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2014年10月3日 第55回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会議事録について

職業安定局 派遣・有期労働対策部 企画課 若年者雇用対策室

○日時

平成26年10月3日(金)15:00〜17:00


○場所

厚生労働省 職業安定局 第1・第2会議室(中央合同庁舎第5号館12階)


○議事

○阿部部会長 それでは定刻となりましたので、ただいまから第 55 回雇用対策基本問題部会を開催します。

 本日の委員の出席状況を報告させていただきます。公益代表の欠席は鎌田委員、玄田委員、森戸委員です。猪熊委員につきましては、遅れて参加の御予定と伺っています。使用者代表の欠席は川上委員、深澤委員です。本日は新卒者等に対する就職支援に関連のある省庁として、文部科学省に御出席をいただいております。なお、生田職業安定局長は急な公務が入られたため、遅れての出席となると聞いております。

 若年者雇用対策については、前回より議論を開始したところですが、本日は有識者の方々からのヒアリングを行いたいと思います。まず新卒者等に対する就職支援について、学校の現場での取組をお話しいただきたいと思っています。高校における就職支援について、埼玉県立浦和商業高等学校進路指導主事の福本剛史様より、大学における就職支援について、立教大学総長の吉岡知哉様よりお話をいただきます。また、立教大学からは、キャリアセンター事務部長の山下恭弘様にもお越しいただいております。質疑応答はお二人のお話が終わった後にまとめて時間を設けたいと思います。

 その後、本日入替えで独立行政法人労働政策研究・研修機構特任フェローの小杉礼子様より、今般おまとめになった報告書「若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状」の内容等について御紹介いただき、質疑応答を行う予定にしております。その後、ヒアリングの内容も踏まえつつ、前回に続いて若年者雇用対策についての全般的な御議論をいただく予定にしております。

 それでは議事に入ります。最初に、埼玉県立浦和商業高等学校進路指導主事の福本様より、高校における就職支援の現状と課題についてお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○福本様 埼玉県立浦和商業高等学校の福本です。よろしくお願いいたします。私から、高等学校の現状ということでお話をさせていただければと思います。大きく今回 2 点、浦和商業高校の今年度の就職状況等についてお話しさせていただきます。その後、私は埼玉県高等学校進路指導研究会の事務局長や全国の委員などもしておりますので、その辺の分かり得る限りの情報のお話をさせていただければと考えています。よろしくお願いいたします。

 まず、今年度の本校における就職状況につきまして御説明いたします。高校生の場合、ハローワークで受理をされた各企業の求人票を学校でお預りし、生徒に職業紹介をしております。求人票の受理件数は、 7 月、 8 月にまとめたところによりますと、前年度、本校では 585 件受け付けまして、生徒に紹介をしました。その内容は、実際に会社の方にお持ちいただいたものが 48 件、郵送で頂いたものが 249 件、 Web からダウンロートしたものが 288 件でした。 Web とは、厚生労働省が運営している「高卒就職情報 WEB 提供サービス」のことでして、これは、各学校が事前にいただいている利用 ID ・パスワードを入力することにより利用できるサイトで、幅広く高校で求人閲覧が可という企業につきましては、こちらのページから求人票を検索、閲覧することができます。

 今年度の求人票の受付については7月,8月 674 件で、実際に来校をいただいたのが 92 件、郵送いただいたのが 528 件でした。 Web からダウンロードしたものは、今回は 54 件でした。受付総数は前年とほぼ変わりないですが、実際に来校、若しくは郵送ということで、直接本校にということでお声掛けいただいた求人が倍増している状況でした。

 資料の次に職種別を書きました。本校は商業ということで、事務希望の生徒が多いということもあり、事務系求人の来校者は前年度に比べて 16 件増、郵送が 42 件増でした。販売系求人の来校は 7 件、郵送は 71 件増、サービス関係が来校 4 件の郵便が 52 件増、生産系についても 5 件並びに 34 件の増と全て増加しております。

 高校生の場合、 9 16 日から採用試験に取り組んでおります。 9 16 日以降、最初に 1 社目を受験した会社の合格状況をまとめてみました。平成 19 年から、今年度 9 30 日正午までをまとめました。リーマンショック以前については本校においておおむね 75.6 %、 79.1 %と、 80 %弱の生徒が最初に受験した会社で合格をしている状況でした。リーマンショック以降については、前年度までほぼ 65 %、 66 %という形で推移をしておりました。 23 年の 58.2 %というのは、ちょうど東日本大震災の次の年度で、その年が一番厳しい状況の中で、最初の会社の受験で合格した者は 58.2 %でした。

 今年度においては景気の回復等も影響し、本校でも特に就職指導に力を入れた結果 83.7 %の合格率でした。具体的には、総合実践という授業の中での取り組みがあります。これは、実社会に通じる科目で、ビジネスマナー等についても積極的に指導しています。企業が求める人材により近付けた教育を行っています。これは就職のみならず、上級学校に進学する生徒についても将来社会に出ていく中で必要となる知識です。そういった教育を推進していくことにより、当たり前のことなのですが、時間を守ること、挨拶をすること、メモを取ること、仕事に対する心構え等を特に注意して授業を行っております。

 また、我々商業高校には全国商業高等学校協会という組織がありまして、各種検定試験を行っております。今までは簿記ですとか、情報処理、ワープロといった技術系、知識を磨くような検定が主だったのですが、数年前からビジネスコミュニケーション検定という実際にビジネスマナー、面接試験等も行う検定試験が行われるようになりました。こちらについてもテキストを本校では3年生の生徒全員に購入し、マナー教育等を行ってまいりました。そうした成果がありまして、今年度については 83.7 %の生徒が 1 社目で内定を得ています。

 昨日まででは、 1 社目で合格した者が 113 人まで増えております。残念な結果の生徒も出ているのですが、その生徒たちも 2 社目の応募を行っております。現在2社目で、 5 名の生徒が内定をいただき、合計 118 名の生徒が就職内定を得ております。

 次に未就職者に対しての指導ですが、本校は商業の伝統校ということもあり、お陰様でいろいろな会社から求人票を頂いております。そういうことで未就職者はここ数年おりません。県全体として、埼玉労働局が行っている取り組みとして数年前から「未就職者ゼロ作戦」というものがあります。これは、個人情報の問題等もありましたが、本人・保護者の了解・確認の上、ハローワークに高卒未就職者の登録を行うことによって、卒業後につきましても、引き続きジョブサポーターから支援をしていただき、早い時期に未就職者についてはゼロにしていこうという取り組みです。

 「商業科と普通科の相違点」ですが、商業科は教科の中で、職業観・勤労観の育成が密接に行われているのが 1 つの違いです。学習指導要領の中に、商業科においてはビジネス基礎という科目があります。これは教科のガイダンス科目と位置付けられておりまして、将来職業に就くために必要な知識などについても教科指導の中で行っています。このようなキャリア教育につきましても教科指導の一環として、積極的に行っております。

2 枚目ですが、先ほど「総合実践」の話をさせていただきましたが、ビジネスコミュニケーション検定というものが実際に行われるようになり、マナー学習、特に高校から就職する者のみならず、全員の生徒たちにキャリア学習を行い、目的意識を向上させるという意味で教育を行っています。

また、全国商業高等学校協会では 10 年以上前から実際に企業へ採用のお願いをしたり、商業教育を幅広く知ってもらおうということで、リーフレットを作成して、各会社に配布しております。

次に「指導に望む就職情報」についてです。本日この後お話がある、労働政策研究・研修機構のほうで、以前キャリアマトリックスという Web サイトが運営されていました。これは実際に職業調べができたり、簡単な職業適性検査ができたり、民間的なものが入らない公的なサイトがありまして、各学校でも職業調べ、意識形成で幅広く活用されておりました。こちらが先般の事業仕分けにより廃止になっておりまして、各学校ではどういったものを使えばいいのかということを模索しながら行っているのが現状です。

 同じく労働政策研究・研修機構の編集で、厚生労働省から、就職スタートブックも高校には配布していただいていました。こちらも活用しまして、生徒に早い時期から意識形成等を行っておりました。これも仕分けによりなくなってしまいましたので、こういったものにつきましては、是非復活していただきたいという意見は、次ページの、「全国の意見のまとめ」の資料にあるように、毎年、全国の各高校から要望として挙げられている事項の 1 つです。

これは高校生に対しては高校生のスタートブックの他にも、高校卒業以降の人 ( 専門生・大学生 ) についての、就職サポートブック、それぞれの指導者に関しての、就職ガイドブックという 3 部セットで構成されていて、それぞれの若年者に対する支援ツールが以前はあったということを御説明させていただきます。

 資料のその次に書かせていただきましたが、実際、我々が生徒に紹介活動をしていく中で、以前からお付き合いがある会社につきましては、いろいろな会社の情報等を持っております。先ほど挙げました、 Web サイト等、新規の会社についての情報等はインターネットで調べる等しかございません。そうしますと実際入社後に労働条件その他について、求人票の記載と大きく異なることなどから、残念ながら離職をしてしまう卒業生も実際おります。そういうことで、我々進路担当の中でよく上がる意見として、難しい部分はあるかもしれませんが、情報等について、ハローワーク等を通しての提供、若しくは度重なる指導に対して是正が行われない会社につきましては、情報公開等、法整備等についても御検討いただければ有り難いと思います。

 「高校からの要望等」を書かせていただきました。埼玉県では、教育局並びに労働局、我々現場の学校教員の進路指導研究会が連携をとっております。県によっては進路指導協議会といっております。本県では、現場サイドと教育局、労働局との情報交換を継続的に行っておりまして、今年夏には、 11 回目となる合同企業説明会という会を実施させていただきました。当初は 700 800 名の参加でしたが、今回は約 2,500 名の生徒が参加する有意義な会として実施されました。こちらも、現場のサイドの意見を大きく取り入れていただいている部分が影響していると思われます。他県の事務局等をされている先生方の中には、実際に教育局並びに県の労働サイド、労働局等、現場の意見が直接反映されていないという意見も聞かれます。この後挙げますが、来年度は大学等が 8 月以降の受験になってくる関係で、専門生、大学の関係者等と情報交換をする現場サイドの会が各県ごとにあればいいなというようなお話もあります。現在、就職問題検討会議というものもあるのですが、これは地域ごとの就職慣行のいろいろなルールを決めることを目的に行っています。実際の具体的な作業を行う、現場サイドの情報交換の会議が行われればいいなという話はよく我々のサイドで要望として出ています。

 最後に書かせていただきましたが、来年度から 8 1 日から、大学生等について試験が後ろ倒しになるということなので、我々高校側から会社側にお伺いしますと、採用担当者数名で大卒生、高卒生の採用を行っている会社については、どうしていいか分からないというのが、実際のお話として伺っています。ですので、こちらにつきましても、若年者を幅広く、混乱なく就職が決定していくような形を今後うまく作っていくことを願っています。

 時間が大分過ぎてしまいましたが、次ページ以降は、前年度、平成 25 年度の全国のまとめになります。お時間があるときお目を通していただければと思います。こちらの資料は、 2 月に厚生労働省で各都道府県の進路指導担当者が 1 名ずつ出席しての会議を行っていただいておりまして、その際に、全高進のほうでまとめている資料です。各県から各ブロックに上げて、それを全国でまとめる形になっております。平成 26 年度につきましては 2 月にまとまる予定ですので、また機会がありましたら御覧いただけるようにしたいと思います。以上でございます。


○阿部部会長 ありがとうございました。続きまして、立教大学総長の吉岡様より、大学における就職支援の現状と課題について、よろしくお願いします。


○吉岡様
( 立教大学総長 )  吉岡です、よろしくお願いいたします。お手元にパワーポイントのハードコピーがございますが、量が多いため、まず全体の概略をご説明し、細かい点は質疑応答の中でお答えします。私は大学等の連絡会である「就職問題懇談会」のメンバーでもありますので、大学全体の就職に関する問題にも触れさせていただきます。

 大学の実情は 4 年制か短大か、また学生数、都会にあるか地方にあるか等々で、実は非常に大きな差があり、キャリア教育に関しても非常に大きな違いがあります。立教大学は池袋と新座にキャンパスがある都会型大学です。ちょうど今年は創立 140 周年にあたり、伝統校と言っていいでしょう。学生数は 2 万人、その半数が女子学生です。また、 10 学部のうち理系は理学部のみで、小規模なので、文系学部が強い大学だと言えます。このような特質がある大学だということを、念頭に置いていただければと思います。

2 ページ目は「大学を取り巻く状況の変化」です。これは既に皆さん御存じのとおりですが、近年大学進学率が上昇しており、それに伴って大学生の質が変化しています。これに関連してキャリア教育が義務化され、教育課程の全体が変容しています。

3 ページ目は、大学進学率の変化です。ちょうど最後の部分が 50 %で、 18 歳人口の半数が大学に進学している状況です。

4 ページ目をご覧ください。 2012 4 月にキャリア教育が義務化されました。雇用情勢が、今年は随分改善されているのですが、数年前からは悪化傾向が続いてきました。大学全入時代と言われる時代になり、大学にはいろいろな学生が入学してくるようになりました。このような状況にあって「社会的・職業的自立に関する指導等」、いわゆるキャリアガイダンスが義務化されるに至りました。これも立地条件等も含め、大学の実情により課題は様々です。

5 ページは、大学に対する社会からの期待の変化です。「社会人基礎力」ということがしきりに言われるようになりました。それと連動して、大学の授業、学修の在り方も「知識積み上げ型学修」から、「課題達成型学修」への変化が言われるようになりました。ただ、課題達成型学修に関連するもうひとつの重要な問題として、いかに課題を立てるかという問題発見能力とか、あるいは問題を課題に整理していく能力が、次のステップに至る基礎として必要であると私たちは考えています。

 それから、 Input に偏っているということから、 Output の重視が言われています。しかしこれについても、例えば、プレゼンの重要性ばかりが強調されますが、それではそのプレゼンに内容がしっかり伴っているのかという問題は、大学教育の現場では重大な問題であると考えています。知識を受容し、蓄積していく力、それは先ほど申し上げた問題発見能力等々結び付いています。その部分が衰えているのではないか、内容が不足しているのではないかという指摘が、大学内部でもしばしば議論されるところです。

 それから、社会のグローバル化進行に伴い、グローバル化対応が喫緊の課題として存在します。ただ、この場合もそこで言われている「グローバル人材」というものが何であるのかということについては、様々な議論があり、必ずしも統一的な見解があって議論が進んでいるのではないというのが現状だと思います。

6 ページ目です。大きな流れとして、昔の就職部が行ってきたいわゆる「就職支援」から、「キャリア支援」、あるいは「キャリア形成」が、中心的な課題として大学教育の中に位置付けられていくことになりました。ハウツー型の就職支援は本質ではなく、「キャリア教育」、これは人生をどう設計するかというようなことにまで結び付くような大きなテーマであります。大学によってキャリア教育をどう捉えているかは、かなりまちまちと言っていいでしょう。しかし、少なくとも自分で将来の進路を決定していく力を育てていくことが「キャリア教育」の本質であろうと考えています。

7 ページ目では、「立教大学の支援の概要」についてお話させていただきます。基本的な姿勢として、学生が社会的及び職業的に自立した個人として、自分らしい人生の在り方を追求できるように支援する。そして、学生が一生を通じて自らの資質を向上させ、教養をもって社会に貢献できる人となるよう支援する。これはキャリアセンターのモットーといいますか、支援に対する考え方の基本方針です。

 次のページに本学の様々なキャリア支援プログラムを挙げてあります。新入生のオリエンテーションから始まって、様々なガイダンス、キャリアデザイン講演会、インターンシップ、スタディツアー、学内 OB OG 訪問会などが行われます。これらのほかにも多様な企画をキャリアセンターが中心になって提供しています。

9 ページ目が「就職支援の 3 本柱」です。ひとつめが就職ガイダンス。これは当該学年を対象に 2 段階、 10 月と 1 月に行っています。ふたつめが、ステップアップ講座。これは有料講座も含め、そこにあるように様々な講座を展開しています。そして、学生に対するキャリアセンターの一番直接的な対応が個人相談です。学生一人ひとりに丁寧に対応することを重んじ、相談件数は年間 1 万件を超えています。これは 4 3 年生に限らず、 1 年生から個人相談を行っています。

 次の 10 ページは支援の概要です。概念図、プログラムマップなどを御覧ください。相手を知ることと自分を知るというふたつの軸で、立教が行っている就職支援の様々なプログラムの位置付けを示しています。考え方等も含めて御覧いただければと思います。

 次の 11 ページは「重みを増す正課教育との連携」です。キャリア教育の重要性が言われるようになってから、キャリアセンターが中心になって提供する支援と、正課で行っている教育課程のリンケイジをどうするかが課題になっています。これは授業も含めてです。またそれと関連していますが、学部ごとの専門性がありますので、本学ではキャリアサポーターを学部ごとに配置し、学部による特色あるキャリア教育の支援を行える体制をとっています。全学生を対象とした就職支援部局、キャリアセンターだけでは限界があるからです。学生は勉強と就職を切り離すことなく、 4 年間で人格的成長を遂げていく、基本的にはそのように考えています。

 特に導入期が大切です。これはキャリア教育だけではありません。本学の場合でも 1 年に入ってきた学生の中には、本学が第 1 志望ではない学生が大勢おります。そのような学生に立教大学で勉強すること、ここで学生生活を送ることが素晴らしいことなのだということを自覚させる、そういう着地の重要性をわれわれは考えています。自分の場所として立教大学を受け入れ、そこで次のステップへ進む。これがうまく行くと勉学も、その後のキャリア発達もうまく進展しますし、就職へも順調に進んでいきます。やはり導入期、最初の 1 年次の 1 学期が非常に重要であると思っています。

 次の 12 ページが「学生の意識と動向」、 3 年次後半から 4 年次前半のスケジュールです。 3 年次の夏にインターンシップがあり、そのあと自己分析や業界研究等々があり、 3 月から「採用広報」が開始される。図の上の部分では、面接やグループディスカッション講座が始まることを指しています。「帰国」という表示は留学していた学生たちの帰国時期を指しています。その後に夏休みがあり、 8 月に「選考開始」になり、内定に至るタイムマップを表しています。

13 ページは、就職活動とは何かということを表現しています。自らを振り返り「どんな考え方や能力・特性」を持っているか、将来どのような「生き方や働き方」をしたいのかを考える。それを「自分の言葉で」相手に伝える、自分の姿というものを相手にイメージしてもらうようにする。そういう意味では、就職も含めたキャリア発達のプロセスは、広い意味での知的訓練の機会、非常に重要な機会であると考えています。

 次の 14 ページは「学生の意識と動向」。学生の意識と企業が求めているところでいろいろなギャップがあります。学生が大事だと思っていることと企業が学生に求めることは、必ずしもぴたりと合うわけではありません。例えば学生の自己分析という作業、過度な自己分析によって、むしろ自分はこういう人間であって、こういう仕事しかできない、これが私の仕事だと思い込んでしまう傾向もないわけではありません。それをいわゆるコミュニケーションの力として、可能性を開いてやることが大事であると思います。

15 ページは「 2015 年度採用の現状」。 6 月現在ですが、数値的にはまだどの大学もつかめていないと思いますが、明らかに改善傾向にあります。立教の場合は 6 月調査で、内々定保有者数の比率は前年同時期比で 4.6 ポイント上がりました。

 次のページは「企業の動向」。よく「就職活動時期の変更」と表現されますが、採用情報公開時期と選考開始時期が変更されます。この時期変更により現実に企業による採用活動がどのようになっていくか、恐らく企業の採用担当者の方々もまだ手探り状態のところが多いと見ています。企業がキャリアセンターや学生との接触の機会を求める傾向が強まっています。もちろん、大学も採用広報開始時期を遵守していく立場であります。

17 ページは、「スケジュールの変更」に関する一覧表です。

18 ページではインターンシップに触れました。インターンシップがどうあるべきかについて、議論のあるところです。本学キャリアセンターの山下は、急増している「 1 日インターンシップ」というのはそもそも本来のインターンシップという就業体験の概念から外れているので、大学が広く受験生に提供している「オープンキャンパス」に倣い、例えば「オープンカンパニー」などの名称のもとに、企業を学生に対してまさしくオープンにする、そういう就業型のインターンシップとは別の概念と名称を共有したほうが適切ではないかとの考えを有しています。

 私は本来の就業型の「インターンシップ」は、これからは教育の重要な一環となっていくと思っています。ただ、賃金が支払われることや、労働者性をどう解決するかという非常に大きな課題があります。諸外国を見ても、やはりインターンシップのもっている重要性は非常に大きいので、今後の課題、非常に大きな課題だと思っています。

19 ページは「行政への期待と連携」についてで、新卒応援ハローワークによる支援例です。常駐支援対象数も挙げておきましたので御覧いただければと思います。

 次のページも大学との連携に関する内容で、本学でも密接な連携が成立しています。

 資料は以上です。未就職卒業者等への対応ですが、 4 年次後半以降は、新卒応援ハローワークとの連携を強めていることが挙げられます。可能な限り未就職卒業者を出さないことが基本ですが、どうしても決まらない卒業生には、卒業後の就職活動の方法を伝える機会を卒業直前に設けています。また、卒業後に来室した場合にも必要に応じ相談にのっていますし、既卒生対象の紙ベースの求人情報を開示していますので、資料コーナーで見られるようにしています。中退者は訪ねてくるケースはほとんどありません。実際に中退者の応募を可とした求人もないので、なかなか難しい現状です。

 あとは質問時間に御質問いただければお答えします。


○阿部部会長 ありがとうございました。お二人からお話をいただきましたので、御質問があればお願いしたいと思います。


○市瀬委員 浦和商業高校の資料にある「1社目受験状況の推移」における「
26 年度 146 社受験」というのは、「名」の誤記載でしょうか。


○福本様 すみません、失礼いたしました。


○市瀬委員 今年の卒業生は何名程度でしょうか。


○福本様 今年卒業予定の者は
238 名です。


○市瀬委員 そのうち
146 名が受験したということは、他の卒業生はどのような進路に進んでいますか。


○福本様 こちらの全体の中に出していないのですが、一応、今は公務員等を受験している者が
10 名程度います。あと、残る者については大学並びに専門学校などへの進学を希望しています。


○市瀬委員 御校の生徒の中に、卒業しても進学も就職もしないという方もいらっしゃるのでしょうか。


○福本様 本校の例になりますけれども、先ほど言いましたように、学校ではハローワークを経由した求人票をお預かりしたものを紹介していく形が主です。しかし中には自分がやりたい仕事が
100 %高校生の求人に出ていないというものもあります。そういうものに関しては、自己開拓というような形で、自分で捜して就職していくという者も毎年数名出ています。


○市瀬委員 数名の規模ですか。


○福本様 本校では数名です。自己開拓という者は
10 名出るか出ない程度になっています。昨年は、外国へ留学等をしたいという者もいました。そういった希望者がいることもあります。


○市瀬委員 そのような方は
238 名の中で 10 名ぐらいということは、 5 %弱という考え方でよろしいでしょうか。


○福本様 はい。


○市瀬委員 分かりました、ありがとうございました。


○村上委員 ありがとうございます。立教大学の皆様に少し伺いたいです。インターンシップの問題について、先ほど「
1 日インターンシップ」の問題を御指摘でしたけれども、それ以外にもインターンシップの課題は幾つかあるかと思います。どのようにお考えでしょうか。

 また、インターンシップも採用試験なども同じだと思うのですが、平日とかあるいは試験時期に行われることが、学生にとっても大学にとっても大変困るというような御意見も伺ったことがあるのですが、その辺りはいかがでしょうか。


○吉岡様 何をもって「インターンシップ」と呼ぶかは、必ずしもうまく概念が一致していないところがあると思います。ただ、大きな流れとしては、大学で「アクティブラーニング」という考え方が最近非常に重要になってきていて、机上で勉強するだけではなく、実際に何かを一緒にやる学びが非常に重要になってきています。これは就職の問題だけに関係することではありません。実際に現場に行く学びや体験を、いろいろな形で展開しているのですが、それが就職や職業選択と絡んでいるのがインターンシップだと思います。ただ、現在では経団連などは
5 日未満のものはインターンシップとして認めないという統一見解を表明しています。期間を 5 日としているケースが一般的ですが、この定めに従っていない企業もたくさんあり、「 1 日インターンシップ」と称し、実は採用広報を企図したものが広く行われているのが現状だと認識しています。

 大学としては、教育の一環としてインターンシップを捉えていくという面が非常に強いように思います。ですから、就職のためという要素も重要ですが、それ以外に 1 年次からインターンシップのようなものを含めて授業を組み立てていくことは、今後、かなり大きな傾向になっていくだろうと思います。


○村上委員 時期の問題はいかがでしょうか。


○吉岡様 やはり、期末試験の時期と実習期間が重なると、大学としては動きが取れない点が一番大きな問題です。就職活動時期が変更になったため、企業の人事の方々の忙しさ等も含め、どの時期にインターンシップを設定するかは、これからやはり非常に大きな問題になっていくと思います。今のところは夏休みに実習期間を設けているケースが多いと受け止めています。それから、文部科学省が学期制を緩やかにしていく方向性をとってきていることもあり、例えば春休みにインターンシップや留学を組むということは今後も増えていくかと思います。とにかく試験時期と重ならないようにする点が非常に重要です。


○村上委員 ありがとうございました。


○阿部部会長 ほかによろしいですか。


○藤原委員 福本先生、高等学校の進路教育について御説明を賜りましてありがとうございます。企業の採用の選考期間が長期化してきていると、そのような話が出ておりますが、大まかで結構ですが、どのぐらいの企業割合で長期化がなされているのか。また、昨年と比較しまして、どのぐらいの日数を選考期間として長期化しているのか。その辺をお教え賜りたいと思います。


○福本様 今、お話がありましたように、会社によりましては採用試験を受けてから結果がでるまで
1 か月をまたぐような形というのもあります。ハローワークのほうは、試験日おおむね 1 週間程度で結果をということにしていただいているのですが、実際のところ、試験を受けまして、一次試験、二次試験、そのあと最終役員面接という形で行われている会社もあります。そうしますと、 1 か月を超えてくるような選考を行っている会社もあります。選考してからの時期ではなくて、 9 16 日から高校生の就職試験開始ですけれども、その最初の試験日の設定自体が今年も 9 26 日、 10 月という会社もあります。 9 5 日から応募できるのですが、その日に送って最初の試験がそういった設定の会社もあります。ただ、割合的には少なく、 1 割もない形です。

 昨年は先ほどもありましたように、 Web 等の求人での応募等も結構ありました。昨年と今年を比べますと、今年は浦和商業にということで、求人を頂いているせいもあるかどうかわかりませんが、今年は割と早めに結果は頂いている状況です。おおむね 1 週間ぐらいで頂いています。一部、 1 割程度の会社では 2 週間、一番長い所で 1 か月、また今年は 9 16 日から始まっていますけれども、今の段階で 10 14 日前後で連絡をします、という連絡を受けている会社もあるのが実態です。


○藤原委員 ありがとうございます。私ども中央会も、長期化しないように努めてまいりたいと思っております。

 それからもう 1 つ、吉岡先生、いろいろ御説明を賜りましてありがとうございます。本当に単純な質問で恥ずかしいのですが、大学の新卒者の方々が大企業指向が強いということですが、それについて吉岡先生はどのようにお考えですか。


○吉岡様 おっしゃるとおり、やはり学生たちはまず「知っている企業」にとにかく惹きつけられるというところがあります。われわれは「
B to B 」の会社の中にしっかりした中堅企業があり、あるいは知られていない大きな企業があるということを学生に知らせる。それから、働き方をどのように考えるかも含めて、広い意味でのキャリア教育というのを進めていきたいと思っています。ただ、現実には学生が広くそのような指向性を持っているという点は非常に大きな問題だと認識しています。

 もうひとつは、親御さんが学生と同様の傾向を持っています。立教大学でも在学生の父母を対象とした懇談会を多数開催していますが、その折にはキャリアセンターからの説明の中で、学生本人に対し、親のそのような指向性にとらわれた接し方をしないように常に伝えています。


○山下様
( 立教大学キャリアセンター事務部長 )  「知っている企業」にしか応募しない傾向は現実にありますが、その「知っている幅」をいかに広げていくかが、われわれキャリアセンターの大きな役割のひとつです。一例ですが、来年 3 月に私どもの学内で採用担当の方をお招きして、「合同企業説明会」を集中的に開催します。 12 月の授業期間中は 440 社・団体程度しか招聘できなかったのですが、今度は 550 社・団体程度まで規模を拡大して企業を学生に紹介する計画です。それら招聘した企業・団体だけを推奨することではありません。その期間の冒頭 1 週間ほどは、「 B toB 企業」においでいただきます。例えば、自動車メーカーは知っているけれど、ピストンを作っている会社は知らない、ヘッドライトも同様、ダッシュボードパネルを造っている企業は知らない、そういう現状を少しでも変えていきたいと考えています。いかに知っている幅を学生が拡げていくかが、われわれの課題でもあります。


○藤原委員 ありがとうございます。吉岡先生が言われたように、企業規模は小さいのですがシェアではオンリーワンであるとか、そのような企業もありますので、また引き続いて大企業から地域の中小企業に目を向けていただける学生さんが増えるように、よろしくお願い申し上げたいと思います。


○阿部部会長 そろそろ予定している時間にはなりましたが、もし、よろしければどうぞ。


○市瀬委員 現在、立教大学では大学生で起業される方もいらっしゃるのでしょうか。またその中で、女性で起業をしている方もいらっしゃるのですか。


○吉岡様 具体的に把握していませんが、起業する学生は増えていると感じています。特に、まだ新しい経営学部の学生は、大企業指向ではなく、むしろ大企業に行くよりは起業してしまうタイプが最近急速に増えていると聞いています。今後、その傾向が強まると思っています。男女別は分かりませんが、学生の中にそのような動きがあります。語学が堪能なタイプは日本に縛られない発想になってくるので、そういうグローバルな発想で起業するタイプも増えてきているのは確かです。


○市瀬委員 ありがとうございます。


○阿部部会長 それでは、本日はお忙しい中、お越しいただきましてありがとうございました。この辺りで福本様と吉岡様からのヒアリングは終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。


 (福本様、 吉岡様、山下様退席 )


○阿部部会長 それでは、続きまして独立行政法人労働政策研究・研修機構特任フェローの小杉様より「若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発」等の現状等について、お願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。


○小杉様
( 独立行政法人労働政策研究・研修機構特任フェロー )  小杉です。どうぞよろしくお願いいたします。私は資料 3 を用意しました。私に最初に与えられた課題が、この報告書の概要と下に書いてあります課題と対応策についてまとめて話をしろというのを、合わせて 10 分でしろというお話でしたので、何とかそれに沿いたいと思います。

 まず、資料が 2 つに分かれておりまして、後半の部分は、今私どものホームページ上でアップしておりますこの資料シリーズの位置付けです。後で参考に見ていただければと思います。今日は前半のパワーポイントの部分だけお話しいたします。

 最初のページには、資料シリーズの目次を用意しました。これは総務省が行っております「就業構造基本調査」という非常に大規模な調査がありまして、そのデータの 44 歳までの若い層の部分だけを借りまして、その人たちのキャリアや職業能力開発の状況はどうなっているかということを特別集計したものです。この調査は 5 年ごとにやられている調査なのですが、 5 年前にも特別集計をやっておりまして、その集計と比較しながらこの 5 年間で何が変わったかを議論しました。構成として、 1 4 章立てになっております。各章の概要がその後に文字で書いてあるのですが、多分このテーマでは第 3 章の辺りが一番関係があると思いますので、この文字で書いてある所は飛ばしていただいて、この部分はお時間があって関心があるのであれば是非読んでいただきたいのですが、今日は第 3 章の中からポイントを絞ってお話ししたいと思います。

7 ページを御覧ください。第 3 章とはどういう章かというと、前回の調査から初めて入ったのですが、「学校を離れて最初に就いた仕事はどんな仕事でしたか」という調査項目が入りました。それから、前から取られているものに「今の仕事はどんな仕事ですか」、そして「今の直前の仕事はどんな仕事ですか」ということで、 1 人の人について最初の仕事と今の直前の仕事、そして今の仕事と 3 つの時点での就業状況が分かります。この就業状況をつなげて、キャリアとして捉えたというのが第 3 章です。

 そこから幾つかのことが分かるのですが、まず最初の仕事というのがどんな仕事であったかを聞いた結果、これは報告書に載せているものよりも、もうちょっと加工度を高くしたものなのですが、そこで最初の仕事がどんな仕事であったかを学歴別に見てみました。学歴別、年齢別になっています。年齢と学歴とを考えるといつ頃卒業したかが分かるので、表の中の下に年齢に合わせていつ頃卒業したという時期も入れてあります。これを見ますと、最初の仕事が非典型雇用であった比率、パート、アルバイト、派遣、契約、嘱託、その他というのが非典型雇用なのですが、その人の比率が分かります。

 高卒の場合、今 40 歳代の層になりますと卒業直後の仕事が非典型雇用だったという人が男性の場合には 8.5 %程度にすぎないのですが、 2012 年の時点で 20 歳代後半である層では男性だと 27.5 %、女性だと 44.4 %が最初の仕事が正社員ではない形であったとおっしゃっています。先ほどの浦和商業さんのような、浦和商業さんは正に就職名門校なのですが、そういう高校ではなくて、高校で卒業しても就職者もいるけれども就職しない人もたくさんいる高校が、世の中には幾つもあります。そういう高校からの場合が非常に多いのです。女性に限ってみれば正社員で就職した人は実はかなり少なかったことが分かります。 25 29 歳以上の卒業の真ん中が 2003 年卒なのですが、 2003 年卒は一番、高卒求人状況が悪かったときです。そのとき辺りから実は非正規雇用比率は減ってきていて、今の 11 12 年卒だとかなり下がっています。多分今年はかなりいいので、もっと下がるとは思いますが、初職はこんな状況です。

 一方、大卒の場合もやはり 0 年から 04 年卒辺り、これが 30 歳代前半なのですが、この層で女性では一番悪かった。その後、改善してきたのですが、実は大卒では高卒のように一方的に良くなっているというわけではない。多分この辺に大学生の質の問題とか、就職のシステムの問題とか様々な問題があると思います。特に 4 年制、大卒男子は右肩上がりで実は非正規比率が高まっているという状況があります。これが学校を離れた最初の仕事です。

 次のページが、最初の仕事と先ほど言いました直前と今をつなげたキャリアとして見たものです。キャリアとして見て上の青い辺りは、正社員の市場にずっといる人たちなのです。赤が今、非正規の市場にいるという状態です。横棒の線が、最初は非正規や無業だったけれども途中から正社員になったというタイプです。今、高卒の男性の所、赤い丸を付けました 01 05 年一番悪かった年の卒業生です。

 その人たちがその後どうなったかを、前回の就業構造基本調査と今回の就業構造基本調査を、 2 本棒で並べることでコーホートにした。つまり、同じ人たちが 5 年たったらどうなっているのだろうということが見えるようにしてみたわけです。 01 05 を見ていただきますと一番悪かったときに就職した人たち、非正規が男性だと 3 割近く、女性だと 4 割以上というときです。そのときの人が 20 歳代前半になると非正規だけにいるという人は 2 割ぐらいまで下がっています。非正規と正規の間を行ったり来たり、正社員に行った人もいます。

 そして、今回の調査で分かったのですが、その人たちが 20 歳代後半になると、やはり非正規でずっとという人は 15 %ぐらいまで減ってきている。最初のときに非正規でも徐々に正社員に変わってきているという状況が分かります。それが女性の場合にはかなり鈍いといいますか、余り変わっていない。右側、高卒・女性を見ていただきますと赤いままというのが、ほとんど 20 歳代前半から後半に変わっていない。更に正社員から非正規に移る 20 歳代後半、いわゆる結婚してそのほうがいいということで非正規に移られる方もかなり入っていると思いますが、むしろ非正規が増えるという形で女性の場合には展開しています。

 下が大卒です。大卒は高卒にくらべれば明らかに最初の正社員の比率が高いので、その後も違うのですが、一番悪かった世代 00 04 年の所ですと、当初男性の場合には 10 %近く非正規のままだったのですが、 30 歳代前半になるとそれが半分ぐらいに減っている。大きく減っているわけです。このように変化はしているのですが、ただ、今の 40 代前半、実は今の 40 代前半層は団塊ジュニア世代と言われて、市場が大きく変わる中で一番最初に市場の変化の影響を被った世代だと言われているのです。

 高卒男子の所にもう一度戻って見ていただきますと、今 40 代前半の人でずっと非正規は 5 %以下、数パーセントなのです。この数パーセントの人たちが大変キャリアが問題なのですが、これに対して 01 05 年世代はずっと非正規の比率が高くて、多分これからが大事なのだと思います。今の団塊ジュニア世代の問題はすごく大きいのですが、でも実は本体はこれから来ます。そういうことで、この段階で若年者に対してきちんとした対策を取るというのは、タイミング的に非常に大事なポイントだと思います。

 時間が余りなくなるので。次のページは、私どもでずっと取っているフリーターについての変動です。このフリーターについての変動は、前回・今回だけではなくて、 1982 年の調査からずっと取っています。そこで 6 回にわたる変化が分かります。 5 年ずつですから 30 年です。これもコーホートという形で、ある世代がどう変わったかを見ます。例えば➀の男性の 92 世代と書いてあるのが、 1992 年に 20 歳代前半だった人たちということです。 1987 年には 19 歳までで、 1992 年に 20 歳代前半になって、そして現在は 2012 年は 40 歳代前半になっている。いわゆる団塊ジュニア世代に当たるところなのです。

 この人たちのフリーターの量の動きを見てみますと、 20 代前半を境にだんだん下がってきています。これが、その次の世代、次の世代になるとどうなるか、どこも大体 20 代前半がピークでその後は下がるという傾向があるのですが、下がるタイミングが違っています。 97 世代の場合には 20 歳代後半から 30 歳代にかかるときに減っています。 02 世代は 20 歳代前半から後半にかかるときに落ちています。

 ここにあるのは何かということで、下には今の同じデータを違う形で表してみました。下の軸を年にしてみたのです。 87 世代は外しまして、 02 世代と、 97 世代と 92 世代という 3 つの世代を紫と緑と赤で示しています。いずれも減るタイミングは 2002 年〜 2007 年のときに減っています。つまり、この間は景気拡大があった時期です。景気拡大が一番、非正規から正社員に大変大きな要因です。景気拡大期でなければ、なかなか企業さんもこれまで非正規だった人たちを正社員に登用するというのは難しいけれども、拡大期であればかなりできる。

 それから、このグラフにはもう 1 つポイントがあります、年齢です。紫の世代は 20 代前半から 20 代後半にかけて、緑の世代は 20 代後半から 30 代前半にかけて、ここがガガンと減ったのですが、既に 30 代前半になってしまっていた人たちは、この景気拡大の中でもそんなに減らなかった。企業側からしてみれば、 30 代の始めまで非正規だった人たちをなかなか正社員には採りにくいということだと思います。こういう非正規から正規への動きは景気もあるし、もう 1 つ本人がそのとき幾つだったかということもかなり大きな要因なのではないかと思います。

 もう時間がありませんので、この後は非正規から正規に移動するのにどんな要件が大事かということの分析をしています。今回、発表になりました労働経済白書でも基本的に同じことをやっていまして、同じ結論が出ています。前職の非正規である程度の期間就業した実績とか、あるいは初職が正社員であったこと、それに自己啓発をその間にしているかどうか。この辺が大きな要因になるという分析です。私どもでは 1997 年にも同じことをやっておりまして、同じ結果が出ております。これはいつでも同じことだと、今のところ 2 時点にわたって同じ結果が出ています。

13 ページです。今のことを大雑把にまとめて、それ以外のことも触れられていますが、日本の場合には、正に新卒就職という非常に特徴的な仕組みが若者を失業させないために大変大事です。今の高校や大学での組織的な支援をうまくやっていくことが大事です。一方、ここから落ちてしまうのが中途退学者、未就職のまま卒業時期を迎えてしまった人。こういう人たちをどうやって取りこぼさないでいくかといいますか、こういう人たちにきちんと支援をしていく。学校を離れると孤立化してしまうのですよね。 1 人になってしまって、大卒なら大人なら何とかなるだろうということもあるかもしれませんが、なかなか、まだ一度も仕事をしたことがない人ですとどうしていいか分からなくなる。あるいは就職活動の中で、かなり自我が傷付けられてしまった人もいます。孤立化させないということが非常に大事になってくると思います。

 このほか既に進めているキャリア教育の話とか。実は、ここで書きましたが地域間移動の話も、実は学校との連携の中でないとはっきりつかめない時代になっています。ワークルール、情報開示の話も既に出ていました。

 もう 1 つ大事なポイントは、新卒就職は就職だけのタイミングでは完成しないのです。採用してからの企業内教育がセットになって、初めて人材育成として有効な形になる。中小企業の場合の人材育成が大きな課題で、この部分はしっかり梃入れをしていかないと新卒の就職の仕組みを全うできない。ここの部分が大変今弱いところで、大事な部分だと思います。そしてもう 1 つが、後半で主張しました非正規雇用・無業からどうやってキャリアを積んでいくのか。この辺に対する積極的な支援が必要ですし、さらに先ほど出ていましたが、起業・ NPO 就業など、もう 1 つの選択肢もきちんと周知させていくことが必要だと思います。以上です。


○阿部部会長 ありがとうございました。それでは、今の御発表について御質問があればお願いしたいと思います。いかがでしょうか。


○村上委員 ありがとうございました。
13 ページで様々な対応策を掲げておられます。中小企業の人材育成力の強化について、梃入れが必要だと伺ったのですが具体的にどのような策が必要でしょうか。


○小杉様 人材育成ができない理由でずっと挙げられているのが、人がない、お金がない、ノウハウがないという話なのです。私どもの調査の中で、ジョブカード訓練を調査したことがあるのですね。それは雇用型訓練で、助成金政策ではあるのですが、併せて企業の中に訓練プログラムを導入するという仕組みでもあるのですね。訓練生を有期雇用して、その企業の中で雇用されながら受ける訓練のプログラムをきっちり作って、そうしたときに助成金を出すという仕組みなのです。

 その中で企業さんが言われていたことが、いい人が採用できたという話だけではなくて、訓練が分かったという反応がすごくあったのですね。これまで訓練を余りできなかった所は、目の前の仕事をしなくてはならないからという意味で、できないこともあるのですが、もう 1 つ、訓練そのものが何をどう組み立てるべきかということに理解が十分でない。このプログラムを外からの指導の中で、このようにプログラムをして、目標設定にして、それに対してどう段階的に教育していくか、各段階でどう評価するかということがパッケージになっているわけです。

 つまり、こういうパッケージで支援をしていくと、企業の中に人材育成のプログラムをどう取り込めばいいかということの認識が広まる。ある企業さんでは新入社員についてジョブカードの訓練を入れたのだけど、これと同じものをもっと上の世代にもやろうと、企業の中の仕組みを変えていったということがあります。実際に訓練をするプログラムを現場で作ってみて、それで実感してもらってやるというのが大事なポイントではないかと思います。


○村上委員 ありがとうございました。


○阿部部会長 ほかにいかがでしょうか。
13 ページに「中途退学者・学卒未就職者の孤立化を防ぐ学校と支援機関との連携」が重要だという御指摘がありますが、確かに分析の結果でも、早い段階で支援をすることが非典型雇用から典型的な雇用への移行ですとか、安定的な雇用へ結び付くという御指摘もあったと思います。現状、中途退学者と学卒未就職者に関する支援機関との連携はどうなっていますか。


○小杉様 まず、厚労省の政策としては、地域サポートステーションという政策が高校との連携を進めるということでしばらくやっておりまして、高校の中に、高校によっては特別な場所を設けていただいて、幅広く学校の先生には相談できないことを相談を受け付けて、中途退学をしたらその後どうなるかという具体的な情報を提供したり、様々な形で中退の背景にある家族の関係の問題なども整理する支援をして、うまくいってきたところもあります。それもまだ始まったばかりの政策でありながら後退しているのですが、それはともかくとして、それはそれで機能していると思います。

 地域の NPO のレベルで大学と連携して始めている所もありますし、大学さんによっては大学の中で中退問題にきちんと対応すべき、かなり分析・研究をして、場合によっては外の支援につなげるということも考えられている所もあると聞いております。


○阿部部会長 ありがとうございます。ただ、私の認識だと、それほど中退・学卒未就職者をうまく把握してキャリアを積ませていくことは、なかなか今現状では難しいと認識はしているのですが、その認識は正しいでしょうか。


○小杉様 はい。難しいと思います。先ほど立教大学さんのお話でありましたが、卒業後の未就職者が学校に来たら何とかするというのと、福本さんからあったジョブサポーターですね。学校にいる段階でどこかにつないでいく、学校が中継地点になってほかの者に伝えていくことをしないとどうしようもなくて、学校を離れてしまった
1 人になってから何とかしようというのは大変難しい。埼玉県の場合の話で出ていましたが、個人情報の問題もあるけれども、未就職であった人の情報をきちんと支援機関、ハローワークも含めて流すという仕組みを作っていかないとかなり難しいと思います。


○阿部部会長 ありがとうございました。その他いかがでしょうか。


○遠藤委員 どうも御説明ありがとうございました。先ほど、高校を卒業した場合の初職という話と、大学を卒業した場合の初職という話で、それぞれ時系列で解説いただくということは過去になかったので、大変、貴重な資料の御提供を頂いたと思っております。そういう中で、景気の時期がどう動いていくかによって、その時点での年齢との相関関係のお話はあったのですが、就職の場合はどこの場所で就職をするのかというポイントがあります。高校生の場合は県内就職を希望されている方が多くて、県外に行けば正社員の道があるのに、県内に固執するがために非正規で働くという実状もあるのです。今日出て来ない資料の中に、地域性との組合せの中で、実は正規の仕事はあるのだけれども、そこに行くまでには障壁といいますか、まだクリアしなくてはいけない問題があったというデータ的に示されるものはあったのですか。


○小杉様 私どもも地域間移動に大変関心を持っておりまして、今回の報告書の中では地域間移動という補論も設けたりはしたのですが、ここのデータの範囲では地域間移動は、やはりなかなかうまく捉えられなかったので、このデータできちんとしたことは今のところは言えない。ある程度ぼんやりしたことしか分からない。

 これとは別に私ども高卒就職についてはヒアリング調査をしておりまして、例えば北海道ですと出るのがすごく嫌なタイプの方が多くて、地元に残るほうがいいということもあるのですが、地域によっては積極的に移動させるという進路指導をしている所もあります。多分これも学科と関係あるのですが、工業高校ですとかなり専門性を生かすためには地域間移動したほうがいいというので、地域間移動求人をどんどん紹介していく方策を取っている所もある。あるいは地元指向が強いので地元指向を全面に、あるいは地元の産業界に残ってもらわなくてはならないからというので、できるだけ地元を選択している所も。それは地域、地域によって、実は学校、学校によって指導が違うのですね。

 地域間移動というのは難しい両面がある。移動すれば就職できるのだから移動しても就職させたほうがいいのか、移動すると地域の中の人材がいなくなってしまうので、地域が更に過疎化してしまうという問題もある。この両面があるのですが、移動しないでいてその地域で失業しているのがいいかというと、私は失業するよりは移動させて就職して、ある年齢段階でむしろもう 1 U ターンなり I ターンなりで移動してもらったほうがいいと思っております。

 ここで書かせていただきましたが、きちんと地域間移動の情報を取って、それでそれぞれの地域で最も的確な選択の指導をしていくということが必要だと思います。そして、その中には 18 歳の時点ではなくて 30 代になってから帰るとか、そういうキャリアプランニングも含めて長期的な指導をしていくというのが必要ではないかと思います。


○遠藤委員 
UIJ ターンを含めた地域間移動を伴う求人という選択肢をいつの時点で示していけばよいのか、大変重要な御指摘をいただいたと思っております。この辺も含めて、審議会で今後検討したいと思っております。そういった中で広域的な求職活動をサポートするのはハローワークになってくるのですが、広域的な求職活動の支援というのが欠けている、そう言っては、お叱りを受けるのかもしれませんが、十分ではないのです。若年層の方を仮にターゲットにしたときに、他の年齢層と変えて、広域的な就職支援を手厚くするという考え方を打ち出すことが、それはバランスを欠く政策なのかどうなのか。そういうことも含めて若者層の問題を考えるのだとすれば、そこにあてがわれるような施策みたいなものも抱き合わせて考えていきたいと思います。

 今日、 2 回目のヒアリングを頂いて、ある程度問題視するところや課題などが見えてきたのですが、それを並べた形で、では具体の施策をどう変えていくのかということもやっていきませんと、いつの間にか気が付いたら 12 月ということになってしまいます。これだけの皆さんにお集まりいただいているのですから、今後の進行の中で、その辺も工夫をいただければ有り難く思います。


○阿部部会長 分かりました。ありがとうございました。既に予定している時間を過ぎてしまいまして、私の不手際もありました。今日はお忙しい中ありがとうございました。これで、小杉様よりのヒアリングは終わりにしたいと思います。今日はありがとうございました。

 
(
小杉様退席 )


○阿部部会長 この後は、ヒアリングの内容も踏まえつつ議論をしていきます。前回からの事務局への宿題も含め、新たな資料の説明をお願いいたします。


○五百旗頭派遣・有期労働対策部企画課雇用支援企画官 資料
4 と資料 5 を御説明いたします。前回の議論の中で幾つか御指摘を頂きました。「若年者の非正規問題については、男女それぞれの状況を見ながら議論をすること」「非正規雇用労働者が増加している状況を年齢別に見ること」「企業の情報について、学生がどういった情報を必要としているかが分かる資料を用意するように」といった御指摘がございましたので、こうしたものを受け止め、資料 4 を御用意いたしました。また、若年者雇用対策室で、大卒者等のインターネットを通じた就職活動に関する調査を行い、その結果が取りまとまりましたので、資料 4 の中で併せて概要を御説明いたします。

1 ページ、「正規雇用と非正規雇用労働者の推移」で、前回御説明した内容に追記をしております。非正規雇用労働者は増加してきており、 2013 年には 1,906 万人となっています。右側の吹出しに、非正規雇用の仕事に就いた主な理由を示していますが、「自分の都合のよい時間に働きたいから」「家計の補助、学費等を得たいから」など、個人のライフスタイルに合わせて非正規を選んでいる方が多い状況です。一方、「正規の仕事がないから」という理由で、非正規を選択せざるを得なかった方も 2 割弱いる状況です。

 次に、非正規雇用労働者について、年齢別・男女別に見てみると、平成 25 年平均では、男性は 610 万人で、男性雇用労働者に占める割合は 21.2 %でした。女性は 1,296 万人で、女性雇用労働者に占める割合は 55.8 %でした。人数、割合ともに、女性のほうが多くなっています。

 一方で、「正規の仕事がないから」という理由で、不本意に非正規雇用に就いている方は、男性で 30.6 %、女性で 14.1 %と男性が高く、特に 25 54 歳の男性で高くなっています。ただし、数という面で見てみると、男女ともに 170 万人前後と同程度である状況に留意が必要であると思います。

 次のページです。「非正規雇用労働者の増加の内訳」について、性別・年齢階層別に非正規雇用労働者の増減数を見たものです。非正規雇用労働者は 2009 年から 2012 年まで年平均で 30.7 万人増加、 2012 年から 2013 年で 93 万人増加しています。それぞれの増加数を 100 として、各性別・年齢階層別の増減がどの程度効いているかを見てみますと、主に 60 歳以上の高齢者層と、 35 59 歳の女性が増加しております。ただ、数として見ると、 35 歳以下の若年層についても、 2012 年から 2013 年にかけて8万人増加しており、この点は課題と認識しております。

 次のページです。前回もお示しした初職非正規の割合を男女別に見たものです。直近では、女性の約半分が非正規で初職に就いており、男性より高い状況が見てとられます。

 次のページです。前職の雇用形態、現職の雇用形態別に雇用者数の推移を見てみると、 55 歳以上では前職が正規であった方が、新たに非正規に就いたというものが非常に多くなっていますが、 15 24 歳層では逆に非正規であった方が正規に就いたという方が多く、 25 34 歳層ではここ数年は非正規から正社員への動きが見られます。先ほど小杉先生から、「雇用情勢がよい時期こそ、若年者雇用対策が効果的に進む」というお話がございましたが、今はそういった好転の状況が現れていると受け止めています。

 次に、若年者雇用対策室が実施した「大卒者等のインターネットを通じた就職活動に関する調査」の結果概要を御説明いたします。調査概要は、資料 6 の参考資料に付けております。一番後ろの資料です。調査対象者は、 2015 年大学等卒業予定者で、就活サイトを活用し就職活動を行っている方、また過去に行っていた方としました。今年の 7 月上旬から 8 月下旬にかけてインターネット調査を行い、 970 名から回答を得ています。回答属性は、大学生が 667 名、大学院生が 236 名、短大等が 67 名という構成です。調査結果の主立ったものを、資料 4 で御説明をいたします。

6 ページです。エントリー企業数で最も多かった回答は「 21 50 社」で 23.7 %、応募社数で最も多かった回答は「 1 3 社」で 21.6 %、「 7 10 社」で 16.5 %となっております。詳細は資料 6 にありますが、これを文系、理系で見てみますと、理系の学生は「 1 3 社」とする学生が多く、文系の学生は「 51 社以上」という一番下の所を除き、満遍なく分布している状況です。これらを平均して、応募社数は全体で 16.54 社という状況です。

 また、エントリー数、応募社数ともに、学生自身がどのように評価しているかについては、いずれも半数以上の者が「適正」と認識しており、「多すぎた」というより「少なすぎた」とする者の割合が高くなっています。また、就職先企業を知ったきっかけの主なものは、「昔から知っていた」「説明会等で見つけた」「サイトで見つけた」とする割合が高くなっております。

 次のページです。内々定した企業に関して、インターネット以外で情報収集したかについて見てみますと、 74.4 %の学生はインターネット以外でも情報収集していますが、 4 分の 1 の学生はインターネットだけで情報収集を行っていました。このインターネット以外で情報収集をしたかと、就職活動の満足度をクロスしてみると、インターネット以外でも情報収集している場合、就職活動の満足度が高くなる傾向にありました。

 また、就職活動の準備時期とエントリー数、応募社数との関係を見ると、就職活動の準備を早くから行っていた者のほうが遅かった者に比べ、エントリー数、応募社数ともに適正と認識している者が多く、少なすぎたと認識している者が少ない傾向にありました。また、就活サイトを利用するメリットとしては、「企業の情報を効率よく入手することができる」といったことが挙げられていますが、デメリットとしては、「不要なメールが大量に届く」など情報過多になる点と、「多くの企業へのエントリー / 応募を焦らされる」といったことが挙げられています。インターネット調査の結果概要は以上です。

 次のページ、「就職活動の際に企業に公開してほしいデータ・情報」です。最も多いのは「離職率」が約 6 割となっており、次いで「平均勤続年数」「今年度の採用予定人数」と続いています。また、公開してほしい情報としては、「面接・選考のポイント」が最も高く、次いで「社内の雰囲気」「今後力を入れる事業」が多くなっております。

 次のページ、「誤解を招きやすい求人条件表示」についてです。こちらは各都道府県労働局が今年の 6 月に行った調査結果です。調査内容は、求人に関する苦情のうち訴えが多い苦情を、高卒求人・大卒求人ごとにそれぞれ 5 つ以上報告させたところ、高卒求人については 471 件、大卒求人については 362 件の苦情が報告されました。内容はどちらも、「賃金」「労働時間・休日・休暇」という労働条件の関係が多くなっていますが、高卒では「選考方法」、大学では「仕事の内容」に関するものが多くなっています。

 次の 2 枚の資料では、各項目ごとに苦情が多い代表的な事例を載せています。例えば賃金では、 2 番目ですが、固定残業代に係る苦情です。また、労働時間については、平均残業時間がないという表示だったのに、実際にはほぼ毎日 4 時間以上の残業があったなど、求人票と実態が異なることについての苦情が寄せられています。また、高校求人に多かった選考方法の苦情としては、先ほどの福本先生の御発表にもありましたが、選考結果が出るまでの期間が長く、他社への応募機会を逸したというものが多くなっております。

 次に、苦情が多いものの 1 つの労働時間に関連し、「長時間労働と転職希望との関係」の資料を示しています。 1 か月に実際に働いた労働時間別に、今後の職業生活の希望を聞いたところ、労働時間が長くなればなるほど、「いいところがあればすぐにでも転職したい」とする転職希望が高まる傾向があります。ただし、法定労働時間よりも労働時間が短い層でも、転職希望が高まる傾向があったり、 240 時間以上の層で一番左の青い所ですが、「この企業の経営層に加わりたい」といった希望も高くなるなど、いろいろな御希望が見てとられますので、そういった点にも留意しつつ、 1 つの傾向として長時間労働と転職希望の強さの資料をお出ししました。

 次に、資料 5 です。前回の部会では様々な御意見を頂きました。主な御意見を概観しますと、おおむね前回お示しした 5 つのポイントに関連するものでしたので、ポイントごとに分類し、記載させていただいております。また、「検討の切り口について、教育から雇用のように時期ごとの整理もあり得るのでは」という御意見を頂きましたので、最後の 6 ということで、「その他」に分類させていただいております。

 前回、おおむねこのような議論があったということで、こちらの資料を作成し、本日の議論の参考としていただければと考えております。以上です。


○阿部部会長 御質問、御意見を伺いたいと思いますが、初めに資料
4 で御質問があれば伺います。いかがでしょうか。


○村上委員 資料
4 10 ページの「誤解を招きやすい求人条件表示」の代表的な事例についてです。ここに出されているような苦情に関連したものは、私どもも日常的に相談を受けているのですが、このような苦情を受けた場合に、ハローワークはどのように対応されているのでしょうか。


○五百旗頭派遣・有期労働対策部企画課雇用支援企画官 それぞれの苦情の内容にもよりますが、例えば求人票と実態が違うということであれば、実情を企業に確認し、求人票を是正させる、あるいは労働基準法違反に関するような御相談が内容に含まれる場合は、労働基準監督署に照会し連携して対応させていただくなど、そういったことをさせていただいております。


○村上委員 求人票を見て面接に行ったところ、求人票の条件と違ったという場合は、求人者に対して指導するということでよいかと思うのですが、就職してしまった後に違ったという場合には、ハローワークは指導されるのでしょうか。

 また、同じ求人者について、同じような苦情が寄せられるという場合もあると思うのですが、何回も同じような求人を出されるところに対して、求人者に対するペナルティというのはないのでしょうか。


○牛島派遣・有期労働対策部企画課若年者雇用対策室長 私からお答えいたします。派遣・有期労働対策部企画課若年者雇用対策室長です。村上委員の言われた就職した方に対する対応となりますと、問題となっている場合というのは労働基準法関係の違反に絡んでの問題が多いかと思います。当然のことながら、事業所の実態の確認にハローワークは行きますが、その結果、関係法令違反が認められるような場合については、先ほど五百旗頭が申し上げたとおりの対応をとるということです。

 度重なり同じことをやってしまうというところについては、ハローワークは原則的に求人は受理しますが、受理しないことができる場合というのが定められています。求人受理の際に確認のアンテナを高めることにより、適正な求人に変えるといったところを窓口で指導していくというのが、基本的なラインになります。


○五百旗頭派遣・有期労働対策部企画課雇用支援企画官 御本人様が就職をされた後ということですが、そのような苦情があったことについてはハローワークとしてきちんと記録を残しておりますので、また同じ企業から求人票が出てきたときには、そういった苦情があったことも踏まえ、必ず対面で求人票を受け付けていますので、そこで事実関係の確認、より適切な求人票の記載となるような指導はしております。


○村上委員 労基法違反のような場合であれば、それは労働基準監督署の問題だと思うのですが、必ずしも労基法違反ではない場合もあると思っております。例えば正社員求人だといって、実際に働き始めてから有期雇用だということが分かり、労働条件明示もされてしまったという場合もあります。資料に出ている事例では、基本給
20 万円となっているが、入社後にみなし残業 200 時間分が入っていたというものがありますが、明示があった場合にどうなるのかとか、必ずしも労基法違反とはいえない場合もあるのではないかと思っています。

 そこは求職者に対する救済措置がないと、このままだと結局、労基法第 15 条では、条件が明示されたものと違っていれば契約を解除することができるというものしかないので、何らかの策が必要ではないかと私どもは考えております。


○阿部部会長 ほかに御質問はございますか。


○宮本委員 
2 ページの男女別の表ですが、前回に私が「男女別の表が必要だ」ということを言いまして、出していただいてありがとうございました。私は、中年以降まで男女別でというつもりはなかったのですが、こういう形で出していただいてみると、また見えてくるところがあります。

 女性について、既婚、未婚に分けることは可能でしょうか。なぜかと申しますと、 15 24 歳の一番の若年層に関しては、男女ともにほとんど未婚であろうということだとすると、女性の場合の未婚である 15 24 歳で、半分強が非正規雇用であることが分かるわけです。ただし、不本意の非正規は、この 15 24 歳でさえ少ないということが分かるのです。その後、 25 34 歳の辺りは既婚者がこの中に入ってくるわけです。そこで、当然意識も行動も変わってくるのですが、この辺りがこの表だとよく分からず、その後の 35 歳以上になるとかなりが既婚者になってきて、それにもかかわらず、不本意非正規雇用の人たちが数からいうと男性よりも多いというのは、男性は正規雇用に転じていくわけですが、女性の場合には正規雇用に転じていかずに残るということになるでしょうか。

 その辺りのところが、既婚、未婚を別にしないと女性の場合には分からず、かなりの女性は既婚という形で出るわけですが、先日、内閣府が検討して貧困対策大綱ができたときの議論の多くが、一人親家庭の大半が母子家庭で、その母子家庭の大半が非正規雇用であるということなので、これは本意であるか不本意であるかということにかかわりなく、先ほどの小杉さんの御報告によれば、若年のときの非正規の女性はそのまま非正規になる、男性は非正規でも徐々に正規に転じていくということです。女性の場合には非正規で残りやすいわけです。そこに、結婚、離婚が途中で入っていくわけですので、その辺りのところを見ていかないと、女性の非正規雇用の問題というのは見えてこないと思います。もし可能であれば、未婚、既婚のところを更に被せていただくと、より分かるのではないかと思います。


○阿部部会長 それは探していただいて、可能であればお出しいただくということで。


○代田派遣・有期労働対策部企画課長 不本意非正規の数字について、これ以上に細かく見るのは難しかったと思います。確認はしてみます。

 先ほど小杉先生の話にもありましたが、各年齢層のそのときの状況等もあって、その世代の状況が就職時点でどうだったのか、あるいはその他の様々な影響があって、どこか途中で切るというのもどうかなと思い、全体の年齢層の資料をお出ししたわけです。

 今、お話がありましたように、 35 44 歳、 45 54 歳は、既婚で主婦パートというような層も入ってくるので、そこは自ずと正規の仕事がないから非正規をやっているという、ここでいう不本意非正規の割合というのは低く出てくる傾向があるというところです。それから、注の (1) の右に書いているのですが、若年のところは在学中も含んでいますので、アルバイトも含まれているところも御承知いただければと思います。

 いずれにしましても、あったかどうかというと、難しかったかなと思いますが、確認はしてみます。


○阿部部会長 ほかに御質問はございますか。質問がほかの委員からなければ、今日の前半のインタビューも含めて、御意見を頂ければと思います。


○照屋委員 前回の
54 回、そして今日も資料を準備していただいている学校を卒業して初めて働くのが非正規という人の比率が相当増えているという点に関連して、若年者の雇用対策あるいは雇用支援では非常に重要だとの観点から、奨学金制度について、今日ということではないのですが、資料等を準備していただければということで発言させていただきます。

 日本の学生支援機構の有利子の奨学金制度を利用して、就職したものの非正規だったために返済が非常に厳しくなり、ブラックリストに載ってしまったという厳しい環境に置かれている状況が、地方からよく聞こえてきます。それは手続がよく分からないといった理由や日本学生支援機構の調査でも余り知られていないという理由もあるようですが、今年の 4 月から、この減額返済制度の基準も緩和されているということも理解しているのですが、現在、その減額返済返還制度の活用状況等、もし事務局で押さえているのでありましたら、次回のタイミングで構いませんから教えていただければと思います。


○牛島派遣・有期労働対策部企画課若年者雇用対策室長 文部科学省に照会してみないと分からない部分もありますので、文科省にも聞いてみます。


○阿部部会長 その他、御意見、御質問はございますか。


○才木委員 意見です。先ほど立教大学の方からも、インターンシップの関係にも触れていて、
1 日タイプのインターンシップが増えているところについてはオープンカンパニーにすべきだという御提言もありました。話を聞くと、 1 日タイプのインターンシップ、名前上こういう形でやられているというのが結構出てきていると聞いております。また、大学側の方々と話すと、実質的なインターンシップにはなっていない、ただの会社説明会的に取り扱われたりする形で行われているということで、こういうところについても課題を感じているところです。

 また、インターンシップ自体も、非常に有効なところはあろうかと思っていますが、ある程度学校側、大学側が関与したインターンシップは、比較的課題は少ないのかなと思うのですが、それ以外で、いろいろなところを見てインターンシップに応募していかれるような場合には、いろいろなトラブルも発生していると聞いています。

 また、インターンシップの中では、実際に働く職業体験と、いつも働いているというところから見ると、労働者性というところも危惧されるところがあるのではないかと思っております。そういうところから、インターンシップについても、ガイドラインの整備などを通じて、インターンシップに対するトラブルの低下は進めていくべきではないかと思っています。また、そのインターンシップに対するトラブルが起こったときの相談窓口も、しっかりと学生等に周知等をしていく対策も必要ではないかと思うので、意見させていただきます。


○阿部部会長 その他にはいかがでしょうか。


○遠藤委員 まず、インターンシップについては、キャリア教育の核になる
1 つだということで、経団連としましても、「採用選考に関する指針」の中でしっかりと受け止めているところです。

 吉岡総長からお話がございましたように、就業体験の機会提供という意味合いで位置付けるものであることから、期間について言えば 5 日間以上ということで、十分なプログラムの充実を求めています。

 先ほど、才木委員から「ガイドライン」というお話がございましたが、文科省、経産省、厚労省の下で、ガイドラインと言われるものができており、多様なインターンシップをどう広げていくかという形で、企業の中においても展開しています。

 いわゆる One Day Internship というものについては、私どもも広報活動と何ら差異はないこと等もございまして、 5 日間要件を掲げたわけです。当時は大変効果があったと言われ、前年度に比べれば半減するといったデータが示されたのですが、先般、就活の後ろ倒しに伴う形で、また雇用情勢の好転もあり、復活しているといった状況等もあります。是非政府を挙げて、就活の時期の後ろ倒し、その実効性をどう担保していくかについては、これまで以上に力を発揮していただきたいと思っております。


○阿部部会長 ほかにはいかがでしょうか。


○福田委員 資料
4 6 ページです。この資料を見るまでもなく、こういう結果とは思っていました。質問に「合計何社にエントリーしましたか」とあり、 21 200 社以上が 50 %という状況です。「何社の採用選考に応募しましたか」は平均で 16.54 社です。これが今の実態なのかなということで、インターネットで調べて、知ったような感じで受ける。

 先ほども意見がありましたが、 one day でも、そういうインターンシップを受けるというのは必要だと思うのです。それを遠藤委員のお話ではないですが、制度的に義務付けてもらいたいなと。 one day でも義務付けてもらいたいというのが、私の率直な感想です。


○阿部部会長 多分ですが、
one day というインターンシップと、就職活動で出てきますが、会社説明会というものがあって、そこが曖昧だというところが問題なのかなという気がするのです。だから、 one day のインターンシップと言いながら実際は会社説明会ではないかとか、そこの違いがいろいろ課題があるのではないかとはお聞きはしていたのですが、またそれは後日。


○市瀬委員 キャリア教育についてですが、日本商工会議所におきましても、平成
19 年に「教育再生に関する意見」を発表して以来、商工会議所が社会総掛かりで教育の再生の中心的な役割を自ら果たすために、教育支援、協力活動の具体的な取り組みを推進しており、「キャリア教育白書」というものを作成いたしました。その一環として、平成 20 年からは各地商工会議所における教育支援活動に関する調査も行っております。

 平成 24 年の調査結果では、回答のあった 371 商工会議所のうち、 267 の商工会議所がキャリア教育を行っており、実施率としては中小企業でも 72 %を超えております。実施率を見ますと、地区内人口 5 万人未満の小都市の商工会議所においても、実施率が 50 %を超えており、全国規模で教育支援を実施しております。そのことを御報告申し上げます。


○阿部部会長 ほかにいかがでしょうか。


○芳野委員 先ほど求人条件表示のトラブルの話が出ましたが、公正な採用選考についてという視点で発言させていただきます。

 職業安定法の指針の中には、求職者等の個人情報の扱いというものにおいて、面接時、エントリーシートを含む応募用紙については、原則本籍や出身地、思想及び信条、また家族の職業・収入、労働組合への加入状況などの個人情報を収集してはならないと表示されています。また、公正な採用選考のリーフレットにおいても、これらの適性、能力にかかわらない質問をすることは就職差別につながりかねないということが記載されていると思います。

 連合の調査においては、採用面接において家族のことを聞かれた割合が 4 割、本籍や出生地について聞かれた割合は 3 割強ありました。女性においては、 4 人に 1 人以上が結婚・出産後の就業意向を聞かれており、交際関係や結婚予定の有無のほか、容姿に関することということで、スリーサイズを聞かれたということも、連合の調査で分かっております。

 このように、面接などで就職差別につながりかねない質問がされているということは、均等法の視点からも法に触れる部分ではないかと考えておりますので、差別的な取扱いをなくすということでは、リーフレットによる注意喚起だけではなく、より実効性のあるものに格上げをしていかなければならないのではないかと考えておりますので、この辺もよろしくお願いしたいと思います。


○阿部部会長 ほかにはいかがですか。


○遠藤委員 資料
5 です。先ほど事務局から、「前回の議論の中身をまとめたもので、今日の議論の参考になれば」というお話がありました。この資料は今後どういう形で、この会議の中で位置付けられるのかについて、改めてお尋ねさせていただきます。


○五百旗頭派遣・有期労働対策部企画課雇用支援企画官 こちらの資料については、あくまでも前回いろいろな御議論をいただいておりますので、そのご意見を参考としてお示しすることで、より御議論が喚起されればということでお示ししているもので、そういう位置付けでお考えいただければと思います。


○遠藤委員 あくまでも議論の中で参考にさせていただくということですので、今後、まとめにかかってくる段階では、また別途の手続を取った形で対応いただけるということで理解してよろしいでしょうか。


○五百旗頭派遣・有期労働対策部企画課雇用支援企画官 結構です。


○遠藤委員 ということですと、それぞれ使用者側としては反論したいような内容もありますが、こういうような御意見があったというのは事実として、この資料自体は受け止めたいと思っております。今後、テーマごとに切り口を変えたような形で御議論されると思いますので、その都度、考え方の方向性については使側の意見を別途出したいと思っております。

 続けて、 2 の「中退者、未就職卒業者への対応について」です。今日、学校関係者の方がいらっしゃって、いろいろご提案いただいたと思っております。中途退学された方々が、その時点で学校と離れてしまうということは、事実関係としては間違っていないと思うのですが、そこでもし御存じでしたらお尋ねします。退学届を持参なり郵送なりをされた時点で、大学あるいは高校はそれを受け取った後に、何か相手方に対して文書を発信するようなことがあるのかないのか。文書を発信することがあるのだとすれば、その文書の中に、就職に当たっては、このような公的な支援機関があるのだというようなアナウンスをすること自体が、現行の法令に触れることがあるのかないのか。 2 点お尋ねさせていただきます。


○中安文部科学省初等中等教育局児童生徒課補佐 文部科学省から来ております。お尋ねに対して、十分には今の時点でお答えできない部分もありますがお答えいたします。文書を法令上というのは明確な記憶はございません。高等学校について申し上げればありませんで、実態上発出しているかどうかは、帰って確認させていただければと思います。

 それで、連携機関等をそこに明記するようなことというのは、先ほどありました地域若者サポートステーション等に対する情報提供というのは、今の形でも進めさせていただいておりますので、そういったことも含めて、事実関係は確認いたしますが、検討する余地はあるものだと受け止めております。


○遠藤委員 地域若者サポートステーションの議論では、私は別途参加させていただいていました。実は問題があって、本人ないしは御家族の同意がない形では、なかなか学校側からの情報提供はできないと聞いております。

 その部分をクリアしない限りにおいては、一定程度の方々はそこから漏れてしまうという現状があるわけです。その漏れてしまった方々をどうカバーしていくのか、学校生活から職業生活への円滑な移行から漏れてしまった方々をいち早く手当をするという形をどうするのか。プライバシーの問題なのか個人情報を保護しなければいけないという話なのか、詳しくは存じ上げないのですが、もう少し切り口として先に進めることがあるのかないのか。もしあるのだとすると、この審議会でやるのか、それとも別の審議会でやるのか。次回お示しいただくことで、中退者、未就職卒業者の対応という議論のターゲットを明らかにしていくことをお願いしたいと思います。


○阿部部会長 では、御検討いただいて。あと、遠藤委員の最初の資料
5 の位置付けと、かなり前の段階でも、若者の雇用の課題と、それに対する施策をどう整理していくかということをおっしゃっていたと思いますが、その辺りも含めて、次回もヒリアリングですから、次回あるいは次々回の辺りで一度整理をさせていただいて皆さんに御提示し、その上でまた更に御議論を深めていただきたいと思います。ほかにはいかがでしょうか。


○才木委員 インターンシップの関係ですが、ガイドラインは
3 省合同で整備されていることについては私どもも承知しているところであります。しかし、たとえば、実際にインターンシップに入ったときの労働者性の問題で、労働者性がある場合は労働基準法に準拠ということがその中に書かれているところはあるのですが、それが周知をされていないという事実を私どもも聞いております。そういうところから、そういう労働者性に対するトラブルという点などについて、周知徹底というところも必要だと思いますし、それが今のガイドラインの中で、見ていただく方に十分に理解されていないようであれば、その法的整備も必要なのではないかということを補足させていただきます。


○阿部部会長 それはそれで課題ということで整理させていただいて、また議論を深めるということにさせていただきたいと思います。ほかにいかがでしょうか。


○宮本委員 先ほどの遠藤委員の御発言につなげてです。中退だけでなく、学校を卒業するときに無業とか不安定な就労のまま卒業し、その後は長期の失業者、無業者になっていくという問題は、どこの国でも若者の問題の中で最も重要な問題だと言われています。それぞれの国が、つなぎ方に関していろいろな仕組みを作ろうとしているわけで、その辺り、ここの委員会でやるのかどうかということがありますが、是非、他の国がどういう形でつなげようとしているかの情報を集めていただくのが、議論をする上では効率的かと思うのです。


○牛島派遣・有期労働対策部企画課若年者雇用対策室長 宮本先生が御指摘になった件については、そもそもこの場で御議論いただくかどうかという前提もあろうかと思いますので、部会長とも相談しながら、どういった資料を出すかは検討したいと思います。

 先ほど村上委員とのやり取りの中で、虚偽の求人に対してのペナルティは何もないかのように申し上げたのですが、そもそも虚偽の広告で募集をしたら、職業安定法上の罰則が掛かりますので、そこはペナルティとしてはあります。ただ、その間のハローワークがそこまで至る前にどのように是正するか、実効的な取組がどのように考えられるかというのは、この審議会の中での御議論かと思っております。お答えが不十分だったので補足させていただきます。


○阿部部会長 そろそろ時間もきましたので、いろいろ御意見、御質問を伺いましたので、また整理させていただいて、今後深めていきたいと思います。最後、今後のスケジュール等について、事務局からお願いします。


○五百旗頭派遣・有期労働対策部企画課雇用支援企画官 今後のより深い御議論の参考になればと思い、
10 8 ( ) 10 時から、新宿の「東京新卒応援ハローワーク」「新宿わかものハローワーク」の視察を予定しております。御都合のつく方は是非御参加いただければと思います。詳細は改めて御連絡申し上げますので、よろしくお願いいたします。


○阿部部会長 視察は今後の議論を深める上でも有意義だと思いますので、是非、委員の皆様には積極的に御参加いただければと思います。よろしくお願いいたします。

 次回は 10 17 ( ) 10 時から、場所は本日と同じこの会議室にて開催いたします。本日はこれにて終了といたします。お忙しい中、どうもありがとうございました。本日の署名委員は野村委員、藤原委員にお願いいたします。よろしくお願いいたします。


(了)

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