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2014年7月31日 第81回労働政策審議会職業能力開発分科会議事録

○日時

平成26年7月31日(木)10:00〜12:00


○場所

厚生労働省 専用第12会議室(12階)


○議題

(1) 2013年度の実績評価及び2014年度の年度目標について
(2) 職業能力開発の今後の在り方に関する研究会中間とりまとめについて
(3) 職業能力開発行政改革検討チーム報告について
(4) キャリア・コンサルタント養成計画について
(5) その他

○議事

○小杉分科会長 定刻となりましたので定足数に達しておりますので、ただいまから第81回労働政策審議会職業能力開発分科会を開催いたします。遅れていらっしゃる委員もございますが始めたいと思います。

 では、まず最初に事務局に人事異動がありましたので紹介させていただきます。宮川職業能力開発局長、中山審議官、吉永総務課長、藤枝能力開発課長、高橋育成支援課長です。事務局を代表いたしまして、宮川職業能力開発局長より御挨拶をお願いいたします。

 

○宮川職業能力開発局長 この度、11日付けで職業能力開発局長になりました宮川でございます。よろしくお願いいたします。

 皆様、御承知のとおり、職業能力開発を巡る課題といたしましては、少子高齢化社会、人口減少社会という中で、若年層中心とした非正規労働者の増加など様々な状況変化が急速に進んでいるところでございまして、その中で能力開発施策が求められている課題というのは非常に多うございます。再興戦略におきましてもジョブ・カードの見直しですとか、能力評価制度の見直し、あるいはキャリア・コンサルティングの体制整備、官民協働による外部労働市場のマッチング機能の強化、職業訓練のベスト・ミックスの推進、様々なことが記載されているところでございます。

 このような課題が多い能力開発行政でございますが、皆様御承知のとおり、いわゆるJEED問題につきましては皆様方に大変御心配をかけ、また国民の信頼を損なうような形のものがあったということにつきましては、私ども、大変に反省すべきところは反省しなければならないと考えているところでございます。

 本日の議題の中にも職業能力開発行政改革検討チーム、これは次官を主査といたしまして、私ども能力開発行政を今後、どのように進めていくのかを取りまとめた文書を今日、御説明させていただきますが、そのようなものを踏まえまして、今後、私どもに課せられている様々な課題を一つ一つ、着実に解決すべく局を挙げて全力を尽くしたいと思いますので、皆様方のより一層の御指導、御鞭撻をお願いいたしまして、私の挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 

○小杉分科会長 ありがとうございました。後先になってしまいましたけれども、本日は水町委員、高倉委員、豊島委員の3委員が御欠席です。

 それでは議事に移ります。議事次第にありますとおり、本日の議題は「2013年度の実績評価及び2014年度の年度目標について」、それから「職業能力開発の今後の在り方に関する研究会中間取りまとめについて」、「職業能力開発行政改革検討チーム報告について」、「キャリア・コンサルタント養成計画について」、そして「その他」でございます。

 まず、「2013年度の実績評価及び2014年度の年度目標について」です。内容について、事務局から説明をお願いいたします。

 

○吉永総務課長 お手元の資料1-12013年度職業能力開発分科会における目標と実績評価についてというものと、資料1-2、目標一覧(2014年度)、この2つを使いまして御説明させていただきます。

 職業能力開発分科会におきましては、いくつかの目標を立てて、それにつきましてその進捗状況について確認していただくという形で進めていただいているところでございます。

 資料1-13ページに具体的に、今、立てております昨年度の目標の値などが記載されている表がございますが、これと2014年度の資料1-2の表を使いまして御説明させていただきます。職業能力開発分科会関係ですと、3ページ目にありますマル1〜マル5の項目につきまして目標を立てていくという状況でございます。マル1につきましてはニートの縮減ということで地域若者サポートステーションにおけるニートの就職進路決定の状況というもの、マル2はジョブ・カードの取得者数、マル3は公共職業訓練の終了後3か月の就職率、マル4が求職者支援制度による職業訓練終了後3か月の就職率、マル5が自己啓発を行っている労働者の割合というものでございます。

 それぞれの実績につきまして御報告をさせていただきますが、まずマル1、地域若者サポートステーションの就職の状況でございますが、2013年度目標につきましては2万人という形で目標を立てておりました。2012年度の実績は14,000人ということで、かなり大きく増やしたということでございます。これにつきましては、新規にサポステの数を大幅に増やしたということで、160か所のサポステの中で2万人のその就職を実現しようという形で努めてきたところでございます。結果といたしましては2万人を若干下回ってしまったということで、19,702人という状況で若干下回ったということでございました。これにつきましては、2013年度に箇所数を増やしました関係で、その新規の立ち上がりの状況が期待していたところまで達しなかったということでございます。2014年度につきましては、同じく160か所という形で進めさせていただきたいと思っていますが、そうした状況の中で基本的には新規の立ち上げという問題もないというふうに考えてございますので、2013年度と同様の目標の2万人という形で目標設定させていただきながら、それについて実現を図っていきたいと考えております。

 マル2のジョブ・カードの取得者数ですが、2013年度の目標につきましては197,000人の新規取得者を目標としていたところでございます。これにつきましては2012年度が184,000人でありましたが、2013年度につきましては203,000人で目標数を上回る状況でした。ジョブ・カードにつきましては、資料1-2の右側にございますように2020年度までに300万人の取得という目標を立ててございますので、これに向けて進めていくという観点から197,000人の目標から1割増しの目標という形で、今年度につきましては232,000人という形の取得者を目指していくという形で進めたいと考えてございます。

 マル3の公共職業訓練の状況につきましては、2013年度の目標につきましては施設内訓練80%、委託訓練65%の方が、訓練終了後3か月以内への就職を実現したいとの形で目標を立ててございましたが、2012年度の実績が施設内訓練81%が82.5%、委託訓練が69.2%が69.7%ということで、いずれも改善をするとともに目標をクリアしていた状況でございます。これにつきまして、2014年度につきましては施設内訓練については80%という形で横置きの目標を立てさせていただきたいと考えてございますけれども、委託訓練につきましては、可能な限り施設内訓練の率に引き上げていきたいという思いもございますので、現行の65%という目標を70%に引き上げた形で目標設定させていただきたいと考えております。

 マル4の求職者支援制度につきましては、2013年度の目標につきましては基礎コース60%、実践コース70%の訓練終了後3か月の就職率を目標として立てさせていただいています。これにつきましては2012年度が基礎コース80.6%が82.6%に、実践コースが79.5%が83.5%という形で実績としても改善もしておりますし、目標を大きく超えている状況です。この点につきましては先般、当分科会におきましても求職者支援制度の見直しの御議論の中で、この就職というものが実態としてどういうものなのか、少なくとも長期的に安定的な就職につながることが必要ではないかとの御指摘をいただきまして、そういう見直しを行いたいということです。これにつきましては就職率の考え方として雇用保険被保険者となることを前提としたという形にしたいと考えていますが、そのために目標としては、若干下方修正をする形で基礎コース55%、実践コース60%の形にさせていただきたいと考えています。

 最後のマル5は、自己啓発を行っている労働者の割合ですが、2013年度の目標つきましては正社員50%、非正社員25%の目標でしたが、2012年度から正社員につきましては47.7%、2013年度の実績につきましては44.3%で、また非正社員につきましては22.1%が17.3%で、若干悪化をしてございます。目標が未達であるとともに、若干数値が悪くなっております。これらにつきましては、なかなか原因を究明するのは難しいわけですが、能力開発基本調査のデータなどを見ますと2013年度において、仕事が忙しくて自己啓発の時間が取りにくくなったというデータが、若干上がっているという状況でした。これにつきまして2014年度の目標につきましては正社員50%、非正社員25%という現行の目標を同じ水準の目標にしていきたいと考えているところです。

 中期目標2020年までに正社員70%、非正社員50%という目標がございますので、こういったものにつきまして取り組んでいきたいと考えています。資料1につきましての説明は以上でございます。

 

○小杉分科会長 ありがとうございました。ただいまの説明について、御質問、御意見を伺いたいと思います。いかがでしょうか。

 

○冨高委員 資料1-1で今御説明も頂きましたが、6ページに記載されている「施策の達成状況を踏まえた評価及び今後の方針」の「ニートの縮減」の所です。サポステの数を昨年と同数の160か所に維持して、「引き続きキャリア・コンサルタント等による専門的な相談支援等を実施」と書いていただいていますが、以前もお伝えしたように、今回このサポステ事業を実施していくための今年度の費用が、本予算で確保できず、昨年度の補正予算で計上されていると思います。

 ただ、サポステ自体は来所者数も着実に増加しているというのは間違いないことですし、就職等の進路決定の実績というものも、目標値の2万人というのは若干下回っていますが、対前年比で見ると5,000人プラスという形で、こちらのほうも増えています。厚生労働省が設置した「地域若者サポートステーション事業の今後の在り方に関する検討会」の最終報告書が20132月に出ていますが、この中でも基本的な考えで、サポステの重要性を示した上で、体制強化の必要性も示されていると思います。

 そういうことを考えますと、先ほど申しましたようにサポステの費用が本予算で確保できなかったということは、この報告書で示している考え方と、少し逆ではないかという印象を受けています。3月のこの分科会の中でも言わせていただいたのですが、改めてということで、厚生労働省におかれましては、是非来年度以降は再び本予算できちんと計上していただけるように、引き続き努力をしていただければということを、重ねて御要望申し上げたいと思います。以上です。

 

○吉永総務課長 地域若者サポートセンター事業については、一定の効果が上がっていますし、また、ニート対策として極めて重要な役割を担っているものと考えています。そういう中で、私どもとしても最大限、施策が円滑に実施できるような体制を組んでいく必要があると考えているところです。

 一方、行政事業レビューという政府内の事業の見直し作業の中で、様々な点の指摘もありますので、その中の1つはモデル事業という位置付けを整理して、その事業の在り方について考えるべきだということとか、あるいは他の関連施策等の整理をすべきだと、様々な宿題を頂いていますが、そういった宿題を果たしつつ、こういった事業がきちんと円滑に継続できるような形で、施策を繰り出していってはどうかという形です。

 現時点において、具体的な中身がこれという形に決まっているものはありませんが、私どもとして、当初予算の中できちんとやっていける形で進めていきたいと考えているところです。

 

○澤田委員 資料1-2の、2014年度の目標のマル3に記載されている、委託訓練の就職率の目標値ですが、これまで65%で据え置かれていましたが、2014年度は70%ということで、近年の実績の向上等を踏まえてということだと思いますが、このことは評価をしたいと思います。

 実績の更なる向上に向けて、施設内訓練で高い就職率を続けています、ポリテクセンターの就職支援のノウハウといいますか、就職支援マップであるとか、就職支援行動ガイド、こういった内容を委託訓練先と共有する、そのノウハウをいかすということも、是非今後、更に講じていただきたいと思います。

 それと、70%という目標値にしたことと、2020年の中期目標値、委託訓練65%との整合性について説明があれば、少し補足していただきたいです。

 

○吉永総務課長 委託訓練について、正に民間の教育関係機関を活用した形で、事業を展開しているところですが、そのサービスについて、ガイドラインなどを進めて、質の向上などを図っていくというところです。そういった取組の中で訓練の質を高めて、実際に効果的な訓練の実施体制を整えていきたいと考えているところです。

 その上で目標ですが、この率は、私どもとしては最大限努力して、高いほうがいいと思っていますので、今回のうち委託訓練70%というのは、中期目標の値を超えるものですが、この点については中期目標を待たずに、この水準を超えるような形で進めていきたいと考えているところですので、そういう意味で中期目標を見直すタイミングがなかなかないものですので、中期目標の値自体は変えていませんが、この率について最大限の努力をしていきたいということです。

 

○原委員 2つあります。1つ目は、自己啓発を行っている労働者の割合ということですが、数値目標として自己啓発を行っている労働者の割合というのを設置なされていて、それが能力開発基本調査の数値に基づいたものであると書いてあったかと思うのですが、その能力開発基本調査で、また今年度の目標も、恐らく能力開発基本調査をやってみて、正社員で70%、非正社員で50%を超えるように、というところになってくるかと思うのですが、その能力開発基本調査の調査対象は、事業所規模で30人以上の所ですよね。30人以上の事業所に勤めている労働者の人たちが対象で、かなり大規模なわけですよね。事業所規模が30人以上ということは、少なくとも企業規模も30人以上ということで、企業規模が30人以上の日本企業がどれくらいあるかというと、多分15%くらいではないかな。勤めている人はもっと多いと思うのですが、そういう規模の大きな企業に勤めている人だけではなくて、多分もっと中小企業の人とか、無業の人とか、全体を含めて数字を見ていかなければいけないと思っていまして、これはその能開基本調査の数値を目標値として使うことが適切なのかなということに、私は少し疑問を感じます。

 何を使えばいいかという話はすごく難しいと思うのですが、例えば就業構造基本調査は5年に1回やっていて、それは中小から大企業までで、無業の人、全部を含めたデータも分かりますので、その辺りと組み合わせて妥当な数値を出すか、それか、これをやめるか何かしたほうがいいのではないかというのが、私の個人的な意見です。

 関連してですが、資料1-12ページのマル5、自己啓発の所ですが、2段落目で年度目標を下回った要因は、「仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない」とかなり時間的な制約を訴えている人が多いと考えられると問題をとらえていらっしゃるにもかかわらず、その次の所で、対策としてキャリア促進助成金の拡充、教育訓練給付制度の推進など、お金の面の支援策が中心になっていて、問題認識として時間だととらえていらっしゃるのに、下ではお金に関しての支援が中心になっている、そういう記述の仕方にすごく違和感を覚えました。多分、自己啓発がきちんとできない人の理由は、時間の制約と金銭的な制約、両方あると思うので、金銭的制約があるということも少し書かれた上で、こういう対策という部分を書いたほうが、私はいいかなと思います。

 次が2点目になるのですが、公共職業訓練の就職率は伸びているということで、2012年から2013年で実績的に伸びて、それを受けて2014年も同じようなレベルにしよう、少し上げようという話だったと思うのですが、この就職率だけを見て、年度目標を上回った理由が資料1-1に書いてあって、いろいろ訓練の実施機関とか、ハローワーク等の連携とか、関連機関の御努力がすごく実って伸びたという面もあると思うのですが、単純に雇用情勢の影響というのもあると思うのです。雇用情勢が若干好転して、その影響を受けて単に就職率が上がったという側面、そういうのはないのですかというのが質問なのですが、もしそういう要素を全く考えないでこういう目標値を設定していくと、ある日、雇用情勢が悪くなったときに、1回立てた目標値を下げていくというのはすごく難しいと思っていて、なので目標値を1回上げてしまったら、多分翌年にそれより低い値にするというのは、しづらいのではないかと思うのですが、そういう雇用情勢などを考えないで、数値目標を設定することに危うさを感じるのですが、いかがでしょうか。2点目は質問です。

 

○吉永総務課長 1点目については、能開基本調査は原先生が御専門ですので、状況は重々御理解いただいているところです。私どもの調査で、零細、30人未満の企業のデータが取れるかということで、その辺りのデータをどういう形で把握していくのかということは、非常に大きな課題だと考えていますが、やはり企業を通じるような形での調査をやっていますので、調査方法等との関係で、現在のサンプル数を含めてですが、現行の30人以上というやり方を続けさせていただいているという状況です。

 そういう中で目標設定についても、能開基本調査のデータをベースにした形で、今は立てているという状況でして、今年度について、そういう形で進めさせていただければと考えているところです。ただ、いずれにしても中小の所をどう考えていくのかというのは、大きな課題だという認識は持っているところですので、その上でどういう形で進めるのがよいか。やめてしまうという考え方もありますが、この辺りについてはある意味、かなり重要な指標という形で、私ども分科会の目標にもさせていただいているところですので、どういう取り方がいいのかということは、中期的な考え方も含めて、検討を進めていければと考えているところです。

 あと、2点目の公共職業訓練の就職率の課題というのは、非常に大きな御指摘を頂いたと思っています。単純に言えば、景気がよくなれば、訓練を受けなくても就職できる環境が整ってくるということだろうと思いますので、そういう意味で単純に言えば、就職率が上がる要因はあるかもしれないと思います。

 ただ、一方でそういう状況の中で、なお訓練を受けないと就職できない層が、訓練に来るということであれば、従来の景気の悪いときに訓練を受けた層よりも、言葉はあまりよくないですが、スキルの低い層が訓練の対象となってくるということからすると、それ自体は訓練終了後の就職率について、マイナスに振れる方向もあるのだろうと思っています。

 ですから、その両面をどういう形で分析するのかというのは、細かく分析しなければいけないのですが、現状で分析できているわけではありません。そういう意味で、公共職業訓練の就職率につきましては、80%を若干超える形で安定的に推移しているという状況ではありますが、80%という形で、目標を設定させていただいているところです。

 一方、委託訓練につきまして、基本的な考え方としては、本来、専門的に訓練できる機関という形で委託しているわけですので、私どもとしては可能な限り、少なくとも施設内訓練と同じような水準まで引き上げていくべきではないか、という基本的な考え方もあります。そういう意味で、今は65%ということで、実績に応じた形で少し下がっていますが、これを少しでも上げていきたいという思いがあります。施設内訓練と委託訓練で、同じレベルの訓練ができるようになれば、同じ率でかまわないわけですし、この率を分ける必要もないわけですが、厳然としてその差がある状況の中で、効果的な訓練体系をどういう形で考えるのかという観点で、まだ差がついている。ただ、一方でそれについて、私どもとしては引き上げていくべきだと考えていますし、それに向けて努力していきたいということで、こういう形で設定させていただいているというところです。

 なかなか分析ができていないという点はそのとおりですので、そういう意味で御理解いただければと考えています。

 

○原委員 どうもありがとうございました。仮に訓練を受けなかったならば就職できなかったであろう人が、訓練を受けたことで就職できたであろうという、その発想はすごく大事で、今後はそういったことを含めながら、そういう枠組みも含めながら、公共訓練、職業訓練の効果というのを考えていっていただければ、私はすごくいいかなと思いました。どうもありがとうございました。

 もう1点、補足させていただきたいのですが、自己啓発を実施した労働者の割合というのを、この業績の中からのぞくことはできないという話が、そうなのかと思ったのですが、やはり自己啓発を受けたか受けていないか、できたかできていないかというよりも、やりたいのだけれどできない人というのを、どうサポートできる体制が出来ているかというほうが、私は大事だと思っていまして、なので能開調査などでも、事業所がどれだけ自己啓発の実施の支援をしているか。金銭的なもの、時間的なもの、講習会を開くなど、そういったことを調査していますし、教育訓練の休暇制度などの導入状況をやっていて、事業所が従業員の自己啓発をやりやすい環境をどこまで整えているかという情報も、能開調査の中にあるので、もちろんそれを業績目標値にするのはとても厳しいので無理だと思うのですが、そういう数値の推移を見守っていくほうが、意味があるのではないか。目標にしろという話ではなくて、それを眺めていって、政策を考えていくほうが、意味があるのではないかということで、そういう発言をしました。

 

○吉永総務課長 先生が御指摘のとおり、15までの目標の項目を眺めていて、5が若干異質な目標の立て方になっているのかなと思っています。個々の施策の効果で変わってくる数字というよりは、複合的ないろいろな施策があって、その結果として自己啓発を行ってくる労働者の割合が変わってくる。要するに自己啓発の割合を増やすという直接的な施策はないわけなので、そういう意味では目標の立て方が、ほかの個別の比較的シンプルな目標の立て方とは少し違うのかな。KPI的な考え方で、こういう目標を立てるために何をやったらいいのかということを考える、という目標の立て方になっているということだろうと思っています。

 そういう意味で、今回特に私どもとして、今年度については教育訓練給付の拡充の中で、中長期的なキャリア形成支援という形で、大きな枠組み、フレームワークが出来たということはこれは先生が御指摘のとおり、金銭的な問題というところからすると、大きく後押しする中身だろうと思っていますし、これが導入されることで、その中長期的キャリア形成支援の訓練を受けるかどうかということとは別に、こういうものがあるのだから、自己啓発を少し意識しようかという方も増えてくる可能性もある。そういう意味で、こういった施策を通じて、自己啓発を行っている労働者の方を増やしていきたいということを考えています。

 正直申しまして、2020年の正社員70%という目標は、少々チャレンジングな目標ではありますが、やはり自分の職業人生を考えていただくということは、今後非常に重要になってくると思っていますので、そういう中でこういったものについても、なかなか難しい状況にあることは、それは先生が御指摘の通りですが、私どもとしては一歩ずつでも前に進んでいきたいと考えている状況です。

 

○上原委員 資料1-13ページ、今議論になっている2013年度の目標、これはマル1〜マル5だけ見ると、概ねマル2、マル3、マル4ができているので、6割方できているわけですが、特にニートの縮減については、人数で言うと208人に届かないのかな。300人弱ですね。届かないということで、98.5%ぐらい達成しているということで、概ね評価できるのではないかと、これだけ見るとですね。

 それで、5番の今いろいろ議論があった自己啓発、特に非正規が7割弱ぐらいの達成率で、正社員に比べると、正社員が88%ぐらいですから、課題があるのかなというところで、今御指摘があったように、目標の質的進化というか、そういうことも工夫する必要があるのかな。できたものについては、更にできるようにすればいいし、できないものについては、当然のことですがよく解析して、実現できるようにしていただければと思います。意見です。

 

○新谷委員 今論議になっていますので申し上げますが、自己啓発を行っている労働者の割合というのは、行政の評価指標として、やはり少し違和感を覚えるのです。

 だから、本当に政策効果を図るという指標で、これが正しいのかというのは、よく検証しなければいけないと、私も思います。

 それと、もう1つ、原先生が統計の専門家としておっしゃっていた、企業規模30人というボーダーの話です。これは様々な厚労省の統計が、やはり企業規模30人以上で切られていて、職業安定行政もそうなのですが、実は企業規模30人未満の企業で働く労働者の方が3割近くいます。いつも、この3割近くの方々が、政策のベースとなる統計に出てこないという問題がありまして、これは能開だけではないのですが、やはりどこかサンプリングの調査でも何でもいいのですが、やはり企業規模30人未満の企業で働く労働者の方にも光を当てて、中小零細企業で働く労働者の実態がどうなっているのかというのがないと、やはり政策を打てないと思いますので、これは厚労省の課題として、是非どこかで御検討いただければと思っています。以上です。

 

○大久保委員 ジョブ・カード取得者数の目標の23.2万人は、どうなのかなと思っています。2020年の300万人という数値が、今のトレンドでは非常に厳しい目標になっている中で、せめて少しずつでも伸ばしていこうということで、10%伸ばすということから作られた目標だと思いますが、キャリア・パスポート構想研究会で、ジョブ・カードについては抜本的な見直しの議論をしている最中です。

 そこで、ジョブ・カードの課題は様々に指摘をされています。当初客観的な能力証明ツールの1つとして、就業、マッチングにも使っていくのだという前提でジョブ・カードの性格付けがされているのですが、最近の状況でいえば、どちらかというと訓練等をセットしたところで、ジョブ・カードを発行し、発行自体が自己目的化しているところもあると思いますので、あえて約3万人の新規取得者の目標を上乗せすることに意味があるのだろうかと疑問に思います。3万人分の新規のジョブ・カードを作成するためには、延べ時間で言うと相当の労働力がかかるわけで、そのことを今積み増すよりは、例えば2014年度の目標については、昨年度実績から据え置いて、逆に2015年以降に、キャリア・パスポートの抜本的な見直しが進んだ後に高い目標を掲げるほうが、進め方としては合理的な気がするのですが。

 

○吉永総務課長 ジョブ・カード取得者の目標については、300万人という目標がある中で、なかなかそれに向けてどういう取組をするのかというところで、これまでやってきたというのは1つあります。

 今、大久保委員にも入っていただきながら、ジョブ・カードの見直し、いわゆるキャリア・パスポート構想という形で進めていくという。利用方法、システムを大きく見直しを行うという形で考えているという状況です。

 そういう中で新しいコンセプトがまとまって、新しいシステムになったときに、どういう目標を立てるのかということは1つあると思っています。ただ、現時点、今年度については現行のジョブ・カードの枠組みの中で、施策を進めてきているということもあります。

 また、現行制度を前提として、予算も整理しているという状況もあります。そういう中で、それらの施策が動いてしまっていますので、こういった目標の達成を目指して、動いている現状は正直あります。

 一方で新しいジョブ・カードなり、キャリア・パスポートというところに移行したときに、どういう形で目標を立てていくのかという辺りについては、その制度設計をどうするのかということも含めて、来年度以降の課題として、的確に進めていく必要があると考えていますので、今年度については現行のシステムの中で、こういう形で目標設定させていただければと考えているところです。よろしくお願いします。

 

○小杉分科会長 ほかに皆様から、御意見、御質問はありますか。よろしいでしょうか。長期的な今後の見直しなどを含めた御意見がたくさんありましたが、本年度の目標に関しては、事務局から今の回答も踏まえまして、当分科会として2013年度の実績評価及び2014年度の年度目標について、という点については案のとおりとしてよろしいでしょうか。

 

(了承)

 

○小杉分科会長 ありがとうございます。それでは、この件については了解いただいたということで、829日の労働政策審議会に報告することになります。では、次の議題に入ります。「職業能力開発の今後の在り方に関する研究会中間取りまとめ」及び「職業能力開発行政改革検討チームの報告について」です。事務局から説明をお願いします。

 

○吉永総務課長 引き続き、資料2、職業能力開発の今後の在り方に関する研究会中間取りまとめ、及び資料3、職業能力開発行政改革検討チームの報告書について、報告いたします。資料2の職業能力開発の今後の在り方に関する研究会については、学習院大学の今野先生を座長として、当委員会の委員であります大久保先生あるいは原先生にもお入りいただきながら、議論を進めていただいているところです。本年6月以降議論をさせていただいており、これまで4回議論を進めてきていただいております。その中間的な状況が取りまとまりましたので、報告させていただきます。

 個別の資料の1ページ目以下で説明いたします。1は、現状の雇用情勢などが書いてあります。5月の有効求人倍率は1.09倍、失業率は3.5%と、6月の数字が出ておりますが、有効求人倍率としては1.10という形で改善している状況です。人口減少が非常に深刻になっており、グローバル化の一層の推進の状況の中で、雇用を取り巻く現状も変わってきております。そのような中で、職業能力開発の状況について見ますと、産業構造の大きな変化や、実際に能力開発の必要性が高いにもかかわらず、企業・個人が職業訓練にかける時間・費用が減少している。あるいは、企業を通じて職業訓練を受けた労働者の割合も減少している状況です。また政策としては、労働移動支援型の政策という形の議論がありますが、このような中できちんとした訓練の実施、あるいは評価制度の整備やその活用について課題があるのではないかというのが、基本的な問題意識として検討しているものです。

2ページの上の3つのポツをキーコンセプトとして、御議論いただきました。1つ目は、若年層を中心として増加している非正規雇用労働者、あるいは女性、これは育児等でキャリアが止まったような方も入っていますが、企業内育成の機会に恵まれにくい層に対して重点的に対応すべきであるということ。2つ目は、産業構造の変化に適応した適切な訓練が提供できる訓練提供機関の育成などを積んでいること。3つ目は、職業能力開発はともすれば若年者対策が中心になりますが、職業人生の長期化に合わせた形での中高年期における能力開発について、少し重きを置くべきではないかということです。

 次の2の中で、具体的な取組が書いてあります。1つ目は、職業能力評価制度の構築です。職業能力評価制度については、能力開発の目標や動機付けもありますが、業種・職種をまたぐ円滑な労働移動や、企業内における労働者の客観的な能力評価の観点から、重要性が増しているのではないかと。そのような観点から、現行の評価制度の技能検定について、ものづくり人材養成等の観点から活用していくことが重要です。

 これに加え、就労人口が多く、入職機会が多いサービス産業、特に対人サービスのところが最近増えております。こういったものが、既存の国家検定、技能検定ではカバーできていないのではないか。こういう分野については、外部労働市場を通じてキャリア形成を行う非正規の方、あるいは育児等でキャリアブランクがある方が多く入ってきますので、この辺りについて能力評価制度を構築すべきではないかということです。

 その際、国が主導するよりは業界団体が中心となってリーディングカンパニーやマッチング機関、あるいは実際に訓練を行う専門学校等の広い関係者が関与して整備を行うこと。後は、エントリー層からきちんと使えるように階層性をもった形にしていく。あるいは、サービス分野、特に大企業ですと既存の社内検定などを持っていますので、そういうものとうまく接続していく。

4ページ目は、ジョブ・カード等の「見える化」のツールとうまく接合していくと。一方では、国と業界団体が中心となるとしつつ、国による質の保障や受検者のモチベーションを高めていくような効果が重要ではないか。また、特にエントリー層を中心としてということになりますが、教育訓練プログラムとの接合を十分考慮していくべきだろうと。これが1点目です。

2点目は、個人主導のキャリア形成支援です。キャリア形成を個人が行っていくことが重要になってきていますが、なかなか個人がそのままキャリアを考えていくのは難しい。それについてサポートするキャリア・コンサルタントの役割が重要です。労働市場のインフラとして、キャリア・コンサルティング機能の整備が必要であり、キャリア・コンサルタントの養成を促進していき、役割の明確化、質の向上を図る必要があるだろうということです。

5ページは、企業の中でキャリア・コンサルタントの資格を取っていただいている方も増えていますが、人事部の方ではなく、ラインマネージャーのような方にもそういうマインドを広げていく、裾野を広げていくことが重要です。この際、キャリア・コンサルティング体制の整備のために、企業に対してキャリア・コンサルタントの設置を義務付けるなどの議論が再興戦略などでも出てきておりますが、このようなことを考えていきますと、環境整備を図っていくことと、必要な企業が外部のコンサルタントを活用していき、個々の企業における取組を促進・支援していくやり方が適当ではないかと記載しております。

 また、中高年期におけるキャリアチェンジを支援していくということで、中高年における職業能力開発を充実させていく必要があるだろうということです。一番下は、こういった労働者の職業能力開発を行うことが、企業にとっても労働者のやる気を出していくことを通じて、生産性の向上等に資するなどメリットがあることに留意する必要があるのではないかということです。また、ジョブ・カードについては、先ほど大久保委員からも御指摘がありましたが「キャリア・パスポート構想研究会」において、今、見直し作業を進めておりますので、そういった結果を踏まえながら着実な普及・促進を図っていってはどうかということです。

3点目は、産業界のニーズや職業訓練の効果を踏まえた職業訓練の推進です。職業訓練は、極めて有効なツールですが、そのために国や都道府県あるいは訓練のプロバイダー、産業界が連携をして、国がコーディネーター機能を果たしながら、地域において産業界のニーズを踏まえた効果的な訓練体系を作っていく必要があるだろうと。また、ハローワークは実際には訓練、公共訓練への受講指示等あるいは就職支援等をやっておりますので、ハローワークとの連携ということに留意すべきだろうということです。

6ページの下段ですが、訓練メニューの多様化も考慮しております。また、訓練の効果を十分に把握することが極めて重要であります。限られた資源を効果的に投入していくことが重要であり、訓練の効果、分析をきちんと行い、きちんと訓練の効果の把握・検証ができるようなことをしていく必要があります。その一貫として、今、公的職業訓練の8割が民間の教育訓練機関を活用しており、その育成、質の向上・担保は重要としております。

3は、これまで中間的な取りまとめまでに議論が十分できていなかった所です。特に、在職者に向けての訓練の在り方について、企業の雇用管理との関係をどう考えていくのか。また合わせて、企業で行っていただいている認定職業訓練を含めた在職者に対する職業訓練の在り方について、どうしていくのかを検討していく必要があるだろうと。能力開発の推進に当たっては、能力評価制度、キャリア・コンサルティング、ジョブ・カードの「見える化」というものを有機的に連携させることは効果的ではないかということ。初めて労働市場に出る方や、育児等でキャリアブランクがある方に、能力開発施策の情報がきちんと行き渡るようすべきではないかという形にまとめていただいているところです。以上が、1点目の職業能力開発の今後の在り方に関する研究会の中間取りまとめの課題です。

 続いて資料3、職業能力開発行政改革検討チームの報告書です。これについては、冒頭の局長の挨拶にもありましたとおり、当局は独立行政法人の短期集中特別訓練事業の入札に当たり、不適切な事例があったということで、これに向けて信頼を回復するとともに、効果的、効率的な行政の推進の体制を作ってはどうかということで、これは事務次官以下官房が中心となり策定した報告書です。

 これには、職業能力開発の現状について記載しておりますが、日本再興戦略等にもあるとおりですが、職業能力開発行政は極めて重要にますますなっている中で、ただその施策の詰め方として、非常に不適切なやり方が行われたということです。私ども職業能力開発行政の主な課題を記載しておりますが、地域における人づくりが、様々な機関、公的な職業訓練や企業の人材育成、労働者が行う教育訓練も含めて、あるいは都道府県や民間で担い手が様々にあり、全体的な調整がなかなかできていないのではないか。地域や産業界へのニーズに応えた形にはなっていないのではないか。高齢・障害・求職者雇用支援機構については、民間の教育訓練機関に対する指導的役割を有しているけれども、そういったものがきちんと行き渡っていない可能性があるのではないかということです。もとより能力開発行政は、都道府県の自治事務という整理の中で、私ども厚生労働省が直接事務を行う場合については、都道府県に対して事業を行っていただくことと、国が行うものについては、全て高齢・障害・求職者雇用支援機構が事業事務を行う体制になっております。それ以外のものについては、なかなか手足がない状況の中で、先ほど申しましたとおり、公的な職業訓練のほかに様々な関係者がいることの調整がうまくいっていない可能性があります。そのような中で、目指すべき方向性として、マル1が地域全体の人づくりの視点による職業訓練行政の一体的な実施です。現在、求職者訓練と高障求機構で行う訓練について、なかなか計画が一本化できておりません。そういうものを含め、地域ごとに総合的な訓練体系を作っていくことが必要ではないか。その際に、ハローワークが求人訓練ニーズの情報を持っていますので、こういったものを都道府県労働局が集約し、都道府県・機構と連携していく必要があるのではないかということです。

 それに伴いマル2ですが、現在職業能力開発行政については、労働局では求職者支援訓練の一部の事務を施行しているに過ぎませんが、もう少し包括的に調整機能について労働局、ハローワークに担っていただくことが必要ではないか。併せて、職業能力開発局の組織についても、機能的に見直しを行うことが必要ではないかということです。

 マル3は、意識改革です。高齢・障害・求職者雇用支援機構の活用について、運営費交付金など、いろいろなやり方があったのではないかという反省をしております。それから、コンプライアンスをきちんとやっていくような体制の維持をきちんとやっていきながら、新しい職業能力開発行政を進めてはどうかと記載されています。私からは以上です。

 

○小杉分科会長 では、御質問、御意見を伺いますが、いかがでしょうか。

 

○新谷委員 議題2の「職業能力開発の今後の在り方に関する研究会」中間取りまとめについて、大きく分けて4点申し上げます。この研究会は、本当に時宜にかなった検討をなされていると思います。今、ご説明頂いた中間取りまとめの2ページに、今後の職業能力開発に取り組む際に3点について検討していくと書かれております。1点目に、企業内の育成機会に恵まれにくい労働者の例として、非正規労働者が挙げられていますが、企業の中で育成機会に恵まれていない方に対して、やはり行政として手を差し伸べることが大事だと思っています。大企業を中心に、企業内でできることをやれる企業はいいのですが、特に中小企業で働く労働者に対しては行政の支援が必要だろうと思っています。ですから、ここでは非正規労働者、女性という例示が書かれておりますが、先ほどの統計の話ではありませんが、やはり中小零細企業で働く労働者に対する支援の在り方です。先ほどの能開基本調査で見ても、実は大企業の「正社員以外」に対する企業内での教育機会よりも、中小零細企業(企業規模3049人)で働く「正社員」のほうが、教育訓練機会に恵まれていないという統計が出ております。やはり視点の中に中小零細企業で働く労働者も是非専門家の先生方の検討の中に加えていただきたいと思います。

 次に、3ページに技能検定についての記述があります。これについても、産業活動の変化・高度化ということが書かれておりますが、企業の中、特に日本のものづくり現場では、ものづくりのラインの柔軟化ということで、多能工が推進されています。もう長くやっておりますが、機械の中でもいろいろな機械を扱える、それぞれに技能検定が細分化されているのですが、そういった複合的な高度な技能を持った方への評価が、今は1つずつしか技能検定の評価ができていません。そういった多能工に対する評価の基準を設けていくのが、今のものづくりの現場に合っているのではないかと思います。これについては、2012年に厚労省で職業能力開発局長のもとに設置された「技能検定等技能振興の在り方に関する検討会」があり、我々もそこで意見を申し上げましたが、例えば「複合技能士」といったような、多能工に対する評価の資格を新たに創設するといった論議がされておりますので、是非そういった点についても残りの時間は限られているかもしれませんが、触れていただければと思っております。

3点目は、7ページ以降に今後の検討に当たっての留意事項が書かれております。これは中間取りまとめですので、どこかで論議されているのかもしれませんが、気になるのが、今年の10月からスタートします専門実践教育訓練の扱いです。これは、制度創設の際に、雇用保険を財源として、新たな訓練制度として設けられましたが、従来の能開行政の予算規模が年間約1,600億円に対して、新たに10月から発足するこの制度は、約890億円を見込んでいます。ですから、従来予算の半分ぐらいを使って、新たな訓練が始まるわけです。これは、検討の経過がいろいろあって論議いたしましたが、もともと産業競争力会議の中から出てきた、降って湧いたような話で、それを厚労省で受け止めて雇用保険の制度としてビルトインしたわけです。やはり、こんな大きな訓練メニューが入ってきて、研究会の検討の中に一言も触れられていないのは、経緯を考えればそういうことなのかもしれませんが、10月からスタートしようとしている大きな訓練項目ですので、これを能開の中にどのように組み込んでいくのかも、是非専門家の先生方のお知恵を借りて受け止めていただけないかと思っています。

 最後に4点目は、この分科会で公労使3者構成の中で確認してきた第9次職業能力開発基本計画です。これは、2011年度から始まっているのですが、これに対する総括です。あれは、「攻めの人材育成」と「守りの人材育成」という大きな括りの中で計画を立ててこの分科会で確認をしたわけです。それに対する総括も当然やっておられるのだと思いますが、第9次職業能力開発基本計画の総括もどのように受け止めるのか。それを踏まえて、今後の在り方について是非検討していただきたいと思っています。

 以上4点ですが、最後に今日の新聞で我々の意図せぬ記事が出ておりましたので、この点については質問をさせていただきたいと思います。後でも議題が出てきますが、こちらのほうがいいかと思います。先ほどの説明の中でも、45ページのキャリア・コンサルタントの扱いについて、企業内における部下のキャリア形成の責任を持つとか、個人主導のキャリア形成が重要であるというように論議はなっております。今日の日経新聞の朝刊に、けしからぬ記事が出ております。私が聞きたいのは、このキャリア・コンサルタントというのは片仮名ですが、これを和名で言うと、どういう呼び名で厚労省としては考えているのでしょうか。

 

○高橋委員 今の新谷さんが質問されたことに関連するキャリコンの話は、後の議題と絡むので、その話は一緒に議論しないと、今ここでそこの和訳だけをやって、またキャリコンのところでやるのではなくて、計画については事務局から説明していただき、一緒に是非審議させていただきたいと思います。

 

○小杉分科会長 それでよろしいですか。

 

○新谷委員 結構です。

 

○小杉分科会長 では、キャリコンの質問の件は、後に回すことにしたいと思います。今、4点御意見をいただきました。ほかに皆様から御意見、御質問を伺いますが、いかがでしょうか。

 

○大隈委員 資料2の今後の職業能力開発に取り組む観点という枠がありますが、1行目に非正規雇用労働者と女性と、並べて書かれているのですが、非正規雇用労働者は有期であるとか、専門的、一時的な労働ということでよく分かるのですが、女性をコメントなしに横に書くと、企業内では女性は機会に恵まれていないのかという表現にとられますので、先ほど言われたように出産や育児等で勤務の中断があるから、女性はそういう機会が少なくなるという前提でものを言ってもらわないと、ここは女性はないという具合に見えるので、是非コメントをどこかに入れてほしいのですね。

 

○原委員 今の件ですが、私もこの会に参加しておりまして、キャリアブランクのある女性がメインだとは思います。やはり企業内での職業訓練の機会は男女を比較すると、かなり違いがあることは明確ですよね。男性と女性、特に正社員などを比べますと、男性正社員と女性正社員を比べると、圧倒的に男性正社員のほうが多いので、ここは女性という言葉だけでも特段問題はないように思うのですが、いかがでしょうか。

 

○大隈委員 いや、その場合は、何かデータがあるのですか。

 

○原委員 データはあります。

 

○大隈委員 どういうデータか教えていただけますか。

 

○原委員 それは、能力開発基本調査の中でも、男女の差は明らかに出ておりますし、今、様々な研究者の分析でも、同じ企業の中でも男女の格差は明確にありますので、このままの表現で問題ないのではないかと思うのですが。

 

○大隈委員 これは、機会といわれているのでしょう。機会は一緒ではないのですか。

 

○原委員 過去に受講した結果ですかね。受講の確率が違うということですか。

 

○大隈委員 いや、受講を受け入れる機会という意味です。

 

○原委員 与えられているかどうか。

 

○大隈委員 それは一緒だと思うのですよ。結果的に受け入れないというのはあるかもしれませんが。

 

○原委員 そうです。結果としての話をしています。

 

○大隈委員 しかし、機会と書いてありますが、機会に恵まれるか。結果だと分かりますよ。出産や育児などがあるから受けられなかったということは分かりますが、機会は最初から恵まれないというのは、表現がちょっと行き過ぎだと思いますが。

 

○吉永総務課長 この辺りの文言については、最終報告書までの間にうまく整理をしたいと考えております。女性についての育成、訓練の機会については、様々な分析、調査等がありますので、そういったものを踏まえて適切な内容をと考えていきたいと思っております。

 

○小杉分科会長 労使それぞれからの意見がありましたので、是非研究会でも検討していただけますよう、お願いしたいと思います。

 

○上原委員 中間取りまとめの4ページの、個人主導のキャリア形成支援の所で、私が常に申し上げている学校在学中からということに対する環境整備を整えよということですが、主体的に自らのキャリアを形成していく基盤は、やはり学校教育の中でキャリア教育を通して育成すべきもので、それをこうした職業人生とどうつなげていくかが一番重要です。この辺りの記述については、もう少し学校教育におけるキャリア教育とのつなぎを強調していただければと思います。

 今、学校教育の中では、こうしたものの中では労働法理解のレベルでしており、職業訓練の状況の理解なんてほど遠い状況です。そういった意味での情報発信や、今は中学校の職場体験は98%行われておりますが、そういったものへの支援をしながら、労働人生へ送る様々な学校教育ではカバーできない情報を、学校、文科を通じて情報提供しながら、円滑な接続ができるような施策を強力に考えていただければと思います。

 聞くところによると、キャリア教育推進法も今上程されるようですので、その辺りとも関連付けてお願いしたいと思います。

 

○小杉分科会長 ほかにありますか。

 

○冨高委員 資料37ページの改革の方向性のローマ数字2です。1番目の職業能力開発局の権限・事務を一部労働局に委任してという所です。先ほど、新谷委員からも発言がありましたが、今年の10月から専門実践教育訓練が始まるということで、非常に大がかりな仕組みです。これの円滑な施行を図ることで申しますと、地方における職業能力開発行政の拠点は強化することが求められると考えております。現在の都道府県の労働局を見ますと、求職者支援制度の創業を契機に、求職者支援室が設けられておりますが、現行の体制では不十分ではないかという印象を受けております。

 労働側が従来からずっと言っておりますが、職業能力開発行政が職業安定行政と連携を強化し、ハローワークを拠点に全国ユニバーサルサービスとして展開をしていくための実施体制をきちんと確立することが重要でないかと考えております。決して行政の肥大化をやみくもに指向するわけではありませんが、是非、体制の確立に必要な予算や人員の確保といったものの一層の取組をお願いいたします。

 これも以前から少し発言させていただいておりますが、従来の教育訓練給付指定講座において、厚労省から実務を受託している中央職業能力開発協会(JAVADA)が少人数ということで、2011年度は能力開発支援部の職員の方々が28名前後だったと思います。やはり、非常に少人数であることと、全国津々浦々正に専門実践教育訓練をくまなくチェックするのは非常に難しいのではないかと考えますと、むしろコンプライアンスの徹底を前提とした上で、既に全国のユニバーサルサービス、巡回指導のノウハウを持っている雇用支援機構を活用するべきと考えております。以上が意見です。

 あと2点質問があります。4ページに戻りますが、改革の方向性のローマ数字1の1で、地域訓練企画協議会(仮称)の中で、都道府県ごとに1つの総合的な計画を策定と書いてあります。既存の地域訓練協議会があるかと思いますので、それとの関係がどうなるかをお尋ねいたします。それから、同じページの最後の○に、具体的には都道府県、機構、労働局、有識者、産業界、教育訓練機関などの関係機関が集まる地域訓練企画協議会(仮称)と書いてありますが、従来の地域訓練協議会では、厚労省からの要請ということで、地方連合会も参画をさせていただいております。労働者の代表ということで、労働組合も前述の仮称の関係機関に含まれると理解していいかという2点について、質問させていただきたいと思います。

 

○小杉分科会長 ただいまの地域訓練協議会についてのお答えをお願いいたします。

 

○吉永総務課長 御指摘のとおり、現行でも地域訓練協議会が置かれております。具体的には、求職者支援訓練について、都道府県と労働局ですり合わせを行う形が基本的なものです。地域によっていろいろな形で協議しておりますが、基本的には求職者訓練の中だろうと。そういう意味で、今回地域訓練企画協議会として新たなものは、現在公共訓練全般について都道府県の計画があり、機構が行う訓練の計画があります。都道府県の計画の中に、委託訓練も含まれています。この辺りについて、全体として都道府県からの委託も含めた民間の活用、それから必要に応じて求職者訓練の枠組みを含めた形で、全体としての訓練の企画ということで、今まで、あるいは求職者訓練が新たにできたことを契機として設置された地域訓練協議会を更にバージョンアップしていくといいますか、全体でもう少し大きな訓練の枠組みについて御議論いただく枠組みを新たに設けることができないかという形で記載しているものです。

 それから参画者については、地域によって様々ですが、当然関係者の中には労働組合関係者も入るのだろうと思っております。

 

○小杉分科会長 今まであった地域訓練協議会を発展させて、それに企画というような形になるわけですね。

 

○吉永総務課長 今までは、求職者訓練をどうするかの、ある意味決まった領域でしたが、幅広くもう少し大きなフレームワークの中で地域における訓練にとって何が必要であるか。あるいは、こういう委託訓練を増やしていただく御議論もできるような場ができればいいと思っております。

 

○小杉分科会長 それから、労働組合が入るということも、きちんと明記していただきたいと思います。ほかにありますか。

 

○浅井委員 ずっと議論を聞いており、育児等によるキャリアブランクのある女性と、職業能力開発の関係を考えていました。安倍政権になって、女性の活用がすごく言われるようになり、では女性に求められていることはどういうことかと考えますと、単に使い捨ての労働力として都合がいいという視点ではなく、今までの日本の男性社会の中とは違う新たな発想で日本を再興する、イノベーションへと導いていくことだと思います。それを考えてみますと、育児というのは私はキャリアブランクと言ってしまっていいのだろうかと。ある意味では、キャリア・パスポートとして考えると、取り分け2人以上の子どもを産み育てるということは、分かりやすく言えば、家の中に社会ができて、これをマネジメントしているようなもので、ある意味でこれは管理職の研修を日々やっているぐらいすばらしい機会だと思うのですね。これを、どう積極的に考えていくのかが1点です。

 もう1点は、子どもが2人以上になってきますと、育児と仕事を両立させるために、女性は長時間労働につながらないような働き方を真剣に考えますし、また限られた時間の中でいかに効率的に働くかという発想で、仕事というものを抜本的に見直す視点を非常に持つようになるのではないかと。そういう意味では、正に管理職の知恵が磨かれていくのではないかという気がしております。従来の男性社会は、例えばチームワークの高さや結束力を見るときにも、どうしても長時間一緒にいることがすばらしいことで、それが高い指標になってしまう。その結果、本音を言えば、男性の皆様もくたくただと思うのですね。こんなに長い時間働きたくない。それを、女性の新たなる視点で、ちょっと違った形で見直してくれるということは、男性にとっても必ずメリットがあることだと思うのです。そういった意味で、女性の育児の経験が仕事の現場でいかされることが非常に今問われているのではないかと考えています。

 

○小杉分科会長 ほかに、皆様から御意見はありますか。ないようでしたら、この2つの議題についてはここまでといたします。次に、キャリア・コンサルタント養成計画についてです。内容について、事務局から説明をお願いいたします。

 

○藤浪キャリア形成支援室長 資料4、キャリア・コンサルタント養成計画についてです。そもそもキャリア・コンサルタントですが、個人の適性、職業経験等に即した職業選択あるいは能力開発を支援する相談を担う人材です。キャリア・コンサルタントについては、平成13年度第7次能開基本計画以降、キャリア・コンサルタントの養成推進をしてきました。そういった中、昨年12月の産業競争力会議「雇用・人材分科会」中間整理において、キャリア・コンサルタント養成計画の策定を求められたところです。

 具体的な記述は参考1にあります。自らの職業能力の棚卸しに基づき、キャリアアップ・キャリアチェンジを考える機会を多くの国民に提供するための方策として、まずキャリア・コンサルタントの養成計画を本年の年央までに策定し、確実に養成を図るものです。それに加え、先月閣議決定された「日本再興戦略」改訂版においても、本年夏までに養成計画を策定し、その着実な養成を図るとされたところです。

 最初の中間整理を受け、本年2月から専門家の皆さんに集まっていただき、専門検討会を設置し、検討を行ってきたところです。その結果を踏まえ、キャリア・コンサルタントの養成計画を厚生労働省として策定ということで、これについては昨日付けで策定したところです。その計画の中心となる数値目標を抜き出し、本日の資料で御紹介しています。

4「数値目標」です。標準レベルのキャリア・コンサルタント及びキャリア・コンサルティング技能士の累積養成数について、平成36年度末に10万人とすることを数値目標とします。集中養成期間の終期である平成31年度末においては、当該累積養成数を79,000人とすることを目指すものです。標準レベルのキャリア・コンサルタントとキャリア・コンサルティング技能士については、裏面を御覧ください。

 専門検討会の報告書から抜き出していますが、中程に標準レベルのキャリア・コンサルタントがあります。厚生労働省が示している140時間の標準モデルカリキュラムを満たす講座を受け、その後キャリア・コンサルタントの能力評価試験に合格した者で、キャリア・コンサルティングを行うための基本的な知識、スキルを身につけた者ということで、平成25年度末時点で約39,500人いるというものです。

 その上の水準、技能検定の職種の1つとして、キャリア・コンサルティング技能士を設けています。レベルが2級と1級です。2級が熟練レベルということで、豊富な実践経験を持って、幅広く一定以上の支援が可能なレベル、約5,400人です。その上の指導レベル、経験の浅いキャリア・コンサルタントへの教育も可能なレベル、61人です。この1級の制度は平成23年度から始まりましたので、まだ少ない状況です。

 これらの標準レベルと技能士を合わせ、約45,000人の有資格者で、計画はこの有識者を今後増やしていこうというものです。

 下にグラフがあります。まず、10万人という数です。専門検討会の報告書においては、キャリア・コンサルティングに係る現在あるニーズ、今後期待されるニーズ、掘り起こしていくべきニーズを基に試算し、10万人という数を出しています。この10万人という数字ですが、グラフにあるように、これまでの養成数の増加ペースで進むと見込んでいくと、平成36年度末までで約9万人となりますので、残りの1万人を今後の政策効果で伸ばしていこうというもので、目標数値としては頑張って取り組んでいける水準の目標となっていると考えています。

 また、※2に記載していますが、ハローワークにおけるキャリア・コンサルタントについては、資格取得促進は今年度中に検討となっているので、この計画からは除かれていますが、今後ハローワーク職員の資格取得者が増加してくれば、実績にも積み上がってくるので、その点からも実現の可能性は増していくのではないかと思っております。いずれにしても、この目標の達成に向けて取り組んでいきたいと考えています。

 

○小杉分科会長 御質問、御意見を伺います。先ほどの新谷さんの質問が途中までのようでしたので、質問を完成させていただきたいと思います。

 

○新谷委員 確かに先ほどおっしゃるとおりでこの項目のほうがふさわしいと思いますので、こちらで質問をさせていただきます。申し上げたように、今日の日経新聞に記事が出ており、今日の31日の審議会で決定するということが出ています。その記事に関連してお聞きしたかったのは、キャリア・コンサルタントというものの和名をどう考えているのかということです。まずそれをお聞きして、それに答えていただいてから、また申し上げたいと思っています。

 

○吉永総務課長 キャリア・コンサルタントの和名ですが、「キャリア」という言葉が多義的な概念ですので、和名にするのは難しいということで、私どもは大体「キャリア・コンサルタント」「キャリア・コンサルティング」という言い方をさせていただいています。

 強いて訳すとすると、「職業能力相談員」というイメージであって、もちろん転職の際にも使うことはできないわけではありませんが、必ずしも転職を前提にしたものではございませんし、正に先ほどの研究会の報告書の中で「キャリア・コンサルタントの機能は重要だ」という形で取りまとめさせていただきましたが、そういったものは転職ありきということではなく、個人が自分でキャリア形成を考えていく、個人主導のキャリア形成を実現するための支援を行う方ということだと思っておりますので、そういう意味で、私どもでこのような用語は作ったことはないと思いますし、ミスリードの訳ではないかと考えています。

 

○新谷委員 記事を御覧になっていない方もおられると思いますので簡単に御紹介すると、今日の日経新聞の朝刊に、企業の「転職相談員」を拡充するということで、中高年を中心とする社員を成長産業に移ってもらうことを後押しする。そのために、企業の中に今までいなかった「転職相談員」を拡充する。それを今日の審議会で決めるのだという記事が出ていたわけです。日経新聞はサラリーマンだけではなく、企業の経営者もたくさん見ていて、影響力のある新聞ですので、キャリア・コンサルタントがこういった形で喧伝されていることは非常に遺憾です。

 先ほどの研究会の内容でも、企業の中で部下のキャリア形成に責任を持たせるとか、正確なことは書かれているのに、昨日のマスコミへのリリースが間違った形で流れていっているか、記者が勝手に解釈して書いたのかもしれませんが、いずれにしても、せっかくキャリア・コンサルタントを増やして、正しく個人主導の職業能力の形成に対して相談できる体制を強化しようという矢先に、これが「転職相談員」という形でバンと打ち出されてしまうと、何だこれはと思わざるを得ません。本当に出鼻を挫かれる気がいたしまして、特段の意図はなかったのかもしれませんが、強く厚労省として当該新聞社に対してクレームを入れていただくとかしていただかないと、我々もこのような記事が出ていきますと、労働組合としては、そのような「転職相談員」の拡充の話に乗ったのかということになると、とてもではないけれども、これから論議に応じることができませんので、そういった情報管理も含めて、コメントがあれば是非お聞かせいただきたいと思います。

 

○吉永総務課長 今回の件につきましては、本日の審議会で決めると書いていますが、現実問題として、飽くまでも行政計画として定めさせていただく形で、昨日決裁は終了したので、昨日付けで関係の労働局、都道府県に対して通知を行ったところです。

 プレス発表もしておりませんし、こういった内容の取材は受けていないと報告を受けています。いずれにしても、内容はいかがなものかと私どもも思っておりますので、その関係について、今後適切な対応をしていきたいと考えています。

 

○大隈委員 今、和称の「職業能力相談員」というものを聞きました。これは私は安心しました。企業の実態から言いますと、企業というのは自分のところの従業員の雇用をいかに確保するかをまず大前提に考えるわけです。その後に、どう活用するか、あるいはどう育成するかということを、中でまず考えるわけです。

 そうなると、転職とか雇用の流動化というのは、余り意識しないです。そういうところに、今回のようなコンサルタント、必要だとは思いますが、企業の中で例えば500人に1人という割合で採るべきという意見を持たれると、非常に違和感があります。

 雇用の調整、転職に関しては、学校、ハローワークも当然必要ですし、需給調整組織という会社がありますので、そういうところがきちんと採っていただくのは賛成ですが、企業の中に何人という設定をされると、非常に違和感があると思います。特に、今日の日経新聞はそう思います。

 

○大野委員 そういう論点からいきますと、キャリア・コンサルタントの養成数を10万人に向けて増やしていく、ニーズが10万人あるのだという話が理解できなくて、キャリア・コンサルタントをどこに配置するのだというところに疑問があるのです。先ほどお話がありましたとおり、私もハローワークあるいは学校等で、キャリア・コンサルティングの充実を図る、専門性を高めるというのは非常に重要だと思っていて、そこを高めるというのは分かるのですが、いたずらに数を増やしてどうするのだというところにすごく疑問がございます。

 先ほど、キャリア・コンサルタントの日本語訳が「職業能力相談員」という話があったのですが、確かにきっかけは職業能力の相談かもしれませんが、相談する方にとっては、結局どういう仕事に就くかというのは、その人の人生観であったり、生活であったり、人生そのものの相談ですので、極めて重要なことであって、キャリア・コンサルタントという言い方もありながら、キャリア・カウンセリングと同じ意味だと思うのです。そういって、相談される方の専門性も高くなるといけませんし、相談内容の守秘義務の問題もあります。おおよそ企業の中でキャリア・コンサルティングをやるとしたら、企業の中でその方をどうやっていい仕事に就いていただいて、飽くまでも雇用を確保するというのが企業内のキャリア・コンサルタントの目的ですので、転職の支援ではありません。

 したがって、そのために相談者の守秘義務を守るとか、人事権をどうやって置いていくかというところにおきますと、200人、300人に1人キャリア・コンサルタントを置くという原則は全然なくて、もし置くとしたら専門部隊であって、大企業というのは数人からせいぜい1桁の専門部署であるはずなのです。そこがあって、今日の新聞の転職支援と、何百人に1人という話ですとか、ニーズがあるので10万人にというところを疑問に思っていて、むしろ養成数を増やすことではなくて、専門性を高めるべきだ、そういう人を増やすべきだと思います。これは意見です。

 

○澤田委員 今日の資料4が「キャリア・コンサルタント養成計画」ということで、養成する数の目標を中心に抜き出して記載されているから分かりにくいのかと思うのですが、「背景」のところにある囲みの中に、第7次職業能力開発基本計画とか、産業競争力会議の中間報告、恐らくそういうものの中でキャリア・コンサルタントを今後活用していく、それがある程度こういう絵を描いているから、10万人必要なのだという流れで数字が出てきているのだろうと思うのですが、その辺は、今ありましたように、どう具体的に活用していくのかということが、今日の資料では全くないものですから、数字しか出ていないので、その辺をどのように活用していくのか、あるいは1回取った人のレベルアップをどうするのか、そういうことも含めて補足していただきたいと思うのです。

 

○藤浪キャリア形成支援室長 必要性、背景等ですが、まずキャリア・コンサルタントはこれまでも議論がされていますように、個人の適性、経験等に即して、職業選択、能力開発を支援する相談を担う人材ということです。企業においてどう活用していくかは、例えば現在活動されているキャリア・コンサルタントの状況を見ていくと、従業員のキャリアに関する悩み、若年者の定着支援、ミドル世代のキャリアの再構築、シニア世代の雇用延長を踏まえての支援、従業員全体の就業意欲の向上、採用活動の支援、それに加えてグループでの研修などいろいろな形で実施していますので、こういった形で活動されてきています。

 今後、企業を取り巻く環境が大きく変わっていくだろうということで、10万人の必要性ですが、企業を取り巻く環境として、技術革新、グローバル化、ワーク・ライフ・バランスの浸透、女性の活用をはじめとするダイバーシティの進展、企業内における非正規から正規労働者への移行の問題、当然ながらキャリアアップ、キャリアチェンジが活発化していく。こういったことに伴って、従業員自らがキャリアと向き合う機会は確実に増加していくということから、キャリア・コンサルタントが今後は益々必要になってくるだろうということから、こういった数を出しています。

 必ずしも、出向、再就職、キャリアチェンジということを、今日の記事にあるように「転職支援員」という形ではなく、従業員が自らのキャリアを見つめ、充実させていく、仕事にやり甲斐をもっていく上でのキャリア・コンサルティングということが、今後求められてくるだろうということから、専門検討会での試算で、トータル10万人という数を出したところです。

 御指摘のとおり、数だけではなく、質の問題もありますので、そこについても合わせて質を高める施策を検討していく必要があると考えています。

 

○吉永総務課長 補足いたします。キャリア・コンサルタント養成計画については、4の抜粋だけを付けていますが、この上に、キャリア・コンサルタントは何をやるものかとか、そもそもの第7次能力開発基本計画の形の枕が書いてあるものでして、基本的には4の部分が、計画の中核を成していると考えています。

 その中で、私どもが今キャリア・コンサルタントの養成などについて考えているのは、先ほど御説明させていただいた職業能力の今後の在り方に関する研究会の中間的な取りまとめの中に入っているものと全く同じです。具体的には、先ほどの資料24ページ目の後段以下です。これから個人主導のキャリア形成支援が重要になる中で、キャリア・コンサルタントの役割を明確化し、質の担保・向上を図っていくことと合わせて、企業の中でそういうマインドを広げていくことが重要ではないかということです。

 一方、5ページ目の1つ目の○の後段に明記していますが、「企業内におけるキャリア・コンサルティング体制の整備のためには、企業に対しキャリア・コンサルタントの設置を義務付けるような手法」、こういう議論も産業競争力会議「雇用・人材分科会」の中で、民間議員のペーパーが出たりということの記載があるわけですが、このような手法が、先ほど各委員からも御指摘がありましたように、適当かどうか、企業の実態に合っているのかどうかというところからすると、実態に合ってはいないのかなとは思っておりますが、そういう手法ではなく、環境整備を図りながら、外部のキャリア・コンサルタントの活用を含む、個々の企業におけるニーズに即した形で、促進支援をしていくというものが研究会の中間取りまとめでまとめていただいたもので、これと私どもの考え方は全く同じです。

 その上で、養成計画を作ることが競争力会議から求められている状況の中で、10万人ということで基本的には現在の養成数について若干加速をしていくという形でとりまとめています。

 元より、この方々がどういう領域で働くのか、どういう領域で活躍していくのかということを事細かに中身を決めているものではありません。いずれにしても、今後は先ほど申しましたような形で、キャリア・コンサルティングが重要であり、質の向上と合わせて活用が進んでいくのではないかということからすると、この10万人が養成される形で対応できるのではないかと考えている次第です。

 

○高橋委員 今日の日経の記事は本当にレベルが低い記事で、本当にがっかり以外の何ものでもなくて、よくこのような記事が掲載されるなと、ちょっと見識を疑ってしまいます。

 ただ、他方で全く根拠がないかというとそうでもなくて、先ほど来御説明があったように、専門検討会の報告書には、確かに活動領域別の算定根拠のような数字が出されていて、企業には今、8,000人のキャリコンしかいないが、それを63,000人に増やすのだというような数字が書かれて、その報告書が出ています。それが、先ほどの議題2の今後の能開行政を考える在り方検討会にも資料として提出され、事務局から説明がある事実がありますから、そういうことを聞いていた記者の方が、こういう形の記事を書いてもおかしくはないと思います。ある意味において、500人に1人置くとか、そういうことが専門検討会の報告書にも書かれていますので。

 私が申し上げたいのは、専門検討会とは一体何なのだろう。企業の実態をよく御存じの人たちが本当に検討したのかという疑問を呈さざるを得ませんし、それを取りまとめた厚生労働省の事務局は何をやっているのかと言わざるを得ない。今回の新聞記事は厚生労働省の範囲外ですが、私は今回の専門検討会の報告書の取りまとめに当たっては大変不満であります。それを強く申し上げます。

 その上で、キャリア・コンサルタントの養成数を増やしていくこと自体は結構なことだと思っています。その財源の在り方については、単に雇用保険二事業だけで養成数を高めていくことが本当にいいことなのかどうかについては、十分な検討が必要だと思っています。

 

○小杉分科会長 私も専門委員会に関わっていた関係で申し上げさせていただきます。今回、資料2で書いていただいたような議論が、かなり中心にあったということだけは申し上げたいと思います。

 つまり、企業内というのは専業ということは余り考えていなくて、ラインマネージャーをはじめとして、キャリア形成支援のマインドと基本的な知識、スキルを持った支援の役割を果たせるような知識を持った方が、企業の中にもっといてほしい。そういう意味で、ある意味数合わせの部分も若干ありましたが、中で展開されていた議論は、実際にキャリア・コンサルタント専業で人が雇えるかというと、そういうことはあり得ないということは当然皆さんの共通認識として持っており、その中で個人主導のキャリア形成を実現するためには、企業の中、そうした人事管理の中に考え方が必要だ。そういう議論で出てきたということだけはコメントさせていただきたいと思います。ほかにございませんでしょうか。

 

○河本委員 今おっしゃったところは本当に大切だと思っていて、管理職、マネージャーは、キャリア・コンサルタントとかキャリア・カウンセラーといった資格を持っているかということではないと思っていますが、日々の中ではその役割を果たしていくという意味では、その企業の大きさ、その職場によって、管理スパンの問題であったり、違うと思うので、正にここに書かれているように、それぞれの企業における取組を、支援、促進するのが、厚生労働省の役割ではないかと思っております。改めてここは確認しておくべきポイントではないかと思っております。

 

○上原委員 直感的に思うのですが、キャリアというのは自分で選択して決めるのだと思うのです。状況によって大きく転換するというときに相談するということも多々あると思うのですが、信頼できる人とか、日常的な話でいうと。

 キャリア・コンサルタントというのを10万人にするというのですが、ハローワーク等に現在もいらっしゃると思うのですが、そういう方々は正規の資格で働いているのですか。引っ繰り返して言うと、10万人の非正規のキャリア・コンサルタントを作ってもしようがないと思うのです。言葉は非常にきれいで、何となく、いないよりもいたほうがいいような気はするのです。相談して選択した結果責任は自己が持つわけですよね。だけれども、相談員も人間ですから、相談する人によって方向が大きくずれると思うのです。医師と同じで、やめたほうがいいという人もいるし、積極的にチャレンジしたほうがいいという人もいるかもしれませんが、その責任は非常に大きいと思うのです。だから、相当詰めてレベルを上げていかないと、大変なことになるのではないか。

 だから、もう少し正確に言うと、現状でキャリア・コンサルタントの1級というのは61人と書いてありますが、この辺の人たちは完全に独立してやっているのでしょう。私が聞いた話ですと、140時間ぐらいのレベルの人ですと、例えば弁護士とか、そういう意味での独立した職業にはなり得ないと聞いているので、その辺が心配です。

 

○藤浪キャリア形成支援室長 キャリア・コンサルタントの身分と言いましょうか、その問題につきましては、以前に厚生労働省で調査をしたものがございます。キャリア・コンサルティング技能士と標準レベルのキャリア・コンサルタントを合わせて、両者を対象にした調査で、就業形態は非正規の方が約4割、正社員が3割という状況で、現状は非正規で活動されている方が多いということです。ですので、こういった方々の活動をいかに安定したものにしていくのかということも、大きな課題の1つとして認識しております。

 

○新谷委員 使用者側からの発言が続いていますので、この件については先ほど澤田委員からも発言しましたが、私どもの考え方を申し上げます。

 資料25ページに、キャリア・コンサルタントの企業内における役割が書かれています。日常的に部下と接している管理職が、その部下のキャリア形成に対して相談に乗ったり、指導したりという体制を作れば、非常に企業の中でのキャリア形成というのは進むのではないかと思っております。そういった面では、このキャリア・コンサルタントというのが、正しくこの字句どおりの役割を果たすというのであれば、我々労働組合としても労働者にとってメリットがあると思いますし、労働組合の中でも、産業別組合によっては労働組合の役員にキャリア・コンサルタントの資格を取らせるという取組を進めている所もあり、方向性については、我々には全く異論はないし、これを進めていくべきだと思っています。

 ただ、先ほどから使用者側から出ているように、10万人の養成数の目標において、企業の中に従業員何人に1人キャリア・コンサルタントを置くというのは、もう少し論議をしていったほうがいいのかもしれません。人を増やすという数ありきでやるのか、先ほどの話にあったように、企業に対してどういう支援ができるのかということの中で、ひょっとしたら人数ということも出てくるのかもしれませんが、もう少し突っ込んだ論議をする必要があるのではないかと思っています。

 

○大久保委員 もともと厚生労働省として出していたキャリア・コンサルタントは何人いるかという数字の中には、登録キャリア・コンサルタントを含んだ数字が出ているときもありました。そうすると、8万何千人という数字が出てきます。

 そして、キャリア・コンサルティング技能士、標準レベルのキャリア・コンサルタントと重複している層が相当にあるので、実数ではありません。何百人に1人という数字をぶつけるのには、ふさわしくないのです。そういう意味で、そこはずれていると思います。

 登録キャリア・コンサルタントは14時間の講習をもって発効されるので、その人をキャリア・コンサルタントと呼んでしまうと、キャリア・コンサルタントのレベルアップと矛盾することをしているような形になってしまう。そこについては、キャリア・コンサルタントの対象と役割を明確にするべきだという議論があったと思います。その上で、標準レベルのキャリア・コンサルタントのところのレベルアップを図ると同時に、絶対数は増やしていく必要があるという議論だったと思うのです。

 企業内の活用の問題に関しては、むしろ企業の中でラインマネージャーが、部下自身が考えるキャリアについて、いい相談役になれる状態を作ろうではないか。そのときに、例えば人事とか、そういうところにキャリア・コンサルタントの資格を持っている人がいて、その人を会社内で起点にしながら、ラインマネージャーにも、考え方、方法論などを浸透させていくことは重要だという議論が、在り方検討会ではされたのだと思いますので、そのことと、今、審議会で出ている話とあまりにもギャップがあるので、そのことに関してはもう少し分かりやすく整理をしていただかないと、この状態で10万人という数字と企業内への取り入れ論が一人歩きすると、本当に誤った方向に行きかねないので、そこについてはどういう正しい浸透のさせ方をするかについては、改めて考えていただきたいと思います。

 

○小杉分科会長 よろしいですか。それでは、この議論はここまでとさせていただきたいと思います。「その他」として、「中長期的キャリア形成支援措置に係る進捗状況と今後のスケジュールについて」です。事務局から報告をお願いいたします。

 

○竹内能力開発課()育成支援課主任職業能力開発指導官 資料5です。本年3月の雇用保険法の改正に伴い拡充される教育訓練給付、いわゆる中長期的キャリア形成支援措置の対象となる教育訓練について、本分科会においても熱心に御議論いただき、その諮問、答申を経て、対象となる教育訓練を指定する基準が516日に官報告示されたところです。

 この指定基準に基づき、本年10月からの施行に向けて、522日から620日までの間、101日付けの指定に係る申請を受け付けて、現在審査をしているところです。ちなみに申請があったのは約1,000件程度で、このうち10月開講のものと4月開講のものがありますが、10月開講のものが僅かとなっています。大半は4月開講の申請になっており、この対象となる主な訓練機関が専門学校や大学院であることから、4月開講が多いのではないかと思っております。これについて、8月中旬を目途に順次、指定。不指定を通知するとともに、厚生労働省ホームページ等において、指定講座を周知していく予定です。

 次回の指定については41日となるわけですが、この指定の申請は10月から11月上旬にかけて実施することとしており、指定と不指定については、10月上・中旬の受付分については12月中に、それ以降の受付分については1月中に、それぞれ通知することとしております。なお、今日机上にお配りしているリーフレットは、ホームページへの掲載、教育訓練機関の所管部局等へ周知依頼を行い、受講希望者等に対し周知を図っているところです。

 次に、中長期的キャリア形成支援措置を希望する受講者について、原則として訓練受講前にキャリア・コンサルティングを受けることが義務付けられているところです。この体制については、6月中旬から各都道府県労働局から業務委託に係る調達を開始しており、受託業者との委託契約の締結を経て、キャリア・コンサルタントへの研修を実施した上で、8月中旬からキャリア・コンサルタントがハローワークを巡回し、キャリア・コンサルティングの実施を開始することとしております。

 先ほど来御指摘も頂いているところですので、不正受給防止対策について、一言申し上げます。高率、高額の制度であるということで、この対策の必要性についていろいろと検討させていただいております。この拡充された教育訓練給付金の支給については、実際に発生するのは来年度からですが、教育訓練の指定講座申請の調査について実地調査をするための予算の確保とか、労働局等における人員の確保に努めるとともに、教育訓練機関に対する指導体制について、検討を進めているところです。

 この措置の対象となる主な教育訓練機関は、専門学校、大学院で、教育訓練機関側での大きな問題は生じにくいのではないかと考えておりますが、様々なケースを想定しながら、適正な訓練が行われるように体制を整備してまいりたいと。また、この制度を利用される側の受講者及び雇用事業主側において、給付金や別途助成金の申請を行われる際に、この申請のときの適正な事実を申告させるような措置を講じて、適正な制度運営が行われるように努めてまいりたいと考えております。

 

○小杉分科会長 ただいまの説明について、御質問、御意見はございますでしょうか。

 

○新谷委員 この措置も大論議の末にスタートすることになったわけですが、従来から申し上げているように、準備がかなり遅れているように思います。本当にキャリア・コンサルタントの配置もぎりぎりになりそうですし、今年10月開講分の講座数についても、本当にごく僅かという、実数を教えていただけないぐらいの数字だと思うのですが、本当に巨額のお金、約890億円がここに流れていくわけで、この分科会で大分論議しましたように、もともと雇用保険の労使の保険料から出ていくお金であります。

 申し上げたいのは、準備を急いでほしいということとともに、雇用保険料は週20時間以上で31日以上の雇用見込みのある労働者は全て払っているわけですので、大学への助成金などと違って、被保険者と使用者のお金で運用するということから言えば、やはりユニバーサルサービスとして全ての労働者が身近にアクセスできるようなシステムとして構築できなければ、本当に不公平感というのは出てくると思うのです。

 お聞きしたいのは、今は来年4月開講分で申請が約1,000件集まっているということなのですが、全ての都道府県に対してアクセスできるだけの講座の数が確保できているのかどうか。もしできていないとすれば、今後どのようにそれを開拓していくのか。これは論議の際に文科省で進めているシステム(職業実践専門課程)とも連携を取りながらということも話をしていたと思うのですが、文科省との連携はどうなっているのか、あるいは能開局としても、自らがこのシステムに合うような、2年以内に業務独占資格なり名称独占資格なりを取れるような機関を、どのように養成していくのか、どのようにリーダーシップを持って集めてくるのかといったところがないと、財源ありきで作ったのではないかという批判が付きまとうと私は思いますので、まともな教育訓練システムとして今が一番大事なときだと思いますので、申し上げた点について何かコメントがあれば教えていただきたいと思います。

 それと、今、実地調査をやるために予算を取っていると説明があったのですが、先ほど私どもから指摘したように、今は東京にしか拠点がない中央職業能力開発協会(JAVADA)が受託し、かつ机上でのチェックしかできていない。できているのかできていないのか分かりませんが、今の受託体制でいくと、地方に拠点がない所が受託していますので、これから全国47都道府県、北海道から沖縄まで申請が上がってきたところ、我々もこの分科会の委員として視察などもしましたが、見ると聞くでは大分違うわけです。この分科会には大学の関係者もおられて申し訳ないのですが、大学だって外国人の留学生ばかり受け入れているような所も実態にはあるわけです。だから、実際に見に行かないと、それこそ類似の訓練の基金訓練(緊急人材育成支援事業)を立ち上げたときもバタバタとやって、不正事案がたくさん出ているのです。そこが一番懸念するところなのです。

 これはやはり非正規労働者とか、中小零細企業の労働者が、将来にわたる職業人生の中で、生涯食べていける資格を身につけるという、雇用保険の財源を使ったシステムとして導入したわけですから、本当にうまく立ち上がるように、職業能力開発局と職業安定局で連携を取って、厚生労働省も全力を挙げてこの立上げに注力していただきたいということを、重ねてお願いしておきたいと思います。

 

○小杉分科会長 都道府県別の状況等については質問だったと思いますので、回答をお願いします。

 

○竹内能力開発課()育成支援課主任職業能力開発指導官 詳細には分かりませんが、地域ごとの申請状況について、ほとんどの県の教育訓練機関から申請がありました。また、通信制の教育訓練の申請もありますので、一応全体のカバーはできているのではないかと考えております。

 次回、4月指定に向けて申請準備を進めている教育訓練機関も相当数あるやに聞いておりますので、今後とも全国での受給を希望する受講者について、教育訓練が提供されるように、教育訓練機関への働き掛け等を行ってまいりたいと考えております。

 

○新谷委員 答弁を聞いていて、お願いしたことの答えになっていないと思います。一体幾つの県で専門実践教育訓練の指定講座が入っていないのか。「ほとんどの県」「僅かな数」という曖昧な話ではなくて、現在、都道府県で指定講座がない県は幾つあるのですか。それを教えてください。

 

○吉永総務課長 通信講座もありますので、通信という意味では、全てカバーできているという部分がございます。一方で、通所型については、2つ程度の県がカバーできていなかったと思います。いずれにしても、その辺りについては、4月施行分が中核になりますので、更に10月に41日指定分についての申請がありますので、この辺りについて少なくとも穴がないようにしていくということです。

 また、一方で訓練科目の問題もありますので、もともと教育訓練資源がかなり偏在している状況ではありますが、可能な限り多くの方が、その地域地域で受けられるようにしていく取組はしていきたいと考えています。

 

○新谷委員 文科省との連携はどうなっていますか。

 

○吉永総務課長 文科省との連携については、職業実践専門課程の訓練について、文科省のほうで進めてくるということがあります。それについて、かなり4月分の申請の中に入ってきている状況ですので、そういう中で引き続き文科省と連携を取りながら、先ほど申しましたような偏在の問題などの解決のために取り組んでいきたいと考えています。

 

○小杉分科会長 質問の御趣旨をよく理解していただいて、これからうまい形でスタートするように、是非御努力をお願いしたいと思います。ほかにございますでしょうか。ないようでしたら、この議題もここまでとさせていただきます。このほかに委員の皆様から何かございますか。

 

○吉永総務課長 参考資料1に、最近の離職者訓練の実績について、ポリテク、都道府県で実施している訓練の好事例について取りまとめたものを配布していますので、お時間のあるときに御覧いただければと思います。

 

○小杉分科会長 ほかによろしいでしょうか。特にないようでしたら、本日の議論は以上とさせていただきます。次回以降の日程については、改めて事務局から連絡させていただきます。本日の議事録の署名人は、労働者側は田口委員、使用者側は諏訪委員にお願いいたします。それでは、本日の第81回労働政策審議会職業能力開発分科会を終了いたします。皆様、ありがとうございました。


(了)

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