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2014年8月27日 第1回社会保障審議会福祉部会 議事録

社会・援護局総務課

○日時

平成26年8月27日(水)16:00〜18:00


○場所

グランドアーク半蔵門 「富士東」(4F) 
(東京都千代田区隼町1−1)


○出席者

田中滋 (部会長)
宮本みち子 (部会長代理)
石橋真二 (委員)
猪熊律子 (委員)
鎌倉克英 (委員)
川井太加子 (委員)
黒岩祐治 (委員)
  (代理:西條由人参考人)
小林光俊 (委員)
高橋英治 (委員)
高橋福太郎 (委員)
武居敏 (委員)
橘文也 (委員)
対馬徳昭 (委員)
花井圭子 (委員)
福間勉 (委員)
藤井賢一郎 (委員)
藤野興一 (委員)
堀田聰子 (委員)
松原由美 (委員)
松山幸弘 (委員)
三好昇 (委員)
柳川純一 (委員)

○議題

(1)部会長・部会長代理の選出について
(2)社会福祉法人制度の見直しについて
(3)福祉人材確保対策について
(4)福祉部会における主な検討事項
(5)「福祉人材確保専門委員会」の設置について

○議事

○西辻総務課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第1回社会保障審議会福祉部会を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、御多忙の折お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。この後、部会長を選出いただくまでの間、私、社会・援護局総務課長の西辻が進行を務めさせていただきます。
 本日は第1回目ということで、今回御審議をお願いしました趣旨も含めまして、社会・援護局長の鈴木から一言御挨拶を申し上げます。


○鈴木社会・援護局長 社会・援護局長の鈴木でございます。よろしくお願いいたします。
 皆様方には大変御多忙の中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 このたび社会保障審議会に福祉部会を立ち上げまして、本日から議論を開始することになりました。御審議をお願いしたい事項は大きく2つございます。1点目は、社会福祉法人についてでございます。2点目は、介護を中心といたします人材確保についてでございます。
 1点目の社会福祉法人についてでございますけれども、御案内のように、福祉サービスにつきまして、措置から契約、それから、多様な経営主体の参画ということで、福祉サービスを取り巻く環境は大きく変化いたしております。また、人口減少社会ということで地域社会もかなり変容いたしておりまして、福祉サービスの需要が多様化・複雑化しているという状況にあります。こうした中で、やはり質・量両面に渡ります福祉サービスの充実が求められておりまして、その基盤を担う社会福祉法人の果たすべき役割や責務は、ますます大きなものになっていくだろうと承知をいたしております。
 しかしながら、一方で、内部留保をめぐる問題や、あるいは一部の不適切な法人運営に関する指摘といったものも残念ながら行われているところでございます。したがいまして、厚生労働省といたしましては、社会福祉法人が時代の要請あるいは社会の要請にしっかりと応えていくことができる制度の枠組みを作っていくことが重要であると考えております。具体的には、例えば、ガバナンスの強化でございますとか、あるいは透明性の確保といったものを図りまして、社会福祉法人の方々にしっかり責務を果たしていただく、こういった姿を国民に対して法人自らお示しいただくことができる枠組みを用意したいと考えております。
 こうした観点から、この部会におきまして、法人の事業運営、財務運営、組織運営といった各般にわたります論点につきまして、ぜひ御検討いただきたいと考えております。
 2点目の介護を中心といたします人材確保でございますけれども、御案内のように、2025年に向けまして介護人材の確保は喫緊の課題でございます。さきの国会で成立いたしました医療・介護総合確保推進法におきましても、政府といたしまして、今後の大きな道筋を明らかにして、実効性のある対策を講じることが求められているところでございます。
 この点につきまして、この部会では、人材確保のための各般の制度的対応に関して御検討いただきたいと考えております。同時に、介護給付費分科会におきまして議論が進められております平成27年度の介護報酬改定や今後の政府としての予算対応も含めまして、総合的な人材確保の方策を打ち出していきたいと考えているところでございます。
 この大きな2つの項目につきまして、年内を一つの目途として御検討を進めていただきまして、その結果を踏まえて厚生労働省として必要に応じて法案の提出なども行ってまいりたいと考えております。
 大変タイトなスケジュールで盛りだくさんの検討事項でございますけれども、ぜひとも精力的な御審議をお願いしたいと存じております。どうぞよろしくお願い申し上げます。これをもちまして、御挨拶にかえさせていただきます。


○西辻総務課長 それでは、委員の皆様の御紹介に入らせていただきますが、その前に新たに社会保障審議会の臨時委員に御就任いただいた委員の方に、厚生労働大臣からの任命状を、また、すべての委員の皆様にこの福祉部会に所属していただく旨の社会保障審議会会長からの指名書を、お手元にお配りしております封筒に入れさせていただいておりますので、後ほど御確認をお願い申し上げます。
 それでは、御出席の委員の方々を50音順で紹介させていただきますが、時間の関係上恐縮ですが、お名前のみの紹介とさせていただきます。委員名簿を御参照いただければと存じます。
 まず、石橋真二委員でございます。
 猪熊律子委員でございます。
 鎌倉克英委員でございます。
 川井太加子委員でございます。
 小林光俊委員でございます。
 高橋英治委員でございます。
 高橋福太郎委員でございます。
 武居敏委員でございます。
 橘文也委員でございます。
 田中滋委員でございます。
 対馬徳昭委員でございます。
 花井圭子委員でございます。
 福間勉委員でございます。
 藤井賢一郎委員でございます。
 藤野興一委員でございます。
 堀田聰子委員でございます。
 松原由美委員でございます。
 松山幸弘委員でございます。
 宮本みち子委員でございます。
 三好昇委員でございます。
 柳川純一委員でございます。
 なお、本日は全国知事会社会保障常任委員会委員、神奈川県知事の黒岩祐治委員、それから、公立大学法人大阪府立大学地域保健学域教育福祉学類教授の関川芳孝委員から御欠席の連絡をいただいております。
 また、黒岩委員の代理といたしまして、神奈川県保健福祉局福祉部の西條由人参考人にお越しいただいております。西條参考人の御出席につきまして、部会の御承認をいただければと思いますが、いかがでございましょうか。
     (「異議なし」と声あり)


○西辻総務課長 ありがとうございます。では、御異議なきものとさせていただきます。
 本日は御出席の委員の方が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。
 また、事務局からの出席者につきましては、配布させていただいている座席表をもちまして紹介にかえさせていただきたいと存じます。
 続きまして、お手元の資料の確認をさせていただきたいと思います。本日は資料といたしまして、資料1〜4、参考資料1〜4を配布させていただいております。
 まず、資料1 社会福祉法人制度を巡る状況について
 資料2 介護人材確保の方向性について〜中間整理メモ〜
 資料3 福祉部会における主な検討事項
 資料4 「福祉人材確保専門委員会」の設置について(案)
 参考資料1 社会保障審議会関係法令・規則
 参考資料2 社会福祉法人基礎データ集
 参考資料3 福祉人材確保基礎データ集
 参考資料4 参考資料集
 欠落等はございませんでしょうか。もし、ございましたら、後ほどお気付きのときでも結構ですので、おっしゃっていただければと思います。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 初めに、本部会の部会長の選出でございます。今、御紹介申し上げました参考資料1をご覧いただければと存じます。縦の資料の「社会保障審議会関係法令・規則」というものでございます。この参考資料1の関係法令・規則の中ほどから下に「社会保障審議会令」とございまして、3ページの中ほどの少し下に「部会」という規定がございます。この第6条第3項に「部会に部会長を置き、当該部会に属する委員の互選により選任する」と規定されております。本部会には「社会保障審議会」の本委員といたしまして、田中委員及び宮本委員がおられます。したがいまして、この規定に照らしまして部会長はこのお二方の互選により選任するということになりますが、あらかじめお二方に御相談いただきました結果、田中委員に部会長をお引き受けいただくという結論をいただいております。したがいまして、互選により田中委員が部会長に選出されましたことを御報告申し上げます。
 それでは、これからの議事運営につきましては田中部会長にお願いしたいと存じます。部会長、部会長席へ移動をお願いいたします。
     (田中委員、部会長席へ)


○田中部会長 部会長に選出いただきました田中でございます。委員の皆様方の御協力を得ながら、円滑な議事運営に努めてまいりたいと存じますので、御協力のほど、よろしくお願いいたします。
 まず、部会長代理の指名をさせていただきます。ただいま説明のあった社会保障審議会令の第6条第5項に「部会長に事故があるときは、当該部会に属する委員又は臨時委員のうちから部会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理する」と規定されています。そこで、部会長代理に宮本委員をお願いしたいと考えておりますが、皆様いかがでございましょうか。
     (「異議なし」と声あり)


○田中部会長 では、宮本委員、よろしくお願いいたします。こちらの席へお移りください。
     (宮本委員、部会長代理席へ)


○田中部会長 一言お願いいたします。


○宮本部会長代理 部会長代理に御指名いただきました宮本でございます。部会長を補佐して役割を果たしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。


○田中部会長 では、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。
 早速、議事に入らせていただきます。初めに、「社会福祉法人制度の見直しについて」を議題といたします。事務局より資料の説明をお願いします。


○岩井福祉基盤課長 それでは、社会福祉法人制度の見直しに関しまして、資料を御説明します。
 お手元の資料1「社会福祉法人制度を巡る状況について」を御説明申し上げます。
 社会福祉法人制度につきましては、主たる事業である社会福祉事業等を取り巻く環境に変化がございます。また、福祉サービスのニーズの多様化・複雑化等があり、社会福祉法人制度の役割が重要になると言われております。他方、内部留保の問題、あるいは一部の不適正な運営等が指摘されており、社会福祉法人についての在り方を見直す必要があると言われております。
 この間、政府におきましても、社会福祉法人制度についての議論が行われており、様々な提言等がされております。これらの提言等は今後の議論の前提になるものですので、ここに紹介させていただきます。
 2ページですが、社会福祉法人制度を巡る状況です。これは近年の政府におきます議論の経緯を紹介しております。まず、平成25年度の「規制改革実施計画」におきまして財務諸表の公表等の提言がございます。また、「日本再興戦略」において、同じく財務諸表の公表、透明性の確保、法人規模の拡大等の提言がございます。また、「社会保障制度改革国民会議報告書」におきまして、非課税にふさわしい地域貢献等が提言されております。これらの内容につきましては3ページにございますので、参考にご覧ください。
 また、並行して、平成23年度ごろから、特養におきますいわゆる内部留保の問題が取り上げられております。「行政刷新会議」におきます処遇改善に充てるべきという議論、あるいは「介護給付費分科会」において内部留保が2種類定義されまして、その額が紹介されております。
 こうした経緯を踏まえ、平成26年度においては、「経済財政運営と改革の基本方針2014」におきまして閣議決定が行われております。この中では、平成27年度の介護報酬改定等における社会福祉法人の内部留保の状況を踏まえた適正化等の内容が盛り込まれております。
 続きまして、「規制改革実施計画」の閣議決定が平成26年度に行われております。この中では、例えば、社会福祉法人の財務諸表の開示義務付け、あるいは社会福祉法人の内部留保の位置付けの明確化、その福祉サービスへの再投資、社会貢献での活用、また、調達の公正性・妥当性の確保、社会福祉法人の経営管理体制の強化、所轄庁による指導・監督の強化、社会福祉法人に対する社会貢献活動の義務化等盛りだくさんの内容が盛り込まれております。これらの内容につきましては、4ページに詳細がございます。御参考にしていただければと思います。
 また2ページにお戻りいただければと思いますが、「日本再興戦略改訂2014」の閣議決定におきましては、医療・介護等を一体的に提供する非営利ホールディングカンパニー型法人制度の創設が提言されております。この内容につきましては、5ページに資料がございます。
 また、平成26年7月には厚生労働省におきまして「社会福祉法人の在り方等に関する検討会」報告書がとりまとめられております。その内容につきましては、6ページにございます。例えば、論点といたしまして、地域における公益的な活動の推進、法人組織の体制強化、法人の規模拡大・協働化、法人運営の透明性の確保、法人の監督の見直しといった内容の論点が整理されております。
 また、これは参考でございますが、7ページをご覧ください。政府税調におきまして社会福祉法人に関する言及がございます。政府税調におきましては、公益法人課税の見直しの議論が行われております。その中で改革の方向性といたしまして、特に介護事業のように民間事業者との競合が発生している分野を取り上げております。収益事業の範疇であっても特定の業者が行う場合に非課税とされている事業で、民間と競合しているものについて見直しが必要である等の提言がございます。
 こうした政府における提言が行われておりまして、今後の議論におきましては、こうした提言等を念頭に置いて御議論いただくことが必要であろうと考えております。
 また、参考資料2、参考資料4でございますが、参考資料2は社会福祉法人に関する基礎データを集めたものでございます。これについて、詳細に御説明することはいたしませんが、今後議論を進めていただく中でデータとして御活用いただければと思います。
 また、参考資料4につきましては、重複がございますが、政府の検討会あるいは審議会における意見書、報告書等を集めております。これも今後の議論の参考にしていただければと思います。
 資料の説明は以上でございます。


○田中部会長 ありがとうございました。
 ただいまの説明に対して御質問・御意見があればお願いいたします。どなたからでも挙手の上、御発言をお願いいたします。最初だと口火を切りにくいかもしれませんが、ただいまの説明のどの部分に対する御意見でも構いませんので、どうぞ。
 松山委員、お願いします。


○松山委員 事務局に1点教えていただきたいことがあります。財務諸表を2013年度分について集めて集計作業をなさっておられると思うのですけれども、それが今どのようになっているのかを教えていただきたい。というのは、ここへ来る前に厚労省の地方厚生局のホームページを全部見ましたら、2012年度分については所管している法人の財務諸表の原本が公開されていて、非常に前進したというか分かりやすくなっていました。2013年度分については、近々地方厚生局のホームページに一覧で出るようになっているのですよね。
 問題は、地方厚生局所管ではなくて、都道府県所管もしくは市区所管の法人です。政府の意向に従って財務諸表を自らのホームページで公開したところと、そうでないところではっきり分かれている。公開したと言っているところでも、原本ではなくて流動資産と固定資産と流動負債と純資産、その程度のデータを出して決算報告というところもあります。それから、財務内容が多分全国でもトップクラスだと思われる法人は一切公開していません。この状況をどうするかということもあって、財務諸表の集計作業がどうなっているか知りたいのです。というのは、その集計作業をすれば全部分かるはずだからです。


○田中部会長 松山委員の質問にお答えいただけますか。


○岩井福祉基盤課長 財務諸表の公表につきましては、公表ということを指導・義務化しておりまして、そういう中で現在、各法人において取り組んでいただいている状況でございます。これをいかに収集して分析するかということが課題でございますが、それにつきましては今年度事業を進めておりまして、現在、所轄庁の御協力を得ながら収集しております。これを使えるように今、収集・分析する作業を進めようとしておりまして、できるだけ速やかに進めたいと思っております。


○松山委員 ありがとうございます。大体いつごろ何が分かるようなスケジュールになっているかを、今、分かる範囲で教えていただければと思います。


○岩井福祉基盤課長 膨大な各法人の財務諸表あるいは現況報告書を、現在、所轄庁を通じて収集しています。それを分析するわけであり、今後、委託等の手続きもありますが、速やかに行いたいと考えており、できるだけ早く経営状況を明らかにできるような形にしたいということで取り組んでおります。もちろん今年度の作業でございますので、年内のできるだけ早い時期にまとめたいと考えております。


○田中部会長 藤井委員、お願いします。


○藤井委員 直接関係ないという前提だと思いますが、資料1の7ページに参考として「法人税の改革について」というものがございます。この場では、社会福祉・社会保障に関する法令に関する議論だと思いますので、税に関するものは直接関係ないということなのですが、社会福祉法人改革という上で税制、法人税、固定資産税をどうするかというのは非常に大きな問題であるということと、例えば、認定特定非営利活動法人においても、特定非営利法人の法制と国税が連携しているということがございます。この部会で税に関する議論はどうあるべきか、社会福祉法人というものが何なのかということと強く関係することもありますし、あくまで参考と言いながら資料ということでお出しになっているので、そのあたり御説明いただければと思います。


○岩井福祉基盤課長 ただいまの先生の御指摘にございましたように、税は税の議論としてその論理等で議論があると思っております。当部会は社会福祉法人というものが、その役割・機能をいかに果たすかという観点から御議論いただくことになろうかと思います。当然、社会福祉法人はいわゆる公益的な法人であり、先生御指摘のように様々な制度に関連付けられるものです。その中には税ということもあろうかと思っておりますが、基本的には様々な制度も念頭に置きながら、社会福祉法人というものがいかに役割・機能を果たせるかという観点から御議論をいただくことが適当ではないかと考えております。


○田中部会長 藤野委員、お願いします。


○藤野委員 今ここで発言していいのかどうかちょっと迷ったのですが、先ほどの局長の御挨拶の中で、社会福祉法人の在り方をめぐる問題と人材確保の問題がこの会の重要な柱であると言われましたけれども、人材確保と言った場合に、私のところは児童の分野ですけれども、社会的養護の分野でも非常に人材確保が今難しい、むしろ人員確保すら難しいという状況がある中で、この後議論する「福祉人材確保専門委員会」には非常に大事な責任があると思っています。ただ、この資料を全部見ましても、人材確保と言ったら介護の人材確保に絞られておりまして、果たして児童の分野とかその辺の議論というのはどうなのかなと思っています。その辺、別に介護に限られたというわけではないですか。


○田中部会長 おっしゃるとおり大変重要なテーマなので、次に時間を設けて資料2の説明をいただいた後に議論しようと思っていますが、人材は介護だけではないという点だけお答えいただけますか。


○武内福祉人材確保対策室長 ありがとうございます。後ほど資料は御説明させていただきますが、別途、今「福祉人材確保検討会」というところで介護も含めた福祉人材全体の検討をしているところですので、この部会で議論する人材の問題というのは介護を中心としつつも、福祉の人材全体を射程に入れているということはお答え申し上げたいと思います。


○田中部会長 では、藤野委員、後にまた御発言ください。
 ほかにいかがでしょうか。三好委員、お願いします。


○三好委員 法人の指導のところで1点、要望になるかもしれませんけれども、お話しさせていただきたいと思います。
 平成25年、地方分権一括推進法の関連で、市内での運営の場合は市に指導監督権がまいりました。約1年近くの指導をしておりますけれども、市での対応能力というのはやはり限定的でありまして、全ての法人に対する指導はなかなか難しいという実態がございます。これから具体的な法人の役割ですとか、理事の選任方法とか、さらにはいろいろな兼ね合いの規定がこれから定められて、これから指導しやすくなるのかもしれませんが、しかしながら、今の状況でいきますと、何を指導していいか、課題は何かということすら市ではなかなか判断するのが難しいという状況です。ですから、法人の監査を広域でできるような、数市でまたがってできるような仕組みが必要かなと思っています。これはひょっとしたら都道府県の業務なのかもしれませんけれども、そういう仕組みを作らない限りは、一市で一法人の指導を法律に基づいてするということになりますと、非常に難しい状況ではないかと思っておりまして、そういう広域的な一つの指導的なものも市に出せるようなことも、ぜひ検討をお願いしたいと思っております。
 以上でございます。


○田中部会長 検討に対する御提案ですね。ありがとうございました。
 社会福祉法人の側から何か御発言ないでしょうか。小林委員どうぞ。


○小林委員 今、社会福祉法人としての収支差額の件を含めて内部留保が問題になっているということで、政府の検討会やいろいろな所で問題になってきているということ、それを踏まえた議論ということですが、基本的には私は経済の循環というのは大きく人材確保等にも関係していると思いますし、平均の内部留保金が3億1,000万円ばかりあるということがデータで示されているのですが、例えば参考資料4の68ページに出ておりますが、定員が約70名の特別養護老人ホームで、経過年数が17年、収支差率が4.7%、人件費が64.4%で、約17年間たって3億1,000万円という内部留保を抱えているのはけしからんという議論に聞こえるわけでございますが、しかし、この17年を考えてみますと、言うなれば円高の中で産業界が大変厳しい中で、人材が割に社会福祉法人としては確保しやすい時代があったのだろうと思います。今のアベノミクス含めて近年は産業界が大変好転してきております。その中でこれから人材確保のことを考えていくという中で、3億1,000万円の内部留保金というのは多分、経済が厳しい中で公益的な社会福祉法人として積み立ててきた金、そして、その中で人件費の大変低い、厳しい人件費の支払いの中で積み立ててきた金ではないかと私は思います。これから先を考えた場合には、言わば景気の循環も含めて相対的な考え方をきちんと示していかないといけないのではないかと。3億1,000万円の内部留保金だけを基本としたことで社会福祉法人の問題点を突くというより、他産業との競争の中で人件費をどう確保し、そして、優秀な人材をどう確保していくかということをきちんと基点に置いた社会福祉法人経営を考えていかなければいけないと思いますが、いかがでしょうか。


○田中部会長 松原委員に御説明をお願いしたいのですが、3.1億円はキャッシュがたまっているのではなく、現実にもしかして何かに使えるとすれば1.6億円のほうであると、ごく簡単に説明していただけますか。


○松原委員 今、田中部会長がおっしゃってくださったとおりのことなのですけれども、バランスシートの貸方側にあるお金というのは、あくまでもどこからお金を持ってきましたかということを示しているにすぎません。3.1億円という過去の収支差額の蓄積があるというだけで、その収支差額の蓄積で借金を返したり、投資したりして使っていますので、実際に使えるお金、換金性資産は1.6億円、半分程度しかないという認識が重要だと思います。ですから、内部留保というと3.1億円の話ばかりされてしまいますけれども、そちらはあるかないか分からないお金なので、溜め込みすぎか否かや、どう使うかを議論する際にはあくまで借方のほう換金性資産、実在内部留保と定義させていただきましたけれども、そちらのほうでお話いただければと思います。


○田中部会長 この報告書の元を研究されたので御説明いただきました。現在、建物になっていたり、預金になっていたりする原資が何であったかを見ると、過去の利益など資金源泉の側なので、現実に存在しているものを論ずる際は、平均すると1.6億円であるところからスタートした方がよろしいでしょうね。ありがとうございます。


○小林委員 例えば、社会福祉法人はまさに公益性の高い事業で、免税措置になっているということですが、ほかの公益性の高い事業でも医療などは税金が課税されているわけですが、こういった同規模の事業体との比較や、あるいは一人当たりの人件費の比較、あるいは事業の経験年数による積み立てといった相対的な比較もきちんとしていかなければいけないのではないかと思うわけですが、今後、人材確保というのは大変な厳しい競争の中で、魅力のある介護や保育の人材像をきちんと描いていくということですので、産業界の中でも社会福祉法人の魅力というものをもう一つきちんと打ち出していく、そういうことをこの会議でもぜひ議論していただきたいと思っているところです。


○田中部会長 松山委員、どうぞ。


○松山委員 今の御質問に対する私の追加のコメントです。今の御質問に答えるためにも厚生労働省が今進めようとしている財務諸表の分析というのは非常に有効になると思います。というのは、一施設3.1億円というのはあまり意味がある数字ではありません。大部分の社福は結構厳しい経営環境にあると思うのですけれども、年間事業費用の6カ月分以上、場合によっては年間の事業規模を超える現預金を持っているところが結構あるのです。それをピックアップすれば、どこかおかしいぞというのが見えてくる。なぜかというと、私が見ていて年間の売り上げ以上の現預金を持っているところがいまだに補助金をもらっているのです。これは制度としてどうも理解できない。そういうところは経営能力が非常に高いと思うのです。だから、もっと福祉ニーズに応えてもらいたい。それを国民に明らかにするために財務諸表の分析があるのではないかと思います。多分そのデータが出てくれば、議論が一変すると思います。


○田中部会長 平均値よりも個別の判断が大切だとのご指摘ですね。
 松原委員どうぞ。


○松原委員 おっしゃるとおりで、平均値での議論は意味がなくて、個別で見ていかなければいけないと思います。例えば、100床の特養であれば、大体事業規模というか年間費用も3〜4億円くらいだと思いますけれども、1床1,000万円で建てたら大体10億円掛かります。10億円のうち3割を自己資金で持っていたとしても、それはそんなに持っているのという額ではなくて、むしろ適切だという規模ではないかと思います。他産業を見たときも、ほとんどを借入で設備投資するということはないのです。ある程度自己資金を持って、借入比率は多くても6〜7割前後程度ですから、そうすると自己資金3〜4割前後程度で設備投資していく。そう考えますと、特養等が建替え前に建替え資金の3割、4割ぐらいを保有していても全くおかしくない、むしろ適切なので、絶対額だけで議論することは避けなければいけない。そういう意味で個別性を見ていく必要がある。何年たったのか、どういう計画を持っているのか、そういう個別事情を配慮した上での分析でないと、いたずらに議論をあおるだけの意味のない議論になると思いますので、そこは注意していく必要があると思います。


○田中部会長 藤井委員どうぞ。


○藤井委員 松山委員、松原委員のおっしゃっていることは基本的にそのとおりだと思うのですが、松原委員のおっしゃっている話でいいますと、大前提として一法人一施設モデルというのがあったときに、建て替えなければいけないといったときに、100人定員の特養に対して3億円くらいは持っていなければ困るという話はよく分かるのですが、これが一施設一法人ではなくて、複数事業をやっておられて、適度に償却しつつ地域の福祉ニーズに応えているという松山委員のモデルになったときには、今どれだけ手元に現金を置かなければいけない話になるかというのはちょっと変わってくると思うんです。一施設一法人モデルを前提に、手元に施設建て替えのキャッシュがあってもいいのではないかということは、これはこれで真実だとは思うのですが、一施設一法人モデルということそのものがどうなのだろうかということを考えますと、さらに今、例えば中小企業で企業の設備そのものが陳腐化して買い替えなければいけないけれども、では、手元にその代金のキャッシュがしっかりあるか、それだけ持っている中小企業がどれくらいあるかといったときに、なかなか手元にキャッシュがあるような経営ができていないということを勘案しますと、福祉サービスだから安定的に提供できなければいけないのではないかという理屈はありつつも、社会福祉法人だけ一施設一法人モデルなので、ある程度手元に現金があってもいいではないかというのは、国民世論的に少し通りは悪くなってきていると私は思っておりますので、社会福祉法人の経営側からすれば、相当施設が古くなっているときに手元に現金がない、すべて借金であるというのは大変だよというのはそのとおりだと思いますが、どの時点で物事を考えるかということも、先ほど来、松原委員、松山委員がおっしゃっているように、一つ一つの法人の状況は違うということで言いますと、一施設一法人モデルとそうでないところで、さっきの考え方だと変わってくるだろうということも含めて、視点をどこに置くかということも重要ではないかと思います。


○田中部会長 内部留保検討部会ではないので、この点はここまでとし、それ以外の社会貢献活動とか経営管理体制についての御発言を求めます。
 武居委員どうぞ。


○武居委員 社会福祉法人の問題が今回の一つの主なテーマということでございますので、「社会福祉法人の在り方等に関する検討会」等のお話、それから、先ほどご説明をいただいた内容について、少し私なりの感想を述べさせていただきたいと思います。
 改めて社会福祉法人の公共性や公益性、非営利性ということも再確認の必要性を感じているというのが、まず第一でございます。具体的には、我々社会福祉法人経営者の当事者の立場から考えますと、どちらかというと今までは直接経営している事業に目がいってきた傾向があるわけですが、改めてそれを経営している社会福祉法人というところに視点を置いて、その法人という組織の公共性や公益性に対する期待される役割は何かというところを考えていかなければいけない。これは当事者としてそう思う次第でございます。
 もう一点は、それを進めていく上で、我々のサービスを利用している人たちがいらっしゃいます。何らかの支援を必要としている人が我々社会福祉法人の事業の対象者であるということは間違いないことですので、そういう利用者に対してのさまざまな状況や、その方々の置かれた状況、段階というものに対して適切な支援をしていくために、どのような事業が必要なのか、その事業の経営主体としてどのような組織の在り方が必要なのか、この辺を中心にこれから議論いただけると大変ありがたいなと思います。


○田中部会長 ありがとうございました。
 藤野委員、お願いします。


○藤野委員 私のところは児童養護施設です。社会的養護の立場からこの会議に入れていただいたのだと思っていますが、慈善事業の時代から戦後にわたって児童養護施設等社会的養護の分野での実践が、社会福祉法人というものを立ち上げてきたと私は思っております。そういう中で、いわゆる社会福祉法人で今、内部留保の問題だとか税の問題等いろいろなことが言われていますけれども、社会的養護の分野に関して言えば、まさにやればやるほど赤字となるようなことをまだ一生懸命やっているわけです。そういう点で、公益性が云々と言われるけれども、まさに公益性そのものの事業をやっているわけで、そこではおよそ内部留保だとかそういうことにはならないわけです。赤字経営をどう脱するかが問題です。それから、人材確保というよりも、人員確保がままならないという状況が実際にあるわけです。そういう中で、高齢者の介護の分野、障害の分野、児童の分野、ぜひ児童の分野にも目を向けていただきたいし、そして、社会福祉法人の制度を今揺るがしてはだめだと思うのです。実際、社会福祉法人制度そのものがまさに公益性を確保するため、いろいろな規制も含めてあるわけでして、イコールフィッティングの考え方や株式会社の参入を根拠に今の制度を揺るがすことには、ぜひして欲しくないと思います。非常に抽象的なことかもしれませんが、実際に現場からすると、この議論に関してはとてもたまらない。ぜひ、社会福祉法人制度を堅持していただきたいと思います。


○田中部会長 福間委員、お願いします。


○福間委員 在り方検討会の報告なり議論が大変現場に即したというか実態を踏まえて、また新しいあり方を提案されているので、私はもうこの場ではそれを踏まえた議論かなと思ってずっとお伺いしていたのですが、あえて2〜3申し上げたいと思いますのは、先ほど来の話でも、例えば、所管が市に移っている場合、それはかなりの割合で、ある意味では藤井委員がおっしゃったような一法人一施設の場合に、行政の所管指導が市になっていると。市そのものに行政指導監督するだけの人的体制、または専門性がない。では、現場でどういうことが起きるかというと、先ほどの中でも地域のニーズに応えて何かをしようと。老人福祉を中心とした法人の場合に、例えば、児童の問題をやろうとか、では、児童の施設が高齢化の中で高齢者への食事サービスをしようとか、それ以外のことをしようとか、そうするとそれ自体が行政の指導でだめだと規制を受ける。または、定款に書いていないからだめだと。定款に書くということは、事業計画から何から全部やって決める話になりますが、それをやったとしても今度は定款に書くこと自体の中で、その法人がずっと持っている本来の事業からいくと外れるという指導を受けたり、これが実態です。我々の中で議論をしていても、そういう指導を受けた法人と受けない法人がある。それでお互いにそれができる、できないということを言い合っているというのが実態でして、そういうことも在り方検討会にも入っておりますけれども、今の中でそういう行政の問題をどうしていくのか、それももう一度考えないと、地方分権とはいえ本当にそういう体制ができるのだろうか。または、法人そのものの問題もありますけれども、全体として法人をどう生かすかという意味で、行政は指導というかサポートすると。お互いにそれをやっていくというようなスタンスの中でいく在り方が、この先の在り方検討会を踏まえたこの部会での議論にぜひなってほしいと思います。
 それから、私どもが法人の皆さんのお話を伺っていて一番の危機感は赤字になることなんです。民間企業が投資する場合にそれを回収するのは5年計画で回収するとか、投資したものをそうするとかそういう見込みの計算がありますけれども、社会福祉法人の施設整備をして事業を展開すると、1年目からとんとんになっていくような収支を考えている。これはある意味でそういうことが求められているのか、赤字に対するトラウマなのかよく分かりませんけれども、経営やそういうことを踏まえたときには社会福祉法人の歴史的な持っているものがあると思うんです。そこを踏まえてどうするのかも議論しないと、それがイコール行政指導等で経営者としては問われるという中で、非常にジレンマの部分が相当あるのではないかと思うんです。そういう点を踏まえて、あるべきスタイルを出していただければ、みんな助かるのではないかと思います。


○田中部会長 貴重な御意見ありがとうございます。また後で戻っても結構ですが、時間の都合もありますので、一応、次の福祉人材確保対策についての資料の説明を受けて議論を行います。
 武内室長、お願いします。


○武内福祉人材確保対策室長 それでは、福祉人材の確保につきまして、きょうは議論の素材として2つの資料を準備しております。1つは、資料2「介護人材確保の方向性について〜中間整理メモ〜」。もう一つが、参考資料3「福祉人材確保基礎データ集」、この2種類の資料を準備させていただいております。
 まず最初に、資料2「介護人材確保の方向性について」ですけれども、こちらは現在、進行中の検討の過程としまして、「福祉人材確保対策検討会」の中間整理メモを入れさせていただいております。「福祉人材確保対策検討会」につきましては、福祉人材全般の確保方策を検討する場として6月4日に設置されまして、14名の構成員の方をメンバーとして検討を現在進めております。この部会にも、座長を務めておられる田中部会長含め6名の方に御参加いただいている状況です。こちらは7月25日に中間整理メモの案を出させていただきまして、8月26日付けで中間整理メモの最終版がセットされております。
 最初に、全体としまして「福祉人材確保対策検討会」では秋のとりまとめに向けて議論を続行する予定としておりまして、これまでは介護人材の確保という部分を中心に議論してきましたけれども、今後はその他の福祉人材についても検討を行っていくということで提案させていただいております。
 この部会との関係におきましては、「福祉人材確保対策検討会」で議論いただいた内容というのが、こちらの部会での議論の材料を整理していただいたということになろうかと考えております。
 中身ですけれども、3ページにわたっております。骨格を中心に御説明申し上げたいと思います。
 まず、1ページ目、基本的な考え方。これまで議論を重ねてきた介護人材の確保についての基本的な考え方として、幾つか前提が書かれております。この中では、地域包括ケアシステムの構築に不可欠な社会基盤と改めて位置付け直し、2つ目にありますように、量と質の好循環を確立しようということ。3つ目には、今後、生産年齢の人口減少や他業種への人材流出が懸念されるという状況の中で、選ばれる業界に転換を図る、あるいは潜在的な労働力の活用を図っていくということを述べております。そして今後、介護人材の確保については、賃金水準のみならず、参入促進、資質の向上、労働環境・処遇の改善といった観点からの対策を総合的に講じるということ。こういった考え方に基づいて11の方向性が整理されております。
 大きく分けて1〜4までが参入促進、5〜8までが資質の向上、9が労働環境・処遇の改善、10〜11が全体的な視点という構成になっております。
 1〜4の参入促進につきましては、1で介護という仕事の魅力、深さ、楽しさ、広さという観点から、改めて介護の魅力を社会全体に発信していくべきであるということが述べられております。
 2つ目が、介護業界は若者に選ばれる業界に生まれ変わるということを目指しまして、経営者の意識改革、多様な人材の活用を図っていくということを打ち出しております。
 3つ目は、女性や中高年齢者層の参画ということで、子育て中・後の女性や、第2の人生のスタートを控えた中高年齢者など、幅広い様々な形でケアの担い手として参加できる環境整備を促進しようと。
 4つ目が、他業界に負けない採用戦略。経営理念の見える化、給与体系の整備など、他業界並みの採用戦略を持つということ。それから、求人・求職のマッチングを強化していくという方向性を述べております。
 5〜8までが資質の向上についてです。5番では、多様な働き方、そして機能に応じたキャリアアップを実現できるようにしようということで、こちらには1つの考え方として、専門性を追求する、マネジメントを担う、一定の領域に特化して従事するなど、働き方や求められる機能に応じた類型化を進めていこうという方向性です。
 6番と7番は、介護福祉士についてです。介護福祉の専門性と社会的評価を向上させていこうというところでは検討会でも一致しております。
 7番につきましては、具体的な内容が3ページにありますので、そちらを御参照いただきたいと思います。6番で申し上げた介護福祉士の専門性と社会的評価の向上ということを踏まえまして、7番に関しましては若干敷衍してここに書いておりますが、介護福祉士を介護職の中核的な存在として位置付けていくということを合意した上で、3つ目にありますように、現下の状況(人材不足感の高まり、若者の参入減少等)も踏まえつつ、「中期的」及び「当面」という時間軸に分けて対応していこうという考え方を整理しております。
 中期的対応では、介護ニーズの高度化に対応した質の向上を図り、量と質の好循環を生み出すということで、介護福祉士に関する教育体系の確立、役割、位置付けの在り方について総合的な観点から検討を進める。
 そして、当面の対応としましては、資質の向上に配慮しつつ、裾野の拡大を図るということで、養成施設ルートについては現下の状況を踏まえ、上記の中期的対応とあわせた議論を行う必要があると考えられることから、平成28年度からの国家試験の義務付けを延期する。
 実務経験ルールについては、実務者研修の受講の義務付けを平成28年度から施行する。その際、実務者研修の研修環境の整備もあわせて引き続き検討する。
 福祉系高校ルートにつきましても国家試験を引き続き実施しつつ、様々な負担軽減を図る方策についても検討するという方向性を打ち出しております。
 2ページにお戻りいただきまして、資質の向上の8番におきましては、小規模事業所が共同することによって人材育成を支援するという、共同による研修体制の構築、人事交流などを支援していこうという方向性です。
 9番、労働環境・処遇の改善に関しましては、求職者に選ばれるとともに、安心して働き続けられる事業所となるように、マネジメント能力、人材育成力の向上、技術革新の積極的な導入を促すという方向性を打ち出しています。
 10番、11番は全体的な観点から。10番においては、介護人材を地域全体で育み、支える環境を整備する。このため地方自治体を始め介護事業者等々さまざまな関係主体が連携して地域の問題意識、取り組む方向性を共有していく場を作っていくということが述べられております。
 そして、11番、グランドデザインの構築というタイトルになっておりますが、今後、国が関係者の参画のもと10年間を念頭に置いた介護人材に係るグランドデザイン、総合的な確保の方策をしっかりと描いていくということ。それを踏まえながら地域の関係者が同じ方向感を持ち、役割に応じた取り組みを主体的に進めていくという方向性を示しております。
 あわせまして、ごく簡単にですけれども、参考資料3「福祉人材確保基礎データ集」、こちらは今御紹介した「福祉人材確保対策検討会」でもお示しした資料になりますけれども、1ページ目に目次がありますが、これまで介護人材を中心に議論してきたということがありまして、介護人材を取り巻く現状と見通し、課題と取り組み、資格の取得方法、最近の議論等という形で資料を構成しております。
 時間の制約もありますので、ごく簡単に御紹介いたします。
 3〜4ページには、介護労働者がどういう組成になって、どういう構造になっているのかを年齢や働く場、働く形態によって分類しています。
 5ページには介護福祉士の登録者数、従事者数等のデータが入っております。
 また、7〜9ページについては、介護福祉士、介護職員の賃金の状況が述べられております。
 ポイントとなります11ページには、介護職員の推移のデータが入っております。
 また13ページでは、都道府県ごとの状況の違いを介護全体、それから、業界全体での有効求人倍率のデータが入っております。
 少し飛びますが16ページには、介護職員の推移と見通し。税と社会保障の一体改革に際して行った推計の内容ということで、その際には2025年度で237〜249万人という数字が出ております。
 17ページでは、その人数を達成するためにどのような人数を確保していくのか、そのためにどういう施策を打っていくのかということが述べられております。
 20ページ以降は、介護に対するイメージあるいはどういう理由で離職したのかといったデータが入っているほか、事業所の規模ごとの離職率の動向などが入っております。
 25ページ以下、26ページが一番具体的になっておりますが、具体的な人材の施策の状況。
 27ページでは、福祉・介護人材確保緊急支援事業の予算措置ついての内容を御紹介させていただいております。
 そのほか32ページでは、福祉人材センターでの取組内容を示しております。
 また、34ページでは介護福祉士の資格取得方法の現在の状況。
 それ以下は、これまでの議論の経緯、制度改正の経緯などが含まれております。
 その後、取得方法に関連して、実務者研修の概要やカリキュラムなどの資料が縷々ついておりますが、こちらは議論の参考にしていただければと思います。
 また、最後に50ページ以降、昨年の「介護保険部会」での議論に際して出させていただいた資料を付けさせていただいているほか、54ページには先の国会で成立した「医療・介護総合確保推進法」の中で人材に関して言及されている部分、新たな財政支援制度、介護人材確保のための検討、介護福祉士の資格取得方法の見直しが謳われている旨あわせて御紹介させていただいております。
 以上です。


○田中部会長 ありがとうございました。
 ただいまの説明をもとに、御意見・御質問がございましたら、発言をお願いいたします。高橋委員どうぞ。


○高橋(英)委員 先ほど藤野委員がおっしゃっていましたが、今回は介護を中心とした人材確保について議論をなされるということで、それはそれでということであれば構わないのですが、保育士のほうも絶対的に人材不足になっておりまして、この件は現在、内閣府の「子ども・子育て会議」において様々な議論がされておりまして、処遇改善のことや人材確保、もしかしたら将来的には資格問題も含めた議論がなされるかも分かりませんけれども、そちらの議論があるのでという理解でよろしいのでしょうかという単純な質問です。


○田中部会長 先ほどにもかかわりますが、この質問にお答えください。


○武内福祉人材確保対策室長 高橋(英)委員に御指摘をいただいたとおり、保育分野においてはまた別の枠組みの中で検討を積み重ねられていると承知しておりますので、そことの関係性、いたずらに重複しても効率的な議論になりませんので、その点はよく整理して議論していきたいと。こちらでは喫緊の課題である介護人材の確保を中核に据えつつ、福祉人材にも視点を置きつつ議論をしていきたいと考えております。


○田中部会長 藤野委員どうぞ。


○藤野委員 そこで例えば、議事の中で「福祉人材確保専門委員会」の設置という項目が後で出てきますが、そういうところにはぜひ保育あるいは児童の分野も入れていただきたいと思います。というのは、資格問題を含めて非常に細かいというか、介護の分野でこれだけ資料が出ていますけれども、児童の分野でもやはり資格の問題から何から必要なことがあるので、それはぜひこういう場所で議論をさせていただきたいと思うので、何とか加えてほしいと思います。


○田中部会長 事務局と御相談してまいりたいと思います。
 石橋委員どうぞ。


○石橋委員 これから介護や福祉で働く人材確保というのは、日本にとってとても重要な課題だと思っています。今、超高齢社会のなかで2025年に向けて毎年約7〜8万人程度の高齢者分野で働く介護職員の確保が喫緊の課題となっておりますので、高齢者分野の介護人材確保というのは優先的に考えなければいけない事項だと思っています。もちろん、それ以外の福祉分野で働く人たちもそれにあわせて、しっかりと処遇改善などを行って人材を確保していく、そういう仕組み作りを行っていく必要性はあるのではないかと思っています。
 介護福祉士を含む介護人材の確保については、量の確保が重要であるとか、質の確保が重要であるとか、どちらか一方を優先する話が出てくるわけですけれども、介護の質を向上し、介護の質を担保していけば、介護に対するイメージが向上し、それが介護人材の量の拡大につながる。量と質の好循環を生み出すということが重要ではないかと思っております。
 今求められている介護ニーズというのは、高齢者分野においては認知症への対応や医療ニーズのある方への対応、また、地域包括ケアシステムが推進されていく中においては、介護職員には医療専門職、他の専門職と連携する力など、介護分野で働く介護職員は高い知識と技術が必要だと思っています。中でも、中核的な役割を担うのが介護福祉士であると思っています。できるだけ多くの方、とりわけ若い方たちに対して、介護や福祉で働く者の参入促進という取組が今後大切になってきています。そのためには介護・福祉のイメージアップをこれから高めていく必要性があると思います。あわせて介護の仕事の魅力発信だけではなく、そのような実態になるよう実際に介護福祉士の位置付けを明確化するとか、社会的評価を向上していく、具体的には介護報酬の中で介護福祉士のような専門職をきちんと評価するとか、キャリアアップの仕組みの構築をしていく、それらを行い、処遇改善につなげていく等、そのような取組が必要ではないかということを申し上げさせていただきたいと思います。


○田中部会長 ありがとうございました。
 鎌倉委員、お願いします。


○鎌倉委員 今、石橋委員が言われたように、この部会自体が介護人材を中心的な話題とするということで、それは構わないと思うのですけれども、それだけですべてが解決するということではないので、社会福祉法人改革を見れば分かりますけれども、社会福祉法人改革をするのは一体誰がするのかという改革の人材のことも検討しなければいけないだろうと思います。
 介護人材に戻しますと、介護人材がいるからすべて福祉がうまく回っているのではなくて、そこには相談援助という社会福祉の役割を担うソーシャルワーカーがちゃんといないとうまく進まないということは、ぜひ意識していただきたいと思います。
 そして、地域包括ケアがまた検討の段階に入ると思いますけれども、それも今デザインはできていますけれども、それをいかに動かすか、動かす人材は誰かということになったときには、やはりソーシャルワーカー(社会福祉士)をもっともっと有効に使うということを検討していただきたいと思います。


○田中部会長 ありがとうございます。
 柳川委員、お願いします。


○柳川委員 私のダイヤル・サービスという会社は、電話相談事業を46年前からさせていただいておりまして、今回お役を仰せつかりましたので、実際の相談事例の中で、介護系で働く方のメンタルヘルス相談をざっくりと確認してまいりました。もちろん、個人情報ですので全部を申し上げることはできないのですが、3つのキーワードが浮かんできました。やはり、働いている方は先ほどの厚労省さんのデータにもあった点について大変気にされている相談が多いということと、そこから見えてくるのは安心感、自尊心、自己実現ができないといった御相談内容が非常に多く見受けられます。これは率直に申し上げて、他の企業様や共済組合さんの御相談内容と比較しても異様な高さのように感じております。
 私たちも実は障害者虐待や児童虐待の業務委託もいただいている中で、従前の議論にもございましたが、ややもすると市場から供給を受けて何とかつないでいるという苦しい経営もある一方、施設職員の方からの通報・相談が結構多いのです。ですから、対象者、サービス利用者を見るということだけでなく、働いている方に対する目配りがやや足りないのではないかという印象を受けています。それこそがまさに経営力になりますし、今後公益性を重視するということであれば、そこで働く方も言うなれば介護業界という公共性が高いところで頑張っていらっしゃるわけですので、そういう人たちに対する意識付けなり、あるいは、つかんで離さないというマネジメントといったものを改革の中で盛り込んでいただければいいのかなと思います。


○田中部会長 大切な点、ありがとうございました。
 対馬委員、橘委員の順番でお願いいたします。


○対馬委員 現在介護福祉士は残念ながら、看護師や理学療法士、作業療法士と比べまだまだ社会的評価は低いです。介護福祉士はとてもいい仕事であり、大切な仕事をしているのですが、社会的な評価は得られていません。資格ができて26年経ちましたので、介護福祉士をより魅力的な資格にしなければならないと思っています。今までずっと名称独占でやってきましたので、そろそろ業務独占に変えるべきだと思っています。
 より魅力的な介護福祉士にするためには、現在のカリキュラムに上乗せをして、医療的ケアの時間を追加したり、認知症ケアについても同様に追加させるべきだと考えます。あわせて、これからは地域包括ケアの中で介護福祉士は医師や看護師等のさまざまな職種と仕事をしなければならないので、医療用語が理解できなければなりません。私の施設でも、介護福祉士がチームケアの場に参加しても、医療用語が分からずに帰ってくることがあるようです。これからの介護福祉士は他の医療関係の有資格者と話をするときに共通の言語で話すことができなければなりません。そういう意味では、介護福祉士は介護福祉士としての資格をそのままにしつつも、さらにカリキュラムに上乗せをして、将来的には保健介護福祉士といった制度を創設する時期に来たのではないかと考えます。
 もう一つ、国家試験の話についてですが、私は介護福祉士の養成校の理事長をつとめています。福祉科設置高校の卒業生が国家試験を受けているのですから、介護福祉士の養成校の卒業生が国家試験を受けないというのはおかしいと思います。平成28年度の国家試験の全面導入は実行していただきたいと思います。


○田中部会長 ありがとうございました。
 橘委員どうぞ。


○橘委員 児童養護の藤野委員も、保育の方も言っていらしたように、私たち知的障害福祉の分野でも同じように職員募集をかけてもなかなか人材が集まらない。これは大変大きな問題でして、どうしたものかと頭を痛めているのは同じでございます。少子化により労働力人口が絶対的に不足している中で人材をどう確保していくかということは、ここだけの分野で話されても立ち行かないのではないかと思っています。
 私は北海道ですけれども、北海道の道社協の中に施設部会があります。そこでは保育協や児童養護施設協、老施協など8団体が入っています。皆さんで話し合いをしまして、もっと社会に啓発しようではないかということで、メディアを利用しまして3年間、福祉の現場はいいぞと。余り大きなことは言えませんでしたけれども、よく3K『きつい・汚い・給料安い』と言われますが、そのようなネガティブキャンペーンというのは、ぜひメディアもやめていただきたいと思います。私は若者たちにポジティブに現場をとらえていただけるような情報を流すべきだということで、各施設で資金を出し合ってラジオ番組を3年間、3Kは『感動・感激・感謝』だと発信し続けてきました。残念ながら資金が続かず、この3月で涙ながらにやめましたけれども、私はラジオで耳を傾けているリスナーの中には、中学生や義務教育のお子さんを抱えている親御さん方がきっといるだろうという期待感を持って訴えてきました。
 問題は、本日も関係者がいらしていますけれども、学校教育が大事。学校教育を担う教員の皆さま方が福祉の現場を知らないのは当然でございますので、我々はもっと教員の皆さま方に対する啓発をしていかなければいけない。福祉系に進んでも給料は安い、汚い、大変だぞと言っている教員の方もたくさんいるのではないかと。そんなことを言われないよう啓発していかなければいけないと私は思っております。


○田中部会長 御意見に全く賛成でございます。
 小林委員どうぞ。


○小林委員 今、ありがたいことをおっしゃっていただきましたけれども、私は養成校の立場なのですが、1つは「福祉人材確保対策検討会」で中間整理メモということでまとめていただきました。この部会の中で、田中部会長を含めて今6名の先生方に御参加いただいているということでございますが、この中間メモを見させていただいて、ある意味でバランスよくまとめていただいたのかなという実感を持っております。そういう意味では6名の皆さんにも感謝を申し上げたいと思っております。
 特に介護人材に関して、人材をいかに今の状況の中で確保できるかという当面の対策と、先ほどから皆さんに議論していただいているように、介護福祉に対する基本的な魅力をきちんと構築するという、いわば中期の対策というものをこれからきちんと議論して、すぐはできないわけですから、そういう魅力付けをきっちり検討して構築していくということは大変いいまとめにしていただいたのかなと思っております。
 まさに、介護や保育を含めて仕事が厳しい割に低処遇で、構造的人材不足の職種の代表に介護福祉士あるいは保育士がなっているということは大変残念なことです。そういうことが社会的に定着しないように、ここできちんと方針を立てるという議論をぜひ進めていただきたいと思っております。
 それから、この中間メモに関して、今日お示しいただきましたこの後の取組は、厚労省としてはどうお考えで、どういうふうに進めようと考えていらっしゃるか、この先のことをお話しいただいたらありがたいなと思います。


○田中部会長 この検討会と部会との関係なども含めて御説明ください。


○武内福祉人材確保対策室長 「福祉人材確保対策検討会」につきましては、先ほど御説明の中で言及したとおり、この後、介護以外の部分も含めた議論をし、秋を目途にとりまとめを行うということで考えております。
 そして、こちらの「福祉人材確保対策検討会」というのは、人材確保に関する課題を俯瞰した上で、具体的な検討を進めていく上での材料を整理していただくものと考えております。この1つの成果がこちらの中間整理メモということであろうかと思います。
 そして、「福祉人材確保対策検討会」での議論を通じて示された論点、それから、材料をよく整理いたしまして、今後どういう政策対応を行っていくのか、その考え方と方向性を具体化していくというプロセスを、こちらの福祉部会で行っていただくという流れを考えております。そして、それを受けて必要な人材確保に向けた政策的な対応に結びつけていくという流れを想定しております。


○田中部会長 ありがとうございました。
 先ほど松原委員もおっしゃいましたけれども、堀田委員、この課題について一言言っていただかないと。


○堀田委員 中長期的に考えたときにということですけれども、この中間整理メモの中でも11番にグランドデザインの構築ということが挙げられていますが、今日も様々な委員が御指摘になったと思いますけれども、今回は何度もお答えになっているように、介護を中心にしながら福祉人材全体をということだったと思いますけれども、地域包括ケアシステムの推進でその担い手全体をしっかりと確保していくことを考えると、臨床の統合、専門職統合、組織統合、システム統合、それを支える機能的統合ということがあって、専門職の統合というのは非常に重要な論点になっていて、高齢者を支える人たちだけではなくて、年齢を超えて疾患・障害を超えて支える専門職の在り方も中長期的なグランドデザインを考える上では、すぐさまどうこうということはなくても、方向性として考えていく必要があることではないかと思いますというのが1点です。
 それにも関連してなのですが、この部会が人材のことと法人の在り方を並行して取り扱っているというのは非常に意味があると思っていまして、人材のコンピテンシーでもこれから本人と協働するということに加えて、地域と協働するというコンピテンシーがとても重要だと、それは高齢者の対応だけではなくて重要だと言われていますけれども、そのことと先ほどの社会福祉法人の在り方の中で、地域貢献や公益事業をしっかりとということは切っても切れないようなものですので、この法人の在り方と人材の在り方ということがうまく連動しながら議論が進んでいくといいなと思っております。
 以上です。


○田中部会長 打ち合わせたわけではなくて突然の指名でしたが、大変要領よくまとめていただきました。ありがとうございました。
 三好委員どうぞ。


○三好委員 私のところの市でも介護の学校、大学なのですけれども、養成しているところがありまして、そこの卒業生の人たちにはぜひ地元でという思いがありまして、地元に勤務していただくよう法人等に要請した経過があります。その中で、先輩の話ということでもありましたけれども、100床ぐらいの老健施設とか特養というところでしたら、法人としての組織がまだまだ未熟なところが多いようでありまして、賃金体系、勤務条件、勤務体系、就労条件が不明確で出たとこ勝負というのはおかしいですけれども、そういうところがありました。非常に人材が少なくて、あるとき勤務した後で後輩の人が勤務されると。そういうときには異常事態なものですから、給与体系があるのですけれども、非常に重要だということで少し金額を上げて採用するという状況があると、以前勤務した人たちは一体どうなのだという話が出まして、今回の社会福祉法人の在り方の論議の中で、法人がしっかりできるような形で給与体系なり勤務体系なり就労条件が決まれば、かなりのところはそういう非難を受けることがないのではなかろうかと。
 地元で勤務したいという方は結構いらっしゃいます。しかしながら、後から勤務した人の方が条件がよくなるようなことになりますと辞めてしまう、そこは評価が悪くなる。したがって、就労条件、賃金の問題ですとか、さらにはスキルアップやキャリアアップの問題ももちろんありますけれども、一つには法人がしっかり仕組みをつくるということが、まず大きな基本的条件になるのではなかろうかと思っております。


○田中部会長 人材処遇と法人経営は表裏一体であると、大変的確な御指摘をいただきました。
 部会長代理、お願いします。


○宮本部会長代理 今のお話に続けて発言させていただきたいのですけれども、私はこの6〜7年、九州の幾つかの県と、東北の県で若いまだ結婚していない人たちの聞き取り調査をずっとやっている中で感じているのですけれども、どっちにしても学校を卒業した後の安定した仕事の非常に少ない地方なのですが、その中でもいい所と悪い所があって、例えば、九州のある一定の地域では、いろいろ転々と不安定な仕事をして、最終的に福祉の分野に入っていた人たちが、それなりに安定して結婚して生計が成り立つようになっていくという光景があります。一方で別の所では、それ以外の仕事がないものですから結局福祉に入っていくわけですけれども、今のお話のとおり、法人のルールが全然はっきりしていない、賃金は非常に悪い。そして、使い捨て状態になるわけで、長く続かないで辞めていってしまうわけですけれども、それに変わるべき安定した仕事がない地方ですよね。そういうことで、地方の失業率の高い所では、福祉分野がきちんと確立しているかどうかということが若い人の幸せに直結しているという感じがいたします。そういう意味では、福祉の世界の責任というのは大きい。要するに、生活が成り立ち、それなりによい働く場として提供できる所は、若い人たちは幸せになるということを実感しています。
 もう一つは、参入促進の中で、例えば、女性というのは若い人も中年も期待されるわけですけれども、女性にとってよくいくか悪くいくかという分かれ道だと思うんですが、来年4月から子どもの貧困法が施行になるわけで、今準備段階ですけれども、子どもの貧困をつくるかどうかは、お母さんの仕事と収入がいいかどうかによってほとんど決まってくるくらいに重要だと思いますけれども、特に母子家庭が今後とも増えていく中で、福祉分野で母子家庭に安定した仕事と報酬を提供できるかというのは、子どもの貧困を防止できるかどうかにかかるぐらい重要だと思います。その点での介護労働者の処遇をよくするということはいろいろな意味で重要だということで、言うまでもない話ですけれども、子どもの貧困が今、議論の最後のところに来ているということからも、そのあたりを発言させていただいたということでございます。


○田中部会長 ありがとうございました。
 時間の都合がありますので、ただいまの部会長代理の御発言をまとめにさせていただいて、次に移ります。
 次は、福祉部会における主な検討事項を議題といたします。事務局より資料の説明をお願いします。


○岩井福祉基盤課長 資料3「福祉部会における主な検討事項」でございます。
 今回の福祉部会は、大変多岐にわたる事項を御議論いただく必要がございます。かつ、冒頭、局長からも御挨拶申し上げましたとおり、来年の常会等における制度改正を念頭に置いて議論いただきたいと考えております。そういう意味では、非常にタイトなスケジュールで多岐にわたる事項を御議論いただくことになります。また、政府の他の会議あるいは審議会等においても、同様の議論が行われております。その整理が必要です。そうしたことから、まず、第1回目におきまして、当部会における検討事項の共通認識を持っていただく必要があろうということで用意させていただきました。各項目は、それ自体が今後その言葉が意味を持つというわけではございませんし、また、その審議の順序も今後の審議の状況に応じて変わってくるものと考えております。
 まず、第1番目の社会福祉法人制度の意義でございますが、これは個別に独立した論点というよりは、各項目を考える上での原点と申しますか基盤でございます。ただ、先ほどからの御議論にもありましたように、社会福祉法人というものが、公益性が高い非営利法人として制度化されており、また、公益法人自体の改革など、様々な公益的な団体につきましての見直しが行われているという状況もございます。さらに、一部の不適正な運営を行う法人があるという実態に対する指摘等もございます。そうした中で、時代の要請に応えていくという中で、社会福祉法人がどうあるべきかについては、常に立ち戻りながら御議論いただく必要があろうかということで挙げさせていただいております。
 第2点目以降は、政府の規制改革実施計画あるいは厚生労働省の在り方検討会におきまして、かなり論点として出されているものでございます。
 まず、経営組織の在り方につきましては、社会福祉法人のガバナンス、内部統制あるいは外部統制という観点から、その見直しが必要ではないかという点でございます。在り方検討会や規制改革実施会議では理事会、評議員会、理事・監事の権限と責任の範囲、あるいは牽制関係などが論点として挙げられております。あるいは、会計監査等による外部監査等の論点も挙げられております。こうした点につきまして御議論いただければと思っております。
 次に、業務運営・財務運営の在り方でございますが、先ほどから何度も論点として出ております内部留保の問題がございます。これにつきましては、規制改革実施計画等におきましても内部留保の明確化、これは処遇改善も含むと考えておりますが、福祉サービスへの再投資、それから社会貢献での活用の仕組みが明記されております。
 また、規制改革実施計画におきましては社会貢献活動、そして厚生労働省の在り方検討会におきましては、地域における公益的な活動というものが挙げられ、その位置付けと枠組みを設けるようにとされております。こうした点につきまして御議論いただく必要があろうかと考えております。
 次の点ですが、運営の透明性の確保の在り方です。これにつきましても財務諸表、役員報酬等の公表、あるいは先ほどありました内部留保の明確化という論点がこれまでも挙げられております。また、様々な法人に係る情報を集約し活用する仕組みも論点として挙げております。
 次の法人の連携・協働等の在り方ですが、これは例えば、複数法人による協業・連携という論点が挙げられております。また、先ほどの御意見の中で経営改革をする人材という御意見もございましたが、経営力を考えるという点で法人改革の一つの論点として考えていただければと思っております。
 次の行政の関与の在り方につきましては、規制改革実施計画等におきまして適正な運営を確保するための指導監督の強化が明記されております。これにつきましては先ほどから御議論・御意見がありますように、地方分権によりまして一般市に指導監督権限が委譲されておりますが、そういう状況も踏まえながら今後、指導監督をどうしっかりしていくかという論点があるかと思います。また一方で、単に消極的な指導監督ではなく、先ほども御意見がありましたように、その法人をどうサポートするのか、経営支援あるいは法人の育成という観点で指導監督をどのようにしていくかを御議論いただければと思います。
 また、これに関連しまして法人の運営状況を行政としてもどのように把握するか、その仕組み作りも御議論いただければと思っております。
 最後になりますが、他制度における社会福祉法人の位置付けにつきましては、先ほどからの在り方検討会等においても論点として挙がっておりますが、社会福祉法人に対する財政措置等です。例えば、退職手当の共済制度等がありますが、こういうものについてどのように考えていくかということを論点として挙げていただく必要があろうかと考えております。
 次に、福祉人材確保対策でございますが、これにつきましては先ほどから御議論がございますが、特に喫緊の課題である介護人材を中心に据えて、その総合的な確保対策をするということには非常に強い要請があります。したがいまして、この介護人材というものを中心に据えながら、もちろんほかの福祉人材についても共通的な事項はこの福祉部会全体として御議論いただきたいと思っておりますが、この介護人材を中心とした総合的な確保対策を講じることについて御議論いただきたいと考えております。
 関連いたしまして、介護人材におきます中核的な職である介護福祉士の位置付けをどうするか。それと関連しまして、介護福祉士の資格取得方法について御議論いただきたいと考えております。
 以上、社会福祉法人制度と福祉人材確保対策について御説明しましたが、先ほどから御意見がありますように、まさに法人制度と人材の問題は一体不可分のものでございますので、最終的に部会といたしまして、これらにつきまして方向性を出していただければと思っております。
 以上でございます。


○田中部会長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明に対する御質問・御意見をお願いいたします。松山委員どうぞ。


○松山委員 国民がこの福祉部会に何を期待しているかということを考えつつ、今御説明があった項目にプラスすると、恐らく福祉ニーズがさまざま拡大していく中で、福祉部会から見て非課税優遇に値する社会福祉法人、いわゆる良い社会福祉法人と悪い社会福祉法人を区分する判断基準は何ですかというのを示す必要があるのではないか。その判断基準の中身として、経営組織の問題や財務の運営のこととかいろいろなことが入ってくるのではないかと思います。国民の関心はそこにあるのです。
 というのは、「社会福祉法人の在り方等に関する検討会」の答申が出た後に業界の方から言われたのは、答申を読んだけれども、要するに今までどおりでいいのですねという反応です。それはなぜですかと聞いたら、自分たちが一番心配していた法人課税の問題が議論されなかったので、ほとんどインパクトがないという印象だそうです。私はそうではないですよ、逆に厳しい内容ですよと説明しました。課税の問題は政府税調が議論することになっており、そう簡単に今のままでいいということにはならないと説明しました。そういう平均的な業界の方々に福祉部会が示す案としては、国民が求める社福とは何なのかというのをもう少し具体的に示す必要があると思います。


○田中部会長 的確な御指摘、ありがとうございました。
 猪熊委員、お願いします。


○猪熊委員 福祉人材確保のところで、介護人材を中心にというお話がありました。介護の人材確保や人手不足の話になると、今、安倍政権で技能研修制度の中で介護を含めるのか、あるいは、EPAの中の介護をもうちょっと膨らませてはどうかという話も出ています。そのあたりは、今回の資料には出ていないのですが、介護の人手不足や人材確保を幅広に考える意味で、そうした資料も次回以降に出して頂けたらと思います。この部会で技能研修制度やEPAの議論まで話すということではないとは思いますけれども、介護人材の在り方を考える上で参考になると思いますので。介護人材確保の議論をする際には、介護職員の方の専門性とは何なのか、あるいは介護の質とは何なのかということが非常に重要になってくると思います。そうした専門性や介護の質の確保を考える際の一つの物差し、あるいは、この問題を幅広に考える一つの資料として、外国人介護労働者の資料があれば出していただければよりいいのではと思います。


○田中部会長 御質問ではなくて、御要望でよろしいですね。資料があればとの御依頼でした。
 川井委員、お願いします。


○川井委員 福祉人材確保対策についての意見です。先ほど中間まとめについていろいろご意見がありました。その中で、社会福祉法人の給料形態や勤務形態等のルール作りのお話しや、柳川委員からお話しがありました介護職員の相談からは、安心感、自尊心、自己実現の3つのキーワードが挙がってきているということから、やはり福祉人材確保対策検討会の中間まとめにあります、多様な働き方や機能に応じたキャリアアップの実現、介護福祉士の専門性と社会的評価の向上を進めていくことが重要であるということ、そしてそのためには、機能の類型化等が重要であると感じました。


○田中部会長 介護人材は一様ではなく、さまざまなニーズに応じて育てていくということですね、ありがとうございます。
 藤井委員、お願いします。


○藤井委員 まず、社会福祉法人制度の見直しですが、松山委員が言われたことに私も賛成でございまして、社会福祉法人の一つの重要な点は、全国どの市町村、どんな過疎地というのは言い過ぎかもしれませんが、必ずあると。これが地域のニーズに応えるような活動をしていただけるとすれば、これからの日本にとって重要な資産になるはずであるということですが、現状はなかなかそうなっていないということがございます。昨日も知事会から少子化非常事態宣言ということがございましたけれども、こういった地域の問題にも応えていける潜在能力を持っているのが社会福祉法人だろうと思います。
 ただ、本当に法人の規模やガバナンス、組織みたいなことを含めてできるところとできないところがあるというのが厳然たる事実だろうと思います。私も松山委員と同様に、経営者の皆さん方から在り方検討会では特に何もないですねといったようなことを言われました。地域貢献事業で義務化は結構大きい話ですよというお話をしたところ、うちではお祭りをやっていますと、だから、もうクリアーしていますという言い方をされました。これは笑い話ではなくてごく普通に言われまして、そういう問題ではないというお話をさせていただいたのですが、現にその話をしていただいた方の地域は大変な問題を抱えていて、地域そのものがどうなっていくかを考えなければいけない時期にあって、社会福祉法人にはぜひそういうことを考えていただきたいにもかかわらず、そういう意思・意図、また方向性を持たないということのようでございましたので、やはりできる所とできない所、できる所こそ真に公益的であると。できない所は公益性という器ではないのではないかという判断なり考え方があるのではないかと思います。
 2番目の福祉人材確保対策についてですが、これは私の持論なのですが、対馬委員におっしゃっていただいたように、介護あるいは福祉の職員というのは専門性をしっかり持ったプロフェッションであるべきであろうと。これはOT・PT、看護師あるいは医師、弁護士のプロフェッションという意味でございますが、そのためには体系的な学習が必要であって、看護師が30年前に取り組まれたように、准看制度を縮小していく、あるいは大学での養成をベースにするといった形態になるのだろうと思いますが、今議論しているのは10年後、2025年という話ですから、そこに向けての人材確保といった場合に、そこには届かないだろうという気もしております。現に今日お示しいただいたものに関しては、そういったプロフェッションを目指していこうということではなくて広く、今の日本ではサラリーマンでも言われる専門性、プロフェッショナルという方向性で書かれている専門性だろうと思っております。
 しかし、そうなりますと、人材不足というのは必ずしも福祉の分野だけではなくて、あらゆる業種で人材不足の状況でございます。一般の業種では最近言われるようになってきておりますのが、人材不足倒産というのは結構なことだと。なぜならば、それだけ魅力のない職場である、あるいはそれだけ適切なものあるいはサービスを提供していないところは、つぶれて結構ではないかということをおっしゃる経営者の方がいらっしゃるのですが、ここで福祉・介護で問題が出てきますのが、先ほど来委員の皆さんが議論していただいているように、サービスを利用される方々が選択が上手でない、あるいは選択できない状況にあるということがございますので、不適切なサービスが非常に残っている。その結果として働いている人たちも非常に嫌な思いをしながら働いている。離職理由で資料にもありますけれども、施設法人の理念と合わないというのは、まさにここに表れていると思いますけれども、こういった不適切なサービスが残存するところで働かざるを得ないようなことが残っているのが、制度の中でサービスを提供していることであるとか、選択がうまくいかないということなのだろうと思います。
 逆に言いますと、これがうまくいくようであれば、ほかの人材不足等と根は余り変わらないことになるかもしれませんので、サービスの質をどう評価していくか、何が福祉サービスとして適切なのかと。それが実行されていないところは、どういうインセンティブをつけて実行してもらうかという観点が、今後10年というスケジュールで言いますと重要なのではないかと思います。
 以上です。


○田中部会長 藤野委員どうぞ。


○藤野委員 福祉人材確保の問題で、児童の分野は例えば、保育士の養成一つとってみても、今いわゆる思春期の子どもたちのいろいろな事件が起こっています。そういう意味では今、日本の子育てが非常に大変な状況になっています。それをきちんとしないと福祉人材も含めて人材は確保できない。昔は福祉の人材といえば、大体児童の分野では保育士というのが代表的でした。ところが、今の保育士の養成校を全部とってみましても、幼児の保育、保育園の保育、幼稚園の資格の問題が主で、思春期になった子どもたちの養育については養成校もほとんどタッチしていない状況があるんです。ですから、その辺りについて資格の問題から含めて見直しなり議論をする必要があるのだろうと思っています。
 そういう点で言えば、介護を中心にしたということでもいいですけれども、やはり人材育成あるいは人材確保の問題というのは、福祉全体の課題としてちゃんとセットしてほしいと思います。


○田中部会長 福間委員、お願いします。


○福間委員 今回のテーマの中で、私インターネットでいろいろ遊んでいたのですが、例えば、Yahoo!で介護の仕事と保育の仕事、看護の仕事、そういうキーワードだけ入れるとバーッと出るのですが、その中の掲示板とか書き込みとかいろいろ見ると、みんな大変だと。それぞれ人手不足です。だけれども、例えば保育の仕事というのは大変だと書いてあるけれども、保育は否定的なことは余り書いていない。看護もそうです。介護だけが非常にマイナスなことがいっぱい書かれている。中にはもちろんセクハラとかパワハラとかいろいろありますけれども、そうではない本当の仕事だけを見たときに、ここだけ見ても介護のイメージがいかにとれていないか。私たちの団体、仲間といろいろ議論しても、やはり人材の問題になります。最初に出てくるのは介護の魅力をどう伝えるかだと。
 よくよく考えたら、子どもたちが介護の仕事を選ぼうとすると学校の先生がちょっと待てとか、親がちょっと待てと。でも、学校の先生や親の世代が人の死を見ていないんですね。これから多死社会にどんどんなりますけれども、実は人が死ぬ、それを看取っていく、世話をするというプロセスを余り実感していないんです。その中でただ大変だ、大変だだけがひとり歩きをする。そういう中で介護の現場、保育の現場から見ると、接している魅力はいっぱいありますから、皆さんそれはおっしゃるのですが、いざ、仕事に就かせようとする側から見ると、その魅力が親なり教員の世代に伝わっていないので、どうしてもちょっと待てというのがすごくあるのではないかと。そこをどうするんだと。
 先ほど審議会の規約を見たら、この福祉部会の上の名称は「福祉文化分科会」ですよね。まさに福祉文化として多死社会に向かっての看取りとか介護というのをきちんと日本の文化の中で国民に理解してもらうというのは、政府のレベルで考えていかないといけないのではないかと。ちょっとそこが弱い、抜けている部分ではないかと。皆さん一人一人の努力ももちろん必要ですけれども、全体としてそういう文化をつくっていくということも大事なテーマだと思います。その上で、法人なり人材確保というのが、いろいろな責任を持ったやり方をしていくというのがあるのではないかというのが、私の感じた印象です。


○田中部会長 その大切な人材の在り方について、「福祉人材確保専門委員会」の設置についてと題した資料4の説明をお願いします。


○武内福祉人材確保対策室長 それでは、資料4になりますけれども、「社会保障審議会福祉部会『福祉人材確保対策専門委員会』の設置について(案)」という資料を御説明させていただきたいと思います。
 先ほどからこの会の中でも、さまざま福祉人材確保について御議論をいただいているところでございますが、この福祉人材の確保について、集中的かつ専門的に調査・審議をいただくことによって、より効率的・効果的な審議会の運営を図っていくという趣旨から、「福祉人材確保専門委員会」を設置してはいかがかという御提案でございます。
 資料4にありますように、設置の趣旨といたしましては、先般成立した「医療・介護総合確保推進法」の中でも介護労働力の確保のための方策について検討を加えるというようなことが述べられているということ。そして、専門的福祉人材の具体的な確保方策に関する専門的な論点について、専門的な観点から集中的に検討を行っていただくために「福祉人材確保専門委員会」を設置してはいかがかと考えております。
 この構成につきましては、委員長を置きまして、委員長は部会長に御指名をいただく。
 検討項目については、先ほど御説明申し上げました資料3の「2.福祉人材確保対策について」と同様でございますが、介護人材等の確保方策、それから、介護福祉士の位置付けなどについて検討項目として掲げております。
 そして、運営につきましては原則公開。それから、必要に応じて関係者の意見聴取を行うということ。それから、専門委員会の検討結果については、こちらの福祉部会に報告するということ。
 このほか、5にありますように、専門委員会の運営に関し必要な事項は委員長が定めるということで、専門委員会を設置してはいかがかという内容の資料でございます。
 以上です。


○田中部会長 ありがとうございました。
 「福祉人材確保専門委員会」で介護人材等、先ほどから児童も大切だとの意見がございました。この資料4につきまして、何か御意見・御質問ございますか。部会長代理、お願いします。


○宮本部会長代理 1つ要望というか提案なのですけれども、今、社会保障制度に関しては人生全般期の強化、つまり人生後半から人生全般期強化というふうに議論が展開しているわけですけれども、例えば、高校生くらいから若い世代の人たちの社会保障の強化をする、特に学校を卒業して直ちにどこかにきちんと決まるという時代は終わっている中で、かなり長期にわたって時間をかけて社会のメンバーにしていく、そのための保障をすると。それと同時に、若い人たちに対して社会参加や社会的役割をどう付与するかという問題、このあたりを絡めて考える必要があるのではないかと思うのですけれども、そういう点で諸外国でいろいろな例があると思いますけれども、例えば、高校を卒業して大学に入るまでの1年間くらいギャップイヤーみたいな形で1年間自由な期間を与えるという国もありますけれども、そういうある程度の自由を保障しつつ、経済保障をしてその代わりに社会貢献すると。その一つの選択肢として福祉部門で一定の期間、何て表現するのが適切なのかは難しいと思いますけれども、何らかの社会貢献をする、あるいはそこでトレーニングするというような可能性も検討する時期ではないかという感じがします。一方的に若い人に義務を与えるのではなく、社会保障を強化するのと同時に社会に参加して一定の役割を果たすと。そのことが将来的には教育訓練の場にもなり、将来の若い人にとってもメリットになるようなある一定の期間という意味ですけれども、今回そこまで踏み込む計画があるのかどうか私は分かっておりませんけれども、もう少し大胆な世代間の関係性について検討するということもやるべきではないかと思います。


○田中部会長 御意見ありがとうございました。
 ただいまの専門委員会につきましては、社会保障審議会運営規則により、この部会に諮って設置をすることができるとされています。「福祉人材確保専門委員会」について資料4の提案のとおりに設置したいと存じますが、いかがでございましょうか。
     (「異議なし」と声あり)


○田中部会長 ありがとうございます。では「福祉人材確保専門委員会」については、資料4のとおり設置させていただきます。
 ちょうど予定の時間でございますが、何か最後に一言という方がいなければ、ここまでといたしたいと存じますが、よろしゅうございますか。
 松原委員どうぞ。


○松原委員 社会福祉法人の重要な問題の一つが、上場企業などと比べますと、上場企業であればちゃんと株主がいて、株主にチェックされて、市場にチェックされてというふうに非常に厳しくチェックされますけれども、非営利組織である社会福祉法人の場合は今まで規模も小さかったということもあり、そういった経営に関する外部監査がほとんどなかったことだと思います。今後これから地域でますます期待されてくる社福に対して、どのように外部がチェックしていく体制を確立していくのかというのが非常に重要だと思います。その際に、財務諸表の公開というのがまず第一歩だったのだと思います。あくまで第一歩。その第一歩である財務諸表が出たときに、今のままですと非常に混乱すると思うのです。営利企業であれば儲かれば儲かるほど偉いと評価されますけれども、非営利組織の評価をどうするか、適切な人件費をちゃんと払っているのかとか、社会貢献しているのか、その上での利益なのかということが必要だと思います。
 内部留保の話も先ほど出ていましたけれども、内部留保も例えば3億円もあるというだけではなくて、建て替えの直前だったらそれぐらいは妥当でしょうとか、一法人一施設だろうが、いろいろな事業をしていようが、それに関係なく直前であればなるべく自己資本比率を高くして建てた方が、利用者への負担は低くて済むわけです。なぜかというと、借入をたくさんすればするほど、借入返済のための利益が必要になりますから、その分介護報酬を上げてもらうのか、利用者に転嫁するのか、または自分たちが倒産するのかということになっていきますので、実はここはほかの事業に融通したとしても、建て替えが近くなってきたらある程度自分で持っている必要があるとかそういった評価基準が要るだろうと。今の社福の議論というのは、何か悪い経営をしている人がいるとか、内部留保をこんなに持っている、何か悪いことをしてこんなにため込んでいるという、社福の一部の負のイメージと内部留保は全く別の話なのですけれども、ごちゃごちゃになって議論されてしまっていますので、そういった冷静な議論、評価尺度を確立していくのが非常に重要だろうと思っております。


○田中部会長 ありがとうございます。
 黒岩委員の代理人の方、どうぞ。


○西條参考人(黒岩委員代理) 代理の立場でどこまで発言していいか、お許しいただければと思いますけれども、私が今日は知事の代理ということで出席した理由でございますが、実務者として本日のテーマであります社会福祉法人の所管あるいは福祉人材の確保対策、この両方を担当している課長という立場での発言と受け止めていただければと思います。まず、本日の議論にありますが、社会福祉法人の指導監督、様々な現場を回って指導させていただいているのですが、今日せっかくこうした場で議論して社会福祉法人制度改革を進めようとしています。そうはいっても、まだまだ措置の時代を懐かしんでいる法人や、平たく言えばそういうことで、経営能力も育たず、世代交代も進んでいない法人が多い。比較的新しい法人は経営手腕を非常に持っている法人もありますが、古くからの法人は理事会も評議員会も全く機能していないといった法人が結構多いといいますか、ほとんどがそうなんです。ですので、知らない間に内部留保がたまっていたとか、将来を見越した資本を投資するための準備をしていないとか、そうしたことで財務諸表を見ますと、実体的には内部留保が異常に膨らんでいると。私どもが指導するのは、将来の改善計画やあるいは退職手当とかきちんと積み立てておくべきところに積み立てなさいといった部分を指導させてもらっているのですが、それがまさに実態なんです。
 いろいろな改革を提案しても、結局、これを受け止める経営者あるいは本部機能が全く体をなしていないというのがほとんどです。ですから、ここでいろいろな議論をして提言しても、それをどう理解してもらえばよいのか、経営者をどう育成していくのかといった視点も重要なのかなと思っております。ぜひ経営者の意識改革といいますか、法人を動かしていくのは、一方で介護人材でありますけれども、結局は経営者でございますので、その人たちにどう理解してもらうのか。これから地域に貢献すると言っても、どういった形で貢献していくのか。法人の役割をもう一度経営者の方に理解していただくための方策といった観点も必要なのかなと思います。


○田中部会長 西條代理人、ありがとうございました。
 では、まだ御発言し足りない方もあるかと思いますけれども、時間となりましたので、本日の審議を終了いたします。
 次回の開催について、事務局より連絡はありますか。


○西辻総務課長 次回でございますが、9月4日木曜日、来週でございますけれども、非常に近い時期の開催で恐縮でございますが、15時から開催を予定しております。詳細は追って御連絡させていただきます。


○田中部会長 ありがとうございました。
 では、これにて本日の審議を終了いたします。お忙しい中お集まりいただき、かつ貴重な御意見をありがとうございました。

 


(了)

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