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2014年10月29日 平成26年度第6回薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会安全対策調査会 議事録(第二部)

医薬食品局安全対策課

○日時

平成26年10月29日(水)
第二部  16:00~17:00


○場所

航空会館大ホール(7階)
(東京都港区新橋1-18-1)


○議題

・抗インフルエンザ薬の安全性について

○議事

○事務局 それでは、時間になりましたので、「薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」の審議を再開したいと思います。

 傍聴の方々におかれましては、引き続き静粛を旨とし、喧噪にわたる行為はしないこと、座長及び座長の命を受けた事務局職員の指示に従うことなど、留意事項の厳守をお願いいたします。

 続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。本日の委員の出欠ですが、安全対策調査会委員5名のうち5名全ての御出席をいただいております。「薬事・食品衛生審議会」の規程により、本日の会議は成立したことを御報告いたします。

 また、本日は参考人として、福岡歯科大学総合医学講座小児科学分野教授 岡田賢司先生、川崎市健康安全研究所長 岡部信彦先生、東京大学医学部大学院医学系研究科国際保健学専攻発達医科学分野教授 水口雅先生、国際医療福祉大学副学長 桃井真理子先生にも御出席をいただいております。

 以後、進行につきましては、五十嵐調査会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○五十嵐座長 ありがとうございます。

 それでは、第2部をこれから始めたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 事務局から、審議参加に関する遵守事項につきまして、御報告をお願いいたします。

○事務局 審議参加について御報告いたします。

 本日、御出席された委員及び参考人の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況を御報告いたします。

 本日の「抗インフルエンザウイルス薬について」の議題に関しまして、抗インフルエンザ薬の製造販売業者であるグラクソ・スミスクライン株式会社、塩野義製薬株式会社、第一三共株式会社、中外製薬株式会社、ノバルティスファーマ株式会社、これらの企業からの過去3年度における寄附金等の受取について、各委員と参考人より申告いただきました。なお、競合品目、競合企業につきましては、事前に各委員に資料をお送りし、確認いただいております。

 五十嵐委員より、グラクソ・スミスクライン株式会社より50万円以下の受取、中外製薬株式会社より50万円以下の受取。

 柿崎委員より、第一三共株式会社より50万円以下の受取、中外製薬株式会社より50万円以上500万円以下の受取、ノバルティスファーマ株式会社より50万円以下の受取、と御申告いただいております。

 また、岡田参考人より、グラクソ・スミスクライン株式会社より50万円以下の受取、塩野義製薬株式会社より50万円以上500万円以下の受取、第一三共株式会社より50万円以下の受取、中外製薬株式会社より50万円以下の受取。

 岡部参考人より、グラクソ・スミスクライン株式会社より50万円以下の受取、塩野義製薬株式会社より50万円以下の受取、第一三共株式会社より50万円以下の受取、ノバルティスファーマ株式会社より50万円以下の受取。

 水口参考人より、ノバルティスファーマ株式会社より50万円以下の受取、と御申告いただいております。

 以上から、柿崎委員は会議に参加し意見を述べることはできますが、抗インフルエンザウイルス薬に関する議決には御参加いただけませんことを御報告いたします。

○五十嵐座長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの説明に関しまして、よろしいでしょうか。

 特にないようですので、競合品目、競合企業の妥当性を含めて御了解をいただいたものとします。

 それでは、事務局からきょうの配付資料の御説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、配付資料について確認させていただきます。

 お手元の配付資料のうち上から順番に申し上げます。まず、座席表がございまして、その次に議事次第、委員・参考人一覧、資料の一覧がございまして、次から資料が始まっております。

 資料2-1「インフルエンザ罹患に伴う異常行動研究」、カラー刷りの資料でございます。

 資料2-2、横置きの資料で「オセルタミビルリン酸塩の研究報告について」。

 資料2-3からが各製剤の副作用報告状況になりまして、「オセルタミビルリン酸塩の国内副作用報告状況」。

 資料2-4が「ザナミビル水和物の国内副作用報告状況」。

 資料2-5が「ペラミビル水和物の国内副作用報告状況」。

 資料2-6が「ラニナミビルオクタン酸エステル水和物の国内副作用報告状況」。

 以上が本資料になりまして、その後ろに参考資料2-1、参考資料2-2、参考資料2-3、参考資料2-4をお配りしております。

 乱丁・落丁、不足等ございましたら、事務局までお申しつけくださいませ。

○五十嵐座長 御説明ありがとうございました。特に過不足ないでしょうか。ありがとうございます。

 では、抗インフルエンザウイルス薬についての議題に入りたいと思います。まず、事務局から経緯と抗インフルエンザ薬の使用量について説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、副作用報告状況の御報告に先立ちまして、先に経緯について御説明いたします。

 参考資料2-1を御覧ください。1枚目に「リン酸オセルタミビル(タミフル)について」と書かれている資料でございます。

 3ページの「別添 参考資料」と右肩に書いてあるページを御覧いただければと思います。抗インフルエンザ薬でございますリン酸オセルタミビル、こちらは平成12年に承認されておりまして、その後、効能や剤型の追加が行われております。

 その後、平成16年に添付文書の「重大な副作用」の欄に、「精神・神経症状があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、観察を十分に行い、症状に応じて適切な処置を行うこと。」を追記しております。

 平成19年2月に、タミフルを服用したとみられる中学生が自宅で療養中に、自宅マンションから転落死するという事例が2例報道されたことから、万が一の事故を防止するため、予防的な措置としまして、特に小児・未成年につきまして、タミフルの処方の有無を問わず、異常行動のおそれがあることから、自宅において療養を行う場合、()異常行動の発現のおそれについて説明すること、()少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が1人にならないよう配慮するよう医療機関に対して注意喚起がなされております。

 このような対応を行っている中、さらに同年3月にタミフル服用後、12歳の患者が2階から転落し骨折するという報告が2例あったことから、添付文書の「警告」欄に、10歳以上の未成年の患者にはハイリスク患者と判断される場合を除いて、原則使用を差し控えること、及び先に述べました小児・未成年者への予防的対応を追記するとともに、緊急安全性情報を医療機関に配付し、さらに医療関係者に注意喚起を行っております。

 ここで1ページ目にお戻りいただきまして、その後、タミフルと異常行動の関連につきましては、動物実験、疫学調査などが行われまして評価が行われております。その結果、平成21年6月の安全対策調査会の検討結果としまして、一番下の○ですが、2つの疫学調査の解析により、タミフル服用の有無にかかわらず、異常行動はインフルエンザ自体に伴い発現する場合があることが、より明確になっております。また、平成19年以降の予防的な安全対策により、それ以降のタミフルの副作用報告において、10代の転落・飛び降りによる死亡等の重篤な事例は報告されていないことからも、安全対策につきましては一定の効果が認められており、この対策を変更する積極的な根拠も得られていないということで、現在の安全対策を継続することが妥当とされております。

 2ページを御覧ください。一番下の○でございますが、厚生労働省等は、引き続きタミフルの服用と異常な行動等との因果関係についての情報収集に努め、必要な対応を行うべきとされております。

 前回は平成2510月に副作用報告を行っておりますが、本日の調査会は、それ以降の状況につきまして情報収集を受けて実施することとしております。

 また、この資料にはございませんが、岡部先生にインフルエンザ罹患時の異常行動についての調査研究をお願いしておりまして、昨年10月にもその結果を御報告いただいております。この研究では、抗インフルエンザ薬の処方の有無、種類にかかわらず異常行動が観察されており、昨年度の結果では引き続き抗インフルエンザウイルス薬について従来どおりの注意喚起を行うことが妥当とされております。この後、本年度の結果についても御紹介いただく予定でございます。

 続きまして、参考資料2-2を御覧いただければと思います。こちらは製造販売業者が日本医療データセンターのデータベース情報等を用いて作成しました、昨シーズンの抗インフルエンザウイルス薬の使用状況についての資料でございます。

20132014年にかけての抗インフルエンザウイルス薬の処方につきましては、0~9歳まではタミフルが129万人、リレンザが約25万人、ラピアクタが約2万人、イナビルが約33万人となっておりまして、0~9歳ではタミフルが使用される割合が多くなっております。

10代につきましては、タミフルが約13万人、リレンザが約69万人、ラピアクタが約3万人、イナビルが約91万人となっておりまして、10代ではイナビル、リレンザがタミフルに比べて高くなっております。この傾向は、タミフルの添付文書の警告欄に10代への投与を控えるよう記載されました2007/2008年のシーズン以降、継続している状況でございます。

 処方量やその傾向についての御紹介は以上でございます。

○五十嵐座長 ありがとうございました。

 それについて質問は特にありませんか。よろしいですか。

 では、資料2-1に基づきまして、岡部先生から御説明をお願いいたします。

○岡部参考人 川崎市健康安全研究所の岡部です。

 資料2-1、カラー刷りになっていますけれども「インフルエンザ罹患に伴う異常行動研究」、これは毎年発表させていただいております。今回は昨シーズンの一番ピークのときまでということで、2013/2014シーズンの報告として、これから御報告します。

 これは厚生労働科研の補助金をいただいているので、指定研究という形でやっています。研究代表者は私になっているのですが、私の所属が川崎市になっていますけれども、この研究は科研費の関係で、感染研の研究員であるという形での研究構成になっています。

 研究班は、研究代表者は私で、まとめ役ですけれども、実際のいろいろな分析は感染研の大日先生にお願いして、以下、谷口先生、宮崎先生、桃井先生にそれぞれの立場から分析・御意見をいただくという形になっております。

 3ページには報告内容、この辺はこれからお話しすることです。

 5ページは、インフルエンザ患者報告数。ちょっと振り返る意味では昨シーズンが赤いところで、感染症疫学センターでまとめているインフルエンザのエピカーブになりますけれども、少し幅広い流行ではありますが、ピークとしてはそんなに高いものではなかった。夏になると消失して現在に至るという状態になっていました。

 7ページの調査概要についてですが、先ほど御紹介があったように、2006/2007年シーズンからスタートしているわけですけれども、重度の調査、軽度の調査という形に分けています。毎回御報告していることですけれども、調査対象に関しては、厚生労働省から通知していただいて、すべての医療機関からこういう症状があったならば感染研のほうにインターネット、またはFAXで報告していただくことになります。

 対象は、インフルエンザ様疾患と診断されて、かつ、重度の異常な行動、飛び降り、急に走り出す、それから、制止しなければ生命に影響が及ぶ可能性のある行動となっています。

 9ページにいきますと、異常な行動に関する報告基準を明記してありますけれども、インフルエンザ様疾患であると診断ができたもの、それで重度の異常な行動で、今申し上げたような突然走り出す、飛び降り、その他予期できない行動だけれども、制止しなければ非常に危険であるというようなことが重度の異常な行動としております。

1114ページに書いてありますけれども、この重度の異常な行動について、結局、毎年毎年ふえているので、ここには全部で8シーズンこれまで調査したことになるのですが、図4-1が、異常行動の発熱週と発生動向調査ということでやっていますけれども、これではインフルエンザのピークに応じて異常行動が出ているということが見られます。発熱週で見ても、発生動向調査と一致していることになります。

 患者の年齢も従来と変わっていないのですけれども、図5-1、図5-2ということで、図5-1は2006/20072007/20082008/20092009/2010。図5-2が、2010/20112011/20122012/20132013/2014と、これで8シーズン分になりますけれども、年齢構成で見ると、全体でこの8シーズンで余り大きな変化はなく、小学校に入る手前あたりからふえて、10代の前半ぐらいまでに多いという状況が見てとれます。もちろん、シーズンによって多少でこぼこはありますけれども、傾向としてはそのようになります。

 性別は常に男性のほうが多い。これは1516ページになりますけれども、青いのが男、赤っぽい色が女性になりますが、全体の傾向は変わらないのですが、17ページは5歳未満かあるいは6歳未満で切ると、少し変化があるのではないかという前回の御指摘があったので分析を加えてみますと、5~6歳で少し差が出てきて、それ以上になると男のほうが多いという傾向が明らかになっているという感じになります。5歳未満ですと、男女差で言うと、ちょっと男が多いけれども実質上余り差がないのですが、5歳以上10歳未満あるいは6歳以上10歳未満でいくと、男女差が明らかになってきているという傾向がありました。

 表2の発熱から異常行動発現までの日数は、それぞれについての分析なので、直後が多いということであったかと思いますけれども、発熱後1日以内、2日目に大体集中している傾向があると思います。

19ページは、当初タミフルで調査していたわけですけれども、その他の抗インフルエンザ薬あるいはアセトアミノフェンといったものも含めております。いずれも発熱後1日以内ないし2日目に生じているという傾向があります。

 薬別は、また後で申し上げます。

 図7-1、図7-2で最高体温が書いてありますけれども、これは39℃前後ぐらい、平均値で言うと39℃を上回るような形での最高体温が示されています。

 それから、22ページの図8-1ですけれども、インフルエンザの診断、これは我が国は物すごいなと思うのですが、ほぼ100%迅速診断キットによってA型ないしB型が決められております。

 図8-1、図8-2は8シーズン分ということですので、傾向は同じです。

 図9-1は、迅速診断キットによる検査結果ですけれども、例年の流行を反映して全くそれに一致しているということですので、図9-2を見ていただけると、昨年は半分以上がA型という形で、B型の割合も去年は多かったということが出ています。

 図101、図102で異常行動と睡眠の関係がありますけれども、いずれも赤いところが一番多いわけで、異常行動は眠りから覚めて直ちに起こったというようなことが大体6070%ぐらいです。そのようなことが毎年の傾向になっております。

 図111、図112、薬の組み合わせが、これも8シーズン分それぞれあるわけですけれども、図112の昨年の2013/2014シーズンで御説明すると、右下のグラフで白いところがいずれかが不明である、使っているものが不明であるというのが53件、53%になりますが、ねずみ色の全て服用なしが11%、アセトアミノフェンのみが3%、リレンザのみが2%、リレンザ+アセトアミノフェンが4%、タミフルのみが6%。アセトアミノフェン+タミフルが7%。イナビルが3%。イナビル+アセトアミノフェンが7%。タミフル+イナビル+アセトアミノフェンは0件でここの中には入っていません。その他4%というのがありますが、この中で私たちが毎シーズンピックアップしているのは、それぞれのノイラミニダーゼ阻害剤によって同様の行動が見られる、それから、ねずみ色の全て服用なしという中で、必ず一定の割合で、少ないと7%ぐらい、多いと25%ぐらいですが、昨シーズンはそれについて11%ぐらいの方が、すべて服用なしで異常行動が起きている、ということがありました。

 いずれかが不明というのが、どのくらいのものが含まれているかということがはっきりわからないというのがあれですけれども、処方はされたけれども、服用がなかったという実際のほうはすべて服用なしという形になります。

 図113、薬の有無を8シーズンかけてやりますけれども、その中についてはタミフルを使った割合、あるいはシンメトレル、これは0%になっていますけれども、リレンザ、ラピアクタ、イナビルについて2013/2014シーズンで言えば、このシーズンで一番多かったのはアセトアミノフェンで、その次がタミフル、それから、イナビル、リレンザ、ラピアクタといった順番に薬の使用割合が書いてあります。

 図121、図122は、異常行動の中の分類が8シーズン分書いてあるわけですが、図122の右下が2013/2014シーズンです。定義にほとんど一致しているわけですけれども、突然走り出す、おびえ・恐慌状態、激しいうわ言、わめく・泣きやまない、無意味な動作の繰り返し、その他といったものが大体多いところですけれども、ちょっと目を離して見ていただくと、シーズンごとに特別に大きい差が出てくるという傾向は見てとれないのではないかと思います。

3334ページにいきますと、突然走り出す・飛び降りのみということで異常の中でも特別に危険度が高いというような形で出していますが、34ページにあります患者の年齢が35ページにかけて、年齢も前にお示ししました重度で見たものと余り変わりない。

 図141、図142の患者の性別についても同じような傾向。

 年齢で見た場合の性差についても、ほぼ同様の傾向です。

 図151、図152の最高体温、図161、図162の迅速診断の使用も変わりはありません。

 それから、図171、図172で迅速診断結果。

 図181、図182の薬の組み合わせ8シーズン分についても、大体の傾向は重度と余り変わりがないようです。

 図183、図191、図192もいずれも変わりなく、またこの8シーズンにおいても大きい変化はなかったということが言えます。

 まとめとして書いてあるのが50ページになりますけれども、2013/2014シーズンのインフルエンザ流行は、発生動向調査では過去10年と比較して、比較的小規模な流行であった。

 重度の異常な行動の報告数は平年並みであった。

 年齢は10歳が最も高いところで、男の子は68%、女の子が32%と男の子のほうが多かった。

 重度の異常な行動の発生状況については、従来のインフルエンザ罹患者における報告とおおむね類似している。

 重度の異常な行動の服用薬別の報告件数ですが、件数がそれぞれの薬のもので、その中には他薬の併用を含むというものが含まれていると。括弧内に書いてある件数は、その中で特に突然走り出す・飛び降りの数ということで、特出しの数ということになります。タミフルが15件、特別な異常が11件。アセトアミノフェンが22件、特別なものが12件。リレンザが7件、同じく3件。イナビルが10件、特に重度が4件。これらの医薬品の服用がなかったのが11件で、同じく突然走り出す・飛び降りに特化すると6件であったということになります。

 したがって、これまでと同様に、抗ウイルス薬の種類、使用の有無と異常行動については、バラバラで特定の関係に限られるものではないと考えた次第です。

 報告内容には、飛び降りなど結果として重大な事案が発生しかねない報告もありました。けれども、昨シーズンについてはこれに関連した死亡例の報告はいただいていないといった結果です。

 まとめの()が一番最後のページに書いてありますけれども、以上のことから、インフルエンザ罹患者における異常行動による重大な転帰の発生を抑止するために、次の点に対する措置が引き続き必要であると考えた次第です。

 1点目、抗インフルエンザウイルス薬の処方の有無にかかわらず、インフルエンザ発症後の異常行動に関しては、再度注意喚起を行うこと。

 2点目、抗インフルエンザ薬についても従来同様の注意喚起を徹底するとともに、異常行動の収集・評価を継続して行うこと。

 私たちは今年度研究として同様の研究はスタートさせる予定で、さらにもう少し切り口を変えた形で分析を続けていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 以上です。

○五十嵐座長 御説明どうもありがとうございました。

 インフルエンザ薬全体の安全性に対する議論につきましては、この後で副作用の報告状況を薬剤ごとにしていただきますので、これについては後で御議論いただくとして、岡部先生の御説明に御質問や御意見がありましたら、お願いいたします。

 どうぞ。

○大野委員 ちょっとわからなかったのですけれども、図183の薬の有無の2013/2014のところで、タミフルの薬があるというところが19例ですか、これはパーセントですか。

○岡部参考人 件数です。わかりにくくて済みません。数字で書いてあるのが件数で、下のメモリが割合になります。失礼しました。

○大野委員 そうすると、この数字が図182の薬の組み合わせのタミフルのところに入っている数字と合わないのですけれども、これはどう見たらよろしいのかなと思ったのですが。タミフルが入っているのは2013/201410例ぐらいだと思いますが。

○岡部参考人 大日先生から回答します。

○大日先生 図183は、いわゆる不明が多かったという反省がございまして、図183は、タミフルに関してはタミフルの処方がわかっているものを全体として45%、19件ということです。ですので、例えば、リレンザやイナビルが不明の方も図183には含まれているということです。

 図182は、リレンザ、イナビルが不明だったら、タミフルの服用はわかっていたとしても、いずれかが不明のほうに属することになっていますので、いずれかが不明が多いという御指摘を常にいただいているので、1剤でもわかっていたら分類してみようというのが図183になりますので、数字自身は合わないということです。

○大野委員 ありがとうございました。

 図183のタミフルのところで、タミフルが投与してあるものはいずれにしても組み合わせた薬がわからないものを含めると19例になると。この右の24というのは何の数字になるのでしょうか。

○大日先生 タミフルの処方状況がわかっているもののうち、服用したものが19例、服用しなかったものが24例。

○大日先生 処方されていても服用しなかったのが24例ということですか。

○大日先生 いえ、違います。タミフルの服用に関して記載のあったものですから、服用したものとしないものが当然あるわけですので、服用したと回答があるのが19例、服用しなかったと記載があるものが24例です。わかりにくくて済みません。

○五十嵐座長 ほかはいかがですか。水口先生どうぞ。

○水口参考人 8年間にわたって統計をとられているのですけれども、8年間の出てきたデータを年ごとに比較していいものかどうか。途中でデータの集め方その他に大きな変化があったかどうか、その点に関してはどうでしょうか。

○大日先生 基本的に変化はありません。一番大きな違いは2006/2007シーズンが飛び降り2件の後ですので、最初の年だけは後ろ向きなのですけれども、以降は全部前向きです。その間、抗インフルエンザ薬か増えてきていますので、対象となっている抗インフルエンザ薬の種類は随時増えているというところは当然なのですが、調査方法自身は同じでございます。

○水口参考人 ありがとうございます。

 もう一つよろしいですか。それで比較ができるとして、年によってインフルエンザの流行規模も違うし、はやるタイプも違うと思うのですけれども、このタイプが増えると発生件数が多いというような関連性は何かございますか。香港がはやるとこれが増えるとか。

○岡部参考人 全部数値として表しているわけではないのですけれども、傾向としてはどのシーズンでも、例えば、B型は余り弱いと症状が激しくないということがありますけれども、B型でも同様のことは起きているので、余りタイプによって大きい差があるとは言わないほうがいいのではないかと思っています。

○五十嵐座長 ほかはいかがでしょうか。どうぞ。

○岡田参考人 スライド番号17の表1と、スライド番号38の表3の見方を教えてください。例えば、表1ですと厳密検定の確率値0.772で、5歳未満と5歳以上で切ったときに男女差はないと見るということですか。

○大日先生 Aですと5歳未満、5歳以上で性差に変化はないと。同じ性差。

○岡田参考人 Bも同じですか。

○大日先生 Bは切った年齢が違うだけです。

○岡田参考人 表3もまた5歳未満、5歳以上で切って、男女差が0.17というところでは、むしろ5歳以上のところは女の子のほうが多いような状況になりますか。全体では全ての異常行動では男の子がずっと多いけれども、5歳以上10歳未満のところは数としては女の子のほうが多いけれども、差はないと解釈するのですか。

○大日先生 はい、そうです。

○五十嵐座長 ありがとうございました。

 ほかはいかがですか。どうぞ。

○遠藤委員 最高体温の表があるのですが、体温と異常行動の関係というのはどう評価・判断すればよろしいのでしょうか。余り関係はないということですか。それとも、何か別の言い方はあるのでしょうか。

○岡部参考人 済みません、そこは厳密な分析をしていません。ただ、体温が一気に出てくるのが最初のほうなのでという臨床的な考えはありますけれども、データとしてまとめてありません。

○五十嵐座長 ほかはよろしいでしょうか。

 では、続いて、資料2-2以降について事務局から説明をしていただきたいと思います。

○事務局 事務局より説明いたします。資料2-2を御覧ください。

 この資料は、製造販売業者から昨年9月から本年8月までに報告されましたタミフルに関する研究報告の概要をまとめたものでございます。3報ございます。

 始めの報告、参考資料2-3-1として委員・参考人にお配りしておりますが、日本国内において2004/2005年シーズンの1歳未満の患者を対象とした使用実態及びオセルタミビルの安全性について前向きの調査を行ったものです。専門家の見解としましては、本報告をもってオセルタミビル投与により副作用の発現頻度は高くなると結論づけることは困難であり、現時点でさらなる注意喚起が必要な事象はなかったが、今後も情報提供する必要があるということです。

 次の報告は、参考資料2-3-2、2013/2014年シーズンに札幌市で検出されたA(H1N1)pdm09ウイルスの抗インフルエンザウイルス薬耐性調査の報告です。専門家の見解としましては、本報告で耐性ウイルスの発現傾向の変化などを議論することは困難であるが、現行株や耐性株について最新の情報の収集、適切な薬剤の選択が必要とのことです。

 参考資料2-3-3の論文です。海外無作為化プラセボ対照比較試験20試験を対象としたシステマティックレビューです。専門家の見解としまして、現時点でさらなる注意喚起が必要な事象はなく、安全対策措置をとる必要性は現時点ではないと考えるが、今後もリスク・ベネフィットバランスに注目することということです。

 続きまして、資料2-3に移ります。「オセルタミビルリン酸塩の国内副作用報告状況」を御覧ください。2013年9月1日から2014年8月31日までの報告をまとめております。

 1ページを御覧ください。オセルタミビルリン酸塩、販売名タミフル。推定使用患者数は約285万人で、製造販売業者より報告されました重篤な副作用は61例、88件でございます。

 副作用分類の列に精神障害の欄があり、その中に*をつけておりますが、異常行動で22件報告がございました。

 3、4ページは前シーズンの報告状況を示したものです。昨シーズンは推定使用患者数は304万人。重篤な副作用報告数は81症例であり、2013/2014シーズンは2012/2013シーズンに対して若干使用患者数が少なくなっております。

 5~14ページまでが2013年9月から2014年8月までに異常な行動、定義としましては「副作用名にかかわらず急に走り出す、部屋から飛び出そうとする、徘徊する、うろうろするなど、飛び降り、転落などに結びつくおそれがある行動」についてまとめたものでございます。このため、異常な行動というのは1ページの表にあります異常行動そのままではないということを御承知おきください。

 今回は23症例あり、乳児・10歳未満の小児が16症例と多く、明らかに10歳代と分かる症例は8ページの症例番号10番の症例1例のみでございました。症例番号10番の症例は、タミフル投与開始当日、就寝後に覚醒し、支離滅裂なことを話して2階の部屋から1階に下り、また上がってベランダから飛び、骨折した症例でございます。

 そのほか徘徊や飛び降りて走り回るなどの報告がございました。

1518ページは製造販売業者が入手しました死亡例の症例をまとめたものでございます。7例ありまして、異常な行動と重複しておりますのは2例、症例番号5番、7番です。

 1番から簡単に説明いたします。

 症例番号1番は、70歳代の男性で、タミフル投与開始翌日に死亡されていた症例です。

 症例番号2番は、60歳代の男性で、タミフル投与開始から3日後に警察から患者の死亡の連絡があった症例で、詳細は不明です。

 症例番号3番は、50歳代の男性で、タミフル投与開始から3日後に出血性腸炎が発現し、7日後死亡された症例です。

 症例番号4番は、10歳未満の女性で、タミフル投与日に死亡された症例でございます。剖検は実施されておりません。

 症例番号5番は、20歳代の男性で、タミフルを1日分処方され、投与から3日後にマンションの5階より飛び降り自殺をされた症例です。

 症例番号6番は、30歳代の女性で、原疾患としててんかんがあった方ですが、タミフル内服後、興奮状態が見られたが徐々に落ち着き、その後てんかん発作が発現。処置がなされてけいれんはおさまったのですが、血圧低下、呼吸抑制などが発現し、死亡なさった症例です。

 症例番号7番は、60歳代の男性で、タミフル投与開始から5日後の夜に行方不明になり、翌朝、川で遺体となって発見された症例です。

 いずれの症例につきましても専門家からは、情報不足等により被疑薬と死亡の因果関係が評価できないものとされております。

19ページは、死亡症例の医薬品医療機器総合機構の因果関係評価でございます。平成16年以降の報告が評価されており、89例のうち被疑薬と死亡との因果関係が否定できないとされているA評価が4例。因果関係が認められないというB評価が14例。情報不足で因果関係が評価できないというC評価が71例ございました。

20ページ以降は、販売開始以降のタミフルの死亡症例の集計でございます。

 資料2-4、ザナミビル水和物、販売名リレンザについて御説明いたします。

 1ページは、重篤な副作用報告状況ですが、推定使用患者数は146万人。重篤副作用報告症例は52例、96件。

 異常行動は2ページに*をつけておりますが、5件報告されております。

 3ページは、前シーズンの副作用報告の状況でございます。

 4、5ページに異常な行動の事例を記載しており、こちらもタミフルと同様、副作用名にかかわらず急に走るなど、飛び降りや転落などに結びつくおそれのある異常な行動があった症例を集めており、5症例ございます。10歳代が4症例、90歳代が1症例です。

 症例番号1番のように、投与開始後、家の中を走り回ったり、飛び降りたりした症例が報告されております。

 6ページ、死亡症例の報告は1例ありました。妊娠24週目に母親が本剤を服用した翌日に早産分娩となり、低出生体重児を出産しましたが、生後36日後に小児は死亡されたという症例でございます。専門家からは、情報不足などにより被疑薬と死亡との因果関係が評価できないものとされております。

 続いて資料2-5、ペラミビル水和物、ラピアクタについてでございます。

 推定使用患者数は1ページにございますが、約24万人。重篤副作用報告は27例、30件でございます。異常行動は1例報告されております。

 3ページに異常な行動を記載しておりますが、10歳代の方が点滴静注中、眠っていたが突然起きて走り出したという症例です。

 死亡症例は報告されておりません。

 資料2-6、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物、販売名イナビルにつきまして御説明いたします。

 推定使用患者数は約331万人。重篤な副作用報告は39例、47件ございました。異常行動は7件報告されております。

 3~6ページが、異常な行動が見られた症例で、10症例報告があり、うち6症例が10歳代でございました。本剤は単回吸入するのですが、走り出す、部屋から飛び出そうとするといった症例が報告されており、10歳代は1番、3番、5番、6番、7番、9番でございます。

 7ページは死亡症例をまとめたもので、3症例報告されております。

 症例番号1番は、20歳代の男性で、投与から6日後、遺体で発見された症例でございます。投与から2日後までは携帯電話を使用されていたと警察から情報が入っております。

 2番は、80歳代の男性で、投与から2日後の朝、死亡が確認された事例です。

 3番は、30歳代の女性で、投与日の翌日、患者の死亡が確認された事例で、詳細情報は不明です。

 いずれの症例につきましても、専門家からは情報不足などにより被疑薬と死亡との因果関係は評価できないとなっております。

 以上でございます。

○五十嵐座長 御説明どうもありがとうございました。

 それでは、事務局からの御説明に対しまして、御意見・御質問をいただきたいと思います。それから、異常行動についての御議論、先ほど岡部先生と大日先生から御報告をいただきましたけれども、それも含めまして御意見をいただければ幸いです。よろしくお願いします。

○柿崎委員 各薬剤で、販売総数に対しての異常行動の頻度や死亡数の頻度には差があるのでしょうか。

○事務局 御指摘の製剤ごとの差につきましては、現在詳細な分析を行っておらず、この場で御報告することができませんので、宿題として持ち帰らせていただきまして、追って御報告させていただきたいと思います。

○五十嵐座長 ほかはいかがでしょうか。

 きょうは、桃井先生と水口先生にもおいでいただいているのですけれども、小児神経の専門家から見ると、このデータを見て薬剤と異常行動との関係について、詳細なデータはまだ出ていないということですけれども、これまでのデータから見ると何か言えることはございますか。印象でも結構ですけれども。

○水口参考人 たくさんのデータがあるのですけれども、かなり雑多なものを見ているので、大半は関係の薄そうなものが多いと思いますけれども、中に関係があるものが入っているのかどうかという目できっちり見ていくことが大事かなと考えております。

○桃井参考人 先ほどの御質問にもありましたけれども、例えば、死亡症例の絶対数と死亡症例の中のパーセンテージが出されていても、その数字が何を意味するかというデータにはならないので、これを先ほどは想定服用者数といいますか、処方数といいますか、その母数にしてというお話が出ましたが、それ以外にも、その年の年代罹患者数等、母集団の切り口をいろいろとってパーセンテージを出してみないと数字の意味を評価できないと思います。なおかつ死亡者の母集団をそれぞれ複数工夫して出してみた数字と、年度ごとの異常行動との割合が相関しているのかどうか、異常行動が多いときには死亡者数もやはり多いのかとか、多分そうだと思いますけれども、検討できる数字の出し方をもう少し工夫していただけるとその中から有意な情報がくみ出せてありがたいと思います。

○五十嵐座長 これは研究班のほうでは、過去のデータからそういうことができるのでしょうか。それとも、この研究はこれからも続くわけですけれども、今後そういうことを検討するのか、どちらでしょうか。

○事務局 岡部先生、大日先生も御協力いただいております異常行動症例の研究では、現在、医療機関から寄せられている情報をもとに集計結果を御報告いただいておりますけれども、今後、ナショナルデータベース等別の医療情報を用いた正確な患者数に基づいた統計学的な調査分析等も御検討されていると伺っておりますので、これは一例ではございますけれども、そういった追加的な情報等得られましたら、そちらについてもまた御報告させていただきたいと考えております。

○五十嵐座長 それは、時間的にはどのくらいである程度のデータが出る見込みなのですか、それはまだわかりませんか。

○岡部参考人 データベースのソースがうまくとれればいいのですけれども、そのところはいろいろ組み合わせや、どこをクリアーしなければいけないかということで、結局データベースが確実にとれていないので、計画としては今年度中にいきたいところなのですけれども、シーズンがスタートしているわけなので、年度中に間に合うかどうかはわからないです。できれば途中からでも組み入れたいと思っているのですが、基本的に今までのやり方の調査方法は踏襲しておきたいので、そうすると、研究班か事業なのかという議論になってしまうのですが、私たちとしては継続してやりたいと。プラスαで御意見のあったような新しい検討もやりたいと思っています。

○五十嵐座長 わかりました。厚労省もそれでよろしいですか。

 ほかに御意見はいかがでしょうか。どうぞ。

○岡田参考人 もし新しい検討を加えられるのだったら、この調査研究は抗インフルエンザ薬の安全性だと思いますけれども、死亡例の中にインフルエンザワクチンを接種してあるかどうかを聞くことは可能でしょうか。

○岡部参考人 ワクチンは項目としては入っていますので、私もデータとしてまとめているものを見ていないのでわかりませんけれども、ただ、症例数は少ないです、死亡は特に昨年はないということなので、そこのところはちょっとわからないです。

○岡田参考人 事業のほうはどうですか。

○事務局 既に企業から得られている情報や、医療機関から得られている副作用報告の中で、経過等の患者情報としてワクチンの接種の有無があらかじめ入っているものも一部あるとは思うのですが、かなり限られておりますので、そういった情報をできるだけ収集した上で副作用報告を上げるように、何らかの方策はできないかというのは検討させていただきたいと思います。

○五十嵐座長 どうぞ。

○望月委員 ちょっと集め方をよく理解していないので変な質問になってしまうかもしれないのですが、今回、重度な異常行動に関する調査というのは全ての医療機関にかけているということで、全ての医療機関に対して自発的な報告を求めているという形でよろしいでしょうか。

○岡部参考人 それは研究班のほうなのでこちらだと思いますけれども、一応、自発的な報告を皆さんにお願いしている形ですが、アンダーレポートはやはりあるだろうというのはあります。

 メーカーが集めているデータとの重複があるかないかについては、わかりません。

○望月委員 ありがとうございます。

 もう一点は、軽度な異常行動に関する調査というのは別に走らせていらっしゃるのですが、こちらは定点医療機関という形になっていて、これは特定の医療機関ですか。

○岡部参考人 軽度に関しては、インフルエンザ定点医療機関にお願いしています。

○望月委員 そうすると、軽度な異常行動に関する調査というのは、かなり確実にアンダレポーティングがないような形で集められているという理解をしていいのでしょうか。

○岡部参考人 数値としてはちゃんと確認したことがないのですけれども、定点の先生方のほうが関心が高いというのはあるだろうと思いますが、明確な答えにはなりません。

○望月委員 さっきナショナルデータベースを使われる研究もされるということでしたが、投与した分母に対してどのくらい異常が出たかというのを確実につかまえられるのは、この定点医療機関のほうかなと拝見していて思ったのですが、軽度な異常行動であっても、先ほどの医薬品間で違いがあるかどうかといったものも、ここから少し拾えないかなとちょっと思ったりしました。

○五十嵐座長 いろいろ御指摘をいただきまして、ありがとうございました。

 ほかに御意見・御質問ありますか。どうぞ。

○大野委員 これは、お答えにくい質問かなと思うのですけれども、幾つかの抗インフルエンザ薬を処方するときのお医者さんのパターンみたいなものはあるのでしょうか。例えば、非常に重篤なインフルエンザのときには、こっちを選ぶとか、子どものときにはこれを選ぶとか、そういうのはあるのでしょうか。それとも、そういうのは全然なく、皆公平だという形でデータを解釈したらいいのかということなのですが。

○五十嵐座長 岡田先生、いかがですか。

○岡田参考人 臨床側としては、例えば、入院をしたようなケースで点滴をするようなときには点滴薬を使っています。軽いケースに外来で点滴を子どもたちにはしませんけれども、入院して点滴するような場合には点滴薬を使ったり、もちろん吸入できない子どもたちには吸入薬は使えませんが。子どもたちのは年齢と重症度に合わせて、ある程度は選択しているのかなと思います。

○大野委員 内服薬と注射剤を比べれば、注射剤のほうが重篤な人に使われる可能性がありますか。

○岡田参考人 重篤かどうかわかりませんが、入院して点滴しているのに飲み薬かと患者さんからも言われることもあります。そういう意味合いで脱水を伴って点滴しているような場合には点滴薬を選ばれることが多い、私個人的にはそのようにしています。

○大野委員 ありがとうございます。

○五十嵐座長 ニュートラルに処方するわけではないというのが現場では、多分いろいろな状況を考えて、あるいは患者さんの希望で点滴するような方もいらっしゃいますよね。だから、なかなか難しいですね。バイアスはいろいろかかっているのではないかと思いますけれども。

 ほかはいかがですか。

 そろそろまとめたいと思いますが、よろしいですか。データがまだ不十分だったり、あるいは検討の余地もあるということなので、完全な結論はもちろん言えないのですけれども、タミフルを含めて抗インフルエンザ薬の服用と異常行動あるいは突然死等の因果関係を示唆する結果は今のところ出ていないと考えられると思います。

 逆に、タミフルに関しましては、現在、予防的な安全対策をとっているわけですけれども、これを敢えて変更する積極的な根拠も今のところないと考えたいと思います。そういうことなので、これまでの安全対策は継続するということにしまして、さらにインフルエンザに罹患したときの注意喚起を引き続き徹底していただきたいというのが適当と考えますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○五十嵐座長 ありがとうございます。

 それでは、今後も引き続き抗インフルエンザ薬の関連情報を収集する作業は進めさせていただきますし、それから、新たなデータベースを含めた検討等もなされるということですし、それから、研究班のほうとしても違った角度の検討もしてみるということですので、その場合にはいろいろな情報が出てくると思いますけれども、それらの情報に基づいて適切な評価を実施したいと思います。こういうことでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○五十嵐座長 それでは、この議論につきましては、そのような方針にしたいと思います。

 予定されている議題は以上ですけれども、事務局から何かございますか。

○事務局 特にございません。

○五十嵐座長 それでは、本日の調査会はこれで閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。


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