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2014年10月23日 第64回労働政策審議会障害者雇用分科会 議事録

職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課

○日時

平成26年10月23日(木)
10時00分〜12時00分


○場所

厚生労働省専用第12会議室(12階)


○出席者

【公益代表】菊池委員、武石委員、松爲委員、山川委員
【労働者代表】板垣委員、榎本委員、桑原委員、高松委員、斗内委員
【使用者代表】栗原委員、塩野委員、高橋委員、平岡委員、本郷委員
【障害者代表】阿部(一)委員、小出委員、竹下委員、堤委員
【事務局】生田職業安定局長、宮本障害者雇用対策課長、畑地域就労支援室長、松永調査官、川村主任障害者雇用専門官、中園障害者雇用対策課長補佐

○議題

(1)差別禁止指針について2
(2)合理的配慮指針について1
(3)その他

○議事

○山川分科会長

おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから「第 64 回労働政策審議会障害者雇用分科会」を開催いたします。皆様方、お忙しいところを御参集いただきまして大変ありがとうございます。本日は阿部正浩委員と中川委員が御欠席です。なお、広畑雇用開発部長は別の公務のため御欠席となります。それから、毎回お願いしておりますけれども、御発言をされる際には手を挙げてお名前を言っていただいてから御発言をお願いしたいと思います。

議事に入ります前に、新たな委員の就任がございましたので事務局から御報告をお願いいたします。

○松永調査官

障害者雇用対策課調査官の松永です。お手元に配布している参考資料 1 に分科会委員名簿がありますのでそちらで御説明します。新しく委員に御就任された方については下線を引いております。労働者代表の委員につきまして、日本労働組合総連合会総合労働局雇用対策局長の高松和夫委員が新たに御就任いただいております。

○高松委員

連合の高松でございます、よろしくお願いいたします。

○松永調査官

異動の関係は以上です。

○山川分科会長

どうぞよろしくお願いいたします。それでは議事に入ります。議事次第にありますように、本日の議題は、「 (1) 差別禁止指針について 2 」、 (2) 「合理的配慮指針について 1 」、 (3) 「その他」となっております。議題 1 「差別禁止指針について 2 」を事務局から御説明をお願いいたします。

○松永調査官

障害者雇用対策課の松永です。差別禁止指針の御説明に入る前に一点だけ、スケジュールの関係について御報告させていただきたいと思います。参考資料 2 でスケジュールをお示ししています。前回、このスケジュールを御説明させていただきました際に、諮問答申の前に差別禁止と合理的配慮、二つ指針があるわけですけれども、その両方の指針について議論する機会を設けてほしいという御意見をいただいたところです。それを踏まえ 12 月の第 66 回ですが、両指針のまとめ 1 という形で議題を設け、二つの指針について議論する機会を設けたいと思っております。

本題に入りたいと思います。前回、差別禁止指針の関係について御議論いただきました。前回いただきました御意見を踏まえ、修正をした所について御説明をさせていただきたいと思います。お配りしております資料 1 を御覧いただければと思います。前回から修正した所は赤字で下線を引いて示しております。修正点は一箇所です。具体的には 2 ページの第 2 の「差別の禁止」の「 1 募集及び採用」の (2) の記述のところです。差別の具体的な例をイロハという形で記載してますが、もともと当初案では本文の一番最後にお示ししましたが、前のほうに記載したほうが分かりやすいのではないかという御指摘があったことを踏まえ、イロハの事例の位置を前のほうに修正しております。

この他、御意見としては「一定の職務の」や「一定の役職」といった「一定の」という記載についての御意見、あと労働能力等の「等」の記載に関する御意見などもいただきました。ただ、なかなか適切な修正案もないということもあり、御指摘のあった懸念の点については別途通知、あるいは Q&A といったものを今後作成する際に、その中で周知するというような方向で対応したいと考えているところです。前回からの修正点に関する説明は以上です。

○山川分科会長

ありがとうございました。差別禁止指針 ( ) の修正について事務局から説明がありました。この差別禁止指針 ( ) につきまして何か御質問・御意見等はありますでしょうか。

○高松委員

連合の高松です、どうぞよろしくお願いいたします。 2 ページの「第 3 差別の禁止」の (3) で一つ意見と質問があります。 (3) 2 行目の「当該条件が当該企業において業務遂行上特に必要なものと認められる場合」という箇所です。ここで言う当該条件は、障害者が必要とする合理的配慮を提供しないことを正当化する理由とならないようにすべきであると思っております。これが 1 点です。

もう一つは質問ですが、同じ職務内容であるにもかかわらず企業間あるいは事業所間で当該条件の差が発生してしまうという懸念があります。同じ職務内容で採用される場合に公正・公平が担保されるべきですが、どのように担保していくお考えなのか、事務局のお考えを聞かせていただければと思います。以上です。

○山川分科会長

2 点ございました。 1 点目が御意見、 2 点目が御質問ということでした。二点目につきまして、企業間や事業所間での労働条件の差異との関係での御質問かと思います。その点等について何か事務局からありますか。

○松永調査官

障害者雇用対策課の松永です。 2 点目の御質問の意図が十分つかみ切れていないところがあるのかもしれませんが、基本的に募集、採用というのは個々の企業の中で人材を募集するというのがあって、そのときに条件を付けるということであればどういう人材を求めるか、そのときにどういう能力が必要かを事業主の方で御検討いただいて、必要があればそこで条件を付し、募集要綱に記載されるということになろうかと思います。人材を募集するというのは時々の局面により、事業主によっても当然求める人材の水準というのは個々の企業なり、同じ企業の中でもどういう職務で求めるかということによって変わってきます。そこはいろいろな、こういう人材のときにはこういう条件というのはその時々の状況によって違いが出てくるのは一定程度あるのかなと思っております。

ただ、 (3) で申し上げたのは、先ほど 1 点目、後段のくだりでもありますけれども、業務上特に必要でないにもかかわらず排除することを目的として条件を付けるということは、これは差別に当たるということも明記しているところです。そこはそういったことがないようにということをしていくことは重要なことだと思っております。 2 点目は御指摘にかなっているかどうか分かりませんが、そういった考えでございます。

○山川分科会長

ありがとうございました。高松委員、よろしいでしょうか。

○栗原委員

栗原です。今後もあると思うので、一言意見を言わせていただきたいと思います。各項目にほとんどイロハが付いていて、そのイロハに書かれている内容については別に構わないと思うのですが、イロハより前に書かれている文言とイロハに書かれているかなりダブると思います。イロハを入れるのであれば、イロハより前に書かれている文言をもう少し簡素化できないでしょうか。

例えば、 5 ページの「 10  退職の勧奨」 (2) を簡素化すると、「退職の勧奨に関し、次に掲げる措置のように」の後に、「その条件を障害者に対してのみ不利なものとすることは、障害者であることを理由に差別に該当する」として、その後にイロハが続くような表現にする。表現を工夫することによって簡素化することができるのではないでしょうか。以上です。

○山川分科会長

ありがとうございます、簡素化ということで御意見をいただきました。内容の実質とはまた別に分かりやすさ、読みやすさという観点からかと思います。事務局で今後、更に修文を重ねる際に検討をしていただけるでしょうか。今おっしゃられた部分ではないのですが、念を入れてと言いますか、ここまでの御意見の中で重複になってもあえて書くという部分が一部確かあったように記憶しております。その点はともかく、分かりやすさという観点から更に工夫をしていただきたいという点は御検討を事務局にお願いしたいと思います。調査官、何かございますか。

○松永調査官

記載ぶりについてはまた御議論いただければと思います。今回、 (2) で差別の考え方を書いているのですが、そのときの考え方としては本文のほうで一応包括的にこういうものが差別、例えば退職の勧奨なら勧奨でこういうものが差別ですというものをある程度最初の本文の所に入れて、そのときの具体的な当てはめとしてイロハという事例を書いているということです。結果的に内容として重なるというのはあり得る、というのは前提として書いているというのは事実でございます。あと表記の仕方として、おそらく考え方自体に異論があるという御指摘ではないと理解しておりますけれども、表記の仕方等についていろいろ御意見等をいただければと思っております。

○山川分科会長

それでは、全体にわたってそのような観点から更に修文をしていただきたいと思います。ありがとうございます。他はいかがでしょうか。

○竹下委員

竹下です。募集の (3) の所に「一定の能力を有することを条件とすることについては」というくだりがあるわけです。これは誤解を招くので非常に気になります。

例えば視覚障害者の場合、当たり前の話として活字文字が読めないわけです。これを能力と捉えるならば、そのことによって排除されることはイコール差別だということになるのか、ならないのかということが根本的にどうしても引っかかるわけです。ここで言う「能力を有することを条件とすることについては」云々、この能力は誤解を招かないためにどういうように中身を限定するのかということについて、もし事務局で考え方を説明していただけるならいただきたいということが 1 点です。

それに関連するかと思うのですが、一番最後の 14 番、差別にならない場合として列記されているところのロの「合理的配慮を提供し、労働能力等を適正に評価した結果として異なる取扱いを行うこと」ということになるわけです。この場合の合理的配慮をしても労働能力等を適正に評価した結果、という場合の労働能力という場合にも、ここにまた限定して言えば視覚障害であるがために文字が読めない、あるいは移動に時間がかかるということが労働能力の一部だと評価されるとすれば、多分差別は解消できないことになってしまうと懸念するわけです。この点はどのように整理するのかについて、事務局の説明をいただければありがたいと思います。

○山川分科会長

ありがとうございます。第 3 1 (3) 、同じく第 3 14 の「労働能力」に関わる御質問でした。これは第 3 1 (4) の中の「合理的配慮」とも関わりがあろうかと思います。事務局への質問ですので松永調査官、お願いいたします。

○松永調査官

障害者雇用対策課の松永です。まず一点目の質問の、一定の能力を有することを条件とする、というところですけれども、これは研究会のときにもいろいろなお立場、団体の方からヒアリングをして、特に障害者からすればそういった条件を付されていることが結局、結果として障害者の方が排除されてしまうような御指摘があったところです。

ただ、一方で事業主の立場からすれば、ある人材を募集して、その人にやってもらう仕事を考えたときに、どうしてもその能力ができないとなかなか事業主として求める仕事ができないということもあり得ます。別に差別する意図があるわけでもないのですが、そういったことでどうしても必要なものもあるということです。

したがって、少なくとも (3) の後段のくだりにありますように、先ほどおっしゃっていたような活字文字といったものが読めるかどうかは特に必要でないにもかかわらず、ある種、視覚障害者の方を排除するために条件を付すというようなことであれば、そういったものは差別に当たるのだろう。その一方、前のほうに書いてありますように、その条件自体が業務遂行上特に必要であるということで認められれば、それ自体は差別ということにはならないのだろうということで書いている。そういった考え方の中でこういった記載をしているというものです。

もう一点ありました。最後のページのほうの、 14 「法違反とならない場合」のロとして、「労働能力等を適正に評価した結果」という点の能力の考え方ですけれども、労働者のいろいろな人事評価などをするときはどうしても労働者の方が持つ能力を評価して、その結果、処遇等に差が付くということはある程度やむを得ないということで、そういったものは差別にはならないということで、ロに記載しているということでございます。

ここにもありますとおり、能力等を評価する前提として、冒頭にもありますが「合理的配慮を提供し」ということを書いております。先ほど視覚障害者の例でおっしゃられましたが、ある種活字の文字が読めないということに対し、過重な負担にならない範囲で合理的配慮をしていただくということに今後なるわけです。そういった合理的配慮をした上で能力を評価していただくということで、ここは書いてあるということです。ただ、いずれにしても、先に申し上げたように能力の中で差が出てきて、それによって処遇に差が出るというのは雇用の分野では健常者も含めて当然の扱いであります。そういったことに伴って処遇等に差が出ることがあったとしても、それは差別には当たらないということをこの 14 で申し上げているという趣旨です。

○山川分科会長

ありがとうございます。今、 14 のロについて合理的配慮の提供が前提になるという御説明をいただきました。先ほど、私がお話を振った際の補足は、第 3 1 (4) の中でも、能力を有することを条件とする場合には同指針の合理的配慮が前提になっている、 (3) にもかかってくるといいますか、それを前提としたことであるということをちょっと補足したいと思います。同じ 14 のロと整合的、あるいは同じようなことであるということです。

○竹下委員

竹下です。今の調査官の説明自身は特に異論があるわけではないし、また事業主から見て特に生産性もそうでしょうけれども、言わば労働能力を問題にせざるを得ないということについて否定するつもりはありません。

ただ、そうは言ってみても、例えば文字の関係で言いますと、今はほとんどいないのかもしれませんが例えば識字と視覚障害のために文字が読めないということを同視するということはあってはならないだろうと思います。その関係でも、現状を見ても、活字文字を読めないということを募集の段階で条件にしている例というのは極めて多いわけです。でも熊本市でそのことが問題になりましたし、それ以外の自治体でも数知れずあるわけです。

そのときに、ほぼ一貫して言われるのは、視覚障害者を排除するつもりはないということは必ず断りとしておっしゃいます。でも、現実に活字が読めないということ、その後ろに出てくる業務遂行上云々に必ず引っかかるというか、関連して必ずこのことは付いて回っているわけです。そのことはこの募集段階では極めて重要な壁になっていると思います。ですから、ここはもう少し表現を何とか限定してというか、そういう形で不合理な取扱いや差別が生じない表現をするためにも、「一定の能力」という表現はちょっと広過ぎるというか、曖昧過ぎる気がするので何とかならないかという思いがどうしてもします。

今の調査官の説明を聞いた上でも、例えば視覚障害者を排除するためというのは話になりません。それから、点字の採用試験をする、しないというのは自身のところで合理的配慮に絡んでくることは分かるのですが、募集要綱で「活字が読める者」と書いてあったら視覚障害者を排除したのではなくて、識字の人も排除するためだと仮に言った場合、視覚障害者の取扱いは結果的にどうなるのかということはどうしても残るかと思います。ここを解決するためにも、「一定の能力」に対して誤解を招かないための説明をどこかで加えるか、表現をもう少し適正にしていただきたいというのが強いお願いです。

○山川分科会長

ありがとうございました。説明を加える、ないしは表現の工夫についてでした。これは更に修文の機会がありますので事務局として御検討いただけるでしょうか、よろしいでしょうか。他に差別禁止指針案について何かございますか。

○堤委員

全福連の堤です。私どもは精神の団体ですが、今回の資料を全理事にメールで送りましたら差別、合理的配慮までまだ行っていませんが、差別のところが非常に分かりにくいとのことでした。もう少し具体例を挙げてくれないかということでした。というのは、この会議で最終的に来年 2 月に指針のまとめが終わりますと、その後一年ほどかけて啓発に入りますということを聞いています。ただ、啓発に入るということは当然ポスターやチラシなど作られると思うのですが、そのときはパンフレットやチラシに具体例を出して配布されると思うので、もうちょっと具体例に落とし込むといいますか、そういうことをお願いできないかという要望が来ました。確かに、これをメールで送っただけで私自身も十分に理解していませんし、全国の理事の方もなかなか一回読んだだけでは分からないと思います。差別というのは、精神の場合の差別がここにありますが、具体的にはどういうことなのかよく分からないという意見が出たものですから、そのことは是非今日の会議でお伝えしていただきたい。何が差別かの基準を出して、具体的に明らかに出してほしい。そうしないと、来年 3 月以降の啓発にしても具体例を出さないとパンフレットの作りようがないのではないか。そういう意見が出たものですから意見として申し上げました、以上です。

○山川分科会長

ありがとうございました。ただいまの御発言は言わば指針の内容の盛り込み方、あるいは盛り込む内容の問題と、今後啓発ないし情報提供・周知に向けて種々の活動をしていくに当たっての具体例の示し方ないし分かりやすさとの、二つ趣旨が入っていたかと思います。お願いします。

○松永調査官

障害者雇用対策課の松永です。御指摘のとおり、今後、じっくり周知期間を持って周知をしていく。その際にはなるべく分かりやすく周知するということは非常に重要だと思っております。そういったときに際して、特にこの後議論になります合理的配慮の方でいただいたのですが、なるべく配慮の具体的な事例も指針と合わせて収集して提供していくことも是非やってほしいということは研究会の中でも御議論があったところです。私どもとしても、そういった取組をやっていかなければいけないということを思っています。また、同様に、どういったものが差別に当たるのか。今後、またいろいろ相談事例などの蓄積がありますので、そういったものも集めていきながら、分かりやすく理解してもらうという趣旨も踏まえてこういった事例を集めることは別途やっていきたいと思っております。

ただ、ここはあくまでも指針ということで、規範的なものになりますので、そういったところでどういう表記をするかとはまた別の考え方もあるのかとは思っています。私どもとしては今、事務局案でこういう指針案をお示ししつつ、具体的なものとしては別途いろいろ PR する、周知する手法を考えていきたいと考えているところです。

○山川分科会長

ありがとうございます。よろしいでしょうか。団体としてもこれからの周知に向けて御協力ないし御活動されるということで、その際の連携も重要かと思います。よろしくお願いいたします。差別禁止指針案につきまして特にございませんようでしたら、議題 2 「合理的配慮指針についてマル 1 」の議論に移りたいと思います。先ほどと同様に、事務局から資料の説明をお願いします。

○松永調査官

障害者雇用対策課の松永でございます。それでは、今日の 2 つ目の議題の「合理的配慮の指針」について、御説明いたします。資料は、資料 2-1 と資料 2-2 2 つですが、まず資料 2-1 から御説明いたします。

合理的配慮の指針についても、差別禁止指針と同様に、研究会の中でいろいろ議論をしていただきました。そこで報告書が出ているわけですが、これを踏まえて事務局として指針案を作成しています。

まず第 1 「趣旨」ですが、これは法律の規定に基づいて事業主が講ずべき措置に関して、その適正かつ有効な実施を図るために必要な事項について定めたものとしております。第 2 が「基本的な考え方」です。ここでは事業主の範囲、障害者の範囲を明記するということで、 1 行目に「すべてての事業主」と書いているのと、 2 行目に「障害者」とありますが、そのあと括弧で法律に書いてある障害者の定義を明記しており、あとは法律の条文を引用しておりますが、合理的配慮としての必要な措置を講じなければならないと記載しております。

その下で、合理的配慮に関する基本的な考え方は以下のとおりである、ということで 4 点記しております。まず 1 つ目は、合理的配慮は障害者の個々の事情と事業主側との相互理解の中で提供されるべき性質のものであるということ。 2 点目については、採用後の合理的配慮については、事業主がその雇用をする労働者が障害者であることを知り得なかった場合には、合理的配慮の提供義務違反を問われないということ。 3 点目は、過重な負担にならない範囲で合理的配慮としてとり得る措置が複数あったときは、事業主はより提供しやすい措置をとることは差し支えないということ。障害者が希望する合理的配慮に係る措置が過重な負担だったときは、事業主は過重な負担にならない範囲で合理的配慮に係る措置をとることとしております。 4 は差別の指針でもありましたが、障害者も共に働く 1 人の労働者であり、事業主や同じ職場で働く者が障害特性に関する正しい知識の取得や理解を深めることが重要であるとしています。

3 は合理的配慮の手続です。 1 つ目は、募集及び採用時における合理的配慮の提供です。 (1) は障害者からの合理的配慮の申し出ということで、合理的配慮が必要な障害者がその支障となっている事情を申し出ることにしております。その上で (2) で、合理的配慮に係る措置の内容に関する話合いを事業主と障害者との間で持っていただき、 (3) で確定となります。事業主側から措置の内容について障害者に伝える。それから、必要に応じて当該措置を講ずることとした理由あるいは過重な負担に当たると判断した場合は、その理由も含めて御説明を頂くことにしております。

2 は「職場における合理的配慮」で、採用後のものです。こちらは (1) で事業主からの職場における支障となっている事情の有無の確認としております。ここはイとロで場合分けをしており、イが労働者が障害者であることを、当初から把握している場合ですが、こういった場合は雇入れ時までに支障となっている事情の有無を確認するとしております。

ロは、雇入れ時までに事業主が障害者であることを把握できなかった場合については、障害者であることを把握した際、雇入れ時に障害者ではなかった場合については、障害者となったことを事業主が把握した際に、支障となっている事情の有無を確認するとしております。

ハは、障害の状況や職場の状況が変化することもありますので、事業主は必要に応じて定期的にそういった支障となっている事情の有無を確認するとしております。あとはなお書きで、事業主からの確認を待たず、障害者のほうから申し出ることも可能である旨も書いております。

そういった最初の確認があって、 (2) で話合いということで、事業主と障害者の間で話し合っていただく。 (3) で、合理的配慮の確定ということで、こちらについては、先ほどの募集・採用時と同じです。

最後に 3 とありますが、この一連の手続の中で、障害者の意向を確認することが困難な場合は就労支援機関の職員等に障害者を補佐することを求めても差し支えないとしております。

4 「合理的配慮の内容」です。まず 1 で、合理的配慮とは次に掲げる措置であるということで、法律の規定を明記しています。まず募集・採用時については、健常者との均等な機会の確保の支障となっている事情を改善するための必要な措置。 (2) で採用後については、均等な待遇の確保、障害者である労働者の有する能力の有効な発揮の支障となっている事情を改善するための必要な措置としております。

2 は例えば、次に掲げる措置が合理的配慮として事業主に求められるものではないこと、ということも明記しております。まず (1) は、日常生活のために必要である眼鏡や車いすを提供すること。 (2) は、中途障害により、配慮しても重要な職務遂行に支障を来す場合に、当該職務を継続させるといったことが書かれます。ここもただし書きで、そういった場合でも、別の職務に就かせるといった、他の合理的配慮を検討することになること、ということも明記しています。

3 は、合理的配慮の事例ですが、多くの事業主が対応できると考えられる措置として、別表のとおりであることとしております。別表についてはあとで御説明いたします。

4 は、この合理的配慮というのは非常に多様かつ個別性が高いということで、別表に記載された事例は、あくまでも例示であることも明記しています。

5 ページの「過重な負担」です。事業主は過重な負担については、次に掲げる要素を総合的に勘案しながら個別に判断するとしております。ここは研究会でも議論があった要素をそのまま入れております。 (1) は事業活動への影響の程度、 (2) は実現困難度、 (3) は費用・負担の程度、 (4) は企業の規模、 (5) は企業の財務状況、 (6) は公的支援の有無と、以上、 6 つの要素を総合的に勘案するということで示しています。

6 は「相談体制の整備等」です。事業主というのは、労働者からの相談に応じて適切に対応するため、次の措置を講じなければならないとしております。 1 つ目として、相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備ということで、相談対応のための窓口をあらかじめ定めて周知をする。 (2) は、窓口の担当者が適切に対応できるような必要な措置を講じることとしております。

2 は「相談があったときの適切な対応」で、支障となっている事情の有無を迅速に確認する。その支障となっている事情が確認された場合は、合理的配慮の手続に沿って適切に行うということです。

3 は、相談者のプライバシーを保護するために必要な措置を講ずるということ。 4 は、合理的配慮に関して相談したことを理由として、解雇その他の不利益な取扱いを行ってはならない旨を定めて、周知・啓発するといったことを記載しています。

以上が資料 2-1 の説明です。あと資料 2-2 で、先ほど御紹介した別表を示しております。こちらについては、先の研究会で議論して、まとめていただいた別表をそのまま事務局案として提示させていただいております。詳細な説明は割愛いたしますが、視覚障害をはじめとして、障害者別に具体的な事例を列記しております。

以上が指針案についての説明です。このあと参考として、今日配布した資料の最後に「要望書」を付けております。これは一般財団法人全日本ろうあ連盟をはじめとして、 5 つの団体から、この分科会での議論の参考にしてほしいということで、今般の指針についての要望書を頂いております。中身の説明は省略いたしますが、こちらについても参考にしながら御議論いただければと思います。私からの説明は以上です。

○山川分科会長

「合理的配慮指針 ( ) 」について説明をしていただきました。指針案本体のほうは、指針の研究会報告に基づいて指針の形で文書として作ったということで、資料 2-2 の別表は指針の研究会報告書で作成した別表そのものを御提案していると思います。

それでは、別表を除く指針案本体から、御質問、御意見をお願いできればと思います。いかがですか。

○榎本委員

労働側の榎本です。指針の研究会の報告では、職場復帰について項目を立てるべきという御意見があり、報告書にも記載がなされました。前回の分科会では、再雇用については採用に含まれる、労働時間については勤務のシフト、配置などに含まれる、職場復帰については合理的配慮指針の中で扱う内容である、との御説明を頂きました。職場復帰について、本日示された合理的配慮指針の事務局案において、どの部分に反映されているのかを確認させていただきたいと思います。

2 ページの第 3 の「合理的配慮の手続」についての (1) 障害者からの合理的配慮の申し出のイに関する部分ですが、企業などの採用募集要綱などに合理的配慮の申し出について記載することが応募者への周知や本制度の実効性を高めるということにつながっていくと考えていますが、この点について記載を加えるべきではないかと思っています。

その下のロについて、下から 2 行目の途中からですが、「障害者は面接日等までの間に時間的余裕をもって事業主に申し出る」となっていますが、これはもちろん理想ではそうであろうと思いますが、そういう時間的余裕がない、つまり、健常者であれば普通にできることが、できないこともあり得ることから、ここは時間的余裕という表現が曖昧ですので、この点も明らかにしたほうが良いのではないか、と御意見を申し上げます。

○山川分科会長

3 点御発言を頂きました。基本的には御意見ということだったかと思いますが、 1 点目は御質問だったでしょうかね。

○松永調査官

障害者雇用対策課の松永でございます。前回議論したときの職場復帰については、合理的配慮のほうでということですが、具体的な事例としては、別表の資料 2-2 で記載をしており、職場復帰をするときの配慮としてはいろいろな配慮があり得ると思います。よくあるのは、最初のうちは勤務時間を短くするとか、出勤時間を遅くしてあげるというのは配慮の 1 例としてあり得ると思います。そういったものについては、例えば視覚障害でいきますと、出退勤時刻・休暇・休憩に関して通院・体調に配慮することというところで読めるという思いで考えているところです。

あとは職場復帰の一部ですが、中途障害によるときの復帰も職場復帰になり得ると思いますが、別表の最初の注意書で、「採用後の事例は中途障害によるものを含むこと」ということも書いております。これは先ほど来あるようなそういったケースにおける配慮も、結果として、ここに書いてある事例と重なるものがありますので、重複して考えられるわけですが、そういったものを含むということを明記すべきではないかといった研究会での御意見を踏まえて、こういった記載をしています。そういったところで併せて職場復帰における配慮もこの中に含まれているのかなという理解をしています。

○山川分科会長

榎本委員、よろしいでしょうか。

○榎本委員

御説明については、了解いたしました。

○松爲委員

松爲でございます。 2 点あります。 1 つは意見というか要望というか、状況をお伺いしたいと思います。例えば、 1 つの事例で精神が義務化されたときに、精神の雇用率で雇用されました。でも、精神の手帳は 2 年間で解除されます。 2 年目になったら、「私は精神という格好で入りたくありません」と。そうしたら企業のほうでは、精神は解除しますと。でも、精神に入るときに合理的配慮をやりました。でも精神の手帳はなくなりましたから一般と同じですと言ったときに、合理的配慮は解除されるのですか。つまり、今までは合理的配慮を作ることばかりを考えましたが、合理的配慮が必要がないときは解除するということに関して、どういう形で考えればいいのかということです。

2 点目は、実際にこういったときに当事者との間で企業体で話をするときに、必ず間に支援センターを含めたいろいろな中間の調整をする人たちが間違いなく入るのです。そういった人たちに対しての合理的配慮全体の文書ではほとんど関わって書いてないので、それは書かなくてもいいのだろうか。基本的には配慮の問題ですから、労使の問題かと書きますが。実質的に支援する人たちが現場へ行きますと、一番身近に企業側と本人側との間でいろいろ調整しなければいけないときに、こういった問題がたくさん出てくると思うのです。そうしたものを踏まえたときに、合理的配慮のこの指針の中では、そういったものに全く触れなくていいのかどうか、そこが疑問です。この 2 つに対して意見というよりも、もし事務局で何かお考えがありましたら教えていただきたいと思います。以上です。

○山川分科会長

松爲委員から御質問の趣旨も含めて 2 点御発言がありましたが、松永調査官どうぞ。

○松永調査官

障害者雇用対策課の松永でございます。まず 1 点目の例えば精神障害者で途中で配慮をやる、やらないというのは、精神障害の方は症状の変化もありますので、そのときどきによってどういう配慮が必要かというのは変わってくると思います。指針にもありますが、非常に個別性、多様性があるということがありますので、人によって求められる配慮も変わってきますので、それはそのときどきの状況に応じて、それぞれ話合いをしながら配慮の内容を決めていただく。その中で、大分症状が良くなってきたので、もう配慮は要りませんということであれば、それはそういうことになるのではないかと考えております。

2 点目の支援センターですが、これは私どもハローワークなり、事業としてやっております障害者就業・生活支援センターなどもそうだと思いますが、いろいろな事業主なり、障害者からの相談に対して、ちゃんと援助していく、助言していくことは非常に重要なことだと思います。

そういったノウハウを支援センターとか、ハローワークもそうですが、そういったものの支援は、当然こういった合理的配慮を事業主が適切にやっていただくための手段でありまして、どう事業主なり障害者の皆さんなり、行政なりに支援センターがアドバイスしていくかという存在かなと思っております。別表にあるような事例はどういった配慮をすべきかということについて、いろいろなアドバイスをする立場でありまして、事業主の方からすれば、こういった配慮を考えるときにハローワークなり支援センターの方のアドバイスをもらう、場合によってはジョブコーチに来てもらってという形で支援を受けることも実際にはあるのかもしれませんが、そういった存在なのかなという位置付けで考えていました。

○松爲委員

松爲でございます。第 1 点目に関しては状況によっていろいろ変わりますから、継続的に何回も何回も話合いをしてくると。今お伺いしますと、 2 点目に関しては、必ずしも指針という中で文書化しなくても、実質的にこれを元に支援者側なりケア・マネなり障害者側が、これを基に踏まえていくという前提の下で動かしていくという話で、特に指針とは書かなくても動かしていきますという理解でよろしいのですよね。

○松永調査官

そうです。

○松爲委員

分かりました。ありがとうございました。それでいいです。

○山川分科会長

それでは、竹下委員。

○竹下委員

2 点です。先ほどの榎本委員の質問で回答いただいたのですが、私は少し理解できない点があります。復職する場合の問題が合理的配慮の部分に関わってくることについては理解しました。ただ、復職の際に差別が生じないために、その部分が全てそれで解決するのかということがよく分からないのです。

例えば、先ほどの差別のところでいうと、労働契約の形態の関係では、正社員が中途障害を負って休職した後、職場復帰するときに幾つかの問題が出てくると思います。具体的に掲げられるのは 3 つほどです。雇用形態が、例えば正社員から嘱託に変更される、復職に伴って職種を変更される、復職に当たって配置が転換されるといったことは合理的配慮の問題ではなくて、差別の問題はそこでどうしても拭い切れないというか、解決し切れない部分があるのではないかと思います。そういう意味では、復職のところについて、私は前回は出ていないので、どういう議論があったか分からないまま話していることはお許し願いたいのですが、やはり差別の部分は注意しておく必要があるのではないかと思います。

もう 1 点は、合理的配慮の第 3 の合理的配慮の手続の (2) で話合いというのがあります。この話合いのところで、当事者と話し合うのは当然よく分かります。そのあとのなお書きで「障害者が希望する措置の内容を具体的に申し出ることが困難な場合」というところに関わってくるかと思いますが、どういう配慮を求めることが自分のハンディを克服し、あるいは労働能力を高めることができるかというのは、障害者自身が熟知している場合がごく少ないと思います。そういう点では専門機関、支援機関の援助を受けながら合理的配慮を考えることが非常に重要です。

視覚障害者で言いますと、補助機器の専門機関あるいは一定のトレーニングをも含めた補助機器や職場の工夫の在り方みたいなことについてアドバイスいただける機関のアドバイスは極めて重要だと思います。そのことは話合いの場合に、それを加えるということを、ここに表現していただくことが必要ではないかと思います。以上です。

○山川分科会長

2 点で、 1 つは差別禁止のほうの問題かと思われます。特に復職の場合の雇用形態変更等に関わる問題、それから合理的配慮の手続に際して、先ほどの松爲委員の御発言とも関わりますが、具体的な合理的配慮の中身を話し合っていく際の支援の問題についての御意見かと思いますが、事務局からありますか。

○松永調査官

障害者雇用対策課の松永でございます。まず 1 点目の職場復帰の関係の差別指針との関係で頂いた御指摘で、問題のある事例として出てきたものとして、正社員から嘱託になるとか、職種が変更になるとか、配置というものの差別については、もともとの差別の指針の中でも、雇用形態の変更という項目を設ける、あるいは職種の変更とか配置もありますが、そういう項目は既に立てているところです。

そういった中にも書いてあって、障害者であることを理由として排除するなり、不利な形にするということになれば、そちらの差別ということになって、それはそれぞれ雇用形態の変更あるいは職種の変更といったところで明記されていると思っています。

もう 1 点、先ほど松爲委員からもいただいた第三者との関係ですが、先ほども申し上げましたとおり、こういった差別の問題も合理的配慮もそうですが、ハローワークを始めとした支援機関がどういうときにでも相談に乗って対応するということは非常に重要なことだと思っておりますし、そういったことができるような準備も我々としてやっていくことは重要かと思っております。

これは研究会でも議論になったのですが、そういったものを、ここの手続の中で書くと、必ず第三者の助言を仰がなければならないのかどうかというところは一定の議論があろうかと思っております。研究会ではそういったこともあって、結果的にそこまでは明記されておりませんが、いろいろな情報提供なり支援はちゃんとやってほしいということは、別途御意見として頂いているところで、私どもとしてはそういったことで対応していくことは考えております。ここはいずれにしても指針の書き方ということですので、併せて御議論いただければと思っております。

○山川分科会長

意向確認が困難な場合に支援機関の職員等に補佐を求めても差し支えないということは書いてありまして、補佐を求めることと、企業側からアドバイスを求めることとは区別としてはかなり微妙なこともあり得るかと個人的には思っております。竹下委員、よろしいですか。それでは、平岡委員お願いします。

○平岡委員

平岡です。 1 点、要望と申しますか意見です。障害を有する方と話合いを経て決めていきます合理的配慮ですが、その内容によっては実現までに一定の時間を有するようなケースがあるかと思います。一方で事業主のサイドとして、過重な負担とならない合理的配慮であれば、速かに対応しないと法律違反を問われるのではないかと。そういった不安を抱いた場合、現有の施設や設備あるいは現状の働き方に限定をした対応にとどまってしまうことが懸念されるわけです。したがいまして、合理的配慮については、実現までの時間軸の視点が必要ではないかと考えます。

具体的には、指針案の 1 ページですが、第 2 「基本的な考え方」の 1 の「合理的配慮は障害者の個々の事情と等々、性質のものであること」という文がありますが、このあとに是非「また、合理的配慮の実現には一定の時間を要する場合もあること」といった時間軸の概念を付け加えてはいかがかと思います。意見です。

○山川分科会長

相互理解というのは、障害者の事情を事業主が理解する。逆に事業主側の事情も理解するという趣旨を含んでいるのかなと私としては思いますが。御意見ということですが、何かありましたら松永調査官お願いします。

○松永調査官

今の平岡委員からの御指摘で、一定の時間が掛かるというのは当然あり得ることだと思います。基本的に時間が掛かる要因としては、いろいろな予算の面、人的な面なり、いろいろな要因があるかと思います。そういったものについては私どもとしては過重な負担という範疇の中で、十分読み込めるものかと思っております。ただ、今の御意見はそういったところを指針に明記できないかという御意見と受け止めておりますが、このあとの御議論なども踏まえまして、どういう修正ができるか考えたいと思います。

○山川分科会長

御検討をお願いいたします。先ほどの松爲委員の御発言とも関係があるのですが、時系列的なことをどう評価するかは合理的配慮の解消の問題でもありますし、実現の問題でもあるということで、どのように盛り込むか、やや難しい面もありますが、実務上は時系列的な要素は、いずれの方向においても重要になってくるかと感じられるところでした。

○桑原委員

労働側の桑原です。 1 点質問と、それに関するお願いです。 1 ページの「基本的な考え方」の 2 で、「採用後の合理的配慮について、事業主が必要な注意を払っても知り得なかった場合」とありますが、「事業主が必要な注意」とは、どういう内容を想定しているのかという質問です。

それから、分かりやすくするということで言えば、例示が必要ではないかと思っておりますので、できれば例示していただきたい、というお願いですが、よろしくお願いします。

○山川分科会長

必要な注意の具体的内容あるいは例示が可能かということでしたが、松永調査官お願いします。

○松永調査官

障害者雇用対策課の松永でございます。「基本的な考え方」の 2 にあります「事業主が必要な注意を払っても」というのは、どの程度のことかということですが、これは従来から御議論いただいて御承知のとおり、今回の対象となる障害者というのは、手帳を持っている、持っていないにかかわらず対象になり得るということでして、指針としてはさらっと書いてありますが、この研究会の議論でも、どういうところまで確認するのかというところについての御指摘はいただいているところです。そういったところを整理していくことは、私のほうでも考えていかなければいけない課題かと思っております。これは本人のプライバシーの問題等もありますので、そういうことも踏まえて、今後どういうことが求められる、あるいはやってはいけないということになるのかについては考えていく必要があるかなという認識は持っています。

○山川分科会長

それでは、斗内委員お願いいたします。

○斗内委員

労働側の斗内でございます。私からは 5 ページの「過重な負担」で御質問をさせていただきます。先ほどの御説明では (1) (6) の要素を総合的に勘案しながら、過重な負担であるか否かを個別に判断していくとの御説明でした。その中で、 (4) の当該企業の規模が過重な負担の判断要素。 (5) 企業の財務状況。同じように「当該企業の財務状況が過重な負担の判断要素になること」という表現がありますが、このことが一体どのような場合を指しているのか、どのような場合を想定しているのか、お聞かせいただければと思っております。

○山川分科会長

では、御質問ですので、松永調査官お願いいたします。

○松永調査官

障害者雇用対策課の松永でございます。ここの過重な負担の判断要素については、ある措置をするときの判断になるわけですが、その措置に着目した要素と、実際にその措置を提供する企業に着目した要素があろうかと思います。御指摘の企業の規模については、後段のほうの提供する企業に着目した要素ということで、これは一般的に中小とか零細の事業主というのは、全ての事業主に義務が掛かるわけですが、中小とか零細の事業主にとっては、こういった合理的配慮に係る措置を提供するのは負担になりやすいであろうということを考慮して入れています。これはずっと議論していく中で、昨年の当分科会の意見書の中でも、合理的配慮の考慮要素としては企業の規模というのはあるだろうということは明記されておりまして、一定のコンセンサスはあるかと思います。

あとは企業の財務状況ですが、これは企業の中で赤字状態がずっと続いている状況があると、新たなコストを投入して合理的配慮をするのもなかなか難しい面があって、そういったものを判断要素として入れており、 (4)(5) の考え方は、提供する側の企業の着目したものということで考えています。

○山川分科会長

これは研究会のときも、この要素をどのように示していくか、あるいは考えていくかは議論になったところだと思います。今、調査官が言われたように、第 5 (1) (3) は、当該措置を講ずることによるということが出ているので、いわば措置に着目した要素である。 (4) 以降はそれとは別にということで、措置とは直接関係がないが、過重な負担の判断には影響するという一応の整理であったかと思います。

ただ、具体的に考えていくときには、当該措置の例えば費用負担と企業規模とは相互に関連して考えなければ、具体的な判断は難しいということがあろうかと思います。そのように、ある種コンビネーションで考えたとしても、要素としては挙げておくという趣旨で研究会報告ではこれを挙げたのかなと私としては理解してきましたが、斗内委員何かありますか。

○斗内委員

労働側の斗内です。研究会の中でもいろいろな御議論があって、このような形で示されたのだと思います。「基本的な考え方」にもありますように、全ての事業主が合理的配慮を講ずることが大前提の中で、この過重な負担に当たる場合は考慮しましょう、ということが趣旨だとしますと、現在の指針の表現だけではどこまでの場合が該当するのか、現場の労使の中では判断が非常に難しいということになりかねないと思います。

先ほど御答弁いただいたように、指針では現状の表記しかできないのであれば、それ以上の具体性を持ったものを、今後どのような形で示していくのか、検討していく必要がある、ということを意見言させていただきます。

○山川分科会長

そこはかなりの個別的判断を要するところかと思います。私が個人的な意見を言うのもどうかと思いますが、まさに現場の労使というところが 1 つのポイントで、きちんとした話合いの中で納得感のある、どのような状況が当該措置、又は当該企業について考慮されるのかを現場の手続の中で十分に納得性を持つような形で話を進めていくということは、 1 つはあり得るかと思います。余計なことを申し上げたかもしれませんが、何かできることがあるかどうかも改めて今後検討していただきたいと思っております。

○竹下委員

4 の最後で、なお書き以下の (2) の「中途障害により、配慮をしても」云々ですが、これがどうしても理解できないで、引っ掛かるのですが、先ほどの調査官の説明でも、ここで言われているのは、中途障害で職場復帰するときに、具体的に合理的配慮を求めることは当然だということになると思います。

(2) で言わんとしていることは、具体的に結果としてどうなるのかというのは見えてこないのです。なぜかというと、例えば、中途失明する。それまでに成功した業務がそのままでは業務遂行ができなくなることは客観的に明らかなわけですが、それを合理的配慮をしたことによって遂行できるようになる場合と、ならない場合は区別するのか。それはまた職種によっても当然違うのかと思うわけですが、そういう場合に合理的配慮をどこまで求めるかによって業務遂行が可能になるかというところで、ものを考えるべきなのか。過重の負担のところで言おうと思っていますが、合理的配慮の実施は困難だから、業務を変更するのだ、あるいは復帰させないということになってくると、この合理的配慮というのは職場復帰においては特別な扱いがやはり必要になると思います。そうだとすれば、 (2) では何を言おうとしているのか見えてこないので、少し説明いただきたいと思います。

○山川分科会長

御説明をということでしたので、松永調査官お願いします。

○松永調査官

障害者雇用対策課の松永でございます。今、御指摘のあった第 4 (2) の「中途障害により」というくだりの所ですが、ここは中途障害で、重い障害を負ってしまったと。それによって職場復帰する際に、合理的配慮というのは過重な負担にならない範囲で求められることになりますので、そこは話合いをしていただくことになりますが、過重な負担にならない範囲でとり得る配慮をしたとしても、ここに「重要な職務遂行」という書き方をしましたが、本来、元の仕事でなさなければならないような仕事ができなくなったとしますと、そこで元の職場に固執しても、結局会社としては必要な仕事がその人ではやれないということになってしまいますので、そういったケースについてまで、元の職務を継続させてやることは、結果的に労働者の有する能力の有効な発揮の支障となっている事情を改善するための必要な措置にはならない。要するに、支障を改善できないであろうということで、そういったものが合理的配慮として求められるものではないということを言いたかったのです。説明が分かりにくくて申し訳ありませんでした。

○竹下委員

やはり説明を聞いてもよく分かりません。ここを読んでいると、前段は置いて、そのあとでただし書きを読んだら、余計疑問が出てきます。「ただし、当該職務を継続させることができない場合には」と言って、最後に「合理的配慮を検討することとなる」とあるのですが、そうではなくて、職場復帰をさせるために元職を可能にするためにこそ、必要なのは合理的配慮ではないのですか。

○山川分科会長

御質問ですが、松永調査官。

○松永調査官

私の説明が拙なくて申し訳ありません。基本的には配慮してもらって、仮に元の仕事に戻ったとしても、例えば営業の仕事をやっていた方がいらして、外回りなどもやる。交通事故に遭って、どうしても動けない状態になってしまった。そうすると、企業としては何らかの配慮をしたとしても、営業などの外回りで活動するのは無理だろうという場合に、必ずしもそこの営業の仕事を継続させることが配慮として求められることではない、と言いたかったのが最初の文章です。

ただし書きで書いているのは、仮に元の営業の仕事は無理であろうということになったとしても、例えば事務職だったり、経理の仕事だったりほかの仕事も企業によってはあり得るわけです。これは 1 例ですが、そういった「個々の職場に応じた他の合理的配慮として」というのは過重な負担にならない範囲でやっていただくことになるので、そういったことの検討は別途必要ですよということを言いたかったのです。

○山川分科会長

ありがとうございました。若干、研究会の中での議論を補足しますと、労働関係の判例では休職後の復帰の際に、ある種の中途障害の事例で、復職の際に例えば今、調査官からお話のありました運転の仕事は合理的配慮を行ってもできない。しかし、そうなると退職扱いとなることが病気休職の場合多いものですから、そこに直接行かないように、いわば、雇用を維持するためには、例えば「現実的に配置が可能であるならば」というのが最高裁の表現ですが、そういう場合にはほかの職務に就けることによって雇用を維持するということが判例上かなり要求されている部分がありますので、それを踏まえたただし書きにする、そんな議論があったように記憶をしております。

○竹下委員

貴重な時間を取ることをお許し願いたいのですが、座長がおっしゃるとおりだと思いまして、まさに中途障害のために雇用継続のために他職種で対応可能なものを検討することは裁判の上でも、実務上も非常に重要だと思うのです。ただ、先ほど調査官がおっしゃったように、例えば外交員というか営業マンが失明したとします。その場合に少なくとも単純な言い方で誤解を招かないつもりで言いますと、目が見えなくなった、それだったら一人で営業は無理ではないかということが出るわけですよ。

しかし、その場合であっても端的に言えば、現在ある職場介助者を組み合わせたというか、そういう制度を使いながらそれまでの経験を生かした営業活動は十分に可能だと思います。そういう意味では、まず第一に職場復帰に当たって必要な合理的配慮が十分に検討されて、それでもなおかつ元職が困難な場合に第二弾として他職種による雇用継続によって対応していく、もちろん、そこに合理的配慮も含むわけですが、というものでなかったらいかんのではないかと思うわけです。そのことが、ここでうまく表現していただけないかなという意見です。以上です。

○山川分科会長

ありがとうございます。先ほどの調査官の意見も趣旨において特段異なることがないようにも思えましたが、いかがでしょうか。

○松永調査官

松永でございます。まさにそういうことなのですが、ただ、今お話であったのが必ずしも元の職場に戻ること自体が第一優先かというと、そこは企業の人事のシステムにもよると思いますので、そこは企業の中で最初から別の部署で復帰するというのも選択肢として必ず 2 番手になるかというと、それはそうでもないかと思います。いずれにしても、お話合いの中でどこまで配慮してやるかどうか。そのときに (2) のケースでいくと、どうしても元の仕事は無理ではないかということになったときに、障害者の方との間でもめてしまえば紛争調整委員会ということになるのかもしれませんが、できるだけ話合いの中で解決していただくことが理想と思っております。

○山川分科会長

ありがとうございます。今のところ、よろしいでしょうか。

○竹下委員

はい。

○山川分科会長

高松委員お願いします。

○高松委員

連合の高松でございます。 6 ページの第 6 「相談体制の整備」についてです。特に相談に当たっては、相談者のプライバシーの保護は一切の例外なく確実に実施されるべきでありますし、根底にあるものは相談者のプライバシーの保護だということを明確にしていただきたいと思います。 3 ポツですが、ここに「相談者のプライバシーを保護するために必要な措置を講ずるとともに、その旨を周知すること」とあります。必要な措置については、特にプライバシーについて確実に保護するという意味では具体的なルールを決めることが必要ではないかと思っておりますが、それについて事務局はどうお考えなのか、是非ルール決めをしていただければという意味で御質問です。

○山川分科会長

ありがとうございます。プライバシー保護の措置の具体的内容、ルール化等も含めてという御質問かと思います。事務局で何かありますか。

○松永調査官

障害者雇用対策の松永でございます。具体的にどういうルールかというところは、今私どもで何かをお示しするということは考えていたわけではなかったのですが、もう世の中には個人情報保護法などがあります。そのものに基づいて企業の皆さんにも一定、取り組んでいただいているものもありますので、そういうものの延長線としてこういうものも取り扱われるものなのかなと思っております。そういう形で今も取り組んでいただいている中のものとして、こういう障害者の関係や合理的配慮の関係でもやっていただくということを念頭に置いたものです。

○高松委員

特に本指針内容の啓発・周知段階では、今、調査官が御説明された内容の周知をお願したいと思います。以上です。

○山川分科会長

ありがとうございました。啓発・周知段階でもいろいろ御尽力いただきたいという高松委員からの御発言でした。先ほど使用者側からお手が挙がりましたが、塩野委員お願いします。

○塩野委員

塩野でございます。 1 点確認いたしますが、 3 ページの「職場における合理的配慮の提供」の (1) のハのところに、「職場において支障となっている事情の有無を確認する」とあります。そこに、「事業主は必要に応じて定期的に」という表現はあいまいで分かりづらいところでもあります。例えば、「定期的に」というのは各企業において年に 1 回行っている健康診断などを活用して、あくまでも事業主側が決めるものであると考えてよろしいでしょうか。

○山川分科会長

ありがとうございます。御質問ですので事務局にお願いします。

○松永調査官

障害者雇用対策課の松永でございます。「必要に応じて定期的に」という書き方をしました趣旨といいますのは、企業の現場はいろいろと実情がありますので、そういうところの実態に則して、状況に応じて御確認という作業をしていただくという趣旨で書いております。

なかなか、具体的に何年に 1 回というのはお示ししにくいところではあります。企業の実情にもよりますが、今、御指摘があったような頻度でやるというは 1 つのやり方としての選択肢にはなり得るものという考えは持っておるところです。

○山川分科会長

よろしいでしょうか。

○塩野委員

はい。ありがとうございます。今後いろいろな意味でパンフレットの作成等が行われると思うのですが、この点も含めまして是非、事業主が混乱のないような何か表記等を御検討いただければと思います。以上です。

○山川分科会長

ありがとうございました。もうお一方、阿部一彦委員、お待たせしました。

○阿部 ( ) 委員

日身連の阿部です。意見と要望ということで、お願いいたします。 4 ページの第 4 「合理的配慮の内容」の 3 4 に関してです。合理的配慮の事例として別表に挙げていただいて合理的配慮の中身がイメージしやすくなっていると思うのですが、一方、研究会の検討の中では様々な合理的配慮は、もう蓄積されたものもあるし、それらの合理的配慮を事業主さんが工夫して活用するという側面も強調されたと思います。ですから、指針で示すときには確かにここにありますように、あくまでも例示であり、「あらゆる事業主が必ずしも実施するものではなく」というのは、当然そのとおりだとは思いますが、要は、これまで蓄積して工夫された合理的配慮についての活用という側面が、きちんと運用されるような周知・広報の仕方をお願いしたいという意見です。また要望でもあります。お願いいたします。

○山川分科会長

ありがとうございます。確かに最後の第 4 3 4 は、多くの事業主が対応できると考えられるという点が一方であって、もう一方が例示という、若干微妙な表現で、中小企業も含めて実現できるものを例示しておりますが、必ずしもこれだけではない。推奨されるという措置もほかにはあろうかと思いますので、その点は周知・啓発の際にかなり工夫を必要とする、ないし工夫することが望まれると思っております。阿部一彦委員どうぞ。

○阿部 ( ) 委員

中小企業さんでも、様々な例示の中から取り入れられる事例はたくさんあるのではないかと思いますので、ここはイメージしやすい。でも、具体的に事業主さんが取り組むときの参考という意味での合理的配慮に関する例示については、どういうところに示されているか。

前は高齢障害求職者雇用支援機構の所だというお話もありましたが、それだけではなくて、それを分かりやすく本当に例示していただくことによって、障害がある、働く側についても、こういう配慮があれば働けるのだなということ。また、併せて事業主さんでも、そのような配慮があれば求めている仕事を行ってもらえるのだなと伝わるという意味での具体的な事例ということでお願いします。

○山川分科会長

ありがとうございます。高橋委員どうぞ。

○高橋委員

高橋でございます。何点かありますので、長くなってしまう懸念がありますので、分けてお話したほうがよろしいでしょうか。

○山川分科会長

とりあえず、分けてお願いいたします。

○高橋委員

1 点目は第 3 の「合理的配慮の手続」に関しまして、少し申し上げたいと思います。 1 番の「募集及び採用時における合理的配慮の提供について」と、 2 番の「職場における合理的配慮の提供について」を読みますと、基本的に (2) の内容に関する話合いと (3) の合理的配慮の確定は、とりわけ (3) については同文で全く違いがございません。 (2) については冒頭の書き出しが違うだけで話合いの中身については、全く同じ内容になっています。ここは私の提案なのですが、ガイドラインはなるべく分かりやすく記載をしたほうがよろしいというのは、先ほどの差別指針の議論でもございました。

要は何が違うのか、私なりの理解では、事情の確認というところが大きく違うところでして、募集及び採用時において合理的な配慮が必要かどうかの確認手続。それから、雇用契約関係に入ったあとに確認する手続。その 2 つが違うわけでして、事情が確認できた後は、合理的配慮に関わる措置の内容に関する話合い及び合理的配慮の確定は同じことをするのではないかと考えられますので、事情の確認のところを 2 つに分けて記載をして、 (2) (3) は統一でまとめることが可能なのではないかと考える次第なので、御検討いただけたらと思います。

その上で、もし原文のままで維持されると仮定した場合、 1 (1) のイの文章を読みますと、「募集及び採用時における合理的配慮については、合理的配慮が必要な障害者は」と言っている。日本語に何となく非常に違和感があるような気がいたしておりますので、例えば「募集及び採用時に合理的配慮が必要な障害者は、」という形としてもおかしくなくて、「募集及び採用時における合理的配慮については、合理的配慮が必要な障害者は、」と書いているのは何か意味があるのかよく分かりませんでした。それから、 2 (1) のイの書き出しについても先ほど私の指摘したものと同じ形で、やはり日本語が少しおかしいような気がしておりますので、御検討していただければと思います。

「合理的配慮の手続」の最後の指摘なのですが、 1 にしても 2 にしても (3) の合理的配慮の確定のところは、手続論なので大事なところだと思うのです。やはり事業主といたしましては、まず合理的配慮の確定に当たりましては、それが過重な負担に該当するか否かの判断をするというプロセスがあるはずなのですが、ここではその旨が書かれてございません。したがいまして、手続的なところにも過重な負担に該当するかどうかの判断を事業主がするのだということを、加筆していただくように御検討していただきたい。合理的配慮の手続関係は以上です。

○山川分科会長

1 点目は先ほども御意見がありましたが、内容的な重複の整理。それから、日本語をさらに分かりやすいものにするという御意見でした。 2 (3) 「合理的な配慮の確定」も判断プロセスをより明確に示す文章にできないかという御意見であったかと思います。今後文章は全体としてさらに洗練させていくことになるかと思いますが、事務局から何かありますか。

○松永調査官

今日、御議論をいただきまして、どういう修正ができるかというのは検討したいと思います。

○山川分科会長

それでは、幾つかあるということでしたので、よろしければ高橋委員、次の点をお願いいたします。

○高橋委員

高橋でございます。次の「第 4  合理的配慮の内容」の 2 番について申し述べたいと思います。「なお」ということで先ほど御議論がございましたが、合理的配慮として事業主に求められるものではないことを書いていただいておりますが、初めてこれを読まれる方は、なぜこうしたことが書かれているのかが分かりにくい面があるのではないかと思います。すなわち、これは私の理解ですが、合理的な配慮の提供というのは職務遂行に付随して行われるものである。

だから、 2 (1) のように、日常生活のために必要なものについての提供はしなくてもいいのだということなのではないかと私は理解しております。例えば、「なお」の後に一文挿入していくということも考えられるのではないかと思っております。「なお」の後に「合理的な配慮は本来の職務遂行に付随して提供されるべきものであることから」という挿入句を入れて、「例えば」とつなげていくということが考えられるのではないかと思っております。 

続きまして、「第 5  過重な負担」です。 (1) (5) の語尾が全て「が過重な負担の判断要素となること。」で終わっております。私は、おそらく研究会報告を引きずった形でこの文章が残っているのではないかと考えます。ガイドラインとなる以上は、「が過重な負担の判断要素となること。」を全て削除したほうが、ガイドラインとしては非常に適切な文章になるのではないか。すなわち、 (1) でしたら、「当該措置を講ずることによる事業所における生産活動やサービス提供への影響その他の事業活動への影響の程度。」という形のほうがよろしいのではないかと考えております。

その上で、過重な負担については個別に判断することだけが書いてありますが、私としましては、できればということですが、事業主としては過重な負担に該当した場合に、その理由及び過重な負担ではない合理的な配慮の内容について当該の障害者へ伝達するということも必要になりますので、その旨も「過重な負担」のところに併記をしておいたほうがよろしいのではないかと考える次第です。

これは感想なのですが、先ほどのやり取りの中で調査官が「 (4) 企業の規模」に関して、あたかも中小企業のことだけが念頭にあるような印象を与えたのではないかと危惧しております。例えば企業規模が大きくなればなるほど、法定雇用率の関係で雇用する障害者の方も多くなってまいります。そうしますと、多様な障害を持たれる労働者の方を雇用していくということになりますと、先ほどまさに分科会長がおっしゃられたように (1)(2)(3) とのコンビネーションの中で様々な事情も生じてくるということから、置かれている要素の規定だと私は理解しております。

最後になりますが、「第 6  相談体制の整備等」の 3 です。最後の行の「その旨を周知すること」というところの「その旨」というのが何を指しているのかが分かりにくいのです。すなわちプライバシーに属しているものであることを周知するのか、それともそれだけではなくて、相談者のプライバシーを保護するために必要な措置を講ずることまでも周知するのかがよく分かりませんでした。私の理解としましては、おそらく職場における合理的配慮に関わる相談者の情報は、当該相談者のプライバシーに属するものである旨を周知するとともに、相談者のプライバシーを保護するために必要な措置を講ずるという形ではないかと理解したのですが、もし、私の理解が間違っていればお伝えいただければと思います。長くなりましたが、以上です。

○山川分科会長

ありがとうございました。御感想、御要望、御意見に関わる部分は文章を分かりやすくするという点が主たるものと思います。文章の検討はされるということではありますが、事務局として何かありますか。

○松永調査官

障害者雇用対策課の松永でございます。具体的な修文の御意見もいただきました。法令用語などの関係で精査もあると思います。御指摘を踏まえてどういう修正ができるかというところは検討いたしたいと思います。

○山川分科会長

判断要素となること、全体として合理的配慮については研究会報告のものを持ってきているということはありますが、法令文書の書き方とも関連があろうかと思います。あともう 1 つ、職務の遂行に必要なということは、合理的配慮の条文上出てきてはおりますので、考慮され得ると思います。ただ、募集・採用の場合は、募集・採用の判断に当たっての合理的配慮ということなので、職務の遂行そのものとは表現上少し違う面もある。それで条文を書き分けているという感じもします。そういう条文との兼ね合いも含めてさらに事務局で検討をお願いいたします。

高橋委員、幾つかに分けておっしゃられるという点は、もうこれでよろしいでしょうか。

○高橋委員

はい。

○竹下委員

竹下です。第 5 「過重な負担」で 2 点あります。まず、 (3) の費用・負担の程度とありますが、合理的配慮を求める場合の全てではありませんが、その多くにおいては費用・負担を企業主さんにお願いし、その負担になることは間違いないと思うのです。そういう意味では費用・負担がイコール合理的配慮の過重負担になるわけではない。そこで、もちろん「程度」と書いてあるわけですが、そうなってくると、費用・負担が過重負担の判断要素となるということ自身に異論があるわけではないのですが、常に費用・負担があることを前提とした場合に、何をもって、いかなる基準によって、どのような判断基準をもって費用・負担が過重負担要素になるのかは、もう少しここは丁寧にしておかないと誤解として、やっぱりそれは金がかかるから駄目だということで門前払いされる非常に危険を持っていると思いますので、ここの部分は少し限定した表現をお願いしたいというのが 1 点です。

2 点目は、 (6) の意味がどうしても理解できません。「 (2) 及び (3) については」と非常に限定した形で公的支援の有無が判断要素となっているというのは、私は納得できないのです。例えば、 (4) の企業規模で言いますと、職場介助者を付けてほしい。これは一定の職場介助者に対する 4 分の 3 なり 3 分の 2 の給与補助がありますが、企業規模によって職場介助を付ける、あるいは、補助機器を導入するときに、まさに 2 番目の費用・負担と絡んでそれが困難であったり、あるいは、一定の負担はやむを得えないと判断されるというのは企業規模にも十分に関連してくるのではないか。

5 番目の「企業の財務状況」、非常に言い方がよくないかもしれませんが、その企業が財務状況上困難な時期にこそ公的支援があることによって、合理的配慮が可能になるということは十分に考えられるわけですから、 (6) (2) 及び (3) に限定する必要は全くないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。以上です。

○山川分科会長

2 点、御指摘と、御質問の趣旨もあったと思いますので、事務局でお願いいたします。

○松永調査官

障害者雇用対策課の松永でございます。 1 点目の御指摘については、まさに合理的な配慮の費用なり負担は事業主がやるというのは原則です。だからこそ、ここで費用・負担の「程度」ということにしている。要するに、かかるからといって直ちに過重になるかということではなくて、そこの負担がどの程度なのかというところを過重な負担として、要素として判断しようということで「程度」というものを入れておりますので、必ずしもコストがかかるから直ちにということにはならない。そういう意味も込めて、「程度」という表記をしていると御理解をいただければと思っております。

それから、公的支援の有無について (2)(3) に限定していることについては、これは研究会でも一部そういう御指摘がありました。ただ、私どもで (2)(3) にしていますのは、公的支援という場合は、いろいろな行政サービスの中で助成金で金銭的な面での支援をする、あるいは、人的な部分で支援をするなどということになります。そういうものについては、まさに金銭的な部分であれば費用・負担の程度というところで、公的な支援によって一定程度、費用・負担の程度が軽減されるということを加味することになります。

あと、人的なものであれば、実現困難度での評価になるということかと思います。多分、規模とか財務状況などでおっしゃっていたことは、例えば中小企業に対しては助成率が高いこともあるのではないかという御趣旨と理解しております。そういうところは、例えば中小企業で手厚い助成を受けたということであれば、それはその企業における費用・負担がかなり軽減されるということになりますので、そこは費用・負担の程度を評価するということになりますので、 (2)(3) についてということで書いております。

先ほどの企業の規模などで御質問いただきましたが、 (4)(5) は措置を講ずる企業に着目した要素として掲げております。公的支援の場合は、基本的には当該措置についての支援になりますので、そういう意味で (2)(3) についてということで「公的支援の有無」のところは表記していると御理解いただければと思います。

○竹下委員

竹下です。高橋委員の質問にもそこは絡んでくると僕は思うのですが、それだったら (4) は要らないのではないですか。すなわち、企業規模が大企業だからといって負担が単純に軽くなるわけではないのだという高橋委員の意見はそのとおりだと思うのです。であればこそ、今の調査官の説明によれば、全て費用の問題に集約されてしまうと思うのです。したがって、そうであれば場合によったら (5) も含めて要らないということになってしまって、全部 (3) で言い尽されてしまうことになるのではないでしょうか。そうではなくて、 (4) があることの意味を積極的に考えた場合に企業規模によって費用・負担の有り様も、あるいは財務状況によって費用・負担の有り様も違うということから出てくるとすれば、逆に (6) のところの部分も (2)(3) に限定する必要はなくなるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○山川分科会長

実質的に差が生ずるということでは、おそらくないと思いますが、やや内容に関わってくるのかもしれません。あるいは、考え方のプロセスなのかもしれませんが、具体的な結論には、おそらく差がないと思います。事務局へ御質問ではありますが、先ほどの高橋委員の御発言とも関連性がありましたので、ほかに何か御質問、御意見等ありましたらお伺いしたいと思います。私から個人的に申しますと、要素が一体どういう意味を持つのか、それぞれ独立した要素なのか、相互に関連して、その関連性が、やや抽象的な言い方になりますが、どちらかにどちらかが影響を与えるという、段階性を持った関係があるということかもしれませんが、そういうことをきちんと表現するのはなかなか難しい面はあるので、その意味では大雑把になっている部分があって、竹下委員のような御疑問が出てくるのかという感じはいたしております。事務局で何かありますか。

○松永調査官

障害者雇用対策課の松永でございます。もともと当初案、事務局で作った案はさっき申し上げた考え方です。今の御指摘等を踏まえまして、私も頭の整理が十分できていないのですが、修文が必要になるのかどうかについては考えたいと思います。

○山川分科会長

必要性も含めて検討をするということでよろしいですか。

○斗内委員

労働側の斗内でございます。今御議論になっている部分は私ども労働側も重要な点だと考えております。望んで争い事があるわけではないのですが、過重な負担の判断で争いのもとになるのはここの部分になろうかと思います。そういう意味では先ほどの御議論を聞いていても、私も (4) の意味がどうなってくるのだろうということも感じますので、修文も含めて今後是非検討をしていただければと思っております。労働側も非常に重要なポイントだと思っております。

○山川分科会長

ありがとうございます。これはアメリカ等においても同じような条文が使われていて、まさに抽象的で、なかなか個別的に、それだけで紛れもなく明らかにするのは難しくて、それでおっしゃるような訴訟も結構起きるという条文です。いずれにしても、より分かりやすいような方策があるかどうかも含めて修文を検討いただければと思います。ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。本日は取りあえず指針の本体と申しますか、資料 2-1 について種々、御議論いただきました。資料 2-2 は次に御検討いただくということで、取りあえず資料 2-1 について御議論いただきました。

これから資料 2-2 に入りますと時間どおりには終わらないと思いますので、資料 2-2 別表については次回、丸 1 回分検討に合理的指針案の検討の日程として取っておりますので、今日はこの辺りで終了ということでいかがでしょうか。よろしいでしょうか。エレベーターも混まないうちに終わるということもございますけれども、それでは御異存ないようですので本日はこの辺りで終了したいと思います。本日は種々、御意見や御質問をいただきましたので事務局で更に修正の可否等の検討をお願いします。では、次回の日程について事務局から説明をお願いします。

○松永調査官

松永でございます。次回の開催は 11 18 ( )10 時〜 12 時です。場所は決まり次第、御連絡いたします。よろしくお願いします。

○山川分科会長

それでは、第 64 回労働政策審議会障害者雇用分科会を終了いたします。議事録の署名については、労働者代表は斗内委員、使用者代表は塩野委員、障害者代表は小出委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。本日はお忙しい中、大変ありがとうございました。


(了)

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