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2014年8月14日 障害年金の認定(腎疾患による障害)に関する専門家会合(第1回)議事録

○日時

平成26年8月14日(木) 16:59〜


○場所

厚生労働省 専用第22会議室(18階)


○出席者

構成員

相川構成員、北島構成員、田熊構成員、成田構成員、山縣構成員
渡邊構成員

○議題

(1)障害年金制度の概要

(2)腎疾患による障害に係る障害認定基準等について

(3)その他

○議事

(和田事業管理課給付事業室長補佐)

 定刻前ですが、皆様お揃いですので、ただいまより障害年金の認定(腎疾患による障害)に関する専門家会合を開催いたします。

 本日は大変お忙しい時期にもかかわらず本会合にご参集いただきまして、まことにありがとうございます。

 本会合の座長が決まるまでの間、事務局のほうで進行役を務めさせていただきます。

 私、年金局事業管理課給付事業室で室長補佐をしております和田と申します。よろしくお願いします。

 今回は初の会合でございますので、本会合を参集いたしました大臣官房年金管理審議官からご挨拶させていただく予定でありましたが、所用により欠席いたします。代わりまして、年金局事業管理課給付事業室長よりご挨拶させていただきます。

 

(池上事業管理課給付事業室長)

 ただいまご紹介のありました年金局事業管理課給付事業室長の池上でございます。

 本日はまことにご多忙の中、この専門家会合にご参集いただきまして大変ありがとうございます。

 皆様におかれましては、日頃から厚生労働行政にご協力いただきまして、とりわけ障害年金の関係につきまして、日頃診断書を作成していただいたり、あるいは認定の現場のほうで認定事務に携わっていただいたりということで、大変感謝申し上げております。

 障害年金については、ご承知のこととは思いますけれども、病気やけがなど障害となって日常生活にさまざまな制約を受ける方々の生活を保障するために、かけがえのない制度となっているところでございます。この制度を公正かつ適正に運営するためには、その障害の判断の基準となります認定基準が重要であり、これにつきまして疾患ごとに順次その見直しを図ってきているところでございます。

 腎疾患に関する障害につきましては、前回、平成14年に改正が行われたところですけれども、それから既に10年以上経過し、認定を行う現場からも、近年の医学的知見を踏まえた基準の明確化などについてのご要望があるところでございます。今回こうした形で皆様にお集まりいただきまして、この基準の見直しについて、ぜひとも活発なご議論をいただければありがたいと思います。

 限られた時間ではございますけれども、ぜひどうか積極的なご発言をいただきまして、よい基準ができるようにお願い申し上げたいと思います。

 どうぞよろしくお願いいたします。

 

(和田事業管理課給付事業室長補佐)

 続きまして、構成員の皆様をご紹介させていただきます。

 資料1として構成員名簿を添付させていただいておりますので、お名前のみの紹介とさせていただきます。

 五十音順で、相川構成員でございます。

 北島構成員でございます。

 田熊構成員でございます。

 成田構成員でございます。

 山縣構成員でございます。

 渡邊構成員でございます。

 続きまして、事務局の紹介をさせていただきます。

 ただいまご挨拶申し上げました事業管理課給付事業室長の池上でございます。

 障害認定企画専門官の関口でございます。

 また、実際に障害年金の認定実務を行っている日本年金機構の林障害年金業務部長でございます。

 以上、事務局ですけれども、よろしくお願いいたします。

 続きまして、本日の会合資料の確認をさせていただきます。

 お手元の議事次第のもと、資料1といたしまして「専門家会合構成員名簿」、資料2といたしまして「障害年金制度の概要」、資料3といたしまして「国民年金・厚生年金保険障害認定基準(12節/腎疾患による障害)」、資料4といたしまして「障害年金の診断書〔様式第120号の6−()〕」、資料5といたしまして「障害認定基準(腎疾患による障害)の検討課題について」。以上の他、参考資料といたしまして障害認定基準全文をお配りしております。

 お手元にございますでしょうか。不足がありましたらお申し出いただければと思います。

 それから、この会合の運営につきまして少し説明させていただきます。

 本会合は、対象となる患者が特定されるなど、個人情報保護の観点から特別な配慮が必要と認められる場合などを除き公開としております。資料につきましては原則公開とし、また、会合の内容は、厚生労働省のホームページにお名前も含め議事録として掲載する予定ですので、了承くださいますようお願いいたします。

 また、お手元のマイクでございますけれども、ボタンを押していただきますと赤いランプがつきますので、それからご発言をお願いします。発言が終わりましたらまたボタンを押して、オフにしていただければと思います。

 続きまして、本会合の座長をお選びいただきたいと存じます。

 互選としておりますので、どなたかご推薦いただけますでしょうか。

 

(山縣構成員)

 厚労省の審議会などをよく経験されている相川先生にお願いするのがよろしいかと思いますが。

 

(和田事業管理課給付事業室長補佐)

 相川先生ということですけれども、いかがでございましょうか。皆さんよろしいでしょうか。

(異議なし)

 それでは、相川先生にお願いすることにさせていただきたいと思います。

 相川先生、座長席に移動していただき、一言ご挨拶をお願いできればと思います。

 

(相川座長)

 東邦大学腎臓学講座の教授をしています相川でございます。

 障害年金の特に腎疾患による障害に関する専門家の会合ということで、座長として非常に緊張の重きにたえませんが、非常に大事な項目でございますので、活発な議論をいただいて、肝臓と同じように、きちんとした障害年金の認定基準制度を確定していきたいと考えております。

 皆さん、ご協力をよろしくお願いいたします。

 それでは、議事に入りたいと思います。

 まず、障害年金制度の概要について、事務局から説明をお願いできますでしょうか。

 

(和田事業管理課給付事業室長補佐)

 それでは、私から説明させていただきます。

 お手元の資料2でございますけれども、障害年金の説明をする前に、年金制度の仕組みについて簡単に説明いたします。

 1ページでございますけれども、国民年金、厚生年金は日本の公的年金制度の中核になりますが、国民年金に加入するのは、20歳から60歳までのいわゆる現役世代のすべての方です。すべての方が国民年金に加入し、さらに、サラリーマンなど厚生年金に加入している方は二重に加入するという制度になっております。

 具体的には、自営業などで国民年金に入っている第1号被保険者、サラリーマンである厚生年金もしくは共済に加入している第2号被保険者、さらにサラリーマンなど第2号被保険者の扶養になっている第3号被保険者、この1・2・3号と言われている被保険者で制度が成り立っております。

 年金は、被保険者の皆さんがこのような制度に加入している間に保険事故が起きた場合に、給付するという制度になっております。国民年金または厚生年金保険の加入者が老齢、障害、死亡などの保険事故になったときに支給するのが、それぞれ老齢年金、障害年金、遺族年金となります。また、国民年金から共通の基礎年金が支払われますが、その上乗せとして、厚生年金の加入者で障害があれば障害厚生年金、遺族の方であれば遺族厚生年金という二階建ての形で支給されることになります。

 それでは、本題である障害年金について説明いたします。

 2ページをごらんください。

 障害年金を受ける際には3つの要件が必要となります。1つは、初診日に被保険者であること。2つ目が、保険料の納付要件を満たしていること。そして3つ目が、一定の障害の状態にあるということです。国民年金に加入している間に病気やけがになった場合、医療機関を受診することになりますが、この初めて医師または歯科医師の診療を受けた日を「初診日」として、この初診日から1年6カ月目の障害認定日における障害の状態を判断して、1級または2級の障害基礎年金が支給されます。

 なお、初診日から1年6カ月より前でも、手足の切断など明らかに症状が固定したという場合に、その日を障害認定日として取り扱います。

 次に、一定の保険料納付要件があることですが、これは加入期間中の保険事故ですので、初診日以前にきちんと保険料を納めているかどうかを確認する必要があります。例えば初診日の前々月前に3分の2以上の納付がある、または直近の1年間に未納がないことのいずれかを満たしていることが必要です。

 続いて、二十歳前の障害について説明します。

 二十歳前障害というのは、二十歳になる前に既に障害の状態にある方に年金を支給する制度です。障害年金制度は、初診日が年金制度に加入している期間にあることが必要だと先ほど説明いたしました。二十歳前の障害者は、二十歳になる前に既に障害の状態になっていて二十歳から初めて年金制度に加入することになりますので、保険料を納めるという制度に加入する前から障害があるということです。これに関しては障害福祉年金という制度が昭和61年以前の旧年金制度にありまして、補完的な意味で、二十歳前に既に障害のある方については年金を支給するということで、国民年金の中において支給しておりました。これが昭和61年4月の法律改正の際に、保険料を納めている方と同じ障害基礎年金として、年金額を引き上げることで所得保障した経緯がございます。

 したがいまして、二十歳前の障害で年金を受ける方については保険料の負担をしていないということですので、例えば一定の所得がある場合などについては年金額の全額または一部を支給停止するという所得制限が設けられております。その他に、日本国内に居住していない場合などについては、その間は支給停止するという条件がつけられております。

 年金額は年額で、1級は現在966,000円、2級は772,800円となっております。この金額は、2級の場合が老齢基礎年金と同額の水準であり、重い程度の1級はその25%増しとなっております。また、生計を維持している18歳までの子供さんがいる場合は、年額222,400円が年金額に加算されます。

 続きまして3ページ、障害厚生年金の概要でございます。

 支給要件は障害基礎年金と同様ですが、1・2級に加え、3級の障害状態であれば、独自の制度として障害厚生年金のみ支給されます。また、それよりも軽い障害が残った場合には、障害手当金として一時金が支給されます。

 厚生年金の年金額は被保険者の報酬に応じて計算することになりますので、「報酬比例の年金額」という書き方をしております。その方の給料に応じて計算された部分が障害厚生年金ということで支給されます。

 年金額の水準は、2級が老齢年金の額と基本的に同じですので、それを1.25倍したものが1級の額になります。基礎年金も、772,800円の1.25倍したものが1級の額になっておりますので、老齢厚生年金の金額が2級と同じと考えていただければよろしいかと思います。

 続いて4ページ、障害年金の給付体系を示しております。

 左側が障害の程度が重い方、右側が障害の程度が軽い方が受給される年金です。繰り返しになってしまいますけれども、国民年金の被保険者については障害基礎年金、厚生年金の被保険者についてはその上乗せとして障害厚生年金が支給されます。また、厚生年金の独自給付として、3級の障害厚生年金と障害手当金があります。

 こうした年金の請求窓口については、原則、障害基礎年金が市区町村役場または年金事務所、障害厚生年金が年金事務所となっております。

 また、受け付けた請求については、基礎年金は日本年金機構の各都道府県にあります事務センター、厚生年金は日本年金機構本部で、障害認定を含めて裁定を行います。

 続いて、5ページをごらんください。

 こちらは障害認定に当たっての等級の例を示しております。国民年金法施行令、厚生年金保険法施行令の別表に、それぞれ等級に応じた障害状態が明記されております。ここでも挙げておりますように、外部障害で明らかに固定されるものを明記しており、内部障害や精神障害は症状がさまざまでありますので、政令の表では基本的な障害の状態を示しているのみで、実際には障害認定基準により認定を行っております。

 この障害認定基準の位置づけですが、障害の程度を判断する上で各疾患ごとに具体的な例示を定め、公平かつ統一的に判断するための基準として示しているものです。

 6ページをごらんください。

 障害認定基準の基本的事項に書かれております障害の程度を抜粋したものです。先ほども申し上げましたが、さまざまな障害状態を判断する上での基本的な考え方です。

 1級の程度は「身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のものとする。」とされています。また、生活状況のことが具体的に書かれていますが、病院内で言えば、活動範囲でおおむねベッド周辺に限られるもの、家庭内で言えば、活動の範囲がおおむね就床室内に限られるものとしております。

 2級の程度は「身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものとする。」とされています。また、生活状況については、病院内で言えば活動範囲がおおむね病棟内に限られているもの、家庭内で言えば活動の範囲がおおむね家屋内に限られるものとしております。

 3級の程度については1・2級と異なりまして、厚生年金の認定がもともと労働に支障があるかどうかという観点で定められていたものを、国民年金とあわせたときに日常生活の支障度と統一されたものです。その際、3級については厚生年金の独自給付でありますので、「労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のものとする。」とされているところでございます。

 最後に7ページでございますけれども、参考としまして、障害年金の受給権者数を掲載しております。

 障害厚生年金の受給権者が約55万人、国民年金の障害基礎年金のみの受給権者が約159万人となっております。この国民年金の人数には、二十歳前に障害がある障害基礎年金が含まれております。また、受給権者数は、所得制限や障害の状態が軽くなったということで支給停止をされている方なども含んだ数字となっております。

 以上、簡単ではございますけれども、障害年金についての説明をさせていただきました。

 

(相川座長)

 短い時間ではありますが、障害年金制度の概要を説明していただきました。

 ただいまの説明について、何か構成員のほうからご質問ございますでしょうか。

 

(成田構成員)

 確認です。3級より軽いものも障害手当金として支給するということですけれども、その認定基準は余りはっきり決められていないんでしょうか。

 

(和田事業管理課給付事業室長補佐)

 そこは認定基準のほうにもきちんと示しております。

 

(池上事業管理課給付事業室長)

 補足いたしますけれども、障害手当金というのは、障害が固定した場合に支給される1度切りの一時金となっています。症状が固定して初めて支給されるので、内部障害については基本的に手当金は出ないという取り扱いになってございます。

 

(相川座長)

 他にご質問ございませんか。

 ご質問がございませんようでしたら、引き続き事務局から、腎疾患障害に係る障害認定基準などの説明をいただきたいと思います。

 

(関口障害認定企画専門官)

 腎疾患による障害に係る障害認定について、お手元の資料3をごらんください。

 資料3は、参考資料の障害認定基準、お手元に分厚い本があるかと思いますが、その中から第12節/腎疾患による障害の箇所を抜粋したものでございます。

 まず、障害認定基準については、第1節から第18節まで18の分類に分けて規定しております。それぞれの障害について部位ごとに分けているとお考えいただければと思います。

 では、65ページの1認定基準について説明いたします。

 なお、資料3のページでございますが、これは障害認定基準全文のページ数をそのまま付しておりますので、65ページとなっております。

障害年金の制度については先ほど資料2でご説明がありましたので、ここでは省略させていただきます。

 障害年金の認定は、まず申請者から提出いただいた診断書等から、施行令別表に規定されている障害の状態に該当するか否かで判断いたします。この施行令別表につきましてはお手元の参考資料104ページ以降に載っておりますので、後ほどごらんいただければと思います。

 この施行令別表に規定されております障害の状態に該当するかを判断するため、より詳細に説明したものが、障害認定基準であります。また、次の2認定要領が具体的な内容を記載しておりまして、認定する上での実務上の指針となっております。

 それでは、2認定要領について説明いたします。

 なお、この認定基準の説明の後に続いて説明いたします資料5「障害認定基準(腎疾患による障害)の検討課題について」において再度説明いたしますので、ここでは主な規定について説明させていただきます。

 まず(1)では、腎疾患による障害の認定の対象は、そのほとんどが慢性腎不全に対する認定であることを規定しております。

66ページの(5)については、障害の程度を生活を営む上で不可欠な基本的行動、すなわち日常生活動作ができるか否かを一般状態区分表で示しております。区分オが1級相当の状態を示しまして、区分エ又はウが2級相当の状態、区分ウ又はイが3級相当の状態を示すということで、66ページの(4)に規定されておりますが、検査成績とあわせて見ることになります。

67ページの(6)は、各等級に相当する障害の状態を一部例示しております。また、なお書きで、この例示のほか他覚所見や他の検査、治療及び病状の経過等も参考としつつ、総合的に認定することと規定されています。

 同ページの(7)では、人工透析療法を施行中のものについては、原則として2級と認定することとし、「主要症状、人工透析療法施行中の検査成績、具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する。」と規定されております。

 なお、(7)の人工透析療法施行中のものの取り扱いの規定については、資料5で再度説明いたします。

 続きまして(9)の規定では、糸球体腎炎(ネフローゼを含む。)、多発性嚢胞腎、腎盂腎炎に罹患し、その後慢性腎不全を生じたものは、両者の期間が長いものであっても、相当因果関係があるものと認められることを規定しております。

 以上、簡単ではございますが、現行の認定基準の説明を終わらせていただきます。

 続けて、お手元の資料4「障害年金の診断書(様式第120号の6−()」を説明させていただきます。

 まず、資料4の診断書は、肝疾患、糖尿病も一緒に記載するようになっております。これは腎疾患、肝疾患、糖尿病の3疾患につきましては内科疾患として併発する傾向がありますので、例えば糖尿病から腎疾患などでございますが、まとめて病状を把握しやすいように、また診断書作成の費用負担も勘案して、診断書を1枚にしております。

 それ以外の内科疾患がある場合については、その診断書もあわせて提出していただき、総合的に判断しているところでございます。

 腎疾患の障害の状態欄について説明いたします。

 表面の中段のマル12欄が、腎疾患の障害の状態を記載していただくところになります。

 それでは、個々に診断書を見ていただきながら説明いたします。

 1臨床所見では、自覚症状、他覚症状及び検査成績を記載していただくことになります。検査項目につきましては、認定基準の(4)障害等級判定の検査項目以外の項目も記載されていますのは、認定に当たっての参考データとして活用するためでございます。

 次に、2腎生検の欄については、その有無、検査年月日、所見を記載していただきます。

 そして3人工透析療法の欄については、その実施の有無や、腹膜透析、血液透析の別、開始日などを記載していただきます。なお、人工透析療法を実施している方の腎機能検査成績は、当該療法を実施後の検査成績を記入していただくことになっております。これは別添の記入上の注意がありまして、その4の(2)なお書きにその旨の記載があります。

 4、その他の所見の欄については、腎臓移植を行ったときの実施日などを記載していただくことになっております。

 以上、簡単ではございますが、資料4、現行の診断書の説明を終わらせていただきます。

 

(相川座長)

 ただいま事務局から資料3と資料4について、かいつまんで説明がございました。後で検討課題ということでまた詳細に説明をいただきますが、これについて何かご質問はございますでしょうか。

 この障害年金制度の診断書は、実際皆さんが今まで随分お書きになってきたものだと思いますがよろしいでしょうか。皆さんご専門家ですし日ごろ携わっている医療ですから十分理解されていることと思います。

 それでしたら、検討課題のところに進んでまいりたいと思います。

 事務局から障害認定基準の検討課題、資料5についてご説明願えますでしょうか。

 

(関口障害認定企画専門官)

 それでは、資料5「障害認定基準(腎疾患による障害)の検討課題について」の説明をさせていただきます。

 内容がたくさんありますので、ところどころで区切って説明させていただきたいと思います。

 1ページをごらんください。

 まず、このたび腎疾患による障害の認定基準の見直しをする背景について説明いたします。

 国民年金・厚生年金保険障害認定基準については、国民年金法、厚生年金保険法の施行令に規定する障害の状態について具体的に、障害の種類ごとにどの障害等級に該当するかを例示しながら説明しているものでありまして、認定作業における実務上の指針となっております。平成14年3月に全面的に改正しておりますが、その後の医学的知見や裁判、社会保険審査会の指摘などを踏まえて、平成22年度以降、疾病ごとに順次見直しを行っているところでございます。

 腎疾患については、認定医の先生方などから見直しのご要望やご意見をいただいておりますが、前回の平成14年の改正から既に10年以上経過していることもありますので、最新の医学的知見を踏まえた見直しを行うため、このたび本会合を開催させていただくものでございます。

 左下でございますが、現状においては、現行の認定基準について、運用現場の認定医の先生などから認定基準について、近年の医学的知見を踏まえた基準の明確化や具体的な例示などが求められているところでございます。また、特に腎疾患での障害等級判定に係る検査項目に関する認定基準の見直しが求められております。

 こうしたご意見、ご要望から、この専門家会合において議論していただく主な検討課題が3点あります。1つ目は、障害等級を客観的に判断できるような基準を示すことができるかどうかという点でございます。2つ目は、人工透析療法施行中のものの等級判定の方法は現行どおりでよいかという点です。3つ目は、腎移植の取り扱いを規定すべきかという点です。

 2ページ以降に、今、説明いたしました主な検討課題について、具体的な事項におとして検討内容を記載しておりますので、2ページの検討課題1−1から順番に説明してまいります。

 まず、検討課題1−1、腎疾患での障害等級判定に用いる検査成績についてです。

 この課題の検討に当たりましては、3ページの別紙1、検査項目表も一緒にごらんいただければと思います。

 まず2ページの(1)検査項目について、見直すべきものはあるかです。

 具体的には、1つ目の○として、慢性腎不全とネフローゼ症候群について、確認すべき検査項目を分ける必要はあるかどうかです。これについては、慢性腎不全の場合には、別紙1、これは今、見ていただいた3ページに記載しておりますが、主にイの血清クレアチニン濃度の検査数値で、また、ネフローゼ症候群の場合には主にウのマル2血清アルブミン及びウのマル3血清総蛋白の検査数値でそれぞれ判定していると聞いております。そうしたことから、この表について、症状に応じて分けるべきかどうかということです。

 2つ目の○としては、ア、内因性クレアチニンクリアランス値及びウのマル1 1日尿蛋白量は、診断書にはほとんど記載がないとのご指摘がありますので、それに代わる検査項目はないかということでございます。

 3つ目の○としては、ウのマル2血清アルブミン欄に検査方式BCG法による検査数値であることを記載するべきではないかということでございます。

 4ページの別紙2をごらんください。

 この表は、昨年度に見直しを行いました肝疾患による障害の認定基準の、重症度判定の検査項目及び臨床所見の表でございます。この左側にあります検査項目の血清アルブミンの測定方法として、BCG法の文言を追記しましたので、論点として提示させていただきました。

 測定方法については検査方法の変更が進んでおり、改良型BCP法に移行しているところでありますが、現行の基準が従来からのBCG法の測定値を用いており、学会でも改良型BCP法への移行を決定していなかったため、BCG法の文言を入れたところでございます。腎疾患による障害の基準についても同じように、BCG法の文言を記載すべきではないかと考えております。

 2ページに戻っていただきまして、4つ目の○でございますが、その他見直すべき検査項目はあるかです。見直すべきものがあれば、ご指摘をいただければと思います。

 次に、5ページをごらんください。

 検討課題1−1の項番(2)異常値(軽度、中等度、高度)について、見直すべきものはあるかどうかでございます。

 ここでは特に、ウマル1からマル3の異常値は現在のままでよいか、(注)に該当する異常とは軽度異常、中等度異常、高度異常のいずれになるかでございます。なお、現行の基準については、右側の欄に記載しております。

 次に6ページ、検討課題1−1の項番(3)検査項目について、追加すべきものはあるかでございます。

 ここでの論点としましては、1つ目の○として、診断書上に記載項目がありますが、認定基準上に示されていないもの(※)の取り扱いをどうするかです。この※につきましては、右側の欄に記載しております。

 なお、診断書にのみ記載項目のあるものの検査数値は等級判定には用いておりませんで、参考として取り扱っているところです。

 また、2つ目の○としまして、血中BMGや尿中NAGについて、日本年金機構の認定医などからご意見がありましたので、必要があるかどうかご意見をいただきたいと思っております。

 3つ目の○として、慢性腎臓病の診断などで用いられておりますeGFR(推算糸球体濾過量)は評価の対象とすべきかどうかでございます。これについては、検査結果の精度や現行基準との継続性などを踏まえて、よく検討する必要があるものと考えております。

 4つ目の○としましては、検査項目を追加する場合、その異常値(軽度、中等度、高度)をどうするかでございます。

 検討課題1−1については、以上です。よろしくお願いいたします。

 

(相川座長)

 ただいま事務局から障害認定基準の検討課題について、具体的な説明がございました。

 この多くの検討課題についてご議論いただきたいと思いますが、大きく分けて具体的なところから言うと、慢性腎不全とネフローゼ症候群について、検査項目を分ける必要があるかということがあります。これについてご意見いただけますでしょうか。

 

(山縣構成員)

 最初にちょっと説明がありましたけれども、これまでも、慢性腎不全に対しての診断書のなかに、ネフローゼ症候群の項目が記載するようになっておりますが、ネフローゼ症候群の重症例でどのようなケースで障害年金の対象になるといった議論は、どこれまでされてきたのでしょうか。

 

(相川座長)

12節の腎疾患による障害ということで、腎不全の検査項目とネフローゼの検査項目が疾病が違うのにそのまま並列に書いてあるというご質問だと思いますが。

 

(和田事業管理課給付事業室長補佐)

 3ページの別紙1に表がございますけれども、慢性腎不全もネフローゼ症候群も、どちらもこれで認定しておりますので、並列というよりも、そういった診断名で請求が出てくればこの認定基準に従って認定しているということでございます。

 

(山縣構成員)

 そうすると、やはり矛盾を感じますのは、診断書の中の障害の状態のところではネフローゼで申請できるような書式にはなっておりませんよね、現状。

 

(和田事業管理課給付事業室長補佐)

 その点については、先生方からまたご意見をいただければと思います。

 

(相川座長)

 診断書の書式が資料4でついてございます。これは皆さんがいつも書かれている診断書でありますが、具体的にネフローゼのことを指すような場所が検査成績のところぐらいしかないというご意見だと思います。

 いかがでしょうか。

 成田先生、何か。

 

(成田構成員)

 恐らく山縣先生のおっしゃっているのは、1つは、慢性腎不全というのはもう不可逆的な病態であって、永続的に血液浄化療法を必要とするということで、今までこの認定に関しては、私もそうなんですけれども、恐らく慢性腎不全、透析患者さんの障害認定だという認識が臨床医の間ではあったと思います。

 一方で、ネフローゼ症候群というのは割と変化する病態でありまして、1年あるいは1年6カ月の間にかなりの割合で治る可能性が高い病気なんですね。実際に治ることもあるということで、この障害年金という制度には余り馴染まないような印象がありますので、そういった質問なのではないかと思いますが。

 実際に、聞いてよろしいのかわかりませんが、この制度で認定されている数として、ネフローゼ症候群だけで認定されている方はどのぐらいいらっしゃるんですか。

 

(和田事業管理課給付事業室長補佐)

 申しわけございません、その辺の疾患ごと及び病状ごとの数字は把握しておりません。

 ただ、ネフローゼ症候群で請求が出てきて認定している事例は拝見しております。

 

(田熊構成員)

 あくまで想定ですけれども、多分このネフローゼに関しては1級、2級の話ではなくて、例えば糖尿病性腎症で、透析に至るほどではないけれども、とんでもない浮腫みで3級を早く出したいみたいなときに、これに該当すれば、この高度異常というか、足して3級にはあれしますねという部分、そういう患者さんがいるんだろうと思うんですね。

 

(池上事業管理課給付事業室長)

 日本年金機構から最近の認定事例について幾つか出してもらって拝見しましたけれども、ネフローゼだと、基本的には3級止まりとなっております。今おっしゃったように、ネフローゼで特に一般状態区分に照らして重いような方については、それで3級を認定する例があるということでございます。

 

(相川座長)

 最近は糖尿病性疾患が非常に多くて、腎機能が、クレアチニンあたりさほどでもないのに低蛋白になって浮腫、腹水、胸水の貯留など深刻な病状になるどうしようもないというのが、田熊先生がおっしゃったように確かにいらっしゃいますので、それも加味していると解釈していただければよろしいと思います。

 それでは次の課題ですが、実際、内因性クレアチニンクリアランスの値や1日蛋白尿量を

余り診断書に記載していない、また、これは先生方が記載するとき、内因性クレアチニンクリアランスが1日蓄尿をしなければならない非常に手間がかかる検査ですので、実際おやりになっていない。これに代わる検査は何かないかということなんですが、ご意見がございますでしょうか。

 

(山縣構成員)

 これに関しては、今、事務局からも説明ありましたけれども、内因性クレアチニンクリアランスを測定するにはいろいろ手間がかかるということで、なかなか数字はいただけない、これは容易に想像できるんですね。

 それに対して現在、日本の中で慢性腎臓病いわゆるCKDの普及啓発活動の中で推奨しているGFRの簡単は推測法としてeGFRになります。こちらであれば、血清クレアチニンさえ調べれば年齢と性別で計算でGFRの数値出せますので、回答率の高い結果にはなるだろうと思います。ただ、事実上、この計算式では血清クレアチニンの変化量が腎機能と関連し、性別あるいは年齢による筋肉量の変化等によって血清クレアチニンが腎機能以外の理由で変動するのを補正してくれます。そういう意味では血清クレアチニン単独よりも正確な腎臓機能の評価法になるのではないかと思います。

 

(相川座長)

 ただいま山縣先生から、代替の検査として、または補助検査としてeGFRというお話がございましたが、これについて他の構成員からご意見いただけますか。

 

(北島構成員)

 山縣先生のおっしゃるとおりなんです。けれども、eGFRというものがそれほど広く一般のクリニックには広がっていないんですね。そこが問題だと思います。そうすると、クレアチニンクリアランスが書かれないと同じくここが空欄になる可能性があるだろうと思うので、内因性クレアチニンクリアランスに代えてしまうのにはちょっとまだ時期が早いのではないかという気がします。

 

(渡邊構成員)

 今、北島先生からお話あったんですが、最近実地医家から臨床検査センターに血液検査を出されるときに、もう必ずeGFRは検査結果でついてきておりますので、かなり一般的に、一般の実地医家の方もeGFRについてはご存じだと、あるいはデータを見ることができると私は考えておりますが、いかがなものでしょうか。

 そういう意味で、実は内因性クレアチニンクリアランスあるいは1日尿蛋白量というのは、昔は蓄尿瓶が病棟に置いてあったはずですが、現在の病院では感染対策の観点から排除される傾向にあって、現実的に測定できないのが現状です。できれば、内因性クレアチニンという値に拘泥せず、1日の排泄量相当であるクレアチニンで補正できる値をスポット尿(随時尿)でやるもので評価してもよいのではと思っております。

 

 

(田熊構成員)

 クレアチニンクリアランスは不要かという観点だろうと思うんですけれども、我々がある患者さんのために診断書を書くときに一番困るのは、クレアチニンは大したことないけれども筋肉量がうんと減っていて、実際はeGFRがうんと下がっている。そういった場合に審査員を納得させるために、クレアチニンだと3とか5だけれどもeGFRは10以下ですと補佐するために、クレアチニンクリアランスをあえて書くという部分なので、何というか、血清クレアチニンもしくはeGFRではちょっと評価が外れてしまう人のために、何らかの補助的なものとしてこういうものがあるべきではないかと思うんですけれども。

 

(山縣構成員)

 先ほどの前言を少し変えさせていただきますと、クレアチニンクリアランスが不要であるというのは、やはり問題のような気がしまして、お伝えした中でも、eGFRは結局、変数としては血清クレアチニンだけですので、クレアチニンとeGFRだけにすると正確な腎機能の把握という意味では問題があります。ですから、正確な腎機能の評価法として、蓄尿等の実測によるクレアチニンクリアランスは当然あるべきで、ただ、これはなかなか施行している、記載していただける件数が少ないことが問題のようですけれども、これに関しては今、言ったように、どういう状態のときにはこれを使うべきなのかを明示することで、やはり加えていただいたほうがいいのかなという気がします。

 

(相川座長)

 実際、日本年金機構でチェックするときに、この糸球体濾過量というのはやはり記載がないでしょうか。

 

(関口障害認定企画専門官)

申請された診断書等を一部拝見させていただきましたが、まず、クレアチニンクリアランス値はほとんど記載がありません。ただ、血清クレアチニン濃度のほうはほぼ記載があります。それをもって一般状態区分等を勘案して認定されているものと思われます。

 ただ、内因性クレアチニンクリアランス値の記載がなかったとしても、認定に支障は出ていないのではないかとは思われます。

 

(相川座長)

 特に筋肉量がない方は血清クレアチニンが上がらず、腎不全の指標にはなりにくいという田熊構成員からのお話ですが、この点に関して問題になった患者さん、この認定に関してですね。皆さんご経験ございますでしょうか。

 

(成田構成員)

 田熊先生のご指摘のとおりで、やはり痩せた、筋肉量の少ない方は、実際のGFRは非常に低いのにクレアチニンが上がらない方は大変多いのではないかと思います。

 そういうことで、私の意見としては、検査項目として糸球体濾過値あるいは糸球体濾過量という項目にして、選ぶようにできればいいのではないかと思います。クレアチニンクリアランスでマルをつけるかeGFRでマルをつけるかどちらかでやって、かつその数値をきちんと書いていただくことは必要だと思います。

 なぜかというと、この診断書そのものは腎不全かどうかをきちんと診断するものでありますから、血清クレアチニンだけでなくて、糸球体濾過量が落ちているのかどうかを現場の医師がきちんと判断して、それを記載するべきだと思います。

 

(田熊構成員)

 書かれている頻度が少ない理由の1つは、初回認定のときは割と書かれていることが多いと思うんですよ。要は、透析が始まるときは「これだけ悪いですよ」みたいな部分でクレアチニンクリアランスを、入院していて24時間おしっこ溜めたりしていますからね。でも、2回目以降は一切そんなことはしませんので、2回目以降はだれもクレアチニンクリアランスを測ろうとはしません。ですから、頻度的には書かれていないことが非常に多い。その理由の多くは、維持透析になってしまえばこんなもの調べない、それは当たり前の話なので、頻度が低いからということでは、ちょっと現状をわかっていないのではないかと思います。

 

(相川座長)

 初回認定のときにはクレアチニンクリアランスの必要性が十分にあって、記載もそれなりにあるのではないかというご意見だと思います。

 成田構成員からは、糸球体濾過量ということで2つのうちから選ぶように、eGFRまたは内因性クレアチニンクリアランスのどちらか記載する必要があるというご指摘でした。

 

(成田構成員)

 維持透析の方については、もう透析しているという事実でいいと思うので、特に初回の認定の場合はどちらか記載する必要があると思います。

 

(相川座長)

 そういうご意見がございましたが、日本腎臓学会または日本透析学会で透析の導入基準について、eGFRについて何か基準がございましたでしょうか。

 

(山縣構成員)

 日本透析学会の血液透析導入の基準での腎機能評価法の考え方としては、まず、血清クレアチニン単独で決めるのはまずいだろうということ。次いで、eGFRも今、言ったように血清クレアチニンからの係数なので、同世代でも筋肉量の少ない方はクレアチニンが低いので、一律に患者さんの腎機能の基準にするのは難しいだろうということ。したがって、透析導入の基準で、やはり理想的には実測によるクリアランスとして、24時間の蓄尿法によるクレアニンクリアランスやイヌリンクリアランスによるGFRを測定する方法が最適であるということが一応明示されております。

 eGFRにも判断基準として、問題はあります。

 

(相川座長)

 ただし、eGFRの値でも一応、透析導入の基準は設けていらっしゃるんでしょうか。

 

(山縣構成員)

 一応GFRが8を割って透析を導入した患者の予後はそれなりに悪くない、さらに腎不全により透析以外に取ることのできない症状があれば、透析導入としております。

 

(相川座長)

 そのような具体的な学会からのご意見も出ております。

 これに関しては成田構成員から提案が出ておりますが、いかがでしょうか。2つ併記が望ましいのではないかと。ここですぐ決めるということではありませんけれども。

 

(渡邊構成員)

 ガイドラインに携わった一員として思いますけれども、eGFRが15以下になって臨床症状があらわれたときには、透析することは仕方がないだろう、eGFRが8以下になったときには透析をすることが望ましい、2以下のときには必ずしなければならないという基準を一応示しておりまして、これは「Minds」にも掲載されることになっておりますので、できればeGFRを入れていただきたい。

 そして、田熊構成員がおっしゃったように、確かにeGFR、血清クレアチニンと残存腎機能が、かなりディスクレパンシーが出る場合がございますので、そういうときにはきっとクレアチニンクリアランスとか、あるいは本当の尿量がどうだということで診断書に書いてくると思いますので、できれば血清クレアチニン、eGFR、クレアチニンクリアランスの3つを記載項目にしていただければと私は思っておりますけれども。

 

(北島構成員)

 私もそう思います。

 今、どれか1つだけを選ぶことは好ましくないので、今、言われた3つを併記すればよろしいのではないでしょうか。

 

(相川座長)

 私は座長なのですけれども、腎移植の立場から意見を言わせていただいてよろしいでしょうか。

 腎移植の領域では今、プリエンプティブ移植というのがございまして、透析をする前に先行的に移植をする。その基準が、各関連学会が集まってeGFRが15 ml/ /1.73m2 未満でこれを考えていいということで、日本臓器移植ネットワークにも先行的腎移植で登録する枠を既に設けております。小児に関しては、やはりクレアチニンが低いということがありますので、20 ml/ /1.73m2 未満になったら先行的腎移植を登録していい。もう一つ、一次移植を受けられた方または二次移植でもそうなんですけれども、既に移植を受けられた方で腎機能が傾いたときには、eGFRが20 ml/ /1.73m2 未満になったときには先行的腎移植を考えてよろしい、そういう答申を腎移植の領域では既に出しております。

 皆さんのご意見だと、やはり今までのものも残すし、できればeGFRもそこに入れていただきたいということだと解釈いたします。

 これはまた後で議論いたしますが、次の血清アルブミン検査方式は、BCGと記載すべきかどうかというかなり具体的なことがございます。肝臓に関しては既にBCGという記載がございますので、腎臓に関して、アルブミン値については皆さんどのようなご意見がございますでしょうか。

 肝臓と同じような取り扱いでよろしいのか、それとも検査法がそれぞれの施設で違うから、BCGと規定すべきではないというご意見もあるかもしれませんが、いかがでしょうか。

 

(成田構成員)

 これは大変難しい問題だと思います。

 今、日本腎臓学会で出しているネフローゼのガイドラインは、BCG法に基づいた値でこの表のようになっておりますが、実際の臨床現場では違う方法、BCPの改良法がだんだん、恐らく6〜7割を占めていると思います。ただ、BCGがなくなっているわけではないのも実情で、このBCGとBCPの間には、いろいろ言われていますけれども、0.3ぐらいの開きがあるという提言が検査学会のほうからございまして、今、議論している最中であります。

 そうしますと、ネフローゼ症候群の診断基準も、少なくとも次の腎学会から出すガイドラインでは変える必要が出てくる可能性もありますが、実際の臨床の現場では、低蛋白血症、大量のアルブミン尿、蛋白尿という点では大きな混乱は生じていない。BCGであってもBCPであってもそのように認識しておりまして、今、あえてこの検査法をBCGに限るという記載を入れると、むしろ混乱を生ずるのではないかと私は思っております。

 

(池上事業管理課給付事業室長)

 先ほどの説明がちょっと不十分だったかもしれません。

 お手元にお配りしている診断書の裏面をごらんいただくと、肝疾患について書いてございます。

 マル13肝疾患の右手に(3)検査成績という表がございます。検査項目の上から7番目に血清アルブミンを記入する欄がございまして、ここではどの検査方法による数値かを書いていただく形にしています。認定基準上BCG法と書いてあるのは、基準値自体はBCG法による数値で考えてあるということです。換算式が出ているようでございますので、ここで、例えば改良型BCP法で計測された場合には、それは適切に換算し、軽度異常なのか中等なのか重度なのか判断するときの基準は換算後のものでやることにすれば、検査方法自体を縛ることにはならないのかなと考えております。

 

(相川座長)

肝臓のところにはこの3種類の方法が記載してありますが、腎臓のほうには記載してございませんね。

 

(池上事業管理課給付事業室長)

 そうですね、今はありませんで、検査方法の区別なく記入していただく。そうすると、検査方法によってちょっと数値のブレが出てきてしますので、どの検査でやったかを明らかにしていただく必要があろうかと思います。診断書のほうは。

 認定基準のほうは、どの検査方法での線引きなのか明らかにしていただく必要があるのではないかと思います。

 

(相川座長)

 ということは、肝臓に準じた書き方に変えるのが望ましいということでしょうか。

 

(池上事業管理課給付事業室長)

 そのほうが、実際に認定していただくときに迷いが少なくなるのかなと思いますけれども。

 

(相川座長)

 皆さんやはり同じように揃えたほうがよろしいのではないかというお考えではないかと思いますが、よろしいでしょうか。

 その他の項目として、他に何か検討課題があるか、検査項目として検討課題があるかということでございますが、いかがでしょうか。

 

(成田構成員)

 先ほどの件ですけれども、肝臓のほうではBCPとBCGの補正の仕方は指定されているんですか。

 

(関口障害認定企画専門官)

 肝臓疾患のほうでは血清アルブミン数値について、今、成田先生がおっしゃったように、まず日本臨床検査医学会から、BCP法改良法による測定値に0.3を加えた値がBCP法での推計値に近似するということですので、それを指標として日本年金機構の本部から全国認定医の先生方に周知して、やっていただいているところでございます。

 

(相川座長)

 肝疾患の場合は、肝臓自体が悪くてアルブミンの産生能力が落ちて具合が悪くなる。腎臓の場合には、特にネフローゼ症候群で蛋白が喪失するために血清アルブミンが低下する。ちょっと機序が違うとは思うんですけれども、検査値にそれを反映しているかどうかということになってしまいますが。病態が違いますからね。そこまで考える必要はないと言えば、そうなんでしょうけれども。

 それでしたら、この3種の検査法について、事務局でまた少し調べていただいて、ご意見をいただけますでしょうか。

 それでは、ウのマル1からマル3の異常値が現在のままでいいか、見直すべきものがあるかということでございますが、3ページの別紙1で、一応軽度・中等度・高度異常ということで規定されております。これについて、現在のままでいいかどうか、または先ほど議論がありましたeGFRなどをここに追加したほうがいいかどうか、そういうことだと思いますが、いかがでしょうか。

 

(山縣構成員)

 さっきも出てきましたけれども、まず血清クレアチニン値の問題が1つあるかなと思います。特に最近、透析を始める患者さんたちが高齢化して痩せた筋肉量の少ない患者さんがふえてきて、現在のままクレアチニンの8以上イコール高度異常となっていますと、本来の重症者、実際にはクレアチニンが5に満たなくてもかなり重症な症例がありますので、その点は何か補えるような区分に変えられたらいいのかなという気がいたします。

 恐らくデータの中では、クレアチニンが低くても高度な場合には、例えばクレアチニンクリアランスを参照しなさいとか、何かそういった形にならなければいけないので、このままこの区分をつづけますと、8イコール高度ということだけは修正できればと思います。

 

(相川座長)

 今、山縣構成員から我々が常に臨床で感じていることを言っていただきましたけれども、いかがでしょうか。ご意見ございませんか。

 皆さん、山縣構成員のご意見にご賛同いただけますでしょうか。これだけではちょっと不十分ではないかというご意見でございます。

 そうすると先生、具体的に、値を見直すのではなくて追加すべき項目を考慮するべきなのでしょうか。

 

(山縣構成員)

 状況によって、何を重視するかを明示するしかないのかなとは思うんですけれども。

 今のままですと、どうしてもこれまでのいろいろな認定の中で、クレアチニンの数字だけが確実に埋まるせいもあると思いますけれども、注目されやすい数字になってきていますので、このあたりが実際の腎不全とずれてきていますので、変えられるではないですね、よりよい判断の仕方、区分の仕方を考えるといいますか。

 

(相川座長)

 透析の導入のときには、自覚症状とかそういうものも書くことになっておりますが、客観的な項目ということでこの値が出ていると思うのですが、いかがでしょうか。

 

(田熊構成員)

 3ページのこの表なんですけれども、ア、イ、ウでウは3つ、計5段あるわけですね。ア、イは腎機能に関して、ウはネフローゼの指標で、ウは基本的に1級、2級にはほとんどかかわらないので、少なくとも3項目は要らない、どこか減らして、その代わりに何か、先ほどのeGFR等を入れるとかしないと話が進まないような気がします。かつ異常の程度……、どの項目に絞るかによって議論しないと進まないような気がします。

 

(相川座長)

 ということは、ネフローゼとこれをはっきり分けたほうがよろしいということでございますか。これは上が腎不全、下がネフローゼとなっておりますが、これだと何か同じ腎疾患ということで一括されておりますが、これはやはり分けたほうがよろしいというご意見だと思います。

 

(田熊構成員)

 分けたほうがいいというよりは、実際この障害年金の対象となる患者さんの圧倒的な部分は腎疾患の指標が重要であって、ネフローゼが問題になるのは3級レベルの人たち。現実的にはね。となると、ネフローゼに関する指標は3つも要らないのではないか。どうせ5つにするのなら、ウの1項目は減らして腎機能の指標をもう一つ加えるべきではないかという感じがするんですけれども。

 

(池上事業管理課給付事業室長)

 項目についてはおっしゃるとおりで、無尽蔵にふやしていくと判定自体も非常に複雑になるので、一定のスリム化も念頭に置いていただきながら、加えることについてもご検討いただければと思います。

 必ずしも5項目でないといけないということではないんですけれども、先ほどもちょっとご紹介したように、ウのマル1などはなかなかこれも測定が難しいということで、現にこれを見ていないということであれば、これを削るのも有力な案ではないかと思います。その上でまた追加すべきものについて先ほどご意見がありましたので、さらに考えていくことが妥当かなと思います。

 

(成田構成員)

 ネフローゼ症候群についてですが、大量の蛋白尿がネフローゼ症候群の病態の主体ですので、これは残すべきだと思うんですね。蛋白尿がいっぱい出ている、これは記載するべきで、しかし、1日尿蛋白量というと蓄尿しなければいけなくなるので、先ほど渡邊先生もおっしゃっていたように安全管理面での問題が出てきます。そういうことで、今、ネフローゼ症候群のガイドラインではグラム/グラムクレアチニンという単位が認められていますので、その項目を入れたらいいのではないかと思います。

 もう一つ、アとイですけれども、先ほどいろいろご意見出ましたけれども、実際に今、臨床現場で透析するかどうか、移植するかどうかという判断では15という値がリミットになると思いますので、縦の軽・中・高度の割り方ですけれども、余り3つに分ける意味はなくて、15以上か以下かで分けたほうがすっきりするのではないかと思います。

 

(相川座長)

 まず、蛋白とクレアチニンの比がある程度指標になっているということでございますので、この1日尿蛋白量ではなくて、むしろこちらの指標を使ったらどうかという事だと思います。

 それと、軽度異常、中等度異常、高度異常と言うよりもむしろ2つで、15以上か15未満かで分けたほうがよろしいのではないかというご意見でした。

 これに関して、いかがでしょうか。もう余り時間がございません。本当は次に進まないといけないんですが。

 ご意見ございますでしょうか。

 

(山縣構成員)

 3段階でなければいけないのでしょうか、軽・中・高と。今の成田先生のお話は15、要するに高度とそれ以外の2段階。確かにそうすれば非常にすっきりするんですよね。

 

(和田事業管理課給付事業室長補佐)

 これは次の課題に出てきますけれども、障害年金の場合1・2・3級とありますので、そこを区分する意味で3つ設けているということでございます。

 

(山縣構成員)

 肝臓は2段階ですね。中・高と。

 

(池上事業管理課給付事業室長)

 その意味では、人工透析を導入するかどうかの指標が今、議論になっているところですけれども、人工透析を導入すべき基準が必ずしも障害年金における高度異常とは限らないと思っています。障害年金1級が大体高度異常に相当するということで、今、やっているんですけれども、1級の方の患者像というと、ほぼ寝たきりで活動範囲は病室の中、日常生活についてはほとんどみずからすることはできないといった形になりますので、では透析の導入基準が年金の等級で言うとどのぐらいになるかは、またご議論いただければありがたいと思います。

 

(渡邊構成員)

 今の意見のところですけれども、透析は基本的に2級ですね。1級のところに、67ページに「なお、主要症状、人工透析療法施行中の検査成績、具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する」という文言がございますが、結局は、人工透析療法施行中の検査成績ではこの1級、2級は変えられないので、この文言がおかしいと思うんですね。要するに、寝たきりかどうか、日常生活、ADLがかなり落ちていてオになっているかどうか、そこで1級と2級が決まってくるので、ここに検査成績の値が入るのが、ちょっと何かそぐわない印象がございまして、後で申し述べようと思ったんですが、そこも含めて重症と軽症、中等症ですか、言葉としてはなかなか難しいところだと思いますね。

 

(相川座長)

 かなりご議論が盛んではございますが、これについてはペンディングにしていただいて、次の項目にまいりたいと思います。

 それから皆様、今回議論しなかったベータ2マイクログロブリンとかNAGの件とか、これもまた後でお考えいただけるとありがたいと思います。これは次回の検討課題として残させていただきます。

 次に進めたいと思いますが、障害認定基準(腎疾患による障害)の検討課題1−2について、事務局からご説明をお願いします。

 

(関口障害認定企画専門官)

 では、続けて説明させていただきます。

 資料5の7ページ、検討課題1−2、障害等級判定の評価基準について説明いたします。

 8ページの(参考)、一般状態区分表も併せてごらんいただければと思います。

 では7ページに戻りまして、各等級の障害の状態の規定について、見直す必要はあるかどうかでございます。

 論点としましては、慢性腎不全とネフローゼ症候群の確認すべき検査項目を分けた場合については、どう等級を判断するべきかということです。

 現行の基準では、資料5の3ページにあります別紙1、検査項目の検査数値にあります異常値と一般状態区分により等級判定を行っているところでございますが、具体的には、右の欄にあります2(6)の規定の1級から3級の規定に書いてあるとおりでございます。

eGFRを評価の対象とすべきということですので、eGFRによる場合も含めてどう等級判断するべきか、先生方のご意見をいただきたいと考えております。

 検討課題1−2についは、以上です。

 よろしくお願いいたします。

 

(相川座長)

 これは既に議論の対象になっていて、先ほど2つに分けたほうがいいという話が既に出てしまったんですけれども、いかがでしょうか。

 高度異常、中等度、そして軽度ということで実際、等級が分けられているのが現在の状況なんですけれども、これに関して。

 

(渡邊構成員)

 これこそまさに一番の問題です。7ページの「検査成績が高度異常を示すもので、かつ、一般状態区分表のオに該当するもの」これに該当するのが寝たきりになっている患者ですが、こういう人ほど血清クレアチニンは低くなる、例えば3とか。透析をやっていてもですね。その人がどうしてこんなにクレアチニンが低いかを見極めるために、残存の尿量があるかどうかを愛知県ではいつも見ているわけですね。尿量が500以下であれば、これは透析しなければいけない状態だと。透析導入していますから、もうクレアチニンクリアランスは測らないわけです。そうすると、血清クレアチニンが8を超えるのが高度異常という診断基準になっていますが、実際、動けない人だから血清クレアチニン値が下がってくるので、この高度異常と臨床症状のオとは全く真逆のことを言っていると私は思いますが、皆さんいかがでしょうか。

 

(山縣構成員)

 私も全く同感で、そのとおりだと思います。

 クレアチニンの数字が高いもの、あるいは腎機能の程度をこういう形で血清クレアチニン値をもとに調べようとするとそういう問題が生じますので、例えば、資料4ページの肝臓のほうには「腹水あり」とか「難治性腹水あり」という数値では無い病状による評価が入っているんですよね。それから今、渡邊先生がおっしゃったように、例えば無尿、乏尿、無尿ですと100ミリ以下、乏尿ですと400ミリ以下、それと「そうでない」というぐらいにすると、腎機能としては高度かどうかわかりやすい数字になるのかなという気がしますので、新たな項目には関係すると思うんですけれども、そのようなものを入れていただければ。

 

(相川座長)

 尿量の項目を入れたらどうかという具体的なお話が今、出ておりますが。

 少なくともこの血清クレアチニンの値だけでは、現状では判定できないのではないかというご意見だと思います。

 いかがでしょうか。皆さんご賛同いただけますでしょうか。

 やはりこれはこの値だけでやっていると、今の時代、かなりご高齢の方が腎不全になられて、これもクレアチニンはなかなか上がらなくて、こういう方がADLが悪くて、本来1級に相当するものがこの値によって適応なしということでは真逆になってしまうということでございますが。

 皆さん大体一致したご意見ということでよろしいでしょうか。

 それでは、既に前段階でいろいろ議論をいただきましたので、次にまいりたいと思います。

 検討課題2について、事務局から説明をいただけますか。

 

(関口障害認定企画専門官)

 それでは続いて、資料5の9ページ、検討課題2、人工透析療法施行中のものの認定の取り扱いについて、説明いたします。

 まず項番(1)は、健康内容として、人工透析療法施行中のものについては、2級以上とする現行の取り扱いでよいかどうかでございます。

 日本年金機構の認定医の先生方から、人工透析は、医療機器、医療技術の進歩から、患者さんの体調管理の面において素晴らしい成果を示しており、生活面、労働面でも画期的な改善を見せるまでに至っているとのご意見があります。また、一般的に、透析を施行したとしてもおおむね日常生活自体は可能であるなどのご意見があることから、今回、論点として示したところでございます。

 最近の医学的知見や日常生活の状況等を踏まえながら、専門家会合において、現行の認定要件を見直す必要があるかどうかご議論をいただきたいと思っております。

 なお、右の欄に、現行の人工透析療法施行中の場合の規定を記載しております。

 また、10ページの別紙3に他の疾患、ここでは第10節呼吸器疾患による障害の規定を挙げさせていただいておりまして、C(8)在宅酸素療法を施行中のものについては、原則として次により取り扱うということで「ア常時(24時間)の在宅酸素療法を施行中のもので、かつ、軽易な労働以外の労働に常に支障がある程度のものは3級と認定する」と記載されています。

 次に、項番(2)は、検討内容といたしまして、人工透析療法施行後の検査数値を記載する現行の取り扱いでよいかどうかでございます。

 障害年金については、障害により生活の安定が損なわれることの防止を目的とする所得保障の制度でございます。この障害年金の制度趣旨を踏まえ、治療を行ってもなお残る障害の状態を把握するため、人工透析療法を実施後の検査成績を記入していただいております。

 なお、右欄には参考といたしまして身体障害認定基準を一部抜粋して記載しております。その腎機能障害の「慢性透析療法を実施している者の障害の判定は、当該療法の実施前の状態で判定するものである」と記載しています。現行の年金制度の取り扱いでよいか、ご意見をいただければと思っております。

 以上で、検討課題2に説明を終わります。

 どうぞよろしくお願いいたします。

 

(相川座長)

 まず9ページ、認定の取り扱いついて、透析施行中のものについて2級以上とする現行の取り扱いでよいかどうかということでございますが、構成員の方からご意見を伺いたいと思います。

 

(渡邊構成員)

 社会復帰を目指して透析療法をやってきた者としては、社会復帰できることは非常に患者さんにとって福音だと思っておりますが、しかし、なお週3回、1回最低4時間の時間を透析で束縛されるということは、この病にかかわる者にとっては非常に辛いものでありますので、人工透析をするものにおいて障害者の認定をすることは、仕方のないことではないかと私は思っております。いかがなものでしょうか。

 社会復帰していても、それは大きな制限を受けておりますし、決して普通の、会社の中で地位が上がっていくとかそういう状況ではありませんので、若い人にとっては、特に障害者年金は65歳以下の人が対象だと思いますけれども、そういう人であればあるほど、長く生きてもらうためには、我々は、もっと長い時間の、長時間透析を今、進めている現状の中では、透析をやっている人でこういう障害者年金をいただける資格、資格というのも情けない話ですけれども、そういう方に2級を進呈するのは当然、弱者救済の観点から重要なことかと思っております。

 

(相川座長)

 まず、2級として認定することには、透析をしている方はそのままでいいのではないかというご意見だと承りましたが、いかがでございますか。

 この検討内容としては、2級以上とする現行の取り扱いでよいかどうかということでございます。

 つまり、透析をした後、いろいろな合併症等々で具合が悪くなった場合に、それを2級以上として、例えばもっと高度な認定にしてよろしいかどうかという解釈でよろしいんでしょうか。

 

(池上事業管理課給付事業室長)

 問題意識は、先ほど関口からご紹介させていただきましたけれども、透析の技術についても非常に進展があると伺っておりますし、日常生活の支障度合いという観点から障害の程度を評価する障害年金制度において、人工透析を実施されている方について、2級相当の日常生活上の困難があると見るのか、そこまではないと見るのか、そこが1つの議論のポイントかなと思います。

 

(相川座長)

 これは難しいところでございますが。

 

(田熊構成員)

 先ほど呼吸器疾患と比べて、言ってみれば腎疾患の2級の人のほうが状態が良過ぎるのではないか、要は臓器別のあれで言うとバランスが悪いのでないかという意見なんだと思うんですよね。そういうことは、確かに実感としてはあるんですけれども、ただ、これをここの委員会で決める問題かと言われると、これはめちゃくちゃ重い問題で、我々がもしこれを2級に該当しない、3級だとしたら、とんでもない話になってしまうので、ちょっと勘弁してほしいなという部分が1つあります。

 もう一つは、やはりどの程度の日常生活上の支障かということに加えて、全身状態そのものは、順調な透析を受けていれば腎疾患のほうがはるかに軽いとは思いますが、やはり社会的な意味で拘束される時間が余りにも多いという部分はあるわけで、そういう部分を含めて判定していただくということでないと、透析患者さんのあれは成り立たないんだろうと思います。

 

(相川座長)

 今、田熊構成員からそういうご意見が出ましたが、いかがでしょうか。

 山縣構成員、何かご意見ございますか。

 

(山縣構成員)

 田熊先生のご指摘通りで実際に拘束される時間が長い分、労働面で不利になるのは間違いない透析の問題点であり、この点は今のところ改善されていない。しかもより若い方ほど長い時間の透析が必要になる部分もありますので、この点は十分考慮しなければいけないと思います。あえて言うならば、実際に、仕事に就いて年金を必要としないぐらいの給与所得があるような方が多くおられれば別ですけれども、そうでない限りは、ここでこの等級を変えるのはなかなか難しいのではないかという気がいたします。

 

(成田構成員)

 私も皆様と同意見であります。

 確かに、在宅酸素療法をやっている方が軽微な労働が可能な方は3級ということで、恐らくそれに比べると透析患者は恵まれているのではないかというご意見だと思うんですが、やはり拘束時間等々を考えますと、やはり現状のままでいいのではないかと思っております。

 

(相川座長)

 現状のまま変えずに2級の認定でよろしいのではないかというご意見が多いと思いますが、北島構成員から何か。

 

(北島構成員)

 新たな問題が起こったときは、その疾患に関してまた検討すればいいのであって、現状ではこれでいくのが一番いいのではないでしょうか。

 それから、クレアチニンの値と筋肉量の話が出ましたけれども、以前と比べて、やはり高齢者の透析が非常にふえておりますので、その辺のところ、透析導入基準も一緒にもう一回見直しをして、これは年金の認定の話ですから、そういう話はよく理解できますけれども、ちょっとクリアにできないものか、この次の集まりのときにお知恵を拝借できればと思っております。

 

(相川座長)

 透析療法自身が、透析を受けないと命にかかわるまでに至る、そういうものだと思うんですね。だから、確かに透析を受けてお元気な方もいらっしゃいますし、もちろん夜間透析を受けて昼間働いている方もいらっしゃいますけれども、そうかといって、その等級を変えてしまっていいかどうか。それはなかなか難しいのではないかという皆さんのご意見だと承りました。

 次の項目でございますが、これは先ほどから問題になっております、人工透析の施行後の検査数値を記載する現行の取り扱いでよいかどうか。これについてご意見を伺えますか。

 

(山縣構成員)

 例えば、我々が透析に入る段階での透析導入基準という考え方では、確かに先ほどのeGFRが非常に重要な数字になってくるんですけれども、透析を開始して1.5年たった段階では、現実に日常臨床の中ではeGFRあるいはクレアチニンクリアランスという数字を使うことは、まずないんですね。その点がちょっと、今の書き方に問題があるような気がいたします。

 ですから何か別の方法で、本当の意味での1.5年たった段階での高度かどうかの判断の基準は、今後、検討して少し別の方法を考える必要があるのかなという気がいたします。

 

(相川座長)

 現行では、例えば血清クレアチニンの値などは、透析前の値を皆さん記載しているんでしょうか。透析後の値を出すと血清クレアチニンが改善されてしまいますが、別にこれは腎機能がよくなって改善したわけではないですから、書類上は、やはり透析直前の値を測定して書いていらっしゃるんですかね。

 

(成田構成員)

 これはセッション直後の値という意味ですか。私、誤解していましたが、透析導入されて1年ぐらい経過したときの、透析セッション前の値を書くものだと私は思っておりました。

 というのは、透析後の検査値で透析患者さんの重症度は全く測れませんので、むしろ透析前にどれだけ尿毒症が起こっているかが問題ですので、そのように理解していましたが。

 

(相川座長)

 これは透析を導入した後の状態を書くということですね。透析のセッションごとの状態ではない……。これはどういう意味でしょうか。

 

(関口障害認定企画専門官)

 今、言われたように、セッション後にご記入いただくことになります。

 

(渡邊構成員)

 通常我々も書くときに、発症から1年6カ月で書きますので、導入した後のデータを2カ月か3カ月置きに書いて出していると思っていますけれども。それは、透析導入して離脱できる人もいるものですから、そういう意味で、透析導入後のデータを2カ月後とかそういうところで出すのが重要なことかなと思っています。

 要するに最後のところで、予後のところで、この透析療法は永遠に続くものであるということを皆さん書かれると思いますけれども、そういうことの確認のためのデータだと思っていましたけれども。

 

(相川座長)

 ということは、セッションということではなくて……

 

(渡邊構成員)

 セッションではなくて、日にちを変えて1カ月後、2カ月後を書いているのではないかと。皆さんそうしてみえませんか。

 

(和田事業管理課給付事業室長補佐)

 ここでは、施行した後であってもなお数値が悪いかどうかを見ることになりますので、透析後の……

 

(相川座長)

 ということは、具体的に言うとセッションの前の採血の値ということになりますね。

 

(和田事業管理課給付事業室長補佐)

 セッション後です。

 

(渡邊構成員)

 今、言われたのは治療前後という意味ですか。透析をやるときに、血清クレアチニンが10ぐらいで透析を始めて、きれいにすると4とか3になって帰られますね。それがセッション前後ですけれども、そうではなくて、治療前の慢性腎不全の値が何カ月も続いているということを記載すればいいわけですよね、これは。

 

(池上事業管理課給付事業室長)

 もしかしたら実際に記入していただいている皆様との意識のずれがあるのかもしれませんけれども、私どもとしては、まず透析導入前か後かで言ったら、当然後だろうと思っています。透析導入後のどの時点かということですけれども、1回時間ないし4時間透析をするとしたら、その3時間ないし4時間の透析が終わった後の数値を書いていただくものと思っていました。

障害年金はさまざまな治療をした上でもなお残る障害状態について、日常にどのくらい支障があるかを評価して支給するという制度の趣旨になっておりますので、そういうことだと理解しています。

 

(山縣構成員)

 恐らくこれは、我々書く側との誤解があることがよくわかりました。ですから、ここら辺をしっかり整理して記載することが重要なのかなと思います。

 我々の立場からしますと、各セッションの3時間、4時間やった後の透析後の数字は、かなり人工的に変えることが可能。例えば毎回透析後の血液の流量や透析の時間を延ばす。そうすると、その数字はどんどん下がっていきます。したがって、患者さんの障害の程度とは全く別の問題の数字になってしまいますので、もし障害の程度を知るのでしたら「透析導入後」の「毎回透析の前」の値を記載したほうが、状態を評価するにはよりいいのかなという気がいたしますし、その点はまたよく議論できればと思います。

 

(相川座長)

 今、ご意見が出ておりますが、身障者の認定基準では、当該療法の実施前の状態で判定するものであると、右の認定基準の取り扱いのところに記載してありますよね。だからこれは少し、今の状態では違うということですね。

 

(関口障害認定企画専門官)

 座長がおっしゃったとおり、違います。趣旨は、先ほど池上室長が申し上げたとおりでございます。

 

(相川座長)

 これはどうでしょうか。どうも皆さん考え方が違っていたようなので、山縣構成員がおっしゃるように、ここら辺は少し変える必要があるということになりますでしょうかね。

 田熊構成員からご意見いただけますか。

 

(田熊構成員)

 それで結構だと思います。

 

(相川座長)

 そういうことで、慢性腎不全の障害認定というのは、急性腎不全ではないということでございますので、そこら辺も考慮しながら、ここの辺の文言は変えないといけないかもしれませんね。

 ありがとうございました。

 次の検討課題3、腎移植の取り扱いに進んでよろしいでしょうか。

 まず、事務局から説明をいただきます。

 

(関口障害認定企画専門官)

 続いて資料5の11ページ、検討課題3、腎移植の取扱いについて説明させていただきます。

 現行の認定基準では、第12節の腎疾患による障害の基準には腎臓移植の規定が直接規定されておりませんので、右の欄にあります臓器移植一般の規定である第18節/その他の疾患による障害に書いてあります内容に基づいて認定が行われております。

 具体的には、現行の認定基準2(11)では「腎臓移植を受けたものに係る障害の認定は、本章第18節/その他の障害の認定要領により認定する。」と記載されており、その第18節2の(7)臓器移植の取扱いについては、ア臓器移植を受けたものに係る障害認定に当たっては、術後の症状、治療経過及び検査成績等を十分に考慮して総合的に認定する。イ障害等級に該当するものが、臓器移植を受けた場合は、臓器が生着し、安定的に機能するまでの間、少なくとも1年間は従前の等級とする。なお、障害等級が3級の場合は、2年間の経過観察を行うと規定されております。

 しかしながら、これまで各臓器移植に応じた経過観察期間等を踏まえて認定できるよう、心臓移植を行った場合と肝臓移植を行った場合について、各節に規定を設けたところでございます。同様に、腎臓移植を行った場合についても個別に規定を設けることを考えております。

 この点について、先生方にご議論いただきたいと思っております。

 まず検討内容として、項番(1)は、腎移植を行った場合の等級決定についてどのように規定すべきかです。通常移植を行った場合、腎機能が良くなり、そのときの状態を判断して認定を行っているところです。

 次に、項番(2)は、決定した等級はどの程度経過観察を行うべきか。また、再認定は第18節2(7)イの部分をどのように判断すべきかでございます。

 ご参考までに、他の疾患の例であります肝疾患による障害の移植部分を、下段に抜粋しております。

 肝臓移植をした後、1年間経過観察を行い、再認定しておりますが、これは肝臓移植の専門の先生から術後、安定するまでには半年から1年間は経過観察を行うとのお話がありまして、昨年度の専門家会合での議論の上、まとめられたものでございます。こうした他の疾患の例をご参考にしていただいて、ご意見をいただければと思います。

 続いて12ページ、検討課題4、その他の検討事項について説明いたします。

 検討内容として、項番(1)合併症については、認定要領2(10)の規定により考慮することでよいかどうかでございます。

 右の欄には、現行の認定要領2(10)の規定を記載しております。この規定は、腎疾患による合併症が生じた場合には、その合併症の病状も参考として、総合的に判断することを念頭に置いた規定であると考えております。

 また、13ページの別紙4に他の疾患の例として、障害認定基準第13節/肝疾患による障害の2(10)食道・胃などの静脈瘤、(11)肝がんの規定を記載しておりますが、これらは肝硬変症に付随する病態との位置づけで規定しているものでございまして、ご参考にしていただければと思います。

 本題は以上になりまして、最後に、欄外にありますその他について説明させていただきます。

 これは現場の認定医の先生方から、腎疾患の初診日の証明が難しいとのご意見が多いことから、先生方のご意見をいただきたいと考えて、本検討課題の枠外に記載しました。認定基準上の論点ではございませんので、この会合において何らかの結論を得るということはありませんが、先生方のご意見をいただければと思います。

 以上です。どうぞよろしくお願いいたします。

 

(相川座長)

 今、事務局から説明がございました腎移植の取り扱いについて、これが2つ、そしてその他の検討課題では合併症のこと、もう一つはその他として、糖尿病による合併症の因果関係の初診日の証明、そういうご議論をしていただきたいと思います。

 まず、腎移植を行った場合の等級決定についてどうしたらいいかということでございますが、ご意見ございますでしょうか。

 

(北島構成員)

 現時点においては、腎移植を行い血清クレアチニンが基準値に下がってきたとき、それは2級15号で2年間経過を見ることが指示されているものですね。そして2年たってもその基準が満たされていれば、そこで打ち切りということを現場ではやっております。

 

(相川座長)

 今、実際の取り扱いを説明していただきましたが、これはどうなんでしょうか。2年間と大体もう規定されているものでございましょうか。

 

(和田事業管理課給付事業室長補佐)

11ページに認定基準、右側にその他の疾患による障害のところに書いてございます。そのイですけれども、少なくとも1年間は従前の等級とすることと、ただ、障害等級3級の人の場合は2年間の経過観察ということで、分けた形で書いております。

 

(北島構成員)

 透析をやっている患者が移植を受けるということですから、移植を受ける段階において既に2級15号になっているわけです。ですから、成功すればそれを2年間継続するというのが現在、行われている方法です。

 

(和田事業管理課給付事業室長補佐)

 「少なくとも1年間」という形で書いておりますので、まずは1年は継続といったことでご理解いただければと思います。

 

(相川座長)

 肝臓の場合には、1年を従前の等級とすると。少なくとも1年間はという文言ではないですね。この点について、いかがでしょうか。

 

(関口障害認定企画専門官)

 術後の生着期間、安定期間について先ほど説明いたしましたが、再度補足させていただきますと、肝疾患の例でございますけれども、肝臓をご専門とする先生に、術後半年間から1年間たてば8割はよくなるという例を聞いております。実際のところ、術後安定するまでの経過観察期間は半年でもいいとのお話をいただいておりまして、そこで年金制度のシステム上、1年間と設定させていただいたものでございます。

 

(相川座長)

 肝臓に関してはそういうご意見が出ているということですけれども、腎臓に関して、何かご意見ございますでしょうか。

 私は腎移植専門なので、ちょっと意見を言わせていただきます。

 今の腎移植の生着率、生存率は、生体腎移植であれば5年で90%を超えていて、非常にいい成績だということ。献腎移植、亡くなった方からの移植でさえも80%以上の生存率、生着率は80%近く、79%というのが出ております。だから非常に生着率がいい。

 最近のデータでは、1年では生体腎移植の場合は当然90%を超えているということになって、昔の生着率とはかなり違う。一般的には、3カ月ぐらいすると維持の免疫抑制療法になって、その後の急性期拒絶反応等々は比較的少ないと言われているのが現状でございます。

 それを鑑みると、肝移植に相当するような成績が出ているということですが、肝移植と同じように扱うかどうか。または、臓器によってそれはもう違うんだというご議論があっても当然だと思いますが。

 腎移植に関して、私ばかり話していても何なので、どなたかご意見をいただけるとありがたいんですけれども。

 田熊構成員が、東北地方の患者さんの移植をたくさんやられていますが。

 

(田熊構成員)

 それほど詳しくはないんですが、やはり肝臓と同様に、1年ぐらいは従前の等級が適切なのではないかという気はします。

 

(相川座長)

 成田先生のところでもたくさんの腎移植をおやりになっていると思いますが。

 

(成田構成員)

 私も1年でいいと思います。

 

(相川座長)

 具体的に、もう簡潔に1年ということが出てしまいましたが、北島構成員から何か。

 

(北島構成員)

 現時点で2年と指示が出ているので、これを1年に変えるということなんでしょうか。そういう指示が出れば、またそれに従って作業はしますけれども、現時点では2年間。

 

(池上事業管理課給付事業室長)

 そうですね、今まさに規定が「少なくとも1年間は」ということになっていて、上限が定められている格好ではございませんので、この認定基準を受けて、機構のほうで2年間という統一的なやり方でやっていただいているんだと思います。

 ただ、2年間まで見る必要があるのか、それとも1年で大体定着するのかということについては、ぜひ今回、皆様のご意見をいただきまして、1年でいいということであれば認定基準を改めるような形で対応させていただければと思います。

 

(相川座長)

 それでしたら、次回に腎移植の成績、先ほど私、申しましたけれども、生着率、生存率、それからできれば移植患者の生活の質を調査したものもございますので、それを資料として挙げていただけますでしょうか。それを踏まえた上で議論させていただきたいと思います。

 それでは、どの程度経過を観察すべきかというのは、やはりそれにもかかってまいりますので、次の議論に回させていただきまして、12ページの検討課題4、合併症についてご議論いただきたいと思います。

 腎疾患の合併症は非常に多岐にわたっておりますが、これについていかがでしょうか。何かご意見ございますでしょうか。

 腎疾患による障害が腎外症状として出た場合、それを書いていただいて、それも考慮した方がいいのではないかということだと思いますが。

 

(渡邊構成員)

 この質問の趣意は、何か合わせ技で等級が上がるとか、そういう意味を持っているんでしょうか。例えば腎障害、透析があってそれに関連して脳出血を起こして寝たきりになったから1級になるとか、そういう意味なんでしょうか。質問の趣旨がよくわからなくて。認定基準の取り扱いの腎疾患による障害というのは、それはいろいろなものがありますけれども、そういうものを見るわけですよね。ADLにかかわるような合併症を言っておられるんでしょうか。例えば副甲状腺が悪くなって骨が折れやすくなります。大腿骨頸部骨折になったとか圧迫骨折になったということも含めて、それでADLが落ちたら1級になるとか、そういうことですか。

 

(関口障害認定企画専門官)

 2(10)の規定で想定しておりますのは、先ほど簡単に説明させていただきましたけれども、腎疾患による合併症が生じた場合に、その合併症の病状も参考として総合的に判断することを念頭に置いた規定でありまして、例えば肝疾患の例を参考に、13ページの別紙4で挙げさせていただきました食道・胃などの静脈瘤があることによって、その症状をプラスαして上位等級になるといったことも考えたものでございます。

 そのようなものが腎疾患にあるかどうか、あれば記載することも検討させていただきたいと思っております。

 

(相川座長)

 長期の透析患者さんの合併症は非常に多岐にわたると思いますけれども、山縣構成員、何かご意見ありますか。

 

(山縣構成員)

 恐らく原疾患という点ではかなり特殊な疾患にはなりますが、例えばアミロイドーシスであったり多発性骨髄腫であったり、こういう疾患から慢性腎不全、透析になる患者さんがおられますので、その場合には当然ですけれども重症の状態です。ですから、確かに疾患による違いはあることが事実である。ただ、このような重篤な原疾患による透析患者の数はそんなに多くないんですね。だから、そこをどこまで対応するかという問題があると思います。

 現在透析導入の原疾患として最も多いのは糖尿病性腎症で、この文章の中にも全体として書き直さなければいけない部分が結構あるような気がしております。例えば67ページの9項に書いてある疾患は、糸球体腎炎、多発性嚢胞腎、腎盂腎炎……と書いてあるわけですけれども、今で言うと糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、腎硬化症が三大疾患ですよね。こういう中身の変更も、また必要なのかなと思います。

 

(田熊構成員)

 多分、事務局のあれは、腎疾患で2級をもらっていた、透析をしていた、その人を1級にする際に何か客観的なものがあるかということなのではないかと思うんですけれども、腎疾患患者さんでもしADLがうんと低下するとすれば、長期透析による透析関連アミロイドーシスではないかと思うんですね。破壊性脊椎症とか。そういうものがあればADLは非常に低下しますので、多分その辺ぐらいかなと。

 肝臓であれば静脈瘤とか肝がんということだとすれば、腎疾患の延長でやるのは多分、透析関連アミロイドーシスの所見があれば1級にしてもいいみたいなことかなと。

 他にはちょっと思いつかないんですけれども。

 

(池上事業管理課給付事業室長)

 まさに問題意識は、腎疾患の治療を続けていく中で特異的に出てくるような合併症みたいなものを挙げていただいて、今でも2の(10)のところでそれによって生じる臨床所見などもいろいろあるのでよく見てくださいということで、総合認定をしていただいているわけですけれども、それをより、どこに注目すべきかといったことを道しるべとして書けるようなものがあるのかないのか。

 ただ、ここに書かれたとしても、だからそれですぐに上がるということではなくて、例えば肝についても、食道静脈瘤等が特有の症状として出るというお話はございますけれども、一方でコントロールもある程度しやすいというお話もありますので、最終的にはいろいろな症状を考えあわせて、認定医の先生に総合的に認定していただくことになろうかと思います。

 

(相川座長)

 室長から説明がございましたが、特に長期透析患者さんに関しては、アミロイドーシスとか心臓の合併症ですね、心循環系の合併症、脳血管系の合併症、感染症、それぞれ死因につながるような合併症が非常に多くある。また、慢性疾患でございますので、ADLが悪くて安静を必要とする合併症も多いということでございますので、この点についても考慮するような変更が少し必要ではないかと私は感じておりますが、そのようなことでよろしいでしょうか。

 具体的にはまた詰めたいと思います。

 最後に残りました糖尿病についてですが、これは感覚的に、臨床家であれば皆さんこれを書くのは難しいというのはご経験されたことがおありになると思いますが、これについていかがでしょうか。

 渡邊構成員、いかがでしょうか。

 

(渡邊構成員)

 確かに難しいんですけれども、腎臓の場合は初診日から1年6カ月たっていることが多いものですから、ただ、レイトリファーラルというか、本当に直近になってから開業医さんから紹介されたときには前医のところに持っていっていますので、やはり初発はなるべくはっきりしたものが決まったほうがいいと思っていますけれども。

 

(相川座長)

 ただ、長期に及ぶと、カルテの記載を見つけるのが結構皆さん苦労されると思うんですね。たとえ電子カルテ化されていたとしても、もっと前のということがございますので、なかなかそこまで辿れないという現状がございます。

 山縣構成員、いかがでしょうか。

 

(山縣構成員)

 やはり透析、腎不全だけを捉えるのであれば、ある規定を設けて、例えば「慢性腎不全と診断された日」と「慢性腎不全の原因を診断された日」が明らかに違うわけですから、もしかすると、そこを使い分けるという手はあのかもしれません。そうすることによって、今ですと、例えば慢性腎臓病(CKD)のステージ3などというのが一つの例になると思いますけれども、ステージ5にするのか4にするのかとか、そのようなところで1つ線を引く手はある。そして、そこを基準の日と言う決め方もあると思います。

 

(相川座長)

 糖尿病だけでなくて他のことにも、やはりこれは考慮しなくてはいけないというご意見だと承りました。

 成田構成員は何か。

 

(成田構成員)

 この診断書の様式を見ますと、今、問題になっているのはマル4の傷病の原因または誘引の初診年月日と考えてよろしいですか。もう一つ、医療機関における初診年月日を書く欄がありますが、どちらが問題になるんですか。

 

(池上事業管理課給付事業室長)

 制度的には、マル4のところですね。傷病の原因または誘引の初診日。

 

(成田構成員)

 マル8のほうは調べて事実を書くしかないと思うんですが、マル4については、これがいつかということは支給の要件には関係しないと考えてよろしいですか。

 

(和田事業管理課給付事業室長補佐)

 障害年金制度の概要のところでもご説明しましたけれども、初診日が非常に大事な基準になってきますので、どこの制度に加入しているか、また保険料の納付要件に関係してきます。

 

(成田構成員)

 マル4のほうが支給要件にかかわってくる初診日ということですね。

 

(和田事業管理課給付事業室長補佐)

 そういうことでございます。

 

(相川座長)

 そうすると、難しいということですね。

 田熊構成員、何かご意見ございませんでしょうか。

 

(田熊構成員)

 昔この点で悩んだのは、例に挙げられた糖尿病だと思うんですね。糖尿病の方がすべて腎不全になるわけではないし。だから、本来は糖尿病性腎症だったら蛋白が出るとか腎臓の機能が低下してきたとか、そういうところを基点とすべきなのではないかと個人的にはそう思うんですけれども、ただ、それがはっきりしている患者さんは非常に少ない。だから、およそ糖尿病と言われたところを初診日とせざるを得ないというのが現実かなと思うので、それはもうちょっと、古くなるのはしようがないのではないかという気がします。

 

(相川座長)

 審査する側から、北島構成員、何かございますでしょうか。

 

(北島構成員)

 全くそのとおりだと思います。

 

(相川座長)

 皆さん非常にご苦労されていることがわかったと思いますが、もう7時を過ぎておりますので、今回の検討はここまでにさせていただきまして、次回またこれをたたき台にして議論させていただきたいと思います。

 次回のことについて事務局からご説明をお願いします。

 

(和田事業管理課給付事業室長補佐)

 本日はどうもありがとうございした。

 次回の日程につきましては、9月29日月曜日の午後6時からの開催を予定しております。後日、改めまして開催場所のご連絡を差し上げたいと存じます。

 また、次回は関係団体からのヒアリングを予定しております。

 あわせまして、本日の議論を踏まえて事務局から見直し案のたたき台をお示しし、ご意見を伺い、整理させていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

(相川座長)

 それでは、本日はこれで終了させていただきます。

 皆さんいろいろご議論いただきまして、まことにありがとうございました。

 


(了)

照会先
厚生労働省年金局事業管理課給付事業室

代表: 03−5253−1111(内線3603)
直通: 03−3595−2796

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