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2014年11月26日 第2回 医療事故調査制度の施行に係る検討会 議事録

医政局総務課医療安全推進室

○日時

平成26年11月26日(水)10:00〜12:00


○場所

厚生労働省低層棟2階 講堂


○議事

○田上医療安全推進室長補佐
   定刻になりましたので、「第2回医療事故調査制度の施行に係る検討会」を開催させていただきます。

   本日は、有賀徹構成員、今村定臣構成員、田邉昇構成員、山本隆司構成員、和田仁孝構成員から欠席との御連絡をいただいております。

   初めに、お手元の資料を確認させていただきます。本日の資料でございますが、まず資料1「医療事故調査制度の検討事項について」。

   資料2として、前回、第1回の検討会の議事録をお配りしております。

   また、本日御欠席の田邉構成員から提出の資料をいただいております。

   また、参考資料といたしまして、参考資料1として医療法の関係部分。

   参考資料2といたしまして、参議院厚生労働委員会における附帯決議。

   参考資料3といたしまして、「平成26年度厚生労働科学研究費補助金 診療行為に関連した死亡の調査の手法に関する研究班 議論の整理」。

   参考資料4といたしまして、「日本医療法人協会医療事故調ガイドライン 現場からの医療事故調ガイドライン検討委員会最終報告書」。

   参考資料5といたしまして、平成25年5月、「医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会取りまとめの「『医療事故に係る調査の仕組み等に関する基本的なあり方』について」。

   参考資料6といたしまして「医療事故調査制度に関するQ&A」を配付しております。

   また、これに加えまして、小田原構成員から補足資料の提出がございましたので、机上に配付しております。

   資料に不備等ございましたら、事務局にお伝えください。よろしいでしょうか。

   これより議事に入りますので、審議の円滑な実施のため、撮影はここまでとさせていただきます。

(頭撮り終了)

   それでは、以後の進行につきましては、山本座長にお願いいたします。

○山本(和)座長

皆さん、おはようございます。

   それでは、議事を始めたいと思います。

   まず最初に、本日御欠席の有賀構成員から、全国医学部長病院長会議相談役の嘉山孝正先生、それから、今村構成員より、日本医師会常任理事の笠井英夫先生を代理人として出席させたい旨の申し出がありました。また、田邉構成員から御意見が提出されておりますが、あわせてその意見の説明者として佐藤一樹氏を参考人として出席させたい旨の申し出がございました。この3名の方につきまして出席を認めたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○山本(和)座長
   それでは、3名の方に御出席をしていただきたいと思います。

   最初に、田邉構成員からの御意見につきまして、佐藤参考人のほうから御説明をお願いしたいと思います。恐縮ですが、議事の時間が限られておりますので、重要な部分に絞って5分程度で御説明いただければと存じます。よろしくお願いいたします。

○佐藤参考人

それでは、田邉先生から提出されました意見書1ページ、1の(1)WHOドラフトガイドラインの視点から始めたいと思います。

   まず、1の部分ですけれども、本検討部会には、以下の視点が一部構成員において欠落していると感じたということで、幾つかの視点を指摘されているということです。

   1つ目は、WHOドラフトガイドラインの視点。厚生労働省、西澤班のいずれにおいてもWHOドラフトガイドラインの趣旨に沿った事故調査制度を設計すること、そのために省令などを定めることが合意されているが、同ガイドラインの趣旨が理解されていない御発言が散見されるように思われる。

   同ガイドラインは、医療安全のためのアカウンタビリティーの側面を捨象して、非懲罰性、秘匿性、独立性、専門性、適時性、システム指向性、反応性を有した学習目的の報告制度が望ましいとしている。

   確かにアカウンタビリティーも重要であるし、医療事故の際の報復感情、医師への処罰感情をどこかで対応することも、治安維持の観点から必要だと主張する必罰主義者もいるであろうが、医師への刑罰、行政処分等の種々の方策の中で、WHOドラフトガイドラインは、医療安全のためには上記の方法が望ましいとし、今回の改正医療法は、かかる方向でやってみようということになったのである。

   そして、関係者に不利益を与えず、内心をきかないと判らないような真実を話してもらうために、非懲罰性、秘匿性を担保し、それを制度的に担保するために、懲罰権限のある行政庁や捜査機関から独立性のある調査機関が聴取し(この点は、今回改正医療法は、民間機関を位置づけるが、厚労省の監督権限が強く懸念が残る)。これは今回の法律の第七十三条の二には医療事故調査・支援センターの役員又は職員に対する懲罰規定があるということです。聴取内容が正しく理解されるために専門性を要求し、時間バイアスを排除するための適時性、個人責任を求めないシステム指向性が提唱され、まさに「べき論」ではなく安全という利益が実際に得られるかどうかに着目するという反応性を重視している。

   大磯構成員の発言された、出口指向の議論は、まさに卓見であり、医療従事者、管理者が、積極的に医療安全のために協力できるような制度が置かれれば、自ずとさまざまな情報が集まるであろうし、広い義務を課しても、ボイコット運動でも起これば、本制度は完全な失敗に終わり、今回改正医療法は、省令に構成要件を丸投げされている以上、そのままでは罰則もつけられず、さりとて大綱案のような規定では、管理者が自ら診療を行う場合の多いわが国の医療機関では、黙秘権侵害(憲法38条1項)により、相当の合意限定解釈が加えられなければならず、「一からやり直し」ということになる。

   もう、大綱案などの「失敗」の轍は踏まず、安全という利益を客観的・科学的に全国民、全患者、全医療従事者が享受できるような制度を作るべきである。

   なお、佐藤参考人が詳細を述べられると思うが、モデル事業はWHOドラフトガイドラインの趣旨からは問題を有するのは明らかである。それは同事業がアカウンタビリティーのための制度であるからと思慮する。

   このWHOドラフトガイドラインの趣旨から外れていると思われるモデル事業に関しましては、私が第1回に資料を出しております。これは、第1回の田邉先生の意見書の3ページ目から始まるものですが、モデル事業は、これは私の解釈では、事業としては完全に大失敗だったというところです。

   大きく考えて3つ。1つ目は、公正な人権の感覚が欠如している。本来、異状死といったものは、医師法21条とは直接関係ありませんが、異状死の場合は警察に届けるといったことが書かれた書類を調査の対象者になった当該現場医師に渡していて、警察届け出を最終的に行うような機関であることを説明し、しかもその10カ月間、長期にわたって調査を行っていたため、警察に届け出されている恐怖を味わった調査対象者が結局第一線の現場を立ち去るといったことになっております。

   そして、2つ目は医療安全の再発防止が全く最優先されていませんでした。確かに、最終的に何枚かの再発防止策が書かれた書類が提出されておりましたが、これが当該医療機関でその再発防止案を守られたかどうかといった検証も全くされておりませんでした。モデル事業が実績があるといっても、医療安全に資するという点では全く実績を上げておらず、むしろモデル事業を経験したがために、3つ目のいわゆる立ち去り型サボタージュを誘発した。医療安全には役立たずに、現場医療者の専門医が第一線の医療現場を立ち去るといった形で、むしろ医療安全には逆方向に向かっていたといった事業ではなかったかと私は思っていますので、モデル事業に対する課題、問題点については、しっかりと議論して、これが二度とモデル事業のような方向性に向かわないような制度にしていきたいということです。

 (2)「患者」の視点

   これは、遺族の視点。事故被害者あるいはその自称者としての「患者」の視点ではない。

   遺族はそもそも患者ではない。本委員会でも、医療事故被害者御本人あるいは医療被害者を自称する者や遺族の代理人を生業として生活している構成員が選任されているが、「患者」の視点を代弁しているかは疑問である。受診経験や通院日数なら小職も多くのものを持っている。

   さて、多くの「患者」の関心事は、自分に医療事故が生じた際に、医療事故調査委員会が開かれたり、第三者機関と称する機関が、原因究明とやらを行ったりすることではないであろう。何よりも、自分の手術が安全にかつ効果的に行われ、医療従事者が、自分に向き合い、手厚く、心のこもったケアをしてくれることではないだろうか。

   現在、医師の労働時間は異様に長く、疲弊した医師らによって医療現場は支えられている。医師等の医療従事者や医療機関は公共財であり、患者や国民は、この公共財の受益者である。

   とすれば、公共財たる医療従事者らが、医療安全に高い効果を有するどうかも不明な医療事故制度に医師が多大の時間を割き、施設設備の安全のために割かれるべき費用が、医療事故の外部委員への謝礼に浪費されるようなことは、本当に「患者」の視点から適正かどうかは検討されるべきである。

   なお、本事故調制度で悪影響を受けるであろう医療資源は、マル1事故医療機関の調査のための、院内委員の時間及びコスト、マル2外部委員の属する医療機関の時間とコスト(地方大学付属病院などでは、県内の事故調にかり出されては、日常診療や研究教育が破綻すると危惧されるところもある。)マル3当事者とされた医療従事者の心理的圧迫、負担による萎縮診療、立ち去り、転科などが想定される。

   医療安全に資することが乏しいと、強く批判され、附帯決議でも「問題点」を検討するべきとされているモデル事業(佐藤一樹医師らが説明予定)をみればわかるように、医療事故調査制度は医療安全に有益であるとのエビデンスはない。一方、上記の医療資源の浪費による「患者」の不利益は看過できないのではないか。

   厚生科学研究費による報告(西澤班報告)は、多くのステークホルダーの意見を集約したというが、事故調査のために外来の待ち時間が長くなる糖尿病外来診療中の営業職サラリーマン、今日は小児科の先生は事故調査の委員会で別の病院に「支援」に出ていると言われた5歳の子供の熱発に付き添って2時間心配そうに待っている母親、事故調が入るためと、手術予定日の2週間の延期の連絡を受けたClass4が出たS状結腸ポリープの高齢者や、腹腔鏡手術を勧めていた主治医が、急に別の病院を紹介すると言い出し、事故調の対象になったからと聞かされた胆石の女性らのステークホルダーはどう考えるだろうか。

○山本(和)座長

佐藤構成員、途中ですが、時間の関係がございますので、要点に絞って一、二分でお願いできれば。

○佐藤参考人

はい。あとは、予算の視点が欠けている。(3)に書かれております。

   あと、(4)科学的視点が欠けている。科学であるから、もうちょっと数字とかを考えて分析していく必要があるといったこと。

   (5)義務を政府か国民に課すという賦課規定であるという視点。本事故調査制度は、医療安全確保との名目であるが、医療資源として、国民の公共財であるとともに、国民である医師らに行政法規によって義務を課すものである。

   国民に行政庁が義務を賦課する以上は、その根拠に科学的合理性がなければいけないし、必要最小限でなくてはならない。

   ところが、一部委員においては、かかる視点は全くみられず、報告範囲を無尽蔵に拡大して、国民たる医師などに負担を強いることを議論しているということが書かれております。

   (6)は飛ばします。

   あとは、個々の意見に対する指摘などが書かれております。(1)の加藤構成員の部分だけ読ませていただきます。

   加藤構成員御主張の、「過誤の類型」が落ちてしまう。との御発言について。

   そもそも、事故センターに報告する際の「過誤」類型は、仮に医療機関や当事者が「過誤」と認識している場合であっても、設けるべきではない。

   過誤と認識したら届けるというのであれば、大綱案と変わりがなく、いわば自白を義務づける形になるものである。

   予期しない死亡事例の中には、事後的、法的な検討からは、民法709条の「過失」あるいは刑法211条に言う過失要件に該当するケースもあろうが、事故発見の時点で、過誤であると認識できるようなケースは、医療法人協会案のように、事故調査に時間をかけるよりも御遺族への対応を十分に行うべきであると思慮する。過誤との認識が当該医師及び医療機関にある以上、民事刑事の法的責任を前提とした対応をせざるを得ず、広義の紛争類型として、西澤構成員のおっしゃる「改めて紛争処理とは切り離して、原因の調査と再発防止につなげることが目的」である本件事故調査制度の射程から外れると言うべきであるからである。

   加藤構成員の「社会常識的に見て、到底了解できない」との発言は、未だに大綱案のアカウンタビリティー、処罰のための事故調観を引きずっているお考えであろう。本制度で重視するべきは社会常識ではなく医療安全である。

   もちろん、医療安全の視点からは、過誤のある事案も分析に有用な場合があろうが、そのために医療法施行規則9条の23の2号(平成16年厚生労働省令第133号)が置かれており、この効果が未だ十分顕れていない現状にて、多くを求めることは失敗につながる懸念が大きい。

   そのほかいろいろありますけれども、時間の関係でここまでにいたします。

○山本(和)座長

ありがとうございました。

   ただいまの田邉構成員の御意見につきまして、御質問あるいは御意見等もあろうかと思いますけれども、本日は各論点につきまして議論していただきますので、またその際に御意見、御質問等をいただければと思います。

   それでは、本日の議題、「医療事故調査制度の検討事項について」ということでございます。

   前回の最後のところで、私のほうから、今後の議論を効率的に進めるために、今までいただいた御意見を整理する形で、事務局のほうで議論の素材というものを作成していただけないかということをお願いしていたところであります。本日は、それに基づきまして、前回いただいた御意見等をもとに、各論点につきまして事務局において整理いただいた資料1「医療事故調査制度の検討事項について」というものが提出されております。

   そこで、まずこの資料1の見方について、簡単に事務局のほうから御説明をいただければと思います。

○大坪医療安全推進室長

医療安全推進室長でございます。

   資料1をお手元に御用意ください。資料1の構成につきまして、簡単に御説明を申し上げます。前回、議論の素材になる資料をとの座長からの御指摘を受けまして、論点を整理いたしております。

   おめくりいただきまして、まず目次のページ。この検討会で御検討いただきたい事項全体についてお示ししております。その中で一番左上、1.医療事故の定義について、2ページから4ページまで資料を作成しております。

   また、医療機関にお願いいたしますセンターへの事故発生報告から遺族への御説明、院内調査に関する部分、5ページから11ページまででございます。

   右上に行きまして、センターが行う業務等に関する部分が12ページから18ページまで。

19ページ以降は、その他センターが備えるべき規定や許認可に関する部分、参考までにお示ししております。

   中身の見方でございますが、2ページ目をお開きいただきまして、各論点ごと、タイトルごとに、一番左に改正医療法で既に定まっております条文をお示ししておりまして、 真ん中に省令、一番右が通知事項のイメージでございます。論点によりましては、省令に係る事項やそうではない事項、すなわち必要に応じて通知等で解釈をお示しする事項がございますので、それらを区別しております。

   例えば4ページをお開きいただきまして、当該死亡又は死産を予期しなかったものは、省令事項でもあり、通知でお示しする必要がある部分でもございますので、両者にまたがった形でお示ししております。そういったふうに見ていただければと思います。

   その上で、各論点ごとに色つきの箱の中に記載された部分と、箱の外に記載されている部分がございます。先日、第1回の検討会において医療法人協会様がまとめられた報告書の御説明と、26年度の厚労科研、西澤班での中間取りまとめについて御説明いただきましたが、それらを踏まえまして、ある程度考え方が共通している部分や記載できそうな部分は記載させていただいてございます。両者の間で考え方に少し距離がある部分につきましては、表の中にそのまま、報告書を引用した形で残しております。こういったふうに見ていただければと思います。

   以上でございます。

○山本(和)座長
   ありがとうございました。

   きょうの進め方ですけれども、前回の検討会では、医療事故の定義に関する御意見が多数出されたように記憶しております。他方、医療機関が行う院内調査に関する御意見、あるいはセンターの業務に関する御意見については、余り出なかったように思います。それから、大磯構成員でしたか、御指摘がありました、医療事故の定義の前の部分もあれだけれども、その後のほうから議論したらどうかという御示唆もいただいたように思います。

   そこで、本日は、まず第1回で御議論があった医療事故の定義以外の部分の議論を先に行って、その後、医療事故の定義に関する部分を最後に残された時間で若干追加的に議論してはどうかと考えております。

   それから、本日の議論の目的ですけれども、もちろん本日はこの全ての論点について通しで御議論いただきたいと考えているわけですが、本日で何かを確定的に決めてしまうということは考えておりませんので、どこに議論の重点があるかといいますか、構成員の間で意見が分かれている点がどこにあるのかということを探るといいますか、それを把握したい。それを主たる目的として御議論を行いたいと考えています。

   したがって、御意見の違いが出た場合に、反論、再反論が繰り返されますと、その論点についての時間が非常に長くかかってしまって、全ての論点のどこに御意見の違いがあるのかを把握することが困難になってしまうように思いますので、恐縮ですけれども、そういった場合には議論の違いが把握できれば、それで本日の目的は一応達したことになりますので、途中で再反論等をされる場合には、私のほうからおとめするということも議事進行としてはあろうかと思いますが、あらかじめ御了解をいただければと思います。もちろん、そうした点は、次回以降、より突っ込んで御議論いただきたいと考えておりますので、本日の段階ではそういう取り扱いにさせていただきたいという趣旨でございます。

   それでは、通しでといっても、かなり多くの分量がございますので、まず最初に、資料1の中で院内調査の部分、5ページから11ページぐらいにかけて、この部分について事務局のほうから御説明をいただいて、御議論したいと思います。よろしくお願いします。

○大坪医療安全推進室長

 では、5ページをお開きください。医療事故が発生した際に、医療機関からセンターへ事案の報告をしていただく部分でございます。その際、条文で言うところの省令で定めるところにより、省令で定める事項をというところを、省令と通知のイメージに分けてお示ししております。

   上の段、まずセンターへの報告方法、下にはその報告の事項を記載してございます。報告の事項については、医療法人協会報告書の中に御提案が特にございませんでしたので、厚労科研での取りまとめの部分を記載させていただいております。また、報告期限につきましては、医療法人協会報告書に具体の数字がございましたので、ここに記載させていただいております。

   続きまして、6ページ、センターに報告をしていただく前に、あらかじめ医療機関が御遺族へ行うこととなっている説明についての部分でございますが、条文上は、遺族又は胎児の父母その他省令で定める者に対して、省令で定める事項を説明することとなっておりますので、ここは省令事項、通知事項ございまして、それをイメージでお示ししております。

   なお、ここの部分、遺族につきましては、省令で規定することとなってございません。ただ、胎児の部分でございますが、死産した胎児につきましては省令事項がございますので、この胎児の御遺族について御検討いただきたいと思っております。胎児の遺族というのは、もともと法令上の規定の例がございませんので、ここでは父母その他省令で定める者としておりますが、父母のみで足りるかどうかといった御意見があろうかと思います。

   また、遺族につきましては、他法令の参考例等で倣うことにさせていただきたいと書かせていただいておりますが、特段御意見なければ、これで対応させていただきたいと思っております。

   また、遺族への説明事項の部分につきまして、ある程度一致した部分を上の段に記載させていただいておりますが、違いがある部分につきましては表の中に残してございます。

   7ページは、院内調査に関する部分でございます。こちらも省令と通知にまたがる部分がございまして、調査の項目として一般的な項目を記載させていただいております。その他、厚労科研及び医療法人協会報告書の提案で、特に記載すべき部分につきましては、表の中に記載しておりますので、御議論いただければと思います。

   続きまして、8ページは、医療機関が行う院内調査を支援していただく支援団体のあり方が論点となっております。こちらは、省令ではなく、大臣告示になりますので、告示のイメージとしまして、次の9ページに医療機関のリストといった形でお示ししております。こういったイメージでリスト化されるようなものになるのではないかと考えております。

   また、支援団体のあり方につきまして、両報告書のお考えの異なる部分を表の中にお示ししてございます。

   次、9ページは、先ほど申し上げました支援団体の案としてリストを作成させていただいておりまして、その他、申し出に応じて順次追加させていただくことになろうかと存じます。

   また、支援団体と支援センターの役割として、これも案でございますが、下のほうに表でお示ししております。医療事故の判断など、制度全般に関する相談はセンターが行うこととし、その下の調査に関する具体の支援につきましては、さまざまな団体で御支援いただくという案でお示ししておりますので、御議論いただければと思います。

   続きまして、10ページでございます。こちらは、医療機関から調査の結果をセンターへ御報告いただく段階のものでございまして、ここも省令事項として報告の方法と報告の内容がございますことをお示ししています。

   報告の方法は、恐らく書面の郵送、またはWebの登録ではないかということで、特に御案がなかったのですが、このように記載させていただいております。

   報告事項につきましては、列記させていただいた事項が両者の共通部分かと存じますが、その上で考え方の異なる部分は、それぞれの報告書から抜き書きした形で表の中に残してございます。ここは省令事項ではございませんが、報告書の取り扱いにつきまして、医療法人協会報告書のほうで御意見がございましたので、表でお示ししております。

   最後、11ページですが、医療機関が行った院内調査の結果をセンターへ御報告する前に、御遺族へ説明することとなっております部分、省令事項は説明事項に当たりますが、そこにつきまして両報告書の御意見をお示ししてございます。

   簡単でございますが、以上です。

○山本(和)座長
   ありがとうございました。

   それでは、今、御説明がありました院内調査に関する部分について、各構成員から御自由に御意見をいただければと思います。どうぞ、小田原構成員。

○小田原構成員

 今の全文についてということでしょうか。済みません、よく把握できなかった。5ページについてということですか。

○山本(和)座長

 5ページから11ページの部分、どこでも結構です。

○小田原構成員

 わかりました。

  まず、5ページですが、これは発生報告、要するに、起こった場合にとにかく一報を入れる話になると思いますので、細かいことは不可能ですし、最初、思ったことと調べたことと異なってくるということ、これはあることでございますので、この下の部分に医療事故の内容に関する情報とか細かいことが書いてありますが、これは最初の報告で、 上の4つぐらいに限定すべきではないかと思います。

  それと、6ページに胎児のことが出ているのですが、これは前回もちょっとお願いしました。きょう、今村先生もいらっしゃいませんし、死産は特殊な領域ですので、できれば池下先生を一度呼んでいただければと思っているところでございます。

  あとは、9ページ、支援団体。いろいろ入れていただいてありがたいと思っています。ただ、この下の役割分担、これは案だということで、今から変わってくるだろうと思いますが、センターのほうが相談窓口になるというのは、センターというのは調査権限のあるところですので、そこが最初の細かい医療事故の判断とか、そういうことの相談に乗るというのは、仕組みとしてはちょっとおかしいのではないか。ここは切り分けるべきではないかと思います。

  とりあえず。また気づきましたら発言させていただきたいと思います。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  ちょっと確認ですが、5ページのセンターへの報告事項について、医療事故の内容に関する情報と掲げられているのは、報告時点で可能な範囲と書かれているけれども、それでもこれはなかなか難しいだろうとお感じですか。

○小田原構成員

 ここは、一番最初に書いてありますように、一番大事なことは、御遺族に説明することでございます。内容は、とりあえず、最初、そこで思っていたことと、特に関係者、当事者、いろいろ話を聞くと変わってくることがございます。第一報は、特に管理者が報告することになっていますから、ここに齟齬があると院内の人間関係の問題が出てきますし、患者さんとの間の関係もおかしなことになってまいります。だから、極力、最初これが起こった、今から調査しますよという最低限の範囲でとどめるべきだ。報告については、後で最終報告を出すわけですから、その時点でいいのではないかと思います。

○山本(和)座長

 よくわかりました。

  ほかにいかがでしょう。どうぞ。

○松原構成員

今の御意見に賛成です。一番最初は状況がわかりませんので、わかる範囲のシンプルなものでなければ、後の整合性がとれなくなる可能性がある場合、タイムリーに報告できなくなりますから、なるべくシンプルが良いということで、小田原構成員の意見に賛成です。

  もう一点は、すぐにセンターに相談するというのは恐らく具体的には難しいと思いますので、これは支援団体にまず相談するのが良いと思います。

  その2点、賛成でございます。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  ほかにいかがでしょうか。宮澤構成員、どうぞ。

○宮澤構成員

  私は、この医療事故の内容に関する情報は、当初から書くべきであろうと思っております。それは、その後に調査の結果、変わってくることは当然あると思います。ただ、今、わかっている範囲でどういう事故が起こったかということを明らかにするのは大切なことだと思いますし、その後、どのような結果になったかということを対比して、なぜそのように思ったのかということを明らかにしていく。それが再発防止につながると考えますので、この時点での医療事故の内容に関する情報というのは、もちろんわかる範囲ですけれども、書くべきであるというのが私の意見です。

○山本(和)座長

 わかりました。

  再反論でしょうか。では、ごく簡潔にお願いします。

○小田原構成員

 医療安全の仕組みでございます。それで最終報告を出すわけでございます。院内調査が主体でございます。センターに届ける必要はない。何をするために当面、こう考えたということを届ける必要があるのか。センターのほうとしては、どこでこういうことが起こったという概要が把握できれば、それで十分じゃないかと思います。

○山本(和)座長

 わかりました。今の点は、認識の違いがあるということは十分把握できたと思います。

  加藤構成員、どうぞ。

○加藤構成員

 今の点について言いますと、例えばセンターへの報告事項、最初の第一報は、丸ポチで幾つか並んでいる上4つというと、どういう事故なのかがほとんどわからないことになりませんか。第一報で管理者として把握できた事情というのは、それなりに簡潔に負担のかからない形でフォーマットをつくり、そこに書き込んでもらうということでいいと思います。

  詳細が書けないときは、その旨を書いて出せばいいだけのことで、きちんとどういう事故であったのかがわかっている場合もあるでしょうし、要は予期しなかった死亡というものから学んで、この安全で質の高い医療をみんなでつくっていこうという制度ですから、そのスタートにおいて、どういう事故、どういう予期しなかった死亡事故があったのかということの概要がわかるような報告をすべきであろうと思っております。

○山本(和)座長

  わかりました。5ページの点は、御意見の違いがあることが十分認識できたと思いますので、ほかにも重要な点があると思いますので、ほかの点。どうぞ、大磯構成員。

○大磯構成員

 済みません、5ページで最後、追加の論点としてお伝えしたかったのですけれども、医療機関名と日時と場所と診療科と、患者の性別、年齢、病名が明らかになっていた場合、これは匿名ではないですね。その点に関して匿名化するためのケアというものがなされるべきだと思っております。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  ほかの点について、いかがでしょうか。どうぞ、瀬古口構成員。

○瀬古口構成員

 小さな診療所におきましては、1名で対応しているところもあります。その中におきまして、センター等に問い合わせることにつきましても、それまでの間にその状況と経過について支援団体にも意見を聞くという流れを想定すると、支援団体の存在は非常に重要になってくると思いますので、透明性とか公平性とか中立性ということを考えますと、きちんとした意見が出せるような形で、この支援団体というものをもう少し重要視していただければと思っております。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

○河野構成員

 もっと積極的に意味を考えますと、今まで予期しなかったことが起こったときに、それが非常に重大なときには早く共有化しなければいけないという目的がもう一つあると思うのです。それを考えたときに、最低のわかるべきことはちゃんと書いておくことが、安全の向上のためにはいいのではないかと思います。

○山本(和)座長

 ありがとうございます。届け出のことを幾つか御指摘いただいていますが、今、議論していただく対象としましては、その後、6ページの遺族への説明事項と、7ページ以降が院内調査のお話になります。院内調査の方法、支援団体のあり方、そして医療機関からセンターへの院内調査の結果報告、それから遺族への説明。このあたりまでが今、議論の対象になっているところですけれども、それらの点について御意見があれば。どうぞ。

○堺構成員

 今、座長がおっしゃったように、一連の流れの中で考えていく必要があると思います。ですから、その時点で施設の大小にかかわらず、わかっている状況というのは、ある程度自分なりの考えでまとめて報告していただいていいので、もしわかっていない時点は、それを無理に書く必要はないのですけれども、時間の経過でわかってくれば、またそういう報告をするでしょうし。ですから、ここまでしか報告しないほうがいいということじゃなくて、もうちょっと広い視野で御議論いただければいいかと思っています。

○山本(和)座長

 では、加藤構成員、どうぞ。

○加藤構成員

 相談については、支援団体ではなく医療事故調査・支援センターに相談したらいいと思うのです。第三者機関たる医療事故調査・支援センターについては、改正医療法6条の16に「医療事故調査の実施に関する相談に応じ、必要な情報の提供及び支援を行うこと」と、法律で書かれているわけですね。ですから、報告の際、その他いろいろ相談したいことがあったときは、法の趣旨からすれば医療事故調査・支援センターが、そういう窓口を設けて相談に応ずるということが想定されていると考えております。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  どうぞ。

○松原構成員

 5ページは、要するに義務として法令で決めるということですので、義務としてはシンプルなものがいいと申し上げたので、義務となれば、当然書かねばなりません。それをやっている間に時間をロスしますから、とにかくトラブルが起きたときには、義務はシンプルに、そしてわかることは、また別に書けばいい。書くなと言っているのではありませんので、そこのところを踏まえていただきたいと思います。

○山本(和)座長

 何を届け出るかという点については、意見の違いが存在するということは大体わかったと思いますので、恐縮ですけれども、時間の関係がございますので、ほかにもかなり御意見が違う、重要な論点がこの部分であるのではないか。ほかが意見が全く一致しているのであれば、別にこういうことは申し上げませんけれども、意見が違うことがあるのではないかという気がするものですから、恐縮ですが、ほかの点についてもちょっと御議論いただければと思います。

  今の点でしょうか。

○嘉山代理人

 今の議論にも関係して、この後、報告書の内容も関係するが、1週間に1回は医療事故の委員会を開いて、当事者でやっている現場からの声で、ひとり歩きしてバイアスが将来かかってしまったら困るという不安と、もう一つは、堺先生がおっしゃったように、ある程度は知っておかなければならないのではないか。結局、これは調査を毎週やっているので、リスクマネジャーから上がってくる報告書を読んでいる私どもとしては、書き方1つです。誤解が生じずるバイアスを、その後ずっと引きずってしまう報告書を書いてくることもある。また、本質を捉えて、まだ曖昧であるときには、それを書かない報告書もある。

  ですから、ここはもちろん概要を書いたほうがいいだろうというのは、情報があったほうがいいとは思うが、バイアスをいかに引っ張らない報告書を書けるような人材を育てるのは、私ども現場もつくづくそう思っているので、その辺は形式論で机の上だけでやるのではなくて、もともとこれは死因が予測できない死亡だから、すぐに書けるわけがない。法律で余り縛らず、現時点で可能な範囲と書いてあるから、これでどうだと座長が示しているので、この辺を強調して柔軟に対応されたらいいのではないか。この後の報告書の取り扱いにも関係するから、一番の眼目はそこで、報告書をどうやって書くかが重要。

○山本(和)座長

 貴重な御指摘、ありがとうございました。

  ほかの点、いかがでしょうか。永井構成員、どうぞ。

○永井構成員

書けるところ、わかるところについて書いて、早くセンターに出す。1カ月をめどにセンターに報告というのは余りにも遅過ぎると思うし、できることを遺族に説明し、1カ月も放っておくのではなくて、早く出す。その時点に書けるものを書いたらいいじゃないですか。ただ、書く項目として置いておくことは重要じゃないかと思います。

○山本(和)座長

今の御指摘、6ページの遺族への説明事項、下の段のところにかかわる御意見と伺ってよろしいでしょうか。

○永井構成員

 報告の5ページの点です。

○山本(和)座長

  センターに対する御報告。

○永井構成員

 センターに対する報告についての内容と、医法協の中の「1カ月をめどにセンターに報告する」という、これは案みたいですが、期限については今のところ何もないのですけれども、1カ月も放っておくと言ったら失礼かもしれませんけれども、なるべく早く調査して、わかった時点のものをセンターに報告するという仕組みにしていただいたほうがいいのではないでしょうか。

○山本(和)座長

 報告期限を医法協のものよりもう少し短くすべきだと。

○永井構成員

 期限はここには書いていないですけれども、遺族のほうから見ても、その内容を早く知りたいし、どういう方向に動いてくれるかという意味も、1カ月も放っておかれるというのは、何となく何をやっているのかなという気になると思いますので。

○山本(和)座長

 わかりました。

  ほかに御意見はいかがでしょうか。加藤構成員、どうぞ。

○加藤構成員

 今の点ですけれども、医療事故が起きて患者さんが亡くなって、遺族の視点からすれば、当然、葬儀とか、いろいろなことが起きてくるわけですね。きちんと調べようとすれば、解剖とか、Aiとか、その他の仕組みも活用して死因の究明とか、そういうことは当然必要になってくるだろうと思われます。そういう意味で言うと、報告そのものは1カ月というのは余りに長過ぎて、速やかにその後の調査を、きちんとやっていく必要があるわけで、24時間とか、そういう単位のものではないかと私は思っております。それぐらいのうちには、どういうことが起きたのかを院内で聞き取って、書ける項目を原則書いていくということで、第一報としてはいいのではないか。

  だから、第一報は、詳細なものということではなくて、負担のかからないもので出す。そのかわり、「遅滞なく」と条文は書いてあるのですけれども、それはおのずと常識的に考えて、速やかに、24時間ぐらいのうちにできることだろうと私は思っておりました。

○山本(和)座長

 どうぞ。

○小田原構成員

 大きな誤解があるのではないかと思います。先ほど医法協の話が出ましたが、大原則、一番最初にも書いてありますように、我々がまずやるべきことは、現場で遺族、その他の方々に説明する。そこが初めなのです。それは24時間も何も、ずっと継続している話です。これはあくまでもセンターへの報告であって、今回の仕組みは医療安全の仕組みということでつくった仕組みですから、しかも院内調査が主体の仕組みです。速やかにという加藤先生のお話がありましたが、私の素人知識で、法令文のこういうものに速やかとに書いてあるのは、おおむね1カ月と習って聞いております。速やかにというのが24時間であるのが常識だというのは、ちょっとどうかなと思います。

  とにかく言いたい話は、遺族への対応というのはずっと継続している話で、1カ月間、遺族に話をしないというのは一言も言っていないのであって、これはセンターに報告するとすれば、まずこれが該当するかどうかということを院内で決めて、そして判断して届けるわけですから、それについて24時間とか、そういうことはとてもできない話です。しかも診療は、病院は毎日動いているわけです。1カ月にしても、我々は極力早くするのはどれだけだろうかということで詰めたときに、1カ月ぐらいにはできるのではなかろうかということで示したのが1カ月という基準でございます。

○山本(和)座長

 わかりました。これは「遅滞なく」という文言が使われておりまして、法令用語としては、「遅滞なく」というのは、速やかによりは長い期間を一般的には指すとして使用されていると私は理解しています。

  堺構成員、どうぞ。

○堺構成員

 小田原構成員がおっしゃったように、御遺族には速やかにやるわけですね。ですから、センターの報告も、それとそんなに変わらない内容の報告は速やかにできると思う。ですから、御遺族にどういう事項を説明するのかによると思うのですけれども、そんなに限定しなくても、できる範囲でいいのではないかという感じがします。

○山本(和)座長

 はい。

○河野構成員

 もっと積極的に考えなければならないのは、例えば幾つかの病院で同時に同じようなことが起こったときに、1つのケースではなくて、それが二つ三つあったときには、これは緊急事態だということで、速やかにアクションをとれば医療安全に貢献できるのです。そう考えると、私は早くというのは大事だと思います。

○山本(和)座長

 わかりました。

  どうぞ、お願いします。

○柳原構成員

 柳原です。この「速やかに」というところで、被害者遺族の立場から言うと、例えばこういうことが起こりました。今、我々はその原因を究明するために、こういう検査・調査をしていますということをまず説明されるだけでも、被害者にとってはすごく安心できるのではないかと思います。

  ただ、7ページのところで質問なのですけれども、調査すべき情報というところに、ヒアリングとかカルテ、画像、検査結果等を確認とありますが、例えば亡くなった直後の尿とか血液の保管というのは、この省令では義務づけるのかどうか。私も諸外国の死因究明の現場を随分取材してきたのですけれども、あちらでは亡くなった方の血液・尿は、3年から5年の凍結保存が義務づけられていて、これは別に刑事的な責任を問うためにやっているわけではなくて、本当の意味での死因究明のためにやっていると。解剖した場合は、ちゃんと胃の内容物も冷凍保管している。

  今、話題になっている、青酸化合物で連続的に人を殺しているのではないかという事件も出ていますけれども、私は純粋な医療事故などで亡くなった家族の苦悩というものも、当然一番大きな問題だと思いますけれども、殺人事件の半分は家族内で起きていますし、それから、医療費が払えないとか介護ができないということで、家族の中でああいうことが起こっていることもあるので、ある意味医療者を救済するためにも、きっちりした科学的な試料というもの。それは、全量消費しないという視点でも大事かと思うのですが、尿とか血液の保管について、今、どうなっているのかというのをちょっと教えていただきたいです。

○山本(和)座長

 どなたに対する御質問になりますかね。それは現在どうなっているかという御質問ですか。それとも。

○柳原構成員

この制度の中で。今でしたら、司法解剖に回らないと、なかなかそういうことはしてもらえないと思うのですけれどもね。

○山本(和)座長

 ちょっと事務局のほうからお答え。

○大坪医療安全推進室長

 御指摘の点ですけれども、7ページでございますね。法律で定められておりますところは、省令で定めるところにより、原因を明らかにするために必要な調査を行わなければならない、これだけでございまして、その中身を省令で御議論いただいてお決めいただきたいと思っています。今、例示としましては、調査すべき情報の中に、臨床経過としてカルテとか画像、こういうことは恐らく共通していることなので書かせていただいています。

  その上で、柳原構成員から御指摘あったような事項は、今のところ厚労科研とか医療法人協会様のほうで具体の案はなかったわけですけれども、厚労科研のほうを見ていただきますと、例えば最初の矢印で、「点滴やカテーテルなどを抜去、廃棄してしまうと調査に支障がある可能性があるため、こうした状況保全にも留意」という御意見はいただいているところですので、そういった中で検体保存といったところも御意見をいただければ、書き込んでいくことは可能だと思っております。

○山本(和)座長

 柳原構成員、よろしいでしょうか。

○柳原構成員

 ありがとうございます。

○山本(和)座長

 それでは、ほかの点について、いかがでしょうか。

  では、加藤構成員、どうぞ。

○加藤構成員

10ページですけれども、通知(イメージ)の欄の「報告書の取扱いについて」のところに「医療機関は、院内調査過程の内部資料については、外部に公表、開示しないこととする」と書いてございますけれども、これは医療事故調査・支援センターというのは、ここで言うところの外部には該当しないという理解でよろしいですねという確認です。

○山本(和)座長

 これは事務局の文章だと思いますが、その趣旨はいかがでしょうか。10ページの「報告書の取扱いについて」と書かれているところの2つ目の丸で、「内部資料については、外部に公表、開示しない」ことになっていますが、この外部にセンターは含まれないのですねという御質問です。

○大坪医療安全推進室長

 それは、後でセンターの調査のところでも御説明させていただけるかと思うのですけれども、センター調査を行う場合は、医療機関に対して必要な協力を求めることができるとなっておりますので、その中でセンターが必要であればということだと思うのですが。済みません、10ページのところですね。この条文上は、医療事故調査・支援センターに報告しなければならないということになっておりますので、センターへの報告は義務づけられております。

  ただ、加藤構成員がおっしゃっている外部という意味が。

○加藤構成員

 もう一度言いますね。私が確認したかった点は、10ページの通知の欄の真ん中ほどに「報告書の取扱いについて」というのがあって、丸が2つあって、2つ目に、「医療機関は、院内調査過程の内部資料については、外部に公表、開示しないこととする」と書いてございますが、医療事故調査・支援センターは、ここに言う外部には当たらないですねという確認です。というのは、一方、法律の中には、医療事故調査・支援センターというのは、公正さを担保するためにも報告書をある意味では検討するという役割を当然想定されている機関として、法律上、設計され、でき上がっております。

  そうすると、どういうプロセスを経て、この報告書ができているのかということを、第三者機関である医療事故調査・支援センターはレビューすることになるだろうと。その意味で、この「外部に公表、開示しないこととする」というのは、第三者機関たる医療事故調査・支援センターは、この外部には当たらないという解釈をしておかないと整合性がとれないということであります。その確認を求めただけのことです。

○山本(和)座長

 事務局からお答えはいかがでしょうか。

○大坪医療安全推進室長

 センターが外に出すことはできないのですけれども、そこはセンターに対して、必要な情報は報告することになると思いますので、その意味ではセンターは外部には当たらないと思っております。

○山本(和)座長

 どうぞ。

○小田原構成員

 今の説明はよくわからなかったのですが、これは院内調査委員会です。センターは当然外部です。院内調査の院内以外は外部です。これは当たり前だと思います。

○山本(和)座長

 どうぞ、大磯構成員。

○大磯構成員

10ページの報告書の取扱いにおける内部資料というのは、院内調査で行われた聞き取り調査等ですので、2段階目のセンターの調査が始まったときに資料提出の求めがあった場合には、それを提出するというのはあり得るのですけれども、原則としては院内調査における内部資料ですので、センターは当然外部になるというのは当たり前の解釈だと思いますし、自動的にセンターに報告書とともに、聞き取り記録とか委員会の議事録を添付して送付するという取り扱いは、多分しないのだろうと思います。

○山本(和)座長

 どうぞ。

○土生総務課長

 まず、条文上で申し上げますと、どういう事項をセンターに報告するのかというところが論点としてございます。ただ、それとは別に、院内調査の過程の内部資料は、基本的には恐らく報告書そのものには入らないとすれば、医療機関としては外部に公表、開示しないということでございます。

  ただ、その後、第三者機関の調査がまた改めて入るという場合があるわけでございまして、この場合につきましては、そういった調査の依頼があったときは、必要な調査をセンターが行うことができるとなっておりますし、その病院等の管理者に対し、資料の提出、その他必要な協力を求めることができるとなっておりますので、センターの調査が入った段階で詳細な資料も見た上で、第三者機関の改めての調査の対象になるということはあり得ることでございます。この段階ではそこまでいくかどうかがまだ決まっていない段階でございますので、そういう意味では、医療機関としては外部には公表、開示しないということで記載しているということでございます。

  また、そういう点につきまして、そういう取り扱いでいいのか、具体的な内容はどうなのかということにつきましては、この検討会で御議論いただくべき内容ではないかと思います。

○山本(和)座長

 嘉山代理人、どうぞ。

○嘉山代理人

 この事については、全国医学部長病院長会議の委員会でも調査報告書は出すというのと、調査報告書は出す必要がないという2つの意見があり、これについて座長に質問したい。

  国立大学法人でできている国立大学で調査報告書をつくった場合は、全部公文書として扱われるので、公開法によると全部出さざるを得ないと私どもは考えており、そのときにプライバシーは全部真っ黒に塗ります。事故の概要と、どこに問題点があったのか、あと再発予防ということを書き込んだ概要がわかることは黒塗りして出すことにしているが、そうではなく、これは完全に裁判等に使わず、出さなくていいという方もいて、法的にどうなのか。つまり、公文書であり、大学なり大学病院でつくったものは、調査報告書になると思う。法人法が発布されたときと、国立大学が法人になったときにも。そう言われた。

  そのときに法律的にはどうなのか。つまり、裁判所から提出しなさいと言われた場合は、私どもは拒絶する権限があるのか。これは法的な問題なので、はっきりさせておかないと、全国の大学の中でも意見が分かれているので、そのことについてお聞きしたい。

○山本(和)座長

 私に対する御質問ということですが、私は情報公開法の専門、行政法の専門家ではありませんので、本日は残念ながら行政法の専門家である山本隆司構成員、御欠席ですので、確たることは申し上げられませんが、国立大学法人情報公開法における公開の問題は、もちろんここでの情報の報告とか、そういう問題とは別の問題としてあって、それはそちらの法律で、もちろん公開を拒絶できるという一定の除外事由が記載されていますので、個々の事案において、その除外事由に該当するかどうかということの判断で、それは保護的に裁判所が判断することになると思いますので、この医療事故の報告書であるということから、それだけでどちらか決まるという性質のものでは恐らくないだろうと思います。お答えになっているかどうかわかりませんが。

  どうぞ。

○嘉山代理人

 もう一つは、遺族に報告書を私どもは渡していて、もちろん、看護師とか、個人名は全部消して渡しているが、遺族がその報告書を例えば警察に出すことができるのか、ご教示頂きたい。これは法的な問題で、我々はわからないので。

○山本(和)座長

 総務課長、どうぞ。

○土生総務課長

  御遺族への説明方法につきましては、11ページで「口頭又は書面の適切な方法を管理者が判断する」という案を、きょう議論していただいているということでございます。書面で渡した場合に、その書面をどのように扱うかというのは、これは御遺族の御判断になるでしょうから、医療法上、それを法的にとめる手立てはないということかと思っていますので、そういうことを踏まえて、どういった説明方法がいいのかということを御議論いただくということではないかということでございます。

○嘉山代理人

 座長、そうなると、10ページの日本医療法人協会報告書、良し悪しを言っているのではなく、遺族に渡した場合、外部に出さない、開示できないものとするということは、法的にはできないのか。大磯先生。

○山本(和)座長

 どうぞ、大磯先生。

○大磯構成員

 嘉山先生の御質問に関してですけれども、独立行政法人等個人情報保護法の第14条の第4号または5号の二、ホ、若しくはトによって、開示を拒むことは解釈上できるのではないかと考えられます。判例でも、文書提出命令として同様に内部文書性と不利益性の要件というもので争われているのですけれども、大きな流れとしては、判例は高裁レベルで判断が分かれてはいるものの、事故調査報告書に関しては、内部文書性と不利益性を認めて、開示しないとした判例が数としては多いということですね。ですので、法律上、開示しなければいけないということにはなっていないと理解しております。

○山本(和)座長

 どうぞ、高宮構成員。

○高宮構成員

 日本精神科病院協会の高宮ですけれども、現在、日本精神科病院協会は年間に300から400の事故報告書を受け付けておりまして、それの指導をしているのですが、これまでは医療事故報告書は要求されても提出しない。それは、民事訴訟法第220条第4号二の自己利用文書に該当して、検証物提示命令の対象にならないことを主張させております。ただ、裁判所が自己利用文書に当たるかどうか判断するためのインカメラ手続がとられた場合には、提示しなければならない。ただ、その場合にも即時抗告を申し立てるように指導しておりますが、今後、この制度が運用された場合の事故報告書に関しては、また違った対応を考えております。

○山本(和)座長

 わかりました。

  どうぞ、堺構成員。

○堺構成員

 先ほどの総務課長の御説明に、ちょっとお聞きしたいのですけれども、10ページに戻るのですけれども、そうすると、ここで言う外部というのは、センターを入れるかどうかは、ここで議論してほしいということでしたでしょうか。

○山本(和)座長

 どうぞ、総務課長。

○土生総務課長

 この報告の時点では、報告書に記載すべきものは当然、センターに情報として行くわけですけれども、そうでないものは医療機関の内部資料ということでございますので、この段階では、センターも含めて、この内部資料の情報が行くということにはならないということでございますが、後の段階で第三者機関が調査に入ったときには、改めて協力という形で、こういう資料も見せてほしいということはあり得るということを御説明しているということでございます。

○山本(和)座長

 加藤構成員、どうぞ。

○加藤構成員

 今の10ページのところは、センターへの報告だけに限定した書き方になっていないので、その後のことも含めて外部に公表、開示しないこととすると読まれると誤解が出てきます。

  それは、要するに医療法が改正された6条の17という条文の第2項に、明確に医療事故調査・支援センターは、センターとして調査する場合のことですけれども、そのときに必要があると認めるときは、もちろん口頭、文書による説明を求めたり、又は資料の提出その他必要な協力を求めることができるということが書いてあるので、法の趣旨からすれば、ここに言う10ページの「報告書の取扱いについて」という通知のイメージで書いてあるところの「外部」には当たらないとしておかないと、不整合が起きますよということを指摘しているだけのことです。

○山本(和)座長

 言われている中身は、恐らくそれほど認識の違いはなくて、この記載の仕方の問題だろうと思いました。

  どうぞ。

○加藤構成員

 もう一ついいですか。すでに議論は11ページの院内調査の報告書を遺族に開示するかどうかに入っているわけですけれども、法律が成立する前、さまざまなディスカッションを相当長いことしてきたわけでして、「『医療事故に係る調査の仕組み等に関する基本的なあり方』について」という、昨年5月29日の検討部会の取りまとめというものの中には、皆さん、手元に参考資料5があると思いますけれども、その2ページの真中あたりです。「院内調査の報告書は、遺族に十分説明の上、開示しなければならないものとし」と書いてあります。

  当然、突然に予期しなかった死亡に直面した御遺族が、どうして亡くなったのだろうかとか、今後、こういうことがないためにはどうしたらいいのだろうかということに大きな関心を持っていることは間違いないわけで、それが医療安全という観点から見ますと、遺族に開示することを通じて、医療安全にもより関心を持っていただくという狙いが私はあるのだろうと思います。

  この議論は、国会でもどうやら議論があったようで、平成26年5月14日厚生労働委員会で安倍内閣総理大臣が、「医療機関や遺族等への情報提供を通じて医療事故の再発防止につなげていくことを目的としています」ということもおっしゃっている。つまり、国会で答弁する行政のトップの人が、この法律についての考え方の中で、きちんと遺族に情報提供しながら、それを医療安全につないでいくのだという考え方を示されているわけです。そういう意味では、当然、事故があったことについて調査したものは、開示というのはカルテ開示もそうですけれども、コピーを渡すことになるかと思います。

  もう一つ、第三者機関が実施した医療事故に係る調査報告書は、「遺族及び医療機関に交付することとする」となっておりました。同じ5月29日の検討部会で合意した議論の結果であります。相当長期間にわたり、さまざまなディスカッションをした上で合意したものを踏まえて国会で法律ができたわけですから、そういうものを踏まえて考えると、きょうの資料1の11ページの「遺族への説明は」というところは、報告書そのものを交付するというふうにきちんと書き込むべきではないかと私は思っております。

○山本(和)座長

 葛西構成員。

○葛西構成員

 恐れ入ります。10ページの医療機関の院内調査過程の内部資料というところですけれども、もちろん医療情報、情報の開示、情報の共有ということを前提に私は考えております。もちろん診療情報の開示等に関する通知等も出ておりますし、それは患者等に適切な方法、理解しやすい方法で行われることが前提です。

  ずっと考えておりましたのは、ここでインシデントレポートというものがあります。河野先生にお伺いしたいと思います。インシデントレポートは、より多く提出して医療安全に寄与することが目的です。ですから、ちょっとしたこと、ささいなことであっても、気づいたらどんどん出しましょうということを私の病院では推進してまいりました。

  こういった内部資料にインシデントレポートが入るのかということに関して、調査のときに、例えばセンターにその公表、開示するということがあることについて、もちろん将来はといいましょうか、それが前提として書かれるべきなのかもしれませんけれども、第一報のときには、十分に熟慮せず書いて出すことを推進しておりますし、ちょっとした気づいたこと、あるいは自分でないことについても書くことを推進してまいりました。

  調査結果につきましては、事実をきちんと報告することはもちろんですけれども、その中での過程ということについて、カルテと診療情報は別と言えないかもしれませんけれども、インシデントレポートといったものについての公表に関して、外部というものが支援センターであったとしても、それについてはどのように考えたらいいか、河野先生の御意見を伺いたいと思います。

○河野構成員

 インシデントレポートは切り離すべきだと思っています。インシデントレポートは、開示すると、基本的にその機能を失うと思います。それは当たり前の話で、世界的な合意でそうなっていると思います。基本的にはインシデントレポートは開示しないものであると私は解釈しています。

○山本(和)座長

 小田原先生。

○小田原構成員

 先ほど加藤先生、言われましたように、長く議論されて、ここまで来ております。先ほどの話は、厚労省のQ&AQ8にも出ていますので、一度、Q&Aを大坪室長のほうから御説明いただければ、論議が迷走しないのではないかということがあります。

  それと、先ほどの話につきましても、田邉構成員のほうから書類が出ているようでございますので、それも踏まえて、もう一回佐藤先生から御説明いただければと思いますが。

○山本(和)座長

 大坪室長。

○大坪医療安全推進室長

 今、小田原構成員から御指摘がありましたのは、参考資料6の厚生労働省のホームページのQ&Aでよろしゅうございますね。

○小田原構成員

 一度、これを最初から御説明いただけませんでしょうか。

○大坪医療安全推進室長

 最初から。クエスチョンの8でございますか。

○小田原構成員

 といいますか、議論が行ったり来たりしますので、厚労省さんのほうでQ&Aをちゃんと出しているわけですので、議論の整理のためにも、一度これをずっと御説明いただければとお願いしたところでございます。

○大坪医療安全推進室長

 これは、去年、25年5月に報告書が取りまとまりましたものを踏まえて、今回の法案を提出させていただいております。その法案がこの6月に成立いたしました後に、医療事故調査制度に関しまして、いろいろな御質問等を受けておりましたので、それに対しまして、よくいただいている御質問につきまして、1番から14番まで整理してホームページにアップさせていただいております。

  医療事故調査制度の全体につきまして、目的とか流れにつきましては、1から3に問いを立てておりまして、医療機関が行う院内調査について、どのような調査を行うとか、解剖とか支援団体とか、現場の医師の責任が追及されることにならないかといった御質問もよくいただいておりますので、そちらのほうに載せてございます。また、センターの業務につきましても9番から11番でお示しして、その他、よくいただいている質問として、プロセスとか研究班の概要といったことにつきましても、改正医療法に基づいた考え方を厚生労働省のほうで掲載しているところでございます。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  佐藤参考人。

○佐藤参考人

 一般的なお話になりますけれども、田邉先生のほうで書かれた、第1回意見書でもそうですけれども、とりあえず法律にのっとった制度にしていかなければいけないということですね。加藤構成員がおっしゃいました、たしか13年5月29日でしたか、あり方検討部会の取りまとめがありましたが、そのことは重要ですけれども、あの中で調査の対象が「行った医療、又は管理に起因して患者が死亡した事例」であったものが、法律になったら管理が落ちていましたね。

  ですから、法律がもうでき上がってしまったのですから、それ以前のことに書いてあるから、こうあるべきだといった議論はおかしい。今、できている法律の中でできること、この中でやっていくべきだと。そういうものが一般論として言えると思いますので、あり方検討部会取りまとめについて、こうだからということを法律に直接反映するという考え方はおかしいのではないか。あくまで改正された医療法の中からやっていくべきだといった意見でございます。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  そろそろ予定していた時間があれなので、簡潔に。

○松原構成員

 今の御意見に賛成です。法律に基づいて、このガイドラインをつくるべきです。

○山本(和)座長

 米村構成員、どうぞ。

○米村構成員

 東京大学の米村でございます。なかなか当てていただけなくて、少し前の議論に関する点になりますが、先ほど加藤構成員などの方々から御発言があった、10ページの「報告書の取扱いについて」の点について、最後の「開示しないこととする」という表現が、恐らく若干意味するところが不明確で、それで議論の混乱を招いているのではないかという気がいたしましたので、その点を指摘させていただきたいと存じます。

  このページ全体が、法律6条の11第4項の解釈に関連する問題という位置づけで記載されているものであろうと存じます。そうするとここの部分では、報告義務の対象となっている、「その結果」という法律の文言の解釈として、「その結果」の中に、院内調査過程の内部資料が含まれないということを明らかにすれば、それで十分なのではないでしょうか。ここで、例えば情報公開法に基づく請求とか個人情報保護法上の開示請求とか、訴訟案件になった場合の文書提出命令があった場合など、ほかの法律関係を書き込むことは意味がありませんし、その必要もないのではないかと思う次第でございます。

  ですから、「開示しないこととする」という書き方が不適切であって、「その結果」の中にこれらの文書が含まれない、この段階での報告義務の対象ではないと書いていただければ十分なのではないかといことを考えた次第でございます。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。この院内調査について、これで大体一通りは議論いただいて、最初申し上げたような趣旨ですので、ここで確定するということではありませんけれども、恐らく余り御異論がなかったのではないかと思われるような院内調査の調査すべき情報や手法、あるいは支援団体の支援の枠組みといった問題については、それほどの意見の違いは多分ないのかなと思いました。

  ただ、他方では、ここまで御議論いただきましたように、医療事故が発生した際の報告事項をどうするか、あるいはその報告の期間をどうするか。1カ月とか24時間とか、かなりの違いがあったように思いますし、それから報告書の記載事項についてどうするのか、また報告書の取り扱いをどのようにするのか。さらに、遺族への説明方法あるいは説明事項といった問題については、なお意見の隔たりがあるようにうかがえました。これらの点については、さらに次回以降、より詰めた形で御議論いただきたいと思います。

  そこで、恐縮ですけれども、先に進ませていただきまして、次にセンターの業務というのが12ページ以降に掲げられていて、この点についてもかなり御議論があるのではないかと思いますので、こちらに移らせていただきます。

  まず、事務局のほうから資料の御説明をお願いいたします。

○大坪医療安全推進室長

12ページをお開きください。12ページはセンター指定についての定めでございまして、御参考ですので、特に御議論いただくものではございません。

13ページに飛ばさせていただきます。13ページは、センター業務といたしまして、6条の16の第1号、2号に定めております部分、収集いたしました院内の事故調査結果報告書の整理・分析と、医療機関への報告について、法律の定めをお示ししてございます。ここはセンター業務でございまして、特に通知事項には当たりませんので、きょういただきます御意見などは指定されるセンターへお伝えするという形になろうかと思いますので、特に省令事項はございませんし、通知事項はございませんとしてございます。

  その上で、研究班の報告書と医療法人協会の報告書の中から、さまざま御指摘いただいておりますので、表の中にお示ししております。

14ページは、センター業務といたしまして、6条の17の1項から4項に規定されている部分、センターが行う調査についてでございます。

  まず、遺族または医療機関から申請があった場合に、センターは必要な調査を行うことができることになっておりますが、医療法人協会様のほうから依頼の方法についても御提案がありましたので、表の中に記載しております。

  また、センター調査の内容について、厚労科研のほうでは、院内調査が終わっている場合と終わっていない場合に分けて考え方が示されましたけれども、それを踏まえますと、院内調査が終了している場合の調査のあり方に関しては、おおむね考え方が一致しているのではないかと思いまして、終了前に申請があった場合の終了後にセンターが調査する場合は、院内調査の検証を中心に行うと案を書かせていただきまして、その上で考え方に距離がある部分につきましては、表の中に残してございます。

  また、センターが医療機関に求める調査の協力を拒んだ場合の公表のあり方につきましても、表の中にお考えをお示ししてございますので、御議論いただければと思います。

  次、15ページは、センター調査が終了した後の医療機関と遺族への報告についての定めでございます。ここも省令事項はございません。センター調査結果報告書の記載事項とか取り扱いなどにつきまして、お考えが医療法人協会のほうからお示しされておりましたので、そのまま報告書から引用させていただいております。

 続きまして、16ページは省令事項でも法律事項でも全くございませんが、センター調査が行われた場合の費用の持ち方につきまして、昨年5月の報告書の中で、左にございますように取りまとまったところでございまして、その部分についての考え方を右に一度確認させていただきたいと思って記載しております。

17ページは、センター業務として、6条の16の第4号に規定されている研修の部分でございます。これも特に医療機関向け通知はございませんが、御議論いただいた内容をセンターのほうにお伝えすることになろうかと思います。こちらは、医療法人協会様のほうからは、既存のものを活用すべきという1行だけでございましたので、厚労科研のほうでまとまった案を括弧書きでお示ししてございます。

  続いて、18ページのセンター業務の6条の16の第6号に規定されている普及啓発についても、これは通知事項等ございませんので、厚労科研でいただいた御意見を括弧書きでお示ししてございます。

  以上です。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  どうぞ。

○松原構成員

 センターの業務を議論する前に、1つ一番大事な議論が抜けていることに、気がつきました。何かというと、厚生労働省の指定するセンターというのは、1カ所なのでしょうか、あるいは複数箇所になるのでしょうか。総務課長、お答えいただければと思います。

○山本(和)座長

 どうぞ、総務課長。

○土生総務課長

 法律的には、申請を受けて、個々に指定するということかと思いますが、厚労省としましては、予算等の制約もございますし、また制度の趣旨が、できる限り情報を集約して、その再発防止に資するということでございますので、基本的には1カ所を指定することを考えているところでございます。

  ただ、支援団体のイメージ、きょうも示させていただいておりますけれども、法的に指定されるセンターというのは1カ所を予定しておりますけれども、全国的ないろいろな業務ということを考えますと、支援団体の役割というものが重要であると考えておりますので、法律の中でも、センターの一定の業務について支援団体に委託できるという規定を盛り込ませていただいているところでございます。そういう意味では、いろいろな医療関係団体の御支援もいただきながら、全体として事故調査制度を運営していくというイメージを持っているところでございます。

○松原構成員

 なぜお聞きしたかといいますと、現在、こういった能力を持っている団体が少なくとも2つあるわけです。つまり、安全調査機構と、もう一つは医療機能評価機構です。キャパシティの問題がありますので、できれば2つ指定していただいて、十分に対応できるようにしていただくのもよいのではないかと思っています。

○山本(和)座長

 御意見としてお伺いするということでよろしゅうございましょうか。

  それでは、今、御説明のあった12ページ以降の部分について御意見を頂戴できれば。どうぞ、小田原構成員。

○小田原構成員

 今の確認でございます。松原先生から2つ指定してほしいというお話がございましたが、制度上はセンターは1つということではないということですか。要するに、適格なところがあれば複数あり得るということですね。確認です。済みません。

○土生総務課長

 法律の規定として、1つに限るという文言はございませんので、法律の運用としてはそういう可能性はあるということでございます。ただいま松原構成員からも御意見いただきましたが、それを踏まえてどうするかということはございますけれども、現段階では、厚労省といたしましては1つを指定することを考えております。と言いますのは、予算要求上も幾つかの団体に補助するということは、これは現実問題として難しゅうございます。1カ所に何らかの方法で補助するということを考えておりますので、少なくともそこのところは、公募制ですとか評価を経た上で、いずれかの団体に厚労省として助成するということになろうかと思います。

  そういう意味で、厳密に法的な意味では、複数ということはあり得るということでございますが、今の議論を踏まえて、さらに検討いたしますけれども、きょうまでの方針では1つを指定するということで我々、説明してきたということでございます。

○小田原構成員

 わかりました。なぜお聞きしたかといいますと、複数ある場合と、今、センターは1つと想定しているという話でしたので、そうなると支援団体のあり方と業務分担というのがいろいろ出てくると思います。そうであれば、現時点ではセンターは1つということで、支援団体についても検討するということになるという理解でよろしゅうございますでしょうか。

○土生総務課長

 繰り返しになりますが、これまでの方針ということで説明させていただくとすれば、1つのセンターを指定しまして、またさまざまなノウハウあるいは実績等を持っておられるところが支援団体という形で協力する。そのための法律的な規定といたしましては、センターが支援団体に業務を委託することができるということ、あるいは、守秘義務の規定なども整備しているところでございますので、私ども、これまで想定してきた形というのは、1つのセンターを指定しまして、そのほかの協力いただける団体にも業務委託という形で連携といいますか、共同しながら全体の調査制度を運営していくということをこれまで想定してきたということでございます。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  もう時間がありませんので、この中身のほうの御議論に入っていただければと思います。どの点からでも結構ですので。どうぞ、大磯構成員。

○大磯構成員

14ページのセンターが行う調査の件ですけれども、医療事故調査・支援センターが行う調査というのは、院内調査が終わった後に、遺族または病院から再調査の依頼があった場合に動き始めるという理解でいたのですけれども、それは違うのですか。ポンチ絵でも、マル3報告の後にマル5依頼というのが来ているわけです。時系列的に、病院で医療事故が起きたとして、これから調査を始めますよという報告をした直後から、御遺族がセンターの調査を依頼するというと、院内調査は全く意味がなくなってしまうと思うのです。正直、衝撃を受けたのですけれども、この点、どうなのですか。済みません。

○山本(和)座長

 どうぞ。

○大坪医療安全推進室長

 今、御指摘をいただきましたところは、条文が参考資料にあると思うのですが、そこの6条の17で、「医療事故調査・支援センターは、医療事故が発生した病院等の管理者又は遺族から、当該医療事故について調査の依頼があつたときは、必要な調査を行うことができる」ということになっております。

  それは、院内調査が済んでいる、済んでいないという定めは特にございませんで、前回の検討会でも申し上げましたが、この医療事故というものが6条の10で言うところの医療事故と同じですので、届け出がされているもの、事故の発生の報告がされているものに限って、遺族または管理者から申請があったものについて必要な調査ができるという規定ですという御説明をさせていただきました。

○山本(和)座長

 よろしいでしょうか。

○大磯構成員

 ありがとうございました。ちょっとびっくりしました。済みません。

○山本(和)座長

 どうぞ、加藤構成員。

○加藤構成員

 決して意外なものではなくて、ある意味で今回の制度は、医療事故が起きたときに全ての医療機関が院内事故調査をするという設定になっているわけですね。医療機関によっては、さまざまな要因で十分な調査ができないということもあったりするので、支援団体とか、いろいろなところで応援に入るわけですが、例えば何年もそのまま、その後の動きがない、報告書ができ上がらないというときには、当然遺族はその後どうなったのかということを聞いて、きちんとお答えいただければ、それはそれでいいのかもしれませんが、そこがきちんといかない場合は、この第三者機関が調査することができる仕組みになっていると解釈せざるを得ないのです。通常は、積極的に公正な、専門的な調査を自前でやる努力を津々浦々でなさるという文化的な土壌が形成されることを期待しているわけですけれども、そうでない場合には、この6条の17の第1項が出てくるという理解でいいと思います。

  それで、15ページ、6条の17で、センターが調査を終了して報告する。この場合は、報告書を病院の管理者及び遺族に交付すると理解しているのですが、それでよろしいですねというのが1つ確認です。

  もう一つは、そのセンターが作成する調査報告書の内実ですけれども、その中には当然、事実関係といいましょうか、診療経過、分析・評価、再発防止策といった医療安全に役立つことがまとめられているという内容のものが報告書というものだと理解しているのですが、それでよろしいでしょうかということを確認したいと思いました。

○山本(和)座長

 どうですか。御議論いただく対象ではないかと思いますが、今の加藤構成員の御意見だと思いますが。

○加藤構成員

 意見です。

○山本(和)座長

 それに対してはいかがでしょうか。どうぞ。

○大磯構成員

 同じ話で申しわけないのですが、今の加藤先生のお話だと、院内調査をいつまでもやらないでいると、センターへの調査依頼の機会が失われてしまうかもしれないので、病院が事故調査を始めるという報告をした後であれば、遺族からの依頼でセンターでの調査を始めることができるという趣旨で理解すると、医療法人協会さんが書かれているように、院内調査を実施している最中は、原則的にはセンターは謙抑的であるべきで、余りに例外的な、事故調査をしますと言っていつまでも置いておくというようなことがあったときに、初めてセンターに調査依頼ができるというたてつけにすべきだと思いますし、そうしないと院内調査が全く形骸化してしまって、意味がないものになってしまうのではないかと思います。

○山本(和)座長

 今、御意見だったと思いますが、いかがでしょうか。どうぞ、鈴木構成員。

○鈴木構成員

 鈴木でございます。今の議論の流れにかかわると思っているのですけれども、この6条の17、1項の依頼があったときの依頼できる場合であったり、センターが調査を行うことができるという場合に関して、医療機関側の悩み、危惧としては、安易な依頼であったり調査の必要性を申し立てる方が出てくるのではないかという部分だと思うのです。そういう安易な依頼や調査対象の選別というものを避けるための何らかの基準や手立てというものが、この制度を運用していく上では必要なのだと思います。

  以上でございます。

○山本(和)座長

 ほかにいかがでしょうか。では、簡略にお願いします。

○佐藤参考人

 加藤先生の意見ですけれども、最終的に報告書について再発防止案を書くかといったのが、今後議論になるのではないかといったことがあったと思います。

  これは、6月10日の厚生労働委員会の中で、小池議員からの再発防止問題、これは各報告書に個別ケースの再発防止策が書かれていると、結果回避義務違反に問われる可能性もあると言われています。局長に聞きますが、再発防止策については、一定の事例が集まった段階でまとめて、個々のケースで特定できないようにした上で公表する配慮が必要ではないかと思うんですがといった質問に対して、当時の局長からは、事故支援センターでは、再発防止に係る普及啓発を行うこととしているところでございます。御指摘のような、一定の事例が集積された時点で類似の事例についてまとめて普及啓発策を提案すると、このようなことになっております。

医療安全の再発防止に関しましては、全てを勘案すれば、私はこのような形態がいいと思いますので、原局長ですけれども、この話を尊重したいと思います。

○山本(和)座長

 どうぞ。

○加藤構成員

  日本医療法人協会の報告書、15ページにまとめられたものがあるのですけれども、再発防止策は記載しないと書いてあります。

  その事例を冷静に客観的に評価したときに、こういうことは今後、医療安全のために改めていったほうがいいということが出てくるはずなのですね。その個別の調査にある一定の労力をかけるわけですから、そこから導かれる改善点というのは、決して医療だけにとどまらず、製造物にかかわることであったり、いろいろデバイスがありますので、そういうものの改善とかも必要な場合が出てきます。薬の名称だったり、さまざまなことがあるので、その都度再発防止策というのは医療安全に貢献するという視点で積極的に書き込めるものを書いていくということが、当然必要なことだと私は思っております。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。ここは、記載事項について意見が違うということはわかりましたが、今の点でしょうか。では、簡略にお願いします。

○小田原構成員 

大きな誤解があります。再発防止を検討しないと、うちの報告書は一言も言っていません。前回もお話しました。報告書の25ページをごらんください。ここに再発防止のためのフローが書いてございます。再発防止については、院内の安全委員会のほうに上げる。そちらのほうから匿名化した上で、再発防止策を機能評価機構に届けるのだということは、この前の回で明確に申し上げました。

○山本(和)座長

 わかりました。ここは、多分意見の違いというものがあるのだろうと思います。

  ほかの点で、堺構成員。

○堺構成員

 今の小田原構成員のお話ですけれども、きょう提出いただいた田邉構成員の3ページの一番上に、「何よりも、自分の手術が安全にかつ効果的に行われ、医療従事者が、自分に向き合い、手厚く、心のこもったケアをしてくれることではないであろうか」と書いてあるので、もちろん事例が集まって、それを再発防止に資するのは当然なのですけれども、個々の例でもそれなりの可能な範囲で対応する必要があるのではないかという感じがします。

○山本(和)座長

 はい。

○鈴木構成員

 鈴木でございます。仮に再発防止策を何らかの形で書いた場合に、医療側の不安や危惧というのは、その言葉の行間を超えて誤解した形で主張に利用されてしまうのではないか、そこにあると思っております。

  先ほど佐藤様から結果回避という言葉がありましたけれども、結果回避の可能性の程度がどの程度であったとか、法的な義務づけに昇華されるといった話をしているわけではないにもかかわらず、あたかも結果回避可能性が当然あって、結果回避義務を法的に負うという形で防止策を誤解されてしまう例がないわけではないと思いますので、そこは表現を注意するとか、報告書を作成する段階で明確に責任判断や過失判断をするものではないし、その程度に関しても特定するものではないということを定型文言で入れるなりの工夫が必要になるのではないかと思います。

  以上でございます。

○山本(和)座長

 河野構成員。

○河野構成員

  再発防止を書かなければ意味がないと私は思います。再発防止策を書いたことが縛りになるかということですけれども、病院のリソースとも関係がありますので、私はmustの対策は、病院レベルでできることがあるはずです。さらに、betterniceという3段階ぐらいに分けて、mustは絶対やらなければいけない、とすればいい。職員に周知するというくらいはできると思います。

  さらに、業界に対しても「危ないですよ」ということを書くことがすごく大事です。そのときの考え方が、今までの法的な意味での、刑法に基づくようなヒューマンエラーというものが、個人の不注意で起こるものだというモデルで理解してしまうと、これは書けないのです。そうではなくて、人間の行動というのは、環境との関係の中で起こるのだということを理解して、事故分析の中で入れていけば、私は再発防止策は書くべきだと思います。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。この点については、今後さらに議論していただきたいと 思いますが、センターの業務に関する部分として、今まではセンターへの調査依頼、どういう場合に依頼するか。院内調査との関係、あるいは今、出てきたセンター調査の報告書の記載事項、再発防止策を記載するのかどうか。それから、センター調査の遺族への説明の方法、どういう形で説明するのか。それから、報告書等の情報の取り扱い、それがどういうふうに取り扱われるのかというあたりが御議論の中心かとお伺いしましたが、ほかにもこの点が重要だという点がございましたら、御指摘いただければと思いますが。どうぞ、大磯構成員。

○大磯構成員

 済みません、2点よろしいでしょうか。

  まず1点目が、16ページの費用負担の件ですけれども、遺族がセンターに調査を依頼した際の費用負担というのは医療安全のためで、責任追及につながらないならば、それは費用負担を求めなくても構わないと思います。同様に、病院は院内調査を行って、事故調査を行うのですけれども、それも広く医療安全、公共目的で行われるわけですね。そこに国民である医療従事者・病院のリソースが使われるわけですから、院内調査を行った病院に何らかの手当ては当然つくという理解でよろしいのでしょうか。

  要は、本日の田邉先生の意見書にも書かれておりますように、無償で院内調査をやれという議論ではなくて、田邉先生の意見書でしたら、1−(5)と(3)といったところは配慮すべきだと考えますということが1点と。

  あと、18ページですけれども、この医療事故調査制度というのは医療安全を目的としているものであって、これも私、田邉先生の意見書に強く同意するところですけれども、田邉先生の意見書3ページの一番上です。紆余曲折ありましたけれども、「何よりも、自分の手術が安全にかつ効果的に行われ、医療従事者が、自分に向き合い、手厚く、心のこもったケアをしてくれる」ように進んでいかなければならない。

  要は、責任追及とか紛争解決のために使われるのではなくて、しっかりと医療が安全に行われて、国民・患者さんが安心して病院にかかれるようにすべきであると考えますと、このセンターが行う普及啓発、まさにこの部分に資源を投資すべきであると。

  具体的に、フェイルセーフに対する対策であったり、フールプルーフに対する対策というところをしっかりとやっていただかないと、結局、ステークホルダー同士のよくわからない綱引きで、現場に対しても、国民に対しても何の安全も供給できないと思われるので、資料1の18ページの関係業界に対する働きかけというところに最も強く予算配分できるようになっていただけたら、大変ありがたいと思います。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  それでは、ほかの論点についての御指摘ですか。

○小田原構成員

 お願いでございます。13ページ、これについては、個別の事案が責任追及につながりますので、この分析した結果の報告は、いろいろな病院に共通の項目になろうと思います。したがいまして、ポンチ絵の右のほうの医療機関を複数お書きいただけたら。届けをするほうもいろいろなところから行くわけですから、この医療機関も複数お書きいただきたい。ポンチ絵をちょっとお願いしたいと思います。

○山本(和)座長

 わかりました。

  よろしければ、時間が既にかなり来ておりますので、恐縮ですが、最後に最初に戻って、医療事故の定義の点。これについては、前回、相当議論が既にされているところでございますので、本日はそれほど追加的な議論はしないで足りるのではないかと思いますが、若干は議論していただきたいので、資料1の医療事故の定義の部分について、事務局のほうからの御説明をお願いいたします。

○大坪医療安全推進室長

 2ページをお開きいただきまして、医療事故の定義につきまして、その中で基本的な考え方と死産につきまして前回も御意見いただきました部分、表の中で御意見に距離がある部分を記載させていただいております。

  3ページは、医療に起因し、又は起因すると疑われるものという解釈につきまして、左に法律事項で既に定まっているものを書きまして、ここは省令事項に当たりませんので、通知の中で「医療に起因し」について御意見をいただければと思っております。表の外に出ている部分は、前回の検討会でも御意見をいただいて、ほぼ一致しているところではないかと思って書かせていただいております。

  4ページ目は、医療事故の定義の中で、予期しなかったものとプロセスについても御議論がありましたので、ここに記載させていただいております。当該死亡又は死産を予期しなかったものにつきましては省令事項となりますので、省令の部分まで表を引っ張った形で記載させていただいております。

  厚労科研の中では、まだ御議論が結論には至っておりませんで、今後、さらに整理するということになっておりまして、医療法人協会報告書の中では、予期しなかったものの考え方について御意見をいただいておりましたので、ここに記載しております。

  判断プロセスにつきましても同様ですが、前回の御意見や厚労科研等の中から、ほぼ一致しているのではないかと思われるところを2つ書き出しております。それ以外の部分につきましては、表の中に両者を残した形で記載させていただいております。

  以上です。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  それでは、もし前回の御議論に追加していただける部分があれば御議論いただきたいと思いますが、まず高宮構成員のほうから発言の希望があると伺っております。

○高宮構成員

 本日配付されました田邉構成員の意見書についてですが、6ページの(2)に、「『管理』について、高宮構成員は、精神科診療などでの自殺などの管理の問題も」云々と書かれておりますが、これは前回の第1回で私が発言していない内容を発言したかのように書いてございまして、議事録を見ていただければわかるのですけれども、26ページの上から2行目からですけれども、私は精神科関係の人間ですので、拘束、隔離といった医療行為についての発言はしておりますが、自殺に関しては発言しておりませんので、何をもって田邉構成員が私が自殺を医療事故の対象にしろと言ったのか、よく理解できませんので、(2)は削除していただきたい。

  削除できないのであれば、「自殺」という文言を「隔離、身体拘束中の転倒・転落」と訂正していただきたい。それをお願いいたします。

○山本(和)座長

 佐藤参考人、いかがですか。

○佐藤参考人

 田邉先生に伝えますけれども、それでは高宮先生にお聞きしますけれども、この中に高宮先生に関連した言葉が書かれておりまして、先生がこの検討会で出された御意見というのは、いわゆる日本精神科病院協会の統一した意見であるのでしょうか、それとも個人としての意見であるのでしょうか。

○高宮構成員

 私、日本精神科病院協会の医療事故の担当常務理事でございます。ですから、私の意見は日本精神科病院協会の意見でございます。

○佐藤参考人

 これは、例えば理事会の中で決まったことということでの理解でよろしいのですね。

○高宮構成員

 理事会、常務理事会で私が医療問題の担当常務理事として指名され、この会議、それから西澤研究班の会議への出席も認められておりますので、私の発言が日本精神科病院協会の発言です。

○佐藤参考人

 わかりました。

○山本(和)座長

 それでは、ほかに。どうぞ、松原構成員。

○松原構成員

  現場の先生方に聞きますと、予期しなかったものというのをどう解釈していいのか、具体的にわからないという意見を聞きます。つまり、厚生労働省令で定めるものと書いてある以上、これについて何らかの表現がないと判断の基準ができません。判断ができないということは、速やかにこれが対象になるのかならないのかという事です。わからないままですと、現場が大変混乱します。したがって、何らかの形として行うべきだと思います。

 ただ、これが予期せぬものということでありますので、これについて「予見できなかったもの」とか「予見」という単語とは全く違うと、私ども理解しております。そうすると、どのように表現したらいいのか。法人協会さんの御意見では、「通常想定しないもの」という表現もあります。これも適切な表現の一つだと思いますが、本人が、管理者が主観的にそういった結論を出しただけで、本当にいいのか。つまり、客観的な評価がなければ、これを本当に届け出るべきなのか、届け出るべきでないのか、判断しにくうございます。

  そこのところを考えると、省令のところで対象となるものがはっきりする。例えば予期できぬもの、予期しなかったもの、つまり亡くなるはずがなかったもの。ということは、亡くなった理由がわからないもの。そういった中で、患者さんの御遺族にそれが説明できない。つまり、合理的な説明ができないという客観的なものか、あるいは医学的な合理性がないと判断したものなのか、幾つかいろいろな言い方がございますが、ぜひここのところは、万人が見て対象があるのかないのかということがクリアになるような表現を使っていただいて、これを定めていただきたいと思います。一応法律で定めることとなっておりますので、その明瞭な表現をぜひお願いしたいと思っております。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  ほかにいかがでしょうか。永井構成員。

○永井構成員

 前回、私は欠席しました。私は広尾病院で妻を医療事故で亡くした遺族です。田邉さんの意見書には、ある意味で憤慨しています。

  今のお話の中の予期せぬ、予期しないというときに、広尾病院の事故について、この前、誰かが、あれは医師法21条の問題だと答えたと聞いていますが、私にとって全く予期しなかったことです。突然の死亡でした。全く予期しなかったことでした。それに対して、広尾病院は死亡原因をうやむやにしようとし、結局、刑事事件になってしまいました。予期しないということですが、患者側にとって説明を受けても、その予期したということが納得できない場合があるでしょう。そういうことについても、ちゃんと遺族の思いを真摯に聞いてあげる姿勢を持っていかない限り、 私はこの制度が国民から信頼されるような事故調査制度にはならないと思っています。

  皆さんだって医療事故に遭うのですよ。自分が遭わないうちは、私も事故に遭うとは思っていませんでした。医療そのものについても、国民の意識という意味では、病気にならない限り、医療に余り関心がないのです。ここをどうやって医療安全教育していくかが重要です。医療事故調査制度が医療安全につながります。ぜひ被害者側の思いも聞き取り、それに対して説明して、理解納得していただけるような取り組みを実施していただきたい。「予期しない」というのはどういうものかということをもうちょっと拡大的に考えたほうがいいのではないかと私は思います。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  ほかにいかがでしょうか。では、加藤構成員。

○加藤構成員

 議事録をきちんと読んでいただければ十分わかることですけれども、予期しなかった死亡に関する前回の発言の中で、過誤の話を誤解された人がいるとすれば残念です。私は過誤があろうがなかろうが、予期しなかった死亡は届けるのですよという話を強調したつもりです。だから、過誤類型だから届けないとか、そういう判断をその場でするものではありませんよと。過誤かどうかわからなくても、過誤があってもなくても、とにかく予期しなかった事故であれば、これは届けてくださいということを言ったつもりなので、議事録、丁寧に読んでいただければ、皆さんおわかりだと思いますので、これ以上は言いませんけれどもね。

○山本(和)座長

 ありがとうございます。

  はい。

○小田原構成員

 今の加藤先生のお話はそのとおりで、私どももそのように説明いたしております。

○山本(和)座長

 宮澤構成員。

○宮澤構成員

 予期しなかったという言葉は難しい問題だと思いますけれども、今回の院内調査、医療事故というものを考えるに当たって、一般的・抽象的な確率があったからどうかという観点ではなくて、個々の医療事故に関して、その可能性は予期できたのかできなかったのか。それが問題であって、一般的な確率とか、そういう問題ではない。ということは、個々具体的な事案に関するものだということをきちんと理解しておくべきだと思います。これは、一般的な確率論の問題ではないということが第1点。

  それと、単純な過誤ということがありますけれども、私は当然、これは医療事故の調査の対象になってくるものだと思っています。それは、単純な過誤がなぜ起こったのかということの原因を究明していかないと、それに対する対策もできないわけですから、単純な過誤だから、これは対象にならないというのは、これは事故の対応策としては誤りであろうと思っています。

○山本(和)座長

 ありがとうございます。

  では、佐藤さん、簡略にお願いします。

○佐藤参考人

 附帯決議の2.医療事故調査制度、ア 調査制度の対象となる医療事故が、地域及び医療機関毎に恣意的に解釈されないよう、モデル事業で明らかとなった課題を踏まえ、ガイドラインの適切な策定を行うといったことがあります。

  医療法人協会のガイドラインの一番最初のページは、医師法21条のことが書いてあります。これは、この問題を語るのに絶対外せない問題だと思います。すなわち、恣意的に医師法21条で届け出ようといった対応をしている病院があります。例えば、国立国際医療センターです。これは、私が前回、資料を提示しております。第1回の資料の72ページに異状死の届出と書いてあります。医師法21条は、「異状死の届出」の法律ではございません。

  そして、72ページに「異状死の届出の判断基準と手順」が書いてあって、正しくは医師法21条は「異状死体等の届け出義務」ですけれども、異状死といったことを別紙1を示して届け出が必要といったことで、その中に外因死とか外因の後遺症とか、内因か外因かの不明、これは警察署に届けると、国立国際医療センターでは指導している。私は、独立行政法人国立病院機構の各国立病院に対するマニュアルを入手しているのですけれども、そちらにも同様のことが書かれている。

  ということは、この支援センターができたときに、病院で医療事故があったときに、警察に届けるべきか、そしてこのセンターに報告するべきかといった相談が、必ず出てくるはずだと思います。ですから、医師法21条で警察に届けるべきことはこういうことですといった説明をガイドラインにしっかり入れるべきであります。ですから、きょうの議論のたたき台の中には入っておりませんけれども、医師法21条に対する外表面の異状があった場合は、もちろんこれは警察に届けるのが先でありますけれども、いわゆる恣意的に解釈された、先ほど示した国立病院でのマニュアル、異状死といったことは間違っているということをはっきり記載して、正しい報告がされるようにするべきだと思います。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

  これにつきましては、前回から相当御議論いただいているところですので。

○永井構成員

 運営上の点について。

○山本(和)座長

  それでは、最後に伺いますが、この医療事故の定義の問題については、今も出てきましたが、予期しなかったものをどういうふうに考えるのか、あるいは医療に含まれる範囲というものをどういうふうに考えるのかということは、恐らくこの会議の中心的なテーマとして、今後さらに御議論いただくことになろうかと思います。

  それでは、中身の御議論については本日はここまでとしたいと思いますが、運営上の点についてということでしたので、まず。

○永井構成員

 第1回目のときに、この代理の話が出ていますが、私は座長が説明したとおりにすべきだと思いますし、少なくとも各団体から出てこられて、代理の方は代理人とはっきりしたほうがいいと思うし、個人で出てきた人は参考人で、佐藤さんに大変失礼な言い方をしますけれども、参考人はそのときにしゃべったことだけで、その後、発言する権限は私はないと思っているのです。そこはしっかりして、参考人と代理人を明らかにして、参考人はそこの説明だけで、手を挙げても指す必要は私はないと思っています。その辺をクリアにして、この議事を進めていただきたいと思っていますので、よろしくお願いします。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。御注意をいただいた。

  はい。

○宮澤構成員

 済みません、議事の進め方ではないのですけれども、最後に一言だけ。この異状死との関連ではなくて、今回の医療事故調という制度は、そもそも専門家が入って、医療事故に関して適切な対応をしていくというのが本来の制度の目的なわけです。これがなくなったらどうなるかというと、もとの制度に戻っていく。そのもとの制度とは何かというと、医療の内容がはっきりわからないであろう警察の機関が手を入れてくる。そして、民事訴訟という形で、原因の分析とか対応策がない形で進められる。そういうことになってしまうのだということをきちんと頭の中に前提として入れておいていただきたいというのが、私の意見でございます。

○山本(和)座長

  ありがとうございました。

  どうぞ。

○嘉山代理人

 長年、医療事故の調査に実際にかかわっておりますので、有賀君の代理で今日は出席したが、先程、永井さんがおっしゃったように、本当にいい制度をつくるのであれば、医療人も自浄作用を心に持っていなくてはいけないし、被害者という言葉はちょっと問題だと思うが、患者側も医療側と対立軸ではなくて、一緒にいいものをつくっていこうということでないと、どうしても責任追及とか、そちらに走ってしまう。私は両方とも自分の立場だけで話さず、本当にいい制度をつくろうとやっていかないと、現場で見ているといろいろな問題が起きてしまう。1つは、調査報告書、調査の仕方。誰が調査しているのか。血圧も測っていないのか。そういうことから様子が全然変わってしまう。

  現場の意見から言うと、両方がいいものをつくろうと、永井さんの言ったとおりだが、余りにも走り過ぎてはいけない。法律論に走り過ぎてもいけないし、心のこもった、ちょっと雑駁な言い方で申しわけないが、そういう制度にしないといけない。

  あと、これは理科系の仕事だから、べき論は絶対にあり得ない。時代とともに変わっていくものもあるので、その辺はお役所がかなり融通を持って省令を出していただかないと現場が非常に混乱する。あと、患者さんも非常に混乱してしまうので、その辺を座長へは今後もよろしくお願いしたい。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。私、座長といたしましては、各構成員、それぞれのお立場がありますけれども、この法律で決まった医療事故調査という制度を少しでもよいものにするという観点からお集まりをいただき、真摯に御議論いただいているものと確信しておりますので、次回以降も引き続きそのような態度で御議論を賜れればと思います。

  次回以降の進め方でありますけれども、本日、御議論いただいて、かなりの部分でなお御意見の相違というか、隔たりがある部分というのは確認されたと思います。とりわけ最後の医療事故の定義のお話、あるいは院内調査、センター調査において、どういう事故を報告し、また遺族の方に説明するのか、その説明の内容、説明の方法あるいは説明した結果、報告書等の取り扱いといった問題について、かなり核心的な部分で御意見の相違があるように承りましたので、次回以降は、そういった部分を中心として、できれば集中的な形で御議論いただければと考えております。

  事務局のほうにも、本日、資料1という形で資料をつくっていただいておりますけれども、今のような事項、かなり中心的な問題で御意見が分かれている部分に絞った形で、本日あるいは前回の御意見の整理をお願いできれば。次回、その資料をもとに集中的に御議論いただければと考えております。

  それでは、次回の日程について、事務局のほうからお願いいたします。

○田上医療安全推進室長補佐

 本日はありがとうございました。

  次回でございますが、1211日の木曜日、16時から予定しております。詳細については、また事務局から追って御連絡させていただきます。

○山本(和)座長

 それでは、本日はこれで終了させていただきます。私の不手際で時間を超過してしまったことをお詫びいたします。ありがとうございました。


(了)

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