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2015年2月16日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会

医薬食品局食品安全部基準審査課

○日時

平成27年2月16日(月) 14:00〜17:00


○場所

航空会館5階 502会議室
(東京都港区新橋1丁目18番1号)


○出席者

委員

若林部会長 穐山委員 石見委員
井手委員 井部委員 小川委員
杉本委員 戸塚委員 二村委員
由田委員 佐藤参考人

事務局

山本基準審査課長 黒羽補佐 竹内補佐
山本専門官 黒岩主査 津田主査
池上技官

○議題

(1) アンモニウムイソバレレートの新規指定の可否等について
(2) ケイ酸カルシウムの使用基準の改正の可否について
(3) グルコン酸亜鉛の使用基準の改正の可否について
(4) その他

○議事

○事務局 薬事・食品衛生審議会食品分科会添加物部会を開催いたします。本日は御多忙のところ御参集いただき、誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 なお、本年1月に審議会委員の改選が行われ、本日が最初の部会ですので、開催に当たり、基準審査課長より御挨拶申し上げます。

○山本基準審査課長 基準審査課長の山本でございます。今、事務局から御説明させていただきましたように、本年1月下旬に審議会の委員改選がございまして今期初めての部会となります。この度は4人の新たな委員の先生方にも御就任いただき、本日御欠席の先生もおられますが、今後どうぞよろしくお願い申し上げます。

 添加物の分野でございますが、食の安全安心ということで、国民の皆様の関心も高うございます。これまで同様、忌たんのない御意見を賜りながらの審議をお願いしたいと思っております。本日も3件ほど審議議題がございますが、どうか本日、よろしくお願い申し上げます。

○事務局 まず初めに、本日の委員の皆様の出席状況を御報告いたします。本日は鎌田委員、中島委員、吉成委員より、御欠席の旨御連絡を頂いております。現時点で添加物部会員総数13名中、10名の委員の先生方に御出席いただいておりますので、本日の部会が成立いたしますことを御報告申し上げます。

 なお、先ほど基準審査課長の御挨拶にもございましたが、本部会におきまして、4名の委員に新たに就任いただいておりますので、部会の開催に当たり、まず御紹介させていただきます。

 独立行政法人国立健康・栄養研究所食品保健機能研究部部長の石見委員です。国立医薬品食品衛生研究所食品添加物部第二室長の杉本委員です。独立行政法人国立がん研究センター研究所発がん・予防研究分野ユニット長の戸塚委員です。日本生活協同組合連合会組織推進本部環境事業推進部部長の二村委員です。また、本日は参考人として、国立医薬品食品衛生研究所食品添加物部第一室長の佐藤先生にお越しいただいております。

 それでは、議事の進行を若林部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○若林部会長 皆さん、こんにちは。よろしくお願いいたします。最初に配付資料の確認を事務局よりお願いいたします。

○事務局 議事次第、資料一覧、委員名簿、座席表に続いて、資料1-1から資料1-3に関して、アンモニウムイソバレレートの添加物としての指定の可否等に関する資料がございます。資料2-1から資料2-3に関して、ケイ酸カルシウムの使用基準の改正に関する資料です。資料3-1から資料3-3に関して、グルコン酸亜鉛の添加物としての使用基準の改正に関する資料です。また、本日の机上の当日配付資料として、机上の方々のみの配付とさせていただいておりますが、保健機能食品と特別用途食品の説明をさせていただいた横表の資料が1枚と、食品衛生分科会における確認事項、右上に「報告資料」と書かれている資料の2点がございます。本日、お手元にお配りしている資料は以上です。不足や落丁などがございましたら、事務局までお申し出いただきますようお願いいたします。

○若林部会長 事務局から、本日の部会の審議品目に関する利益相反の確認結果について、報告をお願いします。

○事務局 本日の部会においては、審議品目のうちケイ酸カルシウム及びグルコン酸亜鉛が事業者申請のため、利益相反確認対象となっております。当該品目について、本日の部会において退室の必要な委員又は議決には参加できない委員がいないことを確認しております。

○若林部会長 審議に入ります。議題1「アンモニウムイソバレレートの新規指定の可否等について」です。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 議題1のアンモニウムイソバレレートについて御説明いたします。資料1-1から資料1-3です。まず資料1-1です。平成27年1月23日付けで、「アンモニウムイソバレレートの添加物としての指定の可否について」、「アンモニウムイソバレレートの添加物としての使用基準及び成分規格の設定について」ということで諮問書です。

 続いて、資料1-2は「部会報告書()」です。アンモニウムイソバレレートですが、今般添加物としての新規指定、使用基準及び成分規格の検討をいただくものですが、国際汎用添加物として指定の検討を進めてきたものです。食品安全委員会において、食品健康影響評価がなされたことを踏まえ、当添加物部会において審議を行っていただき、報告を取りまとめるものであるということです。

 品目名はアンモニウムイソバレレートです。英名、化学名、CAS番号、INS番号、構造式、分子式及び分子量については、記載のとおりです。用途は香料です。

 4.概要及び諸外国での使用状況です。概要は、アンモニウムイソバレレートは天然に存在することが確認されていない。JECFAにおいては、2003年の第61回会合において香料として評価を行っており、「安全性に懸念はない。」とされております。

 続いて、諸外国での使用状況です。欧米において肉製品、焼き菓子、ソフト・キャンデー類、冷凍乳製品類、清涼飲料、ゼラチン、プリンなどの様々な加工食品において、風味を向上させるために添加されている物質です。

 報告書の2ページです。5.食品安全委員会における評価状況です。食品添加物としての指定のため、食品安全基本法に基づき、平成23年2月28日付けで、食品安全委員会宛てに意見を求めております。アンモニウムイソバレレートに係る食品健康影響評価については、平成25年2月18日付けで通知されておりますが、その後、規格基準の内容について成分規格の検討結果を踏まえ、成分規格案を変更することとし、平成261128日付けで、食品安全委員会にこれらに関しての意見を求め、平成2612月9日付けで評価結果を通知されているものです。

 食品安全委員会における食品健康影響評価については、以下に、「添加物評価書抜粋」ということで記載しております。食品安全委員会としては、添加物(香料)アンモニウムイソバレレートには、少なくとも香料として用いられる低用量域では、生体にとって特段問題となる毒性は無いものと考えた。国際的に汎用されている香料の安全性評価の方法についてに基づき、構造クラスIに分類され、その安全マージン(2,00010,000)90日間反復投与毒性試験の適切な安全マージンとされる1,000を上回り、想定される推定摂取量(1895μg//日)が構造クラスIの摂取許容値(1,800μg//日)を下回ることを確認した。以上より、アンモニウムイソバレレートは食品の着香の目的で使用する場合、安全性に懸念が無いと考えた。ということです。

 続いて、6.摂取量の推計です。こちらも食品安全委員会での評価がなされており、摂取量の推計の部分を抜粋しております。アンモニウムイソバレレートの香料としての年間使用量の全量を人口の10%が消費していると仮定するJECFAPCTT法による方法で推計しておりますが、1975年の米国及び1995年の欧州における一人一日当たりの推定摂取量をそれぞれ9518μgとされております。これらは我が国での添加物(香料)の推定摂取量について、これまで既に指定されている香料物質の我が国と欧米の推定摂取量が同程度との情報があり、同様の範囲になると推定されるということです。

 続いて、3ページの()のイソ吉草酸です。こちらはアンモニウムイソバレレートはアンモニウム塩とイソ吉草酸との結合物ということで、イソ吉草酸についても推定摂取量が出されています。アンモニウムイソバレレート同様に、JECFAPCTT法による推定摂取量の記載があり、一方、我が国における生産量ベースでの摂取量調査結果によると、推定摂取量は一人一日当たり159μgであるとされております。

 7.新規指定についてです。アンモニウムイソバレレートについて、食品安全委員会における食品健康影響評価を踏まえ、食品衛生法第10条の規定に基づく添加物として指定することは差し支えない。

 続いて、規格基準の設定についてです。同法第11条第1項の規定に基づく規格基準については、次のとおり設定することが適当である。8.()使用基準についてです。使用基準()として、アンモニウムイソバレレートは着香の目的以外に使用してはならない。その下の()成分規格については、成分規格を別紙1のとおりに設定することが適当である。設定根拠については別紙2、JECFA規格との対比表は別紙3ということで、添付しております。

 4ページの別紙1が成分規格()で、記載のとおりですが、この成分規格の設定根拠について、別紙2を御覧ください。

 5ページ、「アンモニウムイソバレレートに係る成分規格等の設定根拠」ということで、主にJECFA規格(香料)、これは香料としての規格になりますが、及び食品添加物公定書第8版を参考として、成分規格案を設定しております。分子式、分子量になりますが、JECFAでは本品をこのような化学式としておりますが、欧米で市販されているアンモニウムイソバレレートについて、核磁気共鳴スペクトル分析(NMR)、元素分析、X線結晶構造解析、酸又はアルカリ滴定による定量などを行った結果、アンモニウム1分子とイソ吉草酸3分子を最小単位とすることが判明したということで、これを踏まえて別紙1のとおりですが、分子式、分子量、化学名、CAS番号などを記載しているものです。なお、名称については「アンモニウムイソバレレート」ということです。

 含量について、JECFAでは98%以上ということではありますが、市販の製品を分析した結果などを踏まえ、また、他の添加物の規格値との整合性を考慮し、97.0102.0%としています。

 性状については、JECFAでは潮解性の無色の結晶、僅かに甘い芳香のある、シャープなチーズ様の香気を規格としておりますが、本品は特有の香気を持ちますが、人により必ずしも同一に感じるとは限らないということもありますので、本規格案については潮解性の無色の結晶又は白色の結晶の粉末で特有の匂いがあるとさせていただいております。

 確認試験について、JECFAではNMRを採用していますが、これまでに指定されている香料と同様に、本規格案においても赤外吸収スペクトル測定法を確認試験法とすることとしております。純度試験については、こちらも測定などの結果から、6568℃としたということです。

 定量法は、国際汎用香料については、これまで原則ガスクロマトグラフィー法としてきておりますが、本品についてはガスクロマトグラフィー法で定量ができないということがあり、滴定による含量を求めることとし、電位差滴定ということです。また、電位差滴定で変曲点がpH7とpH11にあるということで、より明瞭であるpH7付近を終点とされております。

 最後の、JECFAでは設定されているが本規格では採用しなかった項目として、酸価がございます。酸価については、定量法に酸価と同様の試験法を採用しているということで、酸価は採用しないということです。また、溶解性については、JECFAでは記載がありますが、IRによる確認試験、また純度試験において融点、含量も規定しており、必要性は低いということで、採用しないこととされております。

 7ページの別紙3ですが、こちらが規格の対比表です。8ページは、確認試験における参照スペクトルを示しています。9ページは定量法での滴定曲線を示すものとして、添付しております。最後ですが、参考として、これまでの経緯を添付しております。部会報告書()については以上です。御審議よろしくお願いいたします。

○若林部会長 審議に入る前に、アンモニウムイソバレレートの食品安全委員会での評価結果について、遺伝毒性部分の解説を戸塚委員にお願いいたします。

○戸塚委員 それでは、簡単に食品安全委員会での遺伝毒性に関する評価について、御説明いたします。お手元の資料1-3が評価書です。こちらの7ページを御覧ください。こちらに、アンモニウムイソバレレートに関する遺伝毒性の試験成績が表1にまとめられております。

 こちらに示すように、両方とも in vitro ではありますが、遺伝子突然変異試験と、染色体異常試験で、OECDなどのテストガイドラインに規定された最高用量まで実施された試験において、陰性であったというような結果が得られております。

 8ページです。この結果を踏まえ、添加物(香料)アンモニウムイソバレレートには、生体にとって特段問題となる遺伝毒性は無いものと考えられたとされております。以上です。

○若林部会長 いずれの試験でもネガティブだというようなデータが出ているということです。続いて、遺伝毒性以外の部分を小川委員より解説いただけますでしょうか。

○小川委員 同じ資料1-3、8ページからです。反復投与毒性について、()にアンモニウムイソバレレートについて記載があります。こちらでは90日の強制経口投与をラットに行っておりますが、表2-2にあるように、31.4mg/kg体重/日の用量で、雄、雌に胃の境界縁の扁平上皮の過形成と、胃の粘膜下の好酸球とリンパ球の浸潤が見られたという所見が記載されています。この実験を行った担当者は、1つ下の用量でも1匹に扁平上皮の過形成が見られたとしていますが、非常に少ないものであり、食品安全委員会では有意と取らずに、もう1つ上の31.4の用量で見られたものについて、毒性学的な意味があると考え、こちらの試験のNOAEL3.14mg/kg 体重/日としています。

 加水分解産物であるイソ吉草酸について、()に記載があります。こちらはラットの12週間の混餌投与の試験を行っております。10ページにあるように、1用量のみの試験ですので、あまり細かいことが分からないということになりますが、この1用量の試験においては、特に明らかな著変は見られていないと考えられます。

 また、<2>90日間の混餌投与、ほぼ13週ということになりますが、こちらも1用量の試験で、ほとんど毒性学的に有意な変化が無く、2,500mg/kg 体重/日までは問題無いだろうと判断しております。

 それ以上の試験は特にありませんで、11ページの3.で発がん性については試験は行われていないということです。香料として使われているものですので、使われる用量が非常に少ないということを考慮し、最終的な判断としては13ページにありますが、構造クラスとしてもIに相当し、十分なマージンが取れ、特段にADIを決める必要は無いということから、着香の目的で使用する場合は安全性に懸念が無いという判断であると考えます。以上です。

○若林部会長 続いて体内動態について、本日は欠席の吉成委員より事前にコメントを頂いておりますので、事務局から紹介をしてください。

○事務局 吉成委員からコメントを頂いておりますので、御紹介いたします。

 先ほどの資料1-3の評価書()の6ページの下に記載されているかと思いますが、アンモニウムイソバレレートはアンモニアのイソバレリック アシド(イソ吉草酸、3-メチルブタン酸)塩であることから、吸収されると生体内でアンモニアとイソ吉草酸が生じると考えられる。アンモニアは食事の摂取でも生成し、腸管で吸収された後、肝臓で尿素サイクルにより尿素に変換され、解毒される。アンモニウムイソバレレート由来のアンモニアは腸管で吸収されると考えられ、食事由来のアンモニアとアンモニウムイソバレレート由来のアンモニアを区別して考える必要は無いと考えられる。

 イソ吉草酸に関しても、天然に存在する低級脂肪酸であり、植物やワインなどに含まれ、添加物として摂取する限りでは、特段問題となる体内動態を示さないと考えられるとのコメントを頂いております。

○若林部会長 続いて、本日は成分規格について参考人として、国立医薬品食品衛生研究所の佐藤先生にお越しいただいておりますので、佐藤先生より御意見を頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。

○佐藤参考人 国立医薬品食品衛生研究所の佐藤です。よろしくお願いします。アンモニウムイソバレレートの成分規格についてお話する前に、今回1度食品安全委員会に意見を求めた後に、成分規格の検討の結果を踏まえて成分規格案を変更した経緯について、少しお話いたします。

 当初、食品安全委員会に意見を求める際には、こちらで被験物質のアンモニウムイソバレレートの確認を行っております。これに関しては、NMRMSによって、そのものがJECFAで規定されているアンモニウムイソバレレートかどうかを調べるのですが、その際には、MSとしては、通常ガスクロマトグラフィー質量分析を行いますが、この物質がアンモニウム塩であったことからガスクロマトグラフィーでは分析できないということで、DART-TOF-MSという特殊なMSで、質量を分析しております。

 このアンモニウムイソバレレート、つまりアンモニアとイソ吉草酸1対1の化合物と、矛盾の無い結果が得られました。また、NMRについても、プロトンNMRと化合NMRの1次元と2次元のNMRで構造を推定したところ、こちらもアンモニウムとイソ吉草酸1対1の化合物と矛盾した結果は得られなかったので、その際には一応アンモニウムイソバレレートに間違い無いということで、意見を出しました。

 その後、成分規格を設定する段階になり、通常はガスクロマトグラフィーで面積百分率で定量するのですが、アンモニウム塩ということで滴定によって定量を行うこととし、実際に滴定を幾つか試したところ、理論値に合わないということが判明しました。

 そこで、アルカリで滴定すると110%という値になり、逆にアンモニアのほうを滴定すると37%という妙な結果になるということで、これは一体どういうことか分からないということで少し問題になり、そこで定量NMRNMRで定量を行ったところ、やはり110%という結果が得られました。

NMRというのは御存じのように水素を定量するもので、アンモニアの部分は実際には測ることができないということで、イソ吉草酸のほうが多いということが何となく分かったわけです。

 そこで、元素分析を行ったところ、もともとイソ吉草酸とアンモニアは1対1と予想したのですが、実際はイソ吉草酸とアンモニアが3対1ということが結果として返ってまいりました。

 そうすると、NMRについても、イソ吉草酸とアンモニアが3対1で計算すると、ちょうど100%ということで、どうもこれは、アンモニウムイソバレレートというのはイソ吉草酸とアンモニアの比率が1対1ではなく、1対3ではないかということが確定したわけです。

 そこで、更にどのような構造かということが不明だったので、単結晶X線構造解析を行った結果、最小単位の中に、イソ吉草酸2分子と、イソ吉草酸イオンが1分子と、アンモニア1分子が含まれており、それら分子とイオンがイオン結合及び水素結合によってネットワーク構造を形成しているという報告を受けました。以上のことから、成分規格案の構造式や分子式を修正するに至ったわけです。

 さて、規格のほうです。報告書の4ページを見ていただきますと、アンモニウムイオンと吉草酸が1対2で結合した物ということは分かったのですが、構造としては単純にアンモニアとイソ吉草酸が1対3という構造を、今回は設定しております。それに合わせてCAS番号も1対3という、CAS番号と化学名になっております。

 ここで、確認試験については通常のIRスペクトルで、融点についても通常の融点測定を行っています。定量法については、9ページの見慣れない0.1mol/L水酸価カリウム溶液の滴定量といった、これが電位差滴定における滴定のグラフになりますが、規格の中でも「変曲点」という言葉が書いてありますが、下に下がっている2つのピークが、変曲点となります。第1変曲点と第2変曲点を比較していただきますと、第1変曲点がかなりシャープになっているということで、こちらのほうが明瞭に確認できるということで、こちらを終点として定量するように試験法を設定いたしました。以上です。

○若林部会長 審議に入ります。委員の皆さんから、アンモニウムイソバレレートについて御意見などをお願いできればと思いますが、いかがでしょうか。杉本委員は、今の佐藤先生の説明に対して、更に付け加えるようなことはございますか。

○杉本委員 ございません。

○佐藤参考人 ちょっとよろしいでしょうか。資料1-2の1ページ目の化学名ですが、アンモニアとイソバレリック アシドの後ろに、「(/)」が抜けているようなので、入れていただければと思います。4ページのほうは「(/)」が入っているのですが、1ページ目は抜けているということで、入れていただければと思います。

○若林部会長 4ページの、「Ammonia-isovaleric acid(/)」というものですね。これを入れてほしいということです。よろしいでしょうか。他に御意見はございますか。

○井手委員 佐藤先生の御説明はよく分かったのですが、7ページの規格案ですが、規格案とJECFAの規格の含量が違うというのは、物が違うからということですか。日本の物とは違うということでしょうか。

○佐藤参考人 JECFAが、どういう根拠で98%以上という設定をしたのかが分かりません。定量法も通常はGCなのですが、JECFAでは何も記載が無いので、どうやって測っているかも分かりません。

○井手委員 アンモニウムイソバレレートの、今のに関連したものなのですが、アンモニアとイソバレレートが1対3の格好になっていますが、条件によって少し変わってくるというようなこと、又はロットによって変わってくるようなことがあるのか、いつも室温状態ではこういうような状況であると考えてもよろしいですか。

○佐藤参考人 2社の製品を測定した結果、どちらも同じように1対3で、精製とかをかけますと、含量が若干減るサンプルもあったのですが、やはり1対3で。合成もしているのですが、アンモニアとイソ吉草酸を混ぜても、結晶として得られる物は1対3ということで、特殊な状況で合成などをやると、1対1の物ができる可能性は否定できませんが、工業的に普通に作ると、1対3になると考えられます。

○若林部会長 それ以外に何かございますか。

○井手委員 今の御説明はよく分かったのですが、最終的なネーミングについて、片仮名でこのようになっていますよね。ところが、英語に直すと元のままの構造式になるというか、和名のところです。こういうのはすごくconfusingだと思うのですが、これしかネーミングの仕方が無い。むしろ化学名の日本語訳というか、そういう形にできなかったのかという気がするのです。

 化合物辞書なども引いてみたのですが、アンモニウムイソバレレートというと、カルボン酸のイソ吉草酸のアンモニウム名という形になっています。これは外国ではこのアンモニウムイソバレレートという名前が残って、和名になるとというか、今回は構造式どおりの名称にしようというので、こういう化学名のネーミングになったと思うのですが、こういう例というのはあまり無いような気がするのですが、どういう経緯だったのでしょうか。

○佐藤参考人 香料には18類というのでありまして、その中でイソ吉草酸の誘導体の名称には「イソバレレート」が使われています。それらと合わせて、今回は香料として流通する物についてはアンモニウムイソバレレートという名前がいいという意見が、香料のメーカーの方からありました。

 添加物の名前というのは、正しい化学名ではないものもあり、いろいろな混合物であっても1つの名前を設定している場合もあります。今回の場合は構造式そのものではないのですが、香料のアンモニウムイソバレレートとして、現在流通している物がアンモニウムイソバレレートという名前なので、ここで名前を変えてしまうと、逆に流通の段階でconfuseというか、輸入ができなくなるのか、いろいろとトラブルも考慮しまして、今回はアンモニウムイソバレレートという名称にしております。

 この香料については、JECFAにこういった成分だということで、修正をお願いするような予定だということは聞いております。

○若林部会長 そのほかに何かございますか。小川委員にお伺いしたいのですが、食品安全委員会からの報告書の9ページの所で、「試験担当者うんぬん」とありますが、「胃の境界縁の扁平上皮過形成を考慮して0.314mg/kg体重/日」と書いてあります。雌については、3.14になります。以上より、NOAELを雌雄ともに3.14 mg/kg体重/日となっているのですが、上の0.3143.14の間違いではなくて、この値なのですか。ここのところが引っ掛かったのですが。

○小川委員 こちらについては、9ページのポツの3つ目に、「病理組織学的検査において、3.14mg/kg体重/日の雄1匹に胃の境界縁の扁平上皮過形成」があったとあります。

 これは1群10匹の試験ですが、1匹だけは、この用量でも見られたということなのですが、そういった変化はたまには偶発的に発生するので、10分の1匹というのは、毒性学的にはあまり意味が無いであろうという判断で、その上の用量の31.4の所では、雄雌ともに、かなりの匹数に見られているということで、31.4の用量の変化からを有意と判断すると審議の上で同意されたということだと認識しております。

○若林部会長 それ以外に何かございますか。

○小川委員 マイナーなことですが、資料1-2の2ページの食品健康影響評価の内容などで、摂取量のところ、例えば2ページの下から5行目の所に「参照2、5、1617」というのがあって、これは食品安全委員会の資料なので、これは消してもいいのでしょうか。

○事務局 今のお話ですが、食品安全委員会の評価書抜粋ということですので、その部分は残させていただきたいと考えております。

○若林部会長 よろしいでしょうか。皆さんからいろいろな御意見が出たと思いますが、一通り御審議を頂いたので、アンモニウムイソバレレートについては1か所修正をするということで、新規指定等については認めるということでいかがでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○若林部会長 御賛同いただいたということで、部会報告書を取りまとめ、分科会へ報告する手続を取りたいと思います。事務局から追加することはございますか。

○事務局 ありがとうございます。御指摘いただきました部分は修正させていただき、今後手続の過程で、細かい文言の変更など、軽微な修正が必要でございましたら部会長に御確認いただき、特段の問題がなければ手続を進めさせていただきたいと思います。

○若林部会長 事務局からの提案ですが、そのように進めさせていただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○若林部会長 ということで、その後、事務局から何かございますか。

○事務局 また、本品目については、新規添加物の指定でありますので、分科会では審議事項とされていますので、審議事項として進めさせていただくこととしております。

○若林部会長 こちらもよろしいですね。

(「異議なし」と声あり)

○若林部会長 はい。

○事務局 今後のスケジュールですが、今回の審議結果について食品衛生分科会での審議のほか、パブリックコメント、WTO通報などの所定の事務手続を開始したいと思っております。

○若林部会長 適切に手続を進めていただければと思います。この議題が終了いたしましたので、参考人の佐藤先生におかれましては御退室いただければと思います。どうもありがとうございました。

(佐藤参考人退室)

○若林部会長 それでは、次の議題、議題2「ケイ酸カルシウムの使用基準の改正の可否」について審議を行います。事務局から説明をお願いします。

○事務局 資料2を御覧ください。資料2-1が審議会への諮問文書、資料2-2が部会報告書案、資料2-3が食品安全委員会からの結果通知です。資料2-2に基づいて御説明します。

 品目名は「ケイ酸カルシウム」で、事業者からの使用基準改正の要請があったものです。1ページ、1.品目名は「ケイ酸カルシウム」。2.組成ですが、ケイ酸カルシウムは二酸化ケイ素、酸化カルシウム及び水がいろいろな割合で結合した組成物の総称で、メタケイ酸カルシウムやオルトケイ酸カルシウム、ケイ酸三カルシウムという化学形態が知られております。3.用途ですが、固結防止剤、製造用剤などがあります。

 4.概要及び諸外国での使用状況です。()概要。我が国では、ケイ酸カルシウムは平成20年に添加物に指定されており、主に固結防止剤として使用されております。その他、ケイ酸塩類としては、ケイ酸マグネシウムが食品添加物として指定されております。また、JECFAでは、二酸化ケイ素及びケイ酸塩類のADIについて「特定しない」と評価されております。

 2ページです。()諸外国での使用状況ですが、米国では、GRAS物質として固結防止の目的で、GMPの下、卓上塩に対し2%以下、ベーキングパウダーに対して5%以下の基準に基づき使用が認められており、直接添加物としても、固結防止の目的で食品に対して2%以下の基準に基づき使用が認められております。また、欧州連合では「ADIを特定しない」と評価されており、チーズや食塩に対しては10g/kg以下、代替塩に対しては20g/kg以下、Dietary food supplementに対しては、必要量などの基準に基づいて使用が認められております。

 5.食品添加物としての有効性です。()食品等への使用実態ですが、米国では粉末飲料や調味料、甘味料に対して、固結防止剤として用いられております。また、吸液性及び成形性を有することから、我が国では医薬品分野において脂溶性ビタミンであるビタミンE製剤の粉末化剤及び顆粒化剤、錠剤の賦形化剤としても使用されております。

()使用基準改正の必要性。現行の基準では、主に固結防止剤の目的で使用するために、食品の2%以下と少量に限定していますが、今回の改正では賦形剤としての目的の使用を追加するための要請がありました。現状では、()で述べられているように、医薬品分野において脂溶性ビタミンであるビタミン剤の粉末化や顆粒化剤、錠剤の賦形化として使用されていますが、これは医薬品だけではなく、保健機能食品にも使えないかという要請がありました。ケイ酸カルシウムには1つの大きな特徴がありますが、それは高い吸液性なり成形性を有することです。例えば、脂溶性ビタミンを吸液させた粉末のビタミン含有量が他の賦形剤よりも高くすることができ、その粉末を用いて、カプセルや錠剤などの形態を成形する際に吸着された脂溶性ビタミンがしみ出すのを防止することができます。これによって、脂溶性ビタミンを配合した食品をより簡単に作れることが見込まれます。

 また、ケイ酸カルシウムの高い吸液性は、粉末化による重量増加を最小限に抑えることができます。つまり、これによって非常にコンパクトな食品を作ることができ、携帯性や利便性の向上が見込まれます。ただ、現状は2%以内ということで基準が非常に限られており、先ほど申し上げた目的を達するためには量的に足りない部分があって、今回、使用基準の改正の要請がありました。

 3ページです。6.食品安全委員会における評価結果です。当該品目については、昨年8月29日付けで食品安全委員会に健康影響評価の依頼を行っており、本年1月13日付けで評価結果が通知されております。評価結果通知の概要については下に抜粋しておりますが、ケイ酸カルシウムの毒性については、遺伝毒性、急性毒性、発がん性、生殖発生毒性において、安全性に懸念を生じさせるようなものは無いと判断されております。ヒトにおける知見では、ケイ酸カルシウムや二酸化ケイ素でヒトを対象とした試験成績が得られなかったことや、ケイ酸カルシウムの使用において有害影響が報告されていないことなどから、安全性に懸念を生じさせる可能性は低いと判断されております。また、反復投与毒性試験の結果、ケイ酸カルシウムに関する試験成績自体はありませんが、二酸化ケイ素で試験をした結果、二酸化ケイ素の無毒性量については7,500mg/kg体重/日、カルシウム塩の無毒性量については2,500mg/kg体重/日と評価をされております。

 4ページです。添加物ケイ酸カルシウムの推定一日摂取量ですが、1人1日当たり2,400mgで、これを基に二酸化ケイ素及びカルシウムの推定一日摂取量について、ケイ酸カルシウムの成分比較を踏まえて検討した結果、二酸化ケイ素については、推定一日摂取量が1人1日当たり2,280mgと判断し、カルシウムについては推定一日摂取量は1人1日当たり600mgと判断をされております。以上から、添加物ケイ酸カルシウムについては、添加物として適切に使用される限りにおいて安全性に懸念が無いと考えられ、ADIを特定する必要は無いと、食品安全委員会において判断されております。

 最後に「なお」書きで、カルシウムについては、「日本人の食事摂取基準(2015年度版)策定検討会報告書」において、18歳以上の成人の耐容上限量を1人1日当たり2,500mgとしており、過剰摂取等により耐容上限量を超えることが無いよう留意する必要があるということで締めくくられております。

 7.摂取量の推計です。こちらも食品安全委員会の健康影響評価の抜粋です。要請者は、平成20年に新たに指定されたケイ酸カルシウムの推定摂取量の、知見は無かったのですが、ケイ酸カルシウムの指定前の微粒二酸化ケイ素の推定摂取量の全量がケイ酸カルシウムに置き換わると仮定し、現在の使用基準に係るケイ酸カルシウムの推定一日摂取量を0.56mgと推定しております。

 5ページです。また、規格基準の改正後の摂取量の増加を、ケイ酸カルシウムの使用量が、食品の大体20%程度含有していると仮定して、チュアブル錠を3種類、各2錠を1日朝夕2回摂取するという人を想定し、1日当たり2,400mgと算出しております。以上により、足し合わせてケイ酸カルシウムの使用基準改正に係る推定1日摂取量は、1人1日当たり2,400mgになると判断をされております。先ほどのくり返しになりますが、二酸化ケイ素及びカルシウムの推定一日摂取量については、ケイ酸カルシウムの成分規格を踏まえて検討した結果、二酸化ケイ素については推定一日摂取量は1人1日当たり2,280mgと判断し、カルシウムについては推定一日摂取量は1人1日当たり600mgと判断をされております。

 8.規格基準の改正です。使用基準については、食品安全委員会の評価結果及び食品添加物としての有効性を踏まえて、次のように使用基準を改めることが適当であると考えます。すなわち、現行では主に固結防止の目的で使われていたために、食品の2%までしか使用できないとされておりましたが、今回の件では、カプセル剤及び錠剤の保健機能食品においてはそれ以外の目的、つまり賦形剤の目的に使えるように、2%の上限を無くすような書きぶりに改めております。下線部ですが、カプセル剤及び錠剤の保健機能食品においてはそれを省くという書きぶりをしております。ただし、今年より施行される機能性表示制度では、従来の保健機能食品は特定保健用食品と栄養機能食品の2種類でしたが、新たに「機能性表示食品」というカテゴリーが追加されるということなので、その範囲を明確にするために、「保健機能食品」という言葉を改め、ここでは「特定保健用食品及び栄養機能食品」と明記しました。

 6ページです。ケイ酸カルシウムの使用基準を改正するのに合わせて、二酸化ケイ素も微粒二酸化ケイ素、これも固結防止で使われているのですが、これの使用基準も改正する必要があります。これまでは二酸化ケイ素とケイ酸カルシウムはともに固結防止の目的で使用されてきたので、合計で食品の2%までしか使えないこととしておりましたが、今回新たに一部除外ということで、賦形剤などの目的で特定保健用食品や栄養機能食品であるカプセル剤や錠剤に対しては、ケイ酸カルシウムを使用する場合は2%の上限はかからないと改正しているので、6ページの下線部にあるような除外規定を加えております。

()成分規格です。成分規格は別紙のとおり設定されておりますが、今回の使用基準においては、変更の必要は無いということでそのままになっております。以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○若林部会長 審議に入る前に、ケイ酸カルシウムの食品安全委員会の評価結果について、遺伝毒性部分について戸塚委員より解説をお願いします。

○戸塚委員 資料2-3を御覧ください。「二酸化ケイ素評価書()」の20ページからになります。ケイ酸カルシウムの遺伝毒性に関する試験成績は、21ページに表として全体がまとめられております。ほとんどが陰性という結果になっていますが、真ん中の in vitro の染色体異常及びSCE試験に関して、2つだけ陽性という結果が得られておりますが、食品安全委員会としては、こちらは in vivo の染色体異常試験では陰性が出ていることと、なおかつエームステストのような遺伝子突然変異原性試験についても陰性の結果となっていることを踏まえ、食品安全委員会ではケイ酸カルシウムは生体にとって特段問題となる遺伝毒性は無いと判断したとあります。以上です。

○若林部会長 今のまとめは22ページです。

 引き続き、小川委員より遺伝毒性以外の部分について解説をお願いします。

○小川委員 同じ資料の22ページから、()として急性毒性がケイ酸カルシウムについて記載されております。こちらはラット、マウスでともに5,000mgの用量まで特に問題が無いということで、5,000以上がLD50 となっております。

()反復投与毒性試験ですが、ケイ酸カルシウムについての試験が無かったということで、それぞれ二酸化ケイ素と酸化カルシウムの毒性試験について記載されております。1用量だけの試験や、評価に有効な試験が少ないので、評価に関連したもののみ御説明します。二酸化ケイ素については、23ページですが、c.としてラットの90日間混餌投与があります。こちらも結構古い試験ではありますが、3用量が投与されており、24ページにありますように、投与に関する変化が無いということで、本試験におけるNOAELを二酸化ケイ素として最高用量の2,500 mg/kg体重/日と判断したと記載しています。

 マウスの93週間混餌投与試験が、e.として24ページにあります。3用量、5%までマウスで行っております。こちらも25ページにありますように、最高用量まで用量相関性を示す投与に関連した変化は無いということで、最高用量の7,500mg/kg体重/日まで問題無いということで、最高用量がNOAELとなっております。

 ラットの103週間の混餌投与ですが、こちらも最高用量5%まで二酸化ケイ素について検討しており、特に意義のある変化は無いということで、最高用量がNOAELになっております。

26ページです。酸化カルシウムについては、以前、既に食品安全委員会で評価がされておりますが、ラットを用いた炭酸カルシウムの1年間反復投与毒性試験において、カルシウムとして、最高用量の2,500 mg/kg体重/日まで特に毒性学的に意義のある変化は無いということです。

<3>の反復投与毒性のまとめとして、二酸化ケイ素のNOAELはマウスで最高用量の7,500 mg/kg体重/日、カルシウム塩のNOAELとしてはラットの試験でカルシウムとして最高用量の2,500 mg/kg体重/日と、非常に高い数値がNOAELとなっております。

()発がん性については、こちらもケイ酸カルシウムの試験は無いということです。単回腹腔内投与後、生涯観察した試験がありますが、これではあまりはっきりしたことが言えないと思います。二酸化ケイ素と酸化カルシウムについて、50匹を用いた定型的な試験はありませんが、先ほどの90週間や2年間の試験においても特に腫瘍の発生は無かったということですので、発がん性について、懸念は無いと考えられております。

28ページ、()生殖発生毒性です。ケイ酸カルシウムとしてマウス、ラット、ハムスターの試験が行われておりますが、最高用量の1,600 mg/kg体重/日まで催奇形性は認められなかったことが記載されています。29ページにウサギの試験もありますが、こちらも特に異常は無いということです。

 二酸化ケイ素、酸化カルシウムについても29ページに記載があります。二酸化ケイ素の試験は1用量なので、詳細は言えないかと思いますが、奇形あるいは毒性影響は全く無かったということで、生殖発生毒性についても、少なくとも懸念されるような変化はないと考えられます。

31ページですが、ヒトにおける知見ということで、幾つか記載がされております。カルシウムについては、カルシウムの大量摂取と制酸剤のようなものを同時に摂取すると、ミルクアルカリ症候群といったことが起こることが懸念されていますが、他の要因との関連が非常に複雑であることと、今回の添加物の目的で摂取する分においてはそれほど大きな問題は無いということで、32ページに最終的な結論として、添加物ケイ酸カルシウムについては安全性に懸念を生じさせる可能性は低いと判断されております。以上です。

○若林部会長 体内動態については、吉成委員が欠席ですので、事務局よりコメントを読み上げてください。

○事務局 吉成委員からのコメントを紹介します。資料2-3の20ページを御覧ください。()体内動態のまとめですが、ここにまとめられているように、ケイ酸カルシウムはほとんど吸収されないこと、また、胃酸で分解され、オルトケイ酸モノマーとカルシウムイオンとなった場合にも、ケイ酸は速やかに排泄され、蓄積されないこと、カルシウムイオンは日常的に摂取されることから、ケイ酸カルシウムは体内動態の観点から特段問題となることは無いと思われます。とのコメントを頂いております。

○若林部会長 それでは、ケイ酸カルシウムについて委員の方々から御意見をお願いします。

○井部委員 聞き漏らしたかもしれませんが、改正案の規格基準のところで、特定保健用食品と栄養機能食品は外すということですね。規制を設けないということですか。

○事務局 そうです。制限を設けないということになります。

○井部委員 そうすると、幾ら使ってもいいと。

○事務局 幾ら使ってもということはあるのですが、実際に申請者からの要請書にもありましたが、成形性を保つ部分においては、大体使用を増やし過ぎると崩壊しないということで、全然溶けなくなるので、大量になるにつれてほとんど使えないということなので、おおむね適度な使用量、2030%ぐらいの使用量になるのではないかと思われます。

○井部委員 そうすると、そんなに摂取しないだろうということですね。

○事務局 おっしゃるとおりです。

○井部委員 ただ、栄養機能食品や特定保健用食品は摂り方によっては、用量も書いてありますが、多く摂ってしまう人もいるのかなと心配したのです。

○事務局 そういうことは御心配ないかと思われます。

○若林部会長 同様のことを私も懸念していたのですが、今、実際に特定保健用食品や栄養機能食品のカプセルに使ったとして、1日当たりの最高の摂取量はどのようになりますか。例えば2030%含まれるとして、カプセルですから非常に少ないと思うのですが、その計算がどこかにあると、委員の方々は納得されるのではないでしょうか。

○事務局 その計算は、食品安全委員会の資料から抜粋したものですが、5ページにあります。申請者は摂取量を、現在使われているサプリメントに全てケイ酸カルシウムが賦形剤として使われた場合を仮定して、しかもそれが食品の20%ぐらい入っているということで、1,000mgのチュアブル錠に20%のケイ酸カルシウムが含まれていると仮定して、サプリメント3種類、2錠ずつを朝夕に摂取する場合を仮定して、2,400mg/日として考えております。

○若林部会長 ですから、一応安全領域に入っていると。

○事務局 実際その中に入っているカルシウム量なりケイ酸の量なりを考えて、恐らく問題無いと考えております。

○由田委員 現状の実態としては、多分そういう分析になるのかもしれませんが、上限を設けないと、現状で把握し切れない、想定を超えるような使用のされ方があった場合に問題になることもあるのではないかという危惧があるのです。

○事務局 通常は、ある栄養成分があって、それに賦形剤として使う場合は、おおよその形を保つためにはある程度決まった量が要ります。多過ぎると全然溶けないし、少な過ぎると形を保たないので、自動的に適度な量になるということはあります。ある程度思った量に落ち着くと思われます。

○事務局 最初に20%というところですが、事務局から御説明しましたように、有効性の観点から20%を上限とすることを要請者は考えているということです。摂取量の推計に関しては、20%をマックスまで使った場合を前提に摂取量を求めているということで、摂取量の観点から申し上げると、安全側に立っているかと考えております。

 他方、2030%以上使う可能性があるではないかという御指摘かと思いますが、そこについては当然添加物の前提として必要な目的に必要量を使うということがありますので、逆に20%を超えると有効性よりもデメリットが出てきてしまうところがあるので、その部分については置かなくても、それを超えて製剤設計の中で使われることは考えにくいので、使用基準の上限は置いていないということです。参考として、似たような賦形剤ということで、以前、ポリビニルピロリドンについて御審議いただきましたが、そのときにも使用基準を設定しないということで、今回と同様の推計をした上で、濃度は違いましたが、上限値を設けない形にしていますので、前回を踏まえて今回も推計自体は問題無いと考えておりますので、使用上限を置かない形でできればと事務局では考えております。

○石見委員 恐らく、特定保健用食品や栄養機能食品は、その規格基準自体があるので、例えば栄養機能食品は上限が700 mg600 mgで、特保のリスク低減表示についても上限があるので、そこで規制は1つかかると思います。

 また、添加物としての上限は決めなくていいのかということで、質問ですが、2ページのアメリカのDietary supplementの制度で、必要量を1)等の基準に基づき使用が認められているという記載がありますが、この1)のどのような基準なのかを教えていただきたいと思います。

○若林部会長 質問のページはどこですか。

○石見委員 2ページの()「諸外国の使用状況」の最後の行に、Dietary supplementに対して、必要量等の基準に基づき使用が認められていると書いてあるのですが。

○事務局 今の御質問は、1)の意味を。

○石見委員 どんな基準なのかということです。

○事務局 Dietary foodに対してはGMPといった基準があるという意味でございます。

○石見委員 1)は、下の注の「使用最高濃度を設定しない。ただしGMPに従い」というのが説明ということでよろしいですか。

○事務局 そうです。

○石見委員 最高濃度は設定されていないということですね。

○事務局 そのとおりです。

○若林部会長 よろしいですか。「保健機能食品」という文言は、2ページに出ていますが、いかがですか。改正案では取ってありますが、今年の4月から施行されるということで、「保健機能食品」という文言を改正案には入れないということでよろしいですか。

○石見委員 5ページの改正案で、「特定保健用食品及び栄養機能食品たるカプセル剤及び錠剤を除く。」と書いてありますが、「カプセル剤や錠剤」という文言が、「食品たる」と書いてありますが、「カプセル及び錠剤型の食品」とか、そういったほうがしっくりくるのかなと思うのです。「カプセル剤」とか「錠剤」と言うと医薬品のように取られてしまうので、少し引っ掛かりました。

○若林部会長 そこの修正をしたほうがいいのではないかという提案ですが、いかがですか。

○事務局 御意見ありがとうございます。今回の改正案について、これまでの使用基準などを参考にした上での使用基準案ということで御提案しておりますが、御指摘を踏まえて事務局で確認をしたいと思います。

○若林部会長 よろしくお願いします。その他に何かありますか。戸塚委員、二村委員、杉本委員、よろしいですか。

 それでは、ケイ酸カルシウムについては一通り御意見が出たと思いますが、ケイ酸カルシウムの使用基準の改正については、可ということでよろしいでしょうか。ただし、先ほど石見委員から御指摘があった所に関しては、事務局で検討をした後、メールなどで連絡を頂けるということですね。何か追加はありますか。

○小川委員 加えるべきかどうか分かりませんが、4ページの7.の上に、日本人の食事摂取基準ということで、18歳以上の成人の耐容上限がカルシウムについては2,500mg/kg 体重/日と明記されており、それを超えるような過剰摂取によって耐容上限量を超えることがないように留意する必要がある、ということです。これはカルシウムについてなので、ケイ酸カルシウムではもう少し違う量になると思いますが、そういうことも踏まえた上で成分規格としては変える必要は無いということになるかと思います。先ほどの想定量として2,400 mg//日というのは、ケイ酸カルシウムとしての2,400mg//日ですので、分子量を換算するとカルシウムとして上限を超えることは無いのだろうと思っておりますが、その辺りを加味した記載の方向になっていれば大丈夫かと思います。

○若林部会長 その摂取量の安全領域であるということに関して、特に問題点は無いかと思いますが、事務局から何か追加することはありますか。

○事務局 今、小川委員から御指摘いただいたことに関して、今回のケイ酸カルシウム由来の摂取量について、資料2-2の5ページにありますが、1日1人当たり600mg、上限量が2,500 mgということで、ケイ酸カルシウム由来の物を加味したとしても十分に低いところで収まっているかと考えております。その部分については、食品安全委員会からもそのような留意を頂いておりますので、酸化カルシウムなどでも同様の御指摘を食品安全委員会から頂いておりますので、それと合わせて周知を図っていきたいと考えております。

○若林部会長 よろしくお願いします。他にはよろしいですか。小川委員からも追加コメントがありましたが、ケイ酸カルシウムの使用基準の改正については、可ということでよろしいですね。

 それでは、部会報告書で取りまとめ、分科会に進めさせていただきます。事務局から何か追加することはありますか。

○事務局 今後の手続過程で、今御指摘いただいた使用基準の書き方などについて改めて事務局で検討した上で、また先生方に御確認いただきたいと考えております。その上で特に問題などが無ければ、手続を進めさせていただければと考えております。

○若林部会長 事務局からの提案ですが、よろしいですね。その他に事務局から説明することはありますか。

○事務局 本品目については、使用基準の改正ということで、本日机上配付資料としてお配りしている「食品衛生分科会における確認事項」の中の部会審議の規格基準の改正に該当するということですので、その期限、製法、用途等から見て慎重に審議する必要があるとの分科会の意見に基づき、分科会長が決定するものを除き、分科会では審議項目ではなく報告事項とされております。このため、本件については報告事項として進めさせていただければと考えております。

○若林部会長 分科会では報告事項としての取扱いになるということでよろしいでしょうか。議題2については以上とさせていただきます。

 次に、議題3「グルコン酸亜鉛の使用基準の改正の可否」について審議を行います。事務局から説明をお願いします。

○事務局 「グルコン酸亜鉛」について御説明いたします。資料3-1から資料3-3になります。資料3-1が審議会への諮問書、資料3-2が部会報告書()、資料3-3が食品安全委員会からの結果通知になります。また、本日当日配付として、部会報告書案で使用されています用語についてまとめたものを配付しております。

 まず、資料3-2に基づいて御説明させていただきます。1ページの、品目名はグルコン酸亜鉛です。こちらは事業者からの使用基準改正の要請があった品目です。グルコン酸亜鉛自体は既に指定されているもので、現在使用が認められている母乳代替食品と保健機能食品に加え、病者の食事代替として用いられる総合栄養食品などを対象食品に追加するというものです。品目名、構造式については記載のとおりです。用途については、亜鉛の栄養強化剤です。

 4.概要及び諸外国での使用状況です。まず、概要です。亜鉛はDNAポリメラーゼなどの亜鉛含有酵素などの構造成分として、種々の生理機能に重要な役割を果たしています。また、欠乏症としては、皮膚炎や味覚障害などが知られています。我が国においては、人工栄養児、生後間もなく母乳以外の調製粉乳などの栄養で育つ乳児の亜鉛の強化の目的で、母乳代替食品への使用が認められ、その後、使用基準の改正において保健用食品への使用が認められています。先ほど御説明させていただきましたが、保健機能食品については、現在機能性表示食品という新たな枠組みを設けるという議論がされているところですが、この報告書()では、保健機能食品の範囲を特定保健機能食品と栄養機能食品の2つにさせていただきたいと思います。

 安全性については、JECFAで評価がされており、亜鉛については最大耐容一日摂取量を暫定的に0.31.0mg/kgとしています。グルコン酸カルシウムなどのグルコン酸塩のグループADIについては、「特定しない」とされています。

 続いて()諸外国での使用状況です。コーデックス委員会では、栄養素は食品添加物に分類されておらず、GSFAでは規格は設定されておりません。米国ではグルコン酸亜鉛は一般に安全と認められている物質として食品全般に対して、適正製造規範の下で必要量を食品に使用することが認められており、サプリメントなどに使用されているという状況です。欧州連合においても、グルコン酸亜鉛などの栄養強化剤は食品添加物ではなく、食品成分扱いとなっており、調製乳についてのみ使用の制限がありますが、その他の食品への使用量は制限されていません。

 続いて5.食品添加物としての有効性です。まず、先ほど御説明しましたとおり、亜鉛というものは種々の生理機能に重要な役割を果たしており、日本の食事摂取基準(2015年版)、これは5年ごとに健康局が作成しています様々な栄養素の基準などですが、推定平均必要量、摂取量などが規定されており、成人に対する亜鉛の摂取量は7〜10mg/日とされています。()総合栄養食品等への添加の必要性です。我が国において病者の食品代替として用いられる総合栄養食品に使用されることが認められていないため、病者において亜鉛不足のリスクが考えられるということが報告されています。これを改善するために、総合栄養食品などにグルコン酸亜鉛を添加する必要があると考えられています。食品中での安全性ですが、こちらは食品中の栄養素に影響を及ぼすとの報告は無いということです。なお、亜鉛の吸収に関して、カルシウム、銅及び鉄と吸収が拮抗することが報告されています。

 続いて6.食品安全委員会における評価結果です。平成26年4月15日付けで食品安全委員会に対して意見を求めたグルコン酸亜鉛に係る食品健康影響評価については、添加物専門調査会での議論を踏まえ、評価結果が本年の1月13日付けで通知されています。中段以降から、食品安全委員会の食品健康影響評価の抜粋を記載しています。健康影響評価について簡単に概略を御説明いたします。まず、4ページの中程からですが、「本委員会としては、グルコン酸亜鉛には、生体にとって特段問題となるような遺伝毒性はないと判断した。グルコン酸亜鉛については、急性毒性、反復投与毒性試験及びヒトにおける知見の試験成績を検討した結果、ヒト介入研究において、亜鉛として65.92mg//日で認められた赤血球SOD活性の低下について、直ちに臨床症状に直結するとは考えにくいが、この所見を摂取に起因する変化と考えて、亜鉛として65.92mg//日(0.94mg/kg 体重/日)をグルコン酸亜鉛の毒性に係るLOAELと考えた。また、発がん性について判断できる知見は認められなかった」。少し飛びまして、下から7行目です。「ヒト介入研究のLOAELの根拠の所見である赤血球SOD活性の低下は非常に軽微な所見であること、また、亜鉛が生物学的に必須な栄養成分であることなどに留意し、0.63mg/kg体重/(亜鉛として)を添加物グルコン酸亜鉛の病者用総合栄養食品摂取及び一般摂取者の両者に対する亜鉛の摂取量に関する上限値とした。」とされています。

 次に7.摂取量の推計です。摂取量については一般のヒトにおける亜鉛の一日摂取量とともに、次のページから記載していますが、病院食の代替として摂取される総合栄養食品に由来する亜鉛の一日量についてそれぞれまとめられています。6ページの上から7行目、一般のヒトの亜鉛の一日摂取量についてはNITE(製品評価技術基盤機構)での評価から、ヒト成人の亜鉛の一日摂取量を大気中、飲料水中、食事中を合計して16.4mg//日(0.33mg/kg体重/日)としており、2.の病院食の代替として摂取される亜鉛の一日摂取量は病院食からの熱摂取量2,000kcalに総合栄養食品における亜鉛の使用量の標準範囲の最大値である100kcal1.5mgを掛けた30mg//日とされています。以上の2つの摂取量の推計から、亜鉛を摂取するヒトにおいて、最大で30mg//日となると判断しています。

 最後に8.規格基準の改正についてです。使用基準ですが、食品安全委員会の評価結果、摂取量の推計結果などを踏まえ、以下のとおり使用基準を定めることが適当であるとさせていただいています。冒頭でも御説明いたしましたが、現行の母乳代替食品、保健機能食品に、今回病者用の食品が追加されることとなります。ここで幾つか単語が出てきますので、当日配付させていただいた資料を御確認いただきながら御説明させていただきたいと思います。まず、現行の使用基準に下線で示しています保健機能食品です。

○若林部会長 どの資料ですか。

○事務局 右上に、当日配付資料と書かれていますA4横紙の資料です。まず、現行の使用基準に下線で示しています保健機能食品です。こちらは特定保健用食品、いわゆる特保と栄養機能食品を合わせたものを保健機能食品と定義しています。次に改正案の下線で示しています、特別用途表示の許可又は承認を受けた食品ですが、こちらは特別用途食品と言われるものでして、主に病者用食品、妊産婦、授乳婦用粉乳、嚥下が困難なヒト用の食品、特定保健用食品に分類されています。このうち、病者用食品が今回新たに追加されることになるわけですが、特定保健機能食品は、保健機能食品と特別用途食品の両制度で定義されていることから、改正案ではまとめて「特別用途表示の許可又は承認を受けた食品(病者用又は特定の保健の用途のもの)」とさせていただきました。全体として、現行の保健機能食品のうち、栄養機能食品と特別用途表示のうち、病者用食品と特定保健機能食品とさせていただいています。今回追加させていただく、病者用食品については、使用量の設定は予定していません。以上が使用基準についてです。

 成分規格については、別紙のとおり既に設定がされています。グルコン酸亜鉛のCAS番号の変更に伴い、こちらの修正を除き、本使用基準改正において「変更の必要はない。」と考えています。部会報告書()についての説明は以上です。御審議のほどをお願いいたします。

○若林部会長 審議に入る前に、グルコン酸亜鉛の食品安全委員会での評価結果について、遺伝毒性については、戸塚委員に再び解説をお願いします。

○戸塚委員 簡単に解説をさせていただきます。資料3-3の1518ページに渡り遺伝毒性に関する記載があります。まず、グルコン酸亜鉛そのもの自身で行った遺伝毒性に関しては、15ページに記載のあるこの2つの項目しかありませんでしたので、同時にグルコン酸塩、及び亜鉛化合物に関する遺伝毒性の試験成績も合わせてこちらのほうに記載をしています。まず、グルコン酸亜鉛に関する遺伝毒性の試験成績は、 in vitro DNA損傷及び遺伝子突然変異原性試験ですけれども、両方とも陰性であったという記載があります。また、グルコン酸塩及び亜鉛化合物に関しても in vitro の遺伝子突然変異原性試験に関しては陰性であるという記載があります。まとめの文章ですが、18ページの表からグルコン酸亜鉛及びグルコン酸塩類及び亜鉛化合物は、遺伝子突然変異を指標とした復帰突然変異試験で陰性の結果が得られています。しかし、一方で亜鉛化合物については、 in vitro 及び in vivo で実施された様々な試験で陽性の結果が得られていますけれども、こちらはそれぞれグルコン酸亜鉛及びグルコン酸塩類、亜鉛化合物の復帰突然変異原性試験で陰性であったという結果を基にして、直接的な遺伝毒性は無いというように判断いたしました。こうした亜鉛化合物での陽性というのは、恐らく宿主による二次的な反応によって得られた遺伝毒性というように判断いたしまして、このことからグルコン酸亜鉛類に関しては、直接的なDNA損傷が無いということから、閾値が設定できるというように考え、添加物として摂取する分には特段生体にとって問題となるような遺伝毒性は無いと判断いたしました、とあります。以上です。

○若林部会長 続いて遺伝毒性以外の部分の解説お願いします。

○小川委員 同じ資料の続きになりますが、19ページから急性毒性の記載があります。グルコン酸亜鉛についてはLD50 がマウスで3,400 mg/kg 体重あるいは2,600 mg/kg 体重と記載されていまして、その他、グルコン酸塩及び亜鉛化合物についてのLD50 が記載されています。亜鉛としては227 mg/kg 体重というのが一番低い用量になります。

 反復投与毒性の試験については20ページの()から記載があります。グルコン酸亜鉛そのものについては反復投与毒性に関する試験は行われていないということです。グルコン酸塩についてと、亜鉛化合物についてがその後記載しています。まず、グルコン酸塩については、NOEL設定に有効な試験が、あまり無いのですが、ほとんど最高用量まで毒性影響が無かったということで、NOELの設定ができないとされています。

21ページの<3>に亜鉛化合物について記載があります。aについては、マウス及びラットの13週間の混餌投与の結果ですが、硫酸亜鉛を用いた試験が3用量で行われています。22ページの表11-2に最高用量の4,500 mg/kg 体重/日と3,000 mg/kg 体重/日、こちらはマウス、ラットの用量ですけれども、毒性変化として、体重増加抑制や摂餌量の低下、膵臓腺房細胞の壊死や腫大が見られています。その試験からNOAELをマウスで硫酸亜鉛として450 mg/kg 体重/日で、ラットでは300 mg/kg 体重/日と判断されています。

 下のbについては、非常に匹数が少ない限られた試験だということで、判断ができるような結果は得られていないということになります。

 続いて23ページのcとして、ラットの3か月間の飲水での試験が行われています。こちらは酢酸亜鉛に水和物を用いた3用量の試験です。表13-2に、320mg/kg体重/日以上で、尿量の変化や肝臓、腎臓、心臓、骨、血液での亜鉛の濃度の増加が見られており、そこまでの用量では沈着があるということで、その下の用量の160mg/kg体重/日をNOAELと考えています。これは酢酸亜鉛水和物の量ということです。

 発がん性の試験については、25ページに(4)として記載していますが、有意な所見は認められなかったということです。発がん性のまとめとしては27ページですが、幾つか試験が試みられていますが、発がん性を判断できるものは無かったと判断しています。

 続いて()の、生殖発生毒性のまとめですが、28ページに亜鉛化合物についての結果があります。塩化亜鉛の二世代の試験が行われており、親動物の体重に及ぼす影響がLOAEL7.5mg/kg体重/日とされています。親に対する影響がある用量では子供にも若干産児が少なくなるとか、変化が見られたということです。こちらの用量が亜鉛の影響として最も低い用量の変化と考えます。またほとんど同じ用量でラットの塩化亜鉛の試験が28ページの下のbから記載していますが、7.5mg/kg体重/日がLOAELということで、親動物に対する影響が見られています。この剤については、ヒトにおける介入研究が幾つか行われており、それが30ページの()から記載しています。グルコン酸亜鉛そのものについては30ページの<2>aになりますが、こちらの試験では、成人男性26例にグルコン酸亜鉛を6週間摂取させる試験が行われており、その結果、赤血球のSOD(スーパーオキサイドジスムターゼ)の活性の低下が4週間では低下傾向、6週間では有意な低下が見られたということで、この試験からLOAEL0.94 mg/kg 体重/日(亜鉛として)と考えられています。複数の試験において、やはりこの血液のSODの低下が幾つか見られています。

35ページから、ヒトにおける知見のまとめとしてLOAELが、65.92mg//日ということで、kg体重に直すと、0.94が亜鉛としてのLOAEL量と考えられています。亜鉛自体およびグルコン酸については、ヒトと動物との試験がある場合は、ヒトのデータをより意義のあるものとして検討することになりますが、栄養成分なので、ADIを設定するのは不適当いうことで、上限値としての設定を行っています。そのため、この用量に対して安全係数というよりは、不確実係数として1.5が用いられて、上限値が決められています。

 後、一般摂取者については、通常の食事から摂取されている亜鉛の量を考慮して過剰にならないようにという注意書きがされているという状況です。以上です。

○若林部会長 次に、体内動態について事務局から説明していただけますでしょうか。吉成委員のコメントがあると思います。

○事務局 事前に頂いた吉成委員からのコメントを紹介いたします。資料3-2部会報告書()の4ページからになります。「報告書の4ページで引用されているように、グルコン酸亜鉛は、腸管でグルコン酸と亜鉛に解離して吸収されると考えられる。グルコン酸亜鉛の吸収率はほかの亜鉛化合物と同等であり、グルコン酸亜鉛特有の体内動態を考慮する必要は無いと思われる。また、グルコン酸亜鉛としては摂取される亜鉛の量は食事などで摂取される亜鉛の量に比べて低いこと。グルコン酸は哺乳動物でグルコースから生成される内因性の代謝物であり、グルコン酸亜鉛を添加物として摂取する限りではそのレベルに大きな影響を与えることは考えられないことから、グルコン酸亜鉛の体内動態に関しては、生体内蓄積など問題となることは無いと推察される」とのコメントを頂いています。

○若林部会長 それでは、グルコン酸亜鉛について、委員の方々から御意見をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○穐山委員 使用基準の改正案ですけれども、7ページの、グルコン酸亜鉛は母乳代替食品、栄養機能食品及び特別用途表示の許可又は承認を受けた食品(病者用又は特定の保健の用途のものに限る。)以外の食品に使用してはならない。」ということですが、先ほどの当日配付資料において、「特別用途食品の中の病者用と特定保健の用途のものに限る」と書いてあるのですが、この下が、「特定保健用食品」と書かれています。一番下に「グルコン酸亜鉛は特定保健用食品及び栄養機能食品に使用するとき、当該食品の1日当たりの摂取目安量に含まれる亜鉛の量が15mgを超えないようにしなければならない。」と、こちらは特定保健用食品と書かれています。これはあえて違う表記にしたのか、それとも何か、混乱しないのでしょうか。括弧の中は特定保健用食品のことを言っているのですが、これは別にこのような記載にすべきでしょうか。

○事務局 御説明させていただきます。対象の範囲としては、穐山委員の御指摘のとおり、特定保健用食品ということで同一のものになります。ただ、特定保健用食品というのが幾つか法律の中で定められているのですが、上のほうの特定用途表示の許可又は承認というものは健康増進法における内閣府令で規定されているのですが、こちらの文言を使いまして、病者用と特定保健用というものを表現するとこういう形になります。分かりにくいという御指摘については、検討させていただいて、御意見を頂きながら修正とさせていただきたいと考えています。

○若林部会長 よろしいですか。何か追加は他にありますか。その他に何か。

○由田委員 本質的なことではないのですが、報告書()の6ページの4行目の、食品からの亜鉛摂取量については、「平成14年国民健康・栄養調査の結果」となっていますが、これは「14年」でいいのでしょうか。これは食品安全委員会の37ページの所を引用なされたと思うのですが、平成24年であれば、多分24年国民健康・栄養調査の結果ですし、もし14年が正しいのであれば、このときは前の法律に基づくので、国民栄養調査という表記に変わります。ちょっと御確認をいただきたいと思います。

 もう1点ですが、その下の2.の病院食からのうんぬんというところの2行目、「中村らの」の所なのですが、「病院食からの熱摂取量は」というのは、普通はあまりこういう書き方はしないので、シンプルでいくのであれば、「病院食の熱量は」でいいと思います。これも恐らく安全委員会のをそのまま引用なされているのだと思うのですが、ちょっとこの辺が気になる所なので御確認、御検討をお願いいたします。

○事務局 御意見ありがとうございます。御指摘の部分、食品安全委員会の報告書から抜粋させていただいていますので、内容を確認させていただいて、適宜対応させていただきたいと考えています。

○若林部会長 食品安全委員会の報告書なので、この「病院食からの熱摂取量」というのは、文言はこの部会では変更できないですよね。確かその権限は無かったと思いますので、いかがですか。

○事務局 こちらの報告書ではありませんので、文言等の修正というのはなかなか難しいかなとは思いますが、御指摘いただいた部分については食品安全委員会のほうにもお話をさせていただきたいと考えています。

○若林部会長 後、平成14年の表示についても、ちょっとチェックをして、明らかに間違いであれば直す必要があると思います。よろしくお願いします。

○石見委員 先ほどカルシウムのところでは、日本人の食事摂取基準2015年版の耐容上限量に関する記述があったのですが、今回の亜鉛についてはその記述が無いので、あったほうがよいのではないかと思うのが1つ。

○若林部会長 何ページですか。

○石見委員 恐らく入れるとすると6ページでしょうか。5ページでもいいですけれども、5ページですと、一般の人の亜鉛の摂取量というのが書いてあって、その次、総合栄養食品、この1と2の間ですか。一応、耐容上限量をチェックしておいたほうがいいのではないかと考えます。

○若林部会長 よろしいですか。

○小川委員 すみません、3ページの「食品健康影響評価」の一番目のパラグラフにある内容でよろしかったですか。亜鉛についての日本人の食事摂取、この話ではなくて。

○穐山委員 これじゃない。

○小川委員 すみません。

○穐山委員 耐容摂取量。

○石見委員 摂取量は書いてあるのですが、アッパーレベルがあると思うので。

○若林部会長 耐容上限量ですね。

○石見委員 後もう1つあるのですが。

○若林部会長 まずは耐容上限量について。

○事務局 資料3-3を御覧いただければと思います。食品安全委員会からの報告書ですが、こちらは8ページに2015年の摂取基準の記載がありますが、こちらのほうにも上限量が設定されていません。ただ、こちらで確認したところ、男女の性別差や年齢によって異なりますが、現在、耐容上限量は「3545mg//日」と記載されています。こちらの追記するかどうかについては、こちらもやはり抜粋とさせていただいていますので、口頭で御説明をさせていただければと考えています。

○若林部会長 よろしいですか。食品安全委員会の報告書なので、ということですよね。一応、3545mgというデータとして出ているということです。

○石見委員 もう1つ追加があります。この総合栄養食品は、病院では経口よりもむしろ経腸栄養で投与されているのですね。そのような議論は食品安全委員会ではあったのでしょうか。正常なヒトを対象としたヒト試験のデータは出ているのですが、やはり病者の方を対象とした食品ですので、その辺りのディスカッションがあったのかをお聞きしたいと思います。

○若林部会長 病者の場合はほとんどが経腸投与になるのではないかという御質問です。

○穐山委員 確か記憶で、あまり定かではないのですが、病者用の摂取にもう少し摂取量を考慮したほうがいいというような意見がありました。ただ、これは一応、使用基準を設定した最大で計算をした摂取量なので、もしその最大の高摂取を考慮しますと、あまり過剰な推定摂取量になるのではないかというようにその中で意見があったということです。もし、標準的な添加量で、あるいは過剰な消費、ハイパーセントタイル的な摂取量を考えるなら、先生のおっしゃったとおりにするべきだと思いますけれども、それはちょっと分からないと、標準的な添加量というのは定かではないというので、この摂取量の推定でいいのではないかという議論になったということです。

○石見委員 病者用食品も、総合栄養食品も規格基準がありますので、それは亜鉛についても規格基準があるのでいいと思うのですが、このグルコン酸亜鉛を病者用の方に使っていいのかという評価の所があったのかというところがちょっと分からないです。

○戸塚委員 この評価書、資料3-3の30ページ以降に、ヒトにおける知見に関したまとめが記載されていますが、これをざっと見た感じにおいては、ほとんどが成人と健常児に対する、小児及び成人の健常児に対する介入研究というか、添加試験になっています。恐らくは病人に対するものを食品安全委員会では、このときは取り上げていなかったと記憶しています。また、先ほど先生が御指摘になられた経腸栄養の点に関しても、食品安全委員会の場合は添加物専門調査調査会専門委員ですので、基本的には経口的に摂る物が主体となった評価になっていますので、そうした経腸とかというものは対象になっていないと思います。

○若林部会長 実際の投与は経腸になるのですか。経口になるのですか。

○事務局 一応、病者用食品というのは製品ごとに健康増進法に基づく消費者庁の表示許可というのが必要で、そちらは規格の中では疾病などにより、経口摂取が不十分な者の食事代替として、液状又は半固形状で、適度な流動性を有しているというように記載がされていますので、基本的には食事から摂取される物が考えられるのではないかと思います。

○若林部会長 という説明ですが、いかがですか。

○石見委員 由田先生、実態はどうですか。

○由田委員 実態としては、多分口から飲む場合と、あるいは場合によってはチューブのようなものを使って、胃の中に流し込むという、両方。ただ、いずれの場合にも消化吸収というか、吸収は経腸的に行われるということなので、そんな大きく変わるとはちょっと思えないと思います。

○若林部会長 よろしいでしょうか。それ以外に何かありますか。

○二村委員 確認ですけれども、改正案の所で、最後の3行に、「特定保健用食品及び栄養機能食品に使用するとき」ということで上限が書いてあるのですが、先ほどの御説明を伺いますと、この病者用食品については、この上限は適用しないということで理解してよろしいですか。

○事務局 病者用食品については御指摘のとおり、上限量は設定しないと考えています。理由としては、病者用食品というのは、健康増進法に基づいて消費者庁の表示許可等が必要です。その中では、亜鉛として、100kcal当たり0.351.5mgという表記の規定がありますので、上限を超えて添加されるということは考えにくく、食品衛生法に基づく使用基準では最大使用量というのは規定しないと考えています。

○若林部会長 よろしいですか。その他に何かありますか。

○井手委員 マイナーなことですが、2ページの下のほう、5.()の、2行目に「炭酸脱水素酵素」とありますが、これは「炭酸脱水酵素」の間違いではないですか。カルボニックアンヒドラーゼですので、デヒドロゲナーゼではなくて、H2CO3 (炭酸)を水と二酸化炭素に変える酵素だと思いますので、ちょっと確認しておいていただけますか。

○若林部会長 確認していただけますか。

○事務局 御意見ありがとうございます。

○若林部会長 私から1つあるのですが、こちらの部会の報告書の5ページの上に、パラグラフが3つあって、なお、病者用総合食品、栄養食品摂取うんぬんとあり、その下に「亜鉛は生物学的に必須な栄養成分であるが、小児、乳児、妊婦、授乳婦の亜鉛の摂取が過剰にならないように、適切な注意喚起が行われるべきである」と書いてありますが、この場合にはどのような注意喚起を行うことになっているのですか。

○事務局 こちらも食品安全委員会の食品健康影響評価からの抜粋ですが、恐らく表示規定のところで、いろいろ過剰摂取をしないようにと、注意喚起が行われると思いますので、成人に対しての評価としてのことですので、小児等についてもこのような過剰な摂取が行われないように注意がされるべきであるという文言が記載されているのかと思います。

○若林部会長 分かりました。その他に何かありますか。よろしいですか。

○石見委員 細かいことですが、2ページの5.の食品添加物としての有効性の所で、5行目、「日本人の食事摂取基準2015年版」の括弧が普通の括弧なので、ここはちょっと直していただきたいと思います。

○若林部会長 修正箇所は分かりますか。

○事務局 はい、御指摘ありがとうございました。

○若林部会長 よろしいでしょうか。それでは、一通り御審議をいただいたようですが、グルコン酸亜鉛の使用基準の改正については、特に問題点は無いと思いますので、いろいろな委員の先生方からいろいろコメントや御指摘がありましたので、その点を直しまして、「可」とすることでよろしいでしょうか。

(了承)

○若林部会長 それでは、部会報告書を取りまとめ、分科会に進めたいと思います。事務局から何か追加することはありますか。

○事務局 御指摘いただきました部会報告書()の修正などについては、その点を確認させていただいて、修正内容を部会長に御確認いただき、特に問題が無ければ手続を進めるということでよろしいでしょうか。

○若林部会長 そのように進めたいということですが、よろしいですか。

(「異議なし」と声あり)

○若林部会長 その後、事務局から説明をお願いできますか。

○事務局 この品目につきまして、使用基準の改正のため分科会では審議事項ではなく、報告事項とさせていただきたいと思いますが、報告事項として説明させていただいてもよろしいでしょうか。

○若林部会長 分科会において、報告事項との取扱いになるということですが、問題無いですね。

(「異議なし」と声あり)

○若林部会長 それでは、そのように取り扱いたいと思います。よろしくお願いします。

 以上で、議題3「グルコン酸亜鉛の使用基準の改正の可否について」は終了したいと思います。

 事務局から報告事項をお願いします。

○事務局 報告事項については特にありません。

○若林部会長 報告事項は特に無いということです。部会委員の皆さんから何か、新しく4人加わりましたけれども、追加発言などありますか、よろしいですか。発言が無いようでしたらば、次回の予定について、事務局からお願いします。

○事務局 本日は御審議いただきましてありがとうございました。次回の添加物部会に関しましては、日程を調整させていただいているところですので、場所、議題などについては後ほど御案内させていただければと存じます。

○若林部会長 本日の添加物部会は、以上で終了いたします。どうも御協力ありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬食品局食品安全部基準審査課

添加物係: 03-5253-1111(内線 2453,2459)

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