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2013年2月18日 第12回シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会 議事録

医薬食品局審査管理課化学物質安全対策室

○日時

平成25年2月18日(月) 14:00~16:00


○場所

中央合同庁舎第5号館6階 共用第8会議室


○議題

・室内空気汚染調査結果概要について
・自治体および関係団体のシックハウスに係る取組説明・ヒアリング
・その他

○議事

○化学物質安全対策室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから、第12回「シックハウス問題に関する検討会」、今年度に入りまして2回目でございますが、開催させていただきます。
委員の先生方におかれましては、御多忙中のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、広瀬委員より、事前に欠席の御連絡をいただいておりまして、委員総数12名のうち11名御出席であることを御報告申し上げます。
なお、本日は、関係団体からの御説明を予定しております日本接着剤工業会、日本塗料工業会の方にも御出席いただいております。
それでは、座長の西川先生、以降の進行の方をよろしくお願いいたします。
○西川座長 まずは、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 それでは、議事次第のほうをごらんください。
初めに、議事次第、座席表、委員名簿。
そして、資料1といたしまして、「平成24年度夏期室内空気汚染調査結果の概要」、資料2-1といたしまして、斎藤委員からのプレゼン資料、資料2-2といたしまして、接着剤工業会様からのプレゼン資料、そして資料2-3といたしまして、日本塗料工業会様からのプレゼン資料になっております。その次に、一枚紙の資料3といたしまして、「今後の検討スケジュール(案)」。
そして、参考資料1といたしまして、この検討会の設置の紙になっております。また、委員の先生限定で配付させていただいておりますけれども、日本塗料工業会様からいただきました参考資料といたしまして、「ペンキ塗り立て注意」という一枚の紙と「塗料設計・施工マニュアル」、あとは日本の塗料工業の12年号を配らせていただいております。
 なお、こちらの資料は受付に多少余りがありますので、傍聴者の方で御希望される方、数に限りがありますけれども、お持ちいただければと思います。
何か過不足等ございましたら、事務局までよろしくお願いします。
○西川座長 よろしいでしょうか。
 それでは次に、本日の予定を事務局から説明をお願いいたします。
○化学物質安全対策室長 本日の予定でございますが、議事次第をごらんください。2の議事に従いまして運営していきたいと予定しております。(1)の「室内空気汚染調査結果概要について」といたしまして、国立衛研で実施されました調査結果概要を神野委員より御説明をお願いしたいと考えております。次に、(2)の「自治体及び関係団体のシックハウスに係る取組説明・ヒアリング」ということで、自治体のお立場から東京都の斎藤委員、関係団体のお立場から日本接着剤工業会の三重野様、それから、日本塗料工業会の渡辺様に御説明をお願いしたいと考えております。
 次に、3の「その他」といたしまして今後の予定等を御説明させていただきたいと思います。
本日は以上の予定を考えております。
○西川座長 ありがとうございます。
それでは、議事(1)「室内空気汚染調査結果概要について」、神野先生、説明をお願いいたします。
○神野委員 国立医薬品食品衛生研究所の神野でございます。
 本日は、私どものほうで厚生労働省化学物質安全対策室の委託で実施しております全国調査の結果について、現在、本年度冬期の結果についてはまだ測定中でございますので、本年度夏期までの結果の概要を御説明させていただきたいと存じます。
 それでは、早速始めさせていただきます。
(PP)
 本調査は、ここに示しましたような25地方衛生研究所、うち、1地方衛生研究所は、今年度御都合により参加できないということですので、実質的には24地方衛生研究所の御協力をいただきまして、私どもと共同で調査を進めております。
(PP)
 調査の内容ですけれども、今回の夏期の調査に関しましては、指針値が定められておりますホルムアルデヒド、アセトアルデヒドに加えまして、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、パラジクロロベンゼン、テトラデカンの揮発性有機化合物(VOC)について主に着目して調査を行っております。
 また、先般、前回の委員会の際にも紹介がございましたWHOで指針値、ガイドライン値が提案されております化合物についても、あわせて国内の調査を実施しておりますので、その結果を合わせて御報告させていただきたいと思います。
(PP)
 その調査内容ですが、ここに示しましたように、12時間にわたって吸着管で採取を行いました。前回の昨年度冬期の予備調査では24時間サンプリングを行っておりますが、今回、吸着剤を一部変更した関係で、破過を考慮しまして12時間のサンプリングとしております。残りのそれ以外の試験方法については、11回の検討会でお示ししたものと同等の解析を行っております。
(PP)
 これがサンプリングスケジュールを示したものになりますが、VOCを12時間、ポンプでサンプリングし、居間、寝室を採取いたします。その間、外気は別のポンプで、若干高目の流速で短時間のサンプリングを実施しております。
また、アルデヒド類につきましては、パッシブサンプラーを、拡散サンプラーを使用した関係で、それぞれ24時間ずつのサンプリングとしております。したがいまして、アルデヒドのサンプリング法につきましては、前回御紹介させていただきました昨年度冬期の予備調査と同一ということになっております。
(PP)
 これがサンプリングの概要ですが、パッシブ法、拡散サンプリング法ですと、このように室内に吊るす形をとっておりまして、今回、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドの結果についてお示ししますが、それ以外の若干鎖長が長いアルデヒド類についても、標準品を入れて定量を試みております。ただ、今回御紹介させていただくのは、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドの結果について示させていただきたいと考えております。
また、VOCにつきましては、先ほど指針値が定まっている化合物を中心にということで御説明させていただきましたが、ここに示しましたような、私どもで120物質をGC/MSで分離する方法を確立いたしまして、どのような化合物が検出されるかということにつきまして網羅的な探索を行っております。
それでは、今年度夏期の結果を昨年度冬期の予備調査の結果とあわせて順次御紹介させていただきたいと思います。
(PP)
まず、ホルムアルデヒドですが、昨年度冬期の予備調査におきましては、ここに示しましたように、いずれの家庭でも、居間、寝室いずれも指針値を超過する室内はなかったということで御報告させていただきましたが、夏期の調査になりますと、室温が高くなるということもございまして、ここに示しましたように、10件程度でございますが、室内濃度指針値を超える家庭が見られました。
ちなみに、その数ですが、居間で指針値を超えた家庭が4家庭、寝室で超えた家庭が8家庭ということになります。したがいまして、総数から計算いたしますと、7%程度の御家庭で、夏期はまだ指針値を超える家庭が存在したということになります。
次はアセトアルデヒドですが、ここに示しましたように、この場合は、昨年度冬期も、今年度夏期のいずれも、若干ではございますが、指針値を超過する家庭がやはり存在しております。この場合は必ずしも室温の増加等に伴って超過件数が増加するというような傾向は認められませんでした。
(PP)
 次に、トルエン以下、揮発性化合物について御紹介させていただきますが、トルエンにつきましては、いずれも高い家庭が存在いたしますが、指針値であります260μg/m3という値に対して半分以下、大部分では50μg/m3以下の値ということになっております。
(PP)
 また、キシレンにつきましても、同様に高い家庭が散見はされますが、指針値が870μg/m3ということもございますので、これらの値を超える家庭は存在しないということが明らかになりました。
(PP)
 エチルベンゼンにつきましても同様でございまして、指針値が3,800μg/m3ということで、おおむね最高値で、ベッドルームで48μg/m3、これは昨年度冬期の調査でございますが、今年度夏期の調査では73μg/m3ということで、いずれもこの指針値は大幅に下回っているということになります。
(PP)
 スチレンにつきましては、昨年度冬期の調査ではおおむね最高値が20、13μg/m3ということでかなり低いということで御紹介申し上げましたが、夏の調査では、2~3件ですが、高い家庭が存在いたしまして、ベッドルームでは130μg/m3までということで、指針値のおおむね半分程度の濃度で検出される例が散見されるということになりました。
(PP)
 防虫剤として主に使われます1,4-ジクロロベンゼンにつきましては、昨年度冬期の調査でも超過件数がかなりあるということで御紹介させていただきましたけれども、今年度夏期も、やはり気温の増加に伴って、定量を行った最高値が1,200μg/m3ですので、ここで1,200μg/m3と表してありますが、指針値を大幅に超える濃度で検出される家庭が、ここに示しましたように、10件程度見られるということがわかります。
(PP)
 テトラデカンですが、これは恐らく発生源を反映してということになるのかと思いますが、昨年度冬期の調査では12ないし10μg/m3ということで、330μg/m3である指針値に対してかなり低い値となっておりましたが、今年度夏期の調査では、居間で、最高値で100μg/m3、寝室では140μg/m3ということで、かなり高い家庭がありました。いずれにしましても、指針値を超える家庭は見られませんでしたが、昨年度冬期の調査と比較して高い値になっているという結果が得られました。
 ここまでが、現在指針値が定められている化合物について調査を行った結果になります。
(PP)
 これが総揮発性有機化合物(TVOC)で評価した場合ということになりますが、この場合は、リビング又はベッドルームのいずれかで暫定目標値400μg/m3を超えた家庭が、昨年度冬期の調査では47%、今年度夏期の調査では51%の家庭で暫定目標値を上回るという結果が得られております。
 以上が、指針値が定められている化合物並びに暫定目標値が定められているTVOCにつきましての今年度夏期の結果ということになります。
 以下、WHOのガイドラインが定められている化合物につきまして検討を行った結果を御紹介させていただきたいと思います。
(PP)
 まず、ベンゼンについてですが、WHOでは幾つかのリスクレベルが示されておりますが、ここでは10-5リスクである1.7μg/m3を一つの判断基準として御紹介させていただきたいと思いますが、その結果は、ここに示しましたように、9件ないし10件程度で10-5レベルの濃度を超える家庭が存在することが明らかになりました。
 居間又は寝室で10-5レベルのリスク1.7μg/ m3を超える家庭というのが13件、率にいたしまして12%存在するということになります。
 一方、ベンゼンにつきましては、大気環境基準が定められておりますので、その3μg/m3という値を一つの判断基準といたしますと、いずれかで超える家庭が6%、7件ということになります。
いずれにいたしましても、指針値、あるいはガイドラインとして定められている値を超える家庭が存在するということになります。
 ベンゼンにつきましては、産総研のほうで詳細リスク評価書が刊行されているかと存じますが、そこにも記述されておりますように、主たる発生源はたばこというのが1つ考えられます。今回、簡便法ではございますが、室外の測定も行っておりますので、そことの相関関係を検討してみました。
 そういたしますと、概ねここに示しましたように、順位相関では有意な結果が得られるということで、外気が高い家庭ではやはり室内濃度も高くなる傾向があるということは事実として言えると思います。
ただし、ここに示しました一群の御家庭は、外気が1μg/m3以下ということで比較的低いにもかかわらず、室内のベンゼン濃度が3μg/m3以上ということで、そういう御家庭が存在するということです。
(PP)
 今回、調査と同時にアンケートもとっておりますので、その中で室内で喫煙を行ったという記録がございますのがここの御家庭とここの御家庭で、この場合は、居間、寝室いずれもWTOのガイドライン値を超えるという結果になりますが、それ以外の御家庭では、喫煙したという事実がなく、また外気が1μg/m3以下であるにもかかわらず、3μg/m3を超える御家庭が存在することから、やはり喫煙以外の何らかの室内の発生源によってガイドライン値を超えるような事態を招くことがあり得るということがわかりました。
(PP)
 トリクロロエチレンにつきましては、大部分が不検出ということで、最大でも1.7、2.6μg/m3程度で検出される例が見つかったということになっております。この場合はWHOの記述では、10-5のリスクが23μg/m3ということになっております。
(PP)
 テトラクロロエチレンにつきましても、大部分の御家庭で検出されないということで、最大値が2.8、4.6μg/m3ということで、この場合は10-5リスクが250μg/m3ということですので、かなり低い値となっているかと思います。
(PP)
 WHOの一例でいいますとこれが最後になりますが、ナフタレンについてですが、この場合は、WHOが示しております10-5レベルが10μg/m3ということになります。今回、夏の調査で最大値が、居間で87μg/m3、寝室で320μg/m3ということでございますので、WHOがガイドラインとして提案しております10-5レベルである10μg/m3を大幅に超過する御家庭が存在するということがわかりました。
ちなみに、居間又は寝室のいずれかで超過する家庭が8家庭、率にいたしますと7%ということが今回の調査でわかりました。
以上のように、指針値及びWHOのガイドライン値が定められている化合物について今回調査を行った結果をお示ししましたが、その結果、パラジクロロベンゼン、あるいはホルムアルデヒド、WHOの化合物ではベンゼン、ナフタレンといった化合物が、それぞれが定められている、または示している指針値、ガイドライン値を超過するような汚染が認められたということが今回の調査の主な概略になります。
(PP)
今年度夏期の結果のうち詳細な化合物の同定は現在行っているところでございますので、今、測定を行っております今年度冬期の結果が出た段階で合わせてお示ししたいと思いますが、ここでは、昨年度冬期の予備調査で行ったときに、デコンボリューション解析によって同定されました化合物について、どのような化合物が室内環境中で検出されるかということを御紹介させていただきたいと思います。
高頻度ということで、90%を超える御家庭で検出されて、かつ、高濃度、この場合はトルエン換算値ということでございますが、40μg/m3、すなわち、TVOCの暫定目標値の10%というのを一つの目途にいたしましたが、それを超える濃度で検出された指針値策定外の物質についてまとめてみました。
その結果、脂肪族炭化水素では、Octane、Nonane、Decane、Dodecane、Tridecane、Hexadecaneといったような、指針値が定められていますテトラデカン単体の周辺の同族体がやはり高濃度で検出されております。
また、芳香族炭化水素につきましては、先程も出てきましたBenzeneとかTrimethylbenzene、Ethyltoluene又は環状シロキサン、Decamethylcyclopentasiloxane若しくはOctamethylcyclopentasiloxaneということで、環状シロキサン化合物がかなり高濃度で検出される例が見られるということがわかりました。
また、これは以前から言われていることでございますが、D-Limonene又はα-Pineneといったテルペン類はやはり高濃度で検出されるということになります。
(PP)
先ほどお示ししました化合物ほどではございませんが、高濃度で、かつ、比較的高頻度、この場合はおおむね50%ということですが、で検出された指針値策定外物質ということで見てみますと、エステル化合物である酢酸ブチル、又は2エチルヘキサノール、メチルシクロヘキサンといった化合物、溶剤として使われることも多いかと思いますが、こういった化合物が36μg/m3トルエン相当、あるいは49μg/m3トルエン相当という最高値で検出される例がございました。これらについては、検出頻度もおおむね50%以上の家庭で検出されるということになります。
最後に、頻度はそれほど高くはないですけれども、比較的高濃度で検出される例が見られた化合物ということで、グリコールエーテル類、Propylene Glycol Monomethyl Ether、Diethylene Glycol Monoethyl Etherといった化合物、又はシクロヘキサン類、これはメチルシクロヘキサンとはまた別に、ここでは一番濃度として高かったのはPropylcyclohexaneということで挙げておりますが、これ以外にも、アルキル鎖の長さの違うシクロヘキサン類が高濃度で見つかる例がございました。
また、グリコール類、Propylene Glycol、1,3-Butanediol、又はアルコールとしまして、3-Methoxy-3-methylbutanolといった化合物が室内環境中で高濃度で検出されるという例が挙げられました。
その他で検出頻度が低く、また濃度も低いのですけれども、私どもで実施しております家庭用品からの放散試験等におきまして、様々な家庭用品から放散することがわかっております可塑剤のTXIB、この場合は検出率が40%程度になります。さらにTexanol、この物質は10-20%の検出率ということになります。加えて、2-Ethylhexyl Acrylateなどが実際の室内環境中でも存在するということが今回の調査で明らかになっております。
以上、概略ですけれども、私どもで現在行っております全国調査の結果を報告させていただきました。以上です。
○西川座長 神野先生、ありがとうございました。
それでは、委員の先生方から御質問、コメント等ございましたら、よろしくお願いいたします。
○角田委員 詳細な研究、大変参考になりました。2~3個お尋ねしたいことがありまして、まずは室内指針値を超えているものがあった場合に、中では、例えば産業衛生学会の許容濃度とか、ACGIHの曝露限界(TLV:threshold limited value)とか、そういうより高い産業職場での値ですね。ほとんど全ての労働者が健康影響を及ぼさない濃度とされている値と比較したらどうなのかというところの検討がされているのか、その辺りを教えていただけますか。
それから、2点目はベンゼンなのですけれども、スピアマンのランクテストを行われたということなのですが、スピアマン、ノンパラメトリックの方法ですので、あえて言うならば、ログ変換して普通の相関係数を出してみたらまたちょっと違ってきたのではないかと思うのですが、その辺りの御検討はされていますか。
 それから、最後がトルエン換算で40μg/m3という意味がよくわからなかったので、その辺りも教えていただきたいと思います。
○神野委員 ありがとうございます。まず、産業衛生等の基準値、ガイドライン値とその比較ですけれども、申しわけありません。まだそういう観点での比較は私どもで行っておりません。ログ変換でのランク相関以外の方法というのも、帰ってから検討させていただきたいと思っております。
 トルエン換算という表記ですけれども、これはTVOCを求めるときに、全てトルエン換算値ということで、そのシグナル強度をトルエンと見立てて定量しているので、その化合物の標準物質等の直接濃度比較ではなく、トルエン値として表現させていただきました。最終的には、概略ではございますが、このトルエン換算量とそれぞれの標準物質とのレスポンスファクターを比較することによって、概略の濃度としては求まると思っております。
○角田委員 ダイオキシンとかですと、一番毒性が強い物質相当で示すので誤解というのですか、トルエンはそんなに毒性の強い物質ではないですけれども、それでも、健康影響は結構明らかになっている物質なので、少しその辺りが気になったものですから、また表記法を考えてみたいと思います。ありがとうございます。
○西川座長 よろしいでしょうか。他にございますか。
 それでは、五十嵐委員。
○五十嵐委員 夏期と冬期で差がある物質が幾つかあったと思うのですけれども、例えばホルムアルデヒドとアセトアルデヒドで、ホルムアルデヒドは差があったけれども、アセトアルデヒドがないということは、物質自体の性質、例えば沸点の差がこういった冬期と夏期との差に影響していると考えてよろしいのですか。
○神野委員 確かにそれも一因だとは思います。もう一つ考えられるのが、特に建材、家具、家庭用品として、室内環境に存在するさまざまな製品から放散する化合物ですと、気温が高いときは放散速度が上がるというのも知られておりますので、その辺りで、放散源の違いを反映しているという可能性もあると考えております。
○西川座長 東委員、どうぞ。
○東委員 近畿大学の東でございます。
 幾つか質問があるのですけれども、まずホルムアルデヒドですが、夏場に濃度が指針値を超えている住宅があったということです。測定した住宅ごとにアンケートをとられたということですが、最近1年以内ぐらいに、例えば増改築したとか、リフォームしたとか、又は家具等を購入したとか、そういったところとの関係がまずあったのかというのが1点と、あと、建築時期が古い家の測定結果なのか比較的新しい家の測定結果なのか。最近の調査によると、新しい家は比較的対策が進んできている一方、古い家の方がむしろ今でも指針値を超えているような住宅があるという報告もありますので、その辺りが2つ目でございます。
 それからもう一つ、スチレンなのですけれども、スチレンとか、SVOCの中にもあるのですが、夏場に濃度が高くて冬場に低いというのを繰り返しながら年々下がってきている傾向がありまして、必ずしも、冬、低かったからといって、次の夏、高くならないということはなくて、夏場、指針値を超えるということもあります。これは、この冬の値と夏の値と比較した場合に、同じ家で見た場合に、冬が例えば20μg/m3ぐらいだったものが夏で100μg/m3とか、そのような傾向であったのかどうかというのを3つ目として教えていただけますか。
○神野委員 先生がおっしゃるように、購入した家庭用品等のデータを全部アンケートで集計しておりますけれども、今回測定した件数が少ないというのもございまして、ここで申し上げられるような消費行動とか購入したものと直接相関するような分析結果は得られませんでした。
 築年数についてですが、前回の検討会でも同じ御指摘をいただきましたが、今回、調査の対象が新築と限らず、どちらかというと居住環境ということで、築年数は長目の設定になっております。ということもございまして、前回、斎藤委員から受けた御指摘もございますので、新築の場合の状況については調査を行って、改めて別途御報告させていただきたいと思っております。
 あと、スチレンに関してですが、大部分がオーバーラップする御家庭ですので、最終的には、夏と冬との相関というか、関連というのはお示ししたいと思いますが、冒頭に申し上げましたように、両者は若干調査方法が異なっているというのがございますので、夏と冬の比較につきましては、現在、分析を行っております今年度冬期の調査の結果が出た時点で合わせてお示ししたいと思いますので、もう少しお時間をいただければと思います。
○西川座長 ありがとうございました。
 どうぞ、坂部委員。
○坂部委員 東海大学の坂部です。
 例えばホルムアルデヒドの高い御家庭は他の物質も高いとか、要するに同一の御家庭の中で、ホルムアルデヒドが高い御家庭は全ての物質が高い、低い御家庭は比較的どの物質も低いという傾向はあったのでしょうか。
○神野委員 詳細な解析を行っているわけではないのですけれども、必ずしもホルムアルデヒドが高い御家庭が例えばパラジクロロベンゼンも高いという明らかな傾向というのは今回見られてはおりません。
○坂部委員 今、パラジクロロベンゼンのお話ですが、ナフタレンは恐らく、パラジクロロベンゼンを防虫剤として使っている御家庭がまだいまだにナフタレンを使っている、そういう解釈でよろしいですか。
○神野委員 又は、パラジクロロベンゼンを御使用でなく、防虫剤としてナフタレンを使われている家庭が別途あるという御家庭もあると思います。
○坂部委員 その両方が高い御家庭というのも、当然、調べればわかるわけですか。
○神野委員 はい。
○坂部委員 ライフスタイルで見ていけば、ある程度わかるということですね。
○神野委員 はい。
○坂部委員 ありがとうございました。
○西川座長 中井委員、お願いします。
○中井委員 何点かあるのですけれども、どこまで議論していいかというのがありますが、とりあえず興味あるところで質問させていただきたいと思います。
まず、測定時間を12時間に変えたとおっしゃったところですが、12時間というのは1日のうちいつの12時間なのか教えていただきたいというのが1点です。
 先ほど東先生のほうから、スチレンの夏と冬の濃度変化という話をされたのですが、これも坂部先生もおっしゃったかもしれませんが、他の汚染物質も多分同じような傾向があるのではないかと思うのです。要するに、冬にある物質の濃度が高い御家庭が夏も高いのか、多分、夏の方が時間がたっているので、もしかしたら、本当に冬から夏にあるのか微妙なところかとは思うのですけれども、その辺もお話をお聞かせ願えればと思うのと、室温が上がったということを先程おっしゃったのですが、室温のデータはありますでしょうかというのが3つ目です。
 特に今回、北海道が何件か入っていらっしゃるのではないかと思うのですが、北海道の場合、この冬でも室温が20℃以上はあるはずなので、冬と夏でそんなに変わらないはずなので、その辺りの情報をもう少し教えていただきたい。
 あと、何点か、室外のデータも出していただいているのですが、例えばアセトアルデヒドなんかを見ていただくと、ぽーんと高い値出るのが時々あります。これを室内との関係でどう考えたらいいのか。パラジクロロベンゼンもちょっと高い濃度が夏の室外で出ていたり、逆に言うと、パラジクロロベンゼンでこんな値が外気で出るのは変な気もするので、その辺りのお考えをお聞かせいただければと思います。
 それと、最後に1点。かなり強調されたベンゼンなのですが、先程おっしゃったように、外の環境基準が3μg/m3で、多分、全国的に見て、環境基準はほとんど達成されている状態だと思うのですが、それで、室外がこれだけ出てしまうというのは少しひっかかるというのと、室内でこんなにベンゼンの値が出るというのはなかなか見たことがない。中国で測定をすると、この辺りの値は平気で出てくるかと思うのですが、日本のデータでこれだけ出てくるというのは、なかなか喫煙者の御家庭であってもそんなにはないのではないかというのが過去の経験からの私の個人的な印象ですが、今まで述べた質問について全部でなくてもいいですが、情報を教えていただければと思います。
○神野委員 ありがとうございます。順番どおりではないですが、まず夏期と冬期との比較についてと、それ以外の、先ほど御指摘いただいたスチレン以外の化合物についても、具体的な比較というのはまだ行っておりませんので、それも合わせて、今年度冬期の調査を待って御報告させていただければと思います。
あと、室温に関してなのですが、同時に温度は測定しておりますので、確かに北海道で下がることはないですが、超過した御家庭がどこかというのと、あと、地域の問題と、その時の温度等含めて、議論できるかどうか、データを見直してみたいと思います。
 パラジクロロベンゼン又はベンゼンの外気で高いデータが存在するということで、もしかすると、この場合の外気をとる場所というのが問題になるかもしれないと考えています。御指摘のとおり、もしかすると室内の影響を受ける場所でサンプリングしている可能性は考えられると思いますので、それについては実際の調査を担当された方と内容を確認してみたいと思います。
 あと、測定時間が12時間ということですけれども、今回の調査では主に人がそこに居住する時間ということで12時間を設定させていただきました。つまり、今であれば、おおむね昼間の12時間、寝室は就寝中の時間を中心に12時間を設定したということでございます。本来的には、居住環境におきましては24時間をサンプリングするというのが、現行の厚労省の指針値の測定方法のところに記されておりますので、それを遵守するべきですが、それは以前御報告させていただきましたように、テナックスという吸着剤を使ったときに、ヘキサンの破過量が3リットルとか、セーフ・サンプリング・ボリューム、どれくらいサンプリングしてもいいかという量が3リットルになります。そうすると、この3リットル、当然、TVOCを測定するためにヘキサンからヘキサデカンまでを定量的に回収する必要がございますので、3リットルを超えない、又は、少なくとも破過のボリュームである6リットルを超えない範囲でサンプリングを行おうとすると、流量設定等の問題で、どうしても24時間のサンプリングができる装置が実際にはないという現実がございまして、今回、その辺の折衷案ということで、活動を伴うということで、主に居住する時間を中心にサンプリングさせていただいております。
○西川座長 よろしいでしょうか。
 できれば手短に。
○田辺委員 先ほどの冬と夏の問題は、放散源で大体推定できます。内部拡散支配型の建材は放散が非常に長期にわたるので、冬と夏とサイクル的に繰り返しながら下がっていきますし、表面に塗られているものは最初放散速度が高くてもすぐ下がっていくので、対象物質を整理するともう少しわかりやすいと思います。
 私が少し気になったのはホルムアルデヒドで、6%の御家庭で濃度超過があります。これは建築基準法の規制にも入っている物質で、国交省が測定した2005年の新築住宅では、私の記憶だと、1.3%まで濃度超過している住宅が下がっているはずです。それが、サンプル数が小さいとはいえ超過率が6%を超えていたということは、生活状態に問題があるのか、それとも住宅側のほうに問題があるのか。これは竣工時点でなかなか整理は難しいかも知れませんが、建築基準法改正以前なのか以降なのかは、2群に分けて、有意差があるかどうかぐらいまでは見たほうがよいのではないかと思います。
 それから、TVOCが高いのはとても驚きました。測定が生活状態なので、発生源が住宅そのものなのか生活上のものなのか区分をどうするかということが問題です。
かなりセンセーショナルなデータなので、よく整理をして出ていくといいと思います。
○西川座長 ありがとうございます。それでは、幾つかの検討すべき点を御指摘いただきましたので、いずれその結果をこの検討会で御報告していただきたいと思います。
 それでは、次の議事に移ります。(2)の「自治体及び関係団体のシックハウスに係る取組説明・ヒアリング」として、まず、「シックハウスへの東京都の取組みと室内空気汚染の近年の傾向」について、斎藤委員、御説明をお願いいたします。
○斎藤委員 東京都の斎藤でございます。「シックハウスへの東京都の取組みと室内空気汚染の近年の傾向」ということでお話をさせていただきます。
(PP)
 シックハウスへの対応ですが、これは多くの自治体でこのような形で対応していると聞いておりますが、東京都は、都民からのシックハウス相談がございます。窓口は保健所ということで、保健所の方で御相談を受けるということになっておりまして、保健所の主な対応としましては、まず聞き取りを行いまして、住民のお宅を訪問する。それから、検知管を用いて、簡易測定でホルムアルデヒドですとかトルエンですとか、室内空気の指針値があるものを中心に簡易測定をします。これでどうしても解決ができないという時に私どもの出番となりまして、私どものセンターで空気の精密測定をするというケースがございます。
 私どもの役割としましては、こうした精密測定のほかに、都内のシックハウスを担当している保健所の職員の方々へ技術研修としまして、近年の動向ですとか実際にどのような形で分析していくのか、又は空気採取の注意点等も含めて研修を行っております。それとはまた全然別に、全国から電話による御相談をいただくことがございます。これはデータをホームページで公開させていただいておりますので、これを見た方が直接どうしても聞きたいということでお電話をいただいております。
(PP)
 相談窓口である保健所にどれぐらいの相談があるのかということですが、これは厚生労働科学研究費の北海道大学の岸玲子先生の研究班で、私も参加して行いました研究の成果の一部でございます。この研究班は、全国調査をすると同時に、相談を受ける保健所の方々がどのように対応したら良いかということで、マニュアルをつくろうということを一つの目標としておりまして、このような調査を行っております。
 全国500余りの保健所に対してアンケートを行いまして、回答率が83.2%。その中で各ブロックに分けて集計して、1年間にシックハウスの相談を受けた保健所の割合というのを算出しますと、東京都は100%ということで、どの保健所にも御相談がある。そのほか、相談が多いのは北海道ですとか近畿地方が多いというのがわかってまいります。
 年間相談件数の中央値をとりますと、やはり東京都はダントツに多くて、各保健所平均して70件ほど年間に御相談があるという状況になっております。
(PP)
 このような保健所を窓口とするシックハウスの御相談のほかに、東京都では独自の調査を行っておりまして、東京都の予算でいろんな調査を毎年行っております。最初調査を始めたのが95年ということで、ホルムアルデヒドの指針値ができましたのが97年、それから順々にいろんな物質の指針値が増えてまいりましたが、その前から調査を実施しております。
 調査の場所は、オフィスビルですとか住宅、それから学校、保育園、病院、車両の中、またはビルの喫煙所付近、理美容所、保育園、図書館等かなり広い範囲で調査を行っております。最初はやはりVOC、アルデヒド、私どもも初めて取り組むものでしたから、物質数も限られておりまして、それこそホルムアルデヒドとトルエンとパラジクロロベンゼンとか、5~6物質の測定から始まっておりますが、最近では非常に幅広く、殺虫剤、農薬も含め100を超える物質について定量が可能であるという状況になっています。
 このような調査を行いまして、やはり問題があると考えたところには改善の指導をいたしております。
(PP)
このようなデータを元に、その他に普及啓発の冊子を作っておりまして、「化学物質の子供ガイドライン」「住まいの健康配慮ガイドライン」「住まいとアレルギー」「赤ちゃんのための室内環境」といった冊子、またはパンフレット、こういったものを発行しております。
ここまでが東京都の取り組みの御紹介でございます。
(PP)
 以降は、「室内空気汚染の近年の傾向」といたしまして、まず、住宅及びオフィスビルにおける調査事例を5例、御紹介させていただきます。その後に、近年のシックハウス相談に見られる傾向ということでお話をさせていただきたいと思います。
(PP)
 これは、先ほど神野先生が御紹介いただいた住宅の調査のミニチュア版なのですが、いずれも新築住宅であるというところが、先ほど御紹介いただいた調査とは大きく異なるところでございます。このスライドは、調査した中で非常に濃度の高かった物質トップ10を並べてみました。この中に指針値物質は1つだけ、スチレンというのが入っておりました。指針値が220μg/m3のところ、1,430μg/m3。この原因としましては、室内ではなくて、バルコニーに防水の塗料を塗ったのが原因と推測されました。その塗料の中にスチレンが入っていたのですが、そのバルコニーの下にある部屋に、天井から溶剤であるスチレンがしみてきてしまって、このようにスチレンが非常に高濃度になったという事例でございました。
 一番高濃度で検出されたのがα-ピネン、p-シメン、これはいずれも3,000μg/m3とか2,000μg/m3とかいう数字でございますが、これはいわゆる木から放散されるテルペン類で、木の香りの物質が非常に多く含まれておりました。
この先は、こういった高濃度物質が検出されたもの、または苦情をいただいた事例につきまして、実際その原因まで突きとめたという事例を5件ほど御紹介したいと思います。
(PP)
 これは年配の御夫婦からの御相談で、においが強過ぎて気分が悪くて、とてもではないけれども住める状態ではないという御相談でございました。平屋建ての木造一戸建てで、ここの奥様が以前シックハウスにかかったことがあるということで、シックハウスには十分気をつけて、建材を吟味して建ててくださいと住宅メーカーへお願いして建てた住宅であったとお伺いしました。床は無垢のフローリング材、天井と壁は漆喰という形で内装がされております。
 4/10下のスライドは室内空気をとりまして、GC/MSで分析した際のクロマトグラムです。空気の採取方法は、新築住宅の採取方法に従いまして、朝、窓を開放した後に5時間閉め切り、その後30分採取、つまり一番濃度の高い状態で採取した結果でございます。
 非常にたくさんの物質が検出されておりますが、最も濃度が高かったのがメチルシクロヘキサンで2,500μg/m3、それから、トリメチルベンゼン、アセトン、2-ブタノンについて、かなり高濃度のものが検出されておりました。
メチルシクロヘキサン、ここに構造式をお示ししたのですが、非常にトルエンと構造が似ておりまして、沸点や物性も非常によく似ておりますので、近年、トルエンの代替として使われる溶剤の一つであるということが言えると思います。
 TVOCとしましては、10,800μg/m3、つまり10?/m3程度の濃度になりますので、この中に24時間お住まいになられますと、シックハウスというよりも、どちらかというと溶剤中毒のような状況が起こってしまうような濃度ではないかと考えられました。
 この事例につきまして発生源を調査したところ、これらの3つ、それから、クロマトグラムにたくさんごちゃごちゃとございますこれらの物質群について発生源が推定できましたので御紹介しておきます。
(PP)
 これが御家庭のフローリングを張るために使ったフローリング用の接着剤ですけれども、もちろん、F★★★★のマークはしっかりついております。MSDSを取り寄せてお調べしましたところ、アセトン、メチルエチルケトン、これは2-ブタノンの慣用名なので、同じ物質で呼び名が違うだけですけれども、それからメチルシクロヘキサン。手前の方に3つ出ているピークが恐らくこの床張り用の接着剤から出たものであろうということが考えられました。
(PP)

 それから、後ろのほうにたくさん出ているピーク、これは近年の住宅を測定いたしますと非常に頻度高く出てくるピーク群の一つなのですが、この元としましては、塗料の薄め液、いわゆるシンナーと呼ばれるものですが、これであろうと考えられました。指針値がある物質としましては、トルエン、キシレン、エチルベンゼンですので、ベンゼン環に炭素が1つ、あるいは2つついた、C1ベンゼン、C2ベンゼンと表記いたしましたが、こういったものについて現在のところ指針値が設けられております。
 指針値が策定される以前のシンナーというのはこれらのミックスチャーでありまして、これらが非常に室内で検出されてきたという状況でございます。

 これは今あるシンナーのうち何製品か調べたものの平均ですが、このC1、C2のベンゼンは、非常に上手にですが、入っておらずに、もうちょっと炭素数がたくさんついたC3ベンゼンでありますとか、C4ベンゼンでありますとか、いろんな異性体がございますので、物質名にするとたくさんになりますが、こういった部類のものが非常に多く含まれているのと同時に、芳香族炭化水素でなく、脂肪族炭化水素ですね。ベンゼン環を持たない、直鎖状の炭化水素で、それも分岐あるものが非常に多いのですが、炭素数からしますと9、10、11、12ぐらいの、10と11がメインですけれども、こういったものの混合でシンナーが作られておりまして、これが室内空気のクロマトグラフに非常によく出現するピーク群であるというのが近年の現状です。
(PP)
 6/10のスライドは2つ目の苦情です。2時間ぐらい部屋に滞在したところ、顔がどんどん痛くなってきて、翌日、顔が赤く腫れ上がってしまったということでした。これは30代の女性からのお話です。床は杉のフローリング、天井と壁は火山灰を利用した塗り壁というもので、測定しますと、ほとんどテルペン類のピークしか見えず、いろんな種類のテルペン類が入っておりました。α-ピネンが一番高くて3,140μg/m3、そのほかもテルペン類が非常に多くて、TVOCとしましては17,300μg/m3という非常にすごい濃度でした。これは、メーカーの方と一緒に住宅のほうに入りましたところ、木のいい香りがするねという方もいらっしゃれば、ちょっとにおいが強過ぎて気分が悪いという方もいらっしゃいました。調査の間しばらく滞在すると、何だか喉痛い、目が痛い、頭が痛いという方が、やはり刺激的なにおいをある一定時間吸い込むことによっていろんな症状を訴える方がいらっしゃいました。
(PP)
 こういったテルペン類ですが、天然の木の成分ですので、これをTVOCに含めるのがいいのか悪いのか、これは除外するべきではないかという話も大変よく聞きます。ですが、天然のものであっても、TVOCから全く除外してしまうということは問題ではないのかというのがこの事例を見て感じたことですが、1つ、テルペン類は空気中で非常に酸化されやすいという性質がございます。刺激性の強いアルデヒドに変化するということが近年問題視されておりまして、室内でこういったテルペン類があまり高濃度にあるのはよくないのではないかということが話題になっております。
 α-ピネンの空気中の酸化による生成物はピノンアルデヒドがメインであるというのが最近わかってまいりまして、リモネンですとリモノンアルデヒドというものができるのですが、これらについてはシックハウスの基準とは全く別の観点で、人の刺激を評価する基準としてLCI(Lowest concentration of interest)というものがEUの諸国では広く用いられております。これは作業環境で作業する方が吸入暴露したときに刺激を感じるかどうかというのを考慮して定められている値でして、α-ピネンの場合は人の呼吸器への刺激を考慮してその濃度が定められております。EU諸国がそれぞれの国の許容濃度を定めているというのが現状でございまして、今、EUではこれを一つずつ統一していこうという動きがあります。におい的には非常に良いものであっても、ある程度濃度が高くなってしまうと、人は刺激を感じるということを考慮すべきではないかと感じます。
(PP)
 7/10のスライドは3つ目の苦情です。非常に気分が悪くなるという主訴でした。建物から出ると、普通はシックハウス症状は治るはずですが、翌日まで気分が悪いのが続くという御相談でした。原因と考えられる建物は鉄筋コンクリート製のビルでございまして、床がカーペット、それから二重床になっているもので、天井と壁が石膏ボードというものでした。二重床ですが、スライドの図のようにフロアパネルという金属製のパネルがございまして、コンクリートの上に支持脚を立てまして、その上にフロアパネルを置きまして、この上にカーペットが敷いてあったのですけれども、その支持脚を固定するために、シリコン系のシーリング材を使用しているというところでございました。
(PP)
 測定しますと、2-ブタノンが560μg/m3、TVOCとしては790μg/m3でした。ほとんどが2-ブタノン、あと、スライドにちょっと出ておりますが、これが2-ブタノン関連の物質でございまして、このシリコン系のシーリング材のMSDSを見ますと、配合されているものがシリカと酸化チタンと、無機化合物しかないような表示になっておりますが、危険性というところを見ますと、メチルエチルケトオキシムを発生すると書いてございます。これはシリコン系のシーラント材に入っている架橋剤でございまして、これが外れることによってシリコンの樹脂が重合して固まっていくといった剤形になっています。これが外れてきますと、空気中の水分と反応しまして、ここのHO-NCの間で切れまして、片方が2-ブタノン、残りがヒドロキシルアミンになっていくと、このような化学反応が空気中で起きているということが考えられます。
この2-ブタノンはもちろん刺激性を有する物質なのですが、ヒドロキシルアミンのほうは、アミンガスでございまして、メトヘモグロビン血症を起こし、重篤になりますとチアノーゼ、または頭痛、吐き気を起こすという物質です。現在のところ、分析の技術を有しておりませんので、きちんと濃度定量まで至っていないのですが、やはりこういった物質によって症状が長引いてしまうというシックハウスの事例ではないかと考えました。
(PP)
 8/10のスライドは4例目の事例です。これは苦情があった住宅ではなく、千葉大学の森先生のケミレスタウン・プロジェクトの方々と一緒に、近年よく使われている床暖房をつけた場合の住宅ではどのような状況かということを共同研究として調査させていただいた事例です。未入居のマンションで、床はフローリング、天井、壁はクロスという部屋で、朝、暖房をつけて、5時間後に調査のために6名入室したのですけれども、お二人が咳き込んでしまいまして、慌ててガスマスクをつけて調査をしたといった事例で、一番高濃度に検出されたのがペンタンで、1,070μg/m3、TVOCとしましては2,670μg/m3という数字でございました。
(PP)
 このペンタンが検出されたというのが初めての経験でございましたので、一体どこから出るのだろうというところで床、壁、天井を調査しますと、これは床から来ているということで、その後のいろいろ調査の結果、床暖房の断熱材であるということが推定されました。なぜ断熱材からペンタンかというところですが、断熱材は発泡ポリスチレン、硬質ポリウレタンということで、ともに発泡剤を使って膨らませています。これまではフロンを使って発泡を行っていたのですが、オゾン層の破壊ということで、フロン全廃に向けてフロンを使わなくなったかわりに、炭化水素系の発泡剤として使われるようになったのが、ここにありますブタン、ペンタン、ヘキサン、クロロエタンということで、今回、この住宅、マンションではペンタンが使われていましたかとメーカーの方にお尋ねしましたところ、確かに部材にはペンタンを使っていたということで、これが発生源ということに行き当たったのですが、断熱材中に発泡剤としては3~12%の重量で残留するということでした。床暖房をつけると、その放散が促進されて室内にどんどん出てくるという状況であると考えられます。
 そのほか、近年のマンションを測定した事例では、ヘキサンが出たり、クロロエタンが出ていたりという事例にも遭遇した経験はございます。
(PP)
 9/10のスライドの5つ目の事例は少し変わった畳のお話ですが、畳を新調して和紙畳に変えた後、本当に臭くて家族全員の体調が悪いという御相談でした。和紙畳について、少し認識がなかったので調べてみたのですが、和紙をこより状にして、畳表にして編んで、このような形で使う製品でした。特徴としては、耐久性にすぐれ、いろんな色がある、カビやダニが発生しない、日焼けで変色しないということがございました。
(PP)
室内を測定したのですが、VOCもアルデヒドもそれほど高いものがありませんでした。そこで、畳ということで、防ダニ、防カビに使っている殺虫剤を疑いまして、そこまで調査したところ、この畳表に吸着剤をくっつけまして、TICで、スキャンモードで測定すると明らかにピークが出てきて、マススペクトルがきちんととれるくらいの濃度で、資料にある有機リン系の殺虫剤のフェンチオンが検出されました。これは非常に驚いたのですが、これは恐らく防ダニを目標として使われたものであろうと推測しています。このような非常に怖い状況があるということで、この住宅の方には、すぐ畳を捨ててくださいとお勧めいたしました。
(PP)
 10/10は最後のスライドですが、近年のシックハウスの相談に見られる傾向ということで、昨年の暮れにお電話いただいた御相談が近年の非常に典型的な事例であるということで御紹介させていただきたいと思います。
 御相談いただいたのは石川県の医師の方です。もちろん、東京都の方ではないので、私どもが測定したりすることはできないことも十分御承知の上で、「とにかく最後、ここに電話したら何とかなるかなと思って電話しました」ということでお電話をいただいております。
 2011年に自宅を新築した事例です。医師の方ですので、シックハウス症候群は当然十分御存じで、シックハウスにならないような家を建ててくださいとメーカーにお願いしたのですが、入居してから家族全員の体調が悪く、シックハウスと思われるということでした。非常に御家族の方から自分が責められているとおっしゃっておりました。
症状として、お聞きしますと、めまいであったり頭痛、耳鳴り、気分が悪い、こういうのがずっと続いているということでした。2011年に新築されましたので、1年半ぐらいはたっている状況で御相談をいただいたのですが、指針値物質を測定してもやはり低い。TVOC計というのは簡易の測定器がございまして、デジタルでTVOCが幾つというのが出る簡易測定器を業者さんからデモで貸してもらって測定したところ、新築から1年経過したところで、閉め切ると4,000μg/m3あって、業者が驚きましたとおっしゃっていました。
 市役所なり県庁なりメーカーさんなりいろんなところに相談したけれども、とにかく解決の糸口が見つからない。空気測定をしてみたいのだけれども、指針値物質は低い。では何を測定すればいいのでしょうと聞かれると、何を測定すれば良いのかわからない。何かの物質の空気中濃度が高いに違いないのだけれども、その物質が原因なのか測定して欲しいと言ってしまうと、どうしても引き受けてくれる分析機関がない。何とか対策をして、家族ともども健康を維持して過ごしたいのだけれども、どのように進めたらいいかわからないという非常に困った御相談をいただきました。
 シックハウスが起こらないということは、私どもが目指す理想なのですけれども、これまでの状況を見てまいりますと、シックハウス問題がなくなるというのは難しいのではないという感触を持っております。その場合、シックハウスの状況に陥ってしまった方がその後どのような道筋で対策をして解決につなげていくことができるか、その道筋を皆さん広くわかるような、または誰でも対策までたどり着けるような、そういったシステムといいますか、相談の窓口といいますか、測定を含めてそういった形の対策、シックハウスが起こってしまった後の対策についても、ぜひともこの会議で先生方にお知恵を拝借して作っていけたらということが私の希望でございます。
 以上です。
○西川座長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの御説明についてご意見等ございましたらよろしくお願いします。
 五十嵐委員、どうぞ。
○五十嵐委員 2つほどあるのですが、まず1つ目は事例5ですが、畳が臭くて体調が悪いということで、その原因物質が畳から検出された殺虫剤と書かれていると思うのですが、実際、このフェンチオンという殺虫剤がどのくらいの濃度でそういったにおいを感じられるものなのかという点が一つ。それからもう一つは、事例2で、テルペン類をTVOCに含めるかどうかということに関係するのですが、要は木々からのにおい、ピレンとかありますけれども、そういったものは放散量を制御することはできるのでしょうか。この2点です。
○斎藤委員 ありがとうございます。まず、畳の事例ですが、この御家庭で実際に空気中のフェンチオン濃度というのは測定していません。殺虫剤まで疑って測定機器を持っていったわけではないので、VOCとアルデヒドと殺虫剤というのは、サンプリングの方法から全く違いますので、殺虫剤濃度は、実は畳を捨てますと言ったところで畳の一部をお送りいただいた時に測定したのですが、確かに畳からは非常に変わったといいますか、何だろうねというにおいのするものでした。それが全てフェンチオンのにおいかどうかというところまではわからないのですが、今までかいだことのないにおいを私どもは、2~3人いたのですが、感じております。
 テルペン類について、この木の香りを制御できるかどうかということですが、木材にした後どれぐらいの期間置いておくかが寄与すると考えます。木材、板にした後、長く木材屋さんに立てかけてある状況が昔はたくさんあったのですが、最近はその期間が非常に短くて、以前は3~4カ月は風にさらしてあったものが、近年ですと3~4週間くらいというお話を聞いたことがございますので、恐らく、内装材として使う前に、十分木の持っているテルペン類を枯らすといった作業をしていただければ新築直後の濃度を下げることができるのではないかと考えておりますし、現在、森林研究所などでもそういったテルペン類を減らすいろんな加工の仕方というのを徐々に開発していらっしゃるということはお聞きしております。
○西川座長 それでは、池田委員、お願いいたします。
○池田委員 日本大学の池田です。
 何点かあるのですけれども、この表の「保健所におけるシックハウス症候群への対応の状況」で、東海北陸地方というのは、年間の相談件数が0から6,000件とのことですが、6,000件もあったときというのは何かあったのでしょうかというのが1つ目の質問です。
○斎藤委員 恐らく学校か何かのシックハウス問題があったということで、ある保健所に集中して御相談がたくさん寄せられたということをお聞きしております。
○池田委員 それはすごいですね。それと、例えば事例2のような、事例1でも2でも神野先生の調査でもみんなそうだったのですが、測定した住宅の換気に関する情報というのはどのようになっていますか。
○斎藤委員 いずれも24時間の機械換気が入っておりまして、それを回した状態で窓を閉め切って30分測定をしております。
○池田委員 換気量はどのぐらいと見積もられたのか。
○斎藤委員 恐らく規定のとおり0.5回程度だと思います。
○池田委員 わかりました。それと、特に事例2ではテルペン類の濃度が非常に高くて、それが刺激性のより強い、アセトアルデヒドかどうかわからないですけれども、アルデヒドに変化するということなのですが、この事例ではアセトアルデヒドの濃度はそれほど検出されなかったのでしょうか。
○斎藤委員 アセトアルデヒドの濃度は50μg/m3くらいで指針値を少し超えるぐらいのレベルで検出されました。ホルムアルデヒドは全く低くて問題のない濃度でした。
○池田委員 ありがとうございました。
○西川座長 それでは、角田委員、お願いします。
○角田委員 少しお伺いしたいのですが、事例2ですが、ピノンアルデヒドに変わったのではないかという仮説ですね。
○斎藤委員 はい。
○角田委員 ということは、このα-ピネンの測定された量というのは、ピノンアルデヒドに変わった後の量として考えていいのでしょうか。
○斎藤委員 恐らく、空気中に常に木材から放散されているので、そのα-ピネンの一部がピノンアルデヒドに変わっていて、その両方が混在している状態で測定していると考えております。
○角田委員 ピノンアルデヒドの濃度というのは測定しているのでしょうか。
○斎藤委員 標準物質もないので、現時点では測定できていないです。
○角田委員 2時間程度の滞在で顔が痛くなるということは、結構急性の症状に近いような感じなので、これはちょっとどうなのかなという感じですね。
それから、これは個人的な興味なのですが、α-ピネンについて、EUで決めている室内許容濃度なのですが、これは5倍程度違うのですね。
○斎藤委員 現時点で国によって全然違っています。
○角田委員 EUとかに限らずですが、例えばデンマークあたりで、こういうピネン類を放出するような針葉樹は住宅にあまり使っていないから、このような結果になったのかなというところは少し気になるところです。
○斎藤委員 国による違いについて、その理由までは深く存じておりませんので、EUでは今許容濃度を統一しようというところで動いておりますので、恐らく統一した濃度がそのうち示されるのではないかと考えておりますが、確かに差が大きいというのはございます。
○角田委員 それから、今まで各先生方が言われているのですが、例えば最後の例なんかも、TVOCが4,000μg/m3を示したので自宅新築後体調が悪くなったということですが、例えばこれは換気を強化してTVOCを下げることは可能だと思うのですがいかがでしょうか。
○斎藤委員 これは、戸を閉めて測定した結果がこうでしたということです。それで、多分、何らかの物質が出ているということを確認したいということでそういう測定をしてみたということで、通常お過ごしになる時は窓をあけていて、その場合は400μg/m3でしたとおっしゃっていました。
○角田委員 それでも体調は変わらないということですか。
○斎藤委員 変わらないということですね。恐らく1年以上そういう住宅にお住まいですので、もしかすると化学物質過敏症のほうに移行している可能性がなくはないとは感じます。
○角田委員 その判断は難しいところだと思います。
○西川座長 それでは、最後に吉田委員、お願いします。
○吉田委員 若干的が外れてしまうかもしれないのですが、事例5について、農薬というのはもともと使い方が作物によって決まっています。フェンチオンはたしか水稲等に使う農薬だと思うのですが、そんなに高い濃度は通常出るはずはないので、稲わら、これは出るとしたら畳表ではなくて、畳の中ということになりますね。
○斎藤委員 畳表にしても、イグサを使っているものではなくて、和紙で人工的に使った製品になります。
○吉田委員 間のクッションのところも全部和紙でつくっているのですか。
○斎藤委員 いいえ、中はスチロールですが、恐らくフェンチオンは畳表に塗ってあるのではないかと考えています。
○吉田委員 それは違法に塗ったということになりますね。
○斎藤委員 家庭で使うこの畳について、殺虫剤を使ってはいけないということでしょうか。
○吉田委員 農薬は使い方が、例えばこの農薬はトマトとか、この農薬はホウレンソウとか、全て厳格に決まっているので、水稲にはこの農薬は使うのですけれども、畳表に使うという許可がなければこの農薬は使えないので、それは違法ということになりますね。
○斎藤委員 畳表ではなくて、和紙なのですが。
○吉田委員 和紙でも、農薬の使い方が決まっているので、違法というような感じはないのですか。
○斎藤委員 その辺の縛りが、全然認識がなくてわからないのですが、フェンチオンがその黒い部分の畳のへりのところの布に一番多かったので、恐らくここにしみ込ませてあったのではないかなとは思ったのですが。
○西川座長 坂部委員から、今の点についてコメントがあるそうです。
○坂部委員 ちょっとコメントですけれども、私たちも同じような症例を経験していて、それは普通の畳ですが、そういう規格のできた防虫シートでフェンチオン何%と書いてある畳用の防虫シートというのがあります。恐らく、それを張りつけてあったのではないかと思います。
○西川座長 ありがとうございました。
それでは続きまして、接着剤とVOC対策について、日本接着剤工業会の三重野様から御説明をお願いいたします。
○三重野氏 日本接着剤工業会の三重野と申します。本日はこのような検討会の場に当工業会のVOCの取り組みということで御説明の場をいただきましてありがとうございます。
 これから、私ども工業会が取り組んでいますVOC対策を、本日は簡単でございますが、御紹介させていただきます。私ども、十幾つの部会、委員会がございまして、VOC対策につきましてはVOC委員会というところで担当しております。本日は、その委員会から2人のメンバーが来ておりますので、室内空気汚染対策と大気のVOC排出抑制への取り組みということでメンバーの方からも御紹介させていただきたいと思います。
 それではまず、日本接着剤工業会の概要ということで簡単に御説明申し上げます。
当工業会は1966年に設立いたしまして、もうすぐ50周年ということで半世紀を迎えようとしております。本年度1月現在での正会員は、この正会員というのは接着剤をつくっているメーカーですが、91社、それから、賛助会員は、この接着剤に係ります原料メーカーであるとか原料の供給者、それから接着剤に係ります機器、装置、こういったメーカーが37社で現在取り組んでおります。
 7つのキーワード、環境から共生までということで、これをキーワードに、先ほど申しました12の部会、委員会で取り組んでおるところでございます。
○日本接着剤工業会 ここからVOC委員会メンバーの方から説明させていただきます。
(PP)
 接着という基本的な部分で申しわけないですが説明します。まず接着剤がモノの表面をぬらします。このぬらすことが結構重要で、その後、広がってから固まります。それで接着が起こります。
この図のように、被着材には200~250Åと結構小さいくぼみが多々ございます。ここに接着剤がぬれていかないと接着しないとなるわけです。接着させるためには、まずは表面によくぬれなくてはいけないということと、その前の前提としましては、接着剤が流動性を持つ液体でなければいけない、これが重要です。
接着剤と被着材のすき間が大体5Å以下になりますと、分子間力(ファン・デル・ワールスカ)というものが働き、一種の結合状態になります。先ほど申しましたように、ぬれて、このようにすき間が少なく、5Å以下になりますと二次結合力が発生するわけです。さらに表面が、でこぼこがある多孔質であったり、サンドペーパーがけのような表面処理をしますと、アンカー効果、くさびができます。さらにもう一つは一時的な化学結合がこの界面のところで生まれます。こういったものが相乗作用して、この2つの被着材を結合した状態にさせます。これが接着剤接合と申します。
 接着剤というものは多々あります。ここにありますように、溶媒が蒸発する接着剤におきましては、水性系と有機溶剤形がございます。水溶性のほうは水に溶ける形、エマルジョン(ラテックス)は合成物、ゴム、天然物が水に分散している形です。有機溶剤形は有機溶剤で合成物とかゴムを溶解させています。いずれも、それぞれの溶媒、溶剤や水を飛ばして初めて固化が起こります。ですから、通常使うときにはオープンタイムをとって、溶剤を、水を飛ばして接着する、そういった使い方をしたりしております。
 化学反応硬化形というものがございます。これは通常、常温で固まるものと熱で反応させるもの、さらに、ここには書いていませんが、紫外線硬化形がございます。一液形と硬化剤配合形、これは二液形で、いずれも両方ございます。これに加えて熱溶融形というホットメルト形があります。熱で溶かして液体にします。液体にすることによって接着が可能になります。天然物と合成物がございます。
(PP)
 接着剤はどういったところで使われるかを見ていきますと、建築の分野が大体半数です。そのほかに、いろいろなところ、自動車であり、靴とか履物、繊維、電機用途、一般の家庭用品、その他医療等にも使われており、年間で76万トンぐらい使用しております。
 今回、ホルムアルデヒド室内空気質汚染対策の取り組みとしては、私ども工業会も改正建築基準法、これは2003年に施行されたわけですが、その前、2002年から小形チャンバー法による接着剤からのホルムアルデヒド放散速度に関する調査研究と試験方法を検証してまいりました。
 結果として、施行にあわせて工業会のホルムアルデヒド自主管理規定を制定し、そしてJISを改正しました。製品の表示として、JAIA F☆☆☆☆の製品表示、JIS F☆☆☆☆の製品表示をここからスタートさせております。
 2005年には、「小形チャンバー法による接着剤からのVOC等放散に関する調査研究と試験方法の標準化」という事業が始まりました。その中で、接着剤の試験方法等をJIS A 1902-2で、2006年の12月に制定しております。
(PP)
 建材中の等級は、改正された建築基準法のとおりですけれども、F☆☆☆☆というのはホルムアルデヒド放散速度が5μg/?h未満になることです。室内の使用箇所に制限がないということで、工業会におきましては、F☆☆☆☆のみのJAIA F☆☆☆☆の登録をしております。その管理につきましては、ホルムアルデヒドを放散する原材料を使用しないということを審査の中で確認して登録しております。
 2008年になりますと、自主的ですが、建材試験センター様が事務局になりまして、建材からのVOC放散速度の基準値を設けました。ここに示したとおりトルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレンの4つのVOCに対して自主的に定めております。
 工業会におきましても、これに対応する形で、4VOC基準適合なるものの自主基準を検討しております。
(PP)
 その取り組みですけれども、今申しました、この建材からのVOC放散速度基準値への対応ということで、2008年から2009年にかけまして接着剤からのVOC含有量の試験方法の確立、そして、接着剤中の4VOC含有量と4VOC放散速度の相関を検証しております。
先行して、2008年の4月1日に発表されたわけですが、その前段階からこのVOC自主管理規定におきまして含有量管理値を制定し、JAIA 4VOC基準適合製品を表示してきております。
 2009年の9月には、ホルムアルデヒド樹脂系接着剤を検証した結果、管理値で問題なく対応できるということで、ここで追加しております。
 2010年の1月には、会員だけでなく非会員まで拡大し、2010年の4月におきましては、工業会の規格として、接着剤成分試験方法という接着剤中のVOCの測定を制定しております。含有量の測定方法の制定をここで行ったということでございます。
 その管理値ですけれども、これが厚生労働省の室内濃度指針値、これが先ほど言った建材からの4VOC放散速度の基準値です。工業会のJAIA含有量管理値が0.1%未満というのがトルエン、キシレン、エチルベンゼン。スチレンは0.015%未満ということです。EVAエマルジョンというのがあるのですが、これにつきましてはより厳しく、0.05%未満と、トルエンだけそのように管理しております。
 これは、いずれにおきましても、放散速度と含有量の相関を確認して、この基準値を決めております。
(PP)
 その結果、私どもの工業会の登録システムですけれども、ノンホルムアルデヒト製品登録、スライドの下の方に書いてあるのですが、ホルムアルデヒドを放散させる可能性のあるユリア、メラミン、フェノール、レゾルシノール樹脂に加えて、ホルムアルデヒド系の防腐剤、さらにメチロール基含有モノマー及びロンガリット系触媒等のホルムアルデヒドを放散する原材料のいずれをも使用していない製品を指します。この登録のJAIA F☆☆☆☆を2003年の7月に制定いたしました。登録システムは非会員、海外企業にも開放して、2012年12月末現在、10,910銘柄、会員は77社が登録しています。非会員は42社、このうち海外企業は2社でございます。 4VOC基準適合は、同じように、2008年の4月に制定しました。こちらも非会員、海外企業に開放しておりますが、登録件数は4,889銘柄で、会員は60社が登録しています。非会員は3社でございます。
いずれも、2003年の7月から、そして2008年の4月から今まで、登録を開始して以来、違反等は発生しておりません。システム的に信頼を維持できていると思っております。
(PP)
 これはVOC排出抑制ガイドラインとして、工業会がオゾン生成能の観点から9物質を削減しようということで、平成22年までに、この9物質の使用量を平成12年度比30%削減という目標を設定しました。そして自主的に取り組みを開始し、その結果として、平成20年度で目標を達成しました。ここで定めた平成22年を最終年度としたのですが、その時には平成12年度比で47%削減しました。それ以降継続しているのですが、23年度でも48%と少しずつ低減はしていっております。
 ちなみに、この物質といいますのは、先ほどの4VOCという中にありますトルエン、キシレンも入っていますし、そのほか、酢酸エチル、メタノール、ノルマルパラフィン、メチルエチルケトン、アセトン、ゴム揮発油、キシレン、シクロヘキサンでございます。
(PP)
 最後に、まとめとさせていただきますけれども、接着剤使用原料の精査によりまして、ホルムアルデヒドを放散する原材料を使用していないノンホルムアルデヒド製品に対して、ホルムアルデヒド自主管理規定を制定して、JAIA F☆☆☆☆認証制度を導入いたしました。
 4VOCにつきましても、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレンの放散速度と含有量の相関性を明らかにして、4VOCを組成に配合してない4VOC基準適合製品に対して自主管理規定を制定して、JAIA 4VOC基準適合認証制度を導入しております。
 この2つの認証制度につきましては、公正に管理・運用されているかを監査するために「登録監査委員会」を2011年に発足させまして、年2回開催しています。
 抜き取り検査も2012年から実施しております。
 また、このF☆☆☆☆と4VOC基準適合製品のJAIA製品ですが、使用者側での確認やほかの事業団体でも有効に活用されております。例えば一般社団法人の日本建材・住宅設備産業協会様の化粧板等のホルムアルデヒド発散等級やVOC放散に関する表示制度の審査におきまして、住宅部品・設備機器・建具・収納で使用される接着剤の確認(F☆☆☆☆、4VOC基準適合)において、重要な役割を果たしております。
 大気汚染防止法改正の前より、私どもはVOC削減努力に取り組んでおります。自主的活動の目標としておりました、VOC9物質の使用量の平成12年度比30%削減は20年度に達成し、最終年度の22年度においては平成12年度比47%削減を達成しています。
 このような形で、規制される、問題になるというものが事前にわかりましたら、工業会の中である程度それに対する検証等を調査して対応するスキームを持っております。その仕組みの中でこういった形での自主管理規定が制定されるということをここでお伝えしておきます。
 以上です。
○西川座長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの御説明に対して御意見等ございましたらお願いいたします。
 どうぞ、東先生。
○東委員 どうもありがとうございました。取組みということ全般についてお伺いしたいのですけれども、いわゆる消費者製品に対する安全性という観点で、工業会の方が、これは接着剤工業会さんを含めてほかの工業会さんも同じですが、自らいろいろな化学物質を使って製品を築き上げる、開発されるということをやっているわけですね。
その際に、実際に使用される段階でどういったリスク、健康リスクとか安全性に関する問題点が起こるかということをどういう形で評価されてモノづくりされているのかというところが、一番大きな問題ではないかと私自身思っているのです。むしろ本日お話を聞いた中では、やはり国の規制とか、シックハウス対策とか、または大気汚染防止法、大気汚染対策とかいうところから化学物質の取組みを行っているという、いわゆる後追いのイメージがどうしてもあるのですが、むしろ積極的に消費者の安全性を確保するための化学物質の使い方とか、あるいは消費者の段階でのリスク評価といったものを業界の方で取り組んでいただくのがこの問題の解決策の一番の近道ではないかと思うのですが、その辺りについて少し御意見をお伺いしたいのです。
○日本接着剤工業会 工業会の全体の考えに当たるかどうかわからないですが、GHS表示のMSDSがございます。私どもは原材料のそういった安全性のデータを見て判断するという形をとっていたりします。それを判断するに当たって、工業会自体がその安全性という情報をどういう形で取り入れているかといいますと、私らが使っております原材料がどういう化学物質を含有しているかという観点で会員は見て対応しております。
 GHSのMSDSでも、国側の会議に一度出席したことがございますが、原材料メーカーもピンからキリといいますか、情報を持っているところと持ってないところがあったりするので、厚生労働省様等がその辺の安全性情報を検証されて、情報提供されることにより、MSDS等に反映させています。それを私どもがまた見て、より安全なものを使用するというのが今の実態でございます。
ですから、今現在、後追いというようなお話もされていますが、私どもはそれが問題あるかどうかを事前の情報の中で確認して、安全で安心な接着剤を提供するという使命がございますから、そういう観点で会員に対しては周知徹底させる努力をしております。
○西川座長 ありがとうございました。
○東委員 今のお話でもう一点いいですか。
○西川座長 手短にお願いします。
○東委員 MSDSも実は国の規制から来ているもので、例えばPRTRとかのMSDSの表示対象物質というのは、その規制検討段階でリスクの大きなものから決めています。さらにそれに対して業界は製品に使用されていた対象物質を別の非対象物質に置きかえるという動きが実際には起きているということから、また新たなMSDS対象物質も追加しているということがありますので、やはりそこからもう少し踏み込んだ形で取り組むべきところがあるのではないかというのが私の個人的な意見でございます。
○日本接着剤工業会 御意見として伺っておきます。
○西川座長 それでは続きまして、塗料・塗装業界の化学物質管理のあり方について、日本塗料工業会の渡辺様、御説明をよろしくお願いいたします。
○渡辺氏 ただいま御紹介にあずかりました日本塗料工業会の渡辺と申します。本日は、このような機会をいただきまして誠にありがとうございます。本日、時間がないということで、手短に説明させていただきます。
 本来、5つのセクションで簡単に説明しようと思ったのですけれども、2番と5番を中心に発表させていただきたいと思います。
(PP)
 「日塗工の自主管理活動」でございますが、我々は、「環境」「安全」「健康」、この3つの問題を重要課題として行っております。本日説明する予定ですが、VOC関連のVOC排出抑制と低VOC塗料の自主表示、ホルムアルデヒド放散等級自主管理、非トルエン・キシレン塗料自主表示、GHS関連を簡単に説明させていただきたいと思っております。
(PP)
 日本塗料工業会におきまして、1つは環境配慮型塗料ということで、考え方といたしまして、1つは、大気汚染、要はVOCを削減できる、そういうものができないかということを考えております。そのほかに、環境負荷、できるだけ健康とか環境に負荷がかからないもの、それと省資源のエネルギー、要はリサイクル原料を使った塗料を開発、省エネルギーの塗料を開発など、このような分類分けで環境配慮塗料の開発をさせていただいております。
(PP)
 32ページを見ていただきたいと思いますが、本日のポイントといたしまして、これは接着剤工業会も一緒ですが、我々、換気ということに特に力を入れております。1つは、原材料からも規制をかけておりますが、塗装時ばかりの換気でなく、塗装が終わってからの養生の換気、これが非常に大事だということで、とにかく換気への注意喚起を行っております。これに関しましては、我々日本塗料工業会のほかに、日本塗装工業会、日本塗料商業組合、この3つの団体が共同して、スライドに示したような資料・パンフレットを作りまして注意喚起を行っております。
(PP)
 コーティング・ケアは飛ばします。
(PP)
 ホルムアルデヒドの自主管理ですが、我々もF☆☆☆☆ということで、これを自主管理しております。
(PP)
 今現在の登録数ですけれども、約5,000~6,000の登録になっております。
(PP)
 シックハウスに対する規制ということで、一番大きいのは、1997年の最初の厚生労働省の快適で健康的な住宅に関する検討会会議で、この辺りから我々も、室内用の塗料にはこういうホルムアルデヒドの発生する原料というのはほとんど使っておりませんが、乾燥過程で空気中の酸素と反応してホルムアルデヒドを発生すると、そういう塗料の種類があります。そういうものを、1つは量を減らすとか、代替物質とか、吸着とかで今、取組みを行っております。
それと、大きなものと言いますと、2003年に建築基準法は変わっております。この前後で、我々もホルムアルデヒドの自主管理、またはこの分析方法を確立しております。
(PP)
 これは国交省のデータで、平成12年度から平成17年度のホルムアルデヒドの室内の分析値でございますが、大幅に下がってきたということで、1つは、室内汚染が少なくなってきたのかなということで、ホルムアルデヒドの、我々、自主管理することによって、建築基準法の改定に伴い、換気ということが一番大きく寄与して下がってきたと思っておりましたが、新たな問題が結構あると感じております。
 1つは、輸入家具等が増加いたしまして、塗料ばかりでなく、ほかの製品からの発生量が多くなってきています。もう一つは、室内用の塗料は本来ホルムアルデヒドの測定をもとにホルムアルデヒドの審査しておりますが一般の業務用の建材が容易に入荷することができ、それが結構使われたのではないか。また室内の13物質以外の化学物質が増加したのではないかと考えております。
(PP)
 ホルムアルデヒドの自主管理の問題点といたしましては、今まで規制によって、逆に言えば安全性の疑われている自然塗料、こういうものが安全というイメージですごく増えた時期がありました。しかし、先ほど説明したように、こういう油というのが空気中の酸素と反応してホルムアルデヒドを発生するということがあります。これは我々塗料メーカーとしては当たり前の話なのですが、新規参入会社が問題を発生させたと考えております。
 もう一つは、本来、建築基準法の場合は室内におけるホルムアルデヒドが発生の建材等を規制するというものですけれども、残念ながら、設計事務所とかゼネコン、場合によっては発注者のほうから、屋外に使われるものも全てホルムアルデヒドの放散量のデータを出してこいと言われています。本来、屋外で使用する製品であるにもかかわらずホルムアルデヒドの登録申請があるということで、無理やり屋外塗料専門であってもホルムアルデヒド登録をすることもありました。現在、屋外専門塗料は対象外として取り扱っています。
 それともう一つは、この10年間、自主検査しておりますけれども、審査書を偽装したケースもありました。ホルムアルデヒドの審査に於いて単にホルムアルデヒドの新規申請ばかりではなくて、更新時も試験結果をもとに再度中身を確認しているという状況でございます。
(PP)
 もう一つの我々の自主管理の中に非トルエンと非キシレンの塗料の自主表示ということを行っております。2005年から登録しております。今のところ1,300件の登録が来ております。
(PP)
 VOCに関しましても、結果的にお見せいたしますが、平成12年度のVOCの発生源に比べまして30%のVOCを削減できております。考え方としましては、特に東京都のお力もあるのですが、やはり法による直接の規制と我々の自主の取り組みによってVOCが削減できたと考えております。
(PP)
 これが実際の量でございますけれども、この下の星印のところです。平成12年度に比べまして平成22年度で約30%の削減ができたということになっております。
(PP)
 実際どういう発生源一番多かったかということで、49ページを見ていただきたいのですが、主な発生源といたしましては、建築、要はこのような室内に使用するものに関しましてはそれほど溶剤のものが多くなく、溶剤が多いのは、例えば屋外の大型鉄構造物とか船舶関係、このものがやはり防食がメインのために、まだ水系までは来てないということになっております。
(PP)
 本来、本日出荷量もお見せする予定だったのですが、時間の関係上、この辺りは説明を省略させていただきます。
 建物とかも、残念ながら、ちょっと横ばいから減少しているということになっております。
(PP)
 我々の現在の取り組みの考え方といたしまして、VOCに関しましては、粉体とか水系、それとか溶剤の量を減らしていくハイソリッド、このようなもので新しい低VOCの塗料を開発しているということになります。
 時間の関係上、これで終了させていただきたいと思います。ありがとうございました。
○西川座長 ありがとうございます。座長の不手際で省略して御説明いただくことになり、申しわけありません。
 せっかくですから、何か御意見等ございましたらお願いします。
どうぞ、斎藤委員。
○斎藤委員 近年の塗料について、非常にハイソリッド型でありますとか水系でありますとか、VOCの放散量、非常に減らしてきていらっしゃるというのは素材を調べていてすごく感じるのですが、いつもお願いしたいと思っていたことが実はありまして、例えばホルムアルデヒド入っていません、非トルエン、非キシレンですということで、入っていない成分は容器にも表示してあるのですが、どういった溶剤を使っている製品なのかについてはMSDSを取り寄せないとなかなかわからないというところがありまして、私ども調査する際に、この室内濃度が高い場合、これがどこから来ているのかというところを突きとめないと対策につながらないのですが、それがなかなか、業者に対してMSDS出してくださいと言っても、二つ返事で出していただけないところがありまして、できれば、その製品の容器のところにこういうものを使っていますよという表示をしていただけないものだろうかというのは常々感じているところです。
こういった製品は有機溶剤なしでつくることがまず無理な製品であると私どもは感じておりますので、入っていないものを書いていただくよりも、入っているものを書いていただいて、それを規定の状態で使った場合、室内濃度はこれぐらいになりますから、何日間は養生をしてこれぐらいまで下げてくださいと。実はそこまでのデータをつけていただければ、施工する方もそれを守って施工していただければシックハウスは防げるのではないのかなということを、いつも測定していて感じるものですから、この機会にお願いさせていただきます。よろしくお願いします。
○西川座長 よろしいでしょうか。
 それでは、事務局から、その他として何かございますか。
○化学物質安全対策室長 それでは、資料3をご用意ください。今後の検討スケジュールでございますが、今年の2月から5月ということで、少なくとも3回程度、こういった調査結果の発表とか各関係者様のヒアリングを、今回を除きますと2回ほど予定させていただければと思っております。
それから、ヒアリングが終了後、5月、6月になるかと思いますが、調査結果、ヒアリング等の状況を踏まえまして、今後の検討の仕方について御議論いただいた上で、それぞれ個々の物質についての検討に移らせていただければと予定しております。
 それから、次回はもう既に予定させていただいておりまして、3月6日、水曜日。今回は2時間で、いろいろ内容を詰め込み過ぎて時間が足りず申しわけなかった点がございましたので、次回は3時間ということで、今回の反省も踏まえながら、もう少し緩やかにさせていただきたいと思います。今回は、事務局の不手際で申しわけございませんでした。
○西川座長 ただいまの事務局からの説明について、御質問等ございますか。
 もし無いようでしたら、これにて本日の検討会を閉会いたします。どうもお忙しい中ありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬食品局審査管理課化学物質安全対策室

連絡先: 電話:03-5253-1111 (内線2424)
FAX:03-3593-8913

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