ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 医政局が実施する検討会等 > 医療事故調査制度の施行に係る検討会 > 第4回 医療事故調査制度の施行に係る検討会 議事録(2015年1月14日)




2015年1月14日 第4回 医療事故調査制度の施行に係る検討会 議事録

医政局総務課医療安全推進室

○日時

平成27年1月14日(水)10:00〜12:00


○場所

厚生労働省 専用第22会議室(18階)


○議事

○田上医療安全推進室長補佐

  それでは、定刻になりましたので、第4回「医療事故調査制度の施行に係る検討会」を開催させていただきます。

  本日は、福井トシ子構成員から欠席との御連絡をいただいております。

  初めに、お手元の資料の確認をさせていただきます。本日の資料でございますが、メーンテーブルは真ん中に置いております。事務局提出資料といたしまして、座席表、開催要項、構成員名簿のほか、資料1「主な論点のこれまでの検討状況」。

  資料2「これまでの議論を踏まえた論点について(医療事故の定義)」。

  資料3−1「第3回の議論を踏まえた論点について(医療機関が行う医療事故調査)」。

  資料3−2「第3回の議論を踏まえた論点について(センターが行う調査)」。

  資料4「第3回医療事故調査制度の施行に係る検討会 議事録」を配付しております。

  また、構成員の方から御提出のあった資料ですが、本日は多数の方からいただいておりますので、1つにまとめて「構成員提出資料」としてお配りをしております。また、 本日、参考人の方の資料として「参考人提出資料」をその下に3名分まとめて配付をしております。

  また、参考資料といたしまして、参考資料1〜6、通常配付しておりますものを別途配付しております。

  資料に不備等ございましたら、事務局までお伝えください。

  よろしいでしょうか。

  では、これより議事に入りますので、審議の円滑な実施のため、撮影はここまでとさせていただきます。

(カメラ退室)

○田上医療安全推進室長補佐

 それでは、以後の進行につきまして、山本座長にお願いいたします。

○山本(和)座長

 皆さん、おはようございます。

  それでは、本日の議事を始めたいと思います。

  まず、先ほど事務局からの御紹介がありましたが、本日、福井構成員が御欠席でありますが、日本看護協会常任理事の松月みどり氏を代理人として出席させたい旨のお申し出がありましたので、御出席を認めたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○山本(和)座長

 ありがとうございます。

  それから、続きまして、開催要項の3の(4)で、座長が必要と認めるときは検討会の構成員以外の者の出席を求めることができるとなっておりますが、本日の議題に関連する有識者として、小田原構成員の御推薦で、池下レディースチャイルドクリニック院長の池下久弥氏。今村構成員の推薦で、日本産婦人科医会副会長の岡井崇氏。また、小田原構成員の推薦で、大阪大学医学部附属病院中央クオリティマネジメント部部長の中島和江氏に御出席をお願いしたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○山本(和)座長

 ありがとうございます。

  それでは、今のお三方につきましては、後ほどそれぞれ関連する部分について御説明をお願いしたいと思います。

  それでは、本日の議論に入りたいと思いますが、まず、本検討会における主な論点の検討状況について、資料1をごらんいただければと思います。

  資料1は、これまで検討会で主な論点のうち、どの部分を議論してきたのかという経緯と、本日、御議論をいただく論点はどこかということを示したものであります。

  本日は、そこにもありますように、前回は検討しませんでした医療事故の定義の部分、※1の部分、それから、本日、参考人に再発防止の観点からお越しいただいているとい う関係もありまして、医療機関あるいはセンターが行う調査に関する部分、※2の部分についての御議論をお願いしたいと考えております。

  そこで、きょうは2時間ですので、おおむね1時間ずつぐらい、それぞれ※1と※2を御議論いただきたいと考えておりますが、恐らく相当の御議論があるものと予測されますので、恐縮ですが、若干の時間の延長があり得べしということはあらかじめ御了解をいただきたいと思います。若干にとどめたいとは思っております。

  それでは、まず、医療事故の定義に関する部分の御議論に入っていきたいと思います。これにつきましては資料2がございますが、まず、これについて事務局のほうから御説明をお願いいたします。

○大坪医療安全推進室長

 では、資料2をお手元に御用意ください。「医療事故の定義」のところの資料になります。

  まず、お開きいただきまして1ページ目、医療事故の定義を示す改正医療法第6条の10の条文と、省令事項、通知事項に該当する部分をお示ししたものでございます。

  その下に「医療事故の範囲」としてお示ししております図は、その条文にある2つの判断軸「医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産」「管理者が予期しなかったもの」この2つの軸が交わるところが制度の対象事案になるということをお示ししております。

  この中で、御議論をいただきたい本日の論点3つを御用意しております。4ページをお開きいただきますと、まず初めの論点が「医療に起因し、又は起因すると疑われるもの」の考え方。おめくりいただきまして次の5ページが「当該死亡または死産を予期しなかったもの」についての考え方。最後、6ページ「死産について」の考え方。この3つを本日は論点としてございます。

  戻っていただきまして、2ページ目、第1回、第2回、これまでの検討会での御意見の中で「医療に起因し、又は起因すると疑われるもの」に係る部分についていただきました御意見をまとめてございます。

  次の3ページでは「当該死亡または死産を予期しなかったもの」についていただきました御意見をまとめてございますので、参考にしていただきたいと思います。

  では、4ページの論点の資料の御説明をさせていただきます。「医療に起因し、又は起因すると疑われるもの」につきましては、省令事項ではございませんので、ここは通知で解釈をお示しすることを考えております。

  ここに3つ○で提示しております部分は、第2回の検討会で事務局から提案しました案文につきまして、特に御意見ございませんでしたので、きょうはこのままお示しをしております。

  次の5ページに参ります。こちらは「当該死亡または死産を予期しなかったもの」について、省令事項で定めることとなっております。

  これまでの検討会での御意見は、先ほど3ページにおまとめしましたと申し上げましたが、5ページの下の部分「検討会でのご意見」として改めてここに抜いてございます。管理者が判断するために誰が見ても明確な表現であることですとか、管理者の主観的な結論を客観的に評価できるものであることなどといった御意見を踏まえまして、省令の欄のところに事務局から赤字で省令案を提示させていただいております。その部分を読み上げさせていただきたいと思います。

  「当該死亡又は死産が予期されていなかったものとして、以下の事項のいずれにも該当しないもの」としてはどうかという案を提示させていただいております。

  1つ目が「管理者が、当該医療の提供前に、医療従事者等により、当該患者等に対して、当該死亡又は死産が予期されていることを説明していたと認めたもの」。

  2つ目が「管理者が、当該医療の提供前に、医療従事者等により、当該死亡又は死産が予期されていることを診療録その他の文書等に記録していたと認めたもの」。

  3番目は「管理者が、当該医療の提供に係る医療従事者等からの事情の聴取及び、医療の安全管理のための委員会(当該委員会を開催している場合に限る。)からの意見の聴取を行った上で、当該医療の提供前に、当該医療の提供に係る医療従事者等により、当該死亡又は死産が予期されていると認めたもの」という3つを提案させていただいております。

  この事項のいずれにも該当しない場合に予期しなかったものとしてはどうかという案でして、いずれかに該当した場合には事前に予期をしたと案として提案させていただいています。

  3号につきましては、事務局の考えとしましては、緊急時等説明や文書記載など余裕がなく、処置や手術等に入る場合があろうかと想像されまして、こういう場合を考えて立ててございますので、御議論いただきたいと思います。

  通知につきましては、これらの省令事項についての解釈、考え方をお示しすることを考えております。

  続きまして、6ページ、死産のところにつきましては、事実の論点整理といたしまして、死産の定義と、平成25年の人口動態統計から死産数の実数値をとってきてございます。例年、大体100万分娩お産があります中で、死産数は2万4,000件ほどでございました。そのうち、人工死産、すなわち母体内で胎児が生存しているときに人工的な処置を加えて死産に至らせるという、母体保護法によるものにおいては人工妊娠中絶と申しますが、それら人工死産以外の死産を総じて自然死産と文言としては整理しておりまして、これが年間約1万件。全出産の1%程度に当たります。

  死産の取り扱いについてのこれまでの御意見は、論点整理の下に記載させていただいております。

  さらに、7ページ、これは第2回の検討会でもお示ししたものですが、日本産婦人科医会と産科婦人科学会の御意見書と、医療法人協会の小田原常務理事からの御意見書の案をそのまま記載させていただいておりますので、御議論いただきたいと思います。

  以上でございます。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  それでは、医療事故の定義に関する部分について、今、主に3つの点を挙げていただきました。順次御議論をいただきたいと思いますが、最後の「死産について」の部分については、お2人の参考人の方に本日、御出席をいただいておりますので、死産の部分の議論に入る前に参考人の方から御説明をいただきたいと考えております。

  それでは、まず、第1の論点ということですけれども、先ほどの資料4ページで「医療に起因し、又は起因すると疑われるもの」という部分についての各構成員の御意見をいただきたいと思います。

  西澤構成員、どうぞ。

○西澤構成員

 それでは、これについての意見となる資料を説明させていただきます。

  「構成員提出資料」という冊子がございますが、その51ページに私の提出資料が出ておりますので、それを、御参照ください。

  先ほど、事務局より説明がありましたが、医療事故の対象となる死亡、死産は「医療に起因し、又は起因すると疑われるもの」で「管理者が予期しなかったもの」という2つの要件に該当するものが対象になると法律で規定されております。

  本日、私の提出資料といたしましては、今般の制度における「医療に起因し、又は起因すると疑われるもの」の範囲について、研究班で議論を継続している資料を提出いたしました。この資料は、医療の範囲は何かということを整理するために作成しており、現在、検討中のものでございます。

  なお、報告対象となる医療事故のもう一つの要件でございます「管理者が予期しなかったもの」については整理しておりませんので、ここに挙げたものが医療事故の報告対象となるものではないということは御承知願えればと思っております。

  それでは、資料の考え方を説明させていただきます。

  本資料では「医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産(マル1)」と「マル1に含まれない死亡又は死産(マル2)」の2つに分類しております。

  まず、マル1でございますが、左側の点線で囲んだ部分に「提供した医療」の考え方、これを医療の流れに沿って整理いたしました。

  また、右側の点線で囲んだ部分には、管理者が判断するに当たりまして、その一助となればと思いまして、死亡または死産の要件を網羅的に整理することを現在、試みており、その具体的内容を研究班で検討しておりますので、それを記載しております。これはあくまで参考として例を記載しているだけでございます。

  また、左の点々の中に「療養に関連するもの」とございますが、これは研究班の議論の中で医療に該当するということを明記したほうがいいという意見があったために、療養を「その他」のところで記載しております。

  左側の医療を提供した際に、右側の要因により発生した死亡または死産が「医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産」に該当するのではないかと考えております。

  なお、右側「マル1に含まれない死亡又は死産(マル2)」でございますが、これにつきましては、右側のほうに、含まれないと整理できる死亡または死産を示していると考えていただければと思います。

  また、下のほうにグレーボックスがございますが、これはマル1にもマル2にも該当し得るものであって、状況によって医療に起因して発生したかどうか、管理者に判断が求められる場合があるのではないかと考えておりまして、ここに書かせていただきました。

  この中の一番上ですが「自殺に関連するもの」と書いてございますが、これは患者の意思行動であるため、表の中から削除するという意見がありましたが、一方では、可能性が低くても医療に関連することが疑われる自殺もあり得るということで、残したほうがいいという意見がありまして、ここで一応書かせていただいております。

  また、これらの○は羅列的に書いておりますが、この中にはマル1に近いもの、あるいはマル2に近いものとかなり幅、濃淡があると考えていただければと思っております。

  また、欄外でございますが、※2にありますとおり、マル1マル2のいずれに該当するかを考えるに当たりましては、疾患や、あるいは医療機関における医療提供体制の特性だとか専門性について考慮することが必要だと思っております。

  簡単でございますが、今、研究班で議論している途中でございますが、現在での考え方を提出させていただきました。ありがとうございます。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  それでは、さらにこの点について御議論を。

  高宮構成員、どうぞ。

○高宮構成員

 今、西澤構成員から説明していただきましたが、グレーボックスの中の自殺に関して、やはり自殺というのは提供した医療に起因するというよりは、患者さんの病気そのもの、患者さんの精神症状、精神状態そのものから来るものであって、提供した医療に起因する場合はほとんどないと思われるのです。

  ですから、提供した医療のプロセス、システムの不具合を分析して再発防止策というよりは、自殺の防止というものは医療の内容そのものの向上によるものでなければならないと思うので、今回の医療事故調査制度の目的とはならないと思いますので、その点をもう一回皆さんに御理解いただければと思っております。

  もう一つ、グレーボックスなのですけれども、精神科というのはどうもグレーボックスばかりなので申しわけないのですが「拘束・隔離・身体抑制に関するもの」と3番目にあるのですが、拘束・隔離というのは精神科特有の精神運動行為に対する医療行為ですが、身体抑制というものは、精神科以外の医療において、例えば乳幼児、高齢者等の点滴等を安全に施行するための安全管理なものですから、拘束・隔離と身体抑制というものはちょっと内容が違ってくるのではないかと考えておりますので、その点もまた御考慮いただければと思います。

  以上です。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  小田原構成員、どうぞ。

○小田原構成員

 小田原でございます。

  まず、きょうの西澤先生の、西澤班でこういうのを検討しているという御紹介だったかと思います。意見としては、多分、西澤先生の個人的な意見と伺っております。

  これは確かにうちの協会にも送ってまいりました。1月8日午後9時にメールで送られてきております。1月9日に医法協の医療安全部会がございまして、そこに提出されまして、いろいろ問題があるということで、次回、西澤班でかなり検討されると思います。ただ、この日に厚生労働省のほうに提出されておりますので、そういう意味では非常にまだ不完全な状態での提出ではないかと思っております。

  運用レベルでの話ですので、先々運用で詰めていけばいい話で、ここでする論議ではないと思いますけれども、ちなみに、私どもの医療に起因するということの検討は、運用段階の話として検討に入っておりまして、それによりますと、先ほど高宮先生も言われましたが、下のここの部分については医療から当然外れるねという感覚でおります。一応それだけ御紹介して、これは直接ここで云々する話ではないのかなと思います。

  以上です。

○山本(和)座長

 ここで議論する話ではないという御意見の趣旨は、この通知の中身としては。

○小田原構成員

 通知というか、実際の細かい、どれを対象とするかという問題であるということが1つ。西澤班で出されたような形になっていますが、西澤班でまだ今後検討余地があって、医法協も次回の西澤班にこれについては意見を出すことになっておりますので、それの話が決まってから後の話であろうと思います。

○山本(和)座長

 高宮構成員、どうぞ。

○高宮構成員

 今の小田原構成員の話ですが、小田原構成員はかつては西澤研究班の研究員であられましたね。1224日にきょうの西澤構成員が出された資料がこの研究班で議論になったときに、今、小田原構成員は参加なさっていないようですが、医療法人協会からも研究協力員として参加なさっていて、1224日の会議のときにこの確認をされているので、当然、この案は小田原構成員のところには連絡が行っていると思うのですが。

○小田原構成員

 伊藤常務が出席になっております。ただ、その日は伊藤常務は欠席だったようでございます。この話を聞きましたのは、この話が出た1月8日の話でございます。しかも、この夜、メールが入っておりまして、明くる日の医療安全調査部会で我々は検討いたしました。ちょっとこれは違うのではないかという話になって、次回、これはしっかりと検討すべきだということになっておりますので、検討になると思います。しかも、この表自体が8日の9時にでき上がった資料でございますので、合意資料とは思えないと思います。

○山本(和)座長

 研究班の実経過はともかくとして、松原構成員、どうぞ。

○松原構成員

 自殺は不幸なことですけれども、高宮構成員にお聞きしたいのですが、病院で自殺を見つけたときには具体的に今、どうされているのでしょうか。

○高宮構成員

 まず、警察に届け出ます。

○松原構成員

 なぜこれをお聞きしたかといいますと、自殺の場合に万が一他殺も入る可能性もございますので、やはりこれは医療に起因して議論することではなくて、警察にお届けして、警察の判断を1回仰ぐのが良いと私は思います。それをせずに、この研究班の中のこのシステムの中で検討するということはかなり危険なので、私はこれまでどおり、まず、警察にお任せするのが筋であると思います。

  それと同時に、例えば不慮の外因死、窒素死とかいろいろなものもございますけれども、こういったものについても警察にとりましては他殺がまじらないようにするということが非常に大事でありますし、例えば外表を見て、何か通常の医療に起因して起こるべきではないものを見つけたときにはこれも届け出る。これがまさに21条の本質であります。

  ですから、そういったものについてはきれいに分けて、自殺あるいは不慮の外因死、その他についてはこの対象ではなくて、警察に届けて対応すべきものであります。そこのところを混在化すると非常にややこしくなります。

  ただ、例えば自殺の中にも管理者がもしかしたら医療に起因して起きた可能性があると、つまり、他殺でないという判断がなされた後に、何かしなければならないと判断したときは、管理者が判断されればいいので、一旦警察の力でオーソライズした後で必要ならば報告すべきではないかと私は思います。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  ほかにいかがでしょうか。

  加藤構成員、どうぞ。

○加藤構成員

 入院中の患者さんの安全というのは非常に大事なことだろうと私は思っていて、ベースに病的なものがあるとしても、状況から防ぐ手段が何かなかったのかということを管理者として考えたいという場面はあるのではないかと思いますので、当然に自殺を全て外すという話ではなくて、管理者がその都度判断する幅の中に入っていていいことではないかと私は思っています。患者さんの、特に入院患者の場合の安全確保は非常に大事な点であろうと思って、そう考えております。

  以上です。

○山本(和)座長

 ありがとうございます。

  ほかにいかがでしょうか。

  どうぞ。

○大磯構成員

 療養に関連するもの、転倒・転落、誤嚥とか、入浴とか、そういった看護領域の事故といったものが今回の範囲に入ってくるというのは正直、私も驚いているのですけれども、ちなみに、平成25年度の東京地裁の医療集中部にかかりました医療関連訴訟の件数の中で、診療科別に分けると第1位が歯科なのですが、看護、介護上の過失は10%で、診療科別でいくと4番目に来るのです。

  今、医療訴訟の領域ではいわゆる介護訴訟は非常にふえている。今回の医療事故調では関係ないとはいえ、やおら療養に関連するものが突然出てきて、私は驚いているところなのです。

  それはそれとして、しっかりと看護協会さんも含めて議論すべきだと思うのですけれども、その点に関して私自身は入れるべきではないと思っております。それは、医療法施行規則の一部を改正する省令の一部の施行についてということで、平成16年9月21日の厚生労働省医政局通知に、医療と管理に関する具体的事例というのが参考1、参考2と書かれているのですけれども、まさに参考2のところ、事故報告範囲の具体例として、管理上の問題に係る事例その他として、転倒・転落、感電等とか、入院中に発生した重度な褥瘡であったりといったものが入っているということで、これは過去の医政局長通知では、管理に起因するとされておりますので、これは医療ではないのではないかということが根拠でございます。

○山本(和)座長

 永井構成員、どうぞ。

○永井構成員

 今の大磯さんの御発言を聞いて、私自身は大変びっくりしているのは、医療の中に看護が入らない意識なのかなというイメージでちょっとびっくりしました。

  そして、今回の厚労省の5ページのところの第1項についての懸念を一層しました。何を懸念しているかといいますと、第1回の検討会で、単純なミス、誤薬投与とか機器の間違いとか、管理者はミスというのはあるものだと思っているものは対象にしないのだという意見があった。そのようなことが今の話にもつながってくるのではないか。この文章によって、単純なミスなどは報告しなくてもいいのだととられるおそれがあるのかなという感じを改めてしております。

  ただ、この文章の中に、患者に対してちゃんと予期していることを説明するということで誤薬を投与するかもしれませんよとは説明はしないと思います。単純なミスで亡くなったものを報告しないということにはならないとは思っています。いずれにしましても、こういうことについて余りにも拡大解釈にならないようにしていただきたいという思いがしました。

○山本(和)座長

 松月参考人、どうぞ。

○松月参考人

 日本看護協会でございます。

  この療養という部分に私たちの意識として含まれるものについて説明します。例えば助産師が行う助産行為ということも医療というくくりにされますと、ちょっと違和感があるのではないでしょうか。よって、療養という言葉を提案させていただいております。

  例えば医師が抗がん剤の注射の指示を出します。抗がん剤というのは医療そのものでございますが、それを実際に投与するのは看護師です。投与に至る過程で何か間違いがあった場合、これは医師の指示でやった診療の補助行為ということになるわけです。が、投与自体に間違いはなかったけれども、微妙な患者さんの様子をみて、今この状況で投与するのはどうだろうという総合的な判断というものが必ず含まれます。これが医療なのか、看護なのか、診療の補助なのか、療養上の世話なのかと、非常に難しい部分がございます。

  実際、医療はチームで行われております。先だって法案が通りました特定行為に関する研修のようなこともございますので、この言葉を少し入れておいていただかないと、なかなか国民の方に御理解いただけないのではないかと考えております。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  それでは、鈴木構成員、どうぞ。

○鈴木構成員

 鈴木でございます。

  先ほどの永井構成員のお言葉に対して医師の立場で思うことなのですけれども、転倒・転落や誤嚥は非常に多様な場面を対象にする言葉になると思っておりまして、例えば自由に動けるような方が、それこそ院内フリーで売店まで歩いていって、何らか転ぶ誘因がない中でつまずいたという転倒もあれば、急性期を越えて慢性期の回復過程において日常生活動作をどのレベルに設定して回復を目指していくかという極めて医的判断が強くかわるような場面の転倒になってくると、多くの医療従事者さんが医療の判断が介在していると判断されると思います。

  同様に、誤嚥に関しましても、飲み込みに全く問題のないような患者様が、御家族様と一緒に例えば食堂に行って通常食を食べていて、思わず飲み込み損ねてしまったという誤嚥もあれば、先ほどの例にも出てきましたが、脳梗塞だったり加齢で急性期を越えた慢性期の患者様が嚥下造影をして飲み込みの評価を受けていたり、そういう状況下で軟食がいいのか、刻み食がいいのか、食材に関しても私の知る限りドクターの方々は物すごく慎重に対応されていると思っております。そうなってくると、誤嚥の中の一部分に関して、極めて医的判断が強くかかわっているようなものも出てくると思いますので、この誤嚥とか転倒・転落というのは今回、グレーに含まれているということで西澤構成員様からお話がありましたけれども、どういったものが「医療に起因し」に近づいていくのか、どういったものが全く関係ない場面で偶発的に起きているのかというところをきちんと仕分けして、明示していくことが重要なのではないかと思いました。

  以上でございます。

○山本(和)座長

 ありがとうございます。

  どうぞ。

○葛西構成員

 日本助産師会です。

  先ほど、療養のことに関しまして、看護協会から発言がございましたけれども、助産所というのは医療法で定められております。医療法で定められている病院、診療所、助産所ということがありまして、その中では医療安全に関する指針を定めるですとか、そういったことも定められています。看護では、病態を踏まえてその方に合った療養上の世話を行っております。

  医療機関、病院、診療所、助産所で行われる医療の提供に関してはその中に看護、助産が含まれるのかなと考えております。

  また後ほど参考人の岡井先生等から意見もございますけれども、例えば妊婦の健康診査というものが医療なのかどうなのかという議論もあるかと思いますが、実際、そこにはスクリーニングという言葉もありますし、すぐ異常に変わるという状況もあると思います。

  以上です。

○山本(和)座長

 宮澤構成員、どうぞ。

○宮澤構成員

 鈴木構成員からお話がありましたけれども、基本的には誤嚥とか転倒とか、幾つかのものは療養に考えられる余地があって、一概に転倒だからどちらかという形ではないと考えるべきだと、私もそのように思っています。

  それは、医療行為がそもそも何なのかということに関するわけですが、医療行為は判例上では専門的な知識、能力を有しなければ、それを行うことによって生命、身体に危険を及ぼす可能性がある行為、これが医療行為だと言われていますので、そのような観点から考えていくべきであって、類型別に転倒だからどちらかという問題ではないと私も思っております。

  ですから、項目によってどちらかに振り分けるというのは余り正しいやり方ではないだろうと思っています。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  おおむねよろしゅうございましょうか。

  西澤構成員の提出資料によるところのグレーゾーンにかかわる自殺の点、あるいは転倒・転落、誤嚥、療養といった点についてを中心に御議論いただいて、私の見たところ若干御意見の相違があったように見受けられますが、最初、小田原構成員からの御指摘もありましたように、引き続き西澤先生の研究班で御研究をいただくということを伺っておりますので、また引き続き議論の対象にさせていただきたいとは思いますが、きょうの時点でさらに何かということがございますれば。

  では、田邉構成員。

○田邉構成員

 今、宮澤構成員がおっしゃったことは非常にもっともでして、医療の定義自身が最高裁の定義も今、先生がおっしゃったとおりでございます。

  これは、逆に言うと、読み方によってはトートロジー的な読み方なので、専門家であります医療機関の管理者が医療に起因したかどうかを専門的見地から判断していくということがまず必要でして、余り類型化してこれは含む、含まないという通知を詳細に書くと、かえってよくないのではないか。

  また、余り広範に報告するような形になりますと、受付の機関がかえってきちんとした整理もできませんし、調査委員会をやらなければいけない医療機関のほうの負担ということにもなりますから、ある程度、この部分については省令事項にもなっていないことという御説明がありましたので、裁量的な記載にとどめる、広い記載にとどめるということでよいのではないかと思っております。

  そう考えますと、西澤班ではどうも提供した医療に診察とかが入っていて、一応定義すれば診察も定義なのでしょうが、これに起因したというところで、広くとってしまいますと、診ている患者が亡くなったらみんな関連しているではないかという話になってしまいますので、そこは専門的な判断から絞っていくというのでよいのではないかと思いました。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  よろしゅうございましょうか。

  松原構成員、どうぞ。

○松原構成員

 法律家の立場からすればそのように理解できるのはよくわかるのですが、しかし、実際に医療機関の管理者が判断するときには、何かの指標がないとできません。そのときに、例えば自殺についてはどうするのか、つまり、不慮の外因死、外因的な死亡については死亡診断書を書くときには最終的には検案書になるべきものであり、先ほど申しましたように、異常があるときには異状死体用の21条に従って届け出るべきものとされています。

  そこのところで、届け出して、法医にお任せするものは任せる。そうでないとなったときに、次にはそれが起きたものをどうしたらいいのかというのは医療法の中で決まっております。つまり、医療の安全委員会を開いて、そこにおいて問題がなかったかどうかは管理者の判断で行うべきものとなっておりますので、やはりここのところは自殺については今回の対象としないということをはっきり明示しませんと大変な混乱が起きますので、具体的な項目というのは大事でありますので、よろしくお願いします。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  それでは、先ほどのような形で、この点についてはまた引き続き御議論の機会を持っていただくことにします。

  続きまして、今度はもう一つの定義の点で、予期しなかったものに関する部分、資料の5ページの点について、各構成員の御意見をお伺いしたいと思います。

  小田原構成員、どうぞ。

○小田原構成員

 資料5ページで「省令(イメージ)」ですが、1ページの図とあわせての話だと思いますが、よくできているなと思っております。私どもとしてはこれでいいのではないかと思っております。

  以上です。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  ほかに御意見はいかがでしょうか。

  松原構成員、どうぞ。

○松原構成員

 私どもはこういった形できちっと表記することが必要だと申してきました。ただ、一般的な話ではなくて、患者さんの病状に特定したところできちっと予期したかどうかを明瞭にする必要があると思います。

  つまり、例えば平均何パーセントかの可能性で危ないですよというのは説明では十分ではありません。むしろ、糖尿病や御高齢の患者さんはここまでできるけれども、ここまでしたら大変死亡する可能性も高くなるといったことを説明する、つまり、特定の患者さんについての説明ということが大事であって、何もかにもこれで報告しなくていいのだということは絶対に医療界はするつもりもございませんし、そうしてはならないと思います。このシステムをきちっと運用するためには、やはりどのような場合に報告すべきかを明瞭にすべきだと思っております。

○山本(和)座長

 永井構成員、どうぞ。

○永井構成員

今の松原構成員のお話は是非、医療界としてそうしてほしいのです。インフォームド・コンセントというお話がありますけれども、インフォームド・コンセントで言った言わなかったとか、インフォームド・コンセントをとったとかいう問題ではなく、患者、または、事故が起こって死亡した場合に、遺族も説明内容を理解でき、納得して、その手術を受けているならば、私はそんなに大きな問題は発生しないと思いますが、十分理解・納得できていなかった、そういう事例が多いです。

  事故が起こる前の説明の仕方など、今までも多くの機関でやってはおられますが、まだまだ不十分なところもあります。こういう事故調が始まる機会に、事前のインフォームド・コンセントという問題も含めて、患者さんへの説明、そして、患者さんの理解、納得のうえで決断を共有してから、医療行為に入るかということは、より一層きちっとやっていただきたいと思います。

○山本(和)座長

 加藤構成員、どうぞ。

○加藤構成員

 松原構成員がおっしゃったことに賛成の立場です。

  きょうの「構成員提出資料」の13ページ以下に私が「省令(イメージ)、通知(イメージ)のたたき台の提案」ということで、サブタイトルは「医療の安全に資する医療事故調査制度とするために」ということで書かせていただきました。今、議論になっている6条の10第1項の医療事故の定義の点については、かねてここでも発言している内容のことを書いてございます。きょうの資料2の5ページの省令(イメージ)のところで、カルテに記録してあるとか、そういうことがごくまれにあると言ってあれば、当然、それで予期していたという話ではない。「当該患者等に対して、当該死亡」と書いてあるところがそういう意味合いだろうと私は理解しました。非常に重篤な患者さん、重篤な疾患の場合もあるだろうし、極めて致死的なことを覚悟しながらもあえて助けにいくための手技ということもあり得るでしょうから、そういういろんな場面ごとに、当該経過で亡くなるということが具体的に説明されているということが基本的に必要なことだろうと思います。抽象的、一般的にパーセンテージだけ免罪符的に書いておけば、全部それは抜けてしまうということではないということだけ押さえておきたいと思いました。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  堺構成員、どうぞ。

○堺構成員

 お三方の意見に賛成なのですけれども、ここには機械的にこういう記載をされているのですが、もちろん、説明された相手の理解が前提だということは医療者としては理解することなので、もし必要だったらそれはどこかに記載するなりして、万全の態勢でやっていただければありがたいと思います。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  田邉構成員、どうぞ。

○田邉構成員

 今、理解ということを堺構成員のほうから御説明いただきましたし、加藤構成員のきょうの御提出資料には明示しておられませんが、以前の提出資料にやはり死亡の機序といった点について、患者さんのほうの事前の御理解が必要ではないかという御意見だったと思います。

  この点、医療を提供する側からしてみましても、死ぬ可能性がこのぐらいありますよということを仮に予期して、想定しておって、わかるのだろうなと思っていても、口に出してそれを説明する、死亡のリスクはこのぐらいありますよというのを術前、今、裁判例などでよくそういうのもありますけれども、助かろうと思って手術を受ける、治療を受けるのが患者さんですから、そういったことを明示的に言っていないからこれは予期しなかったのだというのも、また逆に違和感がございます。

  ですから、機序というか、普通の人であれば非常に大変なことが起こるのだなというような認識がきちんと得られるような事項が説明されておられれば、これは省令案の最初の説明の中に含むと考えてもいいのではないかと思います。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  ほかにいかがでしょうか。

  どうぞ。

○今村構成員

 この省令、よくこのようにまとめていただいたなと感心をして見ております。

  日本医師会といたしましては、医療の本質といいますか、非常に核になるものは、医療を提供する側と医療を受ける者の信頼関係というのがどうしても大事だと、これをなくしては医療行為はあり得ないと考えております。そういった意味で、医療提供者側からも、また、患者さん側からもなるほどという意見でまとめられたというのは大したものだと思っております。

  ただ、これをきちっと運用していくためには、あくまでも医療提供者側が先ほど松原構成員が言われたように真摯に対応しなければ、早晩、患者さんあるいは国民の側から強い指弾を受けることになると思いますので、書きぶりはこれでいいといたしまして、その運用にはよほど医療提供者側は心してやらなければいけないと思っております。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  ほかにいかがでしょうか。

  有賀構成員、どうぞ。

○有賀構成員

 今の医療提供者側の心構えというか、気概というか、十二分に理解した上で、実は、私も結構つらい手術をしたことがありますし、検査もしたことがありますし、死亡する確率について議論を患者さんの家族、また、患者さんとしてきたことがあるのですけれども、例えば100分の1掛ける100分の1ぐらいの確率でこういうことが起こりますよという話は、さすがに全くしないわけにもいかないのでするわけです。患者さんから見ると、それは自分がそれになる確率が万分の1とは思っていなくて、なるかならないかどちらかなのですね。

  ですから、私はそういうことがだんだんわかってきたときから、確率としてはこうだけれども、あなたにとってはオール・オア・ナッシングなのだと、そのぐらいのことは十二分にわかってやろうねということで、もっと言うと、患者さんのほうから、先生はどのぐらいの確率でこういうことにぶち当たったのですかと言われたときに、実は仲間にはこういうことがあったので、一緒に助けたことがありますよ、自分自身の手術としてはありませんでしたがという言い方をすると、安心しました、ぜひお願いしますと。

  ですから、このような信頼関係の上でのやりとりというのは確かに医療者そのもののアプローチも極めて重要なのですけれども、受け手側の方たちの、つまり、患者さんたちの一人一人については相当程度にバラエティーに富んでいて、書きぶりはもちろんこれでいいのですが、受け手の患者さんの側もそれなりの勉強のプロセスを、このような機会をとらえて一緒に学んでいくという形でやっていかないと、何となく空回りするような気がいたします。

  堺先生にしても、今村先生にしても、松原先生にしても、みんな現場で丁々発止やってきたということがあるので、それなりの発言をされていますので、私は十二分にわかりますし、尊重したいと思います。しかし、患者さんの側も相当程度にバラエティーに富んでいますので、この際、そのようなこともぜひ一緒に考えていかなくてはいけないなと思った次第であります。

○山本(和)座長

 ありがとうございます。

  永井構成員、どうぞ。

○永井構成員

 今の有賀先生のお話、まさに私どもも同じ思いをするときがあります。病院に入ったら元気になって帰るのが当然だといって、それが病院で亡くなったからこれは事故だと言って、我々のところに言って来る人もおります。

  私は、日本の医療というか健康も含めて、医療安全について、交通安全以上に国として、また、教育界として、各家庭でも、事故調査制度が始まる時期にあわせて教育をするべきだと思うのです。

  健康な時は医療に関心がないというか余り気にしない。まして医療事故など自分には降ってかからないというのがほとんどの市民です。医療安全という問題、病院の受診についてなど、この制度を発足させるに当たって、厚労省なり文科省の問題もあるかもしれませんが、国を挙げて医療安全にどう取り組むかという機会にすべきだと思います。ぜひ医療界、医師会、厚労省も含めて、やっていっていただければありがたいと思います。我々もそういう観点でもサポートしていきたいと思っています。

○山本(和)座長

 ありがとうございます。

  非常に大所高所からの御議論もいただけたかと思います。基本的には私の理解したところでは、現在、提示されているこの省令のイメージにつきまして、基本的な御賛同をいただいていると理解しております。ただ、幾つかの点で御注意があった。当該患者あるいは当該死亡の意義であるとか、あるいは説明の中身について、あるいは説明ぶりがどうあるべきか、あるいは説明に対して患者側の納得が重要ではないか。幾つかの点についての御指摘がありました。

  この省令につきましては、右側の欄で、通知でそういう解釈を示すということにもなっております。今後の運用もありますけれども、今のような御注意を念頭に置いていただければと思いますが、基本的にはこの点につきましては現在、提示されている案で、おおむねこの検討会としては御同意いただけていると理解しました。

  米村構成員、どうぞ。

○米村構成員

 今、何人かの先生方から御発言がございましたとおり、大枠の方針はこちらでよろしいかと私も考えております。

  1点だけ、全く法律技術的な点で恐縮なのですけれども、6条の10という法律の条文におきまして、「管理者が予期しなかったものとして」という書きぶりがございます。主語が「管理者」になっておりますので、省令のほうも、●のほうはすべて「管理者が」という主語がついているのですけれども、一番上の2行のところ「当該死亡又は死産が予期されていなかったものとして、以下の事項のいずれにも該当しないもの」のところに主語がございません。こちらも「管理者」という主語を入れていただくほうが、法律との整合性がとれるかと存じますので、御検討お願いできればと存じます。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  それでは、事務局でその点を踏まえて御検討いただければと思います。

  それでは、引き続きまして、3番目の点「死産について」というところに入りたいと思います。

  先ほども御紹介いたしましたが、本日、専門家であります池下先生、岡井先生に参考人として御出席いただいておりますので、まず、この点についてお2人から御意見を賜れればと思います。

  時間の関係上、短時間で大変恐縮なのですが、お1人3分程度ということで、要点を御説明いただければと思います。池下先生、岡井先生の順で御説明をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

○池下参考人

死産のことで現場は非常に混乱しています。

  参考資料の1ページをお願いいたします。「『死産』に関する改正医療法に基づく『医療事故』の範囲」

  「第1 死産と妊婦管理について」

  「1 自然死産」

  全妊娠の自然死産率は約1%。平成24年度の自然死産は11,448例になります。

  医療行為でない妊婦健診等の妊婦管理中に自然死産となる原因は約1%存在するため、予期していた自然死産になります。

「2 自然死産の原因」

(1)胎児因子

(2)臍帯因子

(3)胎盤因子

次のページ、

(4)卵膜異常

(5)子宮因子

(6)感染症

(7)子宮内出血

(8)母体原因

(9)父側原因

「3 医療行為にあらざる妊婦健診」妊婦健診は以下のものがあります。

  飛びます。次のページをお願いいたします。

「4 妊婦管理中の予期しなかった死産」

1)切迫流早産で入院管理中、ベッドや階段からの転落後の死産

2)妊婦の事故死

3)妊婦の自殺

4)妊婦の他殺

5)その他

「第2 改正医療法に基づく医療事故の範囲」

「1 妊婦管理中の死産は除外」

(1) 妊婦健診で通院中の間の死産

妊婦健診では全く医療行為を行なっていないので、「医療」ではなくて「管理」に分類される。そこで、妊婦健診で通院している妊婦については、死産が発生しても「医療事故」ではない。

(2)妊婦入院中の施設内事故による死産は除外

妊婦が入院していた場合であっても、全く医療行為が行なわれていない妊婦管理中の自然死産の場合、及び、入院中の施設内事故といった管理に基づく死産については、「医療事故」ではない。

2 自然死産は除外

自然死産については、胎児因子から母体合併症まで、その確率は約1%も存在する。これらはすべて、たとえ医療行為中のものであったとしても「予期していた」ものと認めることができる。

以上です。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  続きまして、岡井先生、よろしくお願いいたします。

○岡井参考人

 私の意見は、ただいまの「参考人提出資料」の5ページに意見書として書かせていただいております。

  日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会は共同でこの点に関して要望を出しておりまして、その要望書はその後6ページ、7ページに出ております。

  内容はただいま池下参考人が言われたこととほとんど違いません。妊娠中に、例えば妊婦健診で患者さんを2週間前に見て、その後また見てみたらその間に亡くなっていた、こういう事例は本当にしばしばあるし、また、原因も全くわからないので、こういう症例を今回の医療安全のために原因を分析する中に入れても、ほとんど有効性がない、ただ事例がふえ負担が大きくなるだけなので、それはもう少し医療が進歩して何十年後かにそういう調査も必要になれば始めればいいということで、実際に原因を究明することに意義がある事例に限ったほうがいいということです。

  学会と医会の結論を読み上げます。「妊娠中または分娩中の手術、処置、投薬及びそれに準じる医療行為により発生した死産」という形でくくっていただければと思います。個々の事例に関してこれはどうするかという難しい事例も出てくるかもしれません。それはそれでここで論じることではなくて、もう少し緻密に、必要があれば専門家で決めてもいいと思いますが、大まかなくくりはこのようにお願いしたいと存じます。

  というのは、先ほど言ったように、先日、見たときには元気だったのに、次に見たときに亡くなっていたという症例も入れるということでは大変に報告対象事例がふえてしまうし、意味がないということで、これは学会と医会両方の意見であります。

  池下先生の御発表は、それでいいのですけれども、1つ気になるのは、“自然死産は認めない”ということなのです。これは言葉の使い方ですが、自然死産というのは日産婦学会の用語集には出ていません。これはどこで使われるかというと、人口統計で使われる言葉で、自然死産の定義は、厚労省が用語の解説として出しているのですが、人工死産以外を自然死産と言うとあります。人工死産というのは人工的な処置を加えて死産に至らしめるものですから、人工妊娠中絶です。ですから、例えば急速遂娩として吸引分娩なり何かの処置を行って、なかなかうまくいかなくて亡くなった。これは自然死産という定義に入るのです。そういうのまでも外してしまうと、死産は全く報告する事例がなくなってしまいますから、言葉の使い方ですけれども、そこは訂正していただいたほうがいいと思います。

  それと、申しわけありませんが、せっかく時間を与えていただきましたので、一言だけ発言をさせていただきます。

  もう一度戻ってもらいまして5ページですが、これまで傍聴させていただいて、この検討会で議論されている内容を聞いておりまして、同じように感じているのは私だけではないと思います。この検討会が医療の提供者側と受給者側との対立という構図になっているのです。どちらも目的は医療安全と医療事故の再発防止であるということには異論はないと思いますが、原因調査と結果報告に関連しては、それぞれ譲れない主張があるのだと思います。

  患者さんの側は「真実が知りたい」これが最も重要なポイントであり、医療者側からしてみれば「刑事事件化を避けたい」ということであるのだろうと思います。

  この2点が両者にとって最も重要な本制度の意義であることは、これまでの経緯を想起すれば明らかです。すなわち、医療事故の原因を調査する第三者機関の設立は、1900年代の末期に医療事故の原因が隠蔽された事例が社会問題化したことを受け、患者遺族及び一般社会が望んだことであります。

  一方、それは2000年代の初頭に上記事件等への反応として起こった医療事故への警察の介入を回避するために、医療者が要望したことでもあるからです。これは2004年に内科学会、外科学会、法医学会、病理学会が、ほかの基本18学会の同意を得て、そういう第三者機関をつくろうではないかと提唱して、2005年にモデル事業を開始したことに始まります。2006年に大野病院事件が起こって、それに対する意識が高まり、2007年には厚労省が具体的に動き出してモデル事業をサポートしたわけですね。

  こういう経緯があって、医療者側は原因分析の報告がもとになって刑事事件化されることを恐れています。懲罰という言葉が使われますが、それは刑事罰のことだろうと思います。そういうことにならないことを医療界は要望しているのです。そこで大きな対立が生じているわけですが、しかし、ガイドラインを適切にすることによって、真実は真実で知ることができ、しかし、だからといって刑事事件にはならないというような方策を立てることができるのではないかと私は信じていますし、そのために双方の方が本当に英知を結集して、適切なよい指針を作成するようにお願いしたいと思います。

  どちらも歩み寄っていかないと、自分たちの主張を絶対に通すのだということで、対立し続けますと、前回のように終わってしまうというおそれを感じていますので、ぜひここのところは、医者側も患者さん側もそれぞれ両方の事情に配慮して、歩み寄っていただくことを切にお願いしたい。私の意見であります。

  ありがとうございました。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  それでは、今、お2人の参考人からいただきました御意見も踏まえまして、この死産の部分について、各構成員の御意見を頂戴したいと思います。

  どうぞ。

○今村構成員

 今、お2人の参考人からお伺いしたことについてはほとんどその内容は変わらないのではないかと理解いたしました。そして、実際に医療提供者側も、妊婦さん側、あるいは患者さん側もそのようにして考えてきて、実際に今まで起こった係争例というのは、この10年間で3件ということですので、これについても妥当な数字だろうと思いますので、ここで死産について新たな議論というのはそうしなくていいのではないか、このままでいいのではないか、書きぶりはこれでいいのではないかと判断します。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  田邉構成員、どうぞ。

○田邉構成員

 よろしいでしょうか。

  死産を除外するという結論については余り異論がないようなのですが。

○岡井参考人

 除外しませんよ。

○田邉構成員

 この希望どおりということですね。

○岡井参考人

 そうです。

○田邉構成員

 要するに、報告対象としては。

○岡井参考人

 学会と医会の意見は手術や処置や投薬等、またはそれに準ずるような医療行為によって死亡したものは報告しますが、それ以外のものはしないということです。

○田邉構成員

 要するに、原因不明でなぜか亡くなった。

○岡井参考人

 胎児は知らないうちに亡くなっているということが多いのです。本当に残念だけれども、妊娠中はまだまだ胎児のことはわからないことが多いので。

○田邉構成員

 だから、今、自然死産と呼ぶかどうかは別にして、そういったよくわからないけれども亡くなってしまったのは除外されるわけでしょう。その点は一致するわけですね。それで特に異論がないという御意見も出ましたけれども、その理由なのですが、岡井先生は原因不明であっても、そういったものは医療によって起こったものではないのだからいいのだということですね。

○岡井参考人

 そうです。

○田邉構成員

 池下先生のほうは、1%程度あるのだから、これは予期していたものであるから除外するのだということでいいのですね。

○池下参考人

 そのとおりです。

○田邉構成員

 死産の場合も、通常の死亡と同じように考えるというのもコンセンサスがあったと思いますので、それを確認したいわけなのです。通常の死亡です。要するに、死産とかそういうの以外の、本件で議論になっている死亡についてですよ。

○山本(和)座長

 小田原構成員、どうぞ。

○小田原構成員

 私もちょっと混乱してわからなかったのですが、今の話はとにかく死産についても、その前でやった死亡の定義と同じで支障はないですねという話が皆さんの話だと思うのですが、よろしいでしょうか。

○永井構成員

 何を言っているのか全く理解できません。たとえば、死亡する確率が1%というような予期したものに入るものは報告対象ではないということをおっしゃりたいのでしょうか。

  岡井先生がおっしゃった話は極めてわかりやすいのですが、1%論を持ってきて何か言われると何をおっしゃりたいのか全くわかりません。

○山本(和)座長

 松原構成員、どうぞ。

○松原構成員

 医療統計の言葉で人工死産と自然死産というのがございます。自然死産と書くとそこで非常にわかりにくくなるので、要するに、自然な死産、統計上の話ではなくて、普通に自然に起こる死産というのを外そうと。ただ、医療に起因して、予想もしなかったようなことが起きた場合には対象とすべきだということで御理解いただければ、皆さん大体そのあたりは同じことを言っておられるのではないかと思います。自然死産ではなくて自然な死産であるということでございます。

○山本(和)座長

 いかがでございましょうか。松原構成員にまとめていただきました。

○葛西構成員

  日本助産師会です。

   岡井先生と池下先生の御意見書を見ますと、若干の相違があるのかなと思っています。

   岡井先生の示されました「妊娠中または分娩中の手術、処置、投薬及びそれに準じる医療行為」に関して、例えば妊婦健診中の検査で、通常の医療判断レベルに応じて、それが判断できずに見過ごした、例えば胎児心拍数モニタリング等で非常に状況が悪いにもかかわらず、何もしないでそのまま見過ごして、例えば胎児死亡に至るということは、準ずる医療行為に含まれると思いますし、妊婦健診中の検査につきましても、それが誰が見てもというか、普通の医療者であれば、助産師が診ても、医師が診てもとんでもないということについて見過ごしたということに関しては、それに準ずる行為と考えてよろしいのでしょうか。岡井先生。

○岡井参考人

 学会と医会で議論したときに、そのことは含まないつもりでこの要望書を出しています。

  というのは、胎児が元気であるかどうかということを判定することは大変難しくて、結果が起こった後から振り返ってみると、あのときの所見はそういえばおかしかったかなということがわかることもありますが、多くの場合、診療している段階でこの胎児がひょっとしたら1週間の間に亡くなるかもしれないということはわからない事例が圧倒的に多いわけです。ですから、そういうものも含めて、今回の調査の中でやっていくことになると、物すごく事例数がふえてしまって大変だろうと思います。学会の中でも議論をした上で、何か行為をしたその結果としたほうが、今回のスタートはいいだろうと考えた訳です。医療がもっと進んできて、その辺の原因もある程度わかってくるようになったときには、調査をする範囲を広げるという意味で、将来は加えていくというのもあるかと思いますが、これが現在の要望です。どう決めるかは厚労省が決めるのですが、学会としてはこういう形でお願いしたいということを要望しているわけです。

○葛西構成員

 そういいますと、先生は先ほどおっしゃった吸引分娩という医療介入といったものは。

○岡井参考人

 それは処置になりますから。

○葛西構成員

 通常の検査ですとか観察については含まないというような要望ということですね。

○岡井参考人

 観察とかは判断が難しい場合がすごく多いので。

○山本(和)座長

 よろしいですか。

  小田原構成員、どうぞ。

○小田原構成員

 詳細はよくわかりませんが、お2人観点は違うけれどもほぼ同じような話ではないかと思ったのです。

  それと、産科が別に特殊なわけではなくて、その前の5ページの予期しなかった死産の整合性というのはとれているのですねということの確認です。これでいいのではないかと思ったので、そういうことではないのでしょうか。

○山本(和)座長

 予期しなかったという部分に、私の理解では当然、文言上も「死亡又は死産」ということで、この省令のイメージでは当然死産も「予期しなかった」の省令の対象範囲としてこういうものになっていると理解しております。

○小田原構成員

 ということですね。支障はないということですね。

○山本(和)座長

 「医療に起因し、又は起因すると疑われるもの」というところも、先ほど若干御意見の違いがあったように思いますが、私の理解では、その御意見の違いが今の死産のところでも若干のニュアンスの違いに反映しているようには思いますが、ただ、大枠としてはそれほど大きな違いはないと思っておりますので、あと、文言としてどのようにまとめるかということがあるのかもしれません。

  今村構成員、どうぞ。

○今村構成員

 先ほど申し上げましたように、こういったことで問題になっている症例というのが、振り返ってたった3件なのです。医療に起因したと思われるようなもので。ということは、先ほどの吸引分娩で亡くなるとか、帝切の際にそれがおくれて亡くなるというのは日常茶飯事のことで、そういうものを一々医療者側も患者側もどうこうしようという状況にはないということで理解していただければ、この省令のイメージどおり、死亡と死産について、このように書かれているということであれば、そのとおりでいいということで、そういった意味で私は、若干のニュアンスの違いはありますけれども、池下参考人の御意見も、岡井参考人の御意見も大枠として何ら変わるところはないということで、よろしいのではないかと判断しております。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  では、宮澤構成員、どうぞ。

○宮澤構成員

 少し話が基準の中で2つにまたがってしまっているので、少し整理をしておきたいのですけれども、私は岡井参考人の言われた、7ページのちょうど中段あたりに書かれている「妊娠中または分娩中の手術、処置、投薬及びそれに準じる医療行為により発生した死産」、この定義は基本的には法文の中では医療に起因するというところの部分に当たるものであって、死産全体を捉えてしまうというよりも、医療に起因する死産というものは何なのかということの定義がこの中に入っている。そして、それに加えて予期しなかった死亡という形が出てきますので、まず、前提の医療行為に起因するというところで岡井参考人の基準が出ていると理解をするとわかりやすいのかと思います。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。適切な整理をいただいたかと思います。

○岡井参考人

 そのとおりなのですが、医療に起因するというところの解釈が人によって違ったり、相当大きく解釈されることがあり得ます。妊婦健診に通っていたではないか、それなのに次に診たときに亡くなっていたというのも管理のミスではないかという話になると困るので、そこは、少なくとも死産に関してはこういう形でしっかり規定してくださいというのが要望であります。

○山本(和)座長

 十分理解しました。

  どうぞ。

○池下参考人

 妊婦健診のことなのですが、異常がなかったら管理で、異常があったら医療に変わると私は思っています。したがって、妊婦健診でいろんな検査で異常データが出た場合、そこから医療になると思っています。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  それでは、死産の部分につきましては、基本的にはそれほど大きな御異論も、両参考人の御意見もそれほど大きな違いはないと理解しましたので、具体的な通知のイメージについては今の内容を踏まえて引き続きお考えいただければということかと思います。

  ありがとうございました。

  それでは、以上で医療事故の定義の問題についての御意見は、とりわけ「医療に起因し、又は起因すると疑われるもの」の具体的な範囲の問題については引き続き御議論をいただくべき部分が残ったかと思いますけれども、これはまた次回以降に御議論いただくこととし、引き続きまして、今度は資料3−1、 医療機関が行う医療事故調査 についての御議論をいただきたいと思います。

  まず、資料3−1について、事務局のほうから御説明をお願いいたします。

○大坪医療安全推進室長

 では、資料3−1をお手元に御用意ください。

  開いていただきまして、1ページ目、これは前回提出いたしましたものと同じで、該当条文と省令事項、通知事項に該当する部分、また、その時系列をお示ししております。

  その中で、本日の論点は3つございます。おめくりいただきまして、4ページ目、最初の論点が「マル1医療機関が行う医療事故調査の方法等について」おめくりいただいて、5ページ「マル2医療機関が行った医療事故調査の結果のセンターへの報告事項について」6ページ目が「マル3医療機関が行った医療事故調査の遺族への説明事項等について」。この3つについて御議論いただきたいと思います。

  戻っていただきまして、2ページ目、第3回の検討会で各構成員からいただきました御意見のうち、医療事故調査の方法等に関する御意見の部分をまとめてございます。

  3ページ目、こちらはセンターへの報告事項及び御遺族への説明事項についていただきました御意見をまとめてございます。

  では、論点の資料の御説明をさせていただきます。4ページになります。

  最初の論点、医療事故調査の方法等につきましては、第3回の検討会で事務局から提示をいたしました記載部分を黒字でそのまま残しておりまして、加筆修正をした部分を赤字でお示ししております。

  繰り返しになりますが、法律の条文では、院内調査のことを「原因を明らかにするために必要な調査」と規定しております。それを引用いたしまして、省令の案として事務局から提示させていただきました部分、赤で加筆をしておりますが「当該医療事故の原因を明らかにするために、情報の収集及び整理を行うことにより行うものとする」。その情報とは何かというものをその下に、従前からお示ししております案をそのまま書いてございます。省令のイメージで少し整理をして、修正をしております。この情報につきましては、管理者の判断で選択をすることとしてございます。

  その省令の記載ぶりを意識いたしまして、通知のほうも若干修正をしております。

  解釈通知としまして、検討会でいただきました「本制度の目的は医療安全であり、個人の責任を追求するためのものではない」ということを通知に明記していただきたいという御意見。これを踏まえまして、最初の○にその文言を追加してございます。

  2つ目の○「調査については当該医療従事者を除外しないこと」、これにつきましては、特に御指摘ございません。このまま反映させていただいております。

  3つ目の○「調査項目については、以下の中から必要な範囲内で選択し、それらの事項に関し、情報の収集、整理を行うものとする」。省令に合わせて書きぶりを修正してございます。

  その選択の範囲の情報といたしまして、省令と同じように書いておりまして、さらに、検討会でいただきました御意見を注釈で付記をさせていただいております。例えば「ヒアリング結果は内部資料として取り扱い、開示しないこと。(法的強制力がある場合を除く。)とし、その旨をヒアリング対象者に伝える」こと。

  また「その他の関係者からのヒアリング」としましては「遺族からのヒアリングが必要な場合があることも考慮する」などの注釈を付記させていただいております。

  下の3つの○を新たに追加をさせていただいておりますが「医療事故調査は医療事故の原因を明らかにするために行うものであること」。法律、省令に記載させていただきましたので、そのまま解釈通知としても同じ文言を書かせていただいております。

  ただ、その上で、検討会でもいただきました「調査の結果、必ずしも原因が明らかになるとは限らないこと」も通知の中に書いていただきたいということでしたので、そこも記載をしております。

  また、再発防止につきましては、検討会の御意見の中で、してはならないという御意見はどなたからもいただいておりません。それを踏まえまして、もう少し前向きな形で「再発防止は可能な限り調査の中で検討することが望ましい」とさせていただきまして「必ずしも再発防止策が得られるとは限らないことに留意すること」という文言を追加して、これで書きぶりについて御議論いただきたいと思って提示をさせていただいております。

  おめくりいただきまして、5ページ、調査の結果の報告でございます。

  ここにつきましても、法律の文言どおり、読み上げさせていただきますと、調査の結果を報告することになってございます。

  そのため、省令の案といたしましても「院内調査結果の報告を行うときは次の事項を記載した報告書を医療事故調査・支援センターに提出して行う」として、新たに赤字で追加させていただきました。法律の文言をとりまして、医療事故調査の結果、また、それに付随する項目、手法等についても御報告いただきたいと思っておりますので「医療事故調査の項目、手法及び結果」と書かせていただいております。

  それを解釈として通知でお示ししますと、先ほどの繰り返しですが、個人の責任追及ではないということを文言として加えておりますことと、報告事項の中に「医療事故調査の項目、手法及び結果」とそのまま言葉を抜きまして、その下に注釈として、調査の概要ですとか、臨床経過ですとか、原因分析ですとか、管理者が検討した場合の再発防止策の検討結果ですとか、そういったことが結果の中に含まれるのではないかということで、提案をさせていただきたいと思っております。

  黒字の部分は従前合意をいただいた部分で、特に修正はしておりません。

  続きまして6ページ、御遺族への説明事項についてですが、前回の検討会の中でもございましたように「説明の方法やその情報の詳細等については、管理者の裁量に委ねること」といたしますが、基本的には「センターへ報告する内容を遺族に説明すること」ということでよろしいかどうかをお諮りしたいと思っております。仮にそうであるならば、遺族への説明事項につきましては、単にセンターへの報告事項の内容を説明することと省令に置かせていただくことで足りるのではないかと考えております。

  その内容につきましては、センターへの報告事項を踏まえて、その内容を通知でお示しするということになろうかと思っておりまして、このような形で提案させていただきますので、御議論をお願いいたします。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  それでは、この点についてはまず、医療機関が行う調査あるいは再発防止策の検討について、本日、小田原構成員の御推薦で中島先生に参考人として御出席をいただいておりますので、まず、中島先生から再発防止に関連した御意見を聴取したいと思います。

  大変恐縮ですけれども、やはり時間の関係上、7分程度で要点について絞って御説明いただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。

○中島参考人

 参考人の中島和江と申します。阪大病院で15年間にわたり医療安全の実務を担当しております。

  7分間の時間をいただきましたので、実務者としましての意見を述べさせていただきたいと思います。

  お手元の「参考人提出資料」の9ページをごらんください。下のスライドですが、本検討会で議論されている医療事故調査制度は、WHOドラフトガイドラインでいうところの「『学習』を目的とした」すなわち医療安全の向上を目的としたものであると私は理解しております。

  この制度が成功するためには、ここにある7つの条件を満たす必要があります。一言でいいますと、誰が失敗をしたのかということではなく、何が事故をもたらしたのかを解明し、システムに着目した抜本的対策が講じられることです。すなわち、情報収集という入り口も大切ですが、医療を安全にするという対策、つまり出口はもっと大切です。

  次のスライドをごらんください。これは既に行われている主な医療安全関連情報収集制度です。

  日本医療機能評価機構の医療事故情報収集等事業はたくさんの有害事象を全国から集めて、医療安全の向上に資するという制度です。約10年間で約1,000件の施設から2万件以上の報告がされています。これらに基づいて多くの注意喚起が医療機関、医療従事者に対して行われています。

  診療関連死モデル事業は、個別の症例に関して複雑な臨床経過の丁寧な検証と御遺族への説明を行っており、約9年間に231件受付という数字からもわかるように、大変なマンパワーと手間を要する事業です。

  次です。このように国レベル及び各医療機関で何千、何万ものインシデントが収集されているにもかかわらず、残念ながら医療事故は絶えません。

  例えば筋弛緩剤を誤って投与したという事故は、6年から8年に1回、少しずつ形を変えて起こっています。

  次のスライドです。医療を安全かつ効率的に行うために導入された新たなテクノロジー、例えば電子カルテシステムの端末が救命救急センターや集中治療室のような時間との闘いの場所でフリーズしたり、通信障害等を起こすなど事故の新たなハザード、危険要因となっています。

  次です。生体監視モニターに関連する事故も後を絶ちません。アメリカの急性期病院の平均的病棟では、1日に900回以上のアラームが鳴り、日本でも事故の起こった病院では1日に6,000回のアラームが鳴っています。そのうちの8599%が偽アラームだという報告もあり、膨大な偽アラームの中から本物を察知するという神わざのような仕事を医療従事者は行っています。

  次です。このように、現場では血のにじむような医療安全対策を行ってきました。しかし、事故がなくならない理由の1つに、現在の医療安全のモデル、すなわちリニア、直線的なモデルの限界が指摘されています。このモデルでは、事故には必ず原因があるという立場をとり、原因をつくった人間や最後のとりでとして機能しなかった人間が責められることになります。

  次です。また、失敗事例から学ぶことの限界も指摘されています。2行目の「後知恵バイアス」とは、事故が起こった後で、事故が予測可能だったと考える傾向のことです。事故という特殊なケースをもとに、後知恵バイアスに基づいてわかりやすい原因を見つけ、安易なパッチ当てや部分最適化がなされると、システムは一層不安定になり、新たな事故のリスクとなります。

  次のスライドをごらんください。これまでの方法の限界を踏まえ、これからの医療安全には医療が複雑系であるということを前提としたアプローチが不可欠です。

  左はリニアシステムである自動車の生産ライン、右はある高度救命救急センターの写真です。ここでは1人の患者さんに16人の医療従事者が治療に当たっています。医療がリニアモデルでは制御できないシステムであるということは容易に想像できるかと思います。

  次のスライドです。複雑系の現場では、たった1つのベストの方法などなく、何を優先して何を犠牲にするか、限られた時間、マンパワー、道具で患者さんをどうやって救命するか。不確実性の中で厳しい決断を迫られます。大抵はうまくいきますが、時に失敗します。すなわち、失敗と成功の道筋は同じだということが重要な点です。

  また、結果は因果関係では説明できず、予測も困難です。例えて言うなら株価の日々の変動や大暴落が因果関係では説明できず、予測もできないのと似ています。

  私たちがやるべきことは、システムが安定に柔軟に動作するように制御することです。

  次のスライドをごらんください。この図は、小さなシステムを示しています。六角形で示される人と物、そして、これらがぐにゃぐにゃとした線で相互に連結されてシステムを構成しています。

  例えば医薬品の名称が似通っていて区別しにくいとか、電子カルテ端末がフリーズするとか、年中アラームが鳴り続けているといったシステムのどこかで問題が起こると、芋づる式に線でつながったシステムが不安定になります。機械だとここでストップしますが、人間は頑張ってリカバーしようとして、最後にパフォーマンスの破綻を来すことがあります。

  次のスライドです。人間の臨機応変力に常時依存しないように、現場の最前線よりずっと上流でシステムの最適化を図る必要があると考えています。

  例えば左上、薬の文字情報の出力レベルを上げる。左の写真は筋弛緩剤ですが、毒という字も見えにくいし、ピンクに白地の筋弛緩薬という字も読みにくいです。

  右上、患者と血液製剤との一致確認。これには絶対が求められます。そのためには通信障害やフリーズしない信頼性の高いデバイスが必要です。

  左下、アラーム問題も本物の信号と雑音を区別できるような機器の開発が必要です。これらは一病院や医療従事者の閉じた世界では解決できない問題です。

  これらは土屋文人先生の前回の意見書にありました、物(ぶつ)の問題を何とかしなさいということと同じことです。

  次です。医療安全の向上には、院内事故調査は必要ですが、リスクと限界もあります。これまでたくさんの院内事故調査が行われてきましたが、公正な手続を踏むこと、関係者の利害衝突をコントロールすること、過失判断の呪縛にとらわれないようにすることなど、科学と社会と司法の接点で大変な難しさが経験されています。報告書を書くときには胃に穴があきそうなストレスを感じます。

  再発防止の提言についても、非現実的な理想論もあれば、反省とローカルな問題への当座の対策にとどまるものもあります。例えば生体監視モニターのアラームに気づけないのなら、アラームを看護師のPHSに全部飛ばそうといった対策です。

  さらに、事故調査には院内や院外の診療に携わる医師を初めとする医療従事者のマンパワーも割かれます。したがって、院内事故調査は症例を見極めて、本当に慎重に行う必要があると考えます。

  最後です。たくさん事例を集めたら安全になるというのは私は幻想だと考えています。そこには理論(セオリー)が必要です。一つ一つのケースを丁寧に扱い、複雑系を前提として、サイエンスに基づいて個別の医療機関では対応できない問題に対して、解決策を示し、しかも実際に解決する。ある種の事故は3年後には全くなくなったと言えるような医療事故制度になることを期待しております。

  以上です。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。 大変短時間で非常にわかりやすい御説明をいただいたと思います。

  もし、今の中島参考人の御説明につきまして、御質問等がございましたら、まず、お伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

  どうぞ。

○大磯構成員

 症例を厳選して検討すべきであるということと、センターの機能というは、前回、有賀先生もおっしゃられたように、たくさんの事例を集積して、まとめて具体的な対応策を考えるというのが求められているものなのだろうと思うのです。

  まず、前段の症例を厳選してというところなのですが、私の所属する浜松医科大学は、1県1医大しかなく、医師不足というのも非常に激しいことから、実際に院内事故調査委員会をやるに当たって、例えば循環器の手術で何か問題が起きましたといったときに、外部調査委員として医学的な判断を行えるドクターというのはそんなに数はいないわけです。そういった方たちが県内であったり、場合によっては県外であったりの事故調査に呼ばれて時間を割いているという状況があるのですが、地域における院内事故調査というのは、先生のところでは実際、現場のドクターの負担はどのようになっているか、教えていただけたらと思います。

○中島参考人

 事故調査期間から見ますと、例えば阪大病院で院内のメンバーだけで事故調査を行った場合、報告書の完成までに2.5カ月かかっています。我々のような医療安全を専従で担当している看護師2名、医師2名と、院内の複数の専門家で最優先で対応してそれぐらいかかります。

  複数の外部委員に調査をお願いしますと、非常に複雑なケースということもあり、報告書作成までに5カ月かかっています。すなわち、外部委員の方々はこの間、会議以外にも相当な時間を調査や報告書の作成に費やしているということです。

  診療関連死モデル事業に関しましては、私たちは3件を経験いたしましたけれども、平均16カ月かかっています。この間、本院での調査委員の方々、さらにモデル事業に関わられた先生方の御努力と御苦労は本当に大変なものだったと思っています。それぐらい調査にはマンパワーを要します。

  私たちの病院ですと、例えば1年間にどれぐらいの事故調査に耐えられるかといいますと、1年間に1件程度。もっと正確に言いますと、毎年コンスタントに1件ありますと私たち病院の通常の医療安全の機能が停止いたしますし、協力してくれる診療の現場の方々の業務もパンクしますので、2年に1件、いわゆる1年間に0.5件ぐらいがキャパシティの範囲という印象を持っております。

○大磯構成員

 大阪大学という非常に有名な、日本で5本の指に入るような病院であってもそのレベルまでしか現場では回せないということでよろしいのですね。

○中島参考人

 当該患者さんの治療、ご家族への説明、関係した人達への心のケア、事故調査への協力、そういったことも含めて本当に苦労しながら、関係者一同、最大限の時間を捻出してやっております。

○大磯構成員

 ありがとうございます。

  私も実はきょう、浜松で診療があったのですけれども、それをとめて来ているのです。私の診療は代替がきくかもしれませんが、院内事故調査委員会などで外部で専門家としてコメントを出す先生というのは、実際に重篤な患者さんが診療を待っているのをとめて事故調査に当たっているのだということは、やはり検討しなければいけなくて、一部の構成員の方が、とにかく何でも調査をしたほうがいいことが起きるみたいなことを言っているのはちょっと、もちろん、調査をすること自体はプラスになるかもしれないのですが、それによって生じるマイナスというものをちゃんと考えて、現実に実行可能な範囲内で行うのが望ましいのではないかと思います。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  ほかに御質問等は。

  永井構成員、どうぞ。

○永井構成員

 阪大で1件しかできないというのはびっくりしました。1件以上起こったときにはどうされているのかという疑問もあります。いずれにしましても、この制度は、日本で事故調査をしっかり行い、いかに同じような事故を起こさない再発防止をする。再発防止をセンターでまとめて日本の医療レベルを、質を上げ、安全を高める、そういう大きな目的をずっとやり続けるということです。しかし、現実はできていないのです。

私たちは最初から本当に院内で事故調査ができるのですかという疑問を発しました。しかし、医療界全体が院内でできるとおっしゃったのです。私は事故の原因究明を院内ですることは極めて重要だと思います。事故を起こしたとき、当該の医療機関がその原因を究明することは一番大切なことです。しっかりそれを検証することの重要性を医療安全担当の方々はほとんどわかっているのです。

  それが1件しかできない。1件だけでも、臨床現場は大変なことになるとしたら、どうしてやるか。調査ができないから管理者が事故ではないという判断をされているのか。そんなことをしいるとしたら大変なことにです。

調査する医療事故を定義し、その事故に当てはまる事故調査をどうやったらいいかということは、これからです。日本の医療事故調査の始まりなのです。それを最初からできないからやらない。複数の事故調査をしたら医療現場の疲弊になってしまうというような結論をすぐに出すのは大変問題です。あなたは医療現場をわかっていないからとおっしゃるかもしれませんが、本来の事故調査の目的を達成するために今後どうやっていくか検討し、提案することです。

 阪大のように事故調査について先行している大学病院は率先して事故が起こったことについてしっかり調査する仕組みなり、そういう気構えがないと、1件しかできませんという中島先生のお話は私はがっかりもしました。本当にそんな状況で阪大が事故調査を取り組んでおられるのか、私は疑問に思っています。

○山本(和)座長

 御意見かと思いますが、もし、中島先生、何かコメントを。

○中島参考人

 1件と申し上げましたのは、1件しかやらないという意味ではなく、過去10年間に、院内調査委員会を設置したものを単純に割り算しますと1年間に1.7件になります。これまで現場から報告されたインシデントレポートや有害事象は、約4万2,000件ありますが、緊急の検討会議も含めて迅速に病院の組織横断的なピアレビューを行い、医学的な検証結果に基づいて、患者さんや御家族への対応や再発防止等をきちんとやってまいりました。

  その中で、院内事故調査委員会を設置しなければならないと判断したものが、先ほどの件数です。もちろん多い年は3件あったり、2件あったりして、そのような年は私たちの部門の通常の安全推進機能はほとんどストップしましたし、院内の専門家に調査委員として協力を依頼するのも非常に難しい状況でした。つまり、最大限の努力をして行ってきた事故調査委員会の件数が結果としてそうだったということでございます。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  まだ御質問あるかもしれませんが。

  では、堺構成員、どうぞ。

○堺構成員

 中島先生は非常に正直におっしゃったと思うのです。だから、やっていないということではなくて、随分努力されていると思うのですけれども、きょう、せっかく橋本政務官もいらっしゃるので、中島先生のほうから例えば今回、こういう制度をつくるに当たって、政府なり行政にぜひこういうことを手当してほしいというお考えなり御要望なりあったら、ぜひお聞かせ願いたいと思うのですが。

○中島参考人

 大学病院でも医療安全を担当する医師が配置されているとは限りませんし、医療安全をサイエンスとして扱う講座もほとんどなく、現場ではいろいろな人達が、本来業務に加えて兼務し、限られたリソースの中で、大変苦労しながら医療を安全にしようと努力しています。医療安全のための人材育成や、現場の安全対策1つとっても、大変費用がかかるということがございます。

  この医療安全の問題が厚生労働省で議論を始められて随分立ちますけれども、平成17年に書かれた医療安全対策検討会議の文書に、人と予算を手当てすることとありますように、実際にやっていただきたいと思います。

  かつ、冒頭に御紹介しましたように医療事故等に関して国や中央機関に報告する制度はすでにいくつも作られています。医療現場からはそこにたくさんの報告が出されています。国は医療を安全にするというアウトカムを出していただきたいと思います。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  政務官にもよろしくお願いいたします。

  それでは、御意見でしょうか。中島先生への御質問でしょうか。

○永井構成員

 今、せっかく政務官にというお話しがありましたので、今回の第三者機関が公的ではなく民間であることです。事故調査制度が継続できるための財政問題を私どもも大変気にしています。事故調査をすることもある意味では診療の延長として、何かの財政を確保できるような仕組みを医療界としても考えていただきたい。医療機関の方々が事故調査をしたり、安全向上に対する金や人をかける余裕もないといわれることは事実だと思います。それらの問題をどうやって解決していくか。この制度発足とともに、先ほどの教育問題とともに財政の問題もぜひ提言していっていただきたいという思いです。医療界の皆さん方は本当に御苦労しながら医療に従事されていることも分かっているつもりです。

○山本(和)座長

 ありがとうございます。

  この検討会の一致した思いだと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

  中島先生、お忙しいところ、どうもありがとうございました。

  それでは、今の中島先生の御意見も踏まえまして、先ほど御説明のあった資料3−1についての御検討をお願いしたいと思います。これは前回もかなり御議論をいただいて、皆さんからいただいた御意見も踏まえて、かなりリファインされてきているのではないかと思いますが、さらに御意見がございましたら、お伺いしたいと思います。どの点でも結構です。

  加藤構成員、どうぞ。

○加藤構成員

 資料3−1の4ページの「通知(イメージ)」のところに「調査については当該医療従事者を除外しないこと」と書いてあるのは、当該医療従事者からヒアリングをきちんとすることという理解でよろしいですねという確認です。

  要するに、医療事故の調査そのものに医療事故の当該医療従事者が委員としてかかわるというのは中立性に欠けることになりますし、客観的にも適切ではない。それは当たり前のことです。今日配布された「構成員提出資料」の19ページの真ん中あたりに書かせていただきました。公正にきちっと事故調査がなされるということがまず大事だろうと考えてのことであります。

  もう一つ、省令のところに関連して、今日配布された「構成員提出資料」の18ページのところで「医療事故調査委員会における調査の項目」については「臨床経過」「原因分析」「診療行為の医学的評価」「再発防止策」という4項目は省令の中にきちっと書き込んでおかないといけないと考え、その趣旨を書いておきました。

  先ほどの、政務官がいらっしゃるのでということに追加しますと、今の資料の19ページに、「各医療機関が院内で医療事故調査を適切に実行するためにはコストがかかる。これは、法に基づく医療の安全の確保のために必要なコストであるから、国は院内医療事故調査に関しても、財政上の手当を講じなければならない」と書かせていただきました。ぜひ、橋本政務官のほうでも御検討いただきたいということでございます。よろしくお願いします。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  第2点は御意見だったかと思いますが、第1点についてはこの趣旨についての御質問だったと思います。加藤構成員の言われるとおりだと思いますが、事務局のほうからよろしくお願いします。

○大坪医療安全推進室長

 前回の検討会でも、当該医療従事者からもきちんと話を聞いてほしいという御意見があったかと思って書かせていただいております。

○山本(和)座長

 それでは、ほかに御意見があれば。

  どうぞ。

○柳原構成員

 資料の6ページ、遺族への説明事項についての「省令(イメージ)」の一番下のところに「現場医療者など関係者について匿名化する」と書いてありますけれども、これはいろいろ御意見あろうかと思いますが、私自身、医療事故で父を失い、私自身も医療過誤の被害に遭った本人の体験から言うと、現場医療者などの関係者を匿名化するのは逆効果のような気がします。特に、本人、家族、医療者というのはある程度顔も見えていますし、名前もはっきりわかっているので、ここで匿名化することでかえって溝が深まるのではないか。匿名化する必要が全くないような気がします。

  私の場合は、一度目の父のときには、父は亡くなっていますけれども、医療者とこちらとの、言った言わない、聞いた聞かないの論争がすごくて、最終的に6年間の裁判ということになってしまいました。

  でも、私の事件のときには、逆に医療者が、患者側に医師の内情、地域医療の内情を全てをオープンにし、誰が医療にかかわって、どこでどういうミスが起こったかということを全部説明してくださったのです。そして、さらに、あなたの事例を絶対に無駄にしない、だから、再発防止のために今、こういう取り組みを病院でしているということを全て明らかにしてくださいました。そのことによって、私は今まで本当に医療者に対してすごく心が固まっていたのですが、そこで解きほぐされて、今は逆に医師を応援したいという気持ちにまでなりました。

  ですから、ここで変に、遺族に対しては匿名化とかカルテを一部しか見せないとか、そういうことはせずに、できるだけオープンに人間関係をきっちりと築き上げて、最終的に調査報告の結果を開示していくほうがスマートでよいかと思いますが、いかがでしょうか。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  宮澤構成員、どうぞ。

○宮澤構成員

 同じ6ページの部分なのですけれども「遺族への説明方法について」今の御発言と関連するかと思うのですが、方法に関しては口頭又は書面という形で書かれていますけれども、これは書面という形に統一した上で、口頭の説明を加えるという形にすべきかと思います。それは、今まで申し上げてきたことなのですけれども、医学、医療というのは専門的な内容のことですから、遺族が口頭で聞いただけではその場で十分理解ができるとは到底思えない。その意味では、出すべき報告書をそのまま交付した上で説明するというのが適切であろうと考えています。

  もう一つ、これは前回の議論でもちょっとあったことなのですけれども、全部書面を渡すことに関して何らかのちゅうちょがあると。それは前回、大磯構成員のほうから刑事手続4%という御発言があったので、そのことも関連しているのではないかと思います。

  大磯構成員に質問なのですが、4%というのは医療の質・安全学会で出てこられたということなのですが、発表者が実際に数字を上げられましたかというのが第1点。

  このもともとの数字というのはインターネットでの文献検索とか、そういうネット上の検索が主になっていて、そういう数字というのは大きな偏りがあるのではないかと考えているのですが、その点、大磯構成員はどのようにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。

○山本(和)座長

 大磯構成員、もし今、直ちにお答えできれば。

○大磯構成員

 ちょっとだけ待っていただいて回答でよろしいですか。済みません。

○山本(和)座長

 わかりました。お考えになられます。

  小田原構成員、どうぞ。

○小田原構成員

 6ページに行ってしまったのですが、その前はオーケーということでしょうか。

○山本(和)座長

 どの部分についても御議論いただいて結構です。

○小田原構成員

 前のほうからいきまして、まず、4ページについてはおおむね妥当かなと思いましたので、4ページを前提で多分、皆さん話が6ページに飛んだのかなと思いました。

  5ページについても、細かいことを言うと気になるとこもないではありませんが、おおむね全体としてはいい案ができているのではないかと思っておりますので、それを前提に6ページということで。

○山本(和)座長

 田邉構成員、どうぞ。

○田邉構成員

 私、意見書のほうでも出させていただいたのですけれども、再発防止案について、加藤構成員がおっしゃったように、任意的にしても書く欄がはっきりあって、書かなければいけないということになるのは必ずしも適切ではないと思います。やはり再発防止ということを書きますと、先ほど中島参考人から御説明いただきましたように、まだまだ複雑系への理解が不十分な中で犯人探しといった形で書かれることが多い。それがひいてはいろいろな問題、紛争につながる可能性があると考えるからであります。

  もう一つ、これは非常に大事なことなのですけれども、本当に大事なことは、先ほど中島参考人が御説明くださいました資料の10ページなのですけれども、既に医薬品・医療機器等安全性情報報告制度とか、消費者庁とか、直接アクションを起こせる立場のところへの報告システムというのがはっきりあるわけです。こういったところにまず、報告するのが大事でありまして、さらに、受けたところは必要なことはすぐさま行動に移す。

  今回の事故センターのたてつけは今、議論しておるところでございますが、民間の機関であって、国の委託事業といったことでもないわけですね。だから、それがどういう形で全医療機関に適切な形で情報伝達されるかどうかというのは全くわからない話なのでございます。そういったことよりも既存にはっきりとしたこういう制度があるわけですから、これらを利用して、行政庁のほうから比較的はっきりした、例えば製薬業界であるとか医療機器業界に指導権限もあるわけですから、そういった形で伝わるように報告するほうがより医療安全につながるのではないかと思いますし、知らない医療機関も多いと思うので、通知その他にお書きになるのであれば、こういったところへ報告していただくのが適切ですよという案内をはっきり明確に書いていただく方が、より医療安全に資するのではないかと思います。

○山本(和)座長

 田邉構成員の御意見としては、そうすると、この案にある再発防止策の取り扱い、4ページでは「可能な限り調査の中で検討することが望ましい」とされ、あるいは5ページでは報告の内容として「管理者が検討した再発防止策の検討結果については記載する」と書いていますが、これについては御反対と理解していいですか。

○田邉構成員

 記載はしなくて、重要な再発防止についての提言がおありでしたら、こういう制度があるのでこちらへぜひ御報告くださいと、そのほうがより実効的、迅速に対応できるわけですから、それを明示していただいたほうがよりよいのではないかと思います。

○山本(和)座長

 それでは、今、大磯構成員の御回答を。

○大磯構成員

 済みません、宮澤先生への回答ですけれども、発表があった後に研究者の先生に声をかけまして、スライド資料をいただけないかということで、いただいた資料の中には4%という文字は入っていました。

  ただ、いただいた資料を現場で投影したかどうかに関しては私も記憶の限りではないので、発表資料だとしていただいた資料の中には4%という表記はあったということだけ回答させていただきたいこと。

  あと、それに関連してなのですけれども、まず第1点目で、永井構成員の提出資料で、その点に関して全く根拠がないという誹謗中傷が書かれているのですが、今、申し上げたとおり、このような形で資料がございますので、全く根拠がないということはないのだということは御理解いただきたいですし、それに関しては撤回していただかないと問題があるのではないかということ。

  2点目として、これは小田原構成員の資料の8ページの一番下、マル4に書かれておりますように、報告書に個別の再発防止策、原因究明、医学的評価というものを記載すると、名古屋では、加藤先生がいらっしゃるところですけれども、事故調査報告書を患者側が損害賠償の請求書に添付して請求する例もあるということで、報告書がこのような形で悪用されている現実があるのだと。それは別に名古屋だけの事例ではなくて東京でも同じようなことは起きておりますので、したがって、原因分析であったり、再発防止を検討することはやぶさかではないものの、報告事項に関してそのようなものを記載し、また、書面を交付することは、実際に実例があることから鑑みても紛争化を招くことであり、不適切ではないかと考えます。

○山本(和)座長

 では、永井構成員、どうぞ。

○永井構成員

 誹謗中傷というお話がありました。大磯構成員がモデル事業と産科無過失補償の事故調査報告書により刑事訴追されたという間違った表現をされているから私は意見書を提出しました。2つの報告書が個人責任を問う内容になっていたから刑事訴訟に至っているというような表現をされ、その後も他の構成員も同じような表現をずっと続けました。前回検討会の最後に大磯構成員は4%の中にモデル事業と産科無過失補償以外のものも入っていますとおっしゃいました。しかし、モデル事業と産科無過失補償では刑事訴追されたものは一切ないのです。その表現が全く訂正されていないのです。

  全国にどのぐらい医療事故調査報告書があるか知りません。インターネットで調査できた報告書の中に4%の刑事訴追があったという学会で発表されたものの中にモデル事業と産科補償報告書によって刑事訴追されたという表現をされたから、私は問題視したのです。

○山本(和)座長

 その点につきましては、この場で御議論いただくのもどうかと思いますので。

○永井構成員

 私の見解はそういうことです。

○田邉構成員

49ページにあるのですけれども、永井構成員が出された医療安全調査機構の報告書で「刑事訴追された事例はない」お書きになっているのです。訴追というと通常は起訴ですね。起訴という段階に至らなくても、被害者というか御遺族の方が警察に相談に行かれて、そうしますと、カルテを任意提出してくださいと、任提領置手続というのが入ります。ちょっと話を伺いたいのですがということで、任意同行で事情聴取をします。こういうのははっきり刑事手続なのです。受ける側の医療者にとってみたら、警察の人に話を聞かれた、カルテを警察に持っていかれたというのは刑事訴追の段階になっていなくても、立派に警察沙汰になったという認識になりますので、ほとんどの医師とか医療者はそういったことで、仮に嫌疑不十分なり、やむを得ない事故だということで、調査報告書で生きるかもしれません。無罪放免ということになったとしても、そういったことで扱われることに対して懸念があるということは御理解いただきたいと思うのです。ですから、訴追だけの問題ではないということです。

○山本(和)座長

 ありがとうございます。

  申しわけありません。省令、通知の内容についての御議論をお願いしたいと思います。

  松原構成員、どうぞ。

○松原構成員

 刑事訴追の問題は大変難しゅうございますので、まだ議論があると思いますが、私はこの省令を今回、提示していただいて、見たところ、まず、4ページについては非常にいろんなことが考えられて、適切だと思います。

  6ページについても「『センターへの報告事項』の内容を説明すること」とあります。これについて、先ほどの柳原委員のご意見ですと、ここに担当者の名前を書いて、センターの報告書だけ匿名化すると非常におかしくなります。目の前にいる医者が担当者であったのははっきりしていますから、そこのところだけ譲っていただいて、地域医療のために最終的にはこの制度がうまく回るようにと考えておりますので、御理解賜ればと思います。

  問題は、5ページのところなのですが、センターの仕事として、最終的に分析をして、また、再発防止策をつくらねばならないというのは法律で決まっております。問題は、法律の中で6条の11は、つまり、病院の管理者がやらねばならないことは、医療事故調査が終わったらその結果を遅滞なくセンターに報告しなければならないとなっております。その内容がどのようなことなのかということで、大変これまた議論があるのですが、先ほど申しましたように、分析と再発防止というのは非常に難しゅうございます。

  ただ、私の個人的な意見としては、再発防止策があれもある、これもある、これもあったというやり方だと非常に間違ったデータが入りますので、例えば薬の間名前がAとBが非常によく似ていたと。これについて当然、報告する制度がございますので、速やかに、つまり、患者さんのためにも、とにかく二度と起きないためにもわかってできることは速やかにやる。それはもちろん、医療の安全の委員会でも議論すればすぐに病院の中でわかることでありますので、そういった実際に行えたことについて、すみやかにやっているということについて、例えば管理者が実行した再発防止については記載する、つまり、確定して間違いないということについては、早目に患者さんのためにもやるべきことだと思います。

  ただ、問題は分析ですけれども、我々医療界、医師は、ああではなかったか、こうではなかったか、こうすればよかった、ああすればよかったというのを考えるのが習慣的にありますし、それが私たちの義務でもあると思います。ただ、ああしたらよかった、こうしたらよかったというのを全部書きますと、もちろん、勤務の先生方が大変心配されているようにいろんなことが起きると思いますので、分析という言葉ではなくて、もっとシンプルに、分析した結果を書く。センターで専門的におやりになることは法律で決まっております。院内調査の表記で不確定な事を書くと、恐らく現場では大変な問題が起きると思いますので、御理解賜りたいと思います。

  ただ、法律で、調査したら結果を出して、報告しなければならない。つまり、報告義務がございますので、それについては何らかの表現をして、間違いのないことについては明らかになるようにすべきだと思います。ただ、先ほども申しましたように、不確定で、ああではなかったかという類推の範囲のものは大変難しゅうございますので、そのあたりの判断をお願いし、厚労省で文章にしていただけたらと思います。

○山本(和)座長

 今、松原構成員の御意見は、この原因分析という言葉が少しという感じが、もう少しうまくというか。

○松原構成員

 分析しますと、分析の内容は多岐にわたりますので、もう少しきっちりと、エビデンスがはっきりして、これは間違いないというものを報告できるような書きぶりにしていただきたい。再発防止策についても、ああではないか、こうではないかではなくて、むしろこうだからこれをやったのだと、それが一番国民にとって大事なことですので、対策を速やかにできるような書きぶりにしていただきたいというのが私の個人的見解です。

○山本(和)座長

 土屋構成員、どうぞ。

○土屋構成員

 先ほど、誤解があるといけませんので、田邉構成員から医薬品のことは安全性情報報告制度で賄えるみたいな話がございましたが、この医薬品・医療機器等安全性情報報告制度というのは、あくまで医薬品の副作用とか、感染症あるいは医療機器の不具合を報告することを目的としているものでありまして、例えば誤薬をしたとか、そういう話の報告対象ではございませんので、そこのところは御理解いただければと思います。

  あと、実は医療機関における調査でありますが、私は単純な事故ほど調査をきちんとしないといけないのではないかという気がするのです。例えば薬剤というのは、はっきり言いまして原因があって、結果もはっきりしているのです。しかし、この原因があってこの結果だからといって調査が単純に終わってしまいますと、それは再発防止には何もならないといいますか、余りにはっきりしているものですから。しかし、そこで一体環境としてどういうことがあったのかとか、そういうことをきちんと調査をしておかないと、再発防止ということからいうと、ただ単に行為を起こした人だけの責任ということで、単純な事故ほどそうなりやすい、そう判断されやすい。そこは少し問題がありますので、そういうことをきちんとやる。いわゆるここに書かれた調査方法のところを、単純だからといったカットしないといいますか、そういう丁寧な調査を行うということは、医療機関がやっておかないといけないことではないかと思います。

  ついででございますが、政務官がいらっしゃいますのであれですが、先ほど、平成17年の今後の医療安全対策というものをワーキングで報告書を出しました。そのときに、実は医療安全対策会議はそれに対して3項目付記をつけて、医政局長に報告をしているのです。その3番目に、国及び都道府県はということで、精神論で終わらせずに、財源と人材の確保を図れということがその付記には書いてございますので、ぜひそこのところは重要視していただきたいなという気がいたします。

  以上でございます。

○山本(和)座長

 そろそろ時間が既に超過しておりますけれども、河野構成員、どうぞ。

○河野構成員

 事故調査の話ですが、やはり調査が一番大事だということなのです。事実把握が一番大事だということです。

  そう考えますと、ここに書いてある、あえて医療従事者からヒアリングするとか、遺族の方からもヒアリングするとか、これは当たり前の話なのですね。

  さらに、調査の段階では、医療従事者の証言そのものにも疑問を持ちます。記憶変容とか記憶の違いとかありますから。ところが、刑法の捜査になると自白が非常に重視されます。

  私の意見は27ページに書いてあります。しょせん我々ができることは、原因究明は推定でしかあり得ない。プロバブル・コーズ(probable cause)でしかないのです。ポッシブル・コーズ(possible cause)を考えたら幾らでもあるのです。いろいろ調査をしてもしょせんプロバブル・コーズなのです。だから、事実にどうやって攻めていくのかという、まさに方法論がすごく大事で、そのためには調査をきちっとやる制度をきちっと確立することです。そのためにはロジスティックが大事だと私は思うのです。

  それから、ベストな制度は不可能なので、ベターを目指して少しずつ改善していくということがすごく大事ではないかと思うのです。それを目指すために我々は何ができるかをそれぞれが考えることが重要なのです。再発防止を考えるときに、病院レベル、個人レベル、もちろん、かかわった行為者本人もすごく反省しているのですから、それぞれのレベルでの対策をきちんと書いて実施することが重要です。医薬品の問題もありますので業界レベルもあり、総合的に考えていくと、国民レベルの安全をどう上げるのかということになります。

  そうなると、当然、対策の中には患者の義務も出てくると思います。そういうものをきちっと再発防止の中に書いていくことがすごく大事ではないかと思います。

  以上です。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  ほかに。

  では、有賀構成員、どうぞ。

○有賀構成員

 この間、いろんな先生方が発言されたことをこの資料にフィードバックする形で発言したいと思います。

  宮澤先生が6ページの報告書を持って云々とおっしゃいましたけれども、私たちの病院の状況からみますと、阪大のほうはどちらかというとストイックに報告書をきちんとつくるということで相当程度に大変な作業をこなして来たと思いますが、私たちはいわゆる報告書という形でつくる場合もありましたが、そうでない場合もあります。議論のプロセスで患者さんの御家族に説明していくということが、つまり調査の途中で行うこともありますし、調査の結果でまた説明していくこともあります。これらは医療の一環であると考えていますので、医療の一環という意味においては例えばカルテに忠実に説明したことや何やらみんな書いておくということも含めて、患者ないし御遺族と医療者との信頼関係をそのまま続けるという観点でやってきているわけです。

  ですから、ここで遺族への説明については口頭または書面の適切な方法を管理者が判断するという、これは残しておいていただかないと、現場が大変に逆に混乱します。ルールをつくればそれですっきりするではないかとおっしゃるのは、全くそうではなくて、相当程度のものを残しておいていただかないと困ります。私は医療安全管理者まで入れると10年以上のキャリアがございますけれども、そのようにしてやってきましたので、ぜひこの部分はこのまま残していただきたいというのが希望であります。

○山本(和)座長

 既に若干と言っていた延長の期限を超えつつありますが、豊田構成員、簡略にお願いします。

○豊田構成員

 皆さんの意見を聞かせていただいて、私もすごく参考になっているのですけれども、河野構成員がおっしゃるように、私も実際、実務でやっている立場として、両当事者のヒアリングは非常に大事だと思っています。私も、わざわざ書かなくてもいいのではないかと思うぐらい当然のことだと思っています。

  実際に、例えば遺族に説明をする際に、遺族が知りたいことを一つも調べていないということになると、何のための調査だという話にまた戻ってきてしまい、もともと紛争と切り離しているといっても、わざわざそこにつなげることは避けたほうがいいと思いますので、それは両当事者の考えを聞く、遺族も含めたヒアリングが非常に大事だと思っています。

  再発防止に関しては、患者家族、遺族は、最初はすぐには再発防止のことまで考えられませんけれども、時間の経過とともに再発防止をしてほしい、同じことが起こらないようにと必ず願うようになることは皆さん、御承知のとおりだと思いますが、やはり病院内で自分たちでしっかり検討して、対策を立てるというのは非常に大事なことなので、私たちはそこに期待したいという気持ちが強くあります。

  実際に検討しても、防止策がなかったということもあるかもしれませんが、先ほど柳原構成員がおっしゃいましたように、しっかり調査してくれて、病院が何をどうしたかということをしっかり伝えてくれた、報告してくれたということで、すごく気持ちが受け入れられたというお話だったと思いますが、再発防止については、調査したり、分析したりするときに、どんな医療者でも必ずどうしたらいいかと、言われなくても考えると思うのです。ですから、そこで考えられたことは意見を出して、何かにまとめていくのは大切なことですから、むしろ、報告書にその項目があって、検討したのだけれども、今の段階では方策が見当たらなかったということを残しておいていただく。その後、病院の中で医療安全の会議等で引き続きやっていきますよということを載せることが非常に大事だと思いますので、むしろ取りかかろうとしていない姿勢のほうが不信感になってしまうと思いますので、そういった意味で、私は何か形にしたものを遺族に提出していただきたいと願っています。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  時間が既に超過しておりますので、恐縮ですが、この問題は引き続き御議論いただきますが、本日のところ、私の理解したところではきょう御提示いただいた文章については、かなりの程度の御意見の一致があるのではないかと思いました。

  ただ、原因分析、再発防止という点については、そういう形で調査の中身としてそういうことをやるということ、それを検討するということについてはおおむね異論はないのではないかと思いますが、それを報告の形でどのような形で表記するのか、必ず表記しなければならないのか、あるいはむしろ表記すべきではないという御意見もあったかと思いますが、そのあたりは前回からですが、引き続き御意見の違いというものが残っているような印象を受けました。

  そのほか、説明方法とか説明事項についても、若干の御意見があったかと思いますが、なお残された部分については今後も引き続き、この点を検討の対象にしていきたいと思いますが、本日のところはその程度のまとめでいかがでしょうか。

  どうしてもということであれば、小田原構成員、どうぞ。

○小田原構成員

 一言。済みません、4ページ、5ページのPのところについては、先ほど松原先生が説明されましたが、全面的に賛成でございます。私どもも院内の安全委員会で再発防止するという話をしています。

  ただ、ここでこういうルートについては前回、緊急を要する、例えば類似薬であるとか、コンセントが合わないとかという不具合によって起こった事故、急ぐものについては出したほうがいいのではないかということで、私も実は賛成して、そういうのはあるねということで出しましたので、書きぶりとしてはこれでもいいのかなと思ったところです。

  ただ、1点、事務局に、今、お話いただかなくても結構なのですが、言った後で疑問を持ったところが1点あります。

  緊急にそのようなものを今回、届けて、これが例えば類似薬の病名変更あるいは不具合の補正にすぐに結びつくのであろうか?この組織から考えて、むしろ、現行のいわゆる副作用情報センターであるとか、あるいは今の医療機能評価機構等の従来の機構のほうがまだ直接的に機能するのではないかと後で思い直しましたので、ちょっとここについては本当にそこに出すのが早く結果が出るのか?出るほうに持っていくべきだと思いましたので、最後、済みません、追加させていただきます。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  それでは、今の御指摘の点も踏まえて、引き続き検討をしたいと思います。

  本日は、私の不手際で資料3−2は全く手つかずになってしまいましたが、もちろん、これにつきましても次回の御議論で取り上げたいと思います。次回は、そういう意味では本日積み残し、あるいは御議論の相違があった点、医療事故発生時の報告の問題はきょうは取り上げませんでしたが、なお、前回、意見が違った点というのもあったかと思いますが、そういった点も含めて、次回の会議で御議論をいただきたいと思います。

  それでは、次回の日程につきまして、事務局のほうから御説明をお願いします。

○田上医療安全推進室長補佐

 本日はありがとうございました。

  次回は2月5日木曜日、16時より予定をしております。場所と詳細については追って御連絡をさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○山本(和)座長

 本日は、大変に時間を超過して申しわけありませんでした。それでは、本日はこれで終了したいと思います。どうもありがとうございました。


(了)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 医政局が実施する検討会等 > 医療事故調査制度の施行に係る検討会 > 第4回 医療事故調査制度の施行に係る検討会 議事録(2015年1月14日)

ページの先頭へ戻る