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2013年3月27日 第69回労働政策審議会職業能力開発分科会議事録

職業能力開発局

○日時

平成24年3月27日(水)13時00分〜15時00分





○場所

中央合同庁舎第5号館 厚生労働省省議室(9階)







○議題

○今野分科会長 時間ですので、ただいまから第69回労働政策審議会職業能力開発分科会を開催します。本日は黒澤委員、豊島委員、林委員、河本委員、大隈委員が御欠席です。
 それでは議事に入りたいと思います。お手元に議事次第にありますように、今日は7件の議題が用意されています。数が多いので効率的にいきたいと思いますので、御協力の程、よろしくお願いします。
 まずは議題の(1)から(4)まで、長いから読んでください。その4件についての、まず諮問があります。この諮問は厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛に諮問がなされたところです。これを受けて、本分科会で審議を行うということで、この件について事務局から説明をしていただき、議論をしていただきたいと思います。
 それでは(1)から(4)までの諮問案件について説明をお願いします。

○志村能力開発課長 それでは資料の1について説明をします。「職業能力開発促進法施行規則の一部を改正する省令案要綱」について御説明します。諮問事項としては2点あります。1点目は資料1の指導員訓練課程の見直しに関すること、2点目は資料2-1の職業訓練基準の見直しに関することです。それぞれの要綱案の内容については資料2-2、A4の横置きの資料ですが、これに基づき説明をさせていただきます。
 1ページ目はグランドデザインですけれども、指導員訓練課程の見直しにつきましては前回、昨年10月の職業能力開発分科会におきまして一度、御説明させていただいたものです。そしてその資料については7ページ以降に付けていますが、職業能力開発総合大学校で行っている指導員訓練課程につきまして、新たな指導員養成訓練、いわゆるハイレベル訓練と指導員技能向上訓練、いわゆるスキルアップ訓練として再編を行うものです。そして大体のグランドデザインについては次の2ページ目を御覧になりながらお聞きいただければと思いますが、今回の省令改正はハイレベル訓練、スキルアップ訓練のそれぞれについて、訓練対象者や訓練期間、指導員資格などの必要な事項につきまして省令に定めるものです。
 主な改正内容としましては、現行の新規高卒者等を対象とする四年制訓練の長期課程、長期課程修了者等を対象とした2年間の研究課程をそれぞれ廃止しまして、職業訓練指導員になろうとする大卒者等を対象に、訓練指導の現場で即戦力として活躍するために必要な能力を付加するための訓練として1〜2年の長期養成課程を設置するとともに、1か月又は3か月、最大1年の短期養成課程も設置します。長期養成課程の修了者及び短期養成課程の能力検査に合格した者には指導員免許が付与されます。また、現行の専門課程及び応用研究課程はそれぞれ職種転換課程、高度養成課程に改称することとしています。また、現職の職業訓練指導員のスキルアップを図るための研修課程を指導員技能向上訓練として位置付けることにしています。これが指導員訓練課程の見直しです。
 そして職業訓練基準等の見直しが3ページ以下の資料ですが、職業訓練基準等の見直しにつきましては、主要産業分野の訓練科を実施する際の標準的な訓練内容、教科の科目ですとか学科、実技の訓練時間数等の配分等を現状の技術動向を踏まえ、より適切なものに改めるものです。毎年度実施していますが、本年度は普通課程の建築・土木分野、設備施工系分野、設備管理・運転系分野、木材加工分野、次ページまでわたっていますが、教科の科目の追加見直しや修得する技能及び知識の追加等の改正を行うこととしています。例えば、設備施工系の分野で、3ページにありますが再生エネルギーに関する内容、4ページには木工加工の分野では携帯電動工具の扱い方に関する内容を追加するなどの内容になっています。
 そして最後に、施行日につきましては、指導員訓練課程の見直しについては平成26年4月1日、職業訓練基準等の見直しについては平成25年4月1日を予定しています。以上です。

○青山能力開発課企画官 続きまして、3点目の諮問案件について御説明します。職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について御説明します。資料3-1と3-2です。
 資料3-1は諮問文と省令案要綱ですので、具体的には資料3-2を御覧ください。今回の省令改正はいわゆる求職者支援制度、すなわち雇用保険を受給できない求職者に対して職業訓練の機会を提供し、一定の場合には訓練期間中に月10万円を支払い就職を支援する制度ですが、その訓練は民間の教育訓練機関が行う訓練を認定しています。今回はその訓練の認定基準に関する改正です。
 資料3-2の1ページにありますとおり、この制度は平成23年10月に制度が施行されてから1年半が経過しますが、四角囲いにありますように、制度が十分に認知されているかとか、就職に必要な訓練が確保されているか、訓練中の生活支援が受講や就職に役立っているか、制度の利用が安定した就職につながっているかなどの視点で制度全体にわたって見直しを検討する必要があると考えています。
 その中で、訓練の設定という点につきましては、あらかじめ用意されているべき受皿として、訓練がニーズに対応して機動的に設定されるよう可能な限り早期に見直しをするべく、今回、省令改正をお諮りするものです。
 2ページを御覧ください。改正内容は2点あります。1点目は教育訓練機関が満たすべき基準である、過去1年間に同等の内容の訓練を適切に行った実績を要するという要件の改正です。現在の1年という要件によって、1年の間にいったん認定から漏れる、選考されないと実績が途切れてしまう問題点や、後段の「同等の内容の訓練」という要件では、ある地域で必要となった新しい分野、内容の訓練をやろうと思っても、その実績を持つ機関がないと要件を満たさないので認定されず、訓練ができないという問題があります。事実、認定を受けた訓練機関の数を見てみますと、例えば平成24年度、上期と下期で比べても1,700から1,500ぐらいに200ぐらい機関が減っている。要因はほかにいろいろあると思うのですけれど、実際、その内訳の出入りを見ると新規参入もあるんですけども、それ以上の数で従来実績を積んできた機関も撤退している事実もあります。訓練機関が少ない地域ではとりわけ、こういう一定の実績がある優良の機関まで排除されることはあってはならないと考えているので、改正をするものです。具体的には1年を3年に延ばし、また「同等の内容訓練」とありますが、同等の訓練内容までは求めることをやめて同程度の、体系的に訓練を計画し、実施した実績があれば認めるという趣旨で同程度の訓練期間と訓練時間を求めるように改正するものです。
 2点目の改正は、教育訓練機関が求職者支援訓練の実績を持つ場合の条件である、過去の訓練のときの就職状況の報告書の回収率が80%を下回ったら、その分野については以後、全国で不認定、つまり認定しないという要件についてです。現状のこの件では、この就職状況の報告の回収は教育訓練機関が受講生であった人から回収するのですが、例えば連絡の取れなくなってしまった受講生から回収できないような場合もありますが、その場合も含めて教育訓練機関が認定資格を失ってしまう形でもっぱらリスクを負っているために撤退を余儀なくされる場合もある現状です。他方、この要件は就職支援をするという制度の趣旨から非常に重要な要件でもありますので、それも考慮しつつ、この要件について一定の範囲での見直し、緩和、すなわち1回、80%を下回っただけでは即、不認定ではなく、ただし3年間に2回下回った場合に以後、不認定という形に改正したいと思います。
 以上が改正点ですが、周知や認定審査の期間もありますので、10月以降の開講コースから適用したいと思います。
 資料の3ページは御参考です。訓練認定の流れを参考に示したものでして、改正前の1つ目の要件はSTEP1、初めに判断する要件でして、2つ目の過去の求職者訓練の就職状況の報告の回収というのはちょっと明確には書いてませんけれども真ん中のSTEP2で判断する要件になっていますので、それぞれで一定の見直しをするという趣旨です。以上です。

○山本育成支援課長 それでは「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案の要綱」について御説明します。
 今回、お諮りするのは、平成25年予算に関連します雇用保険二事業に関する省令改正のうちの職業能力開発局所管分です。資料4-1が諮問文で、資料4-2で御説明します。
 まず1ページ目で、改正事項は2点あります。1点目は認定職業訓練の補助金の、震災特例に関する改正です。2点目はキャリア形成促進助成金の見直しに関する改正です。内容は3ページ以降です。
 まず3ページは認定職業訓練の改正に関するものです。東日本大震災により被災した認定職業訓練の施設については、その復旧に関する国庫負担率の引き上げの特例措置を、平成24年度まで講じているところです。これにつきましては、平成25年度に実施する施設もありますので、延長させていただきたいと考えております。特例の具体的内容は、東日本大震災により被災しました災害救助法適用地域にあります認定職業訓練施設の災害復旧に関して、国から県への補助の特例として、通常では県が補助するものの2分の1を国が補助して、国の負担割合の上限が3分の1となっていますが、これを県の補助の3分の2を国が補助しまして、国の上限が2分の1とするものです。具体的には通常の場合ですと、国、県、実施主体が3分の1ずつ負担するものについて、この特例では国が2分の1、県と実施主体がそれぞれ4分の1で、国の負担率の引き上げをしています。以上が認定職業訓練の関係です。
 2点目は4ページで、キャリア形成促進助成金の関係です。キャリア形成促進助成金に関しては、より人材育成や雇用に関する政策課題に対応したものとすべく平成25年度予算で見直しを行うこととしており、今回の改正はこの見直しに伴うものです。具体的には「助成対象」のところですが、平成25年度からは政策課題対応型と一般型に分けて、若年人材育成ほか、6つのコースに該当する訓練につきましては助成率の引上げ等を行いたいと考えています。
 また、訓練の質の向上という観点から助成対象訓練時間については現行10時間以上のものを20時間以上に引き上げさせていただきたいと考えております。なお、非正規の労働者に対する助成金はキャリアアップ助成金という職業安定局の所管する助成金へ移行します。また、中小企業雇用創出等能力開発助成金は中小企業労働力確保法に基づきまして認定を受けた計画により行われる訓練への助成ですが、これにつきましては政策課題対応型で対応できるということで廃止したいと考えております。
 助成内容につきましては、政策課題対応型、一般型、それぞれここに書いてあるような賃金助成、経費助成をします。認定実習併用職業訓練のOJT実施助成につきましては引き続き実施したいと考えています。また、自発的職業能力開発の制度導入奨励金等は全体の見直しの中で、廃止いたします。
 5ページ目が政策課題対応型の各コースの訓練の具体的なイメージ、6ページ目が助成内容の現行と見直し後の比較です。以上です。よろしくお願いします。

○今野分科会長 ありがとうございました。4つの諮問案件について事務局から説明いただきました。御質問、御意見をお願いします。

○新谷委員 諮問案件4つのうちの1つ目と2つ目について、質問と意見を申し上げたいと思います。まず、職業訓練指導員の訓練課程の見直しの省令案要綱ですが、長期養成課程や短期養成課程などのハイレベル訓練、それとスキルアップ訓練を実施するということで、従来、この分科会で論議してきた方向に沿って規則を改正するということです。現在、全国に職業訓練施設が国(高齢・障害・求職者雇用支援機構)の施設と都道府県、横浜市が持っている訓練施設があると思います。お聞きしたいのは、これらトータルの指導員数と、そこで定年退職で辞められる方もいらっしゃるでしょうから、新規に投入する指導員の供給体制との関係でバランスがきちんと取れているのかどうかを、改めて数字の検証があれば教えていただきたいと思います。
 それと、この新課程、新しいハイレベル訓練を修了された方、現行の訓練課程でもかまいませんが、実際に指導員として就職・採用される割合は、これも一時、仕分けの関係で話題になりましたけれども、直近のデータが今どのようになっているのか。お分かりになれば教えていただきたいというのが1点目です。
 2つ目の諮問案件ですが、資料2-2の3ページ目に、設備施工分野の関係が出ています。「再生可能エネルギー」とあるので、てっきり太陽光パネルの配線と設置かと思いましたが、「太陽熱給湯装置」という、見慣れた、エコな製品ですが昔からある製品が記載されていました。申し上げたように、今、太陽光パネルの設置が急速に進んでいると思います。お願いしたいのは、おそらく既に検討されていると思いますが、このような労働市場のニーズの変化やそれに求められる職業能力開発、それを指導する指導員に対する職業訓練が陳腐化しないよう、よく業界の動向等々を見ながらアップデートしていただきたいと

○志村能力開発課長 指導員と訓練基準についてお答えいたします。都道府県の訓練校、あるいはポリテクセンターと機構の関係の指導員は、当然年によって変動するわけですが、機構の方は大体2,000人ぐらい、都道府県の方はちょっと把握は難しいのですが、2,300人ぐらいだと聞いておりますので、大体4,300人ぐらいが全国で指導員として活動しております。
 もう一つ、長期課程の指導員の就職率につきましては、平成23年度のデータですが48.0%となっています。基本的には安定的な供給という、今4,300人ベースの充足が都道府県と機構を合わせて、ざっくり100から110ぐらいの年間採用を行っているわけです。今回、お諮りいたしますハイレベル訓練の内容はそのボリュームを十分踏まえた内容として検討し、企画・実施する予定です。
 訓練基準の方ですが、先端技術的には太陽光パネルということでございます。この訓練基準につきましては大体100%の内容とすると、国で60%程度の内容を標準的なものといったことで各訓練校で実施するようにと定めているものです。いわゆる太陽光パネルとか、風力など最新の再生可能エネルギー、そういったものについては残りの40%のところで現場の学校、指導員等が判断して技術等を導入しております。
 委員も御指摘のように、訓練指導員につきましても実際にいろいろ、カリキュラムを3か月、6か月実施していく中で、外部から新たな要素を講師として導入していくというのもあります。あとは指導員自ら、しっかり最新の動向をつかみ取っていくということも図り、訓練基準ともども実際に運用する人の資質の面でもしっかり時代の流れに沿ってやっていきたいと思います。以上です。

○今野分科会長 よろしいですか、ではお願いします。

○新谷委員 求職者支援法施行規則一部改正の件ですが、資料3-2の1頁に全体を俯瞰するような形で、求職者支援制度の施行1年後の検討の視点が書かれてあります。枠の中に4つ書かれてある課題うちの、今回2つ目、訓練の内容の質と量の確保というものに着目をして省令の改正をするということです。
 今回、こういう方向で結構ですが、ここに書かれてありますように、訓練の質の確保は非常に重要だと考えております。講師の資質や受講者の満足など、同じ訓練を実施しても室の違いは目には見えません。いろいろな評価の仕方があると思います。
 目に見えない民間教育訓練の質を確保するということでは、ISO29990に基づいて国内の教育訓練機関向けのガイドラインを厚生労働省が指導され、策定されたと思います。検討会議には経団連の高橋委員も私も名前を連ねておりまして、これが本当に活用されているのかが気になっています。
 今回、見直しの検討の視点に質の確保ということがあります。今回諮問された省令案要綱の内容については、異論はありませんが、先ほど申し上げたガイドラインを、せっかく厚生労働省が指導して策定されたわけですから、飾っておくだけではなく、委託訓練も含めて、求職者支援制度の訓練に是非活用していくべきではないかと考えていますので、意見として申し上げておきたいと思います。以上です。


○内田基盤整備室長 基盤整備室長です。ガイドラインについてのお話がありました。定着がどうなっているかということもあると思います。新谷委員と高橋委員がメンバーになっていただいて作られたガイドラインですが、関係団体や県などにも当然周知をお願いしているのですが、厚生労働省のホームページからダウンロードして見られるということもあり、昨日までのアクセス件数が大体5万件ぐらいです。通りすがりで見るということではなく、なかなかその気になって見ないと見ない所ですが、5万件が定着具合としてどういう評価かということがあり、全国産業人能力開発団体連合会でも調査していただいたところ、まだ3割ぐらいが知らないという結果となっています。これはやはり地方や中小の事業者を中心に、定着が行き渡っておらず、まだ問題があると考えています。
 このため、平成25年度は新しく予算を計上して、全国7か所で講習会や個別相談会を行ったり、分かりにくいとか、難しいという事業者もありますので、そういった所に個別指導に入ることも考えています。また、教育訓練機関の内部監査をやるような、もう少しレベルの高い研修にもそのガイドラインを活用することとしており、総合大学校の研修の中に来年度も計画を盛り込んでおります。
 このように、いろいろなことを踏まえながら、まずは周知定着に取り組んで、更に教育訓練機関の質が高まるような方策も併せて検討していきたいと思っています。

○今野分科会長 ほかにいかがでしょうか。

○高倉委員 4点目の議題「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱」について、今回諮問された省令案要綱の内容に異論はございません。
 その上で2点、要望をさせていただきたいと思います。まず1点目、認定職業助成事業費補助金制度について、東日本大震災被災地への特例措置を延長すること、これは評価できると思います。この職業能力開発施策は、被災地の復興支援に向けて非常に大きく寄与するものだと思いますので、是非引き続き強化をしていただきたいと思います。
 2点目はキャリア形成促進助成金制度の見直しです。これも政策課題に対応した訓練への助成に重点化をし、一般型と整理をされたことで、非常に分かりやすくなったと思います。見直し後も、労働者に対し、職業開発能力がしっかりと実施されるよう、是非適切な運用をお願いしたいと思います。以上です。

○今野分科会長 基本的には御希望をお聞きしておけばいいかと思います、事務局から何かあればお聞きします。特になしですか、それではほかにいかがですか。

○三村委員 資料2-2についてなのですが、長期課程と研究課程の廃止に伴い、2つ質問をさせていただきたいと思います。長期課程については新規高卒者を対象とした課程です。それが廃止されることによって、高校生で進路をこの課程と考えている者もいると思いますので、廃止に対する高校進路指導への周知というものがどのような形になっているかをまずお伺いしたいと思います。
 2点目は、研究課程の廃止ということですが、私もいわゆる職業訓練学というものを極めていく必要があることを終始申し上げています。こういう研究課程が廃止されることによって、研究部門をどこに移管するのかということについて御質問させていただきます。以上2点です。

○志村能力開発課長 長期課程廃止の周知ということで、個別はあれですが、これに伴うというか、また、総合大の新たに総合課程等も設置しております。そういったものを総合大学としては運営していくわけであり、ものづくりを目指す高校生に十分認知してもらった上で引き続きやっていかなければならないので、そういったものと併せて関係の高校ともいろいろ個別にやっております。
 2点目の研究課程の位置付けについても、今時の行政改革、閣議決定等のこなしの中で、総合大の取り組む地域、都道府県も含めて能開行政を総合的に運営しているわけです。そういった中で考えていくという手もございます。
 修士の学位取得ということに関してお答えいたしますと、文部科学省の大学院設置基準に合わせたカリキュラムとする必要があります。現場の実践的な指導員を養成するのがこの大学の建学の趣旨です。実学を優先するというのがハイレベル訓練の位置付けですので、修士という問題につきましては、また、将来の課題として、いろいろ判断の基準となるデータも収集しながらしっかり検討してまいりたいと考えています。以上です。

○三村委員 そうすると、JILPT等に新たな職業訓練の部門を設置するとかいうことは考えていないということですか。

○志村能力開発課長 はい、今のところは特段考えておりません。

○三村委員 ありがとうございます。

○今野分科会長 ほかにいかがでしょうか。

○大久保委員 資料3-2、求職者支援制度の話なのですが、今回訓練の質と量についての省令改正ということでした。この中に制度が施行されて1年半たちましたので、1番目、3番目、4番目に書いてある「認知されているのか」、「生活支援に役立っているのか」、「就職につながっているのか」の3点が大変気になります。もし、現状がどうなっているかという情報があれば補足いただきたいのですが。

○青山能力開発課企画官 求職者支援制度の現状ということであります。例えば「十分認知されているか」という論点を挙げていただきましたが、現在の受講者数は去年の11月までの開始で11万人程度います。就職率は7割を超える形で就職しております。今、月8,000人ぐらいの推移で受講生が推移していますので、確かに当初の予定よりは多少低いのですが、雇用状況の改善も踏まえて粛々と受講していただいているのかと思うのですが、それでもハローワークで拾い切れていない対象者がいるかもしれません。そこはニーズの拡大に向けて頑張っていきたいと思っているところです。
 資料3-2、1ページ、3点目の生活支援に役立っているかの部分は、主に一定の要件の下に支給している受講者への給付金による生活支援を指しております。これも受講生の中で一定範囲の方が、月10万をもらいながら、生活を支えながら訓練をしているという状況です。以上です。

○大久保委員 ということは、求職者支援制度の現状について言えば、1年半の振り返りをした中で、今回省令改正で対応しようとしている所が当面喫緊の課題なので、そこに手を付けると理解していいですか。

○青山能力開発課企画官 確かに今、現状は申し上げましたけれども、いろいろ細かく見ていくと初めの方の「周知が十分なのか」という課題もありますし、3つ目の生活支援についても、様々な要件により給付金がもらえる場合、もらえない場合があります。生活支援を受けるための要件などについては多少御意見があることも聞いていますので、真面目に取り組んでいる本来の対象者が支援を受けられているのかという課題はいろいろ聞こえてきていますので、そこは今後順次検討していきたいと思っています。
 こちらのペースの問題で恐縮ですけれども、出来るところからどんどんやっていくという意気込みでやっています。訓練の基準についても、ちょっと厳し過ぎるという面が目に付いたので先にお諮りさせていただきました。また、引続き検討して、必要に応じてお諮りしたいと思っています。

○今野分科会長 いずれにしても良いタイミングで、こういう観点から現状がどうなっているかという報告は分科会で適宜やっていただくということではあるはずですね。

○青山能力開発課企画官 はい。また、順次いろいろ分析をして、課題が見えてきたら、ここは見直すべきという点が見えてきましたら、また、状況報告とともにお諮りしたいと思っています。

○今野分科会長 ほかにいかがでしょうか。

○高橋委員 1つ質問、1つ意見を申し上げます。まず1つは質問なのですが、資料2-2の2ページ目、「指導員訓練課程の見直し」のフローチャートの所です。ハイレベル訓練の中での短期養成課程を見ていきますと、能力審査を経た上で、一部合格の方は指導員試験が免除、更に場合分けされて、全部免除で単科指導員免許が付与されるという形になっていると読めるのです。そうすると、能力審査が一部しか合格していないにもかかわらず、指導員試験が全部免除されて、単科指導員免許が付与される方はどういう方なのかということについて教えていただきたい。
 また、更には一部免除の所で「試験」のあとには白く透明な形で右矢印が出ている。これは試験を経たとしてもなかなか単科指導員免許が付与されないのか、意味がよく分かりません。まず、それについて教えていただきたいと思います。

○志村能力開発課長 能力審査の一部合格につきましては、複数指導員の免許というところまで、能力審査の上の合格のところは矢印がかかっております。一部合格というのは‥‥。

○今野分科会長 少し準備してもらって、準備が終わったら言ってください。

○志村能力開発課長 申し訳ありません。

○高橋委員 それでは、2つ目は意見ですのでお聞きいただければと思います。資料3-2の2ページ目に関わる所ですけれども、とりわけ2.の「就職状況報告の回収率要件の緩和」です。見直しの内容自体に異を唱えるものではありません。ただ、やはり、この見直しによっていちばん私が危惧するのは回収率が低下をしてしまうのではないかというおそれであります。就職率というのは求職者支援政策における最も重要な政策目標ですので、回収率を高い水準で維持、あるいは向上させていくことが何よりも大事だと思います。
 そこで、今回の見直しを行うとしても、やはり求職者訓練を受講していただく皆さんには必ず回収に協力していただくことが制度参加への最低条件だということについて、ハローワークでの更なる周知の徹底、それから教育訓練機関においても是非、コースを受講される時、あるいは途中でもそうですけれども、繰返し繰返し回収についての御協力要請を徹底していただくよう、厚生労働省としても是非取り組んでいただきたいと思います。これは意見です。以上です。

○青山能力開発課企画官 おっしゃるとおり、努めてまいります。

○今野分科会長 準備はできましたか。

○志村能力開発課長 「能力審査」の上から伸びている「合格(単科又は複数)」の意味は、担当資格として普通課程担当資格と専門課程担当資格も担当できる。いわゆる上級教官、上級教諭みたいな者の合格を指しています。そして、能力審査の「審」から「一部合格」と出てくるのは、後の方に見ていますように普通課程の担当資格という意味ではどちらかといえば下位の資格で、そういったものにつきましてはいずれにしても見極めの水準が低い。そういう意味で「一部合格」というように表現しております。それについて、いわゆる普通課程のみ担当資格ということで判断して、「全部免除」という矢印を指導員試験免除の所で使っているということでございます。

○今野分科会長 点線は何ですか。

○志村能力開発課長 そこから先は試験の運営主体が異なって、県の試験ということでこのような形状になっております。

○今野分科会長 よろしいですか。

○高橋委員 ちょっとよく分からなかったのですが、一部合格をした方が全部免除になるか、一部免除になるかの判断はどういうメルクマールで行われるのでしょうか。

○志村能力開発課長 全部免除は学科と実技、両方受かった者が全部免除ということで、学科のみは一部免除という範疇に分類しております。

○今野分科会長 私が聞いていてもよく分からない部分が多いので、別途、資料か何かを作るかされてください。今日は結構です。

○志村能力開発課長 すみません。

○今野分科会長 改めて高橋委員、ほかの方で知りたい方がいればほかの方も含めてですが、高橋委員に説明していただく。私にもあとから教えてください、ほかの方で是非ともという方は事務局に言ってください。よろしいですか、高橋委員。

○高橋委員 はい。

○今野分科会長 ほかにいかがでしょうか、よろしいでしょうか。それでは、いろいろ御意見をいただきましたが、この諮問には基本的にはOKであることを前提で御質問と御要望の御意見が中心だったと思いますので、今回諮問になっています「職業能力開発促進法施行規則の一部を改正する省令案要綱」、「職業能力開発促進法施行規則の一部を改正する省令案要綱」、「職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱」、「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱」、この全てにおいて妥当と認める旨の報告を私から労働政策審議会会長宛てに行うことにしたいと思います。よろしゅうございますか。
                 (異議なし)

○今野分科会長 ありがとうございます。それでは、事務局から報告(案)文を配付してください。
               (報告(案)文配付)

○今野分科会長 御覧いただけましたでしょうか、よろしいですか。お手元の案で行きたいと思います、よろしゅうございますか。
                  (異議なし)

○今野分科会長 ありがとうございます。そのように報告をいたします。
 次の議題に入ります。5番目の議題は「ポリテクセンター・ポリテクカレッジの都道府県への譲渡について」です。まず説明をお願いします。

○宇野調査官 御説明いたします。まず、資料5-1の1ページを御覧ください。ポリテクセンター・ポリテクカレッジの都道府県への譲渡につきましては、「独立行政法人雇用・能力開発機構法を廃止する法律」の中で、都道府県が移管を希望し、その機能を維持できると厚生労働大臣が認めれば、移管することができるという形になっています。これは平成25年度末までの規定です。移管の際の移管条件としまして、(2)にあるとおり、職員引受割合に応じて、表の?にある譲渡額の減額を行います。?のとおり、譲渡を受けた年度を含む2年度間の高率補助を実施します。これはそれぞれ最高10割となっています。こうした法律の規定になっています。
 現状を2ページにまとめています。廃止法提出前に実施した調査は、(1)にあるとおり、ポリテクセンターでは14道府県、ポリテクカレッジは1道府県が移管を希望されていました。廃止法が成立・施行されまして、我々から道府県に対して、ポリテクセンター・ポリテクカレッジの譲渡に関する意向調査を実施しました。まず、図1にあるとおり、「譲受け申請を行わない」ところが29道府県、「譲受け申請を行わない方向で検討中」が14道府県です。東京都にはポリテクセンター・ポリテクカレッジがありませんので、ポリテクセンター所在都道府県は全てで46道府県ですが、そのうち43道府県が譲受け申請を行わない、あるいは行わない方向で検討を行っています。また、3道府県が「検討中」です。
 図2は、移管を希望しない主な理由をお聞きしたところ、最も多いのは「新たな財政上の負担が想定されるため」という答えです。こうした状況ですので、?にありますとおり、職業能力開発局の幹部が都道府県に働きかけの訪問をしています。?のアンケート調査で移管を「検討中」と回答した3道府県に加え、ポリテクセンター等が複数ある道府県を中心とする13道府県に対して、ポリテクセンター・ポリテクカレッジの移管を積極的に検討するよう訪問させていただきましたが、「検討中」と回答された3道府県を含めて移管希望はありませんでした。その理由が図3で、最も多いのは「恒久的な財源措置を講ずるべき」です。
 一方、譲受けしない場合、仮に廃止することに対してどうかと伺ったところ、図4にまとめたとおり、13道府県が全て施設の廃止に反対しています。
 こうした状況を踏まえ、今後の対応を3ページにまとめています。都道府県への移管を促すために移管条件の緩和を行いたいということで、本日御提案したいと思います。具体的にはここにあるとおり、ポリテクセンター・ポリテクカレッジは機能を維持できると認められた場合には移管ができるのですが、機能維持できると認められる具体的な基準を告示で示しています。告示の内容はこの「現行」のとおり、「ポリテクセンター等で実施していた科目、内容、定員等は、特段の理由のない限り縮減できない」となっていますが、これを、地域協議会という労使の代表が入った協議会の了承を得ることを条件に、「特段の理由」がなくても縮減できるものとする、というように告示の改正を御提案したいと思っています。この改正をこの場でお認めいただけますと、遅くとも4月中には告示改正を行いまして、以降、速やかに都道府県への周知を行うとともに、引き続き都道府県への移管の働きかけを行いたいと考えています。
 今後の対応としては、ここにあるとおり移管の働きかけを行いますが、移管期限である平成25年度末まで残り1年間で移管が実現しない場合は、当分科会でも御相談させていただきながら更に検討したいと考えています。
 なお、3ページの下にあるとおり、雇用支援機構の平成25年度から始まる次期中期目標を審議した総務省政策評価独立行政法人評価委員会が、平成25年1月に「勧告の方向性」を出しています。その中では、ここにあるとおり、現行の譲渡期限までの間、都道府県との移管協議を主体的かつ積極的に進めるとして、「移管の見込みが立たないポリテクセンター等については、本法人が運営を続ける合理性及び必要性について厳格に検証し、明らかに合理性及び必要性を見いだせないものについては、廃止を含めて検討するものとする」と御指摘いただいています。
 最後に、資料5-2を簡単に御説明いたします。ポリテクセンター・ポリテクカレッジというのは一体どういうことをやっているのかを御存じない方も多いので、センター、カレッジの取組内容をまとめたものです。4ページには、我が国全体の職業訓練の実施主体別の状況、また、5〜8ページには、ポリテクセンターがどこにあるのか、どういう役割を果たしているか、どういう成果を上げているのか、就職率はもちろん、訓練を受けて非正規から正規への転換を果たしていらっしゃるか、事業主の方々の満足度調査も載せています。9〜12ページには、ポリテクカレッジについて同様の内容をまとめています。13ページ以降には法律の内容や過去の閣議決定の内容もまとめていますので、御参考までにお配りしています。

○今野分科会長 ただいまの説明について御質問、御意見をお願いします。

○新谷委員 資料5-1を拝見しておりますと、移管できる所は移管するという国の方針に従ってやっておられるのでしょうけれども、3ページの「今後の対応」の(参考)には、今年1月に総務省の評価委員会がまとめた「勧告の方向性」が示されており、「移管の見込みが立たないポリテクセンターについては、廃止を含めて検討するものとする」とあります。これは随分と乱暴な論議だと感じます。我々労働者にとって一番のリスクは失業することで、これに対して、当然ですが、国は雇用保険というセーフティネットを張っているわけです。同時に、離職者を中心に職業訓練を施して、もう一度労働市場に戻っていただくことも重要なセーフティネットだと思っています。職業訓練が都道府県に移されたときに、そのまま維持できればいいのでしょうけれども、万が一そのネットワークに穴があいたときに、ユニバーサルサービスというか、地方にいても近くに国としての職業訓練施設があるということは、非常に重要な、国の提供するサービスではないかと思います。これは憲法が保障する勤労権を国が実質的に担保する施策だと思います。
 都道府県への労働行政移管では、かつて、雇用保険三事業や四事業があったときの先例があります。地方労政行政というのは今でもありますが、これはもともと雇用保険三事業から都道府県の知事部局に資金助成をして労政事務所での労働相談や労働者向けの労働法の学習・セミナーを実施していたものです。それが、国からの資金配分が途絶えた途端に何が起こったかというと、地方の労政事務所が次々と統合されてしまい、近くに労働相談に行く所もなくなり、労働者向けの学習会・セミナーはもうほとんど実施されていない。それがおそらく、現在の個別労働紛争が増加している要因の1つではないかと思っております。職業訓練施設が県に移管されたときに、資料にも書いてあるように安定した財源がないと、どうしても労働分野は派手な政策ではないので、知事にとっても切れるところから切っていくことになって、どんどんシュリンクしてしまう。そういう先例を目の前で見ているわけです。
 移管の状況も勘案して更に移管を促進するという今回の「当面の対応」は、評価委員会からも言われているので何か対応しなければいけないということで示されているのでしょう。私たち労働側としては、もちろん今あるものに安住してはならず、不断の見直しは当然やらないといけませんが、国が責任を持って管理して、職業訓練のネットワークを全国津々浦々に張っていくという方針は是非維持していただいて、更にそれを強化する方向での検討をお願いしたいと思います。

○宇野調査官 この法律の条文は、そもそも地方移管については、平成20年12月の閣議決定に基づき、可能なものはできるだけ地方に委ねていくという方針の下に作られた条文です。その閣議決定の中でも、雇用のセーフティネットとしての職業訓練とか、高度なものづくり訓練、質の高い指導員の養成は国の責任において実施していくことがうたわれています。ですので、都道府県が移管を希望する場合には、機能を維持していると労使を含めて認めていただくことが前提です。移管されないセンターについては、引き続き国が運営することになっていますので、雇用のセーフティネットが国の責任だということについてはいささかも変わっておりません。今後の検討におきましても、そういった方針の下にいろいろと御相談させていただきたいと思いますので、お願いいたします。

○今野分科会長 ほかにいかがでしょうか。

○大久保委員 この議論がどうしてもスッと入ってこないのです。もともと平成21年当時には幾つかの道府県は「希望する」と言った。その後、平成23年の段階では幾つかが「検討中」と言った。今回は「移管を希望しない」と言った。金銭的な問題、予算の問題も含めて幾つかの理由によって、結果的には、検討した道府県は受け取れないという結論を出したということですね。ただ、全ての道府県が機関としての継続は希望しているという状況です。そういう中で、今回の移管条件の緩和が、一旦検討して結論を出した道府県の検討が覆って受け入れる可能性があるとなるものなのかどうか。この原案を見ても私にはピンとこないところがあります。緩和することが本当に道府県に移管することにつながるのかどうかという辺りの見通しをお聞きしたい。
 それから、総務省がやっているのは独立行政法人という組織の在り方に関する議論から出てきたものであって、国としての職業訓練行政についての議論ではないと思うのです。道府県に移管を検討すべきだという議論は分かるのですが、受け取れないのだったら廃止すべきだという議論は別の話だと思っています。そのことに対して、厚生労働省の能開局として、この問題をどのように考えて対応していくのか、それに関するお話もお聞かせいただきたいと思います。

○宇野調査官 御質問の1点目につきましては、先ほど御紹介した意向調査の中で、恒久的な財源措置を講じてもらえないと移管できないとか、職業訓練の内容を地方独自に設定できないからという御意見を頂いています。こういった御意見を踏まえて、もちろん、労働者を代表する方、事業主を代表する方など関係者の御了解を頂いた上でというのが前提ですが、訓練内容を柔軟に変更できることを今回の告示改正の効果として考えています。これによりまして、訓練規模を地域の実情に応じて適切に見直して都道府県の財政負担が緩和できるのではないか。また、地域の実情に応じた訓練の設定ができるのではないか。私どもとしては、都道府県がより施設を受け入れやすい条件を整備するという観点で御提案しています。まず、告示改正の趣旨を本日お認めいただけましたら、それを十分に都道府県に御説明申し上げて、理解が得られて移管が進むように働きかけたいと思っています。
 御質問の2点目については、確かに独立行政法人評価委員会からは、合理性及び必要性について厳格に検証し、明らかに合理性及び必要性を見いだせないものについては廃止を含めて検討するとされています。申し上げたとおり、ポリテクセンター・ポリテクカレッジは雇用のセーフティネットとして重要な役割を果しているということは、我々としても重々そう考えています。また、閣議決定でも「国の責任」とありましたが、廃止する法律には、これは国会のご意思である附帯決議の中でも、この廃止法に伴って職業能力開発業務の移管等に際しては、いささかも職業訓練機能が低下することのないよう努めてくださいと記述してあります。我々の立場としても、独法評価委員会の勧告の方向性を頂いていますが、方向性は方向性として、今申し上げたようなことを踏まえて、移管期限後にその運営のあり方については慎重に検討を進めたいと思っています。

○志村能力開発課長 補足します。資料5-2の4ページを御覧ください。離職者訓練の実施状況として、都道府県に移管して訓練校としてやっていくのか、現実のポリテクはどれぐらいの訓練量をこなしているかということで、左側に、高齢求職者支援機構の施設内で3万人、これが61施設あります。これは都道府県では1万人で、もう既に都道府県のほうが少ないのです。1位の東京都は5,000人ぐらいやっていますので、残りの46道府県で6,000人ぐらいだということなので、個別の施設に頭割りすると非常に小さい数字です。ですから、正に合理性や必要性論では、土地土地で行われている訓練の量、あるいは分担している分野もありますので、そういったことも総合的に勘案して、基本的には慎重に判断する必要があるのではないかと考えています。

○今野分科会長 勧告の方向性についての文章は、日本語からすると「合理性、必要性がないものは廃止」ということで、そうだな、ということではないでしょうか。合理性、必要性がないものは普通はあってはいけないですよね。そういうことだと思います。ほかに御質問はございますでしょうか。

○上原委員 先ほどの大久保委員の1番目の質問と全く同感です。資料5-1の2枚目の裏側に、告示の改正に該当する部分は、図2の一番下にある「内容を地方が自由に設定するようにすべき」だという、一番低いことなのです。お金の問題は余り触れられないのでしょうけれども、余り効果は期待できないような気がします。その辺の、しょうがないからやる、というようなところが少し気になります。やるなら効果があるほうがいいと思います。

○宇野調査官 確かに今回のアンケート調査の中で一番多いのは財政上の負担の部分です。財政上の負担のスキームは、先ほど説明しましたとおり、法律で書かれています。ですから、例えば10割を2年というものを3年とか5年、あるいは恒久的にといった場合には法律改正が必要になります。そうすると時間も掛かりますし、いろいろな御意見もありますので、今できる中で最大限のものとして御提案したものが今回の内容だと御理解いただきたいと思います。

○上原委員 それは分かるのですが、予想される効果が極めて少ないような気がするのです。やってどれぐらいの期待値があるのか。その辺が少し疑問です。

○宇野調査官 御意見は重々理解する部分もありますが、我々としては、今できる範囲内で最大限のものをやらせていただく。その上で、移管期限がありますので、それ以降は改めてどういう形でやっていくかについて、こちらの分科会でも御意見を伺って検討してまいりたいと思いますので、御理解いただきたいと思います。

○水町委員 今のお話と、その1つ前に出た、合理性・必要性にも関わってくると思います。今ある法律とか、そういうパッチワークの中で、このようにできる、できないという話を縮減してやるのではなくて、もう少し大きな議論の中で、どのように職業能力開発をしていくかという議論をきちんとした上で政策を提案するのが重要ではないかと思います。今は労働市場の動きがこんなに速くなって、ヨーロッパだけでなくアメリカでも職業能力開発や職業訓練が非常に重要だというのは世界的に共通の認識があります。じゃあ、どこがやるかというと、民間でやれる部分は民間でやり、国が一律にやるべきところは一律にやり、都道府県や地域の実情に合わせてやる。今、制度的にネックになっているのは会計制度や予算制度で、国がやる部分は国の予算で、国が中身を決めてやる。地方に移管する場合には地方でやってくれというところの調整かもしれませんが、もう少し、国がやるのだったら国がやる、地方に任せるのだったら全部地方でやるというのを見直して、全体として公的に行う中で、国が全体的な制度の安定性のためにどういう仕組みを提供することができて、その運用のあり方は地域にイニシァチブを取らせてやることも考えられるかもしれません。その中で民間の知恵を入れるとか、制度的な補完関係を重視して、国が最低限ここはきちんとやらなければいけないということを考えて提案することが重要です。そういうことを議論していけば、1年後に、必要性、合理性の中身で、こういうところが必要性、合理性として残るので廃止するべきではない、という結論にいくのではないかと思います。今の制度的な枠組みの中でやれることと、もう少し大きな議論として世界の中で日本だけが変なことをやっていると言われないようにきちんとやるべきではないかという、両方です。これは私の個人的な意見です。

○今野分科会長 何かありますか。ほかにいかがでしょうか。

○高橋委員 意見です。資料5-2の5ページにいみじくも書いていただいていますが、ポリテクセンターは、国がやっているとか、国の税金でという言い方をされる場合もありますが、ここにあるとおり、事業主だけが負担している雇用保険二事業によって運営されています。財源は事業主だけが払っています。ですから、移管に当たってのいろいろなこと、合理性や必要性などを検証していく上においても、このことを十分に踏まえることは極めて重要だと思いますので、意見として申し述べたいと思います。

○今野分科会長 ほかにいかがでしょうか。意見ですが、水町委員が言われたことに関連して、国際比較では、失業者に対して税金の一般財源ではなく事業主の雇用保険で払っている国は世界には日本しかない。抜本的に考えるのだったらそういうところから考えなくてはいけないのかもしれません。世界の常識は、失業者に対しては税金で訓練するということだと思います。つぶやいたと思ってください。ほかにいかがでしょうか。
 一部、御異論というより憂慮する御意見もありましたが、全体的には事務局の案でいきましょうということで御質問や御要望があったと思います。ポリテクセンター・ポリテクカレッジの都道府県への譲渡に関する告示の改正については案のとおりで了承したいと思います。よろしいでしょうか。
                 (異議なし)
○今野分科会長 了承とさせていただきます。いずれにしても、憂慮される声もありましたので、移管の状況については引き続きタイミングよくこの分科会で報告していただきたいと思います。
 続いて、6番目の議題に入ります。「平成24年度第一次補正予算及び平成25年度予算案の概要について」です。事務局から説明をお願いします。

○吉本総務課長 御説明申し上げます。資料6-1ですが、こちらが平成24年度の補正予算に関する御報告です。今年1月早々に緊急経済対策がまとまりまして、それを踏まえて補正予算が編成されたわけですが、その中に若年者の人材育成の推進についての事業を盛り込んでいるところです。
 具体的には2ページを御覧いただきたいと思います。若者育成支援事業ということで、右上にありますように既存の基金にこの事業を追加するといった形で、この事業に必要な額600億円といった予算になっています。内容としては、1点目が若年者人材育成・定着支援奨励金、若者チャレンジ奨励金と呼んでいますが、これは非正規の若年労働者を対象にした職業訓練で3か月〜2年以内を想定していますが、OJT、Off-JTを組み合わせた職業訓練を行い、訓練受講者が正規雇用された場合に事業主に対して助成を行うものです。具体的な内容としては、訓練中については月額15万円、正規雇用された後、1年定着50万円、2年定着50万円となっています。
 2点目がサポステ事業です。これはニート等の若者自立支援のために行っているものですが、この拡充を盛り込んでいます。現在、116か所あるのを160か所まで増加を図るとともに、中身としては従来からやっている相談支援に加えて、(2)として、学校との連携推進事業ということで、高校在学中に中退してしまった方々に対して早い段階から必要な支援をさせていただく事業です。(3)として、現在のサポステ事業は通所形式のみですが、合宿形式も含んだ形で生活面のサポートと職場実習の訓練を集中的に行うなど、こういった集中訓練プログラムを導入した場合にも助成措置を講じるといった中身を盛り込んでいるところです。以上が補正予算です。
 次に資料6-2を御覧ください。平成25年度の本予算の概要です。これにつきましては、昨年10月の分科会の際に概算要求時の内容を御説明申し上げましたが、そこから柱立て、内容とも大きく変わっていませんので、簡単に御覧いただければと存じます。総額としては1,605億円となりますが、その大きな部分を占めるのが、第1の柱の中にある成長分野・ものづくり分野などでの離職者訓練や在職者訓練で、これに1,262億です。今年度に比べて300億円ほどの減になっていますけれども、これは訓練実績や雇用情勢の動向等を踏まえた形で必要額を見通した結果になっています。1ページの下で3の「ものづくり立国の推進」ですが、これは新規として盛り込んでいるものです。これは企業OBなどの優れた技能者の方を、ものづくりマイスターといった形で認定登録し、企業などに派遣して実技指導をやっていただくといった新しいスキームを設けるものです。
 2ページをお開きいただき、第2の「重層的なセーフティネットの構築」ですが、これについては先ほどの訓練の再掲です。第3は「キャリア形成支援の一層の推進」で、この柱となるところは1の?で政策課題に沿った人材育成への支援です。これは先ほど省令改正のところで御説明申し上げたキャリア形成促進助成金の内容です。
 3ページを御覧いただき、3の「ジョブ・カード制度の推進」についても、引き続きジョブ・カード制度の普及、活用促進のために、「ジョブ・カード普及サポーター企業」の開拓、学生用ジョブ・カードを活用している好事例の収集・普及などにより、事業を実施していきたいというものです。第4の柱の「職業能力評価システムの整備」で、これも継続ですが、職業能力評価基準の整備あるいはその活用のためのツールの作成、また技能検定制度の整備です。
 4ページで、第5の「非正規労働者の雇用の安定及び人材の育成・処遇改善」については、1として、有期等の安定雇用実現プロジェクトと書いています。これは安定局が中心になって行う総合的なプロジェクトですが、その中に、非正規の人材育成事業の助成金でキャリアアップ奨励金を盛り込んでいます。第6の「若者の安定雇用の確保」では、1として、キャリア教育の推進ということで、中学、高校、大学など段階ごとに、キャリア教育のために必要な専門人材を養成するため、セミナー等の事業を拡充して実施したいと考えています。再掲のところは割愛させていただきます。
 5ページは、第7の柱として、「障害者の職業能力開発支援の充実」です。これについては特に訓練効果の高い委託訓練の委託先開拓のための委託費の見直しや、就職まで一貫して支援を行う職業訓練コーチの支援体制の集約化などを内容としているものです。
 6ページですが、第8の柱として「人作りを通じた国際協力の推進等」を掲げています。これも引き続き、1として、技能実習制度の適切な運用、2として、技能評価システムの移転などを通じた国際協力の推進を行っていくこととしています。一番下の「その他」ですが、震災復興関係で震災による離職者に対して支給している訓練手当については、引き続き復興特会の中で措置をしたいと考えているものです。簡単ですが以上です。

○今野分科会長 ありがとうございました。それでは御質問、御意見をお願いします。

○新谷委員 資料6-1の補正予算の事業について、2点あります。1つは、地域若者サポートステーション事業についてです。これは拠点数を増やすために助成内容を強化するということですが、この事業は本当に大変だと思います。昨年、佐賀のサポートステーションの視察に行かせていただきましたが、本当にアウトリーチで若者を引っ張って来て、日常生活から訓練をしていかないと社会になかなか馴染めない、そういった方々ですので本当に手間暇かかると思います。この事業に携わっておられる方のスキルとともに、そのマインドと言いますか、こういう方々に向き合う気持ちというのはなかなか大事だと思う次第です。
 それで質問したいのは、拠点数を増やすときに、サポートステーション事業を受託している団体がNPO法人や、バックグラウンドとして学習塾をやっている所もあると思いますが、申し上げたように単なるスキルだけでなく、こういう方々に向き合うマインドの教育というか、教育してできるのかどうか分かりませんが、全国160箇所で実施するわけですから、そこの横通しをどのようにされるのかを教えていただきたいのが1点です。

○浅野キャリア形成支援室長 サポステを御視察いただいたということで、ありがとうございます。まず携わっている職員の研修の関係ですが、非常に重要なことだと考えております。この地域若者サポートステーションには、まず全体を取り仕切る総括コーディネーターがいて、さらにその下にキャリア・コンサルタント以下、何種類かの仕事をする者がいるわけですけれども、これまでも、そういったそれぞれの役割ごとに、それぞれに合った研修を行っているところです。さらに後ほど御説明をさせていただこうと考えていますが、地域若者サポートステーション事業については、今後の在り方についても検討したところでございまして、その中でも研修に力を入れるようにとの御意見を頂戴したところです。来年度につきましては、今年度以上に研修については力を入れていきたいと考えているところです。以上です。

○新谷委員 もう1点は、若者チャレンジ奨励金についてです。若者の雇用の厳しさというのは失業率等に表われていますし、それは我が国だけでなく世界的な傾向であることも承知はしています。昨年、民主党政権の下でも若者雇用戦略が取りまとめられて、これが実施に移されようとしていて大事な施策だと思っています。ただ、この若者チャレンジ奨励金ですが、予算規模が728億円という規模で、通常の職業能力開発の年度予算が1,605億円という予算規模ですから、これと比較しても大規模な事業を実施するものだと思う次第です。
 助成金の内容も、35歳以下の若者に対して事業主が訓練を施し、訓練期間は3か月〜2年、そのときの訓練の奨励金が1人15万円支給するということ、加えてその若者が企業に定着したら1年後に50万円、2年後にまた50万円ということですが、この助成の対象が一体どのようになっているのか。先ほどのキャリア形成促進助成金など、いろいろな助成金制度の中では、中小企業を対象とするなどの定めがありますが、若者チャレンジ奨励金の対象は中小企業とか大企業という区分があるのか、ないのかお聞きしたいというのが1つ。それから、もう1つ、1つの企業に対して、この支給の要件を満たせば最大いくらまで助成が行われるのか。この2点を教えていただきたいと思います。

○河野実習併用職業訓練推進室長 御質問いただき、ありがとうございます。若者チャレンジ奨励金につきましては、企業の規模に区分は設けていません。大企業についても助成対象となる仕組みにしています。2点目の御質問ですが、最大、どれぐらい支給されるのかに関して、非常に魅力のある助成額となっていますので、より多くの企業で御利用いただきたいという趣旨で上限を設けていて、60人/月という取扱いにしていますけれども、1人月額15万円で最低3か月間やっていただく必要がありますので、3か月であれば20人、1年度にできる仕組みにしています。したがって、もし1年、12月の訓練をされる場合は5人の方の訓練ができる仕組みにしています。
 額は最大どれくらいかということでしたが、60人/月ですので訓練奨励金として1年度で900万円となります。2年間となるとその倍の1,800万円となります。それに加えて正規雇用奨励金もありますので、それぞれ正規雇用していただいた場合に1年定着していれば50万円、2年定着していれば50万円となりますから、最大ということになると、先ほど申し上げた1,800万円に加えて、この正規雇用された分となるわけですけれども、直ちに計算ができなくて恐縮です。

○今野分科会長 1年コースだと最大5人ですね。

○河野実習併用職業訓練推進室長 そうですね。

○今野分科会長 5人のケースでいくと1年後に250万円、その次が2年定着で250万円ですね。

○河野実習併用職業訓練推進室長 そうです。

○今野分科会長 合わせると500万円だから、このケースだとトータル、上限1,400万円です。でもケースによっていろいろ金額は違いそうです。今、言ったケースだとこのぐらい。

○新谷委員 3か月コースだと、どうなりますか。

○今野分科会長 どうなりますか、まるまる使った場合でしょう。3か月だと20人ですね。

○新谷委員 20人ですね。

○今野分科会長 3か月だと20人でしょう、20人で。

○新谷委員 訓練は同じ900万円なのです。だから正規雇用の奨励金の人数が増えてきますので。

○今野分科会長 20人だと1,000万円。

○新谷委員 多分、2,900万円だと思います。

○今野分科会長 2,900万円。

○新谷委員 2,900万円だと思います。そうですね。

○河野実習併用職業訓練推進室長 訓練が900万円で、正社員になりますと20人の皆さんがなるので、100万円×20人ということで2,900万円ということです。

○今野分科会長 それがマックスですね。

○新谷委員 そうですね。計算すると2,900万円というのが理論上の最高額になると思います。それで申し上げたいのは、企業の規模による助成対象要件の限定がないということですから、大企業も申請できるということです。ここに書いているのは、事業主が雇用する若年労働者に対して訓練を行って正規雇用すれば、今、言ったように最高2,900万円助成を受けられるということですが、これは当たり前のことではないかと思うのです。要するに若者を雇用し、職業訓練を施して、それで正規登用する。これはどの企業でもやっていることに対して、この支給要件に適合すれば2,900万円助成するというのが今回の補正予算の事業なのです。これは、はっきり言ってばらまきではないかという感も否めない印象です。1企業当たり2,900万円配る事業など、今まで聞いたこともありません。
 しかも、先ほどの訓練の財源の問題ではないですが、これは一般財源で全額実施するということですから、国民1人当たり600円ずつ、これに払うということになるのです。赤ちゃんも含めてです。これは雇用保険二事業ではありませんので、これこそ本当に国税が、こういうところにばらまきで使われることに対して、どのように見たらいいのか非常に気になるところです。もちろん、やろうとする趣旨は非常にいいことだと思いますが、この予算の規模です。補正予算だから非常に査定が甘いということなのかもしれませんが、巨額の費用がここに投じられることについて、マスコミにもこの話はほとんど出てきませんから、今後、扱いがどうなるか分かりませんけれども、非常に多額の国税を投入した事業である、という印象です。
 これはおそらく、2,900万円という額をとらえて、さまざまな団体が、企業に対し、提案してくるということも考えられないこともないということです。若者チャレンジ奨励金を政策として実行するというときに、どのような形で政策効果を出していくのか。従来から若者を雇用し、職業訓練を施し、正規に登用している企業でなく、この制度が開始されたのを機に企業が若者を雇用し、職業訓練を施して正規雇用するという政策効果を、どのように出せるかが勝負だと思いますので、そこをどのようにお考えになっているかお聞きしたいと思います。

○河野実習併用職業訓練推進室長 御指摘いただき、ありがとうございます。この奨励金に関しては、ジョブ・カードを使った訓練ということで実施してまいりたいと思っています。御承知のとおりジョブ・カードに関しては、まず訓練受講生に対してキャリア・コンサルティングを実施し、訓練に向かっていく意識を高めていただく。また訓練計画をきちんと作成いただき、OJTとOff-JTを組み合わせた計画に基づいて、日々、訓練指導員と訓練受講者が、日誌により効果を確認しながら訓練を計画的に進めていくというものです。
 さらには、この評価シートを用いて細かく評価基準を作り、訓練の効果について訓練受講生、企業側も確認をしながら実施していく仕組みにしています。いろいろ不正受給の御懸念はごもっともだと思いますけれども、ハローワーク、労働局、また今回はジョブ・カードを活用するということで、ジョブ・カードセンターも連携して事業を進めてまいりますけれども、それらの中で不正受給について発生することのないように、制度の趣旨をきちんと説明をするということ。また訓練実施期間中、全ての所に参るわけにはいかないと思いますけれども、重点的に調査対象を定めて、適宜、実地に訓練の状況を確認しながら、不正受給の防止ということをきちんとやってまいりたいと思っています。最終的には、この計画的なOJT、Off-JTを組み合わせた訓練のノウハウが、今回、奨励金を活用していただいた企業に残ることで、この先の将来につながっていくようなものにしたいと考えています。以上です。

○新谷委員 私は不正受給ということは申し上げていなくて、この制度に合致した所はおそらく積極的に申請してくるし、2,900万円ずつ支給される所がたくさん出てくるでしょうということを申し上げているだけです。要するに、これはもともと要件が緩いため、たくさん受給する企業が出てくるのではないかということを申し上げているのです。
 今、OJTとOff-JTの組合せとおっしゃいましたが、OJTとOff-JTの組合せというのは非常に重要だと思っております。特に企業においてはこのOJTが重要だというのは、どこの企業も認識していると思います。この若者チャレンジ奨励金の制度では、OJTとOff-JTの組合せというのは全体の訓練期間の中で、どれくらいの按分でOff-JTがあればいいのか、OJTはどれくらいあればいいのか。その按分と、OJTの指導員とおっしゃいましたが、OJTの指導員というのは誰のことを指しているのか。この2点、教えていただけませんか。

○河野実習併用職業訓練推進室長 お答え申し上げます。OJTとOff-JTの組合せに関しては1割以上9割以下で、それぞれの企業のニーズに応じて設定していただくことができるようになっています。OJTの指導員に関しては、その職場におけるそれぞれ経験のある先輩正社員を想定しています。

○新谷委員 そういうことだと思います。職場の先輩が教えるというのがOJTですから、そういうことになると思います。特別な誰かを配置するということではなくて、先輩から話をよく聞いて仕事をする、また、計画表を作って今日はどういうことをやるとか、そういうのがOJTだと思います。そうするとOJTとOff-JTの組合せは「1割以上」ということですから、3か月訓練ですと、土日を休んで1か月の就業日数が20日とすると、Off-JTはそのうちの2日やれば要件を満たすことになりますので、3か月で6日間のOff-JTをやり、あとOJTだということにすれば2,900万円もらえるという理解で、よろしいのでしょうか。

○河野実習併用職業訓練推進室長 割合としては、今、御例示いただきましたような数字で要件に合致すると思います。なお、OJTの指導員に関しては放っておくということではなく、一応、訓練受講生の横に付いて指導していただく形ですので、普通に訓練や計画的なOJTと、通常働くという場面は違うというのは十分御承知の話だと思いますけれども、そこは奨励金の趣旨を御理解いただいて、計画的に訓練をしていただきたいと思っています。

○今野分科会長 OJTについても、OJTの訓練計画をちゃんと出させるのでしょう。その計画どおりにやれという話ですね。普通にOJTと言うとき、そういう訓練計画はなくて先輩の横に付いて働いていればOJTだと言われると困るので、多分、そのくらいはちゃんと見て認可するのだろうなと私は思っていたのです。

○新谷委員 適切に対応していただけると思いますので、懸念だけ申し上げておきます。金額が非常に大きいということと、全額国税であるということ。それと職業能力開発行政の予算との対比において、ちょっと違和感があるほど突出しているなということの懸念だけ申し上げておきたいと思います。以上です。

○山田職業能力開発局長 今の御指摘、懸念については、これは十分受け止めてしっかりとやらなければいけないと思っています。ただ、河野からも内容について御説明しましたように、今、有期実習型というものを既に日本商工会議所と一緒になってやっていますけれども、かなりやるのは大変です。企業からは相当やりたいという希望は出てきますが、いろいろ御説明すると、非常にハードルが高いのでなかなか乗って来られない部分があります。訓練の実施内容についてきちんと見て、分科会長がおっしゃったように、OJTではありますけれども訓練カリキュラムはしっかりと作っていただいて、それをきちっとジョブ・カードセンターで見てもらい、それが実際にできているかどうか日誌で全て確認してすることになりますから、これはしっかりした訓練をしていただくことが前提で、相当にハードルは高いと思います。ただ、おっしゃったように今回の制度は助成金の額が大きいので、それに対応した企業の対応もかなり違ってくると思います。いずれにしても、しっかりとやっていきたいと思います。

○新谷委員 もう終わろうと思ったのですが、局長が発言されるものですからまた申し上げたくなってしまいました。若者チャレンジ奨励金の制度には、OJTが9割入っています。Off-JTだと本当に訓練しているというのが目に見えて分かるのですが、OJTというのはどこまで仕事で、どこまで訓練か、仕事の中で訓練するわけですから本当に区別が難しい。もちろん計画を作成して実施しているわけですが、申し上げたようにこれは当たり前のことなのです。直接雇用している労働者に対して事業主が訓練をするのは当たり前のことなので、その当たり前のことをやったら2,900万円助成するというところが、今回の違和感のもとなのです。

○今野分科会長 ほかに、いかがでしょうか。

○大久保委員 同じペーパーの資料6-1ですが、これは質問ではなく意見として言わせていただきたいと思います。1点目は、今のお話に関連するのですが、今回の若者チャレンジ奨励金のような制度に関しては、追って政策効果の分析をしっかりやっていただきたいと思っています。こういう種類の助成金は、この制度ができたことによって新たに付加的に作られた雇用の場と、もともと当初からやる予定だったものについて運よく助成金をもらえるという話と、どのぐらいのウエイトなのかというのは大変重要なポイントです。これは予算の効果の問題なので、これについて、どういう形で効果測定なり検証するのかちゃんと考えていただきたいというのが1点です。
 もう1つは、サポステの事業のほうですが、私はこのサポステの事業は大変いい事業だと思っています。かつ、そのサポステ自体が、学校との連携を構築して訪問支援による在学生の支援とか、中途退学者の支援について展開していくことについても、方向として大変結構だと思っています。これについての意見は何かというと、サポステという存在がニート支援というものと、だんだん器が合わなくなってきているのではないかと私は思っています。この中には「ニート」と「若年無業者」という似て非なる言葉が出てきますが、ニートという言葉は10年ぐらい前に流行的に使われ始めた言葉ですし、サポステも継続的にやり続けていく事業であるとすれば、サポステという事業の定義付けは、ニートで定義しないほうがいいのではないかと思っているので、是非、御検討いただければと思います。これは意見です。

○今野分科会長 何かコメントはありますか。前段の政策効果については、そのとおりということですので、よろしくお願いします。

○三村委員 ただいま、大久保委員に触れていただいたサポステの事業の中で、「学校等との中退者情報の共有による中退者支援等を実施」と書いてありますが、その方策について質問させてください。この学校というのは中高大を指すのかどうかということと、例えば高校を対象にすると、都道府県立高校もありますし市立高校もあります。あるいは私立高校もあります。そうすると教育委員会や都道府県の学事等で、いわゆる行政対象が異なってきます。それらに対して、また中退者情報というのはプライバシーに関わるものでもあります。その辺をどう扱ってつなげていくかという今後の方策について、お伺いしたいと思います。

○浅野キャリア形成支援室長 学校と連携を図るということには、非常にハードルが高いところがあります。私どものほうでも文部科学省としっかり連携して、公立学校にも私立学校にも、連携のお願いが届くようにしたいと考えています。それから学校種のことですけれども、サポステでは働けるようになることを目指すということで、中学では卒業が見えてくるぐらいの年代の者、それから高校、大学と連携していくこととしています。高校では私立、市立、公立とも対象にするほか、全日制もそうですが、定時制や通信制をはじめ中退者が多いなど、ニーズのある所とはしっかり連携していきたいと考えているところです。
 個人情報の件ですが、非常にハードルが高いことは承知しています。全国に幾つかモデル的にやっているサポステがありますので、そういったサポステの取り組みも参考にしながら、保護者、御本人、その他家族などの了解を得た上で、情報を提供いただくことを考えています。具体的には、学校のほうは入学したときに情報をもらいますので、そのときに予め了解を得るかたち一番スムースなのかなと考えています。様々な工夫をしながら無理することなく、個々の学校とか、できるところについては教育委員会等と連携してやっていきたいと考えています。以上です。

○今野分科会長 まだ御質問があるかと思いますが、時間が時間ですので、あと、その他というのがあって、その他は1件に見えますけれども中身は6件ありますので、申し訳ないですが次に入らせていただきます。その他の報告事項ですが、なるべく効率的に手短に説明してください。お願いします。

○星能力評価課長 私からは、資料7と8について御告申し上げます。まず資料7ですが、技能検定の職種につきましては、受検者数が少ない職種を対象に、有識者から成る「検討会」において、職種統廃合の方向性を検討いただいておりますが、このうち木工機械の整備・修理・保守点検等を行う「木工機械整備」職種と、その木工機械により木材加工を行う「機械木工」職種については、必要とされる技能が近接していることから、作業内容について整理統合しつつ、「機械木工」職種に統合することとされたところであります。
このため「木工機械整備」職種については、資料7の裏面にありますが、検定職種としては廃止する旨の能開法施行令の改正について、2月14日に公布・施行させていただいているところであります。
 次に資料8ですが、技能検定3級の受検資格の緩和についてです。1の「改正の趣旨」の後段にございますが、昨年7月に取りまとめ頂いた「技能検定等技能振興の在り方に関する検討会報告書」においても、「若年技能者の受検を容易にするための受検資格の緩和」が必要とされたところであり、その具体化を図ったものであります。
改正の概要には、4点お示ししてございますが、1点目は、短期課程の普通職業訓練について、「総訓練時間が700時間以上」という要件を撤廃する。2点目は、実務経験を有する者について「六月以上」という要件を除く。3点目は、専修学校・各種学校において、検定職種に関する学科を卒業及び在学する者については、当該学校が大臣認定されたか否かに関わらず、受検資格を付与する。4点目は、求職者支援訓練についても検定職種に関する訓練を修了及び受講中の者に3級の受検資格を付与することとしております。
 さらに(2)ですが、これらの改正と均衡を図るため、基礎級の受検資格について所要の改正を行っております。
なお、この省令改正につきましては2月15日に公布し、4月1日より施行させていただいたこととしております。2ページ目以降は、新旧の条文となっておりますので説明は割愛させていただきます。
以上です。

○今野分科会長 それでは次、お願いします。

○青山能力開発課企画官 続きまして、資料9について御説明いたします。これは求職者支援訓練の震災特例措置の期限延長の件です。求職者支援訓練の被災地については2点、特例を設けています。1点目が、復旧・復興に必要な車両系建設機械、すなわち重機の運転技能のための訓練を特別に設定しています。2点目が、訓練の認定基準上設けている過去の求職者訓練での就職率の最低基準について、被災地の訓練についてはカウント方法や影響を及ぼす地域の範囲を緩和することにより、被災地に訓練を付加、参入しやすくしています。いずれの措置も期限が本年の3月31日までの開講コースであったのを、1年延長して平成26年3月31日までの開講コースまで対象とするように省令改正しました。これによって引き続き復興に資する訓練を提供して、被災者の就職支援を行っていきたいと考えています。以上です。

○志村能力開発課長 資料10ですけれども、職業訓練実施計画です。これにつきましては職業能力開発促進法15条の7に基づき、国の行う職業訓練について、その対象者等を定める計画として毎年度作成するものです。平成25年度計画については、下線が改めている部分で実施期間を変えています。次のページ以降は訓練量、これは毎年予算等を反映した数字になっています。離職者訓練、3ページの在職者訓練、学卒者訓練、障害者に対する訓練とそれぞれの対象者数を定めています。本計画については平成25年度予算の成立後に告示・公布を行うこととしています。資料10については以上です。

○浅野キャリア形成支援室長 続きまして、資料11の「地域若者サポートステーション」事業の今後の在り方に関する検討会報告書について、御説明したいと思います。先ほど大久保委員からも御指摘がありましたけれども、サポステ事業は実績を上げるようになるとともに、中退者支援、貧困の防止等、いろいろな期待も寄せられるようになってきていることから、これを踏まえ、今後の在り方について昨年の9月からこの2月にかけて検討したものです。平成24年度の補正予算に既に一部反映されているものもありますが、ポイントとしては5点ほどあります。1点目ですが、ニートとなった者だけでなく、中退者あるいは在学中の者のうち、支援が必要な者についても対象とすることが適当だということ。2点目は生活困窮者支援策と連携するということです。3点目は拠点の拡充、体制の整備、4点目は、先ほど新谷委員からも御指摘がありましたけれども、専門人材の資質向上を図るということです。5点目が学校との連携の強化です。文部科学省の方にも入っていただいて検討したところです。
 続きまして資料12です。「キャリア・コンサルティング研究会」の報告書を取りまとめましたので御報告いたします。2ページにパワーポイントで表裏2枚ありますけれども、1つ目が中小企業におけるキャリア・コンサルティング部会です。中小企業においては、大企業に比べて能力開発の機会が少なく、キャリアについて考える機会が少ないが、これを何とかする方策がないかということで調査等を行ったものです。これによると、中小企業は何とか課題を解決したいと思うが、取り組めていない。企業側と従業員とで認識に隔たりはあるが、支援を受けた従業員は、やる気や仕事の満足度が高い。条件が合えば中小企業、従業員とも、キャリア・コンサルティングに対する期待がありました。キャリア・コンサルティングを導入するためには、内部の人材の養成、外部の人材活用ができるようにしていくことが必要であると指摘されたところです。
 めくっていただいて、職能訓練機関等におけるキャリア・コンサルティング部会ですが、ここでは、ジョブ・カードを活用したキャリア・コンサルティングが、より有効になるようにするためにはどうすればいいかについて調査・研究を行いました。全体として総じて有効ということでしたが、その一方で、十分な時間がない、場所がない、必要な数のキャリア・コンサルタントが確保されていない、ジョブ・カードを作成することに意識が集中してしまいがちである、といった課題も挙げられたところです。
 これに対して職業訓練機関では、体制等の整備、キャリア・コンサルタントについては能力・スキルの向上、私ども行政については、キャリア・コンサルタントの能力・スキルを伸ばすために、ジョブ・カード講習の見直しとか、ジョブ・カード講習受講後のフォローアップの機会を確保したり、ジョブ・カード講習を受けただけで資格を持っていないキャリア・コンサルタントの方に対し、個別指導を受ける機会の確保が必要であるとの意見が出されたところです。以上です。

○森戸外国人研修推進室長 続きまして、資料13について御説明させていただきます。技能実習制度推進事業運営基本方針、これは厚生労働大臣公示で出していますが、今回、2月12日付で一部改正を行ったものです。今回の改正につきましては、最大3年間技能実習できることとなる技能実習2号に移行できる対象職種として、「カーペット製造」職種を追加したということです。これにつきまして主には自動車のマット等を製造するもので、自動車部品の製造業種が海外進出している中において、現在、1年で技能実習1号として受け入れているわけですが、進出企業において中核的な役割を果たすためには、3年間の技能実習期間が必要であることから、今回の改正に至ったということです。今回の改正によりまして職種、作業を増加し、全体で67職種、124作業になったということです。2枚目に現在の職種、作業、3枚目に技能実習制度の現状を書いています。以上です。

○内田基盤整備室長 資料14でございます。「能力開発基本調査」ですが、昨日、ようやくまとまりましたので、本日、提出させていただいています。能力開発基本調査については、昭和50年代から「民間教育訓練実態調査」という名称でやっていましたが、今のような形になったのは平成13年からで、企業、事業所、労働者の三者に調査をしています。
 調査のポイントにつきましては、1ページにありますように、企業調査においては、今、教育訓練費用は減らされる方向にあるようですが、今後は増やしたいと言っている企業が多くなっているということ。そうは言っても、人材育成についてはいろいろ問題があって、特に指導者がいない、時間がない、教育訓練しても辞めてしまう、お金がないといった問題が未だに多く残っているということです。また自己啓発につきまして個人調査で聞いたところ、自己啓発を行った割合が、去年に引き続き2年連続で上昇している状況があります。いずれにしても、今、付表も含めて調査票を印刷していますので、出来上がりましたら各委員に御送付することにしていますので、よろしくお願いします。

○今野分科会長 ありがとうございました。全体、どこでも結構です。まだ少し時間がありますので御質問、御意見があればどうぞ。

○澤田委員 資料9の関係で簡潔に質問させていただきます。「災害復旧に必要な人材育成のための震災対策特別訓練コースの設定に係る特例措置」の期間を1年間延長したこと、これは十分必要な措置だと判断しています。その上で、車両系建設機械運転手を中心に必要な人材育成のための訓練を実施しているわけですけれども、実際、被災地で修了された方が、どのように就職されているか。そういう実態の数値があったら教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○青山能力開発課企画官 被災地の建設機械の訓練についてですが、例えば平成24年度、本年度ですと33コース開講して、193人が受講されています。被災3県(岩手、宮城、福島)の合計です。就職率は6割弱ということです。恐らく被災地の建設関係の仕事に従事したと思われますけれども、そのような状況です。

○澤田委員 「思われます」というのは、被災地で働いているかどうかまでは、なかなか確認できないという意味ですね。

○青山能力開発課企画官 すみません、そこまでは。

○今野分科会長 ほかに、いかがでしょうか。

○冨高委員 資料10「職業訓練実施計画の概要」に関連して申し上げます。平成23年度から推進されている第9次職業能力開発基本計画ですが、平成25年度は中間年になるかと思います。この平成23年度、平成24年度の2年間の進捗状況の検証もきちんとしていただき、公共職業訓練がきっちりと効果的な施策となるように、引き続き行政として取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○今野分科会長 ほかに、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、最後、急いでしまって大変失礼しました。時間ですのでこの辺で終わりにさせていただきます。次回以降の分科会の日程等については、改めて事務局から連絡をさせていただきます。議事録の署名ですが、労働者側委員は高倉委員、使用者側委員は大野委員にお願いします。それでは終わります。ありがとうございました。

(了)

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