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2013年6月13日 第2回都市部の高齢化対策に関する検討会 議事録

老健局総務課

○日時

平成25年6月13日(木)18:00〜20:00


○場所

イイノカンファレンスセンター Room B


○出席者

大森、大杉、鎌形、高橋、馬場園、山崎、
秋山、岡田、中山、西嶋、松雄 の各委員
  (熊坂、藻谷、生田、大塔 の各委員は欠席)

○議題

(1)各委員からのプレゼンテーション
(2)有識者及び地方自治体のヒアリング
(3)意見交換

○議事

〇篠田補佐(司会) 定刻となりましたので、ただいまから、第2回「都市部の高齢化対策に関する検討会」を開催させていただきたいと思います。
 委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 まず、委員の出欠状況について御報告申し上げます。
 本日欠席の委員は、熊坂委員と藻谷委員、千葉市の生田委員とさいたま市の大塔委員さんが御欠席でございます。
 なお、オブザーバーは、内閣府の原口参事官が御欠席という連絡を承っております。
 恐縮ですけれども、本日、官邸におきまして、老健局長と総務課長が、社会保障制度改革国民会議に出席しておりますので、遅れて参加させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、前回御都合により御欠席でした委員さんで、今回から参加していただく委員さんを御紹介申し上げます。
 首都大学東京教授の大杉委員でございます。
〇大杉委員 大杉でございます。よろしくお願いします。
〇篠田補佐 三菱総合研究所プラチナ社会研究センター長の鎌形委員さんでございます。
〇鎌形委員 鎌形です。よろしくお願いします。
〇篠田補佐 前回代理出席でございましたが、大阪市役所の西嶋局長さんでございます。
〇西嶋委員 西嶋でございます。よろしくお願いいたします。
〇篠田補佐 ありがとうございます。
 続きまして、本日の臨時の出席者を御紹介申し上げます。
 国際医療福祉大学大学院教授の高橋教授でございます。
〇高橋泰教授 よろしくお願いします。
〇篠田補佐 茨城県かすみがうら市の宮嶋市長様でございます。
〇かすみがうら市宮嶋市長 宮嶋です。よろしくお願いします。
〇篠田補佐 山形県舟形町の奥山町長様でございます。
〇舟形町奥山町長 奥山でございます。よろしくお願いします。
〇篠田補佐 続きまして、東京都杉並区保健福祉部管理課の高橋課長様でございます。
〇杉並区保健福祉部高橋管理課長 よろしくお願いいたします。
〇篠田補佐 千葉県柏市保健福祉部の松本室長様でございます。
〇柏市下保健福祉部長(代理 松本福祉政策室長) よろしくお願いいたします。
〇篠田補佐 ありがとうございます。
 続きまして、資料の確認をさせていただきます。
 お手元にお配りしております資料でございますが、次第がございまして、その次に検討会名簿がございます。
 その次に、資料1「第1回都市部の高齢化対策に関する検討会の主な意見」がございます。この資料1は、前回の委員の皆さんの御意見を項目ごとに整理しまして、今後の議論の参考とするため、私ども事務局で作成させていただいたものでございます。
 資料2、大杉先生から御提供いただいている資料でございます。
 資料3、鎌形委員から御提供いただいている資料でございます。
 資料4、高橋先生から御提供いただいている資料でございます。
 資料5、杉並区さんから御提供いただいている資料でございます。
 資料6は、柏市さんから御提供いただいている資料でございます。
 資料7は、かすみがうら市さんから御提供いただいている資料でございます。
 資料8は、舟形町さんから御提供いただいている資料でございます。
 その次は、参考資料といたしまして、昨日の産業競争力会議で示されました成長戦略(案)の関係部分の抜粋をつけさせていただいたおります。本検討会について、「都市部の高齢化対策としての地域包括ケアシステムの構築」として記載されていますので、御参考にしていただければありがたいと思っております。
 なお、前回大森先生もおっしゃられましたけれども、委員の皆様方には、第1回の各委員からのプレゼン資料も机上配布させていただいておりますので、御参考にしていただければ幸いでございます。
 資料の過不足等ございましたら、事務局まで教えていただきたいと思います。
 恐れ入りますが、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきたいと思います。報道関係の方は傍聴席にお移りいただきますように、お願い申し上げます。
 では、以降の議事進行は、大森先生にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
〇大森座長 どうもこんばんは。
 それでは、早速議事に入りたいと思います。終わりの時間が20時ですので、そこは守りたいと思います。ちょうど夕飯時期でありますので、8時以上は絶対延ばさないとさせていただきたいと思っています。
 前回御欠席のお二人からまずお一人7分程度で御発言いただくことになっています。
 それでは最初に、大杉委員からお願いします。
〇大杉委員 大杉でございます。
 お手元の資料2をごらんいただければと思います。
 行政学をバックグラウンドにしているということで、特に「自治体行政学の視点からの課題提起」ということでお話をさせていただければと思います。
 最初のページの下の段のスライドにございますように、そうした観点から地域包括ケア、高齢化対策に関して、3点ほどの課題提起といいますか、私が今までいろいろかかわらせていただいた知見からお話をさせていただきたいと思います。
 めくりまして、最初の1番「地域コミュニティ施策とどのように関連づけるか?」ということで、これまで私も地域コミュニティのあり方、地方自治という観点から携わってきたということがあります。こうした地域コミュニティに関しましては、地域包括ケアの基底となる社会構造といいますか、そうした基本的な仕組みではないかと考えております。こうした地域コミュニティのあり方、あるいは自治体の施策としてのあり方と、地域包括ケアの今後のあり方を考えていくことが非常に重要ではないか。ただし、その間には、1つは単位の区域の問題とか、当然ながら、その役割の違い、また、自治体においては所管組織などの違いといったようなずれ、相違といったことに今留意を要するかと思っております。
 近年では、旧来からの自治会・町会といったような地縁組織に加えまして、小学校区あるいは中学校区といったような規模で、地域の諸団体を包括するような地域自治組織、まちづくり協議会とか、名称はさまざまですが、そういったものを設置する地域も増えてきております。それを、また、地域内分権というような取り組みで行っていくというような形もあります。
 特に今申し上げたような新たなコミュニティ施策としてつくられる地域自治組織などの地域コミュニティにおいては、例えばそこには、生活支援サービスを行うような諸団体が構成メンバーに入り、あるいは、施策上、地域のいろいろな事業を提案させて、そこに積極的に補助金等をつけていくというような仕組みなどもふえてきております。そうしたあり方とのかかわりをどう考えていくのかということは、これから論点になってくるのかなとも思っております。
 しかしながら、地域コミュニティもそうですし、あるいは自治体側の所管部署についても、地域包括ケアとの連携とか関係については意識した運用がなされているとは必ずしも言えないと思っております。今後、そうしたシステムを担う主体の一つとして、積極的な情報提供とか、事業活動での連携の推進、あるいは相互に計画等さまざまな策定手続の中で意識的に関連づけていくことが必要ではないか。私は地域コミュニティ側からこれまで見ておりましたけれども、高齢化とか担い手不足といったこと、あるいは、地域づくりの中での位置づけの不明確さといったことが地域コミュニティの弱点にもなっていることから、今後、地域包括ケアのあり方と関連づけて考えていくことは、参加の度合いを高めたり、現在抱えている課題解決にも資するのではないかとも考えております。
 それから、2点目、「地域特性をどのように把握するのか?」です。特に今回の検討会においては大都市部のあり方ということで、大都市内でも、地域特性は非常に多様だと思います。近年、課題になっているような無縁社会とか、高齢者の単独世帯といったことが指摘されているわけですけれども、世帯構成のあり方や、世帯は別でも、高齢者の単独世帯であったとしても、例えば近所にその家族が住んで割合なども、東京の23区を例にとれば、地域によって随分違いがあることが見えてきます。こういう多様な地域特性に対して、さまざまなアプローチでその特性を把握していくことも、今後非常に重要になってくるのではないかと考えております。
 大都市部の自治体、今申し上げたとおり、特に東京辺りを念頭に置いて申し上げておりますけれども、自治体シンクタンクなどという形で地域の課題に積極的にアプローチする取り組みも行われていて、そうした中には、基礎的な研究として地域社会の特性を把握しようというようなこともございます。今回は、委員のほうでも御列席されている、例えば東京の世田谷区などでも、そうしたシンクタンクなどで住民力調査という形で地域のきめ細かな特性を把握していく例などもございます。国はもちろんのこと、自治体は自治体シンクタンクのこうした地域特性を把握しようという試みと、個々の利用者のニーズ把握など、ケアマネジャー等が行うそういう把握との間での連携とか、そうしたことも今後ひとつ考えることのできる論点ではないかと思っている次第です。
 それから、3点目になりますが、施設マネジメントの観点から最後にお話しさせていただきたいと思います。
 例えば特養などについては、これも自治体によって設置形態等が多様で、特に公設、自治体立で持っているところ、あるいは持っていないところという差もあったり、あるいは、近年ですと、公設であっても指定管理者制度を導入しているのが一般的かと思いますが、それを民営化していくような動きも幾つか自治体、特別区などでも見られています。指定管理者制度が制度の問題としてどうなのかというようなことはさておいて、そうした民営化などを行っていく際に、全体的な指針といいますか、どういう方針を持って進めていくのかということのあり方も現在問われているところだと思います。そうした施設の設置形態をどう変えていくのかということとともに、こうした高齢者関係の施設のみならず、大都市部の自治体が擁しているさまざまな施設老朽化等を受けて、再配置等の検討、実施が進められつつあろうかと思います。そうした再配置等に際して、高齢者施設のあり方、そこで新設する、増設する、あるいは複合化していくというような取り組みがなされている。こうしたことも考慮に入れて、どのような進め方、あるいは考え方として明確にしていくのかが重要になってこようかなと思います。
 ただし、前回、山崎委員のほうでも御報告があったようですけれども、今後の将来の高齢者人口増に対して計画的に対応していくことのほかに、施設の大規模修繕、建て替えといったようなことも非常に重要になってこようかと思っています。現在の公設のもののみならず、民間の設置形態のものも含めて、総合的なスケジュール管理などを行っていく必要があるのではないかというような点も、私は自治体の関係でかかわっている中で課題として見てきたところでもあります。
 また、レジュメにはきちんと書いてないのですけれども、23区内の自治体が他の地域、特に隣接する多摩地域など周辺地域にこれまでベッドを確保するとか、そうしたことを財政上とか協定あるいは事実上の取り組みがこれまであったかと思います。そうしたことについて見直しをしていくような動きが出ている中で、域外の自治体との関係も視野に入れた、そうした施設の総体的なマネジメントというようなことも考えていくべきではないかということを、3点ほどですけれども、問題提起させていただきまして、私からの報告とさせていただきたいと思います。
〇大森座長 ありがとうございました。
 では、鎌形さんお願いします。
〇鎌形委員 三菱総合研究所の鎌形といいます。よろしくお願いします。
 三菱総合研究所では3年ぐらい前から、「プラチナ社会構想」を実現しようということで、プラチナ社会研究会という組織をつくって活動しています。これは何かというと、日本の抱える大きな課題、特に高齢化や環境エネルギー問題びついて、産官学合わせて課題解決を議論をして、社会モデルつくって実践をしていこうということで活動です。その活動の中で、本日は高齢化に関する話題を少し御紹介をしたいと思っております。
 高齢化に関して、複数の分科会をつくっています。プラチナライフというシニアのライフスタイルの問題とか、その中から発生したCCRCというようなものとか、あるいはセカンドチャレンジというシニアの方の社会参加の問題とか、そういった分科会をつくっております。前回、九大の馬場園先生からもCCRCの話があったので、多少ダブるかもしれませんけれども、御容赦いただきたいと思います。
 最初に、「これからの地域の行方」ということで、団塊世代800万人が一斉に本格的に退職します。その方々は、寝る時間とかを引くと死ぬまでの間10万時間も自由時間があります。これをどう使うかというのが非常に大きな課題になります。従来、退職したシニアの方々は、どちらかというとケアの対象になって、社会のコストとして施される側であったというものですが、これを社会の担い手として社会参加して、生き生きと長く健康で快適な暮らしをしてもらうというようなことの支援がまず非常に重要ではないかというのが、我々の中で議論をされております。
 ページをめくっていただいて、3ページですけれども、特にその中で、大都市圏近郊は、戦後、一斉に団塊世代の方々が地方から移り住んでニュータウンを形成してきたということですが、これを放っておくと、無縁社会とか、オールドタウンという左側の絵のようになってしまいます。この方々をただそういうふうにするのではなくて、生き生きと社会参加して、安心で健康なコミュニティをつくっていくことが重要です。そういう意味で、シニアの方々をコストではなく、担い手として牽引者にしていくことが重要であろうという議論をしております。
 次の4ページですけれども、アメリカでは、ケアのための施設とサービスもあるのですけれども、退職した人たちが生き生きと楽しく暮らすリタイアメント・コミュニティが既に1960年代からかなり整備をされてきています。これはゴルフ場を中心として非常に温暖な地域で、非常にリタイア後の生活を幸せに過ごすための場所です。アメリカではかなり多くのこのような施設が整備されてきました。これは、経済波及効果とか雇用創出といった効果もあったのですが、ただ遊んで暮らすだけですと、アルツハイマーの発症が多くなってしまったりとか、その後ケアが必要になったときの安心が欠如していたという反省が出ていると聞いております。
 その反省をもとに、次のページの5ページですけれども、第二世代のリタイアメント・コミュニティとして、CCRC(Continuing Care. Retirement Community)が整備されてきています。元気な人たちのための施設が中心ですけれども、最後まで安心して過ごせるケアサービスもワンセットになった施設で、現在全米で2,000か所ぐらい既にあるといいます。特にその中でも、遊んで暮らすというだけではなくて、世代間交流とか、知的刺激も受けるような大学連携型が注目されています。ここで暮らす方々は、80%ぐらいがかなり高齢でも介護サービスが必要なく元気に自立した生活を送っており、ここが鍵であろうと考えております。
 下の6ページですけれども、米国のCCRCと我が国の制度との比較をしますと、上のアメリカのCCRCは、健常者用から、軽介護、重介護、認知症についてトータルでサービスを提供する施設構成となっています。特に健常者用の人たちが80%いて、この人たちをいかに介護状態にしないようにコミュニティづくりをするかというのがCCRCのポイントだと聞いております。
 片や日本は、ケアを対象とした施設は、いろいろな形態でありますけれども、それぞれの状況によって移り住む必要があったり、健常者の方々が、これは在宅でというのが多分中心だろうと思うのですけれども、ひとり暮らしは嫌だという方々が楽しくコミュニティづくりをしながら、健康を維持し、元気で、社会とも触れ合えるというような形の施設は、日本の場合は今ほとんどないという状況にあります。そこの充実が必要ではないかと我々は考えております。
 ページをめくっていただいて、7ページですけれども、アメリカのCCRCの写真です。私も行ってきましたけれども、こんなような形で、日本の老人ホーム等は異なり、非常に楽しく、幸せそうに生活を送っていますし、写真の中の左の真ん中辺にあるのは、単に遊んで暮らすというだけではなくて、学生にもシニアの方が教えるというキャリアアドバイザーをやったりしているものです。あるいは、そこのシニアの方々自身が委員会を作って、どんな生活をしていくかというのを自分たちで決めながら自主的に運営をしている写真です。高校生の写真がありますが、これは高校生がこの施設でアルバイトで働いているのですけれども、シニアの方々が奨学金を出しており、言わば、施されるだけでなく、社会参加が行われているということです。
 そういう意味でCCRCと日本で言う高齢者住宅の違いを下に書いてありますけれども、CCRCは日本の高齢者住宅と異なり、単にハードの事業ではなくて、どんなライフスタイルを提供するかというコミュニティ事業であるということと、入居者が具合が悪くなりそうだというときに入る施設ではなくて、元気なうちに夫婦で楽しいライフスタイルを送るというものであるということ。それから、マーケティングでは、できたものを売るということではなくて、どんな暮らしをしていくかということから入っていくコミュニティづくり、マーケティングをしっかりやって、シニアの方々が参加しながらサービスをつくっているというのが大きな違いだろうと思っております。
 時間がないので、ちょっと飛ばさせていただいて、そういったものを踏まえて、11と番号を振ってあるところの「米国リタイアメント・コミュニティと『プラチナ・コミュニティ』」について話します。私ども研究会の中で、アメリカのCCRCに学びながら、我々としては第三世代のCCRCを考えています、日本の場合、単に遊んで暮らすとだけでなく、シニアの方々は何らか社会と接点を持って社会参加したり、貢献したいという意欲が強い方が多いので、そういった活躍の場のあるCCRCを日本でぜひつくっていきたいと考えており、「プラチナ・コミュニティ」という名称で、実際にこれからつくっていこうという活動をしております。
 それから、「プラチナ・コミュニティ」ということでパターンを考えると、アメリカの場合を見ても、非常に都心型でやっているものと、それから、郊外や地方で展開しているもの(これらはかなりいろいろなところから人が集まっています)。それから、地域密着で、非常に個性的なものもあったりと、それぞれ特徴がありますので、日本でも、大都市型あるいは地方型があり得るのではないかということでございます。
 それから、また、飛んでいただいて、「高知型CCRC」というページがあると思うので、ちょっと見ていただきたいのです。私どもの研究会にはいろいろなメンバーが入っていますが、高知大学、高知県さんも入っていただいて、どんな取り組みをしているか御紹介をしたいと思います。
 高知県は、団塊世代のUターンの受け入れを積極的に促進をしていこうということに取り組んでいます。それから、移住促進による県経済の活性化も、産業計画のテーマとして取り組んでいる。大学と自治体それぞれ、それから、産業界が共同して高知型CCRCをつくろうという計画を立てております。高知大学の資料ですが、高知大学としては、3つ教える場、アクティブシニアの学習意欲に対応したようなもの、それから、人材を育成する、それから、人材が実際に活躍してもらうという仕組みをCCRCと大学とでセットで展開をしていこうという取り組みを検討しているという事例でございます。
 それから、CCRCからちょっと飛んで、研究会の中で紹介された例として、「フランスに学ぶ 世代間同居」があります。今の首都圏のこれからオールドタウン化するようなところに適用できる一つの例と考えられます。フランスもひとり暮らしが非常に多く、特にパリが非常に多くて、猛暑のときに高齢者の方が15,000人死んだということがあり、高齢者の見守りとかケアは非常に重要だと考えられました。ただお金をかけてやるということではなくて、パリには大学生も非常にたくさんいて、住宅難であるということで、高齢者と食事を一緒にすることによって、住居費をただにしてあげるというような制度です。NPO中心にこんなマッチングをして、両方にとってウイン・ウインになっているということです。我が国でもそんなような取り組みが石川県内灘町で金沢医科大学が今始めようとしていたりとか、中部大学が名古屋の高蔵寺ニュータウンの中でそんな展開をするという例もございます。
 そういう意味では、下の図は、そういった多世代の共生のコミュニティの例を研究会の中でつくったものでございます。
 最後、裏側ですけれども、そんなようなことを私どもの研究会でいろいろな取り組みをやって実現をしていこうということで、研究会の中にCCRCに関連しては、いわゆる民間企業の方、それから、大学、自治体という方々に入っていただいて、いろいろな取り組みが今検討をされているということです。デベロッパーの方も、これから高齢者がふえていく中で、住宅需要がなかなか伸びないという中で、高齢者のためのこういった事業ということで、CCRC的なものを検討しているところは幾つもあります。それから、大学も、今、文科省の事業でCOC(Center of Community)ということで、地域課題を大学自体が解決していこうという話で、先ほど紹介したようなものとか、大学連携型のCCRCの検討といったものもされています。
 それから、自治体は、きょうかすみがうら市さん、舟形町さんも来ていただいていますけれども、かなり地方の都市がこういった大都市圏のシニアを地方に連れてきて、地域の活性化に役立てたいというようなことで取り組もうとしている例が結構出てきておりますし、私どももそういったものを実現されるための支援を今一生懸命しているというところです。
 まとめとして、最後、私どもが考えていることをまとめますと、どのようにシニアの方をケアするかというのは重要なのですけれども、その前に、まず、シニアの方々が健康で生き生きとずっと暮らせるような社会の担い手としての仕組みが重要であること。それから、CCRCは解決策の一つであって、全てではないのですけれども、その一つになるのではないか。それから、施設をつくることだけではなく、ソフトとしてのコミュニティづくりが非常に重要である。それから、こういったシニアの方々を、これから人口の問題、施設サービスの問題で、地方と都市とでアンバランスが生じますので、シニアの地方移住の取り組みが重要である。それから、シニアだけで固まってコミュニティを作るということではなく、多世代交流の視点が非常に重要だろうと考えております。
 以上でございます。
〇大森座長 御苦労様でした。
 お二人の御報告については、後ほど自由討議の時間でお願いします。
 本日、国際医療福祉大学大学院の高橋先生がお見えくださっていますので、恐縮ですけれども、15分程度で御説明いただきます。よろしくお願いします。
〇高橋泰教授 国際医療大学高橋と申します。
前半のプレゼンは、4月19日の「社会保障制度国民会議」で行ったものをもう一度御紹介という形で、後半は、特に都市部に焦点を当てた、今後どうなるかという話をさせていただきます。
まず人口動態の話でありますけれども、基本は、今後10年から40年にかけて、3,000万人0〜64歳が減る一方、65〜74歳はほぼ横ばいで100万、75歳以上が800万ふえると。要は、3,000万人若い世代が減りまして、高齢者が900万人ふえると、差し引き2,100万人我が国の人口が減るわけであります。75歳以上急増で、0〜64歳が2,100万減ると。
まず、0〜64歳ですけれども、全国を343に分けた二次医療圏という分け方で、各地域の人口動態を見ましたところ、社人研の先日出た推計によりますと、0〜64歳がふえる二次医療圏は1つもない。黒いところは4割減るという形で、全国的に青以上、25%以上減るところがほとんどであるという形で、また、地域差が大きいわけであります。
それから、75歳以上の増減率は、赤いところが100%以上ということで、大都市中心でふえる。きょうの話はそこに焦点を当てた形になります。
特に大変なのが東京の周辺でありまして、千葉県の西部、埼玉県の東部・中央部、神奈川県県央は100%以上ふえます。高齢者の増加はほとんど2025年までに終わりますので、後期高齢者は今後十数年間でこの赤いところはほぼ倍増です。これは多分間違いない事実で、今回の話はここに焦点を当てた話になろうかと思われます。
それから、どういうふうに対策を考えればいいかということでありまして、人口密度をもとに日本を3つの地域に分けるといいだろうということで、人口が100万人以上あるいは人口密度が2,000以上を大都市、それから、人口が20万以上かあるいは10〜20万で人口密度が200人以上が地方都市、それ以外の地域を過疎地とするというふうに分けます。そうすると、日本がこのような形の3つの地域に分かれます。
これを分けると何がいいかといいますと、これはX軸が0〜64歳が何%減るのか。それから、縦軸は75歳以上が何%ふえるのかということで一個一個二次医療圏をあらわしているのですけれども、先ほどの大都市・地方都市・過疎地というタイプに二次医療圏を分けますと、非常にきれいに分かれます。大都市は、50%以上後期高齢者がふえる。そのかわり0〜64歳の減り方がほかに比べては少ない。それから、逆に、過疎地の場合は、50%以上ふえることはほぼないけれども、ほぼ4割以上、0〜64歳は減るだろうという形で、この3つに分けることによって人口動態が予測できる。本来、人口密度と人口動態は別物ですけれども、日本の場合は、これはほぼ一致しているということであります。さらに、大都市のほうは地価が高い、密集しているということで、施設をつくるのは難しいかわりに出前が簡単と。逆に、過疎地の場合は、出前をすると非常に大変なかわりに、施設がつくりやすいという形で、対策もこれでほぼ分けることが可能になるわけであります。
続きまして、医療福祉の再構築というお話をいたします。これは、現在と同じような各年代が医療を使うとすると、医療費のピークがどこに来るだろうかという形で計算したものですけれども、黒いところは、現在がピークでもう減り始めます。逆に、赤いところは2040年までふえ続けます。このように地域によって医療の需要が、ピークが来る時期が全く違うわけです。
続きまして、今度、医療資源の偏在の例を少しお教えいたします。青いところが多く、赤・黄色が少ない。これは総病床数をあらわしているのですけれども、この図に示しましたように、北海道、東北北部、北陸、中国、四国、九州に病床が多く、関東、甲信越が少ないという形になっております。看護師もほぼ同じ分布になります。それから、老健、特養、サ高住等の高齢者住宅に関しては、北海道、青森県が実は日本で一番多いのですね。青森、中国、四国、九州が多い。一方、青森以外の東北、関東、甲信越、東海が少ないという形で、これもかなり地域偏在が見られます。東京は真っ黒になっていて、住むほうが一番大変な地域になっているということであります。医療福祉資源レベルも地域により大きく異なるということであります。
このような形で地域を評価していきますと、大都市のほうで、もう住むのが大変で資源がどう見ても高齢者がふえて足りないという地域と、それから、医療資源が非常に充実していて、今後、人口減でもう少し入ってきてくれないと、医療職の仕事もなくなってしまう、受け入れたらうれしいなという地域が、実は大体もう見えてくるわけであります。北海道を例にとりますと、来たらうれしいなというのは、旭川と室蘭と函館地区というような形ではっきり見えてまいります。東京近郊は、これからふえる高齢者を受け入れるのはとても難しいだろうという形になります。関東で言いますと、鴨川エリア。これは亀田さんが「安房10万人構想」を打ち上げて、東京から10万人ぐらい引っ張ってこようというような話をされているエリアでありますけれども、こちらのほうは大変だと。中部のほうは、名古屋近辺が日本で2番目に大変なエリアでありまして、北陸のほうの主要都市は受け入れ側の余地がありそうな感じであります。後で詳しく説明しますけれども、関西は無風地帯であります。大阪と東京は全く違います。それから、受け入れ側といたしますと、中国、四国が非常に有力地でありまして、青いところ、徳島とか高松辺り、それから、出雲、米子エリア、それから、呉とか松山とか、このエリアは非常に有力なエリアかと思います。それから、北部九州にそういう受け入れ余地が非常にあって、医療資源との関係で入ってきたらいいところがありそうだなという形になります。
ということで、時間がないので、全部読みませんけれども、要は、地域によりこれぐらい差があるということと、それから、この地域でとても見切れない地域と、来たらうれしい地域があるということで、そのマッチングということで、移住という話も十分可能性がありそうだなということだと思います。
ここまでが社会保障制度国民会議でお話しした内容であります。
続きまして、今度、都市部に焦点を当てたお話をいたします。
75歳以上1,000人に対して、特養・老健のベッドがどれだけあるだろうかということを計算して、黒は新宿エリアです。ここは日本で一番少なく、ここだけ2010年の時点で後期高齢者1,000名に対して、老健・特養のベッドが20がないという例です。それに次ぐのが南部、西南部、区中央部、東京だけが異様に少ないわけです。東京と三鷹ですね。山手線の南側と三鷹が日本で一番大変で、それに次ぐ黄色が少しありますけれども、老健と特養を75歳でありますと、日本中ほとんど今のところ東京を除けばほぼ一律なんです。1か所だけ変なのが青梅という場所でありまして、ここは183で飛び抜けているのです。要は、東京はここでつくれなかったので、そのかわりに青梅につくったという形になっていて、東京を除くと、これは世界に誇っていい話だと思うのですけれども、参酌標準が効いていて、老健・特養の設置に関しては、2010年までかなりうまくいっていると評価していいと思います。ただし、今後これがつくれなかったらどうなるかということで、シミュレーションを簡単にしましたところ、足りないところが広がっていく。赤と黄色は足りない。黒は絶望的ですけれども、20年こうなります。25年が、団塊世代が75歳超えしてぐっと足りなくなるわけです。東京辺りでは黒くなる。30年、ここまで広がります。要は、太平洋ベルト地帯を中心に、大都市部中心に特養・老健がつくれないと、東京の新宿の今の状態が広がっていくというようなことがこれで読み取れるわけであります。
ここで問題なのは、本当に東京の施設は少ないのかということであります。ここのエリアを拡大いたしまして、新宿は日本で一番少ないエリアですけれども、老健と特養をプロットしたものがこれで、丸いほうが老健で、丸がついてないのが特養であります。それなりにあるわけです。逆に、青梅、日本で一番多いと先ほど示したところですけれども、これは山の中にさすがにたくさんつくって、すごいなという感じがするのですけれども、これを縮尺を合わせてお見せすると、こっちが青梅の施設で、こっちが区西部の施設です。こちら(青梅)が日本で一番多くて、こっち(区西部)が日本で一番少ないと言っても何かぴんと来ないでしょう。同じじゃないかと。原因はこういう話なのです。青梅は山が多くて、ポツポツしか人は住んでないけれども、区西部はぎっしり住んでいるということであります。要は、ここからわかることは、東京は人が多過ぎるということです。単位人口当たりのベッド数という形は非常に有名ですけれども、面積当たりで見たらどうだろうかということで計算をしました。1平方km当たりの老健と特養のベッド数ランキングをつくって調べましたところ、大阪がトップであります。東京はどうかといいますと、東京は7つ医療圏がありますけれども、東京の7つの医療圏はベスト16に全部入っているのです。横浜のほうがちょっと多いのですけれども、面積で見ると、東京は日本を代表する施設の大密集地です。大阪が断トツです。このベスト20をプロットいたしまして、横軸に後期高齢者の人口密度、縦軸にベッド数1平方kmにどれだけあるかという形になると、大阪がこうなります。日本で一番少ない区西部はここなんですね。先ほどの青梅はここになります。これはどうやって見るべきかというと、全国平均値の線を1本引きますと、大阪はちょっと上にあって余裕があるけれども、区西部は、不足が一番大きいことになります。青梅は、ここの長さに対するここの長さが日本で一番長いエリアということなのですけれども、ここの余裕は東京の不足分を補うには余りにも力が足りないだろうということです。このように考えると、一つの結論としては、単位面積当たりの施設の利用者数がL倍になれば、単位面積当たりのベッド数がN倍必要になる。要は、単純な話で、高齢者が倍になれば、倍施設をつくらないといけないよという話なのです。これは半年間考えて解析した結論がこれであります。単純だから非常に怖い話だけれども、これは避けられない話です。
東京と大阪を比較してみましょう。東京の南のほうの3つの区を足したら、うまいぐあいに大阪と同じ広さなんですね。見た目でわかるように、施設数これだけあります。ものすごくたくさんあります。大阪は222平方kmに261万人住んでいて、この中に147施設で13,343ベッドあります。だから、1平方km60.1ベッドということで日本一です。75歳以上が今28万人おられるのですけれども、2030年には約2,000人になるだろうと言われています。東京の主要な南のほうの3つの区を合わせると、これが220平方kmでほぼ同じ面積で、これだけ施設があります。かなりあるのですね。東京のほうは、32万人後期高齢者がこの中におられまして、1平方kmで1,472人おられます。89施設ありまして、7,193ベッドあります。この32万人が2030年には49万人になって、1平方km2,222人いるということになります。これが東京と大阪ですけれども、見た目で圧倒的に大阪の施設が多いのがわかると思います。この密度の差が、今、東京と大阪の差になっているわけです。
将来どうなるか。大阪は今余裕がある、東京は足りないという話ですけれども、老健と特養、大阪といえども、つくらなかったら、横のほうに行って、不足がこれだけ出ます。東京はつくらなかったらどうなるかというと、ここに移動しまして、これだけ拡大します。東京、現在のレベルを維持するのに、あと1.7倍施設をつくらないといけないです。大阪とか全国平均レベルでやるには、今の3倍の施設が必要になります。先ほどの地図を見て、東京多いなと思うのですけれども、そこにあと3倍施設がつくれるとまともに考えている人は頭がおかしい人だと思います。絶対無理でしょう。だから、これに応じた形で対策を考えざるを得ないわけであります。
高齢者住宅も含めて少しお見せいたしますと、東京はほかの地域より少し多くて、特に横浜とか千葉とかに結構あるのですけれども、大阪は、こちらのほうも非常にたくさんあります。全部足したらどうかという話ですけれども、東京がこのような形で、結構横浜のほうはありますけれども、赤と黒です。大阪はどうかというと、赤いところは全くないのです。これを見た東京都の担当者が「大阪は友達だと思っていたけど、友達でないことがわかって、がっかりした」と言っておりましたけれども、東京と大阪は状況が全く違うわけであります。
このような形で地域が違うということで、日医総研にワーキングペーパーという形で、各地域の全部の評価が書いてあります。これが各県10ページという形で書いてありますので、参考資料にもありますので、ぜひ見ていただきたいですし、資料4の後ろのほうに、東京近郊と大阪と名古屋の大都市関係の二次医療圏の評価をつけておきました。これは昨年の11月2日にリリースしたのですけれども、多分6月中にバージョン2を出します。これは全医療圏、分厚く書きまして、700ページぐらいのレポートになっております。これを見ていただくと、老健、特養、サ高住、それから、病院関係が全部偏差値化されていて、どこが多くてというのがわかるようになっておりますので、その辺も参考にしていただいて、各地域の将来予測から、今後どうすればいいかというようなことの提言も各医療圏ごとに書いてありますので、参照していただければと思います。
御清聴どうもありがとうございました。
〇大森座長 どうも御苦労様でした。
 ちょっと時間が押していますけれども、しばらく皆さん方の御質問なり御意見があれば伺いたいと思います。なかなか興味深いお話の内容ですので、どなたからでも結構でございます。どうぞ。
〇高橋委員 それぞれ大変興味深い御報告をいただいて、勉強させていただきまして、ありがとうございます。
 1つは、大杉先生の施設マネジメントという概念が、実は高橋さんが今報告されたことと実に深くかかわるのだろうなと思っていまして。私は東京都の社会福祉審議会で、美濃部都政時代からずっとウォッチしていて、要するに、特養がなぜ東京23区でできなかったか。東京都に全部任せて、某区長は「俺の区には特養をつくらせない」と言っていた時代があったのです。要するに、あれははっきり言えば迷惑施設だったから、措置の時代。だから、青梅市などの西多摩地域に集中せざるを得なかったという歴史的事情が背景にあります。現在の都心の区市の施設不足の遠因はこの点にもあることは意外と認識されていない。介護保険になって利用者の増大がこれに輪をかけているとうことかと思います。
 それから、もう一つ、大杉先生との議論に絡ませていくと、施設のあり方を少し考え直して、要するに、自己完結的に100人なら100人入れる施設を考えるから不足するので、言ってみれば、もっと分散化して、小規模化して、つくりやすくする。それは第1回にも申し上げましたが、施設の平均入所期間が、最近のデータでは1,470日といわれています。大都市部ではどんな傾向かあらためて確認する必要があると思います。そうなりますと、それをどう短くするか。そういう意味で単純計算すれば、700日にすれば、2倍つくったのと同じになる。これがまさに先生のおっしゃった施設マネジメントに関わります。むしろ、ケアサービスマネジメントという、施設と在宅のサービスを統合的にマネジメントしながら、施設の意味を再定義していく必要があると思います。例えば老健はまさにそういうものとしてつくられたと思っているのです。中間施設でもともとの概念が。特養も実は終生施設にするという考え方で1,500日近くというデータが出ているけれども、そうなると、東京都が今の知事が副知事時代に検討したプロジェクトのときに、重度の方々を全部入所させるとすると、たしか3兆円必要となるという推計をしています。これは何を意味するかというと、従来型の施設利用のパターンを変えていく、そういう政策手法が求められるということを意味します。これが単に量として施設を整備するかどうかではなく、いわゆる施設と居宅を横断してどう介護サービスのマネジメントを確立するなかで、特養などの施設のあり方をどう考えるか。そういう議論必要だということを、高橋泰先生の御議論の中に含まれていたと思います。ということは、特養や病床に地域的偏在をどうするかというのは実は大きな課題です。これから既存特養の建て替えの時期にはいるだけに、このことはきちんと議論しなえればならない。施設依存でない、ケアシステム確立のなかで施設機能を再定義する必要があるということです。
 また、CCRCなどのアメリカのモデルは日本には馴染まないし、従来型のリタイアメント・コミュニティは失敗だったという評価もあるようで、思想は非常に重要であると思いましたが、単純にモデルとして考えるのは問題だと思っています。
 ちょっとコメントでございます。
〇大森座長 ありがとうございます。
〇馬場園委員 高橋先生の意見は非常によくわかるのですが、例えば東京でケアするのが非常に大変だと。では、地域で医療資源と介護資源があるところでケアされる。しかし、例えばそういうケアしているところを都市部の人が見て、自分がこういう形でケアされたいかどうかというのはわからないところがあります。
 デンマークでは「高齢者三原則」があって、残存機能の尊重、自己決定、ケアの継続性があって、多分日本で言えば、老健とか特養に当たるようなプライエムというのがあるのですけれども、それはもう廃止で、やはり高齢者住宅に複合施設をつけたのがいいというふうに変わっています。
 それから、スウェーデンでも、ナーシングホームがほぼ廃止されたと言ってもいいと思うのですけれども、やはり「特別な住まい」という形で、高齢者の自立を助ける。それから、ケアの継続性を維持するという形になっています。これらの方法は、「エージング・イン・プレース」という言葉で概念化されています。
 アメリカでもそういうようなことで同様に、ナーシングホームはどんどん減っています。CCRCを日本型に直した場合、私たちは「高齢者健康コミュニティ」と言っているのですけれども、大事なところは、予防をやっていって、できるだけ長い間自立して生活していくために残存機能を尊重する。これが一番大事だと思います。それから、トランスファー・ショックを避ける。アルツハイマーになったからといって、あるいは病気になったからといって、どこか知らないところに連れていくのは避ける。これが非常に大事だし、あとは、望まない医療をしないようにマネジメントしないといけない。そういうふうに思います。以上です。
〇大森座長 ありがとうございました。
 人口動態の興味深い、東京と大阪の方はどんな感じでしょうか。ちょっと発言を強要しているようで恐縮ですけれども、どういう印象でしょう。
〇世田谷区秋山委員 今、高橋先生の話を聴いておりまして、ショックを受けながら聴いておりました。ただ、私が思っていたのは、今のままで行くのであればこういうことになるのかもしれないのですけれども、先ほど、馬場園先生と大杉先生と高橋先生のお話にあったように、今のまま施設にいるということではなくて、いかに自立性を高めていくかということなのだろうと思っています。だから、在宅のサービスをきちんと充実していくことが予防につながり、自立につながる。そうすれば、施設に入る人たちが少なくなっていくのではないかということと、そうは言っても、施設が必要な人たちは必ずいるので、もし、そうであるならば、施設に入ったときには、いかにその方にケアをすることによって自立性を高めていけるのか。どういうケアをすれば、もう一度家に戻すことができるのかという意味では、世田谷区立の特別養護老人ホームが取り組んでいる在宅・入所相互利用みたいな形は、これからしっかりやっていかなければいけないなと思いました。
 今のままで何もしないでいくとこういうことになるのかもしれないのですけれども、そうはならないような在宅の支援が必要なのだと感じました。
 以上です。
〇大森座長 大阪はどうでしょうか。
〇大阪市西嶋委員 大阪市です。まず、こういう場で大阪市が褒められることは余りないものですから、お褒めいただいて本当にうれしく思います。光栄でございます。
 特養は、確かに大阪市で数字にありましたように、たくさんできているというお話をいただいたのですけれども、大阪市はひとり暮らしの高齢者の方が全国に比べて大変高いという実情がございます。それと、低所得といいますか、非課税世帯の方もたくさんおられるという実情があって、やはりニーズが高かったのかなと思います。
 その中で、以前そんなにたくさん特養はなかったのですけれども、一時期、大阪市の土地を活用して特養を建てるということをさせていただきました。その中で、特養がたくさんできたのかなと思っております。ただ、今は、大阪市も、さっき高橋先生におっしゃっていただいたように、このままにすれば足らなくなるであろうという状況はありますし、それと、大阪24区の中でも、中心区の辺は今は高齢化率は大変低いのです。16%程度のところがあるのですけれども、周辺区はやはり30%近い高齢化率があるという形で、大阪市内でもいろいろ状況があります。そういう意味では、これから特養なりそういったところを整備していかなければならないのですけれども、中心区のほうは土地がなくなってきているので、なかなか厳しいかなと思っております。
それと、施設がありますと、特養も入所施設ですけれども、そこにいろいろ居宅サービスというか、デイがついていたりとか、そういうような形がありますので、こういう施設の職員さんが、地域コミュニティの中ですごく力を発揮していただいていますので、そういう意味ではコミュニティをきちんとやっていくためにも、施設が必要かなと思っております。
〇大森座長 ありがとうございました。
 まだいろいろ御意見があろうかと思いますけれども、きょう、相当これから御発言いただく人が待っていますので、恐縮ですけれども、先に進ませていただきます。
 今のお話にございましたように、地域間で相当違って、課題も違うということがございますので、そういうことをさらに理解するためにヒアリングをさせていただきたいと思います。
 最初は、杉並区さんからお願いいたします。
〇杉並区保健福祉部高橋管理課長 杉並区役所の保健福祉部管理課長の高橋と申します。よろしくお願いいたします。
 本日は、御説明の機会をいただき、ありがとうございます。検討会の御検討の一助となるよう、杉並区の状況について御説明させていただきますとともに、かねてから御提案させていただいております南伊豆町での特養建設について、これまでの経緯と現状を御紹介させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 資料の内容は、大きく4項目ございます。時間の関係もございますので、現状、高齢化の予測を簡単に御紹介させていただきまして、その後、今後の区の方向性と保養地型特養と銘打っておりますが、こちらを御紹介させていただきたいと思います。
 スライドの3ページをごらんください。杉並区の概況でございます。先ほど高橋教授の新宿・中野・杉並、区西部医療圏、先ほど一番少なかったところに属する自治体でございます。
 高齢化の代表的な指標をスライド4に記載しておりますが、特徴としては、右上のところ、1平方km当たり約3,200名の高齢者が集中していらっしゃるという状況でございます。
 スライドの5〜8ページは、区の介護給付費、介護サービスの状況を簡単にまとめさせていただいております。全体的な状況としては、近年、スライドの6枚目ですが、緑色の居宅介護サービス費が急上昇しております。後ほど、通所介護の事業所数も非常に伸びておりますので、この辺り、詳しく分析していく必要があるかなと考えております。また、居宅介護サービス費の内数になりますが、赤色の特定施設の生活介護の費用は、緩やかではございますが、着実に伸びている。水色の地域密着型介護サービスは、まだまだ充実を図る必要がある分野かなと思っておりますが、施設サービス費(黄色)については、横ばい、全国傾向に比べてもこの部分は割合としては少ない部分になっているのかなと考えております。
 スライドの9ページにお移りいただければと思います。こちらに区内での施設整備の状況をまとめさせていただいております。区内での施設整備、過去、力を入れて取り組みを進めてきております。また、右下のところ、本年度以降の開設予定もございますが、都の全体の平均の整備率に比べても、まだ達していないという状況でございます。
 スライド10には、待機者の状況を縦の棒グラフで記載させていただいておりますが、折れ線の要介護認定者の増に比べて、増加はやや緩やか、横ばいの年もあるという状況でございます。資料には反映できておりませんが、恐らくここの部分については、区外の特定施設に入所される方がふえているといったところが、特養の入所者自体は、伸びが若干抑えられているといったところが一つの要因になっているのではないかと考えております。
 続いて、スライドの11、12をごらんいただければと思います。これまでの在宅、介護保険サービス、それから、施設の建設と併せまして、区独自のさまざまな高齢者の施策を行っております。1つ代表的なものとして、社会参加に対するポイント事業を実施しております。対象となる活動として、広く生きがい活動なども含めていること。それから、ポイントの活用の部分で、御本人のための商品券等になるだけではなく、地域活動のための基金に積み立てていくと、こういった仕組みも持っているところに特色があるかなと考えております。
 このほか、次13ページ、14ページのスライドを見ていただきたいと思いますが、平成22年夏に所在不明高齢者事件が発生いたしましたのを受けまして、緊急の高齢者訪問事業を実施いたしました。その後も、引き続き高齢者訪問事業を実施しまして、必要なサービスへの申請へつないでいったり、それから、日頃の関係づくりなど、実績を上げているところでございます。
 以上のような取り組みを進めているところでございますが、大きな2項目目、こちらの検討会のテーマともなっているかと思いますが、高齢化の今後の予測の部分でございます。16ページのグラフをごらんいただければと思います。折れ線が高齢者の全体の推移でございます。棒グラフの左側の濃いのが前期高齢者、右側の薄いのが後期ということで棒グラフを分けております。前期高齢者は2015年までふえた後、一度下がって、また、上がる。それから、後期高齢者は2025年まで急上昇する。その後横ばいとなっております。高齢者全体では、2015〜2025年は横ばいとなっておりますが、構成比では後期のほうがこの間も着実に伸びていくところが見てとれるかと思います。
このような動きの要因として考えておりますのが、17、18のスライドですが、こちらのグラフは、横軸が年齢、縦軸を人口でとっております。人口ピラミッドを横にして、折れ線にしたと。それを年次推移で重ねて見たというようなものでございます。丙午の部分は大きく下がりますので、空白にしておりますが、団塊の世代が大きく出ている。それが小さくなりながらも、経年で右側に移っていくというのが見てとれるかと思います。ちょうど60歳に到達したところですが、当然ながら、15年後は75歳の後期高齢者に到達していくといったことが、先ほどの前期は一旦下がって、また、上がっていく。それから、後期高齢者は着実に伸びていくといったところの要因になるのではないかと考えております。
したがいまして、19ページにございますが、今後、団塊ジュニアの世代も考えますと、大きく2つの山はございますが、当面は2025年、後期高齢者の増加を視野に、サービスのあり方の検討が必要ではないか、こういった認識でございます。
以上のような前提、現状、それから、予測のもと、区としての取り組みの方向性ですが、21ページに記載のとおり、「地域包括ケアの更なる推進」、それから、「総合的な高齢者の住まいの整備」、その中でのもちろん区内整備と併せまして、選択肢の1つとしての保養地型特養を考えております。
地域包括ケアの目指す方向の部分は、22ページに記載のとおりでございますが、5つの要素に加えて、ポイントとなってくる部分は認知症対策が大きいのではないかと考えております。
こういった方向を進めていくに当たりまして、本年度の区の取り組みとして、23ページをごらんいただければと思います。杉並区内では、地域包括支援センター20か所ございますが、そのうち特に3地域での実践で、これに基づいて、介護保険サービスだけでなく、見守りなどのインフォーマルサービスでございましたり、そういったものと医療・介護サービスとの組み合わせ。生活全体をどう支えていくのか。これを地域の実践例に基づいて考えていく。その中で地域ケア会議のあり方についても検討を進めたい、こう考えております。
3地域のそれぞれの特色を生かす形で、例えば24ページの部分ですと、認知症疾患医療センターがございます。また、社会福祉施設が比較的集積している地域でございまして、ここでのネットワーク取り組みと、それから、区としても、今年度、認知症の早期発見・早期診断の取り組みを進めたいと考えておりますので、その組み合わせを考えていきます。
25ページをごらんいただければと思いますが、地域包括の中でも、特に地元の自治会などとのネットワークを積み重ねてきているところがありまして、そういったところの取り組みを、このエリアには地域密着型施設、小規模多機能などがございますので、それをさらに活用していく。また、区としても、先ほどの高齢者訪問事業を、さらに見守りにつなげていくための取り組みでございましたり、それから、民間の宅配業者さんとの協力関係を構築して、地域での見守りの重層化を図っていく。また、配食サービスの拡充、見守りを重視したものとしての構築を図っていく。こういった取り組みを考えておりますので、いろいろな組み合わせを考えていきたい。
また、27ページですが、在宅医療に取り組まれます先生の多い地域がございまして、区としても、在宅療養の支援体制、協議会を設けての関係者の連携の強化でございましたり、それから、区自体に設置しております相談調整窓口、それから、病状急変時のバックアップを行います後方支援病床など、こういった全体の体制整備は進めておるところでございますが、さらに、今年度は、認知症であったり、それから、がんなどの部分ですが、具体的なテーマで、さらに、その関係を含めていくといったようなことも考えておりますので、組み合わせをさらに考えていきたい。こういったような具体的な地域での実践に基づいて、医療、介護、さらには、生活支援サービスを、今までよりもう一歩かみ合った形で生活全体を支える形というかモデルをつくっていきたいと考えております。本年度は、まず3地域での検討からスタートさせていただきますが、26年度には、その検証や他地域への展開、それから、事業計画の検討が本格的に進みますので、27年度、第6期への反映を視野に検討を進めていきたい、こういった考えでございます。
こういった区内での取り組みと併せまして検討を進めておりますのが、南伊豆町における保養地型特養でございます。南伊豆町さん、30ページにございますが、伊豆半島の南端に位置します。温泉もございまして、非常に風光明媚な観光地でございます。その南伊豆町に杉並区は、31ページをごらんいただければと思いますが、約32,000?の非常に広い土地を持っておりまして、2つの施設がこれまでもございました。1つが南伊豆健康学園でございまして、昭和49年に公害問題などを当時の背景として、ぜんそくなどの健康上の課題を抱えるお子さんの転地療養のための施設として開設されたものでございます。また、もう一つの施設、近接する南側のところですが、弓ヶ浜クラブがございます。昭和55年に区立小学校の移動教室、海辺ですので、臨海学校に使うところですが、そういったものとして開設され、毎年約3,000名の小学校5〜6年生が利用しております。また、こちらの弓ヶ浜クラブは、平成10年から、区民一般の方にも利用できる施設として、衣替えを行いまして、一般利用客も年約4,500名となっております。こういったように、南伊豆町にある杉並区の公有地、それから、そちらに所在する2施設を拠点に、区と町の交流を積み重ねてきたところですが、一方で、健康学園については、区内の環境の改善などもございまして、転地療養施設としての当初の目的は終えたところでございます。そういった中で、平成24年末、約40年間にわたる活動に幕を下ろしております。その廃止をめぐる検討の中で、その後を継ぐ施設として何かないか。特養の建設が検討の俎上に上ってきたものでございます。
南伊豆町さんとの関係ですが、33ページにございますように、これまでの交流の実績、それから、交流の拠点を持つ中で、さらに、自治体同士の連携を深めるといった意味で、災害時の相互援助協定を昨年9月に締結させていただいております。また、経済面での交流としても、杉並区内にお越しいただいて、観光物産展を開催していただいたり、区の関係の文化交流協会主催で南伊豆町さんへの観光ツアーを開催しているところでございます。既に、こういった実績を行っているところでございます。
こういったさまざまな自治体同士のいろいろな側面での関係の中で、それを深める中で、また、健康学園の跡地をどう使っていくかという中で、相互のニーズを組み合わせるもの、相互にメリットのあるものとしての特養建設が浮上してきたものでございます。概要などは、34ページ記載のとおりですが、こちらにかける当方の思いとしては、35ページに記載させていただいております。入所者の方は、温暖な気候のもと生活を送ることができる。家族の方は、隣接する弓ヶ浜クラブが宿泊施設でございますので、保養、観光を兼ねたお見舞いに活用していただく。そして、それが地元の雇用や観光産業、それを通じて地域の活性化、また、区と町の交流をさらに厚みを増していくためにつながっていく。そういったモデルを考えていけないか。そういった思いを持っております。
平成23年に実施したアンケートでも、もちろん入所を希望されない方も多くいらっしゃいますが、入所を希望されている方も120名を超えております。そのニーズを受けとめていく必要があると考えておりますし、もちろん御本人の意向を十分に踏まえる必要があると考えておりますので、まずはショートステイよりもう少し長めのミドルスティではないのですが、そういったもので実際に試していただくステップを考え、そういったことも重要になってくるのではないかと認識しております。
こういった内容を地元の南伊豆町さん、それから、施設の開設の権限をお持ちでいらっしゃいます静岡県さんにも御提示させていただき、協議、御相談をさせていただいております。その中では、37ページにございますとおり、一つの先進的な取り組みとして受けとめていただき、具体的な課題について検討を進めさせていただいているところでございます。
その議論の過程の中で、やはり課題となってまいりますのが、地元に負担を生じない仕組みをどう構築していくかといったところがございます。相互にメリットがあるスキームをつくる上で、医療・介護に関係する費用、負担を、杉並区が引き続き負担することがポイントになってくるかと考えております。その際、もちろん住所地特例の仕組みはございますが、75歳以上の高齢者医療制度の適用など、制度をまたぐ際には、何らの措置も講じなければ特例が切れてしまう可能性、そういったことになってしまいます。これだけに限らず、さまざまな課題がございますので、それを一つ一つ解決していく、それをクリアしていくために、現在、南伊豆町さん、静岡県さんとの協議を重ねさせていただいておりますが、基本的な方向性、思いとしては、最後のスライドにございますように、都市部と地方部が相互に補い合う関係、そして、それぞれの住民の皆さんにしっかりメリットを説明できるスキームをつくっていく。その実現に向けて、基本は現行制度を前提として、例えば3者による協定など、協力し合える仕組みづくりを進める。そういった方向で検討を進めさせていただいているところでございます。いろいろ横展開をする上では、場合によっては、法制化、制度改正というところが必要になるかもしれませんが、これだけの過去からの信頼関係というところのベースをもとに、現行制度の中でできないか。そういった方向を今模索させていただいているところでございます。本件については、さまざまな御意見、御懸念があるものともちろん承知しております。御指摘をいただきながら、一つ一つ抱きますそういった不安、これを払拭できるような仕組みづくりにしっかり取り組んでまいりたい。そういった思いでございます。
私からは以上です。
〇大森座長 御苦労様です。
 それでは、柏市の松本室長さんお願いします。
〇柏市下保健福祉部長(代理 松本福祉政策室長) 柏市福祉政策室の松本と申します。本日は、保健福祉部長の下が市議会の対応のために欠席させていただきましたので、申しわけございませんが、私から代理で御説明させていただきます。
 お手元の資料の2ページでございます。柏市の位置づけですが、きょうお話ありました都心のモデルとは少し違いまして、郊外型ということでお話しできればと思っております。
 上野駅から電車で30分で、ベッドタウンとして高度経済成長期に人口が発展したまちでございまして、現在は、人口約40万人の中核市という位置づけであります。
 1枚おめくりいただきまして、人口構成と75歳以上人口を記載いたしましたけれども、現在、75歳以上人口は約3万人ですが、2030年7万人になることが推計されてございます。なので、かなり大きな伸び、インパクトがあると感じております。また、年齢構成、現在の人口構成ですけれども、団塊の世代が突出して多くて、そこから急激に人口が減って、今の団塊ジュニアの世代の方がかなりの数いるということでして。その団塊の世代を見据えて医療・介護の施設をつくった場合に、今度、人口が減ったときにどう対応するかというのが一つ課題であるかと考えております。
 そういった背景がございまして、資料の4ページですが、我々地域の中に、東京大学あるいはUR都市機構という大学と団地をつくっているところがありますので、そこと協定を結びまして、こういった背景を共有して、平成22年に三者協定を締結して、高齢化に対応するためのまちづくりを三者で協力して検討していこうと、そういったような体制をつくりました。
 資料の5ページですが、柏の目指す方向性としては、よく言われている地域包括ケアですが、具体的手法としては、特に在宅医療に力点を置いて地域包括ケアを実現しようという取り組みを行っております。それが1点目。もう一つが、サ高住と医療・介護を組み合わせたような仕組みをつくろうというのがもう一点。3点目が、医療や介護が必要にならないようにできるだけするための地域で高齢者の方が活躍できるような場づくり、具体的には、就労をしながら活躍できるようなモデルをつくろうという、この3点で取り組んでおります。
 まず1点目の在宅医療ですが、資料の6ページ。まず最初に我々がぶつかった課題として、在宅療養は地域包括ケアの1パーツとして認識されているのですが、市町村の業務としてあまり位置づけられてないという実態がございまして、それにどういう視点で取り組むかというのがまず1点目の課題かと認識しています。こちらに書いてございますように、在宅療養ですので、住み慣れた圏域でのサービス整備が必要だろうということと、あと、医療が必要な方は必ず介護が必要になってきますので、各種介護保険サービスとの連携・調整、そういったものができるような視点が必要だろうということで、我々としては、介護保険部局を持った市町村が主体性を持って、地域の医師会などと連携して取り組むといったような視点で現在に至っております。
 1枚おめくりいただきまして、では、具体的に何をやっているかという部分ですが、我々市町村が事務局機能を果たしながら、在宅医療や介護連携などの課題を解決するためには、医師会を中心に据えて課題を解決していく。そういったようなモデルで今取り組んでおります。
 具体的には、(1)〜(5)にございますような、いろいろなワーキングを立ち上げました。例えば(1)の医療ワーキングを中心に、例えば在宅医療をもうちょっとふやすためにどういう負担軽減策が必要かということで、主治医・副主治医といった医師同士がバックアップし合うような仕組み、そういったものができないかという検討をやったり、(2)の連携ワーキングは、各地域の多職種団体のトップに出ていただいて、そういった医療・介護連携について議論をしたり、(4)「10病院会議」は、市内の救急告示病院全ての病院の院長に集まっていただいて、在宅医療のバックアップあるいは退院する際の在宅との調整、そういったものも議論しております。(5)の「顔の見える関係会議」は、市内の医療・介護職の壁がかなりあるものですから、現場の担当者に一堂に集まっていただいて、昨年は4回開催したのですが、写真にございますように、地域に分かれて名刺交換されるとか、顔の見える関係づくりに取り組んだりとか、そういった取り組みを市町村と医師会がやっているといったような取り組みでございます。
 メニューを一覧にしたのが資料の8ページです。在宅医療を推進するために、主治医・副主治医といった医師同士がバックアップする仕組みづくり。(1)の?ですが、急性期病院が急性増悪時にバックアップするような体制づくり、あるいは、退院時に共同指導、退院時カンファレンスをやられているのですが、その書式をできるだけ在宅側の意向に沿ったものに修正したりとか、そういったような退院時の流れについても整備しようということで、今進めております。
 (2)に書いていますのが、在宅医療を行う医師をふやすのが大きな課題ですので、在宅医療研修を医師会と市役所で共同開催しまして、平成23年から4回開催しましたけれども、医師30名に研修を受けていただいて、在宅医療へと足を進めていただく、そういったような取り組みをやってございます。また、医療と介護職の連携を強化するということで、先ほど申し上げたような「顔の見える関係会議」などというようなこともやってございます。
 (3)情報共有システムですが、こちらはiPadを使って、医療職同士、あるいは医療職と介護職が情報を共有し合えるような、そういったような仕組みづくりのトライアルを今やってございます。
 また、(4)で市民への啓発が大事だということで、在宅で医療ができるということは、まだなかなか認識がされてないものですから、市民の方に最後のあり方や在宅医療とはそもそも何なのかということを地域に出ていろいろお話をさせていただいている、そういったような取り組みをやってございます。
 (5)が、地域医療拠点という拠点を、豊四季台団地という高齢化の進んだ団地の中に今建設をしているのですけれども、そういったところに行政と医師会が入って、在宅医療や介護について、その旗振りをするような、中心拠点としての整備、そういったようなこともやってございます。
 9ページ以降が、今申し上げた仕組みの具体的な内容ですが、きょうはお時間の関係で、ちょっと割愛させていただきますが、こういったようなイメージ、9ページが、各地域ごとに分かれて主治医・副主治医がバックアップし合うような仕組みづくりとか、10ページは在宅医療研修。これは今年の1月にやったプログラムですが、在宅医療に足を踏み出してもらうために、医師、多職種に対してやった研修でございます。
 11ページが情報共有システムの概念図です。
 12ページが、市民に対して行った普及・啓発。昨年度は1,600人に対して我々のほうで啓発を行ったということです。
 13ページが地域医療拠点ということで、今建設を進めていまして、地域の在宅医療のシンボリックな建物をつくるということもやってございます。
 在宅医療の関係は以上でして、次の14ページが、先ほど3点の柱と申し上げた中の2点目でして。サ高住といろいろな医療・介護サービスを組み合わせたようなモデルも併せて、これも豊四季台団地の中に今建設を進めておりまして。こちらは、URが建て替えによって今スペースが一部空いて、高層化して、団地の建て替えで空いていますので、そういったところに、市と東京大学とURとで、民間の事業者を公募するという形で、こういったモデルを今検討していると。具体的に完成するのは、来年の初旬に完成します。内容としては、サ高住を中心として、1階部分に、先ほど申し上げた主治医・副主治医といったような、地域の在宅も含めた診療をやるような診療所が入ったりとか、あるいは、訪問看護とか、24時間型の訪問介護とか、あるいはグループホームとか、そういったいろいろな福祉サービス、医療サービスがそこに入っていただくような、応募の案を出しまして、具体的には、民間の会社が手を組んで、こういったものに手挙げをしていただいたということで進めています。ここに入っているサービスは、このサ高住だけではなく、地域にも展開していただくと、そういったような内容の公募案にしてございます。
 1枚おめくりいただいて、在宅医療関係のまとめと書かせていただいたのですけれども、我々のプロジェクトの特徴としては、まず、高齢化が進んでいく中で、地域包括ケアの一環として、市町村が在宅医療に力を向けていることが1点目です。その際に、市町村だけでなく、当然医師会と連携することによって、全ての多職種団体がそれに合わせてついてきていただいているという状況ですので、そうしましたら、地域の一部だけでなく、各団体と行政が手を結ぶことによって、在宅医療、介護も含めた全市的な取り組みへと発展しているのが特徴かと考えています。
 課題としては、主治医・副主治医という仕組みを今進めているのですが、まだ一部の地域でしかできてないので、そこを全市に今から拡大させるということと。あとは、市民に対する啓発がまだまだ足りてないということでありますので、そこの部分をちょっと力を入れていきたいと考えております。
 最後の、最初申し上げた3本の柱の中の3点目、「生きがい就労」について御説明いたします。柏市のようなベッドタウンでは、都内で働いている方が非常に多い地域でございますので、団塊の世代が今からリタイアして地域に帰って来られることになります。今まで土日しか地域にいなかったような方が多く、なかなか地域のネットワークがないような方が多いので、そういった方にできるだけスムーズに地域への活動に参入していただけるための取り組みと御理解いただければと思います。現状でも、サークルとかボランティアとかサロンとかというのは当然あるのですが、今の団塊の世代の方にとってみれば、なかなか敷居が高いだろうということで、1枚おめくりいただきまして17ページですけれども、働くということで、社会的役割と帰属意識を持っていただいて、具体的なターゲットとしては、都内で働いていた男性の方を主な対象として、今まで慣れ親しんできたようなそういった生活スタイルや要素を持って地域にもう一回出ていただくような仕組みを考えました。ただ一方で、リタイアされた方ですから、厳しい労働というよりは、無理なく、地域の中でワークシェアをしながら働くような、そういったような要素を取り入れて、その2つの要素を合わせて、今、セカンドライフ就労といったことの取り組みを始めてございます。
 具体的な展開は、18ページに一覧にしてございますけれども、柏市内にある地域の要素を活用しまして、例えば柏は今、駅からちょっと離れると、農地がまだまだたくさん多い地域ですが、農業者さんにお声かけをして、こういった高齢者の方がこれから大量に地域に出てこられますので、そういった方を活用していただけないかという話を、市役所の農政課を通じて行いまして、そういった農業者さんもかなり担い手が高齢化しているという事情もあるので、今、そういったようなタッグを組んで取り組みをやっています。高齢者の方を雇っていただいて、農業に短時間従事していただくと、そういったような取り組みでございます。ほかにもいろいろやってございまして、例えば学童保育とか、塾といったところにも、優秀な高齢者の方もふえてきておりますので、例えば英語を教えたり、子供のお預かりをしたりとか、そういったようなところで雇用をしていただいています。また、一番下に書いています、特別養護老人ホームでも、豊四季台団地内にある老人ホームですが、高齢者の方を雇っていただいて、食事の配膳とか、ヘルパーさんが必ずしもしなくてもいいような補助業務を高齢者の方に担っていただいて、特養としても、地域とのつながりが、高齢者が入れかわり立ちかわり地域から入ってくるわけですから、そういったようなつながりが持てて、なかなかメリットがあるといったような回答もいただいてございます。
 一番最後のページ、19ページに「まとめ」を書かせていただきましたが、現在の取り組みとしては、行政あるいは東大から市内の事業者に声かけを行って、こういった高齢者が生きがいを持って働けるという部分の、そういった取り組みが進んでいるということです。これまで152名の方が就労して、高齢者の方にヒアリングしますと、生活にリズムが出てきたとか、あるいは、子供とかに嫌われないように身だしなみを整えるようになったとか、いろいろな人とかかわれて、非常に生活にめり張りがついていいといったような声をいただいています。
 課題としては、一部の事業に対しては、市からモデル的に補助金を入れている状況ですので、来年度からは民間のほうに補助金なしでやっていただくことになっていますので、採算性をうまく確保するモデルをしっかりつくって、広げていくことが課題かと思っております。中には、補助金なしで成功している事業もございますので、そういった事業については、同業他社といいますか、ほかの事業者にも拡大していかなければいけないと考えていますし、課題として、3点目が、現在は東京大学がかかわっているので、こういった高齢者向けのセミナーを開いたりする業務、あるいは事業者の声かけをやっていただいているのですが、東大がいつまでもいるわけではないので、地域の中でそういったものを支援する組織を検討しないといけないと考えていまして、現在、柏のシルバー人材センターとこういった取り組みができないかということで調整をしているという状況でございます。
 最後の絵ですが、近い将来の豊四季台団地を中心とした柏市の絵でございまして、ちょうど今から1年後に、先ほど申し上げた地域医療拠点、あるいはサービス付き高齢者向け住宅が完成しますし、また、医療と介護が連携させる、在宅医療を普及させる、そういった取り組みも進めてございますので、早期にそういった取り組みも進めて、豊四季台団地の中で、できるだけ地域の中で最後まで生活できるような、そういったようなモデルをつくっていきたいと考えていますし、また、全国のモデルとなれるように、これからも取り組んでいきたいと考えております。
 御説明は以上でございます。
〇大森座長 ありがとうございました。
 この次は、かすみがうら市の宮嶋市長さんがおいでくださっていますので、よろしくお願いします。
〇かすみがうら市宮嶋市長 かすみがうら市の市長の宮嶋でございます。
 資料7を配らせていただきました。私からは、かすみがうら市として、いわゆる都市部の高齢者を積極的に受け入れたいと考えている自治体、そういう立場からお話をさせていただきたいと思います。
 構想の背景ですが、先ほど高橋泰先生からもお話がございましたように、東京はいずれパンクするという観点から、これをいずれ今の地域密着型からはいつまでも守っておれないだろうと、そういう考えから、一部地方都市で受け入れる必要性が出てくるのではないか。かすみがうら市としては、受け入れ側として、地域経済の活性化とか、雇用の確保、あるいは、そういった地域全体の底上げを図っていくという意味で、外部の人を入れて、そこに介護職員とか、いろいろな事業者の導入を図っていくと、そういう考えから始まったものでございます。
 そういう中で、5〜6年前からこういう動きはあったのですが、私、市長に就任しまして、早速この手の研究会を立ち上げまして、その後、いろいろな事業者ともお話をしまして、この考えに至ったわけですが、最終的には、昨年辺りから、都内の各区を個別に訪問しまして、都内の区の実情等を聴いて歩いてきました。そして、市の内外の事業者さんにどういう意向を持っているかというようなことを聴いてまいりまして、そういった方々がこういう事業をどんどん展開していきたいという意欲を持っている。どうしても今の地域密着型の住み慣れたところで最後まで過ごすという、この制度が障害になっていることがだんだんクローズアップされてきましたので、もちろん特区みたいなのが取れればいいのですが、なかなか急にはそういきませんから、いわゆる三者協定みたいなもの、出し側の東京側の区と、それから、受け側の私どものかすみがうら市と、それと、いわゆるかすみがうら市で事業を展開する事業者の三者で協定を結んでやったらどうかなということを考えて、そういう考えのもとに、今年の7月末をめどに、かすみがうら市にそういった事業を展開していきたいと思っている事業者等に集まってもらいまして、研究会を立ち上げて、いよいよ東京側にそういう話を積極的に受け入れますよということをしていこうと、そういうことを今考えております。
 構想と考えの概要をちょっと申し上げましたが、話が後先になってしまいましたが、かすみがうら市というのは、東京から1時間半ぐらいで、お年寄りがかすみがうら市に来たときに、御家族の方が会いに来たりなんかするのにも非常に便利な近いところにあるということから、また、自然環境にも非常に恵まれておりまして、市全体が、一番高いところには、筑波山系の400〜500mの山があるのですが、その山はごく一部でして、あとは、なだらかな平坦地が霞ヶ浦のYP2mぐらいまでにずっとなだらかにつながっております。つくば市も近いし、市民の通勤圏は、土浦・つくば辺りが主でありまして、それなりの市街地もあるのですが、基本的には農村地帯で土地等が広くあります。そういったのんびりしたところであります。さらに、最近、建築が始まったのですが、県南の最大の医療センターである土浦協同病院がかすみがうら市と土浦の市境に来ることが決まりまして、これが医療施設としては非常に強力なものになるということで、これがいわゆる介護福祉関係の施設をつくるのに非常に有効ではないかと私は思っております。
 かすみがうら市の非常に平坦で温暖な場所に事業を展開していただいて、都市部の困ったところ、かすみがうら市のこういった有利性の両方でマッチングしたらいいのではないかという発想でございます。
 この三者協定にはなかなかスムーズにいかないところもあるとは思うのですが、どういう方を受け入れるかといったときに、かすみがうら市は特にこういう人ということを特定はしておりません。都市部で、もちろん基本的には在宅で住み慣れたところで暮らすのが一番いいわけですが、中にはそうでない人もいる。アメリカ型の先ほど鎌形委員からもお話がありましたし、CCRC的なことを好む人もいるでしょうし、あるいは、中産階級的な人で、自分の家を売って、ついの住みかをかすみがうら市に求めるという人もいると思います。必ずしも介護とか福祉が必要になってから来るのでなくてもいいと思います。介護・福祉が必要になってから来る人でもいいし、どっちでも受け入れたいと、そういうふうに思っています。しかし、今一番問題になっているのは、地域密着という制度の問題です。青梅市なんかの話が出ましたけれども、青梅市が今までどういうふうにやってきたというのは私もあんまりわからないのですが、都市近郊型のそういう受け入れ先として私はかすみがうら市を考えているのですが、舟形町さんも今日見えておりますが、全国にはリゾート型の受け入れを考えているところが結構あると思います。東京近郊ではなくて、リゾート型で受け入れたいと考えているところがあるのですが、そういうところはそういうところの需要があると思うのですが、都市近郊型の需要を私どもは受け入れたいと、そういうふうに思っております。
 話がレジュメとは大分違ってきておりますが、あとはかすみがうら市の状況等については、レジュメを見ていただければありがたいと思います。
 かすみがうら市自体の高齢者は、今のところ全然問題はありません。ほとんど空きもありませんし、自給自足というか、自分のところの高齢者は自分のところの施設で十分です。今は、むしろ、住所地特例制度なんかを使って、よそから、特に東京方面からある程度の方が実際に来ておりますし、今現在、特にサ高住が国交省の補助事業が一昨年の10月にできましたね。それによってサ高住の建設が今後さらに進むと思います。サ高住をやってみたいという事業者が聞き取りの中ではすごく多かったです。そういう方に、サ高住はかすみがうら市はどんどん自由にやってもいいからということで今お話をしています。しかし、制度がうまく追いつくかどうか。いわゆる住所地特例とか、あるいは特区的なものがうまく進まないとこれは頓挫してしまいますけれども、いずれにしても、東京だけではこの問題に対しては解決策はないだろうと、その一部を受け入れると、そういう気持ちを持っております。そういった立場からお話をさせていただきました。
 以上でございます。
〇大森座長 それでは、最後ですけれども、舟形町の奥山町長さんお願いします。
〇舟形町奥山町長 皆さんこんばんは。山形から来ました舟形町長の奥山であります。
まず御礼を申し上げます。私の資料ですけれども、こういう資料があります。これは去年の9月6日に、全国で4例目の土偶の国宝です。私どもでは「縄文の女神像」という命名で、見たとおり、非常に足が長くて、胸やお尻が非常に豊かで、八頭身美人女性を思わせる土偶、見れば見るほど不思議な魅力、こういうのが「縄文の女神像」であります。これを糧にして、今まちづくりなりやっておりますけれども、いずれにしましても、私は平成21年12月から都市部の高齢者を私どもへ迎え入れましょうと。今3年半ぐらいになりますけれども、これに私はトップセールスで取組んでいます。ここに資料が全部載っています。きょうは委員の東京都の中山部長さんもおりますけれども、中山部長さんのお力添えを非常に得まして、22区役所を回った実態が、一番最後のほうに詳しく載っております。これを全部説明すると、1時間はかかりますので、きょうは凝縮しまして、本日の資料で皆さんに私どもから御提案申し上げたいということであります。3年半振り返りますと、こういう場を設定していただきまして、ありがとうございました。ひとつ頑張ってまいりますので、よろしくお願いします。
舟形町は、昭和29年に合併した町村で、当時の人口は12,000人でありました。高齢者のここにベテランの方は知っているかわかりませんけれども三尺掘れば亜炭、百尺掘れば石油が出たという時代でありました。それだけ地下資源が豊富で、事業的にも有名な町でありましたけれども、今人口が6,000人でありますので、来年で合併してからちょうど60年なんです。そうすると、年間で100人ぐらい減少と、非常に少ないのかなと思いながら、歴代の首長さんも増減があるにしても頑張ってきたんだなと思います。ただ、今、私、町長やっていまして2期目でありますけれども、私もそもそもは職員上がりです。今、人口の政策として、ここに定住促進、子育て、人材育成、元気な高齢者づくり、諸々ありますけれども、今、非常に力を入れているのは観光産業です。それから、もう一つは福祉産業です。
福祉産業については、例えば100名の施設をつくれば、雇用が80人生まれます。80人の雇用は今なかなかないのですね。私も全国各地へ東奔西走しましたけれども、企業誘致は正直言って厳しいですね。ですから、一番即効性があって、雇用の創出がある福祉産業の誘致に取組んでいます。今、人口減少社会あるいは少子高齢化の時代で、さらに、雇用の創出をどうするか。これが私の喫緊の課題でありまして、21年からそういうふうな意味で福祉産業の誘致ということで、都会に住んでいる方々、平成21年12月から、きょう秋山副区長さんがおりますけれども、世田谷区と港区、約38〜40年のおつき合いがありますので、そこを皮切りに歩いてきたのがこの21年からです。
そういう中で、22年11月19日に、東京都で「ふるさと特養」いわゆる東京都の都外特養という勉強会を立ち上げたのであります。そのときは、全国から8つの県、そして、全国から町村では私だけでした。そのときに私の思いも実はそこで触れさせていただきましたけれども、結果的には東京都の財政難もあり、又、何と言っても一番は、老人福祉法に抵触するというもので、勉強会が頓挫した経過があります。
今、舟形町の経済情勢は、雇用がまず喫緊の課題である。併せて、少子高齢化による空き学校があるのです。今年の4月1日に4つの小学校が1つに統合。この統合は、既存の1つの学校に3つの学校が統合になったということであります。それから、3つの保育所も統合し、空き家の保育所は新しく造りました。ですから、3つが空くわけです。1つは解体しました。1つは、これを30名の小規模老人介護施設に転用しました。もう一つが空いているという状況であります。
町の概況は、山形県の一番最北の秋田県寄りにあります。今、人口規模も6,000人で、主要企業としては、50名以上の企業を載せましたけれども、断トツで多いのは舟和会です。これは昭和50年に、実は私が26歳のときにつくった社会福祉法人です。いわゆる公設民営型です。今8つの施設を経営していまして、189名の職員がおります。それから、キリウ山形は自動車部品、JA農協さん、それから、もう一つは医療法人舟形徳州苑72名、老人保健施設100人床です。これも平成12年の施設であります。今回、この徳州会をメインにして今回新たな整備をすると。マッシュルームですけれども、これは舟形町の特産品で、今現在70名の職員、国内のマッシュルームでは15%のシェアを持っている、年間販売は5億6,000万ぐらいあります。そういう状況で、町の名所はちょっと省きます。
空き校舎であります。先ほどの保育所がまだ1つあります。2,200?、58年が開始です。長沢小学校24,000?。これは昭和63年の建設です。富長小学校19,000?。これが一番新しい平成3年の建設です。堀内小学校は、将来的にはこれは解体したいと思っています。ここに今進めている都市型の、今の法律では都市と山形県の併用と申しましょうか、ここに解体をして、整備をしたいと思っています。先ほどと重複しますけれども、障がい者支援施設100名。これは私が26歳のときに建てた施設であります。今は大きくなりまして、8つの施設を運営している。7番目が、一つの保育所を改修しながら、半分ぐらい解体した新設・増設の29名の小規模介護施設であります。
それから、もう一つの先ほどの医療法人徳州会が経営する「舟形徳州苑」定員100名です。これは満床であります。近くに、約7?ぐらいのところに病院もしている施設です。それから、舟形町の特養の待機者の状況です。おかげさまで、今現在、在宅の待機者は19名ですけれども、これらの方も、ホームヘルプサービス、在宅介護、ショートで、舟形町内の待機者はほとんどいないと考えていただいてもいいです。
それから、舟形の取り組みであります。喫緊の課題は、4つの小学校の廃校をどうするかという問題です。そして、そこから雇用を生み出したいという、まず大きな目的の中で、21年12月から「ふるさと特養」という誘致活動を始めました。右側に22年11月19日、東京都のふるさと特養会勉強会。この中では、都民の専用はだめですよということでありましたので、課題突破のためということで、3回あったでしょうかね。22年9月に、総合特区、都市型の要介護者向けの特養の特区申請を行いました。2回目が23年2月。今度は、ちょっと特異な形で、都民専用の舟形町の建てる場所、土地・建物を東京都の土地としてみなしてもらえないかと。いろいろな制約がありますけれども、「みなし飛び地」特区申請と、実はこういう創意工夫でやりました。それから、もう一つは、先ほど市長さんもいろいろお話がありましたけれども、「ふるさと元気交流」。この構想は、元気な高齢者を舟形町の空き校舎あるいは2〜3万?の学校の用地もあるわけです。畑をしながら、元気な高齢者のうちに迎え入れながら、そこである程度秋までに生活をしながら、パワーアップもしながら、将来的には舟形町の特養にでもすぐ移住できるような、そういうシステムはどうなのかという特区の申請であります。いずれにしても、この2つの特区、「みなし飛び地」も「ふるさと元気交流」モデル特区もだめでした。そして、都民専用でなければオーケーであると、この文言は、実は当時、厚労省の小宮山副大臣さんにちょうどお会いすることができまして、いろいろ調査をしていただきまして、都民専用ではなくて、いろいろな運用の仕方があるでしょう、もう少し考えなさいというふうなことで、都民専用でなければオーケーなんだということで自信を持ちながら、さらに、中山部長さんからも、これから、地元の社会福祉法人、お金を持っている法人から整備をしてもらいながら、この利用者については、東京都あるいはそれぞれの区の支援をいただきながら主導してまいりたいということで、いろいろ中山部長さんからもお声がけをいただきまして、22区役所の実態調査をしましょうということで、平成23年1月から7月まで、3月、4月は年度末・年度始めでちょっと休みましたけれども、1月、2月、5、6、7と約5か月間で全部回りました。その中で、受け入れる、建設する法人でありますけれども、法人としても多額な財源を出すわけでありますので、何とか実証事業をできないかという提案もありましたので、この実態調査と併せて各区を訪問したときに、先ほど言ったとおりに、老人保健施設100名を持っておりますので、この老人保健施設を利用して、そこに入っている方もひとつPRもお願いしたいということで、二股かけまして22区を回った結果、現実問題として、老健には今現在6名受け入れております。入所されている品川、荒川、大田区の6名の方は舟形町と全然関係ありません。うち認知症の方が3名います。今、おかげさまで2名の方は改善に向かっています。きょう来るときに、1人の方は治って、東京にまた戻ってきたそうです。ですから、舟形町のPRですけれども、非常に空気もきれいで、ストレスもたまらない、いい町でありますので、そういうふうな改善の方向に向かうということは、在宅に帰すのでしょうけれども、いい方向になったなと喜んでおります。
ここで、24年4〜7月の実態調査した結果です。
〇大森座長 町長さん、恐縮ですけれども、もう時間が相当。全体をおまとめいただけませんでしょうか。
〇舟形町奥山町長 わかりました。
 各区には、1,359人待機者が平均しております。そのうち3分の1〜2分の1が、今緊急の状態でいると。ただ、施設整備はおぼつかないということであります。遠い舟形町でありますけれども、特養であれば安く特養であれば入所も可能ではないかという区が大変多いと思いました。この中で、8〜9万、特養であれば、遠くても入所の希望はあるでしょうということであります。
 それから、ずっと下のほうに行って?番目、東京都でも精神疾患の方が大分多いようです。認知症の特養が欲しいというものがあったようであります。これは受け入れる法人では、医療機関も整備しておりますので、もちろん病院も持っている。法人では、認知症の方も全面的に受け入れますと回答を申し上げております。それから、医療行為についても、先ほどの医療法人を兼ねておりますので、十分これも対応できると。それから、?番ですけれども、民間の50人以下の施設はほとんど赤字のようでありました。それから、?番目ですけれども、区役所によっては、「舟形町さんは枠を設定しないのですか」ということで、喫緊の対応をできる区もあったと思います。
 それから、受け入れ施策と戦略ですけれども、色々ありますけれども、まず?番目、特養を地方に整備することは、ウイン・ウインの関係にあると思いますけれども、ある区では、特養の整備で3,000?の土地買収に29億円かかると言っております。ただ、私どもでは、3つの学校については無料であります。ですから、結果的には、100億円かかる土地の買収で、7つのケースができることになろうかと思います。
 それでは一番最後になりますけれども、社会福祉法人と町では、共同で官民の連携の特養整備を、ぜひ先駆的なモデル事業として実施していきたいと思います。いろいろ課題事項?〜?までありますけれども、後ほど、ペーパーでごらんいただきたいと思います。
 以上であります。
〇大森座長 申しわけありませんでした。
 あと3分で終わりです。きょう自治体からヒアリングをしていますので、この席でどうしても聞いておきたいことがあれば、1〜2伺っておきたいと思います。
〇高橋委員 1つは、南伊豆の件は、津波の問題がとても気になるのです。というのは、東日本でも、特養・老健・病院で津波の被害で入所者の方々が8〜9割被災している。要するに、施設という仕組みは、どんなに物理的なことをやっても対応できない。要するに、避難ができない、それでたくさんの方が亡くなっている。それをどういうふうにお考えなのか。これは個別の問題ですけれども、非常に重要だと思います。
 それから、もう一つは、この話は今に始まったことではなくて、東京都は大失敗しているのですね。知的障害者の都外施設問題で、これは非常に批判を浴びて、いまだにこれは克服できていません。これの特養版を繰り返してはいけないと私は思っております。
 それと併せて、現在、住所地特例でいろいろなところへ、既に杉並区さんもいろいろなところでお世話になっているわけで、そこら辺のことをきちんと踏まえて考えていただきたい。
 それから、もう一つは、入所意向について本人の意向と家族の意向が混同されている心配がございます。先ほど馬場園先生がおっしゃったように、何よりもリロケーション・ダメージの問題は、施設入所の場合は絶対無視できませんから、そのことをどういうふうに考えるのかというのは非常に重要で、そういう意味では、80になって人を動かすのはむしろ問題で、そうではなくて、舟形町さんのお気持ちもよくわかるし、努力されているのもわかるのですが、高齢者の移住はお元気なうちのアーリーリタイアメントも含めた、早めの住み替えしかないと思います。高齢者を80になって動かすということは、これは人道問題です。それは構えて、区が介在するので、ある種の措置に近い形に逆行するということを物すごく私は憂えております。そういう意味で、遠くに行かれた方のさまざまな、これは既に住所地特例で経験があるわけで、きちんとしたリサーチをやるべきで、やはりエージング・イン・プレースという先ほど馬場園先生がおっしゃったことを、ある意味で言えば、逆行することをやってしまうというのではないか、私は非常に恐れております。これは経済の問題ではなく、人権の問題に近いと思っております。ただ、自分で選択することについては何の問題もない。だから、早目の住み替えだと思っております。
 以上でございます。
〇大森座長 杉並区さんもそのことは承知の上というか、承知しながら大事な問題だとお考えになっているはずです。何か一言この席であれば伺います。
〇杉並区保健福祉部高橋管理課長 いろいろ課題の部分ですね。今いただきましたところも、今後のクリアしていくべき課題としてしっかり考えていきたいと思います。
〇大森座長 何か議会答弁風でしたね。
〇杉並区保健福祉部高橋管理課長 時間が限られておりまして。
〇大森座長 3.11の後ですからね。今、高橋先生がおっしゃっているように、相当な話ですし、地域包括ケアの考え方をとっていますので、どこかでそれをクリアするような思想というか、理論というか、工夫がないと。
〇杉並区保健福祉部高橋管理課長 お時間をいただけるのであれば。
 まず津波の問題につきましては、非常に重要な課題ともちろん考えております。当該地、今の最新の被害想定で、水の浸かる高さは3mと想定されております。それよりもかなり余裕を持った施設構造というところを考えておりますが、ただ、津波の問題、冒頭、御指摘いただきましたように、そもそも区外に特養をつくるかどうかという部分と立地の問題、2つに分けて考えることができるかと思いますので、それぞれについてもちろんしっかり話を詰めていきたいと考えております。
 それから、住所地特例の現状でありましたり、過去の経験、リロケーション・ダメージの部分ですが、特に遠隔地にあるということで、その部分をどう超えていくのか。途中触れさせていただきましたが、御本人の意向をしっかり確認できるような、戻ってくる仕組み、それから、途中の舟形町長さんのお話のように、回復していけるようなイメージ、それから、いろいろな交流の中で、早期から、いろいろな御縁の中で、退職後の生活として選んでいく。そういったいろいろな選択肢の中で、御本人にとってもできるだけいい形、それから、地元にとってもいい形というモデルを、いいイメージを何とかつくっていきたいと考えております。
〇大森座長 今、御協議中だと伺っていますので、協議が進展していって、私どもとして何か頂戴できるような、貴重な情報がありましたら、恐縮ですけれども、また、教えていただければと思います。
〇舟形町奥山町長 私は22区を回りまして、一番感じたのは、ケアマネさん、あるいはケースワーカーという方と私は直接対面はしなかったのですけれども、ケアマネさん、ケースワーカーの方といろいろお話ししながらすると、いろいろ問題のある待機者がいるのかなと強く感じてきました。ですから、この構想をする場合は、地方の私の声なども、ケアマネさん、ケースワーカーに通じる、いろいろな待機者の方がもっといるのかなと、現場のことを思いながら、そういうふうに感じました。
 それから、もう一つは、私と法人で、今計画している施設の、いわゆる東京都専用でもないけれども、東京都専用は困ると言われますけれども、そういう運用の中で、今、体制づくりは十分できております。当方、あちらのほうでもお金を出しましょうと、そんなことで、もしも、こういう特養特区というふうにすれば、補助金制度なり、今の協議会の制度なり、あるいは、ケースワーカーあるいはケアマネさんに通じるような仕組みづくり、これが大事なのかなと思いますので、最後に申し上げたいと思います。ありがとうございました。
〇大森座長 ありがとうございました。
 次回は、今度は事業者の皆さん方からヒアリングをする予定でございますけれども、事務方は何かアナウンスメントはありますか。
〇篠田補佐 次回につきましては、事業者の方のヒアリングを予定しておりますので、座長の先生とまた御相談して進めさせていただきたいと思います。
〇大森座長 何か御注文を。どうぞ。
〇高橋委員 ずっと今まで施設の問題として議論が語られてきたのですが、それと同時に、私は住まいの視点から少し議論をすべきだと思います。施設の問題は、多分低所得者なのですね。特養の場合、なぜ特養待機が生まれるかというと、負担が御承知のような仕掛けで少なくなっている。また、アメリカ方式のリタイアメントコミュニティへの移住は相当な経済力を前提とした仕組みです。大変な資産が必要です。そういうことも含めて、地域でどういうソリューションがあるかというのは、東京でも相当いろいろな事例が出てきていますし、それから、いろいろな考え方も、実は私どもの高齢者住宅財団でも整理しておりますし、幾つかそういう研究成果もあります。できれば、住居政策の領域ですと、園田眞理子さんという明治大学の先生が、施設のあり方、住宅のあり方、空き住居の活用、そういうことを含めた議論をされておりますので、お話しをうかがうことを御検討いただくとありがたいと思います。
〇大森座長 相談いたしましょう。
 もう時間が過ぎていますので、きょうはこれでお開きにしたいと思いますけれども、2時間でこんなに一生懸命やると、皆さんが議論できる時間がないので、もしかしたら、次回から、できることであれば、もう30分ぐらい延ばさないとだめかなと。私、前に仰せつかったときは3時間やりましたので、3時間やると、大体御発言いただけるので、次回は仕方ないですが、その次に皆さんの検討会がありますので、場合によったら1回ぐらいは時間を延ばさせてもらうようなことを事務方と御相談いたします。また、お諮り申し上げます。
 本日は、以上でございます。ありがとうございました。
〇篠田補佐 次回は、7月23日に開催の予定でございますので、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。


(了)

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