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2013年4月25日 第3回 救急医療体制等のあり方に関する検討会(議事録)

○日時

平成25年4月25日(木)9:30〜12:30


○場所

厚生労働省 講堂(低層棟2階)
東京都千代田霞が関1−2−2


○議事

○田中救急・周産期医療等対策室長 
 それでは、定刻になりましたので、第3回「救急医療体制等のあり方に関する検討会」を開催させていただきたいと思います。
 本日は、先生方には新年度で御多忙のところを御出席賜りまして、まことにありがとうございます。
 欠席ですけれども、大阪大学救命救急医学講座教授の嶋津構成員、東京医科大学救急医学講座教授の行岡構成員のお二人に関しましては、御欠席の連絡を受けているところでございます。
 なお、本日の議題に関連いたしまして参考人といたしまして、日本海総合病院救急科の緑川科長、三重大学産婦人科教室の池田教授、北九州市立八幡病院の伊藤副院長にお越しいただいているところでございます。
 引き続きまして、事務局の紹介をさせていただきます。
 4月1日付の異動で、救急医療専門官に着任いたしました辻でございます。
 小児・周産期医療専門官の中林でございます。
 社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課課長補佐の友利でございます。
 なお、申し遅れましたが、私は4月1日付の異動によりまして救急・周産期医療等対策室長に就任いたしました田中でございます。よろしくお願いいたします。
 以降の議事運営につきましては、座長にお願いしたいと思いますので、有賀先生、よろしくお願いいたします。

○有賀座長 
 おはようございます。早速たくさんの議事がございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 最初に、資料の確認をよろしくお願いします。

○辻救急医療専門官 
 資料の確認をさせていただきます。
 冒頭のカメラ撮りにつきましては、これまでとさせていただきます。御協力のほど、よろしくお願いいたします。
 本検討会の議事次第、構成員の名簿、本日の参考人の名簿、座席表、開催要綱がついております。
 資料本体といたしましては、資料1「初期救急医療体制の現状」というパワーポイントの資料。
 資料2「山形県庄内地区における初期救急医療体制に関する取り組み」ということで、本日参考人として御臨席いただいております緑川参考人から御提出いただいた資料。
 資料3「小児救急医療体制の現状」というパワーポイントの資料。
 資料4「小児救急電話相談事業(♯8000)について」というパワーポイントの資料。
 資料5「小児救命救急事案について」という市川構成員から御提出いただいた資料。
 資料6「周産期・母子救急の現状」というパワーポイントの資料。
 資料7「母体救命における救急医療機関との連携について」ということで、本日参考人として御臨席いただいております池田参考人から御提出いただいた資料。
 資料8「スーパー周産期母子医療センターについて」ということで、久保構成員から御提出いただいた資料。なお、資料8につきましては、追加資料がございます。
 資料9「精神科救急の現状」というパワーポイントの資料。
 資料10「精神科救急における関係機関との連携について」ということで、本日参考人として御臨席いただいています伊藤参考人から御提出いただいた資料。
 資料11「救急医療体制の整備における精神科救急との連携について」ということで、千葉構成員から御提出いただいた資料。
 続きまして参考資料の確認でございます。
 参考資料1「精神科患者の救急搬送に関する研究」の報告書ということで、伊藤参考人から御提出いただきました資料でございます。
 参考資料2「精神科救急医療体制の整備に関する指針について」という通知の資料。
 資料については以上でございます。お手元の資料に不足等がございましたら、事務局にお申しつけください。よろしいでしょうか。

○有賀座長 
 どうもありがとうございます。
 それでは、議事次第にあります議題1、2、3、4とありますので、この順番でと思います。資料がこれだけたくさんありますと、たくさんの議論が詰まるのだろうと思います。詰まるというのは、たくさんあるという意味でもありますけれども、後ろへ詰まっていくと渋滞するというのも詰まると言いますので、どうか円滑に上手に進めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 最初の資料は資料1と資料2、初期救急医療体制の充実強化についてということで、まずは、事務局から資料1を御説明いただき、それから資料2へ展開するという形になると思います。事務局よろしくお願いします。

○辻救急医療専門官 
 それでは、資料1に基づきまして、初期救急医療機関の現状について御報告いたします。
 2ページは、救急医療体制体系図でございます。今回は○で囲んだ一番下の初期救急医療の部分に関して御討議させていただきたく思います。
 3ページでは、医療計画で示された初期救急医療の体制趣旨についてお示しいたします。初期救急医療機関は、独歩で来院する軽度の救急患者への夜間及び休日における外来診療を行い、休日夜間急患センターや在宅当番医制などとあわせて地域で診療の空白時間が生じないように努めることなどが求められております。
 4ページでは、休日夜間急患センターの目的と整備基準を示しています。休日及び夜間の診療を行う急患センターを整備することで、地域住民の急病患者の医療を確保することを目的としております。
 5ページでは、在宅当番医制の目的と事業内容をお示しします。地区医師会が実施する在宅当番医制の定着化を図るとともに、さらに未実施地区への普及を図ることで、休日または夜間における地域住民の急病患者の医療を確保することとされております。
 6ページですが、救急出動件数及び搬送人員の推移を示します。平成23年度は救急出動件数が370万件、搬送人員は518万件でした。
 7ページでは、救急自動車による傷病程度別搬送人員の状況を示しております。左の円グラフは傷病程度別搬送患者数、右の円グラフは軽症患者の内訳を示しております。ここで特記すべきは、搬送患者の50.4%が入院加療を必要としない軽症患者ということです。
 8ページでは、初期救急医療体制の整備状況を示しております。休日夜間急患センターの施設数は若干増加しており、在宅当番医制の実施地区数はわずかに減少しておりますが、ほぼ横ばいの状況です。
 9ページでは、休日夜間急患センターの現状を、10ページでは、在宅当番医制の現状をお示ししております。両施設合わせますと、年間約622万人の患者を受けていただいております。
 11ページ、12ページでは、ある県の休日夜間急患センターの実態をお示ししております。11ページのA県では、休日・平日・夜間に内科、小児科、外科が朝まで対応していただいている施設も見られますが、一方、12ページのB県では、ほとんどの施設で休日のみ対応されており、365日24時間対応されている地域や、休日のみ対応している地域など、地域によってその体制はさまざまです。
 13ページでは、休日夜間急患センターへの支援について御説明いたします。平成24年の予算ですが、建物や医療機器など設備に支援を行っております。また、二次、三次救急医療機関に患者が集中しないようにするよう、休日夜間急患センターへの診療報酬上の評価を行っております。
 14ページは、初期救急医療体制の現状についてまとめます。休日夜間急患センターや在宅当番医制においては、市町村、地域医師会等の協力により実施され、救急搬送を必要としない多くの救急患者を担っております。休日夜間急患センターと在宅当番医制の患者数は、合わせて約622万人であり、一定の役割を担っていると思われます。休日夜間急患センターの施設数は増加し、在宅当番医制の実施地区数は減少もほぼ横ばいの状態です。各地域の実態に合わせ開設日・開設時間・診療科はさまざまです。
 15ページでは、初期救急医療体制の課題を示します。3ページにありましたように、医療計画では地域で診療の空白時間が生じないように努めることとされておりますが、実態として初期救急医療機関の診療時間は限られている地域があり、そこでは二次救急、三次救急医療機関に軽症な患者を診ていただくこととなっております。医療計画における目標や具体的内容を周知徹底すべきではないか、また、増加し続ける救急搬送患者のうち、半数を占める軽症患者について、初期救急医療機関に担っていただくことが可能か、この点につきまして御議論いただきたいと考えます。
 事務局からは以上でございます。

○有賀座長 
 どうもありがとうございました。
 恐らく何らかの質問をしたいと思われる方がいるかと思いますが、適宜附箋を張るなどして、次の資料の説明をいただいた後に一緒にと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次は資料2、緑川先生、どうぞよろしくお願いいたします。

○緑川参考人 
 日本海総合病院救命救急センター救急科の緑川と申します。よろしくお願いします。私からは、山形県庄内地区における初期救急医療体制に関する取り組みとしてお話しします。資料2です。
 2ページですが、庄内二次医療圏の概要ですけれども、山形県の日本海側に位置する医療圏です。人口は約30万人。救急告示病院が三次医療機関と二次医療機関が資料のとおりとなっています。ここに2つのMC協議会が存在しています。
 3ページですが、この地域は大きく2つの地域に分かれます。北と南に分かれまして、それぞれに消防本部、MC協議会、地区医師会が存在しています。
 まず、南側の南庄内、鶴岡地区の概要についてお話しします。庄内二次医療圏の半分、約15万人の人口があります。救急告示病院は二次救急医療機関が2つ、初期救急医療機関として鶴岡市休日夜間診療所が開設されています。もともと休日のみの対応でしたけれども、平成21年より平日の夜間にも開設しています。
 4ページですが、鶴岡市休日夜間診療所と主に救急患者を担っている市立荘内病院の救急患者数の推移です。棒グラフ側、鶴岡市休日夜間診療所の患者数の推移ですが、平成21年から平日夜間の診療が始まっています。棒グラフの濃い部分です。年々患者数を伸ばしていて、折れ線グラフ側が市立荘内病院の患者数ですけれども、平成21年の休日夜間診療所の平日の夜間の開設とともに、こちらは患者数は減らしているという状況なので、初期医療機関で軽症患者が受診するようになって二次医療機関側の負担が減っているという状況と言えると思います。
 次に5ページ目、北庄内に当たる酒田地区の概要をお話しします。残り半分の15万人の人口がある地域で、三次医療機関が当院の日本海総合病院、二次医療機関が3つ存在しています。こちらの初期救急医療機関としては、酒田市休日診療所がありますが、こちらは休日、祝日、年末年始だけの診療で、平日夜間の診療は行っていないという状況です。
 6ページです。当院、日本海総合病院の概要についてお話しします。646床の急性期病院です。平成23年4月に救命救急センターも開設していますが、平成20年に市立病院と県立病院が統合再編で生まれた病院です。平成20年から2年間の移行期間を経て、平成22年に診療部門の移転統合をしています。
 7ページですが、この地域の救急搬送ですけれども、統合前の市立病院と県立病院で全体の85%、約5,000件を受け入れている状況でした。平成22年の時点で1つの病院になりますので、地域の85%の救急搬送が1つの医療機関に集中するという状況を迎えていたときです。
 8ページ、平成22年の統合時期でのこの地域の初期医療体制の状態と課題ということで、一次救急、初期救急においては休日診療所のみで平日の夜間がなかったということと、2つの大きな病院で平日の部分をカバーしていたのですが、その2つが統合合併することで1カ所に集中するという事態があったのと、救急搬送についても集中するだろうということで、勤務医の加重労働が問題になるという状況でした。
 9ページです。この時期に勤務医の加重労働の軽減を図らなければならないという地区医師会の動きもありまして、対応をいろいろ検討していただいて、この間に休日診療所で平日夜間診療を行う案であるとか、日本海総合病院の敷地内に医師会の建物を建てて、そこで行う案であるとか、さまざま案が出たのですが、最終的にはいろいろな問題があって、現在の形に落ち着ついています。これが9ページ目ですが、日本海総合病院としては診療場所を提供する。救命救急センター内に診察室の1つを提供して、医師会からは応援医師ということでドクターに入っていただく。酒田市からは、応援医師の人件費の一部を負担していただくという形で初期医療体制を組みました。
 10ページです。応援医師の報酬についてですが、これを地域連携加算と足りない分を酒田市の負担金によって賄うという形で運営しています。
 11ページです。救命救急センターに医師会の初期診療と、二次と三次の勤務医による診療が入っている形になります。歩いてくる患者さん、それから、救急車で来る患者さんがいらっしゃいますが、それぞれ救命救急センターのスタッフがトリアージを行って、初期診療で対応できる患者さんはそちらに回っていただくということで、初期と二次、三次の診療振り分けを行っております。
 12ページですけれども、酒田市休日診療所と日本海総合病院の患者数の推移です。棒グラフが休日診療所ですけれども、平成21年は新型インフルエンザの対応で増えていますが、ほぼ横ばい。折れ線グラフは日本海総合病院の患者数ですけれども、若干平成23年、平成24年が減っているようにも見えますが、ほぼ横ばいですので、患者数としては変化していません。
 13ページは、平日の19〜22時、これは救急外来で混み合う時間帯でもありますし、医師会の応援の医師が入る時間帯でもあるのですけれども、この時間の患者数の推移です。平成23年から支援に入っていただいていますけれども、約5〜6割の患者さんを医師会の応援のドクターに担っていただいていますので、勤務医の負担軽減にもつながっていますし、この分、勤務医は二次、三次医療のほうにより力注ぐことができるという状況をつくっています。
 14ページです。救急搬送について触れます。救急搬送について消防と病院と医師会で協力いただきまして、消防は傷病者の搬送実施基準に沿った病院選定をすることで、当院は緊急性の高い重篤な患者を確実に受け入れる体制をとり、軽症については医師会のクリニック及び二次医療機関で受け入れを増やしていただくことで、分散を図るように取り組みました。
 15ページ、酒田市では市の広報を用いて市民に対し、搬送ルールがあって、それに基づいて搬送先が決まることを繰り返し広報しています。
 その結果が16ページですが、平成22年までは2つの病院、統合して1つの病院に85%の救急搬送が集中していたのですけれども、この取り組みを行うことによって、徐々に1つの三次医療機関に集中させることなく、二次医療機関もしくは初期医療のクリニックに分散搬送するという形がとれています。
 最後に17ページがまとめになります。当地域の鶴岡市側は休日診療に加えて平日夜間を開始したということ。酒田市では、医師会の診療所は休日のみですけれども、病院での初期診療の支援に入っていただくことで、病院勤務医の負担軽減を図ることと、救急搬送を集中させないような取り組みを行っているという形です。
 以上です。

○有賀座長 
 どうもありがとうございました。
 今、事務局並びに緑川参考人に資料1と資料2、つまり議題でいきますと初期救急医療体制の充実強化というテーマでお話を賜りました。先ほど来話していますが、確認その他、質問などございますか。加納構成員どうぞ。
○加納構成員 これは毎回の質問になってしまうのですが、今回も資料1の8ページのスライドは、相変わらずこれを使われるのでしょうか。これを使われると、ほかの数字まで正しいのかどうか怪しいように見えてきますので、前も言いましたように、総務省の数字とどちらを認識したらいいのかということをちょっと疑問に思うのですが、どうでしょうか。

○有賀座長 
 これは第1回目のときに今のような質問が出て、第2回に資料を並べて、それぞれどういうことでこうだという釈明みたいな話を聞きましたけれども、申し送りは受けておられますか。

○辻救急医療専門官 
 申し送りは受けております。こちらに関しましては、今回我々で調べた実数でありまして、お見せしたかったところは初期救急医療の実数です。告示病院と我々で調べている初期、二次、三次の実数が違うということを御指摘いただいたかと思いますけれども、今回こちらの資料をつけさせていただきましたが、今後の提出資料に関しましては、また検討したいと思っております。

○有賀座長 
 きょうは直接的に二次救急については数そのものを議論することにはならないのかもしれませんけれども、どういう資料を使っているかという話は、その人の思考プロセス、思考体系がどうなっているのかということと関係あります。今回はこれが出ていますけれども、私もどれを見るのか質問しようと思っていたのですが、今のはもうちょっと本質論的に、あなたたちは何を考えているんだという質問の仕方なんですよ。ですから、2回目のこれとこれでございましたというのは後で言ってください。みんなそのページを開きますから。
 ほかにございますか。横田構成員どうぞ。

○横田構成員 
 資料1の一番最後の初期救急医療体制の課題に焦点を当てながら、2つ質問させていただきたいと思います。
 まず、1つ目に、医療計画等に書かれている初期救急とはというときに、私たちが救急をやっていて日ごろ感じるのは、日常診療の補完として、いわゆる時間外診療の時間帯をふやせば、その分いわゆる初期診療に相当する部分が減るのではないか。言い換えると、初期救急と言われている中には、本来の診療時間帯である時間外診療との混在があって、その定義が不明確、だから政策的にも不明確。だから、だれが担うんだということも非常に混在しているという感じがあります。
 何を言いたいかといいますと、例えば、関東圏と関西でクリニックの開いている時間帯が結構違います。そうすると、初期診療はどこをカバーしなければいけないか、いわゆる時間外はどこをカバーしなければいけないかということは、それすら変わってくるという事態があるんです。そういうことを整理していったほうが、救急医療といっても時間外診療を担う制度はだれが負うべきかというのは、おのずから見えてくるのではないかというのが1点です。
 2つ目ですけれども、そういう意味において、時間外あるいは今のままの初期救急でいいのですが、ある場所で急患センターを置くなり、病院の敷地に置くなり、病院に応援の医師に来てもらうなり、形態はさまざまあろうかと思いますけれども、結局手伝いを願うのは幅広く、あまねく医師が参加しないとやっていけないだろうと。そういう意味では、開業されているクリニックの先生たちの応援は非常に重要だろうと思います。
 緑川先生に1つ質問を兼ねて話をしたいのですけれども、先ほどの話の中で応援医師に来ていただきますということですが、恐らく深夜帯にかかるところ、特に日曜日から月曜日にかけての深夜帯は、結局は勤務医がほとんどカバーせざるを得ない。私の地元で言いますと、小児は朝までやっています。だけれども、準夜帯は確かにクリニックの先生にお手伝いいただけるのだけれども、深夜帯になりますと全部勤務医です。結局、勤務医をつるためにお金を上げていきますので、今度は病院側から勤務医がいなくなります。本来、自分の病院で働いていただかないといけないはずの医師が、休日急患センターなりに深夜帯だれか手伝いに行けという一言で、包括的に見ると結局は勤務医が働いていて、表面的に病院の勤務医は楽になりましたと言いますけれども、もう少し俯瞰的に勤務医の実態を見ると、結構、勤務医が深夜帯に働いているんだということにほかならないということも実態として知ってほしいということで、緑川先生、その辺の深夜働いている応援医師は実際どうなのですかという質問です。

○緑川参考人 
 御指摘のとおりで、医師会の先生に応援に来ていただいているのは準夜帯になりますので、それ以降の深夜帯については病院の勤務医が担っているということで間違いないです。

○有賀座長 
 今、横田構成員が言われた時間外診療という話と、本当に急げという緊急的な診療の話との区分けを意識しているのかいないのかわからないのですけれども、緑川先生の4枚目の年間救急患者数のところは、白黒なのでちょっとわかりにくいのですが、休日患者、平日患者、救急患者、時間外患者となっている。時間外の患者さんと救急患者を分けたという話は、時間内の急げという人たちが救急患者なのですか。この図がよくわからなかったので教えてください。

○緑川参考人 
 これは他院のデータなので正確かわかりませんが、病院の場合は、外来がやっている時間帯に外来に来た人は数えないのですけれども、外来に回らなかった例えば重症の患者さん、もしくは救急車で来た患者さんは救急患者数に入ってくると。一方、時間外は、いわゆる17時15分から翌日の8時30分というような時間で区切っています。

○有賀座長 
 これは先生の病院ではないから直にはわからないけれどもということですね。きっと時間外と時間内ということで、時間内のほうであっちで診た患者というのが多分救急患者ですね。要するに、救急外来のほうで診たとおぼしき患者。

○横田構成員 
 よろしいですか。そういう混乱があるのは、例えば患者調査のときにでも病院に調査をかけたときに、いわゆる外来数という以外に時間外診療数、いわゆる外来の時間帯に来なかった時間を外した患者さんの初診あるいは再来といったものを時間外診療として統計上上げていますよね。多くの救急病院は、時間外のものは急患だということで窓口でとっているところもあれば、ぽつぽつと病院をやっているところは、通常の時間外でかかりつけなので診てあげてというところもあるでしょう。救急車で来られるのは、24時間通して救急車です。時間内であろうが、時間外であろうが、祝日であろうが。それは統計上、救急車の件数として上がってきます。患者調査でも表でもみんなそうですけれども、今そういったことをポンと表に出されたときに、では、救急というのは救急車だけなのか、時間外診療で上がっている数が救急患者なのかと言われると、かなりそごがある。その実態をまずしっかり押さえないと、私たちが見ている統計も現場で働いている感覚からするとずれているので、もう少しそこも議論が必要なのかなということで、最初に発言させていただきました。
 
○有賀座長 
 石井構成員どうぞ。

○石井構成員 
 横田構成員はもちろんわかって言っていると思いますが、この議論はずっと我々のフィールドであるわけですよね。ですから、時間外診療分と真の救急をどう見るか、それから制度化していくかという問題です。ところが、今DPC病院が評価とか、医療法人の公益性が高いとか、そういう評価の中に、厚労省から今度は、時間外で診たのは全部救急にカウントしていいというカテゴリーがいっぱいふえてしまいました。だから多分、病院の事務方、管理側は、今はなるべく参入する方向で動いているのだと思うんですよ。だから、こちらだけで非常にストイックな議論をしますと、実際に運用している側はむしろどんどん入れろという形になっていまして、まず我々はどちらかというと、ストイックな議論をしながら、だけれども、全体に制度論では方向性に疑問があるというのは横田構成員のおっしゃるとおりです。ただ、ここでずっと今このデータでやっていきますと、恐らくほかの管理側とか診療報酬の話になったときには別な話になってしまうので、もうちょっと理解した上で進めながら、また制度論の話にしたほうがいいのではないかと思います。

○有賀座長 
 久保構成員どうぞ。

○久保構成員 
 とすると、この実数は現実の救急の数とか時間外の数を分けてカウントすることは可能なのですか、それとも集計としてとることは無理ということですか。

○石井構成員 
 はい。だから、申し上げているわけです。そういうものをごっちゃにするような評価の仕方が今導入されていますので、厚労省がちゃんとやるとか政策の目標が出てくるならいいですよ。そうでなくてやると、実数がどうなっているかというのは途中で見えなくなっていくだろうと思うから言っているわけです。

○有賀座長 
 横田構成員とか石井構成員のように、多分分類上は私もそちらに入るのでしょうが、救急医療のことを一生懸命考えてきた人たちからすると、今の話はストイックな、だけれども、実にわからなければいけないことだということがわかると。だからといって物事が進展するかどうかは別だと。つまり、きょうの話でいけば、例えば、事務局の救急搬送された患者さんの51%ぐらいは軽症であるという言い方は、ここでのターミノロジーを使うと、場合によっては救急患者ではないと言っている可能性があるわけですよね。その一方で、緑川先生の資料の11ページに、トリアージの絵が描いてございますよね。そういう意味では、トリアージの赤とか黄色は救急だけれども、緑は救急の半分だとか、それより下は救急ではないという形で時間内であれ、時間外であれ、それっぽい人を全部ふるいにかけたとすると、そういう意味では救急患者の数というのはストイックな形で議論ができそうだ。救急隊も全くそうですよね。赤だと思ったり、黄色だと思ったりすればいいけれども、これはどう考えても色つきではないとなったときには、救急隊が運んでいるけれども救急患者ではないと。そういう話は理屈としてはできるわけだけれども、石井構成員が言うように今の社会の全体からすると、外れみたいな議論をしても実効はないだろうという話をされているわけですよね。
 加納構成員どうぞ。

○加納構成員 
 ウオークインで来られる方の評価は非常に難しいと思います。ただ、救急搬送数というのは絶対数であると思いますので、24時間365日受ける数ですから、これはこれで一つの病院の評価の指標として救急搬送数を用いるべきだと思います。そういう面では、ウオークインの数は条件が違うだろうと思っております。
 それと先ほどの51%の軽症の問題も気になっておりまして、きょうも後で議論になるかと思いますが、例えば、急性アルコール中毒の方、精神科の方、この人たちは非常に手間がかかって大暴れして、2〜3時間スタッフをくぎづけにしながら、実は軽症で診療報酬もほとんどないというのが実態です。ですから、簡単に51%の軽症をどうこう言うのは、やはり医療現場をもうちょっとしっかり見ていただいて評価していただきたいというのが、今の流れからの感想です。

○有賀座長 
 鈴川構成員どうぞ。

○鈴川構成員 
 定義の問題も非常に大事だというのを踏まえつつなのですけれども、きょうここで緑川先生からお話があったのは、初期救急をきちんとした形でつくっていくと、
三次救急の病院の患者数が少し減っているということが一つの大事なポイントだったと私は思うのです。自治医科大学の病院も初期から三次までとらざるを得ない地域にある三次の施設ですが、最高3万6,000人の患者数だったところを今は2万人まで、医師会の先生にお願いして初期救急診療所をつくっていただいているということで、1万5,000人ぐらい患者数が減少しました。それで何とか三次としての大学病院の機能を維持しようという方向で動くことができているのも事実なので、そういうことがあるということも踏まえて初期救急、今いろいろ定義はありましたけれども、どちらの定義に入っていても何らかの形できちんと見るシステムが必要だと思います。では、栃木県でそういう初期救急診療所をだれが診ているか。結局、自治医科大学の勤務医が診たり、または特に夜間の0時を過ぎてやっているのは宇都宮市しかないのですけれども、宇都宮市はなんと東京や山梨県の勤務医を非常に高額な給料を払って、休日急患診療所をやっているというのが事実なんですね。
 だけれども、それが必要ないかというと、そういうわけでもなくて、それがなければ恐らく三次の機関がかなり困ってしまうというところもありますので、もうちょっと全体像をどう見ていくのかということはきちんと議論する必要があるというのが、この資料なのだと私は思っています。

○有賀座長 
 緑川先生、もう一回お聞きしてもいいですか。先生が今勤めておられる施設では、医師会の先生が初期診療を担うということで病院の敷地の中でやってくださっているわけですよね。

○緑川参考人 
 はい、病院の中です。

○有賀座長 
 門から入って右の建物とか左の建物とかではなくて、病院の中ですか。

○緑川参考人 
 はい、救命救急センターの一角です。

○有賀座長 
 前半で先生がお話しくださった鶴岡地区は、病院の中ではなくて別のところに初期診療をする場所をつくったということですか。

○緑川参考人 
 そうです、敷地外です。病院とは別個で、丸々目の前ではないですけれども、ほぼ近いところです。

○有賀座長 
 質問なのですけれども、これは私の経験なのですが、実は、私が前にいた東京の小平市で、病院の中に小平市医師会の時間外診療所をつくるほうがいいのではないかという議論をしたことがあるんです。それは要するに、病院の外に医師会の診療所があっても、やはり病院に来てしまうという住民がどうやら多そうだと思ったんです。だけれども、実は医師会は医師会で別のところに医師会の立派な診療所をつくってしまって、そこにもちょこちょこ行くのですけれども、やはりうなぎ登りに私たちの病院では初期、二次の患者がどんどんふえる。それはそれでしようがなかったのですが、そういうことを考えているときに、例えば焼津市民病院とか、要するに、東海道線沿いのどちらかというと静岡よりこちらに近いほうの市立病院が、あの当時結構、病院の中に医師会の診療所を設営したんですね。だから、そういう方法論は多分、都市部においては結構いけるのではないかと。要は、病院で診てもらったという実感があるから。だけれども、先生のところはそういう意味では比較的田園地帯というか、はっきり言って田舎の場所なので、別にあってもあの病院でなければだめだという住民がべらぼうに多いわけではないので、そちらのほうに上手に回ってくれているという感じがするのです。その辺は先生はどう思われますか。先生も都会の病院は知っていますよね。

○緑川参考人 
 いいえ、大体田舎しか知らないんです。

○有賀座長 
 でも、都会の住民の大病院志向というのはそういうところがないわけではないので、ちょっと聞いてみました。

○緑川参考人 
 私の感じる範囲ですけれども、やはりうちの地域の住民の方も大きいところが好きですし、安心だという気持ちはあるみたいです。
 あと、もう一つは、軽症なら休日診療所と言っても、自分が軽症かどうか判断できない人が多いので、やはり心配だから病院へという足の向き方はしていると思われます。

○有賀座長 
 今、大病院志向というと何となく上から目線ですけれども、患者さん側から言わせると、入院する施設がないのに入院しなくていいよと言われても本当かなと。でも、入院する施設がある場所で、あなたは入院する必要はないですよと言われれば「ああ、そうですか」と納得できるという感性なんですよね。

○緑川参考人 
 あと、検査がどれくらいできるかというのがバックにあると思います。

○有賀座長 
 検査ができないところで検査はこれとこれでいいよと言われるよりは、検査はうんとできるけれども、これとこれでいいよと言われるのとは違うということですね。結構、初期診療の話というのは単純に患者さんの流れだけではない部分がありそうなので、いかがですか。

○加納構成員 
 そういう意味では、敷地内とか先生がおっしゃるところは割とポイントになってくるのかなと思います。

○許構成員 
 今の有賀座長と緑川先生のお話は、まさにそのとおりだなと思っていました。救急医療の現場で働いていましても、ウオークインで来られる患者さんのほとんどは、やはり自分自身が本当にこれはやばいのではないかと思って歩いて来られているのですが、こちらからしますと、実はそうではないということは多々あります。ですが、患者さんの側に立ちますと、やはり不安があって、しっかり検査をしてもらえて、いざとなったら入院ができる施設にという思いで来られるので、現状はやはり緑川先生と有賀先生がご指摘されたとおりだと思います。そういった意味で、緑川先生の御発表をお聞きしていまして、いざとなったら検査も入院もできるといった安心感を与える場所に地域の開業医の先生に来ていただいて、今申し上げたような患者さんが来られるのは夕方の時間帯が圧倒的に多いと思うのですけれども、その時間帯に開業の先生方にも御協力いただいて、その場所で診療していただけるというのは、何かいい方法を提示していただいているのではないかと思って、現場で働いている救急医として実感を持って聞いておりました。

○有賀座長 
 市川構成員どうぞ。

○市川構成員 
 第1回目で救急患者とは?という議論がありましたが、そこに回帰していくのだろうと思います。軽症というのは我々が決めることであって、結果論ですね。だから、横田構成員がおっしゃる時間外診療、時間外を狙ってくる確信犯はいますけれども、多くはやはり心配して来られると。確かに、時間外と区別できれば一番いいのでしょうけれども、それは結果論であって、我々が軽症と考えただけだということになりますから、うちも併設型の急患センターを持っていますけれども、かなりそれで患者さんがふえたという事実はあります。そういうところに患者さんが行かれるのだと思います。

○阿真構成員 
 本当に先生方がおっしゃるとおりで、自治体の区役所の近くでもない、市役所の近くでもない、どこかわからない診療所みたいなところを探して、そこに行く。しかも、そこがどこまで診てもらえるかわからない、そして、自分もどのような状況かわからない状態で行くことを考えると、病院に行くほうがずっとスムーズだと思います。
 埼玉県の志木市民病院で5〜6年前だと思いますが、小児に関して6時か7時から10時は開業医の先生が交代で小児を診るという取り組みをしました。その当時はとてもうまくいって、そこに来ていた勤務医の先生方が皆さん、その時間だけでも本当に休めるようになって、その時間にちょっと寝たりとか、ほかのやらなければいけない仕事をやったりとか、すごい楽になったという話をされていて、とてもいい取り組みだなと思ったんですけれども、結局、志木市民病院は皆さん御存じのとおり、小児に関しては入院はとりやめになってしまったので、結果的には残念なことになってしまいました。結局、深夜帯は勤務医の先生が診るというのはおっしゃるとおりだと思いますけれども、ちょっとでも休む時間があるところで何らかのよい効果があるのであれば、すごくいいのではないかと思います。

○横田構成員 
 私は、時間外と救急を分けなければいけないと言っているわけではなくて、いわゆる患者さんは確かに大病院志向型だと片づけてしまうのも、ちょっとおかしい。というのは、平日日勤帯にちょっと調子が悪いからといって、では、クリニックの先生を飛ばして病院に足が向いているかというと、必ずしもそうではないんです。日常ちゃんといわゆる診療所なり一般の病院の外来が開いている時間帯は、それ相応の流れがちゃんとできているわけですけれども、それが100あるうちの窓口が次第にだんだん少なくなって、例えば、午後の7時、8時、9時となって何もなくなってしまうと、行くところがないので、それが時間外診療イコール救急としてとらえられているということを私は言っているわけです。
 だから、どう解決するんだというのははっきり見えているわけで、窓が閉まってきたときに、窓が閉まらないようにどこかの地域で確保する場合に、いわゆる急患センターなのか、敷地なのか、病院の中か、それは地域でそれぞれの姿としてあるのでしょう。ただし、窓を閉めていったときに、今度担い手はどなたなのですかということを最初に議論させていただいたんです。だから、その辺を少し詰めていかないと、時間を超えて診てほしいという患者さんは必ず発生するわけなので、その人たちのとらまえ方と、本当にちょっと具合が悪くなって、これは循環器のそれ相応の専門家が診る、あるいは脳外科医が診ないと治療ができないという意味の急性疾患の患者さんを診るというのとを、一緒にやっていくと大変なことになるのかなと。
 そういう意味では、先ほど山形県の話の中で、いわゆる病院の集約化、受けるけれどもトリアージをして、重症なのは院の中で回すという仕組みがいいのか、地域でそれぞれ急ぐ、急がないというのを救急隊も含めて振り分けていくのがいいのかというのは、その地域の地理状況と資源の点在によって変わってくるのかなと思います。

○有賀座長 
 どうもありがとうございます。初期救急の話はこれだけでも夜を徹してやってもいいぐらいの内容です。きょうは盛りだくさんですので少し隣の議題に移りたく思います。全体的にどれもみんな関係がないわけではないので、また戻ることがあってもいいと思いますので、先へ進めさせていただきます。

○辻救急医療専門官 
 済みません、事務局から、先ほどの加納構成員から御指摘いただいた部分について御説明させていただきます。
 第2回の資料5の37ページ、総務省・消防庁を主体とした計数として、救急告示病院の数から救命救急センターの数を引いた部分を二次救急として出しておりますけれども、厚生労働省としましては、入院を要する救急患者の施設として二次救急の数を出しておりまして、そこに差異が見られております。
 今後に関しましては、総務省、消防庁とも連携をとりながら、統計の出し方等を検討していきたいと思っております。

○有賀座長 
 ぱっと目に見ると、いわゆる入院を要する施設で横ばいに見えるので、実感と違うというのが一番素直なレスポンスなんですよね。両方うまくお願いいたします。
 では、小児救急にかかる相談体制及び小児における救急医療機関との連携。この救急医療機関との連携の「と」というのは、小児救急にかかる相談体制と救急医療機関との連携という日本語でいいのですか。AとBとの連携といったときに、Aに当たるのは小児救急にかかる相談体制かという質問です。一般的に「AとBと」と言うんですよ。「私は犬と猫とが好きだ」というふうに、もし後ろに「と」をつけたときには相方の「と」が前にあるわけです。言っていることはわかりますよね。それが「と」という助詞の使い方なんですよ。だから「AとBとの連携」と言ったときのBは小児における救急医療機関なんだけれども、Aは小児救急にかかる相談体制かという質問です。

○中林小児・周産期医療専門官 
 そのとおりでございます。

○有賀座長 
 そうすると、正しい日本語は「及び」をやめて「と」ですね。

○中林小児・周産期医療専門官 
 はい。

○有賀座長 
 ということで、相談体制と救急医療機関との連携という話で、資料3、資料4、資料5になると思います。では、資料3を御説明ください。

○中林小児・周産期医療専門官 
 それでは、資料3「小児救急医療体制の現状」について御説明いたします。
 おめくりいただきまして、小児科医師数の推移をお示しいたします。平成12〜22年にかけて小児科医師数は増加しております。
 3ページです。小児救急患者の特徴を御説明いたします。左に救命救急センターを受診した患者の小児と成人の割合に関するグラフ。右上に、救急搬送における小児と成人の患者数。右下に、救急搬送における小児と成人の割合に関するグラフをお示しいたします。
 左のグラフでは、すべての段階において成人に比べて小児患者の比率が少ないことを示しております。右上の四角にございますように、小児患者数は成人の約10%と数が少なく、中等症、重症はさらに少なくなっております。右下のグラフでは、成人と小児で重傷度別の割合を見ていますが、小児では軽症の割合が高く、中等症から重症の割合が低いことがわかります。
 4ページです。小児傷病者の救急搬送における医療機関の受け入れ状況をお示しします。医療機関の照会回数4回以上の事案が全体の3.2%、現場滞在時間30分以上の事案が2.5%でした。照会回数などが多い地域については、下で示しますとおり首都圏、近畿圏などの大都市部で見られております。
 次に5ページです。平成21年に開催されました重篤な小児患者に対する救急医療体制の検討会中間とりまとめの概要につき御説明いたします。この検討会では、すべての重篤な小児救急患者が地域において必要な救命救急医療を受けられる体制について検討いただきました。議論していただいた結果、今後の方向性として小児救急患者の搬送と受け入れ体制の整備、発症直後の重篤な時期、超急性期の救命救急医療を担う体制の整備、急性期の集中治療、専門的医療を担う体制の整備の3点についておまとめいただきました。なお、このときは小児における初期、二次救急医療機関との連携や、小児に特化した専門医療を要する患者の急性期対応については、御議論いただいておりません。
 6ページです。こうした議論の内容を踏まえた現在の小児救急医療体制図をお示しします。成人と小児に分け、下から順に初期、二次、三次の体制をお示ししております。小児におきましては、受診の有無を保護者が判断する上での助言として、小児救急電話相談を行っており、こちらが小児の特徴の一つとなっております。
 7ページ、小児救急に関する課題です。まず1点目、小児救急の体系において、初期・二次救急医療と救命救急医療を区別して議論する必要があるのではないか。2点目、小児の救命救急医療において、ショック、外傷や熱傷などの救命処置を要する疾病・疾患に関して、質の確保及び場合によっては県域を越えた広域での診療体制も考慮する必要があるのではないか。最後に、小児救命救急医療において先天性疾患、先天奇形による形態異常や代謝異常など、小児に特有な疾病・疾患に関して、質の確保及び場合によっては県域を越えた広域での診療体制も考慮する必要があるのではないかといった点につきまして、皆様に御議論いただきたいと思っております。
 資料3の説明につきましては、以上でございます。
 引き続きまして、資料4「小児救急電話相談事業(♯8000について)」御説明させていただきます。
 おめくりいただきまして、♯8000の目的と概要について御説明いたします。目的ですが、1点目、休日・夜間の急な子どものけがや病気に対する家族の判断を電話相談によって支援すること。2点目、家族の判断を緊急度判定とともに、ホームケアや医療機関案内等の情報提供を行うことによって支援すること。3点目、電話相談体制の整備により、地域小児救急医療体制の補強と医療機関の機能分化を推進し、都道府県内における患者の症状に応じた適切な医療提供体制を構築することでございます。
 概要でございますが、都道府県を実施主体として、平成16年度より開始しており、平成22年度以降は47全都道府県で事業を実施しております。
 3ページです。♯8000版の実施方針を救急医療対策事業実施要綱より抜粋してお示しします。人員要件、受診が必要な場合の医療機関案内や、都道府県における協議会の設置などを定めております。
 おめくりいただきまして、♯8000の現状につき、次の2ページでお示しいたします。上に運営時間帯、下に民間委託の状況につき示しております。運営時間帯ですが、右上の棒グラフのとおり、深夜帯及び休日日中の運営が十分でないことがわかります。また、右下の円グラフのとおり、実施団体の45%につきましては現在民間委託となっております。
 5ページですが、相談回線数に関して調査を行っております。左上の地図ですが、複数回線対応を実施している都道府県は現在31までふえております。一方、電話がつながらないことを示した応需不応率について御説明いたします。ここでは広島県のデータを用いておりますが、左のグラフより、1人が活動する間に約5〜7件の混線が発生していることがお示しされております。右のグラフですが、混線対策のため11月より回線数を1から2回線にふやした結果、応需不能件数は1カ月あたり46%の減少を認め、相談件数の増加も認められておす。
 おめくりいただきまして、♯8000番の実績をお示しいたします。平成23年度では年間52万件まで増加しております。その際、すぐに医療機関を受信することを助言した患者割合は26%となっており、約4分の3のケースにおきましては、一旦自宅待機が可能となっております。
 7ページは、♯8000版に関する現在の課題です。1点目、どうやって♯8000版の応需不応時間帯、応需不応率の改善を図っていくべきか。2点目、相談員の質の担保をどう図っていくべきか。3点目、小児の急病・トラブルに関する知識の啓発をどのように図っていくべきかといった点につきまして、皆様に御議論いただきたいと思います。
 資料4の説明につきましては、以上でございます。

○有賀座長 
 ありがとうございます。
 小児に関しては、資料5もありますので、続けてお話を賜って全体として議論をと思います。それでは、市川構成員、よろしくお願いします。

○市川構成員 
 それでは、資料をもとに説明させていただきます。
 まず、2ページですけれども、小児の患者発生から退院までの体制ということで、ざっくりした概略図になります。一番下の矢印で予防から始まって初期、二次〜三次、慢性医療となりますけれども、真ん中の大きな円で救急外来診療と書いていますのが大体95%ぐらいの患者数、入院なさる方が4.9%、さらに重篤な小児が0.1%と極めて少ない感じになりますので、今、厚労省から御説明がありましたように、これをひとくくりに小児救急医療体制とすると非常に混乱が生じやすいということで、初期・二次救急と重篤小児と分けて考えたほうがいいだろうということです。
 初期部門としては、現実的には軽症で済ませたいという親の希望はありますが、いわゆる軽いうちに来る、早期に来る、明日でもいいのに夜に来るということが起こりますし、そういう親の不安も解消してあげることも必要だろうと思います。重篤になってきますと、外因性疾患あるいは小児固有の疾患での重篤疾患が派生してきますので、小児科医と救急の先生方と共同して救命救急医療をするのが必要かなと思います。
 それを言葉にしましたのが3ページです。小児救急患者は小児初期・二次救急医療、放置すると死亡のリスクがあって、迅速な対応を要する小児救命救急医療と分けて定義したい。初期・二次救急医療で対応すべき患者に対しては、少数の重症患者を確実に発見することと、対応した患者の重症化を予防することを医療目標としたいということで、これも先ほど御説明がありましたけれども、小児救命救急医療で対応すべき患者は、いわゆる一般の救命を要する普通の健康児が重篤になった状態ということで、救命救急を要する患者さんと、小児固有の問題、先天異常あるいは先天性の代謝疾患等々を含めた小児専門医の医療を必要とする救命患者という2群に分かれるだろうと考えております。
 4ページが、大きなきょうのまとめのスライドになるかと思いますが、時間軸で見た小児救急患者の特徴と課題です。病院前救護、超急性期、急性期、慢性期。特に重篤小児という点でいきますと、真ん中の超急性期、急性期で課題1、初期・二次救急医療と分けて救命救急医療を考えましょうという点がありますし、課題2としては、ERの救急の先生方あるいは救命センターの救急の先生方が得意とするような部分をどうコラボしていくかという点。それと、小児固有の疾患に関する質の確保という課題の3点が挙げられますし、4つ目しては、外来診療の部分も課題があると思いますし、慢性期にも課題があるかと思いますけれども、きょうの話としてはこの3つをプレゼンしたいと思います。
 5ページです。今のお話を繰り返しますけれども、分けますと小児救急患者というのは救命救急医療を要する患者、初期・二次患者というように上段、下段で分けられます。調査した結果では、重篤小児、集中治療を要するような小児患者は大体年間2万5,000件くらいです。これは小児科学会専門医認定施設と全国の救命救急センターの2施設の調査です。そういう意味では、重篤患者の施設集約化が不十分、救急医の小児医療経験不足あるいは小児科医の救急医療経験不足が課題に挙げられるかと思いますし、その対策としましては、重篤患者診療施設の集約化を促進する、症例数が少ないので三々五々とやっているとなかなか質が上がらないという意味も含めてのことです。それから、小児科医の救急医療研修制度を整備する。あるいは救急医が小児を診るための環境整備が必要かと思います。
 初期・二次に関しましては、先ほどから出ていますように、救急搬送、救急車でも75%が軽症。救急として施設を訪れる患者さんの9割以上が結果として軽症ということですので、軽症患者が在宅で対応できない社会環境が存在しているということと、保護者の急病不安の払拭を何らかの方法でやらないといけないだろうと考えます。また、このような軽症受診患者数が多くて対応する小児医療従事者が疲弊を余儀なくされている部分があります。
 そういう意味で対策として、小児救急電話相談、今の♯8000、あるいはモバイルサイトを使った「子どもの救急」等の代替え手段による患者家族支援、あるいはER型の救急の先生、内科の先生、そういう方々に診療応援をお願いして共同して対応する。そういうことが対策として考えられます。
 6ページは、先ほどの2施設、研修施設と救命センターでICUに入れるべき重篤患者が合わせて25%は一般病棟で治療されており、特に、小児科研修施設では、その割合が若干救命センターよりも高かったという結果が出ました。
 7ページです。課題2になりますけれども、救命救急対応として、超急性期というのは現状として小児救命救急センターはまだ全国4カ所しかありません。救命救急センターや大学あるいは地域の中核病院等に患者が分散せざるを得ないという現状があって、適切な初期の超急性期の診療の中で要求されるところの子どもの解剖学的あるいは生理学的特徴への配慮というのが課題とされていますし、その対策として直近の救命救急センターで超急性期診療を実現する、そういう搬送先選定基準を考慮していければと思いますし、初期の高度救急医療体制の整備あるいは充実が対策として挙げられると思います。
 超急性期が過ぎて急性期になりますけれども、小児特定集中治療室管理料の算定は現在1カ所です。昨年4月から始まった分ですけれども、救命センターのICU、あるいは子ども病院、一般病院とさまざまな施設で重篤患者が三々五々に治療されているのが現状です。同じように、適切な集中治療の中で子どもの特徴に配慮した対応が課題となりますし、先ほどお示ししましたように、25%の患者が一般病棟で治療されているという現状があります。そのために、対策としては診療経験をふやすための集約化、そのための搬送システムの整備、特に域外搬送も含めて考慮しなければいけないだろうと思いますし、やはり集中監視ができる環境の整備あるいはそこへの集約化も対策として挙げられるだろうと思います。
 8ページは、子ども固有の疾病での重篤患者対応になりますけれども、専門医療対応として先天性心疾患等あるいは染色体異常等のハンディーキャップを背負ったお子さんたちに対する重篤治療というのが、もう一方ではあります。その課題としましては、根本的治療を行える医療機関が少ない。広域で機能別の専門医療施設のマップをつくり広域搬送が必要です。超急性期の対応は地域での対応が必要になりますので、地域あるいは疾患ごとの搬送先施設を選定しておく。超急性期対応については遠隔医療、迎え搬送、そういう専門医療機関が支援する体制づくりが対策として挙げられるだろうと思います。
 9ページは、今までの流れ、今までの考え方で小児救急医療における役割分担を考えてみました。小児救命救急医療、多くの救急の先生にもお手伝いしていただける救命救急医療は、外傷ショック、熱傷、CPAなどが考えられます。人的資源と書いていますけれども、救急医、小児科医が協働する形が望ましい。施設としては、救命センターや救急医療に関する地域の中核病院が考えられます。よりよくしていくために、研修体制としては救命センターにおける小児科医の救急医療研修が不可避だろうと思いますし、小児固有の疾患に対する専門医療としては、専門領域を有する小児科医が主体となって関連領域の先生方にお手伝いを願う形が望ましいと考えます。こういう施設は子ども病院などの小児専門施設あるいは大学病院などだと思いますし、ただ、こういう専門領域を有する小児科医が、もっと小児集中治療の研修を必要とするだろうと考えます。
 初期・二次救急医療に関しては、小児科医が主体となりますけれども、ERにおける救急の先生方にも小児科の診療研修をしていただければという希望があります。
 10ページは、成人救急医療と小児医療の連携がうまくいっている、九大病院の例です。救命救急センターに小児の担当医が複数所属する。1名、2名というのは我々の施設でもあったのですが、救命センター23名中、小児担当医として4名入り込んで、小児担当ですけれども当然ながら成人の外傷も見るという形で、すべてほかのセンター医と同様の仕事をなさって、特に小児科に来た場合には、主たる役割を担うという形で研修を積んでいる。そういう形で、救命救急センターの中に小児科医が複数入り込んで成人救急の枠の中で、数の多い重篤疾患の研さんをするということがうまくいっている。かつ、大学病院ですので、そのまま急性期医療、集中治療に移行できる。そのまま救急に所属する小児科医がかかわりが持てる、あるいは研修もできるというシステムをつくり上げているということで、これは理想とするべき研修体制かな?と考えて御紹介させていただきました。
 もう一点、最後のページになりますけれども、小児救急に関するさらなる課題としまして、特に小児の初期・二次救急医療において、時間・内容を問わず救急医療の現場に対して専門医志向、完結医療というのは、その日のうちにすべての検査をやって、もう病院に来なくていいようにしてほしいという意味の完結医療ですけれども、それを要望する保護者の声が強いと。その結果として、小児科医を初めとする現場医師に過剰な負担をかけている可能性がありますし、救急医などの小児医療への参画に関するモチベーションが低下する。小児科医を呼べということになるという意味ですが、あるいは小児科医療のない、またはリソースのない地域での他科の先生方の子ども診療の消極化を招いている可能性もあるのではないかと考えられます。
 その対応としましては、現在、救急医療に求められている専門医志向、完結医療について、保護者と医療側で話し合いを重ねて、よりよい方向へ導くように、よりよい小児救急医療体制を醸成していく必要があるだろうと考えます。
 以上です。

○有賀座長 
 どうもありがとうございました。
 資料3、資料4、資料5を続けて御説明いただきましたが、何か御質問ございますか。久保構成員どうぞ。

○久保構成員 
 資料3でございます。小児科医数の推移という話で、ふえていると言うと楽観的な感じがするのです。現実的な話をすると、うちも小児科医は多いのですが、勤務医は圧倒的に減っていて開業医はふえているという現状で、救急を議論するところにトータルの小児科医数を提出すること自身がナンセンスだろうと思います。すなわち、実は救急医療に携わる勤務医と小児科医というのは圧倒的に減っていて、病院でも小児科を閉鎖するところもすごくふえているのが現状なので、そういう数をどうにか出してほしいと思います。
 それから、3ページにある救急搬送における小児と成人の患者数というのは、もちろんこれは小児科医が軽症が多いというのはわかるのですが、バックグラウンドの人数が小児と成人では違います。小児は15歳以下で、15〜60歳が成人です。バックグラウンドの数が違うわけですから、やるのであれば小児の中の軽症、中等症の割合と、成人で比較をしてもらったほうが、はっきりしたのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○中林小児・周産期医療専門官 
 御指摘ありがとうございます。今回の調査に関しては、こちらにも書いてありますとおり、医師、歯科医師、薬剤師調査をもとに出しておりますが、その中でできる範囲でのデータは次回に持ち越させていただいて、あとは学会のほうでそういうデータがもしあれば、その辺は調整させていただきたいと思います。

○有賀座長 
 それは小児科の学術団体などに聞けば、ある程度はわかりますか。

○久保構成員 
 わかると思います。

○有賀座長 
 ほかにいかがですか。
 ちょっと♯8000のことでお聞きしたいのですけれども、資料4の6ページですが、♯8000で緊急度を分けて、今晩でなくても昼間かかりつけ医の先生のところ行くように指示をした中で、実はすぐに行ったほうがよかったという症例だとか、かかりつけの医者に行ったんだけれども来なくてもいいよと言われたとか、多々あると思うのですが、♯8000の方法論の中では、そういう意味でこの部分をより正確にしていこうとか、とりこぼしのないようにはどうするかとか、そういう作戦計画は今までどうなっていたか教えていただけますか。

○中林小児・周産期医療専門官 
 今、御指摘いただいた質問ですけれども、それに関してはそのとおりで、あくまでこれは相談員が相談のあった御家族に対してお話ししたものであって、実際の行動とは一致しない可能性も十分にあります。それに関しては現在、厚労科研のほうでどれだけ正確な数字が出せるかについては今後の議論していただくわけですけれども、実際に電話相談をかけられた患者さんに御協力いただいて、医療機関に受診しているかどうかの実態調査は今後、計画を考えていきます。

○有賀座長 
 そういうことをやろうとしているのですね。ありがとうございます。

○中林小児・周産期医療専門官 
 以前にもやろうとして難しかったところはあるのですが、再度方法を考えてみます。

○石井構成員 
 その♯8000関連で2つあります。1つは、座長がおっしゃった事後検証の話です。結局、これは救急医療ではないという概念になっています。だから、きっちりとしたカルテのようなものが作成されているわけでもない。

○有賀座長 
 これは救急医療に特化したわけではなくて、もっと広い相談、医療相談。

○石井構成員 
 実際にデータをいろいろ見せてもらっているのですが、広い意味では子育て相談がメーンなんです。もう一つは、医療の今困っていることに対する相談、この2つが含まれたものが、この電話相談なんです。子育て相談、要するに全国共通の部分が物すごいボリュームがあるということ。もう一つは、医療部門に入る部分が今言ったような状況なので、例えば、東京以外に在住で東京にアクセスすることも可能だし、その逆もある。その辺はファジーなんですよ。つながりにくいというもう一つの特徴があります。時間的に集中する準夜帯のところで全国でジャミングを起こしているんです。だから、これをどうするかという議論をすると、結局は全国センターをつくってくださいという話が、やっている小児科医会の先生方からずっと要望があるわけです。
 もう一つは、それさえあれば最初の議論のような事後検証の制度であるとか、精度管理、一般情報は全部まとめてこちらで地域の情報は地域で受ける、一般の子育て支援のためのアクションは別のところに置いておけば、いつでもそこから持っていけるというものがあるはずなんです。そういうことになっているんですよ。
 だから、課題という中の4が一番大事ではないかと。現場でやっている方々からも言われる。それから、いわゆる民間の請け負っている業者の方からも同じ話が出ています。まして、民間の請負だと、例えば、受けている民間が同じ県の中で全部完結するかどうかもいろいろな例があるらしいんです。ということからすれば、やはり全国センターの創設が次のフェーズをつくるきっかけになるのではないかと思います。

○有賀座長 
 4というのはどのページですか。

○石井構成員 
 現在の課題が3つしかないので、ここに4という項立てがあって、そこで考えなければいけないのではないかと思います。

○有賀座長 
 事務局に確認しますが、♯8000で小児の救急医療機関との連携と書いてありますが、その件は今までは余り議論されてきていなかったということでいいのですか。私は、いわゆる最近の♯7119とかなり重なっているのかなと思いながら、8000の位置づけについて確認したかったので聞いているのですが、どういうことですか。

○中林小児・周産期医療専門官 
 こちらに関しては十分伝え切れていなかった部分がございますが、あくまで第一には緊急度判定、要は、患者さんが受診すべきかどうか迷っているときに、その助言についてお手伝いすることと考えています。ただ、患者・家族からすれば、どこが不安なのかについてなかなか区別がつかないところもあるので、相談内容については一部不明瞭になる部分はどうしてもあると認識しています。

○横田構成員 
 今の♯8000のことについて石井構成員の話を聞いて私も思ったのは、♯8000は救急のためだけではなくてという話が出てきたときに、そうなのというのが日ごろ我々医療従事をしている人間でも正確に把握できていない。市民・国民レベルから見ると、♯8000、♯7119、それ以外にも心のケアの相談室もありますが、市町村単位で見ますと、電話相談の窓口というのは10を超えています。言い換えると、一体どこへ相談すればいいのかわかりにくいというのが本音ではないかと思います。そういう意味で言えば、少なくとも医療にかかる相談ごと、救急から子育てまで含まれるのかもしれませんけれども、あるいは精神的な心のケアも含まれるのかもしれませんが、わかりやすい仕組みをまずつくって、そこでの役割分担を整理していただかないと、パッチワーク的にやっている業務はなかなかうまいこといかないというのが実態だろうと。
 きょうは総務省消防庁さんも来られていますので、救急についての相談ごとといえば、例えば大阪ですと♯7119を導入しました。従来から♯8000があって、これは医師会等々の中でも絶えず議論のあるところでして、どっちがどうだとか、府民から見ればわかりやすい1つの窓口にできないのかというのがあって、そういう観点で整理をしてみることも必要なのではないかという気がします。

○加納構成員 
 現状認識を確認したいのですけれども、資料4の6ページを見ると、今の議論で行くと、♯8000というのは小児の救急というのは、えてして現在の母親の資質の問題があって、子育てという問題も非常に大きな問題だと思いますが、平成23年度のその他の17%に、そういったことが入っていると認識していいのですか。

○中林小児・周産期医療専門官 
 そのとおりでございます。

○加納構成員 
 ということは、8割以上は救急相談で対応しているという認識でいいわけですね。

○中林小児・周産期医療専門官 
 そうです。

○阿真構成員 
 ちょっと戻るのですけれども、年配の方とか小児ではない方に関しては検査が必要だと思われることとか、軽症か重症かわからない、休日・夜間においてそういう方は病院に行ったほうがいいと、ある程度の病院に行きたいという気持ちをお持ちの方もいらっしゃると思うのですけれども、小児に関してはちょっと違っていて、本当にただの熱とか、吐いて止まらないとか、本当に不安でただ診せたい、とにかく近いところがいいという方はとても多いです。私たちの会でも何年も前にアンケートをとっているのですけれども、休日・夜間であっても近いところがいいという方はとても多いのですが、実際に最近なんですが、10時半まで毎日診てくれるクリニックが都内にできたのですけれども、そうすると、今度はそんなに近いところではないのに、そこがいいとみんな言うんですね。それはなぜかというと、多少遠くても行きたいと言うということは、みんな救急に行くほとではないというのはわかっているんです。でも、ただ診せたいというのは、大丈夫と先生に言ってもらいたいという気持ちがすごくあるので、♯8000の絡みで言うと、電話の向こうの方に大丈夫と言ってもらえば落ち着くところはあるのですけれども、でも、電話の向こうの方というのは大丈夫という言葉をなかなか言ってくれないですよね、当たり前ですけれども。診ていないということはすごく大きな問題で、大丈夫と言ってもらいたくてかけているのですけれども、大丈夫という言葉をなかなか引き出せないということがあります。
 ♯8000のことで言うと、以前に総務省、消防庁さんの検討会でお話ししたことがあるのですけれども、日本小児保健協会が主催で、♯8000の相談員を集めて、私たちが模擬患者をやって、同じケースについて相談していくというロールプレイをしたことがあるのですが、例えば、同じ5歳のお子さんでこういう熱で、こういう下痢があって、嘔吐があってと、同じケースを同じように相談しても、相手によって全く違う、すぐ救急車という話もあれば、翌日まで見ていても大丈夫という、その状況を目の当たりにして、これは本当にトレーニングがものすごく必要なことなんだなということがわかったんです。相談員というのはすごく難しい業務で、直接診ることもできなくて電話しかできない状況で、お母さんが不安で、不安で子どもの様子をかなりオーバーに、こんなの見たことありませんという感じで言うと、すぐ救急へとなっていきますし、これは相当トレーニングが必要だなと思いました。
 日本小児保健協会ではトレーニングしているわけですけれども、♯8000が全国にあるということはすばらしいのですが、なかなか1カ所に集まって研修することができないというところもあって、それはすごく難しい点だなと思っています。相談員の研修が必要だということと、あとはせっかく全国にあるので、親に向けて親の不安を解消するようなプログラムができるのではないかと思っています。私たちの会でも講座を受けた親御さんが、受診行動が変化していくというところをとっているのですけれども、それは、結果として出ているので、♯8000が全国にあるということで親に向けた講習というのはできるのではないかと思います。
 あと、最初に戻ってしまうのですけれども、久保構成員から御指摘のあった小児科の先生の数ですが、開業医の先生が圧倒的にふえているというのは本当にそのとおりだと思います。
 あと、もう一つは女医さんがすごい数だと思います。どの世界でも当たり前に言われていることですし、女性が働き続けられれば大事な医療資源だと思うので、そういった取り組み、休んでしまってそのまま医師としての仕事をされていない方もたくさんいらっしゃいますので、そういった方が働きやすい環境を個々が努力するだけでもなく、そういった仕組みをつくることが大事ではないかと思います。
 以上です。

○有賀座長 
 どうもありがとうございます。
 ♯8000はまだまだ問題がありそうですが、随分示唆的なお話がたくさん出たと思います。資料5は市川構成員に御発表いただいたもので、特に救命救急の部分を少し分けながら集約化していくというお話だと思いますけれども、こちらは何かございますか。

○石井構成員 
 事象的に見ていけば確かにこういうパーツがあります。ですから、本当に拠点病院に集約された専門医集団がいて、そこと連携がとれるかどうかということ、おっしゃることはよくわかります。問題なのは、今まで保険診療のあり方は地域医療をベースにして、地域で子どもを産み・育てる、そのバックアップを何とかつくっていきたいということで今まで来たわけですね。その上でこういう話になりますと、いろいろなパラダイムが変わってくる部分があると思います。例えば、地域医療計画の中でベッド数の規定があって、今はもう一回つくり直しています。ところが、例えば集約的なところ、また、そこに連携したような、地域の拠点病院に2週間入院するというのはあり得ないはずで、仮に、アメリカ的なほんの1日とか数日で、残りはまた戻ってそちらで診てもらいなさい、あとは連携でやりましょうみたいな形になった場合、トランスポートのシステムも地域を超えなければならないし、そこから始まって病床数も、常にどちらもとれる状況にしておかなければ、ジャミングを起こしたら集約化して全部だめになってしまったら、どうしようもないわけです。だから、その辺の数字のつくり方とか運用も全部、滑りがいい部分、遊びの部分と言ってしまうと遊びだろうと言われるし、養生と言ってもあれですし、いい表現がないのですが、そういう部分をとって全体で見ていかないと、全く動かなくなると思います。
 災害のときに何が起きたかと考えれば全くそういう状況で、ベッド数を各地で全部減らしたことによって、ドクターやいろいろなリソースもそれに合わせてしまっているものだから、東北地方もやりようがなかったわけです。後ろに後ろにと何度も運ぶような状況があったわけです。ですから、小児でスーパーAのようなシステムを何とか動かしたいと言ったときには、全部見直す必要があると思います。今のようなガチガチで縛るような形では、とても運用できないのではないかと思います。ですから、そこは政策をどちらをとるのかを、これは周産期も同じだと思いますが、その辺がきっちり提言できるような、ましてや精神科でも多分そういう部分が出てくるのではないかと思います。

○横田構成員 
 石井構成員がおっしゃることもそうなのでしょうけれども、私は市川構成員のお示しになったカテゴリー、今ある小児科の、あるいは救急医の小児科への関与、特に重症例の小児にどう対応したらいいかという方法として、あえてこういう区分をお示しになったというのは、地域でどういう医師を集めればよいかという意味においては非常にわかりやすくなりました。例えば、外傷、熱傷のような重症例は、従来の救命センターが一応受けるというような意味において、そこへ小児科医がコミットすれば何とかなるだろう。だけれども、先天性疾患のような少し専門性の高いものについてはどうするのか。例えば、小児の専門センターからの遠隔医療も受けながら、支援を受けながらやるのか、それはまた考えないといけないと思います。そういう意味において小児科の専門の先生たちがこういう整理していただくということは、救急対応をしていく上で非常に重要なのだろうと思います。
 もう一つは、完結しろと言っても、0.5%のまたその中の頻度だと思います。そういう意味においては、過疎県、過疎地域で完結しろと言っても、ある特殊な先天性疾患の急病は無理だよということになれば、当然県を越えてでも、あるいは県域を越えてでもやりとりはしないとだめなのだろうと思いますので、数はそんなにないのだけれども、少ない数の重症例を対応できる医療スタッフも少ない中でどうやればいいかという点においては、大変わかりやすい構成を示していただいたのかなという気はいたします。
 以上です。

○石井構成員 
 方向性はこうなのだろうと思うので言っているわけですよ。こうすればよくなる、では、今までのとおりの中にポンと乗せればいいだろうという議論ではないのではないかということを申し上げたわけです。

○久保構成員 
 まさに私も賛成です。周産期も同じような状況で、特殊性があるのですけれども、やはり今問題になっているのは集約化で三次施設にどんどん集まってきて、そこからのバックトランスポートができていない。このことは、以前の議論に出しましたけれども、ほとんどの全国の総合周産期センターの意見です。搬送で集まった重症患者をある程度よくして二次施設に戻したいというバックトランスポートですが公共の救急車を使えない。一応、総合周産期には救急車を置けと言っていますが、専任の運転手が雇用できず道を知っているタクシーの運転手が運んでいるのが現状です。バックトランスポートにすごく不安があるのでできない。だから、総合での加療が必要ない患者が拡散できないから新たな総合での治療を必要とする救急がとれない。特殊な総合周産期センターを活かす方法があるのに、今、救急車の運用に関してはすごく大きな問題になっています。たとえば成育にも関東広域から救急車で患者が来ます。治療で良くして次の患者をとりたいから搬送元の県外に帰そうと思ったら救急車はだめなので、しようがないから寝台車を借りて帰る。搬送中の患者管理が不十分とか、患者さんの負担でなかなか難しいのでできない。このことはどこかで議論してほしいと思います。
 それから、もう一つあるのは、トランジションと言って先天性疾患の小児が大人になってしまうんですね。その人たちが成育でも循環器科の患者の半分以上を占めています。そういう人はどっちも診てくれないです。成人の循環器科でも診てくれないし、小児の循環器科でも診てくれなくて、そういう人たちが悪くなっても対応できない理由で。それは特殊なところでやればいいのですが、そういう概念もどこかで入れていただきたいと思います。

○有賀座長 
 確かに、先生のところの成育などは千葉からヘリコプターが飛んできますものね。帰りはヘリコプターで帰るわけではありませんよね。

○久保構成員 
 はい。帰れませんし、来たお医者さんは自分でタクシーや新幹線で帰っています。

○横田構成員 
 よろしいですか。小児の救急医療は市川構成員がお示しになったことのもう一つの裏返しで、ここでお示しになっている小児の初期・二次救急医療の部分、いわゆるボリュームの多いほうの対応をどうするか。要するに、日常診療の中でも初期救急という中で忙殺されている小児科の先生たちの支援という意味でER型の救急医だとか内科医だとか他の診療科も入っていただくことでやれないかということなのですが、これが意外とむつかしい。日ごろ、病院の中でしばしば議論になるのですけれども、小児科医として現実的なところはどうなのですか。

○市川構成員 
 とても大事なところを指摘していただきましたけれども、小児科医の中にも小児救急医療を嫌っている連中はたくさんいました。だから、小児科医が小児救急医療にもっと汗をかかなければいけないということを言い続けてきたのですけれども、それと平行して最後のスライドでお示ししましたけれども、更なる課題として、御家族の専門医志向がかなり足かせになってきているというのが現状です。そういう意味で、どうしても小児科専門医が良いというところで、ほかの先生方が診てあげるよと言っても、もう嫌だというふうになることが多いということで、この専門医志向の問題解決にはいわゆる国民的なコンセンサスが得られないといけないのではないかと思っております。

○阿真構成員 
 最後のスライドのところだと思うのですけれども、確かに親は小児科医かそうではないかというふうに見るのですが、例えば、内科の先生であるとか、救急の先生が小児をちゃんと診られるんですよということがわかれば、それはすごく安心なんですよね。ちゃんと研修を受けていて、ワッペンなのか、ポスターなのかわからないですけれども、この先生は救急の先生だけれども小児も診られるんだということがわかれば、私たちはそんなに専門的なことをわかっているわけではないので、そういう研修をきちんと受けたちゃんとした先生なのだということがわかれば、絶対小児科医じゃなきゃ嫌だとごねるところはないのではないかと思います。

○有賀座長 
 実はなくもないんですよね。私たちは、実は内科の先生も診ていいと言うんですけれども、お母さんから言われるから、やっぱりやめようと。

○久保構成員 
 成育の救急の委員会でよく議論になるのは、この図と同じで本当に準夜帯が多いのですが、確信犯がすごく多い。朝から熱が出ているけれども、夜になって仕事が終わってからお母さんが連れてくるみたいな。それが12時を回るとドンと減ってしまうんです。今はお金を取るということで実際にやっていますが、その辺にもうちょっとセーブをかけるような経済的なものを導入しないと、そういう志向は変わらないのではないかと思っています。それが小児救急の担い手の負担にすごくなっているのは明らかだと思います。先ほど軽症が多いと言ったのは、逆にその中に確信犯がすごくいるという意味だと思います。

○有賀座長 
 多少、重篤でもやりがいがあると言うのはおかしいけれども、本当に困っているのだったら頑張ろうという話は医療者としてはシンクロできるわけですね、気持ちの上で。確信犯みたいなものが来ますと、なえてしまうというか、嫌になってしまうというか。だから、同じ3時間働き続けるということがもしあっても、やってやろうという感じで頑張った日は、疲れてはいても別に疲れたも何もないんですよ。だけれども、3時間ぶっ続けで確信犯と戦った日には、もうこんなのは勘弁してくれと、そういうことですよね。

○久保構成員 
 ピークは2つあるんです。1つは準夜帯と、もう一つは朝の7〜8時ぐらいの両親の出勤前の時間で、そこに連れてくるんですよね。そういうのは絶対に許せないというのはすごく聞きます。

○阿真構成員 
 わかりました。親の集まりは山ほどやっていますので、大事なことは伝えたいと思いますけれども、一方で、私の周りでもシングルがふえていて、シングルでなくても働いている方がふえていて、仕事が終わってからどうしても連れていかなくてはいけない、保育園側から必ず連れていけと言われたりということもあるんです。それも保育園側の知識が足りないというか、そういうことがもう少し充実していれば、このぐらいだったら家で大丈夫ですねと帰されるのですけれども、きょう必ず行ってくださいというような指示があったりもしますので、必ずしも親だけのあれではないかなと思います。

○有賀座長 
 こんな言い方をしていますけれども、先ほども鈴川構成員と話していたのですが、圧倒的多数の患者さんたちは、いい患者さんたちなんですよ。困って見えているんですよ。だから、♯7119のときの都民に対するいろいろなシンポジウムをやったときに、黄色と言われたので勇気を持って来ることができましたと。そうでないと、こんな時間に来て叱られてしまうのではないか、だけれども、勇気を持って行くことができましたというお母さんがいて、そういう人たちが多分マジョリティーだとは思うんです。誤解を招くような医療者の発言が続いたのかもしれませんけれども、私たちの気持ちはそういう意味では助けなくてはというのがある。けれども、くじけてしまう人も中にはいると。それは結構、脳みそに記憶としてよく残るということですね。
 小児ばかりやっているわけにはいきませんが、いずれ関係してくると思いますので、次に進みたいと思います。次は、母体救命事案における救急医療機関との連携ということで、資料6、資料7、資料8ですが、事務局から皮切りにお願いします。

○中林小児・周産期医療専門官 
 それでは、資料6「周産期・母子救急の現状」について御説明いたします。
 2ページ、産婦人科医師数の推移をごらんいただきます。こちらについても先ほども御指摘がありましたが、それを踏まえて現状だけお話しさせていただきます。平成12〜22年にかけての産婦人科医師数は、こちらに示されているとおりです。
 3ページです。産科・周産期傷病者の救急搬送における医療機関の受け入れ状況をごらんいただきます。医療機関の照会回数4回以上の事案が全体の4.6%、現場滞在時間30分以上の事案が6.9%でございました。こちらにつきましても、小児の場合と同様に、首都圏、近畿圏など大都市部で認められます。
 4ページ、母体及び新生児の搬送受け入れについてお示しいたします。平成23年に実施いたしました周産期医療ネットワークに関する実態調査において、左の円グラフでございますが、約7割の総合周産期母子医療センターでNICU(新生児集中治療管理室)の病床利用率が90%を超えておりました。
 また、右の表でございますが、母体・新生児の搬送受け入れが困難である理由として、NICU満床と回答したセンターが9割を超えております。
 5ページです。母体救命に関する経緯につきまして御説明いたします。平成18〜20年にかけまして、奈良県及び東京都で発生した合併症を持つ妊婦の受け入れ困難事例を受けまして、厚生労働省では「周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会」を開催いたしました。討議していただいた結果、今後の方向性として周産期医療対策事業の見直し、救急患者搬送体制の整備や搬送コーディネーターの配置などによる救急医療情報システムの整備などをお示しいただきました。これに基づいて厚生労働省は、周産期医療整備指針をとりまとめ、各都道府県において平成23年度より周産期医療体制の整備をお願いしているところでございます。
 6ページです。周産期医療をお示しいたします。リスクの高い妊産婦や新生児などに高度な医療が適切に提供されるよう、周産期医療の中核となる総合周産期母子医療センターや、それを支える地域周産期母子医療センターの整備、地域の医療施設と高次医療施設の連携体制の確保など、周産期医療ネットワークの整備を推進しております。治療が必要な赤ちゃんを受け入れるNICUの整備も並行して行ってまいりまして、平成26年度までに出生1万当たり25〜30床を平成22年の閣議決定で行いました「子ども・子育てビジョン」で目標といたしまして、平成23年現在、全国平均で26.3床まで整備を進めております。
 資料6に関する事務局からの説明は以上でございます。

○有賀座長 
 ありがとうございました。また質疑はまとめてと思いますので、よろしくお願いします。
 では、資料7を三重大学の池田先生、よろしくお願いいたします。

○池田参考人 
 三重大学の池田でございます。私は、今ありました平成21年の「周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会」にも出させていただきまして、平成18年から厚労省の母体死亡研究班の主任をしておりまして、今年が8年目になります。平成18年の大淀事件では国立循環器病研究センターにおりまして、実際に搬送されました患者さんの帝王切開を脳外科の先生とともに帝王切開させていただいております。
 1ページですが、母体死亡者数の推移です。「健やか親子21」で、10年先には半分にするという目標でしたが、その当時80〜100ありました妊産婦死亡は40〜50と半減しております。ただ、母体死亡はどうしても過少登録ですので、平成22年から日本産婦人科医会とともにリアルタイムに報告していただきまして、私たちの厚労省研究班で一例一例原因を分析するというところで現在それでも40〜50、60と、去年はちょっと多かったのですけれども、それぐらいの妊産婦死亡が出ております。
 妊産婦死亡というのが、出産という人生の中でハッピーなときとのギャップが非常に大きいということで、社会的な不安ということで救急などでは妊産婦死亡が取り上げられたわけですけれども、実際に死亡までは至らないニアミスケースがどれくらいあるかと言いますと、年間100万の分娩の中で4,000〜5,000、250分娩に1例そういったことが起きます。アフリカの現地ではそれが全部死亡するということで、死亡は10万人に400〜500と推定されますが、我が国の妊産婦死亡率は10万人に4ということでアフリカの約100分の1、これが医療体制として減少させているものだと思います。
 その中で、先ほど申されました産婦人科医数というのは1万弱ですので、実際に分娩数を医師数で割りますと、我々一人当たり年間110〜100ぐらいの分娩をしないといけない。これが各都道府県で見てみますと、128を超えますと周産期死亡率が高くなります。例えば、埼玉、茨城、千葉は医師数が足りませんので、周産期死亡率が高くなっているという状況でございます。
 さて、母体救急に関しましては、先ほど申しましたように4,000ぐらいの危機的な状態が起こる、そしてプラスアルファがありまして約5,000ということですが、これは周産期救急というものが、先ほど一番最初のデータで年間500万ぐらいあると言われましたが、5万ぐらいの約100分の1%が周産期救急でして、そのうち5,000ですので、周産期救急うち10%が母体関係、あとの90%は胎児関係です。
 3ページですが、その中で母体の死亡の原因疾患は、我が国で一番多いのが産科危機的出血で、お産の後の出血がメーンでございまして28%です。これは例えば、イギリスでは10番目ぐらいの死亡原因ですので、我が国では出血が非常に大きなウエートを占めているということが言われています。ある一説には、我が国の分娩施設が分散化していると。3,000分娩施設がございますが、そして年間分娩数が100とか300とか小規模なところが多うございます。分娩する数も約50%が診療所で分娩しておりますので、これが欧米では少なくとも1,000以上、普通では1万という大きな分娩施設があるということ。そこには、貯血やいろいろあるので、やはり日本はそういった意味で出血死が多いということもありますし、逆に、町のお医者さんはアクセスが良くかかれているという日本の医療施設の現状がございます。
 2番目に多いのは、実は2つございまして、心肺虚脱型羊水塞栓症というものでございます。それと、脳実質内出血とくも膜下出血を合わせますと19%ですので、妊産婦死亡の2位は羊水塞栓症と脳出血でございます。肺血栓塞栓症は、実は厚労省の統計では肺血栓塞栓症と心肺虚脱型羊水塞栓症を一緒にして産科的塞栓症という統計になっておりますので、これは全く違う病気なので分けなければいけないということで、我々の死亡班ではこのようなデータでございます。
 それから、意外と心血管疾患というのが4番目の死因でございまして、これも大動脈乖離とか心筋梗塞、心筋症といったものがございまして、11%でございます。
 そういったことで、直接産科的死亡、妊娠しなければ起こらないというカテゴリーが約5割、それから、間接産科的死亡、妊婦でなくても起こり得るというものを分けていますけれども、これが半分半分ぐらいですが、10年前はどうかと言いますと、間接死亡が2割ということで、最近とみに脳出血、感染症、心疾患、精神疾患のようなところでの合併症、すなわち他科のドクターと協力しなければ、この死亡は減少させられないだろうという疾患がふえております。
 4ページですが、母体死亡症例における心停止の発生場所を我々の研究班で見たもので、産科危機的出血と産科危機的出血以外に分けております。注目していただきたいのは、約半数は高次施設機関以外の施設からで心肺停止が起こっている。特に、出血の場合、救急車内での停止、それから、ここには書いてありませんが、送られてすぐのERで心肺停止しているということで、やはりここも一次施設から二次施設、三次施設への搬送のタイミングや、その場での輸液・輸血の問題が研究班で指摘されております。
 5ページは、救急医と産科医の連携ということで、厚労省でアンケートをとっていただいた結果でございますが、救急医と小児科医、産婦人科医の連携がとれているか?というアンケートで、救命救急センター258カ所にお聞きしたものでございます。ほぼ9割方はとれているとお答えになっております。
 今度は逆に、周産母子センター377カ所のうち、各科医と連携して脳血管障害、心疾患及び多発外傷を伴う妊産婦の診療体制がとれている施設の結果ですが、88%ぐらいありました。これが平成18年に私たちの研究班が行いましたときには、8割を若干切るということでしたので、この7年間ぐらいで約10%ぐらいふえているというお答えになりました。
 6ページです。救命救急センター259施設、周産期母子医療センター377施設でございますが、この両方併設している、それから救命救急のみ、周産期のみというところがどのように連携をとっていくかということですが、周産期センターは今92施設、総合周産期センターというものがございます。7年前の我々のアンケートでは60でございまして、墨東病院、奈良の大淀病院にインパクトが大きくございましたので、そのときに9の都道府県が総合周産期センターがなかったのですけれども、この9年間でほぼ全県にできたわけでございます。
 しかし、我が国の周産期センターの成り立ちというのが、子ども病院から発しているところがございまして、約8つでしたか、各県では県立子ども病院というのが中心となっているところで、そこにはお産の施設がないという歴史がありました。7ページですが、そのようなことで周産期の場合、重篤な脳血管障害、心血管障害、外傷、出血を中心とします産科合併症というものがどれくらい診療されているかです。脳血管障害の年間発生数、患者数が272、心血管障害が330、外傷が385、産科合併症が2,118ですが、いわゆる脳血管障害、心血管障害、外傷は300そこそこですので、余り経験がない診療所が約7〜8割でございまして、非常にまれなこういった疾患、しかし、母体死亡につながるような疾患をどのように連携をとってやっていくかというのが課題でございます。
 8ページですが、重症妊産婦の診療の流れということで、高次医療機関には救命救急センターも含まれるわけでございますけれども、自宅で急変してから2つの流れがございますが、妊産婦さんはどのような流れを好むかといいますと、我々が2回アンケートを行いました。脳出血の患者さんのデータで、脳出血が起こっても約8割の方は産婦人科を受診しております。最終的には脳外科、救命救急に行くのですが、いわゆる産婦人科の場合一次、二次、三次といいますのは疾患の重症度ではなくて、まず一次で個人開業医さんに行って、二次で市中病院に行って、三次で総合周産期に入るということで、自宅急変、診療所受診、高次医療施設搬送の流れが多いということでございます。
 9ページで現状と課題ですが、現状は母体心停止の約半数がかかりつけ医で、先ほどは申しませんでたけれども、ほとんどローリスクの疾患です。それから、産科救急はどこでも起こる、いつでも起こるということでございます。それから、救急医と産婦人科医の連携体制はとれつつありますが、それぞれの診療連携施設は必ずしも一致しないということで、80%ぐらいがこの8年間で90%になったのですけれども、まだ不十分だと。産科と救急の流れがその会議では少し盛り上がったのですけれども、その後具体的なところに発展してないというのが現状でございます。
 課題でございますが、救急医との連携をとりつつ、かかりつけ医から迅速に転院搬送するためのシステムが必要ではないか。先ほど言いましたように、日本では3,000という分散型のお産施設の弱点をどのようにカバーしていくか、そして、最近、間接妊産婦死亡で産婦人科だけではやっていけない疾患をどのように他科と連携、特に救急と連携してやっていくかということが問題でございます。
 診療科のみでなく、病院間の我々の連携も問題ですし、母体死亡の原因となり得る頻度の高い疾患を中心に、その特徴を踏まえた搬送基準を定める必要があると思っています。
 以上です。

○有賀座長 
 どうもありがとうございました。
 では、引き続いて資料8を久保構成員にお願いいたします。

○久保構成員 
 きょう与えられたのは東京都のスーパー周産期センター搬送の話ですが、最初に追加資料が1枚ありまして、それは先ほど小児科医の数のところにクレームをつけたのと同じで産婦人科の数も、実は産婦人科の先生の中には、もちろん腫瘍や生殖内分泌もやります。かなり高齢の方もいらっしゃるわけです。追加資料の1ページは、白いところが先ほど医政局が示された産科・産婦人科の数です。黒いところが分娩施設をすべて把握しておりますので、そこで働いている産婦人科の数です。そうしますと、約7割しか分娩に携わっていないという数です。
 2ページは、その中で、実は男性医師はほとんど変わっていなくて、女性医師がふえていて、それも妊娠中、育児中の女性医師がふえている。ですから、この数でいくとまた8割になりますので、実質的にはトータルでいくと医政局調べ5割ぐらいしか分娩担当の産科医がいないということです。ですから、我が国の産科医1人当たり200件以上お産をやっているのが現状で、先ほど池田先生から128という数が出ましたが、実数からいくと200件以上やっているので、年間100件のお産が現実的と言われていますがとても足らない数の産科医でやっているということでございます。
 さらに、男性医師の中には生殖医療従事者、うちでも産婦人科医が40〜50人いますけれども、そのうち生殖内分泌をやっている人が7〜8人いますので、その数もこの中に入っているわけですので、実はもっと少ないというのが現状でございます。
 では、スーパー周産期の話をさせていただきます。
 産科の救急搬送システムには2通りの体制がありまして、1つは、地方でピラミッドが完成している、最終搬送先がそこしかないという地方型です。それと、東京とか大阪とか大都市型というのは、多対多ですので、これは産科救急で墨東病院の事件の時もあったのですけれども、搬送先を探すのに二十何回あったというので大騒ぎになったのですが、病院間周産期搬送では30回、40回というのは当たり前です。それが、例えば埼玉、千葉からでもうちに搬送があるときには、30回目です、40回目ですというので、総務省での数は救急隊にお電話がかかってきた数ですのでもっとある。そこで起こった事件に対しての一つの東京都の回答が、スーパー周産期システムでございます。
 3ページに対象症例とありますが、これは実は先ほど池田参考人が示された250人に1人という、これは私がやった全国調査ですが、そのときに対象とした疾患です。こういうものを重症妊婦としていこうというのがスーパー周産期の対象疾患で、妊産婦の救急疾患、産科救急、それから、重篤な症状、けいれんや頭痛を一応対象としようということでシステムがスタートしております。
 4ページです。輪番制で今は4施設あるのですが、スタート当時は3施設でした。それも3施設の中でどこかが請け負うということですが、その辺のシステムとしては2つあります。
 5ページは一般通報ですから、普通の患者さんから救急に電話があった場合。6ページは、一次産科施設からお電話があった転院搬送ということで、基本的には多くは違わないのですが、最終的にスーパーが受けるのですが、その近くの救急で診られるところがあればそこに行くということで、すべてがスーパーに行くわけではないですが、結果的にはすべてを受け入れていただいていると。
 何で転院搬送になるかといいますと、転院搬送の比率が8ページにありますが、一般の救急の場合は転院搬送は非常に少ないです。しかし、周産期の場合は転院搬送が半分以上を占めている。すなわち、先ほど池田先生がおっしゃったように、一次産科施設にまず来てから行くというのが一般的です。そこで搬送先を探しますので、この2つのシステムがないとだめだということでございます。
 11ページに227例の昨年9月までの搬送成績を示しております。227例のうちで71%が重症か重篤ですので、かなりそういうものが集約されている。もちろん、軽症、中等症もありますけれども、特に転院搬送のほうが重症が多いということでございます。
 搬送疾患としましては、産科救急が6割、救急疾患が2割、1割が重篤な症状でございます。
 病院の選定時間としましても、10分以内が73%ですので、以前と比べますと随分改善したということで、早く運べるようになっております。
 12ページが母児の予後でございます。結局、227例中11例、約5%が亡くなっているわけですが、亡くなっている症例は脳出血が3例、羊水塞栓が2例、肺梗塞が1例、出血が1例、胎盤早期剥離が1例、それから、A群溶連菌、人食いバクテリア1例ということで、やはり脳出血、羊水塞栓はこのシステムを使っても救命できない。ただ、そこまで医療が受けられる状況になったのは改善がございます。
 ただ、これは母体救命をメーンにしたシステムでございますので、実は児は約2割ぐらいを失っております。そのうちで圧倒的に多いのは常位胎盤早期剥離で18例ございます。こういうことがわかってまいりましたので、この1月から東京都では常位胎盤早期剥離に関しては、それがわかった時点でともかく総合なり地域はとる、帝王切開して出す、赤ちゃんをそこから搬送してもいいということで1月からスタートして、赤ちゃんも救命するような、すなわちスーパーに頼らない常位胎盤早期剥離の体制をスタートしているところでございます。
 13ページは、開始後いろいろな検討事項があって、新生児搬送の体制とか、オーバーベッドの問題とか、患者への説明とかありまして、これは東京都のいろいろなところで議論をしていただいて一個一個解決していますが、解決できていない部分もあります。
 14ページですが、成果としましては、重症・重篤な母体救急を、ともかく多数搬送が加納であったということと、7割以上は10分以内にできたと。死亡率も5%以下にできたということで、これまで救命救急センターと周産期センターというのは、東京都ではこのシステムで初めて連携をさせていただいて効果を上げたということでございます。
 ですから、東京都のこのシステムが多対多の大都市型で普及していけば、同じ成果を挙げられるのではないかと思います。
 ただ、問題点としましては、搬送された母体の児の約2割が救命できなかった。これは先ほどの話のとおりでございます。それから、広域からスーパー周産期、総合への症例が集中したために、新規の入院が非常に制限されているという状況があります。このことを改善するために、症状の安定した母体、新生児を搬送元に返す体制が必要だと思いますけれども、これに救急車を使えないということが非常に大きなネックとなって、全国の総合周産期からクレームが来ております。ぜひ、これについても改善ができればと考えております。
 以上でございます。

○有賀座長 
 どうもありがとうございます。
 3番目の議題、母体の救命事案における救急医療機関の連携ですが、何が御意見ございますか。
 久保構成員のお話の最後の元の施設に戻るとか、自分の家に戻るというときに、公的な支援体制というのは全くないのですか。患者搬送用のタクシーみたいなものがありますよね。ああいうものを後から保険で補うという話は、やはり下りはだめなのですか。上りはありますよね。長野県から東京へ運んだときに保険でという話があったんですよ。全くないのですか。

○辻救急医療専門官 
 確認して、また御報告いたします。

○久保構成員 
 今はそういうのは聞いておりません。

○長谷川指導課長補佐 
 医療機関からの下り搬送に関しましては、通常はその医療機関でお持ちの搬送車であるとか、あとは患者様の御負担で民間の搬送事業者を使っていただくかのどちらかになろうかと思います。あと、消防機関に下り搬送に協力いただいているケースもありますが、あれはあくまで消防機関の本来業務ではなくてサービス的な形でやっていただいています。

○久保構成員 
 もちろんそれは理解しているのですが、ただ、現実的な総合周産期センターの搬送システムの救急車の設備はめちゃくちゃ貧相なんですね。運転手も、うちでしたら総長の運転手が運転するので場所も全然わからないと。中の設備も、救急車と言いながら消防救急の設備が全くないので電気も使えないとか、いろいろな制限があります。それから考えると、よくなって帰るならわかるのですが、こちらとしてはまだ点滴をしているとか、中等症になったので帰そうと、そして重症を次にとろうというときに公共の救急車が動いてくれないということでございます。

○石井構成員 
 これは周産期の場所だと、いわゆる自由診療部分と保険診療部分と2つ混在しますよね。だから、それをどこでどう見るのだろうという制度設計は多分、例えば、自由診療部分の中にオプションをつけてもらうとか、保険診療で一律というのは、何をどこまで見るのかというのはなかなか難しいですよね。

○久保構成員 
 基本的に、お産に関しては自由診療ですけれども、こういう救急や重症はすべて保険です。

○石井構成員 
 そうなんですよね。だから、そうすると考える必要があるというのは、先ほどの小児の例も含めて、これは大人でもだんだんそうなってくると思いますけれども、下りの問題をどう考えるかというのは、こういう集約型とかネットワーク型の存立では、だんだん大きなボリュームになってくるでしょうね。

○有賀座長 
 引き続き医療が必要であるという状況をかんがみて、医療は向こうの病院で出発するところから保険診療だと。では、その間は全く関係ないのかというと、実はそうではなくて、お医者さんが一緒についていくとか、看護師さんがついていくとか、いろいろな医療が続いているわけですよね。そういうことについての社会的な支援について考えるのは、やはり仕組みづくりの一つではないかという御提案ですね。金がないからどうにもならないということを言っているわけではなくて。

○久保構成員 
 ですから、もしもその救急が非常に忙しくて軽症が多いのでしたら、その中の一部をこういうことに使っていただけたら、すごくありがたいです。

○有賀座長 
 ですから、グローバルに、地域の医療が少し広めに展開しているという話であれば、今のところ仕組みはないのかもしれませんけれども、そういう観点で成育医療研究センターから埼玉県だとか千葉県に行って治療を続けるということであれば、その間は治療がお休みという話ではないわけですので、移動も含めた形での社会の仕組みをつくっていかないと、上りでの集約は待ったなしなので、上りは比較的わかりすやく社会の支援があって当たり前だみたいなところがあります。実は全体がぐるぐる回っているわけですので、そういう観点でも考えていかないと、救急医療はいわばフローでいけば初めのあたりで、後ろもあるということで、後ろがあるから次の人のフローもできるという話ですので、ぜひ、その辺は問題意識としては持っていきたいなと思います。

○横田構成員 
 仰せのとおりだと思います。今、久保構成員が産科の下りの話をされましたけれども、診療報酬が変わって急性期の照会と受け入れの点数はついたのですが、現実的なところ、今度は急性期から準急性期の病院にお返しするときに、いつももめるのは、例えば私どものところですと、救急車は下り搬送には使えないので、ドクターカーを使うのか、寝台車で患者さんに負担していただくのかというのが絶えず問題になります。そういった議論が絶えずあるわけですが、患者さんが欲しい病院はサービスと称してお迎えが来るところもある。だからいろいろあるんです。いろいろある中でうまく泳いでいるという実態があるのですけれども、病院の機能分化が進んで、患者さんに切れ目のない医療を提供しろというのであれば、搬送手段についても医療費の枠の中で見ていくような枠組みをつくらないと、先ほどのような話が出てくるのだろうと思います。

○有賀座長 
 いかがですか。今11時50分ぐらいで、きょうは12時半までです。あと残り4分の1が残っているので、申し訳ないのですが突っ走りしたいと思います。許してください。
 では、緊急性の高い身体合併症があって、精神疾患、精神医学的な背景を持つ患者さんの受け入れ体制ということで、資料9以降になります。まずは、事務局からお願いします。

○友利精神・障害保健課長補佐 
 それでは、資料9に基づいて説明をしたいと思います。
 2ページ、精神疾患の医療体制、イメージ図でございます。御存じのとおり平成25年4月から医療計画に精神疾患が加わっておりますが、その精神疾患の医療体制の全体像をお示ししたものでございます。予防、アクセス、治療から回復、社会復帰、さまざまな位置づけがございますけれども、それぞれについて急性増悪した場合や、身体合併症あるいは専門医療が必要な場合がございますので、その関係性を示している図でございます。精神科救急については、上のほうにあります急性増悪の場合というところで関係してくるところでございます。
 3ページは、精神保健福祉法に基づく入院形態について御説明したものでございます。精神科の医療については、一般医療の任意入院以外に3つ入院形態がございまして、措置入院、緊急措置入院、これは自傷他害のおそれのある精神障害者が対象になる入院形態になっております。そして、医療保護入院は、自傷他害のおそれはございませんが、任意入院を行う状態にないものが対象の入院形態になっております。そして、応急入院は任意入院を行う状態になく、ただし、急速を要して保護者の同意が得られない方が対象になっております。この措置入院、緊急措置入院から応急入院については、精神保健指定医がかかわる必要がございますし、あとは、保護者の同意等が必要になる入院形態になっておりまして、一般医療の任意入院とは異なる入院形態が精神科ではございます。
 4ページは、総務省のデータでございます。救急隊からの情報に対して、医療機関から受け入れ困難理由として明確な回答があった内容の左から順位づけがされておりますけれども、一番左端の急性アルコール中毒、背景として精神疾患ありというものが受け入れ困難理由として上位に位置づけられております。そして、薬物中毒、認知症についても上位にございます。
 5ページは、障害者の背景別の搬送先決定までに要した時間の内訳でございます。真ん中の薬物中毒が一番時間を要している形になっております。そして、精神疾患患者、飲酒、認知症という形になっております。
 6ページは、救急搬送における医療機関の受け入れ状況等の詳細な調査結果でございます。全体と比べまして精神疾患を背景に有する者については、医療機関に受け入れの照会を行った回数も2回以上が2回、3回、4回という形で多くなっている状況です。同時に、現場の滞在時間についても、精神疾患を背景に有する者が全体に比べて長時間にわたる傾向がこちらからわかるかと思います。
 次に7ページですが、こちらが一般救急と精神科救急の連携における課題という形で、お時間がありませんので詳細には御説明できませんけれども、一般救急と精神科救急の間での連携不足、患者の紹介が困難、そして、一般救急については対応できる医療機関の不足、精神科の救急においては身体疾患への対応が困難といったさまざまな課題がございます。
 次に8ページです。以上のような現状を踏まえまして、平成23年9月に「精神科救急医療体制に関する検討会」が行われておりまして、報告がまとめられております。その中で今後の対策として、1番目、都道府県が確保すべき精神科救急医療体制をどうしていくか。2番目として、身体疾患を合併する精神疾患患者の受け入れ体制の確保をどうするか。3番目として、評価指標の導入をどうしていくか。それぞれについて報告がまとめられております。こちらの報告書をもとにしまして、参考資料2で添付しておりますけれども、「精神科医療救急体制の整備に関する指針」という形で平成24年3月付で通知を発出しております。
 次に、9ページですが、精神科の救急医療体制の整備についての御紹介です。平成20年度から精神科救急医療体制の整備事業が行われております。下の模式図にありますように、24時間精神医療相談窓口や精神科救急情報センターを窓口としまして、下にございます各機能を持った病院、常時対応型の病院、身体合併症の対応をする施設、輪番型の病院、さまざまな病院と連携をしているような事業でございます。
 10ページは、都道府県別の相談窓口や情報センターの窓口の設置状況です。冒頭申し上げましたように、医療計画の中に精神科医療が今回入りましたので、各都道府県におかれましても精神科救急医療体制整備事業を活用することによって、相談窓口、情報センターについても設置を進めている状況になっております。
 11ページは、先ほど申しました常時対応施設、身体合併症対応施設、そして、輪番の対応施設の病院数について、都道府県の状況をお示しした図でございます。
 12ページです。平成24年4月に精神保健福祉法の一部が改正されておりますけれども、2つ目で、都道府県の救急医療体制整備の努力義務を規定するというふうに、救急医療についても都道府県で努力義務を規定しております。
 13ページは、精神疾患の医療計画の詳細な内容になっておりますけれども、精神科救急や身体合併症、専門医療について、それぞれ目標や関係機関、医療機関に求められる事項を記載しておりまして、各都道府県がこれらに基づいて医療計画を策定することになっております。
 14ページは、現状を把握するための指標例として、このようなさまざまな指標を設けております。
 15ページは、精神疾患患者の受け入れ体制の現状と課題ということで、1つ目、急性アルコール中毒や精神疾患の既往、薬物中毒等が受け入れ困難理由となっており、地域で策定する搬送・受け入れの実施基準においてさらなる検討が必要ではないか。2つ目としまして、精神医療相談窓口や精神救急情報システムのさらなる設置を促すべきではないか。最後に、身体合併症を有する患者に対する救急受け入れ体制について、一般救急医療機関と精神科救急医療機関の連携強化を図る必要があるのではないかと、3つの課題を挙げさせていただきました。
 以上、資料9の説明です。

○有賀座長 
 どうもありがとうございました。
 では、引き続いて資料10、資料11にいきます。まずは、資料10の北九州市立八幡病院の伊藤先生、お願いします。

○伊藤参考人 
 市立八幡病院の伊藤でございます。よろしくお願いいたします。
 資料10の2ページをごらんください。本日の私のお話は、福岡県におけます精神科患者の救急搬送・受け入れの現状と、精神科患者の救急搬送の負担要因について、消防庁の委託で支部調査を行いました結果、それから、私たち救急医療側から見た問題点と今後の課題についてお話をさせていただきます。
 3ページをごらんください。まず、救急医側のスタンスとしましては、私どもは精神科患者のファーストコンタクトをとって、最初に身体合併症の有無等をしっかり検索することには何の異論もございませんし、もし、一旦受けられた精神科医療機関から精神合併症が心配だと御照会があれば、いつでも受け入れるという体制でおります。
 私たちが本当に困っていますのは、御本人や御家族が救急要請をされて救急車に乗ってこられる方の8割以上が、外来で済むいわゆるソフト救急の患者さんで、その多くが救急病院に搬送されておりますので、精神科医療機関の先生方にも相応の負担をしていただいて、一緒に診ていただければというのがスタンスでございます。
 次に、福岡県の現状をお話しします。5ページをお開きください。
 左側の表は、福岡県の消防法改正の実施基準後の18カ月間のデータです。約34万件の搬送件数のうち、5回以上の搬送困難事案は内科・外科・整形外科が多いのですが、精神科は大体4位ぐらいの位置づけになります。
 右側は北九州市のデータです。北九州地域は大体照会回数2回ぐらいで98%ぐらいが病院に収容されるのですけれども、その中でもやはり精神疾患になりますと4回以上の搬送困難例が他の疾患に比べますと10倍ぐらいの比率になって第1位を占めると、これが搬送困難の現状でございます。
 6ページは、身体合併症のない患者さんで、福岡県の実施基準によりますと精神科医療機関に本来行っていただきたいという患者さんの動向です。これは福岡県の1,269件の調査結果ですけれども、これを見ますと救急病院は大体時間帯にかかわらず39%、38%と救急を受け入れております。ところが、精神科医療機関につきましては、やはり時間外になりますと受け入れのパーセンテージが減りまして、その分はどこが吸収しているかといいますと、実は救急隊が説得して不搬送あるいは行き先がなくて自宅搬送で戻っているということです。時間外を対応している精神科情報システム、アンダーラインをしていますけれども右側の4%です。4%という受け入れですから、私の立場から見ますと機能していないのではないかという実態です。
 7ページは身体合併症ですので飛ばしていただきまして、8ページをごらんください。これは自傷行為事案の受け入れ先のデータですけれども、北九州市のデータで右側の2010年をごらんください。これは私どもの施設と、あともう一つの施設の2施設だけで搬送事案の46%を受け入れています。北九州市は18の告示病院がありますが、このように明らかに身体合併症がある事案を受け入れる病院と受け入れない病院が、救急病院でもここまで開きが出てまいりますので、そういう意味では受け入れている病院の負担がふえているという現実があります。
 9ページは、精神科情報システムがなぜ4%かという実態の理由です。福岡県の場合は実施基準を決めるときに、精神科患者のかかりつけ医の先生方が対応できない事案については、精神科情報システムが調整するという実施基準になりました。ところが、現実問題としましては、精神科医療機関の先生方は、精神科救急情報システムでは措置入院等ハード救急に対応する当直体制をとっているので、搬送件数の多いソフト救急は診られないよというご意見です。解釈の違いによって、実は私たち救急医も、搬送する救急隊も非常に混乱しているという状態が現在も続いております。
 10ページは、精神科救急医療体制の整備に関する指針に関する内容ですけれども、私はこの指針についても、この指針のままでは絵に描いた餅にならないかなとちょっと危惧しているところがございます。と申しますのは、精神科の診療所や病院が自院かかりつけ患者への対応を強化して診るという文言になっておりますけれども、実際問題50%ぐらいが医師1人の精神科の診療所で、365日、17時を過ぎてからかかりつけの患者を診てもらうのは無理でございます。調査の結果でも、多くの診療所の先生方が時間外は無理だよと回答されました。
 それから、精神科の病院の先生方も、輪番性で精神科救急情報システムの担当をされていたり、応需病院や精神科指定の先生方は当然のごとく措置入院を対象とされていますので、やはり時間外に自院かかりつけ患者を実際に診ようと思ってもなかなか難しい状況です。そうしますと、指針の中に連携医療機関の確保という言葉があるのですけれども、結局最後はやはり救急病院で診なくてはいけないということで、この指針によっても救急病院の負担は余り減りそうにはないというのが実感でございます。
 そこで、そのままではいけないということで、もう少し負担の中身をそれぞれの機関の状況から詳しく調べて、何かいい案はないかということで、消防庁の委託を受けまして研究いたしました。このときに調査の回答をいただいた救急病院のなんと63.8%が精神科医がいない病院です。そういう病院が精神科の救急を受けているということです。
 それから、12ページは、回答頂いた救急医療病院の受入れ体制でございます。平日時間帯は48%、時間外でも48%と救急病院の受け入れには余り差がありません。ここで驚いたのは、救急病院でありながら時間帯にかかわらず、最初から精神科は受けないという病院が既に45%あったことです。既にこの時点で救急病院の負担の半分が受け入れる病院にかかっているということになります。
 13ページは、精神科医療機関の身体合併症のない患者の受け入れ体制です。本来受け入れていただきたい緊急度の患者さんですけれども、昼間は何とか頑張って72%の施設が受け入れていますけれども、時間外になりますとその半分の36%になります。62%の精神科医療機関では救急は受けないよという御回答でした。
 14ページは、どの機関もやはり精神科を受けるのは負担だという結果です。
 15ページです。平日時間帯はできるだけかかりつけの患者さんを受け入れていただきたいのに、どうして受け入れられないのかお尋ねしますと、やはり身体合併症が不安だということと、予約制の診療をされているために、途中で急患を診る時間もなければ、そのスタッフもいない。場合によっては設備が不備なために救急を受けられないという御回答です。
 では、本当にどの程度の重症度かということを私どもの北九州市のデータで、救急要請を受けた精神科の患者さんの通報内容と転帰、外来で終わったのか、入院したのか、重症度を調べてみますと、どのような通報内容でも平均81.7%は救急病院から外来対応のみで帰っていただいているということで、おおむねこのようなソフト救急で搬送されてくる患者さんの多くは軽症ということがわかります。ですから、設備が要るわけでもないし、身体合併症がない場合はできるだけ診ていただければという結論です。
 17ページは、精神科の情報システムを利用しているかというアンケートですけれども、救急病院7%、救急隊6%ということで、このシステムは余り期待されていないというのが福岡県の現状です。
 では、救急隊は身体合併症の有無を判断して適切な医療機関に送るとなっているのですけれども、18ページをごらんください。実は、身体合併症という言葉の定義は非常に曖昧なところがありまして、実際の救急隊員も本当に身体合併症があるのかどうかなかなかわからないというのが調査結果です。したがって、何らかの身体合併症の基準あるいは緊急度の高低の基準を設けないと、オーバートリアージにより救急病院側に搬送がシフトすることがこれからも続くだろうと予想ができます。
 そこで、19ページのように、日本救急医学会と日本臨床救急医学会が監修しておりますJTASを参考にしまして、精神科に特化した緊急度判定プロトコルを研究班で作成しました。これは主訴とバイタルサインを中心につくっておりますけれども、それによって実際に現場活動の中で実証検証を行いました。そうしますと、身体緊急度の赤は当然、救急病院に送っていただいて結構なのですが、実は最初から精神科に送ってほしいという判定が出たものも半分以上は救急病院に来られていました。また、本来緊急性がないだろうと判定された方につきましては、救急病院が8割、不搬送が2割で、精神科医療機関に搬送された例は1例もございませんでした。
 こういうことですので、ぜひこの現状を踏まえて、関係機関が全部集まった会議を設置して討議していただいたらどうだろうかという御質問には、福岡県の精神科医療機関の47%から賛成を得ました。
 22ページですけれども、個々の施設で外来患者を診るのはマンパワー的に無理でしょう。ならば、精神科救急センターのようなものを設置して、準夜帯だけでもそちらに執務していただくことはできませんかという質問に対して、福岡県の精神科医療機関の48%から賛成を得ました。
 また、23ページですが、直接相談できるようなチャンスが欲しいという意見で、携帯電話のホットラインについての設置もお伺いしましたが、48%は検討に値するという御意見でした。
 最後ですが、消防法改正後も搬送困難例が続いています。私たちとしましては、精神科医療機関の先生方に明らかに身体合併症のないような患者さんにつきましては、できるだけ相応の負担をしていただいて、昼間の時間帯についてはできるだけ確実に受け入れていただければと考えております。そして、定期的にお互いの意見交換ができる協議会を開いていただいて、今現在ハード救急と身体合併症が中心になっている議論に、ハード救急の身体合併症患者を受け入れる救急病院としては、ソフト救急についても同時に議論を進めながらやっていただけると、相応の負担が納得できる負担に変わっていくと思っています。ぜひそういうことをお願いできればと思っております。
 以上です。

○有賀座長 
 どうもありがとうございました。大変貴重な福岡県のお話だったと思います。
 では、時間も押していますので、資料11、精神科病院協会の千葉構成員、お願いいたします。

○千葉構成員 
 残りわずかの時間をいただきまして、ありがとうございます。私のほうは、今、伊藤先生から大分問題点を指摘していただきましたので、中身を飛ばしながらお話しさせていただきたいと思います。
 まず、3ページに、救急医療における精神科患者の問題点ということで6点挙げてございます。まず、一般医療側での受け入れとして、一般救急で受け入れた後に治療経過中に、認知症の症状を含んで精神症状が出た場合に、精神科のコンサルテーションあるいは転院治療のあり方が問題になっていると認識しております。また、逆に精神科治療中に必要になった身体疾患治療の救急受け入れと、その連携、その後の治療のあり方といったところが問題点になっています。この辺は、精神科救急医療検討会で出ていた問題そのままです。
 また、自殺企図を受けて、救急対応後の精神科診療への誘導も大きな問題になっていて、場合によってはリストカットを何度も繰り返しては常連になってしまうといった問題もあろうかと思います。
 また、ここは全国的にも問題になっているのですが、アルコール酩酊者の救急の問題。それから、ふえてきている認知症の救急の問題。今、まさしく伊藤先生から指摘していただきました、夜間休日対応しない精神科診療所あるいは精神科病院と、そこの病院に通っている方々の救急も問題があろうかと思います。
 4ページは、連携等においての問題点ということで指摘させていただいております。一番最初に、厚労省の担当課から精神科の入院のあり方あるいは治療のシステムについてお話をいただきました。実は、精神科の治療システムの中には色濃く人権擁護と精神保健福祉法の遵守があります。ですから、一般医療のように「入院をしなさい」「はい、します」という形にはなりません。本人がノーと言えば、それなりの法的な手続等をしっかりと踏んだ上でしか入院加療には入れない、治療を施すことができないという問題があります。この辺でかなり時間を要したり、調整に時間がかかるということをどうも御理解いただいていないところが多くて、お叱りをこうむることがたくさんございます。また一方で、精神疾患を有するというだけでなかなか診療していただけないという逆側の問題もあります。
 それから、ここが一番大きいところですが、救急体制を検討する場、検討会あるいはMC協議会といったようなところに、精神科救急側あるいは精神科医療提供側から参画をさせていただいていないということがございます。この検討会にもかなりごり押しをさせていただいて、私はここに入れさせていただいているということで、本来であれば精神科の代表がここにはいなかったということになるわけで、その辺が全国的にも齟齬を来している大きな原因になっていると思います。
 救急システムの中の常時対応型、つまり365日24時間診る病院が大変少ない。全国で30軒以下という問題もございます。
 あとは、情報センターの話が出ていました。最近になって整備を始めたものですから、非常に情報センターが未整備なところ、あるいは1人しかいない、医師がいればまだましといったような、いわゆるPSWが振り分けをしていたり、事務官あるいは看護師が振り分けをしていたりというようなところから、群馬の情報センターのように医師が10名もいるような非常に充実したところもあるということで、情報センターの在り方もまだ十分にできていない、また、その周知もされていないという問題があろうかと思います。
 また、後で触れますが、精神科救急の費用の面でも非常に低額に設定されていて、そのための人員の確保がなかなか難しいということも問題のひとつです。
 最後に述べさせていただきたいのは、精神医療が今、厚労省のどの課に位置づけされているかというところもお話ししたいと思います。
 どんどん飛ばしますが、5ページは、大阪の泉州医療圏でモデル事業として行ったネットワーク事業というものがございます。要は、身体科の救急と精神科の救急とのすり合わせについて検討したということでございまして、大変いろいろな問題があったところをおのおのの役割をどのようにするのかということと、連携のあり方をどうするのか、また、それらの基準をお互いでしっかりと持ち寄って決めたということが、ここの事業の内容になっておりまして、9ページに課題を整理してございます。これを見ていただければ、現在の精神科の一般救急と精神科救急の中でのすり合わせを行うに当たっての課題と解決策は、ここにヒントがあるのだろうと思います。
 10ページには、今、伊藤先生からお話しいただきました福岡県の救急の現状と問題点です。いろいろと協議し、すり合わせをした結果、同じようにMC協議会の中に精神科の救急が入っていくことによって、お互いのすり合わせができていく、その課題も整理されていくと、お互いの理解も進むということで、円滑さが増してくるというようなことだろうと思います。
 あとは宮城県からも意見をいただいていましたので、それも載せてございます。
 17ページからは、一番問題になっているアルコールの酩酊問題者と救急の問題ですが、見ていただきたいのは18ページの図に整理してございます。アルコールの問題は問題行動とアルコールによる身体症状ということになるかと思いますが、アルコールの問題行動が起こった場合に、順当なルートからいけば保護なのであって、警察への通報で保護していただくと。そして、醒めていただくのを待つというのが順当なのですけれども。これがどうも御家族等あるいは周りの方が救急隊に連絡をする。そうすると、別ルートになってしまうんです。この場合、特に外傷や身体症状がない、ただ精神科の受診歴があるというと、ダイレクトに精神科に連絡が来てしまいます。我々はどうするかというと、醒めていないと診察できないですよというお答えをしていきます。精神科の診断としては、意識清明下で行わないと全く診断にならないわけでして、酔っぱらっている状態では診断にならないと。一方では、警察からも保護したはいいけれども、おかしいから精神科で見てくれということもダイレクトにまいります。
 実は私、昨日、措置入院の鑑定の呼び出しを食らいまして、事例は、朝バス停で酩酊している女性を保護したら、その女性が死ぬと言って大騒ぎをしているので、保健所に通報が行きまして措置鑑定ということなったんですね。我々は2名で鑑定することになりますが、夕方ぐらいまで時間を引っ張って、それからゆっくり出かけていって鑑定をせていただくことにしました。行ったときにはもう醒めておられまして、ペコペコと済みませんと言っている状態で、このように何か問題行動を起こしていて、お酒を飲んで暴れていれば精神科というような、どうも理解がうまくいっていないということがあるわけです。
 我々が一番心配しているのは、21ページにありますように、身体疾患の可能性がアルコールの問題者には非常に高いので、まずここをチェックしないと我々としては何の対応もできないということと、酩酊が醒めてから覚醒してからでなければ精神科的には対応できないということ。それから、アルコール依存症の治療は一番厄介ですけれども、基本的には強制治療ではないので、本人の意思がなければ治療はできないということです。この辺の理解をどのようにわかっていただけるかということになります。
 22ページにまとめておきました。ただ、救急隊が救急要請で出てしまうと、とにかく医療機関に運ばなければならないということがあるようでございます。本来であれば場合によっては保護収容施設、現状では警察になるのでしょうけれども、そこへ行くというルートもなければならないとは思っているわけですが、実際に可能なのかということ。あるいは受け入れ側の、例えば警察であれば、それを保護して酩酊状態が醒めるまで保護してもらえるかということもあるかと思います。
 次に、認知症の話をちょっとさせていただきます。認知症はどんどんふえているということは皆さん御承知のとおりですが、26〜27ページに、実は65歳以上の高齢者で単身が非常にふえてきているということがあります。夫婦もしくは単身ということがありまして、要するに御家族がいないということになります。この方々が救急を受診されますと、その対応について大変困られているということになります。
 28ページにちょっと古いデータですけれども、これは仙台市立病院のERでのデータになりますが、高齢者のかなりの数が認知症に入っているということになります。
 この方々の転帰は30ページにありますように、その中でもかなりの方が入院になってしまう。この入院から先が動かなくなってしまうということになるわけです。
 問題点を31ページにまとめました。65歳以上の救急の方々の40%は認知症あるいは認知症の疑いがあるということになりますし、また、その5割の方が入院治療へ移行する。それから、2035年の予測では40%の方々が単身でいる。治療同意を受けることができないということになるわけです。
 また一方で、入院加療中に状況が変わる、あるいはうつ状態になることによって認知症の発症も見られる。こういったようなことから、やはり現在の認知症疾患医療センター、現在は200ほど整備されておりますので、その辺との連携といったことも必要なのではないかと思います。
 現在の精神科救急医療システムの実績ということで33ページです。これは青森県のデータですけれども、全県の平成24年度、右下を見ていただきたいと思いますが、実際に電話相談が446、外来に来たのが657、実際に入院になったのが238という形で、電話のみという対応も非常に多くなっているということですが、実は電話相談そのものにとりましても、精神科の患者さんの電話相談というのは非常に長い、あるいは同じ方が何回も寄越すといったような問題がありまして、医療の電話相談と福祉的な対応の電話相談は少し分けていかないと、救急の現場では大変になってくるということがあるかと思います。
 もう一つ36ページを見ていただきますと、これも横田構成員からお話があったように、精神科でも対象者のところは当番病院で通院中、つまり自院の患者さんを時間外で診ているということなんです。ですから、これは時間外なのか、救急なのかと。病院によっては午前中を診療時間としていて、午後は時間外に扱うところもあります。そうなりますと、午後に来た患者さんは全部時間外になってしまうということで、このあたりのデータはどうなのかということと、あとはかかりつけ医で受診できないというような、これは今の9時−5時のクリニックの患者さんが多いように思います。
 39ページに、精神科の費用が少ないですよというお話をさせていただきました。これが基準額になってございます。真ん中の精神科医療等確保事業で、輪番を休日やると2万3,000円、空床確保で1万2,400円以内ということですから、3万6,000円ぐらいしかいただけないということになります。これで医者を入れて看護師を入れて、何をやれというのかということにならざるを得ないわけでございます。
 40ページですが、これは基準額ですから、あとは各都道府県がどのくらい上乗せをして出すかということで、これもちょっと古いのですが、大阪の8万7,000円の休日の費用と、ほかのところの2万2,000円とか、2万4,000円とか格差が非常に大きくあるということがおわかりいただけると思います。
 一番最後に、41ページでございます。これは厚生労働省の機構図の最新版ですが、現在、医療計画及び救急のお話は医政局の指導課のもとで行われています。精神の担当部局がどこにあるかということを御理解いただきたいと思います。ずっと先の方に行っていただきまして、社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課というところに精神医療の管轄があるわけでございます。これによりまして、精神医療の場合は救急も余り連携がうまくとれていない。災害医療、僻地医療などといった話は全く連携がないということよりも、全くアウエーに置かれているという現状があります。今回、医療計画上も5疾患の中に入りましたので、これを機に、昔は医政局マターだったわけですから、精神医療だけ、医療の部分だけは戻していただきたいと。そうでないとイーブンなお話ができないのではないかということがあるということでございます。
 以上です。

○有賀座長 
 どうもありがとうございました。
 ちょうど時間になってしまっています。精神医療の話は次回に意見交換をしてもいいのではないかと思いますが、いかがですか。

○辻救急医療専門官 
 そのようにしたいと思います。

○有賀座長 
 何でかと言いますと、東京都の救急の保健医療計画があるじゃないですか。そこで大きい会の下の小さなワーキンググループみたいな会議で、実は私は議長をさせられたのですが、今の先生の精神医学的なお話に関してのみでも数時間使っていますので、ここで分の単位というのは極めて落差があり過ぎて、私も頭の整理がつきませんので、次回にしたいと思います。でも、それでもホットなこの瞬間にミサイルを一発撃ちたいという方はおられますか。

○加納構成員 
 最後の先生からの少ないと言われる金額を見ましてびっくりしたのですけれども、二次救急はほとんどゼロに近いのに対して、8万円とか2万円が1回でもらえるというのはすばらしいなと思って、ちょっとびっくりしました。
 先ほどから議論になっているとおっしゃっていた、急性アルコール中毒もほとんどは実は二次救が受けているのが現状ですし、精神患者さんや合併症の方が来られると、本当に現場は悲惨な状況になります。先ほどの急性アルコール中毒で、うちのドクターは殴られて歯を折った方もいますし、本当に修羅場的なことをこなしているところには、ほとんど点数がついていません。今、先生のところを聞きますと、非常に大きな点数がついているなと逆に思ってしまったぐらいなので、またぜひとも次回に議論していきたいなと思います。

○石井構成員 
 両方のお話を受ける立場だと思いますので。結局、一般救急のところはDPCに移行して、そちらでの評価をとるという形になっているので、それに残った二次救急のところに手当が来ていないという構成になっているんですよね。だから、パーツパーツでいろいろな形になっているので、全体を見てどの辺が妥当かということを議論していく必要があると思います。

○千葉構成員 
 大変ありがとうございます。精神科の問題は、ぜひ時間をとってしていただきたいと思いますし、御意見もいただき、一方で、我々あるいは精神科救急学会も、それらにどのような対応をしていけばいいかということを参考にさせていただきたいと思います。何しろ今まで参加させていただいていなかったので、ぜひ同じ場所に参加させていただいて、すり合わせていけばいいかなと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

○有賀座長 
 また地場の話をしますけれども、東京も二次医療圏ごとに地域救急会議というものがあって、そこに精神科のドクターや、警察やら関係する方たちが一緒に議論しているような地域では、比較的ある意味、患者さんの流れがうまくいっているということがありますので、お金の話も含めて一緒に議論しないと、あら知らなんだということでは寂しいと思います。そういう意味では引き続きと思います。
 もう時間が時間なので、皆さんからすると足りないと思っているかもしれませんが、この辺でと思います。
 あとは事務局、よろしくお願いします。

○田中救急・周産期医療等対策室長 
 事務局のほうで少し欲張りまして、課題も4つもあり、多くのプレゼンをお願いしてしまったということもありまして、時間いっぱいで本当に申し訳ございません。また、今回議論されなかったところ、精神救急を初めほかのところも時間が足りないということもあったと思いますが、次回5月29日水曜日の午前を考えておりますけれども、全体のとりまとめの中で議論を深めながらまとめる方向にしていきたいと思っておりますので、また第4回目の検討会をやりたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

○有賀座長 
 きょうはどうもありがとうございました。これで終わりたいと思います。


(了)
<照会先>

医政局 指導課 救急・周産期医療等対策室

直通電話: 03−3595−2194

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