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2013年2月21日 平成24年度第2回医道審議会医師分科会医師臨床研修部会議事録

○日時

平成25年2月21日(木) 10時00分〜12時00分


○場所

厚生労働省専用第22会議室(18階)


○議事



医道審議会医師分科会医師臨床研修部会



日時 平成25年2月21日(木)
10:00〜
場所 厚生労働省専用第22会議室(18階)

                  (休憩)
○桐野部会長 再開をします。議事を始める前に参考人の取扱いについて御了承いただきたいことがあります。参考人出席の取扱いについては、事前に事務局を通じて部会長の了解を得て、当日の部会において委員の先生方の了解を得ることになっていますので、次の方について参考人として御発言いただくことを認めていただきたいと思います。本日の会議については、日本医師会常任理事の小森貴先生、国立がん研究センター理事長の堀田知光先生においでいただいています。御出席、どうもありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。
 議題2「医師臨床研修制度の評価に関するワーキンググループ「論点整理」について」の審議に入りたいと思います。今後、本部会において次期制度の見直しに向けた議論をずっと続けていくことになりますが、その1回目ですので、本日については委員の先生方に自由に御意見をいただきたいと思います。まず、堀田先生を座長とするワーキンググループにおいて制度全般にわたり御議論いただき、先日、ワーキンググループから「論点整理」という形で取りまとめた文書が出ています。本日は堀田先生に参考人として御出席をいただき、堀田先生から「論点整理」の概要などについて御紹介をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○堀田参考人 早速ですが、論点整理について概要を私から、あと、事務局から詳細について少し追加説明をします。私ども「医師臨床研修制度の評価に関するワーキンググループ」をこの部会の下に置き、私がその取りまとめ役をさせていただいているわけです。私のバックグラウンドを少しお話すると、この制度が導入された平成16年は、私は東海大学におり医学部長をやって、正にこれを導入する時期でした。その後、見直しの平成21年度は、名古屋医療センターで管理型の臨床研修病院の責任者ということで今度はそういった実施側、そして昨年4月から国立がん研究センターに移り、実は臨床研修医が1人もいないという所の専門医療施設に移ったということで、少し客観的な立場でできるということもありました。
 そういったバックグラウンドの中で、私が座長を務めさせていただいていますが、平成23年7月に第1回会合を開催し、以来計10回にわたりいろいろな角度から活発な御意見をいただきました。構成メンバーとしては、大学の関係者が5名、臨床研修病院2名、自治体、日本医師会、そういった様々な団体、あるいはその関係の推薦を頂いたメンバーで成り立っています。特に今日は、この部会のメンバーとして御出席いただいている神野先生、また小森先生には、ワーキンググループでも貴重な御発言を頂いて参加していただいているところです。
 ワーキンググループでは、そのほか、このメンバー以外に各種関係者からのヒアリングをしました。また、資料としては、事務局が用意した厚労省のいろいろな調査結果、それから、私が研究代表者として、平成24年単年度ではありますが、厚労科研として地域医療基盤開発推進研究事業の中に医師臨床研修制度に関するキャリアパスの動向に関する調査研究班があり、その調査研究の資料の中間報告を受けて、これも資料として様々な議論をしたところです。そのような形で先般ようやく論点整理としてまとめることができましたので、その概要について、特に問題意識が高いと申しますかグループの中で議論が活発に行われた部分について、報告申し上げたいと思います。
 論点整理の中の「1.基本理念と到達目標について」の2)到達目標で、主な論点として、コンピテンシー、臨床観察能力あるいは評価できる能力を踏まえた到達目標の在り方についてどう考えるかという整理、到達目標の達成に係る評価の在り方はどうかがありました。主な意見として、到達目標が単に経験したかどうかや数ではなくて、もう少し状況に応じた適切な行動がとれるかどうかが重要ではないか、それに沿った目標の見直しも必要ではないかという議論がありました。また、臨床研修病院間で評価の基準が必ずしも一致していない、いろいろな手法でやっておられるのですが、これがもう少し標準化すべきではないか、その場合にインターネット等を使ったやりようがあるのではないかということです。もう1つは、病院による独自の評価だけではなくて、様々な職種あるいは第三者の評価も必要ではないかといった意見が出されています。
 2番目の「2.基幹型臨床研修病院の指定基準について」の1)の?研修診療科についても議論がありました。現在は見直しにより診療科が内科、救急、地域医療の3診療科を必修として、あとの5つの診療科から2科目選択必修となっていますが、これをどう考えるかです。意見はいろいろあり、臨床研修医の意見を踏まえると、現状では7科必修に戻す必要はないのではないかという御意見の一方、3科必修プログラム、いわゆる弾力化プログラムと申しますが、この選択の自由度は上がりましたが、幅広い分野での基本的な診療能力を身に付けるという観点からは一部弊害も見られるのではないか。したがって、7科必修に戻すことも含めて見直す必要があるのではないかという議論もありました。これは両論併記ということで、まとまった意見としてあるわけではありません。飽くまで整理です。
 2.の基幹型臨床研修病院の指定基準の中の2)必要症例数です。これは、引き続き年間入院患者数3,000人以上という施設基準をどう考えるかという問題です。この中には様々な議論があり、3,000人未満であっても、訪問調査等を踏まえつつ、柔軟に評価するということで、現在は経過措置がとられていますが、それを続けるべきではないかという御意見、必要な症例数を単に施設の入院患者数だけで見るのではなくて、研修医1人当たりがどのぐらいの症例数を経験できるのかといったことも考慮の対象にすべきではないかという御意見がありました。
 2.の4)の?募集定員の設定の問題です。これは都道府県ごとの募集定員の上限について、例えば新たに人口当たりの医師数などを加味する必要性についてどう考えるか、あるいは激変緩和措置はもう切れますが、それについてどう考えるかといった論点です。主な意見として、募集定員と研修希望者の数をおおむね一致させる、要するに、定員数が多くて選べるということで、研修医の集中化あるいは過疎化が起こることを鑑みると、おおむね一致させるのがよいのではないかという御意見がある一方、募集定員と研修希望者数を一致させると、病院間でよい意味での競争関係がなくなってしまって、そういう意味での問題が逆に質の問題として出るのではないかという危惧も出されていました。
 都道府県の募集定員の上限の計算方式について、これは比較的いろいろな疾患をお持ちの高齢者の人口等を加味して、手のかかるといっては変ですが、いろいろな疾患を抱えている患者が多い地域、そういったものを配慮する必要があるのではないかという御意見もありました。激変緩和措置については、急激に変動することによる弊害を考慮して、軟着陸が可能になるような経過措置も、経過措置のまた経過措置というのも変ですが、そういった御意見もありました。
 4)募集定員の設定の?地域枠をどう考えるか、これも長い時間をかけて議論しました。主な論点としては、現在、都道府県の募集定員の上限には地域枠が含まれています、したがって、その中で地域枠をどう扱うかという問題について、マッチングとの関係で議論が多くありました。募集定員の設定に関して、マッチングにおける地域枠学生の取扱いをどう考えるかという論点でした。地域枠と申しても様々なものがあり、一概に定義付けにくいものがあります。以前から始まっている、例えば学生の入試の段階での地域枠と出ていった先での地域枠があったり、奨学金があったり、なかったりとか、あるいは出ていく先を特定した地域枠もあれば、どこへでもいいという地域枠もあったりするということで、ここでは飽くまで狭義の意味での医学部定員増に基づく地域枠というところで考えるべきではないかが論点としてあり、それに基づいて地域学生に配慮した制度設計が必要ではないか、要するに別枠にすべきではないかという御意見。
 もう1つは、地域枠をマッチングシステムの中で別枠にすると、マッチングシステム自体の公平性という論点から地域枠が別扱いになるのは差別になるのではないかという論点。ここはなかなか活発な御意見を頂いたところで、平衡状態です。この中間というか折衷案のようなものですが、地域枠は一応マッチングの枠の中に入れた上で、仮にアンマッチなどの問題があれば、そのときに例外的に定員をその地域に上乗せする考えもあるのではないかと、そういう弾力的な運用についての考え方も議論されました。
 「4.その他」の2)研究医育成という問題、これも大きな問題として問題意識がありました。昨今、基礎系へ進む医師・研究者がとても少ない状況がある中で、こういったものに対してどう対応したらいいかも大きな問題かと存じます。そこで主な論点としては、臨床研修期間中の大学院における研究についてどう考えるかという論点です。
 主な意見としては、研修期間中には飽くまで研修専念義務があるので、たとえ時間外であっても研修に専念する意味合いで、研修期間中に大学院に進むのは必ずしも適切ではないのではないかという御意見。もう一方で、臨床研修の専念義務を尊重することは確かだが、基礎系の研究者の確保も喫緊の課題であるという認識からいえば、希望に応じて早期に研究に従事することが可能な弾力的な対応も必要ではないかという御意見があり、既に一部そういった取組を始めている大学もあります。
 これも折衷案のようですが、飽くまで研修プログラムを堅持した上で到達目標が達成できるという前提で、プラスアルファでいろいろな基礎的な研究にも並行的に着手できる取組もあっていいのではないかと、こういった議論がありました。
 私どもが主に時間をかけて議論してきた内容の主立った点は、以上です。このほかにも様々な論点を議論してまいりましたが、制度全般にわたって網羅的に、また、将来の日本の医療を担う若者をどう育成していくかという視点に立って、皆さんの御意見を頂いて、ようやく取りまとめたところです。本臨床研修部会においても、その論点整理を御参考いただき、臨床研修の一層の質の向上に向けて一定の方向をお示しいただければ、私どもとしては大変幸いに存じています。
○桐野部会長 ありがとうございました。このワーキンググループでは1年間にわたって詳細な議論をされ、その結果は今御説明があったように「論点整理」としてまとめていただいていますが、審議の内容については議事録が公開されていて、現在、10回全てがホームページからダウンロードして見ることができます。相当な分量で、私は印刷して持っていますが、細かい文字で裏表でこのぐらいになりますので読むのがちょっと大変なのですが、御説明のあった全ての観点について議論されているように思います。引き続き事務局から説明をお願いします。
○医師臨床研修推進室長 ただいま堀田座長から御案内いただいたとおり、去る2月8日付けでワーキンググループにおける論点整理が取りまとめられ、公表をしております。ワーキンググループは、飽くまでも論点を整理することを使命としておりましたので、中を御覧いただくと、中心となるのは、この中のそれぞれ枠で囲んだ論点です。ただ、各論点について、ワーキンググループの委員の先生方の間でも様々な御意見を賜わりましたので、その主立った御意見について括弧書きでそれぞれの下に参考としてまとめております。お時間の関係がありますので、ここで全てを読み上げることはいたしませんが、先ほど堀田座長から御案内いただいた項目以外の部分を中心にかい摘まんで内容を御案内申し上げます。
 1ページ「はじめに」です。この部分は、先ほど堀田先生から御案内あったとおりですので、割愛します。
 下のほうの「1.基本理念と到達目標について」です。基本理念については、現在、施行通知あるいは省令において、「医師が、医師としての人格をかん養し、将来専門とする分野にかかわらず、医学及び医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるよう、プライマリ・ケアの基本的な診療能力(態度・技能・知識)を身に付けることのできるものでなければならないこと」とされております。
 その上で、論点としては、こういった社会情勢や関係者の評価等を踏まえ、現在の臨床研修制度の基本理念についてどう考えるかということが挙げられております。ワーキンググループでの主な御意見としては、後段にありますように、現在の基本理念は重要であり変更する必要はないのではないか、といった意見が出されております。
 2)「到達目標とその評価」については、先ほど堀田座長から御案内のとおりです。
 4ページの3)「臨床研修全体の研修期間」です。現在、御案内のとおり、法律において2年以上臨床研修を受けなければならないとされております。臨床研修の研修期間についてどう考えるかという論点があります。ワーキンググループの中では、現状では、臨床研修の期間は基本理念等に照らすと2年間が適当ではないか、将来的には卒前教育が充実すれば研修期間を1年に短縮することもあり得るのではないかといった意見が出されております。
 大きな2番として「2.基幹型臨床研修病院の指定基準について」です。1)「研修プログラム」の?研修診療科については、先ほど堀田座長から御案内のとおりです。5ページの?各診療科の研修期間については、平成22年度開始プログラムから内科を6月以上、救急部門を3月以上、地域医療を1月以上履修することが定められております。論点としては、この必修診療科目の研修期間、特に在宅医療を含めた地域医療研修についてどう考えるか、あるいは選択必修科目の研修期間についてどう考えるかということが挙げられております。ワーキンググループの主な御意見としては、現在のプログラムは2年間を通じ基本的な診療能力の育成を重視するものと、2年目には専門研修の準備となっているものが混在しており、どちらを軸とするのかの整理が必要ではないかといった御意見が挙げられております。
 2)「必要な症例」については、先ほど堀田座長から御案内のとおりです。
 7ページの上の3)「指導・管理体制」です。論点として、現行の指導・管理体制に係る指定基準についてどう考えるのか、現行の診療科に加えて、病院独自に必修としているものも含んだ必修又は選択必修になっている診療科についても指導医を必置とすることについてどう考えるかということが挙げられております。
 主な御意見としては、研修先には指導医がいることが原則であり、少なくとも必修(病院独自に必修としているものを含む)科目の診療科には指導医が必要ではないかといった御意見が挙げられております。
 4)「募集定員の設定」については、先ほど堀田先生から御案内があったとおりです。
 10ページの中ほどの5)「研修医の処遇等の確保」についてです。論点としては、給与・手当面では、研修医の給与・手当の状況についてどう考えるか、労働環境の点では、研修医の労働時間の状況(当直回数や当直明けの連続勤務等を含む)についてどう考えるかということが挙げられております。
 主な御意見としては、病院経営上の戦略により、比較的高額な給与で研修医に過酷な労働を強いている病院があるようであり、臨床研修制度の理念に照らし、このような状況に留意が必要ではないか、研修医に過酷な労働を強いている病院がある場合、院内に研修医が自ら申し出てその状況を改善できるような仕組みが求められるとともに、国としてもそのような病院に指導できる仕組みが必要ではないか、給与のみならず時間外手当、住宅手当なども含めた処遇の悪い病院はマッチ率が低い傾向があり、処遇条件が悪すぎるというのも問題ではないか、といった意見が出されております。
 6)「その他」の?臨床研修病院群の形成です。この項目については、本部会において御指摘があった論点で、ワーキンググループの中でも改めて論点として挙げさせていただいているものです。論点は、臨床研修病院群の在り方についてどう考えるか、大学病院を含めた臨床研修病院群の形成を指定の要件とすることについてどう考えるか、臨床研修病院群の形成における地理的範囲(二次医療圏、都道府県等)については、例えば同法人内で派遣や被災地支援など必要に応じ全国的にも展開できるようにすることについてどう考えるか、臨床研修病院群の形成において一定の病院数を要件とすることについてどう考えるか、医師不足地域の協力型臨床研修病院との連携を推進することについてどう考えるか。
 これらについて、主な御意見としては、卒前、臨床研修、専門研修との連続性、研究医の確保、離島・へき地医療の確保の観点から、大学病院について、病院群の中に基幹型臨床研修病院又は協力型臨床研修病院として必ず入ることが望ましいのではないか、大学病院を必ず入れることについては、複数の大学出身者を受け入れている臨床研修病院にとっては各大学との調整に相当の手間がかかり、また、あえて大学以外の場を望んで臨床研修病院を希望している研修医もいることから現実的ではないのではないか、病院群の地理的範囲については、例えば同法人内で派遣や被災地支援など必要に応じ全国的にも展開できるよう過度に縛りがないことが適切ではないかといったような意見が出されております。
 ?「第三者評価」です。こちらは、研修病院の指定基準として、現在は「将来、第三者による評価を受け、その結果を公表することを目指すこと」とされております。これを踏まえ論点としては、第三者による評価の在り方についてどう考えるか、第三者評価を無作為抽出での訪問調査により行うことについてどう考えるかという御意見が挙げられております。
 主な意見としては、現在、病院の質を評価する仕組みがいくつかあるので、これらを活用して何らかの評価を受けることがよいのではないか、例えば感染症対策では複数の病院間で相互チェックを行う仕組みがあり、臨床研修でも同様の評価手法があってもいいのではないか、全ての病院が第三者評価を受けることは物理的に難しい可能性があり無作為抽出での訪問調査などが現実的ではないか、といった意見が出されております。
 ?「都道府県の役割」についてです。論点としては、地域協議会の活用の在り方を見直す等、都道府県の役割や権限の明確化を図ることについてどう考えるかという論点が挙げられております。主な意見としては、現状では各都道府県で体制が大きく異なるが、主体的に調整を行っている先進的な都道府県も参考としつつ、都道府県における調整などの役割を明確に示すことにより、全体的な調整能力を底上げする必要があるのではないか、都道府県の地域医療支援センターなどの役割を強化しつつ、調整がうまくいっている都道府県などの好事例も参考として共有してはどうか、といった意見が出されております。
 ?「制度運用上の問題」です。この項目については、この部会において御指摘を賜った論点です。論点として1つ目は、基幹型臨床研修病院の指定に係る再申請についてです。研修医の受入実績が2年間なかったことにより、取消しとなった病院の再申請の在り方についてどう考えるか、協力型臨床研修病院において、研修医の受入実績がない場合の指定の取扱いについてどう考えるか。指導医講習会については、指導医講習会の受講と指定申請の時期との関係についてどう考えるかの項目が挙げられております。
 主な意見としては、基幹型臨床研修病院の指定に係る再申請については、受入実績がないことによる指定の取消直後の再申請については、一定期間認めないというより、協力型臨床研修病院として実績を積んでから基幹型臨床研修病院へ再申請するという運用も考えられるのではないか。指導医講習会については、指導医が指導医講習会の受講済みであることは重要であり、指定申請に際しては受講済みであることが必要条件となるのではないかといった意見が出されております。
 次は大きな3つ目です。「3.中断及び再開、修了について」です。論点として、研修の中断者のうち病気療養が約半数を占め、かつ研修の再開割合が低い傾向があることについてどう考えるか、研修医に対するメンタルヘルスの面からのケアの必要性についてどう考えるか、研修中の妊娠出産等への対応や障害を有する研修医への対応について何らかの具体的な方策を考える必要があるかといった論点です。
 主な意見としては、例えばメンタルヘルス上の問題により療養が長期にわたった場合、研修を中断する時期についての一定のルールを定めたほうが良いのではないか、中断に際しては、特に女性の結婚や出産を考慮すると、一律のルールを設けるよりも柔軟に対応できることが望ましいのではないか、マッチ率の高い病院は出産育児への支援体制が整っている印象があり、女性医師を中心とした出産育児の支援体制の整備を更に進めるべきではないかといった意見が出されております。
 「4.その他」として、1つ目は1)「地域医療の安定的確保」についてです。論点としては、地域医療の安定的確保に向けた臨床研修における取組についてどう考えるかという項目が挙げられております。主な意見としては、今まで申し上げた論点に横串になる論点ですので、全て再掲となっております。
 2)「研究医養成との関係」については、先ほど堀田座長から御案内申し上げたとおりです。
 17ページの3)「関連する医学教育等」についてです。論点としては、卒前教育におけるモデル・コア・カリキュラム等との連続性の観点から臨床研修の在り方についてどう考えるか、専門医の在り方に関する検討の方向性を踏まえ、専門研修との連続性の観点から臨床研修の在り方についてどう考えるか。これらについて、主な意見としては、臨床研修の動向を踏まえ、卒前教育における参加型臨床実習(クリニカル・クラークシップ)を更に充実すべきではないか、卒前のOSCEは大学によって取り組みの程度にばらつきがあるため、その質を平準化する必要があるのではないか、卒前教育や国家試験の改善に伴い、臨床研修に関する所要の見直しもあり得るのではないか、卒前教育や国家試験、専門研修との連続性については、今回の見直しにかかわらず、将来的に検討を続けていくべきではないか、といったような意見が出されております。
 論点整理自体は以上です。後ろに参考資料を付けております。大部の資料ですが、この資料はワーキンググループにおける検討の途上でヒアリングの際、あるいは各委員から御提出があった資料の一部を論点の項目に沿って整理させていただいたものです。一部とはいえ、今後の本部会での御検討に際して、辞書的に御参照いただければと考えております。なお「論点整理(修正案)」と記載がありますが、誤記です。大変申し訳ございません。この部分は削除、訂正をさせていただきます。失礼しました。事務局からは以上です。
○桐野部会長 ありがとうございました。非常に詳細に検討すべきissueがこういうふうにまとめられておりますが、全て大体どう考えるかという文章になっておりますので、こう考えるというのをこの部会で出せれば、それが役割を果たしたということになるのではないかと思います。もちろん、この論点整理以外の論点がこの部会で出てまいりましたら、またそれについて審議していただくということで、それを妨げるものではありませんので、そこを御理解いただいた上で、基本的には、この論点整理がかなり時間をかけて詳しく審議されたものであるという前提で、これを基にこれから意見交換をしていただきたいのですが、その前に、この部会の役割と関係するのですが、スケジュール的なことはお話しにならなくていいのですか。このあとにやりますか。
○医師臨床研修推進室長 このあと、本日の御意見を踏まえ、私どものほうから、またスケジュールの御案内を致します。
○桐野部会長 本日は資料が多岐にわたりますので、この論点整理を一応のたたき台にした上で、2つに区切って御自由に御意見をいただきたいと思います。1ページの「はじめに」から7ページの2.の3)「指導・管理体制」について、まず御意見をいただければと思います。時間は1時間ぐらいあると思いますので、どなたからでも結構ですが。
○山下委員 堀田先生に論点整理を非常に分かりやすくしていただきました。今、桐野先生がおっしゃったことにも関連することなのですが、導入部分で、当然こういう論点整理をされたときには問題点を意識しておられたと思います。今の初期臨床研修だけではなく、医学教育のことも考えておられますし、専門医のことも考えておられる。要するに、何が問題点であるかということを前提に、こういう議論されたのかということをまずお聞きしたいというのが1つあります。
 もう1つは、先生も医学部長をやっておられたのでお分かりになると思いますが、医師は一生勉強する。一生勉強する入口が初期臨床研修であると考えたときに、どこまでのスパンをこの議論の中で想定されたのか、専門医に入るところまでなのか、そこから先も一生修行ですから、どういうふうなスパンでこれをお考えになったのかお聞かせください。
○堀田参考人 とても重要なポイントだと思います。飽くまで私どものワーキンググループは、初期臨床研修制度の在り方というところにフォーカスしますが、それは当然医学教育の流れ、そのあとの専門教育若しくは生涯教育との流れになりますので、調査としては動向、例えば進路がどうなったのか、あるいは3年後、5年後にどういう所で働いているのかという、いわゆる三師調査と言いますが、医師、薬剤師、歯科医師を毎年調査をやって、その調査動向がどのような流れになって、この制度が導入されて以後、その流れがどう変わったのかということも、全国地図で細かく分析して図示するような形でこの資料にも出していますが、そういったことにどう影響を与えているのか、地域医療に対してどうなのかということも踏まえて、論点をたくさん出していただいた中で、あまり論点にならないようなものは削るというスタイルで、先ほど私が申し上げたようなところにどうしても皆さんの関心が集中していたということになります。
○山下委員 いわゆる総論的なところが今日の議論になろうかと思います。今、堀田先生もおっしゃいましたように、初期臨床研修は、ここはそれをディスカッションするところですが、前と後ろがあるというのも確かなことですので、どこまで議論するかというと大変なことになってしまいますが、その辺のコンセンサスをある程度得る必要があるのではないか。要するに位置付けです。それがないと、非常にたくさんの論点があって、いろいろなことを決めていかなければいけないときに1つの方向性がないと、例えば専門研修にどうつなげるかとか、卒前教育は大学でやってくれとか、そういうような議論がないと、どこまで初期臨床研修でやるのかということが決められないところがかなりあると思います。そういう議論はこの部会で時間を使う必要があるのではないかと思いますが、いかがですか。
○桐野部会長 基本理念に関係すると思うのですが、医師の教育がどうあるべきかというのは、どういう医師をつくるべきかということに結局なるのだと思うのです。それに関して、初期臨床研修の基本理念というものが1つの背骨のようなものになるのだと思うのですが、細部にわたっては確かにワーキンググループでもいろいろな意見があって、どう考えるかということについては、こう考えるという考えもあれば、そうではないという考えもありましたので、それについては一定の、例えば基本理念をどう考えるかも当然この議論の中に含まれてきますので、基本理念を前提にした上で、次にどう進むのかということになります。基本理念の修正となると、かなりきちっと議論しないといけないので、それは次回以降の議論で是非お願いしたいと思います。そのほか、どなたからでも結構です。
○神野委員 細かいところは別にして、今、山下委員がおっしゃったような全体の話で押さえておかないといけないということで意見させていただきます。この制度ができたときや5年前、10年前と今は何が違うかというと、少子高齢社会に突入したということなのかなと思います。その中で、在宅の問題あるいは認知症の問題などの今まで以上にクローズアップされている問題がいっぱい出てきているわけです。基本理念の中にプライマリ・ケアの基本的な診療能力を身に付けるということをきちんとうたっておりますので、そういった意味では、これから少子高齢社会の中で、今申し上げたような在宅とか認知症とか、まだまだ問題がたくさんあると思いますが、そういったことに対応できるお医者さんを育成していくことが必要なのかなと思います。一方で、例えばがん診療連携拠点病院や三次救急病院とか、そういうところに患者さんが集中して、そこが疲弊しているという議論もあるわけです。そうなると、そうではない病院で救急でいえば二次救急とか、がん診療でいえば拠点病院の次の方々とか、あるいはもしかしたら災害が発生したときに拠点病院だけではなく、その次のレベルの病院、その次のレベルをきちんと診れる医者を育成するのが、今、社会から求められていることかなと思います。そういった意味で、基本理念にあるプライマリ・ケアを今までの見直し以上に私たちは考えなければいけないと思います。
○冨永委員 私も今の神野委員の御意見に大賛成です。もちろん、2年間の臨床研修が終わったあと、いろいろな道があるわけで、全てが研究者になるわけでもなければ、全ての人がいわゆる在宅医療を含めた地域医療を担うわけでもありませんが、どこにでも通ずる基本的なベースは押さえておくべきだと思っています。御承知のように、日本は世界一の少子超高齢社会であり、世界中が見守っていることもあるわけですから、国民のニーズに応えられる医師を養成していくのが、我々医療に携わる者、先輩という言葉に当たるかどうか分かりませんが、後の人にそういう指導をしていくことが我々の使命だと思います。そういう意味で、平成16年よりも今のほうがずっと高齢化率が進んでいる、昨年8月の総務省の統計局のものでは全国平均が24.0%になっていると思いますが、2025年問題と言われるように、これからどんどん高齢者、しかも単独の高齢者が増えていくことを考えると、この基本理念に基づいた研修をしていただく、そのあと、いろいろな道がある。ベースが広ければ富士山のように山も高くなる、専門性も高くなると私自身は思っていますので、この基本理念は外すべきではないと思っております。
○小川(彰)委員 この1年間、大変御尽力をいただきまして、こんなすばらしい論点整理をしていただいたことに感謝申し上げます。ただ、実は以前から、この医師臨床研修部会から、こういうことを議論をしていただきたいというようなことを申し上げていたのですが、結局、この1年間、途中でどういう論点でワーキンググループが検討されているのかというのが、親委員会である医師分科会の臨床研修部会にほとんど報告されてこなかったわけです。今日、1年間たって、大変御努力をされて、このような「論点整理」が出てきたわけですが、これが非常に全般的なのです。全般的というのは、要するに全てを網羅している。ということになりますと、実は5年前の見直しのときに、「臨床研修制度のあり方等に関する検討会」がこの部会の前にあって、医師臨床研修制度に関する意見の取りまとめをきっちり出したわけですが、その中で論点といいますか、非常に重要なことが述べられております。初めの5番目のところですが、臨床研修制度の導入が大学病院が担ってきた地域の医療機関への医師派遣機能を低下させ、地域における医師不足問題を顕在化、加速するきっかけとなった、ということが取りまとめの中で明確に述べられているわけです。そうしますと、結局、1回目の5年の見直しのときにこれを解消することができませんでした。
 もう1点は、意見の取りまとめの中でも述べられているのは、研修医の募集定員が病院ごとに決められているので、都市部に多くの受入病院があることとあいまって、研修医が都市部に集中する傾向があることを、きっちりとそのときに問題点として出されているわけです。これが5年の見直しのときに、この部分に関しては結局手を付けらず解決できなかった。ですから、私としては、5年ですから、今回の見直しの中で、5年前に指摘のあった論点を解決できるような見直しにならなければ意味がないと思います。そういう意味で、私としては何回かこの部会の中で発言させていただいておりましたが、ワーキンググループで今、何を議論されているのかを項目だけでも早めに出してくれという話を1年も前からお願いしていました。最終的には、こういう大変な御努力で10回も議論を重ねられて、最終案として論点が出てきたということで、ちょっと順番がちがっている。また、こちらでリクエストしていることとずれがあるのではないかという感じがするのですが、その辺はいかがですか。
○医師臨床研修推進室長 小川委員から、今までの部会の中でも、今おっしゃったような御発言を何度も受けて、ワーキンググループの検討状況については、部会の場ではなく、メールで大変恐縮だったのですが、途中段階で、項目とどんな議論がなされているかという御案内はさせていただきました。一方で、部会で賜った御指摘、先ほど若干一部御案内いたしましたが、部会で是非検討してほしいという御意見について、私どもが整理をして、ワーキンググループの中で、検討会の中で、こういったことが部会からの御指摘事項としてありましたということで御議論を賜りました。そういった形で、部会とワーキングの間で情報がある程度行き来するように、私どもとしては工夫したつもりですが、先生が御指摘のようにそこが分からなかったということであれば反省するところもあるかと思っております。
○冨永委員 確かに日本における診療科の偏在と地域の偏在は大きな問題であり、小川委員がおっしゃったように、この5年間でどう変わったかというお話だと思いますが、それは臨床研修制度そのものもある程度影響していると思います。若い人が都市を好む傾向があると思いますが、別の枠で、制度として考えていかなければならない。その5年間にあった変化が、地域枠とか、あるいは今全国に15ある地域医療支援センターで検討して、もちろん大学も1つの核になると思いますが、都道府県内の医師定着を図っていくことを各都道府県で考えていく体制が出来つつあると思うので、この先、何年かすれば、専門医制度の在り方検討委員会でも地域偏在のことに関して論じられておりますので、専門医の制度と、地域枠等に関係しながら、地域偏在や診療科の偏在を是正していくことを国として御指導いただけたらと思っております。この臨床研修制度そのものが全て医師、地域偏在に関わっているとは私は思わないので、今の制度、今やっている方向で検討していけば、ある程度解決できるのではないかと思っております。
○桐野部会長 いかがですか。
○小川(彰)委員 冨永委員の御意見に私は大反対です。というのは、要するに5年前に既に「安全と希望の医療確保ビジョン」会議があって、何回も議論を積み重ねて、そのあとに「臨床研修制度のあり方等に関する検討会」が、議論を踏まえて第1回目の5年目の見直しが行われたわけです。そのときの論点といいますか、問題点として、臨床研修制度が地域医療の崩壊が関係していたということ自体は、エビデンスとして明らかにされました。そのあとに更に医道審議会があるわけですが、その3つの会議で議論をされ尽して、地域偏在の問題が既に挙げられているわけです。それはないよというのだったら、あの時点で何のためにあれだけの議論を積み重ねてきたのかというのが分からないと思うのですが。
○山下委員 今、小川先生がおっしゃったことは私は非常に大事なことだと思うのです。要するに、現時点で日本の医療は世界一だと思いますが、問題点がないわけではないので、どうやって解決していくかということをベクトルとして持って、その中の我々はここをやっているということをまず言っていただかないと議論がなかなか進まない、集約していかないというのが一つあります。それから、今日の議論は7ページまでという座長の御指示ですが、臨床研修病院群というのが後ろのほうにありますから、必要な症例数とか、そういう議論の中でも、プライマリ・ケアも結構だと思いますし、在宅医療は非常に大事だと思いますが、いい言い方だとは私は思わないのですが、それをきちんとやるためには、非常に難しい病気がcommon diseaseの中に入っているわけで、それをきちんと見極めるだけの能力を持っていないと非常に大変なことが起きる。要するに、非常に診断が難しい病気や、いわゆるcommon disease、最初からいろいろな病気をたくさん診るから能力が高くなるわけで、common diseaseだけを見ていてもしょうがないですよね。そのために何をするかというと、小川先生が前から、いろいろな病院を組み合わせた形で提案する、そうすると、必要な症例数うんぬんというのは数ではなくて、いろいろな病気をいろいろなフェーズで見ることができるような状況を最初から作るという議論になるはずです。私はそう思います。それがプライマリ・ケア、診断能力を高めることになるかと思います。
 もう1つの議論としては、先ほど堀田先生に御質問申し上げたのは、ここまででいいよというシステムを作る、例えば、3年目まで見ますとか、5年目まで面倒を見ますというのではなく、一生医師が勉強していくのをどうやってシステムとして担保するかというのが大事になってくるわけで、そういうシステムの入口であるという意識がないと私はいけないと思います。いろいろなものをたくさん診ることが可能になって、それは何のために診るかという議論がないと、3,000人以上のでいいのか、1人当たりでいいのかという議論に落ちてしまうと思います。今、小川先生がおっしゃったようなそういう議論をきちんとここで再確認してやっていかないと方向が定まらないと思います。
○冨永委員 私も臨床研修制度ができてから地域偏在が加速したということを否定するものではありませんが、だから臨床研修制度が悪いというわけでもないと思うのです。いい研修をするということが一番重要であります。いままでストレート研修によって、非常に専門に特化した医師ばかり増えることによって、日本の医療が偏っており、それを是正すべきとの国民の要望もあり、マスコミからのいろいろな論議もあって、新医師臨床研修制度ができたわけですから、その点は小川先生と一緒でしょうけれども、これをうまく活用していくためにどうしていくかということがあると思います。自由度が増えたこともあって若い医師の都会志向があり、それによって都市部に偏在していることは事実だと思います。言い過ぎになるかもしれませんが、そうかといって以前のように大学による医師の派遣体制が全て世界中で行われているかというと必ずしもそうではないわけで、その辺をうまく適合させていくためにはどうしたらいいかということを考えて、医師の偏在に関しては、臨床研修だけで片付けられる問題ではないと私は思っております。
○神野委員 実際に、先ほど小川委員がおっしゃったとおり、5年前にあり方検討会があって見直したのです。見直し後の、平成24年に卒業した卒業生がようやく出てきたわけです。ワーキングの資料で出てきますが、見直しして、特に弾力化プログラムですが、専門医志向の方々のプログラムを作って、それに対してどれだけ効果が出ているのか、まだ1年だけですから、全ての学生さんのフォローはしていないと思いますが、結局、5年前に見直したのだけれども決して大学に行く人は増えなかったし、いろいろな能力について、介護保険の理解ができますかなど、いろいろな調査をすると、弾力プログラムではできなかった方がたくさん出てきてしまったというようなこともあります。前回の、あり方検討会を踏まえた見直しの評価をもう一度きちんとした上で、次の話なのではないかと思います。
 個人的には、私の病院も臨床研修病院ですが、基幹型の子たちは、2年間を終わって皆ほとんどが大学に行きます。その後、大学の医局に入って研究して、また派遣ということでいろいろな病院に行くのですが、例えば人口1万、2万の過疎地の公立病院さんで専門医をずらっと並べたところで、総合的にプライマリを診られるお医者さんがいないと結局成り立たないわけです。行った専門医も、例えば循環器の専門医が行ったところで、週に1人あるいは月に1、2人しか心筋梗塞が来なかったら、もうやる気はなくなってしまうわけです。それならば、やはり、私どもはプライマリをきちんとやった方々が次のキャリアパスの中の1つとして専門医コースに行く、その方が大学の派遣機能で地方に行ったときに、専門医としてのbehaviorのほかにプライマリを診られるという、そういうものがこれから求められている機能ではないかと強く思います。
○中島委員 前哨戦的さや当てがあるように思います。私は、本来この制度、初期臨床研修ができた発端をよく頭に置いておかないと、この議論の方向を間違えると思います。やはり、国民のニーズに合わない医師が次々に出てきてしまった、そのことで大変困るという国民的な議論が起こって、その中で、この初期研修が動き始めたという現実があるわけです。そのことを忘れて余り細かいところに入り過ぎると全体を見失うのではないかと思います。医師の地域・診療科偏在、専門医の地域・診療科偏在というものが高齢化社会の中で今問題になってきているということを、初期研修を作ったそもそもに立ち返ってしっかり考えるということが、この場の目的ではないかと思っています。
 一言追加いたしますと、患者さんの気持ちが分からない医師が大勢できて、初期研修をやったら、どんどんマニュアル化した医師がまた増えてきたという、ここら辺が若干問題ではないかと思っています。やはり、患者の気持ちが分からないということは、精神科の研修が足りないのです。精神科が選択必修という日本語にならない日本語でごまかされたということが大問題であって、これを必修3科目を4科目にしてもらわないと、日本の国民は納得しないだろうと思っております。以上です。
○桐野部会長 今、前哨戦とおっしゃいましたけれど。初期臨床研修制度、2004年に始まったこの制度は、それなりに大学の先生方も病院・医師会の先生方も議論をされて、国立大学医学部長会議も全国医学部長病院長会議も議論をされて、こういう基本的な制度なら、かつて1968年にインターン制度が廃止されて、それから36年たって作られた制度としてはよいだろうということでスタートしたわけです。
 ただ、医学界としては、このインパクトがこれだけ大きく出るところまでは十分に準備していなかったと思います。ちょうどその頃は国立大学も法人化したし、その2年前には診療報酬の実体部分の切下げもあって、病院が非常につらい状況に置かれて、大学も決してそう容易な状況ではなかったということです。そのようないろいろな複合的な要因があったことは事実だと思います。今の小川先生はかつてずっと主張しておられることですし、山下先生が言われたようなこともよく分かるのですが、基本的な考え方については、まだ議論を進めていく間でまた戻ってくるところもあるので、それを全部確定して、こういうことでやらなければ一歩も先には進まないという議論ではないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。その他、まだいろいろなことをおっしゃりたいと思いますが、小川先生、もし追加があればどうぞ。
○小川(彰)委員 少しだけ追加させていただきます。確かに、専門分化することによって国民から乖離をしてきたという一面はあると思います。ただ、それが全国どこでもそうだったかというと、決してそうではない。というのは、例えば岩手県には9つの二次医療圏があります。そのうちの1つの宮古医療圏の広さは、東京都の1.2倍あって、総合病院は1つしかありません。病院と名の付く所はあと3つしかない。それは内科と外科しかいない。東京都の1.2倍ですから、例えば新宿辺りに1つ総合病院があって、千葉との境からも多摩の奥からもそこに来るしか手立てがない。そこにいる脳外科医が、頭の手術しかできない脳外科医がいるはずはないのです。ですから、全ての内科医もいろいろな科のお医者さんも、ある意味では今いうプライマリ・ケアを基本的には全部やった上で自分の専門性を持っていた。岩手県のそういう二次医療圏では、たらい回しはありません。たらい回しするほど病院はないのです。たらい回しすれば、あとは盛岡に行くしかないのですが、盛岡に行くとなりますと、現在冬道で3時間、片道3時間ですから、そこでどうにか診てあげるしかない状況だったわけです。決して、どこでも専門分化して専門家ばかりが増えた、それだけが問題になっていたということではないと、私は思っています。
○桐野部会長 総論的な議論が続いています。もちろん、いつでも戻ってきてよろしいと思いますが、少し先に進めていただきたいと思います。その他、7ページの「指導・管理体制」まで全体を概観されて、これは今回一言言っておきたいということがありましたら、是非どうぞ。
○山下委員 指導・管理体制に関して、中島先生の御意見にも少し関係することです。1つ申し上げたいのは、初期臨床研修制度が始まって、確かに、小川先生がおっしゃったような広い範囲で診る能力は上がっています。これは絶対に確かです。だから、成果は必ず出ています。それを踏まえて、どういうふうに進めていくかという議論だと思います。そのためには、やはりいろいろなことを経験したほうがいいということが1つ。
 それから、座長から振られましたので言いますが、指導・管理というのは、中島先生が、マニュアルになったとおっしゃいました。やはり、マニュアルになってしまっているところはあると思います。結局、誰がどうということではなく、長期にわたってこの人に責任を持つということがあると最後まで見るのです、はっきり言って。そういうヒューマン・コンタクトが、ぐるぐるとローテーションの中で希薄になっていることだけは確かだと私は思います。それはやってはいけないと言っているわけではないのです。誰かがこの人の教育に関して、例えば5年なら5年、10年は少し言い過ぎですね、我々が医局にいた期間、5年ですね、5年ぐらいはオーベンが、私はトロかったので、トロいからお前はこういうふうにしてやるというのを、ちゃんと言ってくれたのです。そういうことが希薄になったことは絶対にこの制度の弱点だと思います。それをどうやってクリアしていくか。それはやはりシステムの中でクリアしていくしかなくて、大学病院のために行っているわけではなくて、どこかが責任を持って、長期にわたって、本当に患者のために働くような医者に育て上げるというシステムを作らなくてはいけない。ここから私の意見ですが、そのためには、前から小川彰先生がおっしゃっているようなシステムで、そのシステムの中で担保しないと、人が替わって指導医がいなくなったらもう無茶苦茶になるというシステムは長続きしないと思います。
○桐野部会長 いかがでしょうか。
○清水委員 いまの山下先生のお考え、お話にも関係しています。私も研修病院におりまして、3年目、4年目のローテイターの方たちを見ていますと、この1人の医師の成果をきっちり担保する人はどうしても必要ではないかと思っています。とても大事な点だと思うのです。3年目以降については、これから専門医制度の中で議論されるのかもしれませんけれども、2年間に関しては、その役目を担っているのがプログラム責任者という立場の者ではないかと思います。プログラム責任者講習会などもありますが、そういう立場の方が、制度上にはあるそういうものをきちんと利用して、担保する仕組みを作っていく、成熟させていくのがいいのではないかと、個人的には思っています。
○桐野部会長 本日は、できれば多くの委員の先生方に自由にいろいろと述べていただきたい、そういう機会です。
○吉岡委員 私は長年小児科をやっておりました。いわゆるプライマリ・ケアが大きな社会問題になった根本要因は、これは私の持論ですが、内科が細分化したところにあるということです。小児科はずっと1つなのです。子供相手に、全ての子供を診ることをやってきたし、これからもやろうとしていて、第2、第3小児科ができた所は基本的にはありません。プライマリ・ケアということを改めて考え、臨床研修で何が問われているかというと、大人にしろ子供にしろ、内科的疾患を中心に健康を保つために診るという要素が多いことから考えると、研修期間の多くの部分は「内科的に診る」ことを、もう一度考え直していいのではないかと思います。
 そこに救急の問題だとかいろいろなことが出てきますけれども、国民の多くは最初に受診した時に大体のことは分かっていただけるドクターを望むとすれば、最初の1〜2年間は内科を中心に、小児科も加わった内科・小児科的な対応を、もう一度考えてやっていただくと、比較的解決しやすいのではないかという印象を持っています。
○桐野部会長 これは研修プログラムの問題になりますね。もうどのような論点でも結構ですので、ここは一言言っておきたいということがあると思いますので。
○冨永委員 事務局に質問です。4ページの研修プログラムのことです。スーパーローテイト方式と選択研修方式について、以前、プログラムのどれぐらいの割合であるのかというものがあったと思うのです。現状の、例えば平成24年度に開始したプログラムで、その割合はどうなっていますか。
○医師臨床研修推進室長 参考資料の一番最後の別添4を御覧ください。小さい文字で恐縮ですが、「臨床研修に関するアンケート調査」があります。こちらが最新の、平成22年度研修開始で平成23年度修了者を対象とした、弾力化プログラム導入後の研修医です。ローテイト状況については、5ページに、前年度つまり弾力化前の修了者と比較したローテイト状況を円グラフにしています。例えば、内科は一番大きい青ですが、平成23年度では8.0月、これが9.2月になっている。外科は3.2月が2.9月。救急は1.7月が2.6月になっている。このような変化が分かる形でお示ししています。御参考いただきたいと思います。
○冨永委員 研修期間は分かりました。2つコースがある病院もあるでしょうが、スーパーローテイト方式と、選択研修方式を採っている割合がどんなものかと思いまして質問しました。私が資料を見ていないのかもしれませんが。
○医師臨床研修専門官 この参考資料には入っていませんが、資料としてはありますので、次回また改めて御紹介させていただきたいと思います。全国で弾力化やスーパーローテーションがどれぐらいの割合であるか、都道府県別に出ているものがありますので、御案内させていただきます。
○桐野部会長 よろしくお願いします。
○河野委員 先ほどの吉岡先生の御意見は、私も小児科医なので、そのとおりだと思います。小児科というのは、大学にいるときも外にいるときも、全部診なければいけないのは当たり前のことなものですから、脳波は診られないとか、心電図を診られないというのは、小児科医としてはおかしいわけです。ですから、最初の2年間は病気というものは何なのかという基本を学ぶのだとすれば、内科をしっかりとやるというのは、小児科の医者の感覚からいうと、そうだなと思います。いろいろなことをやっても2年間では無理なのです。確かに、小児科の立場からすれば、子供も大人も、人間全体を理解する上で重要だと思いますが、2年間で少し小児科をやったら将来小児科を診られるかといったら、そんなことはないわけです。ですから、病気の理解という視点で1つの議論となり得るのではないかと私は思っているのですが、今までのここの議論はそういった方向ではなかったので、余り申し上げなかったのですが、それが1つの見方であろうと思います。
 もう1つ、気になるのは、評価方法です。「論点整理」の3ページにも、評価方法が書いてありますが、研修をやったあとの評価についてです。それが、大学などのEPOCなどにしても、余り実質的になっているように見えないのです。ですから、今までの議論のように、最後には何が達成できているかの評価をやらないと、いくら議論をしていても、いい研修の場所を選びプログラムを選んでも、それが達成できているかがしっかりしていない限りは、なかなか議論がその次に進まないのではないか。現状では、もう少しここのところをどうするかという議論も必要ではないかと思います。
最後に、先ほどの小川委員の話にも、いつも出ていることですが、私もいつも感じるのが、研修としての在り方がどうあるべきかという話と医師の配置の話が両方、現実的な問題を考えますと当然といえば当然なのですが、病院のことやプログラムについて、本当に研修だけで話した場合にどうあるべきだということが。でも、そうなると今度は、それをバンッとやってしまうと地方の病院には当てはまらなくなってしまうのではないかというのが、いつも悩ましいところです。その取り仕切りをどうするのかというルールを。今はそこをある程度柔軟に、現実的な対応で収めているのが現状なのですけれども。小川先生がおっしゃるのは分かるのですが、それをどこまで出して、ここの基本的な考え方、進め方にするのかは悩ましいと思って伺っていました。現実には議論がいつもそこのところで何となく曖昧になってしまうことを繰り返していますね。
○桐野部会長 今の御議論は、いよいよどのように各県の研修医の数を決めるかというときに相当問題になるので、これはそのうちに出てまいりますので、そこでかなり御意見をいただかなければならない問題になるだろうと思います。
○小川(彰)委員 一番最初に山下委員がお話になったのは非常に重要なことなので、これは是非これからの議論の中に加えていただきたいのです。臨床研修制度がスタートしてから、大学の医学部教育も随分変わってきました。その中で、現在は共用試験が本格実施で行われていて、大体は3年生から4年生にいく臨床実習の前段階で共用試験が行われています。大学を卒業すると国家試験がある。さらに、現在は2年間の研修が義務付けられています。非常に問題なのは、CBTの到達目標と国家試験の到達目標と研修医の到達目標と、同じ到達目標を3回やらされているという非常に矛盾したことがあるのです。山下先生がおっしゃったように、ここは当然のことながら、臨床研修をどうするかということを議論する場ではあるのですが、臨床研修のことだけを議論していても、卒前の教育との連動がなければ意味がない。それから今度は、臨床研修が終わったあとの生涯キャリアパスとしての専門医あるいはプライマリ・ケア医、あるいは学位など、そういう医師のキャリアパス、そして生涯学習の中に医療があるのだということの中で議論をしないと非常に矮小な議論になってしまうのではないか。ですから、卒前教育との連動と臨床研修が終わったあとの生涯教育との連動も是非これからの論点の中に加えて議論していただきたいと思います。
○桐野部会長 本日は残念ながらおいでになりませんが、医学教育課には必ず来ていただいていて、ここでどういう議論が進んでいるかは彼らも了解していることだと思います。それから、医学教育の到達点において非常に大きなバリアになっているのは医師国家試験なのです。医師国家試験が適切かどうかという議論はもちろんしなければいけませんが、ここでするのも無理があると思うのです。今、小川先生が言われたようなことを医学教育課には十分に聞いていただくことは必要だと思います。先生はずっと前からそういうことを言っていて、これは全くそのとおりだと思います。医学教育というものが一人前の医師をどこで作るのかということですが、米国は4年のカレッジを出て4年の大学ですから、26歳で一人前のドクターになって、それから臨床を始めるわけです。他のヨーロッパ諸国はやはり24歳だと思います。日本は24歳で免許をもらって、それから2年間初期臨床研修をやって、そこから専門医のスタートをするという仕組みになっているのです。これを早いと見るか遅いと見るかというのは、いろいろな考え方があると思います。その辺のところは、なるべく早く一人前の医者にしたほうがいいというお考えの人もいるし、そんなに焦って医師を作っても仕方がない、もっときちんと普通の教育をしたほうがいいというお考えもあると思います。今後そういうことも交えて議論していただきたいと思います。
 前半ばかりやっていて後半が少しおろそかになりました。続いて、「募集定員の設定」から最後まで、この時間では全く足りませんが、全体をざっと眺めて、今後こういうところが重要なポイントになるであろうということについて一言ずつ御意見をいただきたいと思います。
 この部会は、7回、8回ぐらいになると思います。その間に議論を十分に尽くしていただく必要がありますが、余裕たっぷりという感じでもないことを御理解いただきたい。どう考えるかというのを、こう考えるのだと、きちんと一つ一つ合意に達しながら進まなければいけないことも御理解いただきたいと思います。では、後半について、どのようなことでも結構です。
○冨永委員 募集定員は後半に入れてよろしいですか。
○桐野部会長 はい。
○冨永委員 人口割りとか、医学部の定員割りとかは、へき地とか、地域が広いとか、医師派遣機能などということで設定されていますが、最初に臨床研修制度ができたときには厚生労働省と臨床研修病院が直接の関係であって、都道府県の関与がほとんどなかったのです。途中から都道府県の調整ということが言われたので、都道府県もまだ戸惑っていると言いますか、都道府県内の人員調整ができていないように思うのです。その辺の、都道府県と国との調整をしてもらうべきではないか。都道府県の権限と役割について国に指導して頂きたい。実際に県の調整がうまくいっていないのではないかと思うので、その辺を少し御指導いただきたいと思います。
○桐野部会長 論点との関係について何か事務局からありますか。
○医師臨床研修推進室長 論点整理の12ページ中ほどの?「都道府県の役割」にありますとおりです。先ほどは飛ばしてしまいましたが、現状どうなっているかを申し上げますと、今は基幹型の指定基準として、「地域医療の確保のための協議や施策の実施に参加するよう都道府県から求めがあった場合には、これに協力するよう努めること」という形になっています。また、地域における臨床研修病院群の形成を促進するために、「都道府県は、管轄する地域における各病院の募集定員について、各病院の研修医の受入実績、地域の実情等を勘案して必要な調整を行うことができる」とされています。また、都道府県、臨床研修病院、大学病院、NPO等で、臨床研修に関して関係者が協議する場、いわゆる地域協議会を設けて、臨床研修の質の向上等について検討・協議をすることが望ましいとされています。このような現状を踏まえ、論点として、地域協議会の活用の在り方を見直すなど、都道府県の役割や権限をもっと明確化すべきではないかという論点が挙げられています。
○桐野部会長 これは、国としてこのようにやるということを決めた以降については、都道府県においてそれなりにローカル・ルールでいろいろとやる余地があると理解すればよいということですね。
○医師臨床研修推進室長 そうです。
○桐野部会長 募集定員については、具体的に出てこないとなかなかおっしゃりにくいところもあると思いますが。
○中島委員 恐らく一番言いやすいのは地域枠についてではないかと思います。地域枠には様々なものがあることは事実ですが、地域枠については、やはりこの部会として方向性を出してあげることが必要とされているので、全体のマッチングの中に入れつつも、その地域できちんと育てていく、一旦は出ても必ず帰ってくる、いろいろなタイプがあるわけで、そこをきちんと設計しておくことが必要だろうと思います。
 もう1つ、非常に大きな問題になるのは、中断者です。中断される方をどうするかについては、もう少していねいに詰めておかないとまずいのではないか。その中で特に女性医師の中断の場合ですね、ここへの十全のサポートを国として決めておいたほうがいいのではないかと思います。
○桐野部会長 念のため、中断についての統計はこの資料の中にありますか。
○医師臨床研修推進室長 ございます。目次では3.、実際は80ページからです。中断の状況としましては、平成18〜21年度の平均として、研修医の1.3%が研修の中断を経験していて、年度ごと、大学病院と臨床研修病院で分けたもの、それと、合計を出しています。次の81ページには、中断の理由として、中断の48%が病気療養を理由とするものになっています。82ページは、大学病院と臨床研修病院で分けた場合の、中断の理由の傾向の違いを表でまとめています。83ページは、中断者の研修再開状況で、中断した研修医の62%が再開しています。理由別で見ますと、病気療養を理由に中断した研修が再開する割合が低い、詳細は右下の数のようになっています。
○桐野部会長 そうすると、100人を超える人たちがその後に復帰していないということですね。
○医師臨床研修推進室長 そうです。
○中島委員 病気療養の内訳は分かりますか。
○医師臨床研修推進室長 私どもが届出を受けるときに病気の内容までを書くように義務化はしていません。書いているところは出てきていますが、それで全てではないので、詳細まで把握しておりません。
○神野委員 今ここに挙がっている中断は、やむなく中断という方々ばかりですけれども、先ほどの研究医の話ともしつなげるならば、積極的中断、例えば基礎を学びたいために2年間基礎へ行ってまた戻ってきますとか、そういう積極的中断もあり得るような制度設計が必要ではないかと思います。確か、中断して再開しても補助金はもらえるのですね。
○医師臨床研修推進室長 そうです、期間内であればですね。
○神野委員 トータル2年間分の補助金が出るわけですね。
○医師臨床研修推進室長 はい。
○神野委員 ということですので、大学の単位じゃありませんけれど、単位を一部残して、あとでまた再履習のような制度、今のこのようなやむなくではなくて、研究医のところでもあり得るのではないかと思います。
○桐野部会長 それは堀田先生のワーキングでも議論されましたね。
○堀田参考人 神野先生も参加されています。大分時間をかけてやりました。
○桐野部会長 今、先生がおっしゃったようなことで、国として改善できる可能なことは是非改善していただきたいと思います。そのほか、後半にも多岐にわたるいろいろな検討項目があります。この部会は2時間なのですが、2時間では済まないことが多いらしいので、多少は時間をオーバーランすることをお許しいただきたいと思います。
○山下委員 後半、相当たくさんいろいろなものがあって、全部が大変大切だと思いますが、先ほど小川先生がおっしゃったように、ある1つの方向性をもって議論しないと、議論がまとまらないのではないかと思います。そういう意味では、医学教育との関連と臨床研修病院の形成というのは非常に大事だと思います。これが1つです。
 もう1つは、中断や修了に関しての自由度の問題も重要だと思います。中断に関しては、これはもう中島先生の御専門ですが、若い人と接していると人によって、クルクル変わるときにアダプトしやすい人と全くアダプトできない人がいるのです。指導医、患者、そういうものに非常にアダプトしにくい人は、つらがるのです。中断までしなくても、それは彼らにとっては相当につらい。じゃあ、そういう人たちはお医者さんに向かないかというと、そんなことはないわけです。要するに、自分のスタイルを確立するということがある。ですから、中島先生がおっしゃった、その内容が非常に大事であって、今は基本的なデータがないということですけれども、これは制度の根幹に関わることなのです。3か月、2か月とクルクルと変わって、それが勉強になりますという方もいるのですが、若い人にとってはものすごくつらい。特に自分の専門を持っていない、いろいろなことを勉強してねと言われるような目的だと、制度的な根幹に関わることとしてつらいということがあります。
 もう1つ、これは論点に入っていないのですが。全国医学部長病院長会議で、基本診療科18科の学会は専門医を出していますから、お医者さんは大体そこに属すると思われていたのですが、こちらで調べると、基本18科の学会に入会している人の総数が減っているようなところがあって、お医者さんの数は同じか少し増えているわけですから、おかしいのです。それが本当かどうかの裏が取れないでしょうか、ということです。要するに、基本の内科とか外科とか脳神経外科などの学会に入らないで、私は一生懸命お勉強していますというのは、相当優秀な人では大丈夫ですが、そのようなことがもしあるとすれば、これは一方向からだけの調査で本当かどうかは分かりませんが、各学会に入会者がどう推移しているかを出していただいたので、そんなにいい加減な情報ではないと思います。将来長期にわたって医者は修行しなければいけない、それを今まで担っていたのは学会です。その学会にも入らないような医師が本当に増えているのか、私は非常に危惧しています。ここの論点の中には入っていませんが。先ほどからの議論にあるように、初期臨床研修制度が原因であるという議論をしているのではないのです。こういう状況がもしあるとすれば、初期臨床研修制度で何かを考えなければえらいことになります。先ほど小川先生がおっしゃったように、非常に広い範囲の診療能力の中に自分の専門性があるのが理想的な医者の姿だとすると、本当に理想的な医者の姿をこの国は追求しているのだろうか、ということが非常に疑問なのです。もしできれば論点の中に入れていただきたいと思います。
○医師臨床研修推進室長 学会自体が任意の団体であるので、学会所属自体はちょっと分かりません。ただ、専門医取得の状況については、私どもは三師調査を行っており、その中の堀田先生にも研究対象にしていただいた調査の中では、30代で6割強が専門医を取っていますが、近年の経緯で見ると緩やかに減少していく傾向にはあるようです。それが学会所属かどうかまでは把握できない状況です。また改めて整理してお示ししたいと思います。
○桐野部会長 初期臨床研修制度以降、博士号を取るというモチベーションが少し下がりましたが、専門医はむしろ強化されているかと思ったのですが、そうでもないのですか。それは相当重要なデータですね。
○山下委員 もしこの部会で御請求いただければ、全国医学部長病院長会議でまとめたものがあります。多分、資料として出てくると思います。
○桐野部会長 お願いしたいと思います。
○神野委員 小森委員もいらっしゃいますが、何も学会だけではありません。日本医師会も生涯教育をやっていらっしゃいます。これはプライマリから地域医療に必要な教育をやっていらっしゃいますので、もし学会の人数を調べるのなら、若い医師会員のデータも是非一緒にお願いしたほうがよいのではないかと思います。
○桐野部会長 可能ならばお願いいたします。もうそろそろ終わらないといけませんが、あと、これだけは言っておきたいということがあれば、どうぞ。
○清水委員 この部会に入れていただいた理由の1つだと思いますが、女性医師の件は非常に大きな問題だと思います。いろいろなところで女性医師の再就業支援を大学や医師会などでいろいろやってくださってはいますけれども、やはり、M字現象が、結婚で辞める方は余りいないかもしれませんが、妊娠、出産後の育児の間のサポートはとても大切で、その辺の支援を、2年間だけにとどまらず、是非お考えいただきたいと思います。
○桐野部会長 今のもかなり重要なポイントですね。
○冨永委員 2年間のうち90日までは休んでもよいということになっていますが、育児まではいかなくとも、産前・産後で休んだ方は、復帰されていない方も表にはありますが、大体90日ぐらいで復帰されている方が多いのか、それとも90日をオーバーして、3年目に研修して研修終了したことになっている人が多いのでしょうか。どうなのでしょう。
○桐野部会長 それはデータがありますか。
○医師臨床研修指導官 次回、検討させていただきたいと存じます。
○桐野部会長 では、これも次回以降に資料を出していただくことにします。
○中島委員 もう1つ、非常に重要な課題としては、第三者機関による評価をどのようにやっていくかということを念頭に置いて、今後議論いただきたいと思います。
○冨永委員 それに関してです。高久先生が理事長をやっていらっしゃる臨床研修評価機構があって、全国で臨床研修病院の評価認定をしていただいています。需要が増えれば、そこの組織もどんどん大きくなると思います。医療機能機器の評価機構が病院の医療機能の評価認定するように、臨床研修病院の評価認定しています。これを活用いただき、広めていただきたいと重います。第三者評価ということでは、強調しておきたいと思います。
○桐野部会長 今回は自由に各先生方の御意見をいただきました。次回以降は、もう少し絞りながら、できればそれぞれの論点について大まかなまとめをしながら進めていければ一番よいのではないかと思います。次回からについては、場合によっては関係される方々からヒアリングすることが必要だと思います。事務局はこの点についていかがでしょうか。
○医師臨床研修推進室長 今後のスケジュールを含めて御案内を申し上げます。お手元の資料2、「論点整理(概要)」を御覧いただけますでしょうか。その一番下に「今後のスケジュール」を記載しています。一番下、平成27年度が見直し後の制度の下での研修開始で、これは5年ごとの見直し後の開始ですので、こちらから逆算しますと、その前の平成26年度中には、見直し後の制度に基づいた研修医の募集、すなわち定員の設定やマッチングがあります。ですから、その前の年の平成25年中を目途に本部会においてこの制度に関する全般的な評価と見直しを検討いただくことになります。
○桐野部会長 確認しますが、これは平成25年度中ではなくて、暦年の平成25年中ですね。
○医師臨床研修推進室長 はい。したがいまして、今年のできれば早いうちに、骨格についてはおおむね固まっている状況で進めていただきたいのです。それを念頭に置きますと、月1回ぐらいのペースで御協力を賜りたいと考えております。その結果、夏の8月、9月辺りには何らかの形で見直し後の制度の骨格が見えるような形にと考えています。
 部会長がおっしゃったヒアリングも含めまして、スケジュールについてはまた先生方にも御相談申し上げたいと思っていますが、取りあえず、次回は3月を予定しています。詳細は決まり次第に御案内申し上げます。
○桐野部会長 そのようなタイムスケジュールで、平成25年中の早い時期というのですから、夏休み明け、秋ぐらいには、かなり固まれば大変良いということだと思います。いずれにせよ、平成27年度募集には、ここでまとめたことについて最終的には省令を改正することになるのですか。
○医師臨床研修推進室長 それは御議論の中身によります。省令改正が必要であればいたしますし、施行通知の修正が必要であれば一部修正をするというような対応をさせていただきます。
○桐野部会長 本日は余り大幅には遅れずに終わりましたが、次回以降、もし議論が白熱してどうしても続く場合は15〜30分ぐらいまでの延長はあると御理解をいただいて進めてまいりたいと思います。御多忙の先生方には大変申し訳ありませんが、1か月に1回程度の頻度でやるということでありますので、是非この部会のためにスケジュールを空けていただければありがたいと思います。それでは、本日の医道審議会医師分科会医師臨床研修部会を終わります。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省医政局医事課
医師臨床研修推進室

直通電話: 03−3595−2275

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