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2013年1月11日 薬事・食品衛生審議会医療機器安全対策部会議事録

○日時

平成25年1月11日(金)16:00〜


○場所

厚生労働省共用第8会議室


○出席者

出席委員(21名) 五十音順

○荒 井 保 明、  石 井 則 久、  井 部 俊 子、 内 田 恵理子、

小 野   稔、◎笠 貫   宏、 川 原 信 隆、 釘 宮 豊 城、

 佐 伯 晴 子、 佐 藤 景 二、 杉 山   肇、  高 杉 敬 久、

 高 谷 節 雄、 土 屋 文 人、 那須野 修 一、 西 田 輝 夫、

 根 本   幾、 配 島 由 二、 松 岡 厚 子、 溝 渕 健 一、

 横 井 英 人

 (注) ◎部会長  ○部会長代理

欠席委員(1名)五十音順

渡 邉 治 雄

(行政機関出席者)

 平 山 佳 伸 (大臣官房審議官)

 俵 木 登美子 (安全対策課長)

 森    和 彦 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)

○議題

1.医療機器の市販後安全対策について(報告)
2.医療機器の不具合等報告について(報告)
3.医療機器の感染症定期報告について(報告)
4.その他

○議事

○事務局 定刻になりましたので、ただ今から「平成24年度第2回薬事・食品衛生審議会医療機器安全対策部会」を開催させていただきます。本日の部会は、従前の取扱いと同様に公開で行うこととしております。なお、カメラ撮りは議事に入る前までとさせていただいておりますので、マスコミ関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
 本日御出席の委員の先生方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日は、定数22名の委員中、現在のところ18名の委員に御出席をいただいておりますので、定足数に達しております。なお、渡邉委員より御欠席の御連絡をいただいております。また、小野委員、高谷委員より遅れる旨、御連絡をいただいております。川原委員はまだいらっしゃっていないようですが、少し遅れているようです。
 委員の先生の変更につきまして御紹介させていただきます。前回7月の部会からということになりますが、東京電機大学情報環境学科の根本幾教授に、新たに委員に就任していただいております。事務局ですが、座席表には審議官が入っておりますが、本日は所用により欠席させていただいておりますことを御報告させていただきます。
 それでは議事に入らせていただきます。以降の議事進行は笠貫部会長にお願いいたします。
○笠貫部会長 今年に入りまして最初の部会を開かせていただきます。初めに、事務局から資料の確認をお願いいたします。
○事務局 資料の確認をさせていただきます。座席表、委員名簿、議事次第、資料一覧を配布しております。資料1-1「消化管用ステントに係る使用上の注意の改訂について」、資料2-1「医療機器の不具合等報告について」、資料2-2「医療機器不具合等報告」、資料2-2-1「整形インプラント製品の不具合報告状況及び不具合発生までの使用期間」、資料2-2-2「過去5年間の国内不具合報告の公表状況について」、資料2-3「医療機器外国措置報告」、資料2-4「医療機器研究報告」、資料3-1「感染症定期報告感染症別文献一覧表」、資料3-2「感染症定期報告の報告状況」です。
 参考資料1「コンタクトレンズの適正使用に関する情報提供等の徹底について」、参考資料2「PMDA医療安全情報No.33」、参考資料3「PMDA医療安全情報No.35」です。過不足等ございましたら事務局までお申し付けください。
 なお、本日の議題には審議事項はございません。全て報告事項となっておりますのでよろしくお願いいたします。
○笠貫部会長 本日は、審議事項はないということですので、報告事項より入ります。議題(1)につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 報告事項議題1「医療機器の市販後安全対策について」、資料1-1「消化管用ステントに係る使用上の注意の改訂について」御説明させていただきます。こちらでは、前回以降、医療機器の安全対策に関して発出した通知を御紹介させていただきます。1ページと2ページにつきましては、厚生労働省から各都道府県に対して消化管用ステントの製造販売業者に、使用上の注意の改訂を指示する通知を発出したことをお知らせしたものです。
 その内容は3ページ〜5ページです。これは厚生労働省から、消化管用ステントを扱う製造販売業者4社に対し、使用上の注意の改訂及び医療機関への情報提供を指示する通知です。具体的には、本ステントは悪性腫瘍の進行による消化管の閉塞や、狭窄を拡張するために使用されるものですが、がんの浸潤や放射線療法、化学療法により、組織が脆弱となっている症例において、本ステントの留置による消化管穿孔を起こさないよう、適用の判断を慎重に行ってくださいということを注意喚起するものです。本通知は11月7日付けで発出されているものですが、12月に発行しております「医薬品・医療機器等安全性情報No.297」でも同様の内容を掲載し、注意喚起を行っております。御説明は以上でございます。
○笠貫部会長 ただ今の御報告について、御質問等はございますか。8ページの図2で、2009年〜2010年に非常に増えているように見えるのですが、これについては何かお考えはございますか。承認されて以降、急激に増えたということですね。
○安全対策課長 2009年〜2010年、2011年と十二指腸用又は大腸用ステントが承認されておりますので、そのためではないかと思います。
○笠貫部会長 それに基づいて、この「警告」のところでは、「放射線療法、化学療法を施行している患者と、がんの浸潤が著しい患者に特に注意をするように」という警告を出されたということですが、いかがでしょうか。
○荒井委員 一言、補足させていただきます。要は消化管用ステントがないときにはチューブで対応し、無理やり手術を行わず、その分、患者さんには、鼻から、あるいはお尻からチューブが入れられた状態を我慢していただいていた訳で、このため合併症が発生しませんでした。これに対し、ステントを入れることで、特に問題が生じなければ楽になるようになったという事です。すなわち、今までは対象例がいなかったという訳ではなく、治療ができるようになり対象となった結果、ある程度の頻度で合併症が起こってきたという理解をすべきかと思います。
 ただ、実際には、炎症、化学療法、放射線治療あるいは外科治療による癒着などの種々の要因について、そういったものと穿孔のリスクを「数値的にこれがあれば穿孔のリスクは高い」、あるいは「ここまでだったら大丈夫」ということを断定できる資料が現実的にありません。くわえて、技術的に難しいものですから、こういった警告、アラートを鳴らすことによって、臨床現場で少なくともその両者を天秤に掛け、その実状を患者さんにきちんと説明し、お互いにそのリスクとベネフィットを比較した上で行ってみる、ということで扱ってもらうべきだということです。すなわち、この数自体が増えたことを、必ずしも悪いことと捉えていただく必要はなく、逆に言うと、こういう合併症に遭遇しなかった患者さんはターミナルの状態であっても、このステントのお陰で消化管が通過して御飯が食べられる状況が維持できたと御理解いただいた方がよろしいかと思います。
○笠貫部会長 ほかにはいかがですか。
○石井委員 7ページの図1では、消化管用ステントの使用本数が少しずつ増えています。ところが、図2だと2010年に非常に突出してというか1、2例出たのが8例に増えています。これは先ほどの御説明のように、承認されたからという解釈でよろしいのですか。
○安全対策課長 そのように考えております。消化管ステントとして、従来は食道用のステントは承認されて使われていたので、2005年や2006年は食道用ステントの数だと思うのです。いわゆる大腸に使われるようになったのが承認後で、このような症例が出てきていると理解しております。
○笠貫部会長 患者さんにより良いものをというときには、また更に新たな警告といいますか、注意が必要だと御理解いただけたらと思います。ほか、特にないようでしたら、議題(2)に移ります。事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 資料2-1「医療機器の不具合等報告について」御説明させていただきます。1として、本部会への報告に関する薬事法上の規定を記載しております。2として、平成24年度の前半6か月である4月1日〜9月30日までの医療機器の不具合の報告等について御報告するものです。
 2ページで、「医療機器不具合等報告について」、各項目の報告件数をお示ししております。不具合報告の件数については、全部で1万1,024件です。前回の部会で御報告いたしました、平成23年度下半期の件数は8,923件でしたので、約2,100件増加しております。今回の1万1,000件余りの内訳を八つの分類で申し上げます。多いのは3の処置用・施設用機器等の4,059件と、4の生体機能補助・代行機器の5,598件ということで、これまでと同様の傾向です。今回は、5の治療・鋼製機器等が1,057件と、前回から800件ほどの増加となっております。
 国内報告と、海外報告の件数ですが、国内報告が5,508件、外国の報告が5,516件ということでほぼ同数ですが、相対的には外国の報告が増えている状況です。
 2の感染症報告については、前回同様ゼロ件です。以下外国措置報告として721件、研究報告として3件、感染症定期報告として34件の御報告があります。医療関係者からの不具合等報告については228件が御報告されています。
 その内容については資料2-2「医療機器不具合報告」で御説明させていただきます。1ページに注意事項として、この不具合報告リストの見方が記載されております。繰り返しになるかと思いますが、この報告については医療機器との因果関係が不明なものも含め、製造販売業者等から報告されたものであるということです。報告に関する分類は(1)〜(8)までに分類されております。一覧の掲載順については、発生場所で国内と外国とを分けて、それぞれで一般的名称の五十音順で掲載しております。外国については、見やすいように色分けをしております。件数につきましては、提出された報告書の件数をお示ししたものになっておりますので、同一症例で複数の医療機器が関与しているという場合には、複数の企業からそれぞれ報告されることがあります。このような場合には、同一の症例を重複してカウントすることになりますので、報告件数がそのまま症例数ということにはならない場合がございます。
 表の右端に、対応措置の項目として、原則として平成24年9月30日時点の措置の内容を簡潔に記載しております。「回収(改修)」と記載しておりますのは、製品を現場等から引き上げる「回収」をした場合と、修理や検査の実施等を行った「改修」の措置をとったということをお示ししております。「情報提供」等を記載したものは、添付文書の改訂、あるいは書面による注意喚起文書を医療機関等に配布したなどの措置をとったものです。この中には、既に添付文書等で関連する注意喚起の記述がなされているものも含まれております。「調査中」というのは、調査継続中であることをお示ししております。「空欄」のものは情報が不足しているなど、調査が困難であるものが示されております。
 次のページには目次が記載されております。次のページから、表の下の方にページ番号が記載されております。大部になりますので、簡単に主なものを御紹介させていただきます。1ページは分類(1)として「画像診断用機器」で、7件報告されております。2ページ〜6ページで分類(2)として、内視鏡、カプセル内視鏡、グルコース測定器などの「生体監視・臨床検査機器等」について118件の御報告が来ております。
 7ページ以降106ページまでが分類(3)として、インスリン注入器やカテーテルといった「処置用・施設用機器等」につきまして、報告件数は4,059件で、全体の報告の約37%がこちらの分類になります。30ページに、中心循環系血管内超音波カテーテルの報告が出ております。こちらは、これまで前回も同様に報告がなされておりましたけれども、画像が消失する不具合について報告されているものです。国内での不具合報告が約1,200件程度あり、前回までと同様ですが全体の数字を押し上げている状況です。前回からは約200件程度減っていて、その分、分類(3)の国内報告数が減っている状況です。
 一方、分類(3)の外国の報告については、300件ほど増加していて、個別の事例では99ページのガイネメッシュ、91ページ〜96ページまでの尿失禁治療テープなどが主に増加しております。これらは骨盤臓器脱や腹圧性尿失禁に使用される医療機器です。ガイネメッシュについて、米国では疼痛、びらん等の合併症が問題となり、訴訟にも発展しているような状況のようです。日本国内では、医師の丁寧な手技によるものか、ほとんど不具合報告は上がってきていない状況でございます。
 107ページ〜253ページまでが分類(4)として、心臓ペースメーカーや冠動脈ステントなどの「生体機能補助・代行機器」を記載しております。こちらは5,598件の報告で、全体の約50%を占めています。今回の(4)の分類で目立って件数の多いものとしては、112ページの日本メドトロニックのメドトロニックEnRhythmで、電池消耗に関するものが100件。142ページでは、ベンチレーター840の喚気停止が180件余り報告されております。外国でも、それぞれ約440件及び85件が報告されている状況です。いずれも前回同様に件数が多くなっておりますが、ベンチレーター840については、平成22年6月に実施された改修によりまして対応がなされています。件数が多くなっておりますので、改修以前の不具合の報告が遅れて提出されてきている状況で、ここで件数が多くなっております。
 このほか不具合報告の多いものとして、120ページの下の方から、冠動脈ステント、152ページからの大動脈用ステントグラフトなどがあります。外国報告としても、同じように報告が多く見受けられております。(4)の分類については、体内に留置するペースメーカーであるとか、ステントグラフトのようなリスクの高い医療機器が多く分類されているということで、報告件数は多くなっております。
 254ページから分類(5)として、手術用の電気メスやドリルなどの「治療・鋼製機器等」で1,057件報告されております。昨年よりも全体で800件、国内報告で760件ほど増えておりまして、国内報告の増加がほぼそのまま全体の増加となっています。これは、259ページからのCool-tip RFシステムの報告によるものです。この報告の大半は、承認を取得した平成17年以降発生してきていた不具合ですが、報告の要否について誤った基準で判断されていたということで、報告がされていなかったことが分かり、この度、順次報告がされているものです。この半年間で不具合の発生が急増しているというものではございません。
 270ページは、分類(6)として「歯科用機器・材料」で44件報告されております。こちらは、前回よりも30件余り件数が増えておりますが、それはいちばん下のフィクソデントコンプリートで外国での報告が32件あることによるものです。これは、いわゆる入れ歯の安定材で、粘着性を高めることを目的に亜鉛を含有しているものです。米国では、大量の使用等によって亜鉛の過剰摂取があり、神経障害等が生じることが問題になっているものです。その外国での不具合報告がされている状況です。その後、日本での認証が取られているこの製品につきましては認証が取り下げられておりまして、国内では全く販売されていない状況でございます。
 271ページは分類(7)の「眼科用機器」につきましては、後房レンズ、コンタクトレンズなどの不具合が130件報告されておりますが、これは前回と同様かと思います。
 274ページで分類(8)として「衛生材料・家庭用機器等」で11件の報告が来ております。全体としては以上です。
 続きまして、平成22年度以降に新医療機器として承認された品目の国内での不具合発生状況について、順に御紹介していきます。戻りまして31ページ〜33ページにかけまして、平成22年4月に承認されたMerciリトリーバー及び平成23年6月に承認されているPenumbraシステムが、それぞれ23件及び42件報告されております。
 115ページ〜117ページにかけて、平成22年12月に承認されている植込み型補助人工心臓EVAHEARTとDuraHeart左心補助人工心臓システムが、それぞれ23件及び8件報告されております。
 123ページ〜124ページにかけまして、平成23年3月に承認された冠動脈ステントのノボリで、36件報告が上がってきております。164ページに、平成22年6月に承認されたX-STOP PEEKインプラントが3件報告されております。179ページ〜180ページにかけて、平成24年1月に承認されたZilverPTX薬剤溶出型末梢血管用ステントが22件報告されています。256ページに、平成22年6月に承認されたELVeSレーザーが8件報告されております。271ページに、平成23年12月に承認されたアルコン エクスプレス緑内障フィルトレーションデバイスが1件報告されております。DuraHeart左心補助人工システムにつきましては、平成23年12月に新規の植込みが中止されている状況ですが、そのほか特別な対応が必要な不具合は発生していないと考えております。
 資料2-2-1「整形インプラント製品の不具合報告状況及び不具合発生までの使用期間」につきましては、整形インプラント製品において国内の報告件数が多い上位10製品につきまして、不具合が発生するまでの使用期間をまとめた表です。整形インプラント製品で再手術や再置換とされたものについて、どのくらいの期間使用された後に再手術等となったのかが分からない、という御指摘をいただいていたことについて、前回の部会に引き続き、各使用期間をまとめておりますので、御検討の参考としていただければと思います。
 資料2-2-2は、「医療機器 過去5年間の国内不具合報告の公表状況」でございます。平成19年度〜平成23年度までの5年間の公表状況をまとめております。平成23年度は、中心循環系血管内超音波カテーテルの不具合が5,000件以上報告された平成22年度よりも、2割弱程度減少しております。一方、死亡の報告数については、因果関係が否定できない評価については、平成22年度の82件から平成23年度の67件とやや減少している状況です。
 次に裏面で、機器との因果関係が否定できないA評価の一般的名称ごとの報告件数をお示ししております。比較的報告件数が多いものとして、冠動脈ステントについては5年間で107件の報告があります。こちらは、平成22年度には46件と数が多くなっておりますが、こちらは死亡報告のうちの多くはCypherステントの血栓症レジストリー、RESTARTでの死亡報告例が、死亡発生自体は平成20年度以前のものでありますが、平成22年度に報告されたという事情で数が多くなっております。平成23年度については、平成21年度と同等の数になっております。
 大動脈用ステントグラフトについては、5年間で37件の報告があります。年々死亡報告数が増えております。こちらについては、使用数が増加していることと、また対象患者の高齢化や病変の複雑化に伴い、外科手術に耐えられないリスクの高い症例での治療が増えているという事情がございます。
 整形外科用骨セメントにつきましては、以前から骨セメントを使用する上で、肺塞栓や血圧低下が避けられない合併症として、厚生労働省でも安全性情報等を発出し、注意喚起をしているところです。一方で骨セメントを使用せずに行う手術も増えてきている状況ではございますが、骨セメントを使用せざるを得ない症例もあり、年間数件の死亡例が報告されている状況です。
 そのほかでは、コラーゲン使用吸収性局所止血材が、平成23年度で報告数が6件と増加しております。こちらは後腹膜血腫や敗血症の事例です。平成16年〜平成18年に発生した症例で、未報告だったものがこの度報告されたものですが、当該製品自体、現在は製造販売をされていない状況です。
 もう一つ平成23年度に増えているものとしまして、胃十二指腸用ステントがございますが、平成23年度に4件報告されています。こちらは先ほど御説明いたしました、消化管用ステントの注意喚起通知に関するもので、腸管穿孔を来たした事例です。
 資料2-3の、「医療機器外国措置報告」につきましては、企業が海外でも同じ製品を製造販売している場合に、海外でとられた措置について、日本の行政当局にも報告するというものです。これも不具合報告と同じく、平成24年度上半期で721件の報告が来ている状況です。海外で措置を行った結果について、日本の対象製品がないような場合を除き、概ね日本においても同様の対応をとっている状況です。それぞれの御説明は省略させていただきますが、死亡又は重篤な健康被害の恐れのある分類として、クラスI回収を行ったものについて御紹介いたします。
 3ページの69番はクイックフレックスです。こちらは、心臓再同期治療に使用される左心室用のリードでございまして、クラスI回収がなされているものです。銅線の先端部のシリコン製の絶縁被膜が摩耗し、内部銅線が露出するというものです。銅線が露出しても、銅線自体にもフッ素樹脂の絶縁被膜の被覆がされていて、直ちに電気的な異常を起こすわけではございませんが、最悪の事態に備えて回収を行っているものです。
 9ページの205番〜207番は同一のものですが、31ページの699番〜701番のRIATA ICDリード等の3製品です。それぞれオーストラリア、ドイツでの措置です。こちらは、ICDと共に使用される右室用のリードです。不具合内容としては、先ほど御説明いたしましたクイックフレックスと同様に、銅線の絶縁被覆が摩耗し、内部銅線が露出するというものです。こちらは、既に新規の販売は終了しておりまして、既に植え込まれた患者さんに対し、しっかりとモニタリングを行うということで回収ということになっております。
 資料2-4「医療機器研究報告」につきまして御説明いたします。今回は2社3製品に関する御報告がされております。1番及び2番は、日本アルコン社製の後房レンズ2製品に関するもので、アクリルレンズを長期インプラントすることにより発生する、表面散乱光の視力への影響を確認することを目的としたものです。表面散乱光の強度は、経年的にレンズ前面にて強くなるということです。表面散乱光が増強しても、視力の変化と相関関係がないことが確認されたということです。原因の特定は困難ということですが、表面散乱光の強度が高い症例については、矯正化遠見視力が減少した症例の割合が大きくなったということです。企業としては、表面散乱光が増す事象について、添付文書の不具合の項目で「レンズ表面反射」として記載をし、情報提供しているところです。
 3番は、セント・ジュード・メディカル社のアンジオシールに関するものです。単施設での8年間の経皮的インターベンション後の穿刺部合併症の発生率を確認することを目的としたものです。8年間で51名の患者が穿刺部合併症による処置を受けているということで、止血デバイスのアンジオシールを使用したのは後半の4年間で、使用期間の年間の急性下肢虚血及び重度跛行症例数は、不使用の期間と比べて有意に増加したということで、また、止血デバイス使用群のほうが血行障害発生に伴い、外科的血行再建を行った症例が多かったなどの結果が得られたということです。考察としては、止血デバイス使用時は、合併症発生リスクを考慮し、また防ぐことを念頭に置くべきであると結論されております。企業としては、添付文書の有害事象の項で、穿刺部合併症について記載しているとともに、血管モデルを用いた操作方法の説明の実施や、適用患者の選択・使用時の注意点等をまとめた冊子など、情報提供を実施しているところでございます。説明は以上です。
○笠貫部会長 どうもありがとうございます。大変多くの資料を報告していただきましたけれども、御質問、御意見はございますか。
○佐伯委員 今まで何度も拝見していたこの分厚い不具合報告ですが、「その他」の欄がございますが、「その他」というにはもう少し中身が「対応」であるとか「対策」であるとか、そのように書かれてある方がいいかと思います。今の資料2-4には「企業による対応」という欄になっておりますが、この資料2-2の最後の「その他」というのも何かしらの対応であると思いますので、そのように表現を変えていただく方が分かりやすいというのが1点です。
 もう1点は、情報提供という名の下に、お聞きしていると様々なものが含まれていると思うのです。添付文書の改訂や、情報提供というのはその字のごとくですが、伺っていると国内販売はしていないなど、そういうものも入っているようですので、少し具体的に、今販売されているのかいないのかも情報としては大事だと思いますので、それが書かれると良いと思います。
○事務局 1点目の御指摘いただいた内容を踏まえまして、対応を検討させていただきたいと思います。「その他」の記載については、より分かりやすい記載にしたいと思います。情報提供の方は、どのような形で対応できるか、少し検討させていただきたいと思います。
○笠貫部会長 ほかにはよろしいでしょうか。
○荒井委員 資料2-4でお話いただいた「医療機器研究報告」の、特に私は3番目に注目をしています。先ほど、消化管ステントの方で発言させていただきましたように、確かに合併症はあるかもしれないけれども、ベネフィットが大きく見込める領域というのがあります。そういう一定度許容される合併症もある訳ですが、ここで問題となっている血管撮影時の止血デバイスは消化管ステントの場合と同じではありません。血管撮影は、日本でも最近は外来でもやっていますが、このデバイスによるベネフィットを受けるのはどちらかと言うと患者さんではなく、医療者側です。すなわち、医療現場側が、非常に時間の短縮になり、楽になるということです。死亡に至る症例が多いわけではありませんが、現実に後腹膜出血して亡くなった患者さんもおられるということですので、ここでは研究報告として出していただいていますが、企業による対応だけで終わらせてしまっていいものか、その辺はいかがお考えでしょうか。
○機構 総合機構から返答させていただきます。止血デバイスについて、その止血方法には2種類あり、このアンジオシールのように、コラーゲンで止めるものと、糸で直接縫うものと2種類ございます。2種類の製品について、過去5年程度遡って、現在調査をしておりまして、その不具合については後腹膜血腫といわれるような少し時間が経ってから起きるものと、血管を縫っているときに起きるパターンがございます。それに対して、「企業による対応」等にも書いておりますが、病院採用時や、学会等々で、繰り返し適正な使用のための情報提供や、注意喚起を行っているところです。ただ、論文の中にも書いてありますとおり、後腹膜血腫のような重篤な健康被害につながる恐れがございますので、現在の情報提供文書など、十分かどうかについて検討して、更により良いものにしていきたいと考えております。
○荒井委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。
○笠貫部会長 これも企業を通しての注意喚起ということだと思うのです。できることならこういった問題は企業の方から学会を通してというのも一つの方法だと思いますので、是非そちらも検討していただけたらと思います。そのほかにはありますでしょうか。
○横井委員 先ほどCool-tipの不具合が、報告基準を変えたことで急に増えたというようなお話だったかと思うのですが、その辺はどのような変更があったかを教えていただけますか。
○機構 総合機構から返答させていただきます。実質的な健康被害が患者さんに発生していない場合など、その場で医療従事者の方が適切に処置していただいた場合などでは、健康被害が起きていないということで、企業が非重篤というように捉えていた事例が多く、こちらについては重篤に至る恐れのある症例ということで、不具合報告基準に照らし合わし、報告を求めたものです。
○横井委員 分かりました、ありがとうございました。
○笠貫部会長 ほかにはよろしいですか。
○佐伯委員 分類の(7)に「視力補正用色付コンタクトレンズ」が5件上がっていますが、視力補正が目的ではなく、単なる化粧の道具として、この頃、カラーコンタクトレンズを使う若い方が増えていると聞いているのですが、それは分類(8)に入るのでしょうか。あるいは事が起きてからどこかがそれに対応すると、何か方針のようなものはお持ちでしょうか。
○事務局 分類につきましては、分類の(7)の「眼科用機器」に入ってくる形になりますが、今回の報告の中では該当するものはありません。
○佐伯委員 というのは、恐らく化粧品というか、そういうところで購入するので、眼科にはかからずに、自分で付けていると思うのですね。そうすると医療機器ではないのかもしれない。けれども、何か身体に健康被害が及ぶおそれは多分にあるものですね。
○安全対策課長 ありがとうございます。いわゆる非視力補正用の、視力補正用でないおしゃれ用と申しますか、カラーコンタクトレンズについては、従来医療機器でなく、通常の製品として流通していたのですが、今は薬事法の中に取り込みまして、医療機器の一つとして規制を受ける形になっております。
 ただ、日本眼科医会や、コンタクトレンズ学会などにも御指摘いただいていますが、健康被害の事例、特にコンタクトレンズそのものの問題というよりもその取扱いの問題。先生がおっしゃるように、きちんと眼科医の診断を受けずに、ベースカーブなどの合わないものを使用するとか、または定期的な検診を受けないといったことで、健康被害が生じているというような御指摘もありまして、学会等でも健康被害の状況について、調査などもしていただいております。使用に当たっては、カラーコンタクトレンズであっても医療機器ですので、きちんと診察を受けて購入いただけるように、販売業者の指導などを進めているところです。
○佐伯委員 ありがとうございます。
○西田委員 眼科の立場から。今、御説明ございましたとおり、今までは雑品でしたので取扱いが全く規制を受けていないという状況でした。現在は管理下に置かれていることは間違いないのですが、まず、品物そのものが良いかどうかという問題と、つまりここで議論する問題と、取扱い、単なるお化粧用ですから本来は悪くないわけですけれども、少し眼を緑色にしたいとか、そういう目的ですので、実際の患者さんと言いますか、一般の皆さんは医療用のものだという認識がありません。極端なことを言えば、女性に限らず男性も行っているかもしれませんが、ある方が隣の人にこれを使いませんかということで交換をしたり、ブローチを交換するような感覚がございます。
 我々は現場でそれによる障害が生じた患者さんを診ておりますので、その辺りが眼科医会あるいは日本眼科学会、日本コンタクトレンズ学会などが、実際、厚生労働省の方にも、しばらくお願いをしていて、今度ようやく規制の管理下に置いていただくようになったのです。現実にはその部分は全く眼科医側からは把握できないということですので、品物の善し悪しとは別の次元のキャンペーンというような問題が残っているかと思います。それについて学会では、いろいろな形で一般の方へのキャンペーンをしようということでやっております。補足させていただきました。
○笠貫部会長 薬の場合には、医師と患者さんというか国民の間には薬剤師がいるのですが、医療機器の場合には、そういった意味の中間の役割を果たす人がいないというのも、今のような問題のときにどう対応したらいいのかということが大きな問題だと思います。いずれにしても、この機器メーカーの方から情報伝達をどうするかを徹底するという事と、今の眼科医会からの一般国民へのメッセージをどのようにするか、そういう安全対策になりますか。
○西田委員 恐らくその辺りが今、現実にできることかと思います。アメリカなどの事例では、極端なことを申しますと、フレアマーケットといいますか、物々交換のマーケットが日曜日などにありますが、そういう所でコンタクトレンズが、これは飽いたから売りに出して1ドルで売り、それで隣の1ドルの製品を買って帰るというような、そういう感覚があり、それは非常に不潔な物です。そうしたことに対してキャンペーンをしても、必要ないものはお金に換えるという発想が出れば、もうどうしようもないというのが正直なところです。
 今、部会長がおっしゃったように、眼科医ができる限りのキャンペーンはやろうとしておりますし、現にやっておりますけれども、それ以上は少し難しいところかというように思っております。
○笠貫部会長 如何に怖いかという不具合を、どのように国民に情報提供するかは、是非、行政サイドの方もまたサポートしていただけたらというように思います。それ以外にありますでしょうか。
 この資料2-2-1整形インプラントは非常に細かく分析していただいて、大変重要な情報が入っているのだろうと思います。特にインプラントの場合というような短期の場合と、それから10年以上の長期に渡ってこれをフォローして分析しているという、重要な情報が入っていると思うのですが。こうしたものを見て、10年以上経って破損したものをどう考えるかという、インプラントの場合の耐久性の問題があると思うのです。こういうことについて整形外科の先生は、これだけの資料が出されましたので、何かコメントをいただけたらと思うのですが。
○杉山委員 非常に難しい問題で、ただ単にインプラントの不具合だけではなくて、その手術手技との関係があります。手術でインプラントを入れるのにも、入れる角度、入れ方、入れる操作でのほかの機器との干渉などの問題がありまして、一概にインプラントの不具合とは言えません。しかし、破損を含めインプラントの耐久性は大きな問題です。一般に人工関節でいえば20年は使えますと言われているわけで、それが20年経たずに破損しているのは、やはりインプラント自体に何らかの問題があると考えるべきではないかと思います。
○笠貫部会長 この情報は医療の現場に非常に大事だと思いますが、こういう情報は医療の現場には企業の方から情報提供されるのでしょうか、どうなのでしょうか。
○溝渕委員 歯科用のインプラントは、これもやはり破折がございます。毎回ここに上がってくるケースは5件までです。実際、開業医さんの方ではもっと出ていると思います。基本的には、今おっしゃったように噛合せの問題や、強い噛合せの場合には耐久が悪くなることもありますので、そういう問題は歯科用でもあると思います。
○笠貫部会長 こういったインプラントという長期に渡るものは、その機器の問題そのものと、使い方の問題、それから今の噛み具合の患者さん側の問題と三つあるので、この情報をそれぞれ共有できる仕組みができると良いと思いますので、これだけの分析したデータは是非、また臨床の方でも応用といいますか、活用していただけたら有り難いと思いました。
 それ以外にはございませんでしょうか。特に無いようであれば、議題3に移らせていただきます。
○事務局 報告事項議題3「医療機器の感染症定期報告について」、資料3-1、3-2より御報告させていただきます。今回は、平成24年4月〜平成24年9月末までに報告された感染症定期報告を取りまとめており、合計で34件の報告がございました。資料は二つございますが、資料3-2が医薬品医療機器総合機構からの感染症定期報告の整理・調査結果です。これは医療機器、原材料ごととなっておりますため、感染症単位でまとまっておらず同一文献が何度も出てくること、また前回までの部会にも御報告済みのものがございますので、新規の文献について感染症ごとに資料3-1に整理しております。
 資料3-1「感染症定期報告感染症別文献一覧表」ですが、今申し上げたとおり、昨年4月〜9月末までに報告された17種類の名称の感染症について、新規文献又は報道発表資料等51点を取りまとめております。今回報告が多かったものは、インフルエンザ関係で12件、E型肝炎が8件、レンサ球菌感染症及び鳥インフルエンザについて4件、といったところが比較的多く報告されております。内容については、今回も事前に御専門の石井委員、内田委員、渡邉委員に御検討をお願いし、特に石井委員と渡邉委員には、御所属の国立感染症研究所での所属の先生方に学術的なコメントをお願いするなどして、措置を講ずる必要性を含めて御意見をいただいております。今回、医療機器の安全対策上新たな措置を講ずる等の必要があるという文献は、特に見つからなかったということでした。また、石井委員よりフランスにおけるE型肝炎について、内田委員よりスイスにおけるBSEについてコメントがございます。以上です。
○笠貫部会長 専門家の石井委員と内田委員と渡邉委員には事前に御意見をいただいているということですが、石井委員あるいは内田委員の方からコメントとして付け加えることはございますか。
○石井委員 石井の方からコメントさせていただきます。今回、医療機器ではなくて、食品関係の文献がかなりございました。資料3-1「感染症定期報告感染症別文献一覧表(医療機器)」の1ページの4番にありますE型肝炎につきまして、コメントさせていただきます。これは、ブタの肝臓入りのソーセージ、フィガテルの非加熱の喫食によるE型肝炎が報告されています。これまでイノシシ、ブタ、シカの生肉、生レバーの喫食によるケースが繰り返し報告されていますが、ソーセージというところが新しいかと思います。なお、これはフランスの事象であり、日本ではほとんど喫食されていないということであります。以上でございます。
○笠貫部会長 内田委員の方から何かございますか。
○内田委員 HEV(E型肝炎ウイルス)についての追加でコメントということでもよろしいでしょうか。HEVに関してもたくさん、今回8件の報告が出ております。特に、中国の方でE型肝炎ウイルスの4型というものがかなり検出されていることが報告されており、これについては若干注意が必要かと考えております。
 日本赤十字社の方で、血液製剤ですが北海道に限定してHEVの検査を行っているところです。これはジェノタイプの4型というのが重症化しやすいということで、北海道でその検査を行っていると聞いているところです。今回は医療機器ということですので、コート材に使われるウロキナーゼですとか、ヘパリン等の原料が主として中国で製造されていることがありますので、若干注意が必要かと思います。ただし、少なくともこれらの製品に関しては、HEVに関して十分なウイルスクリアランス工程があるとされておりますので、その点については大丈夫だとは思うのですが、注意をしていただきたいということです。
 プリオンの方ですが、34番、35番の方にBSE、従来型とは異なる表現型を示すプリオンが見つかったことが報告されており、この点についても若干注意が必要だと考えております。使用する抗体によって検出されない場合があるということですので、検出系等も含めてフォローアップが必要ではないかということです。ただし、今回見つかった新しいタイプに関しては非常に高齢のウシで見つかっておりますので、現実的なリスクとしては高くはないとは思いますが、今後も企業の方におかれましては情報収集に努めていただければと思います。以上です。
○笠貫部会長 ただ今の御報告あるいはコメントに対して、御質問等はございますか。よろしいでしょうか。それでは、特に無いようであれば、議題4の方に移らせていただきます。議題4について、事務局の方から御説明をお願いいたします。
○事務局 報告事項議題4の「その他」につきまして、参考資料1〜3に沿って御説明させていただきます。まず、参考資料1は、先ほどからもコンタクトレンズの販売に関して御議論がございましたが、「コンタクトレンズの適正使用に関する情報提供等の徹底について」ということで通知を出しております。1ページ〜5ページにございますが、こちらは厚生労働省から各都道府県に対して、コンタクトレンズの販売業者に対する指導事項を通知したものです。
 コンタクトレンズについては、昨今、角膜潰瘍や角膜炎など重篤な眼障害が報告されている状況でございまして、その原因として手入れの不徹底や、長時間の装用等の不適切な使用によるものや、その危険性が購入時に使用者に対して十分に説明されていないこと、医療機関の受診がされていないことなどが指摘されております。そこで、コンタクトレンズの販売時に医療機関の受診状況を確認し記録すること、受診していない場合は受診を勧奨すること、重篤な眼障害の発生も含めて、適正な使用のために必要な情報提供を行うことなどを、販売業者に対して求めることとしております。
 そのほか、日本コンタクトレンズ協会が定めました、販売自主基準及びQ&Aの周知を依頼するという通知になっております。
 6ページ、7ページについては都道府県に対して通知したものと同一の内容ですが、日本コンタクトレンズ協会にも改めて通知しているものです。
 続いて参考資料2、「PMDA医療安全情報」で、「手術時の熱傷事故について」です。手術時に使用する内視鏡等の光源や電気メスなど、熱を持つ機器をドレープの上に置くことによって、患者さんに熱傷をさせないように御注意くださいということです。3ページの方では、ホルスターやシリコンマットなど、手術中における電気メス等の管理の一例を示しているものです。
 参考資料3、「気管切開チューブの取扱い時の注意について」です。気管切開チューブの抜けを防ぐために、固定のゆるみなどがないか定期的に確認を行うこと。2ページは、再挿入時には無理に押し込むと、皮下に迷入してしまうことがあるので注意をすること。気管挿管の準備を整えておくことを記載しております。2点目として、3ページですが、スタイレット付きの気管切開チューブの使用時には、必ずスタイレットを抜くことを記載しており、4ページでは、スタイレット付きの製品の例を示し、院内で採用しているものを確認するよう注意喚起をしているものです。
 こちらが、前回の部会以降出しております通知及びPMDAの医療安全情報です。御説明は以上です。
○笠貫部会長 ただ今の御説明に御質問、御意見ございますか。先ほどのコンタクトレンズについては参考資料1の方で詳しくお話ができたと思うのですが、佐伯委員、よろしいでしょうか。ほかのほうを見ていらっしゃったら、何でも結構ですので、どうぞ。
○佐伯委員 先ほど、眼科の先生がアメリカでの状況をおっしゃったように、多分医療だけでなく、何か黒目を大きく見せるようなものとか、テレビで宣伝みたいなものもしておりますので、コンタクトレンズ販売業者ということで把握し切れないところでの流通がかなりあるのかという気もします。インターネットなどでの入手や、そちらの方が多いのかという気がいたしますので、できれば、例えばテレビでそれだけの商品の宣伝があるなら、同じぐらいにコンタクトレンズはとても危ないですよ、というような啓発のようなことも、国でしていただく方がいいのではないかと思うのです。
○笠貫部会長 では、先生の方から何か加えることがございましたら、どうぞ。
○西田委員 ここに出ておりますコンタクトレンズ協会というのを、もし間違っていたら訂正してください。日本コンタクトレンズ学会の場合、いわゆる眼科医会員も入っていますが、基本的にコンタクトレンズの製造業者の集まりと理解しています。ここに参加し加盟している業者は、ほとんどが医療機器としての承認を取って販売する、いわゆる従来のコンタクトレンズを作っているメーカーです。業者名は申し上げませんが、おっしゃっているテレビで見ているようなコンタクトレンズ、私も個人的には気になるのですが、あれはきちんとしたメーカーなのです。きちんとしたメーカーというか、視力矯正用のコンタクトレンズを、きちんと臨床治験を行って、申請して、承認を取って、販売することを日頃やっているメーカーです。そういう意味では、恐らく、しっかり管理されていると思います。
 おっしゃるように、眼科医の側から、現場からそういった障害が発生した人を私達は診るわけですが、そのときに問題になるケースというのは、きちんとしたデータではなくて、自分の感覚で申し上げているので良くないかもしれませんけれども、おっしゃるようにインターネットで買って、眼科医が一度も介在せずにしたとか、それから手入れがほとんどされていなかったり、例えば、1日で捨てないといけない物を、捨てずに何日間か使うと。そのときにしっかり、では通常の2週間連続装用とか、そのように手入れをしてくださればいい、それならまだましでしょうけれど、それもしないというような方に潰瘍とか感染症が起こり、我々のところに来られる。見えないということで来られると。
 もう一つは、こういうコンタクトレンズ協会に加盟してない、どちらかというと輸入業者になるのですか、販売業者が多分世の中には存在していると思います。ですから、アジアの各国で作られたコンタクトレンズなど、そういうのが国内に持ち込まれて、それは、昔は雑品という扱いでしたから、全く合法的に国内で販売できたということです。アジアに限らずアメリカからのもあるでしょうが、そういうものも実際には流通している。これを法的な根拠は全くございませんので、先ほど部会長がおっしゃったように、薬剤とはまた扱いが全然違いますので、いわゆる法的な処方箋がないと、処方薬は患者さんに渡すことは厳密にはできないわけです。普通の承認を受けている薬を患者さんに渡すというのは、処方箋が必要なのですね。ところが、コンタクトレンズの場合には法的には処方箋なしで渡しても、何ら法的には違法ではない。
 ですから、こういうコンタクトレンズ協会からの情報、指導というのはあくまで自主規制で、最後のQ&Aにも出ていますが、これに対する罰則規定というのは、あくまで業界の自主規制ですので、これを超えたところの規制はどこまでできるかというのは別の問題でありますし、この場での議論というより、もっと大きな社会的な問題かと、私個人としては理解しております。よろしいでしょうか。何かもし思い違いがあったら修正してください。
○安全対策課長 ありがとうございました。カラーコンタクトレンズを含めたコンタクトレンズの健康被害の多くは、若い女性が主体となっているようです。今、先生からも御指摘がございましたように、特にインターネットで買われるケースも結構あります。インターネットの場合にはもちろん国内で承認を受けた製品がネットで販売されているものも、もちろん多くございますが、今、先生からも御指摘がございましたように、韓国とかアジアでの、日本では承認を受けていない、もちろん韓国では承認を受けているかもしれませんけれども、そういう製品もインターネットでは自由に買うこともできて、そういったものを利用している方もいらっしゃるようです。
 基本的には、繰り返し使用者の意識を高めていただくという方法しか、根本的には解決が難しいと思っております。このコンタクトレンズ協会、またコンタクトレンズ協議会、また学会の御協力もいただいて、今、中学校での啓発資料を使った、早い段階でコンタクトレンズを始める年齢がどんどん若くなっていると言われておりますが、中学生・高校生に対して、どういう被害が起こるのかということもお示ししながら、啓発できるような資材の作成なども御協力いただいて、配布を始めていただいております。
 ほか、この間、医薬品医療機器等安全性情報294号でも、このコンタクトレンズの危害については記事も書いて、マスコミの皆様にも啓蒙といいますか、機会を捉えて記事を書いていただきたいということではお願いをしました。また、政府広報のチャネルも使って、どのように危害があるのかということと、どのように使えばいいのかについては、関心をいただけるような活動を繰り返しやっていくしかないかと思っております。
 この問題については、コンタクトレンズ学会や日本眼科学会、眼科医会の先生方の強い御協力をいただいており、引き続き連携して対応に努めていきたいと考えております。なかなか決め手がないところが難しいところですが、引き続き努めていきたいと考えております。
○笠貫部会長 コンタクトに限らず、今のお話に何か御質問ございますか。
○井部委員 参考資料3で、今日は気管切開チューブに関しての注意が2件出ております。2番目のスタイレットを抜き忘れてしまっているというのは、驚きです。対応としては「注意しましょう」といったような感じなのですが、これはフェイルセーフでしたか、そうした考え方からすると、注意しましょうというだけではなかなか改善にはならない。どうしてスタイレットを抜かずに気管切開チューブを入れて、それで終わりになるのか。関連の状況が分かりましたら、少し教えていただきたいと思います。
○機構 総合機構です。このスタイレット抜き忘れの事例は過去に2件、マスコミで報道されております。ちょうど1年おきに2件、別々の施設で起こったものです。1件は2010年で、もう1件が2011年で、ちょうど1年空いて異なる施設で同様にスタイレットを抜き忘れたという事故です。2例とも死亡されており、事象の重大さと、繰り返し同様事例が発生しているということで、PMDAの医療安全性情報を作成するきっかけになったわけです。この2件とも、当事者は27歳の研修医あるいは若い医師というようなマスコミの報道でした。スタッフの間の連携も悪く、初歩的なミスであったとの記者会見の内容でしたが、そういう事例の発生が今後も否定できないということで、こういう注意喚起のレターを書きつつも、委員が御指摘のようにフェイルセーフ機能のような形で、スタイレットをもう少し識別できる、抜き忘れないような構造にできないかということに関して、これらを作っている業界の方にも働きかけている状況です。
○井部委員 ありがとうございます。是非3件目が起きないように対応を考えなければならないと思います。
○笠貫部会長 これは、不具合報告なのですか、あるいは医療事故報告で上がっているのですか。
○機構 この情報はマスコミ報道で、我々も入手したものです。
○笠貫部会長 医療機器の不具合ではないかもしれませんが、いろいろなチャネルでそういったものが情報として上がってくることは大事かと思いました。こういうものは出ることによって更に安全のための工夫ができないか、常に努力していかなくてはいけないことかと思います。それ以外にはございますか。よろしいでしょうか。
 特に御質問が無いようであれば、少し時間は早くなりますが、これで報告事項を終了とさせていただきたいと思います。たくさん報告事項の中では大事な資料と報告があったように思います。そういう形で、医療機器の安全対策が日々なされているということで、更に事務局を含めて様々な努力をしていただけたらと思います。今日それでよろしければ、事務局の方から次回の日程等について御報告いただきたいと思います。
○事務局 次回の部会の日程ですが、例年どおり、平成25年度の第1回目になりますが、7月頃を予定しております。部会での審議等が必要な議題が生じた場合には開催が早まることもございますが、予定としては7月を予定しておりますので、御承知おきいただければと思います。なお、日程調整については事務局の方から、別途、先生方の御都合を伺って決めさせていただきたいと思います。以上です。
○安全対策課長 すみません、一言。2年に一度審議会の委員の改選がございますが、今年の1月末が委員の改選時期に当たっており、現在の委員の構成での審議は今日が最後の部会になります。佐伯先生と配島先生には長年にわたって御協力いただきましたけれども、任期が長くなってしまったということで、大変残念なのですが、今日の審議をもって最後の会となります。その他の多くの先生方については、引き続き部会の委員として御協力をいただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。佐伯先生、配島先生、どうも大変ありがとうございました。
○笠貫部会長 部会をお辞めになられてからも、安全対策については様々な所でまた御支援あるいは御指示をいただけたら大変有り難いと思います。本当にありがとうございました。
 これで、平成24年度の第2回の医療安全対策部会を閉会とさせていただきます。どうも長時間にわたりまして、ありがとうございました。


(了)

備考
 本部会は、公開で開催された。

連絡先: 医薬食品局 安全対策課安全使用推進室 室長補佐 高畑(内線2751)

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