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2014年8月7日 第21回 先進医療会議議事録
○日時
平成26年8月7日(木)15:59~16:57
○場所
中央合同庁舎第5号館 省議室(9階)
○出席者
【構成員等】 |
猿田座長 北村座長代理 五十嵐構成員 柴田構成員 |
中川構成員 福井構成員 福田構成員 藤原構成員 山口構成員 |
【事務局】 |
医療課長 医療課企画官 医療課専門官 歯科医療管理官 薬剤管理官 |
医政局研究開発振興課長 医政局先進医療専門官 大臣官房参事官(医療機器・再生医療等製品審査管理担当)他 |
○議題
1 新規技術(7月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)について
(先-1-1)
(別紙1)(別紙2)
2 新規技術(○月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)等の様式(変更案)について
(先-1-2)
3 先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について
(先-2)
(別紙3)(別紙4)(別紙5)
4 その他
(先-3)
○議事
15:59開会
○猿田座長
それでは、時間が参りましたので、第21回の「先進医療会議」を始めさせていただきます。
非常に暑い中、また、大変お忙しいところを、委員の先生方におかれましては、お集まりいただきまして、まことにありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、早速ですけれども、本日の構成員の出欠状況でございますが、山本構成員からは御欠席との届けをいただいておりまして、私に全てのことを一任するということで委任状の提出がございました。
それから、今回から厚生労働省に異動がありましたので、これは事務局から御説明をよろしくお願いいたします。
○事務局
それでは、厚生労働省側の異動がございましたので、御紹介をさせていただきます。
まず、審議官の吉田学でございます。
○審議官
吉田でございます。よろしくお願いいたします。
○事務局
医療課長の宮嵜雅則でございます。
○医療課長
宮嵜でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○事務局
薬剤管理官の中井清人でございます。
○薬剤管理官
中井です。よろしくお願いします。
○事務局
大臣官房参事官(医療機器・再生医療等製品審査管理担当)の磯部総一郎でございます。
○大臣官房参事官(医療機器・再生医療等製品審査管理担当)
磯部でございます。どうぞよろしくお願いします。
○事務局
紹介は以上でございます。
○猿田座長
それでは、事務局から本日の資料の御確認をお願いいたします。
○事務局
事務局でございます。
頭撮りについては、ここまでとさせていただきます。
(カメラ退室)
○事務局
それでは、まず、資料の確認からでございます。
座席表、議事次第、メンバー表と続きます。
先-1-1の横紙の後に、別紙1-1、1-2、2-1、2-2、その後、先-1-2の横紙、先-2の横紙、別紙が3、4、5と3葉続きます。最後に先-3、参考資料ということになっております。
乱丁・落丁等ありましたら、お申しつけくださいませ。
○猿田座長
よろしいでしょうか。
ないようですね。ありがとうございました。
それでは、続きまして、今回の検討対象となる技術に関しまして、事前に利益相反の確認をしておりますが、その結果につきまして、これも事務局から御説明をよろしくお願いいたします。
○事務局
事務局でございます。
それでは、今回、検討対象となる技術等に関しての利益相反について御報告をいたします。
五十嵐構成員、山口構成員、藤原構成員より、新規技術(7月受理分)の先進医療Aまたは先進医療Bの振り分けの受理番号36番について、御報告をいただいております。受領額が50万円以下ということでございましたので、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づいて、当該技術の議事の取りまとめ及び事前評価に加わることは可能という整理でございます。
また、柴田構成員より、新規技術の先進医療AまたはBの振り分けの受理番号36番について御報告をいただいて、利益相反はないということですが、所属組織・部署が関与している臨床試験であることから、先進医療会議運営細則第4条の規定に基づいて、当該技術に関する検討及び事前評価には加わらないということでございます。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
本日御出席の構成員の方で、ほかに関係するようなことは特にございませんですね。
ありがとうございました。
それでは、早速、審議に入りたいと思いますけれども、まず最初に「新規技術(7月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)について」につきまして、お諮りしたいと思います。
先ほど御説明がありましたように、受理番号36の技術に関しまして、これは柴田構成員にはそのときにちょっと御退席いただくということで、よろしくお願いいたします。
それでは、済みません、柴田先生。
(柴田構成員退室)
○猿田座長
それでは、事務局からよろしくお願いいたします。
○事務局
事務局でございます。
では、先-1-1の資料からご覧ください。
まず、35番の技術でございますが「咽喉頭癌に対する経口的ロボット支援手術」という技術名でございます。
適応症等は、中咽頭がん、下咽頭がん、喉頭がんとなっております。
先進医療の内容及び医薬品・医療機器情報については、別紙1-1及び別紙1-2をご覧ください。
保険給付されない費用、また、保険給付される費用、保険外併用療養費分に係る一部負担金については、記載のとおりです。
こちらについては、別紙1-2で記載がございますが、da Vinciサージカルシステム等を用いる手術ということで、da Vinciサージカルシステムについては、一般消化器外科、胸部外科(心臓外科を除く)、泌尿器科及び婦人科の適応となっていることから、本適応症については適応外と判断し、先進医療Bの振り分けで事務局案を作っております。
続いて、36番の技術でございますが「高度リンパ節転移を有するHER2陽性切除可能進行胃・食道接合部腺癌に対する術前トラスツズマブ併用化学療法」が技術名でございます。
適応症等は「HER2過剰発現が確認された高度リンパ節転移を有する胃癌」ということで、内容及び医薬品・医療機器情報については、別紙2-1、2-2に整理してございます。
また、費用についても記載のとおりで、振り分けについてですが、別紙2-2の中をご覧いただくと、今回使用する医薬品ハーセプチンでございますが、薬事法で承認されている適応としてHER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃がんとなっていることより、今回の適応症は適応外と判断され、先進医療Bという形で振り分けの案を事務局で作っております。
事務局からの説明は以上でございます。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
今、お話がございましたように、035、036とも先進医療Bへの振り分けでどうだろうかということでございますけれども、委員の先生方、どなたか御質問はございますでしょうか。
特に御意見がなければ、そのとおりでBへということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○猿田座長
ありがとうございました。
それでは、そういう形でお認めいただいたということにさせていただきます。どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、2の「新規技術(○月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分け(案)等の様式(変更案)について」につきまして、これも事務局から御説明をよろしくお願いいたします。
柴田先生、どうも済みませんでした。
(柴田構成員入室)
○事務局
事務局でございます。
資料先-1-2をご覧ください。また、比較として先-1-1もご覧いただければと思います。
表になっておりますところの下の※3番でございますが、これまで先進医療の届け出の受理日の締め切りについて、20日とさせていただいて、21日以降に受理した場合は翌月分の処理ということでさせていただいておりました。
平成25年度までの先進医療会議が、およそ月の第2週に行われていた関係でこのような設定になっていたものでありますが、既に26年度、本年度よりおおむね第1週の開催ということで、先生方も御存じのとおり、繰り上げになっているものでございます。
これに伴いまして、事務局の処理期間等を勘案して、締め切りについてもおおむね1週間繰り上げて14日の締め切りという形でさせていただければと考え、本日お諮りしている次第でございます。
御審議いただければと思います。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
皆様、御存じのとおり、国としては少しでも早く進めたいということがあって、先進医療会議の開催を1週間早めたという形でございます。そういったことがあって、今のような形での変更をさせていただくと、かなり進みがいいということでございますけれども、委員の先生方、どなたか御意見をいただけますでしょうか。
いろいろ先生方には御迷惑をかけますけれども、では、それでお認めいただくということでよろしいですか。
(「異議なし」と声あり)
○猿田座長
ありがとうございました。
それでは、お認めいただいたということにさせていただきます。どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、先進医療技術審査部会において承認されました新規技術に対する事前評価結果につきまして、諮らせていただきたいと思います。
まず、整理番号66でございます。事前評価を担当いたしました福井構成員より、技術の内容及び評価について説明をお願いしたいと思います。
それでは、福井先生、お願いできますでしょうか。
○福井構成員
それでは、別紙3をご覧いただきたいと思います。資料の29ページを見ていただけますでしょうか。
この先進医療は、2-3A期非小細胞肺がん完全切除症例を対象としたαガラクトシルセラミドパルス樹状細胞療法の無作為化探索的試験でございます。これは2あるいは3A期の非小細胞肺がんで、完全に手術で取れて、その後、化学療法、現在のところ最も効果があると考えられているシスプラチン、ビノレルビンを用いて、補助化学療法が終わった患者さんに対して、このNKT治療を行う群と行わない群で有効性を検証するというものです。
これは、患者さんから成分採血を実施して、単核球を採取した後、Cell Processing Center内で単核球を分離・培養いたします。そうして、投与前日、この投与前日といいますのが、この資料の一番最後をご覧いただきたいのですけれども、38ページの下のところに「1サイクル」「2サイクル」と書いてありますが、成分採血をして7日目と14日目、それから、49日目と56日目に投与をいたします。その投与前日にこのαガラクトシルセラミドを添加したものを投与して、NKT細胞(Natural Killer T Cell)の活性化を生体内で起こさせるというものであります。
これまでに主として千葉大学の外科の先生方が安全性についての検証を行ってきておりまして、少なくとも2つの論文が添付されておりました。
それによりますと、ほとんど副作用がない。ただ、腫瘍の縮小効果は、少なくとも今まで行われた安全性効果の検証の研究では認められなかったとのことですが、このNKT細胞が活性化されることに伴って、インターフェロンγが非常に増加すると考えられていて、それが上昇した群では生存期間がかなり延びたということも示されております。
したがって、1ページに戻っていただきますと、安全性については、今までの研究では問題がないということでありますし、化学療法だけでも、非常に効果があるとされているものでも11%ぐらいの患者さんで生存期間が延びたということです。非常にインターフェロンγが増えた患者群では、5年間生存した患者さんも1人いたということであり、現在のところ安全性については問題ありません。もし本当に生存期間が延びるということが実証されれば、すばらしい治療法になるのではないかと思います。
したがって、現在のところ、社会的妥当性といたしまして、倫理的問題はないと考えます。
そして、罹患率、有病率から勘案して、普及はしておりません。
効率性につきましては、やや効率的と考えられます。
あくまでもこの有効性が示されたということを前提に、将来的には保険収載が考えられます。
総体的には、私は「適」と判断いたしました。
以上です。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
今、御説明がありましたように、ある程度効果的であって安全であるという面から見て、今までの治療に比べていいところもあるという形で、福井先生としては「適」でいいのではないかということでございます。
今の資料の2ページ目から、実はこの先進医療技術会議で随分議論してまいりまして、その経過が書いてございますが、まことに済みませんけれども、技術会議のときの主任を藤原先生にやっていただいたので、先生、もし覚えていらっしゃったら、簡単にまとめていただければ助かるのですが。
○藤原構成員
お手元の4~6ページに技術審査部会での審査の概要を書いておりますけれども、もともと千葉大の呼吸器外科が既に別の先進医療としてやっておられ、その転移のあるような患者さん、もう少し状態としては、がんが進行した状態の患者さんでの使用経験を踏まえての今回の術後の補助療法としての使用です。安全性について千葉大のデータがそこまでの時点でなかったものですから、一応、出してくださいというお話を私からさせていただいて、この資料の24ページ、千葉大でのNKTの試験での有害事象で、目立ったのは、高カリウム血症が幾つか出ていますという御回答をいただきました。その内容はきちんと精査されておりますし、今回の試験の中ではそれを注意しながら進めていきますと名古屋医療センターの先生からの御回答もいただいております。
それから、これは細胞療法ですので、CPC(Cell Processing Center)の仕組みがきっちりしていかないといけないので、そのあたりはしっかりと技術委員を担当された松山先生がやりとりをされ、そこに関してもさまざまなところが押さえられているという判断をして、この部会に上げることに関しては問題ないと判断いたしました。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
今、御説明ありましたように、先ほどの千葉のデータ、そのほかのこともありまして、一時条件つき「適」ということで進めて、最終的には皆様方の同意をいただいて、上げていいだろうという形の決定をさせていただいたわけでございます。
今、福井先生、藤原先生に御説明いただきましたけれども、構成員の皆様方、どなたか、この案件に関しまして御質問はございますでしょうか。
五十嵐先生、どうぞ。
○五十嵐構成員
質問なのですが、明らかな腫瘍の縮小効果はないけれども、生存期間が延長する可能性があるというところにかけたと考えてよろしいですか。
○藤原構成員
平たく言えば、そうです。ですから、ランダム化比較試験でちゃんとやっているということだと思います。
○五十嵐構成員
わかりました。
○猿田座長
どうぞ。
○福井構成員
2つの論文とも縮小効果は認めていないのですけれども、かなり生存期間が延びた方がいるという内容になっています。
○猿田座長
ほかにどなたか御意見ありますでしょうか。
今、お話がありましたように、生存期間に関しては明らかに延びているということでございます。それと、安全性は問題ないということであります。
特に委員の先生方からほかに御意見がなければ、この形でお認めいただくということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○猿田座長
ありがとうございました。
それでは、この案件は、お認めいただくということにさせていただきます。
福井先生、藤原先生、どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、整理番号67でございます。これに関しましては、事前評価を北村座長代理にやっていただきました。
それでは、まず、北村先生から御説明いただけますでしょうか。
○北村座長代理
資料別紙4を御参照していただきたいと思います。
これは開発にもうかれこれ10年ばかり研究してきている課題なのですが、HGF、肝細胞増殖因子という名前がついておりますけれども、このたんぱくの作用は広範で、主に血管新生能力が高い。我が国で発見されたものでございまして、それの遺伝子に相当するところをプラスミド化いたしまして、それを注射して治療するという遺伝子治療であります。
一方、HGF蛋白としての利用を行っている研究も、いろいろな部門で別途あることはあります。しかし、ここでは下肢の虚血を起こす疾患、それは動脈硬化性の場合とバージャー病と言われている病気の場合の両方に対して遺伝子プラスミドを用いて治療できるかということの治験でありますが、このプラスミド製剤は既にアンジェスMG社によってGMP対応で作成されておりまして、我が国のみならず外国においても治験が行われているところであります。
3ページ目にも出ておりますが、以前にアンジェスMG社は、企業治験としてプラセボ対照の無作為化二重盲検という高度な治験を計画して行った結果が出たのですけれども、やはりプライマリーのエンドポイントとしておりました下肢のリムサルベージ、切断を避けることのできる率においては有意な成績が得られなかったということがありますが、同時に、潰瘍の縮小あるいは疼痛の軽減といった効果は認められたということであります。
それで、PMDAとアンジェスMG社とのやりとりがいろいろ行われたのだと思いますが、その結果、アンジェスMG社は、一旦プライマリーエンドポイントを満たさないということを理由として申請を下げておられました。現在は同じエンドポイント、つまり、下肢虚血による死亡、あるいはリムサルベージというポイントにおいて外国治験第3相を開始するという事態になっておりまして、今回の申請は、主に大学の研究者によって治験において認められたサロゲートのエンドポイントであったのだと思いますけれども、潰瘍の75%縮小を目指す。それと、疼痛の軽減ということをエンドポイントとして行ってみたいということ。それが1点。
もう一つは、今まで2回のプラスミド投与でやってきた治験を、1回量は同等に保ちながら3回までそれを行ってみたいという、この2つのことを新たに先進医療を用いた医師主導的な臨床試験、臨床研究として再度トライしてみたいという御要望であります。
この中では、幾つかの施設が連合した中で、基準に合致する適当な患者さんをリクルートして行うというので6例という数が挙げられていますが、いかにも少ないのではないかという意見は以前の技術部会におかれましても随分審議されておりまして、今までの問題点が解決できるだけの数ではないのではないかという意見もありました。
しかも、非盲検の単群試験でありますので、効果の追認という形に終わる可能性はあるのですが、ちょうど改正薬事法が間もなく施行される段階にもなっていまして、その中で、再生医療等製品という位置づけがあれば、国内でも、再度PMDAと承認に向けての動きがとれる可能性もあるのではないかということも研究者たちは視野に入れております。そういった意味で、医師主導的先進医療Bを用いた臨床研究を続けさせるということは、当委員会としては私は問題ないと考えて承認という形にしております。
この物質については、既に副作用的なものがほとんどないということがわかっておりまして、物質自身の投与において、倫理的問題は、既に治験が行われた経緯もありますので、問題は少なかろうと思います。効果はあるということですが、保険は将来的にはもちろん適切だと思いますけれども、非常に高い薬になる可能性がございます中で、遺伝子治療の位置づけというものが、この薬品だけではなくて広く、どのように費用対効果も考えていくような形になるのかと思います。いずれにしても、医師たちによる先進医療Bという形での臨床試験は妥当だと判断いたしました。
以上です。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
今、北村先生に御説明いただいたとおり、倫理的な問題もなくてやや効果的であるということと、もう一つは、一番問題なところは症例数の問題で6例ということですが、今までのことから見ていて、症例は少ないけれども、先進医療Bとして認めてよいのではないだろうかというのが北村先生の御意見でございます。
今の別紙4の1ページ目が、今、北村先生から御説明いただいたことでございますが、ちょっと先まで進んでいただきますと、8ページ目に先進医療技術会議で議論した内容が載っておりますけれども、この案件に関しましては、主担当を循環器の一色先生、副担当、特に先ほど症例のことがございました実施計画等の評価に関しましては、ここにいらっしゃいます柴田先生に見ていただいたということで、一色先生からは、特に循環器の立場から見て注射部位の選定に関する意見が出たということでございますが、問題のプロトコルそのほかに関しまして、柴田先生、申しわけないですけれども、ちょっと御意見をいただけますでしょうか。
○柴田構成員
総論としましては、先ほど北村先生から御説明いただいたとおり、この試験に基づいて有効性が確実に証明できるというものではないことははっきりしております。
一方で、投与方法、3回投与ですとか、一色先生に御検討いただいた投与部位の問題ですとか、そういうことに関する情報を得ることはできると思いますし、最終的にこのものが承認されるときのハードルがどのようなものになるのかというのは、再生医療の法律の運用がどのようになるのかというところにも依存すると思いますが、少なくとも、今回ここで行われる臨床試験によって得られるデータが、そのような場面で投与方法を検討するですとか、そういうことには活用し得るものであろうとは考えております。
○猿田座長
ありがとうございました。
そういった形で、一応、先進医療技術会議ではいいだろうということで、この本会議へかけさせていただいたということで、今、北村先生に御説明いただいたような形で、外国での治験のこともございますし、それから、今、柴田先生からプロトコルの点でのお話がございましたけれども、以上のことで、構成員の先生方、どなたか御意見ございますでしょうか。
全体的には、技術会議のほうでもこの形で進めていいだろうということと、今、北村先生がお話しいただいたように、先進医療Bとしてともかく認めてやっていいのではないだろうか。その先はそれを見ながらまた考えていこうということですが、どなたか御意見はございませんでしょうか。
御存じのとおり、この物質の研究は非常に長く続けられていて、たしかもう10年ぐらいになると思います。随分長いですね。
福田先生、どうぞ。
○福田構成員
北村先生のコメントにあるとおり、将来的な話ですが、保険収載に関してはやはり費用対効果を考えるべきというのは私も賛成なのですけれども、1つ確認させていただきたいのは、今の御説明を聞いていると、これは先進医療としてやるのには全然反対ではないのですけれども、これだけではなかなか有用性とかの検証がきちんとできない。そこで、海外でやっている第3相試験とかの成績も使うと理解をしたのですけれども、仮に将来的にここで保険収載について議論されるときにも、海外でやられた臨床試験の結果とかもあわせて議論されると理解していいのでしょうか。つまり、先進医療でやっている枠組みだけで費用対効果を議論するのは相当大変かなと思いますので、そういう形になるのでしょうか。
○猿田座長
北村先生、御意見をどうぞ。
○北村座長代理
私よりも事務あるいは審査担当のほうが適切かと思いますが、いろいろ事務局を通して申請者とやりとりをしていただきましたけれども、海外の第3相試験はまだ始まっていないのです。もうすぐ始まるという段階で、そのためにはかなりの年数がかかるかもしれませんが、それを期待されているのが企業側のことだと思いますし、一方、今回の申請をしている大学の研究者たちは、自分たちでもその道を少し開く。それから、改正薬事法に乗るようなことも可能かなということは申請書類にも書いておられまして、そういった面で、ここの委員会としては先進医療Bを用いるということで、医師たちの臨床試験を継続させてやることが妥当という判断ですが、最終的に薬事承認については、やはりそうした海外の資料も必要ではないかと思います。
○猿田座長
そうですね。それと、あと、やはりPMDAで相談ということになるのだと思うのですけれども、どなたか、今の点に関して御意見ございますでしょうか。
どうぞ、よろしくお願いします。
○大臣官房参事官(医療機器・再生医療等製品審査管理担当)
今、薬事承認のお話もございましたので、私どものほうで、この会社から薬事の承認申請がございましたら、PMDAで審査をいたしますが、そのときには申請者が保有するデータは全部出していただきたいということが基本でございます。そのため、会社のほうにはそういうふうにお願いをいたしまして、データは全部見まして、それについて、PMDAとしてどういう審査をしたのかというのは審査レポートに書くようにいたします。承認される場合には審査報告書の公表もいたしますし、保険局のほうにもお渡ししますので、そういう結果も見ていただいて、どうするかというのは、保険サイドの議論かなと思ってございます。
○猿田座長
ありがとうございます。
そうしますと、まずは先進医療の成績が出ることが。
○大臣官房参事官(医療機器・再生医療等製品審査管理担当)
おっしゃるとおりです。
○猿田座長
そうですね。
ということで、どうですか、北村先生。何かありますか。
ほかに、どなたか御意見ございますでしょうか。
手順とすれば、そういう形で先進医療Bとして認めて、早く症例を経験していただくということであろうかと思いますけれども、その次の進め方ということで、特に福田先生がおっしゃったことは大切でございますので、そういう方向へ行くということかと思います。
どなたか、ほかに御意見ございますでしょうか。
もしなければ、そういう形でこれも先進医療Bとして認めさせていただくということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○猿田座長
ありがとうございます。
それでは、これもこの形でお認めいただいたということにさせていただきます。どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、整理番号68番でございます。これは事前評価を山口先生にしていただきました。
では、山口先生から、まず御説明をよろしくお願いいたします。
○山口構成員
それでは「ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術」について御説明します。
そもそも腎臓のがんの治療に関しては、腎臓は2つありますから、がんができたら片方の腎臓をすべて取るというのが普通の手術でした。しかし、腎臓がんでも、例えば、CTとかMRIとか画像診断の進歩により小さいうちに見つかるようになってきたということが1つございます。
もう一つは、胃がんや大腸がんなどと異なり、腎臓のがんというのは浸潤して広がるのではなくて、割と限局して発育しますので、大きく取らなくてもある程度の幅を持って切れば治るということがわかってきました。したがって、小さいものについては腎臓を全部取る必要はないので、部分的に腎臓を切除することが行われるようになってきました。
問題は腎臓を切ると、血がたくさん出るのです。そのために、腎臓に行く血管をまず遮断して、腎臓をがんとともに部分的に切って、その後、止血をするという操作になるため、技術的にはかなり難しいものがあります。これは開腹していてもそうだろうと思います。
ところが、最近、腹腔鏡の技術が発展してきまして、1990年代から腹腔鏡で腎の部分切除が行われるようになったわけですが、開腹しても難しいのに、やはりなかなか腹腔鏡では難しいということがございましたけれども、これに対してda Vinciを使うことで、よりうまくできるのではないかというところがこの技術のみそだと思います。
では、どういう具合にこの有効性を評価するかというのが一番問題なのですが、エンドポイントになりうるものとしては、1つは、取り残しがないということがあげられます。きちんとがんを確実に取れるということです。もう一つは、腎臓の血管を遮断しますから、遮断の時間が短ければ短いほど、要するに、手際よくやれればやれるほど術後に腎不全が来るということが少ないわけです。ですから、それをエンドポイントにしたい。その血管遮断時間を25分という一つの目安を持ってやりたいということでありました。
審査の中ではいろいろ議論がありましたが、エンドポイントについて、根治的に切除できるということと腎機能を温存できるということ、その2つをどのように振り分けるかということでいろいろ議論がありましたが、最終的には両方パラレルなものであって、両方を達成できないと、要するに、単に阻血時間だけではだめで、やはりきちんと取れて阻血時間も短くなければだめだということで、ページで言えば5ページのところに「主要評価項目を腎機能の温存と根治切除(切除断端陰性かつ阻血時間25分以内)」ということで提案されました。それに関してはやりとりが幾つかございましたけれども、一応、そういうところに落ちつきました。それを100例についてやるということでございます。
1ページ目に戻って、倫理的な問題点はないと思います。
現時点での普及性に関しては、普及しているとは言いがたいと思います。やれる手術が限られているということもございます。
効率性に関しては、やや効率的である可能性があるということだろうと思います。
将来の保険収載については、可能性はあるのですが、コストの話になりますけれども、本当にその金額がそれに見合うものかどうかということはやはりきちんと検証しなくてはだめだろうと思います。
ただ、新しい技術で、確かに腎機能が温存できる可能性はあるということで「適」ということになりました。
個人的には、このような技術を審査するにあたって、3つぐらい問題点があると思いました。1つはエンドポイントの決め方なのです。エンドポイントは25分でよかったのかどうかということに関しては、29ページをご覧いただくと、主要評価項目の最終的に比較するコントロールが、2012年に行われた54施設の1,375例の報告をヒストリカルのコントロールとして比較しようというのですけれども、1つの問題は、これはさまざまな技術レベルの施設が集まって得たデータであるということです。
一方、今回、ロボットのやるところは、特に神戸大学なんかは前からやっていて、非常に技術力の高いところです。そこを比較することに意味があるのかどうかというのが1つ。
それから、新しい技術なので、例えば、腹腔鏡下における腎部分切除の技術でさえも年々変わってきているので、そういうヒストリカルのコントロールを使って本当に判断できるのかという疑問がありますので、やはり将来的には保険収載の前にそのあたりを押さえないとまずいということが1つであります。
それと、今、ちょっと申し上げましたけれども、技術がかなり変化していくということがございます。例えば、外科手術では常に新しい良い材料が出てきます。今、消化器でも使いますけれども、縫合したあと緩まない糸とかです。縫うときに引っ張っておかないと緩むわけですけれども、逆さまのとげがついていて、片手で縫えるような糸が出るだけでも時間が短くなります。ですから、そういう進歩による影響をどのように評価するかということも難しい点があります。
もう一つは、高額の投資をしてda Vinciがすでにいろいろな施設に導入されているという事実があります。維持費用だけでも高額であることが知られています。したがってこのような技術を評価するときに、かなり客観性を持った指標であるべきだと思います。せっかく投資したものだからやらなければだめだとか、ある意味でのCOIが入ってくるので、そのあたりをかなり厳密にやらないと、例えば、開腹の移行率だとかをエンドポイントにすると、これはかなり恣意的に術者ができることですから、やはり評価の対象にはならないということも注意しなくてはいけないと思います。そういう将来的な問題点があると思います。
最終的に私も同意しましたのは、新しい技術、これはこのまま眠らせておいてもいつまでもレベルが上がりませんから、やはりある程度活用すべきだという考え方からです。また、幾つかのデータもございますので、しかるべき施設できちんとレベルアップしてもらって、そこで新たに評価したらいいのではないかということで、最終的には先進技術としてふさわしいのではないかという結論になりました。
以上です。
○猿田座長
どうもありがとうございました。
今、山口先生から御説明いただきましたけれども、まさに山口先生、そのとおりのことを技術会議でも議論していただきました。
技術会議のほうでは直江先生に責任者をしていただきまして、本日はこの席上にはいらっしゃいませんけれども、竹内先生が副担当でプロトコルを、それから、患者さんへの説明文そのほかに関しましては田島先生にお願いして、さらに腎臓の専門家ということで、これは東京臨海病院の副院長であります斎藤先生に見ていただいたということです。
問題点は、先ほど山口先生からお話がありましたように、ヒストリカルコントロールとの問題、あるいは阻血時間の問題があり、最終的には、今、山口先生がお話しいただいたとおりが結論ということで、先進医療技術会議としては随分議論をさせていただきました。特に山口先生は手術のこと、それから、da Vinciのこともよく御存じでございますので、そういった形で結論を出していただいたということでございます。
それでは、委員の先生方、どなたか御質問ございますでしょうか。
特に技術面での御意見では、このda Vinciを使うことによって非常に安全にできるし、いいのではないかというのが斎藤先生の御意見でございましたので、それもつけ加えさせていただきます。
福井先生、どうぞ。
○福井構成員
阻血時間25分以内というのは、私たち素人から見ると随分短いと思いますが、これは可能なのでしょうか。そもそも25分ぐらいで腎臓という血管の多い臓器を切って、10倍ぐらいに拡大して、手技的にはda Vinciでは随分出血を少なくできるとはいうものも、25分ぐらいでできるものなのでしょうか。
○山口構成員
海外の論文を見ますと、前はもっと長かったのですけれども、だんだんやはり短くなってきています。先ほど申し上げましたように、材料がよくなって、それだけでも時間は変わるので、それがda Vinciの効果がどうかということはなかなか難しい判断だということです。
○福井構成員
25分以上かかった場合には解析対象から外すのでしょうか。
○山口構成員
そうではなくて、25分以上かかるとその後の腎不全になる率がやや高いというデータがあって、そこをメルクマールに評価するということです。25分を超えたら、もう皆さん、亡くなってしまうわけでは全然なくて、術後の腎不全に何が一番関与するかというと、やはり阻血時間で、25分あたりが一番の分岐点ではないかという御説明でした。
○中川構成員
脳神経外科の立場から言うと、25分というのはすごく長いなと思うのですけれども、でも、先生、これをやっていて25分たったらどうするのですか。血流を再開しながら手術を継続するということはないのですか。
○山口構成員
そういうおそれもあるので、出血時間がセカンダリーのエンドポイントになっているのですけれども、私も、短くしようと思ったら、もう少々出血であれば鉗子を外して操作を進めることもありうると思います。
○中川構成員
遮断を解除して、何とか技術的なレベルでクリアしようと外科医としては思いますけれども、そうではないのですか。
○山口構成員
そのあたりは、斎藤先生はこの方法がいいのだという御主張でしたので、私は納得したわけです。
○中川構成員
それと、93万円かかりますけれども、将来的にはこれは安くなる可能性があるのですか。
○山口構成員
ちょっと私にはわかりませんけれども、安くなる可能性はあるのではないでしょうか。
○中川構成員
高くなることはないですか。
○山口構成員
その可能性もあると思います。というのは、もっといいものが出ると思うのです。ですから、今度は逆さまに阻血時間は20分でできるよという時代が来るかもしれません。
○猿田座長
でも、da Vinciでお願いしたいのは、やはり値段を安くしてもらわなければ一番困る。それが一番重要な点だと思うのです。
北村先生、何かございますか。
○北村座長代理
いや、要らないことですけれども、消費税が10%になれば高くなると思います。
○先進医療専門官
済みません。事務局ですけれども、よろしいでしょうか。
○猿田座長
どうぞ、お願いします。
○先進医療専門官
ただいまの25分というところの議論に関しまして、資料の32ページのところに申請者の設定根拠というところが述べられております。
その中ほどのところですけれども、腎阻血時間に関して、閾値23.3%及び期待値37.2%ということを書いてございます。ですから、彼らの目指すところは、25分以内の達成率を上昇させるという解釈かと。25分以内を100%達成するというわけではなくというところかと存じますが、いかがでしょうか。
○猿田座長
前に技術会議で出たときも、やはりともかく短い時間でできるだけやるように皆さん方が努力することだということで、それは可能だろうという議論だったのですけれども、斎藤先生は割と自信を持っていましたね。
○山口構成員
私は、どちらかというと、術後に腎不全になった率を見たほうがいいのではないかと思ったのですけれども、そういうことを裏づける時間とのデータがあるので、それに沿ってやりたいということでした。
○猿田座長
結局、でも、その問題は、当然、症例をこなしていけば出てきますね。
○山口構成員
多分、この結果が出るころには、まだいろいろな進歩があると思いますので。
○猿田座長
そうですね。
ほかにどなたか御意見ございませんでしょうか。
もしよければ、一応、この形でやってもらおうということで、da Vinciに関してはいろいろな分野の適応が出てきていますけれども、一応、この点に関しては、技術の斎藤先生がかなり自信を持っていらっしゃって、大丈夫ということでございましたので、もし特にほかに御意見がなければ、この形で認めさせていただくということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○猿田座長
ありがとうございました。
それでは、これもお認めいただいたということにさせていただきます。どうもありがとうございました。
そうしますと、技術会議から上がってきましたものはこの3つで、本日は全てお認めいただいたということにさせていただきました。
そうしますと、次は第20回の先進医療会議における指摘事項につきまして、これも事務局から説明をお願いできますでしょうか。
○事務局
事務局でございます。
先-3の資料でございますが、前回、第20回の先進医療会議で御審議いただいた技術「全身性エリテマトーデス患者における初回副腎皮質ホルモン治療に続発する大腿骨頭壊死症発生抑制治療」ということで皆様に御審議をいただきました。
その際、「条件付き適」という形で結果をおまとめいただいて、その条件については申請医療機関に問い合わせをし、また、その結果を構成員の先生方に御確認いただいた後、8月1日に告示として発出しております。
その内容について、一応、当会議で御報告するということで、今回、この資料を提出しております。
御指摘は2点ございました。1点目が、試験の早期無効中止を判断するための症例数を設定すること。2点目が、同意説明文書の中でわかりにくい表現があることから、きちんと修正をすることということで、こちらの2点について申請医療機関から御回答をいただき、このように取りまとめております。
以上、御報告でございます。
○猿田座長
ありがとうございました。
第20回のときに、積み残しというか、指摘されたことでございます。症例数の問題、それから、特に田島先生から出ていた、同意の文書がわかりにくいということで、それを直すということでございました。
特に御意見がなければ、この形でこれをお認めいただくということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○猿田座長
ありがとうございました。
それでは、こういう形でお認めいただいたということにさせていただきます。
そうしますと、きょう審議する事項は以上でございますけれども、きょう、終わるに当たりまして、実は、長年この先進医療会議で御苦労いただきました中川構成員がきょうの会議をもって退任されるということで、中川先生、お世話になりまして、一言御挨拶をお願いしたいと思います。
○中川構成員
座ったまま失礼いたします。
私、本日で先進医療会議の構成員を交代することになりました。理由は、事務局から、最終的に先進医療の保険適用を審議する中医協委員と先進医療会議の構成員を兼ねているのは余りよろしくないのではないかということを言われました。
日本医師会の横倉会長と相談しまして、交代することになりました。
猿田座長を初め、先生方には本当に御指導をありがとうございました。本当に勉強になりました。
この際、先進医療会議に要望を申し上げて去りたいと思います。
現在、我が国の混合診療の拡大を繰り返し主張してくる方々がおり、臨床研究の不正の続発など、日本の医療は危機的な状況だと思います。そういう問題を正しい方向に導いていく役割をこの先進医療会議が果たすべきだと私は思っています。
特に、来年の通常国会で健康保険法が改正され、患者申出療養が具体化されますが、患者申出療養(仮称)として前例のない療養は国が審査するとなっています。私は、先進医療会議がその役割を果たすべきだと思っていますし、さらには、いろいろな問題をクリアするために、例えば、医薬食品局、医政局研発課、保険局医療課が本当に今まで以上に数倍の力を発揮して、日本の医療をいい方向に導いていただきたいなと思います。
先日、この会議で議論になりましたが、規制改革会議が言っていた選択療養について、特にドラッグラグについて、藤原先生、山口先生、福井先生、五十嵐先生の貴重な御意見をいただきました。特に抗がん剤については、もう日本ではドラッグラグはほとんどないのだという御意見は、議事録を確認した上で、いろいろな場で私は紹介させていただいています。今回、選択療養が患者申出療養という形で、ある意味、いい形で着地できたのは、先生方の御発言が非常に大きかったのだろうと私は思うのです。
ぜひ今後、この会議においては、定例的な議題をこのように審査するだけではなくて、時宜を得た議題を上げて、先生方の専門家としての御意見をたくさん出していただいて、先進医療会議としてどんどん意見を発信していただきたい。それらを私は中医協委員として、先生方の顔を思い浮かべながら審議したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。どうもありがとうございました。
(拍手)
○猿田座長
中川先生、どうもありがとうございました。
実は、中川先生が一番率直な意見を言っていただいていて、私は非常に勉強になりました。それと、こちらから中医協に上げたときにもきちんと対応していただけるということで、私は、一番大切なのは、こういう会議というのは国民のことをまず考えてしっかり進めていくことが一番重要だろうということで、そういった点で、中川先生の御意見は本当に私はいろいろな点で勉強になりました。
これから、この委員会としてもどんどんまた先生のところへ持っていきますから、その点でどうか正しく判断していただいて、後押ししていただければと思います。
本当に長い間お世話になりまして、ありがとうございました。
それでは、これで終わりますけれども、せっかくの機会でございます。それから、少し時間がございますので、もし委員の方から何か御意見がございますれば、あるいは中川先生に対して要求がありましたら、どうぞ言っていただければと思います。
どうぞ。
○福井構成員
先ほど出てきたda Vinciについてですが、わが国には、全部で何台導入されているのか、そういうデータはありますでしょうか。
○猿田座長
ありますね。
○事務局
今すぐ細かい数字がなかなか出てこないのですが、たしか以前の資料の中に、100台をちょっと超えるぐらいの台数の記載があったところだと思います。
○猿田座長
今、だんだん値段は安くなっているのでしょう。そうでもないのですか。
○福井構成員
絶対に安くなりません。幾ら交渉しても安くならない。
○山口構成員
ちょっとよろしいですか。たまたま昨日集まりがあってそのような話題になりました。確実な裏付けは取っておりませんが、前は150台ぐらい入っていたらしいのですけれども、300に近いという話を聞きましたので、200台ちょっとではないでしょうか。これは余り正確ではないので、あとでご検討ください。
○中川構成員
それで、次々に新型が出るのですよ。だから、当然、値段は上がっていきますよ。
○山口構成員
それと、今、中古品も出ています。
○猿田座長
どうぞ、藤原先生。
○藤原構成員
da Vinciに関連して、今回は神戸大学だけでやるというので、ほかの追加の施設はなかったのですが、神戸大学は75例ぐらいやって非常にスキルがあるので、これをやるのは全然問題ないのですけれども、今、いろいろな審査部会の中で議論している、ほかのda Vinciの手法で施設基準を設けるときに、いつも山口先生に、何例にするか難しいなという話は聞いているのですけれども、ある程度、事務局として、このぐらいの症例がないと協力医療機関に入れませんとか、そういう議論は事務局内ではされているのですか。山口先生は、多分、腹腔鏡の経験が非常に多い施設は認めていきましょうということもおっしゃったりするのですが、これからどんどんこういう議論はここで多分出てくると思うのですけれども、何か今、見解があれば。
○猿田座長
きょう出た議論で口腔が出てきましたね。ですから、新しい分野の応用ということになる。
○先進医療専門官
技術いかんでda Vinciを施行するのに何例必要かということは、やはり部位や手技によっても大きく変わってまいりますので、これは今のところは個別に申請医療機関のほうで自主的に定めていただいた症例数を技術部会で御議論いただいて、それが十分かどうかということを吟味いただいた上で個別に決めるという状態でございます。
○山口構成員
よろしいですか。
○猿田座長
どうぞ、山口先生。
○山口構成員
これは、基本的にはやはり腹腔鏡手術を主とする機械です。ですから、まず何といっても、腹腔鏡の技術のレベルが低いところはだめだと思います。やったことがないところがロボットを入れたら、腹腔鏡をやったことがないのにできるという宣伝がされたこともありましたけれども、そんなことはありません。非常に危険なことだと思います。
この機械の問題点の一つは、パワーが強いことです。手であれば押して何か当たればすぐにやめますけれども、機械の場合は触覚がないので、ずっと行く可能性があるので、やはりこの機械の操作という点では、症例数関係なしに、きちんと操作を学ぶ必要があります。日本内視鏡外科学会が勧告を出していますけれども、この会社あるいは会社の指定している施設に行って、機械の操作をきちんと覚えるということのほうが大事ではないかと思います。
症例数に関しては、手術の難易度にもよりますから、おっしゃったように、個々に決めるべきだと思います。
○猿田座長
ありがとうございました。
今、先生がおっしゃったことは非常に大切なことで、実際に前のda Vinciの最初の事故のときもそういったことがあって起こりましたから、その点は十分注意してやっていかなければいけないだろうと思います。ありがとうございました。
ほかにどなたか御意見ございますでしょうか。
○北村座長代理
先生、1つだけ。
○猿田座長
どうぞ、北村先生。
○北村座長代理
先生の御後任の委員の方は決まったのですか。まだ発表の段階ではないわけですか。わかりました。
○猿田座長
それでは、もし特別な意見がほかにないようでしたら、これで第21回「先進医療会議」を終わりたいと思います。
どうも御協力ありがとうございました。
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