障害の方が圧倒的に多いということは承知していますので、それに対して、医学的な統計学処理を行うべきであるというようには思っていますが、相川委員からの御指摘の、単なる数字の算出ということで発言させていただいた次第です。

○永井委員長 よろしいでしょうか。それでは、続きまして臓器提供施設の負担軽減に向けた検討ついて、事務局から資料2に基づいて説明をお願いいたします。

○阿萬移植医療対策推進室長 資料2と参考資料1及び参考資料2を、併せて御覧いただければと思います。趣旨の所につきましては正に今、委員の先生方から御議論がありましたようなことで、そのような中、日本移植学会などで構成されている臓器移植関連学会協議会というところから、参考1のような御提言を頂いております。参考資料1のほうに移っていただくと、全体で5ページまでございますが、円滑な脳死下臓器提供に向けて5項目の提言を頂いています。4項目目が予算の話、5項目目が診療報酬の話ですので、本日は議論の設定はしていませんが、残りの1233項目につきまして事務局で少し論点を整理させていただいたもので、本日、御議論いただければと思っています。その関連についての説明を、資料2及び参考資料22つを使いながら御説明させていただきたいと思います。

 資料2に移っていただければと思います。1のレシピエント候補者への意思確認の早期化ということで、現状の取扱ですが、これまで、一定時間をおいて2回行うこととされている法的脳死判定のうち、2回目の判定後にレシピエント候補者に対する意思確認を開始することを事実上の運用として、臓器移植ネットワークにおいて行ってきているところです。これは、過去の臓器移植委員会でもそのような議論がなされていて、2回目ということで、今、進めているところですが、今回の頂いている提言の趣旨としては、意思確認の開始を1回目の法的脳死判定後に前倒しすべきではないか、それによってレシピエント側の負担軽減、そしてドナー家族の負担軽減にもつながるのではないかという御提言です。

 参考資料2を見ていただくと、それぞれの論点ごとに1枚ずつポンチ絵を作っていますが、上半分が現状、下半分が提言となっています。矢印で示していますように、臓器提供の手続としては、まず脳死とされうる状態の診断、そして御家族への説明・承諾、その後に法的脳死判定(1回目)、そして法的脳死判定(2回目)という形になります。この法的脳死判定1回目、2回目につきましては、そもそも論で少し申し上げると、死亡時刻をどちらにするのかということについては法律ができるときに議論があり、諸外国では1回目に死亡確定という所もありますが、我が国においては2回目を死亡時刻とするということで確定しています。その流れの中で法的脳死判定の2回目が終わった後に意思確認を行うという流れで、今、運用が行われているところです。これにつきまして今回の御提言の中では、先ほど申し上げましたとおり、1回目に前倒しすべきではないかということです。

 これについて、事務局の整理としては下に矢印で書いてありますが、条件としてレシピエントの方々にきちんと、「法的に死亡が確定するのは2回目の脳死判定の終了時になること」、そして「臓器提供自体はまだ確定ではないこと」などを伝えることを条件とした上で、2回目から1回目に取扱を変更することが考えられるが、どうかと考えています。これについて委員の先生方の御議論をお願いしたいと思っています。

 引き続き、2の脳死下臓器提供希望者の限定的な他施設搬送ですが、現状について少し説明させていただきます。資料2を見ていただければと思います。現状としては、救命治療に対応した施設から、法的脳死判定・臓器提供のみを目的とした患者の臓器提供施設(5類型施設)への搬送は、今、認めない扱いとなっています。これは当室が作っている質疑応答、QAの中に明記しているところですが、それの関係で御提言を頂いている内容については、参考資料のほうを見ていただければと思います。特に今回、問題提起されているのが、例えば5類型施設でA施設とB施設があった場合に、その施設間の搬送というのは、今申し上げたような形で認めていないところですが、一部、全国に例として5つぐらいですけれども、同一建物又は同一敷地内に複数の5類型施設がある場合があります。そういう場合ですと、同一建物・敷地内であればドナーを安全に移動させられるということで、法的脳死判定及び臓器摘出を目的とした搬送を認めるべきではないかという御提言です。

 これについて事務局の整理としては、下のほうに矢印で書いていますが、例えば「渡り廊下などによりドナーの移動を安全に行うことができること」、かつ、「一方の施設で臓器摘出を行う際に停電・緊急手術などにより手術室の都合がつかない等の緊急の場合であること」を条件に、もう片方の施設に移動させることは認めていも大丈夫ではないかと我々としては考えているところです。これについて御意見を賜りたいと思っています。

 また、今回、御提言いたただいているものの中では、法的脳死判定についても移動できるようにすべきであるというお話も頂いていますが、少なくとも法的脳死判定までは、同じICUの中で完了する行為ということでもありますし、そのドナーの方が入院した施設の中で完了させることが適切ではないかと考えていますが、これについても御意見を賜りたいと思っています。

 資料2を見ていただきたいと思います。3の法的脳死判定医の他施設からの支援です。これについては資料2に整理していますが、現状としては、局長通知のガイドラインで定める脳神経外科医や神経内科医などの専門医であって、かつ、脳死判定に関して豊富な経験があるなどの医師が2名以上で行うとされており、今のガイドラインの解釈としては、当該医師は全て各臓器提供施設において確保することとされています。今回頂いている提言の趣旨としては、5類型に該当する施設のうちでも特に規模が小さい所については、いざというときに法的脳死判定、特に小児の判定を行う場合に、そういう医師を常時2名以上確保しておくことが難しい場合があるということで、複数の判定医のうち、1名は当該施設に所属する医師を確保した上で、残りの1名については他施設から派遣される支援医師でも可能とすべきではないか、と御提言いただいています。

 これについても、参考資料を見ていただければと思います。2名以上の医師による実施の義務づけは臓器移植法上の規定です。あとはガイドラインの中で各臓器提供施設において実質的な要件を満たした判定医を、それぞれの施設の倫理委員会などで承認を得て、リストにあらかじめ登録しておくという手続が求められています。それについて今回の提言では、残りの1名については他施設からの支援医師でも可能とすべきではということです。

 これについて事務局としては、「法的脳死判定の責任は各施設にあること」、これは当然のことであると考えていますが、「判定医の実質的要件と選定手続は変えないこと」を前提として、1名については他施設からの支援医師でも可能とすることが考えられるが、どうかと考えています。これについても御意見を賜りたいと思っています。

 ただ、そのときに我々としては1点、条件と申しますか、その施設と他施設の判定医の責任関係の明確化が必要ではないかと考えています。例えば非常勤の雇用契約等をあらかじめ結んでいただくとか、その他契約をきちんと結んでいただいて、責任関係を明確化することがきちんとできていれば、こういう形での運用を認めることもあり得るのかなと思っています。

 最後ですが、資料2の最後の5ページを御覧ください。これは、この機会に委員の先生方の御意見を賜りたいということで、特段、今回、先ほどの協議会からの御指摘ということではありませんけれども、現在の脳死下での臓器提供に係る手続に対するその他の御意見ということで、1つ提示させていただいています。これは先ほどの参考資料2の提言1の図も見ながら、御覧いただくと分かりやすいかなと思います。ガイドライン上の「脳死とされうる状態」の扱いについてということで、矢印の一番もとの所に脳死とされうる状態を書いていると思いますが、ここにつきましては、法に規定する脳死判定を行ったとしたならば患者が脳死とされうる状態にあると判断した場合以後において、家族等の脳死についての理解の状況等を踏まえ、臓器提供の機会があること等を告げることとされています。この判断に当たり、自発呼吸の消失については治療経過の中での判断ということですが、そのほかの状況につきましては法的脳死判定と同様の形で行うこととされています。これは当然、患者さんに対して全力で救命治療を行うべきと。それでもなお回復の見込みがないことがはっきりとした時点で、オプション提示などを行うべきという観点から求められているルールです。

 これについて最近、御指摘を頂いているのが、1つ目として、特に家族の方からの申出が早い段階でなされている場合に、脳死とされうる状態の検査を行った上でないと法的脳死判定に進めない扱いとなると、実質的には制度上定められた2回ではなく3回脳死判定をやることになるのではないかという話、さらに、法的脳死判定そのものについてはルールに従って厳密にやることは当然の前提としつつ、家族の方へのオプション提示などについては、通常の医療において治療方針の決定のために各施設の判断で行われている一般の脳死判定、これはガイドラインの第7に一部記述がありますので引用していますが、それで足りるのではないかという御趣旨の意見も頂いているところです。

 これについて、現時点で事務局としてこのようにすべきではないか、このようにできるのではないかという御提案を差し上げるまでには至っていませんが、この機会に委員の先生方の御意見も併せていただければと思っています。以上です。

○永井委員長 ありがとうございました。それでは御意見を頂きたいと思います。まず提言1のレシピエント候補者への意思確認の早期化です。御説明いただきました事務局案に御意見、いかがでしょうか。

○宮坂委員 これは賛成です。実際に2回目以後からはじめて動き出していることは、あまりよく理解していませんでした。私の場合、脳死判定に関わったことは国外の経験が多いのですが、1回目で死亡を確定するのが普通のことだと思います。世界的全体の状況はよく分かりませんけれども、知っている国ではそうですので1回目の後にこういう話、しかも法的には第2回目以降が死亡判定ですよと断ってからやるのだったら全く問題ないのではないか。これは臨床的にも有益なことではないかと思います。

○奥山委員 基本的に賛成なのですが、2つ疑問だけ挙げさせていただきます。1つは、最後の最後まで撤回は可能ですよというお話はさせていただいているのですが、そのときに、ここでレシピエントの方にも情報が行くのですよということが、撤回するかどうかの意思を決めるときのプレッシャーになるか、ならないか。それは倫理の専門家に聞かないと分からないことだと思いますし、私には判断が不可能ですが、できれば倫理の専門の方の御意見を伺いたいと私は思います。

 もう1つは、承諾をしてから1回目の判定があって、2回目の判定がある。ほとんどの場合に1回目の判定で御説明されているとは思いますが、できれば、その時点でもう一度意思を確認してレシピエントのほうに情報が行ったほうが、安全ではないかという気がします。つまり、この時点で撤回したいのだったらそこで撤回してもらったほうが、レシピエントのほうに連絡が行ってから撤回となるよりは、いいのではないかというふうに考えました。

○永井委員長 いかがでしょうか。しかし、早期化については原則としてはよかろうということですね。

○奥山委員 はい。

○小幡委員 上智大学の小幡でございます。今の奥山委員のお話ですが、これは基本的にレシピエントの意思確認なので、法的脳死判定というのはそれと関係なく進むという理解でよろしいと思います。つまり、脳死判定自身はレシピエントがどうであろうと変わらないわけなので、そこに影響はないと思います。問題があるとすればレシピエントに期待感を与えてしまう、移植が駄目になるかもしれないのに、1回目のところで期待だけさせてしまうことかと思いますが、それはここにありますように、まだ本当の意味での第2回目の判定は終了していない、確定していないということを明確に伝えれば問題ないので、したがってまだ確定しているものではないけれども、こういう状況にあるので可能性はあるということを早期に伝える意味はあると思います。法的脳死判定自身への影響というのは、切り離して考えたほうがいいと思います。

○奥山委員 私が言ったのは法的脳死判定への影響ではなくて、ドナーさんの意思決定、特に私の場合は子供が多いので親御さんが7割、8割賛成しているけれど、ちょっと気持ちに迷いがあるというときに、撤回は最後までできますというお話でスタートすることになります。そのときに、もうレシピエントさんに連絡が行っていますよということが、だから撤回はできないというプレッシャーになってしまう危険性はないかという、そこだけなのです。

○永井委員長 いかがですか。

○有賀委員 昭和大学の有賀です。今現在、レシピエントにこういうふうな情報が行っていますという話は、ドナー側の御家族にはどのタイミングで、どう知らされるようになっているのですか。私はそういう難しい話が1回目であれ2回目であれ、多分、明確に行っているような景色として理解していなかったのですが、どうなっているのですか。

○小中委員 日本臓器移植ネットワークの小中でございます。今のお話ですが、意思確認を始めるときは確実に家族に、今から移植の方への連絡を始めますということはお話をしています。

○有賀委員 だから、あなたの御家族の脳死になった患者さんの臓器が、いずれ移植されますよと、そういうふうなことで移植される人を探し始めようしていますと、これはそうですよね。

○小中委員 はい。

○有賀委員 それはそうなのですが、今言ったみたいに、今、Aさんが候補に挙がっています、今、Aさんが落ちてBさんになりましたという実況中継のような話です。

○小中委員 そこまではしないです。

○有賀委員 そういうふうなことはしていないのかということを聞いているのです。

○小中委員 それはしていないです、今は脳死判定の2回目が終わってから確認をしますので、そこから誰がどうのという話ではなくて、今から意思確認を始めますが、よろしいですかというお話になります。

○有賀委員 そういう意味では、この新しいルールになったときに、今、奥山委員が言われたみたいにプレッシャーになるような形でのプレゼンテーションというのは、どういうふうになるのですか。

○小中委員 コーディネーターは、どちらにしても移植を受ける方のコーディネーターと、提供なさる方のコーディネーターとは別の役割の人間で動いています。臓器を提供なさる方への関わりは、その家族に対してのことを考えながら話をしていきますから、例えば迷いがあったりしたら進めることはしませんし、実際の最後の段階でも移植を受ける方が決まっていますからというような話は出しません。ですから、プレッシャーを掛けるような関わり方にならないように関わっていくというのは、現在でもそうですし今後もそうです。実を申しますと、今は脳死での御提供の場合だけのお話ですが、心臓停止後の御提供の場合は、心臓が停止して死亡となる以前から移植を受ける方々への御連絡を差し上げているので、そういう意味合いでは、心停止で既にコーディネーターたちは行っていることであると御理解いただければよろしいかと思います。

○奥山委員 確認だけですが、御説明として今までは2回目が終わった後、これから探しますよというお話をしたのが、1回目が終わった後で探し出しますよというふうに、御説明が変わると考えていいですか。

○小中委員 そうですね。今、先生のお話の部分でいくとそうなります。

○永井委員長 いずれにしても、撤回の意思表明を束縛しないように配慮するという何か1項を書いておけば、よろしいということかと思います。

○宮坂委員 今の御議論を聞いて、小幡委員がおっしゃったように、ドナー側とレシピエント側にこうした説明はしない。今までは2回目判定後だったから移植コーディネータは言っていたのですが、これをもし1回目にやったら奥山委員の言うような問題が起きるかもしれないので、今、永井先生がおっしゃったような形をしっかりしたほうがいいです。

○有賀委員 今、こちらのお二方の倫理学的な側面という話を拝聴しながら思い出したのですが、2回目の法的脳死判定が終わった後にレシピエントにお話を申し上げるというのは、死亡した後にこそ本件を作動させるのが、倫理的に正しいからという話をかつて聞いたことがあるのです。恐らく来栖先生の前の脳外科の代表の方が、そういうふうにおっしゃったと私は伝聞では聞いているのです。固有名詞はどうでもいいですが、本当に倫理的に正しいのは何かという話を考えたときに、究極の目的が、臓器提供をしようという御意思のもとに提供のプロセスが進んでいき、それがある意味、成就することが究極の目標なので、その目標に向かって一番忠実なやり方が、私は倫理的に正しいのではないかと当時思ったのです。そういう意味では少し前倒ししてでも早く探し始めて、さっさと進むということのほうが、むしろ私は倫理的に正しいのではないかと当時思ったことを今思い出しました。

○小幡委員 いずれにしても、撤回はできますということは言い続ける。これが入ったからといってそれは変わらないと思います。ですから、多少早目に可能性を広げるために、こういう働きかけが始まっているが、撤回はできるということを明確にしておけば問題はないのではないかと思います。

○永井委員長 ただ、先ほどのなぜ2回目以降だったかというのは、恐らく人の死を願う気持ちが、もしレシピエント側に生まれたら倫理的な問題が生まれるかもしれないわけです。ですから、その辺のことをあまり細かく言わなければ、逆にそういう気持ちも起こりにくいのではないかと思いますが、そのあたりの手続的なことでそこはクリアできるように思います。いかがでしょうか。

○横田委員 市立堺病院の横田です。倫理的なことも重要ですけれども、テクニック的なことでちょっと伺いたいと思います。脳死判定そのもの、特に法的脳死判定は比較的厳格な形でやっていますので、1回目と2回目で脳死でなかったとして覆るという事実関係はほとんどないと思いますけれども、今までの例で1回目を行って、かつ2回目が順調にと言いますか、6時間あるいは24時間後に大体型通りなされたかどうかということと、もしそうでないとすれば、2回目まで時間が延びたとか、ある事情があって2回目ができなかった例があるのかどうか。2回目がなされても型通りできなかったような要素は何だったか、ちょっと教えてほしいと思います。ということは、1回目でスイッチを入れたということで、2回目を行うまでの間に現場でのトラブルと言いますか、問題解決の対応が大事になってくると思いますので、その辺をお聞かせ願いたいと思います。

○阿萬移植医療対策推進室長 必要があれば、また臓器移植ネットワークのほうから補足していただければと思いますが、我々が把握している限りでは、1回目の判定で脳死が確認された後に、2回目の判定で例えば脳波が確認されたとか脳幹反射が確認されたみたいな形で、脳死でなかったという形になったケースはないと承知しています。ただ、1回目の脳死判定が終わった後に、例えば患者さんの状態が悪化したとか、そういう他の問題で、結局、2回目の脳死判定に至らずに臓器提供にも至らなかったというケースは、確か幾つかあったと承知しています。

○横田委員 前者の場合はないというのであれば、法的脳死判定の厳密さというのは担保されているのだろうと思いますが、患者さんの容態が変わって2回目、いわゆる臓器移植に持っていけなかったということがあるとすれば、既にレシピエント側の選択が始まっているということと、先ほどの倫理上の回避ですね。どういうふうにしてそれを収束させるかというようなルールも、ある程度決めておかないといけないと思いますが、いかがでしょうか。

○阿萬移植医療対策推進室長 今回、この取扱の変更について委員の先生方から御了解いただけるという仮定の話で申し上げれば当然、先ほど小中委員もおっしゃったように、臓器移植ネットワークのほうでのプロセスの中で変更点がいろいろ出てくると思っています。その具体的な手続の中で、今、横田委員がおっしゃったようなところも含めて、手続的なところをきちんと整備していくのは、当然やるべきことだと思いますし、その調整をすることは可能だと思っています。

○小中委員 今のお話の中で、少し現場で感じたことですが、実際的には御承諾を頂いて意思確認を始めても、最後の最後で臓器の機能上の問題とかで提供に至らないことも当然ながらありますので、移植を受ける方に関してそういう可能性があることは、レシピエントへの意思確認のときにお話が既にいっているので大丈夫かと思います。ただ、今、室長からお話がありましたが、例えば1回目のところから意思確認を始めてもいいとなって、すぐさま意思確認が始められるかというと決してそうではなく、例えば御家族の状態とか、最も大事なのは意思確認するための条件として、臓器を提供なさる方の医学的データ、血液データや画像などの情報を収集し、どのような病態であるかを把握することが重要になります。もう1つは、私どものメディカルコンサルタントが実際にドナー候補の方を診察し、今、どんな状態であるというところを確実に掌握した上で意思確認を始めないと、移植医あるいは移植患者さんの意思確認ができません。その条件を満たすための時間が必要です。1回目が終わってすぐ意思確認を始めるということではないことを、御理解いただきたいと思います。

○横田委員 大変重要なことは、現場の負担軽減を目的に、いわゆる2回目を1回目にすることで単純計算で6時間、若しくは子供の場合の24時間がそのまま短くなるというわけではないということですね。

○小中委員 そうですね。ある程度当然ながら短くなるかとは思いますが、1回目が終わりました、ではすぐ意思確認しましょうというものではないということだけ御理解いただきたいと思います。

○永井委員長 よろしいでしょうか。そうしますと、原則的には皆さん賛成かと思いますが、細かい手続とかプロセス、あるいは表現、その辺は今後どうしたらよろしいでしょうか。

○阿萬移植医療対策推進室長 プロセスなどについては、先ほど申し上げましたように、具体的な手続に入ることをお認めいただけるようでしたら、事務局のほうで臓器移植ネットワークのほうと、そういうプロセスについてまた詰めるという形になると思います。その中で本日、先生方からいろいろ御指摘いただいた話も全て含めて考慮し、もしお任せいただけるのであれば我々のほうで先生方の意見も含め、反映させた上での手続にさせていただければと思います。

○永井委員長 そういうことで、よろしいでしょうか。

○山本委員 私も別に反対ではないのですが、要するに1回目の脳死判定をやって、その後、レシピエントに意思確認するということになると、世間的に見て、2回目の法的脳死判定がルーズになるのではないかという懸念を与えないようにしていただく手続を、きちっとしていただければと思います。

○永井委員長 その点も併せて明記しておいていただいたほうが、よろしいですね。よろしいでしょうか。それでは、事務局において臓器移植ネットワークへの指示等然るべき準備を行い、準備の整った時点で実施に移していただくことにいたします。続いて、提言2の脳死下臓器提供希望者の限定的な他施設搬送についてです。渡り廊下でという話が出ていましたが、この案について御意見を頂きたいと思います。つまり渡り廊下と明記したのは、一度玄関を出て屋外に行って隣の病院へ搬送するのは考慮していないということで、渡り廊下で屋内で搬送できるならばよろしいのではないかということです。いかがでしょうか。実際、こういう病院が幾つか全国にあるということですね。

○阿萬移植医療対策推進室長 今回、協議会からの提言の中には具体名は書いてありませんが、個別にお聞きしたケースでいいますと、神戸で兵庫の災害医療センターと神戸日赤病院がそういう形で同一敷地内にあるという話を聞いております。その他、我々のほうで持っております全体の臓器提供施設のリストの中で、同じ住所といいますか同じ敷地内にある所を確認したところ、そのほか5施設がありましたので、それぞれ個別の施設には特段の確認はしておりませんが、一応、それぐらいの数はありうるとは考えております。

○永井委員長 いかがですか。この件はよろしいですか。それでは、この件はその方針で進めていただきたいと思います。現在、Q&Aが発出されておりますので、その変更をお願いいたします。

 続きまして、提言3です。法的脳死判定医の他施設からの支援についてです。この件について、御意見をいただきたいと思います。いかがですか。御意見はありませんか。

○有賀委員 私どもは昭和大学病院で、大学病院ですが、もし小児の場合、どうなるかをときどき考えるのです。小児科のドクターはそこそこいるのですが、小児神経の専門家が、必ずしも十分にいるかとなりますと、現に大学に赴任しているのは3人か4人ぐらいではないかと思うのです。もし、そういうふうなときに、どちらかで学術集会などがあったりすると、ひょっとすると、ひょっとするかと。もちろん、そのときには成育医療センターの小児神経の先生もそちらへ行っているかもしれませんが、それでも地域の小児神経の先生方のスクラムを、上手にあらかじめ組むという作業ができていたとすれば、救命救急センターで働く私達から見ると比較的安心ということがあります。大きい施設だからこれは必ずしも必要ないということではないということで、この件は認めていただきたい。

 外からドクターが来て、診療に何らかの形でコミットするという局面は、どのような場合でもその病院の病院長の許可があるというか、病院のルールがありますので、そういう意味では、雇用関係にしても責任関係にしてもはっきりさせた上でやるという話は、余りにも当たり前なので何とも言いようがありません。とにかく大きな病院でもそういうことは必要ではないかと思っております。

○佐野委員 岡山大学の佐野ですが、今の小児の心臓移植を、できれば子供病院等でも出来るようにしたいと思い、現在、日本循環器学会、日本小児循環器学会などで施設基準、施設認定などの基準作りを行っています。しかし子供病院の先生方の意見は、特に小児心疾患患者の多くは小児病院で治療しており、小児病院での移植が可能にならなければ、日本の小児心臓移植は増加しないと思うからです。しかし脳死判定とか、術後の免疫療法などの専門医を自前でそろえるのは、今の日本の小児病院のおかれた現状を考えると、各子供病院自体に資金面、労働力面などで非常に大変な負担がかかります。という事で、先ほど言われたように、非常勤とか、協力医師など契約を結んでいただいて、実際の移植が行われた時には2人のうちの1人は大学とか、専門の施設から応援に駆け付けるのをお許し願えるなら、現場の子供病院は非常に助かると皆さんは言っておられます。心臓移植を子供病院でやるといっても、候補的には34施設でしょうか。今までの移植施設と同じ条件を要求すれば、ほとんどの施設が手を挙げなくなってしまいます。ですから、施設に最低1人は必要と思いますが、もう1人は他施設から応援に来てもいいというふうにしていただければ、大変助かると思います。

○栗栖委員 広島大学の栗栖ですが、私は日本脳神経学会の脳死検討委員会委員長を拝命しております。北海道のある施設から、実際、脳死患者としての発生の可能性があるのだけれども、実情はこうなので、例えばよく分かっている先生で、地域で完結という形で派遣してもらって、きちんと対応してもらえないだろうかという問合せが、正にあった状況なのです。ですから、そういうことがきちんと対応できると、そういう可能性がある施設からでもちゃんとした形での脳死判定に則っての臓器提供という形でも進むのではないかと思います。これをいい形でちゃんと運用するということですので、その方向に認めていただければ、現場では非常に助かると、そのように申しておりました。

○永井委員長 よろしいですか。そういたしますと、この件は賛成ということで取りまとめしたいと思います。

○小幡委員 基本的にはそれでよろしいと思うのですが、他施設からの応援の方は、当施設での倫理委員会での選定は不要であるという理解でしょうか。それは必要だという理解でよろしいのですね、そこがはっきりわからなかったので。

○阿萬移植医療対策推進室長 先ほどの参考資料の絵も見ていただきますと、事務局とすると、判定医の方の自主的要件と、あとは選定手続については、今、ガイドラインに定められているものを変えないところが重要だと考えておりますので、我々の想定といたしましては、他施設の判定医の方につきましても、ある意味、あらかじめ倫理委員会などでこの人にやってもらいましょうということで意思決定をしてもらうことは、必要かとは思っております。

○小幡委員 先ほどからガイドラインを読んでいて、「実施施設」と完全にはそこまで書き込まれていないのではないかという疑問を持っていたのですが、今後も実施施設での倫理委員会で、あらかじめ選定していくということであれば、ほぼ今のガイドラインとそれほど変更はないと思いましたので、それで現場が動くのであれば、大変よいと思います。

○永井委員長 よろしいですか。そういたしますと、事務局におきましては、ただいまの議論を踏まえまして実施臓器提供施設等支援医師の法的関係の整理、そして日本臓器移植ネットワークによります支援スキームの検討を行った上で、Q&A等の文書を出して、実際の運用を始めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 もう1件、最後に事務局資料にあります「脳死とされうる状態の扱いについて」です。これは本日取りまとめをする必要はないということですが、御意見等がありましたらお伺いしたいと思います。

○有賀委員 これは多分、普段、病院で働いておられない方にとっては、そのようなのかとお思いになるかもしれませんが、従来言われていた臨床的脳死の診断とか、今回、ここに書いてある「脳死とされうる状態についての診断」とかいうのは、ある意味、現場の受持ちの医者からすると、お作法のような感じなのです。つまり何を言っているかと言うと、本当にその人が脳蘇生を諦めなくてはいけないと、またはここの言葉で言えば、脳死状態になっていると、そういう局面についての主治医の理解は、こういう作法ではなくて、治療のプロセスそのものの中で感じるわけなのです。それはある日、やはりそうかと思ってCTスキャンをやってみたら、確かにそのとおりだったとか、頭蓋内圧を測っているという局面があれば、どう考えてもこれは蘇生できないレベルだと、例えば、血圧と頭蓋内圧がほとんど一緒だということで私たちは認識するわけです。

 つまり、今、私が言ったお作法によって認識するのではなくて、そのお作法をしなくてはいけないという状態にある、ある意味そういう意味でのクライマックスを既に主治医は分かっていて、そしてこの作法に入るわけです。ですから、そういう意味では、クライマックスを、脳外科医であれ救急医であれ、主治医としてクライマックスが分かる状態にあれば、それはここの言葉で言えば一般の脳死診断ということになるのかもしれませんが、そのような言葉はどうでもよくて、主治医として脳蘇生は完全に諦めなくてはいけないということを、御家族に話さなくてはいけないということが、ある時点において、既に現場ではそのとおりだということを理解していただきたい。こう言うと、そこまで言うのかと言われるかもしれませんが、こういう作法そのものが存在すること、そのものが、医学的な観点からすると、ある意味余計だったと。昔に向かって余計なことをしたとは言いませんが、そういうことを考える次第です。ですから、このことはここに書いてあるとおりで、現場の主治医たちが、ある意味クライマックスを十分に分かった上で御家族に話をしているということであれば、作法は要らないということでいいのではないかと私は思います。

○横田委員 私も臓器提供になりうる立場でお話させていただきますと、有賀委員がおっしゃったように、担当医として最善を尽くしたというところは、実は前提にあって、もし、そこで御家族にオプションを提示するなり、あるいは周りの者がそういう雰囲気をつかんだということになったときに、法的脳死判定に入っていくためには、担当医としては、その前にそれに準ずる確定的なことをやらざるを得ません。それは後ろに法的な義務的に決められたやり方があるので、そこに入るまでに担当医としては治療のピークは超えても手を離さざるを得なくなったけれども、脳死判定をやるためには、自分自身で1度、ルール上決められた確認事項を見ておきましょうということになるので、実務的に現場ではほぼ3回、無呼吸テストを除いてやっているのが現状です。

 それは法的な形にスイッチを入れてしまうということ自身の責任もありますので、そこは担当医として厳格な確証が欲しいというのも実態ですので、後ろの法的なことがある限り、これを触ろうとすることはなかなか難しいと思うのです。それが現実だろうと思います。

○有賀委員 それは本来的に主治医が決めればいいことなのです。ですから、行政にお作法を指示される筋がないと、それだけの話なのです。ですから、極端なことを言えば、昭和大学病院においては研修医が受け持っているときには、無呼吸テスト、CO2負荷テストを含めた形で、法的脳死判定の前のそれを教育という観点でやっております。それは私たちが、そうすることによって良い教育ができるだろうと思ってやっているわけなので、そのことと患者への負荷が、それほどひどいものではないということを確信できてそれをやっているわけです。従って、こういうところで医療の現場におけるパフォーマンスについてのことを決める必要はないのではないかというのが、私の趣旨です。ですから、主治医がプレテストをやってみたいというのであれば、それはそれで私はいいと思いますし、そうせざるを得ない患者がいることも分かります。ただ、そうではない患者もいるわけなので、その部分についての幅は私たちに任せてほしいという話です。

○宮坂委員 小児集中治療の立場は有賀先生がおっしゃったとおりです。無呼吸テストを含めてやることは、普通の臨床の一部ですので、臨床上余り大変なことではないです。むしろ現在それの金銭的な対価がないことのほうが問題かと、むしろ思っていたくらいです。

5ページの趣旨がよく分からないのだけれども、これで具体的にどうしろということなのでしょうか。

○阿萬移植医療対策推進室長 先ほど協議会から御提言を頂いているものについては、御提案を頂いたものについて、どうするかということで、ある程度方向性が定まっているところであろうかと思います。ただ、脳死とされうる状態の扱いについての議論も、例えば脳死下臓器提供事例の検証の場でもこのような関連についての議論は出ておりますし、また、現場の先生方から我々もいろいろお聞きしているところでもありますので、本日はある意味少し自由に御議論いただいて、それを踏まえて我々としても具体的にこの委員会に今後の方針について、また次回以降にお諮りさせていただくことも少し想定をした上で、本日、何か方針を決めるということではないという前提ではありますが、御議論いただければという趣旨でお願いしているものです。

○奥山委員 実際、脳死になるかもしれないということで、これを1から4をやってみると、本当に微弱だけれども脳波に活動の可能性があるということで、止めになることは決してなくはないので、これ抜きに言ったときに、私は専門ではないので分かりませんが、第1回脳死判定で引っくり返る可能性があるケースが増えるのかどうかが気になります。オプション提示をして、その意思を確認して、第1回目をやったら、脳死ではありませんでしたという症例が増えてくる危険性は、どのぐらいあるのでしょうか。

○栗栖委員 私たちは患者の治療の経過という時間的経過も踏まえながら、症状の変化とか、検査結果の変化とかをずっと見ていながら、それでやはり難しいのではないかということが分かってから、次のステップに行くことだと思うのです。その前の段階でいろいろな検査とか、あるいは診察とかをやってきているわけです。だから、その経過を踏まえての判断という形で見ていっていることなので、これをどこかで急にポンとやって、だから、まだここで、例えばこういう反応が残っていたからというものではなくて、経過を踏まえて見ていることを理解していただければと思うのです。

○宮坂委員 今の奥山先生のお話についてですが、PICUの立場から言うと、恐らくPICUでは脳波の記録をとるのが一番難しくて、無呼吸テストのほうがはるかに楽だと思います。実際、無呼吸テストに近いことは毎日の臨床で経験していることなので、結果が引っくり返ることはまずないと思います。

○奥山委員 14をやらずにということですよね。ここでおっしゃっているのは、14を行うこととされているけれども、それを抜きで第1回目に行くとすると、脳波という点でも引っくり返る可能性が高くはならないのでしょうか、というのが私の質問なのですが。

○宮坂委員 いやいや、高くならないでしょうというのが、私の答えです。

○小中委員 1回目の脳死判定を慎重にやられてやり直しをすることは今までもありますが、それが増えることにはならないと思います。それよりも、参考資料として事務局がしめされています、御家族からの申出により早い時点でその意向が確認されていたとしても、これをやらないといけないというルールから御家族や病院に御負担を強いていることのほうが、現場では感じることが多いと思います。ガイドラインに書かれていますのも、脳死とされうる状態と判断されたら、家族に臓器提供の機会のあること等を紹介するようにと、書いてありますので、御家族の申出があった場合には既に確認がされていることになりますので、少し違う気がしております。

○永井委員長 ほかに御意見はありますか。この件は今日の取りまとめではありませんので、次回以降、更に議論をしたいと思いますし、そのために少しいろいろな資料を整えて論点を整理しておいていただきたいと思います。よろしいですか。

 次の議題にまいります。以下は、報告事項です。移植希望登録患者の適応評価体制等について、資料3に基づいて御説明をお願いいたします。

○阿萬移植医療対策推進室長 資料3及び参考資料3を使いつつ御説明します。これについては、昨年9月の移植関係学会合同委員会、先ほどの臓器提供関連学会協議会とはまた別のところですが、局長通知のガイドラインの中に位置付けられている委員会です。日本医学会の高久会長が世話人をしてくださっている委員会ですが、そこで昨年9月にこのような申合せが行われております。これは臓器提供というよりは移植側ですが、それについての御報告をかいつまんでいたします。

 資料3では分かりにくいので、参考資料3を御覧ください。1ページ、御参考までに「ドナー適応基準・レシピエント選択基準との関係(現状)」ということで、基礎的な話をおさらいします。日本臓器移植ネットワークと臓器提供施設、移植実施施設の関係で言うと、移植実施施設が日本臓器移植ネットワークに登録されて、その移植実施施設からそれぞれの患者が移植待機患者ということで登録をされます。そのときの施設の登録又は患者の登録については、それぞれ施設基準や、レシピエントの方々は適応基準になりますが、それについては各学会の自主的な基準、これが先ほどの学会の合同委員会において定められる基準により運営されております。

 それと対応して、具体的に臓器提供施設から提供事例があった場合に、臓器が移植に利用可能かどうかを判断するための基準が「ドナー適応基準」、具体的に登録されている患者、レシピエントの方の選択をする、優先順位を決めるための基準が「レシピエント選択基準」です。繰り返しになりますが、下半分については国において定めて、臓器移植ネットワークの責任で運用しているもので、移植施設の登録、患者の登録については、各学会の自主的基準において運用されています。

 それがどのような形に変わるのかを、次の2枚の資料で御説明します。2ページですが、申合せ前の段階では、移植関係学会合同委員会においてレシピエント適応基準を決定した上で、移植実施施設についても選定をしていただいています。その合同委員会に加盟をされている関係学会、例えば心臓なら心臓、肝臓なら肝臓と各臓器別になりますが、それぞれの中で適応検討組織を作っていただいて、具体的に移植実施施設から臓器移植ネットワークへの登録の際にそれぞれ個別に、本当にその患者が移植の適応があるのかどうかを検討していただいて、それに基づいて臓器移植ネットワークへの登録が完了する形になっております。

 それが具体的にどう変わるかを示したのが次の資料です。「見直し後」ということで、番号に沿って御説明します。これまでも移植関係学会合同委員会で決定する前には、レシピエントの適応基準については臓器別に各学会から提言をしていただいておりましたが、まず各学会等が作成して、この基準は報告公表後に独自に運用を開始するという扱いでいいのではないかということが、申合せされた1つ目の事項です。23ですが、各学会で、既に設けられている所がほとんどですが、適応検討組織の中で一定要件を設けて、各移植実施施設が学会の個別の事前の適応判定、適応検討を行わずに、直接臓器移植ネットワークに登録をしてもいいという施設を、それぞれの学会ごとの責任で認めていただくことができるスキームにするということです。これについては、既に各臓器別に準備を進められている所もあると承知しております。

 このような形である程度整備されていることと並行して、移植関係学会合同委員会としてこれまで認定をしていた各移植実施施設について、そういう体制が整っていれば、施設の認定そのものも各学会の判断で行う。例えば、それぞれ個別のケースの事後の実施状況の把握や、認定基準の明確化・公表なども含めて行う形になりますが、それも含めて行うということで、移植関係学会合同委員会から各学会への権限の委任をされるということが申合せになっております。

 このような流れを踏まえて、各関係学会の先生方におかれまして、その手続を今、進めていただいている状況です。以上です。

○永井委員長 いかがでしょうか。御質問等はありますか。

○猪股委員 移植学会の肝臓を担当しております猪股と申します。個別移植施設から評価申請を、中央にあげられているものをそれぞれの施設の判断で直接移植ネットワークに申請し、登録するという見直しですが、それに関して実情を簡単に申し上げます。課題もあるので、それも付け加えて申し上げます。

 私は肝臓移植をしているので、肝臓移植で今どうやっているかですが、肝臓移植に関しては移植学会と肝臓学会、肝移植研究会の3つの学会、研究会から委員を出して、全国で10名程度の委員で現在中央評価を行っており、登録候補者がどれぐらい緊急度が高いか、あるいは適応があるかどうかの判断を、現在はメール上での登録のやり取りでやっております。現在それぞれの学会が委員を出していますが、経済的な裏付け、あるいは組織的な裏付けは全くありません。委員がただ単に存在して評価するという形でやっております。

 実は、2年ほど前に、患者からこの委員会が訴えられるということがありました。適応基準を委員会で定めて、もちろん合同委員会で承認はされているわけですが、肝臓に関しては70歳を上限として移植適応にする、70歳を超えたら適応から外れるといった基準を設けていたわけですが、70歳を超えて肝臓移植を受けたいという患者が、京都大学を経由して登録をしてきました。しかし、委員会としては適応ではないという判断を下したわけです。それで、移植施設である京都大学と委員会を訴えたということがありました。結果的にこれは最高裁まで行って上告棄却になっております。何を申し上げたいかというと、現在の中央の評価システムは存在しますが、金銭的な裏付けはもちろん、組織的なオーソライズも全くされていません。移植施設としては、個別施設からのネットワークへの直接申請時に適応評価が難しい点があるとき、客観的な評価を受けるために中央の委員会組織も残さなければいけないと肝臓移植では思っております。その際に、権威付けと言うと言葉が強いかもしれませんが、何らかの立場をこの委員会には残していただきたい。また、移植学会全体としては個別の施設からの評価申請に移行していきたいということですが、それぞれの臓器によって、その方向への進み方に少し差があることも御理解いただきたいと思います。

 ただ、特に心臓ではこの動きを重視してそうしたいという意向が強いので、臓器によってスピードの差はありますが、この方向に動かしていただければ個別の移植施設としては負担は減ることになり望ましいけれども、一方で中央の委員会も残していただかないといけない部分もある。それと同時に、その委員会組織の権威付けも何らかの形で考えていただきたいと考えております。

○永井委員長 具体的に、権威付けというのはどういう形で可能なのでしょうか。

○阿萬移植医療対策推進室長 権威付けというお話については、個別にはそれぞれの学会の先生方とも相談させていただくことになろうかと思いますし、具体的には各移植実施施設、学会の先生方と臓器移植ネットワークのやり取りという話も出てくると思いますので、その中で具体的なものについては個別に相談させていただければと思っております。

○相川委員 東邦大学の相川です。先ほど猪股委員がおっしゃった御意見は肝臓、心臓ですが、その他の臓器でも全てこういう問題があると思います。腎臓に関しては、臓器移植ネットワークには臓器移植実施施設委員会というものがあって、私はその施設委員長を拝命しておりますが、腎臓移植の施設に関しては基準がこの会で設けられております。ですから、腎臓は他の臓器とは少し違っている状況にあると思います。ただし、腎臓に関しては移植実施施設から直接、既に臓器移植ネットワークに登録をしています。

 問題は、preemptive(先行的腎移植)に関しては、それぞれの腎臓関係の学会が集まって委員を作って、これはボランティアですが、透析をしないで移植をする方の登録に関しては適応基準を決めて、討論をした上で臓器移植ネットワークに登録をしています。ということは、他の臓器の適応評価委員会又は中央委員会と全く同じような作業を、実は腎臓でもやっているわけです。この委員会のバックアップがほとんどない、ボランティアでやっているところに、2年前に肝臓では訴訟が起きてしまって、しかも個人が訴えられてしまったという状況があって、ボランティアでやっている学会員には非常にきついことになって、これはどうなっているのかということで学会が不安を感じて、各研究会に何とか解決できないかと申入れをしたという経緯があります。

 ただし、皆さんは御存じかどうか分かりませんが、ヨーロッパやイギリス、特にアメリカでは臓器移植ネットワークの中に諮問委員会が設けられていて、それぞれ学会員を臓器移植ネットワークが諮問をして選んで、そこに委員会を設けて、そこで患者の適応を決めているという経緯がありますが、日本の臓器移植ネットワークは法的にあっせんしかできない組織になっていて、これができないのです。ということは、ある意味では直接移植施設から登録すればそれほど問題は起こらないとは思いますが、適応評価委員会を設けて細かな検討をすると、同じようなケースが出てくるのではないかということで、学会員は非常に不安を感じているわけです。この辺りに対して、先ほど猪股委員がおっしゃったように新しい見直しの体制を作っていただいて、できれば適応評価委員会の位置づけを明確にしていただきたい。学会から派遣された委員がボランティアで集まって適応を決めているというだけの委員会では、いつまでたってもリスクを学会員が負うことになります。ただ、日本の状況と海外の状況は違いますので、これに合わせた上で検討しなければいけないということになるかと思います。

○永井委員長 いろいろな歴史的経緯もあるということだと思いますが、ほかに御意見はありますか。よろしいでしょうか。

 それでは、この件についても、各関係学会においてこの申合せに沿って取組みを進めるということで、必要な御協力をお願いいたします。

 次の議題に進みます。「脳死下の臓器提供事例の検証」について、事務局から御説明をお願いします。

○阿萬移植医療対策推進室長 資料4に基づいて簡単に御報告します。現在、脳死下臓器提供事例の検証会議で検証を進めております。資料4のグラフを見ると、現在検証済みのケースが197件、検証がまだ終わっていないものが103件あります。このような中で、そろそろ200例の検証が終了する形になりますが、これまで102例及び150例の検証を行い、公表してきている経緯がありますので、今回は200例に達した時点で200例のまとめの作成・公表について準備を進めたいと思っております。

 具体的には、検証会議との相談もありますが、できればこの3月中には公表していきたいと思っております。また、上記に合わせた検証プロセスの効率化ということで、検証の結果も大分そろってきているので、このような結果も踏まえて、例えば検証のポイントの絞込みやそれに合わせた病院から提出いただいている資料の絞込みも含めた形で、フォーマットの更なる工夫によって、プロセスの効率化に向けた検討も別途進めていきたいと考えております。それについては、これも可能な限りということで、まだ目処が立っているわけではありませんが、できる限り3月いっぱいには検証会議において結論を出していただいた上で、4月以降開催される本委員会において具体案をお示しして、御相談させていただければと思っておりますので、よろしくお願いします。

○永井委員長 御質問、御意見を頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。

○奥山委員 検証は御苦労さまだったと思いますし、200例の検証は楽しみにしておりますが、今までの検証はガイドラインに沿っているかどうかを検証するということですね。どちらかというと、今後、現場でガイドラインを使っての御意見が聴けるようなものがあるといいのではないかと思いますので、意見を述べさせていただきました。それが検証という形がよいのか、研究のような形がよいのかは検討すべきと思います。

○阿萬移植医療対策推進室長 現在、検証を行っていただいている検証会議自体は、そもそもの開催の目的として、現在定められているルールに脳死下での臓器提供事例が沿っているかどうかをチェックするということですので、ルールが適切かどうかについて検証会議の中で検討することはどうかという話が出て来るかと思いますが、奥山委員の御指摘のようにルールそのものが適切かどうか、現場に合っているかという話を検証していくことは重要だと思っておりますし、正に本日の委員会で御議論いただいたようなことも含めて、こういう委員会の場での御議論も今後お願いできればと思っております。また、御提案があったような別の場ということも、具体的に何があるということではありませんが、そういうルールの検証については我々としても今後ともきちんと進めていきたいと思っております。

○永井委員 ほかにいかがでしょうか。

 それでは、この件は今後の取組みの進捗状況等についてこの委員会において適宜御報告をお願いします。本日の議題は以上で全て終了ですが、その他に何かありますか。

○見目委員 患者団体の見目です。どなたに聞くのが良いかよく分かりませんが、新聞等で15歳未満とか6歳未満のお子さんから提供があるということがときどき記事になります。大人の場合は記事になりませんが、子供の場合は記事になります。そのときの例を見ると、心臓は大体お子さんに渡るのですが、それ以外のものは40歳や50歳の方々に渡るということが結構出ていて、それを見てかなり違和感を感じるのです。そういうお子さんから提供されたものは、普通に考えればお子さんの所に行くのではないかと思うのです。ところが、それが50歳とか60歳の方の所に行っているとなると、提供した側の御両親や御家族も悩むところは当然あると思いますし、我々一般の人間が読んでも、何となくすっきりしないものが残ってしまうのです。もしでき得れば、お子さんからの提供については、せめてお子さんに行くようにルールを検討していただけないかと思います。前から新聞でそういうものを見るたびに、大体50歳とか60歳、あるいは40歳の方が結構混じるのです。そういう方々にも、もちろん生きていただきたい気持ちは十分あります。しかし、お子さんのものはお子さんに行くように、そういうスタイルにならないかと思いますが、いかがでしょうか。

○阿萬移植医療対策推進室長 資料5と資料6がまだ残っているのですが、今の見目委員の御指摘は資料5とも少し関係しますので、資料5について少し説明させていただきます。

 腎臓移植の基準に関する作業班ということで、この委員会の相川委員にも班員として御参加いただいておりますが、先ほど見目委員から御指摘のあった点については、それぞれの臓器ごとに、参考資料3でも御説明した「レシピエント選択基準」が、国が定めて臓器移植ネットワークが登録されているレシピエントの方々の優先順位を決める基準となって決めております。具体的にはその基準に沿って運用されている中で、実質上、見目委員から御指摘があったようなケースが出てきていると承知しております。腎臓移植の基準に関する作業班は、最近行われていなかったということもあって、昨年1225日に再開しております。その中で班員の先生方からは、資料53つ目の○ですが、例えば小児から小児への腎臓の提供が進む方向への基準改正の提案がなされており、正に同様の趣旨の議論がなされようとしているところです。これについてはまだ具体的な結論ではありませんので、実際には小児から小児へというだけではなく、医学的な妥当性等も含めて総合的な検討が必要になってくると思いますが、腎臓についてはこの作業班で具体的な検討がなされて、その結果についてはこの委員会で御報告し、御議論いただく形になろうかと思っております。

 他の臓器についても、子供が優先されるような形になっている臓器もあれば、そうでない臓器もあるので、それについては個別の御意見も承りながらレシピエント選択基準について、選択基準自体は今後全然変えないということではなくて、具体的な検討を進めていくべきものと考えておりますので、そういう機会を捉えて検討を進めていくと思っております。

○永井委員長 ただいまの点についてはいかがでしょうか。

○見目委員 おっしゃることは有り難く思います。ただ、臓器提供というのは提供される方々がいての話ですから、学会の立場もあると思いますが、一般の方々がどういう感覚を持つのかということが大事だと思うのです。そこに賛同者がいないと、提供は進まないと思うのです。今までの事例を見る限りでは、毎回毎回40代や50代、場合によっては60代の方が載っていますから、これは学会の自主性に任せるというよりも、一般的に考えて、各臓器に対応していただくようなことが考えていただけないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○阿萬移植医療対策推進室長 実際には、これは学会の自主的な検討会ではなくて、厚生労働省として国が定める基準について検討していただく所です。その中で、医師の方々だけでなく、必要に応じて例えば法律の専門家等の方々に入っていただくこともできると思います。そういうことも含めて、作業班の中での検討を進める形になろうかと思っております。少なくとも、この作業班の中でも医師の班員の方々から正に同じような御提案も出ておりますし、それは学会の中でうんぬんというよりも、レシピエントの優先順位を決める上での社会的妥当性がどうかということは、班員の先生方の中でもきちんと検討の上で結論が出てくることになろうかと思います。

○猪股委員 細かい話ですが、私も子供の肝臓移植をたくさんしておりますので、心情的には非常によく分かりますが、肝臓に関しては大人の肝臓を2つに割ってお子さんにあげるということもかなりやられていて、待機患者の中で子供と大人と分けて考えると、決して子供に当たる確率が低いわけではありません。むしろ少し高めになっている面もあります。

 また、肝臓移植でも、子供でより優先順位が高くなるような仕組みも作られてはいます。ただ、例えば昨日あった事例でも50代の方になっておりますが、より救命を必要とする患者を全体の中で優先するのが大原則になっているので、大人の患者に子供の臓器が移植されることが、肝臓移植では行われる面があります。当然ですが、同じように急ぐ患者がいたら、子供の肝臓は子供の患者に行くようにはなっています。肝臓という臓器の特性もあるかもしれませんが、一方で大人の患者から子供へも行っているということも御理解いただきたいと思います。

○相川委員 先ほど阿萬室長からお話がありましたように、私も腎臓移植作業班の班員ですが、やはり問題になるのは腎臓だと思います。心臓の場合にはサイズマッチングですので、肺もそうですし、ほとんど子供の心臓、子供の肺は小児へ移植ができると思います。肝臓は、今、猪股委員が御説明になったと思います。

 問題は腎臓で、腎臓の場合には、今まで実際に小さい子供から、特に6歳未満の方からの腎臓が子供に移植できなかったことが問題としてとりあげられています。2例とも実際に子供ではない成人の方に移植されています。これについてはこの間もいろいろ議論をして、医学的な議論のほかに、東日本で6歳未満で提供された御家族の方が、是非資料を出してくださいと、臓器移植ネットワークのコーディネーターに手紙を書いております。その中には、私どもの子供の臓器が、できれば子供で苦しんでいる方に提供してほしかったということが連綿と書かれていて、この委員会でも私が直接それを読み上げました。だから、委員会は全く医学的なことだけで検証しているわけではなくて、一般の方がどう思っているか、提供された御家族、特に小児の御家族がどういう感じを持っておられるか、それを十分に検討しようとしている最中です。決して見目委員の発言された一般市民のご意見を無視して討論しているわけではございません。

○見目委員 ありがとうございます。

○永井委員長 事務局からは他にはよろしいでしょうか。

○阿萬移植医療対策推進室長 資料6の御説明をします。これも御報告ですが、昨年の暮れに日本臓器移植ネットワークの業務の中で対応の誤りがあって、それについて厚生労働省から文書での指導等を行っておりますので、その報告をいたします。

 これは昨年暮れに報道もされましたので、御覧になっている方も多いと思います。1115日の脳死下での臓器提供事例において、腎臓移植のレシピエント候補者に対する意思確認がルール通りに行われていなかったという事例です。具体的な内容ですが、膵腎同時移植の希望者については、腎臓のみの移植の方と同じリストに登録される形になっており、腎臓のみの移植希望者として意思を確認することとされております。今回の1115日の事例では、膵臓の提供が医学的理由で断念されたこともあり、膵腎同時移植の希望者であっても、全て腎臓のみの移植の希望者として意思確認が必要でしたが、実際にはその点について臓器移植ネットワークの内部でのチェックが足りなかったということで、腎臓のみの意思確認の対象から外される形になったというケースです。結果的には、この誤りが判明した後、移植希望施設の担当医師経由で本来意思確認すべきであった希望者に連絡をしたところ、本人としては意思確認をされても辞退をする状況であったことが確認されているので、臓器移植ネットワークの内部的なミスで、優先されるべき方に移植が行われなかったということにはなっておりません。平たく言えば結果オーライではありますが、ここでのミスはかなり重大なものであると我々としても考えております。

 原因のポイント・再発防止策のポイントですが、これまでの対応としては、1215日に先ほど申し上げた検証会議にこの部分について報告し、内容も公表しております。主な指摘事項として、自ら策定している再発防止策の具体化を迅速に進めるべきということ、特に検証会議で指摘があったのは、今回は膵臓と腎臓の複数の臓器移植のルールということで、そこの具体的な運用が徹底されていなかったということです。それについては、例えば業務基準書への反映といったこともきちんと行うべきであるとの御指摘を頂いております。さらに、今回については、本人が移植を希望しても移植手術ができないような状況になった時点で意思確認の趣旨の連絡をしており、それは不適切ではないかという御指摘を頂いております。そのタイミングについては、主治医と相談をした上でまた別途行うなりといった形で、今回プロセスの誤りの対象となった方への連絡は慎重に行うべきであるという趣旨の御指摘です。

 このような御指摘を検証会議で受けた上で、その後の対応として、1226日に、3ページ以降の別添のとおり、局長通知で指導を行っております。また、臓器移植ネットワークのホームページを見ると分かりますが、同日、JOTとしてもホームページに指導を受けた旨とお詫びを掲載しており、担当者の処分等についてもしかるべく行われております。今後、我々としても定期的に再発防止策の進捗をフォローしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。以上です。

○永井委員長 何か御質問等はありますか。

○小幡委員 私は初めてこの委員会に出るのですが、臓器移植というと、従来は脳死判定、あるいはドナーの側について、きちんと選ばれているか、など、そちらのほうが倫理的な面等でかなり重要な論点になっていたと思いますが、最近では、移植を受ける側の優先順位も非常に重要な問題になっています。JOTは公益社団法人の立場で、先ほどの学会も、行政や国ということではなく関わっていらっしゃるということですが、若干危うい感じで、個人が訴訟で請求されたりという問題はあるのかと認識しております。もちろん、これからも、移植については、必要かつ有益なものについては進めていくべきだと思いますが、その際、今学会やJOTがなさっていることをどのように位置づけていくかという問題はあると思います。今の基準作りも、パブコメには掛けているのですか。

○阿萬移植医療対策推進室長 掛けることになろうかと思います。

○小幡委員 患者団体の気持ちももちろんですが、社会一般がどのようにこの優先順位付けを評価するか、あるいはどのような形であれば社会的に合意が得られるかということも非常に大事だと思いますので、社会に開いた形で、優先順位の基準作りについては、慎重にかつ社会に開いた形で進める必要があると思います。

○永井委員長 よろしいでしょうか。

 それでは、本日の議題は全て終了しました。最後に、事務局から連絡事項をお願いします。

○菊田室長補佐 本日は、活発な御議論をいただきましてありがとうございました。事務局におきましては、頂いた御意見を踏まえて必要な手続きを進めたいと思っております。また、本日結論が出なかった論点については、次回以降、引き続き御議論をお願いしたいと考えております。

 次回以降の開催につきましては、別途日程調整をし、御連絡いたしますので、よろしくお願い申し上げます。

○永井委員長 それでは、本日はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

健康局疾病対策課移植医療対策推進室
代表: 03(5253)1111
内線: 2362,2365

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