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2014年10月21日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会・伝達性海綿状脳症対策部会

医薬食品局食品安全部 基準審査課・監視安全課

○日時

平成26年10月21日(火)18:00~19:00


○場所

航空会館 701+702会議室
(東京都港区新橋1丁目18番1号 航空会館2階)


○出席者

伝達性海綿状脳症対策部会員(敬称略)

甲斐 諭 工藤 操
堀内 基広 毛利 資郎(部会長)
山本 茂貴

事務局

三宅食品安全部長 山本基準審査課長
滝本監視安全課長 三木輸入食品安全対策室長
西村食中毒被害情報管理室長 梅田課長補佐
今川課長補佐 小西BSE対策専門官
仲川食品規格専門官

○議題

1 議題
(1)BSE対策におけるゼラチン等に係る規制の見直しについて
(2)その他

○議事

○事務局 それでは、少し定刻を過ぎてしまいましたが「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会伝達性海綿状脳症対策部会」を開催させていただきます。

 本日は、御多忙のところ御参集いただき、まことにありがとうございます。

 本日は、河野委員及び佐多委員より、御欠席される旨の連絡を受けております。現時点で伝達性海綿状脳症対策部会委員7名中5名の委員の先生方に御出席いただいておりますので、本日の部会が成立することを御報告いたします。

 続きまして、本年7月11日付で事務局に人事異動があり、食品安全部長に三宅が着任いたしました。初の部会開催となりますので、三宅安全部長より御挨拶お願い申し上げます。

○食品安全部長 食品安全部長の三宅でございます。

 一言、御挨拶を申し上げます。

 引き続きの会議の先生もいらっしゃいますけれども、お疲れのところ申しわけありません。

 先生方におかれましては、食品安全の確保のためにさまざまなお立場から御指導・御尽力を賜っておりますことを厚く御礼申し上げます。

BSEに関しましては、世界的にもBSE発生のリスクが減少しつつある中、我が国では食品安全委員会の評価結果を踏まえつつ、最新の科学的知見に基づき、昨年2月及び7月に特定危険部位の範囲や検査対象月齢、輸入措置などBSE対策を見直したところでございます。

 その後、食品安全委員会の評価の範囲内で二国間協議等を踏まえ、適宜管理措置の見直しを行ってきております。これまで6カ国の間にそういう協議が進んでいる状況でございます。引き続き、科学的な評価に基づきまして、国内及び輸入時のBSE対策の見直しについて検討する必要があると認識しております。

 本日の部会では、その見直しの一環としてゼラチン、コラーゲンの規制について食品安全委員会からの答申を踏まえた、BSE発生国から製品や中間原材料を輸入する際の管理措置について、御議論をいただく予定としております。

 それぞれの専門の見地から、どうぞ御忌憚のない御意見をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

○事務局 ありがとうございました。

 また、8月1日付で基準審査課長が長谷部にかわりまして、山本が着任いたしました。

○基準審査課長 どうぞよろしくお願いいたします。

○事務局 ありがとうございます。

 報道の方の頭撮りは、ここまでとさせていただきます。

(報道関係者退室)

○事務局 それでは、毛利部会長に議事の進行をお願いしたいと思います。

○毛利部会長 毛利でございます。

 遅い時刻からの開始で効率的にやりたいと思いますので、皆様にはぜひ忌憚のない御意見をよろしくお願いいたします。

 最初に、配付資料の確認を事務局からお願いいたします。

○事務局 配付資料でございますが、まず議事次第が1枚、委員名簿が1枚、座席表、部会の資料となります資料1が1部、委員のみの配付となりますが、参考2‐1と2‐2を用意しております。また、参考資料については3と4を用意しております。

 資料については、以上でございます。何かありましたら、お気づきの際に事務局まで申し出いただきますようお願いいたします。

○毛利部会長 ありがとうございました。

 それでは、早速審議に入りたいと思います。

 まず、議題1です。「BSE対策におけるゼラチン等に係る規制の見直しについて」です。

 これは、ことしの5月に当部会で議論いたしましたが、幾つかの座長預かりになっていた部分、食品安全委員会の評価結果を踏まえた対応について、事務局より説明をお願いいたしたいと思います。

 よろしくお願いいたします。

○事務局 それでは、座長預かりになっていた部分でございますけれども、ゼラチン、コラーゲンの原材料となる牛の皮と骨をBSE発生国から輸入する範囲につきまして、5月の当部会では、転用された場合にゼラチン、コラーゲン以外の用途として転用された場合にリスクがあるのではないかという御指摘をいただきましたので、原材料として皮・骨を輸入する場合につきましては、食品安全委員会でリスク評価を受けた国に限ることとしました。更に、骨にあっては脱脂の工程を経た粉砕骨ですとかオセインというものに限るという条件をつけて、食品安全委員会に諮問したところでございます。

 では、そこの部分も含めまして、改めて資料1の説明をさせていただきたいと思います。

 1ページ目は「経緯」といたしまして、先ほど冒頭の挨拶の中でもございましたけれども、これまで世界的なBSEのリスクの減少ですとか、食品安全委員会の評価を踏まえまして、順次、BSE対策については見直しを続けてきているところでございます。

 ことし5月の部会において、ゼラチン、コラーゲンについて見直すことについて御審議いただきまして、8月27日に食品安全委員会に評価を依頼したところでございます。その諮問に対し、本年10月7日に食品安全委員会から評価結果が答申されてございます。これは参考1として答申の文書をつけてございます。この内容につきましては資料1の中でも後で説明したいと思います。

 まず、審議に入る前に、現在の我が国の規制状況について、簡単に御説明を申し上げます。

 特定部位につきましては、と畜場での除去が義務づけられておりますけれども、こちらにつきましては牛の扁桃、回腸遠位部並びに月齢が30カ月を超える牛の頭部。頭部は、舌、頬肉、扁桃を除きます。あとは脊髄になってございます。

 また、脊柱につきましては、食品衛生法で食品として使ってはならないと規定されてございますけれども、その使ってはならないというのがBSE発生国のものです。発生国であっても、食品安全委員会のリスク評価を受けた30カ月齢以下の脊柱は除くこととされております。

 食品安全委員会のリスク評価を受けた国というのは、2ページ目の※のところにありますけれども、日本、米国、カナダ、フランス、オランダ、アイルランド、ポーランドの7カ国です。これらの国の30カ月齢以下の脊柱であれば、食品として使用することができるという状況になってございます。それ以外のBSE発生国の牛由来の脊柱については、食品として使用することはできないとなっております。

 3番目としまして、その他の部位につきましては、基本的にBSE発生国の牛由来のものにつきましては、食品については輸入しないよう指導をしているという現状がございます。

 今回御審議いただくゼラチン、コラーゲンの原材料につきましては、主に牛の骨と皮になりますけれども、これは参考3としてカラー刷りの資料をつけてございますが、ここにございますように、主に骨や皮を原材料としてゼラチンがつくられます。ゼラチンというのはゼリーですとか、いわゆるハード系のヨーグルトと呼ばれるものなどに含まれてございますけれども、多様な加工食品に使われてございます。

 そのゼラチンを酵素処理で低分子化すると、コラーゲンペプチドと呼ばれておりまして、この参考3の右下のほうに粉末状のものがございますけれども、このような形でコラーゲン配合とある場合は大体コラーゲンペプチドというものでございます。また、牛の皮を原材料としたものとしましては、主にコラーゲンケーシングになります。この参考3の上の右端のほうにコラーゲンケーシングの写真がございますが、これは主にソーセージの皮になるものでございます。

 以下、この資料の中では、ゼラチンとはゼラチンに加えまして、そのゼラチンを酵素処理で低分子化したコラーゲンペプチドも含めたものを指します。コラーゲンは一般的にコラーゲンケーシングのことを言いますので、コラーゲンとはコラーゲンケーシングのことを指すと御理解いただければと思います。

 (2)といたしまして、骨を原料としたゼラチンの製造方法につきましては、またページをおめくりいただきまして3ページ目になりますけれども、その製造過程によって異常プリオンたんぱくの感染性が低減する工程が含まれるものでございます。これは参考3の下のほうにもこのような過程を経て、ゼラチンが製造されるという説明がございます。脱脂ですとか酸による脱灰、アルカリ処理、ろ過、加熱殺菌、加圧加熱といった処理がございます。この[1][5]の処理は、BSEの感染性を104.2 104.8 低下させると言われています。

 こういったアルカリ酸処理のほかに、[1]の脱脂の工程の後にオートクレーブ処理をかけると。つまり、[1]の後に[6]加圧加熱の処理をするというやり方があるとの報告もございまして、こちらにつきましては106.2 106.8 低下させるとの報告がございます。

 これらの参考文献につきましては、参考2‐1と2‐2に科学的根拠として、本日資料としてつけさせてございます。傍聴の方には資料がございませんけれども、ホームページで資料を入手できますのでダウンロードしていただければと思います。

 また、国際基準、OIEの基準でも、BSEリスクの管理された国ですとかリスク不明の国につきましても、原材料規制で頭蓋骨ですとか30カ月齢超の脊柱を使ってはいけないとした上で、さらにその製造基準をかければゼラチンに使っていいとされてございます。

 3ページ目の下の(3)の皮のところでございますけれども、基本的にその皮は、異常プリオンたんぱく質は蓄積しないということで、それはこれまでも科学的知見としてはっきりしたものでございます。ただ、頭部の皮につきましてはそのスタンニング孔から流出する中枢神経組織の汚染などが懸念されたため、日本では頭部ということでこれまでその皮も含めてSRMとされてきた経緯がございました。

 ただ、日本国内もそうですけれども、国際的にピッシングが禁止されてきてございまして、そういった汚染要因もなくなってきた。また、コラーゲンケーシングとして使われる場合にはさまざまな洗浄工程などがあって、特に表面の皮・毛も含めて複数回の洗浄が行われるという現状がございます。

 4ページ目の4番「諸外国におけるゼラチンの規制」でございますけれども、米国は原材料規制といたしまして、日本と同様の30カ月齢超の頭蓋骨、脊柱を原材料として使ってはいけないという規制があって製造基準は特にない。

EUにつきましては、日本より少々範囲は広いですけれども、12カ月齢超の頭蓋、30カ月齢超の脊柱を原材料として使ってはいけない。製造基準といたしましてはゼラチン、コラーゲンそれぞれに設定されてございます。ゼラチンの基準につきましては、ほぼOIEと同じような基準とされてございます。

 5番目といたしまして「食品健康影響評価」。

 先ほど、資料1として説明しましたけれども、参考1として答申の文書をつけてございますけれども、食品安全委員会からの答申の内容につきましては、原材料規制、製造基準の設定等の管理措置がとられることを前提として、以下1、2、3につきましては「人の健康に及ぼす悪影響の内容及び程度が明らかであるときに該当すると認められる」という答申が来てございます。

 1つ目といたしまして「牛の皮については、異常プリオンたん白質が蓄積しない部位と考えられることから、中枢神経組織による汚染が防止されている現状において、牛の頭部の皮を現行の特定部位の範囲から除外しても、人への健康影響は無視できると考えられる」。

 2つ目といたしまして「BSE発生国又は発生地域で飼養された牛の皮を原材料とするゼラチン及びコラーゲンを食用として利用することについては、(1)と同様の理由から、人への健康影響は無視できると考えられる」。

 *としまして、原材料を輸入して、国内でゼラチン及びコラーゲンを製造する場合の原材料は、食品安全委員会の評価を踏まえ、食品安全委員会の評価が終わった国ということで、以下「評価済み国」としますけれども、これで飼養された牛の皮に限るとしてございます。

 続きまして、5ページ目になりますけれども、3つ目といたしまして、BSE発生国で飼養された牛の骨、ここで30カ月齢超の牛の頭部の骨及び脊柱を除くとしておりますけれども、これを原材料として脱脂、酸による脱灰、酸もしくはアルカリ処理、ろ過及び殺菌(138℃以上4秒以上)の処理、またはこれと同等以上の異常プリオンたんぱく質の感染性の低減効果を有する処理を経て製造されるゼラチンを食用として利用することについては、人への健康影響を無視できると考えられる。

 ここにつきましても、原材料を輸入する場合について、評価済み国の牛由来のものであって、かつ脱脂の工程を経たもの(粉砕骨、オセイン)に限るとされてございます。

 6番目といたしまして「今後のゼラチン及びコラーゲンに係る骨及び皮に関する規制」といたしましては、参考としてつけております、参考3の裏面で簡単に図として示してございます。脊柱以外の骨につきましては報告事項になりますけれども、我が国のSRMとしている30カ月齢超の牛の頭部の骨及び脊柱については、引き続きゼラチンの原料として使用してはならない。一方で骨につきましては、この後申し上げる製造基準を満たすものについて、ゼラチンの原料としての使用を認める。

 その製造基準につきましては、一般的なゼラチンを製造する際に経る工程になりますけれども「脱脂、酸による脱灰、酸若しくはアルカリ処理、ろ過及び殺菌(138℃以上4秒以上)又はこれと同等以上の処理」ということを製造基準としたいと考えてございます。

 脊柱につきまして、これは諮問事項になりますけれども、基本的に今30カ月齢以下であって、リスク評価を受けた国のものしか使えないことになっておりますが、この一般的なゼラチンの製造工程に匹敵するような処理を経たものについてはそれを製造基準として、これを満たすものについてはゼラチンの原料として使用を認めることとするとしたいと考えてございます。

 6ページ目の(ウ)になりますけれども「頭部及び頭部以外の皮について」。

 これは、報告事項になりますけれども、頭部の皮につきまして、これは皮全体としてコラーゲンケーシングの原材料となる可能性がございますので、念のためにSRMの範囲から除外しておくこととしてございます。

BSE発生国の牛の皮についても、異常プリオンたんばく質の蓄積がございませんので、ゼラチン、コラーゲンの原材料として使用することを認めることとする。

 皮につきましては「製造基準」ですけれども、皮にはそもそも異常プリオンたんぱく質の蓄積がございませんので、皮については製造基準を設定しないとしてございます。

 (エ)といたしまして「国境措置(報告事項)」になりますけれども、牛の皮に由来するゼラチン、コラーゲンの製品につきましては、上記(ウ)に異常プリオンたんぱく質の蓄積がないと書いてございますが、こういったことも踏まえて、BSE発生国または発生地域からの輸入を認めることとするということにしてございます。

 牛の骨に由来するゼラチンにつきましては、上記(ア)とありますけれども、こうしたゼラチンを製造する際の脱脂とか酸、アルカリ処理、ろ過、殺菌といった製造基準を満たしていれば、BSE発生国または発生地域からの輸入を認めることとするとしてございます。

 7ページになりますけれども「原材料としての皮及び骨」につきましては、皮については評価済み国であって、国内の施設においてゼラチン及びコラーゲンに加工されることを条件として輸入を認める。また、骨につきましては日本でもSRMとしている30カ月齢超の牛の頭部の骨と脊柱を除いた牛の骨であって、かつ、その評価済み国で飼養されたもの、さらにその脱脂の工程を経た粉砕骨、オセインといったものに限って、さらに国内の施設において、上記(ア)[2][3]アルカリ処理ですとか高温殺菌といった製造基準を満たした上でゼラチンに加工されることを条件として、輸入を認めることとしたいと考えてございます。

 資料の説明は以上になります。

○毛利部会長 どうもありがとうございました。

 今、説明のあった件について、御意見・御質問等がありましたらお願いいたします。

 このなかで、5ページの「脊柱について」は諮問事項となっていますけれども、これは食品安全委員会に諮問したという意味ですか、それともここで検討しろという意味でしょうか。

○事務局 脊柱につきましては、食品衛生法の規格基準で定められておりますので、その規格基準を改正する際はこの部会の意見を聞いて、改正しないといけないということですので、脊柱についてはこの部会で議論いただきたいと思います。

○毛利部会長 分かりました。

 これは、非常に短い項目で、ほかのものと重なり合ったりもしくは関連がありますので、一応全体の報告事項を踏まえて了承していただけることで、この諮問事項も了承されたという手法をとりたいと思います。

○事務局 そのような形でよろしくお願いします。

○毛利部会長 それでは、委員の先生方、何か。

 どうぞ。

○山本委員 皮のことで少し聞きたいのですけれども、3の(3)のところにゼラチン、コラーゲンの製造ということが書いてありますが、○の2つ目では「硫化ナトリウム及び石灰の混合により毛が除去される工程を経ることから」と書いてあるのです。これを経ていない状況の皮を使ってゼラチン、コラーゲンをつくった場合においては、輸入は認められないということになりますか。

○毛利部会長 いかがでしょうか。

 毛のついた皮で、ゼラチンをつくるかどうかという話だと思います。

○事務局 参考3の上のほうの写真で、その原料の皮というものがございまして、この写真に写っている人が手にしているものがコラーゲンケーシングの原材料となるのですけれども、これを御覧いただくとお分かりになりますように、もう既に白くて表面の毛の部分とかが取り除かれた、上のほうに皮の断面図も示してございますが、その表面の毛の部分とかが既に除去された真皮の部分がコラーゲンケーシングになる。

 基本的には、もうそのような形しかない。

○山本委員 日本に輸入されてくる皮は、恐らくそんな皮が輸入されてくることになると思うのですけれども、海外でEUは製造基準がこういうふうになっていますから、そのようにやられると思うのですが、それ以外の国でそういうことがやられないかどうかというのは、例えば、輸入されるときに確認するとかそんなことはあるのでしょうか。

○毛利部会長 輸入の際のリスク管理措置の御質問だと思います。

○輸入食品安全対策室長 まず、皮の輸入については、この参考3にありますけれども、この原皮という形で基本的には輸入されますので、この写真の方が持っているような形ではなくて、原皮で輸入をされて、国内の皮革業者で真皮の部分だけ取り出してやるという形になります。

 仮に、この皮を原材料とした製品の輸入があったとしますと、輸入時に輸入届出書というのが必ず提出されますので、その中で製品の製造工程が細かく記載をされますから、そこでどういう工程でつくられたかが確認をできるということで考えております。

○毛利部会長 山本委員、よろしいですか。

○山本委員 それで、確認していただけるといいのですけれども、その場合に製造基準の制定はしていないけれども、その確認が2国間で問題にならないでしょうか、大丈夫ですか。

○輸入食品安全対策室長 特に、別に製造基準が定められていないからといって、こういった工程を経ているかどうかと確認することは可能だと思っております。

○山本委員 例えば、確認してやっていなかった場合に、輸入を制限することができるのでしょうかという質問なのです。

○輸入食品安全対策室長 この参考3のコラーゲンケーシングの製造工程は一般的に、世界的にこういう形でつくられていると聞いていますので、仮に山本先生がおっしゃるような方法があったとすると、それがコラーゲンケーシングなのかどうかという話にはなろうかと思いますけれども、その辺はまた業界とか、そういったところの状況も踏まえて、管理措置をする必要があるのかどうかということを検討したいと思います。

○毛利部会長 どうぞ。

○山本委員 基本的には、そういうふうにしっかり管理していただければいいと思うのですけれども、抜け落ちることがないような形でやっていただければと。そこだけが懸念されるところだったのでしっかりやっていただければ、別に私としては納得するというところです。

○毛利部会長 ありがとうございました。

 そのほかに、ございませんでしょうか。

 どうぞ。

○工藤委員 もう既に御質問された方もいらっしゃるのかと思いますが、こういうゼラチン、コラーゲンの最終製品を、原材料を輸入して日本国内でつくっている実績といいますか、比率といいますか、その辺りが分かりましたら教えていただきたいのです。

○輸入食品安全対策室長 つまり、原材料を輸入してつくる比率ということですか。

 基本的に、牛についてだけ申し上げますと、国内の牛の皮とか骨を使ってゼラチンとかコラーゲンはつくられていないと聞いておりますので、全てそういった原材料は輸入をされるということになると思いますが、現時点ではBSEの発生をしていない国、例えば、インドとかオーストラリアから輸入をしてつくっているというのが現状でございますが、ゼラチン、コラーゲンは別に牛の骨、皮のみではありませんので、基本的に多くは豚の皮であるとか鳥の骨といったものからもつくられていますので、牛について言えば、今回規制を変えることによって、そういった選択肢が広がるということが考えられると思っております。

○毛利部会長 どうぞ。

○工藤委員 そうしますと、現在は最終製品としてのコラーゲンなどは海外から輸入しているというわけですね。

○輸入食品安全対策室長 未発生国からは、最終製品も輸入していると思いますけれども、未発生国から骨とか皮を輸入して、国内でそれを原料に製品をつくっているという状況でございます。

○工藤委員 分かりました。

○毛利部会長 追加の質問なのですけれども、この参考3の下の図で言いますと、食肉処理場からのラインがあって日本でもつくられているような感じですが、実際に輸入されている部分はもとの骨でしょうか、それとも中間の製品ですか。

○輸入食品安全対策室長 基本的には中間の製品で、ここで言われるところの粉砕骨であるといった形で輸入をされている。

○毛利部会長 実際の骨のままとか、皮のままでは今のところ輸入はされていないということですか。

 皮は輸入されているのですか。

○輸入食品安全対策室長 皮は、もちろん原皮という形では輸入をされておりますけれども、骨の場合は多分脱脂をすると重量的にも非常に軽くなりますので、大体輸入は重量で関税とかがかかってきますから、軽くすればするほど輸入がしやすいということですので、例えば未発生国のインドとかからは結構輸入がされておりますが、大体粉砕骨の状態でビニールバッグ50kgという形に入って、輸入をされているというのが状況でございます。

○毛利部会長 ありがとうございます。

 食品安全委員会で安全であると認められてはいるのですけれども、その条件がリスク管理措置ができているという、最初に山本委員が御発言されたようにそこのところだと思います。委員の先生方でリスク管理措置についての御質問はありますでしょうか。

 どんなことでも構いません、ざっくばらんに、念のために聞いておこうということがございましたら。堀内委員、どうぞ。

○堀内委員 今のお話とは全く違うのですけれども、先ほど日本でとられる牛の皮からゼラチンはつくられていないという話をされていましたでしょうか、それをまず確認したいのです。

○事務局 日本国内の牛の皮からのコラーゲンケーシングですとか、ゼラチンはつくられていると聞いていますけれども、量の点で十分な量を確保できないので、骨からのゼラチンはつくられていない。日本産の牛の骨からゼラチンはつくられていないと業界の方から聞いています。

○堀内委員 分かりました。

 何をお聞きしたかったかというと、食品安全委員会からの健康影響評価のところで、牛の皮は異常型プリオンたんぱくがないということと、中枢神経組織による汚染の防止策がとられている。防止策がとられているとはっきり理解しているのは日本のことなのかなと思っているのですけれども、仮に輸入された牛の皮からを原材料とする場合に、言ってみれば輸出の国で中枢神経系の汚染防止策というのが、どういうふうにとられているのかということが確認とか検証はされているのでしょうか。

○毛利部会長 いかがでしょうか。

○事務局 今回、主に議論の対象となっているのはBSE発生国ということで、EUですとかアメリカ、カナダが中心になるのですけれども、これらの国におきましてはそのEU規則ですとかそれぞれの国の規則によって、例えばピッシングは少なくとも禁止されているという状況にございますので、その汚染が少なくなるような現状にあると言えるかとは考えております。

○堀内委員 ありがとうございます。

 あと、もう一点教えてください。

 6ページの「国境措置(報告事項)」のところなのですけれども、1つ目の○が牛の皮に由来するもの、2つ目の○が牛の骨に由来するものという形で書かれているのですが、現在の輸入形態としてはこういう2つのものがメインであると。

 変な聞き方ですけれども、混ざりものというのは考えなくて、この皮が原料、骨が原料というふうにクリアに分かれてきて、国境措置で対応できると理解してよろしいのでしょうか。

 混ざりものというものがあるのかどうかをお聞きしたかったのです。混ざりものというのは原料が骨、皮の全てがごちゃ混ぜになっているというものなのです。

○事務局 業界の方からいろいろ話をお聞きしますと、品質管理の観点から原材料が何であるかということが非常に重要であると聞いていますので、恐らく皮とか骨由来のものが混ざったようなものはあまりないのではないかと想像はしております。

 ただ、いずれにしましても、輸入届で原材料が何であるかということの確認は可能ですので、骨であればきっちり製造基準は確認していくことになろうかと思います。

○毛利部会長 輸入届の際に、これは今後確認できるということですね、分かりました。

 ほかに、ございませんでしょうか。

 なければ、5ページの脊柱についての諮問事項で、要するに30カ月齢以下のものについては脊柱も輸入できる。ただし、条件としてはきちんとしたゼラチン製造工程を経るということです。それは上記(ア)[2]の「製造基準」を満たすものというところですけれども、これについて何か御意見はありますでしょうか。

 なければ、この製造基準を満たすことを条件として、ゼラチンの原料として脊柱の輸入も認めるということでよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○毛利部会長 そうすると、この諮問事項については了承されたということで、ほかに全体的な御意見はございませんでしょうか。

 これは、実際は5月にかなり皆様から御意見をいただいて、そこのところをまとめて一部修正して、食品安全委員会に諮問したという経緯だろうと思うのです。

 どうぞ、山本委員。

○山本委員 現在、未発生国というところからは自由に入るのですけれども、そこで発生した場合にはこれまではとめているという経緯があって、そのときの輸入の措置でしょうから、どの程度の評価をしながら開けていくのかということについては、少し検討する必要があるのかなと思いますので、また事務局でよく検討していただければなと思っております。

 もう一点は、BSEの関係ではこれでいいのだと思います。しかし、輸入のときにほかの観点からの変な皮が入ってくるとか、変な骨が入ってくるということのないように、つまりBSE以外のものに関係しているような、例えば皮ですと一旦牛革として使われている部分が型抜きされた後、残った部分をどろどろに溶かしてまたゼラチンをつくるとか、そんなことがないのかとか、ほかの衛生上の問題をしっかりと確認した上で管理していただければと思います。

○毛利部会長 貴重な御意見です。こういった管理のシステムというのはもし機会があれば、ぜひ委員の先生方の目に触れるようなところで見せていただければと思います。

 機会があれば、次回にでも説明していただくということが一番いいのかなと思います。

 そのほかに、ございませんでしょうか。

 ほかに、御意見がないようでしたら、部会としてこれで了承ということにさせていただいてよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○毛利部会長 それでは、今後のこれ以降の手続について、事務局から御説明をお願いいたします。

○事務局 今後の手続につきましては、パブリックコメント、WTO/SPS通報など所要の手続を行う予定としております。

○毛利部会長 ありがとうございます。

 よろしくお願いいたします。

 それでは、議題1が終わりまして議題2の「その他」ですけれども、事務局から何かございますでしょうか。

○事務局 報告事項が1点ございます。

 参考4でございます。

 これは、オランダともう一つはフランスへ現地調査に行っておりますので、その報告でございます。

 オランダもフランスも平成25年2月に牛肉の輸入が再開されて、今回、再開後の現地調査は初めてになります。オランダが平成26年5月11日から1週間、フランスが6月15日からの1週間、それぞれ3施設見てございます。

 オランダの現地調査報告を見ていただきますと、まず「2 調査結果」(1)とありまして「生体受入及び月齢確認」。

 オランダもフランスもEUですので、基本的にはEUのトレーサビリティ制度、パスポートとか耳標に基づいて行っているのですけれども、そういった管理が適切になされていたというものでございます。

 (2)「生体検査」も当局によって、一頭一頭しっかり確認がとられているというものです。それから(3)「BSE検査」。

 (4)「SRMの除去」は、扁桃と腸の適切な除去が行われているかどうかというのを割としっかり見るポイントではあるのですけれども、こういうものが適切に除去を行われていたというものでございます。

 扁桃について、特に舌扁桃の除去の仕方で、EUは割と舌を長目に切るのですけれども、日本はEUよりもかなり短目に舌を切るやり方にしています。これの輸入が再開された直後は、オランダもフランスもEUの長いままで持ってきていたことが何回かありまして、日本式の短いやり方でやってくださいというのをこれまでもお願いしています。今回もそれを改めてしっかりしてくださいねというのをお願いしているものでございます。

 (5)「分別管理」。

 オランダの場合、12カ月以下の子牛に限定しています。フランスとかポーランドは30カ月までいいことにしているのですけれども、オランダ側の都合でオランダは日本との取り決めの中で12カ月以下としておりますので、その子牛のみを処理していたというものです。屠殺から出荷までしっかり分別管理がされていたというものです。

 次のページに行きまして(6)「製品の保管・出荷」、(7)「書類及び記録の確認」、(8)「政府による監督体制」といったものもしっかりできているというものでございます。

 (9)「指摘事項」が1点ございまして、これは対日輸出プログラム上の違反というわけではないのですけれども、過去に、ある施設で箱の表示と中身が違っているものがあったということで、その施設ではそういうことは今後なくしていこうということで、その箱の表示と中身がちゃんと同じものかどうか、その施設の中で品質管理の担当を決めてしっかり箱と中身の確認をしているという事例があったのですけれども、良いことなのです。

 そういう良いことだったのですけれども、それがその施設の手順書に反映されていませんでしたので、それを続けるのであれば、手順書にも反映してくださいという指摘を1点行っております。

 最後に3番の「総括」ですけれども「特段問題は認められず、引き続き、対日輸出プログラムの順守徹底を求めた」というものでございます。

 次の3ページは、フランスなのですけれども、基本的にはEUですのでオランダと同じような管理を行っています。フランスはオランダと違って12カ月ではなくて、30カ月以下の牛を処理するというものでございます。

 今度は4ページです。

 3番「総括」として、特に問題は認められず、引き続き、対日輸出プログラムの遵守徹底を求めたというものですけれども、その次の5ページに、その後にフランスの舌の長いのが入ってきたという事例がございました。この事例の施設は今回初めて舌を日本に持ってきた施設なのですが、フランス政府として以前、日本向けの舌ではないEUの長い舌を持ってきたときに各施設へ周知をしているのですけれども、その周知が行き届かなかったというおそれがあるということで、フランス側もこの施設だけでなくて、舌の輸出実績が今までないところは全てこれで止めました。今もそれは止めているのですけれども、そういう措置を1点行っている事例があるというご報告です。

 報告としては、以上でございます。

○毛利部会長 ありがとうございました。

 何か、御質問はございませんでしょうか。

 少し教えてください。舌を短くするというのは舌扁桃が混じらないようにするという意味でしょうか。

○事務局 そうですね。

EUでの切り方よりも、比較的日本は、舌扁桃がより混じらないように短く切るのですけれども、EU域内では長いままで普通に流通可能ということにはなってございます。

○毛利部会長 ありがとうございます。

 そのほかに、ありませんでしょうか。

 どうぞ。

○堀内委員 オランダが12カ月という理由が、オランダ側の事情だというお話だったのですけれども、どういうことか教えていただけませんか。

○事務局 もともと日本に輸出するニーズなどが子牛肉しかないということで、12カ月で十分ですという趣旨でございます。

○毛利部会長 ありがとうございます。

 それでは、議題2の「その他」でありますでしょうか。

 「その他」はこれだけでよろしいですか。

○事務局 特にございません。

○毛利部会長 委員から、ほかに議題はありませんか。

 それでは、次の予定について、事務局より御説明をお願いいたします。

○事務局 次回の本部会の日程については、御審議いただく項目がまとまり次第、改めて調整させていただきますので、よろしくお願いいたします。

○毛利部会長 よろしくお願いいたします。

 それでは、以上をもちまして、本日の部会を終了したいと思います。

 大変遅い時間からのスタートでしたが皆様お疲れ様でした。

 どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬食品局食品安全部 基準審査課 仲川(内線:2488)
           監視安全課 小西(内線:2455)
電話: 03(5253)1111

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