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2014年10月2日 第23回 先進医療会議議事録

○日時

平成26年10月2日(木)16:00~17:01


○場所

中央合同庁舎第5号館 専用第23会議室(6階)


○出席者

【構成員等】
猿田座長 五十嵐座長代理 石川構成員 坂本構成員 柴田構成員 
福井構成員 藤原構成員 宮坂構成員 山口構成員 山本構成員
【事務局】
医療課長 医療課企画官 医療課専門官 医療技術評価推進室長 薬剤管理官 歯科医療管理官
医政局研究開発振興課長 医政局先進医療専門官 大臣官房参事官(医療機器・再生医療等製品審査管理担当)他

○議題

1 新規技術(9月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)について
  (先-1)
  (別紙1)(別紙2)(別紙3)

2 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
  (先-2)
  (別紙4)

3 先進医療Bの総括報告書に関する評価について
  (先-3)

4 先進医療Bの削除について
  (先-4-1)
  (先-4-2)

○議事

16:00開会








○猿田座長

 それでは、時間がまいりましたので、第23回の「先進医療会議」を始めさせていただきます。

 今日は10月2日ということで、平成26年度の後半の始まりということで、皆様方には大変お忙しいところをお集まりいただきまして、どうもありがとうございました。

 本日の委員の出欠状況でございますけれども、福田構成員からは御欠席という届けをいただいておりまして、委任状の提出がございまして、議事の決定につきましては、私座長に一任するとされております。

 それから、本日から先進医療会議の異動がありましたので、まず、事務局のほうから、よろしくお願いいたします。

○事務局

 それでは、先進医療会議構成員に異動がございましたので、御紹介をさせていただきます。

 9月30日をもって先進医療会議構成員を任期満了で退任されました北村構成員にかわりまして、10月1日より着任されました坂本徹構成員でございます。

○坂本構成員

 坂本です。よろしくお願いします。

○事務局

 また、新任の会議構成員といたしまして、10月1日より着任されました宮坂信之構成員でございます。

○宮坂構成員

 宮坂です。よろしくお願いいたします。

○事務局

 また、事務局にも異動がございましたので、御紹介をいたします。10月1日付で保険局医療課に、先端的な医療技術の評価を推進し、総合的に企画・立案・調整するため、医療技術評価推進室を設置いたしました。本日はほかの会議でおくれておりますが、その室長に着任いたしました林修一郎は、後ほど出席させていただく予定でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○猿田座長

 どうもありがとうございました。

 それでは、新しくスタートするということで、まず、先ほど御説明いただきましたように、これまで座長代理をしていただきました北村先生が退かれるということで、座長代理を決めさせていただきたいと思います。これは開催要綱に従いまして、「座長は、それぞれ各構成員の中から座長代理を指名する。」とありますので、もしよろしければ、私のほうから指名させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○猿田座長

 ありがとうございます。それでは、今まで委員でございました五十嵐構成員に座長代理をお願いしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○猿田座長

 よろしくお願いいたします。それでは、先生、こちらのほうへ。

(五十嵐構成員、座長代理席に移動)

○五十嵐座長代理

 座長の代理を務めさせていただきます、成育医療研究センターの五十嵐です。どうぞよろしくお願いします。

○猿田座長

 どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、引き続きまして、事務局のほうから資料の確認がありますので、よろしくお願い申し上げます。

○事務局

 事務局でございます。頭撮りについては、ここまでとさせていただきます。

(報道関係者退室)

○事務局

 それでは、資料の確認でございます。座席表、議事次第、その後に構成員表へと続きます。今回、本会議または技術審査部会の技術委員の一部変更がございますので、全てつけさせていただいております。

 その後、新任の構成員もいらっしゃいますので、開催要綱及び運営細則もつけているところでございます。御確認いただければと思います。

 その後、先-1、別紙の1-1と1-2、2-1と2-2及び3-1と3-2でございます。

 次が、先-2で、別紙4のホチキスどめが続きます。

 続いて、先-3、先-4-1、4-2。

 最後が参考資料ということで開催日程がついてございます。

 また、机上配布資料でございますが、「『カフェイン併用化学療法』に関する諸問題の調査報告並びに再発防止策等の提言」及び今回から先進医療実施届出書につきまして、机上配布とさせていただいておりますので、御確認いただければと思います。

 資料の乱丁、落丁等がございましたら、お申しつけくださいませ。

 以上でございます。

○猿田座長

 どうもありがとうございました。資料のほうはよろしいでしょうか。

 それでは、早速ですけれども、議事のほうに入らせていただきます。今回の検討対象となる技術に関しましては、事前に利益相反の確認をしておりますが、その結果につきまして、これも事務局のほうから御説明をお願いいたします。

○事務局

 利益相反の確認につきまして、事務局から御報告をさせていただきます。

 まず、先進医療A、B振り分け(案)の38番についてでございますが、山口構成員から医薬品または医療機器等の製造販売業者等からの受領額が50万円以下が1つ。また、50万円超えの500万円以下が1つという御申告をいただいておりましたので、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づいて、当該技術に関する検討においては、意見を述べることはできますが、議事の取りまとめには加わらないということになります。

 続いて、振り分け(案)の受理番号40番でございますが、まず、こちらは山口構成員から受領額50万円以下の申告がございましたので、こちらは議事の取りまとめ及び事前評価に加わることは可能というところでございます。

 また、五十嵐座長代理、藤原構成員、宮坂構成員から同様に40番について、50万円超えの500万円以下ということで受領額の御申告をいただいておりますので、意見を述べることはできますが、議事の取りまとめには加わらないということになります。

 最後、本日は先進医療Bとして評価を行う整理番号70番の技術について、山口構成員より受領額50万円以下が1つ。また、50万円超えの500万円以下が1つという御申告をいただいておりますので、規定に基づきまして、意見を述べることはできますが、議事の取りまとめには加わらないということになります。

 以上でございます。よろしくお願いいたします。

○猿田座長

 どうもございました。以上のような形でございますけれども、実際にほかにもし出席している構成員の先生方から、ほかのことがあれば言っていただきたいのですが、特にございませんですね。

 ありがとうございました。それでは、そういうことで進めさせていただきます。

 それでは、早速でございますけれども、議事次第に従いまして、まず、1番目の新規技術(9月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)について、お諮りしたいと思います。これにつきましては、やはり事務局のほうから御説明いただくということになります。それから、今のCOIの問題ですね。利益相反の問題がございますので、その点も御考慮の上、お願いしたいと思います。

 それでは、事務局のほうから御説明をよろしくお願いいたします。

○事務局

 事務局でございます。利益相反について、もう一度確認でございますが、受理番号38については山口構成員、受理番号40については五十嵐座長代理、藤原構成員、宮坂構成員におかれては、意見を述べることはできますが、議事の取りまとめに加わることはできませんので、よろしくお願いいたします。

 では、先-1の資料でございます。

 受理番号38番、腹腔鏡下広汎子宮全摘術。

 適応症が早期子宮頸癌(1A2-A期)までということになっております。

 先進医療の内容及び医薬品・医療機器情報については別紙1-1及び1-2をごらんください。1-2につきまして、医療機器の薬事法上の適応外使用の該当という欄に、全て適応内とこちらは書いているところでございます。したがって、先進医療Aの振り分けということで事務局案を作成しております。

 先-1の資料にのっとって、保険給付されない費用、保険給付される費用、保険外併用療養費分に係る一部負担金についてはごらんのとおりとなります。

 続きまして、受理番号39番、カスタムメイド手術ガイド及びカスタムメイド骨接合プレートを用いた上肢骨の変形の矯正という技術でございます。

 適応症は上肢骨の変形ということで、変形治癒骨折、骨端線障害・先天奇形に起因する上肢変形が適応となっております。

 先進医療の内容及び医薬品・医療機器情報につきましては、別紙2-1及び2-2をごらんください。なお、別紙2-2にございます使用する医療機器につきましては、上肢カッティングガイドが適応外使用。また、上肢カスタムメイドプレートが未承認という該当になってございます。これを踏まえまして、事務局案としては先進医療Bへの振り分けということで案をつくらせていただいているところでございます。

 費用については先-1をごらんいただければと思います。

 振り分け最後の技術でございます。40番、難治性頻回再発型/ステロイド依存性ネフローゼ症候群に対するミコフェノール酸モフェチル経口投与の技術でございます。

 適応症は、難治性頻回再発型/ステロイド依存性ネフローゼ症候群でございます。

 先進医療の内容及び医薬品・医療機器情報は別紙3-1、3-2をごらんください。この技術で用います医薬品については、別紙3-2にございますとおり、セルセプトカプセル250が適応外使用ということになっておりまして、事務局案は先進医療Bの振り分けで作成をしております。

 これまでと同様に費用につきましては、こちらに記載しているとおりでございます。

 振り分けにつきましては、事務局からは以上でございます。

○猿田座長

 どうもありがとうございました。今、御説明いただきましたけれども、038の腹腔鏡下広汎子宮全摘術。これに関しましては、特に問題がないので、先進医療Aのほうでの振り分けでいいのではないか。しかしながら、その次の039040に関しましては、共にまだ未承認の機器と薬が入っているということがございまして、これは事務局案としては先進医療Bであろうということでございますけれども、御意見を述べていただける先生方で総括的にどなたか、御意見はどうぞ言っていただいて結構でございますけれども、御意見はございますでしょうか。このとおりで問題はないと思いますけれども、よろしいでしょうか。

 もしよろしければ、もう一度、今のを確認させていただきまして、038は先進医療Aに、039040は先進医療Bへ振り分けるということで決定させていただきたいと思います。ありがとうございました。それでは、そういう形で進めさせていただきます。

 それでは、続きまして、今度は先進医療Bに関しまして、先進医療技術審査部会において承認された新規技術に対する事前評価結果等について、これはまず事務局のほうから御説明いただくということでよろしいでしょうか。

○事務局

 事務局でございます。先-2の資料でございます。

 整理番号070番、腹膜偽粘液腫の減量切除術に対する周術期腹腔内化学療法ということで、適応症は腹膜偽粘液腫となっております。

 医薬品・医療機器情報は多うございますが、上からかなりの部分に医療機器が占めているところでございます。下3行のところに、フルオロウラシル、マイトマイシンということで医薬品の情報も示されております。

 保険給付されない費用、保険給付される費用、保険外併用療養費分に係る一部負担金につきましては、こちらにお示しいただいているとおりでございます。

 事前評価は五十嵐座長代理に行っていただいておりますので、後ほど評価について御説明をいただければと思います。

 こちらの技術につきましては、別紙4でございますが、こちらに評価要旨及び技術審査部会におかれての評価の結果が示されておりますので、御参考いただければと思います。

 また、先ほど冒頭に申し上げましたが、机上配布として先進医療実施届出書を置いておりますので、御参考いただければと思います。

 事務局からは以上でございます。

○猿田座長

 どうもありがとうございました。これに関しましては先ほど御説明がありましたように、山口構成員におかれましては意見を述べていただいて、議事の取りまとめは先ほどのとおりとさせていただきます。

 それでは、事前に評価いただきました五十嵐座長代理のほうから、技術及び評価結果について説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○五十嵐座長代理

 それでは、評価につきまして、私の判断をお話しさせていただきたいと思います。腹膜偽粘液腫というのは大変珍しい病気で、100万人に1人か2人の頻度の極めてまれな病気であります。主として虫垂、ほかに卵巣とか結腸なども原発となる臓器ですけれども、いわゆる低異型度癌と言われているもので、ボーダーライン・マリグナンシーとも英語では言うのだそうですが、この粘液産生腫瘍が破裂をしますと腹腔内に大量の粘液を産生して、腹腔内がゼリー状の液で満たされてしまうということで、一部が血行性あるいはリンパ行性にいろいろなところに転移するということで、5年生存率は一番悪い数字で34%、一番よくても67%ということで、比較的予後はよくない病気と言われています。

 日本でも300例の調査を行いまして、日本では60歳代の方がピークで、女性が6割。日本では虫垂原発が7割となっているのだそうです。これまでは例えば、虫垂に原発をしたので、そこを手術したり、除去するわけですけれども、そのときに目に見える範囲の腫瘍も一緒にとるということで、その場合に一部の消化管とか子宮とか付属器ですね。それから、胆のう、大網、場合によっては脾臓とか胃まで一部とることが必要に応じて行われているようですが、これをいわゆる減量手術と言われています。

 日本はこのような手術だけを行っていたわけですが、一方、欧米では周術期とその後、術後に化学療法を併用するという治療方法が一般的になっておりまして、術中にマイトマイシンCとシスプラチンを併用するような温熱化学療法を行います。その後、4日間にわたって、1日1回ですけれども、フルオロウラシルとパクリタキセルという抗腫瘍薬を腹腔内に注入するという治療を併用しているそうです。これを行うことによって5年生存率が一番いい数字では96%にまで改善するということで、もともと珍しい病気ですので、欧米では国内で数カ所の治療センターを設置しまして、そこでこの減量手術プラス術中・術後の化学療法を併用するというような治療を行っていると伺っています。

 今回、それと同じような治療法を先進医療として申請があったわけでございます。従来の減量手術に加えて、今回の申請では、術中にマイトマイシンCを使う。術後はフルオロウラシルを腹腔内に投与して、4日間薬剤を貯留する。1日1回入れて、また抜くということを4日間行う。こういうことを計画して申請した次第であります。

 既に21例の患者さんに実施をいたしまして、グレード3以上の合併症は38%、8例にあったそうですが、幸いなことに原病が原因となって亡くなった方は今まではいないということです。ただし、肺炎あるいは被のう性腹膜硬化症でお二人の方がなくなっていますけれども、これはこの治療とは無関係による死亡と判断されているようです。そのうち再発した方は1例のみということで、これまで21例の治療成績は大変いいと伺っています。

 エンドポイントとしましては、5年生存率、65%を目標にして、5年間登録期間を設けて、場合によっては必要により2年延長するということも考えているようですけれども、恐らく5年やれば予後が、この治療法の効果が判定できるだろうということで、ただし、中間解析を25例目が5年の観察期間中に終了したときに行うことによって、多分7年目くらいには最終的な結果が出るだろうという計画でございます。

 それで評価といたしましては、社会的妥当性は倫理的な問題はありませんし、現時点では日本では普及しておりません新しい治療法でありますし、効率性も効率的な点があると思います。総合判定は適と判定させていただきました。欧米では確立した治療法でありまして、それを初めて我が国で導入するということで、効果があれば保険適用も望まれると判断いたしました。

 以上です。

○猿田座長

 どうもありがとうございました。今、御説明いただきましたけれども、別紙4の資料の後ろのほうに先進医療技術審査部会でのやり取りが書かれてあると思います。これに関しましては、伊藤先生、田島先生、山口先生、そういった方々に議論していただきましたけれども、これはやはり消化管の手術ということで、山口先生、一言意見をいただけますでしょうか。

○山口構成員

 これは全く問題点がないわけではないと思います。1つは、五十嵐先生がおっしゃったように非常にまれな疾患ですが、基本的に予後は比較的良好な疾患です。結構長生きする方がいて、当初のやり方だといろいろなものが混じってくる可能性がありました。例えば、通常の腺癌で腹膜播種を起こすとその予後は極めてわるく、減量手術は全く意味がありませんから、そういうものにも含まれてしまうのではないかとか、そういうこともやり取りしたのですけれども、手術のときにそういうものであれば除外しますという回答をいただきました。

 もう一つは、化学療法のレジュメが古いので、これは将来問題になると思います。ただ、これは実績がありますので、これもよろしかろうと。一番のポイントは、腹膜を剥離したり、侵襲の大きな治療になるわけですけれども、あまり経験のない施設で行うと合併症を起こして大変なことになっているものも実はたくさんあります。欧米では、やはり大変な手術なのでセンター化して、そういうところできちんとコントロールをしてやる体制ができています。この病院はそういうことをやるのにまことにふさわしいと思いますので、ぜひこういう施設に集めて評価をするという意味でポジティブにとらえたいと思いまして、賛成しました。

○猿田座長

 どうもありがとうございました。ちょっと読むと非常に、私たちから見ると、あちこちをどんどん切っていかなければいけないということで、最後に残すところは本当に大変ですね。

○山口構成員

 もう一つ追加すると、ただ生きているというだけではなくて、その方がどういう状態で生きているかということも評価しないとまずいかと思います。

○猿田座長

 物すごい腹水ですね。

 先進医療技術会議の先生方は何かございますか。柴田先生、何かありませんか。大丈夫でしょうか。

 今、山口先生から御説明いただきましたけれども、この紙に書いてあるとおり、この提出いただきました施設とのやり取りで大体よく回答していただきまして、各先生方もそれでよろしいのだろうということで、最終的には技術会議のほうも適であったということと、五十嵐先生から今お話をいただきましたように、倫理的な問題もないし、非常にまれな疾患であるけれども、非常に効果的な治療であると。実際に治療法がなかなかないものですから、そういった点でも重要であろうということと、場合によっては保険適用が必要になるだろうということの御意見でございました。

 それでは、構成員の先生方、どなたか御意見はございますでしょうか。福井先生、どうぞ。

○福井構成員

 かなりまれな病気ですけれども、協力医療機関なしで大丈夫でしょうか。ネットワークがもうできていて、この病気だと患者さんは国立国際医療研究センターに送るという体制ができているのでしょうか。

○山口構成員

 そうなっていないので、ぜひこういうところがきちんとオフィシャルに、こういうところでやったらどうでしょうかということで、先進医療に入ることに意味があると思います。そうでないと今までどおり、いろいろなところでたまにやって、いろいろなことをやられた、評価されないままに終わっているというのが非常にまずいと思います。その点、欧米は進んでいて、いいか悪いかは別にして、センター化して非常に厳しい手術、特殊な治療は1カ所でやろうと、そういう趣旨だと思います。この手術は非常にその点で症例も結構多いところですので、その資格はあると思います。

○猿田座長

 これは、やり取りを見ていると、100万人に1人とか2人とかみたいですね。

○福井構成員

 患者さんを送るだけだと協力機関にはならないということですね。

○山口構成員

 そういうことです。

○福井構成員

 わかりました。

○猿田座長

 ほかにどなたか御意見はありますでしょうか。藤原先生、専門家として何かございますか。

○藤原構成員

 先進医療Bでやるのは非常に大事なことですけれども、終わった後、再審査も過ぎたような5-FUとマイトマイシンを申請はしないでしょうから、その後どういうふうにソフトランディングをするのかなというのがちょっと5年後くらいに問題になるかなと思います。

○猿田座長

 ほかに御意見はございますでしょうか。もしございませんようでしたら、今の五十嵐先生に報告をいただいたとおりで、ここではお認めいただくということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○猿田座長

 ありがとうございました。それでは、この案件はお認めいただいたということにさせていただきます。どうもありがとうございました。

 それでは、続きまして、次の先進医療Bの総括報告に関する評価につきまして、これもまず事務局のほうからお話をいただけますか。

○事務局

 事務局でございます。先進医療Bの総括報告書に関する評価ということで、今回は先-3の資料でございますが、胃癌におけるセンチネルリンパ節生検(告示番号(従前)B013)の総括報告書に関する評価について、既に技術審査部会で御審議いただいた結果について、こちらを御報告するものでございます。

 胃癌におけるセンチネルリンパ節生検ということで、医療技術の概要といたしましては、術前診断T1/T2N0M0である胃癌症例に対してセンチネルリンパ節生検を行い、その正診率を評価する多施設共同試験でございました。

 医療技術の試験結果といたしましては、T1もしくはT2N0M0胃癌症例466例に対してセンチネルリンパ節生検を実施し、センチネルリンパ節検出率及び転移検出感度等々をこちらの記載のとおりお示しをいただき、偽陰性4例の解析の結果、4項目ございますが、2080歳、術前診断T1N0M0の早期胃癌、単発性、腫瘍長径40mm以下の症例であれば、安全かつ正確にセンチネルリンパ節生検が実施できることが示されたというような内容になっております。

 3ページ、総合的なコメント欄にもございますが、既に本試験に引き続き、先進医療Bで告示番号39番として腹腔鏡下センチネルリンパ節生検が実施中でございます。この告示番号39番の試験の結果を待って、胃癌におけるセンチネルリンパ節生検の有用性と長期予後における安全性は明らかになると思われますので、その次の項でございますが、先進医療Bの結果、胃癌におけるセンチネルリンパ節を指標とした縮小手術の有用性が示されれば、PMDAの薬事戦略相談等も利用して、公知申請も含めた適応追加の薬事承認申請を目指してはどうかというところで、技術審査部会で御議論をいただいたところでございます。

 4ページ、中段すぐ下のコメント欄のところに、センチネルリンパ節同定率、センチネルリンパ節による転移検出率における推定値は医療施設に非常に左右されており、医療施設の選択が必要であると考えますというコメントもいただいているところでございます。

 その次のページ以降には、概要がついているところでございます。

 総括報告書に関する評価につきましては、事務局からは以上でございます。

○猿田座長

 どうもありがとうございました。これは高度先進からこちらに持ってくるときに随分議論があって、結局、慶應大学の北川先生を中心として長期にわたって検討していただいたということで、今お話いただきましたように、先進医療技術審査部会のほうでは、藤原先生を主担当として検討していただいたということでございますが、あと竹内先生ですね。

 藤原先生、一言何かございますか。

○藤原構成員 

粛々と北川先生のグループがずっとやられているもので、今やっていらっしゃるものでもう少しはっきりとした結果が出ますので、それを待てば、いい技術に育つのではないかと思っております。

○猿田座長

 山口先生、何かございますか。

○山口構成員

 今、早期の胃癌は15%くらいしかリンパ節転移はありませんから、要するに85%の方は余り意味なくリンパ節をとっているということになります。それをこういう方法で鑑別できますということが今回わかりましたから、次の段階では胃をたくさんとらないで済む。例えば、極端に言えば、局所切除で済む可能性が出てきますので、次のステップにぜひ期待したいと思います。

○猿田座長

 ありがとうございました。それでは、委員の先生方、どなたかこの報告に関しまして、御意見はございますでしょうか。

 技術会議のほうで特に見ていただいた先生方は、これでよろしいであろうということでございますけれども、もし特に御意見がなければ、これもお認めいただくということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○猿田座長

 ありがとうございました。それでは、この案件もお認めいただいたということにさせていただきます。

 それでは、続きまして、先進医療Bの削除についてでございます。先進医療Bの実施が不適当と判断された技術についての資料が提出されておりますので、事務局のほうから御説明をよろしくお願いいたします。

○事務局

 事務局でございます。先-4-1及び先-4-2の資料に沿って御説明をさせていただきます。

 こちらは既に9月11日の第21回先進医療技術審査部会のほうで御審議をいただいた内容でございます。金沢大学附属病院における事案についてということで、医療技術としては、化学療法に伴うカフェイン併用療法。こちらは悪性骨腫瘍または悪性軟部腫瘍に対して行われていたものでございますが、申請医療機関、金沢大学附属病院から上がってきたもの。ほかに5保険医療機関が協力医療機関として協力しながら、骨軟部腫瘍に対し、通常の化学療法の抗がん薬に加えて、カフェインを併用投与することにより、化学療法の効果を増強させるというものでございました。

 経緯につきましては、臨床研究に関する倫理指針違反などの疑いがあることが発覚したため、同病院が本年4月に倫理指針違反の疑いがある旨を公表。金沢大学附属病院カフェイン併用化学療法に関する調査委員会を設置して、事実関係の調査等を実施してまいりました。その結果が報告書として取りまとまったとして、同病院が9月8日に公表したものでございます。

 調査結果につきましては、次のページ以降の別紙で記載がされております。この調査委員会が作成をいたしました要旨に、下線・斜字体になっているところは厚生労働省が一部追記をしております。

 まず、1.の「(2)先進医療制度の改正に対する誤解の発生」ということで、この療法自体は平成1512月に高度先進医療に承認され、その後、平成20年4月の先進医療制度の改正を経て、金沢大学附属病院の倫理審査委員会の承認を受けた臨床試験としてのみ実施することが認められるようになっておりました。

 しかし、当時の大学内の体制の不備などもありましたことから、同療法を実施していた整形外科の医師たちは臨床試験の実施が必要なことは認識をしておりましたが、引き続き先進医療として、試験ではない治療としても同療法を実施できると誤解をしてしまったというところでございます。

 「(3)問題事象の具体的内容」といたしましては、大きく1、2、3という形で挙げてございます。

 「1 臨床試験の症例登録を行わない患者に対する治療の実施」ということで、先ほど述べました誤解に基づきまして、臨床試験として有効なデータを得るために設定した被験者の適格基準を満たさない患者さんであるとか、臨床試験としての症例登録期間の終了後に新たに受け入れた患者さんに対して、症例登録を行わずに同療法を実施したこと。これがそのまま先進医療制度からの逸脱となっていたところでございます。

 「2 臨床試験としての適正さに関する問題」といたしまして、臨床試験の症例登録が行われていた患者さんに関しましても、倫理審査委員会の承認を得ずに患者の適格基準を変更していたことでありますとか、臨床試験のための同意書の所在が確認できない症例が存在すること。また、試験計画で定めたレジュメ(治療計画)の違反例が存在したことなど、その管理運営に不適切でずさんな点が見られたということ。

 3 につきましては、こういった問題が顕在化し、平成25年末に一旦カフェイン併用化学療法を全て中止するという病院の決定があった中でも、同療法を主導的に実施してきた医師によって、希望する患者に対して、保険診療で許容された投与量の範囲内でカフェインを併用することが開始されていたということ。

 こういった大きな2つの問題点が指摘され、それについて詳細に報告されたところでございます。

 また、2.のところでは、平成22年に同療法を実施されていた患者の一人が死亡するという事態も発生したところでございまして、しかるべき科学的な検証というものを早急に行うことが必要であるとされているところでございます。それに伴いまして、上記の3つの問題については、診療報酬の問題に関して速やかな協議の必要性というところも述べられているところでございます。

 最後のページでございますが、「4.再発防止のための対策の提言」といたしまして、(1)~(5)に掲げられたような臨床研究の実施体制を抜本的に整備する必要があると、こちらは締められているところでございます。

 最初のページに戻っていただきまして、「4.今後の対応について」は、先-4-2の資料でも御説明をいたしますが、告示削除の検討並びに金沢大学附属病院に対して試験終了に伴う総括報告の要請というものを求めるということで技術審査部会で御審議をいただきました。

 先-4-2でございますが、「先進医療Bの削除について」ということで、本カフェイン併用化学療法について、削除理由といたしましては、金沢大学附属病院が平成26年9月8日に公表した調査報告並びに再発防止策の提言ということから、臨床試験の症例登録を行わない患者に対する治療の実施をするなど、先進医療Bの実施が不適当と判断されるため、今回もう既に10月1日付で告示を削除したところでございます。

 以上、金沢大学附属病院における事案について、御報告を差し上げました。

○猿田座長

 どうもありがとうございました。今、御説明いただいたとおりで、この化学療法に伴うカフェイン併用療法は、この先進医療会議としては古い案件でございまして、平成20年ということでございます。結局それからずっと時がたってきて、どうしても大学からの末梢までの通達が悪いということで、特に実施者に対する通達が余りよくなかったということで、こういったような形で問題が起こってしまったということで、金沢大学としてはお手元に報告とともに再発防止対策の提言が出されていますけれども、これからしっかりとそういったことをやっていくということで、今の時点ではとりあえず、こういった形での処置をとらざるを得ないだろうということでございますけれども、委員の先生方、どなたか御意見はございませんでしょうか。

 先進医療は技術的には非常に最先端の医療をやっておりますから、こういったことは非常に重要なことでございますので、これからも注意していかなければいけないということと、特に今、私どものところで常に新しい技術を入れるときに、各施設の条件をもう一回しっかりやっていこうということで毎回かけさせていただいておりますけれども、委員の先生方、どなたか御意見はございませんでしょうか。

 石川先生、どうぞ。

○石川構成員

 技術部会のほうでも幾つか意見を言わせていただいたのですけれども、3ページ目の2の下線の部分で1つお聞きしたいことは、同意書の所在が確認できない症例が存在するというのがあるのですが、これは同意書をとっていなかったのかどうかということが1つです。

 もう一つは、これは途中でこういうふうに先進医療Bは不適格で削除ということになるのですけれども、今まで一応このことについて同意をとってやってきた結果とか、それはきちんと結果として出しているのかどうかということです。こういうことについての責任については、こうやって削除になるというだけではなくて、患者さんにも一応御説明がいっているかどうかということについてはどうでしょうか。事後の問題です。

○猿田座長

 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。

○先進医療専門官

 事務局でございます。今、御質問をいただいた点に関して、お答えをいたします。

 まず、同意書が確認できなかった症例に対して、そもそも同意書がとられていなかったのか、それを確認できていないだけなのかということに関しましては、そもそもとられていなかった症例が混じっているということまでは、この報告書でわかっておりますが、正確に何例というものにつきましては、今、最終報告を待っているところでございます。

 同意書の所在が確認できなかった症例は、臨床試験としての症例登録がなされた12症例のうち、現在は3例あることがわかっております。ですから、とらなかったのか、それとも、とっていなかったのかということについては現在調査中ということです。

 2番目の御質問でございますが、患者様への対応ですけれども、この報告書が出た時点で、同時に患者様に対して事実関係の説明、おわび及び誤解によって健康上の不安を感じることのないような科学的な堅実性を備えた説明をわかりやすく行うことが重要という見地に立って、これは4ページの5番に書いてあるところですけれども、これに伴って、各症例に御報告がされたところでございます。

 最後ですけれども、総括報告書に関しまして、私どもといたしましても、臨床試験として実施された科学的に使用可能な最大限のデータについては、それを総括報告書にまとめて検討をお願いしているところであります。そのような症例は現在のところ、43症例あると伺っております。

 以上でございます。

○猿田座長

 どうぞ。

○石川構成員

 意見なのですけれども、これは実際にこれをやる前のホームページとか、そういうのを見ますと、かなり画期的な、いい治療ということで宣伝されていました。そういうことで同意された方がいると思うのですけれども、それの結果として、どうだったのかという評価ですね。そうであれば、それもちゃんとするべきだと思っています。今でもホームページを見ると書いてありますので、その評価についても公表するかどうかということも含めて考えていただきたいということ。

 これは基本的には、この間もちょっと言ったのですけれども、先進医療に対しての大学あるいは医局の認識の問題は、やはり管理体制の問題だと思います。そういうことをやっているという管理の問題だと思うので、そこは今後新たなこういう先進医療の問題がまた出てきますので、ぜひ徹底していただきたいと思います。

○猿田座長

 ありがとうございました。どうぞ。

○先進医療専門官

 事務局でございます。ただいまの御指摘につきましては、私どもも厳粛に受け止めて対処をいたしたいと思います。

 まず、科学的な検証に関しましてですけれども、こちらは金沢大学の報告書の中にもございますが、例えば、カフェインの併用が真に有用かどうかということの非臨床的な研究も含め、その是非を評価するということがうたわれておりますので、私どももそれに期待したいというところでございます。

○猿田座長

 ほかにどなたかございますでしょうか。山本先生、どうぞ。

○山本構成員

 石川構成員とほぼ同じコメントですけれども、43例というか、それ以上に恐らく臨床試験とわかっていて参加された患者さんもいらっしゃったと思いますし、これは結局インフォームドコンセントの所在が不明な症例も含まれているということなので、臨床試験としては、ここで総括報告書を見ることはできても、論文という形で出すこともできませんし、適切な場所で、例えば、規制当局がそれを参考にできるかとか、そういう意味では全く役に立たないデータになってしまいますので、やはり関係なさった、特に金沢大学の先生方は、参加していただいた被験者の方たちの労力とか行為を全く無にしたと。ごみ箱に捨ててしまったようなことになりますので、そこについては猛省をしていただきたいなと思います。

 では、この結果、その医療技術がいいものなのかどうなのかということも、これでは霧の中に入ってしまって、結局、今、見ていましたら、協力施設はほかに5施設が協力されていますけれども、ここで入った患者さんたちのデータも結局これが一旦流れることで使えなくなってしまうわけですね。ですので、本当にそういう意味では、これは金沢大学としては非常に罪深いことだったと思いますし、ほかの施設の先生方にとっても、もう一回これを努力して、もう一度新しく臨床試験をしなければならないのかどうかということが結局わからない状況になってしまうということは非常に経済的な意味で、いろいろな資源の無駄遣いになってしまいますので、それはよく考えていただきたいなと思います。

 せめて今までのデータをまとめていただいて、その上でもう一度改めて臨床試験をしたほうがいいのか。そういうことをする必要のない。言ったら大分古い臨床試験だったと思いますので、今さらこれをやる必要がないのかということは、専門家の中でよくお考えになっていただきたいなと思います。

○猿田座長

 ありがとうございます。確かに金沢大学には非常に効果的な療法だからと言って患者さんが集まってきたことも事実です。それで実際に先進医療としては終わっていても、患者さんに対して効果的であればということでやってしまったということですが、一番大切なことは先生のおっしゃったように、データをしっかり整理して、一番協力してくださった患者さんにどう説明するかということですね。無駄にしないということです。まとめたデータをしっかり拝見して対応していくということ。

 もう一つ非常に重要なことは、先進医療の制度をしっかりと大学がちゃんとわかってくれないといけないということで、今、特に施設に対しては厳重に当たっていますけれども、そういった形でこの制度をもう一回しっかり見直してもらいたいということが一番重要なことかと思います。特にこの当時よりももっと非常に難しい技術が随分入ってきておりますので、そういった点でも非常に重要だろうと私は考えます。

 ほかにどなたか御意見はございませんでしょうか。山口先生、どうぞ。

○山口構成員

 これは金沢大学のケースだけで、協力機関にはそういうことは一切なかったわけですか。

○猿田座長

 症例数は結構ありますか。

○事務局

 事務局でございます。この資料の2ページ目、3ページ目に斜字体で記載をしておりますが、例えば、2ページ目の(3)の1の下のところに矢印で「金沢大学附属病院114症例、協力医療機関72症例」ということで、協力医療機関でもこの1のような事態があったと。同様に2、3についても、現時点ではこういった数字で症例数を御報告いただいているところでございます。また、細かな内容についても現在取りまとめを行えるように各医療機関で分析を行っているところだと聞いております。

○猿田座長

 ほかにどなたか御意見は、どうぞ。

○山口構成員

 今あるデータを活用ということで、私もこの前のときにちょっと申し上げたような気がするのですけれども、そこまでずさんだったら、そういうものはそもそも評価に値するかという非常に重大な問題になると思います。同意書さえとれていないような症例で、しかも、いろいろな施設でそういうことが起きていて、それをまた寄せ集めて評価というのは、問題とおもいます。むしろ評価すべきではなく、データは使い物にならないのではないかと思います。

 もう一つは、この報告書の中でどこに責任があるかということは、一応その当該診療科の認識不足、体制が悪かったというのだけれども、その責任は誰がとるのかということに関してはある程度言及して頂きたいと思います。患者さんにどういう形で、本当にどういう文面がわたったのか、患者さんの説明文がどういうものかということも一度お示しいただきたいと思います。

○猿田座長

 ありがとうございます。ほかにどなたか御意見はございますでしょうか。こういったことはとんでもないことなので、実際にこれから起こることを防いでいかなければいけないということで、少しでも貴重な御意見をいただいておいて、それを全部まとめて生かしたいと思います。どうぞ。

○福井構成員

 金沢大学の研究チームのパフォーマンスは悪くても、この療法自体が悪いわけではないので、ちゃんと評価をし直す必要があるかどうかをどこかの時点で判断をする必要があるのではないかと思います。このデータは使えないということは私も賛成です。

○猿田座長

 カフェインの効果ということですね。これは非常にそこが重要なポイントなのですけれども、藤原先生、どうぞ。

○藤原構成員

 他院の症例は、この報告書の3839ページに出ているので、技術審査部会のときには、この施設に関しては症例登録せずにカフェインをやっている症例もあるのですけれども、どうなりますかというのを聞くのは事務局ではなくて、たしか、金沢大学が聞きますというような回答をいただいたので、早く回答をいただきたいなというのがあります。

 私は、このカフェインの併用療法の審査を臨床的使用確認試験のときにやったのですけれども、そもそも単一用量でカフェインを使っていて、基礎のデータは幾つかあるのですが、これは幾らやってもほとんど臨床試験としては意味がないので、先進医療Bの枠でやっていただいて、症例をある程度積み重ねたら、次は用量を振るとか比較試験をするとかというのが多分適切だろうというので、その当時は通したという経緯があります。さすがにもうそろそろやめたほうがいいのではないかとは思います。

○猿田座長

 要するに先進医療が今、一番問題になっているのは、先進医療は出口がどうもすっきりしていないと、これは何度もいろいろな方から言われるのですけれども、どのくらいやって、どうするかいうことですね。できるだけ本来であれば、治験の形でしっかりやっていくのが確かでございますので、先進医療のこれからの方向づけということでは、これは非常に重要なことだと思いますし、その前にこういったことが起こっていますから。

 どうぞ。

○藤原構成員

 今回これはちょうど高度先進医療から先進医療に移行する時期にスタートしたというものでございますけれども、昨年26年度の診療報酬改定の今は先進医療Aで走っていて、期限つきになっていて、次の28年度改定くらいまでには先進医療Bに行きなさいという品目が幾つかあって、もう1年そろそろたつので、そういう症例も多分プロトコルがなくて、研究的なことをたくさんやっているのがありまして、そこについても悪いかどうかはわかりませんけれども、もうそろそろ先進医療Bの会議にプロトコルを出していただかないと間に合わないのではないかと思いますし、そういう移行期のものほど危ないものが技術としてはありそうなので、事務局としては、やっていらっしゃる方々に早めにアプローチしていただきたいと思います。

○猿田座長

 ありがとうございます。貴重な意見です。

 どうぞ。

○事務局

 今、藤原先生に御指摘をいただきました暫定Aの技術と今、分類をしておりますが、平成28年3月31日までに、現時点でAに入っているのだけれども、今後Bに行くべきものであるから、きちんと実施計画、プロトコルを作成すべしというようなカテゴリーになっているものがございますので、こちらについては該当する医療機関を先日集めまして、内容について周知し、今後、事前相談及び先進医療Bへの届出というステップに進んでいただくよう周知をしたところでございます。

 また、その際に集まれなかった医療機関に対しても資料であるとか、そういった際の議事録も含めて送付をし、我々からも手とり足とり指導してまいりますよということは申し上げているところでございますので、今後ともこちらにまた出してまいりますので、その際は御審議をどうぞよろしくお願いいたします。

○猿田座長

 藤原先生がおっしゃるとおり、ちょうど私はそのときに、もうやっていましたものですから、本当に過渡期でどういう方向でAからB、特にBをどうしようかということで議論があったところです。それがまさにこういう問題につながったということで、もう一回本当にきっちり整理して、早くしっかりした、それぞれの案件をもう一回検討し直すことが大切ですから、これはもうできるだけ早く処理したいと思います。

 どうぞ。

○山本構成員

 もう一つ、私は金沢大学のホームページは確認していないのですが、先進医療AにしてもBにしても、現状でまだ医療技術の評価が定まっていないものとしてやっておりまして、当然そういう内容を含んだ説明をして、その上で文書同意をとっているはずです。ですので、説明文書の内容についてはできるだけ中立的に書かれることということで、その施設の倫理委員会でも厳密に見ていただいていると思いますし、先進医療Bについては技術部会でも弁護士の先生等を含めて、きちんと見ているのですけれども、ホームページでどう書いているかはさすがにチェックはされていません。皆さん適切に書いていただいているとは思いますけれども、余りホームページに非常に望ましいとか、余りアトラクティブに書かないようにしていただく必要はあると思います。

 多分、先進医療Bは、各施設でもこれは臨床試験として動かしているということは認識していただいていると思いますので、不適切なことはないとは思いますけれども、そこについては各施設の自覚のもとにきちんとやっていただかないと、せっかく何のためにそこまで審査をして、いろいろやっているのだという話になってきます。治験などでは表に出る文書を全て倫理委員会が目を通して、厳密にそれをコントロールしておりますので、それと同じようなレベルでやっていただきたいということは、注意喚起はしておくべきかと思いました。

○猿田座長

 どうもありがとうございました。実際に先生がおっしゃったとおり、今は非常に皆さんはしっかりやってくれていますけれども、その前のときにあれがちょっとよくなかった。

 どうぞ。

○石川構成員

 ホームページは確かにアトラクティブに書いてあります。私などは素人に近いですけれども、これはよさそうだなという感じで書いてあります。ただ、先生がおっしゃいますように、こういう先進医療Bのモードに入ったときには、変に引きつけるとか、そういうのはよくないと思います。

 もう一つ言いたいことは、こういうのがありますと、先ほど山本構成員がおっしゃったように、多大な患者さんへの迷惑だけではなくて、そのほかの研究施設にも本当に迷惑がかかりますので、これは事故だと思います。その事故の予防策ということで、ぜひどういうことが大事なのかということをやってもらいたいと思います。特に私がこの間言ったように、大学の医局の先生方はかなり交代しますので、最初に申請していた先生方はよく知っているかもしれないですけれども、後から来た若い先生やどこか出張から帰ってきた先生は、ほとんどわからないでこれを継承する。そういったときの事故も入っているのではないかと思います。

 こういうものが今後は、ダヴィンチなどはあれだけいっぱい出ていると錯綜してきますので、ぜひそういう点では、これが事故例として予防策を考えたほうがいいのではないかと思います。それから、ホームページで過大な宣伝は控えるようにとか、要するに1つはガイドラインみたいなものが必要だろうなと思います。

○猿田座長

 ありがとうございました。ほかにどなたか御意見はございますでしょうか。

 事務局、どうぞ。

○先進医療専門官

 事務局でございます。これは技術部会でも申し上げたことかもしれませんが、私どもとしましては、金沢大学の事案の報告を受けまして、早速、先進医療Bを行っている全機関に対して、このような形態の医療が行われていないかということを確認したところでございます。その結果は、金沢大学と同様の大きな事案は報告を受けておりません。

 もう一つ、先生がおっしゃったような、例えば、医療機関の中での周知体制、連絡体制につきましては、この金沢大学の事案でもそうですけれども、今後は最終報告等々でも出てまいることが予測されると思いますので、それを先進医療を行う全機関に周知する機会というのは、私どもも早いうちに検討させていただきたいと思います。

○猿田座長

 ありがとうございました。その点で早くしっかりまとめていただいて、出していただくことが非常に重要でございますので、だらだらするのはよくないので、早急にまとめていただくようにします。

 もし、ほかに御意見がなければ、この問題は継続的になりますけれども、早急に金沢大学のほうに当たっていただいて、さらに関連施設の問題もはっきりさせていただくということで、これは一応あずかった形での案件ということにさせていただきます。

 ほかにもし追加であれば、どうぞ。

○福井構成員

 余分なことですけれども、今、石川先生のおっしゃったことに関して、私も病院の中でいろいろな事柄がドクターに伝わらないのでおかしいと思って、あるときに調べましたら、医師は3年間で35%が入れ替わっていました。十数%が毎年変わっているものですから、1~2年前に私が話をしたことを全く聞いたことがない人がかなりいる集団にいつの間にかなっていることがわかりました。研究の継続について、大学病院はどれくらいターンオーバーが激しいかはわかりませんが、よほど気をつけないと、先生のおっしゃるとおりだと思います。

○猿田座長

 聖路加国際病院でそうだということもますます怖くなりますけれども、ありがとうございました。

 もしほかになければ、それでは、一応この問題はそういう形であずからせていただくということで、ともかく早く金沢大学のほうからまとめをいただくということにさせていただきたいと思います。

 林室長がお見えになりました。

○医療技術評価推進室長

 遅参いたしまして、申しわけございません。10月1日から医療技術評価推進室が設置されましたので、今後ともよろしくお願いいたします。林と申します。よろしくお願いいたます。

○猿田座長

 よろしくお願いいたします。

 本日の御議論いただくことは大体以上でございますけれども、総括的にどなたか御意見はございますでしょうか。

 今の問題は継続的に必ず審議させていただくということで、ほかにございませんようでしたら、事務局のほうから次の予定をお願いいたします。

○事務局

 事務局でございます。次回の開催につきましては、平成2611月6日木曜日、同じ時刻で16時を予定しております。

 以上でございます。

○猿田座長

 ありがとうございました。今日は新しく始まったところで、案件が少なかったので早いですけれども、この次はもう少しあるかと思います。

 今日はこれでともかく終わらせていただきます。御協力をありがとうございました。


(了)
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