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2014年9月11日 第11回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会議事録

健康局結核感染症課

○日時

平成26年9月11日(木)10:00〜12:00


○場所

厚生労働省 講堂


○議事

○石田室長補佐 それでは、定刻より少し早いですが、第11回「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会」を開催いたします。

 本日は、御多忙のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。

 本日の議事は公開ですが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては御理解と御協力をお願いいたします。

 また、傍聴の方は、傍聴に関しての留意事項の遵守をお願いいたします。

 続きまして、出欠状況について御報告いたします。

 本日は、庵原委員、中山委員から御欠席の御連絡を受けております。現在、委員10名のうち8名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会の規定により本日の会議は成立したことを御報告いたします。

 それでは、議事に先立ちまして、配付資料の確認をさせていただきます。

 議事次第、配付資料一覧、委員名簿、座席表、資料1〜6、参考資料1〜5と、各委員からの審議参加に関する遵守事項の申告書を御用意しております。

 配付資料一覧を御確認いただき、不足の資料等がございましたら、事務局にお申し出ください。

 申しわけございませんが、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。

 

(カメラ退室)

 

○石田室長補佐 それでは、ここからの進行は岡部部会長にお願いいたします。

○岡部部会長 おはようございます。

 広い会場なので、いつもと違ってやりにくいところもあるのですけれども、ぜひいろいろな広い御意見をいただければと思います。

 それでは、スタートに当たって、いつもどおりですけれども、審議参加に関する遵守事項についての報告を事務局のほうからお願いします。

○石田室長補佐 審議参加の取り扱いについて御報告いたします。

 本日御出席いただきました委員から、予防接種・ワクチン分科会審議参加規程に基づき、ワクチンの製造販売業者からの寄附金等の受け取り状況、申請資料への関与について申告をいただきました。

 各委員からの申告内容については、机上に配付しておりますので御確認いただければと思います。

 本日の審議事項は、日本脳炎、一般財団法人化学及血清療法研究所、一般財団法人阪大微生物病研究会を予定しております。

 本日の出席の委員の寄附金等の受け取り状況から「退室」や「議決に参加しない」に該当される委員はいらっしゃいませんが、中野委員、宮崎委員の2名の委員が薬事承認に係る申請資料に関与されていますので、「退室」に該当することから、この取り扱いについてお諮りいたします。

 なお、このほか「退室」や「議決に参加しない」に該当される委員はいらっしゃいません。

 以上でございます。

○岡部部会長 どうもありがとうございました。

 事務局からの今の説明の中で、中野委員と宮崎委員が申請書類に関与しているため、参加規定によると「退室」というふうになっております。

 規定では、当部会が必要と認めた場合には意見を述べることができるともなっております。お二方とも日本脳炎を、ずっと昔から研究・臨床をやっておられた方なので、この意見というのは私は重要だと思います。議決に参加はできないけれども、そういう意味での専門家的な見地から、もちろんバランスがとれてということがありますが、これについて意見を述べていただければと思うのですが、委員の皆様の御意見はいかがでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○岡部部会長 ありがとうございました。

 それでは、お2人の先生、どうぞ御意見をよろしくお願いいたします。

 それでは、お手元に議題1、2、3とありますけれども、一番最初の日本脳炎を行います。北海道における日本脳炎の定期接種ということに関して話を進めていきたいと思うのですが、御存じのように北海道は確かに日本脳炎という疾患はない状態で、これまで日本脳炎ワクチンは定期接種化になっていないというのがありました。ちょっと前までは東北6県もそうだったのですけれども、東北6県が定期接種化になった後に、日本脳炎ワクチンの接種勧奨中止といったことがありました。接種勧奨が再開された後、北海道はそのまま定期接種は行わない地域になっているということがあります。

 これに関して、予防接種の実施主体である北海道知事が日本脳炎の予防接種を行う必要がないと認められている地域である、というのがそれまでの見解であったということであるわけですけれども、今年8月、北海道での日脳のワクチン接種に関して、総務省から厚生労働省に対してあっせんが行われました。この辺の事情は知らない人が多いと思うので、この辺の背景も含めて事務局から最初に御説明をいただいて、この日脳の問題をどうするかという議論に入っていきたいと思います。

 それでは、資料に従って、事務局から御説明をよろしくお願いします。

○難波江課長補佐 それでは、お手元の資料1、資料2をごらんいただけましょうでしょうか。

 資料1が「北海道における日本脳炎に係る定期の予防接種を実施することについての検討(あっせん)〈概要〉」として、事務局がまとめたものでございまして、資料2があっせんの文章そのものとなっております。

 資料1に基づき、御説明させていただきます。

 1枚おめくりいただだきまして「概要」でございますが「北海道在住の方から総務省行政評価局に対して、『北海道は日本脳炎の予防接種を行う必要のない区域に指定されているため、北海道で生まれ育った子供であっても、将来的には仕事等で国内の日本脳炎発生地域や海外で生活することも考えられるので、国は国内すべての市町村で日本脳炎の予防接種を無料で実施してほしい』との申出があった。

 この申出について、総務大臣が開催する行政苦情救済推進会議において検討した結果、『都道府県域を超えた広域的な移動が頻繁に行われる現在、全都道府県のうち北海道のみ日本脳炎に係る定期の予防接種が行われていないことは、国民の利便性や、感染可能性のある地域へ未接種者が移動することを考慮した場合、不合理な対応である』とされた。

 このため、総務省行政評価局長から厚生労働省健康局長に対して『予防接種法第5条第2項の規定に基づき同法施行令第2条において日本脳炎を規定していることの是非等について、厚生科学審議会において調査審議していただくことが適当』とあっせんが行われた」次第でございます。

 3ページ目、これが予防接種法のあっせんに係る条文になります。

 予防接種法の第5条第2項、赤で記したところでございますが「都道府県知事は、前項に規定する疾病のうち政令で定めるものについて、当該疾病の発生状況等を勘案して、当該都道府県の区域のうち当該疾病に係る予防接種を行う必要がないと認められる区域を指定することができる」としまして、この施行令で定められているのが、下の施行令の第2条の規定でございまして、日本脳炎が定められているというところでございます。

 4ページ目、過去10年の日本脳炎の発生状況でございまして、過去10年で、北海道は定期接種を実施してございませんが、報告はゼロということになっております。

 5ページ目、これは感染症流行予測調査で実施されている、豚の日本脳炎ウイルスの感染状況でございます。青が0%、黄色が50%未満という形になっておりまして、年によって検出の状況が異なりますが、ちょっと細かな字で書いておりますが、2013年はゼロ、2012年が道東で10%、あとはゼロ、2011年、2010年はゼロ、2009年は道北で10%、2008年は道北で20%という状況でございます。詳細は後ほど多屋委員から御報告いただければと思います。

 6ページ目、予防接種法及び予防接種法施行令について事務局の考えを整理したものでございます。

 「過去10年以上北海道では、日本脳炎の患者は発生していない」「北海道民の感染リスク及び副反応のリスク等を勘案して、北海道において日本脳炎の予防接種を行うかどうかは、知事の判断となる」。※のところでございますが「今後、北海道の専門委員会において、疫学調査の結果や副反応の頻度等を分析し、ワクチン接種の必要性を検討し、年度内に報告書がとりまとめられる予定」となっております。後ほどこの点について御説明させていただきます。

 そこの一番最後でございますが、「現段階では、各都道府県における日本脳炎の発生状況等、地域の実情を勘案して、知事が予防接種を行う必要がない区域を指定することが可能となる規定自体は見直す必要がないと考えるがいかがか」ということで、この点について本日御審議いただければと存じます。

 資料2でございますが、あっせんの文そのものでございますが、データについて御紹介させていただきます。

 2ページ目の表−1が、先ほどの資料1にもございました日本脳炎の発症者数の地域別のデータでございます。

 続きまして、4ページ目。表−2、北海道において定期接種を行った場合の試算で、仮に行った場合は、年間11億円程度の費用が必要となるというものでございます。

 続きまして、表−3、過去10年のA類疾病の報告者数。これは先ほどの表−1のほかの疾病と合わせたものでございます。

 表−4が、過去10年におけるA類疾病の予防接種後の副反応の報告者数でございまして、年間、日本脳炎については最近で言えば100例程度の報告がございまして、ただ、17年〜21年までは積極的勧奨の差し控えをやっておりましたので、低い値となっております。

 続きまして、参考資料1でございますが、先ほど申しました今後の北海道での検討予定に関しての、知事の記者会見の議事録の抜粋でございます。

 表面の一番下の2行のところからでございますが、

「それで、私はやはり北海道医師会長からの問題提起はそのとおりだと思いますし、現

に、私ども道のほうで感染症流行調査専門委員会というものを開催しておりまして、今月開催したこの委員会においてもさまざまな検討を行っておりまして、できれば今年度中にこの委員会としての考え方を、当然のことですけれども、世の中の流れの中でやはり、これは方向として、北海道においても接種をすべしというふうな専門家の方々のご報告になろうかと思いますけれども、そういったことの取りまとめをしていただいて。ただ、実際の接種(の実施主体)は市町村で、これは準備も必要かと思うのですね。特に札幌市とか旭川市とか函館市とか、人口規模の大きいところほどやはり周知なり準備というのが必要だと思いますので、専門家の方々の今年度中のいろいろな観点、角度からのご議論、そして報告書をまとめていただいた後、できる限り早いタイミングでそれが実施できるように道内市町村と議論、調整を深めていきたいと、これが私の今段階のスタンスであります。」

というコメントとなっております。

 事務局からは以上でございます。

○岡部部会長 どうもありがとうございました。

 今のはいろいろ意見があるところだと思うのですけれども、もう一つ、参考資料2として、感染研から例年出しているいろいろなワクチン・プリベンタブル・ディジーズの情報の中で、日本脳炎もかなり詳細に今までも出しているので、これについては、データーを取りまとめている多屋委員から御説明をお願いします。

○多屋委員 多屋から説明させていただきます。

 最初のページの下のグラフですけれども、これは感染症発生動向調査に基づきまして報告されている日本脳炎の患者さんの数で、1960年代は多くの患者さんが報告されていましたが、1970年代に入りまして100人未満の患者報告数となっています。また、1992年以降については10人未満という、患者数としてはそれほど多くない報告数で現在のところ続いているというのが状況です。

 次のページに行きまして、上段は、どの地域から報告をされているかという日本地図ですけれども、2006年4月からは届け出表の中に「推定感染地域」という項目ができましたので、2006年以降については推定感染地域で日本地図の中に取り込んでおります。

 報告数が多いのは、やはり九州・沖縄地方からが多く、次いで中国地方、そして関東・近畿・中部・四国地方からの報告もあります。一方、北海道と東北地方につきましては、2000年以降日本脳炎の患者さんの報告はありません。これは先ほど厚生労働省からお話があったとおりで、それを日本地図に直したものということになります。

 次の「ブタの日本脳炎ウイルス抗体保有状況」は、全国の都道府県並びに都道府県衛生研究所で、豚から採血した血清の中のHI抗体の保有状況を調べているものです。1カ月間に3回ぐらいに分けて大体10頭ずつ、1シーズン合計約100頭のブタの抗体保有状況の結果が感染研に届けられますので、それを佐藤研究員がまとめてくれている日本地図になります。

2000年〜2013年については、その都道府県の中で最も高かった抗体保有率の色を付しております。中には東北地方まで50%以上の豚が抗体を持っていた年もあれば、例えば関東地方でも、調べた豚全部が抗体を持っていなかった年もあるという、年の差が大きい結果になっています。

 豚は、生まれてから1年たたない間に屠場に運ばれてきてそこで採血をしますので、その豚が最近1年間に飼育されていたところに日本脳炎ウイルスがいたかどうかということを調査できていることになります。

 次の3ページ目は、毎年このように、7月、8月、9月と抗体を持っている豚の割合が多くなってきます。

 3ページ目の下が、今年の7月11日〜9月9日までにお届けいただきました結果を日本地図にあらわしたものになりますけれども、今年の7月の初めのころは、九州地方と四国地方で80%の以上の豚が既に日本脳炎ウイルスに対する抗体を持っていたという結果でした。その後調査をしていただく県も増えてまいりまして、水色の北海道につきましては、「2014-8」というところから色をつけていますけれども、今のところ抗体を持っている豚の報告はありません。九州地方は、この数週間抗体を持っている豚の割合が高くなっているのがわかります。

 次の4ページ目は、日本脳炎の予防接種の接種状況ですけれども、日本脳炎のワクチンは生後6カ月から定期の予防接種として接種は可能ですが、標準的な接種年齢が3歳で2回、4歳で1回、そして9歳で1回という接種スケジュールになっていますので、3歳になりますと急激にワクチンを受けるお子さんが増えてきます。3歳では、2回接種者、1回接種者合わせて6割ぐらいのお子さんがワクチンを受けていることになります。

 4歳になりますと追加接種、3回目の接種を受けますが、黄色い色をつけているところなのですけれども、それが出てきます。第2期、9歳からなのですが、12歳ぐらいから青い色が増えてきて、4回目を受けた方の割合が増えてきているというのがわかります。

 逆に、大人ですと接種歴不明の方が多くなってきますので、ここは接種率という形で見るのは難しいかと思います。

 4ページ目の下ですけれども、これは以前日本脳炎の検討会で発表したものですが、2000年から10年間の感染症流行予測調査事業の結果から、日本脳炎ワクチンを受けていないお子さんだけを選び出したものです。1歳〜12歳のお子さんでワクチンを1回も受けていなくて、中和抗体をお持ちかどうかについて表にしたものです。

 北海道はこの調査が行われていませんでしたので、東北地方ですけれども0.7%、中日本、西日本と、西日本のほうが中和抗体陽性者の割合が多いという結果でした。

 最後の5ページ目が、年齢別の人の抗体保有状況を示します。上段が2008年〜2013年までの6年間をグラフ化したもので、下のグラフは2013年度。7月〜9月に採血されることが多いので、そのときの抗体保有状況を示しています。3歳からワクチンをするお子さんが増えるので、3歳で急激に抗体保有率が上昇して6割。そして、4歳、5歳で大体8割ぐらいのお子さんが抗体を持っています。

 9歳、10歳、11歳、12歳で第2期の接種を受ける方が増えてくるのですけれども、10代ですと大体9割ぐらいのお子さんが抗体を持っています。その後、大人になりますと追加接種を受ける方がやはり少ないのか、抗体保有率が下がってきて、50代ぐらいのところで大人の中では最も低い抗体保有率となっています。

 ただし、2005年の積極的勧奨の差し控えの後、2010年度から積極的勧奨が再開されていますので、2010年度のグラフからご覧いただきますと、年々3、4、5歳の子供たちの中和抗体の保有率が高くなってきて、勧奨差し控え前の状況におおむね戻ったというふうに2013年度の結果は見ています。

 以上が、感染症流行予測調査事業と感染症発生動向調査の結果をまとめたものとなります。

ありがとうございました。

○岡部部会長 どうもありがとうございました。

 日本脳炎の現在の日本の状況と、それから、北海道という状況で日本脳炎ワクチンが必要かどうかという議論と、従来のルールとして決まっている自治体が決めることができるということについての議論があるのではないかと思いますけれども、それぞれについて、あるいは一緒でも結構ですので、御意見がありましたらお願いいたします。まず最初は、日本脳炎全体の話ということで意見をいただきましょうか。

 小森先生、どうぞ。

○小森委員 おはようございます。小森です。

 平成6年の法改正のときに、一般臨時接種からインフルエンザ、ワイル病が外れる、日本脳炎だけが残る、どうするかという議論の中の状況では、北海道、青森、秋田、岩手、山形が外れていた。ただ、その後の経過の中で、東北諸県が徐々に定期接種化していくという流れであったと思います。

 それで、岡部先生がおっしゃったように、日本脳炎ワクチンが北海道でどうあるかということと、予防接種法の規定を変えるべきかどうかということは、切り分けて議論する必要があると思っております。

 まず、北海道で必要があるかということは、最終的には道の判断ということですけれども、しかしながら、時代とともに交通手段が非常に発達をして、幼いお子さんが全国を渡って移動される。あるいはまた、大変残念なことですが、地球規模の環境の変化がいろいろなところであらわれてきて、これまで亜熱帯等にしかないといいますか、そういうところで流行されたウイルス、あるいはまたその媒介をする昆虫でしょうか。生態系が随分変わってきているということは、近年のデング熱の問題、あるいはまた今朝、きのうの悲惨な広島の状況等でも現実にあるという中で、拝見しますと北海道知事が、道の専門委員会の議論を経て北海道にも導入をするという方向の、最終的には今後の課題ですが、判断をしておられるということは、私は評価したいと思っています。

 ただ、資料にある条文まで今、この時点で変えるべきかどうかということは、それこそ副反応と有効性ということを慎重に考えて、理性的に判断をするという観点から、この議論はそれとは別に慎重に議論をする必要があると思っております。

 ただ、万が一そうでない判断をされたときに、やはり定期接種とそうでない判断をされたときには、接種をするときの費用もそうなのですが、副反応が起きたときの被害救済制度が違うということもありますので、そういうことも総合的に考える必要があるなと思っております。

 前段に申し上げたということについては、最終的な道の判断ということですけれども、理性的な判断をしておられる道知事の発言ということについては、私は評価をしたいということでございます。

 以上です。

○岡部部会長 ありがとうございました。

 結果的には両方が重なるのですけれども、ちょっと切り分けるような形で言うならば、日本脳炎の状況と、今、地球規模の話も出てきましたけれども、そういう点から見ると中野先生、宮崎先生、今までの日本脳炎をずっとやっていた。やっていたというのは、研究であったり臨床であったりというところで見て、どんなお考えがあるかお聞かせいただければと思います。

 中野先生からお願いします。

○中野委員 私は2つの観点から言えば、先ほど小森委員が言われたことはとても的を射ていると思います。

 そして、岡部部会長がおっしゃられたように、切り離して、まず、日本脳炎の流行状況から考えますと、多屋委員のおっしゃられた4ページの下のスライドでございますか、予防接種歴のない方の抗体陽性率。地域別に東日本、中日本、西日本で分けていただいていて、豚の陽性率の高い西日本で中和抗体陽性率が高いというデータがございますね。日本脳炎という疾患は人−人感染はいたしませんし、ウイルスを持っている豚から蚊が媒介して、病原体が入って、免疫反応が起こるわけでございますから、通常に考えればこの方々はやはり自然感染をしていると思うのです。日本脳炎という疾患は不顕性感染のとても多い疾患でございますから、表現型として脳炎という病態にならなくても、脳炎を起こす日本脳炎ウイルスに感染している1歳〜12歳の子供たちがこれだけいるということを考えますと、北海道、先ほどから転居の話ももちろんですが、私がざっとある資料を調べてみたのですが、北海道に住む人口の5%程度は北海道以外の地域に住んだことがあったりとか、将来住まれると、5%程度はあると書いてございました。また、その方々のうち9割は、東北ではなくて西日本なり、まだ日本脳炎ウイルスの浸淫率の高いところにもいらしていますので、やはり日本脳炎対策、日本ではまだ手を緩めることはできないだろうと思います。

 また、もう一つ申し上げれば、患者さんが大体今、40歳以上ですね。そこから低い年齢の方はいらっしゃらなくて、日本の予防接種対策、これまでの歩みと比較して考えてみますと、20歳未満の方は95年以降の定期接種を、ワクチンを受けていらっしゃる方で、しっかり抗体価を持っている方でございます。そして、20歳〜40歳というところは、恐らく臨時接種の世代だと思うのですね。宮崎委員からまた、私より詳しいですので補足があるかもしれませんけれども、40歳以上は特別対策だったりいろいろなところで、年齢が上の方ほど接種する機会が少なかった世代だと思うのです。ですから、そういうことを考えますと、ワクチン予防可能疾患として、国内でまだ手を緩めてはいけないなという気は私はいたしております。

○岡部部会長 ありがとうございました。

 では、宮崎委員もお願いします。

○宮崎委員 小森委員もおっしゃいましたけれども、平成6年改正のときに日本脳炎の臨時接種をどうするかという議論をしました。それで、今の法律の臨時接種というのは昔言っていた臨時接種と全然違っていて、昔は、「一般の臨時接種」という枠組みがあり、季節性と言いますか流行前にやるということでした。多屋先生に本日出していただきましたデータでも、80年代後半はまだ数十例の日本脳炎が出ていた時代でしたので、任意接種にすると非常に接種率が落ちることが懸念されましたので、やはり定期ということになったと思います。

 事実としては、例えば人間はデッド・エンド・ホスト(終末宿主)で人から人の感染はありませんけれども、馬も同じようなデッドエンドホストで脳炎になるのですが、北海道で育った馬が、本州のほうに来て日本脳炎になって亡くなるというのが中央競馬会からの報告等があって、やはり人に置きかえれば、そういうリスクというのは潜在的にはあるのだということだと思います。

 おそらくかつての臨時接種のときには、全国非常にばらばらだったと思います。九州では同じ人が毎年のように打っていた地域もあれば、全国的に見れば全然していないところもあるという、おそらく日本脳炎は定期化するときに現状追認的に判断されたのではないかと思いますけれども、ちょっとここはまだ私自身確認できていないところです。

 東アジア、東南アジア等も含めて日本脳炎のウイルスとしての勢いは全く衰えていなくて、ワクチン接種している国だけが減っているという事実がありますので、やはり中野委員が言われたように、日本脳炎対策は非常に大事である。それで、日本国内を行き来する方が本州では定期でやれて、北海道に行ったら任意でお金を出さないといけない。しかも、副反応のときの対応も変わってくるというのは理不尽であるという意見は非常に理解できることですが、ワイル病のワクチンなど、他のワクチンのことを考えて、地域の流行性を考えて、そういう枠組みを残すかどうかというのはまた別に議論していっていいことかなと思っています。

○岡部部会長 以前、日本脳炎のワクチンをどうするかという議論のときに、現在は2回やって1回やってもう1回追加で、合計4回ですけれども、以前は中学2、3年ぐらいですかね。あのときにもう一回やっている合計5回だった。この5回目を外そうという議論のときにも、本当に外して大丈夫かという意見もあれば、維持すべきであるといういろいろな意見の中で最終的には4回にして、今に至っているのですけれども、その評価みたいなものはいかがですか。

○宮崎委員 そうですね。定期接種にするときに、実は当時は3期がありましたから5回接種にしたのですが、現実的には、臨時接種の場合は先ほど言いましたように毎年のように打っておられる方もおられたのですが、血清疫学のデータから、追加接種の後5年もつというようなデータがあって少し接種を整理していったのです。実は臨時接種の時代のほうが接種数は多くて、600万を超えていました。それで、定期接種にしてからは400450万の間ぐらいで推移していて、むしろそう意味では接種を減らせたのですね。患者数は増えませんでしたので、一応整理した定期接種化というのはうまくいったのだろうと思います。

 3期がどうかというのは実は今からの議論で、どうしても二十歳を超えてくるとワクチン免疫は下がってくる傾向があるようですが、一度つけた免疫が免疫記憶として残っていて長くもつということを期待しているわけですが、実際に今後、今のワクチン世代が大人になってどうかというのは、気長に見ていかないといけないことかなとは思っています。

 ただ、中和抗体ということから言えば、今のワクチンのほうがかつてのマウス脳由来のワクチンよりも中和抗体価はよく上がっていますので、前よりは長もちしてくれることを期待しています。

○岡部部会長 基礎免疫がついていれば、何かのときにブースターをかければ、全く免疫がないところにワクチンをやるよりはいいので、基礎免疫をつけておこうというような議論もあったと思うのです。

 それから、多屋先生は、先程データとして示していただいたのですけれども、全体の意見としてはいかがでしょうか。

○多屋委員 今まで小森先生、中野先生、宮崎先生がおっしゃられた意見と同じです。

 北海道にお住まいの方も、現在の、特に日本脳炎が流行している国々への旅行ですとかそういう人の移動を考えますと、北海道以外に住んでいるお子さんと同じように受けられる体制というのはとても重要ではないかなと思っています。

 大人については、岡部先生がおっしゃられたように免疫記憶はあるのだと思いますので、そこにブースターをかけることでもう少し高い、抗体保有率が得られるのではと思います。今は、低い結果ですけれども、追加接種でブースターがかかるのではないかと考えています。

○岡部部会長 ありがとうございました。

 質問を一つだけいいですか。

 さっき中野先生もちょっと出した、参考資料2の4ページの下のほうの、多分不顕性感染を起こしたのではないかという。これは東日本、東北地方で、これには北海道の血液は含まれていないのですね。

○多屋委員 そうなのです。これは北海道では人の調査がされていないので、東北地方だけです。

○岡部部会長 対象としていないからできていなかったという。

○多屋委員 はい、そうです。

○岡部部会長 ありがとうございました。

 もう一つ、今度はこれを道知事が決める・決めない、あるいは自治体の問題になっていくと思うのですけれども、その辺を踏まえて、こういう状況のときにルールを改正するような形で全国一斉にやるのかどうか。あるいは従来どおり自治体の権限を尊重するものがいいかどうかというのとか、自治体の立場から言うとどんな意見があるか、坂元先生と渋谷先生でお願いします。

 最初は坂元委員、お願いします。

○坂元委員 まず、確かに都道府県知事がその区域を判断するというのは、法律の規定だと思います。それで、現実にそれを行う実施主体が、市町村になるかと思います。

 この総務省の行政評価局長からのあっせん文書をよく見ると、最後のほうに「『国は国内全ての市町村で日本脳炎の予防接種を無料で実施してほしい』。との申出」となっております。つまりこれは、国に対して無料でやれという申し出ではないかというふう自治体から見るとこの文書は解することができるということで、本来的には、この部分に関しては総務省が自治体に回答を示さなければ私はいけないと思っています。総務省は自治体が、市町村が支出する予防接種にかかわる予算の9割程度を算定根拠としていると、中身は明示しておりませんが、ただ、この言い分は、国が全て無料でやったらという国に対する要望のように私には捉えられるので、少なくともこの点に関しましては自治体とも関心があるところで、総務省としては厚労省に単に投げるのではなく、自ら回答すべきだというふうに自治体の立場からは判断するところであります。

 もっとも、自治体、市町村にとっては非常に財政状況の苦しい中で予防接種をやるということは大変ではありますが、この趣旨にありますように、地区によって不利益が出たり、今、小森先生、皆様方がおっしゃいましたように移動等を伴うということであれば、やはりやるのはやぶさかではないと、市町村がそれに反対するものという立場をとるとは思いません。

 それから、少なくとも北海道以外全ての市町村において、日本脳炎の予防接種は、全市町村で無料で市町村負担によって行われているということをつけ加えさせていただきたいと思います。

 以上でございます。

○岡部部会長 ありがとうございました。

 それでは、渋谷委員もお願いいたします。

○渋谷委員 今、多屋先生からも御説明があったのですが、北海道が、これは最終的には知事の判断という部分が大きいわけですが、現在は発症してないかもしれないけれども、将来的な潜在的なリスクがあるということを言っておられるという部分と、それから、行政の立場から言うと、住んでいる場所によって受けられるサービスに差があるということを国民が言っているという、そこのところが一つあると思うのです。疫学的に言えば確かにリスクは非常に低いのだろうと思いますが、この状況でいけば、北海道は恐らく数年のうちには導入をしたいという、指定を外してほしいという結論になるのではないかということが予想されるわけです。

 ただ、それにしても規定としてあることがどうかという、この規定をなくすかどうかということとは全く別の問題だと思いますので、北海道の状況としては理解できますが、規定として存続させないということとはまた別だと考えています。

○岡部部会長 規定を変更してまで強く進めるといいますか、一律にするということではない、というような理解でよろしいですか。

○渋谷委員 はい、そうです。

○岡部部会長 ありがとうございました。

 坂元委員、どうぞ。

○坂元委員 私も、規定に関しては特に外す必要はないと考えています。つけ加えさせていただきます。

○岡部部会長 ありがとうございました。

 池田先生、ちょっと先生の専門の部分と外れる話なのですけれども、全体の話を聞いて何か御意見がありましたら。

○池田委員 特別先生方の御意見につけ加えることはございませんが、やはり今後新幹線なども開通し、北海道と他の都府県との移動もさらに増えるというふうにも思われますので、東北で発生がゼロ、しかしここでは定期接種で受けられるということですので、北海道でもぜひそういった方向で議論いただけるといいと思います。

○岡部部会長 どうもありがとうございました。

 日本脳炎に関するリスク。日本脳炎だけではないのですけれども、目の前にあらわれているリスクももちろん最大限考慮しなければいけないのですが、何もしなかった場合に10年、20年先どうなっているか、というリスクも考慮しておく必要があろうかと思います。

 例えば、風疹の問題もいろいろありましたけれども、当初導入したときに、どうしてあのとき男の子を対象から抜いたのだというような議論があって、現在その男性に流行があるという、何十年たってからそういう状況が出てきたり、あるいはデング熱も前々からこういうことはあり得ると思いつつも、入ってくると、何をやっているのだというようなことにもなりかねない状況で、感染症を考えた場合に、その先のことも含めて、あるいは人の移動。蚊も移動する可能性もあるわけですけれども、そういうような全体のことを考えると、北海道という位置は今、例えば沖縄・九州に比べればリスク非常には低いけれども、これはやはり同じようなところでむしろ公平性の問題であるとか、あるいはリスクを鑑みた場合に、この委員会としてはできれば接種はしたほうがいいのではないかと、これは前々から北海道の小児科医会などもそういったような提言をずっと出しているのがあるので、その点については反対するものではない。むしろ同じように公平に扱ったほうがいいのではないか、と考えて良いでしょうか。

 確かに副反応の問題というのは、ワクチンのときには必ず、残念ながら伴う問題ですけれども、それだけに副反応が発生したときも同じような救済の形をとっておいたほうがいいのではないか。任意でやったのだからいいでしょうというわけにはいかないのではないかというのが、この委員会の考え方としてまとめてよろしいでしょうか。

 小森先生、どうぞ。

○小森委員 ありがとうございます。

 今回の予防接種法改正案、そして、その前の3大臣合意等によりまして、政令指定都市で御勤務の坂元先生にはいろいろ御批判をいただくところでございますし、確かに問題点も多くあろうとは思いますが、従来と違った、交付税措置とは言え国が90%持つというような財政の枠組みも大きく変わったということの中で、市町村の負担も、さまざまな問題点があるということを承知しつつも改善をした、前進をしたというふうに私は理解をしております。

 したがって、そういうハードルも随分低くなってきた。北海道医師会も従前からこの問題については強い関心を持って、道知事に対して要請をしてきたというふうにお聞きをしてございますし、先ほど資料の中にも明確にお示しをされたところでございまして、先ほど最初に申し上げましたけれども、当委員会でそれを、知事の判断を後押しするような御意見にまとめてくださった委員長に大変感謝をしたいと思います。

 それで、もう一点だけちょっと、先ほど宮崎委員がおっしゃられたことですが、この枠組を残すということについての意味の中で、将来的にさまざまな、未来はなかなか見通せないわけですけれども、さまざまなワクチン等がこれから開発される状況の中で「あるいは」というような柔軟な対応ということもあり得るので、あえてこの枠組みはそのままとしたほうがかえっていいところもあるかもしれない。少なくとも、現時点で法改正、施行令を変更するということは妥当ではないのではないかという、その理論づけは大体そういうことでよろしいのでしょうか。

○岡部部会長 今、小森先生におっしゃっていただいたとおりのところがまとめだと思うのですけれども、ニーズとしては、この委員会としてはあるだろうという。しかし、自治体として現在の枠組みの中である意思決定をしているものに対して、そこの枠組みを変えてまで行う、つまり法律改正を行ってやるということではない。それはほかのワクチンについても同様だと思うのですけれども、現在の自治体の業務であるということを考えた場合に、そこは尊重すべきであるということではないかと思うのです。

 したがって、今後北海道がどういう判断をするかは見守りたいところでもありますし、それについての判断は、最終的には尊重をするということになろうかと思うのですが、先ほど資料の中で、例えば定例記者会見の説明や何かの御紹介もありましたけれども、例えば小児科のグループでは、北海道小児科医会などでは前々からやったほうがいいというような意見もあれば、私の手元のところには、いや、そうではなくて、やはり日本脳炎全体を考えても、北海道が現状で落ち着いているのをあえて定期接種化にする必要はないのではないかという意見もまた別に、これは個々の意見として文書で届いています。そういうところを総合的に考えても、今、この委員会としては、先ほど申し上げていたことについての結論に至りたいと思うのですが、加えて何か御意見がありましたらどうぞ。

 坂元先生、どうぞ。

○坂元委員 ちょっと私がよく理解できないのは、法律を読めば知事が決めても構わないというのがあって、だから自治体の立場からすると知事がお決めになればいいのかなと素直にそう解釈できるのですが、そもそも論としてこの委員会にこれを諮ってくれというのは、知事が決められないから、この条項を変えてしまえばやらざるを得ないという何かちょっとそこが、何を知事が求めているのかというのが私的にはよく理解できない。

 ちゃんと法律にも知事の権限として書かれている。だから、それで今、小森先生のように北海道の医師会もやったらいいのではないか、小児科医会もやったらいいのではないかといって何も障壁になるものがないと私は思うのですが、ちょっとそこら辺の意図がよく理解できないと私は思います。

○岡部部会長 その辺は、事務局からニュアンスというか何かレスポンスがありますか。

○難波江課長補佐 総務省としては、そういった申し出をいただいたということで、いただいた総務省の立場としては、厚労省にそういったあっせんを行ったというものでございます。

○岡部部会長 ほかには御意見は。

 宮崎先生、何かありましたか。

○宮崎委員 そうですね。枠組みも2つあって、ある疾患を地域限定的に定期としてしなくてもいいという規定と、その中に日本脳炎を位置づけるというこの2段階があるわけです。これは今回ごっちゃのような気もしますが、日本脳炎を国としてどうするかということであれば、やはりきちんとした議論をここの1時間ではなくて積み重ねる。そして結論を出すべきだろうと思います。その上のほうの、例外規定をどうするかがまたいろいろな、さまざまな今後のことも考えての、逆に政策的な判断になっていくだろうとは思います。

 それから、先ほど坂元委員も言われましたけれども、総務省が言われた地域的な差ですね。そういうものが不公平であるから変えなさいということを正面切って言うのであれば、今のほかのワクチンの定期予防接種もいろいろな意味で違いがあったわけで、それをなるべく解消しようと我々としても努力しているわけですけれども、責任の一端は総務省にもあったのではないかという気は私もしています。

○岡部部会長 事務局、どうぞ。

○難波江課長補佐 今の宮崎委員の御指摘の点でございますが、あっせんの内容としては、日本脳炎を政令、施行令に規定することの是非等についての審議となっていますので、今、日本脳炎を施行令に規定していることの妥当性ですね。こちらについて御意見をいただければと思います。

○岡部部会長 今までの意見をまとめるのであれば、さらに長期的に考えていかなくてはいけないし、基本方針だけではなくて、分科会でも例えば今のA類、B類という分類がいいかどうかというところもあるので、その中で自治体の業務をどうするかということは継続して考えていかなくてはいけないことだと思うのですが、今、実際にこちら側に投げかけられた、ここは余り法律問題を云々する場ではないのと思うのですけれども、この政令を変えて定期接種として進めるべきかというところに関しては、先ほどの委員の中の議論ではそこまでは今は至らないのではないか、とまとめられるのではないかと思います。

 ただ、テクニカルな面から言えば、つまり医学的・科学的なところから言えば、根拠を持ってやはり日本脳炎ワクチンをオールジャパンとして必要としているのだという、それは以前の日本脳炎に関する小委員会や何かでも議論されていて、日本にとって日本脳炎ワクチンは現在まだ残念ながら必要であるという結論に応じて、これはオールジャパンとして必要なものである、というのがこの委員会としての結論としてまとめられるかと思います。

 ただし、繰り返しますけれども、最終的な判断は、やはり今の枠組みの中では自治体が決めるということなので、そこは尊重するということでまとめておきたいと思うのですけれども、それでよろしいでしょうか。

 さらに、総務省と厚生労働省でのやり取りに関しては、委員会ではなくて事務局でやっていただきたいし、今後こういったような枠組みをどうするかというのは、もうちょっと長期的な目で考える必要があるだろというところに結論しておきたいと思うのですけれども、よろしければ。

(「異議なし」と声あり)

○岡部部会長 ありがとうございます。では、そういうことで。

 事務局、どうぞ。

○難波江課長補佐 確認ですが、今、資料1−1の一番最後に提案させていただいています今の規定自体は、見直す必要はないという御結論でよろしいということでよろしいでしょうか。

○岡部部会長 それで結構です。

 それでは、次の議題に移りたいと思うのですが、議題の2のほうになります。

 これは報告事項になりますけれども、3点あって、最初が「感染症法における水痘の取扱いについて」資料3。これはたしかもう実施にはなったのですね。それについて報告をしていただければと思います。よろしくお願いします。

○難波江課長補佐 それでは、資料3「感染症法における水痘の取扱いについて」ということで、御報告させていただきます。こちらは、今年の6月に開催されました感染症部会での審議の結果でございます。

 1ページおめくりいただきまして「水痘のサーベイランスの強化について」でございます。

 「背景」でございますが、今般、水痘、それから、成人用の肺炎球菌について、この10月に定期接種が実施される予定でございます。

 また、この4月から施行されております「予防接種基本計画」の第6においては「国は、科学的根拠に基づくデータを可能な限り収集し、感染症発生動向調査による疾病の発生状況及び重篤度の評価、感染症流行予測調査による抗体保有状況の調査並びにワクチンの国家検定による適正管理等を通じて、予防接種の有効性及び安全性の向上を図る」とされています。そのため、水痘についても、定期接種導入後における当該ワクチンの有効性及び安全性の評価のため、水痘の発生状況及び重篤度の評価をする必要がございます。

 現在、水痘は感染症法の5類感染症として位置づけられ、小児科定点からの届け出対象疾病になっているが、重篤度が高いと想定される水痘の入院症例かどうかは把握されておりません。今後、ワクチン接種により、疾病の発生動向は大きく変化することが想定されており、水痘についても、その動向を十分に把握できる体制を講じておく必要がございます。

 「必要な対応」といたしまして、水痘の重症例は、水痘に伴う軟部組織の感染症、脳炎、肺炎、肝炎等の合併症を有し、その多くは入院して治療を受けていると考えられます。

また、水痘の定期接種化の効果が最も顕著にあらわれるのは、重症水痘の減少であると推定されております。

 したがって、水痘の入院症例を全数届け出対象に追加して、主として重症例の発生動向を把握することにより、ワクチン評価の一つとしたいと考えております。なお、小児科定点からの報告も継続し、定点報告数の推移も評価の指標の一つとするものでございます。

 感染症部会の御結論として「水痘の発生動向調査において、これまでの小児科定点報告を継続しつつ、入院症例の全数を把握することとした」という御結論をいただいております。この結論を踏まえ省令改正を行いまして、一昨日この新しい省令が交付されまして、今月の19日から施行される予定でございます。

 3ページ目でございますが、変更のイメージでございまして、これまで水痘は小児科定点として、全国約3,000の小児科を標榜する医療機関からデータが収集されてございましたが、これに加えまして、入院症例について全国の医療機関から全数届け出として把握する体制を整えたわけでございます。

 4ページ以降は参考資料でございまして、昨年度、この部会で何度も御議論いただきました基本計画の中で、こういったデータを収集するということが記載されております。

 5ページ目「現行のサーベイランスの疾病分類」でございまして、水痘は既に5類感染症の中に位置づけられておりまして、これまでは定点のみでの把握となっておりましたが、9月19日からは入院症例については全数把握することとなります。

 6ページ目が、今の定点の報告の内容となっております。

 それから、参考資料3が、感染症法施行規則の改正省令となっております。

 参考資料4が、予防接種法施行令の改正政令等となっております。

 参考資料5は、感染症疫学センターの多屋先生の室で作成いただきました、1982年からの4つの疾病の発生動向でございます。水痘、流行性耳下腺炎、麻疹、風疹で色分けされてございます。

 麻疹と風疹につきましては定期接種が導入されまして、1980年代までは水痘と流行性耳下腺炎と数としては同様な発生が見られていたところ、麻疹と風疹は定期接種によってかなり数が減ってきておりまして、2008年からは全数把握としてもうここには計上されておりませんが、風疹については、定点把握で言えば2004年に、緑のところですが、推定3万9,000人の流行があった。風疹については、定点把握として最後の年となる2007年で、1万数千人の報告があった。ここまでかなり減少が見られている。1980年代までは風疹で言えば年間数万人、多い年では数百万人の報告が推定されておりましたが、ほとんどその数の報告はなくなっている。

 一方で、定期接種化されていない水痘と流行性耳下腺炎については、水痘で言えば年間推計100万人程度の報告が今でも続いていて、おたふくについても40万人〜130万人ぐらいの報告が続いていて、この流行が80年代とほぼ変わっていない状況が続いていますが、赤で示した水痘については今般の定期接種化により、麻疹、風疹で見られたような減少が期待されているというところでございます。

 事務局からは以上でございます。

○岡部部会長 ありがとうございました。

 今のデータに関して何か、多屋先生、追加することがありますか。

 ちょっと先にいいですか。それから中野先生。

○多屋委員 ありがとうございます。事務局から御報告していただいたとおりです。

 任意接種のワクチンですとなかなか流行のコントロールができなかったのが、今後、定期接種化で患者さんの数の減少が期待されます。

 ただ、今回入院の水痘サーベイランスを導入していただいたこと、本当にありがたく思っています。というのは、現在までですと、成人の水痘の発生動向がなかなかつかみにくかったこと、入院の水痘もつかみにくかったことが今後わかってきますので、現在の定期接種の年齢についても、このサーベイランスの結果から今後検討が可能になるということで、非常にありがたく思っているところです。

○岡部部会長 ありがとうございました。

 すいません。中野先生。

○中野委員 私も、水痘の定期接種化に伴って全数報告を組み入れていただいたことは大変ありがたいことで、本当に疾病負担の評価ができるので、すばらしいことだと思います。臨床の現場の一員といたしましては、きちんと入院例を報告して、かつ医師会の先生、いろいろな学会の先生にお願いしてしっかり報告していただくように努めてまいりたいと思います。

 そこで1点御質問なのですが、以前岡部先生、多屋先生の研究班で、水痘の疾病負担を研究したとき、高齢者は帯状疱疹でかなり入院していましたが、今回の調査は水痘だけということでよろしいですね。

○岡部部会長 事務局から、これは明確にしておいてください。

○氏家課長補佐 先般、今回の感染症発生動向調査事業実施要綱の改正について通知を出させていただいたところでございますが、今回の変更に伴って、帯状疱疹の報告を求める変更はございません。

○中野委員 そこでもう一つコメントなのですが、血液幹細胞移植した方などは、過去の既往歴とかワクチン歴に関係なく水痘様の発疹が出て、そこから水痘帯状疱疹ウイルスがとれたとき、帯状疱疹なのか水痘なのかわからない例があるのですね。そして、そのおそらく十数例の死亡例の中にはどちらかわからない病態というのも、何十例あるわけではないのですけれども、これだけワクチン予防可能疾患がなくなってきて、ワクチン予防可能疾患で亡くなっている方の数がどんな病態でというのは、すごく大事なことだと思うのです。

 なので、例えば臨床医が、その方が水痘と接触したかもしれないとか、これは帯状疱疹ではないだろう。すなわち、播種性の帯状疱疹と水痘の重症病型がわかりにくい場合があるので、臨床的に初感染の水痘を疑った場合には臨床医には報告していただくということで統一、それが基本的な考え方ということでよろしいですね。

○氏家課長補佐 今回発出させていただきました感染症発生動向調査事業実施要綱の改正において、追加された水痘の届出につきましては、水痘の初感染に限るというような規定をしてございます。背景としましては、今年の10月に定期接種化される水痘ワクチン、これが重症化を防ぐという目的でどの程度ワクチンで予防できているのかということを含めて評価を行うものと認識しておりますので、もちろん免疫不全者において帯状疱疹が播種性となって重症化するということはあり得ることだと考えておりますが、今回の規定としては水痘の初感染という定義となりますので、そこは臨床の先生方で判断をしていただいて、初感染と考えられるものについて届け出の対象としていただければと考えてございます。

○中野委員 ありがとうございます。よく理解できました。

○岡部部会長 小森先生、お願いします。

○小森委員 ありがとうございます。

 第5回の感染症部会で私も発言をさせていただいたわけですが、基本的にすばらしいことだと思っておりますし、医師会としても傘下の会員にしっかり協力するように周知をしてまいりたいと思います。

 それで、その場でお話させていただいたのは、小児科学会等に御協力をいただいて、平成21年〜23年の3年間に入院用施設を持つ各科1万9,921科に対して回答を求めたところ、回答率は20%でしたけれども、24時間以上入院を要する水痘の子供さんは3,458名であったということがありまして、その折にさまざまな御事情、特に保護者の方の御事情でお預かりをするというケースもあるので、私どもの調査は「24時間以上」という規定にした。それはより正確な情報を把握するための手段であって、そのあたりについて考慮をしていただきたいということを申し上げましたところ、事務局から「届け出の基準等で十分検討いたします」という回答をいただいているところでございますが、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。

○岡部部会長 お願いします

○氏家課長補佐 すみません。2日前の9月9日に発出した通知ですので、この参考資料の中に通知が入っておらず内容をお示しできませんが、小森委員から感染症部会で指摘がありましたように、「入院のうち24時間以上の入院を要するもの」という規定で届け出を求めているところでございます。

○岡部部会長 そのほか、御意見ありますでしょうか。

 もし重症の判断がつかないようなものがあった場合には、届けとか報告とかいうよりも資料として非常に重要になるので、そういうデータは多屋先生の室で届け出ではなくてデータの集積というようなことでまとめていただければと思うのですけれども、どうですか。

○多屋委員 ぜひまとめさせていただきたいと思います。先ほど氏家さんがおっしゃられましたが、届出様式の中には、免疫不全の基礎疾患をお持ちかどうか書くところ等もつくっていただいているように聞いていますので、その辺も把握可能になるかなと考えております。

○岡部部会長 ありがとうございました。

 それから、私からの質問で、これもディスカッションしたような気がするのですけれども、院内感染で生じた場合はどうするのでしたか。

○氏家課長補佐 これもまた、実際の通知をお示しできなくて大変恐縮なのですが、なかなか院内感染かどうかを判断するということを届け出の中に規定することが困難でございますので、あくまで制度の中の規定としては「水痘を罹患して24時間以上の入院を要した者」を対象に発生の届け出を求める規定となってございます。

 ですので、入院中の方が水痘を罹患された場合においても、届け出の対象ということになってくると理解してございます。

○岡部部会長 ありがとうございます。

 届け出のところに「その他」とか参考条項があるので、サーベイランスをやる側としては、できるだけそういう情報も入れていただくと分析がしやすいということになると思うのです。

 多屋先生、どうぞ。

○多屋委員 もう発出されているので公開になっていると思うのですけれども、届出様式の中に、院内で感染した場合がわかるように、他疾患で入院中に発症して24時間以上入院となった場合は、記載欄を設けていただいていますので、その辺は届出様式の中で把握が可能となっていると思います。

○岡部部会長 ありがとうございます。

 この参考資料の5ページのところに一覧表、サーベイランスの疾病分類というのがありますけれども、だんだん数は減ることなく増えてきてしまうので、臨床サイド、あるいは実際の保健所とかデータを取りまとめるところには負担をお願いしなくてはいけないところなのですが、実質はそれを上回るベネフィットといいますか、それによる疾病の分析ができるということと、一方では、電子化であるとかやり方の簡略化というようなことに進んで、これは今後の病気の動向を見るということで非常に重要ですので、ぜひいろいろな方面の御協力をいただきたい。そういうふうに思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、報告事項を進めたいと思うのですが、2ですね。MRワクチンの接種率状況について、これも事務局からお願いします。

○難波江課長補佐 資料4でございます。

 麻疹と風疹の定期接種の接種率の平成25年度のデータが集計されましたので、御報告させていただきます。

 1枚目が麻疹の接種率でございまして、第1期が全国で95.5%、第2期が93%となっております。麻疹の指針での目標は95%でございまして、第1期については目標を超えているということでございますが、第2期については93%と、若干まだ到達していないという状況でございます。

それから、都道府県別においても、自治体の中でまだ目標を達成していない自治体があるというものでございます。

 裏側の2ページ目が風疹の接種率でございまして、基本はMRワクチンでございますが、MRワクチンなどでほぼ同様な値となっておりまして、第1期が95.5%、第2期が93%。風疹も同様に95%を目標としておりますので、まだ2期は全国で達していない。それから、都道府県ごとでまだ目標に達してないところがあるというものでございます。

 この資料は多屋先生の室で作成いただいておりますので、残りについては多屋委員から御説明いただければと存じます。

○岡部部会長 それでは、多屋先生、お願いします。

○多屋委員 最初に集計したときに、公表を厚生労働省のほうからしていただいていたと思うのですけれども、その後一部数字の改訂がございまして、昨日集計が出たところでございます。

 第1期につきましては、全ての都道府県で90%以上の接種率となっていました。これは本当にすばらしいことだと思っています。

 ただ、表2という表ですが、第1期はこれで4年連続95%以上を達成したということになりまして、これはとてもいいことだと思っているのですが、残念ながら2012年度と2013年度の結果を比較しますと、少し下がってきている都道府県が全体的に多いものですから、1期、2期は一番の重要なところになるので、ここは下がってくることがないような体制を継続していただきたいなと考えています。

 2期についてはあともう一息というところなので、これから就学時健診なども始まってくると思いますので、そういうところでは、2期の接種についてはいろいろ勧奨などをしていただくチャンスが増えてくるのかなと思っています。

 今後はまた市区町村の結果などもまとめまして厚生労働本省に報告したいと思っておりますけれども、非常に1期は高い接種率であったと申し上げたいと思います。これは全国の皆様方の御尽力の賜物だと思っています。ただ、下がってくることがないようにだけ、ぜひよろしくお願いします。

○岡部部会長 どうもありがとうございました。

 坂元委員、どうぞ。

○坂元委員 今、多屋委員御指摘の都道府県でちょっと下がってきてしまっているというのは、あくまでも推測ですが、ちょっと前にすごく流行があって、市民のそれに対する関心が非常に高かった。マスコミの方もそれを多く取り上げていただいた。それがだんだん時間がたつとこうなってくるということで、我々も関心が薄れると下がってしまうということがないように、自治体としてもやはり周知に努めてまいりたいと思いますが、例えばマスコミの方にも繰り返しこの必要性を訴えていただけたらと思います。これはお願いでございます。

○岡部部会長 ありがとうございました。

 接種率が上がるのに当たっては非常に強いバックアップを各方面からいただいているので、ぜひ維持をよろしくというところになると思います。

 ほかに御意見、コメントは。

 小森先生、どうぞ。

○小森委員 

 問題、1期、2期の話がございました。私どもも協力してまいりたいと思いますので、ぜひ1期、2期についてはさらなる。特に昨年度1期は97.5%という、ほぼ100%達成に近い数字でございましたので、私どもも努力してまいりたいと思います。

○岡部部会長 ありがとうございます。

2012年度の3期、4期は数字としては上げてありますね。上げてはあるけれども、一応制度としての3期、4期は終了になっているので。

 

○岡部部会長 ただ、3期、4期の結果が非常に全体のはしかの制圧、それから、風疹の該当する年齢層からのエリミネーションというのは非常に貢献したというふうにも、これはWHOの会議でもそこのところは非常に評価されているというのをつけ加えておきたいと思います。

 それから、1期は割に短期間でのはしか、風しん対策に重要ですけれども、将来的に見た場合には、2期というのは逆にこちらのほうが重要になってくるので、これもぜひいろいろなところで落ちないような努力と啓発を続けていきたいと思います。

 私からの印象はもう一つなのですけれども、これは平均値がかなりいいだけではなくて、余りべこべこがなくて全体的に持ち上がっているというような状況があります。今までは、いいところはすごくいいのだけれども、どんと落ち込んでいるような自治体がちらほらと見えていたのですが、それがなくなったのは大変ありがたいことだと思います。ぜひ各地域においても、引き続きよろしくお願いいたしたいと思います。

 それでは、MRのほうは以上のようにして、もう一つが、ワクチン評価に関する小委員会。これは説明を事務局のほうからお願いします。

○石田室長補佐 「ワクチン評価に関する小委員会について」でございますけれども、今年の1月にこの部会において、ワクチン評価に関する小委員会の設置について御了承をいただいたところでございます。

 今回は、資料5の裏を見ていただきますと、委員の方々の名前が記載されており、さまざまな分野の8名の方々から委員として参画いただくことになりましたので、御報告させていただきます。

 また、表のページに戻っていただきまして、真ん中の「2 委員」という項目があり、その上から2つ目のところに「・委員会に委員長を置き、予防接種基本方針部会長が指名する」となっておりますので、大変申しわけございませんが、この場をおかりして、部会長からこの委員長の指名をお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

○岡部部会長 それでは、この委員の名簿を見ていただければそれぞれの委員の方々がありますけれども、規定によると私が御指名するということで、大変でしょうが、感染研の副所長の倉根先生に委員長ということでお願いできればと思います。

 以下構成をしていただいてディスカッションをし、また、必要に応じてこの中にサブグループのような形でさらに検討を続けていくというような、非常に細かい点についてはそこでやっていただくというような形をとるというふうに思います。

 これは指名をしたということですから、了承ではなくていいのですね。ただ、一応御了承いただければと思います。

 

(「異議なし」と声あり)

○岡部部会長 ありがとうございます。

○石田室長補佐 それでは、この紙には日付が入っていませんが、9月11日付で決定ということでよろしいでしょうか。

○岡部部会長 それでよろしいかと思います。

 それでは、この小委員会というところも、この中に小委員会の先生もおられますが、ダブってしまったりしていろいろ大変ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、進行としては少々早目にいっているのですけれども、「その他」のところに移りたいと思います。

 「その他」については、事務局のほうで「その他」というのも上げてあると思うので、よろしくお願いします。

○高城予防接種室長 それでは、説明させていただきます。

 事務局のほうから情報提供といたしまして「HPVワクチンの接種後の症状に関する新たな医療体制の整備と調査について」ということで、資料6をお手元に御用意願います。

 それでは、こちらを用いて御説明させていただきます。

HPVワクチンの接種後の症状に関する調査等についてということでございますが、これにつきまして、先月、8月29日でございますけれども、田村前厚労大臣のほうから御発言、コメントがございましたので、これについての御報告、御説明ということになります。

 1枚おめくり願います。発言の要旨をまとめたものでございます。こちらにつきましては、1つ目の○にございますように、皆様御承知でございますけれども、HPVのワクチンにつきましては、広範な慢性の疼痛、運動障害を中心とする症状等が接種後に見られたということで、昨年の6月以来この頻度等が明らかになり、国民に適切な情報提供ができるまでの間、積極的な勧奨を差し控えているというのが状況でございます。

 これらにつきまして、3つの対策を新たに講じることということで、宣言していただいたものでございます。

 1番目は、こちらにございますように、身近な医療機関で適切な治療が受けられるように、協力医療機関を各県に少なくとも1つ整備しましょうという点でございます。

 2つ目でございますけれども、こういった予防接種でございますが、医療機関を受診される際、過去分も含めて副反応報告がきちっと上がるように要請をしていくということでございます。

 3番目でございますけれども、こうした副反応報告がなされた場合には、これまでにも報告された患者様も含めまして、症状、その後の状況等を追跡調査いたしますという、この3点を言っていただいたわけでございます。

 以下、個別に簡単に御説明したいと思います。

 3ページ目の図をごらんください。こちらが最初の各県に1つ協力医療機関を設置していくということの流れでございます。「HPVワクチン接種にかかる診療・相談体制」ということでございます。

 皆様の向かって右手の上でございますが、現在はこうしたHPVに関係する諸症状につきまして「専門医療機関」というのを設置、厚生労働科学研究でさまざまな研究をやっていただいている医療機関がございます。ただ、これは全国に20近くございますけれども、各県に1つずつあるという状況ではございません。

 これにつきまして、下の青囲みで囲っておりますように、以下が都道府県の範囲でございますけれども、真ん中に「協力医療機関」というのがございます。位置づけでございますけれども、地域の中核としまして、接種ですとか診療体制を整備し、地域医療機関に紹介された被接種者の診療ですとか、必要に応じては、先ほど御紹介の右上の「専門医療機関」を紹介する。こういった地域で支える診療体制の構築を目指していくということでございまして、現在医師会、それから、学会の皆様にも御協力いただきながら準備を進めているという状況でございます。

 次の4ページでございますけれども、「HPVワクチンの接種後の症状の副反応の強化」ということでございます。

 具体的には「対象症状」といたしまして、このワクチン接種後に慢性の疼痛ですとか運動障害といった症状が出てきますので、これを副反応報告の強化の対象といたしますよというものでございます。

 対象者は、こちらにございますように、このワクチンの接種を受けた者であって、対象症状で医療機関を受診する者。

または、過去に生じた対象症状のために医療機関を受診していた者。こういった者も対象にしますということでございます。

 具体的な強化方法につきましては、こちらにございますけれども、接種医、接種を行う医療機関に対して、接種後に対象症状を発生した場合には、接種医療機関に相談するように依頼するということ。

それから、接種医療機関以外の医師。副反応等によりまして接種医療機関以外の医師の治療を受ける場合にあっても、このワクチンを受けたといったことを医師に伝えるようにということを周知依頼したいというところでございます。

 「結果の活用」でございますけれども、報告された症例につきましては、医療機関、ワクチンメーカーと連携いたしまして、その後の状況を追跡いたします。

この情報については、随時副反応検討部会に報告し、専門家により検討を加えるということでございます。

 こうした情報を国民にも情報提供していくということを念頭に置いております。

 次のページでございますけれども、現行HPVワクチンについては、こちらの上に書いてあるような現行の症状について厚生労働大臣に報告してくださいという形になっております。この中で、運動障害ですとか痛みといったものというのは明示されていないところでございまして、下の赤のバスケットのところに医学的判断として上がってきているわけですございますけれども、今後はこちらの部分につきまして、ヒトパピローマウイルス感染症の定期接種にあっては、接種後の広範な疼痛、運動障害を中心とする多様な症状が発生する場合にも報告対象にしてくださいね、ということで通知に明記したいと考えているところでございます。

 次のページをおめくり願います。6ページでございます。一旦こうした形で副反応を上げていただいた後のフォローアップというところでございます。

 一番上の「現状」にございますように、現在でもPMDA・ワクチンメーカーと連携しまして、その後の状況について追跡調査を行っているというのが現状でございます。しかしながら、課題が2つございます。

 1つ目は、追跡調査が途中で途切れてしまう場合があるという場合でございます。例えば、医療機関が調査への協力について協力が得られなかったというような場合ですとか、患者が転院しまして、転院先の医療機関が追えなくなってしまった場合。こういった場合に途切れてしまうということがございます。

 また、2点目でございますけれども、医師が「軽快」であると判断した場合には、追跡調査が終わっているということでございます。今回見られている症状につきましては、時間とともに変動などが指摘されておりまして、再度「軽快」後に悪化するというような可能性も言われているところでございまして、これにつきましては、しっかりと通院が必要なくなるまでの追跡を継続するような方向で今、調整をしているということでございます。

 その点につきましては「解決策(案)」に書いてございますけれども、医療機関のほうには調査の協力を改めて依頼するとともに、途切れた場合には、患者個人のほうから情報を収集させていただくなどの解決策を検討しているところでございます。

 最後のページでございますけれども、ちょっと見にくい図で失礼いたします。

 現状も、左手にございますけれども、患者が医療機関Aというものを、ちょっと下に行きまして「1受診」とございますが、こうした場合に、副反応ということで医療機関Aが厚生労働省に副反応報告を上げていくという流れがございます。これを受けて、厚生労働省のほうでは市町村、関係自治体のほうに情報提供を流す。また、下のほうにございますけれどもPMDA、製薬メーカーに対しても情報提供を行っているところでございます。

 こうした枠組みの中で、右手の一番下にございます「製薬企業」のほうが、患者さんのかかっている医療機関に対して追跡調査を行っている5というところでございますけれども、こういう枠組みがあるわけでございます。

 こうした中で、患者さんが、例えば「1受診」の下にあります「8転院」ということで、もしこのあたりで、製薬メーカーの企業のほうでBという転院先がフォローし得なくなった場合には、厚生労働省のほうから市町村に情報提供しまして、当該患者さんの状況を聞き取ってもらうということでございます。これが9でございます。今、どちらの医療機関を受診していますかというところを聞いていただくということでございます。

 そういうことで、その情報をもとに企業のほうに情報提供しまして、さらなる追跡調査を、15にございますけれども行っていくという、こういった枠組みでございます。

 こちらに書いてありますけれども、赤い部分が新たに関係機関に対して依頼をお願いするような内容となっております。現在、こうした内容で調整を進めております。

 事務局からの御説明は以上となります。

○岡部部会長 どうもありがとうございます。

 坂元委員、どうぞ。

○坂元委員 2点ございますが、まず、医療機関が情報提供を拒否するというのは、医療機関独自の判断なのか、そこにかかっている患者さんが自分の情報を提供してくれるなというふうに言ったのか、そこはかなり大きな問題だと思いますのは、医師法で「医師は正当な理由なく患者の情報をほかに漏らしてはならない」という規定がある。ただ、患者さんの了解があれば構わないと思いますので、そこが医療機関の判断なのか、かかられている患者さんの判断なのかというのが1点わからないということ。

 それからもう一つ、これはお願いなのですが、この新たなフローチャートを見ると、市町村が患者さんに説明するというふうになっております。もちろん市町村もその辺は心得ていると思いますが、改めて厚労省のほうから転院した場合もぜひ協力をお願いしますということを、市町村が患者さんに強調してほしいというような一文を配慮していただけたらと思います。これは要望でございます。

 以上です。

○岡部部会長 事務局からどうぞ。

○高城予防接種室長 ありがとうございます。

 途切れてしまう原因として、医療機関側が協力を拒否したという形で書いておりますけれども、いろいろなパターンがあるかなと思っております。その点については、患者さんの協力が得られないということでの追跡不能になったことなのか、もしくは医療機関のほうなのか、実態としてはよくわかっておりませんけれども、ここの部分は改めて医療機関のほうにお願いをさせていただくという、今回の措置はそういうことでございます。

○岡部部会長 ほかにはいかがでしょうか。

 事務局からどうぞ。

○渡邊係長 済みません。補足でございますが、医療機関の協力については、医療機関の協力が得られない場合というのは、ケース・バイ・ケースでいろいろなケースがございます。

 話を聞く限りでは本当にいろいろなケースがあるところでございますが、今回の協力については、もともと薬事法上に、製薬企業の情報収集に対して医療機関の協力についての規定がございますので、その範囲内でお願いしたいというところでございます。

○岡部部会長 これは重複情報はかなり避けられますね。前のときもある程度は整理できたけれども、どうしても整理し切れない部分が出てきていました。

○渡邊係長 重複情報については、個人情報は厚生労働省が持っていますので、そこは引き続き、重複はなるべく排除してという形で考えています。

○岡部部会長 そこは厚労省のほうで判断してやっていただければいいと思うのですけれども、ここにも書いてあるように、感染研も個人情報は保持しないというようなことがあります。フォローアップというのは非常に重要で、そのことがいろいろなものの解決に結びつくのでぜひ御協力をいただきたいのですけれども、やはりいろいろな事情でそうではないということもあるでしょうし、個人情報が含まれているということでは、その取り扱いは、取り扱う我々も厚労省も、あるいはそれを報道されるような方々も、こういうような仕組みになっているということをよく理解してやっていく必要があるだろうというので、よろしくお願いします。

 多屋先生、どうぞ。

○多屋委員 済みません。ちょっと質問なのですけれども、資料の5ページ目の、HPVワクチンの医師に報告義務がある症状の表です。

 この「(今後)」というふうに書かれているのは「広範な疼痛又は運動障害を中心とする多様な症状」というのが、省令でしたか政令に規定されることに今後なるということなのか、赤枠で囲ったまま今後も続くという意味なのか、これはどちらなのでしょうか。

○渡邊係長 「(現行)」に書いてございますのは、予防接種法施行規則、厚生労働省令の規定をそのまま書いてあるところです。そこの規定を今回変えるということは、現段階では検討していなくて、具体的には「副反応の報告等の取扱いについて」という通知が局長通知でございますので、その中で「その他医師が予防接種との関連性が高いと認める症状」というものについて疼痛とか運動障害が生じたという報告もございますので、そういうものも検討していただきたいという形で書くことを現在検討しているところです。

 済みません。失礼しました。それから、副反応報告書の届出様式もございますが、その裏に届け出の症状も明記されているところで、これは局長通知の中ですので、その中にも明記をするというところでございます。

○岡部部会長 では、もう一つ、多屋先生。

○多屋委員 ありがとうございました。

そうしたら、報告書の裏の症状のところにそれが加わるという理解でよろしいのですね。

○渡邊係長 現段階ではそういうことです。

○多屋委員 わかりました。

 あともう一つなのですけれども、定期接種の報告書は氏名、生年月日を書く欄があるのですが、任意接種の場合はイニシャルでいいというふうに記載されています。それで、今、報告されていらっしゃる副反応報告は、任意接種のときに接種された方がとても多くて、個人のお名前とか個人情報がわからない方がとても多いのですけれども、過去に接種された任意の場合も、追跡調査をするためには個人の情報を記載していただくというふうに変わると思っていてよろしいのでしょうか。

○渡邊係長 個人情報の記載については特に変更する予定はないですが、現状、個人情報だけで突合しているわけではなくて、医療機関とか接種日、そういうことも含めて総合的に重複を排除しているので、できる限り今後も引き続き重複は排除していきたいというところです。

○岡部部会長 ありがとうございました。

 そのほかに、この件についての関連する御意見、御質問はよろしいでしょうか。

 それでは、事務局も大変でしょうけれども、ぜひどうぞよろしくお願いします。

 「その他」のその他ということで何か。少し時間はありますから、もし何かありましたら。

 今日のところはよろしいでしょうか。

 それでは、少し早目ですけれども、今日の議事としては終了させていただきたいと思います。

 幾つか重要なことも決まっていますけれども、後で整理して事務局でアナウンスをということでよろしくお願いします。

 事務局側から、どうぞ。

○石田室長補佐 次回の開催につきましては、追って御連絡をさせていただきますので、よろしくお願いいたします

 事務局からは以上でございます。

○岡部部会長 それでは、本日の会議を終了します。どうもありがとうございました。

 


(了)

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