ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 年金局が実施する検討会等> 公的年金の分かりやすい情報発信モデル事業検討会> 第4回 公的年金の分かりやすい情報発信モデル事業検討会 議事録(2014年10月8日)




2014年10月8日 第4回 公的年金の分かりやすい情報発信モデル事業検討会 議事録

年金局

○日時

平成26年10月8日(水)14:30~16:30


○場所

合同庁舎第5号館 厚生労働省 専用第23会議室(6階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○出席者

構成員

阿部構成員   熊切構成員   佐々木構成員   佐藤構成員   関口構成員  殿村構成員   原構成員   横尾構成員

厚生労働省

樽見年金管理審議官  大西事業管理課長

日本年金機構

向山給付企画部長  上野サービス推進部長  町田国民年金部長

○議題

(1)業務支援ツールについて
(2)通信研修モデル事業(実務編)について
(3)その他

○議事

(※この議事録のPDF版を第4回検討会の資料ページにご用意しておりますのでご利用ください。)

〇司会
 それでは、定刻になりましたので第4回公的年金の分かりやすい情報発信モデル事業検討会を開催いたします。皆様お忙しいところお集まりいただき誠にありがとうございます。 
本日の構成員の出欠状況ですが、三浦構成員がご欠席となります。その他の構成員の方々にはご出席いただいております。また、事務局からの出席者ですが、お手元の座席図の通りとなっておりますので紹介に代えさせていただきます。
議事に先立ちまして資料の確認をさせていただきます。本日は配布資料といたしまして、資料1-1「業務支援ツールについて(あずさ監査法人提出資料)」、資料1-2「業務支援ツール案(老齢基礎年金)(あずさ監査法人提出資料)」、そして、資料2といたしまして「市町村職員向け通信研修モデル事業について(実務編)(TAC株式会社提出資料)」を配布させていただいております。よろしくご確認をいただきたいと思います。もし不足等ございましたらお申し出いただければと思います。皆様よろしいでしょうか。それでは、カメラの方はここで退室をお願いしたいと思います。
 それでは、具体的な議事検討に入らせていただきます。本日は業務支援ツールについて、および通信研修モデル事業(実務編)について、この以上2点について議題といたします。
タイムテーブルをご案内いたします。本日の検討会におきましては、まずは、資料1-1および資料1-2に沿いまして業務支援ツール案について65分程度ご議論いただきます。続いて、市町村職員向け通信研修(実務編)について50分程度ご議論いただき、構成員の皆様からご助言を賜ることを予定しております。それでは、まず、業務支援ツールに関してあずさ監査法人からご報告させていただきます。よろしくお願いいたします。
○あずさ監査法人
 それでは、あずさ監査法人より、お手元の資料1-1および1-2に基づいて業務支援ツールについて説明を差し上げます。まず、お手元の横書きの1-1の資料をご用意ください。ページをめくっていただきまして、右下のページ2ページでございます。本日の検討会においてご議論いただきたい事項でございます。本日の検討会においては、業務支援ツール案のうち老齢基礎年金に関するものを一式ご用意いたしました。後ほど資料1-2において詳細をご覧いただきますが、本ページの中ほどにあるような視点で皆様のご意見を賜りたいと思っているところでございます。また、本日は老齢基礎年金の業務支援ツール案をお示しいたしますが、それ以外の業務支援ツールに関しても本日ご助言いただいた内容を反映させて制作を進めてまいります。それぞれ案が完成次第、個別にご意見ご助言を賜るということを想定しております。また、本日の業務支援ツール案の中身については、今後チェックをしてさらに正確性を向上させていくという点をご了承ください。
 ページを進めさせていただきまして、右下のページで申しますと4ページ目、業務支援ツール案の使用フローのご案内になります。まず、市町村の窓口担当の方が窓口において対応するフローとそれぞれの業務支援ツールの使用場面についてご説明をいたします。右側に示しておりますのが、それぞれの場面に登場する業務支援ツールになります。具体的な内容は後ほどご説明を差し上げます。時系列で申しますと、まず受付にお客様がいらっしゃった際、お客様の来訪目的を確認することになります。その来訪目的が今回ご用意させていただいた応対ガイドのメニューに該当するかどうかを確認させていただくことになります。その後、受付ができない場合、例えば厚生年金についての相談ですとか、制度全体に関する質問です、という場合は、それぞれ年金事務所をご案内したりパンフレットによるご説明をしたりという対応になるかと思います。一方、窓口で受付可能な場合は次の2番のステップに進むことになります。それぞれのテーマに基づいた応対ガイドを引っ張ってきまして、ご案内ガイドでまず手続きの全体像をお示しして、目的に応じたご案内カードというものを用意しましたので、重要事項等を説明するという想定をしております。実際にこの応対カイドを使っている最中にお客様からいろいろ情報や相談事項等を聞き取る場合が想定されますので、必要に応じて相談シートというものをご用意しております。こちらに適宜記入しながら説明や手続きを進めていくという想定をしております。ここまで実際に手続きを進めていただいて、相談や説明が終了したという仮定で次の5ページ目に進めさせていただきたいと思います。
 実際に必要書類が揃っており、手続きが完了しました、という場合におきましては、チェックリスト(重要事項説明用)というものをご用意いたしました。こちらはお客様と共に重要説明事項を確認してチェックマークを付すということを想定しております。こちらのコピーをお客様にお渡しして窓口担当者とお客様両者で情報を共有するということを想定しております。一方、例えば必要書類が足りない場合に手続きが終わりませんでしたという場合もあるかと思います。その場合は、必要書類リストというものをご用意しておりまして、お客様が再訪していただく際に「こちらをお持ちください」というものをお示ししてチェックマークを付してお渡しするということを想定しております。こちらも一部コピーを市町村で保存することによって、それぞれ情報を共有化することを考えております。
ここまで、ツールを用いながら手続きは漏れなくできているはずですが、万が一対応後に説明漏れや書類の不備が発覚した場合は、先ほど出てまいりました相談シートにご本人の連絡先を聞き取っておりますので、そちらに速やかに連絡するという想定になっております。
次に、窓口の手続きが終わった後にバックヤードで使うツールの使用フローでございます。バックヤードでは市町村から日本年金機構に進達書類等の提出を行うための事務を行っており、そのフローになります。まず、チェックリスト(内部チェック用)というものをご用意させていただきまして、進達前に日本年金機構と市町村間で行っている事務に不備がないかどうかを再確認するためのチェックをしていただき、その後、進達を行うということを想定しております。このページ最後の常時と書いてある段に業務支援ツール解説集が出てまいりますが、今まで申し上げた窓口等で使う業務支援ツールを適切に使うことをサポートするためのツールとして解説集をご用意しております。ここに3つ掲げたような内容や確認事項を準備したいと思っているところでございます。
7ページ目に進んでいただきまして、こちらは参考となります。我々あずさ監査法人ではこの6つのメニューを用意して、業務支援ツールを作成しているところでございます。
8ページ目以降は、第2回の検討会でいただいた課題に対する対応方針でございますので、そちらは後ほど、時間がございます際にご確認いただければと思います。
それでは、早速ですが具体的に資料の1-2を用いて業務支援ツールの中身について解説を差し上げたいと思います。おそらく使用場面がイメージしづらいかと思いますので、先ほどの資料1-1のフローを横に置いていただけるとイメージしやすいかと思います。まず、最初に登場するのが応対ガイドでございまして、右肩にマル1と書いてあるカラーの資料をご用意ください。こちらは先ほどのフローで申しますと、お客様の手続きや相談のタイミングで登場する物になります。このツールのコンセプトといたしましては、お客様と一緒に使う物でございますので、例えばレイアウトやデザインは見やすくシンプルなものにしております。実際に使う際は、ページをめくっていただきまして、「ここです」という感じで指をさしながら使うようなイメージだろうと想定しております。このように左肩をホチキスで留めてしまうとパンフレットのように見えますが、実はそうではなく、1枚目のところで全体像をお示しさせていただいているものが表紙兼目次、2ページ以降のNo.1以下にお客様が聞きたい論点ごとにナンバーの付いたガードが1枚ずつご用意されているというイメージを持っていただければと思います。今弊法人の者が持っていますけれども、例えば一枚ずつラミネート加工をして使うと、それぞれ個別に論点ごとにカードが作られているようなイメージをお持ちいただけますでしょうか。お客様の目的に応じて何番のカードというかたちで一枚ずつ出すことを想定しております。具体的には、お客様がいらっしゃって「私、年金いくらもらえますか」というご相談があった場合には、まずご案内ガイドの真中あたりのところに「年金額はいくら?」という論点があるので、「お客様のご相談事項はこちらですね」というふうに応対をすることになると思います。実は、この裏面にご案内カードというものがありまして、それぞれの論点ごとに対応するカードをいくつか用意しております。そちらにご案内を進めていくことになろうかと思います。例えば、先ほどの例で「いくら?」という場合はNo.7のところに進んでいただけますでしょうか。右下のページでいうと15ページ目になります。「いくら?」ということで基本的には満額で772,800円というのがNo.7のカードの上部に示してありまして、その下に計算式が書いてあるということでございます。 実はこのカードは裏表式になっておりまして、表面に概要が書いてあって裏面にもう少し詳細な情報を入れてあります。先ほどご覧いただいたNo7の場合は裏面をご覧いただくと、例えば付加年金がある場合、繰上げ・繰下げ請求がある場合、振替加算がある場合等、「いくらもらえるか?」に関する細かい論点があると思いますので、これらの情報を裏に載せているという作りになっております。中には表面だけで終わっているカードもありますが、情報が表だけで収まってしまうケースは裏が真っ白のカードができているという状況でございます。
続きまして、応対ガイドの特徴ですけれども、先ほどの7番の裏面16ページでご覧いただくと、例えば繰上げ・繰下げ受給した場合の年金額の欄の横に「老-NO.9」と書いてあります。これは老齢基礎年金のカードナンバー9のところに実は繰上げ・繰下げに関する詳細な情報が書いてあるので、窓口対応される方は関連するカードをお客様のニーズに応じて次々にパッと引き出してご提示するようなイメージをしております。今こちらは老齢基礎年金のカード内でのリファレンスをご説明差し上げましたけれども、例えば免除のカードのナンバーに飛ぶというケースも想定しております。具体的にはNo.8のカードの一番上ですと、追納関係で「免-NO.6」という記載がありますけれども、これは実は免除の業務支援ツール応対ガイドのNO.6の中に追納に関する情報が入れ込んであるということを示しております。繰り返しになってしまいますが、こちらの応対ガイドというツールはお客様に全てのページを1から10までご覧いただくのではなく、必要なところのみをご覧いただくという想定をしております。お客様ごとにご覧いただくページが違うということでございます。極端な話ですが、記入済みの裁定請求書をお持ちの方はご案内ガイドの一番下の提出と重要事項の説明のところに飛んでしまうので、その間の説明が不要なケースも想定されます。ラミネートしたツールは順次回させていただきますので、お手元に回ってきましたらご確認いただいて隣の構成員の方に回していただけますでしょうか。
 続きまして、右肩にマル2番と書いてある資料です。応対ガイドを使いながら使うツールとしてご相談シートという物をご用意しております。このツールの使用タイミングといたしましては、応対ガイドで説明している最中に必要に応じてお客様から情報を聞き取る際に使用する物でございます。コンセプトとしましては、カルテに近いもの、相談録とでもいいましょうか、お客様の基本情報や聞きたいことをここに記入して後々の事後のフォローにも使えたらと思っている物でございます。例えば、先ほどの「いくらもらえるのか」という相談にいらっしゃって、年金の見込み額を知りたいという場合には、市町村の窓口ではすぐにはわかりません。その場合、例えば年金事務所に電話して情報を引き取って、シートの下段にブランクの計算式が書いてありますので、こちらに記入しながら「お客様の場合にはいくらくらいになりそうですね」という情報提供をするためのツールを想定しております。こちらは、例えばコピーしてお客様に渡して持って帰っていただくということもできるだろうと思います。そのあたりの実際の運用は市町村の窓口にお任せしたいと思っておりますが、ここにお客様に関する情報を集約していこうという趣旨の物でございます。
 続きまして、資料1-1の5ページ目のところで手続きが完了した場合に使うツールでございます。こちらはマル3-1とマル3-2でツールの名前としてはチェックリスト(重要事項説明用)ということでお作りさせていただいている物でございます。こちらのコンセプトといたしましては、お客様と一緒にその日に説明した事項を確認してチェックを入れていくということを想定しております。例えばマル3-1の下段に年金の繰上げ・繰下げという欄があります。「このような繰上げをお客様が本日希望されましたね」、「繰上げにかかる注意点も説明差し上げました」など、お客様と一緒にチェックを入れていくことを想定しております。これによってその日お客様が何をしたかをわかっていただけます。また、コピーをお渡しすることを想定しておりますので、次回以降何かあった場合にこちらをお持ちいただければ「前回こういう説明を聞かれていますね」ということが情報として引き継ぐことができるという想定になっております。
 マル3-2はチェックリスト(重要事項説明用)に付随するものですが、今後の事後のスケジュールや留意事項が示されている物でございます。やはりお客様は窓口を訪ねられて今後どのようなスケジュールで物事が進んでいくのであろうかという不透明感や不安感をお持ちになっていると思います。それを解消するために例えば表面には今後のスケジュールを、裏面には留意事項を記載しているという物になります。これでお客様に安心感を持ってもらえればと考えているところでございます。
今までご説明したのは手続きが完了した場合のツールですけれども、「書類が足りませんでした」ということで手続きが未完了の場合は、右上マル4と書いてあるツールを用います。こちらは我々が必要書類リストと呼んでいる物でございます。来訪時にお持ちいただくべき資料で足りなかった資料にチェックマークを入れ、また、どこで入手できるのかを明確にお示しすることによってお客様が次にどこに寄ってから窓口へ来ればいいのかがわかるように一覧にしているツールでございます。こちらも市町村のほうで例えばコピーを取るなどして情報を共有しておくと、今後のやり取りがスムーズになるのかと考えているところでございます。
以上のマル4番までが窓口でお客様と相対して使うツールでございまして、ここから先は窓口担当者がバックヤードで使うツールになります。資料といたしましては右肩にマル5と書いてあるものですけれども、チェックリストでございます。先ほどの資料1-1のフローで申しますと、6ページのチェックリスト(内部チェック用)に相当する物でございます。こちらはバックヤードで日本年金機構への進達前に使うことを想定しておりまして、あくまでも日本年金機構と市町村の間での手続きに特化した内部用のチェックリストです。例えば、日本年金機構に書類を提出する場合の添付すべき資料はなにか、ですとか、極端な話、資料の並べ方なども含めてよくある日本年金機構からの返戻事例に基づいた事項をチェック項目として設けていきたいと思っています。このツールを使って全てのチェック項目を確認した後に進達手続きを行っていただく想定になります。
 最後に、右肩マル6番と書いてある解説集でございます。こちら現時点ではフレームのみで中身はこれからもう少し詰めてページ数が増えていきます。使用のタイミングといたしましてはバックヤードで都度ご参照いただくことを想定しております。コンセプトとしては、窓口で先ほどお示ししたツールをうまく使うためのサポートツールです。ページをめくっていただきますと、インデックスということで目次があります。こちらで解説集の全体像を把握いただけると思います。老齢基礎年金業務全体の理解や概要の把握、そして、応対ガイド自体のページ数が多くなっていますので、どのタイミングでどのご案内カードを使えばいいかといったような判断のフローもお示ししています。こちらを窓口の方に使っていただくことによって、窓口でのツールの使用がスムーズになるのではないかと思っている物でございます。この中には日本年金機構の疑義照会等々も入れながら情報量をある程度確保していきます。また、ページ進んで頂くと右端のカラーになったところにアイコンが入っているページもご覧いただけるかと思いますが、ツール間のリファレンスを取っておりまして、例えば「この項目はご案内カードの何番をご覧ください」という情報を入れこみながら、どこを見ればわかるというのを明確にします。その上で窓口の方に使っていただきたいと思っているところでございます。以上が老齢基礎年金をベースとしたツールの一式でございます。他の適用や免除等先ほどスライドでお示ししたメニューについても同じような構成での作成を考えておりまして、本日構成員の皆様のご意見を賜った後、それも踏まえて横展開していきたいと思っているところでございます。以上があずさ監査法人より業務支援ツール案のご説明になります。どうもありがとうございました。
○司会
 ありがとうございました。それでは、ただ今のご説明に関してご質問、ご意見をいただきたいと思います。特に本日検討会におきましては、あずさ監査法人の資料1-1の2ページ目に挙げられております項目の通り、今回のこのツールを用いて窓口応対する際に留意すべき事項、窓口で指さししながらご案内することを前提としてお客様にとって見やすいかどうかという観点、お客様に正確にご説明できる内容となっているか、盛り込むべき項目に過不足はないか、そして、情報量と使いやすさのバランスはとれているか、といった観点でご意見をいただければと思います。いかがでございますか。市町村のほうでまずお使いいただくことを想定してございますので、市町村の構成員の皆様から初見というかたちになりましょうか、最初の印象を賜ればと思います。いかがでございましょう。では、熊切構成員お願いいたします。
○熊切構成員
 ありがとうございました。今の説明の中で、説明が終わった後にお客さんにお持ち帰りいただく物はこのマル3-1の資料の書類を想定してらっしゃるのですか。
○あずさ監査法人
 そうです。マル3-1の資料と、それから、マル2の相談シートには例えば「いくらもらえますか」というものもありますので、コピーしてお持ち帰りいただくのもよいのと思っています。また、手続きが終わらなかった場合にはマル4の必要書類リストをお客様にお持ち帰りいただくことを推奨します。
○熊切構成員
 続けていいですか。ボリューム的には全くの初心者はこのボリュームだと根をあげるだろうというのが素直な感想です。この後研修のお話もありますが、そちらである程度の理解をもっている担当であれば、これだけ揃っていればかなり使えるのではないかという感じでした。一番初めの入口の部分からご案内カードのナンバーに飛んでいくあたりを手際よく使えるようになれば、わりと使い勝手のいいものになるのではないかと思います。そういうのが初めの見た感想です。以上です。
○司会
 ありがとうございます。関口構成員お願いいたします。
○関口構成員
 先ほど説明していただきましたが、先日資料をもらった時には説明がなかったので細かいところはわからなかったですけれども、案内ガイドから案内カードという順番の進み方だとだいぶ詳しくなると思います。熊切構成員が話したように、やはり慣れるまでには時間はかかると思いますけれども、慣れた後はだいぶスムーズなかたちかと思います。ただ、例えば老齢基礎年金のマル2の資料の関係ですけれども、年金事務所さんに確認して説明しているというかたちになっていますけれども、今のところ町等では年金の支給額等については「年金事務所のほうに確認してください」とお客さんに案内差し上げていますけれども、このような資料があれば年金事務所と連携しながらできるかと思います。ただ、年金ネットが今導入されています。町でも昨年度採用させていただきましたけれども、今のところ国民年金の情報だけの関係でデータが出ているという中で、そのへんの連携もとれてくればもっと使いやすくなってくるだろうというところです。以上です。
○司会
 ありがとうございます。佐藤構成員お願いいたします。
○佐藤構成員
 今回いただいた資料を実際に窓口に携わっている今年入った新人の方や区役所職員等に聞いてきましたところ、意見として多かったのが、全体は新人向けの想定ということで詳細にできていると思うのですが、ストーリー仕立てで全般的に説明できるようなフローがほしいという意見が多かったです。
 それから、今回の老齢基礎年金ですと、市民の方が裁定請求のために来庁した場合を想定していると思いますが、そういう時にまず受給資格の確認を行って、その後に納付済み期間、または、免除や学生納付特例などの猶予期間があるとか、他の免除などを確認する流れがあるので、そういったことがどういう流れで業務を行っているのかというものが最初の部分にあると、初めての新人の方も、また、逆に聞いている市民の方もわかりやすいのではないかという意見がありました。大きな意味ではそういうことです。今回すごく細かくいろいろなことが盛り込まれているのですが、基本的に実際に使う部分が一つあって、逆に振替加算やカラ期間、追納の話はオプションというか実際に聞かれることがほとんどないということですので、そういうことを盛り込んでいただくのはすごくありがたいですけれども、逆にたくさんあり過ぎてわかりづらいという意見でした。細かいことはたくさんあるので、それはまた後ほどということにします。
 もう一つはご相談シートですけれども、こういった物を作っていただければ各市町村は助かるのではないかと思うのですが、この中で1から突然2に飛んでいるところで、1から2に飛ぶあたりに今言ったような確認するものがたくさんあるので、そういった流れがある中で相談シートがあったほうが使いやすいのかなという意見がありました。それから、やはり本人以外の方がおみえになったりしますので、そういった時は委任状があったとしてもきちんと本人確認をしたりいろいろな手続きをしますので、そういったことも踏まえたかたちで作っていただけると、より使いやすくなるのではないかと思います。
○司会
 ありがとうございました。他の構成員の皆様はいかがでしょうか。殿村構成員お願いいたします。
○殿村構成員
 私は非常に細かいことが苦手なので、たぶん新人で入ってこの資料を見たら、頭が爆発するのではないかと思います。先ほど佐藤構成員がツールはどういう順番で使うかとおっしゃいましたが、私はいつも若い人の頭に、一番入ってくるのはマップだと思います。マインドマップが一時流行ましたように、マップ状態にすると今の若い人の頭に入りやすいと思います。
○司会
 ありがとうございます。横尾構成員お願いいたします。
○横尾構成員
 今の話に付け加えさせていただきます。ストーリーという部分でいうと、「如何にやるか」という手段の部分は現状でも書いてあるかと思いますけれども、「それにより何を達成するのか」という意図がセットでわかると、より把握しやすいのかと思いました。まず、「手続きをこの人と開始していいのか」という確認をとるために、例えば「本人でなければこういう確認をして…」等いろいろな手続きが付随すると思うので、「何を達成するのか」ということと紐付いていると、先ほどのマップなどもすごく活きてくると思います。実は、この他にもたくさんあるのですが、まとめてお伝えしてよろしいでしょうか。
○司会
 お願いいたします。
○横尾構成員
 ご説明いただいた順番で一つ一つお話していきたいと思います。いくつかの立場からお話させていただきます。マップなどに関しては実情に合わせていただくのが一番だと思いますので、どちらかというと、私しか担当がいない部分の高齢者対応やいろいろな初心者への対応などを中心にお話させていただきます。まず、今回色分けをして、例えば窓口の方が「今日は緑のシートかな」などとお使いになるように色分けされているかと思うのですが、そのこと自体は非常によろしいと思います。
ただ、色の選択があまりよくなくて、実は高齢者は黄色やオレンジはすごく見えにくくなります。65歳以上の約80パーセントが、また、80代以上で約100パーセントの人が白内障になっています。白内障に見えにくい色がちょうど老齢年金に選択されてしまっているので、青など別の色にされてはいかがでしょうか。あとは、色弱という色の見え方が人と違うという方が結構いらっしゃって300万人以上います。職員の方にももちろんいらっしゃるということを考えると、色弱で判別がつきにくい色合いはあまり入れないという方法もありますが、もう一つの方法は(そういった色弱に判断しにくい色を)入れてもよろしいので、入れた時に右上かどこかに「赤」、「青」、「オレンジ」などと、色名を書いていただく方法があり、そちらのほうがより良いです。なぜかと言うと、赤と緑の差がわからないこともありますけれども、「緑のやつ取って」と他の職員に言われた時に取れないと、そこで恥をかく…ではないですけれどもそういった気持ちになってしまう方もいらっしゃいますので、文字で併記されたほうがよろしいかと思います。
もう一つは、ラミネートは非常によい案だと思いますが、私たちが高齢者の見え方に対する調査を行った結果、実は高齢者はピカピカするものがチラチラして見えにくいということが解りました。私たちが後期高齢者も含めていろいろな調査をしていると、コート紙というピカピカ光ってしまう紙だけでもイライラしてパンフレットを読むのが嫌になってしまうという方がすごく多いです。ラミネートはものすごく光っているので、もう少し光らない下敷きタイプなのかわからないですけれどもピカピカしない物を選んでいただけるといいと思いました。
今お話したのは(ツールの)「仕様」のことですが、次に「用語」の話をまとめてお話させていただきたいと思います。まず、全体に言えることで非常に重要なことで、ここはたぶん年金機構様などいろいろな所とご調整が必要だと思いますけれども、「主語が誰なのか」ということと、「用語の統一」と当初より申し上げている部分について、具体的なところをご指摘させていただきたいと思っております。まず、このツール全体に関しては、今回あずささん、TACさん、電通PRさん全社で共通にする必要があると思いますが、まず、(用語の)「主語」は、お客様なのか、窓口なのか。今手元に配布されている、窓口でご案内するための「ガイド」ですけれども、「手続きなどのご確認、ご準備」はたぶんお客様が主語ですが、同じページに「ご提出とご説明」と書いてあります。お客様が提出して、お客様が説明するのか?というと、そうではなく、これは「窓口のスタッフ」が主語で、説明していただくのですよね。ですから、どちらが主語なのかということがかなり行ったり来たりするようになっているので、私の意見としては、まず主語が統一されていればまずいいと思います。今の流調としてはお客様視点で統一して書くのが一般的になっています。例えば(窓口にとっては「ご案内」)「ご案内ガイド」を言い換えると、(お客様にとっては「お手続き」)「お手続きガイド」です。案内をするのか、手続きをしに来るのか、その立場をどちらかに決めていただいて、かつ、TACさんの教材であっても窓口ツールであっても全部共通にされるということを非常にお勧めいたします。受け取り内容とか。それが全体の話です。
次に、先ほどの話に戻りますけれども、年金機構様とご調整が必要かもとお話したのは、「年金に使う動詞」が何なのかを決められたほうがよろしいと思います。年金を「受け取る」と書いてあるところもあれば、「受ける」、「支給する」、「受給する」と書いてあるところもあって、受け取るのか、支給されるのか、受給するのかなんでもいいですけれども一つに統一しないと、何を指しているのかわかりにくい部分があると思います。例えば「支給期間」と書いてあるけれども、その後は「受け取り」と書いてあったり、「支給手続きをすると受給される」とか同じことなのか違うことなのか、手続きをしたものが該当するのかどうなのかがわかりにくいです。あと、「お振込み」や「入金」というのもありました。
年金は「入金される」のか、「受給される」のか、「支給される」のか、「受ける」のか、とにかく動詞を一つに決められて統一されたほうがよろしいと思います。「受給期間」なのか「支給期間」なのかなど結構全体にわたって統一が必要だと思います。資料1-2マル1の14ページのNO.6はわかりやすいですけれども、「いつから受けられる?」という問いに対して「いつから入金されるか」と書かれています。「受ける」ということと「入金」が同じことなのかということもありますし、その下に「年金が振り込まれます」となっていますが、お聞きすると、振り込まれるのではなくて手渡しもあるというお話だったので、であれば、入金なのかも曖昧です。また、下段で「最初の入金」の下に書かれている「初回支払い分は」というのと「最初の入金」が同じなのかどうか初心者にはわかりにくいと思います。「支払い分が入金される」、「初回に支払われるのは支給開始月から」云々と書いてあって、支払われるのは「支給開始時期から」となっていますが、「支給」は何なのか?といったように難しくなりがちなので、そういうところは統一されたらよろしいと思いました。
2つ目は、専門用語をわかりやすくする時に、私もいろいろお聞きしていったら、受給する権利が2種類あるそうです。基礎的な権利と何かあるのですよね。
○樽見年金管理審議官
 毎月の受ける権利ですか。
○横尾構成員
毎月の受ける権利がありますよね。ならば、支給と受給を分けるのかわからないですけれども、難しくてもいいのでそこを基調に統一されていることがまず大事だと思います。わかりやすくしようとして平たい言葉にするというケースがよくあるのですが、私たちの調査の中でもあるデジタルカメラのような商品だったのですが、「見やすさボタン」というものが付きました。でも、押したらどうなるのか誰もわからない、画面が見やすくなるのか何が見やすくなるのか全くわからない。実は逆光補正機能だったのです。つまりこの事例から解るように、言葉を平易にしたら、わかりやすいというわけでもないので、正確であることが大事です。振込は確かにわかりやすいですが、手渡しがあるのだったらわかりにくくなってしまうとか、そのへんを兼ね合いして、何かの統一をされたほうがよろしいと思います。
次に、主語の話にまた戻りますが、資料1-2マル2のご相談シートに「本人確認資料でご本人か確認しましたか?」とあり、次に「加入期間が25年以上であることを確認しました」とありますが、誰が主語かということです。誰がチェックするのか、誰が確認しましたと言うのか。私は、25年以上であることをお客様が確認したのかと感じました。でも、次のマル3-1では「年金の支払いは受給権が発生した月の翌月分からの支払いとなります」、「説明を行いました」みたいな感じになっています。通常ならば「説明を受けました」とするケースのほうが多いかと思のですが、統一がされていればよろしいかと思います。それから、ご相談も誰が相談するのかなどいろいろあります。相談先と書いてあって問合せ先になっていたり、相談するのか問い合わせをするのかいろいろありましたので、そちらのほうを確認いただきたいです。
あと一つだけです。「意味が二通りにとれるものはなるべく文章全体で避けるように」ということを最後にチェックいただきたいとおもます。
最後に一つ逆にご質問したかったのが、このチェックリストに「チェック者の氏名」とあるのですが、これは「記入者」なのか「記入した用紙をチェックする人」なのかどちらでしょうか。
○あずさ監査法人
 これは窓口担当の方が名前を書くことを想定しているので、そういう意味ではチェックした人です。
○横尾構成員
 この紙をチェックするではなくて記入した人ということですよね。
○あずさ監査法人
 そうですね。チェック者イコールこのツールの記入者ですね。
○横尾構成員
 記入者ということですね。では、記入者のほうがいいと思いました。両方にとれる言葉ではないほうがいいと思います。
○あずさ監査法人
 第三者がチェックしてこのツールを記載するのかということですね。
○横尾構成員
 わからないですけれども、普通の会社だと窓口の人が記入して社内に提出した物をきっと誰かがチェックしますよね。行政のほうではどうやっているのか定かではないですけれども。両方あるのだったら2つとも掲載するのがいいと思います。通常、民間企業では、確認者と記入者が書いてあるケースが多いかと思います。こういうことは、わりと見逃しやすいですけれども、これだけ自治体数が多いと、自治体によっては間違えて使い続けてしまうなどいろいろな事が起きかねないので、初めの時点で整理しておくとよろしいかと思いました。長くなって申し訳ございませんでした。ありがとうございました。
○司会
 ありがとうございました。いかがでございましょうか。では、佐々木構成員お願いいたします。
○佐々木構成員
 手続き項目やチェック項目の分量が非常に多いと思いますので、市町村窓口担当者の方がうっかり忘れてしまいやすい項目や間違えやすい項目、わかりにくい項目を別に一覧表のような形でまとめておくと非常に理解しやすいのではないかと思いました。
○司会
 ありがとうございます。阿部構成員お願いいたします。
○阿部構成員
 資料1-1の9ページの「業務支援ツールの市町村への配布について」と関連するのですが、ご案内カードのほうを見ましたところ、金額等の数字が出てくるカードがかなり多いわけで、今後改正などにより金額等の数字が変更になった場合、これをどのように対応すべきかが一つの課題になると思います。その場合、例えば金額等の数字の変更を修正できるようなかたちでツールを配布して、各市町村が責任をもって修正などをした場合、その正確性を確認する仕組みを各市町村の中で整えておくことが重要かと思っております。
○司会
 ありがとうございます。原構成員お願いいたします。
○原構成員
 私も見させていただきまして、おそらくこの後で出てくる実務研修のほうでこの使い方などについて研修教育の中であると思いますが、やはり現場の方が使いやすいように使い方の流れやフローチャートなど全体を統一した使い方などをきちんと伝える何かがあるといいと思いました。あとは、ちょっと細かい話ですけれども、例えば、この老齢基礎年金ご案内ガイドの中で後のほうに裁定請求書の見本が載ってございますので、これは今後たぶん精査されていくと思いますが、市町村のほうに来られる方はあくまでも老齢基礎年金を請求する方だと思いますので、必ずしも全部書いていただく必要はないということがあるかと思います。第1号被保険者の方が老齢基礎年金を請求するために必要な部分でいうと、実は65歳からの老齢基礎年金だけであれば埋めなくてもいい部分もあるわけで、それは一般の記入例とは違うオリジナルな形の記入例を作っていただいたほうがより使いやすいと思いました。
中身は追々だと思うのですが、先ほどもありましたが、特に資料1-2のマル1の15ページに老齢基礎年金の年金額とありますので、こういうところは数字の追いかけが必要ですし、この数式が少しわかりにくいかと思います。平成21年に免除の国庫負担が変わったので変わったと思うので、これを計算するのはわかりにくいと思います。説明があると思いますけれども、2つに分けるという数式が少しわかりにくい部分があるので、よりわかりやすくすることも必要かと思います。
また、細かくなってしまいますけれども、例えば振替加算について16ページと29ページに載っています。29ページでは、途中のところが省略されていますが、生年月日を出すなら全部の生年月日を出すとか、16ページのようにあっさりするのか、あるいは、29ページのように細かく全部出すのかそのへんはどちらかに方針を決めたほうがいいと思いました。
あと1点です。言葉の使い方で気になったのでご検討いただきたいのですが、27ページの付加保険料のところの下のほうに「40年間付加保険料を納めた場合」ということで、3年目からは「ここからお得分」という言葉ですが、確かにそうで、2年で元が取れると言われることはよく言われますが、ここで「お得」という言葉を市町村の方が出していいのかと疑問に思いますので、言葉の使い方的にこれは若干揉んでいただきたいと思いました。
42ページの添付書類の部分は非常に細かいところだと思いますので、これも精査していただく中で、所得証明は本人の物なのか配偶者の物なのかという部分も基礎年金だけでも振替加算があれば必要であるとか思いますので、そのへんもお客様がわかりやすいようにすることと、あとは、例えば資料1-2マル2で本人情報を最初に書いていただく時に旧姓がいるのかいらないのかわからないですけれども、どういうものが本当に書いていただきたい情報なのかということもヒアリングして、ぜひいい物を作っていただきたいと思っております。以上でございます。
○司会
 ありがとうございます。佐藤構成員お願いいたします。
○佐藤構成員
 すみません。先ほど言い忘れた点があります。マル2~マル5くらいまで資料があると思うのですが、どの資料にも言えることですが、裏面がある物については1枚目のところに裏面に続きますとか表記をぜひお願いしたいです。
あとは、やはりいろいろな証明事項の確認やマル4番の次回持って来る書類等についてもこれ以外でその他というか別の特殊な例がありますので、その他の項目を設けていただきたいということです。
それから、確認ですが、先ほども出ていた請求書の記載例のところですけれども、これは年金機構さんが送っているターンアラウンド用の記載例というものがあるらしいのですが、それが今回出ているのですか。事前に送っていただいたのは違う記載例だったのですが、今回資料で提示されているターンアラウンド用というものが実際市民の方がお持ちになって窓口に来るということなので、そちらに変えてほしいという意見です。
○あずさ監査法人
 34ページの記載がターンアラウンドを意識しているもので、35ページ以降のものについては一般様式をイメージして今記載例を載せているかたちになっております。
○佐藤構成員
 ありがとうございます。
○司会
 熊切構成員お願いいたします。
○熊切構成員
 年金機構との関わりが出てくるようなものがこの中にいくつかありますが、先ほど関口構成員からありましたように、年金ネットを導入している市町村としていない市町村で得られる情報が異なります。例えば、今私どもは年金ネットにつながっていないものですから、今回の資料の中のNO.13の付加保険料やNO.14の振替加算のお話がきた時は全て年金機構さんのほうにお願いしたいというかたちでお客様に対応しておりますので、これはやっている途中でわかるようにするのか冒頭の情報を仕入れる中でそこでストップをかけてしまうのか私もやり方の判断がしっかりできないですけれども、年金機構さんと関わりが出てくるものについてこの資料やカードの中に出てくるといいと思います。
○司会
 ありがとうございます。佐々木構成員お願いいたします。
○佐々木構成員
 配布資料のマル2で国民年金、老齢基礎年金の手続きについての書類ですけれども、配属3カ月未満のような新人の職員の方が見て、例えば2番の受給資格要件の確認の欄ですけれども、この箇所についてすぐに判断できないようなケースはどれくらい考えられるのでしょうか。
○あずさ監査法人
 すみません。今現在、定量的にどれくらいの頻度でという情報を私ども持っておりませんので、確認してご回答するようにいたします。
○佐々木構成員
 自信をもって記入できるというか例えば100件あったとしてほとんど98件とか99件くらいスラスラと判断できるようなものなのか、それとも、かなり迷うようなケースが100件中10件くらいあるのかそのあたりを検討されたほうがいいと思います。
あと、この書類に記載された内容自体がどれくらい効力をもつのかというあたりも伺いたいです。例えば、この紙で私は加入期間が25年あるということを確認されました。でも、実際には20年しかなかったようなケースの場合に、この紙がどれくらい効力をもつのかというのはいろいろと問題になる場合があると思うのですがいかがでしょうか。
○あずさ監査法人
 こちら書類自体の拘束力については今の段階で整理していないので、今後厚生労働省とも協議し確認する必要があるだろうと思います。
○司会
 補足になりますが、前段のご質問でありましたツールでどのくらいわかるのかわからないのか、もちろんこれは年金機構さんのほうなどですでにそういった情報をお持ちであれば別なのですが、一つの方策としては今後あずさ監査法人のほうでモデル事業を実施されますので、そういった意味でこのツールがすぐに使えるものなのかどうなのか各市町村様からのご意見をいただいて、これではやりにくいということであれば、それは例えばTACさんとの研修の中で今後織り込んでいくとか、あるいは、あずさ監査法人の解説集というテキストがまだフレームアップという部分ではございますが、その中に使い方に関する情報を織り込んでいくとか、そういったところが各事業者としては想定されているところかと思います。大西課長お願いいたします。
○大西課長
 2つありまして、一つは、これをどうやってメンテしていくかという議論が阿部先生からあって、それについてはまだはっきり決めているわけではないですけれども、各自治体でフォローしていくというのはやはり難しいので、これは機構あるいは厚生労働省のほうで改訂をして、それを市町村の皆さんにお流ししていくというやり方のほうが効率的ですし間違えがないのではないかと考えておりますので、その方法を考えています。自治体に毎年更新する負担をかけるわけにはいかないと思っております。
2点目は、今の書類の位置付けのお話ですけれども、この欄などを埋めるにあたってはたぶん職員の熟練度、あるいは、自治体の持っているシステムなどによってやり方が違うだろうと思います。ねんきんネットを持っている自治体で、それを使いこなせる職員が受けた場合には、受給者の方や請求に来られた方と話をしながらこれを埋める力があるという場合もあるでしょうし、ねんきんネットがなくて日本年金機構に電話をして聞き取った内容を記入するというパターンもあるので、使い方はその職員またはその自治体に応じてという感じになるのではないかと思います。
○司会
 ありがとうございます。横尾構成員お願いいたします。
○横尾構成員
 最後に補足したいことがあります。今のお話などでも誰が書くのかということを決めたほうがいいかもしれないです。代わりに書き取っていただくのか、それとも、どちらにしても通知もしているわけですから、同じ内容だから通知として渡してあげるのかみたいなことをやるのかと感じました。
次に、それとは別に、このツールについての指摘事項を少しだけさせていただければと思っています。たくさんあって申し訳ないですけれども、全体に関わる部分だけ申し上げます。私は保険のパンフレットや申込書などの改善のユーザー調査をやったことがあるのですが、その時に顕著だったのが、「支給される金額」なのか「自分が払う金額」なのかが特に高齢者の方にはわからないことが多かったということです。還付金詐欺というのがあると思いますが、あの詐欺は、還付してもらうはずなのに払ってしまうというものです。「もらう」のか「払う」のかというのは、実はかなりわかりにくい状況にありますので、金額が出てくる時は「誰が受け取る」とか「支払う」のかというのが、もう少しわかりやすく用語も統一して書けるといいと思います。また、年額なのか月額なのかということについても、たまに書いていない時もあるので、そういったことも含めて改善できると良いと思います。「追納」といった表現であっても、納めることはもちろん行政にであって、お客さんの口座に納めるわけではないということはもちろん皆さんご存知のことですけれども、初心者の方には「納」と付いているからこれは行政、という前提条件があまりない状態ですし、振込金額にしても振込むのか振込まれるのかということがございますので、そこも統一していただけるとさらに良いと思いました。全体としてはすごく良いと思いました。ありがとうございました。
○司会
 ありがとうございます。他にいかがでしょうか。佐藤構成員お願いいたします。
○佐藤構成員
 マル2のご相談シートの話が先ほど来から出ていますが、今後もこういうシートがたぶんいろいろな所で出てくると思いますが、今回のこれに関して言うと、1号と3号のみしか使用できないというか使用者が特定しているような形で作られているようですので、実際はお話しを聞く中で「そうだ」ということを確認できると思うので、まずこの相談シートという意味合いで作られるのであれば、1号の方だけではなくて厚生年金の方や3号の方などを確認していくようなもので、最終的に市が受付できるのか、または、事務所に行ってもらって請求するのかを、この2に入る前に、先ほども言ったようにもう少し明示的に流れや確認事項を入れて、先ほど言ったところにいけば職員によっても書けないとかいうのがあるのかと思うので、相談シートをもう少し手厚くしていただけるといいのかと思います。
○司会
 ありがとうございます。原構成員お願いいたします。
○原構成員
 今、佐藤構成員がお話したことに付け加えさせていただいて、私もお願いを込めて申し上げます。この相談シートについては情報をできる限りいただいてということだと思いますので、例えば、自分が国民年金だけで国民年金加入歴がわかれば書いていただくとか、ずっと自営業、あるいは、会社勤めがあるなどを簡単に書いていただいて「第1号被保険者期間だけですね」などと確認しながら進めるとよいと思います。ます。年金加入歴がわからないのでいらっしゃる方もいると思うので、ご住所や電話番号以外の何かその方の職歴というかどういうご職業だったのか、今までどういうことをしてきたのか、年金加入歴など何かしら書いてもらうのもいいと思いました。以上です。
○司会
 ありがとうございます。横尾構成員お願いいたします。
○横尾構成員
 多くて申し訳ないです。連絡先やお問い合わせ先などに関して、お問い合わせくださいというのがいろいろな所で出てくると思うのですが、ファックスやメールも受け付けていらっしゃるのでしょうか。どうでしょうか。自治体は受け付けてらっしゃいますよね。ですよね。年金機構さんではファックスは受け付けられていないですよね。郵送か。
○町田部長
 窓口での相談か郵送による文書相談です。
○横尾構成員
 窓口ですよね。という感じで違うので、ぜひ書いていただいたほうがいいと思います。特に聴覚障害者は電話ができませんし、ファックスになるので窓口に行くかという話にもなってくると思います。問い合わせ先などと書いてある時に必ず全部の問い合わせ方法を書いていただきたい、もしできないなら、明確に「これはできません」ということを書いてもらってよろしいと思いますので、それは必ず書いていただきたいです。そして、それを共有していただきたいです。例えば、「それは年金機構さんに問い合わせてください」と聴覚障害の方に言ったら、たぶんできないわけです。そういうことがないようにちゃんと共有しておく必要があると思います。障害者年金の時に特に重要になってきますし、高齢者ももちろん出てくると思いますけれども、障害者年金も老齢年金に切り替えになると思うので、例えばその方が、目が見えないとか耳が聞こえないなどコミュニケーション方法が限られる場合には、それ(コミュニケーション方法)も記載しておくような場所を、「内部で保存する用紙」にはあったほうがいいと思います。電話しても出ないということになってしまうなどのトラブルが考えられますので。ありがとうございました。
○司会
 ありがとうございます。あずさ監査法人から今回老齢基礎年金ということで提出されておりますが、ここまで構成員の皆様からいただいたアドバイスを今後のフレームワークということで検討し織り込みながら、そして、残ったツールに関してこの老齢基礎年金の基本構成を更新しながらご助言いただいた内容を踏まえ作成し、個別に構成員の皆様に配布させていただくということで今後ご助言を賜っていくということで特にご異議ございませんでしょうか。ありがとうございます。構成員の皆様におかれましては大変お手数をおかけして大変恐縮ですが、各制作物についてかなり大部であり専門性の高い分野でございますので、今後配布させていただく折にはご覧いただける範囲でご助言いただければ幸いでございます。また、今後配布させていただくスケジュールに関しても別途メール等でご案内差し上げたいと思います。あずさ監査におかれましては構成員の皆様からいただいたご意見を踏まえて、本日提出されていない他のツールについても引き続き制作していただいて、原案ができ次第、構成員の皆様に配布させていただくということでお願いいたします。作成状況とモデル事業の実施に関しては第6回目の検討会でご報告いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。特に他にご質問ご異議等々なければ次の議事に移りたいと思いますが、いかがでしょうか。ありがとうございます。
 では、引き続きまして、本日第2の議題でございます市町村職員向け通信研修モデル事業に関して資料2に基づいてTAC株式会社よりご案内差し上げたいと思います。それでは、TACさんよろしくお願いいたします。
○TAC株式会社
 TACでございます。では、通信事業のご議論いただきたい事項についてご説明いたします。お手元の資料2.通信研修事業について(実務編)をご覧ください。1枚めくっていただきまして3ページになります。今回は第4回検討会ということで、以前お示しいたしました基礎編、実務編の研修体系のうち実務編の研修の基本的な方針等および第2回検討会での課題対応についてご説明いたします。その上で実務編についてご助言いただきたく存じます。なお、モデル事業実施の経過報告等については第6回以降でご報告を予定しております。
今回ご助言いただきたい事項ですが、2枚めくっていただきまして7ページ下段に4項目ございます。このご議論をお願いする前に2番の実務研修の基本的な方針についてご説明いたしますので、恐れ入りますが1枚戻っていただいて上段4ページをご覧ください。今回ご提案する実務編の通信研修でございますが、市町村職員の方が自分のペースでお客様対応力を身につけることができる研修を目指し、具体的な次の3つの特徴がございます。まず一つ目ですけれども、通信研修ではあるものの受け身ではなく自分自身で考え答えてみるといった擬似ロールプレイング型の実務擬似体験講義であるということが一つ目です。2つ目に関しては、効率的で良質なケースメソッドに基づいて擬似ロールプレイング型の疑似体験学習をしていくということになります。3つ目でございますが、説明が難しいところをよりわかりやすく伝える工夫がされた研修教材であるという3点でございます。今回の実務研修では、市町村職員の方々がお客様から「あなたに相談できてよかった」と喜ばれることを目標としておりまして、そのため着任して間もない方であっても業務支援ツール等を活用して標準的な窓口業務をスムーズに遂行できるようになることを目指します。
次のページ5ページになります。まず、特徴の一つのロールプレイング型の実務疑似体験講義ですが、モデル事業においてあずさ監査法人と共同して収集した事例等を分析したお客様ケース別の相談事例について実務支援ツール活用法を疑似体験していただくことを目指します。また、市町村職員の方にとって必要な時期に必要なケースで実践力を身につけていただけるように経験の浅い担当者の方がベテラン担当者と一緒にロールプレイング活用できる配慮をいたしたいと考えております。具体的には、お客様別の窓口対応の知識を単に習得するのではなく、自分自身で考え回答してみるという擬似ロールプレイングすることでお一人でも着実に窓口対応力を向上させることができるようになることを目指します。例えば、講義中に左下側にあるような場面では、「お客様から年金額を増やす方法について相談を受けた場合、あなたならどのように案内しますか。20秒で考えてください」といった具合の問いかけを作り、座学であっても動きのある実務研修講座としてまいります。また、問いかけの模範解答例は、あずさ監査法人様が作成した業務支援ツールに該当する応対ガイドの使い方や解説集の内容などにも言及し、手持ちのツールを最大限に活用してスキルアップを図ります。
1枚めくっていただきまして6ページになります。擬似ロールプレイング講座では限られた時間の中で効率的に窓口対応力を養成するように良質な相談事例を活用し通信研修を実施します。なお、身につけるべき力は経験年数など個人によって異なるため研修は着任直後に学習すべき基本ケースと、おおよそ6カ月ほどの年金相談実務の経験後に学習する応用ケースに分けて作成するということで予定しております。下左側が基本ケース、そして、右の図が応用ケースのイメージになります。
次に7ページになります。「説明が難しいところをよりわかりやすく伝えるために」というテーマになりますけれども、お客様からよくお話を聞き取り、状況を観察し、さらに、頂戴した情報を整理し、制度内容等を説明するためのスキルを養成することを目指します。
年金担当者であれば誰でも知っていても、お客様によっては異なる知識や認識を持っているということが考えられますので、できる限りお客様の立場から正確にお伝えすることが大切だと考え通信研修を行っていきます。例えば、国民年金法では65歳という年齢をどの時点で考えるかというテーマがございますが、例えばその年の4月1日以降で判定したり誕生日で判定したりするケースがございます。これは一方、個人の所得税の確定申告をしている自営業を営まれている第1号被保険者であれば、所得税の優遇措置である老年者控除という所得控除はその年の12月31日の現況で判断するといったように、同じ65歳でもそれぞれ認識するタイミングが異なるケースがございます。このように年金担当者であれば当然であると認識していることであっても、初めて年金相談に来られるお客様との認識とは異なることが多く、相談窓口担当者がより多くの引き出しを持っていることが窓口相談をスムーズに行える可能性が高くなるということに気づいていただくことも重要であると考えています。  
さて、今回ご助言いただきたい事項は次の4つになります。擬似的なロールプレイングを交えたケースメソッド型の研修でよいか。2つ目は、スライドとナレーションによる映像研修でよいか。3つ目は、実務研修は最大で7時間を超えるものを想定しておりますが、モデル事業における市町村担当者の方々のモニタリングの負担やモニタリング後の業務支援ツール等が修正されることを踏まえると、プロトタイプとして対応ガイドの基本的な使い方研修の一部を収録してモデル事業を実施することでよいか、そして、モニタリングの利用状況やご意見等を分析した上で完成した業務支援ツール等を用いて実務研修の本格的な制作を行っていくことでよいか。この4点でございます。これは後ほどご助言いただければと思っております。
1枚めくっていただきますと、こちらからが実務研修編のイメージということになります。
まず、マル1番の各テーマ別ということでございますけれども、それぞれ6種類のテーマの中で例えば今回のケースですと、老齢基礎年金の表紙がございまして、それに対してそれぞれの事例があり、そして、一番右側に事例1.Aさん本来支給の請求手続きケースというところをクリックしていただきますと、マル2番のスライドにある通り映像が流れてくるというイメージで作成しております。もちろん、マル2番のスライドには前述した「問いかけ」も取り込まれるということで考えております。
また、次の9ページには手続き編もございますので、この手続きのほうも具体的な記入例を見ながら解説を行っていくということで考えております。
1枚めくっていただきまして10ページです。実務編研修のカリキュラムですが、以下表の通り各6テーマを想定しております。このテーマはあずさ監査法人様が作成される業務支援ツールと連動していまして、そのツールを使ってそれぞれの事例に沿ってロールプレイング型の擬似研修を行っていくということで考えております。年金相談や窓口対応の相談事例、業務支援ツールの各6テーマの内容を取り込み、お客様対応のノウハウの習得を目指していきます。
次に、11ページになります。実務編研修の制作のポイントということにありますけれども、10月~11月ではモデル事業用教材を作成してまいります。業務支援ツールを活用するため応対ガイドの制作状況等を踏まえ、基本的なケースを単純化して対応可能なテーマで研修を行ってまいります。
そして、真中の中段になりますけれども12月以降ではモデル事業をいよいよ実施し、適宜モニタリングを開始し分析をしてまいります。また、翌年の2月以降になりますけれども、実務編研修教材の制作を完成させるというかたちの流れで考えております。
この他、12ページ以降になりますけれども、第2回の検討会で頂戴しました課題と対応方針について記載しております。特に最初の12ページのカリキュラムのところですけれども、厚生年金等のご要望もいただいておりまして、こちらのほうはモニタリングを通じ制度編というようよりも実務編の中で必要に応じてイレギュラーな質問ということで対応しようと考えております。
次に、講師とナレーターということですけれども、事前に講義シナリオを作成し厚労省様等のチェックの上、スライドと講師のナレーションによる解説講義を基礎編は作成する予定でおります。また、お客様の属性違いによる研修が最後の14ページにございましたけれども、こちらについては実務編で取り扱う事例ということで必要に応じて対応していきたいと考えております。以上ご説明させていただきました4点についてご助言いただきたいと思いますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
○司会
 ありがとうございました。市町村職員向け通信研修モデル事業(実務編)ということでご助言賜りたく存じます。振り返りになりますが、特に資料2の7ページ目のところで4つ本日ご助言いただきたい事項がございました。ロールプレイングを交えたケースメソッド型研修でよいか。スライドとナレーションによる研修を方向でよいか。モデル事業に関しましては、応対ガイドの基本的な使い方を収録し、実務研修をモデル実施し、モニタリングの結果を分析するということでよいか。そして、4点目が、実務研修をモデル事業のモニタリング結果に基づいて作り込みを図るという基本的な方針でよいかといったところでお諮りしたいと思います。構成員の皆様いかがでしょうか。では、阿部構成員お願いいたします。
○阿部構成員
 10ページの実務編カリキュラムのところですが、総時間が7時間ということでこの点は問題ないと思いますけれども、各テーマのそれぞれの対応時間を見てみますと、まちまちで、障害基礎年金では120分になっています。限られた時間の中で効率よく学ぶということでしたら、1講義あたり30分以内を基準として、例えばテーマを障害基礎年金その1で項目を列記したり、その2で項目を列記したりしたほうが受講者にとっても取り組みやすいし学習しやすいのではないかと思いますので、なにぶん講義時間の目安というものを一つ考えていただければと思います。
○司会
 ありがとうございます。他にいかがでしょうか。殿村構成員お願いいたします。
○殿村構成員
 すみません。先ほど横尾構成員がおっしゃった言葉の問題ですけれども、非常に重要だと思います。これは市町村でされる研修ですよね。国民年金は商売ではないと思いますので、お客様と呼ばないほうがいいのではないかと思います。ご相談者とか相談別ケースメソッドのような感じにしないと、お客様と表現してしまった途端に利益が介在するかのようなイメージが生じてしまいますので、細かいことではありますが、非常に基礎的な意識の問題で大切なのではないかと思います。
○司会
 この点はこれまでの年金事務の中で年金機構様では特段取り扱いとか、あるいは、どうお呼びするという方針はございますか。
○上野部長
 基本的には、私ども国民年金につきましては、お客様という呼び方で統一させていただいています。要はとしては、日本年金機構は日本一のサービス企業を目指すという観点から全て年金事務所等にいらっしゃる方についてはお客様ということを徹底しているというのが現状でございます。
○司会
 今、我々事務局と3社合同でやっている中でもそのへんに関しては「どうしましょうか」ということがございます。市町村窓口はもちろん営利目的ではないにしろ、いらした方について当初相談者として作った資料もございました。あるいは、受給者と書いた資料もございました。ただ、それをどのように取り扱うかという観点では、お客様という表現をすることで最大限のサービスをご提供する相手方という一つの考え方があるかと想定しています。もちろん、おっしゃられた趣旨として営利ではないという観点でご助言として受け賜りたいと思いますので、ありがとうございました。
○殿村構成員
 すみません。よろしいでしょうか。お客様と呼ばれる意味はよくわかるのですが、私PRの専門家として非常に違和感があります。国民年金と保険会社などの民間の年金と区別がつきにくいのは、選べるイメージがあるからだと思います。それは、お客様と呼ばれることも一つの要因になっているのではないかと思います。もし、相談者とかそういう呼び方が駄目であるなら、この際新しい言葉を作ってもいいのではと思います。すぐには浮かびませんが、もう少しソフトな言い方を考えてみてもいいのではないかと思います。これは非常に細かいようで大きな問題ではないかと思いますので、ご提案しています。
○樽見年金管理審議官
 よろしいでしょうか。少し補足しますと、年金機構のほうから先ほど申し上げた通りが今の状態ですが、これは実は社会保険庁を廃止して日本年金機構をスタートする時に、これまでの社会保険庁の窓口対応がいわばお役所仕事であるという批判があって、そこで、いわば日本一のサービスのよさを目指そうではないかとなりました。そこの一つの表れとして「お客様へのお約束10か条」というものを日本年金機構がスタートする時に決めました。例えば、電話があったらすぐに出るなどというところから始めました。それから、今日のこういうものにつながりますが、こちらはわかっているのに相談に来る人は制度を知らないからわからないことがあるわけです。もう少し年金額を増やしたいなどと思っているけれども、それをどういうふうに言ったらいいかわからないので、こちらが察してあげて、むしろこちらからもう一言かけましょうとか、そういうことをやってきました。そういう背景の中で「お客様へのお約束10か条」ということでスタートする時に、かなり対外的にも宣言をして始めたということが、お客様という言い方につながっているということがございます。まさに今殿村先生がおっしゃるように何か新しい言葉を考えたらいいのかもしれないなと私も思いましたが、そういう経緯があるので、今すぐにはなかなか難しいだろとは思います。ただ、こちらが言ってはいけないかもしれませんけれども、窓口対応などで時にはお褒めあずかるようなことも出てきましたので、そういう状況を踏まえてどうするのかということ、それから、今おっしゃった民間との差別化ということです。どちらでも選べるというものではないので、そういうところをどのように形として出していくかということを両方念頭に置いて考えたいと思います。
○司会
 ありがとうございました。他にいかがでしょうか。横尾構成員お願いいたします。
○横尾構成員
 今のことに関連した部分と障害者年金の件で2項目お話させていただきたいと思います。「お客様」という表現の仕方の件については私がどちらかというと専門ではないのであれですけれども、「窓口の方」の名称も統一したほうがいいかなと思います。「担当者」なのか、「窓口の人」なのか、「記入する人」なのか、「チェックする人」なのか。とにかく統一は最低限して、その上で、より良い表現の仕方に…ということはすごく良いことだと思います。ディズニーランドなどでも掃除をする方をカストーディアルと言ったりするので、グレードアップできるような名称があれば、さらによろしいのではないかと思います。最低限統一はしていただければと思います。
今回のTACさんの助言事項という点についても少しお話させていただきますと、最後の本格的な制作の前にかいつまんだものを作ってやったほうがモニタリングの負担が少ないのではないのかというお話があったと思いますが、できれば全部をやってチェックをされたほうが、より良いのではと感じました。モニタリングの負担よりも、ここ一カ所違えばもっと楽だったのにということが実装段階でずっと残ってしまうリスクを考えると、やはりホール(全体)でやったほうがよろしいのではないかと思います。本人の理解度もホール(全体)でやった場合と部分的にやった場合では違うと思いますので、今までいろいろな調査をしてきた中で言うと、そのほうがいいと感じました。
 3点目ですが、障害者基礎年金の項目で12ページのカリキュラムのところに聴覚障害に対する接遇、説明方法、配慮などについて教育に含めるべきと入れていただいてよかったと思っているのですが、できればこれに「知識」ということを加えていただきたいと思います。接遇やサービスレベルの向上をする上で「お客様の状況を察する」とか、「困ってらっしゃるのを見つける」というのがあると思うのですが、障害者対応の難しさは相手が全く困っていないように見えるという点です。困っているように見えれば、障害のある方ですから絶対に手を差し伸べると思います。しかし、例えば一番よくあるケースとしては、「一番初めに行った時に、聴覚に障害があるので呼ばれてもわかりませんから、その時は「声をかけてください」と言って声をかけてもらいました。2回目に行った時は、引き継が当然されているだろうと思ってそのまま待っていました。本を読んで3時間普通に待っていても呼びに来ません。「大丈夫ですか」と声をかけられて「大丈夫です。本を読んで待っているので」と笑顔で待っています。でも、実際は順番をずっと飛ばされ続けていて手続きまでにすごく長い時間待たされてしまった。」といったことはざらにあります。本人も勘違いしているわけなので、見た感じは困っているようには見えないですし、もちろん窓口は「いなくなっちゃったんだな」と飛ばしているだけだと思います。知識がないと気づけないということがあるので、知識がある上でないとサービスレベルの向上はなかなか難しいです。紋切り型でこうやればいいという部分ももちろん必要ですけれども、入れていただけるとさらによろしいと思いました。以上です。ありがとうございました。すごく良くなっていると思いました。すみません。
○司会
 ありがとうございます。他にいかがでしょうか。関口構成員お願いいたします。
○関口構成員
 今回、研修講義についてはまた業務支援ツールを中心に行っていくというかたちの中で職員としてはこの業務支援ツールをいただいただけではなかなか業務の中で活用できないと思いますけれども、このような研修を受けながら実施できれば大変ありがたいと思っています。以上です。
○司会
 ありがとうございます。阿部構成員お願いいたします。
○阿部構成員
 先ほどご案内ガイドに関して、どういう流れで説明するのか、業務に関するフローみたいなものが必要なのではないかというお話がありましたけれども、実務編の中で適当なのかどうかはわかりませんが、ロールプレイング型講義を通じてそれぞれの業務の流れを身につけさせる訓練を取り入れることは可能なのでしょうか。そういった工夫はしているのでしょうか。
○TAC株式会社
 業務フローということでしょうか。それは、今現状としてはあずさ監査法人様のほうでマニュアルとして作られております。そちらを参考にして研修に取り込める範囲で取り込んでいこうと考えております。
○阿部構成員
 はい、よくわかりました。ありがとうございます。
○司会
 熊切構成員お願いいたします。
○熊切構成員
 5ページのロールプレイング型の実務体験講義ですが、やるシチュエーションは書いてあるように1人でもできるということで、基本はモニターに向かって一人で見ているという場面を想像して考えていけばいいのかということと、ミニクエスチョンと出てきますが、模範解答がその場で出てくるのか、それとも、解説集のほうにヒントというか回答のようなものが載っているのか、このへんのお考えはどうか。
それから、6ページですけれども、基本ケースと応用ケースですけれども、応用ケースのほうは単純にケースが増えてくるのか、それとも、知識的に少し深いところまで載ってくるのか、そこらへんについてお考えがあればお願いします。
それから、7ページ目ですが、現時点で説明が難しいところなどというのはどういうケースを想定されているのか事例で紹介していただけるものがあればお願いいたします。
○TAC株式会社
 まず、一人でできる点に関してですが、こちらは一人でもできるようにするのと、それから、OJTでこちらの研修を担当者の方と経験者の方と2人でロールプレイングができるような教材の配慮をしますので、お一人でしか学習できない方はお一人で、許される範囲で担当者の方と経験者の方と合せてロールプレイングというかたちで現場でOJTができるようであれば、そちらを実施していただいて、その上でモニタリングをさせていただければと考えております。
それから、問いかけに関しての回答は、まず20秒ほど考えていただきましたら、その後回答を明示することを予定しております。
次に、ローププレイングの深さということですが、ロールプレイングに関しても擬似ロールプレイングということですので、まずは基本例示でやっていただくということを考えております。もう一つは、応用的なものも考えております。ただ、応用的なロールプレイングをどこまで深くやるのかという点に関して申し上げますと、基本的にはいろいろな情報を収集して事例を考えていこうとしておりますけれども、いずれにしても相談業務で一番問題になってくるのが、相談者の方のさまざまな情報がヒアリングをしているうちに出てくるけれども、その情報の中に年金に関係ある部分と全く関係ない部分が出てくるということ。また、もう一つ言うと、年金には関係あるけれども、実はその方が年金制度について誤解をしているといったような点があるかと思います。この3点を整理した上で市町村の中で解決できる部分を応用編と考えておりまして、解決できないさらに複雑なケースの場合は日本年金機構様にお問い合わせをするという方向の流れで考えておりますので、イメージとしては基本編、それから、市町村で解決できる応用編、そして、解決できない発展編に関しては日本年金機構様のほうにお問い合わせするという流れを考えていますので、研修の場合は前者2点について制作をしていくと考えております。
それから、説明の難しさという部分になりますけれども、これは今現状どの部分が難しくて、どの部分がわりと伝えやすいかということに関しては、今まだそういった調査ができておりませんので、今後モニタリング等をしていく上でいろいろヒアリングをしつつ準備していこうと考えております。
 先ほど一つ例示で申し上げましたが、一つ年齢を説明するにあたっても同じ年齢を測るタイミングにしても、同じ65歳といった時に、当初は、その年の12月31日に判定をするのかと単純に誤解をしておりました。そういったこともきちんと説明しておかないと、誤った65歳という認識のまま話が進んでいくといった意味で難しいと考えております。以上です。
○司会
 ありがとうございました。原構成員お願いいたします。
○原構成員
 ありがとうございました。私からもいくつか要望等を述べさせていただきたいと思います。まず、基本編の中ではすでに検討済みですけれども、条文に沿って、たぶん難しい言葉や専門用語も入ると思いますが、それをインプットしていく作業がまずは基礎的な知識を徹底的に入れていただくという意味では必要です。ただ、現場では金融機関さん等で研修を実際にしていますけれども、それを口に出してお客様に説明しなければいけないということで、また違う技能が必要になります。わかっていても言葉で説明するというのがなかなか難しいです。やはり知っていることが前提でないと説明するのが怖いという方もいらっしゃるので、まずは基礎編でしっかり法令順にきちんと学んでいただいて、ただ、専門用語をそのまま言ってしまってもお客様にとっては難しいということもあるので、それをこの実務編でやっていくのだと思いますが、その時にあずささんの作られる業務支援ツールがきちんとありますので、基本ケースで、老齢だけでもいくつもの書類がありますので、それを使いながらご説明している様子を見せるとか、「老齢基礎年金の請求をしたいんですけれども、全然加入歴を調べたこともありません」みたいな方が出てきた時に、これとこれを使うのだということを見せて、業務支援ツールを使って説明する流れがわかるというところに到達することが基本のところなので、おそらくこれが基本ケースなのかなと思っております。それから、応用ケースについては、6カ月程度してからとありますが、やはり実際の相談現場ではお客様が「繰上げしたいです」とはあまり来られないので、だいたい何をしたいのかが最後の最後にわかるというケースがありますから、書面に書いてもいいですし、ビデオ等で誰かお客さんが来たような想定でお話しをしだして、それに対して「あなたならどうしますか?」みたいな、それがたぶん擬似ロールプレイングとおっしゃっていることだと思います。いろいろな方がいらっしゃって、「この人にはこのツールを使って説明すればいいですよ」という回答もきちんと最後には出てくるというもので、それを一人でも見ることができますし、あるいは、それを実際に集合研修等ができるような環境があれば、そのケースを使ってやっていただくこともできるでしょう。お客様役と職員役を交代するなどしながらやっていただくとかいろいろな使い方ができるのかなと思いますので、そういった意味では実務編というのは、法令通りにやっていく基礎編とはガラッと印象が変わると思いますけれども、実際にアウトプットということで、現場の職員の方がきちんと自分が勉強した内容は業務支援ツールのここを使うのだということがわかるように進めていただきたいと思います。また、先ほど阿部構成員からお話がありましたけれども、10ページのカリキュラムはやはりちょっと長い部分もあると思いますので、障害基礎年金であれば1、2、3というかたちで基本的なものと事後重症などを分けて、基本的なところは必ず見てくださいねというかたちで個別にして、最後ここから先は機構に問い合わせしましょうみたいなこともあるといいと思います。誤ったことをお話ししてしまってもいけませんので、ここからは問い合わせという部分もあってもいいのではと思いました。以上でございます。
○司会
 ありがとうございました。佐藤構成員お願いいたします。
○佐藤構成員
 すみません。もう一度確認させていただきたいのですが、5ページですが、今回ロールプレイング型の実務体験講義が入りますが、これについては基礎編と応用編には使わずに、あくまでも実務編のみに使われるのかということと、この音声はナレーションによる研修という話が入っていますが、音声ナレーションは全てに対して入るのかということと、ロールプレイング型というのは間違えた答えをした場合等にも進んでいったりするのか、あくまでも考えているだけで答えがすぐ出てくるのか、どういう流れのロールプレイングなのか。先ほども出たかもしれないですけれども、重複になってしまいますが、そのへんの確認と、あと、10ページで、先ほどから何回も一つのものに対してボリュームが多いという話が出ていますけれども、先ほど原構成員から出ていましたけれども、細かく項目だけ出して項目ごとにそこだけ選べる仕組みになっているのかどうかも併せてお伺いしたいです。
○TAC株式会社
 まず、ロールプレイングの件に関してですが、答えに関してはこの段階でいったん明示するということを考えております。というのは、一つの例示で一問一答形式にすると、ロールプレイング的な擬似の実務体験があまり想定できませんので、できる限り複数の業務支援ツールを使えるような事例をいろいろ作り込んで、その事例の中で順番に進んでいきます。そういった状況の中で年金額をもう少し増やしたいといった時に、追納、後納、それから、支給繰下げというところの解答が間違っていますと、次のステップが間違えてしまいますので、そこで間違えた解答をした方でも「こちらが正解です。では、次に進んでいきましょう」といったような流れでナレーションを入れていくかたちを想定しています。ですので、音声はこちらのほうは一応入っているということになります。今の回答でよろしいでしょうか。
○佐藤構成員
 要は擬似体験ができるというお話しだったので、実際に職員がわかっていても言葉にするのが難しいところを体験させる研修なのかと思っていたので、どういうかたちでそれが可能なのかというのがわからなかったのです。
○TAC株式会社
 実際に言葉で出すのが難しいということは我々もイメージとしてよくわかります。そもそもロールプレイングというは実地でやる前提の研修が基本になっておりまして、実際のロールプレイングを通信研修でやるのはなかなか難しいので、お一人でもできるように、擬似的な、例えば、ビデオを見て自分で声を出して回答してみて、解答が間違っているということなどを自分で認識をしていただくというのが一つの使い方です。もう一つの使い方は、これと同じパワーポイントがございますので、例えばそちらを担当者の方と経験者の方とお二人でやり取りをするというOJTでも使っていただけるようにということで、ロールプレイングは通信研修ではありますが、それを現場OJTで使っていただけるようにも配慮はして提案をさせていただいています。
それから、カリキュラムの件に関してですが、先ほどと回答が共通しますけれども、ご指摘の通り40分とか120分とかありまして、基礎編でも制度編のほうでも業務中見られるのは20分くらいが限度だろうと伺っておりましたので、実務編のほうもそれくらいの時間の中で区切ってテーマを分けて制作を考えているという状況でございます。例えば、障害年金の分に関しては、先ほどご指摘いただいた通りマル1、マル2、マル3というイメージで時間は短めにある程度区切って作成していくということで考えております。よろしいでしょうか。
○司会
 阿部構成員お願いいたします。
○阿部構成員
 これまでの流れでは、基礎編をじっくり学んだ後に実務編に入って学習していくというように思うのですが、年金担当の市町村の職員の方というのは実践的な対応を迫られるわけですから、むしろ基礎編を飛ばして実務編のみを学習したいという方もいらっしゃると思いますので、実務編から基礎編に戻って学習できるような仕組みやアイデアも取り入れられるのであれば入れていただきたいと思います。
○司会
 ありがとうございます。横尾構成員お願いいたします。
○横尾構成員
 先ほど言い忘れたことが一つありまして、障害者年金の実務カリキュラムですが、知的精神発達障害の対応ももし可能であれば入れていけたらいいのかなと思います。というのは、障害者の中でかなり激増しているということもございますし、認知症なども含めて、たぶん年金の対象となる方としてはかなり増えていっているはずですので、入れてもいいかなと思います。そのへんの対応方法などを改善することによって延々3時間も今までの人生を話されてしまうというようなことを防げるとか、本人もここまで言ったのにこれしか書いていないというととても残念な気持ちもしますので、適切に聞き出すというスキルがありますので、ぜひ入れていくとさらに良くなるのではないかと思いました。ありがとうございました。
○司会
 ありがとうございます。佐々木構成員お願いいたします。
○佐々木構成員
 講義時間の目安が7時間とありますけれども、1回で理解するのは難しいのでそれ以上の時間が必要になると思います。資料の6ページですけれども、市町村職員の方々が限られた時間の中で学習するという実情があるということですけれども、この教材については業務時間中だけで学習するのか、それとも、ご本人が希望された場合などは自宅に持ち帰って学習してもいいのかを伺いたいということと、もし自宅に持ち帰っていい場合は、職場と自宅の学習時間の比率というかだいたいこういうものが想定されるのではないかというイメージがあれば教えていただきたいです。
○TAC株式会社
 まず、講義時間の目安がございますので、もしこれをご自宅でロールプレイングをするということになりますと、この時間そのものがご自宅でまさにかかってしまうということになると思います。また、業務時間中に行うか行わないかに関しては市町村の状況によって異なると思いますけれども、弊社としてはどちらでも対応できるようにというか業務中でも業務外でもできるように準備はしますので、どちらでも学習できるように考えております。ただ、一つのテーマについて学習するといった時に、例えば業務中に1~2時間も見ることは難しいと当初からお話がございましたので、基本的には業務中に見られるように20分くらいの短い時間で区切って少しずつこなしていけるように作っておりますが、ご自宅で見ていただくということに関しては各市町村のご判断になると考えております。
○司会
 佐々木構成員お願いいたします。
○佐々木構成員
 すみません。先ほど120分が少し長いという意見もありましたけれども、例えば全部1項目を10分で統一して、それかける7とか4というかたちで小さな1つのテーマを5~10分で共通化したほうがわかりやすい感じがします。というのは、この項目は20分、あの項目は10分ということになると、業務中に細切れで見るような場合は、全部が10分で一応完結できるようになっているほうが目安をつけやすいのではないかと思いました。
○司会
 ありがとうございます。殿村構成員お願いいたします。
○殿村構成員
 私はTACさんの授業を受けているので知っているのですが、ウェブ講義はされるのでしょうか。ウェブ講義は非常に役立つと思いますし、パスワードやIDで受講できるようにすれば家でも受講できるとい思うのですが、そのあたりは対応されるのでしょうか。
○TAC株式会社
 まず、この事業においてはいったんDVDで研修を公示するということで今動いておりまして、ウェブに関しては今回の事業では今は考えていないという状況です。
○殿村構成員
 わかりました。すみません。DVDの貸し借りは非常に大変ではないかと思います。業務中にしっかり研修するという感じですね。今お話しの流れで家でも復習できるのかという話になっていたので、DVDを借りるのかなと想像したのですが、そうであれば非常に大変だろうと思いました。少しだけ申し上げてよろしいですか。TACさんのことではなくて時代の流れを考える必要もあるのではないかと思います。先ほどのお客様の話もそうですけれども、今はモンスターといわれる方などが問題になってきています。これはインターネットの影響でもあると思うのですが、双方向のコミュニケーションは普通になってきているので、一般の流通とか商売であってもお客様ではなくてユーザーと言い換えて意識を切り替えています。そんな状況の中でへりくだったり、規制をかけることは今の時代に合わないのではないかと思います。ウェブについては予算の問題もあると思うのでなんとも言えませんが、そのあたりを一度振り返ってみてもいいのではないかと思います。
○司会
 ありがとうございます。他にご質問等ございませんでしょうか。阿部構成員お願いいたします。
○阿部構成員
 先ほどの質問に関連しますけれども、業務中に学習できるのか、それとも、自宅で学習するのかの違いによって受講率も異なってくるだろうと思います。実際に市町村の方にお聞きしたいのですが、業務中に研修の学習をするということは差し支えないでしょうか。
○司会
 皆様いかがでしょうか。なかなか難しい質問かもしれませんが。佐藤構成員お願いいたします。
○佐藤構成員
 ケースバイケースですけれども、今回もし仮にこの研修資料をいただいた場合、ダイジェスト版的な物が確かできるという話ですので、そういったものについては新しく入った方を集めて集合で研修するというかたちになると思います。それ以外の音声が入るような研修ですと、窓口対応をやっていますので、そういった中で業務中にできるかというと、うちの市の場合はちょっと難しいかと思います。やはり業務終了後に本当に必要な部分だけをやって、あとは個人的な学習になるのかなと思っています。実際に出来た物を見て。通常は業務中にずっとこれだけに関わるというのは難しいと思います。
○阿部構成員
 わかりました。ありがとうございます。
○司会
 ありがとうございました。横尾構成員お願いいたします。
○横尾構成員
 そういった意味で、しつこいようですけれども、もしよろしければ字幕対応をされると音を出さなくても見ることができます。また、企業の場合ですけれども、音が出ないようにされているパソコンも結構あるので、今は入れ込むようなソフトもありますのでうまく入れてしまうということも検討されてもいいかと思いました。
一点お聞きしたいと思ったのは、集合研修のようなものは、窓口対応に関してサービスレベルを向上させるということも年金機構さんでやられているとお伺いしたのですが、もしそういったことをされるのであれば、どちらかというと障害関係はすごく専門性が高いのと、どうしても思いやり的な配慮をしましょうという話になりやすいのですが、それと「実際の実務として」正確に業務を遂行して、受け付けてトラブルを未然に防いだり、トラブルを解消したりという問題解決の話とは全く知識が異なっていて、今流通しているのは「一般的な思いやり」の話がほとんどです。サービスレベルの向上も含めて実務もきちんと運用できるためには、もし可能であれば集合研修などで実際のインストラクターの方が行ったり擬似体験が少しできたりすると、かなり習得率が上がるかなという気もします。私たちも講義を行う事がございますが、講義をしている方の内容を録画したものや書き起こしたテキストを使っても、ほとんど見落とされてしまいます。例えば、聴覚障害者の中で手話ができる方は15パーセントしかいないわけで、本当は85パーセントの方が使えないのです。しかし、見ている人には思い込みがあるから、85パーセントの方が手話を使えると読んでしまいます。思い込んでいるので、「一般の人を入れると15パーセントしか手話を使えないけれど、」というようになんとなく自分の思っている知識に合せて理解していってしまうところが多少あります。全くないより通信講座があったほうがいいですけれども、もし集合研修が可能であれば、そのほうがより改善にはつながっていくかなと思いました。長期的な視点でそういうことは可能性としてあるのかと逆に自治体さんにお聞きしたいです。厚生労働省さんなのか年金機構さんなのか自治体さんなのかどなたに聞けばいいのかわからないですけれども、お伺いしてみたいと思いました。窓口対応の向上に関する集合研修のようなものが今後あるのかどうか教えていただけますか。
○大西課長
 それぞれの行政機関が研修をやっていまして、厚生労働省も入省したばかりの職員を対象に研修をやっていますし、機構は機構でやっていると思いますし、市町村も市町村でそれぞれやっています。その中にどれだけ障害者の方への対応みたいなものが入っているかというのは千差万別だと思います。
○横尾構成員
 なるほど。そうすると、今回のモデル事業の中では通信講座のみでやっていくということになるということですね。
○大西課長
 はい。
○横尾構成員
 わかりました。ありがとうございます。
○司会
 ちょうどお時間というところでございます。今回TACさんのほうからございました本日ご助言いただきたい事項が7ページに記載がございました。かなりご助言いただいた中で3番目のモデル事業に関して、応対ガイドの基本的な使い方のところでモニタリングにつなげるということでよろしいでしょうかということに関して、全て実施することも想定したほうがいいのではないかとご助言をいただいたところでございます。一方で、11ページに今後のTACさんのほうの実務研修制作スケジュールが示されてございます。この中では実際あずさ監査法人のほうで今後ツールが、先ほど老齢規則がございましたが、残りをこれから作っていくということで、TACさんの研修作成とあずさで作るツールの作成が同時並行的に実施される部分がございます。ですので、今後、モデル事業実施の方法に関しては作業の進捗状況を2社間で摺合せをしながら、持ち帰って再検討というところで進めたいと思っております。次回、第6回でモデル事業の進め方というところで業者からご説明がございますので、そちらで内容をご案内差し上げたいということでございます。ご助言等ございましたが、特段それ以外のところに関してご異議がなければTACさんの研修(実務編)に関してはこの方針で進めたいということでよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、ちょうどお時間というところでございますので、本日は終わりたいと思います。
次回の検討会に関しては10月29日水曜日14時半から開催を予定しております。詳細な場所等に関しては追って事務局よりご案内差し上げます。次回の第5回検討会のテーマでございますが、電通PRさんが現在制作されている市町村向け情報発信モデル事業ならびに若年者に向けた情報発信モデル事業について具体的な映像イメージやパンフレットイメージ等についてご助言いただくことを想定しております。
それでは、本日の検討会を終了いたします。ご多忙の折お集まりいただきまして誠にありがとうございました。


(了)

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