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2014年11月25日 歯科診療情報の標準化に関する検討会(第4回)議事録

医政局 歯科保健課

○日時

平成26年11月25日(火) 15:00〜17:00


○場所

中央合同庁舎第7号館西館12階 共用第2特別会議室


○議題

1.平成26年度歯科診療情報の標準化に関する実証事業の進捗状況について
2.その他

○議事

○大島課長補佐 

それでは、ただいまより、歯科診療情報の標準化に関する検討会(4)を開催いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日はオブザーバーとして、警察庁刑事局の田中課長補佐、門井課長補佐に御出席いただいております。また、参考人として、新潟県歯科医師会様に御出席いただいております。なお、本日の検討会については公開となっていますが、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。

 続いて、資料の確認です。資料は、議事次第、座席表となります。資料一覧ですが、資料の右上に資料番号を振っています。資料1は、本年度の歯科診療情報の標準化に関する実証事業・モデル事業に関する資料です。資料1-1は、参考人提出資料で、A3の横の1枚紙も付与されています。資料1-2は、玉川委員から御提出いただいたものです。資料2は、本モデル事業に関連して、青木委員から御提出いただきました。また、参考資料1は、本検討会の設置要綱です。参考資料2は、前回9月に行われた検討会の議事録です。乱丁や落丁等がありましたら、事務局までお知らせください。

 それでは、住友座長、よろしくお願いいたします。

 

○住友座長 

こんにちは。歯科診療情報の標準化に関する検討会(4)を開催いたします。本日は、モデル事業の技術的な面を含めての進捗状況の報告を基にして、皆様方から御意見を頂くこと。もう1つは、こうした歯科のICT化の他の利用、又は活用について将来的なイメージの共有化を図るためのレクチャー、そして、意見交換です。どうぞよろしくお願いいたします。では、先ほど御確認いただいた資料について、事務局から説明をお願いします。

 

○大島課長補佐 

資料については、本年度のモデル事業の進捗状況に関する内容となっています。つきましては、事業の委託先の新潟県歯科医師会様から御説明いただくことでよろしいでしょうか。

 

○住友座長 

よろしければ、いかがでしょうか。モデル事業の進捗状況の報告ということで、新潟県歯科医師会の瀬賀様、よろしくお願いいたします。

 

○瀬賀参考人 

新潟県歯科医師会の瀬賀です。本日は、お時間を頂戴しましてありがとうございます。今、御説明がありましたように、平成26年度のモデル事業ということで、現在、新潟県が行っている実証事業の進捗状況を、私から御報告申し上げます。

 本日の配布資料ですが、スライド配布資料の2番目を御覧ください。前回、第3回の検討会で御議論いただいた中で、標準化情報のデータ様式をどうするかについて御議論いただきました。また、生前と死後の歯科情報において、どのような形で整合性を保ち、共通フォーマットとするかといった御意見も頂戴しております。これらの検討会の意見を踏まえて、今回は、私ども新潟県歯科医師会として、今、この2つの項目に掲げる事業を実施しております。青文字の1番と2番になります。

 まず、1番目から説明いたします。標準化情報によるレセコン活用検証ということをうたっております。前回の検討会で議論されていますけれども、今年度においては、昨年度の事業結果を踏まえて、歯科診療情報データを標準化するためのデータ形式をどうするかを具体的に検討いたします。また、データ形式については、ISOや、ANSI/ADASS-MIX2など、いろいろな規格があって難しい内容になりますが、そういった様々な規格も考慮した上で、データ形式を策定いたします。そして、歯科のレセコンに身元確認のための支援機能として、こういった標準情報を付加する方法を検討してまいります。これがまず1つ目の大きな事業になります。

2つ目は、包括的な標準化に向けての検討になります。前回、死後の歯科情報との整合性をどうするかという御議論もありました。死後の歯科情報だけではなく、生前も含めた様々な歯科情報を、それぞれが整合性を保った中で、いかに活用できるか、これらについて検討を行うとともに、併せて現在、各県の歯科医師会とか、そういった所に御協力をいただき、標準化の周知、意見聴取等を行っているところです。それでは、具体的に御説明いたします。

 スライド3です。一番目の標準化情報によるレセコン活用の検証になります。まず、標準化情報のデータ形式については、現在は詳細を検討中ですが、このデータ形式が決まると、歯科医院にあるレセコンの中に身元確認を支援する機能として、標準情報の入出力、要するに標準情報を読み込んだりデータとしての出力や紙などの媒体に印刷する機能を組み込んだり、医院内でのレセコンで、個人を検索する機能を付加することができます。

 今年度事業の中で、これらの検索機能を付加したレセコンのプロトタイプを御提示できればと思っております。具体的にどの程度のものができるかということは、まだはっきりと申し上げる状況に今はありませんが、現在、これに向けまして、早急にデータ形式の策定に取り組みたいという状況です。

 スライド4は、歯科医療機関におけるデータの管理と活用として例示しています。例えば、このような形で各社のレセコンに身元確認を支援する機能が付加されると、例えば警察からの御依頼、標準化された情報形式で依頼されると、各医院で容易にこのような歯科情報を検索することが可能になります。一般的ですけれども、歯科医院1軒当たりで、大体5,0006,000名程度の患者さんの歯科情報があると言われていますが、例えば、警察からの依頼を受けて、院長先生がわざわざそういった5,000人分のカルテを11つ探すということではなく、こういった標準化機能をもったレセコンが構成されれば、瞬時に検索が可能です。これを今、検討しているところです。

 スライド5、標準プロファイル26項目についてですが、これは、昨年度策定したものになります。昨年度、私どもの実証事業において、会員の先生方の御協力をいただき、こういったレセコンから抽出した歯科情報、そして、来院された患者さんのお口の中の状態を直接診察しマークシートに記録した歯科情報、これらを全て匿名化して、照合と検索を行いましたけれども、標準プロファイルと私どもは呼んでいますが、これは歯科医院の保険診療に基づく26項目をベースにして策定しております。これは26項目ありますが、これだけの情報量を持てば、極めて高い精度で身元の絞り込みが可能であるということを昨年度の報告書にまとめており、こういったことが分かっております。一応、本年度はこれをベースにして、より具体的な標準データ形式を検討しています。

 スライド6は、身元確認に資する歯科診療情報の標準化、口腔状態の保存・交換・検索の実現です。こういった今年度事業において、口腔状態標準データセット、ちょっと難しい部分が出てきますが、データ形式の赤い部分をどのような構造にするのかを今、検討しています。データと言うと、なかなか難しいイメージになりますが、一般的に分かりやすい例を取ると、デジカメ等をお使いになっていると思いますが、デジカメなどで使われる一般的な画像データのJPEGファイルは、皆さんもよく御存じだと思います。そういった画像データにおいてJPEGもそうなのですが、GIFbitmapとかいろいろな種類があります。こういったJPEGのように共通でやり取りできるデータ形式があれば誰でも容易に使うことができ、このような情報のイメージになります。そういったデータ形式の構造を、具体的に歯科の口腔状態の標準データセットの中で、そのイメージをどうやって作っていくかということを検討しています。

 そのほかですが、国内の医療データの規格の中に、先ほども少しお話しましたが、SS-MIX2という、診療情報を保存するための規格があります。この部分については、また本日、資料が提出されており、玉川先生から詳細な御説明があると思います。これは医科の規格になりますけれども、こういった規格も考慮して検討しています。更に、ANSI/ADAはアメリカの歯科医師会の中でforensic dental data set、法医学的なデンタルデータセットとして、法歯学に関する歯科データセットの仕様書No.1058というものがありますが、こういったものとの互換性も考慮しながら、ISOやインターポールのDVIとの互換も見据えて、データ形式を検討しています。難しい内容になりますが、後で玉川先生に、この辺のデータの部分について御説明いただければと思います。

 スライド77番の部分については、木構造表現ということで、本日、一緒に配布しているA3資料「口腔状態標準データセット()20141125日」の黄色い部分と、スライド資料8を併せて御覧ください。

 先ほども説明いたしましたが、昨年度事業において、この標準プロファイル(26項目)については、既に有効性が確認されていることを認識しています。これをベースにして、特徴ごとに整理したものが木構造、分かりにくいかもしれませんが、黄色い部分です。先ほど説明した5ページで、26項目を説明いたしましたが、この26項目については、全て同じ状態で並列です。5ページの表では、単純に言えば、並列に26項目並んでいるだけですが、この中で、情報の詳細度という観点で捉えると、今、お話した26項目は、必ずしも情報が同格ということではなく、歯が有るのか無いのかというような粗い情報から、歯のどの面が治療されているのか、どのような材質なのかというように、いろいろな情報を持っています。

 イメージとして、A3の黄色い表ですが、向かって左側に行くにしたがって、詳細度が粗くなります。逆に右側に行くほど、細かい情報の詳細度になります。この部分で、ちょっと分かりにくいかもしれませんが、イメージとして、26項目については、昨年度、1つのテーブルの上に木も幹も置いてあり、太い枝もある。小さい枝もあったり、葉っぱも全部混じって、ただ、並列に置いてあります。この部分をもっと整理して、特徴を踏まえて、ツリー構造、こういった木の状態の構造にして、同じテーブルの中でも、木の幹を入れる所はここですとか、枝を入れる所はここだとか、葉っぱを入れる所はここですというように整理したものが構造化であり、それをイメージにしたのが黄色い表になります。したがって、内容が増えても、例えばイメージとして、左側に行くにしたがって太い木、枝、幹になります。また、右側の部分に葉っぱを追加することで、拡張するのが容易になります。拡張する部分は恐らく、この右側の項目になってくると思います。

 このイメージですが、恐らく歯科医の先生から見ると、この木構造的は理解しやすいものと思いますけれども、本日、御出席の方もおられますが、IT関係の技術の先生方にとっても、非常に分かりやすく、プログラムを組みやすいものになるかと思います。標準データセットの部分については、IT技術の部分が主になりますので難しいと思いますが、こういった標準プロファイル(26項目)をベースにして、要は、皆さんが誰でも使いやすく、かつ様々な互換性や拡張性も考慮したデータ形式にしてまいりたいと思います。この辺については、後で、青木先生に追加をお願いできればと思っております。お願いいたします。

 今、お話した中で1点、実は御確認ということでお願いしたい部分があります。新潟県において、こういったデータ形式に基づいて、これからレセコンに標準化機能を組み込むことを検討していきますが、その際、サンプルとしての歯科情報が必要になります。これに用いるデータとしては、継続事業として使用したいと思いますが、昨年度、私ども実証事業のデータについて、前回の事業の際にも、一応、歯科情報の標準化情報に御協力いただくこととして患者さん御本人から同意書を頂いており、各歯科医院の院内掲示で周知も促しておりますし、一応、御理解もいただいております。当然、これらのデータもまた全部匿名化し、作業しています。これについては、必要に応じて、私どもで倫理委員会等に諮ってまいりたいと思いますので、その点を御理解いただければと思っております。今、御説明してきた部分が、歯科情報のレセコンの機能の部分や、そういった大きな1つ目の項目になります。

 続いて、スライド9は、歯科情報の包括的な標準化に向けての検討です。先ほど来、説明した内容については、歯科医院が保有する歯科情報、レセコンですとか、歯科情報をいかに標準化するかという議論になります。

 皆さん御承知のとおり、歯科情報としては、これ以外にも、例えば学校検診、事業所や職場における歯科検診、乳幼児、妊産婦や後期高齢者の歯科検診などいろいろな歯科検診があります。こういった歯科検診は、いわゆるスクリーニングになりますので、歯科医院で診察のものとは全く異なります。歯が有るか無いかとか、その程度の情報量しか持たないのかもしれません。

 ただ、実際、東日本大震災においては、歯科医院が津波で流されたことがあります。当然、カルテなどの歯科情報も無くなってしまったケースもあります。高校生でしたが、逆に歯科検診のデータによって、実際に身元確認につながった事例も報告いただいています。今、お話したように、現在はこういった歯科検診の情報がどのように保存されているか、明確ではありません。紙媒体で保存されていたり、場合によってはパソコンにデータとして保存されているケースもあるかと思いますけれども、歯科検診の情報も貴重な生前情報です。歯科検診情報の活用や保管について、現在、意見交換を行っております。本日、柳川先生も出ておられますが、先日、静岡県様とも意見交換し、貴重な意見等も頂いております。

 また、離島においては、場合によっては、災害で島の全島が壊滅的な被害を受ける可能性もありますので、こういったことを含めて、また離島における歯科検診情報について意見交換を行う予定です。

 こういった意見交換と合わせて、全国各地で歯科情報の標準化について、今、周知を図っています。東南海地区や四国、九州については、率先してこういった標準化の周知を図っており、特に生前の歯科情報の大切さ、保管の重要性について歯科医師の方はもちろんですが、警察の方や海上保安庁の方、行政関係者にも歯科情報の重要性について、御説明申し上げて、御理解いただいているところです。前回の検討会でも御指摘がありましたし、本日も御指摘があるかと思いますが、生前情報と死後情報との整合性との問題については、警察の関係者、こういった方々とも意見交換を行い、御相談してまいりたいと思いますので、また、よろしくお願いいたします。

 そのほかでは、災害や事故において、その規模や類型によって様々な特徴があります。水害や津波、航空機事故等いろいろなケースがありますけれども、このような災害や事故において、実際に検視業務に従事された方、歯科医の先生や警察の方、そういった方々から生前と死後の歯科情報についてお話を聞いたり、整合性の問題などを意見交換しているところです。

 スライド10です。ただいま御説明申し上げたとおり、向かって左側は生前の歯科情報、サンプルとしてマークシートを出していますが、同じように歯科健診のデータも、何らかの様式で標準化に変換し、生前歯科情報としてデータ化する。一方、右側は死後の歯科情報、例えば、平時の事故等で警察から御依頼があり、歯科医師会等にデンタルチャート(死後記録)がまいりますが、デンタルチャートや災害等におけるこういったものも、データとして整合性にも十分考慮しながら、標準化して照合や検索が容易にできるようなシステムを目指し、そういったことにも意見を頂戴しています。

 スライド11は、標準化によって、これらのものが全て、スムーズにつながるようになります。この11番については、参考に御覧いただければと思いますが、青木委員より、将来イメージについての資料が、本日、提示されておりますので、恐らくこれらについて、後ほど、青木委員から御説明があると思います。

 今、私が御説明申し上げたものが、新潟県歯科医師会が行っている事業の進捗状況です。既に11月下旬ですので、残り僅かの期間ですが、また、皆様からいろいろ御意見をお聞かせいただき、御協力いただきながら事業を遂行したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。私からは以上になります。

 

○住友座長 

ありがとうございました。技術的な面について、玉川委員、お願いできますか。

 

○玉川委員 

それでは、今、御説明がありました瀬賀さんの内容を、いかにして実現するかについて御説明いたします。資料1-2です。この資料は重複があります。567、ページは同じものですので、その部分の説明は省きます。

 先ほど口腔状態の標準化データセットというお話がありました。今回考えましたのは、瀬賀さんの説明にもありましたが、生前情報の詳細度が違うこと。それから、死後情報に関しましても、同じ情報の詳細度が違うということですので、両者をうまくマッチングさせて検索しようと思いますと、いわゆる樹木構造にしておいて、生前情報は大体、枝のところですね、死後情報は葉のところですよねということがあった場合、枝と葉の関係をきちんと定義しておくということがメインの作業だと考えております。

 したがいまして、樹木構造の説明が最後にきますが、それに関して一体何を考えたかの部分を先に説明いたします。資料のスライドの1ページの上です。現在、電子的に蓄積されている情報として、口腔に関連しますのは、初診時の情報、再診の都度増えていく情報、技工装置に関する情報の大きく3つがあると考えております。

 初診の口腔情報に関しては、各ベンダーさんによっていろいろなデータの形式がありますし、標準のコードが現在はありませんので、今回その分をツリー構造にして、こういう形であればうまく収まるのではないですかということを考えました。

それから、上の右側にあります、再診の都度、更新される口腔情報に関しては、主に病名や診療行為ですので、病名は厚生労働省の標準規格として既にあります。歯式については、基金の6桁コードがあります。それから、診療行為そのものはレセプト請求がありますので、こちらは現有の標準コードをそのまま使えるだろうと考えております。

 技工装置に関しては、実は技工の指示を出してからと作られたものが口の中に装着されるまでにいろいろなステップがあります。その度に必要な情報は異なっています。実は、この部分もまだ情報交換の標準コードはありませんが、日本歯科技工士会からは分類コードが出ておりますので、そのコードをできるだけ利用したいということを考えました。

ということで、初診時の口腔情報と再診の度に変化されていく情報と技工装置の情報の3つが重ったところを何とか表現したいと思っております。その部分になかなかいい言葉がなかったのですが、今回「口腔状態のスナップショット」という言葉で説明いたします。

 スナップショットといいますのは、ある患者さんの最終来院時の口腔状態を1つの医療機関にある電子データを用いて表現したものです。スナップショット=初診の状態+再診の経過+技工装置の情報ということになります。この中身は、先ほど御説明がありました口腔状態の標準データセットと詳細度を互いに変換するためのテーブルの合わさったものというイメージです。

 もう少し具体的に説明しますと、初診時の口腔情報について1ページの下に本院で使っています初診時の入力画面例を用意しました。例えば左側に補綴物というところがありまして、インレー、前装冠、ジャケット冠など人工物の名前が書いてあります。充填物の欄もありますし、その他の状態として、う触の状態やクサビ状欠損など歯の状態もあります。実際には歯を選んで、次にその内容を選ぶと初診時の口腔状態が登録できるようになっております。

この画面は歯牙単位といいますか歯単位ですが、歯面単位で入力しておられる所もあります。こういう情報を初診時の口腔情報と呼ぼうと考えておりまして、その具体的な内容は歯とそれぞれの状態ということになります。

 次はオンラインのレセプトでどのような電文が交換されているかということで、再診の度に更新される情報の具体的な内容です。上部に傷病名部位というのがあります。ここでは、7から7までPという病名と右の1番のPerという病名をつけた場合に、実際の電文がどうなっているかということを真ん中以降に示しております。

電文の内容としては、文字がテキスト情報としてずっとつながったもので交換されているのですが、行の頭にHSというのがあり、コンマが続いて、その後、支払い基金で使っている6桁の歯式コードがずっと続いております。7から7までということになりますので、28本分の歯の部位コードがつながっていて、最後にP病名の基金コードである5234009という数字があります。こういう形で実際に電文がやり取りされております。

それから、Per病名についても同じように数字を使ったコードで電文がやり取りされておりますが、この場合は部位が1つしかありませんので、101100という右の上1番の現存歯で、部分指定はないという歯の状態コードに、Per病名の523316というコードが続いて送られているという仕掛けになっております。

 こういうコードのやり取りを前提にテーブルの構造を考えました。実際には2ページの下にある形で、生前情報と死後情報等をマッチングさせるテーブルを考えてみました。先ほど新潟県歯科医師会から御説明があったものと基本的には同じですが、細かい部分で少し違っています。

今回、策定する範囲は同じです。口腔状態のスナップショットというのが、先ほどお話したような最終来院時の患者さんの口腔状態を示すもので、それと、災害時の口腔状態データセットとリンクを持たせたテーブルも併せて提案したいと考えております。

 各社の電子診療録、あるいはレセコンからは、先ほど説明しましたような数字のコードに変換したものがスナップショットとして出力できると考えております。そのスナップショットの状態と災害時の口腔状態データセットとの間には、こういう形のテーブルにしておけば合うことが定義できますので、比較的たやすく変換できると考えております。ですので、この部分は変換ではなくて「リンク」と書いております。

 右側が死後情報、あるいは災害時のテータ像です。問合せがあった場合に、データセットに対して問合せをするということを想定しております。ANSI-ADAのデータに関しましては、後ほど説明いたします。災害時の口腔状態標準データセットだけではカバーできませんが、口腔状態のスナップショットというところまで範囲を広げますと、海外からの情報に対しても受皿としてうまく働くと考えております。ということで、今回は口腔状態のスナップショットをいかにして表すかを工夫しました。

3ページの上、SS-MIX2の概念図です。これは共通形式のスナップショットをどこにどのように電子的に蓄積するかということに関して説明したものです。これも新潟県からの御説明にありましたように、医科で進んでいる情報共有の形式がありまして、それをSS-MIX2と呼んでおります。

SS-MIX2 は、具体的にどういうことかと申し上げますと、図の左側に既設HISと書いてありますが、これは病院情報システムのことです。その上に既設PACSと書いてあります。これは、主に放射線画像関係の情報を蓄積しているシステムのことです。そこから、HL7(国際的に共通の標準コード体系)で、患者さんの基本情報、処方歴、検査結果歴を共通のフォーマットで蓄積しましょうということが始まっています。最初はSS-MIXと呼んでおりました。SS-MIX2では、やや概念が広がっております。SS-MIXは、共通の標準化されたストレージだけを扱いましょうというものだったのですが、それに加えて、在宅医療や介護などへの情報共有も進めましょうということで、拡張ストレージ、図の真ん中の下側に書いてありますが、そういう部分を追加したのがSS-MIX2です。

 ですので、病院の情報システムから電子的なデータとして出力する場合に、患者さんの基本情報の名前や生年月日、処方の履歴、検査の結果等の既に標準コードが定まっているものに関しては、標準化ストレージにこういう形で溜めましょうということが始まっているのです。今、東北地方をはじめとして、いろいろな所で動いています。そして、それに加えて、まだ標準化までは決まっていないけれども、医療関係者を含め共通に利用したほうがいいというものに関しては、拡張ストレージにデータをしまってくださいということを、SS-MIXコンソーシアムが推奨しております。

 この仕組みは、厚生労働省を含めて日本の標準フォーマットという立場ですので、歯科の情報を蓄積する場合にも、患者さんの名前、医療機関名、生年月日などは標準ストレージにしまえばいいと思うのです。今回検討しております生前や死後の歯科情報に関する標準化データは、拡張ストレージに蓄積するのが合理的ではないかと考えております。この拡張ストレージや標準化ストレージに蓄積されておりますのは、具体的にはテキスト情報ですので、どんな機械であっても読むことができます。右側にありますように、ある程度の変換をかければ照会先の患者さんのところにデータを送るということもできるようになります。医師用の端末から、テキスト情報ですのでファイルの形式に余り捕われないで、どのような機械を用いても読むことができるという仕掛けになっております。拡張ストレージに、先ほどお話しました口腔状態のスナップショットを蓄積することが、長い目で見ますと標準化という意味では良いのではないかと考えております。

では、実際に、標準化ストレージ、拡張ストレージとは何ですかというのが、3ページの下に書いてある図です。

 ここにフォルダの階層が書いてあります。いわゆるコンピュータの中にファイルを蓄積するときにいろいろなフォルダをお使いだと思いますが、標準化ストレージでは左にありますように、標準化ストレージルートフォルダーに患者のID3桁ずつに分けて扱うというルールです。最終的には患者IDというフォルダの中に診療日ごとにデータを蓄積していきます。患者ID3つずつに分けるのは、1つのフォルダの中にたくさんのフォルダを入れると、検索性が落ちるということで、3桁ずつに分けてあると聞いております。

 いずれにせよ、標準化ストレージ、ルートフォルダに患者さん単位で診療日ごとにデータがテキストで蓄積されているという形を標準化ストレージと呼んでおります。ルートフォルダには名前を付けることになっておりまして、多くはその医療機関の名前や医療機関番号などを付けるという形です。蓄積されておりますのは、臨床検査データ、処方データ、病名情報データです。先ほども説明しましたHL7の形式で表せるものが左側の標準化ストレージにあります。

 我々が今、考えておりますのは右側の拡張ストレージフォルダにデータをしまいましょうということです。拡張ストレージも標準化ストレージも同じように患者のIDと診療日のフォルダがあり、その中にデータが入っております。任意データのファイルを置くことが許されておりますので、そこにデータを置けばいいのではないかという意味です。実際にどのような形式になって、どのようなデータが置かれているのかは、真ん中の辺りにその例が書いてあります。患者さんのIDがあって日付があって、その中にADT-00、これはHL7の記号ですが、その後にテキストがずっと置かれているのがお分かりかと思います。こういう形で置きましょうということです。

 拡張ストレージの中に、どのようなものを置きますかというのが、次のページのメインです。例えば初診時のことを書いていまして、右上の1番は健全歯、2番はう触が近心と遠心、3番は健全歯、4番はレジンが入っていて、5番はブリッジの支台歯、6番はポンティックで、7番はブリッジの支台歯、8番欠損という口腔状態に関して、例えば歯面単位ですと、多分、右側に書いてあるような5面の図をレセプトコンピュータ等で、現場の先生方は入れておられると思いますし、ブリッジの場合はブリッジの支台歯とポンティックをそれぞれ分けて入力されていると思います。

 例えば、このような状態を歯式コードで表すのですが、その中身はどのようなものかが、その下に書いてあります。最新の口腔内情報テーブルというテーブル形式にしましょうということで、日付と歯式コードがあり、歯の全体の情報や診療コードを、先ほどありましたように段々右に行くにしたがって細かい情報になるよう格納しましょうということです。

 歯冠の状態や色などを含めて1行に1歯単位。歯面が4つありますと4つの歯面ですので、4行となるような歯式でデータを入れていきましょうということを考えております。ですので、拡張ストレージに蓄積するのはHL7形式ではなくて、この検討会で検討している形式になろうかと思います。歯式に関してはすでに日本で標準として認められている形式を使いましょうということです。歯冠の状態や診療行為に関しても、分かる範囲では現在共通となっているコードを使えると考えております。

 コード化イメージの中に入れるコード群をもう少し詳しく樹木構造に分けて書いてみたのが、4ページの下の図です。このコード群を大きく分けると、歯式コード、歯の状態、歯と分離した人工物の状態の、3つです。それと、骨組織、軟組織、顎関節の状態、その他の状態で構成されているコード群にしようと考えております。歯式コードに関しては、先ほど説明いたしましたように、支払基金のコードとして既にありますので、これはそのまま使えます。歯の状態も同様で、最初にお話しましたような詳細度をうまく吸収できるようなものとして今回、提案しております。

 人工物は、歯と一緒になったものと、歯と離れるものとに分けて考えております。この3つ目のパートは、歯と分離した人工物、具体的には義歯や矯正装置などについてのコードを今回提案しております。骨組織状態、軟組織状態等に関しましては、現在、医療情報システム開発センター(MEDIS-DS)で検討しておりますので、今回お示しすることはできませんが、歯の状態と歯と分離した人工物に関しましては、MEDISの歯科標準化委員会で相談し、これでいかがかという案を持ってまいりましたので、資料としてお付けしております。

8ページは、「歯と一体の内容」です。上に歯式コードがあります。歯種のパートと状態のパートと、それぞれの部分のパートをこのようなコードで分けようということです。下に歯の状態があります。歯の状態も更に枝分かれしておりまして、属性、歯全体の状態、う触の状態などを細かくコード分けしております。今回、コードの具体的な説明は省かせていただきますが、こういう形で細かくコード分けしたものを使ってSS-MIX2の拡張ストレージに日付、歯の番号などと一緒に一歯単位で収納しようというのが現在考えておりますスナップショットにあたります。

13ページです。歯と分離している内容を別のコード体系としてまとめたものです。人工物は患者さんの口の中に必ずあるとは限りませんし、患者さんによっては義歯を23つお持ちの場合もありますので、歯と分離するものはコードとして分けようということです。真ん中に網掛けした部分があります。この部分は、歯科技工士会での分類コードです。歯と分離した内容のコード体系は、ほぼ歯科技工士会の分類と合わせておりますので、技工士会の分類ともうまくリンクさせることができると考えております。

1416ページです。診療行為が書いてありますが、現在、保険診療をされている場合の診療行為の中で、歯のスナップショットに影響を与える行為を抽出して一覧にしております。そのページの左上に診療行為コードが書いてあります。例えば、新製有床義歯菅理料には302003710とありますが、これは支払基金で使っているコードです。ここはそのまま今回も使えると考えております。初診の情報に診療行為情報が加わってスナップショットが明確になります。仮に初診の状態が十分な精度を持っていなかった場合でも、診療行為に関するコードを積み重ねていくことで、ある程度の口腔内の状態、いわゆるスナップショットが明らかになると考えられます。

 具体的には義歯に関する行為、修復、補綴に関する行為で、資料では左端を緑にしております。

例えば16ページに抜歯に関係する診療行為一覧がありますが、こういう行為があると歯の状態は喪失歯となって、その方の歯の数が減っていくことになります。根管貼薬も一応挙げておきました。

 ということで、口腔状態のスナップショットは、初診の状態にその後の診療行為の情報を合成して、その患者さんの最終来院の状態を示そうというものです。そういうことを積み重ねた場合、どのようなテーブルが出来上がるのかを具体的に示したのが、17ページです。

 左端2列に今回、提案しようとしておりますスナップショットの状態がありまして、要は、この状態がSS-MIXの形式でテキストで各医療機関に蓄積されるということを想定しております。災害時の口腔データの分類を、26分類から2分類まで挙げておきましたが、どのような分類がきたとしても、それぞれ枝分かれする前はどのような状態なのかについて、ほぼうまく対応できるということを示しています。

18ページです。これも分かりにくいかもしれませんが、先ほど新潟県歯科医師会から御説明がありました26分類と、ANSI-ADA標準の対応との関係を示しております。26分類の中身は、赤枠で囲まれているところです。ANSIの標準の分類は、その下に黒で書いてあるところです。ざっと見ていただきますと、赤枠は上3分の2のところにはうまく対応しておりますが、下3分の1には、うまく対応していないというのがお分かりになるかと思います。右側に丸印を打っておりますが、今回、提案しようとしておりますスナップショットを構成するコードを使いますと、これだけ対応できるということです。ANSIの下のほう、比較的細かい情報が要求されるものであっても、スナップショットの状態、言い変えますと、各診療所でお持ちのレセプトコンピュータ、あるいは電子診療録の中身から吐き出したテキストであれば、相互に変換するテーブルができるということです。長くなってしまいましたし、一度に全部を説明いたしましたが、いかがでしょうか。

 

○住友座長 

今、瀬賀参考人と玉川委員から説明がありました。何か皆様からの御意見があれば、お受けいたします。いかがでしょうか。

 瀬賀参考人、御説明いただいたスライド9ですが、ここに歯科情報の包括的な標準化に向けての検討とありますね。これは、もう既に終わったものと、これから行おうとするものが混在しておりますか。

 

○瀬賀参考人 

そう御理解していただいて結構です。

 

○住友座長 

そうですか。

 

○瀬賀参考人 

幾つかの県で、今こういった意見聴取を行っておりますし、例えば離島における歯科健診の情報の扱いなどについて、どういった形で対応するかを確認して、まだ未実施の部分が含まれております。

 

○住友座長 

そうしますと、先ほど玉川委員から御説明がありましたが、今後こういう形でどうでしょうかということに関する御意見は、まだ頂いていないのでしょうか。

 

○瀬賀参考人 

今御説明いただいた通り、全てデータ形式の部分については、最近ようやく形が固まったものですから、まだこれから御意見を頂く状況です。

 

○住友座長 

分かりました。柳川委員、何か感想等ありましたらお願いいたします。

 

○柳川委員 

質問でもよろしいでしょうか。玉川先生、御説明ありがとうございました。大変初歩的な質問になるかと思うのですが、先生から説明いただいたスナップショットをSS-MIX2の拡張ストレージに入力する、標準化の作業が済んだあとに、その拡張ストレージに入れるまでは、どのような段階があるのでしょうか。

 

○玉川委員 

例えば、患者さんが来られたときに、初診の状態をなんらかの形で入力されている場合は、そのデータをこういう形に機械的に変換して蓄積することになります。ですので、改めてこういう形に入力するということではなく、一連の診療の中で入力された情報を変換して、共通の形で溜めましょうという考えです。

 

○柳川委員 

もう1点は、玉川先生のほかに御存じの方がいれば教えていただきたいのですが、SS-MIXが標準化されたときに、多分医療連携が中心だったと思うのですが、もともと災害時にも利活用することが視野に入っていたのでしょうか。それから、各医療機関で保存されていると思うのですが、例えば地域の大きな基幹病院に各医療機関のデータをバックアップするというような考え方はあったのでしょうか。

 

○玉川委員 

そのとおりです。当初は医療機関間の連携ということで、SS-MIXが提唱されました。現在実際には、非常時に備えてデータバックアップをしておこうという部分でも使われています。病院データのバックアップには、フルバックアップとSS-MIXのバックアップの2通りがあります。フルバックアップというのは、医療機関の内容をもう一度全部元に戻して使えるようになるデータで、ベンダごとに異なります。SS-MIX2はそうではなく、災害に遭われた患者さんがどんな薬を飲んでおられたのか、検査はどうだったのかというものだけを把握できることも最低限必要ということで、2つの形式でバックアップがなされております。SS-MIX2は、どちらかというと簡易版のバックアップという位置付けだと思います。

 

○柳川委員 

ありがとうございます。

 

○住友座長 

ほかにどなたか、いらっしゃいますか。

 

○青木委員 

補足でよろしいですか。玉川先生のおっしゃっていたスナップショットのところなのですが、聞いた感じが細かいのです。これは人がそれを全部チェックするという類のものではなく、自動的に計算機、あるいはレセコン・電子カルテの中で、玉川先生がおっしゃるような変換コードを使いますと、そういうものが自動的に蓄積していく類のものです。かなり詳細度が高いといいますか、これ以上ないという状態の辞書のようなもの。これがあれば、大体全てあらゆるデータに対応できるということかと思います。

 災害時という用語がいいかどうかは分からないのですが、身元確認の部分では、それら全部が必要というわけではありません。いろいろな抽象度が、例えば歯があることしか分からないような場合もありますので、身元確認だけに限定しますと、先生方に見ていただけるような26項目の新潟の横型の黄色いマークのある表が、身元確認で昨年来、有効であろうというものを整理したものです。実際には玉川先生の細かい情報からこういうもの(新潟の横型の黄色いマークのある表)にリンクされて利用されます。恐らく先生方はこちらのほうの情報がかなり分かりやすく詳細度が低いものになっております。そういうようなものであると考えていただくといいのではないかと思います。初めから、こちらのほうで考えるのではなく、やはり一番細かい所を押さえておけば全てのデータが基本的には保存できるというものが、玉川先生がおっしゃっている口腔内スナップショットであると考えていただければと思います。

 

○住友座長 

今までの歯科医療と医学のアウトカムというか、これがこれだけ細かく出る、しかも皆様の努力の結晶みたいなところがあり、これは身元確認において、歯科の特徴であり、大変な売りだと思います。多貝委員、専門的な立場から何か御意見があればお願いいたします。

 

○多貝委員 

まず、瀬賀さんの資料に書いていただいていますが、レセコン、あるいは電子カルテまでは挙げていただいております。それ以外に、以前も申し上げたことがありますが、患者説明用のシステム、いわゆるインフォームドコンセント用のものがあり、それを導入されている所が口腔診査を入力されている可能性が最も高いことが分かっておりますので、そちらも念頭に置いていただきたいと思います。またその場合は、最初に登録したままであり、それ以降に診療内容より起こされてというものはないので、初期状態のままでデータとして保持するものになります。

 あとは、細かく表現できるようなことを考えられているわけですが、実際には各いろいろなシステムがどこまで保持できるかもそれぞれ違いますし、また同じシステムをお使いのユーザーでも、それぞれどこまで入力されているかが異なりますので、それぞれ存在する情報をできるだけ表現するような形であれば、各社の歯科用コンピュータで出力可能だと申し上げたいと思います。

 

○住友座長 

ほかにどなたかありますか。小室委員、例えば17ページの今の説明等から見て、今回のこの提案をどのように考えているか、御意見をいただければと思います。

 

○小室委員 

玉川先生に詳細なお話をいただきまして、ありがとうございました。17ページの災害時のデータのリンクですが、これは26分類、17分類、12分類、6分類、4分類、3分類とありますが、こういう形式で全て情報を保存しておくということでよろしいでしょうか。あるいは、例えば26分類については、新潟県でも標準プロファイルに決められているようですが、この26分類を中心として幾つかに絞って保存するということになるのでしょうか。

 

○玉川委員 

17 ページの左側に青でマークしておりますが、そういう形で一度目は各レセプトあるいは電子診療録からデータを書き出すことになります。この形で保存するのか、あるいはテーブル全体で保存するのかという細かいところは、今後の実装の仕方によって変わってくると思います。できるだけ、細かく出せるものは細かく出して蓄積しておきましょうということです。

例えば、上から2つ目ぐらいに、う蝕の状態とありますが、その状態をC1からC4まで分けて保存しておけば、右側にあります26分類、16分類、6分類の場合でも、それぞれ対応が可能になります。この大きなテーブルごと全部を保存しておく実装の仕方もあろうかと思いますし、その辺りは今後システムエンジニアの方と一緒に話を進めていくほうが能率は上がると思います。電子的にはできるだけ細かいレベルで保存、蓄積しておきましょうということになります。

 

○小室委員 

確かに、スクリーニングの方式ですから、最初は大まかにやって更に幾つかの分類項目を加えて、最終的には26分類で検索するような、右側から左側方向で行うことが賢明ですよね。そういう方向性が取れるようにシステム化されていればいいのであって、ただこの26分類の内容で身元確認に有効な歯科所見が網羅されているかどうか分からないのですが、検討しなくてもよいでしょうか。例えば、根管治療、あるいは仮封処置はどこに入るのか、すなわち「治療中」の所見がないものですから、そういう項目についても考えないといけないでしょうか。

 

○玉川委員 

根管治療中というのは、先ほどお話しましたスナップショットですと、診療行為の中で根管治療という行為が出てくればそれに相当します。そのコードは基金にありますので、それは蓄積できると考えております。26分類の中にはないかもしれませんが、治療としては持てると思っております。

 

○小室委員 

これらで、所見としては全てでしょうか。

 

○玉川委員 

実は具体的に足りない部分がありまして、自費の診療に関する部分が少し足りないのではないかと思っております。そこは、むしろ実証実験を行ってでも洗い出していくべき項目ではないかと思います。現在のスナップショットの中身は、保険診療を前提にしていますし、メタルボンドのような一部の自費はそれに入れておりますが、それ以外の部分で埋もれている所はあるかもしれません。

 

○小室委員 

生前のカルテから全ての所見を吸い上げるのは難しいですね。今後、作成されるカルテは大丈夫ですが。既存のカルテについては、ちょっと難しいと思いますね。

 

○玉川委員 

そうですね。例えば、今はないけれども、将来新しい材料が出てきたような場合もあると思いますので、そういう意味では、スナップショットの場合はコードをそこに追加するだけで新たに変換の対象として出せると考えておりますので、将来の拡張性という意味ではできるだけ柔軟にコードを書き足せるような仕掛けを持っておくのがいいのではないかと思っております。

 

○小室委員 

早目に、実証実験の状況をお見せいただければ有り難いですね。非常に関心が高いところです。

 

○住友座長 

よろしいですか。

 

○小室委員 

以上です。

 

○住友座長 

玉川委員、18ページのいわゆる標準プロファイルから変換できない例が、先ほど小室委員がおっしゃっていたものに加わるような感じがするのですが、これは逆の意味で言うと、ずっと追求していけば可能性があるのではないかとも思うのですが、いかがでしょうか。ある意味、ここの部分が私自身の興味を持ったところです。

 

○玉川委員 

先ほどお話しましたように、自費の部分でまだカバーしきれていないところが残っています。少し時間が必要と考えております。

 

○住友座長 

ブルーの囲みの部分です。

 

○玉川委員  

セラミック・インレー自体は、このブルーの囲みの中ですと、26分類の中にはなかったと思います。標準プロファイルからは変換できませんが、いわゆるスナップショットですと変換可能です。

 

○住友座長 

そのほかのも入っていないのですか。

 

○青木委員 

実は、この表は米国の標準ANSI/ADAなのです。それから26項目の標準プロファイルが赤い字で示した部分なのですが、こういったものの詳細度の違いを示しています。実は、アメリカ側の標準と日本側の標準は、日本の新潟のほうがかなり粗いことは粗いのですが、青で囲んだ所は逆に米国のほうで表現ができないので、向こう側にもうまく交渉して、こういったものを入れていかなければならないという項目を書いています。ですから、どちらかというと日本サイドからの注文です。今、ISOの標準化委員会で、柳川先生のときに東北大学の歯学部が受けまして、それに委員として出ておりますが、その標準化で議論されている標準がこの項目(ANSI/ADA 1058)です。日本側からの要求が、こういう部分(青で囲んだ部分)は表現できないということなのです。ただ、新潟のもの(赤い字の部分)だけですと、実は正に小室先生がおっしゃったとおりで、26分類プラスアルファです。もう少し細かいほうがいいということになりますと、玉川先生がおっしゃっているスナップショットが全部データとして残っていれば、それを吐き出すことができます。右側の○印で書いたのが、こういうものは全部吐き出せますよ、日本のスナップショットからも出ますよというようなことなのかなと思います。ちょっと分かりにくいのですが、日米の対応表が18ページです。

 

○住友座長 

工藤委員、何かありますか。

 

○工藤委員 

特にありません。

 

○住友座長 

村岡委員、いかがでしょうか。

 

○村岡委員 

特にありません。

 

○小室委員 

1 点確認なのですが、ANSIを見たときに、右下に補足する情報が出ておりますが、これらについてはどのように解決しようとお考えでしょうか。例えば、死後脱落の疑いがあった場合、そのように書けないということです。

 

○玉川委員 

これは、ANSIにないので、ANSIと交渉することになると思います。

 

○小室委員 

交渉の段階にいく前に、日本としてはどういう考え方なのですか。その考え方によって決める場合には、どのようにお考えになるのでしょうか。

 

○玉川委員 

委員会として、ANSIにどのように働きかけるかですか。

 

○小室委員 

いや、そういうことではなくて、例えば日本では災害がすぐにでも発生する可能性があるわけです。そういう場合に、これをどのように解決したらいいのだろうということです。これで、何項目かが、情報として挙げられておりますが、解決策がもしありましたら。

 

○玉川委員 

それは、先ほどお話しましたように、やはり実証実験をして、重要だけれども不足している。そうではなくて、ある地方に偏って不足しているというものをはっきりさせないといけないと思っております。

 

○青木委員 

これ(青で囲んだ部分)を見ていただくと分かるのですが、法歯学の世界では、「死後脱落」がないというと、御遺体の情報も十分に取れないことがあります。私自身は、例えばセラミックインレーも最近はE-maxなどの新しい材料が出てきて日本でも増えていますので、こういうものがないというのは基本的にはあちら側の不備だと思うのですね。それから、「死後脱落」もないというのは、やはりこれは表現できないというのは、forensicの情報としてはおかしいということです。あとはあくまで保険適用の部分は日本の都合なのですが、こういったものは治療行為としてありますので、必ず日本の中では恐らく網羅すべきです。そういったところは、やはり東北大学の歯学部長の佐々木先生から少し申し入れていただくような動きをする必要があるかなと。ただ、この委員会としては少なくともこういった情報は全部、先ほどのツリーの中には入っているような状況にしています。

 

○小室委員 

身元確認の現状から考えますと、あまりセラミックであろうが何であろうが関係ないという話なのです。金属であるのか、いわゆる白いものであるのかというぐらいで十分です。材料までを決めるのは、まず死後の所見を採取している場合にはできませんから、セラミックかどうかという問題はあまり必要ないのですが。それは、どうなっているのですか。申し訳ないのですが、詳しくしすぎても何か墓穴を掘っているような感じがするのですが。

 

 

○玉川委員 

今回の情報は、どちらかというと、生前の情報をこういう形で蓄積しましょうというための分類です。死後の情報の中にも、いろいろと分類があると思うのですが、死後の分類と生前の分類との詳細度がうまくマッチするように歯牙単位で比べていけるようにするのが、今回のお話です。これは、どちらかというと生きている方がそのままのある状態を出すテーブルというイメージです。先生がおっしゃっているように、死後脱落のところはないと思います。

 

○小室委員 

先生がおっしゃるのはもちろんですが、不足する情報で何項目か書かれている中に、死後のものと生前のものと分けて考えなければいけないものが入っていますよね。

 

○玉川委員 

はい。

 

○小室委員 

それが混在していますので。

 

○住友座長 

村岡委員から発言がありますので、どうぞ。

 

○村岡委員 

私も、玉川委員から提出いただいた資料の17ページを拝見していて、ブルーの部分がありますね。これも今御議論がありましたが、データとして取れるものをきちんと取ろうという建前で作ったときにこうなりますと。それから、右側のグレーの部分は、これは災害時に広げるデータであり、いろいろな問題もあるでしょうが、生前のデータがしっかりしていれば、どんな死後のデータであっても、それに突き合わせればきちんと拾ってこられることができるわけです。ですから、今ここでやらなければいけないことは、口腔内のスナップショットといわれるブルーの部分をきちんとこれからやるかという方向性を決めることです。方向性が決まれば、あとのことはその後、死後のデータをどう取られるかによって、災害の大きさ等によっては、人的要因でそんなに詳しいことが取れなくても、例えば何分類でもいいのですが必ずヒットしてくるはずです。また、確定に至らなくても、上位何名までに拾えるということが一番大事なことですので、そういう意味でいえば、早くブルーの部分のことを確定していって次に進めていきたいと思っております。そういう意味では、大変詳細にできていてすばらいしいデータです。

 それから、1点心配なのは、これだけのデータがあると、たくさんの御遺体があがってきてデータが揃ったときに、検索する時間がやたらに長くかかるということでは困るので、その辺の考慮ができれば、こういったブルーの部分の解析というかデータの蓄積は大変結構な話なのです。その意味では、この標準化に資するものであると思っておりますので、その辺りを理解した上で次に進めていきたいと思っております。

 

○住友座長 

関口委員、何かありますか。

 

○関口委員 

SS-MIX というのは専門外なのでよく知らなかったのですが、今回の検討内容として挙げられている標準化からすると、このSS-MIXの拡張ストレージに格納するところまでは、必ずしも入らないのではないかと思います。これは、対応しているシステムを導入すると、自動的にこのSS-MIXの中に組み込まれることになるのでしょうか。

 

○玉川委員 

SS-MIX 上に受信アプリケーションがありますが、今回はこれを想定しているのではなく、SS-MIXのファイルストレージの形式を借りて、口腔状態のスナップショットを電子的に蓄積しましょうということです。そして、もし仮に患者の基本情報がどうしても要るということになった場合は、各診療所にあるレセプトか、SS-MIXの形式で患者情報や生年月日などを標準ストレージに蓄積する仕掛けが別途必要です。今回は、それも一緒にやりましょうということではなく、この場の形式を利用させていただき、拡張ストレージに患者IDでフォルダをわけて、データを格納しておけば、将来いろいろな所でデータの使い回しができるようになると考えております。

 

○多貝委員 

現時点では、院内でということですね。

 

○玉川委員 

そうですね。現時点では、院内で、こういう形でデータを溜めてもらうことが重要です。

 

○関口委員 

ですから、蓄積するとおっしゃったのは、個々の医療機関の中で蓄積されるという理解でよろしいのですか。

 

○玉川委員 

そうです。

 

○関口委員 

この拡張ストレージ自体は、いわゆるクラウドのようなものだと理解すればよろしいですか。

 

○玉川委員 

SS-MIX は、フォルダの形式を参考にするだけですから、そのデータをクラウド上に上げたら、クラウドにデータが存在しますが、今のところは拡張ストレージ形式のルートのフォルダには自院の名前を付けて自分の所で保管しましょうということです。なにがしかの合意がない限りは、クラウド上にデータは上がっていかないと考えています。

 

○住友座長 

それでは、オブザーバーの方々、何か御意見があればお受けいたしますが。

 

○田中課長補佐 

1 つ確認なのですが、先ほど説明があった災害時のバックアップの関係なのですが、1つのクラウドで保存していただく場合に、各診療歯科医院に直接照会を持っていくことになると思います。最悪の場合には、そこの病院、先生も全て被災になった場合に、照会をする側としては、1つの照会の相手先というのは、どこかに想定はされていらっしゃるのでしょうか。

 

○玉川委員 

後ほど、青木先生から御説明があるかと思いますが、現在は共通の蓄積フォーマットを決めましょうということで、歯科医療機関の中に蓄積するところまでしか想定していませんので、広い範囲で災害が起こった場合に関しては、このままの状態では対応しにくいと思っております。ただ、共通のものがあれば、何らかの合意がなされた時点で、あらかじめ診療所のデータをどこかにしまっておくことができますし、そこに対して照会をすることで比較的簡単にといいますか、今までに比べれば効率よく検索できると思います。どのような状況でそうするか条件の検討の議論が必要ではないかと思っております。

 

○田中課長補佐 

分かりました。

 

○住友座長 

ここの議論は、村岡先生がおっしゃっているように、ブルーの部分を詰めていけば、先ほどの日本から予防するものが実際には分かってくるのではないかと。ですから、やはりこちらをどんどん進めていくことでお願いするということで、よろしいでしょうか。新潟県の歯科委員会で、玉川委員に、また進めていただきたいと思いますが、皆様の合意をいただいたと理解をしております。それでは、青木委員から今後の情報の共有化について、資料2に基づいて20分ぐらいで説明をお願いいたします。そのあと、フリーディスカッションを行いたいと思います。

 

○青木委員 

今、正に田中様からお話がありましたように、運用の話と情報技術の話というのは、切り離して議論しないといけないということだと思います。いわゆるITの仕組みですとか、今、玉川先生がおっしゃったように、日本が誇る歯科診療の詳細なデータをきちんと保存しておくということは、技術的に可能にしておくべきだと思うのですが、そのようになったときに、どこら辺まで運用を行っていって、どういう事業を行っていくのかというのは、先ほど関口委員からもお話がありましたが、いろいろ注意深く選んでいく必要があると思います。

 それはITの専門の側というよりも、厚生労働省、警察庁あるいは日本歯科医師会、弁護士会といったところが、うまく合意を作りながらやっていく必要があるのだろうと思います。

 それがどういう事業イメージになるのだろうかというのが資料2です。御注意いただきたいのは、全てやりましょうというわけではなくて、どういうものが技術的には想定されるかということを列挙したものです。今後、こういうものをどのように運用していくかというのは然るべき上位のところで決定していくことかなと思います。ただ、ディスカッションのために材料を提供させていただきます。

 スライド番号2の所です。宮城県等でも、歯科情報が10%弱使われておりまして、身元確認で有効であったということです。そこで浮き彫りになった東日本大震災における2つの課題ということで示しています。

1つは、歯科診療情報の消失があるということです。津波等によって歯科診療情報が失われる事態が多発したと。特に、岩手県では7割方の歯科診療情報が失われていて、それによって非常に大変であったということが報告されております。平時にも、ほかに多様な理由で、いろいろな歯科診療情報が失われていく。当然、廃業なされたり、院長が交代、システムがチェンジしたり、故障したとか、いろいろなことで失われていきます。こういったものをバックアップする仕組みを技術的に準備する必要があるというのが1点です。

2点目は、これは分かりにくいのですが、行方不明になった方の口腔状態の推定が、今のままでは大変だということです。工藤先生も御経験されていると思うのですが、東日本大震災で、警察及び協力歯科医の作業として、この部分がのし掛かってきたということです。歯科医療機関から、紙媒体の診療録を入手し、これを多大な労力を掛けて読み込むということが必要で、これが口腔状態の対象者の推定及びデータ化に、数か月、場合によっては年単位の時間を要するというようなことかと思います。

 歯科医療機関においてデジタル化されている、つまりレセコンや電子カルテの普及が進んでいるのですが、歯科医療機関においてのデジタル化が現在進んでいるにもかかわらず、それを享受できず、人海戦術の域を脱していないというのが2番目の問題です。まず、対象者の口腔状態をどのように表現するのかということを明確化する必要があるということで、今回の標準化ということに至っているということかと思います。

3ページ目です。これは上位レベルの判断が必要な話なのです。これは注意事項ですが、あくまでも、これは技術的に可能性を述べたもので、施策の是非は別次元の判断であるということが第1点です。第2点目としては、私が説明する以外にも、様々なバリエーションが考えられますので、あくまでも例であるということです。第3点目としては、これら8つの事業イメージは、それぞれ全く別個のものではなくて、後で感じられると思うのですが、相互に関連している場合があるということで、この3点だけ御注意いただければと思います。1から8について、簡単にザッと御説明します。

4ページ目のスライドです。「標準化によって何が可能になるか」の1番です。身元確認支援機能を有するレセコン・電子カルテの開発です。これは先ほど来、議論になっていますが、そういう電子カルテあるいはレセコンを開発しましょうということです。歯科医療機関で使用する各社のレセコンや電子カルテに身元確認の支援機能の塔載が可能になります。具体的に言いますと、患者さんの最新の口腔状態、スナップショットの状態を出力するという機能です。もう1点は、歯科情報に基づいて個人を検索できます。これは院長が院内で検索を行う機能が実装できるということです。

 こういう機能が標準的に塔載できるようになるのではないかと考えられます。ただ、本日は日本歯科コンピュータ協会の多貝様、あるいはBSNアイネットの皆様がおいでになっていますが、そのようなレセコン・電子カルテのベンダーの企業と、民間協力によってこういったことをやっていかなければなりません。国が全部こういうソフトウェアを準備するというわけではなく、民間企業のお力を借りながら、こういうことがレセコン・電子カルテに標準的に塔載できるのではないかという民間協力の話になります。

5ページ目です。これをどのように活用できるのだろうかということを、1番の延長上でお話します。先ほど警察庁のお話がありましたが、運用イメージですが、例えばそれぞれの医療機関ABCで、異なるコンピュータ、レセコン・電子カルテを使っていたと仮定します。それぞれ標準化された検索機能が使えることになりますので、右側の都道府県警察等で、「こういうお口の方が御遺体であがったのですが、おられませんか」というような問合せ、検索依頼が届きます。これは現在も来ておりますが、こういったものが現在の歯科医師会等を通る流れと同じように届いたときに、これを先生方が記憶に頼って考えるのではなくて、検索をしてみて、院内でヒットする可能性がある。もしそういうように出てきた場合に、どういう情報を提供するか、あるいはしないかということも含めて、医療機関の判断で警察協力を行うという流れかと思います。

 余談になりますが、先ほどの標準的な情報がコンピュータの中にデジタルデータで出力できるとなりますと、例えば院内でバックアップを取っておくとか、先ほどクラウドの話が出ましたが、データセンターに歯科医院が持ち主として、それのバックアップを取っておくということが、自然にできるようになってくるということかと思います。

 次のスライドを御覧いただきますと、これは考え方として非常に大事なポイントだと思うのですが、歯科医療機関による情報管理の原則です。これは原則でも何でもなくて、法律上きちんと歯科医療機関がそれぞれ管理しないといけないということになりますので、これはどこかの第三者が勝手に覗き見たり、勝手にいろいろ調査することはできないということをきちんと守っていくということが必要かと思います。その情報を作成した医療機関が管理主体であるということです。

 もう1点は精神のようなところを書いたのですが、そもそも今回の歯科的な個人識別に対して、歯科医師会が協力するとか、こういったところについては、あくまでも社会貢献活動の一環です。これは歯科医師の義務というわけではございませんので、ここは政府が主導する施策を考える場合も、社会貢献活動を国が支援していくのだという格好の制度設計が重要で、強制的に何かを出すというものではないと考えています。これは当然のことです。

7ページ目のスライドです。本日は田中様、門井様がおいでになっていますが、警察の部分あるいは、村岡先生、柳川先生がお越しになっていますが、日本医師会による警察歯科活動の部分では、こういうことが想定できるのではないかということです。

2ですが、災害・事故のときに、緊急時に情報提供を迅速にしましょう。これは先ほど2つの問題として指摘した第2の課題の解決策を与えるものです。医療機関から警察へ標準化された歯の情報を手書きのものでもいいですし、あるいはデンタルチャートのようなものでもいい、通常媒体、CD、バーコード、QRコードなどのような、各種のデジタル媒体で、院長が迅速に提供できるようにする。もちろん書き直しても問題はないわけですが、こういったことが本事業の一環としてあるのだろうと思います。

3番目は、平時の行方不明者に関する情報提供です。これは災害時だけではないということで、災害時のみのデータセットというよりも、平時も一定程度使っておくということが重要なのではないか。行方不明者に関する情報提供の推進ということで、平時に警察に届け出られる特異家出人、特異行方不明者について、その人の歯科情報をかかりつけ歯科医院から迅速に入手可能にする。これは、例えば御親族の方が情報提供を依頼するとか、捜査の一環の中でお願いするということかと思います。警察のほうでは、身元不明遺体・家出人検索照合システムに標準歯科情報の検索機能を付与して活用する。これによって、年間1,000体を超える身元不明遺体、無縁仏の解消を図れるのではないか。こういう部分に協力していく。ここは勝手に「システムに検索機能付与」と書いていますが、これはあくまでも警察の御判断で、必要かどうかということも含めて、中で御検討される話ではないかなと思います。2も同様で、災害時にも何らかの検索エンジンが必要になると思いますので、どのようにやるのかというのは警察の中で御検討いただく話ではないかと思います。

 今のお話なのですが、8枚目のスライドです。身元確認が必要となる事案を類型でまとめたものです。横軸が、小規模、中規模、大規模とあって、これは亡くなった方の数を示しています。縦軸に、閉鎖的、これは名簿がきちんと決まっていて、誰が亡くなっているか分かっている場合と、上のほうにいくと、どこで誰が亡くなっているか分かっていないような開放的な場合ということで整理しています。

 交通事故、住宅火災のような、異同識別で11の照合のときは、検索エンジンは特に不要なわけですが、それ以外の部分に、こういった歯科情報の検索は重要になってきます。その中で、平時にも小規模のところ、年間1,000体の身元不明遺体について、最近はDNAでデータをまとめるという報道もなされていますが、歯科の部分もきちんと情報として取っていくというようなことが重要ではないかということです。

9番目のスライドは、それを4類型で示していますが、どの部分でも重要になってくるのではないか。南海トラフ大地震では32万名が亡くなるということですので、特に静岡等の大変な地域では、こういったものに備えることが必要ではないかということです。

10番目のスライド(4)です。これはあくまでも前回の状況からの類推なのですが、互換性のある歯科情報検索ツールの開発が進むのではないか。ここはあくまでも実務面は警察及び歯科医師会になると思います。学術的な観点からは、例えば法歯学、小室先生の御研究や厚労科研でもございましたが、こういった御研究で活用されるのではないか。標準的な情報になって、それを何分類で絞り込んだらいいのか。そういったことはいろいろと研究はできるわけですが、それをとにかく互換性のある情報にしておけばいいかと思います。

 実は、震災のときは岩手、福島は宮城と一緒にやっていただいていましたが、違う検索ツールを使って、データも全く違っていましたので、情報統合に数か月かかり、8月以降だったと思うのですが、そういったような問題がありましたので、こういったところも警察あるいは歯科医師会で解消していただけるのではないかと期待しています。

 次に11のスライド(5)です。いよいよ保存事業のほう、いわゆる情報を取っておくという赤い事業に入ります。患者向けデジタル歯科情報のお渡し、お預りサービスを提供できるのではないか。これは希望する患者に対して、医療機関から標準化されたデジタル歯科情報をカードや紙媒体のような形でお渡しする。要は、治療終了時に渡すことをサービスとしてできる可能性があります。また、事業費をどうするかというのは問題ですが、一定程度の長期にわたり、データとしてお預りすることも想定されます。

 真ん中に描いているのは、あくまでもイメージですが、例えばお渡しするのであれば、こういうカードもあるのではないか。QRコードですので、容量が少ないと思うのですが、こういう格好でバーコードのようなものでお渡しする。

 こういったことは、既に各地域の歯科医師会で独自の取組を行いたいという希望は、私のほうにも幾つか届いていますし、先生方の所にも問合せがあると思うのです。既にこういう何らかのことをやりたいとおっしゃる先生方が歯科医師会ではおられますので、きちんとお応えできるようにしておくべきではないか。「こういうデータにしておいてくださいね」ということを決めておけば、そういうことが独自にできるのではないかと思います。

12番目のスライドは、バックアップの取組です。6に「災害・事故等の緊急時に備えた歯科情報バックアップ事業の展開」ということで書きましたが、これは歯科医療機関に存在する情報が、各種の要因によって消失することを防ぐためのバックアップ事業ということです。ここに書いてあるような、いろいろな要因で消失していく、もちろん災害が原因の場合もあります。こういう貴重な歯科情報を財産としてバックアップしておくことが必要ではないかということです。これについては、先ほど1で、あるいは玉川先生からSS-MIXの話が出ましたが、この話であると考えていただければよろしいと思います。事例については後で御覧いただきます。

7の「歯科健診所見のデジタル保存事業の推進」ですが、ここはまた、取組のステイクホルダーが違う可能性がありますので、これがいいのか悪いのかということについては上位の判断が必要だと思います。いろいろな歯科健診がありますので、こういうものも一定程度は保存しておく必要があるのではないかということです。

 最後に13ページです。「データベース」という用語で、いろいろな法の解釈なども含めて、多様な解釈が可能ですので、データベースといったときにいろいろなことが考えられ得るということを、ここでお話をしたいと思います。

8「多様な考え方の歯科情報データベース事業の展開」です。ここでいうデータベースというのは、バックアップのデータベースも含むということで専門的な解釈をしています。次に列挙するように、概念として多様な解釈が可能です。どれを言っているのかということで、言葉が独り歩きしないように、ここで整理していく必要があるのかなと思います。

1番目は「医院ごとのバックアップ」で、これは最小単位です。先ほど来、玉川先生もおっしゃっておりますように、歯科医療機関ごとに民間のデータセンター等を活用し、あるいは自分の歯科医院内でもいいのですが、定められた形式でバックアップを行う。こういったものもデータベースの一種であるということで、これは最小単位です。

 「地域バックアップ事業」というのがあります。これは先ほど関口委員がおっしゃっていたかもしれません。地域の一定の所、地域医療情報連携事業など各種の政府施策を活用し、あるいは民間でもいいのですが、前項で述べたバックアップを地域レベルでまとまって推進するという事業が、既に医科のほうではたくさんあります。SS-MIX2標準を活用して行われておりますので、医科と連携して歯科がきちんと位置付けられて入っていくことが重要ではないかということです。

 次に、よく歯科医師会で次の項目を、リクエストなり検討をお願いされるケースが多いのですが、「歯科単独の身元確認のためのデータベース」も、バックアップとは別の枠組みで考えることができます。各県歯科医師会や災害に弱い特定地域、歯科医院グループ等を中心として、既に私のほうにも連絡が入ったりしていますが、大規模災害・事故などの緊急事態に備えるために、一定の標準形式の専用データベースを構築したい。しかも、レセコンや電子カルテと連携するのではなく、例えば自身のタブレットなり何なりのいろいろな情報ツール、マークシートのようなものでデータをきちんと集めて、それをバックアップしておきたいという事業が想定されています。そういった事業にも、標準というのはこういうものだということを示す必要があるということです。これを示しておいて、それに準拠していただいて、多様な取組が各県で進むということは十分にあり得ると考えています。

 最後に「国レベルの専用データベース」です。国レベルのNational DBといったところに関係しますので、これはハイレベルの決断が必要だろうと。左側の○△は難しさの度合いで、もしかすると歯科単独の専用データベースというのは、意識が高い地域では非常に進みやすいという状況もあり、○というのは◎かもしれませんが、進めやすさという意味ではこういう感じではないかなと思います。ただ、歯科単独の専用データベースというのは、災害時にはむしろ非常に有効ではないか、保健診療の情報以外も入ってきますので、こういうところも想定するべきではないかと思っています。こういった整理ができるということです。

 最後のスライドで示しましたのは、先ほど来、議論になっておりますが、各地域あるいは大学といったところで、ごく最近のものだけですが、どういう事業主体が、どういう事業名称で、どういう内容の医療情報の蓄積あるいは交換、共有、相互利用をしているかを示しています。一番上にある「国立大学病院災害対策バックアップ事業」というのは、以前より申し上げているものです。長崎の医療センターのバックアップあるいは、その地域がそれに連携するような長崎のあじさいネットを取り上げて紹介しています。それから和歌山県のものもあります。宮城県も被災地ですので、MMWIN、みやぎ医療福祉情報ネットあるいは宮古市は災害時バックアップということがうたわれています。これは全て医科のデータになります。SS-MIX2を使っているということで、こういったところに歯科が入り込んでいくということが重要ではないか。これは前のスライドの「地域バックアップ事業」という所を示しています。歯科専用というのではなく、「地域バックアップ事業」と書いた所が、申し上げたような事業と連携していくのがいいのではないかというイメージです。

 以上、駆け足になりましたが、あくまでも技術的な可能性のみということで、これ以上の判断は上位の判断に委ねるということですが、是非御議論させていただければと思います。以上です。

 

○住友座長 

青木委員、ありがとうございました。時間制限をしてしまいまして、申し訳ございませんでした。皆さんから、御意見、御質問がございましたら、是非お願いいたします。

 先ほど7のスライドで、警察側では「身元不明遺体・家出人検索照合システムに標準歯科情報の検索機能を付加して活用していただきたい」という提案がございました。これは、まだ検討しなければいけない話ですが、どのように考えているか、もし御意見があればお聞かせいただきたいと思います。今回のこのような歯科的な標準情報を、我々が提供するから活用していただければということでの提案だということでよろしいでしょうか。

 

○青木委員 

はい、そうです。

 

○門井課長補佐 

警察庁の犯罪鑑識官の門井と申します。お尋ねがありましたのでお話をさせていただきます。

 こちらの検討会にオブザーバーとし参加させていただいておりますし、こちらの議論の推移を見つつ、引き続き、歯科所見情報を対照とする仕組等について検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 

○住友座長 

先ほど玉川委員からもお話があったように、災害時、事故等だけではなくても、平時の行方不明の方というのが、こういう形で持ってくれば大いに活用できると思いますが、そういうメリットが出てきているということからも、是非御検討をお願いしたいと思います。ほかに、先ほどの青木委員の御説明に対して、要望、御意見、ここは情報の共有化というか、こういう可能性があるという提案を頂いたと思いますが、もっとこういう提案もあるのではないかということでの意見がございましたら、お願いしたいと思います。いかがでしょうか。

 

○柳川委員 

今、警察庁からお答えがございましたが、小室先生と私が出席していた内閣府の死因究明の会議では、最後のまとめの中に、警察からの照会要領を見直すとか、警察が所管されている御遺体の歯科所見を何らかの形で調べていくということもあったように記憶しております。御遺体の情報の中に歯科所見を入れるといった表現だったと思います。その辺を進めていただきたいというのは、今日の玉川先生の資料の2ページを御覧いただきますと、口腔状態のスナップショットとか、この検討会の議論の対象は生前の情報なのですが、小室先生からも御指摘がありました。左側がスナップショットで、右側にリンクという形で、災害時の口腔標準データセット、つまり実際に活用する分類についてはそれほど詳細なものでなくてもいいかもしれないという考え方とか、右側の問合せは、正に照会要領に関することだと思いますので、引き続き厚生労働省とも連携して御検討いただきたいというのが1つございます。

 もう1つは、多貝委員に御質問したいのは、各電子カルテ、レセコンのベンダーさんごとに、ユーザーごとというのでしょうか、会社ごとにバックアップするような、クラウドがどういう形態か分かりませんが、例えば同じレセコンとか電子カルテを使っている500件、1,000件のユーザーの歯科診療所の情報を、ベンダーさんとか電子カルテの会社がまとめてバックアップをするというようなことは可能なのでしょうか。逆に、そういうことは余り意味がないのか、その辺を教えていただきたいと思います。

 

○多貝委員 

クラウド上でのバックアップという意味では、ここ23年の間に行うようにはなってきているようですが、まだまだ数的には、ごく限られた歯科医院さんのみが利用されているにすぎないかと思います。

 今後、大規模災害のためにという意識づくりというのはされていくのかと思いますが、まだまだ医院の情報をクラウド上にバックアップしていこうという意識は、なかなかゆっくりとしか進んでいかないのかなと思っています。

 

○村岡委員 

私も柳川委員と同じところで、多貝委員に御質問があったように、医院のほうの要望があるかどうかというよりも、テクニカル的にベンダーさんのクラウドができるかどうかということで、どのベンダーさんもそういうことをしていただければ、これから意識が高くなれば、そこは各医療機関もそこにデータを残すということになっていくと思いますので、是非その辺は御検討願いたいということが1つです。

 もう1つは追加ですが、先ほどの青木委員の7ページです。先ほど警察庁からのお話がありましたが、我々日本歯科医師会は、認知症の方で行方不明になっている方々に対して、口の情報によって身元が分かるのではないかということを考えております。厚生労働省、警察庁にもお伺いをしまして、その旨御協力ができることをお伝えしているところですので、そういったことでも、この情報は大変有意義なものになるかと思います。将来像としても、近未来、この先すぐにでもそういうことは考えていかなければいけない問題だと思っておりますので、皆さんの御記憶に残していただければと思っています。

 

○住友座長 

ほかに御意見がなければ、事務局から何かございますか。

 

○大島課長補佐 

本日は御審議をいただきまして、ありがとうございました。本日はモデル事業や将来的なイメージの御報告や御議論ということで、皆様の認識の共有が図られたかと思います。

 次回の検討会は、年度末頃を予定しております。委員の皆様におかれましては、お忙しいところを恐縮ではございますが、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。

 

○住友座長 

年内に、もう1回この検討会はあるということです。その間に、いろいろと質問等がございましたら、事務局に提出をお願いいたします。それを踏まえて、次の会議をしていきたいと思っております。

 本日の検討会に御出席いただきまして、誠にありがとうございました。これをもちまして、第4回歯科診療情報の標準化に関する検討会を閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。


(了)

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