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2013年2月1日 歯科医師ワーキンググループ(第1回)議事録

医政局歯科保健課

○日時

平成25年2月1日(金)14:00~16:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 専用第17会議室(16階)


○議題

1.歯科医師臨床研修制度等の見直しについて
2.その他

○議事

○青木企画調整専門官 
 それでは、皆様、おそろいになりましたので「歯科専門職の資質向上検討会歯科医師ワーキンググループ(第1回)」を開催いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。冒頭は、事務局にて進行させていただきます。
 まず、初めに、本ワーキンググループの委員を名簿順に御紹介いたします。日本歯科大学、秋山委員です。東京歯科大学、一戸委員です。伊東歯科口腔病院、伊東委員です。大阪歯科大学、小正委員です。日本医師会、小森委員です。東京都立広尾病院、田山委員です。千葉大学の丹沢委員です。日本歯科医師会、中島委員です。九州大学の樋口委員です。日本耳鼻咽喉科学会の久委員です。新潟大学、藤井委員です。日本歯科医学教育学会、俣木委員です。また、本日は御欠席の御連絡をいただいておりますが、ささえあい医療人権センターCOML、山口委員に御参画いただいております。
 また、オブザーバーといたしまして、文部科学省から、本日2名の方に御出席いただいておりますので、御紹介いたします。文部科学省高等教育局医学教育課の渡辺企画官です。また、原田技術参与に御出席いただいております。
 続きまして、事務局を御紹介いたします。厚生労働省医政局長の原です。歯科保健課長の上條です。課長補佐の野田です。同じく課長補佐の小椋です。歯科医師臨床研修専門官の高田です。そして、私は青木です。どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、局長より御挨拶申し上げます。

○原医政局長 
 医政局長の原でございます。先生方におかれましては、本ワーキンググループに御参画いただきまして、ありがとうございます。歯科医療を取り巻く状況は、医療と同様に、少子高齢化が進んでいく中で、あるいはライフスタイルがさまざま変わっていく中で、歯科の領域のお仕事も随分変わってきているのではないかと思っております。特に高齢者が増えてまいりまして、在宅歯科診療が求められることや、あるいは、さまざまな歯周疾患を中心とした対応が必要になってきているのではないかと思います。
 一昨年に歯科口腔保健の推進に関する法律が成立いたしまして、国としても歯科口腔保健の推進に関する施策を総合的に進めていくことが規定されたところであります。こうした状況の中で、国民に、より安全・安心な歯科医療を提供するために、歯科医師を始め、歯科衛生士や歯科技工士のより一層の質の向上が必要だと考えておりまして、このワーキンググループの親委員会ですが、歯科専門職の資質向上検討会の設置をしまして、昨年11月から検討を始めたところでございます。このワーキンググループでは、歯科医師臨床研修制度に関する諸々のことについて、御議論をいただくことになっております。
 歯科医師国家試験制度については、昨年の4月から試験制度改善検討部会を作りまして、この中で、制度改善に関する報告書が取りまとめられたところです。現在それに基づいて、国家試験の出題基準の改訂をしているということであります。それに併せて、そこから出てまいります卒業生の方々の臨床研修についても、どのような形でやっていくのかということで、このワーキンググループで御検討をお願いしたいと考えております。
 正直申し上げまして、私は医科の医師ですので、なかなか歯科医療の現状はよく分かりませんが、医科の臨床研修と歯科の臨床研修を比べますと、もともと実際にどういう医療をするかという面で大きな違いがありますし、歯科医療の提供する場と、医科の医療の提供する場が大きく異なりますので、そういう意味で、歯科医師の臨床研修の特徴をどのように捉えてやっていただくかと、非常に大きな課題ではないかと思っておりますので、御検討をよろしくお願いしたいと思います。
 いずれにしましても、国民の歯科医療の向上のために、この臨床研修は非常に重要なことと考えておりますので、御検討をお願い申し上げまして、私からの挨拶とさせていただきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。

○青木企画調整専門官 
 申し訳ございませんが、局長は公務のため、こちらで退席をさせていただきます。また、冒頭の頭撮りにつきましても、ここで終了とさせていただきます。
 続きまして、座長を御紹介いたします。本ワーキンググループの親会である歯科専門職の資質向上検討会において、俣木委員が座長に指名されておりますので、以後の進行につきましては、俣木座長にお願いいたします。

○俣木座長 
 親会のほうで私が指名を受けましたので、以降、皆さんの御協力を得ながら進めてまいりたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。以降、私が議事進行を進めさせていただきます。
 では、事務局より、資料の確認をお願いいたします。

○青木企画調整専門官 
 事務局から資料の確認をさせていただきます。まず、議事次第、座席表、資料一覧を御用意しております。
 続きまして、資料1「歯科専門職の資質向上検討会設置要綱」、資料2「歯科専門職の資質向上検討会歯科医師ワーキンググループ」、資料3「歯科専門職の概況」、資料4「歯科医師臨床研修に関する資料」、資料5「歯科医師の臨床研修制度の見直しに関するスケジュール」、資料6「歯科医師臨床制度に関する御意見」、資料7「臨床研修制度の見直しに係る論点」です。以上が本日の資料です。
 続きまして、参考資料1「歯科専門職の資質向上検討会の議事録」、参考資料2「歯科医師臨床研修制度の概要」、参考資料3「歯科医師法第16条の2第1項に規定する臨床研修に関する省令」、参考資料4「歯科医師法第16条の2第1項に規定する臨床研修に関する省令」、参考資料5「歯科医師臨床研修推進検討会第2次報告」、参考資料6「歯学教育モデル・コア・カリキュラム-教育内容ガイドライン-(平成22年度改訂版)」、参考資料7「歯科医師国家試験制度改善検討部会の報告書」です。本日の資料、参考資料につきましては以上でございます。乱丁、落丁等ございましたら、事務局までお申しつけください。資料の確認は以上でございます。

○俣木座長 
 ありがとうございました。たくさんの資料がありますが、よろしいでしょうか。それでは、本会議の設置の概要につきまして、事務局から御説明をお願いします。

○小椋課長補佐 
 歯科保健課長補佐の小椋です。よろしくお願いいたします。資料1から資料3まで通して説明させていただきます。資料1は「歯科専門職資質向上検討会設置要綱」ということで、本ワーキンググループの親会に当たる歯科専門職の資質向上検討会の設置要綱となっています。局長の挨拶にもありましたように、時代の変化、あるいは国民のニーズの変化なども踏まえ、歯科専門職の資質を向上していく必要があるだろう。そのような観点から、より安全・安心な歯科医療の提供の確保が求められており、本ワーキンググループの1つのテーマとなっている歯科医師臨床研修制度の見直し、あるいは、別の事項になりますが、全国都道府県で行われています歯科技工士の国家試験を統一試験にしてはどうかというような、歯科技工士国家試験の在り方等について検討を行うために、歯科専門職の資質向上検討会を設置しているところです。
 2番目に、想定される主な検討内容としまして、上の3つのポツ、歯科医師臨床研修の到達目標・歯科医師臨床研修プログラムの在り方、歯科医師臨床研修の修了基準、修了認定の在り方、あるいは歯科医師臨床研修の制度管理、実施機関、指導者の在り方等につきまして、この検討会の中で検討していきたいと考えています。
 3番目に構成ですが、座長は検討会委員の中から互選により決定するとなっています。裏面には専門委員会の名簿がありますが、この中の一番上の、日本大学総長の大塚先生に座長になっていただきました。
 その次に、専門の事項の詳細について検討を行うため、必要があるときには、検討会の下にワーキンググループを置くことができるとなっています。なお、ワーキンググループの座長については、検討会の座長が指名することとする。ワーキンググループの委員は、検討会の座長の委員を踏まえて追加することができるとなっています。
 資料2を御覧ください。本ワーキンググループの目的としては、より質の高い歯科医療を提供できる歯科医師を引き続き養成するため、歯科医師臨床研修制度及び関連する諸制度に関する検討を行うとなっています。想定される主な検討内容としましては、こちらに記載されているとおりです。ワーキンググループの位置付けについても、有識者により検討するということです。医道審議会の歯科医師分科会の中に、歯科医師臨床研修部会があり、こちらは臨床研修施設の指定ということを主な業務としていますが、この部会との連携をしっかり図った上で、このワーキンググループあるいは親会である歯科専門職の資質向上検討会を行っていきたいと考えています。
 スケジュールの目途としては、平成24年12月に行う予定でしたが、第1回のワーキンググループが、2月になってしまいました。大体2か月に1回ぐらい開催するというようなことを目途として、平成26年の春頃に、意見書を取りまとめ、医政局長へ答申したいと考えています。
 先生方の委員名簿は裏面に出ております。こちらの中で先ほど申し上げましたように、親会の座長がワーキンググループの座長を指名するとなっており、親会の大塚委員から俣木委員がこちらの座長ということで指名されています。
 次は資料3を御覧ください。こちらは、検討会の親会やワーキンググループと若干違った趣旨の資料ですが、歯科医師でない方も委員の中にいらっしゃいますので、前回の11月28日に出させていただいた資料と同じですが、「歯科専門職の概況」ということで、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士の3職種について簡単に説明しています。歯科医師については、根拠法令として歯科医師法ということ。あとは就業歯科医師数が今は大体10万人程度という形になっています。
 4番目として、養成機関ということで、27大学、29学部に歯学部がございます。修業年月が6年で、定員が2,440名となっています。歯科衛生士、歯科技工士の概況が記載されております。資料1、2、3の説明は以上です。よろしくお願いいたします。

○俣木座長 
 ありがとうございました。ただ今、事務局から説明がありましたように、このワーキンググループの設置の経緯を御説明いただいたところです。本ワーキンググループの皆様には、主に歯科医師臨床研修制度の見直しについて御議論をいただくことになりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 引き続き、現在行われております歯科医師臨床研修制度について、事務局より御説明をいただきます。よろしくお願いします。

○高田歯科医師臨床研修専門官 
 資料4から説明をさせていただきます。「歯科医師臨床研修に関する資料」という題目の資料です。簡単に歯科医師臨床研修のこれまでの経緯をまず御説明いたします。
 昭和62年、歯科医師臨床研修委託事業ということで始まり、法改正が平成8年に行われたところではありますが、この当時は努力義務として1年以上の臨床研修をするということになっておりました。平成8年から平成18年までの間は、大学に残って総合診療室等、又は医局をローテートしながら臨床研修を行う方もいらっしゃれば、すぐに病院又は診療所に就職をされたり、大学院に行かれたりというキャリアパスがあったという時代でした。
 平成12年に歯科医師法の改正があり、1年以上の臨床研修が必修化されました。それにより、平成18年4月1日以降に歯科医師免許の申請し、免許を受けた方は、臨床研修の対象となりました。ですから、平成17年の国試に受かっている人も、もしも1年申請していなければ対象となってくるということです。
 平成19年から、法令の中に5年以内に制度を見直すようにということがありましたので、18年制度開始以降、平行するような形で見直しが進められてきたところです。19年に設置された検討会の報告書が平成21年に出されたところでございまして、検討会の報告書を受け、制度改善がなされた臨床研修が平成23年から始まっているところです。
 下の時間軸が左から右に流れるような図になりますが、歯学部の前後、又はその後の一連の流れを簡単に示したものです。高校を卒業して大学に入学をしますと、一般教養を受け、その後に、2年次にも食い込んできているような大学も多々あると思いますが、3年次以降、歯学教育を受ける。歯学教育が進められ、5年次、6年次を中心に、臨床実習が行われています。臨床実習に上がる前には、CBT、OSCEといったような形で、この人を臨床実習に上げてもよろしいかということで、一定の基準を設けて、学内で試験をやっています。卒業に関しましては、卒業判定が各大学でありますが、卒業をした人はその後国家試験を受けていただくということで、晴れて歯科医師免許の登録をした方が臨床研修に上がってくるというような流れです。
 また、この臨床研修の位置付けとしては、6年間の歯学部教育の後の初めての歯科医師としての研修であるという位置付けであるとともに、歯科医師免許を取って生涯研修、自己研鑽を始める第一歩目の時期であるということで、非常に大事な1年間になろうと考えられます。
 2ページです。「歯科医師臨床研修の実績等」と書いてありますが、参考資料2、3、4をまとめたような資料になっていますので、後ほど詳しくはこちらを御覧いただければと思います。歯科医師臨床研修制度ですが、プログラムを選ぶ際に、どこの施設に就職をするか、どこのプログラムを選択するかといったときに、マッチングというものをやっていただいています。このマッチングのシステムは、医師臨床研修のマッチングと基本的に同じシステムで実行しているものです。研修を希望する学生さんが、施設の順位を1位から順番に入れていただく。施設側も、取りたい学生さんを1位から順に入れていただく。その上位の者同士が、一定のアルゴリズムに沿って、マッチをしていくというようなシステムです。マッチングにほとんどの施設が参加をしています。
 その後、臨床研修が開始されます。臨床研修のやり方として、今、現在単独型プログラムと呼ばれるものと、管理型プログラムと呼ばれるものがあります。単独型プログラムというのは、臨床研修が1年以上なので、1年以上同じ施設でプログラムを実行される方です。
 管理型プログラムは、それに対し3か月以上、協力型の臨床研修施設に行くという、少なくとも複数の施設が混じり合ったプログラムです。1年制プログラムは191プログラム、2年制プログラムは25プログラムということで、単独型を実施しているプログラムについても、2年制プログラムが多少はありますが、基本的には1年のプログラムであるというところです。この2年制プログラムを実行している施設というのは、例えば病院歯科であるとか、医学部付属病院であるとか、医科の臨床研修の施設と同様のプログラムを実施しているところが多いです。また、2年制のプログラムというのは、2年を修了してから修了書を発行するというプログラムなので、事実上は、例えば1年プラス1年という形で、アドバンスコースを設定しているような病院がありましても、この場合は1年制プログラムということでカウントさせていただいております。
 次に管理型プログラムですが、いわゆる親となる管理型臨床研修施設とその他の施設とが混じり合って実行するプログラムで、こちらのほうは1年制プログラムが94プログラム、2年制プログラムは3プログラムということになっています。また、大体どれぐらいの人がどの比重でいっているか、おおよその人数になりますが、各棒グラフのいちばん右の上側に人数が括弧書きで書かれています。単独型を選択していらっしゃる方は、840人、管理型は1,322人ということで混じり合うプログラムのほうが多いということになっております。この括弧の数字ですが、歯科保健課のほうで出している、臨床研修の補助金の実績ベースで出している人数ですので、国立大学付属病院に1年間行くようなプログラムは、ここにはカウントされていない場合がありますので、参考の値として御覧ください。
 また、昨年の厚生労働科学研究の結果で、臨床研修で、これは一見、管理型プログラムのほうにいっている人数がかなり多く見える数字ではありますが、毎月単位に分けてカウントした場合には、臨床研修の外の施設といいますか、診療所や一般病院を経験される方はおよそ4分の1になっており、結果としては月換算すると4分の3が歯学部付属病院又は医学部付属病院など親の施設にいらっしゃるということです。
 1年臨床研修をしますと、ほとんどの方が規定の1年で修了されることになりますが、目標を到達できなかった未修了とされた方、又は同じ施設で臨床研修を続けられなくなった中断の方がここからあふれるような形で、若干いらっしゃるという形になっています。臨床研修の実績の概要については以上です。
 3ページです。「歯科医師臨床研修推進検討会での検討結果」ということで、前回の制度の見直しを議論した検討会、この会の前の会に当たるものです。ですから、先生方におかれましては、このような形でこの検討会が終わったときには、論点を整理していただいて、どのようなことを改善するのかということで答申をいただけたらと考えています。
 参考資料の5になりますが、「歯科医師臨床研修推進検討会第2次報告」ということでご用意させていただいています。こちらのほうが前回の見直し検討会のほうで取りまとめられた意見書になっています。簡単に項目のみを御紹介したものが資料4の3ページ目の横の表になっています。「歯科医師臨床研修推進検討会の論点」となったものが、左の枠の中に入っています。臨床研修施設の要件はこのままでいいのだろうか、指導体制はこのままでいいのか、研修歯科医への対応について配慮すべきことはないか、指導ガイドラインの導入などに取り組むべきではないか、その他ということでこのような論点を中心に話し合いが持たれました。下線が引いてあるものが、論点となったもののうち、報告書で取りまとめられたものです。
 表の右を見ていただきまして、「検討会報告書」となっておりますが、検討会報告書にまとめられたものが、臨床研修施設群方式の推進、研修管理委員会の充実ということで取りまとめられております。そのうち右の枠の中で下線が引いてあるものは、制度のフレームが変わるということで、省令の改正までに至ったものです。今回の検討会におきましても、意見が出されたものの中で、制度のフレームが変わるというような場合におきましては、省令の改正まで至るというようなことになると思います。
 4ページです。「歯科医師臨床研修の研修方式(例)」ということで、先ほど検討会の報告書の中で、臨床研修施設群方式の推進ということが取り上げられましたその連携型臨床研修施設が盛り込まれたことなどの変更点について簡単に御説明いたします。一番上の単独方式研修プログラムということで、原則として1年間同じ臨床研修にいるプログラムです。青い枠のものが入っていますが、これは1か月以内の範囲で、例えば保健所での研修であったり、老健施設というようなところに出向いて研修をするというようなものです。そういった研修が1か月分ここにカウントされておりますが、原則は同じ施設で研修をするプログラム、これが単独方式のプログラムです。
 次が群方式のプログラムです。これは管理型臨床研修プログラムと呼ばれるものですが、赤い枠又は黄色い枠で書かれている協力型という施設が追加されているものです。協力型臨床研修施設というのは、3か月以上連続して臨床研修を行う場です。基本的には歯科診療所であったり、大学病院というようなところで、3か月以上連続して研修していただくようなプログラムになります。医科のプログラムと違うところは、医科の場合は1つの病院の中でローテートすることがある程度可能かと思いますが、歯科の場合にはこのように施設を動いて研修をするというパターンが非常に多いです。また、協力型の臨床研修施設になっている所は、ほとんどが歯科診療所になりますので、そういう所での研修がいかに充実したものとなっていくのかということが、1つの課題になります。大学病院では患者さんの数であるとか、経験できる一般症例が少ないという指摘がありますので、是非この協力型での臨床研修を推進していくべきではないかというような御提言もあったところです。
 3番目、グループ研修を取り入れた研修プログラムということで、一番下に書かれているプログラムです。ここには、緑の枠が赤い枠と重なって書いてあります。この緑の枠の部分が前回の臨床研修の制度の改善のところで取り上げられた施設で、連携型臨床研修施設になります。
 次のページには臨床研修施設の指定要件が書いてあるのですが、歯科の診療所で常に勤務する歯科医師が2人以上必ずいる所で、人員的に衛生士も歯科医師と同数いる所というようになると、ある程度規模が限定されてきますし、指定を受けるのが数が少なくなってしまうということです。この連携型というのは、例えば協力型の施設要件には少し足りないけれども、例えば在宅を積極的に取り組んでいたり、先新的な医療に取り組んでいたりということで、是非研修医をそこで週に1日でもいいから研修をさせてみたいと言われるような施設です。ずっとそこで研修をするとか、数がどうかとか、研修体制として指導医が必ず1人いるけれども、指導医以外の常勤のドクターがいないような施設に3か月以上置いておくのはどうかというような御意見もあるところですので、続けて何か月という研修の仕方ではなくて、週に一度であるとか、経験をするというようなことで、指定は受けるけれども、原則としては赤く塗ってある協力型(A病院歯科)と書いてあるところが日程的にも症例的にも到達目標的にもコントロールをした上で緑の連携型の所に出していくというようなことで、なかなか経験できないような症例を、緑の臨床研修施設で補完していくというようなプログラムです。
 5ページです。「人員に関する基準」ということで、こちらはそれぞれ単独型、管理型、協力型、連携型の指定要件を示しています。単独型、管理型の左の2つは、協力型、連携型、右の2つと異なり、それぞれ自分たちのプログラムを持っており、研修歯科医を直接に採用することができます。また、研修管理委員会を持っており、研修歯科医が到達目標を達成したか否か、こちらのほうも判定することができます。これが左の2つの施設になります。
 対しまして、右側2つの協力型、連携型というプログラムは、単独で自らがプログラムを持ったり、採用をしたりということはありませんが、単独型や管理型の施設とともに臨床研修を実行していくという施設です。ということもあり、左の単独型から順番に要件の高低が定められています。単独型は1年間以上そこに研修歯科医がいる所ということですので、3人以上の常勤歯科医が必要であるとなっています。管理型、協力型は一緒に共同して臨床研修を行うところですので、指定要件が若干引き下げられるような形になっています。いずれの指定要件下でも、指導歯科医は常勤でいなければいけなことや同時に受け入れられる研修歯科医の数が指導歯科医の数に応じて決定されるというようなものになっていることについては、全ての施設で変わらない要件になっています。
 めくっていただきまして、「歯科医師臨床研修に関する論点」です。後ほど御説明しますが、資料7に臨床研修に関する論点をお示ししています。6ページに書いております「歯科医師臨床研修に関する論点」、こちらのページに書いてあるのは、11月28日にお示しさせていただいた臨床研修に関する論点です。本日御議論いただくものは、これに合わせてかなり論点を追加させていただいたものを御提示していますので、後ほどこちらについては御説明をさせていただきます。
 6ページ、臨床研修制度の在り方はどうなのか、今後のあるべき姿はどうなのか、症例数は設定すべきなのかどうか、研修場所はどうあるべきか、又は受入実績のない、管理型から送り出すことのない協力型の臨床研修施設というのは、今後どうあるべきなのかと言ったこと。また、説明が難しいのですが、6ページの下から2つ目ですが、受入実績の無い歯科医師臨床研修施設の位置付けということで、管理型臨床研修施設、これは歯科大学卒業員が圧倒的に多い所ではありますが、こちらが選ばない診療所、群内マッチングを実際やっていただいて、管理型臨床研修施設で採用した研修歯科医をどこの診療所に送り出すかということを、病院内で議論されると思いますが、なかなか選ばれなくて、3年も4年も受入実績がゼロという協力型が実際にあります。また、送り出せば中断事案が発生したりというような所もあります。こういうような受入実績もなかなかない、又は受入実績のあまりよくない協力型について、どのような対応をすべきかということで、論点を設定しています。
 6ページの一番下ですが、アルバイトや大学院に関する解釈についてどのように考えるかということです。臨床研修中においては、歯科のアルバイト、歯科の医療に関するアルバイトに関しては禁止をしていますが、論点の中では、アルバイトにおいても大学においても、歯科医療に関わる者以外で、なおかつ歯科の臨床研修に専念できなくなるようなレベルのものでないものについては、制限するものではないと。こちらについては、見直しの了承が得られ、事務局にて対応をしているところです。資料4については以上です。
 資料5を飛ばしてしまうのですが、先に資料6の説明をさせてください。資料6は両面になっていますが、歯科専門職の資質向上検討会、先ほど小椋から説明があった制度です。裏面の医道審議会歯科医師分科会歯科医師臨床研修部会は、歯科の臨床研修施設等の指定を審査する会議です。
 同じように、資料4の6ページの論点のような議論又は意見をいただいたところですが、そのときにいただいた主な御意見をこちらに提示させていただいております。資料6ですが、11月の会議で卒前の臨床実習と卒後臨床研修、その後の生涯研修に至る連続性がなかなかうまく機能していない。先ほどの論点でありました、症例数の設定ですが、そもそも症例数で縛ることに関しては、全国統一で何症例やらないと認められないというようなことで、実際自分が配当した患者さんがその症例に見合わなかったというケースも十分にあり得ることから、症例数で縛ることについては考えものであるというようなことです。
 指導歯科医講習会については、1回受ければそれまでというような制度ですが、更新したり再度受講したりというような制度も必要ではないか。
 2です。臨床研修施設には、いろいろな施設がありますので、例えば診療所が管理型となっているプログラムであれば、一般的な歯科症例はものすごく経験できるが、例えば入院症例、麻酔の症例、全身管理に係るような分野については薄いのではないかというような御意見。又は逆に病院歯科であるとか、医学部口腔外科のプログラムを選択した場合に、一般症例はどの程度研修できるのかというような御意見が出ました。
 3この歯科医師臨床研修は一般的な歯科治療ができる歯科医師の研修をしてもらうものであるから、これは口腔外科と書いてありますが、特に口腔外科に関わらず、何かに偏るようなプログラムであってはいけないのではないかというようなものです。
 続きまして、連携型というプログラムがあるところだが、これは大変いいものではあるが、手続きが煩雑で、なかなか実行できないということで、23年から始まった新たな制度について御意見をいただいたところです。
 4ですが、医療だけではなくて、ヘルスの部分、母子の1歳6か月、3歳児健診であるとか、歯周疾患検診であるとか、学校健診であるとか、そういうものも実際にはプログラムの中に入れるようにとなっているが、実態はどうなのだろうかという御意見でした。
 裏ですが、部会の御意見です。少し視野の違うものもあります。臨床研修については、国内制度ではあるけれども、国際的な視点で、先進国を含めた他の各国がどのような卒後教育をしているか、比較検討すべきではないかというご御意見です。高齢化社会が進む日本において、今の課題だけではなく、30年後、40年後を見据えた課題に対応していくべきではないか。
 3歯科は細かい話に焦点が当たり過ぎている気がする。医科・歯科連携などについても焦点を当てていくべきではないか。
 また、新たな意見として5ですが、研修管理委員会が何か問題があつたときには、解決に当たることになっているけれども、研修管理委員会がもっとしっかりしてほしいということです。
 7です。カリキュラムとまではいかないけれども、それぞれ教育過程における到達目標の設定、意味付けなどを行う必要があるのではないか。
 適切な研修先の確保ということで、最後のポツに書いてありますが、これも少し視点が違うのですが、臨床研修に関する補助金の取扱いも含め対応する必要があるのではないかということで、そのような視点もいただいているところです。制度、論点、そして論点についてこれまでにいただいている御意見ということで、ざっと御説明をさせていただいたところです。以上です。

○俣木座長 
 ただいま、事務局から関連の事項について説明をいただきました。かなり幅広い情報だと思いますが、これまでの説明の中で、委員の中から何か御質問等はありますか。

○伊東委員 
 2年制のプログラムが25あるというお話ですが、2年制プログラムも厚生労働省の歯科医師研修制度のお墨付きというか、それはあるのでしょうか。

○高田歯科医師臨床研修専門官 
 臨床研修の省令通知の中では、歯科医師の臨床研修の期間は1年以上ということで設定されています。例えば、3年のプログラムでも4年のプログラムでも、作ろうとされるのであれば、それは理論上は可能です。ただ、選択する人がそのプログラムに魅力を感じるかも含め、設定をされるべきかと思います。先ほどの資料4の2ページ、2年制プログラムについての質問ですが、2年制プログラムと書いてあるものは2年制ということで、2年間終わったあとで修了証を発行するプログラムということで指定をしているプログラムであり、厚生労働省で指定を受けているプログラムです。
 先ほどの繰り返しになりますが、1年制が191とありましたが、実際にはこの191の中にも引続き同じ施設でアドバンスコースのような形で、例えば1年目は、口腔外科、一般歯科を中心に研修し、2年目は、歯科麻酔の研修に行くというようなプログラムもあります。1年目のプログラムの中には、例えば麻酔は1か月だけ行くような形にしておいて、2年目には1年間麻酔学の研修をするようなプログラムもあります。指定を受けるときには、1年目だけを指定を受けているので、1年と書いてあるから当該施設での勤務が1年しかないとは言えません。修了証、また到達目標の達成の期間については、1年で設定されているものが191のプログラムとなっています。1年制においても2年制においても、臨床研修の指定を受けたプログラムです。

○上條歯科保健課長 
 ちなみに、今年度の歯科医師臨床研修部会においても2年制のプログラムとして認められた施設があります。

○高田歯科医師臨床研修専門官 
 蛇足かもしれませんが、実は2年制プログラムをやっていただいている所は複数あるのですが、歯科医師臨床研修は法定上は1年以上となっている関係上、歯科医師臨床研修の補助金の対象となるのは、現行の制度では最初の1年目のみになっています。直接の質問ではありませんが、補足させていただきます。

○俣木座長 
 補助金の対象となるのは1年のみということですね。ほかに御質問はありませんか。かなりいろいろな項目や提案、見方等、特に資料6では11月28日に開かれた資質向上検討会からの御意見、及びその裏面には医道審議会歯科医師分科会歯科医師臨床研修部会から上がってきている御意見もあります。このようなものを参考にしていただいて、委員の先生方から御自身のいろいろな経験、お考え等の中から御質問等ありましたらお願いします。

○小正委員 
 いま補助金というお話が出ましたので、お聞きします。平成22年度から、補助金が減額されています。大学としては、非常に経済的にも負担になっているのですが、その辺りのこともここで協議することになるのですか。

○高田歯科医師臨床研修専門官 
 原則としては、この会議の中では、制度について議論いただきます。ただ、研修に関する関連制度についても御意見は賜れたらと思います。

○小正委員 
 補助金だけではなくて、研修生の給与、あるいは最低賃金も少し見直していただきたいと思います。特に、研修生でも自立している者もいますし、あるいは結婚している者もおり、給与が低くて生活するのが非常に苦労しているところもあります。この規則の中には、専念規定、アルバイト禁止とありますので、その辺りも少し議論をしていただきたいと思っています。

○俣木座長 
 この点について、特にアルバイト禁止について、事務局からの見解等をお願いします。

○高田歯科医師臨床研修専門官 
 資料4の6ページのいちばん下にあるのですが、アルバイトや大学院に関する解釈ということで、先ほど説明させていただきました。アルバイト、大学院に関しては、例えば臨床研修期間中に臨床研修施設以外、つまり指導歯科医の指導下以外でのアルバイト、要は歯科医行為は、全面的に禁止しています。しかし、例えばアルバイトであっても、塾の先生をやるのが駄目なのか、家庭教師をやるのが駄目なのかということに関してまでの規定ではありません。ただし、それが臨床研修に専念できないようなレベルでの長期間、又は深夜にわたるようなアルバイトであって、翌日の研修に影響が出るようなものと研修先が判断するものであってはいけないということであり、それが一概に良い、悪いという判断を国でするものではなく、研修管理委員会で整理をしていただけたらと考えています。
 大学院についても同様で、例えば社会人大学院を土・日、休暇の時間の中でやっていただくものまで全てをけしからん、専念できないというような判断をしているわけではありません。それは、程度問題もありますので、管理委員会の中で判断をいただけたらと思います。

○一戸委員 
 今のことに関連して、ここに書いてある医科と歯科医師の臨床研修で解釈が異なるというのは、何を説明しているのでしょうか。

○高田歯科医師臨床研修専門官 
 研修が始まった当初、Q&Aを歯科医師のほうで示していました。その中で医科では当初アルバイト、大学院に関する解釈については、もっとフワッと書いてあったというか、歯科は細かく駄目だと書いてあったということで、そこを事務的に整理させていただき、いまのような判断としています。

○一戸委員 
 そのことを、この表現で意味しているのでしょうか。

○高田歯科医師臨床研修専門官 
 この表現は、前回の論点としてこのような書き方をしているので、結論としては先ほど説明したような形です。

○俣木座長 
 ほかにありませんか。

○藤井委員 
 資料6の歯科専門職の資質向上検討会の?に、卒前の臨床実習と臨床研修、生涯研修の連続性がなかなかうまく機能していないという意見があります。これについて、いままでにどのような形が理想だという議論があったり、このようなモデルがいいという意見があったり、そのような実例のようなものはあるのでしょうか。

○高田歯科医師臨床研修専門官 
 実例というよりは、よくある御意見としては、資料7の論点の中でまた出てくるのですが、臨床研修が始まってからますます臨床実習が少し薄くなってしまっているとか、大学病院任せというか、あとの研修施設任せになって、大学での教育が薄くなっているのではないかというような御意見もあるところです。具体的に、どのような形がよいかについては、何か委員の中からありますか。

○丹沢委員 
 医学部の口腔外科へ、歯学部を卒業した方々がいろいろな施設から来られます。そうすると、知識は結構、皆さん国家試験の勉強をどこも一生懸命やられているのでいいのですが、技能はバラバラです。実際に、患者を診ることを研修でやるものですから、我々は患者との医療面接的なことができれば、あとのことはこちらに任せていただいても、きちんと面倒をみる自信はあるのです。ただ、問題なのは、印象を採ったり、セメントを練ったりするのが全然できないという人も中にはいて、患者に我々が配当して一緒に診ていく上で、非常に現場でそのようなことができなくて、例えばインレーやクラウンなどを作るときにセメントを一生懸命練っているうちに固まってしまい入らないなど、そういう人までいるのですね。シミュレーターなどを使ってでも結構ですから、我々は卒前教育で、基本的にそのようなことをやっていただければ、患者とのことは我々がやりますよというスタンスで、一応研修をしています。
 これは、大学間でものすごく差があります。ですから、最低限の卒前研修で到達する目標がここ、それから卒後研修で到達する目標はここと決めていただいたほうがいいと思っています。実際に患者を与えて一緒にやる場合に、障害になることが結構たくさんあるのが現実です。

○藤井委員 
 参考資料2で、モデル・コア・カリキュラムの改訂されたものがあると思うのですが、これは歯学部を卒業するまでにここに書いてあることは網羅してほしいという理想型の1つだと思います。これを受けて、その上で臨床研修が発展するものであるならば、臨床研修で目指す目標のようなものがあってもおかしくはないと思います。むしろ、臨床実習では歯科は技術がすごく重くなってくると思いますので、臨床研修ではどのようなことを求めて、生涯学習につながる階段をうまく作っていく連携ができていないと、それぞれで考えていても厳しいなと私は感じます。
 私は、新潟大学で臨床実習と臨床研修を両方を統括する部署にいるのですが、バラバラにやっていては、それぞれが良いことをしていてもこれは決してつながってこないなというのは実感として持っています。例えば、厚労省、文科省間で何かやり取りがあって、このような形が理想だというものがあれば、是非お伺いしたいなと思って質問した次第です。

○上條歯科保健課長 
 確かに臨床実習と臨床研修は、歯科医学教育が文部科学省の所管で、臨床研修が厚生労働省の所管となっており、それぞれ別々にやってはいます。このような検討会では、お互い相互に各省庁でもという趣旨もありまして、私どもも、例えば文部科学省の会議に出席させていただいて、施策の連携ができるための展開を考えています。なかなか研修と実習を一緒にと、急にはいかないのですが、うちでも臨床研修のプログラムを掲示するときは、当然、文科の臨床実習やコア・カリの状況などと連携させながら作る形態が考えられる、のではないかと思っています。
 ただ、歯科大学は研修施設であるとともに教育施設ですから、恐らく、現場サイドでは、連携をしながら制度が作られているところを対応しながら運用をしていただいているのではないかと思います。

○俣木座長 
 文科省から何かございますか。

○渡辺企画官(文科省高等教育局医学教育課) 
 昨年度の文科省先導的大学改革推進委託事業で、例の例なのかもしれませんが、連携ログブックを俣木先生に御尽力いただいて作っていただき、それのモデル的なケースを示しているところです。そのようなことも参考にしながらやっていただければということになるのかなと思います。俣木先生から何か補足等がありましたら、お願いします。

○俣木座長 
 いま御紹介いただいたように、実は参考資料6にある歯学教育モデル・コア・カリキュラムの平成22年度改訂版が出ました。平成23年度は、これに準拠した診療参加型の臨床実習のカリキュラム事例集も作っています。それと、いま渡辺企画官から御紹介いただきました卒前の臨床実習と臨床研修の連携ログブックという、紙ベースの小さな手帳のようなものを作りました。卒前と卒後に行ったことを記録していくようなものを用意しておけば、例えば臨床研修施設でこの研修医は卒前の臨床実習でどのような内容をやってきたかが大まかに分かります。この記録帳のようなものを試作して、全国の大学にお配りして、使ってみてくださいというところまではやっております。使う、使わないは、各大学の裁量のもとにやっていただくわけですので、今後それがどれだけ浸透するのかです。
 臨床研修制度が制度化されましたので、どうしても教育の現場としては、どうせ研修でやるのだからといって先送り型の考え方をしがちなのですが、連携ログブックはそれとはむしろ逆で、研修でやられたことをいかに卒前に前倒しできるかという発想の材料にもしてほしいという願いで作っているところがあります。効果がすぐに出てくるとも思っていませんので、辛抱強く先導的な大学改革推進事業も進めているのが現状だと思います。
 結局、質問をいただいた藤井先生のように、卒前の臨床実習、卒後の臨床研修を指導歯科医としてやっている人は同じである場合、あるいは非常に近いところでいつも普段から活動しているようなこともありますので、そのような点はやはり現場でいかに効率的に行っていくのかが、1つの大きなポイントになるのではないかと思います。この点については、お役所の関係だけではなく、むしろ現場の話になるのかもしれません。このことについてでもいいですし、ほかのことでも構いませんので、何かありますか。

○秋山委員 
 歯学部7年生として形骸化しているとの指摘があると書かれているのですが、自分がいま問題だと思っているところは、国家試験の歯科マッチングのときの登録者が3,900名程度おります。国家試験が2,200名程度合格ということで、そこで歯科マッチングで決まったところに多くの空席が出るというところに問題がありです。あとは、皆国家試験に合格することだけが目的になってしまっているので、臨床実習まではそれなりにうまくいくのですが、国試の勉強のときに受かればいいや、受からなかったらどうしようというような状況が、いま学生の間ではあります。臨床研修はどこでもいいやというような状況になっているのが現状です。
 平成18年の頃は、まだ自分たちは志をすごくもって、この制度が歯科界のビック・バンだという形で、歯科界の活性化を含めていろいろなことを考えていたのですが、歯学部の定員割れが起きてしまい、いま自分が歯科医師をやっている方が、御子息を歯科大に入れないような状況が出てきているのが現状です。その辺りのことも含めて、歯科専門職の資質向上を目指して考えていかないと、臨床研修制度の仕組みをもう1回見直すこともいいのですが、もう少し大きな観点から見ていかないといけないのではないかと、すごく痛切に感じています。
 歯学部7年生の部分に関しても、最初はどの大学もそれを目指していなかったと思うのですが、結局歯科医師国家試験を受からせなければ、学生が集まらない状況が出てきてしまっています。今年に関しては、日本歯科大学の受験生は昨年と比べて大分人数が増えたという報告もいただいたので、少しは上向きになっています。その辺りのところの歯学部入学志願者の母集団が増えていかないと、この歯科界を含めてまずいかなと痛切に感じていますので、その辺りも含めて今後、議論をいただければと思います。○俣木座長 歯科界全体に明るい未来をということで、やはりいい人材が参入してくるような、業界全体の問題になると思います。今日の朝日新聞朝刊にも、授業料の値下げのことが出ていました。これは、医学と歯学は全然観点が違った書かれ方をしていまして、歯科は追加で書かれていました。簡単に言うと、かなり授業料を下げてきているということですね。下げて、いい人材をということになっているようです。ほかにありますか。

○一戸委員 
 いまの秋山委員のお話とも関連するのですが、厚生労働省の立場で言うと、歯学部7年生で臨床実習は形骸化していると捉えられるでしょうが、一方、文部科学省から言うと、臨床実習は形骸化しているということで、どちらも形骸化していることになってしまっています。それは、いまの歯科医師臨床研修制度が、医師の臨床研修制度と違って、大半の人は大学で研修をせざるを得ない形になっていて、従来の倍の学ぶ人たちがいて、しかし患者が倍になっているわけではないので、患者の奪い合いに端を発しているのではないかと思います。そうすると、もちろん、患者を屋根瓦などといいますが、医師の臨床研修と違って、歯科医師は手を動かしてなんぼのところがありますので、屋根瓦がなかなか成立しにくいということになれば、やはり大学以外の所で研修できる仕組みを、連携施設もそうですが、いろいろな形で作っていかないと、臨床研修制度は本当に形だけになってしまうかなと思います。このあとの議論でしょうが、是非大学でない所で研修できる仕組みを考えていかなければいけないのではないかと、すごく感じています。

○俣木座長 
 その点では、当初から群方式を推進ということで、いろいろな研修施設の特徴に応じたプログラムをお互いに補完するような形で、大学病院では大学病院のいいところ、また大学病院では研修しづらい所は、協力型あるいはその他の施設でというような考え方です。やはり、受皿の大きさからいうと、圧倒的に歯科医師臨床研修は、定員ベースでいうと、92%は大学病院で行われています。医科は、その半分の46%が大学病院となります。その92%の大学病院と言っているのは、医学部の歯科口腔外科の大学病院も含めた%になります。大学病院ベースの臨床研修が9割以上というのが、医科と歯科の最も違うところです。しかも、それは外来中心の研修になります。
 これは、恐らく資料7で臨床研修施設のいろいろな患者数や症例数の話にもなるかもしれません。そのような点を、今後考えていかないといけないと思います。ほかには、御意見はありませんか。

○丹沢委員 
 研修制度の話に入る前提として、資質向上の検討会なので、文科省もいらっしゃるので、少しだけお話したいと思います。いまの初等教育と中等教育で何が足りないかというと、学問に対するあこがれや尊敬などの気持ちを養っていないですよ。それで、何かこの研修制度や実習制度の話をしたときに、何か職人の徒弟制度という考え方は止めてほしいのですよね。飽くまでも、歯科医学や医学の1分野としての誇りとあこがれ、喜びが感じられるような制度にしてあげたいと思うのですよね。それは、卒前教育もそうですし、実は小・中・高の教育もそうなのですよね。何のために勉強しているのか。いい大学に入って、いい会社に入るためではないと思うのですよ。何のために医者になるのか。安定した生活をするためではないと思うのですよね。そのような教育がものすごく薄くなってしまっているので、そのことは是非お願いしたいと思います。ですから、これは議論ではなくて、前提としてお願いしたいと思います。

○俣木座長 
 ほかに、何か御質問、御意見はありませんか。

○藤井委員 
 本題とずれるかもしれないのですが、いま診療参加型臨床実習を推進している動きがあるのは、皆さん御承知のとおりだと思います。大学病院には、患者は確かにいらっしゃいますが、ほとんどの患者はやはり腕のいい先生に診てもらいたいということでいらっしゃることがほとんどです。その場所で、学生あるいは研修歯科医を担当にするのは、非常に説明に時間がかかりますし、ある意味こちらの誠意みたいなものが伝わらないと「うん」とは言ってくださいません。これは、大学の自助努力だけでは如何ともしがたいところがあるのではないかと、日頃から感じています。
 例えば、日本の医療を支えるために医学部、歯学部では、学生や研修歯科医が現場に参加しているのだということを、もう少し世間や社会にアピールするようなことをバックアップしていただけるような動きがあれば、現場の人間としては非常に動きやすくなるのではないかと思います。この辺りに関して、何か取組などがありましたら教えていただければと思います。

○上條歯科保健課長 
 正直言いまして、取り組みにくい点があります。というのは、アメリカなどのベースですと、実際には医療保険制度がありませんから、向こうでは低所得者などをある程度確保して患者に当てるようなことも可能かもしれません。日本の場合には、残念ながら歯科医療の場合は基本が皆保険制度になっていますから、その中でどのようなことができるのかなという話になます。正直なところ皆保険制度では、支払う側の保険者が構成メンバーに含まれています。いまの段階ですと、逆にそうした患者のニーズが上がっている状況下でというのは、なかなか難しく、もう少し別の方法がないかをしばらく模索する必要がある段階では無いかと想います。

○藤井委員 
 是非、それは頑張っていただきたいなと思います。例えば、厚労省、文科省が取り組んでも難しいと思っているものを、単体の大学が取り組むのはもっと難しいところがあります。この論点の中にも出てきたかもしれませんが、患者ニーズというのは上がっています。社会的な背景もどんどん複雑になっていますから、この中で診療参加型の臨床実習や臨床研修を継続していくのは、それぞれの大学に任せているだけでは多分立ち行かなくなるのではないかという気がしていますので、是非御検討いただければと思います。

○上條歯科保健課長 
 結局これはそもそも論から言ったら、そもそも制度的にいまの形態でできるのかという話になり、別の免許制度なり別の議論を呼び兼ねないので、おそらくこれは単純な話ではなとの印象をもっています。

○小正委員 
 いまの御意見に賛同するのですが、患者はやはり研修歯科医には診療してほしくないという気持ちがすごくあるようなのですね。ですから、何とかこの患者の負担を軽減するような対策、対応を取っていただきたいと思います。何か考えていただきたいなと思います。

○俣木座長 
 これも、卒前実習も含めて、臨床研修も同じような状況になります。医科では、臨床研修は状況が違うと思いますが、卒前の臨床実習に関してはいかがでしょうか。

○久委員 
 やはり先ほど言われましたように、本来ならば参加型をやれと言われるのですが到底無理で、見学型になっていますね。ですから、同じ意見だと思います。もう1つ、先ほどお話がありましたが、大学ではなくて市中病院などで協力型で頼むというのがあるのですが、それをすると私は京都府立大学の耳鼻咽喉科なのですが、私どもの大学に限って私の私見ということでお聞きいただきたいのですが、よくできる子は大体外に行きますね。どうでもいいなと思っている子は、残ってしまうのですね。そして、耳鼻咽喉科は外の病院で研修しようと思っても、スタッフや施設が充実している所が少ないので、割合大学に残ってくれます。内科や外科はよそへ行きます。
 そうすると、私が心配するのは、10年20年後のアカデミックスタッフが本当に育ってくるのかを、ものすごく危惧しますね。それは、もしそれでいってしまうと、その人たちは先生が言われたように、職人のようにいつもファイバーしてGIFやってとなってしまい、学会発表はしない、研究論文は書かない、研究はしないという子が、本来はやってほしい子が外へ出てしまってやらないということになってしまうと、後々20年後の教育スタッフは文科省はどのように考えておられるのかなと思います。その辺りもお考えいただいて、何でも外に、作られるのはいいのですが、やはりいい子は大学へ残って本当に教育スタッフも確保できるようなシステムをお考えにならないと、後々困るのは我々だと思うのですね。

○小森委員 
 日本医師会の小森です。少し医科の話が出ましたので、これは私の私見というより、久先生も当然お入りになっていらっしゃいますが、全国医学部長病院長会議は、公式にグランドデザインを出された上で、つい先日アクションプランをお出しになりました。その中で、先生方は御承知と思いますが、CBT、OSCE、5年次、6年次の診療参加型実習について、「学生医」(仮称)ということです。随分以前に前川レポートといわれるものもあり、違法性は阻却されるというものもありますが、このことについては一定の資格を付与するのがいいのではないかという提言をしておられるわけです。日本医師会も、この火曜日に医師養成に関する日本医師会の提言第3版を記者会見で発表させていただいたところです。そこでも、同じような「学生医」(仮称)という提言をしています。
 先生方は御承知のように、医師国家試験、歯科医師国家試験、私は歯科医師国家試験には全く携わっていませんので分かりませんが、その在り方等についても議論を相当昔からしています。そのような方向に、具体的に歩み出すことが重要だと思っています。全国医学部長病院長会議の調査においても、医科の場合は5年次、6年次で診療参加型実習は、文科省が1,500時間という一定のこれ以上という線があるわけですが、そこの未達の大学が平成22年度においても17大学と大分減ってまいりました。それは、やはり国家試験の問題、医科の場合は3日間500題です。私は、国家試験の委員をしていますが、非常に膨大な知識量を要求されることから、改善が必要だなと。先ほど、藤井先生がおっしゃったように、診療参加型臨床実習と、医師国家試験と、歯科医師国家試験、医科の場合は医師国家試験と臨床研修は三位一体で議論をしていかないといけないなと思います。
 先ほど課長がおっしゃいましたが、不満なのですが、医科でもなっていますが、これはつまりそのような形で、より良い医師、歯科医師を養成をしていますので、患者もどうぞ御協力くださいというような、これは広報ですよね。それを、いまの医師法、歯科医師法の問題に絡めたのでできないよという返事ですが、そうではなくて、広報は一つ一つの大学や病院の中でも随分広報されたり、指導医の方々を含め皆さんお話になっておられると思います。医科の場合は、逆に言うと臨床研修は主治医制ということで、患者に対する調査などもしているわけですが、かなり満足感が高いという結果も出ていますので、そのようなことを踏まえながら広報は全体のフレームの中で歯科、医科ともに積極的にやりますとお答えになれば、それでいいのではないかと思います。

○俣木座長 
 参考資料5にも、平成21年の推進検討会の第2次報告の第4に、「歯科医師臨床研修制度に対する理解の推進」が挙げられています。7ページのいちばん上に、国民、医療関係者等に対して、歯科医師臨床研修制度に対する周知を進める、あるいは病院歯科では、その病院のほかの医師への周知と。今後はそれだけではなくて、医科と歯科でも患者を中心として連携をしていくというようなことも含めて、いろいろな角度からも、役所は役所のレベルでそのようなことをやっていただけるといいと思います。いまの御意見のとおりではないかと思います。どうも、ありがとうございました。ほかに御意見はありますか。

○渡辺企画官 
 いまのお話に1つだけ追加というか、参考の御紹介をさせていただきます。先ほど、文部科学省の先導的大学改革推進委託事業で、歯科でもやっていただいたというお話をしました。昨年、医科でも東京大学の北村先生がチーフになってやられました。そこで、診療参加型の臨床実習を充実させていきましょうというキーワードでいきました。
 先ほど少し話に出ましたが、医科は主に内科系になると思うのですが、患者を触る云々というところに焦点があるのではなく、この方の最終的な診断はどうなるかとか、治療法はどうなのかに関して、屋根瓦方式で議論をたくさん重ねていくというようなことが、診療参加型の臨床実習だというような議論もあり、進めています。その辺りは、歯科と医科で雰囲気が違うかもしれませんが、医科の議論の紹介でした。

○丹沢委員 
 先ほど、前提のような話をして反省をしているのですが、この研修制度の見直しについて、ある程度そういう会ですから、それをやったときに卒前実習の教育にどのようなことを求めるか、あるいは生涯研修を整理することにして、研修自体がこの話を出して見直しになるのは、ある年限が経ったから法律で見直すこともあるでしょうが、恐らく研修先の数が一応整ってきたと。そこで、質的な向上をしたいという話だと思います。その中で、関連して卒前にはこのようなことを求めようという話で、一つ一つの論点を整理していったらどうでしょうか。話を反らしてしまったのではないかと思って、申し訳ありませんでした。
 ただ、研修をするときに、将来の夢や学問の発展などをいつも言いながら吹き込む、あるいは医療の夢などを吹き込むのはものすごく大事なことだと思いますので、あのような発言をしました。申し訳ないですが、整理をお願いします。

○俣木座長 
 全体的に、このワーキンググループでやるべきことの大枠を見直すようなコメントをいただきました。やはり、卒前からの歯科医師養成という大きな観点から、またそれを踏まえた上で、この臨床研修制度そのもののいろいろな点を見直すのが、このワーキンググループの使命です。また、その中には医科からの意見がありましたように、非常に貴重な医師会からのいろいろな考え方、医師の養成とも併せてその辺りを進めていくことが大事であろうと思います。よろしいですか。ほかに御質問、御意見がないようでしたら、続いて今回の制度の見直しのスケジュールについて、事務局から説明をいただきたいと思います。

○高田歯科医師臨床研修専門官 
 資料5、資料7を併せて御説明します。資料5を御覧ください。「歯科医師の臨床研修制度の見直しに関するスケジュール」です。上に書かれているのが、今現在皆様に御参画いただいております歯科医師ワーキングの日程です。下に同じように並べて書いているのが、前回の平成19年に設置された改正のスケジュールです。おおよそ同様のスケジュールで参りたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 今回、2月1日に第1回歯科医師ワーキングを開催することになりましたが、続けて御説明させていただく資料7の論点に基づいて、また本日幾つか新しい論点も先生方から御提示いただいておりますが、それらについて初回はどの論点について話し合おう、次回はどの論点について話し合おうというような形で複数回の議論を経て、参考5に示させていただいたような意見を取りまとめていきたいと考えております。今回の臨床研修の見直しによって、省令なり通知なりの改正があると存じますが、この時期の見直しの臨床研修の運用開始は平成28年からになっております。大枠については以上で、細かい内容については資料7です。
 先ほど来、御質問なり新たな御提言なりをいただいていますが、「臨床研修制度の見直しに係る論点」ということで、これはあくまで例と案という形で事務局で作成をさせていただいたもの、あるいは部会なり、この検討ワーキングの親会の意見があったようなものについて、ワーキンググループの論点として提案をしています。先ほどありました臨床実習又は臨床研修への国民への周知や、一貫した歯科医師の養成、将来の歯科医師はこうあるべきという大きなビジョンに向かっての各制度のあり方等々から見た臨床研修というところで、新たな提言もいただいています。また、小正委員からは患者負担についても何かできるのではないかというような論点もいただいています。私から事務局で提示させていただいた論点について簡単に御説明させていただいた後、先生方から医療現場又は教育現場などからの観点から新たな論点を御提示いただけたらと考えております。
 まず「基本的枠組みについて」、臨床研修の基本理念については「歯科医師としての人格を涵養し、将来専門とする分野にかかわらず、一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるよう、基本的な診療能力を身に付ける」という大きなテーマでやっておりますが、これについてどのように考えるか。卒前教育、国家試験、臨床研修、大学院進学又は専門医等々について、一貫した歯科医師養成を行うという観点から、今後の歯科医師臨床研修のあり方をどのように考えるか。臨床研修が歯学部7年生として形骸化しているという指摘について、どのように考えるか。どのような対策が必要か。
 到達目標についてどのように考えるか。また、今後どのような内容について充実させるべきか。これについては先ほど委員の先生からも御紹介がありましたが、参考資料6、7にモデル・コア・カリキュラムや国家試験の制度改善の取りまとめがなされているものを参考として付しております。これらを参考にするとともに、ここにはないけれども何十年後かの歯科医師のあるべき姿を見据えて、積極的にこちらが先進的に取り組むべき、リードすべき項目について御意見があれば追加して、論点なり到達目標なりに入れていく必要があるのではないかと考えております。
 5として研修期間について、今は1年以上となっておりましてばらつきがありますが、これについてどのように考えるか。6歯科マッチングについてどのように考えるか。6については7がそのまま引き続きますが、マッチング時期が遅い。つまり国家試験の勉強の時期と研修施設の見学に行く時期とが重なることに対するの負担感という指摘もありますが、これを早めるためには臨床研修の指定施設の申請の時期を大きく早める必要があります。そうなると、研修施設側に大きな負担があるわけで、双方を見ながらどの程度できるかも考えていかなければならない。
 1枚めくって頂き、「指定基準、申請について」です。臨床研修の指定基準ですが、資料4の中で大きな枠については御説明をさせていただきましたが、それについて現場感覚としてどのように考えるか。ちょっと厳しすぎるので守れないのではないかとか、緩過ぎるのではないか等々、御意見をいただけたらと思います。?の協力型臨床研修施設の並行申請についてどう考えるか。この並行申請というのは、例えば高田歯科診療所が東京医科歯科大学も親施設として、東京大学も親施設として、東京歯科大学とも、日本歯科大学ともというように、親施設を幾つも持つような協力型の臨床研修施設が既に存在しています。そうなったときに、各親施設側から見ると高田歯科診療所には、今年度どのようなスケジュール感で学生が来るのかがよく見えなかったり、又は学生が実際に行ってみたら、指定基準を満たさない指導体制の状況があったりということもあると聞いております。そのような状況下で、各親施設の連携をどのように取っていくべきなのか。又は並行申請そのものをどのように管理していくべきなのかということも御議論をいただけたらと思います。
 10専門性に特化したプログラムについて、先ほどの研修内容に偏りが大きいようなプログラムは、どのように考えるかということです。11継続して受入実績のない臨床研修施設について、どのように考えるか。ここは先ほど御説明した、なかなか親施設が送り出さない臨床研修施設についてということです。12継続して受入実績のない等の臨床研修施設を群構成から削除することについて、どのように考えるか。13も11、12の続きの質問になります。いずれの群にも属さない、つまり12で全ての親施設から切られてしまったような臨床研修施設に対してどのように考えるか。14基本的診療能力を身に付けるための症例数、患者数についてどのように考えるか。先ほど御説明した資料6の中では、症例数を到達目標の中に入れることについては反対だという御意見をいただいていますが、各臨床研修施設で研修医が必要な症例を経験できる患者数について、1日平均どれぐらいいるのがいいのかとか、そういう御示唆がありましたらいただければと思います。
 3ページの「研修実施体制について」。これは引き続きの懸案事項になろうかと思いますが、15、16、17はそれぞれの制度について、管理委員会、プログラム責任者、指導歯科医がどのようにあるべきなのか。また、それらについてどのように考えるか。16指導歯科医講習会の在り方について、指導歯科医講習会を繰り返し受講したほうがいいというような御意見もある反面、2日連続で受講するのが非常に負担だというような御意見もあったりします。これについて、どのように考えるか。19複数の臨床研修施設が共同して臨床研修を行う際、病院又は診療所間での連携体制の在り方についてどのように考えるか。これは、どこまでの到達目標を前の施設でやっているのか。どの程度後ろの施設が把握しているのか等々の話です。20基本的診療能力を身に付けるための症例数などを担保する観点から、病院、歯科診療所等における研修をどのように充実させていくべきか。これは研修を大学だけでやるのではなく、臨床研修指定病院又は診療所で実施すべきであるという御提言に基づいての論点ですが、これを充実させていくためには何が足りないのかということで御議論をいただけたらと思います。
 「評価について」。 21 休止、中断、再開の事例について、少ない数ですが毎年出ています。どのように考えるか。また、どのように対応すべきか。 22 研修歯科医の到達目標の評価についてどのように考えるか。到達目標については、修了判定というのを各研修管理委員会で実施していただいていますが、今のところほとんど全ての研修歯科医が1年という研修期間をもって修了しています。その到達目標の評価について、どのように考えるかです。大きな修了判定も含めて、各細かい到達目標の評価についても、それぞれどのようにクリアしたと判定しているのかというようなあたりを御議論いただけたらと思います。
 「その他」の 23 は新たな提言です。昨年の厚生労働科学研究の中でもありましたが、歯科医師不足というものがないので、なかなか地域偏在について議論されることがなかったのですが、医師とは違う観点で、例えば歯学部付属病院がなくて、過疎地であれば毎年その県に1人若しくはゼロ人しか行かないというところもあります。それぞれのプログラムがきちんと担保されているのか。又は、その研修医は切磋琢磨できるような環境にあるのか、また、将来の歯科医師の分布についてどのような問題が出てくるか等の大きな視点をもっても、御議論をいただけたらと思います。 24 その他、臨床研修制度全般についてどのように考えるか。こちら24項目が事務局で提案させていただく論点です。以上です。

○俣木座長 
 事務局より見直しの論点について御説明をいただきました。委員の皆様からそれぞれの論点について、御意見、御質問をいただければと思います。また、ほかに追加すべき論点等がありましたら、併せて御意見をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○中島委員 
 先ほどは、資料説明についての質問ということだったので発言をしませんでしたが、資料7に提示していただいた論点に総論的なものと各論的なものがあります。本来、臨床研修制度の見直しについては、総論的なものに触れないで進めるのは余り意味のないことではないかと思っております。資料4にある大学入学から生涯研修、最後は多分、歯科医療に携わらなくなったときまでを指しているのだと思いますが、このWGの協議ではこの中の二重線に囲まれた臨床研修というところに特化して話をしましょうというのはよく理解できますが、どう考えてもここだけで特化して進めていける問題と、そうでない問題がありまして、もしここに特化して進めるのであれば、それ以外の部分については別会議でやるとか、もう少し時間をかけてじっくりやるとか、そういった議論を抜きにしてここだけ進めていくのは余り意味のないことだと感じます。私、日本歯科医師会の学術・生涯研修を担当する立場としては、一番右に「生涯研修」と小さな文字で書かれているところを担当することになります。しかし実際には、歯科医療従事者である者はここの部分が一番長いわけです。ですから、ここにうまくつながっていく研修制度を築いていかないと国民の歯科医療を支えることはできないので、生涯研修の本来の目的を達するためには、ここにうまくつながるためにはどうしたらいいかという視点で考えるべきだと思います。それが、この場で話し合うべきものなのか、若しくはまた別の大きな会議でやりましょう、今回の親会議みたいな所でやりましょうというのであれば、それはそれでお任せすればよろしいと思いますし、その辺をどうするかをはっきり決めることをしないと話が進めにくいかなと思いますので、その辺を御議論いただければありがたいと思います。

○俣木座長 
 非常に根元的な話だと思います。

○樋口委員 
 資料7の1枚目は非常に根幹に関わる話で、そのあとは全部プラクティカルな話なので、これを同レベルで扱うと1枚目が時間がかかりそうな気がします。ここら辺は並行作業でやるか、それともまずはこれを片づけないとするかは、どういう進め方をしていいかが分からないのです。事務局で、何かお考えがありますか。

○高田歯科医師臨床研修専門官 
 「基本的な枠組み」というところが総論というか、省令でいうところの大きな枠になるところで、2ページ以降が確かにおっしゃるとおり細かく、それぞれの取組等についてどうするかということです。樋口先生から並行してやったほうがというような御意見もありましたが、事務局としてはこれらの論点全体について、一番効率的・効果的に議論をいただけるなら、どのような方法でもというように考えておりますが、いかがでしょうか。

○俣木座長 
 このことについて、今後の進め方に触れることだと思いますが、いかがでしょうか。

○中島委員 
 先ほどは基本的な進め方のあり方論を話しましたが、資料5にタイムスケジュールがありますね。これは、絶対に崩せないものだと思っております。このようなどうしても崩せないタイムリミットというものが存在しますから、ある程度限度があります。かといって根本的な議論を優先し、今挙がっている具体的な臨床研修制度についての問題点をそのまま先延ばしにすることは良いことではありませんので、結論とすれば総論的な問題についてはこの場で並行してやるのは時間的に無理だと思いますので、別途、今後継続的に協議をしていくという形をとるか、別のグループを作っていただくか、若しくは親会議の方でやって、それをまた別のWGに分けるとか整理をしていただいた上で議論していくことが必要かと思います。その結果、このWGでは、どうしても総論的な問題を抜きには考えにくい問題については、総論的な問題については保留としながら、各論のみ詰める策を考えるとか、全体を保留として今後の継続審議にしていくといった方法で議論を進めていくしかないのかなと、この資料のタイムスケジュールの中での協議を見て取りましたが、そういった考え方でよろしいのでしょうか。

○高田歯科医師臨床研修専門官 
 今現在、これとは別個にまた新たに会議を設定してというところまでは想定はしておりませんので、例えば基本的枠組みにある中で、歯科臨床研修の周辺の関連する制度等についての提言は提言として取りまとめて頂ければと思います。基本的な枠組み、つまり大きな制度についての検討をしつつ、指定基準申請の制度、臨床研修体制について、それぞれの日程で御議論いただくのはいかがでしょうか。

○俣木座長 
 という提案が事務局から出されていますが、このメンバーによるワーキングで進めていかなければならないわけで、資料7の論点整理項目を上げていただきますと先ほど来御指摘のように、かなり大枠の部分と細かい各論的な部分というのがあると思います。同時進行でやるには非常に難しい面があろうということで、このやり方についてしばらく考えなければいけないと思っておりますが、いかがでしょうか。本日は、大体の意見の吐き出しというか、各委員から本日御提供いただいた資料を見ての意見の吐き出しをするのが目的でしたので、今日は非常に良い御示唆をいただいたと思います。ほかに何か御意見はありませんか。

○田山委員 
 問題の洗い出しが資料6に出ていると思いますが、研修を受ける側の意見というのが反映されるようなシステムはあるのでしょうか。

○高田歯科医師臨床研修専門官 
 今、厚生労働科学研究の中で、研修歯科医に対してアンケートを取るような研究を実施しています。この研究班の中からオブザーバーとして、どなたかに研修の実態ということでこちらの会議にお呼びする等々のやり方をもって、こちらの会議でそのような御意見についても御紹介をしていきたいと思います。また、先生方からこういう御意見について現場の意見がということであれば、そのような先生を当日お呼びして御説明をしていただく形で対応したいと思っております。

○伊東委員 
 1の基本理念で、「歯科医師としての人格を涵養し」から始まりますが、実際の現場では、例えば訪問診療でも外来でも、患者の医学的なこと、あるいは医学的なことだけではなくてその人の生活のこと、ADLをこれからの歯科医師は考えていかなければいけないのではないかなとも思うわけです。どなたもそうだと思います。それが歯科医師としてポンと出てしまうと、なんとなく反省事項に出ていましたが、局所に焦点が当たりすぎて、もう1つ手前の医療者としてとか、医療人としてとか、そんなのも必要ではないかなという気が現場ではしますが、いかがなものでしょうか。今後の論点として考えていったらと思いますが。

○一戸委員 
 大変ですが、基本的枠組みを考えないことにはというか、逆にこれがおおよそコンセンサスが得られたら、あとは施設の認定基準とか何とかは機械的な作業である部分決まりますから、時間がかかるかもしれませんがこちらの議論をやっていただいたほうがいいのではないでしょうか。

○俣木座長 
 全体の進捗状況を見ながら、同時進行で総論的な大枠、基本的な枠組みについて、できる限りのところまではやるというところで、新たにそういう委員会等は設置しないという基本方針がありますので、このワーキングの中でなんとか対応をしていくことを基本路線としたいと思いますが、いかがでしょうか。今日、皆さんからいろいろいただいた意見を取りまとめまして、これから以降のこのワーキングの進め方について事務局とも相談をして進めていきたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
 ただいま非常に様々な、しかも有益な御意見をたくさんいただきまして、委員の皆さんどうもありがとうございました。今御説明しましたように、進め方も含めて今後のやり方については、今日の皆さんの御意見を基にまたお諮りをしたいということで御了承いただきたいと思います。いかがでしょうか。よろしいですか。何か事務局から御意見はありますか。

○小椋課長補佐 
 どうもありがとうございました。今俣木座長からもありましたように、今後の進め方については皆様方からいただいた意見を基に、今後の検討会のあり方、進め方については、俣木座長と相談させていただきたいと思います。
 次回は、3月中旬ぐらいに開催を予定しております。詳細については決まり次第、先生方に連絡させていただきたいと考えております。事務局からは以上です。

○俣木座長 
 最後に言い残したこと、忘れたことはありますか。本日は長時間にわたり、御意見をいただきましてどうもありがとうございました。第1回は、これにて閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。


(了)

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