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2014年9月11日 第147回労働政策審議会雇用均等分科会の議事録について

雇用均等・児童家庭局雇用均等政策課

○日時

平成26年9月11日(木) 10:00〜12:00


○場所

厚生労働省専用第23会議室


○出席者

公益代表委員

田島分科会長、権丈委員、武石委員、中窪委員

労働者代表委員

石田委員、南部委員、半沢委員、松田委員

使用者代表委員

加藤委員、川崎委員、中西委員、小川代理人(布山委員代理)

厚生労働省

安藤雇用均等・児童家庭局長、木下審議官、古川総務課長、小林雇用均等政策課長、蒔苗職業家庭両立課長、宿里短時間・在宅労働課長、源河調査官、高橋均等業務指導室長

○議題

1 平成27年度 雇用均等・児童家庭局概算要求の概要について
2 女性の活躍推進に向けた新たな法的枠組みの構築について

○配布資料

資料1 平成27年度概算要求の概要(雇用均等・児童家庭局)
資料2 前回の指摘事項に関する資料
資料3 前回までの主な議論の整理
資料4 新たな法的枠組みの構築に向けた論点(民間事業主関係部分)
参考資料1 2013年度評価 評価シート
参考資料2 今後の主な検討項目(第146回労働政策審議会雇用均等分科会配布資料)

○議事

○小林雇用均等政策課長 本日は田島会長が渋滞に巻きこまれ、15分ほど遅れて到着されます。また、本日は山川会長代理が欠席ですので、僭越ではございますが、それまで私が代わって議事を始めたいと思いますので、よろしくお願いします。

 ただいまから「第147回労働政策審議会雇用均等分科会」を開催します。

 本日は、奥田委員、山川委員、齊藤委員、布山委員、渡辺委員が御欠席です。布山委員の代理として、日本経済団体連合会政治社会本部の小川様に御出席をいただいています。

 また、本日もたくさんの内容に関する御議論をお願いする予定なので、是非円滑な議事の進行に御協力をいただければ幸いです。それでは、議事に入ります。

 議題1は「平成27年度雇用均等・児童家庭局概算要求の概要について」です。

まず、資料について事務局から説明をいたします。

 

○源河調査官 事務局から説明をいたします。資料1です。平成27年度概算要求の概要(雇用均等・児童家庭局)の資料を配布しています。829日に概算要求を実施しており、この背景としては骨太の方針や6月末に出された「日本再興戦略」改訂2014などが元になっています。

 雇用均等・児童家庭局の主要事項は、1ページ目を見ると第1、第2とあります。1つ目は、「子どもを産み育てやすい環境づくり」、2つ目は「女性の活躍推進と安心して働くことのできる環境整備」の大きく2本立てです。1は主として子供に関する部分ですが、本日は2を中心に御説明をしますので、1について御質問等がありましたら別途個別に事務局にお問い合わせいただければ対応をいたします。

2「女性の活躍推進と安心して働くことのできる環境整備」が雇用均等行政に関する事項です。2ページ概算要求額は、一般会計として平成27年度概算要求額が約21,000億円。このうち雇用均等行政の一般会計での要求額は約6億円となっています。

 真ん中の労働保険特別会計では117億円を要求しています。伸び率前年度比12.5%となっていますが、後ほど御説明をしますが、育休取得促進のための助成金の創設が主な伸びの原因です。

89ページです。女性の活躍推進の中も大きく3つに分けています。一番大きな柱が1番の女性の活躍推進です。中で2つに分けて、(1)女性の活躍推進のための積極的取組の推進と、(2)仕事と子育ての両立支援に分かれています。

 まず(1)です。段落が4つに分ており、1番目、2番目、4番目が雇用特会で要求しているもの。3番目は、一般会計の推進枠で要求しているものです。簡単に説明をさせていただきますと1番目が、2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%とするという目標の達成に向け、地域における企業の取組を推進するための枠組みを構築する予算を要求しています。具体的には、地域の経済団体、国、地方公共団体を構成員とする推進会議を設置、運営していただくものです。地域の企業を応援するための事務局の経費やセミナー経費等を積んでいます。

2番目は、今、女性の登用状況に関するサイトがいろいろあります。分散していますので、それを統合するデータベースを作る費用です。具体的には内閣府にあるサイトと統合することを想定しています。

3番目は、一般会計で要求しているもので、資料15ページです。要求している事業の概要を付けています。これは今、御議論をいただいている法的枠組みとも関係するもので、具体的な要件については今、調整中です。御質問等がありましたら後ほど聞いていただければと思います。

4番は、従来あるポジティブ・アクションに関する助成金を見直して、お金が出る取組の中身を拡充するものです。(1)については以上です。

 続いて、(2)両立支援で4つのパラグラフに分かれています。8ページ目に載せているのは、再興戦略等でも言われていますが、期間雇用者の育休取得の促進、あるいは育休取得中の代替要員の確保を行う事業主のコストを軽減すべきというような提示がなされているので、具体的には育児休業取得者が期間雇用者の場合の助成金を加算したり、あるいはその方が復帰をした場合に支給する助成金の支給要件を緩和する内容となっています。

9ページです。一番上は、イクメンプロジェクトの中で「イクボスアワード」等を実施をするもの。3番目が新規ですが、育児休業の取得促進を図るために、事業主が、育休を取得をした労働者に対して支払うお金、この4月から育児休業給付金が67%になっています。それに更に上乗せして、経済的支援を行った場合に一部助成を行うというものです。

 最後が、今年度から開催している再就職支援セミナー、開催箇所を増やすという内容です。

2番目の柱が、パートタイム労働者対策の推進です。これに約8.1億を計上しています。具体的には、今度施行される改正パートタイム労働法の周知、指導、また、雇用管理改善マニュアルや事例集の作成、パートタイム労働者のキャリアアップ支援等を計上しています。パートタイム労働者対策もいろいろ中身もありますが、今回は事業を整理してより分かりやすく事業主向け、労働者向け、情報提供の3本柱の整理を行っています。

3番目が、多様な働き方に対する支援の充実です。1番目は、テレワークの促進、これは基準局と一緒にモデル実証事業をやっており、その費用を計上しています。

 最後の、短時間正社員の部分については、パートタイム労働者対策の部分に掲げたものの再掲です。予算は以上です。

 参考資料1で、先日御議論をいただいた2013年度の評価シートをお付けしています。826日に皆様からいただいた意見を反映するとともに、最終ページに皆様からいただいた意見を付けています。参考で御覧ください。以上です。

 

○田島会長 ただいまの事務局の御説明について、御質問はありますか。

 

○南部委員 8ページの「女性の活躍促進」の(1)の所で、3つ目に書かれている、女性の活躍の現状に関する実態把握・情報開示を行うとともに行動計画を策定・公表した事業主に対し、助成金を支給するとなっていますが、今現在そのことを議論中です。例えば、この内容が義務化となったら、これはどのようになるのでしょうか。もし、この内容がこのままいくのであれば、この会議で私たちが議論をしていることがどうなるのかという質問です。よろしくお願いします。

 

○田島会長 事務局、お願いいたします。

 

○小林雇用均等政策課長 新たな法的枠組みについては、本日から具体的に御議論をいただくことになっています。仮に義務化ということになった場合に、助成金については、義務化の上乗せの部分に対して支給するという思想になるのではないかと考えています。

 

○田島会長 そのほか御質問はありますか。

 

(質問等なし)

 

○田島会長 よろしいですか。それでは、特に御質問はないようですので議題1は以上で終わります。

 次に、議題2に移ります。「女性の活躍推進に向けた新たな法的枠組みの構築について」です。事務局から資料について御説明をお願いします。

 

○小林雇用均等政策課長 それでは、資料2についてです。前回の指摘事項に関する資料です。委員からフランスにおける女性の活躍状況・取組についての資料を提示していただきたいと御要望があり、フランスの制度等についてまとめています。

 フランスでは、下のグラフを御覧いただくと分かるように、年齢階級別の女性労働力率を見ると、M字カーブはない状態になっています。女性管理職比率も約4割と高くなっています。2000年から法定労働時間が週35時間労働となっており、長時間労働者の割合も男女ともに低く、男女がともに家事・育児を担うことができる働き方となっています。これは、2011年、週50時間以上労働者の割合はフランス男性12.4%、女性5.4%という数字とも整合的です。

 また、2011年から大企業と国営企業に対し、役員クオータ制が導入されています。この役員クオータ制は2014年までに男女各々20%以上、2017年までに男女各々40%以上という中身です。

1枚おめくりください。職務評価についての資料を付けています。これも前回委員からILOや厚労省で職務評価に関するマニュアルを作っているので提示してほしいという御要望がありました。御要望にお応えし、厚労省のものと、最後のページでILOの職務評価についての考え方について整理をしたものを資料として提出しています。

 続いて、参考資料2と資料3です。参考資料2は、前回の雇用均等分科会で今後の主な検討項目として出させていただいたものであり、前回、基本的にこの検討項目で漏れはないということで御了解をいただいているものと認識をしています。

 資料3は、参考資料2の検討項目の最初の2つのダイヤについて、前回のときに事務局から、次回に意見集約をしたものを出させていただくというように説明しましたが、意見集約したものとしてお出しするのが資料3になると御理解いただければと思います。

 まず、女性の活躍推進の意義・目的をどのように考えるか、というところです。四角の所ですが、87日と26日の雇用均等分科会における委員の皆様方の御議論を集約すると大体このようになります。1つ目は、女性の活躍として、一人一人の女性が能力を最大限に発揮できる社会の構築を目指されるべきである。その結果として、日本の持続的成長を実現し、社会の発展に資することになる。男女共同参画の視点も議論の前提となるという御意見だったと考えています。

2つ目は、女性が活躍できるよう職場環境を見直すことは、女性だけではなく男性にとっても、企業にとっても、社会にとっても意義がある。いろいろな方面で意義があるものだということです。

3つ目は、もともと「202030」の実現に向けてということが成長戦略の中に掲げられていましたが、女性の「指導的地位に占める女性の割合」の増加は、女性の活躍の重要な一指標ではあるが、指導的地位の周辺の女性だけではなく、あらゆる女性が能力を最大限に発揮できることを目指して進められるべきということで、このあらゆる女性の例示として多くを占める非正規雇用の女性、現在就業を希望しながら働けていない女性を挙げ、それらの女性も含め、あらゆる女性が能力を最大限に発揮できることを目指して進められるべきということでまとめています。

 前回までの議論は、各委員の御意見を整理しています。太字は826日、薄い方は87日の委員の御意見ということです。

3ページです。大きな2は、主な検討項目の2つ目のダイヤの所で課題をどのように考えるかを挙げていましたが、これに対応するものです。まず、現状認識の所で、雇用のあらゆるステージで男女に大きな差があるのが現状であるということです。様々な男女間の格差の実質的縮小が進むような制度とすべき。2つ目は、雇用形態を問わず、非正規雇用労働者も含めて、モチベーションを維持して働ける環境やキャリアの見通しが立つことが重要ということです。

 個別に解決すべき課題ということで、4ページ以降に整理をしています。(2)働き方の見直しです。これは長時間労働の話を書いていて、長時間労働は女性の活躍推進を阻む大きな要因であり、男女を含めて長時間労働の見直しを進めて、男女がともに仕事と家庭の責任を果たしていける社会とすることが不可欠ということです。

 下のダイヤの所は、これも評価の話で、短時間で質の高い仕事をすることが評価される方向性が重要ということでまとめています。

6ページです。(3)解決すべき課題の採用・配置です。1つ目は、将来の幹部候補である総合職採用では、男性が大多数を占める現状があり、同様に、配置についても職場によっては片方の性に偏っているという指摘もあり、そうした企業行動の背景を検討した上で、事業主の取組につながるような有効な方策を検討していく必要があると整理をしております。

(4)育成・教育訓練です。将来的な育成に向けた教育訓練には男女格差が見られ、こうした企業行動の背景を検討した上で、事業主の取組につながるような有効な方策を検討していく必要があるということです。

(5)評価・登用です。この部分は再掲でありますが、長時間労働でなければ評価されない職場慣行では育児・介護等による時間制約を抱える女性が活躍することは難しいので、短時間で質の高い仕事をすることが評価される方向性が重要ということで整理をしています。

(6)雇用形態・職種等の転換、再雇用の所です。登用可能性の限られた一般職や非正規雇用に就いている女性が、職種や雇用形態を転換することができ、また、出産を機に退職した再就職を希望する女性が、意欲と能力を発揮できる職務へ再雇用をされるということで、両者がその後キャリアアップを図ることができる、そのような仕組みを設けていくことは重要であると整理をしております。

9ページです。(7)性別役割分担意識・職場の雰囲気改革です。長時間労働の是正とともに社会・職場ともに、性別役割分担意識を変えていくことが必要ということです。その下のダイヤは男女がともに、育児等の家庭責任を果たしながら、職務においても貢献していくのが当然であるという方向へ、職場の雰囲気を改革していくことが重要ということで、前回委員からマタニティハラスメント、セクハラ等が起こらないような職場環境ということも含めて3つ目のダイヤの所で職場の雰囲気改革は重要ということで、踏み込んでいるということで整理をしています。

11ページです。3「新法制定に向けた考え方」ということも併せて整理をしています。(1)総論です。女性の活躍推進は、労働政策にとどまらず、社会保障制度や、日本経済の持続可能性にも大きな影響を及ぼす課題であるということです。

2つ目は、女性の活躍の現状や課題は、産業毎・企業規模毎で多種多様であるので、各企業がそれぞれの実情を踏まえながら、社会全体として着実に前進させていくことのできる枠組みが必要であろうということです。

1213ページにかけてです。(2)各論です。ここも新法に向けた考え方の中で御意見を頂戴しています。まず、1つ目は、PDCAサイクルをきちんと回していくことが重要という御意見がありました。

2つ目は、これは情報開示も検討項目の中に入っています。情報開示は社外だけではなく、社内に関する情報開示も重要ではないかという御指摘がありました。3つ目は、労使の対話により女性の活躍推進に向けた課題を解決し、推進していくことが重要という御指摘がありました。

 資料2、資料3については、説明は以上です。

 

○田島会長 それでは、ただいまの事務局の御説明について御意見、御質問がありましたらお願いします。

 

○権丈委員 資料2でフランスについての御説明がありましたので、先に一言述べさせていただきます。前回から諸外国の女性の活躍推進の取組を御紹介いただきましてありがとうございます。拝見しますと、各国ともに、クオータ制などの積極的な取組を工夫しながら、進めてきていることが分かります。また、資料では余り触れられてはおりませんでしたが、御承知のとおりフランスやノルウェーをはじめとして各国では、資料で説明されている労働時間等以外にも、仕事と家庭の両立支援の面で力を入れており、総合的な取組の成果として、女性の労働力率の高さや管理的職業従事者に占める女性割合の高さにつながっているということを確認しておきたいと思います。

 

○田島会長 南部委員どうぞ。

 

○南部委員 議論の前提になる考え方ということで、認識を共有化したいと思いまして発言させていただきます。まず、あらゆる分野における男女平等を実現するために、一部の限定された社員だけ女性の活躍促進は不十分と考えておりまして、男女がともに、今の先生からもありましたように、仕事と生活の両立を図ることができるワーク・ライフ・バランスの実現に資する施策であったり、実効性のあるポジティブ・アクションの取組など、公・労・使で、社会や職場環境の改善、整備を図っていかなければ、地位的役割に占める女性の役割が達成できないというように、私たち労側は考えております。

 本当に女性の声をしっかりと聞いた議論をしていくことを前提に進めていただきたいと思っています。現状はいろいろな問題点があるということで、課題を整理していただいております。全ての女性の底上げにつながるような取組、施策を考えていくのがこの場の使命だと思っていますので、時間がない中ではありますが、しっかりと今後とも議論を充実させていただきたいと、最初に意見として申し上げ、共通の認識としていただけたらと思っております。よろしくお願いいたします。

 

○田島会長 充実した議論をしていくように努めたいと思います。そのほかに。

 

○松田委員 同じく私の方からも、前提となる考え方について1つ申し上げたいと思います。全ての女性が輝く社会づくりということで、総理も全世界に日本発信で広めていくというように発言をされています。昨年、総理が国連で演説をされたときは、大半の時間を女性のことに割いて演説をされたということで、このことについては驚きをもって国内外から受け止められ、評価もされているという認識をしています。このことを考えれば、総理が国連の場でそのようにおっしゃっているということも踏まえれば、当然、女性差別撤廃条約に関して、特に2条、5条の差別の定義と慣行の自制というところを念頭に、制度の女性差別撤廃委員会の勧告に従った施策が、当然展開をされるべきだと考えます。

 

○小川代理人(布山委員代理) 議論の前提ということでしたので、私からも違った側面から確認をさせていただきたいと思います。今回の新法は成長戦略の一環として検討されているということですので、私どもとしては、成長戦略の一環であるというところを強く強調しておきたいと思います。

 まとめていただきました前回の主な議論の整理の所で、「労働力人口の減少の中、日本の持続的成長を実現し」と書いていただいています。私どもはもちろん労働力人口の減少の中も意識はしていますけれども、単に労働力人口が減るので、女性を穴埋めに使うという考え方はしておりませんし、するべきではないと考えています。むしろ女性も含めて、多様な人材に能力を発揮させることで、企業組織を強くし、競争力を向上させることをもって、結果として日本経済の持続的成長を実現するというように考えています。この持続的成長の実現のところには、企業競争力の向上ということが含まれているということを確認させていただきたいと思います。

 

○川崎委員 今回の議論の前提でということで、あらゆる女性を対象とした議論をしていきたいというような発言がいくつかあったかと思いますが、雇用均等分科会のこの場で議論をするのは、あらゆる女性というよりは、企業の場で働く女性についてというところに主にフォーカスした議論をこの場で進めていくのか、もう少し幅広く、企業の場で働く女性に更に加えて、あらゆる女性を視野に入れた議論なのか、どっちに重点をおくのかは、最初に認識を共通化しておいた方が議論が拡散しなくていいのかなと思います。そこを事務局に確認させていただければと思います。

 

○田島会長 今の点について、事務局はいかがでしょうか。

 

○小林雇用均等政策課長 こちらの雇用均等分科会での御議論は、以前に御説明させていただいたように、国と地方公共団体と民間事業主のうち民間事業主の取組ということで御議論いただきたいと思っていますので、民間事業主の取組として、どのようなことをやっているかということが中心になろうかと思います。ただ、今は仕事に就いていなくても、仕事に就きたいと思っているけれども働けていないような人の、再雇用みたいなものも入ってくるとは考えていますけれども、ボランティアなどまで含めてということではなくて、企業が何をやっていくか、という御議論をいただく所だと考えております。

 

○川崎委員 分かりました、ありがとうございます。

 

○南部委員 関連しまして、今、私たちが考えていますあらゆる女性というのは、民間企業に勤めている女性の方、そして課長からありました、働きたいと思っていてもなかなか職に就けない女性の方、そして民間企業の中でも、正規であったり非正規であったり、いろいろな雇用形態があります。そうした全ての雇用形態の女性ということを幅広に対象にしていくべきだと考えていますので、その考え方が事務局と共通しているかどうかの認識の確認をお願いしたいと思います。

 

○田島会長 事務局、お願いします。

 

○小林雇用均等政策課長 企業の取組の中でどこまで射程範囲かというのは、基本的に私ども事務局としては、全ての労働者が入ってき得るというようには考えていますけれども、それはここでの御議論を踏まえ、考えていくべきことだろうと思っております。

 

○川崎委員 先ほどの御発言の中で、対象を非正規雇用の女性も入れていくというのは、確かにそのとおりだなと思いますけれども、例えば、能力があっても働けていない女性たちをどうしていくのかというのは、失業対策の色が濃いところもあるかと思っています。そこをこの場で議論をしていくのは、そぐわないのではないかという印象をもっています。これは感想というところでコメントさせていただきました。

 

○松田委員 今の川崎委員の御発言に関して、企業のサイドでも、中途採用の女性を積極的に採用するとか、そうした面で、単に失業対策ということではなくて、ポジティブ・アクションの一環として、大いに取り組める範囲だと考えていますので、そこは議論に含まれると私は考えております。

 

○田島会長 その他の点について御意見はいかがでしょうか。

 

○小川代理人(布山委員代理) 先ほど御説明いただきました資料の各論について、少し確認と補足をさせていただきたいと思います。まず、4ページ以降、働き方の所で、何度か「短時間で質の高い仕事をすることを評価する」という文言が出ています。前回説明しました私どものアクションプランでもそのような趣旨を書き込んでいますけれども、これは短時間で働くことを評価するという意味ではなくて、時間の長短にかかわらず、質の高い仕事をすることを評価するという意味で考えていますので、そういう意味でよろしいかどうか確認をさせていただきたいと思います。

 それから、9ページの「性別役割分担意識・職場の雰囲気改革等」とあります。ここに書かれている「性別役割分担意識を変える」とか、「職場の雰囲気を改革していく」、「男女がともに家庭責任を果たしながら」などですが、今回の議論は新法の中の事業主に関係する部分ということですので、恐らく主語は「企業が取り組むべきこと」として書かれていると思いますけれども、これは正に企業だけでは取り組めない問題と考えています。社会全体でそうした役割分担意識ですとか、育児・家庭への関わり方などは変えていかなければならない問題だと捉えていますので、より広く、政府にもリーダーシップを取っていただいて、政府や学校など、様々な主体が協力して取り組んでいくべき課題だと考えています。もちろん企業としても職場の中で例えば、配偶者同伴でセミナーを開いて、家事への関わり方を説くとか、そういったセミナーを開いたりもして努力はしているのですが、男性の育児参加とか性別役割分担意識の改革というのが、一義的に企業の責任であるということではない、ということを確認させていただきたいと思います。

 

○田島会長 事務局、ただいまの御質問の点についていかがでしょうか。

 

○小林雇用均等政策課長 「性別役割分担意識の解消」については、おっしゃるとおり政府もいろいろ取り組んでいくべきことがあろうかと思っています。ですので、事業主さんだけにやっていただくという認識ではありません。

 

○半沢委員 今お話のありました「性別役割分担意識」については、私どもとしましても、これまで、例えば社会・職場で少しずつ改善はしてきているものの、やはり日本の社会における、性別役割分担に根差す制度や慣行等は残っているというように思っていまして、女性が活躍できる環境の整備のためには、男女の固定的、性別役割分担意識は非常に重要な課題ですので、是非実効性のある取組について、今後、議論をしていきたいと思っているところです。

 

○川崎委員 今回の「解決すべき課題(働き方の見直し)」のところで、一部長時間労働を見直していく必要があるというようなコメントがあるわけで、確かに長時間労働そのものが、男女共に家庭の責任を果たしていくというところに影響を及ぼしているという側面は否めないかと思いますけれども、この長時間労働に関しては、恒常的に長時間労働をせざるを得ない環境というところに関して、そのとおり是正すべきだと思いますけれども、ただ、実際企業活動をしていく中では、突発的に長時間労働で対処せざるを得ないような状況も生じるわけです。ここに関してはそれも含めての長時間労働を見直していく、というようなところを考えているのか、一方、恒常的な長時間労働、そういったやり方自体は見直していくべきだと思っていますけれども、そちらの後者の方なのか、どちらを考えているのか、何か御意見があればお伺いしたいと思います。

 

○田島会長 事務局に対する御質問、事務局、お願いいたします。

 

○小林雇用均等政策課長 長時間労働の是正については、女性のキャリア形成の阻害要因になっているということですので、突発的かどうかではなくて、長いタームで見たときに、突発的が何回もあれば、おそらくキャリア形成を阻害する可能性があるでしょうし、そこが突発的なのか恒常的なのかというよりは、キャリア形成の阻害要因になっているような長時間労働があれば見直していく方策はないか御検討いただくということではないかと事務局としては考えています。

 

○川崎委員 そうしますと、実際にその企業の現場を預かっている方からすると、突発的な長時間労働の削減も含めてというのは、なかなか人員配置等で難しいところがあるかもしれないということを踏まえると、恒常的な長時間労働に関しては、きちんと今回の趣旨を踏まえての是正というのは必要だと思います。意見としては恒常的な長時間労働の見直しというところを考えていきたいと、述べさせていただければと思います。

 

○南部委員 先ほどの長時間労働の件ですが、「突発的」と「恒常的」ということで分けるのはいかがなものかと思っています。まず長時間労働そのものがその会社において、どうなっているかの実態把握をした上で、それが恒常的に行われている場合は、当然是正しなければならないと思いますし、突発的がしょっちゅうあるのであれば、それについても少し考えていかなければならないと思います。まずは、実態把握が必要であると思います。ここで突発的とか恒常的というのを決めるのはいかがなものかと思っていますので、意見として申し上げます。

 

○松田委員 関連しまして、南部委員から申し上げたとおりですけれども、現状として、本来、長時間労働、時間外労働というのは、例外的に認められるものであって、突発的な場合に労使で協定を結んでとか、本来は突発的ではないと長時間労働はそんなにされていないはずのものが、突発的という名の下に当たり前に今は行われているわけです。そのような実態をまず見てみないと、突発的だからいいですね、というのが多分現状だと思うのです。そういったことで今は過労死される人がたくさんいるわけですから、突発的だからいいとはならないと思います。

 

○武石委員 労働時間のところは、長時間労働が女性の活躍を阻害しているというのは確かにそのとおりだと思います。ただ、全ての残業が駄目であるということになってしまうと、なかなかそこは厳しいので、必要な長時間労働がゼロとは言えないと思いますので、そこは書きぶりを、全ての長時間労働がいけないということではないと思うので、少し工夫したほうがいいのではないかと思います。

 あと、前回の私がプレゼンをさせていただいた中で、少し取り入れていただきたいところを意見として申し上げたいと思います。1つは、今回の女性活躍推進というのが、均等法をベースにしながら、企業の皆さんにポジティブ・アクション的に進めていただくということで、企業がそれぞれ自主的にといいますか、できることを着実に進めていただくのが前提だと思います。その上で、こういった新しい法律ができるとすると、これまでの働き方みたいなことを前提にして議論をしていくと、一定の限界があるのかなという気がしています。

 例えば、順番に言うと、今の働き方の見直しというところは、長時間労働という問題が出ていて、もう1つ、前回私がお話をさせていただきました働き方のフレキシビリティーといいますか、ホワイトカラー・エグゼンプションの議論は別途ありますが、そういうものではなく、もっと、恒常的な長時間労働の是正を前提にして、フレックスタイムや在宅勤務、今日の予算の中でもテレワークの推進が新規施策で入っています。そういったフレキシビリティーを高めることで、女性が働きやすくなるという部分もあると思うので、働き方の見直しに労働時間の長さ、プラス、そこを解消することを前提にして、もっと柔軟性を高めるような働き方というのが指摘されていてもいいのではないかと思います。

 それから、全体の「解決すべき課題」の書きぶりとして、割とピンポイントで書いている気がします。例えば、6ページの採用・配置の所では、「総合職採用では」という所から始まって、一般職ではなくても、そもそも採用において、女性と男性で違いがあるという部分をきちんと指摘し、それで総合職の場合には、ということもあるかもしれないのですが、全体として採用とか、次の「育成」もそうですが、教育訓練以前に重要なのは、やはり職場のOJTだと思うのです。そういうOJTの部分で、職場の現場においてきちんとした育成がなされていないのであれば、やはり職場の育成を担当するマネージャーの問題もありますし、採用や育成も前提となる大きな部分での課題を指摘していただいて、その中での総合職採用とか教育訓練という各論について、記述していただく書き方がいいのではないかと思います。

 あと、同じような観点ですが、評価の所も「長時間労働でなければ評価されない」となっているのですが、そもそも評価とか、登用の仕組みが不透明であれば、女性がなんとなくいろいろなところで評価されないとか、登用の候補に上がっていかないということで、女性が登用されないという現実になっていきますので、やはり評価とか登用の在り方の透明性を確保することが重要なのではないかと思います。

8ページの(6)の「雇用形態・職種等の転換」はもちろん重要なのですが、その前提として先ほど、今までの雇用の在り方を見直す機会として捉えてほしいという趣旨ですけれども、そもそも総合職とか一般職というコース別雇用管理の制度、あるいは転勤の在り方ということをきちんと見直さないままに一般職を総合職に登用するといっても、それは女性が総合職になかなかなれない状況だと思うので、これまでの雇用区分の在り方というものを、女性が活躍するという観点から、この機会を捉えて見直していただくことも1つ重要なことではないかと思います。

 

○田島会長 多岐にわたる論点について御意見を頂き、ありがとうございました。

 

○松田委員 今、武石委員がおっしゃいました、評価とか昇格についての透明性のところに関連して、意見を申し上げたいと思います。まず、評価が性差別的でないということは、女性活躍の大前提であると考えます。適正に評価をされなければ女性の管理職比率の向上はおぼつかないと思います。そこで、評価の透明性の担保というのは大きな課題ではないかと考えます。

 更にもっと大きな、難しい課題であると感じているのが、昇格についての公平性、透明性という点です。ある大企業のパネルデータを分析した調査では、男性の場合は高い評価を受けている人は昇格をしているけれども、女性は高い評価を受けていても必ずしもというか、全体としては昇格をしていないという分析も出されています。本当にそうだなと、私はそれを見て思いました。労働者にとってはこの昇格というところはブラックボックスといいますか、全く見えないところで行われていると思います。更にそれが高い評価を得ても、やはり女性は昇進できていないという事実が論文でも示されていまして、この点については大きな課題であると思います。

 

○川崎委員 違反に関する質問です。先ほどの南部委員の発言にあった、高い評価を得ているにもかかわらず女性が昇格をせず、男性の場合は昇格をしているということは、その企業の中で、男女別に昇格基準が区々になっていることになります。男女別に昇格基準が違いますということになるかと、これに関しては、この新しい法律ではなくて、雇用機会均等法の法律の枠の中で違反になるのではないかと思いますけれども、そういう理解でよろしいのでしょうか。

 

○田島会長 事務局に対する質問ですか。

 

○小林雇用均等政策課長 男女雇用機会均等法の違反になります。

 

○川崎委員 なので、この場での議論というよりは、雇用機会均等法で既にある法律の中でそれは規制し、ちゃんとそれぞれの地域の労働局の中に均等室があったと思いますので、そちらのほうで対処していく問題になるのではないかと思います。そのような整理で進んでいくほうが新法の特徴もクリアになってくるのかなと思いました。意見として述べさせていただきます。

 

○松田委員 昇格で差別するのは均等法違反という、そのとおりだと思うのですが、実際にどのように評価と昇格との関連がなされているか自体が示されていない、見えていないわけですから、そこに差別があるということを労働者の側から立証するのは非場に難しくて、ただ、評価データと昇格の実績を比べたときに、統計として、男女でこんなに格差があるというものはあります。ですから昇格の仕組みを明らかにしてもらえないと、均等法違反かどうかも、そこを問うていくのは非常に難しいというのが今の状況だというように理解しています。

 

○田島会長 よろしいでしょうか。

 

○中窪委員 私もその点は同じように思っています。均等法違反評価で、あるいは配置・昇進が違うというのは均等法違反ではありますけれども、個々のケースにおいて、本当にこれが違法なことの結果であるというのは、実際に立証してそれは差別ですというように今いうのは非常に大変なことであります。そういうときに、ひょっとしたら会社側でも使用者側でも気付いていないゆがみというのがあるかもしれない。そういうものを自主的に改善する、その1つのきっかけとするという意味で、この新法が、ちょっと違った意味があるのではないかと私は思っています。

 それで日本でも例えば、同じ仕事をしていてもやはり女性の方を何となく、というと変ですけれど、低くするようなことがあるかもしれないのです。それからアメリカの判例では有名なもので、何か非常にバリバリ仕事をしていると、女性らしさが足りないということで、男であれば高く評価されるのが、女性であるがためにマイナスに評価されるというケースもありまして、これは連邦最高裁の有名な記述です。先日、NHKのアーカイブを見ていましたら、武石委員が出て来られて、昔のその本人が出て来て、あっ、こんな人だったのかと思ったのですが、そういうこともひょっとしたら気付きにくい問題があるかもしれませんので、それに光を当てるという意味で新法の意義があるのではないかと私は考えています。

 

○田島会長 その他の論点について、御意見はありませんでしょうか。

 

○川崎委員 少し発言もあったかと思いますが、働き方の所で、質の高い仕事をすることを評価するということで、時間にかかわらず質の高い仕事を評価するということだと思いますけれども、質が高いこともそうですが、生産性をどう上げるか、長時間労働を是正していこうというように考えると、時間にかかわらず生産性をどう上げるのかという観点で、是正していく方向を考えていくべきだと思いますので、書きぶりはそういう時間にフォーカスした形に、生産性にもフォーカスしたような書きぶりも加えていただければと思います。

 

○南部委員 質問です。先ほどの意見に対して、生産性をどう上げるかということですけれども、生産性を上げたか上げないかという評価をどうするかという問題が片方では出てくるかと思います。ここで生産性を上げることが評価ということの、かなり狭い書きぶりにすると、あとで評価することが非常に困るのではないかと私は思うのですが、先ほどの「生産性を上げる」という評価の意味をもう少し詳しく教えていただけたらと思います。

 

○川崎委員 ここで短時間で質の高い仕事をすると評価する、「短時間で質が高い」と。このことを時間であれば従来2時間掛かっていたものを1時間とすると時間は短くなったことがはっきりしますけれども、質が高くなったか低くなったか、それをどう基準にするのかというのは、やはり生産性の判断と同じように、かなり個別個別の実態に応じてそれは判断していくものだと思います。ただ、働いているものの中身をどう評価していくのかというと、1つは量であり、1つは質であり、もう1つそれに時間というファクトを入れたときには、そこは生産性という概念が入ってくると思います。それはどんな業務であっても生産性というところは測る工夫をしていくべきだと考えています。なので、一般職であろうが総合職であろうが、職種、職域にかかわらず、生産性という概念は企業の中では、職場の中では出てくるものだと思います。

 

○南部委員 おっしゃることは分かりました。ただ、ここで申し上げているのは、短時間で質の高い仕事をするということの意味ですが、私たちが言った意見だと思いますが、これについては、例えば同じ仕事をしている男女がおり、女性はやはり早く帰って、家庭責任を果たそうという意識の中で仕事をしている人と、そうでない人との差ということで申し上げているような次第ですので、確かに生産性はそれで上がっていくと思います。なので、特に生産性と言わなくても、短時間で端的に仕事をこなす人の評価をしっかりしていくということが、女性の働き方のやりがいにもつながっていくと思いますので、そこは御理解いただきたいと私は思っています。

 

○田島会長 川崎委員、特に御意見はありませんか。

 

○川崎委員 1つは、短時間で働くことを評価する場合、通常の時間で働くことは評価しないのでしょうか。通常の時間で質の高い仕事をすることと、短時間で質の高い仕事をすることを比較する場合、短時間の方を評価するというようになっていく、そういう考えでいいのでしょうかという話になってきます。やはり労働をどう評価していくのかというとこに関しては、時間当たりにどれだけの成果を上げるのかが重要で、それは生産性になる。先ほどの松田委員の御発言にあった、家庭責任を負っているがために短い時間で働く必要があって、そこでやっているものに関しては長く働いている人と量が同じと、質が同じというようになるのであれば、それは当然そこでは生産性が高いということになるので、「生産性」という言葉を入れること自体は何ら発言している内容には違いがないと私は考えています。

 

○中窪委員 あまり企業現場のことはよく知らないのでちょっとピント外れかもしれませんけれども。恐らく、ここで言っているのは労使ともだと思いますけれども、意識を変えて、今まで8時間で100の仕事をしていたと。そういうところに6時間で100の仕事をできる人がいたというときに、それを結構なことだということで評価しましょうという、そういうことを言っているのではないかという気がするのですが、そういうときに、6時間で100なら8時間やれば120はできたはずではないかとか、そういうことは言わずに、短時間で切り上げるのはそれはそれで1つの価値として意義があるし、それが生産性も上がるでしょうし、それが働きやすさをつくり出すと、そういう発想の転換をちょっと促しているような気が、私はしています。

 それからついでに、先ほどちょっと議論になっていました、長時間労働の恒常的なものはもちろん大問題ですけれども、突発的なものもやはり女性が活躍する上で非常に問題になることは確かだと思います。そういうときに、女性であるがゆえに例えば、保育所に私が迎えに行かないと対応できないということで、そのときはそれで通るかもしれませんけれども、結局それが、前に書いてあります、役割分担意識とも関わってくるわけですが、やはり女性はそういうものをするものだというように思って、結局それが、長時間労働の対応にできないような所に就かせないとか、あるいは違う働き方、評価になるとこういう構造を改めないといけないということですので、そこは連続して視野に入れるべきではないかと思っています。

 

○田島会長 ありがとうございます。次の論点もありますので、余りこれに時間を取ることができませんが、何か特に御発言がありましたらお願いします。

 

(意見等なし)

 

○田島会長 よろしいでしょうか。それでは、引き続き事務局から、次の資料の御説明をお願いいたします。

 

○小林雇用均等政策課長 参考資料2と資料4を併せて御覧ください。参考資料2の「今後の主な検討項目」の中の3つ目以降のダイヤについて、どういう論点があるかということを細かくしたものが、資料4です。

 まず、資料41「指針の策定について」です。参考資料2の下から2つ目のダイヤに対応する部分です。下から2つ目のダイヤでは、いろいろな取組を企業が進めるための枠組みに加えて、企業が計画策定の参考となるような取組例を示した指針を策定していくべきではないかという検討項目をお示しさせていただき、特に異論はなかったと認識しておりますので、この指針の策定の中身、盛り込むべき事項について、どのように考えるかということで論点を挙げており、盛り込むべき事項の例も併せて示しております。

 盛り込むべき事項の例ですが、先ほど御議論いただいた「女性の活躍推進に当たっての課題」に対応した項目になるのではないかと考えておりまして、具体的には女性の積極採用に関する取組、配置・育成・教育訓練に関する取組、継続就業に関する取組、長時間労働是正に関する取組、積極登用・評価に関する取組、雇用形態や職種の転換に関する取組、再雇用に関する取組、職場の雰囲気改革に関する取組ということで挙げております。

 大きな2「民間における取組の加速化について」です。これは、参考資料2の「主な検討項目」の3つ目のダイヤの4までに対応するものです。「日本再興戦略改訂2014」で示されている項目について御議論いただくということで、現状把握、目標設定、目標達成に向けた自主行動計画の策定、これらの情報開示ということで、検討項目に挙げさせていただいており、その関係のものを資料4の大きな2で整理しております。

 まず、「総論」の所です。ここは行動計画の策定に先立ち、自社の女性の活躍に関する現状、データを把握し、課題を分析した上で目標設定し、必要となる取組を検討することが有効ではないかということです。

(2)は、現状把握、課題分析、これらの情報開示ということで整理しておりまして、これらの3つについての実効性確保をどのように担保すべきかということで、括弧内で具体的に書いておりますが、義務付けを行うか、企業の自主的取組に委ねるか、また、義務付けを行う場合であれば、対象となる企業規模をどう考えるかということで整理をしております。

 2は現状把握、課題分析、情報開示の対象項目をどう考えるかということと、その項目について統一的に示すべきか、自主性に委ねるべきか、統一的に示す場合、具体的な項目をどう考えるかということで、論点を挙げております。

 考えられる項目例としては、次の4つがあるのではないかと思っております。女性採用比率、女性管理職比率、勤続年数男女差、労働時間の状況ということで、これまでも課題やデータのところで出てきたものに対応するものと考えておりますが、まず女性採用比率というのは入口のところで阻害要因がないかということです。第1子出産時の女性の継続就業率が4割弱ということですので、正に継続就業できるかどうかということを見る指標として、勤続年数男女差があるのではないかと考えています。長時間労働は女性の継続就業、キャリア形成のネックになっているということですので、職場の労働時間の状況はどうなっているかというのが1つの指標になるかと考えています。また、これらの結果でもあるかとは思いますが、女性の管理職比率がどうなっているかということが、女性活躍推進を図る1つの指標ではないかと考えておりまして、4つの項目例を挙げております。

(3)は目標設定、目標達成に向けた行動計画の策定、これらの情報開示ということです。これらの実効性をどのように担保すべきかということで、先ほどと同じように、義務付けを行うべきか、自主的取組に委ねるべきか、義務付けを行う場合に対象となる企業規模等をどう考えるかという論点を整理しております。

 また、行動計画の中身ですが、行動計画の情報開示の項目やその内容をどう考えるかということですが、項目例として掲げているのは、目標、取組内容、実施時期、計画期間を例示しています。また、その内容というのは、目標や取組内容について、各企業の自主性に委ねるのか、内容をもう少し法令等で縛るのかということも含めて、御議論いただければということで、その内容をどう考えるかという論点を挙げております。

3ページの大きな3は、前回の主な検討項目の「日本再興戦略改訂2014」の最後の5に対応したものと考えています。認定などのインセンティブ付与についてどう考えるかというものです。まず、(1)で、どのような認定の枠組みが考えられるかということで、女性活躍の状況、実績値を評価するのか、改善、伸び率を評価するのか。目標達成を評価していくのか、取組の中身で、こういう取組をしたという実績を評価するのか。また、業種ごとの特性を考慮するのか、それとも統一的な基準として設定するのか。4は満たすべき条件を定める方法とするのか、評価項目はそれぞれ点数化し、合計点数で認定する方法とするのかということで、論点を挙げています。(2)は、その他のインセンティブ付与として、効果的・現実的なものは考えられるかということも、併せてお示しさせていただいております。

 本日は時間の制約もございますので、12を中心に御議論いただければ有り難いと思っております。

 

○田島会長 ただいまの事務局の御説明について、御意見、御質問をお願いいたします。

 

○石田委員 先ほども長時間労働の関係で議論がされていましたので、まずそこの点を先に述べておきたいと思います。

 全体の共有として、女性の活躍推進をするに当たり、前回、前々回の中で様々な課題が出てきたわけで、その課題のこれがいいのか悪いのかというよりも、現実として女性が活躍するためには弊害になっているのだということがあろうかと思いますので、それをどう解決していくのかが重要なのだという視点で、まず長時間労働のところで発言をさせていただきます。

 これはもう言うまでもなく、社会全体で長時間労働というのが課題になっているというのは周知の上で、87日の第145回の分科会のときにも、長時間労働の削減イコール時間内で効率的に働くということが評価される、長く働くことが評価されるのではないということが重要だということからすると、この点については内閣府などでもこういう議論はされていると思っておりますので、是非今回の新法の中においては、突発的、恒常的ということではなく、時間内で働くことが評価される、そういう内閣府の議論の経過や蓄積などを踏まえながら、この評価制度の中にきちんと検討を加えるというのが重要だろうと思っています。

 

○半沢委員 資料41「指針の策定について」ということで、盛り込むべき事項を挙げていただいております。この中に、これまでの議論を踏まえて追加をしていただいてはどうかと思っている項目があります。

 セクハラをはじめとする、様々な職場のハラスメントをなくしていくことというのは、女性の活躍推進においても非常に大きな前提となると思っております。既に多くの企業の取組では、ハラスメントの窓口、セクハラ、パワハラ、いろいろな窓口の一本化の取組が進んでいるとも聞いておりますし、セクハラ対応のノウハウをいかしながら取組がなされているとも聞いているところですので、一元的な窓口の設置であるとか、広範なハラスメントへの対応、これは女性労働者に限らず、職場の雇用管理上、プラスになる取組でもありますので、是非進めていただきたいと思っております。これは指針のところについて申し上げましたが、その後の現状把握においても、その窓口の運用状況、利用状況、相談実績といったことも含めて、現状把握、分析をしていただき、取組にいかしていただくことが必要なのではないかと思っているところです。

 

○武石委員 事務局に質問です。資料3と資料4の関係がよく分からないので、どのように考えればいいのでしょうか。指針の策定の盛り込むべき事項も、資料3と資料4は見出しの出し方も少し違うので、2つの資料の関係について教えていただけますでしょうか。

 

○小林雇用均等政策課長 全体として雇用均等分科会の検討項目としては、この間お示しした参考資料25項目について御議論いただき、報告をおまとめいただくという前提なのですが、資料3と資料4を分けた理由は、資料3は、前回、前々回の御議論を踏まえ、方向性を出した資料です。後半はまだ議論をしていなかったので、後半部分は、今日は方向性ではなく、中立的に論点を示させていただいたということの違いです。最終的にはつなげた形になろうかと思っております。特に課題については、課題に対応した取組ということで、取組指針に盛り込むべき項目が決まってくるのではないかということなので、中身としては、非常にリンクしているものだと考えております。

 

○武石委員 そうすると、具体的には「指針の策定」と資料4はなっていますが、全体的な法律の項目、枠組みというのは、資料4の項目になっていくということになりますか。

 

○小林雇用均等政策課長 具体的な指針の中身については、恐らく告示等になるかと思います。通常の法律の決め方であると、こういう行動計画策定指針を国が定めるという規定になった上で、中身の具体的なものは告示の方で書いていくということですが、こちらの雇用均等分科会の取りまとめの際には、盛り込むべき事項は何かぐらいまでは御議論いただいた方がいいのかなということで、今日、指針の中で盛り込むべき事項というのを整理させていただいております。具体的なものは、告示として策定する指針の中で、どういう取組がお勧めかということでお示ししていく形になるのではないかと思っております。

 

○南部委員 1ページ目の「指針の策定について」です。ここの継続就業に関する取組ですが、確認したい点がございます。

 女性の活躍促進には幅広い視点での取組が必要であり、今回御提示いただいたこの8項目はいずれも重要な取組だと考えておりますので、全て指針の中に盛り込むべきであるというのが1点です。

 その上で、新たな女性活躍促進の法的枠組みをより実効性の高いものとするための補強の意見として、今回御提示いただいた論点の1つに、継続就業に関する取組があります。前回までの議論においても、女性の継続就業を阻害する大きな原因の1つが、仕事と家庭の両立ができないということが明らかになっております。両立政策が重要になってくるということは、皆さんが御承知のところですが、両立支援の取組については、この継続就業の中に入っているということの理解でよろしいでしょうか。

 併せて、両立支援の制度に関しては導入はもちろん必要なのですが、導入されても利用されていないとか、育児関連では利用しようとするとハラスメントが起こるということで、以前にもお話をさせていただきました。「マタニティハラスメント」という名前で、報道も賑わしておりますが、マタハラ被害に遭った方のインターネットの署名が短期間に6000名集まっているとお聞きしております。この分科会あてに提出されたとも聞いておりますが、そういった状況があれば、お聞かせいただきたいと思っております。

 また、既存の法律に基づいた両立支援の実効性を高めることは、今回の新法の趣旨からいっても重要であるということで、そこで両立支援制度の制度導入状況及び育児休業や介護休業の取得日数も含めた利用状況及び現職復帰率についても現状を把握し、分析、情報開示の対象とすべきでないかと考えております。その際には、育休の利用日数についても取得すべきではないかと考えておりますので、2ページの調査項目の中に、今ほど申し上げた両立支援の制度導入状況、育児・介護休業の取得状況、復帰率についてここの項目にも追加すべき点ということで、指摘をさせていただきます。

 

○田島会長 御質問の点について、事務局はいかがでしょうか。

 

○小林雇用均等政策課長 事務局としましては、継続就業に関する取組の中で、両立支援に関する取組も入ってくるものと認識しておりますが、そこの御議論はこちらの雇用均等分科会にお願いしたいと考えております。

 

○南部委員 是非とも入れるべきだと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 もう1点、先ほど申し上げたマタニティハラスメントの被害に遭われた方々の呼び掛けで、マタハラに関する署名を先日、厚生労働省にお持ちしたと聞いているのですが、そういったことがあるか、もしお分かりになれば教えていただきたいと思っております。

 

○田島会長 事務局いかがでしょうか、お分かりになりますか。

 

○南部委員 次回でも結構でございます。

 

○田島会長 次回でもいいということですが、どうなさいますか。

 

○小林雇用均等政策課長 団体が要望書として持って来たものという御質問ですか。雇用均等分科会の場に提出した方がいいという委員からの御意見でございましたら、確認をして提出させていただくことはさせていただこうかと思います。

 

○田島会長 その他に御意見はございませんでしょうか。

 

○石田委員 質問と確認です。指針策定に盛り込むべき事項の例の最後にある「職場の雰囲気改革に関する取組」です。イメージとしては分かるのですが、その前にうたってある7つをイメージした雰囲気の改革なのか。この女性の活躍推進ということに対して前向きな方々もたくさんおりますし、一方では、今の現状の課題をきちんと解決してくれなければ困るという人たちもいますので、例えば差別のない平等とか、均等待遇とか、そういう雰囲気を職場にきちんと作っていくのだという改革の取組なのか、イメージが取りにくいので、具体的に御説明いただければ有り難いと思います。

 

○田島会長 事務局、お願いいたします。

 

○小林雇用均等政策課長 事務局としましては、委員の皆様方の御意見を整理したものとし、資料3をお示しさせていただいたところです。ここの「職場の雰囲気改革に関する取組」という所は、いただいた御意見の9ページの(7)3つ目のダイヤの所に対応したものであると考えて、整理をしておりますが、ここの射程範囲がどこまでかというのは御議論いただければと思っております。

 

○田島会長 そのほかに御質問はございませんか。

 

○松田委員 ダイバーシティに関して、以前に労働側から複合差別の意見提起もしましたが、その観点で意見を申し上げます。

 経団連のアクションプランの「はじめに」では、「ダイバーシティ(多様性)は、変化する市場等への適応力やリスク耐性を高めることにもつながると考えられる」と述べられています。特に環境変化への対応力の向上については、詳細な記述がなされております。多様性は企業にメリットがあるという認識は、今一度、公・労・使で確認をさせていただきたいと思います。

 アクションプランにはダイバーシティに関して性別以外の要素、年齢や障害など、これらには前回私たちも「複合差別」という観点で挙げた要素も例示されていたかと思います。このアクションプランでは性別に絞ってということで書かれていますが、ダイバーシティの必要性ということについては、他の要素についても認識があると捉えています。

 ですので、既に女性の活躍が十分であると考えられているこうしたほかの要素についても目を向けてもらうことが、ダイバーシティ推進の観点から重要ではないかと思います。企業によっては、性別以外の要素についても、数値公表などをしているところもあると伺います。男女別データと合わせてそれらを見ていくことで、労働側が提起した複合差別というものを検証し、是正していくことも可能ではないかと考えます。先進的な企業推進策ということで、是非検討をよろしくお願いしたいと思います。

 

○南部委員 実態把握、課題分析の4つの項目、女性の採用比率、管理職比率、継続年数、労働時間の実態が挙げられています。この4つについては、労側としては最低限必要な項目だと考えておりますので、是非とも統一的に取り組むことが必要ということで、定めていただけたらと思っています。そのために義務化すべきだと考えております。

 また、先ほど付け加えていただきたい項目を述べさせていただきましたが、更に申し上げますと、雇用の全ステージにおける募集、採用、配置、配置転換、昇進、職種の変更、定年退職、解雇に関しても、現状を把握しなければと思っておりますので、そういった項目の追加も是非ともお願いします。

 また、これらの項目及び今後の議論でここに加えるものも含めて、現状把握する際には、全ての男女別、雇用管理区分別、雇用形態別、非正規の方々も含めた調査をすべきであると考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 何度も申し上げておりますが、働く女性の6割は非正規となっておりますので、その点を踏まえていただき、しっかりと非正規も含めた調査をしていただきたいと思っております。

 

○川崎委員 それぞれコメントさせていただければと思います。先ほど、ダイバーシティに関しての概念を今回の新法の中でというお話がありました。確かに企業で考えていくと、ダイバーシティの観点から組織としての変化の対応力を高めていくところは必要だと思っていますし、概念としてはそのとおりだと思いますが、これを法律の中に組み込んでやっていくとなったら、例えばダイバーシティであれば外国人雇用の問題ですとか、いろいろな属性の人材活用となってくるわけです。企業は従業員数の規模から業態等々、いろいろ違いがありますので、そういったことを踏まえると、ダイバーシティという広い概念まで入れていくことが本当に分かりやすい法律になるのかどうかは、少し慎重な判断が必要と思います。

 日本の国内の企業を対象として考えていくというように考えますと、1つは女性ということを一番最初の取組ということで、女性にフォーカスした今回の法律の在り様というのは、この形で意味があるのかなと思っているところです。

2点目です。2ページの(2)の2、統一的な項目でどのような数字を出していくのかということの中身について、いろいろな御意見があったかと思いますが、項目自体は数字が出てくるといろいろな判断がされるのだと思います。例えば雇用ステージ、雇用区分、そこに配置、転換、採用、いろいろなものをどんどん追加をしていき、男女別に数字を出していくことが、本当にその時点での企業の1つの事実かもしれませんが、その数字が高いからいい、低いからいいという判断は非常に難しいのだと思います。それぞれのその企業の中での人員構成であったり、その時点の従業員の希望であったりといった、非常に個別事情が反映された数字が出てくる可能性も高いと思います。この統一的に出していく項目を増やしていくことに関しては慎重な判断が必要だと思います。個別の項目について、今後この場で議論をさせていただきたいとお願いします。

 

○小川代理人(布山委員代理) 最初に、先ほど松田委員がおっしゃったダイバーシティというのが企業の変化への対応力を高めるという意味で重要だというのは、全く同感でございます。私どもの女性活躍というのは、正にその理念に沿って進めております。おっしゃるとおり、ダイバーシティというのはもう少し広い概念ではありますが、今の日本の企業にとって一番差し迫った課題は、まず性別のダイバーシティというものをもう少し確保することだと認識しておりますので、今回の法律もそういった意味で女性ということに絞って議論されていると理解しております。

 これから申し上げる意見ですが、最初に断わらせていただきたいのですが、これは決して私どもが女性の活躍推進というこの法律の趣旨に反対をしたり、進行を遅らせたりしようと思って申し述べるものではないということを、まず最初にはっきりさせたいと思います。

6月の末に総理が経済3団体の長を呼び、自主的な取組を引き続き進めてくださいということとともに、新法をスピード感をもって進めていくので協力してくださいということを、私どもの会長に要請されました。これに対しまして、会長としましても、「自主的取組はしっかりと進めていきます、そして新法についても、そういった企業の取組を後押しするようなものにしていただくということで、是非協力させてください」と申し上げておりますので、私どもは全面的にこの法律の成立に協力をしてまいる所存でございます。一部報道などでは、経団連が反対して骨抜きにしようとしているなどといったような論調もございますけれども、その点につきましては、この場で明確に否定をさせていただきたいと思っております。

 企業としては、女性の活躍推進を決してコスト負担であるとは捉えておりません。先ほど来ありましたように、企業の競争力を高めるという経営戦略として捉えております。

 そういったことで、これから申し述べる意見なのですけれども、私どもはこれが本当に実効性を確保する法律であってほしいと思っています。それは、単に数字が上がるという意味での実効性ではなくて、本当の意味で女性一人一人が能力を発揮して幸せになれるという意味です。それから、本当の意味で企業が競争力を高めて、企業価値を高められるという意味です。そして、本当の意味で日本の経済の持続的な成長につながるという意味で、実効性を確保したいと考えております。

 そういった視点に立ちまして、まず最初の「指針の策定」の部分です。ここに盛り込まれているようないろいろな取組は、先ほど来指摘のあった企業が現状抱えている課題を反映して、企業が取り組んでいくべきこととして大変参考になる項目ばかりであろうと思います。このような取組を示していただくことは、非常に有効かと思います。

 その上で、この中のどの取組を優先して進めていくかということは、それぞれ企業によって置かれた状況も違います、優先すべき課題も違いますので、企業がその状況に応じて選んでいくということと理解をしております。決して、これを全て網羅した何か計画を立てるということではなくて、これを参考に、企業が独自に優先順位を付けて課題に取り組んでいくということであると私は理解しております。

 それから、2ページです。まず、現状把握と情報開示の部分です。企業が経営戦略として女性の活躍推進に取り組んでいく際には、当然のことながら、まず現状を把握いたします。それに沿って課題を分析し、対策を立てていく、これは当然のことでございます。ただし、それは飽くまでも経営戦略ですので、何か一律の項目を押し付けられるということには非常に違和感を覚えます。

 取り分け、開示につきまして先ほど川崎委員からも言っていただきましたが、数値を統一的に出すということは、場合によっては、企業の取組の足を引っ張る可能性がございます。数字というのは一人歩きをするものです。単に数字だけを抜き出して企業間でその数字を比較されますと、その企業の現状値は分かるのでしょうけれども、取組の状況、その背景にあるいろいろな状況の違いといったものが、全く無視をされてしまって、頑張っているのに評価が低くなってしまったりとか、そのような足を引っ張ることにもなりかねませんので、ここに示されている4つの項目も含めまして、統一的な項目を開示するということには強く反対をいたします。

 これは採用活動において、就職活動をする人の側に情報提供をする目的ということもよく言われるのですが、それも先ほど言いましたように、いろいろな背景事情を無視して、単に数字だけを比べたものを提供することが本当に求職者の方々に有効なのかどうかということには強い疑問を感じます。せっかく取組を進めていて、今後非常に女性の活躍が進む余地がある会社があっても、単に数値が低いということで入口のところで、女性がその会社を評価せず、入ろうと思わなくなってしまうということは非常にもったいないことであると感じております。

 企業にとって人材戦略というのは経営戦略の根幹なのです。優秀な人材を確保して、きちんと能力を発揮していただくということが、企業の競争力の源泉だと思っております。その上で、採用も含めまして、人材の確保についてはそれぞれ戦略を練っているわけですから、どのような項目を開示して、どのような人に来てもらうかということも含めて、企業の自主的な経営戦略だと考えております。

 その次の「目標設定、目標達成に向けた行動計画の策定、これらの開示」の部分です。この部分については、繰り返しになりますが、企業の経営戦略として計画を立てていくということでございます。本来、企業が自主的にやるものです。まして、私どもはこの新法の議論が出てくる前から、これをより加速させるために経済界として自主行動計画というものを既に進めておりました。そうした中で、ここにありますように、計画の策定について義務付けを行うべきかといったような議論が出てくること自体に、非常に強い違和感を覚えております。これは事務局の意見ということではなくて、経団連傘下の企業が、非常に強い違和感を覚えております。ですので、万が一にも、百歩譲ってこれが義務化ということになるのであったとしても、先行して取り組んでいる企業の自主的な取組の足を引っ張るようなことは避けていただき、後押しするような内容にしていただきたいと思っております。そういうことですので、この行動計画の内容は自由にさせていただきたいと思います。

 目標につきまして、数値目標を必須とすることは絶対に受け入れられないと考えております。数値目標を義務化しなければ女性の活躍が進まないという意見はよく耳にしますが、これは逆であろうと思っております。私どもの傘下の代表的な企業の中で、皆様のどなたが聞かれても、非常に女性の活躍に積極的に取り組んでいると思われるような企業であっても、あえて数値を出さない、数値目標を立てないという強いポリシーを持った企業もございます。

 その理由としては、数合わせと受け取られて、かえって社内が混乱する、反発を招くといったものから、例えば女性の人数が少ないことから数値を示してしまうと、個々人の顔が見えてしまうということで、かえって弊害が大きいといった様々な状況がございます。

 ですので、数値目標を出すなといっているわけではなくて、出される企業は当然あろうかと思いますし、それは非常に分かりやすいコミットメントになると思っております。ただ、全ての企業に数値目標を出せという、義務化をするということには反対をさせていただきたいと思っております。

 ちなみに、経団連は今、先行的に50社ほど自主行動計画を公表しておりますが、これもあえて数値を義務化ということはしておりません。各社の判断にお任せしております。そうしましたところ、半数以上の企業が数値目標を立てています。飽くまでも企業の経営判断に任せて、目標の立て方についてはお任せいただきたいと考えております。

 それから、実施時期、計画期間のところにも関連しまして、この法律のこの目的は、飽くまでも均等法のポジティブ・アクションを進めることにあると考えております。ですので、未来永劫こうした計画を企業が立てることが必要であるということではなくて、目指す姿が達成された暁には、こういうものは不必要になるのであろうし、また必要のない社会が理想的な社会であろうと思っております。ですので、この新法については時限の法律であるべきだろうと考えています。

 また、これに関連しまして、先ほども少しありましたが、女性の活躍が非常に進んでいる企業というものが、多くはないかもしれませんが、現実にあります。私どもの自主行動計画の策定をお願いしましたところ、既に女性管理職の比率が半数に届いているという企業からの回答がございました。届いているので、これ以上何をしたらいいのか分からないけれども、引き続きこうした状況を維持するように努めたいと思う、という行動計画が出てまいりました。そうした企業について、この行動計画というのはどういう計画を立てたらいいのかということの整理は必要であろうかと思っております。

 また、少し細かい話になりますが、企業の既存の取組の足を引っ張らないという意味において1つお考えいただきたいことがありまして、人事というのが、最近は企業の形態も様々になっていまして、グループ化などが進んでおります。そうしたときに計画の策定というのは、恐らく個々の企業ごとになると思うのですが、実際にこうしたダイバーシティの計画などは企業グループで、全体で統一的に立てているものが結構あります。そうした、既存のグループ単位での行動計画といったものを今回のこの法律ができたことによって分割したり、立て直したりといったようなことが必要にならないような扱いにしていただきたいと思います。細かい点ですが、お願いしたいと思っております。とりあえず以上です。

 

○加藤委員 関連で、私も中小企業の立場から意見を申し述べさせていただきます。全国に中小企業は385万社ございます。全産業にわたって、それなりの規模の企業から、1人、2人でやっていらっしゃる事業主もいらっしゃる。非常に多種多様です。特に小さければ小さい事業者ほど、既に男女の区別という発想は全くなく、男性、女性にかかわらず、有用な人材を少しでも確保していきたいと考えていて、企業の経営戦略の中で進めていっていらっしゃると思います。

 そういう中で、ただいまの経団連さんのお話もありましたが、飽くまでも事業者、どんなに小さな中小企業であっても、当然雇用の問題は経営の中で考えていくことになりますし、それぞれの企業において目標はお持ちになっていらっしゃるはずです。ですから、そこを強制的に義務化という形になってきますと、隣の事業主では素晴らしい数字を出している、ただ自分のところは数字としてはなかなか表すことができない。経営戦略を進めていく中で、数字を全面に出さなければならないことによって、取引先等から差を付けられてしまうかもしれない。これは正に経営の根幹に関わってくる危険性も出てくる場合があり得ることかなと思います。

 内容的に、今後必要なものばかりかなとは思っておりますが、特に義務化というところ、全ての事業主に網を掛けるという発想は、私ども中小企業の立場からすると、なかなか受け入れられないことだと思いますので、御理解いただければと思います。以上でございます。

 

○中西委員 同じく中小企業の立場から意見を申し上げます。「3.現状把握、課題分析」、「4.行動計画の策定」の両方にまたがる意見となります。

 中小企業は男性であれ、女性であれ、人材を確保・採用することが、近年は大変困難な状況にございます。中でも、地方においては、その状況が更に深刻で、人材の確保という大きな課題に直面しております。中小企業においても、各商工会議所などと連携しまして、女性の活躍推進に向けた環境整備に取組を始めたところですが、新法の検討に当たりましては、中小企業や各地域の実情を踏まえ、現状に見合った内容とすることが必要だと考えております。

 また、中小企業はもちろんのことですが、中でも特に小規模企業について、少人数の企業の扱いをどうするのかということについても、考えていただきたいと思います。加えまして、このような制度は分析・開示項目が多くなればなるほど、事務手続が煩雑になりがちです。企業の取組を促すという観点から、くれぐれも分かりやすさには配慮をいただきたいと思います。

 もう1点は、認定などのインセンティブ付与についても意見を申し上げてもよろしいでしょうか。

 

○田島会長 今日は時間の関係で。

 

○中西委員 承知いたしました。以上でございます。

 

○川崎委員 先ほど来申し上げていることに関連して、資料3です。13ページ、先ほど来から人材の活用、女性の活躍促進、採用、雇用、配置といったものに関しては、基本的に経営マターであるというのが、私たちの側の意見だと思います。

 上の囲みの中の四角の3番目に、「労使の対話により女性の活躍促進に向けた課題を解決し」とあります。基本的に今回取り上げようとしていることに関しては、当然働いている人のニーズがどこにあるのかを把握することからスタートするという認識は持っていますが、これを「労使の対話により」というところに関しては、非常に違和感を覚えます。経営マターである以上、判断していくところは労使の対話ではないところでなされるのかなと思います。ニーズを把握して現状の課題を認識し、それで取り組んでいくというところはそのとおりですが、「労使の対話」という所に関しては、違うのではないかというところは意見として述べさせていただきます。

 

○半沢委員 いろいろと目標、数値、このような議論がされているようにお見受けしますが、もちろんこの取組が数値ありき、数値を満たすことを目標とするものでないことは、当然皆様も合意していただけるところだと思います。

 そういった観点を踏まえてですが、取組の現状を知るため、把握するため、分かりやすく見える化をするために、数値というのは1つの大切な目安になる性格を持つというも、また1つ真実だろうと思っています。

 いろいろな企業があって、自分の企業の取組を進めるに当たって、自分の企業の現状がどのようにあるのかという現状把握を行う上においても、定性的なものだけでなく、数値的なものを目安にして自分の立ち位置を知る。それによって、次はここを目指そうと。全体としては202030%というのはお持ちかもしれませんが、今の自分の企業なり職場としてここを目指そうという数値を掲げて取り組む、これもまた取組の方向性を見えやすくし、指標の1つであるというのは確かだと思っています。ですから立ち位置を知る。そして、目指すところを示す。目標点においても、数値ありきではないと思います。本当に重々分かっていますがでも、やはり非常に重要な指標であるということもまた真実だということは、皆さんも御理解いただけるのではないかと思いますし、その立ち位置を知るという中においては、取組が進んでいる企業であるか、全体の状況ということを知るためにも、ある程度開示をして、日本は今、どこにいるのか、日本の企業はどこにいるのか、そういったところが分からない状況の中では、これから取り組もうというところにおいて、取組を進める方向性も定まらないというのもまた事実ではないかなと思っているところです。

 私、以前に厚生労働省の事業ですが、「ポジティブ・アクションを推進するための業種別見える化支援ツール」というツールがあって、それは業種別にポジティブ・アクションのいろいろな指標について、労使で、協力をして「見える化」しながら、その業界の状況を把握し、ポジティブ・アクションを進めるようなツールがあるわけなのですが、こういったものを策定されていると思います。

 この中で指標ということで幾つか設定していて、今回の議論に参考になるものではないかと感じているところです。最初の採用というところはもちろんですが、その中での女性比率、活躍という観点から、3年目、10年目といった時点その時点での配置の状況、また定着という観点から、こちらも3年目、7年目、10年目といったような時期での女性の定着の状況を、自分の企業の数値として把握し、これを業界の企業の調査をした平均と比べることにより、今は自分がどこが強いのか、弱いのかということが分かるようになっています。管理職の割合、平均勤続年数といったものも、そのツールの中では調査ができ、見られるようになっておりますし、男女別に数値を取っています。採用、中途採用、女性社員比率、そのツールの中では、いろいろな複合的かつ最終的な指標としての賃金の格差の部分といったことも含めた、企業の中の平均的な情報の開示というものがされます。それにより自分の立ち位置が分かり、取り組む方向性が分かるというツールになっているわけです。

 こういったことは立ち位置を判断するにおいても重要だと思っております。この総合的な指標というものが示されていくというのが、途中の状況も示され、それぞれのステージにおいて目標、方向性を定めながら取り組むというのが、底上げには必要なのだろうと思っています。

 このように、既にあるツールなどもあるわけであり、今回の現状把握、分析、情報公開といった一連の流れにおいても、こういったことも参考にしながら、みんなで取り組んで、よいものにしていこうという意味で、見える化も大切だといった考え方もあると思いますので、提起をさせていただきたいと思います。

 

○松田委員 半沢委員の意見と関連します。経団連の小川代理人が「経団連は後ろ向きでは決してない」とわざわざ前置きをされ、おっしゃったことについて、私は頑なに数字の目標を課されることを拒否するというのは、非常に後ろ向きだと私は捉えましたし、企業が、一般的に何事かに取り組もうとしたときに、数値目標を持たないことは余りないですし、明確な目標を持っていないときは、言っただけになりがちだということはあると思います。

 非常に失礼なことを申し上げているかもしれませんが、今までの取組が均等法の中でもなされてきたわけですが、結果として改善はされていないわけですし、今回新しい法律を作るからには実効性のあるものを作らないと意味がないと思います。

 そういった意味では、一律の数値目標を課されるということがそれぞれの企業の状況とか、そういったことで難しい、抵抗があるということであれば、それぞれの企業で、労使で目標値を設定し、そこに向けて取り組んでいけばいいと思います。

 私の出身企業、グループ、川崎委員もですが、そこも経団連さんのホームページで目標値を発表させていただいています。それは他の企業さんと比べてみても、確かに非常に低いのです。そういった数値を出すのがいいのかどうかという議論もあったと聞いており、「こんな恥ずかしい数値は出さないほうがいいのではないか」という話もあったと聞いておりますが、そこを出したということは私は非常に評価すべきだと思いますし、それによって社内も変わってきているとも聞いておりますので、そこはPDCAを回すというところでCheckActionをするということを考えれば、端から頑なに数値目標を拒否するというのはいかがなものかと思います。

 

○小川代理人(布山委員代理) 確認させていただきます。端から数値目標を拒否しているわけではありません。実際、経団連も実施行動計画においては数値目標を立てることを推奨はしております。ただし、法律において、全ての企業に数値目標を立てることを義務化するということに反対をしております。

 というのは、効果があるという意見もあり、経団連としても推奨しておりますが、企業によっては数値を立てることと出すことはまた別かと思うのですが、企業として持っていても出さない場合もあります。表に出さない方が取組がスムーズに進むと考えている企業があるのは事実なのです。それに対して、私は100%否定するだけの論拠を持ち合わせてはおりません。

 ということで、全ての企業に数値を出せと義務化することに反対をしております。企業が数値を出すべきではないと言っているわけではないということを確認いたします。

 

○田島会長 本日予定されている終了時間がそろそろ迫っております。どうしても御発言なさりたい方がいらっしゃれば、手短にお願いいたします。

 

○石田委員 重複するところもあるので端的に話します。均等法が制定されて30年を迎え、この30年は一体どうだったのかというところは、前回、前々回の中で共有したわけでして、任意でやってきた結果がこれだというわけです。

 そういうことからすれば、新法の中で、女性が活躍するために具体的に行動していこうではないか、さらに企業だけの責任ではなく、公・労・使でやっていこうではないかということからすると、義務化は必須だろうと。公開並びにその公開した実情とどのように改善していくのか、行動計画を作っていくのかとか、それがセットで公開されることにより、数値が一人歩きすることもないでしょうし、そういう意味で義務化ということは必要だということを、私からも申し上げておきたいと思います。

 

○南部委員 先ほど「労使での対話は必要ない」という御意見があったと思います。これについて異議を申し立てます。というのは、この間のいろいろな議論の中で、働き方に関していろいろと変えていかなければならないということが共通の認識だったと思います。働き方を変えるということは労働条件が変わっていくということにも関わります。これは労使の対話の中でいいものを作っていけばということの意見をこの間申し上げてきました。

 なので、ここで書いてある「労使の対話」ということを消すということにはならないと思いますし、先ほどからある企業の中の御事情もよく分かりますが、情報の公開、把握、分析についても、これは労使でしっかりと対話をし、その企業の実情を踏まえた上で、どうすべきかということを考えることが前提にあれば、何も数値目標だけに拘ることはないと考えておりますが、そういったことも全て否定されるのであれば、しっかりと法律に義務付けをしなければならないと考えております。

 

○権丈委員 先ほど半沢委員がおっしゃっていた「見える化」というのは、厚生労働省のポジティブ・アクションのものですか。

 

○半沢委員 はい。厚生労働省の事業として行われたものです。

 

○権丈委員 そうでしたら、できれば事務局には、議論の参考のためにそちらの資料を御準備いただければと思います。

 

○小林雇用均等政策課長 次回、提出させていただきたいと思います。

 

○田島会長 ほかに御意見はございませんでしょうか。

 

(意見等なし)

 

○田島会長 よろしいでしょうか。それでは本日の第147回労働政策審議会雇用均等分科会を終了いたします。私は座長でありながら遅れまして、皆様に御迷惑をお掛けして大変申し訳ございませんでした。お詫び申し上げます。本日の議事録の署名委員は労働者代表は南部委員、使用者代表は川崎委員にお願いいたします。本日は集中豪雨の悪天候の中お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省雇用均等・児童家庭局
雇用均等政策課
〒100−8916 東京都千代田区霞が関1−2−2

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