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2014年12月12日 第46回 がん対策推進協議会(議事録)

健康局がん対策・健康増進課

○日時

平成26年12月12日(金)15:00〜17:00


○場所

三田共用会議所大会議室(3階)
(東京都港区三田二丁目1番8号)


○議題

(1)今後のがん対策の方向性について
(2)がん対策推進基本計画の中間評価について
(3)その他

○議事

○江副がん対策推進官 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第46回「がん対策推進協議会」を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 まず、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。

 本日は、大江委員、佐々木委員、中川委員より御欠席の連絡をいただいております。

 また、川本委員より少しおくれると御連絡をいただいております。

 また、本日は3名の参考人を招へいしております。

国立がん研究センターがん対策情報センター長の若尾文彦参考人です。

○若尾参考人 若尾です。よろしくお願いいたします。

○江副がん対策推進官 同じく国立がん研究センターがん対策情報センターがん医療支援研究部長の加藤雅志参考人です。

○加藤参考人 加藤です。よろしくお願いします。

○江副がん対策推進官 なお、聖マリアンナ医科大学産婦人科学教授の鈴木直参考人におかれましては、おくれて御到着される予定でございます。

それでは、以後の進行は門田会長によろしくお願いいたします。

○門田会長 皆さん、こんにちは。本日もどうぞよろしくお願いしたいと思います。

では、最初に、事務局より資料の確認をお願いしたいと思います。よろしく。

○江副がん対策推進官 それでは、資料の確認をさせていただきます。

 資料1、がん対策推進協議会委員名簿。

 資料2−1、策定指標測定の進捗について。

 それから、資料2−2が資料2となってございますが、失礼いたしました。調査に関する資料。

 それから、資料3−1、緩和ケアの評価進捗状況。

それから、資料3−2、がん対策進捗管理指標「緩和ケア分野」。

 資料3−3、緩和ケア医療者調査。

資料4、厚生労働科学研究(細川班)経過報告資料。

 資料5、がん対策推進基本計画中間評価報告書骨子。

 資料6、取り組むべき施策の実施状況について。

 資料7、若いがん患者に対するがん・生殖医療及び緩和ケアに関する意見書。

 資料8、若年がん患者のQOL向上を志向したがん・生殖医療の実践。

 資料9−1、「今後のがん対策の方向性」についての検討状況

 資料9−2、「今後のがん対策の方向性」とりまとめ骨子案。

 資料10、がん対策における番号制度の活用に関する意見書。

 それから、参考資料1、がん対策推進基本計画中間報告書。

 参考資料2、がん対策推進基本計画となってございます。

 資料に不足・落丁等ございましたら、事務局までお申し出いただければと思います。

○門田会長 いかがですか。皆さん、問題ございませんか。

資料に問題がないようでしたら、早速議事に入りたいと思います。

それでは、議題の1番目、「がん対策推進基本計画の中間評価について」に入ります。

前回は若尾参考人から、がんの予防、がんの早期発見に関する指標と、国民健康栄養調査に基づく調査データを発表していただいております。

本日は、中間評価に関連する3つの研究班からの現在までの進捗状況を御発表いただくことにして、その後、中間評価報告書のまとめ方について骨子案を示していただくということで、この議題1を進めていきたいと思います。

全ての報告をいただいてから質疑を行いたいと思いますので、それでは、まず最初に、若尾参考人、よろしくお願いします。

○若尾参考人 どうもありがとうございます。それでは、私から、資料2−1と資料2−2を使いまして、私どもの班の研究の進捗について御報告いたします。

 まず、1ページめくってください。資料2−1の2ページです。これは毎回出しているものですが、私どもの班は、3つの班のうち、一番左側に位置しまして、分野別施策を対象とした協議会委員と専門家の総意による分野別施策の指標の策定、それから、全体目標の評価方法の確立、それから、既存の指標に対して収集し公表するという3つの活動を行っています。今、門田会長から御説明いただいたように、前回は予防・検診指標について御報告し、その前、44回には策定指標と基本計画の関係性について、43回には策定指標の報告をさせていただきました。本日の前半の資料はほぼ43回のものをアレンジしたものとなっています。

 次のページをごらんになってください。これは43回にお示ししたものなのですが、分野別施策につきまして、デルファイ法で多くの研究協力者の方の意見をいただきまして、こちらにあります91の指標を取りまとめました。もともと分野別施策という分野はあるのですが、それを医療分野、研究開発分野、社会分野に分けております。そちらで各指標を策定していただいたところです。

 資料を進めて4ページです。その指標の情報源です。この資料も4月にお示ししたものとほぼ同じなのですが、拠点病院調査、あるいは今の拠点病院の現況報告書、拠点以外の医療施設調査、患者診療体験調査、院内がん討論/DPC/レセプト、PMDAのデータ、独自の問い合わせ、遺族調査などを情報源としています。

このうち、右側に矢印がついておりますが、拠点病院の調査につきましては、厚生労働省で毎年行っていただいています拠点病院の現況報告書に追加していただきました。

それと、2つ目にあります現況報告書の部分はそのまま採用していただいて、ここから指標の継続を行うことを想定しております。

それから、4番目の患者診療体験調査は分野別施策から出たものなのですが、この中で患者体験調査をソースとするものが14項目ありまして、これはこの次に述べます全体目標からつくりました患者体験調査の項目に追加しております。

それと、一番下にあります遺族調査は、これは難しいだろうということで想定していたのですが、ちょうど、がん研究センター研究開発費の研究班、木下班で遺族調査を行うということで、うまくそちらの調査に乗せていただくよう、今、調整をしているところです。

次のスライドをごらんになってください。こちらは全体目標をその要素に分けていって、そこから患者体験調査の項目をつくったという、これも4月に報告したものです。全体で6つのカテゴリーで19の項目について抽出がされました。その後の対応としまして、この19の質問につきまして4月に報告したのですが、実際に質問票の作成を行いました。質問票の作成としましては、こちらの調査につきまして、国立がん研究センターがん対策情報センターの患者・市民パネルの患者さん、家族の方々に、こちらでつくりました質問票について御意見を伺っております。

そのやり方としましては、まず11名の方に仮の質問票案を見ていただいて、わかりにくいところ、あるいは患者さんにとってつらいことなどないだろうかということで見ていただきまして、それで改修をいたしました。改修版について、残りのパネルの方々86名に実際に答えていただきまして、86名のうち40名の方にリテストを行っていただいて、回答のぶれがないかなどを確認した上で最終の質問票を固めております。

固まりました質問票が、本日の資料2−2の2ページに別添資料1「患者体験調査のお願い」ということで出させていただいております。一番頭の鏡のところに、がん対策基本法ができて7年たち、基本計画の評価をするために、現状の患者さんの状況を確認させていただくということを書かせていただいております。患者さんにとって非常につらい思いをまた呼び起こしてしまう可能性もあるのですが、ぜひ国のがん対策を推進するために御協力をお願いしたいという形でつくらせていただきました。

アンケート調査が5ページ以降で、背景をお聞きした後、6ページ、がんと診断されてから、治療、その後についてお尋ねしますというところで、また、7ページに行っていただきまして、問12、御自身が納得いく治療を選択することができたか、あるいは1314などでは、診療を受けているときに生活上の留意点などについて医療機関から情報を得られたか、あるいは、診療所、訪問看護ステーションなどへ円滑に情報が引き継がれたかということをお聞きしています。

それから、次の8ページにつきましては、40歳未満の方にお尋ねしております。若い方の、特に妊孕性なども含めた質問ということです。ただ、40というのはアンケート上の区切りを示したもので、医学的な意味ではございません。ここの部分は40歳以下の方に、1617ということでお聞きしております。予防・温存の具体的な説明を受けたなどについて聞いております。

17でまた普通のものに戻りまして、医療スタッフが十分に連携していたか、あるいは治療スケジュールの見通しなどについて報告していただいたか。

次の9ページへ行きまして、退院後の生活の見通しについて情報が得られたか、治療費の負担が原因でがんの治療を変更・断念したことがあるかなどを聞いております。

その下の9ページの問2425あたりでは、がんとお仕事の関係について伺っております。

それから、少し飛ばしまして、12ページ、ちょっと誤植がありますが、34では、相談支援センターについての質問。

それから、その下側で、患者さん本人のみの質問になりますが、35以降、日常生活を送るに必要な情報が得られたか、あるいは患者として尊重されたと思われたか、家族から不必要に気を使われていると感じたかということを書いております。

最後の13ページでは、周りの方から気を使われたか、あるいは周囲の方からがんに関する偏見を感じたか、家族に負担をかけていると感じたかなどのものがありまして、最後の42のあたりでは、これまで受けた治療に納得しているか、支援に納得しているかということがあります。

44のところに質問が3つありますが、これは、この後に説明があります加藤部長の研究班からの緩和ケアに関する質問をここに入れております。体の苦痛があるか、痛みがあるか、気持ちがつらいかという質問を入れて、ここで患者さんの質問は終わりで、その次の15ページ以降につきましては、がんと診断されたことがない方にもこの質問票をお送りしておりますので、その方の質問となっております。このような形で患者質問票ができました。

戻りまして、資料2−1の6ページをごらんになってください。現況報告書につきましては、先ほど述べましたとおり、分野別施策から出てきた項目について、新たな項目を作成しました。それを厚生労働省がん対策・健康増進課にお願いしまして、27年度の現況報告書書式に追加するようお願いいたしました。その新しい書式の現況報告書が都道府県に発出されて、1030日を期限ということで都道府県から厚生労働省に提出していただいているところです。12月8日の時点で我々のところにいただいたものが45とありますが、44道府県の現況報告書をいただきまして、現在、手元にあるものについて集計を始めているところでございます。

具体的な現況報告書で新たに追加した項目につきましては、資料2−2の20ページ、別添資料2に、細かいプリントとなりますが、指標に関して、新たに現況報告書に加えられた項目として追加させていただいています。例えば、10bで化学療法のレジメンを公開している拠点病院の割合とか、あるいは、拠点病院におけるクリティカルパスのバリアンス分析の実施状況、それから、18bでは、がん告知や余命告知のための研修を実施しているかどうか。18dでは、若年患者の妊孕性温存処置ができる、または他施設に紹介している拠点病院の割合など。ページ裏に行きまして、24では、横断的な医療チームの治療サポート体制がある病院の割合など。こちらはどうしても拠点病院の現況報告ということですので、ストラクチャー指標が中心となるのですが、昨年度の研究班でまとめました指標について、こちらで拠点病院からとるという形を対応させていただいております。

資料戻りまして、また資料2−1の7コマ目のスライドとなります。患者体験調査、先ほど調査票について御報告しましたけれども、完成しました調査票を実際に実施していただく施設について、4月の時点の報告から若干変更している点がございます。

まず、施設数につきまして、4月の時点では100施設、都道府県拠点51、地域拠点を各県1施設、さらに国立がん研究センター、中央病院、東病院、合わせて100施設と御報告しましたが、1都道府県当たりに1地域拠点だと、県ごとの推定をするのがなかなか困難だろうということが再検討の結果、出まして、1県内に2地域拠点を選ぶと変更させていただきました。これもがん対策・健康増進課と調整させていただいて、今、その手続を進めております。

それから、対象数、1施設100人ということで御報告しましたが、先ほどの質問票にあるとおり、40歳未満の患者さんを対象としている。さらに希少がんの患者さんについても質問をするということで、普通に抽出しますと、それらの方がなかなか入らない、データがとれないだろうということで、若年性の方、あるいは希少がんの方は別枠でとるという形にしています。ただ、施設によって症例数が異なりますので、一定ということではございませんが、さらに、一番右にありますが、がんでない患者さんも追加するということで、最大110ということで症例数を変更しました。

その後、調査施設について、我々のほうで地域拠点の分について選定させていただいて依頼をかけさせていただいております。

調査施設からの回答状況ということで、資料2−2の別添資料3をごらんになっていただきまして、これは10月8日の時点なのですが、現在、128施設からの参加協力、あるいは参加協力に向けて内部の調整をするというお答えをいただいているところです。ところが、一部、残念ながら、この調査の協力に対しまして、倫理審査委員会を通す必要がある、あるいは院内の規定でこのような形では患者さんの調査はできない、さらには、現在、厚労省の受療行動調査なども入っていて、病院の中の業務が非常にたまっていて対応ができない、あるいは内部手続に時間を要するため、我々の提示したスケジュールでは対応できないということで、現時点で二十数施設の病院から、ちょっと難しいのではないかというお答えをいただいております。地域拠点については、県内で2施設の抽出となっていますので、今回対応できないと言われた都道府県に対しては、次の候補をまた抽出しまして、そこに対してお願いをしているところです。

今回の中で一番疑義がありました個人情報の扱いについては、私どもの顧問弁護士と相談して、今回の個人情報の扱いについて、拠点病院に、弁護士の専門的な判断の状況で、特に個人情報保護法上問題ないことをお伝えした上で、病院内の掲示をする場合は、掲示の例、あるいは患者さんにお手紙をつける場合はお手紙の例なども添付させていただいて、なるべく病院に負担をかけない形、あるいは患者さんに嫌な思いをさせないような配慮をした上で患者調査を進めているところです。今の時点で、病院によっては院内掲示、あるいはホームページへの掲載を、10施設ぐらいでやっていただいているところですが、調査票自体を配布するのは、恐らく年明けぐらいを想定しております。若干スケジュールがおくれておりますが、回収したものからまたデータを集計して、最終結果をまたこちらの協議会に報告したいと考えております。

以上となります。

○門田会長 ありがとうございました。

 質問もあろうかと思いますが、一通り3班の報告をいただいてから質問を受けたいと思いますので、次に進みたいと思います。

 それでは、加藤参考人、よろしくお願いします。

○加藤参考人 よろしくお願いいたします。資料3−1、3−2、3−3を使って御説明いたします。

 資料3−1をごらんください。ただいま若尾先生からありましたが、1ページの下、私はこの真ん中のがん対策における緩和ケアの評価に関する研究という部分を担当させていただいております。

 1ページめくっていただいて、2ページ目の上のほうの図をごらんください。私のほうの取り組みとしましては、上に書いてある1、2、3、4の部分をやっているのですが、今、若尾先生が説明したデルファイ法について、緩和ケアの部分はこの3の部分に街頭します。したがいまして、まず、こちらから説明して、残りのところをまた後ほど説明したいと思います。

 この3の緩和ケアの評価の指標の部分ですが、2ページの下にあるように、11のカテゴリーで15の指標について調査をすることは先日御報告したとおりでございます。

 その状況なのですけれども、3ページの裏をごらんください。今、ほかの研究班、若尾先生の研究班や、木下先生の研究班などにも御協力いただきながら、幾つかのことを調整しながら進めております。

具体的に今の状況を見ていただきたいのですが、資料3−2をごらんください。こちらも先日、協議会で出させてもらったものを、情報を更新させていただいているところです。この15の指標について、現時点で更新されたものを簡単に御紹介させていただきますと、3ページにございますがん患者さんの死亡場所についての状況、これは人口動態調査が平成25年のものが出ておりますので、こちらの情報を追加しております。3ページの表にあるように、自宅や施設でお亡くなりになった方の数は、このような形でふえているという状況です。

4ページをごらんください。医療用麻薬の利用状況ががん対策の指標に資するかどうかについては、まだ議論があるところではございますが、平成25年の消費量の部分ですけれども、純粋な医療用麻薬の消費量からフェンタニルの注射薬を引いたものについて、更新したものを出しております。平成22年をピークにしていたのが下り坂にあり、今回は若干増加、横ばいという状況であります。これについての解釈は、専門家の間でもいろいろ議論がありますので、現在、こういう状況にあることを御報告させていただきます。

そのほか更新されたものとしましては、7ページにございますが、これは既に厚労省からも報告ありましたが、医師向けの緩和ケア研修会の修了者数が5万人を超えているという状況で、この資料を更新させてもらっています。

8ページ以降に関しては、今、いろいろな関係者とともに調査を進めるために調整させてもらっています。その調整に当たりましては、日本医師会や看護協会の皆様方にも大変御協力いただいておりまして、この場で感謝申し上げたいと思います。

続きまして、それ以外の部分について御報告したいと思います。先ほどの資料3−1の2ページの上のほうを見ていただきたいのですが、今回、私の研究班で特に取り組んでいるもう一つのものが、関係者が見たがん対策としての緩和ケアがどのように進んできているのかどうかを評価しようということを行っております。もともとベースラインがあって、がん対策を進めた結果、それがどう変化したのかということがはかれれば一番いいのですが、なかなかベースラインのある数字がないということで、まずはどのような変化が生じたのかということを患者さんや医療関係者などから聞いて、質的な調査を行い、そのような変化をどれぐらいの人が感じているのかということを行っていくということで、質的な検討と量的な検討を行うことで、このがん対策の中での緩和ケアがどのように進んできたのか分析していくということについて取り組んでおります。こちらは協議会の委員の皆様方にも御協力いただいて、質的な調査について進み、今、量的な調査を行うための準備をする状況になってきております。

今、インタビューの状況で何がわかってきたのかといいますと、2ページの上の1の関係者、患者、医療者から見た緩和ケアの変化というところで、特に臨床の変化というのでしょうか、実際に医療従事者の方や患者さんが現場で感じている緩和ケアについての変化というものが、インタビューの結果、非常に多く出てきました。また、変化していないというものも同時にいろいろと明らかになってきております。

また、変化をもたらす施策との関連性、そういったものについても、今、分析を進めているところですが、今回、いろいろと分析を進めていった結果、3ページにありますが、50名の方々、実際、インタビュー時間100時間を超えるようなインタビューを、今、分析しておりまして、およそ1,000を超えるセンテンスから17のカテゴリーをつくって、量的な調査に持っていくところです。

具体的には4ページの上のほうをごらんください。今、申し上げましたが、たくさんのインタビューの中の言葉を分析していった結果、17のカテゴリーに分類されるとなっております。ちょっと色の関係で見にくくなって申しわけないのですが、Aの社会全体への緩和ケアの浸透から始まって、一番上のQの緩和ケア利用者への影響ということで、全部で17のカテゴリーを分類しているのですが、カテゴリーの関係を配置したものが4ページの上の表になります。

必ずしも線できれいに結ばれるわけではないのですけれども、それぞれのカテゴリーがおよそどういうような関係にあるのかといいますと、例えば、一番下、社会全体への緩和ケアの浸透。「緩和ケア」という言葉が多くの方に知られるようになったとか、そういったものがあり、その上に、Bが右のほうにありますけれども、緩和ケアに関する情報を得る機会の増加。メディアなどで「緩和ケア」などの言葉を聞く機会がふえたとか、あと、Cで緩和ケアに関する医療従事者の教育機会の増加。これは厚生労働省が進めている研修以外にも、さまざまな機会で緩和ケアを医療従事者が学ぶ機会がふえていると言っておりました。

その上に、Dで医療従事者の緩和ケアに対する認識というものが変化してきて、そして、その上にいきますが、Fで緩和ケアに関する医療資源・人的資源の増加。緩和ケアに取り組もうという人がふえたり、さまざまな緩和ケアについての関心を持つ方々がふえてきている。そして、Gで、特に都道府県中心に緩和ケアを整備していこうという動きがありますが、そういったことが進み、その上に拠点病院の緩和ケア提供体制の整備や、Pのほうに行きまして地域連携機能の強化が上がっていくだろう。そしてHの拠点病院の上には、医療従事者の緩和ケアに取り組む姿勢の変化、実際に緩和ケアについて意識するようになったとか、在宅を意識した話をするようになったということにもつながっていくことですから、そういったもの。Jで緩和ケアの専門家が活動する場の確立、緩和ケアチームが設立されたとか、専従の看護師がそういったことを評価されて配置されるようになったとか、あと、患者・家族の相談支援体制の充実、相談支援センターなどの整備が進んだということ。

そして、最後のほうになりますか、Kで医療従事者が提供する実際の緩和ケアの変化や、Lで医療従事者のコミュニケーションと意思決定支援の向上、Nになりますが、緩和ケアチームの利用の増加、Mで多職種によるチーム医療アプローチの充実。そして、一番端にはEの患者・家族の緩和ケアに関する認識の変化、緩和ケアに関しての、医療用麻薬などに対する誤解が解消されつつあるとか、そういったことなどがあって、Qで緩和ケア利用者への影響と。つまり、緩和ケアが利用できる人がふえる、患者さんのQOLが高まるということにつながっていくのかなという関係性をこちらで作成しています。

ただ、これがこのようにきれいに全て起きているというわけではなくて、変化を聞いていくとこういうふうになるのですが、実際にはまだまだ足りないというものも多くあります。そしてまた施策も、AからQのさまざまなところに直接介入するものがあるので、どのような施策がどのような緩和ケアの変化をもたらしたのかということについての、これから量的な調査なども踏まえての分析を行っていくわけです。

4ページの下は、特にPの部分、地域連携については、さらに細かく分析されると、このような形で同様に分類されることを示しております。

こういったことを踏まえて、実際に、医療従事者が今、申し上げたようなさまざまなカテゴリーで変化を感じている可能性があるということで、では、そういう変化をどれぐらいの方が感じているのかということをこれから行っていくのですけれども、それが資料3−3になります。今、申し上げた17のカテゴリーに基づいて、この部分の変化がすごい起きているのではないか、ここの部分の変化はまだまだなのではないかということがあるかと思います。そういったものを実際の医療現場にいる医師・看護師を対象にして聞いていくということを考えております。

例えば、このカテゴリーから抽出している質問肢になっているのですけれども、一番上には緩和ケアや在宅療養について意識して診療することがふえたということを聞いているわけですが、これは以前からやっている方もいますので、以前からそうなので変化を感じないという項目をつくった上で、以前もそうではなかったし今も変化を感じない、少し変化を感じる、変化を感じる、とても変化を感じるという形で調査を行って、今、申し上げたようなさまざまなカテゴリーについて、医療現場でどのような変化を感じているのかということを調査していく予定です。

これによって何が明らかになるかといいますと、例えば、今の段階でいろいろ考えているのは、緩和ケアについて基本的な知識を持つような医療従事者がふえたというのはインタビューの結果でも非常に多く聞かれたので、そういった部分は出てくる一方で、緩和ケアの専門家についてはまだまだ育っていないということがよく言われましたので、そういったものなどがこういった調査で明らかになり、今後の施策として、重点的に取り組むところなどが目に見えてわかるようになってくるのかなと思っております。

また、この調査票の一番上に7年間を振り返りと書いていますが、これは当初、がん対策推進計画の第1期も含めて、全体目標のところを意識して7年間と書いたのですが、これはちょっと古いバージョンになっていまして、第2期の中間評価を行うということで、3年間で振り返ってもらうという形で修正したものを今、考えておりまして、古いものを持ってきてしまいまして申しわけございません。

こちらの調査票をさらに説明させていただきますが、2ページをごらんください。こちらは、この数年間、さまざまながん対策における施策が取り組まれてきました。そういったものを実際に医療現場の方々が有効だと思っているのかどうかを聞くものになっています。具体的な施策の名前を書けばいいのかといいますと、医療現場の方に具体的な事業名とかを言ってもなかなか通じないので、書き下した文章になりますので、少し冗長な感じもするかもしれませんが、例えば、一番上にありますが、緩和ケアに関する相談に乗る患者・家族向けの窓口、つまり、がん相談支援センターのことを指しているのですが、そういったものについて機能しているのかどうか。そしてまた、そういうものが自分の周りにはないと思うのかということを聞くことで、施策の評価にも、医療従事者についてですが、行おうと思っております。

そして、3ページ以降は、この調査票の全体像でございます。今、申し上げた2つの項目は後半にあるのですが、前半は、以前事業などで行った調査などを踏まえて、その前後比較が可能な項目を持ってきておりますので、こちらについては以前用いた質問と同じ形で聞いているので、変更は難しいのですけれども、冒頭に申し上げた2つのことについて、今回、研究班で取り組み、この数年間の緩和ケアの進捗状況を評価できるのではないかと思っています。

また、幾つかインタビューを行っていく上で、患者さんなどから緩和ケアに対する課題をたくさんいただきました。医療現場のほうから、まだまだ進んでいないというものもたくさんインタビューの中で明らかになってきていますので、そういったものもまた同時に整理して、次の計画などに生かせるような情報としてまとめられるのではないかと考えております。

最後ですけれども、資料3−1の5ページの上にありますが、こちらの調査を12月から1月まで、実際は1月に入ってからになってしまうかもしれませんが、実施予定です。医師に関しては、診療所の医師3,000名、病院の医師1万1,000人、訪問看護師1,000人、病院看護師8,000人という対象でこの調査を行っていくことを予定しております。

以上になります。

○門田会長 ありがとうございました。

 それでは、引き続きまして、細川委員より資料4についての御発表をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○細川委員 細川です。よろしくお願いいたします。

10分でということですので、簡単に説明させていただきます。お手元の資料4をごらんください。

 まず、資料4の1ページですけれども、私、細川班の仕事は、「がん診療拠点病院におけるがん疼痛緩和に対する取り組みの評価と改善に関する研究」という研究課題名でございまして、この研究の目的は、日本における緩和ケアの均てん化に資するために、全国のがん診療拠点病院におきまして、がん疼痛緩和の質の評価を検証するために定期的に実施可能な各種の評価指標を用いた評価システムを確立することにございます。がん診療拠点病院の実施調査を行いまして、実際に各種評価指標について検証を行い、さらに検証の結果を追加修正を行いまして、「がん疼痛緩和の質の評価」を可能ならしめることにあるということになります。

 資料1から4に関しましては、研究改革の内容ということで、以前に一度説明させていただいていますので省略させていただきまして、資料5の経過報告といたしまして、ページ10を見ていただきたいと思います。

ページ10でございますけれども、まず、0次調査、一次調査といたしまして、がん診療拠点病院におけるがん疼痛ケアのレベル、状況がわかる指標をつくり、実際に測定できるようにするということにおきまして、下にありますような一次調査の調査項目、患者調査及び医療者評価ですね。今までの研究の中で、有効性等とか、多少とも示されておりましたり、また、こういうことを用いることがよく行われている指標を用いまして、全てを一度評価してみるということを行いました。やりましたのは神戸大学の医学部附属病院でございまして、約100名の調査を行いまして、その中から有効なもの68名の患者におきまして評価を行いました。

この一次調査の結果を踏まえまして、実は幾つかのものが有効で緩和の可能性があるということで、二次調査への進展は可能ということがわかってきたわけでございます。これを踏まえまして、約200の患者さんに対しまして、宮城県を中心にいたしまして、この調査を現在行っているところでございます。こういうことをやることによりまして、細かいデータにつきましては後日報告させていただきますけれども、それなりのデータが出ておりますので、きちんとした報告にすべきだということも踏まえておりますので、来年のゴールデンウィークに台湾で行われますアジア・パシフィック・ホスピス・カンファレンスというところで正式なデータを発表させてもらうことになっておりますので、この年度が終了したところで、その発表データについては報告させていただきたいと思っております。

 もう一つですけれども、8ページに返ります。ここに資料4と書かれている部分がございますけれども、実は、もともとの研究ではございませんが、オピオイドの使用量、いわゆる麻薬使用量が実際にどれぐらいがん疼痛の鎮痛に対して有効であるか、また海外は非常に多いのに日本は少ないということで、そういったこととの関連性があるかどうかをまず調査しようということだったのですけれども、実際にがんに使われているオピオイドと、手術等々で使われているがんの疼痛目的でのオピオイド、それと非がんの痛みにおきましても非常に使われています。よく引用されます、例えば、アメリカ合衆国におけるオピオイド使用量は、日本に対しまして約60倍から100倍と言われておりますが、実際にアメリカでがんの疼痛に使われているパーセンテージは5%前後と言われておりますので、単純に比較することはできません。

そういった中から、京都府立医科大学の附属病院を中心にいたしまして、そこのワーキンググループ員に診療情報専門家、薬剤師を加えまして、実際に現在使われているような、どこの施設でもありますような電算システムを用いまして、がん患者に使用されるオピオイド量、つまり、がんの痛みに対して使われるオピオイドの抽出が可能であるかということを行いました。実際にはかなり煩雑ではございますけれども、電算システムの専門家と薬剤師の協力がございますと、ほとんどどこの施設でも、時間さえかければ抽出することが可能ということがまずわかりました。

それを踏まえまして、データ的に図が余りきれいでないのですけれども、資料6を見ていただけますでしょうか。こういったことから、各施設におけますオピオイド使用量というものにつきまして、実際にいろいろな形がある、パターンがあることがわかってまいりました。それぞれにつきましてパターン化いたしまして、典型的なものを並べたのが、資料6、8、9、10でございます。こういった内容の詳細でございますけれども、もともと少なかった施設が非常に多く使うようになった、今のが資料6でございます。もともおオピオイド使用量が非常に多い施設が資料7でございました。実際、この数年間にわたりまして少ないままの施設が資料8でございまして、逆にオピオイドをしっかり使用しようと言いながら減少している施設も実はございましたし、それ以外に、ほとんど変化のない、平均的な動きの施設ということで、それが資料10でございます。

こういったABCDEの5つに分けまして、実際にそれぞれの施設に対しましてインタビュー調査をやりまして、こういった変化が一体、患者さんの痛みのコントロールに対して、どのように実際に有効に働いているかどうかを事細かに調べようということで、現在、その方向で研究を進めている最中でございます。アンケート調査でのピックアップというのはかなりできるのですけれども、実際に現場に出向いてインタビュー調査を受けるということに関しましては、なかなか了解を得ることが難しいということで、当初のN数に達するかどうかもあれですけれども、一応、典型的なものに関しまして、この5つに分けましてデータを蓄積いたしまして、また近いうちに発表させていただきたいと思っております。

以上でございます。

○門田会長 ありがとうございました。

 それでは、最後に、事務局から資料5、6についての説明をお願いいたします。

○江副がん対策推進官 それでは、資料5と6をごらんください。

 資料5について御説明いたします。こちらは「がん対策推進基本計画中間評価報告書(案)」でございまして、来年の6月までに基本計画の第2期の中間評価を行うこととなってございますが、そちらの骨子の素案をお示ししたものでございます。

 おめくりいただきまして、2ページが目次の案となります。前回の9月の協議会で目次のさらなる素案のようなものをお示ししまして、おおむねこのようなことでということでしたので、それに基づきまして、さらにもう少し肉付けしたものがこちらの案となっております。目次につきましては、基本的にはがん対策推進基本計画の目次に沿って起こしてございまして、それぞれについて、まずは基本計画の内容をお示しするという構成をとっております。

 3ページ以降がその具体的内容なのですが、4ページをめくっていただきますと、「中間評価」の「1 全体目標についての進捗状況」の1番目としまして「がんによる死亡者の減少」ということで、全体目標の3点がそちらに記載してございます。目標の詳細についてそれぞれ記載されておりまして、その下に(進捗状況)というものがございます。現状ではこちらは空欄になってございますが、ここに進捗状況の具体的な内容を埋め込んでいくことを想定しております。

 4ページ以降、「重点的に取り組むべき課題」、5ページ以降に各分野別施策の個別目標ということで、9つの具体的な各論の目標がそれぞれ書き込まれておりまして、それぞれに進捗状況、現状では空欄とさせていただいておりますが、そういった構成で各論の9つの項目についても書き込んでおります。

 次に、資料6の横紙をごらんいただければと思います。最終的には先ほどの資料5の縦紙のほうの進捗状況の空欄に進捗状況を書き込んでいくわけなのですが、それを書き込んでいくに当たりまして整理をすることも兼ねまして、資料6の横表を作成してございます。これはまだセット版ということではもちろんなくて、事務局で考えられる対応状況について整理をしたものでございます。

まず、見方ですが、一番左の欄が取り組むべき施策、目標ということで、基本計画の項目を記載しております。真ん中がそれについての、現在行っている、これまで行ってきた施策・事業等による対応状況を記載してございます。一番右側が、本日も進捗状況を御報告いただいた、3つの研究班で検討していただいております参考の指標等を記載してございます。最終的な中間評価の取りまとめにおきましては、真ん中にある施策・事業等による対応状況の内容ですとか、適宜、参考指標等を先ほどの進捗状況のところに埋め込んでいくことを想定しております。

具体的な中身については、きょうは時間の関係で全て詳細に議論することはできないと思いますが、きょう、既にお気づきの点があれば御指摘をいただければと思いますし、また、さらにこういった仕分けがあるのではないかとか、お気づきの点があれば、事務局にお寄せいただければと思っております。

こちらも簡単に構成のみ御紹介しますと、1ページ目に重点的に取り組むべき課題ということで、4点の重点課題が記載してございます。おめくりいただきまして、2ページに全体目標の3点が書き込まれてございます。2ページ、3ページと続きまして、4ページ以降に9つの分野別の施策と個別目標ということで、1番のがん医療以降、9つの分野にまたがって、それぞれの基本計画の記載、それから、それに応じた施策、指標等を整理してございます。

事務局からの資料5、6の御説明は以上となります。

○門田会長 ありがとうございました。

 それでは、以上の御発表につきまして、御質問、御意見いただきたいと思いますが、まず、研究班の若尾先生、加藤先生、細川先生、このお3方の御発表についての御質問、あるいは御意見を頂戴したいと思いますが、いかがでしょうか。どうぞ。

○永山委員 ありがとうございました。

 若尾先生の御説明にあった、患者さんへの質問の一覧について確認ができればと思います。問23と問41が、いわゆる困ったときや何か知りたいときの相談の場ですとか、悩みに応じる場があるのかということを聞いている質問かと思うのですが、こうやって2問に分ける必要があるのか。また患者さん向けの質問の最後のところで緩和ケアの状況についても聞かれているので、こういう問題も含めて「相談する場がありますか」という聞き方をしたほうがいいのではないかと思いました。この場所のような形で質問を入れられている御趣旨を伺えればと思いました。

○若尾参考人 4123ですか。41は、患者さん御本人のみというところですね。そこまでは患者さん以外の代理の方も聞いていて、23のところでは、患者さん以外の方も患者さんについて、そういう相談に応じた場があったかと聞いているということで、そこで、似たような質問ですけれども、切り分けさせていただいております。だから、似たような質問が固まってあるというよりか、いろいろなところに散りばめてあるような形で、もともと提示しました指標案の質問案とも、そこの順番も変わっております。いろいろな形で並べ変えて、スムーズに聞けるような形に変えております。

○永山委員 例えば、41の質問について、患者さん御本人に伺うということであれば、場所としては質問の最後にあったほうが、問い35以降のいろいろな、現状や何かつらいことはないかということを聞いた上で、最後に一般的に悩みなどをやわらげてくれる場所がありますか、という聞き方のほうが答えやすいのではないかという気もしましたが、いかがでしょうか。

○若尾参考人 実は、がんと診断された方は14ページでおしまいですので、ほぼ最後に近いところに置いているのですね、今の41についても。なので、一般的にどうでしたかというのはここのところに置いていて、最後に近いところで聞いているという位置づけにさせていただいております。御指摘ありがとうございます。

○門田会長 よろしいですか。そのほか、いかがですか。どうぞ。

○濱本委員 お願いいたします。手短に3つ、私もこの患者対象の調査についてお尋ねいたします。

 まず1つは、11ページの問29から31、診断されたがんの種類、これは冒頭に、問5の前に持ってきてはいかがでしょうか。その後にがんでない患者さんに対して問うているところでは、あなたが通院中の病気で当てはまるものと、病気の種類を聞いてありますので、これは答える側もその結果を読む側も、回答者がこういう病気だということから入っていくとすれば、非常に回答しやすく、読みやすいのではないかと思いました。この順番に特に意図をお持ちでいらっしゃいましたら、それもお尋ねしたいと思います。

 2つ目は、がんでない患者さんに対しての問をこの中に含めていらっしゃいます。その意味をもう一度、お知らせいただけたらと思います。例えば、ここで得られたデータが他疾病の患者さんに対しての施策に応用されていくようなことがあるのかなと、そういうふうにも感じました。

 あと1つは、これも以前お尋ねしたことなのですけれども、これだけのすばらしい設問をつくってくださっておりますので、これを例えば、都道府県ごとに集計されて、それを都道府県ごとが推進計画の見直しに活用できるようにする御予定があるのかどうか。幾つかの都道府県担当者の方とお話ししていて、これがあったら非常に見直しに便利だ、欲しいとおっしゃる声を聞いておりますので、もし提供される御予定があれば、時期的なものも含めてお知らせいただけたらありがたいです。

 以上3つ、お願いいたします。

○若尾参考人 ありがとうございます。

 まず、1点目の診断名の位置なのですが、我々としては、この位置がスムーズではないかと考えておったのですが、御指摘について、また検討させていただきたいと思います。この場でまた流れを全部見るというのは時間もありませんので、検討させていただきたいと思います。

 2番目の、がんと診断されていない方なのですが、まず、今の時点では、がんと診断された方と、がん以外の診断を受けた方の比較をしたいということで、がん以外の方について、疾患単位で細かい分析をするというところまでは、今のところでは想定しておりません。

 それから、3つ目の都道府県ごとのデータなのですが、今回、地域拠点を2施設とさせていただいて、都道府県拠点と地域拠点という形で、それがそろった都道府県については、ある程度、都道府県ごとのデータは出せると思います。ただ、大変残念ですけれども、さまざまな倫理審査委員会などの制約によって、都道府県拠点が今回の調査に御協力いただけないところでは、都道府県単位のデータは出すことが難しいのではないかと考えております。時期とすれば、データがそろい次第となりますが、中間報告に向けて、年度末から来年度の早い時期を現在は想定しております。

○濱本委員 ありがとうございます。

 例えば、そうやってもたらされたデータを、自施設ですとか、自医療圏のネットワークとの比較から、いろいろな施策をそれぞれが練っていくということも大変有用だと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

○門田会長 ありがとうございました。

 そのほか、いかがでしょうか。阿南さん、どうぞ。

○阿南委員 済みません、ちょっと細かいことになるのですが、鈴木先生、フォローしてください。がん対策における、先ほど若尾先生が説明していただいたものの20ページの18d、若年性がん患者の妊孕性温存処置ができる拠点病院の割合というところはかなり項目を盛り込んでいただいたのですけれども、下から7番目ぐらいです。がんの治療に際する妊孕性温存目的で放射線治療に対する卵巣移動を行った患者の数とあるのですけれども、この妊孕性温存目的で卵巣を移動するということが、現時点では恐らく産婦人科学会は認めていないというか、私の場合、がん治療で卵巣を残して子宮を取っているのですが、今、その卵巣を使って卵子を取ることができないという状況なので、この辺、どうなのかというのと、もう一つ、下から4番目、がん治療に際して妊孕性温存が必要な患者のために薬物を用いて卵巣を休眠させることで化学療法から卵巣を保護する治療を行うことができる、これについてエビデンスがまだない状況ではないかと思われます。どうでしょうか。

○鈴木参考人 聖マリアンナの鈴木と申します。産婦人科をやっています。

 本邦においては、代理出産、代理懐胎などがまだ認められていないことから、子宮がない方に対する移動術は、あくまでも妊孕性温存ではなくて、女性としてのQOLを向上させるということであります。ただ、小児のホジキン病患者などで、海外では卵巣の位置を移動させることは実際あるので、そこら辺の取り扱いは注意が必要かと思います。

 もう一点、薬物を用いて休眠させるというのは、実際に行われてはいるのですが、海外を含めたさまざまな報告から、まだエビデンスがないので、例えば、乳がん学会などでは推奨していない現状があります。

 以上です。

○若尾参考人 ありがとうございます。

 今の20ページの指標について、もともと研究班でつくりましたのは、18dの上にあります指標名、若年がん患者の妊孕性温存処置ができる拠点病院の割合ということで指標をいただきました。この指標から質問票をつくるに当たりまして、我々、この分野について詳しいわけではございませんので、研究協力者となっていただいた岐阜大学の森重先生と熊本大学の片渕先生に質問の具体的な内容について御指導いただきまして、そこで伺ったものを採用させていただいたものです。これをつくりましたのは、拠点病院に現況報告を配るために、6月から7月の時点でこれをつくらせていただいたので、そのガイドラインの関係とか、現在の状況、扱いについて、まだ6カ月差がありますので、若干その辺の相違があるのかもしれません。また、こちらについてはもう既に拠点病院に集めていますので、また次年度のバージョンでは、御指摘いただいたところをアップデートして対応していたきいと考えております。

○門田会長 ありがとうございました。

 そのほか、いかがですか。堀部先生、どうぞ。

○堀部委員 若尾先生に幾つか御確認したいのですが、まず、この進捗管理指標の策定と計測システムの確立のプロジェクトは、小児がんも対象にしているのかどうか。

 別添資料2を見ると、新たに現況報告書に追加された項目には一部小児がんに関する項目がありますが、これらは小児がん中核機関が担当ということであれば、管理指標や計測システムについてそちらと整合性が必要です。一番気になるのは、境界年齢層のがん医療を評価できるシステムを共同してつくられているかどうかです。それから、患者体験調査で若年がん患者の定義が19歳から40歳未満になっていますが、19歳で仕切られたのはなぜですか。一般に小児は15歳未満ですので、15歳から19歳未満の年齢層が取り残されることが危惧されます。

 それから、これは厚労省の方にもお伺いしたいのですが、最近、思春期若年成人が注目されるようになり、英語を交えたAYA世代という言葉もよく使われるようになってきました。アメリカでは、学会や国を挙げて、15歳以上40歳未満をAYA世代と定義して、この世代に対して重点的にがん対策が行われています。我が国の場合は、厚労省のがん対策において、若年成人が30歳未満と括弧づけで書かれたものもありますし、今回のように40歳未満を対象にした記載もあります。そうすると、調査結果の比較や境界年齢の情報整理ができなくなります。国のがん対策において、AYA世代の対象を明確にして情報収集や発信をしていただくことが重要ではないかと思いますが、それについていかがでしょうか。

 以上、お願いします。

○若尾参考人 御質問ありがとうございます。

 まず、小児がんを対象としているか否かということなのですが、これはがん対策推進基本計画をもとにしておりますので、もちろん小児がんの分野も入っております。ただ、4月に御報告したように、デルファイで3回、専門家、その中には小児がんの専門家の方も入っていただいて、デルファイで回した結果、小児がんの項目が少なくなってしまったというのが現在の状況でございます。小児がんを全くなくしたわけではなくて、少ないということと、あと、非常に測りにくいものがあって、そこについて、今後どうはかるかということは課題だと考えております。

 それから、もう一つ、なぜ19歳かということなのですけれども、まず、質問に答えていただくのは成人と想定しました。あと、2012年の診断例を用いますので、診断されたときは未成年であっても、今は成人になっている方にお答えいただくということで19歳と設定させていただいております。

 最後の質問は、私のほうではなくて。

○堀部委員 その前に、現況調査の対象を、今、言われた19歳にすると、ちょうど思春期が含まれないことになります。境界年齢の情報収集や評価指標について小児がん対策での調査と整合性を取っていただきたいと思います。それについて検討はされていますか。

○若尾参考人 現況報告のほうは拠点病院にするもので、病院側が答えていただくものです。こちらの患者調査については、成人を対象としたということで、今、小児の部分は患者調査は対象となっていないというところです。

○門田会長 よろしいですか。どうぞ。

○江副がん対策推進官 3点目のAYA世代について、事務局より回答いたします。

おっしゃっているように、AYA世代のがん対策をどう考えていくかということは、今後課題になっていくと考えておりまして、本日の議題2の今後のがん対策の方向性という中で、まさに本日のAYA世代のがん、特に生殖医療との関係でがん対策をどう進めるかといったこともお話をいただくこととしておりますので、そうした議論も踏まえながら、また、今後のがん対策の方向性をどうまとめていくかということも、本日、ちょうど議論させていただきたいと思っておりますので、そのときにも議論させていただきたいと思います。AYA世代について、現在、行政としてはっきりとした、明確な、少なくともがん対策においての定義はしっかりとなされていない現状があることはおっしゃるとおりですが、そこについてどう考えていくかということも、本日、議論ができればと考えております。

○門田会長 ありがとうございました。

 そのほか、どなたか。内藤委員、どうぞ。

○内藤委員 前回欠席してしまいまして申しわけありませんでした。

 加藤先生の資料の3ページなのですが、私もこれ、インタビュー受けたのでしたか。受けましたか、済みません。もちろん変化を感じている人間ですし、30年、ホスピスケアから始まって緩和ケアに従事して、臨床で働いている人間で、国の施策のおかげで改善したなと思っていたのです。思っていたのですが、今、地域医療や、いろいろなものの手助けに出た現場では、改善していないのではないかと思うことが非常に多くて、多分、加藤先生のインタビューを受けたときとは意見が変わっているかなと思うので、なぜそれがそこに起因しているかというと、もちろん拠点病院や、濃厚な、いろいろないい医療ができる地域では、恐らくすごくいい緩和ケアまでが導入されると思うのですが、そうではない地域が日本全国に多分たくさんあると思うのです。だから、非常に格差が開いているのではないかという思いと、拠点病院では緩和ケア、一生懸命、皆さん、してくださって、大変いい成果を上げているのですが、一般の、拠点病院ではない中間の病院、療養型にもならないので、今、生き残りが大変なような病院で、緩和ケアが必要な方々に、お医者さんたち、それも年寄りではなくて、年寄りと言うと申しわけないけれども、30代から40代の若きお医者さんたちが、自分たちは緩和ケアの専門家ではない、わからない、わからないから、必要だったら緩和ケア病棟へ申し込んでくださいということを言っても、緩和ケア病棟の病床数はすごく限られていますね。そうすると、本当に一部の人しか恩恵が受けられない可能性があることと、わからないということで放置してしまうようなことがなぜ起きるのだろうかと、非常に最近、困っている患者さんたちに出会います。

 それで、3ページの緩和ケア研修修了医師数というのが5万人になったということで、勉強してくださっている方々がふえているわけですが、このお医者さんというのは、厚労省の担当の方でもいいですけれども、どういう種類のお医者さんがこれを受けているのかと。がん患者さんで亡くなる人は全員緩和ケア病棟で亡くなられるわけではないので、一般病棟で、今までだったらお医者さんがみとっていた患者さんが、今、専門でなければみなくていいよみたいな、本当に専門分野志向になっているのが非常に困るなと。がん対策推進法が施行されてもっとよくなる前に、続々と毎年たくさんの方が亡くなっているわけですから、その方たちが、専門医でなくてもきちんと標準的な疼痛緩和を、普通の病院でもできるような施策という方向性はどこに埋め込まれているのかなというのが、最近の、すごく困っているところなのですけれども、加藤先生、インタビュー受けた結果、どんな感じでしょうか。

○加藤参考人 ありがとうございます。

 先ほど説明の中で少しだけ言及させてもらったのですが、今回、変化を感じていることについて特に聞いてはいるのですが、同時に変化していないこと、課題も多く聞かせていただいております。先ほど見ていただいたカテゴリーの関連性、あれは変化があった場合にどういうふうに結びつくかということは書いていますけれども、実際にあそこにあるカテゴリーが全部大きく変化しているかというと、そうではないのだろうと思っています。多く出てきた意見として、やはり課題としては、今、内藤先生おっしゃっていた、多くの医療従事者がやるべきもの、あとは専門家、そこへのアクセスというものについて、かなり地域格差があるということを多くの方がおっしゃっていて、都市部など、医療リソースが非常に充実しているところは確かに恩恵にあずかっている方が多いのだろうけれども、そうではない地域が多数あって、おっしゃっていたように、拠点病院以外の場所、ここが今、手がつけられてはいないのではないかという意見を多くいただいています。なので、今回、量的な調査をするときに、拠点病院以外の医師なども多く聞いていきますので、そういう方々と拠点病院との間の差、地域の差とか、そういったものも見えるのではないかと思っております。なので、先ほど申し上げたように、インタビューの中で出てきたもの、多くの課題もいただきましたので、それも整理して提示できるのではないかと考えています。

○門田会長 緒方委員、どうぞ。

○緒方委員 私もがんの患者を取り巻く緩和ケアの状況が大変に進んでいる、変化していると感じている者の一人です。ただ、患者の気持ちがついていっているかというと、とてもそれは疑問だと思います。その辺のところがこの調査で明らかになって、そして患者が緩和ケアの状況にどうついていくか、患者の気持ちがどう変わっていくか、どうしたら変わっていくのかということの課題が明らかに見えてくる調査であることを期待しています。

○門田会長 よろしいですか。どうぞ。

○野田委員 先ほどの内藤先生のは、この先のアンケートでも明らかになると加藤先生はおっしゃったのですけれども、5ページにアンケートの対象人数が書かれていますね。医師は拠点と拠点以外で6,0005,000で、看護師は拠点7,000、拠点以外1,000という、この数字の決め方は、どういう根拠に基づいた抽出なのですか。

○加藤参考人 ありがとうございます。

 今回、調査を行うに当たって、同じ病院の医師、同じ病院の看護師というのですか、病院を選んでやっていきますので、どうしても対象者数が看護師のほうが医師より多いというのがございます。やはり拠点病院は外せないところがありますので、あと、研究費の話になって申しわけないのですが、本当は非拠点の部分をふやしていくと、それだけ施設数が減ってしまうというところのバランスを考えたときに、どこを優先するかということで、まずは医師というものをしっかりとりつつも、同じ施設にいる看護師もしっかりとりたいというところで、今回、このようなバランスになってしまっております。また、比較的看護師は回収率が高いというのが今までの調査でわかっていますので、解析には支障がないかなということで、統計の専門家とも相談して、このように設定しております。

○野田委員 心配になったのは、さっきの内藤先生の意見は、お医者さんそのものが書くか、あるいはそういうお医者さんに接している看護師がより書くかを考えたときに、いわゆる地域格差というのは看護師のほうがより明確にイメージが出てくるのではないかと思うので、1,000名で絶対数って、確かにそうですけれども、そこだけ気になりました。

○加藤参考人 ありがとうございます。

 解析のとき、十分に踏まえてやっていきたいと思います。ありがとうございます。

○門田会長 どうぞ。

○細川委員 非常に手間のかかるデータで、非常に大事だと思うのですけれども、先ほど濱本委員から少し話がございましたけれども、地域格差と言いますけれども、必ずしも都道府県格差だけではなく、同じ都道府県の中でも随分格差があるのですね。ですから、各都道府県の2カ所、3カ所ぐらいの、それも診療拠点病院で上がってくるデータがその都道府県を反映しているかどうかは極めて疑問なのですね。我々は緩和ケア外来とか、緩和ケアセンターというのをあれしますと、地域や、相談センターを通じてもあるのですけれども、ダイレクトに電話もかかってくる。実は、拠点病院ですら、主治医に訴えても痛みどめが出ないケースとか、つい先週も緊急入院させた症例があったのですけれども、そういったところもあって、ますますその格差は開いている。

それと、PEACEの研修会というのは、導入の部分で非常に重要な役割を果たしているし、あれで目覚めたという若い先生も非常に多いのですけれども、あれは車の運転で言いますと、まさに座学のところで、あの2日間の研修を受けたから、いきなり高速道路で車の運転ができるわけではないのですね。あれをスタートラインにするということなので、どういう医者があれを受けておられますかというのは、まさにそこだと思うのですけれども、あれはやはり3年目、つまり、卒業いたしまして、がん患者に少し触れて、これはと思ったようなところで一度受けていただくということを対象にして、それ以上の経験のある方の場合はまた違った方策を考えるということになるので、厚労省から示していただきました卒後2年から卒後5年までの医師ができるだけ受けるようにするという方策が浸透すれば、ある程度の成果を得られるし、それ以上を目指すところは、例えば、痛みなら痛み、呼吸器系なら呼吸器、それを分けた分野の、もう少しアドバンスな部分の研修をそれに加えるという形でやっていかないと、今後、成果は望めないかなと考えております。

○門田会長 ありがとうございました。

 そのほか、何か。工藤委員、どうぞ。

○工藤委員 今、緩和ケアについて、医療者側から個別に差があるのではないかというお話が出て、ちょっとほっとしたのですけれども、私自身、病院のお医者さんごとに緩和ケアに対する認識というのは大きく違うのではないかというのを体験しております。ですので、この調査が、そういった意味で地域であったり、病院となると固定されますけれども、そういった状況が確認できるもので、なおかつそれを進めさせるようなものであってほしいと思います。よろしくお願いします。

○加藤参考人 本当にどこまで解析できるかわからないのですけれども、もちろん個人単位、施設単位、県単位、いろいろな切り口があると思いますが、どこまで評価に耐え得るものなのか、これから検討していかないといけないのですが、そういった視点は大事にしていきたいと思います。ありがとうございます。

○門田会長 そのほか、いかがですか。堀田委員、どうぞ。

○堀田委員 今、格差の問題、それが医師、医師以外、あるいは医療機関、医師の間でも差があるという話で、現状は確かにそうだと思うところがあります。まだ緩和ケア研修も全てに行き渡っているわけではないのが現実です。今は、こういった施策が何年かでようやくここまで来たということであって、ここが出発点だと私は思っているのです。ですから、ここが今、足りないからけしからんではなくて、これから先どうするかというための資料で、現状をきちんと把握してから出発するところで、これ一回の調査で解決するわけではなくて、何年かたったら同じ項目をもう一回フォローして、それで評価を蓄積していくことが大事ではないかと思っています。

 ちなみに、緩和ケア研修の地域格差で言えばトップを走っていて当然だと言われる国立がん研究センターも、2年前までは緩和ケア研修をわずかしか受けていなかったです。最近、九十数%が研修を受けるようにいたしました。当センターのレジデントは、卒業直後の方ではなくて、平均すると新採用時は卒後5年から6年という、医師としては結構経験のある人がレジデントで来られるのですけれども、全員に1カ月間の緩和ケアチームに入っての研修、それから、地域研修を2週間を義務づけております。そういったレジデントが3年たったら、修了して地域へほとんど戻っていきます。そういうところで経験を広げていくという、そういうプロセスにあるとお考えいただきたいと思います。

○門田会長 ありがとうございました。

 確かに、この中間評価を何とか早く軌道に乗せようということで、ことしの年度変わりのときに、とにかく完璧を目指しても、やろうとなると、いろいろな問題が出てくるということから、今、このタイミングでできることだけでいいとは言いませんけれども、それ以上のことを求めても、無理なものを言っても仕方がない、とにかくやろう、それより前が量的な数値の羅列に終わっていたものを、質としてとらまえるにはどうするかと。それをできる範囲、今からやっていこうということで、どちらかというと強引にスタートを切ったというよりも、中間評価せざるを得ない状況に我々は追い込まれているという状態でスタートしていることなのですね。ですから、そういった意味で、皆さん、いろいろな御意見をいただいておりますが、やはりこれはスタートラインであって、評価そのものもまだまだ進化していかざるを得ないということだと思いますので、今の範囲内でできることについて、何かあればおっしゃっていただきたいと思うのです。

 ただ、私、気になるのが、タイムスケジュールがどんどん、どんどん迫ってきているのではないかという気がいたしますし、また、拠点病院から依頼しても、IRBが云々とかいうことで、どんどん落ちこぼれていく。これはある程度フィックスされたのですか、病院は。次々お願いするわけですね。

○若尾参考人 まだ回答を待っているところもございますので、来年早々にはフィックスしたいと思っております。

 それと、今、門田会長から、できることからスタートするということでお話しいただいたのですが、研究班がやっているということは、やはりある程度限界がありまして、先ほどの調査票に厚生労働省のマークを入れていただいたり、あるいは調査のお願いには事務連も一緒に入れていただいたのですけれども、厚労省が絡んでいるとしても研究班の活動だということで、それにはIRBを通さないといけないというような、いろいろな制約がある中で、国の事業としてやるとなると、もう少しレスポンスも変わるのではないかというのが、今回、事務局として非常に苦労していまして、もっと回答率、調査率などを上げるためには、仕組み自体を変えないといけないのではないかと考えております。

○門田会長 今、いみじくもおっしゃっていただいたように、これを今回は研究班として調査しましょうということを決定してやってきたわけで、そこでこういう問題が発生したと。ですから、次回やるときには、どういう形で調査をやっていくのかということの参考にもなると思います。ですから、そういうことで一歩一歩進化していかざるを得ない状況だと思います。。特にお願いしたいのは、できたけれども、時間がおくれて云々ということに絶対ならないようにお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 それでは、ありがとうございました。議題の1番については、以上で終わりたいと思います。

 では、2番目として、「今後のがん対策の方向性について」ということで、ずっと続いてやっておりますが、今回は阿南委員から、若いがん患者に対する生殖医療及び緩和ケアに関しての御意見を出していただいております。ですので、本日は阿南委員から意見書を紹介していただいて、鈴木参考人から、この領域の現在の状況についてのお話をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。

 では、阿南さん、よろしくお願いします。

○阿南委員 ありがとうございます。

 このたび意見書を提出させていただきました。資料7をまず読ませていただいて、その後、私の説明をさせていただきます。

若いがん患者に対するがん・生殖医療及び緩和ケアに関する意見書

 平成19年4月に「がん対策基本法」が施行され、同24年6月には第2期「がん対策推進基本計画」が策定されました。しかし、現在政策として整備が進む緩和ケアの提供体制やがん研究を通じたがん医療の均てん化において、若いがん患者の生殖機能温存への取り組み、生殖機能消失に対する身体的、精神心理的苦痛の緩和についての視点が欠落しています。

 生殖機能が温存できるはずの患者への温存対策や研究、生殖機能消失に対する恐怖から治療を決心できないがん患者へのサポート、乳がんや白血病など生殖器以外のがんを患う患者に対しても、治療により生殖機能が消失もしくは低下する可能性についての事前説明、生殖機能を消失したがん患者・経験者へのフォローアップや心のケアなどが必要とされています。また、日本の少子化対策にも関わる問題ではないでしょうか。そこで、患者委員として下記の通り意見を提出いたします。

1、若いがん患者の生殖機能の温存に向けた取り組み、生殖機能消失に対する身体的、精神心理的苦痛の緩和への対策を、国として早急に講じていただきたい。

2、次期がん対策推進基本計画に、生殖機能への影響が生じる若いがん患者に対する以下の対策を盛り込んでいただきたい。

 1医療連携

医師のみならず、がん看護領域の専門・認定看護師や不妊症看護認定看護師、さらに臨床心理士など、ヘルスケアプロバイダー全体によるがん・生殖医療のサポート

 このヘルスケアプロバイダーというのは、後ほど鈴木先生に御説明いただきますけれども、医師だけでなく、看護師、心理士、精神科医など、さまざまな医療にかかわる方々ということで、ヘルスケアプロバイダーと呼んでおります。

 2地域連携

   各地域で完結する行政−基幹病院−クリニックの地域連携システムの構築

 このような意見書を出させていただきました。

 委員に就任させていただいて、初めのころに皆さんには体験談を御紹介させていただきましたが、私は現在33歳ですけれども、23歳のときに子宮頸がんになりまして、卵巣を残して、子宮と靱帯、それから、リンパ節を摘出しました。現在、10年がたとうとしているのですけれども、先ほどもお話にありましたように、皆様の御尽力のおかげで国のがん対策は大きく変わってきていると私も感じています。

ところが、1つ、大きな問題が取り残されたままになっています。これから結婚する、出産するという若い患者にとって、生殖機能の消失はがん治療に勝るとも劣らない重大な問題であります。その大きな不安から、私自身、10年前の手術の直前に家出をしました。ところが、10年たった今も、生殖機能を失うことが怖くて、がん治療に対する手術や抗がん剤を拒否したり、あるいは治療に進めないという患者がいらっしゃいます。

そうした患者さんにどのようなサポートがされているのかというと、私も実際に、まだ数カ月前ですが、あなたは命が助かったのだからと医師に言われたことがありました。それから、子育てだけが人生じゃないわよとか、結婚てそんなにいいものじゃないわよというような言葉で納得をさせようと、皆さんは励ます意味でしてくださるのでしょうが、私自身、全くそれを受け入れることはできませんでした。

まさに、がん生殖医療というのは、診断時から長期にわたって、心のケアや、具体的な情報提供、フォローアップが必要な患者ではないでしょうか。死の恐怖と戦いながら、後遺症や治療によって就職や就労に困り、生殖機能への影響によって恋愛、結婚に悩む若い患者の苦しみというのは、今現在も解決されていません。そうした患者がなぜ今まで問題を提言できなかったのかというと、若い患者ほど子供が生めなくなったということを世の中に公表することができないからだと思います。そうした若い患者が希望を持って治療を受けられるように、どうか次期基本計画へ本日申し上げました意見書の内容を盛り込んでいただきたいと切にお願い申し上げます。ありがとうございます。

○門田会長 ありがとうございました。

 非常に重要な点をポイントアウトしていただきました。阿南委員からは問題提起をしていただいたわけですが、現時点の状況について、鈴木参考人からよろしくお願いいたします。

○鈴木参考人 よろしくお願いします。私は聖マリアンナ大学の産婦人科の鈴木でございます。

 資料8をごらんください。若年がん患者さんのQOL向上を目指したがん・生殖医療の実践における問題点と解決策を15分弱でお話しさせていただきます。

 対象となる患者さんは、これからがん治療によって妊孕性が消失する可能性のある若年のがん患者です。一方、既にがん経験者、がんサバイバーに対して、QOLを維持していくため、これは男性として、女性としてと書きましたが、この2つの対象があります。

 次の3ページから4枚ほどは妊孕性に関するスライドになります。卵巣、子宮、精巣など、男性、女性が放射線や抗がん剤治療を行うことによって妊孕性を消失する可能性はあるのですが、将来の妊娠に備えた凍結保存として、精子、未受精卵子、体外受精などが凍結できるのですが、スライド6にありますように、昨今の生殖医療の進歩に伴って、卵巣の組織そのものを凍結して将来の妊娠に備えることができるようになってまいりました。そして、卵巣組織の凍結が可能になったことから、小児腫瘍の患者、未婚の方に対しても適用できるという点が大きな一歩であります。

 めくっていただきまして、スライド7から詳細に説明したいと思います。現状の問題点としては3つございます。正しい情報が伝えられていない。これはがん患者さんに対してです。もう一つは、タイミングが重要です。的確なタイミングで伝えられていないということです。そして、その問題の根底は、がん治療医と生殖医療医などの医療連携不足です。

問題の1つとしては、スライド8にありますように、患者さんと、主治医のがん治療医と、産婦人科医が3点並んでいますが、次のページのスライドを見ていただきますように、2つの問題がございます。

1点目は、患者さんを介した連携になっております。すなわち主治医から将来の可能性のある方に対して、がん治療が最優先ですので、それを守った上で妊孕性に対する話があればいいのですが、患者が自分で主治医、あるいは産婦人科医に話をして、こうやって勉強することがあります。

もう一つは、がんの主治医の先生方が知識不足から、生殖医療の新しい進歩などの情報を患者さんに伝えていない。もともと産婦人科の医師と連携するようなことはできない。ですから、患者がそういったことを考えることができないケースがございます。

その次のページを見ていただきまして、資料11がそのまとめであるのですが、そういった問題点から、何度も申し上げますが、がん治療が最優先であるのですが、がん治療に対する悪影響があります。例えば、治療の開始を拒否したり、医師が遷延してしまうことによって再発をしてしまうケース。女性は命を落としても赤ちゃんが欲しいという患者さんが多いですので、こういった問題点があります。

もう一点は、温存できたかもしれない、その可能性があった妊孕性が、知らないことから失われてしまう問題点です。

スライド12は、アメリカのがん学会が出したスライドですが、ガイドラインが2006年にやっとできました。これはアメリカの生殖医学会ががん治療医を対象にがん患者の妊孕性保存療法の指針を作成したわけですが、2010年にその内容が改訂されて、「オンコロジスト」という言葉が削除されました。すなわち、がん治療医だけでやることではなく、腫瘍内科医や泌尿器科の先生方、血液腫瘍医、小児科の先生方、看護師、ソーシャルワーカー、そして精神科医、心理士など、多くの関係者、すなわちヘルスケアプロバイダーがこの問題を解決するべきだということが言われております。

次のページを見ていきますと、先ほどのように、がん治療医の生殖に対する知識不足がございます。これは産婦人科医に聞けばわかることなのですが、連携できないことから問題が、次から5枚ほど書かれております。詳細は省きますが、18枚目にありますように、最大の問題点は、女性が月経があることイコール将来赤ちゃんが生めると勘違いされている点です。この前の4枚は、実は日本の先生方の報告と、『ザ・ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン』に出た2010年のアメリカの報告ですが、すなわち、50歳を超えた方が妊娠できるかもしれないと勘違いされて抗がん剤の影響が論じられているわけです。例えば、閉経は50歳が平均なので、45までに治療が終われば、あと5年間、赤ちゃんが生めると、あるがんの治療医がおっしゃっています。それは不可能なわけです。そういった知識不足が1つ問題となっております。

その次のページを見ていただきたいのですが、皆さん御存じかと思うのですが、排卵をするためには、通常、半年前に500から1,000個の原始卵胞が選ばれて、最終的に今月の月経のときに10個から1個に選ばれていきます。そして、女性の体の中では、通常3つの波が動いている。すなわち卵巣の中では多くの卵が発育しているということです。ですので、下に示しますように、原始卵胞の数は生まれてきたときに40万個の数が、男性と違って少しずつ少しずつ減っていき、すなわち年を取るにつれて卵子の数が減っていくという、男性との違いがございます。35歳を超えると90%の卵がなくなってしまう。ただ、これは個人差が大きいことから、なかなか難しい点があるのですが、1,000個を下回ると閉経になるという、こういった女性の体の仕組みを知っていただく必要性があるかもしれません。

 次のページの21枚目のスライドに関しましては、では、妊娠をすればいいかという問題なのですが、40歳を超えますと、卵子の老化の中では、染色体の異数体が発生することから、妊娠をしても、30%、40%、50%と、流産をする確率が高くなってきます。ですから、もし将来、可能性があるのであれば、40を超えて妊娠をトライするということ自体がかなり厳しいという現状がございます。ですので、最大の問題点が、がん治療医が、女性の月経があるだけで、将来、卵巣の予備能があるということではないこと、また、月経があっても妊娠できるとは限らないということを知識として知るべきであるかと思います。

 次のページに関しましては、こういった生殖に関する知識不足以外に、正確な情報を伝えているかどうかも問題です。

 下に書かれていますように、未受精卵子、すなわちこれは卵ですが、凍結に対するダメージが大きいために、結婚した方の受精卵子に対して、生児獲得率が低いです。昨今、乳がんの患者さんが、卵を取った後に、5年後に離婚するケースがあります。離婚した後、その以前に受精卵を取っておいたものは使えなくなってしまうことから、未受精卵子をとっておくという場合になりますと、まだ技術が追いついていないことから、こういった点も情報を共有していく必要性があるのかもしれません。

 2枚ほどめくっていただきまして、卵子の老化、27枚目ですが、ドイツのGerberという研究者が、乳がん治療に対する1サイクルの抗がん剤治療は1.5年の卵巣機能低下につながると言っています。35歳の方が抗がん剤治療を受けたとすると、この理論でいきますと、35歳のときに40歳の機能になります。そして、ホルモン療法は、最近のエビデンスですと、5年から10年と伸びてきていることから、例えば、30歳の患者さんでも妊娠は厳しいということになります。

下の2017JCO誌の多変量解析の結果ですが、つい最近出たアメリカの報告では、衝撃的な結果があります。先ほどのガイドラインをつくったにもかかわらず、多変量解析をして将来妊娠を不安に感じる因子を抽出しているのですが、若い方、妊娠をしていない方、そして化学療法の予定の患者が抽出されたのですが、乳がんの場合はホルモン療法を5年から10年やることから、その年数が妊孕性低下につながるという結果が抽出されなかったことから、ガイドラインができていても、アメリカにおいても情報の共有がなされていないことを自虐的に書いた論文でありました。

右のページを見ていただきたいのですが、がんの主治医の先生方においては何よりもがん治療を最優先するべきであります。そして、がん治療が奏功しなかった場合の生まれてきた子供の幸せを考えるという点では、子の福祉を考えていくべき生殖医療医としては、全ての患者さんが妊娠を希望を持って妊孕性保存できるわけではないことも伝える必要性があります。

一方、右のように、生殖医療医としては、例え1個の卵でも、その卵の写真を胸のポケットに入れながら、一生懸命抗がん剤治療を受けている小児がん患者もいます。希望を持ってがんと戦うために、しかし、生殖医療の限界を伝えながらも、失わなくても済んだ妊孕性が失われなくて済むように、がん治療医と産婦人科医との医療連携が最も重要になっていきます。

一方、男性の若年患者においても、実は問題がございます。男性の患者におきましても、アルキル化剤や白金製剤を基本とした抗がん剤治療によって、遷延性の無精子症になる可能性がございます。

下のページの2番ですが、米国において小児がん専門医に対する意識調査を行いますと、80%の専門医が治療後の男性不妊を問題視し、さらに86%の専門医が妊孕性保存に関する検討を行うべきであると考えているにもかかわらず、わずか46%の専門医のみが生殖医に治療前の相談を行っていない現状があります。男性の場合は、精子凍結は女性よりも比較的簡単にできるわけなのですが、その情報がないまま、一度抗がん剤治療をすると、かなりのダメージがあるということで、こういった男性に対する専門医への意識づけというのも必要なのかもしれません。

以上を簡単にまとめますと、この問題点の解決策としては、正しい情報を伝え、的確なタイミングで伝えるためには、的確なタイミングというのは、がん治療まで時間がわずかしかないですので、がんと生殖に関する問題点をまず共有すること、そして医療連携を構築するということです。横のつながりとしては、主治医や産婦人科医、これは医師だけではなく、ヘルスケアプロバイダーの連携も必要ですが、縦のつながりとしては、岐阜県で行われているように、行政と基幹病院と小規模の病院が縦のつながりで医療連携を構築する必要性があります。そして、ヘルスケアプロバイダー、医師のみならず、さまざまな職種でこの問題を解決していく必要性があります。

もう一点は、AYA世代への対策です。これは、先ほどの問題もありますが、小児14歳まで、そして15歳から40歳までが思春期若年と一般的に言われているAYA世代に対しての大きな問題がございます。

小児がんサバイバー研究によりますと、2010年の報告では、4番にあります視床下部下垂体の照射が30グレイを超えると生児獲得が将来厳しくなるという報告が、1年後、このデータをフォローしますと、30グレイが22から27グレイ下がっています。そして、現在、20グレイ程度になると言われています。このように、コホート研究が長期に観察されることによって、これまで考えられていた妊孕性保存に関する治療法の、例えば、照射量が下方修正されていく可能性があります。

その次に、私どもの外来に来られた22歳の髄芽腫の患者さんのケースを提示します。この方はシスプラチンとイホスファマイド、赤字で書いた30から70%の確率で卵巣機能が廃絶される可能性がある。この方は非常に元気になって当院に来られたのですが、将来、妊娠できるかどうかは、主治医や、そして両親からも大丈夫だと言われていたのですけれども、テレビで抗ミュラー管ホルモンという採血をはかると将来の卵巣機能が予測できることを知って当院にいらっしゃいました。個人差はありますが、この方は22歳で抗ミュラー管ホルモンの値が2.18ナノグラム・パー・ミリリットル、これは34から35歳の年齢の値となります。

下に書かれましたように、こういったAYA世代の患者さんは、がん医療の進歩に伴って元気になってきてはいますが、その間、月経もあるのですが、月経があることが将来妊娠の可能性があるわけではないこと、若くして閉経となってしまう可能性があり、この22歳の女性は、多分、40歳までには閉経する可能性があることから、こういった情報を小児がん経験者にも伝えていく必要性があります。

最後の4枚になりますが、こういったAYA世代への解決策としては、小児科医の医療連携、特に小児がん治療医と小児内分泌医と、その後にたゆまないフォローアップとして産婦人科医の医療連携が必要となってくるかもしれません。

こういったことを解決していくために、私どもは日本がん生殖医療研究会を立ち上げ、活動してまいりましたが、上に書かれてありますように、岐阜大学の森重教授を中心として、岐阜県では、行政も絡んでいただいて、がん生殖医療を地域で完結できるがんと生殖に関する医療ネットワークを2年ほど前に構築されております。実際にそこの中で拾い上げられた患者さんが当院に来て治療を行った経緯もあります。

この問題は、がんを治すことが優先ですので、そういった中で正しい情報を的確なタイミングで伝えていくということではあるのですが、最後の1枚に行きますが、若年がん患者さんが希望を持ってがんと戦うためにも、地域で完結できるようながん・生殖医療に関する連携を充実させる必要かあります。これは最終的にはAYA世代も含めた若年がん患者のQOL向上にもなります。治療を拒否するような患者をあきらめさせる必要性もあるかもしれません。最終的には、がんでも子供を持つことができる時代になってきたことから、少子化対策への一助になり得るものと考えております。私どもが研究会などでこういった啓発活動を行っても、ボトムアップでやってきているものは、なかなか全国に広げることはできません。ですので、ぜひトップダウンで、地域などで完結できるような、こういった連携のシステムに関する御配慮をいただければ、がん患者さんのQOLは上がっていくと考えております。

以上です。発言させていただく機会をいただきまして、まことにありがとうございました。

○門田会長 どうもありがとうございました。

 先ほどの調査のほうからも妊孕性の問題というのは、調査としてはしているけれども、この基本計画の中では明らかにそういうことを提案したことがなかったことから、次期に向けてはぜひ何らかの形でということを提案いただいたと思うのですが、どなたか御発言ございますか、この件で。

 湯澤委員、どうぞ。

○湯澤委員 ありがとうございました。

 今、お話を伺った妊孕性の件についてなのですけれども、こちらは就労に関することにもつながってくるかなと思います。がん治療をするから仕事をやめなければいけない、治療するから妊孕性をあきらめなければいけない、ここには将来を自分自身が選択していくための正しい情報を御本人がお持ちでないというところが重要なポイントなのかなと思っています。ですから、今後、将来のQOLを高めるためにも、今、治療前にどういう情報が必要なのか、それが治療後にどのように役立つのか、そういうところにも目を向けていただきたいと思っております。

○門田会長 ありがとうございました。

 永山委員、どうぞ。

○永山委員 ありがとうございます。

 今、湯澤委員がおっしゃったこと、鈴木先生がおっしゃったことにある、正しい情報ということが私も一番大事だと思っています。先日も、はからずもこのタイミングで関連する報道がありました、30代の女性の方が治療のために10年以上凍結していた卵子で妊娠されて出産に至ったという、とても明るいニュースがありました。私もこういう分野の取材をしてきて、生殖補助医療分野でいろいろ悩んでいらっしゃる方にとっての解決策として卵子凍結などの技術は注目を集めていますし、メリットの面も大きいとは思う一方で、凍結卵子を使った妊娠・出産によって生まれたお子さんへの影響ですとか、先ほど鈴木先生の資料にもありましたように、まだ凍結卵子での妊娠・出産率が非常に低いという現状があります。もちろんそういった選択をすることができるというスタートラインの情報自体が患者さんに届いていないということは問題だと思いますし、そういう情報は提供されるべきだと思います。

そのときにあわせて、生殖補助医療の限界ですとか、残されている課題、そういったことも含めた形での情報提供を現場でどれだけできるのだろうかと考えます。先ほど鈴木先生がおっしゃっていたように、がんの先生にできるのか、患者さん本人がそういう知識を持てるのか、生殖補助医療の産科医の先生につながることができるか、そういったところが、ある意味、運というのか、たまたまそういう知識を持っている先生に出会えたとか、全然知らない先生に出会ってしまったため選択すらできなかった、取り返しのつかないことになってしまった、ということにならない、そういう患者さんを一人でも減らすという形での正しい情報提供を目指す形で、こういった国の施策というものに盛り込むことを検討していただければ、と思いました。

○門田会長 ありがとうございました。

 そのほか、いかがですか。どうぞ。

○濱本委員 AYA世代のがんということで言いますと、先ほどもお話がありましたように、基本計画の中には、AYA世代のがんということが全く記載されていない。例えば、この妊孕性の問題というのは、確かにとても太い枝だと思うのですけれども、やはり幹は、長期フォローアップであったりとか、AYA世代のがんに対する全ての施策ということだと思います。それが一切触れられていないということは、今、妊孕性についての現況報告にこれだけの項目ができたのであればなおさら、例えば、小児がん拠点病院がしっかりと引き受けるのか、どこの施設がどう繋いでいくのか、それをまたどういう形でウォッチしていけるのかというような体制づくりも同時にしていくことが喫緊なのではないかと思います。それであればこそ妊孕性を保つということによりつなげられるのではないかと思いました。

○門田会長 ありがとうございました。

 緒方委員、どうぞ。

○緒方委員 きょうは、阿南委員の御指摘、それから、鈴木先生のお話、ありがとうございました。私は、婦人科系のがんをした人が妊孕性が低くなるとか、妊孕性をあきらめなくてはいけないということは知っていましたが、きょう初めて、乳がん患者の治療に伴い、妊孕性が低くなったり、可能性がなくなるということを知ってびっくりしました。知らない人はたくさんいると思いますし、伝えられていないことも多いと思いますので、その辺もあわせて国の対策が必要かなと、つくづく思いました。きょうはありがとうございました。

○門田会長 ありがとうございました。

 阿南委員、どうぞ。

○阿南委員 ありがとうございます、皆様。

 妊娠・出産だけではなくQOLの向上という点で、鈴木先生の話にもありましたけれども、既にがんの治療を終えて、私の場合もそうなのですけれども、経過観察も終わってしまった患者さんに対して、この情報をどう届けられるのかというのをすごく心配しています。私も治療が終わって9年ぶりに主治医に再会をして、ホルモンの数値をはかっていますかと言われて、検査を受けたら、私も恐らく40までに閉経するだろうというような数値でした。そういうことを卒業してしまった患者さんにどう伝えていくかというところも、ものすごく大きな問題だと思っています。

○門田会長 ありがとうございました。

 この点、濱本委員からもありましたけれども、今までは余り問題視した形の計画をつくれなかったということですので、これは皆さんの御意見を伺っていても、この内容をどういう形に盛り込んでいくのか、多分、次期の計画の重要なポイントになるだろうと思います。そういう方向で、きょうは本当にいい点を指摘していただいたと思いますが、これはこれでよろしゅうございますか。では、その方向性で検討していくと。ありがとうございました。

 まことに申しわけないのですけれども、司会者として、先ほどのところで、事務局が示しました中間評価報告書の形、それから、内容についての説明をいただいて、それに意見をもらわずに次に進んでしまったのですが、この点は、これから先、順番につくり上げていきますので、いつも言っていますように、時間の関係から、もし何か御意見があれば、またメールか何かで事務局まで意見を出していただきたいと。まだこれは時間がございますので、そういう形で扱わせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 それでは、最後になりますけれども、今後のがん対策の方向についての取りまとめと、それから、前回の協議会で意見として私が提案させていただきましたけれども、医療分野におけるマイナンバー制の今の動きに対して、その活用について、ぜひ積極的に意見を出したらどうかということを申し上げて、もう既に皆さん方に文案を見ていただきまして、それは厚生労働大臣に提出しているということでございますが、この2点について、事務局から御報告をお願いします。

○江副がん対策推進官 それでは、資料9−1をごらんください。「今後のがん対策の方向性について」の検討状況ということで、これまで各委員、本日の阿南委員、それから、鈴木参考人も含めまして、さまざまな、今後必要な、大きな方向性についての議論を行ってまいりました。それを議論の参考に整理をしてみたのが、こちらの1枚紙となります。大きな分類としましては、現行の基本計画に一応、記載をされている内容、それから、現行の基本計画に記載されていない内容と分けてみました。

 記載されている内容ということで、さらに分けていきますと、がん医療全般についての現在の課題と今後の方向性といったお話は、門田会長、堀田委員を含めてお話をいただきました。また、主に患者の立場から、全ての患者が尊厳を持った生き方を選択できる社会を構築するといった観点から御発表をいただいております。また、がんに関する相談支援と情報提供についてもお話がございました。また、小児がん、それから、がん患者の就労に関する問題についても、これまで課題を御指摘いただいております。

また、現行の基本計画に記載されていない内容としましては、まさに本日御議論いただいたAYA世代のがん生殖医療の実践、それから、生殖医療にかかわらない子の世代の全般的な課題についてお話をいただいております。また、がん医療を含む社会保障制度全体の動きといったことについても、主に外部の参考人より、これまで御発表いただいてきております。

それで、こうした内容を、今後、主に第3期の基本計画に向けて、必要な事項ということで取りまとめていく必要があると考えておりますが、どのようにまとめていくかについて、本当に骨子のたたき台のたたき台というものを資料9−2として1枚用意しております。これは全くの素案ということですので、これを踏まえつつ、どのように取りまとめていけばいいのかということについて、御自由に御意見をいただければと思って、一応、用意したものでございます。

主に4点ございまして、これ以外にも各種あろうかと思いますけれども、とりあえずのところは4点あろうかと思っていまして、まず、1点目が、がん対策基本法及びがん対策推進基本計画の趣旨、また、取りまとめそのものの趣旨等についてです。2点目が、がん対策推進基本計画に記載があって、これまでおおむね達成できてきたような事項。3点目が、基本計画に掲げられているものの、さらに推進が必要な事項。4点目が、基本計画に掲げられていなくて、今後特に推進が必要な事項という分類が例えば、できるのかなと思っておりますが、これにとらわれず、どのように取りまとめていくかということについて、適宜御意見をいただければと思います。

これも先ほどの中間の評価と同様に、きょうは十分な議論をする時間はございませんので、きょう、既にお気づきの点があればいただければと思いますし、後ほどお気づきの点について事務局までお寄せいただければと考えております。

それから、資料10についてもあわせて御説明をいたします。先ほど門田会長から概略を御説明いただきましたが、前回9月の協議会の際に、いわゆるマイナンバー等の医療活用に関しての議論が進んでいるということを受けまして、その議論に際して、がん対策の観点からも、協議会として意見を出してはどうかという会長からの御指摘がございました。その後、省内の担当部局とも相談をしまして、どのような形で意見出しをするかを検討しておりましたが、本日、1212日の協議会までに一定の取りまとめがなされるのではないかといったスケジュール感でマイナンバー制度の検討が進んでいるということがございましたので、門田会長とも御相談いたしまして、本日の協議会を待たずに、意見書について委員の皆様に御確認をいただきまして、医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会に資料10の意見書を提出させていただいたところです。それにつきましては、第6回の同研究会、1121日に開かれた研究会におきまして御紹介をいただいたと聞いております。

資料9−1、9−2、資料10の御説明は以上となります。

○門田会長 きょうは、今、おっしゃられました番号制度の活用等に関する研究会が開かれて、そこを担当されているどなたかが来ていただいていると。その後といいますか、それから現在までのことを委員の皆さんに教えていただけますか。

○高木政策統括官付情報政策担当参事官室政策企画官 わかりました。情報政策担当参事官室の政策企画官の高木でございます。

 資料10でいただきました意見書につきましては、現在、統括官のもとで開催をいたしました医療等分野における番号等の活用に関する研究会の第6回、1121日に開催された第6回の場でお配りしております。1121日は中間まとめのたたき台もその場で出しております。

先に申し上げますと、その中間まとめについては、第7回が12月3日に開催されまして、そこで座長一任ということで了解されて、この1210日、水曜日でございますけれども、取りまとめて公表しております。がん対策における番号の活用につきましては、もともと番号制度というものが行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律となっておりまして、行政機関ないし医療保険者、行政機関が用いるということが法律上、明記されております。これは、例えば、医療分野で用いるということになりますと、法律の名称や目的規定等、法律そのものを大きく改正することになりますので、現行法の前提で考えますと、医療分野ではマイナンバーそのものは用いないことになります。

他方、都道府県でがん罹患情報が医療機関から提出されて、それを市町村の死亡情報との突合整理を行うという事務がございますけれども、その事務にマイナンバーを使うということは、現行法上は、都道府県、市町村がマイナンバーを使うことは、別表の改正が必要ですけれども、現行法の中では可能であると考えております。ただ、都道府県でそうした事務を行うに当たって、都道府県が現在提出されるがん罹患情報のデータからマイナンバーを検索して、それをつけていくという作業が都道府県でどこまでできるかどうかといった実務上の話もありますので、他方、この医療等分野では、医療機関で、マイナンバーに限らず、何らかの番号を使うということも考えておりますので、都道府県の事務と医療機関で用いる番号のあり方も兼ね合わせながら、その実務的な課題も含めて引き続き検討していくという形で、この扱いについては、中間まとめには位置づけられているところでございます。

○門田会長 今、がん登録も動いていますね、法律できて。がん登録をやっていく上で、都道府県を超えてやっていけば、当然ながら、ダブりとか何とかをチェックするのに、こういうものがあれば簡単に使えると、安易に感じるのですが、そのあたりの方向に利用することは可能なのですか、不可能なのですか。

○高木政策統括官付情報政策担当参事官室政策企画官 まず、御指摘のとおり、マイナンバーはちょっと置いておきまして、何らかの番号で突合するということは、事務の効率につながると思います。この報告書でも、マイナンバーについても触れておりまして、国及び都道府県でマイナンバーを用いることによって、転居した場合も含め、突合整理を確実、効率的に行うことが可能となりますので、行政機関の事務の効率化に資するとともに、全国がん登録情報の精度の向上につながるとしております。

ただし、都道府県でマイナンバーとひもづけることにつきましては、事務量が膨大となるなど、事務的な課題があると指摘がございます。他方で医療分野で別途マイナンバーとは別の番号を用いると、これがあれば、がんの患者さんにかかわらず、その番号を医療分野で使うことが可能になりますので、そうしたことを兼ね合わせまして、突合整理に用いる番号のあり方について検討していくとしております。

マイナンバーを仮に医療分野で使う場合には、がんの患者さんに限ってマイナンバーを取得をするというのはなかなか難しいと思います。その方について、がんであることを告知をした上でマイナンバーを出してくださいとしないといけないと思いますが、そこの部分の実務的な課題とかもございますので、医療機関の場でマイナンバーを使って罹患情報に出すことについては、なかなか難しい課題があるのではないか。ただし、都道府県でつけることは、事務的な量をもう一度精査した上で、引き続き検討していくとなっております。

○門田会長 我々とすれば、がん登録を含めて、この会の患者委員の皆さんが議連に行って、将来の子孫のために自分たちのデータをぜひ残してやってほしいと、そういう強い気持ちを訴えに出て法律が通ったと私は思っているのですけれども、何かそういうところ、現場の患者さんたちの意見と、行政サイドというのか、法律に基づいてやることの難しさを、今、感じつつ、お話伺いましたが、これから先、どこで、もう少しそのあたりが検討されていって、もう少し積極的に使えるという方向に検討される場所というのはあるのでしょうか。

○高木政策統括官付情報政策担当参事官室政策企画官 まだ私どもの研究会でございますので、がん対策協議会のような高い立場のところのものではございません。あくまでも研究会でございます。しかも中間まとめでございますので、法律にかかわる部分について、どのような審議会とかでまた検討するかどうかというのは、それは厚生労働省の中での整理になりますけれども、そこは引き続き、そうした関係者の御意見を聞きながら、私どもも検討してまいりたいと考えております。

○門田会長 濱本さん、どうぞ。

○濱本委員 がん登録法をつくっていただきたいと意見書を患者会連名で出した、私もそれを話し合った場にいた一人なのですが、この場には患者関係者が約100名近くおりまして、それぞれが、最初いぶかしく思っていた、自分の個人情報を知られてしまうのか。ただ、じっくり話を聞くと、これからがんを罹患する人を減らしたり、自分のデータが人の役に立てるならということで納得されて、最終的には全員が、ぜひ自分のデータを使ってほしいと。

私は大阪府から来ておりますが、大阪府では、がん条例ができたとき、住民基本台帳法条例も制定され、登録された患者の予後調査に利用できるようになりました。これにより、生存確認率が飛躍的に伸びまして、99%近くまで行っていると聞いております。こういった先行県先行例に対する調査、そちらからの意見提出を得るような機会、また広くパブリックコメントのように民意を吸い上げていただく機会も与えていただけたら、何か突破口が見えるのではないかと期待をしております。よろしくお願いいたします。

○門田会長 そのほか、どなたか御意見ございますか。よろしゅうございますか。

堀田委員、どうぞ。

○堀田委員 先ほどがん登録の話が出ましたので、少しコメントさせていただきますと、がん登録はあくまで地域がん登録の集合体としての全国がん登録なのですね。ですから、地域である程度まとまったものを、最終的に国立がんセンターのデータベースに突合するわけですが、そのときに県を超えますと、すなわち、個人がある県から移動してしまうと、それは県のレベルでは突合できていないので、結局は全国で共通の番号でない限り、幾ら県で突合できても、その先は本人確認が難渋するという状況が予想されます。

もう一つは、全死亡情報、これは年間に大体120万件あるのですね。登録情報との契合をしなければいけないということから言えば、決してがんだけの話ではなく、今後の疾患登録全体の問題としてどうクリアしていくかが非常に大きな問題だと思います。

○門田会長 どうぞ。

○野田委員 この中間取りまとめにかなりきちんと書いてあるので、ただ、先ほど言われたように、方向性がボトムアップでない書き方になって、つまり、使う目的の側からどうあるべきかというよりは、こうあるべきものだから、このように使われることが想定されると、かなりきちんと書いてありますから、これ、一回、ここで議題にする可能性があれば、したほうが、1ページにわたって全国がん登録での罹患、診療、転機等の状況の把握ということが中間取りまとめにかなり書いてあるので、今のように基本に戻らず、これできちんと話をしたほうがいいと思います。

○門田会長 ありがとうございました。

 そのほか、どなたか御発言ございますか。よろしいですか。もう予定の時間は過ぎておりますが、特に御意見ないようでしたら、本日はこのあたりでお開きにしたいと思いますが、我々の任期も来年6月ということで、ほぼ半年残している状況になります。今、我々のテーマは、1つは、この中間評価をきちっとやる、そしてそれを報告書にまとめ上げるという仕事と、それから、次期の協議会に対して、基本計画についての、今の委員の意見をまとめて残しておくこと、この2つを今までずっとディスカッションしてきているわけですが、最終的な報告書にまとめるということを半年のうちにしなければならないということで、きょうも幾つかのご指摘をいただいているところでございますので、あと半年間、ぜひ御協力、よろしくお願いしたいと思います。

 それでは、事務局から何か御報告ございますか。

○江副がん対策推進官 活発な御議論ありがとうございました。

 次回の日程等につきましては、また調整をさせていただいて御連絡させていただきます。ありがとうございました。

○門田会長 それでは、これで本日は終わりたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)

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