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2014年8月29日 第3回保健師に係る研修のあり方等に関する検討会 議事録

健康局

○日時

平成26年8月29日(金)
15:00〜17:00


○場所

経済産業省別館 1111会議室


○議題

1 中堅期の研修のあり方等について
2 管理期の研修のあり方等について
3 その他

○議事

○村嶋座長 皆様、こんにちは。定刻となりましたので、ただいまより第3回「保健師に係る研修のあり方等に関する検討会」を開催させていただきます。

 構成員の皆様方には、大変御多用のところ、また、お足元の悪いところ御出席いただきましてありがとうございます。

 それでは、事務局より構成員の出席状況と配付資料の確認等をお願いいたします。

○保健指導専門官 保健指導室の柿澤です。

 まず、本日の出席状況ですが、佐藤構成員、藤原構成員からは、本日30分ほど遅れる旨御連絡いただいております。高橋構成員はまだお見えにならないのですが、来られるかと思います。

 次に、配付資料の確認をさせていただきます。

 まず、議事次第。

 次に、座席表。

 資料1としまして「前回までの検討会における主な意見」。

 資料2「本日の論点(案)」。

 資料3としまして、横紙の「地域保健従事者現任教育推進事業の活用状況について」。

 資料4「永江構成員提出資料」。

 資料5「座間構成員提出資料」。

 資料6「佐藤構成員提出資料」。

 以上でございます。

 資料に不足、落丁等がございましたら、お申し出ください。

 では、以上をもちましてマスコミの方は、カメラをおさめていただきますよう、御協力をお願いいたします。

 済みません。あと1点、課長なのですが、ほかの公務にて少し遅れてはまいりますが出席します。よろしくお願いいたします。

○村嶋座長 ありがとうございました。

 それでは早速、本日の議事に入りたいと思います。

 まず、事務局より資料1〜3について御説明をお願いします。

○保健指導専門官 では、資料1をお手元に御用意ください。

 こちらは「前回までの検討会における主な意見」ということで、事務局のほうでまとめさせていただいたものになります。

 斜体字部分が前回出された主な御意見になりますので、そこのところを私のほうで説明させていただきます。

 「<系統的な研修体系の必要性>」という中では、必要な能力を獲得する手段が研修であることを提示していくような観点で、研修を構造的に整理する必要があるということが御意見としてありました。

 また、系統的な研修の受講が、人事上の配置、ローテーションにつながっていくことが望まれることであるとか、行政一般職の研修という体系があるけれども、それだけでは保健師として果たすべき内容が学習できないので、これに加えて保健職能として段階に応じてどのような研修を組むかということが課題になってくるという御意見がありました。

 次に「<各期における課題等について>」、「(共通事項)」のところなのですが、職員に研修を受講させる際に、そのような人事評価であるとか業務の実践につながるものである。そういったことの研修の位置づけを明らかにすることが必要である、ということがありました。

 また、キャリアラダーを上がった先に、どのようなパスが用意されているのか、現場の保健師たちがしっかりと意識化できるようにする必要があるということでした。

 あと各期に入りますが、まず「新任期」ですが、基礎教育の多様化がさらに進むことから、研修を受ける新人保健師の課題が一層多様化するということ。

 また、新任期の研修に関しては、自治体がほとんど実施している状況を鑑みて、大きくフレームをかえる必要なないのではないかというような御意見がありました。

 あと「中堅期」ですが、中堅期の研修はシステマティックになっていないというような御意見ですとか、中堅期から管理者になっていくパスの必要性があるというような御意見。

 また、中堅期の場合は、現場で活動する保健師、また職位的に上位を目指していく保健師であるとか、産休や育休に入るなどのさまざまな中堅期の多様化、多様性というものがあるので、その多様性をどのように整理するかということが課題であるという御意見がありました。

 また、研修に対する意識や位置づけが自治体によって異なっているというような課題も御意見としてありました。

 あとは、国立保健医療科学院で実施している地域保健分野の受講者が年々減少しているというような課題等も御意見としてあったところです。

 続きまして、統括的な役割を担う保健師であるとか管理期の保健師の課題等です。

 市町村全体的に課長職、部長職をとる保健師も増えてきている状況の中で、職位についてから管理能力を身につけるというのは非常に難しいので、組織的にいい役割を果たすことができない。よって、系統的に管理能力を身につける仕組みづくりというものが必要であるという御意見でした。

 「<本検討会に関する検討内容等>」のところでは、ラダーとか達成目標はこれまでも多く報告書が出てきているので、それらをうまく使いながら、その先にどのようなパスが用意できるのかということを検討するべきではないかという御意見をいただきました。

 また、実施体制のところに関しましては、看護系大学が地域貢献の役割としてリーダーシップ、コーディネート力を発揮すること等によって、保健師の実践力の向上、職場環境の変化等につながっているという田中構成員の御発表を受けての御意見等も承ったところです。

 おめくりいただきまして、4ページ目ですが、「<研修への派遣等について>」のところでは、研修期間が短縮されるというと、参加しやすくなる反面、学びの多いグループワーク等の時間が短くなるので、単純に短くすればいいというような一方的な議論がいいとは言えないということでした。

 また、保健医療科学院で実施している福祉事務所長等の研修会は、自治体の中でも参加が必須であるというふうに認識されているので、その職位になった人は当然のように派遣してもらえるけれども、保健師には職位に応じて必要とされる研修というものが用意されていないので、派遣が困難になっているというような御意見をいただきました。

 「<研修の実施方法等>」に関しては、インターネットによる遠隔授業をふやせばよいのではないかという御意見もいただいたところです。

 資料1に関しましては、以上となります。

 続きまして、資料2【本日の論点(案)】としてお示しさせていただきました。

 まず、1つ「○中堅期の研修のあり方等について」というところで、論点1としまして、中堅期が果たすべき役割とはどのようなものがあるのか。また、そのためには、どのような能力を身につけることが求められるか、ということです。

 次に「○管理期の研修のあり方等について」ということで、論点としまして、管理職になるためのキャリアパスについては、現場での実践力を育成するためのルートとは別に整理する必要があるのではないか。

 次に「○保健師の研修の考え方等について」ということです。

 論点1としまして「系統的な研修体系の構築に向けて、保健師の実践力を階層化して整理し、各期においてどのような能力を獲得していくことが求められるか、整理してはどうか。」ということです。

 論点2としまして「研修を効果的に実施するためには、県立大学等の教育機関を含めた関係団体と地方公共団体とでどのような役割分担が考えられるか。」

 論点3としまして「産休や育休を取得している保健師のキャリア継続支援について、どのように考えればよいか。」ということです。

 資料2の論点に沿った議論は、ヒアリングの後でお願いしたいかと思います。

 では、資料3をおめくりください。

 こちらは、地域保健従事者現任教育推進事業と言いまして、こちらのほうで補助金を出した事業を設けております。以前、村嶋座長のほうから、どのような活用状況なのかという宿題がありましたので、このペーパーを用意させていただきました。

 濃いところが平成24年度で、薄いところが平成25年度になっております。25年度に補助の申請をしたところが増えておりまして、市町村が結構多く増えているような状況でございます。

 資料の説明は以上となります。

 本日、関係者からのヒアリングとしましては、永江構成員、座間構成員、佐藤構成員にお願いしております。

 以上となります。

○村嶋座長 ありがとうございました。

 ただいまの御説明について、御質問、御意見等ございますでしょうか。

 どうぞ。

○曽根構成員 資料3の地域保健従事者現任推進事業の少し細かい状況がわかれば、教えていただきたいと思います。

○保健指導専門官 補助内容とかですか。

 地域保健医療等推進事業の中でやっておりまして、都道府県と保健所設置市、特別区、市町村に2分の1の補助を出しております。

 都道府県のほうには、ガイドラインの作成であるとか、そのような設置に関する検討会の設置であるとか、あと国立保健医療科学院が実施する研修の受講機会の確保等のところに、旅費は出ないのですが、長期間派遣される場合に不在になるところから、そういったところで代替職員の費用等を見ているところがあります。

 あと、新人期に関しましては、退職保健師がトレーナーとなって新任期の保健師を育成するのですが、そのトレーナーを雇用する費用等もこの中で見ているところです。

○村嶋座長 よろしいですか。

○曽根構成員 はい。

○村嶋座長 ほかにいかがでしょうか。

 特に今の時点ではございませんでしょうか。

 では、次に進ませていただきたいと思います。論点2に関しては、後で御議論いただきたいと思います。

 本日は、永江構成員より県立大学の立場として島根県と連携した取り組みを、また、座間構成員から企業の研修体系及び女性のキャリア継続支援について、佐藤構成員より県との連携による市の保健師現任教育について、御発表をいただきたいと思います。

 質疑は3人の発表が終わった後にまとめてお願いいたします。

 では、最初に永江構成員、お願いいたします。

○永江構成員 島根県立大学の永江と申します。よろしくお願いします。

 それでは、早速なのですが資料のほうの、まず、本学が島根県と連携した人材育成をどのような形で進めてきているのかというところを御紹介したいと思います。

 スライドの右下のほうに小さな番号が書いてあるのですが、まず、島根県の概況は、スライド1番を見ていただいたらわかりますように本当に小さな県でして、そこの中で保健活動の展開をしているわけなのですが、スライドの2番のほうを見ていただきますと、島根県の現在の市町村の、平成9年、いわゆる地域保健法が施行されて業務分担中心になってから昨年までの保健師の新規採用の状況なのですが、市町村が74%、県が45%というふうな新規採用の状況になっております。それぞれ四角で吹き出しをつくっておりますので、採用の背景も一緒にごらんいただけたらと思います。

 スライド3番には、経験年数別の保健師数を載せております。この経験年数は産休・育休の期間も入っておりますが、10年以内の保健師が市町村も県も3割程度、15年以内になると5割程度という経験年数の状況でございます。

 それぞれ県とか市町村の配置先は、どこの各県とも同様な感じだと思いますので、スライドの6番目の大学とかをひっくるめて、島根県における現任教育の関連がどういう形で進められているのかということを説明したいと思います。

 この「島根県における現任教育関連図」は、昨年島根県のほうで中堅期、管理期の人材育成ガイドラインを作成しました。そのときに整理したものですけれども、まず、下のほうのブルーで囲んであるところに、「県」と「保健環境科学研究所」というのがございますが、現任教育は本庁が事務局になっておりまして、研究・研修機能を持つ保健環境科学研究所が、協力支援という形で新任期も中堅期も管理期も研修を一緒に行っております。

 職場におきましては、上段になりますけれども、お互いに育ち・育て合う関係での現任教育を推進しようということで、3枚フレームがあるのですが、現在のところはさまざまな部局に新人も配属されておりまして、プリセプターもそれぞれに配置しておりますので、統括保健師は組織横断的なかかわりを持っていかないといけないのではないかという意味を示しております。

 下のブルーのところをもう一度見ていただきたいと思うのですが、「現任教育支援検討会」というのは、県が事務局を持ちまして、系統的に教育を行う立場にある主導的立場の担当者の方々、その方々の指導力の向上と、組織としての人材育成体制の整備について、一堂に会して情報共有をして検討していく会議でございます。これには大学も保健所の代表の所長も入っております。

 そして「現任教育推進会議(仮称)」としておりますが、実はこれは、左のほうの職能団体を見てもらったらと思うのですが、現在それぞれの職能団体がばらばらな現任教育をしていてもいけないのではないかということで、情報共有の場で連絡会を開催しております。そういった意味では、今後は現在行っている職能団体との連絡会を発展させていくという形で連携して、現任教育体制を構築していく方向性を検討していこうではないか。そういった場をこの現任教育推進会議(仮称)として考えております。大学は、これらの会議にサポート的に関与しているということです。

 7番目のスライドになりますけれども、本学が人材育成支援に関与した背景です。平成18年度までは単発的な研修講師としてのかかわりでした。そして、島根県が平成18年に保健師の研修体系の見直しを行いまして、その中で中堅期の重要性を意識し一番に考えていく中で、中堅期保健師を対象とした「企画研修」を18年度から開始しております。

 大学としましては、平成17年に新任期の人材育成プログラムの策定委員としてかかわっておりましたので、人材育成にかかわることの必要性ということと、一方では、公衆衛生看護学実習での協力も得ておりますので、卒業生のフォローも含めて協力支援をしていくという背景でずっとそれ以後かかわらせていただいております。

 一番大きいのが企画研修でございます。スライドの8、9、10番をご覧いただけたらと思いますが、この企画研修の【目的】というのが【到達目標】のところで、行政施策に沿った事業とか、施策の企画を提案していこうではないか。そこにいくような到達目標を掲げながら、9カ月間ですけれども最終的には企画書を作成し、発表するという流れになっております。

 スライドの10番を見ていただけたらと思うのですが、そこの中で【研修方法】あるいは【研修の支援体制】として大学がかかわっております。私どもの大学は助教以上、公衆衛生看護学を担当する教員が7名ございまして、大体その7名が、准教授以上が講師として担当し、助教等はサブで一緒に支援するという形になっております。

 そして、島根大学のほうは、今まで地域保健学の教授がいたわけなのですが、23年度で退職をしまして、今後配置されることも含め大学名を残してあります。本県には2つの大学しかありませんので、両大学の協力支援の側面からも、現在のところは保健所長でもあった医学部のドクターが協力体制をとっています。

 そして、保健環境科学研究所は、データ解析の支援として、保健所は受講生および所属自治体への協力支援として企画研修を推進しているということです。

 スライドの11番のところに実施体制を図式化しておりますが、ここの中に市町村、保健所、そして大学、島根県健康推進課、保健環境科学研究所というそれぞれの各機関が役割を担う部分を吹き出しで掲げております。この企画研修のプログラムを実施する主体は、左下に書いております島根県の健康推進課、本庁でございます。そして、副として保健環境科学研究所がそこには栄養士、保健師を配置しておりますので、受講生と講師の調整をしながら、各大学の講師がPDCAを回す支援をしています。

 各機関の役割については、次のスライドの12番、13番目のところに掲げておりますように、大学では、実態分析から企画書作成までの直接助言等の個別支援。保健環境科学研究所は、県と協働して企画研修の企画及び実施をしていく。そして、保健所は、研修成果を管内に波及させていく。市町村は、研修成果を職場内へ波及させていく。本庁は、予算の確保、そして全体の調整、運営という役割を担っております。

 今までの直近のところの平成23年、24年、25年、受講生がどういった研修テーマで1年間取り組んできたのかというのは、ご覧いただけたらと思います。

 スライド17番目を見て頂きますと分かりますように、約1年間を通しての支援となります。

 プログラムの概要なのですが、左にプログラムを4月から書いておりますが、「集合研修」というのは公開講座にしておりますので、受講生だけではなくて県内の保健師、誰でも参加して一緒に学ぶという流れになっております。そして「個別支援」は、計画書作成から最後の抄録作成をして、発表までを支援しているという状況です。

 その次のスライドを見ていただきますと、18番目のところでは、これは平成21年までの受講生の自己評価という形なのですが、概ね受講者は様々な能力が身についたという結果となっております。

 私どもの大学が、どういう流れで現任教育にかかわってきたのかというのは、19番に全体像を示しています。これは他の大学も恐らく同じようなかかわり方だと思います。

 そういったかかわり方の中で、スライドの20番を見ていただけたらと思うのですが、大学がかかわることによる相互作用ということでまとめさせていただいております。

ここでは、大学の保健師養成基礎教育への波及ということを1つには挙げております。というのは、かかわることによって地域住民の実態を知ることができる。そして、現場の保健活動の実際が確認できる。保健師の活動上の悩みを知ることができる。そういったことによって、基礎教育に生かすことができるということがまず利点としてございます。

 そして、地域の側からすると、大学が身近な教育的相談機関になって、敷居が低くなるという形がございます。

 また、地域の保健師、現場の保健師と一緒に共同研究を実施してくということにもつながりまして、例えば、健康増進計画の具体的な推進していくための方法論の研究であるとか、人材育成に関する保健師の意識調査、あるいはソーシャルキャピタルの役割を生かした組織活動の展開。そういうふうな研究事業をともに実施していくということにもつながっております。

 このように、改めて大学の支援により強化される保健師の能力ということを21番のスライドにまとめております。基本的には新任期の保健師の研修にしても、中堅期の保健師。平仮名の「の」に直してもらったらと思うのですけれども、その研修にしましても、ここに記載しています能力というのはどこの県も能力向上に向けて研修をされているところだと思いますが、下の吹き出しのところに示していますように、やはり大学の支援の一番は、保健師が地域支援活動における企画から評価、政策立案までを理論的に学び、整理することによって、公衆衛生看護に必要な実践能力の向上につながっていく。ここが大きいのではないかと思っております。

 あとは補足的に、本大学のほうでは平成2510月1日に、しまね看護交流センターを立ち上げましたので、そこの中のキャリア支援部あるいは看護研究支援部。この2つの支援部のところで公衆衛生看護学、あるいは公衆衛生看護の実践能力の向上に向けての研修機能を位置づけておりますので、そういったところで実践力を向上していくための支援活動を行っております。今年、来年度に向けてまた地域の人たちが研究をしたいということであれば、それを支援していく中身にもしております。

 今までのところは大学の連携した人材育成のお話でございましたけれども、本日、お手元のほうにもう一つ参考資料として「育児休業取得保健師の人材育成に関するガイドライン」を添付させていただいております。育児休業取得保健師の人材育成に関しまして、概略については「はじめに」のところを読んでいただけたらと思います。このガイドラインを作成する前の2年間のところで、中堅期保健師の人材育成に関するガイドラインを作成いたしました。構成員の中板構成員にも一緒に両ガイドラインにも参画していただきましてつくり上げたわけなのですが、やはり中堅期の保健師、特に育児休業取得者の保健師の多くが中堅前期、あるいは中堅中期の状況にあって、復帰後は中堅保健師としての活動を求められていく。そういった中での保健師の悩みというのが多くございました。そういった悩みにも対応し、自信を持って復帰現場で中堅期保健師として活動していただくために、という主旨でつくり上げたガイドラインです。

 全体概要は、1枚ペーパーのほうに「育児休業等取得保健師の人材育成ガイドライン」として「育児休暇取得中」そして「職場復帰」「復帰半年」「復帰1年」の横軸の中で、育児休暇取得者としての努力、あるいは復帰部署としての、関係者としての支援、職場の環境づくり、そして支援環境づくりの流を1枚ペーパーで見えるように書き上げております。

 一番重要なのは、育児休暇取得中の保健師がモチベーションをずっと維持し続けていくための支援体制をどうつくり上げていくのか。そこがポイントであろうかと思っております。あくまでも概要でした。

 以上でございます。

○村嶋座長 ありがとうございました。

 豊かな蓄積があるのだなと思いました。

 では、座間構成員のほうから「富士フイルムの人材育成・研修体系」についてお願いします。

○座間構成員 座間です。よろしくお願いいたします。

 お手元の資料の「富士フイルムの人材育成・研修体系」を基に話をさせてもらいます。まず、弊社の概要ですが、1934年創立し、現在2兆4,000億の売上で、国内・海外も含めて273社、従業員約7万8,000人が働く会社です。

 持株会社制をとっており、富士フイルム、富士ゼロックス、富山化学、そして、シェアード会社の富士フイルムビジネスエキスパートでグループ体制がとられています。

 本日の話は、富士フイルムの教育研修の話です。

 我々は、写真フィルムをコアのビジネスとして成長してきた会社ですが、2000年をピークにその写真フィルムが大きく減ってきた中で、技術をベースに事業構造を大きく転換しながら新しいビジネスをつくって、事業変革に取り組んできました。

 写真フィルムの売り上げ構成比は、2000年には約19%ありましたが、現在は約1%です。新しく、医療事務や液晶の材料事業、富士ゼロックスのドキュメント事業などが伸び、大きく構造が変わってきた会社です。

  研修体系については、6ページに書かせていただいていますが、さまざまな切り口での研修がありますが、今日は中堅期中心の説明とうかがっております。体系図の左は資格昇格関連の研修体系です。会社に資格役割制度があります。入社後、それぞれの役割で仕事をしていきます。資格の1から役職者になるまで資格ごとに役割が明確にあります。その役割を担うために、しっかり研修をやっていく。その研修を経て、実践の場でその役割を担えると判断されると上位の役割に昇格していきます。

 また、研修体系としてプロマインドの強化があります。キャリアの中で次の自分自身の成長を考え、自分の強みを描いていくことを強化する研修です。さらに、企業にとってはリーダーが非常に大事で、計画的に選抜して育成してこうという選抜研修体系。あとは、研究から生産、販売、スタッフと企業は、幅広い機能を持っていますので、それぞれに必要なスキルを研修体系として持って各機能を強化しています。

 次に多様な事業、職種がありますので、富士フイルムとして共通した仕事の進め方を定義しようということが8ページの「FF-メソッド」になっております。

 これは、一般によく言われるPDCAという仕事の進め方を、富士フイルムとして独自に定義し直しています。ポイントとしては、現実、現場、これをしっかりと見据えて、その中で本来目的に沿って何をやるべきなのかということを考えた上で計画を立てる。立てた計画はしっかり実行していくことを、「See-Think-Plan-Do-」という仕事の進め方を共通の基盤にしています。

 全ての仕事にやはり定石とか手筋が必ずあり、会社を大きく変革していくために、大事なことは何かを経営者の考え方、現場のマネージャーのヒアリングを通してまとめました。全ての資格の社員にとって大事な考え方として教育をし、「FF-メソッド」と定義しています。

11ページ目は、その「See-Think-Plan-Do-」を、定義をして展開しているという内容になっております。

12ページ目は、それを細かく定義をしております。自分の仕事をこの定義で振り返りながら、自分自身の仕事をしっかりとレベルアップしていく。今の自分の仕事の進め方で、うまくいかないのには何が欠けているのだろうかということを考えて成長していきます。

 ここまでは全体の話になります。

 この後、研修を紹介する前に基盤の社員制度を説明します。

14ページでは、先ほど申し上げた役割に応じた資格。それに伴った賃金。資格の中の評価のグレード。その評価に伴って賃金が決まっていくことが社員制度の骨格になっています。この3つの制度がサイクルとして回っていきながら業務を進めて、その達成度合いがそれぞれの給与に反映されます。

 次の15ページでは、自分の役割というものを強く意識して、その中で自分のフィールドを広げて、上位の役割を担っていくことで、自分の仕事の質を高めていきます。そのためには、チャレンジをしていくことをこの制度の中で求めています。

16ページは、それぞれが入社してからの資格の定義になっておりますので、後でお読みいただいて御理解いただければいいと思います。

 その役割に一つ一つ上がっていくために必要な研修を行うことを書いたのが17ページです。職場の中で能力を高めていくOJTが大切ですが、それに加えて次の資格でやれなければいけない能力を強化する研修を役割が上がる前に実施しています。

18ページに行きますが、研修で上位を担うその動機づけと、上位の役割を担っていくために必要な課題を作らせる研修です。職場の中で力を発揮していくOJTと、この研修のOFF-JTをうまくリンクさせて、資格が上がったときにその役割がすぐ発揮できる社員に育てています。

 この後、具体的な研修の内容を説明します。入社してから3年目までの初期の育成体系が28ページに描いてあります。対象は主に20代と考えていただいても結構かもしれません。スキルの研修で専門力も上げていきますが、我々にとって大事なのは、やはり職場の中でしっかりとした実行力を発揮するために、新入社員研修からはじまって、入社後すぐは大学生からの意識を転換し、社会人としての成長プロセスを自分のものに身につけていくことが大きなポイントになっております。

 そのときに、29ページに行きますが、突破力がある社員、自立した社員に育っていくには何が必要かを職場のヒアリングした結果をまとめています。

 まずは、謙虚に学ぶ姿勢を持っていること。人にも自分にも誠実に向き合う姿勢を持っていることは基本だと思っています。

 その上で、自分の仕事を通して現地現物を学ぶ姿勢が大事です。ちょっとした違和感とか、兆しでも見過ごさないで解決できるかです。そして、仕事への情熱・エネルギー。誰かがやってくれるのではなく、会社のために自分がやるという気持ちです。本質を考える力というのは、なぜということを繰り返して自分の頭で考える力を身につけることです。

 そして、上司、指導員の指導を受けながら、何か1つでもいいから壁を越えて成功した経験を持って、それが認められた瞬間があること。現実を1つでも動かしているということを上司がきちんと見て、やはり認めるべきことを認めていくことが、指導員、上司の育成では重要です。この成長サイクルを経験することで、突破力とか実行力が身についていく。この成長プロセスの視点で、本人は内省し、上司、指導員は育成の指標とし、自立させていくことを実施しています。

 次の30ページの指導員に関しての内容も非常に大事な役割になっております。富士フイルムメソッドと成長サイクルを、自分の価値観、軸を持って新入社員に伝えることを軸に強化しています。

31ページですが、全体の育成環境として、新入社員に対して、必ず人事部担当をつけて、人事部と職場と指導員が連携し、新入社員とかかわり、それを共有化する。新入社員と人事部も定期的に会って、彼らのメンタリティーをしっかりとチェックしながら育成に係わっていくことを実施しています。

 次に、仕事の基盤や成長プロセス、社会人としての考え方などがしっかり身についた後、が中堅期になっていきます。中堅期の実施内容は本日の説明は大きく分けると2つあります。

 1つは、さらに高い、難しい、「課題」をきちんとやり切るための実行力。その実行力を高めていくために、その課題を自分の腹にきちんと落としていくこと。そのことをきちんと教育します。

 2つ目は、会社に対して、今後、自分の貢献は何かということを考えていくに当たって、自分の強みを棚卸しして、その強みをさらに発揮していくために何が必要か考える研修を行っています。

 そして、リーダー、マネージャーに成長していくために必要な資質を中堅期で身につけるように育成していくことが必要だと思っています。

 今の2つのポイントを、少し詳しく研修内容を含めて説明します。19ページが課題をしっかりと腹に落としてやり切っていく、より難しい問題に挑戦して、それを実行する力を養うための研修になっています。

20ページにポイントが書いてあります。「ねらい」は、問題意識を持って課題を設定できるかどうか。より難しい問題、現実から逃げずにその課題にチャレンジできるかということなので、その設定力と解決力と、それを達成するプロセスがポイントです。

22ページは、まずは課題。会社が成長するため、お客様の視点に立ったときに、自分は何をしたいか考えています。それがなぜ必要なのか、どうして必要なのかという上位目的を自分の腹に落ちるまで考えさせます。

 具体的には23ページになりますが、自分の課題をもう一つ大きく捉えることです。お客様の視点や競合の視点で幅広く情報を収集したときに、本当にその課題でいいのか。もしくは本気にやるべき、今、するべき課題であるのかということを、自分の腹に落として、課題として本当にやるという決意を持つ。課題設定力とは、その決意が大事であることを研修の中で学びます。

 課題を実行していくにも当然さまざまな壁があります。25ページに飛びますが、売上を上げる、研究の商品開発をすることを実行するときに、やるべきことをしっかり書き出す。そのプロセスで、必ず達成するためには壁があります。その壁を突破して実現するためのキーファクターは何なのか体系立ててストーリーをつくらせることが、この25ページの達成のシナリオになります。

26ページは、具体的にやることが決まって、いかにその課題に早く取り組むか、もしくはいかに早くお客様に対応をしていくのかをプロセスの中で意識づけさせて、最後は、実行したことをやりっ放しにしないでもう一度検証する。この全体が1つ目の中堅期の研修になっております。

34ページで説明しているのは、自分が30代以降会社の中でどう貢献すべきかを考え、志を持たせるキャリアデベロップメント研修です。

 上司、部下、同僚、関連部門、仕事にかかわっている人から自分の能力がどう発揮されているのかサーベイをとり、発揮している具体的な強みを文章で書かせています。その360度評価を自分で見たときに、自分の本当の強みをしっかり棚卸しして、腹に落とす。それを会社の中でどう発揮していくのか考える。キャリアの中でどう自分を生かしていくのか。何を自分は売りにして仕事をしていくのか。これらを30代でしっかり考えさせるという研修が34ページに書いてあります。

35ページに行きますが、キャリアの言葉でよく言われるShouldWillCanですが、20代はShouldできちんとやるべきことをきちんと身につける。その上で、自分が何をしたいのか、何ができるかを30代では考えさせます。

 最後に、中堅期では男女問わず、もしくは女性は産休・育休というライフイベントに向き合うことがあります。その企業としてのサポートをまとめさせていただきました。我々の企業としての考え方は、先ほどの永江構成員と同じ考え方だと思いますが、結婚や出産、育児のライフイベントを経ても、就業を継続することを不安なく、一人ひとりが自分の能力を発揮するための支援制度をつくっていくことです。そして、職場の環境もしくは人事のかかわり方をしっかり作って実行していくことを大切にしています。

 次の37ページに制度について書かせていただいています。我々が大事にしている1つは、産休に入るときに人事と職場と本人としっかり面談をするということです。復職することへの期待をきちんと伝えることです。そして、復職が決まる3カ月〜5カ月前にも、人事部と面談をします。育休前の職場に復職することを原則としておりますが、本人の考え方だとか、子育てをしてみて自分がどういうキャリアを描きたいのかを人事部と話合う。その上で、元の職場に戻るのであれば、復職日に人事と職場と本人で面談の場を設けています。どういう働き方をするか、どういうキャリアを考えているかということをそこで共有化して決めていく。職場だけではなく、人事もサポートし、より不安なく復職を進めていけるようにしています。

 また、継続して働くという観点として、再入社制度をつくっております。配偶者の転勤もしくは育児などでどうしてもその期間会社で働けないということが生じた場合について、登録をして、最大5年間の中で環境が変わった場合について、再入社するという制度を設けて、継続して働ける仕組みを強化しています。

 最後は、38ページになりますが、昨年10月から実施している仕組みで、法人契約して復職支援のプログラムを入れております。ポータルサイトとして、育休中に起こっている情報を提供する。もしくは復職に当たって必要な書面なども、こういったサイトを通して本人と連絡をとれるようにしています。復職の時期での不安感を払拭するためや復職を機に新しいことにチャレンジしたいという方のためにオンライン講座を受講できる仕組みになっています。

 例えば、復職前の面談の中で、自分自身が海外の仕事にかかわりたいときに、英語の講座を受けているという具体的な事例もあります。また、復職支援として、幼稚園、保育園をどうするかの知見や、パートナーとの間の関係性など、育児期に抱える悩みについて考える講座もありますので、その講座を利用できるようにしております。

 人事も含めて育休・産休の社員としっかりコミュニケーションをとることで不安なく、継続した働き方をしてもらうということを意識して取り組んでおります。

 少し長くなりましたけれども、以上になります。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 すごい体系ができているのだなと思いました。また、人事の評価と給料が結びつくところあたりがとてもいいなと思いました。厳しいかと思いますが、思いました。ありがとうございました。

 では、佐藤構成員のほうから「保健所との協働による市町村保健師現任研修」でお願いいたします。

○佐藤構成員 遅れてまいりまして申しわけありません。熊本県山鹿市の福祉部長寿支援課の課長をしております佐藤と申します。

 私のほうからは、私の立場としましては、市町村、特に規模の小さい市町村の立場の保健師として、現状と、それから、どのような形が研修としてのあり方が可能なのかということについて少しお話をさせていただければと思っております。

 まず、1ページの、熊本県の保健師の状況としましてはこの表のとおりです。平成25年度全体で624人。そのうち県が96、熊本市が144、市町村が384というところで、県は徐々に減りつつ、熊本市と市町村が少しふえているというような状況です。保健所は10カ所ですね。あと市の保健所が1カ所。平成の合併によりまして、市町村が、多分どこも田舎のほうはそうなのですけれども、半減しております。

 このような状況の中で、次のページをお願いいたします。熊本県の保健師人材育成指針というのが、今、使っているものですけれども、これが平成23年度につくられました。その流れとしましては、平成8年に県と市町村とで、その当時は保健婦と言っていましたけれども、現任教育マニュアルというものをつくっております。また、その翌年に業務指針というものをつくりました。このころは非常に県と市町村は仲がよくて、いろいろなことを相談しながら事業を進めたり、それから、研修もやっていたというふうなことを何か懐かしく思い出すようなことです。その後、それを活用しながら研修を、保健所の保健師が中心になって管内の現任教育を担うということで進めてきています。

 ただ、その後いろいろな法改正とか厚生労働省からのガイドラインとかも出ましたので、マニュアルをちょっと整理・再編しようというところで平成23年度に指針をつくられました。そのガイドライン検討会が、県庁の本庁各課の保健師、それから、保健所の保健師、あと市町村の代表の保健師と県の看護協会、県立大学や国立保健医療科学院からも助言者として参加をいただいています。

 下のほうが指針ですが、指針の方針は5つあります。社会状況の変化や多様な住民ニーズに対応した質の高いサービスを提供できる実践能力を強化することとか、新任、中堅、管理期とキャリアラダーに応じた到達目標を達成することとか、職業人としての能力、自治体の行政能力、専門能力を実践を通して習得する。また、行政保健師としてキャリアビジョンを描いて、目標を持って能力開発をする。あと職場内研修、職場外研修を体系的に実施して体制を整えるというような5つの方針がございます。

 ただ、現実としてはまだ、例えばキャリアラダーに応じた到達目標を達成することであったりキャリアビジョンを描けるかというと、なかなかまだ道が遠いというのが今の現実かなというふうに感じています。

 5ページの、上のほうの図は「目指そう!くまもと県民が輝く健康なまちづくり」というような名前がついていて「気づき・描き・実践する」保健師像というのが目指す姿になっています。

 「指針における定義」は、3年までが新任期の保健師で、中堅期の前期が15年未満。それから、後期が15年以上。管理期は職場内の管理する立場ということで、県の場合主幹以上というような形になっています。

 ただ、市町村におきましては、それぞれの市町村で役職に関しては非常に違いがありまして、位置づけが明確にはできていません。課長というのはどこでもいますけれども、例えば専門職だけの役職名があったり、主幹であったり専門員であったりという何かいろいろな名前での役職もありますし、年齢に応じたそういう役職についているかというとそうでもない部分もありますので、なかなかそれ自体明確にできていないというのが現実です。

 次のページをお願いいたします。到達目標はそれぞれ新任期から中堅期、それから管理期という形でこのような到達目標があり、そして到達目標の下に具体的な行動目標というのが設定されています。割りとわかりやすい言葉で目標設定をするような仕組みにはなっています。中堅期、管理期になると、指導力、人材育成管理能力の部分が加わってくるということになっています。

 9ページのところですが、各機関の体制と役割というところで、各保健所、市町村で職場内研修を推進すること。それは当然ですけれども、あと保健所の役割として、市町村が行う研修を支援する。また、2番目に、管内市町村と連携して地域の特徴や専門的な実践能力の課題を踏まえた研修を、保健所及び市町村の保健師を対象として階層別に企画・実施・評価をするということが保健所の役割になっています。あとは県の役割、それから大学との連携、看護協会等との連携というのがございます。

10ページがその関係図ということになっています。

11ページが体系図になっていまして、新任期の研修、それから中堅期、管理期ということで、おおむねメニューがざっくりつくられています。あとジョブローテーションに関しては自治体の考え方によるということで、これもざっくり書いてあります。それで、人事交流を平成23年から保健所、市町村間で2年間の期間で継続して行っております。

12ページが、研修やジョブローテーションに活用するために自分が何歳から何歳までどこに所属して、どんな仕事をやって、何を達成したかというようなこと、研究発表を何かやったかとかいうようなことを書くようなシートというのも一応管理者との面接のときに活用するようなものがつくられております。ただ、なかなか市町村の中ではこれ自体活用ができているかというと、そうではない部分が多いかなと思っています。

 私のまちの状況ですが、今、旧山鹿市と周りのまちが合併して、面積は300平米ほどあるのですけれども、人口は5万5,000人というところで、これは年々少なくなっています。保健師の数は23ですね。それで、市町村合併をした結果、私の管内では山鹿保健所があるのですけれども、管轄は山鹿市1市を管轄する山鹿保健所があるというような形になっています。その中で、トータルで保健師の数は28人というところになっています。中堅期より管理期のほうが数は多いような状況に保健所等はなっている形です。

14ページ、山鹿市の保健師全体がどんなふうに配置されているかというと、福祉部の中に健康増進課と福祉課と長寿支援課の中に、それぞれこのような形で分かれています。それから、市民部の中で市民センターそれぞれ4カ所ありますので、そこに1人ずつ。それで、市民センターの地区担当と、健康増進課の中の地区担当班という5人が、あわせて9人で地区担当をするという形になっています。

 「現任教育検討会」というのを、保健所主催で毎年行っています。これは毎年年に2回程度、年度当初と年度末にその年の計画を立てること。それから、年度末にその評価をしてまた次年度のことを考えるというような検討会を行います。

 参加するのは管内の保健所の主幹以上の保健師と、市は係長級以上という形で管理期というふうな形の保健師が参加をします。

 内容については、立案と実績の検証ですね。新任研修についてと現任研修について。主にそういったことをやります。地域の実態とか課題を踏まえて、必要な研修を検討して実施しようということになっています。

 それが、例えば平成24年度からのどんな研修をやっているかということなのですけれども、新任研修は1回で、3年未満の保健師とそれぞれの指導保健師で事例検討会をやっています。新人に関しては、県の評価シート等もありますので割りと研修もやりやすい形でずっとやれております。現任研修に関しては、毎年どのような形でやるかというのは、いつも議論されながら問題を考えながらやっているところなのですけれども、平成24年度はやはりPDCAサイクルに基づいた保健活動の展開についてということで、実際に自分たちの持っている事例をもとにグループ討議をしようということの研修を行っています。そこに行政栄養士も加えて実施をしています。

 評価として、PDCAサイクルでの整理の必要性の理解は進んだけれども、実際に業務で継続というのがなかなか難しかったり、1人で達成するのは難しいという意見もありました。日常的に回すためには、やはり管理期保健師がそのOJTができることが必要だなということで、平成25年度には管理期の保健師の研修をまず先にやるというところで、現任研修の中で管理期の保健師研修を2回やって、それは市の7人と保健所の2人、全員9人でお互いの事例を持ってOJTに必要な能力をどうやって向上させるかというところでたたき合うような研修をしたところです。その後に、全体の研修を行って、企画書の発表まで行いながら、それについて管理期の保健師が質疑とかアドバイスをするという形で研修を行いました。それで、OJTや評価力が少しはできるようになったというようなところと、ただ、その中で逆に実態把握が不足していたり、目標の不明確な部分も見えたというところの課題が見えました。また、市と保健所の事業を共同で検討する場がやはり必要なのかなというようなことも出ています。お互いの仕事をなかなか知らないということがこれまでの現状でした。

18ページで、今年、やっている研修ですが、新任研修は同じような形でやっていまして、現任研修については、今度は全ての保健師を生活圏域ごとに、栄養士含めて三十数人をグループ分けしまして、そこの中に新任から管理期までごちゃまぜに入るような形で圏域ごとに分けて、もう一回ゼロからの地域診断と施策化までのグループ演習をやってみましょうという研修をやっています。それで、圏域ごとに情報を整理して、地域診断を行う。その後、グループごとに作業をしながら中間発表し、また最終的に事業計画をつくって次に発表するという、言えば学生のころにやったような研修なのですけれども、それをまた一からやり直すということをやっています。

 まだ1回目が終わって、2回目を9月にやりますので、何が成果というところは見えていませんけれども、保健師それぞれが、例えば自分の所属が違う中で、所属以外のことが全くわかっていないこともたくさんあって、地区担当の保健師であっても、そこに例えば生活保護の情報であったり障害の情報とかが加わると、自分が見ていたものが少し違った形に見えてくるというようなことがそれぞれの保健師の中で感じられていると思っていますし、逆に専門、福祉部門の保健師からすると、やはり地域全体を見るというような考え方で、地区別に見るという考え方が逆にやれていなかったことをやり始めるというようなところがちょっと見えているかなとは感じています。

 保健所と市で一緒にやるという研修のメリットですけれども、特に小規模な市やまちの単独では、専門人材の研修ということ自体がございませんので、県の関与によってやはりやっていかなくてはならないということ。それから、実際の地域課題や現場の課題に沿った研修内容を組み立てることができますし、実際の業務に役立つ研修になるというところでは参加意識とか主体性を高めることができますし、保健所にとっては、市の実態を知って効果的な研修を企画するということに役立つというところです。

 次に、一番大事なことが、一緒に企画をしたり一緒にグループワークや演習をしたりするということが、日ごろ一緒にやっていない各課の保健師、それから、県と市の保健師間の距離を縮める。あと、お互いの仕事や、何をやっていて何が問題なのかということが共有できるということが一番大事なことかなと思っています。

 また、通常の集合研修、県で行うような集合研修、または国で行う集合研修というのはなかなかみんなが参加するということができませんので、地元で行って日程調整も配慮しながら行うことでほとんどの保健師が参加することができるという、一緒にやれるというのがまた大きいメリットだと思っています。市役所の建物の中でやりますので、何かあったときは、要は呼びに来てもらって対応する。抜けながらまた次に参加するということができたりします。

 あと大学の先生方とか、それにかかわる事務作業とか準備とかそういったものの部分が、保健所でやっていただくことによって市の側としては本当に事務的な負担がなくて済んでいるという部分がございます。これは予算も含めた話です。

 達成がなかなかできないことにつきましては、特に中堅期、管理期の保健師の到達目標の達成度をはかることができていません。この評価の指標については、今年、現任教育のマニュアルの中で、県のほうで市町村と一緒にまたつくっているところではあります。ただ、それをまた誰がどのように評価するかということが決まっていないということです。

 それから、市の組織の中で人材育成の位置づけがありませんので、計画的な研修やジョブローテーションが行えないというのが現実です。それは待っていてもしようがないと思いますが、保健師の側から逆に根拠のある提案ができてないということが達成できていないことです。

 今の市町村の保健師の現状ですけれども、これは私の周り、それから、いろいろなところでお会いする方とお話をする中でよく感じることです。

 合併が進んだことによって、事業そのものが同じような事業で効率的な事業、そして集約された事業を行っています。そうすると、それまでにあった特徴のある保健活動というのができにくくなっています。それで、よしあしは別としても、保健師の個性とか保健師の裁量というのが見えなくて、地域の中での存在感が薄くなっているなというのは感じます。以前に本当に自分のまちの保健師さんという言われ方をしていたような保健師像というのは、最近では本当になくなってきたというのは感じています。

 それから、分散配置が進む一方で、さまざまな専門職種や業種がふえておりますし、アウトソーシングも進んでおりますので、保健師の役割や専門性が何なのだろうということを不安や疑問を感じている。これは特に若い保健師はそういうふうに感じている保健師が多いです。

 市町村自体の職員が減っています。私のまちでもここ10年間で本当に100人ほど職員が減らされていますし、毎年退職者は二十数人あり、職員採用は数名というのが今の私のまちの状況です。それぞれの一人一人の業務量というのがふえていまして、また、その成果を求められますので、非常に疲弊しているというのが実感かなと思います。周りと連携することの必要性はわかっていても、担当業務のそれ以外のところに手を伸ばして一緒にやろうというようなことが言えないというのが現実で、研修に対して求めるものも、すぐに役に立ってすぐに答えがもらえるような研修を受けたいというのが、保健師の実感ではないかなと思っています。

 また、それぞれの市町村ごとの組織とか政策とか、さまざまな事情によって職位や業務体制というのは大きな違いがあります。極端に言うと、首長がかわるとそこで政策も変わりますし、人事も大きく変わりますので、その中に保健師もかかわっていないかというと、やはり翻弄されている状況です。評価の視点も定まっておりませんので、なかなか安定的にこういうことを目標にしていくというモデルが見つけられない。それがないとやはり目指すキャリアパスというのは描けないし、モチベーションが維持できないという状況が起こっていると思っています。これは、合併後に本当に長年地域活動に携わっていた保健師たちが早目にやめてしまうというような現実も起こっています。

 最後に、このような研修のあり方が必要かなと思っていることを書いています。

 まず、力量形成と能力向上を図るためには、要は、どこにいても、それからどんな市町村にいても参加できる研修というのがシステム化されて、それが示されているということがあるといいなと思っていますし、それは別に公費の研修ではなくても参加可能なものがあってほしいというところ。ただ、そのためには保健師を雇う側の立場に立って、なぜ保健師に研修が要るのか。それはまちづくりであり、行政課題を解決するためには保健師の力量が必要なのだというその考え方と、その根拠と、そのためにその保健師の力を高めて最大限に発揮させるための研修や効果的なジョブローテーションが要るのだということを雇う側がわかるような資料をやはりつくらないといけないと考えています。また、職業人としての研修ですので、やはり仕事に生かせないといけないので、研修結果がどのように生かせるかというのを明確にする。そして、それぞれの配属や立場は違いますけれども、現在の業務と受ける研修との関連性が理解できて、それが説明できる。さらに、具体的な成果が示せるような研修の仕組みというのが必要なのではないかと思っています。

 あと一番大事なことと思っているのは、目指す姿がやはり具体的にどんな姿なのかというのを、いろいろな目指し方はあると思います。管理職になりたい保健師も地域活動を頑張りたい保健師もいますが、その中から幾つかのやはりこういうモデルが示せて、目標達成のために職位が要るという考え方も必要ですし、そのためのキャリアアップというのも必要なのだという考え方も示さないといけないと思いますし、それを若い年代から具体的にこのような姿というのがイメージしていけるような示し方ができたらいいなと思います。特に中堅以上の保健師については、自分が自分のまちから必要とされる保健師像というのはどんな保健師なのだということをみずから描いて実現していくための、自分でそれを考える機会と、それができているかというのを確認するための機会と、そしてそれを評価してもらう機会が必要だと思いますし、それが研修の機会として位置づけられたらいいのではないかなと考えています。

 以上です。

○村嶋座長 ありがとうございました。

 保健師、目指す像について、もっときちんと考えることが求められているということが最後に出てきまして、そこら辺でどういうふうに考えるか、課題を見出すかという富士フイルムの人事評価みたいなところと研修と結びつくかなと思いながら聞かせていただきました。

 3人の構成員の方から御発表いただきました。それぞれとても力のある発表でありがとうございます。

 御質問、コメント等いかがでしょうか。

 どうぞ。

○清田構成員 永江構成員に質問させていただきたいのですけれども、このように大学の力を借りて私たちの人材育ができるのを非常にうらやましいなと思って、ぜひ私たちも大学とともにやっていきたいと思いました。その中で、20ページにあるような大学側にも利点があることということで私たちも働きかけやすいなと思いました。「県立大学が関わることの相互作用」ということで発表していただきましたが、これは大学側にとってどの程度と言ったら申しわけないのですが、利点として大きいものとして私たちは理解して大学に期待していいものなのかどうかというちょっと微妙な質問ですが、教えていただければと思いました。

○永江構成員 基本的に、ここまでというのはないのですが、大学の教員の現場から遠ざかっている現状が多く現場活動が分かりづらい状況もあります。そういった意味では大学が研修に係わることは大きな力になる中身だと思います。

 ただ、本当に全ての全国の県立大学がこのような形でできるのかどうかといったら、かなり難しい部分もあるのではないかなとは思っております。

○清田構成員 ありがとうございました。

○村嶋座長 大学の管理者としてつけ加えますと、大学は教育研究、そして社会貢献のところをすごく言われておりまして、こうやって地域に貢献しているのだというのは、特に県立大学ではすごく宣伝になるところもありますので、そこは構わずにというかしら、遠慮せずに活用なさってウイン・ウインの関係を築かれるといいのではないかなと思いました。

 ほかに、御質問等いかがでしょうか。

 どうぞ。

○中板構成員 ものすごくたくさん聞きたいのですけれども、まず、永江構成員の6のスライド「島根県における現任教育関連図」の中で「保健所・市町村現任教育連絡会」というものがありますが、このメンバーというのをちょっと教えてもらってもいいでしょうか。

○永江構成員 保健所によって若干メンバーの違いがあるかもしれませんが、保健所の部長、保健所の担当課長、そして保健師全員。市町村は、課長で保健師職がある者は大体出かけてくるという状況ですね。指導に当たるものは必ず出かけています。

○中板構成員 そうすると、例えば13ページのスライドの「企画研修における各機関の役割」というところで、例えば市町村で言うならば研修しやすい環境ですとか、研修に出しやすいとか、研修に対する理解とか、そういった点について、この保健所・市町村現任教育連絡会の中では、保健師でない事務方がどのぐらい参加されるのか、その理解の場として、事務官がどのぐらい参加されるのかということがちょっと気になったところです。

○村嶋座長 どうぞ。

○永江構成員 この連絡会には事務方は出ないわけなのですが、ただ、この企画研修で市町村の保健師が申し出する場合、必ず我がまちの健康課題は何なのか。今、一番取り組まないといけないのは何かというところを市町村全体、その課全体、部全体で話し合ってテーマを決めて出てきます。そこには事務方の課長、部長、係長も全部参画しての決定で出てきますので、そういった意味ではこの研修については理解のある中身になっています。

○村嶋座長 よろしいですか。

 ほかに。続けてもいいですよ、どうぞ。

○中板構成員 済みません。座間構成員、非常に参考になるお話をありがとうございます。

 幾つか質問ですけれども、まず「研修体系」の7枚目のスライドですけれども、一番左側にその資格というところで1〜5まで資格があって、その中の4に入ると30代ということで、先ほどのいろいろな話を重ねるとここからが中堅期というふうに理解してよろしいのですか。1〜3が20代というふうに考えると、4以降が中堅期という感じですか。

○座間構成員 求める役割で入社時の資格も違ってきますので、一概に30代がどの資格かが定義できませんが、今日、話をした中堅期の研修については主に5を対象として研修になります。今日お話した新任期の内容は資格4中心と捉えていただいて良いと思っています。

○中板構成員 そうですか。私はお話を伺っていて、資格1〜3と資格4のはざまというのが、やはり自分自身の業務遂行をしっかりとやり遂げるというのが1〜3で、資格4のところからは、そこからさらに課題を見つけていわゆる企画立案ですとか創造性を発揮していくというところが非常に、そこが境目なのかなと思ったので。

○座間構成員 ご理解のとおりです。例えば、工場でオペレーショナルな仕事で入社した場合は資格の1からスタートすることが多く、企画立案など課題を形成することを担う役割は資格4から入社するこが多いです。

○中板構成員 そうすると、その辺の判断とかも含めて、この資格役割強化のところはもうマストで皆さんが面接を受けながら上っていくという仕組みであって。

○座間構成員 そういうことです。入社時の資格にかかわらず、その資格から入社しても、仕事で能力を発揮していけば上位の資格に上がってく制度になっています。

○中板構成員 それで、その隣の「自律的成長支援」という、これがいわゆる選択型必修で、いわゆる自身で主体的に受けるというものですけれども、これも富士フイルムの中に用意されているものなのですか。

○座間構成員 そうです。講師は外部の場合もありますが、社員が社内の研修を申し込むということになっております。自分で外部研修に行くのではなく、研修体系として社内で用意しています。

○中板構成員 それともう一点です。「選抜研修」のところの一般層、課長層、部長層がありますけれども、一般層で次世代のリーダーを育てるための一般層から次世代となるのですが、ここはもう既に選抜された人が受けるという形になっている。

○座間構成員 そうなります。全員必修ではなくて、選抜された人が受ける。

○中板構成員 ということは、選抜研修そのものの枠に入ってくる人というのは、全体の一部ということになるということですね。

○座間構成員 そういうことです。

○中板構成員 わかりました。ありがとうございます。

○村嶋座長 選抜のクライテリアみたいなものはあるのですか。

○座間構成員 定義ですか。基本的には、管掌している役員から見て、その社員が将来的なリーダーになる可能性の見極めを毎年見直しながら選抜しているので固定しているわけではないです。毎年見直しながら、ピラミッド型で候補者を増やしながら鍛えています。

 職場でのパフォーマンスが高い、その世代の中で行動発揮が高い、そういう人たちが選ばれているということになります。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 ほかに。

 曽根委員、どうぞ。

○曽根構成員 まず永江構成員に質問させていただきます。県立大学のこういうかかわりというのは大変重要だと思いますし、先生のところはちゃんと連携されているのですが、一般的にどうして県立大学を活用しないのですかと聞くと、そうは言ってもいろいろあってね、みたいなことを言われることが多いのです。平成18年度から積み上げていかれた際に、大学としてバリアを下げるために具体的にどういう工夫をされたのかとか、あるいは受ける側がどういう工夫をしているのかという、もしコツや秘訣があったら教えていただきたいと思います。

○永江構成員 大学側のコツというよりも、やはり本庁の考え方が大きいと思うのですね。本庁がどういう保健師をこれから新任期、中堅期、管理期、育成していくのか。そこに大学を一歩組み込ませてきていったというところが大きいのではないかと思います。

○曽根構成員 ありがとうございます。

○村嶋座長 いいでしょうか。

○曽根構成員 続いていいですか。

○村嶋座長 はい、どうぞ。

○曽根構成員 次に座間構成員に質問させていただきたいと思います。産休・育休者のサポート支援として最後の38ページでご提示のようにいろいろな復帰支援プログラムを提供されているということなのですが、これらを受ける側のモチベーションというか、復帰に向けて頑張るぞと言っているのか、いや、もう本当に育児に忙しくて、ちょっと言われたからやるけれどもという姿勢なのか、そのあたりお聞かせ願えますか。というのは、時々、育休は自分の権利なのだから、その時間は育児に専念させてという意見もあるとも伺うのです。そのあたり、復職・復帰に向けたモチベーションにいろいろな差はあるのかどうかというところを伺いたいと思います。

○座間構成員 これは昨年の10月から導入したばかりですが、導入した経緯も、社員からこういうサポートがあればいいという意見があり、導入しました。

 曽根構成員がおっしゃったように、各人の価値観や置かれた環境にもよって違いますので、講座を受けることを強制はしていません。自主自立を基本に会社が用意しています。使うのは社員の自由です。ただ、このシステムを通じて、会社からの情報を発信しているので、そのポータルサイトには、全員、加入しています。マオンライン講座を利用するかどうかは御本人の状況にまかせています。

 利用している人はしっかり利用しています。

○村嶋座長 いいですか。

○曽根構成員 もう一つよろしいですか。

○村嶋座長 どうぞ。

○曽根構成員 最後の山鹿保健所の御発表なのですけれども、最近、保健所と市町村の業務が異なっているという状況の中で、一緒にやるときにいろいろなことに対する経験値が大分違ったりとか、業務そのものが全然違っていたりするというところで、そのあたりの溝というかギャップを埋める、あるいはそういうのが問題になるのかならないのかというところを教えてください。

○佐藤構成員 溝やギャップは非常に大きいと思います。

 それで、うちは実はうまくいっているほうで、うちの管内ではないほかの管内の市町村と保健所では、こういう研修の作り方自体がうまくいっていないというところもあります。それはお互いの仕事のことを知らないというところと、市町村の側としては、自分たちが求めている研修を県はやってくれる気はあるのかというような物の言い方をしますので、そのあたりの共通理解はなかなか難しいのだろうと思います。

 ただ、では何でやらなくてはいけないかというか、うちでうまくいっているかという話では、要は、研修を受けさせる管理期の保健師の考え方にやはり大きくかかわってくると思います。市町村の中での上に立つ立場の保健師がそのあたりをきちんと理解して、若い保健師に必ず出席させるような、そのようなリーダーシップをとっていければちゃんと話ができていくと思いますし、それができていないところは、どうしても先輩の言うとおりにしか動けないというのが現実ですので、なかなか難しいというのが実際かなと思っています。

 ですので、溝を埋めるというのは非常に難しいのですけれども、最近うちでも特に話がしやすくなったのは、一緒に在宅医療等に関する事業を勧めたり、そういうやることがあるとお互いのことがわかるというのがここ数年間は非常に感じていますので、やはり何らかの日常業務の中でのかかわりとか、一緒に考えながら事業をつくっていくという経験をやっていくことが、基本的な相互理解のためには必要だと思っていますし、それについてはやはり保健所の側からもきちんと市町村に対してのアプローチ。そして、一緒に考えていく姿勢というのをきちんと示していくというのがとても必要なことではないかなと思っています。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 基本的には、市町村の管理者がどういうふうに保健所を使うかだけれども、でも、それは保健所からの働きかけにもよるという。

○佐藤構成員 はい、そうです。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 どうぞ。

○中板構成員 産休・育休のことなのですけれども、よくM字カーブと言われる中堅というか30代前半、前後が離職されるという、そのM字カーブなのですが、保健師の場合はどちらかと言うと今までの歴史的に言うと、余りやめはしないのだけれども、なかなかやる気がでないという、そういったことも多々ありまして。それで、先ほど永江構成員からお話があった育休取得保健師の人材育成に関するガイドラインというこれを出すときに、その前段として調査を中堅保健師にしたわけですが、全体としては、中堅の保健師は離職しないのだけれどもやりがいを感じていない、非常にトーンが低いというのがやはり中堅だったのですね。その中堅の中には、数多くが育休を取得したり産休をとるといった結果も出ていたので、やはり産休・育休ということが、いわゆるキャリアをつくり上げていく上での空白の時間になってしまっては非常に組織的に損だという考えのもとにガイドラインもつくって支援が必要ではないかという流れだったわけなのですが、座間委員の富士フイルムの中では、女性、それから、男性の職員の割合というか、女性は例えばどのぐらいの方が育休・産休をとられているのかということだとか、例えば男性にもあるのかということと、男性はどのぐらい今、育休を取得されたりもしているのかということと、あとその期間ですね。先ほど用意されているのが2年という話がありましたけれども、どのぐらいの期間とっているのが普通の平均7日ということをちょっと教えていただきたいということ。あともう一点、今、介護のほうも問題になっていて、介護などに関しては何かそういう制度があるのかということをお聞きしたいなと思います。

○座間構成員 育休をとっている人たちは、年間で言うと平均4050人だと思います。補足すると、昔に比べると育児のために退社をするのはほとんどいなくなってきています。ワーキングマザーが多くなっています。

 男性の育休は今、推進しています。年間では、まだ、十名程度で、これから、もっと女性が活躍してもらうためには、男性の意識改革や上司の理解促進の施策を継続して実施していきます。

 介護については、介護休職として1年です。介護のための休職制度や補助など、いろいろな形で介護についても制度を整えてきています。

 育児休職については、先ほど申しましたように基本的には1回で2年間、1子、2子で通算3年とれるという、制度上はそうなっています。復職までの期間は、数年の傾向で言うと、保育園に入れれば1年程度で復職できるし、保育園によって、半年ずれるということもあります。1子で2年使うというのは多くはありません。

○中板構成員 そういうふうに推奨をしているわけではないけれども、働く意識が高いということですかね。

○座間構成員 そうだと思います。

○中板構成員 戻ってくるということですね。

 それで、その方たちは戻ってきたときには、先ほどの資格制度とかここの中の、戻ってきたときの1年の空白あるいは2年の空白というのはプラスになるのですか。そこは抜くのですか。

○座間構成員 例えば資格5で休職したときには、復職時は資格5です。復職した後の評価は、評価期間の中で、復職後のパフォーマンスで公平に評価しています。空白が昇格に影響しないように、復職後の仕事のパフォーマンスでみていくように取り組んでいます。

○村嶋座長 いいでしょうか。

○中板構成員 ありがとうございました。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 では、そろそろ論点のほうに入りたいと思います。資料の2をおあけくださいませ。

 中堅期の研修のあり方、管理期の研修のあり方、保健師の研修の考え方で、かなり今の質疑の中で保健師の研修の考え方の2とか3はあったかなと思いますが、これについて御意見いただきたいと思います。

 私のほうから御発表に関しての御質問なのですけれども、佐藤委員のほうが、研修というと、すぐ役立つものをどうしても研修に行く関係で求められるというようなお話がございました。一方で座間委員のほうからは、自分の課題を見出すとか「腹に落ちて」というのが何回か出てきたのですが、それで自分で納得して自分の問題を見出していく。言われた仕事をやるということから、自分で課題を見出していくというところがすごく大きな差があって、それが中堅期や資格の4とか5にあるところで、そこに大きなギャップがあるような感じがしたのですね。

 それで、自分の課題というか、何で保健師がそもそも行政にいるのかといったときに、住民と身近に接する中で住民の問題や課題を見出して、それを行政施策として情報を提供できる。施策化といいますか、そこにやはり保健師が行政にいることの意義があるのだろうと思うので、そういう意味では問題を見出して、発案していく、企画していく。そこら辺が中堅期の非常に大きな役割ではないかと思うのですが、私はそういうふうに思ったのですが、具体的にそこら辺をどういうふうに共通認識に、共通点を見出していけばいいかということについて、いかがでしょうか。

○座間構成員 知識系やスキル系の研修、体系図で右の機能強化は講義で学ぶ形式の研修が多いです。しかし、企業は、お客様のために価値あるサービスや製品を出していくということが上位目的にあります。そのお客様のための価値をつくるというのはそんなに簡単な話ではありません。

 そのときに何が一番大事なのかというと、メーカーとして、お客様へ価値を提供するため、社内の様々な役割の人たちを巻き込んでいかなければいけない。その範囲が、資格が上がれば上がるほど大きくなる、広くなる、接する人がふえてくる。ふえてくるということはその課題が大きくなって、顧客価値が高くなるということです。多くの人を動かしていくためには、自分がなぜそれをやるのか、何のためにそれをやるのかということを腹落ちした上で自分の言葉で相手にしっかり伝えることができないと、人を本気で動かすことはできません。動いてくれなければその課題は実現できないことになってしまいます。自分の課題をお客様の観点から見て、必要であると周りを説得して動かせる力を持つころが資格昇格の研修のキーになって強化しているという意味です。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 そうすると、保健師がポストが上がっていくというと、接する人も多くなるし、得られる情報も豊かになり、かつ意思決定を求められるようになって、そこのところを覚悟して、腹落ちしてというのですね。それをいかにつくっていくかというあたりが次の研修、中堅期の課題なのかなというふうに思ったのですが、いかがでしょう。きょうお聞きになって藤原構成員とか、田中構成員とか、それから高橋構成員とか、清田構成員でも。

○清田構成員 腑に落ちるというか、腹落ちという言葉は納得できるというか、そのことがとても現実的にそうだなというのを、聞きながら感じました。

 保健師の中堅期に期待することとして思う役割は、まず健康課題を保健師自身が明確にすることが大きいと思うのですが、それは学習したりデータをもとにすることだけではなくて、やはり日々の保健活動を実践して、自分自身がその活動の中で腑に落としていくというか、納得していくというか。それには個々の住民からの声もあるし、集団としてかかわった人たちの声もあるし、また、それを支える周辺の住民の声もあるし、さまざまな取り組みの中からやはりこれが健康課題なのだと、知識も、データも分析した結果そうなのだということを、座間構成員の言葉で言うと、腹が。

○村嶋座長 腹落ちして。

○清田構成員 「腹に落ちる」という言葉だと納得、そうだと思いました。そういう意味では、保健師自身の考えの中で納得できるものを見つけ、自分のものとして健康課題を明らかにする力は中堅期に必要なものだと思いました。それがもとにないと、担当する業務全体を見ての優先順位もつけられない。また、優先順位もつけられないと、担当する地区の業務全体の運営方針というものにもつながらない。まず担当する地域なり担当する業務の健康課題が何なのかということを腹に落としていくというのはとても大切だと思いました。

 また課題が何なのかが明確にならないとその後の評価もできないので、評価をすることによって、言ってみれば担当する、それにかかわる住民の健康に関する責任を果たすということが初めてできる。そういう意味では中堅期の大切なところだというのはとても納得しました。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 高橋構成員、どうぞ。

○高橋構成員 基礎的なところを一通り終えて中堅期に入りますと、やはり大分自信もついてきて、いろいろ経験したいなと思っているところだと思うのですね。そういう経験をさまざましていただいて、悩んで深く考えて、そして保健師ならではの地域診断をして、予防的な介入をどうしていったらいいのだろうかとか、問題を解決するためにはどうしたらいいのだろうかというようなことを導き出して、次につなげていく、政策形成まで持っていくというふうなイメージづくりの基盤となるような時期だと思うので、研修にはそういった要素がたくさん入ってきて、保健師がここで自信がつき元気になっていただいて、その後キャリアアップしていくという明るい展望を持つような、そういう時期にならなくてはいけないのかなと思っております。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 では、田中構成員、どうぞ。

○田中構成員 中堅期ということでは、新人期、中堅期ということで、その時期に応じた資質向上というところはもちろん求められるのですけれども、あとプリセプター的な役割であるとかリーダーとしての補佐的な役割というところを担っていく上において、前回から今回にかけて聞かせていただいた中で、人材育成に留意して、中堅期であれば中堅期に求められる役割を、各時期に望まれている役割がどういうものがあるのかというところの経験の積み重ねが必要だということで前回言われて、そこの積み重ねにはどういうものがあるのかというところを整理しないといけないということと、各期に望まれる配置のあり方を考えること。例えば県であれば、保健所であったり、県庁であったり、精神保健福祉センターであったり、児童相談所であったり、職員健康管理の部門であったりとか、そういうところを担うに当たって、中堅期になるまでにはどういう部署を経験しておくことが望ましいのかとか。保健所では健康管理、疾病対策あるけれども、そこを全て経験した上での中堅期に持っていくようなそういう配置を考えないといけないのかとか。あと、経験年数とのバランスを考えた配置とか、そういうところを踏まえて考えていかないといけないなというところは、この検討会で県というか私が感じた役割としてこれから取り組んでいきたいなと思っているところです。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 確かにこういうポストにつくためにはとか、この能力を発揮するためにはどういう部署。例えば本庁だとか、保健所だとか、出向だとかというのを組み合わせて能力の蓄積が見えるようにするというのはこの検討会の課題の大事な役割の一つだったなと思いました。ありがとうございます。

 きょうは管理期のことまでやらないといけないということになっておりまして、管理期について、きょうはかなり中堅期のお話があったと思うのですが、管理者になるときの見出し方みたいなのはかなり富士フイルムではあるようですね。そのときの人の見出し方とキャリアパスとかいうのは、どんなふうに考えていらっしゃいますでしょうか。

○座間構成員 その前に1つだけ補足します。腹落ちするために、研修では研究、生産、営業の様々な機能の社員が、それぞれ相互に指摘し合って、話をしながら深まっていくという形式ですすめています。自ら気づきを得ないと、結局腹落ちしないので、講習とかの座学形式ではなくて、ディスカッションしながら深めていくという形でやっております。

 役職者、リーダーに求めるものは、2つあると思います。1つは変革していく力と、もう1つは、部下を育成していく力だと思っています。役職者になってもっと広い範囲で本質的な課題を描けるかどうか。その実現にむけて部下を育成していく力があるかどうか役職者として、その範囲をより大きく描いて実行できるか、より大きく影響力を与えられる社員であるかという見きわめを、やはり役職者の前に研修をやって、研修後の面接のアセスメントに合格して役職者になりますし、変革を実行する力があるか、新しい価値を見出していけるかというところが大事だと思っています。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 先ほどの富士フイルムがこれだけ成長の中身が違うと、やはり変革力というのはとても大きいのだなと思います。

 地域保健の場でも、健康課題自体が物すごくドラスティックに変わってきているわけですから、やはりその第一線の保健師には変革力が求められて、それが今回のキャリアアップのとても重要な課題になっているのかなと思いました。

 きょうの課題のうち、中堅期と管理期は今の、もっと本当は討議が必要かと思うのですが、保健師の研修の考え方の1番は、これが必要だということを先ほど永江構成員がおっしゃってくださいました。2と3はそれぞれ幾つか論点が出されたかなと思います。

 藤原構成員は何か。管理期でも何でもいいのですが、御感想でも。

○藤原構成員 全般的にということですか。

○村嶋座長 何でもいいです、きょうの論点に関して。

○藤原構成員 きょう、座間構成員のお話を伺っていて、研修の骨というかフレームみたいなものはやはり民間はすごいなというところと、保健師の仕事のフレームに重ね合わせてみてもわかるというところがありまして、要は企業はきちんと新しい製品を開発していくことであるとか、きちんと高い質の製品を出すことであるとか、新しいものに変革していくということが求められているのだと思いますけれども、保健師の場合も、やはり新人期は定番のメニューがきちんとできるような基礎力をつけていくこと、中堅はきちんと質の管理、安定した質で仕事ができるようにすること、例えば顧客のニーズ、顧客というのは住民やその地域だと思うのですけれども、そのニーズに合わせてきちんと変革していくことが求められている。管理期になると、それを総合化していくこと、もっと政策的な全体的なところに視野を広げたときに、将来を見越したようなものが提案できることや、多分段階的に企業がマネージャーになるなど偉くなると求められている力の層化と、根本的なところで結構一致するのではないかと伺っていて思いました。

 それと、ちょっと話が飛びますけれども、研修の大学との協力というのは、本当にこれがうまくいったらすごくいいなと思うのですが、基本的に、県立大学は県に協力することが組織のミッションとしてきちんとあるのだと思うのですね。ですから、大学側が組織的に貢献することによって得るメリットがある程度明確であれば、大学も協力しやすいのかなと思います。私どものところも市立大学があり、市立大学はきちんと地元の自治体に協力するのがミッションと認識していますので、連携協力の役割が果たしやすいのですけれども、各都道府県の基幹大学に認定してもらえると大学側のほうのメリットが明確になることによって、組織的に人材育成をその県で任せられてサポートすることによって、大学側が貢献していることが明確になり、役割分担等、ある程度標準化して整理ができるのではないかなと思いました。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 きょうの論点の研修の考え方の2番がとても豊かになったと思います。

 曽根構成員は何かよろしいですか。ぜひ。

○曽根構成員 今回の研修の考え方の2番と3番ですけれども、3番については、この実態については、看護協会で現在実施している調査の中に、個人レベルで聞いている項目がたしかあったと思うので、実態はある程度わかるのですが、今、藤原構成員もお話しされた、2番目の県立大学等の地元のリソースをどのように研修や人材育成に活用しているか、どの程度協力連携しているかという実際的なデータはあるのでしょうか。もしないのであれば、簡単なのでもいいのでそういうデータを集めたほうが、議論のたたき台としては役に立つのかなと思いました。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 それは次回にぜひ何かありましたらお願いをいたします。可能そうですか。

○保健指導室長 御意見ありがとうございます。

 現在はどういう連携状況かというデータをちょっと持ち合わせておりません。今後のあり方を考える上で必要な材料になるのではないかという観点でご意見いただいたかと思いますので、どのように収集するかどうかといったことも含めて、少し整理をしていきたいと考えております。

○村嶋座長 ありがとうございます。

 では、本当はもうちょっとお話をしたい気もしますが、時間になりましたので、これできょうの議論はここまでとしたいと思います。

 事務局より連絡事項をお願いいたします。

○保健指導専門官 次回の開催は、事務局より別途御連絡させていただきます。

 事務局からは以上です。

○村嶋座長 では、第3回の検討会は、これをもちまして終了とさせていただきます。

 御協力ありがとうございました。貴重な御発表をいただき、とても学ぶことが多うございました。この検討会の報告がとても豊かなものになると期待をしております。

 では、どうもありがとうございました。


(了)
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