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2013年3月6日 第13回シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会 議事録

医薬食品局審査管理課化学物質安全対策室

○日時

平成25年3月6日(水) 14:00〜17:00


○場所

中央合同庁舎第5号館6階 共用第8会議室


○議題

・関係省庁、関係団体等のシックハウスに係る取組説明・ヒアリング
・その他

○議事

○事務局 定刻となりましたので、ただ今から、第13回「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会」を開催いたします。
 委員の先生方には、御多忙のところ御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
本日は、坂部委員から欠席の連絡を頂いていまして、委員総数12名のうち11名の先生に御出席いただいていることを御報告申し上げます。
 次に、本日ご説明頂く関係団体を御紹介いたします。
まず、カリモク家具株式会社の栗原様。
 独立行政法人製品評価技術基盤機構北陸支所の川崎様。
 以上、2名の方を加えまして本日の検討会を開催させていただきます。
それでは、座長の西川先生、以降の議事進行をお願いします。
○西川座長 まず、事務局から、配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。お手持ちの資料で、議事次第の下半分の部分を見ていただければと思います。
 議事次第
 座席表
 委員名簿
 資料1−1−1 室内空気に係わるISOとJISの全体概要
 資料1−1−2 準揮発性有機化合物(SVOC)
 資料1−2 毒性学の今日的意義・高感受性群を視野に入れた検討
 資料1−3 シックハウス対策の取組状況について
 資料1−4 カリモク・シックハウス対策への取組み
 資料1−5 製品から放散される化学物質吸入事故の原因究明について
  あと、参考資料1として「シックハウス問題に関する検討会の開催について」ということで昨年の9月に提示させていただいたもの、参考資料2といたしまして、スケジュールを示させていただいております。以上でございます。不備がございましたら、事務局までお知らせください。
○西川座長 資料はそろっておりますでしょうか。
○事務局 あと、資料1−5につきましては、お持ち帰りいただけない数字、データが入っているということで、本日、会議後に回収させていただきます。傍聴者の方も含めて、会が終わりましたら、座席のところに置いておいていただけるとありがたいです。資料1−5は回収となります。
○西川座長 ありがとうございました。
 それでは、議事(1)「関係省庁、関係団体等のシックハウスに係る取組説明・ヒアリング」として、まず、「室内空気に係わるISOとJISの全体概要」及び「準揮発性有機化合物(SVOC)」について、田辺委員、御説明をお願いいたします。
○田辺委員 御紹介いただきまして、ありがとうございます。早稲田大学の田辺です。私の方から2つの話題を30分ほどでお話しさせていただきたいと思います。
(PP)
まず、資料1−1−1ですが、室内空気に係わる問題は、日本だけではなくて、ヨーロッパやアメリカ等でも様々な試みが行われています。その中でも、ISOのTC146というのが大気の質を扱っておりまして、お手元資料の2ページ目にありますが、このSC6が室内空気に関する基準化を行っています。
(PP)
 次の3ページに、P-Memberとなっている国が19カ国あげられています。この19カ国というのは投票権を持っているメンバーということになります。日本もここに入っています。それから、O-Memberというのが、投票権は無いけれども情報入手ができるグループです。それから、例えば4つのRoad vehicle、(自動車)、塗装、床材、それからガスの分析等に関する他のTCとリエゾン関係を結んでいます。
(PP)
JISとISOの関係ですが、4ページを見ていただくと、お手元の資料の方が良いと思いますが、経済産業省が所管しているJISとISOを記載しています。これは前回も発言させていただきましたが、日本では、厚労省のシックハウス検討会が、室内で許容できる指針値等を定めています。そうすると、吸入でどのぐらいまで曝露されても大丈夫かというのがわかりますので、今度は、建材から出るところ、建材は、木質建材であれば林野庁が所管、通常の建材であれば経産省が所管されています。建材から空気に出ると国交省が扱われて、それが口の中に入ると厚労省が扱われているというような区分になっております。日本国内の関係省庁は非常によく連携されていると思います。
ホルムアルデヒド建材の放散は、このデシケーターを使う方法がありまして、TC146に対応ISOはないのですが、非常によく使われています。
それから、チャンバー法と呼ばれて、この後、御発表もありますが、タンスとか、または小さな建材とかをチャンバーの中に入れて測定するというものがあります。
それから、マイクロチャンバー法、後で出ますが、非常に沸点の高い準揮発性有機化合物(SVOC)と呼ばれるものを測定する方法が日本でJISになっていまして、これは海外にはなかったので、日本から提案して、ISOに既になっています。
それから、建材に関してはどのように試験をするかというのは非常に重要なので、JIS A1902の-1から-4まで様々な材料の養生と試験条件が書いてあります。それから、揮発性有機化合物(VOC)を低減する、例えば炭があったらVOCが下がるとか吸着するという建材がありまして、それが本当に効くのかどうかというものに関して、JIS A1905-1、-2、それから、JIS A1906という性能をきちんと評価できるようにJISがありましす。このうちのホルムアルデヒドに関わるもの、VOCに関わるものはISO提案されて、日本の規格が国際規格になっています。
また、簡易に測れるという方法で、パッシブ法というのが日本にはございます。
(PP)
 これに対して室内の分析等に関しては、国交省が所管されていますけれども、どのぐらい部屋のドアをあけて、窓をあけて、それから何時間、例えば5時間以上閉鎖して、それから測定しなさいとか、こういったサンプリング方法の通則がJISのA1960から定められています。通則とサンプリング方法、それからポンプを用いたアクティブ法、用いないパッシブ法について定められていまして、これはISOと整合します。ISOが元々あったものを翻訳してJISになっていますが、日本でシックハウスが非常に問題にされた2000年前後はまだISOも全てが成案になっていなかったので、2001年当時の原案が翻訳されています。
 そこで、現在はこれを最終案のISOに整合させるという作業が行われています。過去に開催された厚労省のシックハウス検討会の中でも、測定法に関してマニュアルを出されていますけれども、当時、このISOの原案をベースに測定法は実は作られていますので、いろんな測定法が省庁ごとにあるというのもあまり好ましくないので、できれば国際的なISOに則って、JISも満たしていて、厚労省の測定マニュアル等も満たしているようなものに統一していくことが望ましいのではないかと思われます。
 一般的には、JIS A1960シリーズでは、分析も含めて定められています。
 それから、定量・分析方法に関しても、JISのA 1965、A 1966、A 1967があります。こういう体系で成り立っていますけれども、全ての物質でどのぐらいの濃度が指針値であるかによって、建材とか空気の濃度の対応が変わりますから、このシックハウス検討会で検討されているガイドラインの指針値の濃度というのは大変重要な意味があるということです。
(PP)
 その後、ISOをたくさん並べておりますけれども、この辺りのサンプリング通則は、英語のものもあって恐縮ですが、JISになっています。2012年の9月時点です。ところが、アスベストなども入っているのですが、JISになっていないものも幾つかありまして、例えば換気方法に関して、換気が適切に行われるかどうか確かめるものは、ISOになっていますけれども、対応JISは今のところありません。
(PP)
 それから、PCBに関しても、ISOのほうでは測定分析が、-12、-13、-14とあるのですが、対応するJISは今のところありません。それから、二酸化窒素に関してもサンプル方法が-15で定められています。
(PP)
 近年、ドイツからの提案で非常にたくさん作られている規格がカビ、微生物に関するもので、フィルター法、それから培地を使った方法などがISOになっています。今、-20が新しく提案されているのですが、それ以外のものは成案になっています。国内にも委員会で皆様方には御紹介しているので、国内で行われている方法と齟齬がないように、ISOは、意見は盛り込んでいただいています。
(PP)
 -21、-22までカビが続きます。
 それから、-23、-24は先ほど申し上げたもので、-25のSVOCは、この後、SVOCの方でもう少し詳しく申し上げたいと思います。
(PP)
 それから、CO2についても2012年にサンプリング方法が規定されました。後ろにENとついているのは、ISO以外に、ヨーロッパ規格としても同じものが規格にされているという意味です。CO2に関しては、実は厚労省が所管されている建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)の中で測定されていますが、これも関係する団体にはお話をして、国際的な方法と日本で行われている方法に齟齬が無いについて確認はしていただいています。
 それから、ヨーロッパでは、建材を単純に化学物質で放散量を測るだけではなかなか問題が解決しないということで、最近は建材からのにおい、それから室内のにおいを判定しようというものもISO規格になっていまして、建材のにおいの判定は既にISOの規格になっています。
それから、-29は、VOCは非常に化学分析するのに時間とお金もかかるということで、日本はVOCの検出技術、非常に高いので、簡易測定法を日本から提案しています。今、DISの段階にありまして、VOCの検出器に関してのISO成案が近々成立するだろうと思います。
 それから、-31で、これはまだ議論中でDISまで来ているのですが、難燃材、難燃可塑剤に関しての測定分析法がISOの原案になっております。
(PP)
 それから、これはENの成案になっておりますが、ヨーロッパのENでは、建物の中の汚染物質とか危険物質を査察するというものがありまして、これがISO提案されていて、間もなく成立するだろうと思います。中古のビルとか、ビルに入ってどうやってチェックしていくのか、そういう方法のマニュアル的なものがこの中に入っています。化学物質だけではございません。
 それから、成案になっていますけれども、サンプリング方法に関するISOがあります。
ISOそのものは非常に広く定められていまして、国内のJISになってないものもありますが、単にVOC、ホルムアルデヒドだけではなくて、室内の汚染に関するさまざまな規格化が行われているということです。それぞれの規格は、DIS以上であれば、少し値段は高いのですが購入することができますので、関係する方は分析法などは見ていただくといいのではないでしょうか。それから、できれば場所ごとに分析法が違うというのではなくて、国際的にきちんと統一された分析法で比較されていくのが望ましいと思います。
(PP)
 それから、今、自動車に関しても新しくISO規格ができていまして、ISO 12219というのが車の全体を測定する方法です。これは日本ではJAMA、自動車工業会が測定法を出していまして、これと少し違うところがあるのですが、ISOの案として成立しています。
 それから、車の部品をスクリーニングする方法、これは自動車技術会の規格だったものをISO提案されてISOになっています。
 それから、マイクロチャンバーで自動車の部品を測定する方法。それから、もうすぐできそうですけれども、小型チャンバーで自動車部品を測定する方法があります。
(PP)
それから、静止型の簡易チャンバーの方法というのが提案されていまして、-6、-7、-8というのは今からですが、自動車全体のインテリア、測定法ですとかスモールチャンバーの方法ですとか、車の中のにおいの測定法も新しい規格案として提案されています。
 ここのISOでありませんが、関連する28360というISOがあります。これはJISになっていますが、事務機器からはオゾンや微粒子が出たりしますので、事務機器、特にコピー機とかプリンタに関してはJISが定められています。また、パソコンなどのVOCの放散に関してはJIS C9913というチャンバー法が定められていまして、それぞれ放散速度を低くして、人体に問題がないように業界で対応をされているということです。
(PP)
 欧州では、今、水平ラベリング化というのがENで行われていまして、建材をつくるところから室内まで統一的に見ましょうというEN規格が考えられています。例えばフランスの場合、2012年の1月から、建材に貼らないと販売できないというラベルが義務になっています。ランクはA+、A、B、Cですが、この中には実はTVOC(総揮発性有機化合物)も入っていまして、こういうラベルをつけています。Cでも流通できますが、ただ、消費者がこれを見るという統一ラベルの計画というのが行われております。
 資料1−1−1については以上ですが、続けて、SVOCも説明しましょうか
○西川座長 一旦ここで切って、もしご意見があればお伺いしたいと思います。
 よろしいですか。
 無いようですので、それでは続けてお願いいたします。
○田辺委員 これからお話しするのは、今回の全体の参考資料の中にも入っていますが、SVOC(準揮発性有機化合物)に関する、私どもが研究してきた知見についてお話ししたいと思います。
(PP)
 まず、SVOC、これは国交省の図ですが、放散源が様々なところにあって、この対策として、厚労省のシックハウス検討会で指針値が出されています。その結果、建築基準法では、ホルムアルデヒド放散建材の使用面積制限がされたり、クロルピリホスの使用が禁止されたり、機械換気システムの設置が義務化されたりしました。
(PP)
 指針値の中でフタル酸エステル類が入っていて、非常に指針値濃度は高いのです。全て口から呼吸によって体内に取り込まれるということでこの指針値は作られています。最近、フタル酸エステル類に関しては健康影響が指摘されている査読論文が出ていまして、例えばスウェーデンでは、DEHP室内曝露による小児の喘息への影響が示唆されています。ダスト中のDEHP濃度と就学前の子供たちの喘息の間に有意な関係があるということを示唆したのはブルガリアの研究です。それから、子供のIQと尿中フタル酸エステル値の間に負の関係が見られた。これは韓国の研究です。それから、厚生労働科学研究費を受けられた岸先生の研究で、ダスト中のBBZP、DEHAがアトピー性皮膚炎のリスクを2.1倍、2.2倍、DEHPが、結膜炎のリスクを3.7倍上げたというような論文が出ています。
 その他、リン系難燃剤、可塑剤にある指摘もありますが、今日はフタル酸エステルを中心にお話をしたいと思います。
(PP)
 最近、デンマークが、フタル酸エステル類の含有製品の規制を始めました。これはかなりEUの中でもいろいろ議論があって、本当に2月28日からどうなっているか、もう少し確かめないといけないのですが、2012年12月時点では、2013年2月28日から施行するということになっています。内容としてはDEHP、DBP、BBP、DIBPを含む室内使用製品の輸入、販売に関する規制をするとしています。これは子供向けの製品だけではなくて、家庭用品、乳児用品全てでありまして、皮膚及び気道粘膜から吸収されるとしてリスク評価されています。含有量として0.1%を超える製品は規制するとしており、罰則も規定されています。EUの中で、デンマークだけ規制することに反対もあるようです。
(PP)
 室内におけるSVOCの挙動を示したのがこの5ページですが、例えばトルエンが床から出てくるといったときに、空気中に全て化学物質が出てきて、それを子供や我々が吸うというイメージで考えていますが、特にSVOCに関しては、出てきたものが空気中に出るもの、ダストにくっつくもの、それから、建材面や手とかから口を通じて吸収するもの、皮膚から吸収されるもの、空気中のパーティクルにつくもの、非常に現象が複雑です。通常は、建材面とか材料から出た化学物質は空気中に全て存在すると思いがちですが、そうではないというところが非常に重要なのです。
(PP)
 それを示すのに分配係数というものを我々の分野では使います。オクタノールを基準にしていますけれども、分配係数をきちんと検討しないと、指針値を取り間違えてしまいます。例えば、先ほど述べたDEHPは、このパーティション係数から考えるとコエフィシエントはほとんど気体で存在しないということです。この係数が大きくなるとほとんど粒子状で存在しますので、空気中には無くて、パーティクルにくっついていたり、窓面とか床とか、こういう表面にくっついたりして存在しているということです。
 DEHPは、ほぼ99.数%がパーティクルで粒子状として存在していますから、空気中濃度は高くならない。よく、DEHP、DBP等が室内で測定されて、1μg/m3ぐらいにしかならないので、指針値が220μg/m3ですから、これに比べて極めて低いので、安全だと言っているものがあると思いますが、これは間違いで、空気中だけの濃度を見てはいけないということです。ほとんどが粒子状で存在しているということです。
(PP)
 私どものほうで、幾つかの仮定がありますが、DEHPは食物由来が非常に多いので、食物由来のもの、ここでは食品分析センターのデータを持ってきましたが、1歳、5歳のところで、これもいろんな値がありますが、EPAのリファレンスドーズが1日体重1キログラム当たり20μgぐらいとすると、食物ですでに超えている群もあるのですが、そういう訳で厚労省の食品衛生法の中で機器及び容器、乳幼児の口に接触されるものは、DEHPなどは含有してはならないというのを定められているのはこういう理由によりますが、これはあくまでも器具のみですが、我々が測定したハウスダスト中のDEHPの量と、子供が10.3?/?・dayぐらいハウスダストを取得すると、幾つかの住宅に関しては、ハウスダストだけでこのリファレンスドーズを超えているという事例が既にあるのです。やはり建材等の含有量をきちんと対策していく必要があるのではないかと考えています。
(PP)
 この後、通常私どもがSVOCを分析するときに、リファレンスがある化学物質ということで、ここに書いたような物質を定性・定量しています。それから、TVOCに相当するようなものとして、C16換算の総有機物量も出して、SVOCのTVOCみたいなものを評価するということを行っています。
 これからは、わかりやすいのでDEHPに少し焦点を当てて、御説明したいと思います。
(PP)
 先ほど、ハウスダストで評価すると申し上げましたが、日本の研究者の中でも、ハウスダストを採取して分析されている方はいらっしゃるのですが、繊維などが入っていますと加熱脱着するとそのまま可塑剤が出てきます。測定したいのはハウスダストにくっついたSVOCですので、これだけをどうやって分析するかというのは実は結構大きな問題で、ドイツの測定値がありますので、それとリファレンス的にあわせるような測定で私どもは行っています。
 掃除機も、うまく使用しないと、掃除機のパイプの中とかでコンタミが起こります。それで、これは国交省の御支援を受けて、こういうコンタミの非常に少ない捕集装置を作って、普通は3日間掃除せずハウスダストを集めて、ドイツの方法に従って、63μmでふるい分けをして溶媒抽出で分析するという方法を行っています。ドイツのデータと直接比較できるという方法を行っています。
(PP)
 これは、これまでハウスダスト中のDEHPを測ってきた事例ですが、私ども、建築に携わっておりますので、なるべく住宅の特性をきちんと把握しながら、全てが危ないとかいいとかいうのではなくて、測ってきています。
 まず、2007年、自然素材の住宅、床が無垢材の住宅を測りますとDEPHの濃度はかなり低いです。ドイツの50%タイル値がこの辺で、ドイツの95%タイル値はここです。韓国の留学生のデータも入っているので韓国の住宅を測りますと、実はとても高くて、これはオンドルが原因です。オンドルの上にポリ塩化ビニル(PVC)の柔らかいシートを敷いていまして、これからかなり放散しています。これは韓国の建築学会でも発表して、かなりの反響がありました。それから、畳の家ですとか木質建材の家とかあります。ただ、木質建材の床から全くないかというとそうではなくて、実際に生活していますので、生活用品から出てきたものがダストに付着して、それを測定しているということになります。
 グラフのうち赤いのはPVC系の床材を使っている住宅を示したものです。ドイツに比べても非常に高いというのがわかると思います。ドイツの標準が50%タイルで、ドイツの95%タイル超えているものがこれだけあるということです。
(PP)
 幾つかの家に関しては空気中の濃度も測っているので、気中の濃度とダスト中のDEHPの濃度を見たものですが、必ずしも相関がありません。ですから、ダストについているDEHPの量が多いからといって、気中濃度が必ずしも高いわけではないということになります。これを見ていただいても1.0とか1.5μg/m3ぐらいですから、指針値の200分の1の気中濃度です。
 ところが、ダストのDEHP検出量を見ると、気中濃度とある程度の関係があるということがわかります。ですから、空気中の濃度を測って低かったからといって、ダストの中の濃度が低いと一概にはいえないということがわかります。
(PP)
 それでは、その放散源はどこにあるのかということで、放散源を特定する研究が世界中で行われているのですが、測定が非常に難しい。それはどうしてかといいますと、チャンバーの中に入れて材料からの放散量を測ろうとすると、まず、対象建材から出たものがチャンバーの内表面に吸着していきます。それが平衡になるまでは出口の濃度は測定できないということになりますので、極めて長い時間かかりまして、デンマークでは100日間、チャンバーの中に材料を入れて、材料から出る濃度が上がるまで測定する。すごい例は1年間測定しています。
それから、これも150日ぐらい測定に必要になったので、非常に薄っぺらいチャンバーを開発して測定したアメリカの事例では、それでも、20日とか30日ぐらい測定にかかっています。ですから、なかなか材料そのものの測定ができてこなかった実態があります。
(PP)
 それに対して、JIS A1904で、私どもがこのJISを関係者で作ったわけですが、これは、今のチャンバーが吸着する性質を使って、ここに建材を入れて、ここから出たものがこのチャンバーの内壁にくっついて、その内壁の吸着物を分析しようというのがこの方法の原理です。非常にユニークな方法であることから、ISOにも規格として採用されたということです。これは1日から2日で測定ができます。
(PP)
 やり方としては、まず、このチャンバーの中にある化学物質をきれいに洗い流します。そして、ここに建材を入れて、空気を通して、ここで捕集しますが、実はこの時点ではほとんどゼロです。これは放散された物質がチャンバーの内壁にくっついてしまうからです。
次に、建材をチャンバーからとります。24時間たった時点で建材を取り出して、建材がない状態で、チャンバー内の温度を上げると、くっついている物質が脱着されてそれを測定するという方法です。ですから、ここで測定されたものは、24時間の間にこの内側に吸着したものが測定されているという測定法で、建材から出た物質を間接的に正確に測ろうという方法です。
(PP)
 私どもは、学生さんに日曜大工センターとかそういうところに行っていただいて、クッションフロアーとかテーブルクロス、壁紙とかを買ってきまして、測定を行いました。
(PP)
 先ほどの物質全て測定はしているのですけれども、DEHPの結果だけ今回はお出ししたいと思います。クッションフロアー、それからテーブルクロスのようなやわらかい塩ビ系のDEHPを含んでいるものは実は放散量が非常に高いです。これが高いか低いかという話ですが、このように見ていただくといいのですが、現在、ホルムアルデヒドのF☆☆☆☆の基準というのが1時間当たり5μg/?hです。ホルムアルデヒドの建材は、5よりも高い建材は既にF☆☆☆☆ですので、これ以上放散する建材は建築に使用するに当たり制限がある。ですから、DEHP、気中濃度は非常に低いのですけれども、出ている量は実はかなり高いということがわかります。
 それから、PVCのタイルで固いものは少し低いです。それから、壁紙も実はすごく種類がありまして、今回は測定できなかったのですが、現在、ISM壁紙のようにDEHPを全く含んでない壁紙もありますから、そういうものを測定すれば非常に低くなる。逆に入っている製品は非常に高くなります。
それから、障子紙からどうして出るのかと我々もやっていたのですが、パッケージとかに包装されて流通しているので、そこから吸着が少しあるのではないかと思っていますが、実はこういう建材ごとに放散を測定することができます。
(PP)
 それから、最初の法にお話しした皮膚から体の中に取り入れられるSVOCに関しては、ダストを経由して口から入るもの以外に、さわると皮膚から吸収されますので、その分もやはり考慮しないといけないということが言われていまして、私どもの実験室では、ブリードアウトした量を測定するということをしています。建材を置いて、28℃で3日間放置した後、これを拭き取ります。拭き取ったもののSVOCを測定しますと、実はかなりの量が建材から上にブリードアウトしてきまして、さわればこれが皮膚や口から入ります。そのうち、ダストにどのぐらいいくのかというのを、模擬ダストをまきまして、ダストはダストで分析して、残ったものでも22μg/m3くらい検出されていますので、全てがダストに移行しないで、ブリードアウトして残っているものもあるだろうと考えています。実際の調査、住宅で、ダストをとった後に拭き取り試験をしても、場合によっては実は結構高く残留していますが、ダストよりも6倍ぐらい出るようなところもありまして、この辺にブリードアウトしているのもあるというのがわかっています。
ですから、シックハウス検討会では、今のところ、気中濃度から経気道で曝露されるという毒性が考えられていますが、SVOCに関しては特に、先ほどの分配係数でパーティショニングで粒子状物質の割合が大きなものは、単に空気濃度だけを考える以外のことを考えなければいけないのではないかと考えています。ここではそういうまとめをしています。最後に幾つか研究費を受けている研究があるので謝辞を書かせていただいております。
以上です。
○西川座長 ありがとうございました。
それでは、御意見、御質問等お願いいたします。
どうぞ。
○角田委員 北里大学の角田です。
私、毒性学をやっているものですからちょっとお伺いしたいのですが、気中濃度でない、パーティクルになっていたものはどのようにして人体に入っていくと考えたらいいのでしょうか。
○田辺委員 1つは、空気中にダストがあれば、そこにもくっついているので、それが口から入るということがあります。それ以外には、室内の表面にダストがあれば、子供がはい回ると、それを口から摂取しますので、そこの部分は空気中濃度では評価できていません。それから、直接さわると皮膚から吸収されます。それは、私どもの友人がメカニズムを書いた文献があるので、お渡しできると思います。
○角田委員 経皮吸収と口から、あとは経気道も考えられるということですね。パーティクルの大きさによってだいぶ違うと思います。
○西川座長 どうぞ。
○池田委員 日本大学の池田です。
その粒子形について、情報はあるのでしょうか。
○田辺委員 ダストは、集めたものを63μmでふるいにかけて、それより小さいものも分析していますので、部屋にあるダストということになりますが、空気中にあるものは浮遊粉じんなのでもう少し小さいと思います。
○池田委員 そうすると、パーティクルの数の情報というのはあるのでしょうか。
○田辺委員 一緒に我々は測定してないので、測定しようと思えばできますけれども、先ほどの測定した住宅でパーティクル数は測定していません。
○池田委員 粒子形によって挙動がだいぶ違ってくると思いますがいかがでしょうか。
○田辺委員 浮遊粉じんが多い家ほど実は放散が多いのではないかと言われています。空気中がきれいだと放散が少ないのだけれども、表面積がふえると、その分出てくるのではないかという最近の研究もあります。だから、換気をするときに気をつけた方が良いということです。ワークショップなどでは、換気をすると、外から粒子状物質が入ってくると、それによって放散が増えるという実験結果が既にラボレベルでありまして、SVOCにおいて粒子との関係は非常に重要だと思います。
○西川座長 他にございますか。
どうぞ。
○東委員 近畿大学の東でございます。
資料1−1−2の14ページ目の測定手順のところで少し教えていただきたいのですが、「試験片を設置し」という左から2つ目のところは、空気中には化学物質がほとんど出ないということをおっしゃっていただいたのですが、壁面に恐らく建材から付着するということだと思うのですが、その後、加熱脱着をして測定することによって全体の放散速度が測定されるというのが次のページのDEHPのグラフという御理解でよろしいでしょうか。
○田辺委員 そうです。これは最初に建材を入れて、28℃で空気を流します。ところが、ここから化学物質は出てきてはいるのですが、この内壁に吸着するので、チャンバー排気口から外に出てくるものはほとんどない。ただし、内壁には吸着していますので、次に建材を外して、内壁についたものを脱着させて、外に出てきたものを足し合わせることによって、24時間の間に建材から出てきた物質を測定しようという方法です。
○東委員 そういう状況であるとしますと、例えばDEHPのような、非常に蒸気圧が低くて、揮発性が低くて、いわゆるオイル状のようなものに関してはガスの状態ではあまり移動・拡散しないというイメージなのでしょうか。
○田辺委員 ここから出ているものが、すごいものは8μg/m3hぐらい出ているということなので、沸点が高いから出てないということではないです。
○東委員 全体的にガス状になって出るというようなものなのか、または、移行してくる、ブリッジングのような形で、例えば壁面に沿ってずっと移行してくるようなものを測っているということはないのでしょうか。
○田辺委員 ここでは接触はしてないので、ブリッジを測定しているわけではないです。
○東委員  わかりました。ありがとうございます。
○西川座長 他にございますか。
 どうぞ。
○中井委員 横浜国大の中井です。どうもありがとうございました。日本語が意味不明となってしまっていますので、内容を確認いただけますか? 時間が経ってしまっているので怪しいですが、記憶によれば、1.韓国でのDEHPについて季節変動は調べたのか、2.(DEHPとは別に)VOC濃度は築年数との関係があるが、築年数との関係はどうなっているのか、3.そして空気中濃度測定をどうしたのか、ということを聞いたのではなかったかと思っています。細かい話になってしまって申しわけないのが、10ページ目の、先ほど紹介いただいた各御家庭でのハウスダスト中のDEHPの結果ですが、先ほどの話ですとオンドルのある御家庭が非常に高いということでした。それは韓国のお宅だったのですが、となると、日本のデータをどのように考えるかですが、DEHP濃度はかなり季節変動が大きいということと、これもやはり築年数等との関係があると思います。よく言われるVOCはどうなるのかなと少し気になったというのが1点と、あと、ハウスダストに加えて空気中の濃度を測定されたという話ですが、空気中をどのように測られたかお教えいただければと思います。
○田辺委員 まず、資料に出ていませんが、韓国に関しては床暖房を使ったときと使っていないときのダスト濃度は測っていまして、やはり温度が高いときはダスト中の濃度も高くなっています。それから、空気中濃度は、先ほどのISO等に則っていますが、部屋の中の空気をTenax TA 捕集管でで吸着させて分析しています。
○中井委員 では、空気中の粒子をとったわけではないということでしょうか。
○田辺委員 フィルタリングはしていませんので、空気に加えてこの辺りにある粒子は一緒に分析していることになります。加熱脱着しているので。
○中井委員 ただ、通常の粒子状の測定は特にはしてないという形ですね。
○田辺委員 測定していません。
○中井委員 普通、フィルターで捕集、最近話題になっているPM2.5でもみんなそうですけれども、フィルターで吸引しているのでしょうか。この一文も確認願います。
○田辺委員 違います。空気濃度を測定しているのですが、その中には、普通の部屋なので、粒子にくっついたSVOCも測定しています。
○西川座長 よろしいでしょうか。
 どうぞ、神野委員。
○神野委員 国立医薬品食品衛生研究所の神野です。
 まず、ISOからお伺いしたいのですが、数多くのISOで室内環境に関わる測定方法が定められているのですが、これの対応JISが無いものについて、今後、JIS化は行われていくという理解でいいのでしょうか。または、必要なもの、何か選定されて進められていくということなのか、その辺りをお伺いしたいということが1点です。
 もう一つ、SVOCの御発表で対象物質がリストアップされているのがございましたが、2-エチルヘキサノールからDEHPまでということで、恐らくC16よりも前に出てくる部分がここに含まれているということで、一部、VOCに分類される化合物が入っているのではないかと拝見したのですが、その辺りの理由と、または、そもそもこの化合物を選定された根拠がございましたら教えていただきたいです。
○田辺委員 前者の質問のISOをJISにするのは、私は行政官でないのでお答えしづらいのですが、ニーズがあれば翻訳される可能性も当然あると思います。御紹介したかったのは、VOC、ホルムアルデヒドだけではなくて、室内空気を汚染するものに関してはこれだけヨーロッパ、アメリカで規格化が行われていますよということです。
 2点目のSVOCの物質は、私どもは建築屋なので、先生方のように化学の分析が専門ではありませんので、分析してくださる方々と一緒に話し合いながら分析をしています。実は、建築の学生に分析させても精度よく出ないということがあります。標準がこれはあるので、これを分析しているということの方が大きいと思います。
○西川座長 よろしいでしょうか。
 どうぞ。
○東委員 デンマークの規制について教えていただきたいのですが、元々ヨーロッパは、3歳以下の玩具に関する規制、7種類のフタル酸エステルだったと思いますが、先行規制を10年ほど前からやっていると思うのですが、今回のデンマークの規制というのは室内使用製品全て、これは0.1%以上超えるものを使用禁止というような厳しい規制になるのでしょうか。
○田辺委員 そうですね。私は、これを聞いたのは12月だったのですが、その後、何人かの方に伺うと、欧州の中でデンマークだけ過剰規制だということをかなり言われているらしくて、2月28日から施行という情報は得ているのですけれども、どう施行されているのか、残念ながら、今ヒアリングできていません。
○東委員 持ち込むものも対象になるわけですか。
○田辺委員 もし輸入と言って申告すれば、なる可能性はあるのではないかと思います。
○東委員 居住者の方が持ち込むものも対象になると。
○田辺委員 輸入してしまえば輸入だと思います。全文はデンマーク語だけではなく英語でも読めます。
○東委員 その根拠といいますか、そういうことまで至った理由とか背景の中には、例えばダストの話とか、あと空気中、どこをマネジメントするかというところが、トータルで考えた場合には元を規制しなくてはいけないとか、そのような発想なのでしょうか。
○田辺委員 だと思います。規制の中にも、このフタル酸類は皮膚及び経気道粘膜から吸収されるのでこういう対策をしますと書いています。原文、ホームページのアドレスについては、先生にお知らせするようにします。
○西川座長 よろしいでしょうか。
どうぞ。
○五十嵐委員 国立衛研の五十嵐です。
ハウスダスト中のDEHPの濃度実態の調査ですけれども、このハウスダスト自体は、その組成というのですか、ダストが何から来ているかというのはおわかりになっているのでしょうか。すなわち、何か家庭内にDEHP自体を含む製品があって、それを測っている可能性もあるのではないかということです。
○田辺委員 大変申しわけないですけれども、ダストを63μmでふるい分けて、粒子径が小さいものを溶媒抽出してGSで分析しているので、その組成そのものは測定していません。これをやる前に、私どもはダストをそのまま加熱脱着したほうがいろんなことがわかるのではないかと思って、ダストを最初とって、これはマイクロチャンバーの中に入れて加熱して調べたのですが、すごい量になってしまいまして、つまり、粒子そのものがプラスチックとかでできているとすごい量になりますので、その分析はやめて、ドイツで行われている人たちと話し合って、彼らと比較できるような方法で今分析をしています。残念ながら、その中にどういう金属が入っているとかということは我々は分析していません。
○西川座長 他によろしいでしょうか。
ないようでしたら、田辺先生、どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、「毒性学の今日的意義:高感受性群を視野に入れた検討」について、角田委員、御説明をお願いいたします。
○角田委員 北里大学の角田です。
先生の立場で、専門のことを話してくださいと言われたので、今日はこのタイトルのテーマを選ばせていただきました。
実はシックハウスの研究についても少し関わってはいるのですが、今日出席されてないですが、坂部先生がまとめてお話しになるということで、ちょっと釈迦に説法というところもあるのですが、トキシコロジーの一般的なことを私の研究を元にお話ししたいと思っております。
(PP)
まず、「毒性学とは」についてです。日本では意外となじみがない学問ですが、これは世界的にかなり有名な学問で、それを大学院として教えるコースもあるぐらいですが、毒性学とは、広い意味で言うと「生体に対する物質の有害作用を研究する学問」です。漠然とし過ぎるということかもしれませんが、非常に広い分野からなる応用学問です。社会的な学問、私がやっている衛生学自体も社会的分野と言われているのですが、社会と関連した学問で、応用学問であるということです。
ここに書いていますように、基本メカニズムとして細胞から生化学、生理のことを使ってとか、分子レベルでの作用メカニズムを探求するというのももちろん1つですが、個体の中を調べて、後で申し上げます量・影響関係を調べます。あとは、疫学研究などを用いて量−反応関係を評価する。こういうものもトキシコロジーに入ります。
それから、リスクアセスメント、これも日本では意外とまだきちんとやられてないところが多いのですが、害があるかどうかを確認して、その害が、量がふえるごとに発生率がふえていくという量−反応関係があるかどうかを確認し、生物学的モニタリングなどの手法を使って、本当に人間が曝露されているかを評価します。そして、リスクを社会的な面を含めて特徴づける。こういうリスクアセスメントまで含むものですから、非常に広い分野からなる応用学問だと言われております。
(PP)
ここで量・影響関係と量−反応関係を説明しています。これはもちろん皆さん御存じの方が多いと思うのですけれども、あえて説明いたしますと、量・影響関係というのは、有害物質の負荷量とその物質の、集団の場合もあるのですが、わかりやすくするために個体に対する影響の強さの関係を示したもので、量が増えるに従って影響がどのようになっていくかというものを個人の中で調べたものになります。
例えば有名なところでは硫化水素ですが、0.25ppm。これは環境中にも存在しうる濃度で、いわゆる温泉区域に行くと腐った卵のにおいがすると思います。硫化水素は猛毒ですから、我々がわかるようにできているのですが、その気中濃度が高くなると、においだけでなくて、粘膜が刺激される症状が出てくる。
ところが、100ppmぐらいになってしまうと、今度は体の反応が変わっていって、嗅覚がやられて、においを感じなくなってしまうということで、逃げようとするところが、普通は濃度が濃い方向には逃げないのですが、濃いほうに足を踏み入れてしまって意識障害、死亡などが起こるということです。このように個体に対する影響が変わっていくということです。
量−反応関係というのは、有害物質への曝露量が増えるに従って、ある一つの影響を指標として、その発生率が集団において増えていくかどうかということを示しています。
例えば対照群の、これは一番わかりやすいのはたばこですが、たばこを吸わない人のがんの発生率がこれぐらいだとしたら、10本まで吸う人はこれぐらい、20本まではこれぐらい、40本だとこれぐらいというふうに発生率が増えていくということが量−反応関係です。これを示すというのもトキシコロジーの役割の一つです。
(PP)
従来までのトキシコロジーの課題というのはどういうことか。1970年代ごろまで大きな問題になったのは、例えばイタイイタイ病の患者さんで長管骨というものの骨折が起こっているのですが、こういうカドミウムによるイタイイタイ病、またはメチル水銀による水俣病、この2つが日本で起こった環境汚染によって比較的大量の濃度で比較的短い間で起こってしまった代表的な病気です。これを毒性学を用いて原因やメカニズムを究明するというのが非常に大きな課題でした。
今、もしイタイイタイ病や水俣病が起こったら大変なことですから、環境基準の設定などにより、明らかな公害に起因する病気の発症は大きく減少しているというのが現状でございます。
(PP)
では、これから、もう毒性学は要らないのかということですが、そういうわけではもちろんないということで、今日的課題としてどういうことを考えなければいけないかについて説明します。
まず、環境面ではどういうことかというと、例えばPCB、これは環境中で分解されにくいものですから、長期にわたって環境に残存します。低濃度、長期曝露の影響というのは研究しにくいものですから、また場合によっては多世代影響というものもあるので、その健康影響を調べるということです。
PCBは、10年ぐらい前に世界の湖沼会議に出席した時に、30年前からシカゴの湖の底質の濃度がほとんど変わってないという報告もあったように、そういうものもあるということです。
次に、産業毒性学の大きな課題というのは、例えばアスベストはもう使えなくなっているのですが、アスベストを含む耐熱性、耐久性の物質は絶対必要なので、人工鉱物繊維などを導入しなければいけないわけですが、こういうものが、使ってみたらアスベストより危険でしたということでは絶対に許されないので、こういうものを使い始める前に、今ある動物実験、細胞培養などの毒性学の知見を用いて、その安全性の評価を行うことが必須ということになっています。
さらに、後で申し上げますが、許容濃度というものがあって、既存化学物質について適切な作業場の管理、健康推進のために許容濃度の設定を行うための基礎データを得るために研究を行うというのも重要です。
さらに、今、胆管がんなどが問題になっていますが、原因が不明の職業性疾患が現れたときの原因究明なども毒性学の役割ということになります。
(PP)
 許容濃度の考え方です。これは厚生労働省で話しても、皆さん御存じの人も多いと思うのですが、許容濃度、規定でいくと、労働者が一日8時間、週40時間程度、肉体的に激しくない労働、つまり、普通の呼吸をしていた場合に吸入する濃度ということです。有害物質に曝露される場合に、当該有害物質の濃度がこの数値以下であれば、「ほとんど全て」の労働者。これは少し注意すべき点で「全て」ではないのです。ほとんど全ての労働者に健康上の悪影響が見られないと判断される濃度ということになります。日本産業衛生学会が勧告しています。
 ところが、これはどうやって決めるかということになりますと、疫学の人の実験のデータがあればいいのですが、必ずしもそういうわけではなくて、動物実験におけるデータが多いです。例えばさっき言ったパーセンテージでいくと、このように、ある濃度から一気に毒性が上がっていると、ここからが一番低い影響を出す量、ここが最大の無毒性量ということがあります。
ただ、パーセンテージというのは実験動物数が多くないと出ませんし、こういう多群のときは、実は統計的解析をやると、どことどこが有意差あるというのがわからなくて、全体として有意差あるかしかわからないので、量−反応関係を拡大解釈して、平均値の上昇で、この場合は、いろいろ議論はあるのですが、平均値の差が、どことどこで差が初めて出るということができるものですから、平均値で、ある指標を見ようということです。
 それで、統計的に差がないところまでを最大無影響量、統計的に差があるところを最小影響量として、この最大無影響量というものを得て、そこに例えばラットなりマウスなどを使って、曝露期間が限られるので、それから考えられる安全係数、これは100分の1にすることが多いですが、そういうことから濃度を決定することが多いということになります。
 ただ、100という数値は少しいいかげんではないかという批判がありますので、ベンチマークドーズなどという考え方を使ってやる場合もありますということです。
(PP)
 ところが、今まで言ってきたことが古典的な毒性学の問題ですが、最近では、対応が難しい問題があります。1つは、話題になった内分泌攪乱物質では、量−反応関係では説明できないのではないかという説が出てきました。これは、低濃度のほうがむしろ高濃度よりも影響が強く、多く出るのではないかというような可能性が示唆されております。
ただ、これは全ての物質がそうでもなく、また、低濃度であると思われたのが実は疫学の場合、きちんと測定してみたら低濃度でなかったとか、そういうことがいろいろ考えられますので、必ずこういう関係があるというわけではないので、こういった部分は少し考えなければいけないということです。
 さらに、年齢、遺伝的要因、排せつ機能の低下などにより有害物質に関する感受性が集団において異なる可能性があり、また先程説明したとおり、許容濃度というのはほとんど全ての労働者について大丈夫だというところなので、全ての労働者ではないということです。つまり、感受性が高い人が含まれていたときに、その人に病気が発生しない保証はないということです。
その例として、シックハウス症候群、または化学物質過敏症などという問題、これは医学的に統一された概念は実はまだ無いのですが、今回の検討会でも出されたように、これまでの許容濃度より低い値を設定しなければならないということが考えられています。つまり、弱者に配慮した、弱い集団に配慮したトキシコロジーというのがこれから求められるということだと思います。
(PP)
 感受性を考慮した毒性学的、これは研究アプローチが非常に難しいのですが、考えられるどのようなアプローチがあり得るか。集団の中には感受性の高いグループが存在することを考慮し、どのような要因が有害物質の感受性に影響するのか検討します。こういうことを考えていかなければならないということです。
 例えば二世代曝露、胎児期や授乳期に胎盤や母乳を介して有害物質に曝露された場合に、親に直接曝露するより影響が強いと考えられるケースが多いので、その場合にどうかということを評価します。さらに、これより少し後の発達期に曝露されたものも検討する価値があるのではないかということが言われています。
 それから、何か病気に罹患している場合、排せつ機能が低下しているなどの影響も考えられます。
あとは、感受性を考えると、個体間の変動が少なくて毒性が検出しやすい動物というのは感受性の高いものを選んだということにもなり得ますので、こういうことを考える必要があります。
そして、そこにシックハウス症候群の考え方を入れる。
 このようなアプローチが考えられると思います。
(PP)
 ここは、私が今やっていることですが、まず、トリブチルスズの例を御紹介します。トリブチルスズは船の底とか漁網の防汚材として用いられてきましたが、免疫毒性、神経毒性などがあり有害ということで、規制により使用がほぼ日本国内ではなくなっております。しかし、途上国などでは未だ使用されるということで、現在でも魚介類や海の底質の汚染は報告されております。
 TBTの主な毒性として、胸腺萎縮など免疫毒性のほかに神経毒性が挙げられています。現在の汚染レベルは、かなり下がっていることもありますし、多くても数ppmレベルというのが昔あった程度で、人間の健康に直ちに問題になるレベルでは無くなっております。しかし、慢性の影響はわかってないことが多くて、特に動物実験において、二世代曝露をやったときに、F1、つまり、生まれた子供ですが、影響が強くあらわれていることが知られている。
さらに、TBTの分解産物でもあるジブチルスズは、有機合成の触媒として使用されるので、その残存による毒性が懸念されている。こういうことがあるので、まだまだやる価値があるということでやってみました。
(PP)
 何個かの論文を組み合わせた結果を御紹介しますが、4〜5週齢のマウスにトリブチルスズを経口投与して、かなり高い125ppmというものを設定したところ、最初のときは、味が不味いこともあって、食欲が落ちて体重の低下が見られるのですが、だんだん味が慣れることで追いついて、最終的には4週間、1カ月のうちにコントロールと余り差ができない程度まで至るということですね。これはだから、結構大きくなってからということです。
こちらは、スキャンした資料なので少し見にくくなっているのですが、簡単に言うと、妊娠したラットにトリブチルスズを与えて、胎盤、それから母乳期に曝露させて、それで、離乳後、9週令までは普通のえさですし、9週令からトリブチルスズに変えたという研究結果ですが、それをやってみますと、生まれたときは、手をつけるとラットはお母さんが子供を殺してしまうので、ある程度大きくなって9週令から測ってみたら、胎盤と母乳で曝露した群が、9週令の時点で、そうでない群に比べて体重が下がる。そこからトリブチルスズを餌に加えていくと、スズを加えたほうが少しは体重が下がるのですが、あまり差が出ません。
 ただし、通常のえさを与えても、体重の軽いほうが実は大きくなることもあるのですが、結局追いつかないということになるので、やはり体重の面でも影響が出ていると考えられます。
(PP)
 では、神経学的にどうかということで、オープンフィールド試験というのがありまして、マウスにも適用できるのですが、ラットを資料に示したような白い1メートル四方の箱に入れまして、ここで動き回る、立ち上がる動作を30分ほど解析します。そして、動き回る距離を計算して、どれだけ自発運動性があるかを調べます。立ち上がりの動作だと、好奇心というか、情動、自発的に探すかどうかを調べています。それから、顔を洗ったり体を洗ったりするのは、どれだけ落ちついたかを見るというような試験になるわけですが、このような試験をやった場合に、ずっとスズ与えていた群はもちろん一番悪いのですが、先ほど言ったように、胎盤・母乳だけを曝露した群も、やはりコントロールに比べて行動距離は少なくなります。それから、立ち上がり回数なども、これはコントロールで、これが胎盤と母乳曝露ですが、やはり下がるという結果になりまして、こういうことから考えると、神経的にも影響が出ていると考えられるのではないでしょうか。
 自発運動性が低いのは少し鬱っぽくなっているのではないかということも考えられますけれども、まだそれまでの評価はできておりません。
(PP)
 感受性の高い動物についての説明です。動物実験というのは、限られた動物の使用数、投与期間で行わなければいけません。これは人の能力の限界です。つまり何百匹もできればいいのですが、実験動作等を考えると到底無理で、数十匹が精いっぱいということです。1群10匹が、行動試験では一般的です。何とかそれをクリアするという感じで試験をするためか限界があるので、実験結果の個体間のバラツキが時に問題となります。
 そういうバラツキを減らすために、今やっているのは、Tokai High Avoiderラット、東海大学で開発した頭がいいラットです。記憶学習能力に優れた個体同士を掛け合わせて累代飼育を続けたところ、一様に高学習能力を示す個体間のバラツキが少ない動物ができるので、これで記憶学習能力の検討ができるのではないかと言われております。
(PP)
 次は環境汚染のフッ素になります。これはインドの方で、図の目の隠し方がうまくないですが、中国やインドではフッ素による地下水汚染が問題となっておりまして、高い場所では数十ppmにも及んでいるケースがあります。10ppm以上で多いと判断できます。井戸水に含まれる8ppm以上のフッ素を飲用することによって生じる骨硬化症が問題になっております。この骨硬化症というのは、図を見ればわかるように、背中が固くなり過ぎてしまって、この辺の骨も固くなった影響が関節にも及んで、体が曲がりにくくなっているというところです。これは中国やインドでは大変大きな問題になっています。
 調査は十分ではないのですが、イラン、タイ、アルゼンチンなどでもこういう8ppm以上のフッ素の問題が指摘されております。
(PP)
 フッ素の毒性は個体差があると考えられるのですが、現時点では実際にフッ素症が多発しているということがありまして、これは中国やインドでは数千万人と言われて、実際に健康影響が起こるとされるレベルより上で中国やインドで曝露されているので、感受性までの医学調査では不十分と考えられます。
 フッ素は腎臓を介して排出されるのですが、腎機能が低下している場合、排せつが低下し、結果として体内のフッ素濃度が高まる可能性が考えられます。高濃度であれば、腎毒性自体も示すということで、この腎臓の悪い人たちが当然中国やインドでもたくさん住んでいると思われるので、それで関連づけで報告したらどうかと思いまして、ちょうど腎機能が低下しているモデル実験動物として、ICR-derived glomerulonephritisマウス、ICRが元になっている糸球体腎炎を起こすマウスというのがありまして、この辺りを使ったらどうかと考えています。ほかに、IgAが高くなるHigh IgAマウスというのもあるのですけれども、こういうのも使ったらどうか。
(PP)
それで、今来ておられる研究所と共同研究させていただきまして、ちょうどこのマウスが手に入ったのでやってみたという結果です。
腎機能が低下したマウスを使うとどうなるかというと、ICRのほうは150ppmでも死なないのですけれども、腎機能が低下したマウスだと、150ppmだと徐々に死んでいって、1カ月のうちに全滅してしまうという結果になります。100ppmでは1匹が死んでいますが、腎機能が悪いと100ppmでも亡くなります。同じレベルでICRマウスの死亡は起こらないということで、やはり明らかに腎機能が悪いとフッ素の影響は強くなるということが考えられます。
(PP)
 そのマウスたちの、人間でも臨床現場の腎機能の指標として使われるBUNとかクレアチニンの血中濃度を調べてみたところ、やはり死ぬレベルになるICGNのほうは、BUNは全体的に上がっていますが、ICRは上がらない。クレアチニンに関しても、死ぬレベルだと上がってしまうということになります。
(PP)
 では、腎臓の変化はどうかということで、腎機能が違っていることでフッ素曝露マウスの腎臓病理はどうなっているかという図になります。こちらは正常の糸球体です。150ppmにしてもあまり病理的な影響は見られないという結果になります。
 ICGNマウスだと、そもそも糸球体の機能が悪いので、これと比べると、ピンクの部分が少し多いのですが、これは細胞領域が増えていると判断されて、糸球体腎炎が進んでいることを意味します。
ところが、25ppm段階で、濾胞というのですが、こういうのが出てきまして、100ppmになるともう糸球体がほとんどつぶれるような状況になりまして、100ppmになると、糸球体が悪く、甲状腺濾胞様構造と言うのですけれども、こういう大きなものができ、この辺も細胞がぐちゃっとつぶれています。150ppmはもう死んでしまっているので病理標本がとれませんでした。このように明らかに症状が進行したのが見られるということで、相乗的に、ICGNで悪くなっているのをさらにフッ素の付加で悪くすることが考えられるという結果となりました。
(PP)
 ここまでは古典的なトキシコロジーの話ですが、化学物質とシックハウス症候群がどう関係するかというのを一部だけお話ししておきますと、シックハウス症候群、今回の検討会でも議論が行われていますが、残念ながら、医学的に完全に統一された見解はいまだないとされています。シックハウス症候群にはいろいろな要素が含まれるので、化学物質に関連するものを明らかにするためには、きちんと分けてみようということで、我々は分類してみました。
 中毒などで化学物質に影響が起こりやすくなるのを1型。これは化学物質過敏症というのが元からありまして、それに近い概念です。2型は、化学物質によってシックハウスが起こったという可能性が大きい。職場の新築、改築、転居、移転後など、あるいは家具を入れた後に発症している。さらに、曝露によって化学物質があるところで検出されたら2型の可能性は大きいということになります。
つまり、精神的なもの、または明らかにアレルギーやほかの疾患によるということがわかっている場合を除いて、この2型ということを考えなければいけません。この2型の場合は、化学物質を測定している場合もあるのですが、健康影響では許容濃度よりさらに低い値で起こっていることが考えられるということで、これらに対してどうアプローチしていくかが問題だと考えられます。
(PP)
 これで大体25分ぐらいですが、「終わりに」ということで、今後の毒性学では、従来の基本的概念を踏まえることはもう当然だと思います。これをやった上に、例えばシックハウス症候群のように、感受性の高い集団があることを考慮した研究が望まれている。感受性を規定するものが何かを探求するのは難しいのですが、しなければいけないと考えています。
 そして、シックハウス症候群のような、発症のメカニズム、または規定要因が不明な点が多い健康影響に関しても、トキシコロジーからの解明も期待したいし、そういうことをやっていきたいと思っております。
 以上です。
○西川座長 ありがとうございました。
ちょっとなじみのある領域なのでほっとしていますが、御意見、御質問をお願いします。
 どうぞ、吉田先生。
○吉田委員 実は用語のところで確認させてください。3ページ目の許容濃度のところなのですが、無毒性量とか無影響量という言葉を使われているのですが、これはNOELでしょうか、それともNOAELでしょうか。
○角田委員 no observed adverse effect levelだと思います。
○吉田委員 となると、無毒性量になりますが。
○角田委員 その通りです。
○吉田委員 角田委員の資料ですと無影響量と書かれていますが。
○角田委員 毒性としようと思ったのですが、影響の方が訳としては良いと思ったので、資料ではそうしておきました。
○吉田委員 私の概念ですと、無毒性量と無影響量は定義が違うものですから、少しお尋ねした次第です。ありがとうございます。
○西川座長 厳密に無毒性量と無影響量を区別するという考え方がありますので、その点からの御指摘だと思います。他にはいかがでしょうか。
 どうぞ、斎藤委員。
○斎藤委員 シックハウスが起きて御相談いただく場合、人が訴える症状として、大体メインなものは目が痛い、喉が痛いでありますとか、頭が痛い、またはめまいがするとか、気分が悪いとかいうものが主なので、そういうものを動物使って見られたら良いといつも思うところですが、臓器異常が起こるからそれをもってシックハウスの指針値とすることがなかなかしっくりいかないと感じるところがありまして、そういった、例えば人間が外から見るとわからない患者の自覚症状として訴えるものをシックハウスという形で私どもはいつも御相談を受けるので、そのように考えてしまうのですが、例えば目が痛いとか喉が痛いとか頭が痛いとかめまいがするとか、そういった、人が訴えるような症状について動物を使って評価するということは可能でしょうか。
○角田委員 それは非常に難しいと思います。つまり、動物は自分で症状を言わないためです。あと、粘膜のその辺りになってしまうと、シックハウスというよりは、許容濃度の問題になると思います。つまり、ある濃度で、動物に粘膜の炎症が例えば病理的に観察されるとか炎症を観察されるとしたら、それは許容濃度の考え方で、一般的な許容濃度の指針ですが、今の考え方でいきますと、シックハウスはさらに感受性が高いというか、許容濃度より低い濃度で影響が起こるかもしれないので環境基準を云々しているというところもありますので、さらに特別なことを考えなければいけないのですけれども、どうしてシックハウス症候群になるかというのはわかってないですから、そういう感受性の高い人たちがどうしてこんな低い濃度で症状が起きてしまうのかについて考えなければなりません。
 ただ、シックハウスの2型と言われる人で化学物質の空気中濃度を測定しておいて、もしそれが許容濃度より上であれば、シックハウスでなくて、例えばホルムアルデヒドの粘膜障害という診断というか、そういうことになるわけなので、やはりその辺は非常に難しいところだと思いますね。だから、感受性が強い部分も考えてはいるのですけれども、非常に難しいと思います。
○西川座長 よろしいですか。
 どうぞ、東委員。
○東委員 許容濃度の御説明のところですが、いわゆる職業性曝露で言っている許容濃度と我々が今議論している一般環境中の指針値、または基準値というのは少し考え方が違うと思っています。出発点は同じようなLOAEL、NOAELであっても、その後のアセスメントが異なりますので、1日8時間、週40時間の健康な成人の方の許容濃度と、お子さんとか妊婦の方とか、そういった方を含めた感受性の高い方も守るための指針値のところの考え方は少し違うと思いますので、その辺りをできれば御説明願います。
○角田委員 許容濃度は、要は、そういう物質を使っているので、理論的には環境基準より高くあるべきというのは変な言い方ですけれども、一日8時間、週40時間と限定されていて、かつ、成人でほとんど全ての労働者に対して影響が起こらないのが許容濃度となります。当然、環境基準は1日24時間、1年365日全ての年代層で、これもほとんど全てになると思うのですけれども、そういう住民の方に影響が起こらない濃度と考えたほうがいいと思いますので、許容濃度をなぜ決めているかというと、その物質を使って製品を作るわけですから、ある程度室内濃度が高くなるのは避けにくい。つまり許容濃度をあまり低く設定しすぎると製品が作れなくなってしまうからというところはあると思います。だから、そういう違いを意識していかなければならないと思っております。
○西川座長 よろしいでしょうか。
 毒性学が健康影響のメカニズムの解析に重要であるという最初のお話ですが、その症状がメインの症候群であって、動物でどれだけそれを再現できるかという問題もありますけれども、その辺りはいかがですか。
○角田委員 それは非常に昔から難しいと言われていて、例えばイタイイタイ病ですら、あれはイタイイタイという患者の主訴が出るのですが、動物は「痛い」と言わないので、動物実験の際には非常に難しかったという例もありまして、シックハウスは、現実に言うと、動物の症状はないので、ただ、前の13物質のときも、動物実験のデータを基準に指針値を設定していますから、考え方によっては、安全係数を少し多目にとるという考え方が1つではないかとは個人的には思いますが、とにかく難しいことは間違いないと思います。
○西川座長 他によろしいですか。
 9ページ目に「シックハウス症候群の基準付臨床分類」とあるのですが、ここに書かれているのに、いわゆるどういう症状が、当該症状という文言は出てくるのですが、それ以外にどういう症状があればこのシックハウス症候群と言っていいかとか、そういう点について考慮はないのでしょうか。
○角田委員 北里大学にシックハウス症候群だと言って来られた患者さんを集めて診断して、それで分けたものが資料の表です。ところが、シックハウス症候群は、残念なことにと言うのは変な言い方ですが、これだからシックハウスと診断できる症状はないのです。つまり、一般症状しかないということです。例えば、先ほど斎藤委員が言われたように、頭が痛い、目が痛い、そういう一般症状がこういう方では強く出るというところなので、この症状が出たからということはないのです。ただ一般的に多い症状、例えば粘膜刺激症状とか頭痛とか、そういうことはあるのですが、この症状が出たからシックハウスというのは非常に難しいと思います。
○西川座長 そうすると、主訴といいますか、患者の訴えが、主体の症状がメインになっているということと、それから、症候群自体の概念もまだ明確になってないということですね。
○角田委員 だから、非常に難しいことをやらなくてはいけないということです。ただ、実際、明確にはなってないですが、先ほどから御指摘ありましたように、低い濃度の曝露でも病院に行かれる方々がたくさんいて、かつ、どうもメンタルは排除できるだろうという人は相当数いるものですから、やはりシックハウス症候群の存在を否定はできないということで、それをいかに防止するために基準をきちんと作っていくかということは今後の課題だと思います。
○西川座長 ありがとうございます。他にはいかがでしょうか。
 どうぞ、神野先生。
○神野委員 高感受性群というのを考えるときに、恐らく生体側、人の側のターゲットが何であるかというのが非常に重要になると思うのですが、例えば先ほど斎藤委員らがおっしゃられた、頭痛、神経症状なのかもしれないですが、または粘膜刺激といった症状を引き起こすような生体側のターゲットとしてどういうものが今想定されているのかということに関して、もしも知見があれば教えていただきたいです。
○角田委員 それもいろいろ言われている方がいて、例えばにおい過敏症があります。そういうことで研究したこともあるのですが、においをより強く感じる人がそうなのではないかと考えている方もいますし、様々な試験法も考えられてはいるのですが、シックハウスの患者さんでできると言っている先生もいますが、医学的に、この検査がこうであればシックハウスということはまだ言えない状況です。やはり総合的に判断せざるを得ないというのが現状だと思います。
○西川座長 どうぞ、広瀬先生。
○広瀬委員 先ほど、シックハウス症候群の人を集めて、クライテリアとか診断基準を分類されたとおっしゃていて、あと、基準値というか、低い濃度で症状が出たという話ですが、多分、これからそういうことを防ぐための基準をつくらなければいけないと考えたときに、閾値という言い方はあれですが、すごく少なくすれば症状が出ないようになる室内濃度が決められるとお感じでしょうか。濃度は測定できないので難しいですけれども、感触で構いませんのでお聞かせいただければと思います。
○角田委員 どこまでも低くすれば、例えばケミレスハウスという取り組みも千葉大学でやっていますが、全然化学物質を無くすことができればそれはいいのでしょうが、全くなくして現状の家屋などが成り立つかというと、やはり非常に難しい状況にあって、全部ケミレスにするわけにもいかないので、シックハウスというのが、感受性が高い群がいながらも、あるレベルを決めて、特別に本当に特異的になる人だったら防ぎ切れないですが、ある程度、これぐらいだったら一般に感受性高い人含まれても、シックハウスという人は増えない、社会問題にならないであろうというようなレベルを考えるのが現実的ではないかと思います。それは非常に難しいことだと思いますが、そうするべきではないかと思っています。
○広瀬委員 感受性が高いながらも、そこに用量関係があるのだとすれば発症率が何%と、多分、角田委員がおっしゃったケミレスハウスのアウトプットはそのようなデータだったと思いますので、閾値は決められないまでも、どこかに線引くような用量−反応曲線はありそうかどうかというのを少しお聞きしたかった次第です。
○角田委員 非常に難しいと思います。また、総合的にかなり判断しなければいけないので、この分類を専門医とかがやってみても、かなり詳しいクライテリアをつけたとしても、どうしてもメンタル疾患を排除できないというところもありますので、なかなか難しいところです。その難しいことをやろうとしているのがこの検討会の趣旨なので、まあこのぐらいなら大体今ある知見では良いだろうという値を決めなくてはいけないと思っております。
○西川座長 よろしいでしょうか。
 そうしましたら、角田委員、どうもありがとうございました。

 ここで10分程度休憩をとりたいと思います。あの時計で3時半まで休憩といたします。

(休  憩)

○西川座長 それでは、時間ですので、再開いたします。
 続きまして、「シックハウス対策の取組状況について」、厚生労働省健康局生活衛生課の奥野様、御説明をお願いいたします。
○奥野氏 御紹介いただきました、厚生労働省健康局生活衛生課の奥野と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 私の方からは、資料1−3「シックハウス対策の取組状況について」、厚生労働省の生活衛生課での取組状況になりますが、簡単に御紹介させていただければと思います。申しわけないのですが、スライドなどは用意していないですので、お手元の資料だけでお話をさせていただければと思います。
 生活衛生課での取り組みでございますが、1枚目にございますように、大きく3つに分けて進めておるところでございます。
 1番目が「建築物衛生関係」ということで、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」、建築物衛生法ですとか、以前ですと、ビル管法と略される方もいましたが、昭和45年にできた法律でございまして、建築物における衛生的環境、空調ですとか給排水、清掃、ネズミなどの防除、そういったことを守ることで建築物を利用される方の健康を守っていこうという法律でございます。
 この中で、3,000m2以上のものを特定建築物としてこの法律のいくつかの義務の対象にしているところです。平成15年4月に改正政省令が施行となっておりますが、この中でホルムアルデヒドの測定が追加されています。
 2点目が、「調査研究の実施」ということで、厚生労働科学研究費補助金で10年以上前から行っていただいているものですが、「室内環境評価、住宅対策に関する研究」、「シックハウス症候群の原因解明のための実態調査に関する研究」、「シックハウス症候群の概念整理、診断基準等に関する研究」、「シックハウス症候群の対応方策に関する研究」と大きくこの4種類に分類して進めておるところです。
 3番目の「相談体制整備」でございますけれども、保健所ですとか地方衛生研究所における相談・測定体制の整備ということで、これは2番目の調査研究で出てきた成果を活用しているということにもなりますが、相談・測定マニュアルなどを作成して進めていただいているところです。
 また、都道府県などのシックハウス担当職員を含む「生活衛生関係技術担当者研修会」、これは厚生労働省で毎年開催しておりますけれども、この中でシックハウス対策についても情報提供を進めているところです。この中身としては、先ほどの研究、厚生労働科学研究費での成果なども含まれています。
 3番のウになりますけれども、一般の方向けの普及啓発用パンフレットを作成していまして、これは自治体から配ったり、または厚生労働省のホームページに掲載したりして普及啓発を進めています。
 資料1ページ目のうちの1番目と2番目のところを少し詳しくお話しさせていただければと思います。2ページ目をおあけいただければと思います。建築物における衛生的環境の確保に関する法律で、そのうちの空気環境に関する規制についてお話をさせていただきます。
 まず、建築物衛生法の規制対象でございますけれども、測定が義務となっている特定建築物となりますが、これが興行場、百貨店、集会場、図書館、博物館、美術館、遊技場、店舗、事務所、学校、旅館、そういった特定の用途に使われているもので、その面積が3,000 m2以上であるものを測定義務の対象としております。
 ただし、この中で学校教育法第1条に規定する学校につきましては、8,000?以上ということで、このように用途と面積、この2つが合致する場合には特定建築物として対象になるものです。
 このうち、空気環境の維持管理に係る規制内容でございますが、特定建築物に空気調和設備、これは空気の浄化、温度、湿度、流量の調節ができるものでございますが、これを設けている場合には、表にございますような7項目をおおむね適合するように維持管理をしていただいているところです。また、機械換気設備、浄化及び流量の調節機能を設けたものということで、これは温度と湿度の調整ができないということになるのですが、これにつきましては、この表の温度と湿度を除いた5項目について、おおむね適合するように維持管理をしていただいております。
 この管理基準については、建築物衛生法の施行令、政令で定められていまして、ホルムアルデヒドについては、平成14年10月に政令改正で追加されたものです。管理基準としては、0.1mg/m2以下ということになっております。
 また、より具体的なところを省令、施行規則のほうで定められていまして、ホルムアルデヒドにつきましては、特定建築物が建築されたり、または大規模な改修、模様がえが行われたりしたときに測定されて、最初に到達する6月から9月の暑い時期になりますけれども、この時期に測定していただくこととしております。
 0.1?/m2以下であることを御確認いただくのですが、仮に超えていた場合には、空調設備を調節していただいて、外気の導入量を多くして、ホルムアルデヒドの濃度を下げていただいて、翌年の6月から9月にもう一度測定していただくこととなっております。
建築物衛生法では、この基準を適合しなかったからすぐ改善命令ということではなくて、立入検査が行われて、維持管理基準に不適合で、人の健康を損なうおそれのある事態、その他環境衛生上著しく不適当な事態がある場合に、改善命令が出されます。この立入検査を拒んだり改善命令に従っていただけなかったりした場合には罰則が科されることがございます。
 3ページ目に移ります。「シックハウス症候群関係の主な研究一覧」ということで、1ページ目の4種類をさらに詳細に記載しているものです。お集まりの先生方には、主任研究者として、または分担研究者として私どもの研究に参画していただいて実りある成果を出していただいているところでございまして、この場をお借りしてお礼申し上げます。
 過去からの研究もあるのですが、平成24年度に動いているものとしては、一番下にございますシックハウス症候群の発症予防、症状軽減のための室内環境の実態調査と改善対策に関する研究ということで、国立保健医療科学院の櫟田先生に進めていただいているものでございます。
 これらの研究を通じまして、自治体職員への情報提供ですとか、または診療マニュアルですとか、相談マニュアルですとか、そういったものを作成していただいているところです。
簡単ではございますが、説明は以上になります。
○西川座長 ありがとうございました。
ただいまの御説明に対して、御質問等ございましたらお願いいたします。
○池田委員 日本大学の池田です。私、昔、国立保健医療科学院、昔の公衆衛生の分野にいて、これらのことに随分携らせていただきましたし、建築物衛生法がほぼ10年前に改正されたときにもその改正作業をやらせていただきましたが、そろそろ改正から10年たつので、建築物衛生法について見直されることがあるのかどうか。
また、改正があるとした場合、この中の粉じんの基準ですね。今、PM2.5が大変話題になっていますけれども、建築物衛生法で規制されているのはPM10ですので、その辺の差をどう考えるか。PM10の150μg/m2、0.15?/m2というのは恐らくたばこの煙の制御を意図したものですが、今、オフィスの中でたばこを吸うという人はほとんどいなくなっている現状でどう考えるのか。それから、大気環境基準との整合性等を見直していただきたいという気もしますし、二酸化炭素も基準値が1,000ppmとなっていますが、外界のCO2濃度が上がっている状況で、あくまで1,000 ppm以下を室内でキープするということになると、その分換気量を増やさなければいけなくなって、これは省エネルギー対策とかなり矛盾してくるので、その辺りの検討もあるかと思います。
それから、相対湿度も40%以上、70%以下となっていますが、特に40%以上というのが守られないということがあります。これは、加湿が努力不足ということはあると思うのですが、最近の空調システムによっては、夏に湿度が40%を切ることがあるのですが、その場合まで、この法律を適用しなければいけないのでしょうか。
言い換えますと、基準値について夏用と冬用というふうに、夏は70%以下、冬は40%以上という書き方の方が良いのではないかとか、建築物衛生法について改正の論点が幾つかあるわけで、その辺りのことについて、そろそろ改正から10年たつので、何らかの見直しをお願いしたいと思っております。いかがでしょうか。
○奥野氏 結論を先に申しますと、御要望いただきありがとうございましたということと、今この時点でどうするかという方向性がないということをまずお知らせさせていただいた上で、過去にもこの基準が変わってきたということもございますので、これを今変えないというところはないのですが、今日御紹介はできていないですが、管理基準の今後のあり方についても厚生労働科学研究費で知見を集めているところでございますので、そういった研究の成果とリスクに基づいたこの管理基準ということで、いつということはないですが、今後ずっと見直さないということではないので、将来的な課題とさせていただければと考えております。
○西川座長 よろしいでしょうか。
 ほかにございますか。
○斎藤委員 東京都の斎藤です。
 大きく分けて4つのカテゴリーで、そのシックハウスに対する研究をずっと行われているということですが、私は分析の方が専門ですので、そちらに関わらせていただいたりするのですが、分析の方が入って、分析調査がメインである研究と、あとは、医師の方がメインで、そういった症状とか診断に関する研究と、それから住宅の対策に関する研究と、それぞれが非常にすばらしい研究成果を出していらっしゃって、その分野に対しては非常に専門的な方がお集まりでいらっしゃるのですが、例えば医師の方がメインの研究報告の発表会に参加させていただきますと、分析などをして、最近の現状、化学物質の室内濃度がどのような現状かということについては余り最新の情報をお持ちでないということを非常に感じる場面がありまして、せっかくこのようにたくさんの専門家の方が研究されていて、それぞれの分野では非常に最新のことですけれども、分野間の共通認識といいますか、それぞれの最新のデータの意見交換というのがなされれば、もっと総合的に物事が進んでいくのではないのかと感じたことがありましたので、そういう機会をもしもっていただけるのであればありがたいと思います。
○奥野氏 ありがとうございます。今後の研究の進め方にはいただいた御意見など参考にさせていただければと思っております。
○西川座長 ぜひよろしくお願いいたします。ほかにございませんでしょうか。
 無いようですので、どうもありがとうございました。
 それでは続きまして、「カリモクのシックハウス対策への取組み」について、カリモク家具株式会社の栗原様より御説明をお願いいたします。
○栗原氏 初めまして。カリモク家具の栗原と申します。よろしくお願いします。
 本来ならば、日本家具産業振興会の事務局がこちらに来ていろいろとお話をしていただけるとありがたかったのですが、日本家具産業振興会の会長を当社の相談役がやっておりますので、行ってこいということでありますので、きょう報告させていただきますが、1つだけ先に申しておきます。数多くの会員さんがいる中で、今回の報告が日本家具産業振興会の会員全員の取組みということに考えてしまいますと誤解招くかもしれませんので、あくまでも、カリモクとしても業界団体の指針に基づいて取り組んでいる内容を報告させていただくということで御理解いただきたいと思います。
 それでは、始めさせていただきます。
(PP)
 表紙にもありますように、昨年、商務流通保安審議官賞を受賞させていただきました。それから、ISO、森林認証のFSC、PEFCも認証を受けて今進めているところです。
(PP)
 会社のアピールで申しわけないですが、まず始めに会社概要を簡単に説明させていただきます。
 カリモク家具株式会社、愛知県に所在しまして、設立は1947年、昭和22年ということです。
従業員は、昨年の4月1日現在で881名ということで、取扱品目は木製インテリア家具です。
 「誠実であれ、進歩向上しよう、和をはかろう」の社訓と、創業以来70年以上の歳月にわたって貫いてきたモノづくりへのこだわり、それを支え続けてきたのが「品質至上」ということで取り組んでおります。
(PP)
 カリモク家具本社を含めまして製造メーカーは5社、7工場ございます。愛知県に3社、岐阜県に2社という形になっています。資材工場につきましては、無垢の木材の調達を国内で3社、それからマレーシアで1社ということで4社の体制で取り組んでおりまして、無垢の木材量の調達から製品、完成、出荷までの一貫生産を行っております。
(PP)
営業所につきましては、全国に27の営業所を構えまして、19カ所の全国ショールームを抱えて営業活動を進めさせていただいております。
(PP)
主な取扱商品につきましては、このような全般的な木製のインテリア家具ということで、製造と卸売をやらせていただいております。
(PP)
「カリモクのシックハウス対策取組の変遷」でありますが、やはりシックハウスで一番悪はホルムアルデヒドだと言われているのですが、ホルムアルデヒドとその他の化学物質、VOCですね。VOCを少しでも減らそうという水性塗料への取り組みですとか、重金属への取り組み、または表示について少し説明させていただきます。
ホルムアルデヒドにつきましては、ここに記載漏れもありますが、塗料も含めて接着剤も2004年から変更をスタートさせまして現在に至っております。
全て購入部品でありますが、合板類につきましては、2001年から取り組みをスタートしまして、当初はF☆☆☆、F☆☆☆☆の併用を行っていたのですが、接着剤の変更と同時に、2004年の4月にはF☆☆☆☆統一ということで現在に至っております。
このホルムアルデヒドに関しましては、2010年の12月、この時期から社内でデシケーター法に基づいて受け入れ検査をやろうということで、業者を信用してないわけではないのですが、カリモクとしてユーザーにきちっとしたものを届けるための受け入れ検査としてはやるべきだろうということからスタートしまして、業者の認定証明書等を含めて確認と同時に、社内で抜き打ちの受け入れ検査を毎月行っております。
ホルムアルデヒド以外の13物質とありますが、多分、ホルムアルデヒドを抜くと、今、12物質だと思いますが、13物質の内容についてはこのようになっています。塗料メーカーのほうは、2001年のころから一応いろいろタイアップして進めてきまして、弊社でポリエステルの塗料、スチレンが入っているのですが、この塗料以外は全て更新されまして、接着剤のトルエン、キシレン等の物質については全てフリーな状態になって、現在に至っています。
ポリエステルのスチレンに関しましては、また少し御説明させていただきますが、その他、VOCを少しでも減らしていこうということで、水性の塗料に取り組んだのが2004年の5月でした。これから1年半ぐらいやっていたのですが、少し挫折しまして、品質ですとか原価とかいうことで、やはりこの時期からみんな水性にという取り組みをしているのですが、現段階、塗料メーカーに確認しましても、その当時の水性の塗料の売り上げからするともう激減していて、使っている関係では、自動車関係のメインでない部位に多分多く使われているのではないかと思いますが、まだ使われているということですが、弊社としましては、いろいろと製品の品質等々も考えまして、今は保留になった状態のままになっています。
重金属につきましては、中国の玩具で鉛でしたか、検出され、リコール事件が発生した時期を機に、弊社で取り扱っている塗料にそういったものはないだろうということで検証していきますと、本当に少量だったのですが、色ネタにそういったものが使われているところがありまして、完全フリーを2007年にしております。
その際に、取引業者には、食品衛生法に基づく試験をしていただいたり、証明書その他のMSDS等々も含めてきちっとそろえていただいたりして、それ以後は鉛フリーの状態になっております。
それから、表示につきましては、今、日本家具産業振興会となっていますが、当初は全国家具工業連合会という組合になっていまして、国際家具振興会と合併して、2010年に日本家具産業振興会ということになりました。当初、その業界団体の指導で、統一表示ということで採用していたのがF☆☆☆とF☆☆☆☆の表示がありました。弊社も両方とも併用していたのですけれども、先ほどの話と同じように、2004年の4月からほぼF☆☆☆☆に統一できることになりまして、表示も全てF☆☆☆☆という形で、F☆☆☆は一切ないという状況で現在に至っております。
(PP)
すみません。これは14物質と記載されていますが多分13物質だと思います。現在の指針値にはノナナールがないと思いますが、物質につきましては、先ほど申し上げましたこのスチレンというのがありまして、当初はノンスチレンにもチャレンジを当然しているわけですが、やはり作業性とか品質、ユーザーの要望品質ということからすると、一部どうしても抜けないものがありまして、こういったのは告示対象といいますか、弊社としても対応できておりませんのでということを納得いただいて御購入いただくということで取り組んでいるのですが、このスチレンにつきましては、ピアノ業界ですとかいろんなところもいろいろチャレンジしたのですが、現状はまだそれが撤廃できてないところもあると塗料メーカーには聞いております。
そういった意味で、唯一、この赤丸1つあるのが非常に気がかりになっているわけですけれども、全体の売り上げとしましては、弊社の売り上げの約220〜230億の0.4%という形になっております。
(PP)
 これから、社内でやっていることの御紹介ですけれども、先ほど言った社内の検証はデシケーター法に基づいてやっております。JIS、JASに基づいた規格をきちっと作業手順を守って、最終的には分光光度計で測定を行っております。
(PP)
社内でやっていることに対して精度がないではないかということになってしまうと問題でありますので、定期的に、弊社でやるものと同じ材料を公的機関に払い出しをしまして、同じ数値の確認をしますとだいたい0.012の差ぐらいで出てくるということで、社内の試験も精度が高いと考えております。
(PP)
 統一表示につきましては、今申し上げましたように、F☆☆☆とF☆☆☆☆で当初スタートしまして、2004年には、カリモクとしては全てF☆☆☆☆に統一しました。先ほど申し上げました、2010年には日本家具振興会と改名、または、弊社も営業と製造部門が合併しましたので、ちょうど同じ時期に改名して、カリモク家具株式会社となりました。
(PP)

 カリモクの使用材料の証明の手順ですけれども、このような形になっておりまして、素材関係、基材のMDFとか合板、PB(パーチクルボード)、こういった関係につきましては、JIS、JASの工場証明書の調達ですとかF☆☆☆☆の証明書調達、またはホルムアルデヒドの放散試験データというものを調達して確認しており、さらにこの辺りのところは、先ほど御紹介しましたように、社内でデシケーターで確認しております。
 化粧板につきましては、基材の証明、張ってある下の基材、それがほぼ合板とかMDFという基材になるのですが、そういったもののF☆☆☆☆の証明書、それから、それを接着している接着剤の証明書、それから、突き板等々につきましては全天連だとか建材産業協会などの登録番号を確認して採用しているという形であります。
 成形合板、接着剤につきましては、接着については、証明書の調達を行い、または化学物質のMSDS、厚生労働省が出している室内濃度指針値の、すみません、これは13物質ですけれども、証明書を各業者から、またはメーカーから調達して確認するということです。
 塗料につきましても同様の形で、日塗工の証明書ですとかメーカーの証明書、MSDSという形で確認をとっております。
これらの積み上げが、弊社の木材を使った材料等含めて椅子とか箱物製品になっていきます。そこにおいては、接着剤の仕様書、または塗料仕様書という形で、これらのものが必ず適用されているというところで製造を行っております。
(PP)
 少しカリモク家具の具体的な製品がどのようになっているかということを説明させていただきます。食器棚でございます。食器棚全体の本体組み立て時に係るものについては、接着剤、塗料ということで、基本的に、告示対象外ではあるのですが、きちっとF☆☆☆☆の確認をとって進めております。
 それから、側板外面につきましては化粧板を使っておりまして、基材にMDFを使っていますのでF☆☆☆、それから、接着剤も非ホルムアルデヒド系で、酢ビエマルジョンということでF☆☆☆☆、それから、化粧板の無垢単板につきましては告示対象外という形でできております。
 次に扉の関係も、同様な形で、証明書をとって進めております。それから、食器棚の中にある棚板も同様に、基材の関係、接着剤の関係、F☆☆☆☆、それから、無垢は対象外になっておりますので表示ないということですが、同様に、台輪も同じような形で進めております。総じて、扉の関係ですとか、今度は引き出しの中箱、または、この箱の内面の仕様も全てこのような形でF☆☆☆☆材料を調達しまして製品として市場に送り出しているということです。
 取扱説明書には、このような団体統一の表示シールを一緒に入れて同梱して出荷しております。これが食器棚です。
(PP)
 ダイニングテーブルは少しシンプルですが、これはほぼ木材でできておりますので、ほぼ告示対象外になるのですけれども、社内で組む接着剤もF☆☆☆☆、または、巾剥ぎ接着、集成材にする接着剤もF☆☆☆☆という形で、F☆☆☆☆の製品ということで商品として出させていただいております。
(PP)
 これがデスクの関係です。ちょっと型が古いデスクで申しわけないですが、デスクも同様に、全体を組む構造を組み付ける際の接着剤とか塗料とかは全てF☆☆☆☆ということで、天板や側板、天板はフラッシュになっていまして、回りに無垢のえん材が回っているのですが、それから側板、棚板、台輪、引き出しの前板、引き出しの中箱等々、全てこのような状況でF☆☆☆☆という形で製品化されております。
(PP)
 次に、椅子ですけれども、椅子も同様です。たまたまこの椅子の製品はアームも、このような形状をして三次元にしていますので、成形合板です。当然、この成形合板に関する証明もとり、どういう接着剤を使っているかということの確認、証明もとっております。あと脚も積層になっておりまして、積層に使っている接着剤もF☆☆☆☆という形で、総じて、この椅子もF☆☆☆☆という形で、このような形で一つ一つ部品の証明をして市場に送り出しています。
(PP)
 そうした中で、カリモクの課題としては、ホルムアルデヒドにつきましては、やはり海外からの輸入をどうしてもしなければいけない部品もございます。海外部品については、弊社で購入しているものについてはF☆☆☆☆対応が十分できてないのが実態で、F☆☆☆が限度かなと。弊社としてはF☆☆☆☆ですので、F☆☆☆はだめだということになりますので、F☆☆☆☆でない製品として、きちっとお客様にアナウンスをさせていただいて購入いただいております。
 それからもう一つは、国や地域、先ほど委員の方からいろんな資料を説明いただく中で、私ども、プロではないものですから、規制の中身やらがよくわからなくて、またご教示いただければと思うのですが、国や地域によって基準や規制が違ったり極端な場合は無かったりということがありまして、海外の国もわからないものですから、輸入についてはいろいろと確認はするのですが、商品化においては、基本的にはF☆☆☆☆を求めるものの、とれないものもあるということであります。
 国内においては、取引業者でも、まだ一部、どうしても対応できないというところがございます。構造強度をどうしても重要視するので申しわけないということで、弊社としても、その製品を廃番にすればいいのですが、少し売れておりますので、これもF☆☆☆が限度ということで、F☆☆☆☆ではないということで告示して販売させていただいております。
 そういった中で、またエコの戻りでありまして、自然系の塗料を使いたいということもあるのですが、当初はやはり弊社も自然塗料を使っていたのですが、どうしても加工途中でホルムアルデヒドが発散して問題だということが東京都の調査の中でいろいろ話題になったときに、日本塗料工業会がF☆☆☆☆を下げてしまったということもありまして、弊社としてはその材料を使っていたものもF☆☆☆☆でないということで表示できないということであります。
 実際のことながら、加工途中ですので、施工の部分ではホルムアルデヒドが発生しているのですが、完全に養生・乾燥して、ユーザーのところに届くときにはもうそういったホルムアルデヒドの製品からの放散というのはなくなっていくのですが、材料が表示されてないことは我々も表示できませんので、それは守っているというところであります。
 それから、先ほど言いましたF☆☆☆☆の確認を公的機関と社内の検証をさせていただく中ですが、昔はわかりませんが、昔は公的機関から証明書を出してもらえたということらしいのです。今は公的機関で、F☆☆☆☆だと確信できても証明書を出してもらえないということからすると、弊社もそういった形で表示することもできないものですから、こういったことが何か改善していただけないかというのもあります。
それから、厚生労働省の指針値についても、先ほどのスチレンモノマーにつきましては、先ほど言ったように、0.4%の売り上げがありますけれども、これも降下(乾燥)しまえばそういった問題もなくなってくるのですけれども、降下(乾燥)途上というのもありまして、そういうものを使われているということで表示はできないという状況になっています。品質だとか作業性だとかいうことも理由の一つにあるので続けているのですけれども、これから、そういう世の中ではなくなっていくということですと、この辺りはどうしても対策しなければいけないことだと思って、また塗料メーカー等に働きかけをしていきたいと思っております。
それから、その他のVOCにつきましては、私どももよくわからなくて、どういうものだということが明確になってくれば、今までの証明書をとると同じような形で、検証・確認しながら排除していくとか、表示をしないだとか、いろんなことに取り組んでいけるのですが、まだそういったところがよくわからないものがありますので、今後明確になった情報をいただいて進めていければと思っております。
最後になりますが、「日本家具産業振興会の取組」として、前全国日本家具工業連合会のときからも進めているのですが、最近、改めてもう一度、製品の安心・安全、環境配慮のためのガイドラインの策定ということで、私もその委員になっておりまして、そこにここ1年ほど通って、もうそろそろまとまるだろうということですが、そういった取り組みに関与したり、あと、国際家具表示に関する認定実施規定の策定等に関与させていただきまして、国産家具の安全・安心というところをアピールしていければと思って取り組んでおります。
以上、簡単ではありますけれども、説明にかえさせていただきます。ありがとうございました。
○西川座長 どうもありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明について何か御意見、御質問ございましたらお願いいたします。
○角田委員 こういう家具の世界は全く知らないので大変勉強になりましたし、いろいろ考えられて努力されているということがよくわかりました。ご説明頂き、ありがとうございました。
お伺いしたいことは、変えることのデメリットが多分あるのではないかと思いますので、その辺りはどうなのかという点と、あと、例えば自然塗料を使えば安全ということは必ずしも言えないと思うのですが、その辺りの考え方についてお聞かせいただければと思います。
それから、かなり輸入家具が最近増えていると思いますが、現状はどうなのでしょうか。つまり、外国でシックビルは問題になったのですが、シックハウス症候群というのは外国では言葉がないぐらい問題になってないので、恐らくあまりこういう取り組みはやられていないと思うのですが、いかがでしょうか。
○栗原氏 原価的なところで言いますと、企業でありますので利益を追求していかなければ、従業員が暮らしていけなくなりますので、原価を考えますと、当然コストアップになっていきます。弊社も、建築基準法が制定された時点で、全面的に変えるというオーナーの方針で進めてきまして、先ほどの説明にありますように、2004年から完全に切り替わっているわけですが、その当時も、アピールしてもなかなかわかってもらえないところがありまして、お金をこれだけかけてもわかってもらえないのならばやめようかということは言葉には出さないですが、かなりのコストアップになるというのも事実であります。
それと、原因究明は少しわからないのですけれども、建材屋だとかいろんな業界の方にお伺いすると、F☆☆☆☆にすることで物性強度が少し落ちるということをやはり言われていまして、私どもは安全を維持しなければいけない中で、環境の安全の側面で言うと、こういったシックハウス対策ということで取り組まなければいけない反面、使っていただく椅子ですので、強度を重視もしなければいけないというところについて、非常に厳しいと感じております。それは加工技術だとか加工方法というところで当然クリアして、その繰り返し試験をして、こういう取り組みをしていますということで、昨年、賞をいただいたわけです。
2番目に質問は自然塗料だったと思いますが、自然塗料だから安全だということはなくて、自然塗料のほうは乾燥途上でホルムアルデヒドが発生するということがあるみたいで、私も、全部調べたわけでなくて、詳しくないのですが、自然塗料系には大なり小なりそういったことがあるということで、完全に固まって硬化してしまえば問題ないのですが、ある意味では工場での施工途上にあらわれるというのはあるみたいです。
ただ、世の中、ファッションもそうですが、色々な意味で回転していくという中で、昔、そういった自然塗料の製品というのはよく売れまして、一時衰退して、また最近、エコというわけではないですが、自然な風合いですとかそういったものを求めて、ニーズとしては少しずつまた出てきているのも事実は事実です。ですから、弊社の製品でも、プレミア製品につきましては、ほとんど膜厚の少ないもので販売させていただいているのですが、膜厚を上げて保護するということは製品を守るという面では良いのですが、膜厚を上げれば、今言った何らかのVOCを使うということにもなってきますので、痛し痒しのところはありますが、自然塗料については、現在は、別注ですとか、本当にニーズのあるお客さんには、意識して、内容を理解していただいて購入いただくという取り組みになっています。
それから、海外の
輸入ものに関しましては、私の口からほかのメーカーの製品については、とやかくは言えないですが、使っている合板類につきましては、輸入すれば幾らでも合板で作られた製品が出てくるのですが、弊社としてはやはりJIS、JAS認定の公示を受けたところからの生産品をしかるべき商社さんを経由して、証明をとって輸入して、弊社も社内検証して使っているというのが実態です。震災のありました時期には、合板だとかそういったものがタイトになりまして、輸入業者というか取扱業者からモノがもう入ってこなくて使えないという状態がありまして、どこのものを使うのかということで、その業者さんともやりくりしながら、何とか業者さんとの本来のルートで、首の皮一枚でつなぎながら生産は続けてこれたのですが、場合によってはこの材料を使わざるを得ないということで、幾つかの輸入合板を調達して、ちょうどその時、現在実施しているデシケーターでの検証体制ができておりましたので、幾つか試験しますと、とても使えないというものもあれば、無名のところでもまさしくF☆☆☆☆という合板もあるということになっていますので、その辺りの輸入の系統につきましては、専門ではないものですからわからないですが、しっかり作られているものもあればそうでないものもまだあると思っています。
また聞きの話ですが、輸入家具については、今の角田委員の話のように、規制がないとか、違うとか、基準が低いとかいう中であまり感知されてないところにつきましては、そういったF☆☆、F☆☆☆の材料で製造された製品がどんどん入ってくる要素はあると思いますし、こういう会議に出させていただいて輸入業者にお話を聞きますと、通販なんかでいくと、輸入してそのままお客さんのところへ行くものもあるということです。箱を開けた時のにおいがたまらないとか、目がチカチカして仕方が無いというクレームもありまして、調べてみると、当初契約した仕様と全く違うものが入っていたということは聞いておりますので、その辺りの管理をするのも大変だとは思うのですが、輸入の製品についてはそのような話も伺っております。
以上です。
○西川座長 よろしいですか。
ほかにございますか。
○田辺委員 コメント的なところもあるのですが、日本の家具業界の方はホルムアルデヒド対策については非常によく取り組まれていて、こういうマークつくられているのですが、実は消費者の方が今購入する値段がすごく下がっているので、なかなかこのマークを見て買ってくれないという現状があるのではないかと思いますが、その辺りの話を少しお伺いしたいというのと、あと、ホルムアルデヒド以外のものに関して、VOCは13物質がここでは取り上げられていますけれども、問題がこれ以外のところにだんだん推移していっており、指針値が策定されている13物質以外に関して何か対応されているかという点についても教えていただきたい。
それから、アメリカのカリフォルニア州とかですと、オフィス家具などは入札するときに、VOCを測定したデータを出さないと入札できないという制度を持っている州もあります。必ずしも日本以外の国でシックハウスがないということではなくて、カリフォルニア州は、例えばホルムアルデヒドを含む製品そのものの販売が、認証がないとできないようになっていますので、それ以外のところはどうされているか教えて下さい。
それから、現状としては、国内の方がすごく頑張っているのに、全くノーチェックで国外から入ってくる製品があるというのが一番の問題だろうと思うのですが、これはさき程のコメントと一緒です。
あと、資料最後の15ページで、公的機関で確認検証して、F☆☆☆☆であってもというのは、試験をしたということでよろしいでしょうか。JIS、JASでなくても、基本的には国交省大臣認定をとれば使えると思うのですが、その辺りはいかがでしょうか。
○栗原氏 少し質問が多いですので、順番に質問を一言ずつ言っていただけますと幸いです。
まず、消費者がF☆☆☆☆を認識して買われているかどうかというところにつきましては、先ほど出たF☆☆☆☆のシールをつけてはいるのですが、そういったものの認知度が、経済産業省の調査の中にも以前あったのですが、10%とか15%とか低いレベルみたいで、消費者の方が、自分の家族や自分がアレルギー体質だとか化学物質に弱いという人達は非常にそういうのを研究しながらお買いになられるみたいですが、その他の方につきましては、私もよくわからないですが、買われてから、ちょっと臭うとか、気分悪くなったみたいなことがあるということを伺っております。
 次の質問は何でしたか。
○田辺委員 大臣認定の話です。
○栗原氏 大臣認定は、少し検討したいと思っているのですが、ただ、当然、認定受けるために色々と手続もしなければいけないですし、ああいうのは書類審査というのもあるのでしょうか。そういったこともありますので、会社としてそういう取り組みをまだやってないものですから、今の先生の御指導でぜひやりたいと思うのですが、ただ、今まで取り組みをしてきている中で、公的機関が認めたのに何か証明出せないというのも何だなというのもありまして、それは私の考え方がおかしいのか、会社の考え方なのかはわかりませんが、今のは私の個人的な考え方なので、大臣認定をとることでそういったことをやっていけるということであるならば、その辺りのところを取り組みたいと思います。
 あと、冒頭のF☆☆☆☆というのを意識して消費者に買っていただけるかどうかというのはなかなか難しいのですが、経済産業省の、お話を伺ったときには、健康被害事例の中には、購入して数日たったら気分が悪くなって、湿疹やただれが出てきてしまって、病院に通って、かかった先生に「今の生活環境の中で何が変わったのですか」と聞かれたら、患者は「何も変わってないが1つだけ変わったのが、新しい食器棚を買った」と答えた事例があったそうです。その食器棚からホルムアルデヒドがかなり出ていたということで、体調を壊してしまって、病院にかかるしかなかったということで、その製品を撤去したらすぐ良くなっていった事例もあったということで、こういう事例が数多くないとなかなか業界(お国が動いていただけないと言う意味あい)として動かないのかということになってしまうと申しわけない話なのかもしれませんが、そのような事例もありまして、我々も、そういった健康被害事例が起きないように、きちんと管理しながら、消費者に安全・安心な家具を提供していきたいと思っております。
 以上です。
○西川座長 田辺先生の御質問の一つに、指針値に定められている13物質以外ののVOCの話があったのですが、それについてはいかがでしょうか。
○栗原氏 それをぜひともこの検討会で解明していただいて、アナウンスしていただいて業界としても取り組みを進めたいと思っております。
○西川座長 ありがとうございます。どうぞ、神野委員。
○神野委員 前回の検討会で、私ども、ホルムアルデヒドの実態調査の結果を報告させていただいた際に、田辺委員のほうから御指摘いただいた内容で、建築物におけるホルムアルデヒドの違反率は、指針値策定後ずっと下がってきているのだが、依然として室内濃度指針値を超える御家庭が存在するということで、その原因が何かというのを私どもの方でも色々探しているのですが、例えばここで言うF☆☆☆☆という材料を使って製品をお作りになったときに、製品のユニットというか、単体からどれぐらいホルムアルデヒドが出てくるものなのかについて、最終製品での保証というか、どれぐらい放散するのかの把握というのは業界の方でされていらっしゃるかどうかというのを少しお聞かせいただけますか。
○栗原氏 先ほど冒頭に話をさせていただきましたように、私の意見が組合員とか会員の意見ということではなくて、カリモクの今の取り組みということで聞いていただけるとありがたいのですが、弊社としては、購入部品、木材料は自社調達していますし、木材料は告示対象外ということもありますが、その他の部品というのは全て購入部品で積み上げております。
ですから、購入部品の積み上げのF☆☆☆☆に関しての色々な情報というのは全てとっていまして、F☆☆☆☆の部品の積み上げでできているものがF☆☆☆☆の製品になりますというのが今のカリモクとしての論法ですし、家具自体が、今、規制対象外にはなっているものの、やはり消費者ニーズはありますので、当然取り組まなければいけない内容だと思っているのですが、その製品の全体でとなると、F☆☆☆☆の部品の積み上げで作ったものは必ずF☆☆☆☆だとしか弊社としても言葉では言えません。
ですから、チャンバーなり何なりにかけなければいけないとは思うのですが、ロット単位、またはそういった形で測定用のチャンバーにかけていきますと、経費倒れになっていってしまいます。自分のところでチャンバーを擁してということになれば、当然人件費とかいろんなものがかかってきて、経費が会社の経営の部分を圧迫するようなことになっていくのも非常につらいところがあります。それをもって、やらなくて良いという話にはならないのですが、ただ、何か問題が起きたときには、弊社にチャンバーございませんので、製品全体としてチャンバーを所有する機関に随時そういった試験をお願いして、全数ではないですが、少し臭いがとかいう時には必ず回収して試験にかけて、大丈夫だったという検証をしているのが実態です。
○西川座長 よろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。
それでは続きまして、「製品から放散される化学物質吸入事故の原因究明について」、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)北陸支所の川崎様より御説明をお願いいたします。
○川崎氏 
当機構は、経済産業省所管の独立行政法人でして、その業務分野の一つに製品安全があります。この分野では、製品事故、例えば電源ケーブルからの発火であるとか、FF式の石油ファンヒーターで一酸化炭素中毒といった事例は皆様もよく御存じかと思いますが、そういう製品事故が起こった場合に、その原因を究明して、それを公表させていただいているところです。
その中で、化学物質に関係する製品事故があった場合は、厚生労働省の化学物質安全対策室に情報を提供しております。今日は、そういった事故事例のうち、化学物質を吸入したことによる事故の原因究明について御説明したいと思います。
(PP)
本日の主な説明内容ですが、VOC関係の製品事故の収集件数と内訳、事故調査の事例、また、原因究明技術強化を目的とした調査研究の内容についてお話ししたいと思います。
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始めに、ここでいう化学物質吸入製品事故とは、製品から放散される化学物質を呼吸器から摂取することで、健康被害、めまいや頭痛、吐き気等に至る事故、いわゆるシックハウス症候群ですとか化学物質過敏症と類推されるものを発症した場合を化学物質吸入製品事故と位置づけています。
燃焼器具の不完全燃焼による一酸化炭素中毒ですとか、モノが燃えればやはり有害ガスが発生しますが、それによる事故等はこの定義には含まないということで御理解いただきたいと思います。
原因調査に当たっての分析としては、その原因物質と言われるホルムアルデヒドやVOCといった室内空気汚染物質をその対象としています。
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化学物質吸入事故の件数は、1月18日現在までの合計で86件の該当すると思われる事故がNITEに寄せられています。この86件のうち3件が重大事故(火災に至る事故、治療に1か月以上を要する事故など)と位置づけられております。
今、スライド上で黄色に変わった品名は、NITE北陸支所で測定した製品になります。少し製品の写真を紹介したいと思います。
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まず、パソコン周辺機器とありますが、正確にはマウスで、もう少し詳しく言いますと、このマウスのパッケージの臭いがきついという事例がありました。
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これは電気製パン機で、使用中に異臭がするといった事例でした。
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 これは、見た感じではわからないと思いますが、窓の補助錠といいまして、引き違いの窓のすき間にかませることで二重ロックにできるものということで、手のひらに乗るぐらいの大きさのものです。
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 これはサンドバックで、1m3のチャンバーに設置した状態の写真となります。こちらは麻雀牌です。左側は透明の牌で、対局者から見えるという特殊な麻雀牌で、某漫画に出てくるものですが、それの臭いがきついという事例でした。
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 それから、玩具については2件あり、これはクワガタのフィギュアです。これも大きさ的には手の平に乗るぐらいというか、雄のほうで親指大ぐらいだったかと思いますが、セットで売られているもので、お子さんの気分が悪くなったという事例でした。
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 NITE北陸支所にある測定のための試験装置を紹介します。20Lチャンバーから1m3のチャンバー。1m3の方は一辺が約1メートルと考えていただいて結構かと思います。
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 これが平成22年度に新規保有した21m3の大型チャンバーです。この写真だけ見ていても大きさがよくわからないかと思いますが、人が前に立つとこのぐらいの大きさになります。大体大きさがわかっていただけるかと思います。
 中が21m3で、少し小さ目の6畳間ぐらいと想像していただければ結構かと思います。
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 それでは、事故事例の紹介に入っていきたいと思います。まず1番目ですが、少し資料を読み上げます。「学校行事の片づけで、テーブル等についた粘着テープの粘着材を拭き取るためにスプレー式クリーナーを使っていたところ、児童14人が頭痛や吐き気を訴え、うち12人が病院に搬送された」ということで、スプレー式のクリーナーに含まれるものは何種類かあったのですが、特にd−リモネンと言われる物質を一度に大量に使い、しかも、お子さんたちがそれを取り囲むような形でそのスプレーを使ったということで、クリーナーを吸入したことで頭痛、吐き気を訴えたと推定しております。
 ここまでで終わると、これは非常に悲惨な事故だったとも思えるのですが、学校の近くの病院に搬送されたのが午前中で、処置を受けた後、その日の給食は皆さん食べられたということなので、そんなに重い症状ではなかったのではないかと思います。
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 2番目の事故事例ですが、「閉め切った部屋にたんす(2棹)を置いていたところ、アトピーを持つ子供のぐあいが悪くなった。ホルムアルデヒドの試験紙で検査すると部屋はうす黄色、たんすの中は濃い黄色に変色した」ということで、写真は、1m3のチャンバーに入れた、事故のあった現品になります。たんす類を測定するときは、資料に示したとおり引き出しを開けた状態で測定します。
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 これがそのときのカルボニル化合物を測定したクロマトグラム、分析の結果になります。この非常に大きいピークがホルムアルデヒドのピークになります。こちら、赤のクロマトグラムで示した大きなピーク、これがブランクの未反応のDNPHのピークであり、サンプラーの中にあるDNPHが全てホルムアルデヒドと反応したことを示しています。
 その結果ですが、測定したタンスは2棹あり、タンスAとBとして、別々に測定しています。先ほど、引き出しを開けて測定したと申したところですが、閉めた状態でもはかっています。閉めた状態、開けた状態、それぞれこのような結果になっていまして、引き出しを開けて測った場合は3,500μg/(unit・h)という放散速度になっています。
 誤解のないように付け加えておきますが、この数値は放散速度であって、濃度ではありませんので、お気をつけいただきたいと思います。
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 ちなみに、これはVOCのクロマトグラムになります。VOCの方も何物質かが検出・測定されたという結果になっています。
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 事故調査の結論になりますが、背面及び引き出しの底板に、建築基準法で使用が禁止されている第1種ホルムアルデヒド発散建築材料に該当する合板がこのたんすに使われていたということで、先ほどの測定結果から、例えば23m3の換気回数0.5回/hという部屋に置いたとすると、そのときの濃度は最高で、厚生労働省の示す指針値の、引き出しを閉めた状態で1.6倍、開けた状態で約6倍の濃度に、計算上はなるということになります。この測定結果から、ホルムアルデヒドに曝露されて体調が悪くなったと推定しております。
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 3番目の事故事例になります。購入したビニールプールを開封したところ、異臭がし、気分が悪くなって頭痛がしたというものです。
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こちらがその製品になります。これは空気を入れてない状態なのでちょっとくしゃくしゃとなっていますが、回りに空気を入れてプールとして使う、よく見かける製品です。
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 こちら、VOCを測ったクロマトグラムになります。ご覧になってわかるように、非常にたくさんのピークが出ていますし、また、ピークの強度も非常に強いものでした。先ほどのたんすのVOCの結果と比較しますと、実はここにトルエンd-8という内部標準を添加しています。これはどちらも決まった量添加しているのですが、そのトルエンd-8のピークの大きさが、タンスはこれぐらいでビニールプールはこれぐらいありますということです。
何が言いたいかというと、このビニールプールのクロマトグラムは、要は縦に縮めてあるということで、これは約5倍に縮めていますので、5分の1といいますか、本来はこのたんすと同じスケールで見ようと思ったら、このピークが全部約5倍になるとお考えいただければと思います。
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 その調査の結論ですが、当該製品からの放散物質として、おおむね50種類のVOCが検出されました。そこには、厚生労働省の指針値であるトルエン、エチルベンゼン、キシレン、スチレン、テトラデカンが含まれておりましたので、こういった物質が原因かとは思われますが、先ほどと同じように、放散速度から室内濃度を仮に計算しますと、その指針値を超えるというものがありませんでしたので、そういう意味では、断定的な言い方ができないことになります。しかしながら、これらのVOCを吸引したことで体調不良になったものと推定しておりますので、個人の感受性ということで結論を出しております。
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 今ほど紹介しましたように、まず、化学物質吸入事故と思われる事故情報が寄せられた場合、その製品を入手できれば、その化学物質放散試験を行います。例えばホルムアルデヒド放散速度が1,000μg(unit・h)という結果が得られたら、厚生労働省指針値と比較するために、室内空気中の濃度に直すとどれぐらいになるのだろうかという計算上の値を出します。そうしますと、この23 m3、換気回数0.5回という条件では、87μg/ m3という数値になる。
 ただ、このやり方で判断しますと、身体の近く、特に鼻や口の近くで使用する製品も、その室内空気中の平均濃度で評価することとなります。先ほどの例にありましたビニールプール、あれはその中にお子さんが入って遊ぶものであって、そこからの放散物質を室内濃度に直すということは、やはり適切とは言いにくいということで、今現在、我々としては、放散速度そのもので何がしかの指針値といいますか、判断できる材料をつくれないものかということを考えているところです。
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 そのためにといいますか、我々としてもこういった御議論される場に御協力できないかということで、いろんな放散速度データをとにかくとっていって蓄積して、それを整理・解析しようという調査研究を行っているところです。
ここに調達試料とありますが、ここにあるのは事故があった製品ではありません。我々の方でいろいろ調べて、こういった製品のデータというのを取得しておくべきだろうと思われる製品群について、各々4銘柄を調達して測定しました。
 まず電磁調理器、いわゆるIHクッキングヒーターですが、これを4銘柄、国産品と輸入品、各2銘柄ということで調達しております。木製タンス、こちらも同じように、輸入品と国産品を2銘柄ずつですが、国産品のほうは、先ほどカリモク株式会社様からお話のありました環境配慮マークのないものを調達して測定しております。
 それから、カーペットと木製ベッドフレーム。こちらのタンスに限らずですが、国産品とあるものは、購入・調達するときに、表示で日本製と書いてあるものを国産品としており、材料がどこから来ているのか、材料も日本製なのか、というところまでは調べ切れておりませんので、そういった意味では、材料は輸入して、日本国内で組み立てただけという製品である可能性もあります。
 最後の樹脂製玩具・遊具というものを4銘柄買っているのですが、どんなものかというと、1つはこういったプラスチック製のジャングルジムです。
 2番目にありますパズルマットというのは、EVA樹脂製で柔らかい素材のもので、これを一枚一枚ばらしたり、このように組み合わせたりしてパズルとして、床に並べたりして遊ぶものです。
 こちらは簡易点との中にビニールのボールを何十個と入れて、その中に入ってお子さんが遊ぶというものでした。
 それから、最後は鉄道玩具になります。レールの上を電車が走るというおもちゃです。
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 これが今ほど紹介した調達試料の主な測定結果ということになりますが、実はここからの測定データ等、NITEとしてまだ公表できる段階にありません。それで、本日冒頭、事務局様通じてお願いしたことですが、この資料はこの場限りとさせていただきたくて、資料の回収について皆さんの御協力をよろしくお願いしたいと思います。
 少し測定結果を紹介してまいりますが、電磁調理器で言いますと、TVOCの値、こちらも単位はμg/(unit・h)で、濃度ではありませんので御注意ください。TVOCで高目の値になっています。
ただ、この電磁調理器を測定するときの条件として、チャンバーの中に入れまして、7時間連続運転という条件で測定していますので、製品としては非常に過酷な試験条件になっています。通常は7時間連続運転ということはありませんので、そういう意味では、この数字が高いからといって、すぐさま何か問題になるという話にはならないと思われます。しかも、TVOCなので、そもそも健康影響には直結しないということになるかと思います。
 木製タンスや木製のベッドフレームでは、ホルムアルデヒドもやはり高い放散速度を示したものもありました。
 樹脂製玩具を見てみますと、TVOCの値が1,000μg/(unit・h)のオーダーになっているものが2銘柄あったという結論になっており、資料上のC(簡易テント型玩具)は、全体がポリエステル繊維で、繊維製品であれば防しわ加工ですとか、そういった繊維の加工剤としてホルムアルデヒドは使われている可能性がありますので、そういう意味で少し高目のホルムアルデヒドの放散速度になったのではないかと考えています。
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 電磁調理器は、先ほど言ったように、7時間連続運転させて1回だけの測定だったのですが、そのほかのタンス、ベッド、カーペット、玩具につきましては、チャンバーの中に試料を入れてから7日後までの測定を行っております。1日後、3日後、7日後ということで、ここにはそれぞれの製品群で一つずつグラフを例示しておりますが、例えばたんすBですと、1日後から7日後に向かって、このように連続的に放散速度は落ちて減衰していると思えば、例えば玩具Aでは、1日後の放散速度から3日後にかけて極端に減衰して、その後、7日後に向かってさらに緩やかに減衰しているというものもありました。これは製品群ごとの特徴ということではなく、個別製品ごとにいろいろな減衰の傾向を示したという結果になっております。
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 「調査結果に基づく考察」ということで、幾つか主なものを少しここに挙げております。木質製品、ホルムアルデヒド、高い放散速度を示したものもありましたので、優先的な取り組みが望まれると思っています。
 それから、全般に、ホルムアルデヒドに限らず、カルボニル化合物で高い放散速度が見られましたので、健康被害への寄与についてはわからないのですが、要は強い臭い、不快な臭いということで、快適性を阻害するといった影響が懸念されると思っています。
 それから、放散速度自体は高くない、そういった製品であっても、放散の減衰が穏やか、緩やか、またはほぼ平衡状態であれば、慢性的な曝露の影響に対する配慮というのは求められると考えています。
 樹脂製品は、その材料である樹脂の種類に応じた化学物質放散の傾向が一定程度明らかとなってきたということで、例えばEVAと呼ばれる樹脂ですが、特有な化学物質の放散が認められたり、軟質PVCを測った場合は、可塑剤なりインクなり、先ほど紹介したビニールプールも軟質のPVC製でしたけれども、そういったものから様々な化学物質が放散されるということで、まだ一定程度ですが、わかってきたこともあるということになっております。
 ちょっと駆け足での説明になりましたが、以上になります。どうもありがとうございました。
○西川座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明について、委員の先生方から御質問等ございましたらどうぞ。
○田辺委員 質問というか、まず、現在、建築基準法等で規制されているホルムアルデヒドでさえもこれだけ高いのは少し驚きました。例えば9ページにある木製ベッドフレームのAというものを、何も放散しないガラスの家に置いても厚労省の指針値は超えるということですね。
○川崎氏 超えますね。
○田辺委員 TVOCも、このままいくと800μg/ m3とか1,000μg/ m3とか、この製品を置くだけで暫定目標値の2倍ぐらいになるということですね。
○川崎氏 そうですね。
○田辺委員 だから、住宅の方で幾ら努力しても結構厳しいものがあって、一方で、先ほどカリモク社から御報告があったように、VOCの放散量が低い製品もあるので、このままこのデータが出ると心配なのは、例えばベッドが悪いとかいうと、全部ベッド悪いように聞こえるので、それはどういう製品が良くてどういう製品が良くないのかというのを多少示しながら出てくると大変有益なデータではないかと思いました。
 先ほど少しお話ししたカリフォルニアのCARBというシステムは、ホルムアルデヒドが出る可能性のある製品に関しては、認証がないと販売できないという州法をカリフォルニア州は作っていますので、日本ではどうしてこんなに放散量が高いものが、逆に言うと流通してしまうのかは非常に不思議に思います。指針値が定められている13物質ですらこうなので、それ以外の物質に関しては実はもっと難しい問題があるのではないかと思います。
 NITEで、昔我々も測ったことあるのですが、パソコンとか家電製品も非常にVOCを放散するもの、放散しないものがあったりしますが、そういう知見は今回は発表されてないのですね。
○川崎氏 今日の発表では、パソコンは入っていません。
○西川座長 東委員、どうぞ。
○東委員 評価された物質が、ホルムアルデヒドなど、厚労省の指針値があるものとかTVOCなのですけれども、NITEでは、有害性のデータベースをかなり多くの物質について評価されてきていると思います。そういう意味では、ここに指針値がない、つまり基準が決められているもの以外の物質についても、有害性評価のデータを使ってリスク評価できるのではないかと思うのですが、そういった取り組みはなされているのでしょうか。
○川崎氏 取り組みといいますか、測定する物質としては、いわゆるVOCの範囲にある物質について全て測定はしていますが、健康被害の原因として捉えるべきかとなると、今ほどおっしゃられた毒性の評価が関わってきます。その判断をする材料としては、現在のところ、この室内濃度指針値で判断せざるを得ないという状況にありますので、その他の物質が出ていても、さっきのビニールプールのように、個人の感受性という判断になっているケースが多いです。
○東委員 例えば事故事例3のメチルイソブチルケトンとか酢酸ブチルあたりは、恐らく欧米でも有害性のデータがあって、NOAEL、LOAELの値は出ているのではないかと思うのですが、そこからマージン・オブ・エクスポージャーとかマージン・オブ・セーフティを評価しながらリスクを見ていくというのができるのではないかと思うのですが、その辺りはいかがでしょうか。
○川崎氏 そういった方面も勉強していって、判断できるようにしていきたいと思っています。
○西川座長 中井先生、どうぞ。
○中井委員 すごく興味深いという表現が良いのかわからないですが、3点質問をお願いします。
 1点目は、2ページ目のところに件数が載っていますが、今回出していただいたデータで未確定ということですが、ちょっと違う文脈での発言だと記憶していますが、あやふやなので、削除していただいてよいのかなと思っていますこれは少ないと読むべきなのかどうなのかというと、他にも何か起きていそうな気がするのですが、それは単純にNITEには届いてないと考えた方がいいのかどうか、それが1点目です。
 2点目は、非常に細かい話ですが、先ほど出てきたままごとハウスです。あれは放散量自体はそんなに高くないだろうと思うのですが、多分、用途を考えると、あのチャンバーの中の濃度ではなくて、簡易テント型玩具の中の方が問題になるのではないかと思ったのですが、そこに関してはどうなのかというのが2点目です。
 3点目は、放散量の時間推移を示していただいたわけですが、考えるとすごく早い変化をしていると思います。そう考えると、これは要するに入手してから、試験までの日程だと思うのですが、製造してからの日数で考えると、これはどのように捉えたほうが良いのか。もうこれはここまで下がってしまっているという言い方をするほうが良いのか、作ったときは高く、それが流通段階に乗っかって、購入して、その後に実験を行ったということになります。ここにタイムラグがどのぐらいあるか、何とも言えないのですが、その辺りに関して、もし何かコメントありましたらお願いします。
○川崎氏 まず、NITEに寄せられた化学物質吸入事故と考えられる件数、86件ですが、やはり少ないと考えています。理由は幾つかあって、そもそもNITEのこういう事故情報収集制度という制度を御存じないという向きが、やはりまだあると思います。それは、我々のアピールが足りなくて周知されていない部分もあるでしょうし、例えば発症したときに、あの製品が原因だと思われることも少ないかと思います。
例えば、事故の発症のタイミングとしては、製品を買ってきて、開梱したときに非常に強い臭いを感じたというのは多いのですが、それ以外にも、何カ月か使ってみてどうも体調がおかしいという場合も当然あります。そういう場合に、消費者の方が、何カ月前に購入したものが原因だと、お考えになることが少ないのではないかと考えています。
 ちなみに、国民生活センター様にもデータベースがありまして、そちらの方には、それに類すると考えられる苦情が1,000件近くありますが、逆に、本当に製品事故なのかどうなのかと判断できるほど詳細な情報がありませんので、苦情相談として1,000件あるという事実があるという状況です。
 それと2点目、簡易テント型玩具は中に入って遊ぶものであり、御指摘のとおり、その内部の濃度を測るべきですけれども、実際は測っていないという状況です。
 3点目は時間経過については、製造からどれぐらいたったというのがやはり効いてきます。ただ、先ほど言ったように、製品はできてしまうと、その後に梱包します。資料でいう1日後というのが、私どもで調達してきて、開梱してすぐチャンバーの中に入れて測っているという状況で、その開封時の、一気に放散するという数字がこの1日後には含まれているのではないかと考えます。
○西川座長 どうぞ。
○角田委員 大変興味深い事例を御紹介いただき、ありがとうございました。最初の定義で書いているように、「シックハウス症候群や化学物質過敏症と類推されるもの」とありますので、実際はだから、許容濃度における例えばホルムアルデヒドの急性中毒となるような濃度には達していないと考えたほうがよろしいのでしょうか。
○川崎氏 我々もそこの判断がとても難しいのですが、基本的にはそのように考えています。
○角田委員 もし推定した濃度が例えば許容濃度より高ければ、それはもうシックハウスや化学物質過敏症でなくて、結局、ホルムアルデヒドの急性中毒だと判断されると思います。ただ、それだけ高い濃度が出るというのはかなり異常なことなので、その辺りの濃度はどの程度なのかというところはやはり気になるところと思います。つまり、過敏な集団に病気が出るレベルなのか、または、高ければ誰でも、ほとんど全ての労働者、かなりの労働者にかかるぐらいの、一般成人に出るような濃度レベルということもあり得ますので、その辺りの区別がわかりやすくなっていればもっといいのではないかと思いました。
○西川座長 その他よろしいですか。
 神野委員、どうぞ。
○神野委員 事故原因究明における課題ということで、身体の近傍で使用する製品の濃度の評価ということで御提示いただいたのですが、例えば大型のチャンバーを使用したときに、室内の空気を移転するためにファンで攪拌したりされていると思うのですが、そういう場合に、現実にできるだけ近い気流で、ただ、攪拌はしないような条件でこういう製品を測られて、仮に戸内で想定される呼吸器の近傍あたりのガスをサンプリングされるというような手法をもしもとられると、実際に出口で観察される濃度と比べてかなり高い値になると思うのですが、そういう情報が、先ほど角田委員がおっしゃられたような、実際の曝露濃度がどれぐらいまで上がるのかという情報が得られることになると思いますので、これはコメントですが、こういった大型のチャンバーを使って、放散で化学物質を探索できるという機関は、多分日本の中でも限られていると思いますので、ぜひそういったデータを御提示いただけると、有害性とか事故の原因解明につながるのではないかと思います。
○川崎氏 ありがとうございます。
○西川座長 他にございますか。
 吉田先生、どうぞ。
○吉田委員 角田先生の御質問とも絡み、コメントに近いのですが、人での事例を紹介されましたが、どのぐらいの曝露時間だったのでしょうか。例えば非常に短時間なものなのか、例えばタンスのように、余り触れないけれども具合が悪くなったもの、あとは、子供のように、非常に皮膚も含めて曝露されるようなものというのを、同じ時系列というか、同じ強さで見ないというような判断基準も取り入れていただけるとクリアなると思いました。よろしくお願いいたします。
○川崎氏 我々のデータベース、ホームページの方で、調査が終わったものについては公表しています。そこには、その製品を使用した期間もあわせて出しています。そこの情報がもらえない場合も結構あるのですが、情報をいただけた場合は合わせて公表しております。
例えば、先ほどのビニールプールの例でいきますと、使用期間6日という情報になっています。ただ、これも、買って6日後に使ってみましたという話なのか、その6日間ずっと使っていましたという話なのかは少しわからないというような、ある意味、中途半端な情報ということにもなるのですが、曝露期間をある程度類推できる情報もあります。
○西川座長 ほかによろしいでしょうか。
 どうぞ、池田委員。
○池田委員 今の点で、先ほどの国産品か輸入品かの区別について、作っている会社が国産品だと言ったら、もうそれ以上追及できないということがあったのですが、食品の原産地表示みたいなものを義務づけるようなことを、NITEでしたら経産省を通じてとか、または、この検討会でしたら厚生労働省とかから働きかけていただくということもありますし、それから、先ほどのカリモクさんのような先進的な取り組みをしているところだったら、材料の原産地はどこか、どの程度のものだったというのを表示していただくようなことを自主的に始めていただければ、それが広がっていって、いずれは国の基準とかいうことになっていくのではないかと思うので、その辺りの働きかけをしていただけたらいいのではないかと思いました。
○西川座長 ぜひ御検討のほどよろしくお願いいたします。他にございますか。
 無いようですので、どうもありがとうございました。
 それでは、事務局から、その他何かございますか。
○事務局 冒頭で説明したとおり、資料1−5につきましては、一部まだお持ち帰りいただけないデータがございますので、お席に置いておいてください。こちらのほうで回収いたしますので、御協力お願いいたします。
○西川座長 資料1−5は委員含めて全員回収ということですね。
○事務局 はい。
それで、次回以降ですが、数回ヒアリングを予定しておりますが、どの省庁、団体、委員の皆様にプレゼンしていただくかというのは、個別にこれから御相談させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 なお、年度内は、この検討会を開く予定はございませんので、来年度以降の日程で調整させていただきます。
 以上、よろしくお願いいたします。
○西川座長 その他よろしいでしょうか。
 それでは、これにて本日の検討会を閉会いたします。お忙しいところ、どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬食品局審査管理課化学物質安全対策室

連絡先: 電話:03-5253-1111 (内線2424)
FAX:03-3593-8913

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