ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 年金局が実施する検討会等> 公的年金の分かりやすい情報発信モデル事業検討会> 第2回 公的年金の分かりやすい情報発信モデル事業検討会 議事録(2014年9月10日)




2014年9月10日 第2回 公的年金の分かりやすい情報発信モデル事業検討会 議事録

年金局

○日時

平成26年9月10日(水)14:30~16:30


○場所

厚生労働省 専用第12会議室


○出席者

構成員

阿部構成員 熊切構成員 佐々木構成員 佐藤構成員 関口構成員
殿村構成員 原構成員 三浦構成員 横尾構成員

厚生労働省

樽見年金管理審議官
大西事業管理課長

日本年金機構

向山給付企画部長
上野サービス推進部長
町田国民年金部長

○議題

(1)市町村国民年金事務に関する業務サポート支援ツールについて
(2)市町村職員向け通信研修について

○議事

(※この議事録のPDF版を第2回検討会の資料ページにご用意しておりますのでご利用ください。)

〇司会
 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第2回公的年金のわかりやすい情報発信モデル事業検討会を開催いたします。皆様、本日はお忙しいところお集まりいただき誠にありがとうございます。本日の構成員の出欠状況ですが、全ての構成員の方々にご出席いただいております。なお、樽見大臣官房年金管理審議官におかれましては、公務のために遅れて到着する予定となってございます。何卒ご了承ください。また、事務局からの出席者ですが、お手元の座席図の通りとなっておりますのでご紹介に代えさせていただきます。
 それでは、議事に先立ちまして、資料の確認をさせていただきます。お手元の議事次第をご参照ください。本日は配布資料といたしまして、資料の1「市町村における国民年金手続き促進モデル事業、各事業におけるポジショニングマップ」、こちらはあずさ監査法人、TAC 株式会社、株式会社電通 PRの3社共同の提出資料でございます。それから、資料の2といたしまして、「業務支援ツールについて」、こちらはあずさ監査法人の提出資料でございます。それから、資料の3-1「市町村職員向けの通信研修モデル事業について」、こちらはTAC株式会社の提出資料。ならびに、3-2は同じく通信研修テキストの見本でございます。こちらを配布させていただいておりますので、よろしくご確認いただきたいと思います。
また、構成員の皆様のお手元には前回の議事録を配布してございますので、必要に応じてご参照いただければと思います。内容についてはご確認いただきまして、後日、修正点等あれば、別途ご連絡いただければと思ってございます。資料等ご不足の方はいらっしゃいますか。ありがとうございます。
 それでは、カメラのほうはこちらで退室をお願いしたいと思います。
 それでは、具体的な議事検討に入らせていただきます。本日は、市町村国民年金事務に関する業務サポートツールについて、そして、市町村職員向け通信研修についての2点を議題といたします。
 本日のタイムテーブルをご案内いたします。本日の検討会では、まずは各事業のポジショニングマップをご説明した後、業務支援ツールモデル事業および通信研修モデル事業につきましてご助言を賜る予定としております。このため、各事業のポジショニングに関する説明質疑に10分程度、そして、業務支援ツールモデルに関する説明質疑で50分程度、通信研修モデル事業に関する説明質疑で50分程度といったところを予定してございます。
 それではまず、あずさ監査法人、TAC、電通 PR の3社より本事業における各事業のポジショニングについて、あずさ監査法人が3事業者を代表してご説明差し上げます。
〇あずさ監査法人
 それでは、資料1番という横書きの資料をお手元にご用意ください。3事業者を代表してあずさ監査法人より説明を差し上げます。第1回の検討会におきまして、複数の構成員の方からコメントをいただきましたが、それぞれ「事業者の成果物の立ち位置がわかりにくい」ですとか、「棲み分けを明確にしたほうがいいのではないか」というコメント等々をいただきましたので、改めて我々3事業者で話し合いまして、それぞれの立ち位置を明確にしてまいりました。まずは、あずさ監査法人、TAC、電通 PRそれぞれが作成する成果物ですけれども、復習になってしまいますが、我々あずさ監査法人は業務支援ツールということで窓口において使うツールを作成する。TACさんは窓口の方が受ける研修のコンテンツを作成する。電通 PR さんは窓口に来ていただくためのツールとしてのイメージアップムービーや来ていただいた方のためのツールとしてのパンフレットを作成するという状況でございます。こちらは、成果物をどなたが使用されるのかという切り口と、いつ、どこで使用するのかという場面の切り口があると思いますので、縦軸と横軸それぞれで切り分けてございます。我々あずさ監査法人が作成する業務支援ツールは、窓口で対応される方がそれを使うことを想定しておりまして、実際に窓口でお客様対応時に使うのがメーンだと考えております。お手元の資料で言いますと、右上にマッピングされております。TACさんの研修のコンテンツについては、こちらも窓口の対応者の方が学習をされるための研修教材ということでございますので資料の上段にありまして、かつ、窓口に実際に立たれる前に学習されて、それから窓口に立つということでございますので、資料で言いますと、左上にマッピングがなされております。一方、電通 PRさんが作成される物は、基本的にはお客様向けのツールであるということでございますので、資料の下半分にマッピングがされております。成果物のうち、お客様に窓口まで来てもらうためのツールであるムービーについては左下にマッピングがされております。また、来ていただいた後に情報を提供するためのツールとしてのパンフレットが右下にマッピングされております。
 ポイントは、それぞれオーバーラップする部分や重複する部分があるでしょうということです。実際この図の上でもあえて重ねて書かせていただきましたけれども、このあたりをうまく連携ないし棲み分けしながら事業を進めていく必要があろうと考えております。まず一つ目のポイントですけれども、あずさとTACの連携です。窓口に立たれる方が実際に使うツールを用いて研修を行うというところがまず一つのポイントと考えております。もう一つのポイントが、来ていただいた方の手元にあるパンフレットを用いた研修ということでTACさんと電通 PRさんの連携が必要であると考えております。3つ目のポイントは、我々あずさ監査法人が作る物と電通 PRさんが作る成果物は両方とも窓口に来ていただいた後にお客様が見る物ですけれども、窓口の対応者向けのツールとしてあずさの業務支援ツール、来ていただいた方への情報発信のツールとして電通PRさんのパンフレットということで成果物の棲み分けをしていく必要があると思っております。以上のように、我々3事業者が改めて話し合って、認識をすり合わせた上で今後の具体的な成果物の作りこみを行う予定です。途中途中でお互いどのようなコンテンツを入れるのか等を共有しながら進めていきたいと考えているところでございます。ポジショニングマップの説明は以上になります。
〇司会
 ありがとうございました。それでは、ただ今のご説明の中で、まず、資料1各事業におけるポジショニングマップに関してご意見をいただければと思います。例えば、各事業の関係とか棲み分けといったところがありましたが、ご不明な点等ございますか。特段ご不明点等ないようであれば、各事業者が今後説明差し上げていく内容でこちらのポジショニングマップを改めてご確認いただきながら個別の事業者に対してご質問いただければと思います。ありがとうございました。
 引き続きまして、あずさ監査法人より業務支援ツールモデル事業についてご説明いただきます。よろしくお願いいたします。
〇あずさ監査法人
 それでは、引き続きあずさ監査法人より資料の2に基づいて説明を差し上げたいと思います。表紙をめくっていただくと目次がございます。こちらめくっていただけますでしょうか。スライド番号の1番。第2回の検討会において議論いただきたい事項ということで、本日のテーマについてまずお示しいたします。冒頭からお詫びで申し訳ないのですが、前回提示させていただいた検討会全体のスケジュールの中で申しますと、本日、我々あずさ監査法人から業務支援ツールをのうち適用と免除に関する部分について具体案をお示しする予定でございました。しかしながら、現時点において、織り込むべきコンテンツや論点について弊法人の中でもんでいる部分がございまして進捗が遅れております。進捗が遅れておりますので本日は改めてマル1ということで今我々が考えている業務支援ツールごとの使用場面と目的を定義させていただいて、それぞれ目的に応じた詰め込むべきコンテンツがあるのではないかというところをお示しさせていただきます。また、適用・免除の業務について、それぞれ特徴といいますか性格があると思いますので、業務支援ツールに盛り込むべき論点、このようなものを盛り込んだほうがいいのではないかというところを改めてお示しさせていただきます。これらについて構成員の皆様からご意見をお聞かせいただいて、今後提示していく成果物の案に反映させていきたいと考えている次第でございます。
それでは、2枚目のスライドに進んでいただけますでしょうか。スライド番号2番ということで、業務支援ツールの作成基本方針になります。こちらは、第1回の資料でお示しさせていただいた物の再掲になります。基本的には業務支援ツールは窓口で応対する際に使う物であるので、見やすい物であるべきだとか、使いやすい分量であるべきだとか、平易なわかりやすい語句であるべきだというところの基本方針は変わっておりませんので、本日はご確認に止めさせていただきます。
3枚目のスライドに進んでいただきます。こちらも改めてのご紹介ではございますが、それぞれの業務の分析と業務支援ツールの作成範囲のご紹介になります。こちらも前回第1回の検討会でお示ししている物と基本的には同じ内容ですけれども、平成25年度調査におきまして各市町村の実際の業務の事務量と、どの業務について支援ツールがほしいのかというニーズに関するアンケートをしております。前回ご報告した通り、その中から事務量の多い業務、難易度の高い業務、作成希望の多い業務について業務支援ツールの作成の範囲としていこうと考えている次第でございます。こちらは、1回目以降、我々の中でさらに深堀していく中で、例えば一言で事務量の多い業務と言っても資格取得のように基本的には受付がメーンの業務もあれば、申請免除や学生納付特例のように相談の割合が大きい業務もあるでしょうし、高難易度業務の中には処理件数が少ない割にはいろいろ判断するべき事項が多くて難易度が高いものもあるでしょうと整理をしたところでございます。い前述の基本方針と、今説明致しました作成範囲ごとの性格等々を踏まえて次のスライド以降で本日議論いただきたい事項を説明致します。
スライド番号4番です。タイトルとして使用場面と目的と掲げさせていただきました。先ほど、3事業者合同でご説明差し上げた資料1とも重複しますが、市町村の窓口にいらっしゃるお客様自体の目的は様々でしょう。例えば、今日は相談だけに来ましたという方もいらっしゃれば、実際に手続きをしに来る方もいらっしゃると思います。また、以前手続きに来て資料が足りなかったので2回目の訪問ですという方もいらっしゃると思います。なので、一言で「お客様が来ました」と言っても、その目的は様々あろうと考えております。そのため、支援ツールおよび解説集も使用の場面がそれぞれ異なることが想定されるであろうと考えております。もちろん市町村の実務には配慮しながらも、我々は支援ツールと解説集の使用場面を以下の表のように定義しようと考えております。まず、場面を対面と内部事務に分けさせていただいて、対面をさらに来客のタイミングと、その後の手続きに入るタイミングとに分けさせていただいております。まず、お客様がいらっしゃった後、マル1-1とマル1-2と分けています。例えば年金制度全般的な相談という場合には電通 PRさんが作成いただくパンフレットで普及啓発をするのであろうと考えております。反対に、手続き目的が明確なお客様がいらっしゃった場合には、応対ガイドを用いて詳しい制度の内容などを行うことを想定しています。例えば「この書類を書きたいです」ということであれば、「この記載内容で、このように記載してください」とパンフレットでは十分に網羅できないような詳細な情報を含めて、実際に指をさしながら「こういうものですよ」とご案内する場面で応対ガイドを使うことを想定しております。一方、チェックリストや必要書類リストになりますと、具体的な手続きの場面で使うのであろうと考えておりまして、例えば手続きが完了したのかどうかの確認やどこが未了なのかということをわかりやすくお客様に見せられるようなかたちでツールは使われることを想定しております。最後に、実際に使うツールをどうやって使ったらいいのか、という場面で解説集が出てまいります。さすがに対面の場面で解説集を開くわけにはいきませんので、事前に、または、応対の後に処理の流れやよく誤りが起きてしまう事例、年金機構様から返戻が多い事項などを確認して、担当者の方が学習するということを想定しております。
5番目のスライドに進んでいただきまして、本日の論点の2つ目になります。適用・免除業務の支援ツールを作成する際にどういう論点を入れたらいいのかというところをご説明差し上げます。まず、適用業務、免除業務の現状ですけれども、適用・免除の業務は先ほどお示しさせていただいた通り業務量の全体の6割ぐらいを占めているということで、かなりボリュームゾーンの業務になっております。こちら業務量は多いものの、実は先ほど申し上げたように受付だけで済んでしまうケースがある等々画一性が強い業務であったりもしますので、窓口の担当者の方が仮に初心者であったとしても数カ月その業務をみっちり経験していただければ、ある程度こなせるレベルになっているケースが多いと分析しております。また加えて、日本年金機構様では業務マニュアルがある一方で、市町村についてはそのような解説集が存在しないということでございまして、実務に関する業務知識にかなり開きがある状況であると考えております。一方で、お客様の立場にとってみると、めったに見ることのない書類の提出等々が求められるため、一度窓口に行った後にまた改めて問い合わせるケース等々もあるのではないかと想定されます。以上のようなことを考えると、適用免除業務は業務量が多いので、窓口ではパッパッとスムーズに業務を進められるツールが必要であろうと考えております。一方で、解説集のほうにはそれなりに深い事務取扱等々を記載する必要があるのではないかと考えております。そのため、このスライドの下にある通り応対ガイド、チェックリスト、必要書類リスト、解説集それぞれに盛り込まれるべきコンテンツは違うであろうと考えています。例えば、応対ガイドであれば初めに指をさしながら示すので記載方法などをカラーでわかりやすく解説する必要があるだろうとか、チェックリストであれば手続きの完了や未了が網羅的にわかって手続き漏れを目視できるような物であるべきであろうとか、解説集については全体の流れに加えて、一番下のチェックマークにもありますが、例えば最新の法令の改正やトピックなども盛り込んで体系的に記載する必要があるのではないかと考えております。実は、この点は我々が悩んでいるところにもなります。適用、免除の場合画一的で業務量が多いので、あまり作業を増やすようなチェック項目の多いチェックリストを作ってしまうと、業務がスタックしてしまうのではないかと考えています。そのため、チェック事項の分量はどれくらいであるべきかを今検討しているところでございます。以上が適用業務の際に考え得る論点でございます。
ここから先は前回お示ししたイメージから業務支援ツール案というかたちではまだ出来上がっていないのですが、一定程度我々のほうでコンテンツ等々を考えてまいりましたので、6~8番のスライドでお示しします。まず、25年度調査で市町村から多かったニーズは、やはり書類の書き方ですとかイメージ図等々わかりやすい物がほしいというお話がございました。前回まで、応対ガイドは A4一枚もので全体のフローをザッと流す物を想定していたのですが、本当に市町村の窓口担当者の方がほしい物を考えてみた時に、実は1枚でキュッと全貌を集約するというよりは、重要な部分について6~8枚程度の分量でまとめて窓口担当者がお客様に対して具体的に指をさしながら解説するためのツールを作るほうがいいのではないかと考えています。具体的なツールの体系はスライドに示したマル1~マル5と考えています。本日は業務支援ツール案を示せなかったので、パネルで老齢基礎の部分について簡単に作ってまいりました。まだ中身が全く検証できているわけではない点ご留意ください。現物はもう少しコンテンツが盛り込まれてくると思います。
例えば、お客様が相談ではなく手続きに来ましたということと、老齢基礎年金の給付について手続きに来ましたという聞き取りができたという前提で、今日用意した老齢基礎の応対ガイドに飛んできます。まず、受給資格が老齢基礎に関しては重要になりますので、お客様に「すでに65歳ですか、そうでないですか」ですとか「年金の納付期間が25年経っていますか」ということを確認する必要があります。このあたりの確認事項を応対ガイドに含めていきたいと思っております。この25年も実は国民年金なのか厚生年金か、サラリーマンの期間があったのかどうなのかで受付窓口が変わってくると思いますので、そのあたりも聞き取りながら、「実はサラリーマンの期間がありました」ということであれば「年金事務所や年金相談センターでの手続となります」と案内するとか、国民年金のみであれば「この先窓口で受け付けます」と場合分けしながら進めていくかたちを想定しています。
 次に、年金額について知りたいというお客様であれば「原則77万円です」、「計算式はこのようになります」、「過去に免除申請していますか」などの確認事項を織り込みながら実際に指をさしながら説明していくような物を想定しています。本来、今回ここの場で適用と免除についてもう少し具体的な業務支援ツール案をお示しするつもりだったのですが、今回これくらいにとどまってしまい申し訳ありません。このようなかたちで今コンテンツを決めて、どのような論点を入れるべきかを議論しているところでございます。
 それでは、7番のスライドに進んでいただきまして、チェックリストと必要書類リストについてです。こちらはお客様との対応時に手続きが実際に終わったのか終わっていないのか、資料が揃っているのか揃っていないのか、をわかりやすくご案内するためのツールと考えております。先ほど申し上げた通りチェックリストをあまりに膨大にしてしまうと、業務が止まってしまう可能性がありますので、迷いやすいポイントや誤りやすい点を中心に記載していきたいと考えております。左下に障害基礎の例で作ってみたのですが、このような少し絞ったかたちで、あまりに量が多くならないようにと考えております。前回検討会の時にも皆様からご指摘があったのですが、お客様に渡すのか渡さないのかというところでございますが、チェックリストについては窓口の担当者のみが使用してお客様には提示しないと考えております。一方、必要書類リストは右半分ですけれども、作成イメージのところで、少し小さくて恐縮ですが、完了と未了というチェックボックスがあります通り手続きが完了したら、完了欄にチェックを入れて受付日を書いてお客様に渡して持って帰ってもらう。そうすると、例えばご家族の方も「今日はここに行って、手続きをここまで済ませてきたんだな」というのが明確にわかるという利便性もあると思っております。反対に、未了である場合は、このような資料が未了ですということで蛍光ペンでマークですとか、チェックマークでレ点を入れて、「いつまでにこちらの資料を揃えてお持ちください」とお渡しするということを想定しております。このようなかたちで手続き完了・未了の案内も兼ねるということを想定しているところでございます。
では、スライド8番に進んでいただいて、解説集です。今までご説明差し上げた応対ガイド、チェックリスト、必要書類リストを使うための解説を行うための物と考えております。コンテンツは大きく分けると2つだと思っておりまして、業務の流れを体系的に把握するということと、誤りやすい点等を網羅的に記載することによって事務の手順や品質などを体系的に学ぶ学習用のツールと考えております。こちらもまだ案の段階で恐縮なのですが、例えば、左上の2個の四角にある通りロジックチャートとそれに対応した手続きの流れの解説を設けて、実際のその業務の全体の流れや手順がわかるような一覧性の高い物を解説書の中に入れ込みます。また、例えばよくある Q&A集とか、よくある事務誤りの解説集とか、あとは中上級者向けのガイドです。初心者の方は使わないかもしれないですけれども、中上級者の方がちょっと気になる部分などをこちらに織り込んで、解説集として仕上げていきたいと考えているところでございます。
 次のスライドは参考までのご紹介ですが、適用・免除業務について市町村の方から具体的にアンケートで要望が出ている部分がございますので、このあたり具体的な要望も拾って検討しながら、織り込める部分は織り込んでいきたいと考えております。
最後に、スライド番号9番です。こちらはマル1とマル2に分かれていますが、第1回の検討会の際に構成員の皆様からいただきましたご意見やコメントに対しての回答を示させていただいております。全てを読み上げることはいたしませんが、本日のところで関係している部分について申しますと、例えば業務支援ツールのパターンについて複数パターン作ることはできないかということをコメントいただきました。この点については、やはり市町村ごとの性質によってツールの内容を変えるというよりは、どちらかというと習熟度に応じてツールの厚みを変えていく必要があるのではないかと考えておりますので、そちらの方向でパターン分けをしていくと考えています。次のページマル2の最後の項目ですが、チェックリストの配布についてもコメントをいただきました。チェックリストについては手元に置いておいて、必要書類リストのほうを持ち帰っていただくというかたちで今は考えているというところでございます。
第1回に比べてもう少し具体的な案を示すべきところであったところでございますが、イメージにとどまってしまい大変恐縮ではございますが、我々あずさ監査法人としての今回のご説明は以上でございます。
〇司会
 ありがとうございました。本日検討会におきましては、ただいまありました通り業務支援ツールに含まれるべきコンテンツをどのように考えるか、および、業務支援ツールに盛り込むべき論点は何かというところでご意見をいただけますでしょうか。特に具体的には職員向けのチェックリストという物がございました。論点で出されておりましたが、業務に初めて携わる方から一定程度熟達した方、半年程度の業務経験がおありの方、一通り業務ができるようになった場合など業務経験に応じてチェックリストを分けるような案も検討しているということでした。こういったチェックリストを分けた場合の工夫すべき点であるとか、あるいは、被保険者、受給者等のお客様を対象とした応対ガイドや必要書類リストなどお客様にお使いいただく部分がございまして、パンフレットと異なって事細かい手続きや制度の細かい説明をわかりやすく指さしをしながらするという説明がありましたが、作成するにあたりましてどのような点を工夫すべきであるかという点でご助言を賜れば幸いでございます。ご意見などございますか。それでは、構成員横尾様お願いいたします。
〇横尾構成員
 横尾でございます。よろしくお願いします。必要チェックリストのようになっている点、特に持ち帰って頂けるようなもので完了や未了等の進捗がちゃんと明確になっている点、(窓口でお客様に)渡す書類内容が明記されている点、お客様のお名前を記入できるようになっている点等、良いと思いました。特に、老齢年金などでは、夫婦で二人分の書類をもらうと、どちらの進捗の用紙かわからなくなる事もかるかと思いますので、そういった情報の記載があるものをお渡しするのはとても良いことだと思いますので、引き続き進めて頂くと良いのではないでしょうか。次に、私のほうで、ちょっと気になった点が「障害基礎年金の話」と「他の(年金の)話」は、明確に分けて考えたほうがいいのではないかということでございます。現在は、職員の方に対する年金の知識を補完するツールの話がメーンで行われているかと思うのですが、障害基礎年金についての窓口トラブルの原因は、障害に対する知識とか配慮力がないということに起因する部分が、非常に大きいと思います。例えば20歳になったら障害者になる予定だからということはまず少なく、車椅子に乗っている方が突然、障害を持つことも多いため、自分の障害について詳しいわけではない点も見落としがちです。交通事故に遭ったら、いきなり車椅子利用者の知識がポンと入るわけでは決してありませんので、その方もご存知なければ窓口の方も障害に対する知識がなかったりする、という状況があります。それによって窓口の人の対応が違っているということでトラブルがすごく多いのではないでしょうか。トラブルの原因は、年金の仕組み自体ではなく、やはり障害の知識や障害に対する配慮の力が弱いということがあると思いますので、この辺りは、もちろんTACさんの教材制作なども関係してくる部分になると思いますので、その知識が双方に足りないという点をどう補うのかという部分を十分検討して頂く必要があると思います。
例えば、自分は足が悪くなって車椅子に乗っているけれども、耳もだんだん悪くなってきていて…など、複合的なケースもあります。1回こちらの病院で診断書をもらうように言われたが、耳も悪い事が後からわかって、もう1回行く事になるということもあると思います。障害者にとってみると窓口対応の人によって言っていることが違うという印象がすごくあるようです。それは知識による違いもございますし、知識がないから疾患と障害の違いもわからずにその人の思い込みで話が進行してしまうこともあれば、単純に窓口の配慮力の部分、つまり、接遇ではなくて、例えば「3月中に書類を提出してください」と言うと、日本語では基本的には「3月末まで」という意味ですよね。ただ、聴覚障害の方で手話を使っている方は、「3月中」とは「3月の真中」という手話を思い浮かべて「3月15日まで」だと思ってしまうというケースがあります。障害の知識がないことによる単純な伝達ミスということもあると思います。障害を負っている状況であるということで精神的な疾患もあるでしょうし、知的な疾患もあると思います。児童の頃は基本的にはご家族の健常者が対応しますが、成人して一人になったときの対応も考える必要があります。高齢者になってお互いに障害をもっているような状態もあり得ますので、老齢年金の給付を受けるケースであっても、さまざまな障害に対応できることは必要だと思います。成人してから交通事故や病気によって障害者になったというケースの時には、ご本人が対応するケースがあると思います。特に今一番増えている精神疾患というのはコミュニケーションの障害なので、そこの部分でどうやり取りをしていくのかという知識が必要なのではないか。発達障害なども含めて。そういう意味のツールというかわかりやすくするという視点も盛り込んでいけるとさらにいいのではないかと思います。この2点が、高難易度の窓口業務改善の重要なキーになってくると思います。例えば、一つの例をあげると、マルかバツかという具体例をもう少し盛り込んであげるとか、精神・知的発達障害向けにもう少し絵の物も用意して、窓口用のチェックリストはありますが、これもちゃんと提示して見せるとかそういった物も含めて考えていただくといいと思います。窓口の方の一番のストレスはいろんな意味でのトラブルだと思うので、その点の配慮もこれから入れていけるといいのではないかと思いました。以上です。

〇司会
 ありがとうございました。他にご助言等、ご意見等いらっしゃらないでしょうか。構成員佐々木様お願いできますでしょうか。
〇佐々木構成員
 構成員の佐々木です。4ページ目の業務支援ツールの使用場面と目的の箇所です。応対ガイドを1種類とするのか、それとも、いくつかのタイプを準備するのかという点ですけれども、業務年数別の違いとか市町村の特徴の違いもありますので、応対ガイドはいくつかのタイプを準備して手厚く説明する項目と簡単に説明する項目にやはりメリハリをつけたほうがいいのではないかと思います。業務経験年数の短い担当者の方に向けにどこを手厚くすべきかという点や、また、市町村の特徴の違いの部分については、例えば学生や若者が多い市町村であれば、学生の納付特例や若年者の納付猶予を手厚く説明するなどそういった点を考慮したほうがよいのではないかと思いました。
〇司会
 ありがとうございました。よろしいでしょうか。構成員原様お願いいたします。
〇原構成員
 説明ありがとうございました。いくつかあるのですが、まず、ポジショニングマップですが、例えば、業務支援ツールの部分もそうですし、応対ガイドやチェックリストなどの使い方等をTACさんとかの実務研修等で連動してやると先ほどお話がありましたので、たぶん裏で勉強するというのが教育の部分でTACさんの研修だと思います。この間もちょっと言いましたが、現場でこういった資料を手元に置いて使いこなせていかなければいけなくて、どういう時に何を使うかというのは、お客様を前にするととっさの判断がなかなか難しいと思います。TACさんの実務研修のほうになるのかわからないですけれども、現場の方が使っていただけるように、こういう時にはこれを使うとか使い方をしっかりと伝えていただきたいなと思いました。あとは、チェックリストと解説集についてコメントしたいのですが、最初にあった応対ガイドについて主に相談に来た方に対して使用できますし、あとは、例えば手続きに来た方にも応対ガイドを示すというかたちなのかと思います。7ページのチェックリストは障害基礎年金のことなので非常に難しいですけれども、これを一つ一つ上から確認していくのかとか、その場でわかっている人はどの質問をチェックすればいいのかわかると思いますが、このチェックリストを使うためのマニュアルのようなものも必要かと思います。特に障害基礎年金とか免除もそうですけれども、チェックリストを使う部分が、例えば手続きの流れの解説という8ページの解説集のところにある物と連動するのかもしれないですけれども、年金受給の申し込みの確認とか住民票があるかの確認とか、知識があればスムーズにできると思うのですが、知識がないとチェックリストを上から読んでいって全然関係ない方に聞いてお待たせしたり、全然関係ない方に関係ないことを質問してチェックしてしまったりということがあるかと思うので、難しいとは思うんですけれどもマニュアルなど工夫していったほうがいいと思います。先ほど障害基礎年金の話が出ましたが、確かに一番難しいところで、例えば対応マニュアルみたいなものでよくあるのが、障害者手帳と障害基礎年金はイコールではないですから、その場で「2級になります」とかいうことは絶対に言えないですよね。審査があってからですから、言っていいことといけないことがあると思うので、そういう部分も何か対応マニュアルではないけれども、お客様の前で話す時のシナリオ的な物があるといいと思います。あと、同行している人がいるかどうかとかそういうことの確認などです。確かに障害についてはイレギュラーではあると思うのですが、そういう物が別途必要かなと思います。あともう一つは解説集の位置づけですけれども、これは先ほども言った通り手元に置いてお客様の前というよりも自分で確認するという意味合いであると思いますので、教育でやっていくのかもしれないですし、訓練が必要なのかもしれないです。それは現場で工夫していただくのかもしれませんが、いざ説明する時に、どういう時に何を使うのかとかチェックリストやお渡しリストなどたくさんあって何があるのかわからなくなってしまうと、お客様を待たせてしまうことになると思いますので、解説集や応対ガイドを現場の方がスムーズに使えるようにしていただきたいと思います。
〇司会
 ありがとうございました。構成員殿村様お願いできますでしょうか。
〇殿村構成員
 勝手なことかもしれませんけれども、カルテを作ってはいかがでしょうか。窓口に来られる方はそれぞれ年金の種類や、現在の状況が違うと思います。そして、説明しなければならないことはそれぞれ年金によって違うと思います。さらに、何回も来られている方に、どこまで説明したかも、カルテを作ることで明確になるのではないでしょうか。カルテは病院にはもちろん、私たちも顧客名簿と名前は異なりますが、それぞれのコミュニケーション記録は必ず持っていて、同じサービスをするにおいても必ずお客様に最も適切な説明をすることを心がけております。最初は簡単な物でいいと思います。今はデータベースも簡単にできると思います。非常に業務が進みやすくなるのではないでしょうか。予算のこともあるとは思いますが、ご参考にしていただければ幸いです。
〇あずさ監査法人
 ありがとうございます。いただいたご意見については検討させていただいて、次回以降回答させていただきます。
〇司会
 構成員、磐田市の熊切様お願いできますでしょうか。
〇熊切構成員
 若干だぶるものもあるかもしれませんが、資料の順番で。議論いただきたい事項の一番下で、最近のトピックや法令改正これらについては、できれば条文の新旧対照というよりも変わったことによってどう運用が変わってくるかという実務部分の情報提供がスムーズにあればいいと思います。これは、今回というよりも法令改正の訂正部分がどう現場まで伝わるかということがあるかと思いますが、そういうものが必要かなと思います。現状今やっているのは、例えば様式が変わったりすると新しく変わったところをマーキングしてお客さんと対応しているというのが現状で、あとは、システムがくっついてきちゃったりすると、紙でやり取りとかそういうかたちでレスポンスが悪くなっているところもありますので、実際の現場の状況はそういうことだということでご承知おきください。
それから、5番の適用・免除業務の支援ツールの中の下の網掛けの部分ですが、どうしても時間をかけて丁寧にやらなければいけないというのが本来の業務だと思っておりますので、特に職員は何人ものお客様の相手をいたしますが、お客様はその場自分のことで精一杯という状況ですので、こういうチェックリストというのは定型的なものも含めて情報提供に漏れがあると二度手間三度手間になってしまうものですから、二度手間三度手間をかけるにしても一番初めの情報提供に漏れがないものにしておきたいというのが基本的な考え方だと思っております。
それから、7番のチェックリスト、必要書類リストですけれども、あったら本当に助かるということが正直な感想でございますが、できたらパターンを増やして持っていたいということと、それから、この必要書類リストにプラスして必要になるような持ち物、単純にいうと印鑑が必要だとかそういう類の物です。そういう持ち物とか実際にここに行ったらいいとか。それから、文字で表すよりも写真や絵で実物を表せるような物にしたほうがいいと思います。お客様と対応している時には「はい、はい」と言うんですが、いざ自分で動く時にはそれがよくわからなくなってしまうという方が結構いますので、そういう部分では、それを見て判断ができるような物がいいかなと思っております。私のほうからは以上です。
〇司会
 ありがとうございました。他にいかがでしょうか。構成員阿部様お願いいたします。
〇阿部構成員
 阿部でございます。応対ガイドの作成の件ですが、前回の資料で18パーセントの市町村が作成しているということで、その18パーセントの市町村は過去の経験の蓄積によって問題点などを改善して応対ガイドをいい物に作り変えているように思います。そういったことから、ぜひ今回応対ガイドを作成する際に、実際に各市町村で使っている応対ガイドのアイデアを生かすべきだろうと思っております。今回せっかく作成しても、すでに応対ガイドを持ち得ている市町村が使わないということのないように、すでに作成しているところの応対ガイドのアイデアを生かすべきだろうと思っております。
〇司会
 ありがとうございます。この点につきまして市町から構成員がお越しになっておりますが、特にこういったところで工夫されている、もしくは、応対ガイドがないような状況、あるような状況があるかと思いますが、そういった状況に応じた工夫について何かご助言いただける項目は何かございますか。さいたま市の佐藤構成員お願いいたします。
〇佐藤構成員
 さいたま市の場合は一応今回作るような物につきましては、ビジュアル的にはあれですけれども、一通り揃っている状況でございます。先ほどご意見が出たように毎年適宜見直しをしておりまして、新たな法改正の部分とか業務的にどこかで間違えた部分がありましたところについてはより詳細なかたちでマニュアル等を改正している状況です。そういった中で実際携わっている職員のほうにも今回作成する物について少し意見を聞いてきました。やはり応対ガイドにつきましては初心者の場合につきましては各業務あったほうがいいのではないかというところでしたけれども、チェックリストになりますと、全てに細かく必要かというと、やはりメリハリをつけてもらいたいというところで、今回適用と免除という話でしたので、免除の部分には特にチェックリストのほうがあればいいですけれども、適用のほうについてはそれ程細かいものは必要ないのではないかという話がありました。全てにおいて共通していることですけれども、全体の業務の流れや体系的な物が一つあったほうがいいということと、その中でお客様もそうですし職員のほうもそうですけれども、その目的に合わせた中のどの部分を今自分が説明しているのか、お客さんが求めているのか、そして、最終的にはどの方向に向かっていくのかがわかるような物がまず一つあって、その中で自分が本日やっているのはこの部分であって、次回はこのようになっていくとわかるようなかたちで最初の部分と最後に作る詳細な資料をより充実してもらえると、今後の使い勝手がいいのではないかという話が出ております。
〇司会
 ありがとうございました。よろしいでしょうか。上里町関口構成員お願いいたします。
〇関口構成員
 上里町では特に特別なマニュアルは作っていなくて、年金事務所等からいただいているパンフレット等で来場された方に説明をしているところです。今回このような応対ガイド等を作成していただければ大変助かると考えています。ただ、やっぱり年金の裁定請求とかそういうものについてはチェックリストというか必要な書類はこういう物が必要ですというのは作成してありまして、国民年金の部分と厚生年金の部分について年金手帳や戸籍謄本など揃える必要書類を明示してチェックリスト的な物として本人に説明しながらどこで取得したらいいかを説明して応対している状況です。今回、4番の業務支援ツールでだいぶ詳しく来場された方について電通さんのほうでパンフレットの作成、また、マル1-2で応対ガイドというかたちで細かく業務ごとに応対ガイドを作っていただければ大変助かるという考えです。以上です。
〇司会
 ありがとうございました。磐田市熊切構成員お願いできますでしょうか。
〇熊切構成員
 磐田市です。磐田市のほうも統一したこのような応対ガイドとかマニュアルみたいな物は整備しておりません。担当が個々で手持ちのパンフレットや自分の持っている書籍等を工夫して使っているというのが現状です。統一したものですが、できれば一番初め国民年金に加入するというところがスタートになりますので、そこから今回のように専門的なところがつながってくるというのがわかるようなかたちで導入部分のところを作っていただいて、そこから枝分かれしていくというようなところが見えれば、わりと使いやすくなるのかなというのは考え方として持っております。以上です。
〇司会
 ありがとうございました。他にご意見等ございますか。大西課長お願いいたします。
〇大西課長
 事務局である私があまり発言すべきでないかもしれませんが、資料7ページ目にありますが、チェックリストはお客様に全く提示せずに職員が手元に持っているだけでいいかという疑問がありまして、職員が持っているだけのチェックリストとお客様と一緒に確認するチェックリストと両方あっていいのではないかと思います。あるいは、私が言うお客様と一緒に確認するチェックリストというのは、必要書類リストということになるかもしれません。また今後、具体的な案をもとに、皆さんから意見をいただきながら検討すればいいことですが、仮にチェックリストはお客様には見せない性質の物だとしても、一般の方には読ませられないような難しいことがたくさん書いてあっていいということにはならないと思います。
〇司会
 ありがとうございます。では、横尾構成員お願いできますでしょうか。
〇横尾構成員
  私のほうも前回のイメージですと、今大西課長からお話があったように見せながらチェックして…というイメージを持っていましたので、それでお渡しできれば一番いいのかなと思います。実際、完了なのか未了なのかとかいう別けはすごくいいと思うので、それも付けたものを渡せるといいのかなと思います。ただ、これは逆に、年金機構の方にご質問ですけれども、障害者年金の場合に(不正受給を考えると)逆にあまり解ってとよくないみたいな部分があるのでしょうか。それとも、解ってしまってもいいものなのかということを質問したかったのですが。見せてまずい内容というのは何かあるのでしょうか。
〇向山部長
 今おっしゃっているのは、どういう場合に障害年金が受けられるかという具体的にイメージできる情報がないということですか。
〇横尾構成員
 例えば、ここに書いてある「請求原因が事後重症による請求の場合、理由は記入済みか」というチェックリストがあるのですが、これが記入済みかどうかということはたぶん知られてもいい情報だと思います。例えば、知られてしまうと不正に受給できてしまうような情報で外に出せないものがあるのであれば内部のチェックリストにして、知られてもいいというかお互いに共有しておいたほうがいい情報は外に出したほうがいいのかなと思いまして、全部出せるのだったら全部でしょうし、そのへんはいかがでしょうか。
〇向山部長
 今おっしゃった項目は、まさに年金を受ける給付の額に直接影響する非常に重要な項目でございまして、当然お客様と確認した上で請求していただくことが必要だろうと思います。そういうものもたぶんこの中に入っているので。
〇大西課長
 基本的には大抵のことはお客様と共有できます。できないものはほとんどないと思います。
〇横尾構成員
 わかりました。共有できるということであれば。いろいろ気になったところはあるのですが、これはサンプルですから細かく言わないようにはしたいと思いますが、例えば、理由は記入済みかという項目がありますが、「理由は?」と聞いたとした時に、これは障害者の方からするとすごく答えにくいだろうなと思います。例えば「おじさんに取ってきなさいと言われたから」というのも理由ですよね。「交通事故に遭ったから」という原因の理由もあれば、「生活に困窮したから」でも理由ですよね。だから、何を答えたらいいのかというのがたぶん全く想像出来ないというケース、そして、場合によっては精神疾患の方はものすごく長い量のストーリーを話してくれると思います。何月何日に入社して、ここでいじめに遭って、ここで離婚してとかすごく長いストーリーを話していただいてしまってすごく時間がかかってしまったけれども、別にそれは聞きたいことではなかったとか。至る経緯はたぶんいらないのではないかと思います。ですから、「お客様側が何を聞かれているのかさっぱりわからない」と感じてしまう可能性がある事項がすごく多いような気がします。窓口の人もよく事情が解らなければ、通り一遍等に「理由を知りたいんです」といった話になったり、だんだんとお互いにわからなくなって、とても時間がかかってしまうとか、「あんなに説明したのにどういうことですか!」といったトラブルになるといった、そういう危険があるように感じます。「何を聞いているのかちゃんと明確にわかる」ようにして、お互いに「この事項についてちゃんと答えられたね、と納得できること」が大切です。よくあるトラブルが、「こんなに説明してこんなに言ったのに認められなかった」といったようなことがあります。例えば、1回目は聞いていることと違うことを答えていて、2回目に行って言われた通りにやったら簡単に取れちゃったといったように、上手く伝わっていない事が不信感につながってしまっているような気がします。そういった意味でも、先ほど原構成員や殿村構成員からのお話なども、良いアイデアだと思いますので、ぜひご検討いただければと思います。ただ、カルテにする時に少し気をつけていただきたいのが、民間とかでよくトラブルになるのが窓口の人の書いている言葉遣いにとても問題があって、それが流出してすごく問題になるというようなことがあります。例えば、某鉄道会社さんとかが車椅子使用者のことをコロコロと書いていたとか、耳が聞こえない方のことをツンボと書いてしまうとか。障害に対するリテラシーが必要だと思います。いらない情報がいっぱい書かれているのではなくて、きちんと必要な情報の記入が、適切で正確になされる工夫も考えてみて頂ければと思います。たぶん何度も差し戻しがあるということは誤記入が非常に多いということだと思いますので、その辺のところが今後さらに充実してくるといいのではないかと思いました。ありがとうございました。
〇司会
 ありがとうございました。構成員阿部様お願いできますでしょうか。
〇阿部構成員
 先ほどのチェックリストの件ですけれども、チェックリストを作成する意味合いを再度確認する必要があると思っています。チェックリストを今回作成するのは、誤った処理を少なくするとか事務的な効率化のためだと思うわけで、チェックリストに関してお客様にお見せしながら進めていくというのは大変よい意見だと思いますが、お客様自身がそのチェックリストの内容をわからないと、余計に効率が悪くなってしまうということがあるかと思うわけです。例えば、自動車の任意保険の契約の際に確認のためのチェックをしていくわけですが、あれも結局、お客様がわかっていないのに、「これでいいですね」「チェックしてください」みたいな感じになってしまうと、余計に不信感が募ってしまうことになるかと思いますので、お客様対応のチェックリストを作成する場合には、やはり内部の物と別の物を作らなければならないのかなと思っております。
〇司会
 ありがとうございます。構成員三浦様お願いできますでしょうか。
〇三浦構成員
 今のお話に関連して質問ですが、確か前回の議論の中では大西課長はじめいろいろおっしゃられたようにチェックリストを複写式にしてお客様に渡したほうがいいとかそういう話がいくつか出ていたと思うのですが、今回、お客様に提示しないというふうに出された理由は何かあるのでしょうか。
〇あずさ監査法人
 ありがとうございます。質問事項の部分について全てお客様に回答する、または、ご説明するものは全て説明する必要があるということは十分理解しております。一方で、今回チェックリストは手続きに特化して、お客様への説明は応対ガイドや必要書類リストの中で完結できるように工夫をしてみようと考えたところでございます。チェックリストはどちらかというと内側用に特化する代わりに必要書類リストや応対ガイドの中でもう少しお客様に確認すべき事項やトピックスを盛り込むことによって見せる物と見せない物を分けることを考えました。もちろん、先ほどのお話にもありましたけれども、見せないからといってものすごく難しい字で書いてあるのがいいのかというとそうではないと思いますので、そのあたりはいただいた意見を配慮しながら作っていきたいと思います。今はそれぞれの棲み分けを考えているところでございます。
〇司会
 他にいかがでしょうか。構成員佐々木様お願いできますでしょうか。
〇佐々木構成員
 構成員の佐々木です。レジメ7ページ目のチェックリストについてです。業務経験の短い窓口担当者の方にとって文言が少し難しいと思うのですが、箇条書きにしたりやさしい言葉にしたり簡潔にできないかと思うのですが、いかがでしょうか。
〇あずさ監査法人
 そうですね。なるべく若いというか浅い方にも簡潔にわかるようなかたちで、要約したようなかたちでいきたいなと思っています。お示ししたものが現状、あくまでもイメージなので、ちょっと長い長文スタイルになっているのですが、今後はもう少し要約したかたちでお示ししたいと思っております。
〇司会
 原構成員お願いできますでしょうか。
〇原構成員
 私も7ページのところで、やはりここのチェックリストと必要書類リストをどうするかというのは非常に難しいところだと思います。文言についてはまた後でだと思います。チェックリストについてお客様に見せる場合でも「○○の場合は」とかいうのがあるので、わかりやすいように、こういう場合はこうだとか、基本はこうだけどイレギュラーな事後重症とか二十歳前障害とかは別立てでパッと見てわるようにするというのはこれから工夫が必要なところかと思います。右側の必要書類リストですけれども、例えばこれはお持ち帰りいただくという時に、何度もいらっしゃるケースがあると思います。未了で一回帰って、もう一回来る。その時に担当者が同じとは限らないと思いますので、受付簿じゃないですけど、カルテと先ほどありましたが、お客様自身が自分のことを書いて持って帰って、また自分はこういう状況ですみたいなの物を用意するなど一案かと思います。2~3回目に来る時に同じことをまたもう一度お話しなければいけなくなるのはあまりよくないので、よく金融機関等では年金相談とかをする時に受付簿というようなお客様自身のことを書いてもらうこともあるかと思います。そういう物をお客様自身が持ち帰ってまた持って来ていただければ又はそういうものがあれば、次に違う職員が応対した時に「こういう状態で、まだこれが未了になっているから」ということがわかれば、次の質問に対してスムーズにその場で理解していただくことができるのかなと思います。1回で終わる場合もありますが、手続きの場合は何度もやり取りして何回も来なければいけない場合もあって毎回同じ人が対応するとは限らないと思いますので、簡単な受付簿のようなものがあるとよいと思います。そういうのも一緒に持って来ていただくような仕組みがあるといいのかなと思いました。以上です。
〇司会
 さいたま市佐藤構成員お願いできますでしょうか。
〇佐藤構成員
 すみません。確認ですけれども、今回のこの応対ガイド、チェックリスト、解説集ともに市町村のほうでカスタマイズとか修正できるかたちで、PDFとかではなく修正できるようなファイルで来るのでしょうかというのをまず聞きたいです。
〇あずさ監査法人
 基本的にはファイルのかたちでお出しする予定でございますので、そこから先は使う使わないを含めてご自由にというかたちだと考えています。
〇佐藤構成員
 わかりました。修正できるようなかたちでお願いしたいということと、あと、先ほどお話が出たかもしれないですが、9ページの中で市町村のアンケートを取って要望が出ている中で、ここで言うと免除の中に入っているのですが、必要な添付書類の見本集を作ってほしいというのが書いてあるのですが、こちらにつきましても先ほどの必要書類リストの中に実際の現物の見本を入れてもらって、なおかつ、市町村が発行する以外に別のいろいろな機関で出していますが、どういった所でこういった物が取れるかといった細かいことを入れたかたちの書類リストを作っていただきたいというのが一つです。あと、先ほどお話が出ていたカルテの話ですけれども、さいたま市の例ですが、本市の場合は一応相談記録ということでお見えになった方に関しては個別に全てずっと記録をとってありまして、どの職員が対応してもわかるようなかたちにはなっているのですが、先ほど話が出ていたように市民の方に渡しているかというと、それはやっていないので相談の経過を記録する内部的な取り扱いになっています。そういった市町村も結構あるのではないかと思います。以上は参考までです。
〇司会
 ありがとうございました。時間も押していますが、あとお一方くらいと思ってございます。では、横尾構成員お願いできますでしょうか。
〇横尾構成員
 今の議論もすごく重要だと思いました。やはり皆さんの想定の中に、障害者年金だけは障害者が来るという意識を持っていただきたいなということを、今回の議論の中ですごく痛感しました。障害者というのは4種類います。「耳が聞こえない」ということは、応対する時に、窓口の人が話す声が聞こえないため、口述でのコミュニケーションが難しい人が
窓口に来るという事です。それから、「目が見えない」ということは、文字の記入ができない、書類が全く見えない、チェックリストも見られない人が来る、ということです。または、内部障害で体調が悪い人で外出するのも大変な人が来たり、ペースメーカーを付けていたり、呼吸器を付けていて話すのも大変な人が来たりします。もしくは、手足が不自由であれば、例えば、手が不自由であれば書けないわけです。もしくは、知的に障害があって「なんで受給の手続きに来たのですか?」と聞いても、「大変だから」とか「おじさんに言われたから」といった答え方の人も来るかもしれないわけです。だから、障害を持っている方に対応するという大前提を持っておく必要があります。現在の窓口対応ツールの基本が、全て健常者対応のものになっていると感じています。それでも対応できるようにする工夫はできると思います。チェックリストなども口頭で言う時にはこういう言い方をしようという口頭のマニュアルも作っておくとかいろいろなやり方があると思います。何度も言うのはすごく大変ですから、先ほどのカルテや相談の記録をつけていらっしゃるというのはすごくいいと思いましたので、ぜひご配慮いただければいいなと思いました。ありがとうございました。
〇司会
 ありがとうございました。活発なご意見を頂戴しているところではございますが、本日の検討会ではもう一つ通信研修モデル事業に関する議題が残っておりますので、大変恐縮ですが、時間の関係上そちらのほうに移らせていただきたいと思っております。
 あずさ監査法人には構成員の皆様から頂戴した意見を踏まえて、また、本日は成果物を提示できなかったということも踏まえて、制作体制を大幅に強化して速やかに成果物をご提出できるようにお願いしたいと思います。ありがとうございました。
 続きまして、TAC株式会社より市町村職員向けの通信研修についてご案内差し上げます。よろしくお願いいたします。
〇TAC(株)
 TAC株式会社でございます。すみません。資料の説明に入る前に一言ご挨拶。TACで常務を務めております金井と申します。よろしくお願いします。本来であれば第1回から出席すべきでしたが、所用で大変失礼いたしました。本事業の目的を達成するために通信研修モデル事業のコンテンツ提供者としてしっかりと社として対応していきたいと思います。皆様方のご指導ご鞭撻をどうぞよろしくお願いいたします。それでは、説明に入ります。
〇TAC(株)
 では、通信研修事業のご議論いただきたい事項についてご説明いたします。お手元の資料3-1「市町村職員向け通信研修モデル事業について」をご覧ください。1枚めくっていただきまして2ページになります。目次に示します通り前回お示ししました基礎編、実務編の研修体系のうち基礎編の講義DVDおよびテキストの作成方式。また、第1回検討会での課題対応についてご説明いたします。その上で基礎編の作成方針の概要についてご知見を賜りたいと存じます。
 1枚めくっていただきまして、4ページの1番。ご議論いただきたい事項は、第2回分に示す通りの検討事項でございます。4つございまして、研修全体の構成およびカリキュラム(基礎編、実務編)について。基礎編DVDの講義カリキュラムについて。基礎編DVDの講義方針について。そして、4つ目ですが、基礎編テキストの目次および記載方式についてという項目になっております。なお、第4回では実務編の詳細をご議論いただきたいと考えておりますし、テストの実施方法等についてはモニタリングも含めますので第6回でお諮りする予定でございますので、よろしくお願いいたします。
では、ローマ数字の2番の研修体系についてご説明いたします。1枚めくっていただき6ページになります。前回お示ししました基本的な方針の通り基礎編は初任者や従業歴3年未満の職員を対象に国民年金制度やその関連法令に関する基本的な知識を習得できる研修を目指します。これは、中央右にあります通り基本的な制度趣旨や法令を理解することは年金機構様への問い合わせをされた場合のコミュニケーションを円滑に行えるということ、そして、お客様対応にそれが生かせるという認識で作成する認識でございます。一方、実務編でございますが、業務支援ツールやパンフレット等を踏まえ窓口対応業務に役立つ研修を目指しますが、これは第4回検討会でお諮りする予定でございます。
次に、7ページになります。研修全体の構成としては以下に示す通り左から基礎編 DVDは国民年金制度の概要、全体像を理解することを目的とし、次に、基礎編テキストに関しては国民年金法を中心に関係法令等を織り込み国民年金事務担当者の実務上の参考書として活用できる教材を目指します。3つ目の実務編 DVD でございますが、基本的な年金相談や窓口対応のための知識の習得を目的としております。左から右にいくに従って実務での活用場面により近い内容となるように作成いたします。
では、ローマ数字の3.基礎編講義 DVDについてご説明いたします。1枚めくっていただき、9ページになります。4.基礎編講義カリキュラムの詳細は以下に示す通りでございます。テーマ別の項目について記載の講義時間を目安に開設いたします。例えば、1番の国民年金の概要。項目については社会保険制度と国民年金、国民年金制度の目的と概要ということで、まず、国民年金法のお話をする前に社会保障制度と国民年金との関係など大前提からお話を進めていきたいと考えております。研修ニーズの高い内容を中心に全体で4~5時間程度にまとめて講義をいたします。
通常の試験対策の講義は、例えば試験対策ということであれば、2.5時間くらいの時間を1コマと考えて講座を制作していくことになりますけれども、今回は実務担当者の受講者ということの負担を考慮いたしまして基本的には以下の通り考えております。まず一つ目ですけれども、講義時間は1講義あたり5~20分程度が妥当であるかといった点をご議論いただきたいと思っております。2つ目は、重点的に解説を期待するテーマといった項目はございますかという点。3つ目は、講義構成は基本解説、確認テストの流れでよいかという3点をお諮りいただければと思います。なお、研修全体終了後のまとめテスト等についてはモニタリングも含め第6回検討会でお諮りいただきたく存じます。
次に、1枚めくっていただきまして、5番の基礎編講義コンセプトです。まず、左側の社会保険労務士の講義ですが、講師がテキスト記載内容の法令重要ポイントにフォーカスし講義を行います。メリットとしては、実際にテキストを参照して法令を中心に学習を進めるため、業務でわからないことがあった時などはテキストを用いて自身で学習する際の検索の容易性が高まります。これによって実務上の参考書としての活用がしやすくなると考えております。また、メリハリの効いた講義によって説得力を持たせることができます。デメリットとしては、講師の好き嫌いが分れやすい点。法令中心の講義であるため、知識の浅い受講者にとっては難しく感じられる点です。次に、右側のナレーターによる説明ですが、事前にチェックされた講義シナリオにより国民年金制度の概要をテーマごとに説明し、テキストを使わずスライドとナレーターの画面を適宜切り替えて編集いたします。メリットとしては、誰にでも聞きやすい話し方、声での収録が可能であること。講義シナリオを事前にチェックできるため収録内容については問題が生じないこと。テキストを使わずテーマごとに説明するため、全く知識のない初任者であっても国民年金制度の全体像を容易に理解できること、といった点になります。デメリットとしては、講義シナリオを読み上げるため概ね均一的な講義となり、テキストを指し示すとった関連付けが難しくスライド中心の講義になる点です。これら2つの基礎編テキストの重要ポイントチェック、社会保険労務士による講義と、スライドを活用した国民年金制度の理解、ナレーターによる説明のうちいずれかがよいかをお諮りいただければと存じます。
では次に、基礎編テキストについてご説明いたします。1枚めくっていただきまして12ページになります。6.基礎編テキストの目次です。条文番号に沿ってテキストを作成する逐条解説型をコンセプトとしており、テキストに織り込む内容をご議論賜りたいと存じます。この12ページの内容にテーマ、項目、条文が並んでおりますのでご確認いただければと存じます。
次に、13ページになります。テキストのレイアウトですが、逐条解説型と論点解説型がございます。別紙資料3-2になりますが、逐条解説型のサンプル原稿をご覧ください。実務上の活用しやすさを考慮し、法令等の順に作成することで検索性、さらに、改正等の改訂をしやすいように工夫を織り込みます。例えば、具体的に申し上げますと、89条第6章の費用の保険料の免除の条文になりますけれども、89条の第1項では、枠内一行目の本文、被保険者のカッコ書きは※1としまして、欄外に表記することで本文の読みやすさを確保しつつ条文本来の正確な内容を棄損しないように配慮しております。
また、同枠内8行目、真ん中あたりになりますけれども、同1項2号の生活保護法の政令は見やすく右横に記載しております。次に、89条の第2項になりますが、タイトルを付加することで本文を読む前に概要をつかめるように配慮しております。さらに、資料3-2の2ページ後半になりますけれども、趣旨・概要といった論点では、法令の趣旨、沿革等を解説し、改正の改訂が容易につかめ、制度趣旨を深く理解できるように配慮します。次ページになりますが、解説では各項、号等の詳しい解説を掲載。次に、参考では国民年金実務上必須となる関連法令、例えば民法、税法、住基法などを適宜織り込みオールインワンの参考書を目指します。ここで基礎編テキストはテーマ別に編集する論点解説型でなく条文ごとに解説する逐条解説型で作成することについてお諮りいただきたいと存じます。なお、資料3-1の9ページに戻りますが、9ページのカリキュラムと12ページのテキストの目次については違う点がございます。この点について補足いたします。テキストは実務での活用を重視して逐条解説型が望ましいと考えておりますので、条文の並び順に沿って構成しています。一方で、講義についてはわかりやすさを重視してテーマごとに解説を行うことが望ましいため条文の並び通りではなくテーマ別の構成とさせていただいております。なお、講義内容については、講義で行った場合にはスライドおよび逐条解説型テキストで行い、ナレーターで行った場合にはスライドのみの解説で講義をすることを予定しております。
この他14ページでは、市町村職員様が希望する研修テーマについて参考に掲載いたしました。16ページ以降でございますが、第1回検討会で頂戴いたしました課題と対応方針について記載しております。一つ一つは申し上げませんけれども、16ページのスタジオ収録についての課題・ご意見の中で、聴覚障害の職員がいる場合の字幕等の対応が必要ではないかといった点について、現段階では音声の文字起こし資料を作成することを検討しております。そして、資料を書籍化するかたち、いわゆる実況中継本と業界では言いますが、そういった物を作成してお渡しするということも検討の一つとしております。
以上、研修の構成、基礎講義カリキュラム、方針、テキスト形式の4点についてお諮りいただければと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
〇司会
 ありがとうございました。本検討会では、基礎編作成にあたっての方向性をご助言いただきたいと存じますが、まずはテキストの記載内容や目次、あるいは、テキストの記載形式、特に逐条型ということでございました。こちらについてご意見をいただきたいと存じます。また、基礎編のDVDの内容に関してもご意見を賜りたいと存じますが、特にご助言をいただきたい点は2つかと存じます。一つ目は、基礎編のカリキュラムとして講義で取り扱うテーマや項目、あるいは、講義時間の構成といったところ。もう一つは、講義コンセプトとしてテキストのポイントチェックを行う講義、あるいは、国民年金制度の基本的概要を理解していただくための講義かといった講義の方向性のお話。そしてまた、講義を行うスピーカーとして社会保険労務士の講師がよいのか、はたまた、専門のナレーターがよいのかといった観点での論点提示がございました。このあたりについてご意見をいただけますでしょうか。構成員の佐々木様お願いできますでしょうか。
〇佐々木構成員
 構成員の佐々木です。レジメの9枚目ですけれども、基礎編講義カリキュラムの中で16項目全てをすぐに理解するのは非常に大変だと思いますので、全体を網羅した16回分とは別に優先順位の高い項目、これだけは必ず押さえておきたいという項目に絞った20~30分程度のダイジェスト版を別で準備してはいかがかと思います。
〇TAC(株)
 佐々木構成員ありがとうございます。今の点に関しては検討しまして対応させていただく準備で進めたいと思います。
〇佐々木構成員
 すみません。あともう1件あります。レジメの14枚目ですけれども、いろいろな業務項目が並んでいますけれども、14ページ目のいろいろな業務項目の中で、この項目でつまずいたら9ページ目の基礎編講義カリキュラムの第何回目を見てくださいというような対応リストのような物があれば、この項目がわからなくなった時は第何回分を見てくださいみたいな対応表があれば非常に選びやすい、自分が今どれを勉強しなければいけないのか、どの部分の知識を補足しなければいけないのかというのがわかりやすいと思うのですが。
〇司会
 ありがとうございました。
〇TAC(株)
 そちらのほうは索引とかそういったものを検討しておりますので、合わせて対応していきたいと考えておりますので、ありがとうございます。
〇司会
 構成員の阿部様お願いできますでしょうか。
〇阿部構成員
 10ページの基礎編講義コンセプトのところですけれども、社会保険労務士さんによる講義方式とナレーターによる説明方式があるようで、それぞれ両方式において長所や特徴があるようですけれども、いっそのこと両方式を組み合わせて教材を作成するということも検討していただければと思っております。例えば、各章において基本的なことを学んだ後に確認テストに進むようですけれども、その確認テストの前にナレーターさんによるまとめの項目のページなどがあるといいのではないかと思っております。
〇司会
 ありがとうございます。引き続き、皆さんいかがでしょうか。構成員の殿村様お願いできますでしょうか。
〇殿村構成員
 前回も申し上げましたが、私はTACの生徒です。講義が非常にわかりやすいので、よく理解できます。なので、10ページの後期コンセプトのところですけれども、講義内容よりも心構えが一番必要だと思います。その点、ナレーターだと甘えてしまうかもしれませんので、社会保険労務士さんがしっかりと講義されたほうが勉強するという気持ちになって身につくのではないかと私は思います。
〇司会
 ありがとうございます。他にいかがでしょうか。構成員の原様お願いいたします。
〇原構成員
 原です。今、殿村構成員がお話いただいた補足になるかもしれませんが、私も10ページのところですけれども、やはり講義をするのは社会保険労務士のほうがいいと思います。確かにTACさんとかですと資格を取るために来るという方なので、もともとモチベーションの高い方がいらっしゃると思うのですが、今回受講されるのは業務の中で受けられる方ということなので、私も経験がありますけれども、受験指導と同じようなかたちではなくて、例えば社会保険労務士がやったとしても逐条解説のテキストをそのまま解説するのではなくて、できれば右側の女性のナレーターの絵のあるパワーポイントくらいにまとめたものをビジュアルで見せて、解説して、それがまさに例えば PDF とかでダウンロードできればなおさらいいと思います。社労士だから逐条解説で法令中心になるというのはちょっとどうかなと思います。自分も社労士だから言うわけではないですが、できるのではないかと思います。手元にはきちんと逐条解説のテキストがあるのであれば、そういった細かいものは書いてあるわけですから。資格を取る目的ではなくて、忙しいのに見なければいけないという気持ちの方もいらっしゃるかと思うので、できれば表示するDVD の画像については、右側の第1号、第2号、第3号と書いてあるようなより論点整理に近いようなわかりやすいものがよいです。ただ、やはりそこは、解説は社労士がやるという方がよいのではないかと思います。
一般のナレーターの方もすごくいいと思いますが、例えば一般のお客様にお話する部分ではそういう方でもいいのかなと思います。それもちょっとわからないですけれども。これは勉強で、しっかり勉強してくださいというメッセージも入れる意味では社労士の方いいのかなと思います。ただ、わかりやすくという意味でDVDのパワーポイントのレジメを工夫したほうがいいと思います。
もう1点あります。DVD のテーマ別のところではたぶんおわかりになっているかと思いますが、テキストがおそらく論点整理にしろ逐条解説にしろ初めから順番に解説されていくと思います。そういった場合に、例えば継続申請といったことなど、これとこれは継続申請できるけれども、これはできないなど、横断的に整理して理解しなければいけないことがあると思うので、そこはぜひDVD のほうでわかりやすく比較表とかで説明するなど工夫していただきたいです。条文ごとに話しているとどうしても離れてしまうことがあるのですが、実は一緒に説明したほうかわかりやすいというのはあると思いますので、それを表などのビジュアルにしてDVD でお話するようなかたちをとると、よりいいのではないかと思います。横断的な部分を講義DVDのほうではぜひ工夫していただきたいと思います。以上です。
〇司会
 ありがとうございます。皆さん他にいかがでしょうか。構成員熊切様お願いできますでしょうか。
〇熊切構成員
 基礎編の DVD と基礎編のテキストは関連づけがよくわかるようなかたちにしていただきたいというのが一つ要望です。それから、DVD の中で確認テストを1~2問ということでご提案がありました。せっかくですので、テキストのほうはもう少しボリュームをもたせて、こういうことも確認して覚えたほうがいいぞというようなものも加えて、要はDVD を見ながらの確認ではなくてテキストを見ながら確認できるような、テスト問題ではないですけれども、そういう物を付けていただけると、参考書を見ながらある程度の知識が貯められるかなと思いますので、ご検討いただければと思います。
〇司会
 ありがとうございました。他にいかがでしょうか。横尾構成員お願いできますでしょうか。
〇横尾構成員
 ありがとうございます。いくつかあるのですが、まず、ご回答いただきました実況中継本ですけれども、こちらはスライドも入っている物なのか、どういう物なのか教えていただいてもよろしいですか。
〇司会
お願いいたします。
〇TAC(株)
 まず文字起こしをしますが、例えば1分ごとに切ってテキストになりますので、それと合わせて。
〇横尾構成員
 文字だけ。もう文字だけですか。スライドはなし。
〇TAC(株)
文字だけですね。あとはスライドを中に取り込むことはできますのでスライドがあって、例えばその右側に文章があるとか、そういった構成になろうかと考えております。
〇横尾構成員
 わかりました。なるほど。私のほうで講師についてというところも含めてですけれども、やはりユニバーサルデザイン対応の知識を得た上で講義をしていただいたほうがいいのではないかと感じます。スライドが横にあったとしても、例えば「ここの部分がこうで」みたいな話をされたら、どこのことを指差しているのかが全くわかりませんので、字幕であれば「ここの部分を」と言った時に手が動いていますけれども、スライドがあって、こちらの方が今指を指している「ここが」って言う時に「ここが」って言ってしまった時点で、指し言葉を指示するような言葉を使ってしまった時点で全く何の話かわからなくなるということがございますので、喋る時にそれに気をつけて「ここが」とか言わずに「障害者年金の項目は」とか必ず口頭で言っていただかなければいけなかったりするので、それがないと結局、撮り直しになってしまう可能性もあるかと思います。
 そういうふうにしておかないと、逆に目が見えないという方もわからなくなりますので、どちらにしても知識を得た上でやっていただければいいのかなと思いますので、どちらの講師でやられてもいいですけれども、そういったことに少しご配慮いただいたほうがいいかなと思いました。
 あとは、色弱だとカラーが緑と赤が同じ色に見えます。だから、男性の職員の20人に1人は見えなくなりますので、やはりそれも同じかと思うのですが、社労士の先生にやっていただくのもナレーターでもいいですけれども、知識を得た上でやっていただいたほうがいいのではないかと思いました。特に赤で書かれている物などはかなり薄くなってしまって何が書いてあるのかよく見えないです。そういったことも少し考慮していただきたい。講師の方かTACさんのほうで知見を得るというところだと思うのですが、やはりその配慮は必要であろうと思いました。これが1点目です。
 障害者年金関係で3点ありまして、そのうちの1点目が、障害者年金と老齢年金のことを分けて考えていただいたほうがいいかなと思います。というのは、今は60歳くらいの方も来ますが、結構高齢なケースもありますよね。そうすると、やっぱり耳が聞こえにくいとか目が見えにくいという人が来た時にどういう接遇をしていくか。つまり、今のコンテンツは年金制度の内容理解という部分はとても充実していて、皆さんからのご助言もあってすごくいいものになるだろうという気がしていますが、接遇力、説明力、配慮力という3つについての教育が絶対的に必要なのではないかと思いました。それはガイドでは対応できない部分で、教育でしか担当できない部分だと思います。ちょっとしたことでもこういう接遇の仕方、説明の仕方をするとわかるという説明の仕方という部分の接遇力、説明力、配慮力はやっぱり障害者年金と老齢年金が必要な部分で、かつ、高難易度でもめることも多い手続きになってくると思います。なので、こちらの分の実務編のところにそういったことが必要なのではないかと思います。難しい理由は、年金理解の部分の問題ではないはずです。こちらが逆に聞きたかったのは現場の声です。ここにはわかりやすく説明するためのことではなく年金の話がわかりやすく書いてあって、障害者年金や老齢年金についてわかりやすく説明するための研修内容にはなっていないのかなという心証が少ししました。なので、逆に日本年金機構さんとか自治体さんにもお伺いしたいのですが、対応する時に職員の方が難しいと感じている部分があると思います。やっている方が困難に感じている部分があると思いますので、逆に私もそういうご意見もいただきながら、それを反映するものを作られたらいいのではないかと思います。実際の現場の方が困っていることを解消できるような内容も盛り込んだほうがいいかなと思います。もちろん年金の知識も必要なので、プラスアルファでそういったものが必要なのではないかなと思いました。ちなみに、年金機構さんかもしくは自治体の方からどんな難しさがあるか少しお話いただけますでしょうか。
〇司会
 佐藤構成員お願いできますでしょうか。マイクがはいっていないかもしれません。
〇佐藤構成員
 すみません。要望する中でお話しようと思っていたのですが、今、横尾構成員さんがおっしゃった通りDVD の実務編の中で実際の今の障害年金の話がまさしくそうで、やはり初めにもめるところはコミュニケーション能力や話し方とか本来相手が求めているものとこちらが求めたいものの意思の疎通のやり方が経験の浅い職員だと難しいので、ただ文字ではなくてドラマではないですけれども、実際障害者の方がいてそのようなやり取りのDVD があると職員としてはありがたい。そのやり方が必ずしも正解かどうかはわからないですけれども、いくつかの場面を想定してもらえると、こういうやり方があるというのがわかるので、どちらかというと基礎編を手厚くするよりもそういった実務編のほうを作ってほしいという話がありました。
また、おっしゃられた通り特に障害の方につきましては、新人の職員ですと知識のほうはすごくあるのですが、対話能力のためにトラブルや行き違いがあります。やはり最初にお互いの信頼関係があることでいろいろな業務も円滑に進んでいくので、そういったところを研修していく必要があるのかなとは感じています。
〇司会
 ありがとうございます。年金機構さんのほうにも質問がございましたが、何か補足される点等ございますか。
〇向山部長
 機構も接遇に関してはどちらかというとまだ開発途上というところがございまして、日本年金機構はご承知のような経緯で設立されましたので、やはり民間組織としてある意味生まれ変わるというところで基本的なお客様への対応マナーを身につけていかなければいけないというところでこの4年間ようやく基礎ができてきていると思いますけれども、実際の相談対応の際にどのような言葉を使ってご説明したらいいかということについては、統一的なものというものはなくて、ある程度現場で積み重ねてきているというのが実態だと思います。
〇上野部長
 補足をさせていただきますと、実際に障害の方や健常者の方にかかわらず私どもは難しい言葉、例えば「裁定」であるとか、「給付」であるとかなかなか普段使わないような言葉につきましては、「わかりやすい言葉置き換え例集」という冊子を各職員に配っておりまして、それを利用しながらご説明させていただいております。また、障害のあるお客様に対する接遇等については、原構成員がおっしゃるような難しいものではなく一般的な事例、例えば目の見えない方がいらっしゃった場合どういう対応をしなさいであるとか、車椅子の方がいらっしゃった場合はどう対応しなさいであるとか、そういったようなものについては私どものほうでも「サービス推進の手引き」という冊子を作りまして、職員教育をしております。
〇司会
 ありがとうございました。他に構成員の皆様ご意見等ございますか。一旦、三浦構成員のほうによろしいでしょうか。
〇三浦構成員
 すみません。13ページの7番の基礎編テキストのレイアウト、編集方式ですが、逐条解説型でやるということはもう決まりということでしょうか。
〇TAC(株)
 逐条解説型で作成することをお諮りいただくということで考えております。
〇三浦構成員
 法律の条文というのはかなり難しくわかりにくい文章ですので、サンプルを拝見しても難しいなという印象しか受けないので、逐条解説型にするにしても、横の論点解説型のところに右端の真中あたりに書かれている「知識の浅い方でも基礎から理解できるようやさしく丁寧に解説する」と。これをしないと、やっぱり新任の方には難しすぎるのではないかなと思いました。
〇司会
 ありがとうございます。ただいま逐条型の観点に関してはTACさんからお諮りいただいているところではございますが、こちらについて何かご意見ある方はいらっしゃいますか。上里町の関口構成員お願いできますでしょうか。
〇関口構成員
 上里町です。逐条型の解説はだいぶわかりやすいものかと思います。この中で当然、制度改正等が行われる中で、制度改正に対応できるようなかたちになるのかどうか、DVDも含めて制度改正に対応できるような方式なのかどうか、そのへんをお聞きしたいと思います。
〇司会
 制度改正についてご対応いただけるかというところでございますが、確かメリットで法令改正の修正を行えるようテキストは逐条解説型で作成するということでよろしいでしょうか。
〇TAC(株)
 はい。
〇関口構成員
 はい、すみませんでした。
〇司会
 ありがとうございます。佐藤構成員お願いできますでしょうか。
〇佐藤構成員
 さいたま市です。今回、年金のことについて前の資料にあります通り解説集とかである程度の業務と話はかなり細かく作成されていくと思いますので、逆に、このような逐条解説型というのが年金の場合あまり一般の市販の本でも売られていないような感じがしますので、もちろん、新人の方については論点解説型がいいとは思うのですが、将来的に思いますと、このような逐条解説型のようなもののほうが市町村としては逆に必要な部分でもありまして、何を根拠に仕事をしているかということがやはり大切になってきますので、逐条解説型がもう少しわかりやすいほうがいいと思うのですが、こういうことを中心に作っていただいたほうが私はありがたいかなと思っています。
〇司会
 ありがとうございました。いくつかTACさんのほうからは論点をお諮りいただいておりまして、冒頭に戻りますが、特にナレーターと社労士さんのどちらによる説明がよろしいでしょうかというお話がございました。実際に受講されます市町村の皆様方としてどちらがよろしいかというご印象はございますか。熊切構成員お願いいたします。
〇熊切構成員
 先ほど阿部先生のほうからご提案があったように、社会保険労務士の先生のほうで専門的な解説をした後、まとめ部分をナレーターさんがやって、その後、確認テストみたいなかたちに入っていくというのが見ているほうもそこでメリハリがついていいのかなと思います。
〇司会
 ありがとうございます。よろしいでしょうか。せっかくですのでさいたま市、上里町の両構成員、いかがでしょうか。
〇佐藤構成員
 すみません。さいたま市です。うちの市としては話をした時に、先ほど佐々木構成員さんから出ていたダイジェスト版みたいな物を作ってもらったほうがありがたいかなということと、講義をどちらがやるにしても、新人が突然この内容を聞いてもたぶんイメージがつかなくて覚えられない。ある程度経験を積んでみたことにより初めてこの業務とここが関連するというのがわかるので、そういった中で最低限必要なダイジェスト版で簡単な年金のことをまずわかった上でこの研修があるのなら役立つのかなという意見が多かったものですので、講師としてはどちらでも構いません。
〇司会
 ありがとうございました。上里町お願いいたします。
〇関口構成員
 上里町は、やはりある程度経験を積んでからでしたら社会保険労務士さんの講義がいいかなという話ですけれども、あまり経験を積んでいない初心者についてはナレーターさんがやったほうがいいかなという意見が出ています。やっぱりわかりやすく簡単に理解できる内容で、ただ、時間的にも相当の時間数になるというかたちの中で、先ほども出ましたダイジェスト版で20~30分で概略や全体像がつかめた中で研修を受けられたらなと考えています。以上です。
〇司会
 ありがとうございます。ダイジェスト版、あるいは、時間というお話が若干ございました。TACさんからの論点提示の中でもテキストの構成内容、あるいは、カリキュラムの時間の構成といったところについてお諮りするといった部分がございました。こういった点に関しましてご意見ございますか。佐々木構成員お願いできますでしょうか。
〇佐々木構成員
 構成員の佐々木です。講義、テキストのテーマ、科目についてですけれども、今回の提案では国民年金の概要や負担と給付、免除制度など年金制度の切り口によるテーマ区分になっていると思います。一方で、テーマ区分について学生編、自営業者編などどんな属性の方が窓口に来たのか、お客の違い、セグメント別で講義を組み立て直してみることで実際の窓口対応に生かしやすくなるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
〇司会
 TACさんのほうで検討されてお諮りして、またお返ししたいと思います。ありがとうございます。構成員横尾様お願いできますでしょうか。
〇横尾構成員
 今回、具体的な提示をいただいたことで、こちらから。やっぱり障害者年金のところが今回一番難易度の高い対応になっていますので、この研修で一番重要な点になってくると思います。なので、いくつかお話させていただきたいと思います。2つの視点がありまして、まず一つは、わかりやくす正確に書くという視点が、テストに答えるためにわかりやすく正確になっていて、窓口業務をする上でわかりやすく正確にまだなっていないなというのが私の印象です。例えば、論点解説型の法定免除、障害がある、生活保護を受けているというのがございますけれども、障害があるという表現がすごく不適切で不正確だなと感じています。どういうことかと言うと、障害者という定義がたぶんこのテキストを作られた方の障害者の実態に対する知識の不足だと思います。たぶん障害者手帳を持っているという意味で書かれているのかもしれないですけれども、身体障害者の場合は通常障害者手帳を持っている方が障害者と一般的に言われていて、精神障害、知的障害の場合は、診断が出ていて、その疾患を持っていることが障害者と呼ばれる所以になっています。なので、例えば、障害者に該当する障害があります、でも障害者認定を受けていない、障害者手帳を持っていませんという方は、どうなのか。障害を持っているからといって申請を出しているとは限りません。ですから、障害者手帳と障害社年金の障害者の考え方も違いますし、ちゃんと正確に書かないと、窓口では手続きを間違えてしまうと思います。なので、ちゃんと障害の知識がある人を入れないと、障害者年金のところは曖昧なものになってしまう。たぶんテストでは「障害がある」と書けばマルだと思いますが、手続きをする上では「障害がある」という判断基準を明確にしてあげないと、わかりにくくなったり手続きが不正確になったりしてしまうことがあると思います。手続きがですよ。皆さんが書いていることが違うのではなくて、手続きが不正確になってしまう、間違った内容になってしまうということがあると思いますので、その点が非常に重要かなということ。それから、解説のほうはテストに答える上ではすごくわかりやすくなっていると思うのですが、例えば後ろの解説で第1項の中の(1)の該当事由というので、「第1号被保険者が第1項第1号から第3号のいずれかに該当するときに保険料の納付の義務が免除されます」という部分があるかと思います。こちらのほうで「障害者年金または1級、2級の障害者厚生年金および障害共済年金等の受給権であるとき」と書いてありますが、通常業務で大事なのはこの「等」が何なのかがわからないということで窓口では困るのだと思います。だから、解説の中に「等」のことが書いてなかったら、たぶんこの後も「等」がずっと出てこないことになりますので、この「等」が何なのかとか、出てきたものが「等」に関係するのかどうかがたぶんわからないとか、「当初障害等級が2級以上であっても」とありますが、この障害等級がなんの障害等級なのかが書いてないので、障害厚生年金の話なのか障害基礎年金の話なのか。「当初2級以上であってもその後障害の程度が軽減し、厚生年金法の」この次は厚生年金保険法の障害者等級ですよね。その前のものももし厚生年金保険法の障害者等級であれば、そう書いたほうがよろしいかと思います。たぶん実務をやる上ではわからないと困ることが多々あるのではないかと思います。
あとは、書き方として「ただし、そういう軽減した場合で3年を経過した場合は除かれます」と書いてあると、「除かれます」は「免除されます」なのか、あるいは、これはたぶん「免除されることから除かれる」ということですよね。だから、「除かれます」だとちょっとわからないのではないかと思います。社労士の勉強をしようとかではない、本当に知識のない一般の職員の方からすると、わからない可能性があるかなと思います。ですので、障害者年金まわりの部分はぜひ障害の知識を持った方がやるか、それを入れるか、もしくは、例えば今回の構成員の中にも自治体の方もいらっしゃいますので、その中でものすごくベテランで障害者年金の対応でエキスパートのような方がいるのであれば、そういう方にも参加していただくなど実務に則した対応が必要ではないかと感じました。すでに皆さんがTACさんの教材はすごくいいとおっしゃっていますので、そういったことが充実されるとさらにいい教材になってくると思いますので、ぜひ頑張っていただければと思います。
〇司会
ありがとうございました。阿部構成員お願いできますでしょうか。
〇阿部構成員
テキストの編集方式のところですが、論点解説型か、それとも、逐条解説型かということで、私が大学で講義をするならば、法学部ではありませんので論点解説型を採用するかと思うのですが、ここでは市町村職員向けに関しての研修なので、やはり先ほどもご意見がありましたように法制度を第一に正確に理解するということが重要なので、逐条解説型が適当ではないかと思います。サンプルの資料を読ませていただきましたが、思った以上にわかりやすいし、理解しやすいわかりやすい言葉で書かれているという印象です。しかし、読んでみてわかりやすい、理解しやすいというのはわかったのですが、見た感じがなんだか難しそうというイメージがあるので、市町村職員の方に学習させるような何か仕掛け、継続して勉強させるような工夫を何か一つTACさんに生み出していただければと思っております。それから、先ほどの基礎編講義コンセプトの講義型か説明型かに関して、講義型か説明型かのどちらを選択するのかということよりも、むしろ、初心者にとってわかりやすいものにしていただくことが重要なのかと思っています。以上です。
〇司会
 ありがとうございました。原構成員お願いできますでしょうか。
〇原構成員
 原です。細かいことですけれども、9ページのこの項目は妥当かというところがございましたので、今の時間の中で拝見させていただいてコメントさせていただきたいと思います。おそらく第1号の方が多いとは思うのですが、例えば会社員2号から1号とか、3号から1号というかたちで種別の変更が今非常に流動的ですし、届け出漏れとか手続き漏れがあるといけないので重要だと思います。細かくてすみませんが、講義編のDVDの中で4番の被保険者期間が5分になっているのですが、もう少し時間を増やしてもいいかなと思います。できれば、厚生年金は関係ないと思うのですが、会社員から独立して1号になるとか、3号から1号になるとかという意味で他にはこういう制度がありますというところを、最初なのかダイジェスト版なのかわからないですけれども、自分は一体何に該当するのかというのがわかっていないお客様もいらっしゃると思うので、それによっては年金事務所をご案内しなければいけないという部分もありますから、実務編なのかわからないですけれども、入れていただきたいと思います。請求などする時に自分はどこに行くのかとかそういう部分も含め、また、厚生年金など他の制度にも少し触れられて、特にこの中では種別の変更とかを入れていただければいいのではと思います。また、入っているとは思いますが、保険料とか制度とか新しい改正のところは入れていただきたいなと思います。カラ期間とかそういう部分もぜひ入れていただきたいなと思います。
それから、先ほど佐々木構成員からお話があったような自営業編とかそういう部分というのは、もしできれば実務編のほうで何か、ロールプレイというようなかたちででも、こういう方が来たらこういう対応をするみたいな部分を実際にやっていただく絵を映すとか、そういうロールプレイングを入れていただいて、それを見て真似して実際に現場ではやっていただくのがいいと思いますが、そういうものもあるといいかなと思いました。
あとは、ダイジェスト版についても、やはり最初の入門というか、よく社労士の講座でも最初にこの講座はこういう講座ですとかいうのがあると思うので、簡単に全体を入門的なものでダイジェストでお話しをして、私はこの知識が弱いから1番から見るのではなくて、5番の届け出から見るとか自分が何を一番見なければいけないのかというのがそこでわかるかと思います。一番最初から見ると、最後のほうの遺族年金で詰まってしまうと思うので、いろいろなものをランダムに見られるというのがいいところだと思いますので、そういう受講ガイドみたいなかたちでザッと説明して、こういうふうに使いましょうということを最初に入れていただければありがたいと思いました。以上です。
〇司会
 ありがとうございました。活発なご意見を賜っているところではございますが、本日予定の時間となってございます。最後に特段ということがなければ、本日の議事進行をこちらで終了したいと思いますが、最後に佐々木構成員お願いできますでしょうか。
〇佐々木構成員
 1点目ですけれども、例えばテーマごとに難易度を100点満点とか、難しい、普通、やさしいなど難易度の目安を表示するというものです。
2点目ですけれども、実際の現場での窓口での利用頻度、非常に頻度が高いとか普通ぐらいとか頻度が低いということを講義テキストのカリキュラムのテーマごとに表示してみてはどうかと思います。
〇司会
 ありがとうございました。最後に特段ないようでございましたら、こちらで終了したいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。本日、若干時間超過しまして誠に申し訳ございませんでした。これにて第2回の公的年金のわかりやすい情報発信モデル事業検討会を終了させていただきたいと思います。本日はお時間をいただきましてありがとうございました。
 なお、次回検討会につきましては、9月29日月曜日午前中の開催を予定しております。詳細な時間、場所等に関しましては事務局のほうから併せてご連絡差し上げますので何卒よろしくお願いいたします。
なお、アナウンスとなりますが、次回検討会のテーマといたしまして、若年者層に向けた国民年金納付促進モデル事業および国民年金手続き促進モデル事業に関しまして、既存の定量調査の分析や今後実施するインタビュー等の定性調査の分析を踏まえまして、今後制作する制作物の大まかな構成案等についてご議論をいただく予定となってございます。以上よろしくお願いいたします。

 


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 年金局が実施する検討会等> 公的年金の分かりやすい情報発信モデル事業検討会> 第2回 公的年金の分かりやすい情報発信モデル事業検討会 議事録(2014年9月10日)

ページの先頭へ戻る