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2014年11月19日 第115回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

老健局老人保健課

○日時

平成26年11月19日(水)14:00~17:00


○場所

ベルサール秋葉原 ホールA(2階)


○出席者

阿部、安部、井上、内田、大島、大西、亀井、河村、小林、齋藤(訓)、斎籐(秀)、佐藤、鈴木、鷲見、田中、田部井、東、平川、福田(石崎参考人)、堀田、本多、村上、山際 (敬称略)

○議題

1.平成27年度介護報酬改定に向けて(居宅関係3、その他の論点)
2.その他

○議事

○迫井老人保健課長 それでは、定刻になりましたので、第115回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させていただきます。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席を賜りまして誠にありがとうございます。

 本日の委員の出席状況でございます。井口委員、武久委員から御欠席の御連絡をいただいております。

 また、福田富一委員にかわりまして、石崎金市参考人に御出席いただいております。

 本日、23名の委員に御出席いただいております。「社会保障審議会介護給付費分科会」として成立いたしますことを御報告させていただきます。

 それでは、冒頭のカメラ撮影はここまでとさせていただきますので、御協力をよろしくお願いいたします。

 以降の議事進行につきまして、分科会長にお願いいたします。


(カメラ退室)


○田中分科会長 皆さん、こんにちは。

 本日は、平成27年度介護報酬改定に向け2つのテーマを取り扱います。居宅サービスの3回目で、前回の議論で時間の都合上、積み残しとなった療養通所介護、福祉用具に加えて、認知症グループホーム、ショートステイなどです。

 第2は、その他の論点として取り上げる介護人材の処遇改善、地域区分、ケアマネジメント、区分支給限度基準額について御議論いただきます。

 ここで、事務局より資料の確認をお願いします。


○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。資料が大部になっておりますので、御確認させていただきます。

 議事次第、委員名簿、それから座席表とございます。

 その後ろに、資料1といたしまして「療養通所介護の報酬・基準について(案)」。

 資料2「福祉用具の報酬・基準について(案)」。

 資料3「認知症対応型共同生活介護の報酬・基準について(案)」。

 資料4「認知症対応型通所介護の報酬・基準について(案)」。

 資料5「短期入所生活介護の報酬・基準について(案)」。

 資料6「短期入所療養介護の報酬・基準について(案)」。

 資料7「介護人材の処遇改善の充実に向けて(案)」。

 資料8「地域区分について(案)」。

 資料9「居宅介護支援の報酬・基準について(案)」。

 資料10「区分支給限度基準額について(案)」でございます。

 以下、参考資料がございます。

 参考資料1「認知症施策の現状について」。

 参考資料2「平成26年地域手当指定基準を満たす地域の一覧について【抄】」。

 参考資料3「アンケート調査から」、これは井上委員提出でございます。

 参考資料4「平成27年度介護報酬改定について」、これは齋藤委員からの御提出でございます。

 参考資料5「平成27年度介護報酬改定にあたっての要望」、これは鷲見委員からの御提出でございます。

 参考資料6「介護人材の処遇改善の充実に向けて」、これは平川委員御提出でございます。

 参考資料7「平成27年度介護報酬改定にかかる意見」、福田委員御提出でございます。

 参考資料8「全国老人福祉施設協議会 意見」、村上委員御提出でございます。

 以上でございます。

 資料に過不足等がございましたら、事務局にお申しつけいただければと思います。

 以上でございます。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 本日は、前回同様に審議項目が大変多いため、大きく3つのブロックに分けて議論することにします。

 まず最初に、居宅サービスの6項目、資料1から6まで、すなわち、療養通所介護、福祉用具、認知症対応型共同生活介護、認知症対応型通所介護、短期入所生活介護、短期入所療養介護について御議論いただきます。

 2番目に、介護人材の処遇改善の充実に向けて、資料7、地域区分、資料8について議論します。

 その後で、短い休憩を入れた後、資料9、ケアマネジメント、資料10、区分支給限度基準額について御議論いただきます。

 これが本日のアジェンダです。

 初めに、居宅サービスの6項目について、事務局より資料を一括して説明をお願いします。


○迫井老人保健課長 それでは、まず、老人保健課長から、最初に資料1と、それから資料6につきまして、簡単に御説明させていただきます。

 資料1でございます。「療養通所介護の報酬・基準について(案)」でございます。

 おめくりいただきまして、2ページに論点をまとめてございます。以降の資料は、参考資料がございますけれども、詳細の御説明は省略させていただきまして、2ページの論点1でございます。在宅での重度要介護者の療養生活継続、こういった対応を強化するために、療養通所介護において、下に掲げるような対応案を念頭に置いた体制の評価をすることとしてはどうかということでございます。

 2つございまして、1つ目は、重度要介護者の送迎、これは実態として、複数体制でやっておりまして、しかも個別送迎がほとんどでございますので、必要とされている実態を踏まえまして、「個別送迎体制強化加算(仮称)」を設けたらどうかと。

 2つ目でございますが、同じく重度の要介護者の入浴について、これは複数体制で実施されているという実態がございますので、「入浴介護体制強化加算(仮称)」を設けたらどうか、こういう対応の御提案でございます。

 次に、資料6でございます。「短期入所療養介護報酬・基準について(案)」ということになっておりますけれども、1ページ目でございます。リハビリテーションの評価の見直しということで、論点を掲げてございますが、リハビリテーションの実施に応じた評価となるようにということで対応案に記載してございます。

 これは、対応案が1つでございますけれども、介護老人保健施設の短期入所療養介護におきましては、算定率の高いリハビリテーション機能強化加算というものがございます。これは、下の点々で書いてございますけれども、おおむね90%の算定率を得ておりますので、こういった実態を踏まえまして、基本サービス費に包括したらどうかと。その中の加算要件として、個別リハビリテーション計画の算定というものがございますけれども、これにつきましては、先般、リハビリテーションのところで御説明させていただきましたとおり、リハビリテーションのマネジメントの強化をしていくという観点から、個別リハビリテーション実施加算の要件として続けたらどうかという御提案でございます。

 簡単でございますが、以上でございます。


○高橋振興課長 続きまして、振興課長でございます。私からは、資料2と資料5について御説明させていただきたいと思います。

 まず、資料2でございます。「福祉用具の報酬・基準について(案)」でございます。

 おめくりいただいたところで、2ページ、論点1でございます。複数の福祉用具を貸与する場合の価格の関係でございますけれども、給付の効率化・適正化の観点から、事業所が複数の福祉用具を貸与する場合において、あらかじめ都道府県等に減額の規定を届け出ることにより、通常の貸与価格から減額して貸与することを可能にしてはどうかということでございまして、対応案でございますけれども、都道府県に提出する運営規程(利用料)の関係などを提出することになっておりますけれども、ケアプランに基づいて、複数の福祉用具を貸与するような場合には、複数の福祉用具を貸与するということで、価格を減額する規定の届け出を行うことができることとしてはどうかということでございます。

 次ページ以降、参考資料をつけておりますけれども、説明は省略させていただきます。

 7ページをあけていただきますと、論点2でございます。福祉用具専門相談員の質の向上の推進というところでございます。自立支援に資する福祉用具の提供を推進する観点から、福祉用具専門相談員の指定講習内容の見直しを踏まえ、現に従事している福祉用具専門相談員について、知識の習得とか能力の向上に努めなければならないというような規定を設けてはどうかということでございます。自己研鑽の努力義務規定を設けることによって、一層の専門能力を発揮していただこうというような観点でございます。

 論点は以上でございますけれども、12ページのところを見ていただきますと、介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会の検討結果について御報告させていただきたいと思います。

1028日に、この福祉用具・住宅改修評価検討会を開いていただきまして、それぞれ検討の流れというところにございますように、いろいろ対象に含めたいと要望のあった福祉用具259件とか、住宅改修183件とか、そうしたことについて御審議をいただいて、こうしたものを加えたらどうだろうかというような検討をしていただいたということでございます。

 その内容が次ページの13ページでございますけれども、福祉用具貸与の種目等に新たに追加する項目ということでございまして、全部で3点追加したいと考えております。

 1点目は、福祉用具の貸与の中で、車椅子の対象品目に介助用の電動車椅子を加えたいということでございます。これについては、JISの問題とかもクリアしておりますし、また、市場でも安全性に問題ないという評価を受けておるということでございますので、対象として加えたらどうかということでございます。

 2点目は、特定福祉用具の販売における対象品目に、腰掛け便座の対象品目として水洗ポータブルトイレを追加してはどうかということでございます。新たな技術開発によって開発された機器でございます。こうしたものも位置づけていってはどうかということでございます。

 3点目は、住宅改修の中でございますけれども、洋式便器等への便器の取りかえを項目の対象の一つとして、便器の位置とか向きの変更ということを明示してはどうかということでございます。特に、片麻痺の方とかで、便器の位置とか向きを変えるだけで生活改善がなされるというようなケースがございます。こうしたことをしっかりと明記することによって、対象としてはどうだろうかということでございます。

 1~2枚おめくりいただいた16ページのところでございます。同じくこの検討会の内容の御報告でございますけれども、複合的機能を有する福祉用具の取り扱いについてということでございます。

 下のところに「現行」と四角で囲ったものがございますけれども、その3点目のところで、その機器等の中に貸与とか販売の種目に該当しない機能が含まれる場合は、法に基づく保険給付の対象外として取り扱うということで、対象としない機能があるものは、一律、除外をしているというような運用になっておりますけれども、このページの一番上の箱のところにありますように、特に念頭に置いているのは、認知症の老人の方の徘徊感知機器などに係る複合機能ということですけれども、外部に接続して、例えばメール送信機能を持たせて通知するとか、そうした複合機能がついているものを今は認めていないというような運用になっておりますけれども、こうしたものについて、そうした通信機能とかの部分が本体の価格に転嫁されることがないというような一定の条件のもとに、そうした通報するというような機能が加わっても、対象として認めてはどうかということでございます。

 あと、資料5でございます。短期入所生活介護、いわゆる生活ショートの関係でございます。

 同じように、おめくりいただきまして、1ページのところで、論点1でございます短期入所生活介護において、緊急時の円滑な受け入れが促進されるように、加算とか受け入れの関係の見直しをしてはどうかということでございますけれども、その(マル1)でございます。緊急短期入所に係る加算の内容を見直してはどうかということでございます。

 対応案として2つ書かせていただいております。1点目としましては、前回の改定のときに「緊急短期入所体制確保加算」というものを導入しております。これは、全体5%の空床確保をするという体制を評価するようなもので、ショートの利用者全員の方に算定するような仕組みになっておりますけれども、利用率も非常に低いということ、また、なかなか使い勝手が悪いということとか、また、利用者への負担の問題とか、いろいろ御議論もあるところですので、この部分は廃止しまして、一方で、2点目にございますけれども、緊急の受け入れを促進する観点で、居宅サービス計画において計画的に行うこととなっていない短期入所を緊急的に行う場合を評価する「緊急時短期入所受入加算」につきましては、今のこの前段の5%空床分のところに受け入れることが要件になっておりますが、そうした要件を緩和して、外しまして、また、加算評価自体も引き上げるような見直しをしてはどうかということでございます。

 次ページ以降、その資料をつけさせていただいております。説明は省かせていただきます。

 9ページでございます。同じ論点1の(マル2)でございます。ショートにおける緊急時における基準の緩和ということでございますけれども、緊急時の受け入れを促進するため、緊急やむを得ない場合には、居室以外での受け入れを認めてはどうかということでございます。利用者の状態とか家族の御事情とかで介護支援専門員、ケアマネジャーが緊急やむを得ないと認めたような場合など、一定の条件のもとに、専用の居室以外の静養室での受け入れを可能とすることによって、こういう緊急時の受け入れをしてほしいというようなことについて対応できるようなことを増やしていったらどうだろうかということでございます。

 次に、12ページでございます。論点2でございますけれども、ショートステイの機能訓練の部分でございますけれども、現行、機能訓練指導員を1名以上配置しているような場合の配置の加算がありますけれども、それに加えて、ADLとかIADLの維持・向上を目的として機能訓練を実施している事業所を評価するようなこととしてはどうかということでございまして、対応案といたしまして、利用者の住まいを訪問した上で、個別の機能訓練計画を作成すること、また、その上で専従の機能訓練指導員を配置してADL等の維持・向上を目的とした個別の機能訓練を実施する場合には、新たに加算で評価することとしてはどうかというものでございます。

 続きまして、論点3でございます。22ページでございます。重度者への対応の強化ということでございます。重度者の増加に対応するため、手厚い健康管理及び医療との連携を評価してはどうかということでございます。

 対応案でございますけれども、下にちょっと(1)から(4)まで要件というようなものを書かせていただいておりますが、例えば、看護体制加算の(ローマ数字2)で、常勤換算方法で一定の看護師を配置していて、なおかつ24時間の連絡体制をとっているというようなことが要件ですけれども、そうした加算を算定しているとか、看護職員による定期的な巡視が行われているとか、医師等との関係で緊急やむを得ない場合の対応に係る取り決めを行っているとか、一定の事業所要件を満たしているような場合について、また、重度な一定の要件を満たす利用者を受け入れたような場合について、医療連携強化加算(仮称)といったものを新設して、評価をしてはどうかということでございます。

 続きまして、論点4でございます。31ページでございますけれども、長期利用者の基本報酬の適正化でございます。

 短期入所生活介護の場合、基本の30日までということになっておりますけれども、間に自費利用の期間などを挟むことによって、実質、それを超える長期の御利用になっているような形態も一部に見られるところでございます。このショートステイの基本報酬につきましては、特養などの施設に比べて入退所が頻繁でありまして、利用者の状態も安定しないというようなことから、特養で言う初期加算相当分、これは30単位相当分ですけれども、そうしたものを基本報酬に上乗せするような格好で報酬の設定をしているという考え方で、施設類型の報酬より高い設定となっておりますけれども、そうした実質的に長期間利用されているような方については、基本報酬の評価を適正化する、具体的には、施設報酬並みの評価にしてはどうかというようなことでございます。

 続きまして、論点5でございますが、35ページでございます。基準該当ショートの関係でございます。ショートステイに加えまして、基準該当ショートといって、一定の要件を緩和したサービスの類型がございます。詳細については38ページに資料を載せておりますけれども、その関係での基準緩和とか、小規模多機能の空床利用を可能とすることで、緊急時における短期利用とか宿泊ニーズに対応する環境の整備を促進してはどうかということの論点でございます。

 (マル1)でございますけれども、この基準該当ショートの基準を緩和して、緊急時の短期利用の受け入れを促進してはどうかということでございまして、対応案といたしまして、緊急やむを得ない場合などの一定の条件下において、専用の居室以外の静養室等での受け入れ実施を可能とすることとしてはどうかということ。それと、もう一つは、基準該当ショート自体は、次の36ページにございますけれども、デイサービスとか認知症の対応型のデイサービスとか、あと、特養を初めとする社会福祉施設に併設する場合のみに認められるサービス類型というようなことになっておりますけれども、小規模多機能型居宅介護事業所に併設して実施することも認めてはどうかということと、この場合に、浴室とかトイレとか、一定の部分については共用を認めることとしてはどうかということでございます。

 最後に、40ページでございます。同じ論点5の(マル2)でございます。小規模多機能型居宅介護とか、あと、複合型サービスについての宿泊室の利活用ということでございますけれども、緊急時における短期利用とか宿泊ニーズの環境を整備するため、小規模多機能型居宅介護、複合型サービスの宿泊室に空床がある場合など一定の条件下において、短期の空床利用を認めてはどうかということで、対応案でございますけれども、登録定員に空きがある場合であって、当該日において宿泊室に空きがあるような場合に、緊急やむを得ない場合などの一定の条件を付した上で、登録者以外の空床での短期利用を可能としてはどうかということでございます。

 私からは以上でございます。


○水谷認知症対策室長 認知症・虐待防止対策推進室長でございます。私からは、資料3、認知症対応型共同生活介護、それから資料4、認知症対応型通所介護、それから参考資料1、認知症施策の現状についてを参考資料として添付させていただいておりますので、それにそって御説明させていただきます。

 まず、冒頭、参考資料1「認知症施策の現状について」、参考資料をまとめてございますが、その2ページでございます。認知症サミットの日本後継イベントが11月5日から7日に開かれまして、そこの11月6日の開会式のときにおきまして、安倍総理大臣から、我が国の認知症施策を加速するための新たな戦略を策定するよう厚生労働大臣に指示をすると。新たな戦略は、厚生労働省だけでなく、政府一丸となって、生活全体を支えるよう取り組むものとしますという御発言がございまして、これを受けた11月6日の閉会式の場で、塩崎厚生労働大臣から、オレンジプランに代わる新たな戦略の策定に当たっての基本的考え方ということで3つの考え方をお示しいただいてございます。

 1点目が、早期診断・早期対応とともに、医療・介護サービスが有機的に連携し、認知症の容態に応じて切れ目なく提供できる循環型のシステムを構築すること。2点目、認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて、省庁横断的な総合的な戦略とすること。3点目、認知症の方御本人やその御家族の視点に立った施策を推進すること。これを今、認知症施策を取り巻く状況として簡単に御報告させていただきます。

 それでは、資料3でございますが、認知症対応型共同生活介護の報酬・基準でございます。

 まず、2ページでございます。論点の1、夜間ケア加算について、夜間における利用者の安全確保の強化をさらに推進する観点から、認知症対応型共同生活介護事業所における夜間勤務体制の実態を踏まえ、必要な見直しを行ってはどうかと。

 真ん中のあたりに夜間ケア加算の概要とございますが、現在、人員配置基準におきまして、夜間及び深夜の時間帯を通じて介護職員を1ユニットごとに1名配置すること、これが基準として義務づけられてございますが、これに加えて、夜勤を行う介護職員を常勤換算で1名以上配置した場合に、加算がとれるというのが夜間ケア加算の仕組みでございます。

 しかし、これだけではなかなか実際算定が進んでいないというのが参考のところに書いてございます状況でございまして、対応案といたしましては、現在は評価の対象となっていない宿直職員による夜間加配を新たに評価することによって、夜間支援体制の充実を図ってはどうかというものでございます。実際、夜勤職員を確保する意味におきましても、宿直職員がいるという安心感があることによって夜勤職員の確保に資するというような声もございますので、そういった観点も踏まえた対応の案ということでございます。

 それから、4ページ、論点2でございます。看取り介護加算についてでございます。これにつきましては、特別擁護老人ホームですとか特定施設において、既に出ている論点と全く同じ論点ということでございます。現在、看取り加算につきましては、特養、それから特定施設と同じ体系になってございますので、それとの並びの観点で同様の充実を図るというものでございます。

 具体的には、新たな要件として、利用者の日々の変化を記録により多職種で共有することによって連携を図り、看取り期早期からの利用者、家族等の意向を尊重しながら、看取り介護を実施する。あるいは、その記録によって、利用者、家族等への説明を適宜行うということを追加した上で、死亡日以前4日以上30日以下における手厚い看取り介護の実施に対して単位数を引き上げる。また、グループホームにおける看取り介護の体制構築・強化をPDCAサイクルにより推進する。こういったことをしてはどうかというものでございます。

 お進みいただいて、9ページでございます。論点3、ユニット数の見直しについてということで、都市部において事業者が効率的にサービスを提供できるよう、現行1または2と規定されているユニット数の表示について、弾力的な運用を明確化してはどうかというものでございます。

 地方分権によりまして、今、ユニット数の基準については、自治体が条例を定めるに当たって標準とする基準ということになってございます。ですが、その新たな用地確保が困難である等の事情により、なかなか高齢者が住みなれた地域での生活が困難となっている、そういうような地域もあることを踏まえまして、事業者が効率的にサービスを提供できるようにする観点から、ユニット数の標準、今「1又は2」となってございますが、あくまで1または2が標準なのですが、そういう事情がある場合においては、3ユニットまで標準と考えて差し支えないということを明確にしてはどうかというものでございます。

 繰り返しになりますが、地方分権のシステムでございますので、実際にこれをどう運用するかは、各自治体で条例で定めていただくというようなシステムでございます。

 それから、11ページ、論点4、認知症対応型共同生活介護事業所と同一建物に併設できる施設・事業所についてということでございます。これにつきましては、既に小規模多機能のときに同様の論点が出てございまして、それと並びの観点でございます。

 広域型の特養など社会福祉施設と同一建物に併設することについては、家庭的な環境と地域住民との交流のもとでグループホーム介護が適切に提供されるものと認められる場合には併設を認める。今まで一律だめとしていたものを、個別の環境を踏まえて判断することとしてはどうかというものでございます。

 それから、今度、資料4、認知症対応型通所介護のほうでございます。

 おめくりいただいて、2ページの論点1でございます。共用型の認知症対応型通所介護。グループホームにおきまして行われる認知症対応型通所介護ですが、そういったものの利用定員につきまして、グループホームの事業所が、認知症ケアの拠点としてさまざまな機能を発揮することを促すという観点から見直してはどうかということでございます。

 具体的には、今、グループホーム事業所が1ユニットか2ユニットか、そういった規模にかかわらず、「1事業所3人以下」となっている現行の利用定員につきまして、実際の利用者へのサービス提供はユニット単位で実施されていることを踏まえまして、「1ユニット3人以下」と見直してはどうかというものでございます。

 お進みいただきまして、4ページ、論点2でございます。運営推進会議の設置についてというものでございます。認知症対応型通所介護について、地域との連携や運営の透明性を確保するため、運営推進会議の設置を運営基準に義務づけてはどうかというものでございます。

 これは、通所介護のときに既に出ている論点でございますが、平成28年度から地域密着型の通所介護が創設され、そこで新たに運営推進会議の設置を義務づけることが予定されてございます。少人数の通所介護という意味で、認知症対応型通所介護も同様の特性を有することを踏まえまして、同じく平成28年度から、運営基準の中で運営推進会議の設置を義務づけてはどうかというものでございます。

 それから、お進みいただいて、6ページ、論点3でございます。認知症対応型通所介護事業所等の設備を利用して宿泊サービスを実施する場合の届け出制の導入ということでございまして、これも通所介護の際に既に出ている論点でございます。お泊まりデイを実施している事業所につきまして、利用者保護の観点から、届け出制の導入、事故報告の仕組みを構築するとともに、情報の公表を推進するものでございます。

 それから、お進みいただきまして12ページでございます。ここからは、通所系サービス共通の対応ということで、これも既に出ている論点につきまして、並びで認知症対応型通所介護についても対応を行ってはどうかというものでございます。

12ページの論点4は、利用者がみずから事業所に通う場合や事業所において送迎を実施していない場合には、利用者に対する報酬の実態にあわせて減算の対象とすることとしてはどうかというもの。

 それから、15ページにお進みいただきまして、論点5でございますが、送迎時における居宅内介助等の評価ということでございまして、送迎時に行った居宅内介助等を認知症対応型通所介護の所要時間に含めることにより評価することとしてはどうかということ。

 それから、16ページ、論点6でございますが、所有時間7時間以上9時間未満の通所介護の提供後から、自主事業の宿泊サービス実施前までの間に日常生活上の世話を行った場合の延長加算の取り扱いでございますが、実態として、認知症対応型通所介護の設備を利用して宿泊する場合には、延長加算を算定不可とする一方、介護者のさらなる負担軽減や仕事と介護の両立のため、延長加算を強化するといった対応をしてはどうかというものでございます。

 以上でございます。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 なお、本日は、井上委員、齋藤委員、鷲見委員、平川委員、福田委員、村上委員より資料が提出されています。各委員から提出いただいた資料は、事前に事務局よりお送りしてあると聞いております。

 本日は、皆様おわかりのように、時間の関係上、一つ一つ御説明を頂戴する時間を確保することが難しい状況です。そこで、誠に申し訳ありませんが、毎回と違って、特に何か伝えたいことがあれば、適宜、各サービスの質疑の中で触れていただくようお願いいたします。

 ここから質疑に移ります。ただいま説明いただいた資料がたくさんありましたけれども、論点は限られていますので、それらについて一括して質疑を行います。御質問、御意見をちょうだいします。田部井委員どうぞ。


○田部井委員 ありがとうございます。最初に、ガイドラインの問題について一言お話しさせていただきたいと思います。

1110日の会議に提示されましたガイドライン案によりまして、拝見しましたけれども、家族の会の意見に耳を傾けていただいたことをありがたいと思っております。サービス利用の流れの図の米印の「明らかに要介護1以上と判断できる場合」が、「明らかに要介護認定が必要な場合」に変わりまして、それから、本文解説の中に「介護給付によるサービスを希望する場合」が加わりまして、要介護認定が受けられる範囲が広がったと読み取ることができます。そこは、ありがたいと思います。

 しかし、懸念が全くなくなったわけではありませんので、その懸念を払拭するためにも、引き続き検討をお願いしたいと思います。とりわけ、窓口の職員について、認知症について精通しているスタッフを配置していただけるように、ぜひ、そういう形で進められるようにしていただきたいと考えております。

 それから、きょうの論点といいますか、最初に認知症施策の現状について御報告いただいたところなのですけれども、これにつきましても、第3番目に認知症の人本人あるいは家族のための施策ということで、3本柱として掲げていただいたことを感謝したいと思います。具体的な策はこれからだと思うのですけれども、その視点からも、現在進められている高齢者認知症初期集中支援チームでありますとか、認知症地域支援推進員の配置とか、この辺のことが総合事業の実施に伴う作業の忙しさの中で滞ることがないように、厚生労働省としても、ぜひ具体的に進展していくように支援をしていただきたいと思います。

 具体的な論点としましては、私は、短期入所生活介護についてですけれども、論点4の自費利用も含む連続30日を超える場合に報酬を引き下げるという論点ですけれども、これにつきましては、ぜひ再考をお願いしたいと思います。連続30日を超えているケースが54.1%あるという調査結果が出ておりますけれども、これだけあるということは、何か理由があると考えるべきではないかと思います。もちろんショートステイ本来の利用でないことは明らかなわけですけれども、そのことは利用者としても承知しておりますけれども、利用者の立場からしますと、実質、ほぼ在宅の介護は難しくなっていて、入所する必要があるという状況にある人がいると考えられます。ですけれども、具体的にその入所ということになりますと、短期入所1カ月の費用と同じような費用で入所できると、具体的にはちょっと細かいことはわかりませんけれども、特別養護老人ホームは満床でほとんど入れない。そうしますと、介護上の必要に、恐らく経済的な理由が絡まってのこういう結果になっているのではないかと推測できると思います。だとしますと、一律に報酬を引き下げるということではなくて、実態をよく精査して、もし不適切な場合があれば、そういう場合を対象にするという形にぜひ改めていただきたいと思います。

 以上です。


○田中分科会長 村上委員どうぞ。


○村上委員 ありがとうございます。短期入所生活介護の件です。12ページ、論点2のADLIADLの維持・向上を目的として機能訓練を実施している事業所の評価についてです。評価をしていただくことは大変ありがたいと思っております。ただ、併設する事業所の機能訓練指導員専従要件については、現行の基準のものを踏襲していただきたいと思っております。

 もう一つ、22ページ、論点3です。重度者への対応についてです。ショートの看護体制加算(ローマ数字2)については、Q&Aでは、本体特養と併設ショートで一体的に加算算定ができる運用になっていますけれども、自治体によっては認められないこともあると聞いておりますので、ここのところ適切な運用を図っていただきたいと思います。

 それから、重度者の方のショートを受け入れる件ですけれども、これについては、かかりつけ医のかかわりとか、あるいは急変時の対応とか、さまざまな問題があります。利用者が継続した療養上の管理下に置かれるような柔軟な運用が必要だと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 それから、今、田部井委員がおっしゃった論点4のところですけれども、私も、現実、特養について同じような印象を持っておりますので、その件については田部井委員と同じ意見でございます。

 以上です。


○田中分科会長 鈴木委員どうぞ。


○鈴木委員 まず、前回の積み残しのところです。療養通所介護のところは、2ページの論点は、それでよろしいと思います。

 それから、福祉用具のところです。2ページの論点ですが、これは質問がございます。意見としては、今、既に利用している方には負担の軽減ということでメリットがあると思いますが、デメリットとして考えられることが幾つかあると思います。例えば、複数化ということです。これは、すなわちセット化ということでありますので、セット化によって、不必要な福祉用具貸与が促進される可能性がないのだろうかということが考えられます。単価はあるわけですが、これは自由に決められるわけですから、もともとの単価を上げておけば、割引したといっても給付費の抑制にはならないのではないかと思います。福祉用具の提供も、これはケアプランや専門職のアドバイスに基づいて提供されるべきものでありますので、安易に複数化割引をすればいいというものではないと思いますし、これで得するのは、一見、利用者のようですけれども、業者のほう、貸与事業者のほうではないかという気もいたします。もし給付の効率化というか抑制をするのであれば、ほかの報酬と同じように、我が国が世界に誇る低い単価を設定することが有効ではないかと思います。これらのデメリットについてどのようにお考えなのかということを質問したいと思います。それが質問でございます。

 本日の資料に移らせていただきます。資料3でございますが、これは、論点がございますが、2ページ、4ページのところは、よろしいと思います。9ページのところでございますが、このユニットは3ユニットまでと理解していいのか、さらにこれはもう少し柔軟に考えていいものなのか、それについても確認の質問をさせていただきたいと思います。

11ページの論点4はよろしいと思います。

 それから、資料4でございます。これも、2ページ、4ページ、6ページとよろしいと思いますが、12ページのところでございます。この自ら通う場合ということですが、これは、事業所による送迎か、自らや家族の送迎かということになっているのですけれども、片道のみ家族が送迎する場合にはどのような対応を考えていらっしゃるのかということを質問させていただきたいと思います。

15ページ、16ページに関してはよろしいと思います。

 それと、資料5でございます。1ページと9ページですが、これはよろしいと思いますし、12ページ、22ページもよろしいと思いますが、31ページ、これについては、自費利用を挟む30日超えの利用者が対象ということですが、例えば29日ごとに実際に自宅に帰っている場合の利用の仕方は大丈夫なのかということを確認の質問をさせていただきたいと思います。

35ページのところでございますが、これは意味がわからないのですけれども、小規模多機能型居宅介護事業所に登録していない方が泊まるというのは、小規模多機能の考え方には合わないのではないかという気がするのですけれども、その辺について、整理の仕方をもう一度教えていただきたいと思います。

40ページに関してはよろしいと思います。

 それから、資料6の短期入所療養介護でございます。これは、考え方としてはわかるのですが、その結果として、全体としての引き下げを考えているのかどうか、どのようなお考えでこういった論点を出されたのかについて、確認の質問をさせていただきたいと思います。

 以上でございます。


○田中分科会長 質問が6点ありましたので、お願いします。


○高橋振興課長 それでは、振興課長でございますけれども、まず、福祉用具の関係のところについてのデメリットについてどう考えるかという御質問でございます。

 複数の福祉用具を貸与する場合の価格について、減額の規定を届け出ることにするという論点を提示させていただいたところですけれども、福祉用具貸与事業者のサービス内容としては、アセスメントとか、用具の選定とか、福祉用具のサービス計画書の作成とか、あと搬出入とか、モニタリングとか、メンテナンスとか、消毒とか、そうした一連のサービスがあるわけでございますけれども、そうした中で複数まとめてやることによって、ある意味、効率化できる。例えば搬出入のときとか、モニタリングのときとか、1回で複数を見られるということになりますので、その分をコスト構造として減額できる余地があるのではないかということでございます。

 それで、御質問の、セット化によって不必要なものが組み込まれるのではないかという御懸念でございますけれども、福祉用具の貸与の場合は、ケアマネジャーがケアマネジメントの中で、ケアプランでこれとこれの福祉用具が必要だというようなことを位置づけていただくことになっておりますので、ケアプランに基づいて複数の貸与がされるような場合に、複数のリースが可能になるということでございますので、そうしたところは防げるのではないかということでございます。

 なお、福祉用具の価格の設定についてでございますけれども、福祉用具の場合は、実勢価格ということで届け出をしていただくことで設定することになっておりますけれども、福祉用具は、非常に数も多くございますし、また、機能を変えることでいろいろな価格設定があるというようなことで、当時の制度創設時のころのメモ、考え方を見ますと、これはほかのものみたいに標準的な価格を設定するのは、なかなか仕組みとして難しいだろうというような御議論があったと承知しておるところでございます。

 それと、ショートステイの関係のところでございますけれども、32ページで、長期の利用の場合、報酬の適正化をすることについてでございます。

 御質問の部分でございますけれども、現行でも30日までということで、ショートステイの利用については上限30日という規定はあるのですけれども、間に自費での利用を1日挟むとかによって実質的に長期間にわたるようなケース、例えば33ページのデータを見ていただきますと、1年以上にわたるようなケースが、このときの調査の母体数の中の26%ぐらいあったりとか、そういう状況もあるということでございまして、そうしたものがケアプラン等で確認されるような場合に、報酬の適正化をしてはどうかということでございます。

 なお、この点、先ほど村上委員とか田部井委員からも御質問いただきましたけれども、適正化するという部分の考え方でございますが、特養などについては、最初入ったときの初期の加算というものが30単位つきますけれども、その後ずっと利用されますので、1月目だけ30単位加算があって、あとつかないということになっておりますが、ショートステイの場合は、原則として上限30日なので、しょっちゅう入れかわりがあるというようなことで、そういう入れかわりのコストとか、また、状態が不安定なところを見るということで、初期加算相当分をずっと特養の基本ベースの報酬に上乗せするような格好で報酬が設定されておりますので、その入退所がない分のところ、初期加算相当分のところを減じて、ある意味、施設並みの報酬とすることで適正にしてはどうかという考え方でございます。

 あともう一点、基準該当ショートのところで、小規模多機能との関係の部分でございます。御指摘いただいた35ページのところでございますけれども、基準該当ショートを小規模多機能に併設すること、併設の相手というところでデイサービスとかに加えて小規模多機能を認めてはということでございます。御質問の趣旨は、小規模多機能の位置づけからして、こうしたものに併設していいのかという御質問かと思いますけれども、現行でも小規模多機能をほかの施設と併設して、他サービスとともに地域拠点的に展開するという形態は結構見られるところでもございますので、基準該当ショートを併設していただくという形態も、利用者とのなじみの関係を維持していく中で認めてもいいのではないかと考えているところでございます。

 なお、空床の利用のところは、40ページのところで、これは、登録定員に空きがあるような場合に、空きの利用を認めてはどうかというような内容のものでございます。

 以上でございます。


○田中分科会長 認知症対策室長。


○水谷認知症対策室長 認知症・虐待防止対策推進室長でございます。

 2点御質問いただきました。1つ目は、資料3、グループホームの論点3、9ページのユニット数の関係でございます。

 現行、国が省令で定めておりますのが標準ということで「1又は2」となっております。あとは、自治体の条例におきまして、これを標準として考えた上で具体的なユニット数を定めるということでございまして、現行基準でも3ユニットまで認めているような自治体もあると承知してございます。

 ただ、一方で、国が標準として「1又は2」としてございますと、どうしてもそこにならうところが多いものですから、趣旨として、「1又は2」が標準なのですが、その用地の確保が困難である等の事情で、むしろ効率的な運営をするためにはユニット数の上限を弾力的にしたほうがいいという場合には、そういう事情があれば「3」を標準としても差し支えないということを国が示すことによって、自治体が、もしそこで3にするとかといったことが、自治体の実情に応じてより条例が定めやすくなるように、国の標準の考え方をより明確にするといった趣旨でございます。

 それから、もう一点御質問いただきました認知症対応型デイサービス、12ページの論点4、送迎を行っていない場合の評価の件でございます。

 送迎を行っていない場合、利用者がみずから通う場合ですとか、家族等が送迎を行う場合には減算をするということでございますが、では、片道だけそうした場合とか、往復した場合どうするかということにつきましては、これは、通所介護全般との並びでございますが、具体的な仕組みを考える中で、どこまできめ細かく減算の仕組みをつくるかという中で検討していきたいと考えてございます。

 以上でございます。


○田中分科会長 老健課長。


○迫井老人保健課長 短期入所療養介護のリハビリテーションの部分で鈴木委員から御質問があったように思いますけれども、考え方としては、御説明させていただいたとおりですけれども、全体としてこれの見直し、包括化をしていきますので、単純にそのままということではございませんで、当然適正化をさせていただくことを念頭に置いております。

 以上でございます。


○鈴木委員 30日超えの短期入所生活介護ですが、29日ごとに実際に家に帰る場合、それはいいのかどうか、減算の対象になるのか、確認させてください。


○高橋振興課長 大変失礼いたしました。
 29日で家に帰られる場合であれば、当然、減算のほうにかかってこないような、通常の報酬の評価ということになるかと思います。

 大変失礼いたしました。


○田中分科会長 本多委員どうぞ。


○本多委員 資料ナンバー3の認知症対応型共同生活介護の報酬についてですが、論点2の看取り介護加算の充実については、1029日の分科会で、施設サービスについて議論した時にも発言させていただきましたが、救急搬送等の例外を除き、原則として、最期まで看取った場合のみ評価すべきではないかと思います。

 資料ナンバー4の認知症対応型通所介護の報酬・基準についてですが、論点4の送迎を行っていない場合の評価の見直しについて、減算ということですが、これについては妥当かと思います。

 論点5の送迎時における居宅内介護等の評価については、1113日の分科会、デイサービスについての議論で申し上げたように、単身高齢者などの、必要な場合のみに限定すべきではないかと思います。

 資料ナンバー5、短期入所生活介護の報酬・基準について、論点1、緊急時の受け入れ体制、それから論点3、重症者への対応のところですが、これらは、地域包括ケアの構築にも必要であると思いますので、提案を支持したいと思います。

 また、論点4の、長期利用者の基本報酬の適正化については、先ほど課長から説明がありましたような形であるならば、適正化は妥当だと思いますので、支持します。


○田中分科会長 東委員どうぞ。その後、鷲見委員です。


○東委員 ありがとうございます。3点ございます。

 まず1点目、資料5「短期入所生活介護の報酬・基準について(案)」でございますが、特養の緊急ショートにおける静養室での受け入れ、それから、小規模多機能型居宅介護の空床利用の緊急ショートの受け入れ等の提案がされております。本来ならば、老健施設のような、柔軟に緊急ショートに対応できるような施設が、緊急ショートに対応できていない現状からこういう提案がされたものかとも考えますので、今後一層、老健施設におきましても、緊急ショートを受け入れるように進めていきたい、努力してまいりたいと、まずは決意を述べさせて頂きます。

 そこで質問でございます。資料5の9ページ、特養の静養室での受け入れでございますが、特養の場合は、管理医師がおらず、嘱託医が入所者を診断し、状態が非常に悪くなった方をこの静養室に移動して対応する重要な部屋になっているのですが、これを短期入所生活介護で受け入れて埋まってしまって、本来の入所の方が静養室に入れないというような心配はないのでしょうか。そこを1つ質問したいと思います。

 それから2点目、資料5の32ページでございます。先ほどから長期の短期入所生活介護の話題が出ておりますが、32ページを見ますと、介護支援専門員が担当する利用者の中で「実質1カ月以上の利用をしている利用者」が「いる」と回答した割合が27.3%に対して、実際の短期入所生活介護事業所において「実質1カ月以上」の利用をしているのが54.1%と大変乖離がございます。この短期入所生活介護は、介護支援専門員のケアプランで決まるものだと理解しておりますので、実際、介護支援専門員が想定している倍の数の利用者が「実質1カ月以上利用している」という実態の理由が、もしわかればお聞かせいただきたいと思います。

 最後に3点目で、資料6「短期入所療養介護の報酬・基準について(案)」でございます。リハビリテーション機能強化加算を包括化することに関しては、異論はございませんが、先ほど鈴木委員もおっしゃいましたが、実質このリハビリテーション機能強化加算分をマイナスにするような報酬の設定は避けていただきたいと思います。先ほどから申し上げておりますように、老健施設では、できるだけ緊急を含めた短期入所療養介護の充実を図っていこうと考えておりますので、実質加算分がなくなるような改定は御勘弁願いたいと思います。

 以上でございます。


○田中分科会長 質問にお答えください。


○高橋振興課長 振興課長でございます。

 1点目の御質問の部分、緊急時のショートでの受け入れの部分の静養室の部分でございます。

 御指摘ありがとうございます。当然、本来の施設利用者の方が静養室を使えるということを担保した上での、空いている場合の利用というようなことを想定しておりますので、緊急時の受け入れで、なおかつ、そうした空いていて施設の入所者の処遇に影響がないということについて、今後、詳細を検討していく中で基準等で反映させていきたいと考えております。

 それと、32ページのところでございますけれども、これは調査事業でとったものなので、ここの違いの理由のところまではデータ的にとれていないということではありますけれども、調査客体として、ケアマネジャーさんに聞いた場合と、実際の利用状況を聞いた場合でちょっと違いがあったということですので、必ずしもこのケアマネジャーさんの利用者の方を対象に聞いたということではないかと思いますので、そこの客体の違いがあるのではないかとも思います。

 以上でございます。


○田中分科会長 鷲見委員どうぞ。


○鷲見委員 ありがとうございます。2点お願いいたします。

 1点目は、福祉用具の論点1です。単品の価格と組み合わせによる割引価格が混在してきますと、制度そのものが複雑になると思います。例えば、前月は3品ぐらいセットになっていて借りたのだけれども、2品外れたために翌月高くなってしまうような状況が生まれたりすると、利用者は混乱すると思いますので、そのあたりはきちんとお考えいただくといいと思いました。

 それから、2点目は、資料5のショートステイについてですが、論点2に関しまして、基本的にショートステイの場合には、個別サービス計画書が4日以内であると作成しなくても多分いいというような基準になっているかと思います。ケアマネジメントは、ケアプランと個別サービス計画書が1つになって初めてきちんとした適切な支援ができると考えますので、ぜひこの点についても、作成をし、モニタリングがきちんとできるようにしていっていただきたいと思います。

 先ほど東委員のお話にありました待機者が非常に多い特養のショートステイを長期に使っているような例や越冬や夏場の熱中症対策や独居、家族の不在などが、長期利用の要因としては大きいのではないかと思っています。  以上です。


○田中分科会長 では、堀田委員どうぞ。


○堀田委員 1点だけです。認知症対応型通所介護、療養通所介護と今回2つ出されておりますけれども、夏と前回で、通所系サービスについての機能をどう見るのかということが、生活機能の維持・向上、生活援助と家族負担軽減、日常高齢者重度者への対応とか、あと地域連携拠点とかというような機能をどう見るのかといったようなことが既に議論に上がっているところですので、今回は難しいと思いますけれども、中長期的には、この通所系サービスをよりシンプルに、機能に応じた形で評価をしていくというような流れをつくっていくことを期待したいと思います。

 以上です。

○田中分科会長 村上委員。


○村上委員 1つだけ確認です。短期利用の40ページですけれども、登録以外の短期利用を可能とすることで、この場合は、この方に対してはケアマネジャーが関与するということになりますか。


○田中分科会長 振興課長、答えてください。


○高橋振興課長 振興課長でございます。

 はい。これは、登録者以外の空床の利用ということですので、通常のケアマネジャーさん、外のケアマネジャーさんが、ケアプランの中でそういう位置づけをした場合にというようなことを想定しております。


○田中分科会長 齋藤委員。


○齋藤(訓)委員 私も1点だけですが、資料1の療養通所介護の資料を見ますと、やはり利用者が非常に重度であるということが、このサービスの特徴的なことだと思います。ですので、今回論点に上げられました送迎あるいは入浴の加算については賛成します。

 ただ、今ほど堀田委員が言っておられましたけれども、この療養通所介護も重度者対応の一環で創設され、その後、平成24年に複合型サービス等ができてきたわけですが、やはり重度の方々については、通所のみの単一機能というよりは、できるだけ多機能を備えたサービスのほうが利用しやすいのではないかと考えております。ですので、療養通所介護の事業所が、複合型等に転換したいという希望があった場合は、なるべく制度上の障壁をなくして転換支援策を講じていくべきではないかと考えています。

 以上です。


○田中分科会長 ここで時間の都合がありますので、次の議題に。

 では、どうぞ、佐藤委員。


○佐藤委員 ありがとうございます。この認知症対策の現状についてという資料のところでよろしいでしょうか。1つだけ。

 認知症ケアに携わる医療従事者の研修というところがあるのですが、今回の認知症サミットのことでも触れられているように、新たな戦略の策定に当たっては、やはり1番目に早期診断、早期対応が重要である、こう掲げられているということでございます。そこで、私たち歯科医師は、認知症の診断ができるわけではないわけですけれども、ただ、やはりかかりつけの歯科医というところも、ここの図の中には入っている部分に関して、認知症の疑いがある場合、特に初期の状態というところに関しては、やはり発見機能という部分もございますし、認知症専門医やかかりつけ医への紹介とか、あるいは認知症の支援推進員といった方々への情報提供や助言、それから相談、指導へのかかわりということでは協力ができると思うのですね。

 そこで、これは現場からもいろいろ要望が出ているのですが、認知症ケアに携わる医療従事者研修について、歯科医療機関でも認知症患者の対応について学びたいという声が実は多いんです。そういうことにおいては、今年度からの医療介護総合確保基金において、認知症関連の研修会というものが実際行われているとも聞いているのですけれども、これはあくまでも都道府県の実施ということでありまして、ぜひとも歯科医療関係者が受講できる、厚生労働省としてそういった事業が欲しいと私は思っております。

 また、歯科治療において、非常に進行した認知症患者さんへの対応というのは、本当に困難をきわめるという状況を私も経験を多くしていますが、多くの現場の歯科医師からそういう声が出ております。その対策についても、ぜひ今後取り組みをお願いしたいということでございます。

 以上でございます。


○田中分科会長 では次に、介護人材の処遇改善、資料7、地域区分、資料8について、事務局より一括して説明をお願いします。


○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。

 資料7をお手元に御用意をお願いいたします。「介護人材の処遇改善の充実に向けて(案)」でございますが、おめくりいただきまして、論点を御説明します。

 2ページでございます。論点1でございますが、これまで介護職員の処遇改善加算につきましていろいろ御議論いただきました。まとめまして論点1に掲げてございますが、処遇の改善が後退しないように現行の加算の仕組みは維持しつつ、さらなる資質向上の取り組み、雇用管理の改善、それから労働環境の改善の取り組みを進める事業所を対象といたしまして、さらなる上乗せ評価を行うといった区分の新設をしてはどうかという御提案でございまして、対応案が3つございます。

 黒ポツでございますが、1つ目は、現行の加算を維持しつつ、さらなる資質向上の取り組み。今申し上げましたような事業所を厚く評価する区分を新設したらどうか。これはイメージ図のところに描いてございますが、新設の加算、それから既存の加算、こういった関係になります。

 具体的な要件といたしまして、2つ目の黒ポツでございますが、加算取得のキャリアパス要件、(マル1)、(マル2)となっていますが、職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系を整備することが(マル1)となっています。また、(マル2)でございますが、資質向上のための計画を策定し、研修の実施、研修の機会を確保することになっております。これは、いずれかを満たすことを求めるということと定量的要件ということで、賃金改善以外の取り組み、こういったことを求めております。そこで、新しい提案といたしましては、現行のキャリアパス要件(マル1)、(マル2)の両方の整備を求めるとしたらどうかということでございます。新設区分の定量的要件につきまして、積極的に改善の取り組みを実施ということを確認するため、近年、新たに実施した取り組みの記載を求めることで、さらなる取り組みを推進していきたいという趣旨でございます。これが論点の1でございます。

 おめくりいただきまして、論点2でございますが、12ページでございます。2点目といたしまして、介護福祉士につきまして、継続的に専門性を高めることを前提といたしまして、中核的な役割を担う存在として位置づける方向性、こういったことを踏まえまして、より一層、介護福祉士の配置が促進されるように見直しを行ってはどうか。具体的に申し上げますと、サービス提供体制強化加算、この要件につきまして見直してはどうかと。

 対応案でございますが、下に書いてございます。介護福祉士につきまして、継続的に専門性を高めるといったことを前提といたしまして、中核的な役割を担う存在として、この下線が書いてございますけれども、介護福祉士の配置割合がより高い状況を評価する区分を新設することで対応してはどうかということでございます。

 現行の加算要件等につきましては、次のページにございますけれども、説明は省略させていただきます。

 次に、論点の3点目でございますが、17ページでございます。サービス提供体制強化加算がございます。これは、現在、介護老人福祉施設において、日常生活継続支援加算とサービス提供体制強化加算ということで設定されておりますけれども、要件が重複していることを踏まえまして、一元的に評価することとしてはどうかということでございます。

 対応案は、黒ポツで書いてございますけれども、今お話ししましたように、介護福祉士の手厚い配置を評価するサービス提供体制強化加算の要件が重複しているということで、一元的な評価をしてはどうかということでございます。

 イメージ図といたしまして、これは既にお示ししております。18ページにございますけれども、説明は省略させていただきます。

 4つ目の論点でございますが、19ページでございます。サービス提供体制強化加算の見直しとつけてございますけれども、論点4で、特定施設入居者生活介護につきましては、当該加算がございません。ですが、介護老人福祉施設の利用者が重点化されることに伴いまして、役割が拡大することも踏まえて、この加算を新設いたしまして、手厚い体制の確保を推進してはどうかということでございまして、対応案は3つ書いてございますけれども、今お話ししましたような役割の拡大を見込みまして、3つ目の黒ポツでございますけれども、サービス提供体制強化加算を創設してはどうかということでございます。

 以上が基本的な論点の御紹介でございますけれども、21ページ以降に、参考といたしまして、処遇の改善につきましては、報酬上の処遇の改善の加算等の検討あるいは推進とともに、21ページ以降にお示ししておりますけれども、さまざまな事業所の取り組みといったものを情報として開示していくことが、事業者の取り組みを推進するということでございまして、21ページ以降に、情報の関係の公表の制度の御紹介、それから、都道府県の取り組み、さらには、28ページ以降に、さまざまな制度との関係と、それからキャリア形成に関します取り組みについてもあわせて推進する必要があるということで、制度として御紹介させていただいておりますけれども、時間の関係もございますので、説明は省略させていただきます。

 以上が資料7でございます。

 次に、資料8でございますが、「地域区分について」でございます。

 おめくりいただきまして、2ページでございますけれども、論点の1番目でございます。これは、地域区分の設定に当たりまして、もともとの趣旨は、民間事業者の賃金水準を基礎として、賃金の指数に基づき設定する、これは原則でございますので、このような原則に立ち返りまして、従来は国家公務員の官署の有無でもっぱら評価をしておりましたけれども、国家公務員または地方公務員ということで地域手当の設定がある地域について、その設定に準拠するように見直してはどうかということでございます。その上で、地域手当の設定がない地域がどうしても生じますので、それにつきましては、隣接する地域の実情を踏まえた設定が可能となるように、一定の配慮の上で区分を設定してはどうか。

 具体的に申し上げますと、対応案が3つ書いてございます。それから、これらの施行については、当然経過措置について検討する必要がございますので、それについてどう考えるかという論点を投げかけてございますが、対応案です。3つ黒ポツがございまして、1つ目は、先ほど申し上げましたとおり、国家公務員または地方公務員の地域手当の設定に準拠してはどうかということでございます。これは、両者は基本的に同じ考え方で設定していることを前提としております。2つ目の黒ポツでございますけれども、今申し上げましたように、そういった設定がない地域もございます。その場合には、「その他(0%)」ということを基本的には原則としつつ、やはり隣接地域の実情を踏まえる必要がありますので、隣接地域の設定がある場合については、従来の考え方を踏襲しておりますけれども、隣接地域で設定されております「地域区分のうち低い区分」、これは複数隣接すると呼んでおりますけれども、その範囲の中で「複数隣接ルール」を適用いたしまして設定されます地域区分と、それから、本来設定のない場合は「その他(0%)」と考えるのが原則でございますので、その範囲内の区分を選択できるように配慮してはどうかということでございます。

 基本原則はこの2つで見直してございますけれども、いずれにいたしましても、この見直しに当たりましては、全ての地域について御意見を聴取した上で、経過措置等について検討していきたいということでございます。

 おめくりいただきまして、3ページに、今、御説明しました概略が書いてございますけれども、同じ内容でございますので説明は省略させていただきます。

 論点の2番目でございますが、4ページでございます。地域区分の見直しに当たりまして、財政的な問題をどのように整理するのかということでございます。これは、前回の論点、議論でお示ししておりますけれども、財政中立が原則であることを踏まえまして、具体的にどう行うべきかと。それから、各サービス、これは制度上、人件費の割合に基づきましてサービスを幾つか類型化しておりますけれども、人事配置基準に基づきまして、実態を精査の上、必要に応じて見直しを行ってはどうかという投げかけでございます。

 対応案といたしまして、これは確認も込めておりますけれども、地域区分、これは地域間における人件費の差を勘案いたしまして、地域間の介護保険費用の配分方法を調整するということでございますので、原則的には財政的な増減を生じない財政中立として対応させていただくことでどうかということでございます。それから、今、申し上げましたサービスごとで人件費の割合を幾つか類型化しておりますけれども、それぞれのサービスが想定いたしております人事配置基準に基づきまして精査をして、必要に応じて見直しを行うという対応案でどうかということでございます。

 簡単でございますが、事務局から以上でございます。


○田中分科会長 ありがとうございました。いずれも重要なテーマですが、時間の都合上、両者一括して御議論いただきます。どうぞ。

 大西委員、お願いします。


○大西委員 市長会を代表して参加させていただいています高松市長の大西でございます。

 まず、総論的なことをお話しさせていただきたいと思いますが、この給付費分科会で介護報酬についていろいろやっておりますが、個々の木を直していくというか、木を見てずっとやっているわけですけれども、最終的には、総体として介護費用がどうなるのかという森を見ていかなければならない。それに基づいて、各市町村は第6期の保険料を決めていかなければならないということになるのですが、既に介護費用は平成26年度10兆円になろうとしているわけでございます。しかも、市町村で決めています保険料は、最初、介護保険が始まったときは全国平均2,911円だったのですけれども、既に第5期では5,000円近く、4,972円になっている。第6期になりますと多分6,000円近くなるだろうということでございます。これは基準月額ですので、相当大きな額になるということです。

 そういう中で、もちろん介護保険の内容、サービスは充実していますので、ある程度の負担増はしようがないにしても、この前も言いました低所得者の対策でありますとか、あるいは、やはり適正化すべきものはきちっと適正化していく。先ほど御議論がありました、例えば本来ショートステイの利用がロング化していって、しかも特養で算定される報酬よりも高い給付経費になっておるというようなところについては、何らかの適正化が必要でしょうし、片方で特養の待機者問題とかもありますでしょうか、居宅サービスの充実というものもあるので、その辺は総合的に市町村がある程度調整をしながらやっていくことになりますけれども、それがやりやすいように、ぜひともその辺の適正化という対策もきちっととっていただきたいということでございます。

 それからもう一つ、そういう形でできるだけ費用負担、介護費用について抑制するような方向で、保険料はできるだけ上げないようにと市町村は考えておるのですけれども、それでも、例えば今議論が出ました介護職員の人材の処遇改善の問題、これなどにつきましては、やはりマンパワーの確保は非常に切実な問題ですし、今、地方創生と言われておりますけれども、地方、地域でやはり上質な雇用をきちっと確保していく、そのためにもこの処遇改善というのはきちっとやっていくべきだと思っております。もちろん労使で決めるのが原則だという議論もありますけれども、やはり何らかのインセンティブを与えないとこの処遇改善はできないと思っておりますので、今回御提案がありましたさらなる上乗せ評価というような措置については、私どもとしては賛成していきたいと思っておるところでございます。

 それから、地域区分でございますが、これは市町村によってそれぞれ地域区分が決まってしまいます。国家公務員なり地方公務員の地域区分に準拠するというのは、それしかないものですから仕方がないかとは思いますけれども、個々の市町村によっていろいろな事情、隣接する地域との関係、市町村との関係とか、あるいは第5期で経過措置を適用しているところも結構あったりしますので、第6期におきましても、そうやっていただけると書いておりますけれども、個別のそれぞれの市町村にきちっと事情等を聞いていただいた上で、経過措置等について柔軟に対応していただけるように、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。

 以上です。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 阿部委員どうぞ。


阿部委員 処遇改善加算でありますが、これはあくまでも臨時的、例外的な措置であるということで理解していたのでありますが、これを継続を前提にしてさらに上乗せをしていくという議論に、私は非常に違和感を覚えます。仮に廃止できないとしても、今回、新たな加算を加えるということであれば、現行の加算を削減するあるいは廃止するなどして、より厳しい仕組みにしていただかないと納得できません。


○田中分科会長 内田委員どうぞ。


○内田委員 処遇改善のところの論点1ですけれども、これは、現在の加算について後退しないようにしていただくということで、これはぜひともお願いしたいと思っております。

 それで、やはりかなり前ですか、107回あたりで、介護職員の給与はそう悪くはないということで、他の業種と比較したものお示しいただいているかと思うんですね。ただ、それは他業種と比べていただいても、現に我々が働いているのは介護福祉業界ですので、そこで働いている方々と比較していただかないと、こちらとしては納得がいかないという感じがいたしました。

 それで、やはり介護職員というのは、もちろんほかのいろいろな関連職種の方々と連携してということなのですけれども、介護の最前線で働いている者たちでございますので、その者たちの処遇ということについては十分御配慮いただきたいと思っております。

 それで、この今回の処遇改善加算ですが、純然たる人件費以外にも使えたりしておりますので、そこを純然たる人件費ということで考えていただきたいと思います。それで、ここに定量的要件というものがあるわけですけれども、これは、やはり事業所側、法人側の努力によってやっていただきたいということを申し上げたいと思います。

 もう一つ、論点2、介護福祉士の配置によって加算ということ、これも続けていただきたいし、強化していただきたいと考えております。ただ、やはり事業所によっては、なかなか研修に出られないとかといったようなこともありますので、ここは、介護福祉士みずからも専門性を高めることももちろん必要なのですけれども、事業所自体も、教育をするといったようなことを考えていただきたいと思います。

 地域区分については、最後のところに各サービスの人員配置基準に基づいて実態を精査ということですので、本当に人件費を考える上では、やはり地域区分が大事になってくると思いますので、実際、この実態を精査して、本当に必要に応じて見直しを行っていただければと思います。

 以上です。


○田中分科会長 たくさんありましたね。では、山際委員から順番に移っていきます。


○山際委員 ありがとうございます。地域区分の論点2、4ページのところについて2つ御意見を申し上げたいと思います。

 まず、第1点目ですが、地域区分単価の設定に関してです。設定根拠において、人件費の割合に応じて設定されることになりますが、収入に関してですが、介護報酬のみならず、その他の収入が含まれている部分がございます。介護報酬に係る設定ですので、収入については単純に介護報酬のみにしていただきたいと考えます。その上で人件費の割合という形で算出をいただきたいと思っております。

 また、最新の経営実態調査が行われましたのが平成26年3月ということで、消費増税の前ということもございますので、そうした点についても御留意いただきたいと考えています。

 それから、2点目ですが、地域区分の単価についてです。過去の検討の経緯、それから地域の創生という施策を推進する観点からも、また、その現状でも、実際には事業としてなかなかやりづらい「その他」区分という地域については、まさに事業の継続性に影響が出ることが予想されますので、「その他」地域のベース、現状の10円ということについてはぜひ維持をお願いしたいと考えております。

 以上でございます。


○田中分科会長 ずっと手を挙げなくていいように、こちらから順番に行きますので。村上委員どうぞ。


○村上委員 ありがとうございます。処遇改善加算の関係ですけれども、論点2のところの、先ほどお話がありましたけれども、加算のさらなる上乗せについては、私は、大変そのことについては評価しているものでございます。どうかその方向で進めていただきたいと思います。

 論点12のところですけれども、介護福祉士の配置割合がより高い状況を評価するということ、これはもうまさにそのとおりだと思いますし、質の向上については、介護福祉士の資格の取得が大きな指標になると思っておりますけれども、現状、今どこもそうだと思うのですけれども、介護福祉士の方々というのは本当に少ないですね。我々のところも来年度、今そういうことで採用しようと思っていますけれども、何人かは来てくれますけれども、足りなくて、高校生とか無資格の方を採用せざるを得ないのですね。こういう状況の中で、やはり現状の中では、介護福祉士の割合が高いということだけで評価をしていっていいのだろうかという、これは、一方で市の評価のところではそのとおりなのですけれども、実際そういうことでやっていけるかどうかという問題ですね。

 もう一つは、特に特養の重度化に伴いまして、重度者への対応について評価をしていくことについても考えていただきたいということで、中にありました日常生活継続支援加算は、重度者への対応を評価する意味で重要な加算だと思いますので、この維持・継続をぜひ進めていただきたいと思っております。

 以上です。


○田中分科会長 本多委員どうぞ。


○本多委員 処遇改善の論点1ですが、繰り返し申し上げますが、処遇改善については、やはり労使が自律的に行うのが原則だと思っております。特定業種の処遇改善に保険料を充てるということは、保険制度としてもおかしいのではないかと思います。特にこういった所得再分配のような形になっていることは問題ではないかと思っています。

 2号保険料を負担する事業主、被保険者としても、これはとてもおかしな形であり、納得がいかないところです。また、介護サービス全体の収支差率も1015日の分科会で経営実態調査の結果が出ましたが、全体として良好である状況からも、今、こういった加算を残す必要性はないのではないかというところです。

 我々の立場としては、この提案については全く納得できません。私どもは、処遇改善そのものを否定しているわけではありません。介護職員の処遇改善は国会等でも決められているということですから、そういったことであれば、保険料からではなく、税などから予算を確保していただければということです。

 それから、論点2と3に関してですが、今回、介護人材確保の一環として、サービス提供体制強化加算における評価の高い区分の新設とか、論点3では日常生活継続支援加算のサービス提供体制強化加算への一元化ということが提案されており、さらには、この加算につきましては限度額の対象外ということで提案されておりますが、介護人材の確保といった本来の目的からするとちょっとずれた提案ではないかと思います。

 また、1029日の分科会で、施設関係の議論の際にも申し上げましたが、この種の加算については、平均要介護度など、サービスごとの利用者像を考慮した要件も加味したほうが、サービスの機能に応じた適切な評価につながるのではないかと思います。機能の適切な評価や質の向上を促すという観点で、再検討していただければと思います。


○田中分科会長 次は、平川委員ですね。


○平川委員 ありがとうございます。介護人材の処遇改善の充実に向けてということで、意見書を出させていただいているところでございます。これまでも、連合としましては処遇改善加算の取り組みについては、徐々にそれがあらわれてきていると認識しているところです。また、届け出率が介護老人福祉施設を初めとして、比較的高い状況にある事業もありますけれども、一部の事業ではやや低いというところでありますので、引き続き、届け出に向けた努力が求められておりますし、それに対して、都道府県や市町村、保険者の働きかけというのは重要ではないかと考えているところです。

 介護職員の労働条件の決定は、基本的には労使の自律的な話し合いが重要でありますけれども、ただ、現状においては、介護労働者の処遇を確実に改善していくためには、改善分が労働者の手元に届く仕組みが重要かと考えているところです。そういった意味で、今回、処遇改善加算が引き続き維持されることに関しては、まずは評価させていただきたいと思います。

 また、さらなる資質向上の取り組みであるとか、雇用管理の改善、労働環境の改善に向けて、さらなる評価を行う区分の新設については前向きに進めていくべきではないかと考えているところですが、キャリアパス要件の仕組みであるとか研修の実施ということについては、事業者への支援ということも一方で重要だと思いますので、都道府県であるとか保険者の取り組みも重要ではないかと考えているところであります。

 また、区分の新設に当たりましては、事業主の積極的な取り組みを促すとともに、一層の処遇改善へとつながる水準の引き上げが重要ではないかということであります。

 続きまして、サービス提供体制強化加算についてでありますけれども、これについても、サービスの質が一定以上保たれた事業を総括評価する加算ではありますけれども、質の高いサービス提供のためには欠かせなく、ひいては専門性を高める方向に行くということについては、進めるべきではないかと考えているところであります。

 次に、新しい総合事業のサービス類型の関係でちょっと質問させていただきたいと思います。これは以前も質問させていただきましたけれども、新たに介護予防給付の一部は市町村事業になるということに伴いまして、このサービスの提供者が、訪問型サービスA型では主に雇用労働者、B型ではボランティア主体となっていますし、通所型サービスAでは、主に雇用労働者プラスボランティアとされているところであります。このボランティアと雇用労働者との境目がファジーになっていることについては、これは問題であると認識しております。ここで改めて、雇用労働とは何か、ボランティアとは何かということに関して、事務局の御見解をお伺いしたいと思います。

 以上です。


○田中分科会長 振興課長、お答えください。


○高橋振興課長 今、御質問いただいた件についてでございます。ボランティアと雇用の一般的な考え方ということでございますけれども、ボランティアについては、一般的には自発的な意思に基づき、他人や社会に貢献する行為を指してボランティア活動と言われているものかと思います。活動の性格として、自主性、主体性といったものとか、社会性、連帯性といったものが挙げられるというようなことかと思っております。これは、地域福祉のあり方についての研究会の資料からの引用でございます。

 また、雇用については、一般的には、労働者が労働に従事し、使用者が、その労働の対価として報酬を支払うことを指しているものと考えております。

 なお、労働者に関しては、使用者の指揮監督下にあるといったようなことで、その労働性が判断されるというのが一般的な取り扱いかと考えております。

 以上でございます。


○平川委員 であれば、ここに書いてある、例えば「主に雇用労働者である」という表現であるとか、「雇用労働者プラスボランティアである」という記載については、これは余りにも不明確ではないかと考えておりますし、せっかく処遇改善という方向で議論しているにもかかわらず、介護労働者の専門性を否定しかねないと懸念しておりますので、我々としては、これは、ぜひとも記載について修正していただければと考えているところであります。

 以上です。


○田中分科会長 鈴木委員どうぞ。


○鈴木委員 資料7の介護人材の処遇改善でございます。2ページ目の論点1でございますが、介護職員処遇改善加算はよろしいと思いますが、この図を見ますときれいに階段状に並んでいます。そのために、体力の弱い事業所から、逆に職員が流出したりしないかということが心配になってきます。もし処遇補塡が目的であるならば、一律にしないと機会均等にならないのではないかと思いますが、事務局のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

12ページでございます。地方では、特に介護福祉士の雇用が非常に困難になっております。養成校はもともとないし、あっても定員が埋まらず閉校してしまったという状況があります。かつて看護師が3K、7Kと言われた時代がありましたけれども、最近になって、その専門性が見直されて、社会的に評価を受けるようになってきたと考えられますが、介護福祉士の社会的評価を高めるための取り組みが急がれると思います。

17ページでございます。一元化することは悪い話ではないと思いますが、単位がどうなるのか。現状のままなのか、これも、いわゆる適正化の一つの項目にしたいと思っているのか。トータルではマイナスなのか、プラスなのか、同じなのかということを、確認の質問をさせていただきたいと思います。どのように考えているかです。

19ページでございます。よろしいと思いますが、ただ、特定施設入居者生活介護においても、介護福祉士ということになりますと、ますます介護福祉士の不足に拍車がかかることは覚悟する必要があると思います。

 それから、資料8の地域区分についてでございます。2ページと4ページに論点がございますが、まず、意見でございます。地域区分で示されているほど、地域間における人件費の格差はないのではないかと思います。同一県において3等級以上の開きがあるというのは、私としてはいかがなものかと思います。保険者である自治体の意見も考慮すべきだろうと思いますし、こういう形ではなくて、公平性がより担保できる基準が必要ではないかと思います。

 また、その他の地域をマイナスするという前提があるのかもしれませんが、それはすべきではないと思います。

 質問でございます。以前公表されました実態調査では、1級地、2級地の収支差率が非常に高いデータが示されまして、それはどういう解釈をしたらいいのかという話をさせていただきましたが、はっきりしたお答えがなかったような気がしますので、改めて事務局のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

 以上です。


○田中分科会長 質問3点、お願いします。


○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。1点目と3点目をお答えさせていただきます。

 まず、1点目でございますけれども、ページでいきますと2ページの階段状ということでございます。現行の加算のイメージがこのチャートにもございますけれども、(ローマ数字1)、それから、それを0.990%、それから、0.880%。私どもの理解は、やはり事業者の取り組みを推進するために、幾つかの取り組みの度合いによってその加算を分けてございます。ですから、当然一定の努力をした事業所について高く評価することが必要だと考えておりますので、こういういわゆるメリハリという考え方でこのように設定いたしてございます。

 それから、3点目、地域区分の関係で、介護事業の経営実態調査につきまして幾つかの要素を加味して調査を詳細にやってございます。そのときにも御指摘、御質問がございましたけれども、1級地、2級地の級地区分ごとに調査の内訳を示しているものもございます。ただ、そのときにお答えしたつもりではあるのですが、改めまして申し上げますと、さまざまな要素が、その実態調査の収支差について影響しております関係で、必ずしも級地区分で明確に収支の説明がつくものばかりではございませんので、一定程度影響を及ぼしていることは間違いないと思いますけれども、級地区分でもっぱら説明がつくようなデータの構成にはなっていないということで、それについてはやはり個別に判断をするしかないのかなというのが、事務局の認識でございます。


○辺見高齢者支援課長 高齢者支援課長でございます。

 2点目というか、恐らく2点御質問があったかと思うのですけれども、論点3に関する御質問と、論点4に関する御質問とあったと思いますけれども、まず、論点3に関してでございます。具体的な点数のレベルについては、これからの検討でございますけれども、一元化する中で、全体としての適正化ということもありますので、レベル感としては、適正化したレベルというものが考えられるとは思っております。

 論点4に関してですけれども、特定施設をサービス提供体制強化加算の対象とした場合、介護福祉士の確保に対しての影響ということでございます。サービス提供体制強化加算自体は、介護福祉士を一定以上というのが1つの要素でございますけれども、それ以外にも、常勤職員の割合ですとか勤続年数といった要因もありますので、さまざまに工夫しながらサービス体制の強化に努めていただくことかと思いますし、また、徐々に介護福祉士の割合を高めていくことによって段階的に体制を強化していくこともあろうかと思いますので、いきなりこれで確保が困難になるということは必ずしもないかとは考えております。


○田中分科会長 河村委員どうぞ。


○河村委員 人材確保の処遇の充実について異を唱えるものではありませんけれども、介護保険事業をずっと行ってきて、いろいろな意味で、全国の町村を代表して町村の実情について、この会の中で何回かお話をさせていただきました。特に地域区分の問題について私は何回か発言させていただき、この地域区分そのものに、国家公務員、地方公務員の基準を準用する、そのこと自身が私は違うのではないかと申しました。それはなぜかというと、実態として見ていただきますと、国の官公署があったら、区分は高く、ないところは、それより低い。そうすると、私の周辺地域で申し上げますと、官公署があるところの市が高くて、その周辺の市が低い。同一の行政圏として仕事を行っているにもかかわらず、そんなばかなことがあるのかということで、誰が見ても一般論としておかしいのではないかというのが私の主張です。そういう意味では、基本的な判断をする基本の指標が間違っていると思います。人材を確保することは町村では困難なのだから、逆にしてくださいという発言をさせてもらいました。

 逆に言いますと、地域区分が上がりますと、現実の問題としては、保険者としては、その地域の住民の介護保険料が上げなくてはならなくなり困ります。だから、地域区分は0%のほうが好ましいのです。しかし、地域区分を介護人材の確保のために導入することによって、結果、地域的に凹凸をつけるというその発想が、私はおかしいのではないかと主張してきました。そういう点で、今回はその部分の対応策が幾つか出されましたが、最後には見直しの方向はそれぞれの市町村が個別に行うというお話であります。しかし、個別で行っても、その解消がなされるわけではないのです。前回の改定の時に私の町は0%でしたが、隣の村が3%でした。そうしたら事業者から強い要求がありました。実際に、そのように言われると自治体では対応せざるを得ない。3年間で6,000万円を一般財源で補塡してきました。そういうことが起きてしまったのです。だから、小さい町村ごとに区分するのはどうなのかというこの地域区分の問題を指摘しております。

 それで、特にこれから先、介護保険料は、私どもの積算では、次の改定の段階で一人当たり約6,000円になってしまいます。それで、ほかの近隣の市町村に比べて高い保険料を設定せざるを得ない。また、民間のサービスが参入してきませんから、町は単独で在宅サービスセンターを2つ開設しています。そこに一般財源を投入しています。そういうことが小さい町村で起きているというのが事実です。だからこそ、いろいろな意味でこういう制度設計をするときには配慮していただきたいということを私は言わせていただいたところです。

 もちろん介護保険の人材の確保は私の町にとっても必要ですし、全国のいろいろな町村で処遇改善をしていくことは必要だと思います。けれども、その財源をどうしていくかということが大きなテーマだと私は思います。もちろん、国民健康保険組合の皆さんも、その一部負担しているわけですから、そういう部分の国の負担が増えるのであれば良いかもしれませんが、一方で、介護保険の被保険者の保険料が増えていく。当然、国の負担も増えていきますけれども、そういう問題をきちっと議論して整理をしていただきたいというのが、私の偽りのない気持ちでございます。


○田中分科会長 小林委員。


○小林委員 介護職員処遇改善加算については、団塊の世代が高齢化していくことを踏まえると、介護人材の確保は急務であり、そのために介護職員の処遇を改善していく取り組みを進めていくことの重要性は理解いたします。

 一方で、介護職員処遇改善加算について先ほど阿部委員からお話がありましたように、前回の改定時にあくまで例外的かつ経過的に導入されているものであるという経緯があり、本来、労使が自主的に決めるべき賃金に、加算という方法で政府が介入することは、必ずしも健全な姿とは言えないと思います。

 介護事業経営実態調査の結果を見ると、依然として収支差が大幅にプラスになっているサービスもあることから、事務局におかれては、今後、事業者による職員の処遇改善の自発的な取り組みが進むよう、例えば介護職員のキャリアパスの整備に向けた事業者の取り組みが進むような政策を並行して進めていただきたいと思います。

 以上です。


○田中分科会長 大島先生どうぞ。


○大島分科会長代理 介護職員のステータスが低過ぎる、それで、待遇、処遇も同時に上げなければいけないというようなお話がいろいろなところから聞こえます。私は、自分もかかわりましたが、介護職員の医療行為、たんの吸引と栄養の補給という医療行為が許可されるようになったわけです。私のかかわったときの理解では、そういった需要が現場では物すごく大きいと。大きいにもかかわらず、看護師も足りない、介護職も足りない、そして、ステータスが低過ぎる、待遇が悪過ぎるというような社会的な状況の中で、いかにこういったものに応えていくのかという一つの解決の手だてであると私は理解しました。

 それが決まって、その後の経過についていろいろなところでお話を聞いたりなんかしているのですが、医療行為を行うための研修の条件が非常に厳しい。今でも厳しいと思います。厳しいということがあって、なかなかそれが進まないというようなお話も聞きますが、実際に介護職員あるいは介護団体の話とか、あるいは介護職のリーダーのお話なんかを聞いていると、必ずしもこういった国の決定を歓迎していない方も随分いるようです。

 しかしそのような話はきょうのお話の中でも全然出てこないのですね。待遇の条件を上げるというときに介護職のステータスを上げるために、こういったことが実際に許されているわけですから、そういったものに対して介護職が積極的に取り組んでいく、それで条件も上げろと言うなら、これは非常にわかりやすい話だと思うのですが、そういう議論が全然ありません。もちろんそういう議論以前に絶対的に待遇が悪過ぎるのだというお話であれば、それはそれで決しておかしい話ではないと思うのです。しかし、許されたのであれば、そこのところに対して一体どういうふうに自分たちの権限を広げていくのか、そのためにステータスをどういうふうに上げていくのかという議論があってもいいのではないかと思うのですが、この辺は一体どうなっているのでしょうか。現場の方たちに、本当は全然歓迎していないのかどうかお聞きしたいと思うのですが。


○田中分科会長 東委員どうぞ。


○東委員 ありがとうございます。今、大島委員のおっしゃったことは大変重要なことだと思っております。何回か前のこの介護給付費分科会で申し上げましたが、介護職の方々が、今どうしても医師、看護師、リハビリ職等々よりも下に見られがちな傾向がございます。私どもは、『多職種協働』ではなくて『多職種平等』という形で、介護職が医師やリハビリ職や看護職に対しても同じ目線で、同等の意見を言えるというような場を広めようとしております。そういう取り組みがあってこそ、介護職員のステータスというものが広まっていくものだと思います。これをやればすぐにステータスが上がるというものではございませんので、先程大島委員のおっしゃった痰の吸引等も、何らかの評価をするべきだと思いますが、今、申し上げたような、『多職種平等』というような考え方を持って、全般的に介護職のステータスを上げていく努力が必要ではないかと考えております。

 私ども、全国老人保健施設協会では、今、その取り組みをしているところでございます。


○田中分科会長 村上委員どうぞ。


○村上委員 ありがとうございます。今おっしゃっていただいたとおりだと思います。私は、全国老施協の中で、平成15年に特養の医行為をしている人たちの調査をしたことがあるのですが、特に夜間帯は、やはり看護師がオンコール体制にはいますけれども、結果的には当直職員が、宿直職員がやるということが結構あったのですね。ここに医行為の問題もあって、今回、この医行為の研修を受けて、結果的に、医師の指示のもとでたんの吸引等をやっている方がたくさんいるのだよね。それから、AEDなんかも、我々のところでは何人も夜中に心臓がとまって、それで、それを使って、その後、お元気になられた方がたくさんいらっしゃいます。ですから、こういう研修をすることによって、あるいは、ある種の資格等ができることによって、これは、やはり介護職員の技術が上がってくる、ステータスの部分でも変わってくるのかなということは、現実あるかと思っております。

 以上です。


○田中分科会長 鈴木委員、それから堀田委員、お願いします。


○鈴木委員 かつて看護職もそうでしたけれども、介護職は非常に多様性があると思います。大学で介護福祉士の勉強をして来られる方から、ほかの職業からぽっと来られる方まで多様なのです。マンパワー的にも、数も要りますから、多様な方がいらっしゃるということを前提に考えないといけないと思います。

 熱心な方もいらっしゃるし、優秀な方もいらっしゃる、そういった方はできるだけ伸ばしてあげたいと思いますし、そうでない方も、全体としての底上げは必要だと思います。その中でもトップクラスの方は、さらに伸びられるように複数のコースが必要と、私も介護の職員をたくさん雇用させていただいておりますが、感じております。


○堀田委員 今、一連の話を含めて3点申し上げたいと思うのですが、まず1つ目は、まさに今お話があったところなのですけれども、やはり質が高いサービスを安定的に実現していくという、この持続可能性を考えていくと、この処遇改善ということをやり続けていくことと同時に、どうやって多職種で、本人を中心にしながらいいケアで、スタッフも満足で、効率を上げて、コストを下げるというようなモデルを追求することを並行しないといけないと思うのですね。

 さまざまな基準や規制があって、そういった実験ができない部分もあるかと思うのですけれども、一方で、今の一連の話のように、次第に専門分化していくものが、安定したらおりてくるといったような代替をしながら、職種間の役割分担も柔軟に進化を続けているところがあると思うので、もちろんこの分科会の範囲を超えている話だと思いますが、中長期的には、しかし、この論点に非常に関係するものとして、どうやって多職種で、ケアの質を上げつつ、スタッフも満足で、効率を上げられるようなチームをつくれるのか。それは、介護の職種だけではなくて、多職種のチームのあり方ということを議論しないといけないと思うのですけれども、これは、ここのところ報酬改定のたびに論点に上がりますけれども、持続可能性を考えていく上では、そういったことの検討をしっかりと進めていくことが欠かせないと思いますというのが1点目です。

 それから、2点目、3点目は、この資料の中により関係するところなのですが、今のこの処遇改善加算であったり、それから、サービス提供体制加算のところもそうだと思うのですけれども、この処遇改善ということを少なくとも短期的に考えたときには、事業所の意識というもの、雇用管理の充実を意識づけるということは、ある程度必要だと思いますが、他方で、この経過的、例外的扱いということの意味を合意しておく必要があると思います。これは、今回も、この前のラウンドのときも違う意見が出るわけで、当然だと思うのですね。何をもってその経過的、例外的な状態が、ある程度収れん、落ちついたと見るのかというようなことも、特にどんどん加算、入り組んでいくものを考えるときには、ある理念を共有するという意味でも、今回どちらがいいということを考える上でも、今後のためにも、例外、経過的というのは、何をもって終わったと、吸収すると考えるのかというのは、この点に限らずぜひ入れ込んでおくべきことだと思います。

 それから、最後ですけれども、特に今回、この処遇改善をより新設してはどうかと、これはこれで、それはそれなりにいいと思うのですけれども、以前も提起したことなのですが、処遇改善を図ろうというときに、キャリアパスの要件が注目されて、もちろんそれはそれで重要なのですけれども、他方で働いている方々の意識を調べていくと、キャリアパスが整っていても、サービスの質、自分の働いている事業所のサービスの質に自信が持てない方々は、やはりやめていくということがありますので、サービス提供体制加算のほうでストラクチャーを評価することになっていますけれども、あわせて、検証事業の中でも行われているようなストラクチャー、プロセス・アウトカムを通じたサービスの質を評価することを進めていかないと、結局、キャリアパスをつくっても、処遇改善を図っても、思うように職員の方々の意識を高めることにつながらないことになりかねないということも注意しておいたほうがいいと思います。

 以上です。


○田中分科会長 第2点は、まとめのようなことを言っていただいて、私は助かりました。ありがとうございます。

 山際委員。


○山際委員 ありがとうございます。民間の多くの事業者が、処遇改善の取り組みということで努力をしてきております。当然、賃金の改善ということを初め、キャリアパス、介護職員がステップアップできる仕組みを整えていくということで努力をしてきております。また、介護の質を上げていくということで、利用者の自立支援に資するケアを介護の現場では日々追求しているということであります。多職種連携についても、試行錯誤しながら、本当に現場のところで今、追求がされているということであります。

 一方、例えば医療的なケアの部分について申し上げますと、なかなか研修の機会が十分保障がされていない実態であるとか、あるいは人材の確保に本当に苦労しておりますので、そういう意味では、ぜひこの処遇改善の取り組みについては継続を切にお願いしたいと思います。

 以上です。


○田中分科会長 齋藤委員、それから内田委員。


○齋藤(訓)委員 私どもも、介護施設で働くナースの現場の意見がさまざま聞ける常設の委員会を持っておりますが、そこでの話としては、介護職の方々とともに働いていくという姿勢ができつつあるけれども、やはり自分たちが提供するケアの内容に満足が高くないと、職員も離職の傾向に走っていくという意見をあちこちから伺っています。ですので、いかに施設や在宅でチームをつくっていくかということが、介護職のステータスやスキルを上げていくことにつながっていくと思っています。

 前回、特別養護老人ホームのところで少し意見を出したのですが、事業所によって、非常に離職率の高いところとそうでないところに二極化しているというデータが出ていたと思います。定着確保の対策に事業所によって大きな違いが出ているのではないかと推察しますので、ぜひこのあたりの詳細な分析をお願いしたいということと、それから、労務管理に関して、施設長や管理者がどのぐらい認識があるのかということは、なかなか表に出てこないと思いますので、その辺も少し調査等で分析をしていただきたいと思っております。

 それから、職員に研修の機会が保障されていないという御意見もあるのですが、研修の機会はあっても自分が受けたい研修メニューではないというように、受講者のニーズに合っていない側面もあると思うのですね。私ども日本看護協会で、介護保険の領域で働くナースの実態調査をしたときに、受けたい研修がないというような意見も出ておりましたので、この辺りも介護職の処遇改善に関連する要因として、参考にしていただければと思います。


○田中分科会長 内田委員。


○内田委員 医療ニーズが非常に高くなっている御利用者が多くなる中で、介護職員がたんの吸引等の医療行為の一部を実施できることになっておりまして、そのことについて何か評価をしていただくのは、もちろん今後必要なのかもしれませんが、ただ、介護職の仕事というのは、特にそういう医療行為だけではなくて、生活全般のかなり広い範囲のものですので、そこのところで医療的な行為ができるから社会的評価が高まるかというと、それはまたちょっと違うものだと思うのですね。やはり生活全般を支援できるかどうか、あるいは自立支援というものを考えて介護ができるかどうかというあたりかなと思っておりますので、そこのところは、本当に今後とも介護福祉士並びに介護職ですね、必要があれば医療行為等の一部を、今の決められているものをしていくことはしていきたいと思います。

 それと、何人かの委員の皆様からお話がありましたように、やはり給与というものは非常に重要だと思うのです。でも、そこで今度、研修等がきちんとしているとかということで、育成というところも今後考えていっていただきたいと思います。


○田中分科会長 石崎参考人。


○石崎参考人(福田委員代理) ありがとうございます。参考資料の7ということで、3点意見を出させていただいておりますが、そのうちの3点目について発言をさせていただきたいと思います。

 これは介護保険制度全般にかかわる問題でありますが、地域の特性に応じた介護サービス提供体制の確保についてということでございます。介護サービスの提供について、都市部においては、地価の高騰等から新たな施設整備が困難であり、また、中山間地域や離島においては、地理的条件や効率的な運営が難しいことから事業者の参入が進まないなどの課題が生じていることに対しまして、地域区分や特別地域加算の設定等が措置されているところでございますが、不十分な状況にあると考えます。このため、国におきましては、国民がひとしく介護サービスを受けられる体制を確保することが重要な課題であると認識し、地域の特性に応じた介護サービスの提供体制が確保されるよう、抜本的な対策を中長期的に見て講じていただく必要があると考えておりますので、よろしくお願いいたします。


○田中分科会長 切れ目がありますので、ここで休憩をとりましょうか。

 では、ここで5分間だけリフレッシュ休憩をとります。

 


(休  憩)

 


○田中分科会長 再開いたします。

 次に、ケアマネジメント、資料9、区分支給限度基準額、資料10について、事務局より一括して説明をお願いします。


○高橋振興課長 振興課長でございます。

 それでは、お手元の資料9「居宅介護支援の報酬・基準について(案)」という資料をお出しいただければと思います。

 おめくりいただいたところで、2ページの論点1でございます。福祉用具貸与のみのケアプランについては、ケアマネジメント業務に係る業務負担が軽減されていることを踏まえ、基本報酬の評価を適正化してはどうかという論点でございました。

 対応案といたしまして、福祉用具貸与のみのケアプランについては、ケアマネジメント業務に係る業務負担が軽減されていることを踏まえ、基本報酬の評価を適正化する。報酬基準上の利用者の数の算定につきまして、2分の1を乗じた数を加えることとするということでございますけれども、これについては、いわゆるケアマネ検討会、介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に関する検討会の中間的な整理、平成25年1月のものですけれども、その中で、例えば福祉用具の貸与のみを行うような簡素なケースについては、効率化も検討すべきであるという御指摘をいただいておりますこと、それと、おめくりいただきまして、3ページ目でございますけれども、昨年12月の介護保険部会の取りまとめ意見書の中で、一番下のところでございますけれども、福祉用具の貸与のみを行うような簡素なケアプランについては、介護支援専門員による月々のモニタリングのあり方を見直すことを検討する必要がある。なお、この点に関し、状態変化などリスクのあるケースなどもあることから、その見直しに当たっては、この点に留意して検討していくことが必要であるという御指摘を踏まえて、検討して、論点として提示をさせていただいたものでございますけれども、介護保険部会にありますようなモニタリングの部分について、これを軽減すると、要介護の方でございますので、モニタリング自体は必要であるというようなことで、ただ、6ページをごらんいただきますと、これは過去の老健事業でのタイムスタディーの調査の結果でございますけれども、福祉用具のみのケアプランの場合と、複数のサービスを組み合わせた場合のケアプランの場合で、ケアマネジャーの業務量を比較したものでございますけれども、例えば利用者への訪問とか、来所とか、電話とか、そうした相談に係るような部分とか、サービス担当者会議の開催の関係の時間の関係とか、アセスメントとか、ケアプランの関係の話とか、そうしたところで一定の業務の効率化、コストの適正化ができるというようなことで、300分が264分ぐらいというようなデータもありますので、こうしたデータを参考として適正にしてはどうかということでございます。

 続きまして、15ページの論点2でございます。認知症加算と独居高齢者加算の関係でございますけれども、これは、個人の心身の状況とか家族の状況等に応じたケアマネジメントの提供ということでございまして、ケアマネジャーの基本の業務であることを踏まえて、加算による評価ではなくて、基本報酬に包括化して評価を見直してはどうかということでございます。

 対応案にも論点2と同じ書き方をさせていただいておるところでございます。

 それから、18ページの論点3でございます。正当な理由のない特定の事業所へのサービスの偏りの割合が90%以上である場合について、減算の適用になるということでございますけれども、これは、いわゆる特定事業所集中減算と言っている制度でございますが、公平・中立性の確保のさらなる推進の観点から、適用割合や対象サービスの範囲を見直してはどうかということでございます。

 対応案としまして、1つとしまして、ケアマネジメントの質を確保する観点から、正当な理由のない特定の事業所へのサービスの偏りの割合が、今90%以上ということで減算を適用しておりますけれども、この割合を引き下げる方向で見直してはどうかということ、それともう一点でございますけれども、対象サービスの範囲につきまして、現在、訪問、通所、それから福祉用具貸与を対象としておりますけれども、対象サービスの限定を外す方向で見直してはどうかということでございます。

19ページにちょっと細かい適用要件を書いておりますけれども、5事業所未満であるとか、質が高いような場合で希望されている場合には、この特定事業所集中減算が外れるような制度になっておるということでございます。

25ページの論点4でございますけれども、質の高いケアマネジメントを実施している事業所の評価を推進するため、特定事業所加算について算定要件の見直しを図ってはどうかということでございます。

 対応案でございますが、1点目でございますけれども、主任ケアマネ等の人員配置要件を強化しているような場合とか、また、法定研修等における実習受け入れ事業所となるなど、人材育成への協力体制の整備が図られているような場合について算定要件に追加することとしてはどうかというようなこと、また、特定事業所加算の算定要件のうちの(ローマ数字1)のほうに適用になっている要介護3から5の方の占める割合が100分の50以上ということについては、これはかなり厳しい要件で、実際、特定加算の(ローマ数字1)がとれている事業所が利用者ベースで1.7%ぐらいとか事業所ベースですと1%を切るような状況でございますので、実態に即して緩和を行ってはどうかということでございます。

 具体的には、26ページのところで変更のイメージを書いておるところでございます。

 続きまして、論点5でございますけれども、33ページをお開きいただきたいと思います。新しい総合事業の導入に伴いまして、多様な主体により多様な形態で提供されるサービスが介護予防サービス計画に位置づけられていくことを踏まえまして、適正に評価し、見直したらどうかということでございますけれども、こうしたサービスが位置づけられていることを踏まえて、ケアマネさんのほうにいろいろな提供主体とのやりとりとか、確認とか、そうした業務も発生してくると見込まれますので、基本報酬の見直しをしてはどうかということでございます。

 続きまして、論点6でございます。36ページでございますが、居宅介護支援事業所、ケアマネ事業所と個々のサービス事業所の意識の共有を図るということのために、個別サービス計画との連動性を高めるということで、ケアマネジャーさんのほうで居宅サービス計画に位置づけた個別のサービス担当者から、個別サービス計画の提出を求めていただくことについて、基準上、明記してはどうかということでございます。

 最後、論点7、39ページでございます。地域ケア会議の関係が、先般、ことし6月の介護保険法等の見直しの関係で法律に位置づけられておりまして、関係者に対して必要な協力を求めることができるとか、関係者は、それに協力するように努めるというような努力義務が規定されているところでございます。ケアマネジャーについては、この地域ケア会議の運営に当たって一番かなめになる部分でもございますので、資料または情報の提供の求めがあったような場合、特に個別のケアマネジメントの事例の提供の求めがあった場合には、これに協力していただくことについて運営基準に規定することとしてはどうかということでございます。


○迫井老人保健課長 続きまして、お手元の資料10でございますが、「区分支給限度基準額について(案)」を御説明させていただきます。

 1ページ目をめくっていただきまして、これは過去のこれまでの御意見、これを踏まえまして、めくっていただきまして、2ページでございますが、論点1ということで、このページは背景ということでまとめさせていただいておりますけれども、論点1のところの四角囲いですが、定期巡回・随時対応サービス、それから複合型サービス、小規模多機能型居宅介護、これらにつきましては、名称として「包括報酬サービス」と呼ばせていただきますけれども、これらについて、これまでるる御議論いただきましたとおり、現状でサービス創設の施策目的の達成がなかなか難しいところがありまして、制度的な配慮が必要だということを背景としてまとめさせていただいております。

 そこで、おめくりいただきまして、3ページ、4ページで具体的な対応の御提案です。3ページでございますが、(マル1)となっております。今お話ししましたような異なる特徴を有していることから、まずは体制整備を進めているということを加算として評価してみてはどうかということでございまして、黒ポツが3つございます。

 対応案でございますけれども、この包括報酬サービス、3種類ございますが、日々変化し得るような利用者の状態を確認して、一体的に適時・適切に提供するということでございますので、日常的なさまざまな対応、意思疎通の問題もありますし、さまざまな主体の調整もございます。そういった適切に連携するための体制構築が必要ですということで、これは、通常の個別サービスの報酬で評価しているような対応とは少し異なる内容があると。すなわち、ここに書いてございますが、包括報酬サービス固有のコストが存在するのではないかといった点に着目いたしまして、2つ目の黒ポツでございますけれども、こういった積極的な体制整備に係る加算と位置づけてはどうかと。これは仮の名称ですが、「総合マネジメント体制強化加算」という形で位置づけをいたしまして、一体的なサービス提供のためのさらなる基盤整備を促していってはどうかと。その上で、3つ目の黒ポツですが、この限度額があるがために、このサービスが使いにくいということは、これまでの御議論でもございましたので、制度的な対応が必要だというその答えといたしまして、一番下の行ですが、当該加算、今申し上げましたような「総合マネジメント体制強化加算」を限度額の対象外と位置づけて、区分支給限度基準額とのすき間を一定程度確保してはどうかということでございます。これが1つ目でございます。

 おめくりいただきまして、4ページですけれども、今の話との関連で申し上げますと、論点1の(マル2)でございますけれども、包括報酬サービスに関しましては、既にこれは議論として御紹介させていただいておりますけれども、後ろのほうに、18ページと20ページで小規模多機能につきましては「訪問体制強化加算」、あるいは複合型につきましては、20ページでございますが、「看護体制強化加算」といったものを新設して、サービスの充実を提案しております。

 しかしながら、戻っていただきまして、4ページの最後の黒ポツでございますが、こういった加算を設けましても、結局のところ、区分支給限度基準額との関係がうまく整理できませんと、こういったサービスの充実が図られません。したがいまして、この包括報酬サービスに関しましては、4ページの最後の3つ目の黒ポツでございますけれども、制度上の対応としまして、先ほど御紹介しまして、既に検討して、ご提案しております加算につきましては、限度額の対象外として位置づけてはどうかということでございます。これが、まず基本的な考え方でございます。

 おめくりいただきまして、以降、幾つか実態をあらわす資料を御提出させていただいておりますけれども、詳細は省略させていただきまして、論点2といたしまして、23ページでございますが、先ほど申し上げましたように、幾つかの現在提案させていただいております加算、それから、もう既に先ほど議論が出ておりますけれども、サービス提供体制強化加算につきましては、23ページの論点2でございますけれども、現状でサービス提供体制強化加算は限度額基準に含まれるという扱いになってございます。しかしながら、先ほど出ましたとおり、限度額に含まれない加算として整理してはどうかということでございます。

 以上でございます。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 では、残りの時間、この2つの議題について論じましょう。鷲見委員どうぞ。


鷲見委員 ありがとうございます。介護支援専門員に対するケアマネジメントの質の向上をめぐっては、あり方検討会での課題をしっかり受けとめ、認知症高齢者、今後増える独居、高齢者世帯を視野に入れ、特に的確に医療につなげることや認知症に対する支援が適切に実施できるように、研修改善事業の推進や地域ケア会議に関する研修等、具体的な取り組みを進めているところです。また、これらにつきましては、一層努力してまいりたいと思います。

 高齢者に寄り添い、ケアと環境を各個人に合わせたものにしていくことや、意思決定の重要性などの必要性に鑑み、ケアマネジャーは、利用者、家族を中心として、その人らしい生活を支えてまいりました。ケアマネジャーは、介護保険法において専門職として唯一、資格の更新性を導入し、私たちも努力を重ね、また、ケアマネジメントプロセスをきちんと踏み、利用者の自立支援に資するケアマネジメントを実践しております。

 そういったケアマネジャーが多くいることと、また、それを後押ししてくださる事業所施設も数多くあります。限られた財源の中でケアマネジメントに関する報酬・基準を検討するに当たっては、こうしたケアマネジャーに対して、より適切に評価していただくことを強く要望いたします。

 今回、資料を提出しております。参考資料5になりますが、そこには詳細にわって書いてあります。時間の関係上、特に3点について述べさせていただきたいと思います。

 まず、(1)基本単位についてでございます。居宅支援は、介護事業経営実態調査による収支差益率は、担当件数31.6でマイナス1%です。介護保険開始以来、唯一マイナスがずっと続いている事業でございます。この中には、資料17ページにあります認知症加算や独居加算の高い加算率をもっても、まだ全体として厳しい経営状況にあることをあらわしています。精いっぱい業務に従事し、この報酬で努め、少なくとも介護支援事業所が独立して運営可能な基本単位としていただきたいと思っております。

 (2)給付管理を伴わないケアマネジメントの評価についてです。利用者により担当介護支援専門員として依頼され、契約しても、介護保険以外の制度の活用やインフォーマルサービスを利用するケース、支援途中で亡くなったり再度入院したりするケース等は、カンファレンスの参加、アセスメント、在宅に向けての制度的な手続、サービス担当者会議、居宅サービス計画作成、サービスの調整などを実施したのにもかかわらず、介護サービス利用に伴う給付管理が発生しない場合には、現行制度では報酬算定ができない仕組みとなっています。地域のさまざまな資源を活用した支援、的確な連携に基づいた支援に対して相応の報酬算定ができるようにお願いしたいと思います。

 3点目です、福祉用具貸与のみのプランにかかわるケアマネジメントのあり方についてですが、ケアマネジメントプロセスは全てのケースに等しく実施されるべきであり、現にどのようなケースにあっても、インテークに始まり、同じプロセスを経てケアプランを作成し、モニタリング、評価、アセスメントと一連の業務を介護支援専門員は実施しております。その結果、福祉用具のみという結果になっても、軽度であるなどの理由でプロセスを簡略するものではないと考えます。同じような状態の方であっても、その方の持つストレングスや環境によってプランの内容は異なってまいります。

 添付資料の最後のページを見てください。左側はケアマネジメントプロセスです。その1課程を、より右の図には、ケアプランを作成する際の視点と給付の関係を示しております。ケアプラン作成時には、こういった一連の作業と内容を検討した結果、真ん中にございます給付管理上では、福祉用具のみとしてあらわれてくるのでございます。ですから、1サービスのモニタリングの結果をもってモニタリングをすることや、頻度をもって評価することは適当ではなく、それ以外の多くのサービスが、支援が入っていることと、それから、利用者家族との合意の結果であることを十分御理解いただきたいと思います。

 自立を促進し、また、給付の抑制にも寄与していることを踏まえて、これまでどおりの評価が必要であると考えます。したがって、今回の算定に関しまして、2分の1を乗じた数を加えるという対応策については、反対することを強く申し上げたいと思います。

 最後になりますが、論点3についての集中減算については、ぜひ地方等の状況を勘案することを強く要望します。また、医療保険での機能強化訪問看護ステーションの要綱にありますケアプラン作成1割以上といいますのは、この集中減算の視点とは相反することになると思いますので、今後ぜひ整理をしていっていただきたいと思います。

 以上です。ありがとうございました。


○田中分科会長 両アベ委員、私に近いほうから行きましょうか。


阿部委員 区分支給限度基準額についての論点1ですけれども、事務局に質問です。体制強化加算ということで、しかるべき人を配置したら加算という考え方はわかるのでありますけれども、そうすると、各事業者間で限られた人材の奪い合いみたいなことになるような結果は予想されないのですか。


○田中分科会長 老人保健課長、お願いします。


○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。

 この加算の取り扱いに限らず、一定程度サービスを充実させる、あるいは重点的な対応をすれば、結果としてマンパワーを要するようなケースはございますので、質を上げることをサービスの事業者、提供者に促す意味で加算を設定するということは、その結果論といたしまして、一定の人材が必要になってまいります。ですから、市場という言い方はよくないかもしれませんが、サービスを提供する総体として、例えば人材がどの程度供給されているのかということを絶えず見ていく必要があると思いますけれども、一般論として申し上げれば、一定程度そういう場合は生じますけれども、それは全体の状況に応じて判断すべきであって、今回こうやってお願いしております加算、個別にサービスごとに設定も若干違いますけれども、基本的には、現に運用されている内容も含めましてある程度機能しておりますし、その加算を見直すことでサービスの質の提供を促したいという考え方で整理いたしております。


○安部委員 それでは、居宅介護支援の報酬・基準について、資料9の論点1ですけれども、5ページに表がありまして、福祉用具貸与のみというのが3%というデータが出ておりますが、恐らく初めから福祉用具のみケのアプランだけを立てているような人はいないと思います。一般的に40人未満の中で3%ぐらいの人、ケアプランを立ててもらっている人のうちのお1人ぐらいが福祉用具だけということですが、さまざまなケアプランを立てている上の評価でそういう結果になっているということではないかと思います。

 6ページを見ますと、福祉用具のみと、複数のサービスを利用した場合、確かに時間の違いというのは存在しますので福祉用具のみの場合には、「アセスメント票・ケアプラン作成・記入・入力」の部分が効率的ではあると思うのですけれども、ケアプランは、公正・中立に必要なサービスを提供するプランをつくることが原則でございますので、減額となってしまいますと、ややもすれば、より手厚いサービスの提供を提案すれば減額にならないことにもつながりかねませんので、ここのところは慎重に議論しつつ、対応について御議論いただければと思います。


○田中分科会長 井上委員どうぞ。


○井上委員 ありがとうございます。18ページの論点3「正当な理由のない特定の事業所へのサービスの偏りの割合が90%以上である場合については減算の適用になるが、公平・中立性の確保の更なる推進の観点から」という文言がございます。これは前にも言ったことがあるのですけれども、ケアマネジャーのあり方が、まず、中立・公正でないとなかなかこれは実現しにくいのではないかと思います。ですから、まずそのシステム上で公平・中立性が確保できるようなシステムの上にケアマネジャーを、今すぐはできないでしょうけれども、そういうものを目指していただきたいと思っております。

ところで、地域包括ケアシステムの構築を推進するためにというのが、この項目の中の39ページにございます。これは、私が提出させていただいた参考資料3で、「高齢社会をよくする女性の会」の千葉大会で調査しました「地域包括ケアシステムの構築」について簡単に説明させてください。調査対象は一般市民です。大会の中で市民700人ぐらい対象でしたが、約 500人の有効票がありました。その中で、地域包括ケアシステムについて知っているか否かということを聞きましたら、半数が知っている、よく理解している、半数が全く知らないという結果が出ました。

 今、地域包括ケアシステムを構築していくに当たって、市民は知らなくていいのかなという思いがあります。やはりケアマネジャーとか地域ケア会議とか、そういう専門家だけではなくて、一般市民のが知っていくことがとても重要で、前回の書類にあったと思います、広く啓発していくことが必要と思います。50%ということを確認してください。半分の人は知っている、半分の人は知らないという結果でした

調査対象者60代、70代の人が圧倒的です。これから介護をする・される団塊の世代であり、特に軽度者などに入ってくる人たちなので、ぜひその辺のところは考慮していただきたい。細かくサービスの内容についても、誰に助けてほしいかなど調査しておりますので、御参考にしていただければありがたいと思います。


○田中分科会長 齋藤委員。


○齋藤(訓)委員 資料9の居宅介護支援につきまして、論点3の特定事業所集中減算のことですが、これまでは3つのサービスについてのみ減算が適用されていて、今回、対象サービスの限定は外す方向だということで上がっているのですけれども、今回あらたに対象となるサービスの実施状況については一切データがなくて、現状がどうなっているのかがわからない中で、いきなり一気に対象拡大という判断をしていいのかどうか、私は少し心配をしております。

 次のページに、減算対象にならない正当な理由というものが(マル1)から(マル5)まであるのですけれども、サービスの内容によっては、事業所数だけでは十分なサービス供給があるかどうかがはかれていないこともあると思いますので、この論点につきましては、地域の実情に応じてケアプランを組んでいった結果、いきなり減算対象になるということだけは生じないように、サービスごとに慎重な判断を求めたいと思います。

 それから、福祉用具のところに少し関連してくる話かもしれないですが、たとえ結果として単品サービスのケアプランになったというケースでも、私は、ケアマネジャーの手間暇のかけぐあいというのはそんなに変わりないのではないかと考えております。ですので、そういった手間暇をきちんと評価するような単価にすることが必要なのかなと考えております。それから、今回、全く論点に上がっていないのですが、平成23年の老健事業で、介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に関する調査報告が行われて、医療ニーズの把握と対応策が非常に不十分であるという指摘が調査研究でも明らかになっております。そこを研修を積み上げたりしておりますけれども、これからますます在院日数が短くなり、急性期で治療が終わった直後の方々が在宅復帰してくるときに、ほとんどは高齢者ですので、介護サービスをあわせて使っていくということが想定されます。

 その際に、やはりケアマネジャーが、医師や薬剤師等からいろいろな情報を集めて、整理をしていく時間がかかっているのではないかと推察されますし、これからますますそういったことが必要になるので、私は、ぜひ今回の論点の中に、いわゆる医療ニーズの高い方々に対するケアマネジメントの加算というものを設けるべきだと思っております。

 特に訪問看護や、医師を対象とした調査では、日々いろいろな相談をケアマネジャーから受けていて、アドバイスをしているという結果も出ておりますが、その相談は現状では全く無報酬というような状況ですので、ぜひこういったケアマネジャーの医療に関することの手間暇と、専門職がケアマネジャーから相談を受けて、適切にアドバイスをしたり意見を出したりということに関して、適切な評価を望みます。そのことによって、より一層ケアプランの質の向上に資すると思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。

 それから、区分支給限度額につきましては、今回、包括報酬のサービスにさまざまな加算が設けられ、それを限度額の対象外とすることが提案されておりますが、複合型サービス事業所の利用者にとって大変にありがたい報酬設計だと考えます。

 ただ、資料の中にありますように、要介護度3のあたりの利用者で福祉用具を入れると、限度額を少し出てしまうという状況は依然ありますので、限度額対応としては若干まだ課題は残るのかなという印象を受けております。

 以上です。


○田中分科会長 たくさん挙がりました。では、田部井委員。


○田部井委員 ケアマネジャーさんの件ですけれども、鷲見委員の意見を補強するような形になるかと思うのですけれども、私ども家族の会では、2011年の細川労働大臣の時代に要望書を出しておりまして、そのときに、サービス利用に至るまでのケアマネジャーさんの相談支援にも報酬を認めてほしいと要望しております。最近、とみに認知症の人に対する早期の支援あるいは危機回避支援の重要性というものが認識されている中で、そのことの重要性はより高まっていると思われます。ぜひ、この点については実現していただくようにお願いしたいと思います。

 それから、いけないものを正す、それから、いいものを評価するという両方の視点が必要だと思うのですけれども、やはり熱心なケアマネジャーさんの熱意をそぐようなことがないような形で、いろいろなよくないものを正すにしても、実施するようにしていただきたいと考えます。

 それから、区分支給限度額についてですけれども、小規模多機能あるいは複合型について、限度額の対象外になるサービスも認めるということで、そのことについては反対をするものではないのですけれども、やはり基本は、このサービスを伸ばすためにそういう措置をするというよりも、その人にそういうサービスが必要であるから認めるというのが原則だろうと思うのですね。そうしますと、資料を拝見しますと、要介護4・5の人の費用額が限度額に占める割合は60%台でありまして、限度額を超えて利用している人の割合は5%であると。これの資料から私が読み取るのは、サービスはおおむね適正に利用されているのではないかと考えていいのではないかと思います。その点からしますと、限度額をオーバーしている人のケアプランを市町村が点検した結果、見直す余地があるものが90%というデータというのは、現場で見聞きしている実態にそぐわないという感じがいたします。

 先ほど紹介した要望書に、私どもは、在宅で要介護4・5の人が限度額を超えて利用する場合には、全額自己負担ではなくて、やはり介護給付を認めてほしいと。自己負担率がきちんと決められるような形で認めてほしいということを要望しています。これは、先ほど申し上げました、あるサービスの限度を超過したものについては認めて、例えば自宅で1人で個別のサービスを利用している人には認めないというのは、やはり必要な人に必要な支援をという観点からするといかがなものかという気もしますので、例えば集合住宅と言ってしまうと問題なのかもしれないですけれども、本当に個人の自宅で暮らして、いろいろなサービスを利用している人が、限度額をオーバーしている場合で、どうしても必要だと認める場合には、やはり1割負担なりのサービスの利用を認めるという考えがあっていいのではないかと考えます。


○田中分科会長 今度はこちら側から順番に行きますね。さっきの逆順で。鈴木委員からお願いします。


○鈴木委員 それでは、資料9からお話しさせていただきます。2ページ目の論点1でございます。これにつきましては、先ほど来、何人かの方からお話がありますが、たとえ結果的には福祉用具貸与のみになっても、ケアマネジメントのプロセスは同じではないかと思います。この考え方でいくと、逆に無報酬で手間のかかる住宅改修におけるケアマネジャーの行う書類作成などに対しては、加算が必要だということになると思います。

15ページでございます。これにつきましては、認知症や独居高齢者は、ほかの方と比較して手間がかかるのは事実でございますので、何らかの評価は必要だと思います。

18ページでございます。これに関しましては反対でございます。質の高い事業者に依頼が集中するのは、ある意味、当然であります。特定の事業所に集中していることのみをもって減算対象とするのは、逆に利用者にとって公平・中立性が担保できないことになるのではないでしょうか。一部の問題のある事業者に対しては、指導や監査で行政が対応すべきだと思います。大都市では可能な話なのかもしれませんが、地方ではとても無理でございます。同じサービスがたとえあったとしても、質の違いがあり過ぎます。

19ページの(マル4)の例外規定があるではないかとおっしゃるかもしれませんが、具体例が非常に乏しいし、市町村によって対応も異なります。大体この考え方の影響が大きいので、細かいところを説明しても、考え方によって影響されることが大く、考え方そのものが果たして正しいのかという気すらいたします。

25ページでございます。これにつきましては、要介護3以上が50%以上というのは厳しいと思います。

 質問でございます。26ページのイメージ図について、これは、今の特定事業所加算(ローマ数字1)、(ローマ数字2)を新しい(ローマ数字1)、(ローマ数字2)、(ローマ数字3)に再編するということですが、それは、従来の(ローマ数字2)が新しい(ローマ数字3)に、そのまま同じレベルで移行するので、新しい(ローマ数字2)はそれよりも上がると素直に考えていいのか、イメージ図なので、新しい(ローマ数字3)はより下げたいと思っているのか、今回は全体に下がる話が出ているので素直にはとれない部分もあるので、それについてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

33ページの論点5でございます。見直しはいいと思うのですけれども、適正な評価による適正な報酬が必要ということが前提だと思います。

36ページ、39ページの論点6、7はよろしいと思います。

 それから、資料10の区分支給限度基準額でございます。全般的に、2ページ、3ページ、4ページ、23ページと論点がございますが、在宅限界を高めるためには、さまざまな介護サービスの介入が必要ですので、よろしいのではないかと考えます。

 以上です。


○田中分科会長 質問1点、お答えください。


○高橋振興課長 御質問のあった部分でございます。ケアマネジャーの資料の26ページでございます。御指摘のように、今の特定事業所加算の(ローマ数字2)のものが、基本的には新しいほうの加算の(ローマ数字3)に移行することを念頭に置いております。実習・研修の受け入れとか、そういったところは入りますけれども、配置の要件などは同じものという想定をしております。

 一方で、新しい加算の(ローマ数字1)のほうは、主任ケアマネジャーのところの配置要件を強化することと、重度者の割合を緩和すること、あと、新しいほうの(ローマ数字2)は、主任ではなくて、一般のケアマネジャーの配置要件を強化することに伴って、全体の財源の問題がありますので、個々の部分をどういうふうに配分していけるかというのはありますけれども、考え方としては、鈴木委員御指摘のような考え方で考えております。

 以上でございます。


○田中分科会長 時計との競争になってきたので、まだ発言のない齊藤委員どうですか。


○齊藤(秀)委員 ありがとうございます。居宅介護支援の関連でお話をまずさせていただきたいと思います。

 論点1でありますけれども、これは、説明にあるように、業務負担が軽減されていることを根拠にして、この適正化を図ろうということでありますけれども、資料6ページを拝見いたしますと、この時間数が書いてありまして、300時間に対して260時間と。これ、計算をざっと私してみたのですが、複数サービスを利用した場合に比べて、その時間数87%、ざっと言うとおよそ90%。これをもって、私は、この時間が非常に軽減されていると言えるほどなのかなということを率直に印象として思いましたので、評価を変えるほどの理由にはならないのではないかとまず1点思います。

 それから、手間の問題がそれほど大きく変わらないにもかかわらず、むしろ単品サービスを複数サービス化するような方向に逆に誘導することになりかねないという懸念をむしろ持つわけでありまして、現状において、鷲見委員からの説明もありましたが、インフォーマルサービスその他で評価されていないということも考え合わせますと、現行のままで行くべきが妥当なところではないかと思います。

 それから、論点2でありますけれども、8割の事業所がこの認知症加算、それから独居高齢者加算をとっているわけでありますから、加算ではなくて、報酬に包括化するということは、私は妥当だと思います。

 また、これも鷲見委員のお話の中にありましたけれども、努力している事業所をより適切に評価すべきだというのは、全く同感でありまして、この点を考えますと、これまで、この加算を取得していない事業者が、基本報酬にマルメになるということは、自動的にこれは上がるということにもなってしまう。これは少し違和感があって、少しメリハリのある仕組みというものがあってもいいのではないかということは申し上げておきたいと思います。

 それから、論点4でありますけれども、厳し目のものを少し緩和しようという提案でありますけれども、私は、この事業所が独立型を目指す上からも大事な視点ではないかと思っております。より公平・中立さが守られて、利用者の自立支援につながるような算定要件の見直しだと思いますので、評価をしたいと思っております。

 また、経営実態調査で唯一サービスでマイナスになっていることは事実でありますが、よく内容を拝見させていただきますと、実利用者が100名を超える事業所においては黒字であるという実態がありますのと、また、法人の経営種別によって収支差が非常に大きな差異がございました。これらは、私は実態を実証、検証する中で、独立型がある程度視野に入れられる段階に入ってきているのではないかという印象を持っております。そういう意味で、この論点4は、それを後押しすることにもなるわけでありまして、ぜひこのようなものを通じて、特定事業者加算というものの取得率を高めていく方向で事業所は御努力いただければと思います。

 また、先ほどお隣の齋藤委員のお話があって初めての内容でありましたけれども、医療ニーズが高くなる人たちがこれから増えていくと。そういうときに、プランの中に医療にかかわるマネジメントがしっかり入っていくことは重要だと。私もそれは大変的を射た指摘だなと拝聴させていただきました。これは、やはりアセスメントの段階から専門職と連携するということは、プランの適正化にも寄与するということでありましょうし、また、それが自立支援にもつながる。さらには、ケアマネジャーの資質向上につながるということになり得る提案だと思いますので、これは検討の余地があるのではないかと感じました。

 それから、2つ目の区分支給限度額の特に包括報酬サービス、3サービスにかかわる御提案でありますが、加算で参入を促したい、また、その加算を限度額の対象外に位置づけて進めたいというのは、私は財源不足の中では現実的な対応ではないかと思います。指示したいと思います。

 また、これは利用者から見ると、選択の幅が広がるという点でも評価をしたいと思います。本来的なあり方かどうかということは議論の余地があるところでありますが、今の限られた要件の中においては、私は1つの進め方ではないかと評価いたします。

 以上であります。


○田中分科会長 ありがとうございます。

 多少時間を超過すれば全員行けると思うのですが、亀井委員どうぞ。


○亀井委員 先ほどちょっと休憩が入って質問ができませんでしたので、そこも含めて、それは意見として申し上げるわけですが、1つは、この処遇改善については支持するものでございますけれども、3つばかり理由がありまして、1つは、先ほど大西委員が申されていましたけれども、地方創生。地方で唯一伸びている産業は、まさにこの医療介護の分野で、6~8%伸ばしているということでございまして、マンパワーの確保と安定就労、ケアマネジャーも含めまして、その部分が非常に重要であるということで、経済環境によりまして増えたり減ったりすることがあってはならない、こんなふうに思っています。

 それで、2つ目が、今回改定の最も重要な部分が、重度者、認知症高齢者の在宅支援を強化していくのだということでもあるわけでございますから、その推進のためのマンパワーの確保と安定就労ということが、これも非常に重要であるということでございます。

 3つ目は、6月18日に国会の場におきまして地域医療介護総合確保推進法という法律が成立を見たわけでございますけれども、地域包括をこれからより充実していくのだということですが、やはり平成30年の医療介護同時改定に向けまして、ここで確かな道筋をつけておかなければならないということで思うわけでございまして、そのためのマンパワーも必要であるということでございます。

 それで1つ、今のこの話題ではないのですが、質問を申し上げておきますが、認知症の関係です。G7で総理があのような発言をされました。新たなる国家戦略を年内をめどに策定するのだ、こういうことを申されたわけでございますが、これまでの認知症施策推進5か年計画との整合がどうなるのか、それをどうしていくのかということをちょっとお聞きしておきたいと思います。

 それと、これらの事業をいろいろ推進していくに財源の問題があるわけでございますが、それで、私は保険者として皆さんにもちょっとお願いもしておきたいと思うのですが、きょうの話の中では、内容が異なりますので、暫時休憩いただいて、1分程度でよろしいですので申し上げますけれども、この消費税が10%の引き上げというのが平成29年4月からということでされたわけでございまして、2年の先送りになってしまうわけでございますけれども、つなぎ財源も厳しいということでございます。私ども保険者も、これから一生懸命頑張るわけでございますけれども、本席にお越しいただいている関係団体の皆様方には、御如才なきことと思いますけれども、抜かりない対応をよろしくお願いいたしたいと思ってございます。

 以上です。


○田中分科会長 認知症のプランについてどうぞ。


○水谷認知症対策室長 認知症・虐待防止対策推進室長でございます。

 総理の御発言の中で新プランの策定時期については特に言及はなかったと承知してございますが、私どもといたしましては、新プラン、新しい戦略に基づきまして来年度の予算編成をするといったような形で策定を進めていきたいと考えてございます。

 現行のいわゆるオレンジプランとの関係でございますが、厚生労働大臣が2日目の閉会式で発言された際に、新たな認知症戦略の策定に取り組んでいきます。これは、現行の5か年計画に代わるもっと総合的な認知症施策を推進するためのものですと申し上げてございます。具体的に厚生労働大臣が申し上げた3つの考え方、これは決して今のオレンジプランを否定するようなものではございませんで、むしろ、今のオレンジプランといったものが、現行の早期診断・早期対応ですとか、そういった考え方に基づいて、医療介護の必要な資源を数値目標を掲げて整備をするといったものでございましたので、大臣が今回お示しいただいた考え方の一つは、そういった個々の医療介護の資源が有機的に連携して、認知症の容態の進行に応じて切れ目なく対応できるような、すなわちサービスの資源は引き続きそういった考え方で整理をする、さらに、それがうまく連携するような仕組みを新たにプランの中で言っていきたいと。それが1つ目のポイントでございまして、それ以外に、3つ申し上げました残りの2つ、厚生労働省以外の他分野も含めた総合的な戦略とするということと、それから、認知症の方御本人、御家族の視点を取り込んだ戦略としていくといったことで、現行のオレンジプランに代わる新たな戦略をつくり上げていくといったようなプロセスになろうかと思います。

 以上でございます。


○田中分科会長 では、こちらから手を挙げた方順番に行って、佐藤委員に回ります。それで、時間、会場の都合があるので、余り実務的な細かい質問は後で個別に事務局にしていただいて、御意見を簡潔に言ってください。


○東委員 ありがとうございます。手短に申し上げます。意見と質問でございます。

 資料9「居宅介護支援の報酬・基準について(案)」の21ページ「特定事業所集中減算の算定状況」でございますが、高齢者向け集合住宅においてこの減算が大変多くなっております。これは、いろいろなことを聞きますと、例えば居住費をゼロにしてでも、そこで提供しているサービスを全部使えば入居を許可するというような条件を出している高齢者住宅もよく耳にするところでございます。論点3では、減算を強化する旨が記載されておりますが、このような不適切なケースについては、先ほど鈴木委員からもございましたが、単なる減算だけではなくて、例えば指定の取り消し等、厳しい処分を含めたものにしないと、幾らでも介護費用が膨れ上がっていくと考えます。

 2点目は質問でございますが、これも先ほどから出ております資料9「居宅介護支援の報酬・基準について(案)」の2ページ論点1の福祉用具貸与のみのケアプランでございますが、この対応案として報酬基準上の利用者数の算定を2分の1というような、何か非常に具体的な数字が今回出されております。これを見ますと、先ほど齊藤委員もおっしゃいましたが、6ページを見ますと、複数のサービスを利用している場合より福祉用具のみを利用している利用者1人におけるケアマネジャーの1月あたりの業務量(時間数)は確かに少なくなっておりますが、この業務量(時間数)の差とこの2分の1というものが、どうも乖離しているように思えてなりません。ですので、ここの数字については、十分な検討が必要だと思います。2分の1というようなことになりますと、先ほど安部委員からも御指摘がございましたが、半分削られるならもう一つサービスを加えるというようなことにもなりかねないので、十分留意が必要だと思います。

 以上でございます。


○田中分科会長 こちらからどうぞ。順番に行きます。


○平川委員 ありがとうございます。時間がないので1点だけ御質問と意見を述べさせていただきます。

 介護報酬支援の見直しについて、資料9の33ページですけれども、介護予防支援についての予防訪問介護と予防通所介護が新しい総合事業に移行することに伴っての多様な主体により多様なサービス形態で提供されるということについて、これを適正に評価し、基本報酬を見直すとなっているところであります。ぜひとも地域包括支援センターの体制強化ということもありますので、本当にこれは、基本報酬というのは前向きに評価されるように検討をお願いしたいと考えています。

 同時に、201312月に介護保険部会で介護保険制度に対する意見というものが出されております。その中で、地域包括支援センターの機能強化というものが強調されておりまして、その役割に応じた人員体制の強化とそのための財源確保が必要という文言がございますけれども、今回の介護報酬の改定の中では、その辺は余り課題としてありませんけれども、今後、財源確保についてどういう方向で今検討されているのかということについて、お答えいただければと思います。

 以上です。


○田中分科会長 どうぞ、振興課長。


○高橋振興課長 御質問の部分でございます。まず、平川委員からの地域包括支援センター等への経費という部分でございますけれども、現行、地域支援事業の中の包括的支援事業の中で、包括支援センターに要する財源的な支援をさせていただいているということでございます。給付のほうの話とちょっと異なりますので、こちらの論点ということでは提示しておりませんけれども、予算編成等の中で必要な財源が確保されるように、私どもも努めていきたいと考えております。

 あと、先ほど東委員から、2点目の件、質問とおっしゃいましたので、ちょっとそちらの話も一緒にお答えさせていただきます。

 論点1の2ページのところで、報酬上の利用者数の算定について2分の1を乗じるということ、これは、すみません、説明が不十分で誤解を生じたかと思いますけれども、基本報酬の評価の適正化のところは、先ほどの6ページのようなタイムスタディーに沿って、参考としてコスト見合いの部分を適正化してはどうかという考え方でございます。こちらのほうは、ケアマネジャーさんの持ち件数が40人以上になりますと報酬が下がるというような規定が今ございまして、例えば要介護5の方ですと、1,306単位が半分の653単位になるというような規定になっております。なので、そういったことが起こらないように、持ち件数を2分の1カウントする、これは今、予防のケアプランの中でそういう扱いをしておりますので、そういう不利にならないような配慮をしてはどうかという考え方でこういう書き方をさせていただいたものでございます。

 以上でございます。


○田中分科会長 堀田委員。


○堀田委員 論点1に関連してですが、方向性は皆様おっしゃったことと一緒なのですが、鷲見委員とか齋藤委員から出された御意見の紙も拝見しながらなのですが、原則として、要介護者の心身の状況であるとか、あるいはプランの特徴によって基本報酬を変えるというのは、ややおかしいのではないかというような考え方をしっかりこれも合意しておくというのが、この報酬改定のたびにいろいろな細かい、今回、福祉用具ということが上がってきましたが、いろいろなことが上がってくるのですけれども、結構、過去の遺物を整理しながら、余りそごが生じているようなことがあるので、そういった原則を確認しておくのが重要ではないかと思います。

 その上で、かつてこの認知症高齢者とか独居の方というのを入れたときの経緯もそうだったと思いますけれども、その上で、当初想定されていなかったようなニーズを持った方々であるとか、当初想定されていなかったようなプロセスを必要とするような方々が出てきたときには、その方を見ているということではなくて、それにまつわるプロセスを評価するといったようなこと、これも過渡的なものとして設けて、どういう状況になったらそれを破るのかということも、一つ一つ合意をしていかないと、これは繰り返されるのではないかと思いましたということで、以上です。


○田中分科会長 本多委員どうぞ。


○本多委員 資料9の居宅介護支援の報酬・基準についての論点2、認知症加算等の基本報酬への包括化ですが、これについては、財政中立の考え方で包括点数を定めないと、認知症加算等に該当しない場合の利用料が増える形になりますので、御検討いただければと思います。

 それから、論点3の特定事業所集中減算の対象拡大ですが、確かに地域的な問題を考慮しなければいけないということはありますが、やはり偏りがある場合には是正していくという方向で御検討いただければと思います。

 それから、論点4の特定事業所加算の算定要件の緩和ですが、現行では重度者割合が50%以上であることが要件であり、現状の割合が38%ということですが、今後、重度者の割合は増えていくので、設定に当たっては、慎重にやっていただければと思います。

 それから、資料10の区分支給限度額の点ですが、論点1については、625日の分科会で申し上げましたが、限度額の引上げと、限度額に含まない加算の創設の双方の財政影響に関するデータを出していただかないと判断はなかなか難しいと思います。今回、積極的な体制整備を評価するための総合マネジメント体制強化加算というものを限度額に含まれない加算として設ける提案ですが、これも議論するに当たっては、やはり何らかのデータがないと判断できないので、御提示をお願いしたいと思います。


○田中分科会長 山際委員。


○山際委員 居宅介護支援について3点ございます。

 論点3の公平・中立性の確保については極めて重要だと考えておりますが、一方で、結果として、質の高い事業者がより多くの利用者にサービスを提供することについては、利用者にとっても有益なことだと考えております。逆に、集中減算のために利用が制限されるということは本旨ではないと考えております。21ページに資料も出ておりますが、ほとんどが90%以下のところという実態になっておりますので、減算を適用する割合を引き下げる方向、この必要性はないと考えております。逆に、不適切な事例については、きちんと指導の強化等で対応すべきと考えています。

 それから、論点6ですが、ケアマネジャーに対して個別のサービス計画書の提出を求めることについては、趣旨については十分理解できるものなのですが、やはり何よりもケアマネジメントの中での活用が非常に重要だと思っておりまして、仮に紙ベースで提出された場合、こうしたものを5年間保管をするとかということになりますと、極めて非効率的な中身にもなりかねませんので、手法の検討も含めて御検討いただければと思っております。

 それから、論点7についてですが、地域ケア会議も非常に重要だと思っておりますが、求めに応じて資料等を提出するということについて、単に保険者の給付管理適正丘の強化に活用されることのないように、本来の地域ケア会議の持つ目的に沿って活用できることをぜひ求めていきたいと思います。

 最後、区分支給限度額についてですが、以前から申し上げておりますが、加算による仕組みの場合に、利用者の負担が増すケースにおいて、実際には要件を満たしていても、事業者が加算をとれないということがままあります。こうしたときに、実際には処遇改善につながらないということにもなりかねません。今回の加算について、限度額に含まれないということについては非常に歓迎したいと思っておりますが、現在の既存の訪問介護の特定事業所加算なども限度額外とし、利用者にとって過度な負担につながらないように、ぜひ配慮をお願いしたいと思っております。

 以上でございます。


○田中分科会長 お待たせしました。佐藤委員。


○佐藤委員 ありがとうございます。資料9の論点1のところですけれども、もうお帰りになった安部委員もさっきお話しされましたが、40人ぐらいいるところの1人ぐらいは、この福祉用具の貸与というところの部分ではないかとおっしゃられたのですが、確かにそうであれば、それもそうだと。しかし、その3%の中に何か傾向的に請求をされるような事業者がもしいるとすれば、それは問題なんだろうと思いますので、そこは、そういう意味でこの2分の1というところが出てきているのかどうかというのは私にはわかりませんが、少し気になるところだと。

 しかし、そうであったとしても、このケアマネジャーさんというのは、介護サービス提供のかなめでありますし、私ども医療関係者にとっては、それをつなげる重要な役割を果たしていることはもう間違いないことであります。したがって、インフォーマルサービスにおいて、そのプロセスをしっかり評価するという考え方は、やはり重要なんだと考えております。

 以上でございます。


○田中分科会長 内田委員どうぞ。


○内田委員 資料9のところで、論点5、33ページですが、介護予防支援の見直しということで、要支援1と2の方々が、その新しい総合事業のほうに移行していくということで、この要支援1と2の方々は、本当に結構難しいところにあると思うのですね。これ以上悪くしないとか、あるいはもっとよくするといったような視点が非常に重要だと思うので、ここのところで「適正に評価し、基本報酬を見直す。」というのは、下げるという話なのか上げるということなのか、そこをちょっとお伺いしたいということと、それから、今度は資料10の論点2のところ、23ページですけれども、サービス提供体制の加算等を区分支給限度額から外すというようなことで、これはいいのではないかと思うのですが、過去、このサービス提供体制加算で、何かそれが処遇改善にすごくつながったというのはあるのかもしれないですが、余り聞いていないので、ここで「処遇改善に向けた取組をより一層推進する」というのは、具体的にはどんなことをお考えなのかをちょっと伺いたいと思いました。


○高橋振興課長 よろしいでしょうか。


○田中分科会長 どうぞ、振興課長。


○高橋振興課長 御質問の部分ですけれども、ケアマネジャーの論点5、33ページのところでございますけれども、私どもの考えとしては、業務量を踏まえて上げる方向で見直しをしたいというような意味で論点として出させていただいております。


○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。

 サービス提供体制強化加算、これは、先ほど御説明の中にも少し触れさせていただいたつもりではありますが、これまでの議論の中でも、処遇を改善する場合に、給与だけではなくて、例えば介護の人材として参入していただく、より魅力を高めて入ってきていただく、それから、さまざまな給与以外の処遇についても、研修の機会とかキャリアパスの形成とか、諸制度の整備、キャリア段位も含めてそういた取り組みをしていくという全体的な整理がございます。

 ですから、この加算自体が、定量的にこれだけ寄与したという検証がそもそもできるのかという問題もありますが、明確ではないという御指摘は、私どもとしては受けとめますけれども、基本的にさまざまなプロセスの中で、やはりこういった人材を確保する、その人材を評価する、資質を評価するといったことが重要だと考えておりますので、そういった意味で処遇改善の一つの取り組みであるというのが私どもの認識でございます。したがいまして、今回、限度額から除外させていただきたいという趣旨でございます。


○田中分科会長 一通り議論、よろしゅうございますね。最後にまだありますか。


○村上委員 ありがとうございます。全くその他になると思うのですけれども、よろしいでしょうか。


○田中分科会長 どうぞ。


○村上委員 昨日の会見で消費増税が見送られることになりましたけれども、これに関して、基金における介護分野への対応はどういうふうになるのかということ、もし教えていただけるのであれば、お聞きしたいと思います。この介護職員の確保とか資質の向上においても非常に重要だと思っておりますので、これに関してどういうふうに考えたらいいかということをお伺いできればと思います。


○田中分科会長 どなたかお答えになりますか。まだわからないというのでも結構です。


○迫井老人保健課長 事務方を私が代表したということになるかもしれませんが、基本的には、政府職員の立場でございますので、仮定の話という段階でございますから、現時点でお答えできることではないかと考えております。

 いずれにいたしましても、予算編成過程の中で、何度か先ほどから関連した御質問なり御意見、御要望もございましたけれども、予算編成過程の中で取り組んでいくということだと思います。


○田中分科会長 まだわからないですよね。

 鷲見委員どうぞ。


○鷲見委員 ありがとうございます。この介護保険制度の中にケアマネジメントということを導入した意味と、そこにはプロセスが重要なのだということをもう一度認識して、この後の議論に反映していっていただきたいと思います。

 ありがとうございました。


○田中分科会長 いろいろな論点に対して賛成、反対それぞれありました。ケアマネジャーの論点1だけは、ほとんど反対しかなかったとの印象ですね。これは、確かに単品プランは好ましくないことはわかるけれども、40人の利用者のうち1人だけが単品の人までペナルティーをかける案はおかしいという意見が強かったですね。40人のうち15人とか20人が単品プランのケアマネジャーは確かにおかしいと思いますけれども。あとはいろいろありましたので、また事務局で、きょうの御議論をもとに、この先の検討を進めてください。

10月下旬から個別サービスの具体的な議論を進めてまいりました。おおむね今日で議論が一巡したところであります。

 本日の議論はここまでといたします。

 次回の分科会の日程について、事務局より説明をお願いします。


○迫井老人保健課長 ありがとうございました。

 次回につきましては、これまで御議論いただきました個別サービスの議論における報酬基準に関する事項のうち、報酬以外の部分、すなわち人員の配置あるいは設備などの運営基準に関する事項につきまして御議論いただきたいと思っております。

 これにつきましては、後半の審議の予定、今後の検討の進め方の中でも触れさせていただきましたが、改めて申し上げますと、地方分権に関する法律、これは「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」と長いのですが、この法律によりまして、運営基準に関する事項につきましては、各自治体の条例に委任されておりまして、今回、条例委任後初の改定となります。したがいまして、従来の改定ではなかったプロセスになっております。したがいまして、今回の報酬改定に関しまして、基準を改正する場合には、年度内に各自治体において条例制定を要するケースがございます。多くの自治体は、年明け、2月の議会を中心に御審議されるケースが多いと承知しておりますので、先んじてその点について御議論賜りたいと考えております。したがいまして、次回1126日水曜日、これは14時からでございますけれども、ベルサール半蔵門にて開催させていただきますけれども、以上のような審議をお願いしたいと思っております。審議時間は2時間を予定しております。

 事務局から以上でございます。

 本日はこれで閉会させていただきたいと思っております。ありがとうございました。


○田中分科会長 どうもありがとうございました。


(了)

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