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2014年11月14日 第1回 医療事故調査制度の施行に係る検討会 議事録

医政局総務課医療安全推進室

○日時

平成26年11月14日(金)16:00〜18:00


○場所

厚生労働省12階 専用第12会議室


○議事

○田上医療安全推進室長補佐

 定刻になりましたので、「第1回医療事故調査制度の施行に係る検討会」を開催させていただきます。

 議事に入ります前に、本来であれば、構成員の皆様方の御紹介と事務局の紹介をさせていただくところでございますが、時間の関係上、座席表及び構成員名簿の配付をもって紹介にかえさせていただきます。

 また、本日は、河野龍太郎構成員、田邉昇構成員、永井裕之構成員、山本隆司構成員、和田仁孝構成員から欠席との御連絡をいただいております。

 それでは、議事に入ります前に、資料の確認をさせていただきます。お手元の資料を御確認ください。

まず、資料1は「医療事故調査制度について」でございます。

資料2といたしまして「今後の審議スケジュールについて(案)」。

 資料3といたしまして「平成26年厚生労働科学研究費補助金 診療行為に関連した死亡の調査の手法に関する研究班 議論の整理」。

 資料4といたしまして「日本医療法人協会医療事故調ガイドライン 現場からの医療事故調ガイドライン検討委員会最終報告書」を配付しております。

 また、その次に、本日御欠席の田邉構成員から御意見の提出資料をいただいております。

 また、参考資料1といたしまして「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案に対する附帯決議」。

 参考資料2といたしまして「『医療事故に係る調査の仕組み等の基本的なあり方』について」、こちらは平成25年5月に医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会で取りまとめたものでございます。

 参考資料3といたしまして「医療事故調査制度に関するQA」を配付しております。

 資料に不備等ございましたら、事務局までお伝えください。

 それでは、議事の前に、まずは橋本政務官より御挨拶をお願いいたします。

○橋本政務官 

厚生労働大臣政務官でございます。

 本日は、皆様、お忙しい中、本検討会に御出席を賜りまして、心から御礼を申し上げさせていただきます。座ってお話をさせていただきます。

 医療事故調査制度につきましては、本年6月に医療法が改正され、平成2710月1日より施行されることとなっております。厚生労働省におきましては、制度施行に向けて、法律にのっとって厚生労働省令、厚生労働大臣告知、通知などを作成することとしておりまして、その検討のための議論の場として本検討会を開催することといたしております。

 改正医療法では、医療の安全を確保するための措置として、医療事故の原因分析を行い、再発防止に役立てることとされており、責任追及や紛争解決とは切り分けたものとなっております。そうした観点から、構成員の皆様には、高い見地から率直な御意見をいただき、活発で前向きな御議論をいただきたいと考えております。

 ここまでは事務方が用意をしてくれた御挨拶なのですが、自分の言葉で、今と同じ趣旨にはなると思いますが、お話を申し上げたいと思っております。私、昔、コンピューターのプログラムをつくっていたことがあるのですが、システムエンジニアリングの世界で、KISSの法則と言われることがございます。Keep it simple and shortとか、simple and smallとか、幾つかバリエーションがあるのですが、いずれにしてもシンプルということは言われるのですね。簡潔にしなさいということです。プログラムをつくるときに、どうしても欲張って便利なものつくろうと思う余り、あれもこれも機能を追加しようとする。そうすると、巨大なシステムになってしまって、間違いが紛れ込むかもしれない、バグが発生するかもしれない、予期せぬ挙動を示すかもしれない、副作用が起こる、あるいはすごく動作が遅くなる、そんなことが起こりやすくなる。だから、システムというのは簡潔に、コンパクトにつくりなさい、こういう教訓なのですね。

 この医療事故調査の制度というのも、10年以上にわたってさまざまな経緯があって、きょう、この日を迎えていると思っております。どうしても医療というものが単純な仕事ではない。患者さんの状態もまちまちだったり、あるいは現場の状況もまちまちだったり、まさに臨床的な対応が求められるわけであります。また、事故、あるいはそれを疑われるというケースについて取り上げるわけですから、どうしても不幸な状態から始まって、みんなが理性的に動けるかというと、感情だとか、そういうことも、いろいろなことが起こるということも考えられることでありまして、そんな状況での制度を考えなければいけないということで、どうしてもいろいろなことを、あれもこれもということになりがちで、最終的に合意がなかなかまとまらなくて、ここまで至っているのだろうなと、このように個人的には思っているところでございます。

 ただ、さきの国会で成立した医療法ですけれども、少なくとも制度の目的というのはシンプルなものだと思っています。これはさっき申し上げたことですが、医療事故の原因分析を行い、再発防止に役立てることだと思います。この法律に基づいて、今回、具体化をするための検討をお願いするということですから、まさにシンプルに、このことを目指して御議論をお願いをしたい。一度起きてしまった不幸な事態について、きちんと調査をして教訓を学ぶということで、同じような誤りを二度と起こさないようにする。そのことを通じて医療事故を1件でも減らし、国民が安心して医療を受けていただけるようにすることがこの制度の目指すところです。そこにぜひ狙いを定めて御議論をいただければありがたい。

そのことを具体的・効果的にどう実現をしていくのか、きょう、さまざまな専門、あるいは御知見を持っておられる皆様に集まっていただいておりますので、御議論を賜りたい、このように思っております。このテーマにつきまして、私も興味を持って、ぜひ毎回出席をさせていただきたいと思っていますが、政治的ないろいろな状況が急に最近起こりまして、なかなかそうはいかないかもしれません。ただ、今、申し上げたことを頭の隅に置いていただいて、どうぞ前向きで活発な御議論を賜りますようにお願いを申し上げます。どうもありがとうございました。

○田上医療安全推進室長補佐

 ありがとうございます。

 続いて、座長の選任をお願いしたいと存じます。

 本検討会の開催要綱3の(2)に基づきまして、座長は構成員の互選により定めることとされております。

また、互選に入ります前に、本日御欠席の田邉構成員より、座長の互選に関する御意見をいただいております。事務局より紹介させていただきます。田邉構成員御提出の意見書をごらんください。こちらの意見書の1番と2番の部分が座長の互選に関する御意見でございます。僣越ですが、読み上げさせていただきます。

1 以前のいわゆる大綱案あるいは第三次試案と称する事故調案が、日本救急医学会はじめ、医師らから強い反発を受け、自由民主党政権下において、当時の舛添要一厚生労働大臣によって国会提出が見送られた経緯があり、大綱案をとりまとめた座長である前田雅英首都大学教授が、医療崩壊の推進者であるとして非難され、中医協委員再任への国会同意を拒絶されるという事態になったことは本検討会構成員はじめ周知の通りである。

この経緯を経て、今般の改正医療法は、医療安全のためのシステムとして再構築され、WHOドラフトガイドラインの精神によって(厚労省HP、西澤班中間報告、医報協GLのいずれも異論がない)設計することとされている。

これを大前提として、円滑に厚生労働省令・厚労大臣告示の制定に向けて知恵を出し、協力するのがわれわれ構成員の責務であると考える。

2 前記に照らすと、第1に本検討部会設置要項にあるように、とりまとめに大きな権限と責任を伴う座長について、大綱案関与者がつくことには、医師らの間に無用な疑惑が生まれる可能性があり、就任者にも今後無用の負担等が生ずる懸念があるために、差し控えてはどうかと思慮する次第である。

また、万一、「互選」によりかかる大綱案関与者が座長として選任された場合でも、座長においては第1項の趣旨を宣言するなどして、大綱案復活といった医師の間の疑惑を払拭するべく発言・とりまとめを行うことが期待されよう。

以上でございます。

それでは、座長の選任をさせていただきたいと思います。互選でお願いいたします。複数の方から御推薦があった場合には、推薦人の多い方にお願いしたいと存じます。どなたか御推薦する方、自薦他薦等ありましたら、お願いいたします。

松原構成員、お願いいたします。

○松原構成員

 今、政務官から説明がありましたように、この法律の趣旨を十分に踏まえた上で、国民のためにきちっとしたものをつくってまいりたいと私どもは思っておりますが、山本和彦先生にぜひ、先ほどのお話を踏まえた上でおまとめいただくようにお願いしたいと思います。

○田上医療安全推進室長補佐

 ありがとうございます。

小田原構成員、お願いします。

○小田原構成員

 医療法人協会の小田原でございます。

 今、田邉先生の意見書がございましたが、実は、私もこの点については懸念を抱いておりました。第三次試案大綱案、そして、この前のあり方委員会、そういうことで、今、候補で出られましたが、山本先生はずっとタッチしていらっしゃいましたので、実はこの件について、いろいろ疑念と言ったらおかしいですが、現場からいろいろな意見があるのを私は聞いております。ただ、一方、山本先生は中立な方であるという、先生個人の評価もいろいろ聞いております。そういうことでございますので、こういう会の取りまとめとしては、今までのことをとにかくお踏みいただいた上で、座長としては山本先生が適任ではないかと、山本先生を推薦したいと思います。

○田上医療安全推進室長補佐

 ありがとうございます。

 ただいまお2方より山本和彦構成員を御推薦する意見がございました。皆様、いかがでございますでしょうか。

(拍 手)

○田上医療安全推進室長補佐

 それでは、山本和彦構成員に座長をお願いいたします。

 座長席にどうぞ。

(山本構成員、座長席に移動)

○田上医療安全推進室長補佐

 これより山本座長に進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○山本(和)座長

 それでは、一言御挨拶をさせていただきます。

 ただいま座長に御選出をいただきました一橋大学の山本と申します。

 大変重要な会合におきまして、このような役割をお引き受けすること、身の引き締まるような思いでございます。私の座長としての役割といたしましては、このようにさまざまな立場から選出されておられる構成員の方々に、できるだけ十分な、そしてまた公平な形で御議論をいただき、この医療事故調査の制度、法律の趣旨に従って、少しでもよいものにするということであろうと考えております。

ただ、私自身、このような役割に必ずしも慣れているわけでありませんし、また、このように大人数の会議で、かつ日程的にも非常に限られているということでありますので、皆様に御満足をいただけるような議事進行ができるかどうか、多少不安には思っておりますけれども、微力を尽くしたいと考えておりますので、どうかよろしく御協力のほど、お願い申し上げます。

 それでは、まず、やや事務的なところからでございますけれども、開催要項3の(3)のところにございますけれども、座長、私に事故のあるとき等は、座長があらかじめ指名する構成員がその職務を代行することになっておりまして、私の職務を代行していただく方といたしましては、私としては、和田構成員にお願いをしたいと考えておりますが、本日御欠席ですので、実際、お引き受けいただけるかどうかは定かではないのですが、恐縮ですが、事務当局のほうから和田構成員にその点、次回までに御確認をいただければと思います。

 それから、もう一つ、構成員が欠席される場合の取り扱いでございます。このように大人数の会議でございまして、日程調整は極めて困難を極めるところと思いますので、できるだけ多くの方に御出席をいただける日にちを設定したいということではございますけれども、やはりどうしても欠席になられる構成員の方が出ることはやむを得ないところと思います。

そこで、欠席される場合につきましては、1つは、団体を代表して出席、参加されている構成員の方につきましては、団体を代表されているということですので、その方が欠席される場合には、かわりに当該団体を代表する方について、参考人という形で御出席をいただくということでいかがかと思います。

他方、有識者といいますか、個人の資格として参加していただいている構成員の方が欠席される場合でありますけれども、これは個人の資格として参加していただいておりますので、基本的には、なるべくその方の個人としての御意見を伺いたいということで、物理的に出席できないことは仕方がないので、その場合には書面で意見を提出していただくことをできればお願いしたいということでございます。ただ、書面だけで配るというのもあれですので、口頭で説明する必要があるとお考えであれば、その方の御指名で、説明者という形で、参考人として御出席をいただく。ただ、その方は説明者ということで、いわば欠席される方の意見を代弁される方という位置づけになりますので、提出された個人の意見を御説明いただき、それに対する質問といいますか、質疑に答えていただくという形にしていただくことを考えております。

いずれにしましても、欠席の場合には事前に事務局を通じまして私にお知らせをいただいて、座長の了解を得ること、そして、この会議自体でも、当日、承認を得て、参考人として出席をいただくという手続を考えておりますが、この点について、まず、お諮りしたいと思いますが、いかがでしょうか。特段の御異議、御意見はございませんでしょうか。ありがとうございます。それでは、そのような形で、構成員欠席の場合は取り扱いをさせていただきます。

それを前提にして、早速なのですが、本日、田邉構成員が御欠席をされているわけでございますけれども、田邉構成員から、先ほど資料の御紹介がありましたように、意見が提出をされております。また、あわせて、その意見の説明者として、佐藤一樹氏を参考人として出席させたいという申し出があらかじめございました。これについては、私は今、座長に選任されたばかりですので、事前の私の承認はもちろんないわけでございますけれども、私としては、この場で佐藤一樹氏を参考人として御出席をいただき、御説明をいただくことは特に問題はないのではないかと思っておりますが、この点についてはいかがでございましょうか。よろしいですか。

(「異議なし」と声あり)

○山本(和)座長

 ありがとうございます。

 それでは、佐藤一樹氏を先ほどのような位置づけで参考人として御出席をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

(佐藤一樹氏を参考人席に案内)

○山本(和)座長

 それから、もう一つ、事務的なことですが、開催要項4の(1)の規定に基づきまして、そこでは会議の議事及び資料は、別に会議において申し合わせた場合を除き、公開とすると規定をされておりますので、この会議の議事及び資料については、このような形で取り扱いをさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 以上が事務的なことでございますけれども、議事の内容に入りたいと思います。

まず最初の議事といたしましては、医療事故調査制度と今後のスケジュールの案につきまして、事務局から資料の説明をお願いし、それに基づき、審議をいただければと思います。

事務局からお願いいたします。

○大坪医療安全推進室長

 医療安全推進室長でございます。

 資料1から御説明をさせていただきます。資料1をお開きをいただきまして、まず最初、今般の「医療事故調査制度についてのこれまでの検討経緯」をこちらにお示しをしてございます。24年の2月にさきの検討部会が設置をされまして、13回の開催をもって25年5月に取りまとめをしていただきました。この取りまとめにつきましては、本日の資料の参考資料2の中でおつけしておりますので、適宜御参照ください。

 その後、2512月に社会保障審議会医療部会において最終意見の取りまとめの中に、ここに書いてあります医療事故に係る調査の仕組みの記載をいただいております。

 その後、26年2月、第186回通常国会に、この制度を含みます医療介護総合確保推進法案の提出をいたしまして、6月18日、参議院の厚生労働委員会において附帯決議をいただいております。こちらは今般の資料の参考資料1におつけをしております。ここに記載をしておりますア、イ、ウの3項目、医療事故調査制度については、立法府より宿題をいただいております。

 また、26年7月16日、法案の成立以降でございますが、厚生労働省の科研費において、診療行為に関係した死亡の調査の手法に関する研究班で御議論を開始していただいているところでございます。

 続きまして、「医療事故に係る調査の仕組み」、2ページ目にポンチ絵をお示しをしております。医療事故に係る調査の流れでございますが、下の図をごらんをいただきますと、対象となる医療事故が発生しました場合、まず医療機関は第三者機関へ御報告、数字のマル1に当たりますが、御報告をしていただきました上で、必要な調査の実施、マル2院内調査を行う。その上で、その調査の結果について、御遺族への説明及び第三者機関への御報告、マル3に当たりますが、これを行っていただきます。第三者機関は、医療機関が行った調査結果の報告に係る整理・分析を行っていただき、医療事故の再発の防止に関する普及啓発を行っていただくこととしております。また、それとは別に、医療機関、または御遺族から調査の依頼、マル5に当たりますが、これらがあったものについて、第三者機関が調査を行い、その結果を医療機関及び御遺族へ報告を行うことになっております。この場合の調査の依頼は、医療機関からマル1の報告があったものについてのみ依頼ができることとしております。

このほか、小さい文字で書いておりますが、民間の第三者機関が行う業務として、医療機関への支援ですとか、調査の結果の整理・分析、再発防止に関する普及啓発や研修等を定めているものでございます。

 おめくりをいただきまして、次以降は、医療事故調査制度の条文をそのままおつけしております。もう既に御承知おきいただいていることではございますが、いま一度、医療事故調査制度の今般の改正医療法の中での位置づけについて、簡単に御説明をさせていただきたいと思います。

 まず、改正医療法の中の第3章、医療の安全の確保という章の中にこの制度が位置づけられております。

 まず、第1節、医療の安全の確保のための措置、これは主に医療機関にお願いをする事項が並んでおります。

 第6条の9は既存の条文ですので飛ばしますが、6条の10以降ですが、まず、6条の10において、今般の制度における医療事故の定義が示されておりますので、いま一度お読みいただければと思います。

 この条文では、厚生労働省令で定めるところにつきましては、字体を変えてゴシックでお示しをしておりますので、ここが省令事項であることもあわせてお読みいただければと思います。事故が発生した場合には、民間の支援センターに報告をしていただき、その前にあらかじめ2項において御遺族へ説明をしていただくこととなっております。

 6条の11では、院内調査、病院の管理者が行う原因を明らかにするために必要な調査についての定めがございます。次の項では、それを支援する、医療事故調査等支援団体の位置づけが規定されております。4項では調査結果、事故調査が終了した場合に、センターに報告をしていただくこと、5項であらかじめ御遺族に説明をしていただくことが定めてございます。

 第2節からは、民間の第三者機関、医療事故調査支援センターの位置づけについての規定でございます。6条の15は指定要件等を定めておりまして、続きまして、6条の16は、第三者機関が行う業務、いわゆる調査等業務でございますが、これらの項目が並んでございます。

 6条の17は、第三者機関が行うことができる調査についての位置づけをお示ししております。続きまして、おめくりをいただきまして、第三者機関が調査を行う場合、医療機関にお願いをいたします協力依頼についての定めがございます。また、5項において、その結果を医療機関の管理者や御遺族に報告をしていただくことを定めております。

 6条の18はセンターの業務規定になっておりまして、6条の19は事業計画の認可についての定め、6条の20は休止、廃止の許可についての定めでして、続きまして、6条の21は守秘義務、6条の22は業務の委託ができることの定めがございます。

 9ページ、6条の23は、センターが備える帳簿についての規定でございます。

 6条の24は厚生労働省の監督権限についての規定でございまして、6条の26は、センター指定の取り消しに関する規定になっております。

 最後、6条の27、これ以外に、センターに関し必要な事項は、省令で定めることとしております。

 また、附則でございますが、附則の中で検討規定といたしまして、事故調に係るところは第2条の2項、こちらは改正医療法においての医療事故調査制度の実施状況等を勘案して、医師法21条の規定による届出と、今般の医療事故調査制度の届出のあり方、また、医療事故の調査というもののあり方、それから、医療事故調査支援センターのあり方、この3つにつきまして、公布後2年以内に法制上の措置、その他の必要な措置を講ずるといったことを検討規定の中で定めております。

 資料1につきましては以上でして、次に、資料2、スケジュールについて、続けて御説明をさせていただきます。この検討会の今後の審議スケジュールの案でございます。

まず、その他のスケジュールとあわせてお示しをしておりますが、27年の10月に施行を迎えます。できますれば27年4月以降を目途に省令や告知、通知事項等についての指針の策定を公表させていただけたらと考えております。省令事項も含まれておりますので、一般的なパブリックコメントを27年3月ごろにさせていただけたらありがたいと考えております。そのために、さかのぼってのスケジュールをこちらにお示しをしております。

 あわせまして、先ほど御紹介をいたしました参考資料1に附帯決議がついておりますが、先ほど御紹介をいたしましたので、こちらは省略をさせていただきます。

 事務局からは以上でございます。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

 ただいま事務局から説明がありましたように、本年6月に成立しました法律に基づいて、かなり多く省令で定める事項に関する規定がございます。そのほか、施行に向けて決めていく必要がある部分について、本検討会で検討いただくことになろうかと思います。

今、御説明がありました検討事項、あるいはスケジュール等につきまして、各構成員から御意見、あるいは御質問等があれば、自由に御発言をいただければと存じます。

どうぞ、小田原構成員。

○小田原構成員

 資料の2ページ、ポンチ絵でございます。素人でよくわからないのでお聞きしたいのですが、このポンチ絵の中にマル1報告とありまして、下に括弧で「事故発生の届出」とあります。これは「事故発生の報告」のミスプリントではないのかなと思っているのでございますが、いかがでございましょうか。

○大坪医療安全推進室長

 マル1のところは、条文上は、小田原委員御指摘のとおり、報告でございます。それを実質的には、まず最初の届出という意味ですよという意味合いで書いてございますけれども、これは条文上は委員の御指摘のとおり、報告でございます。

○小田原構成員

 というと、実質的には報告であるが、私は法律のことはわからないのですが、これは強制力があるとか、そういう意味の届出ということでございましょうか。

○大坪医療安全推進室長

 その次の3ページから条文がございます。6条の10のところにその規定がございます。これを読み上げさせていただきますと、「病院、診療所又は助産所の管理者は、医療事故が発生した場合には、厚生労働省令で定めるところにより、遅滞なく、当該医療事故の日時、場所及び状況その他厚生労働省令で定める事項を第三者機関に報告しなければならない。」ということで、義務でございます。

○小田原構成員

 実質的には報告と同じと捉えてよろしいですね。括弧で届出と書いてある。

○大坪医療安全推進室長

 報告でございます。報告しなければならないことになっております。

○小田原構成員

 報告と同意義ということでよろしゅうございますね。

○大坪医療安全推進室長

 はい。

○小田原構成員

 ありがとうございました。

○山本(和)座長

 よろしゅうございましょうか。それでは、ほかの点について、いかがでしょうか。どうぞ。

○大磯構成員

 浜松医大の大磯です。

 今、小田原先生から御質問があった第6条の10の報告に関しましては、これは法律上の問題なのですが、医療法自体が恐らく公法に分類される法律だと思うのですけれども、公法上の義務であって、医療事故調査支援センターは民間施設という立てつけになっておりますので、病院等と医療事故調査支援センターという私人間における義務を定めているものではないという理解でよろしいのかということと、あと、これは罰則規定がついていないという理解でよろしいのでしょうか。

○山本(和)座長

 総務課長。

○土生総務課長

 公法か、私法か、医療法について明確な分類があるわけではございませんけれども、医療法全体の構成といたしましては、病院、あるいは診療所、助産所等に管理者を置くということでございまして、医療資格を持った管理者がいろいろな医療法上の義務を果たしていただくと、そういう構成に全体としてなっているわけでございます。今回の改正は、その管理者の義務として、報告しなければならないという規定を盛り込んだわけでございますけれども、これ1つに着目して、直接に何か罰則があるといった構成にはなっていないというのが、この医療法の構成でございます。

○大磯構成員

 もう一度確認ですけれども、これは公法上の義務であると理解をしてよろしいのですか。

○土生総務課長

 公法、私法と、すみません、私も浅学非才で、医療法自体が明確にということはわかりませんが、医療法上の義務、管理者の義務として定められているということでございます。

○大磯構成員

 ありがとうございました。

○山本(和)座長

 よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。

 どうぞ、有賀構成員。

○有賀構成員

 医学部長病院長会議から出ています有賀と申します。

 今の仕組みに関する図のマル3のところに御遺族への説明があって、その下に依頼というマル5があるのですが、マル5の依頼については、今の御説明だと、マル1234があって、その後、マル5があると。ですから、マル5だけが突然、マル1を抜きに生ずることはありませんという説明でしたが、そこら辺は、この絵を作成するに当たってのディスカッションのときにも、きょうの座長と同じ座長だったと思いますが、ひょっとして、そのあたりは何となくそうなのかなと思いながら、そうではないのかなと思った記憶があります。どの条文を読むとそれがわかるのでしょうか。

○大坪医療安全推進室長

 先ほど御説明いたしました資料1の条文の6ページ、第6条の17に、委員が今、おっしゃいました、第三者機関が、「医療事故が発生した病院等の管理者又は遺族から、当該医療事故について調査の依頼があったときは、必要な調査を行うことができる。」という規定がございます。

この章におきまして、医療事故の定義は、戻りまして3ページの6条の10、一番初めの条文でございますが、「病院、診療所又は助産所の管理者は、医療事故」と書いてありまして、その下に括弧書きで中身がございます。そこを読み上げますと、「当該病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であって、当該管理者が当該死亡又は死産を予期しなかったものとして厚生労働省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。」と定めてございます。したがいまして、この章において、先ほどの6条の17で言うところの医療事故におきましても、この条文どおり、管理者が予期しなかったものとして厚生労働省令で定めるものとなっておりまして、そうであれば、第三者機関に報告しなければならないと置いてございますので、そういうものであれば届けられているという前提のもとでございます。

○有賀構成員

 どうもありがとうございました。

○山本(和)座長

 よろしいですか。いわゆる括弧定義という、法律でもなかなかわかりにくい表現なのかもしれませんけれども、そういうことかと思います。

 ほかにいかがでしょうか。それでは、後のところでまた戻っていただいても結構でございますので、とりあえずは先に進めさせていただきたいと思います。

この医療事故調査制度の施行に関しましては、これまで厚生労働科学研究費補助金による研究事業といたしまして、西澤構成員を代表とする研究班でも議論が行われてきたと承知をしております。この研究班では、1023日に中間的な議論の整理を発表されておられます。

また、これとは別に、日本医療法人協会におきまして、現場からの医療事故調ガイドライン検討委員会最終報告書を取りまとめておられ、1014日に厚生労働省にお渡しになったと伺っております。

本日は、先ほども御紹介がありましたように、これらの報告につきましても資料として配付されておりますので、まず、西澤構成員、それから、小田原構成員にそれぞれ御説明をいただきたいと思っております。その後、皆様からの御意見を頂戴したいと考えておりますので、恐縮ですが、やや時間に限りがありますので、それぞれ10分程度で御説明を賜れば幸いでございます。

それでは、まず、西澤構成員からお願いをいたします。

○西澤構成員

 西澤でございます。

 ただいま10分と言われましたので、要点だけを、できるだけ簡略に説明させていただきます。資料3を御参照ください。

 平成26年度の厚生労働科学研究費補助金、診療行為に関連した死亡の調査の手法に関する研究班の代表研究者として、医療事故調査制度の施行に向けて、これまで事例などを調査して分析し、学術的な検討を行ってまいりました。法律の成立後、7月から議論を開始して、1023日にここまでの議論を整理して取りまとめたものがこの資料3でございますので、説明いたします。

 1ページでございますが、趣旨等々、書いてございます。それから、2には検討事項、3に開催の経過等書いてございますので、お読みいただければと思います。

 なお、検討事項のところですが、一番上の○が、ここも届出になっておりますが、ここは報告ということで御理解いただければと考えております。

 それで、この内容でございますが、ここに書いてある4つの項目に分けて整理いたしまして、それぞれの項目について研究班で議論を行いまして、おおむねまとまったと考えられるものを議論の方向性として示しております。一致しなかった意見については、その他の意見としてまとめてございます。さらに、今後検討すべき事項につきましては、残された課題として整理してございます。それぞれの項目の概要について、簡単に説明いたします。

 まず「医療事故調査の基本理念・骨格について」でございます。これは今回の制度を運用するに当たっての基本的な考え方についてまとめてございます。2ページ目でございます。「1.医療者の取組方針」と書いておりまして、これまでの議論の方向性はおおむねまとまったものと御理解いただければと思います。最初の○だけを読ませていただきます。

「本制度は、医療の安全確保を目的として、医療事故の再発防止に繋げることであり、そのために、医療者の自律的な取り組みとして医療事故の調査・分析を行うものである。事故発生当該病院等が主体的に院内事故調査を適切に実施することが、医療の質向上と安全確保につながるため、院内事故調査の実施体制の構築が重要と考えられる。医療事故の調査の基本は事実経過の的確な把握であり、そのためには、事故発生(インシデント)が適時、適切に報告されることが必須である。その前提として、報告者の非懲罰性の確保が重要である。また、医療者が事故の概要を遺族に適切に説明するよう努めることが重要である。」、このように医療者の取り組みとして書いてございます。

 そのページの2の「WHOドラフトガイドラインの考え方」につきましては、参考にして、我が国に適した制度設計を行うこととしてはどうかということでございます。

 「訴訟との関係」と書いてございます。今制度は紛争処理とは当然切り離して考えるのですが、一部にはまだまだそう認識されておりませんので、改めて紛争処理とは切り離して、原因の調査と再発防止につなげることが目的だと書かせていただきました。

 そして「再発防止の考え方」でございますが、適切な原因分析により再発防止策が医療現場に定着するような仕組みにすべく検討を進めることが必要である。具体的には、ヒューマンファクター及びシステムエラーに着目した再発防止策を検討することとしてはどうか。医療機器や薬剤などの物そのものが原因の場合も検証することが必要と考えられる。このあたりがおおむね一致した意見でございます。

 次に「医療事故の報告等に関する事項について」でございますが、これは3ページ以降でございます。ここで「医療事故の考え方について」と、それから、5ページには「医療事故の報告及び遺族への説明事項等について」と、この2つについて整理してございます。

この中で重要な部分として、「医療事故の考え方について」を御紹介いたします。3ページのマル2のあたりでございます。「医療」をどこまでとするかということが検討事項でございまして、「医療を伴わない管理」は対象とせず、「医療の中の管理」は対象となること。

それから、「死産」につきましては、死亡と同様に「医療に起因する」上での話であり、「死亡」と同じ考え方で取り扱うこと。大まかにまとめれば、そういうこととしております。

また、「予期しないもの」の考え方については、今後の検討課題としております。

なお、「死産」につきましては、研究班に対しまして、日本産科医会、日本産婦人科学会から要望書をいただいておりまして、本報告書の最後に添付してございます。今回は日本産科医会の副会長でもいらっしゃいます今村先生がこの構成員でございますので、コメントをいただければと思っております。

続いて、6ページでございます。「院内調査に関する事項について」は、「医療事故調査項目」と「支援団体の支援について」の2つの項目について整理してございます。

まず、調査項目につきましては、モデル事業などの過去の事例を参考にし、調査項目を決めること。それから、解剖、あるいは死亡時画像診断については、必要なときに実施することとする。それから、目安として調査期限を設けることなどとしております。詳しくは6ページ、7ページをお読みいただければと思います。

また、9ページには「支援団体の支援について」を書いてございます。支援団体については、現場の実態に即しつつ、専門的な支援を行うこと、それから、地域の団体が連携して体制を構築して窓口の一本化を図ることなどとしております。

続きまして、「院内調査結果の報告のあり方について」でございます。これは11ページからでございます。これについては、「1」院内調査結果報告書のあり方について」と、13ページの「2」遺族への説明のあり方について」を整理してございます。

まず、院内調査結果報告書についてでございますが、マル2のところを見ていただければと思います。ここで言う「報告書」とは、最終的に外部(センター、遺族)に対して提出するものを指し、個人の責任追及につながらないよう、記載事項を検討すること、それから、記載内容は、目的、事実の概要、医学的評価、結論などの事項ごとに検討すること、それから、再発防止策の記載は必須としないことなどが一致した意見でございます。

また、13ページからの遺族への説明につきましては、報告書の記載内容の詳細を検討した上で、さらに検討することとしております。

最後になりますが、15ページからでございます。「センター業務について」でございます。これにつきましては、1)から4)まで、院内調査の整理・分析に関する事項、センター調査に関する事項、研修に関する事項、それから、普及啓発に関する事項に分けて整理してございます。これを全てまとめて報告いたしますと、医療機関から報告された院内調査結果の整理・分析は、個別事例だけではなく、類別化して行うことが有効である。それから、センター調査について、院内調査終了後に行う場合は、基本的に院内調査結果の検証等が中心となり、院内調査の就労前に行う場合は医療機関と連携して事実確認を行うこと。それから、研修に関しましては、対象者がセンター職員、医療者、支援団体職員の3パターンが想定されるので、その対象者別に検討すること。それから、普及啓発は、繰り返し行うとともに、再発防止策の医療機関への定着度を把握することや、積極的なメーカー等への働きかけが望まれることなどとしております。

非常に簡単でございますが、今までの検討結果でございます。このように、これまでの議論の方向性ということでまとまったものと、意見がまだ一致していないもの、それから、最後に残された検討課題の順になってございますので、残された検討課題は今後検討していく予定でございます。

また、私たちがまとめた報告書は厚生労働省に報告することとなっておりますので、3月末までにまとめようと思ってございます。ですから、ただいま紹介した議論の整理を取りまとめた後も、議論を進めてますので、今後、研究班の進捗状況につきましては、この検討会でも随時報告させていただこうと思っております。

なお、後ろから2枚目、21ページでございますが、研究代表者は私1人でございますが、そのほか、医療職能団体、医療関係団体、医療事故報告・調査事業主体、医療学術団体、患者団体、法曹界、有識者等、28名の協力者でまとめたものでございます。恐らく、本制度に関する、考えられるステークホルダー全部が集まって、いろいろな意見の中でまとめたものだということを御承知願えればと思います。

御清聴ありがとうございました。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

 大変的確に御説明をいただいたと存じます。いろいろ御質問等あることと存じますが、後でまとめて御質問等の時間をとりたいと思いますので、引き続きまして、小田原構成員から、恐縮ですが、やはり10分程度で御説明をいただければと思います。

○小田原構成員

 日本医療法人協会の小田原でございます。

 最終報告書で、ちょっと分厚うございます。しばらく時間をいただきたいと思います。

 まず、済みません、最初に誤植がございまして、29ページ、最後から2番目ですが、「紛争解決・責任追及」となっておりますが、これは「紛争化」でございますので、訂正をお願いしたいと思います。

 それでは、御説明させていただきます。「日本医療法人協会医療事故調ガイドライン」ということで発表させていただきました。厚労省にも1114日に提出いたしました。ただ、そこに副題がついておりますように、「現場からの医療事故調ガイドライン」としてございます。この制度は現場なしではあり得ません。現場に受け入れられない制度は到底成功すると思えませんので、あくまでも現場目線を中心に取りまとめを行ったということでございます。

 1ページの下のほうをごらんください。「臨床現場の医療従事者が判断に迷わないよう、また、臨床現場に過剰な負担が生じ、このために、医師等の患者さん方に割くべき時間がとられ、患者さんが危険にさらされることのないよう、改正医療法の条文を原則論から解説するとともに、本制度の実施・運用の在り方について提言を行います。」

 ページ飛びまして、9ページをごらんください。「当ガイドラインの原則」ということでまとめてあります。まず、原則マル1でございますが、これは、この原則といいますよりも、大原則でございます。我々医療者としての大原則を、この中に原則マル1ということで書き込んでございます。すなわち「遺族への対応が第一であること」。患者さんが死亡したときに迅速にすべきことは遺族への対応、遺族に対する説明であります。センターへの報告ではありません。遺族への対応、説明は、医療安全の確保を目的とする本制度の外にあるものですが、医療の一環として非常に大事な事柄であること、遺族とのコミュニケーション不足が予想外の紛争化を招き、遺族にとっても、医療従事者にとっても不幸な事態となることから、当ガイドラインにおいて、その重要性を強調したものでございます。

 原則マル2は「法律にのっとった内容であること」。法律の文言には重みがあります。文言を外れた解釈をすべきではありません。特に国民に負担を課す規定ですので、安易な拡大解釈は許されません。また、先ほど政務官からも御案内がありましたが、10年もの長い年月をかけて議論され、さまざまな意見を踏まえて修正されてきた条文でございます。そういう意味で、法律というのは非常に大事なことであると思います。このことにつきましては、後ろの報告対象のことでもお話を申し上げます。

 原則マル3は、厚労省のQ&Aのアンサー1、アンサー8にも書かれていることでございます。「本制度は医療安全の確保を目的とし、紛争解決・責任追及を目的としない」。本制度は、医療法の第3章、医療の安全の確保の中に、第1節、医療の安全の確保のための措置を設けていることから、医療安全確保を目的とするものであることは明らかです。どのような事実があったのか、可能な限り広く情報を収集して分析することが肝要ですが、収集した情報が当事者等の責任追及に使われるのであれば、十分な情報は集まりません。責任追及につながる情報の提供を強要することは、また人権侵害にもなりかねません。そこで、医療安全の確保を目的とする制度では、WHOドラフトガイドラインが求めるように、非懲罰性・秘匿性が不可欠なものでございます。

10ページをごらんください。改正医療法上も、紛争解決と責任追及は目的とされておりません。医療の内、すなわち医療安全、再発防止と、医療の外、紛争は明確に切り分けるべきものです。これは8ページに図をつけてございます。ごらんいただきたいと思います。本制度の解釈と運用は、医療安全目的であることを踏まえて行わなければなりません。

原則のマル4WHOドラフトガイドラインに準拠すべきこと(非懲罰性・秘匿性を守るべきこと)」は、厚労省のQ&Aのアンサー1の参考のところにも書いてございます。このWHOドラフトガイドラインにおいては、報告した医療者を懲罰しないことを求めるとともに、報告した情報の秘匿性が重要であることを述べています。非懲罰性・秘匿性の遵守が報告システムが成功する必須条件でございます。

11 ページをごらんください。原則マル5「院内調査が中心で、かつ、地域ごと・病院ごとの特性に合わせて行うべきであること」。Q&Aのアンサー2のところを参照いただければと思います。

ア、現場に即した院内調査が中心であります。改正医療法は、院内調査を中心とし、報告をするか否かも病院等の管理者の判断に委ねています。本制度は、医療機関の自立性と自律性に基づいたものであり、第三者機関である医療事故調査・支援センターは、院内調査に優越するものではありません。院内調査は医療安全の確保のために行うものですので、医療現場に密着し、各医療現場に即した調査をしなければなりません。

イ、現場を見ない一般化・標準化をすべきではありません。調査対象や調査方法については、各医療機関の現状を踏まえて行うべきで、一般化・標準化は不要です。おのおののケースごとに医療機関がそれぞれ判断すべきものです。

ウ、非懲罰性・秘匿性。院内調査の結果は、遺族に十分説明すべきですが、報告書そのものは開示すべきではありません。医療の改善のために内部的に使用する目的でつくられた書類でございます。医療安全確保のためには、ベストの医療を目指す観点から、調査の結果、問題点を指摘して改善策を立てることが求められます。しかし、現時点で遺族や社会の視点からは、これらの問題点改善策が法的な過失を示すものと誤解されたりします。医療安全確保のための報告書が責任追及の目的で使用されることが残念ながら想定されます。現実にそのようなことが今までも起こってまいりました。医療安全確保と再発防止の仕組みは機能せず、むしろ医療の萎縮を招いてしまいます。非懲罰性・秘匿性の原則は必須で、関係した医療従事者の責任追及の結果をもたらさないように、秘密保持に留意しなければなりません。

第三者機関の位置づけですが、前述のように、第三者機関である医療事故調査・支援センターは、院内調査に優越するものではありません。第三者機関には謙抑的に補助的な役割を担わせるべきです。医学と同様、医療安全も科学であり、複数の異なる分析や見解があることこそが健全な状態であります。

下のほうになりますが、警察、その他行政機関への報告を行ってはなりません。医師法の21条に関しましては、前のほうの4ページにコラムをつけてございます。21条の解釈については、かたまったということでございます。

原則マル6、本制度により医療崩壊を加速してはなりません。医療事故調査に係るマンパワーと費用、年20件ほど報告書が出るまでに、1件につき平均10カ月、1件当たり9人の医師と95万円の費用がかかっております。現在、年1億8,000万円の費用がモデル事業で使われております。年間20例から30例の事例をこなしているに過ぎません。そして医療安全における具体的な効果は不明でございます。各医療従事者を長時間拘束することが必要になり、多額の費用もかかります。事務作業にも専属の職員が複数名必要であります。

院内死亡が年間99万人とも言われる現状で、このような調査を幅広く行うことはまことに非現実的なことです。過剰業務による医療崩壊が既に起きかかっているところです。それは医療現場の負担をさらにふやし、本来の業務である診療への悪影響は不可避で、患者さんへのリスクがかえって増大いたします。また、そのような状況を見て、当該診療科を志望する医師も減少いたします。さらに医療崩壊が進む悪循環に陥る懸念がございます。医療安全を目的とする制度で、このような結果はまさに本末転倒だと言わざるを得ません。このことからも、本制度の対象は範囲をごく限られたケースに限定し、膨大なマンパワーと費用をかけて行うべき事案に絞り込んで行うべきであることは明らかであろうと思います。

既存の制度との重複、院内医療安全委員会、これは改正前医療法の第6条の10、改正医療法で第6条の12でございますが、これを受けた医療法施行規則第1条の11第1項に、医療機関の責務として医療安全が定められております。そこには院内医療安全委員会をつくること、医療機関内における事故報告等の医療に係る安全の確保を目的とした改善のための方策を講ずること等が述べられております。

これに基づきまして、25ページの図を参照しながらお聞きいただきたいと思いますが、以上から、再発防止策は、個々のケースから短絡的に行うべきではなく、死亡に至らないケースや、ヒヤリハット事例も含めて、従来どおり、院内医療安全委員会で検討すべき課題です。ヒヤリハットは、医療事故調査収集等事業(日本医療機能評価機構)が幅広い情報を集め、再発防止を生かそうとする試みは、既存の制度がございます。むしろ、これを活用すべきであります。今回成立した本制度については、その対象を人的・物的資源を投入した調査が必要な事例に絞るべきです。

なお、医療事故調査収集等事業では、既に膨大な情報がありますが、これが必ずしも生かされていないということがあろうかと思います。むしろ医療機能評価機構の業務そのものの検討が必要ではないでしょうか。院内死亡が年間99万人とも言われている現状で、このような幅広い報告がなされれば、各医療機関の業務は膨大なものとなり、医療従事者の本来業務に支障を来すことは明白であります。

結論部分ですが、医療機関にとって、通常の診療を継続する中で、本制度に対応することは、人的・物的に新たな負担が生じ、当然、費用面での負担が生ずる一方、特に費用的な側面でのサポートのことは全く言われておりません。医療機関、特に病院では、ただでさえマンパワーが少なく、まずは本来業務である診療を最優先とすべきことから、本制度の対象は人的・物的コストをかけて分析すべき事案に限定すべきです。それ以外の事案については、従来からある制度の中で、医療事故情報収集等事業、これらを参考として検討していく課題であると思います。

「2.報告対象について」。

○山本(和)座長

 小田原構成員、恐縮ですけれども、あと2〜3分ぐらいでまとめていただけると。

○小田原構成員

 あと2〜3分と言われましても、まだ半分も行っておりませんが、その箇所のところでまた御説明させていただきたいと思いますので、最後に、予期しなかったというところが大きなポイントでございます。予期しなかった部分がそこのところに出てまいりますので、これをまとめまして「『予期しなかった死亡についての見解』という別紙を出してございます。そちらをお開きいただきたいと思います。

「『予期しなかった死亡』の定義について」。

「予期しなかった」というのは、法律用語というよりもむしろ、日常用語であります。したがって、「予期しなかった死亡」とは、常識的に「思ってもみなかった死亡」すなわち、「亡くなるとは思わなかった」という状態であり、死亡という結果を予期しなかったものであり、定義するとすれば、「通常想定しないような死亡」ということであろう。改正医療法第6条の10には、「当該病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であって、当該管理者が死亡又は死産を予期しなかったもの」とされています。本制度は、医療法の第3章「医療の安全の確保」の中の第1節「医療の安全の確保のための措置」として、医療安全の確保を目的として立法されています。本法案の優れた点は、「大綱案」にあったマル1「誤った医療行為による死亡」とマル2「予期しなかった死亡」の2つの類型を明確に切り分け、「過誤」類型を削除、マル2「予期しなかった死亡」類型のみを対象としていることであります。医療安全の向上のために「予期」という要素だけに着目して小さく狭く制度を開始するのが、現場にできる限り混乱を生じさせない重要な視点であります。

 また、「予期しなかった」という用語は、平成16年9月21日付厚労省医政局長通知の中の「医療行為にかかる事例」にも、〔手術・検査・処置・リハビリ・麻酔等にともなう 予期されていなかった合併症〕との記載があり、「予期されていなかった」は主観的な用語として使われております。

 また、法第6条の10には、「当該管理者が当該死亡又は死産を予期しなかったもの」と記載されており、病院管理者の主観に、「予期しなかった死亡」の判断を委ねております。調査の目的は医療安全の確保であることから、病院の管理者は、管理者個人の判断ということではなく、病院の管理者としての組織の責任者としての判断を問われているものであり、その判断は現場医療者との密接な協議の上、現場医療者の意見・立場・主観等を総合した判断であることは自明のことであろうと思います。

 今回の制度は、当事者である病院等の院内調査を中心とするものである。院内調査は、医療安全の向上のため、おのおのの施設が自立的・自律的に行うべきものであり、当該病院等の実情に応じた当該病院等の常識的主観が中心となります。ここで注意すべきは、院内での通常の医療安全対策は別途これまでどおり、既存の制度を用いて行うべきであるということであります。すなわち、医法協医療事故調ガイドラインの25ページ、先ほどの図に示してあるように、再発防止策の検討・対策は、今回の仕組みとは別に常設の「院内医療安全委員会」において従来どおり行うべきである。この仕組みは、医療法施行規則・厚労省医政局長通知にも書いてあることでございます。

 したがって、医療法第6条の10に関する省令は、私どもの解釈といたしましては、法第6条の10第1項に規定する医療事故は、次のとおりとする。

 当該病院等に勤務する医療従事者が提供した医療(ただし、単なる管理は含まない。以下、この章において同じ。)に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であって、当該病院等の管理者(ただし、当該医療従事者も含む。)が当該患者の死亡又は死産を予期しなかったものとできるのではないかと思います。

 もう一つ、産科についてのコメントを出してございますが、これは管理が外れるという趣旨のことでございます。ただ、私は、残念ながら産科は専門でございませんので、ここの説明が必要な場合は、私が意見を聞きました池下医師を御招致いただければと思います。

 以上でございます。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。急かすようなことを申し上げて申しわけありませんでした

 それでは、今のお2方の御説明に関連いたしまして、各構成員からの御意見、あるいは御質問等があれば、御発言をいただきたいと思いますが、まず、本日御欠席の田邉構成員から書面にて意見書を出していただいております。かなり膨大な資料が添付されておりますけれども、これについては適宜御参照いただくこととして、まず、佐藤構成員から意見書に関しての御説明をいただきたいと思います。恐縮ですが、これも時間の関係で、数分程度で御説明をいただければと思います。

○佐藤参考人

 了解いたしました。それでは、田邉先生から意見書として出されている部分で、先ほど厚生労働省から説明がありました部分以外のところを読ませていただきます。

 「本検討会第1回、第2回期日が、小職の不都合日に設定され、出席できないので、以下のように小職の第1回期日の審議事項について意見を本書面で述べ、小職の意見の参考資料として、添付の資料を提出する。

 なお、添付資料のほとんどは、西澤班(御庁「診療行為に関連した死亡の調査の手法に関する研究班」)構成員である佐藤一樹医師御作成によるものであり、内容についての説明が必要であれば、佐藤医師を当職代理もしくは、座長権限による参考人として出席・説明をしていただくことを検討されたい。」といったことで、膨大な資料をつけております。

 非常に簡単に、一言だけ、各資料について申し上げます。

 めくっていただきますと、カラーで、パワーポイントになっておりますが、これは私が作成したもので、旧モデル事業の経験者と、医師法21条についての勉強会を西澤先生に許可していただきまして行ったときのものです。

27ページになりますが、これは、私が旧モデル事業を経験して調査対象になった医師からヒアリングを行いまして、その中で御本人がぜひ西澤班でお話ししてほしいといったことをまとめた部分でございます。

35ページは、私の医療事故調査制度の基本理念・骨格に対する意見です。WHOのドラフトガイドラインなどのことも書いてあります。

43ページには、先ほどのモデル事業の経験者、西澤班の審議を見ていて、さらに追加したいことがあったようなので、それを多少反映したことと、WHOドラフトガイドラインの位置づけについての意見でございます。

 それと、55ページは、57ページにありますけれども、現モデル事業の警察届出に関するホームページの記載に問題があるといったことを指摘したものでございます。

 あとは69ページ、私は医療事故発生時の公開、特に記者会見を行うか否かそういったことに非常に問題があると思っておりまして、国立国際医療センターで使われているものを入手しまして御提示申し上げました。

 それと、最後の81ページになりますけれども、来週の日曜日、1123日に、話題となっておりますWHOドラフトガイドラインに成功する方向システムの特性、これを「医師法21条拡大解釈の反省から患者医師信頼関係へ」という題名でシンポジウムを行いますので、ぜひ皆さん、御参加くださいといったことです。

 これが私の資料の概略でございます。

 田邉先生の意見書の2ページの3に行きます。

 「WHOドラフトガイドラインが明言するように、いわゆるアカウンタビリティのための事故調と、学習によって事故再発を防止し、もって安全な医療を国民に提供する事故調査制度は両立しない。」

 ここで「アカウンタビリティ」という言葉があるのですけれども、これは原文の英語でございまして、WHOが正式に認可しました日本語訳がありまして、大阪大学医学部附属中央クオリティマネジメント部長の中島和江先生では、一応、「説明責任」といった訳になっております。続けます。

 「今回の改正医療法後の議論でも、『国民の理解が得られない』といった発言をする識者や、医療団体の方もしばしばいらっしゃるが、国民の事故調制度理解度調査などといった悉皆的な調査は寡聞にして知らず、今回の改正医療法に基づく事故調制度が、アカウンタビリティのための制度でない以上、かかる議論は非建設的である。

 種々の立法論・理想論、あるべき論はあろうが、今回の事故調制度の立法趣旨に鑑み、あくまでも、科学的に、診療に関連した事故が可及的に減少するように、いかなる方策をとるべきかの礎となるような事故調査制度を作りあげて参りたい。

 国民や現在、診療を受ける患者にとって、改正医療法によって享受すべきは医療安全という果実であり、医療機関や医師への金銭請求のための便宜のためではないし、ましてや報復、処罰感情の充足といった毒果ではないはずである。」

 以上でございます。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

 それでは、各構成員から御意見、御質問等を賜ればと存じますけれども、これまた恐縮ですけれども、できるだけ多くの方に御発言をいただきたいと存じますので、要点を絞った形で簡潔に御発言をいただければ幸いです。それでは、御自由にお願いいたします。

 どうぞ、加藤構成員。

○加藤構成員

 論点は非常に多岐にわたるわけですけれども、きょうは、「予期しなかった」というところに重点を置いて意見を述べたいと思います。「日本医療法人協会医療事故調ガイドライン」という資料4の中を読ませていただきますと、過誤類型というものが基本的に削除されていると書かれているわけですけれども、条文そのものは、特に過誤があるとか、ないとか、そういうことは一切書いていないわけですね。6条の10の文言は、要するに、「予期しなかったものとして」ということしか要件として出てこないわけですけれども、そこには当然、過誤のあるもの、ないもの、その両方を含んでいて、その区別をしないで予期しなければ報告していくのだと、そういう考え方で、これまで検討部会でも議論されてきたのだろうと思っております。

立法の趣旨からしても、例えば、過誤の類型が排除されることになりますと、この医療安全というものがスタートしたのは、都立広尾病院事件の消毒薬を誤注入したケースが非常に印象的だったと思いますけれども、あのケースは、日本医療法人協会のガイドラインでいきますと、落ちてしまう。社会常識的に見て、到底了解できる話ではないですね。つまり、医療事故があったときに、過誤があったか、なかったかということを突き詰めて考えていく前に、予期しない事例であれば、きちっと報告をしていただくというところからスタートしていくのだという考え方でないと、過誤類型を外すという話になってくると、過誤があるか、ないかということを一々考えるという話になってくるわけですね。予期しないものをきちっと調査して安全につないでいこうという法の趣旨からして、当然、過誤類型も含まれている。もちろん解釈というのはあるわけですけれども、そういうふうに考えなければいけないと私は思って、「日本医療法人協会医療事故調ガイドライン」の随所にいろいろと疑問点があるわけですけれども、とりあえず、最初のスタートの発言としては、その点を1つ。

 それから、管理の問題でも、日本医療法人協会のガイドラインは西澤構成員の報告と内容的には違ってくるのかなと思って聞いていたのですけれども、西澤構成員の報告では医療を伴わない管理は医療事故調査の対象とはしないけれども、医療の中の管理は対象に含まれるのだというお話でありました。当然、医療の外、中という問題はあるのですけれども、例えば、医療の現場で入院患者が殺害されるという例があります。そういうものは、多分、提供した医療という話ではなくて、今回は除外をしているのだろうなと、そういう意味合いで、実際に、例えば、薬の管理とか、いろいろなことに問題があれば、当然それは安全につないでいかなければいけない事例ですから、管理というものは完全に除外することは現実の問題としても難しい。医療安全を真剣に構築していこうと考えたときには、管理に関わるものすべてを報告の対象からすぽんと落としていこうという考え方は、国会で示された、人々の期待というものをないがしろにしてしまうものだと考えます。

 以上です。

○山本(和)座長

 小田原構成員、当然反論はあると思うのですが、できるだけ多くの方にあれしていただきたいので。どうぞ。

○小田原構成員

 一応、御指名でございましたので。

○山本(和)座長

 簡略にお願いしたい。

○小田原構成員

 まず、広尾病院事件のお話が出ましたが、医師法21条は今回議論しないという話になっています。あれは明らかに外表の異状が見られた症例でございますので、これは医師法21条の範疇の話だと思います。医療事故調のこの話としましては、先ほど時間切れで座長からストップのかかったところを御指摘いただきましたので、済みません、皆さん、16ページをごらんいただきたいと思います。ここの真ん中あたりからですが、報告対象についてのポイントは、「過誤」類型が対象でなくなったこと、「管理」に起因するものも対象でないことです。

 「ア 『過誤』類型は削除されたこと」。改正医療法の旧案である「大綱案」の条文では、報告の類型として、マル1「誤った医療行為による死亡」と、マル2「予期しなかった死亡」の2つが挙げられておりました。しかし、いろいろ異論等もありまして、今回の法律は、マル1「誤った医療行為による死亡」の文言は削除されて、マル2の類型である「予期しなかった死亡」類型のみが法文になっております。改正医療法の文言では、「過誤」「過失」に触れた文言は全くありません。「過誤」の類型は本制度の対象から除かれ、「予期しなかった死亡」類型のみが本制度の対象となったことが、私は法律の専門家ではございませんか、そういうふうに法律に書いてございます。

 また、「イ 『管理』類型は削除されたこと」でございますが、17ページをごらんいただきたいと思います。最終的に成立した法律では、「管理」に起因するとの文言は除かれています。これは医療法施行規則第9条の23第1項第2号イ及びロでは「行った医療又は管理に起因し」となってきたのですが、この文言では「管理」の部分は削除されております。法律文言の推移と、他の法文との対比からしても、「管理」に起因する死亡は本制度の対象から除かれ、「医療行為」に起因する死亡のみが本制度の対象となったことは明らかであると思います。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

 関連して、では、高宮構成員、どうぞ。

○高宮構成員

 日本精神科病院協会の高宮ですけれども、小田原先生に伺いたいのですが、予期しなかった死亡が起こって、それを調査し、検討した結果が、過誤・過失があったということになるのであって、最初から過誤・過失というのは、なかなか判断ができないのではないか。だから、予期しなかった死亡で調査・検討した結果、過誤・過失、これはやはり医療事故として報告すべきだと思うのですね。

 それと、管理について、また、いろいろなところで小田原先生と私はお話し合いをさせていただいているのですが、管理といっても、よく小田原先生がおっしゃるように、廊下で転ぶ管理は含めない、それは当たり前ですけれども、医療行為にかかわって、例えば、私は精神科関係の人間ですので、興奮・混乱が激しいとか、精神症状によって安全が保てないために、我々は拘束・隔離といった医療行為をするのですけれども、そういった医療行為中に転倒・転落が起こった場合には、管理として除外するのはいかがなものかと。医療行為にかかわる事故は、管理であっても事故だと思うのですけれども、その点については、なかなか合わないところがあるのですけれども、私はそうだと思います。

○山本(和)座長

 では、小田原構成員。

○小田原構成員

 前もお話ししました。6ページに、予期しなかったところで書いてございます。要するに、基準は予期しなかったものを届けると言ってございますので、今、先生が言われたように、過誤とは関係なしに予期しなかったら届けるのです。そういうふうに最初から説明しております。

 それと、管理の話ですが、管理も、単純な管理が外れるという話をしているのであって、例えば、医療にまつわる、特に術後管理の中で、点滴管理の中で、要するに、ある薬剤の点滴速度を大幅に間違えてしまって起こった、これは明らかに医療です。そういう部分の管理は含まれるということは、西澤班の中でも常に申し上げてございます。私が申し上げている管理というのは、単純な管理、例えば、転倒、患者間のトラブル、そういう単純な管理は外れると、もともと、この通知の文言もそういうものを管理と規定してあるので、それに基づけば、こういうことになるという話をしているわけで、私が個人的な意見を申し上げているのではございません。そういうふうに書いてあるので、それに従ってやるべきであるということを申し上げております。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

 それでは、今村構成員。

○今村構成員

 西澤先生から若干のお話がありましたので、死産にかかわる定義の問題について補足をさせていただきます。資料3の24ページですけれども、「3.報告の対象となる死産の条件について」に記載してございますように、「流産児も含めて、医療行為に起因し、または起因すると疑われる『妊娠中または分娩中の手術、処置、投薬及びそれに準じる医療行為による発生した死産』で、当該医療機関の管理者がその死産を予期しなかった場合」としてございますけれども、特にこういうことであれば、死産について、死亡と別の考え方をとることはないと思っております。この基準をとれば、年間約1万件と推計されている死産の件数について、これまでと格段に異なる取り扱いになるとは考えてございません。

 以上でございます。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

 ほかにはあれでしょうか。宮澤構成員。

○宮澤構成員

 最初の「予期しなかった」ということの定義は問題が一番大きいかと思っています。医療法人協会からも御意見ございましたけれども、医療法人協会のガイドラインによれば、最初に原則のマル2として、法律にのっとった内容であることと掲げられています。そうすると、法文に従った形を考えなければいけません。法文に従った形というのは、「予期しない死」と書いてあるのみであって、「過誤」を削除するとか、そのようなことは一切書いていないので、法文に従ったという解釈である限りは、やはり「予期しなかった死」というのは幅広く捉えられると考えざるを得ないと思います。

特に大綱案との比較で言われておりましたけれども、法律が改正されたのであれば、以前の法がどうであった、今回の法はどうである、だからどうなのだという議論が出てくるとは思いますが、大綱案そのものは法律として成立していないものですので、それとの比較というのは根拠としては余り意味がないと考えています。狭く捉えるのではなくて、「予期しなかった死」というものを広く捉えて、それがどのような原因で起こったのかということをきちんと究明することによって初めて再発の防止と原因の究明ができるのであって、この制度の本来の趣旨を考える限り、予期しなかった死というのは幅広く捉えるべきというのが本来のあるべき姿だと考えています。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

 では、小田原構成員。

○小田原構成員

 先ほど言い忘れたことだけ。高宮先生のところですが、17ページの枠の囲みのところをごらんいただきたいと思います。医政局長通知ですが、ここの真ん中あたりに、マル3として「入院中の転倒・転落、感電、熱傷等、入院中の身体抑制に伴う事故」と書いてございます。一応、追加でございます。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

 ほかにいかがでしょうか。ほかにおられませんか。では、小田原構成員。

○小田原構成員

 宮澤先生とは根本から考え方が違うようで、非常に恐縮でございますが、予算的な面からも、いろいろな面からも、私どもは必要なものだけに絞るべきだという話をしていますが、先ほど法律の話をしていただきました。7ページの医療事故情報収集等事業ですね。医療法施行規則。ここの中には「誤った医療又は管理を行ったことが明らかであり」と書いてありまして、そして最終的に文言からは「管理」が消えたということで私どもは理解しているということでございます。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

 では、宮澤構成員。

○宮澤構成員

 私の発言の中で管理のことは一言も言及しておりません。過誤という形で言われたことに関して言及したのでございますから、今の議論は私の発言とはずれた内容になっていると思います。

○山本(和)座長

 どうぞ。

○加藤構成員

 今の「管理」の問題は、医療法施行規則の9条の23の2号のところですね。要するに、簡単に言いますと、特定機能病院を対象にして、これはどう書いてあるかというと、「次に掲げる医療機関内における事故、その他の報告を求める事案(以下、事故等事案という。)」としてあって、非常に幅広く、さまざまな事例を特定機能病院の場合には報告を求める形になっているわけです。

今回は、特定機能病院限定の話ではなくて、全ての医療機関を対象にして制度設計をしている関係上、当然、医療に関連してくる管理は含むけれども、例えば、院内で第三者が患者さんを殺害したとか、そういう事例までここでは対象にしませんよという意味でしかなくて、施行規則と、それが対象にしているものと、今回の法律が問題にしようとしていることとは全然場面が違うということですから、ここから外れたから管理が抜けたとか、そういうふうに解釈することは間違っていると私は思っています。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

 ほかに。どうぞ、鈴木構成員。

○鈴木構成員

 今、皆様の御討論対象は、条文の読み方、形式的なところに焦点が当たっているようにお聞きしているのですけれども、私もきょうの会議に臨むに当たって、衆参の厚労委員会の議事録を読ませていただいてきたのですけれども、その中では、ガイドラインや省令で規定をということはおっしゃられていたように読んでいるのですけれども、医療または管理に関して、管理はずぼっと抜け落ちるのですよとか、そういう踏み込んだ議論は文字上は読めなかったのですね。その辺に関しては、厚労委員会での具体的な、もっとリアルな説明であったり、解釈の中では、どういう意図を込めてこういう表現になったのだとか、そういう話はあったり、温度感というのはどのような状況だったのでしょうか。

○山本(和)座長

 これは事務当局のほうから。どうぞ、総務課長。

○土生総務課長

 医政局総務課長でございます。

 私も法案審議時の議論が頭の中に全て入っているわけではございませんけれども、審議の際に、今、おっしゃったような管理について突っ込んだ議論があったというのは、少なくともなかったのではないかと思っております。法案が成立いたしまして、この国会でむしろその点は何回か厚労委でも議論されているということでございます。直近の答弁で申し上げますと、今、議論になっているところでございますが、まさに法律の規定どおり御説明しているところでございます。

先ほどの資料で申し上げますと、資料1の3ページで、冒頭、室長が紹介したところでございますけれども、「当該病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であって、当該管理者が当該死亡又は死産を予期しなかったものとして厚生労働省令で定めるものをいう。」となっているところでございまして、具体的に何がこれに当たるかというのは、これから相当いろいろな議論をやっていただくことでございますけれども、さまざまな先生がおっしゃるとおり、「医療に起因し、または起因すると疑われる死亡又は死産」ということで、過誤があったかどうかでございますとか、管理が含まれるかどうかということは、この判断の軸には入っていないということで、医療に起因し、または起因すると疑われるかどうかということで、入り口のところは判断することになっているわけでございます。

従いまして、医療と管理というのは、恐らく重なり得る概念だと思いますので、そういう点から言いますと、医療の中にある管理というものは、この対象になってくるということでございますので、そういう点について、どういうものが具体的なものかということは、今後、この検討会におきまして十分御議論いただきたいと、こういったことを答弁をしておるということでございます。

逆に言いますと、医療の外にある、医療に含まれない、単なる管理というのは、法律上、対象とならないということで、厚労委では御説明させていただいているという状況でございます。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

どうぞ、鈴木構成員。

○鈴木構成員

 そうしますと、立法者の意図としては、形式だけで対象が決まるというよりは、もっと実質的な部分で見ていかなければいけないと考えていらっしゃった。そうなってくると、私も昨晩、当直しながら、もし何かあったときに、事故該当設定、どう判断されてくるのだろうというのはすごく不安に思ったのですね。いろいろな方たちが定義に近いものをお示しくださっていると思うのですけれども、実質的にどういうものが対象になってくるのかを、自分は医師、法曹でありながら、いろいろな資料を見てもわからなくて、すごく悩ましく思ったのですね。何も実質的なものを提示しなくていいかというと、そういうわけにはいかないのでしょうけれども、提示したから、それに盲目的に従えば、全て管理者様の判断がうまくいくかというと、そういうものでもないと思っておりまして、ここで議論できるのも実質的な方向性ということで、限定列挙や、極めて正確性の高いリストアップというのは難しいのではないかと思っております。

その実質論の延長として、そうなってくると、判断権者に指定されている管理者様の負担がものすごく大きくなってしまって、医療従事者が過剰な負担にさらされたり、判断対象の判断が、御遺族様に寄り添う弁護士の方からすると、それも1つ、議論の対象になってしまうのではないかということをすごく心配しておりまして、そうなった場合に、管理者様の判断を支えるというのでしょうか、妥当性を基礎づけていくという意味では、自主的にセンター様に相談したりとか、管理者様の負担を軽減していくような施しというのも1つ、指針というのでしょうか、案として上がってくるのかなと、実質論を展開する上では思ったところでございます。

以上です。

○山本(和)座長

 ありがとうございました、貴重な御意見を。

 では、室長から。

○大坪医療安全推進室長

 今、鈴木構成員からいただきましたところで、先ほど御説明をいたしました参考資料1に、参議院の厚生労働委員会で法案審議いただきました際に立法府からいただいた宿題、附帯決議の御紹介を先ほどいたしました。おめくりをいただきまして、2というところに「医療事故調査制度について」と宿題が規定をされております。今、鈴木構成員がおっしゃった、管理者に、判断に過剰な負担がかかるというところにつきましては、厚労委のほうから、アのところで、「調査制度の対象となる医療事故が、地域及び医療機関ごとに恣意的に解釈されないよう、モデル事業で明らかとなった課題を踏まえ、ガイドラインの適切な策定等を行うこと。」という宿題をいただいております。過剰な負担といった御指摘と、多少ニュアンスは違うかもしれませんが、そういった判断の支援になるものをつくるようにという御指示はいただいているところでございます。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

 ほかにはいかがでしょう。どうぞ、西澤構成員。

○西澤構成員

 今、鈴木構成員が言ったことは非常に大事なことで、私たちの研究班ではまだ議論の途中でございます。私たちの報告書の3ページですが、「マル2これまでの議論の方向性」で、「医療」をどこまでとするかということで、とりあえず「管理」だけ書いていますが、次の4ページの「マル4残された検討課題」で、報告の対象となる「医療」の範囲、これは少し時間をかけてきっちり議論していきたいと思っております。

 それから、管理者ですが、3ページに戻りまして、マル2の報告書すべき医療事故の決定プロセスのところで、「管理者が組織として」と書かせていただきました。管理者個人の責任ではとてもできないということで、組織としてやると。どういうことかというと、今、病院医療はチーム医療ですし、その中に、例えば、安全対策委員会とか、組織がありますから、組織で判断する。それを管理者という代表者が、という読み取りがいいのではないかというのが、研究班の方向性でございます。

 それと、もう一つ、病院で十分にできるかどうかということでは、支援団体が非常に大事だということで、9ページに支援団体のことを書いてございます。議論の方向性で、マル2に支援の内容ということで、今、鈴木構成員が危惧しているようなことは大事なので、支援団体に支援してもらうとか、管理者、病院の調査の質を上げるとか、負担を少しでも軽減する、そういう支援を行うのが業務ではないかということも書いております。私たちの研究班でも、今、鈴木構成員が言ったことを検討して、まとまりましたら、またこの場で報告させていただきます。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

 せっかくのあれですので、ぜひ。松原構成員。

○松原構成員

 原因を追求して、それをきちっとしていくというのは私たち医療者の務めであります。ただ、現場が混乱しないようにやりませんと、結果として萎縮医療になったり、あるいは十分な医療ができなかったり、そういうことにならないようにしないといけないと思っております。一番の問題点は、結局、どの範囲のものを対象とするかということであります。そこに3つの論点があります。

1つは、行われた医療に際して亡くなったということ。これは非常に大事なことであります。つまり、「医療」に関係して亡くなったことを対象にすることを明瞭にする必要があります。

2番目は、「死亡」と「死産」と2つ並べてあります。これは今村構成員が先ほど説明しましたように、つまり、「医療」に伴っての「死産」を対象にするので、自然な「死産」は含まれない。ここのところをきちっとしませんと、またもとに戻って議論しなければならなくなります。

3番目は、「予期しなかった」という単語の表現であります。

一番大事なことは、今、申しましたように、「医療」に伴って行われたものであり、自然な「死産」を含まなくて、「医療」によって起きた死亡において、「予期しなかった」という言葉を、どういう表現にすべきかをここで議論しなければならないのではないかと思っております。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

 ほかに御発言のない方、では、豊田構成員。

○豊田構成員

 現場が大変な状況になるというのは、私も遺族でありながらも病院の中で事故調査を担当する立場ですので、もちろん遺族の気持ちだけで動いてはいけないというのは十分承知しておりますけれども、小田原先生が御紹介くださいました資料4の11ページの原則マル5のところがちょっと私は気になっておりまして、やはり事故調査というのは標準化を図るべきではないかと考えています。その点で、きょうはお時間ないかもしれないのですけれども、もう少し具体的に教えていただきたいと思います。「院内調査が中心で、かつ、地域ごと・病院ごとの特性に合わせて行うべきであること」というところが、どういった方法で実現できるのかが私は想像がつきにくいと思いました。

実際、きょうも参考資料1に附帯決議が配られていますけれども、2番目の「医療事故調査制度について」というところにも載っておりますが、イのところで、「院内事故調査及び医療事故調査・支援センターの調査に大きな役割を果たす医療事故調査等支援団体については、地域間における事故調査の内容及び質の格差が生じないようにする観点からも、中立性・専門性が確保される仕組みの検討を行うこと。また、事故調査が中立性、透明性及び公正性を確保しつつ、迅速かつ適正に行われるよう努めること。」というところで、遺族の側からも、調査のやり方について格差が生じると疑念が出るかもしれませんし、もう一方、医療機関側の中からも、なぜあちらはこういう評価なのに、こちらはこういう結果になるのかと疑問の声が出てきてしまうのではないかということも思いますので、そのあたりをどのように考えているかをお聞きしたいと思いました。

○山本(和)座長

 小田原構成員、その点、お答えいただけますか。

○小田原構成員

 済みません、その前のほうからよろしいですか。鈴木先生の話から。ちょっと蛇足かもしれませんが。鈴木先生、各審議過程をずっと勉強されたということで、敬服したのですが、その後の話で、ちょうどQ&AのA2のところにございますが、医療に起因し、または起因すると疑われる死亡または死産であって、それ以外のものは含まれませんとアンサーが出ています。これにつきましては、きょう、局長もいらっしゃいますが、先生がお読みになった、その後の参議院の厚労委員会で局長が、単なる「管理」は含まれないと明確に答弁されていますので、一応、御参考にということでございます。

 それから、さっきの院内調査の話、これは時間が幾らでもかかると思うのですが。

○山本(和)座長

 時間がありませんので、幾らでもかかると大変困るので、ごく簡潔に、今の点にお答えだけで。

○小田原構成員

 先ほどからお話ししていますように、25ページに絵がございますが、基本的に亡くなった場合について、院内の医療事故調査委員会を立ち上げるわけです。これはアドホックな委員会でございますので、ただ、実際の話からすると、豊田さん、よくおわかりだと思いますが、いろいろなヒヤリハットがあって、その中で不幸にして、穴のあいたチーズの話がありますけれども、チーズにたくさん穴があって、たまたまこっちとこっちの穴が同じところにあれば、通じてしまって、そこで事故が起こるわけですね。だから、穴を1つずつつぶしていくのが医療安全ですね。そういう観点からすると、非常に個別的なものだと思うのですね。亡くなった事例も、極端な言い方をすると、もともとの話はヒヤリハットと同じことかもしれませんが、たまたまスイスチーズの穴がつながってしまったので、こういう結果が起きたということでございますから、特に医療機関個別のこと等、いろいろあります。特に再発防止については、そういうのも踏まえて、それは常設の、院内の医療安全委員会、ここでほかのヒヤリハットと原因的には同じかもしれない、ここで検討すべきだと。

もう一つの理由は、ここで検討すべきだというのは、匿名化すべきだと。そして、国として、全体としてするのは、そういう症例が集まった全体の中で検討して、大きな解決策をつくるべきだということで、中の話と国全体の話は分けて考えるという意味で、院内の部分については、各特性を含めた上でやるという説明をしているところでございます。

済みません、簡単に。幾らでも長くなりますので、申しわけございません。

○山本(和)座長

 ありがとうございました。

 それでは、加藤構成員、どうぞ。

○加藤構成員

 現場が混乱しないようにするために、まさに医療事故の報告の対象を厚生労働省令で書いたり、さらにはガイドラインで書いたりしていくのだろうと思っております。例えば、輸血のときに血液型を間違えて輸血をする異型輸血、そういうことで亡くなった、そういうのは当然、報告すべき事故に当たるだろうと私は思いますけれども、具体的な事例をガイドラインではいっぱい書くのでしょう。その中で、個々の管理者である病院長が迷ったりされないように、また、逆な意味で言えば、恣意的に報告したり、しなかったりすることのないように、その幅がある程度きっちりしていくように、厚生労働省令、ガイドラインで内容を詰めていくということになるのだろうと思うのですけれども、厚生労働省令で書くときの「予期しなかった」という要件について、私なりの見解を簡潔に述べておきたいと思います。

 死亡事例に限るわけですけれども、その死亡以前には、当該患者がこの時期にこのような経過で死亡するとは考えがたかったものを言うと。もう一度言います。死亡以前には、当該患者がこの時期にこのような経過で死亡するとは考えがたかったもの。こういうものをある程度客観的に管理者として見ていただいて、そして報告をしていただくことが、この法律の趣旨であったのだろうと考えております。法の解釈というのは、常識的に、多くの方々がそうだよねと考えられるような解釈をしていくのが王道だと私は思っております。

 以上です。

○山本(和)座長

 大磯構成員。

○大磯構成員

 まず、ちょっと前の議論になってしまうのですけれども、医療法施行規則第9条の23のところで、誤った医療とか、予期しなかったとか、管理に関してといった文言が書かれているのですけれども、宮澤先生等は、別の章だから違うように解釈しても構わないということでしたが、もちろん同じ医療法の中ですから、同様に解釈すべきであるという考え方もとれるということで、それはそれぞれの解釈の仕方で幅のある議論なのだと考えます。

予期しなかったという議論から始まるときに、弁護士の先生は、すぐに「過失」とか「過誤」という、法的責任に絡ませるようなニュアンスの言葉を使って、広げましょう、広げましょうという議論をするので、結局、医療者側は、やはり責任追及に使うのではないかという観点から反発してしまうのかなという気がしてならないのですね。私自身も、「予期しなかった」の議論が出た瞬間に、立て続けに弁護士がタタタタタッと広げるほうに解釈するのが当然だという議論をしているのを見て、やはりちょっと違和感を覚えたのですね。

いずれにしても、どのような解釈をするかというのは裁量の幅があるかと思うのですけれども、入り口の議論、要は何を届出するかという議論に関して、このままお互い、ある程度の利害関係を持っている状態の中で議論をするよりも、先に、要は出口のところ、報告や説明のところで、非懲罰性であったりとか、秘匿性というものが現場の医療者が十分に安心できるほどの担保がされていれば、入り口の議論というのも、お互いの不信感からこういう争いをしなくて済むのかなと思っていて、したがって、もちろん厚生労働省で定めるというところを上から順番にやっていくというのは筋論としてはあるのですけれども、いきなり最初の6条の10の1の入り口のところを議論すると、多分、この形になってしまうと思うので、できれば6条の10の第2項であったり、6条の11の第5項、6条の17の第5項、出口の部分のところをしっかりと議論をした上で、入り口はどうしましょうかという議論をしたほうが、議論がスムーズに進むのかなと思います。

○山本(和)座長

 ありがとうございます。

今後の議論の仕方についても御助言をいただいたので、参考にさせていただきたいと思いますが、ほかにいかがですか。そろそろ時間がなくなりかけておりますが。

では、佐藤参考人。

○佐藤参考人

 参考人なのですけれども、今の大磯先生の視点は私は非常に大切だと思います。この法律は何のためにやっているかというと、医療の安全とか、医療の質を上げるためにやっているわけですね。田邉先生の御意見でも、こうするべきだとか、ああするべきだとか、そういったものではなくて、最終的に、この報告によって医療安全が向上するということが一番大切なわけです。残念ながら、法律が10月からスタートするのに、まだどんなようなセンターになるか、全く予期できない状況ですから、どんな再発防止をして医療安全に役立てるかということが全く見えていない状況なのですね。要は出口が見えていない。

そこで、前回の検討部会でもそうだったですけれども、きょう、河野先生が欠席されていますが、やはり医療安全という面を重視して検討部会をしていくべきだと。それも科学的な考え方によるもの。こういうふうに届ければ、たくさんふえるのだから、よくなるだろうという意見は私は非常に乱暴だと思いまして、実はきょう、過労死のシンポジウムがあったのですね。過労死で亡くなった方の御家族が出てきて、お話されたのですけれども、死亡原因の究明は大切なのですけれども、やはり丁寧な調査をしてもらいたいと。そして、社会的な埋葬をすべきだと。社会的に、亡くなった方について、その事故が起きないようにするべきだと。これを先に考えてから議論を進めていくべきだと。そういったことで、もちろん法律家の先生たちの御意見も大切ですけれども、医療安全の専門家の御意見が検討部会、その他、今まで10年間、ほとんど反映されていなかったといったことで、どのようにすれば医療安全に向かう、出口に向かうのかといったほうを考えていかれるといいと私は思います。

○山本(和)座長

  ありがとうございました。

 ほかにはいかがでしょうか。よろしゅうございましょうか、第1回目としましては。それでは、この程度にさせていただきたいと思います。

 次回の議論に向けてでありますけれども、本日、西澤構成員から御説明をいただき、また、小田原構成員からも御説明をいただき、さらにその後、各構成員から活発な御議論を頂戴いたしました。次回につきましては、今までいただいた御意見を整理する形で、事務局で議論の素材といいますか、そういうものを御用意いただきまして、それに基づきまして、御議論をさらにもう一歩前に進めていただきたいと存じておりますが、そのようなことでよろしゅうございましょうか。

  どうぞ、有賀構成員。

○有賀構成員

 いろいろな方が、その方固有の表現でしゃべってみえているわけですけれども、テープ起こしというのですか、議事の記録を残すという、その手だてはあるのですか、ないのですか。

○山本(和)座長

  済みません、今、ちょっと聞き取れなかったのですが。

○有賀構成員

 要するに、一人一人がいろいろなしゃべり方で表現しているわけですけれども、とんでもない言葉は多分、残らないとは思うのですけれども、いわゆるテープを起こしたような議事としての記録を残すというルールはあるかという質問です。

○山本(和)座長

  ありがとうございます。

 事務局から、どういう感じでお考えですか。

○田上医療安全推進室長補佐

 本日、速記も入っておりますので、議事録はでき次第、公開することになってございます。

○山本(和)座長

  各構成員については、自分の発言部分は見ていただくという前提でよろしいのですか。

○田上医療安全推進室長補佐

  事前に御確認をお願いしたいと存じております。

○山本(和)座長

  もし不適当なあれがございましたら、そこは直していただくと。

 それでは、よろしゅうございましょうか。次回はそういうことで、事務局で作成していただいた素材をもとに、具体的な論点について御議論を頂戴したいと考えております。

 その次回の日程につきまして、事務局からお願いをいたします。

○田上医療安全推進室長補佐

  本日はありがとうございました。

 次回の日程でございますが、調整の上、追って事務局より御連絡を差し上げたいと思います。

○山本(和)座長

  ありがとうございました。

  それでは、本日はこれまでとさせていただきます。長時間にわたりまして活発な御議論、ありがとうございました。


(了)

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