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2014年8月7日 第145回労働政策審議会雇用均等分科会の議事録について

雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課

○日時

平成26年8月7日(木) 15:00〜17:00


○場所

厚生労働省専用第23会議室


○出席者

公益代表委員

田島分科会長、権丈委員、武石委員、中窪委員、山川委員

労働者代表委員

石田委員、齊藤委員、南部委員、半沢委員、松田委員

使用者代表委員

加藤委員、川崎委員、中西委員、布山委員

厚生労働省

安藤雇用均等・児童家庭局長、木下審議官、古川総務課長、小林雇用均等政策課長、蒔苗職業家庭両立課長、宿里短時間・在宅労働課長、飯野育児・介護休業推進室長、高橋均等業務指導室長

○議題

1 労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案要綱(女性労働基準規則の一部改正に係る部分)について(諮問)
2 女性の活躍推進に向けた新たな法的枠組みの構築について

○配布資料

資料1 女性労働基準規則の一部を改正する省令案要綱(諮問)
資料2 労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案要綱概要(女性労働基準規則の一部改正案について)
資料3 労働基準法第113条による公聴会における公述要旨
資料4 女性の活躍に係る現状について
資料5 今後の進め方について(案)
参考資料1 「日本再興戦略」改訂2014―未来への挑戦―(平成26年6月24日閣議決定)(抄)
参考資料2 第14回日本経済再生本部(平成26年7月25日)安倍内閣総理大臣の締め括り発言
参考資料3 女性が活躍できる社会環境の整備の総合的かつ集中的な推進に関する法律案概要

○議事

○田島分科会長 ただいまから、第 145 回労働政策審議会雇用均等分科会を開催いたします。本日は、奥田委員、渡辺委員が御欠席です。

 それでは、議事に入ります。議題 1 は、労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案要綱です。これについては、本日厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛に諮問が行われました。これを受けて、当分科会において審議を行うことといたします。まず、資料について事務局から説明をお願いします。

 

○蒔苗職業家庭両立課長 資料 1 から 3 を用いて、安衛則の改正省令案について説明いたします。資料 1 の別紙として、今回の改正省令案の要綱を付けております。資料 2 は改正概要ですので、本日はこの改正概要に基づき説明いたします。

 今回の女性労働基準規則の改正については、大阪の印刷工場における胆管がんの事案をきっかけとして、労働基準局安全衛生部において検討会を開催し、改めて化学物質のリスク評価を行った結果、発がん性のおそれのある有機溶剤 10 物質が新たに特定化学物質として規制すべきとの指摘を受け、労働安全衛生法施行令の改正が行われることに伴い、これら 10 物質のうち、現行我々の女性労働基準規則においても、既に規制の対象とされているスチレン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレンについて所要の措置を講ずるものです。

 具体的には、女性労働基準規則において、妊娠や出産、授乳機能に影響があるとして、既に女性労働者の就業が禁止されている 26 の化学物質のうち、有機溶剤業務として規制の対象とされているこれら 3 物質について、これらの物質が蒸気やガス化して発散する屋内作業場において特定化学物質障害予防規則の規定による作業環境測定の評価を行った結果、濃度の平均が管理濃度を超えるとして、第 3 管理区分に区分された場合に、その作業場における業務を就業禁止の対象とするものです。

 これまでの経緯としては、本改正省令案については、既に 6 24 日〜 7 23 日までパブリックコメントを実施いたしましたが、特段の御意見はありませんでした。また、本改正省令案については、労働基準法第 113 条の規定に基づき、本日の分科会の開催に先駆け、 7 18 日に公聴会を開催し、公益代表として化学物質の生殖毒性による労働者の健康影響に詳しい名古屋市立大学の上島教授、労働者代表として、当分科会の委員でもあります日本労働組合総連合会の南部副事務局長、使用者代表として、日本化学工業協会の山口環境安全部長から御意見を頂きました。詳細については、資料 3 の公述要旨のとおりです。改正の内容については、いずれの方も賛成を頂き、改正内容の周知徹底を十分行うようとの要望を頂いたところです。

 今後の予定としては、本日諮問したあとに、今月中旬に公布、 11 1 日の施行を予定しております。なお、安全衛生法の関係政省令については、既に 7 25 日に労働安全衛生分科会が開催され、女性労働基準規則を除く部分について御審議を頂きました。審議の結果は「妥当」であるという答申を頂いております。以上が、議題 1 の内容です。御審議のほどよろしくお願いします。

 

○田島分科会長 ただいまの事務局の説明について、御意見、御質問はありますか。よろしいでしょうか。御発言がないようですので、当分科会としては労働安全衛生規則等の一部を改正する省令案要綱について妥当と認め、その旨を私から労働政策審議会会長宛に御報告いたしますが、よろしいでしょうか。

 

                                   ( 異議なし )

 

○田島分科会長 皆様の御異議がないようですので、この旨報告を取りまとめることといたします。これについて、事務局から案文が用意されておりますので、配布をお願いいたします。

 

                      ( 事務局報告文 ( ) 、答申文 ( ) を配布 )

 

○田島分科会長 報告文、答申文については、ただいまお手元に配布いたしました案文のとおりでよろしいでしょうか。

 

                                   ( 異議なし )

 

○田島分科会長 それでは、そのようにいたします。次に、議題 2 に移ります。議題 2 は、女性の活躍推進に向けた新たな法的枠組みの構築についてです。資料について、事務局から説明をお願いします。

 

○小林雇用均等政策課長 参考資料 1 から 3 を御覧ください。今回の女性の活躍推進に向けた新たな法的枠組みの構築についての議論が出てきた背景を説明いたします。既に、参考資料 1 、参考資料 3 については、以前の雇用均等分科会で配布しております。参考資料 1 は、日本再興戦略改訂 2014 年版です。今の安倍政権の下では、女性の活躍推進は成長戦略の中核に位置付けられており、その中で今年の成長戦略に法的枠組みの構築が盛り込まれております。

 今回の法的枠組みを検討する前提ですが、6(マルロク)に書いてありますように、「『 2020 年に指導的地位に占める女性の割合 30 %』の実現に向けて、女性の活躍推進の取組を一過性のものに終わらせず、着実に前進させるための新たな総合的枠組みを検討する。」ということで、具体的な中身が次の段落にあります。「国・地方公共団体、民間事業者における女性の登用の現状把握、目標設定、目標達成に向けた自主行動計画の策定及びこれらの情報開示を含めて、各主体が取るべき対応策等について検討する。」こととされております。さらに、前段の各主体の取組を促進していくための実効性を確保するための措置を検討するとされております。これらについて、今年度中に結論を得て、国会への法案提出を目指すと、今年の成長戦略の中で書かれてはいたのですが、法案提出時期については総理から今年の 7 25 日の日本経済再生本部において、秋の臨時国会に向けて女性の活躍に係る法案を準備していきたいとの発言がありました。スケジュール的には大変厳しいのですが、秋の臨時国会に向けて検討していくスケジュール感でやっていくことになっております。

 また、具体的な制度設計に当たっては、改革内容が骨抜きとなることが断じてないよう、各大臣はリーダーシップを発揮していただきたいとの指示も出ております。

 参考資料 3 は、議員立法です。自民党と公明党が、女性の活躍推進のために、政府に必要な立法措置を求める法律案を 6 11 日に通常国会に提出をしたところです。これは、衆議院の内閣委員会に付託をされております。審議は行われておらず、臨時国会での継続審議となっております。

 この資料の第 4 で、法制上の措置として、第 5 の基本方針の定めるところにより、女性が活躍できる社会環境の整備を実施し、法施行後 2 年以内を目途に必要な法制上の措置を検討することが盛り込まれております。 4 に、指導的地位への女性の登用促進とあり、その 2 つ目のポツに「積極的改善措置等の実施の促進措置の検討」という項目があります。この中身として、条文で具体的に書かれております。国や地方公共団体、事業者の現状の把握と分析、目標の設定、計画の策定、情報開示等の実施、これらが例示として上がっております。こちらの議員立法においても再興戦略と同様の新法の検討を政府に求める内容となっております。これが、全体の背景です。

 我が国における女性の活躍推進をめぐる現状とその必要性 ­­ 、それから現行取っている施策について説明いたします。資料 4 を御覧ください。最初に、女性の活躍推進が求められる日本社会の背景です。 1 ページは、日本の人口の推移です。日本の人口は、人口減少局面を迎えております。 2060 年には、高齢化率が 40 %近い水準になると推定されており、生産年齢人口割合が減少していくと予想されております。 2 ページは、生産年齢人口が減っていく中の就業者数のシミュレーションです。経済成長と労働市場への参加が進まない場合には、 2030 年にかけて就業者数が 821 万人も減少することが見込まれておりますが、経済成長と労働参加が進むケースでは、 2030 年にかけての就業者数の減少は 167 万人に留まると見込まれております。

3 ページは、将来の労働力需給に関するシミュレーションで、労働参加が進むケースは何を前提にしているかですが、主な要素は 2 つあります。男性の高齢者層の労働力率の上昇とともに、女性の労働力率が大幅に上昇することを前提としています。女性の労働力率の大幅に上昇というのは、日本の女性の就業パターンの特徴である M 字カーブがほぼ完全に解消することです。ちなみに、この経済成長と労働参加が進むケースの労働力率の見通しは、今年、年金の財政検証においても、 5 ケースの前提として用いられております。この 5 ケースというのは、現役世代の所得代替率が 5 割を超す場合であり、労働参加が進むケースが前提として用いられております。

5 ページは、国民 1 人あたりの GDP 成長率、豊かさを図る指標ですが、これを 4 つの要素に分解したものです。労働生産性、生産年齢人口比率、 1 人あたり労働時間、就業率の 4 つに分解した分析では、日本は生産年齢人口率の減少が非常に大きいため、この要因が 1 人あたり GDP を押し下げる方向に働いていると指摘されております。

6 ページは、労働生産性の変化について更に分解したものです。 3 つの要素に分解しておりますが、資本装備率、労働力の質、全要素生産性 (TFP) です。この TFP に技術革新などの要因も入っておりますし、業務効率化などの要因も入ってくると考えておりますが、3(マルサン)の TFP が日本は欧米諸国に比べて上昇率が低いとされております。 7 ページは、経済成長と労働生産性の関係の数字です。時間あたりの労働生産性を見たところ、日本は OECD 加盟国 34 か国中 20 位と低い状況が続いております。

8 ページは、女性の活躍推進の議論をする際に、必ず少子化との関係がよく指摘をされており、女性の就業率が進むと少子化が進むのではないかという指摘もされますので、必ずしもそうではないという説明用に用意したものです。結婚や出産、子育てをめぐる国民の希望と現実にはギャップがありますが、このギャップは何が要因かということです。結婚希望がある人が全て結婚できているわけではなく、また夫婦も希望の子ども数を持てていない状況です。出産の所ですが、子育てしながら就業継続できる見通しがないと出産確率が低くなることもありますし、長時間労働の家庭の出産確率も低い傾向があります。特に、第 2 子以降、夫婦間での家事、育児の分担度合をみると、男性の育児参加が高い家庭では、出産意欲が高く、また女性の継続就業割合も高い状況がみられます。

9 ページは、女性の就業率と合計特殊出生率の関係を、諸外国で見たグラフです。左側が、 1980 年頃です。この頃は、女性の就業率と出生率は負の相関が見られ、女性の就業が進むと出生率が下がっていくような関係が見られたところです。 2005 年になりますと、就業率の高い国は同時に出生率も高い傾向にあることが見てとれるかと思います。これは、女性の就業率が高くなるから、自然に出生率が上がるものではなく、適切な政策を行うことで、両者を同時に上昇させることが可能ではないかということを示唆するものだと考えます。

 ここまでが背景ですが、ここからは女性の活躍の現状と課題です。数的な面で見ていきたいと思います。 11 ページは、女性雇用者数は 2,406 万人で、雇用者総数に占める女性の割合は 43.3 %とかなり大きな割合を占めております。ただ、年齢階級別就業率を見たときに、日本の女性は M 字カーブを描いており、出産、育児期に一旦辞めてしまう傾向がまだ続いております。ただし、女性の就業希望者は 315 万人おりますので、これは雇用者数 2,406 万人と比べて 1 割を超える大きなボリュームだと思っております。この希望者の方が、労働市場にいかに出ていっていただけるかが、 1 つの課題だと考えております。

12 ページは、 M 字カーブを 10 年前と比較すると、 M 字カーブの底を中心に就業率は大きく上昇はしておりますが、先進諸外国に比べると未だ M 字カーブの傾向が見られます。なお、 M 字カーブは、韓国が日本と同様に見られております。

13 ページは、 M 字カーブの右のほうの一度辞めた方についてですが、もう一度労働市場に入ってきて就業率は上がっていくのですが、この層はパート・アルバイト等の非正規雇用が主となっていることが分かるグラフです。 14 ページは、労働時間の現状です。正規雇用者の男性の約 17 %が、週 60 時間以上働いているという状況です。それから、女性のパートタイム雇用者の約 4 割は、週 35 時間以上働いておりますので、パートの方も労働時間の面から見ると、かなり戦力化してきているのではないかということがうかがわれる数字だと思います。

15 ページは、給与額の現状です。一般労働者の男性の所定内給与額が、 50 から 54 歳層で頂点となる上昇カーブを描いておりますが、一般労働者の女性のほうはそれほどの上昇が見られておりません。パートタイム労働者については、更に上昇幅がほとんどないようなカーブになっております。 16 ページは、男女間の賃金格差の要因です。男女間の賃金格差の要因で一番大きな影響を与えているのは、職階です。その次に、勤続年数が大きな要因となっております。

17 ページは、管理職の女性比率です。左のグラフを見ていただきますと分かるように、管理職に占める女性割合は長期的には上昇傾向ですが、国際比較をしたときには、管理的職業従事者に占める女性割合 11.2 %ということで、アジアの国を含めてもかなり低い水準にあります。この数字と似た傾向を示しているのは、韓国です。韓国は、 2006 年に積極的雇用改善措置制度という新たな制度を導入しており、それ以降、女性管理職比率が非常に増えておりますので、その分数字は逆転していくと予想しております。均等分科会の次回以降で、韓国も含めた諸外国の法制度なども示したいと思っております。

18 ページは、管理職等の女性比率が今後どうなるかを、過去のトレンドをそのまま延長したものです。現在の延長線上ですと、課長級だけを取り出して見ても、 2020 年の課長級に占める女性割合は 10.7 %ですので、 202030 、つまり 2020 年に指導的地位に占める女性割合 30 %とはなかなか遠い状況にあることが分かる数字だと思っております。それから、管理職の女性比率と一般社員の女性比率との関係ですが、これは当然ながら強い相関が見られます。一般社員の少ない所で管理職がたくさんいるわけではないのは当然のことですが、管理職登用に向けてはやはり採用を強化し、母集団を厚くすることが重要であることが考えられるのではないかと思っております。

20 ページは、企業規模別に見た管理職、社員の女性割合です。左側が管理職で、右側が正規の社員・従業員です。管理職に占める女性割合も従業員に占める女性割合も、大企業ほど低い状況にあります。

21 ページは、女性役職者が少ない理由としては、採用時点で女性が少ないというのが一番多い回答になっております。2つめは、現時点で必要な知識や経験、判断力を有する女性がいない。 3 つ目は、可能性のある女性はいるけれども在職年数を満たしていない。役職者になる前に退職するというようなことがあります。これは、勤続年数と関係しているのかと考えております。さらには、女性本人が希望しないという回答も、少なからずありました。

22 ページは、総合職の場合を聞いております。これは、平成 22 年度にコース別雇用管理制度を取っている企業に対して調査したもので、対象企業数は 129 社と若干少ない数字になっております。この総合職の採用者について見たときに、まず総合職採用者の男女比率は、女性が 1 割程度となっております。それから、応募者に対する採用状況です。応募者何人対採用したのが何人という割合ですが、男性が採用割合 5.8 %に対して、女性は 1.6 %と開きが見られるところです。

24 ページは、教育訓練の状況です。そのときの仕事だけではなく、やがて担当する仕事に役立つ、つまり、将来的な育成に向けた教育訓練については、その受講率は女性は男性に比べて低くなっていることが顕著に分かるグラフとなっております。 26 ページは、継続就業の状況です。第 1 子出産を機に、約 6 割の女性が退職をしており、継続就業をしている方が 4 割弱で、これは 20 年ぐらいあまり動きがありません。

27 ページは、総合職の場合どうかということで、先ほどの平成 22 年のコース別管理雇用制度を導入している企業に聞いたものです。これは、 10 年前にコース別雇用管理制度を導入済みの企業に聞いておりますので、更に対象が 47 社となっております。左側が、 10 年前に採用された総合職の男女別職位割合で、労働者数の比較です。女性の場合は、既に離職をされている方が 65 %となっております。それから、係長相当職以上の割合も、男性と比較して低くなっております。右側は企業比較のグラフです。 10 年前に総合職の男女を採用した企業の職位比較を見たところ、半分の企業が既に女性はゼロとなっており、男性のほうが職位が上とする企業割合は、合計すると 2 割という状況です。

28 ページは、勤続年数です。女性の勤続年数は上昇傾向ですが、男性よりも未だ短く、 9.1 年となっております。 29 ページは、妊娠、出産前後に退職した理由を聞いたものです。一番多いのは、自発的に辞めた方が 39 %。その次に、両立が難しかったので辞めた方が約 26 %となっております。この両立が難しかったので辞めた約 26 %の方に、それでは具体的に何が難しかったのかを聞いたものが右側です。勤務時間が合いそうもなかったというのが一番多く、次に両立を支援する雰囲気がなかったとなっております。

 この質問と裏腹なのですが、 30 ページは女性の継続就業に必要なことは何かを聞いたものです。これは、非正規の方と正規の方に両方聞いておりますが、いずれも子育てをしながらでも働き続けられる制度や職場環境、勤務時間が柔軟であること、残業があまり多くないことが多く挙げられております。 31 ページは、第 1 子出産時の継続就業と育児休業との関係を見ております。単に、育児休業規定ありだけではなく、規定があり、なおかつ利用しやすい雰囲気があるほうが、継続就業率が高くなっていることが分かるグラフです。

32 ページは、女性の継続就業とやりがいとの関係を見たものです。正規雇用の女性でも非正規雇用の女性でも、男性正社員と同じ職務を担う場合は、継続就業の割合が高いということです。同様のことを現したグラフが 33 ページです。これは、第 1 子出産当時に、自分の認識として仕事のやりがいを 0 点から 5 点まで付けていただいて、その就業継続意向を聞いたものです。女性の正社員の方も、非正社員の方も、やりがいがあると感じていらっしゃる方のほうが就業継続意向が強いことがお分かりいただけると思います。

34 ページは、女性の継続就業、出産と男性の家事、育児参加の関係を見たものです。一番左のグラフは、 6 歳未満のお子さんのいる夫の家事、育児関連時間で、 1 日あたりの平均です。これは、ヨーロッパと欧米の国と比べますと、日本の男性の家事、育児関連時間は非常に短いです。夫の平日の家事、育児時間と、妻の継続就業割合、それから第 2 子の出生割合は、相関があるということで、夫の平日の家事、育児時間が長いほど、妻の継続就業割合が高くなっており、また第 2 子出生割合も高くなっております。

35 ページ以降は、労働時間の関係のグラフです。 35 ページは、再掲です。 36 ページを御覧ください。長時間労働者の割合を国際比較したものです。長時間とは、週 50 時間以上ということで、週 50 時間以上働いていらっしゃる方がどのぐらいの割合いるかというものです。日本の長時間労働者の割合は、国際的に見ても非常に高くなっております。特に、男性雇用者の長時間労働者割合が高くなっておりますが、女性雇用者の長時間労働者の割合は、大体他国の男性と同じぐらいの水準です。ちなみに、ここでも日本と同様の傾向なのは韓国となっております。

37 ページは、お子さんの有無による働き方の違いがどうかを見たものです。女性については、管理職・一般従業員ともに、 6 歳以下のお子さんがいる場合には、いない場合と比較して、労働時間が短くなっております。男性については、お子さんの有無で労働時間に変化はみられない状況です。これは、共働き世代の生活時間でも同じことが裏付けられるのですが、平均的な共働き家庭の場合、 38 ページの収入労働時間と家事労働時間と育児時間を男女で見ていただくとお分かりいただけるように、女性が家事、育児の大半を担って、収入労働時間を短くしている現状が見て取れます。ただ、男性もこの状況に完全に満足しているわけではないというのが、 39 ページのグラフです。仕事と生活の調和の希望と現実ということで、希望のほうで仕事優先の方は、男性の場合は 16.8 %しかおりませんが、現実は 37.7 %が仕事優先になっており、男女ともに希望に反して仕事優先になっている人が多いことが見て取れます。

42 ページは、長時間労働者と上司の関係を分析したものです。右に行くほど、長時間労働なのですが、労働時間が長い人ほど、自分の上司が残業者に対して頑張っているとか、責任感が強いというようなポジティブなイメージを持っていると考えている傾向が強いです。これは、上司に聞いたものではなく、労働者が上司がこう思っているなと思っていることを聞いたものですので、労働者が上司に対して持っているイメージと御理解いただければと思います。労働時間の長短が上司の評価態度の想定に影響されていることがうかがえると考えます。

43 ページは、左側に残業削減に効果的だと思う取組と、実際に行われている取組を載せております。効果的と考えているものがオレンジで、実際に取り組んでいるものが緑ですが、効果的だけれどなかなか取り組まれていないものとして、短時間で質の高い仕事をすることを評価するというものが労働者の回答として上がっております。右側が企業調査ですので、人事担当者に聞いたものです。残業や休日出勤をほとんどせず、時間内に仕事を終えて帰宅することに対する人事評価はどうかと聞いたときに、人事でマイナスに評価することもないのですが、プラスに評価することもなく、考慮されていないというのが一番多いので、長時間労働を評価しているわけではないけれども、業務の効率的遂行がプラスに評価されているわけでもないということです。

44 ページは、管理職等への昇進速度です。これは、 15 年目以上が多くなっておりますので、管理職に就くまでかなり期間が長くなっているという数字です。 45 ページは、課長昇進の考慮事項です。課長昇進に当たって考慮している事項は何かを聞いたものです。仕事的な要因のほかに、年数に関わるものもそれなりに多く回答が挙がっております。仕事関係というのは、能力や業績や勤務態度ですが、それに加えて課長になる前の役職資格の経験年数や勤続年数が考慮事項としてもそれなりの割合で挙がっております。

46 ページは、課長相当職の特徴です。一番多いのは、登用までにいろいろな部門や仕事を経験していることが、特徴として多く挙げられております。緊急の対応を迫られるとか、一般社員に比べて労働時間が長いという回答も、それなりに多くなっております。

 女性管理職の家庭状況ですが、先ほど見た労働時間のことも関係していると思いますが、女性管理職の約 4 割が未婚者です。女性管理職でお子さんのいない方が約 6 割ということで、今の管理職層に到達している世代は、結婚、出産と仕事との二者択一を迫られてきたケースが多いのではないかと考えております。

48 ページは、先ほどなぜ女性の管理職が少ないかというときに、本人が望まないからという回答もそれなりの数ありました。確かに、昇進希望の状況を見ますと、女性の昇進希望者は男性に比べて弱い状況にあることが分かります。なぜ昇進を希望しないのかと聞いたのが、 49 ページです。男性で一番多い回答は、端的にメリットがないとか、低いというものですが、女性に多いのは仕事と家庭の両立が困難になるという回答が男性と比べてかなり高い割合となっております。やる気がないというよりも、やはり仕事と家庭の両立を難しいと感じていることが大きな要因だということが分かると思います。

50 ページは、昇進希望と仕事のやりがいです。女性の昇進希望有り無しは、右の棒グラフの 2 本ですが、昇進希望有り無しの女性を比較して大きな差が付いているものとしては、自分の仕事は業績に貢献しているとか、誇りを持っている、自分の持っている能力を発揮できていると思うということで、組織の貢献や誇りが昇進希望を持てるかどうかに影響していることがうかがえる数字です。 51 ページは、上司の振る舞いが非常に昇進希望に効いていることが分かるグラフです。上司が自分に高い目標や課題を与えてくれるとか、成長を後押ししてくれるかどうかが、女性の昇進希望の有無に影響を与えていることがお分かりいただけるかと思います。

52 ページは、企業で女性活躍推進施策に取り組んでいるかどうかです。女性活躍のための取組の中身を幾つか挙げております。人事考課基準の明確化は、 6 割以上の所で取り組まれておりますが、それ以外の女性採用比率の向上や役職者登用、特定職務への女性の配置比率の向上、職域拡大に当たると考えますが、そのような取組をやっていらっしゃる企業は、 2 3 割に過ぎません。ただ、女性活躍推進施策を実施された企業は、効果は感じていらっしゃるということで、それも複数に取り組まれたほうが効果が出ていると感じているというような数字です。

 最後に、女性の活躍推進に向けた現行施策を簡単に説明いたします。 55 ページです。女性の活躍推進ですが、大きく 2 つの施策を両輪で進めております。 1 つは、妊娠、出産、子育てを経ても就業が継続できるように、仕事と家庭の両立支援を進めていく。 2 つ目は、女性がキャリアをいかして、いろいろな職域、職階で活躍できるような企業の取組を促進していく。この 2 つを同時にやっていくことが必要だと考えております。具体的には、 56 ページ以降で説明いたします。私どもの課で所管する法律として、男女雇用機会均等法があります。この中で、雇用管理のいろいろな場面での性別を理由とする差別を禁止するとともに、間接差別の概念も導入して、間接差別の禁止も規定しております。また、女性に対するポジティブ・アクションは法違反にならないことも定めております。このポジティブ・アクションですが、男女労働者間に事実上生じている格差を解消するための企業の自主的な取組をポジティブ・アクションと言いますが、それは性別を理由とする差別には当たらないということで、法違反とならないと整理しております。

2 番と 4 番に、妊娠、出産等で休暇取得等を理由とする不利益取扱いの禁止や、母性健康管理措置を定めております。 5 番ですが、ポジティブ・アクションの効果的推進方策ということで、 1 番でポジティブ・アクションが法違反にならないことを決めております。 5 番では、国の支援について規定をしております。1(マルイチ)から5(マルゴ)を事業主が取り組んだ場合の国の援助の規定で、事業主にやっていただくポジティブ・アクションの中身としては、労働者の状況の分析と、それに基づく計画の策定です。計画で定める措置の実施をして、体制整備をして、取組状況の外部への開示を行っていただくことに対して、国が援助する規定です。

 この援助規定に基づき、私どもでいろいろ施策をしているのが、 57 ページです。これは、企業が自主的に取り組んでいただくことの支援、後押しです。 1 つ目にあるように、私どもが企業訪問をさせていただき、ポジティブ・アクションの取組を促進したり、情報開示の促進について直接働きかけを行っております。また、 3 つ目にあるように、ポジティブ・アクション情報ポータルサイトということで、各企業のポジティブ・アクションの取組を幅広く提供しております。中小企業ではなかなかメンターの確保が難しいと言われておりますが、メンター制度の導入支援なども行っておりますし、助成金による支援措置も行っております。平成 26 年度新規でポジティブ・アクション能力アップ助成金を設けたところですが、これは一定のポジティブ・アクションに取り組んで女性の育成のための研修や、管理職が女性育成をできるような研修プログラムを作成、実施する事業主に対する助成金制度です。

 このような施策とともに、仕事と家庭の両立を支援するための制度として、育児・介護休業法の周知や、法の履行確保を行うとともに、先般成立した次世代法に基づく事業主行動計画の策定、認定の一層の促進を行っております。表彰や助成金を通じた事業主への支援、それから特に中小企業において育児休業後円滑な職場復帰をしていただくための育休復帰支援プログラムの策定なども行っておりますし、男性の家事、育児参画を促進するためのイクメンレベルアッププロジェクトもやっております。これまでは、このような中身で私どもは施策を進めさせていただいたところです。私からの説明は以上です。

 

○田島分科会長 ただいまの事務局の説明について、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。今回の議論は、限られた時間の中での議論となり、スピード感を持って進めなくてはならないため、是非積極的に御発言をお願いいたします。

 

○南部委員 今の説明の中で、 4 ページに女性の活躍による経済効果ということで表が出ていますが、是非これをグラフのような見やすいデータにしていただけたらという要望です。今後、女性の就業率が現状のままで推移する場合と、より女性が活躍できるようになった場合に、女性が社会で活躍すると、社会にとっても企業にとっても男性にとっても、こんなにメリットがある、効果があるというような資料があれば出していただけたらと思います。

IMF のレポートには、「労働参加率を欧米レベルに引き上げられれば」ということで書かれております。女性の活躍の事例について、次回は韓国の事例ということなのですが、北欧の事例もできれば紹介していただき、活躍できている前提として何があるのかということの分析もしたほうがよいのではないかと思います。また、どのような制度が整っているか。私たちが目指すところにプラスになるような事例があったら紹介していただけたらと思います。

 女性が活躍することについては、より女性が働きやすい環境が整っていなければならないと考えていて、本日は出ていなかったのですが、待機児童の対策であったり、家事・育児・介護が女性の問題としてとらえられているという、根本的な性別役割分担意識の払拭、さらには非正規で働く女性が多い中で、正規と非正規の格差であったり、賃金の格差、そういうものの解消が最も必要であると労働側は考えております。より男女が共に活躍できる社会を目指さなければならないと考えております。男女平等な社会が実現することを目指して、労働側は献身的に意見を述べていきたいと思っております。今は、要望は要望としてお答えいただけたらと思います。

 

○田島分科会長 ただいまの資料に関する御要望について、事務局、いかがですか。

 

○小林雇用均等政策課長 次回以降で、韓国だけではなくて、諸外国の事例についても御報告させていただきます。効果については更に探してみたいと思います。待機児童の関係ですが、成長戦略の法案のところだけ御説明させていただきました。参考資料 1 40 ページを御覧ください。今年の成長戦略の中でも、待機児童解消加速化プランを着実に実施していくことが盛り込まれております。待機児童対策だけではなくて、「小1」の壁が問題に出てきていますので、 42 ページで放課後子ども総合プランということで、 5 年間で約 30 万人分の受皿の拡大を図るような施策も盛り込んでおります。

 

○南部委員 待機児童についてはありがとうございました。ただ、これだけではまだまだ足りないのは御承知のとおりだと思うのです。この促進をより早く進めようということで打ち出されておりますので、是非ここの部分も並行した形で、この分科会ではないのですけれども、要望としてお伝えさせていただきます。

 

○田島分科会長 事務局は、次回以降に資料をよろしくお願いします。齊藤委員どうぞ。

 

○齊藤委員 参考資料 1 の日本再興戦略にある 2020 年に「指導的地位に占める女性の割合 30 %」という文字だけを見ると、指導的地位の女性だけが増えればいいというようにも読み取れてしまいます。しかし、指導的地位に就く女性の数を増やすためにも、その母集団となる働く女性全体の底上げが必要であると考えております。資料 4 13 ページには、女性の年齢・階級別就業形態の表があります。 25 29 歳を境に、正規・パート・アルバイトの女性がどんどん増えています。女性の多くが非正規雇用であるという実態を踏まえ、雇用形態を問わないで、モチベーションを維持しながら働ける仕組みが重要だと考えております。女性が就業継続できる環境づくりと同時に、働き方を変えても、キャリアの見通しがあり、意欲を持って働ける環境が必要です。「女性の活躍」という言葉が意味するものは、活躍できる人だけが活躍できればいいということではないと理解しておりますので、非正規も含めた、女性全体を対象とした取組でなければ意味がないと考えております。

 

○田島分科会長 布山委員どうぞ。

 

○布山委員 データについて質問があります。 52 ページの女性活躍推進策の取組状況の所で、これは JILPT の調査かと思いますが、選択肢の真ん中あたりに「女性専用の相談窓口の設置」と書いてあります。それなりのパーセンテージもあるのですが、この女性専用の相談窓口というのはどのようなものを想定して選択肢に書いたのかを教えてください。通常、男女かかわりなく相談窓口を設置するのが普通かと思っておりますので、何か特別なものがあるかどうかを教えてください。

 

○田島分科会長 事務局、いかがでしょうか。

 

○小林雇用均等政策課長 女性専用の相談窓口を必ず設けてほしいということではなくて、女性が相談しやすいような相談窓口のようなものを想定しております。この調査で答えたときには、専用の窓口がないと思って回答されている方もいるかと思います。

 

○田島分科会長 半沢委員どうぞ。

 

○半沢委員 意見を述べさせていただきます。資料 4 49 ページで、昇進を望まない理由ですが、全体的に女性が昇進に対して希望が弱い状況にある。昇進を望まない理由の大部分として、管理職・従業員問わず、仕事と家庭の両立が困難になるという心配を多くの女性がしていることがこのグラフから分かります。この内容を見て、もちろん両立できる環境を整えることは重要だと思っています。また、他のデータを見ると、家事や育児というものが、現在においても圧倒的に女性が担っている現実が、前の方のデータを見ても分かる状況にあります。性別役割分担についても、仕事と家庭の両立について、特に女性が不安になることに関係しているのだろうと考えられます。

 男性の家事・育児に関する国際比較のグラフが 34 ページに 1 つありますけれども、こういう所を見ると、女性の社会進出が進んでいる北欧の国では、男性が家事・育児に積極的に参加している状況も見て取れます。日本において、女性のこれからの活躍を考えた場合に、その母数を増やす意味においても、男性と女性が仕事も家庭もともに責任を分かち合うことが必要だと考えます。性別役割分担意識のようなものも根強く残っていると思いますが、その払拭も含めて、男女平等な社会や職場をつくっていくことは非常に重要なのではないかと感じました。

 

○田島分科会長 松田委員どうぞ。

 

○松田委員 半沢委員より、家事・育児について、男女が共に担うことが重要ではないかという発言がありました。そのためには、やはり男性の長時間労働の見直しが重要な課題であると考えております。これは、男性にとっても、希望に反して仕事の時間が長くなっているというデータの紹介もあったとおり、男性にとっても、人生を豊かに送る観点から、やはり長時間労働の見直しをしていくのはとても大事なことだと思います。

 それから、女性の就業継続を考えたときでも、 34 ページのデータにもありますが、男性が家事・育児を分担している割合が高いほど、女性の継続就業割合、第二子出生割合が高いというデータがあります。パートナーである男性が、一緒に家事・育児をして、一緒にやっていくのだということがあるのと、ないのでは、女性が働き続けていくことを考えたときに、非常にその差は大きいと思います。男性の長時間労働の見直しは非常に重要だと思います。

 そう考えたときに、業務の効率化をして、時間内に仕事を終えるということを、もっと積極的に評価することが必要ではないかと思います。 43 ページにも出ていますけれども、次世代法の審議においても、少子化という観点のみならず、女性が活躍するためにも働き方の見直しは重要であると労働側は述べてきました。長時間仕事をしなければ評価されない職場ということであれば、女性の多くは評価されないことになります。実際企業によっては管理職の昇進要件として、会社の都合に合わせて、幾らでも長時間労働を受け入れることが、一種の踏み絵とするような慣行があったりもします。育児や介護によって、時間的に制約を抱えている労働者も、きちんと評価されるような仕組みがなければ、女性の活躍促進ということはあり得ないでしょう。今は、そういう状況になっていないことが、現在の日本の女性の活躍の状況という統計にも現れていると考えています。

 短時間で質の高い仕事をすることを評価することが、残業削減に効果的だとされながら取り組まれている実績が少ない、これが 43 ページに出ています。長時間労働の削減のためには、労働者自身の働き方の見直しとともに、評価の方法についても見直していく必要があると思います。 7 ページに、日本は時間当たりの労働生産性が低いというデータがあります。これは、ある意味仕事と家庭の両立がなかなか難しい、そのようにやっている人が少ないことの裏返しではないかと考えています。子育てなりで、時間に制約がある人というのは、周りを見ていても限られた時間の中で、ものすごい集中をして効率を上げて仕事をします。時間が無制限にあると思っている人とは、やはりその時間当たりの効率というのは当然差が付いてくるものだと思います。

 今でも多くの企業では、別にうちの会社では長時間労働をしたからといって評価をプラスになどしていないということだとは思うのですけれども、そうかといって時間内に効率よく仕事をすることを評価しているという会社は多くないというのもここに示されているとおりかと思います。それなので、より踏み込んで評価方法を今一度見直していく必要があるのではないかと考えます。

 

○田島分科会長 石田委員どうぞ。

 

○石田委員 今後の議論に向けた資料の要望と、その議論の視点について発言させていただきます。今回示されたデータについては、女性が就業継続できないケースだとか、女性の役職者が少ない理由が多く挙げられています。いわゆる性別や役割分担意識だとか、制度や環境の問題などが明らかになっています。女性が活躍するにはほど遠い現状が示されたと認識しています。

 南部委員からもありましたとおり、今後の議論の中では、女性が活躍できるようになると、社会や企業、地域にとってどのように良くなっていくのか。また男女が共に活躍するようなことが、どのような利点があるのか、というデータを示していただければいいのではないかと思います。

 その上で、女性の活躍促進が進めば、労働力率が上がるという経済的な観点だけではなくて、男性だけではなくて、女性も一緒に複眼的な視点で企業運営ができるとか、そういうメリットも合わせて打ち出していくことが必要だろうと思います。世界経済フォーラムが毎年発表しているジェンダーギャップ指数が上位の国々においては、女性の社会進出が相当程度進み、女性が管理職の半数を占めていることが当たり前だという国もあります。それらの国を例にしながら、女性の活躍が社会全体にとって利益があるのだという共通認識を作っていく必要があると思います。

 併せて、今回の議論は女性の活躍がテーマではあるのですが、女性が働きやすく、活躍できる職場、また社会というのは男性にとっても活躍できる社会であり企業だという認識を共有しながら、今後議論を進めていければと思っております。

 

○田島分科会長 事務局、今の資料の御要望の点についてはいかがですか。

 

○小林雇用均等政策課長 御要望の資料については検討させていただきます。

 

○田島分科会長 武石委員どうぞ。

 

○武石委員 女性が活躍できる社会環境が必要だということに関するバックデータや、現状がどうなっているかということについて、非常に丁寧なデータを頂いてありがとうございます。労働側の委員がおっしゃるように、非常に幅の広い問題なのかと思うのです。 1 点確認なのですが、女性活躍推進に向けた新法の枠組みをこれから議論するということで、課長から参考資料 3 の説明をしていただきましたが、ここの分科会として、これ全体が議員立法という説明でした。基本的に雇用均等分科会では、第 5 4 の「指導的地位への女性の登用促進」に関するところを中心に議論するという理解でいいのでしょうか。それとも、労働時間とか支援体制も全部含めてということなのでしょうか、そこが分からなかったので教えてください。

 

○田島分科会長 事務局から、御質問に対する回答をお願いします。

 

○小林雇用均等政策課長 今回、雇用均等分科会で御議論いただきたいのは、正に成長戦略に盛り込まれた、新たな法的枠組みの構築の中身について御議論いただきたいということです。参考資料 1 2 段落目の 3 行に書いてあるように、具体的にはこうこうこういうことを検討すると。この中身を御検討いただきたいということです。議員立法のほうにも、成長戦略の文言と同じようなことが入っているので、議員立法にも規定されて、政府のその部分の検討を要請されているということで御紹介させていただきました。

 

○武石委員 そうすると、議論としては幅広く議論をしていくということなのですか。

 

○小林雇用均等政策課長 議論としては、参考資料 1 の6(マルロク)に書いている「女性の活躍推進に向けた新たな法的枠組みの構築」ということです。「具体的に」と書いている、ここの 3 行の、特に民間事業者の所で、民間事業者における女性の登用の現状把握、目標設定、目標達成に向けた自主行動計画の策定、これらの情報開示を含め、各主体が取るべき対応について検討する。更に実効性を確保するための措置を検討する。この部分の御検討を頂きたいということで、本日は資料を提出させていただきました。

 

○武石委員 分かりました。

 

○田島分科会長 布山委員どうぞ。

 

○布山委員 先ほど労側から意見が出たときに一緒に言えばよかったのですが、 41 ページ以降のワーク・ライフ・バランスに関する個人・企業調査ですが、これは本人がどう思っているかという調査なので、どこまでそれを使うかどうかということはありますが、 41 ページの長時間労働の職場の特徴の所で、労働時間が長い方がどのように感じているかについて書かれています。逆に、定時で帰っている、あるいは労働時間が短いといっても、別に短時間で働いているということではなく、さほど残業をしないで帰っている方々はどのように思っているかということも含めると、その働き方の 1 つのヒントになるのかと思うのです。これで見ると、このブルーの所を見る形になるのでしょうか。

 

○田島分科会長 事務局は、御質問に回答してください。

 

○小林雇用均等政策課長  41 ページのグラフは、余り残業をしていない人と、相対的に長い人とを比較しているので、余り残業をしていない人はブルーの所を御覧いただいて、その人たちが何を感じているかというのは、長時間の人と比較してどのように感じているかというのが、この両者の比較になろうかと思います。

 

○田島分科会長 他に御発言はありませんか。権丈委員どうぞ。

 

○権丈委員 先ほど南部委員から、韓国だけではなくて、北欧の事例も紹介いただきたいという要望があり、次回事務局から資料を頂けるということだったと思います。その際に、他の国々の情報も少し追加していただければと思います。特に、北欧諸国は早くから女性の活用が進んでおりますけれども、そうではない国、例えば IMF レポートでも取り上げられたオランダ、男性の育児休業取得率が最近上昇しているドイツは、どちらも欧米の中では伝統的に性別役割分業の顕著な国でしたが、それが変化してきております。そういう国についても少し資料を用意していただけると、議論が深まるのではないかと思います。事務局にはお手数をおかけいたしますがよろしくお願いいたします。

 

○田島分科会長 事務局はよろしいですか。

 

○小林雇用均等政策課長 何らか工夫させていただきます。

 

○田島分科会長 中西委員どうぞ。

 

○中西委員 ただ今のご質問に関連し、質問させて頂きます。多くの詳細資料を御提示いただきましてありがとうございます。アジア諸国と比較しても、女性の管理職の比率は非常に低い数値を示しています。隣国の中国のデータが掲載されていないようですが、何か資料がありましたら御提示いただけますと幸いです。中国は、政治体制も異なっておりますけれども、世界の経済大国として参考になるのではないかと思います。

 

○田島分科会長 その点で事務局から何かありますか。

 

○小林雇用均等政策課長 探してみますけれども、余りいろいろな統計資料で見たことがないので、もしかしたら難しいかもしれません。探してはみます。

 

○田島分科会長 南部委員どうぞ。

 

○南部委員 女性の活躍という点では、この間この分科会においても、男女雇用機会均等法の議論もしてまいりました。性別を理由とした差別を禁止している法律であり、また、そこにはポジティブアクションについても規定があります。均等法が施行されてから間もなく 30 年になります。結果として、本日お示しいただいた多くのデータの中に、その 30 年の結果が出てきましたが、女性の活躍が進んでいないということが本日の議題になっているかと思います。雇用のあらゆるステージにおいて男女間に大きな格差があることが見て取れます。

 均等法の議論では、労使共に均等法の実効性を高める必要があるということでは認識が一致しております。今後議論する中では、今ある本日紹介された様々な女性に関する法律、新法をもし作るのであれば現行法との整合性もきっちりと整理していかないと混乱を招くのではないかと考えております。そういう論点もきっちりと踏まえていただきたいという要望です。

 

○田島分科会長 ありがとうございます。山川委員どうぞ。

 

○山川委員 資料 4 3 ページに、将来の労働力需給に関するシミュレーションがあります。ここの下の○で、年金財政等を考えるに当たっても、労働参加が適切に進むという前提の下で議論が進んでいると。この辺りをもうちょっと、こういう場合だったらこうというような具体的な説明の資料があると議論がしやすいのかと思います。労働参加が適切に進まないと、年金も更に危機になって、年金保険料の引上げとか、年金支給年齢の繰り下げといったことにつながる可能性が高まるのかどうかといった、いろいろなシミュレーションを具体的に御紹介いただければという感じがします。

 あとはコメント的なことですが、この問題としてこういうことを考えると、労働政策の枠に収まらない可能性があって、既にもう収まっていないのかもしれない。そうすると、労働政策審議会だけの議論ではなくて、他の所での議論がいろいろな影響を与えてくるようなことになるのかという感じがします。善し悪しの問題はともかくとして、特にここ最近になってから、労働政策が独立して議論されなくなって、いろいろな所での政策が労働の分野にも影響を及ぼしている感じがしますので、その辺りも視野に入れる必要があるかと思います。

 参考資料 1 の再興戦略のことですが、「情報開示」ということが出てきて、「インセンティブ」というのが出てきて、 2 つ別々に出てきます。再興戦略では強制的な手段というよりも、インセンティブ等の手法で実効性の確保を図ることが想定されているようです。情報開示のインセンティブは関連性があるように思われます。強制的な手法に限らず、労働市場を通じて実効性を確保していく。お伺いしたいのは、実際のデータか何かで、家庭と職業の両立、あるいはワーク・ライフ・バランス等が促進している企業のほうが、労働市場において人気が高いというようなことがあるかどうか。

 非常に昔の話なのですけれども、ゼミで労働法の勉強をしていた、非常に優秀な女子学生が「私はフレックスタイムのある企業に行く」と名言していました。そのように、市場において非常に価値が高いと思われるような現状があるのかどうか。もし、そういうデータがありましたら御紹介ください。

 

○田島分科会長 今の資料の追加のご要望について、事務局から回答をお願いします。

 

○小林雇用均等政策課長 年金のシミュレーションの関係は何パターンか、年金部会で示されておりますので、それは次回お示しします。情報開示のインセンティブでの御質問は、情報開示をしているほうが選ばれているかということですか。

 

○山川委員 ワーク・ライフ・バランスに限らないのですけれども、女性が活躍できる環境であるということが、労働市場において情報として開示されるとすると、そういう企業への労働者というか、学生の選考が強まるとすると、そういう企業に優秀な人が集まるということで、市場によって女性の活躍が促進されるような企業のほうが選考される観点から、政策が促進されることがあるかどうか。学生なりがどういう企業に就職したいと思っているかということで、そのような点が考慮されているかどうか。回りくどくて申し訳ありませんがそういう趣旨です。

 

○小林雇用均等政策課長 そういうデータがあるかどうか、そのエビデンスがあるかどうかということですか。

 

○山川委員 はい。

 

○小林雇用均等政策課長 探してみます。参考資料 1 の読み方として、「具体的に」の新たな法的枠組みの中身なのですが、これは民間事業者における対応について検討するのが前半で、後段はそういう民間企業等各主体の取組を促進するための実効性を確保するための措置ですので、この措置はどこを想定しているというものではなくて、いろいろなものがあり得るという趣旨で書かれたものです。

 

○田島分科会長 中窪委員どうぞ。

 

○中窪委員 どういうところを目指して議論するのかが分からなかったのです。ここのところ、パート法から始まって、均等法、次世代法といろいろな議論をしてきて、同じような資料を頂いて、いろいろなことをやっている気がするのですが、またこういう形で何をやるのかと思ったのです。今回は、国や公共地方団体も入ってきて、民間だけではなく、両方合わせて女性の活躍のための施策を考えるところに 1 つ特色があると考えてよろしいのでしょうか。

 

○田島分科会長 事務局からお願いします。

 

○小林雇用均等政策課長 そのように考えております。

 

○中窪委員 資料については非常に広範な中で、武石委員からの御質問に対し、参考資料の中で具体的にここをやるのだということが明確になって、私としては大変結構だと思います。ただ、この資料を読んでいて分からないのは、盛んに日本再興のために必要だとか、我が国最大の潜在力である女性の力を活用しないといけないというように力説されています。そのようにならないといけないという、根本的な理念が示されて、それに基づいて女性が活躍すべきだといわれている文章があるのでしょうか。それを前提に、いろいろなことを華やかな言葉で飾られている気がするのですけれども、一番基本の理念が若干見えてこないところがあります。

 更に申しますと、こういう資料の御紹介でやむを得ないと思うのですけれども、最初に日本の人口がだんだん減ってきて、将来の年金も心配だし、 M 字カーブもあって、この中で女性に働いて頑張ってもらわないといけないというのがまずあって、その中で今の女性はどうでしょうかという、国の目から見た、上から目線でやっているような印象があります。もちろんこれはそれを背景として、今具体的にどうしましょうということで、後で具体的にやる。

 全体としては結構なのですが、それよりも前に、まずは家庭に入る女性がいてもいいのですけれども、ちゃんと働いて、自分の能力も伸ばし、かつ社会にも貢献し、家庭にも収入をもたらす、そういう頑張りたい人がいたときに、それをのびのびとやれることが非常に重要であって、それが結果的に企業にも非常に大きな利益を与えて、社会的にも良い社会になるというところがあって、それは結果的により良い社会になるでしょうと。ちょっと理想論的ですけれども、私としてはそのように考えたいところがあります。

 そのために、安倍政権がこのように女性の活躍促進を言うこと自体は非常に結構だと思うのです。それを、そうでないといけない理念をもし示していただければ、我々としてもそれに向かって議論がしやすいのではないかと思いました。

 

○田島分科会長 大変基本的な部分に関わる御質問ですが、回答は可能ですか。

 

○小林雇用均等政策課長 今回の新たな法的な枠組みの議論ですけれども、成長戦略の中で出てきた議論です。正にこれまで生かされてこなかった大きな潜在力が女性だという視点がまず第一に出てくるというのは確かです。それは、併せて当然女性自身のためにもなると考えております。成長戦略の文脈で考えるとそうなのですけれども女性自身の観点からということであれば、中窪先生がおっしゃった観点は当然出てき得るものであります。

 本日お出しした資料の中で、潜在的な労働力率が 315 万人ということもあります。特に、ここの層の人たちは働きたいと思っているのですが、環境が整わないところがあります。正にそのように思っている方々に、いかに働きやすい環境にしていくかという視点も併せて非常に重要だと考えております。

 

○田島分科会長 よろしいですか。

 

○中窪委員 はい。

 

○田島分科会長 松田委員どうぞ。

 

○松田委員 中窪先生がおっしゃったことは、私も非常に感じております。日本再興戦略とか、政府から女性の活躍推進というのが出てくるというのはもちろん良いことだとは思っています。その議論の中で、「男女共同参画」という言葉、男女平等の視点が一切出てこないのが非常に不思議な感じがしています。労働力が足りないから、女性にもっと働いてもらおうみたいな話では腑に落ちないといいますか、何か都合のいいところだけやろうとしてもということで、企業にとってもなかなか事を前に進めることもできないと思います。そこは、一人一人の労働者にとって、男女にとって、もっと幸せな働き方であるとか、世の中になるということを目指してやっていくという議論でないといけないのではないかと思います。

 

○田島分科会長 まだ少し時間はありますが、他に御意見等はありますか。よろしいでしょうか。特に御発言はないようですので、次に今後の進め方について事務局から説明をお願いします。

 

○小林雇用均等政策課長 資料 5 を御覧ください。先ほど参考資料 2 で、総理からの指示により、今回の法的枠組みの法案ですけれども、臨時国会への提出を目指して準備をするスケジュール感になっています。大変恐縮なのですけれども、 10 月中の議論の取りまとめ、諮問を想定して、このスケジュールの進め方について作らせていただきました。それから逆算すると、 9 月に具体的な制度設計の御議論に入っていただくということです。

 次回は 8 月下旬ですけれども、こちらでは本日の宿題を出させていただくとともに、女性の活躍に係る現状について、委員よりプレゼンテーションを行っていただいて、併せて論点の御提示をさせていただきたいと思っております。委員からのプレゼンテーションは、連合と経団連、それから武石先生にお願いしておりますので、三者からプレゼンテーションをしていただきます。大変タイトなスケジュールですけれども、御協力をお願いいたします。

 

○田島分科会長 ただいまの、今後の進め方について御質問、御意見はありますか。よろしいですか。今のような進め方のスケジュール感で進めさせていただきますので、皆様の御協力をお願いいたします。本日の分科会はこれで終了いたします。最後に、本日の議事録署名委員として、労働者代表は齊藤委員、使用者代表は加藤委員にお願いいたします。本日は、お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省雇用均等・児童家庭局
職業家庭両立課
〒100−8916 東京都千代田区霞が関1−2−2

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