ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 薬事・食品衛生審議会(医療機器・体外診断薬部会) > 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録(2014年10月10日)




2014年10月10日 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録

○日時

平成26年10月10日(金) 10:00〜


○場所

厚生労働省専用第23会議室


○出席者

出席委員(15名) 五十音順

○荒 井 保 明、  石 井 明 子、 今 井 聡 美、 梅 津 光 生、
 生 出 泉太郎、◎笠 貫    宏、 正 田 良 介、 鈴 木 邦 彦、
  武 谷 雄 二、  千 葉  敏 雄、 寺 崎 浩 子、 新 見 伸 吾、
  濱 口    功、   菱 田 和 己、 村 上 輝 夫
(注) ◎部会長 ○部会長代理
他参考人2名

欠席委員(9名) 五十音順

荒 川 義 弘、 川 上 正 舒、 木 村    剛、 齋 藤 知 行、
塩 川 芳 昭、 田 島 優 子、 中 谷 武 嗣、 西 田 幸 二、
桃 井 保 子

行政機関出席者

神 田  裕 二 (医薬食品局長)
成 田  昌 稔 (大臣官房審議官)
森     和 彦 (審査管理課長)
磯 部 総一郎 (大臣官房参事官)
矢 守  隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
俵 木 登美子 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
佐 藤  岳 幸 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構上席審議役)

○議事

○参事官 それでは、定刻になりましたので、薬事・食品衛生審議会医療機器・体外診断薬部会を開催します。

 委員の皆様方におかれましては、大変御多忙の中御出席いただき、誠にありがとうございます。本日は、医療機器・体外診断薬部会の委員24名のうち、15名の御出席をいただいていますので、薬事・食品衛生審議会令に基づく定足数を満たしていることを御報告します。

 はじめに、本日の議題の公開・非公開の取扱いについて説明いたします。当日配付で机上にお配りしている議事次第を御覧ください。この議題の中で、平成13年1月23日付の薬事・食品衛生審議会決議に基づき、議事次第にある議題1から議題6までは、会議を公開で行い、議題7以降については医療機器の承認審査等に関する議題であり、企業情報に関する内容が含まれるため、非公開とします。

 これより議事に入りますのでカメラ撮りはこれまでとします。御協力の程よろしくお願いします。それでは、以後の進行について笠貫部会長よろしくお願いいたします。

○笠貫部会長 最初に、事務局より配付資料の確認をお願いします。

○参事官 本日の資料は、机上に議事次第、配付資料一覧、座席表、当日配付資料としていくつか置いています。当日配付資料1「薬事法等の一部を改正する法律の概要」、当日配付資料2「一般用検査薬の導入に関する一般原則の見直しに関する骨子()」、当日配付資料3「議題7「COOK Zenith 大動脈解離用エンドバスキュラーシステム」正誤表」も机上に置いています。

 資料1として、諮問書が頭にある資料です。資料2は、事前に送付した「見直しに関する骨子()」です。資料3「プログラム医療機器の認証基準案について」、資料4「体外診断用医薬品の届出基準について」、資料5「体外診断用医薬品の認証基準について」、資料6「体外診断用医薬品の承認基準(通知)の一部改正について」です。

次からは非公開案件です。資料7と8、資料9-1、資料9-2、資料10、資料11-1、資料11-2、資料11-3、資料12、参考資料1とあります。資料7以降は、後ほどの議題7以降のものです。以上が配付資料の一覧です。何かありましたら事務局までお申し付けください。よろしくお願いします。

○笠貫部会長 資料の方はよろしいですか。議題に入ります。議題1「プログラム医療機器の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定及び特定保守管理医療機器の指定の要否について」の審議を行います。

 なお、報告事項の議題3「プログラム医療機器の認証基準案について」も関連することから、併せて報告をお願いします。では、事務局より説明をお願いします。

○事務局 議題1と3について、資料1、資料3と当日配付資料1に基づき説明をします。

 まず、当日配付資料1で、表の紙に「薬事法等の一部を改正する法律の概要」と記載の資料を御覧ください。来月1125日に薬事法等の一部を改正する法律の施行を控えていますが、この薬事法改正により診断等に用いる単体プログラムについて、医療機器として製造販売の承認・認証等の対象とすることとしています。

 具体的な内容を2ページで説明します。医療機器には、ソフトウェアとハードウェアの組合せで機能するものがあります。現行の薬事法では、医療機器のソフト部分であるプログラムについては単独では医療機器に該当せず、ハード部分と一体のものを承認・認証等の対象としています。

 今回の薬事法改正では、国際整合性等を踏まえ、プログラム単独で医療機器として承認・認証等の対象とすることとしています。ここで例示している画像診断装置ワークステーションは認証基準が存在し、第三者認証機関による審査を受け、認証を取得して製造販売しているものです。このような認証品のうち、プログラムが含まれる医療機器はワークステーションのほかにも多数存在しており、今回の薬事法改正によりプログラム単独で認証申請されることが想定されています。

 そこで、プログラム単独で認証申請される可能性のある医療機器を精査するために、厚生労働科学研究班において検討を行い、資料1の3ページ以降に記載されているプログラム医療機器が選定されました。

これらの選定されたプログラム医療機器の名称を新たに設け、クラス分類の指定及び特定保守管理医療機器の指定の要否について審議いただくのが議題1です。クラス分類については、既存の認証品に含まれるプログラムですので、管理医療機器すなわちクラス II に指定されるものと考えています。また、プログラム医療機器はハード部分を含まないものですので、特定保守管理医療機器の指定は不要と考えています。

 続いて、議題3について当日配付資料1の3ページを御覧ください。プログラム医療機器の認証基準のイメージを記載しています。薬事法の改正後、認証申請を行うことができるように新たに設けるプログラムの名称ごとに認証基準案を作成しました。これらのプログラム医療機器は、既存の認証品に含まれるプログラムであるため、例としてお示ししているとおり、核医学装置ワークステーション用プログラムの認証基準は、ハード部分込みの既存の核医学ワークステーションの認証基準と同一内容としたいと考えています。

 また、認証基準で要求される項目のうち、ハード部分に適用される要求項目については、プログラム単体では馴染まないものもありますので、そういった項目に関しては適用しないこととし、別途通知したいと考えています。

 各認証基準案については、資料3の参考2に列記していますので御確認ください。説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いします。

○笠貫部会長 それでは、委員の皆様方から御質問、御意見などはありますか。

○新見委員 参考資料2の、例えば1の汎用X線診断装置用プログラムの所で、その使用目的の所に「人体画像情報を診療のために提供すること」とあり、プログラム自体は提供をするために用いるような目的だと思います。その辺が誤解されるのではないかと思いますが事務局の御見解をお伺いします。

○事務局 今回、プログラム用の認証基準を元々あったハード込みの装置の認証基準と同一の内容としている理由としては、今既存の認証品の中に含まれて流通しているプログラムについて、ここの使用目的など基準の中身を変えてしまうと、今ある認証品との整合が取れなくなってしまうところもあり、基準の中身に関しては既存のものと同一とさせていただければと考えています。

○新見委員 あと、もう1点です。例えば、基準で定めているT0601-1-3は、診断装置自体に対する基準であり、現行では単体プログラムに対する基準みたいなものがないのでやむを得ないと思いますが、今後プログラムに特化した基準を作成されるような御予定はありますか。

○事務局 御指摘のとおりJIS T0601と言うのは通常のハードウェア込みのもので、電気安全性に関する規格ですが、こういったプログラムが不都合なく機能するということに関するための要求項目も含まれています。まずはこういった規格を用いて馴染まない部分を除いて適用することを考えています。

 また今後、確かに国際的に見てもISO 62304など、そのようなプログラムに関する規格等を検討されている状況もありますので、今回は国際整合性を踏まえて医療機器にしたことを踏まえて、引き続き検討をしていきたいと思っています。

○笠貫部会長 ほかにはありますか。今回の改正に当たって診断等に用いる単体プログラムということは大きな改正のポイントになると思います。ただ今の御説明に加え、議題1及び議題3の報告も含めて御質問がなければ議決に入りたいと思いますがいかがでしょうか。新見委員は、先ほどの御質問の御答えでよろしいでしょうか。

○新見委員 はい。

○笠貫部会長 それでは、特にないようでしたら議決に入りたいと思います。新たに追加するプログラム医療機器の高度管理医療機器又は一般医療機器の指定及び特定保守管理医療機器指定の要否について、本部会として管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器として指定しないものとしてよろしいでしょうか。

 それでは、御異議がないようですので、そのように議決させていただきます。この審議結果については、次の薬事分科会において報告することにします。それでは、議題1と議題3については終了とします。

 次に報告事項に移ります。議題2「一般用検査薬について」事務局より説明をお願いします。

○参事官 資料につきましては、事前にお送りしました資料2から一部修正をさせていただきましたので、机上にお配りさせていただいている当日配布資料2で御説明させていただきたいと思います。

 全体の構成としまして、両面コピーで6ページになっています。第1として「基本的な考え方」、2ページに第2として「具体的な内容」、特に具体的な内容の中で一番議論のあったところを、「1.一般用検査薬の検査項目について」とさせていただきました。3ページに、「2.販売時の情報提供等について」、4ページに第3「終わりに」という全体の構成にしています。5ページ、6ページは現状の取扱について、参考として付けさせていただいています。

 1ページに戻って御説明させていただきます。最初に基本的な考え方です。最初に書いているのが、現在、一般用検査薬として3種類(「尿糖」、「尿蛋白」及び「妊娠検査薬」)が認められ、中でも妊娠検査薬は多く利用されているということです。前回、平成25年度の厚生労働科学研究の結果について、関係の先生からの御報告もいただき、あと平成22年度の報告も含めてまとめますと、臨床検査技術の進歩を踏まえ一般用検査薬の範囲拡大は可能であることや、生活者に対するアンケートにおいて一般用検査薬を用いた健康管理に関心を示す生活者がいることが示されています。その下の※で、どのくらいの割合かということを記載しています。

 「また」以下で、平成25年6月に策定された日本再興戦略では、効果的な予防サービスや健康管理の充実により、健やかに生活し老いることができる社会の実現を目指すこととしていると記載しています。

 このため一般用検査薬を正しく用いて健康状態を把握し、速やかな受診につなげれば、疾病の早期発見が可能となることから、一般用検査薬のあり方について検討を進める必要があると記載しています。

 一方、部会でもいろいろ議論がありましたけれども、我が国の医療提供体制は、国民皆保険の下で、国民が必要な医療を受けることができるよう整備が進められ、それが国民の健康を確保するための重要な基盤となっている。生涯にわたって生活の質を維持・向上するため、様々な疾患の予防や早期発見、重症化や合併症の発症の予防を目的に健康診査や検診が行われており、日本再興戦略でも、さらなる健診受診率の向上が成果目標として示されていると記載しています。

 生活者に対するアンケートに関しても、多くの人が定期的に健康診査を受けており、健康診査等において異常値が出た場合には医療機関を受診しようと考えていることが示されています。一般用検査薬への転用の仕組みの検討にあたっては、このような日本の特徴を考慮する必要があると記載しています。そのアンケートの中で、どのような数字だったかを下の※に記載しています。

 以上を踏まえ、検体、検査項目、販売時の適切な情報提供、販売の方法等、一般用検査薬として導入する際の一般原則に係る現状の取扱いを整理し、転用の仕組みを構築するとしています。

 なお、この取扱いを見直した後、具体的な個別の検査項目について検討することになると思いますけれども、その際には、使用者及び公衆衛生上の安全確保、感度並びに特異度が大切であり、検体、検査項目、方法、性能、使用者へ提供されるべき情報等を総合的に勘案して、個別の検査項目については、医療機器・体外診断薬部会において議論を進めていくと記載しています。

 2ページは、具体的な内容です。一番議論のあった検査項目についてまず記載しています。一般用検査薬として導入する際の一般原則として示している、検体、検査項目、方法について、侵襲性なく採取が可能な検体を活用した検査項目や簡便な操作が可能な器具の開発といった臨床検査薬関連技術の進歩も見られること等を踏まえ、以下の見直しを行うと記載しています。検体としては、これまでの部会を踏まえて、採取に際して侵襲性のない検体を対象とする。検査項目については、「健康状態を把握し、受診につなげていけるもの」とする。悪性腫瘍や心筋梗塞など重大な疾患の診断に係るものは除く。感染症に係る検査は個別の検査項目ごとに販売方法を含め慎重に検討を行うと記載しています。

 また、器具の関係ですが、検体の採取や測定にあたっては引き続き特別な器具機械以外であれば使用は可とすると記載しています。

 また、感染症に係る検査については、先ほど個別の項目ごとに慎重に検討を行うと記載しましたが、その理由について「なお」書きで記載しています。感染症に係る検査については、不十分な治療による耐性菌の発生を防止する観点や偽陰性、ウインドウピリオドなどの課題を考慮し、原則として、感染症に係る検査は医療機関において行われるべきであり、各種の施策の実施状況を含め総合的に判断する必要があると記載しています。

 今回の見直しにあたり、自己血糖測定における穿刺について、痛みが軽減され、微量の穿刺血で検査が行えるようになるといった技術の進歩を踏まえ、穿刺血を含めた侵襲性が少ない検体を対象とすることや、定量的な判定をする検査を対象とすることについても、業界からの要望があったところです。

 これについて下に書いていますけれども、様々な検査を広く一般用として家庭で用いるには、現状においては、まだ以下のような課題があるということで整理しています。特に血液を検体とする検査について、医療用検査薬を一般用検査薬とすることは難しい状況にあると記載しています。一般用検査薬の導入に関する一般原則の見直しについては、今後、課題を整理し、順次検討するということも記載しています。

 現状の課題が2ページの下にありますが、侵襲性のある検体の採取については、継続的に医療従事者からの指導・管理を受けていない人であっても、安全に、検査に必要な量、かつ、検査の質に適した検体を安全に採取できる必要があると記載しています。3ページの頭で、特に血液の検体については、血液に起因する感染症の防止の対応が必須であり、使用する生活者が血液を取り扱うことのリスクを認識し、器具等の衛生管理、廃棄に至るまでの安全管理等について理解し、適切に管理等を実施する必要があると記載しています。

 また、使用者の服用歴や既往歴によっては、止血困難等により対処が必要となることもあると記載しています。

 これらの課題を解決するには、購入者の理解度の確認を含めた販売時の情報提供のあり方、分かりやすい生活者向けの文書の作成、販売者への研修など、生活者が血液を取り扱う上での安全を確保するための体制を、関係者理解のもとで整備する必要があると記載しています。定量的に示される検査は、製品間の精度の差の課題があるため、専門的な知識が乏しい人であっても正しく結果を理解できるような仕組みが必要となると記載しています。一般用検査薬となれば、これまで以上に多くの人が穿刺用の器具等を廃棄するようになるため、検査をする人やその家族等、廃棄物を回収する人にとって安全な廃棄の仕組みが必要となると記載しています。

 次に、2.販売時の情報提供等についてです。現状では、一般用検査薬の販売に向けた研修の実施や販売時に使用者に対して陽性反応が出た場合は、速やかに受診するよう勧奨を行うなどの取組がなされています。業界からのヒアリングのときにあった一つの調査ですけれども、陽性者の受診率が12.1%だったとの結果も示されているところです。

 生活者に対するアンケートでは、一般用検査薬への関心も認められており、検査薬の結果で異常値が出たときに誰にも相談しないと回答した人が一定割合存在し、検査結果に偽陰性や偽陽性が存在することを知らないと回答した人が、約6割であったということもあります。そのため、一般用検査薬を日常の健康管理のための手段の一つとして正しく用いるには、生活者に対する啓発が必要であることから、ここに三つのポツで書いています。検査項目の意義、目的に関する説明、検査の感度に関する説明、判定結果を踏まえた適切な受診勧奨に係る説明等について、分かりやすく説明するとともに、文書や相談応需等の体制を充実する必要があるということです。

 そのほかに議論のあったのは、一般用検査薬として取り扱われている分類です。現在の尿糖、尿蛋白、妊娠検査薬は第2類医薬品という位置づけです。そのため薬剤師又は登録販売者が対応し、購入者への情報提供は努力義務とされています。ただ、検査によっては、販売時に使用者の状態を適格に把握し、より詳細な情報提供や指導をすることが必要となる場合もあることから、今後、新たに対象とする一般用検査薬については、検体の種類、検査の目的等の観点から、一般用医薬品における分類について検討を行ってはどうかとの意見が示されています。この部分については意見が示されたと記載していますが、この部会での意見がまとまった後、安全対策の方の部会で御議論いただく形になっています。

第3「終わりに」です。今回の見直しにより、新たに一般用検査薬として販売される品目を含め、国民の検査に対する理解度や検査後の受診の状況などに関する実態をよく見て、今回、挙げている課題の整理状況をきちっと把握した上で、関係者の理解を得ながら、段階的に検討を進める必要があるということです。今回まとめたものについて、その後どうするのかについての記載も加えています。私の説明は以上です。

○笠貫部会長 ありがとうございました。これまでの3回の部会での検討を踏まえて、見直しに関する骨子案として出されましたけれども、御質問、御意見はございますか。どの観点から始めていただいても結構です。鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員 少しずつまとめていただいた御努力は評価したいと思います。前回の生活者等へのアンケート結果に基づいた議論において、我が国では、健診で異常値が出れば、かかりつけ医を中心とする医療機関を受診するシステムが既に確立されていることが、改めて明らかになったと言えると思います。また、今まで販売されてきた一般用検査薬が、健康増進や医療費削減、健診受診率向上に寄与したというエビデンスがないことを、私ども日本医師会の今村副会長が日本再興戦略のヒアリングでコメントしています。本骨子案は、これからの個別の項目を議論するにあたっての枠組みを規定するものだと認識しています。今回、一般用検査薬を正しく用いて健康状態を把握し、速やかな受診につなげることだけでなく、同じく日本再興戦略の中では健診受診率の向上ということも言及されているわけですから、それも本骨子案に明記していただき、一般用検査薬の転用の仕組みは、以上を踏まえて構築するという文章構成になったことは評価したいと思います。そして、このように書かれたということは、これから医療用検査薬を一般用検査薬として転用する場合には、医療機関の受診や健診受診率の向上に寄与することが前提になると我々は理解しています。

 ちなみに、日本再興戦略における目標は、2020年までに健診受診率(4074)を、2010年の67.7%から特定健診を含めて80%に引き上げることになっており、達成までには関係者の努力が必要な状況であると考えます。

 続きまして、2ページの具体的な内容についてです。我々は血液検査を含めることは引き続き反対ですが、本骨子案に、「血液を検体とする検査について、医療用検査薬を一般用検査薬とすることは難しい状況にある」と明記されたことは評価したいと思います。

 ところで、検査項目についてこれまで話題にならなかったのですが、一つ提案したいことがあります。検査項目の二つ目のポツで、悪性腫瘍や心筋梗塞と始まる部分ですが、そこに遺伝性疾患を含めてはどうかということです。現在、採血だけでなく、侵襲性の低い口腔粘膜などによる遺伝子診断も行われている事例があると聞いていますが、遺伝性疾患のような重大な疾患の検査が気軽に一般用検査薬で行われる状態になった場合、大きな混乱を招くことが予想されます。一般市民を対象とした遺伝子検査については、日本医学会においても、我が国は法整備が遅れていることや、科学的側面及び倫理的、社会的側面から見て一般市民に不利益を与えると懸念を表明しています。

 さらに、現状の課題について、ここにもかなり詳しく書かれているわけですが、これらの対応について業界が一方的に対応しましたということでなく、ここには関係者の理解のもとでと書かれていますが、これは当然、医師を含む関係者であると我々は考えますし、その理解のもとでということは、それら関係者の納得と合意が前提になると理解しています。

 次に、定量的に示される検査ということで、ここに書いてあるような仕組みが必要であるとなっていますけれども、これも一方的に作りましたということでなく、関係者の理解が必要であると考えますので、そのようにしていただければと思います。

 ここで、一つ確認の質問ですが、この「関係者の理解のもとで」というのは、今、我々が考えている医師を含む関係者の納得と同意のもとでと考えてよろしいのかどうかを、確認させていただきたいと思います。

 次に、3ページの「2.販売時の情報提供等について」のところです。医学的全身管理の指標となる検査項目や、治療中の方が一般用検査薬の使用を希望された場合などについては、医学的管理が重要であることを踏まえた上での情報提供を重ねてお願いしたいと思います。また、受診勧奨について尿糖検査を用いたアンケートは一企業が実施したものですので、今後は国が、例えば厚労科研などを利用して同様の調査を行うべきであると考えています。以上、意見と質問ですが、質問に対しての御回答をお願いいたします。

○参事官 今の御質問の関係でもう一度確認します。3ページの上から9行目、「血液を取り扱う上での安全を確保するための体制を関係者理解のもとで整備する必要がある」と記載していますが、この「関係者」とはどういう人が入るのかという御質問かと思います。関係するステークホルダーの方々が、実際にこのような状況についてどういうふうに認識しているのか。当然、一定の実態調査のデータが必要かと思いますけれども、その上で関係するステークホルダーの方々の御意見を聞いて進めるということです。当然、その中には医師も入ると理解していますし、薬剤師も入ると思っています。そのほかの医学、薬学の専門家の方、それから一般の非医療従事者と言いますか、一般の方も入っていただいていますけれども、そういった関係者の方々の一定の実態調査等をもとに確認して、どういうふうに実態を見ていくのか確認しながら進めていくという意味で、一応、事務局として記載させていただいたところです。

○鈴木委員 関係者に医師も入るというのは分かったのですが、「理解のもとで」ということでの「理解」には、納得と同意が含まれると理解してよろしいでしょうか。

○参事官 当然、関係者の方は多数ですので、若干の意見の相違はいろいろあると思いますけれども、それは話合いをして納得し、合意をしていくことが基本のプロセスだと理解しています。

○鈴木委員 もう一つ、その次の「定量的に示される検査」というところで、我々は定性と、機械器具を使わない半定量ということを話させていただきましたが、定量的に示される検査ということになりました。但し、そのためには、ここに書いてあるような仕組みが必要であることになりましたけれども、これもどういう仕組みができるのか。一方的にやりましたということではなく、いわゆる関係者の理解が得られる仕組みであるとしていただきたいと思いますので、それを文書に入れていただければ一番分かりやすいと思います。それについてはいかがでしょうか。

○参事官 事務局としては、今回、まとめていただいた後、この内容を修正するときには関係者の方々に議論をしていただいた上で、また見直しをするとか、こういう仕組みができたということをやらなければいけないので、それは当然のことと思っていますけれども、文章上、どのように入れるかは少し考えさせていただければと思います。

○鈴木委員 4ページの「終わりに」のところで、ここにも「関係者の理解を得ながら」と書いてありますが、これも先ほどの関係者の理解を得ながらと同じように、医師、薬剤師等の関係者の納得と合意を得てというように理解してよろしいでしょうか。

○参事官 当然、そういう意味で記載させていただいています。

○鈴木委員 ありがとうございました。

○笠貫部会長 今の御指摘のところは、関係者は医師、薬剤師あるいは生活者も全部含めてということで理解はできると思います。それが非常に重要だということから言えば、全ての関係者を入れるように御検討いただけたらと思います。「理解と合意」とは違うところもあるので、「理解・合意」でもいいですし、コンセンサスを得ながらというのが趣旨だと思いますから、そのニュアンスが入るように検討していただけたらと思います。

 それから、先ほど鈴木委員から御指摘のあった遺伝性疾患は非常に大事なので、これは入れていただくということでよろしいでしょうか。これはカウンセラーを含めて非常に重要な領域ですので、今回はこの悪性腫瘍や心筋梗塞の所に遺伝性疾患も加えて記載していただくように、お願いしたいと思います。ほかにはございませんか。

○参事官 今の関係で、関係者の理解と言うときに、先ほど申し上げたとおりですけれども、供給されるメーカー、販売者の方、実際に使われた方の反応も当然お聞きしていますし、技術的なレベルがどうなのか、いろいろなことがありますので、多分、関係者というのをどういうふうにやるのか議論があります。医療関係者、実際の生活者の方、あとはメーカーや販売者の方も入っていただくと、より十分な議論ができると思います。どのようにするかは今後の話だと思いますので、いろいろな関係者、ステークホルダーの方々の理解を得ながらということを補足として御説明させていただきます。

○笠貫部会長 具体的に、ステークホルダーの方を書くのも、一つの方法かもしれませんけれども、御検討いただきたいと思います。

○鈴木委員 今、部会長がおっしゃった「全ての」と入れるのが一番いいし、理解だけでは、今日、こういう議論があってお話はいただきましたが、理解・合意あるいは同意ということがあると、よりはっきりすると思いますので、そこは是非、そのようにしていただければと思います。後半の最後のところもです。

○生出委員 3ページの販売時の情報提供等について、意見を述べさせていただきます。先ほど参事官から、一般用医薬品における分類について検討を行ってはどうかとの意見が示され、今後、安全対策部会等々で諮られると聞いたのですが、なぜそういうことを私が申し上げたかと言いますと、ちょうど中段に「分かりやすく説明するとともに文書、相談応需等の体制を充実する必要がある」と書かれています。今年の6月12日に改正薬事法が施行されたのですが、それと同時に、薬剤師法の25条の2も改正されています。これまで25条の2というのは情報の提供とされていましたが、この改正法では情報の提供に指導が加えられています。ポイントのみを申し上げると、「必要な情報を提供し、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わなければならない」とされました。この薬学的指導を私なりに解釈しますと、副作用を回避するための服用方法を指導することであったり、使用方法を指導することなどになると思います。主には調剤された薬剤ということではありますが、加えて、要指導医薬品、第一類医薬品にも適応されていますので、是非、新しい医療用から転化された一般用検査薬が出現したときには、このような形で薬剤師法25条の2に基づくように、薬剤師が必ず薬学的知見に基づく指導を行わなければならないという形の分類をしていただくことを希望いたします。

○笠貫部会長 そういう要望のあったことを踏まえていただくことで、ほかに御意見はございませんか。

○千葉委員 3ページの下の方ですが、一般用医薬品は現状では第二類医薬品として情報提供が努力義務とされているということがあります。その同じ項目で4ページに続きますけれども、これからの一般用医薬品についても、こうやってはどうかという意見が示されたという文章上の表現があります。これは第二類として情報提供が努力義務とされると、そういったことが骨子になるであろうという想定のお話でしょうか。

○安全対策課長 安全対策課長でございます。御質問、ありがとうございます。当然、品目、これからどういうものが出てくるかによって内容は変わってくると考えます。それについてはこの部会で考え方が示されますから、それに従ってどういうリスク区分があり得るのか。当然、ものによって変わってくることが想定されますので、それらの特徴を考えながらリスク区分の考え方をまとめていただくことになります。

○千葉委員 個々別々に対応していくということですね。この努力義務という言葉ですが、私はよく分からなかったのです。これは努力することを義務づけるという意味でよろしいのでしょうか。では努力しなかったらどうなのか。その辺のところがよく分らなかったのですが、いかがでしょうか。

○参事官 法律上は「努めなければならない」と書いてあるのです。これを「努力義務」という言い方をいつもしていて、結構強い言葉だと思いますけれども、販売時の情報提供という義務は当然あって、これは情報提供を必ずしなければいけないというのもあるのですが、ケース・バイ・ケースでいろいろ出てくる場面もありますので、この部分では努めなければならないという書き方を法律上はしています。内容的にはそれなりに強い言葉だと思っています。

○千葉委員 例えば努力義務でなく、「義務とする」という表現を取ると完全にあれですか、法的に一番強い規制になってしまうということなのでしょうか。

○薬事企画官 総務課の薬事企画官でございます。法律で一般的に義務を掛けるとした場合には、通常、罰則も伴うというのが一般的にありますので、要はその規定に違反した場合には、それに従えなかった人については罰則が適用されるとか、そういったものを伴うのが一般的です。個々の規制の内容に応じて、罰則をかけるまでの強制性とか明確な違反性みたいなものが認められない場合には、こういった努力義務の規定を置いて、そちらの方向に向かってみんなで努力をしていきましょうという規定は、一般的にいろいろな法律であることですので、その形態の一つと考えていただければよろしいかと思います。

○生出委員 千葉委員から御指摘があったとおり、なかなか難しい解釈のところがあると思いますが、私が一般用医薬品の分類について検討を行ってはどうかと発言したのは、正に医療用から一般用へ転化されたときにリスクが分からないものですから、必ず情報提供は義務化されるべきだろう、ですから第一類医薬品にすべきだろうと願いを込めて要望したところです。

○武谷委員 2ページを御覧になっていただきたいのですが、まず上段の(検体)のところには、「採取に際して侵襲性のない検体を対象とする」と書いています。これは大原則としてここでうたっているにもかかわらず、中段以降に「侵襲性が少ない検体」という表現もあるのです。これは「ない」と「少ない」が非常に曖昧であり、ないということを絶対的原則とすると、それ以降の侵襲性が少ない検体について言及するのは自家撞着することになるわけです。

 さらに現状の課題で、「侵襲性のある」とあり、これは侵襲性があるのは条件によっては容認するということで、侵襲性に関する扱い方がこの中で混乱しているわけですから、それはきちんと整理された方がよろしいかと思いますが、いかがでしょうか。

○参事官 確かに、侵襲性がない、少ない、あるとか、若干抽象的な表現を使わせていただいていて、今の武谷先生の御質問になったかと思います。2ページに「侵襲性が少ない検体を対象とする」とあり、なぜ「ない」、「ある」と書いていて「少ない」という言葉を使ったかというと、ここは要望の内容なのです。つまり業界からの要望として、穿刺血についての侵襲性が少ないのだということの要望があったのは事実でしたので、そういう要望があったことについてどう対応するかということで、この文章上、私どもとしては侵襲性がないものと、あるものとについては、また「侵襲性が少ない」と言っているものについては、この中では基本的に、侵襲性があるものという形で整理したつもりです。業界の要望でしたから、それを勝手に変えることはできませんし、要望の内容としては穿刺血を含めたものは侵襲性が少ないという意見でしたから、あくまで要望という形で記載させていただきましたので御理解を賜ればと思います。侵襲性が少ないと言っても、「ある」ということは間違いありませんので、この報告書の骨子を書いた方の気持ちとしては、これは侵襲性があるものという理解で記載しています。

○武谷委員 これだけが前面に出て、全くこれまでの議論に関わっていない方が、これを見たときに正しく骨子を解釈しないといけないわけです。これだけの記載だと、少なくとも私もこの議論の経緯に関わりながら疑問に思ったわけですから、一般検査用の検査項目は侵襲性の少ないと訂正する方が多少分かりやすいのですが、そうすると、また議論を振り出しに戻してしまうことになりますね。

○参事官 その点は、骨子で若干議論の経緯も記載していますので分かりにくくなっています。私どもはそういうことで書いていますけれども、もしこれで方向としてまとまるとすれば、5ページ、6ページに現状の取扱とあります。この次の作業としては、こういった部会の御意見をもとに、現状の取扱がはっきり分かるようにこの中で修正し、今の先生の御質問のように紛れのないような形での記載をして、はっきりさせるようにしたいと思います。

○武谷委員 もう一つ、この文脈で述べている侵襲性について、別個の解説をしていただけると、分かりやすくなるのではないかと思いますので、それを御検討いただければと思います。

○参事官 検討させていただきます。

○笠貫部会長 全てのステークホルダーからの考え方という、見直しの時点で、侵襲性のない、少ない、あるというものの使い方のまとめとして作られたと思います。侵襲性について何らかの解釈を加えておくことは大切かと思いますので、御検討いただきたいと思います。ほかにはございませんか。

○石井委員 5ページ、6ページの「参考」というものも骨子に添付して文書となっていくものなのでしょうか。

○参事官 そこは議論する上で必要だと思いましたので、お付けしているのですが、そういう意味では骨子の参考資料という形にしてもいいですし、かえって分かりにくいから骨子としては外しておくということであればそちらでもいいと思います。ただ、議論する上では、現状の取扱は常にどうなのかということがあった方がよろしいかと思いまして、議論の資料用にはお付けしています。私どもとしては、現状の取扱としての参考資料骨子に参考資料を添付するのは、あまり誤解はないかと思っていますが、何らかのことがあれば外すということでも別によろしいかと思います。

○石井委員 非常に細かくて恐縮ですが、もし残るのであれば気になると思ってコメントさせていただきたいと思います。6ページの一番下、イ)適正な製品管理の必要性ですが、「使用者側におけるチェックが困難なことから、適正な製品管理がなされないまま供給される危険性も考えられるので」のところは、「使用者側におけるチェックが困難なことから、適正な製品管理がなされないまま供給されたものが見逃される危険性も考えられるので」とした方が、この文言の順番でいくとよろしいのではないかと思いました。使用者側におけるチェックが困難なことが理由となって、適正な製品管理がなされないまま供給されるということではないということではないと思います。

○参事官 これは平成2年当時にまとめたもので、確かに今見ると文言を含めていろいろあると思います。よろしければ今回まとめる骨子から取りあえず外して、次回以降、現状の取扱をこの骨子に従って具体的に直したときに、今の先生の御指摘をどういうふうに反映できるかを考えて案を提示したいと思います。

○石井委員 質問ですが、「必要に応じ公的にも品質の点検を行うことが望ましい」というのは、具体的にはどういうことでしょうか。

○参事官 当時の議論は、もう20年も前なので大変申し訳ありません。ここで書いている意図を我々が今理解すると、当然、企業の中で、これは内部と言っていると思いますが、それの製品管理です。今、GMPとか品質管理の保証の基準がありますけれども、そういうことをきちっと徹底することと、外部と言ったらあれですが、今でも例えば抜取検査や外部の公的な機関で確かにそれをやっているのかをチェックする。そういうような品質保証のシステムのチェックとか、あとは外部で市場流通品の抜取検査など、そういったものを想定しているのではないかと思います。今だと当たり前のことになっているのかもしれませんが、多分そういうことではないかと私どもとしては理解しています。

○石井委員 分かりました。ありがとうございます。

○笠貫部会長 この現状の取扱については、本文の骨子案のところで、一般用検査薬のあり方について検討を進める中で、順次検討するというプロセスの中でまとめてあります。この現状の取扱は平成2年のことをまとめて付けましたということなので、骨子案としては付けないことでもよろしいと思います。よろしいですか。

 そういうことで御検討いただくことにしたいと思います。それ以外にございませんか。いかがでしょうか。

 先ほど鈴木委員から出ました、3ページの「2.販売時の情報提供等について」受診率がどうかということは、一つの企業からのアンケート調査だったということです。これも実態をきちんと把握した上で順次検討を進めていくにあたっては、前回にも述べましたが、厚生科研費等で更に実態調査と生活者のニーズがどこにあるかということ、一般用検査薬の目的がどういうふうになっていくのかについて、明らかにしていく研究も進めていただきたいと思います。鈴木委員の御指摘どおりかと思いますので、是非、お願いできたらと思います。ほかにございますか。

○濱口委員 先ほど公的にも点検を行うというくだりがありましたが、こういったキットがいろいろ出てきて、かつて承認されて新たにまた承認されたとき、少なくとも格差が生じてきますから、技術革新のもとに精度の高いものが後からどんどん出てくれば、古いものが残ったままであるのも問題かなと思います。私の希望としては、かつてこの文言が決められたときの内容を今一度よく確認していただいて、できればキットの適正管理を少し肝に銘じておく必要があると思います。言いたいことは、あまり現状に馴染まないようなキットが、いつまでも市場に出回らないようにしておくことが必要かと思っています。

○笠貫部会長 ほかにはございませんか。本日の議論も踏まえてですけれども、これまで3回、部会で十分議論を進めてきたと思います。その上で本日、お示しいただいた見直し案に関する骨子案というものを御議論いただいたわけですが、この骨子案を、本日の議論を更に踏まえて取りまとめさせていただきたいと思います。今日、御指摘いただきました細かい文言の修正は必要かと思いますので、その点につきましては部会長に一任させていただきたいと思います。よろしいでしょうか。

 次回は、本日の骨子を踏まえ、一般用検査薬の導入に関する一般原則を見直すとともに、転用の仕組みについて議論を行いたいと思います。それでは、議題2は終了とさせていただきます。

 次に、議題4、薬事法第十四条第一項の規定により厚生労働大臣が基準を定めて指定する体外診断用医薬品の一部を改正する件について、事務局より御説明をお願いいたします。なお、議題5の薬事法第二十三条の二第一項の規定により厚生労働大臣が基準を定めて指定する体外診断用医薬品の一部を改正する件について、及び議題6の体外診断用医薬品の承認基準(通知)の改正についても関連がありますので、併せて御説明をお願いいたします。

○事務局 報告事項、議題4、議題5、議題6の3議題について、事務局より御説明いたします。なお、先ほど一般用検査薬の議題について御議論いただいたところではありますが、本件につきましては医療機関等で用いる医療用の体外診断用医薬品についての御報告となります。資料4、5、6をご用意ください。

 体外診断用医薬品につきましては、製造販売を行うにあたり、検査項目ごとに大臣の承認が必要なもの、薬事法に定める登録認証機関での認証が必要なもの、大臣への届出が必要なものに分類され、それぞれに関し基準が定められています。また、基準が定められていない検査項目に関しては、製品の製造販売を行うにあたり、大臣の承認が必要とされています。今回の議題4、5、6については、それぞれ届出が必要なものの基準、認証が必要なものの基準、承認が必要なものの基準をそれぞれ改正するものです。

 初めに、資料4について御説明いたします。資料4は、製造販売にあたって、厚生労働大臣に製造販売の届出を行う必要のある体外診断用医薬品の基準についてです。制度の概要にお示ししていますように、体外診断用医薬品のうち、疾病の診断等に使用した際、その診断情報のリスクが比較的低く、較正用標準物質又は標準測定方法が存在する体外診断用医薬品については、「薬事法第十四条第一項の規定により厚生労働大臣が基準を定めて指定する体外診断用医薬品」という告示において、届出の基準を定めています。基準の概要に関しては、資料の中ほどに記載されているとおりとなっています。

 本告示で指定された体外診断用医薬品につきましては、基準に示す機関で提供される較正用標準物質又は標準測定法を用いて、その適合性及び性能を確認し、厚生労働大臣に届出を行うことで製造販売が可能となります。

 今回の改正について、下の表に示します体外診断用医薬品に、較正用標準物質を供給する機関が新たに追加されました。あるいは、新たに標準測定方法を定める機関が定められたことから、これらを届出基準に加えるための一部改正となっています。

 続きまして、資料5について御説明いたします。資料5を御用意ください。資料5につきましては、製造販売にあたって厚生労働大臣の許可を受けた登録認証機関の認証を受ける必要のある体外診断用医薬品の基準についてです。制度の概要にお示ししていますように、体外診断用医薬品のうち、疾病の診断等に使用した際、その診断情報のリスクが中程度に分類される体外診断用医薬品については、「薬事法第二十三条の二第一項の規定により厚生労働大臣が基準を定めて指定する体外診断用医薬品」の告示において、認証基準を定めています。基準の概要については、中ほどに記載されているとおり、既存の品目との相関性を確認し、基準への適合を確認することとなっています。

 本告示に示す体外診断用医薬品につきましては、基準への適合について、厚生労働大臣の登録を受けた登録認証機関の認証を受けることで製造販売が可能となります。今回の改正については、下の表及び裏に示します体外診断用医薬品に関して、既存の品目の承認実績が重ねられたことから、新たに認証基準の対象とするものとなっています。

 最後に、資料6について御説明いたします。資料6は、製造販売にあたり、厚生労働大臣の承認を受ける必要のある体外診断用医薬品の基準です。大臣の承認が必要な体外診断用医薬品のうち、医薬食品局長通知において承認基準が定められているものについては、機構での承認審査において、当該承認基準の適合性を確認することにより審査を行うこととされています。基準の概要については、中段に記載されていますとおり、内容としては先ほど御説明した認証基準と同様に、既存品目との相関性を確認することで基準の適合性を確認することとなっています。今回の改正については、下の表及び裏側の表に示す体外診断用医薬品について、新たに承認基準の対象とするための改正を行うものとなっています。

 なお、議題4、5、6につきましては、パブリックコメントを実施しており、改正内容に係る特段の御意見がなかったことを御報告いたします。事務局からの説明は以上になります。

○笠貫部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問、御意見はございますか。パブリックコメントでも特段の意見はなかったということですので、委員の先生方から特に御意見、御質問がないようでしたら、この議題4から6までを終了とさせていただきます。

○参事官 ありがとうございました。以後の議題につきましては非公開案件ですので、大変恐縮ですが、一般傍聴の皆様には御退席いただければと思います。準備が整い次第、非公開案件の議題の審議等を再開させていただきます。よろしくお願いいたします。

 それでは準備が整いましたので、医療機器・体外診断薬部会を再開いたします。先ほども確認いたしましたが、念のため、非公開の議題に関する配布資料の確認をさせていただきます。配布資料一覧で、資料7、資料8、資料9-1、資料9-2、資料10、資料11-1、資料11-2、資料11-3、資料12と参考資料1となっています。また、当日配布資料3の正誤表と頭に書いてあるものを使います。以上です。

○笠貫部会長 それでは、非公開で行う議題に入ります。本日の審議事項に関与された委員と、利益相反に関する申出状況について事務局から報告をお願いします。

○事務局 資料12及び参考資料1をもとに、影響企業リスト及びその選定理由について御説明いたします。

 まず、COOK Zenith 大動脈解離用エンドバスキュラーシステムについては、2品目について、競合品目として企業からの申出があります。また、裏面にMRガイド下集束超音波治療器ExAblate 2000については、競合品目として3品目の申出がありました。

 本日の審議事項に関する影響企業について、委員の皆様から寄付金、契約金の受取状況を伺ったところ、薬事分科会審議参加規定第12条「審議不参加の基準」又は第13条「議決不参加の基準」に基づき、議決に御参加いただけない委員はおられません。以上御報告いたします。

○笠貫部会長 ただいまの事務局の説明について、特に御意見はありますでしょうか。よろしければ、皆様の御了解を得たものとして議題に入らせていただきます。

 議題7、医療機器「COOK Zenith 大動脈解離用エンドバスキュラーシステム」の製造販売承認の可否等について審議を行います。本議題の審議に当たっては、参考人として山口県立総合医療センター外科診療部部長の善甫宣哉先生に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。

 まず審議品目の概要について、事務局から説明をお願いします。

○事務局 議題7です。資料7の1枚目は諮問書になります。審査報告書というタグの所です。

 一般的名称は、大動脈用ステントグラフト、申請者は、Cook Japan株式会社です。この審議品目の概要及び審査の概要について、機構より説明いたします。

○機構 それでは、機構より説明いたします。当日配布資料5、本品の専門協議委員を御覧ください。本審査に当たり、3名の専門委員から御意見を頂戴いたしました。また、事前に配布した審査報告書に訂正がございますので、当日配布資料3に正誤表をお示しています。お詫び申し上げます。

まず、審査の概要について説明いたします。資料は、審査報告書4ページの「審議品目の概要」です。本品は、胸部大動脈瘤、(以下「大動脈瘤」と略します)その治療用として、既に承認されているTX2ステントグラフトにベアステントを組合せた急性期Stanford B型大動脈解離、(以下「急性B型解離」と略します)、その治療用のステントグラフトシステムです。

 審査報告書5ページに、本品の概観写真を提示しています。大腿動脈、あるいは腸骨動脈を外科的に露出させ、図4のデリバリーシステムによって、図1に示すTX2ステントグラフトを胸部大動脈解離、(以下「解離」と略します)その中枢側のエントリー亀裂が生じた部分まで送達し、図3に示すようなTX2ステントグラフトを留置することで、偽腔への血液流入を防止します。その結果、偽腔が血栓化し、解離に伴う症状の改善が得られます。また、本品の特徴は、図2に示すベアステントです。これはTX2ステントグラフトよりも、末梢側に重ねるように留置され解離により狭小化した真空を内側から拡張することで、大動脈分枝血管への血流を確保し、末梢循環障害を改善させます。

 開発の経緯については、審査報告書6ページを御覧ください。現在、急性B型解離に対し、合併症がない場合は、血圧コントロールを中心とした内科的治療が行われます。一方で、大動脈破裂、内臓虚血等の合併症を有する場合には、本邦では、治療の第1選択として、外科的開胸術による人工血管置換術が行われてきました。しかし、その院内死亡率は決して低くないため、近年ではこれに変わる低侵襲治療として、ステントグラフト内挿術(TEVAR)が開発され、世界的に広く実施されています。また、本邦においても適応外使用ではありますが、既に本品と同一のTX2ステントグラフトを含めた既承認の大動脈瘤用ステントグラフトを用いて、急性B型解離の治療が行われている現状があります。本品の製造元であるCook社は、このような状況を踏まえて本品を開発いたしました。

 審査報告書7ページの()外国における使用状況を御覧ください。本品は、欧州において、解離の適応でCEマークを取得しています。また現在までに、解離の適応を取得している24か国において、TX2ステントグラフトは約□□個、ベアステントは約□□個の販売実績があります。

 次に、本品の非臨床試験成績については、審査報告書8〜16ページに記載しています。物理・化学的特性、生物学的安全性、安定性及び耐久性、性能並びに使用方法を裏づける試験に関する資料が提出されました。審査の結果、非臨床試験で確認できる範囲において、解離用ステントグラフトシステムとしての有効性及び安全性は確認できたと判断いたしました。

 審査報告書17ページ以降にお示しする本品の臨床試験成績については、米国、欧州及びオーストラリアの12施設において、国際共同単腕試験として、STABLE試験が実施されました。この試験は、解離発症から14日以内の急性B型解離患者、及び発症後14日を超え3か月以内の慢性B型解離患者を対象としており、86例が登録されました。

 本申請においては、そのうち、慢性B型解離患者を除いた急性B型解離患者52例の成績を解析対照群として、本品の有効性及び安全性を担保する臨床試験成績(以下「本治験」と略します)として提出されました。審査報告書18ページの図7に、本品留置に必要な解剖学的要件の概要を記載しています。

 次に、結果については、本治験の主要評価項目は、「全ての原因による術後30日間の死亡率」と設定されました。審査報告書20ページの表6のとおり、本品治療群の術後30日間に認められた死亡は52例中3例であり、死亡率は5.8%でした。この成績は、国際的な急性B型解離の外科的開胸術レジストリーデータを基に設定された達成基準の29.3%と比較して、有意に低い死亡率でした。また、安全性に関しては、審査報告書21ページの表8に示すとおりであり、本品治療群における主要な有害事象発生率は、外科的開胸術レジストリーデータと比較して、特に高い頻度の事象は認められませんでした。

 次に、審査における主な四つの論点について説明いたします。一つ目の論点としての「本品の有効性」については、審査報告書27ページの()です。機構は、本品の留置により、術後30日間の死亡率は外科的開胸術より有意に低い結果であったこと、術後12か月までの死亡率は、外科的開胸術の成績に劣るものではないと考えられることから、本品の有効性は示されたと判断いたしました。

 二つ目の論点は、本品の長期的安全性について、審査報告書30ページです。本品は埋植機器であることから、短期的な安全性のみならず、長期的な安全性を保つため、本品留置後に適切なフォローアップ検査を行い、場合によっては、二次的介入治療等を行う必要があります。審査報告書25ページの表1531ページの表17に示すとおり、本治験においては、医師の判断に基づき適切な時期の二次的介入治療が行われていることを確認いたしました。本邦導入の際においても、本治験と同様に適切な管理ができるようにフォローアップ検査等の必要性について、注意喚起を行うとともに、市販後使用成績調査においても、情報収集していく必要があると判断しています。

 三つ目の論点は、本品の使用目的について、審査報告書32ページの()です。本品の適用になる合併症とは、内科的治療が奏功せず外科的治療が必要となるものです。

 具体的には、本治験の選択基準を踏まえ、一つ目として「分枝血管の閉塞又は障害」、二つ目として、「大動脈周囲の滲出液又は血腫」、つまり、「大動脈破裂」です。三つ目として、「治療抵抗性高血圧」。四つ目として、「持続性の強い疼痛」とする旨が申請者より説明されました。

 このうち、生命の危険に直結する大動脈破裂及び重篤な臓器虚血は、内科的治療により救命することは困難であること、並びに血圧コントロールや疼痛緩和のために通常行われる内科的治療により十分な効果が得られない場合、臨床的には解離の進行が示唆されるとの専門協議での議論も踏まえた結果、本品の使用目的を審査報告書33ページの中段に記載しました「本品は、合併症を有する急性期Stanford B型大動脈解離のうち、内科的治療が奏功しない患者の血管内治療に使用される」に変更することが適切であると判断いたしました。また、本品の治療対象は、急性B型解離患者ですが、専門協議での議論も踏まえ、実臨床の現場では、本邦ガイドラインに急性期と定義される発症から14日目をわずかに過ぎた症例であったとしても、患者の状態によっては、本品の有効性及び安全性が大きく損なわれる可能性は低く、医師の裁量の範囲において、本品の使用が許容されるものと考えます。したがって、本品の治療対象の期間を解離発症後14日以内に限定すること、並びに使用目的において厳密な日数制限を行うことは妥当ではないと判断いたしました。

 四つ目の論点は、市販後安全対策及び使用成績調査について、審査報告書34ページです。本品を適切に使用するため、講習受講等により、本品を用いた血管内治療に関する手技、及び同治療に伴う合併症等に関する十分な知識を有した医師が、適切な体制が整った医療機関で使用する必要があるため、既承認の大動脈瘤用ステントグラフトと同様に、審査報告書36ページに示す「承認条件」3と4を付すことが妥当と判断いたしました。

 また、市販後使用成績調査については、審査報告書35ページの4段目以降に示すように、本邦において、患者に本品を使用した際の情報がないことから、使用成績調査において情報収集するとともに、得られた情報を基に適切な対応を取る必要があると判断いたしました。また、海外で先行して実施された本治験の長期成績については、本邦での適切な安全対策が重要であることから、既承認の大動脈瘤用ステントグラフトと同様に、審査報告書36ページに示す「承認条件」1及び2を付すことが妥当と判断いたしました。  

以上の審査を踏まえ、機構は、本品を承認して差し支えないとの結論に達し、本医療機器・体外診断薬部会で御審議いただくことが適切と判断いたしました。再審査期間は3年、生物由来製品及び特定生物由来製品には該当しないと判断いたしました。なお、薬事分科会では報告を予定しております。

 また、事前に頂いた御意見として、菱田委員から脳卒中の発生リスクが本品特有であるのかという御質問をいただきました。この点については、解離及び大動脈瘤に対して行われるカテーテル治療では、大動脈瘤近傍でカテーテル操作を行うため、カテーテル操作に伴う脳卒中の発生リスクが常にあります。したがって、本品特有のリスクではない旨を回答させていただきました。なお、脳卒中発生頻度については、市販後使用成績調査の中でも重点的に調査することとしております。

機構からの報告は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○笠貫部会長 参考人の善甫先生から、何かございませんでしょうか。

○善甫参考人 まず本品の有用性ですが、従来の開胸手術と比べてエントリーを閉鎖することは非常に有用だと思います。既に大動脈瘤に対して、このステントグラフトを承認されていますが、それに勝るとも劣らないぐらいエントリーの閉鎖に対しては、もともとエントリーは小さいですので、血管内にステントグラフトを入れると非常に閉鎖率は高くなると思います。また、先ほど機構から説明がありましたが、従来の急性期の開胸手術のコンプリケーティドケース、例えば大動脈破裂や、内臓虚血の症例に対する従来の開胸手術は早期成績が非常に悪く、早期死亡率が2530%ぐらいありますので、この本品の成績の5%前後という数値は、非常に優れていると思います。また症例数についても、既に大動脈瘤用ステントグラフトが承認されている現在は、大体2008年から胸部ステントグラフトが承認されていますが、現在までに1万3,500例ぐらい施行されていて、そのうちの25%ぐらいは既に解離性大動脈瘤として適応外使用ですが、使用されている現状を踏まえると、非常にニーズが高いのではないかと思います。

 実は、昨年度の日本人の死亡原因の第10位に、大動脈瘤、大動脈解離が入っています。更に女性は、第9位の死亡原因になっています。そのような意味からも、本品は非常に臨床的に有用ではないかと考えます。

○笠貫部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御意見、御質問はありますでしょうか。

○梅津委員 日本人は西洋人に比べて比較的体格が小さいということがありますが、それに対する製品の特別な有用性や効果など、そのようなことについて何か、今までの御経験の中でコメントはありますか。

○善甫参考人 胸部ではありませんが、腹部大動脈径の正常径は20mmですが、欧米人は日本人よりも体格が大きいですが、欧米人の腹部大動脈径も正常は20mmといわれています。胸部は大体、私の臨床的経験では30mmぐらいが平均径で、体格と大動脈の大きさは、さほど変らないのではないかと思います。ですから日本人でステントグラフト治療が劣るとか、若しくは勝るとか、そのようなことはないのではないかと思います。

○笠貫部会長 ほかにありますか。

○武谷委員 添付文書の安全性が確立されていないという所に、妊娠中、授乳中とありますが、御存じのようにマルファンなどの女性は気づかないうちに妊娠して、突然の転機は、妊娠中あるいは産褥に非常に多いのです。実際にマルファンの場合は、かなりの女性が、このようなイベントを起こすのは、妊娠や産褥に関係するので、もうちょっと表現を、これはこれでいいのですが、少しその辺りを考慮した表記にできないのかという気がします。

○参事官 添付文書の警告の所の記載ですね。

○武谷委員 はい。

○善甫参考人 マルファン症候群に対する血管内治療、ステントグラフト内挿術は、一般的ではありません。ですので、禁忌とは言えませんが、余り使われていません。ごく限られた症例には効果があるとされていますので、妊娠している女性の方がどうかということはなかなかエビデンスがありませんので、このような書き方になっているのではないかと思います。

○武谷委員 さすがに妊娠中はあれですが、早期に妊娠を中断して、その後、直ちに治療ということもあり得るのではないかと思うのですが、その辺はいかがですか。

○善甫参考人 あり得ますが、実際、私もマルファン症候群の方に、B型大動脈解離のステントグラフト内挿術を施行したことがありますが、非常に大動脈や動脈が解離しやすく、血管内治療の適応ではなかったという症例もあります。マルファン症候群が全てステントグラフトはできないのではないかと思いますので、このような書き方になっていると思います。

○笠貫部会長 ほかにありますか。

○荒井部会長代理 コメントです。今回の14日の急性期の判断に関して、臨床試験では、試験のエンドポイントに至るために、試験の選択基準である14日以内の適応に限って試験をやっています。ところが、実際の一般妥当性のところで、14日を過ぎた症例をひろえるかという機構の御判断です。どちらかというと今までは臨床試験の適格基準の方に縛られて、最終的なところで実用的になるとまずいかなというところが多かったのですが、今回の機構の御判断は、私は非常に高く評価したいと思います。ここであえて、一言発言させていただきました。以上です。

○笠貫部会長 ほかにありますか。善甫先生にお聞きしたいのですが、先ほど、大動脈瘤ステント、1万3,000以上使われていて、その25%が解離性大動脈瘤だというお話をお聞きしたのですが、これはオフラベルユースですので、この成績について学会としては、まとめいただいているのでしょうか。

○善甫参考人 学会としては、早期成績のみならず、遠隔期の成績もありません。ただし、早期成績が非常に良好です。慢性の大動脈解離の場合、基本的には偽腔径が大きくなった症例、あと一部は、慢性でも腹部の内臓虚血若しくは下肢虚血の症例にステントグラフトが行われていますが、長期の成績はまだエビデンスが得られていません。例えばリモデリングといって、偽腔が血栓化し、偽腔が縮小するという、その率は急性期の適応に比べれば悪いです。ですので、本品は、急性大動脈解離に限っているというのは、そのような事情があるわけです。

○笠貫部会長 慢性期の成績がなくても、今回の品目の試験では、術後30日の死亡率で見ていますが、そのレベルでは良い成績が得られており、日本でも、そうだというように考えてもよろしいですか。

○善甫参考人 それは、急性期の場合ですか。

○笠貫部会長 急性期の場合です。

○善甫参考人 それは、全く問題ないと思います。多分、実臨床では5%よりも、もっといいと思います。

○笠貫部会長 エントリー閉鎖に関しては、この本品と従来の大動脈瘤ステントと比較すると、成績としては、本品の方がいいと先生は期待されておりますか。

○善甫参考人 従来の、いわゆるカバードステント、ステントグラフトの部分に関しては、従来品とさほど変わらないと思いますが、本品の特徴は大きな径のベアステントを末梢に追加するので、それを置くことによって二つの利点があります。一つは、リエントリーの血流を減らす。もう一つは、偽腔が拡大して真腔が狭小化している部分を物理的に広げるという二つの利点がありますので、従来品よりは良いのではないかと期待しています。

○笠貫部会長 ありがとうございました。ほかにありますでしょうか。これは外科的開胸術のヒストリカルコントロールでの臨床データですが、今の善甫先生のお話でいえば、海外での達成基準は30%ですか、これと、日本でも術後30日の死亡率は同じだと考えてもよろしいでしょうか。

○善甫参考人 アイラッド試験では、大体29%ぐらいの死亡率を示していて、日本では、昨年、日本胸部外科学会が2011年の大動脈解離の成績を出していますが、従来の手術でも1525%の死亡率ですので、少し年代の違いはありますが、ほぼ同等ではないかと思います。

○笠貫部会長 ほかにありますか。アメリカでは、まだ未承認だということですが、この経緯について説明いただけますか。

○機構 機構より説明いたします。本品を米国で申請していない理由に関しては、現在、本品の一部改良した品目で、日米で国際共同治験を実施しているところです。その理由としては、FDAが急性B型解離に適応を取得するために要求事項を出すのですが、その要求事項を出す前に本治験をやっていて、一部要求事項に合わなかったため、改めて治験を実施しています。

 その要求事項として合わなかったところとしては、対象患者を破裂と虚血に限定していることと、米国では、解離の治療のファーストラインとしてステントグラフトが実施されている現状を踏まえて、ステントグラフトの成績と比較するようにFDAは要求したので、Cook社としては、もう一度治験を実施しているという現状です。

○笠貫部会長 改良品は日米共同治験をされているのですか。

○機構 そのとおりです。改良品に関してもCook社としては、本邦に申請する予定というように伺っています。

○笠貫部会長 そうすると、改良品については、FDAの要求事項を考慮した上で、日米共同治験を進めていて、改良品ではなくて、前の物について、ここでは外科的開胸術のヒストリカルコントロールと比較した成績で承認を頂きたいというような捉え方でよろしいですか。

○機構 はい、そのとおりです。

○笠貫部会長 学会等との改良品が出る前の話なので、臨床現場としてのニーズが非常に高いかどうかについての検討はいただいているのでしょうか。

○機構 学会との連携という観点でお答えしますが、よろしいでしょうか。学会との連携に関しては、本品は先ほど申しましたが、既にステントグラフトとして市場に流通していることから広く使用されています。

 適応使用に関しては、関連10学会からなる「ステントグラフト実施基準管理委員会」というのがあって、そちらと情報を交換しながら適正な運用が行えるようにお願いしています。具体的には、現在、基準管理委員会の規定が大動脈瘤に限った規程となっていますので、そこを本品承認後には「大動脈瘤及び解離」にしていただくという改定を検討いただくことや、あるいは本品がチューブ型の通常型のステントグラフトですので、分枝血管対応型という複雑な形ではありませんので、従来承認されている大動脈瘤の実施規程を準用するということで、特段の問題は生じないということを委員会の責任者と連絡を取りつつ確認しているところです。

○笠貫部会長 ほかにありますか。

○村上委員 今回のデバイスの特徴は、ステントグラフトとベアステントを組み合わせるという点ですが、血管がかなり構造的に弱い状態で使われるので、例えばベアステントが移動するようなことは、普通は起きないのでしょうか。

○機構 実際、臨床試験では52例中50例において、ベアステントが用いられています。本数にすると、72本です。その中で、ステントグラフトの移動によって重篤な有害事象が生じたということはありませんでした。ですが、あくまで72本での成績ですので、マイグレーションに関しては、今後、市販後の販売状況や有害事象報告などでしっかり見ていく必要があると思いますし、PMSでも、その辺りはしっかり調査項目として設定しています。

○笠貫部会長 ほかにありますか。これは全症例登録になっていますけれども、学会との関連はどのような形で進めるのでしょうか。また、企業だけでやるのか、あるいは学会と企業が連携しながら全症例をするかについては、いかがでしょうか。

○機構 PMSの症例数ですが、全例ではなく、症例数の設定としては40例を予定しています。40例は実情を考えると、年間の大動脈解離に対するステントグラフトの実施件数などを考慮して算出しています。学会との連携というよりは、実際に治療が実施される施設数なども検討しましたが、この疾患は非常に重篤で、治療ができる施設も限られているというように考えています。企業としても契約できる施設の件数であるとか、あるいは1年間の症例数の見込みなども考えて、40例と設定しています。

○笠貫部会長 40例の根拠というのは、施設数と対象になる症例数を、それぞれ何症例ぐらいと見ているのですか。あるいは、施設数をどのぐらいに見越しているのかということについてです。

○機構 資料7に、オレンジのタグの使用成績調査実施計画書()があります。7ページに症例数の設定について書いています。今回、STABLE試験の死亡率が5.8%でしたので、その成績と同等性を見るという観点から必要症例数として、35症例が算出されました。その中で、脱落を考慮して合計40例を設定するというPMSへの案が出されました。

○笠貫部会長 先ほど、関連学会が10学会ということでしたが、実際に、このステントが使われている学会、関連する学会はそれほど多いですか。

○善甫参考人 実際ですね、腹部、胸部はかなり多くあります。ただ、基本的には心臓血管外科、若しくは血管外科、あとは、一部の放射線科、一部の循環器内科の先生方が使われていますが、胸部に至っては、大半が外科系の診療科ではないかと思います。

○笠貫部会長 関連学会が多いということは、トレーニングの方をどのようにきちんとするかとについて学会との連携をしていくことになりますね。それ以外に何かありますでしょうか。

○荒井部会長代理 今の市販後調査の所で、5%で40例というところを、ちょっと理解できなかったので、もう1度御説明いただけますか。

○機構 オレンジのタグの使用成績調査実施計画書()の7ページに、設定の根拠が記載されています。その下の「症例数の充足性」の所に、ステーブル試験が5.8%でしたので、登録症例数は35例とした場合、死亡率の95%信頼区間が[,15.8]に入ると考えられると記されています。一方、本邦での成績は10.4%の信頼区間を取った場合、上限値が20.4%ということを踏まえて35例としています。

○荒井部会長代理 伺ったのは、この症例数は登録が極めて遅いと思っただけです。いつも申し上げていますが、市販後調査は、何をするためにどれだけの症例数が必要だということを明確に示していただくことが一番大事であって、要するに、たくさん必要で、そのために遅かったら多少期間が延びてもそれはやらなければいけないことです。そこのところは、何を知るためにこのようなことを要求するのかということを明確にしていただくような対応が望ましいかと思いますので、今後、御検討いただければと思います。以上です。

○笠貫部会長 ほかにありますでしょうか。特にないようでしたら、議決に入りたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 医療機器「COOK Zenith 大動脈解離用エンドバスキュラーシステム」については、本部会として承認を与えて差し支えないものとして、再審査期間は3年間とし、生物由来製品及び特定生物由来製品の指定は不要ということでよろしいでしょうか。

 それでは、御異議がないようですので、そのように議決させていただきます。審議結果については、次の薬事分科会において報告することにいたします。

 これで、議題7は終了いたします。善甫先生におかれましては、御退室いただいて結構です。ありがとうございました。

それでは、議題8に移ります。議題8、MRガイド下集束超音波治療器ExAblate 2000の製造販売承認の可否等について審議を行います。

 本議題の審議に当たっては、参考人として、山梨大学放射線科教授の大西洋先生に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。

 まず、審議品目の概要について、事務局から説明をお願いします。

○事務局 議題8について、事務局から御説明いたします。資料8を御覧ください。1枚目が諮問書です。本議題では医療機器「MRガイド下集束超音波治療器ExAblate 2000」の承認の可否等について御審議をお願いします。それでは「審査報告書」というタグを引いて、1ページを御覧ください。一般的名称は、超音波式ハイパサーミアシステム。申請者は、GEヘルスケア・ジャパン株式会社です。本申請は、平成21年9月に医療機器製造の販売承認を受けた品目に対する一部変更承認申請です。審議品目及び審査の概要については、総合機構より御説明いたします。

○機構 当日配布資料5の裏面を御覧ください。本品目の専門協議委員は、資料にお示しする6名の専門委員の御意見を頂きました。また、事前に配布した審査報告書の修正がありましたので、当日配布資料4としてお配りした正誤表にてお示ししております。お詫び申し上げます。

 最初に、品目の概要について説明いたします。審査報告書の5ページ、「審議品目の概要」を御覧ください。本品は、体外のトランスデューサで発生させた超音波を体内の焦点に集束させることにより、標的組織を加熱、壊死させることを意図する治療器です。本品は接続が検証されたMR装置と接続して使用します。治療計画をMR画像上で行い、MR装置から得られる画像データに基づいて、照射部位の位置、温度等をモニタリングし、位置及び熱線量の検証を行いつつ治療を実施します。審査報告書の6ページの図2に、本品の外観をお示しております。本品はトランスデューサを内蔵する患者テーブル型の装置本体と、ワークステーション及び付属品から構成されます。

 次に、開発の経緯を説明します。本品は症候性子宮筋腫の症状改善を目的とする適応で、平成21年9月1日に既に承認されております。製造業者であるInSightec社は製品の改良を進めるとともに、骨転移がんによる疼痛の緩和を目的とする新規適応についても開発を進め、201210月には米国でPMA承認を取得しています。骨転移がんによる疼痛の緩和を意図する局所療法として確立した方法としては、放射線治療が知られています。本品は超音波照射によって、骨膜に存在する痛みを感じる神経組織を加熱、壊死させ、その結果として骨転移がんによる疼痛の緩和を図るものであり、既存の局所療法である放射線治療とはその原理が異なっております。

 次に、非臨床試験について説明します。骨転移がんによる疼痛の緩和における本品の性能を検証する非臨床試験の成績が提出され、審査の結果、評価できる範囲内において骨を対象とする本品を使用する場合の有効性・安全性は確認できたと判断しました。また、従来の症候性子宮筋腫への使用時の治療計画の自由度、操作性の向上を目的とする変更が併せて申請されています。審査の結果、これについても特段の問題はないと判断しました。

 次に、臨床試験について説明いたします。審査報告書の19ページ、臨床試験成績に関する資料を御覧ください。骨転移がんによる疼痛の緩和について有効性と安全性を評価するために、米国及びロシアを主体とする海外5か国の17施設において、シャム対照群を設定した前向き多施設無作為対照単盲検試験が実施されました。対象は、放射線治療を受けたが十分な痛みの緩和が得られなかった、医師が放射線治療を処方しなかった、又は放射線治療を拒否した有痛性骨転移がん患者とされています。これは様々な理由で放射線の適用外とされた患者群を指すもので、以下「radiation failure」と呼ぶことにします。有効性評価については、疼痛の程度を11段階で主観的に評価するNumerical Rating Scaleが用いられました。このスコアが3か月後に2ポイント以上改善していること、疼痛の緩和のために薬物使用量が25%以上増加していないことを、ともに満たしている場合を「レスポンダー」と定義し、試験群のレスポンダーの割合が50%以上で、かつ試験群のレスポンダーの割合がシャム対照群のそれと比較して有意に高いことが、主要有効性評価基準とされました。

 審査報告書の24ページ、表5を御覧ください。本試験では症例登録が思うように進まず、FDAの合意の下で中間解析が実施されており、その結果を示したものです。試験群のレスポンダーの割合66.7%は、シャム対照群の23.1%よりも有意に高く、その95%信頼区間の下限値55.3%は、50%を上回っております。

 有害事象に関しては審査報告書の25ページ、表6を御覧ください。死亡例についてはその多くががんの進行によるもので、いずれも手技との関連性は否定されています。外科的治療を要した骨折が1例報告されていますが、手技との関連性を否定できない重篤な有害事象はこれを除けば見られませんでした。本品に特徴的な有害事象としては、超音波照射による痛み/不快感が36%と高頻度に見られ、皮膚熱傷が2例に認められました。また骨折が2例、神経損傷が2例に認められております。この神経障害の2例は、超音波照射による直接的な神経損傷ではありませんでした。

 次に本品の審査における主要な論点について、順に説明いたします。一つ目の論点は、本品の有効性についてです。本品の中間解析結果において主要有効性評価基準が満たされていることから、本品の有効性は検証されていると判断しました。審査報告書の26ページ、表7を御覧ください。中間解析後も収集された症例を合わせた全症例を対象とする地域別部分集団解析の結果をお示ししています。ロシアコホートでは非ロシアコホートよりも明らかに有効性が高いことが判明しました。その理由は、ロシアにおいては深い鎮痛・鎮静処置の下で治療が実施されており、長音波照射に伴う痛みが適切に管理された結果、病変を十分に焼灼できたことが原因であると考えられました。このことから、本治療法においては超音波照射に伴う術中の痛みを適切に管理することが、有効性を発揮する上で重要であると考えられます。

 二つ目の論点は、本治療法の安全性とリスク低減策についてです。MR室において、より深い鎮痛・鎮静処置を実施する場合も想定されることから、患者の安全性を確保する必要があると考えました。そこで患者ごとの全身状態を考慮した上で、鎮痛・鎮静処置を選択すること、MRに対する適合性のある機器を用いて鎮痛・鎮静処置を行うこと、術中の患者の安全を確保するため、患者の全身状態を管理できる医師を配置し、患者の状態の急変に備えた緊急時の対応を事前に決めておくことを添付文書の警告欄に記載し、使用者へのトレーニング資料にも、これらの事項を盛り込むことといたしました。

 皮膚熱傷を生じた2例は、いずれも深い鎮痛・鎮静処置の下で実施されたロシアコホートの症例でした。これらは使用者が患者の体動を術中に適切に監視していなかったことが原因でした。したがって、術中の画像モニタリングを適切に実施するよう周知徹底することにより、リスクを低減できると判断しました。治療後に骨折を生じた2例は、いずれも溶骨性病変であり、このうち1例はサイズの大きな病変でした。このことを情報提供するとともに、切迫骨折した部位に病変が存在する場合に、その部位に対しては本品を使用しないことを添付文書の禁忌・禁止欄に記載しております。

 一方、本品の骨折の発生率そのものは2%、100例中2例ということで、骨転移がんの病巣そのものに病的骨折のリスクが潜在することを考慮すると、許容範囲内であると判断しました。超音波照射による直接的な神経損傷は認められておりませんが、神経損傷のリスクは潜在的に存在しております。これについては解剖学的知識を有する医師による適切な治療計画の立案と、術中温度モニタリングを確実に実施することで、リスクを低減できると判断しました。

 三つ目の論点は本品の使用目的、効能又は効果についてです。審査報告書の44ページの1行目、「使用目的、効能又は効果」の II の記載を御覧ください。当初、申請者は本品の対象をradiation failureに限定しないこととしていました。しかし、臨床試験ではradiation failureを対象として実施されており、放射線治療の代替療法としての本品の有効性・安全性は評価されておりません。また、放射線治療においては本品で必要とされるような特別な術中の疼痛管理は一般的に不要です。

 以上を踏まえ、機構は本品の骨転移がんによる疼痛の緩和における対象を、放射線治療の適応が適切ではない、又は放射線治療を実施したが効果が見られない者に限ることといたしました。

 四つ目の論点は、本品の対象病変についてです。脳・脊髄等を損傷することによる重篤な有害事象を避けるため、頭頸部、頸胸椎、第1及び第2腰椎レベルを治療部位から除外するとする申請者の申出は妥当であると判断いたしました。大きな病変、著しい骨破壊性変化を伴った病変、同一病変部の再治療については、本試験では十分に評価されているとは言えませんが、適応対象をradiation failureに限定した場合の本品の臨床的なニーズを考慮し、これらについても本品の適応に含めて差し仕えないと判断しました。また、多発性骨髄腫については、本試験における評価は不十分であるものの、骨折リスクを適切に評価することを注意喚起することとし、本品の適応に含めて差し支えないと判断しました。これらの承認に含める対象病変、対象疾患については、治療を行う際の留意点を使用者に情報提供し、かつ製造販売後調査における調査項目にも加えることとしています。

 五つ目の論点は、本品の本邦臨床現場への導入方法についてです。本品による骨転移がんの疼痛緩和治療においては、当該治療に伴う疼痛の管理をMR室という特殊環境下で実施する際の安全対策が必要となること、使用者が本品についての十分な知識と経験を有することが治療効果に影響する可能性があることから、使用者に対して十分な教育を行うことが重要であると考え、審査報告書43ページ中段に示したように、既承認適応において設定されている承認条件1に加え、新たに承認条件2を付すことが妥当と判断しました。

 以上の審査を踏まえ、機構は本品を承認して差し支えないとの結論に達し、本医療機器体外診断薬部会で御審議いただくことが適切と判断しました。再審査期間は3年、生物由来製品及び特定生物由来製品には該当しないと判断しました。なお、薬事分科会では報告を予定しております。機構からの報告は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○笠貫部会長 それでは、参考人の大西先生からお願いいたします。

○大西参考人 様々な報告例と、それに対する評価・吟味等に関しては、御報告のあったことに賛同いたします。山梨大学では子宮筋腫に対し、10数例ぐらい、既に臨床経験を積んでおり、その上での意見を述べさせていただきたいと思います。今回、骨転移に対しての新たな審査ということですけれども、子宮筋腫と比べますと、明らかに患者の病態、適応判断の難しさ等がありますので、今回、このような審議が十分吟味される必要があると考えております。私からは三つの論点でお話したいと思います。

 一つ目に、放射線治療と本治療法の位置付けに関してです。特に放射線治療との比較においては、普段、私は放射線治療を専門的にやっているわけですが、疼痛、骨転移に対しての放射線治療の効果、歴史的な背景、様々なことに関しては、既に十分確立しております。特に簡便性、治療時間の短さ、奏功率の高さについてです。それから今回、申請者は早期疼痛緩和が得られると述べているようです。放射線治療の骨転移に関しては、評価時期が4週目ぐらいで報告されていることが多いのですけれども、実際には照射中、照射直後から疼痛が取れてきますので、非常に早期に取れるという意味でも、まずは放射線治療を優先することが基本原則だと強く感じております。

 ただ、先ほども御報告がありましたように、既に放射線治療を行ったにもかかわらず、疼痛が取れない、又は再発したという例、それから放射線治療抵抗性の腫瘍等に関しては有意義な治療法だと思われるので、今回、このような判断でよろしいのではないかと思っております。

 それから大きな病変や同一部位への再治療、多発性骨髄腫に関しては御報告があったとおり、まだ安全性・有効性に関する十分な評価がない状況だと思われます。積極的に除外する理由は見当たらないと思われますけれども、今後は十分な市販後調査、フィードバックが必要ではないかと思っております。また、本治療後の一次評価だけでなく、奏功期間や疼痛の再発率といった評価も、市販後調査に十分必要だと考えております。

 次に、安全性の確保に関しては御報告のあったとおりです。一つは、手技に伴う有害事象です。特に皮膚の熱傷、神経障害に関して十分な対策を取ることと、手技中は深い鎮静・鎮痛が必要になると思われます。特に深い鎮静に伴う呼吸抑制等々に関して十分な安全性の確保が必要だと考えており、それに対する十分な準備とガイドライン等の設定、トレーニングが必要だと感じております。参考になるものとしては、小児学会と医学放射線学会から出されている「MR検査時の鎮静に関する共同提言」という文章がありますので、その内容が参考になるのではないかと考えております。

 三つ目に、ガイドライン等を策定する際の関連学会等です。現場で最もタッチしているのがMRIの検査医、検査技師、看護師ですので、まずは医学放射線学会が基本になって取りまとめます。また、医学放射線学会の下にあるMR学会、放射線腫瘍学会があります。特に放射線腫瘍学会が、実際に現場で骨転移を治療することを担当しております。それから、IVR学会というのが、医学放射線学会の中にありますので、それらが関係します。それから鎮痛・鎮静に関する麻酔科学会、適応の判断等に関するがん治療学会、緩和医療学会、整形外科学会などが関わるべきで、その可能性があると思います。ガイドライン策定の際には十分吟味をしつつ、作業を進める必要があると考えております。

○笠貫部会長 それでは委員の先生方から御意見、御質問を頂きます。

○荒井部会長代理 まず先生に教えていただきたいのですが。実際に、この治療に掛かる手間暇です。radiationに比べると、大分手間が掛かるのではないかと思うのです。ここまでに至らなくてはいけない患者さん、要するに骨転移の痛みの場合は、鎮痛剤の量を増やすのが一番の常套手段というか、簡単な手段ですし、ほかに骨セメントなども承認されております。実際に先生の所で年間にどのぐらい、これに至る症例が今後出てくると予測していらっしゃいますか。

○大西参考人 おっしゃるとおりと言いますか、放射線治療や先生がおっしゃった様々な別の薬剤的な治療やIVR的な治療で疼痛緩和ができます。この治療は特に長時間掛かることと、うつ伏せのような姿勢で長時間、2時間近く患者が耐えなければいけません。もともと痛みのある患者に、そういう中で治療の苦痛を強いなければいけないということがありますので、ほかの治療でかなり賄われるということと、更に鎮静・鎮痛等を必要とする作業に耐えられるかということを含めると、我々の施設は600床ですけれども、恐らく年間に10例はないだろう、数例いるかどうかというレベルだと思います。

○荒井部会長代理 この機器に関する承認過程の問題ではないのですが、先生の所は大学としてこれを入れていらっしゃって、子宮筋腫の治療をやっていらっしゃるわけですね。子宮筋腫にはもともと手術やホルモン療法もあるし、塞栓術もあります。ところが問題は、これは3年前に承認が下りているのに、その間に日本に入れられた機器の台数が台ということです。なおかつ、私が一番問題視しておりますのは、これを製造販売している業者が保険の適用を申請していないのです。ですから先生の所の子宮筋腫のこの治療は、多分、自費といった形で保険診療ではないと思うのです。

 今の縦割りの中で、機器の承認に関してはこの部会でやっているからいいですが、企業が薬事承認を取ったので日本で売れます、しかし保険は通しませんということになってくると、一部のかなり偏った施設で購入し、これを看板に出して自由診療としてやってしまうという流れを手助けしてしまう可能性があるのではないかと、私は懸念しております。やはり今の日本の中では、よほど特殊な機器、高額な重粒子線などは別かもしれませんけれども、企業は本来、ここを通れば次は当然、保険収載を目指すという性善説での議論をしているのです。前回の子宮筋腫と同じように、今回骨転移が通りました、なおかつ薬事承認は通ったけれど、次は行かないということになってくると、悪い影響が出てくるのではないかと思うのです。これは先生に御質問と言うより、その辺はどういうようにお考えでしょうか。

○機構 機構から御説明いたします。現在、既に承認されている子宮筋腫に関しては、確かに保険収載のための申請がまだなされていない状況です。ただ申請者としては、保険収載へ向けての申請の準備は進めているという回答を頂いています。ただし既に4年を経過していて、実際に保険収載をされていないという状況を考えますと、確かに先生のおっしゃるとおり、実際の医療の状況として憂慮されるような状況になっていると言えるかと思います。

○荒井部会長代理 ここからは私の勝手な憶測です。例えば、参考人の大西先生の所のような、きちんとした施設だと、順番を追っていくと年間10例ぐらいしかやらない、あるいは10例以下という御発言があったわけです。これをがんの患者で、痛くてかわいそうということで、看板に上げれば、お客さんを集めるのは決して難しい領域ではないのです。ですから、そういった施設でこういったものをインターネットに載せて患者を集めて、かなり高い値段を取ってやるということが、実際に起こってくる可能性が結構高いのではないでしょうか。そういう点では、現在台入っておりますけれども、多分、先生の所以外は大学関係ではないのではないかと認識しております。ですから、その辺はかなり慎重にここでディスカッションする話ではないかもしれませんけれども、縦割りで隣の話というようにしてしまうと、具合が悪いのではないかと思っております。

○大西参考人 大学では、確か高知大学が。

○機構 はい。ただし、子宮筋腫の承認品目として導入されている大学は、山梨大学と徳島大学に入っています。高知大学に入っているのは骨転移専用ということで、研究目的のため、承認品としての導入ではありません。ですから本品は、大学としては三つ導入されているということになります。

○参事官 今のお話は結構、根本的な問題もあって、今何ができるかというと、多分ないと思うのです。非常に数が少ない、例えば日本国内でも数台しか出ないような機器というのは、こういう議論が出てくると思うのです。da Vinciでも似たような議論があるのかもしれません。つまり、個人輸入でやるような場合、承認はとるけれど保険の適用には行かないとか、先進医療で行く場合とか、いろいろなケースがあります。この辺は中医協でもいろいろな議論があるのですけれども、正直言って、どのようにやるかというのは今のところ余り皆さん良い知恵がないのではないかという気がしています。

 ただ、問題意識はよく分かります。私ども機器室の方でも、何ができるかは分かりませんが、いろいろな状況を見ながら、少なくともいろいろな情報収集、状況がどうなっているかを、まずは見ていきたいと思います。正直に言って、今何ができるかというのは難しいと思うのですが、どういう状況になって、どのような判断で、企業もどう考えるのかということについては、これからもよく注視していきたいと思います。

○荒井部会長代理 ありがとうございます。是非、よろしくお願いいたします。

○笠貫部会長 この部会でのリスクベネフィットの評価に加えて、保険償還でのコストベネフィットの話は、この機器に限らず、この部会で幾つか問題にされてきたことだと思います。これからリスクベネフィットとコストベネフィットをどうリンクさせていくかということは、国民にとって大事な問題だと思います。是非、行政の方でも検討していただきたいと思います。その上で、PMDAからも企業への指導を考えていただけたらと思います。それ以外にありますか。

○千葉委員 今の荒井委員の話に、更に懸念されるのは、有害事象で2%という話ですが、かなり深い皮膚損傷を含めた損傷があるわけです。これはシャムでは全くあり得ないことです。それから骨折があったということ。これは、骨の痛みを治すためのはずなのに、骨折という痛みを患者に与えることがあったというのをどのように受けとめるかというのは、やはり慎重に判断する問題であるのではないかと思うのです。その辺はPMDAの方、あるいは先生は、いかがでしょうか。

○機構 まず、骨転移がんに対する確立した治療方法として放射線治療が知られており、これについては大規模スタディーの結果が報告されております。そのスタディーでは、対象病変が大きかったり、椎体骨病変が多かったりしますので、単純に本試験とは比較できないのですが、放射線治療後に骨折が見られた患者は約8%と報告されています。本品の場合、対象病変が相対的に小さく、荷重部位の椎体骨の病変がほとんど対象に含まれていないということもありますので、骨折のリスクが放射線治療の大規模スタディーと比べると、相対的には少ないと考えられます。実際に放射線治療後の骨折率8%という数字自体も、放射線治療によって生じたものに加え、いわゆる病的骨折ということで、骨転移がんそのものが骨折を自然に起こしてしまう性質のものも含めての数字になります。今回、本試験では100例のうち2例に骨折が見られましたが、これらの症例はいずれも溶骨性病変でした。ただし本試験の対象病変の半数以上が溶骨性病変ですので、これを除外することは適切とはいえません。

 一方で2例の骨折例のうち、1例はかなり大きな病変で、直径10cmぐらいのものでした。これは本試験に登録された最大サイズの病変です。したがって、大きな病変や溶骨性病変は骨折のリスクが高いということを、使用者にきちんと情報提供することと、切迫骨折を起こしている病変は適応から除外することを、禁忌として記載するという形で対応させていただいております。

○笠貫部会長 先ほど保険償還の話も出ましたけれども、多施設共同治験の場合に、それぞれの国の医療保険制度と医療提供体制が異なっています。そこで気になったのが、ロシアコホートが40%ぐらいを占めるのですか。異常に突出してロシアが多いですね。この前向き多施設無作為化シャム対照の単盲検試験はFDAが主導でやっていると思うのです。症例数が集まらないために、FDAが中間解析をしています。そこを含めて、どうして多施設共同試験でロシアが突出していて、アメリカでは中間解析に至ったのか、その背景と、日本ではそれをどう捉えるかということについて、お考えがあったらお話いただきたいと思います。

○機構 今回はシャム対照群を設定していたという試験のデザインの性質もあって、症例数がなかなか集まらないという現状で、試験計画を立てた段階からFDAと申請者との間で議論がありました。ロシアの施設を対象に含めるということについては、FDAも前向きに考えて同意したとのことです。ロシアでは本品は既に承認されており、既に臨床使用されている状態にありました。そのような状況の対象患者も含めることにFDAは前向きであったと申請者は回答しました。

 ただし、実際の登録症例数を見ますと、ロシアは2施設しかないにもかかわらず、その2施設が突出して症例数が多いという現状がありました。それ以外の米国などの施設では、1施設当たりの登録症例数が数例しか入っていません。トータルの症例数として見た場合には、半数には達していないのですが、4割ぐらいがロシアの症例となっています。そのため、全症例を対象とした部分集団解析をFDAからの求めに応じて申請者は提出することとなり、審査報告書の26ページの表7のデータが、非ロシアコホートとロシアコホートの、いわゆる部分集団解析の結果を示しています。

 ロシアコホートにおける医療環境の違いは、専門協議でも論点となりました。というのは、ロシアコホートでは乳がんの患者が比較的多く、オピオイドの使用量が相対的に少ない患者群で、病変のサイズはやや小さかったりと、いろいろな違いがありました。特に疼痛緩和の医療環境として、オピオイドが積極的に使用されていないようであり、日本との医療環境の違いというのも論点となりました。

 ただし、26ページの表7でお示ししたデータによると、ロシアコホートにおいては確かに非常に有効性が高い結果が出ており、これが麻酔、鎮痛処置の深さによるものと考えられているのですが、非ロシアコホートにおいても、試験群のレスポンス・レートは55%ということで、有効性評価基準の50%を超えております。かつ、シャム対照群に対する有意差としてのP値は、フィッシャーの検定で0.04と有意差が見られており、非ロシアコホートにおける有効性の結果を日本国内に外挿することは可能であるというロジックが成り立つと考えました。そこで有効性について、今回の試験成績の国内への外挿性は説明できると機構は判断いたしました。

○笠貫部会長 ロシアは既に承認ということですが、これは何年ぐらいの承認ですか。

○機構 審査報告書の9ページの上段にありますが、骨転移がんについては200711月の承認になっております。

○笠貫部会長 先ほどの安全性の問題のときに、深い鎮静にすれば術中の痛みがないというメリットがあるということでした。それで、2時間うつ伏せでやることについての安全性の問題というのが出てきます。このロシアコホートでの安全性について、深い鎮静に基づく安全性というのは、何か問題はなかったのですか。

○機構 ロシアコホートと非ロシアコホートの安全性のプロファイルについては、審査報告書の32ページの下段から33ページにかけての表に記載しております。こちらで非ロシアコホートとロシアコホートを比較しますと、皮膚熱傷の有害事象のみがロシアコホートに2例見られ、非ロシアコホートには1例も見られなかったのです。これについては痛みを感じにくい深い鎮静・鎮痛の状態で、皮膚に熱傷が起こるぐらいの温度上昇があったにもかかわらず、患者が訴えることができない状況で手技が実施されており、かつ、術中に使用者は皮膚ラインをMRI画像上で設定するのですが、患者が動いてしまったにもかかわらず、皮膚ラインがずれたことをきちんと術中モニターしていなかったことが原因であったと言われています。

 これ以外の有害事象については、ロシアコホートにおいてはほとんど生じていません。特に痛み・不快感の有害事象は、非ロシアコホートでは超音波照射関連の痛みが48%に認められているにもかかわらず、ロシアでは0%でした。照射中、いわゆる治療中の痛みをコントロールすることが治療を完遂するのに必要であるという結論に達するのは、この結果を根拠としています。しかし、これに伴っての神経損傷の症例が多かったなどの報告はありませんでした。ですから本試験のロシアコホートの症例の中で、特に有害事象として問題になるようなものは見られませんでした。

○笠貫部会長 この治療に関しては、ロシアが先進国のようですので、そこのデータから見ると、有効性・安全性については問題ないと思います。多施設共同試験の場合にはそういったところまで検討していくことが大切かと思いました。ほかに御意見はありませんか。

○荒井部会長代理 御説明を伺っていると、この試験というのはロシアコホートと、そうでない部分とで、相当ばらけていると思います。今までもこういうものはあったように思うのです。一応データはあるけれども、本当に信頼性があるのか、それを日本に外挿していいのかという場合は、小規模であれ何であれ日本においてもう1度、同じような試験を求めることが基本的な姿勢だと思うのです。その辺のこれに関してのジャッジの根拠というのはどのようなものなのでしょうか。

○機構 本試験がシャム対照群を設定しているという制約があったために、実はこの試験と並行してシングルアーム試験が、ほぼ同じプロトコールで世界において行われております。このシングルアーム試験には高知大学が参加しており、国内でも8症例に対し、実際に治療を行った報告がなされております。その結果、有効性については本試験で得られた結果とほぼ同様の結果が得られており、かつ、有害事象も特に報告されていません。高知大学における疼痛管理が実際にどのように行われていたかについても、審査報告書に記載しており、その実施体制等を本邦における使用ガイドラインにも反映させるように、申請者に指示しているところです。8症例という限られた症例ではありますが、本邦の日本人に対して、いわゆるGCP準拠ではないけれども、実際に行われた実績があることを鑑みて、国内での追加の試験が必要とまでは考えないという判断をいたしました。

○笠貫部会長 今のシングルアームの国際共同治験は、FDA指導でやっているのですか。

○機構 IDE試験ではないので、FDAの管理下で行われたものではないのですが、プロトコールにおける評価部分は全く同じです。中間解析を実施したときには、それを実施する根拠として、シングルアーム試験の有効性がこのぐらいあったので、このぐらいの症例数でも有効性を示せるという根拠に、シングルアーム試験の成績が用いられていたという経緯もあります。シングルアーム試験は、GCP準拠ではなく、また、米国IDE試験として実施されたものでもありませんが、本試験とほぼ同じような形で行われていました。

 また、本品の場合は導入施設が限られておりますので、製造元が症例をかなり把握しています。ですから世界中で大体どのぐらいの治療が行われているか、実際に526例という数字がSTEDにも記載されております。高知大学での試験の成績については、添付資料概要に記載があります。添付資料概要の155ページを御覧ください。表4.3.2.4-1で、「ピボタル臨床試験と本邦における臨床経験の有効性評価結果概要」ということでお示ししています。こちらが高知大学の8症例の成績をお示ししたものです。

○笠貫部会長 ほかにありませんか。この医療機器の臨床試験のプロトコールをどう作るかという難しさを、いろいろ考えさせていただいたと思います。

○鈴木委員 話を聞いていて何となくすっきりしないと、皆さんも思っていらっしゃるのではないですか。説明されている方も、いつもは何とかして通そうという感じがあるのですが、今回は余り熱意が感じられない気もします。みんながおかしいと思いながら通してしまっていいのかという気がするのです。普通は薬事承認を取ったら保険収載を目指すと思うのですが、それを目指さないで薬事承認だけを取るというのは、ある意味、薬事承認というお墨付きを取った上で、自由診療で高く売る。いわゆる末期がんの方の弱みに付け込んで売り付けるような嫌な使い方をされかねない気もするので、今回の場合は慎重にした方がいいのではないかと私は思います。

 それをどのようにしたらいいか、ここで認めるということは非常に重いのです。先へ行きますと、将来は保険適用とか先進医療とか何か考えているのかもしれませんが、薬事承認を受けたということで有効性・安全性を認めたことになるのです。ですから先々、「薬食審はどういう議論をしたのか」と言われかねません。コストベネフィットはやらない、ここはリスクベネフィットのみを審議する場であるということですけれども、これはリスクベネフィットの問題もあるような気がするのです。ほかの先生はどういうようにお考えになるかは分かりませんが、ここで議決をして、すんなり承認といくには、問題があるケースではないかと思います。

○笠貫部会長 ほかの先生方はいかがでしょうか。臨床試験としてはFDAのかなり厳しいプロトコールに従ってやられたが、国際共同治験での一つの難しさの問題があります。そこでロシアのデータを中心に行った場合、日本では外挿性をどう認めるかということです。非常に限られた症例に対してということで、radiation failureのケースになりますので、そういったものが必要な患者がいることは事実であり、それについてエビデンスをどこまで求めるのかだと思います。

 PMDAのお話では、リスクベネフィットとして承認でよろしいのではないかという御説明でした。私もいろいろ気になることはお聞きしてきたつもりですが、ニーズの問題も含めて、承認してよろしいのではないかと思います。しかしこれが適応拡大で、子宮筋腫については薬事承認を取っているにもかかわらず、企業が保険償還を申請していないのですね。そちらから今の根本的な問題、先ほど指摘された、企業の戦略の一つとして使われるのは困ります。そこはもう一度、きつく企業に確認をしていただきたいということです。

○武谷委員 鈴木先生の意見もありましたが、今までのものとはかなり性格が異なっているわけで、諸手を挙げて賛成とは言い難い。ただ、これが絶対的に無用かというと、恐らく子宮筋腫などでも例外的に、こういう治療法が対象になることもないわけではないのです。スタンダードな大多数の治療に対して、「この治療法がふさわしい」と言うことはないと思うのです。この機械は3億円とか5億円ということで、減価償却はほとんど不可能です。これをやっているということで患者を集めるという経営戦略でやっている病院は、かなりあると思うのですが、実際に私が経営者だったら元が取れないことは分かっています。

 医師もこれに対しては4時間ぐらいですし、ほとんど専属のトレーニングをしていないと駄目ですから、スタンダードな診療のラインから外れてこれを専用にやらなければいけないので、医師の確保もなかなか難しいという問題点もあります。医師側から見ても病院側から見ても、コストベネフィットあるいはコストエフェクティブでないことは分かっています。ただ、アブソリュートに悪いとは言い難いのです。

 それから、保険診療としても例外的なものをスタンダードな治療としてやるのはどうかというのは、非常に議論が多いと思います。恐らく採算上は難しい。子宮筋腫に対しても、私もいろいろな患者の苦情を受けている立場として、患者の不満、不平あるいは示談になる症例が、手術よりはるかに多いのではないかという印象を持っております。医師側から見れば、かなりハイリスクです。これは千葉先生も触れられたとおりです。ただ、それを全部含めて「ノー」と言うかどうかは見解の問題だと思うのです。その辺は、私は部会長の御判断を尊重したいと思います。この会の見識と言いますか、考え方の問題かと思います。 

○笠貫部会長 この機器についてはリスクベネフィットを考える上で、いろいろなことを特にその後の国民のニーズがどうなるか、保険制度からどうなるかという話も含めて、大変複雑な問題も絡むと思います。ここではできるだけリスクベネフィットとして、患者に、この機器の承認を与えることが妥当かどうかを決めていかないと、次に進まないと思うのです。私はここで議論されたことを十分踏まえた上で、PMDAも厚生労働省もお考えいただくということで、リスクベネフィットに限ってこの機器に御承認を頂けるかどうかということで、議決に入りたいと思います。それでよろしいでしょうか。

 よろしければ議決に入りたいと思います。医療機器「MRガイド下集束超音波治療器ExAblate 2000」については、本部会として承認を与えて差し支えないものとし、再審査期間は3年間とし、生物由来製品及び特定生物由来製品の指定は不要ということでよろしいでしょうか。

御異議がないようですので、そのように議決させていただきます。この審議結果については、次の薬事分科会において報告することにします。ありがとうございます。これで議題8を終了とします。参考人の大西先生におかれましては御退室いただいて結構です。どうもありがとうございました。

 それでは次の議題9に移ります。医療機器の高度管理医療機器、管理医療機器又は、一般医療機器の指定及び特定保守管理医療機器の指定の要否について、審議を行います。事務局より説明をお願いします。

○事務局 議題9について、資料9-1と資料9-2の御説明をします。既存の一般的な名称のいずれにも該当しない医療機器に対し、新たに一般的名称を新設するには当該一般的名称が、高度管理医療機器、管理医療機器、一般医療機器のいずれに該当するかなどについて、薬事法第2条第5項から第8項に従い、薬事・食品衛生審議会の意見を聞き指定することになっております。

 まず資料9-1の1ページを御覧ください。新設する一般名称「ツリウム・ヤグレーザ」の概要を示しています。2ページの中段で、新設する一般的名称()について、既存の一般的名称のいずれにも該当しないと考える理由のとおり、本品と類似する外科処置等に用いるレーザは、いずれもツリウム・ヤグ結晶以外の基質を利用している等の理由から既存の一般的名称のいずれにも該当しないと判断しています。

 当該一般的名称に該当する品目の概要は、3、4ページにあるとおりです。高度管理医療機器、管理医療機器又は、一般医療機器の分類については副作用又は、機能の障害が生じた場合において、人の生命及び健康に重大な影響を与える恐れがあることからその適切な管理が必要と考えられるため高度管理医療機器クラス III に指定されるものと考えています。また、保守点検、修理、その他の保守管理に専門的知識及び技能を必要とすることから、その適正な管理が求められるものと考えられるため特定保守管理医療機器に指定されるものと考えております。

 次に資料9-2の1ページを御覧ください。新設する一般的名称は「弁形成術用弁機能評価用バルーン型カテーテル」です。2ページの既存の一般的名称のいずれにも該当しないと考える理由のとおり、本品は、圧力測定を行う遠位端にバルーンの付いた柔軟なチューブでありますが、圧力測定により形成した弁の機能評価を目的としている等の理由から既存の一般的名称には該当しないと判断しています。

 当該一般的名称に該当する既存のままで該当する品目の内容は3、4ページにあるとおりです。高度管理医療機器、管理医療機器又は、一般医療機器への分類については、副作用又は、機能の障害が生じた場合において人の生命及び健康に影響を与えるおそれがあることからその適切な管理が必要と考えられるため、管理医療機器すなわちクラス II に指定されるものと考えています。また、当該一般的名称に該当する品目は、単回使用であるため特定保守管理医療機器の指定については、不要と考えております。

 説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○笠貫部会長 ありがとうございます。それでは委員の先生方から御意見、御質問はございませんでしょうか。それでは特に御意見がなければ議決に入ります。

 本部会として「ツリウム・ヤグレーザ」については、本部会として高度管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器に指定することでよろしいですか。

 御異議がないようですので、そのように議決させていただきます。

 次に「弁形成術用弁機能評価用バルーン型カテーテル」については、本部会として管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器に指定しないということでよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、そのように議決させていただきます。この審議結果については、次回の薬事分科会において報告させていただきます。これで議題9は終了させていただきます。

 次に議題10は「優先審査品目」について事務局より説明をお願いいたします。

○事務局 報告事項として、議題10の優先審査品目について、1品目を御報告させていただきます。資料10です。一般的名称は新設予定、販売名は「NovoTTF-100Aシステム」、申請者はNovocure Ltd.です。本品は、脳のテント上領域に発症した膠芽腫と呼ばれる腫瘍に対し、患者に装着した電極を介して腫瘍周囲に交流電場を発生させて治療を行うシステムになります。

 対象となる患者は、外科手術及び放射線治療を施術後に、テント上に膠芽腫が再発した患者とされております。本品は、平成25年8月9日に開催された第21回医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会で、わが国に早期に導入すべき医療機器に選定された品目です。

 当該検討会における評価に基づき、本品について、適応疾病は重篤であり、既存の医療機器と比較し、有効性又は安全性が優れているというものとして、優先審査品目に指定しましたので御報告いたします。以上です。

○笠貫部会長 ありがとうございました。本件について委員の先生方から、御質問、御意見はございますか。特に御意見がございませんでしたら、これで議題10は終了とさせていただきます。

 次に議題11の医療機器の再審査結果について事務局より説明をお願いいたします。

○事務局 事務局より議題11「医療機器の再審査結果」について御報告いたします。資料11-1から11-3になります。再審査は薬事法第14条の4に基づき、迅速新しい医療機器等について再審査期間を定め、承認後の使用成績等の調査を行わせその資料に基づき有効性、安全性等の再確認を行うことを目的とした制度です。

 まず資料11-1の1ページは、医療機器の再審査確認等結果通知書です。販売名は、ASD閉鎖セットです。申請者は、セント・ジュード・メディカル株式会社。平成17年3月25日に承認された人工心膜用補綴材です。本品は 二次孔心房中隔欠損症の欠損孔を経皮的に閉鎖させるために使用するデバイスです。本品の使用成績調査は、医療機器の使用実態化における不具合発現状況、安全性、有効性等を確認することを目的とし、再審査期間中、本品使用症例全例の登録が行われ、誘致後5年間に生じた全ての重大な有害事象が評価されました。

 次に資料11-2です。販売名は、頸動脈用ウオールステントモノレールです。申請者は、ボストン・サイエンティフィックジャパン株式会社です。平成22年2月15日に承認された頸動脈用ステントです。本品は狭窄している頸部頸動脈瘤内に挿入・留置することにより血管内腔を拡張・維持する自己拡張ステントです。

 資料11-3の販売名は、フィルターワイヤーEZです。申請者は同じくボストン・サイエンティフィックジャパン株式会社です。先ほど御説明した頸動脈用ウオールステントモノレールと同時承認された中心循環系塞栓捕捉用カテーテルです。本品は経皮的に血管内に挿入し、頸動脈のステント留置術中の血栓等の塞栓物を補促・除去するために使用する遠位塞栓防止用デバイスです。

 同時承認されたこれらの2品目の使用成績調査は合わせて実施されました。医療機器の使用実態化における不具合発現状況、安全性、有効性等を確認することを目的として平成22年5月から平成22年9月まで症例登録が行われ、観察期間を術後1年間として平成23年12月まで実施されています。

 今回お配りしている資料について、事前に委員の先生方にお送りさせておりますので、簡単な説明としましたが、今回報告した3品目については、安全性、有効性について特段な問題はないと判断されております。

 以上のことにより、薬事法第14条第2項第3号イからハまでのいずれにも該当しない、すなわち再審査結果の区分を効能・効果、用法・用量等の承認事項について、変更の必要がないカテゴリ I と判断しております。以上、報告いたします。

○笠貫部会長 ありがとうございました。本件について先生方から御質問、御意見はございますか。特にないようでしたら議題11を終了させていただきます。

 これで本日予定された議題は終了します。事務局から連絡事項はございますか。

○事務局 次回の部会は、1112()16時からの開催を予定しています。以上でございます。

○笠貫部会長 これで本日の医療機器・体外診断薬部会を閉会とさせていただきます。長時間にわたり、どうもありがとうございました。


(了)

連絡先:医薬食品局審査管理課 医療機器・再生医療等製品担当参事官室 室長補佐 堀内(内線4226)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 薬事・食品衛生審議会(医療機器・体外診断薬部会) > 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録(2014年10月10日)

ページの先頭へ戻る