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2014年10月8日 第5回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 議事録

健康局結核感染症課

○日時

平成26年10月8日(水)14:00〜16:00


○場所

厚生労働省専用第22会議室


○議題

(1)北海道における日本脳炎の定期接種について
(2)報告事項
(3)その他

○議事

○石田室長補佐 定刻になりましたので、「第5回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会」を開催いたします。

 本日は、御多忙のところ、御出席いただきましてまことにありがとうございます。

 本日の議事は公開ですが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をよろしくお願いいたします。また、傍聴の方は、「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。

 続きまして、出欠状況について御報告いたします。本日は、庵原委員、大石委員、蒲生委員、中野委員、中山委員から御欠席の連絡を受けております。

 現在、委員17名のうち12名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告いたします。

 また、阿真参考人と国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長の小田切参考人にも御出席いただいております。

 なお、前回開催時より委員に変更がございますので、この場をおかりしまして御紹介させていただきます。

 これまで全国市長会理事・相談役の静岡県裾野市の大橋市長に委員として参画いただいておりましたが、本年1月28日付で市長を御退任されましたので、本日から、全国市長会理事・相談役の三重県名張市の亀井市長に委員として参画いただくことにしております。

 亀井委員より一言御挨拶をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○亀井委員 ただいま御紹介いただきました三重県名張市長でございます。これまで、平成18年施行になりました障害者自立支援法の政府委員をさせていただいておりました。現在、社会保障審議会の介護給付部会の委員を務めさせていただいてございます。この分野は初めてでございます。どうか御指導方、よろしくお願いいたしたいと存じます。

 ありがとうございます。

○石田室長補佐 ありがとうございました。

 それでは、議事に先立ちまして、配付資料の確認をさせていただきます。

 議事次第、配付資料一覧、委員名簿、座席表、資料1から8、参考資料1から7と、各委員からの審議参加に関する遵守事項の申告書を御用意しております。

 また、本日の傍聴者発言の要旨を委員、参考人用に机上配付しております。配付資料一覧と御確認いただき、不足の資料等がございましたら事務局にお申し出ください。

 申しわけございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をよろしくお願いいたします。

(報道関係者退室)

○石田室長補佐 それでは、ここからの進行は岡部分科会長にお願いいたします。

○岡部分科会長 こんにちは、岡部です。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、一番最初は利益相反の確認になりますので、事務局から審議参加に関する遵守事項等についての報告をお願いします。

○石田室長補佐 審議参加の取り扱いについて御報告いたします。

 本日御出席いただきました委員から、予防接種・ワクチン分科会審議参加規程に基づき、ワクチンの製造販売業者からの寄附金等の受け取り状況、申請資料への関与について申告をいただきました。各委員からの申告内容については、机上に配付しておりますので、御確認いただければと思います。

 本日の審議事項は、日本脳炎ワクチン、一般財団法人化学及血清療法研究所、一般財団法人阪大微生物病研究会を予定しております。本日の出席委員の寄附金等の受け取り状況から、森委員が退室に該当するため、この取り扱いについてお図りいたします。

 なお、薬事承認にかかわる申請資料への関与を含め、この他、退室や議決に参加しないに該当される委員はいらっしゃいません。

 以上でございます。

○岡部分科会長 どうもありがとうございました。今、事務局から御説明いただいたのですけれども、森委員が寄附金等の受け取り状況ということで、参加規程によれば退室となっております。ただ、もう一つのルールとしては、当部会が必要と認めた場合は意見を述べることができるということになっておりますけれども、森委員は、かねてよりウイルス関係、特に日本脳炎ウイルスも含めてワクチン研究の御経験が非常に豊富なので、もちろん何か偏るという意見ではないということがありますので、ぜひ、その立場から貴重な意見をいただきたいと思いますが、皆さんの御意見としてはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

 

○岡部分科会長 ありがとうございます。

 それでは、森先生、どうぞ意見を遠慮なくおっしゃってください。

 それでは、今日の議題が、ここに議事次第のところで、1つは北海道の日本脳炎、それから報告事項として1、2、3、その他とありますけれども、この審議会予防接種・ワクチン分科会は第5回になりますけれども、いずれの回も、主には部会で、いわば専門的な議論をして、それについて予防接種・ワクチン分科会では広い分野の方にも意見を伺うとなっています。そのため、参考人の方に参加いただいたり、あるいは、あらかじめ申し込んでいただいた傍聴人からも御意見を伺うという形になっています。本日も傍聴者からの発言という時間を設けてありますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、最初の議題(1)北海道における日本脳炎の定期接種についての議論に入りたいと思います。

 現在、国内では、ちょっと前までは東北地方も日本脳炎のワクチンをやっていなかったのですけれども、ちょうど日本脳炎ワクチンの接種勧奨中止の前あたりから、東北地方では日本脳炎に対する危険性、リスクとベネフィットという意味で接種が始まったのですが、北海道では日本脳炎の定期接種はこれまで実施されておりません。これは、知事の権限で、予防接種法第5条第2項予防接種法施行令第2条の規定によれば、知事がその判断をできるということになるので、北海道全域は知事の判断によって、今まで日本脳炎を予防接種は定期接種の対象にはなっていないということがありました。

 今年の8月ですけれども、現在、北海道で日本脳炎ワクチンの接種が定期接種として行われていないことに関して、総務省から厚生労働省に対して、現行政令について検討を求める「あっせん」となっていますけれども、あっせんが行われました。

 先般、9月に基本方針部会、この分科会の言わば下にある部会ですけれども、基本方針部会では、このことについての審議を行って一定の方向性を出しております。これは、後で御説明があると思いますけれども、これについて議論を今日は最初に行いたい。1つは、日本脳炎のリスクをどう考えるか、ワクチンは要るのか、要らないのか、地域によってそれが要るのか、要らないのか。それからもう一つは、ここが予防接種施行令のところで決められている知事の権限としてのこういう方法についてどう思うかというようなことが、その中に含まれていることになります。それぞれについて御意見をいただくということになりますけれども、傍聴人の方からは、発言希望として、今日は4名の方から申し込みをいただいております。最初にそれを伺って、この分科会ができるときにも議論があり、冒頭にも申し上げましたように、いろいろな分野の方の御意見を伺う、そして、時間的制約から一応発言時間の制限を設けていますので、2分間で話をしていただいて、それに関する質疑は行わない。ただし、私たち委員は、その御意見を参考に次の議論に進めていくというプロセスになっているので、既に何回か行われていますけれども、そういうような形でぜひ御協力いただきたいと思います。

 それでは、最初に参考資料1と2ということで、これは事務局側からの説明をお願いいたします。

○難波江課長補佐 お手元の資料1「北海道における日本脳炎に係る定期の予防接種を実施することについての検討(あっせん)」という資料でございます。

 1枚おめくりいただきまして、この概要でございますが、北海道在住の方から総務省行政評価局に対して、「北海道は日本脳炎の予防接種を行う必要のない区域に指定されているため、北海道で生まれ育った子供であっても、将来的には仕事等で国内の日本脳炎発生地域や海外で生活することも考えられるので、国は国内全ての市町村で日本脳炎の予防接種を無料で実施してほしい」との申し出がございました。

 この申し出につきまして、総務大臣が開催する行政苦情救済推進会議において検討した結果、「都道府県域を超えた広域的な移動が頻繁に行われる現在、全都道府県のうち北海道のみ日本脳炎に係る定期の予防接種が行われていないことは、国民の利便性や、感染可能性のある地域への未接種者が移動することを考慮した場合、不合理な対応である」とされました。

 このため、総務省行政評価局長から厚生労働省健康局長に対して「予防接種法第5条第2項の規定に基づき同法施行令第2条において日本脳炎を規定していることの是非等について、厚生科学審議会において調査審議していただくことが適当」とのあっせんが行われました。

 2ページ目、参考条文でございます。予防接種法の第5条第2項に「都道府県知事は、前項に規定する疾病のうち政令で定めるものについて、当該疾病の発生状況等を勘案して、当該都道府県の区域のうち当該疾病に係る予防接種を行う必要がないと認められる区域を指定することができる。」という規定が設けられておりまして、具体的には、下にございます施行令第2条において、日本脳炎が指定されているところでございます。

 3ページ目でございますが、日本脳炎過去10年の報告の状況でございまして、北海道からの報告は過去10年ゼロとなっております。

 それから、4ページ目、日本脳炎はヒトからヒトに感染せず、ブタから蚊を介してヒトに感染する。デング熱のようにヒト、蚊、ヒトという感染も起こらず、ブタ、蚊、ヒトの感染で成立する疾患でございますが、ブタの日本脳炎ウイルスの感染状況を感染症流行予測調査で毎年調べておりますが、保有するブタについては、西日本で多く見られるものの、北海道地域はゼロもしくは、オレンジになっている部分で10%、20%といった状況でございます。

 5ページ目、今回御審議いただきたい事項をまとめたものでございます。現状として、過去10年以上、北海道では日本脳炎の患者は発生していない。北海道民の感染リスク及び副反応のリスク等を勘案して、北海道において日本脳炎の予防接種を行うかどうかは知事の判断となる。

 なお、今後、北海道の専門委員会において、疫学調査の結果や副反応の頻度等を分析し、ワクチン接種の必要性を検討し、年度内に報告書が取りまとめられる予定となっております。

 御審議いただきたい事項として、現段階では、各都道府県における日本脳炎の発生状況等、地域の実情を勘案して、知事が予防接種を行う必要がない区域を指定することが可能となる規定自体は見直す必要がないと考えるが、いかがかというものでございます。

 資料をご覧いただきたいのですが、資料2が総務省行政評価局長から健康局長宛てに出されましたあっせんの通知文書でございます。

 1枚おめくいりいただきまして、2ページ目の表−1が、先ほどお見せしました発生状況でございます。

 それから、4ページ目の表−2が、北海道において日本脳炎の定期接種を行った場合の予算の試算でございまして、4回接種することで年間11億円程度の予算が必要となるというものでございます。

 それから、表−3が、過去10年における予防接種のA類疾病の報告状況、これは全国のものでございます。

 それから、5ページ目の表−4が、過去10年におけるA類疾病での副反応の報告状況でございまして、大体数十から百幾つの副反応の報告が日本脳炎ワクチンで報告されております。ただし、平成17年5月から21年度までは、積極的勧奨の一時差し控えを行っておりましたので、報告は少ないものとなっております。

 以上が資料2でございます。

 そのほか、参考資料がございます。参考資料1でございますが、これは、今年の7月31日の北海道知事の定例記者会見の議事録の抜粋でございます。知事の記者からの取材への応答でございますが、表紙の下から2行目からでございますが、「それで、私はやはり北海道医師会長からの問題提起はそのとおりだと思いますし、現に、私ども道のほうで感染症流行調査専門委員会というものを開催しておりまして、今月開催したこの委員会においてもさまざまな検討を行っておりまして、できれば今年度中にこの委員会としての考え方を、当然のことですけれども、世の中の流れの中でやはり、これは方向として、北海道においても接種すべしというふうな専門家の方々のご報告になろうかと思いますけれども、そういったことの取りまとめをしていただいて。ただ、実際の接種(の実施主体)は市町村で、これは準備も必要かと思うのですね。特に札幌市とか旭川市とか函館市とか、人口規模の大きいところほどやはり周知なり準備というのが必要だと思いますので、専門家の方々の今年度中のいろいろな観点、角度からのご議論、そして報告書をまとめていただいた後、できる限り早いタイミングでそれが実施できるように道内市町村と議論、調整を深めていきたいと、これが私の今段階のスタンスであります。」という回答をされております。

 それから、参考資料2でございますが、これは、9月11日に開催されました基本方針部会において、感染症疫学センターの多屋先生から御報告いただきました国内の疫学情報でございます。下の図1が日本脳炎の報告の推移でございまして、1960年代までは多い年で2,000人ほどの報告が見られた疾患でございますが、年々減ってきているという状況でございます。

 次のページは地域別の報告、それから、先ほどお示ししましたブタでの抗体保有状況でございます。

 それから、おめくりいただきまして、年齢別の抗体保有状況のデータとなっております。

 以上の資料に基づきまして、9月11日の基本方針部会で本件を御審議いただきました。その概要を、資料1に戻っていただきまして、資料1の7ページ以降にまとめております。

 7ページ、9月11日の基本方針部会で出されました主な意見でございます。

 ○日本脳炎そのものが北海道でどうあるかということと、予防接種法の規定を変えるべきかどうかということは、切り分けて議論する必要がある。

 ○条文をこの時点で変えるべきかどうかということは、副反応と有効性を慎重に考えて、理性的に判断するという観点から、北海道における議論とは別に慎重に議論する必要がある。

 ○東アジア、東南アジア等も含めて日本脳炎ウイルスの勢いは全く衰えていなく、日本脳炎対策は非常に大事。本州では定期、北海道では任意でお金を出さないといけない。しかも、副反応の時の対応も変わってくるのは理不尽であるとの意見は非常に理解であるが、ほかのワクチンのことを考えて、地域性の流行性を考えて、そういう枠組みを残すかどうかというのはまた別に議論していていいこと。

 ○北海道の方も、特に日本脳炎が流行している国々への旅行とか人の移動を考えると、北海道以外の方と同じように接種が受けられる体制はとても重要。

 ○あっせん文書にある「国は全ての市町村で日本脳炎の予防接種を無料で実施してほしい」との部分は、国に対して無料でやれという申し出ではないかということで、本来的には、この部分に関しては総務省が回答を示さなければならない。

 国が全て無料でやったらという意見に私は捉えるので、この点に関しては自治体も関心のあるところで、総務省としては厚生労働省に投げるのではなく、自ら回答すべき。

 ○将来的な潜在的なリスクがあると言う部分と、住んでいる場所によって受けられるサービスに差があることを言っている。疫学的にはリスクは非常に低いと思うが、この流れでいけば、北海道は数年うちには導入したい、指定を外して欲しいとの結論になることが予想される。

 ただ、この規定をなくすかどうかということは全く別の問題で、北海道の状況は理解できるが、規定として存続させないということとは別だと考えている。

 8ページ目でございますが、

 ○自治体として現在枠組の中である意志決定をしているものに対して、その枠組を変えてまで行う、つまり法律改正を行ってやるということではない。それはほかのワクチンについても同様で、現在の自治体の業務であるということを考えた場合に、そこは尊重すべきである。

 したがって、今後北海道がどういう判断をするかは見守りたいところでもあるし、それについての判断は、最終的には尊重するということになろうかと思う。

 ○総務省が地域的な差が不公平であるから変えなさいということを正面切って言うのであれば、今のほかのワクチンの定期接種もいろいろな意味で違いがある訳で、それはなるべく解消しようと我々は努力している訳ですけれども、責任の一端は総務省にもあるのではないか。

 部会での結論ですが、この政令を変えて定期接種として勧めるべきかというところに関しては、今はそこまでは至らない。医学的・科学的な面から言えば、日本にとって日本脳炎ワクチンは現在まだ残念ながら必要であり、これはオールジャパンとして必要なもの。最終的な判断は自治体が行うものであり、その結論は尊重する。こういった結論をいただいております。

 事務局からは以上です。

○岡部分科会長 どうもありがとうございました。

 基本方針部会では、一応ここに掲げてあるようなことが主な骨子だったのですけれども、定期予防接種というのは、1つには、義務・強制接種ではなく、強い勧奨によって一人一人が考えていただくということですけれども、したがって、そこにはノーと言える権限も残してはあるわけですね。それから、もう一つは、定期接種によって何かしら健康被害が起きた場合、それについては国が救済をするというようなことになっているのが、任意接種との大きい違いの部分ではないかと思います。

 それで、さっき事務局から説明があったように、最終的な判断を自治体が行うものである、これについては、今回、部会としては、これはここを変えてまで何か大きいことをやるのではないけれども、自治体の行うことについては結論を尊重すると。ただ、専門部会としては、医学的・科学的な面から言えば、そのリスクは高いところと低いところがあるけれども、先ほどの定期接種というような考え方からは北海道においても必要なものではないかという意見が、基本方針部会の主な意見でした。

 今日はこれについて議論を行うわけですけれども、その前に当たって、今回4名の方が傍聴者からの発言として申し込みをいただいています。短時間なので大変申しわけないのですけれども、全体の時間があるので、1人2分かっちり厳守というのではないので、ちょっとぐらいはいいですけれども、余り長い場合には、司会のほうから、その辺でというようなことを申し上げざるを得ないので、そこはよろしくお願いいたします。

 最初の方から、恐れ入りますけれども、御自分で、お名前と御所属を自己紹介の形でしていただいて、この部は時間カウントに入れません、2分間の中に入りませんから、発言をどうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、第1番目、青野さん、どうぞよろしくお願いします。

○青野典子氏 ワクチントーク全国という市民団体の青野典子と申します。

 2分という制限の中で十分に説明できませんが、9月9日付で「北海道での日本脳炎予防接種の定期接種を行わないよう求める要望書」を北海道在住の方たちと一緒に提出していますので、お読みいただきたいと思います。

 本日は、発言の機会をいただきましたので2点申し上げたいと思います。1点は、国及び自治体における疫学的実情把握に基づき、これまでの科学的判断を踏襲すべきということです。2点目は、日本脳炎予防接種を定期接種化したら不利益のほうが大きいということです。

 まず、1点目ですが、北海道の専門委員会の議事録も読みましたが、感染者について、副作用について、さまざまな視点から検討されていました。その上で、北海道で危険が高まっている状況はないとしています。問題は、社会的な要請であるから政治的判断が必要とも書いてあります。5〜6%の人が移動しているということは、ここ数年始まったことではなく、40年もの長い間、定期接種をしていなくても問題は起きていません。疫学的実情把握に基づき科学的判断をしたことは北海道の今までの英断であり、これは発病者のいない他県も見習うべきことと考えます。

 2点目は、感染症の流行状況と一定の副反応が不可避的に発生するワクチン接種の特性を考えることが必要だということです。2013年度に副反応検討部会で公表されている副反応だけでも、11カ月間で重篤なケースが62例、97件あります。特に旧ワクチンが接種中止となった原因であるADEM(アデム)が8件あり、それらを含む神経系障害が41件あります。それに対し発病者は年間10人に満たない状況です。病気のないところで必要と思われないワクチン接種による被害を広げる方向に進むべきではないと考えます。

 本件は、将来かかる地域に行くかもしれない病気に対する免疫をつけたいという少数の方に、接種費用及び救済補助をするために定期接種をすべきかという極めて限定された行政判断が求められていると思います。任意で接種する人たちに自治体が補助する制度も今までにありますので、定期接種にする必要はないと考えます。

 最後に、厚生労働省と自治体が住民への情報提供をきちんと行い、さまざまな意見を聞き、冷静に必要性について判断されることを望むとともに、当審議会が合理的な制度設計のもとに定められた法や政令の趣旨を尊重する賢明な判断をお願いします。

 以上です。

○岡部分科会長 どうもありがとうございました。

 それでは、第2番目の中井さやかさん、お願いいたします。

○中井さやか氏 本日は、発言機会をいただき大変ありがとうございます。東京で「えるかふぇ」という名称で市民同士の啓発学習の団体をやっております中井と申します。

 私は、個人的には、今ちょうど子育てが終わって、子供が成人してしばらくたつ母親でございますが、子育て中は、夫の転勤に伴いまして全国を転々とするいわゆる転勤族の生活をしてまいりました。このような生活をしておりますと、たまたまそのときに、自分の考えではなく、夫が仕事上任命されたためにどこかへ行く、そして、たまたまその時期にそこにいたということで日本国の中での受けられる受益の差が大きいというのは、かなりストレスの大きい、母親としては問題のある制度ではないかと思っております。

 また、日本脳炎等の予防接種は、子供が乳幼児のときに母親が接種してやらなくてはいけないタイプのものですので、現状でも、任意接種による負担を考えて接種を控えてしまう若いお母さん方も多いわけですし、さらには、風疹の流行のときに判明いたしましたように、うっかり接種を忘れたということで、本人が将来成人してから甚だ大きな不利益をこうむることになってしまうこともあるわけです。

 このような負担を母親の子育てに関する負担の一つとして減らしていただけるように考慮していただくのは、少子化対策としても非常に重要なことなのではないかと考えております。

 どうもありがとうございました。

○岡部分科会長 どうもありがとうございました。

 それでは、3番目の方にお願いしたいと思います。3番目は、母里啓子(モリケイコ)さん、どうぞよろしくお願いします。

○母里啓子氏 元国立公衆衛生院疫学部感染症室長をしておりました。もう20年も前のことですが、モリヒロコと申します。

○岡部分科会長 失礼しました。

○母里啓子氏 1960年代の、先ほども事務局からありましたが、1,000人以上の患者が出ていたときに、日本脳炎ウイルスワクチンの開発にもちょっとかんでいたことがある者として、現状の日本脳炎の流行状況及びその後の流行状況の中から、日本脳炎ワクチン接種が臨時接種として日本で唯一、九州と北海道と違う形で打っていた臨時のものを、九州で病気が少なくなってきたにもかかわらず、毎年毎年追加接種しているものを減らす意味でと申しますか、インフルエンザとともに、臨時という枠組みがなくなって定期接種になった途端に、関東地方で基礎免疫だけだったものが、追加を行い東北でもするようになった。その中で、北海道が今まで30年間患者が出ていなくてしないでいたのが、する必要はないという英断を持って唯一予防接種をしない状況の中で現在に至っているものだと思います。そのときに相談を受けて、北海道でもし予防接種を始めたら被害者がこれだけ出るということを克明に議会に説明して、やらない英断を下したということを聞いております。

 その中で、移住者がいる、あるいは東南アジアのあるところに行くのが云々ということを言いますと、世界中にある病気に対して全てのもののワクチンをつくってしていかなければ、どこにも動けないような状況が出てくるかに見えます。今、蚊の媒介する病気が話題になっておりますが、アメリカの西ナイルウイルスにおいても日本の日本脳炎ウイルスにおいても、病気の発生とウイルスの存在との関連をきちんと疫学的にまた検証した上でワクチンの必要性を吟味していただきたいと思います。

 しかも、日本脳炎に関しましては、ウイルスは存在しても、ワクチンの積極的勧奨をしないでいた5年間の患者の発生数を見ても、今や日本において、流行地以外のところでワクチンをする必要のない、北海道においてはそれをする必要のないことだと思いますので、定期接種のこの条文は残し、北海道も導入しないことを望みます。

 以上です。

○岡部分科会長 どうもありがとうございました。

 それでは、第4番目、古賀真子さんでよろしかったですか。母里さん、失礼しました。

○古賀真子氏 以前4〜5回ヒアリングに呼んでいただきました。そのときは日本消費者連盟という所属でしたが、現在、コンシューマネット・ジャパンというところで、この予防接種の問題に取り組んでいます古賀と申します。

 早速ですが、総務省の行政評価局は、行政苦情救済推進会議の意見を踏まえて、関係省庁等に審議のあっせんをするところですけれども、先ほど岡部先生から御紹介がありましたように、私どもは2014年8月22日に、この件について考えておりましたことを、2014年9月11日にこちらの基本方針部会に対して申し入れをさせていただいております。

 総務省の見解に対しましては、私どもは、この日本脳炎予防接種の定期接種化について検討を要するとしていますけれども、科学的根拠に欠け、これまでの厚生労働省の見解にも反する大変お節介なものだと考えております。この区域指定で定期接種をしないとしたことには非常に合理的な理由があり、自治体の区域指定の判断を尊重し、今までどおり、科学的根拠に基づいた公衆衛生政策をとることを進めていただきたいと思います。

 日本脳炎ワクチンについて、病気の発生の可能性の極めて低い地域において、科学的・疫学的に根拠のある感染症対策を、地域住民の健康を第一に考える自治体の判断を尊重し、予防接種法5条2項の規定に基づく予防接種施行令2条において区域指定できるとした法の趣旨を踏まえ、厚生労働省におけるこれまでの判断を継続し、定期接種化を自治体に勧めることがないよう賢明なる提言をされることを求めます。

 総務省のあっせんに対して厚生労働省担当課の見解を読ませていただきました。「審議会で議題としたとしても、感染症対策あるいは予防接種施策という観点から専門家が評価することになるため、感染症の流行状況など疫学的な点でも、引き続き北海道が日本脳炎を定期の予防接種として実施しないことや科学的根拠に基づき日本脳炎を全国一律に定期の予防接種として実施する必要がないことについては、議題とする利益が乏しいと考えられる。」とおっしゃっております。

 総務省のあっせんは、厚生労働省の政策に対する過剰な干渉であり、貴分科会においても本来検討する必要のない議題と思いますけれども、北海道においては、定期接種化に関しては議論する必要はないという立場であり、妥当な判断を維持していただきたいと思います。

 それから、現地の北海道保健福祉部健康安全局地域保健課は、この総務省のあっせんに対してこう回答しております。天気や旅行などにより、日本脳炎に感染する危険性が高い地域を訪れる際は、各自の判断で任意の予防接種を受けるなどして対処してほしい。また、札幌市保健所感染症総合対策課においては、転入者からの定期接種化無料化の要望はあるものの、北海道に居住している限り、日本脳炎に感染、発症する可能性は限りなく低く、日本脳炎の予防接種に対する需要もほとんどないとされ、感染可能性が高い地域を訪れる際は、各自の事情や判断に基づき接種すべきとの判断をしております。この判断は尊重すべきだと思います。

 北海道では、本件について検討する委員会においていろいろなことが言われておりますけれども、このように莫大な交付税を使い、道民の意見を聞くべきときに、上からこれまでの判断を覆すような姿勢を出すことは非常に問題であると思います。先ほど事務局の方が、この予防接種に十数億円の費用がかかるとおっしゃいましたが、北海道の全人口500万人、そして19歳以下の子供のニーズを考えますと、1回7,000円の予防接種を4回接種するのに必要な費用は200億円以上に上ると思います。それは、もちろん救済の補償のための費用は入っておりません。

 私は、消費者委員会の電気の関係の値上げの委員をしておりますけれども、先般札幌に行きまして、経済的に北海道が大変疲弊しているということをお聞きしました。こういった面でも、費用対効果という点も重視して慎重なる議論をしていただきたいと思います。

 以上です。

○岡部分科会長 どうもありがとうございました。

 それでは、傍聴人の方の御意見は以上になりますので、傍聴席にお戻りください。

 それでは、これから委員の中での、あるいは参考人も交えての議論になりますけれども、ただいまの傍聴者の方々からの御意見も参考にした上で進めていきたいと思います。

 それでは、まず最初に、事務局からの説明、これには前回の基本方針部会のまとめも含まれているわけですけれども、そこに御意見、御質問がありましたら、どうぞお願いいたします。

 先に、部会の中とオーバーラップされている委員の方もおられるのですけれども、その場合でも、どうぞ遠慮なく意見をおっしゃってください。

 議論はまた2つに分かれると思うのですね。1つは、そういったような自治体が最終的に判断できるという部分を残すのか、あるいは、そこのところを改正して全国一律の形での定期接種にするかどうか、そこが1つあると思います。それから、もう一つは、それを踏まえてではないですけれども、どっちの議論もミックスしてもいいと思うのですけれども、北海道という地域において、本州、中国、四国地方、九州・沖縄も含めたところと同じような形でのものが必要かどうか、そこのところの議論になってくると思うのです。どちらが先でも結構ですので、どうぞ御意見をおっしゃってください。どうぞ、阿真参考人、お願いします。

○阿真参考人 質問でもよろしいですか。資料2の5ページの表ですけれども、過去10年間における副反応報告の該当者数で、注意書きのところに「重症・軽症は分別されていない。」とあるのですけれども、これのもう少し詳細の数字というのは本日の資料の中にありますでしょうか。

○岡部分科会長 事務局からお答えいただけますか。資料2の表のどこになりますか。副反応のところ。

○阿真参考人 5ページの表−4です。

○岡部分科会長 表−4ですね。これの内容みたいなものですね。

○阿真参考人 大まかで結構なのですけれども。

○岡部分科会長 どんなようなものが含まれていたか。

○阿真参考人 軽症と重症がどのぐらいか。

○岡部分科会長 それはわかりますか。

○難波江課長補佐 ちょっと今、手元には持ち合わせていないのですけれども、年報という形で毎年出しておりまして、その中にはそういったデータが含まれております。

 済みません、今、手元にないので申し上げられないのですが。

○岡部分科会長 これは、たしか公表されているので、後からでも委員の中に連絡をお願いします。

 どうぞ、三田村委員。

○三田村委員 教えていただきたいのですが、希望で任意で接種した方に対して、何かあった場合の救済措置というのは、普通の任意接種と同じような状況で北海道はやっているのですか、それとも、日本脳炎だから特別な何か救済措置というものが制度上あるのでしょうか。

○岡部分科会長 どうぞ、事務局から。

○難波江課長補佐 我々が承知している範囲では、任意接種でございますので、予防接種法上の救済の措置は受けられませんが、PMDA法に基づく医薬品としての副作用の被害救済の対象となると理解しております。北海道独自で何か設けているという話は聞いておりません。

○岡部分科会長 よろしいでしょうか。

 余り北のほうの方がおいでにならないので北のご意見が聞けませんが・・・。

 沼尾委員、どうぞ。

○沼尾委員 大変基本的なところを教えていただきたいのですけれども、今の財政支出の枠組みとして、つまり北海道だけが国費が入っていないという理解でいいのか。つまり、この法改正によって財政支出の枠組みがどういうふうに変わるのかというところをちょっと確認したいのですけれども。

○岡部分科会長 事務局、よろしいですか。

○難波江課長補佐 地方交付税措置になりますので、最終的には総務省の判断になりますけれども、我々としては、定期接種としてこれだけ必要だということで、その積算ベースで、要求ベースで総務省に通知を出させていただいているところでございます。最終的にどのように総務省が計算して北海道に幾ら幾らと出しているかは、ちょっと我々そこまでは承知していないところでございます。

○岡部分科会長 どうぞ。

○沼尾委員 そうすると北海道だけがこういうふうになっているということで、北海道の部分だけ、それが基準財政需要額に積み上げられていないということかどうかというのはいかがですか。

○難波江課長補佐 そこの詳細までは承知していないということです。

○岡部分科会長 地方交付税は、たしか余りイヤーマークがついていないので、そこが掌握しにくいということではないでしょうか。

○難波江課長補佐 そうですね。ここにこの額を使ってくださいという明確なそういったイヤーマークではなくて、基準額としてこれだけ必要で、その中で何が入っている、入っていないという話になるかと思うのですが、そこが我々、ちょっとそこまでは、細かなところまでは承知していないところになります。

○沼尾委員 そうすると、仮に法改正が行われた場合であっても、基本的には、その財政支出の枠組みなり制度自体は変わらないという理解でいいのですか。

○難波江課長補佐 はい、そういう理解です。

○沼尾委員 ありがとうございました。

○岡部分科会長 地方自治のことにもなるので、この委員会は、さきの部会と違っていろいろな分野の方がおいでになるので、地方自治ということも踏まえて何か御意見いただければ。

 坂元先生は基本方針部会にも入っておられますけれども、どうぞ、よろしくお願いします。

○坂元委員 先ほどの質問は、いわゆる総務省の言い分は、地方自治体、端的に言えば実施主体である市町村が、予防接種に係る費用の9割を算定根拠として地方交付税を見ますよと言っているのですが、その算定根拠が幾らかということを総務省は明示していないのです。現実として、地方、市町村に幾ら支払われているかはわからない状態で、もちろんそれは、総務省のほうでは、それぞれの市町村の財政状況を勘案して地方交付税の算定根拠を決めていると思うので、中身は分かりませんが、恐らく受け取っている市町村の額はさまざまだと思います。

 それと、私の質問は、今回このあっせんの内容で、この法律を見ると、「都道府県知事は、前項に規定する疾病のうち政令で定めるものについて、当該疾病の発生状況等を勘案して」という、それで、区域を指定してやらないことができるとなっているのですが、今回の議論を見ると、北海道で、ただいまの、いわゆる傍聴人の方の御意見も聞いていると、発生していないのにやるのかという御質問と、もう一つは、財政負担を伴うではないかという質問があったと思います。この「等」の中に、1つは財政状況というところも入ってくるのかなと思いました。

 私は、この「等」に関して非常に引っかかるのが、以前、いわゆる生ポリオ接種実施の際に、生ポリオから不活化ポリオに切りかえ以前、ある県で知事が、この生ポリオに対しては安全性に問題があり疑問があるということで、その県は独自に未承認のものを県が輸入して県の保健所などの機関で住民の方に県独自で実施しておりました。ところが、その下にある市町村は、従来通り法に従って生ポリオをやっており、知事との見解の間に不整合が出てしまいました。つまり今後、この「等」の中身というものをどうやって解釈していくかというのが、私としては気になるところであります。仮にそういう事態が生じたときに一つの疑問になるのかなということです。今回この「等」ということは、今までの基本方針部会では発生状況という観点から議論してきて、余り財政状況という観点、つまり費用対効果的に、それだけの発生状況でやる意味があるのかという議論はしていなかったと思います。そこは今後この等について議論を要する必要があるかとは思います。

○岡部分科会長 ありがとうございました。

 保健所ですとちょっと立場が違うかもしれませんけれども、地域においての保健所という立場から見ると、こういうような考え方はいかがでしょうか。澁谷先生。

○澁谷委員 住民の皆さんから見たら、やはり市町村の保健センターになぜ接種しないのだということを言ってこられることは確かにあると思います。ただ、前回の基本方針部会のときにも申し上げたのですけれども、いろいろなデータから見て、疫学的に今すぐに差し迫って発生の危険リスクが高いわけではないということがありますし、この10年間発生がないということ等を考えると、やはり疫学的なリスクは非常に低いのだろうと考えられます。

 ただ、ではゼロかというと、将来にわたって、あるいは潜在的にリスクがゼロではないと思える部分は確かにあるかと思いますので、それは、北海道の専門家の皆さんが、あるいはいろいろな立場の方が、どのような判断をされるかということを見守りたいと思います。

○岡部分科会長 では、坂元委員、追加を。

○坂元委員 ちょっと誤解があるといけないので訂正しますが、自治体は、必ずしも費用対効果で市民サービスをしているわけではありません。例えばそういう患者様が一人でも出るおそれがあれば、要望があればやるということで、そこが非常に、費用対効果だからやらないとか、やるとかということが、必ずしも自治体判断ではないということは御理解いただければと思います。

○岡部分科会長 それは、部会やこの分科会でもしばしば言っているように、費用対効果は非常に重要なファクターであるけれども、公衆衛生は、そこだけで決めるわけではないというようなところは、1つ確認しておきたいと思います。坂元委員、ありがとうございました。

 どうぞ、亀井委員。

○亀井委員 基本的に自治事務ですので、この知事が中心になって、関係自治体、基礎自治体の意見を聞いて、専門家の意見を聞いて、そして、その方向性を出されたらいいと思うのですね。ですので、まだ、法定受託事務というのは、パンデミックのおそれがあるようなものだけに限られているわけですから、そういう自治体の思いを尊重して結論を出されたらいい、こんなふうに思っているのです。

 ただ、先ほどからの傍聴者の方の意見の中で、北海道は疲弊しているのではないかというような意見があったのですが、これは北海道だけではないのですね。全国津々浦々、疲弊しているのですよ。ですので、私はちょっとお聞きしたいのですが、交付税算定のそれは、例えばA型疾病、B型疾病でも違うのでしょうけれども、90%もあれば、30%歳入もあるわけです。これをどういうふうに算定しているのか。厚生労働省と、それから総務省のすり合わせが行われているのか、意見を求められることがあるのかどうかというのをちょっとお聞きしたいと思うのです。

○岡部分科会長 今回の話に相当突っ込む話ではないので、ちょっと簡単に。でも、そこのところを御理解いただいたほうがいいと思うので、事務局からお願いできますか。

○難波江課長補佐 3割、9割の話でございますが、この9割措置というのは、昨年4月からなされるようになっています。それ以前はA類とB類の両方で3割程度となっておりまして、ただ、22年から24年に、3ワクチンの基金事業というものがございまして、そこについては、9割部分の半分を国費、半分を地財措置という形でやっていて、その3ワクチンを定期接種化するに当たり、定期接種化した後のA類の財政措置の在り方はどうすべきかということにつきまして、厚生労働省、総務省、財務省で協議を重ねてまいりまして、最終的に、昨年4月の定期接種化に当たり、A類疾病については9割まで交付税措置をしていただけるという形になりまして、すり合わせてそういう結果になった次第でございます。

○岡部分科会長 どうぞ。

○亀井委員 ちょっと外れるかわかりませんが、関連がありますので。

 今、社会保障が高齢から子供・子育てというシフトの方向性が出されているわけですけれども、その中で、この健康局として、それでは子供・子育ての分野でどういう優遇措置というかを考えられているかということもちょっとお聞きしておきたいと思うのです。例えば子供のインフルエンザであったり、ロタであったり、あるいはまたB型肝炎であったり、おたふく風邪であったり、そのようなことの今後の扱い、子育てに優しい国をつくっていくのだという中で、もし課長、御所見があったらおっしゃっていただきたいと思うのですが。

○岡部分科会長 これは課長から、どうぞ。

○井上結核感染症課長 結核感染症課長でございます。

 亀井委員の御指摘ありがとうございます。これは、子供を育てることがしやすい環境をつくっていくことが政府全体の政策になっている中で、健康局結核感染症課として考えなくてはいけない懸案としては、感染症対策の中の子供の部分でございます。とりわけ今、亀井委員が御指摘していただいた幾つかのワクチンに関しまして、定期予防接種化という形で広く子供みんなに公費で打つことが適切かどうかということは、私どもも懸案として抱えていると自覚しております。

 具体的に申し上げますと、亀井委員から今、実際に言及がありましたB型肝炎ワクチン、それから、ロタウイルスという感染症のワクチン、それから、おたふく風邪のワクチン、いずれもワクチンが現時点では定期予防接種化されておりません。こうしたものは、有効性、安全性、それから起こり得る副反応のリスクとの兼ね合いの中で、定期予防接種化したほうがいいのか、そうでないのか、技術的な判断は今後進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○岡部分科会長 最後に1つ。

○亀井委員 スピード感を持ってやっていただくようにお願いしておきます。

○岡部分科会長 課長、どうぞ。

○井上結核感染症課長 御意見承りました。ありがとうございます。

○岡部分科会長 どうもありがとうございました。

 戸田委員も自治体、町村の立場で、何か御意見がありましたら。

○戸田委員 どこかの資料にあるのかもしれませんけれども、北海道における任意の接種の率でありますとか、数でありますとかは、どの程度になっているのかというのをお聞かせいただけたらと思います。

○岡部分科会長 任意接種として行われている接種率ですね。

○戸田委員 把握はされていませんか。

○難波江課長補佐 そこまで把握はできておりません。済みません。出荷量みたいなもので調べようと思えば調べられるので、後で参考というような形でお届けできるかもしれません。

○戸田委員 傍聴者の御意見もお聞かせいただいて、本来的には、どの地域にいても同じサービスを受けられるのが望ましいという思いは持っておったのですけれども、若干そうではないのかなという思いにも至ったところです。

 北海道の知事さんの記者会見のこれを見ていますと、ほぼ大体もう方向が出ているのかなという気がいたします。その中で、この基本方針部会における結論、この辺が妥当なところなのかなと思って聞かせていただきました。

○岡部分科会長 ありがとうございました。

 あと、もうちょっと技術的なところというのは、日本脳炎のリスクですね、これは、北海道に一番近いところにおられるのが桃井先生なのですけれども。宇都宮市でちょっと違いますが。

○桃井委員 ちょっとその御質問にはお答えしにくいのですが、今まで議論されているところは、多分、北海道で今までこれだけの数字が出て、ゼロという数字が出ていると。積年にわたってですね。しかしながら、昨今、数%の人の移動があると。その数%の方が1カ所の、例えば九州の1カ所に行くわけではないので、日本全国に散らばるとすると、恐らく、私は統計学者ではないのでそのリスクを直ちに計算はできませんが、日本全国にある確率を持って散らばると考えると、そのリスクは極めて低いものなのだろうと思うのです。

 当然、先ほどからコストパフォーマンスのお話がありますが、その低さに関してどう対応するかということを全部勘案した上でこの規定ができてきたのだろうと思いますので、この規定があるということを外す意味はないのではないかというのが私の意見です。

○岡部分科会長 ありがとうございます。

 日本脳炎という病気あるいはウイルスの状況からいったら、森先生、何か御意見ありますか。

○森委員 私も、先ほどの表から見ますと、北海道での発生率がかなり低いというか、ないので、やはりこの政令を変えてまで定期接種化する必要はないかと思いますので、専門家の意見を尊重するという知事の意見がよろしいかと思います。

○岡部分科会長 ありがとうございます。

 その他ではいかがでしょうか。福島先生、何かありますか。

○福島委員 ありがとうございます。先ほど戸田委員もおっしゃったことですけれども、予防接種という保健医療サービスを一律に行うべきかどうかということについて、もちろん保健サービスをできるだけ多くの国民の方に平等に受けていただくことは必要であるわけですけれども、私は、対象となる施策によっては一律ということが適さないこともあると理解しています。予防接種法の第5条により、予防接種を行う必要がないと認められる区域を指定することができて、その対象疾病が日本脳炎となっていることについては、それが内容に盛り込まれた時点で、十分な議論を尽くされて入れられたことと思います。逆にこれを除くことについては、時代の流れに逆行するといいますか、それぞれの自治体が住民の皆さんにどういうサービスを行うかというのを、ニーズを勘案して行っているところでありますので、時代の流れに逆行してしまうのではないかと考えております。

 また、ここで一律定期にしてしまうと、将来的にまた同じような議論が生じて堂々めぐりになってしまうような印象もあります。資料では、北海道の専門委員会で議論中であることや、青森県において指定区域を外した経緯について詳しく述べられておりますけれども、それぞれの自治体で専門家の先生が今まさに議論を進められているところでございますので、これで十分ではないかと思っております。

○岡部分科会長 ありがとうございます。

 発言がなかったのは小森先生と池田先生、ちょっと一言ずつ何か御意見があれば。小森先生から。

○小森委員 私は、基本方針部会の委員ですので、発言はちょっと控えさせていただきましたが、基本的に議論は2つに分けて考えるべきと思っています。1つは、北海道における今の日本脳炎の発症のリスクはどうであるかということだと思います。決して高くないという認識ではございますが、では、ないのかというと、そうはなかなか言い切れない。現実に、ブタのHI抗体保有状況等を勘案して、定期接種化すべきでないと断言はやはりできないのだと思っています。

 平成6年の予防接種法改正当時は、たしか臨時接種として位置づけられていたという状況の中で、確かに国内の様々な交通あるいは移動というものは、随分前からあったとはいえ、私自身の認識としては、徐々にこれは増加し、今後も増加するものと思っておりますし、北海道の方々が、慎重にそのリスクを勘案されるということなのだと思います。

 定期接種、予防接種法において、やはり長い歴史の中で、これが義務というような時代も過去にあったことは事実でございますが、基本的に、十分にそれぞれ説明された上で、国民の方々が選択するのが基本でございますので、そこは道の御判断ということだと思います。

 もう一点、この規定を変えるかどうかということについては、これは別の問題でございますので、今後発生されるであろう様々な感染症等の動向は、まだまだ今後の課題でございますので、今の時点をもってこの規定を外すことは合理的ではないと思っています。

 以上です。

○岡部分科会長 ありがとうございます。

 池田先生、何かありましたら。

○池田委員 前回の予防接種基本方針部会でも議論がございましたように、直ちにこの政令を変える必要性は必ずしもないと私も認識しております。また、先ほどから委員の先生方、あるいは傍聴者の方々からも、費用対効果あるいはコストパフォーマンスに関する御指摘がございましたけれども、リスクベネフィット、そしてコスト、これらを総合的に勘案した上で科学的に判断していくことが重要であろうと考えます。

○岡部分科会長 ありがとうございました。

 それでは、阿真さん、何かありますか。どうぞ、最後に。

○阿真参考人 私は専門家ではないですし、一般人の意見になってしまうのですけれども、ちょっと違うなというか、一般的な私の感覚ですけれども、北海道に発生していないから北海道では打てないとかというのは、一般の私たちにはちょっとなじまないというか、専門家の方が考えてくださることはもちろん尊重するのですけれども、市民としての立場ですと、移動する人が任意で受ければいいという考え方は、私にはちょっと違和感があるということは、自分の意見としては思います。

○岡部分科会長 ありがとうございました。

 まとめておきたいと思うのですけれども、今の自治体のルールを、大きく予防接種法を改正して、何か一律に網をかけることは、場合によっては必要なことがあるかもしれない、パンデミックとかそういうことがあるかもしれないけれども、現時点で予防接種法の改正をやって、全国一律ということは、現状ではどうも早いのではないか。ということは、北海道でのいろいろな議論がなされていると思うのですけれども、基本的には、最終判断はその自治体が行うもので、その結論は尊重すると。

 リスクをどう考えるかというのは、専門部会では、日本脳炎のワクチンは日本にとって必要なワクチンという位置づけがあるけれども、それを北海道という地域で、北海道がどう考えるかということについては、自治体の意見を尊重するという従来どおりのやり方でいいのではないか。基本方針部会の考え方をこの分科会でもほぼ同じであると考えて結論を出してよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

 

○岡部分科会長 ありがとうございました。では、そのようにこの分科会としてはまとめておきたいと思います。

 ただ、今後のワクチンの定期接種、任意接種のあり方、あるいは定期接種A類、B類というのは、依然として基本方針部会あるいはこの分科会での1つの課題になっているということは、今後も議論の余地ありというところだと思います。

 ありがとうございました。

 それでは、議題(2)に移りたいと思うのですけれども、ここは報告事項になりますので、各部会からの審議状況等々ということで、順次、事務局からお願いします。

○難波江課長補佐 では、事務局より、まず、基本方針部会の審議状況について御報告させていただきます。資料3をご覧ください。

 前回、この分科会が開催されて以降、3回の基本方針部会が開催されております。1ページ目、基本方針部会の委員名簿でございます。

 2ページ目が、5月13日に開催されました第9回部会での審議概要でございます。1つ目、水痘・成人用肺炎球菌の定期接種化に当たってというものでございまして、今年の10月からの水痘ワクチン、成人用肺炎球菌ワクチンの定期接種化に伴う対応として、接種時の対応や長期療養特例の必要性等について審議が行われ、了承されております。

 それから、報告事項といたしまして、予防接種制度の改正事項について、基本計画が適用されたことや同一ワクチンの接種間隔の上限の撤廃がなされたことなどについて報告されました。また、予防接種事故のリーフレット、これは研究班で作成いただいたものですが、この紹介が行われております。それから、感染症流行予測調査事業の平成25年度の結果について、多屋委員より御報告いただいております。それから、野生型ポリオの国際的拡大についてWHOが声明を出したことを報告いたしております。

 第9回の資料の抜粋が参考資料5にございますので、少しご覧いただければと思います。

 参考資料5、まず1ページ目の下のところでございますが、ことしの4月からの改正事項が主に4つございました。1つが、昨年度この分科会でも精力的に御審議いただきました予防接種の基本計画が今年の4月から適用されているというものでございます。

 それから、同一ワクチンの接種間隔の上限の撤廃が行われております。接種間隔につきましては、同じワクチンを打つときの接種間隔と異なるワクチンを打つときの接種間隔の2つがございますが、同一のワクチンにつきまして、例えば1回目の接種から6日から21日あけて2回目の接種を行うというような規定がございましたが、この6日から21日の上限の21日というものを超えてしまうと定期接種として扱われないような事例がございまして、昨今の接種するワクチンの増加などに伴いまして、なかなか全体を完了するのが難しいというような御意見もございまして、医学的には、その間隔が短い場合には不十分なことがございますが、間隔があいてもう一度打ったとしても不十分であるというデータはない、むしろ有効性は十分期待できるという結果がございましたので、この上限、6日以上あけて、標準的には21日だけれども、21日を超えた場合においても定期として扱われるよう制度の改正がこの4月から行われております。

 それから、日本脳炎の積極的勧奨の差し控えに対する対応といたしまして、平成17年から22年まで勧奨を差し控えていた間に、1期の対象者、2期の対象者に対してのキャッチアップ的な勧奨として、平成26年度の対象者を定めております。

 それから、風疹に関する特定感染症予防指針が作成されており、これに基づき、現在風疹の対策が進められているところでございます。

 1枚おめくりいただきまして、2ページ目の上段が、予防接種基本計画の概要でございます。第1から第8までの項目がございます。

 それから、2ページ目の下と3ページ目の上で、先ほど申しました、同じワクチンでの2回目以降の接種の接種間隔の上限の撤廃の話でございます。

 それから、6ページ目の下のところが、平成26年度の日本脳炎ワクチンの積極的勧奨の対象者でございまして、勧奨を差し控えていた時期に対象であられた方、今年度で言えば、平成17年、18年度生まれの方に1期の追加を、それから、平成8年度生まれ、高校3年生の方に2期の積極的な勧奨を行っているところでございます。

 それから、4ページ目が風疹に関する特定感染症予防指針の概要でございます。

 それから、5ページ目以降が、平成25年度の流行予測調査の結果でございます。

 第9回については、以上でございます。

 また、資料3にお戻りいただきまして、7月16日に開催されました第10回の基本方針部会での審議の概要でございます。

 1つ目が、3つのワクチンの定期接種での使用の是非について御審議いただきました。

 1が13価肺炎球菌結合型ワクチン、PCV13「プレベナー13」と言われているもので、現在、小児で定期接種として使われているものですが、このワクチンにつきまして、65歳以上の高齢者についても薬事法上の適用が追加されたということで、これの定期での扱いをどうするかということについて御審議いただきまして、今後検討を進めることが了承されまして、ワクチンの有効性、安全性及び費用対効果等についてのデータを収集し、検討を行うこととされております。

 それから、2の髄膜炎菌ワクチンでございます。こちらも今年薬事法上の承認を受けたワクチンでございますが、現時点での疫学情報を踏まえると、定期接種として接種する必要性は必ずしも高くなく、現時点では定期接種として取り扱わないことが妥当とされております。

 3でございますが、これは、4種混合ワクチンでございまして、これは、今、小児の定期接種として使われているものでございますが、不活化ポリオのタイプ、これまで使われているものはセービン株のものでございますが、ソークワクチンを使った4種混合ワクチンというものが承認されまして、このソークワクチンについては、既に単独のワクチンとしては定期接種として使われているものでございますので、これを合わせた4種混合ワクチンについても定期の予防接種として使用可能なワクチンであるということで御了解いただいております。

 報告事項といたしましては、平成24年度の予防接種の実施率についての報告が行われております。それから、平成25年度の予防接種の事故報告についての報告が行われております。それから、風疹に関する普及啓発の状況、それから、10月から定期接種で使用する肺炎球菌ワクチンについての通知を、事務連絡を出したことについて報告を行っております。

 これに関連する資料は、参考資料6として配付させていただいております。

 参考資料6の1ページ目から3ページ目までが、先ほどのプレベナー13の定期接種としての取り扱いについて御審議いただいて、最終的には、3ページの下にございますとおり、予防接種に関する基本的な計画に基づき、有効性、安全性、費用対効果等に関するデータ収集を行い、評価、検討を行うこととされました。

 それから、4ページ目の上が髄膜炎菌ワクチン、4ページ目の下がソークワクチンを用いた4種混合ワクチンの取り扱いについてとなっております。

 それから、5ページ目でございますが、平成24年度の予防接種の実施率でございます。定期接種ワクチンの実施率のデータでございますが、実施率を見るといろいろと幅が多うございますが、平成24年度で注目すべきは、ポリオワクチンの接種率でございます。平成24年8月までは定期接種として生ワクチンが使われてございましたが、9月からは不活化ワクチンに切りかわりました。その結果、不活化ワクチンとして用いられているものは、一番上のDPT-IPV、それから2つ目の不活化ポリオ(単独)というものでございます。生ワクチンについては、4段目のポリオ(生)というものでございまして、これを合計しまして、不活化ポリオワクチン接種率としてどうだったかを示したものが、一番下でございます。

 再掲でございますが、1回目の接種率は124%、2回目137%とっておりまして、このデータは、流行予測調査による抗体の保有率等を見ても、この平成24年の切りかえの時期に生ポリオワクチンの差し控えがかなり起きたわけでございますが、そのとき抗体の保有が落ちているとの懸念はあったわけでございますが、現在の情報では、この免疫のギャップというものが埋まっていると。流行予測調査ではサンプル調査でございますが、埋まっている。この接種率を見ても、想定していた接種者数以上の方が接種を受けている、つまり、想定していたのは、平成23年度と24年度の前半で差し控えられた方が打たれるのではないかと想定していて、推計していた数以上の方が打たれているということで、それ以前に差し控えられていた方も含め打たれたのではないかと推定しております。

 それから、7ページでございますが、予防接種の事故の報告を自治体から出していただいておるもの、これは平成25年度の部分をまとめたものでございます。予防接種の事故として、平成25年度には合計で4,596件の報告がございました。10万回当たりで見ますと11.7、平均すると1万回に1回ぐらいのものでございます。ただし、その多く、約7割は、4番にございます「接種間隔を間違えてしまった。」というものでございまして、多いのは、先ほどお話ししました、接種間隔の上限の撤廃、21日を超えて打ったことによって定期として扱われないというものがかなりの部分を占めまして、これがこの4月から上限が撤廃されていますので、恐らくはこの部分は事故として取り扱われず、普通の定期として今年度から取り扱われていると思いますので、ぐっと減るのではないかと考えております。

 この中で8番にございます「既に他の対象者に使用した針を使う等、接種器具の適切でない取り扱いのうち、血液感染を起こしうるもの。」というのが6件ございまして、具体的な事例を下で記しております。いずれも具体的な健康被害の報告はございませんでしたが、こういった、一度打ったものをトレイに戻して再度打ったというものが起きてございまして、こういった状況も踏まえまして、お手元に配付させていただいておりますが、研究班で作成いただきました事故防止マニュアルを全国の自治体などに配布し、また、ホームページでも掲載し普及啓発に努めているところでございます。

 続きまして、資料3の4ページ目でございますが、9月11日に開かれました第11回の基本方針部会でございます。

 1つ目が、先ほど御審議いただきました北海道での日本脳炎ワクチンの定期接種の取り扱いについてでございます。

 2つ目が、報告事項といたしまして、感染症法における水痘の取り扱いについて、10月からの水痘の定期接種化に合わせる形で、今年の9月19日から、感染症法上、水痘の入院症例について全数を報告いただくという形で追加しております。詳細は後ほど御説明させていただきます。それから、平成25年度のMRワクチンの接種率について、また、ワクチン評価小委員会についての御報告をいただいております。

 それから、その他として、HPVワクチンの接種後の症状に関する新たな医療体制の整備と調査についての御報告をさせていただいております。これも後ほど詳細を御説明させていただきます。

 資料でございますが、参考資料7になります。

 2ページ目の上段をご覧いただければと思います。水痘につきましては、これまで感染症法上は定点の報告として、全国約3,000の小児科を有する医療機関から報告いただいて、トレンドを追っていたわけでございますけれども、これに加えて、全国の医療機関に対して、入院症例があった場合届けていただくというものを規定として設けております。これにより、重症の水痘患者の推移をより正確に、これまでは、学会や日本医師会で調査を実施していただいておりましたけれども、今度は制度として入院症例を把握できる体制を整えたものでございます。

 それから、4ページ目が、麻疹、風疹、ワクチンの平成25年度の実施率の結果でございまして、全国で第1期で95.5%、第2期で93%となっております。目標値が、MRワクチンは、第1期、第2期とも95%となっておりまして、1期については目標を超えているけれども、2期についてはもう少しという状況になっているところでございます。

 あとは詳細なデータとなっております。

 基本方針部会からの報告は以上でございます。

○岡部分科会長 ありがとうございました。

 一応続けてやりますかね。開発の状況を、よろしくどうぞ。

○滝室長補佐 引き続き、第4回予防接種・ワクチン分科会以降に行われました第7回及び第8回の研究開発及び生産・流通部会における審議状況について御報告申し上げます。

 資料1−2をご覧ください。

 1枚おめくりいただきまして、まず、これは、研究開発及び生産・流通部会の委員名簿となります。

 もう一枚おめくりいただきまして、これは平成26年5月23日に開催しました第7回研究開発及び生産・流通部会でございます。

 まず、一番上の丸でございますけれども、予防接種に関する基本的な計画の第5、予防接種の研究開発の促進及びワクチンの供給の確保に関する施策を推進するための基本的事項の2に、6つの開発優先度の高いワクチン

○亀井委員 すみません、もう一度資料番号を言ってください。

○滝室長補佐 失礼しました。資料4の間違いです。訂正します。

 資料4の3枚目となります。まず、一番上の丸ですけれども、開発優先度の高いワクチンを基本計画の中で掲げさせていただいたわけですけれども、このような開発優先度の高い等のワクチンについて、まず、一般財団法人化学及血清療法研究所と武田薬品工業株式会社からヒアリングを実施しました。

 次の丸ですが、現在、厚生労働科学研究で実施しているワクチンの開発に係る研究について、まず、国立感染症研究所病理部の長谷川先生から新興再興感染症に対する経鼻ワクチンの開発・実用化に関するに研究について、医薬基盤研究所霊長類医科研究センターの保富先生から、粘膜免疫誘導型新規結核ワクチンの開発について、国立病院機構近畿中央胸部疾患センター臨床研究センターの岡田先生から多剤耐性結核に対する新規治療用DNAワクチンの開発・実用化に関する研究について、御発表いただきまして、研究開発部会の委員の先生方と意見交換が行われました。

 次に、3つ目の丸ですけれども、下記の事項について報告を行わせていただきました。まず、事務局より2014/15年シーズン、今シーズンのインフルエンザワクチン株について、今年の   5月14日付に健康局長通知として発出した旨を報告させていただきました。今シーズンの季節インフルエンザワクチン株ですけれども、A/カリフォルニア/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09、それから、A/ニューヨーク/39/2012(X-233A)(H3N2)、それから、B/マサチュセッツ/2/2012(BX-51B)と決定いたしました。

 また、本日お越しいただいています国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センターの小田切先生より、2013/14年シーズンの国内外のインフルエンザの流行状況を御報告いただきました。

 この後ですけれども、小田切先生より、2014/15シーズンのインフルエンザ株についてとして、インフルエンザワクチン株選定のための検討会議での議論等を交えた季節性インフルエンザワクチン株の決定に至る詳細な話を頂戴したいと思います。

 それから、最後のポツですけれども、昨年1225日の新型インフルエンザワクチン細胞培養事業第2次事業の追加公募の結果につきまして、一般財団法人化学及血清療法研究所の1,700万人分、武田薬品工業株式会社の800万人分とした2事業者から応募された事業を採択した旨を御報告させていただきました。

 1枚おめくりください。次に、平成26年9月5日に開催しました第8回研究開発及び生産・流通部会について御報告いたします。

 まず、一番上の丸ですけれども、開発優先度の高いワクチン等の開発状況について、第一三共株式会社からヒアリングを実施いたしました。

 次の丸ですけれども、厚生労働科学研究で実施しているワクチンの開発に係る研究において、国立感染症研究所免疫部の阿戸先生から新興・再興感染症に対する画期的な新規ワクチン開発および実用化に関する研究について御発表いただきまして、部会の先生方と意見交換が行われました。

 それから、3つ目の丸ですけれども、昨今、接種すべきワクチンが増加しておりますけれども、これに伴いまして、一般にワクチン製剤ごとにスケジュールが複雑化し、また、接種回数がふえることが想定されます。そこで、今後新たなワクチンの開発に当たっては、開発企業に対して、1として、薬事審査に関する関係機関と相談の上、十分な免疫が得られると期待される範囲において、臨床試験でより少ない接種回数での有効性についても評価することが望ましい。2として、既存のワクチンと同様の疾患を予防できるワクチンについては、可能な範囲で、既存のワクチンとの有効性に関する互換性を評価することが望ましい。といった方向性を示すことが、研究開発部会においてまとめられました。

 それから、最後、4つ目の丸ですけれども、季節性細胞培養インフルエンザワクチンの開発に向けた検討状況として、国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター第5室の山本先生より、季節性細胞培養インフルエンザワクチンに関する検討課題について御報告をいただきました。

 以上でございます。

○岡部分科会長 ありがとうございました。

 では、引き続いて、副反応部会をお願いします。

○高城予防接種室長 それでは、続きまして、A4横の資料5に基づきまして説明させていただきます。副反応検討部会における審議状況についてということでございます。

 1枚おめくりいただきまして、委員名簿でございます。

 2枚目からが、概要でございます。古いものでは、平成26年1月20日に開催しております。

 この副反応検討部会におきましては、子宮頸がん予防ワクチンの接種後に、副反応として多様な症状が報告されておりますが、ここでは、主に広範な疼痛または運動障害を来した症例につきまして論点整理を行ったところでございます。

 以下1〜7までございますけれども、記載のとおりの事項につきまして合意を得たところでございます。

 最後のところでございますけれども、今後、報告書をまとめ、次回以降、積極的な勧奨の再開の是非について改めて審議するということがなされております。

 次のページでございます。次は、2月26日に開催されております。

 この審議におきましては主に3点ございます。子宮頸がん予防ワクチンに関しまして、専門家の意見、機能性身体症状の治療についての有識者からのヒアリングを行ったこと、それから、接種時の注意事項等について審議を行ってございます。

 2つ目といたしましては、麻疹そのほか記載のワクチンの安全性についての検討がなされまして、副反応報告状況が、これまでと大きな変化はないということで、安全性に重大な懸念は認められず、引き続き、報告状況や報告内容に十分な注意をするとの評価がまとめられたところでございます。

 また、3つ目といたしましては、現在、10月からの定期接種化に向けて、水痘及び成人用肺炎球菌ワクチンの副反応の報告の基準を審議しまして、事務局案どおり承認されたところでございます。

 4ページ目でございます。平成26年5月19日に開催しております。

 ここでは、百日咳、ジフテリア、破傷風など、記載の各ワクチンにつきまして、平成26年2月末までの副反応報告をもとに審議が行われてございます。この中で副反応報告された全ての症例の概要並びに後遺症症例、アナフィラキシー症例など、詳細な経過等の資料をもとに審議しまして、これまでの報告において記載の各ワクチンの安全性に重大な懸念は認められないと評価されたところでございます。

 直近でございますけれども、最後のページでございます。7月4日に開催してございます。

 ここにおきましては、子宮頸がん予防ワクチンについて、平成26年3月末までの副反応報告をもとに審議がなされました。急性散在性脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群など、明確に診断できる特定の疾患について、安全性の懸念は認められないと評価されたところでございます。

 また、機能性身体症状について専門家からのヒアリングを実施しました。この症状は、さまざまな要因の影響を受けること、心身両面からの適切な治療で回復するということ、不用意に「心の問題」などと説明しないよう注意が必要であることなどの御意見をいただいております。

 加えて、現在でも接種自体は続いておりますので、医療機関、被接種者に対し、注意事項、症状が出た際の医療体制等について情報提供を行うこととされております。

 現在中止している積極的勧奨の取り扱いについては、継続審議という扱いになっております。以上であります。

○岡部分科会長 ありがとうございます。

 分科会で行われている概要を説明していただきましたが、私は、この中の予防接種基本方針部会の部会長をやっているのですけれども、先ほど詳細な報告があったので特につけ加えることはないのですが、何か御質問か御意見がありましたら。どうぞ、三田村委員。

○三田村委員 13価の肺炎球菌ワクチンですが、最近承認になったということもあって、臨床の先生方からは、非常に関心を持っておらます。2つのワクチンをどういうふうにやるかは重要だと思います。今日の御報告ですと、これからそれを検討するという状況ということですか。

○岡部分科会長 これについては検討を開始して、国内において既に一般には使えるのですけれども、定期接種として妥当かどうかですね。定期接種にするならば、ACIPもリコメンデーションを出していますけれども、その間隔をどうするのか、あるいは全部ひっくり返してどちらか一方にするのか、あるいは両方使うのかとか、そういうことも含めて、国内でそれが妥当かどうか、費用対効果もあると思うので、そういったようなことについて分科会で一定の結論を出すので、現在もしPCV13をやろうとするならば、それは任意接種でやっていただくことになると思います。

○三田村委員 もう一ついいですか。海外ではインフルエンザワクチンが4価になっているものも出ておりますが、今のお話の中には4価という話はなかったようなのですけれども、その点いかがでしょうか。

○岡部分科会長 むしろ開発・流通部会の議論で、小田切先生のほうが詳しいのですけれども、今、治験をスタートしているということなので、現在すぐに入れるのではないけれども、4価を視点に入れた議論は行われているということです。

 小田切先生、4価で何かありますか。

○小田切参考人 今、岡部先生がおっしゃったとおりで、特に追加はありません。今、検討しているところです。

○岡部分科会長 ありがとうございます。

 小森先生、どうぞ。

○小森委員 これはちょっと要望ということでございますので、この場でお返事は結構でございますが、日本小児科医会から本会宛てに要望書が提出され、日本医師会としても了とするところでございますので、要望させていただきたいと思いますが、本年10月1日から定期接種化がもう既にされております水痘の特例措置でございます。その内容について皆さん御承知と思いますけれども、その詳細は参考資料4の最後のページに定期接種実施要領、下に19ページと書いてあるところの中ほどの(3)の特例でございますが、ここに、どうしても対象サービスとして差が出る、あるいはまた、社会全体としての予防という観点から、特例措置対象者であります3歳及び4歳の児について、本年10月1日より前に自費での法定外接種を1回受けておられても、定期の予防接種として1回の接種を受けられるように要望したいと思いますほか、2回目の接種時期が、接種間隔が最低3カ月以上あかなければならないという規定によりまして、3歳になってしまう児が出てまいります。そういった児に対しまして、2回の定期接種が受けられるように御検討いただきたいほか、この特例措置が半年間ということでございます。様々な御事情でお受けになれない方々に対する対応の観点から、特例措置内容の期間の延長について要望したいと思います。

 これは、また別途そういう場があれば御検討いただきたいということでございまして、この場での返答は結構でございます。

○岡部分科会長 もし要望があったら、要望書のような形で出していただいて、こちらで議論するかどうか事務局との打ち合わせをやりたいと思います。

 ほかにはいかがでしょうか。

 よろしければ、ちょっと時間もあるので少し急ぎたいのですけれども、開発・流通部会は、庵原先生が今日はちょっと御欠席なのですけれども、森先生、何か補足するようなことがありますか。

○森委員 特にございません。

○岡部分科会長 ありがとうございます。

 開発・流通部会に何か御質問がありましたら。インフルエンザについは、後で小田切先生に特別出演していただきますので。よろしいでしょうか。

 副反応検討部会は桃井先生が部会長なのですけれども、桃井先生、何かありますか。

○桃井委員 特に追加はございません。

○岡部分科会長 ありがとうございました。

 副反応検討部会に何か御質問がありましたら。よろしいでしょうか。

 それでは、部会はこういうように動いていて、いろいろなことが課題になっていますけれども、1つずつ解くところは解いているというような形で進んでいることをここで見てとっていただければと思います。資料等々も後で見ていただいて、もし何か御質問等があれば、事務局か、あるいは私に御連絡いただければと思います。

 次は、小田切先生、すみません、お待たせして。インフルエンザワクチンのことが話題になっていることが多くて、さらに、現在のあり方、それから現状、そういったようなことについて、来シーズンのワクチン株の話題を中心にして小田切先生から御紹介いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○小田切参考人 ありがとうございます。先ほど事務局から来シーズン、2014/15シーズンのインフルエンザワクチン株の選定に至った報告がありましたけれども、その背景について補足説明させていただきます。資料6をご覧ください。

 1ページめくってもらって2ページ目からでありますけれども、これが現在の日本も含めた世界各国における、2013/14シーズンのインフルエンザの検出状況です。インフルエンザのシーズンというのは、9月から翌年の8月までを1つのシーズンとして区切ります。流行のシーズンの前半、9月から2月が左側の円グラフ、そして、その後半が2月から8月と分けておりますけれども、前半の9月−2月は、北半球の流行のピークがここに入る円グラフでありますが、大体どの国におきましても、H1N1pdm09というウイルスが流行の主流をなしていたわけで、それに引き続いてH3N2、そしてB型という順でありました。そして、右側の円グラフですが、後半になりますとH3もB型も検出数がふえてきまして、最終的には大体H1H3もB型も1対1対1という検出比率で世界的には流行していたということであります。

 3ページ目になりますと、これは北半球の国々でありまして、上のパネルがヨーロッパ諸国での流行パターン、それから、下の左側がアメリカ、そして右側が中国という流行パターンであります。大体どの国におきましても、H1N1pdm09が流行の主流でありました。

 1つめくってもらって、4ページ目になりますけれども、南半球は、流行が6月、7月、8月にありますので、先ほど前半、後半と分けた後半に流行のピークがあるのが南半球であります。流行のピークを迎えた南半球での最終集計結果からは、H1N1pdm09のウイルスが流行の主流を占めたという結果でありました。

 次の5ページ目、これが国内での流行のパターンでありますが、もう流行は3月末ぐらいで終わっていますけれども、流行のピークは1月下旬から2月上旬にありまして、日本地図のほうを見ていただきますと、流行の主流は、海外と同じようにH1N1pdm09が主流であり、これは2シーズンぶりにH1pdm09の流行が主流になりました。

 それから、B型は2つの系統がありまして、ビクトリア系統と山形系統とありますが、諸外国も含めてこの2つの系統が同時流行しているのが最近のパターンであります。日本も海外も、大体山形系統がB型の流行の主流を占めているという状況であります。

 ページをめくっていただきまして、6ページ目になりますが、上の段がワクチン株を選定するプロセスをまとめております。簡単に申し上げますと、2月にWHOの北半球向けのワクチン株選定会議がありまして、そこに全世界のインフルエンザの流行の情報が集まってきます。それに前後して国内では都合3回のワクチン株選定会議を開きます。これは海外から集まった情報、それから国内での流行情報を総合的に判断して、最終的には3月下旬までに、先ほど事務局から報告がありました3つのウイルスがワクチン株として選ばれたわけです。それを感染研の所長が健康局長に回答いたしまして、厚生労働省で株の決定が行われて、その決定通知が各都道府県、ワクチンメーカーに通知され製造が開始される、そういう流れであります。

 下の段に2013/14シーズン、これは去年のワクチンであります。それから、2014/15というのは、今冬に使うワクチンでありまして、この2シーズンでどこが変更になったかを赤で示してあります。上の段はWHOが推奨したワクチン株でありますが、2013/14シーズン向けのH3N2のワクチン株の推奨表記が複雑でありまして、細胞で分離増殖したA/ビクトリア/361/2011(H3N2)類似株と推奨しましたけれども、これではよくわからないというのが各国から出ました。そこで、2014/15シーズンの推奨は具体な株名をあげることになり、A/テキサス/50/2012(H3N2)類似株と決まりました。

 下の段が我が国の株の選定結果でありますが、2014/15シーズン用の変更としましては、H3N2のワクチン株がテキサス/50からニューヨーク/39/2012(X-233A)に変更になったという1点が変わっております。

 ちなみにこのワクチンのウイルスの後ろに括弧でXとかBXとかがついていますが、これは次の7ページ目をご覧いただきますけれども、ワクチンは卵で製造することになっていますけれども、流行株そのものを卵に接種しても余りよく増えないということで、卵でよく増えるように、すなわちワクチンの製造効率を上げるために、卵でよく増える母体ウイルスの遺伝子とワクチン株のHANA遺伝子を差しかえまして、それでつくった遺伝子再集合ウイルスをワクチン製造株とするので、ワクチン株名の後ろにカッコでX-ooという製造株番号が付きます。

 めくっていただきまして、8ページ目になります。そうすると、昨年度のインフルエンザワクチンは、流行株と抗原性がどれぐらいマッチしていたかというのをまとめたのがこの円グラフであります。上の段は、ワクチンに選ばれたいわゆる原株でありまして、H1pdm09ワクチン、H3ワクチン、B型ワクチンとも、流行株と抗原性はぴったりマッチしております。

 下の段が、実際先ほど言いました遺伝子の再集合体であるワクチン製造株でありますが、これを見ますと、H1pdm09とB型ワクチン製造株は流行株と抗原性がマッチしていますけれども、H3のワクチン製造株に関しましては、抗原性が変わってしまって、そのオレンジ色で示したように79%の比率で抗原性が変化してしまい、ワクチン製造株と流行株との抗原性がマッチしなくなっていることが分かります。

 では、このようにマッチしなくなった場合にはどういう影響があるかというのを9ページ目にお示ししました。これは、実際このワクチンをヒトに接種して、そして、血液中に得られた抗体が実際に流行しているウイルスを抑えるかどうか、いわゆる交叉反応するかどうかという評価をしたものであります。上のパネルが成人、下のパネルがお年寄りで得られた抗体ですけれども、両方ともパターンは共通していまして、やはり抗原性が変化したワクチンで得られた抗体は流行株を余り抑えないという結果が得られています。

 ちなみに、この50%ラインを目安として設定し、このラインよりも上に棒グラフが行くと、ある程度、流行株を抑えていることになると解釈しますが、流行株と反応性は大体みんなこの50%以下のところに固まっているという状況ですので、やはり卵によるワクチン製造株の抗原変化は流行株との交叉反応性の低下に影響していることが示されています。

 ワクチンで誘導された抗体と流行株との交叉反応性は直接的にワクチンの効果を示しているわけではないので、次の10ページ目に、海外で行われているワクチンの有効性を評価した研究論文を引用してお示しします。やはりH3H1pdm09ワクチン、B型に比べて有効性が低いというパーセンテージが出ております。これは恐らく、先ほど言いました卵に馴化して抗原性が変化した影響によるものと思われます。そこで、こういう状況がわかってきましたので、今冬向けのワクチンとしては、できるだけ卵馴化による抗原性の変化の程度小さいワクチン株を探せないだろうかということで、WHOインフルエンザ監視対応ネットワークで1年間かけて探したところ、11ページにありますニューヨーク/39/2012というウイルスがワクチン候補株として浮上してまいりました。11ページ目の円グラフ2つは、実際選んだニューヨーク株と現在流行しているウイルスとどれぐらい抗原性がマッチしているかを見たもので、ほぼ100%流行株と一致していることから、ニューヨーク/39/2012がワクチンとして適当であるという判断に至りました。

 次の12ページ目では、このニューヨーク/39/2012というウイルスを使って先ほどと同じようにワクチン製造用に卵でよくふえるウイルスに変えたニューヨーク/39/2012 X-233A)の評価です。前半、9月から2月に流行しているウイルス、それから3月から8月に流行しているウイルスとの抗原性を比較しても、このニューヨーク/39ワクチン製造株X-233Aは、卵馴化の影響が少なく、流行株と抗原性がよくマッチしています。このことから、今冬のH3N2ワクチンは、有効性が期待できるのではないかと思っています。

13ページ目に、一部絵が飛んでしまっていて白く抜けていますが、なぜテキサス/50が卵に馴化すると抗原性が変わったのか、そしてニューヨークは卵に馴化させてもそれほど変わらないのかを立体図でお示ししました。テキサスの場合は、丸で囲った186番目のアミノ酸、ここが抗原性の変化に係わる部分で、ここのアミノ酸の変化により、抗原性が変わってしまったと思われます。絵は飛んでしまっていますけれども、ニューヨークはそういう変化がありません。したがって、円グラフで示したように、卵に馴化してもニューヨーク株は抗原性の変化が起こらないということが、アミノ酸の解析からも示唆されるわけであります。

 そして、最後のページ、まとめのところでありますが、そういうことを踏まえまして、今冬のインフルエンザワクチン、2014/15シーズンのワクチンは、H1N1pdm09はカリフォルニア/7/2009(X-179A)で変更はありません。それから、H3ワクチンはニューヨーク/39/2012(X-233A)、これが変更になりました。そして、B型はマサチュセッツ/2/2012(BX-51B)、これは変更ありませんという結果であります。

 下にその選定理由をまとめてありますけれども、H1pdm09とB型ワクチン株は変更ありませんのであえて詳細に説明しませんけれども、H3N2は、今まで御紹介しましたように、変更した理由は、前のシーズンで使いましたテキサス50X-223)というワクチン株は卵に馴化することによって抗原性が変化してしまったと。そのためにワクチンの有効性が下がった可能性があるということ。そこで、有効性の改善が期待できるニューヨーク/39(X-233A)を新たに選び直しました、そういう結果であります。

 以上であります。

○岡部分科会長 どうもありがとうございました。

 今の御説明に対して、あるいは御紹介ですね、何か御質問、コメントがありましたら、どうぞよろしくお願いします。どうぞ、坂元委員。

○坂元委員 素人質問で申しわけないのですが、今回のニューヨーク株を選んだときには卵馴化が起こらないことをチェックされたということで、前回のときは、そういう卵順化があるということは想定外だったのでしょうか。

○小田切参考人 いいえ、ワクチン選定会議をやっている時点で、卵に馴化すると変化するということはもう把握していました。それを踏まえて議論して、昨年はテキサス/50というウイルスを選ばざるを得なかったわけです。いわゆるテキサス/50以外に選ぶワクチン株がなかったわけです。テキサス/50は検討したほかのワクチン候補株の中で一番ベストなものだったのです。

 さらにもう少しつけ加えて言わせていただきますと、その前の年に使ったのはビクトリア/361というワクチン株ですけれども、これは卵馴化でもっとひどい抗原性の変化をしていました。したがって、それよりももう少し変化の少ないものとして選ばれたのがテキサスという株です。もはや、その時点では選ぶ余地はそれしかなかったという事情であります。

○岡部分科会長 ほかには御質問ありますでしょうか。

 従来の形からの進化の部分があったり、あるいは、先ほどのB型の2価、合計4価ワクチンとか、あるいは経鼻へのトライアルあるいは申請も行われていたと思いますが、あるいは細胞培養由来とか、いろいろ変化の動きがある中で、現在はあるものとしてこれが踏襲される中での変化と捉えていただければと思うのですが、説明としては、効くと思ってやっていたけれども、効かないけれども理論上は合っているとか、いろいろなことがあると思うのですけれども、逐次、感染研からそういったような情報を出していただいて正しい評価をしていきたいと思いますし、臨床的な応用その他のことに結びつくと思います。

 あとは、今の点はよろしいでしょうか。

 それでは、小田切先生、ありがとうございました。

 それでは、もう一つは、風疹についてのことがありますので、これは事務局から説明をお願いします。

○氏家課長補佐 ありがとうございます。資料7をお手元に御用意ください。

 資料7でございますが、皆様方、御存じのとおり、一昨年から風疹の流行がございまして、昨年までの流行の影響で、これまで44名の先天性風疹症候群の方の報告があるところでございます。この件につきまして、今年度より自治体と協力のもと、先天性風疹症候群の発生の予防を目的に、主に妊娠を希望する女性を対象とした、風疹の抗体検査費用を助成する事業を実施してございます。その普及啓発の一環で、厚生労働省ホームページに特設サイトを設置いたしましたので、簡単に御報告させていただきます。

 ページをおめくりいただきまして、2ページ目ですが、一般の方に対する情報ということなので、まず、風疹とは何かということ、3ページ目には先天性風疹症候群といったものがどういうものなのかを理解していただくための情報が掲載されてございます。

 ページをおめくりいただきまして、4ページ目、抗体検査を受けていただくための普及啓発のページでございますが、以前から風疹は、多くの方が自然感染、もしくは1970年代より実施しています定期接種によって、成人の8割から9割以上の方が既に風疹の抗体の免疫をお持ちであるところでございますが、推計では、全国で見ますと500万人弱の方がまだ免疫を持っていないというようなことも指摘されているところで、今後こういった風疹の流行を起こさないために、予防接種歴、そして罹患歴、こういったものを確認していただくことが大事になってくるところでございます。ただし、なかなかそういった記録の確認ができない中で、抗体検査を受けていただくことで、そういった予防接種の必要な方を抽出してワクチンを検討いただくという観点で普及啓発を行っているところでございます。

 6ページ目には、風疹のワクチンの大切さ、また、ページをずっとめくっていただきまして、こういった抗体検査の助成事業を受けていただくために、問い合わせ窓口、10ページ目に各地域での保健所、どういったところに連絡をして問い合わせをいただくのがいいのか、12ページ目には、抗体検査事業に関するQ&Aということで、一般の方が疑問に思われることを詳しく解説しているところでございます。

 最後、15ページ目でございますが、今年は幸いにも大きな風疹の流行は見られていない状況でございますが、こういった逆に国民の方々の関心が低下している中で、アクションにつながるような普及啓発を実施する必要があるということで、最後の17ページ目に掲載していますような、先天性風疹症候群のリスクといったものを広く国民の皆様に知っていただくためのポスターを新しく作成して普及啓発に当たっているところでございますので、こういった資材やホームページ等を活用していただき、先天性風疹症候群並びに風疹の対策にお役立ていただければと思います。

 以上です。

○岡部分科会長 ありがとうございました。

 御意見がありましたら、どうぞよろしくお願いします。どうぞ、阿真さん。

○阿真参考人 いつもこれをお母さんたちに紹介させていただいています、最近いつも使っているのですけれども、すごくわかりやすいと好評で、ほかの病気の親御さんから、風疹だけずるいという声が上がるぐらい、かなり好評です。非常によいサイトだと思います。

○岡部分科会長 ありがとうございました。

 昨年の流行はさすがにおさまって、それはそれなりにいいことなのですけれども、おさまってくると、ない病気はもういいじゃないかという話になりがちなのですが、本当に今、粘り強くやっていかなくてはいけないので、その中での啓発は大変だと思いますが、ぜひ事務局も、風疹は手を抜かずに続けていただければと思います。

 桃井委員、どうぞ。

○桃井委員 風疹に関してではないのですが、普及啓発活動という言葉が出ましたので、それに関してお願いしたいことがございます。

 今、副反応部会で仕事をさせていただいておりますけれども、その仕事をしつつ、なおかつワクチンの長い副反応の歴史を考えますと、国民の人々の情報の受け取り方は、極めて当然のことながらアンバランスがあると。副反応部会は、当然科学的な、医学的なデータの解析と論拠、論理的な結論に基づいて、そのラインを外さないことが我々の責務ですので、そのような分析を行っておりますけれども、しかしながら、ワクチンの効果も科学に基づいた数字ですし、副反応自体の解析も科学に基づいた結論になります。一般的に、当然のことながらそうなります。

 一方、国民の方々がより受けとめやすいのは、これはこのワクチンによる副反応であると信じる症例の方々の個別のストーリーが前面に出て、一般の方にとっては、科学よりも、数字よりも、個別のストーリーのほうが受け入れやすい、これは当然のことでありまして、今まで世界的にも、MMRワクチンと自閉症は、個別のストーリーであれほどの大きな騒ぎを長年にわたって引き起こしたという歴史が累々とございます。

 そういう意味で、ワクチンのメリットも、そしてワクチンによるかもしれない副反応も、科学によって語られたその結果を国民に開示するだけでは、とても正確な理解はなかなか難しいと。特にメディアは、やはりセンセーショナルな症例、個別の例というものを前面に報道しがちですし、科学に基づいた数字の出し方をするというよりは、しばしば、往々にしてセンセーショナルな数字を出したがるというのが、どのメディアも特徴であります。そういう意味で、その効果も、そして、それによって起きるかもしれない副反応に関しても、科学的な結果の開示だけでは不十分で、国民への理解を啓発するためには、効果も、そして副反応も、特に効果ですが、何らかのストーリー的なものも提示することが必要であろうと思います。

 長くなりますから個別の例には触れませんが、単に科学的なデータは、専門家にはわかりますが、専門家以外の、例えば政治家であるとか、メディアの方とか、一般国民には極めてわかりにくく、彼らは、やはりわかりやすいものを選択してとるという傾向が当然ございます。それがいい、悪いの問題ではなくて、それがワクチン行政を大きくミスリードすることは、今まで世界でも散見されてきましたので、我が国でもそのようなことのないように、科学的な結果をいかにわかりやすく、国民が受け取りやすく情報として流すかというワクチンに関する情報の戦略的な広報の仕方を行政はぜひ検討していただきたいと思います。そして、それを常に、継続的にやっていただきたいと思います。

○岡部分科会長 貴重な御意見ありがとうございました。ぜひ、そしゃくしていただいて、動かすようにしていただければと思います。

 ほかに御意見はありますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、その他ということになりますけれども、その他のほうは事務局で何か御用意ありますか。あるいは、フロアというか、委員の先生方から先にあれば、その他をやって。

 では、事務局のほうで御用意したその他の部分をお願いします。

○高城予防接種室長 それでは、その他につきましてお話しさせていただきます。

 事務局からの情報提供といたしまして、資料8に基づきまして、HPVワクチンの接種後の症状に関する新たな医療体制の整備と調査ということでございます。これにつきましては、平成26年8月29日に前大臣から発言いただいた内容でございますので、簡単に御紹介させていただきます。

 1枚おめくりいただきます。ページは右下に1とございますけれども、この具体的内容でございますが、初めの丸でございますけれども、御承知のように、このワクチンでございますけれども、広範な慢性の疼痛、運動障害を中心とする多様な症状が見られたということで、昨年6月以来、この症状の発生頻度等が明らかになり、国民に適切に情報提供できるまでの間、積極的な勧奨を差し控えるという状況になっております。

 このような状況でございますけれども、これについて、新たに下の3つの対策を講じるということで言っていただいております。1つ目は、身近な医療機関で適切な治療を受けられるように、協力医療機関を各県に少なくとも1つ整備しましょう。2つ目でございますけれども、医療機関を受診される場合、過去分を含めて副反応報告が確実に行われるよう要請するということ。それから、3つ目でございますが、副反応報告がなされた場合には、その症状の状況等の追跡調査を強化しましょうという、この3点でございます。

 1枚おめくりいただきまして、2ページ目の番号がついておりますのが1番目の話でございます。青くくくっております真ん中に協力医療機関というものがございますけれども、これを各都道府県に1つつくっていただきたいということで、患者さん等に対する「地域で支える診療体制の構築」というものをやっていくということでございます。

 次のページでございますけれども、副反応報告の強化ということでございますが、こちらに細々と書いてございますけれども、ポイントは、もう一枚おめくりいただきまして、4というページを打っておりますけれども、HPVワクチンについて報告すべき副反応ということで、現行のほうは、このような形で示されております。赤い部分が、こういう形で書いておりまして、具体的なことは特にないのですけれども、ここにつきまして、ヒトパピローマウイルスの感染症の定期接種に当たっては、接種後に広範な疼痛または運動障害を中心とする多様な症状、こういった場合も報告対象に含むということをはっきりしようということでございます。

 最後でございますけれども、実は現状も、副反応報告として上がってきたものにつきましては、業者等と連携しまして、個人情報に留意しつつ追跡調査を行っているところでございますが、課題にありますように、追跡調査が、ポツが2つありますけれども、患者の転院等によって追えなくなってしまうなどの課題がございます。こうしたことがございますので、解決策といたしましては、医療機関に調査への協力を改めて依頼するとか、症例の追跡が途切れた場合には、患者個人から情報収集をするといったことを現在検討しているところでございます。

 詳細は次ページに書いてございますけれども、最後のページでございますが、これが追跡調査の流れ図でございます。非常にいろいろ入っておりますけれども、この赤い矢印の部分が新たに依頼する調査となっております。これにつきまして、今、調整を進めているところでございます。

 以上の3点につきまして対応等を順次進めているところでございます。

 事務局からは以上でございます。

○岡部分科会長 ありがとうございます。

 ここが、ヒトパピローマウイルスワクチンに関する現在の動きといったようなことになると思うのですが、コメントあるいは御質問がありましたら、どうぞお願いします。よろしいでしょうか。

 それでは、いろいろテーマが多くて私もちょっとうまくいかず少々時間が過ぎてしまったのですけれども、今日の議論で、例えば日本脳炎の問題、それから審議状況の中でいろいろな話題も出てきたと思うのですけれども、引き続きそのワクチンをどういうふうに安全にやっていくか、あるいはどういうものが必要かというようなことの議論を続けていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、ここで一応委員会としては終了なので、事務局から次回以降の通知等々をお願いします。

○石田室長補佐 次回の開催につきましては、追って御連絡させていただきます。

 事務局からは以上でございます。

○岡部分科会長 課長はいいですか。

 それでは、終わりにします。どうもありがとうございました。


(了)

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