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2014年10月1日 第25回社会保障審議会年金部会議事録

年金局

○日時

平成26年10月1日(水)16:00〜19:00


○場所

東京都千代田区隼町1−1
ホテルグランドアーク半蔵門 「富士東」(4階)


○出席者

神 野 直 彦 (部会長)
植 田 和 男 (部会長代理)
小 塩 隆 士 (委員)
柿 木 厚 司 (委員)
菊 池 馨 実 (委員)
駒 村 康 平 (委員)
佐 藤 博 樹 (委員)
武 田 洋 子 (委員)
出 口 治 明 (委員)
花 井 圭 子 (委員)
原 佳 奈 子 (委員)
藤 沢 久 美 (委員)
宮 本 礼 一 (委員)
諸 星 裕 美 (委員)
山 本 たい 人(委員)

○議事

○神野部会長 それでは、そろそろ定刻でございますので、ただいまから第25回を数えましたけれども「年金部会」を開催したいと存じます。

 本日は、大変お忙しいところを御参集いただきまして、本当にありがとうございます。

 伏して御礼を申し上げる次第でございます。

 本日の委員の出欠状況でございますけれども、小室委員、小山委員、森戸委員、山口委員、吉野委員、米澤委員から御欠席との御連絡を頂戴しております。

 また、駒村委員、藤沢委員からは、少々おくれて御出席との御連絡を頂戴しておりますので、開催をさせていただきたいと思います。

 御出席をいただきました委員の方々が3分の1を超えておりますので、会議は成立しているということをまずもって御報告申し上げたいと思います。

 それでは、議事に入ります前に、事務局からの出席者の御紹介と資料の確認をさせていただきます。

 事務局のほうでよろしくお願いいたします。

○総務課長 事務局でございます。

 まず、事務局からの出席者でございます。お手元の座席図のとおりとなっておりますので、紹介にかえさせていただきます。

 続きまして、お手元の資料について、確認させていただきます。

 本日は、配付資料といたしまして、

 資料   高齢期の就労と年金受給の在り方

 参考資料 今後の検討の進め方(第23回社会保障審議会年金部会(平成26年8月20日)資料)

でございます。

 この2つを配付させていただいてございます。

 お手元、御確認をいただいて、不備がございましたら、事務局までお申しつけください。

 よろしく確認をいただきたいと存じます。

○神野部会長 どうもありがとうございました。

 お手元の資料を御確認いただけましたでしょうか。

 それでは、大変恐縮でございますが、カメラの方はここで御退席を頂戴できればと思います。

 よろしく御協力をお願いいたします。

(報道関係者退室)

○神野部会長 それでは、議事に入らせていただきます。

 お手元に議事次第が配付されているかと思いますが、本日の議事は「高齢期の就労と年金受給の在り方」についてと設定をさせていただいております。

 まず、事務局から資料等々で御説明いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

○年金課長 年金課長の度山です。

 お手元の資料に基づきまして、御説明をさせていただきます。

 ページをめくっていただきますと、目次が出てまいります。

 5つのパーツに分かれておりますが、最初に現行の制度における保険料拠出期間と年金受給期間がどういう設定になっているか、それから高齢期の就労と年金受給の在り方をめぐって、これまでどういう議論がなされてきたか、それから高齢者雇用対策というのはどういう形で動いているか、この3つをまずファクトとして押さえた上で、高齢期の就労と年金受給の在り方について、65歳までの年金の制度設計、65歳以降の年金の制度設計に分けて、論点を提示したいという構成になっております。

 早速、最初からまいります。

 「1.現行の年金制度における保険料拠出期間と年金受給期間」ですが、ページをめくっていただきますと、簡単な絵を描いてございますが、もちろん、例えば中学校を卒業して会社勤めをされますと、その瞬間から厚生年金の被保険者になると。あるいは70歳近くまでお仕事をされても、ずっと厚生年金の被保険者だということはあるのですが、現在の仕組みは20歳から60歳までの40年間を全国民が国民年金の被保険者になるという形で、標準的な保険料の拠出期間という形で設計をし、厚生年金のほうは、今、段階的に支給開始年齢を引き上げ中ではございますけれども、65歳から年金受給をするということを基本とした制度設計になっているところでございます。

 そういうこともございまして、例えば基礎年金は40年の保険料納付で満額という設定になってございますし、それから所得代替率を計測するところのいわゆる標準的な年金額も、40年加入というものをベースに年金の水準を考えているという制度の仕立てになってございます。

 4ページには、それぞれ国民年金、厚生年金とも、こういう設定にしている考え方をまとめてございますけれども、もともと厚生年金は20年加入で受給資格が得られるということで設定をしておりましたが、国民年金を昭和36年につくりましたときに、自営の方はサラリーマンに比べると、いわゆる稼得活動に従事をする期間が長いだろうと。40年ぐらいは想定できるだろうということで設定をした。一方で、60歳を超えたら、すぐに所得がなくなるかというと、65ぐらいまではそこそこ仕事ができるでしょうと。65を超えるとだんだんしんどくなってくる人も出てくるかなということで、支給開始年齢を65歳に設定したと。5歳間が空いているというのは、そういう考え方だということのようでございます。

 それから、厚生年金のほうは、かつては55歳定年で、支給開始年齢も55歳だったということですが、厚生年金の支給開始年齢が、まず、一旦60歳に段階的に引き上がり、定年のほうもこれに追いつく形で55歳から60歳に移行してきた。

 現在では、60歳定年、60歳未満の定年を定めることは違法となっており、そういう形で移行してきたということです。

 さらに、2001年から厚生年金の支給開始年齢が段階的に65歳に引き上がっているわけですが、タイミングとしては少しおくれましたけれども、この引き上げスケジュールに対応する形で、65歳までの雇用確保措置というものが図られることになったということで、2025年段階で言うと、厚生年金の支給年齢は65歳、雇用確保措置のほうも、希望者全員が65歳まで雇用を確保する対象になるということが2025年に完成する、このような形でつながっているという設計になってございます。

 今、口頭で申し上げた支給開始年齢の引き上げのスケジュールと高年齢者雇用確保措置の関係が次のページに載ってございます。

 それから、もう一つ、制度的な説明で言うと、65歳が年金をもらい始める標準と設定しておるわけでございますが、人それぞれいろいろな事情があるだろうということで、早ければ60歳から遅ければ70歳からそれぞれ繰り上げまたは繰り下げで、いつから年金を受け始めるかということを選ぶことができる、ただ、繰り上げた場合には、減額がございますし、繰り下げた場合には増額があるという形となっております。

 それから、もう1ページおめくりいただきまして、基本的には厚生年金は退職をしてもらうという考え方に立ってございますけれども、在職中に老齢年金を受給する仕組みということで、在職老齢年金が設けられておりまして、なかなか賃金だけでは暮らすのが難しい方に、年金と賃金と合わせてという考え方だったので、一定の調整措置が設けられております。昔は、これが高齢者の就業インセンティブを著しく削ぐということで、いろいろ累次改正がございまして、現在の仕組みは7ページに書いたようになってございますが、最近、いろいろな研究者の方が御研究されているところによれば、累次の見直しによって、今日では、就労インセンティブにマイナス効果ということに関しては、ほとんどその影響が見られなくなってきていると評価がされております。

 続きまして、2番目「高齢期の就労と年金受給の在り方をめぐるこれまでの議論」ということでございます。

 社会保障・税一体改革の検討をいたしまして、最終的に法律を出すときにまとめました「社会保障・税一体改革大綱」においては、「在職老齢年金の見直し」「支給開始年齢の引上げの検討」というものが検討俎上に乗りました。

 当年金部会でも御議論をいただいたところですが、この2つに関しましては、引き続き検討、あるいは中長期的な検討課題と位置づけられましたので、今回の一体改革の関連法の中では、特別に措置をとるということは見送られて、さらに検討を要する課題という形で位置づけられたところでございます。

これを受けまして、次のページ、昨年行われました社会保障制度改革国民会議でも「高齢期の就労と年金受給の在り方」ということについて、議論が行われました。

 アンダーラインを引いて、これも前に御説明したところなのですけれども、支給開始年齢については、これまではどちらかというと、将来の年金の給付規模の伸びを抑制するという観点から、もっぱら年金財政上の問題として議論をされてまいりました。

 しかしながら、2004年の制度改革によって給付の総額というのは、むしろ保険料の収入という形で規定をされるという仕組みになりましたので、あとはそれを国民の皆様に何歳からお配りするかという問題になっているので、長期的な年金の給付の総額を削減するということの意味はなくなってきているということの中で、年金財政上の観点というよりは、1人1人の人生が、平均寿命が延びる中で伸びている、そのときの就労期間と引退期間のバランス、あるいは社会全体では少子高齢化が進んでいますので、就労人口と非就労人口のバランスというものをどう考えるかという、そういう問題として検討されるべきだという、今後、この問題について考えるときの考え方を整理いただいたわけでございます。

 これを受けて、次の12ページ、社会保障制度改革プログラム法におきましては「高齢期における職業生活の多様性に応じ、一人一人の状況を踏まえて年金受給の在り方」と、このような形で検討課題ということで整理がされております。

 これを受けて行いました6月に公表いたしました財政検証とオプション試算では、この高齢期の就業に関して言うと、2点、1つは経済再生ケースに対応する形で、労働力のいわゆる労働参加の促進というものをある程度織り込んだ推計になっているということ。実際に労働力率がどう推移するかというのが14ページのグラフに書いてあるとおりですが、特に男性の高齢者に関しては、かなり、高い就業というものが想定されているということが1点。2点目はオプション試算において、60歳代前半の就労による保険料拠出がより年金額に反映されるような形で、いわゆる45年モデルという形の制度改正を行ったときにどうなるか、あるいはそれを超えてなお働き続けたときに、年金の水準はどうなるのかという形の試算をしたというところでございます。

 その結果が次の15ページ、16ページ、17ページにありますが、この説明は省略をさせていただきます。

 続きまして、3点目「高齢者雇用対策の動向」というところでございます。

 まず、19ページ、高齢者の就業率がどうなっているかというデータをまず確認したいと思いますが、昔から自営業の方は年齢にかかわりなく働いておられ、社会全体では自営業が減って、それで雇用者が多くなっているという傾向にございますので、それを受けて、高齢者の就業率というのは、長らく低下傾向にあったということが言えると思います。

 ただ、年金の支給開始年齢の引き上げ、あるいは高齢者雇用の確保措置の義務化ということに伴って、60歳を超えても雇用者であるという方が、だんだん社会全体では増え始めて、一旦下がってきた高齢者の就業率が、最近では回復、上昇傾向にあります。

 続きまして、20ページですが、これもよく言われることですが、国際比較をいたしますと、日本の高齢者の就業率は比較的、ほかの国に比べても相当高いレベルにあるということと、次のページは、高齢者自身も就業意欲としては70歳とか75歳とか、あるいは働けるうちはいつまでもとか、かなり就労意欲が高いということが指摘されております。

 そうしますと、何歳ぐらいまで皆さん、標準的に働いていらっしゃるかということを考えるときに、どういうことになるかということで分析をしてみたのですが、まず22ページ、自営業の方というのは、労働力調査をもとにコーホート分析をしてみましたが、よく言われますように、雇用者がどんどん引退していくのに比べて、自営の方はもともと引退のカーブが緩やかであるということが言われますけれども、それがデータ的にも確認ができるかと思います。

 なので、例えば、60歳とか65歳というところを切にして、がくんと就業率が落ちるというようなことが余りないということだと思います。

 続きまして、次のページ、雇用労働者に関しては、かつては60歳の定年でがたんと落ちるということでございましたけれども、65歳までの雇用確保措置というものが強化をされていて、現時点で言うと、大体企業の7割弱が希望者全員が65歳以上まで働けるということになってございます。これは2025年には100%になるはずでございます。

 ただ、70歳まで働けるということになりますと、全体の割合で言うと、2割ぐらいというところで、65歳ぐらいまではそういう意味で言うと100%に近づいていくのですが、70歳までということで考えると、ちょっと開きがあると、このようなことかと思います。

 こういう状況も踏まえまして、24ページ、高齢者就業に関しましては、厚生労働省の中の雇用を担当する部門でいろいろ検討しているところでございますけれども、昨年行われた「生涯現役社会の実現に向けた就労のあり方に関する検討会」の報告書の中では、どのような記述がされているかというと、65歳までの希望者全員の雇用確保は担保されたということなのですが、労働力推計でもそうですけれども、65歳を超えても、労働力率あるいは就業率をアップしていくということが課題になっている中で、高齢者の就労ニーズは多様だということ。

 それから、今、申し上げてきたような現状で、高齢者の就労の場を企業でも雇用のみに求めていることというのは、かなり限界に近づいているのではないかと。だから、もちろん企業でバリバリ働き続けるという活躍の場を増やすということも進めていかなければいけないのですが、新たな高齢者の活用と活躍の場を考えていく必要があるだろうということで、(1)から(4)に書いているように、例えば地域の中小企業で、活躍の場を求めるということですとか、あるいはシルバー人材センターのように、地域の中で仕事をつくりだすような、そういう取り組みに移して能力を発揮していただくとか、そういういろいろな選択肢をつくっていくことが課題ではないかと位置づけられてございます。

 同じように、ことしの2月の雇用政策研究会の報告書でも、同様の考え方がふされております。

 全体を整理いたしますと、25ページ「高齢期の就労と年金受給の在り方に係る論点」ということでまとめましたが、これまでの経緯それから高齢者就業の現状あるいはどう促進をしていこうと考えているかなどを踏まえますと、高齢期の就労と年金受給の在り方に関する論点は、以下のように整理ができるのではないかということでまとめております。

 1つは、65歳まで働くということを標準になりつつあると思いますけれども、そう考えたときの年金制度の設計の在り方はいかにあるべきかということと、それから65歳以降も年齢に関わりなく、今度多様な働き方での就労機会が拡大していくということを前提とした就労と年金受給の選択肢の拡大というものをどう図っていくかと、このように整理をしてみた次第です。

 以下、それぞれについて、ちょっと背景資料等々をまとめましてので、御説明をします。

 まず、65歳までの制度設計ということですが、これは実際に財政検証の際に、オプション試算の3というものをやりましたので、まずはその3でどういう制度を前提にこの計算を回したか、詳細の部分を御説明をしたいと思います。

 財政検証のときにも御説明をしたとおり、基礎年金の拠出金の対象の年齢、現在は2060歳の40年間ということになっておりますが、平成30年度より、3年ごとに1年ずつ拡大をして、2030年度に20歳から65歳までの45年間とするということです。

 これは、いろいろな考え方があると思いますけれども、女性の報酬比例部分の支給開始年齢の引き上げのスケジュールがこう動いてまいりますので、それにそろえて設定をしてみたものでございます。

 この拠出金年齢の拡大とともに、国民年金の被保険者、すなわち国民全員が被保険者になるという対象の年齢も拡大をするということで、2030年には2065歳までの45年間にある全ての国民が制度的に言うと第1号被保険者か第2号被保険者か第3号被保険者かいずれかの被保険者になるということです。いわば、今の国民年金の40年の枠組みを45年に引っ張る形で計算をしているということでございます。

 費用の負担ですとか、免除を受けた場合の給付の算定方法ということは、現行基礎年金の仕組みを踏襲して計算を回してございます。もちろん、これ自体、どう考えるかということは、制度設計の際の論点になろうかと思います。

 あとは【その他の前提】として、65歳以上の就労も仮定をいたしましたので、在職老齢年金の支給停止の仕組みがあると、その計算が非常にややこしくなりますので、それを一応取り払うという前提で計算をしています。これ自体は、また、後ほど御説明をさせていただきます。

 それから、マクロ経済スライドを掛けるのですけれども、被保険者年齢が拡大しますと、当然、被保険者がふえますので、その分、減少率が落ちるということになりますが、その効果を考慮しないで、全く同じ率で落とし続けたという計算を立ててございます。これも制度設計の際には、どうするかということは議論になると思います。

 それから、60歳代前半の国民年金の納付率をどう考えるかということもございますけれども、後ほど御説明しますが、高齢者の納付率はかなり高うございますので、80%程度という率で設定をしているということです。

28ページには、オプション試算の制度的な枠組みを書いてございます。

 今は、国民年金の保険料を納めるのは、20歳から60歳までと。厚生年金は15歳から70歳まであり得るのですが、そのうちの2060歳までを基礎年金の拠出金対象という形で、基礎年金のお財布にプールをして基礎年金を保障するという形になってございますが、これが全体として65歳に膨らむということでございます。

 基礎年金給付のほうも同じように、40年満額で設定しているものが、45年満額で設定されると、このように変わっていくわけでございます。

 その具体的なやり方ですけれども、29ページ「オプション試算3において前提とした生まれ年別にみた対象年齢拡大の設定」というところを見ていただけますでしょうか。

 女性の支給開始年齢の引き上げが男性と5年おくれでスタートしますので、生まれ年でいうと、1957年、昭和32年以前の生まれの方が60歳から支給と、昭和41年生まれ以降の方が65歳支給と。それが2年生まれずつ刻みになっているわけでございますが、要は支給開始年齢が61歳、62歳、63歳と引き上がるに従って、そこまでは皆さん働くと考えて、そこまでを拠出年齢にするという形で基礎年金の拠出金の対象となる年齢を1歳ずつ伸ばしていって、最後、45年に至ると。

 今度、給付のほうはどう考えるかというと、現行の40年の満額の水準にそれぞれ1年余分に納めた世代は、40分の41を。5年余分に納めた世代は40分の45を掛けるという形で設定をしてございます。

 ただ、今よりも給付が増えるかというと、これに同じようにマクロ経済スライドがかかりますので、実際には賃金対比の水準で言うと、マクロ経済スライドで多少、水準的に言うとダウンするものを年数が延びることによって、一部リカバリーできるという形になろうかと思います。

 この点は、また後ほど御説明いたします。

 こういう設計にしてあるということなのですが、まず、こういう設計にしたときの1つの問題は、では60歳を超えた人がどれぐらい保険料の拠出能力があると考えるかという問題です。

30ページを見ていただきますと、現在の労働力の受給の推計において、就業率をどう見込んでいるかということで、特に男性ですと2030年ごろには87.1%、かなり高い就業率が見込まれているということです。

 どうお仕事をされるかということが右側に書いてございまして、実は60歳を超えると、正規の職員からパートやアルバイト、いわゆる短時間労働のほうに移る方も結構いらっしゃいますので、働き方は多様になるということですが、これは前回議論いたしました短時間労働者の適用拡大というのが並行して進むと、そういう方も含めて第2号被保険者になっていくと理解できるかと思います。

 それから、次のページ、今度は国民年金のほうの被保険者ということでございますが、先ほど見ていただいたように、もともと自営業の方というのは、ある年齢で即引退するということがなくて、緩やかに引退していくということなので、就業活動にはかなりの方が従事していらっしゃる。

 保険料の納付率で見ますと、全体では60%台で苦労してございますけれども、傾向としては年齢が高くなるに従って、納付状況はよくなるということがございます。

 実際、45歳から49歳、50歳から54歳、55歳から59歳と上がるに従って、右肩上がりで上がっておりますので、先ほど80%の設定にしたというのは、このカーブを伸ばすと大体80%ぐらいは期待できるかなということで置いているということでございます。これらのことから、雇用者の方、自営業の方ともそれぞれにある程度保険料の納付ということは期待ができるのではないかというデータとしてお示しさせていただきました。

32ページには、このように就労期間といいますか、保険料拠出期間を拡大した効果としてどうなるかということで、この図はちょっとわかりにくいのですが、現在のモデルの年金を基礎年金と厚生年金に分解して、それぞれの所得代替率計算をしております。それから、それが今度はマクロ経済スライドが機能していて、最終的にマクロ経済スライドによる調整が終わる水準と年次をプロットして、矢印は実はこんな単純には一直線にはいかないのですが、単純化をしてあらわしたものでございます。

 特に、基礎年金の水準の低下というのが議論になっているわけですが、現在、2人分の基礎年金でいいますと、36.8%相当になっているものがマクロ経済スライドが30年近くかかりまして、26%相当に低下をいたします。この45年モデルにしますと、先ほど御説明したように、昭和41年以降の生まれの世代に関しては、その拠出期間が、40分の45になるということで、26%が30%ぐらいまでは改善をするということです。

 ちなみに左側に点線があって、33.7から28.4というところに引いてございますが、これは一番最初にマクロ経済スライドを導入した2004年のときの財政再計算の数値でございます。もともとこんなに基礎年金を下げるつもりがなかったのが、結果的に2回の財政検証を経てこうなっているということですが、45年モデルにすると、この基礎年金の2人分でもともと2004年改正で想定していた水準の近いところまでリカバリーができると、このような形で考えられると思います。

 ただ、水準がある程度回復するということは、それに伴って給付の費用もある程度増加をするということで、次の33ページでございますけれども、ケースEの数字を使って、現行の仕組みとオプション試算の3における基礎年金の財政見通しを比較したところでございます。給付全体は当然その部分ふえるわけでございますが、基礎年金は半分が保険料、半分が国庫負担ということで、保険料はそういう意味で言うと5年長くいただく保険料でファイナンスするということになりますが、それに対応する公費負担のほうは、これはプラスになった部分だけ今の計算よりは余分にかかるということです。

 給付費自体は実は少しずつ年齢が伸びていく関係で一時に急激に増えるものではございませんけれども、45年加入の方が大半になった2040年とか2050年ごろの数字で見ていただきますと、例えば平成67年、2055年、これは45年の方が90歳になるのですけれども、その数字で見ますと、基礎年金の国庫負担の欄で見ますと、現行の仕組みで言うと8.4兆円、現在の価格で表示をしてということですが、それがオプション3で言いますと、9.6兆円ということなので、現在の価格表示でおよそ1.2兆円ぐらいの見当になります。基礎年金の3分の1から2分の1に上げたときにかかった費用が2.5兆でございますので、おおよそその半分ぐらいの規模だということになります。

 それから、今度は65歳以降の制度設計について、データを準備しましたので、御説明しますが、まず、35ページ、65歳以降の就業実態ということですが、当然、65歳になりますと、かなり辞めて無業になるという方も多くなるということ、それから実際に働き方も見てもやはり正規の労働から非正規労働のような働き方も多様になってくるということだと思いますし、36ページにありますように、何のために働くかということも例えば健康のためとか、生きがい社会参加のためというものをあげる方もふえてくるので、就労動機もかなり多様になると、先ほどの雇用のほうの報告書に書かれていたことが確認できると思います。

37ページ、38ページには、諸外国における法定の支給開始年齢の引き上げについてのデータをまとめてございます。

 各国それぞれどうなっているかというのは、昨年の年金部会でも御報告させていただきましたが、どういう背景で引き上げを行ったかということに関しまして、いろいろな政府文書ですとか、研究者のまとめられた論文などから引用してみましたが、ざっくり言うと、やはり年金財政上の問題あるいは平均余命がこれから延びていく中で、働く期間と年金をもらう期間のバランスをとるという、大きく言うと2つの動機が挙げられるのではなかろうかと思います。

 それから、もう一つは、この問題は必ず雇用とセットで考えなければいけないということで、39ページ、諸外国の高齢者雇用法制の概況ということでまとめてございます。私も専門ではございませんので、ちょっと誤解があるかもしれませんが、欧米諸国においては、ある種の雇用における年齢差別の禁止の法制というものが整備されていますが、我が国の場合は、募集、採用における年齢制限の禁止というところにとどまっているということと、年齢の差別を禁止するということになりますと、年齢によって違う取り扱いができないということで、それが一番徹底されているのがアメリカやイギリスのように、いわゆる日本でいうところの定年のような、ある年齢に達した方について、雇用を終了するという扱いが法律上禁止をされるという形となります。フランスやドイツはそこまでは行っていませんが、減額されない年金が受給できる年齢になると、雇用関係を終了するという形の取り決めが有効だというのがドイツやフランスの定め方だと思います。

 日本の場合には、先ほど御説明したように、定年というのは60歳未満の定年は禁止をされていますので、最低60歳と。それから定年が60歳であったとしても、65歳までは継続雇用措置をするという形でというところに制度的にはなっているということです。

 もう一つ、考えておかなければいけないのは、40ページにありますが、では皆さん引き上げた支給開始年齢まで働いていらっしゃるのかというと、実はそうではなくて、かなり接続の強い国と、特にドイツやフランスのように、かなり年金の受給年齢よりも前に引退をするということが一般的に行われている国があるということでございます。

 そういった背景がどういうことで生じるのかということに関しては、なかなかこうだと言い切ることはできないのですが、41ページにこれらのデータをまとめて一覧表にしてみました。そこから簡単に考察をしたいと思いますけれども、まず、高齢者の就業でいいますと、日本が一番たくさん働いていて、次に働いているのが、北欧の諸国、あるいはアメリカやイギリスなどアングロサクソン諸国。ドイツやフランスのように、ヨーロッパ大陸諸国は高齢者の就業率が低いという状況になってございます。

 アメリカ、イギリスのほうは、年金制度としては公的年金の所得代替率は余り高くございませんが、この2つの国とも企業年金が大変発達をしており、それから、高齢者雇用法制では、先ほど御説明したように、いわゆる定年のようなものを設けることができない法制になっています。

 こういうことからあわせて考えますと、ある程度企業年金がもらえて、それで暮らしが立つと思った方は早く引退する。一方で、働かないとなかなか生活が成り立たないという方は、高齢期にもかなり長く働かれるという社会状況が見えてくるわけでございます。

 その次のグループ、ドイツやフランス、ヨーロッパ大陸諸国ですが、これらの国は、高齢者の就業率は比較的低いということと、それから年金と高齢者の雇用法制でいうと、年金が満額もらえるというところまでは年齢で雇用契約を終了することができないという取り決めになっている。

 それから、公的年金の所得代替率が、比較的高めの国であるということと、それからドイツにしても、フランスにしても、これは雇用政策の問題なのですが、若い方の就職を進めるために、高齢者を早期に引退させるということを1980年代から90年ぐらいにかけてやったということの名残がまだ社会的に残っていて、年金のほうはなかなか財政も厳しいので、支給開始年齢を引き上げてきているのですけれども、それよりも早く皆さん引退される。ただ、例えば失業保険のほうでいろいろ配慮があったりとか、あるいは公的年金の所得代替率がある程度高いので、後ほど御説明いたしますが、繰り上げて年金を受給するという形でつないでいるのではなかろうかという姿が見えてくるわけでございます。

 それから、次の北欧の代表でスウェーデンを挙げましたけれども、スウェーデンは就業率はそこそこ高いということと、基本的に積極的雇用政策と言われるように、皆さん働けるように一生懸命いろいろな形で政策努力をするという国でございますので、それから法制上も67歳までは希望する者に関しては雇用を保障するということが義務づけられていて、社会を挙げて、皆さん遅くまで働くということに取り組んでいるのが北欧諸国かと思われます。

 所得代替率のデータを引用しておりますが、詳しくは42ページに、以前お示しした資料を入れておきました。

 まとめますと、どういうやり方で皆さんにできるだけ遅くまで働いていただいて、それで働けなくなった後、十分な年金をもらってもらうかということを各国いろいろ試行錯誤してやっているということがうかがわれるわけです。

43ページに出しましたのは、支給開始年齢の引き上げという形で年金制度上選択をとる国が多いわけでございますが、スウェーデンのように完全に受給開始時期は個人が選ぶ。支給開始年齢は61歳を超えたらいつからでも選んでいいが、平均余命で割って年金額を計算しますので、期間が長ければ長いほど、年金額は小さくなるということと、これから寿命が延びれば寿命が延びた分だけ年金が小さくなるということがございますので、後の世代の皆さんは、長生きになるので、自動的に年金の水準が下がるということが制度的にビルトインされていて、それででは今と同じレベルの年金をもらうためには何歳ぐらいまで働かなければいけないかということを毎年のレポートの中で出している。1995年生まれの方が1930年生まれの方と同じレベルの年金をもらうと思うと、69歳まで、4年程度余分に働く必要があるよというメッセージを出して、実際にそういう雇用が実現できるように、いろいろ政策をとっているという国があるという御紹介でございます。

44ページは、在職中の年金給付の取り扱いがどうなっているかという問題でございますが、全体的には、満額の支給開始ができる年齢以降に関しましては、日本を除き、基本的には在職していても年金を減額しないという国が多い状況にございます。

 一方で、満額支給開始年齢前に繰り上げて受給をするときには、何らかの形で賃金と調整する国が多いということです。

 所得再分配的な観点からいうと、逆のように思われますけれども、この制度に関しては、高齢者の就業インセンティブを確保する、すなわち早く年金をもらって、早く引退するということをできるだけ止めて、逆に言うと、年金をもらい始める年齢になっても、可能な限り働いていただくということを促進するという形の制度設計になっているという推測ができます。

45ページには、今度は繰り上げ、繰り下げの支給制度の比較も出してございます。

 繰り上げ支給に関しましては、イギリスのようにない国もありますが、やはり繰り上げる事情がある場合には、繰り上げということを認めていますが、当然のことながら減額がかかるということでございます。

 ただ、ドイツの減額率を見ていただきますと、年に3.6%という数字ですので、これはほかの国に比べるとかなり甘い減額ということが言えるかと思います。そういうこともあって、ドイツに関しましては、早期受給される方が多いというデータもございます。

 繰り下げのほうは、70歳まで繰り下げ可能という国も多いのですが、上限なくどこまででも繰り下げられるという国もイギリスやフランスのように存在しているという状況でございます。

 以上のようなことを最後総括いたしまして、検討に当たっての論点ということでまとめてみました。

 まず「65歳まで働くことを標準とした場合の年金の制度設計の在り方」ということですが、206545年間を就労期間と捉えて設計をするということについて、以下の点も含めてどう考えるかということだと思います。

 1つは60歳台前半の方の保険料の拠出の能力がどうか。

45年設計にしても、皆さん働いていただけないと、結局保険料がとれないまま期間だけが伸びるということになりますので、そこをどう考えるか。

 あるいは、国民皆さんで支え合う仕組みという形で導入をするのか、能力のある人だけが払って年金をふやせるようにすればいいのかということもございます。

 オプション3で見たように、保険料のほうは5年余分に納めていただくという形で処理をするのですけれども、国庫負担の増加、あるいはその財源確保ということをどう考えるかということも論点だと思います。

 2つ目の「65歳以降も」というところでございますけれども、財政検証のときに御説明しましたが、労働力人口が減少傾向にある中で、持続的な経済の成長と発展のためには、できるだけ皆さん年齢にかかわりなく就労できるとしていかなければいけないと。

 そうすると、年金の水準の確保ができるというそういうことを社会的にどう仕組みとして実現をしていくかということになろうかと思います。

 1つは、より弾力的な就労と年金受給の組み合わせが可能になるような、例えば繰り下げの仕組みの選択肢を拡大するなどして、実現をしていくあるいは就労インセンティブをできるだけ制度的に高めるような制度の見直し、これは在職老齢年金とか、そういうことに関係いたします。

 あとはスウェーデンの例あるいはほかの国の支給開始年齢の引き上げの例も御説明いたしましたが、社会全体として就労期間を延ばして、年金を貰い始める年齢をできるだけおくらせて、それで十分な年金をもらっていただく形に社会全体を持って行くために、どういう政策を組んでいけばよいかというあたりが論点になるかということでまとめてみました。

 以上でございます。

○神野部会長 どうもありがとうございました。

 きょうの議題にかかわる現状及び制度等々についてのファクトをまず御説明していただいた上で、論点について65歳までとそれ以降の制度施行についてまとめていただいて、最後に検討に当たっての論点ということで、提起された論点についてまとめていただいて御説明をいただいたわけでございますが、これをもとに御意見を頂戴したいと思いますが、特に御質問。

○佐藤委員 佐藤です。よろしくお願いします。

46ページの(1)のところですけれども、年金の専門家ではないので、働く人たちの就業行動とか、これからの職業キャリアがどうなっていくかということを考えたときに(1)の前提のところで、まず、前半のところで60歳ぐらいあるいは60歳前半まで、日本の高齢者は就業率はかなり高くなっている。ただ、前のほうのデータを見ていただくと、男女で相当違うので、日本で高齢者が就業率が高いというのは男性で、女性はめちゃくちゃ海外と比べて高いわけではなくて、特に日本の男性と比較すると、日本の女性は就業率は低いのです。50代後半ぐらいから就業率は落ちてくるので、くくれてあるのだけれども、最後のほうになると、高齢者はまず就業していますという議論にまとまってしまうので、やはり(1)を議論すると、男女で分ける必要があると。どうもそれはいつの間にか消えてしまうのですね。

 日本の高齢者は働いているというケースで、男性なのだけれども、どうも男性ではなくて女性もみたいな感じで議論し始めてしまうので、そこはちょっと考えたほうがいいかなと思います。

 つまり、常にM字型の底が上がっていくということはあるのですけれども、ただ、後ろは50代から落ちてくるのも女性の場合、すごく非労働力化する率も高いので、M字の底があるからといってうちも上がるかどうかというのは、実はよくわからない点なので、そこは少しきちんと議論していかないというのが1つです。

 あと、これにかかわって、もう一つは、2065まで45年、特に男性を取り上げても、就労期間と考えて、保険料拠出能力があるかどうかで、やはりこの2065まで働くと、これを標準的なモデルと考えていいかで、もう既に大卒を考えれば、20のときから実は働いていないわけですね。もちろん学生納付の特例がありますけれども、実際あるにしても、ですから、実際は自分で働いて払えない人たちも入っていると。これは現役で卒業すればですから、当然留年したりすると、2223にもなってしまうことがあるのと、あともう一つは、途中でこれから60が延びれば延びるほど、職業期間が延びれば延びるほど当然転職というものが入ってくるわけですね。

 回数がふえる可能性もあるので、当然、失業の期間が当然入ってきて、もちろん雇用保険がありますけれども、ですからずっと働くと考えたときに、転職する人もふえるだろうと。

 あと、例えば、リカレントで積極的に働かない、休業する。休むとか大学院に行くなど、これは稼げないわけですね。こういう人は当然これから出てこなければいけないわけですね。リカレントで社会人大学院へ行くみたいな、ふやすというものも政府の目標なので、それはその期間は働かないわけです。あるいは介護で親が4人いると、1人3カ月で1年です。

 介護休業は、社会保険料免除はないのです。

 そうすると、通算すると1年ぐらい働けない。だけれども社会保険料を払わなければいけないというものがあるので、実際、本当に働ける期間が延びるということと、べたっと働くかどうかというのは別だろうと。もちろんモデルにすると、落ちる人がふえると、それに乗れない人がふえるというのはやはりよくないだろうと。

 確かに、学生の納付特例とか、免除の仕組みがあるけれども、それを使う人がふえてくるというような設計というのはちょっと問題ではないかなという気がしていて、そういう意味では、年金とは別に、私は2065にして実際働く期間が40年ぐらいというのが実際としては現実的ではないか。65まで働くとして、保険料拠出能力のある期間は40年、現状は今からも外れているというのが私の意見です。

○神野部会長 これから議論を進めていく上で克服しなければならない点を適切に指摘していただくと同時に、御意見を頂戴いたしましたが、最初の問題等々についてコメントありますか。

 なければ承って。

 よろしいですか。

 どうぞ、出口委員。

○出口委員 21ページの60歳以上の人がいつまで働きたいかというグラフを見ますと、すごく単純な話ですが、このグラフからどうして2065歳という解が出てくるのかちょっとわからないと。

 これを見ると、むしろ2070歳ぐらいを枠組みとしたほうが、自然な感じがしますよね。

 政府の中でも、選択する未来委員会の中で、70歳までというケースも出ていますから、もちろんオプション試算も65歳でやられていますから、オプション試算をやる前に言ったほうがよかったのかもしれませんが、いろいろな事情で65歳がキーになるということはわかるのですが、単純にこの21ページの表を見ていると、むしろこれからの社会は、2070歳が働く世代だという前提で制度設計を考えたほうがいいのではないかというのが1点です。

 こんなことを言うと、65歳を過ぎてぼけてきた人をどうするのだという話が必ず出てきそうですけれども、それは、労働の流動化とペアでやはり解雇規制についてももっと労働の流動化を自由にする方向でセットでやれば、2070歳というのは、私は問題がないのではないだろうかと思います。

 2点目は、46ページの論点の中で、一番大事なことは、この最後の行にあるように、日本は世界一の少子高齢化の先進国ですから、世界で一番前を進んでいる国にとっては、最後の論点ですが、全体的に就労期間を延ばし、受給開始年齢をおくらせていく政策をどの国にも先んじてチャレンジする義務があると思うのですね。世界で一番の長寿国ですから。

 そのときに、少し気になるのが、この46ページの2の最初の4行ですけれども、労働力人口が減少傾向にある中で、持続的な経済の成長と発展のためには、就労できる機会の拡大が必要でありと、そのとおりだと思うのですけれども、これは何か働き手がいないから、年寄りにもっと働けと言っているようにも聞こえるので、私は、やはり厚生労働省という役所の名前があるわけですから、私自身が思うのは、高齢国で何が一番必要かといえば、健康寿命を延ばしていくことだと思うのです。平均寿命ではないと。健康寿命を延ばしていくことこそが、高齢先進国の一番のテーマであると。では、健康寿命を延ばしていくためには、何が一番いいかと言えば、これはどのお医者さんに聞いても、規則正しい生活をすることだと。要するに働くことですよね。

 そうであれば、高齢者のために働く機会をちゃんとつくることがむしろ今後のあり方ではないかと。厚生労働省の政策の基軸は、健康寿命を延ばすことにあるのだと、そのために規則正しい生活を送ってもらうために70歳でもそれ以降でも働ける環境をつくることがやはり政策の根底だという理念を強く打ち出したほうがはるかに高齢者の琴線に触れるような気がします。

 そう考えて、すごくヒントがあったのですけれども、例えば、2070歳まで働くと考えたとき、就労期間を延ばし、受給開始年齢をおくらせていくという前提から考えれば、70歳を過ぎた人にどんどん繰り下げてもらえばいいわけですね。

 繰り下げてもらうということは、何を言っているかと言えば、70歳を過ぎても働いて元気な人は、繰り下げてもらったらいいわけで、それはインセンティブ次第だと考えればこの45ページの英国の例がすごく参考になると思うのですけれども、この増額率を思い切って20%ぐらいに上げてしまうと考えれば、働いている人は普通に考えて繰り下げますよね。

 そういう骨組みのあり方というのがすごく役に立つのではないか。

 それからもう一つ、43ページのスウェーデンの例も、本当にいいことを教えていただいて、私も勉強になりましたけれども、やはり、人間は強制されるのは大嫌いですから、このグラフを見て、自分で選んだらどうですかというのは、すごくいいと思いますね。

 そういった幹の部分をしっかりつくっていただければ、すごくいい制度になっていくのではないかなと思いました。

 以上です。

○神野部会長 どうもありがとうございました。

 ほか、いかがですか。

 菊池委員、どうぞ。

○菊池委員 網羅的ではないのですが、幾つか気のついた点を述べさせていただきます。

 マクロ経済スライドによって、年金水準の低下が予想される中にあって、それをいかにしてカバーするかというのは重要な課題であろうかと思います。

 その点で、前回やりました短時間労働者に対する厚生年金のさらなる適用拡大と並んで拠出期間を40年から45年に延ばして、その分の基礎年金の給付増額が図れるという仕組みを導入することは有意義であると思います。

 ただ、この部分を任意加入とすることは、問題があると思います。

 つまり、保険料拠出能力と拠出意欲のある方のみに拡大するということは、世代内での不公平をさらに拡大する可能性があるからです。

 保険料拠出能力のある方にだけ、国庫負担を行うことが妥当かどうかという問題もあろうかと思います。

 年金制度で所得格差の拡大をさらに助長するような改正は望ましくないのではないでしょうか。

 ですので、導入するとした場合、私は基本的に賛成ですが、全国民に適用する仕組みとして、負担能力がない場合は、免除制度の活用を図るべきだと思います。

 確かに、そうしますと国庫負担のさらなる増大を招くことになるのですが、一方で、公的扶助の費用抑制につながる可能性がありますし、さらに重要なのは、拠出能力のある人々に対して、ある程度恩恵をもたらす仕組みを入れることで、社会保障を支える連帯の輪を維持することにつながるのではないかと思います。

 これも、1つの社会保障の持続可能性につながる措置であると私は思っています。

 まだ、ここでは議論されていませんが、年金分野でも、高所得者への年金課税の問題や標準報酬上限額の拡大など、今後、論点になる可能性があり、ほかの制度においても、介護保険あるいは医療保険の総報酬割など、最近の社会保障制度改革の中で、負担能力がある層からさらに一層負担を求めるという方向性が顕著になっています。

 そのこと自体、私は基本的には妥当であると考えているのですが、ただ、一方では、負担能力のある層に対する一定の配慮というものも目に見える形で行っていくことが、社会保障の持続可能性を考えていくと必要ではないかと思っているところです。

 拠出期間を45年に拡大する措置の実施が、平成42年にかけて行われるのであれば、その年は支給開始年齢が男女とも65歳になる年と一致いたします。

 今回改正の俎上には上がっていないのですけれども、あえて言えば、この支給開始年齢の引き上げというのは、その次の課題ということになるかもしれないですが、私はできれば先延ばしせずに、一方で45年に拡大する措置を設けつつ、平成42年度以降を展望して、今回改正で支給開始年齢引き上げ措置を講じるということも選択肢としてあってもいいのではないかと考えています。

 状況は日本とアメリカは異なりますが、アメリカは相当前の段階から引き上げを決めております。

 というわけで、年金というものは非常に超長期にわたる制度ですので、相当前の段階から計画的にこの支給開始年齢引き上げを予定しておくというのは、十分合理性があるように思います。

 マクロ経済スライドの本格実施や、拠出期間の拡大措置そして支給開始年齢の引き上げといったように、同時に複数の改革を行うことで、かえって高齢者世代と現役世代の双方に痛みを伴う年金改革に対する納得感や、公平感が高まる可能性があるのではないかと思いまして、私的には、今回は格好の機会ではないかなと思っているのですが、どうでしょうか。

 それからもう一点ですが、就労インセンティブとは別の視点からの高在老のあり方についてですが、この問題は、老齢厚生年金の性格、具体的には保険事故を退職と捉えるか、それとも老齢と捉えるかにかかわっています。

 現行法では被保険者資格喪失が受給要件ではなくなったということもあって、老齢年金という色彩が強くなっているようにも見えます。

 また、少なくとも65歳支給を前提とした場合、低在老とは評価を異にすると考えることができ、そうすると高在老は老齢年金的な色彩が強いものと考えることができるようにも思われます。そうすると、あくまで65歳支給を前提としてではありますが、賃金と年金の調整はしないという考え方にも十分合理性があるのではないかと思います。

 ただ、ここでも改めて65歳という基準で老齢年金を支給することの意味というものが問われる可能性があると思います。

65歳という基準での老齢の意味合いという話が先ほども出ましたが、健康寿命の延びなどの現在の状況下にあって、従来とは大きく状況が異なってきているということが言えるのはないかと思います。

 その意味でも、支給開始年齢の検討というものをやってもいいのではないかなというのが私の考えであります。

 長くなって申しわけありませんが、以上です。

○神野部会長 どうもありがとうございました。

 ほかはいかがですか。どうぞ。

○宮本委員 ありがとうございます。

 現場で働いている者の立場で一言御意見を申し上げたいと思います。

 高齢者雇用の対策の動向のところでございますが、資料の23ページにありますように、高齢者雇用安定法の改正などもあって、9割以上の企業で60歳以降の高齢者の雇用確保措置が講じられてきております。

 しかし、その実態を見ると、60歳定年制というのは今でも変わらずに、再雇用ですとか、継続雇用制度を採用している企業が圧倒的に多くなっています。

23ページの資料には、企業規模が30人未満の事業者における高齢者雇用のデータがないので、小規模事業所での60歳以降の高齢者に対してどのような確保措置が講じられているのかというのはこれではわかりません。

 できれば、小規模事業者での高齢者雇用の実態も教えていただければと思っています。

 それと、私が、今、所属をしている産業別労働組合の実態から申し上げると、1,800ぐらいの企業別労働組合が加盟していますけれども、そのうちの約6割が企業規模100人未満の労働組合、いわゆる中小企業の労働組合です。

 したがって、その中小企業での60歳以降の雇用確保と所得保障ですね。この問題というのは、私どもの労働組合にとって極めて重要な課題の一つになっております。

 そこで、私たちは平成6年改正の定額部分の支給開始年齢引き上げ時ですとか、あるいは平成12年改正の報酬比例部分の支給開始年齢の段階的引き上げに合わせて、経営側に対して65歳までの雇用の安定の確保と同時に仕事や就労の内容に見合った一定の保障を求めてきました。

 しかし、その実態を見ると、やはり雇用確保の面では、企業規模が小さくなるほど65歳までの雇用は不安定な状況になっていることは事実ですし、それに加えて所得保障の面でも大企業と比べると大きな格差が生じております。

 そのような状況を踏まえると、この46ページの(1)の「全国民で支え合う枠組みの拡大」なのか、「拠出の能力や意思のある者のみの選択的な拡大」なのか、この議論をするときに、拠出の意思はあっても拠出能力がないというような労働者も現在相当いるということも踏まえなければならないのではないでしょうか。

 ぜひそのような議論に資するようなデータもあれば、教えていただきたいと思います。

 以上です。

○神野部会長 ほか頂戴できれば承っておきますが、どうぞ。

○山本委員 貴重な資料をありがとうございました。

 最初に目が行きましたのは、41ページでございます。

 世界各国との比較の問題でございましたけれども、これにちょっと私、素人的に不思議だなと思いますのは、就業率にどうしてこんなに開きがあるのかという点でございます。

 それでいながら、まださらに高齢者雇用も推進していかないと、なかなか日本の年金財政は持たないよという話が出ているということについて、一体どういうことかなと思いました。これは就業率だけでなく、就業によって得られる金額自体が適正なのかどうかという点も考慮すべきではないか。、今の議論にもちょっと絡むかもわかりませんけれども、ここは就業率だけで捉えるのではなく、例えば、65歳から69歳の間における人々の就労を所得金額に置き直したら何%ぐらいの構成比になっているのかというのは、どこかに数字があるのでしょうけれども、この公的年金の所得代替率と合わせて考えるとすると、就業率だけでものを見て果たしていいのかなというのが疑問に感じたところでございます。

 そのようなことが結果として、ドイツあるいはフランスなど就業率のものすごく低い国の公的年金の所得代替率が日本より高い。これから日本が目指す平均50%を超えるということと比較するとそんなにうんと高いわけではないとも見えるのですが、この就業率と所得代替率との関連について、就労率を金額で置き直すと果たしてどういう結果になるのかということを疑問に感じました。。

 一方で、厚生年金の受給が減っていくであろうというところに、今、企業年金の問題が同時に出ております。これは企業の実力に応じて、どれぐらい加入できて、これからの受給者を満足させられるかという企業間格差が必ずそこには出てくるのではないかという気もいたします。そのときに、今の金額の問題になるのですが、自分が自助努力によって得られる金額の部分と、それから公的年金で賄う部分の金額の部分と、それから企業年金において補完される金額の部分と、これらの合計を100とすると、これからの日本人が目指す適正な構成割合というのはどれぐらいになるのかということです。1本ではいけないと思うのですが、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプぐらいではいけるかもしれない。そこが一つのメルクマールみたいな役割になりまして、若い人でいえば何十年後かに目指す自分の労働のあり方、あるいは受給のあり方というもののビジョンが生まれてくると、そこに先ほどの健康寿命の延伸と絡んできて、若い時分から体を鍛えておかないとだめだとか、これは自分が60を超えて働いて、これだけの部分は確保しなければいけないのだからということについて、もともと若いころから使命感の中に入ってきますと、それがいずれ先ほどのように健康寿命が延びるということにつながって、より一層の労働力の供給につながるということになるのでしょうか。今、そこのビジョンがないですから、もらえなくなってしまうのだよねとなる。だから、高齢社会になったら本当にどうなってしまうのかという、非常にペシミスティックな将来像しか見えていないように思われます。そこのところを補完していく意味で、こういう自分の生活を支える収入というものはこう支えていくのだという全体ビジョンが、もうちょっとはっきりしていくと、そこに若い人たちも目標というものが出てくるのではないかという点で、公的年金のことだけ言っていると、世の中全く暗くなってしまうけれども、そうでない部分もあわせてこれから我々が目指す方向はどうなるのだろうねというところに何か一つの軸が見えるような、これは1本ではないかもしれませんけれども、それを見せてあげることが、若い人たちの今の労働意欲や、世の中に対する将来的ビジョンに対する夢とか希望とか、そういうことにもきっとつながるのではないかなということを感じました。ちょっといろいろまとまりませんが、意見として申し上げます。

○神野部会長 済みません。最初の就業率と賃金ですね。

○年金課長 今、御指摘あったことについて、若干コメントいたします。

 私どもも、いろいろ特に外国との比較はいろいろな調べもの、特にOECDのデータなどに頼ることが多いので、わかった範囲でこうやって資料にまとめて御報告をさせていただいております。

 確かに高齢期の就業の仕方は若いころに比べると、かなり多様性があるということも先ほど御説明しましたので、そういう意味では、就業率の高さほどマクロの賃金配分で考えたときには、高齢者のほうに所得という形で行っていないというのは、多分そういう実態はあるのだろうと思いますが、そういうことをデータ分析したものがあるやなしやというのはちょっと、今、ここではわかりませんので、ちょっと勉強してみたいと思います。

 それから、2つ目に所得代替率が何でフランスはこんなに高いのというお話があったので、42ページの資料を見ていただいて、補足させていただきますが、この計算はそれぞれの国民が平均的にもらっている所得代替率が何%かというデータではございません。

 各国それぞれ年金の計算式というものがありますので、機械的に下の前提というところに書いてございますが、20歳で労働市場に参入をして、標準的に支給開始年齢までの期間を平均賃金で就労した場合、日本でいるモデル年金のような考え方でやると、代替率がどうなるかという計算をしています。フランスの58.8%というのは、かなり長い就労をしたときに得られる所得代替率となります。ところが先ほど御説明させていただいたとおり、フランスではもっと早く、平均的には60歳前にお仕事をやめていらっしゃいますので、皆さんこんな長い加入期間を持っていない、すなわち、実際にフランスの方が受け取っていらっしゃる年金はこの数字よりはかなり低い年金額になっているのではないかということが考えられるということでございます。

 それから、3つ目の企業年金のことについてもございましたので、前のページ、41ページになりますが、解説をさせていただきます。公的年金の所得代替率の下の欄に、義務的な私的年金、これは労使協約年金のようなもので、ほぼ準公的年金のような私的年金、あるいは純粋な私的年金ではあるのだけれども、労働人口の40%以上をカバーしているような私的年金というカテゴリーを設けて、OECDは各国からデータ収集をしております。

 我が国の場合は、残念ながら、私の記憶では、厚生年金基金が一番多かった時期でも、全厚生年金の被保険者の3分の1ぐらいのカバー率だったと思いますので、この40%のカテゴリーに達しないというレベルでございます。したがって、残念ながらこの欄に入る数字が我が国はないということでございます。もちろん去年の年金部会でも御説明いたしましたように、各国公私合わせてどういう役割分担でと、特に公的年金がへっこむ分だけ私的年金を奨励したり、充実をしたりという改革をやっているということは御報告させていただきましたが、そういう意味で言うと、我が国の課題は、私的年金、企業年金のない労働者がかなりの割合いるところに、どのように普及していくかということが大きな課題になっています。先日来、報道されておりますが、昨日も企業年金部会のほうで、特にカバーをどうやって広げるか、中小企業にどうやってこの企業年金に取り組んでいただけるかという主にそういう着眼点から、検討いただいているというのが今の現状だということを御報告させていただきます。

○神野部会長 ありがとうございます。

 高齢者の就業率とそれから高齢者の賃金との国際比較関係で何かコメントしてもらうことはありますか。

○佐藤委員 いや、特にないです。

○神野部会長 ありがとうございました。

 柿木委員、どうぞ。

○柿木委員  では私のほうから意見と質問をさせていただきます。

 まず、最初に65歳までの年金制度設計のほうで見させていただいて、5年間の拠出期間の延長ということで、基礎年金の国庫負担はかなりふえてくるわけですよね。

 こういう額がふえるということを考えると、今の日本の財政状況の中で、やはりその他の年金給付の重点化とか、効率化がないまま、国庫負担の割合が増えるというのは受け入れがたいのではないか、というのがまず1点です。

 2点目は、65歳以上の在職老齢年金を廃止するということ、これは就労インセンティブにとっては一つ重要な選択肢とは思うのですが、そうしますと、結局給付しますから年金給付は増加するということになります。先ほどお話しいただいたオプション試算3では、現行財政フレームの変更なしに吸収されると考えていいのかという、これは質問です。

 それから、我々企業側は、今、一生懸命60から65歳までの高齢者雇用を雇用安定法にのっとってやっております。先ほど、宮本委員からお話ございましたけれども、実際上は嘱託の延長ですとか、雇用期間の延長とか、いろいろなやり方をやっているわけです。賃金額もそれほど大きくないという前提ではやっていますけれども、そういう中で、65歳以降の就労についても、24ページの報告書にもある通り、企業のみに雇用を求めるというのは、かなり限界があるのではないかと思います。

 そういう意味で、ここに書かれているように、多様な働き方ですとか、弾力的な就労が広がることを念頭に、まず、働き方の議論をまず第1にすべきではないかと思います。ここからダイレクトに年金の支給開始の年齢の引き上げの議論に結びつけていくというのはもっと慎重にやるべきではないかというのが意見でございます。

 最後に、年金受給の選択肢の拡大は一案として考えられると思います。

 ただ、実際に選択肢を活用されるように就労と年金受給の関係につきましては、もうちょっとメリットをわかりやすく国民全体に広める必要があるのではないかという気がいたします。

 我々、企業の中でも、高齢者雇用法が施行されて、年金との関係を説明しておりますけれども、これは何度説明してもなかなかうまく理解される人が少ないというのが実態であります。

 実際上、厚生年金の報酬比例部分の対象年齢が上がっていますので、処遇関係もいろいろ見直していますけれども、この関係について、きちんと理解している社員は残念ながら数は少ないというのが現状だと思います。

 大きな企業の中ですら、そういう状況であるということなので、ましてや国民全体の中で、こういう情報伝達については、十分配慮をしていただければと思います。

 以上です。

○神野部会長 質問について。度山課長でいいですか。

○年金課長 わかりました。きょうの資料の7ページ目に現行の在職老齢年金制度の説明はございます。

 それでオプション3でどういう計算をしているかということで申し上げますと、まず現在の特別支給の老齢厚生年金は女性も含めると2030年でなくなりますので、この調整の仕組み自体がもう2030年で終わるので、2030年まではこの仕組みを続けて、2030年にこの仕組みがもう制度的になくなるという形で織り込まれています。

 それから、今度は65歳以上の調整措置ですが、かなり高い46万円というところで、設定がされているわけなのですけれども、これは先ほども御説明したとおり、これを廃止するという形で計算しています。

 データが下のほうに参考として載っていると思いますけれども、実は60歳代前半のいわゆる低在老に比べますと、65歳以上の高在老は対象の人数、それから支給停止されている額も規模的にいうと小さい額でございます。

 ただ、これが廃止するということで計算を回していますので、この給付は出る。一方で、働いたほうは別に廃止とは関係ないのですが、延びるという形で計算を回して、所得代替率が計算されているという構図になってございます。

○神野部会長 原委員、どうぞ。

○原委員 意見を幾つか、論点を46ページの論点に沿ってお話しさせていただきます。

46ページの1番のところなのですけれども、いろいろと高齢期の就労と年金の問題はいろいろなところにリンクするので、非常に難しいことではあるのですが、整理していただきましたので、これに沿って考えます。まず1番のところの45年間という就労期間を捉えて設計することについてということですが、やはり平均寿命の伸びですとか、65歳までの雇用確保措置が強化されていること、さらには財政検証の結果でもあったように、高齢者の労働市場への参加を進めることが年金財政にとっても将来の見通しに好影響を与えるということなどを考慮すると、やはり、65歳というところまでは、就労をある程度前提とした制度設計を検討していくことが私も必要なのではないかと思います。

 そこのゾーンの方々を別のカテゴリーにするなどという方法も考えられると思います。

65歳までは働ける方は働いて、保険料を支払っていく、そして将来年金として受け取るということが今後の社会的、経済的状況を考えてみると、自然の流れになっていくのではないかなと思っております。

 現在でも、60歳以降、会社員であれば、厚生年金の保険料は負担しているわけですし、一方例えば60歳で会社を退職されて、保険料の負担がないわけですけれども、個人で事業をしているパターンもあるかと思います。

 ただし、やはり60歳で完全にリタイアした方ですとか、そのように追加負担の対象になる方については、負担増になってしまうので、仮に、保険料納付期間を65歳までにするというようなことで検討する場合で、例えば免除制度を活用するのであれば、その際の国庫負担などの問題もあるかと思います。そのような細かい部分を詰めていただくことは、必要ではないかと思っております。

 次に、在職老齢年金についてですけれども、65歳までの低在老のほうについては、やはり今後、報酬比例部分が65歳まで引き上げられていくので、自然と対象者が減少していくということにもなるかと思いますので、このままの制度で、特別支給の老齢厚生年金という性質のもので、いわば有期年金というものでございますので、その部分の調整は今までどおりでいいのではないかと思います。

 一方、65歳以降の本来支給の老齢厚生年金に対する在職老齢年金、つまり高在老についてですけれども、やはりこれも先ほどお話がありましたけれども、企業だけにということではなくて、地域で働いたりなど、さまざまな働き方で70歳ぐらいまで働いている方もいらっしゃいますので、そこのゾーンに対してより多くの方々に就労インセンティブを高めてもらうような制度にしていくというものを考えますと、44ページのいろいろな外国の制度を見せていただきましたけれども、アメリカですとか、ドイツなどではそこは減額が実施されていないというようなところを日本も参考にしてもよいように思っております。

65歳以降は、やはり本来の老齢厚生年金という形で支給されるということもございますし、法人で働いている場合には、現在は年金というものが減額されるのが今の状況かと思います。

 さらに、厚生年金保険は70歳まで適用ですので、厚生年金保険の保険料の負担は70歳まであります。さらに、またその年金減額は、現在ですと保険料の負担がなくなる70歳以降も続くというような状況になります。一方で会社を退職された後に、会社形式ではなく、個人事業者として働いている人は、保険料の負担がなくて、在老も適用外になっているようないろいろなケースを想定しますと、やはり、65歳以上の人がより多く働くということのほうが、年金制度の持続性ですとか、将来的な年金水準の確保につながっていくというのであれば、ここは見直しというか、高在老についてはしないという方向性で検討してもよいのではないかなと思っております。

 最後に、受給開始年齢というところですけれども、受給開始の年齢をやはり一斉に引き上げるということについては、国民の中にはかなりの抵抗があるのではないかなと思っております。現在でも、繰り上げ、繰り下げという制度があり、実質的には受給開始年齢を自分の判断で選ぶということができるようになっているといえるかと思います。

 ただ、繰り下げ制度というのが余り知られていないということもあるので、それをやはり企業ですとか、地域のところでより情報発信をして周知していくことが必要ですので、そこをまずした上で、この受給開始年齢ということについては、私は慎重に議論していくべきではないかなと思っております。

 以上です。

○神野部会長 藤沢委員、早めに御退席なので、御発言があれば。

○藤沢委員 お気遣いいただいて、ありがとうございます。

 非常にわかりやすくまとめていただいたので、非常に私の中でも整理ができたのですけれども、論点というか、今まで先生方がお話になられたところで、大変共感する部分があったので、少しコメントを追加させていただきたいと思いました。

 最初に、出口委員がおっしゃっていたこのアンケートを見れば思い切って2070で期間設定してはいかがかというのは、私も非常に説得力があると正直思いました。

 といいますのも、こういう議論をするときに、何か小さなマイナーチェンジのような話をしている限り、真剣に考えるということはなかなかできないというものがあって、やはり大きなこういったまず前提条件でこんな議論もあるというところから入ったほうが私はみんな真剣に考えるというものがあると思うのですけれども、ただ、この2070というのでもいいのではないのという前提になったアンケートのところで、先ほど佐藤先生がおっしゃっていた女性もそうなのかというのが非常に大きな問題だと思っていまして、そもそも働きたいと思う理由というのは、仕事が生きがいに感じているとか、楽しいというのと、もう一つは働かないと生活できないからというのと両方あるのだと思うのですけれども、その女性もそうなるのかどうかというのは、私はいささか疑問に感じています。

 そもそも第三号を先延ばしした状態で、こういう議論をしていること自体がそもそもおかしな話だなと思うのですね。なので、第3号を先延ばしするのであれば、男性が中心としたデータに基づいて、年金制度を見直していくと考えているのだということをもう少し明確に出していただきたいなというのは正直思うところであります。

 ほかの国の資料などを見ていて思うのは、やはり私的年金のところもやはり重要だなと思っていまして、日本では自分で私的年金を企業に頼るというのではなくて、本当に個人で年金をつくっていくということができない人もいるというのは確かに事実だと思うのですけれども、貯蓄率を見ていても、20代で1割、2割、高齢者も60歳以上で無貯蓄世代というものがふえていますけれども、高齢者は別としても若い世代で貯蓄がないというのは、もちろん収入が少ないというものもあるのでしょうけれども、やはり知識がないというところがすごく大きいのだと思うのですね。

 ですから、金融経済教育的なものを年金教育とあわせて学校教育できちんと初等教育の中からやはり自分の人生における資産形成のようなものをきちんと学ぶ機会、知る機会をつくっていかないと、ただ働いて会社に入れば自動的に年金に入っていて、保険料を払っているというものに期待していると、払わない人はどんどんふえていくでしょうし、就労の多様化が起きていくと、ますますそのプライオリティーは後ろに下がって行く気がしますので、やはり年金部会という場所で、年金制度を考えるのであれば、もっとしっかりと年金保険料を払っていただくためにも、ほかにやらなくてはいけない制度づくりというものも議論できたらいいなと思います。

 同時に、そういった年金型の投資に関する減税制度みたいなもの、年金保険には、今、ありますけれども、保険がつかないものでも、そういう制度を考えていくとか、先ほど出口先生がおっしゃったのでしょうか。強制されると嫌だというのがありますけれども、メリットがあるとやるというのもあると思うので、そういったメリットみたいなものももう少し考えていけたらいいのではないかなと思います。

 あと最後に1つは、こういったところで年金制度の議論をするのですけれども、実際に、今、ここで決まった制度を自分のこととして受ける人はここにいない世代だと思うのです。

 そもそも65歳から年金をもらう人はここに座って議論しているうちの何人なのだろうかと思うわけですね。

 そういう意味では、やはり年金の議論をすると、どうしても高齢者の人からのクレームばかりが聞こえてくるのです。若い世代の人は、どうせもらえないと諦め感があるので、一つは先ほどの教育みたいなものも大事ですけれども、やはり何か若い世代で自分たちの老後の年金というものがどうなるかということを真剣に考えるような材料出しと、その議論の場というものを厚労省でつくっていただくというか、そういうものも、自分事として考えていただかないと、関係ない世代の人は反対して結局できないというのもおかしな話だと思いますので、そういったことももう一度検討していただけたらありがたいなと思います。

 失礼しました。

○神野部会長 駒村委員、どうぞ。

○駒村委員 33ページのオプション推計3の国庫負担の点についてですけれども、先ほども御意見ありましたように国庫負担の効率的な使い方というのは非常に重要なテーマだとは思います。

 ただ、一体改革でも議論された中で、2025年に150兆円ぐらい社会保障給付費を使うために集めた消費税というのは、このどういうところに配分されるのかという、その一つに私の理解としては、マクロ経済スライドで今回落ちていく基礎年金の部分に対して、医療・介護の保険料が払えなくなるだろうというところで、低所得者に対し、医療・介護の保険料の軽減措置が消費税によって行われていると思います。

 ただ、その時点ではわからなかったわけですけれども、今回の財政検証で明らかになってきたのは、2004年以来の10年間のデフレ基調の結果、マクロ経済スライドが基礎年金により大きく効くことになる。つまり、基礎年金のウエートが高い人、つまりこれは低所得者の人ですね。低所得者にとってより不利になっていくということがわかってきたということなのです。

 つまり、マクロ経済スライドの逆進性というものが出てきていると、そこについては、議論されてこなかった。これを放置したらどうなるか。マクロ経済スライドの逆進性という副作用と放置したらどうなるかと言ったら、これは生活保護の受給者の増加につながるだろうと。

 生活保護のほうは、生活保護水準にはマクロ経済スライドはもちろんない。生活保護というのは、一般世帯の消費支出に連動して決まるものですから、それほど落ちるものでもないだろうということになると、生保水準と基礎年金かい離がどんどん大きくなってくると。

 だから、何もしなかったら、国庫負担が節約できるかという話ではないわけですね。

 前回も非正規労働者の適用拡大の話をしました。何もしなければ、何かが節約できるかという話ではなくて、何かをしなければいけない状態になってくるわけですね。

 したがって、ここで国庫負担がかかるかと言って、オプション3のような45年加入をやらなかったからと言って、ではその副作用が済むのかという話ではなくて、それは当然、恐らく生活保護のほうの費用がかかるだけのことであって、いずれにしても国庫負担はかかってしまうわけです。

 そういう意味では、2030年で0.4兆とか、2042年で1.8兆程度の国庫負担でこれができるなら、生活保護よりは安いのではないかなと私は思って聞いていました。

 以上です。

○神野部会長 小塩委員。

○小塩委員 私のほうからコメントをいたします。

 高齢者の年金受給とそれから就業の関係については、きょうの議論を聞いていると、2つ論点があると思います。

 1つは、人々のライフスタイルや就業の選択に対して、年金ができるだけ中立的であるようにということですね。どこで年金を貰い始めても損にも得にもならないような仕組みにするということが1つ。

 もう一つは、先ほどからも議論がありますが、できるだけ長い間働いていただきましょう、就業期間を長くしましょうということなのですが、この2つの論点は矛盾しており、両方とも追うということはなかなか難しいわけです。

 現在、出されているオプション3は、年金制度を年齢中立的にするという点では、私は非常にいい考え方だと思うのですが、それで、皆さんにより働いていただきましょう、あるいは年金財政をよりよくしましょうというところまではちょっといかないという問題はあると思うのです。

 そうすると、私はやはりもう一歩踏み込んだほうがいいと思います。

 私は年齢中立的な制度を議論するにとどめるだけの余裕がなくなっているのではないかと思います。これまで出てきた財政検証の数字を見ると、今の制度を維持するにはちょっと難しいところがあるという印象を強く受けますので、支給開始年齢の引き上げは、やはり考えていいのではないかと思います。あるいはそれは非常に問題があるということであれば、支給単価の引き下げというものにも踏み込んでいいのではないかと思います。

 先ほど、在職老齢年金が就業構造に及ぼす影響はあまりなくなっているという研究成果を報告なさっていましたが、年金が就業にブレーキをかけるのはないところなのですよね。

 それを考えると、できるだけ年金はスリムにせざるを得ないという気がいたします。

65歳で大体普通、年金をもらうわけですけれども、私、今までおかしいなと思っていました。社会保険というぐらいだから、保険事故が発生しないともらえないはずなのに、皆さんもらっているのはおかしいなと思っていましたが、年金の専門家の方から、「65歳まで生きているということが保険事故なのです。ですから差し上げますという理屈なのです」と教えてもらいました。その理屈が正しいのだとしたら、平均寿命の伸長から考えて、支給開始年齢を666768と上げてもいいというのが思うところです。

 ただ、そうは言っても、そんなこと言われると困るひとがいっぱいいるわけです。それを考えますと、非常に不安定な60歳代の後半に対しては、別途、政策的な手当てがやはり必要だと思いますし、特に、財政にあまり負担をかけない形で私的年金を導入することも考えていいのではないかと思います。

 それが1つ。

 それから、高齢者の就業と年金の議論をする場合、支給開始年齢の引き上げなどいろいろな議論が出てくるのですが、既に年金をもらっている方々に対しては、ほとんど影響が及ばないということです。例えば、仮に支給開始年齢の引き上げをやっても全然困らない。困るのはむしろ若い人だということで、これは非常に残念なことです。

 これは、支給開始年齢の引き上げなどを議論するのがちょっと遅れてしまったということだろうと思うのですが、きょうの議論からちょっと離れるのですけれども、年金の受給を始めている人に対しても所得に見合うような負担をしていただく必要があると思います。

 具体的には、公的年金等控除を圧縮するという形で、今、年金をもらっている人にもある程度痛みを分かち合っていただくことが必要になると思います。

 それが2つ目です。

 最後ですが、先ほど菊池先生がおっしゃったように、支給開始年齢の引き上げも含めて、こうした議論は非常に政治的なエネルギーを使うのですね。きょうは、資料は出てこなかったですが、先進国でも、引き上げのために10年単位の時間を費やしているわけです。現在では、2025年まで支給開始年齢を引き上げるというスケジュールは決まっていますけれども、今、2014年ですよね。ですから、10年ぐらいしかないわけです。2025年以降は、つまり65歳以上をどうするかは宙ぶらりんになっているわけです。もちろんオプション3は別ですけれども。

 そういうことを考えると、なかなか支給開始年齢引き上げは難しいというのは理解できますが、やはり、もう議論を始めてもおかしくない、遅くないという気が強くいたしますので、それを最後に申し上げます。

 以上です。

○神野部会長 出口委員、どうぞ。

○出口委員 先ほど幹の話を申し上げたのですが、枝葉の話も2点ぐらいさせていただこうと思います。私自身は、問題の設定の立て方で、議論は全部誘導されると思うのです。個人的な意見を申し上げますと、46ページで議論するときに、この1番の全国民で支え合う枠組みの拡大か拠出の能力や意思のある者のみの選択的な拡大かと書かれますと、これはどちらも5対5で議論するのだなと例えば思ったりするのですが、今までの議論とかを踏まえたら、年金制度については全国民で支え合う枠組みの拡大というのは、もう大体コンセンサスを得られているように私自身は思っていましたので、やはり問題の設定の立て方はもうちょっと軽重をつけていただいて、これはゼロから議論するのではなくて、私自身はもう答えは出ている問題だと思いました。枝葉の問題で恐縮です。

 もう一つは、その下もそうですけれども、給付費用の累積的な増加に伴う国庫負担の増加とその財源確保、これは先ほど駒村先生が言われたことに尽きていますけれども、部分最適と全体最適、部分均衡と全体均衡の問題をこういう書き方をされると必ず誤解が生じるのではないか。やはり、財源の話は極論すれば国全体のバランスあるいは厚労省全体のバランスの問題だと思いますので、この1個1個の例えば40年を45年とすることに対する財源をどうするかという問題ではないことは、もうみんな自明のことだと思うのです。だから、ひょっとしたら自明ではないのかもしれませんけれども、論点の立て方というのは、すごく大事だなとちょっと思いましたので、枝葉の問題ですけれども、気がついたところを申し上げます。

○神野部会長 武田委員。

○武田委員 まず、幹の意見としては、本格的な高齢化を迎える中で、できるだけ皆が長く働き、経済社会や社会保障の支え手になっていくことが重要であると思います。アンケートにもございますとおり、それが高齢者の方々の生きがいや健康の促進につながれば、医療費の抑制、これは本日の趣旨ではございませんけれども、引いては全体最適につながると思います。

 さはさりながら、枝の議論として、制度設計には留意すべき点があると思います。

 本日、駒村先生や出口委員からお話がございましたとおり、負担はトータルで考えたほうがよいとの御趣旨はそのとおりだと思います。一方で、全体で考えればよいので、ここは財政負担を考えなくてよいとの議論にもならないのではないかと思います。つまり、全体の議論も必要ですけれども、その全体の議論を踏まえつつ、では結果として年金としてどのぐらいの財政コストを考えるのか、この点は十分考慮する必要があるのではないかと思います。

 特に、基礎年金部分の国庫負担2分の1に加え、仮に免除制度、これが全て適用されてしまうと、果たして本当にどちらがコスト増になるかは、正直計算してみないとわからない部分もございますので、そこには十分な留意が要ると思います。

 2点目は、世代間格差の問題です。

 これについては、以前も私は申し上げたことがあると思いますが、先ほど小塩先生からご指摘がございましたとおり、そうした論点があるのは確かではないかと思います。

 仮に、これから支え手になる方、あるいは今支え手である方が、年金の持続性や将来について不安を持つ要素とならないかといった点も含めて、全体の制度設計を検討していくべきではないかと感じましたので、意見として述べさせていただきました。

 以上です。

○神野部会長 御意見ございませんか。

 駒村委員。

○駒村委員 45年の65歳までの加入にするというのは、私の理解はやはり6768の支給開始年齢引き上げの前段階として必要と思いますので、今のままの制度で67歳支給開始年齢というのは、長期的な課題として出てこないと思いますので、45年加入というのは、当然まず第一歩として必要だと思います。

 もうちょっと大きく見ると、日本の人口構成を見ますと、2040年から2050年が高齢化のピークですけれども、65歳以上人口が40%になり、75歳以上人口が3割近くまでふえてくるという状態なわけですよね。

 したがって、これは社会保障全体、経済全体で、いかに支える人をふやしていくのかというのがまず大事だと思いますので、そういう視点から考えていけば、支え手を年金だけの問題で考えなくても、社会保障全体の問題を考えても、やはり多くの高齢者が働けるようにする。そこをやはり年金が刺激を与えるような形にしていかなければいけないのだろうと思います。

 仮に、2064歳と65歳の比ですね。これが仮に2069歳で70歳を支えると変われば、かなり負担軽減になってくると思います。社会保障全体の持続可能性が高まる。もちろん税収もふえるのではないかと思いますので、その次のステップまで考えれば、やはり45年加入というのは必要である。2025年に到達した後、速やかに労働市場の状況やあるいは雇用システムを変更して、67歳の就労ができるような社会にしていくべき。さらには、今の40代の世代からしてみれば、それにあわせて、自分たちの健康寿命を目標に挙げていく必要があるのではないか。

 そういう意味では、健康寿命を引き上げる、雇用システムを引き上げると、雇用システムを変えていくと、長い時間がかります。したがって、菊池さんが長い視点でやらなければいけないとお話した支給開始年齢の議論は、早めにしておく。支給開始年齢の視点からも、45年加入というものは位置づけられるのだと思います。

○神野部会長 どうぞ。

○諸星委員 私のほうからは、46ページの検討に当たっての論点の中で幾つかちょっと情報と確認をしたいことがあります。

 前半の(1)で「60歳台前半の者の保険料拠出能力」の部分に、前半の就労実態と今後の見直しというところがございますが、現在、私もいろいろな企業のお客様と話をすることがあるのですが、前回にも話がありましたように、現在非常に人手不足が広がっていて、若年者の就労がやはりなかなか進んでいない。そうすると、もちろん業種にもよるのですが、中高年層の活躍がまだまだ求められているというのが現実であるのです。

 ただ65歳前は、在職老齢がまだ特別支給として残っていますので、そこで年金をもらいつつ働く、企業も60歳定年後に負担をやはり軽減したいということで、年金と賃金のバランスとを合わせてやっているのですが、これはいずれなくなるということから、やはり65歳未満の在職老齢年金については先ほど原委員もおっしゃっていましたけれども、自然に少なくなるのではないかなと、つまり意義はなくなるのではないかなと私は考えております。

 それから、あと現実としては、年功序列賃金制度というものも中小企業ではまだ多く残っておりますので、やはり中小企業でも定年後の業務がほとんど変わらないのに、一番給与額が高い定年後に給料が下がるのだというところで、高齢者のモチベーションが非常に下がって就労意欲を失ってしまう、一方会社側では働いてもらいたい、そういった実際問題も起きているので、必然的に65歳まで働くことが当然だというようなことになってくると思います。

 その意味で、先ほどから45年という話がありましたけれども、私は65歳まで当然働くという環境が整えば、45年というのもいいですし、それを任意にするかというものは、ちょっとこれは年金制度が複雑になると思いますので、強制で私はいいのではないかなと思っております。

 それから、2番目の65歳以降についてですが、これも実はある会社で高齢社員へのアンケートをとったときに、65歳まではやはり働きたい、でも70歳までのフルタイムは嫌だ、という意見が過半数に上ったのです。やはり、65歳になったら何となく健康でいたのが、あちこち身体の調子が悪いかなということで少しトーンダウンして働きたいということもあるようです。であれば、やはり65歳以降はある程度調整される在職老齢年金ではなくて、先ほど7ページか何かに実態がありましたけれども、65歳以降の在老は実際ほとんどもらっている人が少ないと思います。高所得者あるいは高収入の方々が支給停止ということで調整を受けていると思いますので、やはり65歳以降の在職老齢年金というのは、今回の動きの中で廃止すべき方向ではないかなと私は考えました。

 一つ確認なのですが、繰り下げを利用して選択をしようというのがちょっとあるような気がするのですが、実際の繰り下げ請求で、66歳以上から70歳までありますけれども、どれだけの方が申し出ているのかというのをお聞きしたいなと思っているのですが、多分、そんな多くないのではないかなと私は思っていますが。

 あと、実際には特別支給の老齢年金をもらっている方が65歳時に裁定というのが別々になるのですね。そうするとその際に繰り下げしますというハガキを1枚で書くことになるのですが、そのときの説明がはっきりしないのです。

 特別支給をもらうときには、説明を受けるのですけれども、65歳までに年金はもらってきますから、ここに丸をすればいいのかなという、先ほどちょっと原委員がおっしゃっていたのですが、繰り下げということ自体の意味をよく知らないのです。

65歳時で裁定請求を出すと、面と向かっていろいろ聞けるので、ああそれは加算をされるのですか、では選択をしますと言う方もいれば、まだまだ元気だし、70歳まで働くつもりですから、選択しますという実態があるので、やはり原委員と同じ意見なのですけれども、ここの制度をもうちょっと周知した方がいいのではないでしょうか?繰り上げは非常に有名ですが、繰り下げはあまり知られていないという実態です。ただし、繰り下げにもメリット、デメリットが実際あるので、メリットデメリットを何か分けるような資料もちょっといただければいいかなと思っております。

 以上でございます。

○神野部会長 繰り下げの実態。

○年金課長 御質問がありましたので、お答えします。

 まず、国民年金というか、基礎年金の部分に関しては、今でも65歳支給なのですが、ここ5年間で言うと、一番多かった年で繰り下げを選択した、新しくその年に年金をもらい始めた人のうち、何%が繰り下げ選択だったかというデータを申し上げますと、多い年で3%、少ない年で1%そこそこという状況です。逆に繰り上げの方は2割ぐらいいらっしゃいますので、昔に比べると大分減ったのですが、それでも2割ぐらいいらっしゃいますので、桁が1つ違うという結果になっています。

 それから、今、お話のあった、厚生年金のほうは、今でも特別支給が先に出ていますので、制度的に言うと、特別支給を61歳から65歳までもらって、その後65歳以降の年金を別途繰り下げるということは制度的にはできるのですが、一応途切れないように、今、65歳時点で裁定請求をしていただく紙を送ってそれを返送していただくということをやっていますので、厚生年金のデータで言いますと、0.1%とか0.2%とかそれぐらいで、ほとんどの方は特別支給の老齢厚生年金に続いて65歳以上の老齢厚生年金をもらわれるという実態にございます。

○神野部会長 ありがとうございます。

 ほかにございましょうか。

 御意見、一当たり頂戴したということで御理解させていただいてよろしいでしょうか。

 それでは、予定の時間を3分の1程度余裕があるのですけれども、きょうのテーマ「高齢期の就労と年金受給の在り方」については、委員の皆様方から本日、極めて生産的で多面的な角度から御意見を頂戴したとさせていただきまして、部会としての整理を行っていきたいと思いますけれども、運営の方針、これまでも説明をしてまいりましたが、一当たり設定したテーマにつきまして、御議論をしていただいた上で整理の議論に入りたいと思いますので、次回以降も個別テーマごとの議論をさせていただきたいと思っております。

 次回以降の部会に日程等々の連絡事項について、事務局から御連絡いただければと思います。

○総務課長 次回の開催日時につきましては、また追って連絡をさせていただきます。

 よろしくお願いいたします。

○神野部会長 それでは、本日の審議はこれにて終了させていただきたいと思いますが、熱心に極めて生産的に御議論を頂戴いたしまして、深く感謝をする次第でございます。

 予定の時間はかなり大幅に余りましたけれども、もう既に日も暮れておりますので、遅くまで熱心に御議論をいただいたことに深く感謝を申し上げる次第でございます。

 どうもありがとうございました。


(了)

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