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2013年2月27日 第87回中央社会保険医療協議会薬価専門部会

○日時

平成25年2月27日(水)12:47~13:54


○場所

厚生労働省専用第15・16会議室(12階)


○出席者

西村万里子部会長 印南一路部会長代理 牛丸聡委員 関原健夫委員
小林剛委員 白川修二委員 花井圭子委員 石山惠司委員
安達秀樹委員 万代恭嗣委員 堀憲郎委員 三浦洋嗣委員
加茂谷佳明専門委員 禰宜寛治専門委員 吉村恭彰専門委員
福田敬参考人 岩佐孝参考人 古賀典之参考人
<事務局>
木倉保険局長 神田審議官
宇都宮医療課長 井上企画官 近澤薬剤管理官 他

○議題

1 新薬における欧州との比較について
2 後発品置き換え率の推計について
3 その他

○議事

○西村部会長
 それでは、最後の部会を開催させていただきます。
 ただいまより第87回「中央社会保険医療協議会薬価専門部会」を開催いたします。
 まず、委員の出欠状況について報告いたします。本日は坂巻参考人が御欠席です。
 それでは、議事に入らせていただきます。前回中間取りまとめを取りまとめいたしましたが、その際に宿題とされていた「新薬における欧州との比較について」、本日事務局より資料が提出されておりますので、まず事務局より説明をお願いいたします。
○近澤薬剤管理官
 それでは、薬-1をごらんください。24年度になってから安達委員から、日本の新薬がヨーロッパの価格より高いのではないかという御指摘がございました。それで2ページでございますが、全国保険医団体連合会データの検証、最近の新薬の現状の分析ということで御報告させていただきます。
 1枚めくっていただきまして、きょうのまず1つ目ですけれども、4ページをごらんください。資料の説明に入ります前に為替レートの動きを見ていただきまして、後ろの方は見えづらいかもしれないですけれども、円安レートというのが黒い枠でくくってありますが、2007年の1年間のものが円安レート、それから、円高レート、赤いものでくくってありますが、一番右の2012年の1年間という形で見ております。左下を見ていただきまして、日本の価格がもし1錠130円の錠剤があった。ヨーロッパのほうで1錠1ユーロというものがあった場合の考え方でございますが、一番上の右、水色ですけれども、1ユーロ130円の場合、日本円も1錠130円、ヨーロッパも130円ということで同じになりますが、真ん中ですけれども、1ユーロ110円、円安の場合でございますが、日本の価格は130円のまま、ヨーロッパのほうは110円ということになりますので、矢印の右にありますけれども、円高の場合、日本の薬価は相対的に高くなる。反対ですが、1ユーロ150円という状況ですと日本円は130円のまま。ヨーロッパのほうは150円ということになりますので、日本の薬価は相対的に低くなるというようなレートの御説明をさせていただきます。
 5ページ、指摘のあった御報告によりますと、2010年度の医療用医薬品の国内売上高ベスト100を外国価格と比較したと書かれておりました。ですので中の品目をさらに精査しまして、日本との規格などが違うもの、汎用規格が違うようなもの、用途が違うようなものに関してはその対象から外しました。最終的に67品目が残りましたので、こちらのほうについて事務局で集計をして精査をいたしました。
 6ページ、先ほどのレートのところで御説明しましたけれども、直近の2012年の1年間を円高レートとして平均値を出しております。2つ目の○でございますが、2007年の1年間の平均値を円安レートとして計算しております。報告書の中にありましたのは平成22年、2010年の1年間のレートとして計算をしてございました。今回は説明として極端な円高レート、円安レートよりどうだったかというようなことを中心に御説明させていただきたいと思います。
 6ページの一番下にありますけれども、いつもの薬価収載のときに参考にする4カ国のリストプライスで比較しております。
 7ページ、海外の平均薬価分の日本の薬価ということで、そこに分布するものの比率を記載しております。左の円高レートを見ていただきますと、今回は国際比較、22年度薬価とタイトルにありますけれども、平成22年の薬価の22年の時点での外国のリストプライス、日本での薬価について計算をしました。そうしますと一番左の赤を見ていただきますと、円高レートでいくと真ん中の破線がございますが、これが1になります。これより左側にいくと日本のほうが安いものがこれだけ分布する。右のほうにいくと、日本のほうが高いものがこれだけ分布するという形で見られると思います。平均値1.06ですから大体日本と同じぐらい。
 右側の円安レートでいきますと、左側に分布するものがかなりふえてくる。平均値は0.67ですから日本のほうがかなり安いという状況になります。
 8ページは24年の薬価改定後の日本の薬価、それから、24年度の時点での外国の価格を比較したものでございます。基本的には22年度と24年度で大体同じような分布にはなっておりますが、日本の薬価が下がっている分だけ平均値なども1.06が0.91あるいは0.67が0.58というふうに少し小さくなっております。
 次でございますが、安達委員から指摘のございましたヨーロッパと比較してほしいということがございましたので、米国を除く欧州との比較ということで同じようにしております。一番左を見ていただきますと、円高レートでいきますと真ん中の破線よりも右側に分布するものがかなりふえてきて、平均値として1.44となります。右側の円安レートを見ていただきますと、平均値0.88ということで少し日本のほうが安めになる。破線から言っても左側に分布するものがふえてくる。
 さらに10ページにございますけれども、これは24年度の薬価改定後でございますので、先ほどお話したように1.44という平均値が1.37に減る。円安レートの0.88が0.83に減るという状況になっております。
 11ページ、こちらは対4カ国、各国別に調べたものがこちらになります。平均値で見ていただきますと円高レートでいきますと赤字になっておりますが、対米国で0.62、対ドイツで1.01、対フランス、対英国という形では日本のほうが高いという状況になっております。
 円安レートでいきますと米国は0.41、ドイツは0.65、フランス、英国では1.13という形で円安レートでは少なくなるという状況でございます。
 12ページ、24年度の薬価でございますが、傾向的には基本的には同じということになっております。ということで直近のレートを用いた円高レートという形で見ると、委員御指摘のように日本のほうがヨーロッパより高い、特にフランス、英国に比べると高いという事実は事実でしたという御報告をさせていただきたいと思います。
 13ページ以降になりますが、最近の新薬の現状はどうかということで集計をいたしました。
 14ページ、22年4月以降に新薬として薬価収載されたものについてでございます。複数の規格がある場合には汎用規格についてということで、基本的には先ほどと同じように外国平均価格と同じような比を出しまして、どこに分布するかというのを見ています。ただし、今回の場合は薬価収載したときの外国価格とそのときのレートで比較しております。それから、通常は外国平均価格調整のときには、最高価格が最低価格の5倍を上回るようなときは外れ値として外すというようなことをやっておりますが、今回は4カ国あるいは平均との比較というようなことをしますので、そのような調整はせずに単純に平均をとって比較をしたものでございます。
 14ページの一番下にありますが、英独仏に関しましては米国を除いた同じような計算でしております。
 15ページ、外国平均価格との比較でございます。真ん中の太い点線より左側に分布する場合、日本のほうが安い。右側にいけば外国よりも日本のほうが高いという分布の状況になっています。平均値でいきますと0.86倍で日本のほうが安い。分布状況を見ていただきましても、外国平均価格より低額というのが45%弱、外国平均価格より高額というのが20%弱となっております。
 同じように16ページになりますが、欧州との平均価格ということで見ておりますが、そうしますと左側に分布するものが18.1%、欧州平均価格より高額というのが29%ということで、右側に分布するものがふえてくる。平均値で見ましても1.23倍、中央値でいきますと1.1倍ということで、日本のほうが高いという状況になっております。
 17ページ、18ページでございますが、外国平均価格調整をするときに1.5というのが1つの目安になりますけれども、こちらよりも高い場合には引下げ調整というものを行いますけれども、そういうようなものがあったということで、17ページでいくと5つぐらい分布しています。縦軸は予測販売金額、中医協の中でも報告しておりますが、ピーク時の売り上げを縦軸にプロットしております。18ページは欧州で同じようにプロットをしております。
 このような1.5を超えたものに関しての個々の事例を19ページ、20ページに記載しております。外国平均価格の1.5倍ということでは5つ出ておりますが、プルモザイムですとかタイガシル、トービイというような非常に患者さんが少ない、場合によっては稀少疾病薬品になっているものがこのようなところに分布しております。
 20ページは以下のような13品目がプロットされているということで、事例として参考までに記載しております。
 以上が分析した結果の御報告になります。
○西村部会長
 ありがとうございました。
 では、ただいまの説明について御意見あるいは御質問ありましたらお願いいたします。安達委員、どうぞ。
○安達委員
 もう随分前になるのですけれども、1年はたちませんか。これを御要望してから10カ月ぐらいだと思うのです。御説明のように確かに2007年のレートと、今この団体が使われた2010年のレート、そのそれぞれの為替レートで高いか安いかというのは当然変わるわけですから、その比較に意味があるのかという御意見もなくはないのですけれども、確認をまずさせていただきたいのですが、スライド5でこの団体が使われた77品目から10品目をいろんな理由で抜かれました。これは例えば値付けの関係から言えば適応症云々ではなくて、市場規模が変わる場合だけが抜く対象なのだろうと思うのですけれども、そういう基準で抜かれましたか。
○近澤薬剤管理官
 除いた理由は、例えば日本の規格が25mgで海外が30mgというような形で規格が違うようなものがほとんどメインでございました。それから、効能・効果が違うというようなものもございましたので、そういう意味で除いております。
○安達委員
 ですから、今、申し上げた効能・効果の違いは余り値付けには関係ないですね。効能・効果が違う結果、市場規模が違えば変わるでしょうけれどもということなのですが、仮にこれもとの団体の言った10品目を全部スライド9に入れたら、それでも平均値、中央値は1を下回りますか。
○西村部会長
 御回答できますでしょうか。
○安達委員
 円安レートのほうに入れたときに、水色のほうに。
○近澤薬剤管理官
 精緻にはやっておりません。基本的に67品目と77品目で、ここら辺の分布具合はほとんど変わっていませんので、恐らく変わらないかと思っております。
○安達委員
 つまり、10品目抜けたものが特に高額と指定されたものではないということでよろしいのですね。
○近澤薬剤管理官
 そのような認識でおります。
○安達委員
 わかりました。
 もう一つお聞きするのですけれども、このヨーロッパの特に英独仏における総医療費に占める薬剤費の割合は、それぞれ何%ぐらいでしょうか。
○西村部会長
 今のデータはありますでしょうか。お願いいたします。
○近澤薬剤管理官
 今、手元にはございません。ただ、OECDのヘルスデータか何かがあるので、それを調べればある程度の数字は出てきますが、多分、日本の医療費に占める薬剤比率という計算方法ではなくて、特別のOECDの集計による結果であったという記憶がございます。ただ、今のところ手元にはございません。
○安達委員
 なぜそれをお聞きするのかというと、単純に為替レートが変わるものを外国の価格と比較して、そのときのレートによって変わるものを高い安いという単純な議論を私はするつもりは全くないのですけれども、事の根幹が日本の特に原価計算方式における外国価格、参照価格との比較によって決まる。あるいは類似薬効方式においては非常に不都合な薬価の決め方がある。あるいは有用性加算、前にも御指摘をしましたが、などについてもその規定が割と曖昧というか、我々から見れば少し甘くつけられているかなというところもある。つまり、日本の今、中医協で審議をする薬価の値付けの部分の根本的構造の中に、そういうものを押し上げるようなものがヨーロッパに比べてあるとするなら、それはやはり日本のエンドユーザーの負担にかかわることですから、是正すべき点があるなら是正すべきだろうという点でこれを申し上げたわけです。
 そういう意味で言うと薬剤を管理される部門におかれて、アメリカは値付けの方向が全く違うわけですから、参考外だと思いますので、ヨーロッパは特に3国と比べて日本は総医療費全体における薬剤の占める、価格の占める割合がどのくらいなのかということは、当然数字としてはイメージとして持っていただいた上での薬剤行政だと思うのです。日本が今30%に近い、27~28%だと思いますが、それに比べて仮に同じような視点で見たら、それより高い割合ですか、低い割合ですか。そのイメージだけは語っていただきたいと思いました。
○近澤薬剤管理官
 多分指標が、薬剤費の計算の仕方が多分日本の場合とヨーロッパの場合と計算の仕方が違って、特にヨーロッパなんかでいくと病院の中での総枠規制というものがあったりして、なかなか同一の指標で計算することはできないと思います。ただ、OECDのヘルスデータの中で見たときに一般論として言われていたのが、数字的にも同じ数字では全くない数字が出てきていますが、日本のほうが少し高めみたいな形であったという認識はございます。具体的に何%という形での認識ではなかなか難しいと思いますが、ただ、やはり日本のほうが少し高めだという感覚だったと思います。済みません、これは数字が出ないので、あくまでも私の感覚ということで御説明させていただきます。
○安達委員
 次回で結構なのですけれども、できれば同じような形である程度、参考値でも結構ですから数字を出していただきたいということをお願いするということと、あとは意見になりますので御回答いただくような話ではないのかもしれませんが、まず1つは7~10で挙げていただいたグラフのうちで、日本の薬価というのは2010年当時の薬価なのですね。日本だけが発売後、新薬創出加算ができるまでのものは改定のたびに引き下げているわけですね。ということは、発売の時期にはもう少し高い値付けだったはずなのです。
 一方、ヨーロッパではそういう定期的な引き下げというルールはないと私は理解しているのですけれども、それでよろしいですか。
○西村部会長
 御回答をお願いできますか。
○近澤薬剤管理官
 日本の場合は実勢価格に基づく改定ということなので、下がってはきていると思います。基本的にはいろいろ業界からも説明が前にございましたけれども、日本以外の国では余り下がらないという説明であったかと思います。
○安達委員
 ですね。なのでそれも加味してこのデータを見なければいけないということが1つあると思いますということと、最後のページに示していただいたことが一番如実にそれを物語っているのかもしれませんが、こういうことになると全く薬価の決定価格にかかわるシステムの違うアメリカが比較的に高額になることが多い。これは今までも個々の薬剤について散々指摘をしてきたことでありますけれども、特に原価計算における薬価を決めるときの外国平均価格の取り扱いということは、ある程度是正する必要があるかもしれないということも含めての議論をしたいと思います。
 この議論も実は一筋縄ではいかないと思います。現実にはアメリカ発の新薬が多くて、それを日本は購入して使うという形の中で、それをどう扱うかということは相当複雑な議論がいるのかもしれませんけれども、価格の決定のプロセスから言うと、そこは少なくともまず一義的にある程度の見直しをするべきなのではないかということは、指摘をしておきたいと思います。
 最後になりますが、これの議論をしたときの背景を考えますと、これはただ薬価比較の話だけをやっていた議論の中で私は申し上げたのではないのです。製薬業界の皆様方のヒアリングもしながら、そして長期収載品の値付けの議論もしながら、その一環としてこれを申し上げたと私は認識していますので、1つはこれをこれだけぽんと出されて要因分析もないという、その事務局の対応はどうなんだと私は多少不満ではあるということをまず申し上げます。
 もう一つはそういう観点、それから、私が申し上げた時期が10カ月も前だということを考えると、あえて恣意的だとは申しませんけれども、本当は年末に結論を出した長期収載品のあり方の検討の前にこのデータは出るべきだったということも、あえて苦言としては呈しておきたいと思います。
 以上、2点です。
○西村部会長
 関連のところで御説明をお願いします。
○近澤薬剤管理官
 事務局の説明が足りないというお言葉をいただきました。少し解説というわけではないですけれども、考え方も御説明させていただきたいと思います。
 その前にもっと早く出すべきであったということに関しましては、そのとおりだと思います。反省しております。
 その後ですが、この結果が出てどう考えるかということなのですけれども、産業界の方もいろんな考え方があるかと思いますが、まずこの分析をしてみて非常に思ったのは、為替のレートでかなり揺らぐ。しかも今回、前後で本当に大きな、ポンドなんかで言うと半分ぐらいの価値になってしまうということもあって、結果がかなり大きな部分だとは思いますが、もう少し考察をしてみると2008年ぐらい、平成20年前後、業界ほうが今、新薬創出加算というものを試行的に入れておりますけれども、この議論をしたときにいろいろと資料を出しておりますが、その中でも日本の価格が海外よりも高めにシフトしているもの、あるいは低くシフトしているものを出しております。その中でいきますと精神科領域ですとかてんかんとか、そちらのほうなんかは日本がかなり価格が低い。一方、高血圧の薬とか、免疫抑制剤ですとかパーキンソン病ですとか、そういうものに関しては日本のほうが比較的高いというような説明をしておられたと思います。
 今回もその100品目に関しては、既に日本の中でのトップ100、売れ筋100品目となっておりますけれども、そこに入ってくるのは今、言ったような高血圧の薬ですとか、高血圧の薬も1品目というわけではなくて、同じような薬効のものが結構複数入っているというものもあって、その部分でこういう分布になっているのだろうという考察もしております。
 あともう一つ考察をしたのは、日本の産業界がやっている安全対策。特に新薬の市販後というのは、日米欧の3国でICHというようなもので国際調和みたいなものをやっておりますけれども、その中で日本が特に力を入れている。全てに入れているのですが、特に入れているのはE2シリーズというものがあって、市販後の安全対策をやっておりますので、そういう意味でも日本は市販後の中でかなり非常に手厚く国内での安全対策を行っている。例示としては市販直後調査というようなものも日本独自でやっているということで、かなり業界のほうも経費を負担しながらやっていることも一面にあると思います。
 ですので、為替ですとかいろんなベスト100に入ってきた品目の分布ですとか、それはデータでは出ますが、結果としてデータでは出ないのですけれども、いろんな医薬品の使用に対する背景として、安全対策にも力を入れているというのも1つの要因かと思いますが、そのようなものが複合的に絡まって、このような結果になっているのではないかという考えもしておりました。
○西村部会長
 白川委員、どうぞ。
○白川委員
 私も安達先生と同じ意見で、保団連の欧米に比べて日本の薬価は高いという主張に対しては、為替だけで答えられるのかと思っています。当然欧米からの輸入品、輸出品もこの薬の中にあるわけですし、一般の企業であれば為替対策はやるわけですから、そういった要因も為替にはあるということは認識しなければいけないと思います。本質的な問題は為替の問題だけではないという安達先生の指摘はそのとおりだと思います。原価計算方式における人件費やインフラコストは、一般的に欧米に比べて日本は高いと言われておりますから、その分が反映して値段が高くなっているという部分もあると思うのです。それから、設定しております利益率が高過ぎるのではないかという議論もあると思います。どこかで一度計算方法、算定基準について議論をしようという提案でございますし、それは我々としても賛成いたしますので、一度議論する場を設定していただくことをお願いいたします。
○西村部会長
 ほかにございますか。安達委員、どうぞ。
○安達委員
 では、この問題について最後にですが、私は昨年これを御指摘したときから、提唱をされた、このチェックをされた団体が過去にもこういう調査をなさっていますし、このデータ自身にについてこの団体が恣意的な解釈をされた、あるいはずさんな計算であったとは思っていないので、多分事実なのだと思うのだけれども、確認をしてほしいと申し上げたわけです。
 それが厚労省としてある程度確認されたということになっていますので、それを出していただいたことはお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 最後に言われたその話は、いわゆる開発経費にかかわる市販後の安全調査の話です。これがあってそれを押し上げている要因の1つかともし言われると、ではその日本ほど経費をかけないヨーロッパで、市販後に日本よりもさらに市販後の副作用がたくさん出て、何か問題があるのでしょうかということをまたお聞きしなければならなくなりますので、議論が尽きないのですけれども、白川委員もおっしゃいました、私も申し上げました。単に高い安いということは為替レートにも確かに影響を受けるのですけれども、それだけではない日本の値付けの構造の中にそういうものがあるとすれば、それは議論すべきではないか。それを個々のものについてはその都度申し上げているのですが、一度そういうものが余りたくさん出てくるのであれば、たくさん出てきた部分についてはもともとの算定方式についての議論がどこかで要るのではないか。それが私の意見でございます。
○西村部会長
 ありがとうございました。
 禰宜専門委員、お願いします。
○禰宜専門委員
 各国の価格の件でございますけれども、少しお話をさせていただきたいと思います。
 例えば内資企業がヨーロッパ等で販売する場合には、例えば武田薬品として販売するケース、あるいは導出するケース、あるいは協力して販売するケースなどといろいろあると思うのですが、我々は各国で価格を合せることよりも、国ごとにそれぞれ制度が違うこと、また、競合品の価格、品目数もまた違うということ、後発品の状況、当該市場の大きさ等を考慮して各国ごとに価格を設定するというのが一般的な考えでございます。
 実際、国ごとの価格設定にあたっては、最初に価格を設定するときにはその国の処方者あるいは患者へアンケートを行い、妥当な価格をある程度調査した段階で、ヨーロッパであれば価格をつけさせていただいておるということを会社として考えておることを御紹介させていただきたいと思います。
 また、英国とかフランスにつきましては単価だけではなく、国と企業が交渉していますし、英国の場合は許容利益率の範囲で価格を設定するということもございますので、そういうことも考慮しながら価格がついていることも、御理解いただきたいと思います。
 以上でございます。
○西村部会長
 御説明ありがとうございます。
 ほかの委員の先生ございますか。牛丸委員、どうぞ。
○牛丸委員
 確認させていただきます。15ページ、16ページ、新薬の最近の価格の比較ですが、このように解釈してよろしいかという確認です。
 上が横軸が外国平均価格分の収載時薬価、下が欧州平均価格分の収載時薬価。この分子はどちらも同じですね。分母だけが違う。分母の中に上はアメリカを含めて、下はアメリカを除いているということですね。その収載時薬価に関して、そのときには当然アメリカを含めたことを考慮した上での薬価がつけられた。その薬価が平均価格としてアメリカを入れたものと入れないものと比較してどうなのかという、その図だということですね。まずそれはよろしいですね。
 ということは、きょうの議論でいろんな解釈はできると思うので、少なくともこの2つの図の比較だけで言うと、上は左がかなりあるのに、下は右に移動しているということは、アメリカの価格が高いということがはっきりわかったと解釈してよろしいですね。
○近澤薬剤管理官
 薬価専門部会の委員の解釈ということでよろしいかと思います。事務局としてはそこまでかなと思います。
○西村部会長
 今のは解釈ということで、ありがとうございます。
 それでは、ほかにございますでしょうか。では、意見がある程度出そろったと思いますので、この議題はここまでとさせていただきます。
 そして、まとめということになりますけれども、1号側、2号側で宿題の資料を出していただきまして、これについて原価計算方式の算定ルールについての議論にも進めていきたいという御意見が両側から出されておりますので、それについても検討していただきたい。
 きょう御説明いただきました資料に対しましての御意見、今の点も含めまして、平成26年度改定の薬価算定ルールの議論の際に引き継いでいくことといたします。この点はよろしいでしょうか。では、そのようにさせていただきます。
 では、次に中間取りまとめの議論の際、副次的に議論することとなっていました後発品置き換え率に関して、後発品置き換え率の推計に係る資料が事務局から提出されていますので、御説明をよろしくお願いいたします。
○近澤薬剤管理官
 それでは、薬-2をごらんください。こちらは2ページ以降、既に薬価専門部会でも何度も出ておりますが、坂巻参考人から説明のあった資料を抜粋しております。諸外国の先発品あるいは後発品の置き換え率を見るときには同じ土俵で見ようということで、IMS Healthを参考人から提示していただきました。
 3ページ、こちらも何度も出ておりますが、左から2番目に日本がございまして、要するに後発品がある先発品と置き換わる後発品で見まして、日本での置き換え率は40%、それから、右のほうにいきましてフランス、スペインが60%ぐらいいっているということでございます。
 4ページ、従来の全体の医薬品に占める数量シェアの中での後発品の数量ではなくて、A、Bとございますけれども、置き換わる可能性のある先発品Aと後発品Bでまず置き換え率を見てはどうかということで、B/A+Bという形で見ますと右下になりますが、大体39.9%、薬価調査の結果を見ても大体同じぐらいの結果になっているということでございました。
 それで、今後どんな形で推移するのかというのを一度シミュレーションしてほしいという御指摘がございましたので、そのシミュレーションを御報告させていただきます。
 5ページに3つ並べております。
 1つ目は低位推計として、21年度の薬価調査の数字、23年度の薬価調査の数字をそのまま延長して、淡々と恒常的に後発品が置き換わるというようなことで線を引っ張っていく、推計するのが低位推計でございます。
 2番目ですが、調剤メディアスの実績ベースということで、下の6ページをごらんください。実は平成20年4月あるいは平成22年4月、平成24年4月、これは調剤メディアスですので、調剤薬局で数量ベースで後発品がどれぐらい調剤されたかというのが非常に詳しく出てきますので、こちらで追っております。それぞれ20年、22年、24年に処方せんの変更ですとか、剤型の違うものを調剤したりですとか、後発医薬品調剤体制加算ということである一定の数字以上をいくと加算がつくというような形で、調剤薬局で努力する。それから、情報提供をして患者さんにも理解してもらうというようなことを、それぞれ20年から22年、24年という形で非常に後発品の使用促進を調剤薬局で努力してもらっております。
 その結果、4月前後の改正前後でジャンプアップするという結果と、その後は恒常的な形でなだらかに推移するというようなことになっております。
 といいますので、こちらのほうの推計を全ての医薬品に同じように適用できる。調剤メディアスは調剤だけですが、調剤のものが同じようにこれからいくだろうということで、改定のたびに2%、恒常的に0.08%/月という形で増加し続けると仮定したのが高位推計でございます。
 3番目ですが、低位推計と高位推計の真ん中をとったものでございます。要するに調剤薬局のほうは調剤薬局の調剤メディアスどおりにいく。それ以外のものに関しましては低位推計でいくというような推計を考えました。
 7ページ、このような形で推計した場合の結果でございます。右側のほうに新指標とございますけれども、一応60%を目安にしていますが、そうしますと高位推計では4年1カ月で達成する。中位推計では約5年、低位推計でいけば約7.3カ月という形で推移するのではないかというシミュレーションが出ましたということを御報告させていただきます。
○西村部会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明について御意見、御質問ありましたら。
○小林委員
 事務局から提出いただいた資料の5ページ以降について、後発品置き換え率の推計方法が示されており、特に最後の7ページでは将来推計に基づく到達期間が示されておりますが、低位推計と呼ばれる方法で推移した場合は、最大7年以上かけて今から1.5倍の後発品置き換え率60%を目指すという推計になっております。
 これまでも繰り返し申し上げておりましたが、日本における後発医薬品の使用状況は先進諸国に比べて大変低い状況にあり、今後の目標設定に当たっては従来の延長線上ではなくて、これまでの流れを上回る加速度的な推進をすべきだと考えております。
 これまで政府は5年間で倍増以上という目標設定をしてきたわけでありますので、さらに1.5倍を目指すというのであれば、現状ペースであっても5年より短い期間になるはずであると考えております。先ほどの事務局の説明では最短でも4年、最大で7年を超えるというものでしたが、この推計では目標というにはほど遠く、これまでの取り組みをかえって後退させるものだと考えております。
 また、資料上では後発医薬品の置き換え率60%を新指標とするように議論されておりますが、私どもはこの60%という数字は近い将来目指す当面の目標と考えており、本来であればもっと高い目標を掲げていくべきであると考えております。
 今回のデータは一推計に過ぎないと理解しておりますが、後発医薬品の促進に当たって、目標設定は重要なインセンティブの1つであると考えておりますし、目標設定そのものについては中医協の審議事項ではないということでありますが、次回以降ではぜひ後発医薬品の使用促進を強力に進めるために、これまでのインセンティブ策から一歩踏み出した諸外国の取り組み、制度的な対応といったものも研究、勉強していく必要があるのではないかと思っております。
 これは意見として申し上げます。
○西村部会長
 ありがとうございました。
 三浦委員、どうぞ。
○三浦委員
 私のほうも意見を言わせていただきます。このスライド6にある調剤メディアスにおける数量ベース後発品割合の推移実績でありますが、これを見ますとこの推移実績が十分達成したかどうかという問題は別としまして、今までありました改定の方向性と薬局、薬剤師に求められている後発医薬品の使用促進に向けた努力というのは、一定程度認められるものではないかと私どもは思っております。
 ただ、これまでは先発医薬品を後発医薬品に変更するに当たっては、いわゆるのりしろの部分が多かったということもあって、理解していただける患者さん方には、あるいは医療関係者には積極的に変更に応じてもらっていたということだと思いますが、今後は例えば先発品と後発品の加算が少ないものなど、例えば窓口で一部負担金の差が少額で金額的に余り先発を後発に変えたという実感が患者さんにもなかなか御理解をいただけないという場合も含めて、それでもさらに目標を達成する努力をしていかなければならないというところは、御理解をいただきたいと思っております。
 スライド7の推計どおり、今、現実のいろいろな患者さん方に御納得していただけるというような幾つかの事例も含めて、なかなかこのとおりいくかどうかというのは若干私どもには不安があります。ただ、先ほど小林委員がおっしゃったように、時間をかければよいというわけでもないことは理解をしております。この後発品置き換え率の設定、到達期間につきましては、先ほどおっしゃったように中医協の場で議論することかどうか決定していませんが、他の場所もあるのでしょうけれども、やはりそこは現場の声を聞きながら、そして慎重に議論をしていただきたいと考えております。
 ただ、先ほど白川委員からも御指摘があったような、例えば後発医薬品の使用の調査結果におけるような情報提供がまだまだ努力不足であるというような事例があれば、我々薬剤師会としても今後さらに会員に周知して、後発医薬品の使用促進を努力するようにきちんと会員にも周知してまいりたいと考えております。
○西村部会長
 今のは御意見ということで承りまして、ほかにございますでしょうか。
○石山委員
 三浦委員に反発するわけではないのですけれども、確かに改定時に少しずつ上がっているというのはわかるのです。ただ、これが全部いろいろ加算の要素になっているのか、医療全体の話になってこれは分析しないとわからない話ですね。ただ、加算自体が多くついている割に、きょうは総会の報告事項で説明はきちんとではなくて、次回のほうになったのですけれども、あのとき白川委員の意見のとおり、いろいろ後発品の紹介の仕方とかアンケートを見ますとまだまだ低いですね。その辺の努力がなされないと、実際に後発品というものが本当に、当面の目標は6割になっていますけれども、そこまでいくのかどうかというのが1点。
 もう一点は、我々は6割と言っているのですが、スライド3は2012年の数字です。これで見たらヨーロッパ先進国は恐らく日本が追いつくときにもっと上に行っているのではないかと思いますので、ぜひ後発品へのチェンジを加速度的にやっていただきたい。
 小林委員もおっしゃっていましたけれども、これは不思議にドイツなどを除くとヨーロッパ各国、黄色のウェートがかなり似ているのです。6割とか今のところ。ですから何かヨーロッパとしての施策があるのではないかという感じがするので、ぜひ事務局は過去にもし調べたのなら教えていただきたいし、もし統一的にヨーロッパ各国がこういう施策を打っているんだ、あるいは歴史的にこういうことをやっているんだということがわかったら教えていただきたいと思います。
 以上、2点です。
○西村部会長
 ありがとうございました。
 ほかにございますか。
○古賀参考人
 後発品置き換えのスピードと申しますか、推計と申しますか、今後どういうふうにスキームを仕組むかという点について若干意見を申し上げたいと思いますが、先ほどお話にもございましたように、日本で保険診療でそもそも後発品使用促進の実質的な促進策が打たれたのは、平成18年の処方せん様式の見直しが始まりと考えておりまして、その後30%政府目標の設定、その間、診療報酬、調剤報酬改定においては2年おきにさまざまな施策が打たれてきた。それで現在に至っておる。
 私としましては公平に見てこれまでの経過、どのような施策が打たれて、その結果どのような効果が上げられたと推計されるか。それを踏まえつつ、なおかつ今後、日本の保険制度の枠組みにおいてどういう施策が現実にとり得るか。そういったことも念頭に置きながら、現実的に可能な範囲で、現実に目指せる範囲で目標というのは設定されるべきなのではないかと考えております。
 以上です。
○西村部会長
 ありがとうございました。
 三浦委員、どうぞ。
○三浦委員
 先ほど石山委員から御指摘があった薬剤師の説明不足、努力不足ということも結果の中からは読み取れるところもあるかと思います。その上でほかのアンケートの結果の部分、例えば患者さんが、あるいは他の医療関係者がそれについてどこまで理解をしていただいているかということも含めて、国家的なプロジェクトだと思いますので、その後発品についてまだまだ現場では患者さんに御説明をしてもジェネリック、後発医薬品というのがまだ理解していただけない患者者さんも実際には相当数いらっしゃいますので、そういうことも含め、我々薬局に勤務する薬剤師が説明を行うとともに、そういう施策もぜひ国のほうでも一層お願いしたいと思っています。
○西村部会長
 ありがとうございました。
 関原委員、お願いします。
○関原委員
 先ほどの6のグラフを見て、只今、三浦委員からも国家的な目標という発言がありました。普通はどの産業でも国家的な目標があったらそれは業界で頑張って進めるわけです。このグラフを見たら、要するにインセンティブをつけない限り、この業界は目標は達成しません。要するに加算の付く2年ごとの改定時に階段になっている。これを世の中に見せたら、これは一体どういうことなんだとなる。もともと薬は公定価格ですから、いろんなほかの産業とは当然違うわけですけれども、やはり何か目標にする場合には全部何らかインセンティブをください、あるいは政府でやってくださいということではなくて、これは業界の皆さんが主体的に、しかもジェネリックの普及は欧米に比べて非常に遅れているわけなのだから、それをキャッチアップしようという国家目標なら自主的な物すごい努力をやってもらわないと、世の中では余りシンパシーを得られないのではないかと私はこのグラフを見てそう思いました。
 以上です。意見です。
○西村部会長
 牛丸委員、続けてお願いします。
○牛丸委員
 7ページ、結局2つのことが入っていて、1つは後発品置き換え率の新しい指標の切りかえ。もう一つは、最終目標に向けての将来推計によってどのぐらいの到達時間がかかるかという、前者はいいとしまして将来推計について確認をしたいのですが、例えば人口推計の場合に高位、中位、低位とありますけれども、どうなるかわからないが、大体高めに設定しようとか、低めに設定しよう、中間かなという、こういう感じなのです。ところが、ここの5ページで低位、高位、中位と見ますと、まず確認ですが、1も2も実績ですね。つまり、将来どうなるかという想像ではなく、既に1も2も過去において実績がある。その実績が1は少し低めだった、2は高めだった、それを低位推計、高位推計と言うのか。
 3番目は全く違うのです。調剤と入院の調剤を分けて推計する。これは1、2と3でやり方を変えているということですね。推計の場合にこれを単に高位、中位、低位という言い方をするのですか。そこを確認させていただきたい。
○西村部会長
 薬剤管理官、お願いします。
○近澤薬剤管理官
 少なくとも低位も高位も実際の実績ではございます。ただ、高位についてはいろんな調剤報酬上とか処方せん様式を変更するような診療報酬関係で、施策を打った上でこれは延びてきているという話ですので、何もしなければ全くそれはいかない話です。しかも、今回の場合は最近の中でも一番伸びている0.08%/月というような数字と、2%改定のたびに伸びるという形でやっています。ただ、これはあくまでも今後も同じような形でどんどん推進していくことを仮定した上での話ですので、別に何もしなければ高位推計は成り立たないという認識でいます。
 中位推計の話をしますと、調剤は今お話しましたけれども、高位推計という形で非常に調剤薬局のほうで後発品の使用促進を今後も積極的にやってもらうという状況を、高位推計は全てのところで同じようなトレンドでいくというのがあくまでも推計でやっているわけですから、中位というのでいけば調剤薬局の部分は今後もやっていただく。それ以外のところは、とりあえずはまだ今どんな施策を打つかというのはわからないので、そういう意味では1番の低位推計を持ってきたということでございます。
○牛丸委員
 7ページの比較をするときに何年かかるかというとき、中位、高位、低位というときに、結局その言葉がそうですけれども、裏側でやり方が変わっている。そこがはっきりしていないと、つまり今のお話ですと実績ですが、1はこういうことをやった、2はこういうことをやった、それに基づいてやっていく。3番目は分けて対応するということですね。やり方を変えているわけですね。そういうことをやった場合にそのときで大体このぐらい伸びるでしょう。そうすると何年かかるとわかるのですけれども、人口推計ですと単に何%という伸び方が高い、低い、中ほどという、それによって違ってくるんだと見てしまうのです。ですから裏側の政策というか、やり方の違いとか、そういうことを全く同じでもって単なる伸び方が違う。そうすると何年かかるかという比較を見るようになるのですけれども、そうではないですね。確認ですけれども。
○近澤薬剤管理官
 あくまでも実績ベースで努力をして伸びるであろう数字。全く根拠もなく60%に1年でいこうとかいう話にはならないので、あくまでも、ただ、これも努力をするということを前提とした上での推計として考えております。計算の方法の中位推計というのは御指摘のとおり、当然真ん中という話で違う次元のものが入っているというのは御指摘のとおりかと思います。
○宇都宮医療課長
 恐らく牛丸委員の御指摘というのは、普通、人口推計などの場合、一定の推計をするのだけれども、その中である条件がこう変わった場合はこういうふうになって、それが低いほうに向かった場合は低位。そういう推計が普通である。ところが、今回の場合は高位と低位がそもそも計算方法が違って、しかも中位はその組み合わせになっていて、それが普通の人口推計なんかと違うのではないか。恐らくそういう御指摘だと思うのです。
 それはごもっともなのですが、ただ、本来であればそういう推計が望ましいのかもしれませんけれども、今回の推計に当たってはそういう条件の変更によってどうするかという推計が大変難しくて、事務局的になかなかそこまで至らなかったという面があるので、比較的高めに出ている推計方式、それから、低めに出ている推計方式、そして、その組み合わせという、そういった事情からこういうやり方で示させていただいたということなので、そこを御理解いただければと思います。
○西村部会長
 白川委員、どうぞ。
○白川委員
 第2期のジェネリックの使用率の目標は政府が立てる話で、中医協で決定する内容ではもちろんないのですが、薬—2の7ページのグラフを見ると、新指標における60%に達するのは中位推計で5年となっており、うまくいった数字になっているので、多分、牛丸先生も質問されたのだと思いますし、私も疑念を持っております。
 1号側としては、何人かの委員が発言しましたとおり、前から60%では低いと申し上げているとおりで、60%であれば5年ではなくもっと短い期間で達成すべきだと思います。
 もう一点、ほかの委員からは意見が出なかったのですが、まだまだ不満ではございますが、三浦委員がおっしゃるとおり調剤薬局は一定以上の努力はしていただいていると思います。
 もう一つの問題は、院内処方におけるジェネリックの使用が多分余り数字的に伸びていないのではないか。これは想像でございますが、薬価差益や他の問題もあると思いますが、私どもは次回の改定において、1つの焦点として院内処方のジェネリック率をどう上げるかを議論しなければいけないとの問題意識を持っております。
○西村部会長
 ありがとうございます。
 安達委員、どうぞ。
○安達委員
 どこかで1つ申し上げようと思っておりましたことを白川委員におっしゃっていただきましたので、特に今回は一般名処方になって、その選択については患者さんに説明した上でということは全部調剤薬局の努力に期せられたところが多いので、我々医療機関は処方せんを出す場合は、先発品を書いて変更不可と書かない限りは後発品を選んでいただいていいんだということで、それは患者さんにも常に説明をするところなのです。
 一方で院内処方がというのもあるので、三浦委員ばかりが標的になっておられるようですけれども、我々医療機関も努力は確かにしなければならない。
 インセンティブの話があるのですが、インセンティブの話ではないということは、私は澤井社長が2回言われたのを2回ともそうではないと言っているのです。そういう問題ではないのだと。基本的な問題は国家が、つまり厚労省がどのぐらい後発品が先発品と生物学的活性において同等であるということを守るために、どのぐらいの努力を普段からしているか。その結果としてこの1年間でも多分最低2品目ぐらいは認可取り消しになったのではないかと思いますけれども、間違っていませんか。
○西村部会長
 薬剤管理官、お願いします。
○近澤薬剤管理官
 認可が取り消しだとかどうかの判断はまだ確認できておりません。ただ、いろいろと私が見る限りによるとGMPという製造の基準があるのですけれども、そちらで少し改善しなければいけないという事例はあったという報告は見ております。
○安達委員
 これは後で確認しますけれども、厚労省が指示を出しておられるので、各都道府県の薬務課は定期的にそれぞれの都道府県で後発品の使用促進のための会合をやっているわけです。それは我々医師会も呼ばれますし、薬剤師会も呼ばれますし、製薬協の皆さん方もおいでになるのです。そこでもそういう報告を京都府の薬務課が我々にしてくれる。だけれども、中医協では私は聞いていないなという話もある。ましてや新聞にも出ない。つまり、政府のほうで本腰を入れて後発品が先発品と生物学的活性が同等である方向へ向けての努力を最大限している。だから政府は国民の皆さん、生物学的活性の同等性は保証しますから後発品を使ってください。例えばフランス政府はかつてずっと政府がテレビコマーシャルを流したのです。日本で今、流れるのはジェネリック会社のコマーシャルだけです。この違いはどこなんだということが一番の基本だと思います。
 ですから完全にまだ後発品に全幅の信頼を置いていない医師が確かに我々の中にもいます。それを我々は完全に理不尽だと言えないという状況がまだある。そのことに向けた政府の努力というもののもっと積極的な開示と広報をやることが一番基本的に大事なことで、それが石山委員の御指摘のあったことへの1つの答えだと思っていますということを申し上げます。
 もう一つ言えば、インセンティブでやるのではないのですけれども、この間の一般名処方の算定のときも、その前から後発品に関する院内備蓄とその処方に関しては、診療所の分の後発品の分だけがすっぽりインセンティブからは抜けています。これはインセンティブのあるなしの議論の前に、扱いとしては不平等であるということをあわせて申し上げて、それは全体の中で議論をしていただきたいと思いますが、そういう現状は確かにあるんだということを申し上げておきたいと思います。
○西村部会長
 三浦委員、お願いします。
○三浦委員
 先ほど白川委員から、薬局の薬剤師が一定程度以上努力しているとお認めいただいて、大変感謝を申し上げます。
 先ほど関原委員からも、インセンティブでそれがあって進んでいるのではないかという御指摘がありました。
 確かに平成18年だったかと思います。そのときに後発医薬品をどうやって使用促進するかということで、いろいろ改定に合わせてそういうインセンティブがつき始めているのかなというふうに記憶をしておりますが、その都度、例えば処方せん様式の変更も改定ごとに行われていたり、先ほど安達委員のほうでお話があった一般名処方に変更になったりというルールの変更が少しずつあって、それも具体的に増えている要因の1つではないかと考えております。
 また、実際に後発医薬品を調剤するに当たっては、在庫をきちんとしておかなければならない。さらに長期投薬によって在庫の数も種類だけではなくて、その1回の処方せんにおける1人の患者さんに対する薬の数もある程度在庫しなければならない。そういう問題が実際に出てきております。それと繰り返しの説明、それから、そうやって置きかえていくという、これは明日すぐに全部変えろということではなくて、やはりある程度の時間がかかって繰り返し繰り返しで進めていくものだと、今までの経緯からもそういうふうに考えております。
 以上です。
○西村部会長
 ありがとうございました。
 時間が押しておりますけれども、お願いいたします。
○吉村専門委員
 安達先生から、インセンティブで後発品のシェアを上げるのはという話がございましたけれども、流通のほうから考えると、後発品と先発の薬価算定方式がいいのだろうかという疑問を最近持っておりまして、実態で言いますと今、私どもの卸も、あるいは医療機関さんのほうも、薬剤から上がる利益というものがあるのですが、それの大体3分の1が長期収載品からでありまして、これを今どんどん下げようとしているわけです。そうなったときに経営的な問題もそうなのですけれども、今の市場実勢価格でやっていくという方式ですと、後発品から利益というのが額的にどうしてもとれないのです。
 そうなったときに今まで議論がされたように、6割あるいはそれ以上の後発品という形になったときに、果たして供給体制であるとか、そういうものが維持できるのかなと。後発品自体はかなり薬価が低いわけですから、それが必ずしも市場実勢価格、先発と同じように調整幅2%で下がっていくというのが果たして本当にいいのかどうかの議論というのも、どこかでしていっていただければと思います。
○西村部会長
 岩佐参考人、お願いします。
○岩佐参考人
 安達先生御指摘のように、収去をされたジェネリック医薬品がいわゆる溶出の観点から適用していないものがあったということは、たしか2品目ほどあったと私も記憶しております。ですからやはり薬価収載されると同時に収去をされまして、全て溶出試験が行われるというシステムそのものは既に確立されておりますので、その中で今までやってきた中で2品目ほど溶出で適合しなかったものがあったというのは、確かにそのとおりでございます。
 ですから、そういった品質の意味も含めて我々はますます今後も努力していきますし、また、急激に量をふやさなければいけないということに関しましても、期限が明示されればそれに合わせて設備投資をして対応していくという形で、きっちり対応できるのではないかと思っています。
○西村部会長
 ありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。いろいろ意見ありがとうございました。御意見いろいろ出されまして、後発品の置き換え率の設定あるいは到達機関については中医協で決定できることではないのですが、議論としては大変重要な点でございます。
 今まで出されました御意見をまとめてみますと、次回以降ですが、諸外国にどんな取り組みがあるかということ、それから、ヨーロッパの施策についても資料を出していただきたいということ。そういうものに基づきまして同時にまた日本における課題などはどういうものがあるかということを、アンケート調査の分析や幾つかの論点として出されました後発品の質や院内処方など、そういう点などにつきましても情報提供をしていただけたらと思います。それらを踏まえて日本のとり得る施策は何かということ。政府、企業、医療機関、薬局というところ、どのような施策をとり得るのかということを議論してまいりたいと思います。
 では、中間取りまとめに付随する宿題について情報提供をしていただきまして議論を進めていただきましたので、これでこの議論を終了とさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
 では、本日の予定された議題は以上です。その他として事務局から何かございますでしょうか。
○近澤薬剤管理官
 特にございません。
○西村部会長
 次回の日程等について、事務局からお願いいたします。
○近澤薬剤管理官
 次回以降はまた日程調整をしまして、御連絡をさせていただきたいと思います。
○西村部会長
 では、長くなりましたが、これで本日の薬価専門部会を閉会といたします。どうもありがとうございました。


(了)
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