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2014年10月29日 第15回 緩和ケア推進検討会議事録

健康局がん対策・健康増進課

○日時

平成26年10月29日(水)
16:00〜18:00


○場所

厚生労働省 共用第8会議室(19階)


○議題

(1)在宅緩和ケアの質の向上や医療連携の推進について
(2)緩和ケア提供体制の実地調査に関するワーキンググループ報告
(3)その他

○議事

○がん対策推進官 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第15回「緩和ケア推進検討会」を開催いたします。

 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。がん対策・健康増進課の江副でございます。

 まず、今回より新たに構成員に御就任いただきました有澤賢二構成員を御紹介させていただきます。

○有澤構成員 日本薬剤師会の有澤でございます。前任、安部から引き継ぎましたので、どうぞよろしくお願いいたします。

○がん対策推進官 引き続き、本日の構成員の出欠状況につきまして御報告いたします。

 本日は、小川構成員、中川構成員、波多江構成員より御欠席との御連絡を受けております。

 また、本日は参考人といたしまして、聖隷三方原病院の森田達也参考人にお越しいただくこととしておりますが、若干おくれているようでございます。

 それから、同じく参考人としまして、国立がん研究センターがん対策情報センターのがん医療支援研究部長、加藤雅志参考人に御出席いただいております。

○加藤参考人 よろしくお願いいたします。

○がん対策推進官 続きまして、事務局の御紹介をさせていただきます。

 前回の検討会以降、人事異動がございましたので、御報告をいたします。

 まず、新たに厚生労働省健康局長に着任いたしました新村でございます。

○健康局長 新村と申します。よろしくお願いいたします。

○がん対策推進官 続きまして、厚生労働省健康局がん対策・健康増進課長の正林でございますが、若干おくれておりまして失礼いたします。

 続きまして、担当の濱でございます。

○事務局 よろしくお願いします。

○がん対策推進官 同じく担当の益池でございます。

○事務局 よろしくお願いします。

○がん対策推進官 それでは、資料の御確認をさせていただきます。

 座席表、議事次第に続きまして、

 資料1 緩和ケア推進検討会開催要綱

 資料2 緩和ケア推進検討会構成員名簿

 資料3 緩和ケア推進検討会の今後の進め方()

 資料4 在宅医療の充実、在宅医療・介護連携の推進について

 資料5 在宅医療連携拠点事業を中心とした地域緩和ケア

 資料6−1 「緩和ケアプログラムによる地域介入研究」班報告

 資料6−2 今後増加していくがん患者を地域で支えていくための体制構築の方向性

 資料7 「緩和ケア提供体制の実地調査に関するワーキンググループ」における検討経緯

 資料8−1 がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会の開催指針及びQ&A

 資料8−2 緩和ケア研修会開催指針の経過措置()

 資料9 緩和ケアの一言表現について

 資料10 国立がん研究センター中央病院における緩和ケア研修会の取り組み

 資料11 厚生労働省科学研究(細川班)計画と経過報告

 資料12 平成26年度がん医療に携わる看護研修事業報告

となっております。

また、参考資料を別途おつけしております。

 さらに、机上配付資料といたしまして、安倍内閣総理大臣国会答弁の概要をおつけしております。また、川本構成員より御提出いただきました厚生労働省委託事業「がん医療に携わる看護研修事業」により作成された教材をお配りしておりますので、御確認いただければと思います。

資料は以上でございます。不足、落丁等がございましたら、事務局までお申し出いただければと思います。

 それでは、以後の進行を花岡座長にお願いいたします。

○花岡座長 それでは、早速始めたいと思います。本日は非常に盛りだくさんの内容でございますので、よろしくお願い申し上げます。

 まず、事務局より、資料3でございますが、本検討会の今後の進め方についての御説明をお願いいたします。

○がん対策推進官 資料3を御確認ください。

 こちらは前回6月の検討会でもお示しした資料でございますが、この緩和ケア推進検討会の今後の進め方について改めて確認をさせていただきたいと思います。

 まず、今後議論を進めるべき課題としましては、主に2点あると考えております。

1点目が、これまでも検討してまいりました拠点病院内で新たな指針に基づいてがんと診断されたときからの緩和ケアを実現するための施策ということです。

 2点目としまして、本日の議題ともなっております地域において緩和ケアを提供するための施策ということで、大きく2つの課題があると考えております。

 これらの検討を円滑に進めるための実地調査や課題整理等を行うために、これまでと同様に検討会の下にワーキンググループを組織し、活動を進めることとしておりまして、前回6月以降、ワーキンググループを2回ほど開催し、2回ほど実地調査を行っておりますので、後ほどその御報告もしていただく予定としております。

 今後のスケジュールでございますが、今回の任期の2年間の大まかなスケジュールのイメージでございます。大きなイベントとしましては、がん対策推進協議会における基本計画の中間評価を来年の6月に控えております。こちらは、一義的にはがん対策推進協議会で検討していただいているのですが、特に緩和ケア部分について必要に応じてこちらの検討会あるいはワーキンググループのほうでも検討して、必要に応じてインプットを図るということを想定しております。その後、課題を整理しまして、第三期がん対策推進基本計画の検討にもこちらの緩和ケア推進検討会の議論を連動させていければと考えております。

今後の進め方につきましては以上です。

○花岡座長 どうもありがとうございました。

 事務局より今後の進め方についての御説明がございましたが、何か確認等はございますでしょうか。よろしゅうございますか。

 それでは、引き続き本日の議題に入りたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 今回より、地域における緩和ケアを提供するための施策につきましての議論をしてまいりたいと思います。

 まずは、資料4に基づきまして、医政局の地域医療計画課の在宅医療推進室後藤在宅看護専門官より御説明をお願いしたいと思います。

○医政局地域医療計画課 医政局地域医療計画課在宅医療推進室の後藤と申します。本日は、お時間をいただきましてありがとうございます。

 資料4に基づきまして御説明をさせていただきます。

本日の議題が在宅緩和ケア、地域緩和ケアということで、現場では在宅医療と一体的に進められているものと存じますが、在宅医療全般は厚生労働省では医政局のほうで進めているというのがございまして、在宅医療推進についての政策的枠組みについて若干御説明をさせていただきたいと思っております。主に、今般6月に成立いたしました医療介護総合確保法の中でどのように在宅医療、在宅医療・介護連携が位置づけられたかということが中心になるかと思います。

 3枚目です。在宅医療・介護に係る背景ということですが、御承知のとおり、今後、高齢者がますますふえていくという中で、それは同時に多くの方が亡くなる社会を迎えるということでもあります。そうした中で、スライドの左下の図ですが、終末期の療養場所に関する国民の希望ということで、例えば濃いオレンジ色のところ、最後まで在宅で療養したいという方は1割程度となっておりますが、水色、黄緑のところ、在宅で療養して必要になれば医療機関に入院したい等の在宅を基本として最後まで住みなれた場所で過ごしたいという希望が多いのが実情でございます。

在宅での療養希望をかなえる体制といたしましては、在宅医療と介護が一体的に提供されるということが重要だと感じておりますが、4枚目のスライドですけれども、実情といたしましては、左下の図3、定期的な訪問診療を実施している医療機関というのは、病院でいいますと約3割、診療所では2割程度ということになっております。

図4ですが、医療と介護を一体的に提供するに当たってケアマネージャーが課題と感じている点という調査結果ですが、赤丸で囲んでおりますように、医師との連携がとりづらいという課題、介護側から見ると医療側に若干の壁があるような課題が報告されております。

こういった現状を踏まえまして、6枚目のスライドです。医政局では、平成23年から24年にかけまして、医療と介護の連携を推進するための在宅医療連携拠点事業というものを展開してまいりました。介護保険制度におきましては、左下の図に地域包括支援センターというものがありますが、こちらのほうで介護側の拠点的な機能を担っているものがあるかと思うのですけれども、地域における医療の拠点というのはなかなか明確なところがないということがございます。医療側から積極的に介護側に連携を働きかけるという意味で、在宅医療拠点というものを指定いたしまして、全国でモデル事業を行いました。拠点には、コーディネートを行う、例えばケアマネージャーの資格を持つ看護師、医療ソーシャルワーカーを配置して、それらの方にコーディネーターとしての役割を担っていただいております。

7枚目のスライドは、在宅医療拠点となっていただいた実施主体はどういうところかというものです。左上に実施主体とありますが、主には病院、診療所が6割程度、自治体、医師会等の関係団体、訪問看護ステーションなども多かったという状況です。全部で105カ所、47都道府県全てに立ち上がっております。この事業の内容といたしましては、連携といいますのは目に見えないものですので、さまざまな方策があるかとは存じますが、この後御発表いただきますOPTIMなども参考にいたしまして、私どもでは主にこの7つの事業を連携事業として展開いたしました。

1つ目が地域の医療・福祉資源を把握するというもの、2つ目が、地域の方々が顔の見える関係者会議というような形で開催しているところもありますが、とにかくみんなで集まって、その地域の課題を抽出するというようなもの、3つ目に研修の実施とありますが、どうしても在宅医療・介護のプロバイダーというのは小規模になりますので、共同で研修を実施していこうというもの、4つ目には24時間365日医療・介護提供体制の構築に関するもの、5つ目には地域包括支援センターやケアマネが医療に関する相談のできる窓口の設置、6つ目に効率的な情報共有ということで、パスですとか、もちろんICTを使った取り組みというものも進められておりました。7つ目には地域住民への普及啓発というものが入っております。

9枚目をごらんください。これらのモデル事業を通して得られた成果ということですが、それぞれ各拠点ですばらしい取り組みが行われたところではあるのですけれども、四角ポツの最後にございますけれども、やはり地域全体をくまなくフォローしようと思ったときには行政の関与が欠かせないという意見が多くございまして、市町村が中心となって、医療側から他職種も含めて地域全体に働きかけやすい医師会等の協力を得ながら進めていくことが重要ではないかということになりまして、その後、制度化に結びついていったという経緯がございます。こちらが今回の法改正で、実は介護保険法の中に位置づけられております。

11枚目です。これまでの医政局の施策を踏まえて、介護保険法の中で制度化し、全国的に取り組もうというものです。今回、こちらが介護保険制度の中に位置づけられたと申しますのは、今、地域包括ケアシステムの構築ということで、先行的に介護保険制度の中で市町村が中心となって、日常生活区域、いわゆる中学校区域で患者さんを中心に進めていこうということになっておりますので、その中に在宅医療についてものせていくということが自然な形ではないかというものでございます。下の図が介護保険制度の全体像ですが、介護保険制度は給付の部分もありますけれども、下の青い縦線にありますように、事業費の部分もございまして、右のほうに見直し後とありますが、赤字で囲ったところが今回の法改正で新たに追加された事業になりますが、在宅医療・介護連携の推進ということも介護保険法の包括的支援事業の中に位置づけられております。

13枚目です。内容といたしましては、まさにモデル事業で展開してきた7事業を中心といたしまして、介護保険法の施行が平成27年4月からになりますので、順次取り組みを開始し、平成30年4月には全ての市町村で実施を予定しております。

続きまして、介護保険法以外にも在宅医療の推進または連携の強化が打ち出されておりますので、少し御紹介させていただきます。15枚目が今回の法改正の内容の全体像です。非常に細かい資料で恐縮ですが、主な在宅医療に関係するものといたしましては、赤枠で囲みました1の「2医療と介護の連携を強化するため、厚生労働大臣が基本的な方針を策定」ということで、がんの分野でも基本方針というものがございますが、まずは医療計画と介護保険計画の整合性をとることが重要だということで、こういった方針を策定することにしております。もう一つ大きな柱として1のこれらを達成するための財政的な措置ということで「消費税増収分を活用した新たな基金を都道府県に設置」ということになっています。

16枚目は、今御説明した計画の整合性を図るという全体像になりますが、この図の真ん中、青囲みのところが都道府県が策定する計画です。現在、都道府県では、医療計画、介護保険事業支援計画というものを立てておりまして、市町村は、その下にあります介護保険事業計画、市町村が保険者になりますので、こちらが最も中心的ですが、それを受けて都道府県も介護保険事業支援計画を立てています。それぞれについて国で基本計画というものがございまして、さらにそれをブリッジさせる総合確保方針というものが、今回の法律成立の後、つい9月に公布されたところでございます。

17枚目は、医療計画制度についての復習的なことになりますが、医療計画は現在、5年に一度のサイクルで、平成25年から29年、第6次計画ということで動いております。黄色い真ん中の部分にありますように、今回の第6次計画から、在宅医療に関する目標、連携体制というものも記載し、都道府県にその提供体制の充実をお願いしているところです。

18枚目は、今回の法改正で新たに仕組みとして組み入れられたもの、病床機能報告制度と地域医療構想(ビジョン)の策定ということです。地域医療構想(ビジョン)と申しますのは医療計画の一部とお考えいただければと思いますが、より精緻化したものという位置づけになっています。左下のように、現在、医療機関の機能が見えにくいということが言われておりまして、それをその地域で必要なもの、バランスのとれたものにしていくことを目的として、どういったバランスでこれらの機能を構築していったらいいかということをこのビジョンで策定することになっています。

具体的には、右の四角の枠囲いの中の「2.2025年に目指すべき医療提供体制」ということで、医療機能別の必要量、具体的には4機能と言っております高度急性期、急性期、回復期、慢性期、プラス在宅医療についての2025年の必要量を策定することとしております。都道府県がこのビジョンを策定するに当たっては国がガイドラインをつくるということにしておりまして、現在そのガイドラインの検討会が進行中でございます。

続きまして、19枚目がただいま御説明申し上げました計画の全体像になりまして、これらの整合性の準備を進め、平成30年から第7次の医療計画と介護保険事業計画が同時にスタートするという状況です。

20枚目が、もう一つの今回の法改正の柱であります財政支援制度の説明でございます。左下に図がございますが、都道府県に基金をつくりまして、病床の機能分化・連携のために必要な事業、在宅医療・介護サービスの充実に必要な事業、医療従事者の確保・養成のための事業にこれらの基金を使うということになっております。平成26年度は、国、県、合わせて906億円を確保しているところです。介護保険制度で先ほど御説明した連携事業は限定列挙された取り組みになりますので、それ以外の連携事業、在宅医療の推進ということにつきましては、県が計画を立てて、かなり柔軟な形でこれから展開していくことになります。

おめくりいただきまして、追加的な御説明になりますが、今まで法律や計画とか、少し大きなお話になってきたのですけれども、予算事業について1つ御紹介をさせていただきたいと思っています。緩和ケアの中では意思決定支援ということが非常に重要な位置づけにあるかとは思いますけれども、医政局でも終末期医療という観点から、意思決定支援の取り組みというものを進めております。医政局では、最後まで生きることに注目するという意味で、終末期医療という言葉ではなく、人生の最終段階における医療という言葉をなるべく使おうということで進めております。

終末期医療につきましては、下の図のように、これまで、そのあり方というものを国民の意識調査をもとに昭和の時代から5年に一度検討してまいりました。この中で、特にターニングポイントになりますのが、平成18年から19年にかけて策定いたしました「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」というものでございます。こちらの少し前に平成10年代ですけれども、終末期患者に対する人工呼吸器の取り外し事件などの報道がなされまして、一定のルール化が必要ではないかということで策定されたものがこちらのガイドラインです。

23枚目がそのガイドラインのイメージ図です。終末期医療に当たっては、これがいいとか、これがよくないとか、そういったことではなくて、あくまでも患者さんを中心として、患者さんの意思を尊重して従事者と十分な話し合いを行うプロセスが重要であるということを示したガイドラインになっています。

最後のスライドですが、今年度は、このガイドラインの普及だけではなく、ガイドラインに即した意思決定支援というものを具体的に実現する仕組みとしてモデル事業を行っております。全国医療機関10カ所程度を選定いたしまして、そこの看護師あるいはMSWの方に意思決定支援に関する研修を受けていただいて、それぞれの医療機関で人生の最終段階の医療の選択等に関する相談に乗っていただくという事業になっております。これらを含めて、ガイドラインだけではなくて終末期の環境の構築というところにも引き続き努めてまいりたいと思っております。

簡単ですが、在宅室からの説明は以上です。

○花岡座長 どうもありがとうございました。

 時間の関係もありますので、引き続きまして、小笠原構成員より資料5に基づきまして御説明をお願いしたいと思います。

○小笠原委員 構成員の小笠原です。よろしくお願いします。

 資料5の1ページから4ページにまとめましたが、5ページ以降のスライド説明させていただきます。そうすると実際の話が大体わかると思いますので、よろしくお願いします。

 今、説明していただきました在宅医療連携拠点事業ですが、それを中心とした地域緩和ケアの5項目についてお話ししたいと思います。

小笠原内科の在宅患者とスタッフの推移を示していますが、平成元年から訪問看護を取り入れ、平成3年から調剤薬局の薬剤師さんに訪問に行っていただいて、多職種連携をやっています。介護保険ができたおかげでひとり暮らしの看取りもできるようになりました。遠隔診療もやっています。先ほどから話が出ました、いわゆる在宅ホスピス緩和ケアコーディネーターと呼ぶMSWケアマネを持った訪問看護師を想定したトータルヘルスプランナー(THP)の人たちにコーディネーションをしていただくケアシステムだと看取りまで簡単に支えることができるということで、在宅医療連携拠点事業をやってまいりました。

次に、6ページ目をお願いします。平成18年に在宅療養支援診療所という制度ができまして、岐阜県全域に緩和ケアを普及したいということで、緩和ケア病棟のドクターと在宅療養支援診療所のドクターとで在宅ホスピス研究会を立ち上げました。その中で、医療・看護・介護・福祉・保健がある程度わかって、連携・協働・協調プラス介入できるスキルを有するトータルヘルスプランナーを育てることが在宅医療をうまくやるコツかなと思うようになりました。ケアマネジメントのできる訪問看護師だけでなく、MSWの方でもOTさんや薬剤師さんでもそういう能力があればトータルヘルスプランナーになっていただけるかと思っております。

 7ページ目、では介入というのは何だろうということですが、トータルヘルスプランナーの介入で一番大切なことがドクターへの介入だと思っております。患者さんが悪くなったときに使う薬をドクターが処方するのを忘れていると訪問看護師さんが呼ばれた時、看護師さんが困って結局ドクターを呼ばなければならない。夜中の2時とかドクターを呼ぼうと思っても、ドクターは往診したくないものですから、結局は入院というパターンになってしまうわけです。在宅では家が病室ですから、そこにいつも本当に必要な薬を2個とか3個置いておけば、看護師さんは呼ばれますが、ドクターはほとんど呼ばれることがない。そのときにお薬に関しては薬剤師と連携していくと非常にうまくいく。特にモルヒネの持続皮下注などは、ドクターはほとんど知らなくても薬剤師と看護師で大体うまくいってしまう。そうするとドクターはほとんど呼ばれない。私自身も年間60人ぐらい看取りをしていますが、1年間で夜中に呼ばれるのは2〜3件とかで、ここずっと10件はないですね。ドクターがむちゃくちゃ楽になるのがトータルヘルスプランナーのケアシステムかと思っています。

そしてちょうど平成20年のことなのですけれども、20人くらいの開業医で一緒に24時間対応をやりましょう。なるべく3人でチームを組んで、困ったときに拠点となる小笠原内科が教えに行ったり支えたりするという岐阜在宅コミュニティという概念をつくり出して、動き出しました。もちろん、私も支えられる側の一員であります。

 その概念の一番もととなるのは、8ページの教育的在宅緩和ケアです。最初から私が教えようと思ってやったわけではないのですけれども、患者宅が遠く、20km30kmで在宅医療ができないというケースが多いものですから、では私とトータルヘルスプランナーが行って近所のドクターや看護師、薬剤師と一緒にやりましょうと手を取り合いながらやっていくうちに、私のほうがちょっとスキルは上かなと思ったりして、では、教えてあげる、持続皮下注も教えてあげる、独居看取りは簡単だから教えてあげる、そうやって教えてあげてどんどん周りのドクターがレベルアップしているのを実感するというのが教育的在宅緩和ケアです。

 具体例としては、当院から30km離れたところに住む腸閉塞の患者さんで、サンドスタチンの持続皮下注をやっている方です。患者宅から診療所は10km、訪問看護ステーションは15km、薬局は20km離れたところにありました。本人が家に帰りたいと希望していると妻が相談外来で言うので、大丈夫だよと。でも、近くのドクターは持続皮下注をやったことがない。私はできるから先生一緒にやりましょうと言って始めました。

 次は9ページを見てください。山の中ですから、雪も降っているし川から落ちたらどうしようと思ったのですけれども、医師会の副会長先生は人柄がよく、いろいろ教えて欲しいと言われたので一緒にやりました。本人は、歩けなくなったら必ず入院するとしかめ面していました。しかし、在宅緩和ケアを始めたら歩けなくなっても、このままだったら家におれるかもしれないとにこにこ笑い出して、最期まで家で過ごされました。サンドスタチンとか、モルヒネの持続皮下注さえあれば、ひとり暮らしであろうと日中独居であろうと全然問題なく看取りができると思っています。

 次は、35歳の方です。35歳ですから介護保険が使えません。末期がんの患者さんですが、子供のためにも何にも役に立たない、夫のためにも何にも役に立たない、もう死にたい、死にたいと言っていました。私たちが行って、死ななくても大丈夫だよとか言いながら、モルヒネを使ったりすれば幾らでも笑顔で暮らせるのですよというお話をしていました。

この方も家が当院から遠いものですから、近くの若いドクターに教育的在宅緩和ケアをしながら遠隔診療をしました。7月、39度3分の熱が出たときには外来診療中に訪問看護師からテレビ電話があったのでその場は遠隔診療で対応し、午後から往診しようかと言うと「先生のお顔が見られたし、先生がこんな遠いところに来たら疲れてしまうから往診はいいですよ」と。ほとんど我々の往診は必要ないのです。前もって、こういうときにはこういう点滴をやろうという事前約束指示をしているものですから、訪問看護師さんにそれをやってもらうだけです。そのときに初めて処方とか薬を出すとちょっとこれは難しい問題が出てくるものですから、とにかく前もって事前約束指示をしておくということです。その当時は、ガラケーで遠隔診療をやっていたのですが、今はスマートフォンとかiPadを使ってやっています。

コツは、やはり訪問看護師に必ず行っていただいて、アセスメントをしてもらって、患者さんの胸の音を聞いてとか、お腹をさわってと言って、それを我々が見ている。もしくは臨床検査技師が行って腹部エコーをやっているのを我々が遠くから、スマートフォン、iPadで見ていると、約8割の効果があるかなと思っています。

 次。旅立ち5日後の1121日に御主人がお見えになったのですが、笑顔でピースしていらっしゃるのですね。何で笑顔でピースしているかというとちょっとだけお話します。

「先生、妻を褒めてやってください。死にたい死にたいと言っていた妻が、先生に来ていただいて、遠隔診療でも診ていただいて、本当に元気になって、お盆までと覚悟していたのに旅行にも行けました。しかし、10月に黄疸も出てきて、寝たきりになったとき、子供が学校から帰ってきて、『もう二度と学校に行かない、友達とは絶対会わない』とわんわん泣き叫ぶのです。妻は必死の思いでベッド上に座り子供が泣き叫ぶのを1時間くらいじっと聞いていました。そして、最後、子供が泣きやんだとき、妻は一言だけ声を搾り出したのです。『お母さんはね、生まれてきて自分が不幸だと思ったことは一度もないのよ』。35歳で妻は死ぬんです。それでも、子供に対して、不幸でないと言い切ったから、翌日から子供は胸を張って学校に行けたのです。うれしいじゃないですか」と言って、亡くなられた5日後、小笠原内科に来てピースサインされました。在宅緩和ケアというのはいのちの教育ができる、ここが一番すばらしいかなと思っています。

 次は、144mgのモルヒネの持続皮下注をしていた患者さんが、モルヒネの持続皮下注などやったことがないというドクターのところに帰ってきたものですから「48mgをデュロテップパッチの8.4mgに変えて3日間様子を見ていて、それでよかったらまたローテーションしましょう」とも言ったのですが、ドクターが「そんなにたくさん怖い」と。「では12mgずつ微調整で毎回やっていきます」と話をしたら、薬剤師さんが「初回は3日間様子を見ないといけませんよ」と。3日間たてば一番いいけれども「それだったら、年末年始に休みをとれなくなるよ」と言ったら「患者さんのためだから年末年始にも来ます。僕はやはり添付文書のとおりにやりたい」と。結局はそうやってうまくいって、最期は家で看取りをしました。薬剤師さんというのはすごいなと、このとき思いました。

 次は、医師の奥様で乳がんの患者さんなのですけれども、抗がん剤も手術も嫌だと言って15年間かけて育てたらこんなに大きくなってしまい、往診したときにはアルブミン1.8gでした。御主人は「葬式の準備をしないといかんな」「そうですよ、先生」とか言いながら、すぐ亡くなられると思ったら、笑顔になられるのですね。2年間生きてしまったというのはちょっとおかしいのですけれども、元気で笑顔で生きなさって、介護はほとんど入れませんでした。家では、がんの患者さんは本当に笑顔で長生き、ピンピンコロリという感じで亡くなられます。

 次は、一人で死にたいという89歳の肝臓がんの方です。「病院にかかっていてモルヒネなどでお金がなくなったので首をつりたい」と言っていたのですが、我々が行って「年金7万2,466円、家賃3万円、大丈夫、大丈夫、死ぬまで面倒を見るから」さらに「ただ、約束してください。よく寝て体を温めて笑うこと。緩和ケアをやると笑顔で長生き、ピンピンコロリ。だからあなたはこの年金で幾らでも最期まで家で暮らせますよ」と言いました。「ああ、がんで良かった。笑顔で長生き、ピンピンコロリ。良かった。緩和ケアはすばらしい」と喜んで、テレビでも放映したのですけれども、1023日から眠れる森の美女と呼ぶ夜間セデーションをやって、11月1日にモルヒネの持続皮下注をやって、最期は希望死・満足死・納得死をされました。

 次は、退院したら5日の命、入院していれば1カ月の命と言われた患者さんです。家には盲目の息子がいるから家に帰りたい。でも、病院のドクターは「それは無理に決まっている。だめ」。そこで1カ月経った時「先生、もうすぐ死んでしまうのだから帰そうよ。家で死んだら本望ですよ。でも本人が家に帰ってこれは困ったというときは頼むから入院させてください」と頭を下げて「先生、そのときはバックベッドだけよろしくお願いします」と伝え翌日退院してもらいました。退院して多職種連携、一番手前が薬剤師さんですが、いろんな方で支えるよと言い、点滴を2000mlから400mlに減らしました。すると1カ月たったら庭に出て、2カ月たったらこうしてお仕事をやっていらっしゃって、半年たったときには講演会に来て、「私が5日の命と言われた患者です」と言って大喜びして出てきたものですから、私もびっくり、一番びっくりしたのは官僚でしたね。

 次は、おばあちゃんが黄色い本を持っていますね。右側が5日の命と言われたおばあちゃんです。真ん中の女性が妹さんですが、御主人が脳出血で昏睡で四肢麻痺、鼻から管を入れた経管栄養、気管切開して、2時間おきに苦しがってたんの吸引をしていました。もう苦しそうでしようがない。いつ急変するかもわからないと言われたものですから「だったら、退院します」と奥さんが言ったら、病院のドクターは「退院したらすぐ死ぬよ」と言われました。でも、退院してきたのですね。退院して1年間笑顔で暮らしました。奥様が、この黄色い本を読んだからこそ、こうやって家で笑顔で生きられるのだということを知ったということで、香典を持ってきた人にはこんな教科書みたいな本を配らないといかんと言って香典返しで配られたそうです。次がその本ですね。

 次をお願いします。教育的在宅緩和ケアは実践教育ですので、在宅看取り数もふえるし、レベルをあらわす在宅看取り率もふえてきます。教育というのは何だろうと思うといわゆる受動教育と能動教育があるわけです。講義とか、講演も私は年間70回ぐらいやっていますし、読み物を書いたり、AV教材をつくったり、病診連携デスカンファレンスをやっています。この病診連携デスカンファレンスは有効です。グループカンファレンスもやりますし、往診同行もやります。教育的在宅緩和ケアは、確かにマンツーマンでレベルは上がるが、時間はかかるし、大変なのですけれども、これが一番効果があるかなと思っています。

 教育的在宅緩和ケアと言われても情報を知らないといけないものですから、情報共有するためには、スマートフォンで患者さん情報を知りたい、そうするといいなと思いました。でも、私はパソコンを打てない。パソコンを打てない人間がよく厚労科研の遠隔診療の班員をしているね、と言われるのですけれども、うちのTHP+という情報共有システムは、余りパソコンは得意でない看護師さんや事務の人、そういう人で全部イチからつくり上げたものですから、患者さんや家族、ヘルパーさんでも誰でも打てる、簡単なものです。パソコンおたくがつくったものは大概その人がいなくなると潰れてしまうという話を聞いていたものですから、パソコンおたくは入らないようにしてつくりました。最初はVPNでつくったのですが、ちょっとこれは面倒くさいし、お金もかかるから、現在はSSLでやっています。これをやるとうまくいくかなと思っています。

17ページですけれども、遠隔診療利用型在宅医療モデル事業として岐阜県では1億2,000万円いただきまして、岐阜県全域に拠点事業を広げていこう、トータルヘルスプランナーを育てよう、それとモルヒネの持続皮下注をみんながやれるような県にということで、40台、持続皮下注の機器を借りまして、岐阜県中で貸して欲しいという人があればそれを持っていって教えられる、そういうシステムをつくって実践しています。

遠隔診療を利用しながら、トータルヘルスプランナーのケアシステムの中で、いわゆるTHP+で情報共有すると教育的在宅緩和ケアもやりやすくて、簡単にみとりまで支えられるのが現状です。

私が病院にいたころは、なかなか緩和ケアも上手くいかなくて、笑顔の人なんて病院で亡くなる人の1割あるかないかだったと思います。今の病院に聞いてもやはり1割、2割で、なかなか3割はないと皆さんおっしゃいます。ところが、かかりつけ医として患者を診る場合、実際私が携帯電話を持たずにやっていた時もモルヒネを使う人は少なく、4割ぐらいは使わないのですね。入院しているとモルヒネが要るようになってくる人が多いものですから、早目に退院させれば結構かかりつけ医でもできるなと思っています。その理由は、次のがんサバイバーが生活する環境というスライドを見てください。生活とは、活き活きと生きると書くのですね。だから、癒しの空間である自宅であれば当然うまくいくし、仮想癒しの空間とは緩和ケア病棟とか施設ですね。ストレス空間は病院かなと思っています。

 次に、がん診療連携拠点病院への要望は病院のドクターに対して在宅医が講演する、それも院長、看護部長、事務局長がいるところで講演するとものすごく効果がアップします。デスカンファレンスや退院調整がうまくいくようになってきます。名古屋第二赤十字病院や四国がんセンターなんかでは、私の講演を聞いた後に、ドクターに読ませなければいけないといって、黄色い本を買っているようです。開業医が病院のドクターにこの黄色い本を送ると、患者さんを紹介するというのか、依頼されるというので、やはり病院のドクターというのは家で診られるのだということを知らないから、どうしても緩和ケア病棟に送ってしまうとか、もしくは中小病院に送ってしまう、そういうことがあるのかなと思っています。

 今、岐阜で一生懸命やり出している病診連携デスカンファレンスというのは、病院のドクターとナースと退院調整室の人が全員発表して、それから在宅のドクター、ナース、ケアマネ、もしくは薬剤師さんも皆発表することによって、このようにして苦労して、もしくはうまく家では亡くなっているということを実際に知っていただくということです。

 次に、退院調整というのはトータルヘルスプランナーの視点というのが必要になっています。トータルヘルスプランナーの視点というのは、在宅でも病院でも役所でもいろんなところに必要だと思います。要するに、マッチングを上手にやらないとうまくいかない。マッチングをうまくやるためには、がんには在宅看取りの難易度があります。簡単な1から中等度に難しい独居、独居の認知症、どんどん難しくなってきます。

21ページの在宅の看取り数は、いわゆる死亡診断書を書いた数ですから、地域への貢献をあらわすと思いますし、在宅看取り率が、ドクターのレベル、ナースのレベルで変わってきます。

 私自身開業したときは緩和ケアも在宅医療も何も知らなかったのですが、4割ぐらいは、看取れていました。どんどんドクターのスキル、もしくは看護師のスキルがアップしていくに従って、難易度の高い患者さんを看取れるようになってきました。難易度1というのは、本人が希望して家族が希望したらほとんど100%看取れるようになりました。

22ページですけれども、家で生活していた人ががんになったらショックで入院するわけです。落ち込むわけです。落ち込んでしまって、何とかはいずり上がりたいわけです。病院から退院するということは、はいずり上がって喜ぶことなのです。それだけで活き活きと生きられるのです。だから、がんの拠点病院で緩和ケアチームがあれば、実は緩和ケアチームの言うことを病院の主治医が聞けば、そこだけでもうまくいくと思っています。でも、それよりは緩和ケア病棟に移ったほうがいいと思うし、家に帰ったほうがもっといいと思っています。

そのときに、ではどうするか。下のスライドを見ていただければわかると思いますが、病院は緩和ケア病棟に、トコロテンと言うとおかしいのですが、どんどん緩和ケア病棟に送っています。在宅のかかりつけの診療所とか、在宅療養支援診療所は機能強化型ができることによってどんどんレベルアップしていますので、三人寄れば文殊の知恵ではないですけれども、三本の矢は折れないわけですから、PCU(緩和ケア病棟)に入った人も退院させる。在宅で困ったときに、PCUのドクターで在宅で看取れる能力がある人には必ず在宅看取りを支えていただきたい。最終的には我々、緩和ケアの得意な拠点診療所のドクターやTHPのチームがサポートすればいいと思っています。

23ページです。地域緩和ケア拠点診療所の候補としては、私、日本在宅ホスピス協会の会長をしていますけれども、そこにデータベースがあります。それをまとめると、平成21年にはがん患者4,150名に死亡診断書を書いています。25年では9,367名にふえています。どんどんふえています。

 次に、日本の地図で見ると、やはり東京とか大阪、名古屋にたくさん在宅看取りのできるドクターが集中しています。拠点診療所となる候補というのはやはり年間看取り数が40以上あればいいなかと思っています。まだまだ少ないけれども、どんどん5年間の間にふえています。40以上あるのが本当はいいと思っています。

 次に、最後の2つですけれども、在宅死数というのはケアの幅を広げます。そこの中で、モルヒネの持続皮下注がやはり非常に大事になってきます。24以上在宅看取りをしているところは100%、モルヒネの持続皮下注をしています。これからは緩和ケアの拠点診療所で当然ハブというのが県に1つあるといいのかなと思っています。在宅看取り率95%ぐらいのレベルの高い診療所が、独居の看取りも10人ぐらい経験している診療所ですね。ただ、年間40人という数は、地域差によってたくさん看取れるところもあれば、島国へ行ったらそんなにないわけですから、その辺も考えないといけません。地域の拠点診療所というのは、せいぜい在宅看取り率85%ぐらい、独居の看取りも2人、年間20人ぐらいは看取れる。こういうところが教える。教えるということは、社会貢献する意思がある診療所というか、医師がいる診療所、そういうところを拠点診療所として点から面への戦略をしていくのが一番いいのかなと思っております。

 このくらいです。ありがとうございました。

○花岡座長 どうもありがとうございました。

 引き続きまして、緩和ケアプログラムによる地域介入研究、いわゆるOPTIM班につきまして、資料6−1、6−2に基づいて森田参考人及び加藤参考人から御説明をお願いしたいと思います。

○森田参考人 ちょっと時間があれなので、短いほうがよろしいですか。

○花岡座長 時間は少し余裕がありますので、結構でございます。

○森田参考人 そうですか。10分ぐらいで終わると思います。

 私に与えられたのがOPTIM研究の生かし方についてと、現状の問題点と研究結果と今後の反映案みたいなのを考えてくるようにと言われたので、簡単にフローをつくりました。A、B、Cの順番に説明しますので、見ていただければと思います。

 Aの現状の制度上の問題点で()から()まで挙げました。国全体のグランドデザインとがん対策の組んでいるデザインがずっと一致していないような感じがするので、基本的に機能分化と連携だと思うのですが、これまでのがん対策は拠点病院に何でも突っ込むみたいな感じになってきているので、少なくとも国のグランドデザインとがん対策とが一致するようにしたほうがいいのではないかと思います。

 現在のがん拠点病院のほとんどが今後、いわゆる超急性期病院を目指していくとした場合に、回復していく患者さんたちの流れはわかるのですけれども、ぐあいが悪くなっていく患者さんの流れが医政のグランドデザインにも余りはっきりしていないので、普通に読む限りは在宅に誘導というのはわかるのです。ただ、在宅で亡くなる患者さん数が8割とか9割になるとやはり想像できないと思うので、そうすると50%ぐらいはどこかの施設内で亡くなるのだと思うのです。それが拠点病院なのか、それとも、今、急性期を掲げているような100床ぐらいの病院が急性期を掲げられなくなってくるので、緩和ケアに移行していくというふうな話なのか。グランドデザインの中での、今後、緩和ケアというか、終末ケアを担っていくような病院はどこなのかというのは、描かれたものを前提として考えたほうがいいのではないかというのが1つです。

 そういうのはどの国でも話している流れで、そうすると終末期の患者さんを急性期の患者さんとして診ようという流れもあるわけです。ほとんどの方が別に長く療養しているわけではありませんから、2週間ぐらいの入院期間ですから、そうすると終末期の患者さんにDPCコードを与えて、それで急性期患者対応をするというふうな対応もある。いい成果が出るよう、ピラミッドみたいな感じの病院機能分化になってきたときに、緩和ケア対象の患者さんはどこで診るのかというふうなお話を1つしました。

 2つ目は、プライマリーケアとの関係で、がんだけ取り分けて診るのか、それともほかの疾患もあわせて診るのかという視点です。特にコミュニティベースの緩和ケアといった場合は、通常はがんを含めて、ほかの疾患も含めたシステムをどうつくるかという議論になる国がほとんどだと思います。そうした場合に、日本はGP制みたいなものをとっていくのかいかないのか。GP制をとっていくのであれば、その人たちがプライマリーを診るわけですから、それを支えるシステムとしてどうするかという議論をすることになります。恐らくGP制をとっていかないということだと思うのですが、とっていかないのであれば別の方法を考えるというふうに、プライマリーケアをどう成り立たせるかという議論と切り離してはできないだろうというのが2点目の論点です。

 3つ目の論点が看護師さんの機能のお話なのですけれども、大抵の国ではナースに処方権をある程度与えるとか、腹水を抜いた後、外すのをできるようにするとか、そういうことをオーケーにして医師の負担を減らしていると思います。例えば診断書を書くとか、そういうふうな機能も一時あったと思うのですが、最近余り在宅緩和関係にはそういう看護師さんは行かなくなったようなことも聞いているのですが、特定看護師と言われていたものが今後どう展開していくのかも踏まえて、がん対策も考えないといけない。

これが()から()の話です。()はちょっと追加です。

制度上の問題以外で、制度がどうであれ存在する問題は、そこに書いてある「地域のリソースが最大化されない」というのは、例えば同一地域内にこういうことができる人とか得意な人がいてもそこにつながるネットワークとかシステムが余りないので、隣の町で何をやっているかわからないみたいなことが割とあるので、それはどんなシステムでも必要だろうというようなお話をしました。

Bのところの研究の御説明をさせていただくと、OPTIMプロジェクトは地域連携の研究だというふうに捉えられている方が多いと思うのですが、もともとはそうではなくて、2007年に、ここに書いた4個のコンポーネント、医師に対する教育とネットワーキング、専門サービス、市民への啓発ですが、専門サービスというのは地域緩和ケアチームであるとか、地域の中に専門サービスを置くというのも含まれますけれども、専門家がいること、この4本柱の一般的な複合介入、今、普通に緩和ケアを何とかしようと思って制度を変えずにできることを地域に投入していったら実際どうなるのかというのを見ようとしたわけです。見たところが実際の患者さんのアウトカムも改善することがわかった。それが下の2つの図です。

何が一番効いたのだみたいな感じの分析ができて、そうするとネットワーキングのことを言う人が非常に多かったので、地域のリソースを最大化するようなネットワークというのが大事だろうと思います。昨今の学問的議論だと、そういうのはソーシャルキャピタルというふうな位置論に位置づけられているみたいで、地域包括ケアもそうだと思うのですけれども、病院を建てるとか、道路をつくるというのではなくて、人と人との関係を強くすることで地域に眠っている資源が最大化するのだろうというふうな議論があります。

そういう地域のネットワーキングをふやすためには何かしらの地域の拠点が必要で、コーディネーションする機能が必要で、そういうふうな方策が制度化としてはあるだろうと思います。ただ、ソーシャルキャピタル論者に言わせると、そういうきずなとか関係に基づいたネットワーキングというのは制度化すれば機能しなくなるという議論があるらしいので、簡単に言うと、年に何回こういう集まりをしましょうというと、集まってさらっと帰るだけになってしまって、実体を伴わないようになるとも言われています。果たして制度化することでその施策が効果を持つかどうかはわからないと考える人が多いのではないかという視点です。あと、患者を診る機能とコーディネーションする機能が同じとは限らないというのは、地域全体を見ないといけないのであって、地域全体を渡り歩いて、ここが弱そうだからここにはこういうものを入れようとか、ここは弱そうだからという視点が必要なので、患者を診る機能とコーディネーションする機能というのは、ひょっとしたら別のほうがいい地域もあるだろうということがBの1の概要でございます。

OPTIM研究の下の図を見てもらうと、全体に右上がりになっているのはいろんなことが改善しているということなのですが、これは改善しているという捉え方もできるし、逆にこれしか改善しないという捉え方もできます。つまり、OPTIM研究は、研究の性質上、制度を改変することはできませんから、今ある既存の制度の中で最大化するにはどうするかを見た研究なわけです。例えば左上の在宅死亡率を見ると、全国平均7〜8%が11%に上がったという幅は上がり幅としては少ないと考えると、それは何かの根本的な制度改革が必要という解釈をすることはできると思います。そこは解釈の問題になるので、結果のほうからは言いにくいです。これがBの1です。

Bの2については、制度上の問題について扱った研究ではないので、例えば部分的に地域緩和ケアチームの有効性を見たりとか、よく言われるような特化型対一般型の診療所の成績を見たりしていますが、これはそれだけに絞った研究ではないので、OPTIM研究からイコール何だという、こういう制度がいいみたいなことは導けないということを理解していただきたいと思います。

Cの結果の施策への反映案ということですけれども、大ざっぱに分けて、制度を変えていく方向に動くのか、制度がどうあれ、地域の資源を最大化するのかという考え方があります。どんな制度になっても恐らくその地域の資源を最大化するような仕組みは必要だと思います。ただ、これはがん対策の一環としてやるべきものなのか、それとも地域包括ケアの枠組みでやればそれで十分な話で、地域包括ケアの枠組みとがん対策をどうくっつけるかということを考えたほうがいいのか、それはちょっと私にはよくわかりません。例えば右の上にある表は、がん看護に比較的特化していますけれども、ある地域でやっているネットワーキングとの年間計画で、いろんなレベルでのネットワーキングとか、ソーシャルキャピタルの醸成に努めているという感じになります。

2のところの制度設計の話は、私は専門家ではないので、今お話しした感じですけれども、簡単に言うと、機能分化なのか集約なのかというふうな境目があって、両方ともメリット、デメリットがあって、分化させると一般的に質の確保が大変になる。つまり、一人一人の先生方に薄く診てもらおうとすると、その一人一人の質を確保していくための何かの特殊な仕組みが必要になるでしょう。集約させると一般的には量の問題が生じるので、集約しようとする何とかセンターとかはそんなに日本全国各地に本当につくれるのか。患者数から逆算していって、御自宅で診る患者数を見ていって、都道府県で割って、人口別に割っていったときに、そこに必要なリソースを本当に配置できるのかという問題とのバランスで考えていくのだろうと思います。後は、プライマリーケアと看護師の権限のことをはっきりさせておいたほうがいいということです。

3と4はOPTIM絡みの追加なので、この場とは関係ないかもしれません。いろいろつくったマテリアルとかツールとかがあるのですけれども、今、中途半端に終わっていて、またことしのがん対策から何か緩和ケアのパスをつくるようにというのが入ったので、そのツールの問い合わせが来て、ばたばたとしています。どこか継続的に、がんセンター、情報センターでいろんなものを保存しておいてもらって、問い合わせに応じられるようにしておくとか、そういうふうにしておくとだんだんバージョンアップできていいのではないかと思っていることと、いろんな施策が出てきますけれども、何かしら検証する枠組みがあったほうがいいなと思っています。

この右下の図は、イギリスで出てきたモアケアフレームワークというものです。イギリスは最近手痛い失敗を緩和ケアについてはしていて、リバプールケアパスというパスを入れたのです。それは、ある地域で非常によかったから、施策として全土に入れたのです。ただ、全土に入れた後、かえって不適切に使われて患者さんを苦しめているというか、より死期を早めているかもしれないということが患者さん側から出されたり、メディアの方も非常に関心を持って立たれて、独立委員会ができて、結局それはウィズドローしたという経験があります。特定の場所でうまくいったからといって全国各地でうまくいくとは限らないわけなので、全国展開する一歩手前のところで少なくとも患者さんに害がないかを確かめて、それから施策に入れていくとか、入れた後にも何か修正し直すとか、この矢印みたいなフレームワークを置いたほうがいいというようなこともあります。

私からは以上です。地に足がついている話ではなくて済みません。

○花岡座長 どうもありがとうございました。

 では、加藤参考人、よろしくお願いします

○加藤参考人 よろしくお願いします。

 私は、資料6−2で説明していきたいと思います。今、森田先生がお話ししてくださったように、いろんな成果が出てきた中で、OPTIMスタディーの一番大事なのは、地域に今あるリソースをどういうふうに最大限に活用していくことなのかと思っております。そういったものを実際に今後、現場でやれるようなやり方というのですか、こういうふうにしなければだめだとか、そういったものでは全然なくて、最大限に活用するためにはこういうものが必要なのではないかということを考えておりまして、そういったものをこれから説明していきたいと思っています。

 資料の1ページ、2ページ、3ページの上までは先ほどから出ている話と同じ部分なので、省略させていただきます。

3ページの下の「地域でがん患者を支えていくための課題」ということで幾つか書いております。がんというものに特化した、むしろやや偏った表現をしているかもしれないのですけれども、今進められている地域包括ケアは非常に重要な取り組みですが、必ずしもがん患者さんの終末期も十分に包括するという概念ではもしかしたらないのかもしれないので、そういう地域であれば別途考えていく必要があるかもしれないと思っています。もちろん、今の地域でやっているそれぞれの取り組みで十分がん患者さんを見ているところもたくさんあると思いますので、そういったところは新しく考える必要は全然ないと思うのですが、なかなかまだそういうことができていない地域については別途考える必要があるかもしれない。

また、がん患者さんでよく言われていることだと思うのですけれども、患者さん自身治療を望んでいるときはやはりがんを専門的にやっている医療機関に集まってきて、治療自体は集約化が進む方向にあるのかもしれないのですが、ではその方が最後の時間を過ごすときにどういう場所で過ごすのかということを考えれば、やはりもともと生活していた地域に戻っていくということがほとんどだと思います。

そういうふうに考えると、集約化された一部の地域に集まった患者さんがそれぞれの地域に戻っていくときに必ずしも十分な連携ができていないというものが現状の問題としてあるのかもしれません。そういった意味では、がん診療と地域の間で断絶が起きているところもあるかもしれません。一方で、そういったがん診療をしっかりやっているところ、地域が密着しているところもまたあるので、そういったことはそれぞれの地域の特性があるかと思います。

在宅の医療や福祉関係者の中では、がんについて十分な知識がないというふうな指摘も時折ありますし、そういったことなどを踏まえると、地域の特性に応じてがん患者さんが最後の時間を過ごしていく場所というのはそれぞれの地域で考えていく必要があるのかなと思っています。

4ページからは、今、森田先生がお話をしたOPTIMスタディーの少し詳しい内容になっておりますので、ここら辺も省略させていただきますが、5ページの上のほうに具体的な4本柱があります。森田先生も言いましたが、教育ということ、地域への情報提供、地域緩和ケアのコーディネーション、ネットワークの構築という部分がいろんな成果に直結している、いろんな意味で支えている基盤になっていたかと思いますので、ここはやはり今回の研究で重要な介入だったのかなと思います。4つ目に緩和ケアの専門家による診療・ケアの提供ということ、これを4本柱としてOPTIMを行ったということです。

5ページの下は、このようなスケジュールで行っております。

6ページの上は、先ほどの説明の資料の中を拡大したものと同じです。

6ページの下は成果です。アウトカムの成果としては、実際に目指していた自宅での死亡率が増加しているなど、このような結果が得られていますが、どのようなことがあってこのようなアウトカム研究の成果が得られたのかということを質的研究でまとめていったのがプロセス研究のまとめというところです。1つ目のところに書いてありますが、インタビューなどをしていきますとネットワークに価値を見出している方が非常に多くあって、分析を進めていくと患者さんのアウトカムを改善する基盤となっていたのかなと思います。

そういったことを考えると、地域緩和ケアプログラムというのは多職種の方が出会う機会を与えることになっていて、地域内の医療関係者、福祉従事者の皆さんのコミュニケーションや連携を改善していく、進めていくというようなことが大きくあったのかと思っております。

そういったことを踏まえて、今後このOPTIMの成果を具体的にどう活用できるのかを考えたのが7ページです。では、OPTIMの成果を具体的に生かしていくためには、ここにOPTIMize strategyと書いていますが、5つのことをやっていくことが重要なのではないかと思っています。

1が組織をつくるとありますけれども、先ほども申し上げたように、地域全体を見渡すということが重要で、それをやるような人、それをやるような組織というものを明確にする必要があるかと思います。もちろん、既にそういったことをやっている機関があるところはその機関がやっていけばいいでしょうし、残念ながらそういったものがないところに関しては何らかの形で位置づけるということが必要かと思います。

2が専門家へのアクセス、そしてネットワークを可視化して改善していこうということです。

3が教育なのですけれども、緩和ケアに関する知識と技術を伝え合うということです。

4が普及啓発ですけれども、患者さんや患者さんに近い医療従事者に対する情報提供です。

5が具体的に重要なことになると思いますが、連携の課題を解決するような仕組みの構築ということだと思います。

具体的な取り組みの一番重要なところは1の取っかかりの組織をつくるというところなので、ここを少し詳しく説明したいと思います。7ページの下にある「1組織を作る」ということですが、実際に組織をつくっていく上で、その準備として必要なのは、1つ目と2つ目、地域緩和ケアコーディネーターと仮称でつけておりますが、そういった方の配置と事務局機能の設置だと思っております。コーディネーターという言葉がしばしば出てまいりますが、ここで使っているコーディネーターの意味としては、地域のがん医療と緩和ケアに関する施設などの連携を促進しているような活動を行っていく方を想定しております。具体的に患者さんからの相談を直接受けたりというよりは、その地域全体を見渡して、医療機関、福祉関係者など、そういった医療を提供する側、介護を提供する側の方々をつないでいくような動きをしていく方を想定しております。

そういった方が、2番目にありますけれども、実際に何らかの位置づけを持って活動できるように地域の中で事務局というものが置かれて、そこにちゃんと配置されて、公的に活動ができるような仕組みになるといいのかなと思います。この事務局というのが地域の関係者が集まるような場を設定したり、地域の緩和ケアに関する情報を集めたり提供したり、後は、先ほど森田先生も言いましたけれども、共同計画みたいな、地域全体でこういうことをしていこうというようなものをつくっていく、つくったものを周知していったりする、実際に進捗管理などをしていく、そういったものが重要なのかなと思っております。

こういったコーディネーターを配置したらいいのではないかと言いましたが、こういった方々が具体的に何をすればいいのか、全く新しい役割を担う場合もあるかもしれませんので、そういう方々を育てていくようなことも考えていかなければいけませんが、こういったコーディネーターや事務局というものが必要なのかなと思っています。

8ページをごらんになっていただきたいと思います。例えば組織の体制としては、仮にコーディネーターが拠点病院に配置されたならということなのですが、必ずしも拠点病院に配置される必要はなくて、先ほど小笠原先生がお話しくださったような地域の診療所にこういう方がいてもいいかと思いますし、また医師会のほうにいてもいいかと思います。それぞれの地域の状況でいいと思うのですけれども、仮に拠点病院にこういう方がいるのであれば、地域の運営委員会を設置して、そこに地域の関係者が集まり、その方々が中心になって、さまざまなセミナーとか、いろいろ集まる場を設定していく。そこの場には地域の関係者がたくさん集まってきて、顔がわかるような場をつくっていく。そういう役割を担っていく人が何らかの形で地域にいるといいのかなと思っています。

そこから先は、そういう方がいた後に具体的にやっていく活動として書いております。2が専門家へのアクセスをよくしていくということで、ここから先に出てくるのは、実際に現場の方々がグループディスカッションなどで課題を出してきて、それを解決するためにこういうことをすればいいのではないのか、実際にこういうことをやってよかったというものをまとめていったものです。これをすぐにそれぞれの地域でやりなさいとかいう話では全然なくて、よくある問題点、バリアに対して現場の方々がこういう方法で解決できるのではないだろうかということをまとめていったものです。もしかしたらそれぞれの地域でこういう方法でうまく解決できるところもあるかもしれないし、この地域ではこの方法ではだめだということもあるかもしれません。例えば専門家へのアクセスのネットワークを可視化して改善していこうということであれば、解決する方法としては緩和ケアの専門家と地域の関係者が気軽に話せるような場をつくっていこうとか、緩和ケアの専門家へのアクセスを明確に構築していこうとか、そういうことをやっていくと専門家へのネットワーク、アクセスがよくなるのではないかという話がありました。

9ページをごらんいただきたいと思います。緩和ケアに関する知識と技術を伝え合う、教育、研修だと思いますけれども、よくある問題としては、在宅などでの臨床の経験が少なくて自信がないという方も多いかと思います。そういう方々に対してセミナーを開くというのももちろん重要ですし、既存のセミナーを利用するということもいいかもしれません。後は、地域の施設が実際にOJTで学べるような場の設定とか、そういったものも重要かもしれません。そういう意見がまとまっております。

普及啓発に関しては、この成果がいろんなところで活用されているとは思いますけれども、広く薄く啓発活動をするのではなくて、本当に必要となる方々への普及啓発を行っていく、そういう取り組みが重要だということをまとめています。

10ページからは、基盤となる「顔の見える関係の構築」などがありますが、実際に医療従事者などが関係を構築していくことが重要だろうということでまとめております。まず地域の場をつくる問題としては、施設、職種を超えて話し合う場がないということがよく言われている中で、解決策としては、管理者レベルと現場レベルがそれぞれの立場で思ったことを一堂に会して話し合えるようなカンファレンス、現場レベルの方々が一堂に会するような大きいカンファレンス、こういうような2つの場を設けたらいいのではないかということがあったり、5−2の病院と地域との連携が医療の現場で多く問題になっておりますけれども、そういったものを地域の中で、ルールづくりではないですけれども、申し合わせ事項みたいなものをつくって、それぞれの関係者が共有していく、そういったものが重要という意見も出ております。

5−3は地域の中の連携ということで、在宅をやっている関係者の間でのルールづくりとか、ネットワークづくりという話です。

5−4は、いろんな地域の情報をどうやって皆さんで共有しようかということを話していたのですが、なかなか公にする情報というのは難しいので、現場レベルでのネットワークを活用していったらいいのではないかというようなことが出てきています。

今、このような形で説明してまいりましたけれども、一番重要と思っているのは、その地域の今あるリソースをまず誰かがちゃんと把握しようということで動いて、いろんな関係者が一遍に全員の方が集まるような場というのは難しいのかもしれませんが、そういう気持ちを持っている者がしっかりと集まって多くの方を巻き込んでいけるような地域の場をつくっていくということが重要と思っています。

今回の研究をやっていて、かつ私が今、国立がん研究センター中央病院のそういった後方連携部門の責任者をやっていることもあって思うのですが、やはり都市部と地域によって医療事情が本当に違うということをよく感じております。23区は在宅を導入するのに、困らないという言い方は余りよくないのかもしれませんが、医療リソースが大変充実していて、家に帰りたいという方が困るようなことはまずないのです。ただ、その方が最期、お亡くなりになる瞬間をどこで過ごすのかというのは問題になりますが、家に帰ること自体は問題にならないことが多いです。ただ、その一方で、在宅の視点からすると、たくさんのがん専門病院や大学病院などがあって、どういうふうに連携していけばいいのかわからないということがあるので、そういう都市部に対して、がんをしっかりやっている医療機関と地域の医療機関が既に顔と顔がわかる関係をつくっているような場所もありますので、それを一つのシステムにするというよりかは、そういう役割を担う人をどうやって配置するのかということをうまくこのOPTIMの成果を生かしながら考えていただけたらいいのかと思っております。

以上です。

○花岡座長 どうもありがとうございました。

4人の先生方から御説明いただきましたけれども、本日御出席の皆様方から、地域における緩和ケアの推進につきまして何か御意見等はございますでしょうか。いかがでございましょうか。

どうぞ、武藤構成員。

○武藤構成員 

どうもありがとうございました。特に小笠原先生の御発表は、本当に制度も当初なかったときからずっとやってこられたことの大きな成功例を見せていただきまして、ありがとうございました。

 先生がお配りになられた資料の2ページを見ながら、私の雑感をちょっと述べさせていただきたいと思います。

 2番の機能というところで4つの機能を書いていらっしゃって、今、森田先生、加藤先生の御発表にもありましたけれども、こういったものを担うところが地域の中にないといけない、これはまさにおっしゃるとおりです。そこをどこが担うかというのは、地域事情によってかなり異なると思います。もちろん先生のところは先生が担われておられるでしょう。

 その上で、先生が御提唱なさっておられる緩和ケア連携拠点診療所、これは本当に私も大賛成なのです。施設基準のご提唱のところで、高い在宅みとり率があります。先生は95%というすごく高い数値で、ただただ驚くのですけれども、例えば私どもの法人は、居宅が中心ですが、月に約3050人ぐらいの新患を受けております。しかし居宅でのみとりは月に10人ぐらいです。ここでの経験を通じて、がんの方と非がんの方でちょっと状況が異なっていると思うので、緩和ケア連携拠点診療所といったときに、がんの方を中心に考えるのか、非がんも入れて考えるのかで、みとりの割合が異なり得るのではないかと考えます。また、東京でやっていますと、入院したいとか、ホスピスが空いたら行きたいという希望もあります。従ってみとり率は地域事情によって違う可能性があるのではないか正直思っております。

 あと、2の高い在宅みとり数で、経験の豊富さと社会貢献、これはまさにおっしゃるとおりだと思います。

独居のみとりに関しても、先生は独居のみとりのことでいろいろ御提言されていて、私ども学んでおるのですが、これもまたかなり地域事情があろうかと思います。社会資源の豊富さも影響するので、具体的な数値に落とし込むときには幾つかの検討が必要ではないだろうかと思います。森田先生がおっしゃったように、一つの地域で非常に成功したものを全国に広めるときには多少慎重な考えも必要なのではないでしょうか。

 最後に、2の1)の「4付帯」のロのところで、都道府県に1つあるとよいということで、多分場所によっては複数あったほうがいいところもあるでしょうし、地域によってはこういったものがまだまだでき得ない、もしくは病院がその機能をしっかり担っているような場所もあるとは思うので、最低1個は必要ですが、こういったものも恐らくかなり地域事情を反映して検討していくべきものだと考えています。

以上です。

○花岡座長 どうもありがとうございます。

小笠原先生、何かございますか。

○小笠原構成員 小笠原内科も非がん患者のほうが多く訪問していますががんの患者さんの方が看取り数は多いです。今月は10月時点でがん看取り数は40名、非がんは15名です。がんの在宅看取り率は95%以上ですが、非がんは80%くらいです。ずっと見ているとがんの看取りは簡単で看取り率は高くなります。非がんは経過が長いものですから、その間に骨折して入院して、帰ってこないとかありますので看取り率は低くなります。ただ、がんも非がんもやっている中で25年間を振り返るとレベルが上がってくるとがんの看取りは簡単になってくる時期があり、7割のときと8割のときと9割のときは、スキル・考え方によってスゥーと変わってくるものです。それと自分たちのキャパシティーを超えてたくさんの患者さんを受け入れると当然のことながら看取り率は下がってきます。数をたくさんやりたいと思う診療所は看取り率が7割、8割とか低くなるということがありますけれども、現実問題は、東京や千葉、栃木、福島、宮城、でもいろんなところでも95%を超えるところもあります。トータルヘルスプランナーみたいな看護師さんを主体にやっているところは結構うまくいっているかなと思っています。トータルヘルスプランナーのケアシステムを、訪問看護師主導で、看護師さんと我々が連携をとりながらやっていくとかなりアップすると思っています。

 もう一つ、独居については、患者さんの9割以上は一人で死にたいなんて思う人はいないのです。ただ、適切な在宅緩和ケアをやっていて結果的に家で亡くなっているというものですから、東京で大金持ちで聖路加に入りたいと最初から思っている人は無理かなと思っています。しかし、当院でも当初はPCUに入院予約をしている人が多いですが、適切な在宅緩和ケアを提供すると独居でもほぼ全例看取っています。独居の看取り率は別に低くても構わないと思います。大勢やっていれば、ひとり暮らしの方は結構多いものですから、武藤先生のところもそれだけ多ければ、2例看取るとスキルアップして後が、簡単ですよ。そういうふうにやっていっていただければいいと思っています。

 あと、ハブとなるところはなぜ1つにしたかというと、がんセンターは各県に1つと国の方針になっているものですから、それに見倣って1つくらいあるといいのかなと思っただけで、東京ならもっとたくさんあっても全然問題ないと思っています。がん診療連携拠点病院は岐阜県にも6つありますが、がんセンターと名のつくのは1個ということになっていたものですから、厚労省の人にその話をざっくばらんにしたときに、今のところは病院が1つだから診療所も1つのほうがいいのかなと思ったぐらいです。病院と診療所は違うものですから、たまたま私のアイデアで出しただけですので、看取り率もこれから検討に当然入っていただくたたき台にしていただければいいかと思っています。

○花岡座長 どうもありがとうございます。

 ほかには何かございますか。

 松島構成員、どうぞ。

○松島構成員 せっかくお出でいただいておりますので、森田先生にお伺いしたいのですが、OPTIM研究のことについて、OPTIMの中でも4つの地域に分かれていますね。そうすると地域によって差があると思いますが、先生の研究の中でアウトカムにこの4つの地域で差はなかったのか、あるいは地域間でうまく連携ができないところとできたところ、何かそういう特色はなかったのでしょうか。

○森田参考人 当初の見込みよりは差は少なかったというのが結論ですね。地域別の解析もしていて、リソースディペンダントなアウトカムは地域による差があります。リソースディペンダントなというのは、例えば自宅死亡数というのは患者当たりの診療所数に左右されることがわかっているので、リソースディペンダントは差があります。ただ、患者さんの痛みやQOL、リソースに余りディペンダントしないのは地域差が思ったより少なかったというのが1つありました。

 プロセス面での地域差が顕著だと思ったのは、体制とするとこういうネットワークのことを皆さんおっしゃったのですが、首都圏の地域は、ここは自分たちの地元ではない、例えば今はやっているけれども、別にその地域にそんなに愛着を持っているわけでもないのでという研究地域が1地域あって、そこでのソーシャルキャピタルの形成度合いは非常に弱かったです。もともと生まれ育ったところでずっとやられている方が中心となられてきた地域の社会関係資本度というのは非常に高かったという点からいうと、大都市近郊でのソーシャルキャピタルの難しさというのはあると思いますが、逆に都市部はあるので、それはそれでいいのではないかという議論も多分あるのだと思います。

○花岡座長 よろしゅうございますか。

 どうぞ。

○松島構成員 コーディネーターの役割というのは加藤参考人が言われたことですが、かなりの負担が、その人にかかってくるのではないかと思われますが、それは実際どうなのでしょうか。

○花岡座長 加藤参考人、どうぞ。

○加藤参考人 おっしゃるとおりだと思います。今回の研究で言われていたのは、もともとその地域に詳しい方がその役割を担うと、例えば訪問看護師をもともとやっていた方とか、そういった方がやると非常にうまくいく。もともとそのネットワークのハブ的な役割を担ったりしますので、そういう方がいろんな調整をすると、あの人がいれば、あの人が言うのだったらみたいなのが正直あって、そういうような方がもともといるところはこういうコーディネーターを置きやすいですが、そういう方がいない、これからゼロから育てようというところになると、本当におっしゃるとおり、難しい。役割の期待も大きいですし、先ほどから出てきているいろんなコーディネート、現場のこともわかっているし、全体のこともわかっているしということなので、そういった意味で、育成、教育、そういったものはやはり重要なのかと思います。

○花岡座長 よろしゅうございますか。どうもありがとうございます。

 ほかにはいかがでしょうか。

 道永先生、こういう検討というのは、医師会のほうでも地域の緩和ケア推進拠点は話題になるようなことがございますでしょうか。

○道永構成員 特に緩和ケアだけではないですけれども、今、地域包括ケアというのが非常に話題になっていますし、地域のビジョンを今度つくるのにも、いわゆる多職種、全部が絡んで、まさに地域包括ケア、さっき加藤先生のお話だと少しさま変わりというか、違うのではないかというお話ですけれども、基本的には地域包括ケアというネットワークが根本になると思います。そう思っています。そのお話はもちろん出ています。

○花岡座長 どうもありがとうございます。

 ほかにはよろしゅうございますか。

 林先生、どうぞ。

○林構成員 地域包括ケアは割と今、合い言葉みたいな、どこに行っても聞く言葉なのですけれども、そのプレーヤーが誰であるかはよくわからないところもあります。我々の検討会は緩和ケアを普及するに当たって、緩和ケアだけで地域包括ケアに組み込んでいくのか、がんというくくりでいくのか、あるいは地域の医療体制としてのくくりでいくのかというところが不明瞭だと進むときに効率が悪くなったり、対応が難しくなったりすると思います。その辺を検討会としてはっきりすっきりさせておいたほうがいいようにも思います。

○花岡座長 非常にいい御意見でございます。ありがとうございます。

 小笠原先生、何かございますか。

○小笠原構成員 地域包括ケアはうちも今やっているのですが、確かに先生おっしゃったように、あれはがん以外というか、長く支える必要がある非がんですね。あれがぴったりくる概念なんです。がんは急激に増悪したり、苦痛が激しいのでそこの中にモルヒネの使い方とか持続皮下注とか、麻薬なんかのコントロール、医師や看護師と薬剤師がエネルギーを入れて協働しなければならない。地域包括ケアの中のがんは実はちょっとそこへプラスアルファが要ります。だから、がんの看取りができれば地域包括ケアのほとんどがカバーできると思っています。今の地域包括ケアだけを一生懸命やっても、がんの看取りのレベルはそんなに上がらない。がんは緩和ケアのスキルがやはり要るものですから。地域包括ケアは日本医師会を中心に全国でやっていただけるようになっていくと思いますが、がんはちょっと緩和ケアのスキルを持ちながらやっていかないと実はそんなに看取りが上がってこないかと思っています。別枠に本当は考えないといけないのだけれども、ネットワークの根本は地域包括ケアでいいと思っています。

○花岡座長 ありがとうございます。

 川本構成員、どうぞ。

○川本構成員 地域包括ケアの担い手は看護職が中心であるということを皆様から、たくさんご発言いただきました。今、訪問看護の利用者数が1日に約30万人ありますが、実際に訪問看護に従事している看護職が3万人ということです。国の試算では2025年には1日50万人にふえるため、あと2万人不足します。ぜひ訪問看護師をふやしていくような政策をお願いしたいと思っております。

 先ほど小笠原先生のほうからもお話がありましたように、がんに関しましては、がん看護専門看護師と緩和ケアなどの認定看護師の方が重要な役割を持ってくると思います。その方の多くが今、病院に勤務しております。今、がん看護専門看護師、緩和ケア認定看護師、がん化学療法看護認定看護師、がん性疼痛看護認定看護師、乳がん看護認定看護師、がん放射線療法看護認定看護師がそれぞれおりますけれども、がん関連領域の認定看護師のうち訪問看護ステーションに勤務しているのは1%です。実際に合わせますと、先ほど言いましたがん看護専門看護師が327人、がん関連領域の認定看護師が2,717人います。このうち訪問看護ステーションに勤務している方は合わせて41名、そのぐらいの状況でしかおりませんので、その方たちがどういうふうに地域に出ていくかということが大きなかなめになってくるかと思っております。このたび、診療報酬でがん看護専門看護師などの専門性の高い看護師が訪問看護師の方たちが同日訪問できる枠組みをつくっていただいたのですが、この仕組みの周知が不十分です。専門性の高い看護師を地域で利用できるような形で進めていっていただけたら非常にありがたいなと思っております。

 以上でございます。

○花岡座長 どうもありがとうございます。

 小松構成員、どうぞ。

○小松構成員 本日は、小笠原先生、森田先生、加藤先生のお話を聞きながら、看護師として、またさらなる役割拡大をしていく部分がたくさんあるということがわかりました。

まず、森田先生、加藤先生にお聞きしたいのですが、OPTIMの研究のプロセスの中で、ソーシャルキャピタルとして地域のリソースを患者さん、家族にとって有効に機能するように使っていくということが非常に大きなかなめであるということがわかりました。この部分というのは、今おっしゃったように、訪問看護師やがん看護専門看護師等々が担っていくべきところでしょうが、ソーシャルキャピタルを機能するようにするというのは、加藤先生の8ページのところにあるようなさまざまな組織の中で大きく動かしていくということも含めて行っていかなければならないわけであり、先生方の研究の中でどういう力がコーディネーターをやる者にとっては重要であるかといったことをお聞かせいただいて、今後、看護の中でそのことを強化していかなければいけないと思っていますので、今わかる範囲で結構ですので、お聞きできればと思います。

○花岡座長 森田先生、加藤先生、どっちか。

 どうぞ。

○森田参考人 さっき加藤先生がちょっとおっしゃったことに近いのですけれども、やはりソーシャルキャピタルの概念はネットワークと、互恵、信頼なのですよ。その地域に割と長くいらっしゃって相互に信頼感があって、こいつは俺にとって悪いことはしないなと思われる感覚が相互にあるような人であるということがまず前提に立っているので、多分、先生がおっしゃっているがん専門看護師とか緩和認定の人がどういう役割をとなったときには、むしろ地域連携系は例えば地域包括システムに乗っかっていってもそれでいいのではないかと思います。さっき小笠原先生がおっしゃったみたいな、ちょっと外で足すスペシフィックなスキル的なところががんにありますね。そこのところにむしろ役割を求められていったほうが地域からも割と求められやすいし、受け入れやすいのではないか。

 また、がん専門の方、緩和認定の方が地域全体のコーディネーションをしろというふうなのはかなり今までと違うスキルを求められますね。それはどちらかというと既存の枠組みのネットワークでやっていって、プラス麻薬関係であるとか、心のケアであるとか、死亡直前のケアのスペシフィックなところを求められるというふうにしたほうがいいような地域が1地域ありましたね。例えばがんセンターの入っている地域だと、その施設に地域が求めていたことのモストはがんに対するアップツーデートのスキルとか知識の提供でした。そういうスタイルもあるのではないか。今いるがん専門、緩和認定の方がこれを全部やるようにトレーニングしていくという話になると何かえらいことになるなと思いました。

○花岡座長 加藤参考人、どうぞ。

○加藤参考人 今、話があったように、実際にコーディネーター的な役割を担っていた方の大きい役割は、例えば施設に行ったときに、ここではこれが足りないなというのを見つけ出して、ほかでこういうことをやっていますよとか、ほかの地域ではこういう工夫をやっていますよという、足りない部分、もう少しこういうふうに改善したほうがいいのではないのかというものを見つけ出して、そこをしっかりと教えるような、そういうことが重要な役割なのかなと思います。

 狭いところに入っていくのではなくて、起きていることを俯瞰的に見ながら、ここの問題を解決するためには何をプラスアルファ、加えていけばいいのかとか、この地域全体で足りないものは何か、でもほかの地域の状況を見てみるとこういう工夫をしているということを学んできて、それを持ってくるとか、地域の全体も見れば、全国的な視点で見ていろんな工夫を取り入れたり、現場だけにどっぷり入らない、そういう視点が重要になってくるというところなので、またこれではトレーニングでどういうふうにするのかというのも難しいので、いろんないい事例とかを共有して、こういうものがあるというのを何らかの形でコーディネーターを担う方には提供していくということだと思います。

 後は、御用聞き的な要素もどうしても大きくなってくるので、信頼関係をうまく築きながら、相手のニーズを引き出して、それに応えていくような基本的なスキルなどももちろん前提として必要だと思います。

○花岡座長 どうもありがとうございました。

 ただいま出ましたいろんな御意見は事務局とともに整理いたしまして、今後の参考にさせていただきたいと思います。

 お時間の関係がございますので、それでは、(2)の報告事項に移りたいと思います。

 まず、資料7に基づきまして「緩和ケア提供体制の実地調査に関するワーキンググループにおける検討結果」につきまして、さらにワーキンググループで検討されました資料8−1「がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会開催指針の見直し」、資料8−2「緩和ケア研修会開催指針の経過措置(案)」、資料9「緩和ケアの一言表現」につきまして、これも案でございますが、池永構成員より御報告をお願いしたいと思います。

○池永構成員 ワーキンググループの座長をしております池永でございます。

 この検討会の間に行われたワーキンググループの内容について御報告申し上げます。

 一つは、会議といたしまして、12回、13回の会議をしております。このワーキンググループは、各拠点病院の緩和ケア提供体制における現状と課題を調査するということで、実地調査を含め、それについて今後必要な施策等を提案するという機能を持っております。

その中におきまして、2回の実地調査を行っております。徳山中央病院と神奈川県立がんセンター、特に神奈川県立がんセンターのほうでは緩和ケアセンターの先駆的な取り組みをしているということで調査しております。

 また、検討会議の中においては、今後の拠点病院の指定要件をどのように施設に啓発していくのか、徹底していくのかということ、またPDCAサイクルの持ち方等についても検討を行っております。

 なお、このワーキンググループの実地調査はまた引き続き行ってまいりますので、さまざまな提案がありましたら検討会のほうに上げたいと考えております。

 検討経緯については以上のとおりでございます。

 引き続きまして、資料8−1でございますが、こちらは新しい拠点病院の新指針に基づいて新しい形での緩和ケア研修会というものの開催指針の見直しを行っております。この開催指針におきましては、緩和医療学会の研修会の担当者の意見もお伺いしながらワーキンググループで検討し、提案しております。このような開催指針でどうかということで御報告させていただいております。

 深く細かい内容まで申し上げる時間はございませんが、例えば当該施設の病院長など幹部も緩和ケア研修を受けていただくということを内容として挙げております。また、診断時からの緩和ケアに関連したコミュニケーションスキルを身につけていただくことであったり、特にがん疼痛の除去を徹底するために、そのような研修内容をふやして、新指針に基づいた、特に診断時からの緩和ケアという内容を徹底するための内容へと変更しております。詳しくはまた資料を読んでいただくということでよろしくお願いいたします。

 資料8−2でありますが、来年度は、旧指針、新指針混在という形で行ってまいります。2年後の平成28年4月からは新指針による緩和ケア研修を行っていくという計画でございます。新指針に関しては、緩和医療学会とも協力しながら新しい新指針を指導者に伝えていく伝達講習等も今年度内に計画しているということを申し加えたいと思います。

 資料9でございますが、緩和ケアの一言表現ということで、ワーキンググループで議論しております。昨年度、日本緩和医療学会においては関連団体と協議し、市民に向けた緩和ケアの説明文を作成しております。これまで緩和ケアを説明するためにはWHOの定義が一般的に使われておりましたが、それは専門用語も含まれていて一般の方々にわかりにくいということがございました。そのようなことから、緩和医療学会では独自にこのような説明文を作成いたしましたが、ワーキンググループの中におきましては、より短い言葉で伝えることができるようにということで議論を重ね、このような一言表現を作成しております。具体的には「緩和ケアとは病気に伴う心と体の痛みを和らげること」ということで、ワーキンググループの中で合意を得て公表しているということであります。

 このような活動を検討会の間には行っております。また、各施設における現状と課題については追って検討会のほうで御報告させていただこうと思っております。

 以上、報告をさせていただきました。

○花岡座長 池永構成員、どうもありがとうございました。

 案という形になっていますが、経過措置の案でございまして、これもこちらのほうで認めていただければ助かるわけでございますけれども、一応この形でということで研修会開催指針の経過措置、よろしゅうございますでしょうか。特に問題はございませんでしょうか。

 また、一言表現につきましては、ワーキンググループでこのような提示がございますので、この検討会でも認めていただければと思います。

 小笠原先生、どうぞ。

○小笠原構成員 前回も言ったのですが「緩和ケアとは病気に伴う心と体の痛みを和らげること」というのは、緩和なのですね。多分御存じだと思いますが、ケアというのは、行為をすることによって本人が生きる希望が出てきたり、生きる力がみなぎってくることですから、「緩和ケアとは苦痛を和らげ生きる希望が湧くこと」、とにかく緩和とケアの両方を盛り込んでほしいと思います。というのは「心と体の痛みを和らげる」だけだったら、ああ、そうかで終わるし、緩和ケアは延命効果があると思っていますが、エンパワメントが高まって生きる力がみなぎってくるからこそ、そこまでやらないと緩和ケアではないと私は思っています。

 皆さんが、病気に伴う心と体の痛みを和らげることが緩和なのだから、それだけでいいよとおっしゃれば、しようがないのですが、やはり緩和とケア、ケアの本質を入れてほしい。これは看護師さんが一番願っていることではないかと思っていますが、どうなのでしょうね。エンパワメントを高める、生きる希望が出て、生きる力がみなぎってくる、そこがケア、だからこそすばらしいと思ってはいますが、いかがですか。

○花岡座長 池永構成員、どうぞ。

○池永構成員 小笠原構成員、ありがとうございます。そのとおりだと思います。

 ただ、今回は、これまでの緩和ケアという言葉が治療できない末期の患者さんに対してのものという誤解を和らげるために短い言葉でまずは普及しないといけないという点から、このような内容になっております。もちろんエンパワメント、前向きに生きていく、力を受けるとか、緩和医療学会の説明文では、より豊かな人生を送ることができるようにということが書かれておりますが、長くなりますといろんな場所で使いにくいというニーズもございましたので、ある意味、緩和ケアに関しての誤解を解くということをまず目指し、また先生からの御意見を頂戴した上で、ワーキンググループの中でもそのようなことを生かせるようなものができるようには考えていきたいと思います。

○小笠原構成員 済みませんが、よろしくお願いします。

○花岡座長 よろしゅうございますか。

 前川構成員、どうぞ。

○前川構成員 前川です。

 今、小笠原先生がおっしゃったとおりなのですが、患者とか市民は緩和ケアというのがまだわかっていないので、緩和ケアとは何と言われたときに、私もすぐに一言で説明できなかったりします。まずはこの一言の表現で、ここから入っていったらいいのではないかと思います。

○小笠原構成員 ありがとうございます。うちは在宅で普通のがん患者さんは99%ぐらい看取り、独居でも95%以上看取っている最大の理由は、緩和ケアをすると笑顔で長生き、ピンピンコロリだよということを患者・家族に伝えるからです。むちゃくちゃ喜ばれるのです。今、がんになる前から緩和ケアということになっていますから、緩和ケアとは、先ほど前向きに生きるという言葉を出されましたので、その表現を使うなら、「苦痛を和らげ、前向きに生きられる」、これなら緩和ケアでいいかと思います。

要するに、生きるのが前向きになったらエンパワメント、それがないとケアではないと私はずっと思っているし、だからこそ笑顔になるわけです。笑顔にならないのは緩和ケアではないと思っています。生きられるから笑顔なのです。死ぬから笑顔ではないのです。がんになってもまだ私は生きているのだという喜びがあるからこそ、それはケアを受けるからです。苦痛を和らげることと前向きに生きるとか、笑顔になるとか、長生きするとか、そういうことがないと、患者さんはそれを言わないと実は喜んでくれないのです。こんな幸せなことはないと、結構長生きもする。7割は普通に亡くなって、3割ぐらいが長生きしていると思っていますが、患者さんを喜ばせる最大のコツは「長生き」、「希望」もしくは「前向きに生きられる」ということです。そうすると「緩和ケア、いいですね」になります。私は26年間在宅医療をやっていて、それを使い出したのはここ5年ぐらいです。生きられるのだからと、それを使うと患者さんは「緩和ケアはいいね」という言葉になるのです。緩和ケアをやらないような病院だったら前向きに生きられないのだから、そんなところはだめにしましょう、そういう論理まで行ってしまうわけだから、病院のドクターもナースも緩和ケアを一生懸命やってくださるのかなと思っています。

○花岡座長 どうもありがとうございます。

池永先生、その辺のところを少しまた議論いただけますでしょうか。

○池永構成員 話し合ってみたいと思いますが、なかなか笑顔になれない、前向きになれない人に対しても援助していかないといけないので、その辺、ワーキンググループで議論させていただきます。

○花岡座長 では、お願いいたします。標語みたいな感じだと思いますね。

○がん対策推進官 1点よろしいですか。

○花岡座長 どうぞ。

○がん対策推進官 事務局のほうから背景を御説明しますけれども、この点について定義を統一するとなると、本当に今おっしゃったようなことも含めて、さまざまな観点があって難しいということで、学会でもかなり苦労してつくっていただいても、やはりある程度の分量になるということで、場面に応じて使えるような短い表現ができないかということでもって一つの例としてワーキンググループではこういうことを合意したということです。

 今後、緩和ケアというのはこれを使っていくべきであるという性格のものではないので、用途に応じてもっと詳しく説明が必要なときには学会の定義ももちろん活用できるでしょうし、またそれ以外の定義もあると思いますので、一つの例として、わかりやすい短い言葉でこういうことがワーキンググループのほうでは考えられたという位置づけになっております。

○花岡座長 そうするとこれはもうオープンにしてよろしゅうございますか。それとももう一回戻して、今、小笠原先生がおっしゃったようなことを少し入れて、標語として持っていく。生活ということでおっしゃった「活き活き生きる」、そういうところの表現を少し入れたほうがいいということであれば、またそこも一つ議論の対象になると思います。

○がん対策推進官 検討はさせていただきたいと思います。現時点ではこのような表現になっているということであります。

○花岡座長 そうすると、この表現で一応オープンにするわけですね。

○がん対策推進官 そうです。別に検討会で了解というようなことにはならないのですけれども、ワーキンググループではこのようなことに現状はなっているという位置づけになります。

○花岡座長 小笠原先生、そういう位置づけであればよろしゅうございますか。

○小笠原構成員 短くということであれば「緩和ケアとは心と体の痛みを和らげること」よりも「緩和ケアとは苦痛を和らげること」が一番短いですね。これは緩和ケアでがんの場合ですが、在宅医療も含めて、全ての病気は緩和ケアなのです。どうしても老衰から認知症から心臓病から何もかも全部入ってくるもので、病気に伴わなくても、それで死を迎えたり、苦しくなったり、誤嚥性肺炎を起こしたりするものですから、病気と病気以外も実はあるわけだから、WHOもそうだと思いますが、短いのだったら「緩和ケアとは苦痛を和らげること」だけなのです。そこから「活き活き生きられる」へ来るわけですから、短くしてキャッチフレーズですね。ぽんと一つだったら「緩和ケアとは苦痛を和らげること」だけなら、納得できるかなと思います。今回の表現も長い割に緩和だけだものだから、だったら緩和とケアの両方を入れたほうがいいのではないかと進言しただけです。

○花岡座長 よろしゅうございますか。

 そうすると、これはもう一回考慮していただいたほうがということになると思いますが、池永先生、いかがでしょうか。

○池永構成員 もちろんこの内容で緩和医療学会とともに普及啓発で利用しておりますので、また見直しの過程において御意見等を考慮していきたいと思っております。

○花岡座長 わかりました。では、一応この形でオープンにして、それをまた見直しという形をとるということでよろしゅうございますか。何か出さないといけないということで一言表現をつくっていただいたのですが、よろしいですか。ありがとうございます。

 それでは、時間も迫ってきましたので、その他に移らせていただきたいと思います。

資料10におきまして、加藤参考人より御説明をお願いしたいと思います。

○加藤参考人 資料10のほうをごらんください。今回,私のほうが御報告させていただくのは、緩和ケア研修会が全国の拠点病院を中心に行われていると思いますが、国立がん研究センター中央病院のほうでかなり高い受講率を達成しているという状況がございまして、その取り組みを多くの関係者で共有できたらということでお時間をいただきましたので、このような場で報告させていただきます。

 国立がん研究センター中央病院では、緩和ケア研修会を進めていこうということについては病院長の荒井先生がリーダーシップを発揮してこの2年間取り組んでおります。昨年度から、これに関しては26年度中にしっかりとした状況をつくろうという指示がございまして、具体的にどのような形でやれば100%を目指した受講率達成ができるのかということで、そこの中ほどにありますが、4つの具体的な取り組みを行っております。そのような結果、現在の緩和ケア研修会の受講率は院内で72%、恐らく年度末には90%を超えるような達成率になると思っております。

では、実際にどういうことをすればここまで来たのかということを少し御紹介したいと思います。昨年度、院内での研修会を4回開催しまして、今年度、5回予定しております。そのうち3回は終わっていて、あと12月、2月という状況です。これだけ高い受講率を達成した一番のところは、1にありますが、対象となる全ての医師に今年度内に必ずどこかの研修会を受けるようにという指示を病院長から出してもらって、予定を登録してもらっております。院内は5回あるのだから必ずどこかには出られるだろうということや、もし院内の研修会に出られないのであれば、東京都内の研修会はたくさんやっていますので、その日程を全部お示しした上で、院内でないのだったらどこの研修会を受けるのかということで、必ず研修を受講するように強く働きかけております。必要なときには病院長みずから、そういった登録を促すようなことをやってもらったり、後は事務のほうでかなりしつこくリマインドをかけたりということで、現状このような数字で見込んでおります。

ただ、これだけでやっていっても研修の満足度というものは必ずしも上がりませんので、裏のページにありますが、ほかにも2番、3番、4番というような工夫をしております。

2番に研修会を受講しやすい環境をつくるとありますが、研修会を受講するのは当然のことであり、その間はほかの業務で研修受講に支障を来さないようにしようということで、職員の関係者にこの者たちはこの2日間研修会に出ているので、PHSなどで呼び出したりしないようにということを徹底して伝えたりしています。

3番目は、研修会は土日だと休みが2日潰れるのはちょっと嫌だということも意見として聞きましたので、通常、土日パターンというのが多いかと思いますが、金土パターンというものをつくっています。金曜日の夜はしんどいのですけれども、金曜は5時半から9時半までやって、翌日土曜日は9時から7時半というパターンでやると、こちらの参加者数はかなり多く予定していて、今度12月の研修会では院内で40名弱の方がこれを受講するなど、さまざまな工夫をしております。

 4番目は、病院長が強く言ったのですが、参加するからには意味のある研修会にしなさいということで、院内のニーズを調べさせてもらって、こういうものがあればいいのではないかということでプログラムを工夫させてもらっております。こういったことが受講率の上昇に寄与しているのかなと思いますので、ぜひ関係者の方の参考にしていただけたらと思って報告させていただきました。

 以上です。

○花岡座長 どうもありがとうございました。

 次に、厚生労働科研でございますが、細川班の計画と経過報告を資料11に基づきまして、細川構成員よりお願いしたいと思います。

○細川構成員 余り時間がございませんが、資料11でございます。資料1から4までは、以前に報告いたしましたように研究計画の内容ですので、また後で見ていただければと思います。

 経過報告ということで、資料5の10ページを見ていただきたいと思います。やっている研究の目的は、がん診療拠点病院におけるがん疼痛ケアのレベル、状況がわかる指標をつくり、実際に測定できるようにするということであります。

まず、0次、1次調査といたしまして、単独の施設におきまして、このような鎮痛治療の現状を評価する方法をいろいろと試してみまして、その信頼性と妥当性を検討するということをやりました。神戸大学医学部附属病院のがん患者さんを対象にいたしまして、調査実施患者数、実際には100人弱ですが、きちんとしたデータといたしまして68症例が終わりまして、この結果を踏まえますと2次調査への進展は可能となります。

2次調査といいますのは、0次調査、1次調査の結果を踏まえまして、全国のがん診療拠点病院における鎮痛治療を施設レベルで定期的に検証するために実施可能な評価方法を確定し、調査マニュアルを作成するということですが、この間からあります除痛率ということも含めまして、現在、世界的に使われているさまざまなものも含めまして、どういったものが一番有効なものになるかという方法を今後検討していく形になります。これにつきましては、宮城県の拠点病院で行うことになりまして、約3カ月で200症例ぐらいを集めることになりました。こういった結果に対しまして、細かいデータにつきましては、後日報告させていただきたいと考えております。

 続きまして、8ページに戻っていただけますでしょうか。もう一つ、これは本来の細川班の研究ということでなく追加ということでございましたけれども、現在、オピオイドの使用量とがん疼痛管理が可能かということに関しましてが本当に比例するかどうかということです。何度も申し上げているように、世界で発表されているもの、日本で発表されているものも、実はがん以外の痛み、特にアメリカではオピオイド鎮痛薬の95%はがん以外で使われているわけでございますし、ほかのヨーロッパ諸国でも多数が使われています。ですから本邦におきましては、がん疼痛だけに使われているものを実際に導き出すことができるか、導き出すことができれば、それらの使用の流れを追求することによりまして、オピオイド鎮痛薬の多寡がその拠点病院におけるがん疼痛に対してパラレルに動いているかどうかを見ていこうということです。

まず、データといたしまして、京都府立医科大学の、私の施設ですけれども、薬剤師さんと電算システムの電算室の専門家を交えましていろいろとやってみますと、手術で使われるもの、がん疼痛以外に使われるもの、そういったものをデータ上から除外いたしまして、必要なものだけを確認することは可能であるということがわかりました。これに基づきまして、先ほど発表いただきました森田参考人を中心にいたしまして、全国の300施設で既にデータの整理が終わっております。

資料6から資料9という形になります。14ページに戻っていただくのですが、形としましては、AからEまで5段階に分けるということをいたしました。

内容といいますのは、Aは、オピオイド使用量が少なかったのですが、増加した施設ということ、典型的なものを下に4つだけ並べてあります。

それ以外に、15ページのB、もともとオピオイド使用量が多い施設を抽出いたしました。

16ページのCは、オピオイド使用量が少ないままに移行している施設ということです。

17ページのDは、オピオイド使用量が減少した施設ということです。

18ページのEは、オピオイド使用量が平均的な動きの施設ということです。

典型的なものを全部4例ずつつけておりますけれども、全部合わせまして三百数施設で既にデータ整理が終わっております。

 今後につきましては、こういった施設の典型的なところを中心にいたしまして、実際にかかり医がそこへ出向きまして、聞き取り調査をいたしまして、これらの動きが本当に患者さんの疼痛治療において何かの要因を与えているかどうかという研究をやっていきたいということです。

当たり試験といたしましての2つのことがこれで解決いたしましたので、後はまた別の研究という形になると思いますが、今後また厚労省とも相談させていただきまして、さらに研究を進めていただきまして、データを整理して出したいと思います。また、こういうデータにおきましては、今後発表していく必要もありますし、世界のデータを見てもこういうものはございませんので、来年5月の連休のころにあります台湾での学会のほうで発表させていただきたいということで、既に投稿を終えているところでございます。

 以上です。

○花岡座長 非常に楽しみな内容でございますが、よろしゅうございますでしょうか。

それでは、このことにつきましては、緩和ケア分野の指標作成ということで加藤参考人から何かございますでしょうか。

○加藤参考人 資料は特にないのですが、先日こちらの会でも紹介させていただきました緩和ケアの指標ですけれども、計測についても看護協会や医師会の先生の皆様方に御支援いただいて、現在、予定どおりに進めさせてもらっていることを報告させていただきます。

また、質的な調査、量的な調査もするということを先日申し上げたと思いますが、質的な調査については今、解析を進めておりまして、近日中に量的な調査、医師、看護師、それぞれ1万人規模の調査を実施できるように準備を進めておりますので、また今後、報告できたらと思っております。

○花岡座長 どうもありがとうございます。

 次に、資料12ですけれども、がん医療に携わる看護研修事業につきまして、川本構成員からお願いいたします。

○川本構成員 この看護研修事業は、がんと診断されたときからの緩和ケアを提供するために、がん関連領域の専門看護師や認定看護師が均一の研修を実施して自施設の病院の緩和ケアの質を上げるということが目的で、小松構成員とともに行っている事業でございます。

 昨年度は、そこに書いてありますように、指導者研修事業を行いまして、164名の方が受講しております。研修修了者の目標値は、先ほど申しましたように、がんと診断されたときからの緩和ケアを提供するということでございますので、がん診療拠点病院における指導者を育成することがまず大事だろうということで、そちらに挙げておりますように、がん拠点病院に従事するがん関連領域の専門看護師や認定看護師の数は1,945名ですので、拠点病院の各施設から3名修了ということを試算させていただいて1,191名を目標値として挙げさせていただいております。

今、研修修了者数が320名ということになっております。その内訳はそこに書いてありますが、昨年度の研修生が先ほど御報告させていただきました164名です。それから、9月に研修会を開催しましたが、156名申し込みがありまして、1日にしか出られない方が若干いらっしゃいまして、その取り扱いを検討しておりますが、154名の方が受講されております。3番にございますけれども、2月にまた研修会を予定しておりますので、もう少し人数がふえていくように考えております。

テキストは昨年度も作成しておりまして、お手元にお配りした26年度版は、事例を入れて改訂させていただきました。それから、昨年度、事業をしたときに緩和ケア教育の指導者のマニュアルが欲しいという意見がありまして、そのために急遽、マニュアルをつくらせていただきました。どのように自施設に帰ってリンクナースを育成するかといった内容で作成させていただきました。

 これが今年度の現状の報告でございます。

本日いろいろ御意見を伺ったところ、地域や在宅のほうも考えていかなければいけないし、研修の対象者を拠点病院から少し広げていくことも大切かなと思いましたので、また来年度はその辺を加味した計画をさせていただきたいと思います。

 1点だけ追加ですが、先ほど私が数字を正確にお伝えできなかったので追加させていただきますが、がん看護専門看護師は327名おります。そのうち訪問看護ステーションに勤務しているのが1名でございます。がん関連領域の認定看護師は2,717名おりまして、そのうち40名が訪問看護ステーションに勤務しております。このような実態でございますので、この辺のところもどのように強化していくのか検討を加えていきながら、考えていきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

○花岡座長 どうもありがとうございました。

 それでは、時間も参りましたので、最後に事務局から何か連絡事項がございますでしょうか。

○がん対策推進官 活発な御議論ありがとうございました。

 次回の検討会につきましては、日程調整をさせていただきまして、改めて御連絡をいたします。

 きょうはありがとうございました。

○花岡座長 それでは、本日の会議をこれで終了したいと思います。構成員の皆様、参考人の皆様、長時間にわたり、まことにありがとうございました。


(了)

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