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2013年1月31日 第3回依存症者に対する医療及びその回復支援に関する検討会 議事録

障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成25年1月31日(木)13:00〜15:00


○場所

新橋会議室 8階E会議室
(東京都港区新橋2−12−15 田中田村町ビル)


○議題

1.当事者・家族等ヒアリング
2.その他

○議事

○江副課長補佐 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第3回「依存症者に対する医療及びその回復支援に関する検討会」を開催いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところ、御参集いただきまして、まことにありがとうございます。
 本日は、本検討会の佐藤しのぶ構成員、月乃構成員、服部構成員、幸田構成員、立木構成員より、依存症についてそれぞれ御説明いただくこととしております。
 本日は、岡田部長、重藤課長が公務のため、おくれて参りますので、御了承ください。
 まず、お手元の資料の確認をさせていただきます。
 資料1は、佐藤しのぶ構成員より御提出いただいた資料でございます。
 資料2は、月乃構成員より御提出いただいた資料でございます。
 資料3は、服部構成員より御提出いただいた資料でございます。
別紙の袋に入っておりますので、御確認ください。
 資料4は、幸田構成員より御提出いただいた資料でございます。
 資料5は、立木構成員より御提出いただいた資料でございます。
 参考資料といたしまして、第1回検討会の議事録をおつけいたしましたので、御確認ください。
 足りない資料がございましたら、事務局までお申しつけください。
 なお、本検討会は公開のため、検討会での審議内容は厚生労働省のホームページに議事録として掲載される予定ですので、あらかじめ御了解くださいますようお願い申し上げます。
 それでは、樋口座長に以降の進行をお願いいたします。
○樋口座長 こんにちは。お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 きょうは、今、事務局から説明がありましたとおり、5名の構成員の方々からヒアリングを行いたいと思います。後で事務局のほうから話があると思いますけれども、次回は2月の後半に予定されていまして、そのときには最初の骨子案が出てくる可能性があります。
今回がいろいろな点に関してディスカッションできる最後の検討会ですので、ディスカッションにできるだけ時間をしっかりとりたいと思います。ですから、各構成員10分の時間は非常に短いですが、お守りいただいて、お話しいただきたいと思います。
 まず、当事者と御家族のヒアリングということで、最初に、佐藤構成員から御説明いただきたいと思います。
 佐藤構成員、どうぞよろしくお願いいたします。
○佐藤(し)構成員 ありがとうございます。佐藤しのぶです。
 家族の立場として、こちらに参加させていただいております。
 きょうは、家族として一番困ったことを話していただきたいというお題をいただいているのですが、いろいろ一番困ったことを考えてみましたが、困ったこと、今も困っていること、たくさんありますので、本日話していく中で一番というものが見えてくるかどうか。あと、私の幾つもある話の中から、それぞれ先生方のお立場など、皆様ができることをしていただける手がかり、足がかりになってくださればと思って、お話しさせていただきたいと思います。
 私は、名前だけが出ていますので、皆さん家族の立場といっても、どういうバックグラウンドかということがあれだと思いますので、10分しか時間がありませんから、簡単にだけ。
 私は、アルコール依存症、薬物依存症、ギャンブル依存症が身近な家族に1人ずつおります。元夫がギャンブル依存症ということがわかったのが10年ほど前になります。そのときにギャンブル依存症が病気だということを知りましたが、結婚している間の15年間は全く知らずに、いろいろ試行錯誤しながらやってきたという経緯があります。
 そのことがわかってから後に、原家族にもアルコール依存症ではないかとか、薬物依存症なのではないかという、「??」のままの日々を10年過ごして、今もいろいろ試行錯誤しておりますので、困ったことといえば、本当に知識がないこと。周りの人にも知識がない。どこに相談に行ったらいいのかも最初の段階ではわからなかったというところから始まっています。
 ですので、一番初めにこの病気を知るきっかけになるまで、依存症という病気があるということを全く知らなかったということ。私自身も病気だとは知らず家族の問題行動だと思ってしまっているので、気軽に誰にも相談できない。相談できる場所があるとも思わない。そこが本当に最初の大変な困ったことでした。
 依存症者の行動が行動ですので、ギャンブルですとか、アルコールの問題ですとか、本人の行動が社会的に見てどうなのそれという行動ばかりですので、私1人で何とかしなければならないのだとますます1人でやるわけです。何度か勇気を持って身近な家族、親兄弟、身内、親戚、友人、同僚などにも勇気を持ってちょっと相談はしてみるものの、依存症のことを知っている人はいないわけですから、いないばかりか、違った認識。テレビなどで最近は「依存症」ということを耳にすることもありますので、そういう中で依存症というのが病気と言われながらも、やはりその人の人間性の問題とか、行動の問題とかということにしか話が行かないので、家族の対応が悪いからではないかとか、何かストレスがあってそうなってしまうのではないかと、家族を責められるようなことなどがやはり多くて、原因は家族にある、本人にあるということばかりを言われてしまうので、だんだん相談しにくくなり、ますます言わない。周りでもそういうことを耳にすることがないので、何とか1人で頑張りました。「病気だよ」という言い方はいろいろな方にはされるのですが、その「病気」という言葉に対しての認識間違い。昔から言う「あんなやつ病気だよ」という、その感じの病気ということは皆さん言うのですが、本当に脳がそういう病気にかかっているという知識みたいなことは全くないので、その辺は最初に困ったというか、つらかったことです。
 その後、インターネットなどで、私の場合は「依存症」という言葉にすぐに出会わず、元夫が失踪しました。失踪したときにギャンブルが問題だというのはずっと前からわかっていましたので、ネットでギャンブル場を探そうと思って「ギャンブル」と調べたのです。そこでたまたま「ギャンブル依存症」ということばがヒットして、何だこれと読んでみたところ、本当にこれはうちの人が書いたのではないかと思うような体験談が載っていたり、それが病気だということが切々と書いてあるものを見て、初めてそういうところのどこかに行かなければとなりました。そこに至るまで15年間、誰にもそういうところ、自助グループに行ったらいいよとか、こういうところ、施設があるよということを教えていただいたことはなかったです。
 そこで2番目に、せっかくそういう場があるということを知っても、今度、そういう施設ですとか、自助グループ、病院など、いろいろなところを一つ一つ調べて、自分が行けるところにあちこちに足を運ぶのですけれども、その先で、当時は今から10年ほど前ですので、私の住んでいるところは横浜ですが、多分全国的にいくととても進んでいて、ギャンブルのことに関してなども、唯一、その当時はそこにしか施設がないというような場所であったにもかかわらず、やはりそこで対応してくださる窓口の方たちの対応、病気と認識してお話ししてくださっているのでしょうけれども、その当時は「病気ですよ。家族は手を放しなさい」ということを言われるので、常識から外れているのです。病気の家族の手を放すというのは、私の今まで生きてきた中では、病気の人は家族がいろいろ何か世話をすることがあるのではないかと思うところの常識から外れているので、またまた理解ができず、その意味がわからず、困惑したり、苦しんだりということが始まりまして、そこでいろいろなところに行くので、いろいろな方から助けてはいただくのですが、その都度、やはり知識不足のために言われる言葉、何とか頑張ったほうがいいようなことを言われることのほうが多かったり、手を放すということにも頑張らなければいけないみたいな気持ちになるというのがとても大変でした。
 そこで相当家族のほうも、もう脳がおそらく壊れている状態で「何とかしなければ」がふえますので、精神的におかしくなっていくので、眠れなくなったり、食べられなくなったりということが私の場合は続きました。そういうことが起きたことで、精神科にもかかってみようかということになり、これは逆にラッキーなケースというか、そのことで病院にかかろうということはできましたので、かかって、そこでまたギャンブル依存症という話もするのですが、その知識のないメンタルの先生とかもいらっしゃって、その話はさらっと流されて、結局、眠れないこととか、動悸がしたり、頭が痛いことに対してのお薬の投与ばかりで終わってしまうので、そこもまたすごく苦しんだことの1つです。
 相当手を離せだの、病気だのいろいろ言われて、私の頭も混乱していたので、それでは離婚をしなければいけないのかという思いに至り、今度、離婚相談のところに行きます。今、思うと、そこに行ったときに私の精神状態がひどかったので、区のワーカーさんのいる精神福祉の窓口を紹介していただいたところ、そこに依存症のことをよくわかっていらっしゃる方が対応してくださったことで、そこそこの自助グループやほかのところにも頑張って行ってみるといいですよという言葉を支えに、そういうところに熱心に通うようになりまして、少しずつですが、何とか持ち直し、いろいろなところで活動を始めるのです。
しかし、やはりどこへ行っても皆さん同じ家族の立場で困っていることというのは山ほどありまして、それこそ、私が最初にこういう病気があるとわかったときには、娘が小学生でした。小学生ですので、そういうグループに行ったりする夜など、預け先がないです。託児所みたいな感じで、もっと小さい年齢のときだったらあったのでしょうが、本当に小学生ぐらいの子供がいて、そういう自助グループに行けとか、行かなければだめだとか言われても、本当に行けない現状がありました。そういうことで、例えば親戚、家族に見ていてもらいたいと思う場合にも、そういう病気にかかっているということをまた話さなくてはならなくて、そういうところに行かなければいけないということを理解してもらうのにも時間がかかりました。
 さらに、子供たちにどのように伝えるかということもとても困りました。うちのケースは、元夫も自分がギャンブル依存症なので、そういうプログラムにつながらないとだめだということを熱心にその当時は、最初は認め、娘たちにも話したわけです。私の精神状態もおかしかったので、きちんと本人が話してくれました。そこで私たちのケースは、子供たちがそのこともすごく理解してくれて、一緒に家族で参加できるようなグループをつくることができました。そういうグループは、今もそんなにないと思います。家族で参加ができるような自助グループ、子供にプログラムを何かやったほうがいいとか、そういうアプローチもなかなかまだ進んでいませんので、そういうことも本当にほかの家族の方たちも、子供にどのようにして伝えるか。隠さなくてはいけないという思いが先に出ますので、偏見の目に遭うとか、そういうことですね。そういうこともとても困りました。
 私の場合は、先ほどお話ししたように、私自身も睡眠とか食べるもののことで具合が悪くなりましたので、精神科にかかり続けることができました。その中で少しずつ依存症の話をしたりとかということもできましたけれども、やはりそんなに具合の悪くならないケース、気丈な頑張れるタイプの妻や母、父のタイプの方はとても多いのです。そうすると、やはり一度、二度行っても、本人を連れてこないことにはどうにもなりませんねみたいなことで、そういう専門家のところにかかり続けるということができません。そういうことでしたり、カウンセリングなども、かかりたくても保険外なので非常に金額が高かったりしまして、私も何度かは受けに行くのですが、金銭的に継続して行くということが全くできなかったということがあります。
その意味では、カウンセリングでも、行政の無料相談があるとか、そういうことを本当に知らないということが、あっても宣伝もそんなにされているようには、今でも私はいろんなところで、私はみずから私が宣伝していたりするのですが、そんなに区の中でも目につくところに張ってあったりとか、別に行政の通信みたいなものでも小さく書かれていたりとかで、なかなか目にとまる機会がないので、私自身が家族でとても困ったことを今、家族の会にいて、新たにみえる方たちに何かできないかということで、今現在、社会にアピールしていくということで、きょうの資料も家族の立場で困ったことを話すだけでは、本当にこの先がないと思っていて、今、社会にアピールができればということで、資料の中にあるリカバリー・パレードの活動をしています。
 この活動は、本当に困っていることをどこに話せばいいのか。こんなことをしている人たちがいるというのが目にとまってほしいのです。目にとまることで、メディアですとか、そういうところにもアピールして、テレビなどで報道されている依存症という病名は、例えばニュースなどで薬物依存症だとか、有名人の方のそういう不祥事ですとか、そういう形では語られて知りますが、みんなそれが犯罪ですとか、本人の意思の問題みたいなことでばかり語られているので、ニュースのコメンテーターなども、結局そこの部分というのは「頑張って更生してほしいですね」とか、そういう方向からの話ばかりですので、そういうことでないというアピールをする活動が、本当に重要だと思っています。
本来、自分たちがみずから顔を出してということは、当事者、病気を持っているので、具合が悪かったりもして、なかなか本人だけで活動しているのは大変ですが、ここにいらしている先生方たちにも賛同者になっていただいている方はたくさんいまして、お力を借りながら、いろいろなところでアピールしていただけているかと思います。
 それ以外にも、行政でやられている家族教室にも参加していまして、そこでワーカーさんたちが余り勉強をする機会がないということですごく困っていらして、逆に私たち家族の会で出向いている者のほうが、その知識をないながらに一生懸命お伝えしていっている場などもありますので、本当にそういうことも専門家たちのする勉強会やセミナーなど、そういうこともできる場があればと思い、そちらも今、私は自助グループのほうで、そういうファミリーで参加できたりというような、あざみ野ファミリー12ステップグループというもの、子供たちも一緒に参加できるようなアプローチもやっていたりはしますが、どの活動も全て本人とか家族の献金のみでやっておりますので、本当にそこにいろんな先生方のお力をいただきながら、何とかやっている状態ではあります。
 ですから、これから先、子供たちのためにも何ができるかみたいなこと、今、そういうギャンブル依存症の会での保育とか、セミナーなどでの保育なども、リトルフレンズというところをつくってやっています。子供のプログラム、子供たちの心を育てるというプログラム、Education Through Musicというアメリカのほうのプログラムを使ったものなども一生懸命、今、仲間と一緒にやっています。
 最後に、2回目のときにも先生方からお話が出ましたが、家族だけでも病院にかかれるようなシステムですね。家族は本人とは違うと思って、気丈に頑張ってはいますが、私自身、自分の経験からも、家族も本人と同じように脳の病気にかかっています。精神疾患だということを認識できるような場がまだまだないですので、家族が被害者で、本人が当事者で、当事者が加害者みたいな言われ方をしていまして、先生方は、恐らくすごく大変な思いをした家族に、あなたも病気ですよととても言いにくいと思うのですが、私自身、家族がそれをみずから言っていかないといけないと思っています。同じ病気ですということをすごく思っていて、ですので、病院にきちんとかかれる、本人が来なければ話になりませんということではないようにしていただきたいと思っています。
 ですので、これからも宣伝する活動ですとか、そういった家族をサポートしていく活動を皆様でいろいろ考えていただければありがたいなと思っています。
 ありがとうございます。
○樋口座長 ありがとうございました。
 コメントとか質問とかは、後でまとめてということにいたしまして、先に進みたいと思います。
 続きまして、月乃構成員から御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○月乃構成員 月乃です。よろしくお願いします。
 私は、アルコール依存症と薬物依存症の当事者なのですけれども、当事者として参加していますので、1つのサンプルとして、おかげさまで依存症という病気になって、回復というか、切ることができて20年ぐらいたつのですが、そんなことをまずはかいつまんで伝えたいと思います。
 資料2に、私の病歴に近いものがざっくりまとめてあります。
 下半分は、私は3回入院しているのですけれども、入院中に担当の先生が書いた入院治療総括というものを公開してもらいまして、そのときの状態が書いてあります。
 全部読むと長くなるので、上のほうから行きます。
 私は新潟市在住で、もう父は亡くなりましたけれども、片親みたいな感じで、姉2人とそういう家庭環境で育ったのです。姉の1人は摂食障害になって、もう一人が社会不安障害になったり、私が若年アルコール・薬物依存症になったので、家族の中で少し病気が育ったみたいな環境だったのです。
 15歳ぐらいに醜形恐怖症という病名ですが、すごい容姿コンプレックスみたいなものが強くなって、不登校になったのです。依存症がいきなり発症したのではなくて、メンタルな問題から始まったみたいな感じです。
 それから、すごく自殺願望みたいなものが出て、お酒を飲むようなことになってから、そういうことは解決できるということで、二十歳ぐらいから大量飲酒をするようになりました。
 初めに精神科にかかったのは、醜形恐怖症でかかったのですけれども、当時の向精神薬で治療を受けて、多少症状は軽くなったりしていました。3、4年ですけれども、その向精神薬の服用と酒を飲むことで、ぎりぎり社会と接点を持って仕事をしていたりしたのですが、そこから3、4年で両方とも依存症状態になりまして、その後、希死念慮みたいなものがすごく強くなって、自殺未遂を繰り返して、精神科病棟に3回入院したのです。
 大ざっぱに言うとそんなことで、そして入院中、たまたまなのですけれども、入院した病院が当時、いわゆるアルコール病棟がある精神科の病棟だったのです。なので、そこでいわゆる依存症治療と、自助グループ活動とか、中間施設に入ったのですが、そういうのと接点がそこで持てたということで、27歳が最後の入院なのですが、退院後に自助グループにつながって、それから自助グループにずっと通っていたのですが、家庭の問題みたいなのもあって家を出たいということで、新潟マックという中間施設にむしろこちらから頼んで入れてもらって、半年ぐらいホームで生活して、その後、ずっと自助グループにつながって、この20年。当初は、週5回ぐらいミーティングに出ていましたけれども、今は月に何回か数えるほどしかいかないのですが、基本的には依存症者の自助グループメンバーとして、それが自分の病気から回復できる手段だったということです。入院中はパーソナリティー障害とか、いろいろな診断を受けたりもしました。
 これが私の履歴で、そして提案です。
 私がすごくラッキーだったのが、最初に病院に入院したのが、医療保護入院というか、任意入院ではなかったのです。要は、持っていた向精神薬をまとめ飲みして、それで暴れていたのです。たまたまうちの近所の病院で保護入院みたいな形で入院生活が始まったのですけれども、そこがたまたまアルコールを持っている病院だったので、そこで依存症の疑いとか、依存症の回復する自助とか中間施設に知り合うことができたのですが、そうでなったら、私はやはりざっくり考えると、自分は回復できなかったと思っています。もう死んだ可能性が高いと思います。
 地方で新潟の現状として、依存症が病気であるとか、あるいは中間施設、自助グループがあって、そういうところに行けば、この病気から回復できるというのが社会的啓蒙ということでも、この当時よりは今のほうがちょっとはましになっていると思いますが、少なくとも20年前に、私の家族にしても、周りにしても、そういう考えは全くなかったのです。ですから、そこが私みたいな変な特殊なたまたま偶然ではなくても、そういう治療の場があるということが世の中にはっきり告知されることというのは、死ぬ依存症者が生き延びるぐらいの力があると思いますので、やり方はいろいろな形があると思うのですが、その重要性というのは、本当にとことん感じています。
 あともう一つ、自分の生きづらさと絡む若年依存症というタイプだと思うのですが、結構長年の飲酒歴によって、40歳過ぎから依存症になるタイプと、もっと若いころから自殺未遂とか不登校から依存症になるタイプの人も結構たくさんいるみたいなのですが、その辺のアプローチみたいなものが結構大事ではないかと思うのです。若い人で向精神薬を乱用していたり、自傷を繰り返したりする人というのは結構多いみたいですが、そこに依存症治療というのが与えられると回復できる人というのは、実はたくさんいるというのはすごく実感しているので、その辺のこともアプローチする必要がすごくあると思うのです。
 精神科の病棟は、入院すれば依存物質から切れるし、身体の検査もするし、私もそれでよかったし、自助グループを知ることができてすごくよかったと思えていますが、100%病院につながらなくても、自助や中間施設でも十分対応はできるのではないかと思っています。
その地域に今、依存症の治療の場がすごく少ない薬物とかが多いという話が出ていましたけれども、いろいろ地方でも、その施設と自助のみでも内科の病院からうまくつなげるとかすれば、必ずしも精神科の依存症治療の場がなくても、十分回復は可能ですし、そういう人も現実にたくさんいるということは、やはり自分が今まで見てきた範囲ですね。
この紙には書いていなかったのですけれども、今現在、10年前から自助グループとは別に「こわれ者の祭典」という病気イベントみたいなことをやっているのです。それはユーモア病気イベントなのですが、年間4回ぐらい、東京と新潟でイベント活動を行っていて、おおむねインターネットのUSTREAMかニコニコ生放送で中継をしています。
 このイベントの目的はいろいろあるのですけれども、重大な目的に、各種自助グループ、中間施設が世の中にあるということを知ってもらおうということで、イベントでは必ず新潟なら新潟、東京なら東京の自助組織のチラシを配ることと、ネット中継の場合は、各種リンクをそこに張り付けているのです。そこをクリックすれば、例えばAAなり、断酒会さんなり、ダルク、マックとかを見る状態にして、ほとんどの人がまず知らないという現状を結構感じていますので、そこから何かつながる先を見つけてくれればみたいなことを思います。これは本当に自主インディーズレーベルで細々とやっているのですけれども、そういったものがもっと公の場で行われれば、依存症が病気だと気づかない前に死んでしまう人のほうが結構少なくないと思いますので、どこかで知ることができて、治療の場につながることができるという社会的啓蒙というのは、物すごく大事ではないかと思っています。
 以上です。
○樋口座長 ありがとうございました。
 続きまして、服部構成員から御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○服部構成員 初めまして。服部といいます。皆さん、よろしくお願いします。
 今回、アルコール依存症対策に必要なものというヒアリングテーマをいただきましたけれども、本日はテーマに沿った発言ではないことを最初にお断り申し上げます。これからは、個人の話として、私のほうからアルコホーリクス・アノニマス(AA)の説明とお願いをお話しさせていただきたいと思っています。
 AAのプログラムは、12のステップ、12の伝統、12の概念という原理から成り立っております。12の伝統には、AA共同体の一体性を保つことと、社会とのかかわりの中で存続、発展するための提案が書かれております。さし上げました封筒がAAの資料でございますが、その中にグリーンの広報資料が入っていますでしょうか。そちらの19ページに、今日私がお伝えしたいことなどが入っております。
 下段のところを読ませていただきます。AAが行わないことは、「入会の勧誘およびアルコホーリクに対する回復への医療上の初期介入」、「出席者の記録や病歴の保存」、「AAメンバーの追跡及びその管理」、「診断、予後予測」、「入院、投薬、内科/精神科治療」、「衣食住、金銭の提供および職業紹介等の社会福祉的サービス」、「家庭問題、仕事上の問題に関するカウンセリング」、「調査への参加もしくは後援」、「社会福祉機関と従属関係をもつこと(メンバー個人として、またサービス・オフィスとして協力しています。)」、「宗教的サービス」、「アルコール、もしくは他の問題について論争に加わること」、「AAのサービスに対して料金を受け取ること。AA以外のところから献金を受け取ること。」、「司法機関、弁護士、裁判所、学校、企業、社会福祉、その他の機関や組織、または施設に照会状を送ること。」、です。
 まとめますと、AAの経験は、同じアルコホリズムの分野のAA以外のプログラムに関しては、意見表明も指示も支援も従属関係も持たない云々。そして、伝統10の精神にのっとった行動というのは、AAが行わないこととして書かれております。これらは私たち自身が私たちを守る知恵なのです。
 このようなAAの特徴がございますことをまず最初にお断り申し上げます。
 このような活動方針から、当法人は他の団体や専門家の領域に関する意見は述べられません。ちなみに、私は家業がうなぎ屋さんだったので、和食の専門家ではございますが、他の専門的知識は持ち合わせておりません。しかし、メンバーの中には、皆様と同じ立場の御職業の方もいらっしゃいます。そういう方でもAAメンバーとして公表した場合は、AAの伝統の原理に沿った行動を提案されています。
 AA、アルコホーリクは、アルコホーリク以外の人にはできない方法で、アルコホーリクに影響を与えることができる。また、その働きかけは、その人自身の回復を永続的なものにするため、不可欠なものである。書籍に書かれているというものをそのまま受け入れ、ほかのアルコホーリクにかかわり続けております。
 その中で、医療、特にまだAAメッセージが入っていないアルコール専門病院などへの積極的な活動は最重要事項と考え、行なっておりますが、この中でAAを広める責務として、広報活動などを通して努力はしていますが、この分野では、AAを理解してくれ、協力してくれるAAの友人とお呼びしている皆様に代行してもらったほうがはるかにうまくいき、そして、いい結果を生むと経験が教えてくれています。
 ぜひ皆様には、この点での御協力をお願いしたい。
 まずお願いしたい点として、厚労省さんが先頭に立って、アルコホリズムからの回復方法の1つとして、AA共同体という存在があることや、AAプログラムを説明した資料を厚労省側さんで作成して、関係者に告知、ネットなどでも現行よりさらに詳しく、厚労省さん側から情報の発信をお願いしたいと思います。また、担当者研修会や酒害教育事業等の際には、当法人に声をかけていただき、正しいAA情報が専門家の皆様に伝わる機会を積極的に設けていただきたいと思います。
 今検討会でも見受けられましたが、AAに連絡をとっていいのか、来てくれるのか、といった情報不足が起こらないように、御協力をお願いしたいと思います。
 これは福祉や保健所、その他関係の方々にも同様に、担当者を初め、AAとアルコホーリクや家族の皆さんが直接または間接的に接点を設けられますよう、研修会や家族教室などの際に、AA説明やモデルミーティングの開催などを企画していただいて、ぜひ依頼していただきたいと思います。また、マスコミの方にもぜひ御協力をお願いしたいと思います。
 アノニミティというAAの大きな特徴がございます。アルコホーリクス・アノニマスの「アノニマス」の部分です。これは10ページに書かれております。ただ単に匿名であることをうたっているという以上の意味があるのだということがここに書かれております。この特徴を御理解の上、取材していただき、AAの中で回復できるという事実を、今、苦しんでいるアルコホーリクや御家族、一般の方に広く知っていただきたい。どうしていいか困っている方々へ希望をお伝えしていただきたいと思っております。
 以上のような活動について、AAは協力を惜しみません。全て無償で社会に提供されており、行政関係などは、特に予算立ての心配もございません。当法人の事務所、JSOほか、全国7地域にあるセントラルオフィスという地域サービスセンターへ御相談いただきたいと思います。
 百聞は一見にしかず。どのような活動をしているかというのは、実際のAAミーティングに参加していただけることをお勧めいたします。多くは皆さん方の御来場を歓迎いたします。というのは、ミーティングには2種類ございまして、どなたでもおいでいただけるところと、アルコホーリク本人だけの会場と2つに分かれております。ですので、オープン、クローズとはっきりと書かれておりますので、お調べの上、参加していただきたいと思います。アノニミティの点もございますが、意外にメンバーは気軽にお答えいただけると思います。ぜひ現場の声というものをお聞き願えたらと思います。ぜひお待ちしております。
 以上で、いただいた5分間を終了したいと思います。ありがとうございました。
○樋口座長 ありがとうございました。
 続きまして、幸田構成員から御説明をいただきたいと思います。
 それでは、よろしくお願いします。
○幸田構成員 東京ダルクの幸田です。よろしくお願いします。
 まず初めに、事前に資料としてお渡しできなかったのですけれども、10年ほど前なのですが、和田先生にも御協力いただいてつくった本がありますので、参考資料として、後でお読みいただければありがたいと思います。
 では、早速、お話しさせていただきたいと思います。
 ダルクは1985年にできて、28年ほどたちますけれども、今、全国に五十数カ所の施設があります。東京ダルクがその全てを把握しているわけではなくて、各ダルクは全て独立して運営してされていますので、東京のダルクだけの状況ではなくて、幾つかのダルクに電話で問い合わせをして、今、抱えている問題点と医療機関関係者などに対する要望を若干まとめさせていただきましたので、発表していきたいと思います。
 最初に、医療機関とかかわる中での一番大きな問題点として、1番、幾つかのダルクに問い合わせたところ、どこのダルクもそれぞれの地域で協力してもらえる病院を1、2カ所は確保している。しかし、それはダルクと病院との「連携」ではなく、特定の医師との関係で成り立っている、むしろ「繋がり」である場合が多いため、医師が転勤などで病院を退職すると、別の医師と新たな関係を築いていく、もしくは転勤先の病院に医療機関を変えて、ドクターの追っかけをしなければならないという事態が起こってくる。
 その場合、担当医師が変わると精神薬の処方が変わったり、治療方針が以前と違ったりすることで、当事者に混乱が生じたりする場合があります。また、病院を変わる場合、特に入院時には、病棟のスタッフと築いてきた関係というのが、病院が変わることで断ち切れてしまうので、これも大きい問題だということです。
 2番、一部の地域では、薬物依存症者の入院を拒否される場合があり、本来最も安全な場所で行われるべき薬を抜く期間の解毒期をスタッフが付き添いでダルク内で過ごさなければならない場合があるということです。これは危険を伴うということです。
 3番、急性中毒、薬物依存症、重複障害、発達障害の薬物乱用者それぞれの状態に対して、医療としてのかかわり方、入院期間ですとか、投薬の調整、退院後の処遇など、違いがあるはずなのですが、依存症にかかわったことの少ない医師ですと、そのことを余り理解していただいていないように感じるということです。薬物でおかしくなっているということで、全て同じような対応になってしまう場合があるということです。
 4番、警察への通報を恐れ、医療機関での診察を躊躇する者もいる。そのことが精神科への受診をおくらせているケースがある。これは特に電話相談、家族からの相談、あと本人からの電話相談で、警察への通報は大丈夫でしょうかという心配が多いということです。
 5番、精神科医療と内科等の一般医療との連携。薬物依存症者の回復過程の中で、精神科以外の医療機関とかかわる場合、注意すべき点が幾つかあります。特に鎮痛剤、麻酔薬、これは歯医者でかかる場合が多いです。あと整形外科などで筋弛緩剤などの投薬は慎重に行われるべきであり、けがや病気による手術や入院時も、本来、精神科の主治医の先生と連携をとる必要があるのではないかということです。特に女性の場合、妊娠、出産のときには身体や精神への負担も大きいため、精神科の主治医と産婦人科の主治医の先生が密に連携をとっていただきたいという要望がありました。そういう連携がとれていないことで幾つか問題があるということですね。
 次に、具体的な要望として幾つか出てきたものです。
 ダルクが入院手続、退院手続、入院中のサポート、退院後の引き受けなどを責任を持ってサポートするので、多くの病院で入院ができるようにしていただきたいということです。
 退院後のことが決まっていない人たちを病院がどうも入院させることを余り望まないといいますか、出す先が決まっていない人を入院させることをどうも余り望んでいないような印象があるということです。その辺は、だからダルクが責任を持ってサポートするので、そういった場合は入院させていただきたいということです。
 2番、薬物依存症の治療及びダルクプログラムとの連携・協力に関心を持つ医師は、次世代の医師へそのノウハウを伝えていただきたい。
 それは一番初めに話した、先生がかわると、その病院での治療関係ができなくなってしまうという問題があるので、ドクターは転勤したりいろいろあるので、必ずほかの医師にもそのノウハウを伝えていただきたいということです。
 3番、急性薬物(アルコール)中毒の状態の者に対して、しっかりした救急医療体制を確立してほしいということです。これは東京ですと余り感じないことなのですけれども、どうも地域格差が非常に大きいようで、なかなか救急で呼んでも、入院先が見つからなかったりするというケースがあるようです。
 4番、薬物依存症者に対しては、薬物を体内から抜く期間(解毒期)の1週間から1カ月の入院を受け入れていただきたい。ただし、薬物を体から取り除くだけでは意味がないので、相談解毒治療、精神薬の調整、回復のプログラム、自立支援、就労支援など、一貫した流れの中で行われないと、本来の意味での回復支援とは言えない。ダルクスタッフは、その初期の段階からかかわりが持てるようにしてもらいたいということです。そのためには、医師、医療機関、ケースワーカー、家族及び生活保護の担当者、ダルクスタッフなどが必要に応じてケースカンファレンスなどを開けるようにしてもらいたい。
 そのケースカンファレンスなのですけれども、ダルクが主導で行うことがなかなかできないので、それをぜひ医療機関が中心となって、ケースカンファレンスを開いていただきたいということです。
 5番、重複障害者への治療の確立です。薬物の乱用を繰り返す薬物依存症者の中には、重複障害者が非常に多く、半数以上の者が依存症回復支援プログラムだけでは回復が困難な重複障害があると思われる。その多くは、薬物依存症と統合失調症及び発達障害との重複障害で、依存性薬物をやめて1年以上の月日がたっても、精神科での投薬による治療が必要であったり、改善が見られない場合がある。
 そうした重複障害者に対する治療プログラムが現在はなく、就労自立へ向けてのサポートもないため、行き場がなく、ダルクにそういう方たちはいるのですが、ある程度たっても、ダルクから出て行く場所がなく、しようがなくダルクにとどまっているというのが現状であるということです。また、ここ数年で刑務所から出所後、ダルク利用を希望する方がふえていますが、刑務所の入出所を繰り返す者の中にも相当数の重複障害の方がいると考えられます。その重複障害者に対する対応は、ダルクでも限界があるため、医療機関における適切な治療とプログラムを確立してもらいたいということです。
 6番はちょっと違う問題かもしれないですけれども、最近は精神科病院においても「敷地内全面禁煙」の病院がふえているのです。そのため、ダルクのスタッフが苦労して入院先を設定しても、当事者に入院を拒否されてしまう場合があります。また、たとえ一旦入院しても、たばこが吸えないという理由で自己退院してきてしまう人がいて、それに非常に困っている状況です。
 多くの薬物依存症者にとって、薬物をやめ始めたときのコーヒーやコーラ、たばこなどは手放せない依存性嗜好品であって、断薬期(解毒期)を乗り越えるためには必要な場合があります。治療を継続させるためにも、病院を選ぶ優先基準が「薬物依存症に理解のある病院」ということではなくて「たばこが吸える病院」というところで病院を探さなければならない場合が出てきています。依存症病棟においては、治療を継続させるためにも、喫煙については考慮していただきたいということです。
 もう一点、お配りした資料にはないと思うのですけれども、精神保健センターとの連携についてというのが1つ出てきました。
 東京には精神保健センターが3カ所あり、15年ほど前から全てのセンターにおいて薬物依存家族相談とプログラムが行われています。現在は、本人に対するプログラムが実施されていて、それら全てのプログラムにダルクスタッフは講師として参加しています。センターによっては、家族相談のインテーカーも行い、ケースカンファレンスにも加わるということで、ダルクスタッフが相談の初期の段階から支援ネットワークの一員として加わることができています。
 そうした場合、本人が家族相談の初期の段階から加わっていたことで、本人がその後にダルクにつながってきた時点で、家族の状況や依存に至る背景などをダルク側で把握できているので、治療を含めた個別の支援計画を立てやすいというメリットがあります。
 これは恐らく東京だけなのかと思います。私は余り地方のことを知らなかったのですけれども、いろいろ聞いていくと、地方では余りそういう連携が行われていなくて、一部の地域でしかそういう連携が行われていないということです。地域の中で相談治療、リハビリに至る一連の体制が確立しにくい地域があるということですね。各地域の精神保健センターは、ダルクとの連携を積極的に進めていただきたいと思います。
 もう一点、これもここで出すべきかどうか迷ったのですけれども、非常に多くのダルクからの要望が出ていたので、出させていただきました。
 これはダルクから厚生労働省に対する要望なのでしょうか。生活保護受給者の移送費を確保してもらいたいということです。自治体によっては、AAミーティングに出席するための移送費は認めるが、NAミーティングへ参加するための移送費は認めないというところがあります。特に宿泊を伴う研修会に関しては、AAは「断酒会等」の「等」の部分に当たるとして、交通費、宿泊費が認められますが、NA(ナルコティクス・アノニマス)とダルクでの宿泊研修については、「断酒会等」には当てはまらず、また、明記もされていないということで認められないというケースが多くあります。薬物依存症、NA、ダルクについても、断酒会、AAと同じように宿泊研修においての治療的効果を認めていただき、移送費、宿泊費などを出していただきたいという要望を多く受けていました。断酒会、AAには、それなりの治療的効果というか、根拠があって認められていることなのだと思いますので、その点もぜひよろしくお願いしますということです。
 以上です。
○樋口座長 ありがとうございました。
 それでは、最後に立木構成員から、よろしくお願いいたしたいと思います。
○立木構成員 皆さん、こんにちは。
全断連から2つの点について、資料に沿って御説明したいと思います。
 まず、公益社団法人全日本断酒連盟、通称全断連と言っておりますが、その現況、ことに会員の構成、年齢等について、毎年4月1日現在で全県からデータをとっております。きょうお示ししているのは12年度と書いてありますけれども、昨年の4月1日現在の現況でございます。この表は、まず会員数、現在60歳以上の会員数、断酒会に入ってくる入会時の年齢についての12年間のトータルを示してございます。
ごらんになるとおわかりだと思いますが、ここ12年間で断酒会の会員数が2,500人減っております。かなり大変な減少なので、なぜ減るのだろうということで、理事会や専門部会等で調べているのですが、どうも原因がよくわからない。はっきりしているのは、年間で断酒会をやめていく人の数字というのは、大体12年間一定しているのですが、よく調べてみると、入ってくる人がどんどん減っているのです。ここに書いてありますけれども、12年前の2001年には、新入会員は2,000人ちょっと入ってきたのですが、12年度は1,200人。4割ぐらい減っているのです。なぜ人が入ってこないのだろうということが、差し引きでいくと減少の原因になっていると。なぜ断酒会員が入ってこないのかという問題と、ここに書いてありますが、高齢化社会が断酒会にも及んでおりまして、現在8,500人のうち、60歳以上の会員が約6割。それから、60歳を超えている新入会員が4人に1人、25%ということで、これも12年前に比べると倍増に近い感じがあるということです。逆に言うと、若い人が入ってこない。
 つまり、病院などの治療を受けて、病院を出たけれども、断酒会につながるまでの期間が非常に長いのだと。その間は何をしていたのか、どうなっていたのかということが問題点なのですが、高齢化社会で定年になって、毎日が日曜日でアル中になってしまったというケースよりも、実際は在職中40〜50歳ぐらいでアルコールを飲み出して、助走期間があって、定年になって、アルコール依存症の花が開くという形なので、マスコミの人にもよく言うのですが、定年、やることがない、生きがいがない=飲酒=アルコール依存症というのは、ちょっと実態と違うよと。その前の助走期間があって、定年になって花開くのだよということはよく言っております。これが実態です。
 最後に書いてありますけれども、大体3年目ぐらいまでに約40%脱落して、5年になると約半減するのです。せっかく入ってきた新人、あるいは既存の会員が減っていく。新しい人ほど落っこちていくということなので、サバイバル的に見ると、非常に厳しい断酒会だということは言えると思います。
 現況については、このぐらいにしておきます。
 あと、財政的な問題なのですが、ここには書いておりませんが、断酒会は会費が年間3,600円です。8,500人ですから、予算規模は8,500×3,600ですから、3,060万ぐらいの規模なので、図体の割には決してお金持ちではない。会費収入が全収入の9割を超えていますが、お上から補助金は一銭ももらったことはありません。逆に言うと、会員が減ると財政状態が直撃されるということであります。
 全断連の概況については、以上のようなことです。
 それから、全断連は今年、発足してから50周年を迎えます。11月17日に沖縄で全国大会、50周年の式典をやろうということで、厚生労働省担当部にも御案内したいと思っております。
 2番目の資料にアルコール健康障害対策基本法 法案骨子(案)を出しております。
 もう既に御承知の方もたくさんいらっしゃると思いますし、岡田部長が最初の御挨拶でお話ししたように、アルコールに特化した初の国内法ができつつあるというか、実現に向けて胎動しているといいますか、こういうものが出てきました。私たちアルコール依存症にとっては、アルコールに特化したアルコール依存症を含む国内法ができるということは夢のようなことなので、これは大変なことと思っております。
 アルコール問題議員連盟というものが、30年前から出来ていまして、一昨年の8月に初めてアルコール関連問題学会など3学会から、アルコールに関する法律をつくろうと、全断連も当事者だから手伝えということで、一昨年の8月に初めて、提案者のアルコール関連問題3学会から素案が出まして、議員連盟につないだということです。数次の議員連盟との会合を重ねまして、関連問題学会が提案したのは、法律のネーミングが「アルコール関連問題対策基本法」ということで、議員連盟に持ち込んだのですが、「関連問題」というと、いろいろまた役所の縛りがありまして、参議院の法制局ともやりとりをして、参議院の法制局のほうが法律案の骨子として出してきて、昨年の11月に議員連盟も骨子のこれで行きましょうとされたものです。その後、解散になってしまったので、別に廃案になったわけではありません。これから息長く議員連盟のほうへアプローチしてやっていきたいと思います。
 ごらんになったらわかりますけれども、我々が望んでいるいろいろな対策がここへ全部書いてあります。特に自助グループとか、あるいは家族に対する相談支援、この辺は長い間やってきたのですが、法律ができれば、より裏付けができるので、この辺はぜひ希求しているところです。
 この検討会についても要望があれば述べよということだったのですが、まさにアルコール依存症たる我々がお願いしたいのは、この検討会の中でアルコール依存症に関しては、この基本法の実現に向けて支援していくということを報告書のどこかに書いていただければ、とてもありがたいことだということです。
 以上です。
○樋口座長 ありがとうございました。
 家族からの御意見、当事者からの御意見。当事者の場合には、個人のケースもありましたけれども、自助グループを代表してということもございました。
 さまざまな意見が出てまいりまして、個々には時間の関係で申し上げられませんけれども、一番多かったのは、医療機関に対するさまざまな要望というか、そういうことですね。例えば医療機関での適切な対応についてですね。家族の場合にも話がありましたし、月乃構成員からも多様性を考えてほしいということもありました。それから、ダルクのほうからは、たくさんの要望がありました。
 あと、多くのところから出てきたのは、もう少し啓発をきちんとしていただきたいと。それは国民に対する啓発もそうなのだけれども、家族に対して、あるいは当事者に対してどこにどう相談したらいいかもよくわからないということもありました。医療機関以外の社会的な資源の整備に関する要望とかもございました。
 あと大体40分時間がございますので、言い足りなかったこと、そのほかの構成員の先生方から意見を自由にいただければありがたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 成瀬構成員、どうぞ。
○成瀬構成員 成瀬です。よろしくお願いします。
 きょうは、当事者の方々、そして家族の方からお話をいただきましたけれども、実は2008年に樋口先生のもとで、アルコール・薬物問題を持った家族の全国調査ということをやらせてもらいました。
 アルコールの御家族の方は2,000余り、薬物の御家族の方は550余りの方々から回答をいただいたのですけれども、まず目につきましたのは、特に薬物のほうで、御家族が強いストレス状態にあるという方が54.7%で、重篤なストレス状態で治療を必要とするという方が19.7%であり。非常に高いストレス集団であるという結果が出ました。
 回答をいただいた方々のほとんどが、支援機関や家族会などにつながっていて、当事者は既に断薬が続いている方がほとんどという状況でした。それでも、家族はそのようなストレスを引き続き受けているということになります。
 そのアンケート調査のときに、一精神科医にすぎない私に、設問の回答以外にもいろいろな思いやたくさんの要望をいただきまして、相談治療システムがないと、当事者、家族に本当にたいへんなしわ寄せが行っているのだということを強く感じました。
 偏見を持たれる病気というのは残念ながらあるとは思うのですけれども、特に薬物依存症というのは、病気に対する偏見プラス犯罪というレッテルが張られている。もちろん全部が犯罪ではありませんけれども、そういう先入観が強い。これは一般の人もそうですが、医療従事者もそうであり、精神科医療従事者もそうであり、もしかしたら、依存症に携わっている者も偏見を持っているのではないかと言えるぐらい、本当にまっさらに1人の病者としての治療を当たり前に行われるべきことが行われていないということを強く感じました。
 今も話がありましたが、御家族はどこに相談に行っていいかわからない。そして、相談機関がない。相談に行ったら通報されるのではないか、周りからの偏見もあるということで、当事者は大変ですけれども、その周りの家族の方々が当事者以上に大変な思いをしていらっしゃるということがわかってきました。
 そういう調査をした経緯から、言葉は悪いのですけれども、薬物の場合は、我が国の中に医療難民という人たちがたくさんあって、そして本当に物好きで変わり者の医者が細々と治療をしているとしか言えない。だから、その医者が移動すると、そこでは医療が立ち消えてしまうということが起こっていると思います。
 そして、治療システムがないと、自助組織である、薬物であればダルク、アルコールであれば断酒会、そういうところが回復支援を一手に引き受けざるを得ないわけです。そこには限界があって、というのは、患者さんたちは時代の流れとともに多様化が進んでいますので、画一的なやり方ではもう対応しきれなくなっていると思います。そうすると、いろいろな専門的な援助が必要になってきます。そこに医療機関、相談機関が積極的に入っていかないと、当事者の方々、そしてそれを支援する自助組織の方々が疲弊して、潰れていってしまうのではないかということを危惧しています。
 このアンケートの中で、御家族に「要望を」といいましたら、まず一番に出されたのが、偏見をなくしてほしいということ。そして、相談医療機関の情報が欲しいということ。それ以外にも12項目挙げたのですが、全部が高い率で要望されました。ということは、「何にもない」ということをアンケートは答えているとさえ思いました。
 「どうせ変わりっこない」とあきらめている人たちもいるでしょう。しかし、このような検討会が開かれたということは、とても重要だと思います。
依存症に対する偏見というものが大きく回復支援を妨げており、医療従事者の偏見があるために、当たり前の治療が当たり前に行われていないということがいまだに続いている。ここから何とかしないといけないと思います。
そこで、このような検討会が、今年度で終わりになることなく、目標が達成されるまで継続していただけることをお願いして、私の意見とさせていただきたいと思います。
○樋口座長 貴重な意見をありがとうございました。
 今、成瀬構成員からもお話がありましたけれども、依存症という病気は、本人も大変なのですが、その周りの人たちに対する影響というのは莫大なものがあって、それがいろいろなほかの病気と違う部分ではあると思うのです。そういう面では、家族あるいは家族も含む周囲の方々に対する支援もとても大きな検討課題であるということを改めて成瀬構成員のほうから指摘いただきました。
 そのほか、いかがでございましょうか。
 紫藤構成員、どうぞ。
○紫藤構成員 紫藤です。
 皆様の意見をお聞きしまして、非常に啓発されることが多かったのですけれども、意見というよりは、感想ぐらいの感じで話をしたいと思います。
 佐藤さんが参加されているリカバリー・パレード「回復の祭典」ですが、実は私もこの賛同者の1人になっておりまして、第1回目のパレードに参加しました。3年前の秋分の日だったと思いますけれども、新宿はどしゃ降りで、雨の中、一般の人々に回復の姿をアピールするということで参加したのですが、依存症者のエネルギーの高さというのに驚かされましたね。企画力とか実行力、人を集めていく力とか、行政やメディアに働きかける力。やはり依存症者はお祭り好きといいますか、「ドライドランク」という言葉がありますけれども、お酒や薬を使っていなくても酔うことができるというメンタリティーがこういうところで発揮されるのかなと思いました。統合失調者を中心とする精神障害者のセルフヘルプグループと比べると、全く趣を異にする内容だったと思います。
 私たちとしては、この依存症者が持つエネルギーをどう利用するかということが重要だと思いましたし、これからも医療以上にこういう回復者の力が、医療にかかわっていなくてもよくなる人がいるというお話も先ほどありましたが、こういう人たちを育てていくということが大事だと思いました。
 全体をお聞きしますと、やはり相談とかミーティングとか、グループとしてAAやダルクで治療していくという部分と、こういうイベント活動。月乃さんもイベント活動をされているということで、大きく分けてこの2つが当事者、家族等の役割として重要なのかという感想を持ちました。
 もう一つ、薬物依存、特に違法薬物を使った方が社会に出てくるということで、私は診療所にいて、昔かかわっていた患者さんが覚せい剤などを使って刑務所に入り、出てきて、結局行くところがないから、昔かかっていたクリニックに見えるわけです。この刑務所から出てきた人というのは、私の理解では、更生保護施設に入るのですかね。そこで一定期間過ごしてから、社会生活に戻ることになっているらしいのですけれども、私はそんなにたくさんの人を診ていませんが、お金がまったくないとか、そういう人が多い、あるいは住むところがない。友達の家に居候しているとか、女性だと親切な男性のところに転がり込んでしまうとか、そういう状況で、生活がひっ迫しているので、強いストレスを感じてしまって、再発をするというケースが多いように思うのですが、刑法が改正されて、早く地域で医療を受けられる体制にするという話がございましたけれども、このあたりの刑務所から、施設から、ダルクがどの辺に位置づけられるのかよくわからないのですが、それから一般の社会へと、この流れの中でどのような形で、例えば生活保護などをどの辺りで導入していくかとか、あるいは施設の紹介などをどのようにしていくかとか、そういう流れが分断されているような気がしまして、このあたりは医療にとどまらず、ほかの省庁とも関係するのかもしれませんが、当事者自身の流れとして見ていかないと、うまく行かないのではないかという印象を持ちました。
 もう一点、断酒会の会員数が減ってきているというのは残念に思うのですけれども、私の理解では、断酒会は夫婦で参加する、AAは単身者が参加するという理解だったのですが、そのあたり、家族のあり方とか、家族の構造などが変わってきているということと、断酒会の入会者が減ってきているということは関係あるのかなという印象を持ちました。
 以上です。
○樋口座長 非常に貴重な御意見をありがとうございました。
 特に、医療機関から回復していくプロセス、あと、今のように矯正施設から回復していく、社会に参加していくというプロセス、そのあたりの流れとか、サポートのあり方というのが検討されないといけないのではないかという意見だと思います。
 ほかにございますでしょうか。
 佐藤構成員、よろしくお願いします。
○佐藤(光)構成員 ご家族が大変な状況に置かれるという指摘に関連するのですが、私はつい最近、ごく身近な人の息子さんのケースで相談を受けました。この息子さんは抑うつ状態で、大学病院の精神科に長く通っているうちに薬物乱用の状態になってしまったのです。クリニックを何軒も回って、薬を集めてたくさん飲んでいる。今のところ、なんとか仕事にも行っているらしいのですが、家族はすごく心配しているわけです。
 家族は本人に、医者を変わったほうがいいのではないかとか、薬について相談したほうがいいのではないかと勧めても、本人は乱用や依存を認めようとせず、「必要だから飲んでいるんだ」と言い張る。否認を続けるわけです。
本人にいくら言ってもどうにもならないので、家族は主治医に相談したのですが、すると主治医は「私が出している薬で依存なんか起こりません」と言ったというのです。でも、ベゲタミンとかベンゾ系の薬が何種類とか、依存性の高さが指摘されている薬の長期投薬が続いているのです。それなのに主治医は、「依存は起こりません」と言い切ってしまう。こうなると、家族は本当にどうしていいかわからないわけです。息子さんは定期的に通院していますから、主治医は信頼関係ができていると解釈しているのかもしれないですが、息子さんは家で「あんな医者はだめだ。薬を出すしか能がない」などと主治医をバカにしているのです。でも、そうは言いつつも、簡単に薬を出してくれるから通っている。これはもう、患者と医師の治療関係ではなく、それとは真逆の、薬物依存という病気を維持するための関係になっているわけです。
こういう不健康なことに健康保険が使われて、不適切な薬物投与が続いていくというのは、どう考えてもおかしい。このケースは、地方の特殊な話ではなく、東京のど真ん中にある大学病院の精神科外来の話です。全国で起こっている問題です。こういう相談を最近、たくさん受けるのですが、私もどこを紹介したらいいのか分からない。本当に困った状況です。先ほど、啓発が大事だという話もあったのですが、こと処方薬の依存に関しては、医師や医療関係者の啓発も欠かせないと感じています。
 以前、ほかの方が指摘されていましたが、処方薬依存の実態調査が必要だと思います。ただ、「処方薬依存などはない」と言い切る医師も多いので、医師だけを対象にしたら、実態が分からずに終わってしまうかもしれない。患者や家族までも対象にした、様々な角度からの調査と早急な支援が必要だと思います。
○樋口座長 非常に貴重な意見をありがとうございました。
 医療の質の向上ということと、実態をもう少し明確に捉えて、適切な対応ができればいいだろうという御指摘だと思います。
 そのほかにございますでしょうか。
 佐藤構成員、どうぞ。
○佐藤(し)構成員 済みません、先ほど時間を延長させていただくほど話させていただきましたが、今の佐藤構成員からの話でちょっと思い出しましたので、私がまだ話し足りていないことを話させてください。
 今、おっしゃられたような薬物のことですけれども、違法薬物の場合は、犯罪に直結するので、家族は本当に隠したい。それでどこかに連れて行かれたらどうしようということもあったり、社会の目を気にしてということはありますが、合法の薬に関しては、私自身も結局は鬱病となりまして、かなりの処方薬を処方され、大変な時期がありました。
 本来、そこで薬物依存のほうにまでなってしまっている。ひどい状態になって、そちらの本人となってかかわることになっている御家族もたくさん知っております。本当にその部分というのは、薬物に関してはその2方向ですね。違法であるほうの薬と、合法なのでというので、2種類。違法のほうは犯罪だから隠さなければならない。どこにも相談できないということ。合法のほうは合法のほうで、これは医者が出しているのだから、いいんだ、仕方がないのだ、これを飲まないとという、否認てすね。これは必要で飲んでいるというので、どんどんエスカレートしていく。本当に大量に飲み過ぎてしまって、処方していただいた薬以上に、自分でコントロールし出して、いろいろなことをし出して、どんどんおかしくなっていくという2方向があると感じていますので、その辺も、先ほどもおっしゃっていたように、医者の立場で知識をもっともっと得ていただいて、家族が薬物依存になってしまうということもケースとしてかなりあるということを知っておいていただきたいということ。
 それに続きまして、アルコールの場合の家族の否認というのは、普通に飲める方たちがあちらこちら自分の身近にいます。こちらにいらっしゃる中にも、普通にお酒が飲める方たちがたくさんいらっしゃると思いますので、その方たちも否認に遭うわけですね。普通に飲めるではないかと、我慢すればいいのだとか、それ以上やめておいたほうがいいのだとか、やればいいのだということを散々となりますので、そこで、やはりうちの人はおかしいのではないかとか、父はおかしいのではないか、弟はおかしいのではないかといろいろなことをやり始めますので、普通に飲める人たちとの区別という知識で、脳がそういうふうになってしまっているということをどこかでまた伝えていただけたらと思います。
さらにギャンブルに関しては、お酒や薬のように、脳がおかしくなるということの理解がまだまだ至らないです。前回の検討会で、田辺先生がいろいろと研究した結果をお話ししてくださって、あのお話を聞いても、恐らく一般の人たちは、飲んで酔っ払っていたり、薬でおかしくなっている状態というのは目に見えているのでわかるけれども、ギャンブルはなぜ同じだと。恐らくこの厚生労働省の検討会が立ち上がるときにも、そのことに関しては、ギャンブルは違うのではないかという方はたくさんいらっしゃると思います。なので、そこで本当に家族自身も、ギャンブルは違うねということを思っておりますので、そういうことの知識ですね。本当に研究していただいた結果をあちらこちらで発表していただいて、皆さんの目に触れる機会があればということ。
家族全体で病気になってしまう依存症というもの、1人だけがかかる病気ではないということをお伝えしていけたらと思います。
○樋口座長 さまざまな医学的知識とか、科学的な根拠、そういうものをよりわかりやすく一般の方々に啓発してもらうことで、より病気が鮮明に一般の方々に理解してもらえるという話ですね。ありがとうございました。
 田辺構成員、どうぞ。
○田辺構成員 知識を広める、依存症の問題をどういうふうに解決できるのか、一般社会の中でその方法が広まるということは非常に大事で、家族も本人も、どこへ行けばいいのかわからなかったとか、病気だと言われているのが、アディクトという軽蔑されているような言い方だけであって、本当に治るべきアプローチをとるべきだという話ではないという話が出ていましたね。
アメリカの人たちは、結構AAのことをよくわかっていらっしゃるのです。教会で開かれていることもありますけれども、本当に認知度が高くて、びっくりするぐらいです。何でみんなアルコホーリクとかAAのことを知っているのだと聞いたら、向こうの人が、安心して飛行機に乗るためと、安心して病院にかかるためだと言うのです。どういうジョークなのかと思ったら、ドクターやパイロットの何十%はアルコホーリク、ドラッグホーリクだと。それが20%とかえらい高い数字なのです。ペンタゴンの中にもAAはあるのだという話で、だからみんな知っているのだということを聞いた覚えがあります。
 実際にニューヨークの電話帳のA、B、Cの最初の「Emergency」の緊急コールのクライシスコールのところをぱっと開けると、アルコールだったらここへ電話しろというのが1ページ目に出てくるので、ドラッグはA、B、C、Dで多分早く出てくるし、子供のChild AbuseもA、B、Cだから、緊急の電話帳の1、2ページは、電話帳ですからちょっと前の話ですけれども、今はスマホでできるのかもしれませんが、そういうふうに社会の中でも認知されているというのが非常にあって、まだ日本はそういうことはないということなのです。
私は、教育における取り上げという問題も言ってみたいと思っています。それは私も非常勤講師で、そこそこの国立大学、私が出た大学に行きますが、90分の講義でアルコールとできれば薬物もというニーズで、90分で医学教育の中で、それは私の医学部の精神科の講義の中の1コマが依存・嗜癖、その90分の中でアルコール精神病から薬物のその他の精神病性障害から認知症的な残遺性障害から、もちろん依存の問題とか、離脱症状とか、最後に私はギャンブルの問題まで、スライド1枚、2枚ですが、それを出して終わるということを必死でやっているわけですが、本当に何か専門教育の中でもカリキュラムの余裕はないといいますか、これを大勢の医者にどうやって伝えるかということで、それが1つあります。
 それから、社会の中でリカバリー・パレードの話も出ました。さまざまなイベントがあります。私も実際、当事者グループと一緒にいろんなことを若いころから活動して、いろんなイベントに出て、そのときに記者を呼んだり、その記者に対して精神保健センターという立場からコメントを加えたり、解説を加えたり、いろいろなことをやってきましたが、それがテレビや新聞のニュースで流れる前後といいますか、後にちょっと反応はあるのですが、また社会のいろんな流れと大きな動きの中に埋没して、認知度は下がってしまう。我々精神保健福祉センター自身も国民の調査で、2割ぐらいしか知られていないという現状があるわけです。
 私は、むしろ小学校教育とか、つまり、義務教育の100%の人が聞ける授業の中で、わかりやすい教育も国民全体にすべきではないだろうか。アルコール対策基本法のお話が今、出ましたから、そういうアルコール健康障害基本法が出て、そういうことが広まればいいなとは思っているのですが、今までは「ダメ。ゼッタイ。」という薬物乱用防止の教育だけです。そうなってしまった人は、意思が弱いといって、下手すると「ダメ。ゼッタイ。」とあれだけ言ったのに、絶対だめなことをやってしまった人たちなのだということで、私たちとは違うのだと逆の方向で、嗜癖や依存症の問題を提案するような教育になっていない。
むしろ、誰でもなり得て、なってしまったらこういうふうにすればいいのだと。保健所にも相談に行けるのだと。保健所は難しい問題だと精神保健センターを紹介してくれるのだというラインがあるんだということを言ってくれないと役にたたない。私たちが相談の日を設けている、実は私たちのセンターの場合は、特定相談日ではなくて、いつでも日程を入れるという形でやっていますけれども、正直、PRが悪いとなれば、そういう要素はあるのかもしれませんが、活用がない。PRの仕方といっても、ちょっとしたイベントとかで取り上げたときにつけるだけで、なかなかそれは活用されません。そして、ニーズのある更生保護相談の人たちは、受刑中はなぜか刑務所から手紙を書いてくるのです。精神保健センターとはどういうところですか。私は今度頑張りたいと思ってという手紙が来るのですが、出てからは余り来ない。
 それから、私のところは保護観察所とちょっと距離が遠い地域、札幌にあるのに旭川とか、釧路とか函館というところにあれば、なかなか利用しにくいという構造もあるのですが、そういう更生保護の人たちが直接センターに来る利用等も低いのが現状です。
 ですから、もっと国民のレベルで、「ダメ。ゼッタイ。」だけでは絶対だめという、よく専門家がそういうふうに言っていますけれども、依存症になってしまった後のことも含めた教育というのをもっと市民のレベルに落としていかないと、子供は自分がそうなるということをわかっていなくても、自分の親がひょっとしたらアルコール依存症かなとか、自分の兄さんが暴れているのは、大麻の乱用なのかなというふうに理解していく可能性もあると思うのです。そんなことを思って、どうやって伝えるのか。どこへ行けばいいのかわかるための方策としては、専門教育ももっと充実しなければいけないし、国民レベルの薬物対策教育の中に依存症問題をしっかり据えた内容に切りかえて、それを年齢に応じてわかりやすいレベルでやるという方向性も必要なのではないかということを聞いていて思いました。
○樋口座長 ありがとうございました。
 そのほかいかがですか。
 河本構成員、どうぞ。
○河本構成員 当事者の方とか、家族の方の話を聞かせていただいて、少し感じたこととかを話させてもらいます。
 病気と認めるかどうかとか、あるいは人間性の問題ではないかというところで否認の問題があるというのですけれども、不毛な論議をしても仕方ないのではないかと最近思っています。
 といいますのは、きっと人間性の部分もある。一般的に言うと、性根の部分と脳の病気の部分があるのではないかと思います。だから、病気ですよと幾ら言っても、そうではないだろうという例もあるのです。そういう部分もあるので、診療の中で実際に話を聞いていくと、アルコール依存症でいえば、脳の欲求で病的にどうにもならなくて飲む場合と、本人のある目的を持ったあざとさで飲む場合、きっと両方あるのです。我々が医療としてやるべきところは、人間性の部分というか、あざとさの部分を、必要なのかもしれませんけれども、きっとそれは言っても多様性というか、さまざまな個人差があって難しい。把握し切れないので、やはり病気の部分をやっていくしかないのかと思います。
 それを言っていきますと、月乃構成員から、いろいろな多様性の問題とか、偶然いいところに入院できて回復できたという話を聞いて、きっとそうだなと思います。実際、診療していて、何かこういう治療をしてやめられたというよりも、その人のタイミングと流れの中でうまく合えばやめていけるかなというのがあって、なかなかそれは今の時点では、医療的なかかわりでは十分できないのではないかと思います。にもかかわらず、やめるとか、やめないとか、断酒とか、断薬を余り表に出し過ぎると、結果的に敷居を高くしてしまう面があるのではないかと思います。
 やめられるかどうかは、きっと脳の病的な部分と、それを加えてその人の生き方とか、環境とかがかかわっているので、それを一医療的かかわりだけでどうのこうのというのはできないのではないか。それは自助グループだけのかかわりでも難しいことはあると思います。
 なので、そういうことを最近考えていまして、結局、目の前に来られた患者さんに話すこととしては、少しでも量が減ったらいいのではないかと。この前、肥前の杠先生が、節酒とか断酒の話をされましたけれども、あれはプレアルコホーリクの場合には節酒、進んだ方は断酒という話をされましたが、むしろ進んだ方の場合でも、とりあえずは害を少なくすればいいのではないか、減ればいいのではないかというところでないと、なかなかつながっていかない面があるかと思います。そういう対応をすることで、きっと患者さんのつながりとか、かかわりも、こういう医療の中で継続的にしていけるのではないかということを最近すごく感じているところです。
 あと、断酒会の方の話で、なかなか会員数が少なくやってきたということで、岡山の地元の断酒会の方もそういうことをよく話されて、なかなか大変だなと思って聞かせてもらっているのですけれども、ある会員の方が、再飲酒してしまったら、それを言うと、役を降ろされるから言えないのだとか、ある断酒会では、再飲酒をすると一旦辞めさせられて、その後、また再入会という形をするのだと。だから、なかなか言えない。言えないと、当たり前ですけれども、それが罪悪感になって、結果的に回復のためにならないのです。
 きっとそれは、断酒会自体の問題もあるのかもしれないけれども、やはり医療とかが、結局やめないと仕方ないでしょうとか、断酒してなんぼでしょうとか、やめ続けないことに最大の価値を置いているから、結果的に断酒会は医療との関係が強いので、そういう価値観になってしまったのかなということがあると思うのです。だから、仕方がないですね。そういう話をされた方に、けれども、正直に言うのが一番大事よなんて、なかなか言えないのです。なので、仕方ないなと。診察するぐらいでは、正直に言っておこうかなという話になるので、そういう意味で、そこら辺の断酒とか断薬しかないのだという価値観が、自助グループも含めて何か影響しているのかなと思います。それはそういうところから脱して、少しでも減らせればいいよというのを依存症の軽度、中度、重度関係なしに、そういう対応をした中で、やめる人はやはりタイミングが合えばやめていけています。そういう柔軟な姿勢というか、本当に確実にできる方法みたいなものに変えていく必要があるのではないかと思います。
難しいところだと思うのですけれども、一応、聞かせてもらった中での感想です。
○樋口座長 あと10分ほどなのですけれども、意見がおありになる方はいらっしゃると思いますが、極めてコンパクトにお話しいただきたいと思います。
 では、成瀬構成員、どうぞ。
○成瀬構成員 アルコール依存症と診断がついている人の20分の1しか、「依存症」の治療をされていないという報告があります。薬物はもっとひどいでしょう。
 たまたまいいところにつながったから回復できたというのでは、医療のシステムではないですね。それが当たり前になるように、底辺をしっかり上げていくことが重要だと思います。「薬物は犯罪だから、刑務所に行けばいい」で済んでいた時代もありましたが、今は脱法ドラッグであれ、向精神薬であれ、使うだけで逮捕されない薬物が多数になってきているという状況です。医療にも司法にもつながらない。警察が来ても、落ち着いてしまったら対応しないですよ。そして、医療にもつながらない。こういう人たちを生み出していってはいけないと思います。
 啓発は「ダメ。ゼッタイ。」ではだめというのは当然で、もっと「ありふれた病気なのです」ということのアピールが必要だと思います。医療機関については、診ることのメリットを強調しないと、診ないと思います。そして、保健機関については、診られるだけの人的あるいは財政的なバックアップがなければ成り立ちません。これは国のほうにお願いするしかないと思います。
 以上です。
○樋口座長 未受診者の数を減らすというのも、非常に大事な対策ですね。
 それでは、今どのぐらいいますか。手を挙げてください。
 では、極めて短く、1人2分ずつぐらいでお願いします。
 まずは、川副構成員、どうぞ。
○川副構成員 川副です。
 医療の問題と啓発の問題と2つあったと思います。手短にしますが、啓発については、もう誰もが必要ということだと思います。それは国民一般向けだけではなくて、専門職に対しても必要ということだろうと思います。
 啓発というのは、偏見があるとここでどれだけ言っても、恐らくそれだけでは方法がなかなか生まれない。はっきり言えば、この世界に入ってくる前の自分を説得できる論理なり、方法なりが必要だと思います。これは非常に厳しい言い方になるかもしれませんが、実際にこの世界に入った専門職なり、当事者の方が、この世界に入る前のその人、その専門職なりを説得できる、そういう方法を考えていかなければいけないのではないかと思います。
 医療については前回、私は拠点病院事業を提案しましたので、その要件としてどういったことが必要かというお話になると思いますが、一方で、拠点をつくりますと、周りの医療機関はみんなそこに投げてくるという面があります。拠点は高く伸びて行けると思いますが、それとともに、広く普及させるという方も必要です。現在ある数少ないアルコールの入院医療管理加算というものが実際に導入されたおかげで、アルコール依存症を診る病院は少しずつ出てきています。例えば私の病院に来るアルコール依存の初診の方の数が、必ずしもそれほどふえていない、相当いるはずなのにと思っています。ですから、普及という部分の施策と、拠点をまず全国にある地域ごとにつくるという、両方が医療については必要と思っております。
 以上です。
○樋口座長 貴重な意見をありがとうございます。
 それでは、こちらに行きましょうか。
 山中構成員、お願いします。
○山中構成員 先ほど御家族の方から、どこに相談したらいいかわからないというお話がありました。保健所は、ずっと精神保健をやっている、あるいは精神保健相談をしているというのは大分定着しているのかと思ったのですが、それでもなかなか保健所に足が向かないということなのだろうと感じました。
保健所のほうで、例えばそういう御相談があった場合であっても、適切な医療機関を御紹介するというのは非常に困難な状況にあります。特に依存症と、先ほどダルクの方からお話がありましたように、重複した障害を持っている方々を医療に結びつけるということが非常に引き受け先を見つけるのに大変困難を感じております。そういった意味では、これまでもいろいろな御意見がありましたけれども、やはり医療側の受け皿というものをきちんと整えていただきたいと思いました。
 それから、月乃さんのお話の中で、必ずしも医療機関に行かなくても、地域の中間施設あるいは自助グループでの力で回復に向かうプロセスがあるのではないかということを大変興味深くお話を伺いました。全ての地域にそういった医療機関を幅広く設置するのは無理であっても、そういった方々のお力を借りるような仕組みとか、あるいは連携システムを地域の中でつくっていく必要性を感じました。
 以上です。
○樋口座長 幸田構成員、どうぞ。
○幸田構成員 先ほど、予防教育のお話しが出ていましたけれども、ダルクでは学校へ行って、予防教育の授業で体験談をお話しさせていただいているのです。大学から小学校まで行っているのですが、高校生だと、もう聞いたほうがいい人は学校に来ていないという状態で、中学生ぐらいですと、インターネットでいろいろ調べて、大麻はたばこより害がないとかいう知識が入ってしまっていたりして、なかなか真っすぐ聞いてくれないという部分があって、今、東京ダルクでは、年間40件ぐらい小学校へ行っています。小学校5、6年生に何を話すかというのと、大人に話すこととほとんど同じ体験の話をしています。それは子供たちの心には残っているようです。
 1つ感じるのは、アルコールの体験者の方たちが、小学校、中学校で話を何でしないのだろうなという疑問がありました。
 それと荒川区では、保健所と地区の担当の保健師さんとダルクがセットで行っています。そうすると、子供たちには、アルコールとか薬物の相談というのは保健所が扱うものだという、最初に保健師さんがそういう相談の機関の話をして、私たちが体験の話をする。そういうセットでやっています。それは恐らく小学校ぐらいからもうやっていったほうがいいことなのかと思います。
 それともう一点、家族の方たちがよく聞く話なのですけれども、専門家とか相談員と言われる方たちに相談した結果、先ほどのお話のように、あなたがもっとしっかりしないからよと言われて、さらに傷つくという、この人なら大丈夫だろうと思って相談した人に受け入れてもらえなかったという、それが一番家族の方にとってはつらいことなのかと思います。
 その辺は、保健所なり、相談員、支援員と言われる方たちがどう対応するのかということをもっとしっかり勉強する必要があるのかと思います。
 以上です。
○樋口座長 ありがとうございました。
 紫藤構成員、どうぞ。
○紫藤構成員 紫藤です。
 教育という問題で、先ほど田辺構成員は、義務教育のころからという話をされましたけれども、これは私たちのテリトリーを脱していると思うので、まずは精神科医の教育からしていく必要があると思います。精神科医の中で、アルコールや薬物を理解している人というのは、ほんのわずかで、アルコール関係の学会に行っても、同じ先生がいつも集まっているという感じで、ほとんどの人が理解していないのです。
 精神科医が勉強する場所というのは、精神保健指定医の資格を維持するために講習会に行くとか、学会専門医の生涯教育あるいはレポートとか、そういうものがないと、勉強するモチベーションが上がらないのですが、そういうところでアルコールや薬物の教育、処方薬依存なども含めて課していくという形をつくっていったらいいと思いますし、指定医は厚生労働省ですが、学会はここに学会理事の先生もいらっしゃいますので、ぜひそういうことを進めていただきたいと思います。
 もう一点、先ほど幸田構成員がケースカンファレンスとおっしゃいましたけれども、こういうケースカンファレンスというのはとても重要だと思いますし、地域で診られるケースは、できるだけ地域で診ていくためにネットワークづくりをしていくということで、こういう会に呼ばれると大変勉強になりますし、自分1人で診ていくのではなくて、いろんな職種の人がいろんな見方をして、知恵を寄せ集めることができます。今までは手弁当で、無報酬で行っていたのですけれども、国にはぜひこういうところにお金をつけていただいて、地域でのカンファレンスが活性化するようにお願いしたいと思います。
○樋口座長 それでは、堀井構成員、どうぞ。
○堀井構成員 いろいろお話を伺っていまして、私はまず、田舎でも、都会でも依存関連の相談を各地でできるようにしないといけないと思うのです。今までの厚労省の依存症対策として行ってきている、地域依存症対策推進モデル事業(平成21−23年度)が8自治体とか、同事業の結果を踏まえて依存症家族に対して支援を行う、地域依存症対策支援事業(24−26年度)が全国6カ所とか、こういう数の少なさではどうにもならないのではないか、これをどんどん増やして、各県でこういうことができるようにやっていくべきだと思います。そのためにも、実地調査を今後も進めていってもらいたいと思っています。
 それから、実際、常用薬物依存問題で思うのですが、厚労省の施策が非常に大きな意味をなすと思うのです。例えば抗不安薬または眠剤を3剤以上はだめだという指導を厚労省がして(平成24年度より、外来で3剤以上処方した場合には所定の100分の80に相当する点数を算定、つまり3剤以上処方で減額される)、私たちは3剤以上の眠剤を出さないように努力しています。また、アルコール依存症治療においては川副先生が言われたように、アルコール依存症の入院費をきちんと出す(平成22年度より、重度アルコール依存症入院医療管理加算、30日以内1日200点、60日以内100点と専門的治療が評価された)ということになって、それに必要なアルコール依存症治療スタッフ研修が久里浜医療センターだけでは足りないというので、私ども日本精神科病院協会でも、医師、ワーカー、ナースを500名前後にアルコール依存症治療専門の研修体制を整えて研修を受講していただき、多くの施設で点数が取れるようになってきています。そういう診療報酬面で保険点数がもらえるとか、経済的施策をきちんとしていただければ、医療の面での積極的な対応ができていくのではないかと思います。そのような対策とともに、各県地域でセンターあるいは保健所がかかわりを持てるような対策・教育プラン、それをしたらどういうふうになるという、何かメリットを与えて広げていく、そういう方向性を持って、より具体的なことをぜひこの委員会で考えていっていただきたいと思います。
○樋口座長 立木構成員、どうぞ。
○立木構成員 全日本断酒連盟は全国展開なので、北海道から沖縄まで、いわゆる支部が約600あるのです。600の断酒会が網の目のようにあって、問い合わせ先は代表者の名前、住所、電話番号など、全部個人情報も解放して待っているのですけれども、本当に来ないですね。二通りありまして、ここに入ると飲めなくなるから、知っていて来ないという否認と、それから本当にそこまで目が行かない。同じ600の断酒会のデータは、ホームページにも張ってあるのです。やはり来ないですね。
 そういう意味で、PRというか、周知というか、啓発というか、要するに広報ですね。この部分でやはり新聞は偉大です。例えば例がちょっと古くなりますが、三笠宮寛仁殿下が、私はアルコール依存症だとカミングアウトされましたね。それから、将来の総理大臣になるほど嘱望されていた北海道の保守政党の政治家が外国で酒を飲んで醜態をさらして、電波に乗って全世界に伝播された。その新聞報道があったら、問い合わせが来るのですよ。我々の東京のほうは、酒害110番というのが墨田区の事務所にありまして、そういう新聞のアルコールの大きなニュースがあると問い合わせが来るのです。それから、SMAPの某君。裸になってしまったというあの人ですね。うちの息子も酔っぱらうと裸になって、この間捕まったんだけれどもということで、やはりマスコミュニケーションというのは啓発のために強力なものなので、ぜひ新聞の力というのは、こと私が体験していく中ですごい伝播力がありますから、報道していただきたいと思っています。
 私の感想ですが、新聞社のアルコールのニュースの取り上げ方というのは決まっていまして、お花見のときに急性アルコール中毒になるからやめろ。それから、年末年始は飲む機会が多いからやめろ。これの特集しかやらないのですよ。今回の検討会で出たような問題をなかなかニュースとして企画しづらいと思うのだけれども、特集の形もイベントではないからやりづらいけれども、ぜひお願いしたい。やはり啓発にはマスコミュニケーションが大事なのだということをぜひ言いたいと思っております。
 以上です。
○樋口座長 ありがとうございました。
 最後に、田辺構成員、お願いします。
○田辺構成員 アルコールと薬物と病的賭博の3つの依存症の問題で、地域の解決力を高めるような方向性というのをもっとつくっていかないといけないと思うのです。実際、各相談機関と、医療機関と、施設と、当事者グループの代表、こういった人たちが一堂に集まって、実際の数字を持ち寄るようにして、うちの地域では、例えば薬物依存症の人が出たら、どんなふうに解決できるのか。どこが何を担うのかというところを明らかにしていかないといけないと思います。
 アルコール依存症対策はベースだと思うのですが、依存症には問題性と疾患性があって、疾患性は高いけれども、問題性が高いといって嫌われているのが薬物で、疾患性が低いのではないかと取り上げてもらえていないのが病的賭博である。アルコールは基本で、今、そろってきている。ですから、問題性が高くて、なかなか医療機関に手を出さない薬物には、それなりのきちんとした治療をした場合には何かメリットが出てくる、そして医療性が低いといって、医療ではないのではないかと言われて、ちょっと放置されている病的賭博は、医療でも診やすいような環境をつくる。それらの3つを合わせて、この地域の中でどこに相談に行って、どこに医療に行って、どこにリハビリがあって、そしてそれはどういう当事者グループがそれを受けているのかという、そういう地域の絵がしっかり書き込まれるような方向性というのを期待します。
○樋口座長 ありがとうございました。
 まだ時間が十分ではないと思いますけれども、もう少し既に時間を過ぎてございますので、和田先生のほうから総括をいただければありがたいと思います。
○和田先生 和田でございます。
 本日は、当事者、家族等の方々から御意見をいただきました。また、各構成員の方からもいろいろな立場で御意見をいただきまして、私なりにいろいろなことを少し考えながら整理させていただきました。
 どうやら、きょう皆さんが言われている結論は、最後に田辺先生が言われたように、「地域での解決能力をどう高めるのか」、「そういうシステムをつくれ」と私には聞こえてきます。結局、皆さん「どこに相談に行けばいいのだ」と。どこに行っていいかわからない。一部、広報の問題かもしれません。
 ただし、これについては、冷たい言い方が1つあります。いわゆる依存症の問題は、大方の方々にとってはやはり他人事なのです。いざ自分がその立場に置かれて、初めてどこに行けばいいのだということになる面があります。宣伝とか広報の部分もあると思うのですが、このような現実もあると思います。それでも「どこに行けばいいのだ」、「行くところがない」という現実は認めざるを得ません。
 仮に行ったところで言ったら、「あなたの育て方が悪いのだ」とか「性格の問題だ」と突き放される。やはり専門職と称される方々の教育問題をきちんとやっていく必要と同時に、診てもらえる施設を整備する必要があるのだろうと思います。
 それから、「地域でどうするのだ」という話になってくると、病院を核と考えれば、ダルクを含めての自助活動、あるいは相談機関としての精神保健福祉センター、さらにそこと連携しながらの保健所というシステムがあるわけですから、そのあたりをそれぞれどう強化し、連携システム構築していくかという問題だろうと思います。
 もう一つ、この依存症の問題で決定的な問題は、依存症を治療する特効薬がないという大問題があるわけです。これがあれば、こういう問題は全然起きないわけですよ。今までそれで「さあどうするか」、「どうにも方法がない」というところで、なかなか前に進めなった気がします。
 ただ、最近では、いわゆるワークブックを用いた認知行動療法というものが随分広がってきました。これは今までになかった医療サイドから見れば、重宝する武器なのです。こういうものをいかにうまく使っていくかということが、これからの具体策として求められていくのかという気がします。
 ということで、専門教育の問題もありますが、基本的には、地域でのシステム、地域解決能力を高めるためのシステムをつくっていくという方向性の話かと思います。これが結果的には、恐らくこれから進むのでしょうけれども、刑の一部執行猶予制度との関係で、いわゆる出所者、それ以前は受刑者ということですが、見方によれば依存症者ですね。そういう方々が地域でどう生活して、断薬を維持していくかという、患者としての流れというものが、そういうシステムの中できちんと動いていかないことには意味がないだろうと考えております。
 そういうことで、本日、皆さんのお話を伺いながら、簡単に言えば、病院、自助活動、精神保健福祉センター、プラス保健所、このシステムをどうやって動かすか。そういうことになるかと考えます。
 あと、非常に些細なことなのですが、これは幸田さんが言われたことで私も気になっていたのですけれども、総論としては、以上言ったことなのですが、実は各論もあるのです。依存症の方々を診てくれる病院は非常に限られていますね。ところが、そこで今ちょっと大変なことが起きています。「たばこが吸えないから」とそこに行かない。本末転倒なのです。たばこを吸える病院に行く。
非常につまらない話だと思われるかわからないのですが、現に成瀬先生ところもそうだったと思いますが、入院しても、薬物からの回復どころではないのです。たばこ、たばこで頭がいっぱいになっていまして、本来の目的どころではなくなっているのです。世間的には「何をくだらないことを言うのだ」と思われるかわかりませんが、具体的には、こういうところが実際の医療のノウハウというか、進め方というか、現実的には重要なところです。このような各論もおろそかにしてはいけないと聞かせていただきました。
 以上です。
○樋口座長 どうもありがとうございました。
 和田先生に非常に簡潔にまとめていただきましたけれども、治療の向上を図るというのは非常に大事なことで、認知行動療法の話もありましたが、可能であれば、薬物療法もさらに発展していくといいなと思います。
 それから、私のほうからも1つだけコメントさせていただくと、よく言われるのが、治療施設というのはどこにあるのかということの指摘がいろいろなところからあります。できれば、現存する治療施設、どんなところに行くと、どんな治療を受けられるのかということの情報が将来できるといいなと思います。それから、定期的にアップデートされていくようなシステムができると、非常に多くの方々が利用できるのではないかと、そんなことを考えています。
 きょうは本当にいろいろな意見をいただきまして、当事者の方、家族の方から貴重な意見をいただきました。このヒアリングの内容、その後のディスカッションの内容を私のほうで預からせていただきまして、事務局と調整して、骨子にまとめていくようなことをしてまいりたいと思いますので、それでよろしゅうございますでしょうか。
(「はい」と声あり)
○樋口座長 ありがとうございました。
 それでは、最後に事務局のほうから、次回の検討会のテーマ及び次回以降の日程等について説明をお願いします。
○江副課長補佐 本日は活発な御議論をありがとうございました。
 次回の検討会につきましては、これまでいただきました御意見やヒアリングなどを取りまとめた骨子案を作成しまして、構成員の皆様から御意見などをいただこうと考えております。
 日程につきましては、2月27日の水曜日、13時からを予定しております。正式な御案内は、後日お送りさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
○樋口座長 本日は、お忙しい中、ありがとうございました。
 それでは、これをもちまして、第3回「依存症者に対する医療及びその回復支援に関する検討会」を閉会いたします。
 ありがとうございました。


(了)

障害保健福祉部精神・障害保健課障害保健係

連絡先: 03-5253-1111(内3065)

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