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2014年7月30日 薬事・食品衛生審議会 医療機器安全対策部会 議事録

○日時

平成26年7月30日(水)10:00〜


○場所

厚生労働省専用第23会議室


○出席者

出席委員(20名) 五十音順

○荒 井 保 明、 石 井 則 久、 井 部 俊 子、 今 村  定 臣、
 内 田 恵理子、 川 原 信 隆、◎笠 貫   宏、 釘 宮  豊 城、
 佐 藤 景 二、  杉 山    肇、  瀬古口 精 良、 高 谷  節 雄、
 土 屋 文 人、  那須野 修 一、 新 見 伸 吾、 西 澤 真理子、
 西 田 輝 夫、  根 本    幾、  横 井 英 人、 渡 邉  治 雄
(注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(1名) 五十音順

小 野   稔

行政機関出席者

神 田 裕 二 (医薬食品局長)
成 田 昌 稔 (大臣官房審議官)
宇 津    忍 (安全対策課長)
上 野 清 美 (安全使用推進室長)

○議事

○事務局 それでは定刻になりましたので、ただ今から「平成26年度第1回薬事・食品衛生審議会医療機器安全対策部会」を開催いたします。

 本日の部会は、従前の取扱いと同様、公開で行うこととしております。なお、カメラ撮りについては議事に入る前までとさせていただいておりますので、マスコミ関係者の方々におかれましては、御理解と御協力のほどよろしくお願いいたします。

 本日は、小野委員より欠席の御連絡を頂いており、定数21名の委員中20名の委員に御出席を頂いておりますので定足数に達しておりますことを御報告申し上げます。また、委員の先生に変更がありましたので御紹介させていただきます。今回の部会より高杉委員が御退任され、新たに公益社団法人日本医師会常任理事の今村定臣委員が就任されておりますので御紹介いたします。

○今村委員 御紹介いただきました日本医師会の今村と申します。6月の役員改正によりまして前任の高杉より交代することになりました。よろしくお願いいたします。

○事務局 次に4月及び7月の人事異動の関係で事務局の交代がありましたので御紹介させていただきます。まず、厚生労働省の方で、医薬食品局長の神田裕二。安全対策課長の宇津忍。安全対策課安全使用推進室長の上野清美。医薬品医療機器総合機構、本日欠席の安全管理監に俵木登美子。安全第一部長の近藤恵美子です。

 以後の議事進行は、笠貫部会長にお願いいたします。

○笠貫部会長 それでは議事に入ります。事務局から資料についての御説明をお願いいたします。

○事務局 資料の確認をさせていただきます。お手元に資料がありますが、順に座席票、委員名簿、議事次第、資料一覧を配付しております。資料一覧は、議事次第の裏面にございます。資料の一覧に沿って資料の御説明をさせていただきます。

 資料1-1「平成25年度の安全対策について(まとめ)」、資料1-2「単回使用医療機器の取扱いの周知徹底について」、資料1-3「家庭用電気マッサージ器に関する自主点検等について」、資料1-4「医療機器市販直後安全使用情報収集事業結果について」、資料1-5「薬剤溶出型冠動脈ステント及び薬剤塗布型冠血管向けバルーン拡張式血管形成術用カテーテルに係る使用上の注意の改訂について」。

 資料2-1「医療機器の不具合等報告について」、資料2-2「医療機器不具合等報告」、資料2-3「医療機器外国措置報告」、資料3-1「感染症定期報告感染症別文献一覧表」、資料3-2「感染症定期報告の報告状況」、資料4-1「医療機器の回収報告の状況」、資料4-2「平成25年度医療機器自主回収一覧」、資料5-1「医療機器添付文書の記載要領改正について」。

 続いて参考資料1、「総務省取りまとめによる『各種電波利用機器の電波が植込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための指針』(平成25年度版)の送付について」。

 参考資料2「PMDA医療安全情報41硬膜外カテーテル操作時の注意について」。参考資料3「PMDA医療安全情報42経鼻栄養チューブ取扱い時の注意について」。参考資料4「PMDA医療安全情報43胃瘻チューブ取扱い時のリスクについて」。資料は以上です。

 過不足等ございましたら事務局までお知らせください。なお、本日の議題に審議事項等はございません。全て報告事項となっておりますのでよろしくお願いいたします。以上です。

○笠貫部会長 ありがとうございます。資料は皆さんお揃いでしょうか。本日は、審議事項はないということで、報告事項から入ります。議題1について、事務局から御説明をお願いいたします。

○事務局 報告事項議題1、「医療機器の市販後安全対策について」です。資料1-1、副作用等の報告数の推移で、医療機器は()に不具合報告等の数値が示されております。平成25年度は、外国症例も含めまして全部で25,554件でした。年々増加しておりますが、2ページ目の中ほどに医療機器の使用上の注意の改訂等の数字を示しておりますが、特に増加傾向は見られておりません。使用上の注意の改訂、指示等の件数について特に増加傾向が見られていないことから内容に特段大きなものはなく報告の必要性について周知が図られ、これまで報告されていない事象も報告されるようになってきていたり近年リスクの高い医療機器が多く承認されるようになってきたりという背景から報告数が増加してきていると思われます。

 2ページ目の安全対策上の措置数の推移について、医薬品・医療機器等安全性情報への掲載が4件。使用上の注意の改訂は3件です。3、4ページの医薬品・医療機器等安全性情報へ掲載した情報について示しております。医療機器に関連するものとして、301号で再使用可能な手動式肺人工蘇生器の取扱い上の注意について。302号で電気自動車の充電器による植込み型心臓ペースメーカ等への影響に係る使用上の注意の改訂について。303号で磁気共鳴画像診断装置に係る使用上注意の改訂等について、309号で穿刺部止血デバイスに関する使用上注意について、以上4件が掲載した情報になっております。いずれも昨年度の当部会において御報告させていただいた内容になっております。

 次に資料1-2で単回使用医療機器の取扱いの周知徹底についてです。裏面の医政局長通知の方で、こちらは国立病院機構近畿中央胸部疾患センターにおいて、再使用禁止の医療機器を滅菌、消毒等を行って再使用したことが判明したことを受け、従来より単回使用医療機器を再使用しないことの通知はされておりましたが、改めてこれが再周知されたというものです。

 1ページ目に戻っていただき、これを受けまして、医薬食品局安全対策課より都道府県を通じて、各製造販売業者に対して改めて医療機関に対して添付文書を遵守した適正な使用を促すよう必要な情報提供を求めたということでございます。

 資料1-3、家庭用電気マッサージ器に関する自主点検等についてで、3ページ別紙1で、本年5月に家庭用ローラー式電気マッサージ器をカバーを外した状態で使用し衣服が巻き込まれて窒息死したという事故が発生しました。本製品は20年ほど前に販売中止になっているもので、同様の事故は今回で5回目となっております。これまでメーカーも厚生労働省としても適正な使用を訴えてきましたが、今回の事故の発生を受けメーカーは、使用中止を呼び掛けることとしたというのが別紙1でございます。

 1ページで厚生労働省としても同様の事故が再度発生することがないよう既に販売中止されているものも含め、同じリスクを持つ製品がないか都道府県を通じ関係企業に自主点検を行うよう指導したものです。そのような製品が見つかった場合には、使用者への適正な情報提供等について検討したいと考えております。具体的な指示内容は、裏面の「記」と書いてあるところです。また7ページも併せて御覧ください。消費者庁に対し、使用者に広く周知するための協力をお願いしているところです。

 資料1-4、医療機器市販直後安全使用情報収集事業結果についてです。この事業は新たに承認された新医療機器のうち新規性の高いもの、国内外において使用経験が少ないものなど特に市販直後の安全性確保が必要と判断されるものについて、原則として6か月間当該医療機器の使用状況、不具合の発現状況、臨床現場への製造販売業者による安全性情報の提出状況等の情報を毎月、医療機関により提出していただき必要な対応を図ることを目的とした事業となっております。

 平成25年度は、ビー・ブラウンエースクラップ社の「ヒストアクリル」という品目を対象とし三宿病院、福島県立医科大学附属病院の二つの医療機関に調査を依頼しております。本品は、平成25年4月に承認され、5月から保険適用が開始された品目になります。本品は、出血性又は出血既往のある胃静脈瘤に用いる止血材料として用いるものとなっております。調査実施期間の6か月間で2機関合わせて7症例に使用され機器の不具合及びこれに関連した健康被害は生じておりません。

 また、調査実施機関からは、製造販売業者の情報提供活動について最初の使用前、使用開始後にも適切な情報提供がなされた旨の報告がなされております。各調査実施機関では、提供された情報について治療前後の会議等において医師及び治療実施チーム内で周知共有されたほか、指導医による使用医師に対する個別の詳細説明等が行われた旨の御報告がされており企業による情報提供の内容、体制について特段の問題点は指摘されませんでした。

 次に資料1-5ですが、7月28日発出された通知で、薬剤溶出型冠動脈ステント及び薬剤塗布型冠血管向けバルーン拡張式血管形成術用カテーテルに係る使用上の注意の改訂についてです。1〜2ページ目、本件を都道府県に対して情報提供したもので、別紙と書いてあるものが冠動脈ステント及び薬剤塗布型冠血管向けバルーン拡張式血管形成術用カテーテルの製造販売業者に対して通知したものになります。

 4ページ()に書かれた内容が具体的な指示内容になっております。参考として添付されているPMDAの調査結果1ページで、通しのページでいうと14ページになります。DES(薬剤溶出型冠動脈ステント)及びDCB(薬剤塗布型冠血管向けバルーン拡張式血管形成術用カテーテル)これらの使用に当たり抗血小板剤の長期投与が必要不可欠となっており、添付文書において抗血小板剤の投与や抗血小板剤自体の副作用等に関する注意喚起がなされているところです。

 4ページに戻り今回のDES、DCB使用上の注意の改訂ポイントは、こちらの()に示されている内容の1と2になりますが、今回、使用上の注意の改訂のポイントは、大きく注意喚起内容の整理と有害事象の追記になっております。従来より、DES及びDCB使用後の抗血小板剤療法として、アスピリンに加えてチエノピリジン系抗血小板剤であるチクロピジン塩酸塩、クロピドグレル硫酸塩の投与が推奨されているところです。添付文書においてもこれらの薬剤自体の副作用等について記載されております。

 今般新たにプラスグレル塩酸塩が承認されたところで、重大な副作用が発生し注意喚起を行ってきたチクロピジン塩酸塩については、使用量の減少とともに副作用の発生も減少してきた状況を踏まえ、DES及びDCBの添付文書中は、併用薬剤に関する注意喚起よりもDES及びDCB使用時の注意を重点的に記載されるよう改訂を行い、薬剤自体の副作用等について薬剤の添付文書を確認するよう、注意喚起することとしております。

 また遅発性ステント血栓症についても、「患者の背景因子、病変部の解剖学的特長等を十分に考慮し抗血小板剤の投与期間の延長の必要性を検討する」旨の記載整備も併せて行うこととしております。

 また、現在DESに塗布された全ての薬剤において、因果関係の否定できない間質性肺炎に関する事例が報告されておりますことから、使用上の注意の「不具合・有害事象」の項に間質性肺炎を記載することといたしました。資料の御説明は以上となります。

○笠貫部会長 どうもありがとうございました。それでは、ただ今の御説明に御質問、御意見はありますか。

○今村委員 資料1-2「単回使用医療機器の取扱いの周知徹底について」ですが、複数回使用によって、どのような健康被害が出たのか、もし分かれば教えていただきたい。

○事務局 事務局よりお答えいたします。医療機関の発表によりますと、健康被害は今のところ、まだ調査中で、もしかしたら感染症が疑われるかもしれないということで発表がありました。

○笠貫部会長 ほかにはございますか。

○土屋委員 医薬品もそうだと思いますが、医療機器も市販直後調査が安全性確保の上では非常に重要だと思います。実は医薬品の場合は、大体1年間でほとんどの有害事象が出てきますが、医療機器はどうなのでしょうか。例えば、最初に使われるようになってから1年ぐらいで大体出るものなのか、長きに渡って初めて分かるものがあるのか。医薬品と医療機器の違いはどの辺なのかというのが気になりました。

○事務局 医療機器につきましては体内に留置するものなど、より長期間使うものもありますし、耐久性が問題になってくるものもありますので、必ずしも1年以内に不具合が分かってくるということはないかと思います。製品によっては使用直後にというのもあるかと思いますが、様々なものがあるかと思います。

○土屋委員 実は医薬品の方は、総務省が勧告の中で、現場からの報告が少ないと言われています。医療機器も資料1-1を見ますと、同じだと思います。現場から報告する仕組みをメーカーに言えばいいと思っているところがあって、ここを改善していくことも必要かと思います。私ども医薬品ですと、今、講習会等で必ずこういう報告をきちんとしましょうという周知徹底を図るということをやっていますが、医療機器についても、本来、企業に言えば終わりというのではなくて、厚生労働省にも報告する仕組みを担っているのだという制度の周知徹底を図る必要があるのではないかという気がします。

○事務局 そのように我々も認識しておりますので、引き続き制度の周知など、報告の必要性について周知していきたいと思います。

○笠貫部会長 今の土屋委員からの御質問ですが、大事なことは今日のお話の中でも、例えばDESにおいて、ステント血栓症というのは、発売時と1年、2年、3年たってから、次々にステント血栓症についての考え方が変わってきています。ということは市販後、今、事務局からもお話がありましたように、植込みの機器については、1年というのは、薬とは全く違う特徴を持っているだろうということ。

 それから、先ほどの間質性肺炎についても、発売時には少量で、全身として余り問題ないだろうという判断だったと思いますが、これが長期の使用をして注意喚起を促してきたということでは、この医療機器は長期に渡って、きちんと安全対策をフォローしていく。それに対して、きちんとした対応が必要なのだろうと思っております。そういうことでは医療機器については、安全対策は非常に長期に渡ってフォローすべきだと思っているところです。それ以外にありますか。

○西澤委員 家庭用のマッサージ器の使用の中心ですが、実際に的場製作所が作ったもので4件死亡事故が起きていて、更にフジさんが作っているものでは1件起きているとあります。質問は、販売台数に対してどのぐらいの台数が回収されているのでしょうか。その辺の数字は出ていますか。

○事務局 マッサージ器については、家庭用の医療機器ということもあって、回収という措置が非常に困難な製品です。その前に、今回フジ医療機器のものもそうですし、的場製作所のものもそうなのですが、これらは全て機械が壊れたというものではなくて、適正使用をしていただけなかったという事例になっています。誤った使用、カバーを外して、しかも的場製作所は足に使用するものでしたが、背中や首の近くに使用していたことから事故が起こっているということです。これらの今までの事故全てがそのような形になっておりまして、これまでも製造販売業者も厚生労働省としても、まずは適正な使用をお願いするようにしてきております。今回、何回か周知をさせていただいたのですが、適正な使用がなかなかいただけなかったという現状を踏まえて、的場製作所が自主的に使用中止をお願いしたということです。

 家庭用の医療機器の場合ですと、販路に関して、なかなか把握が難しいところもありますので、厚生労働省でも、広くこういった内容を周知したというのが今回の内容です。それから、販売済みの類似の医療機器についても、同様なリスクがないかを自主的に点検していただけるように、製造販売業者にお願いしたという対応になっています。

○笠貫部会長 よろしいですか。

○西澤委員 私もこれはメディアの報道で、最近の事例について読んだのですが、非常にカバーが外しやすい、小さいから背中にどうしても使ってしまうというデザインの問題があるのではないかと思ったのですが、もう販売していないという事実もありますし、確かにおっしゃるとおりで、メーカーの方でもう少しできないのかと素朴に思ったものですから、質問させていただきました。

○笠貫部会長 これも5回目だということですが、こういった家庭用医療機器の適正な使用の徹底は、確かに難しいと思います。御説明にもありましたように、メディアも含めて、いろいろなルートを介して徹底していくことを繰り返し行うことが必要かと思っています。

 また、家庭用の場合には適正に使用されないことを前提に新しい機器を作るときには、是非検討していただくように御指導をいただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それから、土屋委員の御指摘の中で、私が関連で気になったのは、医療機器の不具合報告は年々増えてきているというのは、企業からの報告が増えてきているという意味では徹底されてきていると思います。医療関係者からの報告ということになると、医薬品が企業からの報告は同じではないのですが、かなりの数が出ていますから、医療機関からの報告は余りにも少ないかという感じがしますので、土屋委員の御指摘になったことと関連するかどうか分かりませんが、医療機器については、医療機関からの報告をもっと徹底してほしいという感じは、私も資料1-1を見て感じましたので、これからよろしくお願いいたします。それ以外にはありませんか。

 ありませんか。ないようでしたら、議題2に移らせていただきます。事務局から説明をお願いします。

○事務局 報告事項議題2「医療機器の不具合等報告について」、資料2-1〜資料2-3に沿って御説明いたします。

 まず、資料2-1の1ページの1に、本部会への報告に関する薬事法第77条の44の規定を記載しております。2に、平成25年度後半6か月である平成2510月1日〜平成26年3月31日までの報告状況について報告いたします。

 2ページの医療機器の不具合等報告について、各項目の報告件数を示しております。不具合報告の件数については、この半期は1万2,864件です。前回の部会で報告いたしました平成25年度上半期の件数は1万2,690件で、ほぼ同じで174件の微増という状況になっております。

 今回の1万2,864件の内訳は、八つの分類で申しますと、多いのは3.の処置用・施設用機器等の6,424件、4.の生体機能補助・代行機器の5,407件で、この二つで全体の90%以上を占めているという状況です。これに国内報告と海外報告の件数ですが、国内報告が6,641件、外国報告が6,223件で、ほぼ同数といった状況です。以下、感染症報告については、これまでと同様、0件ということで、海外の規制当局や製造元が行った措置を報告する外国措置報告については803件、研究報告は今回0件、感染症定期報告が36件、医薬品関係者からの報告(医療機関報告)213件という状況です。

 続きまして、資料2-2の「医療機器不具合報告」について、御説明いたします。以前この部会において、資料2-2の不具合報告のリストが大部にわたっているということで、その概要をまとめた資料の作成の御要望を頂いたことを踏まえて、以前は口頭で御説明していた内容を要約したものを前回の部会より資料2-1の3ページ目以降にまとめておりますので、資料2-1の3ページ目以降で御説明いたします。資料2-2と併せて御覧いただければと思います。

 まず、資料2-2の1ページの注意事項について御説明いたします。この不具合報告リストの見方が記載されており、この報告については医療機器との因果関係が不明なものも含めて製造販売業者等から報告されたものであること。報告に関する分類は()()までの8分類に分類されておりまして、一覧の掲載順については、発生場所で国内と外国に分け、それぞれで一般的名称の50音順で掲載しております。

 件数については、提出された報告書の件数を示したものになっており、同一の症例で複数の医療機器が関与している場合には、複数の企業からそれぞれ報告されることがありますので、このような場合には同一の症例を重複してカウントすることになります。そういう場合がありますと、報告件数はそのまま症例数にはならない場合があります。

 表の右端の企業による対応欄に対応措置の項目として、原則として平成26年3月31日時点での措置の内容を簡潔に記載しております。「回収(改修)」と記載していますのは、製品を医療現場等から引き上げる「回収」をした場合、又は修理や検査の実施等を行った「改修」の措置を取ったことを示しております。

 情報提供と記載しているのは、添付文書の改訂あるいは書面による注意喚起文書を医療機関等に配布したなどの措置をとったものとなります。この中には、既に添付文書等で関連する注意喚起の記述がなされているものも含んでおります。調査中となっておりますのは調査継続中を示しており、「空欄」は情報が不足しているなど、調査が困難なものが該当しております。2ページ目に目次が記載されており、3ページから表の下にページ番号を記して一覧を記載しております。以降、資料2-1の3ページを用いて御説明いたします。

 資料2-1の3ページです。まず、報告件数の推移ですが、過去3年分の不具合報告の件数を半期ごとにグラフ及び表で示しております。全体の報告件数は、先ほどから御説明しているとおり、徐々に増加する傾向になっています。

 4ページ及び5ページです。こちらは各8分類における国内不具合報告の件数と、その中でも特に報告件数の多かった品目の一般的名称、その際の主な不具合又は健康被害状況をピックアップして記載しております。表の右側は基本的には主な不具合事象を記載しておりますが、製品そのものには不具合がない、あるいは不明な場合などについては、その健康被害状況などを記載しております。

 まず分類()ですが、報告件数が全体で6件、うち国内が5件報告されているという状況で、X線装置関係では報告されています。

 分類()については、報告件数全体で186件、うち国内では87件となっておりまして、いわゆるカプセル型内視鏡や内視鏡下で使用する処置具などについて、報告がなされている状況です。

 分類()は、全体5,906件で、そのうち国内が3,489件で、前回からは500件ほど増加しています。そのうち中心循環系血管内超音波カテーテルが1,342件、血管内光断層撮影用カテーテルが895件で、両者で国内報告の約3分の2を占めている状況です。画像が消失する不具合については、これまでも御報告しているところですが、機器の特性上、なかなか避けられないというものです。

 分類()は、報告件数は全体で5,407件、うち国内報告が2,677件となっています。特出すべき特段の事例はありませんが、心臓ペースメーカ、ステントグラフト、ペースメーカのリードといった心臓周りのリスクの高い医療機器が報告件数でも上位にきているという状況で、それが全体の報告件数をかなり増やしています。

 ステントグラフトや、ここには記載はありませんが、骨セメントにおいてはペースメーカのような機械物とは異なって、医療機器の不具合というよりは健康被害という形で報告が上がっている状況です。

 5ページの分類()です。報告件数は全体で689件で、うち国内の報告が270件となっています。報告件数としては前回とほぼ同じですが、内容としても治療用電気手術器や骨手術用器械など、同様の報告がなされている状況です。

 分類()は報告件数全体は11件、うち国内が8件となっています。分類としては、比較的リスクの低いということもあって、もともと報告件数の少ない分類ですが、粘着型義歯床安定用糊材などで報告がされている状況です。

 分類()は報告件数は全体で118件、うち国内では102件となっています。国内報告の約半数を占めている眼内レンズのカルシウム沈着については、ボシュロムジャパン株式会社の「ハイドロヴュー眼内レンズ」の平成13年に販売中止になった旧来製品において、既に植え込まれた患者の不具合として報告されているものがあって、これまでと同程度の不具合報告がされているという状況です。現在では、既に対応済みの内容となっています。

 分類()は、報告件数は全体では23件、うち国内では3件となっています。数は少ないのですが、家庭用の医療機器とか補聴器などで報告が来ています。

 続きまして、6ページは平成23年以降、新医療機器として承認された品目の国内での不具合報告の状況について、御紹介いたします。平成23年度に承認されて、今回国内不具合報告があったのは、胎児シャント、Penumbraシステム、バルベルト 緑内障 インプラント、アルコンエクスプレス緑内障フィルトレーションデバイス、キャプシュアーFIX MRIリード、Zilver Flex SFA用バスキュラーステント、Zilver PTX、薬剤溶出型末梢血管用ステントの全部で7品目となっています。いずれも報告時に必要な対応をとっておりまして、既に添付文書等における情報提供の下、使用されているという状況です。

 平成24年度、25年度に承認されたものについては、国内不具合報告があったものは、MOMAウルトラ、植込み型補助人工心臓 HeartMateII、コンテグラ肺動脈用弁付コンデュイット、プロマス エレメト プラス ステントシステム、気管支充填材EWS、カワスミNajuta胸部ステントグラフトシステム、サピエンXTとなっておりますが、販売開始後、まだ間もないものも含まれておりますので、今後、不具合健康被害の情報を注意深く収集していきたいと思っておりまして、現在のところ、特段の措置をとったものはないという状況です。

 いずれの品目についても、承認時に学会と連携して、使用に当たっての基準が設けられるということで対応しておりまして、これらの品目の使用に当たっては慎重な対応がされています。市販後の不具合や健康被害の状況については、今後も関連学会等と協力しながら対応を行っていきたいと思っております。

 続きまして、資料2-3の説明に入ります。こちらは医療機器に関する外国の措置報告です。企業が海外でも同じ製品や同類製品を製造・販売している場合に、海外の規制当局などで取られた措置について、日本の行政当局にも報告をするというものです。これも不具合報告と同じく平成25年度上半期で803件の報告が来ておりまして、前回の866件からはやや減少している状況です。海外で措置を行った結果については、日本の対象製品がない場合を除いて、おおむね日本においても同様の対応を取っているという状況です。

 時間の関係でそれぞれの説明は省略させていただきますが、死亡又重篤な健康被害のおそれのある分類として、クラスI回収を行ったようなものは今回はないという状況です。御説明は以上です。

○笠貫部会長 ありがとうございます。非常に膨大な資料について、おまとめいただき、全体像を把握するのには、よく理解できたかと思います。特に不具合報告の概況というので資料2-1の4〜6ページは、私どもに全体像が見えると思いますので、この全体像を見ながら、それぞれの案件等を含めて、御質問、御意見がありましたらお願いします。

○今村委員 分類を見ますと、()とか()の処置用・施設用機器や生体機能補助・代行機器といったものが、極めて多いですね。これがずっと続いています。それからその内容を見ても、画像の消失、画像の不良、ペンの不具合とか、要するに企業の努力がどのようになっているのか、企業の対応がどうなのかと非常に危惧されるというか、少なくともこの報告だけからはそのように感じ取れるのです。

 資料2-3を見ますと、メーカーでジャパンとつくものが非常に多いのです。要するに外国のものを輸入して、使用しているのではないかということで、外国の企業に対する目配りが足りないと思われるのですが、医療機器の内外格差というか、日本の医療機器メーカーはどうも少ないというか、そのような状況が、このような機器の不具合の多さにつながっているのではないかと思いますが、そのような点について、どのようなお考えですか。

 もう少し言うと、日本の企業をもっと育てるという視点がないのかどうかですが、その点について、当局の御見解はどうですか。

○安全対策課長 御指摘ありがとうございます。医療機器については、医薬品もこれまでもそうだったのですが、新しいタイプのものについては、海外での開発が先行していくという状況はありました。そういうこともあって、海外から新しいものが日本に入ってくる状況が多くありました。

 それに対して国内での開発も進めていくべきだということもあって、医薬品や医療機器についても、創薬、画期的な医療機器ということで厚生労働省、関係する経済産業省、文部科学省も含めて、開発を進めるために必要な施策をそれぞれ分担して、それを総合して開発を進めていこうということで、この5年強ぐらいでしょうか、取り組んできています。

 そういうこともあって、ドラッグラグ、デバイスラグ、海外に比べて開発が遅れているということは、徐々に解消しつつあるという状況です。ただ、開発というのはかなりの期間が必要ですので、こういう取組を続けていかなければならないと感じております。

○今村委員 デバイスラグが解消しつつあるというのは認識しております。ただ、ほかの工業製品は日本の技術力が非常に優れていることは、内外ともに評価されていると思いますが、こと医療機器に関しては、非常に内外格差というか、輸入が圧倒的に多いという状況がずっと続いているわけです。今、創薬のことに関して言われましたが、医療機器についても、是非国内産業を育てるということを経済産業省ともども一緒に図っていただきたいと思います。

○笠貫部会長 それでよろしいでしょうか。私も日本の医療機器、特に先ほど先生が御指摘になりましたように、分類3、4とかこういう治療機器については、診断機器と違って日本のイノベーションが非常に遅れているということで、厚生労働省、経済産業省、文部科学省、そして内閣府でも5か年計画がずっと進んでいます。この成果を待ちたいのですが、治療機器については、日本はまだまだ遅れているということは皆さんの共通認識だと思いますので、いかに早くイノベーションを進めていくかということが大きな課題だということは、よく皆さん認識をしていただいていると思います。そこでの実用化までの問題と、ここに出てくる安全対策の問題を、これから一緒に進めていかなければ、これを進めることは難しい。今のイノベーションをどう進めるかということにおいても、安全対策はいかに大事かということを、また認識をしていただけたらと思っています。そのほかにはありますか。

○横井委員 資料2-21/392ページですが、3番の全身用X線CT診断装置の不具合で、画像にDIOCM転送をした際、他被検者の方の第2画像が混入したという事例ですが、これの詳細が分かれば教えていただけますでしょうか。

○機構 症例の詳細をお調べいたします。申し訳ありませんが、次の御質問を頂いている間に調べます。

○笠貫部会長 調べていただいている間、瀬古口先生どうぞ。

○瀬古口委員 歯科の部門で、分厚い資料の分類6の386ページですが、基本的に歯科というのは非常に少ないのです。その中で、386ページの5,355番の粘着型の義歯床安定用糊剤、いわゆる入れ歯安定剤の使用をしたときに、健康被害が腹水ということになっております。これについて、どのぐらいの使用期間で腹水が溜まり、どういう対応をされたのか。過去にこのような事例があったのかをお聞きしたいと思います。

○機構 機構よりお答えいたします。入れ歯安定剤の不具合・有害事象につきましては、患者が家庭でお使いになるものということで、企業の患者御相談窓口に患者自らが御相談をされることが多く、症状等の詳細について情報収集が困難な場合が少なくないという状況です。ただ今、症例を確認いたします。少しお待ちください。

○笠貫部会長 ほかにはいかがですか。

○機構 機構よりお答えいたします。先ほど横井委員から御質問いただきました日立メディコ社の全身用X線用CT診断装置の改修の件ですが、こちらは平成26年3月3日付けでクラスIIの自主改修をしている件です。事象としては、日本国内の医療機関において、画像を保存していたPACSから被験者(患者)の画像を呼び出した際に、そのうちの1枚に別の患者の画像が混入していたということです。原因については、画像に対してIDを付与するというプログラム自体の問題だったということで、このプログラムを改修しているということです。

○横井委員 IDを付与するというのがCTの中で行われていて、それでCTのソフトウェアを改修したという理解でよろしいでしょうか。

○機構 後ほど御説明する資料になりますが、資料4-2の医療機器の自主回収一覧の70/76ページに当該改修の内容が記載されておりますので、こちらを御参照いただければと思います。

○横井委員 ありがとうございました。非常に複雑な状況があったようで、この問題はこれから様々な機器において報告が出始める可能性があるだろうと思っております。いわゆる医療機器用のソフトウェアの信頼性が、今、議論されているところで、今後それが規制対象になっていくという形があるわけですが、その中でIDの取り違えが患者の取り違えになって、その結果、患者の診断を大きく誤る可能性が当然あり得ます。今回は健康被害のことには何も言及されておりませんが、実は非常にリスクを負っていることなので、こういうものをしっかり直していくことは必要なことだと思っています。

○笠貫部会長 今、細かいところまで今後の課題としてお話いただきました。今後単体ソフトウェアが医療機器としても扱われるということで、これから大きな問題になると思いますので、今のIDの問題も念頭に置いて検討していただく。何か付け加えることがありましたらお願いします。

○機構 ただ今、横井委員から御発言いただいた内容についての補足ですが、この自主回収において、事象としては、結果的には健康被害に至らなかったということです。その要因については取り違えた画像がCTと3Dの画像だったということで、使用される医師が、気付かれたということです。今後ともソフトウェアに関する不具合が出てきた際には注視してまいりたいと思います。

 それから、先ほど瀬古口委員から御質問いただいた入れ歯安定剤の件ですが、こちらの事例は消費者から直接企業に報告があった事例です。消費者は5〜6年ほど当該製品を使用しておられ、毎日入れ歯をつけるために使用していたということです。使用された後、5、6年たった後に、腹水が溜まってきたということで、関連があるかもしれないと疑われて、企業に電話をされたということです。当該自覚症状を感じられた後、泌尿科等にかかられたようですが、特段原因が分からず、当該機器との因果関係については不明で、企業から報告が挙がっている事例です。

○瀬古口委員 過去にこういう事例はあったのかだけ、分かれば教えていただきたいと思います。

○機構 入れ歯安定剤については、大半が患者(使用者)からの報告で、症状や医療機関における診断、取られた対応等について収集できる情報量の問題により、因果関係が否定できない症例として多種多様な健康被害が、様々な製品において御報告いただいていることは事実です。

○笠貫部会長 ほかにありますか。6ページの新医療機器についてお尋ねしたいのですが、一つは、先ほど御質問が出たカワスミの胸部ステントグラフトは非常に注目されている日本発の医療機器かと思います。この8例ということですが、これについては学会との関連で分析をして、今の時点では、この安全性と言いますか、不具合については問題がないという判断でよろしいですね。日本発ですので、是非、こういった機器は安全に普及していただきたいと思っています。これは学会と一緒に検討を進めているということでしたね。

○機構 機構よりお答えいたします。Najutaステントグラフトシステムは、既承認の胸部大動脈用ステントグラフトの基準に加えて、窓付き、フェネストレーションありの製品として別途の基準を設けて承認をさせていただいた製品と存じております。今回、記載させていただいている有害事象については、既承認の胸部大動脈用ステントグラフトと同様の不具合という位置付けで判断しておりまして、Najutaに関して、特段に措置をとるという状況ではありません。以上です。

○笠貫部会長 それから、HeartMateII26件、大量出血6例というのがあるのですが、人工心臓についてはJ-MACSで問題点については十分検討されていると思うのですが、HeartMateIIの場合の出血の問題というのは承認のときも議論はされたと思います。これについてはJ-MACSの委員会では、特段問題はない、経過を見るということでよろしいのでしょうか。

○機構 機構よりお答えいたします。平成24年度に承認されたHeartMateIIで大量出血6例ということが6ページに記載されておりますが、承認のときに大量出血は議論になった点があったと思います。市販後においてもJ-MACSで有害事象はフォローさせていただいておりまして、有害事象を判定する委員会の中でも、個別の症例をチェックさせていただいております。今のところ、ほかの機種に比べて特段問題があるような状況はないということです。

○笠貫部会長 ほかにございますか。特にありませんようでしたら、これで議題2を終わらせていただきまして、次に議題3に移ります。それでは、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 報告事項議題3「医療機器の感染症定期報告について」です。資料は3-1、資料3-2です。

 感染症定期報告は薬事法に基づき、製造販売業者が製品又はその材料による感染症に関する論文等を報告するものです。今回は、昨年10月〜本年3月末までの報告を取りまとめており、合計で36件の報告がありました。

 資料3-1「感染症定期報告感染症別文献一覧表」、資料3-2「感染症定期報告の報告状況」があり、共に感染症定期報告を基に、医薬品医療機器総合機構において、整理、作成しております。

 資料3-1は前回までの本部会での報告済みのものを除いた文献等を、感染症ごとに整理したものです。資料3-2は、感染症定期報告の報告ごとの整理で、製造販売業者ごと、医療機器の原材料ごとに整理しております。資料3-2については、同一の文献が複数回掲載されているものもあり、資料3-1を用いて説明させていただきます。資料3-1を御覧ください。

 感染症定期報告としては、昨年10月〜本年3月までに36件の報告があり、それらの報告において新たに58件の感染症に関する文献、報道記事等がございました。今回、比較的報告が多かった感染症は1ページにあるE型肝炎で、本邦での食品からの感染事例などがありました。

 また、1ページの5番〜6ページの37番までのインフルエンザに関するものが、33件で最も多く報告がありました。内容は、米国でのインフルエンザAのH3N2の変異型や、H1N1の報告、中国でのトリインフルエンザAのH7N9、H10N8の報告がありました。また、6ページには中国における口蹄疫に関する報告が3件ありました。

 委員の皆様には、本会議の前に資料の発送をさせていただいておりますが、国立感染症研究所の渡邉委員、石井委員、国立医薬品食品衛生研究所の内田委員には資料の御確認をいただくとともに、御意見、コメントを事前にお願いしております。御意見、コメントをお願いしました委員からは、「直ちに安全対策措置を講ずるものはない」との御連絡を頂いております。また、内田委員より、この文献の中にコメントをするものがあると伺っております。資料の説明は以上です。

○笠貫部会長 本件については、専門家の石井委員、内田委員から御意見を伺いたいと思います。何かございますか。

○内田委員 文献の3、英国における低分子量ヘパリン製剤によるE型肝炎感染疑い例の報告に関して、コメントさせていただきます。

 E型肝炎については、文献の2、4にあるように、加熱の不十分なブタのレバーなどによる、食品を通じた経口感染が増加していると考えられています。今回の文献3にあるE型肝炎を発症した女性は、滅多にブタ肉は食べないということと、そのほかの感染源が見当たらなかったため、発症の4週間前に投与されたブタの腸粘膜を原料とする低分子量ヘパリン製剤による感染が疑われたというものです。

 しかし、この文献で市販の複数の低分子量ヘパリン製剤について、ウイルス検査を行っても検出されなかったということで、この文献ではヘパリン製剤が感染源とは考えにくいと結論付けております。

 この文献では、「低分子量ヘパリン製剤の製造方法は分からない」と書いてありますが、低分子量ヘパリンはブタの腸粘膜から得た高分子量のヘパリンを原料としており、それを酸やアルカリにより化学的に分解し、低分子量化しています。ですので、たとえブタがE型肝炎ウイルスに感染していたとしても、このような低分子量ヘパリンの製造工程を考慮しますと、製品中のウイルスは十分に不活化されている可能性が高く、E型肝炎の原因を低分子量ヘパリンに求めるのは無理があると考えます。

○笠貫部会長 石井委員、渡邉委員からはいかがですか。ございませんか。ほかの委員の先生方から、御質問、御意見はございますか。特段ありませんようでしたら、次の議題に移ります。

 議題4について、事務局から御説明をお願いいたします。

○事務局 報告事項議題4「医療機器の回収報告について」です。資料4-1です。薬事法において、医薬品や医療機器等の回収に着手した際には、その旨を厚生労働大臣に報告しなければならないとされています。この規定を受け、施行規則により報告する事項等を規定しておりますが、具体的には医薬品等の回収に関する監視・指導要領により、回収に当たっての基本的な考え方や対象範囲、手続の詳細等について、明確化を図っています。

 また、製造販売業者等から回収着手報告がなされた場合には、全ての事例をインターネット上で公開することとしております。なお、平成2611月の医薬品医療機器等法の施行により、回収着手報告に加えて、回収の状況の報告義務も課されることとなりました。本件は薬事法第77条4の4の規定に基づき、審議会への御報告をさせていただくものです。

 資料4-1の下1「回収件数年次推移」を御覧ください。平成25年度の医療機器においては、405件の回収件数です。近年、400件程度の回収を毎年行っているという状況です。

 2ページは回収のクラス分類です。クラス分類とは、回収される製品によりもたらされる健康への危険度の程度により、個別回収ごとにIII又はIIIの数字が割り当てられるものです。クラスIとは、その製品の使用等が重篤な健康被害又は死亡の原因となり得る状況を言います。クラスIIとは、その製品の使用等が一次的若しくは医学的に治癒可能な健康被害の原因となる可能性があるか、又は重篤な健康被害のおそれはまず考えられない状況を言います。クラスIIIとは、その製品の使用等が健康被害の原因となるとはまず考えられないような状況を言います。

 医療機器については、平成25年度はクラスIの回収が0件、クラスIIの回収が361件、クラスIIIの回収が44件となっています。こちらも平年と比べて特に大きな変動があるとは考えておりません。

 続いて資料4-2で、具体的な回収事例の報告です。平成25年はクラスIの回収がありませんでしたので、1ページ目はクラスIIからとなりますが、70ページまで自主回収された製品がリスト化されております。71ページ以降が、クラスIII回収された製品リストです。

○笠貫部会長 ただ今の御報告に対し、御質問、御意見はございますか。よろしいでしょうか。クラスIのリコールはなかったということですので、重大なものはないということで、特段御質問がなければと思いますが、よろしいでしょうか。この回収について、例えばクラスIIなどの中で、先ほどの分類ではどういう分類に属するかということも御発言いただいておくと、もっと分かりやすいと思います。

 それから、リペアとリコールの違いというのは、被害程度の大きさだとは思うのですが、これがどのぐらいの規模であったのか。本当にリペアをするときに、どれぐらいの影響があったのかという意味では、リペアが必要であった台数とか、規模の大きさも一つの社会に対する影響としてはあるのかと思いますので、そういうことが可能かどうかの御検討を次回からいただけたらと思いますので、可能かどうかだけ御検討いただけたらと思います。そのほかにはございませんでしょうか。

 特にございませんでしたから、最後の議題に移ります。議題5について、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 報告事項議題5「その他」です。医療機器の添付文書の記載要領の改正についてです。こちらは事前に送付しておりませんでしたが、当日配布資料として入れさせていただきました。

 8月中に医療機器の添付文書の記載要領の改正に関し、パブリックコメントの実施を予定しているため、御紹介させていただきます。

 現行の医療機器の添付文書の記載要領については、平成17年より改正されておりませんで、その間、医療関係者が求める情報や患者への情報提供方法も変化してきております。そのため、厚生労働科学研究において、平成23年〜平成25年度医療機器の添付文書の在り方に関する研究、九州大学の外先生に研究代表者をしていただいたものになります(以下、外班と言う)。こちらを実施させていただき、医療機器の添付文書の在り方が取りまとめられたところです。

 また、改正法の施行規則により、変更予定の承認申請書の様式に合わせ、項目名等の整備も必要となったため、これらの対応を行うために必要な改正を行うものです。

 資料5-1の3.の「記載要領改正のポイント」に沿って、記載要領の改正のポイントを御説明します。1.は「注意喚起の度合いの軽重による記載の見直し」です。医療機器の添付文書については、個別の医療機器に対して必要な注意事項だけではなく、一般家電製品における注意事項と同等の内容についても記載されている現状があります。そのため、その医療機器を適正かつ安全に使用いただくために、本当に必要な重要な注意事項が分かりづらくなってしまっています。

 添付文書は、本来医療機器の適用を受ける患者の安全を確保し、適正使用を図るために医療従事者に対して必要な情報を提供するという目的で企業が作成するもので、その目的を適切に果たすよう、新記載要領においては、いわゆる一般常識事項については添付文書への記載をしないとすることで、個別の製品に対する注意事項を分かりやすくするということをしています。

 また、医療用医薬品においては、平成20年〜平成22年度及び平成23年〜平成25年度の厚生労働科学研究によるアンケート結果において、原則禁忌について、禁忌と同等あるいは慎重投与と同等とする、解釈が大きく分かれていることも明らかとされておりますので、当該項目について、「必要でない」という回答も半々という結果でした。そういった結果を踏まえ、医療用医薬品では、医療従事者の解釈が大きく分かれる項目は添付文書に設定し、情報提供すべきではなく、原則禁忌は設定しないこととしており、当該考え方は医療用医薬品に限局したものではないと考えられますので、今回の記載要領改正に際し、医療機器においても原則禁忌は設定しないこととしております。

 また、2.「視認性の向上に関して」です。これまで、両面4枚までと毎数の上限を定めてきたところですが、必要であると考えられる内容を盛り込んだ結果、小さな字とせざるを得なかったり、毎数制限を超えないために必要な情報の一部を抜かざるを得ない状況がありました。今回、常識的な記載は削除するとした上で、必要な情報は過不足なく記載するために、毎数の上限を削除しております。

 3.「取扱説明書との一体化」です。大型の装置、MRIやCT等に多くございますが、これらの機器については、特に装置のそばに詳細な取扱説明書を常備することが多くございます。添付文書と取扱説明書が分けて納品されることは、かえって医療機関側の管理も煩雑になることは現場の御意見としても頂戴していたところでした。

 一方、添付文書は添付が義務付けられていることから、取扱説明書の冒頭に添付文書が挿入又は添付されてバラバラに納品することではなく、一体的に納品していただくことで差し支えないということを明文化させていただきます。

 今回は、このような改正を盛り込んだ3本の通知について、8月上旬頃よりパブリックコメントの実施を予定しており、御意見に対して対応させていただいた上で、通知の発出を予定しております。資料5-1については以上です。

 続いて、参考資料です。参考資料1「総務省の取りまとめによる各種電波利用機器の電波が植込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための指針 (平成26年度版)の送付について」という通知の御紹介です。こちらは、E型肝炎を総務省が取りまとめたものを関係団体宛てにお知らせしたものです。今回の改正内容は、こちらの通知の最後の所に、新旧対照表が付いております。

 通知本体を裏返すと、「参考」という所にあります。こちらの新旧対照表が付いておりますが、新たにLTE方式の携帯電話端末も対象としたことが、改正の内容で、それ以外は特段の変更はありません。

 続いて参考資料2です。2〜4はPMDAで発出した医療安全情報の御紹介です。参考資料2は41硬膜外カテーテル操作時の注意についてです。こちらは硬膜外カテーテルを抜去する際に、硬膜外針によりカテーテルを損傷し、カテーテルが離断、体内に遺残した事例が報告されたことから、抜去時には無理な操作を行わないように注意することについて、記載しているものです。

 続いて、参考資料3は42「経鼻栄養チューブ取扱時の注意について」です。こちらは経鼻栄養チューブ挿入時に、チューブを気管に誤挿入した事例、また抜けかけた状態で栄養剤を注入したため気管へ流入し、肺炎を引き落こした事例が報告されていることから、チューブ留置位置の確認方法等が中程に示されております。

 参考資料4、43「胃瘻チューブ取扱時のリスクについて」です。こちらは胃瘻チューブを腹腔内に逸脱した状態で栄養剤を注入したため、腹膜炎に至った事例が報告されておりますことから、チューブ交換時の確認方法等が記載されております。資料の御説明は以上です。

○笠貫部会長 ただ今の説明に御質問、御意見はございますか。

○今村委員 記載要領改正については、評価できると思います。できるだけ現場としては、簡単に理解できることが大事なことだろうと思います。

 医薬品、医療機器ともに、健康被害が起こる際には、その原因としてヒューマンエラーが非常にかかわっている事例が多いです。重篤な事例についても、あるいはヒヤリハットと言われる事例についても、そういう報告は非常に多いと思っております。

 ここの部会においては、いわゆる機器そのものについての問題について、いろいろと議論されておりますが、そうではなく、ヒューマンファクターについては、どういうところで検討されるのか、あるいはされているのでしょうか。

○事務局 ヒューマンエラー、ヒヤリハット事例については、医療機能評価機構で事例の収集を行い、そこでその事例を評価し、報告等を公表しています。

 我々としては、医療機能評価機構で出されたヒヤリハット事例等の報告書について、物の観点、医薬品、医療機器といった物の観点で改善できることはないかということについて、PMDAでも検討しているところです。

 従来、我々の安全対策課で担当していた医薬品医療機器等対策部会で、その報告内容についても議論はしておりましたが、ヒューマンエラーなどについては、医療機能評価機構で検討がされているということで、そこの検討は特段されていません。

○安全対策課長 追加でお答えいたします。先生の御指摘は、人のエラーによるもの、物に起因するものという観点で、人のエラーに起因するものはどこでやっているかということだったと思います。

 物については、先ほど説明したように、医薬食品局でやっておりますが、人に起因するものについては医政局の中に検討会を設けており、そちらで医療機能評価機構からの事例を基に検討しております。

○今村委員 医療機能評価機構とPMDAにおいては、ヒューマンエラーについての対応をしている。当局においては、医政局で対応していると理解してよろしいですか。

○安全対策課長 PMDAがかかわるのは、物に起因するものについてはPMDAがやりますが、人に起因するものについては、医療機能評価機構から医政局にいき、そちらで検討されるとなっております。

○今村委員 医政局での検討の内容というのは、部署が違うのではっきりしないのだと思いますが、できればその検討状況を教えていただければと思います。

○安全対策課長 分かりました。関係する部局に、先生から御質問があったので情報提供したいと思います。

○笠貫部会長 私も部会長としてではなく、一委員として、今村委員の御指摘は非常に大事だと思います。医療機器の安全というものに関しては、ヒューマン、物、システムの環境、全て大きく影響してくるのだと思っています。

 そういう意味で、今の人と物という分け方からいうと、ヒューマンファクターについては、医療機能評価機構でそれを検討して、医政局へという流れと。物については、医薬食品局、PMDAと2本立てになっているものを、どのように患者のために安全に使用できるかについては、私は情報を共有することは非常に大事だと思いますので、今の問題については、人の問題として検討された内容をこちらの部会にも情報の開示をしていただく、あるいはここで議論された物の問題については、ヒューマンの問題の検討会にも情報を共有していただく形で、全体としての安全対策をとっていけたら望ましいと思います。それがどういう形で可能なのかどうかを、是非御検討いただけたらと思います。

○安全対策課長 検討状況、得られた結論について、時宜を得て担当する部会などに御報告するようにしたいと思います。

○西田委員 今の話と先ほどの話とも絡むかもしれませんが、医師あるいは現場からの報告が少ないという問題です。私は眼科ですが、手術するときに、今日の報告でも眼内レンズの報告は、ほとんどカルシウムの沈着というのはレンズの問題なのです。いわばメーカー側の問題ということが言えると思うのですが、支持部が折れたというのは、そこに設計上のミスがあったとか、そういう問題なのか、術者の扱い方が無理をしているというか、ミスではないのでしょうが、ちょっとした引っ掛かりが影響して折れてしまったということもあると思うのです。

 その辺りが、議論のありました人のミスなのか、物の問題なのかというのが、ここに全部一緒に出てきているというように、私は逆にここに出ることによって、何となくあそこのは折れやすいのかというような見方にはなるのです。余り、人、物と、きっちり分けてしまうと、特に外科系の場合ほかの先生も同じだと思うのですが、言葉を選ばないと、医療ミスではないのですが、持つ所が1mmずれたかもしれないとか、そういう感覚の部分は報告するものではないと理解している面があるのではないか、その辺りをこれからどのようにして報告していただくような形、あるいは逆にそれは報告してくださいと、それは手術ミスではありませんということを明確にして、報告していただくような形をとらないと、現場からの報告というのは、薬と違うところはそこではないかと思うのです。薬は、出す薬を薬局で渡すときに間違って多く渡したとか、そういうことはあるかもしれませんけれども、患者がそれを飲まれる、特に内科系の先生というか、薬剤を処方した先生のミスというのは、処方量だけのミスになるわけですね。外科系の場合はそれがあるもので、医療機器に関してはそういう問題を、今後考えていただいた方がいいのかと思います。眼内レンズの支持部が悪いというのが、1社だけがしているのかという気もするし、多分現場からの報告がないのでしょう。そのように感じましたので、よろしくお願いしたいと思います。

○笠貫部会長 今の問題は大事な問題だと思いますが、ほかに御意見はいかがでしょうか。

○横井委員 今までの御議論は全くそのとおりだと、私も賛成のところです。人が原因か物が原因かという二律背反では議論ができない部分が必ずあって、今、西田委員からありましたように、この機械ではこういうことが起きやすいというのは、エラーを惹起しやすいものがあるというのは、多分統計的にしか出せないのです。

 それから、医療機関からの報告が伸び悩んでいるというのは、それもインシデント報告の方に流れているのだろうと。私も、病院の安全管理委員会に出ていると、「操作ミスをしました」という言い方で、インシデント報告が出てきている。それはもしかしたら、操作ミスを起こしやすい機械なのではないかと、私はそういう目で見ているのですが、それは数が集まらないと分からないことなので、そういう観点での検討を進めていただければと思います。

○杉山委員 具体的な事例がこの中にあって、骨セメントの問題が出ています。約150例の報告がされているのです。ヒューマンエラーと骨セメントの問題だということで、この辺に関しては、どちらかというとヒューマンエラー的な要素が強いのか、あるいは適応の問題もあるので、骨セメント自体の問題ではないと捉えていたわけですが、この辺はどのように具体的になっているのか、あるいは今後何らかのアプローチをしていただけるのか、お願いできればと思います。

○機構 ただ今の御質問は、この資料の中で150例ということでよろしいでしょうか。

○杉山委員 そうです、件数で数えると150。資料2-2204ページ〜205ページです。大きな事例ではないのですが。

○機構 機構よりお答えいたします。御質問いただいた骨セメントについては、以前は、ショックや塞栓等で、安全性情報を出させていただきました。今回の報告はこれとは別で、KYPHONと言われる、骨折した椎体をバルーンで広げて、その中にセメントを入れることによって骨折椎体の椎体高を復元する医療機器に関する報告でございます。

 当該機器は、骨粗鬆症の患者、骨転移の患者に使われるものであり、もともと骨の強度が弱いこともあって、新規椎体の骨折、隣の椎体が骨折するなど、新規骨折等が一定の頻度では起こり得ることは、審査時も含めて承認直後から把握しています。現在、使用成績調査のまとめ等もやっているところですので、発生傾向を注視しながら、必要に応じて使用方法、患者の選択等の注意喚起は検討させていただこうと考えております。

 先ほど西田委員から御指摘いただいた眼内レンズの件ですが、御指摘のとおりで、この眼内レンズの支持部の破損事例については、物の材質の強度が弱かったとか、製造上の問題があったということはなく、操作状況によりストレスがやむを得ずかかってしまい、折れてしまうという事例です。

 先ほど委員の先生方の御発言の中で、ヒューマンエラーや医療事故など、どういう事例を報告する、しないといった御議論もあったかと思いますが、日本医療機能評価機構で行っている医療事故の収集事業は、誤った医療又は管理を行ったことが明らかである場合や、予期しない事例等を報告いただくという趣旨になっていたと思います。やむを得ず起こってしまったとか、通常の使用をしていたにもかかわらず起こってしまったということについては、医療機関報告等でPMDAへ御報告いただき、その事例が積み重なることで使用方法等の注意喚起にもつながっていくと思いますので、今後とも御協力をお願いいたします。

○笠貫部会長 今の問題はどうしてもヒューマンファクターになり、医療事故と結び付きで、そこに結び付けてしまうためにインシデントアクシデントという、眼内レンズの問題もそうなのですが、そういうことが医療機能評価機構、医政局の方へということになってしまっています。

 しかし、一番多いのはインシデントアクシデントレポートの中に、to error is humanというように、できるだけそういった問題、不具合が起こらないように、医療機器の改良の問題にもつながる話なので、私は人と物というものを、問題としてここで情報を共有し、両方で進めていくことは必要ということをお聞きして、更にそういう気持ちを強くいたしましたので、是非御検討をいただけたらというまとめにしたいと思います。

○安全対策課長 いろいろな御意見ありがとうございました。今は医療機能評価機構で分析したものをPMDAに返して、あるいはヒューマンに起因するものは医政局ということでやっておりますが、現状でも、医政局と医薬食品局で共同の会議ということで、最終的には情報共有する形にはなっています。

 ただ、部会長からも御指摘いただいたように、この部会にもその情報を持ってきてほしいという御依頼ですので、その措置などについては、定期的に報告するようなことを考えたいと思います。

○荒井部会長代理 添付文書の記載要領の改正、私もこれは大変大事なことと認識しています。どこまでが一般常識で、どこからが重大で、どこからは省いてもいいのか、といった作業に携わったこともあるのですが、実際には大変難しい作業です。また、最近は添付文書が司法の場で争いの材料にされることもあるようです。

 先ほど御意見がありましたように、なるべく簡単に、大事なことがパッと伝わる表記だと有り難いのですが、実際のこの作業はどういう部署が、どのような形で行うのか、実働の方法に関してお考えがあるのでしたら、教えていただきたいと思います。

○事務局 おっしゃっていただきましたように、常識というのが人によって様々ですので、ここの辺りは非常に苦労した部分でありますし、外先生の方にも非常に苦労しながらまとめていただいたところです。

 外班の研究報告の中では、ある特定の製品群の業界団体に御協力を頂きながら、その製品群を使う上での常識、つまり一般的な常識から、更に医学的にこれだったら常識であるというところまで踏み込んだ御検討もしていただいていたところです。これは報告書にもまとめております。

 ただ、今回パブリックコメントを実施しようと考えているところの、全ての医療機器に対して普遍的なものとして落とし込むためには、個別の医療機器の事情に鑑みた記載は非常に煩雑になってしまうという難しい問題もございまして、今回は通知のレベルでは、先ほども御説明させていただきましたように、一般家電製品でもあり得るような、個別の製品にもよらない全ての機器について、常識と考えられるような事項に対してはということでまとめさせていただいているという現状です。

 また、外班の研究報告の内容にもありました、個別の製品群に対する少し医学的な常識まで踏み込んだ常識的な記載の整理というところに関しては、別途業界団体、医療従事者のコンセンサスを得る必要があり、コンセンサスが得られたものについては、ここまでの記載の整合を図りましょうというような周知を行っていきたいと考えております。

○荒井部会長代理 大変難しい作業かと思いますが、是非よろしくお願いします。

○笠貫部会長 添付文書は薬事法に記載されている公的文書ですので、私は医師として、臨床工学技士として、医療人として、一般常識的なものを省く。当然知っているという前提で、個別的な機器についての必要な事項を書くのが基本だと思うので、そこをどのように、これからPMDA、厚生労働省できちんと基準を考えていただくかというのは非常に大事だと思っていますし、また、私は医療機器の承認の部会にもかかわっているものですから、承認するときには部会でも添付文書のことはきちんと議論しておりますので、これはPMDA、厚生労働省、それに諮問機関としての部会あるいは分科会でも、きちんと添付文書については議論をしているということで、作業を進めていただけたらと思います。これから非常に大事なことになると思いますので、よろしくお願いいたします。

○井部委員 今の添付文書に関することですが、この背景の文章の2行目に「患者への情報提供も変化してきた」と記載がありますので、この添付文書の読者は医療人だけではなく、患者なども含まれているのではないかと思いますが、今回の記載要領改正のポイントには、余り患者を対象にした視点が盛り込まれていないようにし思うのですが、そこはどのように考えられているのでしょうか。

○事務局 従来より、患者様が御自身で使われるような、いわゆる家庭用の医療機器や、医家向けの在宅医療機器で、患者様やその介助者の方が使用される可能性がある医療機器に関しては、別に添付文書を作成することとなっておりますが、その記載内容もある程度準じたものということで、これまでも運用してきており、今後出していくものに関しても、準じたというところについて変更はございません。

 ただし、医薬関係者が読んで分かる文章と一般の方々が読んで分かる文章は異なると思いますので、その辺りの表現の工夫といったところについても、これまでと同様にやっていただきたいという指針になっております。

○井部委員 つまり、今回の改正は医療者向けの改正だということですね。

○事務局 現時点では医療者向けに限っておりません。全ての者を対象にはしております。ただ、一般的な常識の範囲というところに関しても議論があるかと思っておりますので、ここについてもコメント等を頂戴したいところにはなっております。

○笠貫部会長 今の御質問は非常に大事なことで、添付文書というのは医療者向けだけのものですかという問題の指摘です。患者さん向けの添付文書というのは、表現だけでなく内容も異なってくるので、この添付文書の記載要領の改正について、まず第一歩として医療者向けにするというなら、それで位置付けとしていいと思いますが、次に患者向けの添付文書も薬事法の中で、同じ医療者向けの添付文書として位置付けるのかどうか、ここについてのお考えはどうなのでしょうか。

○事務局 家庭用の機器もこちらの対象になっております。先ほどの御説明のとおりなのですが、医療機器の添付文書の記載要領に、例えば家庭用の記載要領があるかと言いますと、そういった記載要領が特にあるわけではございませんので、医療機器の添付文書、医家向けの添付文書に準じた記載で別に作るという位置付けになっておりますので、今回はその記載要領自体の改正を行うという内容になっていますので、全てを含めるという形で考えております。

○笠貫部会長 そうしますと、医療機器でいうとクラスIIIIIIIIII全ての添付文書ということで定義付けられているものについての全ての改正だという捉え方でよろしいでしょうか。

○事務局 はい。

○笠貫部会長 そうしますと、それぞれの対象者によって添付文書の在り方というのは、非常に難しい問題も含むと思いますが、そういうことをお考えいただいて、是非御検討いただきたいということでよろしいでしょうか。

 そうすると、一般常識というのは対象者によって違っていますので、大変難しい問題になると、私は先ほど医療者向けの話をしましたが、是非そういうことを含めて、これから平成17年からということですので、社会のニーズは大きく変わっていると思いますので、その辺も御検討いただけたらと思います。

○土屋委員 今回の添付文書のことは極めて大事で、まずコンテンツに関しての検討がありますが、この中にも少し書かれていますが、視認性の向上ということからいきますと、これは医療用医薬品も同じですが、今の規定そのものが悪いというのではないのですが、例えば警告を赤枠の中で赤字で書くというのですが、これは赤字で書くと目立つというのは、面積との関係でありまして、医療用添付文書では3分の2ぐらいが赤となると、かえって黒で書いた方が目立つと思うのです。ですから、情報の伝え方についての研究というのを、私は以前にアイカメラを使って、どこへ目がいくかを見て実験をして、こういう形で赤が一定以上増えると、目がいかない。目がいかなければ認識もできないということがあります。

 あるいはラベルで同じ情報をどう並べるとどう理解ができるのか、よく我々は福笑い方式というのですが、置き方によっては情報の伝わり方が違うということもありますので、内容の医学、工学的、薬学的な検討と別に、人間工学的に情報を伝えるためにはどうしたらいいかということは、時間がかかるかもしれませんが、一方で研究していく。

 家電製品の取扱説明書というのは、恐らく丸ポチが多いと思うのですが、20年ぐらい前に人間工学会で取説はフォントによってどう伝わり方が違うのかが検討されたことがあります。こういう医療関係者というだけではなく、人間としての特性を含めた情報の伝え方というは一方で検討しておく必要があるという気がしました。

○西田委員 眼科医として一言です。赤は視覚障害の方は黒に見えるのです。ですから、赤で強調したつもりですが、実は視覚障害の方には淡々と黒に見えているということもありますので、今おっしゃったように、マークを変えるとか、アンダーラインを引くとか、そういう形でもしていかないといけないと思います。是非そういう点も含めて、人間工学的なことを御配慮いただけたらと思います。

○事務局 御指摘を踏まえ、検討させていただきたいと思うのですが、今回の改正の範囲としては、まずは内容について整理させていただくことを考えて進めてきたところがあります。枠の色、枠の付け方についても、外先生の方でも御提案されている状況でもありますので、こちらも前向きに検討していきたいと思います。ただ、例えば色という形ではなくとも、大事な警告、禁忌、禁止といった項目については、記載場所も従来より冒頭に記載するという記載要領になっており、一番初めに目に入ってくるような位置に配置することにはなっています。

○笠貫部会長 平成17年以来の改定ということですので、社会的背景を含めて、とにかく改正の第一歩を進めていただくことは大変重要なことだと思いますので、そのパブリックコメントも踏まえた上で、それを実現させていただいて、更に奥の深い問題だと思いますので、いろいろな人間工学的なお話も出ましたが、そういうことを深めて更に改正で、次にステップとしてどうなるかという連続性をもった問題として捉えていただけたら有り難いと思いました。

 御質問がございませんようでしたら、これで本日予定していた報告事項は全て終了となりますが、全体を通して何かございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。

 それでは、次回の部会の日程等について、事務局から連絡をお願いいたします。

○事務局 次回の部会の日程については、例年どおり今年の末を予定しておりますが、別途部会での審議が必要な議題が生じた場合には、急遽開催させていただくこともございますので、御承知おきいただければと思います。なお、日程調整等については、事務局より先生方の御都合を伺って決めさせていただきたいと思います。以上です。

○笠貫部会長 それでは、これで平成26年度第1回薬事・食品衛生審議会医療機器安全対策部会を閉会いたします。長時間にわたり、どうもありがとうございました。


(了)

備考
本部会は、公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 安全対策課安全使用推進室 室長補佐 高畑(内線2751)

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