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2014年9月17日 第54回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会議事録について

職業安定局 派遣・有期労働対策部 企画課 若年者雇用対策室

○日時

平成26年9月17日(水)17:00〜19:00


○場所

厚生労働省 職業安定局 第1・第2会議室(中央合同庁舎第5号館12階)


○議事

○阿部部会長 ただいまから、「第 54 回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会」を開催いたします。議事に先立ちまして、当部会に所属されます委員の交代がありましたので、報告を申し上げます。労働者代表委員の新谷委員に代わりまして、日本労働組合総連合会非正規労働センター総合局長の村上委員です。最新の委員名簿は、机上配付資料としてお手元にあります。

 次に、本日の委員の出欠状況を報告いたします。公益代表の欠席は鎌田委員、玄田委員、森戸委員、猪熊委員です。猪熊委員については御予定の状況によっては、遅れて御参加いただけると伺っております。使用者代表の欠席は深澤委員、労動者代表は才木委員が御欠席です。

 次に、 7 月に事務局の異動があり、生田職業安定局長、坂口派遣・有期労働対策部長が就任されました。生田職業安定局長は公務が入られたため、遅れての出席となりますので、御挨拶は最後に頂きたいと思っておりますが、まずは、坂口派遣・有期労働対策部長より冒頭の御挨拶を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。

○坂口派遣・有期労働対策部長 今、御紹介いただきました派遣・有期労働対策部長をしております坂口でございます。どうぞよろしくお願いいたします。基本問題部会の部会長、委員の皆様におかれましては御多忙のところ、また、夕刻ということですが、お集まりいただきまして本当にありがとうございます。議題にもありますとおり、本日から若年者雇用対策という問題について、この部会で御議論をいただきたいと思っております。既に御案内のとおりですが、少子高齢化が進展しているということで、生産年齢人口の減少、労働力の減少が将来にわたって見込まれるということで、やはり全員参加の社会の実現ということを、きっちり形作っていくことが、我が国の大きな課題なのだろうと思っております。

 この部会でも、高齢者の方の雇用をどう進めていくかということについて、いろいろと法律の面も含めて御検討をいただいた時期もあったわけですが、やはり今後の我が国の将来を担う若者に対しても、我が国の将来をきっちりと背負っていただくということで、若者がしっかりその能力を発揮して、活躍していただくという環境作りをすることが、全員参加の社会の実現ということでも、やはり欠くべからざる問題であろうと考えておるところでございます。そういう意味で、若者を取り巻く雇用対策について総合的、体系的に取り組むことが重要で、特にリーマン・ショックの後も、いろいろと若者を取り巻く環境が厳しくて、労使の方々でも御苦労していただきながら、難局の若者を取り巻く状況を解決してきた部分もあるわけですが、今、ちょうど雇用情勢そのものは改善傾向にあることもありますので、総合的、体系的な将来にわたっての対策を御議論いただくには非常にいい好機と考えておるところでございます。

 また、政府を取り巻く状況といたしましても、私ども政府の中では今年の 6 月に日本再興戦略の改訂をいたしまして、閣議決定したところです。その中で若年者雇用対策が社会全体で推進されるよう、総合的な若者対策について検討を行い、法的な整備が必要なものについては、次期通常国会への法案提出を目指すことを閣議決定したところでして、こういう状況の中でこの部会におきましては、委員の皆様に就職の準備段階・就職活動時・就職後の各段階で、関係者がどういうことを若者の雇用対策の中で担っていただくか、あるいは学卒時の就職支援であったり、フリーター・ニートへの支援という多面にわたる問題について、いろいろ御議論をいただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。冒頭、私からの御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。


○阿部部会長 ありがとうございました。本日は若年者雇用対策ということで、関連のある関係省庁として、文部科学省、経済産業省、中小企業庁、また、関係部局として職業能力開発局、労働基準局に御出席いただいております。

 それでは議事に入りたいと思います。本日は「若年者雇用対策について」を議題といたします。まず、最初に事務局から本日提出いただいている資料の確認と、資料 4 までまとめて説明をいたします。なお、本日御出席いただいている文部科学省から「学校における社会的・職業的自立に向けた取組について」を御説明いただきます。若者の就職支援を考える際、学校サイドで行っている取組を承知しておくことは重要だと思いますので、今後の議論の参考にということで、本日説明をいただくという趣旨であります。

 初回ということもありますので、事務局からの一連の説明の後、全般的な御議論を皆さんにお願いしたいと思います。それでは説明をお願いします。


○五百旗頭派遣・有期労働対策部企画課雇用支援企画官 資料は資料
1 6 まであります。落丁等がありましたら、事務局までお声掛けをいただければ幸いです。資料 1 2 について説明をいたします。資料 1 は、「若年者雇用を取り巻く現状」としてデータを中心に説明いたします。まず、労働力人口の観点から若者を見てみますと、 15 34 歳の若年労働力人口が棒グラフの濃い青の部分ですが、 2013 年で 1,757 万人となっております。総労働力人口は棒グラフの数値にありますように、このところ 6,600 万人前後で推移しておりますが、若年労働力人口は 2008 年時点で 2,000 万人を既に下回っておりまして、総労働力人口に占める割合も 30 %を割って減少が進んできております。

 下のページです。年齢別に労働力人口の推計を見てみますと、労働力人口のピークとなる年齢層は 2012 年には緑の線ですが、 30 代後半から 40 代前半でした。これが 2020 年にはオレンジの線のように 40 代後半に、 2030 年には青の線のように 50 代後半へと移行し、労働力人口は高齢化していく見込みです。また、年齢別の労働力人口は若年層で減少が続いておりまして、労働参加が現状のままであれば 15 34 歳層の労働力人口は、 2030 年にはピークであった 1968 年の 61 %にまで減少する見込みです。

 次に、若年層の年齢別に就業率の推移を見てみますと、黄緑の線の 15 34 歳の男女計の就業率は微増の状況ですが、男女別に見てみますと、赤い線の女性の 25 34 歳で大きく増加しております。一方で男性の 15 34 歳、特に一番上の青い線の 25 34 歳の男性では、過去 20 年間で 5.7 ポイント減少しております。下のページです。年齢別に非正規雇用労働者の割合の推移を見てみますと、非正規雇用労働者の割合は、若年層でオレンジの 15 24 歳層は横ばいの状況ですが、赤い線のキャリア形成期の 25 34 歳層では増加傾向にあります。高年層の 55 64 歳層でも増加傾向は強く見られますが、人口の層として薄くなっていく若年層の動きとしては、留意が必要かと考えております。

 次に、非正規雇用労働者の動向について説明いたします。非正規雇用労働者は、 1995 年から 2005 年までの間に増加しておりまして、以後は緩やかな増加となってきております。直近では 2014 7 月現在、 1,939 万人で、役員を除く雇用者全体の 37 %という状況です。左下にありますように、非正規雇用労働者のうち、正社員として働ける機会がないため非正規で働いているという不本意非正規の割合は、非正規雇用労働者全体では 18.4 %となっておりますが、更に年齢別に見てみますと、 25 34 歳で 26.9 %と特に割合が高い状況です。非正規雇用の課題としては雇用が不安定ということに加えて、右側の表にお示ししていますように、賃金が低い、能力開発の機会が乏しいという課題があります。

 次に、能力開発の機会について若年労働者の状況をさらに見てみますと、下のページになりますが、新規学卒採用の正社員に比べて、中途採用の正社員や正社員以外の者では教育訓練の実施状況が低い傾向にあります。また、若年労働者の育成方針で見てみましても、新規学卒採用の正社員では「長期的な教育訓練等」によるとする事業所が半数近くに上る反面、正社員以外の者では「短期的な研修等」や特別な研修は行わないというものが多くなっています。心身の成長過程にある若年労働者にとって能力開発はとても重要ですが、正規か非正規かで能力開発の機会が大きく異なる状況が見て取れます。

 次に、初めての職業をどのような雇用形態で迎えたかを経年で見てみますと、初職の就業時期が、 20 年前の昭和 62 10 月から平成 4 9 月であった者の非正規率は 13.4 %でしたが、年々増加しておりまして、平成 19 10 月から平成 24 9 月の者では 39.8 %と約 3 倍、 26 ポイント強の増加となっております。こうした背景を探るために下の表にありますが、新規学校等卒業者の求人倍率等の推移を見てみますと、 2014 3 月の高卒者に対する求人倍率は 1.57 倍、 2015 3 月の大卒者に対する求人倍率は 1.61 倍と過去と比べても、特に低いという状況ではありません。基本的に求人倍率の推移は景気の動向に伴って上下しておりまして、初職非正規が増加している背景事情は、この表からは、うかがえないところです。

 次に、大学卒業者数の推移を見てみますと、大学数は増加しておりまして、これに伴って大学卒業者数は、平成 26 年度で約 56 万人強と 20 年前の 22.4 %増という状況です。このように少子化の中で大学卒業者数は増加していますので、大卒者に焦点を当てて、以下で求人状況を見てまいりますと、平成 27 3 月卒の大卒求人倍率は、従業員 1,000 人以上の企業で 0.73 倍ですが、 300 人未満の企業で見ますと 4.52 倍と、中小企業は大企業に比べて格段に求人倍率が高い状況です。大卒者の強い大企業指向がこの辺りに見て取れます。

 次に、業種別に大卒求人倍率を見てみますと、平成 27 3 月卒の業種別大卒求人倍率は、建設業が 5.61 倍、商社、スーパー、専門店が含まれます流通業が 5.49 倍と高い倍率になっておりますが、金融業は 0.22 倍であり業種によって大きな差が見られます。新卒者の就職をめぐって、求人・求職のミスマッチの問題があることがうかがえます。続きまして、フリーター等の動向を説明いたします。下の表ですが、フリーターについては一番下の注釈にも書いておりますが、労働力調査に定義がありますので紹介いたします。フリーターの定義としては 15 34 歳で男性は卒業者、女性は卒業者で未婚者になっておりまして、そのうち 1 つ目として、「パート・アルバイト」の者。 2 つ目として、完全失業者のうち探している仕事が「パート・アルバイト」の者。 3 つ目として、非労働力人口で家事も通学もしておらず、就業内定もしていない者のうち、希望する仕事の形態が「パート・アルバイト」の者とされております。

 この定義によりますフリーターの数は、平成 15 年がピークで 217 万人でしたが、その後 5 年連続で減少し、平成 21 年以降は 180 万人前後で推移しております。一方、労働力人口に占めるフリーターの割合を見てみますと、ブルーの 15 24 歳層は平成 20 年を底として緩やかに増加しておりますし、オレンジの 25 34 歳層では引き続き増加傾向にあります。総数は横ばいであっても、労働力人口に占める若年フリーターの割合が増加していることには留意が必要かと思います。

 次に、ニートの状況です。ニートを 15 34 歳の非労働力人口で家事も通学もしていない者ということで推移を見てみますと、ニートの数は平成 25 年に 60 万人となっておりまして、人数自体は横ばいで推移しております。一方、人口に占める割合で見ますとブルーの 15 24 歳層は横ばいですが、オレンジの 25 34 歳層は増加傾向となっております。次に、学校中退後の就業状況を見てみますと、高校・大学等を中途退学した直後はアルバイト・パートが 6 割前後となっておりまして、正社員比率は 8 %と著しく低い状況となっております。資料の下段の推計に載せておりますが、平成 18 4 月に大学に入学した者の中途退学者は、「学校基本調査」から推計するに、およそ 9 万人程度と見込んでおりまして、このうち 6 割の約 6.4 万人が中退直後に非正規として雇用されていると推計されます。フリーター等になります契機の 1 つとして、学校中退があるとみられます。

 次に、フリーターの期間別に正社員になれた者の割合を 20 29 歳層で見てみますと、フリーター期間が半年以内の場合、男性では約 7 割、女性では約 6 割が正社員に転換できておりますが、フリーター期間が 3 年を超える場合、正社員になれた男性は約 6 割、女性では約 4 割となっております。フリーター期間が長くなるほど、正社員への転換が難しくなる傾向が見て取れます。

 次に、新規学校卒業者の離職状況を見てみますと、卒業後 3 年間で大学卒で約 3 割、高校卒で約 4 割となっております。また、事業所規模が小さいほど離職率は高く、産業別では宿泊業、飲食サービス業などで高い傾向が見られます。

 次に、若年者の離職理由です。初めて勤務した会社を辞めた主な理由を聞いてみますと、「仕事が合わない」、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」という理由が多く挙げられております。また、現在の会社に就職する際、情報入手がほとんどできなかった場合は転職希望が高まる傾向にありまして、入職前に当該企業の状況を把握できていることの重要性が表れていると思われます。

 続きまして、資料 2 「若年者雇用対策の現状」です。施策の紹介を中心に説明をいたします。まず、対象者別の就職支援施策の一覧です。在学生、新卒者、正社員に就職した者、フリーター、ニートなどそれぞれ対象者ごとに様々な支援機関が多様な取組を現在行っております。それぞれの取組につきまして、簡単に概要を説明いたします。

 まず、下のページです。学生等に対する職業意識の形成支援等についてです。都道府県労働局とハローワークでは学校と連携して学生、生徒が職業の実態や働くことの意義を理解できますように、企業で働いている方に学校で講演をしていただいたり、高校生の就業体験実習を行うほか、労働法制の基本的な知識を広く知っていただくために、労働局の幹部職員を大学等に派遣するという取組を現在行っております。

 次は、ハローワークによる新卒者・既卒者への就職支援についてです。全国のハローワーク、そして学生等が利用しやすいように専門窓口として設置しております、新卒応援ハローワークが中心となって就職支援を行っております。特に、企業の人事担当者 OB等 から成りますジョブサポーターを窓口に配置して、担当者制の個別支援を現在行っております。これによって、平成 25 年は約 20 万人が就職することができております。また、 2 つ目の○ですが、文部科学省や経済産業省とも連携をいたしまして、卒業が迫った年度末には集中的な就職支援を行っております。平成 26 3 月の卒業生については、卒業前後のそれぞれ 3 か月に、合わせて 5.4 万人の未内定者等を就職に結び付けることができました。このほか学校を卒業後少なくとも 3 年間は、新卒者として応募できるよう事業主への周知を推進しております。次の 4 5 ページは、ただいま申し上げました内容の詳細ですので割愛いたします。

 次は、学生等に対する就職支援で、文部科学省の取組です。学校サイドでも就職支援を熱心に進めておりまして、高等学校には「高等学校就職支援教員」 ( ジョブ・サポート・ティーチャー ) を配置しております。また、大学等では就職相談員 ( キャリアカウンセラー等 ) を配置しておりまして、就職支援体制を強化しております。また、中退者への支援として、地域若者サポートステーションや、ハローワークに中退者等に関する情報の提供を行うなど、学校とハローワーク、地域若者サポートステーションが連携して支援に当たっております。

 このほか、都道府県との連携というところでは、地方での就職を希望される方向けに、東京と大阪で地方就職支援コーナーを設置して、ハローワークの全国ネットワークを活用して、首都圏等から地方への人材移動を支援しております。フリーター等に対する支援は、きめ細かな職業相談・職業紹介のほかに職業訓練の案内や各種セミナーの実施、トライアル雇用の活用等によって正規雇用での就職を支援しております。詳細は次ページ以降で説明をいたします。

 まず、フリーター支援を専門としているのが、「わかものハローワーク」です。フリーター等の正規雇用化を促進するために平成 26 年度中に「わかものハローワーク」を 28 か所に増設するとともに、「わかもの支援コーナー」、「わかもの支援窓口」を 9 1 日現在全国に 210 か所設置して若者の就職支援を行っております。支援対象者は、おおむね 45 歳未満の正社員を希望する方で、個別に支援プランを作成して、きめ細かなサポートを行っております。その結果、右上の棒グラフにありますが、「わかものハローワーク」等を利用した方の平成 25 年度の就職者数は、 7 4,321 人です。

 下のページです。若年者地域連携事業、通称ジョブカフェです。これは平成 15 6 月に策定されました「若者自立・挑戦プラン」に基づきまして、都道府県の主体的な取組として、平成 16 年度から開始しました。若年者に対する幅広い就職関連サービスのワンストップサービスです。本年 4 1 日現在、 46 都道府県に 110 か所設置されております。厚生労働省としては、地域の実情に応じた就職支援メニューをジョブカフェで実施しておりまして、連携してフリーター等の安定した雇用の実現を進めております。

 次に、財政的な支援として助成金を 2 つ紹介いたします。トライアル雇用奨励金はフリーター等、これまでの職業経験などからすぐには正社員就職が難しい方を対象に、常用雇用へ移行することを目的として、 3 か月間のトライアル雇用を行う事業主に、月額 4 万円を助成するものです。このほかに、下のページにお付けしておりますように非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するための助成金として、キャリアアップ助成金を御用意しております。こちらについての詳細は、 12 ページを御覧ください。

 次に、職業能力開発関係の施策です。後ほど資料 6 を説明する際に改めて申し上げますが、若年者雇用対策のうち職業能力開発関係の論点は、職業能力開発分科会において別途議論がなされる予定です。ただ、若年者雇用対策を議論する際には大変関係の深い論点ですので、御参考として若年者に関連する主立った職業能力開発関係施策を紹介いたします。

 まず、ジョブ・カードです。これは求職者と求人企業とのマッチングや実践的な職業能力の習得を促進するために、求職者の職務経歴や訓練歴、訓練修了後の職業能力評価の情報を整理し、ジョブ・カードとして求職者に交付する取組です。また、下のページですが、ジョブ・カードの作成に当たっては、キャリア・コンサルティングが不可欠です。現在その普及を行っておりまして、平成 25 年度末でキャリア・コンサルタントは 8 7,000 人です。また、現在地域の様々な人材ニーズに対応しました若者向けの公的職業訓練を各種実施しておりますし、下のページにありますように、ものづくり産業の技能者を育成するために「ものづくりマイスター」を活用しまして若者の実技指導等を行っております。

 次に、雇用保険によるものです。先の国会で雇用保険法改正法の成立を受けまして、本年 10 1 日から、非正規雇用労働者の若者が、キャリアアップやキャリアチェンジに取り組む場合の教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金での支援を行うことといたしております。

 次に、ニート等の若者支援に係る職業能力開発局の取組です。ニート等の若者についてはコミュニケーション訓練など、通常の職業訓練の前段階に当たるサポートが必要な場合も多くあります。一人一人の状況に応じて、より専門的なサポートが求められておりますし、また、抱える課題も複合的なものが多い状況ですので、全国で 160 か所の地域若者サポートステーションを拠点にいたしまして、学校や NPO 、福祉機関など地域のネットワークを活用した就労支援を行っております。

 次に、「若者応援企業宣言」事業についてです。若者の採用・育成に積極的で一定の基準、これは資料の中ほどに記載しておりますが、例えば 3 の就職関連情報を開示している、 4 の労働関係法令違反を行っていない、 5 の事業主都合による解雇又は退職勧奨を行っていないという基準を満たした中小企業に「若者応援企業宣言」をしていただきまして、こうした企業と若者のマッチングを重点的に進めております。本年の 7 月末現在、若者応援企業は 4,905 社です。企業によります自発的で積極的な就職関連情報の公開によりまして、学生等が就職活動で企業選択をしやすい環境整備につなげております。

 次に下のページです。若者の「使い捨て」が疑われる企業への取組です。労働基準局におきまして、平成 25 9 月に若者の使い捨てが疑われる企業等に対しまして、重点的な監督指導を行うなど、労働基準関係法令の遵守、徹底を図っております。また、今年度、各種窓口を設けまして相談にのっておりますし、労働法制の周知、啓発のために大学等でセミナーを開催するという取組を展開しております。

 最後に、若者を取り巻く法律の制定状況です。若者については、高齢者のように高年齢者雇用安定法や障害者にとっての障害者雇用促進法など、個別の雇用対策法がない状況です。現在では雇用対策法や下のページにありますように、赤字で書いておりますが同法に基づく指針、あるいは勤労青少年福祉法や職業能力開発法など種々の法令に若者に関します規定が分散しております。以上駆け足ではございますが、若者関連のデータ、施策の御紹介でした。


○大谷文部科学省生涯学習政策局連携推進・地域政策担当参事官 では、引き続いて、文部科学省から御説明をいたします。生涯学習政策局参事官の大谷と申します。よろしくお願いします。お手元の資料
3 をお開きください。「学校における社会的・職業的自立に向けた取組について」 10 分弱ぐらい御説明をいたします。

 私どもでは、学校における社会的・職業的自立に向けた取組を通常キャリア教育と述べています。若者の雇用を取り巻く深刻な状況については、先ほど厚生労働省から御説明があったとおりですが、企業と学生との間でミスマッチが発生しているというのは事実かと存じます。また、学生側の職業意識の不足ということもあって、大学等の高等教育機関を卒業した者のうち、進学せず未就職、又は一時的な職業に就いている者も年間で 10 万人ぐらいいると推定されています。

 一方で、就職活動の早期化・長期化というものは学生の側にとっても大きな負担となっておりまして、特に、大学等においては十分な学習時間の確保の妨げになっていたり、海外留学を考えている学生にとっての阻害の要因にもなっているという指摘もあります。また、企業ニーズに合ったプログラムが大学にないという問題があって、社会人となった若者が、転職や昇進のために大学等に学び直しを行うことについて困難な状況があるかと考えています。

 そこで、私どもとしては、就活のシステムの見直し、あるいは社会人の学び直しの支援をすることによって、学校におけるキャリア教育を一層充実させることが必要と考えています。また、平成 18 年の教育基本法の改正においても、教育の目標の 1 つとして、「職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養う」ということも規定されました。

2 ページ、キャリア教育の課題と方向性です。まず、キャリア教育の定義としては、先ほどお話したとおり、「社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」と定義しています。また、その背景とし、先ほどから何度か御指摘があったとおり、進路意識、あるいは目的意識が希薄なまま進学するという傾向があります。また、勤労観・職業観の形成等に有効であるインターンシップについても、学校単位での実施率は増加しているものの、個人単位での参加率については課題があります。下の表を御覧いただくと、例えば、職業体験・インターンシップの実施状況について、特に公立高校の普通科においては 80 %の学校が実施をしているものの、実際に個人の参加率になると 18.4 %、また、インターンシップを単位認定している大学の割合は 70 %、インターンシップを単位認定されている学生の参加率になると 2.2 %という状況があります。

3 ページ、私どもとして、キャリア教育の方向性はいかなるものかについては、幼児期の教育から高等教育まで、子供の発達の段階に応じて体系的に実施をするという考え方に立脚しています。また、実際の教育内容については、様々な教育活動を通して基礎的・汎用的能力を中心に育成するということで、小学校、中学校、高校を中心とする後期中等教育、それから高等教育期間と 4 段階に分かれてありますが、今回、特に話題となるのは、多分、中学校、高校、大学という観点かと思います。

 中学校においては、将来の生き方や働き方等を考えさせ、進路の選択、決定に導くという考え方に立脚しています。また、後期中等教育、高校段階においては、生涯にわたる多様なキャリア形成に共通して必要な能力や態度を育成する。これらを通して、勤労観、職業観等の価値観を自ら形成・確立することを目的としています。また、大学段階においては、学校から社会・職業への移行を見据えた上で、自らの視野を広げて進路を具体的に考える。そのために必要な能力や態度を深化させるという取組を大学等の学校機関において実施するという取組をしています。

 また、こうした個々の学校における取組をサポートするための文部科学省としての主な取組を掲げています。例えば、初等、中等教育段階においては、学校の教職員向けの指導資料の作成と配布を行っています。学校の中においては、キャリア教育、あるいは進路相談というものについても、教員の側に十分な知識やあるいは経験がない場合もありますが、こうした先生方に対する指導資料を充実することによって学校におけるキャリア教育を推進していくというのが 1 つの狙いです。これは、実際に研修の動画などの配信も行っています。

 一方で、学校と地域や社会、あるいは産業界との連携というものも不可欠でして、例えば 3 つ目にある、学校関係者と企業等が優れた取組事例を共有するシンポジウムの開催を行っていて、これは文部科学省、厚生労働省、経済産業省とで合同で開催をしているものです。また、大学等の高等教育機関においては、基本的に教育課程の内外を通して自立に取り組むための体制整備として、例えば、「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」というものが制定されていましたが、これを平成 26 4 月の段階で 3 省庁合同で見直しを行ったところです。こうした社会人・職業人として自立した人材を育てることによって、社会の活力を維持向上させていくというのが大きな流れですが、特に、学校と地域・社会、あるいは産業界との連携の取組としてインターンシップについては、更なる充実が求められています。

 小中学校、特に初等、中等教育段階におけるキャリア教育の取組の例をお持ちしました。これは、実際には中学校で実践されているもののイメージということですが、中学校の 1 年、 2 年、 3 年の各学年において、各教科、あるいは道徳の時間、あるいは総合的な学習の時間、又は特別活動において、様々な局面においてキャリア教育につながるような基礎的・汎用的な能力の育成に努めているところです。こうしたことにより、右側にあるとおり、人間関係を作る力であったりとか、社会に関わっていく力、あるいは、自己を理解したり、自己を管理していく能力というものを培うとともに、課題を見つけて課題に対応する能力であるとか、キャリアプランニングの能力を身に付けていくということも狙いとしています。こうした活動をするに当たっては、当然、学校の中だけで問題を取り組むわけにはいかないため、地域や社会、あるいは産業界との連携・協働というものが不可欠と考えています。

 続いて、今度は、大学教育、高等教育におけるキャリア教育の取組の例です。大学教育は、基本的には大学において実質的に実施をされているものかと思いますが、この場合においても、大学が地域との連携を含めて主体的に実施することが不可欠かと思います。この中で、緑の欄がいわゆる大学等における正規の教育の課程。それから、ピンクになる所は、いわゆる学生支援として正規のカリキュラム以外のところで教育活動として行うもの。例えば、就職対策講座であるとか、資格対策講座というものも大学において自主的に取組が進んでいて、大学でも重視している傾向があるかと思います。

 次に、先ほどから重要と申し上げている地域におけるキャリア教育を支援する実際の例です。県単位で実施をしている取組として、特に注目されるのが兵庫県で行われている「トライやる・ウィーク」というものです。これは、実施の対象としては、県内全ての公立の中学校、特別支援学校中等部・中等教育学校の 2 年生全員が参画するということでして、平成 24 年度の実績で言いますと、 366 校で約 5 万人が関わっているものです。実際には 6 月又は 11 月を中心とした 1 週間で実施していて、その内容としては、職場体験活動であったり、農林水産に関係する活動であったり、あるいはボランティア・福祉体験活動のようなものを実施しています。平成 24 年度の実績で言いますと、 1 7,000 か所を超える所で実施をされていまして、指導に当たるボランティアの方々も 2 万人を超えているという実態があります。全県的に取り組む体制として、兵庫県全体として「トライやる・ウィーク」推進協議会というものを立ち上げていて、経営者の協会の方々とか、あるいは漁業、農業の組合の方々にも御協力をいただき、年に 1 回こうした協議会でまず方針を決めているということです。実際には、市なり町なりの所に下ろした形で推進協議会を実施して、各校区で推進する体制を全県的に構築しています。

7 ページ、インターンシップ・体験活動の例として 2 つをお持ちしました。 1 つは、高校段階において、特に普通科においてキャリア教育が不十分であるということを踏まえて、私どもでモデルとして考えているものです。静岡県立韮山高等学校という県内でも有数の進学校ですが、こうした進学校においても、キャリア教育の中心にインターンシップなどの体験活動を位置付けて、職業観の育成ですとか、進路意識の向上を図っています。実際には、 1 年次において、早速各界で活躍する卒業生に講師として来ていただいて、仕事の内容についての講話を聴く。あるいは、全員がインターンシップ又はジョブインタビューなどのいずれかを経験することによって、仕事の内容についての理解を深めていくという取組もしています。また、 2 年次になると、ほぼ 100 %が四年制大学に進学する学校ということもありますが、オープンキャンパスに全員が参加をしてレポートを提出するとともに、大学のレクチャーなども聴いて、進路について自ら考える機会を設置しているというものです。

 一方、大学等において企業と連携して行うインターンシップの例として、 2 つお持ちしています。 1 つは、短期大学の例です。夏又は春の休暇中に短期又は長期のインターンシップのプログラムを提供している例です。これには、実際、大学のほうにおいても、インターンシップセンターに専門の職員をオフィスコーディネーターとして常駐させて、学生及び受け入れていただいている企業側のサポートをしているという、大学としての体制も整えた取組の 1 つです。もう 1 つは、京都産業大学の例です。これは、大学と企業が実際に連携をして、派遣される企業の若手の社員の方にも自ら携わっている職業上の課題を設定していただき、若手の社員と学生が 3 名程度のプロジェクトチームを作って、実際に行われている課題に対する対応策を検討するという取組をしています。以上が、インターンシップ体験活動の例です。高等学校、大学等において、様々な形でインターンシップを中心として職業観の育成を図っているところですが、御指摘のあるとおり、まだまだ不十分なところも多々あると思っていて、私どもとしても、学校の中だけではなくて厚生労働省とも積極的に連携をして、施策の推進に当たりたいと考えているところです。以上です。


○五百旗頭派遣・有期労働対策部企画課雇用支援企画官 続いて、資料
4 について御説明いたします。なお、資料 5 ですが、こちらは、今後の議論の際の御参考としてお付けしているので説明は省略いたします。資料 4 ですが、総合的・体系的な若年者雇用対策の推進に向けて、これから御議論をいただく際の御参考としてお付けしています。あらかじめ考えられる課題認識を整理して、大体 5 つにくくられるかと思いましてこのような形でお示しをしています。 1 つ目は、新卒者等の就職活動からマッチング・定着までの適切かつ効果的な就職支援の在り方についてということで、就職活動とマッチング、就職後の定着という 3 つのステージごとに、どういった就職支援が適切かつ効果的であるかということを御議論いただくための柱立てとさせていただいています。 2 つ目、 3 つ目については、中退者、未就職卒業者、フリーターなど、それぞれの状況に応じた支援の在り方があるだろうというものについて 2 本の柱立てとさせていただいています。また、 4 つ目については、企業における若者の活躍促進に向けての取組についてということで、企業における様々な取組の共有や、積極的な取組を評価する仕組み。また、企業の取組への側面支援としてどういうものが考えられるかなどをくくってこの柱立てとしています。 5 つ目は、施策推進の関係者として、事業主、地方公共団体、学校、 NPO など様々な主体があります。こういった主体がどういった役割、連携の下で若者の雇用対策を推進していけばよいのか、総論的な議論を最後の柱としてお示ししています。以上です。  


○阿部部会長 ありがとうございました。それでは、今の事務局からの説明を踏まえ、皆様から御意見や御質問をお願いしたいと思います。どなたからでも結構ですので、御発言ください。


○村上委員 今、いろいろ御説明いただいて、特に若者の雇用を取り巻く状況の資料
1 などを拝見しますと、 5 ページ〜 7 ページぐらいにかけて書かれていますが、今の若者の雇用を取り巻く問題の大きな視点というのは、やはり非正規雇用の比率が高まっているということだと思います。学校を出て初めて仕事に就くときに非正規だったという方が 4 割近くにもなっているということは、私たちは社会的な問題だと認識していなければならないのではないかと考えています。可能性はあるのだけれども、経験のない若者が OJT などを通じて、仕事を通じて能力を高めていくことが基本であると思いますし、そのために、若い人たちが安定した雇用でキャリアを積んでいけることが、やはり政策的には求められているのだろうと思います。

安定して働いていかなければ家族を形成していくことも難しいですし、そうなれば、少子化にもますます拍車が掛かってしまうのではないかと、私どもとして問題意識を持っています。ですから、今、非正規でいる若者をどんどん正規化していっていただきたいということもあるし、また、初めて仕事に就く若者の正規化ということも重点を置いていかなくてはいけないのではないかと思っています。以上です。


○阿部部会長 ありがとうございました。他に御意見、御質問ありますでしょうか。


○遠藤委員 今回、若者の雇用を取り巻く現状ということで各種資料をそろえていただいたことに御礼を申し上げます。資料については、後ほど幾つか細かいところになるかもしれませんがお尋ねをいたします。今日はフリーディスカッションという部会長のお話がありましたように、若者、将来世代ということで、どう育成していくのかということも含めてこの部会で議論をしていくと承っています。また、関連する審議会でも役割分担をしながら進めていくということでしたので、今後、限られた回数の中で効率的に議論をしていく必要があります。まず資料
4 なのですが、大きく 5 つの柱が掲げてあります。まず 1 点目のお尋ねです。新卒者等の就職活動からマッチング・定着まで、これは正に 1 つのシナリオだと思っています。一方で、このシナリオから外れてしまうような方々として、中退者、未就職卒業者、あるいはフリーターという働き方に着目した切り口になっているかと思うのですが、定着の裏側として、 3 年以内の早期離職者というようなこと、あるいは、もう少し切り口を変えて、若年層における離転職者、この捉え方がこの柱の中でどこに含まれているのかをお尋ねいたします。


○阿部部会長 それでは、お尋ねですので、事務局のほうでお願いします。


○五百旗頭派遣・有期労働対策部企画課雇用支援企画官 今の御質問の点については、基本的には
1 つ目のポイントに含まれるかと考えています。 1 つ目のポイントが、 3 つのステージ、就職活動からマッチング・定着、要は就職した後のタームまで含めたポイントだと捉えています。ですので、そういう意味では、定着できずに早期に離職する、あるいは離転職というような論点もここに含まれ得るものと考えています。


○遠藤委員 そうであれば、そういう切り口なのだということの議論を実は丁寧にやっていただきたいと思っているのが
1 点目です。それからもう 1 つ、若者の離転職という切り口で見たときに、むしろ積極的にキャリアチェンジということが若年層においても行われる場面もあってもいいのではないかと考えています。そういう意味で言うと、積極的な意味合いで評価していくということでの離転職という切り口もあるのではないかと思っているところです。これは意見です。以上です。


○阿部部会長 ありがとうございます。それでは、他にありますか。


○芳野委員 資料
4 の所で、総合的な考え方を述べさせていただきます。御説明にもあったように、やはり、次世代を担う若者を支援していくことは社会全体にとっても非常に重要なことでありますし、また、人口減少社会においても、貴重な若者たち一人ひとりを大切にしていくことは成長できる環境を作っていくことになりますので、そのための施策を推進するために法整備を行うことは非常に重要であると考えています。

 もう 1 点は、若者の雇用対策を充実させていくことは日本の社会全体にも関わる問題でありますが、やはり企業の活性化という視点でも非常に重要ではないかと考えています。以上です。


○阿部部会長 ありがとうございます。他に御意見、御質問があれば。


○宮本委員 たくさんの資料を整理していただいて、議論するのにとても助かります。そこで
1 つ、若者の労働問題を検討するときに、資料の作り方が男女一緒になって作られています。これはこの 10 年間ずっとこういうことなのですが、これを男女別に分けると状況はかなり違って見えてくると思われます。非正規雇用が非常に多いということがこの資料から出てくるわけですが、これを男女に分けて見ていくと圧倒的に非正規雇用は女性のほうで進んでいるということです。ところが、こういう形で労働統計が男女込みで出されたときに、通常の社会規範からすると、雇用の問題はやはり男問題だと認識されがちで、学校を卒業したのだけれども安定した仕事に就けない男性問題がまず社会的には重要な問題だと認識されがちです。実際男性の場合には、安定した仕事に就けないことは男性役割からすると非常に由々しき問題ですので、支援機関に来る人たちは男性が多い傾向があり、男性問題だとされますが、実際のところは、非正規雇用化する女性たちは、女性だから何とかなると思われがちです。これは教育機関、それから親たちの意識、当人にも曖昧なところがあって、支援機関に男性ほどには来ないけれども、実際には非正規の安定しない仕事のまま非婚化していくという状況が見られます。婚姻率が下がっているという問題は 10 年前までとは全然違う状況で、結婚するということが約束されているわけではなく、非正規雇用化していく若い女性たちの問題ここの中にあるのですが、こういう形で数字が出されるとその辺りのところが分からず、男性特有の問題と女性特有の問題とが込みになってしまうので、問題をなかなか解決できないと思います。そういう意味では、男女それぞれに分けて、それぞれに特有の非正規雇用問題というのを検討する必要があるのではないかということ、これをまず発言させていただきたいと思います。


○村上委員 少し細かな質問をさせていただいてもよろしいでしょうか。今日、文科省の方からキャリア教育のお話を伺い、ありがとうございました。キャリア教育の中にインターンシップも含まれているというお話だったと思うのですが、場面としては、学校でのキャリア教育とインターンシップとは別の場面であって、それぞれ課題があるのではないかと思っています。資料
4 のような施策の中に入っていくのかどうかという点では、学校を出る前の人たちに対して働くことの意義をどう伝えるかということも、この若者雇用対策では重要ではないかと思っていますので、少しお伺いしたいと思います。
 1 つは、キャリア教育の中で、私どもフリーダイヤルでの労働相談の活動をやっており、若い人たちからの相談も数多く寄せられるのですが、その中で痛感しているのは働くことに対する基本的な知識がないということなのです。働くことに対する基本的な知識に関する相談で最近多いのが、辞めさせてくれないというような相談です。また、非正規労働者には年次有給休暇はないとか、残業代は払わなくていいとか、そういうことを言われたという相談が数多く寄せられています。また、社会保険の問題などもそうなのですが、働いたときにはこういうことが基本的なルールとして整備されているのだということを知らずに社会に出てしまう若者が多いということです。やはり早い段階、中学、高校、大学それぞれの段階でこのようなルールを教えていただくことが必要なのではないかと思っています。同時に、社会人として働いていく上での基本的な義務、ルール、常識的なものも伝えることは必要で、遅刻しないとか、挨拶するとか、そういうことも伝えることが必要ではないかと思います。大学の先生などともお話する機会があるのですが、一番必要な人たちに対して知識が行き渡っていないのではないかというお話も伺っています。例えば、定時制高校だとか、卒業後すぐに就職する専門高校(職業高校)などでこそ手厚く教育しなくてはいけないのではないかと思います。全国の学校で、どの程度働く時のルールを伝えることが実施されているのかということを、文科省で掴んでいるかどうかということを 1 点お伺いしたいと思います。

 もう 1 点、インターンシップについてです。インターンシップについては、今年の 4 月にガイドラインも改正されたということですが、多分、大学を通じたインターンシップというのは、きちんとやられているかと思います。しかし、それ以外で、企業が募集されて、学生さんが手を挙げてやられているようなインターンシップも、インターンシップを推進しようということで増えてきているのではないかと思うのですが、多分、いいこともいっぱいあるのですが、トラブルも多くなっているように聞いています。そこでは、何か無期のインターンシップというのがあるようで、結局、アルバイト感覚で使われてしまうとか、あるいは、辞めたくても辞めさせてくれないといった相談がキャリアセンターに寄せられるとか、保険の問題で、労働者性があれば労災保険などになるのでしょうが、そうでないような場合の保障などについて、大学が絡んでいれば大学で保険に加入させているかと思うのですが、そうでない場合はどうされるのかということがあります。お伺いしたいのは、インターシップについて、学生向けに、こういうときはこういうふうに気を付けなくてはいけませんよとか、あるいは、困ったときにはここに相談に行けばよいとか、そのような PR というのですか、情報は提供されているのでしょうか。その辺りを少しお伺いしたいと思います。 


○阿部部会長 それでは、御質問ですのでお願いします。


○大谷文部科学省生涯学習政策局連携推進・地域政策担当参事官 御質問は
2 点あったと思います。まず 1 点目の、中学校、高校段階で、キャリア教育の前提として、労働法制や社会保障についての教育がどうなされているのかについてのお答えです。中学校、高校は、基本的に学校のカリキュラムは、皆さん御存じのとおり、学習指導要領という法的規範に伴う指導要領に従って作られた教科書を、指導書として使って授業を展開しています。例えば、中学校の公民の中では、社会生活における職業の意義とか役割、あるいは雇用と労働条件の改善について、勤労の権利と義務、労働組合の意義及び労働基準法の精神と関連付けて考えさせるというような記述があります。これを実際授業でどう展開するのかというのは、もちろん学校の授業の形態によると思いますが、私どもとしては、このように、例えば、中学校は当然義務教育段階の全てのお子さんが受けられる授業の中でも、こうした労働に関する規定であるとか、そうしたものと関連づけて教えるようにしているところです。また、高校段階になると、これは義務教育ではありませんが、もう少し具体的に、雇用と労働をめぐる問題についても考えさせるというように、もう少し広く、労働、あるいは働くということと、労働環境というものについても考える機会を提供するようにしている。私どもとしては、そうしたものも教科書の中に盛り込まれるような仕組みは作っているところです。

 次に、インターンシップ、特に大学との関係についての御質問だったと思います。御指摘のあったとおり、私どもとしては、学生は大学に所属しているという身分だと思っていますので、インターンシップに参加する場合も、大学の窓口を使って大学が関わる形でインターンシップを実施してほしいというのが基本的な考え方です。この場合、大学においては、いわゆる保険についてもきちんと手配をするようにということで、ほぼ大学で実施されているものについては保険が掛かっていると承知しています。ただ、正に御指摘のあったとおり、個人で、大学のフレームワークを使わずに、個人で直接企業側にインターンシップを申し込むという場合も当然あるかと思います。ただ、これも、私どもあるいは大学側からすると、そうした場合にも大学の窓口を活用するとか、あるいは大学のインターンシップを担当している所にも一言情報を入れた上でやってほしいとは正直思いますが、実際には個人で完全に申し込んでしまうという実態もあります。そうした個人の方々に対する周知がどうなのかというのは、正直、私の手元にはそうした資料がないのですが、大学においては、かなりきめ細かくインターンシップについての説明会は開催をしていますので、大学側から、個人で申し込むとしてもこうした点には留意をしてほしいというようなことは指導していただきたいと思っているところです。正確にどのぐらいがやっているのかは手元に資料がないので把握していません。以上です。


○福田委員 いろいろ分かりやすい資料をありがとうございました。その中で、資料
1 11 ページについて、少しぼやきになりますが、「業種別 大卒の求人倍率の推移」があります。この中に、建設業の求人倍率は 5.61 倍、金融業は 0.22 倍と、建設業は求人しても来ない状況があります。ここで少し御説明しておきますと、特に国立大学で、工学部建築学科と土木学科にいる生徒は、ほとんど建設業に来ません。どこに行っているのかというと、これは使用者側で言うと問題があるかもしれませんが、 IT 産業や金融業のほうに人が流れて行ってしまう。せっかく国費を使って建設関係の教育をしたにも関わらず、そちらのほうに流れていく。例えば入ったとしても、きついから辞めていくのです。

 そのときに、ここで議論をしてもらいたいのは 1 つあります。そういう人が一旦入って、入る前もそうですが、家庭で両親に相談するわけです。「初めて怒られた」と。親からは怒られてない。現場に配属になって、所長から怒られる。「何で怒られた」と。「私は今まで怒られたことがない」と。家庭に帰って相談すると「そんな会社だったら辞めなさいよ」と。それで辞めていってしまう。もう 1 つは、家族にも問題があるのではないか。親が子離れをしていない。子どもも親離れをしていない。ですから、結局、巣立っていかない。巣立っていかなければ、少子化はずっと改善していきません。就職しないで、そのまま家に居付く。やはりこれを、今回の課題認識の中にどこかで取り上げてもらいたいという気はします。

 今の学生は、やはり、きついなどという仕事を選ばないのかなと。それは、魅力のない建設業ということでくくられてしまうとそうなのでしょうが、そんな中で、先ほどインターシップと出ていましたが、その辺りもかなり強力に推し進めて理解を深めていきたいとは思っています。知っている人でもなかなか建設業に来ないという実態を、どう改善していこうかと。少しぼやきになりますけれども、そういうことで、何とか改善していきたいと考えています。その辺りの良いお知恵があったらお願いしたいと思います。


○野村委員 今、福田委員から建設業に関するお話がありましたので、私もそれに付随する話をさせていただきます。確かに求人倍率は高い、しかし、なかなか人は来ない。来てもなかなか定着しないというのが建設業の実態だろうと思います。また、今、学卒の建築学科や土木を出た人たちが建設業になかなか入ってこない。別の異業種に流れていく。そのことも、実態はそうだと私も認識しています。

 しかし、やはりこれは飽くまで建設業に携わる、ある意味では労使が魅力ある産業に自ら変えていく努力をしっかりやっていくことが大事であって、ある意味では、我々労働組合も、経営側も、業界側も、その辺りは少し汗を流す量が少なかったのではないのかと思っています。

 したがって、先ほども福田委員が言われたとおり、魅力のある産業にするためには、まず、我々産業に携わる者たちが、すばらしい産業なのだというものをしっかり見せていく。正直言って厳しい状況を見せれば、新しく入ってこようとする人たちも、ちょっとこういう産業には行きたくないなと思うのは自然だと思います。そういう意味では、この問題では労使一体となって、魅力ある産業を、是非作っていきたいと、これは労働側からも提案をしていきたいと思います。

 もう 1 点です。資料 4 の中の 5 つの課題認識ポイントを整理されています。本当にしっかりポイントを突いているなと思います。 1 つ目の、新卒者等の就職活動からマッチング・採用・定着ということだろうと思います。 1 つは「新卒者等」ですから、中途採用も当然この中に含まれているのだと私は受け止めておりますが、やはり新卒者のみならず、今は中途採用が相当増えてきていますので、そういう視点もしっかり入れていただきたいと思いますし、とりわけ定着の問題が極めて重要だろうと思っています。そのためには、やはり定着をするということになれば、要はその仕事に長く従事をしてもらうことだろうと思いますので、そうなると、やはり人材育成、スキルアップ、職業訓練ということだと思います。

 一人ひとりがしっかり、自分がその仕事の能力を高めていく。そのためには、そういう教育をしっかりやっていくことが必要だろうと思いますが、とりわけ、中小等では人材育成、スキルアップはコストがかかります。お金がかかります。なかなか 1 企業だけでは対応できないということもあろうかと思いますので、こういう部分は、是非、業界が中心となって、その業界全体のレベルアップのためにも、人材育成、スキルアップ、業界全体での取組が必要だろうと思います。また、その業界を中心としたそういうシステムを、行政がしっかりバックアップしていくような連携も必要ではないかと思っております。

 いずれにしても、若年者の雇用というか、仕事の問題は、これから将来、日本をしっかり支えていただく人たちの問題です。この若年者の雇用問題というか仕事の問題になると、どちらかというと精神論が先に走って、とりわけ今の若い者はうんぬんかんぬんとなりがちですが、要は精神論でこの問題は議論してはいけない。しっかり、客観的、合理的に、今の状況を見ながら、どうやって若い人たちが安心して仕事に就き、そして、将来安心して暮らせるような社会に結び付くための雇用とは何なのか。そういう議論が必要ではないのかと思っています。


○阿部部会長 ありがとうございます。今、福田委員から、そして野村委員から、全般的に言えばミスマッチの問題が提起されたと思います。今、建設業が話題になりましたが、建設業以外でも、流通業、中小企業等でのミスマッチの問題は、やはり認識しておくべき問題で、今、野村委員からお話がありましたように、精神論ではなくて客観的な事実に基づいて、このミスマッチをどう解決していくかというのが、この部会で議論すべき課題ではないかと私も認識しています。ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。


○遠藤委員 インターンシップの話が幾つか出てきましたので、文科省さんの資料について
2 点お尋ねさせてください。

 まず、資料 3 2 ページです。もちろん数の問題もあるかとは思うのですが、高校に比べて、大学の数字が見劣りするということだと思います。 1 点目のお尋ねです。大学の実施率が 70.5 %ということについて、個人的な感想だけ申し上げれば、低いと思うのですが、この数字にとどまっていることの背景として、何かお手元に資料があるようでしたら教えてください。

2 点目ですが、 3 ページです。文科省さんにおける主な取組ということで、初等中等教育で 2 つ囲みがありますが、下のほうの囲みの中で、「地域キャリア教育支援協議会設置促進事業」というものがあります。これはホームページで拝見すると、 2 か年にわたって、手を挙げた県や市が継続的に事業を行ったり、あるいは新規で行ったりしています。予算の兼ね合いもあるのかもしれませんが、なかなか広がりが見えていないように思われます。この地域キャリア教育支援協議会というのは、若者雇用戦略をまとめたときの目玉の施策であったのです。その時点では、キャリア教育の中のインターンシップをやりたくても、人材がなかなかいない、どうやって人材を育てていけばいいのか、そのためにはノウハウの蓄積をしていこう。あるいは、共有化できるようなプログラムを作っていこうといった議論をしながら、この施策を提案したのです。現段階において、初等中等教育の中で位置付けられていることから推察されるのですが、この事業として、大学生向けに行われている事例はあるのでしょうか。


○大谷文部科学省生涯学習政策局連携推進・地域施策担当参事官 
1 点目、大学のインターンシップの実施率が 7 割という数字ですが、平成 15 年に比べると 15 %アップしており、 7 割になってきたのも大分上がってきていて、これからもっと上がっていくだろうと思っています。ただ、いわゆるインターンシップ自体を、大学のカリキュラムの中にどう位置付けるのかということについては、各大学で様々な考え方があり、教育課程の中に組み込めば、当然、学生の参加率は上がってくるわけなのですが、それも、大学の様々な考え方があって、一概にそれは決められたものというわけではありません。私の手元に、なぜ 7 割しかないのかという資料は、残念ながらないのですが、この数値は、私どもとしては、インターンシップのガイドラインも改訂しましたし、省としても、インターンシップはこれからもっとやっていかなければいけない分野だと思っているので、この数値で満足することなく、希望する方ができる限りインターンシップは受けられるように、体制としては整備していかなければいけないと考えています。

2 つ目の、キャリア教育推進の関係のもので、地域の支援協議会の件ですが、御推察のとおり、基本的にこれは中学校・高校段階のものを考えておりますので、この地域キャリア教育支援協議会自体に、大学等が入っている事例は、私は承知しておりません。現在、 7 ブロックで 2 地域ずつですので、計 14 地域でやっているようですが、この中に大学が入っているというのは、私の承知している限りでは無かったと思います。


○遠藤委員 ありがとうございました。
2 つ意見を申し上げたいと思います。 1 つは、大学側で単位認定の在り様はいろいろあるにしても、やはり、学生さんがインターンシップを受けていこうという動機付けになるので、是非、文科省さんのお取組により、より多くの大学で単位認定に向けた動きが加速するようなことをお願いしたいと思っております。

 インターンシップは、先ほど村上委員から、こういう事例もあるというお話がありましたが、企業では、社会貢献の一環の対応として、通常の業務とは別にインターンシップの機会の拡大に向けて、取り組んでいます。もちろん法令違反があってはなりませんので、 3 省でまとめた「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」を踏まえながら、多様なインターンシップの機会提供に向けて取り組んでいるところです。そういった中で、先ほども言及しましたが、やはり規模の小さい企業さんにおかれては、プログラムそのものをどう作っていったらいいものだろうか、場合によっては、推進役となる人材もなかなか確保できないといったようなことが、現状も課題として残っています。初等中等教育局の政策として位置付けたものがある一方で、高等教育局の中では、このような施策の存在は存じ上げておりません。若者雇用を議論する、この期間内に、何とか文科省さんとしても、高等教育の位置付けの中で、こういう施策を展開いただくような御検討を頂ければ有り難く思っております。これはお願いです。以上です。


○阿部部会長 ありがとうございました。私自身、余り細かいところを突っ込んだ議論をするのは今の段階でどうかと思うのですが、今、インターンシップの単位認定を広げるということでお話がありましたので、私の経験から少しお話させていただきます。

 実は、インターンシップは、単位認定が進んだとしても、大学と企業の間の事務量が比較的多くあり、学生全体がインターンシップに参加できるかというと、実際上、なかなか難しいところがあるのではないかと考えています。というのは、インターンシップの期間は夏休みと春休みが大部分ですが、その前に、企業がインターンシップの受付をして、どういう参加者を選ぶかとやって、その後、大学と企業の間でインターンシップに関する書類の受入れや保険の関係の書類のやり取りをします。それで、インターンシップの時期に間に合わせようというと、その時期だけにすごい事務量が発生します。私は前にいた大学で 200 名ほど単位認定のある授業を受け持っていたのですが、 200 名を送り出すだけで、職員が 4 5 名就いてもなかなか終わらなかったのが現状です。その辺りの実務的な面も、何かうまく考えていかないと、学生のインターンシップの参加率はなかなか上がらないのではないかと思っております。余り細かいことを言うのはあれなのですが、そういった問題もあるのではないかと、個人的には思っています。そのほかありますか。


○宮本委員 就職の情報の出し方について少し発言させていただきます。通常の大人の労働市場と違って、やはり若年者の雇用問題というのは、職歴のない人、あったとしても僅かな職歴しかない、職業経験のない人が対象であるという点から言うと、やはり違う力点があるように思うのです。今、特に大学生の場合は、就職を決めるときには、インターネットがあり、エントリーシートを書き、というようなことで、具体的に誰か経験のある人が直接いろいろな世話をしながら、どこがいい、あそこがいいといって動くわけではないという問題があります。とにかくエントリーシートを大量に書かなければいけない。そこで決まる確率は極めて少ないということなので、その過程の中で非常に深刻なダメージを受けるという状態にあると思うのです。

 検討すべき 1 つは、情報の出し方について。これは若年者だけの問題ではないのですが、極力リアルで、分かりやすく、その情報で、ある程度就職先の選択が可能になるような出し方を工夫する必要があるだろうということなのです。日本の場合には、例えばヨーロッパなどと違って、この職種は職業資格で言うと、どの職業資格の、どのくらいのレベルのもので、というようなことが全く分からない形の情報提供になっています。長年の職歴のある人は、それを見ると大体分かるかもしれませんが、若い人には全然分からない。とにかく当てずっぽうにやるしかないという状態にあると思います。先ほど御紹介されたように、ハローワークの中で、新卒のジョブサポーターみたいな制度が、今、拡充されているということですが、大学生全てにこのジョブサポーターが付くわけではなく、そこへ行かない人のほうが圧倒的に多い中で、ほとんどがネットで決めていくという状態です。知識がない、経験がない人たちが、本当にそれで効率的に妥当な就職活動ができているかというと、極めて疑問だということです。

 そういう意味で言うと、特に若い人に、特に職業資格制度等がない日本の社会の中で、それでも道に迷わないための情報提供はどういうものかということを検討することが重要ではないかと思います。


○阿部部会長 ありがとうございます。資料
1 17 ページには「若者の離職理由及び情報入手状況と転職希望との関係」というものがあります。この資料は、宮本先生の今の議論に関わるものだと思うのですが、その中で、現在の会社に就職する際の情報入手状況別で、転職したいと思うことが「しばしばある」と回答した者の割合は、十分に入手できたという方はやはり少なくて、ほとんど入手できなかったというのがあったと思います。

 もし可能でしたら、どういう情報が必要だったのだろうかなどということが分かれば、少し、また議論になるのではないかと思います。もしあれば、そういったものも御用意いただければと思います。ほかにいかがでしょうか。


○村上委員 今の情報の関連なのですが、いろいろな学生さんとお話していると、
3 年以内離職率や、勤続年数がどうなのかなどを知りたいということはよく言われていますので、そういうことは、是非、検討課題に入れていただきたいと思います。

 女性の活躍推進というところで言えば、従業員の男女比率や産休はどれだけ取れているのか、育児休業の取得率などもあります。出産後の女性の就業率もあります。今、第一子出産後 6 割の女性が辞めているという中で、その会社の中ではきちんと出産後も勤め続けている女性がいるのかどうかも、女子学生にとっては大きな判断材料だと思いますので、そのようなことも、是非、検討課題に入れていただきたいと思います。

 もう 1 つ私どもとして問題意識を持っているのは、労働条件の問題です。先ほども少し触れましたが、初めに聞いていた労働条件、初めに見ていた労働条件、様々な場面で、ネット上もありますし、会社説明会やハローワークの求人票もありますが、そういうもので見たものと、実際に働き始めたときの労働条件が違ったという相談がたくさん寄せられています。若い人に限らずですが、特に若い人では、今、話題にもなっていますが、固定残業代の問題など、基本給の中に残業代が組み込まれていたというような事例も多々あります。そのようなことで早期離職につながってしまっては、大変もったいない。若い人たちにとっても、社会全体にとってももったいないと思いますので、その辺りも、是非、今後の検討課題に入れていただきたいと思います。


○福田委員 ジョブサポーターという話が出たので少しお聞きするのですが、今、大体
100 人に 1 人がサポーターなのではないかと思っています。この 100 人に 1 人というのは多いのかどうか、私もちょっとよく分からないのですが。


○牛島派遣・有期労働対策部企画課若年者雇用対策室長 今、福田委員から御指摘のあった
100 人に 1 人というのは、恐らく、今、就職実績 20 万人に占めるジョブサポーターが 2,000 人いるという割算だと思います。 1 年間通して支援をしているということもありますので、リーマン・ショック後の、利用者が非常にドッと押し寄せた頃については、正直、もう満杯という状況がありました。最近は、大分、利用者も落ち着いてはきているので、その分、きめ細かな支援はできる状態ではあります。私どもとしては、当然、人が多ければ多いほどサービスは充実できるわけなのですが、一方では、やはり財政状況が厳しく、なおかつ景気も良くなっているという背景もある中で、むやみやたらと増やせばいいという問題でもないと思っております。ある意味、今の状態は、きめ細かな支援をやるという意味では適正なスケール感なのではないかと考えているところです。


○福田委員 分かりました。


○照屋委員 少し繰り返しの発言になりますが、前段のほうで村上委員からも御発言がありましたが、若者の雇用を巡る問題は、非正規雇用の増加が挙げられるということで、資料でも特に
5 ページを見ても、先ほどの事務局のお話を伺っても、 1995 年の 1,000 万人から、 2013 年は 2,000 万人に近づこうという数字で、非正規が倍に増えている。このまま非正規雇用が増加すれば、やはり安心して働けない、あるいは安心して家庭が持てない、結婚もできないという方々が、相当増えてくるのではないか。要するに、少子高齢化に更に拍車をかけてしまう。非常に緊切の課題ではないかと考えております。

 特に、総務省の統計局が出した日本の総人口が、平成 23 年から年々、 20 数万人減っていることからしても、人口は減るが非正規は増えていく。不安で結婚を決意できないといった方々がますます増えて、日本の社会が取り返しのつかないことになりはしないかということで、非常に危惧をしております。この辺りは、参加されている皆さんの共通の認識の部分もあると思いますから、是非、非正規を正規へ転換していただく妙案なりを出していただければということで発言をさせていただきました。


○阿部部会長 ありがとうございます。非正規の問題は非常に大事な問題だとは思うのですが、今回の資料では、年齢別の非正規の人数は、「不本意非正規の状況」という所で出ているだけですので、もう少し、年齢別の非正規の状況なりを丁寧に資料を作っていただいて議論していただければと思います。ほかにはいかがでしょうか。


○山下委員 本日の資料にも出ていますが、少子化が進んで、産業人口の構成もどんどん若い人が少なくなっている。都市部はまだいいのだと思うのですが、地方は、地方の再生ということが大変言われている中で、若者の雇用対策が重要だというのは、恐らく、今、一致しているのだと思うのです。そういう意味では時宜を得た議論が始まるということだと思います。これからの日本は若者を大切にするのだということを、この際、しっかりと打ち出していく必要があると思うのですが、先ほどからの先生方の御発言にもありますが、キャリア教育が不十分なところがある。あるいは、職業訓練についても、まだまだ不十分で、あるいは職業資格制度についても、ほとんどないというか確立されていない。そういう点で言うと、非常に時間がかかりそうだとは思うのですが、ここでできることを、できる限りやるということが大事だと思います。

 それと併せて、先ほどから出ておりますが、非正規雇用対策をどうするのだという辺りが、この資料 4 の関係で言うと、少しポイントになるのではないかとは思っております。どういう議論をすればいいのか、私自身もちょっと分からなくて、御質問などもさせていただきながら議論に参加していきたいと思っています。


○福田委員 今、山下委員の御発言で、私が言うと、また精神論と言われるかもしれませんが、私はどちらかというと、若者を大事にし過ぎているのではないかと思っています。若者を、これからもっと大事にするのではなくて、若者を少し過保護にし過ぎている、それが問題なのではないかと思っているのです。その辺りはちょっと、今後の議論でどうなっていくか分かりませんが、反論でもないですが、精神論になって申し訳ないです。


○村上委員 資料
2 の「若者雇用対策の現状」のところでも幾つかありますが、 1 つ、 19 ページに「若者応援企業宣言」事業について御紹介されています。私も不案内で、この事業をやられていることは、これまで余り意識していなかったのですが、いろいろな情報を開示して宣言して、若者を応援していますよということを明示して、その事業を PR していく取組は大変重要だと思っております。しかし、一方で、この「若者応援企業宣言」事業だけではなくて、次世代法の「くるみん」など、行政が支援するような仕組みの中で、多分レアケースだとは思うのですが、私どもの所には、若者応援企業と言ったけれども、実態ではそうではなかったというような訴えがあったり、あるいは次世代法でも、「くるみん」マークを取得しているような企業においても、契約社員には産休を取らせませんと言って契約を解除してしまう、雇い止めしてしまうような相談も寄せられてはいます。

 学生さん、若い人たちは、こういったものを信じて、ここだったら働き続けやすいのだと思ったり、「くるみん」があれば、出産しても働き続けられるのだと思って就職するわけですから、問題があってこの名にふさわしくないような実態があれば、きちんとマークを取り消していただくなどの実効性のあるものにしていただく必要があるのではないかと思います。

 もう 1 点です。 20 ページに「若者の『使い捨て』が疑われる企業等への取組」ということで、いわゆるブラック企業対策として、こうした取組は大変重要だと私どもも認識しております。ただ、相談があって、それに対応するだけでは全ての職場がきちんとしたコンプライアンスができている職場になるかというと、そうではないわけです。若い人に限りませんけれども、とりわけ経験の不足している若い人たちを大事にしていくことが大切であると、先ほど野村委員からも発言がありましたが、やはり労使で、若い人が働き続けられるような職場環境にしていく取組をすることが必要ですし、そうしたもののモデルをつくったり、支援をしていただくことも必要ではないかと思います。

 私どもも、組合があれば労使で取り組みますが、多くの企業で、まだ労働組合がないという実態もありますので、そういう所を何とか支援していただくことも、是非、課題に入れていただきたいと思います。


○宮本委員 資料
1 14 ページに「学校中退後の就職状況」という表があるのですが、ここの赤く囲っている「中卒・高校中退」と「高等教育中退」で、どちらにしても中退後は「アルバイト・パート」が半数以上を占めています。それから、「失業・無職」という状態なのです。

 一番の問題は、中退をした段階で、どこにも所属せず、中退をしたときに、どこかに駆け込む相談の場が日本では確定していないということだと思うのです。そうすると、要するに糸の切れた凧の状態になってしまって、年齢的に言うと、やはり初職の重要な時期であるのと、教育訓練の最も重要な時期なのですが、ここで糸が切れてしまうと、そのチャンスを全然失ってしまうということで、あっと言う間に半年、 1 年と過ぎていくという状態にあるわけなのです。その点で、この中退者対策の問題は、やはり学校から籍がなくなった段階で、どこかにつなげることを仕組みとして作る必要があると思っております。この辺りは、本日、文科省もいらしているわけですが、文科省と厚労省との間で、仕組み作りを徹底してやる必要があると思うのです。

 今でも、ここで書かれているのは、大学で 9 万人が中途退学、それから、高校が今どのくらいでしょうか、大学より少なくなっているわけです。ですが、私が見ているところ、大学の中退者の結構少なくない人たちが、高校で中退する人とベースとしては結構似ている状態にあって、やはり、大学大衆化時代の中退者問題は、そのつもりで対策しなければいけないと思うのです。そういう意味での連携の問題を作る必要があるということを発言させていただきました。


○遠藤委員 中途退学者の問題は、宮本先生から御指摘があったように大変重要な問題だと思っています。大学の方々から聞くお話では、圧倒的に、退学の理由が経済的な理由だということです。復学の仕組みを大学としては持っていても、復学される方はほとんどいないということです。当然、そうなると大学を離れてしまうので、ではどこに所属させていくのか、どこのサポートを受けていくのかというのは、必要な仕組み作りだと思っています。

 ただ、前後するようで恐縮なのですが、そういった方々が、パート・アルバイトの職に就くのは、経済的な理由が大変多いことから考えれば、実態として、ありえるのだろうと思います。その部分を、何か現象的に指摘していくということは、あるいは指摘し過ぎるのはミスリードではないかと思います。どういう道筋を付けて、その人が望むような働き方に持っていくのかというところは議論したいと思うのです。何か先ほどから、非正規問題がかなり声高にお話しされていて、本日はこの問題に反論するつもりはなかったのですが、多様な働き方をどう進めていくのかという議論と、若者の雇用で抱えている課題をどう整理して、その対策をどう立てていくのかという議論は、今後、回数を重ねていく中で、経済界としては慎重な議論を進めていきたいと思っております。そこだけ申し上げておきます。


○阿部部会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。

 本日、遠藤委員から、切り口を丁寧にして議論していったらどうかという御発言がありました。若干違う意味合いですが、宮本委員からは、男女一緒の資料ではなくて、男女別に見ていったら、また違う角度から議論ができるのではないかというような御発言もありました。

 そこで、私の個人的な感想ですが、今後、課題認識をした上で議論していく際には、切り口をもう少し明確にしながら議論していったらいいのではないかと思いました。今、資料 4 で出ているのは、中退者、未就職卒業者、フリーターという、個人に着目した支援や対応の在り方ということで整理されていると思いますが、例えば、学校から職業への移行という時期や、あるいは職業から職業への転職、その時期ごとに課題を整理することも、個人に着目した整理とともに在り得るのではないか。そうすることによって、もう少し幅のある議論ができる可能性はないかと思いました。本日はフリーディスカッションでしたので、事務局におかれては本日の議論を参考にして、今後の資料、あるいは今後の議論を進めていくようなことを考えていただければと思います。

 ほかに、皆さんから御質問、御意見がなければ、本日、様々な御意見を頂きましたので、これを整理して、今後の資料としていただければと思います。最後に、事務局から今後の部会のスケジュールについて御説明をお願いします。


○五百旗頭派遣・有期労働対策部企画課雇用支援企画官 資料
6 に沿って御説明します。今後の検討スケジュールの ( ) です。本日、若年者雇用対策の現状について、データや施策の紹介を中心に御説明し、御議論を頂きました。次回の 10 3 日及び 10 17 日については、関係団体などから直接お話を伺う機会を設けて、その上で更に御議論を深めていっていただいてはどうかと考えております。ヒアリングについては、委員の皆様の御意見を伺いながら、部会長と御相談をしつつ、準備を進めてまいりたいと考えております。また、若年者の就労支援の現場を見ていただけるように、こちらは任意ではありますが、若者のハローワーク、あるいは、新卒応援ハローワークといった現場を御視察いただくような機会も御用意してまいりたいと考えております。

 その上で、 11 月以降ですが、それまでの議論で出された論点を整理しながら、 12 月頃のイメージで、若年者雇用対策の議論を取りまとめていくといった流れを、今のところ考えております。

 なお、若年者の雇用対策を検討する上では、若者に対する職業訓練や、自立に困難を抱えるニートといった若者に対する支援があります。こうした部分については、若者の職業能力開発・向上に関する論点は、職業能力開発分科会の所掌となっております。今後、職業能力開発分科会において、これらの論点を含めた検討がなされていくものと承知しておりますので、適宜、議論の状況については、相互に共有する形で、今後、進めてまいりたいと考えております。以上です。


○阿部部会長 ありがとうございました。ただいま事務局から御説明があったスケジュールについて、御意見、御質問はありますか。なければ、御説明があったように今後進めるということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。

 最後になりましたが、ここで生田職業安定局長より御挨拶を頂きたいと思います。


○生田職業安定局長 本日は遅れて入りまして、本当に申し訳ございません。皆様方には、本当にお忙しいところを、非常に熱心な、お聞きしていても非常に熱い御議論を頂きまして、本当にありがとうございます。

 私自身は、若者の雇用対策というのは、我が国の将来を担う若者について、精一杯活躍していただいて、その能力をいかんなく発揮していただくという観点から対策を進めていければと思っております。そのことが、我が国の経済の持続的な成長にも資すると考えております。

 本日は様々な御指摘を頂き、資料の注文もいろいろ頂いたわけですが、それについては一生懸命準備をさせていただきたいと思っております。年末には取りまとめをするということで、皆様には大変申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。


○阿部部会長 本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。次回は、
10 3 日金曜日 15 時から、場所は本日と同じこの会議室にて開催いたします。本日の署名委員は、福田委員及び照屋委員にお願いします。本日は本当にありがとうございました。


(了)

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