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2014年9月3日 第107回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

老健局老人保健課

○日時

平成26年9月3日(水)10:00〜12:00


○場所

ベルサール九段 ホール(3階)


○出席者

阿部、安部(森参考人)、井上、内田、大島、大西、亀井(奥出参考人)、河村、小林、齋藤(訓)、齊藤(秀)、佐藤、鈴木、鷲見、武久、田中、田部井、東、平川、福田(亀田参考人)、堀田、本多、村上、山際(敬称役)

○議題

1.平成27年度介護報酬改定に向けて(介護人材確保対策、地域区分)
2.その他

○議事

○迫井老人保健課長 それでは、定刻となりましたので、第107回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させていただきます。

 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席を賜りまして誠にありがとうございます。

 本日の委員の出席状況でございますが、安部好弘委員にかわり、森参考人。

 亀井利克委員にかわり、奥出参考人。

 福田富一委員にかわり、亀田参考人に御出席をいただいております。

 以上より、本日は24名の委員に御出席をいただいておりますので、社会保障審議会介護給付費分科会として成立することを御報告させていただきます。

 なお、大臣官房企画官につきましては、公務により本日は欠席させていただいておりますので、御了解をいただきたいと思います。

 また、本日の議論に際しまして、社会・援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室長にも出席をいただいておりますので、御承知おきをいただきたいと思います。

 それでは、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。

 以降の進行につきまして、田中分科会長にお願いをいたします。


○田中分科会長 皆さん、おはようございます。御出席いただきまして、ありがとうございます。

 本日の議題は、介護人材確保対策と地域区分について、事務局から説明をいただき、議論を行います。資料の確認をお願いします。


○迫井老人保健課長 それでは、お手元の資料の確認をさせていただきます。

 まず議事次第、委員名簿がございます。

 資料1「介護人材確保対策について」。

 資料2「地域区分について」。

 参考資料1「平成26年人事院勧告【抄】(地域手当の見直しについて)」。

 参考資料2「東日本大震災に対処するための要介護認定有効期間及び要支援認定有効期間の特例に関する省令の改正(案)」。

 参考資料3でございますが、阿部委員提出の資料でございます。

 参考資料4は、平川委員提出の資料でございます。

 参考資料5は福田委員、これは亀田参考人でございますけれども、提出の資料でございます。

 参考資料6は、村上委員提出の資料でございます。

 資料は以上でございますけれども、資料の過不足等ございましたら事務局にお申しつけいただければと思います。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 では、議事次第に沿って進めてまいります。本日は先ほど申しましたように、介護人材確保対策と地域区分の2つのテーマがありますので、分けて議論を行います。

 初めに、介護人材確保対策についての議論を行います。事務局より資料の説明をお願いします。


○武内福祉人材確保対策室長 それでは、お手元右肩資料1に基づきまして、まず社会援護局福祉人材確保対策室長から御説明を申し上げます。

 資料1におきましては、介護人材をめぐる現況、課題、現在の取り組みの方向性について整理をさせていただいております。

 1ページ、量的に介護人材がどのように増えてきたか。介護保険創設時55万人から現在168万人まで、約3倍強のペースでこれまで進んできたということが見てとれます。

 2ページ、介護職員がどのような構造になっているかということにつきまして、横軸に訪問介護員、訪問介護員以外、縦軸に常勤、非常勤という形で整理をしております。この面積の大きさが人員量のボリュームを示しています。こちらを見ていただきますと、採用率、離職率、訪問介護については常勤、訪問介護員以外については非常勤のほうが離職率が高いという状況が見てとれます。

 3ページ、離職率、採用率の状況につきまして、緑色の部分が介護職員、紫色の部分が産業計のデータとなっております。このページで特にご覧いただきたいのは右下、離職率でありますけれども、緑色の介護職員については19年当時から比べますと離職率が低下してきましたが、今なお16.6%という水準にございます。

 4ページ、この離職率につきましてどういう状況になっているのかということについて、右に横軸で離職率、縦軸が事業所の割合となっております。ご覧いただきますと10%未満の事業所が5割強ある。一方、30%以上のところも2割程度あるということで、事業所によって大きく傾向がばらけていることがわかります。

 5ページ、離職率について事業所の規模別、法人格別でどういう傾向になっているのか。これを見ますと左側のグラフでは、規模が大きくなるほうが総じて低くなる傾向にある。右側、法人格別に見ますと一概にここは傾向を見てとることが難しいですが、民間企業はやや高めになっているというようなことも見てとれます。

 6ページ、介護人材の不足について全国的にどういう状況になっているのか。都道府県ごとの介護の有効求人倍率、業種全体の有効求人倍率の比較を載せておりますが、こちら見ていただきますと東京、愛知、岐阜などで介護人材の有効求人倍率が高くなっていて、地域によってかなり異なるということが見てとれます。また、今後都市部、大都市部での高齢化の進行に伴って、この差が大きく変化してくることが見込まれます。

 7ページ、ではどこで不足をしているのかということに関してアンケート調査によると、訪問介護、訪問介護以外、双方とも不足感はありますが、特に訪問介護の部分では高い不足感が見てとれます。不足している理由としては、下の段、離職率が高いということよりも、むしろ採用が困難である。事業拡大したいが、人材を確保できないというような声が大きく出てきております。

 他方、8ページ、9ページをあわせてご覧いただきますと、従業者の側からのアンケートの結果です。8ページは介護福祉士が入職する際の理由、9ページは離職する際の理由でございます。こちらをご覧いただきますと、8ページではやりたい職種、通勤が便利といったような理由が上位に来る一方、福利厚生、法人の事業所理念あるいは教育研修、資格取得、賃金の水準といったところは、それほど高い理由としては出てきません。

 9ページ、やめるときの理由を見ますと、結婚、出産、育児というのがトップに来ます。これは瞬間的にやめられるケースもありますので、分析は難しいところですが、その後、法人事業所の理念や運営のあり方への不満、職場の人間関係の問題、1つ飛んで心身の不調など、そういった事業所経営者のマネジメント関連のものが上位に来ています。それに挟まれるように収入が少なかったという部分も入ってきております。

10ページは、改めまして介護に対する一般的なイメージということで、依然として夜勤などがあり、きつい仕事。給与水準が低い。将来に不安があるということが指摘されております。

 それでは、今後どういう方向になっていくのかということに関して11ページ、マクロの量的にどの程度必要になってくるのかという試算があります。平成24年度で149万人という推計に立った上で、2025年度、平成37年度には最大で249万人。このギャップの100万人をどう確保していくのかというのが大きな課題になっています。

12ページ、11ページで御紹介したのは国レベルでのマクロの推計でしたが、現在、都道府県ごとの介護人材の受給ギャップを明らかにするための推計作業を行っています。これについては、今年度中あるいは今年の終わりぐらいには、何らかの数字でまとめることを予定して作業を進めております。

13ページから14ページにかけましては、こういった課題に対してどう取り組んでいるのかということについて示しております。

14ページ、介護人材確保に向けては左上の量の確保、右上の質の向上という、この両者の好循環をもたらしていくことを目指しています。そして、それを回していくための環境の改善を下の箱で下支えするという、こういう政策体系で取り組んでいます。この中ではこちらで紹介されているようなさまざまな政策が掲げられておりますが、介護報酬については下の箱の処遇改善の部分で、介護報酬における加算の創設ということをここでは述べておりますけれども、この全体の質と量の好循環を促すための1つの土台としての位置づけを持っていると考えております。

15ページ、都道府県レベルでは福祉・介護人材確保緊急支援事業ということで、都道府県の実情、特性に応じた事業を行うことが可能になっております。この下に紹介してありますように、参入の促進、マッチングの強化、潜在有資格者の再就業促進などなどの事業を、都道府県の実情に応じて設計し、行っているという状況にあります。

16ページ、さきの通常国会で成立した医療・介護の総合確保法の中で掲げられている新たな財政支援制度につきまして、右下の部分、赤い枠で囲っておりますが、新たな財政支援制度の対象事業の1つのメニューとしては、介護従業者の確保のための事業というのも明確に位置づけられているところです。

17ページ、18ページは介護福祉士について言及させていただきます。介護福祉士については現在、名称独占の仕事として登録者数が順調に増えてきておりますが、現在、介護職員の中で介護福祉士が占める割合、これがオレンジの折れ線グラフですが、現在4割弱という水準になってきております。

 そして、介護福祉士に着目しますと次の18ページをご覧ください。青い折れ線が介護福祉士の登録者数、オレンジが従事者数です。これをご覧いただきますと、約6割程度の方は働いていらっしゃいますが、依然として青とオレンジのギャップの部分の方々が潜在の介護福祉士として現場に出ておられないという状況が見てとれます。

 そうした上で今後の方向性が19ページから21ページまでございますが、こちらタイトルが入っていなくて恐縮ですけれども、現在、福祉人材確保対策検討会というものが6月8日に設置をされまして、こちら8月26日に中間整理メモというものを公表いたしております。この中では19ページから20ページにかけまして、大きく分けて参入促進、資質の向上、労働環境・処遇の改善という3つの柱。最後に全体的な視点という形で中間的な方向性をまとめています。

 特にポイントとなりますのが19ページをご覧いただきますと、2番では介護業界が若者に選ばれる業界になるよう、経営者の意識改革、多様な人材、経営力の強化、IT化の推進などをしていこうという方向性を示しています。

 4番では、他業界に負けない採用戦略ということで、経営理念の見える化や給与体系の整備など、他業界並みの採用戦略を持つように促す。

20ページ、資質の向上に関して5、6、8に多様な働き方、機能に応じたキャリアアップの実現。そして6番では社会福祉士の専門性と社会的評価の向上ということを打ち出しています。8番では、小規模事業所が多いという実情も踏まえまして、共同で人材育成を支援するという方向性も大事ではないか。9番では、マネジメント能力・人材育成力という部分を積極的に高めていく。そのための技術革新の積極的な導入を促す。優れた取り組みを行う事業者への評価を行っていくことを述べております。

 こちらペーパーにはございませんが、今後、福祉人材確保検討会で検討を行った後、福祉部会の中に福祉人材の専門委員会を立ち上げまして、検討をさらに具体化し、この後、具体的な政策のアウトプットとしては、1つは先ほど御紹介した新たな財政措置、もう一つは、こちらの介護報酬というもの。もう一つは、必要な制度改正などの対応。そういった政策対応に向けて取り組みを進めていきたいと考えております。以上です。


○迫井老人保健課長 引き続きまして、介護報酬における対応の関係について御説明をさせていただきます。

23ページ、これまでの取り組みといたしまして何度か御説明もさせていただく機会もあったと思いますが、大きく3つの対応をしておりまして、平成21年の介護報酬改定、それから、2110月から24年3月にかけての処遇改善交付金、それを受ける形で前回改定において処遇改善加算の創設をしているということでございます。

24ページ、25ページ、これはこれまでの関係審議会等の検討状況でございます。

24ページ、これは先ほど申し上げました、特に介護職員の処遇改善加算を創設するに当たっての審議報告、審議の経過の御議論でございます。

24ページ、以前、分科会でも一度議論がございましたけれども、12月の審議報告、一番下の下線でございますが、今回の加算につきましては例外的かつ経過的な取り扱いということが明記されておりまして、年明け1月の改定の概要につきましては、例外的、経過的ということを確認しつつ、27年以降につきましては基本サービス費に適切に評価を行うものとするということでまとめられてございます。

25ページ、これまでの介護保険部会で関係する御議論の抜粋でございます。

26ページ以降、介護職員処遇改善加算に関する制度の御説明でございます。これはこれまで何度か御説明させていただいておりますので、262728、これは事実関係等でございまして、29ページは算定状況。サービスあるいはその施設の形態といいますか、サービス別に算定率に差があることが見てとれるというデータでございます。

30ページ以降、これは以前、25年度に実施いたしました介護従事者の処遇改善の状況等の調査の結果、一度御説明、御報告をさせていただいておりますので、詳細な御説明は省略をさせていただきまして、30ページからそのときにも御説明した資料を一応つけております。ざっとそれをまとめたものが45ページでございまして、これも一度、昨年度3月27日の分科会で御報告させていただいておりますけれども、調査の概要をまとめて受ける形で、このようにまとめて総括できるのではないかということでございまして、45ページの1番目ですが、処遇改善の取り組みについて(1)、(2)(3)と全体を俯瞰した上で、まとめのところ(4)ございますが、基本的に処遇改善の取り組みは着実に浸透しているということと、加算の創設はもともと政策的に意図したところと、その後のさらなる普及によりまして安定的、継続的な処遇改善につながっていると評価できるのではないかということと、もう一点は45ページ、一番下の下線でございますけれども、その一方で給与の引き上げ以外の処遇の改善状況につきましては、依然として改善の余地があるというまとめになってございます。

46ページにまとめておりますのは、先般、成立をいたしました地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律。ここに関連いたします議員立法もございましたけれども、これらの処遇改善に関する記述をまとめてございまして、3つ○がございますが、最初の○は今、申し上げました、成立した法律の附帯決議に該当する部分でございます。2つ目の○は、その後、関連して議員立法として法律が成立しておりますけれども、3つ目の○でそれに関連する附帯決議で処遇改善に関する規定がございます。それらの抜粋でございます。

47ページから、賃金の実際のさまざまな分析を試みております。今回、初めてお示しをする内容が幾つかございますので、少しこのあたりは丁寧に御説明したいと思いますが、47ページの一覧表は、これまで一般に賃金の比較のデータとして賃金構造基本統計調査というものを全体概略としてまとめているものでございます。ただ、従来から私どもは、この評価については慎重に考える必要があるということを常々、そういう位置づけで御説明してきたところでございますが、具体的に申し上げますと、この47ページそれぞれの産業計ということで、あるいは職種別ということで平均的な数字を示してございますが、例えば一番左側の平均年齢あるいは勤続年数、構成比を見ていただきますと、明らかにそれぞれの年齢の分布、勤続年数の分布、男女の構成比、これらにかなりばらつきがあるということでございますので、こういったばらついた状態で単純に数字だけ平均賃金を見て処遇が低いという議論をするというのは、少し慎重な対応が必要であると理解しておりまして、そのため48ページと49ページに整理をさせていただいておりますけれども、48ページ(1)、(2)、49ページの3つの視点で以降お示しをしますようなマッチングといいますか、属性をコントロールして比較可能な数字を可能な限り集計したということでございます。

 なお、お断りをしておきますが、以降、集計していましたデータは全て公表されておりますので、私ども事務局でなければできないということではなくて、公表された数字をさまざまな角度で改めて集計をさせていただいたということでございます。

48ページにまとめさせていただいておりますのは、賃金を比較する際には四角囲ってございますが、業種、産業ごとにそれぞれの就業形態とか性別とか年齢とか、こういったものを構成比は先ほど見ていただいたように異なるわけですから、逆に言いますとこういったものが可能な限り属性をコントロールする必要があるのではないかということでございます。

 その下に(マル1)〜(マル5)で細かく記述がございます。全て詳細に御説明はしませんけれども、例えば(マル1)に書いてございますが、就業形態別に見ますと例えばホームヘルパー以外の介護関係職種は一般労働者、つまりこれは常用の方でございますけれども、構成比が高いのですが、ホームヘルパーの方は短時間労働者の構成比が高いというのは御案内のとおりです。特に女性のホームヘルパーは先ほどの話にもありましたが、7割短時間労働者になっているということでございます。などなどさまざまなそういった属性がございますので、これらを可能な限りマッチングにすべきであるというポイントが1番目です。

48ページの2番目のポイントですが、これらの比較に際しましては産業計あるいは職種計といった比較だけではなくて、介護が置かれている分野と同様な状況、例えば人手不足と指摘されているのが建設業でございまして、保育とか看護あるいは対人サービスを基本とするような飲食店、小売といった類似の状況にあるような分野との相対的な比較も必要なのではないかという問題意識でございます。

49ページ、3番目ですけれども、こういった比較を行うに当たっては当然、データの限界もございますので、一長一短がございます。ですから個々の集計は最終的には総合的に見る必要がある。

 具体的なメリット、デメリットの記載がございます。これもつぶさに御紹介いたしませんが49ページ、例えば※印の4、5あたりに書いてございますけれども、職種間を比較するに当たりまして、一般労働者というのは調査区分を同一にすることが可能な基本属性、つまり調整することが可能な基本属性に限りがございまして、性別、年齢、企業規模、経験年数となっておりますので、勤続年数と学歴は比較できないといった個別的な限界があるということを含み置きいただきたいと思います。

 以上を前提といたしまして、50ページから54ページまでの5つにつきましては、基本属性をまとめております。簡単に御紹介いたしますと、50ページは男女別で見ますと例えば先ほど触れましたが、ホームヘルパーは女性で短時間労働者が非常に多いという状況でございます。あるいは51ページを見ていただきますと介護支援専門員、ホームヘルパー、福祉施設介護員。この福祉施設介護員というのは訪問介護以外の通所とか施設の系統を全部含みますけれども、女性が圧倒的に多いという属性が見てとれます。

52ページ、年齢構成につきましては、基本的には例えばホームヘルパーについて見ますと男性は比較的若い方が多いのですが、女性は比較的35以降の方が多いということでございますとか、介護支援専門員につきましてはどちらかと言うと一定のキャリアを積んでいる方が多いので、そういった年齢構成になっているということがございます。

53ページも同様で、大規模な事業所というよりは小規模な事業所、中規模な事業所のほうが、この分野については多いということが見てとれます。

 基本属性、最後でございますが、54ページでございますけれども、平均勤続年数というものを見ますと、太いのが産業計で全体。太い黒がそれぞれ男女別で全体をあらわしておりますが、年齢階層別に見ますと基本的には勤続年数が積み上がっていく傾向にあるのですけれども、男女いずれもホームヘルパーは赤い太い線ですが、それから、福祉施設介護員、これはブルーの点線でございますが、いずれも相対的に短い。なかなか積み上がっていきにくいという状況が全体の基本属性でございます。

 以降、賃金の比較を具体的に行っております。細かく御説明しますとかなり時間を要しますので簡単に御説明しますが、55ページから60ページでございますが、これは賃金比較を行っております。賃金比較を行うこのグラフはやや込み入って見えますので、見方をまず御説明いたしますと、5560ページは基本的な見方として男女別になっています。それぞれのチャートといいますか、ページにブルーのタイトルがございますが、一般労働者の賃金比較といたしまして、常勤の方の賃金比較といたしましてホームヘルパーの方と、ほかの職種を比較していますということです。

 男女別になっていますが、例えば55ページの折れ線グラフですが、左側は男性となっています。ホームヘルパーの方と比べてゼロが同じ水準でございます。年齢階層別ですけれども、下側にいっているのは、すなわちホームヘルパーのほうが低いということになります。したがいまして、黒囲みで書いてございますが、55ページについて言いますと男性はホームヘルパーの賃金はいろいろな職種の賃金と比べておおむね低水準になっている。すなわちゼロよりも全ておおむね下にグラフがある。こういう見方をしていだきたいということでございます。

 同じ55ページで女性の場合を見ますと、ホームヘルパーの賃金はスーパー店チェッカーとか給仕従事者、販売定員等々の賃金はおおむね上回るけれども、保育士、看護師、准看護師等々と比較すると、おおむね低水準になっている。すなわちゼロの水平線よりも上と下で今、お話したような格好になっている。こういう比較を行っているということでございます。

 以降56ページ、同じようなものをホームヘルパーさんとの比較で55ページと56ページで違うのは企業規模でございます。企業規模が違った場合、女性の場合はほとんど同じような傾向でございますが、男性の場合につきましては若年層で例えば対鉄筋工とか、対型枠大工といったような、小規模でないとなかなか出てこない職種につきましても出てきておりますが、若年層につきましてはおおむね上回っているけれども、40歳以降につきましては低水準になっているということでございます。

57ページ、58ページは同様な比較を行っております。女性につきましてはほとんど同じような傾向でございまして、57ページ、58ページ、福祉施設の介護員につきまして企業規模別で見ておりますけれども、男性については年齢層によって入り繰りがございますが、おおむねこういった傾向で、例えば58ページにつきましても最初に見いただいたような傾向とほとんど同じであるということでございます。

 同様な比較を59ページ、60ページにつきましては、介護支援専門員について行っております。介護支援専門員につきましては、先ほども申し上げましたが、一定のキャリアを積み上げた形での職種となっている関係で、これまでの状況とは男女ともそれぞれ異なっておりますけれども、基本的には見ていただいたらわかるのですが、例えば59ページですと医療系の職種につきましては男女とも上回っていないけれども、他の職種につきましてはおおむね上回っているという傾向が出てきているということでございます。

61ページ、62ページ、これは初任給について企業規模別に見ているものでございますが、続きまして63ページでございますが、職種間の比較を介護施設事業所に勤務する者ということで限定して職種間を比較しています。

63ページを見ていただいたらわかるのですが、介護職員の賃金につきまして職種別に見ていきますと、介護職員につきましては他の職種と比べて全てにおいて基本的に、相対的に低いという関係になっているということでございます。

 ここまでが職種間の比較の関係でございますけれども、次に64ページから産業間の比較を行っております。冒頭に御説明しましたようなさまざまなデータ上の配慮は必要なのでございますが、例えば64ページですと産業全体の合計と介護事業者との賃金比較を行っております。

 例えばここに書いてございますが、男性は産業計よりもおおむね賃金が低いという状況になっておりまして、ゼロの水平線よりも下側になっています。女性につきましては高卒の方でおおむね賃金が高い。しかし、高専、短大卒の方で2449歳においてということで低く、また、大学・大学院卒の方で賃金が低い。こんな状況になっております。

 同様な比較を65ページについては医療業との比較を行っておりますけれども、65ページ、女性のほうは高専・短大卒、高卒、短大卒につきましては、これは恐らく看護師さんとの比較になると思いますけれども、それほど大きな変わりはないのですが、基本的には特に大学・大学院卒、一般労働者においては相対的に低いというようなデータが出ております等々、66ページから68ページにかけましては飲食店業、小売、職別の工事業といった他産業との比較を行っているものでございます。おおむね直感的にグラフを見ていただければ、全体的な傾向はわかっていただけるものと思います。

69ページ、70ページは初任給につきまして産業間の比較をしておりまして、69ページと70ページで合わせて8つチャートがございますが、これは他業種ではなく産業計と比較をして見ていただいた場合、1つの傾向が見られるのは、69ページの女性労働者、19歳未満のみが産業計と大体相関というか同じような水準になっておりますが、それ以外につきましては基本的に全て低いというのが69ページ、70ページの傾向でございます。

 説明に時間を要して恐縮でございますが、残り簡単にいきたいと思うのですけれども、71ページ、72ページ、73ページ、短時間労働者の賃金分析を今度は行っております。短時間労働者は就労者が数としては多いボリュームゾーンでございますので、ここの分析について少し丁寧にやっておりますけれども、まず71ページでございますが、こちらは男性と女性、職種全体につきまして見ております。四角枠に書いてございますけれども、ポイントといたしましては全体的に2008年からのトレンドで見ていますが、全体的に上昇傾向でございますけれども、男性と女性とでは上昇の傾向が違いまして、特にホームヘルパーさんは女性が基本的に多いということもございますが、上がり方が職種計全体を引っ張るような形で上がってきているということでございます。男性についても上昇しておりますけれども、女性との比較で見ますと増加幅に違いがございます。

 ちなみに参考ということで、72ページは女性についてさらに細かく見ておりまして、女性につきましては企業規模別に見ますと72ページが企業規模が大きいほうから小さいほうに左から右に分けてございますけれども、企業規模が大きくなればなるほど、賃金水準が上がっていくというような状況がございます。

73ページ、短時間労働の賃金分析が最後でございますが、これは男性と女性とで傾向の違いがありますけれども、ただ、基本的にはここに書いてあることでございますが、男性の福祉施設介護員の賃金、これは2009年以降のトレンドで見て、趨勢的には増加傾向であるというのが一番左側の折れ線グラフでございます。

 一番右側の棒グラフを見ていただきますと、男性はこのブルーのラインでございますが、ブルーの棒につきまして見ていただきますと、これらの3つの給仕従事者、スーパー店チェッカー等々、それよりも高水準になっている。女性につきましては真ん中の折れ線グラフでございますが、ホームヘルパー、福祉施設介護員につきまして上昇傾向になっているということでございます。

 ここまでが細かく賃金の状況を見ていただきまして、残り簡単にマクロの数字が4つ並べてございますけれども、74ページでございます。直近の賃金動向ということで、以降、雇用の環境とか賃金の環境について全体を見ていただきますが、総じて全体に改善傾向にあるということでございます。特に74ページのチャートを見ていただきますと、これは所定内賃金につきまして、つまり基本給でございますが、基本給の状況を見ています。左側の棒グラフと折れ線グラフが混ざってごちゃごちゃとしております。これは専門の方はよく見ておられると思いますが、一般には余りなじみがないかもしれませんが、ポイントは何かといいますと、この基本給の74ページの左側のグラフでございますが、水平線よりも下に白抜きの棒があるというのが近年のトレンドです。それが一番最後の直近のところで白抜きの部分が上になってございます。

 これは何を意味するかといいますと、一般、これはパート合計でございますけれども、所定給の給与がプラスに転じているということでございます。そこで所定給の給与がプラスに転じているのであれば、恐らくはパートタイムに引っ張られている。ボリューム的にもそうですし、給与の改善状況が大きいということもございますので、それを分けたのが右側でございますが、これは相対値でございますけれども、100のところの数字を超えているか超えていないかというので大きく見ていただきますと、パートタイムの赤い点線はプラスに転じてずっと上昇傾向であるのはわかるのですが、ブルーのラインが100を超えている。一番直近で100を超えて上昇に転じている。これが非常に重要なポイントになっているということで、所定内給与がプラスに転じているということでございます。

 そのことを裏づけるのが75ページ、76ページでございますが、75ページにつきましては春闘の動向でございまして、直近で御案内のとおり春闘の結果につきましては高い水準で推移をしていますということです。春闘は大規模の企業でございますので、76ページか中小企業の動向でございますが、それに呼応する形で基本的にはアップをする。その理由といたしましては、人員の確保ということで経済動向が動いている。

77ページは全体の有効求人倍率の動向でございますけれども、四角に囲ってございますチャートを見ていただければわかりますが、例えば下側の3、4の有効求人倍率、常用、パートでございますけれども、赤い太いラインが介護サービスでございますが、基本的に上昇傾向にあるということでございまして、全体の賃金動向、雇用動向につきましては改善傾向ございます。

 少々時間をとらせていただきまして、ここまでが従来なかなかお示しをしてこなかったかなり細かい経済動向、賃金動向でございます。

78ページ、79ページ、80ページは、サービス提供体制強化加算でございまして、21年改定のときに導入されたもので、同様のチャートでこれまで加算の関係をお示ししてきたものでございます。

81ページからは、関連するさまざまな施策に関する資料でございます。これは極めて簡単に御紹介いたしますと、81ページから88ページまででございますが、これはキャリア段位を初めといたしますさまざまなキャリアアップのための取り組みでございます。冒頭、社会・援護局の資料にもございましたけれども、基本的には総合的な対応が必要で、キャリアの形成、キャリアアップに関します取り組みが必要ですということで、特にキャリア段位に関する取り組みを含めまして、81ページから資料として提出をさせていただいておりますが、詳細な説明については省略をさせていただきたいと思います。

89ページ、人材確保に関連いたしまして期待がされておりますのは、介護ロボットの開発、その取り組みでございますけれども、介護ロボットにつきましては特に身体の介護の負担を軽減するという意味でも、あるいは人材が今後不足するという意味でも非常に期待されておりまして、89ページのような現状と課題の整理がございまして、実際に例えば91ページ、日本再興戦略にもそのような取り組みが明記されております。

 今後、取り組みを継続して、介護ロボットにつきましては開発も含めまして現場の普及にも期待をしたいところでございますが、介護報酬改定と連動する形で福祉用具につきましてはどのようなものを給付の対象とするのかということについては、定期的に見直しをしておりまして、94ページにございますけれども、今回の改定につきましてはこういったスケジュールで今後進めていくこととしておりますので、介護保険において福祉用具という形で対応することがもし検討する場合におきましても、こういった形で今後対応していくということでございます。

 残り2つほど関連する施策を御紹介したいと思います。97ページからですが、総合的な取り組みをしていくという意味では企業、事業者の処遇に関する取り組みについても情報として共有をする、開示をしていくことが非常に重要だろうと考えております。そのために公表制度といったものを今後さらに普及、活用していくことが重要ではないかと私どもは認識をしておりまして、97ページが全体像でございますけれども、具体的に全国一律の公表項目として取り組んでいこうとしているのが98ページ。実際にそれを都道府県が任意に公表できる項目として取り組んでいる実績としては、残念ながら必ずしも都道府県の数は多くないですが、99ページにございます。

 こういったことで今後、101ページでございますけれども、特に人材確保の観点から従業者に関する情報につきましても、これはキャリア段位制度の情報等も検討することも含めましてですが、全体像としては介護サービスの情報公表制度をより充実させていくのが適切ではないかという問題意識を持っているということでございます。

 あわせまして103ページ、104ページでございますが、都道府県におきまして関係団体と連携しつつ、特に中小の事業所が処遇を改善するような取り組みを支援していくことが必要ではないかと考えております。その際、具体的に幾つかの都道府県につきましては積極的な取り組みをしている事例がございまして、103ページにその4つの都道府県を代表で書いてございますけれども、例えば京都府におきましてこのような意見を交わすようなプラットフォームを実際に形成いたしまして、連携した取り組みを行っているとか、あるいは静岡県におきましては知事主導ということでございますが、取り組み方針を示した上で、実際にその介護職員の賃金水準の向上とか、定着促進のためのモデルあるいはキャリアパスの基準例を作成する等の取り組みを行っている。

104ページは具体的な静岡の例でございます。こういった取り組みをきめ細かく自治体が支援していくことも、非常に重要ではないかと考えております。

 資料の説明が大変長くなって恐縮でございますが、105ページ、最後は論点でございます。主な論点といたしまして5つ掲げてございます。

 まず1点目でございますが、冒頭から申し上げて、説明させていただいているとおり、介護の人材というのは重要な社会資源でございまして、その確保が大きな課題である。中長期的には参入促進と資質向上、環境の改善といった三位一体の取り組みが必要だということでございます。このような観点に立って介護報酬での対応、新たな基金を活用した組み合わせが必要ではないか。

 2つ目の○でございますけれども、賃金水準、今日は少し時間をいただきまして、かなり細かく御説明をさせていただきましたが、介護は職種計、産業計と比較して一般的には低いと言われております。しかしながら、性別、年齢、企業規模、いろいろ見ていただきますと属性をコントロールした上での比較を行いますと、総体的に賃金が高い層があるのも事実でございます。こういったことからしますと産業計あるいは職業計あるいは他職種、他産業と比較した賃金水準の高低の議論というよりも、さらなる資質の向上とか、雇用管理の改善などの取り組みを通じまして社会的、経済的評価を高めていくという好循環を行うことも非常に重要ではないかと考えております。このことについて御議論をいただきたいと思っております。

 3点目でございますが、処遇改善加算に関する御議論、これまでもございましたし、今回もこのことにつきましてぜひ御議論いただきたいと思っておりますけれども、処遇改善加算につきましては、その政策効果はお示ししたような評価でございます。

 この加算につきましてどのように考えるのか。例えば事業者に職位・職責・職務内容に応じた任用の要件でございますとか、そういった賃金体系、キャリア形成のことも含めまして研修の実施も求めていますけれども、必ずしも加算の必須の要件になっているわけではない。改善の余地があるという問題意識は持っております。

 下のパラグフは審議報告でも先ほど御指摘があったことの繰り返しになりますが、本来は労使間において自律的に決定されるべきものであるというのが処遇の改善の話でございますけれども、一方で円滑に介護報酬に移行するための例外的な経過的な取り扱いだという経緯を踏まえながらも、現在の処遇改善の取り組みが後退しないようにするためにはどういった方策が考えられるのかというのが3つ目のポイントでございます。

 4つ目は先ほどちらっと見ていただきましたけれども、時間的には前後しますが、平成21年に導入されましたサービス提供体制加算の要件につきましてもさまざまな設定がございますが、これは処遇改善加算の今後のあり方とあわせまして、介護報酬における対応としてどんなことが考えられるのか。

 最後、5つ目でございますが、御紹介いたしましたさまざまな取り組みにつきましても、事業者の取り組みをよく促進させるような仕組みとしていくことが必要ではないかということでございます。

 大変長くなって恐縮でございますが、資料としては以上でございます。


○田中分科会長 膨大かつ精緻な資料の説明ありがとうございました。

 質疑に入る前に、本日は阿部委員、平川委員、福田委員及び村上委員より資料が提出されていますので、御説明いただきます。時間の都合上、恐れ入りますが3分程度でお願いいたします。

 まず、では阿部委員からよろしくお願いいたします。


○阿部委員 参考資料3として意見を出させていただいております。

 簡単な資料でございますので見ていただければわかるかと思いますが、結論は今の処遇改善加算はあくまでも例外的、経過的な措置として設けられた経緯もありますので、これを存続させるべきではないというのが1点目です。もともと処遇改善というのは経営のマネジメントの最大の課題でありますので、それぞれの事業体の中で取り組んでいただくべきことだと思います。

 もう一つは、介護報酬全体を上げればいいのではないかという議論もあるわけですが、ここも保険料との絡みでいくとそんなにどんどん上げていけるものではなく、おのずと限界があると思います。もう少し事業のやり方というか、さまざまな展開の工夫というところで、必要な効率化等を踏まえながらやっていただきたいということでございます。

 私どもも、介護職員の待遇が今のままでいいとは決して思ってはおりませんが、単純に公費でそれを上乗せしていくようなやり方については反対だということを申し上げます。以上です。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 次に平川委員、お願いします。


○平川委員 ありがとうございます。

 介護人材確保対策に対する意見ということで発言させていただきます。

 状況につきましては事務局からるる説明されておりますけれども、基本的には介護労働者の人材確保というのは、全ての各委員の皆さんも大きな課題であるという認識は一致しているのではないかと考えているところであります。昨年、介護保険部会意見書で示されておりました4つの視点というものがございましたが、この視点に基づいての取り組みというものが大変重要ではないかと考えているところでございます。

 1つ目の社会的評価の向上の推進ということについてでありますけれども、高齢者の自立の支援と尊厳の確保を基本にしつつ、専門職としての位置づけを明確にしていく。そして、そのためにもそれをどういうふうに介護報酬に反映させていくかという意味では、サービス提供体制強化加算の算定率の向上ということが必要ではないかと考えているところでございます。

 さらに介護従事者に対する情報公表の充実ということでありまして、これは各県におきましても創意工夫ある取り組みがされておりますけれども、公表内容のさらなる拡大が必要ではないかと考えております。

 介護福祉士の資格取得方法の見直しの関係でございますが、国家試験義務づけについては先送りとなっている状況ですが、実施時期は検討の余地がありますけれども、導入について前向きに検討を進めるべきだと考えているところであります。

 ステップアップを促すキャリアパスの確立の関係でございますが、残念ながら介護労働者につきましては非正規職員に大きく依存している実態がありますが、介護職員が継続して長く勤務していくということが大変重要かと思っております。段位制度がございますけれども、それを含めてステップアップの仕組みがより普遍的に構築されることが重要かと考えております。

 職場環境の整備改善でございますが、退職の理由として法人・事業所の理念や運営のあり方に不満があるということも理由として出されている状況であります。職業訓練とか能力開発ということも含めて積極的に行っていくということや、ワーク・ライフ・バランスの充実なども重要かと思っております。

 介護ロボットの活用に関しては、研究や対応法について進めていくべきと考えておりますけれども、基本的には労働安全衛生に基づく安全委員会であるとか衛生委員会の開催を含めて、しっかりと労使が労働災害の原因などについて審議を行っていく必要があるのではないかと考えております。

 処遇改善でございますけれども、これまでの取り組みの中で徐々に成果があらわれていると思っているところでございます。給与改善というのは基本的な事項でありますので、しっかりと取り組んでいくべきだと考えてございます。また、事業者は基本的には介護報酬で事業運営を行っておりますけれども、その報酬は公定価格となっています。公定価格ですので、ここでの議論が処遇改善に大きな影響私与えていくのではないかと考えているところであります。

2009年1月から介護報酬において処遇改善の取り組みが進められてきていますが、2009年4月の3%引き上げについては基本サービスの中に含まれて、配分の基準も示されていなかったため、介護労働者の手元には届きにくいという声も上がっていた状況だと思っています。

 保険料を支払って、また、サービス提供をされる立場から見ますと、処遇改善という目的が報酬の中に含まれているということであれば、確実に介護労働者の処遇改善につながっていかないと、保険制度の信頼にかかわる問題につながりかねないのではないかと考えています。

 労働条件の決定は労使の自律的な話し合いというものが大原則でありますけれども、今日的な段階においては、まだ処遇の改善を確実にしていくための仕組みというものが必要だと考えています。処遇改善加算は例外的かつ計画的な取り扱いをされているわけでありますが、処遇改善加算の継続などを確実に処遇改善が進められる仕組みの検討と、さらなる増額が必要だと考えています。

 今回の介護保険法の一部が改正され、介護給付の一部が予防給付になっているわけでありますけれども、示されたガイドラインの中におきまして、提供主体は雇用労働者とボランティアというものが混在をしているということでありまして、連合としてはこれは問題だろうと考えています。サービスの提供者は基本的には雇用労働であるべきと考えており、ボランティアとは明確に区別すべきだと考えています。以上です。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 次に亀田参考人、お願いします。


○亀田参考人 福田知事の代理としてまいりましたので、よろしくお願いいたします。

 お配りしました資料は、本年7月に全国知事会から国に提出いたしました介護人材確保に向けた総合的な対策の推進に関する提言でございます。先ほどの説明にもございましたけれども、今後、介護分野におきましては2025年までに全国で新たに約100万人の介護人材が必要と推計されておりまして、介護人材確保対策の取り組み強化は喫緊の課題となっております。都道府県におきましては、これまでもさまざまな対策を講じて介護人材の確保に取り組んでまいりましたが、その取り組みや限界がございまして、現状では100万人にも及ぶ新たな介護人材の確保は困難と言わざるを得ません。そうしたことから裏面をご覧いただきたいと思いますけれども、国に対しまして介護人材の確保に向けた総合的な対策、これについて提言をさせていただいたものでございます。

 具体的には1点目といたしまして、100万人必要とされる介護職員の具体的かつ計画的な確保育成のためのプランの策定。

 2点目といたしまして、介護報酬の改定を通じました介護職員の処遇あるいは労働環境の改善。

 3点目といたしまして、外国人介護福祉士の活用も視野に入れました抜本的な対策の推進でございます。

 詳細については後ほどご覧いただきたいと思いますが、介護給付費のあり方の検討に当たりましては、人材確保の観点からも御検討いただければと思います。

 なお、介護報酬における対応など具体的な議論につきましては、今後、全国知事会の意見を集約いたしまして発言させていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 次に村上委員、お願いします。


○村上委員 ありがとうございます。

 資料を出しておりますけれども、資料の中も踏まえて3点お話をさせていただきたいと思います。

 まず介護人材確保対策を法人とても実施する土壌をつくっていることが必要だと思っております。介護人材確保対策自体、4ページのところにもありますように二極化している傾向があります。働きやすい環境だとか、あるいはキャリアパス構築を積極的に行って豊富に人材を確保できている法人も一方であるわけです。このような施設、法人の事例を詳しく分析して、施設、法人みずからが人材確保に挑戦していく土壌づくりを施策として支援する必要があるのではないかと思いますので、そこのところ力をいただきたいと思います。

 2つ目は処遇改善加算ですけれども、介護職員の処遇を後退させないという意味では、加算として維持してキャリアパスの構築などが可能となるように、より発展的に継続すべきと考えております。

 3つ目は離職率についてですけれども、高卒の方々の就職先としましては他産業と比べて魅力的な側面があると思いますが、その一方で離職率は高く出ている実態があります。このことを踏まえてやめないための仕組みづくりとキャリアパスの構築が必要と考えておりますので、ここのところも御検討をお願いしたいと思います。

 資料のところで1つだけ。資料の6点目、下から2つ目の○ですけれども、外国人人材の位置づけについてですが、その課題だとか、あるいは考え方については資料をご覧いただきたいと思いますけれども、これをもってさらなる検討と積極的な外国人材の受け入れを進めていただきたいと思いますので、ここも検討をお願いしたいと思います。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 では、先ほどの事務局の説明について質問、御意見がございましたらお願いいたします。

 井上委員、どうぞ。


○井上委員 ありがとうございます。井上です。

 本当に今回の資料は細かく、いろいろな角度から真剣に介護人材を確保しようという意欲が感じられるデータだと思います。私ども高齢社会をよくする女性の会では、介護サービスを受ける立場、当事者ですね。受ける立場でございますので、介護人材が幸せで、生き生きとやってくれないと受けるほうはとても不幸です。それで、しょっちゅう人が入れかわると不幸です。

 そういう意味ではここに問題として示されております課題、定着されること、彼らがキャリアアップをしていくこと、専門職として生き生きとやっていけることという、この課題はそのとおりだと思います。

 そこで 私の意見ですが 利用者と介護職の人が生き生きと幸せであるために、どうしてこんな介護職が離職するのか、定着しないのかというところにまずスポットを置いてみました。

それには社会的、経済的評価がさらなる資質向上ややめる理由を明確にして、雇用管理者の改善などの取り組みを通じて社会的、経済的評価が高まっていくという好循環を生み出していくほうが、安定的な処遇改善につながっていく。これが好循環するという論点がこの今日の資料の中に書いてございました。

では果たして社会的評価、経済的評価が資質向上や雇用管理の改善などの取り組みで、これが社会的評価につながるのか疑問を感じました。この3月まで介護職を養成してきましたが、彼らはすごく夢を持って施設に入職します。ところが、最初のころ途中ですごくつらいと言い出すのです。3年は我慢しなさい。石の上にも3年なのだから、3年を超えるとプロになるんだというような励まし方をしていたのですけれども、それを最後のころ、私は養成の仕事をやめる2年ぐらい前から続けるように言うのをやめました。病気になってやせて精神的にもやられて、そういう卒業生たちを多く見てきております。彼らの理由は ここに統計で出ていますように、勤めたところの理念と合わなかった。人間関係が悪い。収入がよくない。といったものです。最初は専門職だからといって意気込んで入ったものが壊されていく。崩れていくのです。すると彼らは余り重要視していなかった収入の面とか、労働管理の面などを前面に出してきてやめると言い出すのです。

統計に もありますように、他の職種とさほど賃金の差はありません。だけれども、安いという言い方でやめる。

本当のところは何なのかというふうに考えたときに、社会的地位、社会的評価というのは非常に漠然としていてわからない。結局リスペクトされない。自分が友達に介護の仕事をやっているんだと言ったときに、リスペクトされないということがすごく大きな要因ではないかと思うのです。ですからこれをリスペクトというキーワードで全体の考えを見直してみたらどうかというふうに思います。

 どうやったらリスペクトされるのか。例えばキャリアアップする、段位制度をつくる、それで何かがやれたら加算するというような、これは内部の事情であって、彼が一旦、外に出て友達に言ったとき、彼、彼女が介護の仕事をやっているよと言ったときに、すばらしいねと言われるようなリスペクトされるような仕事であるべきだろうと思います。そうしたら少々の安さでも、少々ハードでも、やると思うのです。

イメージアップは中身ではできないと思うのです。外のイメージアップをどうするのか。外からどう評価されるかで人間はやれると思うのです。評価されるときのリスペクト。それをどう持たせるか。これが今後の課題だろうと思います。それを本当に真剣に、いろいろなデータももちろん大事です。これはこういうものを踏まえないとできてこないけれども、それが見える形ではっきりと彼らが自信を持ってこうなんだ。こういう給料をもらっているけれども、すごいんだよと言えるような、すごいことをやっているなと言われるような、リスペクトされるような仕事にすべきだろうと思います。

したがって、委員の先生方、そこをぜひ考え出していただきたいと思っております。ですからマイナスイメージの払拭のためにプラスアルファの何かが欲しい。

 1つには、先ほども参考資料の中でロボットのことがありましたけれども、例えばロボット介護ができる。これは1つのかっこよさです。ロボットケアができる。自分はテクノロジストだよというような言い方。これもひょっとしたらリスペクトにつながるのではないかと期待しています。

 論点の(マル5)、今の意見は論点の最後の(マル2)に当たるところを少し広げてお話いたしました。賃金水準につきましては賃金水準の目標設定を一度ちゃんとやっていただきたいと思います。ここがこうだからいいではなくて、介護という仕事の賃金はここまで持っていくんだという目標があれば、我慢できるのではないでしょうか。明確に、外にもわかる形で賃金水準を設定していただきたいと思っております。

 (マル5)については、地域の介護人材の確保ということでは、プロとアマチュアの違いを明らかにして、専門職としての介護職の地位を明確にしていくことが必要でしょう。地域包括ケアシステムで今度予防給付の人たちが地域事業に入っていきます。そうした場合にボランティア任せではなくて、きちんとした専門職が絡んでいることが大事だと思います。介護予防のところで地域事業のほうがいいよということで、きっと地域包括支援事業に移っただと私は前向きに捉えておりますけれども、それでしたらやはりその中で専門職がきちんと絡んで、ボランティア頼みにするのではなくて、リードしていくような地域包括ケアシステムの構築が望まれます。

 2番目なのですけれども。


○田中分科会長 すみません、時間が。


○井上委員 すみません、何十秒かで。

地域包括ケアシステムにおける人材を育成にするに当たっては、地域で子供の教育からやっていただきたい。その場合急に介護者になったお年寄りと触れ合わせるのではなくて、元気なお年寄りから触れ合わせていく。急に本当に寝たきりの方を見せられたら、子供たちは引いてしまうと思うのですこういう元気なおじいさんもおばあさんも年をとっていくんだというプロセスを見せていくことによって、彼らを福祉人材、介護人材として地域で支える人材として教育していくことが必要だろうと思っています。

 あと一点だけです。先ほどのロボットに関係しますけれども、女性や中高年の参入ということを考えて、アシストスーツなどの導入を考えていただきたいと思っております。

 長くなって申しわけありません。


○田中分科会長 鈴木委員、どうぞ。


○鈴木委員 論点についてお話させていただきます。

 最初の○でございます。報酬と基金の組み合わせは社会保障制度改革国民会議の報告書に基づいて、平成26年度の診療報酬改定において導入されましたが、都道府県医師会が医療界を一本化して窓口となり、行政との交渉に当たりました。来年度からは介護分野も基金が活用できるようになるということですが、医療と介護の一体化の方向性も踏まえて、ぜひ介護業界の方も都道府県医師会を窓口として御活用いただければと思います。

 次の○につきましては、我々の業界の賃金は介護報酬で決まります。これは診療報酬も同じです。それが抑制されて我々が一番懸念するのは若い方の給料を上げられなくなることです。賃金以外の改善による好循環も必要ですが、賃金は相対的に男性が低く、女性の一部が高いというデータもあります。これは逆に他に比べて同じ資格があれば、より男女平等であるということを反映している可能性もあると考えます。このことは女性にとっては働きやすい職場であるということも言えると思います。

 就業者のうち、医療、福祉分野の割合が高い都道府県は出生率が高いという報告も最近出ておりますことから、特に地方においてはこの分野が既に基幹産業となっていることを踏まえて、医療・介護分野において共働きをしながら出産、子育てをするモデルを普及すれば、高齢者ケアの担い手の確保だけでなく、出生率向上や人口減少対策、地方活性化対策にもなると考えられます。

 3つ目の○につきましては、介護職員の処遇改善加算の考え方は引き続き必要であると思いますが、職員の定着を図るには給料だけではなく、教育、雇用条件、職場環境などの整備が必要となります。介護職員の平均所定内給与が前年度を下回らないようにした上で外部評価の認証など事業者が柔軟に対応できるように、基本サービス費で評価を行うことも含めて検討すべきと考えます。

 4つ目の○に関しましては、サービス提供体制加算は、その後に設けられた介護職員処遇改善加算の創設により、その役割は縮小したと考えられます。介護福祉士の評価の向上には、キャリア段位制度が議論されておりますが、それが効果を発揮するためには、事業者が持っている既存の制度の活用も含めて、処遇とも連動した体系化が必要になります。それには相応の時間もかかりますし、介護報酬での評価も必要となります。以上です。


○田中分科会長 武久委員、お願いします。


○武久委員 あと10年で100万人
増やすと言うのですけれども、介護福祉士は国家資格なのです。国家資格者で介護職員のうちの約4割足らずということで、これをふやしていくとしても、子供さんを持つとか、途中で転向してくる方がたくさんいらっしゃいます。今の3年以上の経験で試験を受けるという制度はぜひ残していただきたい。と申しますのは、大学卒、それも有名な大学を卒業して会社に勤めていた人が途中で転換して、やはり人のためになりたいというふうになって介護に参入してくる人が非常に多いのです。そういう人も非常に大切です。

 ところが、最初の方もおっしゃったように、職種間格差というものがどうしてもあるのです。これが特に特養、5ページにありますように病院だと離職率が特養等に比べて5%ぐらい高い。どういうわけかといいますと、病院では国家資格での介護福祉士でありながら看護補助員という名前で処遇されている。これは別に看護の隷属者ではないのですから、どうして看護補助員という呼び方をするのか。

 昔は病棟クラークというか、事務補助の方も含めていましたが、これが確立した以上、看護補助員というのは介護職員そのものであります。にもかかわらず、看護補助員という呼称は、どう見ても病院に介護福祉士の優秀な人が集まらない大きな原因になっております。これは私、老健、特養病院をやっておりますと如実に感じるところでございますが、どうしてこのような呼称になっているのかということをお答えできる方がいらっしゃいましたらしていただきますが、ここが老健局ですのでお答えは結構ですけれども、ぜひ介護福祉士の資格をまず取りやすいようにすることをお願いしたい

 その上で日慢協では5年前から医療介護福祉士という講座を持っておりまして、50時間やっております。これは既に1,000人近くなっておりますけれども、医療の知識が十分でない介護職員の方もいらっしゃいますので、非常に役に立っていると思っております。

 要望としてこういうふうに医療の場にも必ず介護職員は必要でございますので、何とか差別的な呼称というのはやめていただきたいと思いますし、一人一人の看護師さんは決して介護職員を看護補助者とは思っていないと思うのです。そういった細かなことも大きな原因となってくる可能性があるということをお伝えしておきたいと思います。


○田中分科会長 田部井委員、お願いします。


○田部井委員 ありがとうございます。認知症の人と家族の会ですけれども、私どもはこの資料を見まして、選ばれる業界への転換という言葉がすごいなと思ったのですが、こういう言葉を空念仏にしてしまってはいけないのではないかと思います。

 率直に言いまして、労使間において自律的に決められるとか、ほかの業界とかのバランスとか言っていて、人材確保なんか実現できるはずがないのではないかと思います。ほかの業界から見たら福祉とか介護業界のえこひいきだと言われるぐらいの大幅な処遇改善策をとる必要があるのではないかと思います。それはこの分野に携わる人間の責任ではないか。あるいは利用者も責任があると思います。そうでなければ、ほかの業界とかあれに訴える力とか、あるいは国民的な議論に一向にならないのではないかと考えています。

 具体的な問題では、処遇改善策として今やられている加算という形は、利用者に負担を強いるという意味でも、支える人がごく限られるという意味でも限界がありますし、介護報酬に組み入れるというのも、それよりは改善されて支えても幾らか多くはなりますけれども、それでも限界はあると思います。そういう意味で私はやはり一般財源で、つまり国民全体で負担をして、一人一人の負担は少なくても、処遇改善のために資する財源をはるかに大きなものにつくり上げていくという意味で、一般財源で処遇改善策を講ずるべきであると考えています。

 それから、別の分野で申しわけないのですが、ガイドラインのまた明らかに要介護1以上の場合に要介護認定につなぐという条件なのですけれども、これについて厚生労働省で直接そういうふうに要介護認定につなぐ人は何割ぐらいになるのか、あるいは一旦チェックリストを受けたが、要介護認定に回るという人はどのぐらいの方になるのか試算のようなもの、あるいはこれぐらいにしようという目標値がありましたら教えていただきたいと思います。以上です。


○田中分科会長 後段のものは後ほど答えていただくとして、内田委員、お願いします。


○内田委員 まず論点の1つ目の○ですが、ここにありますように参入促進や資質向上、労働環境・処遇改善の視点というのは非常に大事ですので、その視点をもって対策を講じていただきたい。資質向上は地域包括ケアの実現には量も必要です。質の高い介護職がいないことには効率的でよい介護サービスが提供できるということにはつながりませんので、この質の向上ということが非常に重要だと思います。

 介護福祉士の資格取得の一元化が今回、先延ばしになって、28年度から実務者研修が組み込まれることになっていますけれども、やはり一元化にはつながっていかない。その点はこれからも議論をお願いしたい。

 福祉人材確保対策検討会の中間整理メモにもありますように、多様な働き方というのは当然あって、それで求められる機能に応じたキャリアアップの実現ということが必要であり、それに応じて報酬を考えていくことは重要なことだと思います。介護現場に入ってきた方々が将来展望を描けるキャリアパスというものが構築されていかないと、定着はなかなか難しいのではないか。そういう中で介護現場のマネジメントができる介護人材の育成が必要ということで、介護福祉士の上に位置するような資格、例えば日本介護福祉士会で実現を目指している認定介護福祉士のようなものも必要ではないかということを、まず申し上げたいと思います。

 論点の2つ目の○ですが、賃金のことに関しては今回のデータでは必ずしも介護分野は報酬が低いとは言えないというようなことではありますが、離職の理由に収入が低い、報酬が低いということを挙げている方々もそれなりの割合おり、普通の暮らしあるいは子供の教育ができないという不安を持っておられる方もいてそのことによって離職する方がいるというのも忘れてはいけないことかと思います。ですから、ここにありますように資質向上への取り組みや、雇用管理で社会的な評価を上げていくというのはよいことだとは思います。処遇改善加算は一時的なことで今後、介護報酬のほうに移行するということですが、やはり処遇の改善と言うことには加算がそれなりの役割というか、目的も果たして結果も上がっていますので、実際に介護報酬に移行するにしてもきちんと介護従事者のほうに賃金として渡るような方策がない限り、急にはしないでいただきたい。ですからできれば処遇改善加算というものはこのまま残していただければと思います。

 もちろん事業所の努力も求めたいところではありますが、小さい事業所も大変多いので、小さい事業所が不利にならないように配慮いただきたい。もちろんそういう小さい事業所等は他と共同関係というのも必要かと思います。

 4つ目の○のサービス提供体制の強化加算ですが、やはり介護福祉士の有資格者がどれぐらいいるかということについては、ぜひ評価していただきたいと思います。

 この中に3年以上の勤続年数ということも評価ということになっておりますけれども、3年かどうかは別としても、長く勤めているというようなことは今後も加味していただきたい物差しと考えております。サービスの質の評価の指標を今、つくっているということですが、やめる理由として法人や事業所の理念とか運営に不満があるということで退職する方もいますので、長く勤めているということは、ある程度よいサービスが提供されている可能性が高いと考えます。

 最後の○ですが、介護人材確保ということについては、都道府県の中でさまざまな団体が動いていただいているわけですけれども、それぞれの団体が個別に動くというよりは、何か一緒になって動いていただければと思います。人材センターといったようなところもいろいろ動いていただいていると思いますが、今の若者が実際、人材センター等を活用するかどうかということも含めて、考えていただければと思います。

 先ほど選ばれる施設、事業所というものがありましたけれども、今後何らかの形でその事業所の内容を公表していくことは必要で、介護サービスの情報公表の制度というものも利用したらいいと思います。ただ、今のように書類のあるなしだけを公表されても余り意味がないので、もう少し事業所がやっているサービス内容の話とか、あるいは実際に人材のこと等を積極的に公表していただければと思います。以上です。


○田中分科会長 河村委員、どうぞ。


○河村委員 私は農漁村あるいは中山間地域の町村の保険者として、今回の改定に当たりまして従来からの問題点等を踏まえて少し発言をさせていただきたいと思います。

 一度この会でもお話をさせていただきましたけれども、施設と在宅の問題です。その中で在宅については私どもの町のような小さな町村ではほとんど事業者 参入がございません。それはなぜかというと、私どもの町は周りを山に囲まれており、一番奥に詰まった部分であります今回の介護報酬の改定では、そうした地域でも、在宅介護が 可能となるように、それを誘導できるような人材、また、人材に対する介護報酬あるいは、そういう地域参入 する事業者に対して、通所あるいは訪問サービスもそうでございますけれども、そういう部分に対するインセンティブをどう与えるか。小さな町村 は今、それを非常に悩んでいる町村が多ございます。そういう点で今回のいろいろな議論の中で人材を確保していく。もちろん確保していただかないと困るのですが、そういう問題について考えていただきたいと思います。

 また、地域包括支援センターをそれぞれの市町村が持つことになりますけれども、このときにも大きなところと小さいところ、実際には大きいところの事業者は1時間に効率よく、たくさんできます。しかし、私どもで訪問介護をするとすれば、隣の青梅市に比べて1対5ぐらいの割合です。その間、車を運転して移動する。こういうものが全部同じであれば民間でやっている皆さんは参入してこない訳です。こういうことが全国の 928 の町村で起こっているという実態をもう一度しっかり見ていただき、それに対するインセンティブをつけていただきたい思います

 特に今後、特養に要介護3以上でなければ入れなくなります。そういう点で今、申し上げましたようなことがきちんと行われないとするならば、これはある意味では地域格差をさらに広げていくという結果になるのではないかと思います。人材確保をするときに町村のそういう実態を踏まえながらどういうインセンティブを与えるのか。また後ほど地域手当の問題もあるようですから、それはそこでまた私の意見を申し上げさせていただきたいと思いますけれども、そういう実態を踏まえて最終的に結論を出していただきたいと思います


○田中分科会長 小林委員、お願いします。


○小林委員 国が介護職員の処遇の改善に取り組んでいくということは重要だと思いますが、介護職員の確保が困難で定着率が低いということであれば、まず事業者が職員の処遇を改善することが必要であると思います。前回改定から現在までの間に、事業者による処遇改善に向けた自発的な取り組みにどのような変化が出ているのか、若し何か資料があれば次回以降、御提示いただけたらと思います。

 また、前回改定で「例外的かつ経過的な取扱い」として介護職員処遇改善加算が設けられたわけであり、今回、処遇改善のための方策を検討するに当たっては、収支差の状況や労働分配率、内部留保なども踏まえた事業者の処遇改善の余力等を検証したうえで結論を出していく必要があると思いますので、事務局におかれては対応をよろしくお願いしたいと思います。以上です。


○田中分科会長 齋藤委員、お願いします。


○齋藤(訓)委員 村上委員御指摘のように、4ページの資料を見ると非常に離職の高いところと、そうでないところが二極分化している状況なのですが、この離職率の非常に低いところが例えば加算の要件になっている処遇改善をどういう形で実施しているのか、そのベストプラクティスを周知していく努力も必要なのではないかと思います。

 看護師の離職もかなり高い中で、いかに就業率を上げていくか、離職防止を図るかということを看護協会では随分前から事業としてやってきたのですが、ワーク・ライフ・バランスの推進を経営者と現場がともにやるというところでは着実に離職率が減ってきているという事業の成果もありますので、成功事例をきちんと周知していくことと、経営者を交えたマネジメントの力をいかにつけていくかということが非常に重要なのではないかと思います。

 いわゆる結婚、出産等は女性特有な離職理由ですが、育児休暇が終わればまた戻ってこられるような環境整備、そこを今後報酬上の評価とあわせてやっていくことが必要ではないかと思います。処遇改善加算の要件につきましては、本来でしたら報酬本体に入れることが必要なのかとは思いますけれども、もし加算の形で残すということであれば、今の加算(ローマ数字1)の要件は必須にして、加算を一本化していかないと、なかなか変わっていけないのではないかと思っています。


○齊藤(秀)委員 ありがとうございます。

 私から3点申し上げたいと思います。

 まず給与改善に関する件でありますけれども、本来的には基本サービスに入れて労使間で相談をしていただくというのが本来のあり方だと思いますが、私はまだそこまで労使間の環境が充実しているとは思いませんので、給与改善の底上げを図るためには処遇改善加算というのは、1つの方法ではないかと思っています。

 2つ目でありますけれども、今日知事会さんと老施協さんから出ておりますが、介護現場に外国人介護士の受け入れをすることに関してであります。これは現在、技能実習制度によってこの受け入れの方向が検討されていると伺っておりますけれども、これは日本人の雇用環境への影響でありますとか、サービスの質の低下ということも非常に懸念されるわけでありますし、現状、先行しております建築でありますとか農業、漁業という現場における技能実習生の抱える課題の中では、毎年1,000名以上の方々の行方不明が出ている、失踪しているといった問題が出ているわけでありまして、そもそも技能実習制度というものについては、多くの課題を私は抱えているのではないかと思います。

 少なくともEPAに準ずる枠組みがあって、アジアの人材育成につながるという仕組みでなければならないと考えておりますので、この技能実習制度による受け入れというものは極めて慎重であっていただきたいと思うわけであります。

 3点目でありますが、今日の資料の99ページであります。情報公表に関する資料が出されておりまして、特にサービスの質、従事者に関する情報として都道府県が任意で公表できる仕組みがあるわけでありますけれども、残念ながら今日の資料では数件にまだ現状とどまっているという状況であります。

 利用者が事業所を選択する上で貴重な情報であるということはもちろんでありますが、さらに事業者の雇用管理を向上させるメリットというものも期待できるわけでありまして、今日知事会から提言というふうに出されている中にもそのことが触れられております。これは国に対する要望というよりは、むしろ都道府県みずからがこれを率先してこの情報についての公表を積極的にお進めいただきたいと考えるわけでありまして、ぜひ知事会の皆様にも御支援いただいて、広く労働条件の内容が公表される。それがまたプラスに影響できるようにする。これは極めて大事なことだと思いますので、関係者の皆様に御要望申し上げたいと思います。以上であります。


○田中分科会長 お待たせしました。東委員からお願いいたします。


○東委員 全国老人保健施設協会の東でございます。

 4点お話を差し上げます。

 まず25ページでございますが、これは介護保険部会のものをまとめたものでございます。○の3点目、赤字が書いてありますが、下から2行目でございますけれども、事業者の経営実態が改善していることも踏まえという文章がございます。しかし、これは厚生労働省の平成23年度経営実態調査の例えば老人保健施設の収支差は9.9%に比べまして、平成25年度、直近の概況調査は6.7%と下がっております。特養、訪問看護に関しても同じように下がっておりますので、事業所の経営実態が近年改善しているということは余り当たらないと思うことを、一言まず述べておきます。

 次に47ページでございますが、今回非常に細かなデータを出していただいて本当にありがとうございます。ただ、47ページにはいわゆる産業界、社会保険、福祉の全体の額が出ておりますが、これを見ますと産業計で324,000円、医療・福祉で294,000円に比べますと、福祉の施設、ヘルパーは218,000円というふうにかなり低うございます。もちろんこれは医師、看護師と比べるというのは少しどうかなと思いますが、逆にこのたび出ましたとび職とか鉄鋼業等の方と介護職を比較するというのも、私は少しどうかなと考える次第でございます。

46ページにありますように、今回、平成26年の法律第83号におきまして、介護従事者の人材確保、処遇改善については、財源を確保しつつ、幅広い職種を対象に実施するということが附帯決議で決まっております。ぜひとも消費税等の財源を使いまして、この財源を確保し、また、先ほど田部井委員からの御発言にもございましたが、このような介護職員の処遇改善を今のような介護報酬の加算というふうなもので見るのか、もしくは一般財源で別枠で見ていくのかというのは、今後各論の分野でぜひ御議論をしていただきたいと思います。

 最後でございますが、先ほどから出ております介護職員の地位向上、社会的地位の問題でございますが、私も同じでございまして、賃金だけを上げるのでは非常に難しいと思っております。私ども全国老人保健施設協会におきましてはR4システムという新しいケアマネジメントシステムを今、展開しておるところでございますが、そこにおきましては多職種共同というものが1つのテーマになっております。それは介護職員が医師や看護職に対しても、対等に意見を述べながらケアマネジメントをしていくというシステムでございます。多職種共同という意味よりも、多職種平等という形で職場で働いていく。こういうことが今後、介護職員の地位向上につながるのではないかと考えております。

 ぜひ介護職員が社会に出たときに、名刺を持って私は老人保健施設の介護職をしていますというふうに胸を張って図れるような、いわゆる社会的地位というものが確立されることを望む次第です。以上です。


○田中分科会長 堀田委員、どうぞ。


○堀田委員 105ページの論点に関して、まず2つ目と3つ目なのですけれども、今回のこの資料は、これまで47ページのレベルの平均的なものだけ出されていたものだけが、賃金についての正確な事実認識をするという上で非常に貴重だったと思います。これは今回は公表データに基づいていますけれども、公表データに基づいてさまざまな条件をコントロールしたとしても、介護職の賃金というのは中から上ぐらいということで、今回の出されたことと同じような結果になっていますので、この事実認識はまず重要だと思います。

 その上で、この流れとして資質向上や雇用管理の改善とありますけれども、皆様の御意見もさまざまありましたように、現場のレベルのケア、サービスのあり方、さらに働き方、それに加えてマネジメントのレベル、それぞれのレベルのイノベーションをどう促進するか。それを通じて評価が高まるというような逆にイノベーションを阻害しているものがあれば、促すという発想が重要ではないかと思っております。

 そういった発想からすると、これからこの処遇改善に関して報酬上の対応とか、加算なり何なりということを考えていくときに、一律に何らかの方向性を、職場のあり方を縛って首を絞めることにつながらないようにすることは、極めて注意するべきだと思います。これはさまざまな分析を通じましても、介護職の方々の例えば離職の理由あるいは職業選択の理由というのはさまざまです。性別や年齢や学歴や仕事の選択の理由とか、いる場所によっても全く違うので、一律に何かこの方向をすると評価しますということによって、その職場の実態に合った形でのイノベーションを、マネジメントによりイノベーションを阻害することにならないように注意することは必要だと思います。

 最後に論点の4つ目のところです。このサービス提供体制強化加算ですけれども、平成21年度改定で導入の際にも審議報告に書かれていると思いますが、この3つの加算というのは本来、質の高いサービスを提供する事業所への適切な評価を行うことによって処遇改善を推進すべきで、暫定的な1+2、3ということの議論の上に入ったものだと思います。先ほど内田委員の御意見もありましたけれども、しかし、現在のところ客観的な質の評価の指標がないということで、当面はこれはこれで致し方ないのかもしれないというふうに思いますが、一方でキャリア段位制度の御紹介がありましたが、質の評価というときにストラクチャプロセス、アウトカムのプロセスの評価にもつながるものだと思いますので、中長期的に考えればこういった形でのストラクチャだけの加算というよりも、質の評価のほうをしっかりと考えていくという方向で持っていくべきではないかと思います。以上です。


○田中分科会長 ありがとうございました。

 本多委員、どうぞ。


○本多委員 介護従事者の処遇改善につきましては、資料の24ページの、2312月の分科会の審議報告にもあるとおり、本来、労使間で自律的に決定されるべきものであり、また、処遇改善加算につきまして24年度改定で例外的かつ経過的な取り扱いとして設けられたものでありますので、それらを踏まえればこの加算は継続すべきではないと思います。

 資料5ページの離職率の図では、小規模事業者、民間事業者の離職率が高い形になっておりますが、9ページの辞めた理由が、収入が少なかったという理由の他にも、法人、事業所の理念や運営、あり方に不満とか、職場の人間関係に問題というのがそれぞれ25%程度あります。これらは事業者のマネジメントに起因するものであると思います。このような点を踏まえますと、例えば事業所の規模拡充などの経営基盤の強化を促す方策とか、ガバナンスの向上を事業者が主体的に図るだけでなく、国が報酬以外の形、先ほどから出ているようなイメージアップの広報戦略などもあるかと思いますが、そういった形で支援していくことが必要と考えるところです。

 また、論点では仮に処遇改善を基本サービスにおいて評価を行うとした場合、処遇改善の取り組みが後退しないようにするためにはどのような方策が考えられるかというところがあります。具体的な議論を行うためには、介護経営実態調査の結果を待つ必要があるかと思いますが、一律に評価するようなことにつきましては、私ども2号被保険者として保険料を負担するサラリーマンや、事業主には到底納得、理解が得られないものと思っております。


○田中分科会長 村上委員、どうぞ。


○村上委員 ありがとうございます。

 先ほど介護職のイメージアップ、魅力等のお話がありましたけれども、私はたまたま職員たちと雑談のときに、みんな仲間たちはどうしているという話から、やめない条件はどういうことにあるんだと聞きましたら、職場の職員同士のコミュニケーションがいいことです。仲がいいということです。それから、自分がやっていてやりがたいがあるということと、やっていることに評価をきちんとしてもらえるということ。それから、給料が安くないということです。この3つの条件が崩れたときにはやめると言うのです。

 ですから、そういうことでは職員たちは本当にいろいろなことを考えているんだなと思いますけれども、そのために先ほどお話しましたように、私たちも内部でしっかりとそこのところは見ながら、やめないためのいろいろな対策をとっていかなければいけないと思っています。特に上司になる者の役割は大きいんだなと思います。

 もう一つはイメージアップだとか魅力だとか評価だとか、あるいはモチベーションを上げるというときに今、特養は専門性の高い科学的な介護というものをやっている最中でございますけれども、例えば認知症の方々に対してBPSDが非常に改善をしているとか、あるいは穏やかになっていくとか、薬についてもドクターと話をしながら、その薬が合っているのか違うのか、多いのか少ないのかということも含めて、それによってすごくBPSDが変わっていくという方がたくさんいるわけです。

 看取りについても、今77%ぐらいは看取りをやるということで進めております。

 口腔ケアは歯科医師との間で口腔ケアをしながら、明らかに肺炎が減少したり、あるいは入院が減ったりということが出ています。そういうような業務に介護職員というのは従事している、専門職なんだということを地域の方々にどう認知してもらえるかということなのですけれども、これは制度上でも、それに対する加算をもっともっと評価してもらえるということ。この加算を取ることによって結果的にモチベーションを上げる。やったことによってお年寄りも元気になっていくということをしながら、結果的には医療・介護との連携の中では同等の専門性を持った役割があるんだ。先ほど老健の先生方が平等とおっしゃいましたけれども、そういう意味では同レベルにあるんだということを、国でも都道府県でも、もっともっとマスコミを通じて公表してほしいと思っています。

 特養に限っては、これでも話しましたけれども、専門職種とか機能というものをもっと制度上でもアウトリーチできるようなことをつくっていっていただきたいと思いますし、それを創造することによって地域包括ケアシステムだとか、あるいは私は特養というのは施設包括ケアシステムだと思っていますが、ここをあわせて過疎地だとか離島だとか、先ほど河村先生がおっしゃっていたような、そういう町村の特徴なんかも含めて役割があるなと思っています。

 もう一つだけ、外国人人材の介護職についてなのですけれども、処遇の低下というお話がありましたが、私たちのところで随分特養では外国人労働者、介護職を入れておりますが、例えば処遇の低下によってやめたという人の話は聞いたことがないのです。キャリアパスとか、キャリアアップとか、これも同じようにやっていっているなと思いますし、園全体で、事業所全体でその外国人人材に対して研修も含めてみんなで取り組んでいる中では、この外国人人材の役割というのは非常に大きくなっているということがありますので、処遇の低下ということがあるのなら、国でも調べていただきたいと思いますが、恐らくないと思います。ですからそういうことで外国人人材をどう入れていくかということについては、先ほどの資料の中で書いてありますので、もう一度見ていただけたらと思います。ありがとうございます。


○山際委員 ありがとうございます。手短に3点申し上げたいと思います。

 1点目ですが、主な論点の2番目の賃金水準にかかわるところでございます。詳細な資料を御提出いただきまして、ありがとうございます。

 1点だけ留意をお願いしたいと思いますが、72ページのところで企業規模別の女性短時間労働者の賃金分析の表などがございますが、この表だけを見ると一見、ホームヘルパーの時間給が福祉施設介護員であるとか、職種計よりも非常に高く出ていると見えますが、ホームヘルパーの場合は多くが直行直帰の形で非常勤の形態をとっております。ある意味、実態的には出来高払いのような形をとっていますので、空き時間もある中で、実際に月間の労働時間は多くないというのが実態でございます。

 具体的には38ページ、この間の実態調査の中でも明らかになっております。38ページの右側に非常勤の実労働の時間と平均給与が載っていますが、非常に低水準だというのが実態でございます。こうしたことが平成25年度のまとめの中でもまとめられていますので、ぜひこうした実態を踏まえていただきたいということです。

 また、ヘルパーの場合については移動時間の賃金については別建てで低く設定していますので、こうしたことも加味すると、ホームヘルパーの月額の給与水準は高くないという実態をぜひ押さえていただきたいと思います。

 一方、地域包括ケアシステムの中で重要な役割を担う訪問介護の人材確保については極めて重要だと思っていますので、こうした点も踏まえて、この論点2の賃金水準であるとか、処遇改善については留意いただいて進めていただければと思っております。それが1つです。

 2つ目ですが、3つ目の論点の介護職員処遇改善加算についてですが、ここについては処遇改善の一定の効果があるということから、今後も内容的には必要だと思っていますが、具体的な方策についてはこちらの論点でも書かれているように、処遇改善の取り組みが後退しないような形で今後、各論での御論議をぜひお願いしたいと思います。

 3つ目ですが、論点の5つ目に出されている新たな財政支援制度、基金の活用についてでございます。現場ではヘルパー2級研修から初任者研修に制度移行したことに伴って、費用面であるとか研修時間などの関係から、研修の参加者数が減少しているのが実態でございます。今後、相当な数の人材を確保していく、すそ野を広げていくという意味からも、この新たな財政支援制度、基金の活用に当たって初任者研修であるとかキャリア段位制度などを通じて、介護人材のステップアップができるような基金の活用をぜひお願いしたいと考えています。以上、3点です。


○田中分科会長 ありがとうございます。

 政府が直接サービスを提供している警察や消防でしたら、これは制度が全部賃金を決めるでしょう。一方で一般産業でしたらまさに労使に任せる。どちらも正しいですが、介護保険の世界は政府が直接供給している世界でもないし、一般の自由市場産業でもありません。我々の専門用語で言うと準市場といいます。つまり、市場の特性と公的な財務的な支援が組み合わされています。すなわち、答えは労使関係についても制度が全部決め手はいけないという堀田委員の言ったことも正しいし、一方で市場に全く任せるという答えもなくて、労使の実勢に期待しつつ、しかし、制度的関与もあるとの理解の下で答えを探すしかないのでしょうね。皆さんの言っていらっしゃることもそこに落ち着くと思います。

 また、この職種の魅力を高め、ステータスを高める方向に反対の人は1人もいなかったことを確認できて大変うれしく思いました。この問題は今日で終わりません。多様な御意見ありがとうございました。

 もう一つの議題、地域区分のほうに移ります。事務局より資料の説明をお願いします。


○迫井老人保健課長 老人保健課長でございます。

 時間もございませんので、ごく簡単に資料2を御説明いたします。

 1ページ目に地域区分の概略が書いてございます。介護報酬、人件費、物件費。特に人件費、地域差を補正するために、このような制度を国家公務員の調査手当を基本として設定いたしておりますということです。

 2〜4ページは事実関係。実際の制度の運用をこういうふうにしているということでございます。

 6ページでございますが、直近の改定におきまして平成24年度でございますが、今、お話しました原則にのっとりまして7区分に準拠した対応をしてきたということでございます。その際、ポイントといたしましては経過措置と書いてございますが、大きく変動いたします地域もございますので、経過措置、激変緩和のための措置を講じたということでございます。

 8ページ、こういう状況の中で人事院の勧告がこの8月に出ておりまして、地域区分についての見直しもその中に含まれております。

 こういう状況を踏まえて最後9ページ、論点でございますが、大きく○が4つと2つ。27改定今後の対応についてどう考えるのかということでございます。

 1つ目の○は、原則確認しておりまして、2つ目の○は今お話しましたとおり、8月に出ましたということでございます。

 そこで2つポイントがございまして、この新たな人事院勧告につきましてどう対応するのかということでございますが、今回の改定について新たなルール施行を前提とした対応ととるべきと私ども考えておりますが、それについて確認をいただきたい。

 2点目でございますが、その際、24改定、先ほど申し上げました対応をしておりますので、自治体からの御意見も伺った上で、激変緩和を回避するような措置が必要かと考えておりますが、その点についても御確認いただきたい。

 残り2つの○は、現行のルールというか報酬の設定の技術論がございまして、人事院勧告を参考にさせていただくということでございますと、○の下から2つ目ですが、国家公務員、国の官署がない地域についてどう考えるのかということでございますけれども、現行制度はここに書いてあるようなことでございますが、この点につきましてどう考えるか。

 それから、広域連合で自治体が複数参画をされているようなケースにつきまして、現行必ずしもこの部分の取り扱いが明確ではございませんので、自治体が適用されている区分の範囲内で設定することを明確にしてはどうか。この2点につきまして御確認いただきたいと思っております。以上でございます。


○田中分科会長 ただいまの説明に対して大西委員、お願いします。


○大西委員 地域区分の考え方というのは、我々保険者である市町村の保険財政、保険料等に直接影響するもので、非常に肝心なものなのですが、前回24年の改定のときにそれまでの国家公務員調整手当の準拠から地域手当のほうにがらっと変わったということで、相当数増減が起こったわけでございます。

 全体の財政中立ですので全体を引き下げた上で、それぞれ数パーセントの加算をしていくという考え方なのですが、個々の市町村で見ると大きく増減が起こりますので、若干混乱が生じました。最終的には各市町村の意向等も踏まえていただいて、経過措置的な扱いで3年間やってきていただいたわけです。今回もさらにそれがまた変わるということでございますので、ぜひともまず厚労省の今のこの地域区分に関する考え方をきちんと地域におろしていただきたいと思います。我々もちろん市長会も市長会としてきちんと周知させていただきますけれども、個々の自治体において地域区分、今度の第6次の財政計画においてどうするのか。そういう意向を把握していただいて、経過措置なり、その辺の調整というものをぜひともよろしくお願いしたい。その上で正式決定をしていただきたいとお願いしたいと思っております。

 1点、先ほどの人材確保のところであわせてお話させていただこうと思ったのですが、資料1の16ページにございます。医療・介護サービスの提供体制改革のための新たな財政支援制度でございますけれども、まさに介護職員の人材確保といっても医療・介護の全体の連携の中で医師不足も言われておりますし、看護職員の不足も言われております。そういう中で全体が連携をしながらそれぞれの人材確保をきちんとやっていく。医療・介護の従事者の人材確保を総合的にやっていくことが大事だと思っています。

 したがいまして、介護報酬の中でのもちろん処遇改善加算という問題をどうするか。これも大事な点でございますけれども、それも含めて新たな財政支援制度、基金をつくった都道府県主導によります財政支援制度による人材確保策、その辺についてより具体的な措置といったものをぜひとも国のほうから指針を出していただいて、強力に指導していただきたい。そのことをお願いしたいと思っております。


○田中分科会長 河村委員、お願いします。


○河村委員 地域区分につきましては、当初人事院規則に基づいて設定し、それ議論されて3年間の暫定的な地域区分を設けてやってきたわけです現実にはそれをやった結果、私自身はある意味逆格差が生まれてきたのかなという気がいたしております。

 と申し上げますのは、地域区分が人事院規則に準拠しているのですけれども、それをつくった過程において、東京都の場合には2326市、 13 の町村がございますが、その 13 の町村には、島しょ町村が9あり、多摩地域には4つの町村があります。それから、多摩地域には、そのほか 26市がありますけれども、この私どもの町村と市、市と市のつながりがあるにもかかわらず、3%、6%という格差がございます。

 これはどう考えても納得できるものではありません。例えば、特養の老人ホームが私の町に 4つありまして、四百数十名が入所しております。前回の改定では、私の町は、その他の地域ですから3%でした。山を越えた隣の檜原村は6%です。また、市によりましては、国の法務局の出張所がある福生市は15%です。その隣の羽村市は3%です。こういうことが現実論としてやってみておかしくないのか、といううに問いたいわけであります。

 むしろ私自身は、地域区分について地域の人材確保、あるいは小さい町村の雇用の確保、そういう意味から発想の転換をして、23区あるいは26市のように賑やかなところではなくて、町村で私どもの人口は6,000人ですから、そこに特養を4つ抱えてほとんどの入所者23 26市から来ているわけです。そういう施設の人材を確保するためにも、地域区分の発想というものは逆にしたらどうかという提案を申し上げたいと思います。


○田中分科会長 鈴木委員、どうぞ。


○鈴木委員 私も地域区分につきましては、当面、人事院勧告が定めた新たなルールに基づく国家公務員の地域手当を基本にした見直しは必要だと思いますけれども、同じく激変緩和のための経過措置も行うべきだと思います。

 しかしながら、今、話がありましたように、その他地域に施設があっても、職員の多くが隣接の地域から通勤している場合も多く、今後、過疎地の人口減少により介護職員の確保がさらに困難となって、人員確保のためのコストが却って過疎地ほど多くかかることも予想されます。必ずしも国家公務員と同じようには論じられないところがあると思います。いずれ現状に合わせた大幅な見直しが必要だと思いますが、現時点においても少なくともその他地域の引き下げは絶対に避けるべきであり、それを前提とした見直しは必須であると考えます。以上です。


○田中分科会長 堀田委員、どうぞ。


○堀田委員 今、御指摘がありましたように、人材確保の観点から見ると、なかなかどこもハッピーな地域区分というのは非常に考え方が難しくて、これは長期的な課題だろうなと思うのですけれども、でも当面の考え方というところでいきますと、9ページの主な論点の5つ目のところ、どのように考えるかというふうにありますけれども、1つの例ですが、地方公務員の地域手当の設定についても国家公務員の地域手当と同じ手法で算出しているということであれば、それに準拠することも客観性の担保ということを考えれば選択肢の1つになるのかなと考えます。ただ、長期的にはじっくり考えるべき論点かなと思っています。以上です。


○田中分科会長 村上委員、どうぞ。


○村上委員 質問なのですけれども、人事院勧告において民間給与の低い地域の民間企業の水準に合わせて公務員俸給を2%下げることになっているわけですが、これによる介護報酬への影響については、どうなのかということを教えていただきたいと思います。


○田中分科会長 事務局、今の点はお答えになりますか。


○迫井老人保健課長 8ページの概要を
ご覧になっての御質問という理解でよろしいかと思いますが、結論から申し上げますと、これは今後どう対応するかということが議論そのものでございまして、分科会で取り扱いを含めて最終的にその数字の設定も含めて具体的になりますが、現時点でこれをどのように扱って、どのようにするのかということが決まっていない中で影響について全く試算しておりません。以上でございます。


○田中分科会長 これはいろいろな問題提起がありましたが、先ほど堀田委員が言われたように使えるデータをいろいろ使いながら詰めていかないと、国家公務員だけに準拠するものでもないことがわかりましたね。さらに過疎地をどうするかにかかわる別な大きな議論もあるように思いました。

 ほかによろしゅうございますか。先ほど田部井委員が言われた点についてお答えいただけますか。


○高橋振興課長 田部井委員から御質問のあったガイドラインの関係のことですけれども、特に目標を設定するとか、そういう類のものではありませんので、その方の状態とか、希望の内容とか、そういうことを踏まえて判断していくということだと思っております。ガイドラインにもその旨を明記しておりまして、御質問については特に目標とかそうしたものは設定しておりません。


○田中分科会長 すみません、もう2〜3分おつき合いください。その他の議事が1つございまして、東日本大震災に対処するための要介護認定有効期間及び要支援認定有効期間の特例に関する省令の改正について、事務局より説明をお願いします。


○迫井老人保健課長 簡単に御説明いたします。

 参考資料2をご覧いただきたいと思います。被災地、特に東日本大震災被災地に関しましては、要介護認定の事務の軽減を排除する観点から、このような措置を行っておりまして、これは半年ごとに見直すことになっておりますので、今回、対象としました次の2地域、双葉町と飯舘村につきまして、今月下旬、交付日を予定として施行したいと考えております。以上でございます。


○田中分科会長 これは審議事項でありませんで、報告でありますが、何か御質問ございますか。やむを得ないことと存じます。

 では、本日の審議はここまでといたします。次回の分科会の日程等について事務局より説明をお願いします。


○迫井老人保健課長 次回は9月10日水曜日、14時からでございます。会場はベルサール半蔵門を予定しております。

 なお、分科会を御案内させていただきましたが、改定に向けた検討の一環としましてヒアリングを今後2回予定させていただいておりまして、次回はその1回目に該当いたします。10日の分科会では以下の団体7団体から御意見をお伺いする予定となっております。

24時間在宅ケア研究会、日本理学療法士協会、日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会、全国特定施設事業者協議会、全国経費老人ホーム協議会、サービス付き高齢者向け住宅協会の予定となっております。

 委員の皆様には事前にお伝えしておりますけれども、審議時間が3時間となっておりますので、御留意をいただきたいと思っております。

 本日はこれで閉会をさせていただきます。ありがとうございました。


○田中分科会長 ありがとうございました。


(了)

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