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2013年2月20日 第13回社会保障審議会統計分科会生活機能分類専門委員会議事録

統計情報部企画課国際分類情報管理室

○日時

平成25年2月20日(水)14:00〜16:00


○場所

厚生労働省専用第17会議室


○出席者

委員

大川弥生委員長 石川広己委員 大日方邦子委員 木村伸也委員
木村隆次委員 齊藤秀樹委員 春名由一郎委員

事務局

辻田企画課長 谷国際分類情報管理室長

○議題

(1)WHO国際統計分類(WHO−FIC)ネットワーク年次会議(ブラジリア)の報告について
(2)ICFの普及・啓発の課題について
(3)ICFの普及・啓発のためのカリキュラムについて
(4)その他

○議事

○事務局
 それでは、予定の時刻を過ぎましたので、第13回「社会保障審議会統計分科会生活機能分類専門委員会」を開催いたします。
 各委員の先生方におかれましては、お忙しいところを御出席いただきまして、本当にありがとうございます。
 それでは、お手元の資料の御説明をさせていただきます。
 まず、一つまとめた資料として、次第がございまして、資料1、WHO国際統計分類ネットワーク年次会議の報告がございます。
 資料2−2として、グラフがあり、最後に資料3となっております。
 また、資料3の追加といたしまして、河原先生から出されました意見が一通ございます。
 あとは席次でございます。
 過不足等ございましたら、事務局までお申し出ください。
 次に、本日の出席状況でございますが、河原委員、坂本委員のお2人が御欠席の連絡をいただいております。
 なお、出席委員の数が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことを御報告させていただきます。
 それでは、大川委員長、議事の進行をよろしくお願いいたします。

○大川委員長
 では早速、議事1、昨年10月に行われましたWHO-FICネットワーク年次会議についての報告を事務局、お願いします。

○事務局
 それでは、資料をまとめましたものを1枚おめくりいただきまして、資料1でございます。「WHO国際統計分類(WHO-FIC)ネットワーク年次会議(ブラジリア)報告」でございます。
 今回、主催はWHO、ブラジルのWHO-FIC協力センター、PAHO、ブラジル保健省ということで、平成24年10月13日土曜日から10月19日の金曜日に開催されております。会場は、ブラジルの首都のブラジリアで、出席者については、WHO、各国のWHO-FIC協力センター、各国政府厚生・統計関係部局の方々、NGO、オブザーバー等で、総勢大体230名ほどです。
 主な議題につきましては、下にありますように、各種委員会の報告が行われまして、死因分類グループ、死因分類専門部会として議長選出等がございました。
 この中で、生活機能分類グループのほうでは、議長選出とICFのガイドライン、最終ドラフト提案がされました。今後は、EIC、教育のほうの検討を経る予定となっていること。あとICFの改正作業、これはICF-CY(児童版)と作成時に修正されたICFとの共通部分に関する小改正提案について、URC、内容のアップグレードの委員会のほうの提案に先立ち、検討が行われたということです、
 派生分類であるICF-CYをURCで討議することに対して、疑義が出されましたが、ICFとICF-CYを統合してURCで討議することが必要とされて、COUNCILに提出されたとなっております。
 あと、分類改正改訂委員会のほうでございますが、こちらのほうがURCと言われているものでございますが、議長の選挙があり、ICD分野では、総提案の48件、会議前に了承がとれたものが28件、会議中の議論で20件、そのうち4件が承認されております。
 日本から提案された3項目については、1件、修正上の採択、2件は来年度再提出という内容でございます。
 ICF分野につきましては、総提案が137件、会期中の審議では6件、受理が7件、否決が29件となっております。
 あとは、EIC、教育普及委員会でございますが、こちらでも議長の選出がございました。
 ICD・ICFウエブ・トレーニング・ツールについて、ICDトレーニングツールは、WHOのウェブサイトにおいてCDやダウンロード形式で提供されています。ICFトレーニングツールについても、導入モジュールの英語版とスペイン語版が完成したということでございます。
 トレーニング認定プログラムも、PAHO、アメリカの南北でございますが、地域のトレーニングツールとしてカリブ海地域と南アフリカでトレーニングを実施したということです。
 WHO-FIC普及データベースの進捗状況の紹介がございまして、国際コーディング試験についてということで、死因コーディングはパイロット試験が100の設問を用いて数カ国で行われた。あと疾病コーディングについても、パイロット試験が、日本、韓国、ジャマイカ、スリランカ、スウェーデン等で行われたという報告がなされております。
 ITC、情報科学・用語委員会のほうでございますが、こちらでも議長選出がございました。
 分類のための普及プロファイル開発を行うということで、ICD-OとICHI、医療行為のほうの開発を行うとなっております。
 あと、分類ブラウザー(ICD,ICF)及び改訂プラットフォームの支援、多言語化のサポートを行うということと、IRIS、死亡統計のソフトでございますが、IRISに関してドイツのDIMDIの中にIRISの研究機関を設置して、User Group内の情報共有化を進めるというふうになっております。
 現在、イタリア、フランス、ドイツ、スウェーデン、ハンガリーなどで、IRISのほうは運用されており、2014年には、ブラジルで完全導入を目指しているという状況です。
 国際統計分類拡張委員会(FDC)のほうでございますが、こちらも議長の選出があり、ICHI、医療行為のα版のほうが継続的開発を行うとして、今回、初めて冊子としてα版が提出されたという状況です。α版については、中国センターのほうが相当てこ入れをして、内容をつくっているということになっています。
 診療報酬の医療行為のリストとはちょっと違いまして、予防処置等も入った内容での項目が、今、立てられているということです。
 今回は、FDCの本体から切り離してプロジェクトを継続して、電子化された分類として、ICD改訂から2年後の完成を目指すということでございますので、2年後にICHI合意のほうが決まるという予定でやるということになっています。
 全体会議といたしましては、諮問委員会としてWHO事務局から金融危機の余波によって、40億ドルの予算要求に対して、WHO加盟国は25億ドル分のみ承認したということで、その影響はWHO事業に及んでいるが、ICD改訂、健康及び生活機能の指標による、世界の健康の測定などの事業はWHOの優先的事業として守られているとの報告がございました。
 WHO-FIC協力センターの指定状況については、ノルウェー、タイ、韓国が協力センターとして新たに指定されたほかに、スペイン、英国、ハンガリー、クウェートの4カ国が再認定手続中で、キューバが申請手続に入るということが報告されています。
 ICFとICF-CYの統合に関する決議案がFDRGより提示され修正の上承認されました。
 共同議長の選挙ということで、各委員会の議長選挙が行われております。
 ポスターというのをWHO-FICの年次会議では、それぞれ各国から出していますが、ポスター・アワードの授与をやり、110のポスター提出で、5団体が選ばれました。次回の会議の出席費用が免除されるというものでございます。
 日本はICTMの担当をされております慶応大学の渡辺先生が受賞されています。
 あとは各グループの中間年次会議のEIC(2月)、FDC(6月)、MRG(4〜5月)を予定しているということ。
 次回のWHO-FICネットワーク年次会議は、北京にて今年の10月12日〜18日を予定しているということです。
 全体会議の中で、ICDの改訂のほうでございますが、ICD revisionに関する現在の進捗としては、ICD-11については、デジタル化した新たな分類であるが、基本的な考え方やコンセプトはICD-10よりそれほど大きくは変化していないという点。ICD-11の特徴としては、多言語対応であることが挙げられています。
 ICD-11の背景には、foundation、ontology、linearizationの3つの分野というか、レイヤーが存在していて、また、ICD-11は、コンピュータを用いたオントロジーの原理を取り込んだ分類であるとされておりますが、実態的にはまだはっきりしていないというのが現状かと思います。
 Timelineといたしましては、ICDαフェーズは2012年5月に終了いたしました。現在、βフェーズは2012年5月から2015年までの間で予定されております。βフェーズというのは、レビューの実施とフィールドトライアルをやるということで、現状WHOのほうではどうやるかということを検討しているようでございますが、昨年中にフィールドトライアルのほうは、方法論等が出るというふうに担当官のほうからは報告を受けていましたが、結果的にまだ出ていない状況で、大体半年ぐらいおくれているのかなという感じでございます。
 2015年のWHAにおいては、基本的なlinearizationの結果のみが提出されて、作業が引き続きということでございますので、ICD-11については、2015年に完結するというものではなく、その後も作業が継続されるようでございます。
 TAGの作業配分の件でございますが、全ての疾患については1つのTAGがアサイン(Assigned TAG)とされており、Assigned TAGは、primary responsibilityとして与えられるということなのですが、今、現状としてICDのほう、ICFとは違うのですが、ICDのほうがTAGというグルーピングの中で、それぞれの分野の検討を行っておりますが、例えば、内科分野とレアディジーズ、希少疾患の分野が、一部疾病がオーバーラップしていて、その部分の定義づけのところでいろいろと用語の使い方の違いであるといったようなものが課題になってきているということです。あと、Foundationとlinearizationですが、基本情報をいろいろ言っているのですけれども、実際にシステムとしてははっきりしていないのですが、チェアのほうがアメリカのメイヨー・クリニックのクリスチュートという方ですけれども、彼からは、2015年は基本的なものを出すぞということを言っています。
 ICDのコードについては、今、4桁コードを使っておりますが、現状は7桁、ここであるように、3桁、4桁でつくってはどうかということ。インデックスについては、Foundation layerについて、インデックスを活用してlinearization、要するに目的に応じた分類の再創成というのですか、要するにエクセルで言うところのソートをかけるようなイメージで系統立てを変えるようなコンセプトをもってやっているというところでございます。
 ポストコーディネーションとプレコーディネーションといったいろいろなコードづけのところが相当複雑で桁数が増えているのですが、そこらあたりの具体的なコードの振り方については、まだはっきり決まっていないということです。
 ICD改訂については、レビューを今後行って、要するにTAGでつくったものを査読者に見てもらって内容のチェックをするということですが、科学的な正確性の確保といったようなことの説明があり、レビューの方法としては初期レビューとしてはlinearizationによる構造とコンテンツのレビューを行いますと。今、やっているということですが、先日のIM-TAG、内科のTAGのほうでは、5月ぐらいから真剣に実際にやる予定というような話も出ております。
 レビューのユニットとしては、linearizationの全体レビューということで、章や大項目、中項目、あとはコンテンツ、各項目のレビューというものが出ております。
 日本からは、日本医学会のほうに依頼を出しまして、そちらから各分科会のほうに依頼を出し、今、取りまとめてWHOのほうにレビュアーの登録を急いでいるところでございます。
 ですので、日本は内科TAGを担当しておりますが、ほかのTAGについてもレビュアーを推薦していくことで、ある程度ほかの情報も確実に得られるという体制をとりたいと思っております。
 3)フィールドテストということで、ICDの適用性、妥当性についてフィールドテストをするということになっていますが、これは初めての試みで、実際にどのような方法をとるかはまだはっきりしていないということです。
 予算面についてもはっきりしないところが多く、こちらも情報を得たいとして、いろいろ集めてはいるのですが、はっきり決まっていないのが現状で、先行で今回のICDからはトラディショナルメディシンとして、23章の伝統医学の漢方が入るということで調整をしておりますので、そちらが先行事例として動くのではないかということで、漢方のほうは日本、中国で所管をしていますので、そちらの情報を踏まえながらやるということと、精神のTAGのほうについては、精神のほうで昔からフィールドテストをやっているということですので、そちらは実際の患者さんの診断についても行うということで、漢方のほうはどちらかというと、事例に対するモデル化されたものの診断の方向で、今、話が進んでいますが、精神のほうについては、実際の患者ということで、どの辺にICD本体のほうがやるかはわかっていないということです。フィールドテストについても、まだ連絡は来ていないということが実態です。
 ポスターセッションですが、ここにございますように、渡辺賢治ICD専門委員と日本病院会日本診療情報管理学会の横堀さんが選ばれて実際にオーラルでの発表を行っていただきまして、渡辺先生がアワードを受賞したということでございます。
 以上でございます。

○大川委員長
 御説明ありがとうございました。
 事務局からの説明に関しまして、何か御質問ございますでしょうか。
 どうぞ。

○春名委員
 ICFに関連するところでいうと、ICFのガイドラインとか、ICFトレーニングツールとありますけれども、これはタイムスケジュール的にはどういう感じでできてきて、日本語版とかはどういうふうな感じでつくるのでしょうか。

○事務局
 まず、タイムスケジュールを含めて議論中というのが実態で、実際には幾つかウエブ上にもあるのですけれども、これからどう見直すかというのが、CYとの統合も含めて、中身の検討が行われているということで、電話会議でやっているというのが実態です。日本語化のほうは、一部手をつける準備はしているところですが、まだICFの日本語化のほうは、具体的にどこかというのはない。比較的費用もかかってくるのと、ウエブのサーバーの設置とか、コンテンツの設置というのが出てきますので、その辺でまだまとまっていないところです。

○大川委員長
 ほかいかがでしょうか。
 では、議事2に入らせていただきます。
 昨年12月に行われました第3回のICFシンポジウム「生活機能分類の活用に向けて」につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。

○事務局
 グラフが入っている資料2−2をごらんください。
 まずは、幾つかアンケートを行っておりますので、そちらの説明も含めて行わせていただきます。開催は昨年12月13日に、みらいCANホール(日本科学未来館)で実施しております。参加者は151名、アンケートの回収としては102枚、回収率は67.5%となっております。
 アンケートについては、どのような経緯で知ったかということについては、ホームページ、知人、友人からというのが多く、あとは学会の案内というのが大多数でございました。
 シンポジウムの参加理由については、「職場等でICFの活用を検討しているから」というもの、「ICFを研究している」、「福祉・医学分野の研究に興味がある」ということで、こちらがほとんどです。その他としては、介護過程の展開で活用であるとか、それぞれの個別の意見が入っておりました。
 内容、テーマについては、「大変よく理解できた」ということと、「理解できた」という二つで大体おおむね8割方で、「普通」というのは、ある程度理解できたということかと思いますが、それも17%で、「理解が困難だった」ということが4%というふうな結果になっております。
 シンポジウム自体については、お手元に当日配布した冊子をお配りしておりますが、この冊子がシンポジウムの中身になっております。今回、御出席いただいております委員長の大川先生、大日方先生にも御講演いただいております。
 現在の活動または今後の方向性についてというのは、「大変参考になる」というふうな結果が大体6割ぐらいになっております。
 今後、ICFに関するシンポジウム等に対する参加の希望については、7割弱程度が「希望する」。「テーマによっては希望する」が33%ということで、ほぼ希望していただいているという状態です。
 今後どのような形式の催し物に参加を希望するかということについては、講演・シンポジウムが大体7割弱、少人数を対象としたセミナーというものの希望が3割程度ございました。
 年齢分布、性別等については、こちらのような状況で、勤務先につきましては、やはり福祉関連機関が一番多く、次に医療機関、教育機関というふうな順番になっています。
 最後でございますが、アンケートの中で、実際にシンポジウムをやったときに実は専門用語が比較的わかりにくいという記載もございました。その中で、代表的なものをここに6つ挙げさせていただいておりますが、まずそもそも生活機能分類とは何かと、ちょっとこれは中身を知っていただかないと言葉自体の説明は難しいのですが、生活機能モデルであるとか、医療モデル、社会モデル、統合モデルといったそれぞれの言葉、心身機能・構造であるとか、環境因子の定義であるとか、個人因子の定義といったものがちょっと難解だったなということで、言葉がわからない部分をどうわかりやすく平易な言葉で伝えていくかというのも、今後の普及には課題になってくるかとは思っております。
 実際のシンポジウムでございますが、時間的にもぎりぎりのところで、ディスカッションのところが少なかったということは、事務局の運営上も反省している点でございますが、まず大川先生から全体的な話をしていただきまして、東京都医師会長の野中先生からICFへの期待ということについて。あとは日本介護福祉士会から舟田先生、高橋先生からリハビリテーション病院としてどう具体的に使っていくのか、認知度はどうかといったもの。大日方委員からは、ICF、患者のサイドからどうなのかということでお話をいただいております。
 詳細につきましては、こちらの資料をごらんいただければと思います。
 以上でございます。

○大川委員長
 御説明ありがとうございました。
 大日方委員、パネリストとして御参加いただいたのですが、何か御感想・御意見ありましたら御追加いただければ。

○大日方委員
 ありがとうございます。今回、初めてパネリストとして参加させていただきました。私からは、こちらの冊子にもあるように、専門的な立場というよりは、当事者から見るとどういう形なのかなというのを自分自身のケースを事例に挙げまして、ICF的に捉えるとどうなるのかというようなことをなるべくわかりやすく御説明したつもりでおります。
 全体に、今回は一般的な方々にもわかりやすい内容になってきたのかなというふうに感じております。
 ほかの先生方の発表も、比較的身近に感じられるものだったのではないかなと。特に具体例もありましたので、知人も何人か参加しましたけれども、初めてICFというのを聞いた人も何となくわかったような気がしたと。何となくなので非常に正確な形ではないですけれども何か必要なことなのだなということはわかったというふうに言われておりました。
 後半の時間が押してしまって申しわけなかったなというふうに思っております。
 以上です。

○大川委員長
 ありがとうございました。木村委員は、御参加いただいたかと思います。御意見ありましたら。

○木村伸也委員
 10分ほど早く席を立ってしまったので、ディスカッションを聞けなかったのですけれども、今回は、大川先生のお話は、私、何度も伺っているのですけれども、やはりお話を聞くたびに、理解の角度がちょっとずつ変わるという意味では非常に参考になりまして、何度聞いてもいいかなというような感想を持ちました。
 その後の先生方のお話、委員のお話ですが、どのお話も具体的な例から出発しておられて、参考になることは非常に多かったです。野中先生のお話は、地域医療の中で生活を支える医療、生活に志向する医療ということでお話しされて、非常に感銘を受けたというか、非常によかったなと思っております。
 そしてまた、次のフェーズは介護ということで、介護のお話も非常にICFのモデルとか概念とか、活用の仕方というのは非常によく理解をしていらっしゃると思いまして、非常に興味深い、こんなにいきいきとやっているというのが伝わってきまして、非常にこれも印象に残る発表でした。
 大日方委員の患者さんの立場からのお話、実はこれが非常に決定的に重要なのではないかと思うのですが、私たちが医療の現場で忙しい中で、実は見失いがちなのは、本当に患者さんが求めているものは何かということが時々見えなくなっているという感じが特にするのです。
 最近、急性期、回復期リハ、その後という感じで、時間で区切られて、時間に追われてやっている仕事の中で、本当に患者さんが必要としているものは何かということが見えていないということがよく起こっているのではないかなと思って、それに対しての一つの患者さん側からのいろいろな生活機能、ICFモデルに基づく提起がそれを即解決する一助になるのではないかということで、これもまた非常に印象に残りました。
 ただ、こういうふうにICFのことを日常的に理解してお使いいただいている方々の話は非常にわかりやすくてよかったと思うのですが、その辺のあたりがちょっとうまくいっていないというか、まだ理解が十分に行き渡っていないところでやっているような形ですと、お話がわかりにくくなるという気はしたので、これからシンポジウムやパネルディスカッションを行うとしたら、やはりICFを日常的に理解して使いこなしているような人を選んでいただいたほうが参加者の方にも非常に参考になるのかなというふうに私は思いました。お願いします。
 以上です。

○大川委員長
 どうもありがとうございました。ほかの委員の先生方、いかがでしょう。今後の進め方であるとか、開催するべきかどうかも含めての御意見でもよろしいと思います。
 では私から質問よろしいでしょうか。
 4ページのアンケートの結果ですけれども、「分かりづらいと感じている用語は何ですか」が自由記載でありますけれども、これは何人ぐらいの方がお答えになったのでしょう。

○事務局
 個々の項目について、何人ずつという質問ですか、それとも全体として。

○大川委員長
 全体で結構です。

○事務局
 全体で大体20名ぐらいがこういったコメントをされています。

○大川委員長
 20名ぐらいですね。委員の先生方はおわかりかと思いますが、これらの用語はICFに関しては基本であって、これがわからなくて、ICFの議論を本当の意味で御理解いただけたかなと疑問があります。
 ICFのシンポジウムに御参加いただいている方々は、研究者、教育関連施設、医療関連施設またはICFを研究している方が32%というふうにある程度ICFを御存じの方もいるけれども、一方で非常に基礎的なレベルで、ICFとはどういうものかをこの機会に勉強しようという方もいらっしゃる。参加対象者は、1回目のときからどういう人をターゲットとしてシンポジウムを開くべきなのかということは検討課題になっていたと思うのですけれども、今回もビギナーの方から研究者まで含まれていたなという感じがあります。
 このこと含めて、今後のシンポジウムはどういうふうにすべきかを考えていくことが必要かと思っております。
 どうぞ。

○木村伸也委員
 結局、こういう問題を理解していただくには、例えば大日方委員がお話ししていただいたような内容をもう一度、例えば大川委員長が整理して、概念との関係を説明するという、そういうものがあると、もっと理解が促進されるのかなという気もしたのですが、いかがでしょうか。

○大川委員長
 御参考までに紹介したいと思いますけれども、このシンポジウムが開催された1週間前に、内閣府の障害者週間連続セミナーとして「障害当事者におけるICFの活用」が開催されました。厚労省でのICFのシンポジウムは当事者の参加を拒絶するものでは全くありませんが、専門家をターゲットとして開いてきたわけです。今回初めて、当事者によるICFの活用について、今、木村委員がおっしゃっていただいたように、大日方さんが御自分の生まれたときから、肩脱臼の手術のときに、どういうふうに考えていくのか、どう医療職と連携するのかを、そのときにICFの考え方がどう役立つのかを、具体的な御自分の例を御紹介いただき、私がそれを更にICFで詳しく解釈するとどういうことかと説明しました。そして更に大日方さんからコメントをいただいて、というように、二人のかけ合いみたいな形で、2時間、時間を十分にもらいまして議論しました。幸いに大変好評でして、専門家からもICFは「当事者でも活用できるのだ」「当事者とうまく話すためにICFはこういう活用の方法があるのだ」ということがわかったという御意見をいただきました。そういう取り組みも、また別の機会に深めていければと検討しているところです。
 大日方さん、何か追加ありましたら。

○大日方委員
 私も、どこがターゲットなのかなというのは、3回を通してやはり難しいなというふうに思っていて、4回目を開くのに当たっては、そこのところを明確にしていったほうがいいだろうと。いわゆる初めて生活機能分類は何かということを知りたい人にもっとより広く普及していく、啓発していくものなのか、今のような形で専門家の方々が中心のシンポジウムでいいのかというところは、議論の余地があるかなと思っています。
 今、木村委員、大川委員長から言っていただいたように、事例を取り上げてやるということは、非常にわかりやすいのではないかなと思いましたので、委員会としてモデルケースというか、私を使っていただいてもいいのですが、具体的ケースを議論したうえで、生活機能分類の中ではどういう解釈なのかというようなところをより具体的な形で出せれば、正しく伝わるのではないかなと。それにはそれなりの作業量であるとか準備というものもしっかりと必要であろうと思いますし、皆様のお力を借りないとなかなかできないのではないかなと思っております。
 

○大川委員長
 大日方さんがおっしゃいましたように、実は大日方さんと私はかなり以前からのお付き合いがあるものですから、以前の職場での状況も存じ上げていましたし、今回も内閣府連続セミナーの前におうちに伺って、実際の生活していらっしゃる現場でいろいろ細かいことを拝見し、という準備をしました。
 そういうこともやっているわけですが、また何か別の御意見なり、ありましたらば。
 どうぞ。

○春名委員
 4ページのところの確認ですけれども、質問は、シンポジウムを聞いた後でまだ何かわかりづらいということを聞いているわけではなくて、もっと一般的にわかりづらいという意味ですか。

○事務局
 ここは自由記載欄について記載があった部分で、用語がわかりにくいということが内容的に多かったということでございます。

○春名委員
 これは「ICFの〜感じている用語は何ですか」というふうに聞いたわけではないのですか。

○事務局
 上にある「ICFの普及にあたり、分かりづらいと感じている用語は何ですか」、これが質問項目でございますので、そういう質問に対して、こういう用語が挙がってきたということです。

○春名委員
 これはシンポジウムを聞いた後になおということは特に聞いていなくて、一般的にわかりづらいというふうに聞いたものですね。

○事務局
 シンポジウムの後に書いて提出していただいておりますので、聞いた後というのが物理的な関係です。その上で、聞いてどうだったかという聞き方ではなくて、普及に当たりという質問項目で聞いているということです。


○大日方委員
 恐らく、いろいろな方がいらっしゃっていたので、御意見をいただいた方の中には、生活機能分類とはそもそも何だろうという、専門家ではない、医療や福祉の方でない方も結構いたと思うのですが、我々が考えなければいけないのは、生活機能分類という言葉は間違ってはいないのですが、今後、もしこれを普及させていくときに、この言葉でいいのかということだと思います。
 生活不活発病という言葉を作って、理解が進んだというような事例もありますので、そういう一般の方々により普及させていく段階において、この言葉を一言で説明するならこういうことですとわかりやすい表現も必要かと思います。私もこの委員をやっていますと生活機能分類とは何か非常に説明を多く求められまして、なかなかコンパクトには説明し切れないので、最低5分、10分説明しますが、首をかしげながら何となくわかりましたみたいな感じなので、一般の人に普及させるということであれば、もう少しわかりやすい言葉というのも一つの選択肢あるいは検討材料という意味では有意義かなというふうに感じております。
 

○大川委員長
 ほかに何かありますでしょうか。
 木村委員、どうぞ。

○木村?次委員
 アンケートの1ページ目のところです。2番目のスライドで、「本日のシンポジウムに参加された理由についてお聞かせください」という中で、「その他」のところの真ん中あたりに、「使おうとしているがうまく使えない」とか、「入院(急性期)から、在宅まで共通言語として、使用するには、自分がよく知らないといけないと思っているから」とあるわけです。
 今後の普及していくところで、領域がいろいろあるのですが、こういう参加された理由をもう少し広めに集めて、そしてこの後の普及・啓発の企画に活用するということがひとつ大事だと思います。
 次に、私も最近、ICFを絡めてというか、リハビリテーション前置ということでの自立支援型のケアマネジメントという話をすることがすごく多くて、そのときに引用させてもらっているのが、資料集の16、17ページ。東日本大震災以前の新潟沖地震のあたりから大川先生からいろいろ教えていただいた内容です。例えば高齢者になったからとか、そういうことではなくて、震災があって避難所にいて、いわゆるいつもと違う環境にあって動かないでいると誰でも生活不活発病になるのだということです。とてもこれはイメージしやすいと思うのです。だから、できることをしなければおかしくなってしまうということが、当然、ここにいる委員の皆様には釈迦に説法ですけれども、そういうことを地域住民の人にわかりやすく話をしていくことが大事なのかなと思っています。
 ですから、利用する側というか、このICFという考え方、それを日常生活に置き換えた形で普及・啓発していかないと、国民に入っていかないのだろうということがあります。
 それからもう一つは、参加した人たちの「その他」にメディアが入るのか。いわゆる新聞記者、テレビの方という人たちがICFということに興味を持って、きちんと理解して報道していかないと、やはり国民的にはきちんと入っていかないのだろうなと思いますので、メディア活用というところも提言したいと思います。
 以上です。

○大川委員長
 ありがとうございました。
 齊藤委員、どうぞ。

○齊藤委員
 重なっている部分もあるかもしれません。
 アンケート調査の中の参加された理由の中で、職場で今後、活用を検討するが3割というのは、ある意味内容的なものの理解度は別にして、そういう方向にあるというのは、心強いことだなという感じで見ました。
 さらに、それを研究しようとするお立場の方も今回は参加されているということは、関心を非常に強くされている方々がお集まりなのだろうと。しかし一方で、全体的には評判のいい結果になっているにもかかわらず、先ほど来から議論されているところでは、基本的なところの共通の理解がまだまだ十分でないということがよくわかったということなのだろうと思うのです。
 このことは、今後大事なことだと思っておりまして、資料の37ページに「介護福祉士像」という資料がありまして、12本の柱が立っている?のところに「多職種協働によるチームケア」というのが出ております。これは隣の木村委員もそうなのですが、介護の側から見ると、どういうふうに対象者にアプローチをして、その人の自立を高めていくかというのは、大きな課題になっていて、本当に今やっていることが自立につながっているのかという疑問も多くの方々から出されている現状です。
 医療と介護もしくは福祉の連携という非常に密接な兼ね合いのあるところでも、共通の理解が得にくい。共通理解した上で対象者にどうアプローチするのか、極めて実験的な場であるのだろうと思います。
 例えば、今、老健局では、介護の問題を地域の課題として捉えていくということで、地域包括ケアシステムを広めています。病院からは早く退院していただいて、地域でそれを支えるのだという方向性が示されているわけでありますし、そういった方々を地域でどういうふうにケアしていくのかということが問われています。地域ケア会議では、関係者が集まって、自立の支援に一番最短距離でアプローチしようではないかという試みがされようとするときに、ICFは大きな戦略上のツールになるのではないかなという感じがいたします。
 ですから、一般の方々、むしろ私ども高齢者側が理解をしていくということも、とても大事なことだとは思いますが、それ以前にやはりそこにかかわっていく専門職の方々の中では、少なくともこんなことはとうに終わっているよという話がここ数年の間になされていくことが、日本の社会保障全体にとって大きな意味を持つほどのインパクトがあるものではないかなと思っております。難しい課題ではありますけれども、どういうふうにそしゃくしておかゆ状態にして、みんながのみ込みやすいといいますか、そんなことがどうすればできるのかというのが、恐らく委員会の最大のミッションではないのかなというふうに感じましたので、発言させていただきました。

○大川委員長
 齊藤委員に御指摘いただいたような内容を踏まえながら、検討を進めていくべきかと思います。
 いずれにしましても、第3回のICFのシンポジウムは、特に医療現場、これには医療現場と介護等々の連携も含むわけですけれども、そこにおきますICFの活用のための課題と対策を明確化するということが目的でしたが、その目的は十分に達成できたと思います。
 ただ、残念なことに、それぞれいいプレゼンテーションをしていただいたのですが、議論の時間が不十分だったために、相互の関連性を十分に深めることができなかったのはちょっと残念かなと思っています。
 野中先生が、具体的な実際の臨床現場から出た具体例を理念的にまとめて、患者さんの生活や人生を支えることにICFを活用していくことの有用性を、非常に的確に御指摘をいただき、また介護現場の舟田さんはよくICFを活用している具体的内容をプレゼンテーションしていただきました。その辺を大日方さんの患者さんとしての立場も含めて、もっと議論を深めることができればもっとよかったのかなという、ちょっと欲張りな希望を最後に述べさせていただきます。
 またアンケートの結果は、どういう方のお答えかという背景と一緒に分析をなされば、もっと深まってくるのではないかと思います。
 では、議事2はこれで終わりまして、議事3の「ICFの普及・啓発のためのカリキュラム」について、進めさせていただきます。
 シンポジウムでのアンケートや議論でもご指摘いただいたように、ビギナーの方も結構いらっしゃる。齊藤委員からもありましたように、もっと知りたいという方がいらっしゃることは、非常にいいことであります。そこで、普及を進めるに当たり、まずICFに関しての基礎知識を学び、その上で統計とも直結するコーディングに進むことが必要なのではないかと思われます。
 資料3をごらんいただけますでしょうか。
 これは、専門委員会がスタートしたときから検討課題として常に議論になってきたところのトレーニングコースについての提案です。ICFの本だけを見るのではなかなか理解ができない。また、それだけで自由過ぎるように解釈をなされても困るので、やはりトレーニングコースが必要と考えられます。そこで今回、事務局と私が御相談をいたしまして、「ICFのトレーニングコース(基礎編)」ということで案をまとめましたので、これを素案としまして、御議論いただければと思います。
 トレーニングコースといいましても、対象者をどういう人に置くのかで、内容は、違うべきだと思いますので、まず基礎編ということで、その中でも、専門家向けとして考えたものです。
 「1.目的」は、広範囲の専門家、これは特に専門家の種類は問いません。それがクライエント、すなわち患者さん、利用者さんであったり、教育の現場では生徒さんであったりを、よく理解しその「最良の利益」の実現に役立てるために、ICFを理解し、活用できるようになるための基礎を学ぶことであります。
 これは、今までのシンポジウムの中でも、いわゆる現場の効率をよくするためにとか、現場の専門家のためにどう使うかということを主としてお話しになる方もいらっしゃったのですが、今回のコースはクライエントの「最良の利益」ということがまず前提としてあって、その上で、それを実現するために、いかに効率的・効果的に現場の臨床家も動くのかというような基本的なスタンスは一応確認をさせていただき、その上で、こういうコースを設定できればと思っております。
 コーディングをするにしましても、基本がわかりませんとコーディングには結びつかないと思いますので、コーディングの前提ともなる基礎的なコースです。
 「2.具体的な対象者」は先ほど申しましたように、各種さまざまな全ての専門職で、人に接する専門職として考えると、該当しない専門職はいないのではと思います。「(当事者を除く)」と書いておりますが、排斥するわけではありませんで、出席なさりたい方はもちろん歓迎です。これまでICFについてのトレーニングコース的なものは、日本障害者リハビリテーション協会の主催で長年続けてきましたが、やはり当事者向けと専門家向けはかなり違うものだと実感しておりますので、今回はまず専門家向けと考えております。
 「3.期間」は、これまでの経験上、2日間はないととても難しいのではないかと思っております。
 「4.具体的内容」になりますが、大きくは2つに分かれます。
 1)は生活機能という基本的な概念の考え方について、2)はICFの分類とコーディングになります。
1)の「生活機能とは」の具体的内容を挙げますと、まずICFとは、どういうことを捉えるものなのかということで、一言で言えば、「生きることの全体像」についての、共通のものの考え方である、「共通言語」であるということ。
 次に、「生活機能モデルについて」、そして『「生活機能」とは心身機能・活動・参加の包括概念』、次いで「マイナスもプラスの中に位置づけて」と、「生活機能に影響する健康状態と背景因子」。
階層性の意義が十分にわかりませんと単純化されてしまうので、「階層性の意義」に関しましては、かなり強調したいところです。
 また、前回の委員会でも議論になりましたが、社会モデルや医学モデルとを対立的に、最近の障害関係では議論されておりますが、ここでICFの「統合モデル」について御理解いただくことが、今後の医療や介護や福祉の中では大事かと思います。
 「活動」の実行状況と能力の区別、これは臨床上は大事なことかと思います。シンポジウムのときに舟田さんもここを強調していましたが、これが具体的な活用の入り口になる職種は多いと思っております。
 次に、「4−2)ICFの分類とコーディング」です。もちろん分類とコーディングは、4−1)の説明の中でも説明はすることになりますが、更に詳しく、まずWHO-FIC全体の中での位置づけを明確にし、次にICFの分類の原理と構成、「共通言語」としてのとらえ方としてのコーディング。ICFの活用の実際と評価点、環境因子の評価点の特に促進因子、阻害因子としての見方、「生活機能整理シート」の活用について習得して頂くようにする。
 個々の項目ごとのコーディングまでいくには、これは2日では足りませんし、また、大分類まではこの基礎編の中で含むこととし、それ以下のもっと細かい分類にまでは深めず、コーディングに関しましてはここでとどめたいと思います。
 一応これをたたき台としまして、御議論いただくとありがたいと思っております。
 具体的内容は、第1回委員会のときに、その時点でもトレーニングコースを設けようという話がありましたので私が今説明しました内容についてまとめたものがあり、議事録としてホームページにも掲載されております。大体その内容だとお考えください。
 また、5回目の委員会のときにプレゼンさせていただいた資料の内容も含まれてきます。
 では、御意見ございましたらどうぞ。

○大日方委員
 質問なのですけれども、資源が限られていると思うのですが、このトレーニングコースというのは、シンポジウムにかわるものという理解ですか。

○大川委員長
 それは全く別ものだとお考えいただければと思います。
 シンポジウムはあるテーマに沿ってもっと深めていくということで、それはそれでとても大事なことかと思います。という説明でよろしいでしょうか、事務局。

○事務局
 それでいいと思いますが、まずはこれをやるというのではなくて、まずこういう普及・啓発を検討するのがこの委員会でございますので、その中での1つの教育というものを鑑みたときに、こういった内容からのアプローチはどうかという提案を委員長から受けているということでございます。こういうもののまずたたき台ということで、これがまた変わっていくなり、追加していくといったものの議論がされた上で考えなければいけない点だと思います。

○大日方委員
 であるとすると、もちろんこういうことが絶対的に必要だろうというふうに思う上で、どちらを先にするのかというところで、いわゆるICFを実際にコーディングまで使っていく人たち向けにこういう形をやろうということなのか、普及という名のもとに、初めて生活機能分類を知ったとか、概念をもうちょっと知ってほしいというところなのか。ここは統計分科会なので、コーディングできるところというのがもちろん最終だと思うのですが、より広く普及していくということよりも、まずは現場医療・福祉現場の人たちにもうちょっと活用してもらおうというところに進むという理解でよろしいですか。

○大川委員長
 ほかとの関係はともかくとしまして、今回提出させていただいていますトレーニングコースの内容は、まず問題意識の背景としましては、ICFということ自体はいろいろな国家試験にも出ているわけですし、いろいろな方がいろいろな本だとか論文を書かれていますが、やはり正しく御理解をいただくことが不可欠だということです。まずはきちんとしたトレーニングコースをつくるべきではないか。普及も、正しく普及する必要があるということです。

○大日方委員
 それは現状、正しく普及されていないという理解でいいですか。

○大川委員長
 正しく御理解いただいていらっしゃる方がいらっしゃることも事実だと思います。
 ですが、不十分な方々がいらっしゃることも確かと思います。トレーニングコースがきちんとあればいいのだけれどもという御意見は非常によく聞くものですから、提案したわけです。
 先ほどもお話ししましたように、日本障害者リハビリテーション協会でやる場合は、通常は大体4時間ぐらいで、それではちょっと短い時間です。またもっと深く学べる機会がもっと広くあればという意見を多くいただいています。
 それから、木村委員ともご一緒にした事業ですが、介護支援専門員の方々を対象として各県で、今回提案しているICFのトレーニングコースに近いようなものとして、ケアマネジメントにおけるICFの具体的活用ということに重点を置いたトレーニングコースを大体1日コースで私もしくは私の恩師の上田先生かどちらかというように、ICFを十分にわかっている人だけが指導することをしました。あれはかなりきちんとした教育ができたと思っております。
 そういうことも、過去の事例としては経験を積んでいるものですから、具体的な提案の中にそういうことでの経験も反映させて、提案させていただきました。
 事務局がおっしゃるように、やるべきか、やらざるべきかとか、もしやるとしたらこういう内容でやるべきかの議論は、大事な内容ですので、きょう御欠席の2人の委員の方々には、書面で御意見をいただいており、事務局、御報告いただけますでしょうか。

○事務局
 資料3の追加で1枚ぺらでつけていますのが、河原先生からの意見です。坂本先生からも意見をいただいておりますが、こちらのほうはちょっと急だったものですから、私から口頭で説明させていただきます。
 まず、河原先生からは、「ICFの実用化・普及に向けた1つのプロセスとして、非常に重要な事柄と考えます。このトレーニングコース案を効果的にするためにも、下記の事項を十分審議してほしいということで、「わが国においてICFの概念形成、ニーズ把握、使用する目的、行政施策間や収集している統計データ間の調整、関係者・関係部局との調整、利用方法の決定、システムの変更やそれに伴う人員・設備等の変更に伴う財源の確保、関係者への周知などICFの普及のためには基本的諸条件の整備も必要」だという点、「ICFの実用化・普及に向けた工程表の中でトレーニングコースの位置づけを今後考えていく必要がある」のではないか。」
 要するに、トレーニングコースありきではなくて、全てのプロセスの中でのツールとしてのトレーニングコースというのを考える必要があるのではないかということかと思います。
 坂本委員からは、「まず、この内容としては基礎編として位置づけられていますが、応用編であるとか、上位研修というのはないのですかということが1点。もう一つは、具体的な内容については、基礎編としては妥当な内容かと思います。その上で、ICF-CYについても加えたほうがいいのではないかと。児童分野で活用したいと考えている人たちも活用してほしいと思っています」ということです。
 基礎編の入り口のところで、トレーニングコースに入り込めるようにしてあげるべきかなと思っていると。具体的なトレーニングコースの開催は、どのようなところで実施するのか、そこが見えないということです。
 職能団体の研修カリキュラムに組み込むのか、ICFトレーニングコースの主催を厚労省が行って、厚労省主管で実施するのか、幾つか開催方法の検討もしてほしいと思っています。
 コースの走り出しについては、ICFに精通しているメンバーが講師となって普及を図るべきかと思います。職能団体に任せてしまうと、不適切な活用方法が普及するおそれがあるというような御意見をいただいております。
 以上です。

○大川委員長
 ありがとうございました。これも踏まえまして御意見はいかがでしょうか。
 春名委員、どうぞ。

○春名委員
 私も具体的な内容として妥当なものだと思いますし、やはり皆さんが理解する上でのポイントが網羅されているものではないかなと思います。
 「生活機能とは」というところの最初の5つの点は、生活機能とは何なのかという基礎的なところで、皆さんちょっと理解するのに難しい点を挙げていますし、あとの4つの点では、統合モデルとか、相互作用モデルのいろいろな点を網羅しているので、これによって、先ほどのような、生活機能だとか、生活機能モデルとか、そういうのがわからないというのが解消できればいいのではないかなと思います。
 (2)の「分類とコーディング」のところは、実践的な面かなと思います。先ほど齊藤委員もおっしゃったように、ICFを使うときは、いろいろな専門職がかかわるチームの支援とか、多職種連携での利用というのが非常に重要だと思います。それが専門分野を超えて御本人を理解するとかいうことかと。やはり皆さんがつまづくという点は、ICFを1人で使おうとして、課題とか支援だとかがなかなか広がっていかないというところもあると思います。「分類とコーディング」のどこかにそういうチーム支援だとか、多職種連携でいろいろな専門分野の方が専門分野を超えて御本人を理解するという場面を想定したコーディングがあると、少しICFの使い方のイメージが湧きやすいのかなというふうに思いました。

○大川委員長
 ありがとうございました。
 春名委員が御指摘いただいたチームワークは、ICFの活用において非常に重要な観点なわけでして、このことについては資料3の「4.−2)の3つ目で「『共通言語』とは共通のものの考え方・とらえ方」で、チームメンバー全体が共通のものの考え方をしましょうという観点を重視して論じることとしています。
 ただ、わかりやすいようにチームワークという単語を入れるのも1つの方法かとは思います。それは検討したいと思います。
 ただ、確かに自分だけで使おうと思ってICFを用いている人がいることもかなり大きな問題意識になります。だから、共通言語としてというところは、やはり啓発を図るときにもっと強調すべきでしょうね。きょうの議論の中でそれを再認識しました。
 ですから、「生活機能とは」の一番最初に、「『生きることの全体像』についての『共通言語』」と書いているのですが、共通言語を一緒に使ってこそ初めて共通言語なわけですから、チームワークの観点は重要かと思います。
 石川委員、いかがでございましょう。

○石川委員
 きょう報告いただきまして、今回のシンポジウムに、私、お誘いを受けたのですけれども、どうしても都合が合わずに失礼してしまって、野中先生にお願いを私のほうからもして出ていただいたわけです。野中先生は恐らく医師会の中では、最もICFに対して御理解がある方あるいは私よりも数段実践されている方だと思うのです。実際の医療の中で、そういう目つきでやっている方だというふうに思います。
 よく野中先生とお話しする中で、これだけのものがなぜ普及しないのかということをよく会うたびに言うわけです。今回、出ていただいたわけなのですけれども、そういう点では私たちの仲間では第一人者というふうな形で言ってもいいと思うのですけれども、実は野中先生も、こういうところに出てくるまでは全くわからなかったというふうなことです。実際の医療の現場で、特に私は医療連携という言葉は随分、20年も前からそのことを言っていて、チーム医療はもっと前から言っている。そういう中で、特にこの脳卒中関係だとか、リハビリテーション関係のところでは、よいチーム医療だとか、医療連携が必要だと。しかも、今で言えば、医療と介護の連携というところまで、今まで余り踏み込まなかった文言がそういうふうに流れている中で、ICFはもっとすごく重要な意味を持ってくるのだろうなというふうに思うわけなのです。
 お話を聞いていると、ますますそれが出てくるのですけれども、普及ということになりますと、実際に私の周囲あるいは私は第一線の小児科医ですから、基本的には障害児はある程度見ておりますけれども、そんなには余りこういう現場はないわけです。一時期、第一線の地域で、往診を10年ぐらいやったときもありますので、そういうときにやはりこういう目つきがあればよかったのになというふうに思うのですけれども、果たしてそれが今の時点で、自分の頭の中に入って、例えばこういう催し物があったときに、例えばICFのトレーニングコースにちょっと行ってみるかというふうな形になるかどうか、モチベーションを持つかどうかというふうなところについては、情報量もないと思いますし、ここは難しいなと思います。
 前にも言ったと思うのですけれども、例えば、私は千葉県で脳卒中の連携パスを構築したのですが、300万人の人口をカバーする連携パスを行政と一緒になってつくるわけです。そのときに、リハの方たち、脳卒中の専門の方たち、先ほど上田先生のお話がありましたけれども、実は、私はやはり早期リハの関係で、私の病院にいる者で、恐らく大川先生と同じ兄弟弟子だと思うのですけれども、近藤というのがいまして、早期リハをやっている関係上、クリティカルパスをつくったとき、患者さんを表現して連結していくときには何がいいかというふうな話のときに、やはり専門家のところからICFは出てこなかったのです。
 したがって、私も全然意識していなかったということがありますので、そもそもリハのほうで働く者、それから医者、看護師も含めて、このICFということの知名度というのは、私は全然門外漢なのですけれども、そこがまずどうやって広げていくのかというところが大事かなと思います。
 その中で、トレーニングコースみたいなものをつくってやっても、モチベーションをどういうふうに醸成していくかということになるのではないかなというふうに思うのです。
 だから私にはなかなか難しい問題で、そういう思いを持ちながらずっと話を聞いてきたのですけれども、ここにいる以上は、1つはこういう宣伝だとか、知名度を上げるための施策を幾つか打たないとだめだろうなというふうに思います。

○大川委員長
 例えば先生、具体的に何か案がおありでしたら。

○石川委員
 要するに、例えばここにキャッチがあります。「ひとがひとらしく生きるために ひろめようICF」とか、こういうキャッチで、私たち医療従事者だとか、リハに関係する方というのは、何を一番共通項で目標としてやっているのかといったら、患者さんのよりよい暮らしだとか、そういうものの実現ということでやるわけですけれども、そのために、ICFという共通言語を使うのだというような形で、そこら辺の宣伝を広めていかないとだめだというふうに思います。
 今は特に、介護の分野は市場原理がどんどん導入されようとしている中で、社会福祉の中での共通項みたいなものをきちんとICFのキャッチフレーズの中に入れて、ちょっと今は難しいと思うかもしれないけれども、だから勉強していこうというふうな機運をプロパガンダしていかないとだめだというふうに思います。

○大川委員長
 ありがとうございます。
 木村委員、どうぞ。

○木村?次委員
 前回、石川委員からアドバイスがあって、介護保険のところできちんとICFをやっていくべきではないかということでお話をいただきました。そのときに報告しましたが介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に関する検討会の中間整理が出たのです。その中で1つキーワードとして、資料2−1の13ページに「目標指向的アプローチ」のフローがそのまま生かされているものが載っていたと思いますが、何をやっているかといいますと、今、ケアプランをつくる様式とは別に、「課題抽出シート」というものを開発、検証しています。具体的には、例えば立ち上がりが今はできないけれども、リハビリテーションを3カ月やったら、3カ月後には立ち上がりができるようになるという形のことの項目を多数並べていって、時間軸も入れている。要するにここで言う「している」、具体的に「できる」ようになるのに、いわゆる多職種で、ケアマネジャーと共に課題を抽出するわけですけれども、それをチームできちんと共有して、いつまでにそれを達成させるかという時間軸の評価を入れます。ケアプランを調査分析した結果、いつまでにというのが抜けていたというのがあったものですから、そういうことで、この課題抽出シートは来年度から現場で使われていくと思います。
 その中に、今、話している目標指向的アプローチが少々入っていると思うのです。ですから、課題抽出シートができました、ケアマネジャーが使い始めました。それは私から見たら、ICFの考え方がきちっと入っていて、評価も入っているということなので、それを例えばミックスして報道していくというか。
 それから、課題抽出シートの研修会はあるのですけれども、今、大川委員長から提案のあったまさにICFトレーニングコース、こういうことを学べばさらにわかりやすいとか、ICFは介護保険の入り口のところでうまくアピールしていければいいなと思っています。
 そのことが結果的に、高齢者の尊厳を保つことになるのかと。今、過剰なサービスが入り過ぎて、生活不活発病が起きているとか、反対にサービスが足りないことで、逆にそういうことが起きているというのも見えてきていますので、介護保険を軸にケアマネジメントのところでやったほうがわかりやすいのではないかなと思っているところです。

○大川委員長
 ありがとうございました。ほかいかがでしょうか。
 木村委員、どうぞ。

○木村伸也委員
 トレーニングコースはぜひ私は必要だと思いますので、何とか実現していただきたいなと思います。
 ここに専門職対象ということが書いてございます。そういう点でなぜ必要かということを私の実際の現場での実感から少し申し上げますと、まず1つは、リハビリテーション専門職、ここには理学療法士とか作業療養士とかが具体的に書いていないのですけれども、リハビリテーション専門職あるいはリハビリテーション科のドクターとかには、ICFの基本的なモデルというのはある程度、先ほどから委員長がおっしゃっているように、正しいかどうかわかりませんけれども、その原型みたいなものが入っているという気はするのですが、やはりそれが即既存のICIDHとICFの関係でちゃんと整理されていなかったり、ICFの新しいモデルの意義が十分理解されていなかったりして、ちょっともどき的に入ってしまっているというところがありまして、そこら辺はもう少しきちんとリハビリテーションの関連の職種には教育してトレーニングしてほしいなというのが1つあります。
 もう一つは、医療職の話ばかりで恐縮なのですが、医師、看護師、その他の医療職に関して、やはり先ほどもちょっと申し上げましたけれども、私が、今、手伝っている急性期の医療において、どういうふうにリハビリテーションとか看護のケア、あるいはその後の地域の資源を活用するかと考えたときに、この生活機能の概念というか、見方といいますか、すごく大事な点だと思うのです。
 1つは、私たちの病院は大体平均在院している日数はわずか14日ではありますけれども、実は、14日いる間にすごく廃用症候群、要するに生活不活発病を起こしてくるということが意外と実感されていないのです。私、学生にポリクリで話をするときに、生活機能モデルの一応この絵を使って、君たちが診ている病気が原因でリハビリテーションの必要性とかケアの必要性が出てくるのではなくて、君らが入院させたこと自体が廃用症候群をつくっているのだという話をするのです、
 つまり、入院するということは、入院患者としての役割を担うということなので、1つ参加の状態なのです。つまり、家庭生活や職業生活をしていた参加の状態から、入院患者という医師や看護師の指示のもとで生活しなければいけない参加の状態になるわけなのです。そのこと自体がもう潜在的に、潜在的でなくて顕在的かもしれませんけれども、廃用症候群を起こしてくるということをもっと認識しろということと、リハビリテーションに依頼することももちろん考えてほしいけれども、みずから患者さんを寝かさないようにしなさいよということをいつも言っているのですけれども、そういったことをリハビリテーションの実習だけでは不十分ですので、現に働いているドクターとか看護師さんにもっとそういうことを伝えていかなければいけないですね。
 私が、今、教育しているドクターが卒業したら、うちの大学で研修してそういうことをやってくれるようにはなってきていますけれども、やはり10年以上前から仕事している先生たちが中心の役割を担っていますから、そういう医師や看護師にICFの基本的な考え方と、実は医療の場ですごく大事な問題を提起しているということを具体的にお話をしていただいて、理解してもらうということは物すごく大きな意義があると思います。
 そのことによって、単なる評価のための評価だったりしない、本当の意味での評価というものができるようになるのではないか。特に看護師さんのところにすごく評価のタスクがたまっているのです。褥瘡対策、呼吸対策、栄養サポートとか、頭の中と体がそれでコチコチになっているのです。そこを1回整理して、なぜそれが必要かという根本を理解するときに、ICFの考え方はすごく大事なのではないかなと私は思うのです。ぜひそういう点ではトレーニングコースをつくっていただきたいというふうに思います。

○大川委員長
 ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。
 大日方委員、どうぞ。

○大日方委員
 今、いろいろお話を伺っておりまして、トレーニングコースはやはりしっかりやったほうがいいだろうなというところには、全く異議あるものではありません。
 同時に、この委員会としてやるのであれば、できればトレーニングコース基礎編、これは専門家向けというのがありますけれども、それと同時に一般向けという形で、2つのプログラムみたいな形でやられたらどうかなとお話を聞きながら思いました。
 メディアの活用であるとか、知名度を上げるための施策というようなキーワードが先生方のお話から出てきていて、やはり一般向け、より多くの人に普及してもらうことで、結果的にそれが医療のコーディングするような方々の理解にもなるのかなという実例があるのではないかと思っています。
 実際、先ほど委員長からも報告がありましたように、12月に行われた内閣府セミナーで2時間かけて私の事例をやったときに、当事者よりも医療関係者、専門家の方の参加が多くて、その方々からこういう使い方ができるのだと、患者側もこういうふうに見えるのだという新たな発見というようなお話だったので、そういったことを考えても、やはり一般向けにより概念を伝えていくというトレーニングコースというやり方もあるかなというふうには考えております。
 2つ事例を御紹介したいのですけれども、ICFがどういうふうに一般の方々に見られているかということで驚いたことがあるのです。1つ目が高齢者の方々、物言う高齢者ではないですけれども、自分の配偶者が受ける介護支援サービスを選び始めたときに、60代前半の方々はどんなサービスがあるのかというのをすごくインターネットで調べていらして、質の高いサービスを探し求めています。今まではやっていただいてありがとうございますという、いわゆる患者の役割とかを果たしていた方々が少し変わってきているのではないかなと感じる方とお話ししていく中で、積極的に情報をとっていらっしゃる方々からいきなりICFという言葉が飛び出してきたことがあり驚きました。もちろん正しく理解できているかというと、そうではないけれども、一般の人がICFという言葉を意識して、何か自分らしく、人らしく生きるという基本的な理念だと理解して使われているというのではよいことなのではないかなというふうに思いました。
 もう一点は先日、私、障害者向けのスキー教室に参加してきたのですが、大体130名ぐらいの方々、障害のある方あるいはボランティアとしてということで参加される大きな大会でした。
 その中で、障害のある人にスキーを教える講師で、SIAというスキー教師の団体の方から聞いた話です。そこでは、障害を持っている人にどうスキーを指導したらいいかというのを認定資格をつくっているそうです。その団体の報告会の中で、障害者のスキーの指導の報告では、ICFという言葉を使ったと。なかなか難しい概念なのだけれども、絶対使ったほうがいいよねと議論されていました。そのスキー教室の中には、介護福祉士の資格あるいはヘルパーさんの仕事をしているというような方もいらっしゃり、専門家とも言えますが、一方でこの時はスポーツの指導者として話をしていたので、ここで言う専門家では必ずしもないという方も使われていて、かなり普及してきているのだなということに驚きを持ちました。やっていて確実に手ごたえはあるということと同時に、正しく、より多くの人にわかりやすく知ってもらうというプログラムをそろそろ発信していってもいい時期かなというふうに感じております。そこのあたりの、いわゆる一般向けというところも、あわせて一緒に検討できたらよりよいかなというふうに思っています。

○大川委員長
 ありがとうございます。
 齊藤委員、お願いします。

○齊藤委員
 同じような意見でありますが、基本的にこのトレーニングコースを、とりあえずは専門家向けであっても、始めることは重要なことだというふうに思います。
 一方、提出していただいた河原委員のペーパーにありますように、全体の仕組みというものも1回考えてみたらということも、これは重要な視点だろうと思います。
 特に2番の中では、今、大日方さんからおっしゃったように、コースがもうちょっとあってもいいかもしれないねというのは、そのとおりだと思います。それは私は同時並行でなければいけないというふうには思いませんけれども、専門家向けがあれば、一般向けもあるよとか、基礎編があると、上級編も考えましょうぐらいのことはある程度イメージを共通にしておいたほうがいいのかなという感じを受けました。
 それから、今、ICFというのは、実用に耐え得るものだということの普及が広くいかないと、どうも理念先行で、実用にどう生かしたらいいのかわからないという、いわば立派なエンジンを持っていても動かしようがわからないという話になってしまうと、先ほど石川委員がおっしゃったように、なかなか知名度を上げることに寄与できないのだろうなというふうに思います。
 先ほど木村委員からもお話があったように、資料の13ページですが、これは説得力のある大川先生がつくられた資料、「目標指向的アプローチ」という図4でありますけれども、ここに利用者家族のことを含めて、「目標の共同決定」という書き方をされているのです。これは実は、具体の例で言いますと、今後、急性期が終わると病院から早く出なければいけないということが、現実入院期間の短縮という問題が出てきます。すると、患者や利用者にとってみれば大変な不安で、在宅でと言うけれども本当にそんなことをやってくれるのというふうな不安の中でいらっしゃるわけであります。
 そのときに、そうではなくて、病院にいることだけがいいことではなくて、共同の目標を持つことによって、こういうことができるよという、その説得が非常に大事だと思っています。
 患者、利用者の側は、どういう目標がありますかと、よく専門的な先生たちからお尋ねがあるのですが、現状維持が精いっぱいで、これ以上よくなるなんて希望を持てない人たちが多くいらっしゃるわけでありますから、せいぜい本人たちの希望は、現状より悪くならなければいいねというぐらいの希望が多いのではないかと。そういったときに、いやそうではない、こういう形でアプローチするとこういう目標の設定ができますよと。ここを目指しませんかと言ってくれたときに初めて利用者家族は目標を共有化できるということだろうと思います。そのことがないと、本人たちに幾ら聞いたって、それは答えとしては出てきにくいことを問われているというふうに思います。こういうふうなかかわりをして、努力をこういうふうにすることによって、こういう結果を生み出そうではないかということが、ICFの肝ではないかなと思うのです。このことをどういうふうに伝えていくのかということが非常に大事で、これは専門職の方々にも、そういう利用者、患者たちにとって最善のアプローチの仕方をみんなで考えるのだという、私でもわかるような話をいわばビギナーの方々にお教えいただくと大変ありがたいなと思って、皆さんのお話を聞かせていただきました。
 以上であります。

○大川委員長
 ありがとうございます。
 やはり、当事者の委員がいらっしゃることはとてもいいことだと痛感しました。ほかに御意見は。

○木村?次委員
 CMというか、普及・啓発の提案です。過去にメタボリックシンドロームという言葉を決めた厚生科学審議会健康増進栄養部会に、私、いました。そのときの、議事録を読み返すとわかるのですけれども、私は反対しました。漢字でなければわかりにくいだろうと思ったのです。しかし、1年たたないうちに日本中にメタボリックシンドロームが普及したのです。今、ロコモが始まっていますね。ロコモシンドロームです。これは、先ほどからずっと言っています図4は、ロコモの話だと私は思うのです。
 それは、ロコモを持ち上げるのではなくて、そういう言葉を引用しながら、ICFということをきちんと国民に理解させていくということのチャンスだと思うのです。だから、ちょうどいいタイミングかなと思っていますので、少しそういう組み合わせも考えてもらえればいいかなと思いました。
 以上です。

○大川委員長
 ほかございますでしょうか。
 春名委員、どうぞ。

○春名委員
 専門職の中に、例えば就労支援の専門職とか、そういう方も想定するとできるのかなと思ったのです。というのは、就労支援の関係の方も、精神障害の方の医療と生活の面と就労の面が複合したような問題を、いろいろな関係の方と連携して支援する取り組みをしています。他の障害でも福祉の生活面の支援と就労の面を一緒に支援するということがあり、そういう中でICFの考え方というのは非常に注目されていると思います。あと、私の経験している範囲では、福祉分野の方だけで就労したいという御本人のニーズに応えていこうとすると支援の選択肢が限定されて対応が困難になりやすく、あるいは医療分野だけで精神障害の方の就労支援を考えようとすると話が煮詰まってしまうという現象が見られます。そういうところに就労支援の専門の方が入ると、他のいろいろな発想が出てきて、まさにこの目標指向的アプローチも充実してくるということがあります。そういうことも含めて、就労支援の方も、ここで想定している専門職に合うかどうかとは思うのですけれども、様々な専門職と同じ土俵の中で学ぶ機会があればいいのかなと思います。

○大川委員長
 当然、職業関係の方は含めておりまして、全ての専門職と言い切ってもいいのではないかと思っております。
 ここは、厚労省関係の委員会ですので、労働分野として、職業リハビリテーション関係と入れておくべきでした。反省。ところで、その職業リハビリテーションは、狭い範囲になってきているような感じがあります。私はかなり早い時期から職業リハに関与していたものですから、連携がもっと重視されるべきではないかと思います。そう考えると、最初にICFを学ぶときに、ほかの職種も一緒に、「生きることの全体像」としての「共通言語」の観点からの学びの場が必要ではないかと思います。そのような御意見も、実は職業リハの方々から聞いております。また職リハの中でのICFの活用という研修などが行われているようですが、やはり連携という観点がもっと重視されるべきではないかとも聞いております。
なお対象者として想定される専門職は、極力たくさん具体的職種名としてここに入れておいたほうがいいのかもしれません。
 ではどうぞ。

○大日方委員
 今、先生方のお話を聞いていて、なるほどと思ったのですけれども、やはり肝になるのは、目標指向的アプローチというところが話題に上りましたけれども、患者も一体となって決定しましょうねというところを置き去りにしてはいけないということを繰り返し伝えていく機会というのは、やはりすごく必要で、この委員会でやるのでも、私が同時にできればやったほうがいいのではないかというふうに申し上げた心は、ICF専門家のためだけのものであると誤解されないようにすること。そのために同時発信するということが肝要なのかなというふうに感じました。
 13ページの「目標指向的アプローチ」というところで、シンポジウムでの野中先生の「目標の共同決定」についての話を思い出しました。専門職が見ると、これは退院して自宅で生活することという目標になると思いますが、患者の側から見たときは、実は目標は家に帰って地域の祭りに参加することであると。退院して家へ帰りましょうねと言われても、何の未来への志向もないし、やる気もないし、不安だらけなのだけれども、また祭りに参加できるようになりますよと言うとすごく変わるというようなお話があったと思うのですが、ここがICFのICFらしいところで、そこを決して置き去りにしないような見せ方が、普及させていくときの肝ではないかなというふうに感じています。
 もう一つ、河原先生のところの御意見にもあったところで、改めて大切とぜひお願いしたいのが、専門家向けトレーニングコースをつくったときに、ではこれをどう現場で専門家の方々が活用していくのかというところで大切になるのが、関係者、関係部局との調整というところだと思うのです。部局の中でも、やはりうまく連携をとっていくあるいは巻き込んでいくというようなやり方が普及においては鍵かなと。そこはぜひ専門家の方がたくさんいらっしゃいますので、どこをどう巻き込んでいったらいいのかというようなところをやっていただければと思います。
 ICFと言っても残念ながら、言葉としては知っているけれども、自分とは無関係だと思われている方々というのも何人も遭遇していて驚かされているので、今後、そういった部局間の調整、連携といったところもトレーニングコースと同様に重要と思っております。
 

○大川委員長
 ありがとうございました。
 そろそろまとめに行きたいと思いますが、その前にきょう御指摘いただきました資料2−1(シンポジウム資料)13ページの図4の「目標指向的アプローチ」について補足説明させていただくと、これはICFというツールの研究からはじまったというよりも、患者さんや利用者さんの最良の利益を獲得するには、専門家はどういうプロセスを踏むべきかを臨床経験・研究をもとに体系化したものです。
 これは20年以上前から取り組み、この図は簡略バージョンです。きょう皆さん方から御指摘いただいた、図右側の専門家と利用者とによる共同決定は最初から強調してきたところで、それをお認めいただき、非常にうれしく思っております。
 もう一つ話題になっていました生活不活発病ですが、これにも関連してICFが東北地方では結構関心をもってもらい広まってきました。なぜかというと、御理解なさっている方々が多かったので、ちょっと説明がはしょられたところがあるのですけれども、通常の病気での生活機能低下は、同じ資料の10ページの「生活機能モデル」で説明しますと、上の「健康状態」、病気・ケガから生活機能の3つのレベルのうち一番左の心身機能・構造の低下が起きて、そしてその右側の「活動」の低下、更に右側の「参加」の低下が起きます。
 ところが、例えば災害であるとか、どういう支援かというようなのは、健康状態ではなく、環境因子によって、また先ほど木村委員がおっしゃった入院もですけれども、この環境因子の変化によって、参加が低下をし、参加から左のほうに活動の低下、そして左の心身機能・構造の低下が起きる。通常考えられている、健康状態から、そして生活機能の左から右ではなく、環境因子から、そして生活機能の3つのレベルで右から左の影響があるというところが、ICFモデルとして考えたらばはっきりする。そのような因果関係の分析に際して、ICFの重要性、特徴というのはよくわかっていただけるようになったという経緯があります。
 この上から下、右から左の関係は目標指向的アプローチの考え方の基礎としても大事です。
 例えばこのような考え方の具体例ともいえますが、先ほどあげられた三社祭への参加も、また障害者スポーツも、参加レベルです。その参加レベルを専門家と当事者が一緒に目標として立てる。そして、それを実現するために右から左へと考え、活動や心身機能に対しても最適のアプローチがたてられる。そういう具体例がもっと普及するということが大事かとも思います。
 さてではこれまでの議論をまとめますと、普及については、ICFの正しい使い方の普及もありますが、ICFがなぜ効果的なのかという普及も大事で、それはそもそも生活や人生を重視するという基本的考え方、理念的なことが大事と思います。その上で、それを実現するためにICFの活用は効果的だというところを強調すべきかと思います。
 この観点から普及することによって、統計的にも使いやすくなっていくのではないかと思っています。
 今後は、参加や活動を重視する。そして、健康状態の影響だけではなくて、環境因子による影響も含めて、人の健康や労働状況を見る。そういう見方での統計というのも非常に重要になってくるのではないかと考えます。きょうは直接的には余り議論がありませんでしたが、統計上でなぜICFが必要なのかという観点にもきょうの議論は実は関係しているのではないかと思います。
 2番目に、トレーニングコースに関しましては、一応皆様方の御賛同を得たということでよろしゅうございましょうか。
 これに関係して、メールでの坂本委員からの質問へのお答えですが、基礎編はあくまで基礎編でありまして、応用編、その場合には、例えば介護支援専門員用であるとか、一般医療用であるとか、当事者用であるとか、そういう上級の研修というのは考える必要があると思っています。そういう形で行うことができればと思っています。
 また、具体的な工程表は、つくる必要がある。そのときに、河原委員より御指摘をいただきました1.は結構大きいことかと思います。そこも加味しながら進めていく必要があると思います。
 一応そういう形でよろしゅうございましょうか。
 ということを基本として、これは議決されたわけではなく、この方向性で事務局と一緒に、今後どういうふうにすべきかと検討をすすめていくことになります。
 主催をどこにするかというような問題もあるのかと思います。
 ただ、坂本委員からの御指摘で、ICFに精通しているメンバーが講師となって普及を図るべきで、職能団体に任せてしまうと不適切な活用方法が普及するおそれがあると記載があります。先ほどご紹介したケアマネ協会のものは、このご指摘内容もふまえて講師を決め、うまくいったという、いい事例はあるわけですので、考えていきたいと思います。
 まとめさせていただきましたが、これに関しましての御意見がございましたらいかがでしょうか。

○石川委員
 このトレーニングコースということですけれども、私、ずっとこれを考えていまして、要するにいろいろと広く職種が入れるような形になっておりますけれども、私、医療法人の中でこれに出なさいというので一番イメージが湧くのは、やはり訪問看護師なのです。訪問看護師は、患者さんとかなり長い時間対面して、患者さんの障害や生活レベルも全部わかっているわけです。医者がこれに出てもなかなかうまく実践的な活用はできないのではないかと思うのですけれども、訪問看護師は、結構自分でプランを立てて、それこそ先ほどのケアマネと一緒になって患者さんの目標を設定して、少しでも生活の維持・向上を図ってやっているわけですから、そういう点では、僕は訪問看護におけるICFの活用とか、かなり職種を区切ったほうがよりインパクトがあるのではないかというふうに思うのです。
 私のところは13カ所、訪問看護ステーションがあるのですけれども、多くの看護師がいて、かなりアクティビティ高く活動している中で、こういう1つの共通言語で患者さんを評価して目標を持ってやるというのはすごくいいと思うので、私がイメージが一番湧くのは訪問看護師です。
 そういう点では、訪問看護レベル、それから在宅関係というふうにもう少し区切って、ICFの普及というのも1つ出てくるのではないかと思います。
 それから、少しプロパガンダという点では、正直言いまして、医者が、リハビリを専門にやっている先生方はおわかりなのかもしれないですけれども、ICFという国際的な話題になっているものに対してなかなか理解がうまくいかないというところでは、私のほうで勉強会だとか、そういったものを幾つか設定しますので、それにちょっと来ていただいて、1時間ぐらいしかできないのですけれども、日本医師会から始めて、いろいろな医師会のところに普及活動を持っていくというふうな形で企画してみたいと思います。
 それは恐らく来年度の業務になると思いますけれども、そうやって広げれば、少しは広がると思うのですね。そのときに、広報担当というのもありまして、大変そのキャッチフレーズにこだわるのですね。それで、生活不活発病というのがここにちょっと出てきていますので、例えばICFとその活用というふうなのはいかがかと。また、私たちは被災者健康支援の協議会というのをずっと医療団体を集めてやっていまして、私もそこの中心にいますが、そういった意味では一番問題になっているのは、仮設住宅の生活不活発病なので、副題にそういうものを1つ入れれば、かなりそれで目が引くということがあります。医師会で来年度やるときには、ロコモとメタボ、生活不活発病という形で、今後の日本の高齢化社会に打って出るのだみたいな形で持っていくのは、僕はいいのではないかなと思うのです。

○大川委員長
 どうもありがとうございます。
 非常に心強いお言葉をちょうだいしたと思います。実は、私もリハビリテーション医学をもともとやっていたのですけれども、リハビリテーション医療の人たちは、生活や人生を、すなわち参加レベル、活動レベルに非常に重点を置く人と、心身機能に重点を置く人によって、ICFの捉え方はかなり違うというふうに思うのです。私は、例えば野中先生のような一般医療の先生方のほうに生活・人生を重視するというICFのICFらしさを御理解いただいている方が多いような印象を私は持っております。また一般医療の先生方は多くの患者さんに接していらっしゃいます。ですから、ぜひ一般医療の中に広めていただくとありがたいなと思っております。
 ほかいかがでございましょうか。
 その他何か検討するべき事項がありましたらば。よろしゅうございましょうか。
 では、議事は終わりましたので、事務局、よろしくお願いいたします。

○事務局
 それでは、ICFのトレーニングコースですが、先生方の御意見に基づきながら、全体の目的とか工程の中でのトレーニングコースの位置決めを考慮しながら、今後も少し詰めていかなければいけない点があると思いますので、後ほどまた事務局から御連絡いたしますが、御意見をいただいた上で調整させていただきたいと思います。

○大川委員長
 よろしくお願いします。

○事務局
 その他でございますが、本日は御議論ありがとうございました。
 次回のICF専門委員会につきましては、新年度になりましてから改めて御連絡をさせていただきます。
 以上でございます。

○大川委員長
 では、本日の第13回社会保障審議会生活機能分類専門委員会を閉会いたします。
 次回の日程は、事務局のほうから改めて御連絡いただくということでございました。
 熱心な御討議ありがとうございました。


(了)
<照会先>

大臣官房統計情報部企画課国際分類情報管理室

疾病傷害死因分類係: 03−5253−1111(7493)

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