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2014年11月7日 第84回社会保障審議会医療保険部会議事録

○日時

平成26年11月7日(金)9:57〜11:59


○場所

厚生労働省 専用第22会議室(18階)


○議題

医療保険制度改革について

○議事

○遠藤部会長

 皆様おはようございます。定刻まで若干時間がございますけれども、皆様おそろいですので、ただいまより第84回「医療保険部会」を開催したいと思います。

 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきましてどうもありがとうございます。

 それでは、本日の委員の出欠状況について申し上げます。

 本日は岡崎委員、川尻委員、福田委員、横尾委員、和田委員より御欠席の御連絡をいただいております。

 続きまして、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りをしたいと思います。

 岡崎委員の代理として、村岡参考人。

 横尾委員の代理として、江副参考人の御出席につきまして御承認いただければと思いますけれども、よろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、議事に移らせていただきます。

 本日も前回同様、医療保険制度改革を議題として、各検討項目について議論を深めていきたいと考えております。

 本日は、特定健康保険組合、任意継続被保険者制度、後期高齢者の保健事業等、患者申出療養(仮称)、医療保険制度改革全般について議論を行いたいと思います。事務局に現状や課題について資料を用意していただいております。

 また、本日は委員提出資料といたしまして、任意継続被保険者に関する資料が白川委員から。また、協会けんぽの収支見通しに関する資料が小林委員から。口腔機能管理等による効果に関する資料が堀憲郎委員から提出されております。

 それでは、特定健康保険組合任意継続被保険者制度について、事務局より資料の説明をお願いしたいと思います。

 続けて関連する資料が白川委員より提出されておりますので、続いて御説明をお願いしたいと思います。

 それでは、事務局よろしくお願いします。

○鳥井課長

 保険課長でございます。

 お手元の資料1に沿って説明をいたします。

 まず特定健康保険組合、特定健保についてでございます。

 2ページ、概要でございますが、御承知のとおり特定健保とは、昭和59年に国保の退職者医療制度にあわせて創設された制度でありまして、厚労省大臣の認可を受けて被保険者であった退職者、OBに対して、退職後も引き続き現役と同様の保険給付、保険事業を行うことができる制度でございます。

 これらの退職者の方々は、図の下の※印のところでございますけれども、特例退職被保険者と申しまして、65歳未満の方については退職者医療制度と同様に、被用者全体でその費用を支える仕組みになってございます。

65歳から75歳までの方につきましては、前期財政調整の対象となります。

 3ページ、これらの特定健保の状況でございますけれども、組合数を見ますと左側のグラフですが、平成9年から少しずつ減少傾向にあります。しかし、加入者数を見てみますとこれまでふえてきて、近年横ばい傾向になっておりますが、高年齢者、高い年齢層の方々の割合はこの10年間大幅にふえてきております。

 この方たちがどういう方たちかということでございますが、4ページ目でございます。特定健保の退職者、特例退職被保険者の方々の報酬、医療給付費を見てみますと、そこの表にありますように、上側が報酬の比較でございますけれども、全健保の前期被保険者の平均と比べまして報酬は3割安い報酬に設定されております。1人当たりの医療費を見てみますと、全加入者の平均に比べるとおよそ3倍程度の医療費がかかっているということでございます。

 そのような中で、見直しをするかどうかということでございますが、5ページ目に論点を掲げております。一番上の○ですけれども、退職者医療制度が高齢者医療の改革の中で廃止されることが決まっておりまして、平成27年度、それが今年度中、26年度いっぱいでございます。来年度からは新たな被保険者等は加入しないということになります。特定健保は引き続き存続いたしますけれども、来年度以降、新たに加入する特例退職被保険者の方々は、退職者制度と同じ支え合いの仕組みというものがなくなります。このため、今後、特定健保の医療費負担は重くなるということが考えられます。

 こうした状況を踏まえ、どうするかということでございますが、1のところ、1つ目は特例退職被保険者の標準報酬月額の設定についてでございます。現在は当該組合の標準報酬月額の平均の2分の1の範囲内で規約で定めることになっております。なぜ2分の1かといいますと、事業主負担がないものですから、2分の1にしないと全額を払うことになりますので、2分の1という制限がかかってございます。ということでございますが、しかし、一方で先ほど言いましたように医療費は高いわけでございます。したがって、この算定方法について、保険者の裁量を拡大する方向で見直すことについてどう考えるかということでございます。

 もう一点は、特定健保組合の特例退職被保険者の新規加入についてということでございますが、特定健保組合は特定健保たる地位の取り消しを求めることはできますけれども、そうすると現在、特例退職被保険者である方について何ら移行措置が存在しないわけでございます。また、その特定健保であり続けながら特例退職被保険者に新たになる方、これを制限するという方法は存在しないわけでございます。このため、希望する組合については特例退職被保険者の新規取得を制限するような道を開くということも考えられますが、これについてどう考えるかということでございます。

 次に、任意継続被保険者制度についてでございます。8ページ目以降でございますが、この制度の概要でございますので、皆様御承知のことと思いますけれども、まず趣旨でございますが、解雇等によりその資格を創出した被保険者が、さらにそのほかの事業主に雇用されることなどによって、被保険者になるまでの期間、暫定的に健康保険の被保険者となる道を開き、その生活を保護するということでございます。

 加入資格は2カ月以上、被保険者であったことをもって加入資格とされます。

 3番目の資格喪失のところですが、最大2年は継続して被保険者となることができます。

 4番目、保険料でございますけれども、先ほどの特定健保同様、事業主負担はございませんが、全額被保険者負担になるということでございます。その決め方は従前の標準報酬月額または全被保険者の平均の報酬月額のうち、いずれか低い額をベースにして決めるということでございます。

 この方々の状況でございますが、10ページでございますけれども、その数につきましては直近では減少傾向にございます。しかし、それでも合わせて118万人という数字でございまして、全体の1.8%を占めてございます。

 これらの方々がどういう方々かということで11ページ目、協会けんぽのデータだけでございますけれども、やはり60歳以上の方が全体の7割以上ということで、かなり多くの割合を占めているということでございます。

12ページ、加入期間でございますが、最大2年ということでありますが、その実態を見て見ますと平均1.2年ということであります。内訳を見ますと2年の方が約4割で、半年以下の方が3割強ということであります。この中で資格創出、いろいろ需要がございますけれども、新たに健康保険を資格取得したという方々について見てみますと、9割の方が1年以内で新たな健康保険に入っていらっしゃるという実態がございます。

13ページ、これらの方の標準報酬月額を見てみます。この決め方というのは先ほど申しましたとおり、従前の御本人の標準報酬月額と全被保険者の平均標準月額を丈比べして低いほうということでありまして、実態としては約2割、平均より低い形になっております。

14ページ、経緯でございますが、大正15年の健保法制定時からある制度でございまして、加入期間につきましては当初は半年、その後、1年に延び、昭和51年に現在の2年という形になっております。

 加入期間の要件でございますけれども、当初より2カ月ということでございます。

15ページ、今回の論点でございますが、2点掲げさせていただいております。

 1点目は、任意継続被保険者の適用期間についてでございます。現在の適用期間については昭和51年改正以降、最大2年ということになってございますけれども、現状を踏まえて、これを見直す必要があるのかということ。

 もう一つは、標準報酬月額の算定方法についてでございます。任意継続被保険者は年齢が高いために医療費が高いと考えられる人たちですけれども、標準報酬月額は一般と比べて約2割低くなってございます。しかしながら、この方たちは本人分と事業主分の両方、先ほどの特定健保のケースと違いまして負担しているということでございます。

 そのような中で、現在の標準報酬月額の算定方法を見直す必要があるかどうかが論点になると考えております。

 説明は以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 引き続きまして白川委員から御提出の資料について、御説明をお願いしたいと思います。

○白川委員

 資料を準備させていただきましたので、ご覧いただければと思います。任意継続被保険者について、健康保険組合連合会と記した資料でございます。

 保険課長から協会けんぽの実態については御説明がありましたので、同様の形で健保組合のデータをまとめましたので、御報告させていただければと思っております。

 めくっていただきまして1ページ、参考データでございますが、被保険者数が約50万人で、4年間のデータをまとめたものでございます。

 3ページ目以降にグラフ等がございますが、そのポイントを2ページ目にまとめましたので、時間の関係もございますから2ページで御説明させていただきます。

 最初のポツでございますが、任継の平均加入期間は約1.1年。協会けんぽはたしか1.2年という先ほど数字がございましたが、私どもは1.1年という数字でございます。

 2行目でございますが、資格取得による資格喪失者、つまりは転職等により他の被用者保険に異動される方々の加入期間は1年以下の者が約8割という状況でございます。

 一方、定年退職の方が当然この任継制度を利用するわけでございまして、その2つ目のポツの2行目、後半部分からでございますが、60歳以上の継続加入期間は2年間の満了が半数以上という状況でございます。

 3つ目でございます。先ほど保険課長から標準報酬に差があるというお話がございましたけれども、それを保険料収入と法定給付費を比較いたしました。そうしますと法定給付費が保険料収入を1.62倍上回っているという現状でございます。これに加えまして拠出金負担がオンされるわけでございまして、これを考えますと任継制度自体では収支は全く合っていないという状況でございます。

 最後のポツでございますけれども、資格喪失時の標準報酬月額よりも実際に保険料設定で使用される標準報酬月額が下回っているものが約4割。金額で言いますと平均で一番下でございますが、20万ぐらい差が出ているという状況でございます。

 資料の8ページ目でございますけれども、任継制度に関する意見でございます。論点が提示されておりますので、それに合わせて私どもの意見をまとめたものでございます。

 最初に継続加入期間、現行2年でございますけれども、申し上げたような実態を考えますと、2行目の最後のほうでございますが、当面、継続加入期間を縮小し、1年程度に見直すべきではないか。その前に任継制度そのものが必要なのか。先ほど歴史について説明がありましたけれども、この制度ができたときは一部の企業が健保組合制度を持っておりましたけれども、皆保険制度でなかったものですから、退職される方、転職される方がすぐに被保険者資格を失う。それを避けるために任継制度というものができたわけですけれども、現在は皆保険制度でございますし、給付率も昔と違って被用者保険と国保で差があるわけではございませんので、この制度自体が必要かどうかという議論もすべきだというふうに考えておりますけれども、当面、1年程度に見直すべきではないかというのが私どもの意見でございます。

 2つ目は、保険料の話でございます。現行制度は資格喪失時の標準報酬月額か全被保険者の平均標準報酬月額の、いずれか低い額ということになっております。このため収支が合わないという状況になっておりますので、一般被保険者及び任継制度に加入しない者との公平性の観点から、現行の保険料設定の方法の見直しを行うべきではないか。具体的には2つ目の矢印の2行目でございますけれども、資格喪失前の一定期間の標準報酬月額あるいは資格喪失時の標準報酬月額、こういったことをベースに保険料を設定してはいかがかというのが私ども意見でございます。

 最後の9ページでございますけれども、これは加入要件でございます。現行2カ月以上被保険者であることとされておりますけれども、矢印のところでございますが、共済組合は1年以上となっております。それ以外の協会けんぽ、健保組合は2カ月という矛盾が出ております。

 2行目の後半でございますが、短時間労働者の社会保険適用拡大では一応、勤務期間1年以上を見込みというのが要件とされております。こういうことを踏まえて加入期間要件の見直しを検討すべきではないかという意見でございます。具体的には例えば最低1年間、被保険者であることを要件にするということでどうかという意見でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、早速御審議いただきたいと思いますけれども、まず特定健康保険組合を議題としたいと思います。これについて何か御質問、御意見ございますでしょうか。既に事務局からは見直しの案、論点というものが出されております。5ページでございます。これを中心に御意見いただければ幸いです。

 白川委員、どうぞ。

○白川委員

 引き続きで申しわけございません。特定健保組合については、委員の多くの方は詳細を御存じないと思いますけれども、実際には61健保がこの仕組みを入れておりますが、医療費の適正化という意味では非常に大きな役割を果たしておりまして、この私どもの調査では特定健保組合の医療給付費、前期高齢者1人当たり367,000円という数字でございまして、国保が一番前期高齢者が多いわけですけれども、そこに比べて約4万円低いという状況になっております。いわゆる保健指導あるいは健診の補助等で疾病の早期発見、重症化予防という意味では、かなり機能している組織であると認識をしておりまして、私どもとしてはできる限りこういう形の健保組合を育てていきたいと意図しているところでございます。

 ただ、これは非常に事務負担のかかる仕組みでございまして、今、一番大きな特定健保組合の加入者数は7万人でございますけれども、通常は被用者保険の場合は事業主といろいろ情報交換しながら実務をこなしているわけでございますが、特例退職被保険者は直接1対1で健保組合とやり取りをしなければいけないということで、事務負担が非常にかかるということもございまして、その問題から最高71組合から10組合ほど減っており、非常に私どもとしては困った状態と考えております。

 そのため、論点でございますけれども、厚労省保険課のほうでいろいろ検討いただいて、標準報酬月額の算定方法と新規加入の制限等による廃止の方向ということで御提案をいただきまして、私どもとしては全面的にこの方向でやっていただきたいということで賛同するものでございます。

 ただ、廃止の話はいろいろなケースがありまして、現在は即刻廃止しか道はないわけですけれども、こういう形で新規取得を制限しつつという方法もあると思いますし、数年先ということで廃止する。その間に軟着陸を図るといったさまざまな方法があると考えますので、ぜひとも廃止の方法につきましては弾力的な運用をお願いしたいと思っております。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。望月委員、どうぞ。

○望月委員

 ありがとうございます。

 白川委員と同様なのですけれども、中段にありますように特例退職者、いわゆる特退ですけれども、保険料が低く抑えられている一方で、医療給付費は非常に高くなっています。したがいまして、保険料算定における保険者の裁量を拡大するという今回の提案については、この方向でぜひ進めていただきたいと思っています。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。よろしゅうございますか。

 そうしますと、今のお二方の御意見は基本的に事務局原案に対しては結構だということで、若干弾力的運用をしてほしいという御要望はありましたけれども、基本的にはこの考え方を受け入れると理解させていただきました。

 ほかの委員の方々もよろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、続きまして任継のほうに移りたいと思います。

 先ほど白川委員から既にお考えまで御発言いただきましたので、ほかの方で何か御意見ございますか。

 小林委員、どうぞ。

○小林委員

 任意継続被保険者制度、任継については、先ほど白川委員からもお話がありましたように、資料の14ページに変遷が出ておりますが、国民皆保険制度の開始前にできた制度であるということ、それから、医療保険制度の給付率が7割に統一されているということからしますと、かつてと比べてその必要性は薄れていると思います。

15ページの論点の中で、特に1ポツの任意継続被保険者の適用期間について意見を申し上げたいと思います。9ページにこの制度の趣旨が書いてありますが、資格を喪失した被保険者が他の事業主に雇用されること等により、強制被保険者になるまでの期間、暫定的に健康保険の被保険者となる途を開くものであるということであれば、資料15ページの論点にありますように、健康保険等の取得により任継の資格を喪失する方の多くが1年間の加入、これは先ほど説明があった私どもの調査では平均1.2年、健保組合さんでは平均加入期間が約1.1年ということでありますので、多くの方が1年間の加入となっていることからしますと、適用期間の見直しなどには合理性があると思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかに御意見ございますか。それでは、村岡参考人、お願いします。

○村岡参考人

 任意継続の制度の見直しについては、こういう検討というのは必要だと思うのですけれども、その際にはぜひ国保についての影響も検討していただきたいと思います。資料にもございますように、特に任意継続を利用されている方というのが60歳以上の方が非常に多い。白川委員さんからの説明にもありましたように、退職をされてから任意継続を利用している方もおいでますので、結果的にはそういったある意味、医療費の高い方が任意継続の中でカバーされておりますけれども、そういった方がまた国保に加入してくるということになれば、今後、前期高齢者への統一ということで退職医療制度も縮小されていきますので、そういった場合には国保制度の財政的にも負担が増加するのではないかと考えますので、ぜひ今後の検討に当たって制度の見直しの中で具体的な成案ができた場合には、国保への影響ということも資料的にもお示しをしていただきたいというのが要望でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 国保サイドからの御意見ということでありました。

 それでは、柴田委員、お願いします。

○柴田委員

 今の村岡さんの話には全く同意見でありますけれども、それ以外にも期間を2年間ということでありますけれども、今、退職した方というのは大体2年間みんなぎりぎり使っている。これは何なんだということを考えますと、被用者保険をやめて国保に入ったときに、一定期間、被用者保険時代の所得を前提に国保は保険料を付加されるわけですから、そういう意味で任継を使っているということになるのではないかと思います。そういう現実があるのではないかと思います。

 ですから、その辺やはり1年で切ってしまうと、被用者保険時代の所得の反映ということから見ますと、1年では足りないケースが私はあるのではないかと思っていますので、やはりそこのところは十分に吟味した上で考えたほうがいいのではないか。単純に2年を1年にすればいいというものではないのではないかというふうに思っています。

 それから、事務局にもお伺いしたいのですけれども、任継制度は何となく位置づけがわかりにくいというところがあるのではないかと思います。過去の経緯を見ても、もともとは給付率が変わらないように、ショックを緩和するためにということがあったと思いますけれども、給付率が14年に統一された。今の任継の存在意義というのは、厚生労働省としては何だと考えておられているのか、改めてはっきり言っていただければと思う。

 私は今の例えば被用者保険から国保にいったときの保険料の差が余りにも大きいというところを、ある程度ショック緩和するという意味があるのではないかと私は思っていますけれども、そういうことも含めて今の任継制度の存在意義というのは何なのかということを教えていただければと思います。

○遠藤部会長

 事務局、何かコメントございますか。

○鳥井課長

 任継制度の意義は、公式に整理をしているものでは9ページ目の趣旨ということで、解雇等で資格がなくなった方が暫定的に引き続き継続して、その地位を保護するということですが、ここで御議論になりましたように給付率の統一といったことは必ずしも想定していない時代にできたものでございますので、そこは改めて整理をする必要があるのではないかと考えております。ただ、これを急に変えるということになりますといろいろな問題がございますので、そこは十分に配慮して進めていく必要があると思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかに何か御意見ございますか。岩本委員、どうぞ。

○岩本委員

 いろいろ御意見を伺っていたのですけれども、まさに退職後にしばらく健保のほうにとどまるということは、こちらの9ページに書いてある制度の趣旨の想定外に近いような印象も受けたのですけれども、皆保険の中では非常に特殊な制度になっているということで、これは健保組合さんがおっしゃったように、任継制度のそもそもの必要性があるのかというのは、確かに重要な論点だと思います。

 ということで、廃止というところまでいくかどうかということは長期的な課題かもしれませんけれども、健保組合さんの御提案というのは妥当な範囲かなと思っております。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。

 今ありましたように、白川委員からの御提案に関する御意見でも結構でございますので、いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。堀真奈美委員、どうぞ。

○堀真奈美委員

 この制度は、歴史的な経緯の中で創設されたものであると理解していますが、国民皆保険の状態となり、そして現在では給付率が一律になる中、改めてその存在意義が問い直されているのではないかと思います。本来、強制加入が原則の社会保険で、個人が任意に加入保険を選択することができるという意味で、特殊、例外的なものかと。そもそも国保が得か被用者保険に残るのが得かで選ぶような状態があるとしたらどうかと思いますし、すぐに大きく変更するのは影響も混乱もあると思いますが、長期的にはその存在意義、廃止も含め必要性の再検証を検討すべきではないでしょうか。

○遠藤部会長

 どうもありがとうございます。大体御意見は出尽くしたということですかね。

 貴重な御意見ありがとうございました。ただいまの御意見を踏まえまして、また事務局のほうでお考えいただきたいと考えております。

 続きまして、後期高齢者の保健事業について、事務局より資料が出されておりますので説明をお願いしたいと思います。

○藤原課長

 資料2でございますが、後期高齢者の保健事業等についてという資料について御説明申し上げます。

 2つ事項がございまして、後期高齢者の保健事業についてと、後段のほうで住所地特例の見直しについて、大きく2つの項目について資料を提出いたしております。

 1番目の保健事業についてでございますけれども、資料をおめくりいただきまして1ページ目、2ページ目でございます。今の制度の概要を1枚で整理をしてございます。後期高齢者医療の広域連合が主体となって、後期高齢者医療における保健事業としては鍵括弧のところに書いてありますように、健康教育、健康相談、健診その他ということで、広域連合がこういった事業を行うように努めなければならないというふうに高確法において規定をされてございます。

 実態としても、健康診査につきましては現在は47広域連合全てで健診を実施しています。また、健診以外につきましても、ここに○で主なものを取り上げてございますけれども、こういった保健事業に取り組んでおりまして、例えば今年度からは口腔機能低下や肺炎等の予防といった趣旨で歯科検診事業がスタートしました。また、重複・頻回受診者の方々に対して、保健師や薬剤師等の専門職の方が訪問指導を行う事業も平成20年度から実施しております。また、後発医薬品の使用促進に向けた取り組みといたしましては、差額通知の交付ですとか、希望シール・カードの配付といったものを各広域連合において実施をしております。

 後期高齢者医療制度7年目に入っているわけですけれども、国保や被用者保険と同様に、今年度中に広域連合として保健事業の実施計画というものを策定することになっております。

 その次のページをめくっていただきますと、まず健診についてでございます。高確法において健診はどのようになっているかといいますと、現役世代の方々への特定健診については医療保険者の実施義務となっているわけですけれども、後期高齢者につきましては広域連合が主体となって努力義務というふうに規定をされてございます。また、健診項目につきましては特定健診と基本的には同じ項目、下のほうに特定健診の項目を記載しておりますが、これと基本的には同じ項目でやっている。ただし、腹囲については医師の判断ということで、実際には基本的にははかっていないという状況でございます。

75歳以上の方の健診についての基本的な考え方を示したのが次のページでございますが、特定健診などを中心に健診、保健指導の実施をする際の基本的な考え方を示しましたプログラム、標準的な健診、保健指導プログラムというものが平成25年4月に改訂版が出ておりますが、この中で特に後期高齢者の方々の特性ということで整理した部分を抜粋しています。75歳以上の方々は生活習慣病を軽症のうちに発見をし、また、重症化を予防することが非常に重要になるということ。それから、若い方々と違いまして生活習慣病予防の効果が必ずしも大きくはないこと。むしろ体重減少とか低栄養のリスクが増すのでQOLを確保したり、生活機能低下を予防するという観点が重要になってくる。そういった観点を踏まえた支援をしていくことが必要であるということが示されています。

 こういったことを含めて健康診査については、腹囲については医師の判断ということですけれども、健診項目としては特定健診と同じ項目を使っておりますが、対象者としてはかかりつけ医などにかかられて、血液検査なども定期的にやっていらっしゃる方も後期高齢者の方の中にも非常に多いので、必ずしもそういった方々まで健診の対象にする必要はないという考え方も示されてございます。

 そして、保健指導については特定健診の後の保健指導と異なり、一律の保健指導ではなく、本人の状況に応じて支援できるような体制が重要であるという点が記載されています。

 ことし4月に健康づくり推進本部というものが省内に設置されまして、特に高齢者の健診についてもより見直しをしていこうという動きがございます。それがその下に整理をしたところでございますが、高齢者の特性を踏まえた健診とするために、専門家による科学的知見からの検討、保険者等による検討を27年度から実施を予定しておりますので、高齢者にふさわしい健診のあり方について、専門家の方々に御議論いただこうというふうな動きがございます。

 次のページでございますが、8ページ、高確法におきまして保健事業を実施する際、国は指針を定めるというふうに書いてございます。先ほどの標準プログラムにも規定をされておりますような高齢者の特性も踏まえた指針を策定したところでございまして、特性が右側に書いてございますが、複数の慢性疾患を有していらっしゃる方が多いとか、若年期に比べれば生活習慣改善の予防効果が必ずしも大きくないとか、個人差が大きいというふうな特性が示されています。

 そして、制度の枠組みとして75歳以上の方々については実施主体が都道府県単位の広域連合になる。市町村ではなく広域連合になるという特殊性もある。こういった点を踏まえて左側の主なポイントとしては、後期高齢者の保健事業については重症化予防ですとか、運動、認知機能の低下防止ですとか、低栄養の回避、こういった点に重点を置くべきであるということ。そして必要な場合には介護等のサービスの支援につなげていくということも重要であるということ。したがって、後期の医療について広域連合が主体となっておりますけれども、市町村との連携、協力関係というものが非常に重要になるということが示されてございます。

 こういったことを含めて、保健事業計画を策定しましょうということになっているわけでございます。

 健診以外のさまざまな保健事業について、先ほど歯科検診以降、例示を挙げましたが、その次のページからは歯科検診、重複・頻回受診者に対する訪問指導、重症化予防の取り組みの支援、ジェネリックの使用促進の取り組みというものを1枚ずつでお示しをしておりますので、12ページまで御参考まで見ていただければと思います。

 これ以外にも広域連合は、それぞれ自分たちの地域の実情に応じて13ページのような取り組みをし始めているという状況でございます。例えば宮崎県であればレセプト情報から健診等の受診をしておられない健康状態が不明な方々を抽出して、保健師が訪問指導をして確認する。場合によっては必要な医療につなげるとか、こういった取り組みなどもやっておられますし、歯科医師会との連携の中で歯科検診を先んじて取り組まれている鹿児島県のような広域もございます。こういったそれぞれの地域の実情に応じた取り組みも始まっているという状況でございます。

 一方、このようにさまざまな取り組みも進み始めているところではありますが、なかなか難しい現状や課題もございます。それが14ページでございます。広域連合の組織体制ということで1ポツとして挙げていますが、保健事業の実施主体である広域連合では、必ずしも保健師等の専門職が配置されているわけではないということ。実際には各市町村からのローテーションの形で職員の方々を派遣いただいておりますし、大部分が事務職の方々でございます。47広域全職員が約1,500人ほどおられますけれども、この中で保健師や看護師を配置できているところは10広域連合にとどまっている。これらの広域連合におられる専門職の方々の数も全部合わせましても保健師が13名、看護師が2名、この中にはかなりの部分が嘱託の方でいらっしゃいます。そうであれば、どうやって健診を実施しているのかということになりますと、基本的には市町村への委託で実施をされておりますので、市町村にかなり協力をいただいているというのが実態です。

 また、広域連合が直接健診をしている8広域連合があると書いていますが、これらも実際には広域連合が県の医師会などと契約を結びまして、医師会のほうでやっていただくという事例になっています。

 一方で2の課題、こういうふうな組織体制は非常に苦労しているわけですけれども、一方で後期高齢者の特性、つまり現役世代のメタボリック対策と異なる特性がある。体重減少ですとか低栄養の問題、それに伴って筋量が低下をしていく。こういったリスクが増加して、結果的に全体的に虚弱になっていくという特性がありますので、こういったリスクを踏まえて生活機能低下から介護状態になったり、疾病が重症化をしたりということを予防するというような観点からの保健事業を充実していくことが、ひいては医療費の適正化の観点からも重要ではないかという課題がございます。

 それでは、現場ではそういった観点で先進的な取り組みがどのようになされているかというのを、事例を御参考までに挙げてみました。15ページですけれども、新宿区の民間の訪問看護ステーションでやっていらっしゃる「暮らしの保健室」を例示に挙げてございます。こちらについては地域の診療所や行政機関とも連携をしながら、各種の医療的な相談に保健師が応じているというような事業なのですが、ここに薬剤師さんや管理栄養士さんが定期的に来られまして、服薬相談、栄養指導もあわせて実施しておられます。

 また、高齢者の栄養改善に着目した取り組みとしては、埼玉県和光市の事例を挙げてございます。栄養改善を目的とした配食サービス、すなわち安否確認のための普通食の配食サービスだけではなくて、特別食とか低栄養対策の特別食のサービスも含めた在宅の限界点を上げるための配食サービスと管理栄養士による訪問栄養指導をあわせて行っているという事例もございます。

 和光市ではNPO法人に委託をして、こういった訪問栄養指導をやっており、そのケースについての状況把握とか管理を地域包括支援センターが行うという形で連携をされております。

 次のページをめくっていただきますと、その和光市の地域包括支援センターには、管理栄養士が加配をされておりまして、地域ケア会議にも参画をするという形で、栄養改善についても取り組みが強化されているという事例でございます。

19ページに論点を書いてございます。まず高齢者の健診については、高齢者の特性も踏まえた内容に健診の項目ですとか対象者について見直していくべきではないかと考えております。また、高齢者の方々はかかりつけ医を持って医療的にコントロールされている方も多いので、対象者をどうするかということもあわせて検討する必要があると考えております。

 加えまして、健康診査だけではなく、高齢者の特性に合った重症化予防ですとか、低栄養などのターゲットを絞った効果的な事業を充実していくべきではないかということを考えており、先ほどの新宿区や和光市の取り組み事例なども参考にしながら、例えば地域包括センターですとか保健センター等の拠点を活用して、管理栄養士、薬剤師、歯科衛生士、保健師等の専門職による訪問指導や相談を推進していってはどうかと考えております。

 その際、高齢者医療は広域連合が主体となっていることもありますので、地域包括ケアの観点からは市町村との連携というものが非常に重要になると思っておりますので、市町村との連携をしながら効率的に行っていくということにも留意をしていきたいと考えております。

 最後に、医療費適正化の取り組みとしてジェネリックの使用促進ですとか重複・頻回受診者への訪問指導など、高齢者医療においても保健事業に取り組んでいるわけですけれども、後期高齢者の医療も今後も医療給付費の増加が見込まれる中で、保険者にとって、広域連合にとってインセンティブが働くようにする観点から、何らかの支援策というものを検討していくことができないかということも、あわせて論点として提示をさせていただいております。

 次でございます。21ページ、住所地特例の取り扱いについてということで、現行制度を21ページで整理しています。後期高齢者医療も国保も同じでございますが、被保険者となられる方々をどちらの住所地で行うかということですけれども、その方が住んでおられる住所地で適用を行うことを原則にしているわけでございますが、仮に施設等を入所されて住所を移った場合に、施設の所在地の被保険者に移管をされるということにしてしまいますと、施設所在地の自治体の負担が非常に大きくなってしまうということを防ぐために、住所地特例という制度がありまして、特例として入所された後も、引き続きその前の住所地の保険者が保険者となるという特例がございます。

 後期高齢者医療につきましても、この住所地特例を受けている方々は今、1万8,000人ほどおられます。同一制度内の保険者移動については、この住所地特例は現在適用されますけれども、施設入所後75歳到達等によりまして国保から後期に変わられるような場合には、現在適用されないという仕組みに法律上なっています。したがいまして、国保加入中に施設に入られて、その後に75歳になられたときには住所地特例は引き継がれないということになっています。昨年9月、老健局の都市部の高齢化対策に関する検討会報告書でも、この点について、住所地特例が後期高齢者医療に引き継がれないという問題について検討してほしいということが指摘されてございます。

 その次のページでございますが、今回そういったことも踏まえまして、住所地特例の見直しをさせていただきたいと考えております。見直し案ということで提案をしてございますが、後期高齢者医療制度加入時の住所地特例について実際に入所をされた後に75歳になられた場合にも、この住所地特例が引き続き継続をするという形に見直しをしてはどうかというのが今回の見直し案の御提示ということになります。

 大きな2点について、以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、2点ございましたので、まずは後期高齢者の保健事業について御意見をいただければと思います。19ページに事務局の論点が出ておりますので、これを中心に御意見をいただければと思います。どなたでも結構でございます。

 菊池委員、どうぞ。

○菊池委員

 現在、保健事業は75歳以上の後期高齢者の保健事業と、75歳未満までの保健事業とで制度上は分断され、離れた形になっているかと思います。2025年は団塊の世代が後期高齢者になることから、多くの高齢者が75歳になった途端、市町村の保健事業から切り離されることがないように、市町村との連携が図れるような運用のあり方を考える必要があると思います。

 また、19ページの論点の2つ目の○で今後の保健事業のあり方について方向性が示されておりますけれども、これに加えまして後期高齢者が住みなれた地域で暮らし続けることが重要だと思います。そのためにはいろいろな地域における各種資源の活用を図っていくことが望ましいと思います。例えば15ページにありますような「暮らしの保健室」などは、多くの職種との連携のもとに幅広く生活機能の低下予防に寄与する活動をやっております。住民のほうから見ますと、個別の状況に合わせていろいろな困りごとや不安などに対応して、その不安を軽減するという活動になっておりますので、このような活動をしている民間団体へ事業委託するというようなことも、視野に入れて考えてはどうかと考えます。

 また、今回の診療報酬改定で創設されました機能強化型訪問看護ステーションには、望ましい機能として地域住民等に対する情報提供や相談を実施していることが挙げられています。機能強化型訪問看護ステーションのような資源につきましても、その活用を視野に入れていく必要があるかと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 それでは、樋口委員、お願いいたします。

○樋口委員

 ありがとうございます。

 私はまず今、努力義務になっている後期高齢者への保健事業をぜひ義務化していただきたいと思っております。理由は、1つは単純な数の問題でございまして、後期高齢者医療制度ができたとき、これは2006年でございますけれども、後期高齢者の数は1,217万人でした。それから、ことしは8年目になりまして、2014年9月15日現在の総務省人口統計によれば2,383万人、わずか8年ちょっとの間にほとんど倍増いたしております。

 人口問題研究所の推計などを見ましても、これからあと10年ぐらいずつのかたまりでふえていく人口は75歳以上人口ばかりでございます。初め、前期高齢者と後期高齢者は発足のころはすれすれか、ちょっと前期が多かったと思うのですけれども、この間、完全に後期高齢者のほうが多数派になっている次第でございます。ということは、高齢者の医療費、拡大する医療費を抑えるのも、あるいは疾病をふせぐのも、何と言っても後期高齢者の動向というか、さらにその政策が物を言うということでございます。

 ですから私は、この後期高齢者医療費その他が財政に与える影響を緩和するという意味からも、さらに重要なことは、75歳以上を生きるこの国民の中でかなりの多数を占める人々の幸福感という意味からも、ぜひ保健事業というものを盛んにしていただきたいと思っております。特に健診を義務化していただきたいというのは、ただ1つ、その前の前提条件がありまして、今までの健診事業で他の年齢もです。健診と保健、つまり健康が保たれるということの効果がはっきりしているという、そういうことを前提としてですけれども、ぜひ後期高齢者の健診を義務化していただきたい。

 今、申し上げたように、後期高齢者というのは実に65歳から75歳ぐらいまではまだ一病息災の人が多いのですけれども、もう75を過ぎますとふえるのはしみ、しわ、白髪と診察券の枚数のみと言われるぐらい、とにかく一病息災時代から多病息災時代へ。多病息災となると完治することは難しくて、いかに健康感を保ちながら幸福感とともに社会に参加しながら、そしてやがて最期に向かうという非常に幸せな終わり方に向かうのが、私はやはり社会参加だと思うのです。特にきのうも国際的な認知症会議が行われていたようで、総理のお顔なども見えておりましたけれども、75歳を過ぎると認知症の発症率も、ここにはお医者さんがたくさんいらっしゃいますから御承知のように、ぐっとふえます。しかし、オレンジプランは私は大変よくできたプランだと思っておりますけれども、でも家族の立場から言うと、ああいうことを書かれても余り役に立たないのです。早期発見とか何とか言って、早期発見して早期治療すればいいということはわかっているけれども、これは男も女も同じですけれども、大抵は女のほうが寿命が長いから、おじいさんが具合が悪くなって、どうやら認知症だと思ったときに、医療機関に連れ、そんな早期発見なんてものではないですよ。家族は発見していたって医療機関へ医療機関に連れていくことがいかに難しいか。その辺のとこを書いてある認知症の指南書はない。

 私は認知症に向かってこの社会がずっと関心を向けていってくれることは大変あがたいと思いますし、何よりも早期発見というならば、これはお医者さんや家族の力で引っ張っていくことはかなり無理なのです。どうぞ健診を盛んにしていただきたい。それで全ての高齢者がとにかく健診は社交も兼ねてみんな集まりますよと、そういう楽しい雰囲気の中で認知症も早期発見されることを心から望んでおります。

 実施主体がどうなるか、広域連合で発足していますので、いろいろ問題はあると思いますけれども、委託などを含めて、その人に沿ってなじみの深い市町村でやっていただけたらと思っております。

 今までのメタボと違って、後期高齢者の健康問題が栄養失調とか、本当に衰弱とか、そういうことになっているのは私も本当に当事者でございますから実感いたしております。このところ同級生などで夫を失って、かなりの資産の高年金者の妻でありますけれども、介護型有料老人ホームに入ろうかというときになって、このうちの奥様がこんなものしか食べていなかったかと思うぐらいに食事の内容が貧しく、体力が衰えているなどという点は再々見ることでございます。

 長くなりました。ありがとうございました。

○遠藤部会長

 どうも貴重なお話ありがとうございます。

 松原委員、お待たせしました。

○松原委員

 今の樋口委員の意見に賛成でございます。

 この前の老人保健法の改正のときに、市町村の義務であった健診が保険者に移行したということでありますが、確かにお年寄りがきちんと健診を受けて、そして必要なものを必要なように治療するなり、あるいは予防するなりすることが、最終的には国民の幸福につながる。つまり不幸にして寝たきりになったような状態になるよりも、それをいかにしてならないようにするか。そういったことがやはり大事なことだと思います。

 費用の問題から考えても、寝たきりになる前と寝たきりになった後、あるいは認知症が大変進んだときと比べますと、全く大きな費用の違いがございます。そういったことから考えて、やはりどこかが義務を持って健診をしないと、恐らくなかなかうまくいかないのではないかと思います。

 すぐに保険者さんのところで義務化というのは難しうございます。ただ、今まで市町村がきちんと見ていたものが突然義務化が外れて、そして健診を受けなくなった方というのはかなりいらっしゃいますので、そういった面からも義務化が必要なのではないかと思っております。

 また、認知症の患者さんを医療機関に連れていくのが大変だという意見があります。まさにそのとおりであります。御家族は気がついていても、本人がどうしてもそういったことを診てもらいたくない。自分がそのような病気であることを認めたくないということがあります。何かのきっかけがあれば、そういったことを早期発見する、あるいは進行をとめることができますので、ぜひそういったことも含めて機会をふやす意味でも認知症においても、また高血圧においても、糖尿病においても、これを実行したい、実行していただきたいと思います。

 また、かかりつけ医が見ていても、1年に1回ぐらいしか風邪ひきで来られない方もいらっしゃいます。そういった方に検査をお勧めするときに、何らかのインセンティブがあれば非常に進めやすい、または受けやすいということもありますので、そういったことも含めて御検討いただけたら、恐らく保健指導するよりも受診をしてきちんと管理下に置くほうが効果は出るのではないかと私どもは思っております。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ほかにございますか。それでは、森委員。

○森委員

 ありがとうございます。

 今、認知症の話が出ましたけれども、8ページに高齢者の健康の特性ということで、複数の疾患を有していたり、認知機能が低下するということがあります。複数の疾患を有しているということは多くの薬を飲んだり、複数の医療機関にかかったりしています。

 そういう中で19ページの論点の3つ目に関係すると思うのですけれども、1つは特に高齢者の場合、残薬への問題というものがあると思います。適正化というのか、これはむだを省くというのか難しいところなのですけれども、残薬については医療費のむだとともに、指示どおり服用しないことによる治療上の問題もあり、残薬の対策が必要になってくると思います。

 また、重複・頻回受診なのですが、実は先日、高齢者が意識しないまま8つの医療機関にかかっていたという事例がありました。今回10ページに、重複・頻回受診への対応ということがありますが、患者宅を訪問したときに、その場で服薬状況と残薬を確認することももちろんなのですけれども、その後、処方した医師と調剤した薬局と調整を図ることが重要になります。ぜひここは薬剤師を活用いただきたいと思っております。

 もう一つはジェネリックなのですが、前回お話しましたけれども、ジェネリックの使用が進んだことによっての新たな課題を解決しながら、今後進んでいくことが重要だと思っています。ジェネリックを銘柄指定して変更不可になっている。ではなぜ変更不可なのか。そういうことを一つ一つ解決しながら、さらなる使用促進が必要だと思っています。

 もう一点、先ほど菊池委員からいろいろな職種を活用という意見がありましたが、論点で言うと2番目だと思うのですけれども、15ページに1つの例として薬剤師、管理栄養士の活動が載っていますが、今、病院ではNSTということで栄養管理チームに薬剤師が入って栄養指導を行うことが進んでいます。薬局の薬剤師も食事が薬に及ぼす影響であるとか、1日の食事の回数、時間と服薬の関係、それから、薬と食べ物との相互作用、食生活、食事内容等について確認しながら調剤業務に取り組んでいます。また、薬局では健康食品等も扱っています。医師、管理栄養士等と連携して栄養指導にも協力していきたいと思っておりますので、ぜひ活用いただければと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 それでは、堀憲郎委員、お願いします。

○堀憲郎委員

 私も19ページの2番目の論点について意見を申し上げたいと思いますが、今回4月から歯科の検診事業については、拡充を図られたということで理解をしておりまして、評価をしておりますが、歯科の検診事業も努力義務ということもありまして、なかなか手挙げをしていただける市町村が少ないと理解をいたしておりまして、今後できるだけ多くの市町村から理解と参画をお願いしたいというところを持っております。

 特に今回、4月からこういった事業が保険局事業として新しい枠組みになったということを承知しておりますので、うまく円滑に4月から拡充ができたかどうか、ぜひ今年度の実績や変化というものを精査いただきまして、来年度からそれを反映するのは難しいと思いますが、その先におきましても多くの市町村から採用いただけるような工夫をお願いしたいということを申し上げたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ほかにございますか。武久委員、お願いします。

○武久委員

 論点の上の2つについて意見を述べさせていただきます。

 まず論点の2番目に低栄養と書いてあるのですけれども、低栄養の指標であるアルブミン測定が4ページの健康診断の項目に入っていないということ。それと、肺炎になって亡くなる方が非常に多いのですけれども、それは誤嚥によって起こる肺炎が多いわけですけれども、嚥下機能を早目にわかればいいと思いますが、これは昔の医者はちゃんと口の中も見て舌根を押しますと「げ」って言うわけですけれども、これは咽頭反射と言うのですが、咽頭反射が非常に減弱しますと嚥下機能が落ちる前兆となります。そういう項目をちゃんと入れていただくということと、免許の書きかえのときに70歳以上になると認知症テストがあるのですけれども、この健診の4ページの中には認知症テストがないのです。だからそういうふうな先ほどおっしゃっていただいたようなことも含めて、ここの論点に書いてあるものを早目に見つけようと思えば、そういうことが必要かなと思います。

 また、人間の寿命は筋肉の量に比例するとおっしゃる学説もありますように、サルコペニアですね。だんだん食べる量が減ってきて運動しないということもありますから、そういうことに関する対応をしていただきたい。寿命と健康寿命との間に大体男の人だと10年ぐらい差があるのです。一番私がずっと医者をやっていて思うのは、頭がよくて高学歴でサラリーマンをやっていて非常にハードな仕事をしていて、やめていわゆる燃え尽き症候群ですね。やることがなくなった人って物すごくもろいのです。樋口先生、もろくないですね。桂小金治さんだって85歳まで高座に上がっていたというふうに、私は労働しているほうが認知症にはなりにくい。

 これから人口が減っていくのに、やはり余り若い人に老人介護を、いろいろなお世話を依頼するよりは、お互い助け合うような形でモチベーションを持ったような仕事ができれば、そんな患者さんを持っておぶったりかついだりする仕事ではなしに、非常にIADL的なサポートもできると思うのですけれども、労働寿命的な、労働をいつまでできるかということは非常に大きいと思いますので、この辺のところを考えていただきたい。

 やはり死亡原因で非常に多いのが肺炎です。肺炎ワクチンは大分進んできましたが、まだ接種率は非常に悪いです。それより先に咽頭反射の減弱を認めて、それから専門のほうで嚥下機能を抑えてもらう。要するにわからない、自分で自覚しない間に誤嚥しているという人が大体高齢者になってくると多いです。ある程度65歳ぐらいになってくると、いつもは気管に入ったりしないのがぽこっと入ったりするように、だんだん機能が衰えてくるわけです。それを防ぐことが死亡を少なくすることになると思いますので、いろいろ言いましたけれども、よろしくお願いいたします。

○遠藤部会長

 貴重なお話ありがとうございます。

 お待たせいたしました。藤井委員、お願いいたします。

○藤井委員

 先ほど樋口先生の御意見にも、なかなか御家族だとお医者さんに行くのを勧められないというお話があったのですが、経営者の立場からは、勧めることはできるのではないかと考えております。最近、定年も延びたものですから、結構高齢者が会社の看板を背負って仕事をされるケースがあるのです。運転もされるでしょうし、機械も操作されるでしょう、あるいは危険物も扱う。そのときに、やはりそういったことで健康を害して事故でも起きたら、これは元も子もないわけです。そのようなことから、商工会議所としても健康経営という考えを進めているのですけれども、こういった認知症の早期発見といった観点からも、健康関連の一環として健康経営の推進も考えたほうがいいのではないかと思います。ひいてはそれが御家族のサポートにもなりますので、御家族が言えなくても経営者としては、差別をするのではなくて、社会的に事故を起こさないための安全対策、あるいは社員の健康管理という観点からも、早目にチェックしてくださいということは言うべきではないかと思っていますので、ぜひどこかに入れていただければと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 まだいろいろとお考えもおありになるかと思いますけれども、大変貴重な。

 では、最後のお一人ということで松原委員、どうぞ。

○松原委員

 先ほど健診の項目について、アルブミンがないという意見がございました。かつてはこれが市町村でやっているときには腎臓の機能、貧血のチェック、そのようなことも含んでおりましたが、それによって早く見つかって透析にもならないで済んだ方がかなりいらっしゃいます。もう少し健診項目を充実していただきたいと思います。

 もう一点は、働いている方は労働法で健診を受けられます。しかし、働いている方の家族の方は、受けないままになっているということもあります。そこのところがかつては市町村に義務化されていたので、それも含めて市町村がきちんと責任を持っていたわけでありますが、これについてはただ保険者だけにそれをしろというのは、私はなかなか難しい問題があると思います。というのは、働いている方の費用の半分は働いている場所、企業が出しているわけでございます。確かに家族の健康についても責任を持つというのが大事なことでありますが、そういったことよりも、むしろその方が暮らしている市町村が責任を持ってその方の将来まで見通した上できちんとしていく。そういったかつての義務化について、1回十分に議論してみる必要があるのではないかと思っているところであります。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 まだまだ御意見があるかと思いますけれども、時間の関係もありますので、この件につきましてはこのあたりにしたいと思います。

 1点だけ事務局に確認ですけれども、特定健診項目について御意見が幾つか出たのですが、特定健診の項目を決定するプロセスにおいては、それなりの検討会、審議会の御議論があった、専門家での議論があったという理解でよろしいわけですか。

 事務局、どうぞ。

○藤原課長

 今後、有識者の方々の御意見を伺いながら、高齢者の特性に合った健診の見直しについて検討していこうという段階でございます。

○唐澤局長

 松原先生の御意見は大変重要な御意見だと思います。それで特定健診につきましては18年にスタートをしたときにいろいろな有識者の方の、これは健康局と保険局がタイアップした検討会で御議論いただいて、次の計画になっておりますので、引き続きその検討会はいろいろな関係の、日医の先生方にも入っていただいたり、関係団体に入っていただいて検討を続けているという状況でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 そういう流動的な状態になっておりますので、またそういうところで御意見を言っていただければと思います。ありがとうございました。

 それでは、続きましてもう一つだけございました。住所地の問題でございます。住所地特例について、23ページに原案が出ておりまずか、これはいかがでございましょうか。反対の方いらっしゃいますかと聞いたらいいぐらいな内容ではないかと思うわけですが、何か御意見があれば承りたいと思います。

 事務局のお考えでよろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○遠藤部会長

 ありがとうございました。では、そのように対応させていただきます。

 それでは、続きまして患者申出療養。これは仮称でございますけれども、これについて議題といたします。事務局に11月5日の中医協に提出しました資料を用意していただいておりますので、事務局にその資料についての御説明をお願いしたいと思います。

○佐々木企画官

 医療課企画官でございます。

 お手元にあります資料3をお願いいたします。これは11月5日の中医協での議論に用いたものでございますので、その際の議論もあわせて御紹介しながら御説明したいと思っております。

 患者申出療養(仮称)の枠組みについて(案)でございます。患者の申し出から医療の実施までの流れに関しまして、2つのパターンがございます。

 まず1つ目のパターンは、患者申出療養(仮称)としては、初めての医療を実施する場合でございます。その場合は患者さんからの申し出、1でございますが、患者はかかりつけ医等の協力も得ながら臨床研究中核病院または患者申出療養(仮称)についての窓口機能を有する特定機能病院に申し出を行うというふうにしております。

 この臨床研究中核病院、後ほどの資料にもずっと出てまいりますので、大体どんなところかというものを御紹介しておきますと、これは国際的な水準のきちんとした臨床研究ができるという医療機関でございまして、そして、それを単独で自分だけの医療機関ではなく、周りの関係する他の医療機関と共同で実施できるという能力を持つ病院というものでございます。

 また、特定機能病院と申しますのは、これも出てまいりますけれども、大学病院等というイメージでお聞きになっていただければと思っております。

 特定機能病院が申し出を受けた場合は、当該特定機能病院は臨床研究中核病院に共同研究の実施を提案するものとするとしております。※印はこれから出てまいりますが、基本的に患者さんがかかりつけ医等や病院などに相談する際は、その都度、患者さんが有効性、安全性、取り組みたいと思われている治療内容について十分理解、納得した上で申し出ていただくということを繰り返し※印の形でつけておりますので、以下の部分は省略させていただきます。

 2つ目の○でございます。臨床研究中核病院及び患者申出療養(仮称)を実施しようとする特定機能病院は、患者さんからの相談窓口として、その専門の部署を設けるものとするとしております。

 3つ目の○ですが、臨床研究中核病院または患者申出療養(仮称)についての窓口機能を有する特定機能病院が患者からの申し出に対応できない場合、つまり余りにも専門的でほかの病院のほうがいい場合とか、非常に珍しい病院で専門の先生が他の病院にいらっしゃるような場合でございますけれども、そういう場合には対応可能な医療機関に紹介をするというふうにしております。

 2でございます。臨床研究中核病院からの申請であります。臨床研究中核病院は患者からの申し出を受け、患者申出療養(仮称)としての実施が可能であると判断した場合には、実施計画及び安全性、有効性等のエビデンス並びに患者からの申し出であることを示す書類を添付の上、国に申請するとしております。

 次ですけれども、患者が患者申出療養(仮称)についての窓口機能を有する特定機能病院に申し出を行った場合は、臨床研究中核病院は当該特定機能病院を共同研究医療機関して申請することができるとしております。

 3でございます。国における安全性、有効性等の審査でありますが、国は臨床研究中核病院からの申請を受けて、患者申出療養(仮称)に関する会議において安全性、有効性及び実施計画の妥当性を確認する等です。それから、国は申請から原則6週間で当該医療の実施の可否を判断する。持ち回りによる審議を行う場合には、審議に参加した者の意見を明確に記録するなど、会議の開催と同等の透明性を確保することとしております。医学的判断が分かれる場合等は6週間判断できないという場合もあって、その場合は全体会議で審議をするとしております。

 2ページ、保険収載を目指すことを前提としていることから、明らかに疾病または負傷の治療とは言えないものを除き、一定の安全性・有効性が確認されたものについて、患者申出療養の対象とするとしております。

 4医療の実施であります。申し出を受けた臨床研究中核病院または特定機能病院で実施するとしております。ただし、申し出を受けました臨床研究中核病院、特定機能病院以外の患者さんに身近な医療機関であっても協力医療機関となることができるとしておりまして、その場合は、身近な医療機関を協力医療機関として最初から申請することで、身近な医療機関でも受診できるようにするとしております。この協力医療機関といいますのは、臨床研究中核病院などと一緒になりまして、患者申出療養の内容の医療を実施する医療期間のことでありまして、これは医療機関のレベルはさまざまであると位置づけております。

 対象となった医療及び当該医療を受けられる医療機関は、国が速やかにホームページで公開する。

 定期的(少なくとも1年に1回)のほか、必要に応じ、実績等について臨床研究中核病院から国への報告を求めるとしております。

 ここまでが患者申出療養としては初めて実施する場合の取り扱いでございます。

 (2)からは、既に患者申出療養としてスタートしていて、そして、その療養に参加したいという場合の取り扱いでございます。

 1患者からの申し出でございますが、患者は、かかりつけ医等の協力も得ながら、臨床研究中核病院等のほか、患者に身近な医療機関(かかりつけ医等も含む)に申し出を行うとしております。

 患者に身近な医療機関が患者からの申し出に対応できない場合には、対応可能な医療機関に紹介するとしております。

 2患者に身近な医療機関からの申請といたしまして、患者に身近な医療機関が申し出を受けた場合には、患者からの申し出であることを示す書類を添付の上、当該医療を実施している臨床研究中核病院に申請を行うとしております。

 3ページ、3臨床研究中核病院における実施体制の審査であります。臨床研究中核病院は、医療の内容に応じて設定された実施可能な医療機関の考え方を参考に、患者に身近な医療機関における実施体制を個別に審査するとしております。この考え方、※印がついておりますけれども、これは提供されます申出療養の内容によりまして、合併症の発現可能性や難易度は違いますので、それに応じて実施できる医療機関の範囲といいますか、その考え方というものを今後示していく予定でございます。

 臨床研究中核病院は、申請から原則2週間で当該医療の実施の可否を判断する。

 臨床研究中核病院の判断後、速やかに地方厚生局に届出を行う。これは、この医療機関が実施できるようにしましたという届出でございます。

 4ですが、医療の実施に関して、臨床研究中核病院の承認により、協力医療機関を随時追加するわけでございますが、それに関して厚生労働省は、臨床研究中核病院に対し、できるだけそういった協力医療機関を拡大するようお願いをするとしております。

 また、実施計画対象外の患者からの申し出に関しましては、臨床研究中核病院で安全性、倫理性等の検討を行った上で国に申請し、国は患者申出療養(仮称)に関する会議を開催して個別に判断するということにしております。

 ここまでが制度の仕組みでございまして、今、申し上げた内容を図であらわしたものが参考資料1としてついておりますので、御参照いただければと思います。左側が初めて実施する場合。6週間でというところ。右側が既に実施している医療期間で2週間で医療機関追加を判断するという部分でございます。

 また、3ページ戻っていただきまして、今度はどういった医療が対象になるかというイメージでございます。ここに関しまして中医協のほうで議論がございまして、修正といいますか追加になっておりまして、それを踏まえて御説明をいたしますが、まず1つ目、どういった治療が対象になるかということに関しては、先進医療の実施計画の対象外の患者に対する療養。これは例えば先進医療を実施する場合に、年齢を区切って対象患者さんを絞っておったりしております。例えば15歳から70歳というようなやり方をしておりまして、そこから外れる患者さんについてというのが対象外。例えば初期の病気の段階の患者さんに用いるというような計画になっているものについて、末期といいますか、より病気の進んだ段階の患者さんを使いたい。そういうようなものが対象外ということでございますけれども、そういった方が対象になるのではないか。

 (2)ですけれども、先進医療として実施されていない療養。一部の国内未承認・海外承認医薬品等の使用ということで、まだ先進医療として取り組まれていないものであります。

 (3)ですが、現在行われている治験の対象とならない患者に対する治験薬等の使用ということで、現在、治験の枠組み内での柔軟な運用の取り組みも進めていこうということにしておりますが、それでは対応できない患者さんに対するものです。

 それに加えまして、そもそも一番対象が多いのではないかということで議論がございましたのが、先進医療も実施医療機関が幾つか追加されていくわけですけれども、身近な例えば例でありますと東京のほうの医療機関でやっているけれども、関西のほうでやっているところがないという場合に、その地域の医療機関にやってほしいということで申し出るということが一番多い可能性があるのではないかという議論もありまして、既に実施されている先進医療を身近な医療機関で実施することを希望する場合というものが、このイメージの中に位置づけるべきではないかという議論があったところでございます。

 3、具体的な運用として、引き続き検討を要するものといたしましては、ここに書いてありますインフォームド・コンセントの内容でありますとか、臨床研究中核病院などの相談応需体制でありますとか、さまざま個別のものがございますけれども、この内容につきましては引き続き中医協で議論していく予定としております。

 申しおくれましたけれども、今の医療の実施の範囲につきましては、イメージ図として資料の一番最後に右肩に中医協 総−3参考2とつけていますが、患者申出療養の対象となる医療のイメージというものをつけておりまして、この図の見方としましては真ん中にあります現在も対象というものがございますけれども、ここは既にカバーされているのですが、それ以外に外側に先進医療や治験というところを拡大していって、そこを患者申出療養の対象としてはどうかという内容になっております。

 説明は以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 はじめに当審議会で議論をする、中医協でも議論をしているということなので、私なりに整理をさせていただきますと、保険外併用療養というものは既にあるわけですけれども、それの大きな枠組みを例えば法律改正を伴って変えるような場合には、これはデュープロセスの関係から当審議会で議論をするのが適切だろうということです。通知レベルの話で非常に具体的、細かな話について、例えばどの技術を保険外併用に入れるか入れないかとか、その基準をつくる話のようなものは、従来より中医協でやってきたので、個別具体的なところについてはむしろ委員の構成から見ても、中医協のほうが適切だということで、議論は現在も進んでいるということです。

 したがいまして、ここではそれを受けてといいますか、独自の議論で結構なのですけれども、法律改正を伴うということでここでも議論をしているという形になるわけでございます。

 保険外併用療養の仕組みを御存じでないとなかなかかみつきにくい分野かもしれませんが、御自由に御意見をいただければと思います。

○松原委員

 分配の話ではなくて、これは制度の話なので、ここで議論をしなければならないと思うのですが、一番大事なことは、国民皆保険制度の中で安全性、有効性が確立したもの。そして、国民が必要とし、適切な医療というのは、やはり通常の保険で給付して対応すべきだという考え方で制度をつくっていると思っているところでありますが、それでよろしいですね。

 つまり、今回、対象医療機関が定期的に報告するというお話がありましたが、これについては義務と考えてよろしゅうございますか。また、国会の答弁でもありましたように、これで安全性、有効性が確立されるものであれば、本来は保険収載して国民皆さんが保険の中で使っていけることを目標とするというお話がありましたが、それを制度としておつくりになるということですか。

 最後に、安全性、有効性を評価するというのは簡単なことではございません。国民が安全でないものを使うことになると大変なことでありますので、そのあたりの対策、どのような評価をするのかということについて、制度的にどのようにお考えなのかお聞きしたいと思います。

○遠藤部会長

 重要な御視点だと思います。企画官、どうぞ。

○佐々木企画官

 報告の点に関しましてでございますが、資料の2ページ目の中段あたりに、定期的に少なくとも1年に1回、必要に応じ、実績等について報告を求めるということですが、これはどのような進捗状況かという定期的な報告のほかに、国のほうで必要だと判断した場合には報告を求めることとしておりますし、もちろん例えば有害事象に関しましては、発生したら速やかに報告していただくような仕組みというふうな運用になるのではないかと理解しております。

 また、同じページの一番上にも書いてありますが、保険収載を目指すことを前提としているということで、これも閣議決定の内容にそのような文言で入っておりますので、そういった運用であるということでございます。

 また、安全性、有効性に関しましては、当然医療機関が最低限、文献などを用いまして確認した上、申請をしてくるわけでございますけれども、国のほうでも患者申出療養(仮称)に関する会議ということで専門家に集まっていただいて、その内容について妥当かどうか吟味をしていただいた上で、実施を認めるという仕組みを考えているところでございます。

○遠藤部会長

 松原委員、どうでしょう。

○松原委員

 きちんと安全性、有効性を評価して、確立したら国民みんなが使えるような制度にしていただければ、それが一番いいことだと思っております。

○遠藤部会長

 ありがとうございました。

 ほかにございますか。高橋委員、どうぞ。

○高橋委員

 ありがとうございます。

 制度の話と運用の話でしたが、私たちとしては保険外併用療養費、制度そのものについては拡大をするに当たっても、先ほど松原委員もおっしゃられましたが、患者の安全性確保ということが大前提だろうと思っていますし、また、この制度によって低所得者の方が排除されないような、そういったことの仕組みをつくることも留意する必要があるだろうと思います。

 その上で患者申出療養(仮称)について、具体的な運用については今後検討ということで3ページに示されておりますが、幾つか懸念を申し述べておきたいと思います。

 まず1つですけれども、薬害や医療事故が発生した場合など、安全性の確保に関する責任はどうなるのかというのが不明確かなと思いますので、最終責任が患者に負わせることになってはならないだろうと思います。

 2つ目ですけれども、関係医療機関による患者への十分な情報提供が可能なのかというところと、また、患者が安全性や有効性を十分に理解できるように、患者の申し出段階から医療の実施段階まで、医療機関における相談体制の確保がきちんとされるのかどうかということ。

 3点目ですけれども、保険給付外の患者負担がどうなるのか。結果としてそれが実質的に経済力のある患者に限定されることになるのではないかという懸念。

 4つ目ですが、関係医療機関の役割や施設基準はどうなるのかということ。

 5つ目ですけれども、患者申出療養の実施状況や費用、薬事承認の進捗はどのように国民に報告され、実施状況を見て改善、見直しという道筋があるのかどうか。そういったところが非常に懸念としてありますので、今後、丁寧な検討をお願いしたいと考えております。

 以上でございます。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 重要な御指摘をいただいていると思います。中には必ずしもこの制度ということではなくて、保険外併用療養そのものの持っている特徴、低所得者の負担の問題などがあったかと思いますけれども、この制度固有の課題というものもあったかと思いますし、類似の御意見が中医協でも出ていたようなところもありますので、主にこれは運用上の問題として中医協で議論をされるという振り分けですか。企画官、どうぞ。

○佐々木企画官

 今、会長から御指摘をいただきましたとおり、3ページの3のところにありますとおり、引き続き運用面で詰めるべき課題、今、委員に御指摘いただいた内容についても議論が必要ということでございますし、制度が始まってからもフォローアップが必要であるという御指摘もいただいているところでございますので、そういったことも踏まえて運用していくことになると思います。

○遠藤部会長

 その過程においても、当部会においても御報告をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 松原委員、どうぞ。

○松原委員

 法律を変えて行うということですから、やはり当部会できちんと議論しなければいけないと思うのですけれども、先ほど申しましたように安全性、有効性を評価して、国民のために保険収載を目指すという大きなフレームだけは必ず守っていただきたいと思います。

○遠藤部会長

 よろしくお願いいたします。

 菊池委員、どうぞ。

○菊池委員

 患者申出療養(仮称)につきましては、保険収載を目指すことを前提として医療の安全性、有効性の確保が何より重要と考えます。したがって、実施計画に対する国の審査は適切に実施されるべきと考えます。判断が分かれる場合など、その後、全体会議で審議すると考えられておりますが、そういうものが必要と考えます。

 また、患者の受療の機会の公平性の視点から考えますと、臨床研究中核病院、特定機能病院を合わせても100程度であるために、地域によって偏ることがないように協力医療機関の確保なども必要と考えます。

 新しい制度が創設されましたら、国民がこの制度を十分に理解した上で活用できるように、対象となる医療や実施医療機関など十分に情報提供を行うことが大事と考えます。

 臨床研究中核病院や特定機能病院において、患者の申し出に対する窓口はわかりやすい形で示すことが必要であり、患者さんからの相談に丁寧に応じる体制も含めて、体制の整備が不可欠と考えます。

 具体的な運用につきましては、先ほど示されましたように重要なことがこれから議論されるとおっしゃっておられます。インフォームド・コンセントとか有害事象が発生した場合のことなど、いずれもここに示されておりますことは非常に重要なことでありますので、丁寧に議論をしていただき、具体的なことが決まりましたら国のほうで医療機関向けにガイドラインを策定するなど、十分な周知が必要かと考えます。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 企画官、どうぞ。

○佐々木企画官

 御意見ありがとうございました。

 特に実施医療機関に関しまして、今回資料で御指摘のありましたように、臨床研究中核病院に加えて患者さんの申出窓口があります特定機能病院ということで広くとっておるというところと、それから最初、2例目からは当然、身近な医療機関、これはいろいろなところが追加され得るという仕組みになっておりますし、また、前例のないものに関しましても、物によっては最初から参加するというような仕組みになっておるということでございますので、御指摘のような仕組みということで運用してまいりたいと思っております。

○遠藤部会長

 よろしくお願いいたします。

 森委員、どうぞ。

○森委員

 ありがとうございます。

 私も患者申出療養は、安全性、有効性の確認をした上で実施することが重要だと思っています。国は患者申出療養の申請を受けつけてから6週間で判断することになっていて、6週で判断ができない場合には全体会議をとなっていますけれども、ここは期限があるということで、十分な審査ができないようなことがないようにお願いしたいと思っております。

 それから、先ほど有害事象というお話がありましたけれども、2013年4月から医薬品に関しては、医薬品リスク管理計画という新しい安全対策が導入されております。医薬品の安全対策が強化される中、患者申出療養については特にリスク等への対応が重要であり、今後の具体的な運用の中で検討されるのかもしれませんけれども、安全性を確認しつつ実施する体制をぜひお願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 ではお待たせいたしました。岩村部会長代理、お願いします。

○岩村部会長代理

 患者申出療養(仮称)の枠組みというものが非常によく考えられた仕組みになっているなと思っております。ただ、やはり先ほど来、幾つか御意見がありましたけれども、重要なのは保険収載を目指すことを前提としているというところだと思いますので、そういうことを前提とした制度設計、そして制度運用になるように、ぜひそこはお願いをしたいと思います。

 あと、細かい技術的なことなので簡単にお答えいただければいいと思うのですが、1つはこの患者申出療養をやるについては、病院のほうが国に申請をして、国が実施の可否を判断するという形をとっていると理解しましたが、そうしますと、この申出療養の実施について国が関与することになるので、もし副作用その他の問題が出て被害が発生したときの国の責任がどうなるのかということについての問題の整理が必要かなという気もするのですが、その点について御検討されているのかどうかというのが1点でございます。

 もう一点としまして、きょういただいた資料で3ページの上のほうの4医療の実施のところで、実施計画対象外の患者からの申し出というところについては、再度患者申出療養に関する会議というものを開催して、個別に判断するというふうになっているのですが、何か法律家的な感覚からすると実施計画対象外の患者さんからの申し出というのは、結局もとに戻って初めての医療を実施する場合に該当するのではないかという気もするのですが、そこに戻らずに個別判断という構成になっているのはどうしてなのかというのがもう一つでございます。

 もう一つは、2ページのところで、これも細かい問題かもしれませんが、やはり4の医療の実施のところで臨床研究中核病院というのは定期的に報告を求めることになっています。ただ、ここで例えば合併症の例があったとか、副作用があったということについての事実の隠匿であるとか、余りそういうことはないと信じますが、もし万が一、そういったようなことがあったときの臨床研究中核病院に対する制裁その他というのは、何かお考えになっているのかということについて、ちょっとお聞きしたいと思います。

○遠藤部会長

 企画官、お願いします。

○佐々木企画官

 3点、御質問をいただいておりますが、まず1点目でございますけれども、薬害副作用と申しますか、有害事象が発生した場合の対応ということですが、これは現在、先進医療の例を申し上げますと、実施医療機関に対しては患者さんに有害事象が発生した場合の保障できるような保険に加入であるとか、きちんとした医療を提供するということを条件に実施を認めているところでございますので、制度設計については今後、患者申出療養でどうするのかというのは詰めてまいるところでございますけれども、そういった何らかの発生時の対処方法は、きちんと定めてルールを決めておく必要があるという認識でございます。

 また、同じく3ページ目のところの実施計画対象外の患者からの申し出に関してでございますが、これも具体的な運用、今後の議論の部分も残っておりますけれども、現在、念頭にございますのは、実施計画対象外と言った場合に単純に少し年齢が外れるというケースと、そもそも例えば計画が念頭においておる病気の使い方と少し違うというように、少し内容によってばらつきがあるのだろうと思います。ですので、軽微なものであるのか。それともそもそも一から計画を立て直す必要があるようなことなのかも含めて、一度こういった専門家の立場での御議論をいただいた上で、その取り扱いを決める必要があるのではなかろうかということで、一応こういう書き方にしておるということでございます。

 2ページ目の定期的な報告もしくは随時報告でございますが、こちらも大変、特に定期的な報告も重要ではございますけれども、有害事象の報告は重要なことでございますので、現在、先進医療でも実施医療機関に対しても速やかな報告を求めておるところであり、そういったものにおくれがあった場合には、具体的にそういう事例が今まであったということは、私の記憶の範囲ではございませんけれども、例えば先進医療の中止でありますとか、取り消しでありますとか、さまざまなルールといいますか、考え方ということはありますので、それは患者申出療養に関してもそのような何らかの対処というものを運用面として検討していく必要があると思っています。

○遠藤部会長

 松原委員、どうぞ。

○松原委員

 何か起きたときには別の保険に入ってとおっしゃったように聞こえたのですが、ということは国は一切責任をとらないということですか。医療機関が責任をとれと。保険に入っていなかったら医療機関が賠償しろということですか。別の保険に入ってということはそういうことに聞こえるのですが。

○佐々木企画官

 実は患者申出療養の運用に関しましては、今後引き続き中医協で議論するというのが大前提でございまして、今後議論いたしますという御説明では少しわかりにくいかと思いましたので先進医療の例を御紹介したということでございますので、どのように取り扱っていくかということにつきましては、治験とかさまざまな仕組みの取り扱いもありますので、そういったものを参考にしながら今後議論していただく予定でございます。

○松原委員

 国民が申し出たから、それは国民の責任だよとか、引き受けたから医療機関の責任だというお話は、恐らく国民にとって余り幸福なことではないのではないかと思いますので、十分御検討いただけたらと思います。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 岩村部会長代理、よろしいですか。

○岩村部会長代理

 結構です。

○遠藤部会長

 ほかにございますか。

○唐澤局長

 松原先生からも、ほかの方からも責任の所在のお話がありまして、責任の問題はなかなか一概には言えないのですが、ただ、これが法制度上の問題として存在する以上、それぞれの当事者がそれぞれ責任があるはずだと考えております。また、それがどの部分についてどれくらいかということは、なかなか一概に申せませんけれども、全部患者さんだとか、全部医療機関ということではないと考えております。

○松原先生

 十分御検討ください。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 責任の問題は中医協でも議論になったと私は理解しておりますけれども、また今後御検討ください。

 よろしゅうございますか。当部会でもこういうような意見があったということを中医協でも御報告いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、続きまして医療保険制度改革全般についてを議題といたします。10月から医療保険制度改革の各検討項目につきまして御議論いただきましたけれども、全体を通して言い漏らした御意見がございましたらば、本日は御意見として承りたいと思います。

 事務局には81回から84回までの検討項目を題名だけですけれども、一覧にした資料を用意していただいておりますので、適宜御参照いただければと思います。

 いかがでございましょうか。小林委員、どうぞ。

○小林委員

 本日、私どもからは委員提出資料1を提出させていただいております。

 先月8日の財政制度等審議会財政制度分科会において、財務省が私ども協会けんぽの国庫補助率を13%に段階的に引き下げる案を提示しておりますので、国庫補助率や財務省の案に対する私どもの考え方を改めてご説明申し上げたいと思います。

 提出資料1をご覧ください。1ページ目と2ページ目は10月6日の本部会で提出させていただいた資料です。協会けんぽの賃金上昇率は、低成長ケースの2分の1に相当する平成21年財政検証における経済低位の賃金上昇率の2分の1を下回る水準で推移しており、2ページ目にありますとおり、賃金上昇率を低成長の2分の1と仮定した場合も、28年度以降は単年度収支が赤字に転落する見通しであります。

 一方、3ページの財務省の試算では、賃金上昇率が低成長ケースという、協会けんぽの過去の実績からはおよそ考えられない水準にされています。大変恐縮ですが、1ページにお戻りいただきますと、今まで25年度までの実績、左側の一番上の赤い折れ線グラフは平成21年度財政検証における経済低の賃金上昇率。一番下の黒い折れ線グラフは、私ども協会けんぽの賃金上昇率の実績であります。財務省が試算した前提は、この27年度から30年度、右側の一番上の緑の水準の折れ線グラフということであります。これはおよそ協会けんぽの過去の実績からは考えられない水準であるということであります。

 4ページには、私ども協会けんぽの過去の実績を踏まえた賃金上昇率を前提として、国庫補助率を段階的に13%に引き下げた場合の試算を載せておりますが、いずれのケースでも平成27年度からは単年度収支が赤字となり、賃金上昇率を低成長ケースの2分の1とした場合でも、平成30年度には準備金残高がマイナス2,000億円程度になる見込みであります。

 5ページから7ページまでは、財務省の試算に対する問題点を5点挙げております。

 1点目は、財務省の試算は中小・小規模企業の実態に合わない経済前提である。これは先ほどご説明したとおりであります。

 2点目は、国庫補助率13%というのは、他の被用者保険との財政力格差を助長するものであると考えております。

 私ども協会けんぽに対する国庫補助率は、健康保険法本則上、16.4%から20%の範囲で政令で定める率ということであり、財務省が主張する国庫補助率13%は、バブル経済時代の平成4年に特例として例外的に設定されたものということでありまして、リーマンショック前に戻すということはバブル経済に戻すということと同義であると考えております。

 4番目は、協会けんぽの準備金が増加した主な要因は累積赤字を解消するために保険料を大幅に引き上げたことによるものであり、収入の低い中小企業・小規模の事業主、そこで働く従業員に負担の限界である10%まで保険料を支払っていただいた努力の賜物であると考えております。したがいまして、準備金残高を根拠に国庫補助率を引き下げるということは中小・小規模企業への負担の転嫁であり、中小企業や小規模企業の事業主と従業員の保険料負担を国庫が召し上げることに等しいと私どもは考えております。

 最後に、国庫補助率13%の提案というのは、平成25年度の健康保険法等の一部改正する法律案の附帯決議として、政府は中長期的な財政基盤の強化を図るため、国庫補助率について健康保険法本則16.420%を踏まえて検討し、必要な措置を講ずるとされております。今回の財務省の提案というのは、国会の附帯決議を無視するものだと考えております。

 以上、5点が私どもの考え方でありますが、私ども協会けんぽについては、これまで繰り返し申し上げておりますとおり、直近の財政収支というのは若干改善しておりますが、赤字構造は変わっておらず、財政状況は極めて厳しいと考えております。

 また、現在10%となっております平均保険料率についても、これ以上の引き上げは中小・小規模企業の経営、加入者の生活に大きな負担となるものであり、限界であると考えております。協会けんぽへの国庫補助については、これまでの暫定対応の繰り返しではなく、国庫補助率20%引き上げをはじめとした恒久措置をぜひとも実現させるようお願いしたい。改めて重ねてお願いしたいと思います。

 以上です。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 同じく委員提出資料といたしまして、堀憲郎委員から資料が出されておりますので、御説明をお願いしたいと思います。

○堀憲郎委員

 ありがとうございます。

 今回、提出資料3になりますが、資料を提出させていただいた趣旨につきましては、これまでのこの部会におきまして、いわゆる口腔ケアが全身に及ぼす影響についての御意見がありましたし、また、私どももこれから2025年問題等に関連してどういった貢献ができるのかを考える中で大変着目をしている部分でありまして、今回はそういったデータをそろえて資料を提出させていただきたいという趣旨であります。

 中身は、今、申し上げたいわゆる口腔ケア、最近では口腔機能管理と申し上げておりますが、この有用性について3つの病院でほぼ同じ切り口で研究結果が出ておりました。その御紹介と、さらにそういった視点を踏まえて医科歯科連携の中で効果的にそれが機能する中で、それらを実践している全国4地区の事例を示したものでございます。

 まず最初に3つの病院の事例をお示しいたしますが、まず共通して御理解いただきたいことは、これまで口腔ケアという言葉は大変曖昧に使われてきた経緯がございます。それぞれ3つのデータに共通なのですが、例えば口腔ケアあり、なしの群であるとか、今、申し上げているのは5ページ以降のところもそうなのですが、表に2つのグループを比較しておりますが、あるいは管理群、非管理群として比較をしております。口腔ケアがなし、あるいは管理をしていないグループというのは、従来広く行われてきております口腔清拭、いわゆるガーゼ等で口腔内をぬぐうといったことだけが行われているグループを口腔ケアなしの群あるいは非管理の群としておりまして、それに加えて歯科医師の診断のもとで、歯科医師、歯科衛生士等の専門職が口腔機能管理を行った群を管理群あるいは口腔ケアありの群としているということで、そういった御理解の上でごらんいただきたいと思っております。

 1ページからは、千葉大学附属病院におきます約10年間の研究結果でございます。昨年末の中医協におきましても、歯科の専門委員が提出をして御説明をいただいたところでありまして、その資料から在院日数、抗菌剤投与日数、CRP値の変化に絞って抜粋した内容でございます。

 それから、同じ切り口での研究としまして5ページから8ページでございますが、こちらには国保旭中央病院の研究データから特に胃の切除手術における比較をした内容を抜粋でお示ししております。

 9〜12ページは大阪警察病院で同じようなデータでございます。それも抜粋となっております。

 時間の関係で細かいところは御説明を申し上げませんが、こういった研究調査の特性といたしまして、無作為抽出で調査ができるものではありませんので、必ずこうなるという因果関係までは言及できませんが、少なくとも口腔機能管理の充実ということによりまして、術後の早期の回復が期待できるということを示すデータとして注目をいたしております。

 我々も長寿社会におきまして、健康寿命の延伸というテーマに貢献しようという視点からも、生涯にわたる口腔機能管理の充実を提案しているところであります。

 冒頭申し上げましたとおり、こういったことは医科と歯科の連携が緊密に図られる中で効果がもたらすものと理解をしておりまして、そういったことから13ページ以降からは全国4地区の事例を提示しております。いずれも昨年、中医協にお出しした事例でありまして、それから1年経過しましたので新しい数字を加味しまして、アップデートした内容というふうに御理解をいただければと思っております。

13ページでありますが、これは東京都の大田区の取り組みであります。在宅療養中の区民の方へ、区の事業として訪問による口腔検診を行いまして、その事業を起点として区の歯科医師会が窓口となって対応しているものでございます。

14ページは山梨県の塩山市であります。人口3万の市と聞いておりますが、その地区の歯科医師会の7割の会員が参加をして、歯科の併設がない市民病院に対して訪問介入をして、そこで医師、看護師、管理栄養士、STの方とチームを組んで対応をしているという事例になります。

15ページ、こちらは山口県の周南地域の例でございます。こちらは歯科口腔外科が併設されている徳山中央病院との連携でありまして、急性期病院で行われるいわゆる口腔機能管理でございますが、それを脳卒中の連携パスを活用して急性期後の回復期病院、療養型病院、在宅に移行した場合でもシームレスに対応していくということであります。もともと委託事業として立ち上がりましたが、事業終了後も継続して機能しているという事例でございます。

 最後に16ページにありますが、これは岩手県の奥州市の事例であります。こちらは歯科がない急性期病院に市の歯科医師会が窓口となって、これはNSTに歯科が参加をするということで、急性期後もケアマネージャーと連携をとって回復期病院、在宅等にも対応している例でございます。

 いずれもごらんのとおり、地域の歯科医師会が大変重要な役割を果たしているということが認識されますので、今後とも私どももそのような視点で着目をしまして、取り組みの推進に努力をしてまいりたいと思いますが、ぜひ御理解をお願いしたいということであります。ありがとうございました。

○遠藤部会長

 ありがとうございます。

 予定していた時間にほぼなってしまったわけでありますけれども、また全体については当然、今後も議論をするわけですが、どうしても本日おっしゃっておきたいという方はいらっしゃいますか。

 武久委員、どうぞ。

○武久委員

82回目の医療費適正化のところ、特に予防インセンティブの付与というところですけれども、今回のデータを見ても4分の1しか健診を受けていないですね。これは医療費の増大をある程度効率化して抑える点で、どちらかと言うと非常に大きな国家プロジェクトでありますので、全然健診を受けないし、逆に言うと、これまた同じではないのですけれども、選定療養では5,000円を払ってどこでも行く、行きたいところへ行くという状態で、医療費の増大が果たして大丈夫かということになると思うのです。

 健診を無料なのに受けてくれないという人に対しては、選定療養と土俵が違いますけれども、保険料を5,000円たくさんもらうとか、何か考えないとナショナルデータベースに健診を受けていない4分の3の人は出てこないわけです。少なくとも4分の3の人のデータが集まれば非常にいろいろな対策を立てられるし、予防インセンティブ、どちらかと言うと重症化予防インセンティブです。だからそういうことも考えて、何か担当事務局のほうで対策を考えないと、このままずるずるいくと国民の協力を得られないままに医療費がどんどん増大していくことになるのではないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

○遠藤部会長

 健診のインセンティブは一度ここでも議論いたしましたけれども、また御意見を承りました。

 それでは、本日大変恐縮でございますが、時間になりましたのでこのぐらいにさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

 それでは、次回の開催日につきましては、追って事務局より御連絡をしたいと思います。本日は御多忙の折、お集まりいただきましてどうもありがとうございました。


(了)

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