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2014年11月14日 児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会(第4回)

雇用均等・児童家庭局総務課虐待防止対策室

○日時

平成26年11月14日(金)10:00~12:00


○場所

中央合同庁舎第4号館 全省庁共用123会議室(1階)


○出席者

委員

松原委員長 秋山委員 岡井委員 加藤委員
笹井委員 辰田委員 浜田委員 藤平委員

オブザーバー

総務省 法務省 文部科学省 警察庁

厚生労働省

安藤雇用均等・児童家庭局長 古川総務課長
川鍋虐待防止対策室長 大津総務課長補佐

○議題

(1)「当面の課題・施策の方向について」課題(1)~(5)について
(2)その他

○議事

 

○大津総務課長補佐

 定刻少し前ではございますが、岡井委員から遅れての御出席という御連絡が入っておりますが、それ以外の委員の皆様方はお揃いになられているかと思います。

 ただいまから第4回「児童虐待防止対策のあり方に関する専門委員会」を開催いたします。

 本日御出席の皆様には、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

 岡井委員の遅れての御出席という御連絡のほか、泉谷委員、磯谷委員、佐藤委員、菅野委員につきましては、本日欠席との御連絡をいただいております。

 最初に、資料の確認をさせていただきます。

 配付資料、議事次第、資料1~4となっております。

 資料の欠落等がございましたら、事務局までお申しつけください。

 傍聴される皆様におかれましては、事前にお知らせしている傍聴時の注意事項の遵守をよろしくお願いいたします。

 それでは、議事に移りたいと思います。委員長、どうぞよろしくお願いいたします。

 

○松原委員長

 御出席いただきありがとうございます。

 本日も児童虐待の防止対策について、皆様から貴重な御意見をいただき、また、議論を積み重ねてまいりたいと思います。

 では、本日は「当面の課題・施策の方向について」、全体の議論をしていくことになるのですが、前回御欠席でおられました加藤委員が御出席されていますので、まず、御説明をいただいて、そこから議論を始めたいと思います。

 よろしくお願いいたします。

 

○加藤委員

 おはようございます。

 では、お話をさせていただきます。

 私が今から話すものが前回議論されたことと重なる場合もあるかと思いますが、なるべく重ならないような形で報告させていただきます。

 まず、要対協の機能強化ということについての前提条件です。

 要対協は地域の虐待発生予防、それから再発予防の支援ネットワークである。その役割は、地域の子どもとその過程に関わる機関が児童福祉法、児童虐待防止法、母子保健法等、子どもの権利の理念に基づいて、要対協調整機関を中心に要対協事案に対し連携し、情報共有し、課題を明らかにして、支援を通して、在宅での虐待予防を確実なものとすることである。支援は、子どもの安全な成長発達に応じ、必要となる子ども・親支援を含み、目標を持って計画的に進められるものです。

 決して単なる見守りではないということであります。

 さらに、要対協が機能するためには利用しやすい土壌にあるということ。つまり、子どもに関係する人や、機関がその存在を周知しているということが、そしてその役割が十分にわかっているということが条件になります。

 そのためには、支援者個々人の資質、さらに支援者たちが所属する機関の質、さらに要対協全体の質が調和してこそ、子どもにとって安全な地域ネットワークが機能していくと考えます。

 これは特に児童家庭相談が非常に大事な役割になってきますし、支援が長くなる場合も、地域の中ではありますが、そういった場合に家庭支援ということを前提にした専門性が非常に重要になってまいります。多機関多職種でかかわりますので、調整機関としての役割は、ケースマネジメント、コーディネートという力も必要であるということになります。

 支援の結果の評価により、必要な社会資源が開発され、供給していけるようになることが問題解決に向けての市町村施策へも反映されるということです。

 こういった条件を加えましても、市区町村の長にやはり要対協や市の役割に対する認識度を高めていただかないと、幾ら国や県が必要だと思っていても、その一番大事なところの行政理解というのは大事ではないかと常々感じるところであります。

 次に、要対協の現状と課題についてです。

 「1)要対協の対象者」ということですが、2004年に要対協が法定化された後、要保護児童から要支援児童、特定妊婦へと支援の対象が拡大しています。しかし、死亡事例においてもなかなか発見されずに、在宅でありながら0歳児死亡等の割合が高いということで、これは既に議論されていることです。

 そういった定義、支援法などの標準化の必要性が課題になるかと思います。

 2番目です。要対協から見える障害福祉や精神医療保健。これも、死亡事例の第10次報告書で、トピックとして「精神疾患のある養育者における事例について」ということでの、精神科医療の理解あるいは医療全体が子どもと家庭を支える視点を持つことが重要であるという提言どおりに要対協におきましても、そういった精神保健医療をさらには障害福祉や教育というところの連携強化が求められると思います。

 特に、親に対する精神医療という理解とともに、障害児、特に発達障害等やはり育てにくい子どもの対応策という、障害福祉等の関係施策ということとあわせて教育とともに連携を高めるということの必要性も出てきていると思います。

 それから3番目です。「子育て支援との連携」ということですが、子育て支援の機関と要対協は両輪であると思っています。特に、子育て支援ネットワークができれば、そういった要対協との両輪が広がっていくのではないか。

 特に、子育て支援のコーディネーターという言葉が出てきたりしていますけれども、子ども・子育て支援新制度においても、創出されていくことが求められるのではないか。ひろば事業や地域子育て支援センターなどで子育てに困っている親で心配という場合があります。子育ての延長上に虐待問題があり、決して異なる層ではありません。むしろ早くに困難さやしんどさへ対応をすることで予防できるのです。ぜひそういった子育て支援の現場の方々にも虐待ということの理解を深めていただくということが必要になってくることがあると思います。

 4点目です。要対協における教育の分野との連携ということですが、調査をいたしましたら、常に教育分野は忙しいので、なかなか会議に出て来てくれにくいという、個別では非常に熱心にされているというのは、現場で聞いておりますが、そういったいかに要対協の中で見守りというものではなくて、いかに子どもを日々支援していくのかということについては、さらに交流が必要なのではないかという課題があります。

 5番目です。要対協活動の課題ということですが、これは調査機関の機能と多機関連携の現状というところから視点を当てて、5点ほど挙げたいと思っています。

 1つは、個別ケース検討会議活性化の課題です。個別会議というものを、ケース検討会議は全てのケースに必要であるとは言えませんが、しかし、緊急対応、迅速な対応か、あるいは的確な対応のための関係機関の連携等も通じるわけですが、やはり顔と顔を見合わせて非常に重大な何か困った事態のときには、電話等のものだけではなくて、実際に会って話すということが非常に大事であるというのは、既に死亡事例などで研修をされていることです。

 ですから、そういった必要なときに、適宜に会議が開催されるということ。これがみんなに周知されるということが大事であります。庁外の連携度が低い場合には、個別ケース検討会議の開催回数が低いというデータ結果が出ています。

 これは、やはり日ごろから調整機関の活動あるいは要対協自身が周知されていないということ。関係が希薄であるなどの原因もあるのではないかということです。

 第2点目、進行管理。これはあえて安全と支援のための進行管理とつけさせていただきました。安全と支援のための進行管理の事例というのは、近年増大していて、多くの実務者の方から時間が足りない、支援状況の把握が困難だという回答があります。

 報告だけに回っているという、形式的になりやすいという回答もありました。これをどうしていくのかということであります。

 それから、第3番目、ケースの終結の課題です。経験値で調査の中では経験値で決定しているというのが32.5%、多数決13.6%ということで、事後評価の甘さが課題になっているのではないかということです。

 それから、4番目です。アセスメント研修の課題、実際に死亡事例等でアセスメントが大事と言われている中で、アセスメントという言葉が十分に定着していないということです。見立てということですが、支援をするためには、やはり見立てがきちんとできているということ。見立ては1回ではなくて、何かがやはり変化をした場合に、再アセスメント、そして支援をしたときに効果結果という形でやはり評価していくということ。これはソーシャルワークの中で一番大事な概念ですが、それがちゃんと行われていないということが課題であり、研修は非常に大事であるということ。

 それから、英国においては、多機関連携ということを意識した研修体制というものもたくさん行われています。これは第5番目の多機関研修の重要性ということで、述べさせていただきたいのですが、全員で虐待を受けた子どもの様子を支援、共有しましょうとか、児相といったらどのようなことをしてくれるのかなど機関の役割を学び、みんなでやっていく意識を高める研修が用意されています。

 それから、5度目ですが、転居の連絡ということで、平成25年度の市町村の悉皆調査をしたときに、12%が連絡をしていないということがありました。これは、今回の居所不明というところでは、そういったことを徹底化しましょうということになっております。

 さらに、第5点目ですが、児童相談所と市町村の役割分担です。

 これは、実務者会議の出席状況で、複数で対応する。後方支援の役割と実際に一部の担当者ということで、複数対応という児相が多いわけですが、しかし中には新人のみで出席しているということで、十分に後方支援ができないという、さらに市町村が多いわけですから、会議回数が多くて負担であるというようなことも推測されています。

 児相が市に期待するという点については「長期支援」であるとか「予防領域」であるというようなことです。

 色々なことをお互いに非常に思っているのだけれども、なかなか協議をするということが難しい、その背景には、児童相談所も市町村も勤務年数が少ないということが考えられています。

 「今後について」です。

 1点目。これは先ほど申し上げたように、特定妊婦、それからさらに要支援が非常に多くなってきておりますので、それを定義するのか。どう発見するのか、それをどう支援するのかということ。これについてやはり整理するということが必要であります。

 第2点目。これも先ほど申しましたように、障害福祉、精神保健領域との連携を深めるということ。

 第3点目。子育て支援のサービス担当者と要対協の活動で連携を深めるということ。これは先ほど申しましたように、研修ということで、虐待を理解するということの全ての子育て支援のサービス担当者に研修をしていただきたいので、知識を得ていただくということが非常に大事ではないか。

 4点目。個別会議あるいは実務者会議あるいは代表者会議の有効活用、これも検討する必要があるのではないか。

 さらに5点目です。要対協の中軸となる調整機関の専門職化。これは複数で対応されるということ。さらに5年以上働いていただきたい。複数で一緒になってやっていただく。さらに、家庭相談員は、やはり10年選手が必要ではないか。

 いろいろな相談には乗っておられるわけですが、ネグレクトは結構長くかかるケースがあります。

 そういったときに、結構長期に関わり、途切れることのない支援を目標を設定し提供していくのは大事ではないかということです。

 あと6点目ですが、これは多職種多機関の合同研修ということと、さらにその研修というのは、予算が必要です。ゼロというところはやはり調査をしていたらあります。

 ですから、やはりどうしても一定を担保できるという仕組みをつくっていくということが必要ではないかということで、ちょうど10分かかりましたので、一旦ここで終わらせていただきます。

 

○松原委員長

 ありがとうございます。

 本日は全体的な討議、意見交換をする時間をこの後設けますので、またその中で加藤委員の御意見を含み込みながら議論ができると思いますが、どうしても質問があるという方がおられれば。

 よろしいですか。

 では、後で、たくさん貴重な御提案をいただきましたので、再度、加藤委員からも御発言をいただくようなこともあるかもしれません。

 それでは「当面の課題・施策の方向について」の5項目について、これまでの委員の御意見をもとにさらに議論を深めていきたいと思います。

 最初に、第3回終了後に提出のあった各委員からの追加意見について、事務局のほうで取りまとめたものが資料3としてございますので、これを事務局から御紹介いただきたいと思います。

 

○川鍋虐待防止対策室長

 それでは、資料3をご覧ください。

 各専門委員の方々から出た御意見をいただいたものをまとめております。

 この中では一部御紹介したいと思いますが「(2)初期対応の迅速化や機関連携の仕組みの整備」ということで、秋山委員から虐待問題を身近に考える構図を検討する必要ということ。

 児相をトップにしたピラミッドではなくて、各機関の特色や専門性を生かしたインターフェイスを活用するようなイメージの構図が適切ということ。

 泉谷委員から、児童館や子育て支援拠点など、地域の中での相談・居場所づくりを行えるように、資金面の支援、そういった機関で働く職員の虐待対応研修などが必要ということ。

 要保護児童対策地域協議会の機能強化につきましては、笹井委員から、児童相談所は要保護児童対策地域協議会の重要な構成員ですが、助言者としての役割を持つ一方で、同時に構成員でもあるため、児童相談所が助言者の役割に特化してしまうと、要保護児童対策地域協議会が適切に機能しないということがあること。

 それから、児童相談所によっては、課長級職員と担当者で参加して効果を上げているところもあると承知しており、全ての児童相談所でできるような体制整備が必要といったようなこと。

 2ページ目に行っていただいて、児童相談所が虐待通告や子育ての悩み相談に対して確実に対応できる体制の整備ということで、佐藤委員より、通告、調査、アセスメント、法による介入を行う機関と、虐待予防、親子統合・親支援を行う機関に分けて充実・機能強化を図ることが必要ということ。

 菅野委員から、現状は「児童相談所と市町村の二重構造になっているけれども、一機関で介入・調査、評価と支援計画、支援の実施を担うこと」になっているため、基本的なシステムを長期的な視野で見直す時期に来ているといったこと。

 「その他」としまして、藤平委員から、居住実態が把握できない子どもの調査に関して、国は市町村から調査内容での問題点について把握をして、その対応方法等について、全国共通マニュアルを作成する必要があるということ。

 全体についてはご覧になっていただいていると思いますが、時間の関係で一部御紹介させていただきました。

 

○松原委員長

 ありがとうございました。

 この追加意見もやはり参考にしながら、皆さんの御議論を進めてまいりたいと思いますので、それでは、資料2、前回まで各委員からいただいた意見及び資料3の追加意見、それから本日の加藤委員のプレゼンテーションなども含めまして、課題ごとに意見交換をしてまいりたいと思います、

 それでは、課題(1)妊娠期からの切れ目のない支援のあり方について「重篤な児童虐待事例の中には、行政との接点を持たない場合があること、また、心中を除いた死亡事例の4割が0歳児といったことを踏まえ、妊娠期から相談しやすい体制を整備することが必要」といったような意見がこの資料の4を見ますと出ております。

 さらに、いろいろ具体的な方策などについて御議論をいただきたいと思います。

 どうぞ、資料4は参考の御意見として、資料の2のほうに戻りまして、御意見をいただきたいと思いますし、そのときに前回の参考人からの御意見からももちろん参照していただければと思います。

 資料2の2ページ、3ページあたりが一番の柱になりますので、追加の御意見を伺いたいと思います。

 この御意見の中で、そういう医療機関と、今、乳幼児健診というものが挙げられていて、その後段に行政へ情報をつなげるとか、行政との接点を増やす取組という御意見が出ているのですが、この場合のこの受け皿というものはきちんとしていないと受け取ってもそこで情報が劣化してしまう危険性があると思うのですが、この受けとめる、ここでは「行政」という言葉で整理されておりますが、そのことについて、何か具体的な方策というか、あるいは御提案があれば少し追加でお話を伺いたいと思うのです。

 本日加藤委員はそういうことも含めて、アセスメントの体制もおっしゃいましたし、研修の体制もお話をいただいたと思うのですが。

 

○加藤委員

 医療機関が常日頃、保健所と保健センターとの連携をきっちりとつないでいくということ。そして保健センターが要対協の調整機関と連携し、つないでおくという、いわゆるネットワークがきっちりとできているところはそういった特定妊婦という形で早くから体制づくりができるということをいくつかの地域をみて感ずるところではあります。

 

○松原委員長

 要対協といっても、それは1つ組織になってします。推進機関を担う行政の個々の。

 

○加藤委員

 そうですね。ですから、要対協の中の特に市の家庭児童相談の窓口です。虐待対応窓口のところへきっちりとつなげる。それと場合によっては児童相談所ときっちりとつないでおいて、特定妊婦としても、子どもがやはり望まないという形であれば、どういった形で社会的養護のところにつなぐかということを、前もって話をしているというようなことであったり、あるいは医療機関の中でも、精神的なしんどさをお持ちのお母さんもいらっしゃるということであれば、そういった医療機関の中での産科、精神科の連携というものを前もって用意されているということが必要ではないかと思います。

 

○松原委員長

 笹井委員、どうぞ。

 

○笹井委員

 少し観点がずれるかもしれませんけれども、実は前回のこの会議の中でも、指摘があった特定妊婦の方というのは、特定妊婦として扱っていて、子どもを生むほうで扱っているわけではないと。

 したがって、いろいろな形で特定妊婦を把握して、母子保健のほうで把握して、市町村で支援型でやっているわけですけれども、その中で、胎児というところの観点でいくと、児童相談所とかいろいろな形で法的な措置をとっていただけるわけですけれども、あくまでやはり妊婦を支えていくという形の中になってしまいますので、なかなかそこの部分で限界みたいなところがあります。

 この胎児という、お子さんをどんな形で考えていけるのかというところを大きな問題だと思うのですけれども、そこら辺がちょっと課題ではないかなと思っています。

 

○松原委員長

 ありがとうございます。

 加藤委員の御意見は、妊婦であっても、保健にとどまらず、特定妊婦であれば要対協の枠組みに入れてそこから切れ目のない支援が続いていくべきだという御意見と伺ってよろしいでしょうか。

 秋山委員、ありますか。どうぞ。

 

○秋山委員

 私もちょっとずれがあったら済みません。

 2ページのところでこの丸の2つ目、妊娠期から子育てに至るまでの行政の関わりのところで、3つ目の黒丸で、要保護児童対策地域協議会、産婦人科医療機関及び精神科医療機関がそれぞれ連携を強化する中に、できれば、小児科医療機関も入れていただければ、子育てに至るまでというところにつながるのではないかと思います。それは小児科医は0歳から出会う機会が多いということと、そらから2人目、3人目の子どもを妊娠したお母様方と出会うことが多いということ、それから保護者の方の精神状況について、精神科の先生と情報交換することもできます。

 また、園医や校医という立場で成長の発達にも関わっています。そして今、小児科医は二十歳まで診るということになっておりますので、継続して診れるのではないかと思います。

 ここに「小児科医療機関」と書いていただければ、小児科医もさらに襟を正して取り組めるのではないかと思います。

 以上です。

 

○松原委員長

 ありがとうございます。

 この部分でもちろん従来でもそうなのですが、母子保健の関わりというのはずっとされてきているのですが、今回は、多分、そこだけではなくて、単独ではなくて、さまざまな機関が連携しながら、特定妊婦等を支えていくことが必要だという、そういう趣旨の御意見なのかなと伺いますけれども、そんな理解でよろしいのでしょうか。

 その上で、一定の数の期間が支援の必要性を認識して、その後、実際の支援を担っていくのはやはり現行では母子保健の分野と考えてよろしいのですかね。

 ここに保健師さんで、もう幾つか、例えば児童家庭相談などでも、そこの時点から関わり始めるべきだという御意見なのですね。

 これはそういう人材等研修というのは非常に必要だと思うのですが、いかがですか。

 

○笹井委員

 母子保健のほうで、見つけていろいろな援助をされて、どうしてもやはり母子保健の範疇に行かない家庭的な問題、家族的な問題、経済的な問題等を担ってくると保健師という枠組みだけではいかないですね。そのときに、その部分については市町村の中のやはり児童福祉部門が担っていかなければいけないと。そのときに、先ほど言っていた親の支援の部分とそれから子どもの安全の部分と両方を担っていかなければいけないということで、要保護児童よりもさらに難しい技量なりが要求されるというところで、その部分でなかなかまだその市町村の職員の体制というのは十分ではありませんので、先般から出ていた研修だとか、そういったところの充実が必要ではないかと思います。

 

○松原委員長

 本日、加藤委員がおっしゃった一定の期間勤めていただくということとか、質の向上、均質化ということも必要だと思うのですね。切れ目のないということで言うと、それが一定年齢に達すると、母子保健から主としてかかる機関が変化していくと思うのですけれども、そこのつなぎ目といいますか、移行について、何かこうしたらいいという御意見があれば伺いたいですが、いかがでしょうか。

 泉谷委員のほうからはスクールソーシャルワーカーというのが具体的に職種としては提案されておりますが、就学前の年齢の時期でございますので、このほかにいろいろな形での接続というのが必要かと思うのですが、御意見を伺いたいと思います。

 

○加藤委員

 やはり、その乳幼児で中心になるキーパーソンになる人と、それから学齢期になるときにキーパーソンになる人ということで、学校の中でそういったスクールソーシャルワーカーというのは、そういった役割を担う人であると思うのですが、ただ、そういった全体像をいつも常に見ていくのは市の要対協の調整機関であります。

 そこで、個別ケース検討会議を必要であれば開いて、今はこういう人がキーパーソンになってこういった課題があるのだよというようなことを常にやはり情報が共有されていくということが非常に大事なことではないかと思っております。

 

○松原委員長

 ほかに。笹井委員、どうぞ。

 

○笹井委員

 やはり、その就学前のお子さんについて、特定妊婦の方が出産し、母子保健の手を離れていったときに、支援を具体的に子育ての相談だけではなくて、支援をしていかなければいけないとしたら、1つはやはり子育て拠点の施設みたいな子育て支援センター、それから、ただ子育て支援センターというのは、来ていただくという形が原則になるので、やはり訪問をしていかなければいけないとしたら、今、余りにも訪問型の支援のスキルが少ないと。ただ、少し主任さんなり、そういった形の中で、いろいろな形で関わっていただいている例が実績にもありますし、それからヘルパーみたいな形でそれぞれの市町村で少し独自に立ち上げているものがあると。訪問型のものをもう少しつくっていくことが必要ではないかと思います。

 

○松原委員長

 ありがとうございます。

 辰田委員、いろいろな自治体に関わっていらっしゃっていて、児相からこの議論の中で何か御提案がございますか。

 

○辰田委員

 2点ほど。

 まず、1点目は、先ほど秋山委員のほうからありましたとおり、やはり児童相談所が関わる虐待している家庭において、やはり保護者自身が精神的疾患を抱えているというところも多々あります。そういう中で、やはり要対協の構成員の中に入っていただいて、情報を共有し、親の評価というものもちゃんといただいた上で、適切なアセスメントをしていきたいと思っています。

 そして、もう一つが、この3ページ目の下のほうにある丸のところで、確実な通告が行われるためにというところで、その学校、児童福祉施設、病院、特に学校等なのですけれども、とても重篤な虐待があると、病院などは、個人病院にそれを求めるのは厳しいと思うのですが、大きな病院については、CAPSがあって、主治医がそこに報告をし、CAPSで虐待の疑いを、児童相談所に組織として通告をしていただく。そしてまた、親に対しては、疑いがあるので、病院として児童相談所に通告しましたということをちゃんと親に言っていただく。児相もどういったリスクを感じてやっているのか、そこで対峙ができるのですね。今後、例えば学校さんだとか、そういったところも通告を秘匿にしなければならぬというところはあるのですが、当然、学校の中で起きたことは明らかに発見してわかるわけですので、組織としての通告、その通告後の対応というところにも踏み込んでいっていただければなと思っております。

 

○松原委員長

 ありがとうございます。

 ほかに3ページの一番下の箱の中には、事務局側が提示した課題というものが幾つか挙がっておりますので、これに関わって、こんな解決方法があるよという御意見でも結構なのですが、いかがでしょうか。

 よろしいですかね。

 次の2番目の課題のところに行ってよろしいですか。

 どうぞ。

 

○浜田委員

 浜田です。ちょっと今の委員長の御指摘と違うかもしれませんけれども、この妊娠期からの切れ目のない支援のあり方についての議論の中で、そもそも我々のような虐待を防止したい側が、届出をなさらないという妊婦さんに、コンタクトができていない現状がある。だから、その全然実態を把握できないままに0日死亡などが起きてしまうというところの議論があったかと思います。

 第2回目のときだったかと思いますが、そういったときに、例えば妊娠の届出を義務化するのがよいのではないか。また、何らかのむしろインセンティブを与えるほうがいいのではないかという議論がちょっとあったかと思いますが、これは今回のまとめの中では、2ページの一番上の丸の中の黒点の下から2つ目ですかね「妊婦健診や分娩費用の負担から接点を持つことをためらう人への配慮」というところに含まれるのかなと思いますけれども、この問題をちょっと蒸し返すようですけれども、これについては義務化するのか、インセンティブのほうがいいのか、どちらがより適切なのかということについては、ターゲットを具体的に考えて施策等を立案する必要があるのかなと思います。

 まず、前提として、例えば法律で義務化、妊娠届出が義務だといったところで、恐らく罰則を伴うような制度にするということは極めて困難であろうと思います。そうすると、そこで言う義務化というのは、訓示的な規定といいますか、国民に対して啓発的にあなた義務なのだから行きなさいねという意味合いであろうかと思います。

 今、申し上げたように、義務があるのだから、あなた行かなければだめよと言えるということは、逆に言うとその妊婦さんに誰かが接触できているということです。

 ところが、実際には、例えば0日の死亡事例などに至るようなケースでは、そういった関わりすらできていない状況があるのではないかなと思っています。

 そういたしますと、やはりその人が何らかのきっかけで自発的に、ではちょっとどこか行ってみようかなと思っていただかなければいけないということになってくると、より接点がとれない、とりにくいではなくて、より接点がとれていない、とりようがない人に対しては、やはり自発的な彼女自身からのアクションを求めるという意味で、そのインセンティブというのがむしろそこでは有効なのではないかなと思います。

 第2回でも申し上げたように、どちらもターゲットがどちらも有効ではあると思うのですけれども、狙うべきターゲットがちょっと違う、関わりを若干ながらも持てている人に対するところの施策と全く関わりをとれていない人に対する施策というところで、ちょっとあり方が変わってくるのかなと思いましたので、念のため申し上げました。

○松原委員長

 加藤委員、どうぞ。

 

○加藤委員

 妊婦さんで、出産したというところが最初に妊婦さんでなかなかわからないと、出産のときは医療機関とつながっているわけですよね。

 

○岡井委員

 つながらないときもあるかも。

 

○加藤委員

 それもあるのですけれども、そのときに、医療機関にソーシャルワーカーがいるわけですから、そういうところで、これは出産届のところで、妊娠届ということでちょっと間違いましたけれども、私が、今、思ったのは、ニュージーランドでポスターが張ってあるのです。「妊娠して困っていることない?」という文言がはいり、トイレに張っていたりとか、それからショッピングセンターに張ってあるのです。

 そして、ホテルでテレビを見てみますと、妊娠したときに困ったらここに電話してねというようなことが結構繰り返し広報されていました。やはりこういう困った人というのは、どこに言いにいったらいいのだろうというようなことで、実際に知らないという人も多いのではないか。

 そういったときには、やはり有効な手段としては、呼びかけて広報して、そして守秘義務を守って相談に乗るよというようなもの、これがまずそのアプローチとしては有効なのではないかと思いました。ちょっと前のほうは消しておいてください。済みません。

 

○松原委員長

 ありがとうございました。

 日本の自治体でどこかやっていましたか。妊娠SOSとか。

 

○加藤委員

 大阪府。

 

○松原委員長

 大阪ですよね。浜田委員がおっしゃったインセンティブとはまた違う御紹介だったと思うのですけれども。

 

○加藤委員

 済みません。

 

○松原委員長

 浜田委員の御発言にもし御意見があればお伺いいたします。

 岡井委員、どうぞ。

 

○岡井委員

 今、加藤委員がおっしゃったとおりだと思うのですね。

 まず、浜田委員のお話からすると、義務化というのはちょっと非現実的だし、私はそういうような体制で臨むべき事項ではないと個人的には思っています。インセンティブというのも、何か少し感覚的にずれるので、加藤委員が言われたように、本当に困ったらここに連絡すればいい、相談すればいいというところが日本に存在することが大切だと思います。そこでは本当に気楽に、誰にも知られないで、個人で話せる、親身になって相談に乗ってくれる。そういうところがあって、そういうところがあるということを必要とする人に知らせて、それで連絡しやすくすること、それが一番いい対応策かなと思います。私も前に発表したときに、府立母子センターの先生からの話では、そういうことを知らせるカードを置いたときに、コンビニのトイレとかに置くと、結構持って行ってなくなっているという話なので、先ほどのニュージーランドの話と共通するような点があると思うので、そういう策を何か考えることが必要と思います。もう一つは、私たちの目から見ると、そういう状況にならないように、そのもう一歩前にきちんと教育しなければいけません。今の言葉で言う性教育なのですけれども、それに関しては日本は世界中で最も遅れている国なのです。性教育の中身、充実度、それからそのことをちゃんと学んで育っているかというと、とても遅れているのです。その性教育というものの意味合いが言葉から余り本当の内容がわからないので、嫌がる人もいるし、高校の先生や何かが一番やりたがらないということがあるので、言葉もちょっと変えたほうがいいなと、今、産婦人科医会で考えているのです。例えば女性の健康のための教育とか、何かもう少し言葉を変えたほうが素直に学校のほうで受け入れてもらえると思うのですけれども、そこでしっかり教育していくと、それだけ望まない妊娠になる頻度も多少でも減らせられるし、その教育の段階で何かあったときには日本にはこういう制度がありますよ、こうしましょうというようなこと教えておけば、その後違ってくると思うので、その辺も何とか工夫ができればと思います。

 

○松原委員長

 ほかにいかがでしょうか。

 よろしいですか。

 では2番目のところに参りまして「初期対応の迅速化や的確な対応のための関係機関の連携強化について」ということで、見落としや出遅れで、重篤な虐待事例、そういったことで重篤になってしまうものを防ぐために、初期対応を確実に実施することを念頭に置いて、アセスメントの手法を関係機関で共有しながら連携することが必要といったような御意見もなされております。

 また、事務局がやはり5ページの下、課題のうちの市区町村と児童相談所が情報を共有する仕組み、これは上のほうを見ても、余りまだ御意見は出ていないので、この点についても、ぜひ御意見を伺いたいと思います。

 いかがでしょうか。

 度々であれなのですが、笹井委員、お願いします。

 

○笹井委員

 3番の要対協のところの機能強化の部分とも関連するかと思いますけれども、まず、市区町村と児童相談所の情報共有ということになると、それぞれ持っているケースを全数がまず情報がわかるという形の部分、非常に大事になってくるかと思います。それをかなり、今、進行管理というのは、3カ月に1回とか4カ月に1回やっているわけですけれども、ケース自体は非常に動きが早いわけですので、ある程度そこの共有化というときに、今、なかなか児童家庭相談の部分ではシステム化みたいな部分は余り整っていないわけですけれども、その共有できるような同じようなスキームみたいなもの、それから児相と市町村だけではなくて、多分、児相が管轄されるような市町村はかなり人の出入りなどもありますので、それらも含めた形で情報共有化できるシステム化が整うと非常に有効ではないかと思います。

 

○松原委員長

 ありがとうございます。

 前回、横浜市から共有ランク表みたいな御紹介をいただきまして、これは大切であるということは笹井委員がおっしゃったとおりだと思います。これをご覧になって御意見をいただきたいと思いますし、そのほか、この2の柱のところで議論をこう深めるべきだということがあれば、御発言をいただきたいですが、いかがでしょうか。

 辰田委員、お願いします。

 

○辰田委員

 初期対応、迅速な的確な対応というところで先ほどからもありましたとおり、児童相談所と区市町村がやはり共通なリスクアセスメントをしていかなければならないだろうなと思っております。

 当然、そのシートも違うものを使うのではなくて同じものを使ってアセスメントをしていく、あと横浜市さんの事例では、市児相ということでもあるからできるのでしょうけれども、まず、同じようなデータが見られるというところであれば、本当に瞬時にどういった状況でそれぞれが動いているかというのがわかるので、いいのかなと思っています。

 それと、あと的確な対応のところですが、当然、その児童相談所は虐待の調査、在宅指導において家庭訪問をした際、児童相談所に行くと、どうしても児童相談所に機能が、一時保護、施設入所というところで、保護者にしてみれば、口うるさく言ってくるだけ。ああしなさい、こうしなさい。なければ子どもを保護されてしまうとか、保護者としては何のメリットもないのですね。うるさいだけであると。

 しかし、区市町村に本当にさまざまな在宅サービスのメニューがありまして、ショートステイだと育児ヘルパーとかをもとより、保護者側には少なからずメリットがあって、やはり指導を受け入れやすい機関ではあるのです。やはり虐待が重篤化しないためには、やはり相談等を厭わない保護者に対して、やはり市町村のほうでも、介入型の支援ですか、そういったサービスのメニューを充実させてやはり展開をしていくべきだろうなと思っています。

 今、市町村と児童相談所の役割分担と言われておりますけれども、それが分担ではなくて、分断になってしまっていれば、元も子もありませんし、その狭間に落ちないようにその辺はバトンタッチ型の連携ではなくて、やはりのりしろ型でやはり協働してやっていくということが的確な対応としていくために必要だと思っています。

 

○松原委員長

 ありがとうございます。

 バトンタッチではなくて、協働型で、お互いのりしろを伸ばしながらやっていくべきだという御意見、非常に重要だと思います。

 これは今までの御意見の大きな丸の1つ目のポチのところで少し整理をされているところですが、ほかに観点を変えてでも結構です。御意見があれば伺いたいと思います。

 専門性の高い職員を確保するところ。非常に大切なのですけれども、基礎自治体でこういうことを実現していくためには何が必要だと笹井委員はお考えですか。済みません。代表みたいな感じがして。

○笹井委員

 市町村規模、横浜とかこの間、お話を伺っていて、やはり大きな都市はそれなりに専門職を養成していったりできるような形の規模を持っているわけですけれども、都市機能が小さくなればなるほどその専門職というのは、非常に置くのが難しいところになってきます。

 したがって、それでなおかつ、人事異動というのは、基本的に定期異動させなければいけないという形の今の各市町村のスキームの中で、専門職というのは、やはり経験値がとても大事だと思うので、その経験の蓄積をどんな形で果たせるかというところについては、正直ちょっとやりづらい部分があると。

 そうすると、やはりその部分については、児童相談所も似たようなところがあるのかもしれないですけれども、そういうところとか、外からある程度そこの部分についてお借りをしていかないとやはりそれをできないのかなというところが率直なところです。

 それから、国のほうである程度こういうことにしなさいということが出せるのであれば、出していただくと市町村は割とそれは効果的であると思うのですけれども、そこはどうかわかりませんけれども。

 以上です。

 

○松原委員長

 では藤平委員、お願いします。

 

○藤平委員

 専門職の配置につきましては、加藤委員のほうからもいろいろ市町村の経験年数問題の説明や、笹井委員も言われましたように、市町村は人事異動というものがある程度の期間を決めてやっているというところがありますので、なかなか専門職であってもそこに定着する配置が難しいというのが事実であります。

 私どものほうは、他の部署と比較して勤務年数が長く、虐待対応を専門に経験をさせている職員がいますので、そういった意味ではかなり専門的な対応が可能となっていますが、専門職の配置は、要対協の強化に繋がってくると思うので、いかに専門性がある人が要対協であるとか、問題ケースに対するアセスメントであるとか、コーディネートというところもありますので、そういったところでの対応が重要になっています。

 また、虐待担当課の職員というのは、いろいろな業務、事務もやらなければいけない。家庭相談もやらなければいけない、虐待通報の対応に行かなければいけない、国・県の調査に関する回答もしなければいけない。啓発もやらなければいけないなど。本市では、2名の職員がそれらをやっていますが、本来、重点を置いてやっていかなければならない虐待対応についてのところをしっかりやっていくには、厳しい状況があります。そういった意味では、市町村、自治体としても職員体制の改善が必要ですが、国のほうでも職員配置の指針的なものを出していただけたら、と思います。

 以上です。

○松原委員長

 わかりました。

 辰田さん、東京の一部は区だったかな、人事交流をされていると思うのですが、その評価はいかがでしょうか。

 

○辰田委員

 都内の機関に行きましたら、23区の半分以上の区、また、多摩地域であると八王子市さんなどは、1年か2年の派遣ということで、児童福祉司の実際の実務に携わってもらっています。また派遣研修が終わった後、また自治体のほうに戻って、区市町村の相談業務に当たるというところです。

 実際、来ていただくことで、最初は児童相談所はこんなに大変なのかというところもあって、職員も大変なのですけれども、やはりそこで1年間または2年間やって戻った職員につきましては、やはりそこでの相談スキルというのはかなり身についていますし、逆に児童相談所がどういった動きをするのか、どういったときに児童相談所が動くのか、また、それは市町村に対してどのような対応を求めているのかということをやはり肌で感じていただくことができます。

 そして、派遣を我々も受けるときにつきましては、違う区市町村の地域を担当してもらっています。そういうことによって、例えば隣の市の児童相談をどのようにやっているのか、また在宅サービスメニューをどういうことを持っているのかというところで、やはり戻った後にこういった市でこういったよい取り組みをしている。こういういい面はうちのほうがあるよねということもある。とても効果的に機能していますし、また戻られた後も、その市同士の横のつながりというものを持って、本当に共有をしながら、困ったときには相談して対応することでかなり相談のレベルというのは、戻った区市町村は上がってきていると感じています。

 

○松原委員長

 その場合、バーターはしていないのですよね。

 

○辰田委員

 うちからは誰も出していません。

 当然、市町村の相談の実務を上げるためというところで、派遣を受け入れています。

 

○松原委員長

 秋山委員、お願いします。

 

○秋山委員

 秋山です。

 児相でも市町村でも専門性が大事だと思います。

 ただ、要対協の中にもある一定の専門性を持つ人材を育てていくのもいいのではないかと思います。

 というのは、私は要対協に関わっていて、兄で関わり、そして数年後、かなりたってから、今度は弟でかかわったときに、兄のことを知っていたのは私だけだったということがありました。その地域に根差している人たちというのは必ずいると思いますので、要対協の中で地域の人材を育てていくというのも必要ではないかと思います。

 

○松原委員長

 ありがとうございます。

 これは次の要対協の機能強化にもつながるところですので、大切な御意見だと思いますが、2についてほかには御意見おありになりますか。

 よろしいですか。

 そうしましたら、3番目のこちらになります。「要保護児童対策地域協議会の機能強化」ということで、結局、今、本当に登録ケースがどんどん増加をしていて、実務者会議のありようのことももう既に御指摘が幾つか出ております。関係機関での十分な情報共有が困難な状況になって、それを改善するそして役割分断ではなくて、役割分担できちんと支援を提供するかつ、それが迅速に確実にされていく工夫が必要というような部分も出ております。

 それから7ページのところの事務局が提示した課題のうち、地域における人材に限りがある中で、各事例を丁寧に検討するための工夫について、例えばケースごとに支援の内容の濃淡をつけることについて、どのように考えるか、あるいは把握した情報を踏まえて、関係機関を確実に支援につなげる仕組みについて、例えば、優先して対応すべき機関を調整機関が指定する等、調整機関において支援に関する一定の判断をすることをどのように考えるかということについては、まだ時間の関係もありまして、十分な議論が進んでおりませんので、ここらあたりをきっかけにしながら議論を進めていきたいと思います。

 いかがでしょうか。

 藤平委員、お願いいたします。

 

○藤平委員

 6ページ2つ目の○にあります。対応すべき登録ケースの増加、調整機関の専門性の強化ということで、その中の丸ポチ2つ目の協議会の中軸となる調整機関への専門性というところについてなのですけれども、やはり実務者会議であるとか、要対協の運営については非常に実務的に調整機関との連携や進行管理などの業務量が増大し大変苦慮しています。本市では、実務者会議は月1回しかできていないということで、それを全体的な内容で協議して、職員がそれをうまくフォローしてやっているところなのですが、笹井委員の沼津市の事例を見ましても、もう細分化された実務者会議の運営されているようですので、今後の虐待件数の増加や対応の在り方を含め、先進地の取り組みを見習いながらやっていかなければいけないと思います。

 要対協の運営は、市町村の規模にもよりますので、それに合致するところもあれば、また違ったやり方はあるかとは思います。

 そういった意味では、要対協、実務者会議などの細分化の調整に関するところの事務を専門的にやれる職員配置を、今後、考えていかなければいけないと思います。

 職員としてやるとなると、先ほども言いましたように、全てのものを網羅してやるのではなくて、それに特化した職員配置をしていかないと、なかなか難しいと思います。

 仮に、そういったものでコーディネートという形で実施する場合には、保健であるとか、虐待であるとか、非行であるといったところに対しましては、そのコーディネートをするときには、ある程度その区分のランクづけを決めていかなければいけないと思いますので、そういったところについては、標準的なもので決めていくのか、地域性を捉えて決めていくのかというところもあるとは思うので、まず、そういったランクづけを決めていきながら、この部署についてはここの問題をやってもらいたいとすることで、実際の実務者会議の中の再編ということで、実務者会議の回数がふえていったり、内容がより明確になり担当の専門性が高まっていけばというところもありますので、そういったところでも専門職員の配置は重要になってくると思います。

 

○松原委員長

 ありがとうございました。

 推進事例という御指摘がありましたね。どうぞ。

 

○笹井委員

 事務局から提示をされた課題のところに触れながら少しお話をしたいと思います。

 まず要対協については、国が「子どもの虐待の対応の手引き」の中、25年8月に改正されている部分の中で、かなり要対協についても触れられていて、そのときの児童相談所等の役割等についても、今回、追加意見で出させていただいたところなのですけれども、要対協自体は市町村が、今、設置をしているわけですから、市町村の力をつけるということはとても大事なことだと思っていますが、本当に市町村の規模は、横浜のような大きな市から本当に200人、300人の村まで非常に幅が広いという中で、どちらかというと、人口は少ないけれども、数がたくさんある一般的な市町村というところで考えたときに、私としては、現状の中では児童相談所のコミットをもう少し要対協にしていただかないといけないだろうなと。それがゆくゆくは要対協の機能をもっと向上していくということもあるのかもしれませんけれども、もしそういう観点でお話をしたいと思います。

 1つは事務局の提示の課題の中で、やはり特定妊婦と要保護児童を確実に登録するための工夫、これは先ほどのところにも通じるのですけれども、やはりまだ児相のケースも全部出ていないところも要対協も結構ありますので、その辺をきちんとやっていくというところ。

 それから、2番目のケースルートの支援内容の濃淡をつけることと、それから1つ飛んで4番目の調整機関においてそのどこがその機関にするかということを決めるような形のいわゆる色分けの問題なのですけれども、まず、この間、進行管理台帳という形で、各要対協に管理台帳をつけて、全数把握ができるようになってきたというところの成果はとても大事だと思っていますので、そのことは引き続きやらなければいけないだろうと。そのことを踏まえて、その濃淡の問題ですけれども、うちは分科会という形で、できるだけ1つの会議の負担を減らしているわけですけれども、それでもやはり虐待の分科会でいくと、200250という形のケースを処理していくという形を実務者会議の中でやっていると。できるだけこれは個別ケース検討会議の中でやはりやっていかなければいけないことだとは思います。

 それから、濃淡ということになると、やるケースとやらないケースみたいな形になってしまうと、どのケースについてもやはりやらなければいけないことはいろいろあるわけです。やはり子どもの安全が図れないケースについては、積極的に緊急的にやらなければいけないのでしょうけれども、中にはネグレクトでその支援を活用していかなければいけないケースもやはりあるわけですから、この濃淡が非常にちょっとつけなければいけないところ、つけにくいところがあると。それから、その下の今度は優先すべき期間を調整機関が指定するということについても、これもそれぞれの機関、みんな自分のところのケースを抱えてやってきているわけですし、特に調整機関が、今、1つの調整機関、大体自分のところがケースを持っているところがほとんどだと思うので、そこのところがこれあんたのところやってというのは、非常にちょっと難しいところがあると。そういう意味での先ほど申し上げました児童相談所もケースを持っている人と、やはり児童相談所でケースを持っていないスーパーバイザー的な形のある程度客観的、中立的な形の立場をとれる人がやはり要対協にいて、ある程度の判断をしていけるようなこと。これが従来で市町村ができればいいわけでしょうし、できなければやはり児童相談所の力を借りていくようなことが必要ではないかと思います。

 以上です。

 

○松原委員長

 児童相談所に関する言及がありました。

 辰田委員、いかがですか。

 

○辰田委員

 やはりその人の育成の分、スーパーバイズというところは当然、今、児童相談所も抱えている課題としてあります。そのスーパーバイズをまず、やはり特化した職員配置というものも必要ですし、また、今、区市町村のほうにスーパーバイズが行っても、結局、みずからケースを持ちながら対応しているというところの中で、必ずしも十分な時間とかもとれないですし、苦慮しているということです。

 今回、私のほうでも意見させていただきましたけれども、やはり地区担当の区市ということだけではなくて、やはりスーパーバイズに特化、スーパーバイズの職員の配置というのを地方交付税の算定基礎にも盛り込んだ形で配置基準、充実を高めてほしいなと思っています。

 

○松原委員長

 ありがとうございます。

 ほかに御意見いかがでしょうか。

 ここも濃淡をつけるとしたら、きちんとしたアセスメントをする力を誰かが持っていないと、表面的に濃淡をつけてしますと、かえって見落としてしまうというようなことも危惧されるのですが、どうぞ。

 

○辰田委員

 そのやはり濃淡をつけるというところの中で、やはりそれができれば職員の育成が必要ですし、それは一旦つけたらそのままになってしまっているというところがあるのですね。

 やはり、そのときに、状況が変わったときに、すぐアセスメントを見直すそういった職員の意識、またそういった組織的に方針を変える、また場合によっては児童相談所に協力を求める、そういったものをやはりする土壌というか、その運営組織の運営づくりが必要だと思っています。

 

○松原委員長

 実際に、支援の検討をしていく要対協の会議とは別に、その都度アセスメントを見直していくような要対協というのは、自治体で開催できるのでしょうか。どうでしょうか。

 

○笹井委員

 実は要対協の実務者会議の前に、調整機関はある程度そのケースをざっと見渡して、ある程度の進行管理台帳をつくる作業をしていくわけです。

 それから、実は児童相談所と市町村で、2者である部分のそこら辺の連絡会とか、調整会だとかみたいな形のことをとっているところもありますので、もしその濃淡をつけていくだとかになってくると、その実務者会議にいきなり持っていくのではなくて、やはり調整機関が実務者会議の前会議みたいなものを例えば児童相談所等とやりながらしないと、やはりケースの数も非常に多いので、そこの場でこれをどうでしょう、ああでしょうという形はかなり難しいかなと思うので、何らかのそういった形の少し工夫は必要ではないかと思います。

 

○松原委員長

 どうぞ、加藤委員。

 

○加藤委員

 調査を通じてやはりそういった事前に打ち合わせとか、交流をしながらやっているという地域がありますし、それから、実務者会議で、やはりその重篤なものなどについては、別の会議ということで、実務者会議という名前ではなかったと思うのですが、そこで、もう少しフィードバックをするということを設けているところもあります。

 ですから、そういったときに、やはり専門的な知識を持たないと、これは必要だねとか、必要ではないねということがわからない。

 ですから、アセスメントがきっちりとできるという、そういう専門職がちゃんと配置されているということが非常に大事であると思います。

 

○松原委員長

 ありがとうございました。

 私も、現場にスーパービジョンに行って、逆にこのケース、クローズしていいですかねという、ことを聞かれることがままあって、ケースクローズの基準も余りはっきりしていないので、何となくまだリストに残っていて、気がついたら1年何もアセスメントも再度やっていなくて、だんだん意識から抜けているのだけれども、リストには残っているみたいなこともあって、最後、どういう形でケースクローズしていくかというところまでを含めて見ていかないと、逆に抜け落ちが出てきてしまうかなという、動かないとだんだんみんなの関心がなくなって、実は重篤化していることがよくあるので、そのことも明らかにするためには、ケースクローズの基準みたいなこともつくるのが実は機能強化につながってくる、濃淡をつける1つの手法かなと考えております。

 ほかにはいかがでしょうか。

 よろしいですか。

 では、4番目「児童相談所が、虐待通告や子育ての悩み相談に対して確実に対応できる体制強化」。

 虐待相談件数が増加しております。そうすると、やはり児童相談所の初期対応もすごく負担がふえてきております。

 とはいえ、初期対応をやればおしまいということではなくて、その後の支援を児童相談所がきちんとしていく、先ほどバトンタッチ型ではないという御発言もありましたので、確実にこれをしていくその役割分担を明確化していくということや、人員体制の検討が必要だというような御意見が出ています。

 事務局が提示した課題ということでは「夜間休日の相談に対応できる体制整備について」「利用者支援事業などとの役割分担についてどのように考えるか」「児童相談所業務の一部を民間を含めた他の機関と分担することについてどのように考えるか」ということについて、まず、8ページの枠の中、御議論いただいておりませんので、このことについても、本日、ぜひ御意見を伺いたいと思います。

 いかがでしょうか。

 辰田委員、お願いします。

 

○辰田委員

 現在のところ児童虐待の相談というのは、児童相談所に受ける件数よりも実ははるかに区市町村が受けている件数というものがとても多いのですね。

 東京都の場合は、児童相談所に昨年度は約5,500件。区市町村が受けたのは9,500件というところで、実は倍以上区市町村が受けていただいております。

 その中で、特に重篤なものについては、児童相談所のほうに援助要請、送致で送られてくるわけですが、今回、ダイヤルの3桁化というところによって、この流れがもっと児童相談所のほうに相談、通告が入ってくるのだろうなと思っています。

 今の現行体制で、果たして今も初期対応に日々追われている中で、これが的確にできるのだろうかというところです。

 要するに、今まで区市町村が担ってくれた地域の例えば泣き声通報だとか、そういったことも入ってくる。でも来たら、児童相談所は48時間以内に確認等の対応を行わなければならない。さらに初期対応に追われる。

 つまり、初期対応に追われている中で、次の指導だとか、見守りというのが適切なタイミングでますますできなくなってしまう、やはり現行の人員体制ではかなり厳しくさらになってくると思われます。

 乱暴な言い方かもしれませんけれども、虐待相談件数が6倍になったら、人も2倍ではなくて6倍になっているというようなことをやはり国のほうについても、考えていただき地方交付税の算定の基準の見直しについても考えていただきたいと思っています。

 あともう一つ、ダイヤルの3桁化に伴いということで、その予算概要の要求の中で、その夜間とか休日の相談体制というところの中で、非常勤職員をふやすという案が出されています。

 果たして、夜間、そういった通告を受けたときに、非常勤職員がそのリスクのアセスメントを的確にできるのか、それを任せていいのかというのはとても大きな課題だと思います。

 もしリスクが高いと判断がされた場合、真夜中2時とか、電車やバスも全く止まっている状況の中で、どうやって臨場していくのか、県に2つしかない児童相談所はどう対応できるのかというところについて、場合によっては最寄りの警察署のほうにその臨場を求めるとか、そういった形を警察との協定だとか、今後、考えていかなければならないのかなと思っています、当然、それを求めるだけではなくて、児童相談所がどのような工夫ができるのかということを全部の児童相談所の中でやはり考えていかなければならないのかなと感じています。

 

○松原委員長

 ありがとうございます。

 人員体制のお話と警察、特に夜間、警察との連携というようなことが御意見で出まして、まず、前半の人員体制のことについて、御参加の委員の方から関連した御発言があればいただきたいのですけれども、いかがでしょうか。

 どうぞ。

 

○笹井委員

 済みません。人員体制のことで、児相が法改正の中で、あらゆる児童家庭相談の一部を区市町村が担うという形になりまして、そして児相がより専門的な相談に特化をするという。ここにある子育ての悩み相談ということがここでどういう意味で書いてあるのかが、非常によくわからないところがあって、この間も子育ての悩み相談で、それが虐待の相談であれば児相かもしれないけれども、単純に子どもを育てているのに、うまくちょっと育たないとか、授乳がうまくいかないという形も子育ての相談だとすれば、児童相談所にこの相談があれば、とりあえず、今、児童相談所が受けておられると思うのです。

 軽度だったら、市町村で受けて終わっているのですけれども、児相にこういう相談が行ったら受けられると。だから、児相はやはりまだあらゆる児童家庭相談をやっているという形になるかと思うのですけれども、軽微な部分だとか、それから、今、児相で受けても、児相はサービスを持っていないので、特に子育ての本当に単純な相談であれば、市町村が受けたほうがはるかにいい。それは上手に対応ができると思っているのですけれども、まだやはり児相が昔は、いわゆる治療というところの部分とか、だから児相に通所している子とかが昔はいたわけですけれども、今、児相に通所する子などほとんどいないぐらい児相が多分できなかったりしているのかなと思います。

 人員の増加ということもあるのでしょうけれども、この子育ての悩み相談がどこかに市町村のほうにもうちょっとちゃんと下ろしてもいいような仕事を明確にしたほうがいいのかなと思います。

 

○松原委員長

 辰田委員、うなづいていらっしゃいますが。

 

○辰田委員

 そのとおり、本当に福祉サービスのメニューがないですから、それをまたどのように、区市町村にどうつなげていくかという課題、その作業が一手間加わってしまうというところでありますので、児相に相談しても、また区市町村が大変になりますので、国民に対して周知をしていけるような体制をとられればいいと思います。

 

○松原委員長

 自治体の中では、判定業務を療育センターのほうに委ねていて、児童心理司さんを相談支援のほうへ回すというような試みをされているところもあるようでして、児童福祉司はなかなか増えにくい中で、その児相の業務を一定程度自治体の中で見直していって、虐待への対応を強化するということを考えていらっしゃるところがあるのですが、辰田委員、どう思われますか。

 

○辰田委員

 民間へのその含めた他の機関の分担というところですが、1つは虐待をしてしまった親、その中で児童相談所が児童福祉司指導をかけて在宅指導をしている親にペアレントトレーニングとか、民間にお願いできるものというものもあると思います。

 児童相談所も関わりながら、分担していただくということが進めていければなと思っております。

 あともう一つ、先ほどの虐待通告の中で、初期の泣き声通報、その周辺調査の中でも、何の問題もない通告についてどう対応するかということなのですが、北九州市とかは、民間にその調査を依頼しているというやり方もあるので、どのようにやっているのか、またそれをどのように再度児童相談所が判断をしているのかというところがちょっとお聞きしたいなと思っていますし、またその実際、青森のほうでしたか、児童相談所が受けた泣き声通報については、市町村にお願いしているという話も聞きます。そこはすぐに児童相談所が動くのではなくて、市町村のほうで対応していることができればいいかなと。その辺のメリットデメリットもお聞きした上で、業務のスリム化を図れればいいかなと思っています。

 

○松原委員長

 市町村がやることについては、非常に居住地に近いということのメリットがあるのですけれども、デメリットとしては、そこから関わってしまうと、なかなか支援者側として関わりにくいというデメリットをよく現場の方からもお聞きするので、いろいろな工夫が必要なのかなと思います。

 笹井委員うなづいていらっしゃいますが、いかがでしょうか。

 

○笹井委員

 泣き声通告は、やはり日々入ってきたら私ももちろん行くわけですけれども、虐待があるかどうかという形ではなくて、何か子どもさんが泣いていて、子育て大丈夫ですかという形で心配されているのでという形で市として入っていかないと、虐待があったかどうか調べにきましたと入ると、途端に市はほかのサービスも持っていて、例えばそこに老人がいれば、老人の方のサービスをやっていったり、児童相談所は児童相談所と認知するのですけれども、市は子育て支援課といっても、市役所という形で認知をされるので、非常に住民サービスがほかのサービスが入りにくくなってしまうような危険性もあると。なので、その泣き声通告を一時的に市がある程度やるとしたら、何らかの方策を考えないと、後々、今、おっしゃったような形の弊害が出てくるところがあるのかなと思うのと、それからいわゆる児相48時間スキームの中で、その対応をされると。市町村は48時間というところの中で、やはり泣き声通告は難しいですね。48時間以内に訪問するという部分の中では、そこまでまだできていないところがほとんどではないかと。

 

○松原委員長

 藤平委員、お願いします。

 

○藤平委員

 笹井委員が言っているのと同感のところがあるのですけれども、市町村がやはり泣き声通報に行くときについては、虐待というような形のとり方ではなくて、泣き声に対するお困りがあるのではないかという入り方で、そういった中ではこういうサービスがありますと説明をします。その中でおうちの様子を見たりとか、お母さんの様子を見たり、お子さんの様子を見たりで判断していくということがありますので、そういった部分では、ちょっと児相さんがやられているやり方と市町村のやり方は違うかもしれませんけれども、そういったところで市町村としての安全確認をやっているところがあります。

 前回もお話しさせていただいたのですが、やはり市町村は住民と身近な関係なので、どちらかというと、福祉サービスであるとか、後方支援的なところで家庭をずっと見守っていきますよというところの色を出していきたいというところがあって、介入にちょっと入ってしまうと、その家庭の環境とかに問題があって、それこそそこから市町村からの支援が全く受けつけなくなったりということがあると、そこで新しい接点を求めていくというところがすごく大変になってくるので、その辺の区分の仕方というのは、やはり今後の課題かなとは思っております。

 以上です。

 

○松原委員長

 辰田委員、どうぞ。

 

○辰田委員

 済みません。ちょっと意見が合わないと。

 当然、我々も周辺調査の中で、リスクが余りないようなところについては、寄り添い型で入ってきますので、同じような切り口で入りますので、虐待通告がありましたと入るわけではありませんから、泣き声が聞こえたという形で心配なことはありませんかということで同じ形で入っていきますので、そこをすぐ相談につながらないからということでは、私はないと思っています。

 介入型の支援と言っていますけれども、やはり私は必要なことだなと思っています。その市町村の子どもを守るというところでは、やはり市として責任を持って、一歩踏み込んだ形で入っていくべきですし、それはそこで関係が閉ざされたということであれば、ぜひ児童相談所のほうに連絡していただいて、児童相談所がそこは今後主体となって対応していくと思います。

 

○松原委員長

 もう一つ補足すると、区市町村は一時保護権がないからなかなか介入が難しいよという現場の声があるのかもしれません。

 さて、冒頭のところに戻りまして、人員体制の強化、これは今の議論とは別に私も必要だと思っていて、辰田委員から算定基準、何とかならないかというお話もありまして、私もそう思うのですが、私は時間がかかるかもしれないけれども、児童人口比よりも、持ちケース数で生活保護の担当ケースについては前例がありますので、そういうことも中期的な視野には入れて検討をしていくべきではないかと思います。

 後半の部分に行っていいですかね。その夜間の相談対応で、辰田委員のほうから警察との連携が必要だという御意見があって、本日はオブザーバーで警察庁の方がお見えになっているので、何かコメントがあれば伺いたいと思います。

 

○警察庁(オブザーバー)

 辰田委員がお話になられたように、夜間は児童虐待が多発する時間帯と考えられますので、御苦労につきましてはお察し申し上げる次第でございます。

 実は、現状、警察においても、この夜間帯というのは、110番という形でもって市民から通報が集中しているという実情があると現在においても私ども現場からそのような話を聞いているところでございます。

 今、夜間というような話でお話があったわけでございますが、ここ全体として4番、児童相談所の体制の強化という論点でございますので、そういった中で申し上げるならば、その中核的な機能を果たされている児童相談所の活動に対しまして、全体として地域社会ないし関係機関が全体としてバックアップしていくというのは、これはその上で対応力強化が上がっていくというのは重要な視点であると私ども思っている次第でございます。

 もとより、社会全体の願いとして、重篤事案の未然防止であったりだとか、児童の安全確保、被害早期救出ということがあろうかと思っておりますので、私ども警察といたしましては、今後の児童相談所のさらなる機能強化ということに向けて、例えばですけれども、その警察のOBの派遣等を通じまして、危険性、切迫性の判断であったりだとか、緊急時の迅速対応に資するものとして、必要な協力といったものは、今後、また検討していきたいと思っている次第でございます。

 雑駁でございますが以上です。

 

○松原委員長

 ありがとうございます。

 前回、横浜は研修で御協力をいただいていたと報告を得ましたし、東京都は現職の方が派遣で見えていますね。

 

○辰田委員

 そうですね。中央児相のほうに現職の方が来られていて、地域児相のほうには児相のOBを配置していただいております。

 配置していただくことによって、警察との連携だとか、また逆にこういったときは警察に相談しておいたほうがいいよだとかということを教えていただいておりますので、大変助かっております。

 

○松原委員長

 ありがとうございます。

 それでは、もう一つその議論が今までできなかった利用者支援事業との役割分担をどう考えるかということについて、少し御意見を伺えたらありたがいですけれども、いかがでしょうか。

 加藤委員、何か。

 

○加藤委員

 新しくできるということで、利用者支援事業というのが、子育て支援のところで市のところに配置される予定です。要対協の中の市の虐待相談を担当する家庭児童相談とも連携をしていくことが重要であると思っています。

 

○松原委員長

 実際に、もうそれぞれほぼ子ども・子育て支援計画、パブリックコメントぐらいの中に来ていると思いますので、笹井委員、藤平委員から、利用者支援事業の、今、どういう計画をされているか、そしてこの役割分担をどのようにお考えかちょっと伺いたいと思います

 

○笹井委員

 利用者支援事業ですけれども、平成27年度から本格的にという形なのですけれども、うちはとりあえず保育教育の部分がどうしても新制度になって、わかりにくくなったり、それからよりその契約みたいなことが入ってくるのでというところで、今、正直そこのところで手いっぱいで、いわゆる虐待のところまでとても準備はできていないところです。

 できれば、子育て支援センターに、今はちょっと役所に本当に置いているのですけれども、これから、そういう機能を持たせて、各地域で核になってもらいたいなと思っていますので、どちらかというと、やはり予防的な意味合い等の中で活用がしていけるのではないかなと思っています。

 

○松原委員長

 藤平委員、どうぞ。

 

○藤平委員

 済みません。利用者支援事業のところについて、詳しいところの内容をちょっと把握はしていないのですけれども、前回、本市では、妊娠期からの支援事業というところをやっておりますので、やはりそういったところでは、切れ目のない支援の仕方というところを、今、現実的なところでは行っているところになっています。

 やはり笹井委員が言うように、予防的なところから見守っていくというところの支援になっております。

○松原委員長

 ありがとうございます。

 例えば、今、児童福祉法で言われているその保育所の利用の勧奨、これは、現状、区市町村でどこがやられていて、それが利用者支援事業に移る可能性はあるのですか。

 笹井委員、いかがですか。

 

○笹井委員

 今の保育所の利用については、まず、児童相談所からの通知という形の部分の中で、保育をやる部分と、それから要対協の中である程度この人については保育が必要だろうという形の中で、そこで認定して、保育要件みたいな形でやっているところです。

 

○松原委員長

 実際のアプローチで言えば、児相がやるか、市の担当部局がおやりになると。

 

○笹井委員

 実際のアプローチは、いわゆる児童家庭相談の担当者と保育の担当者の連携の中でやっています。

 

○松原委員長

 ちょっとでは利用者支援事業とはまた今は違うと。

 

○笹井委員

 そうですね。

 

○松原委員長

 わかりました。

 あと、辰田委員が途中で発言されたこの中にもあったのですけれども、業務を民間を含めて分担をしてくという提案があるのですけれども、辰田委員はそれもあり得るのではないかという御発言でしたが、いかがですか。

 浜田委員、何かおありですか。

 

○浜田委員

 済みません。

 

○松原委員長 

 なかなかこれは新しい面なのですけれども、加藤委員何かありますか。

 

○加藤委員

 私は民間団体の虐待防止協会のところにずっと関わっているわけですけれども、業務を一部ということには、ちょっとやはりなかなかハードルが高いかなと思っています。

 先ほどの九州の初期の対応で泣き声通報があったときに、民間が行ってどうしたのという形で工夫されているところは聞いております。あるいは家庭訪問支援事業ということで、御家庭に行くということは既に民間団体がやっていますよね。

 ただ、児童相談所の業務ということになりますと、やはり責任を伴いますので、どこまでそういったことができるのかということはちょっと難しいかなと。

 ただ、ぺアレンティングの問題ですけれども、再統合の問題については、既にNPOが委託を受けてやっているというのは実績があるということですので、それも児相が責任を持った上で委託をすると。あくまで1つのサービスの一環であるという形のとり方だと思うのです。

 ですから、そういったことでの民間のぺアレンティングの協力ということであれば、そういうことができるのであれば、それは可能かなとは思います。

 現に、アメリカなどでは、児童相談所のOBがぺアレンティングのそういうNPOの中に所属して、つなぎのことをやって成果を上げているというのもありますので、そこら辺は、ただ、やはりどこが主でちゃんと責任を持っていくかという、そこがすごく大事なことかなと思っています。

 以上です。

 

○松原委員長

 ありがとうございます。

 東京は子ども虐待防止センターと契約を結ばれて、協力関係を持たれている。それから責任の所在が大切だというところで辰田委員がうなづいていらっしゃいましたけれども、どうぞ。

 

○辰田委員

 まさに本当に委託等をしたとしても、最後はやはり児童相談所がどのように判断をするのかというところだと思いますので、報告だけ受けて、それを判断していいのかというと、決してそうではないだろう、やはり、メリットデメリットというのがあるので、的確に判断をしていくこと、そこはやはり悩むところであります。

 

○松原委員長

 秋山委員、どうぞ。

 

○秋山委員

 私は、子ども虐待防止センターの理事をしておりますが、研修などには大変な力を持っていると思いますので、そういうところを民間で活用していただければいいと思います。

 

○松原委員長

 ありがとうございます。

 私も、先ほど児相と市町村の役割分担のところで、支援者として入るにはという課題を一つ乗り越えるためには、民間機関の協力・連携がすごく大切だと思っています。

 やはり、児相であれ、市であれ、役所は役所だという、その親の感覚があるのだろうと思うのです。

 だからその民間機関がぺアレンティングもそうですし、その他相談ということでも、もちろん責任は行政が持たなければいけないと思うのですけれども、やれる部分は多いと思うのですが、まさにそこの段階で専門職が長く働き続けられるような環境が整備されないと、なかなかそういう財政的にきちんと運営ができているNPO団体は少ないですから、これはきちんと育成をしていくあるいは財政的な支援をしていく仕組みがあって初めてこの民間機関との協力というものが実態的になってくるのかなと思います。

 ほかにこの課題4に関わってはいかがでしょうか。

 研修については、ぜひそういうその部分でNPOを活用してほしいという御意見でありました。

 辰田委員、児相相談所職員の採用等に関するところの御意見はありますか。

 

○辰田委員

 そうですね。やはり福祉の専門職、東京都の場合も福祉の専門職であったり、実は事務職であったり、実は大義にわたっています。

 そういう中で、やはり先ほど市のほうもありましたけれども、やはり人事のローテーションの中で回っていくということと、人材のレベルを維持していくことが精いっぱい。やはり児童福祉司の資格だとか、採用というものをやはり考えていかなければならないし、それを育成する土壌というものの組織づくりというものが必要だと思っています。

 

○松原委員長

 ありがとうございます。

 やはり一般職採用で4月十何日かの辞令で児相に勤務ということで驚かれるといったこともありますし、あるいは子どもの虹等でやられている所長研修などでも、新任所長で児童相談所初めての方々が結構含まれているということがあるので、少し、実態的な体制をどう考えていくかということは、これは自治体の問題なのかもしれませんが、少し問題提起をしておきたいと思います。

 辰田委員、いかがですか。

 

○辰田委員

 まず入職して、本当にやはり相談ワーカーだけではなくて、組織の要となる管理職、所長ですね。やはりそこら辺が区市町村も同じだと思います。最後判断する課長なり、そういった専門職、しっかり実務経験を踏んだ方が配置されて、的確な判断、職員に対しての育成をしていく形がやはり望ましいと思っております。

 

○松原委員長

 秋山委員、どうぞ。

 

○秋山委員

 子ども虐待防止センターは子ども家庭支援センターに人材を派遣していますので、人事交流しながら、専門性の向上を図ってもいいのかなと思います。

 

○松原委員長

 ありがとうございます。

 子どもの成長・発達、場合によっては命に関わる仕事ですので、この専門性を担保するというのは、その採用の仕方もあるかしれません。それから人事異動のシステムの課題もあるかもしれませんし、そもそも利用者支援のところでどういう知識、技術を持った人を想定をするのか、児童福祉としては、そういうこともお考えになるのかなと思います。

 ほかにはいかがでしょうか。

 よろしいですか。

 それでは、最後「緊急時における安全確認、安全確保の迅速な実施」ということで、臨検・捜索の実施件数が少ない理由等の実態を正確に把握することが必要である」「臨検・捜索の制度が、子どもの安全確認、安全確保の最終手段であることを踏まえれば、必要な場合には、迅速に執行することが課題であり、そのための工夫や検討をする必要がある」という意見をいただいておりまして、ここについても追加の御意見をいただきたいと思います。

 今年の児相長会議で出てきた資料で言うと、昨年とは違って臨検・捜索に至ったデータが件数として挙がっていなかった記憶があるのですけれども、そういう状況にあるということなのですが、いかがなのでしょうか。

 その前の出頭要請、あるいは再出頭要請で親が来てくれていると、来てくれてという表現はよくないかもしれません。

 安否確認ができているという状況も一方であるかもしれません。

 いかがでしょうか。

 

○浜田委員

 浜田です。

 前回も申し上げたようなことなのですけれども、上の白い丸のところで、何ゆえに少ないのかというのがやはり重要だということを再度申し上げておきたいと思います。

 今、委員長からもありましたとおり、そこに至るまでもなく、その子どもさんの安否確認ができているのであれば、言ってみれば、臨検・捜索は抜かずの伝家の宝刀的なものとして、そこに鎮座しているだけでいいのかもしれないです。

 ところが、実際にはそうではないとかいう実態がもしあるのであれば、それはえらいことですので、そうなってきますと、下の2番目の白い丸のところでいかに迅速に、いかに的確にこの手続をとっていけるのかということの課題の重要性が増してくるものだと思われます。

 そうなってまいりますと、最初に戻って、結局、その実態把握というところは極めて重要ではないかなと思っている。

 今、教えていただいた児相長会議でも、臨検・捜索の直近の実施例がないということで、まさにそのないという事実をどう理解するかということがやはり極めて重要なのではないかと思いますので、改めて申し上げておきます。

 

○松原委員長

 ありがとうございます。

 関わって御意見いかがでしょうか。

 ここそういう検証をする機関とは言わないでしょうけれども、何か方策ありますか。

 

○川鍋虐待防止対策室長

 済みません。1つ目の丸のまさに浜田委員がおっしゃった件については、我々としても正直申し上げて把握を、今、しておりません。ここについては、調べる必要があると私も思っておりますし、ただ、今、委員長おっしゃる機関という意味ではちょっと、今、答えとして用意できていないのですが、やはりきちんとここはおっしゃったように調べて、それでどうするか議論をする必要があると思っております。

 

○松原委員長

 別に機関をつくれとは言っていないですよ。

 虐待対策室がおやりになるならそれでも結構だと思うのですけれども、児相に協力いただいて。何かやはりどうしてなのだろうというのはあったほうがいいですよね。もし、それで出遅れているとか、迅速な対応ができていないようなことがあれば、もう少し考えなければいけないし、まさに浜田委員が最初におっしゃった伝家の宝刀であって、実効的な効果が上がっているのであれば、それぞれないということも1つの成果であると思いますが。わからないですからね。

 まだ少し時間があります。

 1から5全体を通じて、追加の御意見があれば伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。

 お考えになっていただいている間に、本日は幾つかオブザーバーの方に関わるような御意見もありまして、先ほど警察庁からお答えいただきました。

 文部科学省のほうには前回と引き続き、幼稚園、小中学校の連携、これは要対協も含めてですけれども、御意見が出ていましたけれども、何かコメントがあれば、いかがでしょうか。

○文部科学省(オブザーバー)

 文部科学省でございます。

 現時点で、具体的にこうというようなことはお答えできるような状況ではないかと思うのですけれども、本日の御意見でもいただきましたスクールソーシャルワーカーの活用でありますとか、要対協での情報共有の徹底といった、そういったところが、今回、御議論いただいたような内容になっているかと思いますので、そういった御意見を踏まえた検討をしていく必要があるのではないかと考えております。

 

○松原委員長

 それでは、総務省の方に本日は自治体の体制、市区町村の体制の組み方とか、もう少し細部になるのですが、人事交流の話なども出ておりましたが、何か御意見があれば伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

○総務省(オブザーバー)

 自治体の人員配置や組織体制については、各自治体において、行政改革を進める一方で、様々な行政需要に応じて適切に対応してきております。今後も、実情に応じて、そのように対応していくこととなると考えます。

 

○松原委員長

 ありがとうございます。

 本日は具体的には、御意見として出ていなかったのですが、全体、4回目までを通じて御出席されておりますので、せっかくですから、法務省の方から何かコメントがあればいただきたいと思います。

 

○法務省(オブザーバー)

 法務省でございます。

 法務省としては、この方面で御協力できるところは、人権相談を受けていると。全国各地くまなく法務局、地方法務局がございますので、そういうもれなく拠点はあって、そこで人権相談を受けているところでございますので、その相談を受けるノウハウとか、体制はあるので、何か御協力できるところがあれば、御協力していきたいと思っております。

 

○松原委員長

 ありがとうございます。

 社会を明るくする運動でも、最近は虐待に関心を持っていただいているようなので、協力が進んでいくものだと思います。

 ということで、いかがですか。追加の御発言。

 加藤委員、どうぞ。

 

○加藤委員

 私のほうは、2回と3回がちょっと出ていなかったので、少し足りないというか、議論されたのかどうかというとこら辺で少し2点ほど言わせていただきます。

 1つは、妊娠期からの切れ目ない支援のあり方で、やはりその特定妊婦で、地域に帰るというときに、ちゃんと医療のソーシャルワーカーが配置されると聞いていたのですが、そういう医療ソーシャルワーカーの機能がちゃんと発揮できるような体制づくりというのがとれつつあるのかなということですが、よりやはりきっちりとそういう要対協を知っていただきながら、医療ソーシャルワーカーの充実ということが1つ大事なことになっていくのであろうということを1つは申し上げておきたいことです。

 2点目ですけれども、今、子育て新制度ができている中で、新しい保育事業が生まれてきます。そういったときに、こういう虐待の知識であるとか、あるいは親を支えるというときに、どういった仕組みづくりがあるのかということを、そういう保育の現場の方なども周知していただいていきたいとお願いしたいと思っています。

 決して虐待と先ほども申しましたように、子育てでは、相離れるものではなくて、そういう積み重なる中で、例えば泣き声があるとか、あるいは親がイライラしてしまうということもありますので、今後、そういう福祉のアセスメント、ニーズアセスメントという形で現場の方がより親しみやすいようなそういういつも気をつけておいて、気にとめておいて支援ができるような枠組みがやはり必要になってくるのではないか。それが共通の言葉として、さらに子育て支援と要対協をつなぐ柱になっていくのではないかと思っております。

 以上です。

 

○松原委員長

 ありがとうございます。

 ほかにいかがでしょうか。

 辰田委員、どうぞ。

 

○辰田委員

 ちょっと今までの議論と重ねつつお願いになってしまいますけれども、やはり児童虐待への調査権の法制化というのを本当にやっていただきたいなと思っています。

 今、本当に虐待防止法の中で資料、情報を求めることができるととどまっています。

 そこについて、法の規定の中に市町村または児童相談所が児童虐待についての調査について、必要な事項の報告を求めることができるというような形の内容の明文化をぜひお願いしたいと思っています。

 

○松原委員長

 御意見を出していただきました。

 ほかにいかがですか。

 秋山委員、どうぞ。

 

○秋山委員

 医療機関の役割はやはり非常に大きいと自覚しています。

 病院は、今、辰田委員からありましたように、医療ソーシャルワーカーがかなり活躍して、CAPSを動かしてくださっています。さらに、CAPSの推進が必要と思います。一次医療機関に関しては、要対協と協力をもう少し密にしていかなくてはいけないと思っています。

 医療機関にお願いすると、情報がないから、協力のしようがないという答えがあったり、あるいは要対協が情報の収集を求めたら、個人情報だから出せないと言われたり、まだ医療機関も周知が徹底されていないと思っています。

 そこで、実務者会議に出てくれるかというと、また時間がないということでなかなか出れない状況にあります。

 そういう中で、先ほど実務者会議の部会方式などを検討してくださっていると言われますので、ぜひ医療機関に向けた部会方式などを検討していただければと思います。

 それから、虐待の発見のマニュアルは、非常によくできています。しかし、その発見した後の支援の方法については、まだちゃんとしたマニュアルはなくて、辰田委員がおっしゃいましたように、保育所で見つけた後にどう支援するのか、学校で見つけた後にどう支援するのかというマニュアルの作成をお願いしたいと思います。

 以上です。

 

○松原委員長

 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。

 藤平委員、どうでしょう。

 

○藤平委員

 秋山委員の意見に追加的な話なのですけれども、やはり保育園とか、そういったところについては、身体状況とかよく保育士さんが見ていただいているというところもあるのですけれども、学校教育の現場というところでは、ちょっとその発見というか、見方の違いとかもありますので、そういったところでは、やはり研修的なもので、教職員の方に、その虐待の対応の仕方であるとかといったところをやっていただきたいなと思います。

 管理職の方については、市のほうとかでもいろいろやっているのですけれども、現場の担任の先生の対応によっては、それこそ家庭訪問であるとか傷や痣の発見の関係で対応時間が遅くなり、土日挟んでしまったりすると、状況の分析も難しいというところもありますので、やはりそういったところでの教育現場との連携というものもありますので、そういった教育実習的なものも含めた研修をやっていただけるとありがたいと思います。

 

○松原委員長

 ほかにございましょうか。

 

○加藤委員

 それに関連して、やはり研修の充実化というのが非常に大事になってまいります。イギリスなどは、LSCB【リーガル・セイフガーディング・チルドレン・ボード】というのが、これは研修を地域で進めている所でありますが、学校の先生は全員がやはり虐待の研修を受けることとなっています。

 レベル2になると、関係している人たちがやはり研修を受けること。さらに専門的な研修を受けることとして、研修レベルをちゃんと分けて、そして年間の幾つかの研修メニューをこなすということになっていますので、そのときに費用の問題というものもあるわけですが、そこら辺は教育からの費用をちゃんと分担して担当するというような、そういったことでも、財政的なことも関係しますけれども、やはりそういった職種間の職種ごとの研修プラス職種間連携という形の研修ということで、要対協もより周知していただくということが今後も必要になってくるかなと。これは先ほどの秋山委員がおっしゃったことなのですが、加えさせていただきます。

 

○松原委員長

 ありがとうございます。

 ほかはよろしいでしょうか。

 それでは、議題(1)から(5)について、本日は通じていろいろ議論をしていただきましたし、少し議論の足りなかったところについても御意見をいただきました。

 この専門委員会は「児童虐待防止対策に関する副大臣等会議」と相互に関連させて議論を行ってきております。

 この副大臣等会議は年内をめどに一定の取りまとめを行う方針と伺っております。そのために、この専門委員会でも、これまでの議論について、年内には取りまとめを行っていきたいと思います。

 一方で、委員の御意見の中には、児相のあり方を考えるのであれば、その後の受け皿としての一時保護所や児童養護施設、里親等のあり方といったものも一体で考えるべきという意見とか、本日の追加意見やその他意見も、いわゆる方向の柱に入らない御意見もいただいておりまして、委員長としては、非常に皆様の御協力をいただいて、9月に立ち上げて、この2カ月間で4回、まとめるのにもう一回あると思うのですけれども、やってきましたが、ようやく論点の整理ができたところだと思っています。まだまだ、多分、議論をしなければいけないところがあるのではないかと考えておりますが、少しこのあたりの件について、事務局としてのお考えを伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

○古川総務課長

 総務課長でございます。

 御議論いただきまして、まことにありがとうございました。

 確かに、今、松原委員長がおっしゃったように、9月に立ち上げさせていただきまして、2カ月間、頻回にお集まりいただいて、貴重な提案をいただいたことに、まず、感謝を申し上げるとともに、確かに制度全体を見通すということがあって初めて、1つの個々のあり方というものが決まってくるのかなと思うところもございます。

 その意味では、今、松原委員長から御指摘いただきましたように、より丁寧に、引き続いて議論をさせていただくということも必要なのではないかと思っております。

 同時に、各委員の先生方は本業が大変お忙しいということもございますので、余り過重な御負担をかけてはいけないというところもあろうと思いますので、引き続きの議論をどうするかについては、どのような形で議論を続けさせていただくことが適当かということをまた御相談させていただきたいと思います。

 

○松原委員長

 ありがとうございます。

 それでは、次回が取りまとめ案ということになります。本日の議論も踏まえまして、私と事務局のほうで少し整理をする作業をさせていただきます。

 次回の日程等について、事務局のほうからアナウンスをお願いいたします。

 

○大津総務課長補佐

 次回の日程は、1128日金曜日、15時から17時、場所は本日と同じ場所で中央合同庁舎4号館全省庁共用123会議室でございます。

 よろしくお願いいたします。

 

○松原委員長

 それでは、本日の専門委員会は閉じたいと思います。

 皆様、本日は貴重な御意見をいただき、ありがとうございました。


(了)

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