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2013年6月26日 平成25年度第5回診療報酬調査専門組織・入院医療等の調査・評価分科会議事録

○日時

平成25年6月26日(水)15:00〜16:34


○場所

中央合同庁舎第5号館
専用第15・16会議室(12階)


○出席者

武藤分科会長 安藤委員 池田委員 石川委員
香月委員 神野委員 高知委員 佐柳委員
嶋森委員 武久委員 筒井委員 藤森委員
<事務局>
宇都宮医療課長 井上医療課企画官 他

○議題

1.医療機関における褥瘡の発生等の状況の検討
2.その他

○議事

15:00 開会

○武藤分科会長
 それでは、定刻になりましたので、ただいまより「平成25年度第5回診療報酬調査専門組織(入院医療等の調査・評価分科会)」を開催いたします。
 まず、今日の出席状況ですが、全員が出席されております。
 今日の議題は、医療機関における褥瘡の発生等の状況の検討であります。
 それでは、まず、事務局から御説明のほど、お願いしたいと思います。
○一戸補佐
 よろしくお願いします。
  それでは、資料の御説明をさせていただきます。
 入−1の資料をごらんいただきたいと思います。
 今年度第5回目です。入院医療等の調査・評価分科会ということで、2ページ目ですけれども、今日は医療機関における褥瘡の発生等の状況の検討ということで議論したいと思います。
 1枚めくっていただきたいと思います。平成24年度の調査項目ですが、(2)にあります医療機関における褥瘡の発生等の状況の検討ということで、今回、褥瘡の検討をしますと、あと残っているが(4)にあります医療提供体制が十分ではなく医療機関の機能分化を進めることが困難な地域に配慮した評価の検討以外は、議論したことになります。
 4ページ目ですけれども、一番上の附帯意見の18というのがありまして、附帯意見は18項目あるのですけれども、18番目に、1から6番まで入っていまして、そのうちの一つの項目として、医療機関における褥瘡の発生等の状況ということで調査することになっております。
 スライドの5番ですけれども、褥瘡対策の経緯でございます。
 褥瘡対策につきましては、●に書いてありますけれども、平成14年に褥瘡対策未実施減算というのが入院基本料の中の評価として仕組みが導入されて以来、平成16年には、平成24年改定で包括されました褥瘡患者管理加算が新設され、平成18年には、後で出てきますけれども、褥瘡ハイリスク患者ケア加算を新設し、平成20年には、療養病棟の加算であります褥瘡評価実施加算が新設されて、先ほど申し上げましたように、平成24年の改定で褥瘡患者管理加算を包括するという経緯になっております。
 スライド番号の6番は、平成24年改定の概要で、褥瘡患者管理加算を入院基本料の要件ということで包括評価というふうになっております。
 1枚めくっていただきまして、平成18年の診療報酬改定で新設されました褥瘡ハイリスク患者ケア加算というのが今でも残っておりまして、これについては、下の枠囲みで書いてあります、重症者を含めた褥瘡ケアが必要な患者さんに専従の褥瘡管理者等のチームで対応した場合に、1回の入院につき500点という点数になっております。
 ここまでが褥瘡対策の経緯と現在の診療報酬上の評価についてでございます。
 スライドの8番以降が、褥瘡についてです。
 褥瘡につきましては、9番目のスライドをごらんいただきますと、日本褥瘡学会の定義として、外力が加わる所で血流が低下して、阻血状態になって褥瘡になっていくという流れがございます。
 スライドの10番目は、褥瘡の危険因子と言われているものの列挙でございまして、上のほうには、関節拘縮ですとか、栄養状態の低下といったような問題、下のほうは、先ほどの褥瘡ハイリスク患者ケア加算の対象患者といったものが挙げられております。
 1枚めくっていただきまして、入院基本料の褥瘡の評価の際に用いることにもなっていますDESIGN分類というのがありまして、深さですとか、こういったものの項目で評価を行っていると。
 11枚目、12枚目は、医療関係者以外の方はちょっとあれかもしれませんけれども、褥瘡の状況というのはこういうものであるというのを御理解するのにいいと思いまして、写真を載せさせていただいております。
 ここまでが褥瘡についてということです。
 続いて、褥瘡の発生の状況についてです。
 14ページ目をごらんいただきますと、今後、データの解析をするに当たって、共通の認識で見ていただきたいということで、まず、褥瘡の有病率というものと推定発生率というのがありまして、これは日本褥瘡学会で定義しているのですけれども、まずは有病率については、右の算式にありますように、調査日に入院している患者数全体のうち褥瘡を持っている患者さんというのが褥瘡の有病率というものです。
 その下にございます褥瘡の推定発生率、これは、以下、議論しやすいように、院内で褥瘡を発生させた率というので「院内褥瘡発生率」としますけれども、これについては、施設の入院患者数を分母にするのは上と同じですが、その中で、褥瘡を持っている患者から、入院時に褥瘡を持っておられた方を引いた数、要するに、医療機関の中で褥瘡がつくられた患者という定義にさせていただいております。
 引き算になりますけれども、逆に、入院時に褥瘡を保有している率については、調査日の施設の入院患者数のうち、入院の際に褥瘡を持ってこられた患者ということで定義をさせていただきたいということで、以後の数字をごらんいただきたいと思います。
 1枚めくっていただきまして、スライドの15番でございます。
 これは、平成24年度の当分科会の調査ですけれども、全体で申しますと、褥瘡の有病率、施設における褥瘡の持っている患者ですが、一般病棟が6%、療養病棟が12.4%ということになっております。これは赤と緑で分かれております。下と上で分かれているのですけれども、赤の下の部分ですけれども、入院時、既に褥瘡を持っていた患者の割合ということで、6%のうち4.5%は一般病棟で持ち込まれているというか、入院時既に持っている褥瘡の患者の割合。上の1.5%が一般病棟の中で褥瘡ができた患者の割合というふうにごらんいただきたいと思います。
 スライドの16番ですが、褥瘡患者の状況について、病棟ごとの特徴というのを見てみました。そうしますと、一般病棟では、褥瘡のある患者とない患者を比較しますと、褥瘡のある患者は平均年齢が高い。褥瘡を持っていない方は年齢が低いという傾向が見てとれます。ただ、療養病棟については、褥瘡のある患者、ない患者、両方とも同じような年齢構成になっているということでございます。
 スライドの17番です。特徴を入院期間で見ました。一般病棟と療養病棟で分けていますけれども、これはどう見るかといいますと、左側の棒グラフについては、一般病棟に入院している患者のうち、褥瘡の治療を行っている患者、これはN=162と書いてありますけれども、162人のうち、90日を超えて入院している患者の割合がどれぐらいかというものですけれども、これは13.6%ということで、褥瘡を持っていない患者のうち、90日を超えている患者よりは割合が高いということが出ています。
 同じように療養病棟で見ていただきますと、療養病棟については、褥瘡の治療を行っている患者、それ以外の患者でも、入院期間についてはそういう傾向はない。逆に、褥瘡の治療を行っていない患者のほうが入院期間が長いといった形になっております。
 18ページ目は、日本褥瘡学会でも同じように褥瘡の有病率について調査をしております。2006年と2010年で調査をしておりまして、右の表をごらんいただくと、有病率ですので、褥瘡を持っている患者の割合ですけれども、これは一般病院と大学病院で有意に増加していて、訪問看護の対象になっている患者については減っているというデータが出ております。
 1枚おめくりいただきたいと思います。これは、日本褥瘡学会の調査ですけれども、重症度別で単純に施設別に見てみますと、深い褥瘡、これはD3以上ですけれども、これについては、精神科病院と介護老人保健施設で、深い患者が半分以上いたというデータでございます。
 ここまでが褥瘡の有病率、全体の患者さんがどういう状況かという御説明です。
 20ページ目以降が、院内で発生した褥瘡についてです。
 21ページは、先ほどの資料の再掲ですけれども、院内で発生した患者の割合というのは、一般病棟の場合、1.5%、療養の場合は5.1%となっております。
 スライドの22ですが、これを4つに分解してみました。A、B、C、Dと分かれておりますけれども、左側から特定集中治療室を有する病棟、Bは、一般病棟で療養、これはケアミックスの病院です。Cが一般病棟単独、Dが療養病棟単独というふうに見ていただきますと、有病率については、Bのケアミックスの病院で多くて、院内発生率については、療養病棟が5.2%ということで一番高いという数字になっております。
 1枚めくっていただきまして、これも先ほどと同じように、日本褥瘡学会が調べた褥瘡の院内で発生した率を調べておりますけれども、これについては、日本褥瘡学会の調査では、2006年と2010年で病院の累計で見てみましても、有意に高くなったり、低くなったりしているところはなくて、同じような傾向であるということで、特にごらんいただくと、2010年の所は、一般病院が1.40と。先ほど一般病棟で1.50ぐらいだったと思いますので、同じような傾向と。ケアミックスの一般病院の療養病棟ありの所は1.54%というような形になっております。
 続きまして、24番目のスライドです。これは、院内発生率について、褥瘡ハイリスク患者ケア加算を届け出している施設と届け出ていない施設で比較して見たものでございます。ごらんいただくと、褥瘡ハイリスク患者ケア加算を届け出ていない病棟の種別の所をごらんいただきますと、院内の発生率が高くなっているというのが見てとれると思います。
 スライドの25番は、患者で見てみますと、左側の一番左、下に表が書いてありますけれども、全体の所をまずごらんいただくと、褥瘡ハイリスク患者ケア加算を届け出している施設、褥瘡ハイリスク患者ケア加算を届け出ていない施設で、有病率とか入院時の褥瘡保有率、院内の褥瘡発生率を全部見ていただきますと、届け出をしている施設において、褥瘡の発生率が低くなっているという傾向が見てとれると思います。
 スライドの26は、加算の説明の再掲でございます。
 1枚めくっていただきまして、スライド27につきましては、褥瘡ハイリスク患者ケア加算の届け出の状況ですとか、専従の看護師に該当すると思いますけれども、「皮膚・排泄ケアの認定看護師」と言われている方の認定者数の推移で、年次を追うごとにふえてきているというスライドでございます。
 スライド28は、褥瘡ハイリスク患者ケア加算の要件にもなっていますが、週1回ぐらいカンファレンスをやるということになっていますけれども、月に4回以上なので、週に1回以上カンファレンスを行っている所とそうじゃない所を比べてみると、下のほうをごらんいただくと、カンファレンスの開催頻度が月4回未満の所については、院内の発生の割合がふえてきているという傾向が見てとれるかと思います。
 以上が院内発生のお話でございます。
 スライド29以降が、入院時に褥瘡ができている患者の状況です。
 スライドの30は、これもまた再掲ですけれども、今度はグラフの下のほう、赤のほうですけれども、一般病棟は4.5%で、療養病棟は7.3%というのが、入院時に既に保有している褥瘡の患者の割合というふうになっています。
 1枚めくっていただきまして、これも同じように、日本褥瘡学会の調査の結果を、これは医療課で計算式を逆算してつくってみたのですけれども、これについて、入院時の褥瘡を持っている患者の割合がどれぐらいかというと、大体の施設でふえているということで、入院時、既に褥瘡を持っておられる患者というのはどこの病棟の種別でもふえてきているというのが見てとれると思います。
 次、32番目のスライドです。一般病棟と療養病棟で入院している患者はどこから褥瘡を持ってこられているかということですが、一般病棟については、4分の3が自宅から褥瘡ができて来られているというのが見てとれます。
 それから、療養病棟については、ケアミックスのあり、なしと書いてありますけれども、一般病棟と療養病棟のケアミックスですけれども、それがある病棟と療養病棟単独の所を比較してみますと、ケアミックスのあり、一般病棟と療養病棟を持っている施設の中の療養病棟については、自院の一般病床からほとんどの褥瘡を持っておられる患者が来られている。それ以外の療養単独の所については、他院の一般病棟、介護施設といった所から患者が来られているというふうに見てとれます。
 スライドの33ですけれども、これは、先ほどの療養病棟の所をさらに2つに分けてみました。入院時に褥瘡を持っておられる患者が療養病棟に来る割合が多い所と少ない所を割ってみましたけれども、多い所のうち、ケアミックスについてはほとんどが自院の病床から来て、95.4%が自院の一般病床等から来ているということ。療養病棟のみの所については、入院時に褥瘡を持っている患者が入棟してくるときに、多い割合だろうと少ない割合だろうと同じような傾向が見てとれるというのが33番のスライドでございます。
 34番目のスライドですけれども、褥瘡の危険因子と、先ほど載せた資料でございまして、1枚めくっていただきますと、入院時既に褥瘡を持っている患者で、この危険因子を持っているかどうかというのを調べてみたところ、危険因子に該当する患者というのが非常に多かったというのがスライドの35番でございます。
 これは、一部Nの数字の訂正をさせていただきたいのですけれども、褥瘡危険因子該当者の割合と書いてある所の一般病棟のNが103になっていますけれども、これを87に変えていただきたいと思います。それから、療養病棟のNについては95になっていますけれども、これは69に変えていただきたいと思います。それから、その下の褥瘡ハイリスク項目該当者の割合と書いてある所の一般病棟のN=103の所は77に変えていただいて、療養病棟の95を61に変えていただきたいと思います。それから、アルブミン値が3.0の所については、一般病棟の所が103の所を80に変えていただき、療養病棟のNの95の所を55に変えていただきたいと思います。申しわけありません。
 あと、スライドの36、37については、日本褥瘡学会の調査で、こういった褥瘡の危険因子を持っておられる方というのが、2006年と2010年の調査で比べてみますと、ほぼ全ての病院の累計でほとんどの項目が増加しているということで、やはり褥瘡のハイリスク者というのはふえてきているというのがここで見てとれると思います。
 最後、38番ですけれども、こういったデータをもとに、最後、論点ですが、褥瘡の有病率が増加しているということから、褥瘡対策を一層推進するということが必要だと思いますけれども、これについてどのように考えますか。
 もう一つは、院内で褥瘡が発生する率ですとか、褥瘡の危険因子を持っている患者さんがふえてきているということから、入院時のアセスメントを含めた褥瘡対策を推進するということはさることながら、病棟横断的に褥瘡の発生状況を把握するということについてどのように考えるか。療養病棟では、褥瘡の発生状況を調べることになっていますけれども、こういうのを病棟横断的に把握するということについてどのように考えますか。
 それから、最後ですけれども、入院時に褥瘡ができて来られている方が多くて、そのうち、一般病棟は4分の3が自宅が居場所であったということが出ているものですから、在宅において褥瘡対策をどのように進めていったらいいかということを論点として挙げさせていただきたいと思います。
 資料の説明は以上でございます。
○武藤分科会長
 ありがとうございます。
 それでは、ここから議事に移りたいと思いますが、御意見、御質問、ございますでしょうか。
 神野委員、どうぞ。
○神野委員
 2つの視点で意見を言わせていただきます。
 まず、ちょっと復習ですけれども、18ページでは、訪問看護で褥瘡有病率が高いということですから、在宅に多いというのは今のお話のとおりだったと思いますし、あるいは、22のスライドで、特定集中治療室とか一般病棟でも持ち込みがたくさんあるということですので、今、二次救急、三次救急においても高齢者の在宅からの救急が非常に多いということを、こういった意味でも裏づけているのかなと思います。
 それから、32ですけれども、今、入院時既に褥瘡を保有していた患者というのを見ますと、ケアミックス棟では自院の急性、一般から来るということ。もしかしたら、もう一つ川上を見ると、在宅から救急へ来て、一般に入って、そして療養に来ているといったような図式が恐らく見えると思うのですけれども、そうなると、一番川上は在宅であるということになるのかなと思います。
 そういった意味の中で、ここで在宅における療養対策の推進ということが書いてありますので、それ自体は今後大きく舵を取るかどうかということになるのかなと思います。
 病院における新規発生のいろいろなデータを見せていただきますと、褥瘡対策チームのおかげ、あるいはNSTがやっていますから、これはそんなに増えていないし、もう十分いろいろなことをやっているのではないかなと私は理解いたしました。そういう理解でよろしいかなということが1つ。川上は在宅であるという理解でよろしいかなと私は思いますけれども、また御意見いただければと思います。
 2点目ですけれども、当分科会の第2回目のときに、人口ピラミッドがだんだん高齢者が増えてきて上のほうにシフトしていき、看取る医療とか支える医療というのがこれから必要になるという御提言があったわけです。今、褥瘡対策は十分やっているわけです。一方で、胃ろうとか経管栄養はいかがなものかと。看取る医療、支える医療の中で、そういったものをやらなくていいのではないかというような御意見もある。そうなると、ちょっと問題発言かもしれませんけれども、経管をやらない、栄養をやらない、そして在宅でいる。そこで当然のごとく栄養状態は低下していって、そして褥瘡ができる。今のDNRなど、胃ろう、経管栄養をやめようという動きと、そして褥瘡の動きがあるわけです。何が何でも、さらにこれから医療費をいっぱいつけて褥瘡対策をやればやるほど、栄養状態をよくしなければいけないということになりますから、胃ろうとか経管栄養の問題と褥瘡発生の問題というのは、極めて関連する話ではないかなと。ここの問題じゃないかもしれませんけれども、その辺のところの舵取りというのは非常に難しいのかなと思いました。
○武藤分科会長
 問題意識をいただきました。
 武久委員、どうぞ。
○武久委員
 今の神野委員の御意見は、非常に大きな問題を含んでいると思うのですけれども、要するに、ターミナルでも、八十何歳になっていてなかなか治りそうもないから、じゃ、何もしないで看取りましょうということは、当然栄養分もやらないわけですから、やせ衰えて、関節は拘縮して、ミノムシのようになってミイラ化して、あちこちに褥瘡ができて、本当にみじめな状態になってやっと死ねるというのが、実は現場で見ているターミナルの方なのですね。そういう現場を余りよく知らない方が、適当にしたらいいんじゃないのということをおっしゃいますけれども、人間は、心臓とか肺とかがしっかりしていたら、本当に骨と皮になるまで生きているのですね。それをずっと見続ける現場の医師の気持ちになると、これはやはり何とか褥瘡を治してあげたいなとか、もうちょっとよくなって車椅子で散歩させてあげたいなというような気分になるのは当たり前の話であって、私個人では、意識がある人とない人で分けて、いろいろな治療の選択をしておりますけれども、意識があろうとなかろうと、もう見込みがない人は、ターミナルで何もしないでいいのではないかというような風潮になっていくと、神野委員がおっしゃるように、片方で褥瘡ができたらどんどん治さないといけない。また、褥瘡を予防しないといけない。こういう我々現場のほうからの当然の医師としての使命を、意欲を減退させるような世論形成をつくっている傾向があるので、これは入院医療ということで考えてみましても、非常に大きな問題なのですね。やはり褥瘡があれば治すし、褥瘡ができないようにする。当然その人がアルブミンが低くてやせ衰えておれば、ちゃんと治るような治療をする。感染症になれば、抗生物質を投与する。心臓が弱れば心臓の薬を出すというのは当然のことで、それによって少しずつよくなってくるわけですよ。だけど、よくなったって、あと1年しか生きないのだったら、何もしないでいいじゃないかというのだったら、それは高齢者の医療はないのと一緒ですよね。
 そういう意味は、ここで論ずるべきことでありませんが、ここでも現場のお医者さんもたくさんいらっしゃいますので、そういうのが、今、神野先生がおっしゃったこと、私も本当に同意するのですけれども、そういう現場でおる者の意欲を失わせるような世論形成はぜひやめていただきたいと思います。
○武藤分科会長
 御意見ありがとうございます。
 資料に関しての御議論ですかね。それでは、石川委員、どうぞ。
○石川委員
 まず、23のスライドですけれども、基本的には、私は一般病院と大学病院で少し上がっているということで2006年と2010年の比較をされておりますけれども、私は、全体的には褥瘡の発生率は少なくなってきているのではないかと思うのですね。それは、医療従事者はかなり努力していますし、医療従事者がいろいろと患者、家族を教育して、在宅でも、僕は褥瘡の発生率も治癒率もよくなってきていると思うのですね。今、ターミナルのことだとかいいろいろ出てきていますけれども、私はやはり褥瘡というのは治すべきものであって、それは医療従事者の考えだけではなくて、患者の家族の考えでもあると思うのですね。私は、褥瘡がよくなる方向でいろいろな方たちが努力するのはやるべきだということでありますし、今まで、それに対していろいろと加算がついてきたからこういうふうになってきているというふうに解釈していいのではないかと思うのです。
 一般病院の場合には、高齢化だとか病気の質が変わってきたということもあるのではないかなと思うのですけれども、本日出席する前に、自分の13ある訪問看護ステーションに話を聞いてきたのですけれども、明らかに褥瘡は減っていると言っておりました。それから、この写真にあるような、ポケットをつくる深い褥瘡というのが、1%ぐらいどうしても在宅で発生するようですね。このときに、深い褥瘡の治療というのは、年単位になったりするのですね。先ほどの最初の話から言いますと、、治す方向に、あるいは防ぐ方向に近づくのであれば、深い褥瘡、治しにくい褥瘡については、もう少し手当をつけていただいたほうがいいのではないだろうかというのを感じます。
 以上です。
○武藤分科会長
 加算の効果ありということです。
 佐柳委員、どうぞ。
○佐柳委員
 褥瘡というのをいかに減らしていくかということでの議論をしていかなければいかんのですけれども、まず、その議論を始める前に、このデータで、私もぱっと見させていただいて、今の議論の中にありましたけれども、ふえておるというのか、減っておるというのか、そこもこのデータの中ではっきりしないのです。例えば、ちょっと説明をしていただきたいのですが、24のスライドのNの中身がちょっと違うと思うのですけれども、ここの数値では、平成23年、24年の推移は、全体に褥瘡が減っていっているという数値ですね。一般に、先ほど御説明は、日本褥瘡学会の調査で多くが説明されているのですけれども、そのうちの有病率の推移というのは18ページにありますけれども、これでいくと、減っているのか、ふえているのか、ちょっとわからないという数値になっているということだと思うのですね。しかし、特に、24ページの数値で、一般の施設のBの数がかなりはっきりと減っていますし、療養病床のほうも全体に減っていると。ただ、ここの説明自体は、その中で発生率というか、新たに発生する率が褥瘡ハイリスク患者ケア加算をとっていると低めに出ているということの説明だったのだけれども、この数値自体では全体が減っているのですね。だから、まず、本当に減っていっているのか、もっと状況は悪くなっていっているのだから、ふえていっているのかと。我々は減らさなければいかんわけでしょうから、減らすにはどういう手立てがまずあるのかということをある程度目星をつけていかないと、在宅悪しというだけの話に終わってしまうという感じがします。ちょっと説明をしていただければ。
○武藤分科会長
 では、事務局からよろしいですか。
○一戸補佐
 24ページのスライドですけれども、さまざまな要素が入っているので、資料の説明のときには表向きのことしか説明しませんでしたけれども、見方としては、分母がBに書いてある褥瘡の保有者というところが分母になっていますので、分母の取り方がほかのデータと違うということでこういう数字になっています。分母が褥瘡の保有者で、そのうち、院内で発生した方という形になっています。
○佐柳委員
 スライドはそういう御説明だというのはわかったのですけれども、全部分母が減っていますよね。だから、Nの数は全部23年度と24年度は同じ施設を見ているのですか。別ですか。同じ施設を見ているのだったら、この施設の中では減っているという。
○武藤分科会長
 どうぞ。
○一戸補佐
 これは同じ施設で見ているのですけれども、年次で23年と24年で見ています。この外にあります調査票をかけている全体の患者数の分母というのは、多分どこかにあるのですけれども、この調査で出てこないものですから、持っている患者さんというのを分母にして、こういうふうな資料をつくらせていただいたということです。
○武藤分科会長
 よろしいですか。
 では、まず、神野委員、どうぞ。
○神野委員
 私、先ほど申しましたように、高齢化がものすごく進んでいるにもかかわらず、印象としては、そんなに増えていないわけですから、これはものすごく効果があった。NSTとか褥瘡対策の加算の効果があったというふうに読んでしまったわけですけれども、恐らく今、筒井委員とか、御専門の方は、年齢調整すれば、もっと減ったか増えたかわかりますよね。このデータは年齢調整はしていないですよね。
○武藤分科会長
 していないですね。
 では、筒井委員からどうぞ。
○筒井委員
 これは統計のとり方というか、年齢調整の問題はその後の話で、要するに褥瘡というのは高齢者に圧倒的に多いものになっていますので、年齢別で分析をやったとしても、大きな傾向は余り変わらないと思います。さて、そもそものお話になりますが、今回の事務局の出された資料については、修正が必要であると考えます。まず、入院基本料の考え方が違うので、病棟ごとの発生割合SEが必要ですね。ちょっと専門的になってしまいますが、表向きの平均値と、実際の母集団を反映した重みづけの平均値を算出する必要があります。端的に言うと、このデータからは、先生方がおっしゃっておられるような、医療機関の努力というのは、わかるような、わからないようなデータでして、加算によって、明確に褥瘡が減ったかどうかとか、医療機関の努力が、患者に対して効果を上げたということを明確に示すというデータにはなっていないといわざるをえません。
 先ほどから諸先生方がおっしゃっておられるのは、結局、努力をするインセンティブとして加算がすごく役に立ったということは、間違いないのでしょうが、これをデータとして示すためには少し統計的なテクニックを使う必要があるようです。次回以降に、こういったことについては、やっただいたほうがいいかなとは思います。しかし、それをやったとしても、本当に効果があったということを証明するデータを出すのはかなり難しいと予想します。その理由は、この褥瘡に係る問題には、2つの観点があるからです。1つは、褥瘡の予防に関する介入と、治癒に関する介入というのを、一緒にして、議論するのは、よろしくないのだと思います。この2つの観点を加算の考え方として整理することが必要だと思います。
 この2つの方向のいずれであるかを明らかにした加算を見当することも考えてよいのではないかと思います。
今のところは、褥瘡チームでは、恐らく褥瘡予防と治癒の両方をやっておられるわけですけれども、治癒に関しての観点と予防に関しての観点を分けた評価を今後考えていくということをやっていく必要があるのではないかと思います。
○武藤分科会長
 では、嶋森委員、どうぞ。
○嶋森委員
 私は余り難しいことはわからないのですが、23、24、25のスライドを見まして、1つは、全体として減っているだろうというふうに私は考えました。それで、24のスライドで、褥瘡ハイリスク患者ケア加算を届け出ている所がやはり減っていまして、そうでない所は傾向としてふえています。それから、25は、明らかに加算をとっていない所が発生がふえているということがあるので、やはり皆さんおっしゃったように、加算をつけるかつけないかは別として、きちんと評価をして、この人は褥瘡が発生しやすいかどうかということを評価して、それをきちんとやることが、褥瘡発生を抑制していると考えられますので、今後もそれを続けていく必要、入院基本料に入っているわけですから、それをきちんとやっていくということで防げるのではないかということを示唆されると私は思いますので、それは続けていただきたいと思います。
○武藤分科会長
 石川委員、どうぞ。
○石川委員
 褥瘡ハイリスク管理ケア加算を届けていないというのは、看護師の問題が多いのではないかと思うのですけれども、だんだんふえていってくれているので、その辺はいいのですけれども、私は、先ほど筒井委員がおっしゃった、予防の部分と治療の部分は違うのではないか。確かにそうなのですね。予防のところで、例えば、12の写真で、浅い褥瘡のときに、そこでストップさせれば、何ということはないわけなのです。ところが、これがどんどん進んでしまうと、先ほど言ったように、年を超える手当が必要。
 1つは、筒井委員も、インセンティブがあって褥瘡対策はよくなってきたとおっしゃいましたけれども、何よりのインセンティブは、褥瘡を嫌う病棟の看護師たちだと思うのです。訪問看護のところや、往診の先生方が最初に幹部の発赤に気づけばラップの様なもので予防ができます。発赤を見つけると保険点数にはなりませんが、現実に看護師はサランラップか何かでとにかく予防しているのが現状だと思うのですね。僕は、きちんと予防のところも評価していただいたほうが、医療従事者が褥瘡は嫌だなというだけではなくて、解決の方法はもっと進むのではないかと思います。
○武藤分科会長
 ありがとうございます。
 ほかにございますでしょうか。
 安藤委員、どうぞ。
○安藤委員
 素朴な質問ですけれども、褥瘡対策にヒト・モノ・カネをたくさんかけて、年次経過でよくなっているようでございますけれども、褥瘡が仮に進展を防げた、あるいは、ある程度の治癒が得られた、そういう場合の患者さんのADLとか、全体のパフォーマンスの改善があったのかなかったのかというようなデータがもしありましたら、教えていただきたいと思いますが、今回の示されたデータの中にはそれはございませんですね。
○武藤分科会長
 事務局、いかがですか。
○一戸補佐
 今回の調査票でADLも多分全病棟でとっているのですが、そのときのADLしかとっていないので、褥瘡が治ったかどうかということでADLが変化したかどうかというのは、データとしてはとれないというのが今の調査です。
○武藤分科会長
 安藤委員。
○安藤委員
 日本褥瘡学会のデータを大分使われていますけれども、その辺からは何かメッセージはないのでしょうか。
○一戸補佐
 御指摘いただいたのが本当にデータとしてあるかどうかも含めて、こちらで探してみたいと思いますけれども、今、手持ちで即答できるようなデータはないです。
○武藤分科会長
 高智委員、どうぞ。
○高智委員
 最後の論点に絡むことだと思いますが、今、予防と治癒とは分けて考えるという意見とも関連いたします。
 褥瘡の予防には、褥瘡ハイリスク患者ケア加算といったインセンティブがありますが、褥瘡を治癒させた際のアウトカム評価につきましては、現行の報酬体系ではなされていないわけでございます。この点は、将来を見据えてというニュアンスで申し上げておりますが、入院時に褥瘡がある患者を治癒できた場合のアウトカム評価に通じるインセンティブについては検討されてもよろしいのではないかと、このように考えております。その理由は、何よりも患者の目線から見て、有意義な評価と目されるからでございます。これが私どもの一つの意見でございます。
 それから、もう一点ございまして、これは、事務局ではなくて、武久委員にお伺いできればと存じますが、たしか前々回の分科会におきまして、療養病床のみの医療機関と急性期及び療養の2つの機能を持つケアミックス型病院の療養病床に入院している患者像というものは明らかに違うと考えられると。したがって、実態の反映を確認できるようなデータを提示願いたいという指摘があったと記憶しております。スライドの32から33に分かれておりますが、ケアミックス型の病院において、療養病棟入院時に褥瘡を発症している患者の割合は、自院の一般病床から療養病棟に転棟している患者が多いという状況が見てとれるわけでございます。これもケアミックス病棟の特徴と捉えてよろしいのかどうか、この辺について持論をお聞かせいただければ大変ありがたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○武藤分科会長
 では、武久委員、よろしいですか。
○武久委員
 その質問の前に、まず、21のスライドを見ていただいて、この中に一般病棟の持ち込みと、自分の所で発生したもの、療養病棟での持ち込みと自分の所で発生したものとあります。一般的に一般病床というのは、平均在院日数が20日前後ですので、一体20日前後の間にいつ褥瘡ができたのかと。結局、褥瘡が自分の所で発生するのであったら、入院後何日目に発症したかというのが非常に重要なことになるわけですね。これがわからないと、一般病床のデータでも、実は特定除外で3カ月も4カ月も入院している人が、5カ月目に褥瘡を発生した場合と入院してすぐ発生した場合と、全然違うし、また、褥瘡を持った人が一般病床に入院するということは、端的に言えば、慢性期疾患で療養中で褥瘡をつくるような病態の人が、何らかの発熱等の異変があって一般病床に入院したということですから、逆に言うと、そういう患者であれば、近くの療養病床に入院したほうが。というのは、褥瘡の治療に精通しているのは、むしろ療養病床の先生は結構たくさん見ているわけですね。
 もう一つ、療養病床の中で発生した人が一般病床の中で発生した人より多いと。これは、入院期間が長ければ、そういうこともあり得ると思いますけれども、療養病床の中で新たに自分のところで発生した患者が入院してから何日目に発生したか。要するに、発生する寸前になって一般病床から療養病床に入って間もなく発生したという場合が多いのか。それとも、長期にわたって入院しているから、そこで体調が弱って発生したのかというのが、ある程度データが要るわけですね。病院によっても褥瘡ができそうな状態で入院しても、なかなか褥瘡をつくらないように頑張っている看護師や医師のいる病院も当然あるし、そうでない病院もあるわけですから、これは一般とか療養でびしっと分けるべきデータではないと思うのですけれども、ここのところは非常に重要なことなのです。
 そして、前回のときに私は言いましたように、NST加算とか褥瘡加算という加算をつけたことによって、どれだけ減ったのかとか、どれだけアルブミンが上がったのかということのデータがないと、せっかく貴重な診療報酬をつけてもだめだし、また、つけたら、このデータを見ると、ちょっとはよくなっているようなんだけれども、それを包括してしまったら、やってもやらないでも一緒だというふうになると、これは包括するほうがいいのかというと、やはり目に見えるようにしたほうがいいと。しかも、持ち込みの褥瘡を治した所には、むしろ評価してあげるような形をしないと、病院全体として褥瘡の保有率が高い病院はだめな病院だというレッテルを張ること自身は、決してプラスじゃないと思いますので、褥瘡というのは非常に大きな問題なので、皆さんで真剣に検討していただきたいと思います。
○武藤分科会長
 今、高智委員の御質問は、ケアミックスにおける褥瘡に関しての御意見はどうですか。
○武久委員
 このデータは、ケアミックスのほうから来た人が多いようになっていますけれども、それも先ほど言ったように、自分の病院の中の一般病床で一体何日いて、何日目に褥瘡ができたかによって違いますよね。だから、ちゃんとしたケアミックスであれば、一般病床できちんと見ておれば、褥瘡はできないわけですけれども、長くそこで90日以上入院しているような人の場合にはできる可能性もあるので、そうしたときに、これはよその病院へ褥瘡ができた人を紹介するというのは恥になるから、自分の所の病院の療養病床のほうへ回すというのは、ある程度院内のあれとしては仕方がないかなと思います。その結果としてこういうデータが出ているということも考えられますから。
○武藤分科会長
 では、まず高智委員からどうぞ。
○高智委員
 武久委員、どうもありがとうございました。
 今、意見を伺っておりまして、私どもが考えましたのは、褥瘡に限らず、ケアミックス型病院の患者像や転院及び再入院の状況など、実態を示したデータがもう少し欲しいなと思います。ぜひ提示いただきたいと思っておりますが、仮にデータがないということでしたら、ケアミックス型病院に焦点を絞った調査をすることも一つ視野に入れていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○武藤分科会長
 事務局のほうから。
○一戸補佐
 今回、ケアミックスのデータも出ました。あと何回か分科会をやっていますけれども、その資料の中にケアミックスのデータが一部あったと記憶していますけれども、まだ全部見ていないのであれですが、出せるものは出させていただきたいと思います。
 それから、高智委員がおっしゃっていたアウトカム評価については、それ自体がアウトカム評価かどうかは別ですけれども、今は療養病棟で褥瘡は医療区分の2になっているのですが、それが治った場合に、いきなり医療区分が下がるのではなくて、30日間は高い医療区分で算定していいという評価も行っているところでありまして、こういうアウトカム評価というものをどう考えるかということと、最後の論点に書きましたが、療養病棟は今でもクオリティ・インディケーターのように褥瘡の数を毎日どれぐらいかというのをとることになっているのですけれども、これは療養病棟しかやっていないわけです。こういうような褥瘡の発生率の推移みたいなものを、最後の論点にもありますけれども、全部の病棟でそういったものを把握していって、自分の病院の立ち位置を理解してもらうというのも一つ褥瘡対策という意味で大きな視点なのではないかなと提案をさせていただいています。
○武藤分科会長
 では、神野委員、どうぞ。
○神野委員
 先ほどの関連です。ケアミックスの話でありますけれども、恐らくケアミックスの病院というのは、中小の病院だと思います。そういった所が地域の、例えば在宅の駆け込み寺的に二次救急をとっているという実態も大いにあると思われます。したがって、ケアミックスの病院の一般病床が悪いのではなくて、最初に申し上げましたように、川上の、例えば在宅とか、あるいはいろいろな施設に入っていらっしゃる方が、いきなり三次救急ではなくて、二次救急のケアミックス型の中小病院に救急で搬送されて、病態が悪くなって運ばれて、そしてそこである程度治療した後に療養に行くといった流れであって、ケアミックス病院の一般病棟がいい悪いという話ではないと思います。
 それから、もう一点、アウトカム評価、非常にいい話だと思います。ただ、ここに冒頭申しましたように、本当に何が何でも褥瘡を治さねばならんと、そこにお金をかける、治したらお金をもらえるといったときには、今後、先ほど安藤委員がおっしゃったように、ADLどうこうというのはわかりませんけれども、ターミナル状況等でも褥瘡を治すという、治さなくてはいけないという覚悟が医療界に必要だということを言いたいです。
○武藤分科会長
 石川委員。
○石川委員
 その議論をやると、恐らく終わらないのではないかと思うのですけれども、21の医療機関における褥瘡を有する患者の状況というのを、これは再掲なのですけれども、21で見ていただければいいです。院内で発生する褥瘡についてのパーセントが出ています。一般病棟は1.5%、療養病棟は5.1%ということですね。これは確かに慢性疾患で、結構寝たきりの患者が多いというと、こういうふうにふえるのかもしれませんけれども、一般病棟、急性期の所でも、褥瘡については、先ほどの予防と治療というのは違うのではないかといったように、看護師の気づきの状態が違うのですね。やはり、一般病棟でも意識障害の患者はあっという間に、それこそ半日、あるいは1日もたてば、発赤の状態でサインがあるというところでの目利きの状態と、慢性期の患者を見ているところでの褥瘡に対しての看護師がすごく知識があるというのはちょっと違うと思うのですね。私はそういう点で言いますと、医療機関の中でも、褥瘡予防について、先ほどから言っているように、予防することが一番安上がりでいいわけなので、このところにインセンティブをつけるなりするべきだと。入院してから褥瘡をつくらないようにするということも大事だと。それから、訪問看護をやっている所では、そういう患者に褥瘡をつくらないというところのインセンティブも何らかのもので必要だということだと思います。
○武藤分科会長
 ありがとうございます。
 ほかにはどうでしょうか。
 では、まず筒井委員、どうぞ。
○筒井委員
 先ほどの安藤委員の褥瘡の経過別のADLの変化というのはどうなのかというお話ですけれども、これは、少しコントロールは必要ですが、経過別のADLを見ることは、看護必要度のB得点の推移の分析から可能です。ただし、今回の調査は14日間しかないので、恐らくは、治癒に関しての効果を推測しますと、後期高齢者の方々の効果をみるというのは、難しいかもしれません。けれども、もしかしたら前期高齢患者のほうは、ADLに関しても有意な差が出るかもしれませんので、検討する意味はあると思います。
 また、看護必要度のB得点については、継続的にデータが採られており、それを蓄積している病院は、たくさんありますので、1年、半年、数カ月分といったタームでの病院別に分析していただくこともできると思います。
 それから、神野委員と高智委員が先ほど御発言されておられました効果についてですけれども、褥瘡の定義については、重要です。日本褥瘡学会と今回の患者調査の褥瘡の定義が微妙に違うと思うので、定義をはっきりさせるということは求められるといえます。それから、15枚目のスライドの褥瘡有病率というものですが、これは、ちょっと見てみると、一般病棟は、結局6%の内訳がきれいに出ているので、ぱっと見でわかりますが、これは入院時褥瘡保有率が70%を超えていますね。療養病棟のほうが低いようにこのデータからは見れるわけですね。
 このことから考えると、結局、予防という観点は在宅から始めなければいけないだろうと思うのです。ですから、例えば、今もう既に褥瘡対策チームがありますが、これをもう少し広げて、地域との連携を視野においた加算を検討すべきではないかと思います。
診療報酬においては、すでに地域連携の加算があります。したがって、この枠組みを利用して、褥瘡対策のメンバーに在宅の医師とか、療養を担っている訪問看護師ですとか、介護関係者も入れて、地域連携の褥瘡管理料みたいなことを提案することはできると思います。
褥瘡予防パス、あるいは、褥瘡治癒に関するパスといった、地域での連携を要件とした加算をつくってそれを予防と治癒に分けて、在宅医療と連動した加算の考え方を中医協で少し提案してもらうとよいと思います。
また、介護報酬改定のほうは27年度なので、介護報酬が、この診療報酬にうまく乗ってこれるようにつくっておいていただけるとよいと思います。
医療だけでは、この医療保険制度というか、特に高齢者医療は持ちこたえられないので、介護保険制度そういう連動を視野に入れた、効果も含めてですけれども、そういうのを考えていくというのが必要なのではないかと思います。
○武藤分科会長
 なかなかいい提案だと思います。
 佐柳委員、どうぞ。
○佐柳委員
 似たようなあれなのですけれども、予防というのが一番大切なのだと思うのですけれども、専門家の方々にお話を聞かせていただいたほうがいいと思うのですけれども、褥瘡の発生率、一般病院の6%、療養型病床で12%という数値が出ていますけれども、こういう数値が、これはまだまだ減るものなのか、多少とも減っているという数字がこうやって効果が上がっているというふうに出ているのだけれども、思ったほど減っているというか、がさっと減っているというところまでいっていないわけですね。ということは、我々の期待としては、先ほどからお話もあったとおり、亡くなる前にいろいろな褥瘡をつくって亡くなっていって、非常に悲惨な状況というのは避けなければいけないわけで、そのためには、どこまでのことが技術的に可能なのか。特に予防という観点で。今、医療だけではないのだと。地域全体でのケアという体制づくりも含めてなんだと。まさしくそうだと思うのです。全体として、今までの医療の流れでいっていたら、一生懸命にそれぞれ改善していって、少しは減っていっているという状況なんだろうと思うのですけれども、例えば、諸外国でも制度の違う国がいっぱいあると思うのですけれども、特に先進事例というのか、そういった意味で、亡くなるときにそんなに褥瘡がいっぱいつくられてという状況でないような所がもしあるなら、そういうことも含めて、どこまでのことができるのかというのは、専門家の御意見を聞かせていただいたらありがたいなと思います。
○武藤分科会長
 嶋森委員。
○嶋森委員
 専門家と言われると、大変言いにくいのですが、前回のときに申し上げたのですけれども、欧米では、在宅でもほとんど寝たきりにさせないので、褥瘡が非常に発生して困るという話は余り聞かないということを言っています。ですから、今、筒井委員がおっしゃったみたいに、在宅も含めてきちんとしたケアができる体制をつくっていくということが重要ではないかと思います。
 それから、非常に状態が悪くなって、褥瘡のために亡くなるというより、褥瘡が悪化して非常にたんぱくが低くなったり、感染が起きたりして亡くなるということは現在でもあると思いますけれども、必ずしもがんとか、末期になったから、皆さんが褥瘡になってぐあいが悪くなって亡くなるということは余りなくて、逆にやせてしまうと、体位変換が確実にできるということもありますので、ケアをきちんとしていくことで、最期まで褥瘡も発生しないでということのケアの仕方もできてきていると思います。どういう状態になれば褥瘡が発生するかということも、ある程度アルブミンの問題、拘縮の問題、いろいろ出ていますので、そこに応じたケアの仕方をそれぞれの場でやるしかないなと思うのですけれども、在宅のところでは、訪問看護師が言うには、倒れてしまって寝たきりになった状態で、循環が悪くなって、褥瘡が大きくなってから、医療者が見るということが結構ありますので、そういう状態になったら褥瘡が発生する率が高いので、早めにきちんと対応するようなこととか、そういうことをもう少し一般の人も理解していただけるような働きかけが必要ではないかと。それから、先生がおっしゃった、病棟によっては看護師も十分知識がないところについては、もう少しケアの仕方について学習するということもやっていかないといけないと思います。
○武藤分科会長
 佐柳委員。
○佐柳委員
 わかっている範囲で結構なのですけれども、寝たきりにさせないということなのでしょうけれども、そういった生活の仕方の変更も含めて、環境の変化というか、文化の変化まで含めて取り組んでいかないと、これが減らないものならば、そういった環境づくりまで含めて、何らかの提案まで、ここでするかどうかは別として、していかない限り、今の寝たきりの状態でずっとやって、寝たきりという表現は悪いのですけれども、療養していると、ベッドの上でという状況に固定されているわけなんですね。そういうところも含めて、いい例があるのであれば、生活の変化も含めて、若干御提案なり、何かしていただければ、非常にありがたいなという気がします。
○武藤分科会長
 嶋森委員。
○嶋森委員
 提案ということまでいっていないのですが、佐柳委員がおっしゃいました文化というのが非常に大きいなと。昔から日本は病気になったらやっと休めるので、病気になったら寝て、周りの人がケアをするというような文化があるなと、最近しみじみ思います。元気でも、とりあえず寝かせる。寝かせて、周りがお世話する。お世話しないのはなんという家族か、みたいな形になってしまうという。それに比べると、欧米だと、例えば、心臓の移植手術をしても、4日か5日で看護師はベッドの遠い所にお食事を置いて、歩いて食事をするようにということを、これはアメリカの話ですが、そういうことが行われていると言われまして、自立して生活するのが当たり前という文化がある。日本の場合は、昔は貧しくて、いつも働いていたので、病気になったら、せめて寝るという文化が非常に高いのではないかと。それが一般の病院の中でも、一般社会でもあるので、自立するという文化に変わっていくということは非常に必要ではないかと思います。
○武藤分科会長
 それでは、安藤委員、どうぞ。
○安藤委員
 スライドの15番です。院内褥瘡発生率につきまして、一般病棟と療養病棟と数字があって、差があるということですが、Nがこのくらいの数字ですので、できましたら、療養病棟のN=39、これを横軸に展開しまして、どのくらいのばらつきがあるのかというのをぜひ知りたい。これはあくまでも全体を概観する平均値でございますので、悪い所は非常に悪い。いい所は非常にいいというようなばらつきについて、ぜひ知りたいと思いますが、いかがでしょうか。
○武藤分科会長
 事務局からいかがですか。
○一戸補佐
 施設ごとのデータは多分出ると思いますので、解析すれば出るかと。これは一般病棟も療養病棟も両方やろうと思えばできます。
○武藤分科会長
 安藤委員。
○安藤委員
 ぜひよろしくお願いします。
 それから、実は今の15番と23番。このデータのオリジンが違うわけでございます。15番は、当分科会の調査、23番が日本褥瘡学会の調査ですが、どう見ても一般病棟と療養病棟の院内発生頻度、差があり過ぎるのではないかと思うのですけれども、今回回答してくれた施設のバイアス等何かあるのですか。その辺の分析は難しいと思いますが、差があり過ぎると私は理解しますが、いかがでございましょうか。
○武藤分科会長
 事務局、どうぞ。
○一戸補佐
 日本褥瘡学会のところは、療養単独というよりは、療養病棟を持っている病院全体ですので、一般病棟も含めての解析になるので、今回の調査の療養病棟単独というか、療養病棟にかなり近いようなデータとはちょっと違うのかなというように思っています。
○武藤分科会長
 よろしいですか。
 では、筒井委員、どうぞ。
○筒井委員
 今の回答につけ加えますけれども、日本褥瘡学会は、記録をもとに褥瘡の発生についてはデータを出しておられて、今回の患者調査というのは、褥瘡がある患者はどうですかというような聞き方をしているので、先ほど私が最初に言いましたけれども、褥瘡の定義が若干違うと思います。それと、日本褥瘡学会のほうは、褥瘡の予防や治癒に関する医療や看護に特段の関心を持った方々が集まった学会で、褥瘡を定義して調査をしておられるものです。ですから、先ほど私が申し上げましたように、このデータから効果があったとか、なかったとかというのはなかなかわかりにくいデータになっているということです。
 それと、褥瘡は、今、デザイン分類による定義がなされて、医療領域では、これが一般に使われていますけれども、従来の古い褥瘡の定義を使っている病院もまだあるようです。介護報酬の世界では昔の分類を用いて、この褥瘡の定義がなされておりますので、その辺も診療報酬に何か反映させようとする際には、きちんとした、同一の定義が求められると考えます。
○武藤分科会長
 ありがとうございます。
 ほかにございますでしょうか。
 武久委員、どうぞ。
○武久委員
 2つのことについてお話ししたいと思います。
 1つは、神野委員がおっしゃったように、ターミナルですけれども、ターミナルの定義というのがどんどんブロードに解釈されていくというのがあります。日本医師会は、かつて、ターミナルは、いかなる治療をしても1カ月以内に死亡するような患者の状態をターミナルと言ったのです。現在、今はちょっと知りませんけれども、それがどちらかというと、85歳になって肺炎になったら、もう治療しないでいいんじゃないのなどというような風潮まであると、これはちょっとおかしいので、やはりターミナルの定義というのは、日本医師会がお決めになるか、国がお決めになるかは別として、ターミナルの拡大解釈で、年齢だけで食事がとれなく、肺炎になったら食事はとれなくなりますよね。だけど、治療は、抗生物質の投与とともに水分や栄養分の投与をしないと治らないわけですから、それをするときに、中心静脈栄養からするよりは、消化管から入れたほうがより生理的だと、これは医療の上では常識ですけれども、その辺のところが一緒くたになっているので、ここはやはり考えていかないといけない。
 ターミナルで、では、何もしないほうがいいということは、皆さんはこの間もニュースで見られたと思いますが、20代の母親が2歳ぐらいの子供と餓死していたと。餓死していると、私も検死に行く人によく聞くのですが、医師にも聞くのですけれども、若くてもがりがりにやせて、関節が拘縮して、要するにミイラのようになると。子供も同じようになってしまう。まことに悲惨な状態で、死臭もいっぱいあると。餓死ということはそういうことであって、ターミナルということは、ある意味餓死なのですね。
 ということは、高齢者がもう歩ける見込みがないからといって、餓死させるというのは、私は餓死療法ではないかと思うのですけれども、これは逆に何もやらないというのだったら、療法ではないのですけれども、ちょっとづつ栄養と水分を減らしていくというのは、まさに療法になってしまうので、この辺のところが拡大解釈されていくと、病院の中でそういうことをするのが適切かどうかということになってくると、これは施設とか在宅ならまだしも、貴重な病院という財産のベッドの中に、生き返るというか、よくなるという見込みのある人が入れないで、そういう人がたくさん入っているという状態だけは避けないといけないだろうと。
 もう一つ、ケアミックスの話ですけれども、これは、たまたま私どもはアメリカのロングターム・アキュートケアということで、長期急性病床というのを言っていますけれども、アメリカについてのみ言いますと、急性期から慢性期へ行ける患者、同じ病院の中では20%しか紹介できない。一度行った慢性期の病棟からは、自分の所の病院の急性期には5%しか戻れない。すなわち、熱が出たぐらいでは戻れないわけです。要するに、手術をするとか、特殊な治療をするというような病態になった患者のみ帰れるというルールがあるわけですね。日本にはそういうルールはありませんから、熱が出たときには、自分の病院の中のよりマンパワーも設備も整った病棟へ移すというのは、これは当然医療人としてもありと思うのですけれども、この辺のところがアメリカとでは全く話が違うのですけれども、要するに、慢性期病床でも治せるような確立した病気に関しては、そこで治すべきではないかと私は思っているのですね。その辺のところが、褥瘡があろうと何があろうと、一般病床へ一回行って、また療養病床へ帰ってくるという、この辺の一般病床と療養病床の使い方をどういうふうに整理するかというのが、今、関心を持って言われているわけですけれども、アメリカの例としてはそういうふうになっております。
○武藤分科会長
 そろそろ1時間以上経過しましたし、もしよろしければ、38ページの論点のほうに移りたいと思いますが、幾つかございます。3つの○の最初の、有病率が増加していることから、褥瘡対策の一層の推進についてどのように考えるか。これに関してはいかがでしょうか。褥瘡対策に関しては引き続き推進するということで、皆様方の御意見は大勢を占めたと思いますが、いかがでしょうか。
○佐柳委員
 褥瘡有病率が増加しているかどうかというのはよくわからないわけであって、そういう状況が悪化していっているということ、つくりやすい状況がふえていっているということは、もちろん関係するとしても、やはりこれは、医療とかこういう業務として、患者様に対する一つの人権だとか、あるべき姿という観点から含めて、単にふえているからというだけでなくて、そういう意味での褥瘡対策というのは極めて重要ではないかという意味が私はあると思います。
○武藤分科会長
 石川委員、どうぞ。
○石川委員
 私は、褥瘡有病率が増加しているということは端的には言えないと思っております。疾病の治療が進み救命率だとか高齢化率だとかの上昇などを考え合わせますと、褥瘡がふえてきているというふうに見られますが、相対的に言えばあまり増えているとは言えないと思います。
 この論点にぜひ追加していただきたいことは、きょうの資料で、褥瘡対策については、医療機関それぞれで尽力されていると思いますし、今後、高齢化社会を迎えるに当たっては、どの方も褥瘡まみれで大変悲惨な状態ということは避けたいと思っていると思いますので、褥瘡の医療そのものを進歩させる方向でいろいろ考えていただきたいと思います。
 そのときに、先ほどから議論していますように、予防のところと治療のところ、両方とも進歩できるような形で保険のほうでの評価をいただきたいと思います。まず、医療機関や医療従事者が褥瘡を発生させないという努力をしたときにどのような評価をいただけるかということもきちんと考えていただきたいと思います。
○武藤分科会長
 ほかにございますでしょうか。
 安藤委員、どうぞ。
○安藤委員
 先ほどから、私は皮膚科医とか形成外科医の配置について考えておるのですが、実は褥瘡ハイリスク患者ケア加算と、昨年包括化された褥瘡患者管理加算のほかに、重症皮膚潰瘍管理加算というのがありまして、これは一番点数が高いと思っておるのですが、これは、形成外科医、皮膚科医の、これは常勤かどうか、ちょっと知らないのですけれども、そのドクターの配置の効果というのはかなりあるものと思うのですが、その辺は、今回、考察の対象になっていないようですが、いかがでございましょうか。
○武藤分科会長
 事務局、どうぞ。
○一戸補佐
 ここ何回か、お手元に資料をつけていませんけれども、この分科会の役割の範囲が、附帯意見の範囲の中で専門的な議論をしていただくということなので、余りに論点が広がり過ぎると、何を議論しているかわけがわからなくなってしまいますので、今回は褥瘡の発生の状況を見て、今後どういうふうに議論するかということと、対策の今までとられていることの継続の可否、それから、新しい視点での褥瘡対策のあり方というのはどうあるべきかという視点でごらんいただきたいと思っております。
○武藤分科会長
 よろしくお願いします。
 筒井委員、どうぞ。
○筒井委員
 褥瘡については、多分先進国で共通の問題とされる高齢者医療の今後のあり方という一つのモデルを提示する際の良い指標になると思います。ですから、データについては、正確な手続きに基づいて、きちんとしたデータベースを整備することが必要となるのだと思うのです。おそらく、日本における褥瘡の有病率とか、発生率とか、といったことを検討するためには、全病院から、褥瘡に関してハイリスクの患者であるとか、すでに褥瘡の治療をしている人とかといったデータを出すことを義務付けするしかないと思います。こういった正確なデータを出していただいて、ある程度、我が国の現状を見据えて、どのぐらいを適切な数値にするかを中医協総会なりで議論していくというのが道筋であろうと思います。したがって、各病院に対しては、褥瘡については、こういった報告義務をはっきりさせて、それをもとに、褥瘡の定義も、しなければならないと思います。今、議論しているような、予防の効果ですとか、治療の効果というのを分けるためには、その基礎データがないとできないのですね。それを専門委員会としては提案していただけるとありがたいと思います。
○武藤分科会長
 まさに今のお話は、○の2つ目のほうの院内褥瘡発生率や褥瘡の危険因子等を保有している患者の割合が増加していることから、入院時のアセスメント等褥瘡対策を推進するとともに、病棟横断的に褥瘡の発生状況を把握することについてどのように考えるか、この論点になりますね。先ほども病棟横断的に褥瘡の発生を把握すること、もう既に療養病棟では行われている褥瘡発生率、これを全病棟に拡大する。そういった御提案もございました。そのあたりについていかがでしょうか。
 武久委員、どうぞ。
○武久委員
 今言ったようなことに関連するのですけれども、平成18年7月から療養病床に医療区分というのが入ってきたわけですね。そうすると、重い人を8割以上入れると報酬が高いということになって、それまでは、誰を、どの状態の人を入れても同じ点数だったので、そこで、療養病床に一般病床からどんとたまっていた重症患者が結構シフトしてきたというのは事実です。この6年間でそういう患者さんをずっと見ていますから、論点の2つ目にあるように、当然のことながら療養病床にはそういうプアなリスクな患者が入ってくると、褥瘡はできやすいわけですね。これは逆に言うと、以前はどちらかというと軽い患者を入れて、楽に運営していた療養病床があったと思いますけれども、そういうのから療養病床の性格が変わってきたということになると思うのですね。
 ところで、一般病床は、逆に言うと、短期間しかいませんから、褥瘡はむしろできにくいわけでして、療養病床がそういう意味では重い慢性期の患者を一手に引き受けているという状態は事実なのですね。結果的には、以前入院していた人は、療養病床から退院していって介護施設等に行っていますから、そういうことは事実としてあります。
 私、7〜8年前に自分の所の病院で調べたことがあります。それは、褥瘡を持っている人をグレード別に分けて、アルブミン値とだけの相関関係を見たら、アルブミン値が4.0以上の人は、脱水で見せかけで濃縮されてアルブミン値が正常に見える人以外はゼロなんですね。ということは、前の委員会でやったようなNST、栄養の状況と褥瘡というのはものすごく密接に関係する。今回の調査は、担当科のほうで非常に密接な質問項目をつくっていただいたので、褥瘡がある人でアルブミン値はどのぐらいかというデータを多分お持ちと思うのですね。それに対する相関関係と、ここにデザインしているような、いわゆる発赤の1度から、膿瘍をつくっているような状態まで含めて、その調査時点でのアルブミン値と、逆に言うと、アルブミン値だけでは血管内脱水になって、BUNがぐんと上がって、クレアチニンが低くて、溶質濃度が溶媒に比べて高くなるようなものをちょっと除けば、非常に出るかと思います。ということは、NSTというのと褥瘡の切っても切れない関係をこの委員会でぜひ結果を報告していただいて、これに対しては、一生懸命報酬をつけていただくと、一般の社会人がターミナルになったら何の治療もするなという、ターミナルになりそうな人をできるだけ少なくしていくということは、非常に大きな意義があると思っております。
○武藤分科会長
 ありがとうございます。
 2番目の○のポイントに関して、ほかに御意見なければ、3番目の、入院時褥瘡保有率が高くなっており、住宅が入棟前の居場所として多いことから、在宅における褥瘡対策の推進についてどう考えるか。これも先ほど幾つかの御意見をいただいて、予防対策が必要だということと、あと、地域において連携を行って、地域ぐるみの褥瘡対策を考えたらどうか、そうした御提案がございました。
 石川委員、どうぞ。
○石川委員
 論点の一番最後の○ですけれども、在宅で褥瘡を予防するというときに、例えば胃ろうの方にしても、先ほどおっしゃいました血中アルブミンを上げるのが大変なんです。大変というか、現行の点数でなかなか補助できないので、これは大変な思いで、胃ろうの患者さんのアルブミンを上げるようにしています。この辺のところも、褥瘡対策では非常に大事なことだということを加えておきたいと思います。
○武藤分科会長
 ほかにございますか。
 佐柳委員、どうぞ。
○佐柳委員
 在宅の関係で、データとしてはいろいろ訪問看護でこんなふうに減ったという数値が出ているのですけれども、これはあくまで訪問看護に行っている対象者についての話ですね。だから、いわゆる在宅の状況での褥瘡というのがどんな発生状況なのかとか、そういうものを類推するようなデータとか何かがあるのかどうか、その辺も含めて見ていかないといけないなという気がします。
○武藤分科会長
 事務局のほうからいかがですか。
○一戸補佐
 今、佐柳委員、御指摘のとおりで、訪問看護に行っている患者の割合ということでデータを出してみて、全体がどうかというデータは今のところないと。
○武藤分科会長
 ほかにございますか。
 神野委員、どうぞ。
○神野委員
 余りこういう所で信念として自分のことを言わないようにしていたのですけれども、今回に限り言わせていただくと、恐らくこの委員の中で私の所が一番高齢化が進み、かつ過疎地です。能登半島。私の医療圏が30%で、隣の能登半島北部が40%の高齢化率。私の所は急性期から慢性期、あるいは福祉施設とか運営していますけれども、褥瘡はほとんど発生させておりません。ただ、今、一番むなしく感じるのは、在宅と言っても、都会型の在宅じゃなくて、田舎型の在宅の所というのは、非常に辺鄙な所に老老介護とか、昼間は若い人は働きに行っていて、一人きりに置いているお年寄りというのはたくさんいらして、そういう所に本当に褥瘡予防のために体位変換とか、いろいろなお世話をするということになったときに、これはものすごい、先ほど言いましたように、覚悟が必要ということになります。むしろ医療より介護が中心かもしれませんが、お金の面でも、人的な投資に関しましても、覚悟が必要。そこまでして在宅で推進するということを今後中医協でおっしゃるならば、相当覚悟が必要であるということは、支払側の方も含めて、理解いただきたいと思います。
○武藤分科会長
 ありがとうございます。
 ほかに。武久委員、どうぞ。
○武久委員
 先ほど石川委員がおっしゃったように、一度落ちたアルブミン、一度落ちた低栄養状態を上げるのは大変なのです。現場では実際。ところが、一生懸命口から食べれるように形態食をソフト食とかいろいろなものを開発したり、吸収しやすいような食事形態をつくったり、低栄養改善食を一生懸命つくっても、特別食加算というのは全くいただけないのですね。要するに、そういう努力への評価はゼロなのです。むしろ、肝臓食とか、高脂肪食とか、飽食の時代に減らしていくような特別食加算はあるのですけれども、低栄養ということはあのころは余り発想していなかったのではないですか。例えば、低脂肪食。要するに、コレステロールが100以下になってしまっているのを上げようと思ったら、これまた大変なんですよ。実際問題として。こういうことに対しての評価をつけていただくと、現場で一生懸命もっとやってくれると思うのですけれども、本当に持ち出しの努力を、先ほど神野委員がおっしゃったように、現場では、特に医療機関でない所では、そういう努力をしないと、どんどんこういう状態になってくるのですね。これだけは何とかして、関係ないと言えば関係ないけれども、担当科ですので、何とか現場でのそういう努力に対して評価していただけるようにしていただくと、結局、かえって褥瘡が少なくなって、病気の人が減って、介護者は減るというもとになるという意味で、食事というのは人間が生きていく上の最低の基本的なエレメンツだと思います。
○武藤分科会長
 筒井委員、どうぞ。
○筒井委員
 先ほどの神野委員のお話で、これは、覚悟しなければいけないのは、中医協の委員とか私たちではなくて、国民全員で、国民全員が覚悟してこれをやるかという話になるかと思うので、そういう意味では、先ほど嶋森委員がおっしゃったように、自立をどこまでするかということを言い続けなければいけないということだと思うのですが、既にある褥瘡対策メンバーに在宅の人たちを入れた報酬というのをぜひ考えていただいて、これは診療報酬の世界だけではできないので、中医協の中で議論していただいて、先ほど申し上げましたけれども、27年度の介護報酬にうまく乗るようにつけていってもらうということだと思うのです。
 それと、褥瘡の予防と管理というのはまた別の定義をしていかなければいけないと思うので、そこはちょっと専門的なデータの裏づけが要るかと思うので、標準値をどこに置くかということと、管理と予防を今は一緒に話しているので、すごく難しいのですね。ですから、今、武久委員がおっしゃったことは、管理なのかなとも思うし、予防なのかなと思うところもあるので、そこの組み立て方を、パスをつくるとか、そういう工夫をしていってもらうということで報酬を考えるというのを提案したいと思います。
○武藤分科会長
 ありがとうございます。
 ほかに、全体を通して、あるいは論点に追加したいこと等ございますでしょうか。
 佐柳委員、どうぞ。
○佐柳委員
 在宅の話は、技術的には非常に難しい問題が幾らもあるのだろうと思うのですけれども、やはり褥瘡というのは一つの指標だと思うのですね。どれだけ自立しているかということの指標みたいなものだろうと思うのですけれども、そういう意味で、望ましい、進んでいかなければいけない方向というのは、生活をしている場所で最後まで自分らしさを失わないで人生を全うするというか、そういう方向で超高齢化社会はとにかくつくり上げていかない限りは、本当に先の見えない作業になっていると思うのですね。
 それから、やはりこれは間違いなく方向は在宅のところでどこまでやっていくのか、追求するかという方向でなければいけないと私は思っています。そのためには、技術的にも相当分析をして、これは一つの指標ですけれども、先ほども言ったように、国民の自覚と言っても、国民に自覚と言うだけではわからないので、どうすればいいのかということを示していかないと、生活の仕方だとか、そういうものは変わってこないわけですし、人生の過ごし方とか、医療機関の使い方だとか、こういうことも変わってこないわけなので、やはりそこまで含めて、共同での新しいスタイルをつくり上げていくという作業は間違いなくこの方向で進まなければいけないものだと私は思います。
○武藤分科会長
 そろそろ、何か言い残したこと等がございましたら。よろしいでしょうか。
 嶋森委員、どうぞ。
○嶋森委員
 重ねてになるかもしれないです。発生した褥瘡は、やはり病気としてきちんとした治療をするということだと思います。だから、褥瘡だけの原因で亡くなるようなことはいけないわけなので、それはちゃんと治療するというのと、先ほど筒井さんが言ったことと同じになると思いますが、評価と予防をどうするかということについては、アルブミンのことも含めて、どういう指標をどういうふうに改善すればいいかということも、かなり見えてきていますので、在宅も含めて広げていくということで、そういう治療をきちんと、治療方針を出していただけるとお医者さんと、ケアをできる看護師をもっとふやす。在宅にもふやすということかもしれないです。
○武藤分科会長
 石川委員、どうぞ。
○石川委員
 最後はちょっと言わなかったのですけれども、今、そういう褥瘡に対しての医療について、いろいろとつけていただきたいとか、いろいろあると思うのですけれども、同様に、この場ではないのですけれども、介護の分野で、今おっしゃったような、褥瘡ができないとか、そういう目つきといいますか、それは大事だと思うのですね。だから、そこら辺のところは、厚労のほうで、事務局のほうで統合して、全体的に褥瘡をつくらない方向での日本の医療、介護という方向で検討していただきたいと思います。
○武藤分科会長
 いい御意見、ありがとうございます。
 ほかに。武久委員、どうぞ。
○武久委員
 このデータを見ておりますと、一般病床でもかなりな褥瘡を見ているということがわかります。当然、褥瘡が主病名ではなく、合併症と思うのですけれども、少なくとも急性期病床では、褥瘡の治療に憂慮するような患者さんというのは、主病名がある程度の治療が終わったら、長期に入院しておくべきものかということを考えますと、それは慢性期的な治療、要するに、三次救急のERに行っても、褥瘡ができたための熱で来られても、多分ERの先生は余り得意じゃないと思います。そういう意味からすると、できるだけ早く急性期病院からは退院して、リハビリテーションや慢性期のいろいろな総合的な治療がふさわしいような慢性期病床に転院するということのほうが、むしろ急性期医療中心の病棟運営ができるのではないかと思っております。
○武藤分科会長
 ありがとうございます。
 それでは、このあたりにしたいと思います。
 次回以降の予定に関して、事務局のほうからよろしいですか。
○一戸補佐
 次回につきましては、7月の中旬以降を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。
○武藤分科会長
 それでは、これで平成25年度第5回入院医療等の調査・評価分科会を終了させていただきたいと思います。本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。

16:34 閉会


(了)
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