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2014年12月18日 第4回 がん登録部会(議事録)

健康局がん対策・健康増進課

○日時

平成26年12月18日(木)16:00〜18:00


○場所

厚生労働省  専用第14会議室(12階)


○議題

(1)院内がん登録について
(2)全国がん登録について
(3)その他

○議事

○がん対策推進官 定刻となりましたので、ただいまより第4回「がん登録部会」を開催いたします。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 初めに、本日の委員の出欠状況でございますが、本日は、家原委員、中西委員、本田委員、松本委員、山本委員より御欠席の連絡をいただいております。また、何名か天候の影響等でおくれているようでございます。

 ただ、本日のがん登録部会の委員定数24名に対しまして、現在、出席委員が15名でございますので、議事運営に必要な定足数13名には達していることを御報告申し上げます。

 本日は、3名の参考人を招聘しております。

 国立がん研究センターがん対策情報センターの西本寛参考人でございます。

 同じく、柴田亜希子参考人です。

 同じく、松田智大参考人です。

 以後の進行は、辻部会長にお願いいたします。

○辻部会長 それでは、きょうもどうぞよろしくお願いいたします。

 最初に、事務局から資料の確認をお願いいたします。

○がん対策推進官 資料の確認をさせていただきます。

 座席表、議事次第に続きまして、

 資料1 がん登録部会委員名簿

 資料2 がん登録部会における今後の議事(イメージ)

 資料3 院内がん登録実施のための指針(構成案)

 資料4 全国がん登録届出マニュアルについて

 資料5 全国がん登録における個人情報保護のための安全管理措置ガイドライン(案)について

 資料6 全国がん登録の位置付け等について

 参考資料の1〜5及び7はファイルにまとめてとじてございます。

 参考資料6として「がん診療連携拠点病院 院内がん登録標準登録様式(一部抜粋)」をつけてございます。

 また、冊子で地域がん登録の手引きをつけてございます。

 資料の不足、落丁等がございましたら、事務局までお申し出いただければと思います。

○辻部会長 よろしいでしょうか。

 資料に問題がなければ、議事に入りたいと思います。

 まずは、議題1「院内がん登録について」であります。

 前回は院内がん登録の項目のみの検討でありましたけれども、今回は、その内容につきまして、初めに事務局から概要について説明をいただきまして、その後、参考人の国立がん研究センターから資料の御説明をお願いいたします。

○事務局 資料2を御確認いただけますでしょうか。

 こちらは前回の部会でもお示ししたものでございますが、今回はこの中で下線を引いているものにつきまして資料を準備しております。

 法律の第44条第1項におきまして、院内がん登録に係る指針ついて、専門的ながん医療の提供を行う病院の開設者及び管理者は、この指針に即して院内がん登録を実施するよう努めるものとすると規定されております。こちらについて、後ほど御説明いただく予定としております。

 また、全国がん登録につきましては、前回、全国がん登録記載マニュアルは、項目のみで国立がん研究センターから御説明いただきましたけれども、こちらの詳細と個人情報保護のための安全管理措置ガイドラインについて、今回、その概要をお示しいただく予定としております。それ以外の項目につきましては、次回以降、お示しする予定としております。

 以上でございます。

○西本参考人 私、国立がん研究センターの西本のほうから、資料3「院内がん登録実施のための指針(構成案)」について、説明をさせていただきたいと思います。

 本指針は、厚生労働大臣が院内がん登録の実施に向けて定めることががん登録等の推進に関する法の第44条にございまして、それに基づいて整備が必要だということで策定が定められている指針でございます。

 一番骨子になりますのは、前回の部会におきましても先生方のほうから御意見をいただきました、項目案というところが骨子になるわけでございますが、それ以前に、院内がん登録とはどのようなもので、どのような目的を持ったものかという位置づけ、実施のためにどのような体制をつくることが望ましいかという部分、2ポツの部分が実施のための体制として、組織体制、実務者ということで実施の担い手に関して触れる形にさせていただいてはどうかと考えております。

 組織体制につきましては、従来から院内がん登録を普及させる鍵になっていますのががん診療連携拠点病院でございます。

 がん診療連携拠点病院においてどのような組織体制を構築するかに関して、決まりがあるわけではありませんけれども、組織として恒常的に院内がん登録を運用していただくために、例えば、審議のための委員会なりワーキンググループを設置していただく、そのための規約の整備をすすめていただきたいということを書き込んでいく形になろうかと思います。

 現状、実は私ども国立がん研究センターでは、精度管理事業という名称にはなっておりますけれども、各拠点病院での院内がん登録の実施実態を把握して、それをどのように支援するかということを目的にしまして、年間30施設程度の拠点病院を回らせていただいております。

 かれこれ7年になりますので、200病院以上、我々は実際にお邪魔して、そこでの問題点等を伺ってきておりまして、その中で、ルール、規定に関しては、きちんと定めておいたほうがいいだろうということもございまして、この部分を特別に実施のための体制という章を定めて、組織体制、実務者に関して触れる形の構成とさせていただきました。

 指針の中で一番柱になります運用につきましては、まず、標準登録様式でございます。

 標準登録様式に関しましては、前回の部会でも項目案に関して提示をさせていただいていると思いますけれども、これについてここで少し触れさせていただきます。

 机上資料には、「標準登録項目とその定義」として、実際の標準登録様式は全部ですとかなり大きくなるものですから、問題になりそうなところについては抜粋をさせていただいて、机上資料として配付をしていただいております。

 項目そのものの並びは、一番最後の5枚分があると思いますけれども、表になっておりまして、このような形で項目を設定してはどうかということで、これは、厚生労働省の研究班とがん研究開発費の研究班に、がん登録関係者あるいは臓器がん登録の先生方も広く集まっていただきまして、御意見を伺い、全国がん登録と整合がとれる形で、さらに施設間の比較に使えるようなデータとしてつくろうということで検討してまいったものでございます。

 資料で、前回、御議論いただいたところということで伺っておりますのは、1つは、表でいいますと2ページ、項目番号の191「告知の有無」でございます。

 机上資料ですと18ページと振られていると思いますけれども、若干、一部誤植がございますが、「告知の有無」という形で御意見をいただいた部分について定めてはどうかと研究班等で検討をさせていただきました。

 告知に関しましては、タイミングの問題もございます。登録をされたときには、このレベルというか、このような状態で患者さんにお話がされている。

 ところが、実際には長い経過の中で、踏み込んだ情報を提供されたりということもございますので、では、どのタイミングでということを決めませんと、情報自身が、最終的な告知状況なのか、それとも登録をした段階での告知状況なのかということがやはりございますので、今回の項目については、初回の治療方針が決定された際にどのような病名の告知が行われたかということで、まず、情報をとろうと案として出させていただきました。

 この部分につきましては、従来は予後告知を含めてとか、かなり細かな分類がされておりましたけれども、現場でいろいろ御意見を伺いますと、本来はカルテにそのあたりが書いていないといけないことなのかもしれませんけれども、非常にデリケートな言い方をされるケースもあり、分類をするのが比較的難しい状況がございましたので、まずは病名が告知されているかという状況を、院内がん登録としては、確実につかんで、それが集計として出せるようにしましょうということで、従来、オプション項目の形で集計もしておりませんでしたけれども、これは標準項目として病名の告知があったのか、なかったのかということで項目の設定をさせていただければということで、18ページのところに項目としての書き込みをさせていただいております。

 ですので、コードの選択は病名の告知あり、告知なしということで、定義に関しては、初回治療方針の決定時に、病名についての告知が行われた場合は、告知ありにする。

 下には、適用としてどのような場合にという例も挙げながら、実際の現場では判断に悩む場合もあると思いますけれども、この辺は、将来的にこの適用に当たるところを少しずつふやしていく、例示もふやしていく形で、現場のニードに応えた形で対応させていただきたいと考えております。

 まず、これが告知の部分でございます。

 あと、病期分類と申し上げますが、がんがどれぐらい広がっているかという部分については、全国がん登録のほうでは、進展度という、アメリカの地域がん登録等で用いられています、サマリーステージングという比較的時間的な経過、いろいろルールが変わったりすることによって影響を受けにくいという形で、比較的、大まかに決められているものでございますけれども、その進展度という形で全国がん登録は収集するということでございますが、院内がん登録につきましては、特にアメリカは院内がん登録が非常に進んでおりますので、国際比較をする観点で、アメリカで採用されていますUICCTNMの情報、ステージを収集するのが、今まで院内がん登録させていただいていた部分でございます。

 その部分も、今までは、いわゆる亜分類と申しまして、例えば、同じ1期でも、1aあるいは1bと分かれているのを1期だけで集めておりましたものを、このあたりがだんだんUICC TNMも細かくなっておりまして、TNMの組み合わせによってステージが決まるわけですけれども、そのあたりの組み合わせが複雑にどんどんなっていることもありまして、きちんとした亜分類まで入力ができるようにということで、選択肢を3桁にして対応できるようにさせていただいております。それが、項目番号にしますと230300番の範囲に入ってまいります。

 あとは、従来、肝臓がんに関しましては、我が国において社会的にもかなり大きな問題ともなっておりまして、かつ、欧米の肝臓がんの罹患状況と我が国の罹患状況は、根本的に疫学的背景も違うということで、UICC TNMのみでは、我が国の肝臓がん、特に肝細胞がんの罹患状況が把握しづらいということで、肝臓がんについてだけは取り扱い規約という我が国のルールについても収集をさせていただく。

 これは、従来通りでございます。従来も、これについては収集をさせていただいております。

 ですので、国際比較をするときにはやむを得ずUICCを使いますけれども、日本の状況を把握する、あるいは、それが継時的にどの施設でどのレベルのがんの進みぐあいの患者さんを主に扱っているか等を情報として拾うためには、232番の肝臓がんの取り扱い規約のステージが必要であろうということで、その部分も収集をさせていただいてはどうかということでございます。

 共通項目、診断根拠等については、今までと若干ルールは変わりますが、全国がん登録にきちんとシンクロさせて、整合がとれる形であわせて定義をし直したところでございます。

 初回治療の情報に関しましては、これも全国がん登録の項目と合わせている部分と、追加的に集めている部分がございます。

 これは、施設の実態を把握するのが院内がん登録の第一義の目的でございますので、そのこともあって、治療の順番等の情報もあったほうがいいだろうということで、外科的治療、鏡視下治療、内視鏡的治療、表を1枚めくっていただきますと、放射線、化学療法、内分泌療法とその他の治療という形に分類をいたしまして、それぞれについて、治療の有無は従来から拠点病院で集めていたものと同じでございますけれども、それに加えて、自施設での施行日は当然わかるはずでしょうから、その部分は収集をさせていただく。

 従来の院内がん登録の治療に関しましては、自施設でしたものについては集めるけれども、他施設の情報は非常に集めにくいということで集めなかったのですが、地域医療とか、医療機関の間での役割分担とかが進んでまいりまして、例えば、手術はうちでするのだけれども、あとの化学療法あるいは先行する化学療法は別の施設でということがあって、そのあたりの流れが、比較的、捉えにくくなってきていることもございまして、わかる範囲で他施設で治療された部分も収集をしていくということで、ちょっと複雑にはなっておりますけれども、自施設の受診前に他施設で治療されたケース、ここが一番捉えにくいところでございますので、捉えられる範囲でとしか言いようがないのですけれども、その情報があるのであれば、その部分をデータとして登録をしていただくことで、自施設受診後の治療についてもそれぞれについて集める形にさせていただければと考えて、項目を策定させていただいたところでございます。

 鏡視下治療に関しましては、前回、少し御議論があったかと思いますけれども、これについても、侵襲性の低い治療がどのような形で行われているのかという意味で、やはり今までも地域がん登録等で収集をされてきていた項目でもあり、全国がん登録でも、従来は体腔鏡的治療と言われておりましたけれども、胸腔鏡、腹腔鏡のみならず、侵襲性の低いカメラを使った治療は普及をしている段階ですので、そのあたりも含めて、そちらは鏡視下治療に入れて、別途、集めたらどうかということで、従来から提案をさせていただいております。

 そのあたりは定義が非常にややこしくなりますけれども、委員の先生方におかれましては、例えば、表ではなくて実際の登録様式の中で、29ページのところに鏡視下治療の簡単な定義を書かせていただいております。

 項目番号480の部分については、「自然孔からの挿入ではない内視鏡的光学機器を用いて、観血的治療が行われた場合を『鏡視下治療』とする」と。

 定義はなかなか文言が苦労するところではあるのですけれども、そこも例を挙げながら、新しい治療が出れば、その部分についてはお応えをしていく形、あるいは、このような様式の中でその部分を含める、含めないということを明確にしていく形で対応させていただきたいということでございます。

 これらについては、「侵襲性の低い治療として、『体腔鏡的治療』の名称で広義の外科的治療の状況を把握するために設定された経緯がある」という状況についても書かせていただいているということでございます。

 標準登録様式に関しては、以上のような形で、書式としては、今、委員の先生方がお手持ちの形で、全項目について網羅をする形で、標準登録様式を指針に盛り込ませていただこうということでございます。

 あとは登録候補の見つけ出しが、登録をするか、しないかを見つけ出す部分は、施設の中でかなり大変な部分でもありますので、この部分も、まず、対象をどのように引っ張ってきて、対象になるかどうかを判断するというやり方が、見つけ出す範囲が違いますと、結果的に出てくる件数も変わってくる状況がございますので、この登録の運用に関しましては、見つけ出しの部分について、従来、病院で行われているICD-10の病名コードの中の、このコードとこのコードに関しては、見つけ出し対象として、まず、見てくださいという形でリストアップをし、提示をすることになります。

 それが、この構成案の一番下にあります付録の「登録候補見つけ出しのための対象ICD-10コード」ということで付表としてつけさせていただいて、業務の流れをできるだけ標準化しようという形で指針の中に盛り込みたい。

 あとはエラーチェックの仕方について、エラーチェックのロジックも含めて、このような考え方で行いますという品質管理の章をもう一つ割き、第4章として、大事なところは利活用でございますので、全国集計でどのような集計方法がとられるかということ、ちょうど今月に私どものほうから記者発表もさせていただきましたけれども、院内がん登録のデータを使って、どこの施設でどのようながんの患者さんをどれぐらいの数で診療しているかということを、相談支援センターに行っていただくことで、特に希少がんでどこの施設が診ているのかよくわからないということを情報として提供するサービスを、都道府県の拠点病院を中心に開始をさせていただきましたけれども、それの運用がこうなっていますとかということを、当然、実務者も知っていていただかないといけないので、指針として、実際、このような利用形態がある、あるいは、施設内でこのデータを使って精度管理をする、あるいは、施設の特徴を把握していただく部分の例を挙げながら、実際の使い方の一つの道筋を示すところが第4章でございます。

 最後は、この法律の中で一番大事な個人情報保護の考え方でございますけれども、これに関しても、施設内での安全管理措置の望み得る姿をきちんと記述して提案をしようということで、望ましい姿としての指針案を提示させていただきたいということで、このような構成案になっております。

 一応、私のほうから、構成案に関してあるいは前回に少し問題になったと伺っております様式の内容について、コメントをさせていただきました。

 以上です。

○辻部会長 ありがとうございました。

 ただいまの御説明につきまして、委員の皆様から何か御質問、御意見をお願いいたします。

 黒田委員、どうぞ。

○黒田委員 2点ありまして、1つ目は非常に軽微な話なのですが、初回治療情報で幾つか項目がございますけれども、そのうち内分泌療法の有無のところだけが施行日がないのは、何か理由が特別にございますでしょうか。

 2つ目の御質問は、ちょっと大きな話になると思うのですけれども、今回、初めて他施設、前後の施設の情報を収集しますということをお話しされておられるのですが、全国がん登録で、前後の病院、全てのところががんの登録をしていくのであれば、その情報に基づいて調査をすれば、そもそも前後の施設の有無は少なくとも全国がん登録でも登録することになっておりますので、その情報と結びつけて調べることによって、これは分析できる話だろうと思われます。

 そうすると、前後の施設で治療がどうだったかというと、登録が難しいと先生もおっしゃっていましたけれども、難しいものを悩みながら情報を収集して、場合によったら、後施設だか、前施設にお電話をかけながら情報を収集してという作業を現場にお願いするのはいかがなものかという気がいたしますが、そのあたりはいかがでしょうか。

○西本参考人 最初の御質問ですけれども、内分泌治療に関しては、内服薬で出ることが多くて、スタートのポイントが外来とかでつかみにくいのではないかというのが検討班の中での意見でございました。

 ただ、御指摘のように、ほかの項目と比べますと、前後の状況を捉えるという意味合いからいうと、施行日があるほうがいいということであれば、これは持ち帰らせていただいて、追加をさせていただくことは、ほかの療法と一緒で可能であろうと思います。この点については、今の御意見を尊重しながら対応させていただければと考えます。

 2番目でございますけれども、他施設の情報は確かに非常につかみにくい状況であります。

 ただ、このがん登録等の推進の法律が、全国がん登録に関しては、個人情報をつけて、個人を識別する形で収集をしていく形になっているのに対して、院内がん登録のほうは、今のところは、私どもで集めたり、いろいろ集計をしていくというのは、施設間のダブりの問題もあり、では、それを解消できるのかという問題もございまして、匿名化したデータで集めるということが今の法律のくくりの中で定められている。

 もう一点は、情報を結びつけて、果たして今の法律の立てつけの中で解析をすることができるのかということになりますと、これは院内がん登録の、施設が持っている情報をそのまま集めて、それを同意なくどんどん引っつけていっていいのかというのは、今の法律の範囲内においては許容されていないのではないかと我々は考えております。

 ただ、問題としては、将来的には、こういった情報は、黒田先生の御指摘のように、非常に重要な情報で、幾つかの情報源が分断されて存在しているがために、トータルとしてがんの診療実態を把握しづらい状況は確かにございますので、これについては、例えば、施設以外のところで、施設から出していただいた情報をもとに、誰かが法に基づいてあるいは本人の同意に基づいて引っつけていくとか、あるいは、将来的には、これは今のところは私どものできることではありませんけれども、法の改正あるいはマイナンバー法との連携等を視野に入れていけば、当然、将来的にはそれをリンクさせていくというのはあり得る姿であろうと考えます。

 ただ、現状でがん登録の推進法の中でそこの部分を全部リンクさせていくのは、全国がん登録の中ではできても、院内がん登録に関しては、その部分に関して除外の規定等も全くございませんので、対応ができないのが実態でございまして、その意味では、施設間の連携というものを、情報を拾ったからといって単純に結びつけるわけには、今のところは技術的にも難しいだろうと。

 ただ、御指摘の実務者の負担になるだろうという点はまさにそのとおりですので、その部分も含めて、紹会元の施設は、施設の中では管理項目として紹会元あるいは紹会先が入力できる項目の設定もしておりますし、将来に備えてそのような連携、リンクをしていくことはあるかもしれませんが、現状はそこでスタートはせずに、できるだけその範囲内で集められる情報を集めて、カタログを各施設でつくっていただくという範囲にとどまらざるを得ないと考えております。

○黒田委員 済みません、法律の細かいところまで読み込んでいるわけではありませんが、法律上の壁があるという御指摘については、そうなのだろうとしか今のところは理解できないのですが、従前、全国がん登録のディスカッションをしている中でもお話を差し上げましたけれども、そもそもレセプトでデータを既に全病院を集めているわけで、全然別の情報源ではございますけれども、レセプトのデータから本来拾えるべきデータを、何となく手で抽出をして一生懸命誰かが入力をしていると。

 それはものすごく無駄なことを日本の国の中全体でやっていて、そこに雇用が生まれていると見る方もあるかもしれませんが、そこにものすごく大きなお金が実際に動いている現実があるわけです。かつ、出てきたデータがつながらないということは、本来、つかむべき情報がつかめていない可能性すらある。

 それは根本的にやはり問題があるところなので、大きな話ですから、この部会の範囲を越えていく話ではあるのですけれども、どこかでそこは議論されてしかるべきだろうということは思います。

 その上で、この登録項目で、将来を見越してということにきっとなろうかと思うのですが、将来を見越して考えたときに、将来、結びつけることが可能になったと仮定、期待をした場合、例えば、全国がん登録で登録をしたものとこの項目とは、実は一致する項目であるのだということをひもづけるような情報は、この基本情報の診療録番号と重複番号とかの組み合わせで、ある程度できるように設計されておるのでしょうか。そこを1点、追加で教えていただければと思うのです。

○西本参考人 基本的には、病院等の名称、診療録番号という2つについては、全国がん登録と共通で出していただく項目になりますので、これがいわばユニークIDという形になります。

 診療録の番号ということは基本的に患者さんのIDということになりますから、病院の中で固有に持っているIDということになりますので、その病院から出てきたデータについては、どこの誰それさんということはわかります。

 問題は、全国がん登録の側で違う病院から同じ方について出てきた場合には、データベース上は病院の名称プラス診療録番号で、その病院の中で特定されたユニークIDと、あとは名前、住所等で全国がん登録側で同一人物だと認識されたものについては、データベース上はひもづけることは可能になると思います。

○辻部会長 よろしいですか。

 ほかにどなたかいらっしゃいますか。

 どうぞ。

○天野委員 ありがとうございます。

 そもそもというか、基本的な質問で恐縮なのですが、2点ございまして、1点目が、ステージ分類のお話があったかと思うのですけれども、現行の状態で、いわゆる5大がん以外の希少がんについても、ステージというか、病期分類は、ある程度、把握できる状態になっているのかというのを改めて確認させていただきたい点が1点でございます。

 2点目が、そもそもでこれも恐縮なのですが、いわゆる小児がんの拠点病院の整備指針がありまして、その中で、小児がんの拠点病院に関しては、小児がんの標準登録様式に基づいた院内がん登録を実施するとされていて、今、ディスカッションされているこの項目案と小児がん標準登録様式等の院内がん登録の整合性はどうなっているのかということについて、教えていただければと思います。

○西本参考人 後段については、今、小児がんの中核医療機関の間でディスカッションをされているところですので、まだ完全にこうだということを私の立場で申し上げるわけにはいかないのですけれども、基本的には、それがダブって無駄な形にならないようにということはしなければいけないだろうとは思います。

 現実に、小児がんの拠点病院も、そのうちの半分以上は、実はこの標準登録様式での登録をするがん診療連携拠点病院でございますので、その部分のデータとのこれからの突き合わせはさせていただきますとともに、実は、今年度、これは出せる施設からということになりますけれども、小児がん拠点でがん診療連携拠点ではない病院がございますので、今の院内がん登録の項目になりますけれども、それらからも収集をさせていただく予定で、1月に収集にかかりまして、今後、どれぐらいぶれていくのかというデータのベースになるようなデータは、まず、とらせていただこうと考えております。

 その上に、恐らく小児の場合は、特定のあるいは特殊な情報を入れなければいけないだろうという議論をされていると思いますので、その部分を追加的にするのか、学会との関係の中でそこが二重にならないようにするのかということが議論が進んでいくのが後段の部分でございます。

 前段の部分に関しましては、院内がん登録のステージの項目については、今はいわゆる主要5部位についてのみ必須といいますか、それだけをきちんと集めましょうということで研修を進めさせていただいてきました。

 結果として、初級と言われる、主要5部位の病期分類について、ある程度トレーニングを積んだ修了者の実務者という方が、ことしの段階で5,000人を超えるぐらいおられる状況がございます。

 現実に400を超える拠点病院からデータを集めますと、およそ8割方はそれ以外の部位についてもステージが入っております。

 ただ、そのステージに関しましては、今、精度管理のためにいろいろと研究的にその部分の中身を見ておりますけれども、5部位のデータが、ある程度、これはぶれがないだろうと思われるようになるまでに、拠点病院で大体3〜4年かかっています。

 逆に言いますと、そこまでの研修をずっと継続的にしてきたから、その状況にようやくなってきたという状況でございまして、残念ながら、5部位以外の部分については、例えば、今のUICCと若干違うルールのままで入力をされていたりというデータがそれなりに混在している状況でございます。

 ここについては、それ以外の部位のデータをとろうとしますと、やはり研修を受けている方がその病院で登録をされる形が望ましいと思いますので、その部分の研修を中級者の研修として、この7年間、我々も提供しています。

 やっと今、500人ぐらいの規模で中級を修了された方が出ていますので、希少がんのデータについては、そのような中級の修了者がおられる施設に限って、まず、集計を回収してオープンにしていこうと予定しています。

 ですので、データ自身は、まずはそうやって還元をして、還元をした結果として、自分の施設とよその施設がどうなのだろうかと見比べることで精度が上がっていくプロセスを踏んでいきますので、そのようなプロセスが踏めるように、これから中級の研修に関しても継続はしていきますし、中級の修了者の研修も来年度から開始をしていくという予定でございますし、実際の集計をこれから始めていく段階でございます。

 その状況がだんだん広がってきて、中級修了者以外の修了者がおられない施設についても、精度指標がよくなってくれば、その段階でそれらもあわせた集計を出していくというステップを踏みながら進めていきたい。

 希少がんに関して、このまま集計もしないということではなくて、これについては、研修と両輪の形で進めながら、来年度以降、データの公表を進めていこうと考えています。

○辻部会長 よろしいですか。

○天野委員 ありがとうございました。

 希少がんについても、方向性としては、将来的に情報を収集することでぜひお願いしたいということがあります。

 もう一点、小児がんについては、今、整備指針に基づいた院内がん登録を準備されているということなのですが、項目等について、もし可能であれば、この部会で御報告などいただけるような形にしていただければと思っております。

 というのは、聞き及んでいる話なのですが、こちらの部会で活発にディスカッションが行われている反面、小児がんのほうは、成人と違う、いろいろな話があるということで、必ずしも十分に進捗が進んでいないのではないかという御指摘を私も聞いていまして、ぜひこういった場で検討いただいたほうが、小児がん登録についても適切に推進がなされるかと考えましたので、発言をさせていただきました。よろしくお願いします。

○がん対策推進官 その点については、今後、小児がん登録の様式の議論の状況も見ながら検討したいと思います。

○辻部会長 よろしいでしょうか。

 ほかにどなたかいらっしゃいますか。

 祖父江委員、どうぞ。

○祖父江委員 この院内がん登録と全国がん登録の目的、役割の確認なのですけれども、院内がん登録は、主には、患者さんや医療関係者に対しての情報提供、内容的には、診療の質の評価ですとか、診療実態の情報提供に当たると思うのですけれども、全国がん登録は、患者さんや医療関係者というよりは、施策の決定者ですとかに、疫学的な情報、罹患率あるいは地域ベースの生存率等を提供すると。

 ですから、このがん登録法の立てつけの中では、院内がん登録を全部の病院に対して行って全国集計をするわけではなくて、拠点病院を中心とする、がん診療を主にやっている病院について院内がん登録の情報を集め、全国がん登録はそれ以外の病院も集めて全罹患を把握すると。

 ですから、進めていっても、院内がん登録を集めた集合体が全国がん登録に一致するようにはならないという理解で私はいましたけれども、その理解は正しいのですか。

○西本参考人 おっしゃるとおりだと思っております。

 院内がん登録を進めている、がん診療を中心に行っている医療機関のデータで、現状は罹患全体の恐らく7割ちょっとのデータが出てくるだろうと思っておりますが、これはアメリカでも全く同じ状況で、全体の罹患の7075%ぐらいが、いわゆる外科学会が認定した、がん診療の中心的なCOC approved hospitalsということで院内がん登録のデータが出ておりますので、日本でも同じように、それを比較することでアメリカの状況、アメリカの施設別の状況と対応したデータをつくる。

 国内においては、施設間を比較しながら、自分たちの病院の特徴をつかんでいただくと同時に、私たちが最近始めています、患者さんにもその施設ごとの状態がどうなのかということをできるだけお伝えする。

 これが院内がん登録の仕組みでございまして、全国がん登録のほうは、きちんと漏れなくがん患者さんの発生率、いわゆる罹患をきちんと捉え、その生存率がどうなっているのかということをできるだけ漏れがない形で捉えて、行政あるいは国、都道府県がそれを利用して、そのデータに基づくがん対策を行っていくための基盤になるのだという考え方で私どももおりますので、祖父江先生のおっしゃるとおりだと考えます。

○辻部会長 これにつきましては、事務局のほうから資料6「全国がん登録の位置付け等について」ということで、地域がん登録、院内がん登録、臓器がん登録をまとめていらっしゃいますので、当初は「その他」に予定しておりましたが、今、ここで御説明いただいてもよろしいでしょうか。

○事務局 それでは、資料6につきまして、御説明をさせていただきます。

 こちらは、前回の部会におきまして、今後、国民向けに周知を行っていく上で、いま一度がん登録についてわかりやすく整理をしていただきたいという御意見がございましたので、それを踏まえまして準備したものでございます。

 1枚目の下になりますけれども、現在、がん登録につきましては、地域がん登録、院内がん登録、臓器がん登録ということで3種類ございますが、こちらは比較的わかりやすくというか、言葉をかなりかみ砕いてまとめていただいておりまして、実施主体、目的別にわかりやすくまとめられ、また、それを応用して何がわかるかという例と、一番新しいデータはいつかということをまとめてあります。

 これは国立がん研究センターの院内がん登録の集計報告で使われていた資料を活用させていただいておりますが、例えば、地域がん登録におきましては、「誰が」ということで、行政、都道府県市が、住民をがんから守るために、地域住民に発生した全部位、全がん種の、罹患率、生存率を、分析の実態や推移を分析するために行われるものだということで、院内がん登録、臓器がん登録につきましても、それぞれ実施主体と目的ごとにわかりやすく書かれております。

 地域がん登録におきましては、年齢調整罹患率、部位別罹患率といった、国の施策に活用できるようなものですが、これは、当然、都道府県におきましても地域ごとということで把握できるような形でして、院内がん登録におきましては、部位別の診療数であったりとか、その病院での実績等々で評価ができることになります。

 比較としては、地域がん登録は地域別の比較ができるところですけれども、院内がん登録におきましては、ほかの病院との比較ができる形になっております。

 それぞれの最新の報告年としては、地域がん登録は2010年のもの、院内がん登録は2012年のものが一番新しいものとなってございます。

 次のページをおめくりいただきますと、がん登録の目的別に、それぞれの情報の細かさとか、症例数が異なっているところで、右側に「地域がん登録」とありますけれども、地域がん登録は、悉皆性という観点から、情報の詳細さという部分では少し劣っておりますが、地域の把握、国全体の把握については、こちらで実態把握をしていくことになります。

 一方、院内がん登録、臓器がん登録となるにつれて、より詳細な情報がわかることになりまして、これらで医療の質の評価をすることができる形になっております。

 下ですけれども、全国がん登録は2016年1月に開始をする予定ですが、現在の地域がん登録が2016年以降は全国がん登録に移行していくということで、院内がん登録におきましては、引き続き、普及及び充実を図っていくということでございます。

 3ページ目、今後の予定ということで、何度か部会のほうでもお示しをしている資料でございますが、現在、赤い点線で示しております12月ということで、政省令につきましては、近いうちにパブリックコメントを開始する予定としております。

 また、来年は残りの指針等の作成のほか、国民や関係者への周知や実務者への研修というものに力を入れてやっていきたいと考えておりまして、こちらで今後の予定ということをお示ししたいと思っておりました。

 説明につきましては、以上でございます。

○辻部会長 ありがとうございました。

 若干、順番は違うのですけれども、地域がん登録と院内がん登録、それから、臓器がん登録、そして、全国がん登録の位置づけということで、今、整理していただきましたけれども、祖父江先生、これでよろしいですか。

○祖父江委員 2ページ目の下の表なのですけれども、地域がん登録が全国がん登録に移行するのはいいのですけれども、その対比として施設別の院内がん登録を書くのではなくて、ここは院内がん登録の全国集計という仕組みを対比させたほうが、私は適当だと思います。

 全国がん登録で罹患率なり、地域別の生存率なりを集計することに対して、院内がん登録の全国集計が施設別の集計を主として行うと。構造としては、匿名化されたデータを集めて名寄せはしない。

 したがって、そのようなプロセスを経ないことで即時性を保てるところがあって、こちらの院内がん登録の全国集計のほうが、むしろ今回のがん登録法の土台になった、患者さんへの情報提供をどうするのかということに対して、リッチな適切な情報の提供ができる仕組みであることをきちんと書いたらどうかと思います。

 もちろん、全国がん登録が意味がないと言っているわけではなくて、それは施策を立てる上での基礎資料としては非常に重要なわけですけれども、患者さんへの情報提供としては、むしろ院内がん登録全国集計のほうが適切な情報をタイムリーに出せるというところをきちんと記述したほうがいいよう思います。

○辻部会長 西本先生、よろしいでしょうか。

○西本参考人 ありがとうございます。

○辻部会長 大木委員、どうぞ。

○大木委員 私も祖父江委員の意見に全く同じなのですが、追加で、全国がん登録は全ての病院がしなければならない、院内がん登録はがんの診療を主にやっている拠点病院を中心とした病院がしなければならない、臓器がん登録は任意のやらなければならない病院はするというような、全部の病院、がんの診療をやっている病院、臓器がん登録に登録している病院ということを明記していただいたら、もっとわかりやすいと思いました。

○辻部会長 よろしいでしょうか。

 今、臓器がん登録の話も出ておりますけれども、臓器がん登録の関係の先生方は何かコメントがございますか。よろしいですか。

 平田先生、どうぞ。

○平田委員 臓器がん登録は、一応、幾つかの学会あるいは厚労省の研究班の中で個別に論議が進んでいます。臓器がん登録の目的は、言葉には誤解があるかもしれませんが、学術的なことを目的としておりますので、かなり登録項目が多いわけです。

 一つのエンドポイントに合わせて項目を設定しておりますので、各学会さんの検証の仕方もちょっと差が出ております。

 今回の件で、一番気になっているのは、登録データから施設別等の情報公表することがあるとのことでした。先ほどの、祖父江先生の御発言で私はちょっとほっとしたのですが、特に外科系の治療を行う場合に、各がん診療拠点病院の個性というか、特性に関わる背景がございまして、その大きな一つに、例えば、心臓血管内科・外科とか、すなわち循環器科とか、脳神経内科・外科とか、そのような診療科のないところは、そのような病気を併存している方については外科治療をその施設では受けないことが多い状況にあります。特にそれを左右するのが麻酔科の先生のご判断が多いです。

 麻酔科の先生によっては、先のような協力のできる診療体制が整っていないときには、例えば、一番単純な言い方をすると、大学へ紹介しなさいということになります。

 そうすると、一つ一つの拠点病院の患者背景の特性が違ってくるということになります。訴訟のことも恐れてか、麻酔科の先生方はなるべく大学に送るように、実際には大きな病院で拠点病院になっておられてもノーと言って構わないということがありますので、その辺の背景を考えますと、それをもって拠点病院間の比較が行われ公表されたならば、困ります。今回の登録項目には、併存症とその重症度というそのような項目が入っておりませんので、施設間がん診療の比較はなかなか難しい。

 すなわち、大学群間と、例えば、地域のがんセンターと比較されると、そこの特性をどうしてかということを見分けることは重要なことではあるのですが、個別に比較されると、現場では問題のあるデータとして声が既に以前からありますので、その辺は御一考いただければと思っております。

○辻部会長 ありがとうございました。

 ほかにどなたか、御意見はございますでしょうか。

 黒田委員、どうぞ。

○黒田委員 今の位置づけの話に何か口を挟む気は毛頭もともとございませんけれども、位置づけが異なることとデータが結びつくことを想定するかどうかというのはまた別の次元の議論であって、位置づけが違っているがために、後で結びつかない形でデータを持つことは、国家レベルで考えるとき、かけたエネルギーを無駄にすることを意味しますから、ご注意頂きたく存じます。そのようなところは最初にやっておかないと、データはつくった後で修正をしてつなぐことは基本的にできないですから、そのあたりはぜひ綿密に考えながら議論を進めていただくことで、お考えください。目的が違うこととそもそものデータとしての性質を少し分けて考えていただくことを、話を揺り戻すようなことを言って申しわけないのですけれども、考慮の中に入れておいていただければと思う次第です。

○辻部会長 非常に貴重な御指摘だと思います。そのようにお願いしたいと思います。

 ほかにどなたかございますか。

 よろしいでしょうか。

 それでは、次の2つ目の議題に移りたいと思います。

 全国がん登録につきまして、資料が2つございます。

 参考人の国立がん研究センターから、1つ目の資料の御説明をお願いいたします。

○柴田参考人 それでは、資料4「全国がん登録届出マニュアル」について、御説明させていただきます。

 ページを繰っていただきますと目次になっておりますが、前回は目次の1ページだけで全国がん登録届出マニュアルの構成案を説明させていただいたところですが、今回は、本日までに厚生労働科学特別研究班に全国がん登録のガイドライン等の準備のための研究班を立てていただいているのですけれども、その班のメンバーに御意見を伺いながら、少しずつこの内容を固めているところの途中経過を御報告させていただきたいと思います。

 5ページ目、「第一章:届出の対象と方法」をごらんください。

 基本的な章立てとしましては、ここのがん登録推進法に基づく全国がん登録においては、どこの何条に基づいてこのようなことをすることになっているのかということを、改めて明示するようにさせていただいております。

 6ページ目、届出の対象と方法のうちの対象について定義を明示させていただいております。

 繰り返しになりますが、最初のところでは法律の文言をとってきておりまして、法律の文言だけですと、多様な解釈を誘発してしまいますので、届出の必要ながんの種類とはどのようなものなのかということを、それ以下のところでより詳細に書き込むような構成にしております。

 今回はおつけしておりませんが、例えば、「悪性新生物とは」のところでは、国際疾病分類腫瘍学第3版の性状コード3または2と言葉だけ載せておりますが、実際には、付録[1]、付録[2]、その下の付録[3]のところまでつくり込みをほぼ終了しております。

 7ページ目、届出の必要な患者が、病院と診療所等においては、一番わかりにくい部分かと思いまして、研究班でも研究者の先生方から御意見をいただきながら詰めているところでございます。

 法律には、届出の必要な患者とは、「当該病院等における初回の診断が行われた患者」としか書いていないのですが、初回の診断とはどのようなことか、さらに、この法律で言うところの診断とはどのようなことかということを定義を詰めていっております。

 さらに、届出の必要な患者に対比させる形で、届出の不要な患者とはどのような人かということとか、あるいは、病院の届け出る側にとっては迷いやすい、多重がんの場合は届け出るのか、届け出ないのかということについても、書き込みを追加させていただいております。

 8ページ目、届出の方法について記載させていただいておりますが、最初の定義は法律に書いてあるとおりに、がん登録等の推進に関する法律では、一定の期間内に当該病院等の所在地の都道府県知事に届けることが義務づけていますとなっているだけなのですが、この「一定の期間内に」というところは政省令で定められますので、まだ定まっていないので、定められましたら、きちんと明記する形で、このように書いていきたいと思います。

 ちょっと先走って、一定の期間とは、診断年プラスの翌年末までというところを既に書き込んでありますが、このようなことを書きこんでいく予定をしております。

 9ページの届出の方法につきましては、皆様も病院等におかれましては気になるところだとは思うのですけれども、今はまだ少し詰めが足りないところがございまして、本日のところはこの程度の書きぶりにとどめさせていただいております。

10ページ目、「第二章:届出項目について」ですけれども、ここは法律の6条または政省令で定められた届出項目を届け出ていただくことになっておりますので、政省令が定まり次第、内容を確定していくことになりますが、11ページ目に、1点、訂正をお願いしたい点がございます。前回の議事から文言の不統一で御迷惑をおかけしておりますが、初回の治療情報のところの「外科的治療の有無」の下の「体腔鏡的」だったところを「鏡視下」に直すことはしてあるのですが、その下の「外科的・体腔鏡的・内視鏡的治療の範囲」のところの「体腔鏡的」のところを「鏡視下」に直すのが漏れてしまいましたので、申しわけありませんが、御訂正くださいますようお願いいたします。

 今後は、鏡視下で、先ほど西本からの説明でもございましたとおり、院内がん登録、全国がん登録ともに「鏡視下」で文言を統一させていただきたいと考えております。

12ページ目は、前回の目次にはなかった、追加した章になります。「第三章:死亡者新規がん情報に関する通知に基づく届出について」という、これを読んだだけでは、一体何のことか、多分わかりにくいことなのですけれども、これは従来のさかのぼり調査のことを指しておりますので、さかのぼり調査はまた法律に基づいて実施されて、その実施の方法については、どのように行うのかということを、今後、細部を詰め次第、もっと十分に記載していく予定です。

 きょうのところまでに内容が固まっているところの御説明は、以上になります。

○辻部会長 ありがとうございました。

 ただいま資料4に基づきまして御説明いただきましたけれども、これにつきまして、委員の皆様から御質問、御意見をお願いいたします。

 澁谷先生、どうぞ。

○澁谷委員 ありがとうございました。

 1つ質問なのですけれども、最初のところで、届出の対象とか、届出の方法ということがあるのですけれども、例えば、重複して届けてしまって、届出を取り下げたい場合、それに気がついてしまって、届出を訂正したい、取り下げたいという場合は、どのような手続きをしたらいいか、あるいは、取り下げは受け付けないのかどうかということです。その辺のところは、どのように考えたらいいでしょうか。

○柴田参考人 届出の取り下げにつきましては、今までの地域がん登録においては、地域ごとにやり方に違いがあったところかと思いますので、今後、全国がん登録の仕組みにおいてどうするかを検討させていただきたいと思います。

 御意見をありがとうございます。

○辻部会長 どうぞ。

○薄井委員 瑣末なことで申しわけないのですが、6ページの悪性新生物の定義は、今回、ICD-O-3を使われるわけですね。まだちゃんとした情報ではありませんが、WHOの分類も変わりますので、私たちの希少がんだけかもしれませんけれども、そのようなところのICDが、今後、変わる可能性もあると思いますが、それはその都度改正をしていくという解釈でよろしいでしょうか。

○西本参考人 先生がおっしゃっているのは、恐らくWHOの分類の、いわゆるIARCといいまして、がんを専門的に扱っている機関がフランスのリヨンにございますけれども、そこに病理の先生方が集まってつくられるブルーブックのことを指しておられると思います。

 ただ、基本的にICDの分類は、10O-3とブルーブックで若干タイムラグが生じていたり、違ったりしますので、本来は新しいものを適切なタイミングでということが望ましいのだろうとは思いますけれども、実際の運用を考えますと、新しいものがいつ採用されて、いつそれぞれの病院で使われるのかという問題もございますので、基本的には、院内がん登録が今までそうであるように、例えば、何年の1月1日からはこれを採用するというルールを、連絡を出す形でやっていく。

 ただ、ベースは今回のこのガイドブックにも書かれておりますし、院内がん登録のほうにも同じような記述がされているのですけれども、ICD-O-3でということになります。

 ですので、ブルーブックが変わったことを受けてICD-O-3の側もおおむね10年に1回程度は改定が行われていきますので、その改定のタイミングで変えていただく形に恐らくなっていくと思います。

○薄井委員 そうしますと、例えば、血液学会ですと、WHOのものを使っていきますので、臓器別の登録と少しそごが出てくるわけですね。

○西本参考人 はい。

○薄井委員 ありがとうございます。

○西本参考人 それは、本当はよくないのでしょうけれども、やむを得ないかなと思います。死亡統計もICD-10の側がおくれて変わっていく状況が今のところはありますので、そのような影響は残念ながらちょっと避けられないかなと思います。

○辻部会長 よろしいでしょうか。

 平田委員、どうぞ。

○平田委員 前回のときも発言させていただいたのですが、私の発言が明確でなかった結果だと思うのですが、全国がん登録届出マニュアルの11ページ、「初回の治療情報」の分類の仕方なのですけれども、なかなか難しい問題があって、例えば、外科的治療と書かれた場合に、それに相対すると言ったら変な言い方ですが、内科的治療という言葉になると思うのです。

 外科的治療の中の一つの手段として、鏡視下治療があるということで、外科的治療と鏡視下治療が同じ頭出しに出るのが、医療者側にとっては非常に違和感があります。

 例えば、この前に参考例で申し上げましたが、大腸がんの外科的治療は鏡視下手術をほとんどの施設がやっておりますので、なぜ外科的治療ではないのだろうかと、この項目を見ると思われるので、その辺の取り扱いを、開腹、開胸手術は外科的治療、鏡視下手術はそれとは違うと書かれるのが、少し違和感があるかなということで、一応、そのような御発言が出る可能性が高いと思うので、覚悟して出さなければいけないかなということと、それに対して放射線治療もありますが、内科的治療は、内分泌療法、化学療法で、今は主に9割以上は内科の先生がなさっておられますので、そこに出るかどうかにしましても、その辺の出し方が、登録とは無関係かもしれませんけれども、医療界、学会のほうから何か出るかもしれません。その辺の論議は何かございましたでしょうか。この前もちょっと同じ質問をさせていただいたのです。

 少なくとも、言葉としては並列にならないことが事実だと思います。

○西本参考人 確かに、先生がおっしゃるように、鏡視下治療は外科的治療の一つと認識されているというのも、先ほど私が院内がん登録の項目のところの鏡視下治療で若干触れましたように、いわゆる外科的に病巣を切除するという手技で行われるケースを観血的治療というくくりにして、以前は、鏡視下治療もありませんでしたし、地域がん登録には内視鏡的治療という項目もなくて、全部が外科的治療という1つの項目でくくられていたのです。

 それがポリペクだとか、最近ですと、EMRESDという、内視鏡で取るという、侵襲性の低い治療が行われるようになって、内視鏡的治療という項目ができ、さらに胸腔鏡、腹腔鏡が始まって、鏡視下というか、その当時は体腔鏡的治療という形で分類が従来からされてきたという経緯を踏まえながらの項目であることは事実で、現場の感覚からいうと全部外科的だと言われれば、前半の鏡視下と外科的治療は、外科的という言い方が古いままで残っているのでということだろうと思いますので、むしろ適切な言い方があれば御提案いただいて、名前としては検討することになるかもしれませんけれども、ただ、この後、その部分は定義をここの届出マニュアルにはつけさせていただきますので、その中で説明をしていく形で対応できればと思っております。

○平田委員 定義が既に書かれていましたので、そのように持っていくことで、この部会としてはいいという結論でいくということであれば、それで構わない。

 ただ、そのような御意見は出るということだけは御承知いただければということでございます。

○辻部会長 その辺は、定義も含めて丁寧に説明するということで進めさせていただきます。ありがとうございます。

 ほかにどなたかいらっしゃいますか。

 坂元委員、どうぞ。

○坂元委員 ちょっとお尋ねしたいのですが、13ページの死亡者新規がん情報に関する通知に基づく届出ということで、特に法律の第16条に関して、いわゆるこの節の整備のために必要があるときには、都道府県知事もしくは保健所長はその死亡診断書を作成した病院もしくは診療所に必要な情報の提供を求めることができるとあって、「この節」というのは、その前の全部の文章にかかってくるのです。

 そうすると、実際に、多分、保健所長さんが最初に見るときに、必要があるときということの判断がかなり大変だと思うのです。例えば、保健所長に研修とか、そのようなものは行う必要性があるのですか。

○事務局 死亡票に関しては、保健所を経由して都道府県から上がってくる形に、基本的にはなっておりますけれども、こちらの都道府県の担当者とか、実務者向けの研修の中で、きょう、いただいたような御意見があれば、ほかにもあわせて皆さんが疑問に思われるようなところも含めて御説明できるような形で検討したいと思います。

 実際に法律自体の説明がちょっとわかりづらいところがありますので、その辺についても、研修会を通じて、御説明できるようにしたいと思います。

○西本参考人 今の点について、少し私どもで検討を進め、あるいは開発を進めている、全国がん登録のシステムの運用から申し上げますと、死亡者情報票が市区町村から得られた場合に、今の全国がん登録のデータベースとの突き合わせを行いまして、その中に登録をされていない患者さんについて情報をいただかなければいけないことになりますと、その旨を都道府県の中央登録室に、今のところはこれが医療機関から集めている窓口になっていくわけですが、要するに、死亡診断書がこのような形で死亡者情報票として出ているのだけれども、届出がされていないので、もう少し詳細な情報がもらえないだろうかということで私どものほうから照会をかけて、それを受けて、形としては都道府県知事が協力要請をするという運用になると思いますので、法律の読み方から言うと、現場独自で判断されるのはもちろんあっていいのだろうと思いますけれども、基本的な運用は、全国がん登録の事務局側から、これは今のところは出ていないのでという形で照会をかける運用を考えております。

○辻部会長 磯部委員、どうぞ。

○磯部委員 細かいことですが、ここは「届出」と書かないほうがいいのだろうと思います。16条はあくまで資料の提出、説明その他の協力を求めるということで、「届出」は別の条文で使っているように、施設のほうから届け出るものですので、そこは紛れがありますから、文言を修正されるべきだと思います。

 以上です。

○辻部会長 いかがでしょうか。

○柴田参考人 わかりました。

 第三章は、法律の文言どおりに「死亡者新規がん情報に関する通知について」でとどめさせていただいて、その中身は引き続いて説明していく形に変えさせていただきます。

○辻部会長 ありがとうございました。

 ほかにどなたか御質問、御意見はございますでしょうか。

 大木委員、どうぞ。

○大木委員 小さなことで申しわけないのですが、なるべく法律のものをそのままテキストに落として、なるべく変えないという意義は非常にわかるのですが、しかし、この文章はどう考えても、2つ「係る」が出てきますし、難しいと思うのです。

 例えば、1行目の「死亡者情報票に係る」を削除してつなげてもよいのであれば、少し簡単にしたほうがいいかなと思うのですけれども、その辺の判断はいかがでしょうか。

 1行目と3行目の「その死亡者情報票に係る」という言葉を除いてつなげてはだめでしょうか。どこまで法律をぴったり入れなければいけないかというところについては、もう少し柔軟になってもいいかなと思ったところです。

○柴田参考人 ここの部分については、とにかく法律の文言そのままを入れて、その次のページでそれをかみ砕いていくのがマニュアルのコンセプトですので、ここは変える方向性は今のところはございません。

○磯部委員 今、おっしゃったのは、13ページのところですね。12ページではないですね。

○大木委員 13ページの1行目と3行目です。

○磯部委員 扉のところは条文そのままにしているのはおっしゃるとおりなのですけれども、その後の説明のところで、ここだけを落とせるかというのは確かに難しいかもしれませんけれども、もう少しかみ砕いた文章にできないかという御意見はよくわかるのですが、全部にかかわる話ですので、作文能力がかなり問われるところかと思いますが、ぜひ腕の見せどころだと思って頑張っていただければと思います。

○辻部会長 この件は、もう少し御検討いただきたいと思います。

 ただ、13ページの最初のところは、行の一番最後に(第十六条)と明記されていますから、余り変えるのはどうかなという気は、私はするのです。

 それも含めまして、磯部委員がおっしゃったとおりで全体の構成にもかかわるので、その辺の原則を明確にした上でもう一回エディットしていただければと思います。

 では、次の話に移ってよろしいでしょうか。

 資料5につきまして、御説明をお願いいたします。

○松田参考人 資料5について、私、松田のほうから御説明いたします。

 資料5は、「全国がん登録における個人情報保護のための安全管理措置ガイドライン(案)」というものを、今、御説明したマニュアルと同じような形で、冊子としてまとめまして、各都道府県に配ることを考えております。

 がん登録における個人情報保護については、きょうに始まった話ではなくて、昔にさかのぼると、もう平成8年ぐらいに地域がん登録における情報保護ガイドラインというものを当時の研究班が作成いたしまして、地域がん登録においては、そのガイドラインに従って個人情報の保護に努めてまいりました。

 平成17年に個人情報保護法の全面施行がされて、ほぼ同時期に、先ほどから何回かお話がありましたけれども、IARCにあるIACRという国際がん登録協議会から新しくガイドラインが発出されまして、平成8年のそのガイドラインも新しく見直したものが作成されて、それに基づいてさらに内容を改めて、ハンドブックを地域がん登録に関する研究班で作成して現在に至るところです。

 全国がん登録における、大きな柱というものがデータ利用ということになっておりますが、その反面といいますか、それを支える一つの大きな課題が個人情報の保護とそれを司る安全管理措置というところになると思います。

 先月、国立がん研究センターのほうでがん対策情報センターが患者・市民パネルというものを構成しておりまして、そこでがん登録のテーマについて話し合っていただいたのですが、がん登録について期待はすごくあるものの、個人情報が漏れるのではないかという不安が非常に大きいことを実感いたしました。

 その実感に基づいて、これまで培ってきた地域がん登録における安全管理措置について、ある程度、見直しはするのですけれども、実績があるものですので、これをベースに全国がん登録における個人情報の保護、その全体を司る安全管理措置を考えていくのがよいと考えまして、その大もととなる地域がん登録の安全管理措置を長年研究といいますか、構成されてきた先生方の御意見も伺いながら、目次を御提示いたしましたけれども、今回の安全管理措置ガイドラインの案をまとめた次第です。

 この内容についても、今、申し上げたとおり、地域がん登録の安全管理措置ガイドラインを参考につくっておりますので、一からこの目次に対応するような中身を考えていくわけではなくて、既にあらかた中身についても作成されたものがありますので、全国がん登録において、作業手順ですとか、情報のやりとりが変わる部分をマイナーチェンジするような形で、全体のガイドラインというものをお示ししていきたいと思っております。

 内容について簡単に御説明いたしますと、まず、横のパワーポイントの資料をごらんいただいたほうがわかりやすいかと思いますので、これに対応するのが目次においてどれかということを御説明したいと思います。

 横置きのパワーポイントの資料をごらんいただきますと、一番最初に、安全管理措置とは何かというところで、単純に個人情報が外部に漏れないということにとどまらず、安全を考えた上で、情報がきちんと永年に保管されていくような措置をとるべきだということが「安全管理措置」という言葉が示すものです。

 個人情報保護という言葉だけですと、情報漏えいをしないために、パスワードをかけるとか、部屋に鍵をかけるとか、そういったことだけに焦点が行きがちですので、もう少し広い意味で情報がきちんと保護されて利用が永続するような措置という意味を込めて、「安全管理措置」という単語を残しております。

 大きな柱は、皆様も想像されるような、情報が外部に漏れないように管理することということで、情報が漏れないように管理するためには幾つかの観点があるということで、目次のほうでもどういった観点から情報漏えいを防ぐべきかということで、柱として4つ挙げております。

 それとあわせて、今、申し上げたとおり、情報が消失することがないように、安全に管理をすることも重要ですので、バックアップをするとか、部屋自体が情報が滅失することがないようなきちんとした環境を整えるということを2点目として挙げています。

 2ページ目では、登録室内でどういった個人情報の漏えいリスクがあるかということについて、図でお示ししています。

 簡単に、ここで5つリスクがあると考えることができまして、施錠をしないことによって外部から人が侵入して情報を持って行ってしまうとか、登録室内にあるキャビネの施錠忘れ、紙資料であれば、机上に紙資料を放置すること、それから、パソコンを用いてデータをインポートしたり、入力したりすることが登録の業務ですので、誰かその情報についてアクセスする権利がない方がPCをのぞき見することがないようにすること、PC自体の盗難もしくは盗用ということで、データにアクセスされることがないようにするといったことを気をつけるべきだということを、これまでの積み重ねでまとめております。

 3ページ目、システム全体でいいますと、登録端末というのは、国立がん研究センターに置かれますサーバーに直接47都道府県がネットワークでつながれて、認識された端末からのみ、そのデータベースにアクセスできるのですが、アクセスするパスワードが盗難されるとか、データベースサーバーに入るID・パスワードの盗難もしくは外部、医療機関からデータを、例えば、USBメモリーですとか、CDですとか、こういった媒体で送られるときに、そこに不正なプログラムが入ることによってシステム自体が誤作動を起こすとか、データの漏えいをすることがないようにすることです。

 職員の問題になりますけれども、離職者等がパスワードをそのまま知っているわけですので、ふらっと戻ってきたときに情報を盗んでいくことがないようにするために、パスワードの変更等が必要だといったリスクが考えられます。

 次のページをごらんください。

 あとは登録者の外における個人情報の漏えいリスクですが、運搬中の紛失は、今までですと、医療機関に直接登録者の職員が赴いて情報収集することもありましたけれども、全国がん登録においては、こういった作業手順については標準的と考えておりませんので、医療機関から持って来ること自体は、医療機関の方が直接手渡しでというケースはあるかもしれないのですが、余り考えられないとは思うのですけれども、情報が入ったものを運搬する必要がある場合には、非常に紛失するリスクがあると考えられます。

 また、郵送で紙資料が送られてくるもしくは電子媒体が送られてくるといったときに、受領についての紛失もリスクと考えられますし、作業過程で届出票をコピーしたり、個人情報が入ったものを印刷するときに、それをコピー機に置き忘れるといったことも非常に重要なリスクと考えています。

 「4外部照会する資料の送付ミス」ということで、例えば、今、マニュアルで問題になりました、さかのぼり調査に関して、違う医療機関に対してその情報を送ってしまうとか、もしくは医療機関でもないところにそれを送ってしまうことになると、個人情報が簡単に漏れてしまうので、例えば、外部照会をするとか、患者の情報を外部とやりとりするときにミスがないようにするにはどうしたらいいかも考える必要があります。

 5番目はかなり問題といいますか、ほかの部分については、努力する、技術的なカバーはできる部分なのですけれども、個人個人で個人情報を取り扱う職員の自覚がないとできないところが5番目です。

 知り得た情報について、うっかりと家庭もしくは友人などに対して有名人のがん罹患を話してしまうといった、仕事の内容について話すことがあってはいけないので、教育面、規律をいかに守らせていくかということについても、ガイドラインでは定めていくつもりでおります。

 6番目、つくった個人情報の打ち出された紙ですとか、届けられたCD等といったものは、役割を終えたものについては廃棄をする必要があるのですが、廃棄をするときのルールをいかに安全に個人情報がないように廃棄をしていくかについてルールを定めるのがこの6番目です。

 最後のページが、先ほどの柱の2本目です。情報漏えいを防ぐという観点ではなくて、いかに個人情報を長く安全に確保していくかという意味では、バックアップをきちんととること、バックアップもしくはパソコン、サーバーといったものの保管する環境を整えることも安全管理の一つの重要なポイントですので、こういったことについてもガイドイランとして定めていくつもりです。

 以上が、ガイドラインの内容に含むべきことですけれども、目次としては、こういったことを含むように書いておりまして、4のところが安全管理措置の概念といいますか、理念について書いておりますので、ここでは4つの観点から安全管理措置を捉えていくつもりで、職員の権限ですとか、責任、手順書をきちんと定めようというのが組織的な安全管理措置の対策で、物理的な安全管理対策は、コンピューターをどうやって管理するかとか、紙媒体をキャビネットにきちんと入れて鍵を閉めるとか、そのようなことです。

 技術的な安全管理対策は、パスワードをどのように設定するか、もしくはログをどうとるかとか、不正アクセスに関してどのように排除するかといったことが書かれております。

 最後に、人的安全管理措置が先ほどの外部に対するといったところの5、教育、いかに職員の意識を高めて、人が情報漏えいの原因になるリスクを減らすかということを考えております。

 その下の「5.作業内容から見た安全管理対策」は、もう少し実務向けに病院から送られたときにどのよう対処すべきかということについて、作業手順に従って情報をまとめていくのが、ガイドラインの大まかな構成になっています。

 最後にはチェックリストのようなものをつけて、各登録室が、今、自分たちのやっている体制がきちんとしたものなのかどうなのかを自己チェックすることで、安全管理措置を均質化してかつ精度の高いものにしていこうと考えております。

 ほかには、外部監査といったことについても考えていくつもりですので、ガイドラインに内容を盛り込んでいく計画でおります。

 以上です。

○辻部会長 ありがとうございました。

 ただいまの御説明につきまして、委員の皆様方から御意見、御質問はいかがでしょうか。

 お願いします。

○永井委員 全日協の永井です。少し聞き漏らしたかもわかりませんが、この安全管理措置ガイドラインの対象は、各都道府県の登録室ですか。それとも、病院にもあてはまるのですか。

○松田参考人 一応、登録室が47都道府県に設置される都道府県のがん登録室と国立がん研究センターの登録室の48です。

○永井委員 各病院もいろいろな診療情報管理室等々があるのですけれども、それもこれに準じてという話ではないのですね。

○松田参考人 それは医療機関における情報保護のガイドラインに従っていただくということです。

○永井委員 個々の病院の個人情報保護のガイドラインでやれば良いということですか。

○辻部会長 磯部委員、どうぞ。

○磯部委員 これまでの地域がん登録自体のもろもろのガイドラインの規定内容を存じ上げないままなので、ざっと目次を見た限りで思いつくのは、最後におっしゃったように、監査のような仕組みがないのかというところと、外部に何か業務を委託したようなケースについて、その業務先をどのように監督するのかとか、機密保持契約とかといったところをどうするのかということもあるのだろうということは、ただ思いついただけです。

 根本的な質問としては、これはどのような形式で出すのですか。法律に基づいているものなのでしょうか。国として出すことになるわけですか。

○事務局 このガイドライン自体は法律に基づいてというものではないのですが、この法律の中では、個人情報漏えいについて罰則規定とかがございますので、安全に管理するためにはこういったことを守っていただきたいということで、都道府県にお示しするイメージでおります。

○磯部委員 何か通知のような形をとるということなのかとか、これまで研究班が定めたものであるとかを自律的に遵守してきたことと、法律に基づく、基本的な法律の趣旨とか精神といったものにおいて、個人情報の保護が大事だから、このように扱ってほしいというメッセージを発すること自体には、何ら異議を差し挟むものではないのですけれども、しかし、このとおりの取り扱いがなされなかったときに、そのことを理由に不利益処分があるのかとかといったことを直ちに法律屋としては考えてしまいますと、一体この規範はどのような法的性格のものなのだろうかということを考えざるを得ないので、そこのところは、やはり従来の研究班がつくったものとは性格が変わってきてしまうのではないかと思ったから、ちょっと質問したのです。

 中身もまだこれからでしょうし、どのような形式で発出するのかといったこともこれからだろうと思いますが、また頭に入れておいていただいて、議論させていただければと思った次第です。

 以上です。

○松田参考人 今の磯部委員の前半の2つの御質問ですけれども、監査については、今までは都道府県の個別の事業でしたので、研究班ですとか、NPO法人の地域がん登録全国協議会が監査という立場で外部から指導すること自体が余り筋ではないのではないかということで差し控えてはいたのですが、やはり自己チェックには限界があるので、外からの目を入れるべきではないかというのが、もともとの発想でした。

 ですので、これを機会に、今、磯部委員がおっしゃったような、どのような位置づけにあるのかとか、法的な拘束力はあるのかという意味ですと、監査という名称ですとか、立ち位置も違ってくるとは思うのですけれども、外の目を入れる、外からチェックを入れることについては、制度化していきたいと思っております。

 委託先についても、地域がん登録という事業自体が県庁外に業務を委託してやっておりましたので、責任者を明確にする話ですとか、手順書をきちんと作成することも考慮して書かれておりましたものが地域がん登録のガイドラインですので、そこを参考につくっていきたいと思っています。

○辻部会長 どうぞ。

○有賀委員 帝京大学の有賀と申します。

 届出の流れを、先ほど御提示いただきました資料4に照らし合わせながら拝見させていただきました。一つ御確認させていただきたいのですが、資料4「全国がん登録届出マニュアル」の8ページを拝見いたしますと、流れとしましては、まず、一定期間はそれぞれの病院もしくは診療所に情報がためられ、一定期間が過ぎますと、都道府県知事のところに届出がなされますが、その際、院内がん登録情報の場合は暗号化されたファイルが送信されて、全国がん登録は全てが郵送でなされると。

○松田参考人 方法については、郵送とも限っておりません。まだどういった方法が望ましいかは、今後、検討すべきだと思っているのです。

○有賀委員 そうすると、ここは登録の届出方法が「など」となっておりますので、追加される可能性があるということですね。

○松田参考人 そうです。

○有賀委員 これらの流れが全て、現在、御説明いただきました安全管理措置ガイドラインの中には盛り込まれているという理解でよろしいのでしょうか。

○松田参考人 地域がん登録で既に採用されていた届出の方法にプラスして、全国がん登録で新しく開発される、例えば、ウエブ登録とか、そのようなものがあるとすれば、そのようなことについてもきちんと定めて、全ての方法でどのようにしたら安全管理ができるかを定めていきたいと思っています。

○有賀委員 網羅的にここに落とし込まれているという理解でよろしいですか。

○松田参考人 落とし込んでいくつもりです。

○有賀委員 この際、もしこの院内がん登録の情報と全国がん登録の情報を混同して誤って送ってしまった場合につきましても、ガイドラインの中には盛り込まれるという理解でよろしいのですか。

○松田参考人 院内がん登録の全国集計の送り先を、誤って都道府県に送ってしまったような場合ということですか。

○有賀委員 はい。院内がん登録と全国がん登録を誤ってしまって、例えば、院内がん登録の内容を全国がん登録として送ってしまったような場合は、安全管理措置ガイドラインの中には含まれないということになりますか。

○松田参考人 現在は、何か届け出されるはずのもの以外のものが来た場合にどうしたらよいかというところまでは定めておりませんが、もし違うものが他県から来てしまった場合とかということも考えて、確かに何か記述をしておく必要があるかなと思います。

○有賀委員 そこまで含めていただけるとよろしいのではないかと感じました。

○松田参考人 わかりました。

○辻部会長 黒田委員、どうぞ。

○黒田委員 3つ、御質問をさせていただきたいのですが、1つ目が、ガイドラインという言葉が出てくると、医療情報安全ガイドラインでもそうなのですけれども、ガイドラインがひとり歩きをしがちで、どうしてもガイドラインに従わなければならないのでこれをやるのですというお話と、ガイドラインに従っているから大丈夫なのですという、両方のひとり歩きがどうしても発生しがちな印象がありまして、法的根拠がないのであれば、ガイドラインというキーワードの使い方はやめられたほうがいいのではないかとは思っています。

 これは基本的にはレコメンデーションですね。こうしたほうがいいよというお話だと思うので、何かそのあたりがわかるような位置づけにされたほうがいいのではないかと思いますが、この辺はガイドラインというところに意図があるかどうか、ガイドラインだから従えという意図があるのかどうかというのが1点目の御質問です。

 2つ目の御質問は、今の「間違って送ったら」ということにかかわる話なのですけれども、情報セキュリティーのCIAという言葉を、情報セキュリティーの教育の中で一番最初に教えますが、ここで書いているのは、CIAのうちのCとAは書かれていますけれども、完全性のIの部分はカバーされていない気がしています。CIAのIがカバーされてくる形で書き始めると、法的に罰則の対象になっているのはCの部分だけですから、ほかの部分はうまくいかなかったときにどうするのかという議論になるのだと思うのですが、Iの部分はどのように取り扱われるのか、もしくは、Aの部分もあり得ると思うのですけれども、Aの部分をどう取り扱われるのかというのが2点目です。

 3つ目は、今の話にかかわりますが、法的措置の対象でなければ、リカバリーを打てばいいわけで、大体このようなものをつくったときによくあるのが、「絶対に起こさせない」というキーワードがよくありますけれども、絶対に起こさせないといっても、起こることは起こりますから、起こったときにどうすんねんというのはどこかに書いておかなければいけないはずで、そのあたりのところについて記載される御予定があるのかどうか、この3点、お考えを教えてください。

○松田参考人 1点目のガイドラインという位置づけについては、厚労省からお願いします。

○がん対策推進官 先ほど来、ガイドラインの位置づけ、法的性格についての非常に重要な御示唆がありましたので、そこは通知という形にするのか、事務連絡という形にするのかといった、形式も含めてよく検討したいと思います。

○松田参考人 2点目については、おっしゃるとおり、内容について、観点として漏れている部分がありましたら、きちんとこちらのほうでカバーして記述をより深めていきたいと思っています。

 3点目の、絶対起こさせないけれども、起きた場合にどうするかということについては、この地域がん登録のベースになっていますガイドラインのほうにも、もし何か情報漏えいが起きたことを把握した場合の対処等について定めがありますので、それをベースにきちんと各登録室において冷静に対処できるように安全管理措置の取り決めというふうにつくっていきたいと思っております。

○黒田委員 2点目、3点目は、検討されるということで、ありがとうございます。

 1点目については、通知等々の形式の問題よりも、書かれたときの位置づけがもっとはっきりとわかるように教えていただければということを改めてお願いしておきます。

○辻部会長 今のものは御要望ということですね。

 天野委員、どうぞ。

○天野委員 ありがとうございます。

 2点ございます。

 まず、1点目なのですが、基本的で恐縮なのですが、先ほど来、御説明いただいている資料の中で、登録情報データベースサーバーとか、登録システムといったものが出てきているのですが、これは全国がん登録のデータということでよろしいのですか。

○松田参考人 そのような位置づけです。

○天野委員 そうすると、ここに集まってくる情報は、顕名情報とかも含まれた個人情報がここに集まってくるという理解でよろしいでしょうか。

○松田参考人 はい。顕名情報もです。

○天野委員 そうすると、これにアクセスできる方は、都道府県のがん登録室の方がアクセスできるという理解でよろしいですか。顕名情報も含まれた個人情報にアクセスできるということなのですか。

○松田参考人 はい。逆にいうと、のみです。

○天野委員 そうなってくると、誰が顕名情報も含まれた個人情報にアクセスできるのかとか、そういった権限といったことは、もちろん、今後、規定されると思うのですが、今までに全くないものをつくり上げているわけですので、今までのガイドラインにとらわれない、よりセキュリティーの高い仕組みをつくっていただきたいのが1点でございます。

 もう一点が、国立がん研究センターのがん登録室というか、センターみたいなものが多分できると思うのですけれども、センターのほうはさらに数段上のセキュリティーみたいなものが求められるのではないかと個人的に感じるところなのですが、そのあたりはいかがでしょうか。

○松田参考人 まず、1点目につきましては、確かにサーバーが1カ所になりまして、遠隔地からアクセスする仕組みになっておりますので、遠隔地のがん登録室については、国立がん研究センターのほうでは見えない状態ですので、各登録室で、いかにきちんとした、統一したルールに従ってやれるかというのを、これから始まる環境に基づいた管理の仕方を定めて安全管理をしていきたいと思っております。

 2点目については、先ほど申し上げたとおり、47都道府県に加えて、国立がん研究センターの登録室において、このガイドラインが適用されるのですが、扱う情報も、例えば、先ほど出た死亡者情報票というがん死亡の届出に基づいた情報は国立がん研究センターのみで扱うものですし、また、国立がん研究センターにはサーバーもあります。

 扱う情報の膨大さですとか、サーバーに一番近いところですので、アクセスできる情報量が都道府県とは格段に違うということで、天野委員のおっしゃるとおり、より一層厳格に情報保護に努めていく内容に、この部分は特に国立がん研究センターの登録室では注意すべきだという記述を含めまして、設定していきたいと思っております。

○辻部会長 ほかにどなたかいらっしゃいますか。

 よろしいでしょうか。

 それでは、その他ということで、事務局から御説明をお願いします。

○事務局 では、その他ということで、本日、机上配付とさせていただいております資料について、簡単に御説明させていだたきます。

 こちらは、院内がん登録等に係る研修事業についての要望書ということで、辻部会長宛てに出されたものでございます。がん登録推進法に基づく院内がん登録における診療情報管理士の育成と位置づけについての要望となってございます。12月1日付で提出されておりますので、ごらんいただければと思います。

○辻部会長 これにつきましては、全日本病院協会の理事の永井委員がいらっしゃいますけれども、何かございますか。

○永井委員 前回のときもどのような協力の仕方、周知徹底の仕方があるかという話があったのですけれども、四病協と臨床研修推進団体の5団体が机上配布資料のようなことを40年間やっています。この間診療情報管理の人を2万8,000人ぐらい養成しております。

 実際にがん登録推進法の今後に向けた、いつも出るものですけれども、資料6の3ページ目の中で基本的に「国民・関係者への周知、実務者、都道府県担当者への研修」という中で病院団体としては協力していきたいと思っております。さらに、単に診療情報管理士の養成だけではなくて、国立がん研究センターの西本先生等の御協力を含めて、一緒になってがん登録の研修を推進していきたいということで、要望書を出させていただきました。

○辻部会長 ありがとうございます。

 これにつきましては、どなたか御意見等はございますか。

 よろしいでしょうか。

 それでは、いただいたということで進めさせていただきます。

 議事といたしましては、以上でございますけれども、事務局から何か連絡事項はありますでしょうか。

○がん対策推進官 貴重な御意見、御議論をありがとうございました。

 次回の日程につきましては、日時、場所等を調整させていただきまして、改めて御連絡さしあげます。

○辻部会長 それでは、以上をもちまして、本日の部会を終了したいと思います。

 委員の皆様方、長時間にわたりまして、まことにありがとうございました。


(了)

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