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2013年3月14日 第58回労働政策審議会障害者雇用分科会 議事録

職業安定局高齢・障害者雇用対策部障害者雇用対策課

○日時

平成25年3月14日(木)
16時00分〜18時00分


○場所

厚生労働省職業安定局第1・2会議室(12階)


○出席者

【公益代表】今野委員、岩村委員、菊池委員、武石委員
【労働者代表】杉山委員、斗内委員、南部委員
【使用者代表】塩野委員、高橋委員、中村委員、小林氏、平野氏
【障害者代表】川崎委員、北原委員、竹下委員、森氏
【事務局】岡崎職業安定局長、小川高齢・障害者雇用対策部長、山田障害者雇用対策課長、金田地域就労支援室長、松永調査官、田窪主任障害者雇用専門官、安達障害者雇用対策課長補佐、境障害者雇用対策課長補佐

○議題

(1)意見書(案)について

○議事

○今野分科会長
時間になりましたので、ただいまから第58回労働政策審議会障害者雇用分科会を開催いたします。本日は野中委員、松井委員、桑原委員、冨高委員、栗原委員、萩原委員、阿部委員が欠席です。
  なお、欠席の委員の代理として3名の方にいらしていただいております。お一人は栗原委員の代理に、全国中小企業団体中央会労働政策部長小林信さんです。お二人目は萩原委員の代理に、日立製作所人材統括本部勤労部労務・雇用企画グループ部長代理で平野健太郎さんです。もう一人、阿部委員の代理に、社会福祉法人日本身体障害者団体連合会常務理事・事務局長の森祐司さんです。よろしくお願いします。
  それでは、今から議事に入ります。これまでと同様ですが、発言される場合には手を挙げていただいて、私が指名をいたしますので、名前を言って発言をしていただきたいと思います。
  議事に入ります。前回に続いて、本日も「意見書(案)について」御議論を頂ければと思っております。本日は前回までの各委員の御意見を踏まえまして、私から「精神障害者の雇用義務化」の部分の修正案をお示しさせていただくことになっております。まず、修正案の内容から説明をさせていただいて、議論をしていただければと思います。私に代わりまして、事務局からお願いします。
○障害者雇用対策課調査官
障害者雇用対策課調査官の松永です。今、分科会長からお話がありましたとおり、前回議論した精神障害者の取扱いの部分に関しまして、前回の分科会以降、分科会長と相談をいたしまして、修正案を作成しております。お配りしております資料1の意見書案でその修正の部分について御説明をしたいと思います。
  6ページの(2)「精神障害者の取扱い」の所ですが、最初から5段落目まで、ここについては基本的に前回提示したものとほぼ同じです。1点だけ修正したところが4段落目の「これらを踏まえると」の段落で、そこの3行目の所で、「企業に対する大幅な支援策の充実」という記述になっておりますが、これは「更なる支援策の充実」となっておりました所を修正しております。
  6段落目の「なお書き」以降は、新たに書き起こした所です。御説明しますと、まず、なお、使用者側委員からは、法定雇用率が4月から引き上げられるなどの中で、精神障害者を雇用義務の対象とする場合の実施時期をあらかじめ定めることは時期尚早であり、精神障害者の雇用環境の改善状況等を更に検証した上で検討すべきとの意見があったとしております。それから、今後、少なくとも企業が精神障害者の雇用に円滑に取り組むことができるための支援策の強化を早期に図ることが必要である。具体的にはということで、マッチングや就職後の職場定着の状況などを的確に把握する。企業が精神障害者を雇用する際に生じうる課題に対して、適切に相談・支援を提供できる支援体制の整備をする。企業と医療機関を含む外部の支援機関が連携をしていく体制の充実を図る。企業の不安を解消するために障害者のトライアル雇用の見直しなどを含む支援策の充実を図る。それから、7ページには精神障害者の雇用に関する企業や従業員の理解が得られる環境作りの支援と企業規模等も考慮した雇用管理ノウハウの蓄積・普及。最後に、中小企業のニーズを踏まえた支援の強化。こういったことなどを実施する必要があるという形で書き加えております。以上が修正部分の内容です。この案文について御議論いただければと思います。私からは以上です。
○今野分科会長
それでは、この修正案について、御質問、御意見をお願いいたします。
○南部委員
南部です。ありがとうございます。昨年の11月13日の第52回の分科会において、労働側から公務員の取扱いについての意見を述べさせていただいております。具体的には民間で働く障害者同様、あらゆる働くというステージで差別禁止であったり、合理的配慮の提供が公務部門においても同様に扱われるべきという意見を述べさせていただきました。また、関係省庁間の調整を図っていただきたいという主張を申し上げました。公務部門の状況は別ではなく、障害者という枠組みの中では民間と同様だと考えております。意見書5ページの5の所に記載をしていただいたと思っておりますが、記載の中では関係省庁間において調整が図られるべきとされています。具体的にはどういったことをイメージされているかを少しお聞かせいただき、できましたらもう少し具体的に書いていただけたらという要望です。以上です。
○今野分科会長
具体的にこう書いてほしいという案がありますか。
○南部委員
具体的には同様の措置ということをきっちりと、公務員法の中でも措置されるべきというようなことを書いていただけたらと思っております。
○今野分科会長
まず、これについて事務局として何か意見、コメントはありますか。
○障害者雇用対策課課長補佐(安達)
障害者雇用対策課の安達です。今、御指摘いただいた部分については、5ページにおいてそれぞれの法制度においてということで、これは国家公務員法等々を含む法制度において、障害者権利条約に沿った取扱いがなされるというような書き方をされておりますので、御指摘されている部分については盛り込まれているのではないかと思います。その上で、今、委員が御指摘いただいた部分については、この意見書を踏まえて然るべき対応をするということは考えています。これが取りまとまった場合には、事務局としても考えていかなければならないと思っています。
○今野分科会長
いかがでしょうか。事務局からこのような回答がありました。ここの文章はこのままにしておいて、今の議事録に残りますので、それでよろしいですか。
○高橋委員
高橋です。今回、使用者側意見が付記された点や、様々な企業に対する支援策の強化を早期に図る必要性といった点が盛り込まれた点については、一定の評価をさせていただきたいと考えております。しかしながら、ここに書かれている支援策の内容は、あくまで抽象的なものにとどまっております。個々の施策がどの程度の規模になるのか、あるいは、実施時期を含めまして、どのように展開されていくのかといった点は、不透明なままです。
  更に言いますと、仮にそれぞれの施策を実施したとしても、期待する効果というものが果たして得られるかどうかは、検証してみなければ分かりません。私どもは従来から精神障害者の雇用義務化については、現時点では一定の雇用環境が整っている状況にはないということを再三申し上げてまいりました。障害者の雇用を促進する上では雇い入れる側が安心して雇用できる環境を早期に整えていくことが大変重要であると考えております。
  今回、書き込まれました支援策も含めまして、従来から指摘しておりますように、定着率といったような一定の指標を置きまして、PDCAサイクルを回しながら、支援策を充実し、雇用できる環境が整っているか否かを確認した上で、義務化の実施を判断していくということが望ましいと考えております。準備が十分整っていないままに方向性だけを決めることになれば、結果として企業の負担が増えて、障害者の雇用促進につながらないというようなことにもなりかねません。
  残念ながら今回、全体的な結論としては義務化の方向性を現時点で決めるという内容が維持されていることは、誠に残念であると言わざるを得ません。繰り返しになりますが、この段階で義務化の方向性を打ち出すということは、時期尚早であるという、これまでの主張をもう一度、繰り返させていただきたいと思います。以上です。
○今野分科会長
ほかにいかがでしょうか。
○杉山委員
全体でいいでしょうか。
○今野分科会長
全体でいいですよ。先ほど、公務員の御質問が既に全体ですから。
○杉山委員
よろしいですか。連合の杉山です。改めて問題提起するようで、若干申し訳ない気もしますが、是非確認しておきたいことが1点ありますので、よろしくお願いしたいと思います。ページで言うと、2ページになります。「禁止すべき差別」の関係ですが、この中で募集・採用の機会という項目がありまして、この募集・採用に関しては、2つの段階があると考えております。
  1つ目の段階は、障害者に応募の機会を保障して、応募の機会に関する差別を禁止すること。2つ目の段階というのは、使用者が応募者に関する採否を判断して、決定するにあたって、障害を理由とする採用差別を禁止するということです。そのような2つの段階があると考えておりまして、2ページ(2)に記載されております、「雇用に係るすべての事項を差別禁止対象とすべきである」との記載に照らせば、この募集・採用に関する、今申し上げた2つの段階のいずれについても差別を禁止している趣旨として理解しているわけですが、この理解でよいかどうかの確認をさせていただけますでしょうか。以上です。
○障害者雇用対策課課長補佐(境)
障害者雇用対策課課長補佐の境です。正しくここについては、「雇用に係るすべての事項」となっておりますので、御指摘のようになるのではないかと考えております。いずれにしろ、この意見書を受けまして、どのような制度にしていくのかをまた御検討いただくと考えております。
○今野分科会長
よろしいですかほかにいかがですか。
○高橋委員
高橋です。今のやり取りを聞いていて、ちょっとよく分からなかったのですが、採否における差別というのは、どういうことなのですか。募集・採用の機会の中に採否のことが入ると言っても、よく分からないのですが、何のことを言っているのか、もうちょっと説明していただいてもよろしいですか。
○障害者雇用対策課課長補佐(境)
障害者雇用対策課課長補佐の境です。募集・採用の機会とありますので、まさしく採用に当たりまして、同じ機会ということです。男女雇用機会均等法を例に申し上げれば、要するに応募は認めるが、女性であることのみをもって採用しないというようなことが、募集・採用の均等な機会に反するものであると理解しております。
○今野分科会長
ほかにいかがでしょうか。
○川崎委員
精神障害者の家族会の川崎です。今回、大変に精神障害者の義務化に向けて、ずっと皆さんと議論を交わしてきまして、私どもは是非ともこの精神障害者の義務化の方向付けをということでずっと言い続けておりました。今回、その精神障害者の取扱いという中で、企業と一言で言いましても、いろいろな事業所があります。私は、今精神障害者の環境を言いますと、本人自身については、かなり力のある人が出てきておりますが、実際の働く場の環境整備がまだまだ不十分であるのは重々知っております。それはなかなか事例が少ないということもありますし、精神障害者の個別の支援が大変に確かに難しいのではないかと思います。実は今回、私どもが十分な期間で、主に重点的に就労する側の企業の事業所側の支援策を作ろうということで、いろいろと高橋委員初め、精神障害者の症状の不安定、医療につなげなくてはいけないなど、精神障害者が就労している場で、様々な難しいことが出てくると思います。今までの身体、知的の人と比べても違うことがあると思いますが、そういうところをこの準備期間で、しっかりと支援策を作っていこう。まず、ここにいろいろと具体的に出ておりますが、私が考えますのは、企業事業所の就労側が何かあったときに相談できる、そして、その相談に対して、しっかりと必要なサービスが届けられるようなシステムが是非とも必要ではないかと思います。これはしっかりとまたこれから議論されていく中で出てくると思いますが、厚生労働省におかれましては、そのところを踏まえて、制度をやっていくことによって、はっきり言いまして、精神障害者の雇用が進むということは、社会参加にもつながることで、これは私ども一番望むところであります。是非、その辺のところの御理解と皆様の御協力を頂きたいと思っております。以上です。
○障害者雇用対策課長
障害者雇用対策課長です。今、おっしゃられた点、6ページの一番最後のパラグラフから7ページの頭にかけての部分は、もともと使用者側からの御意見を中心に整理はしています。これはある意味、働く障害者にとっても重要な内容だと私たちは思っております。そういう意味で、今いただいた御意見というのは真摯に受けとめて、これからの政策の組立て、事業の展開について意識していこうと思っております。
○今野分科会長
ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、今日出させていただきましたこの案を、私から労働政策審議会会長に報告をさせていただくようにしたいと思います。よろしいでしょうか。
○杉山委員
今、座長がおまとめになられるようなところで申し訳ないのですが、労働側からも全体を通じての意見を述べておきたいと思いますので、よろしくお願いします。この間、障害者雇用分科会の議論を通じまして、労働側として1つに障害者権利条約への対応に当たって、差別禁止や合理的配慮の実効性を担保する仕組み、その仕組みとして私法上の効果や行政罰の強化が必要であるということを主張してきました。2つ目に障害者が合理的配慮を求めたことによって、不利益な取扱いを受けないようにすること。3つ目に精神障害者を雇用義務制度の対象とすべきであって、その実施時期については、一定の準備期間は必要であるとはあるものの、いたずらに先送りすべきではないという点を中心に主張してきました。
  この中で、とりわけ私法上の効果については、労働側の主張を考慮いただきまして、意見書にありますように民法90条、709条などの規定に則り、個々の事案に応じて判断という文言に修正をしていだだきました。労働側としては差別禁止の実効性を確保するためには、私法上の効果を担保することが必要であり、そのための立法手段として障害者雇用促進法に、私法上の効果の規定を明記することが望ましいと考えておりましたが、公益委員からの意見も踏まえて、先ほど申し上げた民法を介在させる方法で私法上の効果を担保するという趣旨で修正がなされたと理解しております。
  また、今回精神障害者を雇用義務制度の対象とすることについて、意見書の中では実施することが必要と明記されました。精神障害者が職場でいきいきと働くことのできる環境整備に向けて、大きな前進であると労働側としては評価したいと考えています。今後は本意見書案を踏まえて、法律案要綱、そして条文の作成が行われることになりますが、事務局におかれましては、法律案要綱や法律条文に本意見書案の内容を正確に反映していただくことをお願いして、労働側として本意見書案の内容について受け止めて、了承していきたいと考えます。以上、意見です。
○今野分科会長
それでは、私が先ほど申しましたように、この案をもって労働政策審議会会長に報告をさせていただきます。労働政策審議会会長宛てに報告した後、労働政策審議会意見書として厚生労働大臣に提出をするということになります。したがいまして、事務局におかれましてはこの報告書に基づいて、障害者雇用促進法の改正法案の作成作業を進めていただきたいと思います。特に、今回を含めて、複数回にわたって議論を頂きました「精神障害者の雇用義務化」については、各委員から忌憚のない御意見を頂く中、報告書として取りまとめに至りました。したがいまして、事務局におかれましては、各委員の御意見を最大限に踏まえ、「精神障害者の雇用義務化」に係る法案作成に当たって、企業が精神障害者の雇用に着実に取り組むことができるよう、十分な準備期間を設けることなど、その仕組み作りを検討していただくという方向でお願いをしたいと思います。
  それでは、閉会に当たりまして、岡崎職業安定局長から一言御挨拶を頂きます。よろしくお願いいたします。
○岡崎局長
実は昨年の9月以来ですが、分科会長を初め、委員の皆様には今後の障害者雇用対策のあり方について、何回にもわたりまして、御議論いただきまして、本日意見書を取りまとめていただきました。厚く御礼申し上げたいと思います。
  今回の議論の中で、障害者の権利条約に関わる問題と、それから精神障害者の雇用義務化の問題を中心に、活発に御議論を頂きました。これらの問題については、今後障害者雇用施策を進めていく上で、非常に大きな方向性を示していただいたと受け止めております。分科会長からお話がありましたが、法改正につながる部分については、既に国会が始まっておりますので、この国会に提出すべく速やかに準備を進めさせていただいて、次回は法案要綱をお示しさせていただきまして、御議論いただければと思っております。
  特に今、分科会長からもお話がありましたが、精神障害者を雇用の義務化の対象にすることについては、企業が精神障害者の雇用に着実に取り組むことができるような仕組みとして、どのようなことが考えられるかどうかになると思います。これまで分科会でそれぞれの委員から、いろいろな御意見がありましたので、これも条文を踏まえた上で、改正案の要綱を取りまとめたいと思っております。
  また、経営側からもそれから障害者団体の方からも、そういう中で企業が特に精神障害者の雇用をしっかり進められるようないろいろな環境整備が必要だという御意見も頂いております。改正法とともに、そういう施策についても十分に対応し、また従来から中小企業のお話も頂いておりますので、そういったところについても、しっかり対応していきたいと思っております。
  そういう形で今後、対応していきたいと思っておりますので、引き続き御指導、御助言を頂ければと思っております。いずれにしましても、昨年9月以来、御審議いただきまして、ありがとうございました。
○今野分科会長
最後に事務局から今後の予定についてお願いします。
○障害者雇用対策課長補佐(安達)
事務局の障害対策課安達です。次回の日時ですが、3月21日木曜日の10時から12時、議題は先ほど話がありました本日の意見書の内容を受けた改正法案の要綱等についてです。場所等の詳細については各委員のお手元に配布した開催案内を参照いただければと思います。以上です。
○今野分科会長
それでは、本日の分科会はこれで終わりたいと思います。各委員の皆さんにおかれましては、意見書の取りまとめに当たり、昨年9月から半年にわたって、活発な御議論を頂きまして、感謝申し上げます。ありがとうございました。ただ、まだ終わっていませんので、事務局から案内がありましたとおり、次回は改正法案の要綱を議論するということになっております。最後まで御協力のほどよろしくお願いをいたします。本日の議事録の署名については労働者代表は南部委員、使用者代表は塩野委員、障害者代表は川崎委員にお願いをいたします。これで終わります。ありがとうございました。


(了)

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