ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議> 第20回 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(2014年7月11日)




2014年7月11日 第20回 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議

○日時

平成26年7月11日(金) 15:00~17:00


○場所

航空会館大ホール(7階)
(東京都港区新橋 1-18-1 航空会館)


○出席者

出席構成員

堀田構成員、五十嵐構成員、伊藤構成員、岩田構成員、岡部構成員
合田構成員、小川構成員、小国構成員、北田構成員、後藤構成員
鈴木構成員、友池構成員、西川構成員、藤原構成員、山本構成員
横谷構成員、吉村構成員

出席参考人

安藤参考人、宮崎参考人

○議題

第2回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
第3回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
企業から提出された開発工程表等について
その他

○議事

○医薬食品局審査管理課

 定刻になりましたので、ただいまより、第 20 回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会を開催いたします。

 会議に先立ちまして、本検討会の構成員に交替がありましたので、新たに御参画いただくことになった構成員を御紹介いたします。日本医師会常任理事鈴木構成員です。

 

○鈴木構成員

日本医師会で薬事を担当しております鈴木でございます。よろしくお願いします。

 

○医薬食品局審査管理課

 本日は、落合構成員、樋口構成員、村島構成員より御欠席との御連絡をいただいております。また、藤原構成員からは 30 分ほど遅れる旨の御連絡をいただいております。現在のところ、 16 名の先生に御出席いただいております。

 また、ワーキンググループの検討状況を御報告するに当たりまして、前回同様、各ワーキンググループのメンバーから参考人として御出席をいただいておりますが、これまで御出席していただいている先生方ですので、御紹介は割愛させていただきます。

 続きまして、事務局に人事異動がありましたので御報告いたします。厚生労働省の医薬食品局審査管理課長の森です。

 

○医薬食品局審査管理課長

本日、辞令をもらいました、審査管理課長の森でございます。審査の関係のお仕事では、実は大半の先生方にいっぱいこれまでお世話になっておりまして、久しぶりに審査の仕事に戻ってまいりました。是非、今後ともよろしくお願いいたします。

 

○医薬食品局審査管理課

 それでは、堀田座長、以降の議事進行をよろしくお願いいたします。

 

○座長

 ただいまから始めたいと思いますが、その前に、本日の配布資料の確認を事務局からお願いします。

 

○医薬食品局審査管理課

 本日の配布資料については、議事次第、座席表、資料の 1 「検討会議における検討の進め方」、資料 2 「第 II 回要望に係る専門作業班 (WG) の検討状況の概要等について」、続いて資料 3-1 として、「第 III 回要望品目リスト」、 3-2 「第 III 回要望に係る専門作業班 (WG) の検討状況の概要等について」、資料 4-1 4-2 として、「医療上の必要性に関する専門作業班の評価」、資料 5 「第 III 回要望で医療上の必要性が高いとされた品目に係る専門作業班 (WG) の検討状況」、資料 6-1 として、「企業から提出された開発工程表について」、資料 6-2 6-3 は、 6-2 が第 I 回要望関連、 6-3 が第 II 回要望関連です。資料 7 は「開発企業の募集を行った医薬品のリスト」です。

また、当日配布の資料ですが、資料 8 は前回からの持ち越しの事例の、「治癒切除の不能な進行・再発の胃癌に対するオキサリプラチンの安全性情報提供について」です。資料 9 「第 III 回要望の第二期募集の検討について」、最後に、資料 10 「未承認薬迅速実用化スキームについて」、以上の資料を配布しております。参考資料については、ひとまとめにしてお配りしていますので、資料の不足等がありましたら事務局までお申しつけください。

 

○座長

 資料はお揃いでしょうか。落丁等がありましたらお知らせください。

 本日の会議を始めますけれども、前回は 4 22 日に第 19 回を開催しておりまして、今日は第 20 回ですが、今回に至るまでのこの間の進捗状況について、事務局から説明をお願いします。

 

○医薬食品局審査管理課

 資料 1 と資料 2 について説明いたします。資料 1 の、前回 4 22 日の第 19 回検討会議以降の検討状況について説明していきます。資料 1 の右下辺りですが、第 II 回要望のうち、企業に開発要請したものについては、引き続き WG において必要な試験の妥当性や公知申請の該当性の評価を行っています。公知申請が妥当と御判断していただいたものについては、薬事・食品衛生審議会における事前評価を踏まえ、企業より公知申請がされるという流れになっています。

 続いて裏面の、第 III 回要望については、要望募集を開始しました昨年 8 1 日~ 12 27 日までを第一期として取りまとめ、「第 III 回要望の考え方」に基づいて、前回 4 22 日の第 19 回検討会議から検討を開始させていただいているところです。また、第一期の締め切りから今年 6 30 日までを第二期として一旦取りまとめのため締め切らせていただきました。集まった要望の整理を現在行っているところです。第二期募集の取りまとめについては、資料 9 で御説明したいと思います。また、第三期の募集は今年の 12 月末を目途に一旦締め切ることを考えています。

 続いて、資料 2 の第 II 回の要望については、前回会議までに未承認薬で 25 件、適応外薬で 76 件の合計 101 件について、医療上の必要性が高いとの評価をいただいています。前回会議時点で検討中のものが合計 19 件でしたが、こちらは引き続き WG で医療上の必要性について検討中です。個別の品目は本資料の別添に一覧としてまとめています。資料の順に沿って御検討をお願いしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○座長

 ただいまの事務局の説明に何か御質問があれば受けたいと思います。御承知のように、第 3 回要望の募集は昨年の 12 月で締め切って検討を始めているところですが、引き続き継続的に要望を受け付けていくということになっています。何か御質問がありますでしょうか。よろしいでしょうか。それではこの間の進捗については以上であります。

 続いて、第 III 回要望の未承認薬・適応外薬の検討状況について、事務局から御説明をお願いします。

 

○医薬食品局審査管理課

 続いて第 III 回の要望品目リストの、資料 3-1 について説明いたします。要望された品目からは既に開発が行われている品目及び要望の要件を満たしていない品目等の整理を行いまして、 1 ページ目ですが、未承認薬で優先的に扱う品目が 4 件。それ以外の品目が 18 件となっています。 4 ページ目の、適応外薬で優先的に取り扱う品目が 2 件となっており、 5 ページですが、それ以外の品目は 32 件となっています。なお、前回優先的に取り扱う品目であったもののうち、既に開発が行われている要望については、医療上の必要性の評価を行わず、それ以外の品目に移すこととしました。移行された要望品目は、要望番号の左に※を付けています。具体的には、資料 3-1 2 ページ目の No.13 、要望番号 III-(1)-10 1 2 です。それと 3 ページの No.15 、要望番号が III-(1)-23 4 ページの No.20 、要望番号 III-(1)-68 及び No.22 、要望番号 III-(1)-71 4 品目です。また、要望の要件を満たしていない品目と、あと、要望者より取り下げの品目もありまして、 13 ページに一覧として掲載しています。

 

○座長

 従来と記載の方法が違いますので、今までのとは少し見え方が違うかもしれません。何か御質問等ありますでしょうか。特に優先的に取り扱う品目ということで、この第 III 回要望からは取扱いを別にしていますけれども、その辺り、皆さん御承知おきいただいていますでしょうか。その辺の取扱いについて、補足説明していただけますか。

 

○医薬食品局審査管理課

 事務局より説明いたします。まず、優先的に取り扱うものに関して、未承認薬については、 2009 4 月以降で FDA 及び EMA で承認をされている医薬品とさせていただいています。また、適応外薬については、医師主導治験あるいは先進医療 B などが実施されたものを優先的に取り扱う対象というようにさせていただいています。

 

○座長

 お分かりいただけましたでしょうか。優先的に取り扱うという意味は、この医療上の必要性を優先的に評価を進めるということですね。それが未承認薬と適応外薬でその対象が今御説明いただいたようなことになるということです。よろしいでしょうか。

 

○医薬食品局審査管理課

 あと、資料 3-2 につきまして、第 III 回要望に係る専門作業班の検討状況ですが、 1 ページは昨年の 8 1 日~ 12 27 日までの第一期募集について、本年の 6 月までに WG で行われた医療上の必要性の評価の進捗を含めた検討状況です。なお、括弧で囲った数字は前回 3 22 日の検討会議から 6 月末までに WG で検討した数です。要望数は 80 件あります。未承認薬は 24 件、適応外薬は 56 件でした。このうち、 WG で検討済みの要件は未承認薬のうち、前回会議で医療上の必要性の評価をいただいた 1 件と、今回、評価していただく 3 件の計 4 件です。

 次のページは、各 WG での医療上の必要性の評価の検討状況を記載しています。今回は抗菌・抗炎症 WG の未承認薬 2 件と、抗がん WG の未承認薬 1 件について評価していただく予定です。別紙には、各 WG の個別品目を示しています。報告は以上です。

 

○座長

 ただいまの説明に、何か御質問はありますでしょうか。

 

○吉村構成員

 吉村です。資料の整理の仕方について、ちょっと教えてください。資料 3-1 4 ページ目の、資料 No.22 の真ん中ぐらいに、 3 つあって、枝番が付いているのですが、要望者が違うだけですね。

 

○医薬食品局審査管理課

 はい、成分名及び効能・効果等は同じです。

 

○吉村構成員

 その場合に、日本心臓病学会と日本循環器学会が一緒になっているのは、要望書の提出の仕方だけの問題でしょうか。

 

○医薬食品局審査管理課

 そうです、同時に同じ要望書で提出をしていただいたということです。

 

○吉村構成員

 これはやはり枝番付けて区別する必要があるのでしょうか。

 

○医薬食品局審査管理課

 基本的には、要望者から提出していただいた要望書で枝番を付けていますが、各要望者がバラバラで提出された場合には、同じ要望であれば枝番を付けさせていただいています。それがまとめて提出されているものに関しては、ひとまとめで整理をさせていただいているところです。そこはなるべく分けて提出していただくようにはお伝えはしているところですけれども。

 

○吉村構成員

 例えば、 14 ページの真ん中ぐらいにある、「サリドマイド」 No.64 65 などの場合に、 64 のほうは慢性肉芽腫症になっていて、 65 は慢性肉芽腫になっていますけれども、こっちのほうが本質的なのかそれとも、小児と成人ということが本質的なのでしょうか。

 

○医薬食品局審査管理課

そうですね、これもどちらも同じ疾患ではあるのですが、要望された内容の所が No,64 は慢性肉芽腫症という文言で出されていまして、 No.65 は慢性肉芽腫で出されていました。本質的には先生がおっしゃるとおり、 No.64 は小児の用法・用量で、 No.65 は成人の用法・用量という所が本質的な要望になります。

 

○吉村構成員

 区別するのに、なるべくならば本質的な区別の部分ははっきり分かるようにしていただいて、単に形式的に並べているものは同じだということは分かるようにしていただけると助かるのですが。

 

○医薬食品局審査管理課

 分かりました。表記の所についてはこれから気を付けるようにさせていただきたいと思います。

 

○座長

 そのほか。

 

○友池構成員

 念のためにお尋ねしたいのですが、資料 3-2 1 ページ目は、検討対象外というのが未承認薬で 2 件、それから適応外薬で 21 件ありますが、例えば検討対象外と判断されたその根拠はどういうのがあるのか、お聞かせいただければと思います。

 

○医薬食品局審査管理課

 例えば、資料の 1 に示しましたように、未承認薬の公募した要望の要件というのがありまして、未承認薬では、欧米等 6 か国のいずれの国で承認されていることが要望の要件ですが、全く海外で承認されていないというものなどにつきまして、検討対象外とさせていただきました。

 

○友池構成員

 例えば、国内でもう日常茶飯事使われていますけれども、薬効の所にはその適応が書かれていないと、国内周知などの場合にはこれに該当しないということになるのですね。欧米とかではないので。

 

○座長

 先生がおっしゃっているのは適応外の話ですか、未承認薬ですか。

 

○友池構成員

 適応外です。

 

○堀田座長

 適応外ですね。未承認の場合はどこかの国で承認がないと駄目ですが、適応外の場合は、当然それは国内でも適応がほかの疾患には取れているけれども、別ものにはないというものになりますが、そういう理解でよろしいですね。

 

○友池構成員

 はい。

 

○医薬食品局審査管理課

 適応外についても、そこの公募要件の下にあります、適応外の要件というのがありまして、欧米等の 6 か国のいずれかの国で承認があるもの、あるいは一定のエビデンスに基づいて、特定の用法・用量で広く使用されていることを含む、ということを要件としています。

 

○友池構成員

 ありがとうございます。

 

○堀田座長

 今までは、未承認の場合は欧米 6 か国のいずれかで承認があるということが大前提ですけれども、今後、その辺は将来的にはもう少し違う取扱いをする可能性もありますよね。でも、現状は今のところそういう仕切りにしております。

 

○横谷構成員

 横谷です。先ほど、もしかしたら聞き方が悪かったならそれは申し訳ないですけれど、確認させていただきたいのですが、適応外薬の優先審査の基準のことですが、資料 3-1 4 ページにある 2 件がその対象となっていますが、説明でお聞きしたところによると、医師主導治験、又は先進医療の対象となっている薬剤が適応外薬の場合に優先審査の対象となったという説明だったでしょうか。

 

○医薬食品局審査管理課

 はい、一応、適応外薬の優先的に扱う対象としましては、医師主導治験や先進医療 B 等が実施されて、医療上の必要性が高いものということです。

 

○横谷構成員

 「実施されて」というのは、例えば医師主導治験で言えば、承認申請というところまで繋がっている経路の中にあるものなわけですよね。一方、先進医療はその申請にまでまだ繋がっていないところのはずで、申請というアクションが必要なわけです。この検討会がもっている役割として、医師主導治験というのは承認のためにアクションしているわけなので、この検討会で何をやるのかという疑問が生じます。医師主導治験の中でも必要性が高いというものを学会等が声を挙げていったものについて、その審査が促進されるということでよろしいのか。私の個人的な考えでは、医師主導治験というのはルートに乗っているのでここの対象になってないのではないかというようにも思っていたので、もしそうだとすれば、是非承認してもらいたいという、医師主導治験がここにたくさん挙がってくるということになってくるので、挙がってきたものについてはこのように優先審査しますよというのだと、少し何かバランスが欠けるのではないかという気もするのですが。その辺りの説明があれば。

 

○座長

 ここは飽くまで、医療上の必要性を判断し、必要性が高いと判断された未承認薬、適応外薬について開発要請するということであって、審査ではないのですよね。そこのところはちょっと違います。

 

○横谷構成員

 とすると、そのことはやはり医師主導治験を行われたものの中で、恐らく医師主導治験を実施しようとしている人が、医療上の必要性が高いと判断しているものに対して労力をかけてもそういったことをしていると思うのです。そうだとすると、ここに出してきたほうがもしかして早く審査に乗るという可能性が出てくると、結果としてはそういうように思えるのですが、そういうものが対象になると考えていいのかということです。

 

○座長

 さて、その辺の整理については事務局としては何か御説明いただけますか。

 

○医薬食品局審査管理課

 先生の御指摘の部分もありますとおり、医師主導の治験というのもいろいろな幅があります。あと、先進医療 B でもいろいろな蓄積データがありますので、そういったものを先駆的にやっているというところの部分のものを優先に審査しよう、優先に取り扱おうということになっていると承知しております。つまり、先ほど堀田座長もおっしゃったとおり、それは本当に要望内容が医療上の必要性があるのか、また要請をかけるべきなのかどうか、場合によっては医師主導治験だけでは足りなかったりするケースには、企業に開発要請も含めて、また申請も含めて着手するように要請をかける必要もあると思いますので、そういうところの検討も含めて審議を優先的にやっていくものだと考えています。

 

○座長

 要するにこれは全部評価はするのですね。だけど早めに前倒しで幾つかに手をつけるということであって、そのあとは順番にというか、扱えるものはどんどん処理をしていくというそういう話ですか。

 

○伊藤構成員

 私の理解不足かもしれませんが、医師主導治験といった場合は、やはり承認認可を受けるためにやっているわけだし、私もやったことがあるのですが、治験の中に優先審査のところの費用も入りますから、だからそれはその人の努力によって治験は通るので、だからこの医師主導の、臨床試験なら分かりますけれども、治験といった場合だったら、これは承認を受けるための治験ですから、その人自身がやるべきもので、ここでわざわざ何かするものですか。

 

○座長

 やるべきものという意味は、医師主導治験が既にもう動いているので、わざわざ開発要請をかける必要はないと、こういうことですか。

 

○伊藤構成員

 そうです。だから承認を受けるためにやっている医師主導治験ですからね。承認を受けるためにやっていますから、そのときに優先の審査をしてほしい場合には、そこのお金もいただけますから、それはその人が努力すればやれるはずです。治験が終わった段階で。だから治験中に何かするというのは何となく分からないところがあります。

 

○座長

 まあ、確かにその辺のところは既にこれは先進医療とかあるいは医師主導治験が動いているというものが前提であれば、それはある意味スピードを上げるための間接的な応援にはなるかもしれないけれど、もう既に動いているからそれを優先というのは変だと、そういう話ですか。

 

○伊藤構成員

 治験をもうしていますから、そこへ行くのに例えばこちらがこういう会議に入って、こういうものだったら治験に回してくれとかいうのなら分かるのですが、もう入っているものに関しては、その人の意思やその努力によってやることであって、ここの会議にそれを入れるべきかどうかというのは非常に、私自身は分かりにくいです。

 

○医薬食品局審査管理課

 ご指摘ありがとうございます。確かに企業治験がもう進行しているものについては、先ほど説明したとおり、そのまま企業に試験の進行、もしくは開発状況をそのままお願いするということで、優先から外すという条件になっています。医師主導治験については、個別によって内容が違ってくるとは思います。承認を目指して医師がデータを集めようというものであることはおっしゃるとおりだと思うのですが、一応、企業にも開発の要請も含めて、医療上の必要性等があるかというチェックも含めまして、優先的に対応していくというように理解しています。

 

○伊藤構成員

 くどいようですが、「実施され」と書いてありますからもう実施されているわけですから、それは認められて、要するに日本医師会の治験促進支援センターのほうで認められて、そこにもう入っていますから、それをここへ出して何を審議するかというのはちょっとよく分からないです。

 

○医薬食品局審査管理課

 例えば、要望のあった品目について、今医師主導治験を開始しているケースについて、その医師主導治験の開発実施状況、内容等々について確認した上で、医療上のそもそも必要性の高いものの疾患であるのかどうか、企業のほうにも開発の意図があるのか開発要請を行うべきかなど、審議するケースはいろいろあるとは思うのですが。

 

○伊藤構成員

 企業の関与をするのは治験薬提供者として企業が関与して、その治験薬を出さない限り、その治験は進みませんからね。だからそれでやるだけの話であって、もう実施されていたらそれ以外にここの会議ですることがあるのかどうかというのが私はよく分からない。

 

○座長

 その辺の、ほかに御意見がありますか。

 

○横谷構成員

 私もそういう意見に賛成です。やはりほかの医師主導治験を行ってきた人たち、あるいは学会も直接にかなり関与してきたものも多数ありますけれども、それはこの検討会の対象になっているというようには理解されていなかったのではないかと私自身はそう思っていました。つまり医師主導治験は開発の途上に既にあるということなので、ここはそうではないものを対象とするというように思っていたのですが。しかし、もしそうだとすれば、医師主導治験の多くのものがここに入ってくる。恐らく後押しが得られるという可能性が高いですので、そういうことをする場なのかということが問題です。医師主導治験を対象とすべきかということについて議論をしていただきたかったと思います。あるいは募集するときに明確にすべきだったということは反省ですけれども、私はこれは対象にならないものと思っていたものですから。

 

○座長

 確かに、今、お 2 人がおっしゃるようなことはありますね。もう既にある程度動いているものをプッシュするよりは、必要性が高いけれどもまだ動いていないものをむしろ優先的にやったほうが全体としてはいいのではないかという、そういう御主張だと思います。

 

○医薬食品局審査管理課

 構成員の先生方の御主張も踏まえまして、医師主導治験で進めているものを優先的に取り扱うかの、事務局として検討することとします。

 

○医政局研究開発振興治験推進室長

 ありがとうございます。 1 点だけ御参考までに、お話させていただければと思います。医師主導治験は先生方の御協力の下で先生方主体になって治験を行って、それを追加的な効能・効果を取るといったような承認に向かうというプロセスの遡上に乗っかっているということは、伊藤先生も初め皆様、先生方がおっしゃるとおりだと思います。ただ、そこで得られたデータについては、最終的には製薬メーカーから PMDA のほうに申請をしていただいて、承認をしていただくといったプロセスが必ず生じますので、そのような製薬企業が承認申請に向かうというところを更に加速するという意味合いでここの議論の遡上に乗せて必要なものに対して開発要請をするという意味合いが生じてくるのではないかと考えています。

 あともう 1 つは、医師主導治験において、探索的な試験を行うというようなことは多々あるかと思っています。その探索的試験だけで承認に向かうという可能性ももちろんあるわけですが、その一方で追加的に検証的な試験を行った上で承認に向かうという可能性もある中で、製薬企業に対して、その検証的試験は更に追加的に行ってもらう必要があるかどうかも含めて、医療上の必要性について御検討いただくこともこの会議の中での役割としてもあるのかなと思った次第です。

 

○座長

 なるほど、双方言い分はあるというか、意義があるのでしょうね。ただ、問題はもう既にある程度動きがあるものというものと、そうではないものというのが少し違うのかなというのと、今事務局から説明がありましたように、これは飽くまで企業に対しての開発要請がいかにかけられるかが、最終的に承認に向かう道なので、先進医療 B とか、医師主導治験で動いているのはいいけれども、最終的にはそれは企業がそれを引き取って進めない限り承認申請にはいかないので、そこのところをプロモートする意味があるという、こういう説明でしたね。

 

○岩田構成員

 その議論はよく分かるのですが、だからそれが開発を優先的に取り扱うという理由にならないような気がするのですけれども。既に医師主導治験が始まっているからといって、その品目を優先的に取り扱うという理由になぜそれがなるのかというのがちょっと理解できないです。

 

○医薬食品局審査管理課

 適応外のものの効能を取りたいということで、エビデンスを集めようとして、医師主導治験を開始できているということは、それは公的な研究費も付いて実施しているということはそれなりに社会的といいますか、臨床現場で必要なのだろうという判断が、別にされている可能性が高いというところも踏まえまして、優先的に取り扱うことになったというように考えています。

 

○座長

 さて、ちょっとこれ以上ここでやっているわけにはいきませんので、次回に持ち越したいと思います。要は、このたくさんあるリストの中で、どういうところに減り張りをつけて有用性の評価をやっていくかというところの提案です。いずれの要望品目をこれはもしこれが優先という枠がなくても順次やっていくということですので、議論はここで収めさせてください。また次回、提案していただくということにしたいと思います。

 続きまして、第 III 回要望品目に係る医療上の必要性に関する検討状況について、本日、抗菌・抗炎症 WG から始めたいと思います、宮崎先生、よろしくお願いします。

 

○宮崎参考人

 それでは抗菌・抗炎 WG から御報告させていただきます。資料 4-1 、抗菌・抗炎症 WG で検討する第 III 回要望には、優先的に取扱う対象として、抗マラリア薬である artemether/lumefantrine の成人及び小児の 2 件の要望がありました。今回、その医療上の必要性について検討しております。

 資料 4-1 1 2 ページに成人の要望についての評価があります。 3 4 ページに小児の要望についての評価を記載しております。これを御覧いただくと、本剤は既に世界 80 か国以上で広く承認されているもので、我が国で承認販売されている現行の抗マラリア薬と異なる作用機序を有しております。

 海外臨床試験においては、合併症のない熱帯熱マラリア患者に対して、良好な忍容性と高い治癒率が報告されております。こういったことから、我が国での新たな治療選択薬として有用であると考えました。医療上の必要性はあると判断した次第です。抗菌・抗炎症 WG からの御報告は以上です。

 

○座長

 ありがとうございました。ただいまの報告に何か御質問、御意見はありますか。成人・小児とも有用性が高いという御評価を頂いております。よろしいですか。特に御異議がなければ、これはそのように扱わせていただきます。続きまして、抗がん WG について安藤先生、よろしくお願いします。

 

○安藤参考人

 資料 4-2 を御覧ください。抗がん WG では、医療上の必要性の基準に該当しないと考えられた品目は、本邦における未承認薬であるカツマキソマブについて説明させていただきます。資料 4-2 1 ページ、要望番号 III-24 、日本産科婦人科学会からの要望があります。カツマキソマブで、がん性腹膜炎、標準的治療において抵抗性を有するがん性腹膜炎の効能・効果です。カツマキソマブというのは、細胞接着因子である Epithelial cell adhesion molecule と、もう 1 T リンパ球にある CD3 に対する抗体です。この抗体を投与することによって、抗原抗体反応が起こって、細胞障害性に腫瘍細胞が破壊されることが作用機序です。

 適応疾患の重篤性についての該当性に関しては「ア」という判断をしました。がん性腹膜炎というのは致死的疾患であり、重篤性に関してはアに該当すると判断しました。

医療上の有用性に関しての該当性は「エ」と判断しました。カツマキソマブというのは、国内開発企業が存在しないことから、欧州での承認根拠となった海外で行われた第 II/III 相試験についていろいろ WG で検討しました。公表された論文から得られた情報というのは非常に限定的ではありますが、この試験について懸念事項があると考えたために、医療上の有用性の該当性をエと判断しました。 (2)1 ポツ、当該試験での主要評価項目として、無穿刺、がん性腹膜炎に対して穿刺をしない期間が設定されているのですが、この本薬群、カツマキソマブを投与された群では、この投与ごとに腹水穿刺が行われていて、その後の腹水量や腹水貯留までの期間に影響を及ぼした可能性があることが一番の懸念です。そのためにランダム化試験、つまり無治療群とのランダム化比較試験であったのですが、群間の比較可能性が保たれていないことが懸念されました。 2 ポツとして、当該試験というのは非盲検下で行われており、対照群では経過観察をしたということですが、本試験が終わった後に本薬のカツマキソマブへのクロスオーバーが認められていたことにより、腹水穿刺までの期間の評価に何らかのバイアスがあった可能性が懸念されました。したがって、海外の第 II/III 相試験から、この試験結果からカツマキソマブの有用性を判断することは困難と WG では考えました。以上より、医療上の有用性はアからウのどれにも該当しないためにエと判断しました。

 ただし、「備考」を御覧いただいて、今回は公表論文から得られる情報から、医療上の必要性の評価を行うことは妥当と考えたのですが、 EMA 、欧州で承認されていることを踏まえると、上記の懸念事項について説明可能な追加情報が入手される、若しくは国内できちんとした臨床試験が実施されて、新たな有用性に関する情報が得られるとしたときは、またカツマキソマブの有用性について改めて評価することが望ましいと考えました。つまり、現時点で得られている情報の公表論文からは有用性を評価することが非常に困難と WG は判断しました。以上です。

 

○座長

 結論は保留ということになるのですね。今日は落合先生が御欠席なので、専門領域の御意見は伺えませんが、事前に何か聞いていることはありますか。

 

○安藤参考人

 特にありません。

 

○座長

 それでは、皆様から御意見を頂きたいと思います。

 

○吉村構成員

1 ページの真ん中の少し下の所に、対照群において試験後に本薬へのクロスオーバーが認められたから、バイアスが介在した可能性があるという表現がありますが、クロスオーバーというのは普通 2 つの薬が後半逆転させて使われるのですが、その場合、本薬群のほうに後半対照薬は投与されたということでもあるのでしょうか。

 

○安藤参考人

 いや、本薬群には何も、その後。

 

○吉村構成員

 そうすると、クロスオーバーというのではなく、対照群に対しては、治療期間が終わったあとで、本薬の投与が認められたのですか。

 

○安藤参考人

 投与は認められた。

 

○吉村構成員

 そのとき実際の判断、つまり評価のときにはそのデータはどういうふうに使われていたのでしょうか。

 

○安藤参考人

 そこのところが全く公表論文の中に書かれていないので、そこが判断できないと。

 

○吉村構成員

 しかもブラインドではないと。

 

○安藤参考人

 はい。

 

○吉村構成員

 分かりました。

 

○座長

 ほかに御意見はいかがでしょうか。国内の企業がないので、公表論文以上のデータが入手できないということですね。ということのようですが、結論は、ここまでの情報では十分評価にたえないので、そういったものが入手した段階でもう 1 回評価します。ということですね。

 

○安藤参考人

 はい。

 

○座長

 よろしいでしょうか。それでは、そのように取り扱わせていただきます。続きまして、医療上の必要性が高いとされた品目に係る専門作業班 WG の検討状況について、事務局から説明をお願いします。

 

○医薬食品局審査管理課

 資料 5 は、第 II 回要望で医療上の必要性が高いとされた品目に係る専門作業班の検討状況について示しています。今回新たに御報告する箇所は、 4 ページ、要望番号 II-127 、頭蓋内圧亢進症に対するチオペンタールナトリウムについてです。 WG において使用実態調査が必要と判断されていまして、実施に向けて現在準備中です。報告は以上です。

 

○座長

 それ以後は特にないですね。

 

○医薬食品局審査管理課

 特にありません。

 

○座長

 というところで、 1 つだけですが、よろしいですか。次は企業から提出された開発工程表に関係しての話で、事務局から進捗状況を教えてください。

 

○医政局研究開発振興課治験推進室長

 それでは、企業から提出された開発工程表等について、資料 6-1 、資料 6-2 、資料 6-3 及び資料 7 に基づいて御説明します。前回この会議は 4 月末に開催されておりますので、その後の進捗状況を中心に御説明します。

 資料 6-1 、企業から提出された開発工程表について、この開発工程表の評価基準としては、従来どおり開発要請から半年以内に WG の結論により公知申請が可能とされたものについては、開発を適切に行ったものと評価するということや、開発要請から 1 年以内に治験計画届を提出したものについては、開発を適切に行ったものと評価するといったような考え方です。

 資料 6-2 、第 I 回の要望について、今年の 6 26 日現在の状況について取りまとめたものです。第 I 回要望については、既にこの会議において医療上の必要性や、公知申請の妥当性についての御判断については全て終了しているものです。

1 ページ、開発工程表に基づく情報としての表については、前回以降の進捗状況としては、承認済みのものが今回 137 件となっておりますが、これは前回 136 件から 1 件の追加です。承認申請済みについては、合計 12 件となっておりますが、これは前回 11 件から 1 件の増加という形になっています。治験計画届提出済みについては、今回 30 件になっており、前回 32 件でしたので 2 件減少しております。具体的にどのような品目が承認済みになったのかなどについては、資料 6-2 5 ページから承認済みのものについての 137 件のリストがあります。

 このうち今回新たに承認になったものは 24 ページの要望番号 II-39 番、バンコマイシンについて適応菌種、適応症について、本年の 5 月に新たに効能が追加されたという承認がなされております。

 続きまして、同じく資料 6-2 26 ページ、承認申請済みのもの 12 件のリストがあります。このうち今回新たに進捗があったのは、要望番号 81 番、オクスカルパゼピンについて従前治験実施中であったものが承認申請済みという形になりました。また、 27 ページの要望番号 186 番、デュロキセチンについても、従来治験実施中であったものが、今回承認申請済みという形での進捗がありました。

 続きまして、同じ資料の 37 ページ、要望番号 189 番及び要望番号 II-83 番の c 、この 2 つについては前回第 19 回の会議において、治験を実施はしたのですが、有効性・安全性などの理由から、本剤の開発がなかなか困難であるという御説明をさせていただいた上で、要望の取り下げが学会等からなされたということでの進捗です。資料 6-2 については以上です。

 続きまして、資料 6-3 、第 II 回要望の進捗状況についての御説明をいたします。資料 6-3 1 ページ、今回承認済みとなったものが計 45 件あります。これは前回 43 件から 2 件の増加となっております。承認申請済みのものについては、今回 17 件となっております。これは前回 18 件でしたので 1 件減少となっております。

 次の治験計画届提出済みのものについては、今回 12 件になっておりますが、前回 11 件でしたので 1 件の増加になっております。

 公知申請予定のものについては、今回 14 件となっておりますが、前回 15 件でしたので 1 件減少しております。

 最後のその他の部分については、今回 5 件となっておりますが、前回 6 件でしたので 1 件減少という状況です。

 具体的な品目については、資料 6-3 5 ページから第 II 回要望について、既に承認が済んでいるもの 45 件のリストがあります。このうち今回進捗があったのが、 8 ページ、要望番号 II 279 番レボノルゲストレルについて、本年の 6 月に承認済みという形での進捗があります。また 9 ページ、パミドロン酸二ナトリウムについて、骨形成不全症の効能追加について、本年 5 月に承認済みという形になっております。

 続きまして 11 ページ、承認申請済みとなったものの一覧表で全部で 17 件あります。今回進捗があったものについては 13 ページ、要望番号 II 203 番、プロプラノール塩酸塩について公知申請妥当という御判断に基づいて、申請済みという形での対応が進められております。

14 ページからについては、治験計画届提出済みのものについての一覧表です。このうち今回進捗があったのが 15 ページにある要望番号 II 200 番、プロトロンビン複合体について治験計画届が提出されております。さらに 24 ページのその他のところで、要望番号 II 274 番、レチガビンについては開発内容のところに記載があるとおり、てんかんに関する薬です。これについては、企業で治験の実施準備を進めていたところではありますが、海外で本剤に関する有害事象が発生したため、規制当局の指導の下、海外においては他の治療の選択肢で効果不十分である患者さんに制限するといったような、安全対策がなされていることを踏まえて、現在この対応について検討中という報告を頂いております。

 具体的には米国の FDA のほうからこういったような指示が出ているようで、副作用としては皮膚の色素沈着であるとか、失明につながるような網膜の色素変化が生じるといったような報告があるようで、こういったような状況を踏まえて開発を進めるかどうか、製薬企業においても検討中という御報告を頂いております。資料 6-3 については以上です。

 最後に資料 7 について御説明します。資料 7 については公募品目についての開発状況についてのリストです。このうち前回以降進捗のあったものについて御報告します。第 I 回要望募集に関しては、 7 番ホメピゾールについて、前回申請準備中といった状況でしたが、今回承認申請中ということで進捗が見られております。

 同じ第 I 回要望品目の 13 番のカルグルミック酸、裏面に第 II 回要望募集の 6 番のカルグルミック酸については両方とも開発状況について従来未公表という形ではありましたが、今回開発企業において、治験準備中という進捗状況の御報告がありましたので、このような形での進捗があったということを御報告いたします。事務局からの説明は以上です。

 

○座長

 ありがとうございます。資料が多くてフォローが難しかったかもしれませんが、第 I 回の要望に関する工程表に基づく進捗状況と第 II 回を分けて書いております。最後に開発企業を募集したものの対象についての進捗でしたが、いかがでしょうか。何か御質問、コメントはありますか。特にないですか。特に滞っているとか、問題のあることはないという判断でよろしいですか。それでは、その他の事項に移ります。事務局から説明をお願いします。

 

○医薬食品局審査管理課

 それでは「その他」事項に移ります。資料 8 について御説明します。資料 8 は前回からの持ち越しの品目です。切除不能な進行・再発胃癌に対するオキサリプラチンの安全性情報提供について説明いたします。シスプラチンとの併用療法に対するオキサリプラチンとの併用療法の非劣性を検証する胃癌 SOX III 相試験を実施したところ、仮説が検証できませんでしたが、株式会社ヤクルトより公知申請を希望する旨の見解が提出されて、前回の検討会議時に切除不能な進行・再発胃癌に対するオキサリプラチンの 130mg/m2 での承認申請することの妥当性について御審議していただいたところです。前回の検討会議の結論としては、胃癌への適応に係る安全性については情報が不足しており、血小板減少の遷延及び胃原発巣からの出血の可能性等があることから、医療現場で適正に使用できるような情報提供の方策を検討し、この会議において報告して、改めて御確認いただくという流れでした。

 検討した対応案は、保険が適用となった時点から、製造販売業者には公知申請への妥当性に係る報告書及び新たに胃癌適正使用資材などを作成していただいて、医療従事者の要望に応じて情報提供をしていただくことを考えております。また、学会では、安全性に配慮し、適正使用を推進することを目的としたステートメントを作成しており、ホームページに掲載するとともに、他の癌関連学会にも周知をしていただく予定にしております。

 製造販売業者及び学会からの安全性情報の主な記載内容としては、国内でオキサリプラチン 130 mg/m2 を他のがん腫で使用している併用療法と、当該併用療法における有害事象の種類と発現頻度、さらにオキサリプラチン 130 mg/m2 からの減量基準を記載していただくことを考えております。以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

 

○座長

 前回の宿題になっておりましたが、オキサリプラチンはこのままでよいかどうかということに懸念があるということでしたので、それに対する対応策を取っていただいているということですが、どうでしょうか。藤原構成員、何かありますか。

 

○藤原構成員

 対応のところで、これは確か要望が日本胃癌学会から出ているので、胃癌学会に対応してくださいとお願いしているという理解でいいのですね。

 

○医薬食品局審査管理課

 要望者である日本胃癌学会に対応していただいたということです。

 

○藤原構成員

 実際には日本癌治療学会や日本臨床腫瘍学会とか、もう少し会員数の大きな学会がありますが、そちらは胃癌学会のほうが周知を担当するとここに書いてあるのですが、そういう流れでいいのですか。

 

○医薬食品局審査管理課

 そのような流れで検討していただいているところです。

 

○藤原構成員

 分かりました。

 

○座長

 オキサリプラチン 130mg で有害事象が起こる可能性もあるということの注意事項というか、そういった学会へのステートメントをほかの学会にも、胃癌学会を通じて周知していただくということで、学会のほうも了解していますか。

 

○医薬食品局審査管理課

 はい、学会のほうからも了解を頂いております。

 

○座長

 それでは、対応策を取ることを前提にした上で、これは承認ということでよろしいですか。

 

○鈴木構成員

 前回出ていないためよく分からないので教えていただきたいことがあります。前回いろいろ議論されたのでしょうが、現在、承認されている結腸癌、直腸癌についての用量は 130 mg/m2 なのにも拘わらず、胃癌に対する、今回の第 II 相・第 III 相治験は 100mg で行われたわけです。それはどうしてそうなったのでしょうか。 130mg でどうしてやらなかったのかがよく分からないのですが、そこだけ確認させていただけますか。

 

○医薬食品局審査管理課

 事務局から回答します。御指摘のとおり、結腸・直腸癌については、本薬 130 mg/m2 3 週間ごとの投与と、 TS1 80 mg/m2 の連日投与の併用投与により承認されております。胃癌領域におきましては、本邦における胃癌に対するキードラッグである TS1 の投与強度を維持することをまず重視しております。あと結腸・直腸癌の治験で見られる血小板減少の遷延というものがあり、それを踏まえて慎重な対応を講ずることとした等から、ヤクルト本社株式会社より胃癌 SOX II 相試験及び胃癌 SOX III 相試験におきましては、本薬 100 mg/m2 3 週間ごとの投与の用法・用量が選択されたものと考えております。

 

○座長

 鈴木構成員、それでよろしいですか。

 

○鈴木構成員

 分かりました。それに対する懸念への答えが、先ほどの回答ということですね。ありがとうございました。

 

○座長

 特によろしいですか。安藤先生、何か言っておきたいことはないですか。それでは、そのような形で対応策を取ることを前提に進めたいと思います。ありがとうございます。続きまして、 2 番目をお願いします。第 III 回要望の第一期は 80 件で今進めているところですが、その次のところです。

 

○医薬食品局審査管理課

 第 III 回要望、第二期の募集の検討についてです。本日配布の資料 9 、第 III 回要望の第二期募集の検討についての資料に基づいて説明いたします。昨年の 12 月末の第一期要望の締切から、引き続き募集を継続しており、第 III 回要望については、本年 6 月末で一旦締切ることとしました。取りまとめた結果、提出された要望の延べ数は 13 件となっております。今後は要望の重複の整理、未承認薬及び適応外薬の整理、優先的に取り扱う対象の整理などを行って、次回の検討会議で要望品目リストを作成する予定です。

 なお、可能な限りですが、優先的に取り扱う対象については、次回の検討会議から使用上の必要性の評価を順次行っていく予定でもあります。説明は以上です。

 

○座長

 というわけで、第 III 回からは随時受付けることになっていますが、一応期間を区切らないとまとまらないものですから、一期、二期という形に区切らせていただいています。二期目の募集については 13 件であったので、当初に比べると 10 分の 1 以下ぐらいになって、ドラッグラグは大分追い付いてきたのかなという実感を持つわけです。このような形で順次やっていきたいということです。何か御質問はありますか。

 

○吉村構成員

 先ほども少し議論になりましたが、優先的に取り扱うということの利点は、たった 13 件というときに何なのでしょうか。

 

○座長

 それはそうですね。 13 件は全部優先でもいいという感じですかね。優先的ということについては宿題にさせていただいて、次回また事務局で対応していただきたいと思います。要望件数はまた増えてくるかもしれませんしね。とにかく、第二期についてはこういう形になりましたということで、要望の受付けは終わっておりますが、引き続き第三期もあるという状況ですか。

 

○医薬食品局審査管理課

 引き続き第三期もあります。

 

○座長

 ということで、区切り区切りでまとめて評価していくことになります。よろしくお願いいたします。それでは、先駆けパッケージ戦略の関係をお願いします。

 

○医薬食品局審査管理課

 続きまして、資料 10 の説明をいたします。本日配布の資料 10 の「未承認薬迅速実用化スキーム」については、昨年 12 月に厚生労働省内において、世界に先駆けて革新的薬品等を実用化するためのプロジェクトチームを立ち上げまして、今年の 6 17 日に先駆けパッケージ戦略が打ち出されました。その戦略の重要な施策の 1 つとして、「未承認薬迅速化スキーム」というものがあります。当該施策の内容としては、未承認薬・適応外薬検討会議の対象を、一定の要件を満たす欧米未承認薬にまで拡大し、企業に対して開発要請を行うことで、世界に先駆けての重篤・致死的な疾患、治療薬の実用化を加速するものです。今後、当該スキームをどのようにしてこの検討会議に入れ込むことができるのかということを、次回と次々回の 2 回の検討会議に渡りまして御議論を頂ければと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

○座長

 今の説明のように、また新しいスキームが出てきたわけですが、これまでは当然海外での承認が大前提でやってきました。最初にも話題になりましたが、今後は承認の内外時間差のマイナスを追っ駆けるという意味ではなく、プラスに持っていこうという動きだと私は理解をしました。そういう対応で踏み込んでいきたいということです。

 したがって、海外でまだ承認がないうちでも、国内で開発を急ぐものについて重要なものについては必要性を評価した上でやっていくことになるかと思います。何か反対の方はありますか。いかがでしょうか。賛成でも結構ですが、御意見を賜われればと。岡部先生、何かないですか。

 

○岡部構成員

 特にありません。結構なことだと思います。

 

○藤原構成員

 先駆けパッケージについて、資料 10 の要望の対象のところを見ますと、欧米未承認で、 1 2 3 の条件が多分あると書いてあるのですが、第 III 相実施中、または終了とか、優れた試験成績や論文等で公表されているもの。先進医療で一定の実績があるものとありますが、海外未承認でも、例えばオーファンやウルトラオーファンとか、小児のものでフェーズ 3 とか、大規模な試験ができないがみんなが使いたいとか、そういう品目というのはあると思うのですが、そこはどこで救われることになるのですか。要するに、小さな効能、余りフェーズ 3 に乗らないようなものが、先駆けパッケージでは引っかかってこないようにも読めるのですが。

 

○医薬食品局審査管理課

 そういったところがどこまでデータがあるのかというところがポイントになるかとは思います。ただ今、藤原先生の御指摘のような点も含めて、次回以降、資料で分かるように工夫したいと思います。

 

○座長

 がん領域で、特に希少性のものであるとか、あるいはポピュラーながんでも分子病態に基づく薬剤開発では対象としてフラクションが狭くなっているものについて第 III 相というのはなかなか厳しい状況にあるのは確かです。その辺は今後のレギュラトリーサイエンスの研究課題だと思います。

 

○友池構成員

 国内第 III 相試験実施中、または終了したものということになると、これは PMDA で淡々と進む事項だと思われるので、あえてここで加速を付ける必要はないのではないかと。先ほど冒頭のお話をお聞きしながら、ここを拝見しているのですが。この委員会のスタンスといいましょうか、守備範囲というものがあるような気がしているのですが、その辺を御説明いただければと思います。

 

○座長

 これは国内で開発をもう手掛けているものはやらないという理解でいいですか。

 

○医薬食品局審査管理課

 そうですね。いずれにしても、この中では先駆けて日本で開発中、そして世界でまだ承認がないものについて、どのように開発を促進していくのかという観点だけで作っております。今後、このテーマを本検討会の中でいかに情報収集するか、また募集をどのように実施していくのか、どのような手順で実施していくのか、といった具体的な手順等が、これからの議題になると思いますので、ただ今、先生御指摘のあった点も含めて、整理したいと思います。

 

○座長

 これは我々から持ち出したのではなく、厚生労働省の先駆けパッケージ戦略の一環として出来ているわけですが、要望募集のタイムリミットというか、本当にスタートするのであれば、いつぐらいを目途に考えていますか。

 

○医薬食品局審査管理課

 一応現在のところ、次回、次々回の検討会で手続の検討を考えて、その次が 4 月の部会、来年度からできれば募集をかけられるようにしたいというイメージではおります。

 

○座長

 その前にこの検討会できっちりコンセンサスを作っておく必要があると思います。次回またもう少し具体的な提案をしていきたいと思います。よろしいですか。

 

○医薬食品局審査管理課

 前回の 4 22 日の検討会議で医療上の必要性の評価を行った teduglutide という品目について、伊藤構成員より、小児についてなぜ開発を行わないのかという御質問を頂いておりましたが、それについて回答したいと思います。

 要望者に確認したところ、海外での承認はないということから、成人の要望のみで提出されたということです。しかしながら、現在、小児適応に関する企業治験が海外で実施されており、その試験成績を踏まえて、国内の小児を対象とした開発も行う予定と聞いております。報告は以上です。

 

○座長

 資料は特にないのですね。

 

○医薬食品局審査管理課

 資料は特にありません。

 

○座長

 ということですが、特に小児科領域の先生方から何か御意見はありますか。よろしいですか。

 

○伊藤構成員

 私が言ったことですが、要するに小児のほうが多いのにどうして小児をやらないということと、もう 1 つは EU とアメリカで成人の治験が終わっていれば、本当は小児はやらないといけないはずなのです。小児で主に使うようなものだから、それで疑問なので言ったわけです。できれば国際共同治験か何かで認可され、同時に日本で使えるようにされたら本当はいいと私自身は思います。そういうことで、よろしくお願いいたします。

 

○座長

 そういうことでよろしいですか。ほかに御意見があれば承りますが、いかがですか。よろしいですか。それでは、次回以降のことについて、事務局からよろしくお願いします。

 

○医薬食品局審査管理課

 次回の検討会議は、現在、日程調整を行っておりますので、日程が決まり次第、御連絡させていただきます。あと事務局からは特にございません。御多忙のところ本当に本日はありがとうございました。

 

○座長

 それでは、皆さんどうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省医政局研究開発振興課
厚生労働省医薬食品局審査管理課



03-5253-1111(内線 4165、4229)

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