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2013年5月10日 第61回社会保障審議会医療保険部会議事録

○日時

平成25年5月10日(金)16:00〜18:06


○場所

グランドアーク半蔵門 富士東の間


○議題

社会保障制度改革国民会議の議論について

○議事

○遠藤部会長
 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第61回「社会保障審議会医療保険部会」を開催したいと思います。
 どうもお久しぶりでございますと言ったほうがよろしいかもしれませんけれども、前回から大分たっております。本当に御多忙の中お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。私もいろいろな委員会の場に出させていただいていますが、何となくホームグラウンドに戻ってきたなという印象でございます。
 まずは委員の異動がございましたので、御紹介させていただきます。
 齋藤正憲委員が御退任されました。
 新たに、日本経済団体連合会社会保障委員会医療改革部会長の森千年委員が御就任されております。
○森千年委員
 三菱マテリアルの森でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○遠藤部会長
 よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の委員の出欠状況について申し上げます。
 本日は、岩本委員、大谷委員、斉藤正寧委員、和田委員より御欠席の連絡をいただいております。また、岩村委員が少しおくれる旨の連絡をいただいております。
 続きまして、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りしたいと思います。
 齋藤正寧委員の代理として、久保参考人の御出席につきまして御承認いただければと思いますけれども、よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 次に、前回の医療保険部会以降、厚生労働省の幹部に人事異動がありましたので、事務局より御紹介をお願いしたいと思います。
 事務局、お願いします。
○濱谷課長
 保険局総務課保険システム高度化推進室長の佐久間でございます。
○佐久間室長
 よろしくお願いいたします。
○遠藤部会長
 また、本日は、秋葉副大臣にお越しいただいております。議事に入る前に秋葉副大臣から御挨拶をいただきますので、よろしくお願いいたします。
○秋葉厚生労働副大臣
 厚生労働副大臣の秋葉賢也でございます。
 きょうは、委員の皆様には大変御多用の中、医療保険部会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。また、委員の先生方の皆様には、これまで持続可能な医療保険制度の構築に向けたさまざまな御議論を行っていただいたと承知いたしております。特に、前回の1月に熱心な御議論のもとでまとめていただきました議論の整理につきましては、政府として健康保険法等の一部を改正する法律案として取りまとめて、現在国会で審議をいただいている状況でございます。
 さて、社会保障制度改革推進法に基づき設置されました社会保障制度改革国民会議に関しましては、昨年の11月より11回にわたりまして、医療保険制度を含めた社会保障制度のあり方について議論がなされてきたところであります。このうち、私も医療保険制度等に関する議題の回を含めまして、都合4回出席させていただきまして、将来のあるべき姿についての真剣な議論に参画させていただきました。
 4月22日の国民会議におきましては、議論の整理案が提示されたことは皆様御存じのとおりでございます。この中におきましては、1つには後期高齢者支援金の全面総報酬割で生じた財源の使途について、2つ目には国民健康保険の保険者の問題について、3つ目には医療機能の分化や連携の方策について、当部会におきましても、これまで長く議論してまいりました医療保険制度の根幹にかかわる事項について記載されているところでございます。こうした点を踏まえまして、社会保障審議会医療保険部会の場でも、本日を含めまして3回にわたって医療保険制度のあるべき姿について委員の皆様方のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。
 委員の皆様におかれましては、我が国が世界に誇る国民皆保険制度を今後も引き続き堅持をしていく観点から、ぜひ忌憚のない御意見をいただければと存じます。
 厚生労働省といたしましても、今後とも当部会と国民会議との連携を図っていきたいと考えておりますので、何とぞよろしくお願いしたいと思います。
 本日はどうぞよろしくお願いいたします。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 御都合によりまして、秋葉副大臣はここで御退席されます。どうもありがとうございました。
○秋葉厚生労働副大臣
 どうも先生方、よろしくお願いいたします。
(秋葉厚生労働副大臣退室)
(報道関係者退室)
○遠藤部会長
 それでは、議事に入らせていただきます。
 本日の議題は、ただいま秋葉副大臣からも御紹介がありましたが、社会保障制度改革国民会議の議論の整理案とこれに関する論点について議論するのが本日テーマでございます。
 この国民会議でございますけれども、私自身も委員の一人として議論に参画しております。国民会議では、これまで医療・介護にかかわる団体からのヒアリングや委員同士のプレゼンテーションの紹介と議論を行っております。これらを踏まえまして、医療・介護分野における議論の整理案が先月22日に国民会議において提示されました。
 なお、参考までに、先月19日の第9回国民会議で各委員がプレゼンされた資料及びこの医療保険部会に参画いただいている各団体が国民会議に提出された資料を委員の皆様の卓上に配付させていただいておりますので、適宜御参照いただければと思います。
 また、具体的には資料2にまとめておりますが、医療・介護分野における議論の整理案では、医療・介護についてさまざまな面から改革案が言及されております。この議論の整理案の内容は、当部会の審議事項に関連するものが多く含まれております。したがいまして、当部会においてもこの議論の整理案について御議論いただき、今後、国民会議とも連携を図っていきたいと考えております。
 内容が多岐にわたりますので、2回に分けて御議論いただき、第3回目に皆様の御意見を記載したペーパーについてお諮りしたいと考えております。そんな段取りで今後進めていきたいと考えております。
 本日は、このうち「医療保険制度の財政基盤の安定化・保険料に係る国民の負担に関わる公平の確保」等を議論していただきたいと考えております。もし時間に余裕があれば、医療保険における療養の範囲の適正化などについても御議論いただきたいと思います。
 それでは、事務局より資料の説明をお願いしたいと思います。
 事務局、どうぞ。
○濱谷課長
 保険局総務課長でございます。
 資料は4種類ございます。資料1、国民会議について。資料2が議論の整理(案)。資料3が主な論点(案)。資料4がその参考資料ということでございます。
 まず、資料1でございますけれども、今ほど副大臣、遠藤部会長から御説明がございましたけれども、第9回、第10回におきまして医療・介護について集中的な議論がなされ、これまでの議論の整理(案)が示されたということでございます。
 資料1の裏、医療の改革の検討項目については、推進法などにおきまして、ここに掲げておられます4項目が検討課題でありまして、今回はこのうち2 医療保険制度の財政基盤の安定化等、療養範囲の適正化等について御議論を賜りたいということでございます。
 議論の整理(案)自体は資料2でございますけれども、資料2は4項目全般にわたり整理(案)として記載されておりますが、そのうちの安定化等に係るところについて本日は議論していただきたいということでございます。
 なお、議論の整理(案)のペーパーの性格でございますけれども、国民会議におきまして事務局長から、今後の取りまとめに向けての議論の素材としての提供だというような御発言や、清家会長から、あくまでもそれぞれの推進法に定められた項目の中でこういうような意見があったということを思い出すための資料としてつくっていただいておりますので、そのような御理解をいただければと思いますと紹介されておりますので、このペーパー自体がそのような性格のものであることがまず前提と御理解賜りたいということでございます。
 それでは、具体的な国民会議の論点(案)に沿った論点が、資料3でございます。
 これは国民会議の議論の整理(案)における記載を基本的にはベースにいたしまして、その中で厚生労働省としてこんな点が論点ではないかということでまとめた資料でございます。
 1ページ「医療保険制度の財政基盤の安定化・保険料に係る国民の負担に関わる公平の確保」の中で幾つか論点がございます。
 左のほうに項目が書いておりますけれども、1点目が総報酬割。
 2点目が2ページの下、国保の保険者。
 4ページの下でございますけれども、医療・介護の提供体制の確保の中で、都道府県にも保険医療機関の指定・取消権を付与するといった点が大きく分けて論点かということでございます。
 1ページに戻っていただきまして、総報酬割についてでございます。まず、右端に「主な論点(案)」とございますけれども、議論の整理(案)の記載をもとに主な論点(案)として想定されるのではないかと事務方で考えた点でございます。
 1点目が、後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入についてということで、全面総報酬割の導入そのものについての議論でございます。国民会議におきましては、総報酬割の導入そのものについて異論はなかったところでございますけれども、論点としては導入そのものについても論点かということでございます。
 2点目が、支援金の全面総報酬割の導入により生じる財源の使い途についてということでございます。協会けんぽの国庫補助、高齢者医療の給付費あるいは国保の国庫補助等に充てるということが意見として出ていますけれども、そういった使い途についてが2点目でございます。
 2ページ目、大きな2つ目は国保の保険者のあり方でございます。
 主な論点の1でございますけれども、国民会議の中では1つは医療計画の策定者である都道府県を国保の保険者とするという意見が複数出ております。一方で、市町村を保険者としつつ、改善を図っていくという意見も出ておりまして、まずは保険者のあり方についてが論点ということでございます。
 2点目がもう少し具体論でございますけれども、国保保険者を都道府県とした場合に、保険料徴収・保健事業等を引き続き市町村が担うことについてということで、これは国民会議の委員のプレゼンペーパーの中でも、国保保険者を都道府県とした場合でも、こういった事務については市町村が引き続き担うということが前提になっておりますので、都道府県と市町村の保険者事務における役割分担についてが2点目でございます。
 3点目が、それに関連いたしますけれども、国保の広域化に当たりまして、医療費適正化や保険料徴収に対する地域の取り組み努力をどのような形で反映させるかという仕組みについでございます。
 3ページ、国保の保険者のあり方の大きな2点目が国保の財政基盤についてでございます。
 1点目は、後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入により生じる財源の使い途として国保に充てることについてでございます。
 2点目が、その支援金の全面総報酬割の導入による財源にかかわらず、もともとあります国保の赤字構造の抜本的解決についてどう考えるかでございます。
 3点目が、スケジュールでございます。国保のさらなる見直しを行うとした場合でございますけれども、平成27年度から都道府県単位の共同事業が拡大されるということが既に法律で成立いたしておりますけれども、それとの関係についてどのように考えるというのが1点目。
 2点目が、後ほど参考資料で御説明申し上げますけれども、今回の案は医療計画の策定者である都道府県を国保の保険者とするということで、それと医療計画の策定権限や保険医療機関の指定・取消権などがいわばワンパッケージの改革案になっております。そういった場合の特に医療計画などの関係でのスケジュールがどのような形になるのかというのが2点目でございます。
 最後に、論点としては4点目でございます。今、申し上げましたとおり、今回国民会議の委員から示されている改革案におきましては、医療計画の策定権、都道府県保険者、プラス都道府県に保険医療機関の指定・取消権を付与するということがパッケージになっておりますけれども、そういった取消権の付与についてどのように考えるかということが論点と考えてございます。
 今、申し上げましたものの関連資料が資料4でございます。
 3ページ、4月19日に権丈委員が提出した資料の抜粋でございますけれども、下のポツ、今般の一体改革でこれらの意見(全面総報酬割、浮いた公費の投入は国保優先)の実現を図る必要という提案がなされておりまして、これが今回の論点整理(案)の素材になっているということでございます。
 4ページ目はこれまでも出しておりますけれども、支援金の総報酬割の考え方、現在は支援金の3分の1を総報酬割にし、協会けんぽの国庫補助率を16.4%に引き上げる特例措置が24年度まで講じられておりまして、ちょうどそれを2年間延長する特例措置の法案が国会で審議中という状況でございます。
 5ページが総報酬割の拡大による財政影響ということで、特に浮いた財源ということから申しますと、一番上に書いておりますけれども、平成27年度ベースで言いますと、協会けんぽの支援金についております国庫負担約2,300億円が総報酬割の導入によって、いわば財源として生じる、不要となるということでございます。
 6ページは前期高齢者数の推移ということで、後ほど出てまいります今年の1月の当部会の議論の整理とも関連しますけれども、平成24〜26年度のいわゆる団塊の世代が前期高齢者となり始めておりますが、27年度から団塊の世代全員が前期高齢者となるということで、今後10年間程度、いわば前期高齢者がこういう形で生ずるということで、これは被用者保険にとってみると拠出金の急増につながるということの背景にある資料ということであります。
 そういったことがありまして、7ページ、8ページということですけれども、被用者保険サイドから見ますと、健保組合や協会けんぽについては支援金等の負担が徐々に上がっていきまして、例えば健保組合の7ページでいいますと、平成37年ベースでは50%、ちょうど半分が他の保険者への支援という形になるということであります。
 9ページ、そういったことが背景にあり、今年の1月9日の医療保険部会におきましては、総報酬割について上から3つ目でございますけれども、全面導入の意見が多かった一方で、納得できないという意見もあるということや、総報酬割で浮いた財源の使い途についてでございますけれども、一番下の○、中ほどから、協会けんぽの国庫補助率20%の引上げに使うべきとの意見や、前期高齢者の給付費に充当することによって、被用者保険全体の負担の軽減を図るべきとの両論で議論の整理がなされたということであります。
 関連で10ページは、今、国会で審議中の健保法の法案の附則の検討規定でございます。政府は改正後の健康保険法附則第5条及び第5条の3の規定、附則5条は当分の間13%にするという規定、5条の3は、それを2年間16.4%とするという規定でございますけれども、いわば協会けんぽの国庫補助率の規定について、協会けんぽの財政状況、高齢者の医療に要する費用の負担のあり方、想定しておりますのは支援金の負担のあり方の検討の状況等を勘案して26年度までの間に検討を行い、所要の措置を講ずるということで、いわばこういった支援金の負担のあり方については、協会けんぽの国庫補助との関連で検討規定が置かれているということであります。
 続きまして、市町村国保の関連でございます。13ページ、4月19日に増田委員が提出した資料でございます。一番上、地域医療提供体制の整備と国民皆保険を最終的に支える国保のあり方を一体的に検討することが必要ということで、地域医療提供体制の整備については、病床を急性期、回復期など機能別に区分して有効活用していくようなこと。そのために、都道府県知事が地域医療ビジョンを策定するといったこと。そのための権限、役割拡大ということで13ページの一番下でございますけれども、現在、国が行っている保険医療機関の指定・取消権限の都道府県の付与ということがセットで提案されているということであります。
 それに加え14ページ、国保について小規模保険者の存在などを課題として挙げ、真ん中のポツ、国保の赤字構造を抜本的に解決した上で、国保の保険者を都道府県とすることが適切というようなことが提案され、一番下の※でございますけれども、ただし、その場合であっても、保険料徴収・保健事業など、引き続き市町村が担うことが適切な業務は存在るため、適切な役割分担をする仕組みが必要だという提案がなされております。
 15ページ、同様の提案でございますけれども、権丈委員から、医療提供体制改革の実効性を高めるためには、医療計画の策定者である都道府県を国保の保険者とすることにより、保険者機能を受益と負担の牽制を働かせることが効果的といった提案。全面総報酬割の国保への投入といった提案。市町村の引き続きの保険料徴収等の取り組みといった提案がなされております。
 他方、同じ国民会議で山崎委員からは、医療保険のあり方として17ページ、18ページ、広域化の狙いとしてリスク分散の機能ということで、再保険としての共同事業が効果をあげているといった点。保険料の平準化については、受益としての実質の医療費水準との差を考慮しない平準化は保健施設活動等の取り組みを阻害するのではないかといった点。むしろ小規模市町村問題ではなく、大都市国保の赤字構造が問題ではないかといった点が挙げられ、18ページの真ん中ほどでございますけれども、提案といたしましては、広域化のメリットを追求しつつ、地域の実態に応じた保険事業を推進するには、市町村保険者を維持しつつ、共同事業の改善により対応といった提案がなされているということでございます。
 あと基礎資料でございますけれども、21ページ。基礎でございますからざっとまいります。構造問題として年齢構成が高い、財政基盤が弱い、財政の安定性・市町村格差問題ということがあるわけですが、都道府県保険者問題の課題は、大きくは3番目の財政の安定性・市町村格差問題に主としては対応するものではないかと考えております。
 その中で、市町村、都道府県の保険料の格差でございますけれども、22ページ、東京都などで最大で2.8倍の格差がございます。こういった格差をどのようにするかといった点。
 23ページ、県内統一保険料といった場合には、特に東京など格差の大きいところでは、今、保険料が低いところで統一保険料にしますと保険料の上昇になるといったことであります。最大で言いますと東京都でありますけれども、差額で3万8,000円余りということで、一度に統一保険料にいたしますとこのような引上げになるといったことについてどのような対応を図っていくかということ。
 国保の保険料の賦課については少し技術的なことになりますが、応能部分と応益部分がありますが、応能部分についても所得割と資産割、応益部分についても個人で係る均等割と世帯単位で係る世帯割と4種類ございまして、その4種類を組み合わせている方式や、所得割と均等割だけの方式など大きく3種類の方式が各市町村でとられておるということで、現段階では24ページ下、7割が4つの方式を組み合わせておりますけれども、県単位でそろえていくといった場合に、こういったばらついているものについてどのような形でそろえていくかといったことが実務上は課題になるかということであります。
 25ページ、26ページは保険料の収納率であります。昨今の景気低迷などにより収納率は下がっている傾向でありましたけれども、最近は市町村の収納努力や景気の状況などによって上昇傾向にございます。ただ、依然として90%を下回っている状況ということでありまして、中でも市町村間でばらつきがあるということで、100%のところから8割を切るところまでばらついております。
 26ページ、全般的な傾向で言いますと、全国平均が89%強でありますけれども、市部と町村部でいいますと顔が見えづらい、あるいは若年層が多い都市部で比較的収納率が低く、町村部で高い傾向にございます。
 27ページ、後期高齢者医療制度では、広域連合が財政運営主体で、市町村が徴収ということで分離しておりますが、後期高齢者医療制度については、高齢者の収納意欲が高い、あるいは特別徴収や口座振替といったものが浸透しておりますので99%ということで非常に高い収納率でございますけれども、国保については収納率が低いので、収納率の維持をいかに図るかということが課題だということであります。
 また、保健事業についても顔が見えやすいところ、町村部や人口の少ないところで相対的に実施率が高い傾向にありますので、こういったもののインセンティブや維持向上というところも課題かということであります。
 29ページ、全般に役割分担ということでございますが、保険者機能としてはファイナンスの部分と医療サービスの提供・受療という過程がありますので、ファイナンスの部分では被保険者の適用(資格管理)、保険給付、保険料率を決めて、確実に徴収すること、審査支払といったこと。
 医療サービスの提供・受療という意味では、保健事業を通じた加入者の健康管理や、それを通じた医療費の適正化、医療提供側への働きかけといったことがございますけれども、こういった機能について、県と市町村の間でどのような役割分担をするかということが課題かということであります。
 収納関係で特に申しますと30ページ、国保で広域連合はそう多くはありませんが、空知、後志などの広域連合、大雪、最上などの広域連合がありますけれども、徴収や責任分担の仕方について大きく2種類ございます。
 分賦金方式というところでは、賦課基準や徴収を各市町村が行いますけれども、未納が生じた場合の財政責任は市町村にあるということで、広域連合には徴収率にかかわらず100%納付し、そういう意味では市町村が財政責任を持つというような方式と、直接賦課方式というところでは、ここは国保料で料率も統一しておりますけれども、市町村は徴収した額のみ納付ということで、未納の場合には財政責任は広域連合にあるといった典型的には2つのケースがございます。こういった未納の場合の財政責任、役割分担について整理する必要があるのではないかということであります。
 国保の財政基盤、財政状況でございます。赤字とよく出ておりますけれども、下にございますが、決算補填のための一般会計繰入が平成23年度の速報値で3,500億ということで、実質的な単年度支出が約3,000億でありますので、実質的には一般会計繰入分が赤字と見られるということであります。
 また、それとは別に前年度繰上充用金と書いてありますが、決算を締めてみますと収入が足りないということで、翌年度の保険料は先充てで措置するという特例的な財政処理ですが、これが1,500億程度あるということで、そういったものについての処理についてどうするかということが課題かということであります。
 33〜34ページは赤字構造をもう少し分析したものでございますが、一般会計繰入などを行っている保険者といずれも行っていない保険者を比較しますと、保険料負担率というところで見ていただきますと、いわば所得に対する保険料額の割合が一般会計繰入などを行っている保険者が13.9、行っていない保険者が16.8ということで、比較的所得の高いところが一般会計繰入等を行っている傾向があるのではないかということでございます。
 34ページはそれを地域別に見ますと、一人当たりの繰入金が1万円を超えますのは茨城県、埼玉県など9県ですけれども、そのうち埼玉ほか4県は保険料負担率が低いというとことで、都市部の財政力の高いところが比較的繰入が多いという傾向がございます。
 35ページで前年度繰上充用、会計の特例処理でございますけれども、これもかなり地域性がございまして約1,500億ありますけれども、そのうち大阪府内の市町村が約600億強で約4割を占めているということで、かなり地域的な課題ではないかということであります。
 そういったこともございまして36ページ、今般2,200億、社会保障・税一体改革の中で市町村国保の財政基盤強化策で措置するということにいたしておりますけれども、その措置の仕方といたしては、低所得者に着目した、いわば財政力に着目をし、公的な支援をするという形にしておりまして、そういう意味では財政支援をする場合の支援の仕方についてどのように考えるかというのが課題ではないかと考えております。
 37ページ以降は、現在の国と県の役割分担で、特に県の役割ということであります。調整交付金、もともと7%、昨年の法改正で9%引き上げましたが、これを使いまして財政調整などを行うというのが県の役割でございます。
 現状では38ページ、1号交付金。これは普通調整交付金に相当するもの、財政格差の是正でございますけれども、これの約8割、78.5%が定率、財政調整が行われているのが2割という状況でございます。
 39ページ、県別に見ますと、財政調整を行っている県は13県ということで、現在、大半のところは定率で交付しているというのが現状でございます。
 スケジュール関係でございます。41ページからであります。
 先ほど来御説明申し上げておりますが、昨年4月に成立した国保法改正におきましては、特に左側の(2)、(3)でございますけれども、共同事業の拡大ということで42ページです。これまではレセプト1件当たり30万超、医療費の約4割程度が都道府県単位で持ち合いでございましたが、これを全医療費に拡大するというのが平成27年度からスタートするということであります。
 そういたしますと43ページ、実際の医療費が例えば同じ人口のところで、A、B、Cと、100、150、50と3倍の格差がある場合でありますが、これを拠出金の負担の持ち方といたしましては、300のうち150、半分については頭割り、被保険者均等割ということで50ずつ負担し、残りの150を医療費実績割で負担するということであります。そうしますと、理論上は保険料格差が3倍から半分に縮小するというのが共同事業の拡大の効果であります。
 ただ、一遍にこのような負担関係になりますと、保険料の急激な上昇になりますので、44ページ、県の調整交付金を2%、1,500億ほど増やしまして激変緩和、つまりC市のような負担がふえる市町村に多く交付することによって緩和しようというのが今回の改正でございます。これが共同事業でございます。
 こういった共同事業が27年度からスタートし、徐々に保険料が平準化するといったスケジュールとの関係をどのように考えるかということが1点。
 2点目が47ページ、48ページ、医療計画との関係でございます。これは権丈委員のプレゼンペーパーでございます。各都道府県が二次医療圏ごとに基準病床数を高度急性期・一般急性期・亜急性期といった新たな医療系機能別に算定するといったこと。医療計画の策定者である都道府県を国保の保険者とすること。都道府県に保険医療機関の指定・取消権を与えること。これが3点セットになって提案されています。
 一番下のポツ、地域医療ビジョンの前倒しでの策定に加え、上記の方向性を医療法改正で明示するとされております。
 前倒しのスケジュールは48ページ、次回の医療提供体制の議題のときにもう一度申し上げますけれども、現在、厚労省では医療法の改正を検討いたしておりまして、医療機関から報告をいただき、その報告などをもとに県が機能別の医療計画をつくる、地域医療ビジョンをつくるということになっております。当初は平成30年度からスタートということを想定しておりましたが、先般の検討会で前倒ししようということで48ページの下、法案を今年提出し、成立した暁には26年度に国がガイドラインを作成し、27年度から都道府県が地域医療ビジョンを策定するといったスケジュールでございます。
 権丈委員の提案は、この先の話をいたしておりまして、こういった地域医療ビジョンの策定を見ながら、さらに医療計画の内容について基準病床数の区分など行うことにしようということで、上記の方向性を医療法改正で明示すると書いております。今、想定しております医療法改正の中で、何らかの形でこういった方向性を明示しようということが提案されております。こういったことを想定したときに、スケジュール感として具体的にはどのようなスケジュールになるのかというのが論点かということでございます。
 最後に51ページ、保険医療機関・保険薬局の指定・取消権の都道府県への権限移譲が提案されております。これは経緯でございます。平成11年の地方分権一括法の前におきましては、指定・取消権は都道府県知事の機関委任事務でございました。これが地方分権一括法の中で、指定・取消権については国が医療保険制度全体の安定的かつ健全な事業に責任を持っておるため国が直接発展を図るべきことといったことや、保険医療機関等の指定等は国が健保組合等を含む保険者にかわりまして、全国を通じて公的医療保険における診療を任せるのにふさわしい保険医療機関を指定する事務ということで、国の直轄事務、厚生労働大臣の事務として整理された経緯がございます。こういった経緯との関係をどのように考えるかが論点ではないかということでございます。
 資料説明は以上でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 国民会議でこれまで議論されてきた中で当部会と関連の深いものについての御紹介、事務局から見た論点というものを幾つか分けていただきました。議論をする上で有用だと思われるような情報についての説明があったということでありますけれども、国民会議の議論は当部会と非常に重なる内容のものも多うございますので、ぜひ皆様の忌憚のない御意見を拝聴したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 内容が少し多岐にわたっておりますので、幾つか分けながらお話を進めていったらよいかと思います。せっかく視点と主な論点というのを事務局で分けていただきましたので、この順番で御議論いただければと思います。
 最初は、後期高齢者支援金の総報酬割の導入、総報酬割により生じた財源の使途についてでございますが、何かございますか。
 それでは、菅家委員、お願いいたします。
○菅家委員
 論点の議論に入る前に、一体我々はきょう何を議論すればいいのかということについて確認させていただきたいわけであります。
 国民会議で議論が行われているということは承知しておりますが、国民会議の中で何らかの結論めいた方向性が出されていて、それについて当医療保険部会としてどういう見解を持つのかという議論をするのでもないようでありますし、そもそも国民会議と医療保険部会との関係について一体どう整理し、理解し、議論すればいいのかということについて改めて説明していただきたいと思います。
 内容面で申し上げましても、医療保険にかかわるさまざまな論点、課題というものが当医療保険部会におきましてもこれまで累次にわたって議論をして、その議論の積み重ねをやってきているわけでございますが、この国民会議の医療保険にかかわる議論を見ますと、きょう、厚労省のほうでまとめていただいた論点を見ましても、主な論点として挙げられているのは後期高齢者支援金のあり方、必ずしも総報酬割の問題に限るわけではないと思いますけれども、それが1点と、国保の保険者をどうするかということ。医療保険について言えばこの2つにほぼ絞られていて、我々がこの間ずっと議論してまいりました高齢者医療制度のあり方については、たった1つの論点しか提示されていない。
 要するに、大変申しわけないのでありますけれども、この国民会議の医療保険にかかわる議論といいますのは、相当程度偏った狭い幅の中での議論にすぎないと私としては評価せざるを得ないわけでありまして、この狭い範囲の限られた論点について、一体我々は何を議論すればいいのか。しかも、国民会議の議論というのは方向性が出ているわけでもない。当初説明があったように議論の整理メモだということでありますので、一体この議論の整理メモに基づいて我々は何を議論すればいいのでしょうか。議論するような対象としてどう評価すればいいのでしょうか。まず、その点を明らかにした上でこの議論に入っていきたいと思います。
○遠藤部会長
 これは事務局への御質問ということでよろしいですか。
 事務局、お願いいたします。
○濱谷課長
 まず、この国民会議の議論の整理(案)の性格については、御指摘のとおり、何か方向性が出ているということではなくて、今までのこういうような意見があったということをいわば思い出すための資料、整理のための資料という性格であるというのは御指摘のとおりであります。
 国民会議と社会保障審議会の役割分担ということでございますけれども、国民会議は、医療保険に限らず社会保障に係る全般についての基本的な方向などについて御議論していただいているものと理解しておりまして、医療保険関係は制度論としてそれを具体化するということかなということでございます。
 ただ、方向感が出てから具体的な議論をするという前に、一定の国民会議としてのメモが出てまいりまして、具体的な提案もございますので、現段階で社会保障審議会としても、提案についての御意見などがあれば賜りながら、また国民会議との連携を図っていくべきではないかということで御議論を賜りたいということでございます。
 また、高齢者医療制度などについては、確かにまだ1点しかございませんけれども、高齢者医療制度について申し上げますと、国民会議だけではなくて三党の協議の事項ということにもなっておりますので、そういう意味では、そこは三党協議や国民会議での議論の進め方の問題でありますので私どもとしてコメントは差し控えたいと思いますけれども、そういった議論の状況を見ながら、医療保険部会としても対応を考えていく必要があるのではないかと事務方としては考えています。
○遠藤部会長
 菅家委員、どうぞ。
○菅家委員
 提案とおっしゃいましたけれども、どれが提案なのですか。国民会議の委員の皆さんが、それぞれの考えに基づいて発言されているものを単に羅列しただけのものですね。委員の個人の御意見がこういうことで出されましたということだけであって、何らかの方向性とか提案とかというよりも、そういった性格のものなのでしょうかということ。
 繰り返しになりますけれども、内容においても、まさに今医療保険財政が逼迫をしているという共通の事象があって、それに対してどういう処方箋を我々は提示しなければならないのかということがまさに求められているわけでありまして、財政逼迫の外的な要因あるいは内的な要因、さまざまあるわけです。
 外的な要因でいえば、それぞれの医療保険財政の半分近くを強制的に移転させられる。まさにそれが財政逼迫の大きな要因であるわけです。その大きな要因をどう解決するのですかということが何ら議論されていないわけですね。
 等々、重要な課題についてさまざまな論点があるわけでありまして、国民会議の論点が総報酬割の導入の問題と国保の保険者のあり方の問題、これだけについて議論してくださいと言われても、どういう議論をすればいいのでしょうかというのが理解不能だということを申し上げたいと思います。
○遠藤部会長
 御意見はよくわかりました。類似の御意見があればまとめてお聞きしたいと思います。
 白川委員、どうぞ。
○白川委員
 私も菅家委員の意見と同じでございまして、端的に申し上げれば、国民会議の議論に失望したと言わざるを得ません。こんな狭い範囲の中でしか議論されていないのかと。ここにいらっしゃる委員の多くの方、どれぐらいかはわかりませんが、国民会議でそれぞれの団体を代表していろんな意見も申し上げてきたと思います。それはこういう狭い範囲ではなくて、もっと幅広い議論を期待するということで意見を述べてきたと私自身そう思っております。
 ここに書かれております、例えば総報酬割についても経済団体あるいは協会けんぽさん、我々健保組合も意見を申し上げました。それを反映するかどうかは国民会議の意思だとは思いますけれども、そういった意見を聞いて国民会議の各委員がそれぞれの見解を述べただけというペーパーでございますから、ここで議論をするならば、また我々は国民会議で発表した意見を繰り返すしかないということでございまして、こういう議論はいかがなものかなということをまず申し上げたい。
 ただ、私はむしろこれ以外にもっと重要と考えていることが幾つかあるのですけれども、そういったことをぜひ国民会議で議論していただきたいと我々医療保険部会で提案するというのを今日の議論の一つのテーマにしていただけないのかなと思っております。
 以上でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 ほかに小林委員、どうぞ。
○小林委員
 私も菅家委員あるいは白川委員の意見と重なる部分があります。国民会議に対しては、高齢者医療制度や被用者保険を含めて医療保険制度全体としてどうしていくのかという大所高所に立った議論が期待されております。しかし、実際には協会けんぽも含め、被用者保険の改革や高齢者医療全体に関する議論がほとんど行われておらず、例えば後期高齢者医療についていえば、現役世代の負担に関する議論もなく、国民健康保険の都道府県単位化あるいは後期高齢者医療制度の負担面での全面総報酬割の導入という局所的な議論のまま、医療、介護に関する議論が一巡したと整理されたことについては極めて残念だと思っております。
 これは菅家委員から質問がありましたが、また事務局から説明もありましたが、国民会議と医療保険部会との関係について、協会としては国民会議の議論というのは一つの方向性を示すものであって、具体的な制度設計とか国民会議で具体的な議論がなされていなかった案件は当然この医療保険部会で議論し、結論を得るという理解でありますが、この私の理解について異なるのであれば、改めて事務局から御説明をお願いしたいと思います。
 中身について踏み込んで申し上げますと、現在、協会けんぽに対する財政特例措置について、先ほど事務局からも御説明がありましたように、平成26年度までの2年間延長する法律案が国会において審議されており、この法律案は直ちに成立させていただきたいと考えておりますが、これまでの医療保険部会でも繰り返し申し上げてまいりましたとおり、27年度以降は再び巨額の累積赤字に至る見通しであり、25年、26年の2年間の間で被用者保険の最後の受け皿機能を果たしている協会けんぽをはじめ、被用者保険全体の持続可能性を維持するための制度改正を実現する必要があるのではないかと考えております。
 また、現在、被用者保険間での保険料率格差、特に報酬の低い者が高い保険料を負担するという、およそ社会保障とは言えないような状況に対しても、国民会議では何ら方向性は示されていないと考えています。
 遠藤部会長初め、国民会議の委員の皆様におかれては、被用者保険に関する議論、特に協会けんぽの財政基盤の強化のために、協会けんぽに対する国庫補助割合を健康保険法本則に規定する20%まで引き上げること、そして高齢者医療制度、高齢者医療の抜本的な見直しを行うという最低限必要な改革の実現に向けた道筋をぜひつけていただくよう強くお願いいたします。
 協会けんぽとしては、これまで後期高齢者医療制度の支援金の全面総報酬割導入を主張してまいりましたが、これは被用者保険内の負担の公平性を実現するためであって、国民健康保険の財源を捻出するということではありません。総報酬割導入で財源が浮くということであれば、それは被用者保険グループ内の負担の調整によるものであり、協会けんぽの財政基盤の強化など、被用者保険の負担を軽減するというのが筋だと考えております。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 ほかにございますか。
 森委員、お願いいたします。
○森千年委員
 今までの委員の方と同じような意見になるかもしれませんし、また、今までの経団連として説明、主張してきた内容の繰り返しになるかもしれません。
 まず、お願いしたいことは、社会保障制度改革国民会議の中で、高齢者医療制度が将来に向かって持続可能な制度になるように、医療保険制度全体の枠組みを論議していただければと思っております。
 現在、現役世代がかなり減少しているというところで、いかに高齢者医療制度を支えていくかということについて、将来像、グランドデザインがないまま、被用者保険間の支援金の負担の論議に終始するというようなことでは、早晩被用者保険制度が運用できなくなる、維持できなくなるのではないかということを危惧、懸念しているところであります。
 高齢者医療の多額な拠出金によって健康保険、協会けんぽ、共済組合など、被用者保険全体が非常に厳しい財政運用になっているということで、やはり繰り返しになりますけれども、前期高齢者医療保険制度に対する税投入割合の拡充等も検討していく必要があるのではないかと思っております。
 したがいまして、例えば支援金の総報酬割の導入、こういった論議だけに終始することなく、全体としてグランドデザインをどうしていくのかといったものが論議されなければならないのではないかと考えております。
○遠藤部会長
 横尾委員、どうぞ。
○横尾委員
 ありがとうございます。後期高齢者医療広域連合でいわば支援金を受けているほうの立場になりますけれども、そういった立場から今回の資料を拝見しても、例えば一応メモ程度という補足説明はございましたけれども、「議論の整理(案)」を見ますと、わずか1行しか書かれておりませんで、今、何人かの方が御指摘されたように大変残念だという気がしています。いわゆる三行半以下ということです。
 では、どうするべきかという議論になるのですけれども、それについては既に先にありました高齢者医療制度改革会議でもかなりの審議がなされて、私も委員として参加しましたが、例えば後期高齢者医療制度を廃止して地域保険を国保に一本化ですとか、加入する制度を年齢で区切ることなく現役世代と同じ制度に加入させるとか、国保の財政運営の都道府県単位化を図るとか、第1段階、第2段階を設けて、75歳以上については都道府県による財政運営、保険料率の設定とか、第2段階は全年齢について財政運営の都道府県単位化など、そのときの改革議論というのがあって、「最終とりまとめ」までなさっているわけです。それを踏まえての今日に至っているわけですが、もちろん、途中で政権交代もあっていろんな意見、熟議みたいなのがあったと思いますけれども、どこかで決着をして方向づけをしないと現場はどのように見ているかといいますと、これだけの大きな仕組みの中で1行程度では先が見えないということがありますし、また今後制度の運用につきましても組織運営や財政計画を立てる意味で大変苦慮しているところでございますので、ぜひよりよい議論が展開されることを切望するものでございます。
 もちろん、その中で先ほど来御指摘があるように総報酬割の導入等、幾つかのことについてだけでいいのかという議論があるかもしれませんが、全てがオーケーではないから前に進まないとなると全く前に進みませんので、幾つか論点を立てていらっしゃることについてはしっかり議論していくことも片方では重要と認識しておりますので、部会長の進行により議論をぜひしていくべきではないかと感じております。
 また、ずっと考えていきますと、それぞれの保険者のあり様だけを考えると、現役世代を中心に、「我々はこういう負担をしているからこれだけのサービスでいいではないか。」という議論になりますが、思えば我々の親の世代をどう支えていくか、いずれ私たちも行く世代の区切りをどう支えていくかということになります。長寿になっていくと、高齢者になっていくと、医療費は本当にかかってきます。それを切ってしまえばまるで命を切るようなことになりますので、それは制度としても人情としても立ち行かないことですので、何とか守っていこうと。では、命を守り、長寿を育んでいくにはどのような医療制度があるべきなのか。あるいはそこに医療を必要とする前に、健康福祉をどのように高めていくかということも含めた議論が本来国民会議に求められたことだと思いますので、ぜひそういったことの高まりを切に願いたいと思っております。
○遠藤部会長
 武久委員、どうぞ。
○武久委員
 社会保障制度改革国民会議というのは、とりあえず2025年の問題に対抗してどう対応していくかとか、その以後のことについて非常に大きなテーマで、実際的に医療費が莫大的に増大することをどのようにして抑えるかということを論議していただける場かなと思っていたのですけれども、きょうのを見ても、お金が足らないようだから総報酬割性にするとか、市町村では効率が悪いから県単にするとか、そういう外側の理論であって、実際に医療現場の中でどのように効率化したら国民に対して一番いい医療が行われて、しかもコストもかからないでいいのだという議論がどんどん出てくる、またその試算みたいなものはどなたかが出していただけると思っていたのですが、各委員の方は学者の方が多いので自説を述べられていると、今ちらっと見たところですけれども、そんなふうに思っています。その辺のところをもう少し、いわゆる真髄を突いたような意見をやっていただけたらと思います。
 この医療保険部会でもそういうことをするべきであって、ここに出てきたきょうのテーマは今までも何回もやっているようなテーマがまた出てきているということですので、ちょっと前に進んだらどうかと思います。
○遠藤部会長
 それでは、国民会議との関連で一応お聞きしていますけれども、樋口委員も同種のものでよろしゅうございますか。
○樋口委員
 ありがとうございます。今、皆様おっしゃったことと同じようなのですけれども、各保険者あるいは団体の方がその団体の利益といいましょうか、お立場でおっしゃることは非常によくわかりますが、遠藤部会長が国民会議のメンバーでいらっしゃいますから、ここはお願いですが、もう本当に10年、20年先を見ただけでも日本の超高齢化というのは壊滅的とまではいいませんけれども、ここで非常に革命的な一定の改革をしないともたない状況になっていると存じます。どうか国民会議で全体のビジョンを示すような御議論をいただければと思っております。
 今、総報酬割かどうかというお話がございましたけれども、各保険者の立場から見れば、これは協会けんぽさんに配慮をしましたと同じように後期高齢者医療制度にも配慮していただきたいですし、基本的には大変面白い時代がきたと思っております。長生きをした人だけが医療費を使うという言い方が今完全に言えなくなりました。人は誰でも年をとります。今、働いて現役世代で皆さんに御負担をかけていることを本当に申しわけなく思う高齢者の一人ですけれども、一方で、今、担っている人たちも必ず年をとるまでほとんどが生き残ります。これが長寿社会ということで、途中で落ちていく人がほんの少数でございます。
 私はこのところ家計の本などを幾つか読んだりして家庭経済の専門家たちが、医療保険に関しては、民間の保険制度に入る必要はない、特に高齢者は入るべきではない。保険理論から言っても非常にリスクも大きいし、損なことであって云々というのを読みまして、これはいろいろ御異論があると思いますけれども、私はそこまで成熟してきた日本の医療保険制度を絶対守りたいと思っておりますし、そういう視点からもう少し広いビジョンを示していただきたい、これは要望でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 まだまだ御意見あるかと思いますけれども、国民会議と当部会との関係、それと同じことかもしれませんけれども、国民会議でこれまで議論されてきたことをこの部会で議論することの意味、その辺のところに対する疑義が非常に多くあるということだと思います。
 国民会議と当部会との関係は、今後どういう形になるかというのは私自身もよくわかりません。ただ、連携をとって行うということについては合意を得ているように私は理解しますけれども、その辺について事務局として何か御見解はありますか。ここも国民会議の事務局ではありませんので確定的なことは当然言えないかと思いますが、何か。
○濱谷課長
 部会長おっしゃるとおり確定的なことは申し上げられないわけですけれども、国民会議については資料1にございますが、検討項目で健康の維持増進・疾病の予防などから始まり、医療保険制度や医療のあり方、今後の高齢者医療制度に係る改革ということで検討項目が社会保障制度改革推進法に規定されているということでございます。
 そういう意味で議論の進め方として、今回、医療保険制度の財政の基盤の安定化から始めましたので少し全体が見えづらいかと思いましたけれども、議論の整理(案)そのものは基本的な考え方、医療の今後のあり方から健康の保持増進とかそういうものを含めて全般の議論になっておりまして、どこまで深めるかというのは今後の国民会議の議論ということでございますけれども、前後しますけれども、そういった基本的な考え方を含めては次回御議論いただこうかと思ったところでございます。
 また、基本的な役割分担としては、皆様御指摘のとおり、国民会議では基本的な方向性を示し、それに基づいて制度を具体化するというのが医療保険部会の役割かなと思いますけれども、ただ、国民会議の中で具体的にどの程度まで具体論を議論するかというのは、まさに国民会議の判断でございますので、そこの議論によって、またキャッチボールなりが多少重なるところは事実上あり得るということではないかと考えております。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 したがいまして、今後、連携の意味するところがどうなのかはよくわかりませんけれども、今、国民会議は確かに個々の委員が話したこと、あるいは提出した資料の中にあった事柄を国民会議の事務局が整理したというレベルにとどまっているというのが現状でございます。ただ、具体的なものもあるわけでありまして、それには当部会でこれまで議論したことと重なる領域もあるということで、当部会で議論してきた、あるいは議論してもしかるべきような内容について、もちろん議論するに値しないと言えばそれまでですけれども、何からの御意見があればお聞きしたいということが一つです。
 もう一つは、もう少し大きなビジョンを示すべきとかいろいろなお話があるように、議論として抜けているところが何か御示唆があれば御議論いただければと思います。そのご意見を国民会議にどう持っていくかという点はよくわからないので申しわけないです。私は国民会議の会長代理でもあるのですけれども、そこの仕組みがよくわからないので申しわけないとしか言わざるを得ないのですが、そういうことは我々の部会として議論しておくということは非常に意味のあることではないのかと思っているわけでございます。
 白川委員、どうぞ。
○白川委員
 今の部会長の御示唆で、先ほども言いかけたのですけれども、国民会議で議論していただきたい最大のテーマは、何人かの委員の方も既におっしゃったとおり、10年後、25年という言い方をされた方もいらっしゃいましたけれども、そこまでに皆保険制度の持続性をどうやって担保するのだというビジョンが欲しいのだというのがここにいらっしゃる委員の大方の方が期待されていることではないかと思うのです。私自身もそう思っております。
 そのために医療保険という意味で言いますと、やはり高齢者医療制度をどうしていくのか、負担構造も含めてどうしていくのかというのが最大の問題ではないかと私自身は思っております。ぜひここでは後期高齢者のことしか書いておりませんが、前期高齢者も団塊の世代が1,000万人単位で入っていくわけですから、そういった方々を含めてどうするのか。いわゆる現役世代がどんどん少子化の影響で減っていくわけですから、負担をどういうふうに支えていくのか。少なくとも現役世代、国民全体で高齢者医療を支えるという哲学はこれからも失ってはいけないと思っておりますが、それを前提にした上で高齢者医療をどうしていくのだということをぜひ国民会議で議論していただきたい。これを国民会議の会長代理(遠藤部会長)にぜひともお願いしたいと申し上げておきたいと思います。
○遠藤部会長
 それに関連しますと、基本的には医療保険制度のサステーナビリティーを目的とするということは、国民会議の皆さんのアイデアの枕言葉には必ず出てくるわけでありまして、そういう意味ではそういう視点は入っているだろうと思います。
 もう一つは、高齢者医療制度そのものについての議論が必ずしも十分ではないという御指摘があったかもしれませんけれども、その問題は先ほど出た三党合意・実務者会議との関連があるのかなと理解しておりますが、私はその辺のところはよくわかりません。いずれ議論しなければいけないかなと思っております。
 横尾委員、どうぞ。
○横尾委員
 白川委員御指摘のようないろんな意見もあると思いますし、私も感じるところもありますが、総理大臣が座長となって三党合意のもとにつくられた国民会議にここからいろいろ意見を言っても、ここに国民会議の事務局があるわけでもありませんので及びませんので、せっかくこれだけの委員の方々が集まっていらっしゃる社会保障審議会の医療保険部会ですから、ここにある意味でホームワークとして託された幾つかの論点についてはしっかり議論して返球していくことが大事だと思いますので、部会長のほうで先ほどの論点にあります総報酬割、国保の保険者のあり方等をぜひリードしていただいて、いろんな意見を出して、整理すべきは整理する、疑問点があるところは疑問点という形で残して返すことがここは有用でないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 そういうことで進めていければと思いますけれども、いかがでございましょうか。
 菅家委員、どうぞ。
○菅家委員
 先ほど遠藤部会長がおっしゃったように、国民会議の議論で足りないところは何なのか、もう少し議論してほしいものは何なのかということについて議論してくれというのであれば、それはいろんな議論ができると思うのです。
 この国民会議で出されている意見、そして厚生労働省がまとめた論点について議論してくれと言われるから、これだけですかということになってしまうわけです。そこは議論の仕方について、もう少しうまく整理していただければと思います。
○遠藤部会長
 では、岩村部会長代理、どうぞ。
○岩村部会長代理
 先ほど来いろいろ議論を聞いておりました。1つ私が思っているのは、国民会議のほうで各社会保障審議会の部会長が入っていることの意味は何かということも少し考える必要があるだろうと思っています。
 各部会長の先生方に国民会議に入っていただくということによって、実は社会保障国民会議と各社会保障審議会の部会なり分科会との間の連携を図るという構造を組織的にある意味では作っているということだと思います。
 今日のこの部会での議論というのは、結局国民会議の議論を、遠藤部会長を通す形ではないですけれども、いわばこの部会側に投げて、この部会の場で、そこで挙がっている論点について部会としていろいろな意見を言って、それは最終的に事務局と部会長で取りまとめていただいて、それを今度は国民会議のほうに部会長を通して投げていただくということなのだと理解しています。
 もう一つ重要なのは、私も前の国民会議の委員でありましたけれども、この手の会議の進め方としては、こういう形で議論の整理がなされると、基本的には今後の進め方としては、この議論の整理というのをベースにして、取りまとめは今年の8月だったと思いますが、その意味ではそれほど時間のない中で急ピッチに国民会議の取りまとめ作業に入っていってしまう。そうしますと、ここで今の議論の整理の段階で医療保険部会として各論点についてどういう考え方があるのかということを示しておかないと、最終的には国民会議の議論に対するボールの投げ返しをしないままに国民会議の議論の取りまとめがなされてしまって、レールが引かれてしまい、今度はそのレールでこの部会で議論しろということになってしまう。ですから、先ほど来、事務局もおっしゃっていますし、部会長もおっしゃっているように、国民会議と部会との間での共同での議論の投げ返し、ボールの投げ返しということをやりましょうと、それがきょうの機会だと思っております。
 ですので、総論的に皆様方各委員のおっしゃったことというのは私も非常に共感するところはあるのですが、他方で、この論点の整理の中で挙がっているような国民会議で出ている意見について、例えば事務局が整理してくれたような問題について医療保険部会の側としてどう考えるかということを議論していただいて、遠藤部会長を通して国民会議に持っていっていただくということをきょうは少しきちっとやっておく必要があるのではないかと思います。
 そういう意味で、先ほど横尾委員もおっしゃいましたけれども、きょう、事務局のほうで挙げていただいた論点について、それぞれ委員の皆様方から御意見をおっしゃっていただいたほうがいいのかなと思います。
 確かに何回も同じことを言っているのではないかということはあるかもしれませんが、同じことをいうというのが大事だというときもございますので、ぜひその点を御理解いただいたらよろしいかなと思います。
○遠藤部会長
 岩村部会長代理、ありがとうございました。
 進め方の問題ですので、岩村部会長代理がおっしゃられたことは私が本来申し上げなければいけないようなお話だったかと思います。もし足りないものがあるというのであれば、それはまた御意見として承りたいと思います。また、本部会で言っていない分野の意見も国民会議では出ています。したがいまして、ぜひ御専門の皆様方の御意見をお聞きしたいと思っております。
 いかがでございましょうか。時間も残り少ないということもありますので、事務局がまとめてくれた内容について御意見を頂戴したいと思います。もちろん、その派生の中で新たなテーマを検討するべきだという御意見があれば、それを承りたいと思います。
 白川委員、どうぞ。
○白川委員
 了解いたしましたので、本日出されました論点について意見を申し上げます。岩村部会長代理も同じことを何回もいうのも意味があるという御意見でございましたので、同じことを繰り返します。
 まず、1ページ目に総報酬割についての議論が出ておりますけれども、真ん中の列の上から2番目に「高齢者医療の拠出金について、総報酬割を導入すべき。被用者間で助け合うべき」という意見が書かれております。これは以前の医療保険部会でも申し上げたとおり、総報酬割をやって被用者間で助け合うという言い方は私には理解できない。要するに、後期高齢者支援金の総報酬割をやったからといって、協会けんぽさんの被保険者の保険料が変化するわけではない。健保組合と共済組合の被保険者の保険料が上がるだけ。結局、浮くのは公費だけということは以前も申し上げたとおりでございまして、これは事実誤認だと申し上げたいと思います。
 あわせて、協会けんぽさんに入れている国庫補助を引き揚げて、金額でいうと3,000億円ぐらいになると思いますが、それを国保に持っていくという意見が書かれておりますが、こんな理不尽といいますか、理念もない、納得性もない案は全く認めるわけにはいきません。私どもは、既に拠出金の負担が保険料収入の4割を超えている状態で、あと数年たてば5割になると、もはや保険と言えないぐらいの拠出金負担になっております。現役世代の負担を緩和する方向でこれを活用していただかなければ、総報酬割に賛成するわけにはいきません。これは前から申し上げているとおりでございます。そこは繰り返しになりますが、強調して申し上げておきたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長
 同じテーマですね。そこの1番目のテーマであればお願いしたいと思います。
 岡崎委員、どうぞ。
○岡崎委員
 必ずしも同じテーマではないかもしれませんが、市町村国保をお預かりしています立場から申し上げます。例えば健保組合の総報酬割で浮いた財源を直ちに国保へ持ってくるべきだという論点とは少し異なりますけれども、1点だけ皆様方に御理解いただかないといけない点がございますので、まずそこだけ申し上げます。
 御承知のとおり、国民健康保険は被用者保険を退職された方々を全部国保で受け持っておりますので、60歳もしくは65歳以上の退職者の皆様方を中心として国民健康保険で全部の医療を含めまして、医療のサービスを提供し、そして全体としての健康を支えているというのが国民健康保険の一番の重要な役割でもございます。
 どの場所でも一貫して申し上げておりますが、いつも申し上げておりますとおり、国民健康保険が破綻したら、医療そのものの制度が根幹から崩れますので、国民健康保険をいかにして維持をして守っていくかというのは我々の与えられた重要な使命であります。そういう意味で次の論点になりますけれども、これからの人口減少化の中で町村国保は、ほとんど今破綻している状況でもございますし、先ほどありましたとおり都市部の国保も非常に収入が3,000〜4,000億近くの赤字を出しております破綻状態にあるので、これをいかにして守っていくかというところで広域化にしていくべきだという点を一貫して申し上げているところでもございます。
 総報酬割の部分を個々にどこに充てるかどうかについては、いろいろ先ほどお話が出ているとおりの論議があるわけでございますので、そこはいろんな論議をしていって、最終的にどこへ充てるかということは決めていったらいいと思うのですが、1つだけ先ほど言いましたように被用者保険を退職された方々は全部国民健康保険で受けているのだというところは御理解していただいておきたいと思います。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 白川委員、どうぞ。
○白川委員
 何度も御指名いただきまして済みません。私どもは前期高齢者に協会けんぽの国庫補助に浮いた分を入れるべきだという意見を以前から申し上げているわけですけれども、今、岡崎市長がおっしゃるとおり、ほとんど国保にそういう方(被用者保険の退職者)が入っているというのは、そのとおりだと思います。
 問題は、国保の勘定が65歳以上とそれ未満の方で分かれていないということでございまして、勘定をきちっと分けていただいて、65歳以上の国保の前期高齢者の方に浮いた国庫補助を入れるということであれば我々は何も反対いたしません。それで被用者保険側の前期高齢者納付金が減額されることになりますので、それに反対しているわけではございません。今の国保側の勘定構造に問題があるということもあわせて申し上げておきたいと思います。
 以上でございます。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 では、武久委員、どうぞ。
○武久委員
 今の御意見を聞いていますと、総報酬制というのが出てきましたけれども、白川委員がいつもおっしゃっているように、総報酬制にしようが、負担金にしようが、とにかくお金が足らないからお金をふやせという論議をここですべきか。要するに医療保険部会ですから、医療保険全体のことをやっているのでしょうけれども、今回のテーマとしてお金が足らないから総報酬制にする、それは仕方がないと思います。
 時間がないので次もついでに言いますけれども、市町村から都道府県にするのは、私は賛成です。しかし、都道府県に取消権をするということは、各都道府県によって考え方が違うと、県によって基準の公平さが保てないということがありますので、私は厚生局が行うのがいいのではないかと思います。
 こういうことを含めまして、やはり日本の特徴というのは非常にフリーアクセスで、国民皆保険でいいわけです。いいのだけれども、それはそれとして外国と比べて見たときにめちゃくちゃベッドが多いとか、例えば平均在院日数がめちゃくちゃ長いとか、いろいろ日本の医療が一番いいという面も多々ありますけれども、医療保険で賄う部分をある程度どうするかという具体的なことを決めていかないと、お金が足らないからこうしてお金を集めようということに終始するようでは、この医療保険部会の本来の目的かなと思います。
 そこのところで、どんな人だったら入院できるかというと、例えば雪国だと冬になったら入院するとか、こういうのは入院していいのですかとか、どういう病状の人か。もうよくなって軽いのにずっと入院しているのがいいのですかとか、そういうことの効率化はもう少し考えないといけないし、ベッドが多すぎるということも諸外国に比べて平均在院日数も7〜8倍長いわけです。
○遠藤部会長
 武久委員、よくわかりますけれども、時間が非常にないということもございまして。
○武久委員
 わかっております。そういうことも、ここの部会で検討すべきではないかと思っています。今、ここに書いてあることについて意見を申しました。
○遠藤部会長
 ここに書いていなくても重要な課題であれば提案しても結構ですと申し上げましたので、そういう内容とも絡むと思いますが、少し整理させてください。
 岩村部会長代理、どうぞ。
○岩村部会長代理
 済みません、総報酬割についてですけれども、私自身は後期高齢者支援金への全面的な総報酬割の導入自体は賛成の考え方であります。ただ、それによって生じた財源というのは被用者保険の財政基盤の強化に必要なものだと思っています。今回、国民会議で言われているように、総報酬割の導入で出てくる公費を市町村国保に回してしまいますと、被用者保険、とりわけ協会けんぽの財政基盤を強化するための財源がなくなってしまいます。私自身のあくまでも個人的な理解ですけれども、現在の協会けんぽに対する公費への投入というのは、現状の3分の2が加入者割であるという中では、実質的には健保組合を支援しているという意味があるわけで、それが妥当ではないので全面総報酬割にしましょうという文脈だと思っております。ですので、総報酬割の導入で出てくる公費の分というのは、そういう意味では本来の考え方に沿って被用者保険の財政基盤の強化、とりわけ協会けんぽの財政基盤の強化に充てるべきではないか、それが筋だろうと思います。
 他方で、もちろん市町村国保についても、先ほど岡崎委員が指摘されたように財政基盤の強化というのは必要なわけですが、それについては先ほど法改正案の説明がありましたけれども、そういう財政基盤の強化と同じように、消費税の財源を充てるべきではないかと思っております。
 以上です。
○遠藤部会長
 どうもありがとうございます。
 それでは、菅家委員、お願いします。
○菅家委員
 済みません、総報酬割の問題でありますけれども、先ほど白川委員がおっしゃったように、根本の問題は考えないといけないと思っています。それは何かといいますと、それぞれ違いは若干ありますけれども、全体的に医療保険財政を逼迫しているわけです。その最大の要因は、高齢者に対する財政移転なわけです。44%とか、共済組合の一部はもう既に5割を超えているとか、早晩、被用者保険制度全体で見ても5割を超えていくということは間違いないわけです。そうなると、まさに医療保険制度としての自立性がどこで担保されるのかという根本的な問題に直面することは目に見えているわけです。その根っこのところをどうするのかを議論しないで、被用者間の負担の割合をどうしよう、負担の公平性をどうしようといっても、全体が倒れてしまうという状況についてきちんとメスを入れるということの議論なしに総報酬割の議論をしても何の意味があるのでしょうかというのが私の意見でございます。
 先ほど岡崎委員がおっしゃった国保が退職者を受け入れているという現実はよく承知しておりますけれども、そのあり方についても議論すべきだと我々としては考えておりまして、国民健康保険制度というのは自営業者、農業者のための制度であるというところから出発しているわけでありまして、被用者が退職をして国民健康保険に加入しているという日本の現状については、相当程度問題がある。もっと言えば、退職者について言えば、健康保険制度の中できちんと対処すべきというのが我々の考え方でございますということについても述べさせていただきたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員
 国民会議におきましては、私どもの会長が御発言されておりますので、我々の中では役割分担はできているつもりでおります。そういう意味では、総報酬割に関しては、国民会議においても合意がとれている話だと思いますので、さらに国保への投入をするかどうかということで議論が盛んに行われているところだと思いますが、我々としては会長が発言されたように保険者、行政間での調整を引き続き行っていただきたいということでございます。
 また、国保の保険者をどうするかということですが、これは我々としても広域化に向けた取り組みについては賛成でございますが、一方では保険料の徴収の問題が市町村に残る話や、これからの地域包括ケアが市町村単位になっていくということもありますので、そういったものとの整合性をどのようにするかということの議論もしっかりしておくべきと考えております。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 横尾委員、お待たせいたしました。
○横尾委員
 総報酬割については導入すべきだろうと思っています。特にこういった議論を聞いているといつも思うことなのですけれども、算術的といいますか、数字を見据えての将来予測に基づく分析というものも重要なのでありますが、片方では日本人の品格が問われると思うのです。所得が多ければ多く負担してみんなで支えるということをせざるを得ない時代に医療的には来ていると感じております。そういったものをしっかりお互いに支えながらやっていける、やるべきだということを考えていけば、北欧の福祉医療国家にも見られるように、負担できる能力のある人が負担しながらみんなで支えていく、そのための総報酬割ということは導入すべきだろうと思っています。
 また、国保の保険者についてでございますけれども、そのことと関係しますが、先ほど岡崎委員もおっしゃったように、小さな自治体の場合は非常に逼迫して財政的にもピンチであります。そこに退職者の方も当然どんどん入ってこられるわけですので、歴史的経緯は違うのだという議論があるかもしれませんが、現実はもうそうなってしまっておりますので、これが倒れないようにするためにも財政をしっかり支える、そのことがはっきりしなければ、ほかの議論でも明らかになりましたが、都道府県におかれましては慎重な検討をずっと重ねておられています。そこの財政をしっかり支えられるような改革をすべきと思っています。
 また、運営につきましては、今、鈴木委員もおっしゃったように、我々市町村も感じることは保険料の徴収ですとか、細かな窓口対応ですとか、サービスとか、そういったことについては積極的にかかわりながら、行政が都道府県と市町村で連携しながら、しっかり安心できる国民皆保険制度を今後とも持続可能にしながらやっていくことをまず考えるべきだろうと思っています。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 もう既に国保の保険者の話にも移っているようなので、これから国保保険者の話について御意見をお聞きしたいと思います。特にここでは国保の保険者及び国保の財政基盤、移行するとするならばスケジュール、この辺は3つ連携しておりますので、これをまとめて御意見があれば承りたいと思います。
 それでは、福田委員、お願いいたします。
○福田委員
 知事会でございます。
 2月28日の第5回の国民会議のヒアリングに出席をいたしました。その際、地方三団体共通の資料におきまして、国保の保険者のあり方については構造的な問題の抜本的な解決を図った上で検討すべきと主張したところでございます。これに対しまして、先ほど論点の説明がありましたけれども、国民会議では、まずは都道府県を保険者とするという結論ありきで構造的な問題の解決は二の次とされているように受けとめておりまして、議論の順番が知事会等の主張とは違っているのではないかと思います。
 そのために4月24日、国民会議では大前提である構造的な問題の抜本的解決について十分な議論を尽くす前に保険者のあり方の議論に終始しているように見受けられるが、保険者を都道府県とするだけでは問題を先送りするだけで、持続可能な制度の構築にはほど遠いものであるとの声明を知事会としては発表いたしました。
 国民会議では、あたかも医療保険制度における最大の課題は国保の保険者のあり方であって、都道府県が保険者になれば複数の課題がセットで一挙に解決するかのように議論を収束させようとしていると受けとめざるを得ません。国保の構造的な問題の解決と保険者のあり方、医療提供体制に係る都道府県の権限拡大という3つの課題につきましては慎重な検討が必要であると考えておりまして、十分な議論のないままセットにされているように感じております。
 まずは、構造的な問題の解消策と国保における保険者機能についてきちんと整理が行われるべきであると思います。また、医療保険における最後のセーフティネットであります国保の最終的な責任は、国にあることを国にも自覚を願いたいと思っております。
 また、財政基盤の強化についてですけれども、国の定率負担の引き上げによる公費負担の拡大であるとか、安定財源の確保が必要であるということを知事会としては主張してまいりました。
現在、広域化等支援方針に従いまして、各都道府県がそれぞれの実情に応じたさまざまな取組を行っております。また、先ほど説明がありましたけれども、平成27年度から保険財政共同安定化事業の拡大によって、財政運営の都道府県化や税制抜本改革時に2,200億円の低所得者対策が実施されることとなっております。
 しかし、国保の構造的な問題はこれで解決できるものではないと思っています。
国民会議では、後期高齢者支援金の負担金に対する総報酬割の導入によって浮いた国費2,100億円を充当するという議論もなされておりまして、それに対してさまざまな意見が出たところでございます。これは一つの有効な手段と考えますけれども、各保険者の理解が必要だと思います。
 しかし、例えば2,100億で構造的な問題が抜本的に解消され、さらには将来にわたって赤字を生み出さずに安定的に運営できる持続可能な制度が実現するとは考えにくいと思っています。
構造的な問題の抜本的な解消、さらには将来にわたって持続可能な制度とするために必要な財源規模を議論するのであれば、また都道府県単位化をすれば、将来的にも収支改善につながるというのならば、今後の医療費の増嵩も考慮した緻密なシミュレーションを行って、数値、データをきちんと示した上で地方と十分協議をすべきであって、必要となる費用については安定財源を確保すること、あるいは国の定率負担を引き上げることなど、検討すべき課題があると思います。
 その上で、保険者のあり方については、都道府県だけではなく市町村、市町村広域連合、さらには広域連合に都道府県が加わるなどさまざまな形態が考えられます。それぞれのパターンについてメリット、デメリットを示し検討していく必要があると思っています。仮に都道府県が保険者となる場合には、なぜ受けるのかということについて県民に説明責任を果たしていかなければなりませんので、そういう点でも今申し上げましたようなことの議論が必要だと思っております。
 なお、今後のスケジュールについてとありますが、制度の内容が決まってから議論すべきものでありまして、現段階では時期尚早と考えております。
私が今申し上げましたようなことにつきましては、田村厚生労働大臣が4月23日の閣議後の大臣記者会見で申し上げているところでありますので、それについても申し添えます。
 以上です。
○遠藤部会長
 どうもありがとうございました。
 ほかに。
 では、齋藤委員からお願いいたします。
○齊藤訓子委員
 1点だけ申し上げたいと思います。
 国保の都道府県への単位の広域化につきまして、さまざまな議論があることは承知しておりますが、住民の観点から考えますと、これまで市町村ごとに市町村の抱える健康問題に着目し、提供してきたきめ細やかな健康教育サービスが、広域化した際に本当に提供可能なのだろうかという懸念を抱いております。
 特に各市町村がレセプトデータを活用した、生活習慣病の受診奨励や糖尿病の重症化予防等の、地域に根ざした様々なサービスの提供について、広域化した際にも、提供可能であるかが非常に不安に思っております。
 仮に国保の運営が都道府県化した場合であっても、こうしたサービスをこれまで以上に力を注いでいかなければ、益々医療費が増えていく一方だと思っております。
ですから、国保の運営の都道府県化については、これまで以上のきめ細やかな地域に根差した保健事業がきちんと担保できるということが前提でないとなかなか厳しいのではないかと思っております。
○遠藤部会長
 保険事業が担保できるかどうかということですね。
 それでは、お待たせしました。久保参考人、岡崎委員の順番でお願いしたいと思います。
○久保参考人
 ありがとうございます。2月28日に開催されました国民会議で町村会は知事会、市長会とともにヒアリングに参加したわけでございます。
 席上の配付資料にございますので、後ほどごらんいただければと存じますが、地方団体として個々の現状、課題、改革の方向性について協議し、統一した見解を提出したところでございます。
 過去の経過を考えますと、これは非常に画期的なことと思っておりまして、裏返せば、それだけ国保の現状が危機的な状況であると、国保改革が待ったなしの状況であるということだろうと認識しているところであります。
 このたびの社会保障制度改革において、国保の構造問題の抜本解決を図るべきという考え方を地方団体は完全に共有しているということをまず申し上げておきたいと存じます。
その上で、私ども国保保険者といたしましては、国民皆保険の最後のとりでである国保制度を持続可能なものとするため、現在の国保の財政構造を見直して、定率国保負担を大幅に拡大するなどして、財政基盤の強化を図るべきとこれまで主張してきたところでございます。
 今回の社会保障制度改革の医療保険分野における基本方針は、保険料負担に関する公平の確保でございましたけれども、その点についても、国民会議のヒアリングでは国保を含めて制度全体での公平な確保について検討していただきたいと要請していたところでございます。
その後、国民会議において、高齢者支援金の全面報酬割導入の議論がされたわけでございますが、浮いた公費を国保に投入すべきとする意見が多く出されたところは御案内のとおりでございます。これについては大変心強く思っているところでございます。
 限られた財源の中では有力な解決策の一つであると思っているところでございます。国保あっての国民皆保険制度でございます。医療保険制度全体を守ることを最優先課題といたしまして、まず国保に公費を投入することであれば、今回の改革にふさわしく、国民の理解も得られるのではないかと考えているところでございます。
 次に、保険者について申し上げます。平成22年度の国保の改正で都道府県が広域化等支援方針を策定できることとされました。昨年の法改正では平成27年度から共同事業化を拡大することとされました。これらはいずれも国保の都道府県単位化を進めるための環境整備であると認識しているところでございます。
 私どもも当然、共同事業の拡大など過渡的なものと認識しておるところでございますけれども、小規模保険者の持続可能性や保険料格差を考えると、都道府県単位化は待ったなしの課題であると考えているところでございます。
 国民会議でも指摘されているように、地域医療提供体制整備の責任主体と国民健康保険の保険者を都道府県に一本化し、地域医療の提供水準と保険料等の住民負担のあり方を総合的に検討することが可能な体制を構築すべきというのが町村会のかねてからの主張でございます。
 国保の構造問題を解決することなく、単に都道府県が保険者となるというだけでは巨大な赤字団体をつくるだけであると都道府県が懸念を表明されているということはもっともなことだと考えているところでございまして、そのために地方三団体は国民会議のヒアリングにおいて、構造問題を抜本解決した上で保険者のあり方について検討すべきと共同で表明してきたところでございまして、これを改めて強調しておきたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 岡崎委員、お願いします。
○岡崎委員
 知事会、そして町村会からそれぞれお話があったとおりでありますが、まず国保の財源強化というところは欠かせないと思いますし、それと特に市、町村ともに財政が逼迫しておりますので、この議論はあと何年も引っ張るということはできない状況になっています。町村国保は破綻寸前で都市部も相当な赤字を抱えておりますので、まずは幾つか論点はあるのですが、消費税導入の引き上げ時に、先ほど事務局からも説明がありましたとおり、国保の財政に2,200億円入れるということは閣議決定していただいておりますが、いつから、何年度から入れるという方針がまだ決まっておりません。消費税を上げるかどうかの判断も近々ありますので、消費税引き上げということが正式に確定した折には、いわゆる5%から8%の引き上げ時の26年度から国保財政へ間違いなく入れていただくということを強く要請しておきたいと思います。
 そうしないと、26年度、27年度の段階で恐らく幾つもの市町村国保は破綻するということを迎えると思いますので、26年度からきちっと入れていただかないと国保は破綻してしまう。都道府県国保は最終的に財源強化した上で、我々は都道府県国保にすべきだと考えておりますが、その前に破綻してしまうと地域医療が支えきれないということは明らかですので、そこをしっかりと要請しておきたいと思います。
 幾つか都道府県国保化した場合に、例えば先ほど御指摘がありましたとおり、市町村できめ細かく対応しております健康づくりとか、そういう部分が大丈夫かといういろんな御意見がございます。我々市町村は、例えば都道府県国保化されても住民の方々の健康に対する関心は今最大の関心事と言ってもいいと考えておりますので、住民の方々の健康づくりに対するニーズは物すごくありますので、国保が都道府県化したことによって、それが消えるわけではないので、これまで以上に健康づくりのさまざまな活動と運動については、そこで衰退するものではないということは間違いなく、ご指摘のようにはならないと考えております。
 例えば都道府県国保化する場合に、先ほども事務局からありましたように保険料の設定の仕方がそれぞれ違いますので、これの統一には時間がかかりますし、例えば後期高齢者医療保険を入れたときには、市町村別にそれぞれ保険料等のばらつきがありましたので、後期高齢者医療制度では6年間の経過措置を今実施中ですので、6年なのか、7年なのかいろいろ論点はありますが、そういう経過措置をとりながら段階的に保険料をならしていくという作業は要ります。これは一つの事例なのですが、そういうふうに中身を詰めていかなければならないことはたくさんございますので、基本は明確な国保財政の支援の方向性を示していただいて、都道府県化するときには幾つかの具体的な事務的なこともございますので、それを一つずつ潰していくということが非常に重要だと思います。いつも申し上げておりますが、国保が破綻すれば医療は守れない、住民の健康は守れないということですので、国保をこれから継続して守っていかなければならないという論点で、一貫して我々は発言してまいりたいと思います。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 岩村部会長代理、先ほど手を挙げていらっしゃいました。
○岩村部会長代理
 まず保険者の問題ですけれども、率直に言って、こうした重要な問題が国民会議で突然出てきたということに対しては、私自身は非常に大きな戸惑いを覚えます。確かにこれまで高齢者医療制度に関する検討会というのがあってそこで議論がされたりということはあったのですが、その後にも高齢者医療改革会議で国保の保険者の問題ということについて議論をし、一定の整理もされたりしているわけですが、そういったこれまでの議論がすっ飛んだ形でいきなり国保の保険者を都道府県にという議論が出てきたというのには、大変戸惑いを覚えるところです。
 都道府県の今の国保との関係での役割という点で見ますと、共同事業の全医療費での拡大というのが2015年度からということで予定されていますので、そういった現状で現実感を持って国保の運営を都道府県に担当させるかということを議論するのはやや無理があるように思います。まずは共同事業の拡大等について都道府県の財政調整を着実に実施して定着させるということが重要であって、その状況を見守る必要があるのではないかと思っています。
 また、国保の保険者を都道府県に持っていくというのは、既に高齢者医療改革会議でも議論したところですけれども、財政運営の面はともかくとしても、保険料の賦課であるとか徴収、さらに先ほど御議論がありましたヘルスのほうの保健事業の運営とか、もう一つは、地域包括ケア化というものを進めてきている介護保険との整合性といった点で、いろいろと解決すべき課題が多く存在します。
 したがって、これもいろいろなことを考えていかないといけない問題であり、とりわけ保険料の徴収の問題をどうするかというのは非常にかなめのもとだと思いますので、余りに短絡な議論をするのはどうかと思います。もう少しきちっといろいろなステップを踏んで考える必要があるだろうと思っております。
 財政基盤の強化については先ほど申し上げましたけれども、今後のスケジュールということを考えてみますと、国民会議の議論の整理で出てきている考え方というのは余りよくわからないところがありますが、今、進められているいろいろな医療法の見直しとか、そういったものをさらにもっと前倒しで進めていって、なるべく早くやろうというような趣旨かなと思います。ただ、こういった大きな改革を拙速に進めると大きな混乱が起きるというのは、この近年、我々が経験したところでありまして、そういう意味では拙速な改革というのは慎むべきであって、慎重に行う必要があるだろうと思います。
 そういった観点から考えると、先ほど申し上げた医療費の共同事業の拡大であるとか、医療計画の見直しのスケジュールというようなことがありますので、現実的には何かやろうとしてもかなり先の話ではないか。2018年度以降とか、そういったような話になるのではないかと思っています。
○遠藤部会長
 どうもありがとうございました。
 それでは、山下委員、お願いします。
○山下委員
 国保の重要性というのはよくわかりますが、医療計画の策定者との一致という意味で、スケールメリットも含めて保険者を都道府県単位にしていくというのに関しては賛成です。ただし、総報酬割で確保できた財源をそのまま国保の支援に回すというのについては反対で、やはり被用者保険で出たものについては被用者保険で、協会けんぽの国庫補助率を20%にするための財源とするとか、そういう方向で使うべきだと考えています。
 だからといって、国保は財源的には支援しなくてもいいということではなくて、それは別途確保すべきだと思いますし、1点、収納率の問題があると思うのです。幾らお金を投げかけても、いわゆる収納率が落ちてしまうと穴のあいたバケツにお金を放り込むような形になりますので、そういった部分でも手を打ってしっかりとした財源の確保を図っていくべきだと思っています。
 あと齋藤委員が言われたように、確かに都道府県単位にすると細やかなサービスができるのかという問題もありますので、そういった部分についてもいろんな施策を打っていくべきだと思います。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 国保の都道府県単位化でございますが、手短にお願いしたいと思います。
 森委員、どうぞ。
○森昌平委員
 国保の保険者を都道府県にすることで、一つは、財政基盤の安定化をすることはできると思います。また、広域化することによって保険料の負担を平準化できる反面、保険料が高くなる地域が出るという問題があります。先ほども出ましたけれども、事務処理をどうするのか、そういう解決する課題を1回整理した上できちっと進んでいくべきではないかと考えます。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 横尾委員、どうぞ。
○横尾委員
 組織の規模が大きくなるとサービスが落ちるような考え方があるかと思いますけれども、それはおかしいと思っています。マネジメントの問題ですから、しっかりビジョンを示してガイドしてマネジメントしてやっていけば、大企業であっても一つ一つの窓口へ行けば極めて高いサービスを受けることができますので、そういう工夫を行政でもやるべきだと思います。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 一通り国保の都道府県単位化についての話は承れたかと思いますので、都道府県に取消権限を与えるかどうかという議論が1つ残っておりますので、指定・取消権限についてお考えはございますか。
 それでは、福田委員、お願いいたします。
○福田委員
 ありがとうございます。
地域の保健医療の分野におきまして、都道府県に対する期待が高まっていることは十分理解しております。
現在、我々は医療計画、医療費適正化計画、健康増進計画の作成、推進などを通じまして、地域の保健医療政策に大きな責任を担っておりまして、今後も責任を果たしてまいります。
 しかし、国民会議では、医療提供体制整備に関する権限の強化と都道府県が国保の保険者となることがセットで議論されております。
医療保険、医療費、医療提供体制や健康増進が密接に関わることは承知しておりますけれども、国の責任と役割について十分議論することなく、まとめて都道府県に丸投げできるような単純なものでないと考えております。
 国保の被保険者は全体の約3割でございますけれども、都道府県が国保の保険者となることと医療提供体制整備に関することがどのように関わっているのか、リンクするのか。そしてまたどのようなメリットが発生するのか、これも現時点では明確になっておりません。
 また、例えば健康増進というのは、現在ほとんどの市町村中心で行われているわけであります。医療費適正化計画や医療計画などの作成と国保の保険者がどこかということで結びつけることは少々安易ではないかと考えます。
具体的にどのような権限の付与が想定されているのか、現時点では明らかではございませんが、人的体制、ノウハウ、財政面などの都道府県にはクリアすべき大きな課題があります。実施の可否も含めて、地方と十分協議してもらいたいと思います。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、堀委員、お願いします。
○堀委員
 まず、この書きぶりなのですけれども、取消あるいは指定は医療計画策定者である都道府県にとありますので、その医療計画との絡みで指定であるとか取消と言われると少し理解ができないところがありまして、全く次元が違う話であろうと思っております。それが1点あります。
 先ほど武久委員も言われたとおり、今、厚生局長名で指定であるとか取消が行われておりますが、具体的には厚生労働省が内議の上で決定していると理解しておりますので、ある意味、全国統一基準で行われているという理解をしております。ですから、そういった意味で都道府県に権限が移譲されたときに、地域格差が出てくるという懸念はありますので、このところは少し慎重に議論をお願いしたいと意見を申し上げたいと思います。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 鈴木委員、お願いします。
○鈴木委員
 この指定・取消権限についてですが、平成11年以前は、都道府県知事の機関委任事務であったということですが、それが国の直接執行事務となって、今回また都道府県にということですが、それは平成11年以前の状態とどう違うのか、もう少し詳しい説明を聞きたいと思いますので、その辺を丁寧に説明していただければと思います。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 小林委員、お願いします。
○小林委員
 保険医療機関の指定、取消権限は、全国に加入者を持つ被用者保険にとっては、とりわけ重要な権限だと考えております。
 都道府県に保険医療機関の指定あるいは取消権限を移譲するということになりますと、保険医療機関としてふさわしいかどうか、あるいは適格かどうかというよりも、どうしても地元の事情に左右されかねないという懸念があります。この事務は全国統一の考え方の下で行うのが基本であり、引き続き国が実施すべきだと考えております。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 白川委員、どうぞ。
○白川委員
 私も今まで御発言された委員の方と同じ意見でございまして、現在、厚生局が保険医療機関の指定・取消をやっておりますが、何か問題があるのか。私は不勉強にして承知しておりませんが、現在はうまく機能しているのではないかと考えております。全国一律の基準で運営すべきと考えております。
 例として適切かどうか分かりませんが、東京医科大学茨城医療センターの不正請求事件に関しまして、指定取消しが厚生局で決定されました。地元のほうでは、地域医療への影響ということで再指定の活動がいろいろ行われたようでございまして、その辺は地方の事情もわかりますけれども、我々保険者側としては公平な目で全国一律の基準で運営していくべきと考えております。
 論点整理には書かれておりませんが、資料2のほうには、診療報酬設定の一部権限移譲も必要であるというのが10ページに意見として書かれているようでございますが、これにつきましても私どもは反対でございます。診療報酬につきましては、一物一価、全国統一という形にしないと国民の納得は得られないと考えておりますので、付言させていただきます。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 では、岩村部会長代理、お願いいたします。
○岩村部会長代理
 保険医療機関の指定と取消権限の関係ですが、指定と取消の権限というのは、私の考えるところでは、公的医療保険の適正な運営という観点から、医療機関などに対する監督を担保するというものだと思います。そして、公的医療保険というものには、国民健康保険だけではなくて、先ほど御意見がありましたように全国的に展開している協会けんぽであるとか健康保険組合というものも関わっているわけですので、やはりこれは国が指定と取消の権限を持つというのが法の趣旨、目的にはかなうと思います。
 この点に関する国民会議の議論の整理の考え方というのはよく詳細がわからないのですけれども、もし私がうまく理解できていればという話ですが、恐らく医療法に基づく地域医療計画にのっとった地域の医療供給体制の整備という目的で補助金のメカニズムとセットで都道府県に指定と取消の権限を与えようという考えであって、さらにそのこととセットで、現在診療報酬体系の中でやっている病院の機能分化などの施策を一部かあるいは全部かわかりませんが、医療法による地域の医療供給体制の整備のほうに移すという構想ではないかと思います。
 そうしますと、今度は病院の機能分化などの施策というのは、その限りでは公的医療保険の制度の枠から外れるということになって、そうすると、そこは公的医療保険も適正な運営とは直接に関係しない事柄ということになります。そうなれば、結局公的な医療保険の適正な運営とは直接関係しない事項について、いわばそれを理由に都道府県知事が指定や取消を行うということになりますが、しかし、それは、たぶん法制度の整合性からいって考えられないのではないかと思います。
 とりわけ、こうしたアイデアというのは適正な運営がなされないと、新規参入の抑制であるとか、既存の事業者の擁護というような望ましくない効果も持ち得ることになり、ひいては憲法が保障している営業の自由との整合性という問題もお越しかねないものであります。もちろん、適正にちゃんとやられればいいのですけれども、そうでないとそういう問題が発生しかねないものです。ですので、今のところ私としては補助金のメカニズムとセットで都道府県に指定・取消権限を与えて、地域の医療供給体制の整備を進めるという仕組みにいこうという発想には必ずしも賛成できないところがあるということを申し上げておきたいと思います。
 1点だけ、先ほどの国保の保険者の議論ですけれども、つけ加えさせていただきます。仮に都道府県を保険者にして、しかし、市町村が保険料の徴収事務などをやるということになったときに、法制的にその都道府県と市町村の関係をどう整理するかというのはかなり難しい問題だという気がします。先ほど事務局から御紹介があったように、広域連合であれば同じレベルでの話なのでそこのところは非常に整理がしやすいのですが、都道府県と市町村との間でそこのところを法制的にどう整理するかというのはかなりの難問だろうと思います。それだけつけ加えさせていただきたいと思います。
○遠藤部会長
 ありがとうございました。
 森昌平委員、お願いします。
○森昌平委員
 指定・取消の権限を都道府県に付与するということですが、そうなると、都道府県ごとに異なった基準ができてしまうのではないかと思います。また、全国を通じて公的医療保険における診療・調剤ということを考えると、それにふさわしい施設という点からもなじまないと思います。
 以上です。
○遠藤部会長
 ありがとうございます。
 ほかによろしゅうございますか。本日、もう一つ議題はあるのですけれども、時間もございませんので、医療保険における療養の範囲の適正化という点については、次回に回して、改めて御意見をいただきいと思います。議論につきましては、本日はこれまでとさせていただきたいと思います。
 最後に、参考といたしまして、参考資料1「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」、厚労省がつくったものです。参考資料2「柔道整復療養費、あん摩マッサージ指圧及びはり・きゅう療養費の算定基準の改定について」という、決着がついたものについての説明です。これは事務局から報告を兼ねて配付させていただいておりますが、時間がありませんので配付のみにさせていただきたいと思います。
 次回でございますが、本日、議題として残りました医療保険における療養の範囲の適正化、医療提供体制のあり方などについて議論したいと考えております。
 冒頭申し上げましたように、基本的にはこの議論そのものは今回と次回の2回で終了したいと思います。3回目はそれをまとめたものについて皆さんにお諮りするという形を考えておりますので、次回におきましても今回の議論を含めて御意見があれば全般的な御意見を賜りたいと思っておりますので、ぜひよろしくお願いします。
 次回は5月16日木曜日、16時から、厚労省18階専用22会議室にて開催するということになっているようです。
 本日は、御多忙のところを本当にありがとうございました。貴重な御意見、ありがとうございました。


(了)

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